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61回国会衆議院1969/05/13

内閣委員会 第24号

発言数
110
登壇者
10
会派数
2
開催日
1969/05/13

会議録

藤田義光自由民主党

○藤田委員長 これより会議を開きます。  農林省設置法の一部を改正する法律案を議題といたします。  質疑の申し出がありますので、これを許します。華山親義君。

華山親義日本社会党

○華山委員 現在の農林省の職員の総数、これに対する食糧庁のいわゆる米の調査員、これは何人おりますか。

大和田啓気農林大臣官房長

○大和田政府委員 農林省関係で林野庁を別にいたしまして、昭和四十二年度末の定員で六万二千百三十九名ございます。この中で食糧庁関係が約二万八千人で、食糧検査官関係が二万二、三千人というふうに記憶いたしております。

華山親義日本社会党

○華山委員 そういたしますと食糧庁が非常に多くの部分を占め、かつその中で米の検査員というものが非常に多くの割合を占めるわけでありまして、大体農林省職員の三分の一よりももっと多いのが米の検査員、こういうことになりますね。したがって、今後米の検査という問題につきましてどういうふうになってくるのか、自主流通米の問題もございますので、この問題と関連いたしまして、食糧庁全体の職員に大きな変動があると思うわけでありますし、米の検査のやり方というものが変わってまいりますと、ここに大きな変動ができると思います。  それにつきまして伺いたいのでございますけれども、官房長でおわかりならばと思いますので伺いますが、自主流通米ということになりまして、米の検査、こういうことに変動がございますか。

大和田啓気農林大臣官房長

○大和田政府委員 米の検査は、御承知のように検査官が刺しを入れて一俵一俵の検査でございます。そのことにつきましては、政府買い入れ米でありましょうとも、自主流通米でありましょうとも、検査の方法は同じはずでございます。ただいま検査方法について非常に大きな変化が起これはどうなんだという話でございます。  たとえば、大きな変化として想像できますことは、一俵一俵の検査ではなくて、たとえば抜き取り検査というふうに変われば相当な大きな変動がありましょうし、さらにいまのように六十キロを一俵というふうに俵詰めでありますとか、あるいはかます詰めでありますとか、そういう形で出荷されるのではなくて、たとえば大きなライスセンター等々でぴんといいますか、大きな貯蔵施設の中でばらで検査が行なわれるということでありますれば、検査のやり方あるいはそれに必要な検査の人員というものも変わると思いますけれども、私ども当面の措置といたしましては、米の検査について大きな変化はない、そういうことを積極的に考えておりません、したがいまして、二万三千名程度の検査官について大きな人員の削減ということは予想いたしておらないわけでございます。

華山親義日本社会党

○華山委員 それで自主流通米につきましては、自主流通米ということがいつ、どこで決定されるのか。この問題につきまして前に私はほかの委員会で聞いたのでございますけれども、その際に食糧庁の当局は、農家が検査場に持ってきて、そしてそこで等級なりそういうふうなことがきまる。それまではこの米が自主流通米であるかどうかはわからぬ、検査場で初めてこれがわかるのだ、こういうふうに私はその当時お聞きいたしました。いま米審も間近に控えておりますけれども、現在もそのような考え方でよろしゅうございますか。

大和田啓気農林大臣官房長

○大和田政府委員 自主流通米の事務取り扱いの詳細につきましては、私がお答えいたしますより、食糧庁長官がすぐまいりますから、詳細は食糧庁長官からひとつお聞き取りいただきたいと思います。

華山親義日本社会党

○華山委員 では、食糧庁長官が来るまでちょっと大臣にお聞きいたしておきますが、私はもう五、六年前——私の代議士の経歴は短いのですが、当選したその年に、今後日本の農業というものは兼業農家に変わっていくので、兼業農家というものを考えた農政をしなければだめじゃないのかということを申しましたのです。その際に、当時の赤城農林大臣は、そういうことは考えない、こういうふうに言われてきました。その後、私は代々の大臣に機会があれば、兼業農家というものを含めた農政というものを考えないと、日本の農家は幸福にならないし、日本の農政の根本も立たない、そういうことを申したのでございます。はからずもけさの新聞を見ますと、今後兼業農家というものを農政の中に入れなければいけないというふうなことが見えており、自分としましては、やはりおれの言うとおりになったじゃないかというふうなことも考えられるわけでありますけれども、その問題は別にいたしまして、その際に兼業農家というものを農政の中に位置づける、こういう場合にどういう農政が考えられますか。

長谷川四郎自由民主党農林大臣

○長谷川国務大臣 御承知のようにわが国においてこれだけ兼業農家というものが定着をしてきておる。これを淘汰するとか云々することはとうていできるはずはございませんので、そこで兼業農家そのもの自体を協業化していくとか、あるいはその他の方法をもって一つの団体的な行動をとってもらって耕作をしていただいて、その中に立った機械器具、こういうようなものを政府がなるべくそういう団体に供給をするというか、いろいろ御援助申し上げて、そうして生産を高めていただくようにしていきたい、こういうような考え方をもって現在農政を進めております。

華山親義日本社会党

○華山委員 私はそのことを初めから、五年前から言っているのです。そういうことをしなければ、日本の将来の農業が、大規模農業、大農家といいますが、二町五反歩のその農家でもってやっていくんだというふうなものの考えではだめだということをもう五年も前から、いま大臣のおっしゃったようなことを申し上げてきたのでございます。とにかく非常におそいけれども、それにお気づきになったということは、私は一つの進歩じゃないかと思っております。ひとつやっていただきたいのでございますが、その際に私が言ったんですけれども、そういうふうなことが部落なら部落、一つの土地なら土地において行なわれるわけでありますが、その際に中心的指導者になるのが青年じゃないか。優秀な青年、その残った青年をそういう経営の中心にすべきだ。そういう目的で、農家の後継者等というけれども、そういうふうな青年に一つの任務と希望とを与えてやらなければだめだということを言ったのでございますけれども、私はそのことを要望しておきたい。そういうふうにして、やはり農村青年にはそれだけの任務、希望、そういうものを与えて、農村に残す、そうして兼業農家の中心になって指導していく、こういうことでなければいけないと私は思うのです。御参考までに申し上げておきますが、大臣の御所見を伺いたい。

長谷川四郎自由民主党農林大臣

○長谷川国務大臣 お説ごもっともでございまして、一方には農地を拡大してやれる方には自作農を大きく広げてもらう、一方には兼業農家を協業化していく。それにはいまも御説明があったように、後継者対策というものをどうするか、これが最も重大な、大きな問題だと思うのでございます。したがって、いろいろな施策、方法を加えて教育をやっておりますけれども、特に本年に至りましては、後継者の養成に当たる農業系の青年の大学を農林省がつくりまして、そうして後継者の教育を行なってりっぱな農業経営ができ得るような方途を特に今年からは切り開いていこうとしておるわけでございます。

華山親義日本社会党

○華山委員 それで、それらの青年に対しましては、ただ自分のうちの農業をやるんだということじゃいけないと私は思うのです。その地域の農業の指導的立場に立つ人だ、こういうふうな意味で養成していただかないといけないんじゃないかと私は思うのです。  それからもう一つ、私疑問に思う点は、今後園芸なりあるいは畜産なり、そういう方向に日本の農業が進まなければいけない、こういうふうにおっしゃいますけれども、これは兼業農家にはまことに困難な問題です。兼業農家で畜産をやれ、あるいは兼業農家で園芸をやれ、そういうことはなかなか困難な問題です。その点どういうふうにお考えになりますか。

長谷川四郎自由民主党農林大臣

○長谷川国務大臣 最初にお尋ねのように、日本の農業はその村、町そのものの農業ではなく、すでに日本の農業は世界的な指導的な役割りをしなければならないほど、技術というものが優秀でございます。したがいまして、東南アジアはもとよりでございまして、各地各国に日本の農業の指導者を派遣しております。こういうような上に立って、日本の農業は日本国内の農業だというものではなくて、広く世界の農業の指導者たらんといまやっておるわけでございます。特に畜産、園芸のような点につきましてはもちろんしかりでございます。もうだんだん国民生活が向上してまいりまして、経済も向上してくる。したがって、園芸という面は特に必要性を持ってまいりますので、これらに対しましては特別なる意を用いまして、その指導的立場に立つような方々の教育に当たっておるわけでございます。

華山親義日本社会党

○華山委員 私のお尋ねしたところに的確にお答えになっておりませんが、それは所管の関係もございますからさておきまして、そういうふうな兼業農家になりますと、農業をやるのは一体だれだということになりますが、これはあなたのほうでお出しになった年次報告にも出ておりますけれども、これはもう老人、その老人もだんだん少なくなってきて婦女子、奥さん方がこれを担当する傾向が非常に強くなってきた。それで私は、これは農林省のお仕事ではすぐにはないかと思いますけれども、農村で兼業農家の柱になっているところの婦女子、こういう人に健康上の問題あるいは労働上の問題につきまして特別な考慮がなければいけない、こういうふうに考えるわけでございまして、その点につきまして特に御配慮を願いたい。  それからもう一つは、兼業農家という中には私は出かせぎ者が入っていると思うのです。この人たちは夏は出かせぎに行きまして、そして現在、これはいろんな白書にも出ておりますけれども、建設業界におきましては出かせぎ者なくしてはもう仕事はできないのです。そういうふうな実態もありますので、私いままで見ておりますと、農林省が出かせぎ者ということにつきまして特に注意を払い、そして労働者等に注文をする、そういうふうなことが少なかったように思う。それで、婦女子に対する厚生省の問題、それから出かせぎ者に対する労働省、建設省等の問題、こういうことについて農林省がもっと積極的に発言をしていただきたい、こういうことをお願いしたいと思うのでございますが、いかがでございますか。

長谷川四郎自由民主党農林大臣

○長谷川国務大臣 出かせぎという点につきますと、いろいろこれには御承知のとおり雪国でもってどうしても農業に従事することができない、休んでいる間に働きに行ってくるというような方もございますし、農閑期になったから行ってかせいでこようという、いろいろな方がございます。その出かせぎの種類はいろいろありますけれども、そういう出かせぎをしなければならないような状態にあるということ、それに対しては昨年来労働省ともずいぶん積極的な話し合いは進めておるつもりでございます。まだまだ御指摘のような点もございます。さらにそういう点については今後お話を進めて、万全を期していく考えでございます。  またもう一つは、兼業農家には婦女子ばかりだというようなお話でございますが、結局兼業農家が協業するというようなことになりますと、要するに省力できますから、そういう面もありますので、こういうような点についての生活の改善とか、あるいは土地の環境衛生というような点については、御指摘のような点も十分今後考慮に入れてこれらの指導に当たってまいりたいと考えております。

華山親義日本社会党

○華山委員 私は、兼業農家ということにつきましていま一歩踏み出されたような状態でございますので、農林省が特に農民というものを農林行政の中に入れてやられるのでございますから、農林省が中心になって、事実上のことでもよろしいし、あるいは法律に基づかなくてもよろしいし、民間の人が入らなくてもよろしいと思いますけれども、出かせぎ者対策特別委員会というふうなものをひとつぜひ政府の中につくっていただきたい。そして各省がばらばらにやっているところを、よくそこで関係官が相談をして、そして出かせぎ者の保護、これがすなわち兼業農家の保護に通ずるわけでございますから、そういう点を農林大臣ひとつ先に立って御発議を願ってやっていただきたいと思うのです。

長谷川四郎自由民主党農林大臣

○長谷川国務大臣 御発言の御趣旨、私は賛成をいたしまして非常にけっこうなことだと思いますので、今後関係各省と連絡をとりまして、そのような方向に進めるように努力いたしたいと存じます。

華山親義日本社会党

○華山委員 それじゃ、食糧庁長官はおいでになりましたか。

藤田義光自由民主党

○藤田委員長 はい。

華山親義日本社会党

○華山委員 おいでになる前に農林大臣に御質問をしていたのでございますけれども、米の検査のことでございますね。さきに別の委員会で私がお聞きしたことでございますけれども、自主流通米という制度ができて、そしてその際に、この自主流通米というものは一体どこでだれがきめられるのか、きめる人とそれからその時間、そういう点をお聞きしたのでございますけれども、私のほうから時間を節約する意味で申し上げますけれども、自主流通米については消費者側の総意を集めてくるのが米屋さんまた卸売りさん、こういうことなんです。大体卸売りさんは三百軒ほどあるそうでございますけれども、そういうふうなものであり、また生産者のほうは農協、さらにその上の全販連というふうなものがあって、最終的には全糧連、全販連、その中に農林省が立って、そこでどこの土地の米を、何等米を、また品種を、幾らで取引するのだということがきまるのであろう、こういうふうなことに私はお聞きいたしました。米審も近くなっておりますので、そのときよりもさらに煮詰まったかと思いますけれども、そういうふうに考えてよろしゅうございますか。

桧垣徳太郎食糧庁長官

○桧垣政府委員 いま自主流通米に関します食管法施行令の改正を急いでおるのでございますが、その考え方の中にあります自主流通計画、これは全国的な規模の集荷業者の団体が作成し、農林大臣の認可を受けるということに相なっておりますが、その計画の作成の実体的な協議というものは、いま華山委員の御指摘になりましたような関係団体の間で協議が遂げられるということはお話しのとおりでございます。

華山親義日本社会党

○華山委員 そういたしますと、具体的に米が自主流通米になるかどうかということは、検査場に持っていって検査をしたときでなければわからない、検査のときにわかる、こういうことになりますね。

桧垣徳太郎食糧庁長官

○桧垣政府委員 総体としての需要量というものがパックにありまして自主流通計画ができるのでございまして、その自主流通計画の作成という点につきましては、ただいま華山委員の御質問のとおりであるということを申し上げたのですが、農家の側から見まして、具体的にどれだけの量、どの米が自主流通に向けられるかということは、これは個々の農家の意思によって決定されるものでありますが、それが分別をされます時点というものは、まさに米の検査のときにこれは自主流通向けに販売委託をいたしたい、これは政府売り渡しとして検査を受けたいというふうに相なりますので、検査の段階で政府売り渡し米、自主流通向けの米、それが分別をされるということでございます。

華山親義日本社会党

○華山委員 総体に自主流通米というものには産地、これはわかりますね。それから等級、等級は検査してみなければわからぬわけです。それから品種ということばがありますけれども、私しろうとでわからないわけでございますけれども、品種というものはこれは一体検査員がきめるのですか、検査員が認定するのですか、どうなんですか。

桧垣徳太郎食糧庁長官

○桧垣政府委員 自主流通米に関しましては、これは消費者の需要動向に応ずるというたてまえから、産地、銘柄の検査を必要とすると考えております。ただ銘柄は、全銘柄ということになりますと、非常に数多くの銘柄がございまして、検査による確認は現段階では完全な意味では不可能だと思います。ただし、現段階の検査の能力といいますか、体制のもとでも、おも立ったその地域の銘柄については、検査員は銘柄の確認をし得る自信があるということでございますので、需要者側並びに生産者側の意見を求めまして、おも立ったそれぞれの地域における銘柄の検査を実施したいというふうに考えております。

華山親義日本社会党

○華山委員 そういたしますと、米の検査員の仕事というものは従来よりも増してくる、従来と違って銘柄ということまで認定といいますか検査をしなければいけない、そういう意味でこの食糧事務所の米の検査員の仕事というものは、従来よりも増す、こういうふうに考えてよろしゅうございますか。

桧垣徳太郎食糧庁長官

○桧垣政府委員 従来は、制度上の検査は等級別検査だけであったわけでございますが、従来も制度上の検査ではございませんが参考表示として、銘柄は付せんの裏側に書いておったのでございます。ただし、これは検査でございませんから、検査員としては責任を負うものではなかったのでございます。ただいま申し上げましたように、自主流通に向かうであろうような銘柄につきましては、サンプルをそれぞれその地域のものを持っておりますと、検査員としては十分認定はできるということでございますので、確かに銘柄検査をするということは、検査員の一つの技能上の負担としてふえるということに相なりますけれども、検査そのものの、たとえば時間的なあるいは事業量的な負担としては、私はそれほど大きなものにはならないというふうに思っております。

華山親義日本社会党

○華山委員 それでは伺いますが、酒米ですね。酒米は自主流通米だということでございますけれども、これは当然検査するわけでございますね。

桧垣徳太郎食糧庁長官

○桧垣政府委員 酒米の中に、御案内のように、酒造好適米とそれから増量用としての掛け米と二つに分かれますが、従来から、酒米につきましては、これは加算金の問題などもありまして、実質的に銘柄検査をやってきておるわけであります。またそれの生産流通は、ある意味で実質的な契約栽培に類した生産流通をいたしておるのでございます。これを自主流通へ流すといたしましても、検査の面では従来とそれほど大きな変化はないということでございます。

華山親義日本社会党

○華山委員 検査はなさるわけですね。それでは、これはわれわれが見ましても好適米なのか何なのかわからないわけでございますが、まあしろうとが見てもわかるのはモチ米ですね。モチ米二十万トンはこれは自主流通米になさる、こういうことでございますけれども、この二十万トンというのは全量でございますか。これはこのほかに、モチ米につきましても政府で買い入れのものがあるのでございますか、どっちなんですか。

桧垣徳太郎食糧庁長官

○桧垣政府委員 四十四年産米、したがって四十五米穀年度のモチ米については二十万トン程度の自主流通を見込んでおりますが、政府買い入れも六万トン程度を需給計画の上では見込んでおるのであります。したがって、政府買い入れもあるという考え方でございます。

華山親義日本社会党

○華山委員 モチ米につきましても全量につきまして検査があるわけでございますね。

桧垣徳太郎食糧庁長官

○桧垣政府委員 御案内のように、農産物検査法に基づく検査を受けない米の流通は禁じておるのでございますから、全量について検査をするわけでございます。

華山親義日本社会党

○華山委員 そうしますと、ウルチ米百五十万トンというふうに聞いておりますけれども、そのほかにおっしゃる六万トンほどのモチ米というものがあるわけでございますね、政府が買うのが。

桧垣徳太郎食糧庁長官

○桧垣政府委員 私どもいま農業団体等を通じまして、モチ米の需給がウルチに比べまして窮屈であるということでございますので、四十四年産米は水陸稲合わせ、双方ともモチ米について増産の要請をいたしておるのでございます。そういうことにいたしますと、需給調整の必要性を考えまして大体二十五、六万トンのモチ米があることが望ましいわけでございますので、二十万トンは自主流通、五万ないし六万トン程度のものは政府として需給調整用に持ちたい、その際には外国からのモチ米は輸入しないという考え方で需給計画を組んでおるのでございます。

華山親義日本社会党

○華山委員 私は、どうも二十五、六万トンのモチ米ということで日本のモチ米の需要が足りているとは思いません。おそらく四十万トン程度のものが使われているのじゃないか、あとはいままでやみ米だったのじゃないかというふうな気もいたします。その問題は別にいたしまして、それでお伺いいたしますが、伺うところによりますと予約というものをなさる、そして概算払いを全部についてやるというふうな御方針だということにはいまも変わりございませんか。

桧垣徳太郎食糧庁長官

○桧垣政府委員 予約につきましては、収穫期以前に予約の申し込みを受け付けるのでございますから、どれだけを自主流通に回すとかあるいはどれだけを政府に売るとかいうこともまだ分別がつかない時期でございますので、農家の申し出によりまして保有米をこえる数量の米については無制限に予約を受け付けるという考えでございまして、この点は変わっておりません。

華山親義日本社会党

○華山委員 いままでもこのモチ米や酒米、こういうものにも予約概算払いというものはあったのでございますか。私はよく知らないのでありますが、どうなんですか。

桧垣徳太郎食糧庁長官

○桧垣政府委員 従来とも酒造好適米並びにモチ米について政府へ売り渡す意思のあるものについては予約概算金を払っておったのでございます。

華山親義日本社会党

○華山委員 今後は全部を自主流通米にするということはもうすでにわかっているわけでございますけれども、そういうものにつきましても従来どおり予約なりあるいは概算払いなりを酒の米についてもおやりになりますか。

桧垣徳太郎食糧庁長官

○桧垣政府委員 予約の段階ではモチ米、酒米を問わず農家の意思で政府へ予約したいという限りは、これは無制限に予約を受け付け、かつ概算払いをするという考え方でございます。

華山親義日本社会党

○華山委員 私は何だか理屈がおかしいと思うのですよ。酒米なんというものは、私はよく知りませんけれども、まずくて食えないものだそうですね。もう酒にだけ使われるものだそうで、私はそういうものは自主流通米になった以上予約するということはおかしいと思うのですけれども、しかしこれは農民のためでございますから、あまりそういうへ理屈を言わないでやっていただきたい、こういうことを一つお願いしておきます。あるいは大蔵省あたりから文句が出るのじゃないかと思うので私聞いておるわけでございますが、大蔵省あたりから文句が出てもがんばっていただきたい、そういう点を一つお願いしておきたいと思います。  それから最近米審を御任命になった、その翌日ですか早々に総理大臣は、生産者米価及び消費者米価は据え置きだというふうにおっしゃっている。何か私はおかしいような気がするのです。そして、消費者米価はあとかもしれませんけれども、生産者米価を審議してもらうわけでございましょう。その前にあらかじめ去年と同じように据え置きだというふうにおっしゃることは、私は釈然としないのでございますが、大臣これはどういうふうにお考えになるのでございますか。

長谷川四郎自由民主党農林大臣

○長谷川国務大臣 両米価据え置きということは政府の既定方針といいましょうか方針でございます。しかしながら、御承知のように米価審議会の議を経て、その後に答申を尊重して決定するところでございます。しかし政府としては、ぜひそういうふうにありたい、こういうことで方針をきめてあることを申し上げたのみであろうと考えられます。

華山親義日本社会党

○華山委員 私、総理大臣が発言をされたのをそのまま聞いたわけではございませんけれども、どうもそうは聞こえないのですね。それで私は伺うのでございますが、これから米価の生産費の計算をなさるわけでございますね。その計算を考えますと、労賃というものも相当上がっているわけであります。それからいろいろな物件、肥料等、そういうものも上がっておるわけでございます。そうすれば、何らか計算の方式が変わらない以上、去年よりも高い米価が出るのは常識上あたりまえな話なんです。そのもとにおきまして上げない、こういうことは一体どういうところから出てくるのか。計算の方法でも変えられるおつもりでございますか。

長谷川四郎自由民主党農林大臣

○長谷川国務大臣 まだ米価は決定しているわけではございませんけれども、米価決定にあたりましては生産の量、同じ反別で収穫したその収穫量というものもやはり基礎に入ります。御指摘のように、賃金の高くなったことも、また物価が高くなったことも、一切それらが総合されまして米価の決定が行なわれることになるだろうと考えられます。これはその答申に基づいてわれわれは決定をするわけでございます。

華山親義日本社会党

○華山委員 しかし、平均の反別の収穫、そういうふうなことであると言ったって、これはごまかすわけにいかぬですね。米価を去年のと同じようにやろうというならば、逆算して反別収穫をこのくらいにしようといえば、人為的に幾らでも計算できるわけですね。そういうことでもなければ、これは動かさないなんという計算は出てこない。その点、食糧庁長官、技術的にどうお考えになりますか。

桧垣徳太郎食糧庁長官

○桧垣政府委員 従来の米価を求めます算式は、十アール当たりの評価がえ生産費というものを反収で除しまして石当たり生産費というものを求め、それを米価決定の基礎に用いてきたのでございます。御指摘のように労賃あるいは物財費というものが上昇いたしておりますれば、これは農林大臣からもたびたびお答えをいたしておりますように、生産費所得補償方式という考え方で評価がえをするという限りは、これは十アール当たりの生産費は上がるということは避けがたいであろうというふうに私は思います。ただ、反収につきましては、四十二年、四十三年と豊作が続いておりますから、その点で分母の量が大きくなるという点は、石当たり生産費の減少の一つの理由になろうと思います。あとは私どもとしては、現在のような需給事情のもとでいかなる反収を用いるかということが問題点であろうと思うのでございますが、しかしそれをどこまでも恣意的にできるというものではないと私は思うのであります。これは分子にあります評価がえ生産費というものが平均生産費でありますから、したがって分母が平均生産量というものを下るということは、これは方式の破壊ということに相なりますので、恣意にどこまでも下げられるというふうなものでもございませんけれども、需給事情を勘案した決定のしかたというものはあるのではないだろうか、ただし政府としてどういう計算の方式をとるということを現段階で決定をいたしておるわけではありません。今後政府内で十分な検討をした上で計算の方式を最終的にきめるということに相なるかと思います。

華山親義日本社会党

○華山委員 その点をおそれるのでございますけれども……。  なお一つ伺いますが、各県の状態を見ますと、とにかく今度の自主流通米というのは一体どこから出るのか。お聞きしたところによると、岡山県、播磨、滋賀県、福井県、これが阪神地区、それから新潟県、山形県の海岸の地方、秋田県の南部、宮城県、それらが自主流通米として出るであろうというふうなことでございまして、大体そういうふうな傾向にあるのじゃないでしょうか。とにかく消費地に早く出て、そして近くてうまいということでなければいけないというと、どうしてもそんなことになるので、一地区にかたまってくるのじゃないでしょうか、お見込みをお聞きしたい。

桧垣徳太郎食糧庁長官

○桧垣政府委員 流通業界の内部で、どういうような産地のどういう銘柄の米を自主流通米として希望しておるかということの取りまとめを全国的にやっておるようでございますが、まだ最終の姿はわからないのでございます。ただ、流通業界なり、あるいは生産関係の意見等を総合して考えますと、ある程度集中する可能性はありそうであるということでございますが、先ほどおあげになりました県以外にもやはり、たとえば早期米等につきましても自主流通の希望が出ておるようでございます。必ずしも御指摘のような県だけに限るということではございませんが、多少産地に集中するという傾向は私は起こり得るのではないかというふうに思っております。

華山親義日本社会党

○華山委員 それで私が心配いたしますことは、各県で、特に山形県のような内陸地方の米はあまり有名じゃありません。しかし反別生産は日本一です。そういうふうなところでうまい米をつくる運動——うまい米、うまい米ということを言っておるわけです。それはけっこうなことかと思いますけれども、そういたしますと、自主流通米の希望の量というものが、いままではあまり希望のなかった地域までもだんだん広がってくる、そうなりますと自主流通米が、ことしはやってみなければわからないわけでありますけれども、現在の自主流通米百万トンが来年には二百万トンになり三百万トンとだんだん広がっていく、そういうふうになりますと、これは食管会計が変わっていくといいますか、くずれていくというか、そういう傾向になりはしないか、こういう点を心配いたしますが、その点将来とも現在のような、たとえば七百万トンあるいは七百五十万トン、これだけは何としても政府で買うのだ、そういう原則は動かないのか、七百万トンなり七百五十万トンは、自主流通米がだんだん多くなれば減っていくのか、その点を伺っておきたい。

桧垣徳太郎食糧庁長官

○桧垣政府委員 これは私は二つの方向があるのだろうと思っておるのでございます。現在の需給の事情、生産の事情から言いますと、明らかに需要者の中に自分の選択に応じて米を買いたいという動向があるのでございますから、したがって、需要者の所得の上昇等に応じて自主流通米の需要が伸びるという方向が一つ考えられるのであります。と同時に、お話にもございましたように、一般的に需要者の需要に応じるような米が生産されるというような傾向が出れば、政府の直接管理いたします米についての需要は、むしろ自主流通米から政府管理米へ戻ってくるということもあり得るということでございますので、一がいにどうときめつけるわけにはいかないのでございますが、食糧管理制度の根幹を堅持するという政府の立場から申しますれば、全体的な食糧の需給に必要なだけの数量は政府がどうしても確保するという立場はあくまで貫いていくつもりでございます。

華山親義日本社会党

○華山委員 その必要な量がことし七百五十万トンにお考えになったわけですね。そうなんですか。

桧垣徳太郎食糧庁長官

○桧垣政府委員 私は、言い過ぎになるかもしれませんが、本年の政府が集荷いたします七百五十万トンは、需給上政府の売り渡しの見込み量は六百十三万トンという見込みでございますから、したがって、七百五十万トンの集荷量全部が、いわゆる厳密な意味で需給調整上必要な米ということはちょっと言いにくいのではないか、むしろ食糧管理制度というものによる農家の生産あるいは生産農家の生産者としての立場を守るための買い上げ量であるというふうに思うのでございまして、七百五十万トンなければとうてい需給調整ができないという需給事情とは考えていないのであります。

華山親義日本社会党

○華山委員 長官のお話によれば、根幹がゆるむのかゆるまないのか、ことばの争いでございますけれども、私は自主流通米の範囲がだんだん広がっていくということはいなみがたいように察せられます。それで伺うのでございますけれども、将来そういうふうになりました場合でも、検査というものは、いまおっしゃるとおり食糧検査法でしたか、法律によりましてやっておるわけでございますけれども、これが動くということは将来ともありませんか。

桧垣徳太郎食糧庁長官

○桧垣政府委員 農産物検査法で流通する米についてはすべて検査を義務づけておるわけでございまして、日本の農産物としての最もウエートの高い作目であり、かつまた国民食糧の基幹をなすものでございますから、農産物についての検査が必要であるという限りにおいて、米についての検査を、今後かりに自主流通がふえましても軽視するというようなことは私はあり得ないことであるし、またあり得てはならないことだというふうに思います。

華山親義日本社会党

○華山委員 われわれの若いころは検査というものは県でやりましたね。いま往々にしてそういうふうなことは県でやっていいじゃないかというふうなことを言う人もありますけれども、食糧庁はそういうことをお考えになったことはありますか。また今後ともそういうことを考えられますか。

桧垣徳太郎食糧庁長官

○桧垣政府委員 私どもといたしましては、昭和二十二年でございましたか、現在の食糧管理体制というものを整備することとあわせて、県営検査を国営検査に統合いたしたわけであります。統合いたしましたゆえんは、全国的に流通をいたします米について、統一的な検査基準で斉一な検査を実施するということが効果的であるという観点に立ったものでございまして、私どもとしては国営検査を県営検査に委譲するというようなことを考えたことはございません。  ただ行政の中央、地方の配分の問題として、将来そういう議論が出ないという保証はないと思いますが、私どもとしては慎重に対処をすべきものと心得ております。

華山親義日本社会党

○華山委員 国営になったということの一つの目的は、その当時米が足りない。全国的にこれを買い集めなければいけない。それで政府のほうは米を買おうということに非常に精力を使ったわけなんです。その際にばらばらな行政ではいけないということが原因で、米の検査というものも国でやるというふうになったのではないだろうか、そういうふうに察せられますが、自主流通米の範囲がだんだん伸びてまいりますと、もう国でやらなくてもいい、地方でもいいというふうな論議が起きないかと思って私はお聞きしているわけです。どうですか。そういう点は今後ともどうしても国でおやりにならなければいけないと私は思うのですが、どうなんです。

桧垣徳太郎食糧庁長官

○桧垣政府委員 確かに昭和二十二年といえば食糧の絶対不足の時期でございまして、国としてあるいは食糧庁として集荷に全力をあげるべきときであったことは間違いございません。しかしながら集荷の責任者は都道府県知事でございまして、職分上検査員が集荷の督励に当たるということはあり得なかったのでございます。でございますので、国営検査に移しましたことは、もちろん当時の食糧事情もバックとしてありましたろうが、政府買い入れについて、統一的な検査を全国にわたって斉一にやるということが本来の趣旨であったと私は思うのでございます。それで今後自主流通米が定着をするというようなことに相なりましても、自主流通米こそ流通の信用というものが重要でございますので、私はやはり国営の検査を継続していくということの合理性は失われないというふうに考えておるのでございます。

華山親義日本社会党

○華山委員 私がそういうことを言うのは、とにかく自民党の政府の、これは名前は言いませんけれども、責任のある人で、とにかく何といいますか、総定員法の基礎の責任者といいますか、そういう人が、これは国会で発言されたことじゃないから私は一々言いませんけれども、地方における演説というものは一体何なんです。一番よけいなのは米の調査員だ、こういうことを言って歩いているんですよ。そんなものは県庁にやらせればいいんだ、何も国で米の調査なんかしなくたっていいんで、今度の総定員法で一番減らしてしかるべきものは米の調査員だ、こういうことを言うから私は聞いている。まあそういうことがないということでございますが、大臣、どうですか。あなたのほうの大臣級の人がそう言って歩いていたんですから、ひとつ聞いておきたい。

長谷川四郎自由民主党農林大臣

○長谷川国務大臣 もう御承知のように、今後の農産物の検査というものはますます必要性が高まってくるということは申し上げるまでもございませんので、不必要などということは毛頭考えておりません。したがって、もっとさらに技術を高めていくような措置を講ずべきであるというようにわれわれはいま考えておるところでございます。

華山親義日本社会党

○華山委員 あまり迷論を政府から出さないようにしていただきたいですね。  それから統計職員というのは統計調査事務所にいる職員とも言えるかもしれませんが、これは何人ぐらいですか。

岩本道夫農林省農林経済局統計調査部長

○岩本説明員 中央、地方を通じまして、大まかに数えまして一万二千五百ばかりおります。

華山親義日本社会党

○華山委員 そういたしますと、食糧庁の職員というものはもう七割ぐらいまで、もっと多いかもしれませんが、米の調査員と統計事務所の職員、統計調査職員、こういうことになるわけでございまして、これは非常に大きな割合を占めるわけなんです。たまたま今度の設置法がその問題に触れておりますから、私は関心を持たざるを得ないわけである。ほんとうに政府が悪い決断をしてこれを減らそうと思えば、これは効果のあがる減らし方ができるわけです。それで私は心配するのでございますけれども、統計というものですね。これは自分のことを言って、恐縮でございますけれども、私も役人上がりですけれども、役人になった当時は十年間統計のことばかりやってきた。統計官という官名がいまあるかどうか知りませんが、それをいただいておって、そして内閣統計局というところにおったわけですね。私は戦後最も革新的な行政の進んだのは統計行政だと思っている。ところがこの統計行政が次第に退歩しているんじゃないのか。たとえば、各地方の統計課長会議というふうなものがあった場合に、その当時統計課長会議に出たのは内閣統計局長だったのです。いま国を代表して統計のことを言う人は一体だれなんです。だれもいないじゃないですか。行政管理庁に統計主幹というものがいるのですね。統計主幹なんていうもの、そんなことを言っては失礼ですけれども、その程度のことでしかない。一ぺん非常に進んだところのものがもう退歩してきたんじゃないのか。行政管理庁の統計基準局長ですか、これは戦後いろいろかわられましたけれども、いまの東京都知事の美濃部さんがやっていられて、その後代々おかわりになるけれども、とうとう統計主幹というものになってしまった。経歴を拝見いたしますと、統計のことなんか何も知らない人なんですね。まあ俊秀でしょうから勉強なさればできると思いますけれども、統計というふうなものはそんなものではないと私は思うのですよ。統計の権威というものがだんだん落ちていく。戦後のあのはつらつたる、とにかく統計というものを行政の指針にするのだというものの考え方が落ちてきているんじゃないのか。統計を昔のように、私の時代もそうだったのですけれども、とにかくそれがいまは第三次的に考える、そういう時代に近づきつつあるんじゃないのか、私はそれが心配なんです。それで、この間統計部長がお答えになっておりましたけれども、農民と話し合う統計の職員ということをおっしゃいますけれども、一体何をお話しになるのか。統計というものが非常に大切なものであるならば一生懸命に、統計をより正確に、より広くとるということが統計の人たちの仕事だと思うのですよ。何を一体農民に統計知識でお話しになるのかさっぱりわからぬ。抽象的にはわかりますけれどもね。それで農民と話し合って、いろいろなことについて今後の農家の指導等をなさるんだということを言われますけれども、それはそれとして職員がいるわけですよね。県には農業普及員がいる。また農業改良課の職員がいる。そういう連中がやっているわけです。その連中と混淆して何をおっしゃるのか、私にはわからぬ。そういうことを言っておりますと、私は統計というものは地方の仕事でいいじゃないかということになりはしないかということをおそれるのです。昔の農林統計というものは地方でやったのです。統計主事というものがおりまして、統計主事は農林省とその当時の商工省が共通してそれを任命して、そしてやっていた。その際に、県庁において最も弱体な最も虐待されたところのものは、この統計事務なんです。そういうことになりはしないか。あまり行政と統計というものを近づけるということは私は危険なのじゃないか、こういうふうに考えますので、ひとつ部長の御意見を伺っておきたい。

岩本道夫農林省農林経済局統計調査部長

○岩本説明員 先生は統計の御専門でございますから、かようなことを申し上げるのは釈迦に説法になろうかと存じますが、私は統計調査なくして政策なしと申し上げますとちょっとオーバーであろうかと思いますけれども、これは事柄の一面をついておると思います。特に、行政を国民のためになるように公正かつ妥当に運営しますためには、客観的なデータなくしては不可能であると思います。したがいまして、その基礎となる統計は、今後ますます重要になりこそすれ、すたれるはずはない。もし統計がすたれるのであれば、日本の政治、行政というものは危機に瀕する、かように確信いたす次第であります。私ども農林統計一万五千の職員は、こういう使命感に燃えて、いかにして行政に対して客観的、科学的なデータを提供するか、あるいはまた農民に対していかに正しい情報を提供するか、この二点を念願として活動しておる次第でございます。  前回の委員会で角屋先生の御質問にお答えした点につきまして、先生御疑問を抱いておられるようでございますが、私は統計の任務として二つの面があると思います。一つは行政に対して客観的、科学的なデータを提供する面でございます。いま一つは、農民に正しい情報を提供して、農民の経営計画と申しますか、生産計画と申しますか、あるいは物を生産して出荷する計画と申しますか、こういう経営の意思決定を農民がする、あるいは一つの業者がするといった場合のよりどころは、やはり一つは統計であろうと思います。そういう情報を提供する任務を持っておりまして、これは一つのたての両面であろうと思います。したがいまして、行政に対して正しいデータを提供する活動は、とりもなおさず農民に対して正しい情報を提供する活動になるわけでございまして、この両面を兼ね備えた活動をして、初めて、私どもが統計をとります場合に、農民から積極的な協力が得られる、こういう趣旨で角屋先生の御質問に答弁をした次第でございます。  いま私どもが非常に困っておりますのは、先ほど先生御質問ございましたように、農家が非常に兼業に傾斜しておりまして、たとえば従来の調査は二月とか一月とか、農閑期に行けば、必ずその農家には経営主がいて、いろりを囲んで十分腹を割って話をして情報がとれたわけでございますが、現在では冬、二月、一月の候に統計調査事務所出張所の職員が農家を訪問しましても、農家が出かせぎに行っていたり、他の兼業に忙しくて、われわれの職員の話を聞くひまがないといったような状況でございまして、非常に統計をとる場合の協力が得られにくい情勢になっておりますので、そういう忙しい中でなおかつ統計の作成に対して協力をしていただきますためには、われわれのやっておる仕事にはどういう意味があるのかということを農民に話してよく理解をしていただきませんと、その正しい情報がとれないということになりますので、多少迂遠かもしれませんが、われわれがやっておる活動の意味をわれわれ自身がやるのでは農民も十分信用してくれないおそれがありますので、普及員とか行政方面の力をかりて、この統計の意義を徹底しよう、こういう意味で、最も現地に近いところに核を置いて、地方農林局にこの組織を入れることによってこれをやろうとするわけでございまして、決して行政と統計とを混淆して行政の利害から統計の客観性をゆがめよう、科学性をゆがめようという趣旨ではごうもございません。

華山親義日本社会党

○華山委員 私は、農林統計の戦前と戦後を比べるならば、全く隔世の感がある、非常にりっぱになったと思うんですよ。それですから、あのような農業白書もできたと思うのです。またその性格につきましても、戦後県庁でつくった農林関係のもの、こういうふうなものは非常に不正確だったんですね。いま正確だかどうか私よく確たることはわかりませんけれども、戦前のものは、私が専門的にやっていた時代には不正確きわまるものなんです。いまその点で私は正確になったものだと思うし、それから農業白書もお出しになれるようになったと思っておる。そういう意味で、ほんとうにいまおっしゃった純粋の意味の統計というものの観念を堅持していただきたい。へたにあせって、このままにいると統計なんというものは世の中からかけ離れたものだからだんだん軽視されるのではないか、そういうことでなしに、もっと行政の面にタッチしていく、そうすれば統計の重要性を認められるであろう、こういうふうなものの考え方は私は邪道だと思っている。こういうふうな意味で、この点は統計従事者あるいは統計を所管される各部局長にお願いするよりも、私は政治家の認識だとは思いますけれども、そうでなければいけないと私は思う。そういうふうな邪道におちいることのないように、邪道におちいりますと、何だ、そんなことならば農業普及員と同じみたいなものじゃないかとか、ある程度の情報、これは県庁で流してもおりますし、そういう点とやはり画然と区別していただきたいと思うのでございます。  一つ伺いますけれども、いろいろこれから統計のことについて抱負を持っていられるようでございますが、現在の人員、これにつきましては、そういうことでできますか。あなたの御抱負というものは現在の統計職員でおできになれますか。

岩本道夫農林省農林経済局統計調査部長

○岩本説明員 先生も十分に御存じのように、統計はそれ自身が目的ではなくして、利用するためのものでございまして、利用あっての統計でございます。したがいまして、ある意味において相対的な側面を持っておりまして、絶対これだけという限界はなかなか定めがたいと思いますが、おおよそ世の中を進めていきます常識としてこのくらいなものは必要であろう、これは基本だろうという絶対線というものはあろうかと思います。相対的である中にやはりそういう考え方があり得ると思います。私どもの農林統計組織は、戦後、食糧の不足いたしましたときに供出制度を円滑に運営するという任務もありまして、急遽登場した経緯がございまして、当初八千人ぐらいで発足をいたしましたけれども、その後、一番最盛期は一万九千人ばかりまでふえておったわけでございます。その後行政整理がございまして、現在では、先ほど申しましたように、ラウンドで申しまして一万二千五百人になっております。しかしながら、統計の内容も戦争直後の食糧の窮迫した時代と基本法農政下の現在とでは内容が大きく違っておりまして、とるべき統計も非常に大きく変わってきております。したがいまして、戦後の発足当初の勢力を現在、未来永久に維持しようという議論にはならないであろう。やはり統計の目的、利用者のためという見地から、それ相応の限度あるべしということでございまして、統計のとり方、とる項目、とる方法を合理化することによりまして、現在の人員を多少減らしてもやり得る道があるのじゃないか、こういうふうに私は考えております。

華山親義日本社会党

○華山委員 仕事がいまのようにふえて、そして人を減らすというのはおかしいじゃないですか。いままでの統計と違って、もっと実行政にタッチし、情報をできるだけ早く出す、正確に出す、私はたいへんな仕事だと思うのですよ。そのことのために、いまの調査員よりも減っていいということはないでしょう。いま何かよけいなことをやっているのですか、統計調査では。私は統計調査というのはよけいなことをやっているとは思えないのですが、どういう部分がよけいなことなのですか。

岩本道夫農林省農林経済局統計調査部長

○岩本説明員 決してよけいなことをやっているとは思いませんけれども、統計をとる方法を合理化することによりまして節約の余地があり得るであろうということを申し上げた次第でございまして、多少節約をしましても、たとえば機械化をはかり、中央の農林省にコンピューターを入れまして、現地の事務所、出張所にテレタイプあるいはテレックスを入れるといったようなことをするだけでもかなり合理化ができるはずでございます。そういう新しい兵器を導入することによって、より正確な統計をより早く、しかもより少ない人員でとるのが統計の念願だろう、かように考える次第でございます。

華山親義日本社会党

○華山委員 農林大臣ちょっと……。とにかく政治家というものは——私もそうかもしれません、あるいは私は政治家にも入らないかもしれませんが、あまり現実を追いかけて、統計などというものは一体何の役に立つんだ、ああいうよけいなものはやめたほうがいいじゃないかとか、とにかくそういうことだけはやめてもらいたいと私は思うのです。そういう統計というふうなものをほんとうに大事にしてもらいたい。役に立たないことをやっているというふうな部長の話もちょっと出てまいりましたけれども、私は役に立たないものなんて一つもないと思うのです。何らかのことで役に立っているわけです。とにかく統計というものについて、戦後あれだけ革新的なものの考え方で進んだのが、最近退歩してきている、そういう点を心配いたしますので、政治家の一員として、農林統計をかかえておられると思いますので、その点気をつけていただきたい、このことをお願いして、御所見があれば伺いたいと思います。

長谷川四郎自由民主党農林大臣

○長谷川国務大臣 農林省は特に食糧関係全般、国民の生活を預かっておりますから、いかに統計が必要であるか、統計によって政策が行なわれていく、そうして政治がそこに生まれてくるわけでございますから、統計の必要性は申し上げるまでもなく、冒頭にお話を承ったように、たとえば米価審議会を開くにいたしましても、統計から基礎が出されまして、その基礎の上に立って政策を行なわなければならない、こういうような段階もございます。でありますから、政策を行ない、政治を行なうことの基礎になっていくのですから、統計の必要性は申し上げるまでもございませんので、わが農林省といたしましては一局と同様なる待遇をもって、その統計の任に当たっていただいているものでございます。

藤田義光自由民主党

○藤田委員長 楢崎弥之助君。

楢崎弥之助日本社会党

○楢崎委員 農林省設置法一部改正法案が審議されるこの際に、関連をいたしまして農林大臣の所管の問題であるし、また監督責任のある問題で質問をいたしたいと思うわけであります。  それは福岡の中央魚市場の黒い霧と申しますか、経営の乱脈についてお伺いをしたいわけです。私自身も調べましたが、まだわからない点もあります。それでお伺いする問題も多うございますが、福岡中央卸売市場は昭和三十年の六月に当時の小西市長のもとで開設をされた。そこで生鮮食料ですから、国民の消費者の台所とたいへん関係が深いわけですし、流通の円滑化なりあるいはその業務の公正、明朗化ということは物価の問題とも関連をして重要であろうと思うので、まず福岡の中央卸市場開設以来今日まで国はどのくらいの予算を補助あるいは融資されたかお伺いをしたいと思うのです。

亀長友義農林省農林経済局長

○亀長政府委員 福岡の中央市場につきましては、三十六年以来補助を開始いたしておりまして、現在までに二億八千九百万円の補助をいたしております。もちろん三十八年以前と四十一年以降の補助率が変わっている等の問題がございますけれども、約三億に近い金を補助いたしておる実情でございます。

楢崎弥之助日本社会党

○楢崎委員 そこで、青果部のほうは新しい市場に移られたわけですが、今後この卸売り市場の改築なり新しい構想がありましたら、この際明らかにしていただきたい。

亀長友義農林省農林経済局長

○亀長政府委員 先生御承知のように、青果につきましては、従来の場所から離れまして、純粋に青果専門と申しますか、分離した形で市場が整備されております。しかしながら、水産市場につきましては、従来の施設をそのまま使っておりまして、いわば老朽化をしておるという実情でございますので、私どもとしましては四十四年から市場の大改造をやるという計画で、本年度の予算においても相当部分を補助したい、かような計画でございます。

楢崎弥之助日本社会党

○楢崎委員 農林大臣もお聞きのとおり、新しい構想もあって、これから発展せしめようという段階であります。したがって、この運営については公正を期さなければならぬ、また業務は健全でなくてはいけない、そういう観点から私が本日ここで取り上げる問題の取り上げ方は、市場法の十七条、十八条と関連をして農林大臣の監督の問題と非常に関連がありますから、そういう立場で聞きますから、最後に大臣の御所見を承りますので、よく話を聞いておっていただきたいと思うわけです。  そこで、現在の鮮魚部の年間の取引高はどのくらいになっていますか。

亀長友義農林省農林経済局長

○亀長政府委員 大体二百億程度でございます。

楢崎弥之助日本社会党

○楢崎委員 そこで直接問題点に入っていきますが、農林省は、経済局だと思うのですけれども、この中央卸市場の特に鮮魚部の監査と申しますか検査と申しますかは最近はいつやられましたか。

亀長友義農林省農林経済局長

○亀長政府委員 福岡の市場につきましては昭和三十八年に実施をしております。さらに今年度に実施をするという計画に相なっております。

楢崎弥之助日本社会党

○楢崎委員 そうすると、六年前にやられたきりやられてないわけですね。

亀長友義農林省農林経済局長

○亀長政府委員 いろいろ人員等に制限もございまして、残念ながら福岡市場につきましてはそのような事情でございます。

楢崎弥之助日本社会党

○楢崎委員 そこでその検査あるいは監査等は何に基づいてやられるわけですか。市場法ですか。あるいは行政指導という点からですか。

亀長友義農林省農林経済局長

○亀長政府委員 市場法に基づいて所管の検査官を派遣をして実施をいたしております。

楢崎弥之助日本社会党

○楢崎委員 何条でございますか。

亀長友義農林省農林経済局長

○亀長政府委員 中央卸売市場法の第十四条でございます。

楢崎弥之助日本社会党

○楢崎委員 そこで実はいまから取り上げる問題は三十九年ごろからの問題でして、そうしますと監査された後の問題になってくるわけですが、やむを得ません。そこでその間いろいろ問題がありまして、農林省としても非公式にいろいろと把握しておられる事実があろうと思うのです。それでもし把握しておられる事実があれば御答弁をいただきたい。  以下順次聞いてまいります。  まず中央魚市場のほうですが、この株式が全株わかりやすくいうと凍結をされておる。それははっきりいうと、福岡銀行の中央市場支店の市の金庫の中に市場長の印と中央魚市場の社長の印が押されて、そしてそのまま全部そこに凍結をされておるという事実がありますが、御承知なさっていますか。

亀長友義農林省農林経済局長

○亀長政府委員 この福岡中央魚市場につきましては、私どもも監査はそういうことでございますけれども、市を通じて常時報告はとっておりますが、いま御指摘のことについては残念ながら私いま初めて聞くような次第でございます。

楢崎弥之助日本社会党

○楢崎委員 それでは御承知ない点で私が申し上げた点は即刻ひとつ御調査をいただきたい。以下も同じでございます。  そこで、この福銀の中央市場支店にそういう形で凍結をされておる事実を福岡税務署の調査官は——名前もわかっておりますが、検査の際に確認をされておる。そういう事実があるのですが、国税庁のほうはその事実について御存じですか。

川村博太郎国税庁直税部長

○川村説明員 福岡の中央魚市場は福岡国税局の福岡税務署の所轄でございます。御質問が急でございましたので、まだ確認いたしてございません。

楢崎弥之助日本社会党

○楢崎委員 それを確認した人の名前も私知っておりますのでそれは後ほどお知らせしますから、ひとつ確認をしていただきたい。したがって、そういう形で封印をされておるから、大多数の株主は自分の持ち株を見たことがない。そして、それは社長に白紙委任状を渡した形で凍結をされている。そういう事実があります。それからこまかいこともありますが、これに市場長の印が押されておるということは、市の当局も関連をしておるということが推定されるわけですね。だから、その辺の関係は一体どうなっておるか。  それから次に、四十一年当時不正増資事件といわれるものがあった。どういう形でそれが起こったかというと、当時の社長と専務と常務と三人ほどが、これは資本金は二千万円ですが、これを倍額増資する。そこでいろいろ問題が起こったのです。この点について何か非公式に調べられた問題があれば御報告願いたい。

亀長友義農林省農林経済局長

○亀長政府委員 先ほどからずっとお尋ねの銀行に株券云々の点は、私ども初めてでございます。  それから四十一年に増資の計画があり、その際、御指摘のありましたような問題につきまして、私どもが承知いたしておりますところは、当時持っておった任意積み立て金を払い込み金に充当しようという計画があった。ところが、この方法について株主総会の承認が必要であるという問題があって、一たんそういう方針を立てたけれどもこれは取り消しをして実行はしなかったというふうに承知をいたしております。  それから、恐縮でございますが、先ほど私が十四条と申し上げましたのは十九条の誤りでございます。

楢崎弥之助日本社会党

○楢崎委員 それで、いまの点はそういう指導を農林省はされたわけですね。

亀長友義農林省農林経済局長

○亀長政府委員 だいぶ前のことでございますが、私が聞きましたところでは、農林省が指導したというよりもこれは当事者において適当でないと判断してやめたというふうに考えておりますが、なお詳細調査をいたします。

楢崎弥之助日本社会党

○楢崎委員 いまの点は実態はこのようになっておるのですね。二千万円の株を倍額増資する。そこでその一部の人が六割配当したと帳簿上は操作して実際には一割しか配当しない。そこで五割を浮かした。二千万円の五割ですから一千万円ですね。その金と別に銀行から一千万円借りてきて二千万円つくって、それを払い込んで四十一年五月十三日に登記を完了いたしておる。ところが、それから二カ月ほどしてその種のことが暴露された。そしていまおっしゃったようなことにするということになったようですが、実際はそうではなしに、結局その六割配当は取り消しにしまして、別にお金を銀行から会社が借りてそれを株主に又貸しして、そしてまた株主がそれぞれ払い込んだ形にして銀行に返した。つまりこれはから株です。こういう問題があった。そこでこの問題があって昭和四十一年七月十六日に関係者の秘密会議が行なわれた。これは福岡市のほうから当時の市場運営委員長、名前は省きますが、いま市議会の副議長をされておりますけれども、その方が市長代理として出られておる。それから市の吏員である市場長、それから同じく市の吏員である業務課長、それともう一つの卸人である福岡中央魚市場の役員七名で秘密会議をしておる。そして、そこでいろんなことを市長命令ということで運営委員長が指示をしております。その中に、この不正増資問題はすみやかに善処解決すべしということをいっておる。議事録があります。「不正増資事件」ということばがつかってある。詳しくは言いませんが、そういう問題で先ほどの株というものは凍結をされておる。こういうことになっておりますね。いま局長が言われた以外は御存じないわけですね。

亀長友義農林省農林経済局長

○亀長政府委員 最初に増資計画でこれは適当でないということで取り消しをして計画は取りやめたということまで申し上げましたけれども、その後におきまして原則的に現在の役員の間に増資のワクを配分をするという計画で、その資金としては銀行から借り入れて、各役員である株主が増資の払い込みに応じたというふうに私ども承知しております。それ以上のことにつきましていまの管理委員会の云々の件につきましては、まだ十分調査ができておりません。

楢崎弥之助日本社会党

○楢崎委員 いま日にちも言っておりますからお調べをいただきたい。したがって、ここではなぜ不正増資ということが言われたかというと、いま局長も言われましたとおり、これは全然取締役会もかけていない。もちろん株主総会にもかけていない。したがって決議はない。したがって、新株を割り当てられた人があるのですけれども、通知も受けていない。で、増資はから株。そして現在は、これも市場長が言うには、農林省から指導されて——いいですか、これはほんとうかうそか知りませんけれども、農林省が四十二年に来て、そしていまの増資分の二千万円はから株だから、今後五年間で払い込みをしていきなさいという指導をしたというのです。二千万円の増資分については、その二千万円のうち生産会社から五百万円は払い込みをされておるから、あとの千五百万円を銀行から借りておるのですが、これを五年間でその社員は毎月の給料及びボーナスから引かれて納めておる、そういうことになっている。それでもしこれが事実ならば市の当局も当然これは告発すべきですよ。あとで聞きますけれども、刑訴法二百三十九条では告発しなければいけないことになっている。それをそういう秘密会議をやって、そして何とか、悪いことばでいえばもみ消しといいますか、つまり証拠隠滅について共同謀議をした形になっている、告発する側が。しかも、これは余談ですけれども、そのときに監督の直接の責任者であった業務課長は定年になってその中央魚市場の取締役、総務部長にいま天下っているんですね。不正増資事件のときの監督の直接の課長です。これは申し添えておきますけれども、全く奇々怪々なんですね。  それから今度は三番目に、不正貸し付けがあるのではないかという問題、この点について承知しておられる事柄があったら御報告願いたい。

亀長友義農林省農林経済局長

○亀長政府委員 不正貸し付けという点については私ども承知をいたしておりませんけれども、中央市場の卸売り会社としては通常生産者に、出荷をする前にいわゆる前渡金というのを支払って生産物を誘引するというのが通常の慣習であります。そういう意味で前渡金というのは決して不正ではないのでございますけれども、私どもも過度にわたらないように昨年来規制はいたしております。前年度の売り上げ高の一五%くらいにとめなければいかぬというふうないろいろな規制をいたしております。  その会社につきましてそういうものがあるかどうか早急に調べました結果では、本年の三月の残高で大体五百万円程度である。しかしながら、これはちょうど三月の末でございましたので、全般的には大体六千万前後の前渡金が常時出されているのではないか。その中に多少生産者が、貸しただけの十分な荷物を送らなかったというためにその清算がおくれておるというふうなものもある程度はあり得るというふうに考えております。いわゆる不正貸し付けということはないように思いますが、そういうことにつきましては残念ながらまだ把握しておりませんので、早急に先ほど御指摘の問題もあわせて調査をいたしたいと思います。

楢崎弥之助日本社会党

○楢崎委員 それで、不正になるのかどうかは、これは判断のしようでしょうが、私が調べた範囲ではこういう事実があります。  大体貸し付け金は八千万から一億くらいと推定される。そのうち、回収不能と思われる金がある。それは私が調べた範囲内ですが、東南水産八百万円、これは昨年倒産しております。浜崎水産六百万円、これも昨年倒産をしております。太洋水産七百万円、これは下関ですけれども、二隻だけになってほとんど倒産同様の姿になっておる。それからセブンウッド号という船、これに千六百万円、これは念のために言っておきますが、長崎税関がマークしておる密貿易船です。それは長崎のセブン商事という会社だと思います。社長は森下昭七、この船はもうフィリピンで売却しておるのですね。帰ってくるはずがない。そのほかに約千五百万円、合計五千二百万円が回収不能であると常識的に考えて思われる。そしてこれらの回収不能の金を埋めるために、一例をあげます。この魚市場の社長は大洋漁業から——私のくにですから知っておりますけれども、大洋漁業が住宅公団から買ったものですが、大洋漁業から二むねアパートを買っておるのですね。それは絶対に転売しないで自分のところで使う、中央魚市場の職員で使うということで誓約書まで大洋漁業に入れておる。ところが一年足らずの間に一棟だけ転売してコカコーラに売っておる。高い金で売ってますから、一体その差益金はどうなっておるか。会社にこれが入っておるのかどうか。それから、これは私の推定ですが、会社には入れずにその焦げつきのほうに回しているという可能性が十分ある。これもお調べいただきたい。そして貸し付け金の問題も、これはいま御承知おきの範囲内ではとても不十分ですから、十分これは調査をしてはっきりさせてもらいたい。こういう不動産屋的なことはしてはいけないのでしょうね、会社の金を使って。

亀長友義農林省農林経済局長

○亀長政府委員 これはいまの卸会社に絶対兼業を認めないというたてまえではございませんので、あまりひどいことでない限り兼業というものは従来認められております。ただ、冷蔵庫とかそういうものならやや妥当でありますけれども、いわゆる不動産業的なものであるということになると兼業としてはあまり好ましくないということは十分言えると思います。しかし、社員の寮であるとかそういうものは、これは当然どこの会社でも営業でなくて厚生的な意味で持っておるものもありますし、それは結局常識的な限度を越えないということが望ましいと考えております。

楢崎弥之助日本社会党

○楢崎委員 次に、株が非公開になっておりますね、中央魚市場の株が。福岡県魚市場も非公開になっておる。ところが枝肉、青果のほうは公開されておる。一体全国の六大都市並びにそれに類する主要都市で非公開にしておるところが数ありますか。

亀長友義農林省農林経済局長

○亀長政府委員 全般的に中央市場の卸売り会社は公開、非公開どちらが多いかといえば、公開のほうがむしろ少ない。これはやはり何といいましてもそう大きな会社ではないし、それから固定資産と申しましても、建物は市や東京都から借りてやっている。中に冷蔵庫を持っておるという程度で比較的流動性が少ないのですね。沿革的にも中央市場ができる前は個人の魚の問屋さんであったものが結合してできたといういきさつもありまして、東京の築地あたりには公開しておるものもございますけれども、全般的に見ればむしろ非公開のほうが多いと私ども考えております。

楢崎弥之助日本社会党

○楢崎委員 私はいろいろなこの種の不明朗あるいは乱脈というものは、一半の原因はこの非公開にあるのではなかろうかと思うのです。まだあるのです。私はピックアップして言っているんですけれども、社長と専務が会社の金で家を建てたりすることがあるんです。それは言いませんけれども、あまり多いから。それで、そういう株の非公開の問題も、私はこれは検討さるべきであろうと思います。そういう要望もありますから……。  それで、私は時間に協力をいたしますが、まだたくさんあるんです。ぼろぼろあるのです。  先年東京あるいは京都で問題が起こりましたですね。これで農林省も指導し手術をなさったわけですが、それにまさるとも劣らない問題を私ははらんでおると思います。  そこで私は、主としてこれは福岡市の問題でありましょう。しかし、市場法に基づいて開設されて、冒頭にも言われましたとおり、その十七条には——これから先は農林大臣ひとつ御所見を承りたいのです。十七条によると、「農林大臣必要アリト認ムルトキハ」いろいろありますが「財産状況ノ報告其ノ他ニ関シ事業ノ監督上必要ナル命令ヲ発シ又ハ処分ヲ為スコトヲ得」それから二項に「農林大臣ハ」「業務ノ適正且健全ナル運営ヲ確保スル為必要アリト認ムルトキハ当該卸売ノ業務ヲ為ス者ニ対シ其ノ者ノ業務又ハ会計ニ関シ必要ナル改善措置ヲ採ルベキ旨ヲ命ズルコトヲ得」等もあります。十八条では今度はどうなるかというと、法令に違反した場合のいろんな問題がここに例挙してある。特に「公益ヲ害スルノ虞アリト認ムルトキハ左ノ処分ヲ為スコトヲ得」といって、その市場の開設の許可を取り消す、あるいは業務を停止させる、あるいは卸売り人の許可を取り消す、やめさせるという権限があるのですね、農林大臣に。私がいま申し上げたことは一部なんです。この種の問題はなかなか調査がむずかしいから、私の調査の内容にもあるいは若干の誤りがあるかもしれない。しかしまた、大部分は真相であろうと思います。  それで、こういう問題が起こっておるんですから、ひとつ農林大臣どのような措置をされるか、最後に承っておきたいと思います。

長谷川四郎自由民主党農林大臣

○長谷川国務大臣 申し上げるまでもなく、いま農林省といたしましては、中央卸売り市場ばかりでなく地方市場、これらに対しましても、市場法を根本から改正をして、そうしてその流通をさらに全からしめて消費者の要望におこたえ申し上げたい、こういうような考えのもとに、いませっかくこれに向かっていろんな施策を行なっておるやさきでございます。  ただいままでいろいろなお話を承りまして、御説のとおり、全くこれはもう——お話は一部であるかもわかりません。そういうようなお話を承った以上は、ここにある十九条に基づきまして私のほうは十分これらの調査をし、そうして監査の強化とかあるいはこれに対する財政の面、財務の健全化というような点につきましても十分な調査を行なって、その以後にまた御答弁をあらためて申し上げたいと存じますが、一応早急にこれらに向かって調査を行なうことがまず第一条件であろう、こう考えますので調査をさせていただきたいと存じます。

楢崎弥之助日本社会党

○楢崎委員 それでは、調査の結果をできるだけ早く私のほうに御連絡をいただいて、そうして問題があれば、また適当な委員会でやりたいと思います。  それで、せっかくお見えでございますから、いままでここにおって、国税庁としてはどういう感想を持たれますか。

川村博太郎国税庁直税部長

○川村説明員 ただいままで中央魚市場の件に関しましていろいろ先生から承りました限りにおきましては、そのままでは課税上特に問題となるという感じはございません。ただ、まだ何ぶんにも事情をよく承知しておらないものでございますから、私また今後若干調べてみたいと考えております。

楢崎弥之助日本社会党

○楢崎委員 法務省から来ておられますが、——これで最後にします。  ことしの三月十五日に、福岡地検にこれらの事件の告発が行なわれております。それで、いま、ほかにいろいろその材料が出されておるかもしれません。しかし、ただいま私が申し上げたような内容は、いろいろな民事あるいは刑事に関係する問題も出てこようと思うのですが、ひとつ地検のほうに早くこれ調べるように御督促をいただきたいし、法務省としての感想を最後に聞いておきたい。

石原一彦法務省刑事局刑事課長

○石原説明員 ただいま先生の御質問を承った範囲だけから直ちに犯罪が成立するということは非常に申し上げにくいと存じます。ただ、先生おっしゃいますように、検察庁におきましては三月二十四日に受理いたしておりますが、福岡中央卸市場の役職員等に対しまして文書偽造等の告発があったようでございます。これはこちらに参ります前に電話で聞いたものでございまして、詳細はよくわかりませんが、検察庁において早急に捜査するよう連絡はいたしたいと思います。  ただ、先生御承知のように、いま非常に忙しいときなのでございますので、しばらく、かすに時をもってしてほしいと思います。  なお、きょうの速記録を一部余分に取りまして、これを検察庁の方面に送りまして、捜査の参考にいたしたい、かように思います。

川村博太郎国税庁直税部長

○川村説明員 ただいま先生からいろいろ、福岡の卸売り市場のことにつきまして伺いました。これにつきまして民事上の問題がないかということでございますが、ただいままで先生のお話を伺いました限りでは、やはりこれは農林省のほうで事実をお調べになってからでないと、まだ率直ないろいろな意見を申すわけにいかないのじゃないかと思っております。  たとえばこの新株発行が一体無効か有効かというようなことが民事的には問題になるわけでございますが、これは新株発行は取締役会の決議に基づきまして発行するということでございまして、取締役会の決議がなければ無効原因になるわけでございますが、しかし新株を発行してから六カ月内に取り消しの訴えがなければ有効に確定してしまうというような規定もございますので、そこら辺のところ、はたして一体新株の発行があったのかなかったのか、そして新株の引き受けがあったのかなかったのか、いろいろな問題があろうかと思いますので、もう少し農林省の調査をまって、それから以後に意見を申し上げさせていただきたいと思います。

藤田義光自由民主党

○藤田委員長 次回は明後十五日開会することとし、本日は、これにて散会いたします。    午後五時四十八分散会

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