内閣委員会 第14号
- 発言数
- 83 件
- 登壇者
- 7 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1969/04/11
会議録
○藤田委員長 これより会議を開きます。 厚生省設置法等の一部を改正する法律案を議題とし、質疑に入ります。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。華山親義君。
○華山委員 まず大臣に伺いますが、児童手当のことがこの法案に出ておるわけでありますけれども、児童手当の基礎的の考え方といたしまして、児童を養育するために家計上の負担がある。したがって、これらの負担はできるだけ軽くしてやらなければいけないということを社会保障の面で考えられるのか、あるいは今日の人口の問題等と関連しまして、そういうふうな点を基礎的観念として考えられているのか、あるいは今後における児童、それが成人いたしますれば日本の発展あるいはそういうことのために働く人たちであるので、これは家庭にだけまかせておくべき問題ではない。国民全体の義務として、あるいは児童の権利として、これは国家においても養育していかなければいけない。こういうふうな三つの基礎的な観念が私はあると思いますけれども、厚生大臣はその三つのうち重点的にはどれなのか、お答えを願いたい。
○斎藤国務大臣 申し上げるまでもなく、児童手当は先進各国で、それぞれ形態、内容は違いますが、やっております。そして日本では社会保障の三本柱といわれている児童手当制度がまだできていない、これは社会保障の見地から非常に立ちおくれておる、こう言われておるわけでありますが、やはり私は率直に申しまして、次代をになう児童がすくすくと育つように、社会保障の一環としてやるべきものだと思います。同時に、世界各国におきましても、多くはやはり人口問題ともからみ合わせてやっておるようでございます。日本の現状を見ますると、御承知のようにここ十年、すでに再生産率を割っております。その理由はいろいろありましょうが、生活水準が向上してまいりましてももっと向上させたいという、いわゆる自分たちの生活内容をもっと高めたいということから、ここで家族計画というようなことにも及んでいるのが現状でございますから、その両方を踏まえまして、児童手当制度を早期に、少なくとも明年には実現をいたしたい、かように思っておるわけであります。
○華山委員 明年には実現されるということにつきましては、政治上の問題でございますから、また他の委員等から質問もあると思いますので、私はここでは避けますが、人口問題について伺いたいと思います。 現在の人口の構成は正三角形の形になっておるのか、鐘型の形になっておるのか、あるいは上の太ったような形になっておりますのか……
○藤田委員長 ちょっと速記をストップして。 〔速記中止〕
○藤田委員長 速記を始めて。
○華山委員 いま質問が中絶しましたので、もう一度申し上げますが、人口問題研究所の所長にお伺いいたしますけれども、年齢別人口構成、男女別の構成の形といたしまして、戦前は正三角形の形をなしておりましたが、現在どういう形になっておりますか。
○舘説明員 ただいまのお尋ねにお答え申し上げます。 大体御指摘のとおりに、戦前はピラミッド型をいたしておったのでございますが、最近におきましては、つり鐘型を少し経過いたしまして、むしろつぼ型に近づいているという形をとってまいりました。つまりその意味は、ただいま大臣のおことばにもございましたけれども、縮小再生産の含みを人口構造が見せてきた、こういう状態でございます。
○華山委員 この原因は日本の出生率が落ちたからこういうふうになったのかどうか、あるいは乳児死亡率の傾向、幼児死亡率の傾向が出生の減少を補うことができない、そういうふうなことのためにこういう現象が起きたのでありましょうか。
○舘説明員 お答え申し上げます。 死亡率も非常に改善されまして、ただいまでは死亡率は先進国の中でもむしろ上の下と申しましょうか、あるいは中の上と申しましょうか、たいへんよく改善されたのでございますが、ただいま御指摘のとおりに、出生率の減退が死亡率の改善以上に速度が早かったためでございます。特に、この出生率の減退速度が非常に早かったのは昭和二十五年から三十二年の間でございます。その間に、先進国にも前例のないような早さで出生率が下がりました。それがただいまのように人口構造を大きく変えた根本的な原因でございます。
○華山委員 戦前におきましては、フランスが、いまおっしゃったような人口構成の形をなして、あるいはなろうとしておるというふうにいわれましたが、現在日本は、いまおっしゃいました死亡率と出生率との関係は各国に比べてどういう状態にありますか。
○舘説明員 お答え申し上げます。 死亡率につきましては先ほど申し述べたとおり、先進国の中でもよいほうでございますが、出生率のほうもまた先進国の中で最も低い部類に属しておる、こういう状況でございます。結局日本では、少なくとも最近におきまして、また今後近い将来におきましても、死亡率は改善されて、非常によく安定いたしておりますので、出生率のいかんということが将来の年齢構造もきめれば、また増加率もきめる、こういう関係でございます。
○華山委員 昔からいわれたことでございますけれども、いまどうなっておりますか、ちょっとわかりませんが、子供を二人だけ生むという傾向があるわけでございます。子供を二人だけ生み、それだけ幸福に育てればいいんだという傾向、そういうふうなことになりますと、子供を生まない人もおるわけであり、生めない人もおるわけであり、また結婚しないという人もおるわけでありますから、二児のやり方では人口が減るんだ、三児では人口が維持できるかどうかあぶない、こういうふうにわれわれは若いころ聞かされたものでありますけれども、現在の学説ではどうでございますか。
○舘説明員 お答え申し上げます。 ただいま御指摘のとおりに、戦前では三人近くが必要だったわけでございますけれども、現在では死亡率がたいへんよく改善されましたので、したがって将来人口がふえも減りもしないで横ばいになっていくためには、平均いたしまして女子が一人当たり二・一三人から二二四人の子供を生めば、大体ふえも減りもしない状態で、将来日本の人口が横ばいになる、こういう計算でございます。その意味で二・一三人あるいは二・一四人の平均の子供を生むということを、私どものほうでは静止限界の出生力と呼んでおるのでございます。
○華山委員 妊娠のできない女の方もありますし、それから結婚をしない女の人もありますけれども、いま所長のおっしゃっているのは、これは全部の適齢女子のことをおっしゃるのですか、それとも生める人のことをいっているのですか。
○舘説明員 お答え申し上げます。 これは全部を平均しての数字でございまして、出生する可能性のある十五歳から四十九歳までの女子の人口一人当たりの平均で申し述べたのでございます。そして、なお現在の出生力は、二を少し割っているところで、一・九九ぐらいのところでございます。
○華山委員 そうしますと、二人、三人生む人も、四人生む人もおりましょうから、二・一四程度であれば日本の人口というものが現状のままでいくということでございますけれども、いまおっしゃったようなお話でございますと、一・九九ということでございますから、この状態が直らない限り日本の人口はふえない、現状のままでいく、こういうことになるわけですね。それで、そういう実態でいいのかどうか、先ほどつぼ型とおっしゃいましたけれども、このつぼ型の人が生産年齢に達した場合には、生産年齢人口が減少して、日本の生産力が——そのときにはあるいは合理化の面で労働者の数が少なくて済むかもしれませんけれども、もっと生産力が増すということになるならば、私は二・一四ということでは低過ぎるのじゃないか、こういうふうにも考えますが、所長は、そこまでのことは申されるのはどうかと思いますけれども、どうお考えになりますか。
○舘説明員 お答え申し上げます。 私は、ただいま申し上げたことを総合いたしまして、現在の出生率は下がり過ぎていると判断してよろしいと存じます。その第一点は、先ほど申し述べましたように、国際比較をいたしまして、世界で最低の部に属しているということ、それから第二点といたしましては、日本の出生力が静止限界を割っているということ。第三点といたしましては、これは補わしていただきますが、昭和三十一年から今日まで、十年以上もこの状態が続いているという三つの点でございます。もちろん西欧の先進国におきましても、静止限界を出生力が割りましたことはたびたびございました。しかし、それが十年以上も続いたという例は、これまでフランスにもスウェーデンにもございません。そういうような点からいたしまして、現在の出生力が静止限界を割った状態が十年以上も続いているということは問題がある。この三つの点から見まして日本の出生力は下がり過ぎていると存じます。それからなお、死亡率の改善がございまして、平均の寿命が伸びてまいっておりますので、大体静止限界の出生力をもっていたしまして、日本の人口は将来一億二千万から一億三千万の間で安定して横ばいになっていく、こういう計算になりますし、現在の出生力自体が続いていきました場合には、昭和七十五年から昭和八十年の間ぐらいから日本の人口は減り始めるという可能性がございます。
○華山委員 ちょっと私聞きなれないことばなんでございますけれども、セイシ限界のセイシというのはどう書くんでございますか。
○舘説明員 たいへん失礼でございますが、静という字と止という字を書きます。つまり人口がふえも減りもしない状態でございます。静止という意味でございます。
○華山委員 そういうふうなことからいたしまして、日本はもっと子供を産んでもらわなければいかぬ、養っていかなければいかぬ、こういうふうなことになりますが、日本の現在の環境というのは出生を高める——そんなに高めなくたっていいわけでございますけれども、出生を高めるには非常に不適当な状態にあるのじゃないか。住宅の状況、そういう点が私はあろうと思いますし、特に現在におきましてはあまり子供は困った状況には置きたくないという親心にもなってまいりまして、私は非常にその点心配なので、厚生大臣、ひとつお考えを願いたいのでございますけれども、都会における住宅の問題等につきまして、それらの面からほんとうに長い目の日本の人口問題について考慮していただきたいと思うのです。ここに、児童手当を幾ら出すことになるかわかりませんが、私は多少の児童手当を出したからといって、それでいま所長のおっしゃったような今後の問題というものは私は解決されないと思います。その他いろいろなことがございますけれども、そういう点につきまして、ひとつ厚生省といたしましても、入口問題研究所というものを活用されまして、そしてその声によるところのPRというものをやられまして、その点に御考慮を願いたい。 まことに昔のことを言って恐縮でございますけれども、私たち若いときには日本の人口がふえ過ぎるということが盛んにいわれたものであります。日本の人口がふえ過ぎるという日本人の観念、そういうふうなことから私は大東亜戦争に、あるいは支那事変に突入した、こういう歴史を日本は持っていると思う。いまそれとは逆に、日本の人口がこのままで静止の状態にいくとするならば、私は日本という国は、もう十年、二十年たったあとのことはわかりませんけれども、ヨーロッパ諸国等と違いまして、他国から労働者を入れるということは非常に困難だ。そういう面から私は静かにそして長い目でこの人口問題というものを重要視していただきたい。最近の日本の風潮は人口問題を軽んじているんじゃないか。こう思いますが、大臣、所見をひとつ伺っておきたい。
○斎藤国務大臣 私は数年前から華山さんと同様の意見を持っております。おっしゃるとおり、ここ十年あるいは十五年たてば、青年労働者の数はいまよりもぐっと減ってまいります。もう統計の示すとおりで、しかも人口が十年間も静止状態のいわゆる再生産を割っている、こういう歴史を踏んだ国は先進国には一つもない。ほっておけば、それでは少なくとも静止線あるいはそれ以上になるかと申しますと、なるような見通しは私はないと思っております。と申しますのは、まだまだ日本の生活水準が高まっていくという見方を私どもは持っております。高まっていくということは、もっと内容の充実したいい生活をしたいという気持ちがまだ当分私は横溢するであろう、かように思います。子供を育てるための時間、子供を育てるための費用、それらを自分たちの生活の充実にというような風がまだ続く。 それで住宅問題もおっしゃいましたが、それも一つの原因でもありましょうが、それよりも私がいま申し上げましたような、そういうことがいまもう全国的に風をなしているということでございます。農村や中小都市等におきましても出生率が大体同じでふえておらない。大都会の住宅の不足のところだけがそういう傾向を示しているかというとそうではないわけであります。農村においても子供を三人も持てば人から笑われるのだというような今日の風をなしておるわけでございますから、したがって、その風を何としても是正をしていかなければならぬのじゃないだろうか、国、民族全体ということからももちろんであるし、同時にわれわれの家族構成という点から考えても、私はさようだと思います。それにつきましては、なすべき施策はたくさんあると思いますが、そういうことを宣伝をいたしますかたわら——子供を産めといいますと戦前の産めよふやせよ、また軍国主義の昔に返すのかというようなことをいわれることをおそれて、いままでどうもあまりそういう宣伝がなかったと思いますが、今日はもうそういうときではないと思っております。そこで、少なくとも国としては児童手当というものも設け、少なくとも人口の維持できる程度に産める者は三人ぐらいは産むのがあたりまえだという風をなすためにも私は児童手当が必要ではないだろうか。そのほかに住宅問題その他いろいろ問題がありますけれども、これが一番大きな一つの柱となって、そうしてそういう風を起こしていく必要があるのではないだろうか。フランスも同じような手を用いてやってまいっております。西独あるいはイギリスも児童手当制度を設けましたときには、やはり人口の静止状態あるいはそれを割るというときであったように私は思っております。
○華山委員 最も顕著だったのがフランスでございまして、フランスは人口問題の立場から児童手当というようなもあが始まったと私は覚えておりますけれども、それはずいぶん前の話だと思います。それで私も何も産めよふやせよというのではないけれども、とにかく子供を三人程度は産める人は産めるような環境、そういう環境になってもらわないと、日本は将来人口問題で労働力が足りないばかりでなくて、いろいろな混乱を起こしやしないかというふうな気もいたしますので、御留意を願いたいのでございます。 最近の乳児死亡率はどんなふうになっておりますか、これは統計局長でもあるいは研究所長でもよろしゅうございます。
○浦田説明員 乳児死亡率についてお答えいたします。乳児死亡率は戦後でも最も目ざましい改善を遂げたものの一つでございまして、数字で申し上げますと、戦前の昭和十年のところで申しますと、これは出生千単位についての数字でございますが、一〇六・七という死亡率でございます。それが戦後の一番はっきりした統計がとれました昭和二十二年では七六一七というふうに改善されておりますが、以後漸時低下いたしまして、三十年では三九・八、それから昭和三十五年では三〇・七、四十年では一八・五、最近の四十二年の数字といたしましては一五・〇といったような数字を示しております。
○華山委員 たいへんな下がり方だと思いますけれども、乳児あるいは幼児の死亡の原因、死因について、統計的に見まして従来と比べて何か顕著な傾向、変わり方というようなものが見えておりますか。
○斎藤国務大臣 私も特にこの点に興味といいますか、必要性を感じて調べているのでございますが、いま政府委員から申し上げましたように、一歳から四歳まで、また五歳から九歳まで、十歳から十四歳まで、これらの乳児、幼児の死亡率はぐっと下がってきているわけでございます。しかしその死亡原因の第一順位は不慮の死なんです。病気じゃないのです。病気のほうは非常に減ってきております。これは十五歳まで続いております。それからその次の第二の原因は、一歳から四歳までは肺炎とかあるいは気管支炎になっております。五歳から十四歳までは悪性新生物、いわゆるガン系統のものでございます。これが第二位です。それから十五歳から上になりますと、ことに女子はそうでありますが、自殺が非常に多い。第一位を占めております。そういうような状況でございまして、国民全体として一般的な死因は、年をとってからのいわゆるガンあるいは脳溢血あるいは心臓系統というわけでありますけれども、若い間は不慮の死あるいは自殺、それからいわゆる幼児ガン、そういうものが多いのです。したがって、今後の施策といたしましては、そういう面で大いに考えなければならぬ点がある。不慮の死のうちで一番多いのがやはり交通事故でございます。
○華山委員 いろいろなことで不慮の死、昔はあまりなかったことでございます。それが多くなったということは、これは何か人の力で防止できると思いますけれども、乳児ガンが死因の中で割合が高くなってきている、驚くべきことに第二位を占めてきたというふうなことにつきましては、何が原因なのか。よくいわれることでございますけれども、幼児の食べるいろいろなジュース類あるいはお菓子、こういうものにガン発生の物質が含まれているのじゃないか。たとえばジュースと称するものを店頭で売っておりますけれども、あれは甘味に——甘味は砂糖を使っておると思いますけれども、甘味に色をつける、その色はインクなんです。それからあるいは防腐剤が入っているかもしれない。そういうふうなことが乳児のガンというものを発生させているのじゃないか。たださえも低い日本の出生率ですから、そういうものから子供を守っていかなければならない。厚生省といたしまして、子供の食べるもの、飲むもの、そういうことについて徹底的に原因を究明されるとともに、そういうことによって発生するということをひとつよく考えてもらいたい。当時の医学でございますからわからなかったのかもしれませんけれども、私どもが統計というふうなものを見たときには、子供にはガンがないものだ、子供の死因でガンなどというものは統計的にはほとんどあらわれない。たまたまありますと、それは非常に珍しい例として引用されたものです。それがこのようになったということは、私は何か食べものに変化の原因があるのじゃないかと思う。ひとつその点につきまして厚生省のお考えをお聞きしたい。
○斎藤国務大臣 私もその点に非常に注意をいたして見ておるのでございますが、統計上は他の病気で死ぬ子供が非常になくなってきたということからこれが表面にあらわれてきた、これが一番大きな原因であろうと医者の専門家なんかも言っておられます。しかしいまおっしゃいますように、後天的に食べものとかその他の点からまた起こるのじゃないだろうかという点も注意を加えまして、いまおっしゃいますような食品衛生には今後さらに留意をいたしてまいりたい、かように思っております。学問的には、いわゆる乳児ガンというものの発生の理由は、まだ十分究明されていないようでございます。
○華山委員 子供のガンなどというものは、私たち、あまりその当時の医学が進歩しておらなかったからかもしれませんけれども、ほとんど聞かなかったのですね。いまおっしゃるとおり、ほかのものが減ってきて、ガンはなおせないから割合として順位が上がってきたということも私、わかりますけれども、絶対数としても乳児ガンというものは多くなってきたのじゃないか、こういうふうにも考えられますので、その点につきましてひとつよく御検討の上、いろいろな子供の口にするものについて徹底的な取り締まり法を考えていただきたいと思います。 それからもう一つ、私の都合ですけれどもちょっと時間がありませんので飛ばしますが、最近の農村の状態ですね。先ほどおっしゃいましたとおり、農村でもあまり子供を産まなくなったということがありましょう。そういう風潮のあることは私、わかりますけれども、現在の農村人口の人手不足、これが婦人の体質に影響を来たしているのじゃないか。とにかく兼業農家としてだんなさんがよそにつとめる、あるいは出かせぎに出る。その間、婦人が子供を守りながら、家を守りながら農耕をやっていかなければいけない、その労働、それからこれに加わるところの、農薬等を浴びてやっていなければいけないというふうな事実、それから一面には、私はこれは統計的に知っているわけじゃございませんけれども、自分が働かなければ農耕ができない。非常な農業の働き手になっている。したがって、妊娠の場合には妊娠中絶が行なわれている。こういうふうなことが、私は農村婦人に都会に比べても大きな負担があり、そして妊孕力を落としている原因になっているのじゃないか、こういうふうに思います。よく農夫症ということを言う。これは農夫症と書いたり農婦症と書いたりいたしますけれども、その点について私は三年ほど前からときどき言っているのでございますが、その究明、その対策、そういうふうなことに厚生省は特段の力が入っていないのじゃないか。あるいは神経痛、あるいは腰痛、そういうことになってくるわけでございますけれども、婦人の妊孕力という問題のほかに、農村の婦人の健康を守っていく、この点につきましてもう少し厚生省なりあるいは労働省の婦人少年局なりで政策を活発にやっていただきたいと思うのでございますけれども、大臣、ひとつ抽象的でなく、具体的に御答弁を願いたいと思います。
○斎藤国務大臣 私も農村生まれで、しょっちゅう農村のほうに帰ったりいたしておりますから、事情は大体存じておるわけでありますが、いまおっしゃいますように、最近の農村の婦人の労働過重というものは相当ひどうございます。したがいまして、その過労からくるところの病気、農夫症、これはむしろ農夫症でなしに女のほうの農婦症が多いと思うのでありますが、そういう傾向も十分承知いたしております。厚生省といたしましても、そういうことに対処をいたしますために、本年も特に農村の母子保健には相当力を入れまして、予算も、もし御必要でしたらあとで政府委員から説明をいたさせますが、そうした施策を、あるいは母子センターを設ける、あるいは巡回指導をやる、巡回診療をやるというようなことを昨年よりも本年はさらに一歩前進をさせまして、今後そういうことに一そう力を入れて対処していきたい、かように考えております。
○華山委員 特定の各県に衛生試験所がありますし、また国立の病院等もある地方はあるわけでございます。それからいろいろな特別の篤志家の研究家もあるわけであります。巡回治療といいますけれども、あの病気は原因が何なのか、どこからくるのかということがまだ不明確なんじゃないか。働き過ぎるからああいうことになるのだとも言えないのじゃないか、こういうふうにも思われますので、その点につきましてひとつ特別の予算でも組みまして、あるいはわからないかもしれませんが、原因と治療とに徹底的な究明をしていただきたい。特別の篤志家がただかれこれ言っているということでなしに、ひとつお願いをしたいと思います。どうでございましょう。
○斎藤国務大臣 確か農夫症関係につきましては、厚生省で特別のお医者さんを班に組んで調査をするということはまだしていないと思います。来年あたりからはぜひそうしたいと思いますし、現にいろいろそういうことに研究をしてくだすっているお医者さんがございますから、ひとつ今後特にそのほうにも重点を注いでまいりたい、かように思います。
○華山委員 それではたいへん短くなりましたけれども、その程度で私は質問を終わりたいと思います。
○藤田委員長 大出俊君。
○大出委員 この設置法の改正の中で医師、歯科医師、保健婦、助産婦、看護婦、理学療法士、作業療法士の試験の実施に関する事務を別に設ける試験委員につかさどらせる、こうなっていますが、昨年の国会で通りました例の診療エックス線技師法などの特例講習その他をやったあと試験を受けさせることになるのだということでありますが、その種の試験の問題というのはどういうかっこうでつくるのですか。
○松尾政府委員 試験問題は試験委員が任命されまして、この試験委員がその審議会の方針に従いましてそれぞれ決定をする、こういう専門家の出題に依頼をしている次第でございます。
○大出委員 試験委員になっている人は、大体どういう人を試験委員にしていますか。
○松尾政府委員 大体放射線医学会のメンバーが中心でございます。
○大出委員 何名ですか。
○松尾政府委員 二十四名と記憶いたしております。
○大出委員 ところで、この診療エックス線技師法などと非常に関係のある——というのは身分法という意味で関係のあるということですが、本委員会の理事を長らくおつとめになっておりました八田先生等が当時、三十四年でございますけれども、議員立法でたいへん苦労をされてお出しになった衛生検査技師法という法律が今日あるわけであります。この衛生検査技師法に関しましては私もこの委員会で数回質問申し上げているのでありますが、今回何か厚生省でこの衛生検査技師法について改正案ないしはそれに類する御相談をされておるように承っておりますが、私も電話でその要点について直接承ったこともありますけれども、それがどの程度進んで一体いつごろどうなるのかという日程的な点と申しますか、日にちのめど、そういう点をまず承っておきたいわけであります。
○松尾政府委員 ただいまの衛生検査技師法は、その経過につきましては先生御指摘のような経過でございまして、昨年厚生省でその衛生検査技師法をどうするかという点についての研究会を設けまして、最近までその研究を続けてまいりました。その結果に基づきまして、ただいま御指摘のように衛生検査技師法を改正したいという準備を進めております。その大体の時期といたしましては、まだ法制局等のそういう審議も終わっておりませんけれども、今月の終わりごろまでには何とかまとめて御提出申し上げたい、こういう順序を進めております。
○大出委員 今月末ごろまでにまとめるというのは、衛生検査技師法一部改正の要点ぐらいのところをおまとめになろうというわけでございますか。
○松尾政府委員 もう法案という形にしてまとめたいというスケジュールでございます。
○大出委員 そうすると、一部改正の要点などというものはもうできておるわけでございますね。
○松尾政府委員 大体の骨子を申し上げますと、最近御承知のとおり検査技術というものの進歩が非常に著しいわけでございますから、そういう問題に対応できますように衛生検査技師の業務範囲を第一番目に拡大したい。具体的には、これは従来血液検査とか細菌検査とかいうようにあげられておりますもののほかに、いわゆる臨床生理学的検査というものが担当できるような範囲に広げたいということが第一点でございます。 それから、そういったことに伴いまして衛生検査技師の就学期間、養成期間というものを、ただいまは二年ということになっておりますが、これを三年というふうに引き上げたい。 それから第三点としましては、都道府県知事の免許になっておりますのを厚生大臣の免許に切りかえてまいりたい、そういうことでございます。 そのほか、衛生検査施設、検査所といいますか衛生検査を担当する施設というものがございます場合に、それらについて届け出なりその所在を明らかにして、内容が正確にできますような規制を加えたい、こういうことが大体中心でございます。
○大出委員 定義がいまお話に出ましたですね。総則的な事項の中に定義というものが今日ございますね。その定義を改めよう、こういうお話だろうと思うのでありますが、よくお読みおきいただきたいのですが、よろしゅうございますか。この『「衛生検査」とは、従来の検査及び臨床生理学的検査(生理学的検査に属する行為のうち政令で定めるもの)』ということ、こういうことでございますか、まず第一点は。
○松尾政府委員 そういう定義のところに先ほど申し上げましたような「臨床生理学的検査」というものをプラスして加えたい、こういうことになります。
○大出委員 そこでこの「従来の検査及び臨床生理学的検査」、こうなっているわけですね。したがって挿入されるものは「臨床生理学的検査」、これが挿入される、こういう理解でよろしゅうございますか。
○松尾政府委員 総括的には「臨床生理学的検査」ということでけっこうでございます。ただ中身につきましては、その範囲は政令できめる、こういうことになります。
○大出委員 従来、政令できめるということになって出てくる法律が多いわけでありますが、その際、その政令の中身というのはどうなるのかという点ですね。ここを明らかにしておきませんと、とかく論議の焦点が変わってまいります。例をあげますが、たとえば臨床生理学的検査というと、たとえば脳波であるとか心電図であるとかいうふうなものはその中に入るのだろうと思います。従来の定義からいきますとこれは入っておりませんから。したがって、いま私二つ例をあげましたが、政令で規定しようとする「臨床生理学的検査」というものの範囲は、たとえばいま私が申し上げたもののほかにどのくらいのものがございますか。
○松尾政府委員 ただいま御指摘にございましたような脳波あるいは心電計、それから同様なものとして心音記録計あるいは筋電計、こういったたぐいのものが大体この政令で定める「臨床生理学的検査」の具体的な中身になっております。
○大出委員 ところでいまお話しになっておる新たに挿入する「臨床生理学的検査」というものと「従来の検査」、こうなるわけですね。そこで問題があるのでありますけれども、新たに挿入をしたこの挿入事項と、それからいまお話がございませんでしたが、つまり改正の要点について申し上げますというお話の中にないのでありますけれども、免許に関する事項のところで、おそらくこれは第一種免許、第二種免許というふうにお分けになるのだろうと思いますが、そこらの関係はどうなっていますか。
○松尾政府委員 従来の検査というものと、それから新しくそういうふうに加わっていきます業務範囲までをやれる衛生検査技師、こういうものが当然出てくるわけでございますので、ただいま私どもの考え方としては免許を二通りに分けたい。それは御指摘のように一種、二種という名前で一応は整理をしてまいりたい、こういう段階でございます。
○大出委員 もう一つ承っておきたいのですが、『「衛生検査技師」とは、厚生大臣の免許を受け、衛生検査技師の名称を用いて、医師の指導監督の下に、』この「指導監督の下に」というのは、関係の医師会の皆さんは、医師の指示に基づきということにしたいというような意見があるようでありますけれども、現行でいきますと、これは医師会との関係もございましょうから、なかなか論議のあるところでございますが、医師の指導監督のもとに衛生検査または従来の検査を行なうことを業とする者をいうという趣旨に理解をしていいのですか、先ほどのお話は。
○松尾政府委員 さよう御理解いただいてけっこうであります。
○大出委員 そこで関係が出てくるのでありますが、いま申し上げた一種、二種という関係なんですけれども、旧来はこれは県知事免許であります。そうすると今度は一種、二種を含めて全部厚生大臣の免許を受けるということになるわけでございますか。
○松尾政府委員 新しく改正されました暁には、そういう新しいものは全部厚生大臣の免許ということになります。
○大出委員 そうすると旧来の有資格者、つまり二年課程の有資格者の場合は都道府県知事の免許そのままになっておる。三年課程を終わって新しく出てきた方々は厚生大臣の免許ということになっていく、そう理解していいですか。そこらはどうなんですか。
○松尾政府委員 そのとおりでございまして、旧免許いわゆる知事免許というものを有効に働かせるような経過規定は設けたいと思っております。
○大出委員 現在の衛生検査技師を教育する機関としては、三年課程というものはございませんか。全部二年ですか。
○松尾政府委員 こまかい数字は記憶いたしておりませんけれども、三年課程を持ったことはございます。
○大出委員 そうすると、将来三年課程のところが厚生大臣免許になるとすると、三年課程を終わってきている現在の有資格者は一体どういう取り扱いをされるおつもりですか。
○松尾政府委員 それは新しい、厚生大臣の行なう国家試験を受けられる、こういうことになります。
○大出委員 そうすると、三年課程をやってきても新しい試験を受けなければいかぬのですか。そこのところをはっきりしてくださいよ。
○松尾政府委員 三年課程を出ましてもやはり国家試験は受けるというたてまえでございます。
○大出委員 そうすると、いま法律案にはなっていないようでありますから、その過程の段階における皆さんの相談だろうと思うのでありますけれども、これは確かに、今度三年課程というものを前提にして厚生大臣の免許ということにするのであれば経過措置の中に何か考えなければなりません。これは診療エックス線技師法の場合でもそうでありますけれども、三年課程の方々であっても、そのまま厚生大臣免許に切りかえることはしないということですね。
○松尾政府委員 やはり経過措置の中で特例を設けまして、講習会等を受けて試験を受けられるという課程にしたいと思います。
○大出委員 問題のあるところでありますが、きょうは一応どうお考えかを承ろうというつもりで質問しておりますから、論議はなるべく避けたいと思います。 そこで、一種、二種にまず分けるということ、免許に関する事項の中でですね。それから第一種免許は、厚生大臣が行なう試験に合格した者に対して与えるもの。その業務範囲は衛生検査なんだ。先ほどの定義のところでいうところの「臨床生理学的検査」というところまでを業務の範囲とするという意味で、その限りでは業務規制であるということになる、そういう理解でよろしゅうございますか。
○松尾政府委員 そう御理解いただいてけっこうでございます。
○大出委員 これはある種の身分法でありますけれども、名称規制ではなく業務規制であるということになると、その試験に基づく資格要件を備えていない人はできないということになる。この点は明確でございますね。
○松尾政府委員 従来の検査については、そういう従来どおりの資格でいいわけでございます。新しく加わる部分については、御指摘のとおり、ほかの人は業として行なえない、こういうことになります。
○大出委員 そこで一つ問題がありますのは、議員立法でこの衛生検査技師法を改正してもらいたいと考える方々の中心的課題は、単なる名称規制では困るというところにあるわけでありまして、業務規制をすべきであるというところに中心があるわけであります。 ここで一つ大臣に承っておきたいのでありますが、この種のもの、とかく身分法といわれているものは名称規制であって業務規制ではないというのが通常でありますが、そこでこの衛生検査という分野、どんどん進歩しておりますけれども、私はこれは業務規制をすべきものという理解をしておりますけれども、大臣はここのところはどういうふうにお考えになりますか。
○斎藤国務大臣 私もお説のように業務規制をすべきだと考えております。当初業務規制を考えたものが名称規制みたいなような実行になっているものは他の例にもありますけれども、これはやはりわれわれの生命に関する大きな問題でありますから、その点ははっきり業務規制として、こういうことをやる者は一定の資格を持った者でなければならぬというふうにすることが適当であろう、さように考えております。
○大出委員 旧来大阪なんか例がたくさんありますけれども、町の、どうも私どもの常識から考えてもおかしなところに下請みたいなかっこうでパートなど雇って、町のお医者さんが最近は病理検査というものを重点に置かないと治療ができない、こういうのがふえておりますから、簡単な血液検査にしても喀たん検査にしても、そういうふうなところからすべて下請みたいなことにする。あるいは町の奥さんをパートに雇ってやらせる。したがって、ただでさえ血液検査だって旧来誤りが二割ぐらいあるんじゃないかと思うのです。ところがそれがどうも無資格者がやるわけでありますから、ちょいちょい間違いが起こる。その程度のことならまだしものこと、もう少し高度の検査内容であった場合にはたいへんな処方の誤りが出てくるということになる。したがって、私はこれは厳に業務規制すべき性格のもの、こう考えるべきだと思っておるのでありますが、いま大臣が業務規制すべきものであるということをおっしゃっておられますから、その限りで私はそれでいいと思います、大臣のお考えとしては。ただしかし問題は、新しくこの臨床生理学的検査というものを挿入をして、その臨床生理学的検査というものに限って業務規制をするというものの考え方、ここに私は一つ大きな問題があると思っているのであります。なぜならば、確かに脳波であるとか心電図であるとか心音であるとかいろいろこうございますけれども、何もそれだけが有資格者でなければ危険だということでなくて、度合いが多少違う分野がありますけれども、衛生検査技師を業とするところの者は、いま大臣が言われるほとんど人の生命に関する大事な問題でございますから、それが全く資格のない方々にゆだねられている分野のほうが多いということになると、せっかくここで業務規制というお考えをお出しになるなら全部が業務規制されなければならない。つまり有資格者でなければやらないことにしなければならない。ただ、そこでそう言い切れない皆さんの背景を私も知らないわけじゃない。なぜかといえば、需要と供給の関係で町のお医者さんがたくさんそういった病理検査を必要とするということになると、それに携わる人の数、養成機関の数等々が問題になりますが、とてもじゃないが有資格者だけではやりきれない。だからやむを得ないという気持ちがあって、大臣がいま明確に業務規制とおっしゃいましたが、そうほんとうにお考えならそうしてもらわなければ困る。今回のように挿入したものだけが業務規制だなんという一つの法律改正をされれば、一つの法律でありますから、その中にここから先は業務規制だがここからはそうじゃないというものがあっては困る、筋論としてまた現実の問題として。そうだとすれば、これは業務規制というワクに入れて、さてそこで経過措置ということで、当面これは行ないがたいのでありますから、実際の仕事の量といわゆる人間とのバランスからいって無理だから、したがって何年なら何年という目途を置かれてそれだけの人をつくっていかなければいかぬという国の方針を明らかにして、その上で現段階はやむを得ずここまでにしておくのだということにしないと私は筋が通らぬと思っている。ここいらあたりは大臣いががでございますか。
○斎藤国務大臣 私も全く御意見のとおりに考えます。できるだけその方向で進みたいと思っております。
○大出委員 そこでこの免許に関する事項の第三になりますか、第二種免許は従来の無試験免許資格者に対して与えるものとし、その業務範囲は従来の検査とすること、こういうことになっているように受け取るのです、皆さんの衛生検査技師法の一部改正の要点なるものからいきますと。この点がいま私が取り上げている点でありまして、こうなっておりますと旧来の検査については全くワクもないということになる。野放しで名称規制のままで残るということになる。いませっかく大臣がそういう方針でいきたいと思いますというふうに御答弁になっているのだが、現におたくがこしらえている、いま作業を進めておられるものの中ではそういうワクすら考えていない。となると、大臣のいまの答弁と事実が明白に食い違うのですが、そこはどうなっておるわけですか。それは大臣でなくてもけっこうでありますから……。
○松尾政府委員 従来出てまいりました経過等から見まして、そういう業務範囲を新しく広げて医師の指導監督のもとに、もっと申し上げれば、臨床生理学的検査というのは病院、診療所という限られた場所で行なうということでひとつ発展をさせたい。それからもう一つ、先ほど例としておあげになりましたいわゆる検査所というようなところで無資格でやる、こういうことはこの施設のほうでむしろ要件をきめまして資格がないとやれないという縛りをかけたい、こういうことが私どものいまの中心の発想でございまして、従来の薬剤師とか獣医師というものに対する無試験免許というものの範囲については従来どおりの形で進んでまいりたいというのが、偽らざるいまの現状でございます。
○大出委員 古い資料を私思い出して出してみたのですが、「粗雑な看視の網」「ソロバンにあう?下請け」と題して、「検査屋」と称する記事が新聞に書いてありますが、読売新聞の「日本の医療」という解説に載っています。それから中部日本新聞には「縁の下の力持ち」「衛生検査技師さん」「きちんとして早く」「タンの見分けに一年半」と書いてある。これはもう相当な学問と技術が必要になる。そうかと思うと、この衛生検査技師の分野は普通のお医者の学校を出てきた方々では入れない。つまりこれは卒業して国家試験に受かって医師になってしまいますと、これはきめられた自分の専門に住むわけですから、どうしても衛生検査技師などといわれるほうの分野に入っていけない面がある。どんどんこの分野も変わりますから、こちらのほうで博士をおとりになった方も最近は何人もおいでになるようでありますから、そうなりますと、そういう点でほんとう言えば、この分野を医者とは独立した立場にして専門化して、学会もいまございますけれども、そうして進めていかなければならないということを書いている新聞もこの中にある。「あなたの血液型は」「間違ってる例意外に多い」、数字がずっとあがっておりますが、これは確かに百人につき三人の割合で間違っているのですね、これを見ると。血液検査をやって——私B型なんですが、B型と思っていたらそうじゃなかったということが至るところにあるわけですから、そうすると、よほどここらのところはここまでくれば考えていただかなければならぬ問題だと思っているわけなんです。ですからいまお話しの病院とか診療所とかいうところでやるということになれば、そこに医師がいるわけですから、だからそれなりにある程度規制のワクがなくても当面やれるとは思います。しかしここに書いてあるようにそろばんに合うかどうかというようなことで、検査屋などという商売が大阪でも行なわれる。こういうことになると受け取り勘定で数幾らで幾らということになるわけでありますから、、これは何が出てくるかわからぬことになるわけだ、全くしろうとですから。だからそうなると、ここにあるように「あなたの血液型」「おそろしい結果招く」「誤判定が二・四パーセントも」なんというこういうことになりかねないわけです。私はおたくのほうでやっておられるこの「衛生検査技師法一部改正の要点(案)」というのをながめて言っておるわけです。このままでまとめられたんじゃ困るから、ここまで要点が——大臣はそういうふうには答えられなかったが、しかし斎藤大臣も専門の分野ではない。大臣におなりになって長くおいでになるわけではない。皆さんのレクチュアをお聞きになってものを言っておられるわけです。それで大臣はあっさり私の意見にお乗りになったけれども、ではようござんすといって終わっても、うしろで控えておる皆さんの側でそうされないから、そこでさらに突っ込んで私はものを言っておるわけですが、それを見ると、明らかに二種免許は従来の無試験免許の資格者に与えられるものということになる。そして、「その業務範囲は従来の検査とすること。」こうなっておるだけで、どうもこのままだと、無資格者はやれないというふうに受け取れる条項というものはない。だから、何かやはりそこにもう一歩進んで、さっきちょっとお話にありましたが、そういう検査屋みたいなところは何かワクをかけたいという、そのワクのかけ方を実は聞きたいのです。どういうワクをかければいいのかということですね。
○松尾政府委員 検査の中身が間違っておれば、御指摘のとおり、むしろやらないほうがいいという結果にこの条項はなるわけです。したがいまして、野放しといわれておるような、そういう検査所というものが無責任な形であるということは、医療にとってむしろマイナスでございますから、私どもは、先ほど来申し上げましたように、そういう検査施設においては厳重な資格、たとえば衛生検査技師がいなければならない、これは当然のことで謝ります。その上にさらに、少し大きなところでは管理的な立場の人も必要でございましょうし、そういう監督を受ける立場としての技師を置いておくとかいうような条件をかませまして、そして厳密な正確さの管理ということができるような仕組みで押えたい、こう考えております。
○大出委員 それでも現状よりは数歩前進をすることになると思いますが、それでいいということにはなりません。ここにもう一つあります。読売新聞でありますが、「血液型の間違いで死ぬ」「黒部で入院患者」、厚生病院でありますが、そこでなくなった。そのために警察の方が衛生検査技師から事情を聞いておる。四十一年十月一日の読売新聞に出ています。これは検査結果を書き間違えたという事故です。それで死んだ。しかし、ここらのところは、いま言われる管理、それをはっきりしておきませんと、こういう問題が起こる。それにしても、その基礎はやはり有資格者が取り扱わなければならぬということになるわけでありまして、衛生検査技師会の方々が、四十一年十一月ごろから無資格者をなくすための署名運動まで始めておるわけですが、監督の衝に当たる厚生省がそういうことを検査技師会のほうにさせなければならぬようなことは、私は非常によくないと思っている。その辺のところは十分ひとつ御配慮いただきたいと思うわけです。 ところで、大臣、委員長もだいぶ仕事があって、立ったりすわったりというような感じに受け取れるのですが、これは、「衛生検査技師法一部改正の要点」というのがあるのですけれども、要点のうちの第一、第二だけいま考えを申し上げた。あとまだいろいろあるのですが、これをやっておりますと、やはりこの設置法の試験その他の問題とからむものですから、詰めていきますと、審議会をおつくりになるというのですけれども、では講習や、この特例試験なら特例試験というものを考えた場合に、いなかのほうで講習や特例試験はどうやってやるのかという問題がある。町の中なら交通の便もいいから機会は均等だ。しかしいなかに行ったらそれはできぬ。それから、業務を休んで講習や試験に行ったら、個人的な問題としていろいろな問題が起こるわけです。たとえば、これまたお宅の管轄ですけれども、調理師法という法律があります、議員立法ですけれども。これなんか、板前さんが試験を受けに行きますと、一日に三千円から四千円も金がもらえない。それでも試験を受ければ資格がとれるからというので、受けに行こうとするが、行きたくてもどうしても行けない人が出てくるというのと同じで、忙しいのです。この衛生検査技師さんもそうすると行けない。そういうのは一体こういった審議会でどういうふうに試験というものをお考えになるかという点。それから、現在の資格者が試験を受けるという場合に、一言で申し上げれば、いまの開業医の皆さんに国家試験をもう一ぺん受け直してみろといったら、受かる人はほとんどないですよ。それは、診察技術は卓越してうまくなっているけれども、学問的に、それじゃ国家試験をもう一ぺん受け直せといったら受かりません。それを、簡単に、講習をやったら受かるか、これまた受からない。記憶力も薄れているし、新しいものを覚えるという能力に欠けるようになっている年齢でございますから。そうすると今度は試験の問題なんというものも、こういう席でやさしいのをつくれというわけにいかぬけれども、相撲だって横網になった人は年寄一代制で、年寄株がなくたってその人の一生は横綱で通っていくのです。そうだとすると、いままで苦労をしてやってきた、この新聞にある縁の下の力持ち的な方々を、診察エックス線技師法のときも問題になったのですけれども、じゃ三年課程ができた、旧来の方々は二年課程だ、そこで厚生大臣の試験を受けなければ資格者は一種にならぬということになるとすると、努力してきた方だけに非常に深刻な問題です。そこらの問題が全部からんできますので、この設置法に関連しまして、そこからことこまかに承りたいのです。 そこで実は委員長に承っておきたいのでありますけれども、かたがつくまでおつき合いをいただけるものならば、もう一、二時間、何なら二、三時間御質問申し上げたいのでありますけれども、どうでありますか。皆さんだいぶおつかれのようでございまして、しようがないからおいでになるという感じなんだが、そこのところをひとつ御相談いただけませんか。
○藤田委員長 速記をとめて。 〔速記中止〕
○藤田委員長 速記を始めて。 次回は来たる十五日午前十時理事会、午前十時三十分委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。 午後四時三十九分散会