内閣委員会 第21号
- 発言数
- 156 件
- 登壇者
- 11 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1969/05/06
会議録
○藤田委員長 これより会議を開きます。 農林省設置法の一部を改正する法律案を議題とし、質疑に入ります。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。淡谷悠藏君。
○淡谷委員 きょうは大臣がお見えになりませんので、次官からひとつ日ごろ関連の農業について若干の御答弁を願いたいと思います。 だいぶ前ですが、内閣委員長がまだ農林関係におられましたときに、ちょうど農基法などの問題もございまして、いまの大蔵大臣の福田赳夫さんが農林大臣のときに、日本の農業が曲がりかどに立っているということがもっぱら言われておりましたので、一体どっちへ曲がるつもりかということを御質問しましたら、福田農林大臣首をかしげながら、日本の農業はいま曲がりかどに立っている、どっちへ曲がろうかと思案の最中だと答弁されたのです。この間同じような質問が本会議で出ました。農林大臣と大蔵大臣と地位は違っておりましたが、福田さん、そのときの御答弁でもいま日本の農業は曲がりかどに立っていると答弁されている。そうすると、どうも日本の農業は十年間曲がりかどに立ったまま思案の最中だと考えざるを得ない。 今度の設置法の一部を改正する法律案を見ますと、かなり広範な、かつまた農政の根本に触れた問題がたくさんございます。したがって、この構想は日本の農政というものを踏まえての構想だと思うのでございますが、これは大臣に質問するのが本旨と思いますけれども、次官は大臣にまさる農林次官と考えておりますので、そういう日本の農政の将来にわたっての構想、この法案につきましてどういう構想のもとになされておるかという基本問題をひとつ御答弁願いたいと思います。
○小沢(辰)政府委員 私どもとしては、昨年の末に公表をいたしました農業生産物の需要と供給に関する長期的な見通しというもの、この長期的な見通しに基づきまして、総合的にそれぞれ安定した農産物の政策というものを、一定の自給度の足らないものを高めながら予算、法制両面において総合的に農業の安定的な成長をはかっていこう、こういう考え方でございますが、特にいま国会で御審議をいただいてまいりました農業振興地域の整備に関する法律、ただいま衆議院でこれから審議を願おうといたしております農地法の改正、また審議が委員会ではほとんど終わりましたが、農協法の改正、この三木の法律を成立をさせていただいた暁におきましては、全国的な農業の地域的な性格というものを、計画的に私どもがこの長期見通しの上に立った指標を何とか与えるようにいたしまして、ひとつ農業全体の新しい方向を定めていきたい、このように考えておるわけでございます。したがって、その場合に農業振興地域の整備に関する法律案にもありますように、やはり計画を立てていくのは、できるだけ自主的に各町村なり農業委員会なり農協なりあるいはまた県なりの考え方を中心にして、もちろん農林省もそれを指導いたしていきますけれども、そういうたてまえで進めていく考え方があの法案に出ておることは御承知のとおりでございます。 したがって、そうなりますと、各農政局というものを総合的な地域の指導、あるいは統計その他の資料の整備ができるようにいたしておくことがこれらの考え方を進めるにあたって必要ではないか。したがって、今回の改正には統計調査部のそういう機構の問題から、あるいは林野にいたしましても総合的に農政局が見ていけるように、その他の問題についても特に地方のそうした出先機関が十分実情に合った地元に密着した農政ができていくようにという考えで今度の設置法全体を改正いたしたい、御賛同を得たいということでお願いをしておるわけでございます。
○淡谷委員 農産物もいろいろ種類がありますが、やはり根幹をなすものは食糧だと思うのであります。いまの御答弁に従いまして自給度のさまざまなお考えがあるようですけれども、将来日本の食糧は自給率をどこにとどめておこうとされるのか、こういう点をひとつ御答弁願いたい。つまり、この間、グリーンレポートなども読んでみましたが、どうも納得のいかない点がありますが、特に米の自給率はどうか、麦はどうかその他えさ等の間接の食糧ですね、こういうものについての自給率を一体どこまでささえるつもりか、総合食糧としては何%にするのか、こういうのをきょうは事務的な段階の話になると思いますので少しこまかい話になりますが、はっきりした数字をお示しいただきたいと思います。
○大和田政府委員 食糧の自給率は最近大体八割をこえる状況でございますが、今後の推移をどういうふうに考えるかという点につきましては、政務次官が言われましたが、昨年の十一月に農産物の需要と生産の長期見通しを政府として発表いたしたわけでございますが、それによりますと大体の方向といたしましては米は一〇〇%自給、いわば戦略農産物といいますか日本の農業にとって将来もその重要性が相当重いと思われる畜産物、野菜、果実等につきましては一〇〇%というわけにはまいらなくても大体それに近い程度の自給率をあげていく、しかし麦類でございますとか濃厚飼料でありますとかそういうように片方需要が強いという点はございますが、日本のようにいわば集約的な零細農耕制度のもとにおいてはなかなか国際的な比較において効率的な生産を行なうことがむずかしいと思われる作物につきましては、適地適産を進めて主産地を形成するということについては努力をいたしますけれども、自給率の面においてはやはり高きを望むわけにはいかない。これらは相当農産物の輸入に依存せざるを得ないということであろうと思います。それで、これは必ずしも、昭和五十二年における自給の見通しでございますから、また私ども計画経済ということで一定の目標に向かって何が何でもそれを実現するという形で政策を推し進めるというふうには体制としてなっておらないわけでございますから、一つの見通しでございますが、いま申し上げましたように、米その他重要農産物については一〇〇%あるいはそれに近いところ、大豆、麦、濃厚飼料等につきましては相当自給率が低下するということで、おおむね総体としてはその七七%程度の自給率の確保はできるのではないかという想定をいたしておるわけでございます。
○淡谷委員 小麦だけに限りますと、現在の自給率はどうなっておりますか。
○大和田政府委員 小麦の自給率は昭和四十二年一におきまして二〇%でございます。
○淡谷委員 それから大豆はどうです。それからついでに畜産の上で非常に大事な濃厚飼料ですが、この自給率はどうなっていますか。
○大和田政府委員 大豆の自給率は昭和四十二年度において八%でございます。濃厚飼料につきましてはおおむね四割というふうに記憶いたしております。
○淡谷委員 小麦の需要の伸びは米に比べてどっちが高いですか。
○大和田政府委員 最近におきますところの米の需要の減退は、小麦の需要の増によって相当影響されておろうかと思います。しかしながら、今後十年間の消費の想定といたしましては、小麦自体のふえ方もきわめて落ち着いた足取りといいますか、過去十年におけるようなふえ方ではございませんで、小麦は多少ふえますけれども、ふえ方は非常に緩慢になるというふうに思います。米は昭和五十二年におきまして一人当たりの消費量は九一・六キロでございますし、四十二年におきましては一〇三・三キロでございますから、米自体も一割程度十年間で一人当たりの食糧の消費量は減るわけでございますけれども、これも昭和二十七、八年からは今後五十二年におけるよりももっと減り方が激しかったわけでございますから、それに比べれば米の減り方もややモデレートなものになる、小麦のふえ方は過去十年に比べまして今後十年間は多少落ち着くという想定をいたしております。
○淡谷委員 人口の増加率はどうですか。
○大和田政府委員 人口は昭和五十二年までにおきましておおむね〇・九%ずつふえるというふうに考えております。
○淡谷委員 そうなると、少しいまの御答弁はおかしいですね。小麦の自給率は二〇%でしょう。大豆は八%ですね。えさは四〇%。これは大体七七%まで自給率を高めていくというのですが、どういう方法がおありですか。
○大和田政府委員 私が申し上げましたのは農産物全体の自給率の問題でございます。
○淡谷委員 なおさらおかしいじゃないですか。さっきは、総合食糧は八〇%までほぼいっているというお話なんです。それを七七%を目標にするというのは、もっと下げるつもりなんですか。
○大和田政府委員 私ども決して自給率を下げるつもりで農政をやっておるわけではございません。そのために、米については一〇〇%の自給、先ほども申し上げましたけれども畜産物、野菜、果実等の重要なものにつきましてはおおむね自給に近いところまで持っていく。しかし、日本の農作の実態から考えて、大豆、小麦等々については増産をするということはなかなかむずかしいわけでございますから、それらのものにつきましては、自給率はなお減らざるを得ないであろう、それらのものをひっくるめましての総合自給率がおおむね七七%というふうに想定される、そういうことを申し上げたわけでございます。
○淡谷委員 私は、将来の日本の農作は、立地条件からいっても、畑作の方面で飛躍しなければならぬということを考えております。この場合に、いまの御答弁だと、畑作については放棄というふうにとっていいわけですね。野菜とか果樹なんというものはそんなに土地が要らないです。特に食糧自給の面でたいへん重要性を持っている小麦の増産については農林省は放棄、こう考えていいですね。
○大和田政府委員 私ども決して小麦の生産を放棄いたす考えはございません。そのためにも、四十四年度の予算におきましても相当な予算を計上いたしましたし、小麦の主産地化といいますか、適地におきまして機械を使っての相当合理的な生産を懸命にやるつもりでございます。しかし何と申しましても、裏作物としての小麦の収益性というのは他の作物よりは欠けるところがございますので、主産地において相当合理的な生産が保たれる反面、全体としては小麦の作付反別もやはり減るだろうというふうに私は考えるわけでございます。これは決して小麦の作付を放棄するとかあるいは小麦の生産を放棄するということではございませんで、適地適産で、小麦でも生産性の向上が可能なところにおいては大いに生産性の向上をはかる考えでおります。
○淡谷委員 こまかい点になりますが、日本の国でどこが小麦の適産地とお考えですか。それから小麦の生産はあくまでも裏作と考えておられるようですが、小麦だけの生産ということはお考えになりませんか。裏作だけの小麦ということは非常にバックした考えだと思うのです。
○大和田政府委員 私ども小麦の問題は、毎回のように米価審議会で実は小麦の生産の合理化の問題が議論をされまして、小麦の生産を裏作だけの問題として、たとえば機械を使って小麦の生産を合理化するということは非常にむずかしい。むしろ米と小麦とを合わせて一貫的に行なうことが少なくとも他の問題としては必要なのではないか、そういうたてまえをとっておるわけでございます。
○淡谷委員 他の問題ではなく、日本の食糧の問題を考えてもらいたい。どうしたって米に比べると小麦の需要が伸びることがわかっています。その小麦の自給率が二〇%からあまり変わらぬというふうな態度をとられますと、この面でも多分に食糧の輸入ということが考えられると思うのです。これは永久輸入という形になっていくと思いますが、ほかに策はありませんか。特に将来の日本の農業を考えます場合に、機械を取り入れて近代的な農業をやる場合は、水田よりも畑作のほうに希望が持てる。未耕地もずいぶんあります。畑作農業を発展させるために国民の主要食糧である小麦についてももう少し積極的な方針を立ててしかるべきだと思うのですが、どうも根本的には日本の食糧はどうしても二〇%もしくは三〇%は総合食糧の面で輸入によらざるを得ないという構想のように思いますが、どうですか。
○大和田政府委員 小麦の作付につきましても、大学の農場その他におきましては機械を使って相当安い小麦ができることは事実でございます。また私どもそういう方策に従って集団生産組織をつくって、相当広い面積にわたって機械を使って小麦をつくるような政策も現に行なっておるわけです。ただ何といいましても、機械化小麦作におきましては一日当たりの労賃は相当高くなるわけでございますが、反当の労働所得という面になりますと、これは小麦の価格の問題からして当然でございますけれども、それほど農家にとって魅力のあるものにはなりがたいのが現状でございます。いままでは麦類というのは農業的には割りに合わないものであったけれども、冬の期間における雇用が少なかったために農家が麦をつくっているという実態が相当あったと思いますけれども、最近におきますように冬期問において雇用が相当豊富になった状態においては小麦作を全面的に広げるということはなかなかむずかしい。私どもそれができればぜひそうやりたいということを考えるわけでございますけれども、それはなかなかむずかしい。したがいまして、そういう無理なことでなくともとにかく集団組織をつくって機械化で引き合うような麦をつくるという方向で努力いたしたい。それは結果におきましては作付面積が若干減るということもあるわけでございますけれども、それが日本において麦作を今後もある程度維持できる道ではないかというふうに思うわけでございます。
○淡谷委員 この法案の中には農業者大学校の構想もあるようですが、若い青年たちに日本の農業に希望を持たせようと思いますと、もう少しはっきりした方針をお出しになりませんと、麦は投げるかのごとく投げざるかのごとく、こういう姿勢がそもそもいかぬのです。見込みがあるならある、ないならないとはっきり言わないと、私は農政の担当者としては責任を果たせないと思う。 それから、お話によりますと、若干の輸入はやむを得ないというふうに考えておられますけれども、一体小麦の輸入先をどこに限定されておるか、どこに考えておられるか。
○大和田政府委員 小麦の輸入先といたしましては、アメリカ、カナダ、アルゼンチン、オーストラリア等々が現在及び将来のおもな輸入先であろうと思います。ただ最近におきまして、EECにおいては相当小麦の過剰が論議されておりますので、そこでEECの当局が輸出奨励金をつければ、去年フランスから大麦の輸入が可能でありましたように、そういう特殊な形で小麦の輸入がないこともないだろうと思います。長期的に見ればいま申し上げた四カ国であろうと思います。
○淡谷委員 これからの農業はやはり日本に限らず国際的な情勢に動かされるのがたいへん多いと思います。世界的に見た場合に、穀類の需給率、果樹の需給率、畜産物の需給率、その他嗜好農産物、コーヒーとかカカオとかいったようなもの、こういうものの需給率というのはどうなっておりますか、一応お答えしていただきたい。
○大和田政府委員 世界的な規模におきます食糧の、たとえば一九七五年における見通しは、さきにFAOの事務当局がやりましたし、それから最近、それよりややおくれてOECDの事務局長のクリステンセンという人が主宰者になってやっておるわけであります。それでOECDとFAOの見方は若干のズレがございます。FAOにおくれること約一年でOECDがやっておりますけれども、OECDのほうは非常に楽観的といいますか、むしろ過剰の問題を非常に深刻に考えておるわけでございますが、大体小麦その他を通じまして穀類においては過剰傾向である。酪農品においてしかり。ただ肉がどうも足らない。コーヒーその他の嗜好品については十分な分析がないのでありますけれども、これも傾向としては過剰傾向であろう。三、四年前までは東南アジアの食糧事情あるいは中共、ソ連における大凶作あるいはインドの凶作等がありまして、世界の食糧事情について非常に悲観的な見方が強かったわけでございますが、この二、三年の動きを見ますと、食糧が全体として足らないということではなくて、むしろ過剰の問題をどういうふうに考えるかということが、国際機関における大きな問題となっておるというふうに考えております。
○淡谷委員 最近の穀類なんかの動きを見ていますと、輸出入の数がたいへんふえていますね。その国の需給ではなくて、小麦のたくさんとれる国からとれない国に流れていくという形がたいへん多い。つまり米が完全に商品化しまして流通経済の流れに沿っていることは、これは明確なんです。全世界の生産から見ますと、私もいろいろ資料を集めてみましたけれども、過剰ということばで言えないのはこれは実態です。特に東南アジア、インドの食糧不足は依然として直ってない。それから果樹、畜産におきましても多少そういう傾向がございますので、これは未開発国と先進国との間の政策がたいへん違うのですね。従来は農業というものは未開発国の仕事のように考えておったのですが、逆に今日では未開発国のほうが食糧が不足であって、開発の進んだ国から、先進国から輸入するという傾向が全世界の傾向のように私にはとられる。これに何か御異存ございますか。私はそうとるのですが。
○大和田政府委員 私が申し上げておりますのは、現在食糧が非常に過剰になったということではございませんで、現在も食糧は不足いたしておりませんけれども、まだ過剰状態が深刻だということでは決してございません。ただ、一九七五年くらいを想定してみますと、国際機関ではむしろ過剰が大きな問題になっているということでございます。で、いまお触れになりましたことに関連いたしまして、OECDのクリステンセン事務局長の意見として、食糧の増産は先進国で行なうほうが効率的であるという意見があるわけでございます。したがいまして、未開発国では無理な食糧増産をすることなくて、むしろ先進国から買ったらいいではないかということを言外に示すような論述がよくあるわけでございます。私どもは必ずしもそれに賛成をいたさないわけで、それぞれ東南アジアを見ましても、やはり食糧の自給ということはそれぞれの国の経済の運営なりあるいは政治的な独立なりということにも関連をいたすわけでございますから、未開発国において食糧の増産につとめることは私は非常に大事なことであろうと思います。ただ、いまお触れになりましたことで、たとえばインドにおきまして三、四年前は非常な凶作でございましたが、去年、おととしは豊作と言うと語弊がございますけれども、まず大体インドの食糧事情がおさまりかけるような情勢でございます。それから最近における、たとえば稲のIR8あるいは小麦のメキシコ種でございますとか、そういうものの改良品種の栽培が東南アジアの各国へ相当行き渡りまして、たとえばフィリピンにおきましてはずっと米の輸入国でございましたけれども、どうやら去年は数万トンの米が余ってどこかで買ってくれないかということで日本にもアプローチがあったような状態で、東南アジアにおける食糧問題というのは決して私は楽観いたしておりませんけれども、どうも非常に悲観的に考えることは実情にそぐわない。むしろ最近におけるような技術の進歩ということを相当評価してしかるべきではないかというふうに考えておるわけでございます。
○淡谷委員 その場合に、日本を食糧生産の面から見て、先進国に見ているのですか、未開発国に見ているのですか、どっちのほうに考えて農林行政を行なおうとしておるのですか。
○大和田政府委員 私は、日本というのは、あくまでも中進国というふうに考えておるわけでございます。(「名答弁」と呼ぶ者あり)零細農業である点においては、後進国のごときでございますけれども、零細農業でありながら、農業技術の進歩の点、あるいは農民の知識水準あるいは生活程度、そういうものから見ますと、決して後進国ではございませんで、むしろ相当先進国に近い、まあ小さな農業で非常にすぐれた農業を行なっているということが、私は、日本の特質であって、これは先進国にも後進国にもない日本独特の農業の姿であろうというふうに思うわけでございます。
○淡谷委員 あまり名答弁でございますから、迷いますよ。日本のいまの農業形態が理想的な形態であり、中進的な形態であるというのならば、これほどの思い違いはない。その零細農業のために悩んでいるのでしょう。零細農業のために青年が農村を捨てるのでしょう。そうなれば、これは完全な保守農政であって、前向きではちっともないと私は思います。それは私とあなたとの見解の相違ですからここでは議論しません。 そこで、ここでお聞きしたいのは、法案に戻りますが、特に法律案の二十五条の五に熱帯農業研究センターの構想があります。これは説明を見たのではなかなかわかりませんが、一体どういう構想で熱帯農業を研究なさるのか。熱帯農業の作物的なものとしては何を選んで研究されるのか、地域としてはどこを見ているのか、こういう点についてもう少し詳しく、現在の世界農業の趨勢から見ましてもはっきり国を指定して、作物を指定してひとつ御答弁願いたいと思います。
○大和田政府委員 熱帯農業研究センターにつきましては、技術会議の事務局長が説明いたしますけれども、いま先生から言われたことで一点私申し上げておきたいことは、私が日本の農業の特質は、零細農耕性であって、しかもきわめてすぐれた段階にあるというようなことを申し上げたことは、日本の農業に問題がないという趣旨では毛頭ございませんで、私どもが最も悩み、また先生方がいろいろ御心労されておりますことも、その最も水準の高い零細経営をどういうふうにして次の段階に推し進めるかという一番むずかしい問題をかかえているということでございます。決して農林省はこれでいいのだというようなことで楽観をしておるわけではございません。
○横尾政府委員 お答え申し上げます。 先ほど先生からお話がございましたように、開発途上国におきます食糧問題は、なかなか重大でございます。最近におきまして需給が相当程度緩和されてきておるということも聞きますけれども、基本的には開発途上国におきます食糧問題は、なお依然として非常に重要な局面にあると思うのであります。そこで、そういった開発途上国におきます食糧問題の開発に資し、かつ農業の振興を通じまして、それら地域におきます経済の発展に資するということが、わが国の国際的な立場からいたしましても、非常に重要になってまいっておると思うのであります。そこで、こうしたことで、農業の振興をこれら諸国におきましてはかるためには、技術上の振興がその根幹をなすことは申し上げるまでもないことでございます。 そこで、技術上の振興をはかろうということに相なりますと、これら開発途上国におきます技術水準からいたしまして、試験研究の推進をはかるということが非常に重要な意味を持ってまいると思うのであります。これら開発途上国は、御承知のごとく、主として熱帯または亜熱帯の地域に属します。そこで、農林省におきましては、従来ともわが国の立場ないし先ほど来申し上げておりますような諸事情からいたしまして、熱帯地域または亜熱帯地域におきます農林畜産業の技術の振興をはかるための試験研究を推進する必要があるというふうに考えまして、四十一年度から在外研究員等を派遣をいたしまして、その推進をはかってまいったわけでございます。 ここで特に問題になるのは、東南アジア諸国を中心にいたしました稲作の振興、それから畑作のうちトウモロコシ、マイロといったようなものを中心とした技術の振興、さらにまた畜産、特に非常に病気が多い状況からいたしまして、家畜衛生に関する試験研究の推進というものが当該地域におきます技術上の諸問題としましてきわめて重要であるという状況にありますので、先ほど申しましたような、四十一年度からやってまいりましたところの在外研究員を中心にいたしますところの熱帯または亜熱帯地域の試験研究の強化拡充を、いま申しましたような地域ないしは作目等に重点を置きつつ拡充してまいりたい、こういうことで、従来実施をしてまいった経緯にかんがみまして、わが国国内の試験研究の蓄積、陣容を組織的に活用して、いま申しましたような趣旨に即応せしめる必要があるということで、新たに熱帯農業研究センターという組織を設け、既存研究機関の蓄積、陣容をそこにできるだけ集中させ、統一的な方針に基づいて研究を進めてまいりたいということが、今回設置法の中に盛り込まれて、御審議をいただいております熱帯農業研究センター設置の趣旨でございます。
○淡谷委員 なかなかどうも雄大な構想をお持ちのようですが、日本の国内の農業もたいへん油断ができない場合に、海外まで進出しようというのですから、心臓のほども思いやられますけれども、一体熱帯、亜熱帯農業というのは穀類とイモ類とくだもの類、豆類——豆類も穀類に入れるか入れないかは別といたしまして、その四つに大別されるだろうと思うのです。いまのお話だと、主としてトウモロコシ、マイロ、米というように限定をされますと、東南アジアでもおのずから国が出てまいりますね。米ができる国、マイロができる国、トウモロコシができる国ちゃんと国が出てくるじゃないですか。国が出てきますね、浮かんできますね。ばく然と熱帯、亜熱帯と言っても広うございまして、見当がつかない。東南アジアと限定されるならば、米ができるのはどこ、トウモロコシができるのはどこ、マイロができるのはどこというふうに、はっきりとした地域をひとつお示しをいただきたいと思います。
○横尾政府委員 趣旨といたしましては、先ほど申し上げましたように、熱帯または亜熱帯地域におきます農業技術上の振興ということでございますが、ただいま先生御指摘のごとく、焦点は東南アジア地域の諸国——タイ、フィリピン、マレーシアあるいはセイロン等の東南アジア地域諸国を当面主たる対象にいたしまして、そうしてたとえばタイで申しますならば、稲作の問題とトウモロコシの問題、それに先生の御指摘もございましたが、将来は豆類あるいはイモ類という方面にまで研究を拡充をしてまいるということでありますが、最も重点は、稲作とトウモロコシ、マイロ、こういったものであると考えられるわけであります。大体東南アジア地域でございますと、稲作は地域の状況によりまして事情は違うにいたしましても、どうしても重点の一つ、東南アジア地域諸国を相おおうと思いますが、たとえばトウモロコシ、マイロといったことになりますと、タイでありますとか、インドネシアでありますとか、そういうようなところが当面の重点として出てまいる。さらに将来は、お話もございましたが、できるだけ早く豆類あるいはイモ類というものにも研究の範囲を拡充してまいりたい、こういうふうに考えております。
○淡谷委員 一体この構想は、日本のための構想ですか、それとも現地のための構想ですか。日本の食糧のためにこれを研究されるのか、あるいは現地の自給度を高めるためになされるのですか。どちらなんです。
○横尾政府委員 先ほど申し上ぐべきところを申し落としましたが、東南アジア等諸国におきます技術上の振興をはかるということが目的でございますが、同時にあわせまして、わが国の試験研究に資するといった側面が非常に大きくございます点をあわせて申し上げたいのであります。たとえば具体的に申しますならば、稲の品種改良におきまして、インディカ等を導入いたしまして耐病性、耐倒伏性、耐虫性等々の性質を導入いたします。あるいはまた耐暑性牧草を導入いたしましてわが国で活用いたします。あるいはまた家畜衛生につきましては、非常に問題であります口蹄疫の知見を広めるといったようなこと等を通じまして、わが国の試験研究の領域の拡充とその研究の高度化という面に資する点が非常に大きいと考えております。
○淡谷委員 端的に申し上げまして、この要求は、日本の要求じゃなくて、現地から出てきた要求なんですね。タイなりその他の国から日本の技術をどうしても取り入れたいという要求があって、それで農林省が動いたのですね。
○横尾政府委員 現地からの要請も、最近の技術振興の必要性に応じて強く出てまいっておりますが、同時にあわせまして、わが国の東南アジア等の地域に対します国際的地位からいたしましても、技術協力の基礎を固めるといったようなことで試験研究の強化の必要性があるということで考えてまいっております。現地の要請に対応するとともに、わが国の立場ということから必要であるという両面のことを考えまして、熱帯農業研究の強化をはかってまいりたいというふうに考えておるのであります。
○淡谷委員 技術協力でこういうふうな構想をされるならば、これ何らかの条約を必要とすると思うのですがね。これは、次官どうですか。農林省が独自にやる仕事じゃなくて、国がその国との間に条約をつくって技術提携をすべきものじゃないのですか。それから、さまざまな国と国との間の条件などもあるべきはずなんですが、ただ向こうからやってくれ、こっちでやりましょう。商社と商社の間の商売とは違うわけですからね。農林省が人員を使ってやる仕事ですから、何らかそうした国家間の協定もしくは条約があってしかるべきものだと思いますが、いかがですか。
○小沢(辰)政府委員 確かに研究員を派遣したり、いろいろそういう協力をする場合には、それぞれのいろいろな取りきめがあるわけでございますが、それらの取りきめを実行する意味で、東南アジア全体における先進国であります日本の立場から見まして、熱帯、亜熱帯の開発途上にあるそれぞれの国の農業の発展を助けるということは、主管である農林省がそういう事業を一そう推進するように、内外の要求にこたえて研究機関を整備、組織するということは、私は当然のことでないかと考えております。 そこで、個々に条約をつくってそれぞれやればいいじゃないかというお話でございますが、そういう個々のいろいろな要請なりあるいはまた取りきめなりに従いまして、総合的に、組織的にこの亜熱帯、熱帯の農業の試験研究を進めていく、こういう立場がこのセンターでございますので、そういう意味から御了解をいただきたいと思います。
○淡谷委員 いわばこれはまだ具体的に南方へ日本の農業技術を進出させるというものじゃなくて、進出させるための準備期間であるというふうに理解してよろしいですね。将来、南方の農業を日本の農業で指導するための準備としていまこういうセンターを設けて、鋭意調査し研究するのだ、こうとっていいですね。
○亀長政府委員 現在御承知のように、国際協力ということは、実際上日本の世界における地位からして相当行なわれております。すでにコロンボプランでありますとかあるいはFAOのいろいろな援助機関がございまして、それに従って日本が人を派遣するあるいは機材を提供する。それからたとえば日韓技術協力というようなものもございます。そういうふうに、すでにかなり日本の後進国に対する援助が、あるいは協約であったりあるいは国際機関の統括的な計画のもとに行なわれておる。事実技術協力関係におきましても、熱帯農業研究員ということで、現在も相当数の人が後進国でいろいろお手伝いをしております。あるいは実際農村青年を派遣してお手伝いをしている。しかしながら国内において、この熱帯農業に対する試験研究を統括的に行なうべき組織的な国内の研究というのは、比較的まとまった形ではございませんでした。これは事務局長から御説明があると思いますが、国内にそれぞれの農業試験場、各地にございます。そういうところである程度分散的に——もちろん極力これを統合するような努力が技術会議において行なわれてまいりましたけれども、ある程度、完全に組織化はされておらなかった。これを今回農林省としてまとめた形で組織して効率的に推進しよう。それから出ていく人にも、熱帯農業に対する十分な知識と協力とを与えていきたい。こういうふうな国内の組織づくりという意味で、この熱帯農業研究所が提案されているものだと私は考えております。
○淡谷委員 どうも御答弁を聞くとますますわからなくなるのですがね。もうすでに現在人は行っているのですか。それはどういう関係で、どこへ何人ぐらい行っているのですか。
○横尾政府委員 四十一年度から在外研究員の派遣という形で熱帯農業研究が始まりまして、四十一年度五名、四十二年度十五名、四十三年度二十名、さらに四十四年度は二十五名の在外研究員を派遣する予定でおります。四十三年度までの二十名について派遣先を申し上げますと、タイ、セイロン、マレーシア、カンボジア、インド等の六カ国になっております。
○淡谷委員 行っている人の資格ほどうなんです。個人として行っているのですか、それとも政府から派遣の形になっておりますか。
○横尾政府委員 政府からの派遣で長期の出張という形をとりまして、現地の試験研究機関に駐在をいたしまして、現地機関と共同研究という形を通じまして試験研究の推進をはかっておる、こういうことでございます。
○淡谷委員 長期の出張というのですが、農林省からの出張ですか。
○横尾政府委員 農林省が予算をとりまして、農林省からの出張という形をとっております。私が申し上げておりますのは、国内の試験研究機関から長期出張という形で出ております人の派遣の形式、それから人数それから派遣先を申し上げたわけでございまして、そのほか海外技術協力事業団からコロンボプラン等の形をとりまして、技術協力という形で派遣をされておる人数は相当な人数にのぼっております。その点の詳細につきましては経済局長から補足の御答弁があるかと存じますが、そういうことでございます。私が申しあげましたのは、農林省の国立試験研究機関の研究員が、熱帯農業研究という形で四十一年度から始まりまして、どういう行き先にどれだけの人数が派遣されておるかというその側面のことを申し上げたのでございます。
○淡谷委員 それではこの人数のほかにも、民間から技術協力としてだいぶ行っているということですね。それは大体把握しておりますか。どこから何名行っているか。
○亀長政府委員 民間からも相当数の人間が参っていると思います。しかし、民間の場合には、いわゆる商売と申しますか、営業という形と密接に結びついたものが多いので、完全な技術協力と断定するのがむずかしい場合がございます。たとえばタイへ行ってメーズの作付を指導しておる。しかし、これはそこでその商社なりがそのメーズを買い付けるために技術者を派遣しておるというふうなものもございまして、非常にその境目はむずかしいのでございます。しかし、私どものほうでも一応、ただいま資料を持っておりませんけれども、事務局長がおっしゃいましたように、試験場から直接農林省の長期出張で行かれている方は先ほど申し上げたとおりでございますが、そのほかに、海外技術協力事業団、これは政府の事業団でございます、外務省が所管しております。そこで日本政府が費用負担をして出ておる者の人数、そのほかに民間の出ておる者できわめて技術協力的色彩の多い者、大別してこのように分かれます。あるいは外国政府の招聘によるものあるいはFAOの費用負担によって人はこちらから出すというようないろいろな形がございます。実はきょう資料を持っておりませんが、早急に調べまして報告をいたします。数字は把握いたしております。
○淡谷委員 いろいろな仕事の上で行っておる人はたくさんあるでしょうけれども、農林省の立場から見て、農業の研究なり調査なり、あるいはあなた、お手伝いと申しましたか、それなどで行っている人の性格をはっきりさせておかないと、今後この機関と結びつけができない。ブラジルの移民などでもだいぶ議論の末に外務省が管轄しましたが、いまじゃ、外務省の管轄にさまざまの欠陥が出ていることは、この間この委員会ではっきりいたしましたが、したがって新しくやる事業団に、従来の関係、これからの方針というものがしつかりしていませんと、いたずらに混乱と苦労だけが多くなりましてさまざまなトラブルを生ずると思いますから、くどいようですが、言っておきたい。純粋に農林省から長期出張しているのは、さっきの人数に違いはないですね。あとは農林省外ですか、いかがですか、もう一ぺん……。
○亀長政府委員 事業の所管的な意味におきましては農林省外でございます。しかし、当然農業の技術者ということになりますと、これは外務省におるわけじゃございませんので、いろいろ農林省に援助を求める。そういうようなことで政府内部といたしましては、農林省も十分これに御協力申し上げておるということでございます。
○淡谷委員 いままで出張しておった人は農林省のどこから出ているのですか。
○亀長政府委員 先ほど事務局長からお話のございました方は、ほとんどが試験場の御出身でございます。そのほか出ております者につきましては、相手国の要請あるいは技術協力の内容等によりまして、簡単に申しまして、農林省のほとんどの部局が関係をいたしております。畜産もございますし、果樹もございます。養蚕もございます。あるいは林業関係もございます。そのうち、大体農業の技術者が比較的民間に少ないということもございまして、相当部分が農林省の役所の出身あるいは役所におられた経験のある方あるいは県の試験研究機関等に在職をされておった方というのが相当数を占めております。純粋の民間の技術者は比較的少ないというのが実情でございます。
○淡谷委員 この設置法の改正ができますと、将来そういう従来の人たちは全部熱帯農業研究センターで一元化する構想なんですか。また将来派遣する人たちも、熱帯農業に関してはこのセンターの所属というふうに考えてよろしいですか。
○横尾政府委員 海外技術協力事業団法に基づく海外技術協力といったような形は、そういう形を通じて将来とも必要であると思いますが、たとえば海外技術協力事業団の技術協力のためにその協力すべき技術の基礎を固めるということで試験研究を拡充するということは、それ自体として非常に必要であると思います。したがって、海外技術協力事業団のような形を通じての技術協力とは別に、熱帯農業研究センターによる研究の推進をはかり、その結果得た成果を海外技術協力事業団の行なう技術協力に提供するというような形で、両者の関係を保ってまいりたいというふうに考えております。
○淡谷委員 どうもはっきりしませんが、この熱帯農業研究センターというのは、農林省の研究センターではあるけれども、現地へ派遣する場合は海外技術協力事業団のために派遣させるのですか。それとも農林省がじかに派遣するわけですか。
○横尾政府委員 熱帯農業研究センターからの派遣は農林省が独自に派遣をいたしまして、したがって海外技術協力事業団を通じてという形はとらないという方向で考えております。
○淡谷委員 そうしますと、この事業団と熱帯農業研究センターの関係はどうなります。全然無関係じゃないでしょう。
○横尾政府委員 先ほども申し上げましたが、海外技術協力事業団の行なう技術協力のためには、その十分効果的な技術を提供するために、その基礎となる試験研究を拡充し、高度化しておかないといけませんので、その試験研究を拡充し高度化して、その成果を海外技術協力事業団を通じて現地に適用していくという意味で、両者は密接な関係を保って運営をしてまいりたいというふうに考えております。
○淡谷委員 委員長、ひとつお願いがあります。この間、ブラジル移民の事業団のことがいろいろ問題になりましたが、この海外技術協力事業団の機構あるいは人員、その他事業の方法を資料として求めたい、それをぜひお出し願いたいと思います。 さらに、この熱帯農業研究センターが沖繩へ支所を設けますが、沖繩へ支所を設ける意味はどうですか。
○横尾政府委員 設置法の改正案の二十二条の五にも書いてございますが、熱帯農業研究といたしましては、熱帯または亜熱帯に属する農林畜産業の技術上の振興をはかるための研究を行なうということでございまして、亜熱帯地域の試験研究を充実してまいるということがその目的の一つに入っております。その場合に亜熱帯農業の研究につきましては、重要な一環といたしまして、熱帯地域から亜熱帯に作目を導入する、あるいは温帯から亜熱帯に作目を導入するというようなことで、熱帯、亜熱帯、温帯間の作目の導入、馴化ということが非常に重要な意味を持つと思うのであります。そこで、沖繩は気象条件その他から見ましても非常に適地でありますので、そこに支所を設けまして、先ほど申し上げました試験研究を行ないますためには現地の圃場等も必要でありますので、そういった設備を整えましてやってまいりたい、それが熱帯、亜熱帯、農業上の試験研究の一環として非常に重要な意味を持つということで、沖繩に支所を設けることといたしたのでございますが、そのことは同時に、ひいて沖繩自体の農業振興のため技術の向上に資する側面が非常に強いと思いますので、その意味も含めまして、沖繩に支所を設ける、こういうことにいたした次第でございます。
○淡谷委員 これはあくまでも農業研究センターのための支所と思いますが、沖繩の農業というものと、さっき御答弁ございましたタイ、セイロン、マレー、カンボジアなんというところとは若干作目も違うだろうし、気候その他の事情も違うと思うのですが、むしろ沖繩自体の農業のためのセンターがこの支所であるというふうに理解してよろしいのですか。端的に申し上げるならば、沖繩に一体サトウキビをどうするのか。パイナップルやバナナをどうするのか。米を一体どうするのか。沖繩では現在サトウキビにしようか米にしようか、島民が迷っておるでしょう。これは熱帯農業研究も大事でしょうけれども、早晩日本に返還されるものとして沖繩の農業をどうするか、特に基地などがなくなった場合、平和産業として農業をどう育成するかが非常に大きいと思うのです。ただそれが熱帯農業研究センターの飛び石みたいに支所を置かれたのでは、何ら意味がないじゃないか。沖繩自体のために、これは何らか貢献する機構のものかどうかお聞きしたい。
○横尾政府委員 沖繩の支所は、熱帯、亜熱帯農業に関する支所という意味でございますので、単に沖繩の農業振興に資するという側面だけではございません。先ほど申し上げましたような作目の導入、馴化等を通じて広く熱帯、亜熱帯農業に資するための支所として活用してまいりたいということでございますが、同時に先生御指摘のようなサトウキビあるいはパイナップルといったものにつきましても、たとえば南方の優良な種子を導入して亜熱帯に馴化をさせるというような仕事を通じまして沖繩農業に資する側面が、同時に非常に強いというふうに考えております。したがいまして、その意味では沖繩農業振興に資するという意味なりあるいは目的なりを十分に活用してまいりたいというふうに考えております。 それともう一つ、先生のお話にございましたので申し上げたいのでありますが、御承知のごとく沖繩には琉球農業試験場あるいは畜産試験場、家畜衛生試験場等現地の試験研究機関がございますので、いま申し上げましたような支所の研究成果は現地の試験研究機関につなぎまして、農民団体にできるだけ普及し得るような配慮もあわせてしてまいりたい、こういうふうに考えております。
○淡谷委員 こうした沖繩あるいはタイ、セイロンなどの農業指導が日本の本土の農業に与える影響はどう考えられますか。ただこの試験研究の楽しみのためにやるわけでもないだろうし、何か農業の国際的な友好という形でもないだろうし、やはり国費を使う以上は、これが日本自体にどういうふうな影響を及ぼすかということは非常に大事な問題だと思いますので、この見通しはどうですか。沖繩の場合は熱帯、亜熱帯の農業からさまざま持ってくるというが、日本に対してはどうこれは貢献してきますか。
○横尾政府委員 技術上の試験研究でございますので、さしあたりその側面を通じて御指摘のございました点にお答えを申し上げますならば、たとえば国内におきます稲の育種につきましても、南方インディカ稲を導入しまして耐病、耐虫性あるいは耐倒伏性といったものを、その特性を生かして品種改良に追い込むことによって、非常にそれが国内の農業技術の振興に資するというような側面がございます。それから、これまた御承知のごとく南方型牧草を日本でもってどのように生かすかという場合に、熱帯地域におきます耐暑性の強い牧草を導入いたしまして、その特性を国内に牛かしてまいるといったことも非常に今後の技術開発の面で国内の振興に資する意味があると思います。 いま申し上げましたようなことは一例でございますが、これを総括的に申し上げますならば、研究領域の拡充ないしは研究水準の高度化ということに非常に資する面がございます。そのことがひいてわが国の技術水準の向上に役立つというふうに考えております。
○淡谷委員 そうしますと、日本から技術者を熱帯、亜熱帯に派遣してそこで研究さして、さらにまた日本の農業技術を向上させるという意味になりますね。大体四十一年から四十三年までで四十名ほどの長期出張者があるようでございます。これはやはり出張であるから報告があるんでしょうな。いままでの報告はございましょうな。
○横尾政府委員 先ほども申し上げましたが、長期出張という形をとっておりますが、その期間はおおむね二カ年でございます。したがいまして、四十一年度に、これは相当時期が、初年度でもございましておくれましたが、四十一年度に派遣をしました五名がぼつぼつ帰国をするというような状況になっておりますので、こまかい試験研究の成果につきましては、帰国後それらを取りまとめてさらにそれを活用して将来の試験研究の基礎ベースに生かすというふうに考えてまいりたいということでございまして、時期的にはまだ第一回目の試験研究成果を十分に把握し活用する時期的な段階までは至っておりません。しかし考え方といたしましては、いま申し上げたような方向で積極的にその成果を生かしてまいりたいというふうに考えております。
○淡谷委員 現在はレポートは何もないのですね、四十一年以来。
○横尾政府委員 いま申し上げましたのは、在外研究員という形を通じての研究成果の活用につきまして申し上げたのでございますが、在外研究という形のほか、短期の現地調査等を通じまして資料を収集、整理するということで参っております。その収集、整理されたものはある程度の量、質に達しまして、それらを活用しながら具体的に試験研究の方向づけ等を考えてまいる、こういうふうにしておるわけであります。
○淡谷委員 では四十一年以来、まだレポートはないのですね。
○横尾政府委員 定期刊行物といたしまして「熱帯農業研究週報」というような形での刊行物を出しております。それから、先ほど申し上げました調査の結果は、その段階で大体まとめましてこれを発表をいたしております。
○淡谷委員 重ねてお願いしますが、その資料もひとつ当委員会に御配付をお計らい願いたいと思います。 それからもう一つ、さっきもちょっと触れましたけれども、この構想ができましたあとでも、研究の形は長期出張の形をおとりになるのですね。
○横尾政府委員 当面、長期出張という形で、従来とも十分であった点については改善を加えながら進めてまいりたいというふうに考えております。
○淡谷委員 いろいろこの職員の待遇の問題などもこの法案にはありますけれども、沖繩支所はむろんのことですが、現地に行った人の拠点は一体どうなるのです。どこか向こうの役所にでもいるのですか、それとも現地の役所をつくるのですか。
○横尾政府委員 在外研究員という形で現地に派遣されました職員につきましては、派遣の事前に現地政府機関と十分連絡いたしまして、住居等についてはできるだけ見通しをつけるということ、それから所得税等につきましてはできるだけ減免措置を講じてもらうというようなこと、それから研究の態様といたしましては現地の機関におきましてしかるべき研究員とタイアップをして共同研究という体制で進めるというような形等々を通じまして、従来派遣されておりましたタイその他の諸国におきましては、いま申し上げたような方法でおおむね生活上も研究上も不便なく実施をしてまいっておるという状況でございますが、なお今後検討すべき点は十分検討して改善を加えてまいりたいというふうに考えております。
○淡谷委員 現地の機関というのはどういう機関があるのです。
○横尾政府委員 試験研究機関といたしましては、数は東南アジア諸国におきましては相当ございます。ただ、相当の研究陣容を持ち、施設を備えての機関はそう多くございませんが、先ほど来申し上げておりますような熱帯農業研究の趣旨を十分に果たし得るような機関を個別具体的に現地各国と折衝して選んで、そこに派遣をするという形をとっております。たとえば、わが国で問題になります口蹄疫についての研究というような意味もございますが、タイのノンサライにあります口蹄疫研究所というようなものに現在研究員が派遣されておりますし、インドの中央食糧研究所でございますか、ここにも研究員が派遣されております。先ほど申し上げましたような趣旨、方法で、現在は現地に二十名の研究員が派遣されておるという状況になっておるわけでございます。
○淡谷委員 この改正法律案を見て考えるのは、詳しい点は非常に詳しいのですが、肝心かなめの現地の機構がぼかされているわけですね。二十二条の五に「熱帯農業研究センターは、熱帯又は亜熱帯に属する地域における農林畜産業に関する技術上の試験研究及び調査並びにこれらに関する内外の資料の収集、整理及び提供を行なう機関とする。」こうありますけれども、この機関の名前もなければ何もない。そしてその第二項のほうには「熱帯農業研究センターは、東京都に置く。」あくまでも東京都がこのセンターの機関であって、あとは随時出張でふらふらして——ふらふらと言っては悪いけれども、非常に苦労されてあっちこっち歩きながら研究していくというふうにしかとれません。沖繩の支所のほうは非常にはっきり場所などを指定しておりますし、農林省令で定める地に熱帯農業研究センター沖繩支所を置くとある。そうしますと、このセンターの支所はありますけれども、肝心かなめの研究すべき現地における機関というのは非常にぼやけておるわけですね。ですから、向こうの試験場にいるものやら別の機関にいるものやら、ひょっとすると海外技術協力事業団なんというものとの関係がそこで出てくるのじゃないかとも思うのですが、その点はどうもはっきりしませんので、なお御答弁願いたいと思います。
○横尾政府委員 先ほども申し上げておりますが、在外研究員の派遣というのが最も太い熱帯農業研究の柱でございます。この在外研究員の派遣のほか、外地におきまして必要な研究資料を国内に送付してまいって、その送付された資料等を熱帯農業研究センター自身が持つ施設を通じて、分析、調査、研究をする、たとえば病害虫の分類及び同定なり、あるいは土壌の分析でありますとか、そういうようなことをやるという意味での熱帯農業研究センターによる国内研究が一つございます。それからもう一つは、たとえば外国から研究者を招聘いたしまして、シンポジウム等を通じまして研究の交流をはかる、あるいは諸資料を集めまして、それを収集、整理、伝達をするといった資料情報センター的な役割りもございます。そういうようなことをあわせまして、全体として熱帯農業研究を推進してまいるというふうに考えておるのでありますが、それを推進いたしますためには、必要に応じまして国内の試験研究機関と十分に連絡をし、国内の試験研究機関の研究蓄積ないし研究陣容をできるだけ生かしていく必要があるということで、センターの本所は東京都に置くというふうにしておるのであります。本所は東京都に置く、そして、先ほど申し上げましたような亜熱帯農業研究をやる必要があるということで沖繩に支所を設置する、こういう組織にいたしておるのであります。
○淡谷委員 先ほど申し上げましたとおり、そこまでは非常に明瞭なんです。将来派遣するのじゃなくて現在派遣しているんでしょう、出張で、四十一年から。四十一年以来現地に派遣されている方々はどこを拠点としてどういうふうな調査研究を行なわれているのか、これは私どもはまだ報告書を見ておりませんので見当つかぬのかもしれませんけれども、現地の拠点が一体どこかという問題です。幾ら熱帯、亜熱帯だからといってヤシの下で寝ているわけでもないと思うのです。どこかよりどころがなければ試験研究はできませんよ。
○横尾政府委員 御指摘の点でございますが、四十一年以来派遣されている研究者は、現地のたとえばタイにおきます試験研究機関あるいはインドにおきます試験研究機関がございますので、その試験研究機関におきまして現地の機関の研究員と共同研究という形をとって研究を遂行しております。その場合の生活上のいろいろな問題につきましては、事前に現地各国と連絡の上、そういう不便のないようなアレンジをいたしまして、その上でいま申しましたように現地の機関におきまして、駐在をし、共同研究というような形をとって試験研究に従事をする、こういう形になっておるのであります。
○淡谷委員 さっきからしばしば言っておりますとおり、現地の研究機関と一緒にやっているでしょう、要するに。将来とも派遣する人は現地の研究機関に入る。そうしますと、これは内地にも貢献するだろうが、やはり現地農業に貢献するという、現地を主体とした考え方に立つべきがほんとうじゃないかと思うのですが、いわば日本農業の技術を熱帯、亜熱帯の農業にも貢献させるんだという国家的な立場からおやりになっている仕事というふうに理解してよろしいですか。
○横尾政府委員 御指摘のごとく、現地の農業を振興する、開発途上国の農業振興のための技術の基礎を固めるというのが第一義の目的でございます。ただ、先ほども申し上げましたが、そのことがひいてわが国の研究領域の拡充、水準の向上にも資する側面がございますということを申し上げましたが、そういう側面もありますので、国内的な農業研究の向上に資するという側面も見落とすことができないという意味をつけ加えて申し上げたいと思います。
○淡谷委員 これは試験研究のほうはそれでいいと思いますが、官房長、現地の農業がどんどん発展しまして、米なりその他のものがとれた場合に、日本の本土との間に貿易その他の関係ができる見込みがありますか。
○大和田政府委員 東南アジアの農業に対して技術援助をいたします場合に、一番の重要な問題であろうと思います。私どもも米その他内地の農業と直接ぶつかるようなものはできるだけ差し控えたい。むしろトウモロコシその他いわゆる開発輸入として、相当アメリカ、南ア等々から輸入いたしておるわけでございますから、輸入市場を多元化する意味におきましても、また東南アジアに対する貿易バランスを是正する意味でも、そういう主として日本に輸入してよろしいものについて行ないたいというふうに考えております。ただ、米の問題にいたしましても、それぞれの国における自給できる程度まで米を増産させることは、これは私どもとしても決して援助にやぶさかでありまんけれども、増産した結果どうしても日本に持ち込まれるような事態は、やはりある程度差し控えるべきではないか、そういうふうに考えております。
○淡谷委員 米はまあ若干このごろ自信を持ってきたようですけれども、しかしながら将来考えますと、まだなかなか日本では、いまの農政では、将来の自給率の確保ということは至難だろうと私は思うんです、あとで申し上げますが。現実にはやはり不自由しているのは、いまのあげられた作物のうちでは、マイロとトウモロコシです。これは従来アメリカから入ってきておった。これを将来東南アジアから輸入するという構想はあるんですね。
○大和田政府委員 トウモロコシなりマイロなりは現に自由化されておるわけで、タイからトウモロコシが数十万トンも輸入されておるわけで、私は、東南アジアにおいてトウモロコシなりマイロなり、国際価格でいわば均質のものを、スタンダード化されたものを生産できれば、日本としてもきわめて歓迎すべきことであろうと思います。それは日本の農業にとって決してマイナスになることではございません。ただ、東南アジアにおきましては、単に技術あるいは品種の問題ばかりではありません、いろいろな農地制度その他社会的な問題がありますから、技術を入れればすぐに増産されるということもなかなかむずかしいわけで、東南アジアの農業の将来についてそう楽観もできないわけでございますが、私どもはできるだけ日本の農業技術が協力することによって、日本の必要とするものができることを歓迎をいたしておるわけでございます。
○淡谷委員 そこで、一番日本がいま不足しておる小麦は、一体どこの小麦を勉強するのですか。マイロやトウモロコシまで技術者を派遣して技術援助なり増産をはかるというのですから。日本の国内じゃむずかしいとおっしゃるならば、それじゃ小麦の将来の自給率を高めるための施策はどうなっておるのですか。熱帯農業の研究も大事ですけれども、温帯農業の研究もまだ大事な点があるんじゃありませんか。
○大和田政府委員 小麦の生産改善の方策につきましては、先ほど申し上げましたように、全体として作付面積は遺憾ながら低下するかもしれませんが、適地において生産性の高い小麦の生産地を形成していくということが政策の基本であろうと思います。 ただ、トウモロコシ、マイロ等々と違って、東南アジアにおいて小麦をつくるということは、これはなかなかむずかしいことでございますから、いわゆるそういう意味において開発、輸入ということは、なかなかむずかしい。また、小麦は国際商品でございまして、先ほども申し上げましたアメリカ等々からの輸入は、将来においても非常に困難を来たすということは、まずないのではないかというふうに考えております。
○淡谷委員 小麦の輸入は困難を来たさないかもしれないけれども、八〇%を輸入にまつという形は、これは決して食糧政策上とるべき方法じゃないのです。しかたがないと投げるならば、これは農政上非常な誤りだと思います。 それならば、一体日本内地で小麦ができないという原因は何ですか。東南アジアへわざわざ行って小麦をつくるということはできませんよ、現に日本でできるのですから。熱帯農業を開発するだけの熱意があるならば、いま非常に窮地に面している日本の農業を、もっと本気になって再研究し、再調査し、再出発するような構想があってしかるべきだと私は思うのです。日本の本土は決して麦作には適地じゃないでしょう。なぜ一体日本は八割も外国から小麦を買わなければならないのです。その原因についての御認識を御答弁願いたい。
○大和田政府委員 日本の内地はつゆがございますから、小麦の収穫期において長雨にぶつかることが非常に多くて、自然的な条件からいえば、日本は小麦の適地であるとは私はいえないと思います。しかし、それは当然技術によって相当程度いままでも克服してまいりましたし、これからも決して不可能であるとは思いませんが、小麦は性格的にいって、いわば大規模、粗放農業でございますから、とにかく日本の、先ほども申し上げました一町歩前後の集約的な家族経営にとって、しかも、冬期に雇用の機会がないときは別でございますけれども、至るところにいろいろな形で雇用の機会が待ちかまえているようなときにおいて、非常に収益性の少ない小麦というのは、私は、性格的にいって、なかなか小麦の増産をするということはむずかしいというふうに思います。これは決して小麦を放棄するとかどうとかということではなくて、日本の農業の性格に根ざす問題であろうと思います。しかし、とにかく小麦は日本で要らないのであるとか、あるいは生産性の向上を放棄するのだということではございませんで、小麦に対する試験研究は各地で熱心にやっておりますし、それから機械を用いての集団組織による、いわば手数のかからない大規模な小麦の生産、これは個別経営が大きくなるということではございませんで、いわば協業化の形でございますけれども、そういう小麦の生産は、ここ数年農林省は熱心にやってきたところでございますし、これからもそういう方向は大いにつとめなければならない。しかし、残念ながら、全体として小麦の増産というところまでいくためには、なかなかむずかしい問題が一ぱいあるということが現実であろうと思います。
○淡谷委員 私は、やっぱりここ四、五年の日本の食糧自給度を考えますときに、一つの悲観論を持っているのです。農業労働力の老化現象というものは、ことしあたりからそろそろ陥没現象を呈している。あとはますます進みますよ。したがって、食糧自給のカーブというものも、いままでのように向上するとだけは思えない。さまざまな悪要因が加わってまいります。したがって、やはり農政としては、四、五年先を考えていまから手を打たなければならぬ。農地というものは一たん壊廃したものはすぐ回復するわけじゃないから、よほど慎重でなければならないと思うのです。収益性の面から小麦の増産ができないということを考えるのは、そもそも私は誤りだと思うのです。要するに、これは生産の形の問題じゃないのです。あなたのおっしゃるとおり、共同作業でもいいし、あるいは大規模農業でもかまいませんが、もう少し機械力が自由に使えるような広い耕地さえあれば、たとえ反当収量が落ちたとしましても、労働力当たりの収量はふえる方法があると思うのです。日本の畑作農業に思い切って大型機械が使われなかったところに、小麦が非常に減産したという根本的な原因があるのじゃないですか。基盤整備の問題が出てくるのです。土地の整備の問題が出てきます。土地の整備を農民だけにまかせておきましたら、永久にだめです。最近の宅地造成に関連して、あの機械力を見てごらんなさい。山でも谷でも平たくなるじゃないですか。利潤を追求するためには山をくずすのです。山を移すのです。山を移す者は愚公だけじゃないのです。日本の宅地造成者はみんな山を移しています。あれだけの熱意がもしあるならば、日本の土地というものはそんなに大機械を導入するに不自由な、不適当な土地じゃないと私は思うのです。天候のことをいうならば、地方によっては米だって適地だとはいえないところがありますよ。現代の農業技術というものは天候の欠点を補って余りがあるのです。私は技術者の努力に大いに敬意を表します。この際、思い切って小麦の自給率を高めるような構想をお持ちになる腹はございませんか。
○大和田政府委員 私どもも、小麦の自給率を現実に高めることができるならば、決してできるだけの努力を惜しむわけではございません。私が申し上げておりますのは、たとえば昭和五十二年において相当集団的な生産組織ができて、機械を使って小麦の合理的な生産ができるとして、それが将来において相当普及することが可能でありますれば、私は十五年先、二十年先においてそういう可能性が必ずしもないというふうにも思いません。しかし、ここ五年、十年先のことを展望いたしますと、そういう合理的な小麦の生産方式が片方で確立されながら、全体としては、やはり小麦の作付反別というのは少しずつ落ちていくのではないか。しかし、私どもの見通しでも、十年の見通しの後半においては、その作付の減少の程度が非常に弱まり、むしろそこで適地適産という形で相当小麦の合理的な生産が根づくのではないか、そういう予想をもってこの見通しを立てておるわけでございます。可能でありますれば、私ども十分努力をいたしますけれども、いま今日の段階においては、そういうものの萌芽はできておるけれども、それを非常に広範に普及するのはなかなかむずかしい。御指摘のように、土地改良がどんどん進んで、土地条件では小麦の作付が可能である土地がふえながら、現実においては小麦の作付が減っておるわけでありますから、やはり農業経営の実態、収益性というものからいって、合理的な生産方式が確立されて、これが普及をするということを私どもはしばらく待ちたい。努力は決して惜しむわけではございませんけれども、当面の見通しとしては、いまの体制を一挙にくつがえすということはなかなかむずかしいというふうに思うわけでございます。
○淡谷委員 あなたが悲観的であるということは非常に困るですな。小麦がふえないのは、ただそういう原因だけじゃないでしょう。現在の輸入の形にもあるでしょう。現在輸入している小麦は一体どこが主産地です。 それからもう一つお聞きしたいのは、輸入する小麦の中で、ふすま用の小麦と食糧用の小麦とが、比率がどうなっておりますか。私、四、五年前に聞いたことがありますけれども、現在その実態がわかりません。
○大和田政府委員 小麦の輸入先としてはアメリカ、カナダ、オーストラリアで、オーストラリアからは大体えさ用の小麦が入っております。えさ用の小麦としては、大体百万トン程度に達しておると思います。食用の小麦が三百万トン、こういう状態になっております。
○淡谷委員 ちょっといま聞き漏らしましたが、ふすま用の小麦は幾らですか。
○大和田政府委員 百万トン程度というふうになっております。
○淡谷委員 確かですか、数は。これは品質は同じなんですよ。輸入の価格も同じなんですよ。払い下げ価格において、ふすま用の小麦と食糧用の小麦が違うわけなんですがね。もともと別な品種じゃないのです。これは間違って言われては困るのです。
○大和田政府委員 おおむね百万トンと申し上げた数字は、大体そのとおりで、こまかく申し上げますと、百十万トンほどということでございます。
○淡谷委員 食管法などによる販売の形でもそのとおりですか。
○平松説明員 ただいま官房長からお答え申し上げました百十万トンという数字は、ふすまを生産いたしますために、その目的のために政府が小麦を輸入いたしまして払い下げをいたす数量でございます。
○淡谷委員 その価格は一体日本の内地の小麦とどれくらい違うのです。
○平松説明員 現在ふすまの増産用のために輸入いたしております小麦につきましては、この生産されました結果、売り渡しますところのふすまを普通のふすまより安く売るということで輸入をいたしておるわけでございますが、輸入いたします場合の小麦につきましては一般食用のものとほとんど変わらないという状況でございます。
○淡谷委員 払い下げにする場合はどれくらい違っておりますか。払い下げ価格が違うでしょう。輸入価格は同じでも払い下げ価格は違うわけですね。
○平松説明員 ちょっと手元に資料がございません。
○淡谷委員 これは深く追及はしませんが、私たち米価審議会に入っておったときには、明らかにふすま用の小麦で赤字を出しておったのです。あのときはもう食糧の小麦がふすま用の小麦よりも多かった。こういうところにも日本の国内の小麦を圧迫する原因があるのです。さらに畑作に対する全般的な農林省の冷淡さ。豆などは日本の百姓は非常な悪条件のもとにおいてつくっておった。反収一俵から五俵までの差がある。豆はどんな荒れ地でもできるというわけでそまつにつくりまして一俵です。少し手を入れますと五俵です。方向と努力がちゃんとしておればまだまだ畑作には振興の余地がある。これは将来の食糧が小麦だけに限らず、もっと総合した食糧基地にしたならば、この際もっと熱帯農業に熱を示すと同時に、温帯農業の日本本土の農業にも思い切った施策をすべきではないかと思う。決して熱帯農業の研究は悪いとは言いません。その熱意をもって現在行き詰まった本土の農業にも、特に畑作農業に取り組むだけの意欲があるのかないのかお聞きしておきたい。
○大和田政府委員 私ども小麦の需給率の問題で申し上げたわけですが、小麦、豆等々の畑作物との取り組みにおいて、日本の畑作物について暗い見通しを持っておるとか、あるいは畑作物について十分熱意を持たないとかいうようなことは決してございません。それは最近農林省の中におきましても蚕糸園芸局の中に畑作振興課という課をつくりまして、畑作振興については十分熱意を持って、予算的にも努力をいたしておるわけであります。
○淡谷委員 ちょうど区切りがついておりますから、この辺で昼のために保留しておきたいと思います。
○藤田委員長 この際、暫時休憩いたします。 午後零時二十四分休憩 ————◇————— 午後三時二十六分開議
○藤田委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 質疑を続行いたします。淡谷悠藏君。
○淡谷委員 午前中に引き続いて農林省設置法の一部を改正する法律案の質問をいたします。 この熱帯農業の研究センターが植物ウイルスの研究所と同じような形で置かれているのですね。これはまさか熱帯農業を植物ウイルス程度に考えておられるわけじゃないと思いますが、いかがですか、この点。
○横尾政府委員 御指摘がございましたように、植物ウイルス研究所を発足いたしまして現在約四十人程度の人員で千葉に所在してやっておりますが、熱帯農業研究センターにつきましては四十四年度四十名の定員でもって発足をいたしますけれども、午前中も御質問に対してお答えしましたような趣旨、目的及び組織体制で進めるということで、将来その研究領域を考えまして相当規模の充実をはかってまいりたい。関係方面と協議いたしまして相当規模の充実をはかってまいりたいというふうに考えております。したがいまして、その方向で参りますならば、植物ウイルス研究所以上の規模、体制においてこれを進めるように今後とも関係方面と協議をして努力をしてまいりたい、こういうふうに考えます。
○淡谷委員 いまのはただ単に人数で並べておいたのですね。どうも変なのが二つくっついていますから、植物ウイルス程度に考えてあとはこれでさたやみになるのかと思っておりましたが、もっと拡大するつもりなんですか。
○横尾政府委員 もちろん関係方面と十分に協議をいたさなければなりませんので、具体的にどうこうということを申し上げ得る段階ではございませんけれども、私どもの構想といたしましては相当規模の組織体制に持っていく必要がある、趣旨、目的からいたしまして相当規模の組織体制に持っていく必要があるというふうに考えております。
○淡谷委員 戦争前にも東南アジアには諸外国の研究所がいろいろあったはずですね。ボイテンゾルグには有名な植物園があった。あれは一体どうなっておりますか、その戦争後の形は。それから戦前におけるこういう研究所もしくは植物園を持っておった使命というものはどう考えますか。というのは、外国でいろいろ国威を伸長する場合に、いろいろな商社とかあるいは教会とか研究所などが先頭に立つということが間々あったわけです。まさか日本はそういうまねはしないだろうと思うのですが、そうした以前の関係もございますので、それらの現況とともにひとつ御答弁を願いたいと思うのです。
○横尾政府委員 御指摘のように、東南アジア諸国におきましては先進国の研究施設がございました。戦前は御承知のように主としてエステート農業を進めるという観点からのものが中心であったと思います。そういったエステート農業を進めるための研究関係の機関は、国によって違いますが、ごく大まかなところ、私どもの聞いておりますところでは、大体東南アジア諸国が独立し自立していく過程におきまして、それら国々の研究施設機関という方向になってまいっておるようであります。ただ、フランスのオルストムといわれておるようなもので、やはり戦前の方向を受け継いでおるものもございますが、大勢といたしましては、いま申し上げたような方向になっているかと思います。 なお、先生御指摘がございましたが、私ども考えております熱帯農業研究センターは、わが国の国際的な立場から今後東南アジア等の諸国が健全に発展していくものを助けたいという趣旨でございます。こういう、いわば技術振興をはかるために必要な試験研究を推進してまいりたい、しかもそれら諸国におきます自給農業をより高度なものに育てるための一助にしてまいりたいという趣旨でございますので、申し上げる必要もないかと思いますが、この点をあわせて申し上げさしていただきます。
○淡谷委員 そういたしますと、これは実際の仕事は農林省でおやりなんだが、外国との間の関係で外務省が所管するようなものになりはしませんか。国際的な事業になると思いますがね。農林省が国際的な事業をするということは一体どうかという問題が残るわけです。これはブラジルの移民の際にもずいぶん問題になったわけですが、こういった国際的な問題であれば、外務省がやって農林省が委託を受けるというような形が順当のように思うのですが、植物ウイルス研究所と並べて熱帯農業研究センターがあるとすれば、何か計画と実際とがはなはだそぐわないような感じがするのです。ただ、熱帯農業の研究が必要なんだからやるということだったらそれまでですけれども、少なくとも現地の自給的な農業を育成するために、また日本の立場よりも向こうの立場になって農業を研究するということになってくれば、どうも少し農林省としては逸脱しているように思うのですが、この点はいかがですか。
○横尾政府委員 熱帯農業研究を推進してまいります過程で、相手国との間でいろいろ外交的な側面から援助をし連絡をしていただかなければならない事柄につきましては、私どもといたしましては外務省と連絡をしそのような協力を得たいというふうには存じておりますけれども、技術研究そのものは御承知のとおり農林省の所管でございまして、かつまた陣容からいたしましても、研究蓄積からいたしましても、相当程度に熱帯農業研究という側面で活用し得る状況にもあるというふうに考えますので、農林省といたしましてこの仕事を伸ばしてまいる、必要に応じて外務省の協力も得てまいるという体制で進みたいと思っております。
○淡谷委員 農林省が主になってやって、必要に応じては外務省の援助を得るという形ですね。そういうケースで、しかしかなりな規模になるとすれば、非常に日本の外交の方針というものは多岐にわたることになるんじゃないですか。外務省の方針によってそういうふうな国際関係が進められて、その必要に応じて農林省に援助を求めるのは、これは順当だと思うのです。これはブラジル移民の場合も盛んにそういうことが言われました。これは完全な移民ですから、農林省では無理じゃないかということでやったんですけれども、これはどうしても外務省でやらなければ国際関係だからだめだということで、いま言ったような形になった。そのためにさまざまな欠点を生じているようです。生じているようですが、一方は農業移民でも外務省がやる、一方では技術研究による援助でも農林省がやるということは、何か方針に二つの違いが生ずるように思うのですが、これはひとつ次官からお答え願いたいと思います。
○小沢(辰)政府委員 おことばではございますが、この熱帯農業研究センターというものは、先ほど来、もう午前中から、るるお答えを申し上げていますように、熱帯、亜熱帯の農業の、いろいろ技術、試験研究の関係でございますから、本来私どもがやるのがむしろほんとうでございまして、ただ、その相手国とのいろいろな、他の面から、あるいはまた私どもの研究がさらに効果を得るために必要な外国との折衝やその他があった場合に、当然外交を所管する外務省の協力なりあるいはまたいろいろな援助を求めていくということもあり得るかと思いますけれども、本来農林省がやるべき仕事だ、私どもはかように確信をいたしております。
○淡谷委員 農林省が国際的な農業研究をやるという方針を立てられたわけだと思いますけれども、さっきも聞きましたとおり、現地では、向こうの研究所におるわけでしょう。現地の外国の研究所に行くわけですね。沖繩でも外務省の職員並みの待遇をされるわけでしょう、完全に。将来やはりこういう例が農林省で随時出てきて、必要に応じて外国に行く場合でも、あくまでも農林省が主になってやる方針と考えてよろしいでしょうか。これは特に農業者大学校のこともありますけれども、実際に日本の農業技術を現地に普及し、現地の農業に貢献するために、農業者大学校などが、そこで修練を積んだ日本の青年を向こうに送るなんという構想はないのですか。
○大和田政府委員 農業者大学校の問題につきましては、これは当然自分のところで農業をしっかりやる、あるいはそれが自分の村なり郡なり県なりにとって指導的な役割りを果たす農家をつくるというような趣旨でありますから、農業者大学校で教育した人を東南アジアに送るということではございません。
○淡谷委員 農業者大学校はあくまでも国内の農業に貢献する、熱帯農業研究センターはこれは現地の立場からやる。それでは、この農業者大学校を設けるにふさわしいような、何か国内の農業に対して、午前申し上げました、小麦その他の畑地農業についても、農業者大学校を卒業した者が喜んで従事し得るような研究をもっと強力に進めるお考えはございませんか。
○大和田政府委員 農家、特に青少年の自営者の教育につきましては、各県に伝習農場等々それぞれの機関がございますけれども、やはりこの際りっぱな農家をつくる。それは単に学位の面だけではなくて、やはり農家としての実践の面でもりっぱな農家をつくるということで、中央でやるわけでございますけれども、その人たちが自分の経営として一体どういう農業をやるかあるいはそういうりっぱな農家が農業経営できるような地盤をどういうふうにつくるかということは、これは農政としての大問題でございまして、私どももそういう優秀な青年が農村に残って自営できるような環境をできるだけつくりたいということで現在やっておるわけでございます。 なお、今後の問題はございますけれども、たとえば昨年度国会で御承認いただきました、農林漁業金融公庫法の一部改正で、総合資金制度というものをつくりまして、相当りっぱな農業をやる農家のために、まとめて、少なくとも八百万円までは、長期、低利の金を公庫から融資するという制度をつくったこともその一つでございまして、私ども農業者大学校でいい農家の教育をやりましても、それが生きる道が現実にないということは、はなはだ困った事態でありまして、そういう人たちが活発に活動できるような環境をできるだけつくるように努力をいたしたいと思います。
○淡谷委員 外国の農民にも指針を与えるほどの抱負を持っておる農林省ですから、せっかく集めた農業者大学校の人たちに夢を与えないような貧弱な農政ではないだろうと思う。具体的に現在農村の青年がどんどん都会に流れてきて、農村の労働力が急激に低下する。ひどいのはもうたんぼや畑をつぶして木を植えたほうがいいという悲しい緑化の現象が出ているのです。大学校をつくるほどの農政の方向ですから、この際農民が夢をつなぐような農村をつくるというのはどういう構想でおやりになるのかお伺いしたいと思います。これならなるほどおれたちやってみようかというような、概略でもかまいませんが、将来の方向をお聞きしたい。
○大和田政府委員 いま御指摘になりましたことが農政の大問題であろうことは、先刻御承知のことでございます。私ども現に国会に農地法の一部を改正する法律案の審議をお願いし、また農業振興地域の整備に関する法律案、あるいは農協法の一部を改正する法律案等々の御審議をお願いいたしておりますのも、何といいましても経営面積があまり狭過ぎるとやはり男子が一生の仕事として農業を選ぶことにちゅうちょするのが一般でございますので、簡単にいくことではございませんけれども、個別経営ができるだけ伸びるような方向を考えると同時に、個別経営として伸びがたいような地帯におきましては、農協等を中心にして、やはり集団経営組織で、有能な人たちが個別の経営として残ると同時に、その生産組織のリーダーとして十分自分で駿足を伸ばすように、そういう条件をつくるために現在いろいろな施策を講じておるわけでございます。
○淡谷委員 もう少し詳しく御教授願いたいと思うのですが、大体この日本の将来の農業は、さっきお話を伺いましたけれども、食糧自給の線を堅持して、果樹なり畜産なりをさらに成長をさせるということは、これは常道だろうと思うのです。いままでの農業基本法というものは、その需要の確保がほとんど言われていないのですね。政府が責任をもって出した以上はやはり農業基本法が主になる。いまになってみますと、あの基本法が時代に必ずしも合っていないとしばしばいわれますけれども、この際あの基本法に大幅に手を入れて夢をつなぐような農業をはっきり政府の責任で提示するような御用意はございませんか。これも大臣に対する質問らしいのですが、かわって次官からお答えを願いたい。農業基本法を考える意思があるか、ないか。
○小沢(辰)政府委員 先生おっしゃるように、新しい農業のビジョンといいますか、そういうものを青年に与えて、この大学校で教育を受けた者がそれぞれの農村にあってりっぱな村づくりに協力していくということは、ほんとうに一番いま私どもがこれからやろうとする大事な点でございまして、したがって最近私どもは農政審議会に、実は大臣から、昨年長期見通しを立てて以来、ほんとうに今後とるべき農業の方向、あるいはその内容ということについて真剣に御意見を討議していただいて、承りまして、これをもとにいたしまして、ぜひひとつ先生おっしゃるような方向をはっきりと示していただきたいということでいませっかく実は御検討を願っておるところでございます。その農政審議会の答申をいただきまして、ぜひ新しい方向といいますか、青年が魅力を持って農業に安定するという方向を打ち出したい、かように考えておるところでございます。
○淡谷委員 農政審議会に農基法の改正を前提とした諮問がなされているわけですか。
○小沢(辰)政府委員 農業基本法の改定を前提とした諮問はいたしておりませんけれども、私どもは農業基本法のあの考え方をいま大幅に変更するという考えを持ってはおりません。しかし、あの基本法をもとにして、さらに新しい時代に即応して、内外の情勢が非常にきびしくなり、国際的な環境もきびしくなってきておりますので、また一方先生も午前中以来御指摘のような農業の諸問題等がいろいろございますから、こういう点をひとつ当面いろいろ問題点を提起しながら、新しい総合的な農政の方向について御意見を承って、新しい方針を打ち立てていきたい、こういうことでございまして、農業基本法を改正するという前提で農政審議会をお願いしているわけではありません。
○淡谷委員 そう憶病にならぬでもいいのじゃないですか。基本法があのままでいいのなら別だ。いまばたばたする必要はない。午前中からの答弁を聞いておりますと、あの基本法のワクでは入らないものがたくさん出てきております。農地の基準なども取りかえなければだめでしょう。いまの発達した農業機械を使うには、あの基本法に示された農業の規模ではできるはずはないでしょう。むしろこれは基本法とはいえども、時代とともに変化していくのは当然のことですから、もっとやはり次官も大胆になって、大臣のしりひっぱたいて基本法は変えなさいと言うぐらいの勇気を出していただきたい。そういう勇気をお持ちでございましょうか。あえて御答弁を求めます。
○小沢(辰)政府委員 やはりいままでの農業政策を考えてみますと、何といいますか、勇ましいととも大事でしょうけれども、長期的な視野に立った、しかも慎重な検討ということが私は大事じゃないかと思うのでありまして、そういう点から考えますと、先生の御意見ではありますが、どうも政治家としても、農林次官としても、私は思い切った答弁がなかなかできない。やはり日本の農業の相当長期のことも考えつつ慎重に、そのかわりきまりましたら、これはひとつ大蔵省なり他のいろいろな協力を得まして勇敢に実施しなければいかぬと思いますけれども、その方針のきまるまではやはりこれは慎重にいたしませんと、むしろ従来そういう欠陥があちこちに出ているような気もいたしますので、むしろ慎重に十分あらゆる角度から検討さしていただきたい。
○淡谷委員 次官としては非常に慎重な御答弁でございました。あの当時われわれも自身の基本法を持っていまして、これはもうさまざまな議論をいたしました。その基本法が正しかったか、正しくなかったかは、あとの実績で判断する以外にない。今度大臣御出席のときにいろいろと御質問申し上げたいと思っておりますけれども、やはりあの基本法がどうしても時代に即応しないというような形がかなりはっきりしてきているわけです。耕地の面積から、あるいは農業構造の上から、成長部門の選択のしかたから、さまざまな実際に合わぬものが出てまいっておりますから、これはむしろ大胆にこの辺で新しい改定の方法を打ち出したほうがあらゆる農政の生きる道だと私は考えております。 これからはお宅の家庭の事情もございましょうからこれ以上追及はいたしませんが、それと非常に関係のありますものが、今度の農政局の改組なんですね。従来の農政局はわれわれ屋上屋を架すようなもので無用なものであったということで反対したのですが、やはり無用であったのでしょう。それで今度これにかわるべき改組があったと思うのですが、これもひとつ頭を下げたらどうですか。
○大和田政府委員 ちょうど地方農政局ができまして六年ぐらいですが、当時地方農政局設立の趣旨として申し上げましたことは、やはり戦後の農業が地方的に非常に分化をいたしまして、農林省が霞が関で四十六県をにらんで仕事をするよりも、地方別に農林省が出ていって地域の実情に合わした農政を行なうべきだということであったわけであります。私ども大勢としては、やはりそうあるべきであったというふうに考えます。たとえば農業構造改善事業のように、相当莫大な国費を使い、また相当広範に行なわれたものにつきましても、これはほとんど本省は関知をいたしておりませんで、地方農政局が一本で、事を処置したわけであります。確かに御批評もございまして、二重行政といい、地方農政局ではなかなか片がつかないで、本省へ行かなければ話の片がつかないという面も、残念ながらありますことは確かでございます。しかし、そういうことができるだけないように、私ども、いままでもつとめておりましたし、今後も十分——権限を単に形式的におろすだけでなくて、やはり実質的に権限をおろして、農政局の発足のときの構想を生かしたいというように思うわけでございます。 そういう趣旨で、統計調査事務関係を地方農政局に取り込み、またある意味では農業と林業は、農山村あるいは山村では一体のものでございますから、農業と林業といいますか、民有林とをあわせて行政ができるような体制を、今度新しくつくろうということでございます。地方農政局をつくりまして、何から何までうまくいっておるというふうには、私、決して申しませんが、地方農政局をつくって、とにかく地域の実情に合わせてきめのこまかい行政を行なおうという趣旨は、私は相当程度生かされたと思いますし、またそれを新しい衣がえをして、そういう方向で農政は進めるべきだというふうに考えております。
○淡谷委員 私たち、地方からの陳情を受けるほうの立場なんでございまして、しょっちゅう言うのは何かというと、農政局ができてから、わざわざ仙台へ寄って、東京まで出てこなければならないというのが非常に多いのです。おそらくあなたのほうもそうだろうと思います。新幹線ができたり、交通が非常に便利になって時間が短縮されたにもかかわらず、機構だけはだんだん複雑になるということは、これは考えものだと思う。ほとんど二重行政だと思うのです。これは率直にお認めになっていいと思うのです。ただ今度、この農政局の名前までを変えまして、林野行政をやろうという構想は、さまざまな問題を含んでいると思います。林野庁との関係はどうなるのですか。
○大和田政府委員 林野庁の仕事といたしましては、当然国有林の管理と民有林の行政とがあるわけでございますが、国有林の行政につきましては、当然そのまま行ないますが、民有林の管理も、全部が全部ということではございませんで、先ほど申し上げました山村あるいは農山村なりで、農業と一体になって行なうことがいいようなもの、たとえば林業構造改善事業などというものは、私はその適例だと思いますが、農業構造改善事業は一切地方農政局で処理されて、林業構造改善事業は全部本庁にくるということが実情でございますけれども、そういう仕事は、やはり地方農林局で農業と林業あわせて構造改善事業を進めるということが、私は山村あるいは農山村の開発にとって、非常にプラスになるというふうに考えております。
○淡谷委員 いまたいへんやかましく問題にされております国有林の活用法案、これは民有林の場合は農業と結びつけた森林経営のほうに力を入れるといいますけれども、本来所有がだれであろうと、林野の持つ農業に関する関係というものは、生かし得ないのは、民有でも国有でも同じようなものを持っているのじゃないですか。土地を広げようとすると、国有林の多い東北地方では国有林にぶつかるし、民有林が多い関西、関東では民有林にぶつかる。その場合に国の農政の方向から見て、国有林ならばこれは開拓させるんだが、民有林には手をつけないという非常に憶病な態度を今後もお続けになるおつもりですか。そのために林野庁には国有林を持たしておるのだが、今度の農政局の改組の構想で、ちょっと民有林に手をつけてみょうがなというところも見えるのですが、一体耕地を拡大する場合にどれだけの勇気を持ってやろうというのですか。農業上から見た民有林と国有林はどこが違うのですか。
○大和田政府委員 国有林の農業的利用につきましては、現在国有林の活用をやっておりますし、またその法制化について国会に御審議をわずらわしておるわけでございますが、民有林につきましては、直接所有権に、いわば強権を持って触れることはなかなかむずかしい問題があるわけでございますが、たとえば畜産的な利用についてその利用権を設定することは、今回の農地法の改正の一部に入っておるわけでございます。また開拓パイロット事業として開拓、開墾等々が行なわれておりますが、その場合も強制をもって民有林について処置をするということはやっておりませんけれども、やはりそのときどきの時点に応じて行政庁が、いわば中に入って所有権の移動あるいは利用権の設定等について骨を折っておるわけで、私ども農用地の増大、それが合理的な基盤に立って行なわれる限り、やはり進めるべきものと思いますので、民有林については強権を用いることは差し控えますけれども、それ以外の方法では、相当積極的にいろいろな手を打ちたいと考えておるわけであります。
○淡谷委員 私の聞いているのは、国有林と民有林とが所有権の関係ではなしに、それ自体として農業に持つ環境は同じことではないか、国有林はじゃまにならないが、民有林はじゃまになるということはないでしょう。いま民有林で一番大きい民有林はどのくらいのがありますか。
○片山政府委員 御存じのように、全面積の三分の一は国有林で三分の二が民有林でございますが、その中で先生のおっしゃる大面積の所有の民有林でございますが、私の調査いたしました概数で数字がちょっとあれですが、大体私の記憶でいいますと、二十ヘクタール以上のものは八千七百程度でございます。それから、いわゆる大面積所有という五百ヘクタール以上の林家となると、これは三百戸から五百戸の間くらいと承知しておりますが、手元に詳細な数字を持ってきておりませんので、大体そのような程度だと思います。
○淡谷委員 国有林を主としてやっておられる林野庁では無理かもしれませんが、農林次官にお聞きいたしますが、日本では大山地主というのは何人くらいいますか。しかもその大山地主の持っている面積はどのくらいありますか。
○片山政府委員 ちょっと手元にございましたが、先ほど八千七百戸と言いましたのは、五十ヘクタール以上でございます。それが八千七百戸でございます。面積にいたしますと、民有林面積の一七%程度が五十ヘクタール以上の八千七百戸の中にあろうかと思います。 それから五百ヘクタール以上の林家でございますが、これは私の手元の調査によりますと、二百五十七戸でございます。その面積は民有林面積の大体四%に相当する、かように思っております。
○淡谷委員 千ヘクタール以上の山林地主もいるでしょう。実測で一万町歩以上の地主がいますよ。個人が持つにはとても大き過ぎますな。しからば、なぜこういう所有関係の分離が生じたか、東北、九州地方には国有林がまだ多くて、その他の地方では民有林が非常に多い。土地の所有権は物件の所有権と若干違ったものがありますね。明治維新後を契機にして土地の所有関係が変わってきているでしょう。その境を中心にして、どうしてある地方には国有林がふえ、ある地方には民有林がふえたのか、その点を明らかにしてもらいたいし、同時にまた、現在におけるこの土地の所有権の限界というもの、これは戦争があったといえばそれまでですが、田や畑の所有は制限されておりますが、山林原野は制限されておりません。そのために、いまや非常に猛烈な勢いをもってこの山林原野の土地兼併が行なわれている事実に目を閉じるわけにいかない。一体、一方にはたくさんの国有林がありながら、なぜ一方には国有林がなくて民有林がふえたかというその辺の原因をお答え願いたいのですが、これはやはり大臣の問題じゃないですか。そこに非常な今度の国有林活用法案の混乱がある。もし土地というものが、非常に広義の利用権の上に利用されるものであれば、国有も私有もあまり関係ないですね。所有権の問題があるから、憲法の問題が起こってくる。したがって、文字どおりの活用だけに限るならば、これはかまいませんけれども、何か国有林をばらして私有にしようといったところに問題がある。私は明治維新にさかのぼって、なぜ個人個人がばく大な山林原野を所有するに至ったかということを——それは、まあ明治以前のものもありましょうけれども、あのときは非常に多かった。つまり明治維新の土地所有権というものは、どういうものであったか。明治維新の一般の土地所有の権利というものは、現在の民法上の権利とは若干違ったものがあることは事実です。そういう点を歴史的に明らかにしてもらいたい。これは今後、日本の理想的な農村形態をつくる場合にも憲法がじゃまをするかもわかりませんけれども、やはり憲法をたてにしてそういう国有林がはだかってくることは、これは相当考えなければならないですね。何といったって農業というものは、土地が基盤ですから、土地関係がはっきりしておりませんと、健全な農業発展はできないと思うのです。 これは委員長、お願いいたしますが、やはり国政の、特に今後の農政の重要な問題でもありますから、大臣が出席されたときに、なお質問を続けたいと思いますので、きょうはこれくらいにして保留しておきたいと思うのです。
○浜田委員 関連して。今度の法案の中に、統計調査事務所が、農林局になったときに、そこに入るようになっておりますが、特に水産市場の魚価等の資料は、そこでいままでやっておられると思うのですが、これが農林局になって、そこに入ったときに、いろいろ機構もいじくられると思うのですが、それらの調査——各市場価格等の調査ですが、広く早くまとめ、知らしめなければいかぬと思うのですが、これらに支障を来たすようなことはないのですか。
○森沢政府委員 御承知のとおり、水産行政は非常に特殊な面でございまして、一般的には水産庁の出先は、従来の農政局の中にはございませんで、水産庁の行政はごくわずかでございまして、水産庁の出先機関と都道府県とを下部機関といたしまして推進をいたしております。ただ、いまおっしゃいますようないろいろ流通面の問題、これは農業ともからむ問題が非常に多いわけでございますが、今度の機構改革によりまして、直ちに情報が集めにくくなるとか、そういうようなことはない、そういうふうに考えております。
○浜田委員 支障があったのでは、この機構改革の法案は悪法だということになりますから、ないと言われると思いますが、広く早くまとめなければならぬと思いますが、それが農林局に改組されて、そこの中でそういうふうに広く早く調査ができ、さらにその答えが出るかどうか、非常に疑問があるのですが、そういう点はどうですか。
○岩本説明員 お答え申し上げます。 先生の御疑問は、地方農政局が地方農林局になりましても、これは水産行政を所管しませんので、その行政を所管しません農林局の中へ統計調査事務所が入ってきまして、統計調査事務所の傘下には水産統計を所管する部門があるわけでございますが、はたしてうまくいくかという御心配であろうかと思います。ごもっともな御質問で、私どももその対策に万全を期したいと考えておりますが、かりに統計調査事務所が地方農林局に入りましても、地方農林局に入りました統計調査事務所、これは将来農林局の統計調査部になりますが、そこにおきます水産統計課を一つの拠点にしまして、私ども中央とそれから末端の県なりあるいは水産庁の出先の漁業調整事務所等を十分連絡はとって、統計の作成上あるいは利用上そごがないように連絡協議を十分やりまして、機構を十分運営していきたい、こういうふうに考えておりますので、御心配の点よくわかりますが、御心配のようなことの起こらぬように万全の努力を尽くしていきたいと考えております。
○浜田委員 これは、またうちの華山委員等が十二分に統計問題について質問をなされると思いますから、この質問はおきまして、せっかく水産庁がおいでになっておりますから、一つ水産行政で御質問申し上げたいと思うのですが、特に沿岸漁業について、さらにその中でも瀬戸内海の沿岸漁業という問題は、大臣が来たときに関連質問をすることにしましても、今日、瀬戸内海へあれだけの工業、コンビナートの進出、さらに明石海峡に橋をつくるとかあるいは来島水道に橋をつくるとか、あるいは瀬戸内海というものは、いままでは漁業船が優先権といいますか、権利船だったのが、海上交通法ができますと、逆に漁労するものが義務船になる、こういう事態が発生する。そうすると、なおさら沿岸漁業というものは漁場が狭められてくると思うのです。瀬戸内海というのは、しばしば聞くのですが、世界でただ一つの養魚場だといわれている。この瀬戸内海の漁業面から見たときの位置づけを、他の省とどういうように折衝されつつあるのか、こういう点について……。
○森沢政府委員 瀬戸内海の漁業は、いまお話がありましたように、漁業の経営体の実態におきましても、またいろいろな各種類の漁業がありますことにおきましても、まさしく日本の沿岸漁業の縮図でございます。現在、公害問題あるいは埋め立て問題、それから御指摘の海上交通法案等、いろいろ漁業の生産の足を引っぱるような問題が出つつございますけれども、私たちは、瀬戸内海というところは、そういうふうないろいろな要因はございますけれども、海の生産力という点から見ますと、まだまだ豊富な生産力を包蔵いたしておりますので、むしろ瀬戸内海の漁船漁業を中心とした経営、現在、養殖もかなり出てまいりましたが、将来漁船漁業、養殖漁業ともに新しい技術を使いまして、積極的に有用な魚種をあそこへ農業式に栽培しながら、漁船漁業なり養殖漁業を進めていくというような構想を考えております。現在、国の金で施設をいたしまして、民間の社団法人に運営を委託しております瀬戸内海の栽培漁業センターというのはその構想の一つでございます。私たちは、技術的にはそういう新しい技術を使えば瀬戸内海の海の生産力というものをまだまだ豊富に活用できる余地がある、こういうように思いますが、ただいろいろマイナスの要因等が生じますおそれもございますので、総合の開発計画でございますとか、あるいは瀬戸内海に橋をかける問題でございますとか、海上交通の問題というのは、その計画の内容につきまして運輸省、建設省あるいは経済企画庁等とも十分協議をいたしまして、近代工業で立地をすべきところ、さらにレクリエーションをあわせまして漁業で大いに発展をすべきところというものをしっかり仕分けをして施策を進めていくというような方針で、努力をいたしておるつもりでございます。
○浜田委員 いま、仕分けをしてやっていくのだ、こういうことですが、国土総合開発の中ではどういう位置づけをやっているのですか。
○森沢政府委員 あの計画は御承知のとおりかなり広大な規模のものでございますが、その中における漁業の位置づけといたしましては、瀬戸内海が増養殖を含めまして現在国民の食生活に非常に嗜好の多い比較的質の高い高級な魚介類の供給場所としては非常にいい立地を持っているという点を強調いたしまして、先ほど申し上げました栽培漁業あるいは増養殖、そういうものができ、比較的海水の汚濁等からは守られやすいところ、そういうものを水産庁といたしましても沿岸漁業の構造改善事業等との関連におきまして十分にらみまして、産業間の調和をはからなければならぬこと、もちろんでございますけれども、どうしてもそういう有用魚種の再生産のために必要であるという場所につきましては、なるべくそういう漁業の施策を優先させていくというふうな考え方で調整をしていきたいと思っております。
○浜田委員 国土総合開発の中で私はやはり瀬戸内海自身の——確かに御指摘のように優先させてやっていくんだと言われるが、ほんとうに天然の養魚場としての位置づけをするのなら、政府としてはこの国土総合開発の中できちっとしたものを出さなければいかぬ。それは部分的には、周防灘のほうにコンビナートづくりをするのだということを出しておる。それはいま播磨灘からずっとああいうところへずらっとコンビナートが進出して来ておる。さらに水島しかりです。今日十万トンタンカー、二十万トンタンカーが事故を起こしたら、あれだけ潮流を持っている瀬戸内海は全部だめになりますよ。これは危険の点もそうだけれども、養魚というものは全部だめになる。そういうのにこのコンビナートをつくることは、私は残念だけれども力に押されておるような気がしてしかたがない、口ではそういうことを言うけれども。だからほんとうに政府の中で——特にこれは何といったって、言われておるように絶対いいところ間違いない、世界どこへ行ってもないというのだから、だからこれはほんとうに水産庁が言われるようなそういう位置づけをしようと思うなら、政府の中でもっときちっとした位置づけをしてもらわぬと、ただ口で言ったってコンビナートとかそういうものがどんどん進出してしまう。これは観光、そして養魚、こういうもので言われるけれども、そんなものじゃなくして、実際は資源がそういうことで枯渇してしまう。さらに大きな被害が起きたら全面的にだめになってしまう。こういうことをやっていたのでは幾ら口で言ってもだめです。時間がございませんからこれは議論いたしませんが、そういうことで水産庁、農林大臣——また大臣のときは角度を変えて質問をいたします。ひとつきちっとやってもらわなければならない、決意を持ってやっていただきたいということを要望して、終わります。
○藤田委員長 次回は来たる八日午前十時より委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。 午後四時十五分散会