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61回国会衆議院1969/06/17

内閣委員会 第32号

発言数
558
登壇者
17
会派数
3
開催日
1969/06/17

会議録

藤田義光自由民主党

○藤田委員長 これより会議を開きます。  防衛庁設置法及び自衛隊法の一部を改正する法律案を議題といたします。  質疑の申し出がありますので、これを許します。淡谷悠藏君。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 質疑に入るに前にひとつ有田長官にお願いがあるのです。この間来、長官の御答弁を伺っておりますと、どうも声が低過ぎる。これは私は近いから聞こえますがね。ただし、この委員会には赤城、伊能とあなたの前先輩もおるわけですから、委員会に答えるつもりで、はなはだ御苦労ながら大きい声で御答弁願いたいと思います。私が聞くだけじゃしようがありませんから、その点をひとつお願いしたいのですが、いかがでありますか。

有田喜一自由民主党防衛庁長官

○有田国務大臣 つとめて大きな声で御答弁させていただくつもりでおります。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 ありがとうございました。  それでは質疑に入りますが、この間の予算委員会の第二分科会で、ことしの二月二十八日ですが、有田長官は久保三郎委員、米内山義一郎委員の質問に答えまして、水戸射爆場の天ケ森移転を考慮しておるということを発言されておる。いまでもそうお考えかどうか、お聞きしたい。

有田喜一自由民主党防衛庁長官

○有田国務大臣 水戸の射爆場の移転の問題は、ずっと前からの懸案でございまして、私も何とかして射爆場を他に移転さすべく鋭意努力をいま払っておる段階でございます。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 私が聞きたいのは、天ケ森へ、つまり三沢の基地へ移転することを考慮中だというはつきり御答弁があるのです。いまもそのお考えかどうか聞いているのです。

有田喜一自由民主党防衛庁長官

○有田国務大臣 そのことは、三沢のほうへ行くということは、それも一つの考え方じゃないかということをこの前に言ったかと思いますけれども、現段階においては、さようなことはいま考えておりません。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 じゃ、これは文字どおり考慮中というふうに受け取ってかまわないのですね。まだ確定したのじゃない、文字どおり、これは考慮中である。

有田喜一自由民主党防衛庁長官

○有田国務大臣 文字どおり既定方針によっていきたいと、こういう考えで、三沢ということはいま考えておりません。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 ちょっと気になるのですがね、キテイどおりとはどういうキテイですか。すでにきまった既定ですか、規則の規定ですか、どっちなんですか。

有田喜一自由民主党防衛庁長官

○有田国務大臣 これは前々くらいになりますか、松野防衛長官のときに、新島に移転するという既定の方針があったわけでございます。それを現在まで引き継いでおるわけであります。その既定方針に従って何とかして実現さしたいという考えのもとに、いま鋭意努力中でございます。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 どうも答弁が食い違うのですがね。移転も考慮中だ、既定どおり新島にも持っていくのだ、菊池委員はおこりますよ。おこらないですか菊池委員、新島へ持っていく既定方針は変わらぬというのですから。どっちが既定方針なんですか。移転も考慮する、既定方針も守る。これじゃ一体命令がどう出るのですか。これは号令はどうかかるのですか。

有田喜一自由民主党防衛庁長官

○有田国務大臣 それがすらすらと進めば、それほど苦労する必要もございませんけれども、何とかして既定方針で進みたいと考えまして——いま目下航空問題があるわけですよ。その航空問題につきまして、運輸省なりわがほうなり、あわせて米軍を加えまして、三者で何か調整方法がなかろうかというので、目下その方面に検討中、こういう段階でございます。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 それでは、天ケ森移転は当分考慮中というふうに理解いたします。そのときに、長官の答弁の中で、基地の実態はよく知っているとの御発言があったが、最近起こりました天ケ森の射撃、射爆と申しますか、この事件について概略の御答弁を願いたいと思います。

有田喜一自由民主党防衛庁長官

○有田国務大臣 三沢における射爆場の問題につきましては、施設庁長官をして答弁させていただきます。

山上信重防衛施設庁長官

○山上政府委員 三沢の対地射爆撃場におきまして最近起こりました問題とおっしゃいましたのは、三沢の射爆場におきまして、去る五月にナパーム弾の射撃演習があったことが新聞に報ぜられた、おそらくこのことではないかと思いますが、そのことにつきましては五月十三日でございましたか、米軍がナパーム弾の射撃訓練を当時三沢の対地射爆難場において実施いたしたという事実がございます。その当時、従来ナパーム弾の射撃演習は年に四、五回もしくは五、六回くらい実施されておりましたが、最近あまり実施されておりませんでしたので、去る十三日にさような射撃演習がありまして、地方の人にある程度の御影響を与えた、それが新聞紙上に報道された、かように承知いたしておる次第でございます。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 長官は、その事実を御承知なんですか。

有田喜一自由民主党防衛庁長官

○有田国務大臣 施設庁長官から、その報告は受けました。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 それじゃ、基地の実態をよく知っているのは施設庁長官であって、有田長官じゃなかったわけですか。こういうものがその当時演習から拾得されているのですが、私武力についてはしろうとでございますので、これは何のたまか御判定願いたい。委員長、これを防衛庁のほうに御提示願います。   〔淡谷委員、委員長にたまを提出〕

山上信重防衛施設庁長官

○山上政府委員 私は専門的知識を必ずしも持いておりませんので、ただいま私の部下からの報告によりますと、これは二十ミリの機関砲ではなっか、こういう話でございます。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 二十ミリの機関砲というのですか。もう一ぺん確かめておきます。

山上信重防衛施設庁長官

○山上政府委員 さようであると考えております。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 シビリアンコントロールといっても、やはり幕僚陣までコントロールしなければ、シビリアンコントロールにならないのです。したがって、コントロールするシビリアンのほうで、現に日本国内で行なわれている米軍の演習に使われているたまの種類までわからぬというのでは、ちょっと困る。正確なお答えを出していただきたい。  なお、そのたまを使ったかどうか知りませんけれども、今度の射爆は飛行機でやっているのが非常にあぶない点ですね。これもおそらくは、長官御存じないでしょう。基地の実態をおわかりになっておると言いますが、全く戦争状態ですよ。黙って見せたら、これはベトナムの戦争だと思うでしょう。ひとつ、これもじっくりごらん願いたい。こういう演習が具体的に行なわれている。   〔淡谷委員、委員長に写真を提出〕  ごらんになったと思いますから、質問しますが、一体それは機関砲の演習ですか。そのたまは現場で取得されている。演習のあとに、それが落ちているのです。機関砲でやっている演習状態でしょうかね。何の演習と鑑定しますか。敵状偵察はいかがでございますか。

山上信重防衛施設庁長官

○山上政府委員 どうも淡谷先生のお持ちの写真でございますので、私、これの一々について、どういう演習であるかということを的確にお答えいたしかねるのでございますが、煙がもうもうと上がっているのは、これはおそらくナパームの演習をいたしたものであり、飛行機が飛んでいるのは、その返転したときの姿ではないかと考えております。したがいまして、落ちておるたまとナパームとは、これはまた一応別のものではないかと考える次第でございます。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 そのたまは、あとでもっとほんとうの判定をしていただきたいのですが、私もそれはナパーム弾であるという断定はいたしません。しかしこの写真は、社会党の資料はいつでも出所が不明だとかなんとか言われますけれども、天ケ森現地の川島町内会長が非常な苦心の末撮影したものなんです。現場はカラー写真で、火が燃えている色まではっきり写っております。これは三沢市役所が現物を持っておりますから、疑わしいと思ったら、あとで確かめてください。さっき長官がおっしゃったナパーム弾の演習というのは、そういう状況で行なわれているということをはっきり御認識ください。そのたまはナパーム弾かどうか知りませんけれども、ナパーム弾は国際法的にもいろいろ問題がある武器でしょう。それが日本の国土の中で、たとえ演習とはいえ使われているという事実を、一体長官どう考えられるか。そのために地元の諸君が非常なあぶない目にさらされている実態を、長官御存じですか。

山上信重防衛施設庁長官

○山上政府委員 ナパーム弾の演習につきましては、誤投下による事故を防ぐということは当然必要なことでございますので、演習をいたしますときには、海岸と並行して侵入し、そしてあまり高くならないように、最高二百フィート以内というような高度で侵入してきまして、そうして投下後海上に反転するというような方法によりまして、いろいろ事故が発生しないように未然に防いでいる次第であります。今日までこのナパーム弾の演習によって特に事故が起きたということを伺っておりませんので、これにつきましては、米軍自身においても演習に際して十分に注意いたしていると思います。また、私のほうといたしましても、これらの演習に際していろいろ事故の起きないように今後とも注意をしてまいりたい、かように考えている次第であります。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 ナパーム弾の訓練中における誤落下の事実が最近どのくらいあったか。天ケ森射爆場におけるその実情を少し詰めていきたいのですが、これは長官、何か資料をお持ちになっておりますか。

山上信重防衛施設庁長官

○山上政府委員 三沢対地射爆場周辺におきます事故の問題は、三沢以外の対地射爆場、水戸、芦屋等にもございますが、昭和三十年ごろは相当事故の数が多かったようでございますが、その後年年減少の傾向をたどっておるのでございまして、私のほうで確認しております事故の数といたしましては、四十三年度、昨年度におきましては、航空機の墜落事故はございません。模擬弾の誤落下が三件ということに相なっております。ちなみに四十二年度におきましては、誤落下が二件、その他が四件、合わせて六件、そのまた前年の四十一年度におきましては、航空機の墜落一件、模擬弾の誤落下が一件、その他一件、計三件ということになっている次第であります。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 二十四年の二月三日に作業中のブルトーザーが八十四発被弾している、この事実はお確かめになっておりますか。

山上信重防衛施設庁長官

○山上政府委員 占領中の事故でございますので、ただいま私、資料を持ち合わせておりませんが、調べればわかるかと思います。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 しらべていないわけですか。四十年ですよ。

山上信重防衛施設庁長官

○山上政府委員 二十四年とおっしゃいましたが……。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 四十年の二月三日ですから、これはわからぬことはないと思います。四十年が占領中では困ります。あわてないでゆっくり御答弁願いたい。私はおとなしくきちんと質問しますから。

山上信重防衛施設庁長官

○山上政府委員 先ほど私二十四年と伺いましたものですから、占領中と申し上げてまことに恐縮でございます。四十年でございますか。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 正確に申し上げますが、昭和四十年の二月三日でございます。

山上信重防衛施設庁長官

○山上政府委員 四十年の事故といたしましては全体で十三件、発生いたしましたのは最初が四月十六日に青森県の六ケ所村に模擬弾が落下したということには承知いたしておりますが、二月三日の事故については、ただいま手元に資料がございませんので、お答えいたしかねる次第でございます。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 資料がないだけじゃちょっと私納得いかない。これはもう地方では明確にわかっていまして、大問題を起こしているのですよ。同じ誤射であっても、まずい誤射だったらこっちは聞き直さなければならない、また緊急を要するから。同じ誤射であってもいい誤射だったのですね。そのために人は死ななかった。八十四発も被弾して、幸い車だけで終わったことは、これは好都合なんです。しかも飛行機の射爆の目標は黄色に塗った廃車なのです。ブルドーザーは黄色く塗っている。そのために起こった誤射とも言えますがね。ブルドーザーが作業しているか、していないか、確かめないで射撃を加えるということはあってはならない。幾ら便宜を提供しても日本の風土でしょう。それを施設庁、どの程度把握しておるのですか、資料がないというのでは納得できません。はっきりおっしゃってください。

山上信重防衛施設庁長官

○山上政府委員 私の舌が足りませんで、申しわけございませんでした。ただいま申し上げましたのは、米軍の事故を主体に資料で申し上げたので、件数もそれを前提にいたしておりまして、ただいまの事故は自衛隊の事故であったであろうと思います。したがいまして、防衛庁のほうからお答えしていただくようにしたいと思います。

宍戸基男防衛庁防衛局長

○宍戸政府委員 急なお尋ねで、かつ私当時防衛局長をしておったわけではございませんので、正確に申し上げられるかどうかわかりませんが、いま担当者に聞きましたところが、四十年の二月ころと思われますが、自衛隊のF86Fの航空機が射撃の訓練をいたしているときに、先生のおっしゃる黄色いブルドーザーを間違いましてその付近に誤射をした、幸いけが人はなかったというふうな事故があったということでございます。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 これは新しい問題というのは起こるのですがね。天ケ森の射爆場というのは米軍の射爆場じゃないのですか。自衛隊と米軍とが共用している射爆場ですか。

山上信重防衛施設庁長官

○山上政府委員 天ケ森の射爆場は、これは米軍提供施設の射爆場でございまするが、これにつきまして自衛隊が米軍の管理権に基づきまして、現在共同使用をいたしておる次第でございます。なお、共同使用を二条四項によるところの共同使用に切りかえる手続をただいま進行中でございます。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 防衛局長、これは地元には非常に大きなショックを与えた事件なんです。地元では米軍の飛行機か自衛隊の飛行機かわかりませんのです、あなた方専門家は別として。自衛隊と米軍の共同使用によって、その損害は一体どこが賠償するのですか。賠償責任及び交渉の相手はどこになります。米軍の射爆場は米軍が管理することは事実です。そこを自衛隊が使わしてもらった。この最終的な責任はどっちにあるのですか。

江藤淳雄防衛庁参事官

○江藤政府委員 米軍に提供した演習場を自衛隊が地位協定の第三条あるいは第二条第四項の(a)によって使用しておりますが、ここで事故が起きまして、自衛隊の演習による事故であるというふうに判明したものにつきましては、防衛庁のほうで補償いたしております。しかしながら、それがどちらの事故であるかあるいはどちらの訓練によって起きた災害であるか不明の場合におきましては、米軍提供演習場でございますので、これを一括して防衛施設庁のほうで米軍演習場に関連する損害賠償として実施いたしております。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 あなた方は何条何条と言えば法律がはっきり頭に浮かぶでしょうが、一体何法の二条四項に基づくのですか。法律の提示がないじゃありませんか。刑法なのか、何ですか一体。

江藤淳雄防衛庁参事官

○江藤政府委員 安保条約に基づく地位協定の二条四項(a)または三条でございます。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 ひとつ委員会のためにその項目をお読み願います。

江藤淳雄防衛庁参事官

○江藤政府委員 地位協定の二条四項(a)は「合衆国軍隊が施設及び区域を一時的に使用していないときは、日本国政府は、臨時にそのような施設及び区域をみずから使用し、又は日本国民に使用させることができる。ただし、この使用が、合衆国軍隊による当該施設及び区域の正規の使用の目的にとって有害でないことが合同委員会を通じて両政府間に合意された場合に限る。」  第三条第一項は、「合衆国は、施設及び区域内において、それらの設定、運営、警護及び管理のため必要なすべての措置を執ることができる。日本国政府は、施設及び区域の支持、警護及び管理のための合衆国軍隊の施設及び区域への出入の便を図るため、合衆国軍隊の要請があったときは、合同委員会を通ずる両政府間の協議の上で、それらの施設及び区域に隣接し又はそれらの近傍の土地、領水及び空間において、関係法令の範囲内で必要な措置を執るものとする。合衆国も、また、合同委員会を通ずる両政府間の協議の上で前記の目的のため必要な措置を執ることができる。」以上でございます。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 御苦労さまでした。  そこでその条項に基づいてその事件はどう処理されたのですか。またその演習は合同演習だったのですか、あるいは自衛隊単独の演習だったのですか、詳細に御説明願いたい。

江藤淳雄防衛庁参事官

○江藤政府委員 この四十年二月の演習は自衛隊のF86が射撃訓練の練度を上げるための独自の演習でございます。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 補償は自衛隊がやりましたか。

江藤淳雄防衛庁参事官

○江藤政府委員 賠償の金額についてはいまはっきりいたしておりませんが、自衛隊の行為による事故であることがはっきりいたしておりますので、自衛隊のほうで損害賠償をいたしております。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 その具体的な金額、それから交付した相手方、早急にひとつお出し願いたい。私はいますぐ出せということを要求しますよ。というのは、自衛隊で、あるいは施設庁で出した手形は当てにならぬです。あとで払う、あとで払うと言って、私に一体、あなた何枚預けたと思いますか。不渡りになろうとしていますよ。念のために増田前防衛庁長官に、この手形は不渡りにしますかと言ったら、不渡りにいたしませんと答えた。まだもって払わぬじゃないですか。至急払っていただきたい。もし証文がなければ、ここに速記録がありますから、私はそれを受け取っているという証文を全部出しますよ。出されるまでもなく、私に対して約束したのは、委員会の一時的なごまかし答弁じゃなかったでしょう。山上長官も答えています。増田長官も答えています。もう借りたことさえ忘れているような無責任な態度は許せませんから、この際一括して出していただきたい。これはしかしいまないと私は言わせませんよ。質問の前に、預かった手形の決済は迫りますよと言ってあるのですよ、私に質問の内容を聞きに来た人に。不意打ちの質問じゃないのです。委員会の答弁がいいかげんなものでなかったならば、すみやかに決済してもらいたい。

江藤淳雄防衛庁参事官

○江藤政府委員 いま調査いたしておりますので、その資料を……。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 一枚か二枚の手形ならがまんしますけれども、私はちゃんと心得ておるんだけれども、五、六枚あるんですよ。全部払えとは言いません。まけてあげてもいい。しかし重要なものだけはやはりはっきりいま答えてもらわなければ、あとでといわれると、あとになってしまうのです。即座に御答弁願います。

藤田義光自由民主党

○藤田委員長 淡谷委員に申し上げます。いま調査中のようでございますから……。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 調査中で済むならいいんですが、この前に二度も三度も調査中で延ばしてあるのです。まるでへたな借金の言いわけみたいに、待ってくれ、待ってくれでは待てませんよ。ここまでくればもう延長国会もだんだんなくなりますから、節季みたいなもので、いまどうしても取らなければ不渡りになりますから、ぜひやってもらいたい。

有田喜一自由民主党防衛庁長官

○有田国務大臣 いま淡谷委員の御質問のことにつきましては、担当官がここにいないために、いま連絡して、どういうことになっておるかということをすぐ取り調べた後報告することになっておりますから、その結果によって、その報告を得た上で答弁するようにしたいと思いますから、お含みを願います。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 待ちますよ。

藤田義光自由民主党

○藤田委員長 ちょっと速記をとめて。   〔速記中止〕

藤田義光自由民主党

○藤田委員長 速記を始めて。

伊能繁次郎自由民主党

○伊能委員 議事進行。ただいま淡谷委員の御質問について防衛庁長官から、調査の上というお話がありましたが、その調査の所要時間をお確かめの上、本委員会に支障のない限り、至急調査を求めて、その間できれば淡谷委員に他の質問について御進行願いたい、かように提案いたします。

藤田義光自由民主党

○藤田委員長 ただいま伊能委員からの御発言に対して、防衛庁どのくらい時間が必要か、御答弁願います。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 いまの御発言について言いますが、どうも出ないのは出ないままにしてすぐ質問を進めていくような御発言についてはとても私はできません。この前それで五回もやっているのです。あとで資料出す出すといって五回ありますよ。したがって、やはりこの御答弁によって私の論旨が進むのですから、この御答弁があるまでは審議はちょっとむずかしい。   〔「時間はどうなんだ」「委員長、時間を明確にしてください」と呼ぶ者あり〕

伊能繁次郎自由民主党

○伊能委員 私から議事進行の動議を出したわけですから、時間をはっきりしてこの結末をきめませんと、淡谷委員に御迷惑をかけますから、その点明確にしていただきたい。

藤田義光自由民主党

○藤田委員長 防衛庁当局に申し上げます。どのくらいで答弁できますか、はっきりしてください。   〔「委員長の質問にも答えられないのか」「時間を区切ったほうがいい」と呼ぶ者あり〕

藤田義光自由民主党

○藤田委員長 十一時五十分まで休憩いたします。    午前十一時二十四分休憩      ————◇—————    午後零時三分開議

藤田義光自由民主党

○藤田委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  質疑を続けます。淡谷悠藏君。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 休憩前の誤射事件の賠償の件、資料出ましたらお答え願いたいと思います。

佐々木達夫防衛庁経理局長

○佐々木(達)政府委員 事前の調査が不十分で御休憩になりましたことに深くおわびをいたします。  昭和四十年二月三日の誤射事件に関しましてただいま調査いたしましたところ、当時十和田市の佐川組所属のブルドーザーの付近に誤射したという事件でございまして、部隊でさっそく行って調べましたところ、人員、機材等には損害ございませんでしたので、賠償金としては支払いませんでしたが、深く陳謝いたしましてこの件は円満に解決したということの報告を受けております。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 長官、お聞きになりましたか。さっきは金高は不明ですけれども損害賠償いたしましたと言うから聞いたのです。いまの答弁は全然違うでしょう。ここの答弁はいいかげんにやってもらっては困るのです。  なお、あらためてお聞きしますが、いまの向こうの名前がはっきりしませんでしたので、聞き取れるように御答弁願います。

佐々木達夫防衛庁経理局長

○佐々木(達)政府委員 十和田市の佐川組でございます。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 わかりました。  この組は射爆場の工事を請け負っている組ですね。確かめておきます。

佐々木達夫防衛庁経理局長

○佐々木(達)政府委員 確かにそうだと思います。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 これはしかしずいぶんたくさんのたまを受けているのですから、八十四発ですね、機材に損害なかったわけじゃないのでしょう。非常な危急感もあったでしょう。これは工事にからんで賠償しなかったのかもしれませんけれども、確かめておきたいのは、この誤射したときの演習はどういう演習だったのです。たまはどんなものを使ったのですか。これは自衛隊のほうでわかりますか。

宍戸基男防衛庁防衛局長

○宍戸政府委員 航空自衛隊の訓練でございまして、先ほどF86Fと申し上げましたが、調査の結果F104でございますので、その点は訂正させていただきます。二航団のF104の空対地の射撃訓練でございまして、二〇ミリ機関砲の射撃訓練を実施中の事故でございます。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 二〇ミリ機関砲の射撃と申しますと、さっきのたまと同じようなものですか。

宍戸基男防衛庁防衛局長

○宍戸政府委員 さっきのは二〇ミリ機関砲らしゅうございますが、これは米軍のと思われますが、自衛隊の二〇ミリ機関砲も大きさはあの程度のものと思われます。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 これはたとえ模擬弾であっても被弾があると人命にかかわりますね。これは人命にかかわる演習ですね。こんなのは米軍にあらかじめこういうふうな演習をするということを断わって使わしてもらっておるのですか。

宍戸基男防衛庁防衛局長

○宍戸政府委員 そのとおりでございます。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 それで、問題のナパーム弾の射撃の問題ですが、この場合に自衛隊はやはりその場におったのですか、いわゆる観戦しておったのですか。それとも単独の米軍の射撃訓練であったかどうか。

山上信重防衛施設庁長官

○山上政府委員 去る五月のナパーム弾の演習におきましては、これは米軍単独のものであって、自衛隊との共同ではございませんと承知いたしております。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 一たん提供した射爆場というのは、あとは全然施設庁は無関係で、何の演習をやろうと一向おかまいなしという形の射爆場の提供ですか。訓練その他に何か制約がありますかどうか。

山上信重防衛施設庁長官

○山上政府委員 通例提供施設につきましては、提供の状態におきまして米軍の安全保障条約履行のためというようなことで、その内容について制限をつけていないのが多うございますが、この射爆演習場につきましては、それぞれの演習場におきまして米軍が使いますところの兵器といいますか、そういったようなものについて、こういう範囲のものであるという制限をいたしております。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 長官がやはり予算委員会の第二分科会で答えた中に、訓練種目は限定してありますという明確な答弁をされておる。どんなことを限定されておるのですか。

山上信重防衛施設庁長官

○山上政府委員 三沢につきましては機銃弾、ロケット弾それから模擬爆弾、ナパーム弾この範囲の弾種を使う演習ということに限定いたしておる次第でございます。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 核弾頭をつけない核爆弾の訓練演習は限定されておりますか、されておりませんか。

山上信重防衛施設庁長官

○山上政府委員 模擬爆弾の範囲という範囲であれば、これは演習範囲に入っておると考えております。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 核弾頭さえつけなければ、核爆弾の演習もやってよろしいということですね。

山上信重防衛施設庁長官

○山上政府委員 模擬爆弾といたしましては二千ポンド以下の模擬爆弾ということに限定いたしておりまして、そのかっこうとか態様とかいうようなことについては、特段の制限をいたしておらないということでございます。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 爆弾の形あるいは重量などじゃなくて、演習自体の、核爆弾投下演習と普通の爆弾投下の演習とは形が違うでしょう。核爆弾投下の場合は核爆弾投下の演習の方式があるはずですね。それは許しているのですか。

山上信重防衛施設庁長官

○山上政府委員 特段と核爆弾の模擬爆弾というような表現もいたしておりませんが、ただ、要するに二千ポンド以下の模擬爆弾、実弾でない模擬爆弾という方法、そういうものを使用して演習するときには人口稠密地帯の上空を避けるということと、それから事故防止のために陸上標的に対しては海に向かって撃つようにするというようなことを話し合いできめておるということでございます。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 あまり用心しないで御答弁願いたいのです、別に伏線はありませんから。  しかし、確かに核爆弾の投下訓練あるいは投下演習というものは一般爆弾とは違った形式を持っておりますね。ですから、ただいまの種類いかんにかかわらず、たとえば急降下をして投下したあと、ある一定の時間、一定の高さに待避するといったような訓練は、核爆弾の訓練の中にもあるわけですね。ですから、そういうふうな模擬弾を使っての核爆弾投下の演習などは別に制限してないですね。

山上信重防衛施設庁長官

○山上政府委員 先ほどからたびたびお答え申し上げますように、核云々ということに触れないで、実弾をつけない模擬爆弾であって、要するに普通爆弾といえども、実弾を詰めたものでない模擬爆弾、そしてそれは急降下反転投下訓練は認めている、こういうことになっております。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 模擬爆弾の中には、普通爆弾、核爆弾を含む、こう理解してよろしいですね。

山上信重防衛施設庁長官

○山上政府委員 特段と模擬爆弾の種類については特定いたしておりません。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 制限していないということは、核爆弾の模擬弾も演習には使ってよろしいということになりますね。どうも、制限していなければそうなりますが、核爆弾に対する特別な制限はない、こう理解してよろしいですね。

山上信重防衛施設庁長官

○山上政府委員 核爆弾についての制限がないとはいえないのでございまして、核爆弾等は当然投下できないというふうに理解しております。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 だいぶ答弁が違うじゃないですか。さっきは制限をつけない、核弾頭のあるものはむろん制限しているのでしょうけれども、使ってはたいへんですから。しかし、模擬弾の中には核爆弾、普通爆弾と区別してないといまあなた答えたじゃありませんか。たったいまの答弁と食い違っては困りますよ。制限はない……。あるのですか。

山上信重防衛施設庁長官

○山上政府委員 模擬爆弾でありますれば、その中の制限は重量二千ポンド以下ということに制限しておるだけでございます。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 核爆弾の制限はない、そうなるでしょう。そうなるじゃありませんか。はっきりした論理をもって答弁してください。

山上信重防衛施設庁長官

○山上政府委員 何べんも申し上げますとおり、核爆弾は認めておりません。模擬爆弾の態様については制限をいたしておりません、こういうことでございます。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 何の模擬なんです。実物があっての模擬でしょう。模擬爆弾という特殊なものじゃないでしょう。何らかの模擬でしょう。その中に核爆弾と普通爆弾との区別がありますか。あなた、ないと言ったでしょう。それは模擬爆弾である限りは核爆弾でも普通爆弾でも制限はないととるのがあたりまえじゃないですか。委員会で議論するときにははっきりした論理の筋を追わなければ議会制民主主義は成り立ちませんよ。詭弁は許されないです。くどいようですが、その点は明確にしておきたい。

山上信重防衛施設庁長官

○山上政府委員 模擬爆弾でございますれば特別に態様を問わないということでございます。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 わかりました。やはり私の結論どおり、態様を問わなければ核爆弾の模擬弾である限りは演習は制限しない、こう理解いたします。  ところで、ナパーム弾の演習の場合に韓国の将校がおったといううわさが伝わっていますが、これは確かめておりますか。

山上信重防衛施設庁長官

○山上政府委員 この点については確かめました。五月の十三日における演習におきましては、韓国の将校等が立ち会ったあるいは演習に参加したというような事実はございません。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 あなたは五月二十八日付の読売新聞「ナパーム弾の演習やめろ」という見出しのこの記事はお読みになっていますか。この中には米軍の三沢基地広報部長レオ・A・サンチェヌ中尉と、はっきり個人の名前をあげて「五月十三日にナパームの演習をしたのは事実だ。目的は韓国軍将校にナパームの威力を知ってもらうためだ」とはっきり書いてある。それから鶴崎敏防衛施設庁施設部長の話は「以前、三沢上空での南北飛行をやめてほしいという申し入れのようなものがあったことは聞いたことがあります。しかし、それ以上のことはなにも知りません」、こういう答弁です。それじゃ、これは広報部長のレオ・A・サンチェヌ中尉がうそをついたというふうに理解してよろしいですね、いないものをいたというならば。

山上信重防衛施設庁長官

○山上政府委員 これはどういうふうな事情の新聞報道か存じませんが、演習場で五月十三日に行ないました際は、在韓米第八軍の将校が演習に立会したという事実はございます。したがって、あるいはその将校がことばを詰めておっしゃったのかもしれないと思いますが、その後私どもが何べんも確かめましたが、これは、第八軍の将校がその際立会した、韓国におる、在韓の第八軍将校、米軍でございますが、その将校がおったということでございます。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 在韓米軍というのは韓国軍将校になりますか。

山上信重防衛施設庁長官

○山上政府委員 それは私、違うと思います。おったのは米軍だと思います。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 私は新聞がそうでたらめな記事を書くとは思わないのです。特に読売のような大新聞が……。ここでこの新聞の記事がうそだと言われたら、読売はおさまらぬ。三つありますよ。防衛庁がうそをついたのか、この広報部長がうそをついたのか、でなければ新聞の誤報か、この三つしかないでしょう。どうです。ほかにありますか。

山上信重防衛施設庁長官

○山上政府委員 おそらく在韓米軍をことばを詰めて申したのではないかと、これは想像するわけでございます。しかし、これは想像でございますから不確定でございます。しかし、おったのは第八軍米軍でございます。それが正しいのでございます。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 この新聞報道は有田長官読まれましたか。

有田喜一自由民主党防衛庁長官

○有田国務大臣 確かに、その新聞を読みました。読みましたがゆえに、その事実を至急確かめるように言って、よく調査いたしました。その結果が、いま山上施設庁長官が答えたとおりである、こういう報告を受けております。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 私は防衛施設庁なりあるいは防衛庁あたりの答弁が常に変わらなければ別に追及しませんよ。きょうの答弁はきょう変わっているでしょう。さっきは練習機の機種まで変わっているじゃないですか。休憩前の答弁では、F86となっておる。休憩後はF104になっている。自分の隊の練習機まで一日のうちに変わるような答弁、いまの確信のある防衛施設庁の答弁ではございますけれども、一体どこへ確かめたのです。長官、どこへ確かめたのです。

山上信重防衛施設庁長官

○山上政府委員 現地において現地軍当局並びに中央におきましては外務省を通じ米軍当局にいずれも確かめたわけでございます。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 外務省の米軍担当ですか、何ですか。いまのは外務省のどこに確かめたのです。もっと明瞭に言ってください。

山上信重防衛施設庁長官

○山上政府委員 アメリカ局安全保障課であります。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 長官もこの新聞読まれたならば、なぜ当の米軍に確かめてみないのです。広報部長ですよ。単なる雑音と違うのです。基地の広報部長です。広報部長が名前まで明らかにした報道ですよ。これが違っておったら、なぜ本人に向かって確かめないのです。あなたの言っていることは間違っている、韓国将校いなかったじゃないか、これで初めて事が明瞭になるでしょう。言った本人も確かめないで、日本側のほうだけ確かめておいて、それでは間違っておりましたというのでは、国際信義上よくないでしょう。そうじゃないですか。

山上信重防衛施設庁長官

○山上政府委員 この種事案につきまして中央において確かめる場合は、正確を期するために外務省を通じて調査をいたしたのでございます。なお、現地におきましては、三沢の米軍当局に対し、当方の事務所長から直接確かめておる次第でございます。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 それじゃ、現地の米軍当局はこの発表を何というふうに答えたのです。あれはうそでしたと答えましたか。

山上信重防衛施設庁長官

○山上政府委員 事実について確かめたのでございますから、特段とその記事の真偽云々というふうな確かめ方をいたさなかったために、ただいま申し上げたとおり以上には出ない次第でございます。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 これを確かめるお気持ちはありませんか。米軍の広報部長が偽りの発表をしたのじゃ今後困るでしょう。現地三沢ではさまざまなうわさが飛んでいますよ。このうわさが一々うわさとして広がるだけじゃ、はっきりした実態がつかめない。端的に言えば、あそこに核兵器の貯蔵さえあるといううわさが広まっているのです。これはそれじゃ、長官、はっきり確かめる権限、査察する権限が日本にございますか。米軍を信用するよりしかたがないでしょう。総理答弁も常にそうです。持ち込まないと言うのだから持ち込まないでしょうというのが核兵器に関する総理の答弁じゃなかったですか。信じる以外に方法はありません、総理がそう言う。われわれは、やはり米軍のこの広報部長の発表が偽りであったとなれば、根本的な国際信義の上に大きな影響があります。じゃ、この誤った広報部長の発表を、現地ではどういうふうな処置をしましたか。確かめましたか。これは大きな影響を与えていますよ。もうすでにベトナム戦のあとは、朝鮮の情勢が非常に険しくなっているというのは常識じゃないですか。その場合、ナパーム弾の演習に米軍の将校がいたのか、在韓米軍の将校がいたのか、韓国軍の将校がいたのかじゃ、国民の認識の上に非常に大きな差がある、そう思われませんか。したがってこの際、広報部長の発表が誤っておったのか、誤ってないのか、これは明確に確かめる必要がある、この意思はありませんか。

山上信重防衛施設庁長官

○山上政府委員 当時、たまたま当事務所の所長もその演習におりましたので、この事実については間違いがないと思っております。私の申し上げておることに間違いがないと思っております。これは現地についても確かめました。すべて誤りがない、かように考えておる次第であります。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 主観的に誤りがないと考えるだけではしようがないでしょう。あなたのほうではいないと言う。向こうはおったと言う。全く反対の結論じゃないですか。どっちを信ずればいいのです。佐藤総理は、米軍のことを信じろと言いますよ。施設庁長官は、われわれ認識したのだから、現地の施設庁の出先がそう言うのだから信じます——どっちを信ずればいいのです。全然これは反対の報道です。反対の答弁です。どっちをとればいいのです。

山上信重防衛施設庁長官

○山上政府委員 たびたび申し上げておるとおり、私の申しておるのが正しいと思っております。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 有田長官にお答え願いたいのですが、これは防衛施設庁の長官だから、施設庁の役人の言うことを信、ずるでしょう。信じなければちょっとつとまらない。長官はこの報道を、アメリカのしかも公式の広報部長の発表に信頼性がないとお思いか、思わないか。

有田喜一自由民主党防衛庁長官

○有田国務大臣 私は施設庁長官の申しておることが正しいと信じております。なお、アメリカの広報部長さんですか、それがどう言ったかということは、新聞記事では拝見しましたけれども、その事実は確かめておりません。私どもがアメリカ軍を信頼するというときは、われわれに向かっていろいろ言われるときは、これはお互いに日本の防衛に対して共同責任を持っている間柄ですから、それは信頼しておりますが、外部といいますか、新聞には誤報ということがたびたびあるので、その点は確かめておりませんが、これは私はどうのこうのと言う筋はないと思っております。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 長官、いまの答弁は非常に重大な発言ですよ。あなたは公式な防衛庁の長官なんです。あなたに対してアメリカ軍の言うことは、これは国民全体に対して言うことです。防衛庁長官という地位を通して国民全体に言うことです。その場合に、総理はアメリカ軍が言うことだからうそはないでしょうと無条件に信じているでしょう。したがって、今後アメリカ軍が幾ら核兵器を持ち込んでいないと言っても、持ち込んでいるかもしれないという仮定が成り立ちますね。三沢にもアメリカ軍がいかに核兵器を持ち込んでいないと強弁しようとも、これは信頼できないのだ、こう思ってよろしいですか。もしくは、ついでに言っておきますが、この新聞が誤報だと言うならば、こうした重大な問題の誤報をなぜ取り消しを要求しないのです。これは新聞社としてもおさまらぬと思うのですよ。この重大な発表が誤報であって、米軍の広報部長の発表がうそであって、施設庁の出先の言うことだけを有田長官が信用するのだとなったら、これは大問題になりますよ。

有田喜一自由民主党防衛庁長官

○有田国務大臣 淡谷さん、少し私の言ったことを聞き違いされておるのじゃないかと思うのですよ。私は米軍がわれわれに向かって公式に言うときは、これはもう信頼するということです。しかし読売新聞か何かに言われたことが事実かどうかということは、私は確かめておりませんが、それはやはりたまにはことばの間違いもあるかもしれません。さっき、これは推察の域にすぎませんが、在韓米軍のおったことは事実ですから、それが何かの間違いで、あるいは韓国軍と言われたのではないかと思うのですが、その辺は私はわかりません。わかりませんけれども、少なくとも日本政府に向かって公式に言われるときは、私は信頼している、こういうことを言っておるのですから、それはひとつ誤解のないようにお願いいたします。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 あなた、公式に確かめてみましたか。この問題をなまじっか、ただなまけておけばいい問題と思っては困る。地元は非常な不安を持っているんですよ。それくらい行き違いがあったらなぜ公式に米軍に確かめてみないのですか。新聞が誤報したら、こういう重大な誤報をなぜ訂正しないのですか。これがあなたの責任じゃないですか。私は聞き間違えておりません。今後国民のアメリカに対する信頼性に大きなひびを生じます。アメリカの広報部長なんというのはでたらめを言うんだ、新聞記者に向かって何を言うかわからぬというふうに考えてよろしいのですか。そう思ってよければそう思いますよ。

有田喜一自由民主党防衛庁長官

○有田国務大臣 別に広報部長がでたらめということは私は言っていないのです。その辺のことは私はわからない、こういうことを言っているのです。まあいろいろ調べた結果、いま施設庁長官が答弁したことは、これは私は正しい——施設庁長官が言うから正しいというんじゃなくて、施設庁長官も信頼しておるけれども、施設庁長官が何回もそういういろいろなことで調べておりますから、私はそれを信ずるよりほかに道がない。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 あなたは基地の実態はよく知っているという発言も前にあったんです。あなたの基地に対する知識というのは施設庁長官を通した知識ですね。この重大な問題をはっきり報道が違い、あるいは発表が違っているのを、なぜ確かめてみる気にならないのですか。これからでも確かめに行きますか。米軍自体に対して直接公に確かめてみますか。ナパーム弾の演習には韓国の将校がおったのかどうか、米軍から確かめてみるだけのことは、これは施設庁だってできるでしょう。どうしても出先のこっちの人を信用して、この発表は誤りだった、ことばの違いだった、新聞のミスだったというふうに割り切れますか、一体。

有田喜一自由民主党防衛庁長官

○有田国務大臣 いまの問題は、さっき山上長官が御答弁申していましたように、外務省を通じて向こうのほうにも、米軍のほうにも確かめたんですから、だから私たちは、単に日本の機関がこう言ったからそれを信ずるだけじゃなくて、これはそういう面も確かめておりますからこれは間違いないことである、かように考えております。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 外務省のだれがこの三沢の軍のだれに確かめたんですか。この報道は人の名前が出ているんですよ。広報部長としては名前を出した発表ですから、そう簡単にうその発表と思われたらたいへんですよ、公職にあるものですから。

有田喜一自由民主党防衛庁長官

○有田国務大臣 この問題は政府委員をして答弁させます。

鶴崎敏防衛施設庁施設部長

○鶴崎政府委員 ただいまのナパーム弾の問題に関連した発表につきまして外務省の安全保障課のほうから在日米軍の第五部のほうに、韓国軍がいたという発表になっているかどうかということを事実かどうか確認をいたしましたところ、在日米軍としてはそのような事実はないという返事をいただいております。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 在日米軍というのは一体どこの在日米軍ですか。

鶴崎敏防衛施設庁施設部長

○鶴崎政府委員 韓国軍がいたという報道があるが事実であるかという質問をしたのに対して、韓国軍はいない、在韓米軍であったという回答がきております。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 正式の回答ならば回答文書を、あとでよろしゅうございますからお出し願います。  私言っているのは、外務省のだれが米軍のだれから確かめた報道かと言っているんです。これは簡単に済ませられる問題じゃない。特にいまの在韓米軍の問題を言いましたが、在韓米軍の行動範囲はどこからどこまでなんですか。これは長官にお聞きします。

有田喜一自由民主党防衛庁長官

○有田国務大臣 もちろん在韓米軍の行動範囲といいますか、その任務は韓国の範囲内、かように考えております。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 それではどうして日本に来ているのです。韓国の範囲ならば一体日本にはどうして来ているのですか。

有田喜一自由民主党防衛庁長官

○有田国務大臣 それはいろいろと視察といいますか、米軍の演習の視察とかそういうことでこれは来ておる。これは視察といいますか見学ということはよくありがちのことでございますから、この行動まで縛るわけにいかぬのじゃないか。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 それじゃ米軍の広報部長の言うことは、韓国軍将校にナパームの威力を知ってもらうためだというのは、在韓米軍の将校にナパーム弾の威力を知ってもらうためだと直せば合うのですか。米軍が米軍の将校にナパーム弾の威力を見せるのですかね。これは何のためです。観戦なんですか。

山上信重防衛施設庁長官

○山上政府委員 これは、たまたま第八軍の将校が日本にオリエンテーションに見えた、その機会にこの演習をやっておるところを見せた、こういうことであると考えております。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 在韓米軍は、それじゃたまたま来ることはしょっちゅうあるわけなんですね。在日米軍はどうなんです。在日米軍もやはりたまたま出かけるわけですか。

山上信重防衛施設庁長官

○山上政府委員 在日米軍の将校が諸外国に出かけるということもあり得ると思っております。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 在日米軍の行動範囲というのはどういうふうに考えているのです。日本にいる間は在日米軍ですか、あるいはまた外国に行っても在日米軍ですか、行動した場合に。

山上信重防衛施設庁長官

○山上政府委員 在日米軍の所属のままで外国を旅行する場合は、在日米軍の将校が旅行をしておるというふうに私どもは考えております。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 一つの行動をした場合に、たとえばベトナムならベトナムに在日米軍が行けますか、軍行動のために。これは長官のほうからお答えしてもらったほうがいいでしょう。施設庁長官には余るでしょう。

有田喜一自由民主党防衛庁長官

○有田国務大臣 私は、ベトナムにかりに在日米軍が行くとするならば、普通の旅行とか視察というようなときは在日米軍の籍を持って行きましょうが、行動といいますかいわゆる武力行動といいますか、そういうことで行くときにはもう編成が変わっておるのじゃなかろうかと思いますけれども、その辺のところは、私のほうの部隊じゃありませんのでつまびらかなことはわかっておりませんが、さように推察をいたします。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 これは長官、前にいまの小幡次官と質疑応答の際に、私はどうしても納得のいかない御答弁があった。在日米軍はどこへ行っても在日米軍ですということをはっきり答弁されている。これは、サイゴンに駐留軍の労務者が武器輸送をした実例があった。その場合、一体駐留軍というのは、日本政府が雇用した労役を在日米軍に提供したものなのだから、これは在日米軍の行くところどこにでも行きますという答弁をしている。これは米軍自体ではなくて、米軍に提供された日本の労務者ですよ。その解釈は私はどうも納得いかないのですが、長官どう思いますか。世界じゅうどこに行っても、どんなことをしても在日米軍は在日米軍なんだと、在日米軍ということを固有名詞のように答弁されているのです。ところが増田長官は、英語では在日米軍はザ・フォーセス・イン・ジャパンだと言っている。イン・ジャパンというのですから個有名詞であるはずはない。日本におけるということでしょう。それがどこに行っても在日米軍だという次官の答弁は、私はどうしても納得いかない。これは、いつかおりがあれば確かめてみたいと思うのですが、有田長官どう思いますか。

有田喜一自由民主党防衛庁長官

○有田国務大臣 在日米軍はやはり日本におる米軍だと思います。しかし、在日米軍に籍を置いておる人が間々旅行をすることがあると思うのですよ。そういうことは私は、日本におる米軍じゃありませんけれども、その所属が在日米軍ということで旅行をすることはあり得るのじゃないか、かように思うのですが、在日米軍という以上は、日本におる米軍をさすものである、かように考えております。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 そうしますと、駐留軍の労務者がサイゴンに行ったということは違法なんですね。あなたの答弁から見ると違法になる。食い違っているのです。それは一体どう統一見解をとりますか。

山上信重防衛施設庁長官

○山上政府委員 在日米軍は、日本におる米軍でございますが、在日米軍の指揮下にある部隊等が部隊行動をいたしますれば、これは在日米軍として行動を起こしておるということになると思います。たとえば、在日米軍所属の船舶が日本の港を離れてよそへ参っても、これは在日米軍所属の船舶である、かように考えておる次第でございます。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 いまの長官の答弁と施設庁長官の答弁は食い違っているじゃないですか。施設庁長官は明らかに小幡次官の答弁と同じ方向だ。一体在日米軍という看板さえあれば世界じゅうどこへ部隊を派遣しても在日米軍の行動だというふうに見ていいのですか。

有田喜一自由民主党防衛庁長官

○有田国務大臣 私はさっき原則論を言ったわけですが、たとえば、在日米軍に属する艦艇がありますね。その艦艇が移動して日本を離れるときがありましょう。それはやはり一つの在日米軍の艦艇として行動するのですから、これはやはり在日米軍ということがあり得る、かように考えております。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 艦艇というふうにいいますが、艦艇以外はだめなんですか。在日米軍はベトナムに上陸することはできないのですね。上陸行動はできないのですね。はっきりしておいてください。

有田喜一自由民主党防衛庁長官

○有田国務大臣 その艦艇というのは在日米軍に所属しておる艦艇ですから、それが移動しておるわけですね。いまのは海ですが、陸で動く場合は、私の推察では、向こうではもう在日米軍というその編成から離れておるのではないか、かように思うのです。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 どうもはっきりしませんね。はっきりしませんが、長官、ますます混乱してきたじゃないですか。艦艇の場合はそうですけれども、在日米軍はベトナムでの陸上行動はできないんですね。

有田喜一自由民主党防衛庁長官

○有田国務大臣 これは向こうの戦闘部隊へ入ればベトナムの施政権の指揮下に入る。そのときは在日米軍でない、かように考えるのです。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 指揮系統の変わるのはどこなんです。どこで変わっていくのです。たとえば在日米軍であっても指揮系統の変わる限界というものがありますね。これはどこなんです。

江藤淳雄防衛庁参事官

○江藤政府委員 先生の御質問の点は、横浜に司令部を持つ極東米陸軍司令部のことだろうと思いますが、その司令部の船が実際に輸送業務を行ないまして、後方業務として補給業務をベトナムにするという場合におきまして、ベトナムの港におきましてその荷役作業をするために上陸するということは当然あり得ると思います。その場合におきましては、あくまで在日米軍の極東陸上輸送司令部でございますので、その司令部の指揮を受けてベトナムへ物資輸送しておるというのでございまして、実際にそれらの在日米軍がベトナムに上陸しまして、そこで前方における戦闘作戦行動としての補給行動に参加する場合におきましては、これはベトナムの司令部の司令に入るということになる次第でございます。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 その場合在日米軍という名前はなくなるのですね。

江藤淳雄防衛庁参事官

○江藤政府委員 米軍の海軍の輸送司令部は世界にたしか四カ所くらいございます。日本の横浜にあります極東輸送司令部はそのうちの一つでございまして、あくまでその任務の範囲は東洋の地域になるわけでございまして、これが世界のどこへでも参るわけではございません。それが在日米軍として極東輸送司令部に船籍を持つ船である限り、それに乗船している限りこれは在日米軍司令部でございます。それが具体的にベトナムに上陸して、前方作戦行動に参加するという時点になりますと、これはその船を離れるわけでございますから、これは在日米軍ではないということになります。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 そのときは在日米軍を離脱して別な軍隊になるのですね。  それからもう一つ、世界じゅうどこでもというわけじゃないのだけれどもと言いますが、それじゃ輸送の範囲というのはどこまでですか。

江藤淳雄防衛庁参事官

○江藤政府委員 たしか世界に四つありますというのは、横浜とロンドンそれからニューヨーク、サンフランシスコというところに米軍の海軍の輸送司令部がございます。もちろんこの中心はワシントンにあるわけでございますが、そういうような四つのものがおのおの任務を分担いたしております。そこで横浜にあります極東米海軍輸送司令部というものは、したがって東洋地区ということになるのでありまして、具体的にその範囲がどこまで及ぶかということは、これは米軍内部の問題でございまして、詳細に承知いたしていないのでございます。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 これは米軍内部の問題だけじゃないのです。日本の労務者が一緒に行動しているのです。サイゴンに行った場合にはジョンソンラインという危険区域に入っています。戦闘区域に入っています。たとえ補給輸送であっても戦場に行っているのです。アメリカでは戦争の危険手当を出していますよ。したがって日本の労務者を伴う在日米軍の行動ですから、一体労務者はどこまで行かなければならないかということは大きな関心事じゃないですか。大体なんということはちょっと許せないのです。どこまで行き得るのですか。

山上信重防衛施設庁長官

○山上政府委員 在日米軍に雇用されている労務者の問題として私からお答え申し上げたいと思いますが、これは在日米軍は極東の平和及び安全のために活動するという趣旨で日本におるわけでございまするから、この活動範囲、この範囲内を越す場合において在日米軍の指揮下にある船、これの乗り組み員が参るということは在日米軍に雇用されている労務者として差しつかえない範囲である、かように考えておる次第でございます。具体的に申せば、たとえばサイゴンに補給に参るというのは、ここにおきますところの極東海上輸送隊の範囲として、その程度までは行ける、しかしそれから先さらにベトナム内陸の輸送業務に従事するというようなことは、この労務者の雇用されておる範囲を越すのではないか、かように考えておる次第であります。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 この労務者はあくまでもあなた方が雇用して提供した労務者なんですよ。それじゃ在日米軍の輸送を担当しておる船舶の行動し得る範囲というものを明確に押えておかなければ、その労務者の在日米軍との一緒の行動が適法か適法でないか規定できないじゃないですか。在日米軍関係の輸送船が行動し得る範囲ですね、行ったところは全部許されるわけじゃないでしょう。どこまで行っても在日米軍ということになれば、どこということを規定しなくてもいいけれども、一体その労務者を提供する場合に、どこまで行き得るという確認があったのですか。戦争区域まで連れていかれているのですから。米軍のことですといって済ましておられない。あなた方が提供した労務者なんですよ。生きた人間なんですよ。どこまで行けるかわからない。在日米軍まかせといって提供したのじゃない。提供する場合ははっきり取りきめがあったはずです。その点はどうです。

山上信重防衛施設庁長官

○山上政府委員 先ほどお答え申し上げましたように、在日米軍に提供しておる労務者でございますので、在日米軍の目的、任務、その範囲内というふうに理解いたしております。  では具体的にどうだということでございますが、これにつきまして、じゃこれだけの範囲ということを個別に限定して提供いたしておるわけではございませんが、ベトナムのサイゴンあるいはその近海の根拠地に日本から出港するというのは、極東もしくはその周辺の範囲内というふうに理解しておりますので、在日米軍の活動の範囲内であろう、こういうふうに具体的に考えておる次第でございます。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 すでに委員会で何べんか論議されました極東の範囲で逃げていますが、極東の範囲で逃げるとこれは区別がないです。したがって、あなたのいまの御答弁だと、米軍の行くところならこっちは連れていかれてもしようがないんだという観点ですね。区域的なものは、任務の規定があっても範囲の規定がないのです。ばく然とした極東及びその周辺、周辺ですからどこまで行くかわかりませんよ。月まで行くかしれない。まさかそうじゃないでしょう。それを大事な人命を提供するもの、人間のからだを提供するものがどこまで連れていかれてもしかたがないんだという話が一体ありますか。あくまでもそれはないんですね。

山上信重防衛施設庁長官

○山上政府委員 先ほどからお答え申し上げますとおり、在日米軍の活動範囲内、これは極東の平和と安全という目的を持っておりまするので、そう月の辺まで行くというようなわけにはまいらない。おのずからその限界がある。ただ個々に提供いたしておりますのには、どこそこまでというような個々の契約はございませんが、おおむね極東及びその周辺の範囲内、こういうふうに考えておる次第でございます。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 これは全く危険きわまる取りきめだとぼくは思う。極東の範囲は安保条約の場合にずいぶん議論しましたけれども、具体的に一つ一つの行動というものが起こってきますとこういう矛盾が出てくるのです。いまの御答弁だと、向こうが極東の安全もしくはその周辺の安全に寄与する限りにおいては、どこへ行こうともう処置なしというお手あげの形でしょう。外国へ行った場合に日本の法規の適用はできますか。あなたの監督下に入りますか。現に労務者が米軍と一緒に行動して外国へ行っているんですよ。陸上行動といいますが、輸送行為でサイゴン川をのぼった場合はどうなります。

山上信重防衛施設庁長官

○山上政府委員 先ほどお答え申し上げますとおり、日本からサイゴンあるいはその他のベトナムの主要根拠地にまで行くという程度のことであるならば、極東海上輸送隊の任務の範囲内であり、また極東の周辺ということでございますが、その中へさらに入っていって、サイゴンから奥地へ入っていって輸送任務に服するということになりますと、これはいささか様相を異にするのではないか、かように考える次第でございます。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 輸送する場合に、輸送任務で海の上ならばいいけれども、川へ入っちゃいかぬというんですね。海上輸送はいいが川の上の輸送はだめだ。これはどこにそういうような根拠があるんです。日本のような島国は別として、大陸的な行動というものは輸送であっても川をさかのぼりますよ。その場合に輸送任務はいいとして、海の上はいいが川へ入るといかぬというのは一体どういう根拠なんですか。

山上信重防衛施設庁長官

○山上政府委員 たびたび申し上げておりますとおり、極東及びその周辺にまで参るという範囲は、これは在日米軍の安保条約六条一項の範囲内であろうと思っております。したがいまして、その辺まで行ってはどうだという具体的な個々のあれは別といたしまして、日本からその辺まで輸送の業務に従事するということは差しつかえのない範囲内ではないかと思っております。ただベトナムにおいて戦闘に従事したり何かするということは許されない範囲である、かように考えておる次第でございます。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 はっきり確かめておきますが、在日米軍の任務は、川をさかのぼっての輸送業務はできないのですね。海の上の輸送ならいいけれども、川へ入った輸送はしなくてもいいんですね。これは大陸の作戦行動には非常に大きな影響を持つのですがね。

江藤淳雄防衛庁参事官

○江藤政府委員 極東米海軍輸送司令部の任務の範囲内において行動する場合、これは当然でございますが、具体的に、ベトナムに参りまして、ベトナムの米軍において戦闘作戦行動の区域というものの範囲に入りました場合には、これは前線における戦闘補給業務になりますので極東米海軍輸送司令部の任務ではない。したがって、サイゴン川にしましても、米軍のほうで大体指定しておると思いますが、そういうような作戦地域に入ったところの河川となりますと、これはもう極東米海軍輸送司令部の任務を出る。前線における戦闘補給業務であるということになりますので、これは任務外ということで適当でない、かように考えます。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 これは議論の上ではいかようにも言い抜けができますが、具体的にサイゴン川をさかのぼった輸送行為はできるかできないかということに対して明確な答えがない。海上輸送はいいとしても河上輸送はいけないのかということについて的確に答えてない。その答弁をはっきりしてもらいたいのだ。海上もしくは川、そういう形に関係なしに、作戦命令の出どこによってそれじゃ違うというのですか。輸送というのも、大陸作戦の場合は海上だけじゃできないことはわかっているでしょう。輸送任務で許されるならば川も海も同じじゃないですか。別な基準があるなら別な基準があるようにはっきり言ってもらいたい。これは明確に答弁してもらいたいです。

江藤淳雄防衛庁参事官

○江藤政府委員 サイゴンはまだ現在一般の商船も出入りできるような開港場になっております。具体的に現在どういうふうに入っているか私承知いたしておりませんが、そういう意味におきまして、サイゴン川をサイゴンまでさかのぼるということは一般の後方輸送業務でございまして、具体的に戦闘作戦行動に参加しておるということにはならないと思います。したがって、現在横浜にあります極東米海軍輸送司令部の任務というものはあくまでも後方輸送業務を行なうものでございまして、実際に戦闘地域における前線の戦闘補給業務を実施する部隊ではございませんので、その意味におきまして、実際に戦闘作戦行動の区域となってしまった場合の河川における輸送業務は、すでに極東米海軍輸送司令部の任務ではないというふうに申し上げておるのでございます。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 実例が出たのはサイゴンまで行っているでしょう。サイゴンのジョンソンラインまで行っているんですよ。それじゃジョンソンラインとは戦闘区域じゃありませんか。

長坂強防衛施設庁労務部長

○長坂政府委員 MSTS所属船舶に乗っかっております日本人労務者がサイゴンまで行きまして荷おろしの作業をする。そこまでの、そういう輸送業務に従事しておる限りにおきましては、それは何ら戦闘行為ではない。したがって、その行為は在日米軍としても許されている、そういうふうに解しているのでございます。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 また答弁が食い違うじゃないですか。全然食い違っている。サイゴン川の問題を出した場合は戦闘区域だから輸送業務でも入れないのだと言っている。だからぼくはジョンソンラインというのは戦闘区域じゃありませんかと言っている。答弁をすり違えてはいけませんよ。明確に答えなさい。あらためて言いますが、ジョンソンラインは戦闘区域ですか、戦闘区域じゃありませんか。——また変な答弁をされちゃ困りますから。小幡次官は、私の答弁では、サイゴン川を遡航するということになれば当然戦場だと思いますと答弁しておる。これは変だと思ったから保留しておいたのです。戦場だからだめならば、一体ジョンソンラインは戦場じゃないのかという問題、これはひとつ、食い違っても困りますから、もう時間だったらこの辺で一時休憩して、ゆっくり答弁してください。

藤田義光自由民主党

○藤田委員長 本会議後直ちに再開することとし、この際暫時休憩いたします。    午後一時一分休憩      ————◇—————    午後三時一分開議

藤田義光自由民主党

○藤田委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  質疑を続行いたします。淡谷悠藏君。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 休憩前に引き続き質疑いたしますが、さっきの統一見解が出ましたでしょうか。

山上信重防衛施設庁長官

○山上政府委員 在日米軍に雇用されておりまする船員労務者につきましては、ジョンソン区域と申しますのは、ベトナム方面に航行する船舶に乗り組みます労務者につきまして、この区域に入りますところの船員に対しましては特別の手当が支給される、そのような区域といたしまして指定されておる、かように承知いたしておる次第であります。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 端的にお答えください。ジョンソンラインは、戦闘区域ですか、戦闘区域じゃありませんか。

山上信重防衛施設庁長官

○山上政府委員 われわれの承知している限りでは、危険区域として承知している次第であります。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 危険区域と戦闘区域は、どう違うのですか。

山上信重防衛施設庁長官

○山上政府委員 米軍に従事しておりまする乗り組み員が行く場合に危険手当を受けるという意味において、危険区域でございます。これはさような区域におきましていろいろな事故が起きるというようなラインとして、われわれは承知いたしておる次第でございます。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 何のための危険ですか。強盗でもいるのですか。戦闘があるから危険区域なんでしょう。英語では何というのです。

山上信重防衛施設庁長官

○山上政府委員 海上におけるいろいろな戦闘もあり得る地域である、かように考えております。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 英語ではどういうのです。

長坂強防衛施設庁労務部長

○長坂政府委員 ちょっといま英語は、英文を持っていませんのでなんでございますが、契約文には南ベトナム水域ということで定義がございます。いま英文も調べまして、もう一回お答えいたします。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 明らかにこれは戦争の危険でしょう、冗談は抜きにして。戦闘区域を危険区域と言いかえているにすぎないですよ、長官。それじゃサイゴン川をさかのぼった流域と、いまのサイゴン全般のジョンソンラインは違う性格のものですか。はっきりしてください。

山上信重防衛施設庁長官

○山上政府委員 サイゴンまでの航行範囲につきましては、日本の商船等もそこに出入いたしておりまするし、危険区域あるいはそういった先生のおっしゃるような戦闘のあり得る区域、戦闘区域というような範囲であろうと思いまするが、現実にはさような一般船舶も航行しておる区域でございます。サイゴンから先に入りますと、いわゆる実際戦闘が行なわれておることがしばしばございまするし、戦闘部隊等に直接補給するというようなことになりかねないので、かような区域については、われわれとしてはサイゴンまで程度の範囲は差しつかえないというふうに考えておる次第でございます。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 ごまかして言ってはいけませんよ。さっきは輸送行為をやって輸送の任務に属しておるものは、海上の輸送はかまわないが、川をさかのぼった場合はどうかという問題から発しているのです。この場合に、ジョンソンラインとサイゴン川をさかのぼった場合の区別が出てきた。アメリカでは区別をしているか、していないかという問題です。海上輸送ということばを使っておりますけれども、一体ジョンソンラインというのは、戦闘区域だから危険なのか、危険手当を出しているのか、戦闘なしにでも危険なのかという問題なんです。戦闘のための危険区域ならば、これは明らかに戦闘区域でしょう。そうしますと、サイゴン川をさかのぼった場合に、戦闘区域だから入れないのだ、ジョンソンラインは危険区域だから入れるのだ、どうもその区別は明確でない。アメリカ自体が危険区域と戦闘区域を分けているかどうかという問題、それを明瞭にしてください。

山上信重防衛施設庁長官

○山上政府委員 特段と区域を区別していないのではないかと思っております。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 そうでしょう。アメリカ自身は区別していないでしょう。在日米軍の行動でしょう。それならば、川の上だからとか海の上だとかという区別なしに、戦闘区域には入らないというのが原則じゃないですか。一方はジョンソン区域に入りながら一方は入れないというのは、どこからくるのですか。

山上信重防衛施設庁長官

○山上政府委員 日本から出発して極東の周辺に参ります範囲につきましては、特にその区域が、かりに戦闘区域でありましても、後方支援というような任務のために参りますのであれば、それが極東の周辺区域の範囲内等であれば、これは差しつかえない範囲ではないかと思っております。ただ、サイゴンから先に行くほうを支障があると申しておりまするのは、そこから先につきましては、相当危険も伴いまするし、サイゴンまでは普通の民間の船も行っておりますが、そこから先は危険もあります。したがいまして、日本の労務者がそれに従事して、その上に行くということは認めがたい、こういうふうに考えておるのでございます。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 それでは答弁にはなりません。極東の範囲をまた持ち出していますが、これは任務でもなければあるいは危険区域でもない。ただ日本の輸送船、日本の民間の船が行っているからだと言いますが、日本の民間の船が川をさかのぼって——これは外国の船でしたが、日本人がここで射殺されている例があったでしょう。戦闘のために危険なことは、ジョンソンラインも同じなんです。危険だからアメリカは危険手当を出しているのです。あるものはこれを許し、あるものは許さぬというのは、一体どこに根拠があるんです。在日米軍の行動の許せる範囲内は行ってもいいということなんですか。川をさかのぼった場合は、指揮命令系統が違ってくるからいけないというのですか。何によってそういうことをやっているのか、法的な根拠を示してください。法律的根拠がはっきりしてないから、そうなるのです。もしくは条約の根拠を示してください。

山上信重防衛施設庁長官

○山上政府委員 極東の周辺でございますれば、その場合、在日米軍が活動し得る範囲といたしましては、その区域には行って差しつかえないということは、そのとおりだと思います。ただ、サイゴンから先のほうになりますと、先ほども申し上げましたように、直接戦闘が行なわれている部隊の補給ということが、まぎらわしい情勢もございまするし、危険もございまするので、在日米労務者については、その辺以上についてはこれを認めない、こういうふうに考えておる次第でございます。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 これは有田長官に御答弁願いたいのですが、どうも施設庁長官の御答弁にはごまかしがあるのです。在日米軍の行動の範囲だからいいのか、危険だから悪いのか、その点がどうもはっきりしない。少なくとも在日米軍の行動ならばわかりますけれども、あなたの御答弁自体は、危険だから入っちゃならないというんじゃないのでしょう。サイゴン川をさかのぼった場合に日本の駐留軍の労務者が行けないというのは、在日米軍が行動できない範囲だからだめなのか、危険区域だからだめなのか、長官からはっきり統一した見解を示してもらいたい。どうもそれはごまかしていますよ。

有田喜一自由民主党防衛庁長官

○有田国務大臣 サイゴンまでは、危険区域とはいいながらも一般の商船も一般の出入りもできるところでありまして、したがいまして、後方支援としてはサイゴンまで行ける。サイゴンより先になりますと、直接の戦闘区域でございますから、後方支援が直接の戦闘行為に加わるおそれがある。したがいまして、在日米軍の行動としては、直接戦闘区域には——それは事前協議をやれば不可能とは申しません。けれども、そういうようなことをやることもどうかと思うし、しかも危険も甚大でありますから、いまのところではサイゴンというところにとどめておる、こういう状態であります。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 御答弁がまた発展していますね。事前協議さえあればできるんですか。

有田喜一自由民主党防衛庁長官

○有田国務大臣 これはいわゆる戦闘行為になるわけでございますから、日本としては事前協議ということをやらないとかってにそういうことはできない、そういうことでありまして……。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 事前協議でこっちがイエスといえば、行くというんですね。

有田喜一自由民主党防衛庁長官

○有田国務大臣 いまは事前協議ということばは法律的理論のことでありまして、私たちはそういう考えがありませんから、だからサイゴンまででとめておる、こういうことでございます。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 考えがあろうがなかろうが、長官答弁は、つまりサイゴンの内地へ入れないのは、さまざまな理由もあるだろうが、事前協議さえあれば入れるというんでしょう。それは事前協議をやるかやらないかはわからぬが、事の本質上事前協議をやれば入れる、こういうことなんですね。

有田喜一自由民主党防衛庁長官

○有田国務大臣 入れるというんじゃなくて、そういう手続も要るし、しかも直接戦闘作戦の行なわれているところでございますから、そういうところに入ることは穏やかでない、こういう見地に基づいてわれわれは……。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 その点ははっきりしなければいけません。あなたのさっきの答弁では、事前協議があれば入り得るということを言っているんですよ。言わないなら、速記録を調べましょう。端的に詰めていって、事前協議があれば入れるんですか。

有田喜一自由民主党防衛庁長官

○有田国務大臣 それはわれわれがノーといえば入れないですからね。(「イエスといえば入れる」と呼ぶ者あり)だから、それはイエスといわないという考えでおりますから——法律的には協議ということはイエスもノーもあり得るのだが、われわれはノーという態度でおりますから、そういうことはやらない、こういうことでございます。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 事前協議でイエスといえば入れる、この答弁に間違いはないのですね。これは確認しますよ。

有田喜一自由民主党防衛庁長官

○有田国務大臣 それは法律論といいますか、協議ですから、イエスということもあり得るでしょう。しかし、われわれはそういうことには巻き添えを食わない、こういう態度でありますから、ノーということははっきりしておるのですよ。だから、われわれとしてはそういうものには加わらない、こういうことです。

大出俊日本社会党

○大出委員 ちょっと関連して。どうもちょっと妙なことを長官言い始めたので、はっきりさせておきたいのですがね。旧来の論議から申し上げますと、まず事前協議そのものに問題がある。一体事前協議というものは、日本側がアメリカに対して申し入れることができるのかどうかという論争がある。これは予算委員会で、三木さんが外務大臣のころに政府の考え方は、相手が動かすのだから、つまり米軍が動かすのだから事前協議というものは向こうから言ってくるんだ、一方通行なんだ。しきりにこれを答えていた。去年の二月の予算委員会で、楢崎委員がこの点について三木さんに質問した。そんなことはないじゃないか、合同委員会というものは場所は一つしかない、こっちから申し入れることだってできるじゃないかというやりとりをさんざんやった。もし旧来の政府の考え方ならば——いま長官は、事前協議やってイエスといえばできる、最初そう答えた。その事前協議の意味ならば、日本側から申し入れなきゃ意味がない。そうすると、旧来、米軍が動かすのだから、事前協議というのは向こうから言ってくる筋合いのものだ、よしんばそれを下がってみても、イニシアチブはあくまでも米軍にあるのだ、こうあなた方は、政府はずっと答えてきた。いまのあなたの説明でいけば、こっちから事前協議を申し入れてすればいいのだ、やろうとすればできるんだけれども、そういうこともしたくないからとあなたはおっしゃる。したくないということは、あなたのほうから能動的にものを考えるということなんだ。そうでしょう。これは旧来の答弁とたいへんな大きな食い違いだ。事前協議のあり方ということが一つ。  それからもう一つ大きな問題は、事前協議をやるとすると、これは岸・ハーター交換公文に明確にある、配置の変更、装備の変更、直接戦闘作戦行動と、三つになっている。そうでしょう。そこから先は口頭了解だ。そうすると、その三つのうちの一体どれをさすのか。直接戦闘作戦行動だとおっしゃるならば、横浜にあるアメリカの輸送司令部が在日米軍の輸送部隊という形でサイゴン川をさかのぼってサイゴンから先に行くとすれば、これが直接戦闘作戦行動になってしまう。ということになるとすると、これはたいへんなことになる。それでいいならいいとはっきり言ってもらいたい。直接戦闘作戦行動という意味の事前協議だということであるのか。しかもやってできぬことはないが、やる気がないからやらないとあなたはおっしゃる。そうすると、事前協議というのは、日本側から申し入れてやることができるということになる。それで間違いがないかどうか。二点明確にしてください。

有田喜一自由民主党防衛庁長官

○有田国務大臣 私のことばが少し足らなかったかもしれませんけれども(大出委員「足り過ぎている」と呼ぶ)私どもはかように考えておるのですよ。さっきも私注意して言うたのですが、サイゴンから奥の川の面になると、直接戦闘行為が行なわれておるところだ。それに対して輸送という、支援ではございますけれども、直接戦闘行為に関連する支援行為になると、その疑いがある。したがいまして、われわれもそういう申し出があればノーと言うんだし、また、アメリカ軍もそういうことば考えてないと思うのです。そういうことでありますから、向こうも私のほうにそういうことをやってくれということを言ってない。ただ、いまのサイゴンは普通の商船も出入りしておるところでもありますから——ああいう戦争が行なわれておる地域ですから、危険でないとは申しません、危険区域でありますけれども、それはいわゆる後方支援としての輸送の行動でありますから、これは私どもは差しつかえない、こういう考えであります。

大出俊日本社会党

○大出委員 関連ですから長くやりませんが、議事録で調べてあなたにものを言ってもいいけれども、だんだんうしろのほうに引っ込んでしまってはだめですよ。あなた、さっきお答えになったのは——私の質問を聞いてください。サイゴンから先に行く。事前協議が要るとあなたはおっしゃる。その事前協議は、直接戦闘作戦行動という意味の事前協議かどうかということを明らかにしてくれということを言っておるのです。もう一つ、その事前協議というのはやればできるんだけれども、やらないとあなたはおっしゃる。やらないという限りは、日本側からやれるということになる。事前協議の解釈は、あなたはそうとっておるのかという点が二点目。二つお答えいただければいい。ほかのことは聞いてない。

有田喜一自由民主党防衛庁長官

○有田国務大臣 事前協議の対象は、御承知のとおり、三つあるわけですが、そのうちの戦闘作戦行動、これはまさに対象です。しかし、直接戦闘行為の行なわれておるところでございますから、それに対する補給業務ということは、直接戦闘に関連される疑いがある。したがいまして、そういう問題は避けたほうがよろしい、こういう考えで私はノー、もしそういうことが向こうから相談があればノーという態度でいく。これははっきり言っておるわけです。

大出俊日本社会党

○大出委員 質問に答えてください。あなたは事前協議の必要があるとおっしゃった。しかし、それをやる気がないんだ。そのことは、その事前協議というのは日本側から申し入れるという意味、あなたはやる意思がないと言ったんだから。もう一つサイゴンから先に行くというのは直接戦闘作戦行動になるのか、あなたは事前協議と言うんだから。そうでしょう。それは戦闘作戦行動だから事前協議の対象になるというのでなければ、事前協議は要らない。事前協議は三つしかないんだ、だから、あなたが事前協議とおっしゃるから、しからばその事前協議というのは、直接戦闘作戦行動であると考えての事前協議かと聞いておる、これが一つ。しかも、その事前協議はやればできるんだけれどもやる意思がないとあなたがおっしゃるんだが、それならば、事前協議というのは日本側から申し入れができるのか、そういう解釈か、この二点だけお答えいただければいいのです。

有田喜一自由民主党防衛庁長官

○有田国務大臣 しばしば言っておるように、事前協議の対象は三つありますが、そのうちの一つは直接の戦闘作戦行動ですね。この後方支援輸送の任務というものは、直接の戦闘作戦行動じゃないかもしれません。しかし、そういう直接戦闘作戦行動のやられるところに輸送するということは、非常にそこに疑義がある、問題がある。したがいまして、そういうことは、向こうが事前協議——かりに相談に乗りましても、われわれはノーと言う。また、われわれはそういうことに対しては協議しない。でありますから、そういう疑義のあるようなところに、また疑いを持たれるようなところに行くことは困る。しかも危険が相当甚大であるということがある。それはやらない、こういうことを言っておるのです。

大出俊日本社会党

○大出委員 しかし、サイゴンから先に行くことはできる、事前協議をやればできる、あなたはさっきそう明確に言い切った。サイゴンから先に行くのであれば、事前協議をやればできるとあなたは言った。そうすると、事前協議というものは三つしかないんだから、さっき私が言ったように、それは直接戦闘作戦行動とあなたが考えない限りは、事前協議を持ち出すことが間違いなんだ。あなたは、事前協議をやれば行ける、明確に言った。その点をもう一ぺん最後にお聞きしたい。

有田喜一自由民主党防衛庁長官

○有田国務大臣 しばしば言うとおりに、補給というのは、直接戦闘作戦行動ではないでしょう。しかし、そういう疑いがあるでしょう。そういうような直接につながる面がある。そういう疑いがあるから、われわれは手前のものだから、事前協議の対象でなくても協議というものはできますね、いわゆる事前協議じゃなくても。だから、われわれはそういうことは避ける、こういう態度でおるのですから、それは何べんおっしゃっても、私は法律的の、そういうようなことを言うおそれがあるということを言っておるのですから、もし私がさっきの答弁で直接戦闘作戦行動だというように断定しておれば、その点はすなおに取り消します。

大出俊日本社会党

○大出委員 あなたは、サイゴンから先に行く場合は、事前協議をやればできると明確に言った。事前協議ということを持ち出す限りは、装備の変更、作戦行動、配置の変更、この三つしかないのですから、装備の変更、配置の変更でない限りは、直接戦闘作戦行動しかない。そうでしょう。重大な問題です。いままで私はこの委員会でさんざん論議をやった。あなた明確に事前協議とおっしゃるから、それならば戦闘作戦行動しかない。あなたが事前協議の対象だと言うから、事前協議やればできると言うから、その事前協議は何の事前協議なんだと聞いておる、直接戦闘作戦行動しかないのだから。では、極東の在日米軍の輸送司令部がやっておる行為が、サイゴンから向こうに行けば直接戦闘作戦行動だとあなたは思うのでなければ、事前協議というものは出てきやしない。だから、そう思うんだな、よろしゅうございますかと聞いておる。それを直接答えてくれればいいのです。

有田喜一自由民主党防衛庁長官

○有田国務大臣 厳密な意味の直接……(大出委員「厳密もへったくれもない、交換公文でちゃんときまっている」と呼ぶ)そういう意味合いの直接戦闘作戦行動とは思っておりません。しかしながら、さっき、直接戦闘作戦行動に関連あるものは相当やはり疑惑も起こるし、われわれはそういうことにはあえてなりたくない、また向こうもそういう考えは持たない、こういうことを言っておる。

岡田春夫日本社会党

○岡田(春)委員 関連。防衛庁長官、いまのあなたの答弁、全然違いますよ。あなたの言っておるのは、ベトナムの内域を直接戦闘の危険のある地域、そういうことであるから、そこに船が入った場合には戦闘作戦行動として事前協議の対象になる場合もあり得る、こういうことなんですか。もう一度はっきりしてください。

有田喜一自由民主党防衛庁長官

○有田国務大臣 直接戦闘作戦行動にはなりませんけれども、そういう直接やっておるところに在日米軍の船が行くということは、直接助けておるという疑いが濃厚になってくるから、私たちはそういうことを避ける、こういうことであります。

岡田春夫日本社会党

○岡田(春)委員 あなたは、そこがそういう直接戦闘作戦行動の疑いがある地域であるから、軍事輸送をする船というものが事前協議の対象になる、そういう疑いがある、こういうことですか。そこの点はっきりしてください。交換公文に基づく戦闘作戦行動というのは、そういう場合も適用できるのですか。

有田喜一自由民主党防衛庁長官

○有田国務大臣 そういうのは、私は戦闘作戦行動でない、したがって事前協議の対象にはならぬと思いますけれども、しかし、そういう不安がある、私はそれを避けるほうがよろしい。

岡田春夫日本社会党

○岡田(春)委員 さっきの答弁と全然違いますね。ならぬと思いますけれどもというのと、ならないというのと、なるかもしれないというのと、これは違いますよ。どれがほんとうなんですか。あなたの最初に言ったのは、なる危険性があるということが第一点。いまの答弁では、ならないとは思いますけれどもということを言っておる。それから全然ならないという場合と、三つあるんだ。どれがほんとうなんですか、これをはっきりしなさい。

有田喜一自由民主党防衛庁長官

○有田国務大臣 最初もし私が事前協議の対象になるということを言っておるならば、それは舌足らずであって、訂正します。

岡田春夫日本社会党

○岡田(春)委員 ならないのですか。

有田喜一自由民主党防衛庁長官

○有田国務大臣 と思います。

岡田春夫日本社会党

○岡田(春)委員 ならないならば、どういう根拠でならないのですか。

有田喜一自由民主党防衛庁長官

○有田国務大臣 後方支援でございますから、直接の戦闘作戦行動ではない。

岡田春夫日本社会党

○岡田(春)委員 それじゃあなた、戦闘地域に入っておるけれども、後方支援ならば全然事前協議の対象にならない、こういうことですね。

有田喜一自由民主党防衛庁長官

○有田国務大臣 私の意のあるところもくんでほしいのですが、そういう直接戦闘作戦行動の行なわれるところに、たとえ支援といいながらも、そういう船が入っていくことは、非常に疑惑を招く。のみならず危険でもありますから、私はそういうものを避ける。

岡田春夫日本社会党

○岡田(春)委員 事前協議の解釈を聞いている。

有田喜一自由民主党防衛庁長官

○有田国務大臣 事前協議の解釈は、先ほど申したとおり。

岡田春夫日本社会党

○岡田(春)委員 防衛庁長官、あなたは考えが全然違うのですよ。交換公文の第六条を読んでごらんなさい。戦闘作戦行動としての基地を使用する場合、あなたの言っているのは南ベトナムという地域が、戦闘作戦行動であるから、そこへ船が入る場合には事前協議の対象になるという解釈は、あなた全然間違いなんですよ。船というものが戦闘作戦行動をやるために基地を使用する場合に問題になるのであって、事前協議の対象になるのであって、いいですか、だからその船が、たとえばいま輸送船だからあれだけれども、その戦闘作戦行動に戦艦なら戦艦というものが参加するというときに、初めて事前協議の対象になるのであって、あなたの言うようなそんなあいまいな答弁とは、全然違っているのですよ。あなたのは間違いなんですよ。そこの点をあなたははっきり認めませんと、あいまいなごまかしをしちゃだめですよ、そこら辺は。だから、私は三つの場合があると言ったでしょう。事前協議になる場合のおそれがあると、それから事前協議にならない場合のおそれがあると、事前協議になりませんと三つあるんだが、どれなんだと聞いたのは、その意味なんです。あなたの言うのはその点を明確にしておかないと、そこの点は、あいまいなごまかしでは済まない。なぜあいまいにしておいてはいけないかということを言っているのかというと、そのことによっては、その輸送船が内陸に入ったことによっては、事前協議の対象にはならないのです。ところが、事前協議の対象になるかもしれぬとおっしゃったが、それははっきりお取り消しなさい。そういう対象ではないということをはっきりお答えなさい。重要な点ですから、速記録に残しておきましょう。はっきりなさい。

有田喜一自由民主党防衛庁長官

○有田国務大臣 最初言ったことは舌足らずであって、それがもし誤解を生むなら取り消します。

楢崎弥之助日本社会党

○楢崎委員 関連。いまの点は非常に問題があった点ですから、重ねてもう一点だけ。日本の基地を使って輸送船が物資を補給しに行く。直接戦闘地帯に行って補給する場合は、直接戦闘作戦行動、いわゆる交換公文による戦闘作戦行動になりますか、なりませんか。

宍戸基男防衛庁防衛局長

○宍戸政府委員 従来の解釈を簡単に申し上げますと、先生のおっしゃるように、日本から行なわれる戦闘作戦行動のための基地としての施設区域の使用の場合で戦闘作戦行動のための使用という場合は、日本以外の地域に対しまして、日本から発進される戦闘作戦行動——これは直接戦闘を目的とした作戦行動ということだと解します、の基地として施設を使用する場合でございますので、純然たる兵たん支援、すなわち補給行動は入りません。ただし、戦闘作戦行動と密接不可分のような関係にある補給、これはたとえて申し上げますと、戦場に対して直接武器弾薬を投下するような戦闘作戦を支援するような補給活動、こういうものは事前協議の対象になるというふうに従来の解釈はなっている、こういうふうに考えます。

楢崎弥之助日本社会党

○楢崎委員 だから、いまのあなた方の解釈からいえば、私があげた例はどうなりますかと聞いている。(発言する者あり)長官はまだ何も言わない。私はまだ聞いていない。いまの点何も触れていないのです。  長官、もう一度言いますよ。日本の基地を使って、補給でもいいでしょう、輸送船が行って物資を……(発言する者あり)雑談がありましたから、もう一度言います。日本の基地を使って輸送船が物資を補給しに行く場合、直接戦闘が行なわれておる地区に入ってその補給をする場合ですね、それは交換公文にいうところの直接戦闘作戦行動に入りますか。具体的に……。

宍戸基男防衛庁防衛局長

○宍戸政府委員 直接戦闘の地域に入りまして、直接戦闘をしている部隊に武器弾薬を補給するというのは、事前協議の対象になるというのが、従来の立場でございます。

楢崎弥之助日本社会党

○楢崎委員 そうしますと、いまの点ははっきりしたわけですね。直接戦闘区域に輸送船が入って荷物をおろせば、それは作戦行動に入ったことになりますね。日本の基地を使って……。

宍戸基男防衛庁防衛局長

○宍戸政府委員 直接戦闘が行なわれている地域に入りまして、しかも直接戦闘をしている部隊に武器弾薬を補給する、そういう補給活動は事前協議の対象になる、こういうように解釈しております。

楢崎弥之助日本社会党

○楢崎委員 そうしたら、直接戦闘しておる部隊と、戦闘を直接やっていない部隊とに、戦闘区域において分けて考えるのですか。いまどんどん撃っているものが直接戦闘しておるのであって、その地帯において待機しておるとか、そういう部隊のことは、直接戦闘部隊ではないという解釈ですか、いまの答弁でいくと。そういう理屈を言ってはいけませんよ。

宍戸基男防衛庁防衛局長

○宍戸政府委員 要するに、純然たる補給か、戦闘に対する補給かというところに、区別の基準があると思います。あとは具体的の事象に照らして判断するしかありませんけれども、はっきり申し上げられますのは、純然たる補給活動は入らない。補給部隊に補給するのは、純然たる補給活動である。戦闘地域であって、戦闘部隊に補給するのが事前協議の対象になるような活動である、こういうふうに区別をされておる、そう思っております。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 どうも答弁を聞いていますと、また食い違いが生じているのです。さっき有田長官、事前協議というのは取り消されましたが、私に対しては取り消しておりませんから……。一体あなた、どこを取り消しておるのです。私に答弁したのでしょう、事前協議の問題というのは。それを関連質問でとぎれちゃった。取り消すと言うのだったら、どこを取り消すのですか。

有田喜一自由民主党防衛庁長官

○有田国務大臣 私がこの委員会で言ったことは、ほかの委員の発言でも、淡谷さんもこの内閣委員のりっぱな一人でございますから、だから、私の言ったことは淡谷さんに対することばだと思います。ただ、私がさっき取り消しましたのは、寸足らずということを言いましたけれども、いま防衛局長の言うように分析して言っていない。しかも疑いがあるということを言ったのは、あらゆる場合があるから、それでああいうちょっとあいまいなことばになりましたが、あなたたちのおっしゃる意味からいえば、私のことばは寸足らずであったということで取り消したのであります。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 いまの問題は——長官聞いてくださいよ。それは皆さんに対する答弁は聞いていますけれども、直接私の聞いている疑点というのは、そこじゃなかった。ジョンソンラインは危険区域であって、戦闘区域ではないという答弁、しかし、内陸に入った場合は、これは戦闘区域だから、これはできないのだ。あなたがいきなり事前協議を持ち出したのですよ。そうじゃないですか。事前協議の対象になるといい出したから問題になったのですよ。それじゃ、事前協議を持ち出したことが誤りであったとおっしゃるのですか。そこで舌足らずでも何でもないですよ。舌が余ったのですよ。ぽこっと事前協議を持ち出すから問題になった。舌余りでしょう、これは。事前協議という発言は、全部取り消しますか。どこを取り消すつもりです。

有田喜一自由民主党防衛庁長官

○有田国務大臣 そうすると、事前協議を出したから非常に皆さんに御迷惑をかけたんだが、私の言いましたのは、いま言ったような疑いがあっては困る、そういう意味合いでございまして、危険であるし、ことに戦闘区域に対しまして、そういう後方支援といいながらも、いま言ったように疑いがあっては困る、そういうおそれ、疑惑を持っては困るので、そういう危険もあるから——サイゴンまでは普通の商船も出入りしておるし、後方支援としては差しつかえない、こういう見解でその差別をしておるわけであります。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 そこで防衛局長に聞きますが、純粋兵たんの問題ですが、兵たん補給の問題、直接戦闘行為に補給する場合と言いましたね。サイゴンからさかのぼった、つまりベトナム内陸に対する補給行為ということは、どっちに当たるのですか。

宍戸基男防衛庁防衛局長

○宍戸政府委員 サイゴンにおります補給部隊に補給するというのは、純然たる補給活動である、他の地域で戦闘している部隊に直接補給する場合には、事前協議の対象となるような補給活動である、こういうふうに区分けできると思います。   〔委員長退席、伊能委員長代理着席〕

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 いまの答弁聞いて変に思いませんか、長官。あなたは事前協議全部取り消したのですよ。内陸補給は事前協議の対象になると言っている。どっちがほんとうなんです。私は内陸補給の問題で質問したのですよ。あなたは事前協議を持ち出した。その持ち出し方がちょっと変だったから問題になった。関連質問でうんともんだら、最後に防衛局長は、直接兵たんをやるんだから、これは事前協議の対象になると言い出している。そうじゃないのですか、防衛局長。さっき事前協議を持ち出して問題になった。今度は、あなたが取り消したあと、なると言っている。どっちがほんとうなんです。

宍戸基男防衛庁防衛局長

○宍戸政府委員 本来の要件として、日本の施設区域を使用する場合がもともと前提にかかっておりますが、日本を出発する場合、つまり日本の施設区域を使用する形態として発進される場合に、直接補給部隊に補給するというふうな事態でありましたら、ならないということにさっきから申し上げているわけです。仮定の問題ですけれども、直接日本から発進する場合に、向こうで戦闘している戦闘部隊に直接補給しろというふうな命令を受けて発進する場合には、事前協議の対象になる。これは一般論として、解釈として申し上げているわけでございます。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 一般解釈でも何でもかまいませんが、防衛庁長官と防衛局長が論争しているみたいなものじゃないですか。防衛庁の長官は、たったいまベトナムの内陸に輸送する場合は事前協議の対象になるということを言って問題になっているのですよ。たったいま事前協議を取り消した。そのあとすぐ防衛局長が、内陸へ兵たん輸送する場合は、直接補給の疑いがあるから事前協議の対象になると言い出したでしょう。どう考えたらいいのです。どうなんです、一体。防衛庁の中で論争しないでください。

有田喜一自由民主党防衛庁長官

○有田国務大臣 決して防衛局長の説明と私とは違ってないと思います。ただ、私がさっき突如として申したのは、いまのように分析をせずに言っておるから、そういうおそれがあるということばを使って言いましたけれども、いまのように分析していうなれば、それは補給部隊にやるものは直接戦闘作戦行動ではない。しかし、作戦をやっておるその部隊に直接補給するときは戦闘作戦行動になるというわけで、防衛局長の言うことと私の言うこととは違っておりませんから、その点は御安心願いたい。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 長官、もう少し権威ある答弁してくださいよ。たったいま取り消したことをまた取り消すのですか。いまの答弁は逆になりますよ。取り消したことが間違いになりますよ。あなた事前協議持ち出したことがどうも間違っておったから、取り消した。これが、いまの防衛局長の答弁に対して、今度それに引き込まれて、それが防衛局長と同じだと、こう言う。あなたの信念はどっちなんですか。一体どう考えているのですか。逆じゃないですか。

有田喜一自由民主党防衛庁長官

○有田国務大臣 淡谷さん、もう少し私の言うことをよく聞いていただきたいのです。いま、なる場合とならない場合と、両方あることを防衛局長言いましたね。(「おかしいじゃないか」と呼ぶ者あり)おかしいじゃない。直接戦闘作戦行動の場合に、たとえば武器、弾丸を直接持っていく場合と、補給部隊を通じてやる場合と、二色あることを申しましたね。その二つを私はこんがらかして一緒に答弁しました。あなたたちの分析も、日本の基地からこうだこうだという話でありましたから、私の言ったことは、分析が足らなかったために、あのことばは一応取り消しました。しかし、いま言ったように、直接戦闘作戦行動に直接関係ある部分については、防衛局長がいま二つの場合を分けて説明しました。そのことばは私は正しいということでここで申した、こういうわけです。

大出俊日本社会党

○大出委員 関連して。それを取り消されると、今度私が困るので、長官よく聞いてくださいよ。防衛局長宍戸さんのさっきの答弁は、サイゴンにいる補給部隊に米軍の極東輸送部隊が補給に行く、これは純然たる補給業務だから事前協議の対象にはなりません。しかし、サイゴンから向こう、戦闘をやっている、したがって、そっちに補給するということになると事前協議の対象になりますよ、そう答えたのですよ。(「そうじゃないよ」と呼ぶ者あり)そうじゃなくはないですよ。宍戸局長はそう答えた。サイゴンにいる補給部隊に補給するのは純然たる補給活動だ。しかし、それから先の補給ということになると、これは戦闘部隊だから事前協議の対象になるというふうに、あなた分けてお答えになった。もう一度確認します。

宍戸基男防衛庁防衛局長

○宍戸政府委員 もう一度繰り返しますと、日本から発進する場合の問題でございますけれども、向こうにいる補給部隊に直接補給しろという命令で行く場合には、事前協議の対象にならないと従来解しておる。それから、さっき地域のことを特に申し上げたわけではございませんけれども、要するに、あっちの地域で、戦闘している地域で、しかも戦闘している部隊に直接補給するというような活動をするために日本から発進するというような場合であれば、事前協議の対象になる。従来そう解しております、そうお答えしたつもりであります。

大出俊日本社会党

○大出委員 これはあとでいろいろ問題が起こるので、私は念を押しているのですよ。楢崎委員から、補給部隊への補給というけれども、戦闘地域であると、戦闘している部隊としていない部隊、たまを撃っている部隊とたまを撃っていない部隊と一体分けられるかという質問をさっきしたら、あなたはそれはそうだという。そこで、サイゴンから向こうは直接戦闘をやっている地域と、こうあなたは理解している。だから、サイゴンにいる補給部隊に直接補給に行くということであれば、これは純然たる補給業務だから、事前協議の対象にはなりません。しかし、サイゴンから向こうでは戦闘地域なんだから、現にやっているのですから、部隊を分けて、これは戦闘部隊、これはそうじゃない部隊、こういうわけにいかない。そこであなたは、先ほどサイゴンから向こうの戦闘地域に補給するのは、事前協議の対象になるというふうに考える、こうあなたは分けて答えておられる。その点を私は念を押しておるのですから、もう一ぺん答えてください。

宍戸基男防衛庁防衛局長

○宍戸政府委員 サイゴンのこちら、向こうというふうに具体的に分けて、それだけで区別することは、実際問題としてむずかしいのじゃないか。私も、先ほどそういうふうなつもりで申し上げたのでは実はなかったわけでございます。要するに一般論として、補給している部隊に直接補給するようなのは消極である。それから直接戦場で戦闘している部隊に武器弾薬を直接補給するような活動は積極、つまり事前協議の対象になるというふうな考え方で具体的な場合を区分すべきであろう、こういうつもりで申し上げたわけでございます。

大出俊日本社会党

○大出委員 長官が先ほど事前協議を唐突に持ち出したのは、サイゴンという地点を分けて、サイゴンまで、そこから先、こういうふうにあなたは地域的にお分けになった。サイゴンというのは、民間の商船も、あるいはほかの国の商船も行ったり来たりしているから危険がない。ないから、いわば戦闘地域ではないという理解で、そこまではいいだろう。しかし、サイゴンから先に行くと、戦争を現にやっている。やっているところに行くとなると、事前協議という問題がどうしても出てくる、あるいは疑わしいということが出てくるというので、あなたは事前協議を持ち出された。そうでしょう。宍戸局長のほうは、補給部隊に補給するというのは、一般論として事前協議の対象にならない。戦闘をやっている部隊に直接持っていって補給する、これは戦闘作戦行動にひっついているから、これは事前協議の対象になる。一般論としてはそうだ。そこで楢崎委員から、それじゃサイゴンから先の戦闘をやっている地域において、どれが戦闘部隊かどうか、戦争しているんだから、そんなことがわかるか。それに対して事前協議の対象にならぬというのはおかしいじゃないかという質問をした。そうしたら、局長の答弁が変わってきた。サイゴンという地点で考えれば、サイゴンにいる補給部隊に補給するのは、純然たる補給業務だから事前協議の対象にならない。そこから先の戦闘地域に補給に行くとすると、これは事前協議の対象となるものと考えていいんだということを言った。そこで、いま私が繰り返した答弁ならば、長官の言っていることと変わらない。変わらないのだとすると、今度は長官が取り消したことがおかしくなる。そうでしょう。サイゴンから向こうは、戦闘をやっている地域では部隊の区別もなかなかできない。そこへ持っていったんじゃ疑いが起こる。だから、その理解で、同じなんだから、いまの楢崎質問に端を発した宍戸さんの答えは、そうなると取り消す必要はなくなってしまう。だから、そこのところを何とかはっきりしてくれなければ、出たり入ったりまた出たりでは困るわけだ。そこのところをはっきりしてください。だから長官、いま私が質問したことに対して答えた宍戸答弁からいけば、サイゴンから向こうの地点、戦闘地域であっても、そこにいる補給部隊に補給するならいいんだということになる。そうだとすれば、補給業務なら、あくまで補給部隊という解釈ならば、サイゴンから向こうへ行ったって事前協議の対象にならない。そうすると、長官の答弁とは逆に食い違う。そう二転三転してはわからぬから、分けて考えていただいて、サイゴンまではいいんだ。補給部隊に補給する純然たる補給業務だからいい。そこから先は戦闘しているんだから、どれが補給部隊かわからぬ。だから、疑いも起こるんだ。だから、事前協議をやらなければうんと言うわけにいかぬという長官の論旨でいくのか。それとも、いま答えた、戦闘地域であっても何でもいいんだ、直接たまを撃ったり何かしているところでも、補給部隊に補給するのはかまわぬという解釈でいかれるのか。おのおの意見はあるけれども、はっきりしてください。

宍戸基男防衛庁防衛局長

○宍戸政府委員 繰り返すようでございますけれども、具体的にサイゴンという地域だけで右左分けるのはむずかしいのじゃないか。後ほど答えましたように、直接戦闘をしている部隊に直接補給するような補給活動は事前協議の対象になる、こう解すべきであろう、こういうふうに考えます。

大出俊日本社会党

○大出委員 それなら、長官の言っているのはちょっと的はずれだったということになる。サイゴンから向こうへ行っても、補給部隊に補給に行く純然たる補給ならば事前協議の対象にならぬとおっしゃった。そうだとすれば、長官はサイゴンから向こうに行くのは全部事前協議だという答弁をされたから、それなら取り消すということになるのですが、いいですね、いまのところは。両方、長官と防衛局長、統一してください。いまの答弁でいいですね。長官、どうですか。

有田喜一自由民主党防衛庁長官

○有田国務大臣 いまの防衛局長の答弁で私はよろしい。だから、先ほど来言っておりますように、サイゴンから奥は二色の場合がある。そこに疑義が起こる余地がありますから、私はそれを分析せずして言ったということであります。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 そう答弁が二転、三転しますと、ますますわからなくなってくるのです。何が何だかわからぬですよ。最初言ったのは、こういうことですよ。海上輸送はいいけれども、川をさかのぼった輸送はだめだということを言ったものですから、これはジョンソンラインが戦闘区域だけれどもいいというわけか、内陸のほうは一体どうしてできないのだと詰めていったでしょう。最初からやはり危険だからといって逃げた。内陸に入るときは事前協議の対象になるとあなたが言って、ちょっと混乱したでしょう。内陸は全部事前協議の対象になるといって問題を起こしたのに、防衛局長は、たとえ内陸であっても、直接戦争している部隊に兵たん輸送するのでなければ、これは事前協議の対象にならぬということをいま言ったでしょう。そうしますと、内陸へ入るのは全部事前協議の対象になるというのも誤り、私に対して最初答えた内陸にはもうやりませんという答弁も誤り、そうなるのですよ。つまりサイゴン川をさかのぼっても、直接戦争している部隊に兵たん輸送するのでなければのぼれるということでしょう。そうなりますね。

山上信重防衛施設庁長官

○山上政府委員 また兵たん補給の問題になりましたので、労務の問題として考えました場合には、サイゴン程度まで行く範囲につきましては、これは在日米軍の活動範囲でもあるし、かつまた一般商船も航行しておる範囲であるから、わがほうとしては労務者がそこに行くことは差しつかえない。それから奥へ行くことは、非常に危険も伴いますし、いろいろいま二種類あると申し上げましたが、戦闘部隊のほうに行くというおそれもあったり、あるいはそうでない補給の部隊に行くこともありましょうけれども、労務者としてはそこから先へは行かせないようにする。それを申し上げた次第であります。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 そこが争点になっておるのでしょう。したがって、内陸へ行けない理由は一体何かという問題なんです。法的な何か根拠があるのか。条約上の根拠があるのか。ただ危険だというならば、ジョンソンラインと内陸の区域と一これは在日米軍の行動に伴っての行為ですからね、アメリカはこれを区別していますか、区別しておりませんかと言ったら、答弁できなかった。英語で何というのだと言っても、答弁が出てこない。そこへもってきて長官が事前協議を持ち出すから、もつれちゃったのです。そうでしょう。政府の人たちは、みんな混乱させる名人ばかりですよ。ひとつ私の質問をそこではっきり受け取って、あまり他のことは言わずに答えてください。サイゴン川をかりにさかのぼって内陸輸送できないのは、危険の度合いの違いなのか、アメリカのジョンソンラインとの区別が違うのか。ただこちらからやる危険が多いからという理由によるのか、その点をはっきりしてもらいたい。

山上信重防衛施設庁長官

○山上政府委員 南ベトナムの水域は、サウス・ベトナム・ウオーターというふうに訳がされております。それからサイゴンから先が行けないというのは、先ほども申し上げましたように、サイゴンから先に行きますと、直接戦闘の行なわれている機会がしばしばございますので、危険も多いし、かつまた戦闘部隊に直接持っていくというようなこともあり得るので、日本の労務者がそれに乗っかっていくということについては、私のほうは米側に対して認めていない、こういうことでございます。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 日本が米側に対して認めていないのですか、あるいは在日米軍の行動が制限されているのですか。

山上信重防衛施設庁長官

○山上政府委員 前者でございます。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 日本がですか。在日米軍の行動は、内陸へ入った場合は指揮命令系統が違うと、さっき答弁したばかりじゃないですか、在日米軍の行動の範囲ではないと。どういう答弁をされるのですか、一体。在日米軍の行動じゃなくて、今度日本の都合だと言うのですか。在日米軍が入っていっても、日本はいやだと言えるのですか、どうなんです、一体答弁は。一つずつ言いますよ、それじゃ。

山上信重防衛施設庁長官

○山上政府委員 先ほど申し上げましたように、日本の労務者につきましては、サイゴン港に入っていって荷揚げ、荷おろしをするということは認めておる、こういうことでございます。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 その認めておる根拠です。日本側の理由か、米軍の理由か、どっちかはっきり答えてください。簡単に聞きましょう。

山上信重防衛施設庁長官

○山上政府委員 在日米軍に労務者を提供するときの条件といたしましては、非戦闘的勤務のために提供するということになっておりまするので、日米間でそういう話し合いもこれあり、またサイゴンから奥地に参るということは危険でもあり、戦闘行動に参加するという疑いもありますので、そこから先は——日米間の話し合いといたしましては、その程度の範囲、それから先には行かないということに在日米軍の労務者についてはなっておるということになっておる次第であります。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 在日米軍の行動範囲内でも、危険水域に入れられておるということですか。いまの御答弁では、そうとれます。

山上信重防衛施設庁長官

○山上政府委員 非常にダブる場合があると思いますが、ただいま先生の御質問になった趣旨と同じでございます。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 どういう趣旨なんですか、私は何も結論を出してませんよ。何も言ってませんよ。在日米軍の行動範囲内でも、日本の選択によって拒むことができるのか、できないのかという……。

山上信重防衛施設庁長官

○山上政府委員 この契約によりまして、非戦闘的勤務のためということに限定されておりますので、サイゴン程度まではいいが、そこから先は行かないようにする、こういうことを日本側として米側と話し合って了解しておる、こういうことでございます。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 質問が少し違ってとられております。サイゴンと言っておりません。ジョンソンラインと言っております。ジョンソンラインの範囲はどうなっているのですか。

山上信重防衛施設庁長官

○山上政府委員 先ほどから申し上げましたとおり、ジョンソンラインの範囲内でありましても、それはサイゴン程度であれば差しつかえないという範囲と理解をしておる次第であります。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 ジョンソンラインはどこからどこまでですか。

山上信重防衛施設庁長官

○山上政府委員 北緯十七度と南ベトナム海岸線との交点、北緯十七度東経百十一度の点、同点から南の北緯十一度東経百十一度の点、同点から西の北緯七度東経百五度の点、同点から西の北緯七度東経百三度の点、同点から北の北緯九度三十分東経百三度の点、同点から北東の北緯十度十五分東経百四度二十七分の点、同点から北のベトナムとカンボジアとの国境線とベトナム西海岸線との交点、というふうに理解しております。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 これは地図を見なければはっきりイメージがわきませんね、聞いたばかりでは。地図の提示を求めれば一番いいのですが、ダナンは入っていますね。

山上信重防衛施設庁長官

○山上政府委員 入っております。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 ダナンに補給行為を要請された場合は断わりますか、断わりませんか。

山上信重防衛施設庁長官

○山上政府委員 この範囲であれば、補給の範囲であるから差しつかえない範囲であると考えております。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 ダナンは戦闘地域じゃないですか。ジョンソンライン全体が戦闘地域と認めているのですよ。

山上信重防衛施設庁長官

○山上政府委員 先ほどから申し上げましたように、ジョンソン区域の範囲内でありましても、それは極東の周辺区域の範囲でありまするし、後方補給の範囲でありまするので、そこに対して輸送船等に従事する者が後方支援の業務をそこまで持っていくということは、差しつかえない範囲である、こういうふうに考えております。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 戦闘の起こっておる区域が、後方区域ですか。その地図によって後方、前線がきまるのではなくて、戦闘の実態によってきまるのでしょう。ダナンというのは、戦闘が起こっているじゃないですか。どうして後方区域なんです。いくさが起こっても後方区域だという強弁になりはしませんか。

山上信重防衛施設庁長官

○山上政府委員 この場合におきましては、日本からダナンに行きまして、その補給部隊に物資をおろして帰るという範囲内であれば差しつかえがない、こういうふうに申しておる次第であります。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 戦闘区域でもそのとおりですか。それじゃ一々輸送部隊が出るときは、その行く先あるいは目的を施設庁にはっきと断わるのですか、在日米軍は。それを確かめてからオーケー出すのですか。今後も起こることですから、はっきり聞いておきます。

山上信重防衛施設庁長官

○山上政府委員 私が申しましたのは、一般的にそういうような方針で米側と話しておりますが、個々の場合につきましては、個々の船員について、もちろんその行く行かないということの同意を得て乗っけていくのはもちろんでございますし、その行きまする場合には、日本政府側に一々通報がある次第であります。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 拒む場合に、ジョンソンラインという一つの区域が問題にならなければ、実際に戦闘が起こっているか起こっていないかが問題になる。ダナンが戦闘が起こっておってもやるならば、これは内陸へ入ったのと同じことじゃないですか。どうして違うのです、内陸とジョンソンラインと。

山上信重防衛施設庁長官

○山上政府委員 サイゴン、ダナン等は、これはベトナムの補給基地としてサイゴンと性格的には同じようなものであると私どもは理解いたしておりますので、ここへ参って補給をするという範囲であれば、差しつかえない範囲と考えておる次第であります。それからさらに奥地に参るというようなことについては問題があろうか、かように考えておるということを申しておる次第であります。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 そんな無責任な話はありません。さっきの答弁は、戦闘行為があって危険だからやれないと言う。ダナンは、戦闘行為はあっても危険じゃない、そんな誤った解釈があるものじゃないですよ。ジョンソンラインだからでしょう、つまり。戦闘が起こっているじゃないですか、両方とも。場合によってはジョンソンラインの中でも、危険な区域あるいは戦闘区域というものは出てきますよ。しかし、内陸は戦闘が起こってもやれないし、ジョンソンラインの中では、ダナンのように、いくさが起こっておっても日本の労務者が行けるのだ、こういう解釈は、筋が通らぬじゃないですか。どっちに重点を置かれるのです。区域ですか、戦闘行為ですか、いくさの激しさですか、部隊の性格ですか、明瞭に答えなさい。

山上信重防衛施設庁長官

○山上政府委員 ダナンは、物資の集積所でございますので、そこの補給部隊に行くということが明瞭でございますので、これは差しつかえないという範囲と理解をしておる次第であります。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 どこの命令ですか。

山上信重防衛施設庁長官

○山上政府委員 在日米軍の船舶が出航するときには、米軍の命令によって出るというふうに理解しております。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 それじゃ、米軍の命令があって、戦争区域でも、激しい戦争が起きている区域であっても、命令とあらば日本の労務者は行かなければならないわけですね。施設庁のほうにはこれは選択の自由がない、そう見えますがね。   〔伊能委員長代理退席、委員長着席〕

山上信重防衛施設庁長官

○山上政府委員 私が申しましたのは、ダナン、サイゴン、これらは一般的にいいましてさような物資の集積所でもありまするので、一般的にはそういうふうに考えられております。しかしながら、この区域が特別に危険な区域というような事態になりました場合には、たとえばサイゴンでございましても、また状況に応じて考えなければならないかというふうには考えております。ただ、現在のところ、そこに補給をいたしておりますが、この区域に入りますと補償額等が数倍になるというようなことにはなっておりますけれども、著しく危険というふうな状況がこの輸送の態様の中においては必ずしもないということで認める、かように考えております。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 あなた、答弁していておかしくありませんか。さっきは危険だから、今度は著しく危険だからとおっしゃいましたね。危険があっても、著しく危険でなければいいのですか。それから、一たん米軍のほうが非戦闘区域としてきめたものが、戦闘が激しくなった場合には戦闘区域になるんじゃないですか。協定にははっきり非戦闘区域と書いてある、かっては補給基地であっても、その後の実態が戦闘区域になるということもある。一体この認定はだれがやるか。米軍ですか、政府ですか、施設庁がやるのですか。日本の自主性の問題ですよ。

山上信重防衛施設庁長官

○山上政府委員 法律的に申しますと、戦闘行為に従事するということではございませんので差しつかえございません範囲だと思いまするが、きわめて危険であるというような場合には、かようなサイゴンとかダナンでありましても、日本側から米側に話し合いをいたして、さような危険区域についての航行については、これを制限するとか中止するというような話し合いはいたし得る範囲であると考えておる次第でございます。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 それじゃ、その観点から見て、ジョンソンライン全体は、いまのところでは拒絶する権限はないのですね。そして内陸はほとんど拒絶する区域、こう思ってもいいですか。これは米軍の行動範囲には関係ありませんね、念を押しておきますが。

山上信重防衛施設庁長官

○山上政府委員 ただいま申し上げましたとおり、その範囲であれば、拒絶する範囲ではないというふうに考えております。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 ちょっと納得のいかない御答弁ですが……。  そこで防衛庁長官、ここまで論議が進んだ場合、さっき取り消す取り消さないで議論したあなたのお取り消しの範囲は、どうなるのです、あと結論を得ていないから。取り消したり取り消さなかったり、一体その事前協議の問題は、どういうふうにどこを取り消すのか、この際はっきりしておいてほしい。

有田喜一自由民主党防衛庁長官

○有田国務大臣 先ほど来しばしば申しておりますように、戦闘作戦行動、それに直接補給する場合、そういう場合は事前協議の対象となり得る。そうでない場合、すなわち補給部隊に行って、間接に戦闘部隊に補給するというような場合は、これは戦闘行為として事前協議の対象にはならず、われわれとしてはそれは認めない、こういうことですね。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 では、施設庁長官、こっちのほうに自主的な選択があるならば、内陸の補給部隊に輸送を要請された場合は、これは拒みますか、拒みませんか。

山上信重防衛施設庁長官

○山上政府委員 これは事前協議と特別私どもは関連なく、サイゴンから内陸に入ることについては、拒みたいと思っております。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 拒みたい。その場合、協定はどうなります。

山上信重防衛施設庁長官

○山上政府委員 先ほども申し上げましたように、その奥地に参りますことは、戦闘部隊に直接補給するおそれもあるし、また危険でもありまするので——先ほどことばが足りませんでしたが、著しく危険でありまするので、その点につきましては控えていただくようにということは、協定のどこの文章に書いてあるということではございませんが、私どもはこれを日本の自主的な立場として、労務者を保護するという立場から申してまいりたい、かように考えております。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 それじゃ、非戦闘区域はいいが、戦闘区域はだめというふうにはっきり考えていいですね。戦闘区域は絶対入らないという状況判断は、どこでやるのですか。戦闘区域、非戦闘区域。たとえばジョンソンラインは危険区域という答弁ですけれども、これは戦闘区域とどう違うのですか。非戦闘区域ということばがないから、危険区域と言っているのでしょう。ジョンソンラインが戦闘区域であるならば、それは拒みますか。戦闘区域であっても、危険が著しくなければ拒みませんか。

山上信重防衛施設庁長官

○山上政府委員 ジョンソンラインは危険区域と承知しておりますが、これが戦闘区域でありましても、そこに対する補給は、後方支援でございまするから差しつかえない。しかしながら、それからさらに著しく危険なところに参るというような場合におきましては、これは労務者の保護という点から、これに対して制限を加える、これは当然のことではないかと考えておる次第であります。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 さっき読まれた協定の内容をもうお忘れになっておるようですから、もう一ぺん読んでください。協定の内容と違った答弁ですよ。

山上信重防衛施設庁長官

○山上政府委員 先ほど読んだと申されるのは、船員の提供は——船員契約の第三条「役務の範囲」というのに「船員の提供」ということがございます。それは「B側は、アメリカ合衆国の船舶でその所属港が日本国内にあるものにおける非戦闘的な勤務のため、A側が」云々、こういうことでございます。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 云々まで読んでくださいよ。云々と言わないで、云々じゃわかりませんから。非戦闘区域ですか。もっとおしまいまでちゃんと読んでください、云々なんてごまかさないで。

山上信重防衛施設庁長官

○山上政府委員 先ほど読んだやつをもう一度とおっしゃいましたので、そう読みました。失礼いたしました。それじゃ引き続いて読みます。「非戦闘的な勤務のため、A側が文書により随時要求する場合に、地位協定第一条に定義されている合衆国軍隊の構成員、軍属またはそれらの家族以外の者で通常日本国に居住するものを、この契約に定める規定および条件に従って提供するものとする。」という提供の条件でございます。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 さっき話しましたね、ジョンソンラインが危険区域なのか、戦闘区域なのか、わかり次第御答弁願いたい。まだ受け取っていません。われわれは戦闘区域と思っています。  在日米軍と自衛隊の関係ですが、在日米軍の行動と自衛隊の行動とは、どれくらいに密着しているかという問題です。在日米軍に要請された場合は、労務者だけでなくて、自衛隊が一緒に行動する範囲というのはどこまでか。

宍戸基男防衛庁防衛局長

○宍戸政府委員 ちょっと御質問の御趣旨がよくわかりませんので、もう一度お願いいたしたいと思います。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 在日米軍が日本の自衛隊に要請し得る限度、範囲というものは、きまっておりますか。きまっているならば、どの程度ですか。特に陸上自衛隊はどうです。

宍戸基男防衛庁防衛局長

○宍戸政府委員 いまの施設庁の問題と離れて、一般論としてのお尋ねでございますね——具体的に言いますと、作戦協定とかそういうふうなことかと思いますけれども、そういうことでございましたらば、具体的な作戦、いわゆる作戦協定的な協定はございません。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 ございません。——ありますか。

宍戸基男防衛庁防衛局長

○宍戸政府委員 いわゆる作戦協定、普通の軍隊同士の。昔でいいますと、マッカーサー司令部とかというふうなときに作戦協定をやったと思いますけれども、そういう意味の米軍と日本の自衛隊との協定、有事の際にどの地域をどこの部隊でどういうふうに分担するというふうな具体的な作戦協定はございません。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 それでは、在日米軍と日本の自衛隊とは、全然ばらばらの行動をしていいわけですね。防衛庁の判断によってやってかまわないわけですね、作戦協定がなければ。

宍戸基男防衛庁防衛局長

○宍戸政府委員 米軍と自衛隊とは、基礎的には御存じの、申し上げるまでもないことですけれども、有事の際には安保条約で共同して対処するということがもとにあるわけでございます。それを基礎にしまして、米軍と自衛隊とは常時情報交換、意思の疎通をやっております。全然ばらばらかというお尋ねでございますと、そういう意味で、ばらばらというわけではございません。共同の危険に対して共同の対処をするということで結ばれている。ただ、先ほどもお尋ねの、具体的にどの地域をどの部隊でどういうふうに担任するかというふうな意味のいわゆる作戦協定というものは、まだつくられていない。実際にそういうことが必要であればつくられるということになろうというふうに考えておりますけれども、きょう現在ではまだつくられていない、こういうことでございます。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 これがあるから実は質問したわけですが、これは防衛庁長官に開いたほうがいいと思いますが、現在のところ、この安保条約によって米軍との共同行動は、具体的にはどういうふうになっておるのですか。それを聞いておるのです。

有田喜一自由民主党防衛庁長官

○有田国務大臣 この問題は先般もお答えしたかと思いますが、有事のときにはそれぞれ具体的な相談が要ると思いますけれども、いま、こういうところにこういうことが起こったらどうしようか、ああいうところにこういうことがあったらどうしようかというようなことは、想像もできないし、そういういわゆる作戦協定的なものは、いま考えていない。われわれとしては、平時常に意思の疎通をはかって、そして情報交換とかそういうことをやっておりますけれども、いざというときにはそういうものができるような考えでもって、いまのところはそういうことはつくってもおらなければ、考えてもおりません。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 松前・バーンズ協定は、一体どう考えておりますか。あれは協定じゃないんですか。何ですか。

有田喜一自由民主党防衛庁長官

○有田国務大臣 あれはいわゆる領空侵犯に対するわれわれの考え方であって、いまはそれはすぐ作戦、いわゆる武力侵略に対する備えというようなものとは思っておりません。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 それでは一体どういうものですか、協定とは思っていないということになれば。

有田喜一自由民主党防衛庁長官

○有田国務大臣 これは先ほど言いましたように、領空侵犯に対するわれわれの警戒管制組織の問題でありまして、詳細は防衛局長からお答えいたさせます。

宍戸基男防衛庁防衛局長

○宍戸政府委員 これはせんだってもお答え申し上げましたけれども、先ほど申し上げましたような有事もしくは有事に準ずるような場合、その場合のいわゆる作戦協定的な協定ではございませんで、別の意味の協定でございます。別の意味の協定と申しますのは、先ほど大臣からもお答えのとおり、平時における領空侵犯に対する対処のしかた、これを定めている協定でございます。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 かりに有事の際あるいは平時の際、どっちでもいいですが、米軍から陸上自衛隊もしくは海上自衛隊に対して、端的に言って、さっきの駐留軍の労務者が行動している場所、サイゴン周辺に共同出動を要請された場合は、拒み得ますか、拒み得ませんか。

宍戸基男防衛庁防衛局長

○宍戸政府委員 自衛隊は海外派兵をする立場にありませんので、お示しの、もちろん仮定の話と思いますけれども、サイゴンに自衛隊を出してくれということであれば、拒むことになろうかと思います。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 在日米軍の行動範囲内でも、必ずしも日本の自衛隊は行動を一緒にしなくてもよろしいと言い切れますね。

宍戸基男防衛庁防衛局長

○宍戸政府委員 自衛隊は、御存じのように自衛の範囲内にとどまります。在日米軍は、わが国の防衛のほかに極東の平和と安全のために活動する、そういう差がある。したがって、行動にも差が出てくる、こういうことであろうかと思います。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 つまりわが国の防衛とアジアの防衛ですね。自衛隊は、わが国の防衛に関連して、アジアの防衛に立つような責務を持っておりませんか。

宍戸基男防衛庁防衛局長

○宍戸政府委員 自衛隊は、もっぱらわが国の平和と安全のために活動する、こういう立場にあるわけでございます。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 ここで長官に御答弁願いたいのは、いまの答弁に基づきまして、わが国の自衛隊は、いかなる要請があろうとも、日本の国土以外には出動しない、こういうふうに思ってよろしいですね。明確に御答弁願いたい。

有田喜一自由民主党防衛庁長官

○有田国務大臣 そのとおりでありまして、われわれは憲法の許せる範囲内以外には出ないわけでございますから、海外出動ということは絶対考えておりません。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 防衛局長、空軍の場合はどうですか。わが国を守るという意味において、わが国の領空以外に飛べますか、飛べませんか。

宍戸基男防衛庁防衛局長

○宍戸政府委員 領海、領空で活動することはもちろんでございますけれども、領海、領空を守るために公海上で活動することは、当然あろうかと思います。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 航空自衛隊の場合は、公海上まで行けるんですね、いまの答弁では。公海はどこにでも行けますか、あるいは極東の範囲に関係ありますか。

宍戸基男防衛庁防衛局長

○宍戸政府委員 航空自衛隊に限らず、海上自衛隊でも、公海上または公海の上の空で活動することは可能と考えております。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 そこではっきりお聞きしたいのは、厚木から飛びました偵察機の問題ですが、同じようなケースは全国どこの基地でも行なわれる可能性がありますか。米軍の飛行機が、偵察機としてならば国内のどこの基地からでも飛び立てるような条件がありますか、可能性がありますか。

宍戸基男防衛庁防衛局長

○宍戸政府委員 理論だけの問題としましては、厚木から飛び立つことが可能な場合には、ほかの航空基地からも可能であろう、理論としてはそう思います。ただ実際問題として、厚木にいる飛行機の種類とほかの飛行場の航空機の種類が違ったり、任務が違ったりいたしますけれども、理論としては、厚木の部隊が特に制限を受けている、あるいはほかの部隊が特に制限を受けているということではなくて、一般的に極東の平和と安全、あるいはもちろん日本の国益のために存在しつつ、そのために活動するということに差はないと思います。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 戦闘機を伴った偵察航空でもやはり可能なんですね。その場合に、日本の航空自衛隊が公海上の空まで出動を促されると、拒むわけにはいかぬのですな、この偵察行動には。

宍戸基男防衛庁防衛局長

○宍戸政府委員 自衛隊が他のほうから促されて拒む、拒まないということは、ちょっとわれわれには想像できませんけれども、技術的に判断しまして、かりに侵略がある場合に、領土、領海を守るために領土、領海の上で活動することはもちろんでございますけれども、必要な範囲で、つまり自衛のために必要な範囲で公海上で活動することは、あり得ると思います。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 侵略があった場合というおことばですが、侵略がなかった場合でも、こういうことができますか、あるいは偵察行動なんか。偵察行動を助けるようなことができるのですか。

宍戸基男防衛庁防衛局長

○宍戸政府委員 理論の問題としては、偵察行動であれば、別に侵略が具体的にはない場合でも、偵察行動は可能と思います。その偵察行動を支援するために戦闘機が付随して公海上で行動することは、理論上の問題としては可能でございます。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 全国の聖地の中には、米軍と一緒に演習をし、米軍と一緒に使用している例はずいぶんたくさんありますけれども、具体的な例に返りまして、三沢の問題で、この間行なわれたナパーム弾の演習というのは、日本側ははっきり把握しているのですか。これは施設庁長官のほうがおわかりだろうと思いますから……。さっき提示しました写真、これは何の模擬弾ですか。あの演習は、ナパーム弾の演習と言いますが、あの写真によって見た実況というのは、一体どういう模擬弾なんですか。

山上信重防衛施設庁長官

○山上政府委員 五月十三日に行なわれました演習は、これは模擬弾ではなくて、ナパーム弾を投下した演習である、かように考えております。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 さっきは、基地訓練の制限は模擬弾だけだと明確に言っていましたね。実弾も使う場合があるのですか。さっきは、あらゆる爆弾の内容制限はしないが、模擬弾でやるというお答えでしたよ。そういう答弁をしておいて、今度は実弾を使ってもいいのですか。制限の中には入らないのですか。

山上信重防衛施設庁長官

○山上政府委員 私の申し上げましたのは、模擬爆弾というものはございます。そのほかにナパーム弾あり、またロケット弾あり、それから機関銃砲弾。これら機関銃砲弾等につきましては、もちろん実弾でございます。また、ナパーム弾につきましても、実弾と考えて差しつかえないと思います。ただ、模擬爆弾というのは、これは本物の爆弾ではなくて、模擬爆弾でございますということを先ほど申し上げたのでございます。いろいろあるうちの模擬爆弾は、模擬だけでございますということを申し上げたのでございます。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 模擬は爆弾だけで、あとは実弾演習ですか。これは全部に通ずるわけですか。模擬というのは爆弾だけで、あとは実弾演習は全部許可している、制限してない、こういうふうにとってかまわないですか。

山上信重防衛施設庁長官

○山上政府委員 私の舌足らずでございましょうか、模擬は爆弾だけでございますかと申しますと、ロケット弾には、本物のロケット弾もございますし、模擬ロケット弾を飛ばすこともございます。したがいまして、模擬は爆弾だけかという御質問に対しましては、ロケット弾等につきましては、模擬もございますということを申し上げておきます。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 さっきの答弁と違うのですよ、さっきは爆弾は、模擬爆弾は許可したけれども、実弾はやらぬという答弁なんですが、それでは実弾もやるんですね。実弾をやる範囲は、どこまで来ているんですか。これはさっき聞きました長官の答弁でも、こういうことに対しては十分訓練種目を限定してありますという御答弁があるのですから、実弾訓練、実弾演習というものは、無責任に許しているのですか。さっきは核爆弾だけは模擬でしょうが……。それでは、あくまでもあとの爆弾は実弾を使う場合もあるのですね。

山上信重防衛施設庁長官

○山上政府委員 爆弾につきましては、模擬だけでございます。これは先ほど申し上げたとおりでございます。ただ、機関銃弾がございます。これは模擬ではございませんで、本物もよろしい。それからロケット弾につきましては、模擬だけでなく、本物もよろしい。ナパーム弾につきましては、本物でもよろしい。こういう範囲でございます。それ以上の範囲ではございません。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 ナパーム弾の実弾演習というものが、あのとおり非常に危険な状態を呈しているわけなんです。このナパーム弾の演習あるいはその他の実弾演習を、危険の度に応じてもっと制限するような気持ちはございませんか。地元は、あの演習でおびえ切っておりますよ。これからまた再三ナパーム弾の戦争みたいな状態を来たすつもりですか。何らか米軍に対してこれを制限するような申し入れをしませんか。

山上信重防衛施設庁長官

○山上政府委員 ナパーム弾につきましては、先ほどもお答え申し上げましたとおり、危険を防止するという意味合いにおきまして、低空からの投下訓練——高空からの投下訓練というものは認めておらないのでありまして、特にこれは進入方向につきましても、海岸と平行して進入する。陸地から進入してくると、縦に陸地のほうに来るおそれがありますので、海岸と平行して進入して、高度を二百フィート以下ということで、かつまた投下後は海上のほうに反転するという制限を加えております。これによりましてナパーム弾の危険ということがないように相つとめておりまするし、従来までナパーム弾によって特に外部に被害があったということは、私ども伺っておりませんが、今後これらにつきましてなおいろいろ危険等の事情がございますれば、これはよく検討してまいりたい、かように考える次第でございます。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 ナパーム弾の実弾演習というものは、初めてではないですか。毎年やりましたか。

山上信重防衛施設庁長官

○山上政府委員 毎年数回行なわれていると承知しております。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 いつから行なわれているのですか。

鶴崎敏防衛施設庁施設部長

○鶴崎政府委員 ナパーム弾の実際の使用は、当方の調査によりますと、三十九年に一回、それが最初でございまして、それからあと四十年ごろから四十三年にかけましては、年間五回ずつ、四十四年度は、つい最近、五月十三日に行ないましたのが一回でございます。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 三沢の基地における昭和二十年から四十年までの航空機事故あるいはこういうふうな模擬弾の事故が、一体どれくらい起こったのか、正確に把握しておりますか。

山上信重防衛施設庁長官

○山上政府委員 私から便宜米軍関係についてお答えいたしまして、後ほど防衛庁のほうから自衛隊関係について御説明があるかと思います。航空機によりますところの事故につきましては、昭和二十七年以来今日までに起きました事故は、航空機の墜落、あるいは誤投下、あるいはその他の物品の落下、不時着その他すべてを合計いたしまして、昨年末まででございますが、全国で千五百二十四件というふうに承知いたしております。  三沢におきまするところの航空機事故の総計は、昭和二十七年以来四十三年度までに二百三十六件でございます。

宍戸基男防衛庁防衛局長

○宍戸政府委員 自衛隊関係を申し上げますと、けさほど申し上げました昭和四十年二月のF104の空対地の射撃における誤射事件のほかに二件ほどございまして、これは一つは、四十一年五月86Fが上空で空中爆発を起こしまして、パイロットが死亡いたしました。地上には被害はございませんでした。これが一件。それから四十一年の十一月に、やはり86Fでございますけれども、これは空対地の射撃訓練中にパイロットに衝突いたしまして、パイロットは死亡いたしましたが、幸いに民間には被害はございませんでした。  以上、三件が自衛隊関係の事故でございます。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 昭和二十年から四十年までの資料を、私のほうでも調べたものがありますが、三沢の航空機墜落は二十七、これは米軍機あるいは自衛隊機みんな入れましたものであります。それから模擬弾を落としたのが百五十七。それから誤射その他は七十三あります。これは本日芦屋などに比べて最も大きな数字。それから、そのほか周辺の米軍の軍人あるいは軍属の、その他家族の犯罪というのは非常に多いですね。実弾のナパーム弾の演習など、ずいぶん前からやっていますが、危険を押えるといいますか、実際に耐えがたいような危険にさらされている。このまま進むならば、あそこにはたいへんな人命の損傷のおそれさえ出てくるのです。聞くところによれば、防衛庁は三沢を模範地区と言っているらしい。抵抗がなかったから、反対がなかったから。いつまでもそんな状態と思ったら大違いですよ。ナパームの演習以来、現地には非常に猛烈な勢いで撤去運動が始まってきている。この際やはり強硬に米軍に申し入れて、この危険を少なくするためにも、実弾演習はできるだけ制限するように申し入れする気持ちがあるかどうかお聞きしておきたい。

山上信重防衛施設庁長官

○山上政府委員 在日米軍が射爆撃演習場を使用いたしますのは、これは安保条約に伴いますところの義務履行のための、米軍の練度を維持するために必要なものであることは、われわれ理解しなければいかぬことだと思います。しかしながら、この演習場使用にあたりまして、周辺に被害を与えるということにつきましては、これは避けるように努力いたさなければならぬことは、先生おっしゃるとおりであります。したがいまして、今後ともこれらの実弾等を使う場合の事故の防止等につきましては、十分に注意を喚起してまいりたい。そしてできるだけ事故を少なくするように、政府としても努力をいたしたい、かように考える次第でございます。

岡田春夫日本社会党

○岡田(春)委員 関連。自衛隊の問題が出てまいりましたので、実は若干関連質問をしたいと思うのですが、これはたいへん緊急の問題でございますので、一、二伺ってまいりたいと思います。  ただその前に、先ほどからの淡谷委員の質疑に関連をして非常に重要なことが、実は答弁をされているので、この点は一点だけ先に確かめておきたいと思います。  と申しますことは、アメリカの海軍の輸送船、在日米海軍の輸送船の問題に関連をして在日米軍の行動範囲の問題について、これは断片的にはいままで答弁などもあったけれども、実は非常に重大な答弁が出ている。と申しますのは、安保条約に基づいてということで、在日米軍の資格において、その間行動範囲というものが、極東の全域並びにその周辺に及び得る、こういう意味の答弁を先ほどされたと思うのです。これは非常に私は重大な答弁だと思う。と申しますのは、たとえば空軍の場合については在日米空軍、これは第五空軍でありますが、第五空軍の在日米空軍は、五空の範囲を越えて極東の全域並びにその周辺の地域全域に及び得るということであるとするならば、そこでたとえば在ベトナム米空軍、この場合において在日米軍の資格において、米空軍は連合して作戦をすることができる、そういう理解をすることができるようになってきた、そういう道を開いてきた、そういう答弁として私は理解せざるを得ない。そうなりますと、われわれ社会党がかねがね言っておるように、在日米軍という資格においてベトナムあるいはフィリピン、あるいは台湾、あるいは韓国、これらの地域にいるところの米軍とともに共同の作戦を行なう、そういう共同の作戦を行なうということになると、その範囲内において日本の自衛隊とも共同の行動を行なう。これこそまさに軍事同盟体制であるということが先ほどの答弁で非常に明らかになってきた、そういうことが。  結局問題は、在日米軍というものの行動範囲というものが、いわゆる米軍の編成を越えて行動ができるんだという理解をされているのならば、そこの点をはっきりしておいていただかなければならないと私は思う。従来は在日米軍の行動範囲というものは、その編成上在日米軍の区域内のものというように理解をされておったはずなんだが、その行動の範囲が全域に及ぶというならば、そこの解釈は明確にしておいていただきたい。この点は、今後の防衛問題として非常に大きな問題点を提起することになりますので、もう一度これは防衛庁長官からはっきりと答弁を願っておきたいと思います。

有田喜一自由民主党防衛庁長官

○有田国務大臣 わが自衛隊が……。

岡田春夫日本社会党

○岡田(春)委員 自衛隊の問題ではない、在日米軍の問題だ。

有田喜一自由民主党防衛庁長官

○有田国務大臣 いや、自衛隊がそういうおそれがあるとおっしゃいますから言うのですが、自衛隊は先ほどから言っておりますように、憲法で制約されておりますから、そう無制限に外国の領土なんかには進む考えは絶対ありません。  なお米空軍の問題ですが、これはそのときの情勢によって違います。これこそ、もしも戦闘作戦行動に出るときは、これは事前協議の対象になります。ただ普通の演習とかなんとかいう場合はあります。したがいまして、在日米軍の置かれておるその使命から申しまして、極東あるいはその近辺ということはありましょうけれども、そんなに無制限にどこまでも飛んでいくということは絶対にございません。

岡田春夫日本社会党

○岡田(春)委員 あなたは答弁をはぐらかしちゃいけないですよ。私、さっきあんなに長々と言ったのは、在日米軍の資格において行動し得る範囲というものは、極東並びにその周辺に及ぶと、あなたはさっき答弁したでしょう。それならば、在日米軍の資格においてベトナム戦争に参加できるのでしょう。そういう解釈でいくならば、在日米軍の資格において戦闘に参加できるということですか。それじゃ極東並びにその周辺の地域が在日米軍の行動範囲である。こういう御答弁であるならば、そういう解釈ならそういう解釈を——賛成か反対かは別ですよ。防衛庁の解釈はそういう解釈だとおっしゃるならば、そういう解釈だと御答弁を願いたいと言っておるのです。

有田喜一自由民主党防衛庁長官

○有田国務大臣 これはかりにいまベトナムが戦闘作戦行動に入るというようなときは、在日米軍ではない。それは向こうの指揮下に入る、指揮系統が違ってくると私は思うのです。したがいまして、そういうのは在日米軍としては、私は考えない。

岡田春夫日本社会党

○岡田(春)委員 指揮系統に入るとおっしゃるのは、それはどういうことなんですか。そうすると、極東の範囲内において、安保条約の条文にある日本の安全並びに極東の安全のために、したがって、その極東の範囲内には入らない、こういうことですか。在日米軍の行動範囲はそこから制限をされるとか、こういうことですか。問題は、そういう範囲を、先ほどは行動範囲が極東の周辺にまで及ぶ、こういうようにお話しになっているから、だから私は聞いているのであって、指揮系統が全然違うのであるから、そこで違うんだ、こうお話しになるなら、これはまた別なんだ。そこの点を明確にしていただかないと、どこからどこまでも及び得るんだというならば——私は実態はそうだと思いますけれども、政府が答弁したのは、これはきわめて最近珍しいというか、非常にはっきりした答弁としては初めてだと思う。それならそれではっきり御答弁をいただきたい。たとえば私は、これは関連ですから、長い質問をしないためにも、先に具体的な例をあげますが、第七艦隊どうですか、第七艦隊は日本に来たときに初めて在日米海軍としての扱いを受けるのでしょう。しかし、七艦は外へ出た場合には、これは在日米軍ではありませんよ。その場合は編成上七艦という資格において行動するわけでしょう。ところが、あなたのさっきの解釈でいうと、在日米軍というのは極東の周辺まで及ぶのであるからといって、それが及び得るのであるならば、第七艦隊は在日米軍の資格においてベトナムのトンキン湾にまで及ぶという解釈になるんじゃないか、そういうこともできるわけですね。そういう解釈の問題をさっきから伺っているのであって、淡谷さんの質問のポイントもそこなんですよ。あなた、そこの点を、編成上の問題を全然度外視して言うから問題があるし、結果論としてはあなたは——私は自衛隊が外へ出るとか出ないとか言っていませんよ。連動作戦をやるんだということを言っているんですよ。そういう軍事同盟の連動作戦の一部の中に日本の自衛隊も加わるんだ、こういうことを言っているのですよ。だからあなたはその編成上の問題をもっと明確にされないことには、その点が非常にあいまいな答弁でごまかされる。先ほどの答弁では、在日米軍の及ぶ範囲というものは、極東周辺にまで及ぶ、こういう解釈ならば、そういう解釈をはっきりさしていただきたい。そこの点をもう一度はっきり御答弁をいただきたいと思います。

藤田義光自由民主党

○藤田委員長 まず、防衛局長の答弁を求めます。締めくくりは防衛庁長官にお願いします。

宍戸基男防衛庁防衛局長

○宍戸政府委員 安保条約に基づきまして、在日米軍が日本の施設区域を使用するということにつきましては、安保条約の定めるところによることになるのは当然だと思います。お示しの第七艦隊そのものが在日米軍になった場合には、したがって、安保条約に基づいて行動する。それから、日本に寄ったり寄らなかったりするという第七艦隊の行動そのものは、直接安保条約に関連するわけではない。これは当然だと思います。また、自衛隊が在日米軍と共同対処することはあり得るということは、先ほども申し上げましたけれども、それが直ちに韓国あるいはフィリピン等々と共同対処するということにつながることになるわけではないとわれわれは考えております。

岡田春夫日本社会党

○岡田(春)委員 答弁が私の質問に答えてないんですよ。在日米軍の行動範囲はどこまでかということを聞いておる。いままでの答弁を聞いておると、極東の範囲内という。安保条約の規定に基づいているからというので、極東並びに極東の周辺全域に及び得るというのが政府の答弁としていま行なわれたんだ。その場合には指揮系統の問題は全部無視されているではないか、こう言っているんですよ。第七艦隊の問題はいま防衛局長が答弁しておるけれども、指揮系統の問題があるからああいう答弁になっているんですよ。そこの点に、無制限であるというなら、そういう答弁をなすったんならそれは再度確認してくださいといっている。この問題ははっきりしておいてもらわないと、私、関連ですからあまりやれないんで、不明確な場合には私は留保してあとでまたやりますけれども、たとえば、さっきからあなた方言っているジョンソンラインの問題があるでしょう。ジョンソンラインは何でできているんですか。あれはアメリカのベトナムの侵略戦争に基づいてジョンソンラインというものができたんでしょう。このジョンソンラインを越えてでもやれるんだなんということで、在日米軍としてやれるんだなんということになると、これはたいへん問題なんです。それじゃ、編成の問題どうなっているんですか。ベトナムにいる米軍の編成の問題、どうなっているんですか。そこの辺を含めて御答弁をいただきたいから、さっきからこういうように同じことをしつこく言っているんだけれども、答弁をはぐらかさないで、在日米軍の行動範囲の基準は何なのかということをはっきりしてもらいたいということを言っているのです。防衛庁長官、それこそ防衛局長の答弁ではだめですから、あなたから総括的な結論としてまとめた答弁をなすってください。

有田喜一自由民主党防衛庁長官

○有田国務大臣 在日米軍というのは日本における米軍でございますね。それから、たまたまアメリカの、たとえば七艦隊が日本の横須賀なら横須賀に入港する。その在日の間は在日米軍として扱われるわけですね。先ほど来申したのは、在日米軍の補給の問題について、戦争でなくて、補給にそこまで行ける、こういうことを言っておるのでありまして、いまの飛行機、空軍がどうなるかということは、空軍ということは、これはもしも戦闘作戦行動に出るという前提で行くならば、これこそ事前協議の大きな問題になるし、また向こうに行けばこれは編成上、たとえばベトナムのほうの軍司令官の指揮下に入るわけですから在日米軍の扱いはされない、かように考えます。詳細は防衛局長をして答弁させます。

岡田春夫日本社会党

○岡田(春)委員 これは自衛隊の緊急の問題のほうに入るから、重要な点は留保しておきますけれども、あなたの解釈でいくと、どうですか。指揮問題が出ていないですよ。在日米軍の指揮系統というのは在日米軍司令部の指揮に基づいて行動するのです。そうすると、空軍の場合で例をとりましょう。在日米軍司令部と第五空軍司令部と同じでしょう。五空の司令部が命令を出す範囲というものはあなたの解釈でいくとベトナムにある第七ですか第八でしたか。——八ですね。八空の範囲まで第五空軍の司令部の命令で行動できるのですか。そんなことできやしないでしょう。あるいはフィリピンの十三空軍の管轄まで極東並びに極東の周辺ということならば、その管轄の区域まで五空の命令というものは及び得るという解釈になるでしょう。だから、あなたは、極東並びにその周辺の地域に及び得る、在日米軍が。そういう解釈では確定解釈にはならないのです。そういう確定解釈だとあなたがおっしゃるなら、それならそれでもいいですよ。それならば、いままでの解釈よりも拡張解釈なんだから、いよいよ防衛庁は本性をあらわしてそういう形に始まったんだというように私は理解しますから、それならそれでもいいですよ。だから指揮系統の面からどこなんですかということをはっきり聞いているんだ、行動範四を。だから事前協議はどうでございまして、これはどうでございましてなんというそんな問題ではないのです。その問題もありますよ。あるけれどもそれは私は聞いてないですよ。在日米軍の行動範囲はどこまでかということを聞いている。そうでないとあなたのさっきからの答弁、ジョンソンラインの問題やいろいろな問題を出して、ジョンソンラインでは及び得るのだとかなんとか言っているけれども、そこの点での問題点があるのだということをはっきりしてもらわなければならないし、あなたの答弁の解釈によっては拡張解釈だかどうだか、そこの点をはっきりしておいてもらいたいと、こういうわけです。

有田喜一自由民主党防衛庁長官

○有田国務大臣 先ほど来淡谷委員の質問に対して、在日米軍ということばを使ったのは、主として艦艇、輸送の問題について話したことですね。これは在日米軍の行動として補給業務に当たる、これはいいと思います。しかし、いま岡田さんの言われる空軍の問題は、これは戦闘作戦行動になるのではないか。そういうような場合になれば、五空軍から離れた向こうの戦闘作戦に加わる以上は、第八空軍の指令下に入る、かように私は考えております。

岡田春夫日本社会党

○岡田(春)委員 いまの答弁では私は全然満足しません。答弁を実ははぐらかしております。はぐらかしているのは御理解がないから答弁ができないのかそこら辺わかりませんが、行動範囲の問題については、いずれ留保しておきます。留保しておいてあとで私は私の質問のときにあらためてお伺いをすることにします。  むしろ問題は、緊急の問題として、きょうのある新聞に、来年度の予算編成に関連をして、実はこういう記事が四段で扱われております。ちょっと読んでみますが、北海道の問題です。見出しとしては、「ロケット部隊か」「美唄に自衛隊配置計画」「防衛庁は、来年度末までに新編成部隊を美唄市に配置する方針を固めた。」その固めた内容、配置する部隊は「陸上自衛隊の30型ロケット大隊、地対空ミサイル・ホーク大隊、航空自衛隊の同・ナイキ、J中隊などロケット関係部隊の中から選ばれることがほぼ確実である。」という記事で、あまり長くなりますから詳細については言いませんが、特に長沼のナイキJの問題については、裁判問題があるために長沼にナイキJを設置することをあきらめて美唄に移駐しようという計画を持っているということまで内容として書いてあります。それから、ミサイル・ホークの問題は、いままでの国会における応答を聞くと、北海道でも道北地帯に置くという計画だった、こういう答弁をわれわれは聞いている。それなのに急に美唄に置くというような問題が出されている。それからR30の問題は、これは富良野と聞いておった。ところがこれを美唄に置くというように実は予算の編成をしようとしているということが新聞の報道として明らかになっておる。しかも、このような配置計画をやるためには、自民党の某有力者の力によってこのような計画が進められようとしているということまではっきり書いてある。  そういう形で私の足元へこれを持ってくるなら持っていらっしゃい。持ってきてもいいですよ。持ってくるならわれわれやりますよ。長沼どころじゃないですよ。やりましょう。反対闘争は徹底的にやりますよ。こういうことが決定をされているのですか。決定されたと書いてあるのですが、これは防衛庁長官に伺っておきたい。

有田喜一自由民主党防衛庁長官

○有田国務大臣 そういうことはまだ決定されておりません。御承知のとおり、本年度の予算におきまして調査費ができております。その調査費によってあの方面に何らかの部隊を置こうという——いま調査しつつあるところでありまして……。

岡田春夫日本社会党

○岡田(春)委員 あの方面とはどこなんですか。

有田喜一自由民主党防衛庁長官

○有田国務大臣 そういう段階でありますので、いまおっしゃったようなことは決定しておりませんから……。

岡田春夫日本社会党

○岡田(春)委員 調査費とおっしゃったが、調査費は幾らついているのです。はっきりおっしゃいなさい。

佐々木達夫防衛庁経理局長

○佐々木(達)政府委員 本年度の予算におきまして、不動産購入調査費といたしまして三十万円計上されております。これは北海道地区、美唄ばかりでございませんで、約十カ所ほど、いろいろな部隊、将来置きたいということで調査費がついておりまして、決してただいま先生がおっしゃるように来年度というような線でこれを出したわけではございません。

岡田春夫日本社会党

○岡田(春)委員 ただいまのこの新聞の報道は誤報でございますか。これははっきり伺っておきます。長沼、ミサイルを移駐させるという案もある。ナイキ、ホークというのは道北に置くという、旭川周辺に置くといういままでの計画を美唄に置くという計画に変えようとしている。R30とというのは、これはやはり旭川の周辺の富良野という話だった。これを美唄に置こうとしている。しかも自民党の某代議士の政治力によってこれが進められようとしているということまで——だれとは書いてないですよ、だれと書いてなくても私わかっていますが。そういう意味で防衛庁が政治的な配置計画をつくっているんだというように理解していいのか、これは全く誤報でそういうことは全然ないと考えていいのか、そこら辺ははっきりしておいてもらいたい。

宍戸基男防衛庁防衛局長

○宍戸政府委員 美唄につきましてのいきさつを申し上げますと、産炭地の振興策ということで通産省方面から要望がございます。部隊誘致の要望がございます。また現地の方からも強い要望がございます。要望がありますことは事実でございます。われわれのほうの措置としましては、先ほど経理局長からお答えいたしましたように、四十四年度予算に調査費がついておりまして、美唄を含みまして北海道の適地を調査する予定にはしております。ただ美唄に決定したという、きょう現在決定しているという事実はまだございません。当庁といたしましては、来年度以降部隊配置の候補の一つには考えておりますが、これは調査費に基づいて調査をした結果きまるべき問題でございます。適不適をきめることになりますので、つまり部隊を置くかどうか、置くとしましてどういう部隊を置くか、この調査の結果によって検討して決定されるものと、このように御理解をいただきたい。

岡田春夫日本社会党

○岡田(春)委員 これで終わります。この記事の中にはこういうことまで書いてある。R30ロケット大隊かホーク大隊を置くということについては、陸幕として戦略上、訓練上の立場から移転に対して難色を示している、軍事技術的にはこういうものを置くということは困るんだということ。それにもかかわらず置こうという方針がきめられている。きめられたとするならばこれは政治的なものであると言わざるを得ないでしょう。大体ホークの性能からいって美唄に置くというようなことがもしあるのだとすればナンセンスですよ、あなた。そんなばかな話がありますか。こういう点で詳しく私は申しませんよ。R30の場合にしたって同様じゃありませんか。それから長沼ミサイルのあと始末として美唄に持っていくなんというのは、これは防衛庁はいよいよ長沼に対して手をあげ始めたんですね。こういうようなことをあなた方はお考えになる。しかも十カ所に三十万円で調査されるのだそうですが、いかにこれは形式的な調査で、政治的な判断に基づいてやろうとしているかということが明らかじゃありませんか。ほんとうの調査なんかやる気はないんですよ。三十万円で十カ所だそうですよ。そんなばかな話がありますか。だれだって笑いますよ、こんなことを言ったら。そういう点からいってこういう配置計画というようなものについては、先ほど——最後に私これを言って終わりますけれども、産炭地の振興上とおっしゃるが、そんなことはおやめなさい、あなた。迷惑ですよ。たとえばミサイル部隊のナイキJが来たって百二十名でしょう。産炭地振興で百二十名が来て一体何のためになるのですか。そんなら大きな工場を持ってきたほうがよほどいいですよ。迷惑ですからやめてください、そんなのは。産炭地振興なんという名目にとらわれて、そういう口実で持ってくるなんというのは迷惑ですから。私も美唄の市民の一人としてはっきり言っておきます。迷惑です。だからやめてください。そんなことで産炭地の振興になりませんから、おやめになるほうがよろしいということを再度申し上げて私はやめておきます。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 この委員会で防衛庁長官が海上自衛隊の強化をこの間お話しになった。アメリカのアジアの情勢の変化による海上作戦ですね、これがかなり変わってきたと思うのです。したがって、わが国における港湾施設の基地提供という問題が当然起こるのじゃないかと思います。そういうような傾向があるかないか、お聞きしたい。

有田喜一自由民主党防衛庁長官

○有田国務大臣 いまの自衛隊陸海空をながめたときに、どうも海上がおくれた面が非常に多い。それで私は海洋国日本としまして——日本の産業は、御承知のとおりほとんど大事な原料を外国に仰いでおる。ことにエネルギー資源として大事な石油というのは、もう九九%といっても過言でないほど外国に依存しておる。そういうところから考えましても、日本の海上輸送の安全確保をはからなくてはならぬ。しかしこれも限度がありますからそう全部というわけにはいきませんけれども、立ちおくれた海上自衛隊をできるだけ増強して、それでわが国の繁栄とわが国の平和に役立つように考えなければならぬ、そういう方向といいますか、方針は私は持っております。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 ベトナム戦の緊張が増すにつれて、また朝鮮の情勢が緊迫した場合に、第七艦隊の動きが非常に活発になりまして、事実上日本海一帯が戦場になるような傾向を呈した。それに伴ってエンタープライズあるいはその他の原子力潜水艦がひんぴんと日本に寄港するのですが、いまのところは補給基地もしくは休養のためにというような名分で入ってきておりますが、これは事実上日本の港湾に基地を求めるというような動きに見えるのですが、そういうような心配はございませんか。これは長官に伺っておきたい。

山上信重防衛施設庁長官

○山上政府委員 米軍側から新たな港湾施設の提供というような要求は、現在のところ何ら参ってきておりません。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 それじゃ現在のままで米軍の行動のどこまで受け入れられるのですか。実際連続的に寄港して、戦闘行為にまで参加する可能性が多分にある場合、なお後方の補給もしくは休養というような意味で全国の港湾を単なる寄港として取り扱うつもりかどうか。これは基地として要求するのはむずかしいから、単なる寄港といって寄るでしょう。これは無制限に許しておく状態じゃないと思うのです。これは情勢の転換とともに十分考えなきゃならないと思っておりますが、陸上の基地のように、港湾の施設を基地として求められた場合、はっきり断わる御意思かどうか、お聞きしておきたい。

山上信重防衛施設庁長官

○山上政府委員 施設提供ということは、現在のところ何ら米側から要求がございません。具体的にもしさような要求がございました場合には、それらの必要性を現時点におきまして検討いたして善処いたしたい、かように考える次第でございます。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 単なる寄港と基地としての使用と、区別をどこに置きますか。実際は基地的な性格を持っておっても、寄港という名目でひんぱんに入港する可能性がだいぶある。その限界点は一体どこにありますか。

山上信重防衛施設庁長官

○山上政府委員 基地としての提供は、御承知のように地位協定の二条一項によりまして米側からの要求があり、合同委員会において合意しまして提供する。その提供する施設につきましては、米側が地位協定の三条その他の条項によりまして、その施設内において一個の管理権等を持つということで、単なる寄港とは根本的に違いがあると私ども考えておる次第でございます。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 手続の違いはそうでしょうけれども、実際基地的使用をして、これを寄港と称している場合もないとはいえない。たとえば直接に戦闘のおそれのある場所に出ていくとか、そこからまた帰ってくるとか、これは実際の基地的な使用なんですが、これをあえて単なる寄港というような場合もあり得ると思う。したがってこっちの認識として、これは明らかにその協定によりあるいは日米合同委員会等に討議し、協議をして決定すべきだというような場合との混同が行なわれておりませんか。これは長官にお答え願いたい。

山上信重防衛施設庁長官

○山上政府委員 基地としての、あるいは防衛施設及び区域としての提供ということになりますれば根本的に違いますので、合同委員会におきましてこの区域の提供について、私のほうで担当いたして、これを提供するということをきめるわけでございます。そのきめる場合のやり方につきましては先ほど申したとおりでございます。港に寄港する問題につきましては、これは運輸省等の所掌であり、担当でございますので、そちらに御質問願いたいと思います。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 手続のことはわかっていますが、これは明らかに基地的な使用だというような使い方もあるでしょう。出てきませんか、そういうことは。これはどうも基地的な使用なのだけれども、手続がめんどうだから寄港という強弁のもとに寄るというような場合がありますね。その区別ができますか。いつまでもずるずると寄港、寄港で、実際は基地の使用をやるような場合もある。これはもう施設庁として当然の認識だろうと思うのですがね。その限界がどこかにあるはずですよ。

山上信重防衛施設庁長官

○山上政府委員 施設でないものに対しましては地位協定の第五条に、船舶、航空機等の出入国についての規定がございます。これらについて、公の目的で運航されるものは出入することができるという規定になっておるのでございます。したがいまして、この規定によって出入するということはあり得ると存じます。しかし、これを米側において専用的に使おうというような場合におきましては、当然施設、区域としての要求がございます。またそのような実態の場合には、そのような手続でやってまいるというふうにいたしておる次第でございます。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 現在のところはそういうふうな申し入れば一件もない、また出てくるような可能性もないというふうにこれは言えますか。

山上信重防衛施設庁長官

○山上政府委員 さような実態において提供施設と同じような頻度のものは、現在においてはないように了承しております。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 さらに大臣にお聞きしたいのですがね。海上自衛隊が行動し得る範囲は一体どこまでですか。いまの陸上自衛隊あるいは航空自衛隊の行動範囲は聞きました。海上自衛隊は一体どの範囲まで行動できるわけですか。

有田喜一自由民主党防衛庁長官

○有田国務大臣 これは実際問題と可能といういわゆる理論的な問題と、両方あると思いますが、日本の船舶運航の安全をはかるということも私は大事なことだと思います。しかしそれはそう言うと際限なく、少なくとも公海の上では、——外国の領土、領海はいけないけれども、公海の上は航空と同じ、可能ということですが、しかしそういうことをやれば、これはたいへんなことでありまして、とてもそこまでは手が伸びない。少なくとも日本並びにその周辺の海上の安全はわれわれの手によってやはり守っていかなければならない、こういう実際上の考えを持っております。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 例の極東の範囲とその周辺を考えますと、またこれはしり抜けになりますからやりませんけれども、かなり広い範囲において海上自衛隊は行動する。その行動の基準は、この間長官おっしゃったように日本の船舶の護衛と申しますか保護に任ずるのだと思いますけれども、これで日本の船舶の行くところ、いわゆる極東の範囲とその周辺はどこへでも出動し得るという見解ですか。

有田喜一自由民主党防衛庁長官

○有田国務大臣 先ほど言いましたように、理論上の問題と実際上の問題がありますが、私は少なくとも日本の船舶を守る、日本の大事な財産でございますから、それは公海の上ならば可能と思うのです。しかし実際問題としてそれならば遠いところまでそれでやるのかということになりますと、いわゆる日本の国力にふさわしいいき方で、国情を考えながら漸増していかなくてはなりませんので、先ほど申しましたようにそう遠いところまで行かない、しかし日本並びにその周辺、今度沖繩が返ってくれば海上線が相田伸びてこなくてはならぬ、かように考えているわけです。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 沖繩の返還を前にしまして、共同使用の問題及び海上自衛隊の行動の問題はあらためて論議する場所もあるから、きょうはあえて申しませんが、ちょうどいまお答えにありましたが、陸上自衛隊は幾ら増員しても海外出動は絶対やらぬ、国内だけでやる。陸上自衛隊は少し数が多過ぎますし、また戦術的にいうとさまざまな問題も出てきますから、きょうはあえて触れませんが、ただ航空自衛隊はアメリカの偵察飛行などに求められた場合は、現時点、公海上まで行動し得るという御答弁をされました。これは相当な行動範囲のエスカレーションです。さっきそういう答弁でしたが、海上自衛隊はやっぱり理論的には公海上は行けるのだ、国力の上からいま行かないばかりだ。場合によっては伸びる。したがって日本の自衛力というものは相当エスカレーションする見通しがある。第三次防、第四次防、第五次防、一体この方向を自主防衛でやっていくつもりですか、あるいは共同防衛でやっていくつもりですか。この間の長官の発言では、これは国力も考えて、自主防衛でいきたいんだが、やむなく共同防衛でやっているんだという意味の御答弁もあったようです。昨日は、新聞の伝うるところによりますと、総理自体が銀行大会で、自主防衛の線を強く進めるんだということを言っている。共同防衛か自主防衛かということは、現実を離れて将来を考えた場合は、相当大きく開くと思うのです。長官自体は、三次防、四次防、五次防とこういって、一体どこを目ざしているのですか。重大な問題ですから、長官の御答弁をいただきたい。

有田喜一自由民主党防衛庁長官

○有田国務大臣 日本の国もここまで国力が増してきたんですから、みずからの手によって日本を守りたい、こういう考えで自主防衛に進みたいと思っております。しかしながら、しばしば申しますごとく、憲法上の制約もあり、また国情ということもあわせて考えなくちゃならぬ。したがいまして、国情というのは主として核の問題なんかが最たるものでありますが、そういうことを考えながら進まなくちゃならぬと思いますから、日本の防衛で十分でない面は安保条約によってそれを補ってもらう。考え方としては、日本の防衛は日本が主体性を持つといいますか、みずからの力によって守るという方向に進んで、その足らざるところを米軍によって補完してもらう。これがいまの自主防衛の考え方である。しかし、その考え方はそれならすぐ四次防でそれを完全に生かすかというと、そうはまいらない。しかし、考え方としてはそういう方向でわれわれは進まなくちゃならぬ、かように考えております。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 これはすぐ進まないにしても、いま防衛庁長官の口からはっきり、日本の将来は自主防衛でいくという線を出された。これは非常に重要な御答弁です。自主防衛でいく場合に、現在の日本の自衛隊の持っている力というものは、自主防衛にたえるような力とお考えですか、どうですか。

有田喜一自由民主党防衛庁長官

○有田国務大臣 遺憾ながら、いまの自衛隊の力では完全な防衛ができるとは考えておりません。だから、国力 国情の許す範囲において、日本の防衛をもっと前進させたい。しかしながら、繰り返して言いますが、憲法上の制約もあり、また日本の特別な国情もありますから、そういう面はわれわれとしては慎まなくちゃならぬ。だから、安保条約というものを続けていって、そして日本の国防といいますか防衛を安泰ならしめたい、こういう考えです。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 安保条約などもありますが、つまり共同防衛というのはいままでしばしば総理も答えられたし、歴代の長官も共同防衛でいくんだということを答えられた。まっこうから自主防衛でやるという御答弁は、有田長官初めてです。この委員会でもしばしば質疑応答をしましたが、いま自主防衛という線を公式にはっきり言われた方は初めてです。そうしますと、共同防衛あるいは安保条約というものは、日本の自主防衛を育てるためのいわば温床というふうに見ておられるわけですか。日本が自主防衛を貫徹するための温床みたいなのが共同防衛だとお考えのようですが、そのとおりですか。自主防衛をやりながら共同防衛をやるのですか。それは非常に混乱しますから、明確にお答え願いたい。

有田喜一自由民主党防衛庁長官

○有田国務大臣 私は別に混乱するとは思っていないのです。日本の憲法なりその他によって許せる範囲のものは、日本の国力、国情に応じて進めていく。それが自主防衛の考え方だ。いままでどっちかというと、何もかもアメリカさんにおんぶするというような形じゃなかったでしょうか。だんだん変わっておりますけれども、最初は兵器一つだってアメリカさんからあてがってもらっていくようなやり方、そういう態度は変えて、日本の国力にふさわしい進み方をやっていきたい。しかしながら、同時に、安保体制ということも必要であるので、だから、われわれの力の足らない部分はアメリカによって補完してもらう、こういう態度でありまして、これは私がいま初めて言ったんじゃなくて、前から言っておる考え方なんです。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 私の質問は自主防衛か共同防衛かという質問なんです。あなたははっきり自主防衛でやると踏み切った。したがって、そうなると安保条約なんというものは要らなくなります。自主防衛は共同防衛を前提としての自主防衛ですか、その点をはっきりしてください。自主防衛を貫徹した場合、共同防衛が必要なのかあるいは安保が必要なのか。あなたの論法でいうと安保なんか要らぬと思う。

有田喜一自由民主党防衛庁長官

○有田国務大臣 私は繰り返しておるのですが、倉主防衛という線で進みながら安保体制を堅持したいということを言っていますね。だから、自主防衛をやって安保体制は要らなくなるというような、そういう考えは持っていないのです。先ほど来言いますように、日本は憲法というものに制約されているし、また日本の国情というものがいろいろと考えにありますから、だから日本の国力、国情に応じて防衛を自主的に増強するといいますか進めていく。足らざる分は相当たくさんございますから、日米安保条約を堅持しながら、アメリカの力によって、両方相まって完全な日本の防衛体制をつくりたい、こういう考えであります。日本の防衛方針も初めから国力、国情に応じて漸増するということがうたってあるのです。だいぶ国力が増したから漸増をだんだんしつつあるというのが現状でありまして、決して、私の代になってから急に転換して、安保条約は要らなくなるなんて、そんなとほうもないことは考えておりませんから。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 自主防衛か共同防衛かということを対立観念に置かないで、自由防衛をしながら共同防衛をやるんだというお考えですか。あるいは自主防衛をやりながら安保体制をやっていく、こういうお考えですか。それじゃ自主防衛、共同防衛の根本的な概念規定を伺いましょう。共同防衛とは何か、自主防衛とは何か、この概念規定を違わしたままで議論したのでは議論になりません。一体、自主防衛とは何か、共同防衛とは何か、この基本的な概念規定をはっきり伺いましょう。

有田喜一自由民主党防衛庁長官

○有田国務大臣 私は、自主防衛ということは、みずからの国をみずからの手によって守っていこうということが自主防衛だと思います。しかしながら御承知のとおり、日本には制約がございます。したがいまして、やろうと思ってもやれない。でありますから、自主防衛というのは限界があります。だから、同時に安保条約というものを堅持して、そしてアメリカの力と日本の自衛隊の自衛力相合わせて日本の防衛を進めていこう、こういうことでありまして、自主防衛でやって安保をやめてしまうとか、安保だけ置いて自主防衛をやめてしまう、そういう考えではないのです。それは淡谷さんよく御承知願いたいのです。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 自主防衛は伺いました。共同防衛はどういう考えですか。

有田喜一自由民主党防衛庁長官

○有田国務大臣 共同防衛は安保条約によって日本の足らざるものを補ってもらうという考えですから、依然として共同防衛の考え方は残っておるわけですね。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 確かめておきますが、いまの御答弁だと、あくまでも、日本は自主防衛を貫くことができないから、その足らないものを補うために共同防衛あるいは安保条約にたよるんだ、このような御答弁でしたね。それでよろしいのですか。

有田喜一自由民主党防衛庁長官

○有田国務大臣 いままでは、日本の許される範囲でも、また日本がそこまでいってもいいものを、どちらかというと、アメリカから武器の供与を受けたりなんかしてきたのでしょう。そういうこじき根性はひとつ捨てて、みずからの国はみずからの手によって守ろうという考えの上に立って国力、国情に応じ、しかも制約がありますから、制約の範囲内においてそれを進めていこうというのが私たちの自主防衛の考え方であります。それを補完する意味において安保条約が必要である、こういうことで共同防御が同時に必要だ、こういうことを言っておるわけです。

楢崎弥之助日本社会党

○楢崎委員 関連。二点だけお伺いしておきます。  いまの長官の答弁を聞いておりますと、自主防衛というのは、みずからの力、自力防衛ですか、違うのですか。

有田喜一自由民主党防衛庁長官

○有田国務大臣 自主防衛というのは、みずからの手によって、われわれ日本の判断によって、国力、国情に応じて進めよう、こういう考え方ですね。しかし、それで完全に日本の防衛がいかぬというと問題だから……(楢崎委員「いや、そういうことは聞いておらぬですよ」と呼ぶ)さっき淡谷委員に答弁したとおりのことでございます。

楢崎弥之助日本社会党

○楢崎委員 いや、あなたのおっしゃっている自主防衛は自力防衛ということですかと聞いているのです。自主防衛と自力防衛とのは違うのですか。

有田喜一自由民主党防衛庁長官

○有田国務大臣 どうも楢崎さんは、私があとのことを言いますと、そんなことを聞いていないとおっしゃいますけれども、私の言う自主防衛というものは、日本に許される範囲のという前提があるわけですね。その上に立って日本の力に応じた、また国情に応じた進め方をやりたいというのが、私たちの言ういわゆる自主防衛ですね。

楢崎弥之助日本社会党

○楢崎委員 いや、私が聞いておることにどうして答えぬのですか。あなたの言っておる自主防衛というものは自力防衛とは違うのですかと聞いているのです。私はそれだけしか聞いていないのです。

有田喜一自由民主党防衛庁長官

○有田国務大臣 それは、あなたの言う自力防衛というのはどういう意味か知りませんけれども、日本の自力によって、いわゆる安保条約もやめて完全に守れという意味合いのものだったら、そういうわけのものじゃない。あとのところで私は制約ということを言っておりますから、その前提の上に立ってわれわれは国の守りをみずからの手によって進めていきたい、こういうことですね。

楢崎弥之助日本社会党

○楢崎委員 わかりました。そこで私はややはっきりしたと思うのです。いわゆる自主防衛というものは、常識的に解釈される自力防衛とは違う、そういう意味ですね、ニュアンスとしては。それでいいですね。——それが一点です。  続けて、そうしますと、違うとおっしゃる以上は、先ほど御答弁心中にありました、自主防衛には限界があるとおっしゃいました。そうすると、憲法が厳として存する限りは私の言う自力防衛はできない、そういう意味において、あなたの自主防衛というものは、憲法がある以上は自主防衛の限界というあなたのおことばは、憲法と解していいのか、それとも、憲法は自衛権を認めておる、そこで、そうではなくして国力の観点から自主防衛に限界があるとおっしゃっているのか、その点をはっきりしてもらいたい。

有田喜一自由民主党防衛庁長官

○有田国務大臣 憲法並びに日本の国力、国情と合わして、いわゆるあなたのおっしゃる自力防衛ですか、そこまで、そういうお考えのところまでは私たちは進めない、こういうことです。

楢崎弥之助日本社会党

○楢崎委員 そうすると、憲法が存する限りは自力防衛ということはできない、そういうことですね。国力があってもですね。

有田喜一自由民主党防衛庁長官

○有田国務大臣 自力防衛といいますか、私は自主的ということを言っておるのですが、あなたの言う自力防衛というのは、もう何もかも、安保なんかなくても日本だけの力で完全な守りをやれという意味合いでしたら、それは憲法並びに日本の国情ということを考えて、そこまでは進められない、こういうことです。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 そういう論争になるから、私は概念規定をはっきりしておきたいのです。  自力防衛あるいは自主防衛、自立防衛と言う人もあるでしょう。私が聞いたのは、自主防衛と言っているのです。最も普通に使われることばです。また佐藤総理もそう言ったらしい。自主防衛というのは、一体どういう内容を持つのか、あなたの答弁から聞きますと、経済の情勢、国力の情勢、これが自主防衛を阻害する一つの原因、もう一つは憲法。一体国力が許せばこの自主防衛というものをどこまで進められるか、陸上自衛隊はどれくらいほしいのか、海上自衛隊はどれくらいほしいのか、核兵器は持つのか、そこなんですよ。無制限のエスカレーションはできないはずです、同じ四次防でも五次防でも。そういう点で、あなたは自主防衛と自立防衛または自力防衛、こういうことばの違いをどうとらえているのか、そこが問題点なんです。(伊能委員「ことばの端っこだ」と呼ぶ)私は自主防衛と言いました。まあ自主防衛、自力防衛あるいは自立防衛ですか、いま大先輩の伊能先生から、ことばの端っこだということばがあった。ことばの端っこだという考え方は議会制民主主義を危うくするのです。ことばを大事にしなかったら議会制民主主義はないです。論理のきびしさというのは刀よりも鋭い。したがって、こうした何となく使うことばの端っこの概念規定をはっきりさせておかないと、これは議会政治は成り立ちませんよ。はっきり概念規定を承りましょう。三つのことばの意味をはっきりさして、あなたの主張する防衛はその三つのどれなのか、これをまず伺ってから質問を進めます。

有田喜一自由民主党防衛庁長官

○有田国務大臣 私は自主防衛ということをずっと申しております。私のいまの自主防衛というのは、先ほど来淡谷委員並びに楢崎委員に答えたとおりのことであります。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 その自主防衛という上に立ちまして、日本の経済あるいは国力が一つの制約となり、憲法が一つの制約になる。日本の経済並びに国力が制約しているという面ならば、これからどんどん国力をふやしていけばできるでしょう。したがって、その国力の増進に準じて三次防、四次防、五次防とエスカレーションした場合、憲法の制約で触れる点はどこですか。国力が十分許してもなおあなたは憲法の制約があると言った。具体的には一体陸上自衛隊は幾人、海上自衛隊の艦艇は何隻、航空機はどれだけ、核兵器はどうするか、どこで一体国力が充実した場合でも日本の憲法がこれを制約するかという問題です。これを具体的にお示しを願いたい。

有田喜一自由民主党防衛庁長官

○有田国務大臣 国力といいましても、国力が伸びましてもやはり国防ばかりを伸ばすわけにはいきません。同時に民生の安定、いろいろな施策が要りましょう。でありますから、国力に応じて、おのずから何ぼ国力が伸びてもある程度の限界はございます。のみならず憲法は御承知のとおり、日本はあくまでも日本みずからを守る、守るほうの体制でありまして、侵略ということは絶対考えることはできない。ところが守るために、その防ぎ方というものは相当ありますが、そういう方面に私たちは相当の制約があると思っております。もう一つは国情、これもあわせて考えなくちゃならぬ。そういうことの許せる範囲で、自分の国は自分の手で守ろうという、いつまでもこじき根性を捨てて力相応のものを進めたいというのがわれわれの自主防衛の考え方でございます。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 だからそういう構想に立てば、つまり防衛計画の具体的内容をどこまでいったら憲法と合わせるかという問題です。それから国情が許しても、あるいは経済事情が許しても、憲法の制約がある限りはこれを制約する一点があるでしょう。具体的にはどこまでやれるのですか、現在の憲法下において。

有田喜一自由民主党防衛庁長官

○有田国務大臣 先ほど言いましたように、海外進出なんていうことは防衛のために必要と考えてもできない、これは一つの制約でしょう。またそういうような侵略的のいろいろな装備といいますか武器といいますか、そういうものも慎まなくちゃならぬ。そういうような憲法の制約によって、私は一つの日本の防衛の限界点はある、かように考えております。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 侵略はできない、しかし現在はどこの国でも侵略といいませんよ。侵略のための戦争という国はない、みんな平和のためです。みずからを防衛するための国防だといいます。ただし、いままでの質疑応答の中ではっきりしたのは、日本がたての役をする、アメリカはやりの役をする、あなたの自主防衛の構想の中には、このやりの役までも日本がやるという構想は含まれておりますか、おりませんか。

有田喜一自由民主党防衛庁長官

○有田国務大臣 いわゆるやりのことは考えておりません。あくまでたての線で防衛のことをやっていかなければならぬ、こういうことでございます。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 一体憲法の制約の、第九条と思いますが、その九条のどういう点がやりの線に出ることをとめているのか、長官の考えを聞きたい。

有田喜一自由民主党防衛庁長官

○有田国務大臣 憲法は、日本が独立国である以上は、いわゆる日本の自衛権ということは否定しておりません。しかし憲法九条によりますと、国際紛争云々ということばがありまして、私はそういうのは外国へ侵略していくことばだと思います。そこに憲法上の制約があるということを申しております。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 第九条の第一項は、あなたのおっしゃるとおりこれは自衛力の問題に関したものですが、第二項に戦力は持たないということがありましたね。戦力と自衛権の問題の矛盾じゃないですか。自衛権の持ち得る範囲というものは、憲法制定当時といまとはかなり違いますよ。国会の中で議論されるたびごとに、この制約はだんだんくずれていっています。しかもこの戦力を持たないという点は、戦力とは何かという問題ですいぶんやった。戦闘行為をしないというのは当然の話でしょう。昨年の十二月十四日の予算委員会でわが党の多賀谷質問に対する答弁の中で佐藤総理は、「戦争には協力しない、戦争には参加しない、しかしながら平和への戦争は、われわれは積極的にこれに取り組む、」私は日本の国防というものは防衛庁長官の考え方で起こるのではないと思う。やるのではないと思う。まして防衛庁が防衛庁だけの考えで三次防、四次防と計画を進められるものではない、国防会議の議を経てはっきりきめるのですから。佐藤総理はその議長として最大の責任者でしょう。その最大の責任者の佐藤総理が、「平和への戦争は、われわれは積極的にこれに取り組む、」ということを言えば、この意趣を受けて防衛庁長官は、この平和への戦争というものをどうおとりになっていますか。戦争と言っているのですよ。いかなる形に対しても戦争はしないはずです。戦争放棄ははっきりうたっているはずです。それをあえて平和という名前をつけましても、平和戦争への積極的な協力というものを言えば、この考え方は有田長官、一体どうお考えになります。

有田喜一自由民主党防衛庁長官

○有田国務大臣 そのことばは総理みずからに聞いてもらわないと、私からとやかく言うことはできませんけれども、私は、日本の防衛は、日本の平和と安全を守りたい、そのために防衛をやるという考えでおります。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 これはむろん佐藤総理の問題でもある。当委員会に佐藤総理は出席されますか。される予定があったら、この点は保留いたします。だいじょうぶ、これに出席されますか。

藤田義光自由民主党

○藤田委員長 淡谷委員に申し上げます。佐藤総理は出席されます。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 じゃ、国防会議議長にこれはあらためて質問いたしますが、国防会議の議長みずからが平和への戦争ということばを明確に使っている。そうしますと、名目さえ立てば戦争もあえて辞さないというように憲法を解釈するつもりですか、戦争と言っているのですから。——じゃ、この点は保留いたします。  そこでもう一つは、この間の楢崎君の質問ですが、これをあなたは妙な答弁で答えられたと思う。特に防衛庁の諸君も答えられたと思う。昭和四十年統合年度戦略見積もり、まるで戦争を入札するみたいな見積もり書をつくっているらしいのですが、これを有田長官は知らないと答えている。機密文書だと言う。次の日は、これは極秘文書だと変わりました。機密が極秘と、かなりまた変わってきた。一日ごとに変わりますし、同じ日でも答弁が変わります。重大な国防問題について、こう転々として答弁が変わるようでは困ったことであります。ただし現在の防備、防衛というものは、戦争の抑止力にあるならば、秘密あるいは機密というものは存在しましょうか。奇襲作戦をやったりあるいは相手を打ち負かすという態度にいくならば、これは機密もあるでしょう。抑止力というのは一体何か。武力の均衡というものは恐怖の均衡でしょう。相手が武力を持っているから、それがこわくて手が出せないという恐怖の均衡でしょう。動物の世界でいえば保護色から警戒色に変わってきているのです。弱いうちは環境に隠れて身を隠しますけれども、一定の武力を持ったものは堂々とこれを顕示して、むしろ誇示して、相手に恐怖心を起こさせて攻撃を防ごうということは、これは動物の闘争の原則なんです。現在の持っている戦力が抑止力であれば、その武力は隠すべきではないと思う。その場合、長官も知らないような機密文書、極秘文書は、一体どこでつくられるのですか。

有田喜一自由民主党防衛庁長官

○有田国務大臣 この間楢崎委員のお尋ねに対して、楢崎委員が、こういうことがあるが、一体そういう内容はどうかということでございました。したがいまして、ああいう文書のものがあるということは私は存じておりましたけれども、はたして楢崎委員の質問されるようなことがその中に入っておるかどうかということは、これは楢崎委員の大事な質問であるし、この委員会で私が答弁することは大事だと思いまして、ひまをもらって調査をさしてもらった。その調査の結果は、ああいうようなことがありませんでしたということを翌日はっきり申したようなことであります。私が知らないというのは、四十年でありましたか、いわゆる統合年度戦略見積もりというものがあるということは存じておりましたけれども、そう一々指摘されたような内容があるかどうかということは、私は明快に答弁することができなかったから、それを調査さしてもらう時間をいただいた、こういうわけでございます。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 機密、極秘というものは外に対してはあるのですよ。少なくともこの文書は防衛庁の中でつくられているのでしょう。防衛庁の中で、長官に対して機密のあるはずはないですね。これはお読みになったことはありますか。お読みになって内容は答弁できませんというのと、作成されたことを全然知らないというのとはだいぶ違いますが、どっちですか。

有田喜一自由民主党防衛庁長官

○有田国務大臣 そういうものがあるということは知っておりました。しかし私も万能じゃありませんから、端から端まで、そういうものを一言一句覚えているわけではございません。それで先ほど言いましたように、明確に御答弁する意味合いにおいて、あとで調べた上で答えた、こういうことでございますね。

楢崎弥之助日本社会党

○楢崎委員 一言だけ関連して。  ただいま、先日の私の質疑に対する問題が出ておるのですが、十三日の日に、その文書はかたかなのイとか口とか、その中のまた(A)とか、その中のまた(1)とか、そういう指摘をいたしましたが、その点については、全然機密だからそれも言えない。そして私が言っておる内容はない。やじの中からは、つくったものだというようなこともありました。しかしこの問題はそれで結末を私はつけていないのです。近い時期に、おそらく総理が一緒のときに私はその内容を明確にします。決して結末はついていない。あなた方はうそを言っている。それだけを申し上げておきます。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 それは幕僚の中で文書がつくられたのかどうか私は知りませんけれども、文書が機密であれ極秘であれ、そういう考え方をするということがいまの憲法のもとでは一体どういうものか幕僚の諸君がいまの憲法の条項をどう考えておるかわかりませんけれども、外へも出せないような見積もり書をつくるということは、これは非常に危険なんです。文書をつくることは危険でありませんが、そういう考え方を持ち、そういう行動を念願するということ自体が文書以上にこれは危険なんです。文書以上にこれはあぶないです。これが進んだら妙なことになりますよ。そう思いませんか。

有田喜一自由民主党防衛庁長官

○有田国務大臣 制服の人がそういうような憲法を無視したような考えを持っておれば、これはたいへんです。及ばずながら、少なくとも私が防衛庁長官をやっておる以上は、そういうようなこともさせないし、また現在そういうような制服の人が、われわれは戦略上からいって憲法を無視してやってもいいなんというような、そういう意図を持っておる人は私はないと思っております。私は制服のほうも信頼しております。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 自主防衛の問題についてもいろいろ内部で議論されたと思いますが、防衛庁の内部に非常にけわしい対立があることは長官認めておりますか。ないとおっしゃるでしょう。この前は制服のほうからの怪文書が出ましたよ。また回っておりますよ。逆の怪文書です。はっきり人の名前まで出した怪文書です。人の名前を出して非難攻撃しておる文書です。これは逆にシビリアンから出ておりますね。これは怪文書ですから、機密文書、極秘文書でも長官読まないのだから、おそらくはこういうものはむろん読んでないでしょうが、相当広範囲にまかれておるようです。どこから出たものか知りませんが、少なくとも国防を扱う府において内部の対立がこんな形で出ることは警戒すべきことだと思う。長官はこんな点で気がついておるかどうか。もし読めというなら読みますけれども、人の名前が出ますから、これは読みません。そういう傾向がはっきりあるのです。これはどうお考えですか。

有田喜一自由民主党防衛庁長官

○有田国務大臣 そういう怪文書というようなものが出ることは非常に遺憾に思います。しかし、それがはたして内部から出ておるか、また外から出ておるかというようなことは、怪文書でありますがゆえにはっきりわかりません。しかし、私は少なくとも部内において制服と内局のほうの調和をはかって、そうして力を合わせて日本の防衛に当たりたい、こういうことをモットーとしてこの両者に呼びかけておる、こういう現状であります。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 さっきの私の質問にまだ一つお答えになっておりませんが、具体的に日本の兵力がどこまでいくといまの憲法の制約を受けるかという問題、これをひとつ御答弁願いたい。

有田喜一自由民主党防衛庁長官

○有田国務大臣 淡谷さん、このスタートが、あなたたちの気持ちが防衛に反対とか安保に反対という前提でおっしゃられれば、これは何ぼ同じことを繰り返しても歩調が合わない。しかし、私は、少なくとも日本の防衛は日本人みずからの手によって守る、この体制をつくっていかなければならぬ。しかし何回も繰り返して言いましたように、憲法上の制約、それから国力、国情における制約というものがありますから、おのずからそこに限度というものがある、こういうことを申しておるので、国防というものは相対的な問題ですから、ほかがどんどん進んでいけば、日本が追っかけていかなければならぬときもありますし、それを具体的にここでこうだということを出せとおっしゃることは無理じゃないか。少なくとも四次防の限界はどうかということでございますが、四次防は、御承知のとおりちょうどことしは三次防の三年目でありまして、四次防はほんとういえば、具体的になるのは四十六年でございますか、その最後の年にきまるのが普通でございます。それで私は、考え方、方向というようなことは先般ここで申し上げたとおりでありまして、具体的にどこに限界点があって、どこにどのくらいになるということは、いま求められるほうが無理じゃないかと思います。その点はひとつ御了承願いたい。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 前段はわかりました。私の考えは別に申し上げますが、これはむろん野党ですから、与党にそのまま同調するわけにまいりませんし、防衛の問題でも、われわれはあなた方のいう武力防衛に反対で、防衛すなわち武力という考え方に大きな誤りがあると思う。したがって、いまの憲法の精神というものは、つまり自衛権というものは武力によらなければならないという限定はないでしょう。少なくともみずから守るということを武力によれということはいっていない。これは制定当時のいろいろな人の演説を見ても、マッカーサーの演説を見ましても、あるいはその当時これに当たりました幣原さんの演説を見ましても、その点は非常に明確なんです、自衛権と戦力というものの矛盾が。防衛は武装だけじゃないという一点で、かなりこの矛盾の解消ができるわけです。しかしながら、あなた方のお考えは、あくまでも日本の防衛は武力以外にない、武力防衛の線です。武装平和の線です。したがって、もしも憲法あるいは安保がなければ、国民感情を別にすればということでありますけれども、防衛庁の防衛局がつくった最終的な防衛構想というものをここに発表されましたね。これはどこかの、私のほうじゃないようだから自民党さんでしょうけれども、国会議員の要請によってつくったものである。憲法がなければ、あるいは安保条約がなければ、国民感情が許せばという防衛構想が出てきている。これは少なくともそういう一切の制約、国力の制約を越え、憲法の制約を越えた防衛構想と見ていいわけですね。これは防衛局長にお聞きしたい。あなたのほうで作成して、おそらく長官あずかってないでしょうから。

宍戸基男防衛庁防衛局長

○宍戸政府委員 後段のお尋ねにつきましては、せんだってもお答えいたしましたけれども、いまのお話のようなことでは全くございません。防衛局が考えている最終の防衛構想というものとは全く縁がないわけでございます。先日の話の繰り返しになりますけれども、立法府の方が、安保条約の必要性を論証する参考資料としてという意図でわれわれに御依頼があった。安保条約を堅持するということは政府の施策でございますので、いろいろな参考資料、説得のしかたがあろうかと思いますが、かりに安保がなければ、かりに憲法がなければ、どの程度たいへんな費用がかかるのだろうかというお考えで、その作業をわれわれに具体的に御依頼になったというのがいきさつでございます。そういう前提で、これはもちろん防衛庁の施策、政府の施策では全くございませんけれども、その憲法をはずすこと、安保をはずすことは、もちろんだれが考えても、防衛庁の施策なり防衛局の施策でないことは当然でございます。安保を堅持するために必要な参考資料としての単なる試算でございますから、お話しのようなことには全くならぬ。かりに安保がなければ、こういう何兆円もたいへんなことになりそうです。もちろんこれも専門的にそういう施策を考えておりませんから、われわれのほうで具体的に試算をすることさえむずかしいわけですが、諸外国の例を一応参考にしながら、かりになければこの程度のことになりそうですという御返答をしたというにすぎないものでございます。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 それは前提はどうでもかまいませんが、少なくともこの構想は、憲法の制約を離れ、国力の制約を離れ、国民感情の制約を離れた防衛局がつくった試算だというふうにはいえるでしょう。むろんこれは防衛庁の一つの方針として、憲法のないことを予想し、安保条約のないことを予想してつくったら、これは大きな責任問題が起こりますよ。しかし、そんなものを離れてこれをつくったとしても、やっぱり試算は何といっても、防衛庁とはいわないが防衛局の試算でしょうな。したがって、この内容というものは憲法の制約を離れておることは事実でしょう。そうじゃないですか、内容は。それは、これを書いた動機は、別にあなたの気持ちを疑いませんよ。また自民党の某国会議員がこのことを実行するというのでお考えになったのでもない。私は信じます、まさか憲法の規定をはずれてそういうことを考える人もありますまいから。ただこの事実は、この試算内容は少なくとも日本の憲法では許されない内容だということは、これは動かし得ませんね。どうです。

宍戸基男防衛庁防衛局長

○宍戸政府委員 先ほどお答えいたしましたように、全く仮定の問題として、安保の必要性、憲法の必要性をむしろ論証されるという御意図で御依頼があったもので、したがってむしろ逆の、憲法が必要ですよ、国民感情も考慮しなければいけない、また安保も必要ですよということを論証されるために、そういうものを全部はずして試算したらどうなるかという御依頼ですから、それに従って試算をしたというだけのことであります。そういう試算でございます。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 いろいろな意図があるかもしれませんし、人によっては、これは防衛庁が、かつての倉石発言のように、政治的な責任のある者が言ったんでは責任を問われるからこんな形で自主防衛の線を提出した、防衛の線をPRするんだという評判がありますけれども、私は信じません。こんなことがあってはたいへんなことになります。ただ少なくとも大事にしたいのは、これまでしばしば国会で論議しましたけれども、具体的な国防の内容で憲法に抵触する線というのは常にぼかされてきたのです。憲法の制約の線はどこかということがわからないでどんどんエスカレーションしたらどこまでいくかわからない。われわれはこれは平和憲法の骨抜き案と思っております。しかしこの案の非常に重大な意味は、少なくともここまでくれば憲法違反であるということがはっきりしましたね。試算をして、それぞれどういう意図があったか知りませんが、防衛内容も具体的に書かれている。しかも憲法の制約を離れている。したがって日本の防衛の内容がこの線までくると、もうこれは憲法違反ですよというきめ手になる。これは憲法違反じゃありませんか、こういうものが実現した場合は。(「防衛庁はやろうとしない」と呼ぶ者あり)防衛庁がやろうとしなくてもかまわない。案としまして、われわれが知りたいと思っている、この線までくれば幾ら自衛権があっても日本の憲法には違反しますよという大事な一線を明示したものと思っておりますが、いかがです。

宍戸基男防衛庁防衛局長

○宍戸政府委員 繰り返し申し上げるようですが、案ではございません。試算でございます。憲法もはずし、国民感情も顧慮しない、安保もはずれた場合にどうなるかという試算でございまして、考え方というような案ではございません。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 長官どうですか。つくった人が非常に気をつかって言っていますが、少なくとも防衛局というのは防衛庁の中の一局ですよ。その人がどんな意図であったにせよこういう案をつくった、試算だと言っている。これは実行する意思はない。実行する意思がないのはかまいません、したらたいへんですから。われわれはこれまで非常に質疑を重ねましたが、がんとして開かなかったあなた方の憲法の制約の一線が、これはかなり遠いかもしれませんけれども、この線までくれば明らかにこれは憲法ということは問題にならず、いわゆる憲法に触れる線ですよという線が提示されたと思う。その点長官どう思います。この線までいっても憲法には触れませんか。

有田喜一自由民主党防衛庁長官

○有田国務大臣 それは淡谷さん、前提が憲法というものを無視する、安保条約というものを無視する、その他国民感情というものを無視する、全然われわれの想像もしない、考えてもみないことを前提にして試算をやっておる、こういうわけでございますから、これが防衛庁の考え方だなんというのはとんでもないことでございます。少なくとも私が責任者である以上は、ここで私が申しておることが防衛庁の考え方でありまして、それを一々、そういうものが、一議員に頼まれたことを防衛庁の考え方である、それが奥にひそんだ思想だと思われては、これはとんでもないことでございます。  なお、立つたついでに申しますが、淡谷さんとわれわれは非常に見解が違うのは遺憾でございますけれども、もちろんわれわれは、日本の平和と安全を守るのは武力ばかりではないと思っております。これはこの間も申したように国民全体が、また外交も平和外交で進まなくちゃならぬ、こういうことを思っておりますけれども、さてそれならば一つも武力のない、それから中立で日本の平和と安全が守れるかどうかということになりますと、それは世界の国が神さまや仏さまのような国になって武力を捨ててくれれば、これはそういう考え方も成り立つかもしれませんが、現在の国際情勢を見たときに、やはり日本が何もかも捨ててしまって、これが安全だ、ちょうど夏暑いときに戸締まりをせず、うちはもうどろぼうが入らぬからということで、信頼しておるからといってあけっぱなしにしておいて、はたしてどろぼうが入らないか、やはり戸締まりを堅固にしたほうがどろぼうが入らない。これは一つの例でございますが、私たちはそういう考えのもとに、武力を捨てて無防備でおって、そして中立さえ守っておれば外敵の侵略は心配ないという保証が得られれば、これは好んでそういうことをやろうとは思いませんけれども、その保証がない限りは、現実の国際情勢を見たときに、国の守りというものは武力ばかりではないけれども、それもやはり整える必要がある、こういう考え方に立ちておりまして、遺憾ながら基本的にあなたたちの考え方と違うから、これは何ぼ私が繰り返しても御納得のいかないことは、これはもう考え方が違うのだから当然かと思いますけれども、少なくともわれわれはそういう考え方の上に立ってこの防衛を考えておるということだけはひとつ御了承願いたいと思います。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 私の質問には答えないで、かってな武装平和論、非武装平和論なりやるなら私もやりましょう。こっちでもやりましょう。一体、この憲法制定当時の考え方はどうであったか。別にこれは社会党の意図ではございませんよ。幣原さんのこと、だから、幣原さんの考え方というものはあなたのような考え方でこれはつくったのじゃなかったらしい。やはり完全非武装ですよ。日本が主導権をとって、全世界に向かって平和防衛という線を推し進めるという構想がいまの平和憲法のたてまえなんです。これは非常に危険も伴うだろうが、こういう構想があった。マッカーサー自体もやはりそういうんですね。だんだん変わってきたのです。変わってきて、どこまでいったらいいかわからぬというところまできておるのが現状なんですね。たとえば高柳賢三さんの憲法第九条の考え方なんかも、これはその当時とかなり変わってきておる。ここでだいぶやられた論争ですが、三宮があえて蒸し返すつもりらしいから蒸し返していいのですが、そうしますか、いかがです。

有田喜一自由民主党防衛庁長官

○有田国務大臣 蒸し返す必要があるとは思いません。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 じゃ私の言うことに答えてください。具体的に言ってください。この案は、意図はどこにあったかは問いませんよ。われわれの考えておる憲法の内容では、もうすでに憲法違反の武装をしておる。大体戦力を打たないといってはっきり戦力を持った。戦力を持ちたいというのがこれは自主防衛の基本線でしょう。その具体的な内容は提示をされませんので、譲歩して、これは一体憲法の制約を離れた試算でしょうと私は聞いておるのです。ここまでくれば憲法の線を離れるでしょうと聞いておるのです。その点にすぱっと答えてもらいたい。それが必要なんです。

有田喜一自由民主党防衛庁長官

○有田国務大臣 その書類の河堤に書いてありますとおり、憲法とかあるいは安保条約とかあるいは国民感情というものを無視した上に立っての、そういう仮定に立っての試算でございまして、決して憲法というものを無視しておるわけではございませんので、その点はしばしば答えておるように御了解願いたいと思います。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 私はつくっていることをその意味で言っているのじゃない。おわびしなくてもいいです。あなたはどうしても答えませんが、自主防衛でエスカレーションした場合に、ここまでいけば憲法違反ですよという線をお出しにならない。歴代の長官、国防会議の議長まで含めてこれはお答えになりません。少なくともこの線までくれば憲法違反だという線は明らかになったじゃないですか、いまのお答えで。その点を明確にお認めくださればよろしい。ここまでくるともう憲法違反の軍備ですとはっきりお答えになったらそれでよろしい。これは憲法内だとは言えないでしょう。前提がそうなんだから、憲法を離れての試算ですからね。ここまでくれば明らかに憲法違反ですとはっきり明確にお答え願います。

有田喜一自由民主党防衛庁長官

○有田国務大臣 そのとおりでありまして、私たちは憲法を無視するという前提に立っておる試算でございますから、これはそんなことは言うまでもないことでございます。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 少なくとも従来は具体的に出なかった憲法に触れる一線が、この線までくれば憲法違反だということははっきりここで表明されました。したがって、この線はまた、私はここまでくるのもたいへんだと思いますけれども、少なくとも最低限度、あるいはむしろ最高限度かもしれませんが、ここまでくれば明確にこれは日本の憲法に違反している内容だということで、つくったことを責めるのじゃありませんが、従来確認していなかった線が確認したというふうに考えてよろしいですね。

有田喜一自由民主党防衛庁長官

○有田国務大臣 私はその数字については責任を持ちません。しかし少なくともその試算が憲法を無視してつくったということは事実でございますから、私はそういうものは、これでどうだというようなことは申しません。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 もっと歯切れのいい答弁をしてくださいよ。内容は憲法違反だといまあなたがおっしゃった。数字は知らぬ。数字が構成している内容でしょう、試算ですから。どこがそれでは一体憲法違反なんですか。数字が内容になっているのです。年間予算は二兆円、陸の戦力はこれだけとはっきり出てきているじゃないですか。だから憲法違反なんでしょう。その数字を離れて憲法違反ならば、どこが一体憲法違反なのか。

有田喜一自由民主党防衛庁長官

○有田国務大臣 それには徴兵制度とかいろいろなことが書いてありますね。そういうのは全然われわれ考えていない。国防というものは相対的なことだということをしょっちゅう申しますね。ただ現段階においてそういう数字のところまでいくことだということをしょっちゅう申しますね。ただ現段階においてそういう数字のところまでいくことは、私は行き過ぎだと思っています。しかしそれを私が言うたから、何十年、十年先か二十年先か知らぬけれども、将来もそうだと言われたら、これはやはり相対的な問題ですから、その二兆円ということばで、これでもう最後だということは、これはいまの現段階ではもう全然そういうことは考えておりません。けれども、それが将来遠い先までここが限界だということは、やはり国防というものは相対的ですから、その点もあわせて考えてほしい。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 それはおかしい話ですよ。そうしますとさつきの話とは全然別だ。現在においては憲法違反だけれども、将来においてはこれは憲法違反じゃなくなるというのですか。それとこの内容において、どの点が憲法違反でどの点が憲法違反じゃないのか、数字に触れなければ、制度だけは憲法違反だが、戦力の増強は幾らやったって憲法違反じゃないということになってくるのです。そうでしょう。この構想を立てるならば、一体どこいらまで憲法違反になるというのですか、非常にその点ははっきりしない。どうも御答弁を聞きますと、どんなに再軍備をやっても、どんなに戦力を持っても、これは憲法違反じゃない。基本的な憲法論になりますよ。少なくともさっきは、この線でこれは憲法違反の内容を持っています、こう言っている。数字は知りませんと言う。これは非常にぼくは長官としては無責任な答弁だと思う。その点はいかがです。

有田喜一自由民主党防衛庁長官

○有田国務大臣 この問題は、私はこれはもう防衛庁でつくったことは事実でございますけれども、それを、その数字を非常に詳しく検討してやったかというと必ずしもそうじゃない。これはたとえばドイツなりフランスの状態はこういうものでございますよと一つの例を引いておることでありまして、私はあの数字に否定もしなければ肯定もしない。ただ、あそこに書いてある内容を見ますと、核を持つこととか、あるいは徴兵制度をやるとか、あるいは攻撃的といいますか、いわゆる外国までに届くような攻撃力の強い武器を持つとかいうようなそういう文面は、これはもう憲法その他によって制約されていることですから、そういうことはもう明らかに、私は憲法が存する限りは否定してかかっておる。それで、数字はこだわるわけではありませんよ。こんなことはすぐ日本でやろうなんていってもできません。けれども、あれはドイツはどうである、フランスはどうだという数字を引例したことでありますから、あれでもって、これが限界だというか、ということを答弁を責められましても、私は確信をもって、これをもって限界でございますと言うことはできないし、また言うことが無理じゃなかろうか、かように考えております。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 肯定も否定もしないというのは、どうとればいいのですか。いま数字については肯定も否定もしないというのは、どういうふうにとらえればいいのですか。

有田喜一自由民主党防衛庁長官

○有田国務大臣 それは先ほど言いましたように、西ドイツがどうとか、フランスがどう、たとえば七艦隊の一隊をとればこういうことになりますという数字が書いてあるわけですね。もし日本と同じような国力を持っておるようなフランスやドイツと比べたら日本の防御費は非常に少ないですよということを書いてあるだけでありまして、私が拘泥しないということは、これでもって日本の遠い将来防衛力がだいじょうぶですということを明言することはやっぱり否定せざるを得ないし、といって、いま直ちにこういうことをやれるかというと、そういうことはできませんということを言っているのであって、現段階のことと遠い将来のことによって肯定する場合と否定する場合とにならざるを得ない、こういうことでございます。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 具体的に、それでは戦力の内容は数字的にはこの憲法の制約なしという意味ですか。将来に向かっては、その場その場の相手の出ようによってはどのように膨大な戦力を持っても憲法には違反しないという、こういうお考えですか。

有田喜一自由民主党防衛庁長官

○有田国務大臣 あの中には、先ほど言いましたように核のことも書いてありますね。これはもう日本の国情としてはできない。それからまた攻撃力といいますか、ことばはどうか一々覚えておりませんが、要するに外国へ攻めていく、侵略するような装備も整えておるというふうに書いてありますね。そういうようなことは明らかに憲法に違反することでありますから、これは否定しかかります。私は将来においてもそういうことはできないと思っています。そういうことをひとつ理解していだたきたい、かように思います。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 数字は肯定も否定もしない、しかし核武装は、これはできない。攻撃的な武器は持てない。徴兵制度はどうだ、軍事訓練はどうだ、こういうふうな数字を除いた部分は、これはもうあなたの言うところに従えば、将来にわたって憲法違反だ、憲法を改正しない限りはこれはできないんだ、こうはっきり割り切っていますが、ただし数字は幾ら増していっても憲法違反ではないというのですか、確かめておきましょう。

有田喜一自由民主党防衛庁長官

○有田国務大臣 これはもっと吟味すれば、あの数字の中にも先ほど言ったように核の入る数字も入っておりますし、攻撃力を持つ数字も入っておりますから、そういうものは否定せざるを得ない。これは否定します。しかし、あの絶対額、約二兆円というものが出ておりますが、これが未来永遠に対する制約の限界だとここで言明せよと言われましても、現段階ではこんなことはできませんということをはっきり申します。しかし将来にわたってまで、それをここで絶対にこれ以上ふえたら憲法違反でございますと——あの中の文面、攻撃力とか核なんというものは否定しますよ、将来でも。しかしその数字をいつまでも将来にわたって制約されますと、私のほうも、ここで私が責任者の立場からこれはこうでございますということは、これは言い得ない、そういうことでございます。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 これは未来永劫なんということは何もできないでしょうが、少くとも現段階ではこの内容は憲法違反の内容であるというふうに、これははっきり御答弁できますね。  同時に、ひとつ確かめておきたいのですが、これは新聞記事だけでやっていますから、ひとつこの原案はお出しになる約束をはっきりしていただけるでしょうな。その二点を確かめます。

有田喜一自由民主党防衛庁長官

○有田国務大臣 現段階においては、おっしゃるとおり私は否定します。  それからこの資料については、この前委員長がひとつ善処するということを言われましたから、私のほうとしては委員長のほうにおまかせして、そして委員長の要請があれば、提出することにやぶさかではありません。

藤田義光自由民主党

○藤田委員長 淡谷、委員に申し上げます。  この資料に関しましては、ごく最近の機会に善処したいと思います。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 少なくとも現段階における憲法違反の具体的な制度、具体的な数字というものが出ました。  なお、きょう幾多の保留した点がございますし、またお出しにならなかった答弁資料等もございますので、保留した部分については、またいずれ機会をみて質問いたします。  きょうはこれで終わります。

藤田義光自由民主党

○藤田委員長 この際、約三十分間休憩いたします。    午後六時二十二分休憩      ————◇—————    午後七時三分開議

藤田義光自由民主党

○藤田委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  質疑を続行いたします。受田新吉君。

受田新吉民主社会党

○受田委員 非常に時間が進行しておるわけでございますが、十九日の総理に対する質問の前に、各党においてそれぞれ防衛庁長官を中心とする政府に対する質問をしようという申し合わせを忠実に実行したい。しかし、これを履行するのにこういう時間になったのははなはだ残念であり、しかも私は、実はこういうおそい時間に発言をすることは医師から禁止されておる。けれども、やむを得ない。申し合わせを忠実に実行しようとすればそういうことになる。けれども、きょうここでみんなこうしておそくまで、政府の方々も、また議員の各位も、事務局のみなさんも真剣に取っ組んでおられるという、この崇高な審議に応ぜられる態度に深く敬意を表しておるわけでございますので、なるべく皆さんのお疲れがないような形で、私なりの誠実な質問を続けていきたいと思います。同時に、きょうここで十分意を尽くさない問題は、お互い頭がすっかりすっきりしたところでやり直すということにすることを保留しておきますから、御了承願いたい。  最初に、防衛庁長官、国防の音義につきましては、歴代の長官は、防衛庁を担当する大臣であり長官であるだけに、非常に熱心にこれに関心を持っておられた。特に国防省を設置するという意欲は、歴代の長官が就任と同時にこれを言明するという熱心さでございましたが、総理府の外局として国家行政組織法の一端を占めるにすぎない防衛庁、こういう形を有田長官もまた先輩長官、前任長官同様に快しとせず、自衛隊員の意欲をわき立たせる上からも、国防省をどうしてもつくってほしいという意欲をお持ちになっておるかどうか、御答弁願いたい。

有田喜一自由民主党防衛庁長官

○有田国務大臣 国の防衛は国政の最も重要なものの一つであります。また現在の防衛庁、自衛隊などを見ますときに、その人員からいいましても、経費、施設等の面からいいましても、その規模から見て私は国防省になることは当然過ぎるほど当然のことだと思う。私も前また元長官に劣らず国防省の昇格をこいねがうものであります。  ただ、省昇格の問題は世論の趨向を踏まえながら、国民の納得のいく時期が必要だと思います。私も懸命に国民の理解と納得の上に立ちたいと思いますので、努力いたしますけれども、ひとつ受田さんたちもそういう国民的な理解と納得を得るように御協力願いまして、ともどもに手を握ってこの大事な国防省の実現に向かって邁進いたしたい、かように考えております。

受田新吉民主社会党

○受田委員 有田長官、国防省に昇格することはどういう効果があるというねらいがあるのか、すかっとお答え願いたい。

有田喜一自由民主党防衛庁長官

○有田国務大臣 私は、この問題は、第一、自衛隊自身が省になるという期待が強い、そこに士気の高揚という面において大きな役割りを持っておる、かように考えております。

受田新吉民主社会党

○受田委員 士気の高揚だけではたいした意義がないと私は思うのです。もっと重大な意義があると思うのですが、事務当局でけっこうですが、従来国防省を設置することについて防衛庁がとくと考えた理由を御説明願いたいです。

島田豊防衛庁長官官房長

○島田(豊)政府委員 従来から国防省の設置に関しましてはしばしば自民党の党議としても決定をされておりまして、一たんは閣議の決定を見たわけでございますが、その後諸般の情勢によりまして、いまだにこれが国会に提案される段階に至っておりませんが、当時から防衛庁といたしまして、国防省設置の必要性という点につきましては、一つは、先ほど長官からお話がございましたように、その予算的な規模あるいは施設、業務量あるいは人員、そういう点におきまして、すでに優に一つの省としての実態を備えておりますし、これが昇格ということは自衛隊員の士気にも非常に大きな影響を及ぼす、いい効果をもたらすという点が一つございます。それ以外にも、国として国防というものにつきましての明確なる姿勢を打ち出すということが一つあるというふうに考えておるわけでございます。  それから、現行法におきましては内閣の長としての内閣総理大臣、総理府の長としての内閣総理大臣、さらに防衛庁長官、こういう三段階の権限の関係になっておるわけでございまして、その関係を明確にすることによりまして、いわゆる政治の構成と申しますか、そういう関係を明確にするということが一つ大きな意義があったと思うのでございます。さらにそれだけの大きな業務量を持っております防衛庁といたしまして、総理府の外局的な立場にあるということは、いろいろな事務的な面におきましても手続が煩瑣でございます。そういう点も昇格によりまして非常に簡素な手続で行なうことができる、こういうふうなことが当時から国防省昇格の必要性としてうたわれてきたわけでございまして、士気の問題と同時に、そういう権限が現在でもかなり明確でございますけれども、そういう三段階の権限の関係を整理することによりまして、政治の統制と申しますか、そういう点がより明確になるということが一つの大きなメリットではないかというふうに考えておるわけでございます。

受田新吉民主社会党

○受田委員 さらに防衛庁としては対外的関係において、一省の責任者という形で国防大臣という名称を用いられることに非常な夢があるのじゃないか。アメリカなどとの交渉にあたっても、総理府の外局の防衛庁長官では、やはり力が抜けるために、国防大臣ということで対等の会見ができるというふうな期待があるのではないかと思いますが、この点はいかがですか。

有田喜一自由民主党防衛庁長官

○有田国務大臣 確かにそういう面もあるかと思います。かるがゆえに、私は先ほど言いましたように、いま大事な防衛二法がありますが、これが済んだらそういう方面に一そう努力したい、こういう決意でおりますので、ひとつ一そうの御支援をお願いしたい。

受田新吉民主社会党

○受田委員 私はこれを国防省にしなくて、じっくり防衛庁でそういう政府が意図されるところを果たすことができると思うのです。それは、国民の中にはむしろもう防衛庁ということで親しまれておるので、国防省という役所をいまさら期待しておるわけではないのです。それで防衛庁長官というものはもう大衆に親しまれた名称になっておる。同時に総理府の外局としても、その長には国務大臣をもって充てるという大事な役所であって、経済企画庁においても同じような立場のものがあるわけなんです。そういうことでございますから、国防省にしなければ権威が保てぬというようなさびしいことでなくして、じっくりと国民に親しまれる防衛庁として、自衛隊として、国民との融和をはかるというところに政府が力を入れていただいたほうがいいと思うのです。特に歴代の長官が国防省でしばしば夢を持っておられるのは、その在任期間が短いという欠点を補う意味で、威勢を張りたいという気持ちが一つある。  それからもう一つは、防衛庁へ行ってみると、非常に規律ある権力団体であって、その前で長官として栄誉礼を受けるときに、その部隊の粛然たる敬礼を受ける快さというものは余人をもって味わうことのできぬものである。そういう喜びを感ずる。そういうところでいろいろな防衛庁の内部の御進講を承って、部内に通暁することに骨を折り、同時に部隊を視察して至るところで敬礼を受けることを事とするような期間が続いて、半年くらいたつと、防衛庁長官をやめて次の人が長官になる。そこで退任の栄誉礼を受け、また悲しい曲を奏せられて防衛庁を去っていく、そのさびしさはまたたとえようがないということでございます。そういうことで、防衛庁に長く腰を据えていく大臣がいない、長官がいない、そして一つの夢を持とうとしてもその夢を実現せずして退いていく、こういう伝統があるわけなんです。有田先生の前任の増田先生が二年おやりになっただけで、ここにおられる伊能先生も一年——一年でしたか先生。(伊能委員「もっと少ない」と呼ぶ)大体少ないのです。そういうところに防衛庁の今日どこか大衆になじみを持たれない原因があったということを私は隠すことができない。そこで国防省というような夢を追う態勢ができる。  そこで今度長官、あなたにひとつ直接お考え願いたいのですが、防衛庁の内局はシビリアンコントロールで、非常に大事な地位にあるところであります。そこの局長が、最近はどうやら落ちついてこられた。いまここにおられる局長たちは大体防衛庁に骨を埋める熱心な者で、防衛庁を腰かけに、足場をじょうずに切り抜けて自分の出た省へ帰ろうなどという不届きな局長はここにはおられないと思いますけれども、従来そういう点においては、防衛庁を腰かけに考えて、大蔵省に帰り、通産省に帰り、運輸省に帰る踏み台に、成功の足場に考えた不届き者がたくさんおられた。そういうところで防衛庁の内局ががっちり固まらなかった。つまり足の軽い、ふわふわした高級幹部が防衛庁をささえておったという欠陥があったわけです。これは私が内閣委員で、防衛庁が二十九年スタート以来この委員会を担当しながら、その当初においてはしみじみとそういう感じを持ちました。最近ではどうやら腰を落ちつけて、傾向がよくなっております。こういうところにもシビリアンコントロールの大事な要素を欠く欠陥があったわけです。制服になめられるという欠陥があった。しかし今後は内局の責任者たちも防衛庁に骨を埋めるという熱心な者でがっちり固めるという——有田先生、あなた御自身の熱心に質問に応ぜられる誠実な顔つきを見ても、その誠実さは十分わかります。汗を流してお聞きになっておられるあなたに、伊能先生のようながっちりした先輩もこの委員会におられるのですから、敢然と防衛庁の内局をがっちりと握り、そこにつとめる高級幹部にしっかりと骨を埋める決意を持ってやらせるという御決意を表明願いたい。

有田喜一自由民主党防衛庁長官

○有田国務大臣 全く同感であります。私も赴任して以来すぐに次官並びに官房長その他に対して、防衛庁ができた早々は各省からもらい受けるしがなかったが、ここで防衛庁も相当時間もたったのだから、ひとつ防衛庁に骨を埋める気持ちでお互いに手を握ってしっかりやろうじゃないかということを申し合わせたような次第でありまして、幸いにしてここにいる政府委員の方々もそういう気持ちを持ってくれますし、大いに御意見賛成でありまして、そういう考えで進みたい、かように考えております。

受田新吉民主社会党

○受田委員 これは幹部の皆さんに対する注文ですけれども、同時に隊員に対する注文がある。国土、国民を守るための自衛隊という立場で精励恪勤する制服の隊員たち、その隊員が自衛隊に入隊するときにどのような夢を持っておるか、世論調査が出ておる。ところがほんとうの任務を十分理解しないままで入隊して、そこで何かの資格をとるとかいうような軽い気持ちで入ってくるのも相当おるようです。この点は自衛隊員という強い自覚を持ち、自分の力で国土、国民を守っていくのだという意欲をわかすような指導がしてあるかどうか。  このことにあわせて、もう一つ自衛隊員には重大な使命がある。自衛隊員は、防衛出動を命ぜられたときは命を投げて敵の侵攻に対処しなければならぬという特殊の任務を持った公務員です。すなわち敵の武器の前に命をさらけ出して、そうして武器を持って戦うという、公務員の中では生命の危険にさらされる任務を持つのが防衛庁の職員です。  もう一つ、そういう責任を持ちながら、一方で、もし防衛出動に際して上官の命令にそむいたりあるいは服務規律に反したりするような行動をすれば、七年以下の懲役もしくは禁固。戦前の抗命の罪などは、一年から五年という軍刑法の適用を受けたにすぎなかったが、最近においては、近代的な自衛隊員というものはそういうきびしい制約を受けておる。また予備自衛官すらも、召集に応じないというようなことがあったら一年以下の懲役に処されるくらいで、予備自衛官でもたいへんなことです。そして親やきょうだいが本人に教唆をする、扇動をするということになると、親きょうだいまで刑法の処分の対象になる。これはとんでもなくきびしい制約を受けているのを自衛隊員が知っているかどうか。こういうことを自衛隊員の募集の際に言うたら、たちまち、私は失礼いたしますとしりを向けて立ち去るような危険はないかということさえ感ずるほどきびしい使命感、きびしい制約、拘束力、こういうものが与えられておるのです。このことを自衛隊員に十分自覚させておるかどうか。戦前の日本の旧軍時代の軍刑法よりもきびしい規定があるわけです。こういう非常に重い任務を帯び、一方で非常に重い責任を負わされて、生命を危険にさらすという職務に対して、国家公務員としての特別の処遇を考える、私は当然そういうことがあっていいと思うのです。航空機という危険な兵器に乗られる、生命を危険にさらす、そういう方が、このいただいた資料を見ても三百名近い搭乗員の殉職した報告を受けておる。この多くの人々の若い奥さんが未亡人となってどんなに苦労しているか。先般、私の郷里の山口県の周東町田尻というところの高村という一曹がなくなられた。この家族のことをごく近くであるからよく知っておるだけに、よけい私は感無量のものがある。この間の美保基地の航空ショーのときの犠牲者です。四機の一番ビリっこにおったあの高村一曹です。私こういうことを感ずるときに、ほんとうに生命を危険にさらして国土、国民を守るために身を尽くしている、そういう人たちに報いる現在の給与表その他の体系というものは、決して恵まれたものじゃない。殉職したときの扱いが適切でない。国家公務員災害補償法でなお救うことのできない大きな補償、特別殉職に対する手当というものが当然あってしかるべきである。防衛出動の際に、出動に応じて、侵略した敵と戦って戦死をするという事態がきっと起こる。そういうときに、防衛出動に際しての戦死者に対する特別立法というものがまだできておりません。こういう点において、隊員の重い使命、重い責任に対するのに、その待遇が決して豊かでないし、また当然措置しなければならない立法関係、政令というものの制定あるいは総理府令の制定というものが一向にはかどっておらぬということに対して、いかなる御意見をお持ちか、御答弁を願いたい。

有田喜一自由民主党防衛庁長官

○有田国務大臣 お説のとおり、いまの自衛隊というものは国の安全を守るために、平和を維持するために、国家のために非常な愛国の熱情でいかなければならぬ。かるがゆえに私はまず、自衛隊の諸君は国民から信頼される自衛隊になってくれよ、こういうことを呼びかけたのです。同時に自衛隊の士気を高め、その力を一そう強めるためには、国民的の支援、御協力、御理解が得たい。災害出動のときに、自衛隊が身の危うきをへとも思わずに犠牲的精神でよくやってくれる。あの体験のある人から聞くと、そのときには被害地における人々の、自衛隊しっかりやってくれよ、この呼びかけが勇気百倍になってあの力が出てくる、かように申しておりましたが、私は内部におきましてはそういうことを言うと同時に、国民的の自衛隊に対する御理解と御支援と御鞭撻をいただきたい。同時に、かような大きな責任がかかっておりますから、その処遇の上においても特別の配慮をしなくちゃならぬということを考えておるのです。  また、防衛出動に対して関係政令が整備されてない、また自衛隊に対する特別の手当を出すということの法律さえ提案されてない、これはまことに遺憾であります。しかし防衛庁の内部におきましては、いまそういうことを検討しておるところでありまして、その出すときというものをよほど注意しないと、そういうものを出すと、いまにも何か起こるんじゃないかという一方の国民の不安もまた与えちゃいかぬということを配慮しながら、目下事務当局において検討中ということでございまして、さようなことをひとつ御了承願いたいと思います。

受田新吉民主社会党

○受田委員 それは長官、取り越し苦労というものです。そういうものをいまつくるとどこかでまた反撃が出るというような、そういう腰くだけで防衛庁長官が遠慮しておられるということは、検討中ということですが、私、防衛庁の立場からいったならばこれはたいへん怠慢である。  海上保安庁というのがある。この保安庁を、防衛出動における関係で防衛庁長官の指揮下、統制下に入れるという規定がちゃんと自衛隊法にうたってある。   〔委員長退席、伊能委員長代理着席〕 その指揮下に入れることについて、統制下に入れることについて、政令をもって定めるというこの規定がまだ出ていないんじゃないか。ちょっと答弁を……。

島田豊防衛庁長官官房長

○島田(豊)政府委員 ただいま長官からお答えございましたように、有事に際しまして現行法で円滑に対処できるかという点につきましては、いろいろ問題がございます。現行法制でいろいろ不備がございますので、事務的なレベルにおきましていろいろ検討いたしておるところでございます。ただ、ただいま長官からお話しございましたように、現在の段階におきまして急速にこれを整備しなければならないというほどの緊急性も必ずしもいまないように思いますので、事務レベルにおきましては十分検討いたしますけれども、その制定の時期ということにつきましては十分考慮していきたいというふうに考えておるわけでございます。  そこでただいまの御質問でございますが、有事におきます長官の海上保安庁に対する統制でございますけれども、これにつきましては自衛隊法の施行令百三条におきまして、「長官の海上保安庁の全部又は一部に対する指揮は、海上保安庁長官に対して行うものとする。」ということで、一応政令ができておるわけでございます。ただこの規定も「海上保安庁長官に対して行う」ということでございまして、それ自体としては、まだ細部につきましていろいろ問題がございますので、そういう細部の点につきましては今後十分検討いたさなければならないと思いますが、一応法律を受けましての政令は百三条において規定をせられておるというのが実情でございます。

受田新吉民主社会党

○受田委員 このことについては、海上保安庁の全部もしくは一部と書いてあるということですが、そういうもので長官だけを統制下に入れるということでなくて、海上保安庁の全部あるいは一部を入れるという具体的な政令がない。そうですね。

島田豊防衛庁長官官房長

○島田(豊)政府委員 具体的にこれが発動いたしますときに細部のそういう手続関係と申しますか、細部規定は制定されるものと思いますが、確かにおっしゃいますように海上保安庁長官に対して指揮をするということで、たとえば地方の海上保安本部本部長をどういうふうに指揮をするかということについての具体的な規定はまだございませんので、そういう点は今後の研究課題としてわれわれ考えておるわけでございます。

受田新吉民主社会党

○受田委員 外部の侵略があった場合に、私たちは防衛庁自身も、日本の自衛隊は局地戦に対応する近代的兵器をもって排除する自衛隊であるというかっこうで一応面目を保っておると思うのですが、日本のどの場所かにそういう外部の侵略が加えられた場合に、それに対応するための自衛隊の三幕それぞれの適正なる配置、適正なる行動、そしてそれに対する民間の協力というものがなかったならば、これはまた全然防衛にはならぬわけです。いや私はきらいだというて、ある施設の提供、土地の提供をする者がこれを拒む。看護その他の任務に当たる赤十字その他の施設がこれに協力しない。またその現場で反対運動が起こって、防衛出動の際にこれを排除するような阻害行動が起こる、こういうようなことでは話にならぬわけなんです。これは少なくともわが国に不正な侵略があった場合に、それに対しては社会党の皆さんでさえも、そういう際にはからだを張ってでも阻止をするんだという決意を持っておる。そういう意味からも、そういう不正な侵略に対して対処するための具体的な、たとえば日本海のどこか、あるいは九州のどこか、北海道のどこかというところへ敵が不正な侵略を加えたというときに、それに対してはどういう形でこれを排除しようとするのか、民間協力はどうするのか、そういうものについて具体的な政令とかいうような形でそういう際の協力関係を定める、そういうような措置もまだ十分できておらぬのですね、官房長。

島田豊防衛庁長官官房長

○島田(豊)政府委員 ただいま御指摘になりました有事におきまして自衛隊が行動いたします場合の民間の協力体制と申しますか、そういう点を整備する上におきましてはいろいろ問題がございます。したがいまして、それは当然今後の研究課題として私どもとしても研究をいたさなければならないわけでございますが、おそらく御質問の点は現在自衛隊法の百三条に書いてございます「防衛出動時における物資の収用等」に関する規定のことだと思います。これにつきましては、いろいろ細部につきまして政令に委任をいたしておるわけでございます。施設の管理あるいは土地などの使用、物資の収用あるいは物資の保管命令あるいは業務従事命令、こういう問題につきましていろいろ政令にゆだねておる点がございますが、それらの事項につきましては私どもとしても鋭意いま研究をいたしておるわけでございまして、できるだけ早い機会に成案を得なければならぬと思いますけれども、ただ問題は、いろいろ関係官庁との調整の事項もございます。そういう関係でいろいろ問題がございますので、特に有事におきますところの事態の様相というものがなかなか複雑多岐でございますので、そういうあらゆる事態を想定をして、予想をしての規定の整備ということにつきましてはいろいろまだまだ検討を要する、研究を要する問題が多々あるわけでございまして、こういう問題につきましても今後鋭意検討いたしまして、しかるべくそういう必要な時期に参りますれば急速にそれが整備をできる、そういう研究だけは平素から十分に行なっていきたい、こういうのがわれわれの現在の態度でございます。

受田新吉民主社会党

○受田委員 そうした形というものは、いよいよそういう空気が濃化したときにやるものであって、まだおぜん立てするのは早いんだというふうな口吻を私承ったと思うのです。しかしこれはやはりいつどういう事態が起こるかもしれないという立場に立っておるはずなんだし、そういうことはいま考えるのはまだ早いというような防衛庁では、これは国民に期待はできませんわ。やはり一応形はぴしっと整えておく。特に、先般も質問があった核攻撃を加えられたような場合にどういう待避訓練をしていくか。そして防衛庁の中にある防衛の関係、たとえばターターを装備する潜水艦などはその核の弊害を排除する装置ができておるが、民間のほうはそういうものはできないというようなな形でいいのか。そうしたいろいろな有事即応体制というものが防衛庁にちゃんと用意されていなければならぬと思うのです。そういうことによって国民全体が国防意識というものを持つことになるし、侵略する不正な敵に対しての排除という勇気も起こってくる、防衛庁の士気もわく、自衛隊員の意気軒高たる勤務も期待できるということになると思うのです。そういう形が、いま防衛庁おそるおそるやっているようであって、はなはだ私、この点防衛庁なりにやられることに欠けているように感じます。私は、いまや防衛庁は、国民の世論調査を見ても、自衛隊を肯定する数が四〇%、また自衛隊に対してある程度の感謝をする者を入れ、またこれを否定しない者を入れるともう七、八〇%近くまで、自衛隊というものを大きな意味でいったら肯定する形の世論というものが一応生まれておる。そういう中で、日陰者の自衛隊などというさびしい気持ちをお持ちになる必要はない。もはや勇気を持ってこの機会にその防衛庁の従来のやり方を変えていかれて、国民の合意の上に立つ自衛隊として勇敢に前進する必要がある。私たちはこの民社党の立場から、一応憲法第九条による自衛権の中に自衛力を持つ、これを裏づけとすることを肯定しておる。それはしかしながら、国土、国民を守るための最小限の自衛措置という形で一切防御一本だ、専守防衛ということを一応党の方針として打ち出してある。したがって一切の攻撃的性格を持つ兵器を保持してはならぬ。同時に、外交手段によるところの国防ということは、ただ単に防衛力を持つだけでなくて、平和外交ということを前提にして、できればそうした侵略は力をもって排除するということのないような形で、外交によって円満な関係を続けていく。あるいは経済、文化とか、こういう形で友好関係をはかっていって、そこにいまわしい侵略行為など発生しないような努力をするというようなところをわれわれの党としては非常に大きな目標に掲げておる。  こういうところから見て、いまの防衛庁というものは、そして自衛隊というものは、どこかに何かまだ国民に気がねをしながらおそるおそるやっておる。ことに、最近災害出動の協力体制が一体どうなっておるか資料をいただいたが、相当の御援助をされている。金額にしても億単位の協力が幾つも続いておる。これはなかなか国民に感謝されているのが自衛隊の災害出動なんです。そういうところで自衛隊が国民に親しまれる、あるいは感謝されるという非常に大きなプラスをかせいでおる。また北海道では援農、お百姓のお手伝いをしたり、あるいは私がいつか行ったときには雪祭りでなかなか庶民にサービスしておったのを見た。そういうようなところはなかなかいいところをお持ちなんです。そういうところを生かしながら、同時に専守防衛という形で、攻撃的なにおいをさせるような自衛隊でないように、そこを十分配慮しながら、防衛庁の信頼を国民にかちとるという努力をされるべきである。  ところで、ここでいまから質問のポイントをまとめましてお答え願いたい点に入ります。  私たちはそういう意味からいって、自由民主党の防衛政策というものは、昭和二十五年の警察予備隊そして二十八年の保安庁、二十九年の防衛庁スタート、これは十五年記念なんだが、ことしは十五年記念事業をやりますかどうですか、とにかく一応そういうことになってきたのです。事実十五年の歴史をけみした。けみした今日、依然としてアメリカの勢力の中にどこかそっと隠れている印象を国民がちゃんと受けておる。自由民主党の防衛政策は、自由民主党政権のもとの自衛隊はアメリカのかさの下に隠れておるという印象を国民に与えておる。それはやむを得ません。スタートのときから、あのサンフランシスコ平和条約のときの最初の安保条約のときからの御縁が深くて、アメリカの装備そしてアメリカの軍事顧問団の御指導による訓練、そういうものからスタートしただけに日本の自衛隊というものはアメリカ式であるということば、これは動かすことのできない歴史と伝統がある。しかし、もうこのあたりで日本色を十分発揮して、日本独特の味のある自衛隊というところへ自民党なりに政策を転換すべきじゃないか。さっきから私、淡谷さんのお尋ねを聞いておると、自主防衛と自力、自立防衛というような、こういうことばにさえもえらい自信のない御答弁をされているようなことを拝見するのでありますが、こういうくらいのことは、自主防衛と共同防衛のはっきりした区別くらいはもう即座にお答えいただいて、御質問に対する御答弁がきわめて短時間に能率をあげていただくように私はしてもらいたいと思うのです。こういう問題についても、わが国の独特の特色ある自衛隊としてこれが生まれかわる、改変する方向に有田長官はこれをしむけていくべきである。自主防衛という日本の独特の味を持つ防衛色というものを、このあたりではっきり打ち出してもいいんじゃないか。アメリカの支配下にあるような自衛隊でなく、日本独特の自衛隊という形に、自民党なりにお考えになる必要があるんではないかと思います。御答弁願いたい。

有田喜一自由民主党防衛庁長官

○有田国務大臣 受田さんのお考え、非常に傾聴に値するものがあります。  私は先ほど来自主防衛ということを強調しております。その自主防衛は、われわれ日本の立場において、みずからの手によって日本を守る、この体制をつくり上げたいという考えのもとに答弁しておるのでありまして、決してアメリカさんの言うとおりに従っているという、過去の歴史はともかくとして、現段階においてはそれを払拭して、日本みずからの手によって国を守る。ただし、いま憲法上その他の制約があるから、アメリカとのいわゆる日米安保体制というものを堅持して、そうして日本の防衛を全うしたい、こういう考えでありますから、決してわれわれはちゅうちょしておるわけでも何でもございません。ひとつよく御理解を願いたいと思います。

受田新吉民主社会党

○受田委員 しからば、ここでちょっと具体的に聞きましょう。  近代戦に対し得る兵器をもって局地戦に備えようという自衛隊のこの防衛整備計画、第三次においてもそういうことを拝見するのでございますが、そうした場合に、日本の自衛隊だけでたえ得る不正の侵略というものが考えられる。在日米軍の御協力をいただかなくても、アメリカの軍の御協力をいただかなくても、日本の自衛隊だけでやれる侵略に対処する自衛、防衛というものは考えてあるのかどうか、ちょっとお答え願いたい。

有田喜一自由民主党防衛庁長官

○有田国務大臣 そういう方向で進めていきたい。だから、そう腹をきめたからといって、あしたからすぐそれに対して完全な防衛ができる、そういうわけにもいかない。しかし、少なくとも方向は、私がしばしば申しておるように、こじき根性を出さずに、みずからの力によって、憲法並びに国情、国力の許す範囲において局地戦に対しては臨む体制をとっていかなければならぬ、こういうことを強調しておるわけです。

受田新吉民主社会党

○受田委員 たとえば日本海の一角、あるいは九州、四国、この東京の一角でもいいです。不正の敵が侵略をした、そういうときに、日本の自衛隊だけでこれに対処するということが、これは原則としてあり得る、また、そういうことは可能であるということになりますか。

有田喜一自由民主党防衛庁長官

○有田国務大臣 つとめてそういう方針でありたい。しかしながら、日本の国土が大事でございますから、いろいろとその攻め方もございましょうから、日本のいまの自衛隊で足らざる部分は日米安保条約によってそれを補完していきたい、こういう考えなんですね。

受田新吉民主社会党

○受田委員 だから、日本の自衛隊だけでやれる、そういうものがだんだんと範囲が広がっていくと解釈していいかどうかです。

有田喜一自由民主党防衛庁長官

○有田国務大臣 だんだんとそういうことにしていきたい、かように考えております。

受田新吉民主社会党

○受田委員 日本の自衛隊がそうした局地的な侵略に対処して約一カ月くらいはたえ得る能力がある、そのうちにアメリカの御協力を願うとかいうような一説も流れておる。これはいろいろの説があるわけです。だから、いま長官の御説明によると、日本の自衛隊だけで、自主防衛で、局地的な敵の侵略を排除するということが可能であると了解してよいかどうか、もう一度ひとつ伺いたいと思います。

有田喜一自由民主党防衛庁長官

○有田国務大臣 現自衛隊の体制では、それは先ほど御指摘のように、日本だけでやっていける、あるいは持ちこたえるということは不可能かもしれない。しかし、だんだんとその自衛力を増強して、そうして持ちこたえられるならば、日本だけの力で防ぎたい。しかしやはり、戦略、いろんな関係がございまして、自衛隊だけでは十分やっていけない面もあろうかと思う。そこで、補完的に日米安保条約を適用して、そして日本の守りを全ういたしたい、こういう考えですね。

受田新吉民主社会党

○受田委員 従来自民党政府は、自衛隊をして、日米安保条約の補完としての自衛隊というかっこうで、おおむね国民はそう了解しておりました。そこで、いま長官は、自主防衛の立場から日本の円価隊を、これを原則にして、その補いを日米安保に求める、こういう形にいま発言があったわけです。さよう了解します。していいですね。  と同時に、侵略する敵の量、質にもよろうけれども、日本の自衛隊だけで、米軍の協力を必要としないという形のものが当然考えられ、またそれを範囲を広げるということで、私がお尋ねしたことに対してお答えになっておらぬ点があるので、この点をもう一ペんお答え願いたい。

有田喜一自由民主党防衛庁長官

○有田国務大臣 大体答えたつもりでございますが、その侵略の、いわゆる日本に対する進攻の度合いとか規模というものに非常に変化がございますから、だからいまの力によって完全にそれを防ぐことはだいじょうぶだというところまでいけない。しかし、だんだんと自衛力を増強していって、そしていままでの考え方は、どっちかいいますと、沿革的に申しますとアメリカの力におんぶして日本が補完的であったが、その態勢を今度逆にして、日本の自主防衛によって、みずからの手によって守っていって、それを補完的に日米安保条約によってやっていきたい、こういう考えですから……。

受田新吉民主社会党

○受田委員 私がお尋ねしておるのは、進攻してくる不正の侵略者である敵の量と質にもよろうけれども、日本の自衛隊だけで間に合うという形のものが原則として考えられ、またそういうものが拡張されるということを考えられるかということで、常にどのような敵の侵略に対しても、不正の侵略に対しても、米軍との共同というかっこうに、いまの御説明はどうもそういうところにいきがちなんですが、私のいまのお尋ねしていることをすかっとお答え願いたい。

有田喜一自由民主党防衛庁長官

○有田国務大臣 できるだけ日本自身の力によって普通兵器による局地的なものは防げる態勢をつくり上げたい、かように思っております。

受田新吉民主社会党

○受田委員 そういうことでなければならぬのです。  それについて今度もう一つ確かめたいのは、その不正の侵略者に対して、日米が共同でこの共通の敵を排除する場合に、双方の補完は一体どっちがやるか、そして、部隊の作戦計画、そういうものは一体どこでどういうふうにやるか。日米共同作戦の場合のそういう具体的な対策というものはどういう形になるのか。日本の内部で行なわれた事件において、日本の指揮官が総指揮官になるという形をとるのが筋か、アメリカさんの指揮官のもとに日本が置かれるという形をとるのか。アメリカさんの指揮官のもとに日本の部隊が指揮下に入るということは、自主防衛に対して長官のお考えと違う結果になると思いまするが、日米共同作戦の場合における指揮官の所属並びにその作戦、共同作戦計画に対する具体策はどういう形でおやりになるのか。いつ不正の侵略があるかもわからぬ自衛隊としては、何か長官は胸の中にあるはずですが、お答え願いたい。

有田喜一自由民主党防衛庁長官

○有田国務大臣 百事の際の指揮官をいずれにするかというようなことは、まだ作戦協定もできておりませんから、はっきりとここに答えるわけにいきません。   〔伊能委員長代理退席、委員長着席〕ただ、先ほど言いましたように、日本の自衛力がしっかりしてきて、アメリカが補完的になるということでございますから、そうなれば当然日本が主として防衛に当たる、向こうが補完的にやる、こういうことになります。指揮官がどっちになるということは、それは二つを合わした上に指揮官がおるというような考え方もあるかもしれませんけれども、私は、日本の自衛隊が当たって、そしてアメリカの軍隊はアメリカの指揮官がそれを補完的に援助する、こういう形になるのではないかと思います。

受田新吉民主社会党

○受田委員 これは、局地戦の特色というものを十分に考えていかなければならぬ問題です。特定の海岸に上陸する敵の部隊に対して対処する場合もあれば、各所から上がってくる場合もあるし、あるいは空から来る場合もある、いろいろな場合がある。そういう場合に、どこかからいま襲ってきたという場合に、そういう両方の作戦計画というものは、そういうものがやってこなければ、まだわからぬというようなかっこうは、これはどうも私は怠慢な態度だと思うのです。防衛局長、この点について、共同作戦計画に対する防御局が持つ構想を承りたい。

宍戸基男防衛庁防衛局長

○宍戸政府委員 これはけさほどから何度かお答えいたしておりますけれども、具体的な作戦協定があるかというお尋ねであれば、それはまだございません。それでは全然用意がないのかということになりますと、そうでもございません。安保体制のもとに、しょっちゅう意思の疎通をはかり、意見の調整をいたしております。それをもとに、われわれは毎年戦略の見積りをし、かつ防衛警備の計画を立てます。その計画に即して、いざ有事が、かりに急にありましても、その計画にのっとって対処する用意があるわけでございます。その計画には、アメリカの能力をこの程度期待する、わがほうの能力はこの程度であるということは、計算は織り込み済でございますけれども、具体的に作戦協定が、ここの場所に上がったらこうである、この地域はどちらが担当するというふうな作戦協定は常時つくっているわけではないということでございます。  なお、どちらが指揮をとるかということにつきましては、われわれとしては、別々の指揮系統でいくというのをたてまえに考えておるわけでございます。

受田新吉民主社会党

○受田委員 こうした急迫不正の侵略というものかいつあるかもわからぬ状態の中で、あまりのんびりかまえておられることは、これは非常に危険であると私は思う。だから、不正の侵略があって初めてこちらで共同の協議をされるというようなあり方には、手落ちが起こる危険があると思う。常時そういうものについて、どこかで、日米間における協議というものが、専門家の間における戦術会議というものが、開かれておらないのでございますか。日米の安保協議委員会の中に、専門家による軍事専門会議というのがあるのじゃないですか。内局の皆さんにはなかなかわからぬが、実際は制服の皆さんの中で、両方の制服同士が何か話し合いをやっておるのじゃないですか。

宍戸基男防衛庁防衛局長

○宍戸政府委員 米軍とわがほうの統幕及び各幕において、それぞれのスタッフが常時話し合う場は持っております。ただ、おっしゃるような軍事委員会、持ち寄って何かを決定するという意味の委員会組織は、常時は持っておりません、有事に近くなれば、そういうものも必要になることは十分考えられますけれども、現在あるかということであれば、現在そういう意味の軍事委員会は持っておりませんが、常時幕僚が意思を疎通するために会議を持ち、事実上の話し合いをする場を持つ、そして情報を交換し、意見を述べ合うという意味の事実上の会同は持っているわけでございます。

受田新吉民主社会党

○受田委員 私は、今度北鮮におけるEC121機の偵察機の事件以来、非常な一つの不安がわいておる。一例をあげましょう。北鮮と米国の間には、いわゆる準戦時体制のようなかっこうがとられているのじゃないかと思います。私の郷里に岩国という基地がある。厚木と同様に航空基地です。海軍の航空基地です。岩国には海兵隊の基地もある。そこから、厚木から、北鮮に向けて偵察に行った偵察機が、もしこういう準戦時体制のようなきびしい空気の中であるとするならば、またこういうことが繰り返される。今度は、ニクソン大統領は護衛つきの厳重な体制でますます扇動していくわけでございますから、これに対して、侵略があったらまたこれに対する猛烈な対処を宣言しておる北鮮でございますから、今後日本の基地から北鮮へ出かけていって、こういうことを再び繰り返したならば、向こうからまた追っかけて、飛行機がこっちへ戻ってくる間に、日本の上空において攻撃を加えてきて領空侵犯をやるということが皆無とはいえないという危険も感じます。沖繩が今度日本の領土になっても、自由使用になったならば、これはとんでもない悲劇が生まれると思うのでございますか、現実に木上の中においてもそういう危険を感ずる。そうしたときに、領空侵犯をやった日本の基地から飛び立った米偵察機あるいはその他の米国の戦闘機が、北鮮のミグ機にねらわれるかどうかはわかりませんが、とにかく攻撃を受け、追撃をされて日本の上空へ来たという場合に、われわれの国は北鮮との間には何らの条約もない、また北鮮自身は、日本を仮想敵国としてソ連、中共とそれぞれの条約を結んでおる。こういう状態の中で、わが日本の自衛隊というものは、米機を追撃してわが上空にかけ込んできた北鮮の飛行機に対してどういう扱いをしたらいいのか、防衛局長でけっこうです、御答弁を願いたい。これは現実に危険がある。

宍戸基男防衛庁防衛局長

○宍戸政府委員 現実に危険とおっしゃいましたけれども、まず米軍の航空機が北鮮の上空を侵すということ——この間の事件は侵しておらないようでございます。侵すということがあまり現実的でないと思います。かりに侵して、それを追っかけて日本の領海に入るということも、もちろん仮定の問題としてのお尋ねと思いますが、私には現実的なことにはあまり感ぜられません。ただ仮定の問題として、かりにお示しの北鮮の航空機が日本の領空を侵すということであれば、わが自衛隊としては領空侵犯の措置をとることに相なろうかというふうに考えております。

受田新吉民主社会党

○受田委員 かつてU2機がソ連の領空を侵した、フルシチョフは直ちにその発進基地をたたくという言明をした、現実にそういう問題に、ぶつかっておるじゃないですか。これは架空の問題じゃない。フルシチョフがはっきり言うておる。したがって、アメリカは決して領空侵犯をやろうとは思わなくとも、勢いのあまりそういうことをなし得ないとは限らない。そういうときに、待機する北鮮機がこれを追っかけて日本までやってくる、発進基地をたたくという敵がい心もわいてくる、そういう場合に、われわれは、決して架空の問題ではなくして、非常に現実に危険を感ずると思うのです。防衛庁長官、そう感じませんか。U2機の過去の実績などから見て、準戦時体制にある北鮮と米国です。その米国の飛行機が日本の基地から飛び立った、北鮮がこれを追っかけてくる、侵犯をやって追っかけてきた、そういうときに、領空侵犯に対するわがほうのいまの排除の措置を承るというと、これは非常な危険を私は感ずる。長官はどうお考えか。

有田喜一自由民主党防衛庁長官

○有田国務大臣 この間のような北鮮の米軍偵察機に対する追撃事件、ああいう事態は二度とあってはならぬと思います。しかし、仮定としてそういうことがかりに起こって、もしも北鮮の飛行機が追っかけてくるとなれば、それは日本も、領空侵犯ということをやっておりますから、日本の領空を侵されるとそれを追っぱらう、こういう措置には当然出ていかなくちゃならぬ、かように思っております。

受田新吉民主社会党

○受田委員 いま私がなぜこれを申し上げるかというと、そういう危険が米軍の常駐によってしばしば起こってきておるわけなんです。したがって、安保条約のその体系の中にある第六条の米軍の常時駐留、基地貸与というこの規定を削除するという——私たちは駐留なき安保、これは有事であろうと平時であろうと、われわれの国には米軍は駐留していない、しかし安保体制だけは現時点の東西のこの対立の均衡をはかる上における立場から一応これは持っておこう、日米安保体制は残しておこう、その中で米軍の駐留規定を排除しようというのが民社党の方針であります。これは基地があることによって、そういう基地から発進する飛行機の相手から見る危険視、それからさっきから議論が出ている基地公害問題、こういう問題をなるべく早く解決するためには、駐留を認めない安保条約にこれを改定する必要があると思うのです。基地公害の問題はこれからお尋ねに入りますが、基本的問題として、来年の安保条約の一応の区切りの段階において、駐留なき安保という体制をとることが賢明ではないか。それは残念ながら、日本の国は大和民族という単一民族国家であり同一国語を使うほんとうにまとまった国でありながら、アメリカの権威のもとに一向に考え方を変えようとしておらない自民党の防衛政策を持ち、また社会党の皆さん方は野党第一党であって無防備中立を唱えてこれと激しく対立しておられる。その二つのかけ離れた二大政党がある国というのは、これは非常に悲劇だと思うのです。つまり野党第一党の社会兄が政権をとった場合には無防備中立であって、自衛隊を平和建設隊に、また警察を一部認めて、国民警備隊のようなものも警察隊も考えておられるようではありますが、いずれにしてもこれは自衛隊をなくすることなんです。そうすると、社会党内閣ができたら自衛隊はある期間が来るとこれはもうなくなってくる、今度政権が自民党へいったらまた自衛隊を建設する。建設、破壊、建設、破壊というようなかっこうがもしとられたとしたならば、これは日本はたいへん悲劇です。重要な外交政策、重要な内政、これにこの単一民族国家、同一国語を使う日本としては、できるだけ歩み寄りによって国論を統一し、国民の支持の上に立つ最大公約数を求めてそれを進めていくという政治が賢明ではないかと思うのです。その意味でいうならば、安保体制で米軍のもとにおいて、基地発進という悲劇、また基地の付近ではいろいろな公害そして駐留軍の暴行、もういろいろな事件が起こってくる。また誤投下とか誤落下とか、いろいろな雑物が空から降ってくるようなこともある。裁判も思うようにいかない。あたかも治外法権的な印象を与える向きもある。こういうことをなくする上からいっても、安保体制を駐留なき安保という形へ一歩でも前進する。その一部の地域についての特別協定というのをある期間は認めるということは、これはやむを得ないとして、一応原則として基地排除という形をとるということは、これは非常に大事だと思うのでございまするが、長官、これは防衛担当の責任者として御答弁願いたい。これは総理にも確かめたい大事な問題でございまするが、防衛担当の国務大臣として私の提案をどうお考えになるか。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 議事進行について一言……。  いまの受田委員の質問中、社会党の持っている防衛構想について非常な誤りがある。これを前提として答弁されてははなはだ迷惑です。社会党は非武装中立ということは言っておりますが、無防備とは言っておりません。非武装と無防備とは、自民党も再々言われますけれども、これはとんでもないことです。われわれは防衛というものは武装だけじゃない、非武装による防衛もあるという立場から、非武装中立とは言いますけれども、非武装すなわち無防備という構想は言っていないのです。これは質問者の受田さんからはっきり御訂正の上で発言していただきたい。

受田新吉民主社会党

○受田委員 そういうことで訂正いたします。これは無防備中立、非武装中立といろいろ見解があると思いまするが、いま淡谷さんから指摘された、社会党から正式の御提案でありまするので、私の無防備中立は、社会党の非武装中立という提案でありますので、そういうふうに訂正をいたします。

有田喜一自由民主党防衛庁長官

○有田国務大臣 わが国が戦後非常に安定し、そして繁栄をしておることは、これは何と言われようと、私は日米安全保障体制が大きな役割りをしておる、かように思うのです。一国の国防の基盤が国民の合意の上に成り立たなければならぬということは、私は御説のとおりだと思うのです。今日、大事な国防に対して政党間において多少の意見の相違はありましても、基本的に考えが違っておるということは私は一つの悲劇じゃないかと思っております。しかしながら受田さんの言われるように駐留なき安保、それは基地がいろいろ国民の上に迷惑をかけておることもわかっておりますけれども、大きく日本の安全ということを考えたときには、やはり米軍基地というものが日本にとって大事なことだと思うのです。もちろんその比較的利用度の少ないようなものは返還してもらわなければなりませんけれども、日本の防衛上重要な役割りをなしておる基地というものはやはり存置しなければならぬ。これがあることが一つの抑止力となってもくるわけです。それはこのごろのいろいろな進歩によりましてあるいは米本国から動員することもできましょうけれども、やはりおっしゃるように有事即時即応の体制ということが一つの守りを強くするゆえんである、これがすなわち抑止力となって動くのではないか、私はかようなことを考えましたときには、やはり平時からある程度の最小限度の米軍基地というものは存続する必要がある、かように考えるわけです。

受田新吉民主社会党

○受田委員 戦争抑止力に米国の権威を用いようという考え方、それはここへ常時駐留していなければならぬということで可能ということではないですね。常時駐留しなくても不可能ではないということも言えると思うのです。それは日本の近海にある米国の艦隊あるいはグアム島その他における航空基地、韓国あるいは台湾等の基地、こういうものによって十分補えるのであって、わが国の憲法の要請からいっても、そして極東全体に対してのわれわれの責任というものは、これは安保条約でたいへんやっかいなものを押しつけられておるんだが、これはわれわれの国を守るだけという原則をはっきりする上からも、極東全域に飛び立つような基地が残っておるような危険のある状態を早く解除してほしいという国民のすなおな感情からいっても、日本の基地をなくするということは、これは当然もう自民党が考え、社会党、自民党の間で歩み寄りをして、そして国論を統一するという形における一提案として、私の掲げておるのはそういうものに一歩でも——現在日本の国にはそういう非武装中立、武装にあらざる中立、武装を持たさる中立——防備というのは武装という意味に私は解したのですが、その非武装中立という主張をしておる強力な野党がある。それに対して自民党が歩み得りをする上からも国論をなるべくまとめやすいような形にいくのには、私たちのいま提案しているそういう形の安全保障体制というものが適当ではないか。つまり国民の中にどういう勢力があるかを十分考慮しながらいくという自民党の政治というものが、私はやはり賢明なやり方だと思うのです。国民全体をまとめやすい考え方、沖繩の返還だって核抜き本土並みというわれわれの多年の主張を、これは国論をまとめるのに一番いい案としてわが党はいち早く提案した。現に自民党もそれに歩人寄りをされておる。社会党の皆さんもこの線までくらいは歩み寄りをしていただけると私は思うのです。そういう意味からもひとつ、なるべく防衛についても、有田先生、こういう日本の防衛をできるだけ国民合意の上に立つような方向でこれを前進させるということに努力してほしい、これは希望だけにしておきましょう、あなたの御答弁はむずかしいことでございますので。  いま一つ、時間も進行してまいりましたから結論に入ってまいりましょう。私は、防衛体制の基本をつくるために、機構問題としてひとつ国防会議のあり方をお尋ねしてみたいのです。これは防衛庁設置法の中の三章に一章掲げられておるのでございまするが、これに基づいて構成法ができた。この構成法によって長官もその議員の一人であるわけでございまするが、昭和三十一年スタートしたこの国防会議というものが現に何をしているかという点について、私非常に残念な現象を拝見しているわけです。つまり、国防会議というものは国防の基本を討議するところであり、防衛の大綱を討議するところであり、防衛の産業の大綱をきめるところであり、総理大臣の適当と認める防衛に関する事項をはかるところであります。にもかかわらず、この国防会議は正式の会議というものはまだ十数回しか開かれていない。あとは議員の懇談会、座談会みたいな会議しか開かれていない。しかも防衛庁長官を中心とする防衛庁が下ごしらえしたような事務的な提案、たとえば長期防衛計画のようなもの、こういうようなものがそこで討議されるというようなかっこうで、国防の基本とか防衛の基本とか防衛産業の問題とかいうものは、これははなはだ軽くあしらわれておるのですね。  これは長官にまずお聞きしたいのですが、きょうは海原国防会議事務局長も来ておられますが、防衛庁としては、この国防会議というものが防衛庁設置法の中にあって、ちょっと考え違いをすると防衛庁の付属機関のような印象を与えるおそれのあるこの国防会議を、もっと力を持ったものにしておくほうがいいとお考えか、この程度で置いておくほうが防衛庁では都合がいいか、ちょっと御答弁を願いたい。

有田喜一自由民主党防衛庁長官

○有田国務大臣 国防会議は、防衛の諸問題を検討する、あるいはこれに対していろいろな決定をやる上においてきわめて重要な機関と考えております。したがいまして、私としては国防会議の活用ということを大いにはかりたい。ただ、会議はそうだが、さっき受田さんが、それまでの懇談会というものはお茶飲み話というようなことがありましたが、その懇談会は決してそんなものじゃなくて、決定するまでの段階のいろいろな協議をやっておるのでございまして、決してお茶飲み話をやっておるというわけでもなく、真剣にやっておるということはひとつよろしく御理解を願いたい。  なお、国防の基本方針というものはこれはもう熱心に討議されまして、最初にいたすわけであります。その基本方針にのっとって一次防、二次防、三次防というような防衛計画が立っておる、こういうことでありまして、決して基本方針をなおざりにしておるというわけではございません。しかし、考え方としては国防会議を大いに活用して、一そう国防に対する関係官庁の強き認識と理解を深めていきたい、かように考えております。

受田新吉民主社会党

○受田委員 この国防会議構想については、防衛庁はなるべくその力を抜いて、防衛庁の付属機関のようにしておくことを歓迎していると思うのです。たとえば、去年私がここで増田前長官に言ったのは、今度のFXの機種決定、種類を決定することは、これは防衛の基本に関する問題だ、したがってこれは当然国防会議で議決すべき問題であるということでした。にもかかわらず、機種決定は、もうF140J以後における最も有効な飛行機であるならばおまえたちにまかすという総理大臣の依頼があったので、もう機種決定はわしのほうでやります。これははなはだ無責任だ。われわれは大いにこの点を追求したのでございまするが、こういう機種決定のような国防の基本であり防衛の基本である大問題を防衛庁が、しかも防衛庁長官がかってにきめるというような行き方は私は不届きだと思う。これこそ国防会議でやるべきだ。機種、同時に機数、数とそれから種類とは、やはり国防会議で正規の手続で決定すべきだと私は思ったのですが、これは大臣どうお考えですか。こういう大事な問題は国防会議で当然やるべきではないかと思いませんか。あなたはその点の心得違いを直しておられるかどうか、確かめてみたいと思います。

有田喜一自由民主党防衛庁長官

○有田国務大臣 私も増田前長官から引き継いだのでございますが、この国防会議でたしか主要項目というものが決定されておりますね。こう主要項目において新機種のことをうたってあります。それでその新機種をどうするかということは、これはおのずから防衛の責任者が決定して、普通の兵器よりもそれは価格が高いし、大きな役割りをしておりますから、重視しなければならぬことは当然でありますけれども、やはり兵器の一つとして防衛庁長官がきめることは私は別に不当のこととは思わない。しかし増田前長官は総理とも十分話をし、また国防会議の議員方とも個別的によく話して、その上で決定された。そうしてその数の問題になって国防会議を開きまして、そこで最後の正式決定になっておるわけでございます。私は前の長官がやられたことを、そう不当とは考えておりません。

受田新吉民主社会党

○受田委員 総理と防衛庁長官との個人的取引のような印象を与えて機種がきまるというようなことは、はなはだ私的な取引のような印象を与えて、天下の公器としての国防会議を無視するもはなはだしいと思う。私はその意味で今後こういうあやまちを再び繰り返さないようにする。今度の問題は、これは長官でなくて総理でなければいけない問題になりますからあなたにお尋ねしませんが、国防会議に当然提案すべき諸問題というものを、十分長官も議員の一人として協力していかなければならぬと思う。海原事務局長さん、私、国防会議というものの性格が、願わくはこれは国防会議設置法という独立の設置法によって規定せられて、そして防衛庁の掲げる防衛の具体的な計画等についてもその大綱は国防会議がきめる。総理を中心とした防衛庁長官も含まれた議員によってこれがきめれ、事務局が十分機能を発揮するような機構を持って、ちょうどアメリカの国家安全保障会議のような——今度でも日米の交渉に当たってはまず外務省の東郷アメリカ局長が行って、向こうの安全保障会議の補佐官と下打ち合わせをする。非常に権威ある存在になっております。補佐官の地位でも非常に強大だ。そしてプエブロ事件も、今度のEC121C機の墜落事件等でも、一々国家安全保障会議にかけて、その権威ある審査がされておるというこういう形、これは日本の国防会議は国民全体の国防会議として、シビリアンコントロールをりっぱに発揮する意味からいうならば、ひとつそうした権威ある国防会議が構成されて、そこで決定された基本力針に基づいて、防衛庁がさらに具体的な施策を練る、こういう形がシビリアンコントロールを生かす上においても非常にいいと思います。国防会議の事務局長という大事な職務を持たれて、その幹事役として、各省の事務次官を監督する責任の世話係をしておられる海原局長、その国防会議をあずかる事務局の責任者になられて、国防会議をアメリカの安全保障会議その他列国のそういう形、大いにシビリアンコントロールを生かす上から見てどうであるかというような点につきまして、事務局長として御見解を承りたいと思います。

海原治国防会議事務局長

○海原政府委員 ただいまのは受田委員の御意見でございましたので、まことに貴重な御意見と拝聴いたします。国防会議事務局長といいますのは、国家公務員でございます。与えられた条件下で最善を尽くす、それが当然の道だと思いますので、いろいろな御提案、御示唆がございましたが、これに対しては、私としてはお答えする立場にないと思います。  さらにアメリカの例でございましたが、アメリカの国家安全保障会議は総定員約五十名、私のところは二十一名でございます。アメリカとの比較におきましては、まあまあのところかと思います。さらに、アメリカにおきましても大統領によりまして国家安全保障会議の運営の方法は変わっております。これを最も活用しましたのがアイゼンハワー大統領であります。しかし次のケネディ、ジョンソン大統領になりましてから、国家安全保障会議というものはほとんど動いておりません。今度のニクソン大統領になりましてから、もとのアイゼンハワー大統領当時のような形において動き始めておる。したがいまして、こういう事務局というものの運営は、やはり最高責任者の御判断によってきまっていくもの、こういうふうに考えます。

伊能繁次郎自由民主党

○伊能委員 関連。ただいま同僚受田委員からの国防会議に対するお尋ねは、たいへん重要な問題でございます。有田防衛庁長官からも御回答がありましたが、私も受田委員と同様に、少なくとも国防会議に関する法律の内容に、四項目もしくは五項目にわたって国防会議に付議すべき内容が決定されております。さいぜん、今回の機種決定についてはきわめて円満に決定をせられたので私はけっこうだと思いますが、懇談会が茶話というお話でございましたが、必ずしもそうでないことは私も了承しておりますが、私どもが希望するところは、受田委員の言われたように国防会議をして権威あらしめる、このことについての防衛庁の努力について私は一そう検討をしていただく必要がある、かように私の経験に徴して確信をいたします。ということは、不幸にして私の時代には機種決定について、中間的には私は総理大臣と意見を異にしました。しかし最終的には意見の一致を見たわけでございますが、これらの問題について、国防会議のここに掲げてある五項目の内容は必ずしも明確でありません。私はあえて明確でない。したがってこれらのことは、いま海原事務局長は御自分の所管の範囲において言われましたが、いかなるものを国防会議に具体的に付すべきか。防備産業の調整の問題があります。これらの問題については、国防会議の重要性を高める上において、もっと内容を明らかにして、そうして国防会議と防衛庁が協力をして国防会議の重要性というものを一そう高からしめるということについての御努力を願いたいということを受田委員と一緒に私は希望して、長官の御見解を伺いたい。

有田喜一自由民主党防衛庁長官

○有田国務大臣 先ほども受田委員にお答えしましたように、私は国防会議というものを一そう活用ということばを使いましたが、活用といいますか、大いに活発にやって、そしてそれが同時に権威を高からしめる、こういうことで国防会議の方針にのっとってわれわれ防衛庁がやっていく、こういう体制にいかなければならぬ。大体いままでもそういうことになっておりますけれども、それをより強くそういう方向に持っていきたいということは、私も同様の意見を持っております。

伊能繁次郎自由民主党

○伊能委員 いま有田長官からたいへん明快な御回答があったので、私非常に意を強うするわけですが、従来はとかく一年に一ぺん、せいぜい多いときでも二へん、懇談会がそれに若干加わるという程度で、私はこの重大な日本の安全を保持し日本の平和を守っていく上においては、防衛庁において、また国防会議事務局においても、国防会議に付議すべき案件というものは御研究によって決して少なくはない、かように存じますので、今後はいまの十二分に活用するという点に期待をいたしまして、私の希望を申し述べておきます。

受田新吉民主社会党

○受田委員 伊能委員から国防会議に対する建設的な御意見があって、私と立場は違っても目標が同じような発言をしていただいておるわけですが、私はこれは前防衛庁長官という体験からにじみ出た伊能さんの発言として非常に貴重だと思います。有田長官も国防会議の構成、国防会議の設置という基本の問題で、願わくは権威ある国防会議たらしめるように、そしてそこに、議員としてでなくしてオブザーバーたる通産大臣、科学技術庁長官というものも、いまや防衛庁のあり方としては防衛産業、そういう点からいったらもうりっぱな議員でなければならぬ、時代が変わっておる、そういうところの改正の意図を国務大臣として総理に十分提案し進言してもらって、権威ある国防会議たらしめるように、また海原事務局長自身は、国家公務員であるということで発言を差し控えておられるようでありますが、この事務局のあり方について、諸外国を十分検討されて、事務局の機構をどうしたらいいかというようなことについては事務局長なりに検討し研究を積んでおかれる必要が私はあると思います。そういうことについて総理のお尋ねがあったようなときには、りっぱな試案が出るくらいの研究をしていただきたいと思います。  それではおしまいに移りますが、有田長官、この防衛庁から出していただいた自衛隊の発足以来の航空機事故、この数を見ますと、機数において全部で一二百十三機、死亡者において二百八十五名という非常な数の犠牲が出ておる。陸上において三十一、海上において四十、航空自衛隊において二百四十二、これだけの数が犠牲を受けておることについて、防衛庁のやり方、指導のしかたなどにどこかに無理があるのではないか。外国の事故数と比べてどうか。これは防衛局長、アメリカなどの事故がどうなっておるかをある程度お調べになっておられると思います。海原防衛局長のころに、何か私は諸外国の墜落数などもちょっと聞いたような気がするのですが、最近における諸外国の墜落数と日本の墜落数。日本の自衛隊にはきびしい制約を加えて一この間の美保関の場合などは、あれは全く悪天候をおかして、気圧高度計しかない飛行機を使って、高い山などがあったってそれが見当がつかぬような形の飛行をしておるわけです。こういう暗雲をついて行くような無理な飛行を続けるので犠牲が多くなっているのではないか、そしてまた搭乗者に無理な責任を負わして、当然助かるものを助けていないのではないか、いろいろな防衛庁の指導に欠陥があるのではないかという感じもします。  もう一つ、それぞれまとめてお答えいただきたいのですが、これだけ飛行機が減ることによって、現にF104Jにおきましてもこれだけの数が故障を起こしておる。こういう現状から、今後の飛行機の必要数が年次的に非常な事故によって減殺されていくということにおける防衛上の計画等につきましての補充計画。  それからもう一つあわせて、お答えを端的にしていただくために質問をまとめます。練習機から正規の戦闘機に移るところのパイロットの訓練において、練習機搭乗期間が相当長くて、正規の戦闘機にいくまでに時間、年数がかかってくる。パイロットの年限がだんだんと古くなってくるという危険があるのではないか。もう一つは、練習機でしっかり練習してもらって、最後に戦闘機で仕上げをするという、そういう行き方もあるのではないか、そういういろいろな方法をどうお考えになっておるかということをあわせて御答弁を願います。

宍戸基男防衛庁防衛局長

○宍戸政府委員 お尋ねが三点ございますが、第  一の、自衛隊における航空機事故の数を国際的に比較して、わがほうに無理はないかという点でございますけれども、結論を申し上げますと、国際的な比較をいたしますと、幸いにしてわが自衛隊は少ないほうでございます。訓練は激しい訓練をやりますけれども、同時にパイロットの安全、航空安全ということにも十二分の注意を払っているつもりでございます。  具体的に数字を申し上げますと、なお国際的な詳しい資料はなかなか各国とも公表いたしませんので、限られた資料ではございますけれども、たとえば米空軍との比較でございますが、三十七年で、米空軍が五・七、それから西ドイツの空軍も資料がございますが、西ドイツが二十七・幾ら。十万時間当たりの数字でございますが、そういう発表がございますが、それに対して自衛隊の場合が五・四でございます。それから三十八年度は米空軍が四・四、西ドイツが二十四・四に対して、自衛隊は三・五、それから三十九年度は米空軍が五・八、西ドイツの三十に対して自衛隊は四・一、四十年度は米空軍が五・九、西ドイツが二十五・七に対して自衛隊は四・一というふうな数字になっておりまして、必ずしもわがほうに無理が多いということにはならないかと思っております。  それから、こういう事故機が多数出て、不足するのではないか、補充計画はどうかという第二点のお尋ねにつきましては、86Fにつきましても104につきましても、生産計画のときに一定の事故率というものを織り込みまして必要な生産をやっております。先ほど申し上げましたような数字は、つまり飛行機というものはある程度の率で事故を起こすのだということを織り込み済みでございますが、その事故率は予想よりも下回っておりますので、補充計画上特段の支障はないというふうに考えております。  パイロットの養成のことにつきましては教育系統でございますので、人事教育局長からお答えいたします。

麻生茂防衛庁人事教育局長

○麻生政府委員 先生から御質問がありましたように、現在はT34練習機からT1、T33というジェット機の練習機として初級の操縦教育というものを受けまして、さらに戦闘機の教育としてF86Fの課程を経、さらに初級の戦技教育を受けまして、引き続いてF86Fの航空団等の部隊勤務に入り、パイロットとして教育しております。さらにT1以降のジェット機の搭乗時間の五百時間以上の者から選抜いたしまして、F104の転換課程に持っていっておるわけでございます。したがいまして、その教育期間に相当の年数がかかっておるということは、先生の御指摘のとおりでございます。しかし現在われわれが持っておりますこれらの練習機という点から見まするというと、亜音速の練習機から直接超音速のF104に移る、こういう訓練をすることは、飛行特性が非常に違っておりますので、なかなか技術的にも非常にむずかしい点があるわけでございます。したがいまして、現在保有しておる練習機の体系におきましては、現在行なわれておりますようなT1、T33、それからF86Fと、そしてF104DJに入りまして、それからF104に転換するというのが一番経費効率も教育効率も上がっておるかと思います。しかし先生が御指摘のように、教育期間という点を考え、教育の効率という点を考えますると、やはり教育課程に超音速の高等練習機を導入して、そうしてF104に結びつけていくというのが考えられるわけでございます。現在開発中の国産のTX2というものが開発されました暁においては、先ほど申しましたような飛行特性なり、あるいは戦技の教育訓練の要請を満たしますので、直接高等練習機からF104またはF4Eのほうに移行するものと思います。

受田新吉民主社会党

○受田委員 いまのパイロットの養成計画については、ちょっと別に、私大いに討議したいことがある。パイロットをせっかく、六千万円かかる。いまのところでは六千万円かけたパイロットを、民間航空などへスカウトされたらたいへんな損害だ、そういう意味で貴重なパイロットを、生命を大事にして、むだな墜落事故などを起こさせないというその配慮と、そして民間航空などへせっかく養成した防衛庁のパイロットをスカウトされないように、された場合には十分の補償を取るというような考えでやらないと、国費をむだづかいするという危険が多分にあると思うのです。こういうパイロット養成につきましては、最初のT1の練習機から始まる訓練のしかたで、ここにいられる淡谷委員と私はかつて松島でT6という練習機に乗って宙返りから急降下もやってみて、だいぶひやりとした体験を持っておるのですが、あなたのほうから出された資料を見ましても、このT6の墜落事故が五十五機もある。これはあぶないものに乗ったものだなと思ったのですが、これだけ落ちておる。これはたいへんな事故だと思っておるわけです。航空自衛隊員として採用され、希望を持った人がむざむざと、特に若い奥さん子供を残して殉職していく人々のことを思うときに、ほんとうに身の縮まる思いがするのです。防衛庁としては最高指導方針として、生命を大事に、飛行機を大事に、無理な訓練というところから無理な結果が起こらぬように十分配慮してもらいたい。こういう問題はあわせて後の機会にまたお尋ねすることにいたします。  基地問題をちょっと最後にお尋ねして質問を終わりますが、私の郷里の岩国は至るところで事件が起こっておる。岩国基地の最近の犯罪の発生は、これは私の郷里であるからよけい関心が深いのですが、ここは航空基地で、海兵隊の根拠地でもありますが、日本人従業員に対する暴行傷害事件というようなものがついこの二月に起こって、市民に非常な衝撃を与えました。これは犯人はつかまりました。また、従業員の自動車を破壊するというのが相次いで起こっておる。また、米軍の岩国基地のF4Eが岩国を発進して福岡へ行く途中、八幡の祇園町で、ある二軒の家へ大きな落下物を落として大事故を起こしたという事件が起こっておる。こういう事件は一々あげれば限りがないほどあるわけでございますが、基地公害という、私が先ほどから指摘したこういう問題をなくするためにも、日本政府というものは相互の連絡会議をときどき持っていらっしゃるし、また分科会というものもある。そういうところで、こういう事件を撲滅するためにどういうふうに働いておるか。司法権において、また犯罪捜査において、そしてまた損害賠償——淡谷さんが指摘したこの問題を私が一々聞けば、またちょうど半日くらいかかるほどありますし、あと始末がどうなっているか聞きたいのですが、時間の関係であと始末は聞かぬことにしますが、こういう事件が基地の周辺にはしばしば起こっておる。これに対する扱い方としての基本的な問題をどう考えているかを防衛施設庁長官から御答弁願いたい。

山上信重防衛施設庁長官

○山上政府委員 米軍施設を原因といたしますところのさまざまな事故等が、あるいは犯罪等が生じておりますことは、まことに遺憾でございまして、これらにつきましては、事案の発生いたしました場合には、そのつどこれにつきまして、米側に対して厳重な注意を喚起し、あるいはそういったものの防止措置をとる、あるいはそれらについての事後の補償については、でき得る限りすみやかに地位協定を援用してやっておるという状況でございます。また特に、事故等が起きました場合、ごく重要な事案につきましては、日米合同委員会のもとに事故分科委員会というものが設置されておりまして、ここにおきましていろいろな事故の原因の検討あるいは対策の勧告というようなことをいたしておるのでございます。総じまして、事故、犯罪の防止につきましては、現在までかような事案が発生いたさないように政府としても米側にしばしば注意を喚起し、米側におきましてもこれに応じてでき得る限りの善処をいたしておる、そのような状況でございます。

受田新吉民主社会党

○受田委員 でき得る限り善処しておるということでございますが、それではちょっと一例を申しますと、岩国事件でいまの従業員の強盗傷害事件の結末はどうなったのでございますか。それを、私はなはだ釈然とせぬ点があるのですけれども、たとえば祇園町に事故が発生した、こういうあちらさんの飛行機の事故原因の究明の結果はどうなっておるのか。再発防止の扱いはどうしておるのか。また裁判における結論はどういう形になっておるのか。こういう問題を、私、一々確かめたいのですが、時間の関係でこれは一つ一つをお尋ねすることは困難ですが、総括的にお答えを願いたい。アメリカになめられるような日本側になっておるのじゃないかと思うのです。つまり、向こうのやったことに対して原因究明など、どこまで日本側は追及しておるか。いま御指摘された事故分科委員会というものは、一体向こうの原因究明にどれだけ強い迫力を持っておるのか。こういう点につきまして向こうさまが詳しくそういう原因を言うてくれておるのかどうか。あいまいになっておるのじゃないか。これは事実基地周辺では非常な不安であり、不愉快な事件として新聞などにもいつも書き立てられて、結論からいったならば、われわれ日本側がなめられたような結果になっておることが非常に多い。御答弁を願いたい。

山上信重防衛施設庁長官

○山上政府委員 岩国の問題等につきましては、犯罪が発生いたしました直後におきまして、現地におきましてもまた中央におきましても、米側に厳重抗議をいたし、注意を喚起いたしております。それに応じまして、米側におきましても、これのその後におけるところの予防措置等についてはいろいろな措置を講じております。警備を厳重にするとか、その他さまざまな措置を講じております。同時に、これにつきましては、すでに犯人も逮捕せられ、現在起訴せられておる状態でございます。  なお、航空機の事故等に対する原因等につきましては、先ほど申し上げました事故分科委員会におきまして、米側から、原因等につきましては米側の調査した結果について報告がございます。それぞれの問題についてここには詳しく申し上げる時間もございませんが、そのつど報告を受けておる次第でございます。ただ先生御心配のように、これらの問題につきましては、日本国民の安全の問題でございますから、できるだけこういう点について納得のいくような方法を講じていくように今後とも努力いたしたい、かように考えておる次第でございます。

受田新吉民主社会党

○受田委員 以上、時間の関係で質問を打ち切らしてもらいます。  防衛庁長官、今度出された法案につきましては、次の機会にまた討議することといたしまして、国民合憲の上に立つ自衛隊という形で、量よりも質という形で、この法案もこのたびの提案は遠慮していただくべきであったと、私はかように思っておる。そういう大所高所からの自衛隊のあり方について、もっと計画的な長期防衛計画を立てた場合でも、前提として国際情勢はこうなっておる、日本の置かれておる極東における地位はこうなっておる、日本の国力、国情はここまでである、したがって、陸上十八万、海上、空幾らという、こういう計画的なものが立てられなければならない。前提が全然なくて、ぽかっと思いつきで数字が出ておる危険があるのです。この点、国民を納得させるために、防衛力の整備計画等もその前提を十分国民の前に知らせて、この法案の提案理由の中にもそういう前提を掲げて、そして提案理由をお書きになるのはいいけれども、この提案理由だけでは非常に国民に不親切な計画だと思うのです。こういう点につきまして、長期防衛計画を今後策定される場合も法案を出される場合も、その必要性の背景となるものを必ずお示しになる、こういうことを御注意してもらいたい。国民に理解しやすいような提案のしかたをしてもらいたい。  きょうはそういう意味で、長時間おそくまで各党の議員さんが居残っていただいて、私のつまらぬ質問をお聞き取り願ったことをたいへん感謝いたしますが、私はそういう意味で、この法案の中身につきましてはあらためてまたお尋ねをすることを保留をいたしまして、質問を終わります。

藤田義光自由民主党

○藤田委員長 次回は来たる十九日午前十時委員会を開会することとし、本日はこれにて散会いたします。    午後八時四十六分散会

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