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61回国会衆議院1969/04/22

内閣委員会 第18号

発言数
28
登壇者
6
会派数
2
開催日
1969/04/22

会議録

藤田義光自由民主党

○藤田委員長 これより会議を開きます。  法務省設置法の一部を改正する法律案を議題とし、質疑に入ります。  質疑の申し出がありますので、これを許します。浜田光人君。

浜田光人日本社会党

○浜田委員 ただいま上程になっております法務省設置法について質疑に入りたいと思いますが、いろいろ提案説明等を読んで、この法案を見ると、きわめて事務的なように思うのであります。わずか三ページの法案ですが、この提案されましたねらいといいますか趣旨といいますか、そういうことについてもう一度御説明をいただきたいと思います。

辻辰三郎法務大臣官房長

○辻政府委員 お答え申し上げます。  御審議をお願いいたしております法務省設置法の一部を改正する法律案の骨子でございますが、この改正点は四つの点がございます。  第一点は、中央矯正研修所と地方矯正研修所を統合いたしまして一つの矯正研修所としてこれを設けまして、地方研修所にかわるものといたしましては、この新たに設けられます矯正研修所の支所とするということでございます。これは機構の簡素、合理化と矯正職員の研修の充実化をねらうものでございます。  第二点は、市原市に市原刑務所を設置し、また浦和刑務所を廃止するという点でございます。これは現在、いままで習志野に千葉刑務所の習志野支所がございまして、東京周辺の交通違反を犯しました禁錮刑の受刑者を集禁いたしまして、そこで特別の矯正教育を施しておりましたが、この習志野支所が市街地になりました関係で地元の習志野市から移転の要請がございました。この要請を受けまして、新たに千葉県の市原市にこの習志野支所にかわる刑務施設を設けまして、将来これを刑務所の本所にいたしまして、市原刑務所といたしたいという点が一点と、もう一点は、浦和刑務所を廃止するという内容でございますが、浦和刑務所につきましても、これが市街地の中心地にあります関係で、いろいろ地元から移転の御要請がございました。これにつきましては、多年法務当局で努力をいたしたわけでございますが、今般川越に現在の川越少年刑務所と現在の浦和刑務所を統合する規模の新しい刑務所ができることになっております。これがおそらく本年の十月ごろには完成すると思うのでございますが、そういたしますと、この浦和刑務所を廃止するということでございまして、刑務所の設置と廃止を内容とする点が第二点でございます。  第三点は、塩釜市、直江津市、蒲郡市、冨山市及び水俣市に入国管理事務所の出張所を置くという点でございます。これは現在入国管理事務所の出張所は全国に七十一ございますけれども、やはり外国船の出入が漸次活発化してまいりまして、ただいま申し上げました五つの港におきましては、現在はそれぞれもよりの事務所から出入国の審査を出向いて行なっておるわけでございますが、これらの五つの港につきましては外国船が非常にたくさんふえてまいりましたので、ここに出張所を設けまして職員を常駐せしめ、これらの出入国の審査を促進していきたい、こういうねらいの出張所の設置が五つでございます。  最後の第四点は、行政区画の名称の変更に伴いまして法務省の別表にございます刑務所の位置を直していただく点でございまして、これは現在の旭川刑務所が北海道上川郡東鷹栖村になっておりますが、この東鷹栖村が町に改まりました関係で村を町に直すという全く技術的な改正でございます。  以上、四点が法務省設置法の改正案の骨子でございます。

浜田光人日本社会党

○浜田委員 ただいま矯正研修所の合理化、こういうように御説明いただいたわけですが、刑務所は合理化されて少なくなったりすることは喜ばしいことだと思うのですが、この研修所の合理化等で内容なり研修のレベルといいますかそういうものが低下する心配はないのかどうか。できれば内容についても御説明をいただきたい。

勝尾鐐三法務省矯正局長

○勝尾政府委員 研修所の統合の際に私のほうのねらいといたしますところは、現在の中央矯正研修所、これは東京に一カ所ございます、地方研修所が各ブロックごとに一カ所、合計八つございますが、現在の制度のもとでは中央矯正研修所と地方矯正研修所がそれぞれ独立でつながりがないという点、これをやはり中央矯正研修所と地方の矯正研修所との間に統一的な計画的な研修をやりたいというのが第一点でございます。  なお、内容につきましては、中央矯正研修所におきましてはいわゆる現在幹部の研修を重点的に行なっております。地方研修所におきましてはいわゆる中堅以下の職員の研修をやっておりますが、最近矯正処遇の面につきましていろいろな新しい学問あるいは技術が導入されてくるようになりまして、より一そうきめのこまかい矯正教育をしなければならない、こういうことで地方研修所の従来の研修のほかに作業あるいは教育関係あるいは分類関係といった専門的な研修を地方研修所に新たに加えていくということで内容的に従来以上に充実した研修を行なってまいりたい、このように考えております。

浜田光人日本社会党

○浜田委員 ですから、この合理化に伴って矯正支所の目的はより達成される、このようにお思いになっているわけですか。

勝尾鐐三法務省矯正局長

○勝尾政府委員 そのように考えております。

浜田光人日本社会党

○浜田委員 それはやってみなければわからぬでしょうが、いろいろ今日法務省関係でも問題がある。そういうときに機構をいじったりするときは、ただいま御答弁なさったように前向きで充実し、さらに職員の資質の向上、これがねらいでなくちゃならぬと思うのです。  そういう点から大臣にお聞きするのですが、去る二十五日にあなたは新聞の記者会見であたかも裁判権に介入するような発言をなさっておられる。いろいろ法務委員会等における議事録も読んでみましたが、私たちも院外ではございましたが当時あの新聞を見まして、ああ法務大臣はとんでもないことを考えておられるわい、本委員会でも行政権が立法権に介入するような制約するようなことをしばしばやるといってずいぶん議論してきたのですが、今度は行政府が司法権に介入するようなことを、これはもう総理以下みな閣僚が考えておられるのではなかろうか、たいへんなことだ、こう思ったのです。したがいまして、そういう点について、まあ法務委員会ではいろいろ弁明はしておられますが、ほんとうに大臣として当然のことだと思いますが、憲法における三権分立の問題、そういう観点からどういうお考えなのか、まずそれを第一点として明確に御答弁いただきたいと思います。

西郷吉之助自由民主党法務大臣

○西郷国務大臣 いまお話しのとおり、先般の法務委員会でも釈明させていただいたのでございますが、記者会見におきまして不用意なことばを使いましたために、非常に誤解を与え、御心配をおかけしましてまことに遺憾に思っておりますので、即時申しましたことを取り消しいたしましたが、今後そういうことのないように発言は慎重にやってまいりたいと考えております。

浜田光人日本社会党

○浜田委員 所信のほどはわかりますが、それだけ外に向けて厳然たる姿勢というか強い姿勢というか、西郷大臣がそういう姿勢を持っておられるなら、当然内部に向けてもそういう厳然たる姿勢を持たなければならぬ。さらに強いばかりが武士でもないでしょうし、それだけ自分の配下といいますか、法務省内においては局長以下ほんとにその機構に所属しておる公務員が、法務大臣のもとなら、西郷大臣のもとならということにならなければならぬと思うのですが、内部に対してはどういうお考えで法務大臣の職責を果たそうとしておられるか、そういう点についてお答えいただきたい。

西郷吉之助自由民主党法務大臣

○西郷国務大臣 御承知のとおりに、法務省は国の法秩序を維持いたしまして、重ねて人権を擁護するという、現在民主主義的なわが国の面から申しまして、非常に重要な仕事をやっておりますので、私はじめ全職員一致いたしましてこの重大使命を遂行する、そういう慎重な心がまえでやっておるつもりでございます。

浜田光人日本社会党

○浜田委員 今日いろいろ裁判について——さっき所信を聞いたからいいのですが、特に検察庁、検事の勤務、仕事ぶり、そういうことについてどういう見方、把握のしかたをしておられるか。

西郷吉之助自由民主党法務大臣

○西郷国務大臣 御承知のとおり、検事の職務は非常に重要であることはもう申すまでもないのでございますが、しかし、今日までも最高検をはじめ検察庁全体として職務に責任を持ち、よくやってきているとは思っておりますけれども、しかしなかなか世の中も複雑になってまいり、いろいろの事犯もあるわけでございますから、これらに十分に対処いたしますためには、検察において慎重にものを判断するということがきわめて大事だと思いますので、機会あるごとにそういうことを訓示しておる次第であります。

浜田光人日本社会党

○浜田委員 回りくどい質問をせずずばり質問いたしますが、私の知ったところでは、こういうビラが張ってあるのですよ。このビラには「悪質検事糾弾大演説会」とある。悪質検事、こういう検事がおるのかどうか、こういう糾弾されなければならぬ悪質な検事がおるのかどうか、まず大臣の答弁を願いたい。

川井英良法務省刑事局長

○川井政府委員 検事もたくさんおりますので、仕事の面で各方面からいろいろな批判を受けておりますけれども、私どもいままで見た範囲内におきましては、検事の身分につきましては、身分と職務との関連においてそれを吟味するいろいろな組織や機関ができておりますので、そこでもって批判を受けた事項について、検察官の身分と職務との関係についていろいろ議論が過去においてなされております。しかしながら、その実績を見ましても、そういう場でもって議論されまして、職務の適正に疑問があるというようなことで、格別最近罷免になるとかあるいは特別の勧告を受けるとかというふうなことは例がないわけでございますので、私ども法務当局といたしましては、いろいろ御批判は世間にありましょうけれども、内容におきましてはみんなが最善を尽くして職務を遂行している、かように考えております。

浜田光人日本社会党

○浜田委員 そうすると、こういうのはかってな批判であって、部下の検察官にはこういう検事はおらない、こういうように言われておるわけですか。

川井英良法務省刑事局長

○川井政府委員 私、そのビラをただいま初めて拝見いたしましたので、そこにいうところの悪質検事なるものは、具体的にはどういう事項をさし、またどういうふうなことを行なった検察官をいうのか、必ずしも具体的にははっきりいたしません。私どもといたしましては、いわゆる悪質検事であるということで世間一般から指弾を受けるというふうな者はないものと確信をいたしております。

浜田光人日本社会党

○浜田委員 ビラはビラだから、それはこう見てもようわかる、こんな大きなものなのだから。しかし、これは四月一日といわれるが、もう一月ほど前からビラが張ってあるのですよ。さらに御丁寧に、いろいろなパンフレットが出ているのです。これを張っていろいろなものが出ているのです。それでいま御答弁なさったようにほんとうにおらないとすれば、検察当局なりあるいは少なくとも法務大臣がさっき言ったように、外に対するばかりでなくして、内に対して、部下を失うまいとするならば、こういうことこそ明確にしておかなければならない。部下を何というか、こういう事実がないのに糾弾されることはないのだということを明確にしてやることが、部下が一生懸命やることなのでしょう。だからそういう意味で、それはいままでそういうことを知らなかったとかなんとか言ったんでは、これは重大問題です。たくさんの国民ですから批判もあるでしょうが、これだけのことをやられておるのに、初めて見ましたので具体的には知りませんでは、これは西郷大臣、幾らあなたが厳然たる姿勢で臨み、さらにその部下をほんとうに法務行政には一〇〇%携わらす、こう言われても、これではついてこなくなるでしょう。意見がだいぶ入るけれども、どうです、こういう事柄をほんとうに知らないのですか。

川井英良法務省刑事局長

○川井政府委員 そのビラそのものは初めて見たのでありますけれども、おそらくそこに書かれておりますほかの文字との関連におきまして、そういうふうな特定の検察官に対しましていろいろな新聞等が配布されておるという事実は、私よく承知いたしております。  そこで、いまそのビラを示されての御質問でありますので申し上げるのでありますけれども、この「悪質検事」とこう書いてございますのは、おそらく書かれた人は非常にお考えになってそういう表現をなさったと思いますけれども、まあ私も長い間、検事でございますが、職務の遂行上いろいろなことを関連して言われてきましたし、また多くのものについていろいろなかなり強い批判が行なわれております。したがいまして、検事でありますから、かなりひどい批判が行なわれても黙っておっていいのだということにはもちろんなりませんし、その表現等にもよりますけれども、そういうような表現そのものが直ちに名誉を棄損するとか、あるいはそのこと自体が著しく検察活動というふうなものに不当な圧力とか牽制とかを加えるというようなことでありますと、これは私ども法務当局といたしまして、検察活動の公正な運営のためにそれぞれ適当な公正な手を打っていくということがもちろん私どもの職務であると思います。先ほど大臣から申されましたように、いろいろな機会をつかまえまして、そして検察活動の運営のために、あるいはその身分の公正な保持のために、いろいろな手と努力を尽くしております。  ただ、具体的な問題として、そのようなビラあるいはそれに関連するようないろいろの文書というふうなものにつきまして、法務当局の立場として直ちにどういうふうな手を打つかというようなことにつきましては、いまこちらのほうといたしまして格別の準備と考え方があるわけでございません。そこで、ただいまそういうようなビラはただいま拝見をいたしました、こういうふうに率直に申し上げたわけでございまして、そういうことに関連いたしまして、検事の身分ないしは検察活動の公正な運営のために法務当局といたしまして何らの考えも持っていない、こういうことではございません。

浜田光人日本社会党

○浜田委員 まあ法律的に名誉棄損とかどうとか、それはやられる事態があればやられるでしょうが、私たちは政治家として、少なくとも、こういうことをやられて——それは演説会でしゃべったとかいうだけではないのだね。こういうものが町々に張られており、さらにパンフレットも出されて、いろいろ検察の派閥と醜状などといわれておる。これでは国民が信頼しなくなるでしょう。さらに大臣、大臣としては、こういうことがやられてどう思いますか。まじめに身をすり減らすほどやっておる検察官はたくさんおると思うのだが、そういう諸君はどういう考えを持ちますか、ひいては、どのように職務を遂行しようと思ってもできなくなるでしょう、そういう点について大臣、所見を伺いたい。

西郷吉之助自由民主党法務大臣

○西郷国務大臣 御説のとおりに私も考えますが、そういうことはいまビラを拝見いたしまして遺憾に思っておりますけれども、しかしその上にもやはり第三者の批判等もある場合もございますので、検察陣営としてはきわめて謙虚に国民の声を聞き、いろいろ非難攻撃のないように、今後とも一そう私もきびしくいたしたいと考えております。

浜田光人日本社会党

○浜田委員 抽象的には国民の批判のないようにと言われるのですが、大臣、少なくともこういうようにきちっと名前を出されてやっておるのですから、まず一億の国民にそういう非難のないように、言われる前に、私は当然こういう該当者にどうであるか、あるいはそんなことをしては、事実ないことだったらこうじゃないかとか、何らか具体的に問題を解決することが、一億の人の言うことにこたえることになるのじゃないか。これは実をいうと一カ月以上になるのですよ。ですから、当然法務当局にも大臣の耳にも入っていると思うのです。したがって、たとえこれが自民党衆議院議員池田正之輔さんであっても、当然そこの辺は明確にして、口で百万言言うよりか——これでは公務員諸君、検察官諸君がほんとうに大臣のもとにおいてどこまでもやるということにならないですよ。しかも重大な問題ですが、これはあなた閣僚の一人ですが、そういう点で、閣議決定事項じゃないでしょうが、問題を取り上げられたことはありますか。

西郷吉之助自由民主党法務大臣

○西郷国務大臣 閣議でその問題につきまして私が発言をしたことはまだございません。

浜田光人日本社会党

○浜田委員 そうすると、口で大臣は一億国民に全部批判のないように、こう言われるけれども、そういうことこそ、ぼくは党なりあるいは総理は自民党総裁ですから、そういうところでやはり問題を煮詰めたほうが国民にもこたえることになると思うのですよ。さらに部内では、事実ないものならこうだと言うことによって、初めて部下といいますか検察官あるいは公務員諸君がほんとうに心からその業務に熱心にまじめにやることになる。そういう要所要所で手を打たなければならぬと思うのですが、どう思いますか。

西郷吉之助自由民主党法務大臣

○西郷国務大臣 ただいま拝見したそのビラの事例と存じますけれども、そういうことのないように大部分の者は非常に真剣に検察で働いておりますので、あれこれ非難を受けないように隠忍自重し、そういうことを繰り返さないように私もつとめてまいりたいと考えております。

浜田光人日本社会党

○浜田委員 委員長、数が足らぬ。これでは流会だ。——法務大臣にはあらためて質問します。

藤田義光自由民主党

○藤田委員長 ちょっと速記をとめて。   〔速記中止〕

藤田義光自由民主党

○藤田委員長 速記を始めて。  この際、暫時休憩いたします。    午後零時十二分休憩      ————◇—————   〔休憩後は会議を開くに至らなかった〕

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