内閣委員会 第15号
- 発言数
- 225 件
- 登壇者
- 14 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1969/04/15
会議録
○藤田委員長 これより会議を開きます。 厚生省設置法等の一部を改正する法律案を議題とし、審査を進めます。 質疑の申し出がありますので順次これを許します。大出俊君。
○大出委員 先週の金曜日だと思いますが、衛生検査技師さんの法改正問題をめぐりまして、実は質問が途中で終わっているわけでありますが、この際大臣のほうから、事の性格、業務の性格からいって業務規制をするということが基本的には正しいという趣旨の御答弁がありまして、ということになると、さて当面どうするかという問題が残るわけでありますから、この点を実は事務当局の皆さんに先般詳しく承っておいたわけであります。 そこで、中途はんぱなかっこうで終わりましたので、重ねてたいへん恐縮だけれども、ひとつ今度の衛生検査技師法の一部改正の要点というべきものを、従来の検査というものが一つありますが、それと臨床生理学的検査というのが入ってくるところ、特徴的に違うのはここだと思いますが、この改正の要点を、主としてどういう点が改正されるかということを、一ぺんさらっと並べていただきたいと思います。
○松尾政府委員 おもな点を申し上げますと、第一点は定義の中におきましてただいま御指摘のような新たに臨床生理学的検査というものを加えたということでございます。それから衛生検査技師と総称される名称の中で、かりに第一種、第二種という分け方をいたしましてその第一種の方は新しく加わった臨床生理学的検査ということができるような免許であり、第二種の方は従来の業務そのままを継続されるような方である、こういう仕分けをしたということであります。 それから第三のおもな問題は、それに関連いたしまして衛生検査技師としての妥当な修業年限、義成所における従来二年以上というものをこれから三年以上というふうに一年延ばして、新しいそういう臨床生理学的検査というものに対応できるような養成計画にしたいということでございます。 その次は、臨床検査施設というものが野放しになっていては困る、そういう問題がございますので、臨床検査施設というものを定義いたしまして、都道府県知事に届け出をさせて、しかるべき監督なり内容の審査ができるようにしたい。 こういう点がおもな改正点でございます。
○大出委員 そうしますと、第一、総則的事項、この定義の中に、先般いろいろ質疑をいたしました臨床生理学的検査が入ってくる。それから二赤目に一種、二種に分けるという免許の問題ですね。 そこで具体的に承っていきたいのですが、従来無試験免許の資格者に対して衛生検査技師なる名称が冠せられ免許が与えられて、その中で、この免許を持っておる人もあり、いない人もあるのですけれども、獣医師の皆さんあるいは薬剤師の皆さん、こういう方々が現実問題としては、資格を取っておられるおられないにかかわらず、衛生検査業務に従事をしておるという現実があるわけですが、獣医さんのほうは所管が厚生省ではないわけでありまして、農林省でございますが、ただ衛生検査技師あるいはそれに類する業務をやっておるという現実がありますので、どのくらいの数、人員数にいたしまして、獣医師の方々が現にやっておるのが大体どのくらいあって、あるいは薬剤師の皆さんがやっておられるのはどのくらいあるのか。そこらのところをどう把握されておるのかをひとつ御説明いただきたい。
○松尾政府委員 多少私どもの統計がぴったりになっていないかとも存じますが、四十二年におきまして衛生検査技師の免許の取得者総数が二万八千名、その中で試験免許が一万三千四百二名、それから無試験免許の合計が一万四千五百九十八名でございますが、その中で医師、歯科医師、獣医師、薬剤師――もちろんこの中で医師、歯科医師というのは分類上の問題でございましてほとんどないと考えていいと存じますが、一万二千百十五名、それから大学で獣医学、薬学を修めた者というのが二千十三名、大学で厚生大臣の指定する課目を修めた者が四百六十四名、こういうような状態でございます。
○大出委員 薬学も入っているわけでありますからそう少ない数ではないようでありますが、そこで獣医師法という法律が昭和二十四年法でございますけれども、厚生省の側からこれをごらんになって一種、二種とこういうふうに今回お分けになるわけでありますけれども、獣医さんの教育課程等をながめてみて、はたしてどの程度の資格があるというふうに厚生省側はごらんになりますか。
○松尾政府委員 従来どおりの衛生検査ができる資格を十分持っておられる、こういう判断でございます。
○大出委員 獣医さんの場合は教育年限と申しますか、通常何年になっていますか。
○平松説明員 四年でございます。
○大出委員 そうしますと、教育課程四年で、もちろんこれは獣医さんになるのですからそちらのほうの専門的な学問をおやりになるのだと思いますけれども、いま厚生省からの御答弁によりますと、従来の検査をやるに足る十分な資格がある、こういういま御答弁でありますが、新しい改正の要点からいたしますと、従来の検査をやるという方々は二種免許ということになる。そうなると臨床生理学的検査の部類に属する仕事を、新しく挿入された仕事をおやりになるといたしますと、そこにもう一つ資格要件が要る。その分野を対象にした場合に、今日の獣医さんの四年課程の中でどういうかみ合わせになるとお思いになりますか。平たく言えば資格があるとお考えか、ないとお考えか。
○松尾政府委員 従来から衛生検査業務というものが認められました過程で、従来の検査というものはこれはもう十分あるというふうに判断をされまして、今回の場合もそういうカリキュラム等に基づきまして、そういうものがあるのではないか、こういうような研究会等におきます議論があったことも事実でございますが、これはたとえば薬学等におきましても今後のいろいろなそういうカリキュラム等をもう少し適正にしよう、今日の段階において将来の課題として考えたらどうかという意見もございましたので、私どももそういうような判断に大体従ったつもりでございます。
○大出委員 そこをもうちょっと詳しく伺いたいのですが、これは農林省の畜産局の方もお見えになっておりますから後ほど御答弁いただきたいのですけれども、私の手元にありますのは獣医師会の方々の考え方を書いてあるのですが、時間の関係で倹約をして申し上げれば、今回の改正案の要点の中におけるものの考え方は、獣医師については無試験で第二種免許を与えるということが中心だろうと思う。第一種免許は、厚生大臣が行なう試験に合格した者に与えるということになっておりますから、そこに入らない。ところで獣医師は、無試験で第二種免許を与えられるに足る資格要件を持っていると考えるのだが、どうなのだというのが問題の提起の中心なのです。その理由としては、この獣医学教育というものが一つある。一方に医学教育というものがある。そうして診断、治療の面で対象が異なるということはあるけれども、一方の対象もやはりこれは生きておるわけでありますから、そういう意味では基礎医学という面からいくと、違ったことを勉強しているのではないという考え方が一つあるわけであります。共通のものがある。全く共通じゃもちろんありませんが、共通のものがある。そうなると、基礎医学の教育課程を修めてきたという獣医師の立場からすると――時間がないのでこれは簡単に走り読みをしているのでありますけれども、この第一免許にいうところの業務内容というのは、衛生検査技師の方が第一種免許に基づいて臨床生理学的検査をやる場合に医師との関連なしにやるわけではない。これはまさにそのとおりであります。ということになると、基礎医学という形の中で共通点を持って勉強してきている人たちが、獣医師という正式な社会的に通用する資格を持っておるこの人たちが、単独にやるなら対象が異なるという面があるので確かに問題があるだろう。しかし医師というものが免許を持ってやるのだとなれば、衛生検査技師の方々といえども医師との関係が当然なければならないのだし、獣医師が似たような臨床生理学的検査をやる場合であっても医師との関連なしに行ないがたい。こうなるのだから、獣医師には医師免許の資格がないということを言い切ることはいささか疑問が大き過ぎる。つまり言いかえますと、医師免許を与えていいのではないか、こういう主張なのですよ。ですから簡単に、獣医師さんのほうはある意味ではカリキュラム等が考えられて、たとえば獣医師さんが学校を出てから一年なら一年間厚生大臣の指定する講習を受けなければならないとかなんとかということになってくると、あるいはそこにもまた一つ問題が出てまいりますから、そこのところの理由をもう少し突っ込んでお聞かせをいただけないかと思う。これは農林省の側の本来の業務、獣医というほうで考えておられるわけですから、したがって衛生検査技師という分野で臨床生理学的検査を挿入されるということになれば、厚生省の側がどうお思いになるかということが中心になるのでありますが、とりあえず厚生省の側からお答えいただきたい。
○松尾政府委員 御指摘のように、生物特に生きた動物を相手にいたしましていろいろやっている場合には、共通の基本的ないろいろな要件がそれぞれにあるということは御指摘のとおりと存じます。ただ臨床という問題には、人体に直接に医療というものが関連する問題でございますから、その間において何らかのチェックなしにいくということは、これはもう問題があるという感覚が根底にございます。そういう意味におきまして、先ほど来申し上げましたように、将来カリキュラム等でいろいろ検討された暁においては検討の余地があるであろうけれども、一方におきましては獣医師、薬剤師、それぞれ医師と対等といいますか、そういう独立の分野をお持ちでございますので、そういう分野のほうをむしろ専門に養成をされていくべきであろう、いたずらにただ拡大するだけでいいのかどうか、こういうような根底がございますから、今回は従来どおりのものを無試験の形で通したいという結論に至ったわけでございます。
○大出委員 あとから看護婦さんの問題に触れて申し上げたいのでありますけれども、お医者さんの数にしても、看護婦さんの数にしても、特に看護婦さんの場合には現に稼動されている看護婦さん、この両方をながめてみまして、外国との比較の面からいって免許を持っておる人というふうに限らなければ、日本の場合になお足りない。したがって、足りない分野をいろんな経験のある人が社会一般の現象としては補いつつやってきておる。いま数をあげていただきましたが、衛生検査技師の皆さんもどんどんその分野が広がっていく、かつまたたいへんな需要を生じているという中で考えれば、人員が、資格のある人があまりにも少な過ぎる。となると、当然社会の一般的需要の中で、それと同等あるいはそれ以上の学力あるいは教育課程を経た方々をそちらのほうに向けていきたいということになるのはあたりまえの趨勢でありまして、だから自治体、市なら市というところをとってみる、県なら県というところをとってみると、さて、肉市場なら肉市場に荷受け機関があって生体取引するところ、となると、当然そこには衛生検査技師が必要なんです。そういうところに獣医さんに衛生検査技師の業務をやってもらうということで、片や獣医学にも詳しいのでありますから、当然そういうところにはこういう方を使いたいということになる。あるいは一般的な食品衛生、公衆衛生の分野でも基礎的な医学というものをお持ちになっているわけでありますから、その片方は薬学があるわけでありますから、当然そういう方々が入ってくる。一般的な現象になってしまっておる。だからさっきおっしゃったように、相当の数おいでになる。私はしろうとでございますけれども、できる限り、そういうおさめてこられた基礎医学ということから始まって今日までやってこられた学問、経験というものは十分に評価してあげなければならぬものだと思うのです。そういう意味で言うと、獣医師会の皆さんが言っておることも荒唐無稽な言辞を弄しておるわけではない。一つの寄りどころがある、こう考えなければならぬと思うのです。 そこで、厚生省の考えはわかりましたが、私はきょうは何でもかんでも皆さんの言うことについて反論をして押しつけてしまおうということで言っておるのではないので、できるだけ皆さんの考え方を承っておきたいという気持ちがあってものを申し上げておる。そういう意味で、この所管の農林省の皆さんの考えは畜産局だと思いますけれども、参事官の方お見えになっておりますが、そちらで本来業務というものを所管をされているわけでありますね。その本来の業務と違った立場で現にたくさんの方々が社会的な仕事をされていることは御存じなはずなんでありまして、厚生省とのやりとりもおそらくあったのではないかと思いますけれども、そこのところをどういうふうにお考えになり、かつ将来どうしたらいいとお考えになるかという点を承っておきたいと思います。
○平松説明員 現在、獣医師で衛生検査技師の免許を持っておりますのが約二千名ほどおるというふうに承知しておりますが、こういう方々の職務について今度法律が変わるということでございますが、従来行なっておりました業務につきましては、第二種ということで免許が従来どおり与えられるということでございますし、第一種のほうになりますと、相当高度の技術を要するということでございまして、動物と人間との間に多少の相違はあるということもございますし、人間の生命に関係する診療をやるということの基礎でございますから、ある程度の基礎教育を研修するということが必要であろうというふうに考えますが、獣医師の皆さんのほうで多少一年という期間は長いのじゃないかというふうなこともあるようでございますから、その点については厚生省と協議してまいりたいというふうに考えております。
○大出委員 そこでこれは厚生省に承りたいのですが、獣医師さんで二種免許は、これは無条件で無試験取得ができるわけでありますが、そして従来の検査は現にやっておるのですから続けていけるということになる、これははっきりしたわけですね。ところで、それでは獣医師の皆さんが一種免許を取得しようという場合には、経過措置その他を含めてどういうふうな構想をお持ちでございますか。
○松尾政府委員 ただいまのような二種免許を持たれた方が一種免許に変える、こういう場合につきましては、文部大臣の指定しました学校かあるいは厚生大臣が指定いたしました養成所において、大体一年以上の臨床生理学的な検査というものに必要な知識と技能を修得した場合、こういうことを要求しております。
○大出委員 それをやった場合に、試験があるわけですね。そこらはどうなんですか。
○松尾政府委員 ただいま申しましたのはそういう方に受験資格を与える、こういうことでございます。 なお、申し落としましたけれども、経過措置といたしましては、これはまた別途講習会等による受験の道は考慮するつもりでございます。
○大出委員 そうすると、いまのお話は、将来獣医師の教育課程をおさめた者が、これから先行きあわせてこの衛生検査技師の一種免許をおとりになるという場合には、一年間文部大臣あるいは厚生大臣の定める教育課程がなお必要である、こういう意味でございますか。
○松尾政府委員 原則的にはそのとおりでございます。
○大出委員 そうすると、獣医師さんで現在の二種免許をとった、無条件で切りかえを受けたという方、この方々の場合にはどうなりますか。
○松尾政府委員 一定の講習会を行ないまして、その一定の講習会を修了した者に受験資格を与える、こういうふうにして経過措置を考えております。
○大出委員 その一定の講習会というのは、地域的に見て、あるいは形の上でどういう講習会であるかという点と、それから試験があるのだろうと思いますが、その試験というのは一体どういうかっこうで試験をおやりになるのか、またどういうところで試験問題をおつくりになるのか、そこのところはどういうふうになっておりますか。
○松尾政府委員 講習会の場合におきましては、こまかいカリキュラム等がまだきまっておるわけではございませんけれども、実施のやり方としては、現実にそれぞれ勤務を持っておる方でございますから、非常にきめのこまかいところで講習会ができ、全国一本というようなことは絶対にない。都道府県あるいは都道府県の中でも大きいところはさらに分けるというような配慮をいたしまして、しかもその講習会をウイークデーにやるというようなことであれば、非常な負担がかかりますので、土曜日の午後とか日曜日とかをとってやっていきたい。これは診療エックス線技師のときも同じような配慮をいたしたつもりでございます。それと同じように、試験の場合はその受験地、試験を受ける場所、これは数多く指定をいたしまして、便利なところでやるようにはからっていきたいと考えております。 それから試験の問題については、専門の試験委員を選びまして、そこから試験の選定をしていただくということになると思います。
○大出委員 これはこまかいようですけれども、現在の有資格者は全国的に分布されておるわけでありますから、できる限り試験が受けられるように、あるいは講習会が受けられるようにする、こうおっしゃるのですが、これは可能だとお思いになりますか。均等を欠くなんてことはなさそうですか。そこのところを……。
○松尾政府委員 エックス線技師から診療放射線技師になりますための講習会も、先ほど申し上げましたような配慮をいたしましたのですが、その結果としましては、多少の御不便はあったかもしれませんが、皆さんが受講できまして終わりましたので、今後の場合でも大部分問題はなかろうというふうに私は考えております。
○大出委員 先般の国会の診療エックス線技師法の最後の場面というのは、なかなか論議ができる場面がなくて片がついておりますから、法律が国会で上がるまでの間にそういった非常に細部にわたる論議がなかなか行なわれていない。それだけに診療エックス線技師なんかの場合には、これは限られておるわけですよ、しかるべき病院であるとか。エックス線機械がないところにはいないのですから。診療エックス線技師の場合には、普通の町の開業医さんにはそういない、お医者さんがやっておる。東芝なんか、放射線機械株式会社のほうからあとで機械がどうもぐあいが悪いと呼んでくるわけですから。そうなると、診療エックス線技師がおいでになるところは主として大きな病院に限られるわけです。ところが衛生検査技師の方々というのは、意外に範囲が広いように私は思う。いまおっしゃった答弁でわかりますけれども、それだけにまさにそういうことがあっては困るので、相当僻地におっても可能であるというところまでお考えになり得るかという点、念のためにもう一ぺん聞いておきたい。
○松尾政府委員 確かに分布におきましては多少の違いが僻地等においてはあろうかと存じます。しかし、もしこういう制度ができ上がりましたならば、やはりそれを実行する場合においては、そういうところの方々にも受講ができるような便宜を、これは私どもも最大の努力をしてはかるべきだと存じます。
○大出委員 そこで、ここで二つだけはっきりしておきたいのでありますけれども、一つは、いま農林省の畜産局の参事官がお答えになりましたように、獣医師の皆さんの場合には、どうも一年間というものは長過ぎるのではないか。なぜならば、四年課程の学校を卒業されてさらに一年間、こうなりますと、これは本来の業務等に携わるのをやめてもう一年やらなければならぬことになるわけでありまして、そこらとの関連も出てまいりますから、一体そこは一年が妥当なのか半年が妥当なのか、そこらをもう少しこれはやり方その他を含めてお考えいただかぬと、せっかく修了したんだけれども、やりたいと思ってこちらのほうに行ったら、自分の業務というものと両立しないとかいうことになると、せっかくの分野を狭くしてしまう。そこらのところはどうお考えになりますか。
○松尾政府委員 御指摘のように、その重複する分野等が、薬剤師等と獣医師と比べました場合に、それぞれの接近のしかたが違っておるという点がございますから、個々に見ますと多少短くてもいいんじゃないかという御感覚があるかと存じますが、この点は、私どもがこの一年という線を出しますまでの過程で、実際に養成所を持っておるところの方の意見でございますとか、あるいはそういう内容に非常に詳しい臨床生理学的な大家というような方の御意見も聞きまして、そうして大体この程度だということを目標に御意見をいただいたものでございますから、私たちもそういう専門的な意見に従って組み立てたというのが実態でございます。
○大出委員 これはなかなか専門的意見といいましても、学者によっていろいろ違うわけでございまして、ほとんど各分野においてそうなんですね。さっき所管の農林省の皆さんのほうで、どうも一年は長いんじゃないか、だからこのあたりは厚生省と相談をしたい、こういう御答弁なんで、確かに手続上いろいろ話し合ってきたこと、相談し合ったことに違いないと思いますけれども、そこのところは、農林省が獣医師さんを所管しておられての御意見もあるわけでございますから、一方的に厚生省が、こうなんだからこうだというだけでなしに、そこのところは、将来獣医師会の皆さんのほうもやはり賛成なら賛成という方向に向いてもらわなければ困ると思うので、ひとつ問題を提起して、それを国会で法律にし、改正という形にしようというのであれば、いろいろな不満やいろいろなあつれきがその場面で出てきたのでは私は非常に困る。したがって、できるだけ話し合いの場をつくって、納得するところまでやはり話していただきたい、こういうふうにそこのところは思います。この点はお願いしておきます。
○松尾政府委員 ただいまこの案につきましては関係各省と話し合いの最中でございますので、まだ最終的なセットまで至っておりません。その過程におきまして、専門的な、また向こう側の意見は十分聞いてまいりたいと存じます。
○大出委員 相当強く一種の資格があるということを獣医師会の皆さんが強調されておりますので、そこらもお含みの上で十分ひとつこれは話し合っていただきたいと思います。 それから、薬剤師の皆さんの側の相当長い文章を私方々からいただいているのでありますけれども、時間がありませんから長い引用はいたしません。いたしませんが、ここでいわれている中身というのは、従来どおり医師、歯科医師、薬剤師、国立大学において医学、歯学、薬学を履修し、卒業した者は無試験でまず衛生検査技師の免許がとれるようにすべきである。この点は二種免許ということになったということですね。これはそういうことですな。 そこで、一種との関係なんですけれども、この衛生検査という分野と、それから臨床検査というふうなもの、これを区別して取り扱うという点、並びに臨床衛生検査技師法といってもいいような、一番てっぺんはそうなってきているわけですからね。そういう形のものがここへ出てきているということなんですが、つまり公衆衛生検査と臨床検査というものを区別したというところ、ここをまずどういうふうに考えているのかという点が問題として提起されておりますが、そこをまずどうお考えですか。
○松尾政府委員 臨床生理学的検査というものは、直接人体に接しましてそこでいろいろ電気的その他の検査をするわけでございます。したがいまして、直接人体に触れるという点で、公衆衛生学的検査といわれているときには、いわばその可検物と申しますか材料だけを手元で処理をする。臨床生理学的検査というものは、直接人体に触れて実施をする。したがいまして、その意味におきましては医業というものの一部を分担するというかっこうになってくるであろう、こういうことで二つを仕分けいたしておるわけでございます。
○大出委員 そうしますと、臨床検査と称するものは、本来は医師が疾病の診断をする。まずそういう順序になりますね。そして治療の目的のために医師みずからが検体を採取をする、これが筋なんですね。ところが、たとえば静脈注射一つながめてみたって、これは分野が少し違いますけれども、本来、医師法からいけば医師がやることになっているはずですね。看護婦さんはできないようになっているわけです。ところが医師が足りないからというので、看護婦さんが静脈注射を現実にはやっているわけですね。だから、法律その他の面と実態と合わない面が方々にある。あるのだけれども、しかしこれは医師が本来やるべきものです。こうなりますと、この臨床生理学的検査といわれるようなもの、これは薬剤師さんのほうの意見からすれば、これを従来の衛生検査という分野に導入してきたということがどうもいささか疑問を感ずるという立論があるわけですよ。ここらあたりは、厚生省の側はどうお考えですか。
○松尾政府委員 御指摘のように、本来臨床的な検査というものは医者が直接やるべき問題であるわけです。先ほど来申し上げましたようにそういう問題でございますので、診療の補助者という分野を明らかにしておかなければ困るというところで分離をしたような次第でございます。ただくくり方が、衛生検査といわれているものの中にそれを入れていることは妥当かどうか。これは表現の問題でございまして、他に非常に適切な総括的なことばがあれば、そういうことでいろいろ検討はいたしました。しかしながら、従来からも衛生検査ということで総称的にいわれているものがございます。その範囲が次第にこれから拡大していく、こういうことで特にその点を新しい名称をつけないで、従来のものに包括をしたということでございます。
○大出委員 つまり、旧来衛生検査といっていたものの範囲を越えているという感じがするというわけなんですよ。私もその点はそういう感じがします。臨床生理学的検査というものは、医師の分野にきわめて近い、あるいは医師の分野であるといってもいい範囲のもの、これが衛生検査技師法改正という形の中で包括的に取り扱われていいのかどうかという問題が確かにある、単なる名称の問題ではなくて。だから厚生省の皆さんがそこまで重視をしている分野であるとすれば、それが旧来の衛生技師法という形のワクの中に入っていったままになっていいのかどうかという点が確かにある。ここらのところを薬剤師の皆さん、薬学をおやりになった方々の側は一応取り上げておられるようであります。しかしこちらの皆さんも、一種、二種と分かれてくると、そこまでの分野にやはり資格要件をという気持ちが最終的にはおありになるのだろう。そこらのところは、皆さんのほうと薬剤師関係の方々との間で現在どうなっておりますか。
○松尾政府委員 経過を申し上げれば、大体こういうふうな考え方の整理ということには、幹部の方々はほとんど同感をされたわけでございます。 それから、将来の問題といたしまして、カリキュラムの問題がいろいろ出てくれば、薬学が非常に範囲が広い問題になっておりますので、そういうことについて将来カリキュラムの変更ができるかどうか。この点については、全国のおもな薬学関係の学長と私どもとお話し合いをいたしました。それで将来、確かにそれは新しい分野として薬学教育の中へ新しいものを入れていきたい、それにはやはり時間がかかる、こういうことでございます。私どもといたしましても、非常に広範な検査業務でございますから、そういうような薬学教育の中でこれに適合するような教育のカリキュラムを織り込んでいただけるならば、それは非常に期待したいのだということで、私どもとの話し合いでは、大体私が出ました限りでは話がついたつもりであったわけでございます。
○大出委員 今回ここに出ておる設置法をながめてみますと、これは保助毒婦法に基づく各種業務あるいはその資格あるいは医師、歯科医師という問題等を含めて、医療技術者等の分野も含めながら、全体を審議会なりあるいは試験の実施に関する事務なりを整理しようという意図があると思うのです。かつて議員立法で出てきたような形の法律は、それなりの当時の政治情勢があってつくられておりますから、いまにして振り返ってみればいろいろな法律に似たようなことが言える、したがって、この機会にやはりはっきりすべきものはしていくということが必要だという気が私はする。だからこれを取り上げておるわけでありますが、おそらくこれは話し合いをされたあとではないかと思うのでございますけれども、なおかついろいろ陳情にお見えになる方々もありますので、ひとつ先ほど獣医さんの問題で申し上げた趣旨で、できる限りこれらの分野の方が御納得の上で法律がまとめられ、法律案として国会に出てくるという順序が私は望ましいと思いますので、どうか一そうの御努力をいただいておまとめをいただきたいと存じます。 それからあと逐条的に簡単に質問申し上げてまいりますからお答えいただきたいと思うのでありますが、二年以上を三年以上に改めるということでありますが、たしかこれは教育機関の面との関連がございますね。たとえば、診療エックス線技師法なんかでいけば、さきに国が、文部省傘下のレントゲンの技師学校が十校でございましたが、これはたしか三年がかりぐらいで先生をふやされて、私が気がついたときには三校ぐらいしか残っておらないようなことになっておって、結局三カ年計画ぐらいでみな文部省傘下のエックス線技師学校の先生がふえて、三年課程でできるようになってきた。ところがもとの法律はさっぱり直らなかったということで、その間は専攻課程だということになっていたわけだ。そこまではいいのだが、さて民間の技師学校をながめてみた場合に、国ならば国費というものでやれます、先生を雇ったって国が支弁しますけれども、民間の場合はそうはいかない。同じようなことが今日出てきやしないかという心配があるのです、国の場合であっても、あるいは公共団体の場合であっても。つまり施設プラス予算ですね。ここらのところを、たしか五年でしたか、いままでの研修課程でやれる、教育課程でやれる、しかしまだその間はいままでの無試験免許の方式がとられる、しかしそこから先はという規制がたしかあったと思うのですが、そこらはどういうふうにお考えですか。
○松尾政府委員 現在でも三年課程のものもあるようでございますが、二年課程のものが三年になるために、御指摘のように早いほうがいいという御意見と、それからやはり経営上の問題等もございますので、多少の時間をほしいという意見、これは衛生検査技師の養成所の学校長というようなグループの方々の意見といたしまして、私たちも拝聴いたしております。そこで大体五年ぐらいというのがどうだろうということで、現在の情勢からいえば、その程度なら三年に延長できるのじゃないか、こういうことで私どももその点は慎重に配慮したつもりでございます。
○大出委員 衛生検査技師さんを教育する機関は、いま幾つぐらいあって、一年度どのぐらいの方々が資格をとって御卒業になるのですか。
○松尾政府委員 ただいま五十四校、全国でございます。それの定数が、文部、厚生両方の指定の分を含めまして、二千三百十名という卒業人員でございます。
○大出委員 ところで現在、この分野で仕事をされる方々の必要数と申しますか、厚生省はよくいろいろな、あまり感心しない算定のしかたをおやりになるのですけれども、何か基準があって、このぐらいはいまの社会一般の中で必要とするだろうという基準がございますか。
○松尾政府委員 特に現在のところございません。と申しますのは、その需要の内容が非常に多岐多端でございますので、幾らなければならぬかというような、そういう意味での需要量の測定はいたしておりません。ただ率直に申し上げて、先ほど来免許の持っている数等は申し上げましたけれども、これはそれぞれの分野を独特に持っておられる方を含んでおりますので、実際に衛生検査業務に従事しておられる数を医療機関等の数と比較いたしますと、私どもは決して多いとは思っておらないのでございます。
○大出委員 ただ、こういう法改正を御論議あるいはおまとめになる段階まで来たのですから、かつての議員立法で出てきた時代のいきさつから見ると、相当はっきりしてきているのじゃないかと思うのです。そうすると、やはりこの際どのくらいがいまの社会一般の各所の方面で必要とされるのかというようなことを厚生省の皆さんのほう――看護婦さんその他にしても最近は相当統計資料がございますが、したがって、やはりその辺のところから把握をされておく必要があるのじゃないかと思うのですけれども、いかがでしょう。
○松尾政府委員 私どもも同感でございまして、そういうふうに努力をしたいと思います。
○大出委員 この「第一種免許を受けた者は、衛生検査のために必要な政令で定める採血を業として行なうことができる」これは政令の分野――幾つかこれは政令が出てまいりますけれども、そこら辺これは今後どういうふうに扱われるつもりでございますか。
○松尾政府委員 この第一種のほうの採血というものは、要するに検体をとるための採血という程度に限りますので、一番大きな採血の行為として大体静脈注射というようなところまでのつもりでございます。
○大出委員 そうすると、それらの具体的な点は政令できめるということですな。 それからお医者との関係は、現行法でいうとお医者さんの指揮監督ということになっておりますか。
○松尾政府委員 「医師の指導監督の下に」とななっております。
○大出委員 そこらのところは表現の問題だけではないのでありますけれども、少しひっかかる面があるので承りたいのですが、その方面の方々のお書きになったものなどを見ると、指示でいいのではないかというような意見がありますが、これは日本医師会の立場もいろいろあったりするのでありましょうけれども、そこらのところはどうあるべきか、基本的な立場から見て。衛生検査技師の方々もそれらしい学会もおつくりになってやっておられるようでありますけれども、確かに看護婦さんの場合も看護学というものもあっていいのではないかという方もおありになりますから、そこらのところをながめてみて、お考えになってみて、その「指導監督」という形ではなしに、指示というようなことでいいのかどうかという点、ここらはどうお考えですか。
○松尾政府委員 そういう御意見のあることも承知いたしておりますが、これは最終的には法令上の整理ということにおまかせしていかなければならぬと存じます。指示と「指導監督」とがどう違うのか、これは感じの問題が中心かと存じますけれども、「指導監督」といわれているときのほうが非常に総括的ではないのか、指示ということになりますと、もっと具体的な個々のという印象ができてくるのじゃないか、その辺を私ども考慮いたしまして「指導監督」といういわば総括的なほうに、従来どおり残しておきたいというふうに考えたわけでございます。
○大出委員 受け取り方、読み方で論議のあるところでございまして、日本語というのはなかなかいろいろな理屈をつけやすい表現ですから、まことにうまいことを局長はおっしゃるけれども、気持ちはおわかりになっているだろうと思うのです。衛生検査技師の方々がそういう指示という表現を使ってもらいたいのだと言っておられる気持のほどはおわかりになると思うのです。それに対していい、悪いの意見があるにしても、現に仕事をしている方々の気持ちというのはおわかり願えると思う。その点だけを申し上げておきたいと思う。 それから「臨床検査施設に関する事項」というのがございますが、「病院、診療所の他省令で定める施設以外のもの」というのは、具体的に言えばどういうことをさすのでございますか。
○松尾政府委員 以外といいますのは、病院、診療所以外というところがいわゆる衛生検査をプロパーに業として行なうところである、こういうつもりでございます。
○大出委員 そういうところには衛生検査技師さんが何人いなければならぬとか、あるいは管理などという面も含めて一つのワクをお考えになりたいということを、この間お答えになっておりましたが、もうちょっとそこを具体的にお話しいただけませんか。
○松尾政府委員 そういう検査施設の開設をしたものがまず都道府県知事に届け出る。それによりまして、従来のような所在不明というような事態を避けたい。それから第二は、医師、歯科医師、または衛生検査技師等管理者というものがあって、その業務上の管理を明確にしていただきたいというのが第二であります。それから第三点は、そういうことに対応いたしまして、その実績等の報告の聴取とか、改善命令等ができますような監督上の規定を設けたい、この三つが大体中心でございます。
○大出委員 いまお話しの、一つのワクをお考えになる、あるいは行政指導をおやりになるということは、この間大臣から御答弁をいただいておるように、本来この種の業務が人の生命に直接的にかかわり合いがあるという前提で、できる限りこれは業務規制をしなければならぬというものの考え方があって、できる限り現状をそこに近づける努力はするという、そういう意味でいまワクとおっしゃっていることだと思いますが、そういう気持ちが厚生省の皆さんの側にあるという点、これは大臣この間ちょっと承りましたが、いままでの論議を聞いていただいたわけでございますから、包括的に運用をどういうふうに進めていくべきかという点が残りますので、再度ひとつ念のために御答弁をいただいておきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○斎藤国務大臣 いろいろ御意見あるいは御質問等の間におきまして、私もたいへん啓発されましてありがとうございます。根本といたしましては、とにかく広く言えば人命に関する事柄でございますから、こういうものは科学技術の進歩に伴って、そして人命尊重という意味からすべて判断をしていかなければならぬ、かように思います。そういう意味から、場合によっては試験は厳格過ぎるということになるかもしれませんが、こういう資格を与えて、そして喜んでもらうというよりは、こういう資格を持っておる人は信頼ができるのだという観点から事柄を処してまいりたいと思います。しかし、それにいたしましても臨時的に研修あるいは講習をやり、試験をやるという場合には、できるだけ最大限度に試験講習を受けられる方の便宜をはかってやりたい、かように思います。 なお医師とそれから独立して検査をやるというものにつきましては、ただいままでは、少し野放し的でありましたから、先ほど申し上げますような見地から十分国民の皆さんの期待にこたえるような何をもっていきたい、医者と衛生検査技師、ことに臨床生理の検査をやる第一種の方におきましては、私は医者が責任を持てるという体制が必要であろう、そういう見地から処してまいりたい、かように思います。
○大出委員 それでは時間の関係もありますのでで、結論めいたことをちょっと申し上げて、お答えいただきたいのでありますが、先ほど来申し上げたように、なるべくこの国会に法案が出てくるときには、各方面が納得されてまとまっていくという形でお出しをいただきたいということ。 もう一つ、この衛生検査技師の皆さんの集まり等にたまたま私も顔出しをすることがあるのでありますけれども、この方々が異口同音に言われるのは、ずいぶんその衛生検査技師という業務を大事にしてわれわれは苦労してきた。ところで、未資格者があったのでは、目に見えない下積みの仕事だけれども、それによって処方せんを書いたら間違っていたり、あるいは血液型が間違っていたり、いろいろの珍事を世の中に引き起こしておる。しかもそれが人体に一々影響するというたいへんな分野なんだという自覚でやってきた。そういう意味の運動を街頭に出てまで続けてきた。そしてようやく議員立法で出てきたものが政府の考えるところとなって改正法案が出されようとしている。ただ残念なことは、それによって一種、二種に分かれてくる。そうなると、旧来努力していたわれわれの分野からすると、年齢的にも相当の年齢の方もたくさんおいでになる。相当年輩の方になりますと、それぞれの分野の責任者でございますから、そういうことで、そちらのほうに時間をさかれることもつらいし、さてやった結果としてなかなかこの一種の試験に受からぬということになると、これまたまことに不本意なことができ上がる。だからまず一つは、講習をおやりになろうということになるとすれば、喜んでそこにみんな出かけていくという雰囲気がまず必要であろうと私は思う。それにはやはり、その講習を忙しいところをさいて出かけていってまじめに受けた方々は、原則的にやはり試験に通っていかなければ困ると私は思っている。そこでまた、講習をややったのだけれどもめったに受からないのだということになると、講習を受けるという意欲もなくなってしまう。それでもまた困る。だから、その講習会で教えた範囲の中でおおむね試験の問題も出されなければなりませんし、まじめに受けたならば受かるという程度のものでなければなりませんし、そこらのところをやはり十分御配慮いただきませんと、受けないということになってしまうう。そうすると、この方々が長年努力されてきたであろうだけに、たいへんお気の毒なことになってしまう。だから医者の立場で言うところの、いわばこれは身分法ですからそう簡単にいかぬという点もわからなくはない。わからなくはないけれども、やはりこの方々は、この方の時代にはそういう学校施設がなかったわけですから、したがってこの方々、一代でこういう従来の検査をやってきたという方は、五年から先はないのでございます。終わってしまう。だとすると、そこらの方々の立場も考えて、これは答弁の限りではないけれども、極端なことを言ってしまえば、講習にまじめに出て最後までやったら十分通る。試験問題を百題なら百題、百五十題なら百五十題つくっておいて、そこから問題が出て、それが頭に入っておれば受かるという、その程度のことは配慮してあげたほうがいいのではないか。診療エックス線技師法のときにさんざんこの技師会がもめて、最初国会に法案が出たときに、陰で私も骨折らされた一人だけれども、通らなかった。なぜ通らなかったかというと、一種と二種に分けた。二種の方は一種になれないということです。いま国家試験を受け直させるということになったら受からぬだろう、そういうことがみんな頭にある。それが通らなかった原因なんですね。ところがそのときに、エックス線技師学校の校長さんの頭のほうはそんなことですけれども、試験問題がむずかしければ受からない、やさしければ受かる、そこらのところは問題をつくるわれわれのほうに配慮せよと言言ったほうがいいと言った人がありましたけれども、これは一つの例だけれども、言うならばそこまで考えて、そのかわり講習をがっちり受けてもらいたいということで、ほとんどの人が意欲的に受ける、こういうふうにお運びをいただいて、いままで長年下積みで努力されてきた方々を、せっかく大臣免許の一種ということになるわけですから、そこへ持っていけるような、これは特段のやはり御研究、御配慮をいただきたい、こういうふうに思うのでございますけれども、大臣、いかがでございますか。
○斎藤国務大臣 御意見の点は私もよくわかります。そういう点も十分配慮いたしまして、やってまいりたいと思います。
○大出委員 残ったもの幾つかございますけれども、時間の関係がございますので、またの機会に譲らしていただきたいと思いますが、獣医師会の皆さん、薬剤師会の皆さん方に御納得いただけるような御努力をいただきたいと思います。 次に看護婦さんの問題について、少し承りたいのでありますけれども、私こんな気になったのは、この間私の委員会で、川崎寛治君が厚生大臣に御質問申し上げた総定員法の場面で、幾つか大臣がお答えになりましたが、どうもふに落ちぬ点等もありますので、久しぶりになりますけれども、少し看護婦さんの当面の問題について、承っておきたいのであります。 どうも変わったといえば多少は変わってまいりましたが、三十八年か九年か忘れましたが、小林厚生大臣の時代に、私、長時間保助看護婦問題で、特に看護婦さん問題を中心に御質問申し上げたことがあり、また全医療の行政措置要求が人事院に出されまして、人事院判定が足かけ三年ぶりで出た時点で、再度少し時間をかけて御質問申し上げたことがあるのでございます。まず承りたいのは、正看、准看の皆さんに分けまして、大体免許資格者がどのくらいになっておるかという点、おそらくことしあたりは、准看、正看の方方の比率が逆転をして、准看の方が多くなってしまうんではないかというぐらいのところにきているのではないかと思いますが、どのくらいおいでになるかという点。それと現実に稼働しておられる方々、働いておられる方々が、正看、准看に分けまして、どのくらいずつおいでになるかという点、そこをまず御答弁いただきたいのです。
○松尾政府委員 四十二年度末におきます就業人口で申し上げますと、四十二年末に看護婦、准看合わせまして二十五万三千名でございます。その中で内訳といたしましては、看護婦が十二万三千八百四十一名、准看が十二万九千二百三十四名というふうになっておりまして、この比率はただいま御指摘のように、准看のほうが多少上回るというふうになってまいりました。その資格者でございますけれども、大体この約倍、四十二年末におきまして、いままでと通算いたしまして、五十五万四千程度の資格免許を持った者がおる。したがいまして、二十五万三千人の就業というものは、四十五%強の就業率であるという状態でございます。
○大出委員 私がかつて何回か質問いたしました時点で、免許を持っておって稼働されてない方々、御家庭におるような方々を年間二千名ぐらいを目標に、言い方は悪いのですけれども、職場に引き出すというのですが、医務局長さん当時どなただったか忘れましたが、そういう答弁がございましたが、逆に今日三月末卒業して、四月からおつとめになる。公立病院の看護婦さんなんかにいわせますと、四月、五月、二カ月ぐらいは新しい方が入ってきて楽になったなという感じがする。ところがとたんにやめちゃって、毎年、毎年どうももとに戻ってしまう。あるいは入ってきたよりよけいやめてしまう、こういう思いばっかり繰り返しておるのですね。大体二カ月ぐらいやるとほとんどの方々がやめてしまう。雇い入れた新しい方々よりもよけいやめてしまう状態になる。この繰り返しだというふうに嘆いておられる看護婦さんがたくさんおります。そこで、いま私が申し上げましたように、年間この有資格者の中から今日どのくらい職場に出てきていただくことができるのか。目標二千名ぐらいと言っておられましたが、いまどうなっているかという点。それから毎年卒業される中で、どんどんやめてしまって、長くおいでにならない、こういった看護婦さんの動態、ここらあたりをどういうふうにとらえておられますか。
○松尾政府委員 いわゆる家庭におられる潜在看護力と通称申し上げておりますけれども、この方方が全国でどのくらい稼働人口としてあがっておるか、これはどうもつかみがたい状態でございまして、二千人であるかどうか、私どもも把握ができないわけでございます。ただそういう現状におきまして、潜在看護力というものを活用しなければならないということだけは事実でございますので、四十二年を皮切りといたしまして、これははなはだ規模といたしましては小規模でございましたが、そういう方々の講習会を実施いたしまして、約三百何十人の中で百人ほどがその後就業いたしましたような実績がございますので、こういう努力をやはり繰り返すことによって、相当数の確保ができるのではないかというような期待を持ち、潜在看護力の活用ということについて、努力を進める方向を歩み続けておるわけでございます。 それから、四月、五月ごろに新しい卒業生が入りまして、それから急速に減っていくというようなお話でございましたが、私が国立療養所、病院関係を含めまして調べましたところでは、たとえば四十四年の二月というような一番減りそうなときでも、約九八%近い定員の充足率でありました。そんなには大きく国立機関では変動はない。ただし御指摘のように、新規の方をたくさんとり入れて、そのあとだんだんやめていかれる方々があって、新しい補充が困難なことは御指摘のとおりであります。そういう方々がどうやってやめていくかという御指摘でございますが、これは単年度の数字で恐縮でございますが、国立病院だけで四十三年一年間に約千百名の人が退職をいたしました。約一三・七%程度の退職率になっております。その中でやはり大きなのが家事という理由、それから結婚、それから転勤、こういうような形のものが大体大半を占めておるような実態でございます。女性でございますので、やはり結婚をされてやめる、あるいは家庭を持たれて家事の都合、育児上の問題があろうかと存じますが、そういうようなことでやめるという理由がやはり目立って多いように感じております。
○大出委員 どうもアンケートなどをとっておる中身と、いまの御説明とだいぶ違うのですが、それもあとから申し上げましょう。 そこで、先行きの正看の方、准看の方の動きを知りたいのでありますけれども、正看になられるのには、どういうところをどういうふうに出てくればいいかという点と、准看になるのには、どういうところをどういうふうに出てくればいいかという点ですね。いろいろな道があると思いますが、そこらのところをまずお述べおきをいただきたい。
○松尾政府委員 いわゆる看護婦、いまおっしゃいました正看というものになりますためには、高等学校を出まして、三年の養成課程を過して、その上で国家試験を受ける、これが基本的なものでございます。 それからもう一つは、准看になりましてから三年間の実務経験がありました場合、さらに二年間いわゆる進学課程と称する養成機関に入りまして、これを卒業いたしますと看護婦の受験資格ができる、こういう二つの道がございます。 それから准看護婦につきましては、中学卒業以上という学力でもって、二年間の准看護婦の養成所に入って、都道府県の行なう知事試験を受けるということで、准看になってまいります。
○大出委員 ここにずいぶん書いてありますが、四月にさっき申し上げましたように、新卒業生がたくさん出てまいりますが、暮れの十二月までには途中採用者も入れて、採用した人数を上回るくらいやめていきます。結局四月から五月にほっと一息つくだけですということを、これは東京看護ゼミナーにおいでになる川島ミドリさんという方、この方は相当看護婦学習のほうで苦労されておる人ですけれども、詳しく調査をされて書いております。そこでなぜ一体やめるんだろうかという点もあわせてこの方が解説をしておる。それによりますと、まず看護婦さんの給与というものが非常に大きな問題としてあり――人事院の皆さんにおいでいただいたのですが、給与のほうはちょっとあれかもしれませんが、いま公立病院その他の看護婦さんと准看護婦の方の初任給、これをちょっと正確に言っておいていただけませんか。
○島政府委員 正確なことは、所管外でございますので……。
○大出委員 国家公務員の看護婦さんの初任給が二万五千六百円か九百円か忘れましたが、そのくらいなのですね。それと准看護婦の方が二万六百円かそこらだと思いました。これはうろ覚えでございますので、私の記憶でございますから、そのくらいになっているのだと思いますがね。これは人事院勧告を守りまして、毎年実は看護婦さんの点を強調し続けているので人事院側もこれは認めてはおりますが、しかしながら最近は民間とずいぶん離れてきてしまっている。そこらをどういうふうにお受け取りになっているか。民間とどのくらい違うと思いますか。
○松尾政府委員 民間との格差という点で、人事院がお調べになっておられます資料でいきますと、看護婦、准看護婦に関する限りでは、民間勤務の看護婦、准看護婦よりも国家公務員の看護婦、准看護婦のほうが高い。最終の四十三年の四月のときではちょうど八%ほど国のほうが高いということで、これは看護婦同士の比較でございます。そういう結果が人事院のほうから出されております。
○大出委員 それもあとから申し上げますが、実はそうなっていないのであります。そこで、仕事がつらいということでおやめになる方、これはずいぶんあるようにここには書いてありますけれども、どうおとりになっておりますか。
○松尾政府委員 やめる理由別という、調査のしかたにもよるかと存じますけれども、確かに看護婦の勤務というものはほかの女性の職業と比較しまして、特に夜勤というような問題を控えておりますので、かなりきつい仕事であるということは私どももそのとおりだと存じております。
○大出委員 時間の関係がありますので、承っておきたいことがいっぱいあるのでありますけれども、なるべく省きながらまいろうと思うのでありますが、そこで少し具体的な例のほうを申し上げたいのでありますが、この間、大臣がそこで答えておりましたが、人事院が全医労の行政措置要求の判定を下しましてから何年ぐらいになりますか。
○松尾政府委員 昭和四十年五月に判定が出ております。
○大出委員 以来今日までどういうふうにこれを――確かに人事院の判定の中には計画的にと書いてありますから、これも計画的なのだというふうにお述べになるかもしれんけれども、一人夜勤なんという問題をどういうふうにいままでこれをなくす努力という意味でおやりになってまいったわけですか。
○松尾政府委員 判定が出ました翌年の四十一年から四十三年くらいまでは主として看護婦の夜間における勤務環境というものを整備したい、こういうことで総額にいたしまして国立病院、療養所含めまして五千五百万程度でありますが、それだけの予算をもちまして勤務の場所がうまくいきますように、たとえば夜間の暖房あるいは休憩、休息、仮眠の部屋、あるいは隣その他とのいろいろな連絡、通信の設備、こういったことを重点に整備をしてまいっております。そして、ことしからその問題に対して人間をふやす、こういうふうな措置にまじっておるわけでございます。
○大出委員 そこでもう一つ承っておきたいのですが、看護婦定数基準になるべきもの、これは四ベッドに一人という基準がありますけれども、いつごろおきめになりましたか。
○松尾政府委員 医療法のできましたときがたしか昭和二十三年でございますから、その年だと記憶いたしております。
○大出委員 現状は一類、二類、三類と分かれておりますね。看護婦さんの比率から申しまして、ここらのところをながめてみて二十四時間、患者が患者でございますから普通の場合四ベッド一人といいましても具体的にいうとこれは一体どのくらいになるかおわかりでございますか。当時は想定患者数を看護婦資格者の数で割ったわけでありますから、したがって現実にそれがどういうふうに動いて今日まで来ているかということ、ここらどういうことになっておりますか。つまり当時の基準から見てたとえば十万人あたりの医師と看護婦の比率の動きであるとかいうふうなのをお調べになればわかるのでありますが、充足のいい方向に向かっているのか、それとも患者数と看護婦さんの数の関係で逆に開きが出てきているのか、そこらをお聞かせ願いたい。
○松尾政府委員 マクロの形で申し上げますと、三十七年から四十一年にかけまして病院のベッドの伸びは一二二という指数が出てまいります。これに対して看護婦自体は一一八、准看は一三四、こういう形でございますので、そういう一番基礎になります病床数というものからいえば看護婦の養成のほうは多少それに追いついてない。准看は多少それをカバーできるような形で動いておったのではないか、こんなふうに予想されるわけでございます。
○大出委員 それでは少し数字をあげていただきたいのでありますが、厚生省の調査で「衛生行政業務報告」というのがありますね。ここらあたりでいう昭和三十年-四十年、この十年間あたりの就業看護婦さんの動き、それから就業准看護婦さんの動きがどうなっているかおわかりになりますか。なお、新しいのがあれば新しいのがいいのですが。
○松尾政府委員 就業看護婦の昭和三十一年の数を申し上げますと十一万八百二名、それから三十六年におきまして十万六千六百二十二名、一番最近の四十二年末におきまして十二万三千八百四十一名、准看につきましては昭和三十一年が二万七千六百九十一名、三十六年が七万七千三百四十二名、四十二年が十二万九千二百三十四名、大体こういう動きが就業人口の動きでございます。
○大出委員 そうしますと、看護婦さんのほうは私のところにある資料によりますと、これはおたくの「衛生行政業務報告」の中身ですが、昭和三十年が十二万七百三十九名、これが就業看護婦数、このときの准看の皆さんが九千百二十一名、昭和四十年を見ますと准看の方々が十一万千二百二十六名、いまのお話ですと四十二年が十二万九千ですか、そうするとここ十年ばかりの間に准看の方々が急速にふえて看護婦さんはさっぱりふえない、就業看護婦数からいけばむしろ減るという傾向がある、こういう状態ですね。そうすると看護という面に関する日本の医療行政というものはずいぶん准看の皆さん――そういったら准看の皆さんにたいへん恐縮な言い方になりますけれども、この教育課程をさっきちょっと承りましたが、看護婦の方と准看護婦の方のは教育課程が違うわけでありまして、これは私は決していい傾向ではないという気がするのでありますが、もっと学問をされる機会を与え、また条件をつくって看護婦さんはふやさなければならない。ところが、逆に准看の方々がたいへんなふえ方をしているという現実。私は冒頭に、ことしあたりは看護婦と准看の比率が逆になるんではないですかと申し上げたのですけれども、いまお答えをいただいた数字からいきますと、看護婦さんより准看の方々が、ことし初めてと言ってもいいのですが、――昨年私が調べたら、やっぱり看護婦さんのほうが少し多かったのですが、准看の方々がふえてしまった。養成機関その他をながめますと、准看の方々が今後急激にふえるという傾向を持っている。そうすると、この趨勢でいくと、まさに将来に向かって准看の方々がほとんどを占めてしまうことになる。それでいいのかどうかという点ですね。医療行政の中でも、薬と看護婦といわれる世の中ですから、私ははっきり承っておきたいのです。それでいいと厚生省はお考えになるのですか。大臣、こういうふうにいま三十年の数字を申し上げましたが、ほんの少ない准看の方々がこの十年間で正看の看護婦さんを追い越してしまった。しかも、短期養成の速成教育をやるところがたくさん出てきた。こういうことでいいのかどうかということですね。大臣、医療行政全体をながめてどうお考えになりますか。
○斎藤国務大臣 いろいろ専門的な御意見もあるだろうと私思うのですが、こういった比率が非常に変わってきた。その間において、いまおっしゃいますような事柄についても医療界において問題になっておっただろうと思うのですが、今日までこういう形になってまいりましたのは、まあ半々くらいならいいんじゃないかというような気持ちできたんじゃないか、こう思うのです。しかし准看のほうがさらに上回って多くなってくるということがはたしていいかどうか私も疑問に思いますが、医療界の方々の御意見やまた皆さんの御意見も承りまして、私だけの意見を申しますと、看護婦の数をもっと増すような施策を強力に講じなければならないと自分では考えておるのですが、来年の予算要求までにはそういった考え方も固めまして、それに応じた予算要求をやり、そして施策を充実していきたい、かように思っております。
○大出委員 全くどうも第三者的言い方で恐縮なんですけれどもね。やっぱり教育課程――先ほど承ったのでありますけれども、看護婦さんと准看の皆さんの修業される課程が違うのでございますから、その意味では看護婦さんの質の低下ということが明瞭に数字の上にあらわれている。これでよしとするんだとすれば、これはたいへんなことだと思う。この点はあだやおろそかにしておけない問題だと思います。さらに言うならば、准看の皆さんが補助看護との関係があっていろいろ論議があったところでございますけれども、准看の方方が正看の資格要件を備える道をもっと切り開いておかないと――切り開いたらますます准看をということにもなりかねないという論もありましょう。ありましょうが、量質面から、やっぱり看護婦さんの質を向上させる、これを考えなければならぬところにきているという気が私はするわけでございます。 そこで、具体的な問題に入りたいのですが、まだ少し問題が出てきたので承っておきたいのでありますが、日本の場合のお医者さんと看護婦さんの比率の問題、それからたとえば人口十万人当たりで計算した場合の、各国と日本の比較の問題等々がございます。 それからもう一ついま大臣がお答えになったこととあわせて承りたいのでありますけれども、旧来、そういう名称は保助看婦法上ございませんけれども、副看護婦などと言っておった制度がございます。これは国がきめたものではございませんから、制度とは言えませんが、たとえば東京都の医師会長さんが副看護婦さんなんという方々の卒業式においでになって、将来あなた方は正式な看護婦という名称が持てるようにちゃんとするからということで激励されていた時期もあります。公立病院その他にはわりあいありませんけれども、一般の町の病院の先生方のところに、いわゆる無資格者、見習い看護婦とこういうんだけれども、実はそれなりに各医師会その他の養成機関で教育をされて出てきている方々、当時副看護婦と言っておりました。いまは何というのか知りませんが、しかしこれは保助看婦法が、名称というものに対して、似たような名称を使ってはいけないと書いてありませんから、その名称がいかぬとは言えませんけれども、そういう方々はいまどのくらいおりますか。
○松尾政府委員 いわゆる副看護婦と称されておりますのは、私どもで考えれば診療の看護補助者に相当する者である。医師会等におきましては、いわゆる正規の看護婦というには言いにくい問題もありましょうしあるいは需要のほうからいいましても、そういう人がおればある程度済むというような診療所等の実態もあって、自分たちの手でそういう補助者をもう少し訓練をしたい、こういうことでいろいろおやりのようでございます。その数につきましては、そういうふうな制度でございますから、こちら側が明確に把握するという手だてもございませんが、一説によると全国で三万人とかいう程度の者が、そういう講習を行なっておるという数字もございます。しかしこれは現在のところは、やはりあくまで看護補助者の教育だというふうに私ども受けとめておるわけであります。 それから先ほど最初のほうにございました看護婦の国際比較のものでございますけれども、この点は、各国によって看護婦の定員なりつかまえ方が必ずしも明確でございませんので、厳密な意味の比較検討になるかどうかは疑問でございますが、日本の場合、人口十万人単位では約二百七十という数でございますが、カナダが五百九十八、西ドイツが二百八十四、スエーデンが二百九十というような数字でございますので、まだまだカナダ等に比べればはるかに低いような状態かと考えております。
○大出委員 私のところにある数字によりますと、日本が人口十万人当たり、これは一九六三年の調査でありますが、日本でお医者さんが百十・八人、看護婦さんが二百二十四・一人、カナダでお医者さんが百十・九人、看護婦さんが六百五十一・三人、アメリカでお医者さんは百四十三・九人、看護婦さんが六百二十七・七人、デンマークでお医者さんが百三十二人、看護婦さんが四百八十・四人、西ドイツでお医者さんが百五十九・五人、お医者さんの数が多いわけでありますから高いのですけれども、看護婦さんが二百八十二・八、スエーデンでお医者さんが百四・四人、看護婦さんが九百九十七・六人、非常に多い。スイスでお医者さんが百三十二人、看護婦さんが二百八十五・二人スコットランドでお医者さんが百十八
○松尾政府委員 就業看護婦の昭和三十一年の数を申し上げますと十一万八百二名、それから三十六年におきまして十万六千六百二十二名、一番最近の四十二年末におきまして十二万三千八百四十一名、准看につきましては昭和三十一年が二万七千六百九十一名、三十六年が七万七千三百四十二名、四十二年が十二万九千二百三十四名、大体こういう動きが就業人口の動きでございます。
○大出委員 そうしますと、看護婦さんのほうは私のところにある資料によりますと、これはおたくの「衛生行政業務報告」の中身ですが、昭和三十年が十二万七百三十九名、これが就業看護婦数、このときの准看の皆さんが九千百二十一名、昭和四十年を見ますと准看の方々が十一万千二百二十六名、いまのお話ですと四十二年が十二万九千ですか、そうするとここ十年ばかりの間に准看の方々が急速にふえて看護婦さんはさっぱりふえない、就業看護婦数からいけばむしろ減るという傾向がある、こういう状態ですね。そうすると看護という面に関する日本の医療行政というものはずいぶん准看の皆さん――そういったら准看の皆さんにたいへん恐縮な言い方になりますけれども、この教育課程をさっきちょっと承りましたが、看護婦の方と准看護婦の方のは教育課程が違うわけでありまして、これは私は決していい傾向ではないという気がするのでありますが、もっと学問をされる機会を与え、また条件をつくって看護婦さんはふやさなければならない。ところが、逆に准看の方々がたいへんなふえ方をしているという現実。私は冒頭に、ことしあたりは看護婦と准看の比率が逆になるんではないですかと申し上げたのですけれども、いまお答えをいただいた数字からいきますと、看護婦さんより准看の方々が、ことし初めてと言ってもいいのですが、――昨年私が調べたら、やっぱり看護婦さんのほうが少し多かったのですが、准看の方々がふえてしまった。養成機関その他をながめますと、准看の方々が今後急激にふえるという傾向を持っている。そうすると、この趨勢でいくと、まさに将来に向かって准看の方々がほとんどを占めてしまうことになる。それでいいのかどうかという点ですね。医療行政の中でも、薬と看護婦といわれる世の中ですから、私ははっきり承っておきたいのです。それでいいと厚生省はお考えになるのですか。大臣、こういうふうにいま三十年の数字を申し上げましたが、ほんの少ない准看の方々がこの十年間で正看の看護婦さんを追い越してしまった。しかも、短期養成の速成教育をやるところがたくさん出てきた。こういうことでいいのかどうかということですね。大臣、医療行政全体をながめてどうお考えになりますか。
○斎藤国務大臣 いろいろ専門的な御意見もあるだろうと私思うのですが、こういった比率が非常に変わってきた。その間において、いまおっしゃいますような事柄についても医療界において問題になっておっただろうと思うのですが、今日までこういう形になってまいりましたのは、まあ半々くらいならいいんじゃないかというような気持ちできたんじゃないか、こう思うのです。しかし准看のほうがさらに上回って多くなってくるということがはたしていいかどうか私も疑問に思いますが、医療界の方々の御意見やまた皆さんの御意見も承りまして、私だけの意見を申しますと、看護婦の数をもっと増すような施策を強力に講じなければならないと自分では考えておるのですが、来年の予算要求までにはそういった考え方も固めまして、それに応じた予算要求をやり、そして施策を充実していきたい、かように思っております。
○大出委員 全くどうも第三者的言い方で恐縮なんですけれどもね。やっぱり教育課程――先ほど承ったのでありますけれども、看護婦さんと准看の皆さんの修業される課程が違うのでございますから、その意味では看護婦さんの質の低下ということが明瞭に数字の上にあらわれている。これでよしとするんだとすれば、これはたいへんなことだと思う。この点はあだやおろそかにしておけない問題だと思います。さらに言うならば、准看の皆さんが補助看護との関係があっていろいろ論議があったところでございますけれども、准看の方方が正看の資格要件を備える道をもっと切り開いておかないと――切り開いたらますます准看をということにもなりかねないという論もありましょう。ありましょうが、量質面から、やっぱり看護婦さんの質を向上させる、これを考えなければならぬところにきているという気が私はするわけでございます。 そこで、具体的な問題に入りたいのですが、まだ少し問題が出てきたので承っておきたいのでありますが、日本の場合のお医者さんと看護婦さんの比率の問題、それからたとえば人口十万人当たりで計算した場合の、各国と日本の比較の問題等々がございます。 それからもう一ついま大臣がお答えになったこととあわせて承りたいのでありますけれども、旧来、そういう名称は保助看婦法上ございませんけれども、副看護婦などと言っておった制度がございます。これは国がきめたものではございませんから、制度とは言えませんが、たとえば東京都の医師会長さんが副看護婦さんなんという方々の卒業式においでになって、将来あなた方は正式な看護婦という名称が持てるようにちゃんとするからということで激励されていた時期もあります。公立病院その他にはわりあいありませんけれども、一般の町の病院の先生方のところに、いわゆる無資格者、見習い看護婦とこういうんだけれども、実はそれなりに各医師会その他の養成機関で教育をされて出てきている方々、当時副看護婦と言っておりました。いまは何というのか知りませんが、しかしこれは保助看婦法が、名称というものに対して、似たような名称を使ってはいけないと書いてありませんから、その名称がいかぬとは言えませんけれども、そういう方々はいまどのくらいおりますか。
○松尾政府委員 いわゆる副看護婦と称されておりますのは、私どもで考えれば診療の看護補助者に相当する者である。医師会等におきましては、いわゆる正規の看護婦というには言いにくい問題もありましょうしあるいは需要のほうからいいましても、そういう人がおればある程度済むというような診療所等の実態もあって、自分たちの手でそういう補助者をもう少し訓練をしたい、こういうことでいろいろおやりのようでございます。その数につきましては、そういうふうな制度でございますから、こちら側が明確に把握するという手だてもございませんが、一説によると全国で三万人とかいう程度の者が、そういう講習を行なっておるという数字もございます。しかしこれは現在のところは、やはりあくまで看護補助者の教育だというふうに私ども受けとめておるわけであります。 それから先ほど最初のほうにございました看護婦の国際比較のものでございますけれども、この点は、各国によって看護婦の定員なりつかまえ方が必ずしも明確でございませんので、厳密な意味の比較検討になるかどうかは疑問でございますが、日本の場合、人口十万人単位では約二百七十という数でございますが、カナダが五百九十八、西ドイツが二百八十四、スエーデンが二百九十というような数字でございますので、まだまだカナダ等に比べればはるかに低いような状態かと考えております。
○大出委員 私のところにある数字によりますと、日本が人口十万人当たり、これは一九六三年の調査でありますが、日本でお医者さんが百十・八人、看護婦さんが二百二十四・一人、カナダでお医者さんが百十・九人、看護婦さんが六百五十一・三人、アメリカでお医者さんは百四十三・九人、看護婦さんが六百二十七・七人、デンマークでお医者さんが百三十二人、看護婦さんが四百八十・四人、西ドイツでお医者さんが百五十九・五人、お医者さんの数が多いわけでありますから高いのですけれども、看護婦さんが二百八十二・八、スエーデンでお医者さんが百四・四人、看護婦さんが九百九十七・六人、非常に多い。スイスでお医者さんが百三十二人、看護婦さんが二百八十五・二人スコットランドでお医者さんが百十八人、看護婦さんが六百七十三人、ソビエトでお医者さんが十万人当たりで、これは一番高いのでございますが、百九十七・二人、看護婦さんが三百四・四人、こういうわけであります。そうすると、お医者さんについてはカナダとそう変わりがない。それからまたスエーデンなどよりは少しいいという程度でありますけれども、あとは医師の数も各国ほとんど日本よりは多い。看護婦さんは圧倒的にどこの国も日本よりは多いわけでありまして、日本は二百二十四ですから、カナダが六百五十一、アメリカが六百二十七、デンマークでも四百八十、スエーデンが九百九十七、スイスが二百八十五、スコットランドが六百七十三、ソビエトが三百四でありますから、したがって、いま、少しまだまだというようなことをおっしゃいましたが、少しまだまだではなくて、たいへんもっともっとでなければならぬということになるわけでありまして、国際比較の面からいっても非常に心さびしいわけであります。しかもその中身が、どうも質的な転換の時代がきているような感じがするほどに准看の皆さんがふえているということ。それは准看を志す方々は、それなりの理由があってのことでありますから、それをもちろんとやかく申し上げるわけではない。ないけれども、全体の医療行政という面から見て、だんだんどうも低下してくるという現象は、これはがまんのならぬところであります。 そこで問題は、一体どうすれば看護婦さんがふやせるのだろう、これは三年五%で五%削減やったから看護婦さんが充足する筋合いのものではない。いまここで例をあげましたように人口十万人単位でものを考えて、各国比較の中でこれだけ日本の場合には看護婦さんの数が少ないのですから。そうなると、三年五%削減をしたからといって、看護婦さんでない人を持ってきて看護させるわけにいかぬですから、そこに問題があるんじゃない。問題はどういうふうに看護婦さんを養成するかということ、また看護婦さんが、どういうことをすればその職場に定着をするかという、ここをはずして私は看護婦対策は成り立たたないと思っているのです。これはもう総定員法の三年五%どころの騒ぎじゃない。そんなことはどうでもいい、欠員補充するんですから。そうじゃなくて、どうしたら一体国民医療面から見て看護婦を確保できるかということで、もっと深刻な問題として取り上げられなければならぬと私は思っている。そういう意味でいうと、いささかどうもこの間の大臣の答弁は、とっさのことでございまして、ああいう場面ですから、それをとやかく申し上げる気はないけれども、どうも少し本末転倒のきらいがある。もう少し深刻に看護婦さん不足というものを、五十万という数に達する有資格者があって、なぜ一体四十何パーセントしか稼働していないのだろうかという点を真剣に掘り下げて国の施策として考えるということをしなければ、国民医療は低下するばかりだということになってしまう。ここの問題なんですね。大臣、そうじゃないですか。
○斎藤国務大臣 まことにそのとおりだと思います。私は、看護婦問題は、いま日本の医療界における非常に大事な、深刻な問題だ、かように思っておるわけであります。ただ私はまだ不勉強でございますので、そこで先ほども申しましたように、来年度予算要求までには看護婦の抜本的な対策を考える。それについてあらゆる基礎調査をしてくれといって、いましてもらっています。いろいろな数字も出てくると思いますが、また各界の御意見も聞く。私の感じとしましては、いまおっしゃいますように、非常に看護婦問題は大事な問題だ。厚生省としても最重点政策の一つとして来年は取り上げていかなければならぬという気持ちをもって、いまいろいろ検討を命じて検討中でございます。 そこで、先ほどもおっしゃいましたように結論の意見はといわれますと、いまそういう段階でございますので、いましばらくお待ちを願いたいと思います。
○大出委員 そこをおわかりいただければ――わかっておられるのだと思いますけれども、やはりそういうふうに、議事録に残りますので、はっきりしておいていただかなければ困ると思いまして、実は取り上げる気になったわけであります。 そこで伺いたいのですが、基準看護ということばがございますね、これは法律、規則等々の面でどういうことになっておりますか、その基礎は。
○松尾政府委員 医療法関係に基づくものではございませんで、ただいま保険局長参っておりませんけれども、保険のサイドで支払いをする、その保険としての看護料を払う、そのための一つの目安が基準看護として先ほど来お話しの一、二、三という分類が、保険のサイドでやられておるわけでございます。
○大出委員 医療法の施行規則に看護婦基準というものがありますね。そのところをどなたかお読み上げいただきたいんですが。
○松尾政府委員 医療法施行規則第十九条の第四号でありまして、第十九条の最初には「病院に置くべき医師、歯科医師その他の従業者の員数の標準は、次の通りとする。」というふうになっております。その中で「看護婦及び准看護婦入院患者の数が四又はその端数を増すごとに一及び外来患者の教が三十又はその端数を増すごとに一。ただし、産婦人科又は産科においては、その適当数を助産婦とするものとし、また、歯科においてはその適当数を歯科衛生士とすることができる。」以上が大体看護婦の配置基準でございます。
○大出委員 この看護婦の配置基準というものは、科学的な基礎というものは何もない、そう言い切ってよろしゅうございますか。
○松尾政府委員 科学的ということの意味合いもいろいろなものがあろうかと存じますが、昭和二十三年というあの当時におきまして、医療法を施行するにあたりまして、全国の病院の調査をして、その数字からまあ妥当であろうという判断をした、いわば経験的な数字であるということになっております。しかしながら、別の意味からいっていかにあるべきかということになれば、いろいろな議論はあり得るかと思います。
○大出委員 つまり経験的なというのは言いわけとしてはなかなか通用することばですけれども、看護婦の数が当時これしがなかったということで、私はある意味ではしかたがないと思っているのです。それで想定患者数を割ったんだからしかたがない。非科学的だけれどもそれしか方法がなかったのだと思うのです。だからそのことを責めるわけではないのだけれども、それを何でいままでそのままにしておくのかということ。二十三年以来、いまは四十四年ですよ。私はそれをここに持っていますが、あえて読んでいただいたんです。何でこれはいままでこのままにしておくのかということが問題点なんです。この間、斎藤厚生大臣がいろいろお答えになっておりましたが、何とかしなければならぬというお気持ちで、非常にまじめなお考えで言っていられたのは認める。しかし、こういうことになっておったんではどうにもこうにも打つ手がない。袋小路に入ってしまっているという感じがする。その意味で私は実はこの問題でものを申し上げている。だからこそ人事院が一方で行政措置要求にこたえて判定を出されても、さてさっぱりこれは判定は出たんだけれども、いつになっても解決しないということができ上がってしまうということになるわけであります。 そこで念のために伺っておきたいのですが、看護婦さんの人事院の行政措置要求の四十年五月の判定は、一、看護婦の夜勤は月八日とすること、個々の夜勤そのものもこれを上回らないようにすること、二、欧米においても一人夜勤の例は少なく、多くは二人以上になっている、一人夜勤の廃止について計画的に努力すべきである――これは人事院が計画的なんということを入れるからいけない。少しずつふやしても計画的だということになるから。これはまことにまずいのですけれども、それでもないよりはいい。三が、産後六カ月程度の夜勤免除の措置を講ずること、四が、休憩時間を明示する措置を講ずることとなっておりまますか。
○松尾政府委員 保険局のほうでいろいろと調べていただいておりますものの結果ではございますけれども、大部分の病院ではやはり基準看護というものは苦しくても守られておるようでございます。
○大出委員 苦しくてもということばがつくだけ、苦しい答弁だと思うのでありますけれども、そうなると、それは基準看護じゃすでにないのでありまして、それを基準看護と答えざるを得ないという苦しさが医務局長におありになるだろう、こういうふうに思うのであります。 まあ、神奈川県の実情をもっと取り上げれば切りがありませんけれども、二、三点、おかしなことがありますので、承っておきたいのですけれども、看護婦さんをあっせんをするところがありまして、そこから公的病院がそのつど人を入れている、こういうところがある。藤沢市に中村看護婦派出婦会、ここから国立横浜病院の西三病棟という外科病棟、ここに恒常的に入れているんですね。これはほんとうに看護婦さんか看護婦さんでないか、わからない。この金は一体どこが払っているんですか。これは皆さんの所管ですから聞くんですけれども、具体的な例をあげたんですけれども。
○松尾政府委員 その事実は私も初めて承りますので、中身はわかりませんが、二通りのことが考えられるのじゃなかろうか。一つは、いま恒常的とおっしゃいましたので、あるいは違うのだろうと思いますが、万やむを得ず、何か重症の患者が自分の希望でどうしてもつけてほしいというようなものがある場合。それからもう一つは、何か非常勤的な勤務のような形で人を雇っているのかどうか。そこらは実態をよく調べてからでないと何とも申し上げようがございません。
○大出委員 お調べになるそうですから、ついでにお願いしておきたいのですけれども、支出証拠書があるわけですよ。恒常的に中村派出所から雇っているのですから、雇って使っている以上はどこかから金を出さなければいかぬ。あるいは証拠書がないと言ってくるかもしれない。なければ、現に患者もいるし、これは療養所ですから長くいる。そうすると、これは一体個人負担になっているのだということになる。そんなばかな話はないという問題が出てくる。私は間接的に聞いておりますので、聞いた限り、こういうことになっているというのは、頭に入っておりますけれども、それをいまここで申し上げても、公の席でありますから御遠慮申し上げますが、しかしこういうことであっては、これはえらいことになると思っておりますから、私も調査をいたします。名前までわかっているのですし、恒常的にそこから入れていて、国が金を払っていないのだとすれば、これはたいへんなことだ。これは法律的にもえらいことです。したがって、そこのところを、払っているならいるで、支出証拠書の写しか何かを私はいただきたい。それをお願いいたします。 それから国立病院なり療養所なりの超過勤務の発令のしかた、これはどういうことになっておるかという点。それから超過勤務手当というものは、一体どういうふうに払われているとお考えかという点を承っておきたいのです。
○松尾政府委員 超過勤務につきましては、事前に命令を出して、そしてその超過した部分については超過勤務料を払う、全部払うというたてまえで進んでおります。
○大出委員 この実態を申し上げますと、この看護婦さんの次の看護婦さんに交代時間がまいりまして、申し送りをいたしますが、これは勤務時間内に行なわなければ勤務時間が切れてしまいます。申し送れない。そこで勤務は終わってしまうのですから。これは申し送り準備時間なんというものは、労働協約を結べるところではちゃんとつくられておりますが、国家公務員の場合には協約締結権がありませんから、人事院規則の関係でいっておるわけでありますが、そうすると、そこらがはっきりしない。そこで、看護婦さんの申し送り時間は常に勤務時間外になってしまう。そこへもってきて看護助手、保清婦、――清掃その他を含めてやっておられる方ですが、その方がやる食事のあと片づけ、これが勤務予定表に、当然のことのように、看護婦さんの分野でないことが組まれて、いやでも看護婦がやらなければならぬようになっておるということが至るところにある。ここらのところが当然のことだとされるということになるとすれば、これは、それこそ法律規則に基づいてものを申し上げなければならぬことになる。これはなぜ一体定員を配置しないのかという問題も出てくる。ここにも、そういうことをさせておくと、本来の業務でないものをさせられているわけでありますから、看護婦さんがいつかなくなる、いずらくなる、勤務がつらくなる、これはあたりまえであるという問題。そして、そのまま勤務時間が終わって、申し送りをやって、さてそのあと保清婦のやる仕事までやらされて、しかもそれが勤務予定表に麗々しく一カ月も前から張り出される。それでもしようがないからやっている。本来ならば、これは明確に超過勤務なんですよ。仕事の質、量をやらなければならぬかどうかということを論ずる前に、超過勤務の問題がある。ところが超過勤務手当というものは一銭も払われていないということですね。そういうことで一体いいのかどうかという問題ですね。そこのところをどうお考えかということ。 それから、あわせて、先ほど調査とおっしゃっておりましたから承っておきたいのですが、横須賀病院、横浜病院、相模原病院、神奈川県療養所、箱根療養所、小児科二宮分院、これは昭和四十三年十月の超勤令書、支給明細書、勤務予定表等を一ぺん厚生省でとっていただきたいのですよ。中身はあとから申し上げますが、これはあまりといえば、看護婦さんに気の毒過ぎる。こういうことをしておいて、この間斎藤大臣がお答えになっておりましたように、看護婦対策に一生懸命になっているなんておっしゃっても、実際の現状をあまりにもお知りにならない。したがって、医務局長、これはごらんになれば、えらいことになっているということがわかりますよ。日勤、夜勤、深夜勤等の勤務表も全部ここにありますけれども、私も、勤務時間だの何だのと専門にやってきた男だから、見ればわかる。こういうふざけた話はない。 ここに婦長さんが死んだ例が一つある。これは自殺ですよ。これは最近のことですけれども、こういうことでは困ると言うのです。ここに全部勤務予定表がございます。これは死んだ婦長さんのいる国立久里浜病院の勤務表でございますが、これによると、三月十一日の朝日新聞の朝刊、湘南版ですが、「看護婦長自殺」ということで、これは柏市の出身の方でありますけれども、横須賀の野比の二七六九にございます国立療養所久里浜病院の看護婦宿舎で、九日の夜九時ごろ、看護婦長の小河原朝子さんという四十三歳の方が死んでおられるのを同僚の方が見つけて浦賀署に届け出たという事件があったわけであります。かつて、私は、たしか三浦の国保病院の問題をこの席で取り上げたことがありますが、厚生省は調査をなさいましたけれども、調べたところ、まくら元に、世の中がいやになったという遺書があった。睡眠薬自殺ですけれども、たまたまこの中身を調べてみますと、この婦長さんが実は一人夜勤をやらなければならないことになった。これは二月の一日からの勤務表でございますが、二月の六日、七日というところでこの病棟の看護婦さんがやめた。配置がえになった。そうすると、どうしても婦長さんみずから一人夜勤をやらざるを得なくなった。だから、七日、八日が一人夜勤、十八日、十九日も一人夜勤。これは、準、深夜の勤務がその間に十三日、十四日と二日ある。そしてまた二十四日に準夜勤がありまして、それからまた一人夜勤が二十八日、一日と続く。こういう勤務に変わってきたわけであります。この人の勤務表でございますけれどもね。ここまで苦労しなければならぬのかということなんです。これはほとんど看護婦さんだが、看護婦さんどころではない。しかも見ると婦長さんです。ずいぶんいままでに苦労されていて、なおこういう勤務態様にならざるを得なかった。患者がいる。ほんとうにいやになってしまうと思うのですね。だから、私は幾つか病院の例をあげましたが、そういう状態が至るところに現にあるのですね。だから、ここらをやはり皆さんのほうでもう少し職場の実態を調査をしていただきませんと、幾ら口の先で三年五%削減でやるとか、何とかしますなんて言ってみてもくその役にも立たない。だから、現実に即して、それじゃこういうところをどうするかということを考えていただかなければならぬ。そのことを提起すれば、それは国会だって国民だっていやだとは言いませんよ、患者なんだから。私は、そういうところをどうしても皆さんに現実を知っていただきたい、こう思っている。私はもう一ぺんこれは調べてみようと思っておりますけれども、ここになお、神奈川県の国立三施設の勤務表から、一人勤務の実態から、全部あります。これはひどいものです。ここで申し上げている時間がぼつぼつなくなりますから差しおきますけれども、あまりといえばあまりにひどい。 そこで、いま、医務局長の分野でない、勤務時間だの何だののほうにだいぶそれてまいりましたから、もとに引き戻して御質問申し上げたいのでありますけれども、いま一類、二類、三類というふうに看護婦さんの配置基準がなっておりますね。そこで、さてお医者さんの場合なら、地財法等の適用を受けて独立採算になっている病院の場合には、お医者さんが一人ふえれば、患者さんをよけい見ますから、次々に単価が上がってきますよ。ところが看護婦さんというのは、何人ふえても、これはそのために収入がふえるというものじゃないんですね。そうじゃございませんか。そこのところは、どういうふうにお考えになりますか。
○松尾政府委員 これは、おっしゃるとおり一類、二類、三類という看護の基準がございまして、それに合うものについては、社会保険の診療報酬がそれに沿って支払われます。ですから、基準看護をとっていないところが、三類になりあるいは二類になり一類になれば、その限りにおいてはふえてまいります。しかしながら、それを越しますと、もう御指摘のとおり現在では一銭もふえないというのが実態でございます。
○大出委員 看護婦さんのやる看護の面で点数単価のあるものがございますか。
○松尾政府委員 保険の点数のことは、明確に存じておりませんが、ただいまの基準看護料以外は、たぶん点数というものはなかったと存じております。
○大出委員 そうすれば、基準看護料それだけしかないということになると、看護婦さんをどんなに優秀な人を入れてみたって、この一類、二類、三類によって入ってくる全額以外のものは取れないでしょう。いま一類、二類、三類で幾らになっていますか。 もう一つ、ついでに答えていただきますが、新生児の介抱料というのがございますね。これは看護婦さんの分野でしょう。この新生児の介抱料というのは、一日三十円から六十円、これだけは金銭換算ができていますから、これはそれをやれば、よけい収入はふえるということです、地財法に基づく独立採算になっていますから。そうでしょう。あとは一類、二類、三類、これはもうそれに基づく基準看護料が取れるということだけですが、この辺、違いますか。
○松尾政府委員 一類が二百十円、二類が百四十円、三類が百円というのが計算の額でございます。
○大出委員 だとすると、これは正看の方々をどれだけ入れてみても、質のいい看護婦さん――こういう言い方は、いやなんですけれども、質のいい看護婦さんをどれだけ入れてみても、その病院の収入には影響はないんですね。ところが給料は一万円ぐらい違うんですよ。そうすると、大臣、先ほど正規の看護婦さんと准看の方を考えた場合に、どうも逆じゃないかという気がするとおっしゃいましたが、だから、准看の方々をどんどん入れる、正規の看護婦さんがだんだん少なくなるというかっこうにしていくと、病院経営は楽になる。人件費の面で一人当たり一万円から違う。そうなると正看をとりたがらぬで、准看がふえ、かつまたそうなると、准看を養成することについては力を入れるけれども、看護婦さんを養成することには力を入れない。そういうことになれば、これを称して安上がり医療と言わざるを得ぬのですよ。そういう性格を本来持っているのですからね。これは大臣、いま私が論議している点はいかがですか。
○斎藤国務大臣 私もそういうことが原因しているんじゃなかろうかと思って、十分調査をしてみたいと思っておったところです。私は、いまの医療報酬の点数制度という面も、そういった面から、看護婦だけではありませんで、看護婦、准看護婦あるいは病院経営というような面から医療保険の抜本改正と取り組んでまいりたいと思っているのでありますが、その際の一つの大きな柱として点数制度というもの、あるいは医者の技術料という点もありましょうし、いろいろありますが、その中で看護婦問題を取り上げる場合に、その点が一つの重要な点ではなかろうかと私は思っておるのであります。
○大出委員 看護婦さんと患者さんの比率が四対一になっているが、この基準改正ということを医務局長、お考えになる気はないですか。
○松尾政府委員 先ほど来御指摘のように、二十三年に制定されて以来据え置きだということでございますが、この経過といたしましては、その後きわめて科学的でないと称しながらも、その基準すらなかなか満たすような供給がつかなかった、一方ベッドのきわめて大きい増加ということもございましたけれども、そういうことによって一応いままで変えられなかったというのが実情でございます。しかし、ただいま大臣も部分的に供給計画というものを組みかえるという指示はしておられるわけでございますので、その観点で私どもは、単に四対一というふうなことにこだわって、そういう需給問題を計算するわけにはまいらぬという考え方でございますから、やがてそういう需給状態の見通しが立ちましたときには、それに見合って医療法の施行規則というふうなものも当然変わってくるのではなかろうか、こういうふうな気持ちをもっていま作業を続けております。
○大出委員 この辺でぼちぼち打ち切りたいと思いますが、この国立久里浜病院の第六病棟、これはアルコール中毒患者の治療病棟ですが、私はさっき婦長さんの自殺のことは申し上げたのですが、これは皆さんのほうでもぜひ調査をしていただきたい。こういうようなことがあっては困るんですよ。つまり、その病棟の看護婦さんの夜勤等の状態、これらが変わってきますと――ずいぶん泣いているわけですね、その間に看護婦さんは。それをおいておきますと、やめてしまう。かつて私は、例の三浦の国保病院の非常に悲惨な例を申し上げましたが、妊娠しているのにどうしても出てこいというが、どうにもならぬということで、そういう騒ぎでたいへんなことになりましたが、こういうことになっていると、やめてしまうか、あるいは幾ら皆さんが免許のある方は引き出したいと言ったって、こんなことをしていると、出てきやしない。ですから、そういう面を早く知るという必要がある。知ってどうするか、足りないのだからどうにもならぬということになるかもしれないけれども、しかし、それにしても、こういうことができるだけ早くわかるような方式をどうしてもとっておいていただかないと、あまりといえばひど過ぎる。ぜひこれは調査をして、結果をお知らせいただきたい。 それから、いま医務局長は、どうも他人ごとをおっしゃるので、その点がいささか納得できないのですが、四対一、それもできないのだからと言う。これは患者と看護婦さんの比率ですよ。これは厚生省告示の第一七八号の看護の基準で、この看護の基準を一類、二類、三類と分けている。それで患者と看護婦さんの比率は、御承知のとおり一類から申しますと、四対一、五対一、六対一になっておりますね。ところが実際に一七八号告示、この中身に一類、二類、三類のところが沿っているかというと、一類のところが四対一というけれども、実態は、これはもう関係団体どこでも指摘しているように、五対一をちょっとこえている。決して四対一ではない。それから二類の五対一が六・二五対一になっている。それから三類の六対一が七・五対一ですよ。だから、御指摘のとおり四対 一にはもちろんなっていないんですよ。しかし、その基準をさらにもっと三対一なら三対一にするという方向をおとりにならぬと、いまの四対一をそのままにしていると、四対一が五対一になったり、五対一が六・二五対一になったり、六対一が七・五対一になったりする。そういうふうにはみ出すんですね。だから、そこのところは、あなたが四対一にもなっていないのだからしかたがないと言っておられたのでは、その四対一がますます五対一になり、五対一が六二五対一になり、六対一が七・五対一になってしまう、こういうことになりかねないんですね。そこで、あなたのほうでももう少し何とか言いようがありそうなものだと思いますが、いかがでしょうか。
○松尾政府委員 率直なことを実態として申し上げたわけでございますけれども、ただいま御指摘のように、たとえば構成比率というものが保険のほうではあきらめられております。その結果からいまのような数字を言われたと思います。したがいまして、看護というものは四対一にするというような、単一なそういうものでいいのかどうか。これは従来から専門家の間では、むしろそういう数字をきめるべきではなくて、病状に応じて、患者に応じて必要な看護ということばがよく使われておるわけであります。しかしそれをもってはなかなか一つの支払いなり行政の基準にはなるまいということで、神が申し上げたのは、需給関係というものを一方においてきちっと踏まえて、その上では必ずそれに見合ったように改正はすべきではなかろうか。ただ、いまおっしゃるように、四対一にしておけば五対一が出てくるのだ、そういう意味で三対一にしておけというよりも、私が考えておりますのは、三対一が必要だったらそれが供給できるような姿に持っていきたいということで申し上げたわけでございます。
○大出委員 これで終わりますが、もちろん私も、四対一を三対一にしろと言ったのは、つまりいつになっても四対一で、その比率が実態は逆に患者のほうが大きくなっていくということを放任できぬ。だから厚生省はそこを――欧州各国なんかは二対一のところがたくさんあるのですから、本来そういう基準なんですよ。基準はきちっときめて、四対一でなくて二対一ときめて、そうしてそれを実態調査をやって、現にこうなっている、それを何年計画でこうするということを内外に明らかにして、それこそ新聞でも何でもどんどん天下に発表していただいて、厚生大臣に先頭に立っていただいて、そうしてこれを認めない大蔵省というのは国民の財産をどう使うのだということになれば、いまは世論政治ですから、至るところで――サラリーマン減税だってそうですよ。そういう雰囲気をむしろ皆さんがつくって、かたくななことを言って、さいふの口ばかり握っている大蔵省にさいふの口をあけさせなければならぬ。そうするためには、何かそこにアピールするものが必要ではないか。二十三年にきめました四対一でございます、やむを得ないのでございます、で済ましていたのでは事は前に進まない。これを私は言いたい。 最後に、人事院が判定した例の一人夜勤ですね、看護婦さんの。大臣はこの間ああいうふうにお答えになったのですが、大体これだけやりとりしていますから、これは予算委員会でも取り上げた問題ですし、社労でもいろいろ取り上げた問題でしょう。だから重ねて言うようになりますけれども、これはせっかくの人事院の判定なんですから、単に人事院の、頭数のほうで三年五%がどうのこうのじゃなくて、一体どうすれば人事院の行政措置要求に関する判定を、計画したということばがついているが、早急に実施ができるかという点。その根本にあるものば一体何かという押え方と、どうお考えになるかということと、それなら来年度予算に対してどういうふうに計画的早期実施をお考えになるか、ここらあたりをひとつもう一ぺんお答えいただけませんか。
○斎藤国務大臣 国立関係の病院、療養所につきましては、人事院の判定、勧告、ぜひ早期に実現いたしたいと思っております。ことし初めて増員の要求をした、そういう意味において、これもおそかったと思うのでありますが、三カ年計画で要求しているということでございまして、それにしては初年度が少な過ぎたと私は思っております。あと二カ年ということでありますが、二カ年内には必ず二人勤務の状態ができるように、さように思っております。 全体といたしまして私は看護婦の労働条件といいますか、勤務条件といいますか、これをもっとはっきりと把握をいたして善処をしていきたい、かように思っております。しかも私の感じといたしましては相当深刻なものがあるのじゃないか、それを実際の数字や実態について、はなはだ残念でありますが、われわれの事務当局においても十分つかんでいないのじゃないか、こう思いますので、それを十分つかみ、そしてそれをもとにして看護婦対策を考えてもらうべく、いま指示をいたしておるところでございまして、真剣に取り組んでまいりたいと考えております。
○大出委員 たいへん恐縮なのですけれども、医務局長さん、准看の皆さんの保助者法による受験資格は、おととしの通常国会でしたか、自治労関係からも要求が出たりいろいろなことがあって、なかなかうまく進まないで困っていた時期がございましたが、いまどうなっておりますか。看護婦と准看との関係、看護婦への道を開く云々の問題。
○松尾政府委員 率直に申し上げまして、取り巻く環況のほうはそんなに大きな変化がないのじゃないかと私は考えております。
○大出委員 そうするとそのままだということですね。いまの保助看法のたてまえかむすれば、たとえば何年間勤務をした場合に受験資格を与えるとか云々とかいう問題がありましたが、あればいまどうなっておりますか。
○松尾政府委員 ただいまのところはそのままになっております。改正が行なわれておりません。ただし先ほど来御指摘のように、将来の准看と正看との比率の変動、これは御指摘のとおりたいへん大きな差が出てまいります。大体の予測も可能でございますが、そういった場合に大臣の言われましたような、それを全体としてはやはり量として確保しなければならぬ、と同時に質の問題を解決せねばいかぬという二つの問題がありますので、私どもはいまの長期的な計画の中に織り込んで、その需給関係の一環として検討したい、私はそういう気持ちで取り組んでおります。
○大出委員 私のいま申し上げた趣旨は、こういう実態ですから、私も三十八年、九年ごろに看護婦さん問題を取り上げていろいろ御質問申し上げたときには、ここまで急速に准看の方々の数がふえるとは思っていなかった。昨年調べてみて私はびっくりした。当時は正看の皆さんの気持ちがあって――病院という職場の中では非常に看護婦さんと准看の皆さんの間というのはむずかしい。だから、私どもにしてもうかつにものが言えないという面がある。場所によっては感情的なものがありますから。しかし、ここまで来るとやはり言わざるを得ないのですね。将来の看護医療の質の向上を考えれば、目標を与えて勉強をしてもらうというその必要はもうあるような気がする。そんなことをすれば看護婦さんのほうに力が入らんで准看ばかりに力が入っちゃうじゃないか、国の施策として。だから大出君それは間違いだと言う人があるかもしれない。しかし、現にここまで来るとそこらのところを私も、これは結論ではありませんけれども、どうするかということを真剣に考えてみる必要のある時期に来ておる。何かおありになるかと思ったら、ないとおっしゃる、環境はそう変わっていないとおっしゃるから、それでいいのかという問題がありますので、ここのところは一ぺん十分に御検討いただきたいところです、質の向上ということをあわせまして。
○松尾政府委員 先ほど申し上げましたように、需給関係を基本的に洗い直しをやっているわけでございまして、その中に含めて私は検討したいと考えております。
○大出委員 終わります。
○藤田委員長 本会議散会後直ちに再開することとし、暫時休憩いたします。 午後一時八分休憩 ――――◇――――― 午後三時四十一分開議
○藤田委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 質疑を続行します。木原実君。
○木原(実)委員 それでは、出されておる改正案が児童手当の審議会を新しく設置して、若干の審議会を整理しよう、こういう内容だと思いますので、最初に児童手当の考え方について若干の御質問を申し上げたいと思います。 まず、審議会を新たにつくりまして、大体どういう段取りといいますか、めどで児童手当についての結倫を得ていこうとするのか。おおむねの考え方をお聞かせ願いたいと思います。
○斎藤国務大臣 結論のほうから申しますと、来年度の予算編成までに間に合うように結論を得まして、来年度の国会にはぜひ児童手当法案を提出いたしたい。これをめどにいたしまして審議会の運営をお願いするようにしていきたい、こう考えております。
○木原(実)委員 そうしますと、おおむね明年度に結論を得て、明年度からの実施ということでございますか。
○斎藤国務大臣 できましたら、明年の後半までごろにでも実施できるようにいたしたい、かように考えております。
○木原(実)委員 そうしますと、参考資料の中に委員構成その他が出ておりますけれども、この委員構成はほぼこれで固まったと見てよろしゅうございますか。
○斎藤国務大臣 委員は十八名で学識経験者ということでございますが、実際どなたをということにはまだ固まっておりません。
○木原(実)委員 あわせまして、懇談会の報告の要旨がわれわれに配付をされておるわけです。これは一応いま持っておられる結論の方向のようなものだ、こういうふうに理解をするわけですけれども、若干これに関連をいたしまして幾つかの点をお伺いをいたしたいのですが、児童手当の対象でございますけれども、これはいわゆる義務制の学校に通っておる児童、こういうことになっておりますが、これはどの家庭におきましても、第一子以下全部を対象とするわけでございますか。
○斎藤国務大臣 懇談会から御答申をいただきましたが、厚生省としましても、政府としましても、あの御答申そのままでいいかどうか、非常に疑問を持つ点があるわけでございます。私個人としてもあるわけでございます。その点をよく考えまして、関係庁またその他の御意見も伺って出したい。 そこで、対象にいたしますのは、私どもとしましては義務教育終了前まで、かように考えておりますが、しかし、第一子からにするか、第二子からにするかというような点はもう少し考えてみたい。財源の関係、財源をどう捻出をするかという問題もございます。 もう一つは、答申はいわゆる被用者グループとそうでないグループと二つに分けてという考え方でございますが、これがはたして適当かどうか。できたら給付は同じにして被用者かあるいはそうでないかというのを分けない方法でやれないものだろうか。その点も検討をいたしますとともに、審議会も検討をしてもらいたい、かように考えております。
○木原(実)委員 そうしますと、たとえば第一子を除くとかなんとかということは主として財源の問題から考えていきたい、こういうことでございますか。
○斎藤国務大臣 主たるものは財源でございますけれども、児童手当の本来の趣旨という点もあるわけでございます。国によってみな違っておりますから、それらの点もよく勘案をしたいと考えております。
○木原(実)委員 そういう趣旨ですから、ここに配付されております懇談会の報告にあまりこだわりませんけれども、しかし世上、一子につき最高おおむね三千円、そういうような案が示されておるわけで、これまた財源との関連だろうと思うわけですが、しかし給付を受ける側からいきますと、御案内のように、私どもの一般的な調査でも、その年齢の児童に要するいろんな家計上の支出というような面から見ますと、いまの時点で大体六千円ぐらいじゃないか、こういうふうに私どもは判断して、そういう考え方を持っているのですけれども、これはどうでしょうか。
○斎藤国務大臣 これもまだ固まっておりません。大体三千円ぐらいというのが一般の感じのような気がいたしておるわけでございますが、よく検討いたしたいと思います。
○木原(実)委員 その場合に、これはいずれ別の委員会等で審議されることになると思いますけれども、給付額が決定されました場合に、たとえば物価にスライドして給付を上げていくというような措置も当然とるわけでしょうね。
○斎藤国務大臣 いろいろと社会保障的な給付があるわけでございます。御承知のように、いろいろの年金制度あるいは生活扶助等がございまして、これらは物価の上昇、国民の生活水準の向上、それに伴って適時適切に上げていっているわけでございますので、したがって児童手当も当初から物価にスライドするということは困難であろう。物価にスライドしてやっていくということは、恩給制度等についてもしきりにいわれておりますし、検討いたしております。したがって、そういう一つの方式みたようなものがつくり出されるまでは、来年出発する児童手当からというわけにはちょっとまいらない。そういう考え方で適時適当な額を上げていくということじゃなかろうかとただいまのところは考えております。
○木原(実)委員 そうしますと、大ざっぱな話になりますけれども、国ないしは公共で負担する資金の限界といいますか、おおむねはどれくらいにお考えでございますか。
○斎藤国務大臣 これはまだ政府で考えておりませんから、私、資金量をどのくらいということを申し上げるのはちょっと早過ぎやしないかと思いますので、ごかんべんいただきたいと思います。
○木原(実)委員 固まってないと申されましたけれども、報告の中では、これはおそらくグループごとに分ける問題もございましょうし、それから一応の試算の数字が出ておりますから、大体二千八百億ぐらいの政府資金というような線が出ているわけなんですけれども、おっしゃるように、これから先の問題でしょう。しかし、これは制度はできたけれども中身が伴わないということがあっては困るわけですし、こういう有用性を認めていって、これだけぐらいのものは確保したいというおおむねのお考えはどうでしょう。
○斎藤国務大臣 児童手当は、御承知のように社会保障制度の三本の柱の一つだ、その一本がまだ足りないんだ、こういわれているわけであります。したがいまして、その一本に値する程度のものはつくり上げたい、その程度でひとつ……。
○木原(実)委員 非常にむずかしいところだと思いますが、しからば、いろいろな形で資金の運用というものが出てくると思いますけれども、資金の運用その他については、たとえば制度ができれば新しく基金のようなものをつくるとか、そういう運用についてのお考えはどうですか。
○斎藤国務大臣 これはある程度の拠出制度をとるかとらないかということによって変わってくると私は思います。したがって、拠出制度をとらないということになれば、資金運用という問題もなくなっていくわけであります。拠出制度をとるならば、やはり資金の運用は、いまの年金のような考え方をしなければなるまいか、かように思っております。拠出制度をとるかとらないか、その点も重大な問題としていま検討中でございます。
○木原(実)委員 そこなんですが、やはり拠出制度を部分的にとる、まあ報告はそういうことになっておりますけれども、実際問題としまして、どうですか。われわれの主張としては、やはり当然国ないし公の機関でまるまる負担すべきだ、こういう主張なんですけれども、実際問題として、やはり報告に示されたような方向ということになりそうですか。いかがでしょう。
○斎藤国務大臣 拠出ということになりますと、企業の拠出、何名以上雇用をしている企業ということになるわけだと思います。若干はそういった考えも織りこまれなければならないかと考えます。
○木原(実)委員 これは、これからまだ審議会ができまして政府の原案をつくる、われわれもまた別の機会に検討をすることが多い問題だと思いますが、ただ私どもの幾つかの、制度ができる、審議会ができるについての希望意見を申し添えておきますと、やはり一つには、何といいますか、せっかくできる制度ならば、やはりこの際、ほかとの関連の問題もありますけれども、相手は児童のことですから、やはりきちんとした中身を添えた制度をつくるように努力をしてもらいたい、これが一つでございますし、やはりその際いろんな問題が出てくるわけでありますけれども、一つには財源の確保の問題なり、あるいは何といいますか、交付にあたっての受給される側のやはり不公平みたいなものが起こらないようにというような幾つかの希望があるわけでありますけれども、いずれにしましても、せっかく発足をする審議会ですから、ひとつ万全の体制でいい結論を出すように御努力を願いたい、こういう希望を申し添えておきたいと思います。 それで、あわせまして、話が少し飛んで別のことになりますけれども、私は、最近の学齢前後の子供に自閉症状を持つ子供が非常に多い、こういうことで、実はかねがね、その方面の調査なども若干やっておるわけなんです。政府も一昨年来自閉症児に対する関心を示して、多少の、何といいますか、施策を講ずる段階にきた、こういうふうに聞いておるわけなんです。そこでお伺いをいたしたいわけですが、幾つかの未解決の問題がまだ残っているわけなんですけれども、今年度は昨年度に比べて、たとえば予算上あるいは施策上、何か前進をした面があるのかどうか、ひとつ簡単にお示しを願いたいと思います。
○渥美政府委員 先生御承知のように、まだ自閉症の診断とか治療につきましては非常に不明確な点が多うございます。したがいまして昭和四十三年から、精神神経学会のほうにお願いいたしまして、その診断と治療に関する特別研究を開始いたしたところでございます。したがいまして昭和四十四年度におきましても、これをさらに継続してまいりたいというふうに思っております。それからこの研究と並行いたしまして、実験的に自閉症児の治療施設を東京と大阪に現在建設中でございます。したがいまして、昭和四十四年度にはこの二つの施設も完成いたしますので、そこに入院児童といたしまして四十名ずつ八十名、それから通院の児童といたしまして四十名ずつ八十名、こういった子供を訓練し、治療するという、そのための運営費を約八百万程度計上いたしまして、実験的にそこでその指導、治療の方法をやってみたい、かように考えております。
○木原(実)委員 そこでお伺いしたいのですが、ようやく施設が東西にできる、こういう段階なんですが、一つには、御存じのように、治療の任に当たるそれぞれのクラスの人の問題が当然出てくると思うのです。研究その他で未解決の問題があって、治療の方法等もまだ確立をしていない、こういう側面があるのですけれども、これは御案内のように、原因はわかったけれども、しかしそれからまた人をつくっていくというのでは、また何年かのブランクができるわけなんですが、その方面についての何か御配慮はございませんか。
○渥美政府委員 その点も大きな問題でございまして、その診断と治療に関する特別研究班におきまして、どういうスタッフの人がこの治療に当たるかという点についても、いろいろと御研究をいただいております。したがいまして、そのスタッフの大きな仕事を占めるのはお医者さんでございますが、そのほか心理療法士でございますとかあるいは児童の指導員でございますとか、あるいは保母でありますとかあるいは教員でありますとか、このようないろいろな職種がチームワークをもちまして訓練をしなければならないということで、実は先ほど御説明いたしました八百万円の運営の中でも、このような職種の人が確保されるような配慮はしてあるわけでございます。
○木原(実)委員 これは大臣にひとつ御見解を承っておきたいのですが、この種の児童は、一種の何か文明病のような感じがするわけなんです。したがって、都市化が進み、あるいは生活水準が向上をしていくその側面の問題として出てくるので、おそらく厚生省で、全国で対象になるような児童がどれくらいになっておられるか、これは御調査があると思うのですが、おそらくこれも十分な調査がむずかしいのじゃないかと思うのです。しかしながら個々には、たとえばどこの学校にも必ず入学期になりますと、この種の児童の問題が年々にふえていく一般的な傾向がある。そういうことですから、これは厚生省いろいろと問題をかかえておるわけですけれども、どうもやはりそういう形で世の中が進んでいくというか、変化につれて起こってくるそういう子供たちの病気については、ようやく厚生省も施策に踏み出したところなんですけれども、これだけを特に重視しろという主張はいたしませんけれども、ぜひ十分な配慮をいただきたい、こういうふうに思うのですが、それらについてひとつ大臣の御見解を承っておきたいと思うのです。
○斎藤国務大臣 私もやはり社会環境、家庭環境、といったようなものも相当影響しているのじゃないだろうか、かように考えます。したがいまして自閉症の診断、治療のほかに、自閉症がどうして起こってきたといったようなそういう環境の調査も進めてまいりまして、そして完全を期してまいりたい、かように考えます。
○木原(実)委員 それであわせて局長にお願いをしたいのでございますが、いつもいまの入学シーズンになりますと、この種の子供をかかえた家庭あるいは学校がたいへん困っているわけですね。そしてそれがきちんとしたものかどうかわかりませんけれども、やはり学校に入れるということが、親にとりましてもそれから多少やはり治療効果があるという側面もあるわけですね。ところがいまの学校ですと、一種の問題児ですから、なかなか受け入れがたいという側面がある。これは文部省の所管に属することなんですが、しかしながら学校に行かないで、しかも施設が乏しいですから、ありませんから、家庭に置いておくよりも、やはり学校に入れたほうがいいということで、絶えず親と学校との間にトラブルといいますか、非常に困難な問題が起こるわけですね。そこで学校には養護関係の教室その他もありますけれども、いまはそこの校長さんが理解があれば特別に預かって入れてもらうとかなんとかというようなかっこうがとられている例が間々あるわけですね。ですからこれは厚生省のほうで方針をお考えになって、あるいは文部省のほうとも話し合いの上で、やはりある水準までの子供たちは学校に入学させてもらって、やはり何かその方向で先生方にも努力を願う、こういうような話し合いで処置ををしていただくようなことができないでしょうか。
○渥美政府委員 御承知のとおり自閉症あるいは自閉様症状の子供につきましても、やはり相当重度の方、重症の方と軽い方といらっしゃると思います。またそういった子供さんの治療法の中には、集団的な治療方法というものも非常に有力だというふうに聞いております。したがいまして、いま御質問の中でも、軽い方につきましては、学校等におきまして集団的な療法などによって訓練できる方もいらっしゃるかとも思います。御承知のように自閉症が学問的に確立されましたのはいまから二十年足らず前でございまして、なかなかその取り扱いもむずかしゅうございますが、なお御質問の趣旨にありますように、文部当局とも十分相談いたしまして、いろいろとこまかい配慮をしてまいりたい、かようには思っております。
○木原(実)委員 これはおそらくこれからこの種の児童が減るということはないだろうと思うのです。それだけに、いまのうちにきちんとした施策の方向とそれから必要な人間の養成ないしは施設の問題等についても特段の御配慮をひとつぜひお願いいたしたいと思います。 それから、あまり時間がないようで、もう一つ別のことをお伺いをいたしたいのですが、実は大臣に、援護関係のことでございますが、幾つかの点で申し上げたり御見解を承っておきたいことがあるわけですが、実は戦争が終わりましてもうすでに二十余年を経まして、援護関係のほうも、あるいは遺家族の関係あるいは引き揚げ関係、不十分だとはいえおおむねの施策は行き届いていると思う。ところが、ただ残念なことにはまだ取り残された人たちが海外にいる。これは御案内のように主として中国地区、旧満州でございますね。満州の中にやはりかなりの数の日本人が残ったままいる、こういう状況があると思うのです。しかもこれは、たとえば公式に抑留をされたとか、あるいは何か別の理由で向こうへとどまっておる、こういうのでしたらまた別の問題なんですけれども、実はあの混乱の中でたとえば、不本意ながら日本に帰れなくて向こうにとどまった、あるいは御婦人の人で向こうの人と結婚をした、こういうような人たちがかなりな数いるわけなんですね。私たちも理解ができるわけですが、ただ残念ながら国交も回復をしてないという現状がありますし、非常に困難だとは思うのですけれども、しかしながらそういう状況があることはよく御存じのとおりだと思うのです。われわれもすぐこれに対してどうこうという、なかなか手の打ちようがないと思うのですけれども、そういう問題について何かやはりアプローチを試みていかなければいけないんではないかという気がするわけなんですが、いかがでしょうか。
○斎藤国務大臣 お説のとおり私もさように思います。まだ未帰還の方が四千人くらいおる、こういうことになっておるのであります。そこで、いまおっしゃいますような地域で、しかも日本へ帰りたいと思っておられる人がどのくらいあるか、相当おられるようにも伺っておるのであります。そこで、今日の国交状態におきましては民間ルートを通ずるということしかないかと思いますけれども、そういう線をできるだけ利用さしていただくといえばことばが悪いかもしれませんが、御協力により、また国内においてもそういった声を高めていただいて、そしてできるだけ早く帰ってもらえるような措置を講じたい。それには皆さま方やあるいは一般のマスコミの方のお力もかりたい、かように思っております。よろしくお願いいたします。
○木原(実)委員 実は大臣、私十年ほど前に満州に参りまして、昔の奉天、いま落陽と申しますけれども、そこへ参りましたときに一人の日本の婦人がわれわれをたずねてまいりまして、初めて実情がよくわかりました。それは向こうに居留民会というようなものがございまして、その会長さんは、当時奉天の公立の病院の児童科長さんか何かをやっておったお医者さんでございます。吉林で開業していたお医者さんで向こうにとどまっておられた人、この人が会長でございましたが、この人の御奔走でハルビンからお見えになった人、それから奉天に在住をしておる主として婦人の人たちに、昔の大和ホテルに何人か集まっていただきまして、私どもといろいろ懇談をしたことがある。その際に、いろいろと実情が出されまして、実はがく然としたことがある。当時奉天市内だけでも、現地の人たちと結婚した婦人、そうした人たちがわかっているだけで約三百人くらい、こういうことでございます。その中には、ああいう混乱の中で不本意ながら結婚した人がいる、こういうことなんです。この人たちのグループの中には、そういう機会があっても恥ずかしくて日本の人たちと顔を合わせたくないという人、こういう人たちがあってなかなか連絡がつかない、こういうこと。それからもう一つは、機会があれば、日本の親兄弟が元気なうちに一目だけ会いたい、こういう希望を持っておる人たち、あえて分ければ幾つかのグループがある。一つの問題は、それにしてもどうにも帰国のあれもむずかしいし、全く離れ小島で捨てられたままで、ただこのままここで埋もれていくということになると日本人としてあまりにもさびし過ぎる、こういう話がたいへん出まして、藤田委員長の御出身の熊本の方で、手紙やらそれからはだ身離さず持っていたひすいのようなものを親御さんに届けてほしいというようなことでことづかったようなことがありましたけれども、まことにあわれでありまして、しかも公の手続としてはそういう人たちに手を伸ばす何もないのだ、こういうことになると、私ども実は断腸の思いがしたわけです。しかも、その後かえって中国との連絡が細い糸になっているわけでございますから、現状は少しも変わってないのじゃないか。そうしますと、その人たちが親兄弟をという中には、親御さんはこの何年かを除いては、おそらく老齢の方が多いわけでしょうから機会がないわけですね。そうなりますと、一方では国交の回復の見通しはありませんし、民間のルートも狭まっていっておる、困難な事情はわかりますけれども、遺骨の収集その他の問題等もあるわけですけれども、何かそこに、せめて生涯の中で親兄弟に一目だけはという希望のある人たちが現にいるわけですから、やはり何か手を打つ方法はないだろうか、私も、こういうふうに十年来多少のその方面のことで働きかけをしてきましたけれども、実績はあがっておりません。お考えの余地はないものだろうかと思うのですが、いかがでしょうか。
○斎藤国務大臣 貴重なお話を伺いまして、私もいままであまりそういうお話を伺っていなかったものでありますから、あるいは事務当局のほうでもう考えておるかもしれませんが、向こうにおられる人の御心清はよくわかるような気持ちがいたします。あらゆる機会をつかまえまして推進のできるように努力をいたしたいと思います。
○実本政府委員 外地におきます未帰還者、特に先生のおっしゃいました旧満州地区におきます未帰還者の数は、先ほど大臣からも申し上げましたように四十四年三月一日現在で三千四百八十七名で、そのうち過去七年以内に生きているという資料が確かになっておる方々が千六百十七、そのうち帰国を希望しておる、日本に帰りたいと言っておる者四百十四という数が出てまいっておるわけであります。こういう方ににつきましてはあらゆる方法で受け入れ態勢をまず整えて差し上げる、それから向こうの出国ができるようなふうに働きかける、これは公式ルートが、接触がないものでございますから、すべて赤十字等の民間ルートでというふうなやり方でございますが、そういうふうにして、帰還の意思のある方はなるべく帰っていただくというふうなことで、いろいろ制限された中でくふうしておりますが、いまは、そういうふうに手続の整ったものは出境するために中国国内を旅行する旅費、大体そういう方は全部香港から参りますが、香港から内地へ来られる旅費、そういったものは一切こちらで負担いたしまして、受け入れ態勢を整えていく。それからそういうふうなことができかねる方、それから向こうの方た自身についても、全部帰ってしまわない、やはり一目だけ老いたる父母の顔を見たいというような方は、例の一時帰国の方法でもってそういう希望をかなえて差し上げるということで、それは主として赤十字のほうで向こうと連絡をとってやっておる、こういうふうな現状でございます。
○木原(実)委員 幾つかの問題がほかにも出ておりまして、ついでにいろいろ申し上げますけれども、その当時のお話ですと、たとえばハルビンあたりでは、その当時結婚して生まれた子供さんたちが大体もの心がついて十二、三歳、いまでは二十近くになっていると思うのですが、どこの国でもやはり同じと見えまして、おまえさんは中国人ではないんだ、こういうそしりも受けるし、いろいろとそういう問題もあるのだ、こういうような訴えもございました。そういう人たちの国籍といいますか市民権といいますか、そういう問題も、いずれはやかましくいいますと残ってくる問題だろうと思うのであります。したがって、われわれ想像する以上に、たとえばそういう人たちがすでに日本語を忘れかけた。だから、当時は日本語の放送が聞こえるようになりましたから、ラジオをつけっぱなしで日本語を忘れないようにする努力をするとか、さまざまな苦労をしている人たちがいるわけですね。そのような実情があるだけに、いま局長さんもお話しになりましたように、赤十字を通じてのやはりルート、これもおそらくなかなか一時にくらべて困難な事情だと思うのです。しかしながら、これはまた政治問題というよりも、文字どおり人道の問題でございますから、何かそういう方面でアプローチを試みる接触の方法を見出すようなことはできないものでしょうか。いかがでしょう。
○実本政府委員 これは全くおっしゃるように人道上の問題でございますので、赤十字がやはりどうしても中心になります。そのほかは、国内の受け入れ態勢が、こちらに残っておられる方が、留守家族と申しますか、その方々の意思が必ずしもそういった向こうに生存しておる、残留しておられる方々の意思と合致してない場合も最近どう多い――多いというか、間々見受けられる実情がございますので、少しそういった国内の残留家族の実情聴取ということもやりまして、そっちの面からの受け入れ態勢の整備ということを少し整えてまいりまして、やはりルートとしては赤十字を使うという以外には、なかなかそういったルート以外の方法というものはむずかしゅうございますので、厚生省としましては赤十字と協力しながら進めていく、この方法で進めてまいりたいと思っております。
○木原(実)委員 困難なことは私ども重々承知をいたしておるわけでございますけれども、これはただ中ソ国境の緊張があるとか、いろいろなことを聞くにつけましても、少なくともやはり希望のある人たちは何とかしたいという気持ちが強いものですから申し上げるわけです。 それで、大体在留しておられる数字も三千四百八十七名、こういうふうに承ったわけなんですが、どうもやはり私どもの印象では、特に農村部にとどまった人たちは、おそらくなかなか調査が困難だろうと思います。しかもそういう人たちが多いのは、あの当時の実情を少しでも承知しておる日本人ならば容易に察しがつくだろうと思うわけです。したがいまして、当時私が聞きましたのも、満州一円におそらく一万人をこえるのじゃなかろうか、そういうことを残っておる男の世話役の人たちは一様に申しておりました。したがいまして、これも困難なことですが、ただ私の申し上げたいのは、依然としてそういう実情が存在していて、しかも国交の回復がないという実情が片方にある。そういうわけなんですが、ほかならぬ人道的な問題ですから、赤十字を督励するなり、あるいはこれだけなら何か中国とも、たとえば出先の政府機関で接触して話の糸口になるのじゃないか、こういう感じもするわけなんです。ですから、墓参の問題もけっこうですし遺骨の収拾もやらなくちゃならぬことですが、しかしまだなお生存しておるそういう直接の戦乱の犠牲者の人たちが現におるということは、特にわれわれのように政治の場に携わっておる者としてはゆるがせにできない問題で、これだけはひとつ厚生当局もとくと腹の中に置いていただいて、あらゆる機会をつかんでひとつ善処をお願いしたい、こういうふうに考えるわけでございます。 私の質問はこの程度でございますけれども、以上の問題につきまして、できましたら最後に大臣の御見解を承って終わりたいと思います。
○斎藤国務大臣 ただいまの御意見、まことにごもっともと思います。切々たる御心惰、私も同様に存じますので、できるだけあの手この手でアプローチのできることを考えてまいりたいと思います。
○藤田委員長 鈴切康雄君。
○鈴切委員 今度提出された厚生省設置法等の一部を改正する法律案の中で、厚生省の付属機関としての児童手当審議会を設置することについて、政府はなぜその設置期限を昭和四十六年三月末までの二年間にしたか、その理由について。
○斎藤国務大臣 政府もたびたび児童手当はできるだけ早く実現をいたしたいと言っておりまするし、私もさように思っておるわけであります。したがいまして、来年度からは、来年の国会には必ず法案を出せるようにいたしたい、かように考えているのであります。それなら一年間でいいじゃないかという御議論も出るだろうと思いまするし、私もその点はどうしたらいいか考えてみたのでありますが、児童手当を一日も早く発足をいたしたい。しかしながら完全な形で、あと審議会も何も要らないという形で発足できるかどうかといいますと、私は若干問題が残るものがあるのじゃないか。ある意味においてはアフターケアという問題もありますが、発足はしていくけれどもなおこれらの点についてさらに検討を重ねていくというこまかい技術的な問題も残るのじゃないかという感じがいたしたものですから、私は二カ年でお願いをしたらということをきめまして、皆さんの御賛成を得て提案をいたしたという事情でございます。
○鈴切委員 すでに児童手当懇談会においては昭和四十二年十一月、厚生大臣からの児童手当制度の構想について二十三回の会合を重ね、慎重に審議をされ、関連制度との調整、制度の細目については検討する事項が残されているとはいえ、制度の構想、基本的方向は明らかになっているわけであります。とすると、政府は審議会を二年間にされたということは、明らかに答申がおくれたという理由を隠れみのにして、そして児童手当制度の早期実現に努力する姿勢が欠けているのではないか、私はそのように思うのですが、いま大臣はこの児童福祉手当の問題については昭和四十五年から実施をすると言われた以上は、短期間の一年間の審議会の設置期限ということが当然ではないか、そのように思いますが、再度お伺いいたします。
○斎藤国務大臣 懇談会の答申、十二月の二十日でしたか、ちょうだいをいたしました。しかしこの懇談会には政府の意見が入っておりません。また厚生省としてもこれだという意見にはなっていないと私は思います。私が拝見いたしましたところ、あそこまで答申をいただいて、ある意味において荒らごなしをしていただいたということで非常に助かるわけでございますけれども、しかしあの答申案のとおりでいいかどうかといいますと、相当政府として考えなければならぬ点が多々ございます。いわゆる被用者グループとそうでないグループに分けるのがいいかどうか、それから拠出をするかしないか、どういうようにするかというような問題、現在賃金体系の中で、あるいは税制の中で、あるいは社会福祉の中で児童に関する事柄が若干ある、それとの調整をどうするかということになりますと、相当まだ検討する事項があるわけであります。しかしそれらまで全部検討が済まなければ出せないかというとそういうものでもない、他の制度との調整はあとへ残してもいいということも考えられます。一番の問題は、財源をどのぐらいにして、調達をどうするかという問題であろう、かように考えますので、そういうめどをある程度つけながら、審議会を進めていただきたい、こういうように思っておるわけであります。そう考えますと、一年間ですぐ廃止ということで事足りるかどうか、あとでもう何もやってもらう必要がないというほどに進めば非常にけっこうだと思いますが、万一残った場合のことを考えて二カ年間という期限をきめたわけでございます。
○鈴切委員 大臣は、この児童福祉手当についての制度をそれではいつ実施に移す御熱意があるか、お伺いいたします。
○斎藤国務大臣 先ほどもお答えいたしたのですが、できるならば来年度の後半期から実施のできるようにしたいと考えております。もしできなければ、準備だけということになると思いますけれども、来年の国会に審議としていただいて、そして準備を進めて、後半には実施のできるようなめどで進めたい、かように私は考えております。
○鈴切委員 現在自治体において四月から実施、そしてすでに実施されておる市町村は何カ所ありますか。
○首尾木説明員 現在児童手当という形で実施しておりますものが、現在の時点で九市町村ございまして、さらに出産一時金というような形で実施しておりますものが六市町村ございます。なお、昭和四十四年度から実施が予定されておるというものにつきまして私どものほうでただいま調査をいたしておりますけれども、現在の段階ではおおよそ七十八団体が児童手当という名前をつけた、条例をつくるというような予定にしておるようでございます。
○鈴切委員 これら地方自治体の実施は条例によっておりますけれども、いずれも国家による実施までの暫定的な措置ということにしておるわけです。それにしても貧しい財源の中からあえて実施に踏み切ったことは、大衆がいかにこの児童福祉制度を早く実現していただきたいかのあらわれであり、財源難を逃げ口上としている政府への大きな警鐘である、そのように私は思いますが、自治体が実際に児童福祉手当という名目でいま実施をしておるということについて、大臣としての御見解をお伺いいたします。
○斎藤国務大臣 市町村でやっておられます児童手当制度はいろいろな内容になっておりますけれども、しかしながら児童に対してはやはり何らかの措置をしなければならないという気持ちが満ちてきた結果だ、かように考えております。政府も、おくれておることは相すまぬことだ、かように思って、来年度は必ず実施をいたしたいと思っております。
○鈴切委員 この児童手当制度は一九五一年に制定された児童憲章第一条の精神にのっとって当然国が実施すべき緊急課題だと思うわけです。現在自治体が財源難であるにもかかわらず実施に踏み切っているということから考えて、私は当然これは早急に実施されなければならない、このように思うのですが、大臣の御所見をお伺いします。
○斎藤国務大臣 私もそのとおりに思っております。
○鈴切委員 この児童手当を国の制度で全額国庫負担をするとなれば、給付の所要額というものば大体幾らぐらいと推定をされておりますか。
○斎藤国務大臣 学齢児童まで、いわゆる十五歳未満の児童全部に、そして月額三千円という形になりますと、児童手当懇談会で出してもらっておりますが、およそ五千億以上かかると思っております。
○鈴切委員 財源についてはすべて国の一般財源より支出をすべきでありますが、政府は社会保障基本法の成立について、所要財源の確保をはかる考えはあるかどうか、その点について。
○斎藤国務大臣 必要な財源はどうしても調達しなければならぬと思いますが、全部一般会計といいますか、税金でまかなうか、あるいは一部事業者負担というような観念を取り入れるか、いま検討中でございます。
○鈴切委員 この児童手当の問題の最後に、いままでの話を要約いたしますと、この審議会の設置期限は二年間になっておるけれども、実際には一年をめどとしてそれに努力をし、昭和四十五年後半には大臣として絶対にこれを実現に持っていきたい、こういうお考えであるという判断に立ってよろしいかどうか、その点についてお伺いいたします。
○斎藤国務大臣 私はその決意をもって臨んでいる次第でございます。実は総理も、児童手当はことしはまだ無理か、こう言っておられるくらいでありますから、必ず賛成をしていただけると私は思っております。
○鈴切委員 次には、大気汚染の問題について少少お伺いいたします。 大気汚染の問題については、いま公害として非常に問題であり、時の焦点となっております。過密化される都市構造の中にあって、特に東京都における汚染は、昭和四十二年度亜硫酸ガス濃度の年間平均値は〇・〇五六PPMとなっております。生活環境審議会の昭和四十三年七月十六日の環境基準答申案〇・〇五PPMを上回っているが、その中で大田、荒川、墨田、足立は特にひどく、大田区においては〇・〇七三PPMと、都平均の二〇%増になっておるわけでありまして、汚染の程度が非常に高くなっておる。それに対して、大気汚染の発生源について厚生省はどのような対策と、これに対する指導をされているか、それについてお伺いいたします。
○斎藤国務大臣 大気汚染の発生源、ことに亜硫酸ガスの発生源に対しましては、排出量というものを規制をしてまいりたい、こういう考えでいるわけでございます。したがいまして、汚染度のひどいところにつきましてはきびしい排出基準をつくってまいりたいと思います。同時に、石油、重油等の低硫黄化対策必要でありますから、それと合わせながら各地域ごとに公害防止事業計画をつくっていただいて、それに合うように排出量を制限をしてまいりたい、かように考えております。
○鈴切委員 これは一例でありますけれども、大田区が東京工大の環境工学の早川研究室で大気汚染の調査を行なった結果でありますけれども、昭和三十八年度以来新増設された工場数は約三千件、その内訳は新設が二千件、増改築約一千件で、昭和四十二年は前年の約三〇%近くも増加をしております。現在大気汚染防止法の適用工場はどの程度あるのか、また都条例で規制されておる工場はどの程度か、その点についてお伺いいたします。
○武藤(琦)政府委員 四十三年十二月現在で旧ばい煙規制法で規制されております工場は三千五百九十五でございました。これにつきまして改正が大気汚染防止法で行なわれまして、十立米以上のものが対象になりまして、それに加えますと一万二千が増加する予定でございます。
○鈴切委員 硫黄酸化物にかかる環境基準の設定の際、すでに著しい大気汚染が生じている既成工業地域で十年以内、これは京浜、阪神ですね、また大気汚染が進みつつある工業開発地域は五年前後、千葉とか岡山、鹿島地区で達成するようになっておりますけれども、今後どのような計画案を持って進めていかれるか、それについてお伺いいたします。
○武藤(琦)政府委員 京浜、阪神地区は仰せのとおり一番ひどい地区でございますので、一応最大限十年を目標としておりますけれども、その中間地点に一つの中間目標地を設けまして段階的にやっていきたいと思います。それにつきましては、通産省のほうで現在低硫黄化対策の計画を準備中でございますが、それと、先ほど大臣から申しましたように、特別排出基準等を設定いたしまして、順次計画を策定していきたい、かように考えます。
○鈴切委員 これは大臣にお伺いいたしますが、大気汚染防止法第七条で都道府県にばい煙発生施設の設置届け出がありますが、法案審議の際、この届け出制は許可制に匹敵するほどのものといっておるが、現実においてはこれも単なる届け出であるやに聞いております。この際、産業界を押し切って許可制にする意思はあるのか、また、あるとしたならば、今国会に改正案を提出されるかどうか、その点についてお伺いいたします。
○斎藤国務大臣 できるだけ必要に応じたものについて許可制にいたしたい、その法案をできたら今国会に提出をいたしたいと思うて、関係省といま協議中でございます。
○鈴切委員 大体いつごろその法案の提出の運びになるか、これについてお伺いいたします。
○武藤(琦)政府委員 許可制の問題につきましては、昨年も実は問題になったところでございますが、通産省で準備しております工業立地適正化法との関係がございまして、現在両省で鋭意調整中でございますので、できるだけ早く調整を得たい、かように考えております。
○鈴切委員 大田区における亜硫酸ガスの汚染度は、先ほど申し上げましたけれども、年平均〇・〇七三PPMで、東京都の平均〇・〇五六PPMより約二〇%も高くなっております。特にこれを寒期と暖期に比較すると、暖期ははるかに汚染のレベルが高い。区民の苦情受付件数を見ても、工場のばい煙、粉じん等の件数も非常に多くなっております。工場のばい煙四十一件、粉じん三十四件、一般ばい煙三十一件、粉じん一件、工場の合計七十五件を足しますと百七件で、東京都全域のうち一番高い状態になっております。これはいかに大田区が汚染度が高く、住民が苦しんでいる状況ではないかと思うのですが、この点について厚生省として実態を調査してその指導に当たるかどうか、それについてお伺いいたします。
○武藤(琦)政府委員 ただいま先生が〇・〇七三とおっしゃいましたのは、大田区の糀谷地区――羽田に近い地区で、一番大田区では汚染のひどい地区でございますが、この地域は実は川崎、横浜、あちらのほうからの工場地帯の影響が非常に高うございますので、この点はやはり広域的に対策をやっていかなければ、この大田区だけの工場でなくて、やはり川崎地区も含めて総合的にやらなくてはいけない。そういう点で、先ほど大臣が申しましたように、京浜地区の公害防止計画を本年度基本方針を政府としては検討いたしたい、かように考えております。その線に沿ってやっていきたいと思います。
○鈴切委員 早川研究室で六つの測定所を設けて今度はこれを測定したわけでありますが、特に羽田特別出張所におけるところの亜硫酸ガスの程度は、まことに汚染度がひどくなっております。暖期においては、平均〇・一〇四PPM、標準偏差が〇・〇三七PPM、平均が〇・一PPMをこえている状態でありますが、分散は非常に小さい。〇・〇七五PPMから〇・一三五PPMまでの範囲のあらわれる確率は〇・七九、〇・一PPM以上のあらわれる確率は〇・五となると、半数が〇・一PPM以上であるということは、汚染度はきわめて大きいことをあらわす、このように調査の結果はいっております。さらに、寒期になった場合には、平均〇・一二八PPM、標準偏差が〇・〇五七PPM、平均は測定点中最高であり、分散については大森の暖期をわずかに上回りやはり最高である。〇・二PPM以上が十回出現しているが、出現確率は約〇・一八となり、百回のうち十八回までが〇・二PPMをこえている。〇・一PPM以上の出現確率は〇・六八となるが、暖期と比べてすべての点で汚染度は顕著になっている。こういうふうな結果が出ているわけであります。そこで、〇・二PPMという汚染度に対して、人体に及ぼす影響はどの程度であるか、そのことについてお伺いいたします。
○武藤(琦)政府委員 いまおっしゃいました〇・二の問題でございますが、環境基準では〇・二以下の維持基準が九九%以上維持されることを必要とされております。したがいまして、私どもとしては、例外的にはもちろん〇・二、〇・三、〇・四ということが緊急事態においては起こり得るわけでありますが、なるべくこれ以下に押えるようにという行政指導は当然やりたい。この人体影響の問題については、〇二そのものがどういう影響があるかということについては、まだ確実にはわかっておりません。
○鈴切委員 〇・〇五PPMという状態あるいは〇・五PPM以上になりますと、非常に気管支がおかされるという状態になるそうであります。ゆえに、〇・二PPMということは、かなり汚染度が高いわけでありますが、その点について、〇・二PPMというのは、大体人体に及ぼす影響というものは、かなりそれは大きな問題ではないか、こう私は思うわけでありますが、亜硫酸ガスの環境基準については、当然私はこれはきめなければならないものだと思いますが、その点について、今度のその法律等を加えて、亜硫酸ガスの環境基準はきめていかれるかどうか。この線以上は非常に危険であるという、そういう線をおきめになるかどうか、その点について。
○武藤(琦)政府委員 先生御承知のように、環境基準といいますのは、その地域全体の環境の基準でございまして、やはりその排出規制そのものを、環境の基準でなしに排出規制を強化していきたい、かように思います。ただ行政上の目標でございますので、それは目標として排出規制を強化するようにいたしたい。 なお、先ほど〇・二の問題がございましたけれども、〇・一あるいは〇・〇五というような数値については、いろいろ学者のほうから人体影響についての報告がございます。
○鈴切委員 大気汚染のほうはこのくらいにいたしまして、次は健保特例法のことについてお伺いいたします。 昭和四十四年度において、国民総医療費が二兆円を上回ると予想されると聞くが、そのように考えてよいのかどうか、この点について。
○梅本政府委員 四十四年度の推計でございますが、先生おっしゃいましたように、大体二兆円近い数字になるということは大体推定ができます。
○鈴切委員 もしそうだとするならば、国民の所得の増加よりも、医療費の伸びが上回り、それだけ国民の負担率は高くなるわけであります。そのように医療費の増加が著しい原因をどうお考えになるか。そしてその対策はどのようにされるか。その点について。
○梅本政府委員 医療費の増入の原因でございますが、まず第一点は、昭和三十六年に皆保険を達成いたしましたので、国民すべてが非常にお医者さんにかかりやすくなったということで、受診機会がふえてきたというのも一つだと思います。それからその次に疾病量の増加でございまして、やはり人口構造の変化からいたしまして、人口が急激に老齢化いたしております。そういう現象から、いわゆる成人病、ガン、高血圧、そういう成人病が増加しておるという医療需要が増大したというのが一つの点でございます。あるいは医学、薬学の進歩によりまして、新しい高度の技術が適用されますし、また新しい薬等高価な薬が開発されまして、それが普及するということが、基本的には大きな原因かと考えます。
○鈴切委員 医療費の増加の原因はそのようにいろいろあろうと思いますが、要約すれば次の二点になるのではないかと思います。 その第一は、公衆衛生活動が微弱で、国民の健康度の向上への努力は低く、受診の機会が多くなったこと、これが第一点だと思います。 その次には、いわゆる薬物医療といわれるように、薬剤の使用量が毎年増加をしているわけでございます。すなわち、医療費の中で薬剤費の占める割合は毎年高くなって、いまや四〇%の割合に達していることが証明されております。これらの事実をどうお考えになるか。その点について厚生大臣、いかがでしょうか。
○斎藤国務大臣 確かにただいまおっしゃいますような点もあろうと思います。しかしながら御承知のように、平均寿命が毎年、こういうふうに延びてきたということは、結局そのための代価だと私は思ってもいいのじゃないかと思います。早いうちに医者にかかり、そして最新の医術を利用し、またそれに伴う薬も服用するということで、とにかくこれだけ年々平均寿命が延びてくる。その代価として私は医療費は上がってくる。これは何といいますか、一つのいい傾向といいますか、悪い傾向といいますかわかりませんが、そういうことだと私は思うわけであります。しかし、いまおっしゃいますように、もっと一般の公衆衛生あるいは健康保持ということについて施策が進んでまいれば、お医者にかからなくてもいいということもあろう、かように思いますけれども、大きな原因は、私はやはり早期にお医者にかかり、そうして早期に十分な治療をするということで医療費が高まってきた、そのために平均寿命も延びてきた、かように私は理解をいたします。
○鈴切委員 医薬品の生産量は毎年上昇しております。それはわが国の製薬企業の発展を意味するもので、それ自体は喜ばしいことではあると思いますが、一面、たとえば、広告を非常にはなばなしくやっているわけです。その広告をはなばなしく行なうという消費喚起のための努力が並行して、医薬品の公共福祉性を阻害するのみならず、国民の負担を増大する驚くほどの医療費の増加となっていると思われるが、その点についてはどのよりに考えられるか。
○坂元政府委員 医薬品の広告につきましては、法律によりまして虚偽、誇大等の広告については一定の規制を加えているわけでございます。そこでいま御指摘のように、広告活動が非常に活発になってきているということは、これはいろいろな原因があろうかと思います。私どもも国民の健康、生命に関連する医薬品でございますので、そういう広告活動というものはあくまでも適正なものでなければならない、消費者たちに誤解を与えるとかあるいは乱用を助長するとかいうような広告活動であってはならない、こういうような趣旨で従来から指導をしてまいってきているわけであります。そこでこの広告費のほうでございますが、これは四十年から四十一年、四十二年と逐次医薬品の広告費は漸減をしております。ただ全体の総広告費というものはふえておりますけれども、医薬品については逐次広告費というものは絶対額のほうが減ってきている。われわれとしましては、先ほど来問題になっておりますように、医薬品広告が非常に関心を持たれている現状でございますので、今後もなお医薬品広告活動があくまでも適正になされるように行政指導を続けていきたい、かように思っております。
○鈴切委員 政管健保財政対策として健保法等の臨時特例法を制定されました。この間、政府与党は医療保険の抜本対策を講ずることを理由に、臨時特例法に定める措置以外に何ら対策を講じていない。このため依然として政管健保の財政は好転をしない状態でありまして、なぜここ二年の間に、関連する諸制度の中で、実現できる可能なものについて対策を講じようとしなかったのか。このことは、抜本改革を隠れみのにしてきた政府の怠慢であると断ぜざるを得ないけれども、厚生大臣の見解をお聞きします。
○斎藤国務大臣 抜本改正がおくれまして何とも申しわけのない次第でございます。これは何と言われても申しわけないという一語に尽きると思うのでございますが、しかし私どもがじんぜん手をつかねておったわけではございませんので、御承知のように、厚生省は一昨年の十一月に厚生省試案というものを世に問うたわけでありますけれども、そんなものではとてもいかぬというような声が方々から起こってまいりますし、また与党の中でも抜本的にひとつ考え直すということで、非常に積極的に昨年の冬以来検討を加えていただいて、各界の方々の御意見も伺い、ようやく結論めいたものを近く得られるようになってきた模様に存じております。政府といたしましても、与党に対しまして一日も早く案を出していただきたいと言っておりますし、われわれのほうでもいろいろと検討を加えているわけであります。今日まで成案をもってこの国会に提案のできませんことはまことに申しわけない次第でございますけれども、そういうわけで今日までやってまいっているわけであります。 そこで、抜本といわないで、一つ一つ手がけていくところがなかったか、こうおっしゃいますが、あるいはあったかもしらぬという感じがいたします。たとえば、診療報酬制度をとうする――診療報酬のあり方というようなものも一つのあれだと思いますけれども、しかしこれもやはり抜本改正とかみ合うものでありますから、したがって一つだけ先に取り出してというわけに今日までいかなかったようなわけでございますので、その点は御了承いただきたいと存じます。
○鈴切委員 国民生活や国民福祉のための制度は数多いわけでありますが、それらの制度は必要に応じて、そのつど制度を改正したり必要な行政措置を講じているわけであります。それが政治であり行政であろうかと思うのでありますが、なぜ、医療制度や医療保険制度のみ抜本改革と呼んで、全体的に一挙に対策を講ずることでなければできないというのであろうか、他の行政と同様に対処できるところは幾らでもあるのではないかと思うのです。現に中医協では、医療報酬の適正化について検討されており、その一環として薬価基準の適正化が行なわれているわけでありますが、さらに、たとえば医薬分業の実施だって、実施ができるのではないか、どうして政府はそのことについてやらなかったか、その点についての態度をお聞きいたします。
○斎藤国務大臣 医薬分業も抜本改正とあわせてということで検討をいたしているわけでございます。
○鈴切委員 医薬分業の問題については、政府としては抜本策を講じないままに、こういう問題については全然検討されずに、結局は健保は二年間の時限立法として成立したのであるし、政府は二年の間に医療保険制度の抜本的改正を行なう、延長ばしない、そのように国民の前に明らかにしたわけであります。それにもかかわらず、今度その抜本改正作成の困難を理由に、さらに特例法の二カ年延長と料率の引き上げを策しているということは大衆生活を無視するものである。私どもは納得がいかないわけであります。しかも、社会保障制度審議会も、総会において健保特例法の延長は遺憾である旨の決定をし、政府に答申をされているわけであります。健保特例法の延長法案を今次国会に提出すべきではない。かように私は思うのですが、大臣はどのようにお考えであるか。
○斎藤国務大臣 おくれておったことは、先ほども申しますように、まことに申しわけない次第でございますけれども、この健保特例法の延長をお願いいたしませんと、さなきだに政管の赤字がふえてまいりますし、このまま自然消滅といいますか、そういうわけにはとうていまいりません。そういう意味でぜひお願いいたしたい。こう思って懇願をいたしておるわけであります。
○鈴切委員 医療収入についての税特別措措置をそのまま継続するということは、医療の公共性の見地から必要であると主張する向きがある。だとすれば、その医療の公共性の上に立って、いいかえれば国民に医療の機会均等を保障するために、医療機関の配置について規制を行なうことが、公共の福祉の面から見て可能だし、必要だと思うが、厚生大臣はこの点についてどうお考えか、その見解をお伺いして質問を終わります。
○斎藤国務大臣 医療機関の地域的な普及を制度的にやるということは、自由主義経済のもとに立っている日本としましては、非常にむずかしいのでありますが、できるだけ公的機関を地域的に普及するようにいたしまして医療機関が都市に偏在をしている弊を是正してまいりたい、かように考えております。
○藤田委員長 これにて質疑は終了いたしました。 ―――――――――――――
○藤田委員長 これより討論に入るのでありますが、別に討論の通告もありませんので、直ちに採決いたします。 厚生省設置法等の一部を改正する法律案について採決いたします。 本案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○藤田委員長 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決するに決しました。 なお、ただいま可決いたしました法律案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、これに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○藤田委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 ――――――――――――― 〔報告書は附録に掲載〕 ―――――――――――――
○藤田委員長 次回は来たる十七日午前十時理事会、午前十時三十分委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。 午後四時五十六分散会