内閣委員会 第11号
- 発言数
- 243 件
- 登壇者
- 18 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1969/04/03
会議録
○藤田委員長 これより会議を開きます。 通商産業省設置法の一部を改正する法律案を議題とし、審査を進めます。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。木原実君。
○木原(実)委員 前回に続いて質問を申し上げるわけですが、その前に、御承知のように、また昨日北海道の雄別系列の炭鉱でたいへん大きな爆発事故があった。われわれまことに遺憾でございまして、私どもまだけさの新聞で内容を見た、こういう程度なんですけれども、本省のほうに何か報告がありましたら、この際、ひとつお聞かせを願いたいと思います。
○大平国務大臣 四月二日の十三時三十分ごろ雄別炭鉱株式会社経営にかかる茂尻鉱業所におきましてガス爆発災害が発生いたしまして、作業中の労働者四十四名が罹災いたしました。鉱山保安の監督の責任者といたしまして私もいたく責任を痛感いたしまして、善後措置の周到を期しますとともに、原因の究明に当たっておる次第でございます。 現地では直ちに鉱山救護隊を中心に救出作業に全力をあげましたが、罹災者中二十六名が救出されたのみで、残り十八名全員の死亡が確認されて二日二十一時十分までに遺体の収容が完了いたしました。 なお、救出されました罹災者は一酸化炭素による影響を受けているおそれがありますので、一酸化炭素中毒の検診がいま実行されております。 現地では、災害の報告を受けまして直ちに鉱山保安監督局長外十四名の鉱務監督官が急行し、罹災者の救出及び原因の究明に当たっており、本省におきましても、鉱山保安局長が昨夜現地に急行し、対策の推進を指揮いたしております。また、本日政務次官を現地に派遣いたしまして、明朝関係者を集めまして災害対策連絡会議を編成いたしまして、罹災者の救護及び遺族に対する補償を中心とした対策を講じておる次第でございます。
○木原(実)委員 ガス爆発というのは炭鉱の事故の中でもある意味では最も恥ずべき事故だ、こういうふうに私ども聞いておるわけでありますけれども、特に御案内のように、茂尻鉱につきましては、別会社案が提示をされて、いわば合理化の焦点に立っておる会社であった。そこにたまたま事故が発生したわけでありますけれども、御承知のように、政府でもこの一月でしたかいわゆる炭鉱の再建整備にからんで事故の絶滅を期するのだ、こういう方針も出され、ある意味ではいろいろと炭鉱の再建整備に関連をし、その裏側の問題として事故のないように、こういうことで論議もし、あるいはその対策も行なわれてきたと思うのですが、そういう際における今度の事故、しかも現地では別会社案が出されて、いわゆる合理化案が出されて山元が不安にさらされていた、こういう報道もあるわけであります。そうなりますと、今度の事故は、ある意味では起こるべくして起こった事故といいますか、不可抗力、いろいろな見解が成り立つわけでありますけれども、やはりいま推進をされておる炭鉱の整理統合、合理化の裏側の問題として深刻な問題があるように考えるわけなんです。そこで、そういうことと関連をしてですけれども、事故の起こりやすいいろいろな条件ができてきておると思うのです。ですから、これは単に通常の場合のように事故の究明をし、それに対するその場限りの対策だけではどうもこの種の事故は防げないのではないか、あるいは人員が極端に減少しておるという問題もありましょう。あるいはまた、その会社それ自体の命運が問われておるという状況の中では、経営者の側でも、あるいはまた労働者の側でも不安がぬぐえない。心理的な安定をしない状況がある。こういうようなことがやはり背景にあると考えなければならぬ。そういう際の事故だ。こういうことになりますと、これは単に偶発的な事故だということで処理できない面がある。こういうふうに考えるわけなんです。そこで、これからも政府は既定の方針に従って、炭鉱の合理化を推進をするわけでありましょうけれども、それとの関連において、この種の事故を絶滅していく上での何か決意のようなものはないでしょうか。
○大平国務大臣 通産省といたしましては、昭和二十四年以来、鉱山保安法に基づきまして、炭鉱の災害予防のための監督指導に努力をしてまいったのでございます。具体的には保安監督官が常時監督検査を実施して、炭鉱の保安状況の把握及び災害予防のために必要な措置の指示、命令を行なっておるほか、炭鉱労働者の教育、保安機器整備のための補助、保安技術対策等の措置を講じてまいったのでございます。 しかし、御指摘のように、最近、炭鉱がだんだん深まってまいって、稼行がむずかしくなってきておりますし、この措置をさらに強化する必要を感じまして、四十四年度におきましては、四十三年十二月に出されました中央鉱山保安協議会の御答申を受けまして、従来の対策を一そう強化いたしますとともに、炭鉱経営者の保安に対する姿勢を確立して、保安とともに保安のための助成措置を一段と強化し、いま御指摘のガス抜き、密閉等に対する助成措置を創設する等、新たな措置を講じようといたしておるのでございます。今度の石炭対策につきましても、保安予算は思い切って増強しておる次第でございます。 いま問題になっておるケースにおきましては、先ほど申しましたように、原因の究明を始めたばかりでございまして、これを周密に行ないまして、その結果を受けて、現在そのようなかまえでやっております保安措置で十分かどうか、十分吟味して対策を講じなければならないと考えております。
○木原(実)委員 大臣、お互いに政治家として考えなくてはならぬことがあると思うのです。あなたのおことばによりますと、監督も十分やってきておる、あるいはまた、特に保安予算等にも特段の配慮を加えた、ある意味では監督行政の上からいけば十分な手を打ち、あるいはこれから打とうとしておるのだ、こういうようなお話でございますけれども、それでも事故が起こった。おそらくこれは監督が不十分だったという、言いわけといいますか、そういう見解をするはずはないと思うのです。ある意味では十分な監督もやっておられたと思う。しかしながら、それでも事故が起こった。そうなりますと、監督も体制の上では十分行なわれてきて、保安対策もこれから十分考えていくんだ。従来もそういうことが繰り返されてきたわけですけれども、それでも事故が起こった。しかも、山元はなおこれからも同じような事故の起こる条件というものが、ある意味では山積しておるんではないか、こういう問題があるわけです。今度の山の事故については、これ自体についての事故原因の十分な究明その他が必要でございましょうし、この問題についての結論、あるいは対策なりは、その調査の結果を待たなくてはいけませんけれども、容易に察せられることは、おそらくはやはり政策のもたらしている不安、あるいはそこから引き起こされているさまざまなひずみというものが目に見えない直接間接の原因になって、この種の事故を誘発をする原因になっているのではないのか。われわれは単なる行政的な措置以上に、これだけ炭鉱の問題が政治の焦点になっているだけに、ある意味では政治の責任として、政策的な不安定が同時に山元の不安定を呼んでいる、そこから不測の事故が発生をする、こういう論理で考えなくちゃならぬ、そういう問題があるのじゃないか。これはお互い政治家としてこういう大きな事故を目の前にして、一番考えなくちゃならぬ問題じゃないかと思うのです。 そこで、当面の事故対策については、原因の究明その他でもってやっていただくとしまして、これから政策を進めていく上において、たとえば緊急に必要な人員の確保の問題であるとか、あるいは保安対策といいますけれども、形だけ整っていて中身が欠けているのですね。つまり経営者の、ある意味ではサボタージュの問題もございましょう。これらについての確固とした自信を山元に与えていく、こういう面での政策的配慮というものが必要ではないですか、いかがでしょう。
○大平国務大臣 全く仰せのとおりでございます。この茂尻鉱の採炭を継続すべきか廃止すべきか、そういった問題は確かにあったわけでございます。市民の側におきましても、操業を継続するという市民大会がせんだって開かれたばかりでございます。一応会社といたしましては、この炭鉱は続けて操業するのであるという方針をきめて、それの用意にかかっておったやさきでございます。しかし、こういう事故が起こりまして、一般に炭鉱の内外とも仰せのように非常な不安に襲われていると思います。したがって、先ほど私どもの藤尾政務次官の出発に際しまして、私は、明日この関係者の会議を開催するにあたりましては、災害の原因の究明、罹災者の救護に万全を期するのは当然でございますけれども、あわせてこの山の再建についての諸条件を関係者と十分御協議いただきまして、石炭行政上われわれが配慮しなければならない問題を十分把握してお帰りをいただきたいということをお願いしたわけでございまして、こういう存廃についての不安が炭鉱の内外にあるというような状況でありますがゆえに、なお一そう再建についての周到な配慮がなければならないと思うのでございます。その点につきましては十分配慮してまいりたいと思います。
○木原(実)委員 たとえば、今度の事故の原因について、新聞の報道を見ましても、十分な監督が行なわれていたかどうかにも問題があるわけですけれども、明らかに鉄柱が非常に不足をしているとか、あるいは必要な保安人員が不足をしておるとか、ある意味では会社側もやがては合理化していく条件にある山だ、こういうことになれば、心理的にもやはり手を抜くといいますか、手が回らないといいますか、十分な保安対策なしに、しかも当面生産を上げなくてはならない、こういう矛盾した状態にあると思います。それからまた、山で働く労働者の人たちも、どうもやはり合理化の問題が目の前にきていて、しかもそれについての見通しがない、こういうことになりますと、労働組合側にいたしましても、一歩後退をした形で、ある意味では惰性で仕事をしておるという側面も生まれやすい。そういうところから不測の事故が起こったとわれわれは見たいわけなんです、あるいは見なければならぬと思うのですが、そういうことになりますと、これは単に一企業に保安の問題も含めてまかしておいてはたしてこれでいいのかという、こういう問題が起こるわけです。政府としても必要な保安対策は講ずる、あるいは監督は強化する、従来の対策を一歩進める形が行なわれたにしましても、なおかつ山自体の運命が問われているという状況の中では、なかなかそうは言いましても、実際に十分な保安対策を講じながらしかも出炭に当たっていく、こういう体制はとりにくいのじゃないかと思うのです。第一、こういう状態になれば、山で働く人が集まりませんですね。銀行にしましても、融資の問題で二の足を踏んでくる、こういうことになりますと、私企業としてはもう限界の線をいっているのではないか、こういう感じがするわけです。しかも、それでもこの山が残っていくのだということになれば、そこに新たに政治的な配慮を加えていく、そういう問題が出てきやしないのか、こういう感じを受けるわけなんですが、そういうことで一歩進めた対策といいますか、総合的な対策を考える余地はございませんか。
○大平国務大臣 仰せのように、災害がありませんでもたいへんむずかしい危機に逢着しておる石炭産業でございます。こういう致命的な大事故を起こしますと、経営者も労働者も、また周辺の関連の市民も非常な不安におちいって、再建の意欲が鈍るというようなことは十分予想できるところでございます。したがって、仰せのように、行政当局の不退転の姿勢と、これに対する周到な政策が一般に信任を受けるというような状況でなければいけないと思うのでございまして、私どもも施策の力点をそこに置きまして、できる限りの措置を講じ得る限界までは講じなければならないと考えております。
○木原(実)委員 もうあまりくどく申し上げませんけれども、私の申し上げたいことは、どうも今度の事故を見ましても、単なる保安対策、監督を強化する、それだけでは解決をしない問題がもうすでにあらわれているのではないのか。しかも現状のままでいけば、類似の山にもこの種の事故が発生をする条件というものがあるのじゃないか。そこで問われておることは、単なる保安対策ではなくて、やはり経営者も労働者も自信を持ってこの山で仕事をやっていけるのだ、こういう道というものをつけていく段階にきているのではないか、そういうことになると、この国会にもいろいろと鉱山関連の法案が出ておりますけれども、はたしてそれだけで十分なのかという政策批判に及ばざるを得ないわけなんです。私どもはかねてこの種のことも想定をしながら、せっかく山元で、石にかじりついてもやるのだ、こう言っておる労働者諸君やあるいは経営者の行き方も含めて、一歩を進めて、炭鉱について政府がもっと積極的に関与をしていくような方式をとるべきではないかという提案をいたしておるわけなんですが、どうもそういう観点からいたしましても、やはりこの種の事故を現実に目の前にして考えますと、いま出されておる石炭政策の中には非常に何か限界が感じられるわけなんです。その点で再考の余地といいますか、あらためて検討をし直す、こういう余地はございませんか。
○大平国務大臣 仰せのように、石炭関係の予算を国会で成立さしていただいたわけでございますが、それからいま御審議をいただいておりまする石炭対策関係の法案がございますが、これらはしかし施策の一応の目安をきめたものでございまして、実際の適用にあたりましては、私ども十分弾力的に運用してかからなければならぬと思っております。これは保安対策ばかりでなく、石炭政策全体についてまたそうしなければならぬと考えておるのでございまして、私どもは相当積極的な、そして弾力的な措置が、御承認をいただきました予算の中で配慮できるものと思っております。
○木原(実)委員 保安の問題はこれで打ち切りますけれども、いずれにいたしましても、国民の印象としましては、またかと、この事故を目の前にして目をおおいたくなるような感じなんです。それだけに、繰り返すようですけれども、やはり問われておる問題は、保安対策の強化ということもさることながら、炭鉱に対する抜本的な対策を、従来も出されておりますけれども、それには何か奥歯にもののはさまっておるような面が強い。もう一歩進んで、強い政策を考えませんと、これは救いようのない事態ではないのか、こういう印象を強く持っておるわけなんです。いずれにしましても、関連の法案が他の委員会で審議をされておりますので、論議はそちらにゆだねますけれども、しかしけさ報じられました事故に関連をいたしまして、私どもといたしましては、通産当局の保安対策もさることですけれども、やはり鉱山対策についての思い切った施策を講ずるように要望申し上げておきたいと思います。 そこで、次の質問に移りたいわけでございますけれども、関連をいたしまして若干公害の問題についてお尋ねをいたしたいと思います。 まず、今度出されております設置法改正の中で、研修所が設置をされて、各種の職員の技術的な技能の向上もはかりたい、こういうことがあるわけですが、その中でひとつお尋ねをいたしておきたいことは、高圧ガスの技術者の研修もやりたいのだ、こういう一項目がございます。御承知のように最近は石油化学あるいは化学工業技術が非常に進歩をいたしておりまして、しかもこの種の企業で事故が起こる場合、一つには当局が立ち入って検査をする、あるいはまた事故を防ぐためのいろんな調査、検討をするわけでありますけれども、その際に立ち入る限界というものがどの辺まであるのか。御承知のように、企業によりましてはたいへん技術の機密といいますか、企業機密といいますか、そういうものをたてにとってなかなか事故の予防等についても当局の立ち入る限界を考えているような企業もあるやに聞いておるわけなんです。私どもとすれば、化学工業等において技術が進めば進むほど起こった事故が大きいという可能性もあると思うのです。そういう場合に、一つには予防措置としましても、あるいは事故が発生したときにおいても、立ち入って検査をしていく限界をどの辺に考えておるのか。それからまた企業によっては技術の機密をたてにとってそれを拒否するような企業もあるわけでありますけれども、そうなりますと企業機密というのは一体どういうものなのか、ひとつお考え方を聞かしていただきたいと思います。
○両角政府委員 所管の局長が不在でございますので、私からかわりましてお答えをいたします。現在の高圧ガス取締法によりますと、立ち入り検査ということにつきましては、高圧ガスの安全をはかりますためにいかなる場合にもこれが行ない得ることになっております。特定の限界は設けられておりません。なお、したがいまして企業の秘密というような点につきましても、立ち入り検査上必要がある限度におきまして企業の秘密は排除し得ることになっておる次第であります。
○木原(実)委員 そうしますと、確認しておきますけれども、公害を予防する措置として立ち入り検査をする場合には、企業の秘密ということはない、排除をする、こういうことですか。
○両角政府委員 高圧ガス取締法につきましては、さように解していただいてけっこうでございます。
○木原(実)委員 これはいまたまたま高圧ガスという例を引いたわけですけれども、他の企業についてはいかがですか。
○矢島政府委員 他の企業という御質問でございますが、他の法律ということだろうと思いますが、たとえば公害に関しましては大気汚染防止法、あるいは水に関しましては工場排水等規制法というものがございまして、それに基づきましてそれぞれその法律を施行するに必要な限度において立ち入り検査の権限が認められておるわけでございます。その際、企業の秘密というのがどういうことになるか、企業の秘密によって拒否できるかどうかという問題は、ただいま官房長が高圧ガス取り締まりについてお答えいたしましたのと全く同じでございまして、企業の秘密という理由によってこれを拒否できないことになっております。
○木原(実)委員 そうしますと、もう一つ確認をいたしておきたいわけでありますけれども、企業の秘密ということについて行政上はどうなんですか。法律上いろんなケース・バイ・ケースの法律があるわけでしょうけれども、一般的に企業秘密というものはないというお考えでございますか。つまり公害を予防する、公害が発生するおそれがある場合の予防、これは法に規定をした限界がありますけれども、しかしながら公害の予防をする措置の上ではすべて企業の秘密というのは認めないで、立ち入って検査をすることができるという解釈でございましょうか。
○矢島政府委員 御質問に直接お答えできるかどうか別でございますが、企業の秘密はないということではなくて、これは企業の秘密だから見せないということは許されない、こういうことでございます。
○木原(実)委員 たまたま、昨年になりますけれども、千葉県の市原市の三井ポリケミカルというところで事故がございまして、これはたいへん笑い話みたいな話ですけれども、事故が起こって近隣の会社から私設の消防などが出ましたら、それを拒否した。それは企業の秘密が漏れるからだという、ある意味では少しばかげたできごとがあったわけです。これは幸いにして人身上の事故がなかったということで終わったのでありますけれども、しかしながらやはりそこで直面した問題は、企業が技術上の秘密を保持したい、こういうことが先行しまして、必要な危害の予防あるいは公害の予防に関して何か内密に処理したい、こういう姿勢が非常に強くあらわれております。そのことが、逆に言いますと、近隣の住民等にとっても不安を覚えしめた、こういう問題があったわけです。 そうしますと再度お尋ねしますけれども、公害を予防するあるいは危害が発生しそうなことについて予防の措置をとる、こういう場合には企業の秘密というものをたてにとってそれを拒否することはできない、こういう解釈で対処するわけでございますね。
○矢島政府委員 そのとおりでございます。
○木原(実)委員 それではもう一つお伺いしておきますけれども、通常企業の秘密、これはおそらく外国の技術を導入した等の場合、あるいは契約上これは公開をしないとか、あるいは特許によって保護されているような場合もございます。いろいろな契約があると思うのです。契約それ自体は公開をしないという何か契約があったとしますね。その場合も行政上は立ち入ることができる、こういうことでございますか。
○矢島政府委員 立ち入り検査はできるわけでございます。
○木原(実)委員 そうしますと、危害あるいは公害予防上は企業の秘密というものは認めない、こういうことで対処をなさる、こういうわけですね。 それでは、もう一つあわせてお伺いいたしますけれども、どうも技術導入等についてはやはり独占的に契約をする、こういうようなことは間々あるわけなので、一方ではそれを保護してもらいたい、こういう要望が企業の中ではかなりあるわけです。私どもの二、三調査した範囲によりますと、通産省等にある意味ではいろいろな申請をする、あるいは技術の内容について報告をする。そうすると、通産省を仲立ちにして技術が漏れていくような傾向もあるというような現場の技術者たちの声を聞くことがあるわけです。そういう面での保護というものは尊重をしていく、こういうことなのですね。
○矢島政府委員 企業の秘密を理由として立ち入り検査を拒否できないというわけでございますが、それは決して立ち入り検査した立ち入り検査官がそれを外部に漏らすということになるわけではないのでありまして、立ち入り検査した検査官というものは、その法律事項に必要な限度において捜査をやって、その内容等については決してこれを漏らすべきでないわけでございますから、その点は産業界の一部にそういう心配があるとすれば、それは誤解に基づくものではないか、かように考えております。
○木原(実)委員 もう一度お伺いしますけれども、企業の秘密にかかわらず立ち入り検査ができるということは、これは従来もそうであったということですね。いままでもいろいろなケースの問題があったと思いますけれども、従来もそうであった、これからもやはり公害対策を強化するために企業の秘密をたてにして拒否するものについてはこれを排除していく、こういう御方針ですね。
○矢島政府委員 従来もそのような方針で対処してきておりますし、今後もその方針には変わりはないわけでございます。
○木原(実)委員 わかりました。 それではもう少し公害に関連をしてお尋ねをいたしておきたいのでありますけれども、御承知のように公害の問題につきましては幾つかの法案も準備をされ、世論もきびしくなってきておる。こういう中で大臣にお伺いしておきたいのですけれども、公害対策を立てる場合に、通産省はどうも公害認識という問題について企業サイドにつき過ぎるのではないか、こういう一般に批判があるわけであります。これはそれぞれ行政上の立場があるわけですけれども、ひとつ公害対策についての通産省の行政上の責任者としての御見解をひとつ承っておきたいわけなんです。
○大平国務大臣 公害対策はまず事業主体、企業側が本気になっていただかなければならぬことでございまして、国とか地方公共団体、付近の住民、四者が一体となって推進しなければ実効があがらぬと思います。そこで私どもは、世上、通産省は企業サイドに立っているのではなかろうかという先入感というか、色めがねでいつも見られがちでございます。私どもは公害対策の実効をどうしてあげるかに腐心いたしておるのでございまして、企業者側に立って、企業の利益を擁護する立場にないことは御理解いただけると思うのでございます。ただ、やり方の問題といたしまして、高圧的な、監督者的な立場でやるか、十分先方が本気になるようなぐあいに指導してまいるか、その呼吸の問題だと思うのでございまして、私が見ておるところ、世上でいろいろ言われておるように、企業者側が公害に冷たい態度でおるとは思いません。これは企業経営上の一大問題でございまして、非常に真剣に立ち向かいつつあると私は見ております。また、公害対策に対して巨額の投資を惜しみなく投じつつあるわけでございますから、それを十分激励して、またそういう金融の道をつけることを促進して、それからまたそういうことをやるについて税制上いろいろな恩典も別途考えながらそれを促進することが私どもの任務と思っておるのでございまして、そういうようなことを企業側に立ってやっておるのじゃなかろうかというように言われることはたいへん迷惑なのでございまして、問題は、公害対策ができるだけ速い速度において実効をあげることこそ念願しておるわけでございます。これからはますますその必要が大きくなっていくであろう、したがって通産行政の中の柱として公害行政というのは非常に大きなウエートを持ってくるものと覚悟をいたして省員を督励しておるという状況でございます。
○木原(実)委員 弁明の趣旨を尊重したいと思うのですけれども、世上問題になっております公害の問題というものは、この発生源なり、ことばは悪いですけれども犯人は次第に明らかになってきておる。これは結局煙突が煙を吐くからだ、こういう公害源も、いろんな意味ではっきりしておる問題があるわけです。しかもおっしゃるように、従来企業としては、その公害について、たとえば投資の側面で必要な措置を行なってきた、そういう伝統があるわけです。ですからその切りかえということになれば、おっしゃるように、おそらく企業もたいへんだと思うのです。そうなりますと、通産省の指導の方針としまして、方向としていろんな関連の法案その他が出ておりますけれども、やはり企業それ自体が公害を発生する原因を企業の中でとどめていく、その分に必要な投資はやはりこれを組み込んでいく、こういう姿勢に転換をしていくことが望ましいわけですね。やはりそういう方向で、ある意味では公害の発生源をまず企業の中で断ち切っていくのだ、こういうことに原則を置いて指導していく御方針でございますか。
○大平国務大臣 おっしゃるとおりでございますが、なお公害防止技術というものがいま開発の途中にございます。できるだけ政府側でも公害防止技術の開発をどんどんやりまして、その恩恵は企業に受けさせなければならぬという前提で、企業側がまず本気になって、みずからの責任の領域におきましては公害を起こさぬという措置ができなければいかぬと私は思うのでございまして、それに力点を置いてやってまいるつもりです。
○木原(実)委員 これはやはりこれだけ大きな社会問題になり、ある意味では政治問題にもなっているわけなんですが、問題は、企業が対策を講ずる。しかし企業としての限界もある。国の施策としても限界もある。しかしながら煙は毎日出ているのだ。こういういわば過渡期の状態というものが続きそうな状況なんですね。しかもそのことによってやはり国民の健康がむしばまれていく。こういうことになりますと、これはやはり過渡期だからといって済ませないわけです。そうなりますと、指導の方向として、公害をまず企業がやはり発生源において断ち切っていくという方針がかりに明らかにされたにしましても、それが達成するまでの過渡期の指導体制、そういうものについては御配慮ございますか。
○大平国務大臣 二つに分けまして、現に工場があり、いろいろ有害な排出物があるという状況のところ、これは排出の基準を漸次強化してまいりまして、防除につとめなければならぬのでございますが、これから新しく工場地域にしようとかというようなところは、もうすでに設備を装置する前から、公害が起こらない用意をまずしていくような指導をやっておるわけでございまして、そういうことを一方において徹底しつつ、現に発生しておるところには、だんだん行政を強化し、一方防止技術面を開拓してまいりまして、その速度を速めてまいるというふうにしていこうと思っているわけであります。
○木原(実)委員 少し具体的にお伺いしたいと思うのですけれども、たとえばよく問題になります重油の問題にしましても、たとえば硫黄分の低いいわゆる低硫黄性の石油その他を大幅に輸入する、こういうような配慮がございますか。
○大平国務大臣 そういう供給源がございますならば、思い切ってそれに置きかえたいところでございますけれども、需要はどんどんふえまするし、海外の供給源には限界がございまして、ハイサルファのものも輸入しなければ間に合わぬというのが遺憾ながら現実であります。したがって仰せのように、これからローサルファのものの資源確保に一段と努力いたしますとともに、ハイサルファのものについて何かくふうをしていかなければならぬわけでございまして、その点は、すでに外国資本におきまして、採油をした現場でなお低硫黄化というようなことが行なわれつつあるやに聞いております。それを十分調べまして、政府もそれから関係企業も一緒になりまして、そういったことが可能かどうか、われわれは新しい施策としていま考慮をめぐらしておるところでございます。仰せのように、根源で断つのが一番早道でございます。そういう方法を何としても考えなければならぬ、いまそういう調査を始めておるところでございます。
○木原(実)委員 私はあまり専門的な知識はないわけですけれども、これはやはりおっしゃったように可能性としては、あるいはまた通産省の考え方の方向としては、将来そういう低硫黄分の、ローの分の輸入をふやしていく、少なくともそういう配慮はあるわけでございますね。
○大平国務大臣 そう配慮してまいらなければいかぬと思っております。
○木原(実)委員 おっしゃったように、しかしそれがまだ十分ではないということになりますと、具体的にはたとえば脱硫装置を取りつける、こういうような問題がございますね。しかし、私ども聞いておる範囲ですと、この脱硫装置なるものも、一つには資金的な面が、コストが非常に高くつくということ、あるいはまたそれだけ金をかけて、はたして十分なものが技術的に装置できるのかどうかという二つの問題があるように聞いておるわけなんですが、その点はいかがでしょうか。やはりこれはまた経過的な措置としまして、脱硫装置を積極的に開発をしていく、そういうような御意向はございますか。
○矢島政府委員 御質問は資金的な問題と技術的な問題だと思いますが、資金的な問題は確かに相当大きい問題でございまして、一万バーレル当たり二十億円ないし、最近のあれでは二十二、三億円くらいかかるということに相なりますものですから、たとえば普通のユニットで四万バーレルということになりますと、八十億円から九十億円くらいかかるわけであります。この資金的な負担は相当なものがあると思います。そこで、しかしこれはやっていただかなければならないので、通産省といたしましては開銀の融資の中で特利、特ワクをとりましてこれを推進していく。現に四十四年度予算につきましても七%の特利と四十億円の特ワクがとれておりますが、これだけでは足りないので、四十五年度以降はさらにそれを拡充していきたい。なお税制上につきましては特別償却を一応引き続いてとるというようなことで、金融上、税制上の措置をとりましてこれを推進いたしたい、かように思っております。 それから第二の技術的な問題でございますが、これも実は間接脱硫と直接脱硫がございますが、間接脱硫のほうは、これは石油製品の需要構造の関係でアメリカにおいて相当発達をしておるので、それをとりあえず日本でも取り上げたということはありますが、これは脱硫の点からいうとあまり十分ではない。やはり本命は直接脱硫ということであります。直接脱硫となりますと、これは世界どこでもまだ実用化されていない。たまたまノーハウはアメリカにあるわけでありますけれども、それを入れてやったのは日本が最初ということで、最初に実用化するという点の、実用化の悩みというものは非常にあったわけでございます。現にやっておるところにおいても、その最初に実用化したという悩みを悩んでおる状況でございまして、非常に問題があるわけであります。 なお、いまの話は導入技術、外国のパテントを導入するということでございまして、そういうものにたよっているということではやはり限界があるわけでございます。相手のあることですから、どこでも導入してやるというわけにはまいらぬ。やはりどうしても国産の直接脱硫の技術を開発しなければならぬ。こういうことで通産省におきましては先般来大型プロジェクトというのを二年前から始めておりまして、これが一応四十六年度半ばぐらいには大型プロジェクトの研究は完成する、こういうような段取りになっておりまして、この大型プロジェクトによります国産技術の実用化ができますれば、そういう段階になれば相当程度この重油脱硫も効果をあげていくのじゃないか、かように考えております。
○木原(実)委員 あわせまして、これはこういう日常の問題があると思います。 たとえば大量に重油をたく企業が参りましても、一社の場合ですとそれほどの被害がない。しかしながらコンビナートと称しまして何社か集合する場合には、その周辺の空気が非常に汚染される、こういう問題がございますね。そうなりますと、従来いわゆるコンビナートシステムで企業が集合をして、その地域がたとえば石油化学なら石油化学のいわば基地化されてきた。こういう工業化の方針があったと思うのです。ところがやはり一社ですと、比較的拡散化されて被害が相対的に少ないわけですけれども、しかしながら数社集まりますとなかなか、一社ずつにはそれほどのウエートはないけれども、しかし数社になりますと、これは当然のことですけれども、非常に空気が汚染される。こういう問題が現実の問題として出てきておるわけです。そうなりますと、公害予防といいますか、その対策上、従来のコンビナートシステムに対して何か工業立地上再検討する余地というものがあるのではないか、いかがでしょうか。
○矢島政府委員 先生御指摘のとおり一社だけであればさしたる問題がなくとも、これがコンビナートを形成するということによっていわゆる複合汚染という問題が生ずる。その複合汚染の結果というものが非常に大問題になる。そういう点につきましては、通産省としてはっとにその問題点を認識しておりまして、産業公害総合事前調査、むずかしい名前でございますが、そういうものを昭和四十年度から実施しておるわけでございます。そしてすでに十数カ所につきましてやっておる。それは主として先生御指摘のコンビナートができて、しかもそのコンビナートが今後発展していく。いまは数社だけれども、それがまたたくさん出てくる。それから新増設もあるだろう。そういうところが、将来複合汚梁はどうなるか。そういう点につきまして、産業公害総合事前調査というのをやって、将来の企業の立地計画、新増設計画を織り込みまして、その模型をつくって風洞実験をやる。あるいは拡散の理論計算をやる。こういうようなことをやって、問題があれば事前にその計画を改善させるというようなことをいろいろやっておる。こういうのが通産省として先生の御指摘の問題点に対する回答としては一番大きい問題だろうと思いますが、そういう際におきましても、行政指導が中心でありますが、やはりある程度法的な裏づけも必要な場合もないことはないということで、いろいろ石油業法とか電気事業法とか既存の法もございますので、そういうものをある程度伝家の宝刀として持ちながらやっておるわけでございますが、場合によってはさらに総合的にそういう規制に関する法律が必要だということも考えられると思うわけでございまして、そういう点も現在研究しておるわけでございます。
○木原(実)委員 これはしろうと考えで、おそらく数社で集合してコンビナートを形成する場合がいろいろな面で経済的には利益でもあるし便利でもある、こういう問題がございますね。しかしながら、数社が集まれば公害の発生度が高くなるということは、これまたきめわて簡単な理屈でございますね。その辺のかね合いのところに問題があるんじゃないかと思うのです。そうなりますと、これはいまおっしゃったように、法的な規制を含む何か新しい立地条件を考えていかなければならぬ、こういうことなんですが、その際に選別をしていく。たとえば、自治体等においてもこれはいろいろな悩みがあるわけなんですけれども、ほとんど選別をする権限みたいなものが自治体にはございませんし、自治体としては、たいへんある段階では企業を誘致するけれども、ある段階では非常に困ってしまう。こういう問題をかかえておる自治体が多いと思うのです。そこでこの法的に規制をしていく必要があるかもしれないというおことばでございましたけれども、しかしながら、ここにはもう明らかに矛盾が――一方ではコンビナートを形成したほうが経済的には有利であるという側面と、したがって企業はそういうところに集中しがちなわけです。しかしながら、集中すればするだけ公害の発生度が高くなるというこれまた簡単な理屈もあるわけなんです。そうしますと、簡単にいいますと、どっちをとるかという問題ですね。これからのやはり指導の方針の方向としては、経済的な利益もさることながらやはりできるだけ国民の健康を守っていくというような立場で工業化の立地条件も考えていきたい、こういうふうに解釈してよろしゅうございますか。
○矢島政府委員 おっしゃるとおり、コンビナート等を形成して、いわゆる集積の利益というものを求めるのは、企業の経済合理性から当然でございますし、それから企業を誘致しようとする自治体にとってみれば、拠点開発の考え方からそういうところへ持っていかなければならぬという点は当然あるわけでございますが、他方公害の問題というのは別途考えなければならぬということで、その企業の集積の利益の追求という合理性の問題と、それから公害の防止というもののかね合いを考えていかなければならない。そういう点があるからこそ、われわれは、先ほど申し上げましたように、将来の計画を十分見て、公害防止上差しつかえないかどうか、たとえば大気汚染について見れば、環境基準をオーバーするかしないかという点を考えまして、やっているわけでございます。もし、いかなる改良指導をやっても、大気汚染上環境基準をオーバーするとか公害防止上非常に問題があるということになりますれば、それは分散誘導ということで、もっとほかの地域へ誘導していくということを考えなければいかぬわけです。そういう点も、通産省の立地政策としては、いろいろの方策を用いまして、そういう誘導の措置を講じておるというわけでございます。
○木原(実)委員 わかりました。ただ現実の問題といたしましては、その施策が実施に移される前の段階でしょうけれども、やはり集まってくるという傾向は非常に強いわけでございまして、これはおそらく既存のコンビナート地帯、やはり相次いでまだ同種の企業が出てきておる現状があるわけなんです。いまのおことばの、誘導をしていく、分散をさして誘導をしていくことも考える、こういうことですが、そうしますと、一定の地域については企業の進出を制限していく、こういうふうに言いかえてもよろしゅうございますか。
○矢島政府委員 制限と申しますか、公害のないように指導をいたしまして、それができないものにつきましては遠隔地その他新しいところへ誘導していく、こういうことであります。
○木原(実)委員 それからもう一つ、大気汚染の問題が中心になりましたけれども、特に中小企業ですね、町中に中小企業たくさんございまして、たとえばそれが騒音を出すとかあるいは振動、場合によっては非常に臭気を出すとか、つまりこういう種類の町中の公害もこれまたなかなか大きな問題なんですが、たとえば振動、騒音あるいは臭気、場合によれば大気汚染にも関連するわけですが、この中小企業の発生をする公害ですね。そういう場合に一番簡単なのは、そういう企業を人畜に被害を与えないところに移転をさせる、こういうようなことが現に行なわれてもおるわけなんですが、つまり公害対策を企業としてあまり対処でざる能力を持たない中小企業に対する対策はいかかでしょうか。
○矢島政府委員 中小企業につきましては、先生御指摘のような問題があるわけでございますので、中小企業者が公害防止のために工場を集団的に移転するというような場合には、たとえば公害防止事業団というのが四十年からできておりますが、この公害防止事業団が移転用地を先行的に取得、造成いたしまして、そうしてその中小企業者の集団に対して低金利で譲渡しているということでございまして、公害防止事業団の仕事はいろいろございますが、その中で現在では一番大きい仕事になっているというのが実情でございます。たとえば、中小企業については、鍛造業者なんかにつきましては騒音の問題が非常にあるわけで、都心においてはこれはやっていけないわけでございます。そういうものは、鍛造業者をまとめて羽田の団地なら羽田とかどっかに持っていく、こういうことが必要で、そのためにいま言いましたような公害防止事業団の援助措置を講じておる、こういうわけでございます。
○木原(実)委員 公害防止事業団の話が出ましたので、ちょっとついでにお伺いしておきます。 公害防止事業団は、いろいろ仕事をやっているわけですが、いま申し上げたような中小企業等の集団移転、そういう場合の事業をもう少し拡大したり、あるいはまたそこで貸し出している金利がどうも少し高いという評判なども聞くのですが、そういう方面についての運用上の何か指導の方針がございますか。
○矢島政府委員 公害防止事業団は、中小企業に限らず大企業についても公害防止対策の推進役としては非常な大きな役割りを占めているわけでございますが、この公害防止事業団の融資にしても、あるいは建設譲渡にいたしましても、その金利が高いのではないかという話は方々で聞かされるわけです。しかし、毎年、厚生省、通産省、両方でやっているわけですが、厚生省と通産省と協力いたしまして、関係方面に強く折衝をいたしまして、毎年少しずつ金利が下がっていっている。最低金利について見れば、去年は六・五%の政策金利の壁を破りまして一番低いところは六%、ことしはさらにその六%が五%になった。いろいろ金利がありますが、一番低いところです。そういうことで、毎年少しずつ改善していくわけですが、一挙にはなかなかまいらぬ。このように、毎年毎年少しずつでも下げて、中小企業の公害防止に資するようにいたしたいと思います。
○木原(実)委員 もう一つ、あわせて、事業団のことでお伺いしておきます。 具体的なことで恐縮ですが、工場の移転にとどまらず、たとえば被害を受けておる周辺の住民の住宅の移転等について、事業団がタッチしていく、こういう方面まで事業を拡大する余地はないでしょうか。
○矢島政府委員 その点は、やはり公害防止事業団の大きな目的、趣旨からいって、むずかしいのではないかと思っております。
○木原(実)委員 公害の問題につきましてはまだいろいろな問題があるわけですが、最後にこれは公害の問題について大臣にお伺いしておきたいのです。 いま関連の法案が他の委員会で審議をされておるということで、その法案の中身まで立ち入るつもりはございませんけれども、たとえば公害についての苦情を処理する仲裁の機関でございますね、これなんかの構成を見ますと、三者構成になっておりまして、どうもやはり企業がこれを拒否した場合にはこれは成立をしない、こういうような仕組みになっているのですが、せっかくそういうものをおつくりになるのならば、これはどうも肝心の企業がおれはいやだと言えばやはり出ていかないというのでは、事実上役に立たないのではないかと思うのです。そういう方面について、せっかく法案等も出されておるわけでしょうけれども、何か考える余地はございませんでしょうか。
○矢島政府委員 先生御指摘の問題は、今度の紛争処理の仲裁の点だろうと思いますが、調停につきましては、これは一方のほうからの申し立てでなされるものでございます。仲裁につきましては、確かに両当事者が合意しなければならないわけですが、仲裁というのは、御案内のとおり、その効果としては確定判決と同一の効果を持つ、こういうわけでございますので、そういうものについて、当事者の一方の申し立てだけでやるということは、やはり法律的に申しまして無理だろう、かように考えております。
○木原(実)委員 そういう考え方はわかるわけですけれども、ただ、従来の例に徴しましても、たとえば富山のイタイイタイ病その他の経過等を見ましても、やはり企業は、問題によっては、公害の発生源が自分のところにある、ないという問題については、なかなかこれは、やはり自分の企業の立場をある意味では擁護する。これも当然のことだと思うのです。そういうことから、従来の経過等に照らしましても、最終的には公害対策が非常に遅延を来たす、こういうような傾向が具体的な問題としてあったわけです。そういうときほど、たとえば仲裁の機能というようなものが発揮をされなければならない。ところが、そこで企業が自分のところの調査で、いや、この問題については私のほうには責任がないのだ、こう一方的に強調すれば、仲裁の持っていきどころもないということでは機能が果たせないのではないか、こういう心配があるわけなのです。いかがでしょうか。
○矢島政府委員 そういう問題はあると思いますけれども、繰り返して同じようなことを申し上げるようでございますが、仲裁というものの効果が確定判決ということを考えると、ちょっとそこまでいけないのじゃないか、やはりその前の段階の調停制度の活用ということでもっていくべきじゃないか、かように考えております。
○木原(実)委員 それでは公害の問題はこれくらいにしまして、次に日中貿易の問題についてこの際少しお伺いいたしておきたいのです。 御承知のように、これまた新聞で見た程度なのですが、古井さんたちの御努力によりまして、北京で覚書貿易が話し合いの終結の段階に来た、こういう話を聞いております。ただ、伝えられるところによりますと、昨年度に比べまして非常に大幅に貿易額が減るのではないか、こういう報道等も見えているわけなのです。 そこでお伺いいたしておきたいわけですけれども、中国ないしは北朝鮮、そういう国々に対する貿易について何かこの際一歩前進をさせていく方向というものは考えられないのかどうか。御案内のように、佐藤内閣の政治姿勢について北京でいろいろと論議があったように聞いておりますけれども、しかしその佐藤総理も、経済交流は進めたいのだ、こういう御発言もあるわけであります。そうなりますと、ともかく北京で覚書貿易が一応の協定に達したという段階で、これからの日中貿易の進め方について、これは通産大臣としての御見解をお伺いしておきたいと思うのです。
○大平国務大臣 一般的に申しまして、通産省の立場といたしましてはグローバルに貿易を拡大していきたい、その相手国がどういう政治体制をとっておろうと、そういうことにかかわりなく拡大の方向に持っていきたいということでございます。ただ、戦後になりまして、ドイツであるとか中国、あるいはベトナムとか朝鮮半島、そういうところには不幸にいたしまして二つの対立する政権ができておるということでございます。そこで、両方ともうまくつき合うことができれば、われわれの立場から申しますとたいへん望ましいのでございますけれども、そういう離れわざもできませんので、結局一方の側とおつき合いをする。一方の側とは民間側で非常に制限されたおつき合いしかできない。そういう環境がもたらす制約は、どうしてもお尋ねの日中貿易にはあるわけでございます。でございますから、この問題をもっと円滑に伸び伸びとやってまいるということのためには、そういう環境上の制約が取っ払われなければならぬ。言いかえれば、中国問題というのは最終的な解決をしていただかなければいけないわけでございます。でございますから、そうなりますと、もう私どもの守備範囲を実は越えるわけでございます。 そこで、いま与えられたそういう状況のもとでどうするかということでございますが、できるだけ貿易拡大の方針に沿いまして最大限の努力を惜しまないことにしようということ。それからさらに貿易拡大の道を切り開いていくためには誠心誠意やらなければならないのじゃないか。今度の場合でも、あるいは食肉の輸入問題などの道が開けますとよろしいわけでございますが、これにはいろいろな制約がございますけれども、何とかその制約を解決いたそうという真剣な努力をやってまいったわけでございます。伝えられるところによりますと、この問題は合意に至らなかったようでございますけれども、私といたしましては、長いおつき合いでございますから、あらゆる段階、あらゆる瞬間、最大限の努力を真剣にやっておるということが一番大事なことではなかろうかと考えておるのでございます。ただ、貿易は商売でございますから、いろいろ条件が合わなければなりません。時期や数量や価格や、いろいろな点でかみ合わなければならぬわけでございますが、実際の商談になりますと、私どもが希望するようにまいらない商談もいろいろあるわけでございます。そういう事実上の制約はございますけれども、最大限の努力を終始緊張して続けてまいるというようにやりたいと思います。 しかし、最大の問題は何といっても金融の問題でございます。輸出入銀行の信用を中共貿易に認めるかどうかという問題でございます。この問題はずいぶん前から問題になりまして、一向に解決の目安が出てこないのでございますが、貿易である以上、輸出入金融をやる以上、特定の場合を例外にするなんということはおかしなことなのでございます。ところが、このおかしなことが実際に起こるのでございまして、私がかつて外務省をお預かりしておりました時代に一度そういうことに踏み切ったことがあるのでございますが、そういたしますと、御承知のように、国府側から輸銀という政府機関を使うということに対して強い関心が示されまして、日台貿易がそのために非常な混乱におちいったというような事情があり、吉田先生の訪台、私の訪台というようなことがいろいろ続きましてというような一連の問題が起こりましたが、その当時の国府側の態度がまだいまに至るまで解消するに至っていないというのでありまして、それがいいか悪いかは別にいたしまして、事実がそうなのでございます。そういういろいろな制約条件が具体的にあるわけでございまして、そういう条件の中で、何としてでも誠心誠意拡大の方向を模索していかなければいけない、そういうことでやってまいっておるわけでございます。 そこで、御指摘のように、覚え書き貿易という方式による貿易は、品目が限定されておりまするし、米のような大宗たる商品は、もう日本は輸入する必要がなくなったというわけで、金額的にはだいぶ落ちてまいりましたけれども、これが大量の取引が窓口一本化の形で行なわれることは、私は貿易の方式として非常に捨てがたい方式であると考えております。一方友好貿易のほうは、品目に限定がございませんし、新しい商品をどんどん開拓し、市場をどんどん開拓してまいりまして、年々歳々ぐんぐん伸びてきております。一九六五年以後ソ連の地位にとってかわりまして、日本が中共にとって最大の貿易国になって、王座をずっと占め続けてきておりますので、私はそういう困難な状況のもとにございましても、日中貿易はともかくも着実な伸展を見ておると思っておるわけでございまして、この真剣な努力を終始今後も続けてまいらなければならぬ、そう考えております。この際これを大幅にふやす妙案がないかと問われますならば、そういうような妙案はなかなか見つからぬと告白するよりほかはないと思います。
○木原(実)委員 これは大臣おっしゃいましたように、いってみれば環境の整備が必要だ、こういう問題、ある意味では政治的な環境に制約をされる面が非常に強い、こういうことなんですが、それをやはり突破していく道が、これまた貿易という交流にゆだねられている側面も強いわけです。そうしますと、政経分離というたてまえでやってまいっておるわけでありますけれども、他の面ではやはりなかなか経済と政治というのは分離しがたい。事実上政経一体になって日中貿易は一進一退をしておる側面があるわけです。 そこで、いまおことばにもありましたけれども、たとえば輸銀の問題等につきましても、これはずいぶん長い問題でございまして、この問題点もきわめて明らか。また大臣もおっしゃいましたように、延べ払いその他の問題について、輸銀の金を使う、こういう問題についても、国によって差別がされるということ自体もまたおかしな話なんです。吉田書簡の問題等をめぐりまして、いろいろな問題が残されておりますけれども、もうこの辺は、大臣もおっしゃいましたように踏み切って、整理をつけて、場合によれば必要な説得は台湾政府のほうにも話をするというぐらいの積極的な姿勢を示して、やはりどこか突破口を見つけていくという姿勢がありませんと、どうもこのままでいきますと、やはり大臣のおっしゃる環境上の制約の中で、これまたじり貧になっていく可能性もあるのではないか。過去にある段階では、同じような制約があった中でも、経済的な交流が非常に活況を呈した一時期もあったわけですね。そうなりますと、経済的な側面で突破口を開いていく一つの障害は、輸銀の問題についての制約を何とかやはり解決をしていくという努力、そういうことを含めて、何か明年度以降についての、前向きの積極的な方策を考えるという必要はございませんでしょうか。と申しますのは、もう御案内のように、西欧諸国の中では、かなり大きく中国の市場に進出をしておる国々もあるわけなんです。それがいろいろな制約があるとはいえ、日本がこれだけ中国の隣りにいながら、現状のような貿易の程度で甘んじていっていいのかどうか。このこと自体は政治の姿勢の問題がこれまた伴っておるわけですけれども、しかしながら、特に大臣は佐藤内閣の有力な閣僚でもあるし、政治家として、日中の貿易の側面を踏えながら、何か十分な考え方の転換といいますか、前進をはかる時期に来ておるのではないか、こういうふうに考えるわけですが、いかがでしょうか。
○大平国務大臣 実は非常に前進しておるのでございます。一九六五年以後、私が申し上げましたように、中国にとりましては日本が第一位の貿易国でございますし、その王座はゆらいでいないのでございます。そういういろいろな制約があるにかかわらず、特に一昨年の下期から去年の上期にかけては、なるほどスローダウンしたのですが、ところがこれはヨーロッパ諸国の中国輸出もスローダウンをしたのです。これは中国側にいろいろ文化革命その他の事情があったと思うのでございます。ところが去年の下半期はたいへんな躍進でございまして、日本の中国向け輸出というものは、前年同期の三〇・九%という伸びでございます。私どもも驚くほど伸びたわけでございます。したがって、木原さんがじり貧になっておるじゃないかと言われるのでございますが、そうでないということ、いろいろな事情があるのにかかわらず、日中貿易というものはずいぶんな伸びを示しておるし、または示し得ると私は思っております。それで問題は、結局政治的な制約というようなものが実際あったわけでございます。いい悪いにかかわらずあるわけでございます。それをどうしてリムーブするかということに尽きるわけでございますが、これは私ども数年間、この問題には非常に苦悶を重ねてきておるのでございます。そして国府側に対しましても、何回も何回もしんぼう強く理解を求めたわけでございますけれども、これは経済的な問題というよりは、むしろ政治的な性格を持った問題でございます。やはりこれは国際環境の熟成というようなものを少し見きわめないと、打開の糸口がなかなかつかめないんじゃないかと考えておるのでございますが、そういうもとにおきましても、問題は外交にしても貿易にいたしましても、主体的な真実性がどこまで相手側に反映するかというような勝負だと思うのでありまして、その点については、私どもはいろいろな雑音があり、いろいろな制約があるにもかかわりませず、黙々とがんばっておるわけでございまして、そういうことを無限に連続してまいりますならば、やがてまた春が来るんじゃないだろうかというように私は考えております。
○浜田委員 関連。ただいま木原委員のほうから根本的な政治的な問題等について、質問がなされておりましたが、私は具体的な問題について、いまの日中貿易に関して、大臣に見解を聞きたいわけです。と申し上げますのは、昨年来から牛肉の輸入がいろいろ話題になっておりましたが、まだそれがきまっておらないように思うのですが、どういう支障、ガンがあるのか、それらについてお聞きしたい。
○大平国務大臣 これは私ども輸入政策の責任大臣といたしまして、向こうから食肉の輸入については、いまのように牛肉が不足しておるし、物価政策、庶民生活の上から申しましても望ましいことと考えて、これの推進にかかったわけでございます。ところが家畜衛生上の行政は農林省が御担当でございまして、農林省側におきましても過去何回か使節団を派遣して口蹄疫の問題についてお調べになったようでございます。それで農林省側も、口蹄疫上の懸念が全然ないということが科学的に証明されますならば、あえて反対するものではないということでございますので、その問題の詰めに十分時間をかけてかかったわけでございますけれども、なお農林省側が満足すべきデータを全部いま保有するに至っていないということでございます。さらにこの問題を詰めにかかりますと、中国側にもさらに資料の提供を求めたり調査の協力を求めたりしなければならぬ。中国側にしてみれば、何回も調べて、もう問題点は解明は済んでおるじゃないかということで、そういうことをいま調べるというようなことはおかしいじゃないかという中国側の気持ちもよくわかるわけでございます。しかし、そういう問題をすっきり解決したあとで食肉――牛肉とか豚肉とか羊の肉とかいうものの輸入という問題を考えることは非常にひまがかかりますので、ことしはとりあえず、それでは折衷案を考えて、日本側が輸入のために出しました船の中にいろいろな装置を用意いたしまして、そこでかん詰めにするなり、あるいはソーセージ、ハム等をつくりまして、それで日本に持ち込むというような形にすればどうだということにしますと、農林省はそれであればけっこうだというようなことになりましたので、古井ミッションにそういう内容をお伝えいたしたわけでございます。しかし、これは口蹄疫の存在を前提としているというようなことが、どうも新聞紙上で見ますと、先方のかんにさわったようでございまして、ことしは実らなかったようにただいま伺っておるのでございますけれども、私の思いますのは、そういう問題の取り組み方が問題であろう、終始前向きに問題点の解明にかかって、問題と真剣に取り組んでおって、打開すべきものは打開していくのだという、そういう姿勢を終始こちらがとっておるということが意味があると私は考えておるのでございまして、ことし不調に終わりましたことに絶望しないで、今後もそういう問題点の解明には一そう努力していくべきものと思っております。
○浜田委員 ただいま通産大臣、たいへん前向きのような御答弁ですが、私らがいろいろ中国の言い分なり状態を聞きますと、口蹄病にこだわっておるけれども、実際はそれが原因じゃないのじゃなかろうか、こういうことをいわれております。なぜかと申しますと、北京に西園寺さんが船会社をつくっておられるのですね。しかしその人は船は持っておらない。そして中国の生肉をフランスなど欧州に輸出される。そのときに、日本の大きな水産会社の船を使って、中国から肉を積んでフランスなんかに運ぶ。帰りにその船は漁労をして魚をとって、検疫も何もしないのですよ、そして日本の家庭にどんどん魚が入ってくるのです。こういうことがいわれておるのであります。日本に輸入する食肉なんかに口蹄病があるから困るのだ、これはおかしいと思うのですね。これが社会党の浜田が言うのがおかしいと思われれば、向こうに行かれた人に実情を聞かれてごらんなさい。こちらの農林省はけしからぬ、そんなことを言ったりして、どこの圧力、だれの利益を守るためにやっているのか知らぬけれども、筋の通らないのもはなはだしいと思うのです。それではまずそういう会社の船で積んできた魚は、国内で消費させてはいかぬでしょう。こういう点、どのようにお考えになりますか。
○大平国務大臣 それは私にお尋ねいただくより、そういう問題は農林大臣のほうの担当だと思うのでありますが、私の関知する限りにおきまして、いま言われるように、何かこう政治的意図があるとか、何としても入れたくないからそういう措置をとったとか、そんな気持ちは毛頭ありません。事実現実に私がこれをハンドルしておりまして、そんなことではなくて、もう一〇〇%家畜衛生上の科学者の意見というものでございます。日本が口蹄疫に対して処女国である、どうしてももし万一のことがあればたいへんだということで、非常に手がたく家畜衛生上の配慮をいたしておる、その人たちの気持ちも私ども十分わかります。したがって、また中国といたしましては、最近ずっと口蹄疫がないことも私どもも承知いたしておるわけでございまして、両方の言い分は一応理解できるわけでございます。そこで私が申しましたように、そういう問題は問題としてずっと究明していこうじゃないか、しかし時期があるのだから、ことしはこういうことでひとつオファーしてみるかというように考えたわけでございます。農林省に特に意図的な考えがあるとか、そういうものではございません。 それからいま船の中に魚を積んで帰ってきた場合の家畜衛生上の問題、それは私の管轄でもございませんし、私は全然それに対して判断力を持ちませんので、ごかんべんいただきたいと思います。
○木原(実)委員 あわせてお伺いしたいのですけれども、朝鮮民主主義人民共和国がこの秋に平壌で日本工業展覧会を開催する、それに対する機械工業振興資金からの援助を打ち切る、こういう御方針のように聞いておるのですが、これは打ち切るということでございますか。
○大平国務大臣 この問題、かつて自転車振興会のほうから御援助申し上げた経緯もあるのでございます。今後どうするかという問題についていまいろいろ御相談をしておるのでございますが、何さま自転車振興会の財政というようなもの、いまその一部は私どもがお預かりいたしまして、体育であるとか、あるいは機械振興でございますとかいう方面にいろいろ使わしていただいておりますけれども、自治省の方面におきましても、その一部均てん化の問題が出てきたり、自転車振興会の財政の今後の展望を考えますと、どこまでこういう援助措置ができるかということについて確たる展望を持てませんので、この問題をどうするか、過去においていろいろ御援助申し上げた経緯もあるが、そういうことも成功させたいとは思いまするし、何か講ずる道がないものか、目下いろいろ検討いたして、いろいろ関係者とも、御意向も伺ってみておる段階でございます。
○木原(実)委員 そうしますと、平壌でのこの工業展覧会についての補助金の問題は、最終的な結論は得ていない、こういうことでございますか。
○大平国務大臣 自転車振興会のほうに、補助金というかっこうでやることは、いま申しました財政の展望から申しまして、そこにやるというようなことは望ましくないじゃないかという考えでございます、一応。しかしまあ何かお助けする手を考えられないかという代替措置につきましていま検討中であるということでございます。
○木原(実)委員 これは、御案内のように、これはまた日中貿易と若干傾向は異なりますけれども、北朝鮮の場合にも、御案内のように輸銀の金が使用されていない、あるいはまた過去において技術者が日本に来ることが制約をされた、こういうような問題がございまして、しかも最近北朝鮮との貿易が一定の軌道に乗りつつある段階、こういう状況があるわけです。そうなりますと、過去にいろんな補助が行なわれてまいりましたし、それを当事者が当てにしておるというと語弊がありますけれども、当てにするというよりもむしろ従来そういう補助もいただきながら、ともかくやはり北朝鮮との貿易を何らかの軌道に乗せようという努力をしてきた関係者、これらの人たちが、ここで補助が打ち切られる、かりにこういうことになりますと、やはりそれによって受ける不測の影響というものがあるのではないか、こういうふうに考えるわけです。大臣のおことばによりますと、かりに自転車振興会のほうからの、財政的な展望で補助が十分に行なえない、そういう場合にはそれにかわる措置でも講じてと、こういう御配慮があるようにいま承ったわけなんですが、やはりそれだけの配慮は通産省としても当然していただかなくてはならぬじゃないか、こういうふうに考えるわけですが、その点はいかがでしょうか。少し話を詰めるようですけれども。
○大平国務大臣 でございますから、いまその関係者と、その御意向もいろいろ聞いたり、私どもの都合もいろいろはじいてみたりなんかしまして、何か手がないものかということで考えておるのでございまして、私は終局的に十分御納得を得てやりたいと思っております。
○木原(実)委員 この際に申し上げておきたいと思うのですけれども、私どもは政治的にも――これは例の日韓条約が締結をされました前後におきましても、当時佐藤総理も、韓国との間にこういう形での国交の回復ができるのだ、続いてやはり北のほうともやっていくのだ、こういうおことばがあったと思うのです。これは私どもとしては当然のことだと思うのです。やはり日中の場合と若干異なる。と申しますのは、御案内のように、朝鮮はいま三十八度線で南北に国が分断をされるという不幸な状態にありますけれども、しかしながらやはりわれわれとしましては、そういうことばが適当かどうかわかりませんけれども、旧植民地国に対する宗主国としての道義的な責任というものがあると思うのです。現在日本のいろんな経済状態というものが、ある意味ではここまで伸展をしてまいった、こういう状況の中では、かつて長期にわたって植民地国であった隣国に対しては、やはり何よりも安定をした、でき得べくんば一つの民族が統一をして安定をした隣国として発展をしていってほしいという願望が、これは国民の中には強くあると思うのです。しかしながら不幸にして三十八度線で分断をされておる。しかも、現在日本の政府は、南と国交の修復はいたしておるけれども、北についてはきわめて不自然な状態が他の分野でも残っておる、これはわれわれとしてはまことに遺憾なことだと思うのです。ですから、そうであっても、われわれとしてはその現実を認めながら、やはり隣国の民族が平和で安定をした環境ができるように最大の努力を傾けていくというのが、これはもうイデオロギーやあるいはまた政治的ないろんな問題を抜きにしてつとめるのが、これはわれわれとしての責任ではないか、こういうふうに感ずるわけです。しかしいま申し上げたように、南のほうとはいろんな意味で交流が重ねられておりますけれども、北のほうとはまことに細々とした関係しかない。日工展等もその中のきわめて限定されたかぼそいつながりなんですね。それさえもかりに政府のほうで何らかの従来のような措置もとれない、こういうことになりますと、これによって起こるいろいろな波及といいますか、波及的影響といいますか、そういうものはやはり深刻なものがあるのではないのか、こういうふうに考えるわけであります。そういう観点で、これはいま申し上げましたように、北に対してはほかにも問題がありますけれども、やはりいろいろな政治的な障害を乗り越えて、少なくとも経済的な交流ぐらいは積極的に進めていく、こういう姿勢をとったらいかがであろうかと思うのですけれども、いかがでしょう。
○大平国務大臣 木原さんのおっしゃることは、日本の立場としては当然なんでございますが、そうやりたいわけでございますけれども、先ほど冒頭に申しましたように朝鮮半島に二つの政権が対立しておる状況になっておりまして、一方のほうと修好をしておる、いわば三角関係にあるわけなんです。そこでまあ東独と西独の問題、北ベトナムと南ベトナムの問題、中国と台湾の問題、これみんな同じ性格の問題でございますけれども、これはそれぞれの三角関係を見てみますと、対日関心の濃淡とか対日貿易の――ドイツのように非常に遠いところというのは比較的希薄なんですけれども、韓国の場合なんか非常に濃密でございまして、したがっていろいろなことをやりましても、日韓関係それ自体に非常に深刻な影響が及ぶことにもなるので、そういうやっかいな制約がわれわれいつも横腹にあるわけでございますから、やり方があなた方から見ると、いかにも勇気のない、こそくでつまらぬじゃないか、こういうおしかりがあるのは無理がないと思うのでございますけれども、実際上そういうような関係に置かれておりますので、すっきりとしたことがなかなかできない。できないけれども、私どもの立場では、体制のいかんにかかわらずグローバルに貿易は伸ばしていくのだという日本の方針にいつも立ち返りまして、相当われわれもいろいろ痛めつけられることもありますけれども、腹の虫を押えまして、できるだけの手を冷静に講じて、貿易の拡大の道を模索していっているつもりなんです。したがっていまの問題も、私は一方的にこれはだめだよというようなことでなくて、実際上は十分御納得がいくように御懇談の上、最終的に措置を講じるつもりでやっておるのでございまして、そこらあたりの苦心のあるところも御了察を願いたいと思います。
○木原(実)委員 これは御苦心のあるところを了解をせいとおっしゃるわけで、これは重々了解をするわけなんですが、しかしながらこれは、繰り返すようですけれども、大平さんは佐藤内閣の有力な閣僚であるし、単にグローバルに貿易を伸ばすというだけのことではなくて、私が先ほど申し上げましたような立場というのは、これは日本人だれでも考えなくてはならぬことですね。たまたまわれわれの意図にもかかわらず、実情は政治的な制約が多い現状になっている。しかしながら、これを何とかして解きぼぐしていくということが、お互いこれは特に政治に携わる者としては共通の課題であると思うのです。そうしませんと、あるいは三十八度線の危機が伝えられたり、あるいはまた朝鮮半島にきなくさい緊張した状態があるという場合に、まっ先に影響を受けるのはわれわれであることは間違いないわけです。しかも、繰り返すようですけれども、われわれには朝鮮民族に対しての共通の負い目というものがあるわけですね。それに対しての努力をやっていくというのが、これはそう言っちゃあれですが、佐藤内閣といえどもその努力はやっていく、そのことが大事な時期にきているのではないか。だから経済の問題であると同時に、政治の問題であるし、それからまた日本の国民の悲願である。こういうことになりますと、政治的な制約があるのは、これはもう重々われわれもわかるわけなんですが、しかし少なくともその政治的な制約をほぐしていかなければならぬ。しかもほぐしていく一つの道が、たとえば日工展というような経済交流という側面の中で一つある。ただこれにグローバルに貿易を伸ばしていくというだけのことですと、これは最近のことばじゃありませんけれども、エコノミックアニマルなんということば、表現もあるわけなんですけれども、そうではなくて、やはりここにつながっておる一本の糸でも大事にしていくという姿勢がないと、逆に何か、従来ともあれこの種のものについては一定の補助その他が行なわれていた。それが、いろいろな事情があるでしょうけれども、あるいはきわめて非政治的な事情で、やむを得ない事情でかりにこれが打ち切られるということになっても、はね返ってくるのはやはり政治的な問題として、ある意味では善意の日本人にとっては失望として返ってくる、こういう側面があろうと思うのです。そこにこの種の問題にからむ政治の姿勢の問題があるわけです。ですから、繰り返すようですけれども、やはりこの一本の糸でも大事にして、そして南といわず北といわず、朝鮮の民族に対してわれわれがやはり果たすべき最小限度の責任をいろいろな機会に遂行していく。そのことがひいては、いろいろなやかましい問題がありますけれども、やはり日本の平和や安全に関連をしていく問題でもあるのではないか、こういうふうに考えますと、どうもいまお話がございまして、関係者の中で円満に話し合いをして前向きの姿勢でやりたいのだ、こういうおことばがあり、私どももそれを信用したいわけでございますけれども、どうか一本の糸でも大事にする、こういう姿勢についてのひとつ大臣の御決意をこの際承っておきたいと思うのです。
○大平国務大臣 いま仰せのとおり、一本の糸でも、かぼそい糸でも大事にしていくということで終始いたしたいと存じます。
○藤田委員長 淡谷悠藏君から関連質疑を求められております。これを許します。淡谷君。
○淡谷委員 大臣困った顔をされますと、たいへん質問ができなくなってしまうのですが、いまもグローバルな態度で貿易を進めるという、ここが非常に大事な点だろうと思うのです。いろいろ同僚議員からも詳しく御質問ございましたけれども、少し困ってくると、大臣特有の、にこっと笑って困られると、あとは質問が続かなくなりますので、たいへん大事な点に質問が入っていかないと思うのです。さっきからお話がございましたとおり、ベトナムあるいはドイツ、中国、それから朝鮮と、こう申しますと、これははっきり二つの政権ができた国々で、貿易が一番これは困難なんです。ドイツのことはあまり問題になっておりませんけれども、中国にいたしましても、台湾の政権と中国とでは日本の貿易姿勢が全然違ってしまっている。それからベトナムは、むろんそうでございましょう。 さて朝鮮の問題は、日韓条約の当時からしばしば問題になっておることがたいへん多いのでございまして、この際外交にも非常に造詣の深い大平通産大臣が誕生したわけなんですから、あまり困った顔をされずに、少しまともにこのグローバルな線をお進め願いたいと思うのです。そこで具体的にいろいろなことがございましてというふうにのがれられますけれども、朝鮮のほうとの貿易が具体的にはどういう点で困っておられるのか、まあいろいろなと言わずに、ひとつその原因をお聞きしたいと思うのであります。
○大平国務大臣 先ほど御説明申し上げましたように、韓国と正規の国交を持っており、その韓国政府と北鮮の政権とはいわば先鋭に対立した間柄である。したがって韓国政府として、日本と北鮮との間柄について非常な関心を持っておる。事ごとに非常な関心のありかをお示しになられるわけでございます。そこで、先ほど木原さんもおっしゃったとおり、貿易は若干ございますけれども輸銀の使用というようなことはできておりませんし、とりわけ中国の場合と違いましてなおきびしいのでございますが、貿易要員の入国というようなこともただいままでまだ実現をしていないということ。これはなぜこうなるかと言われたならば、端的にお答え申し上げますれば、こういう間柄にあるのだということを申し上げるよりほかにないのでございますが、たいへんお答えにならない答えでございますけれども、お答えにならないような事態がどうも国際環境というようなものによくあることでございまして、賢明な淡谷さんでございますので、どうにか御了解を願えればと思います。
○淡谷委員 どうも大平大臣特有の、俊敏な頭での雲隠れの戦術が出たようでございます。お察しくださいといっても、お察しつかないことがあるのです。何べんやりましても、大平大臣のいまの戦法が出ますと野党は太刀打ちができないというようなことがしばしばございますが、大事なところですから、さらに重ねてお尋ねいたします。 グローバルな立場に立って貿易を進めると言われますが、その隘路になっているのはやはり政治問題、こういうふうに理解されるのであります。政経分離ということがしばしば中国貿易で言われましたが、どうもその根底には政治の問題がばちっとあるようにいまの御答弁でもうかがわれるのであります。そうしますと、貿易はグローバルに進めるといいましても、日本人はエコノミックアニマルと言われますけれども、そうなり切らない限りは大臣のことばは生きていかないように思いますが、これはなり切れないと思うのです。したがってこの際、グローバルな通産大臣の方策を進める上に、思い切って貿易の隘路をなしている政治問題に取っ組む御決意があるのかないのか。政治問題があるのだからこれはしようがないといって、するすると泣く子をなだめておいて逃げるつもりなのか。大臣の場合、絶好のいい機会として、特有の外交手段とあわせて貿易を進めるような、政治的な解決方法をやるだけの御決意があるのかないのか、お聞きしたいと思うのです。
○大平国務大臣 たいへん残念なことでございますけれども、第二次世界大戦が生み落としたそういう奇形的な状態というのは、われわれとしてはなるべく早く解消を希望するのでございますけれども、戦後二十何年たちまして依然として解消の気配さえ見えないということを非常に残念に思うのでございます。しからば、それならそれでそういうあるがままの現実を踏まえた上で一つのルールができまして、国際的に定立された慣行ができて、そういう政権との間の関係を貿易でも人の交流でも、その他万般の関係が規制されていく秩序ができますならば、つまり国際的に定立した秩序ができますればいいのでございますけれども、それもまだできていない。それから、そういう地域において両政権の間で根本的にはちゃんとしたまとまりをつけていただくことが一番望ましいのでございますけれども、先ほど申し上げましたようにそれもできていないということでございまして、いまは全く暗夜行路というか、全然ルールのないところに保障もないところでいろんなことが行なわれている。そういう実際上の、「初めに行動ありき」でして、いろいろな行動が行なわれているという。国際法上の根拠も何もない。ただお互いの何か信頼関係というか、先ほど木原さんが言われたかぼそい糸でつながれて貿易もやったり人の交流が若干行なわれたりしておるという状態でございます。淡谷さん言われるのは、それを日本政府が主体的に何か新しい秩序をもたらすために、清水の舞台から飛びおりてひとつおまえは旗振りをやらぬか、こういうおことばでございますけれども、この状態は私は容易ならぬ状態だと思うのでございまして、日本政府がいま仰せのように旗を振ってみても、それは実効がどこまであがるかあがらないか予測できませんけれども、おそらく一応旗を振るだけのことに終わるのじゃないか、私はそういう見通しを持ちます。 ただ、国連というものがあって、いろいろなそういうルールなきところにルールらしいものをつくってくれるかというと、労働とか社会とかいう領域におきましては、いろいろな国際的な規制はつくってある程度の成果はあげておりますけれども、政治問題になるとからっきし力がないという状況でございます。したがって要は、問題は、先ほどお答え申し上げましたように、情勢の熟成を少し待たなければ、その地域の政権のあり方、住民の考え方もだんだんと変わってくるとか、それから周辺の環境も変わってくるとか、何か分別を出そうじゃないかという機運が出てくるというような契機をとらえないと非常にむだな動きになりはしないかということを心配するのでございまして、日本政府として当面考えておかなければいかぬことは、先ほどの日中貿易について木原さんのお尋ねに対して私が答えましたとおり、われわれは誠心誠意事に当たるのだ、どんな制約があってもその制約下において貿易は拡大し、関係を深めていく努力をやるのだという主体的な真実性を――これは朝鮮半島ばかりではなくてどの地域に対しても一貫してやってまいるということが当面の任務であって、いま大きく国際舞台で旗を振るというのは少し均衡を失したことではなかろうか。それじゃそれを頭に置いてはいかぬなんて言っているのではなくて、実際上そういうことを頭にいつも置いておくことは必要でございますけれども、一国の行動なんというものをそう軽率にやってはいけないので、ある契機をつかんでから実効ある措置を講ずるにはまだ事態全体がプリマチュアであるというように私は判断します。
○淡谷委員 関連ですからもう私遠慮しているのですけれども、いま非常に大事なところに差しかっておりますので、もうあと一、二問お許しを願いたいと思うのです。 これは、志賀直哉の「暗夜行路」からゲーテの「ファウスト」の冒頭のファウスト博士の告白に至るまで広範な例をお引きになりまして、たいへん私は啓発をされましたが、ただ「暗夜行路」も、非常にけわしい暗い行路であっても、「豊作じゃ豊作じゃ」というような一つの場面もございましたし、人間的な感情のつながりがはっきり出ておりますし、特にゲーテの「ファウスト」に至っては、従来の「初めにロゴスありき」という聖書のことばが、非常にゲーテが苦悶の末に「初めにタートありき」と置きかえられたのですね。この例を引くについても、従来も初めに理屈だけが先行しました。外交と貿易の問題は、前外務大臣であり現通産大臣である大平大臣を得て初めて政経一致した貿易に踏み切るタートが先行するところに来ていると私は思うのです。 この際、珍しくまともな御返答をいただいておりますので、もう一足踏み込んでひとつはっきりした御答弁をいただきたいと思うのでありますが、朝鮮に限定して申しますと、日本が南北両朝鮮の中にあって政治的な融和をはかることはいまの場合ちょっとできないがといったようなお答えのように私は受け取りますが、もし朝鮮との貿易がそういう政治的な要因を含むならば、北のほうだけではなくて南に向ける日本の態度というものも、あまりに北のほうを刺激しないような態度をとられることが、この国の統一をはかり、同時にまた日本が貿易の路線を伸ばしていく上においても必要だと思うのです。従来ややもすれば北のほうの感情を害し、北のほうの政治的な利害に影響するほど韓国とは接近し過ぎたようにわれわれは考えておりますが、そういう点に対して大臣の率直なお答えを聞きたいと思う。そういう態度が北のほうへの貿易の隘路になっていないかどうか、お答えを願いたいと思います。
○大平国務大臣 これは朝鮮問題ばかりでなく、アジア外交を進めていく場合において共通していえることだと思うのでございますが、日本は敗戦国でありながら戦後非常な復興と繁栄を見た。一般的にそういう国の国民としてあるいは政府として戦時中いろいろ迷惑もかけた。そしてなお貧困、病気にあえいでおるアジア諸国に対するマナーといたしまして、淡谷さんのおっしゃるとおり非常に用心深くなければならぬと私は思うのでございます。日本がどういうマナーで臨むかということが一番根底にあると思うのです。したがって、何といっても人間はジェラシーの動物ですから、いまこういう繁栄を誇っておるということがちょっとでも鼻にかかるようなことがあってはなりませんし、そういうことはあなたが御指摘されるとおり十分気をつけなければならぬ。その点は非常に謙虚な態度で終始せねばならぬと思います。したがってまた、現実の経済援助あるいは貿易その他の交流にいたしましても、やはり節度を踏まえてやる必要がある。そういう点からいうと、国交成立後の日韓関係というのは、なるほどあなたがおっしゃるように相当活発でございまして、貿易がうんと伸びておることもけっこうでございますけれども、民間ベースの経済協力も予想以上のスピードで進んでおるというようなこと、これは多少他の地域を刺激しやしないかという懸念は、私はあなたが御指摘されるのも無理はないと思うのでございます。したがって、どうしてもある種の節度というものを絶えず頭に置いてやらなければならないという御注意に対しましては、私は全幅の同感を禁じ得ません。
○淡谷委員 あと一問で終わります。 これは大臣のお答えのとおり、単に朝鮮の貿易の問題だけでなしに、ドイツでも、ベトナムでも、特に中国の問題は非常に大きなウエートを占めると思うのです。おっしゃるとおり確かに人間は感情の動物であります。力を持ってき、だんだん男前もよくなってきました日本が、相争っております同じ国内、同じ民族内の一つの政権に対して、ことさらに愛情を示し、ことさらに温情を与えることは、このジェラシーをますます深刻化するおそれが多分にあると思いますので、特にこの二つの政権のあります国々については、そういう点で十分な戒心をもって事を進めてもらいたい。これがまた一つの貿易を進める道でもあろうと私は考えます。と申しますのは、自由圏内という目でもって特に共産圏、社会主義圏に対してはきびしく出るといったような政治姿勢などは、大臣のグローバルな貿易路線をたいへん阻害するゆえんじゃないかと思いますので、この一点、お答えを願いまして、私は質問を打ち切ります。
○大平国務大臣 仰せのとおり、これは日本人の心情、マナーが一番大事な、貿易とか外交以前の問題として十分配慮していかなければ、せっかくいろいろなことをやりましても、結局結実しないのではないかということをおそれるのでありまして、御注意は万々気にとめてまいりたいと思います。
○木原(実)委員 委員長から時間の指示がございましたので切り上げたいと思いますけれども、朝鮮の問題につきましては、直接の問題は、日工展の補助の問題、いろいろな問題があることはよくわかりますけれども、これはひとつぜひ事の重大性をお考えいただいて、とにかく前向きの方向で解決をするように、これは要望を申し上げておきたいと思います。 そこで、質問がいろいろあるわけですけれども、これはついでに申し上げるほど軽くない問題なんですが、かねて問題になっておりました例の大型合併の問題、これで基本的なことを幾つかお伺いをして終わりにしたいと思います。 一つは、企業のいわゆる大型合併といわれるもの、これは一つの産業再編成の方向として、通産省としては、これまたこれを前向きな方向で、つまり積極的に是認をしていくという方向で、たとえば八幡、富士の鉄鋼の合併に限らず、最近も繊維関係で合併の問題が出ておりますけれども、全般的に大型合併を、推進をしていくというとオーバーかと思いますけれども、是認をしていくという方向で御指導をなさる、こういうお気持ちでございますか。
○大平国務大臣 正確に申しますと、やや違うのでして、大型合併を推進するということではなくて、体質を強化したいということでございます。したがって、たとえば三菱重工の場合なんというのは、むしろ分離でございます。自動車部門を分離して専門化していく、造船とかいろいろな機械部門と離して管理を徹底さしていく、販売の系統もちゃんとやって整備していこうというような方向ですね。ですから、合併とか、分離とか、協業化とか、いろいろなことをいろいろ取りまぜまして、私どもといたしましては、体質を強化していく、そういう産業体制の政策を推進する立場にあるわけです。ただし、それも野方図にやっていいというわけではなくて、日本には厳として経済秩序の基本法として独占禁止法があるわけでございますから、独占禁止法の許される範囲内において鋭意そういう政策を進めていくというのが、われわれの立場でございます。
○木原(実)委員 おことばでございますけれども、しかしながら、具体的なものにあらわれた問題としては、なかなかやはり通産省としましては、積極的に企業の大型合併を是認をしていく方向が受け取れるわけなんです。 そこで、ひとつお伺いしますけれども、いまお話にございました独禁法それ自体も改正の必要があるのではないか、こういう議論が一部にあるわけでございます。そうしますと、さしあたって独禁法それ自体を何らかの形で修正をしていく、改正を加えていく、こういうような御方針はございませんね。
○大平国務大臣 そういう方針は持っておりません。
○木原(実)委員 そうしますと、具体的にあらわれました八幡、富士の合併問題は、これはさんざん議論も出尽くしたところなんですが、これからの指導の方向、まあ公取の最終的な結論が近日中に出るわけでありますけれども、特にこれからの鉄鋼につきましては、やはり基幹産業の中の柱でございますので、指導の方向としては何かお考えでございますか。
○大平国務大臣 私どもは、八幡、富士も管轄の業態でございますけれども、鉄鋼の需要者その他これと競争の立場に立ついろいろなメーカーを保護しなければならぬ責任があるわけでございます。したがいまして、需要者保護それから健全な競争力がそこに保証されるという状態の形成に通産行政としては当然配慮をしてまいらなければならぬと思っております。 そこで、いまの合併問題でございますが、この合併は八幡と富士が合意して申請を出しまして、公正取引委員会が厳正な審査に入っておるわけでございますから、問題は公正取引委員会と両社の間が根幹でございます。ただ、私どもに関係するのはどこかと申しますと、いま申しましたように、需要者を保護しなければならぬ立場もありますので、両社が出されておる、たとえば日本鋼管がレールなんかの生産に新しく参入していくというような場合に、それの技術水準が保証されて、それが八幡、富士に対しましても競争力を持つというような状態、そういう状態でなければならぬわけでございまして、それは当然私どもの産業政策にかかわってくる問題でございます。国有鉄道が一体そういうところの製品を買うのか買わないのか、買うといたしますならば、買う要件を十分満足する状態でなければならぬわけでございますから、そういう需要者保護の立場、業界全体の競争力を張り詰めた状態において維持していくというような立場から、配慮すべきものがあれば当然配慮していかなければいかぬということでございまして、いずれ公取のほうから御意見を求められますならば、われわれ産業政策当局としての立場、考えは十分申し述べるつもりでおります。
○木原(実)委員 時間の制限がございますので、これでやめますけれども、御承知のように、この鉄鋼の合併をめぐりましても非常に多方面の論議がございました。それからまた、出されましたいろいろな問題、たとえば両社合併についての趣意書等を見ましても、どうもわれわれとしては納得のいかない側面がまだ多々あるわけでございます。しかも、事が鉄鋼という基幹産業中の基幹産業であるだけに、やはりこれからの行政指導というものが十分な多角的な御配慮をいただかなければならぬ側面があるのじゃないかと思うのです。と申しますのは、合併をする必然性についても、われわれを納得させるだけのものがどうもまだないような感じを私は持っているわけであります。世上にも、学者諸氏の議論等の中にもそういう意見がありますし、それからまた需要関係の中にも問題が残されておる、こういうことでございます。したがいまして、これからの指導の方向、公取の要求があれば立場を説明する、こういうことでございましたけれども、その立場の説明を通じまして、あるいはまた、これからの方向についてはどうかひとつ、ある意味では単純な合併是認の方向ではなくて、十分な配慮を加えた行政上の指導が望ましい、抽象的ですけれども、こういう要望を申し上げまして、私の質問を終わりたいと思います。
○藤田委員長 本会議散会後、直ちに再開することとし、暫時休憩いたします。 午後一時十分休憩 ――――◇――――― 午後三時四十二分開議
○藤田委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 質疑を続行いたします。大出俊君。
○大出委員 学校をつくるということなんですけれども、そして通産省の若い方々に入ってもらって、説明を読んでみますと、通産官僚らしく、通産官僚になるべく教育をやるのだというのですけれどもね。そうすると通産省の姿勢ということがまず問題になるのです。 そこで、きょうは時間がたくさんありますから……。先ほど公害の質問が木原君から出ておりましたが、公害というのは何ですか、大臣。
○大平国務大臣 私どもが概念いたしておりまする公害といいますのは産業公害でございまして、私どもが生活をささえておる物質的な基盤がございますが、そういった基盤を造成するについていろいろな産業活動があるわけでございます。この産業活動に伴いまして生起いたしまする排出物等が人体の衛生、あるいは国民の生活環境等に有害であるというようなものが多々あるのでございまして、そういったものの防除についてせっかく苦心をいたしておるわけでございます。
○大出委員 実は公害基本法二条との関連がありますから問題提起をしてみたわけですけれども、ほかならぬ大平さんの答弁ですから、いいことにいたします。 公害とは何かということで、これは戒能通孝さんあたりが相当詳しく歴史的な解説をいたしております。学者の意見がこれに伴ってたくさん出ております。これは英国法のパブリック・ニューサンスということばがございますが、この訳語という形で入ってきたことばなんですね。戒能さんがこの英法を研究されて解説をしております。中味からいきますと、パブリック・ニューサンスといっておりますこのニューサンスとは、加害者が被害者に対して直接の物理的衝撃――身体もしくは財産に対する――を加えることがないにせよ、被害者の権利行使を妨害し、現実の不便、不快、不利益を与え、これはあとからたくさん出てまいりますが、損害を加える行為のことである。これが一つの学問的な定義になっておるようであります。 そこで、このパブリック・ニューサンスあるいはプライベート・ニューサンス、これがいま大臣が答えられた産業の発展の段階から見まして、なかなかおのおのの限界が明らかでないという段階にきているというのがいまの時代だろうと思う。したがって、この四日市なんかにあらわれておりますような、私も行ってみたことがございますけれども、亜硫酸ガスによるニューサンス、この加害者というのは一体どこだろうかということになりますと、石油関連工場群なんですね。亜硫酸ガス、SO2でいえば重合着地濃度なんということが出てまいりますけれども、したがってこの一つのものの考え方――どの工場かわからない、逆にいえばこれはどの工場にも責任がある、こういう関係になると思います。いま工場の例を引きましたけれども、そこらのところと公害基本法の公害に対するとらえ方、基本法とこれは書いてありますけれども、一体どういうふうにとらえればいいのかということですね。これはさっきの木原君の質問ともからみますので、当時、私は閣議で公害基本法を決定された日に、坊厚生大臣並びに通産省の関係の方々におでかけいただいて少し詳しく突っ込んだ質問をしたことがあるのですけれども、そこらのところを、ひとつこの法律をおつくりになった立場からお答えをいただきたい。
○矢島政府委員 公害対策基本法第二条は、あえてここで読まなくても先生十分御承知でございますが、要点を申し上げれば、事業活動その他の人の活動に伴って生ずる相当広範囲にわたる大気の汚染群でございます。いま御質問の四日市の例でございますが、これはおっしゃるとおり工場群であります。ですが、基本法のたてまえからいいますと、必ずしも工場群でなくともいいわけで、発生原因のほうは工場群でなくとも、単独の工場でもいいと思います。両方ですね。単独工場も含まれるであろうし、四日市のような場合の工場群。ただ、被害者のほうが相当広範囲にわたるということで、それでしぼってまいりました。被害者の方が隣の人だというようなことになりますところは、民法の相隣関係というようなことで解決することになりまして、公害対策基本法の公害にもならない、こういうふうに了解いたしております。
○大出委員 そこらの二条のとらえ方を議事録に残したいと思っていま質問したのです。大体考え方がはっきりしたようですから、それでいいのです。 そこで実は横浜、川崎地区の問題等がありますので、こういう質問から入ったのですが、防衛庁の関係の皆さんの時間的御都合もおありでしょうから、順序を逆にしまして、最初に基地公害とからむ問題からお答えをいただきたいと思います。 これは大臣に承りたいのですけれども、日にちを申し上げますと本年の二月二十六日でございますが、二月二十六日に公害関係閣僚会議というのが開かれております。公害関係閣僚会議と申しますのは、どなたとどなたがお出になることになっておるのですか。
○矢島政府委員 私、全大臣を全部ここで正確に御説明できませんけれども、非常に広範囲にわたっておりまして、外務大臣とあと数大臣がお出になられたというふうに了解しております。
○大出委員 外務大臣外数大臣と、こういういまの御答弁なんですが、これはいま閣僚会議におでになっているはずの通産大臣がおいでになるから私は聞いたのでありますが、たとえば排気ガスなんということになりますと、これは運輸でありますから運輸大臣が出なければならぬことになる。さてこの基地公害というものが取り上げられる閣僚会議であるとすれば、いまおっしゃった外務大臣も必要でございましょうし、さらに防衛庁の長官も必要でございましょう。この新聞によりますと、二十六日の閣僚会議は特に防衛庁長官の出席を求めております。あと当然救済関係のほうがございますから、厚生省が必要でございましょう。通産大臣も必要でございましょう。こういうことになるわけです。ここで今回のこの公害紛争処理法案をめぐりまして、特に有田防衛庁長官を交えての公害関係閣僚会議が開かれているわけでありますけれども、ここで基地にも公害紛争処理法案を適用するということをおきめになっている。この経過について、どういういきさつで紛争処理法案をつくるにあたって基地を入れるということにされたのか、御出席のはずの通産大臣に承りたいわけであります。
○大平国務大臣 先ほどたいへん恐縮いたしました。公害閣僚会議のメンバーでございますが、行政管理庁長官と外務大臣と郵政大臣を除く国務大臣、みな入っております。 それから、二月二十六日の公害閣僚会議に私出席いたしましたが、ちょうど予算委員会等の関係がございまして、非常に短時間の審議であったと思います。それで、いまの御指摘の基地公害の問題は、当初政府の原案には私たしか入っておったと思います。それについて、これは別の仕組みで対処するのがいいのじゃないかという議論が出た。こういう話もあったので、防衛庁長官、厚生大臣、官房長官などの間で、この公害閣僚会議のあと別途協議をしようというような話し合いになったと私は記憶いたしております。
○大出委員 まあ二月の末のことでございますから、正確な御記憶はなくても差しつかえございませんが、この日の夕刊、これは読売でございますが、この発表によりますと、自衛隊機が墜落したり、立川基地周辺の爆音、騒音の被害があったり、あるいは水戸の射爆場の新島移転に伴う問題というふうな基地周辺のトラブルが非常に最近多い。したがって、これを政治的に片づける、解決をするということのためには、現在の各種の法律ではどうしてもまずいんじゃないのかということで、いま大平大臣がおっしゃっておられますように、政府の原案、これは紛争処理法案のほうは総理府が担当でございますが、各省にまたがる問題でございますので、したがって総理府原案になるだろうと思います。ここでは紛争処理法案の中にこの種の基地をめぐる各種公害を入れようということでつくられまして、ついては関係の大臣にこの公害関係閣僚会議の中で了解を求めるというおぜん立てで開かれた公害関係閣僚会議ですね。そこで、この席上では入れようということに話がまとまった。このときに有田さんから、多少どうもほかの防衛施設周辺整備法であるとかいうふうなものもある、だからうっかり入れると基地紛争に使われるということも考慮しなければならぬというような発言があったように新聞は書いておりますが、それにもかかわらず、ひとつ基地公害を公害紛争処理法案の中に含めるんだということがこの閣僚会議では申し合わせになったというのが、長い記事でございますけれども、この夕刊の記事なんですね。で、防衛施設庁に承りたいのでありますが、この公害関係閣僚会議で基地公害を含めるということになったわけでありますから、その前後の事情、防衛庁側のほうはどういうふうにお考えになっていたのかという点をお聞かせおきをいただきませんと、あとの問題の関連が出てまいりません。そこでひとつ鐘江さんなり関係の方なりから、その間の事情についてどう受け取っておられるかを明らかにしておいていただきたい。
○江藤政府委員 二月二十六日であったかどうか、日付はちょっとはっきり記憶いたしておりませんが、関係閣僚会議に私も陪席しましたので、その経緯について御説明します。 その当時の原案におきましては、特に基地公害の問題について別段の規定がなかったことは事実でございます。別段の規定がなければ、当然公害対策基本法第二条にいう公害に入りますので、それは入るであろう。しかしながら、その際に集まりました閣僚としましては厚生大臣、総務長官、官房長官、それから防衛庁長官という範囲でおやりになったわけでございますが、まだ政府の原案の過程におきましては、そういうような基地公害の問題についてはあまり詰めてなかった。そこで、初めて防衛庁としましてはそういう話を承ったわけでございますので、基地の問題につきましてはこれは別個に考えるべきであるというような話を、その際初めて大臣といたしましてはその会議で申しまして、結局この取り扱いをどうするかということになったのでございますが、これはやはりもう少し検討しなければならないということで、新聞に一応報道されておりますような、閣僚会議で基地公害を含めるというふうに決定した経緯はございません。まだこの問題につきましてはいろいろ詰める点もあるので、さらにもう少し検討しようということでその日の会議を終わりまして、別段特に基地公害を含めて政府案にするという決定をその際にいたしたことはございません。
○大出委員 そうなると、これは新聞の誤報だということになるのでありますが、どうもあまり新聞が誤報ばかりやっていたのでは困るのですけれども、おそらくこの記事はそう間違った記事ではないと私は思うのです、ほかの新聞の夕刊にも同じように出ておるのですから。したがって、いま陪席をされておったということをおっしゃっているから、結論が出てなかったということなのかもしれません。それは過ぎ去った経過でありますから、あえてこだわりません。こだわりませんが、私が冒頭に、公害とは何ですかという、たいへん唐突な質問を大平さんにいたしましたが、あわせてこの英法の法意になっておるパブリック・ニューサンスということばを引き合いに出しましたのは、あるいはプライベート・ニューサンスということばを出しましたのは、さらに公害基本法二条との関係を私が質問しましたのも、私はこの学問的な解釈からすれば、ここまでまいりますと基地公等であろうと、非常に幅の広い解釈なんですから、公害に関する紛争処理法案等をつくるということになるとすれば、これはその中に入れるのがむしろ当然であって、入れないということに逆に問題がある、こういう理解を私はする。ところが、この翌日の二十七日の新聞には何というふうになっているかといいますと、「自民党、政府へ“待った”基地紛争の公害法案適用」、こういう記事であります。こちらのほうは「基地にも適用公害紛争処理法案」、こういう見出しです。この片方のほうの翌日の中身をながめてみますと、これは与党の皆さんのほうの会議が開かれている。この会議なるものの性格は、基地対策特別委員会、これは自民党の皆さん、それから国防部会との合同会議、この中で相当激しい論議が行なわれて、基地公害をこの処理法案で取り扱うということになるとすると、これは基地反対闘争なんというようなものに非常に大きく使われて、ますますもって紛争が拡大をする。だから政府、公害関係閣僚会議がこれを含めるのだなどということをきめたというのはもってのほかだということで、相当これは強い反対をきめたのであると書いてあります。このあと、もう一ぺん閣僚会議なり閣議なり開かれまして、そこで防衛庁からの強い巻き返しなんてことが新聞に載って、これを公害紛争処理法案からはずすんだ、こういうことになった経緯がある。私はどうもこれはいささか問題がある。なぜかといいますと、防衛庁の皆さんのほうに、基地公害と私どもが考えるものについて――私は実は基地公害ということばはあまり好かぬのです。産業というものは必要である、その結果として起こる庶民への被害だから公害という名がついているのですが、基地がないほうがいいと私は思っているのですから、あまり好きませんけれども、しかしこの基地公害なるものについて別な法律規制によって解決がはかり得るのであるとするならば、これまた話は別になる。しかし基地に関するいろんな住民への被害の中には、現行の法律でどう考えても解決をしないものがたくさんある。防衛庁のほうがこの公害紛争処理法案からはずせというたんだとするならば、各種のこの種の紛争について解決する自信がおありの上で、あるいは法律的に自信がおありの上で、ここから除けとおっしゃったということにならざるを得ないわけでありますが、そこらの自信のほどはどうなっていますか。
○江藤政府委員 法的に申しますと、公害紛争処理法案の中におきまして、いわゆる基地公害というものの処理に関する事項は対象にはなっておるわけでございますけれども、五十条におきまして、いわゆる基地公害に関しましての具体的処理については別な法律体系によるのだということになっているわけでございます。そこで防衛庁としましては、すでにいわゆる基地公害――私のほうも基地公害ということばは使いたくないのでございますけれども、防衛施設の運用によって生ずる障害につきましては、いわゆる公害に達しないものまでも相当範囲にわたって積極的に措置を講じておる。現在周辺整備法なりあるいは特損法なりというような法律の制度の運用によりましてこれをさらに、もちろん全面的に予算的に十分であるとは申しませんけれども、これの運用よろしきを得れば相当程度と申しますか、若干改善する余地があるかもしれませんけれども、とにかくこの法律の運用によって処理できるのだというような点を強調いたしまして、一応その具体的な処理についての法体系は別の法案によるというふうに最終的にきめた、そういう経緯があるわけでございます。
○大出委員 だんだんはっきりしてきたのですけれども、そうすると公害基本法の二条に基づく公害のワクには入る。ただしかし、いま二つの法律を国会に出してきておいでになる、医療救済の問題と紛争処理の問題と。つまりこれは基本法に基づく救済手続その他についての法律である。それが一般の産業公害などといわれるものと基地公害などといわれるものと法律が違うのだ、別な法律で処理するのだ、こういうふうに分けて考えたというわけですね。基本法の二条には広い意味の公害だから入る。しかし処理のしかた、手続、こういうものについて法律を異にする。わがほうには防衛施設周辺整備法なり特損法なりがあるからだ、こう理解していいんですか、そのところは。
○江藤政府委員 先ほど申し上げましたように、公害対策基本法の二条の公害というものの中にはもちろんこの基地公害というものも入るわけであります。この基本法の二十一条を受けまして、和解の仲介とかあるいは調停、仲裁というものについての具体的な処理に関する法律は別に定めるというものに基づきまして、今回の紛争処理法案が提出されたわけであります。したがってその意味におきましては、基本法の二条で基地公害を含めます以上、この処理法におきましても基地公害というものの処理に関する対象としては入るというふうに考えるわけでございますけれども、ただこの処理の具体的実施に関しては、いわゆる和解の仲介とか調停とか仲裁とかいうようなことばを使うか使わないかは別にしまして、このような方法については別の法体系でいくんだということを五十条で定めてあるということでございます。
○大出委員 ちょっとそこに矛盾があると思うのです。そうしますと、今回の紛争処理法案なるものの中身というのは、公的審議機関ができるわけですね。中央の審議機関あるいは地方の審議機関、二県にまたがったものは中央でやるわけですからね。そうすると仲裁にしろ調停にしろ、公的な審議機関がいろいろできる。仲裁の場合には両者の意見が一致しなければできませんけれども、そういう手続については同じように考えているのだということになると、それじゃ基地をめぐる各種の紛争が相当大きくなった、その中身は基地公害であるという場合に、これは調停するとかあるいは仲裁するとかいうことを防衛施設周辺整備法ではできませんよ。それは何でこれからおやりになろうというのですか。基本法に入るのならそうなりますよ。
○江藤政府委員 別の法体系によるということになっておりまして、公害紛争処理法案におきましては、和解の仲介とか調停とかあるいは仲裁ということばを使っておりますが、それに対して周辺整備法とか特損法等におきましてはこのようなことばは使っていない。したがって和解の仲介、調停、仲裁というようなことばそのもの――われわれのほうは別の法体系でやるという場合に、それとことばは違いますけれども、大体類似の方法をとっておるという制度がある。たとえば周辺整備法の十条だと思いますが再審の制度がある。それから自衛隊法の百五条におきましても再審制度が設けられておる。特損法におきましてももちろんございます。そういうような意味で補償に対する苦情を申し出る場合におきましては再審制度がある。 それから実際に周辺整備法とかあるいは基地の運用によって生じまする障害の紛争処理と申しますか、苦情に対するいろいろな処理につきましては、具体的にはそのつど実際の被害を受けた人々の代表者を通じ、あるいは市町村を通じ、または都道府県が中に入って具体的に紛争処理の対策をとってやっておる。そういうような具体的な制度なりあるいは運営そのものが、実際的には紛争処理法案でいう和解の仲介とか調停とかいうようなものに見合うのではないかというような解釈をとりまして、現在の法体系でいけるんだというふうな解釈をわれわれは持っておるわけでございます。
○大出委員 どうも妙なことをおっしゃるので困るのですが、もう一ぺん言い直しますからよく聞いておいてください。この公害基本法という立場からすれば基地公害なるものも入ると先ほどからおっしゃっておる。入るわけです。基本法の二十一条で手続その他一切法律を新たにつくることになっている、それに基づいていま二法が出てきている、紛争処理と医療救済だ、こういうわけですね。そうすると公害基本法のワクの中に入るなら、法律が違ったにしても、そのものの考え方は差別があってはいけない。被害を受ける住民は変わらぬのだから、日本人なんだから。そうなればその処理のしかたに差別があっては困る。これは権利義務は平等なんだからあたりまえのことです。そうすると、片一方で和解のための調停あるいは仲裁、しかも公的な審議機関ができる、こういう措置がとられるのに、基地に関する被害、公害に関してはそういうものは一切ないんだということになるとすれば、基本法二条に含むのである限りはこれはたいへん片手落ちだ。これは間違いです。明らかに間違い。 もう一つ、あなたいま簡単に十条なんとおっしゃるけれども、防衛施設周辺整備法というものは、神奈川県が基地周辺整備法をこしらえて出してきて、さんざんもめて、四年もかかってようやく防衛庁が腰を上げて内閣委員会に提案したのです、この法律は。私は、財満さんが施設部長のときにまる三日つぶして審議しているのですよ、政令まで含めて。そうあなた簡単なことを言われては困る。十条にはそんなものはひとつも書いてないです。十一条には確かに異議の申し出だけはある。異議の申し出はあるけれども、金額が不服だ云々だという申し出があって、それでおたくのほうの長官が、これは確かに少なかったというときには、もう少しふやしますよということを本人に通知するだけなんだ、これは。そういう簡単なものの考え方では困りますよ。そういうものでは何も処理はできませんよ。答弁し直してください。
○江藤政府委員 先ほど整備法の十条と申しましたのは十一条の間違いでございますので、訂正します。 先ほど申し上げましたように、そもそも防衛施設の運用によって生ずる障害の紛争の処理につきましては、これは先般の本会議におきまして総理なり防衛庁長官からお答えのありましたように、わが国の平和と安全を守るという意味におきまして特殊なものである。しかもこの公害紛争処理法案のねらいとしまして、これを十分実効をあげさせるための担保として、立ち入り調査とかあるいは資料の提出とかいうような制度を設けられておるわけでございます。そのようなこと自体が防衛施設の場合には非常に困るという面がございますので、どうしても、この防衛施設の運用によって生ずる障害の紛争処理という問題は、そのような公害紛争処理法で設置されるような、いわゆる準司法的性格を持つ第三者機関の判断にまつことは適当でないというような意味におきまして、そのような紛争解決の具体的な処理につきましては、この紛争処理法案でできる第三者機関によらないで、別の法体系でいくべきであろう。その場合に、先ほど申し上げましたが、必ずしも紛争処理法案のような和解の仲介とか調停とか仲裁とかいうようなことばを法的には用いておりませんけれども、先ほど申しました各種の法律で異議の申し出、再審制度もあるし、これは実質的には和解の仲介、調停のような性格を持っておるという面もございますし、また、かたがた先ほど申しましたような具体的に紛争の処理につきましては、第三者機関も実質的に入ってやっておる。そのような実質的な運用をしておるということでやっていけるのではないかというような点がございまして、第五十条のような規定が挿入されたというのであります。
○大出委員 いまお答えになっている各種法律の中に、第三者が仲介なりあるいはあっせん審議なり、そういうことをやるようにつくられておる法律がありますか。
○江藤政府委員 先ほど来申し上げますように法律の面では、法律の規定としてはございません。しかしながら実際の運用の面におきまして、第三者が入って、具体的にはこの被害者たちの代表者であるとかあるいはその市町村であるとか都道府県が中に入りまして、防衛施設庁と被害者の方々との間における紛争の調停、仲介をされておるというような、実質的な点に着目しまして、そもそもこの紛争処理法案で考えられておる準司法的な性格を持つ第三者機関に、基地公害の問題の紛争処理の判断をゆだねるべきでないという前提に立って、そのような別の法体系によるということにいたしたわけでございます。
○鐘江政府委員 防衛施設周辺のいろいろな問題、これを処理しますのは防衛施設庁でございますので、いま防衛庁の江藤参事官が申しましたことにつきまして、私から少しふえんしてお答えしたいと思います。 まず、公害紛争の処理法は、公害対策基本法の第二十一条の必要な措置として定められたものでありまして、和解の仲介あるいは調停それから仲裁、こういうような制度を設けることによりまして、公害にかかる紛争の迅速かつ適切な解決をはかるためのものでございますが、同条の定めておるところは、紛争処理の方法をいま申し上げました三つの手段によってのみ求めているのではなくて、実体法上からいっても、この実体法による紛争の処理、こういうことでもいいというふうに私ども考えております。したがいまして、適当な手段があるならばそれによることもできるのではなかろうか。そういうわけで、公害の原因者その他の態様から見まして、さらに紛争の迅速かつ適正な解決をはかるための手段であるならば、どのような措置を講じてもいいんではないかということで私どもは考えておるわけであります。
○大出委員 そうすると、その根拠になる法律は何という法律をさすのですか。
○鐘江政府委員 先ほど来整備法云々といいますのは、ただいま申し上げましたとおり、紛争処理の手段としまして救済制度が設けられておるということでございます。
○大出委員 そうしますと防衛施設周辺整備法をさす、こういう理解でよろしゅうございますか。
○鐘江政府委員 さようでございます。周辺整備法及び特損法でございます。
○大出委員 原因者とそれから被害を受けた方をあなたはさしておるわけですがね、さっきのお話では。そうするとまさに防衛庁が第三者というふうな立場で、この防衛施設周辺整備法というのはよほど拡大解釈しなければそれはできません。こまかく私は質問しておるのですから、当時鐘江さん、あなたは施設部長さんだったかな。財満さんだったですな。あなたたしかここにおられたはずだ、この席に。あの審議をやったときにはまる三日私は審議をやったのだから、だから御存じだと思いますが、拡大解釈しなければできませんよ。例は幾つもあげてみてもいいのですが、きょうは何か夜中の十二時まで質問するのだそうですから、これは何時間かかっても――まことにありがたい話なんだけれども。そこでいまのお話で、原因者が米軍の施設であるとなれば、確かにある意味では第三者的に防衛施設庁と受け取ることができるかもしれない。しからば一体自衛隊ならどうするか。
○江藤政府委員 先ほど来御説明申し上げておりますのは、周辺整備法十一条とか、あるいは自衛隊法百五条とかあるいは特損法の規定あるいは水面の利用に伴う漁船の操業制限法の規定、そういうものによって定められておりますいわゆる再審制度、これが直ちに公害紛争処理法案でいう和解の仲介、調停、仲裁というものそのものずばりにはならないわけであります。しかしながら法的に考えますと、それに準ずるものであるというふうに考えられます。 さらにまた、先ほど申しましたように、具体的な処理につきましては第三者機関が入って具体的に処理しておるという意味におきまして、われわれとしましては、和解の仲介とか調停とかいうことばを使いませんけれども、実質的にはそのようなことをむしろ産業公害等よりも進んで実施いたしておるという面に着目しまして、具体的な処理につきましては、そもそもいわゆる紛争処理法でつくられます第三者機関の判断にゆだねることが適当でない、なじまないような基地公害の問題につきましては従来のような方法でやり、さらにそれを民主的に、しかも内容を充実して経済的な段階において極力解決していきたいというのがわれわれのねらいでございます。
○大出委員 そうしますと、こういうふうに理解していいですね。法律的には確かに今回の二法とは違う。法律的には第三者機関が仲介そして調停、あるいは仲裁、こういうふうな手続はとられていない、これは明確だ、ただ運用の面で第三者が入ってというふうな形で処理をしておる例がある、こう言っておられるわけですね。
○江藤政府委員 現在われわれのほうで運用しておりまする法案というのは整備法等でございますが、これらにおきます再審制度そのものがすなわち公害紛争処理法案でいう和解の仲介、調停というものではありませんけれども、大体法的に考えた場合におきましては、おおむね再審制度そのものが和解の仲介、調停というような性格のものと判断しても不当ではないというふうに私たちは考えております。したがって法的に見ましても、大体整備法等によって処理しておることが紛争処理法案で考えられておる程度までいくかどうか知りませんけれども、ほぼそれに準じたものがある。しかもさらに運用の面におきまして、実質的に紛争処理法案のいわゆる第三者機関に劣らないような運用を現にいたしておる。そういうような面から見まして、われわれとしては現在の法体系並びに実際の運用で、いわゆる防衛施設の運用による障害についての紛争処理は解決していけるというふうに考えております。
○大出委員 そういう答弁をされるから質問が長くなるのですが、法律的に違うものは違うのだ、あなた方幾ら言ったって、法治国家なんですから。法律的に調停の制度もなければ仲裁の制度もないでしょう。審議機関の制度もないでしょう。その損害が幾ら幾らですよと言ったときに、損したといって申請が出る。それはいや幾らですよと言ったときに、十一条で異議の申し立てをする。そうするとまず施設庁長官が判断をして、それじゃ二割ふやしてあげますといって査定をする、それだけのことです。それが何であなた、調停、仲裁という第三者が入ってやるこの法律と同じとになるなんてことになるのですか。法的に違うものは違うのだ、明確に。そういう詭弁を弄してはいけませんよ。法律なんですから、そんないいかげんな運用をするならこれはたいへんなことです。あらためて防衛庁長官に出てきてもらってやらなければならぬ。法律できめた以上、それに従ってやらなければいかぬ。明確に違うのです。だから私の言いたいのは、一般のほかの公害について基本法二条に入るという解釈をするなら、そっちのほうにそういう機関ができるとするならば、片一方は同じ国民であって、結果的に似たような被害をこうむっておる方々に対してこれを救済するというのなら、同じような手続規定をきめなければならない筋合いだと私は申し上げておる。現在法律はそうなっていない。そこでせめてこれから運用するということになった場合に、将来に向かっては法律を改正するか、あるいは防衛施設周辺整備法というものをもう一歩進めて、そういった性格を持たせるようにするか、さもなければ、それこそあなた方がいままで運用してきたより以上に、もっと基本法二十一条に基づく、出てきている法案に近いような形でそれを運用するような防衛庁長官の訓令なりなんなりで措置をとっていかなければならぬことだ、これは訓令によってやっているのですから。たとえば上瀬谷のAゾーン、Bゾーン、Dゾーン、あの周辺の電波規制区域なんかは長官の訓令が出て、ここにうちを建ててよろしいということにすればこれは建つのですから、訓令でいっているのです。そうでしょう。そうだとすると、そういうところを制度的にはっきりさせなければ、幾らあなたがおことばの上でそう答弁をされたって、法律上できませんと断わられればそれっきりです。制度的にそうでなくなっておれば、その制度に乗って問題は進むということです。基地周辺の問題というのはいままで片づかぬことだらけですよ。私は何回もこの委員会で質問してきている。だから、これだけの機会なんだから、せめて基地公害というものをそういう形で解決するようになるとすれば、与党の皆さんが基地特別委員会なりあるいは防衛委員会の合同委員会なりで論議したようなものの見方とは逆に、地域住民の周辺の方々というのは一日も早く片づけたいという意識をみんな持っているわけですから、よりどころがなくて困っているのだから、そういういまの事情を判断すれば逆に問題は片づいていくのですから、私はなぜはずしたのかということを言っているわけですよ。これは与党の皆さんが考えたようなことじゃありませんよ。基地周辺の方々というのはもっと深刻ですよ。だから私は、そういう意味でひとつあなた方にも前向きに制度的なものを考えていただかなければ困ると思って、先ほど少し回りくどい言い回しだけれども、質問のしかたがだいぶ遠回しに持っていきましたけれども、そこに問題の焦点を置いて質問しておるということなんです。ここらのところをもう一度答えてください。
○江藤政府委員 整備法の十一条とかあるいはその他の制度におきまして再審制度がある。これはもちろんそのまま紛争処理法案でいう和解の仲介、調停、仲裁というそのものずばりでないことはもちろんそうでございます。第三者機関ではないこともそのとおりでございますけれども、われわれも現在すでにそういう制度を持っておる、再審制度がある、しかも、実際にそれを運用し処理する段階におきましては実質的には第三者も入っていただいて処理しておる。もちろんこれはすべてが完全に円満にできているとは申しませんけれども、実際の運用の面におきましては、紛争処理法案でいう和解の仲介、調停、仲裁等のような制度の運用を従来から施設庁は、再審制度という法律の規定を通じ、あるいはそれ以前の段階において実際にやってきておる、それに努力しておるということにおきまして――そもそも紛争処理法案でできまする第三者機関になじまないような内容の紛争が多いわけでございます。したがって別の法体系でいくことが望ましいというふうに考えまして、こういうような規定で、具体的な処理については別の法体系によるというふうに定めたわけでございます。しかしながら、これはもちろん具体的な運用の問題でございますので、現在のところわれわれとしましては、従来からやってきておる具体的な運用の方法そのものはこれでいけるのではないかというふうに考えております。なお、将来具体的に処理する段階におきましてやはり不備な点があるというふうなことになりました場合には、その時点におきまして、われわれのほうで適用しようとする法体系につきましての検討は進めなければならないと思います。もちろん別の法体系によるということは整備法だけで言っている意味ではございません。いろいろな意味におきまして法体系というものは考えなければならぬと思いますけれども、現在までやってきた具体的な処理方法におきましては、いまのところ基地の問題で生ずる紛争の解決についてはとにかく最大限の努力をしてきておる、実績をあげてきておるというふうに考えておる、そういう意味でございます。
○大出委員 平たく言えば、私たち、防衛施設庁としては基地にまつわるいろいろないわゆる基地公害といわれているものについての解決のためにずいぶん一生懸命努力しておる、だから今後ともそういう努力をもっと一生懸命やってみる、だから取り扱う法規は違うけれども、意図するところは似たように考えているのだから、そういう面で解決をしていきたい、基地だから立場は違いますけれども、この紛争処理法の中身からいたしますと、第三者が立ち入り調査だの、これはできることになっておりますけれども、仲裁、調停もやってみる、中身はそうはなっていないですから、性格上いろいろな問題がある、だから現在の周辺整備法なり特損法なりでやっていきたい、こういう趣旨ですね。私も実は解決をすれば、これは法律がどうであろうと、ある意味では今後は政治の分野でもありますから、解決をしていけばいいと私は思っている。ところがなかなか解決をしないので、紛争は拡大をするから、一日も早く片づけてあげなければ住んでいる人に気の毒だ、そういう意味でこういうことを言っているわけなんだ。せっかく通産大臣もお出になったこの公害関係閣僚会議でそこまでいっているものをひっくり返すことはないじゃないかという気が私にあるから申し上げておるのです。これから一生懸命解決に御努力なさるということならわかりますけれども……。 そこで、例をあげてひとつ申し上げますが、横浜の金沢区に小柴というところがあります。これはもう皆さん御存じのところですが、ここに在日米軍の小柴貯油施設というのがある。燃料貯蔵所です。これは非常に高オクタンの燃料貯蔵庫でございまして、安善、浜安善等にここから運んで、貨車に乗っけて、新宿などを通って、立川に抜ける。ジニット燃料で、よく問題になるわけですけれども。また、この航空燃料を厚木のほうにも運んでいる。こういうことなんですが、この小柴という町をめぐっていろんな問題が起こって、一体いつこれは生命の危険、たいへんな大騒ぎが起こるかもわからぬという実情にある。私は、いろんな角度で、いろんな人を通じて、ずいぶんこまかく調査をしてみたのです、この地域を。ところが、現地の皆さんの気持ちからすれば、これはかって海軍が接収していたところですから、海軍時代に貯油施設を一部つくっていた。それが、米軍が戦後接収をするということになって、今日に至っている。その間一部返されたのですが……。だから、早い話が、二十何年もたっているとなると、これは住民の気持ちからすれば、こんなに長い間という気持ちになる。しかも、その間に原因不明の火災が起こってみたり、あるいはまたたいへんな排気ガスを外へ出す排気口が人が歩くところのすぐそばに、表に出されている。そこからたいへんな悪臭がちょいちょい出てくる、住民の人たちは、とにかくたいへんにこの悪臭に悩まされるという状態が続く。ところが、ちょっと離れた、冬になると草が枯れてきますと、その枯れ草のところに、全く原因不明、突如としてたいへんな火事が起こったりする。それから、物を燃やしていて、そこに気がつかずにそこらにほうってあったものを入れると、いきなりたいへんな火力で爆発をするというようなことがいままで幾つも起こっている。そうかと思うと、油が大量に流れ出して、ノリしびその他、すぐ前はノリをとる漁区ですけれども、これが全部完全に使えなくなるというような問題が起こっておる。防衛庁に対して今日までたしか三回補償問題がいろいるこじれて、今日まで進んできている、実はこういう状態である。これはもう御存じだと思うのですが、その辺のことは御存じでございましょうか。
○鶴崎政府委員 小柴の問題でございますが、ただいま先生からお話のあったように、旧海軍時代につくられた貯油所でございまして、終戦後米軍が引き続き使っておるという状態でございます。こういった燃料を貯蔵する施設が町の中にあるということは、地元自体にとってはもちろん好ましいことではございませんけれども、米軍が本土からタンカーで日本に油を持ってくる際に、まずここに来るわけでございます。そして、ここから船でよそに運んで、それから貨車等で飛行場等に行くという形になっております。 〔委員長退席、三原委員長代理着席〕 これは米軍にとりまして必要欠くべからざる施設であるというようなことで、実はいろいろ過去においても被害の問題等もございましたが、地元とよく御相談をしまして、できるだけ円満裏に解決をしておるわけです。ただ、こういった性質の施設であるということから、返還をしてくれという御要望もございますが、この点につきましては、ただいま申し上げましたように、米軍の施設としてはこれは不可欠のものであるということで、地元の方にも説明をし、御納得をいただくように努力をしておるわけでございます。
○大出委員 本来この地域というのは、いにしえの北条一族の別邸があったところで、金沢文庫、北条氏の書庫ですからね。有名な金沢文庫、そのうしろですから。これはいま称名寺といって寺になっておりますけれども、これは慶応三年という時点で津波なんかがありまして、長浜という、そのうしろの町のほうはみんな流されちゃって、この小柴の柴町に移り住んだという、何とか千軒という名前がついている、非常に歴史的にも史実にいろいろなことが残っている町なんですね。千軒しかうちがなかったといわれる町なんですね。そういう非常に風光のいいところで、こういうところで一体何が産業としてやれるかというと、海軍にばっと接収されて持っていかれてしまいましたから、畑をつくるといったって、山の上にみんな追いやられて、段々畑ですね。どうにもならぬ。つくりようがないです。そうしておいて今度は、ささやかな、目の前の漁区、ここに何がとれるか。ノリしかできないですね、ほとんど。あとは、そこで魚をとっても、いまは油くさくて全然だめですね。だから、ナイロンの浮きしびといいますか、浮き網といいますか、前のほうに出してやっているということですね。ノリを乾燥するオイルバーナーがたくさんあるわけですよ。各戸にみんなあるわけです。だから、この人たちにすれば、こんなひどい目にあっているのだから、何とか返してもらって、将来に向かっては観光園芸農業みたいなことをやりたいと言っているわけですね、皆さんの気持ちは。すぐ裏は今度は西武の大団地ができてきている。こういう発展してきているところで、ぽつんと残っている。まわりがみんなそういうところですから。そういうところで、長年みんな先租伝来住みついてきた。何でこんな苦労をしなければならぬのかという。私の秘書に行ってもらって、町会長さんに会ってもらって、じっくり話してもらった。町会長の小山さん、生産班長の斉田さんという方に会って、いろいろ話してもらった。それはほんとうに苦衷のほどがわかりますよ。子供の将来を考え込んじゃっている。これはいつまでたっても返してくれないからということなんです。そういうきわめて苦しい実情を皆さんのほうでどこまで御存じで、さっき参事官おっしゃるように――私は、こういうふうなところは、ほんとうは紛争処理のための、先ほどの処理法案にいうところの調停なり仲裁なりのあっせんぐらいはほんとうにしてもらって、秘密であっても何でもいいから、住民の皆さんの気持ちをほんとうに聞いてもらって、片づけてあげたいという気がする。年じゅう危険を感じているのですから。そこらの非常にせっぱ詰まったところをどこまで御存じなのか。いま言うように、米軍のたいへん重要な貯油施設だから、どけろと言われてもそれはできませんと、にべもなくおっしゃるけれども、あなた方は実際にこの地域を調査されたことがありますか。
○鶴崎政府委員 私、横浜局にいましたころ、この施設は中に入って見ております。それから、いまお話しのありました斉田さんその他地元の方々ともいろいろな問題で折衝した経験がございます。そこで地元のほうから、この貯油施設に関連をしましていろいろ御要望も出ております。そういったことにつきましても、できるだけ前向きで検討してきておるつもりでございます。
○大出委員 理事の皆さんが御努力をいただいて、陰のほうで進め方の話が進んでいるようでありますから、あとはひとつできるだけ急いで要点を聞いてまいりますので……。 私は、この種のことぐらい片づかなければ、これから公害特別委員会のほうにまた出かけていきまして、基地公害をどうしても公害二法に入れろと突っぱらにゃいかぬと思っているのですが、そういう意味で私、質問申し上げたいわけです。これは、こまかいことは省略をいたしますが、昔、海軍が、七十四町歩を買い上げていますね。そして二十町歩ばかり払い下げているわけですね。ところが、二十三年十月三日に五十四町歩をいまの米軍の貯油施設にしてしまったといういきさつなんです。 そこで、まずひとつ承りたいのは、新たにイーズメントはほしいという申し出がありましたね。これはいつごろで、どのくらいの地域、どこの場所をさしておるわけですか。
○鶴崎政府委員 実は、この小柴の貯油施設のゲートがございまして、そこを入ったすぐ左のところに十八号のタンクというのが、これは旧海軍時代からございます。ところが、この地域を、遊休のところがあれば、なるべく地元に返還をするということで検討しました際に、約十万平米ばかりを返還をしたわけですが、その際に、この土地の下にいま申し上げた十八号のタンクがあるということをうっかりして返還をしたわけでございます。この返還になった日にちは二十八年九月でございます。ところが、その後三十九年になりまして、米軍と日本側の現地の合同調査の際にこの事実が発見をされました。そこで、地下にこういうタンクがあって、地上はもう当時払い下げて民有になっておる。そこで、たとえば地上のほうでこのタンクに悪い影響を与えるような工事その他をやった場合には危険であるというような問題が発生をしました。そこで、土地の所有者の方にいろいろ折衝をしまして、一定の範囲につきましてはこれを米軍に再提供してもらいたい、その面積は約千二百平方メートルでございます。これは米軍に専用的に提供するということでございまして、先ほどお話がありましたタンクからのガスの排出口が二木ございます。そのまわりについては、いま申し上げた千二百平方メートルは立ち入り禁止、それから、そのほかタンクのちょうど真上に当たる部分、それはイーズメント地区ということで、要するに、いま申し上げたように、タンクが地下にあるということを考慮しまして、それに危険を及ぼすことのないような制限を加える、したがって、現在やっておりますような単に農耕をするということであれば、これはけっこうでございますというような、要するに安全の措置としての要求が米軍から出まして、これを地元と現在折衝しておる、こういう状況でございます。
○大出委員 そこに認識の非常に大きな違いがありまして、かつて、ダイヤモンド大佐という方がついて案内をしたことがあります。地元の方々が中に入って見ている。素掘りのほう、掘り抜きだというのですよ、当時あったのは、いま十八号タンクがあるというところは。だから、あやまって返したのではなくて、当時は、なくて返した、あとから民有地になっているところの人の地所の下にかってにタンクをつくられてはたまらぬということが、地元の方々の考え方だ。これも横浜からきているけれども、明確に違っている。米軍の主張することとその民有地の人の言うことと食い違っている。 そこで問題は、日本側が、あるいは町内会の方々が、どうであったかを調べるという方法がない。そうでしょう、基地の中ですから。いつ何をどうつくったのかというのを調べるのに調べようがない。調べようがないのに、返してしまって民有地になっちゃっているのに、いや実は地下に十八号タンクがあるのだ、これは前からあったのだ。ところが、地元の人に言わせれば、いや前に連れて歩いてもらったときにはなかった、素掘りになっておった、こういうことになっておる。それでは、調査のしようがなければ、いつごろつくったタンクかということも見分けがつかぬでしょう。そうでしょう。だから、その争いを解くためには、神奈川県なり横浜市なり地元の代表なり防衛庁なり、立ち会って、これを検査しなければいかぬ。共同調査をしなければいかぬ。決着がつきません。その気持ちはございませんか。
○鶴崎政府委員 わがほうの調査によりますと、財務局の台帳にも、いま問題の場所には、旧海軍時代に建設されたものとして、当時はタンクということばでなくて油槽という名称で国有財産の台帳に登載をしておるという事実を、私ども局を通じて確認をしております。しかしながら、これは地元のほうでは、前見たときにはなかったとおっしゃるので、いまお話しになったように、十分な現地調査をして確認をする以外にないということになろうかと思いますが、御承知のように、何といいましても、こういう石油というようなものを貯蔵している施設ですから、米軍も一般の者の立ち入りについてはたいへんに慎重でございます。 〔三原委員長代理退席、委員長着席〕 しかしながら、できるだけ問題を解決するという意味合いにおきまして、先生の御発言もございますので、局を通じて地元の人と共同で調査ができるかどうか、米側に交渉したいと思います。
○大出委員 この種のことは地元の諸君にやっぱり納得してもらうような――先ほどいみじくも参事官でしたか、お答えになっておりましたように、公害基本法第二条というものに含まれるのだということで、そこまで一般的には進めようという時期なんですから、これはいろいろもめました、通産省の姿勢についていろいろ批判になった新聞記事もありましたが、立ち入り検査をやれるようにしたのですから。そうでしょう。そうだとすると、これは油の貯蔵地域なんですから、別にそんなにたいへんなことじゃない。だから、それはいまおっしゃるように立ち入り検査を、地元の人の納得を求めるように米軍と話してするという方向でぜひ進めていただきたい。そういう御答弁でたいへんけっこうだと思うのですが、私もこの質問は何回目かになりますけれども、年じゅうそこは通る地域で、私もよく知っているのです。それは見かねるから申し上げるので、ぜひともやっていただきたい。 いずれにせよ、いろいろ長い争いがありますが、現在はタンクが民有地の地下にあるのですから、でき得べくんば、これは何とかどけてもらわぬと、もし何かあったときには、たとえば地下一階、二階、三階にわたるような建造物をつくるというようなことで許可申請を出した。そこにタンクがあるからつくっちゃいけないということは言えませんよ、民有地である限りは。民有地ですから、私権ですからね。そうなればあぶないから――強硬手段をとる、ボーリングをするからどけてくれと言ったら、どけません、いやボーリングするぞと言ってボーリングを始める。タンクのところまで掘ったらどうします。あなたのほうは、これは民有地である限り何とも言えませんよ。上瀬谷だってそうでしょう。中屋敷の例の一件だってそうでしょう。頭にきている方々はそこまでいってしまいますから、そうならぬうちに――それは身体に危険だから入ろうといったって入れないです。そうでしょう。だから、そういうことになったんじゃえらいことになりますから、やはりそれは手続を踏んで検査をする、ぜひそれはやっていただいて、早く地元の人々が納得するように、そこのタンクはせめてのけるとか――そこには排気口がある。本来、千二百平米の立ち入り禁止区域をつくりたいとおっしゃっていたということは何を意味するかといえば、二本の排気口というものが危険だからです。ところが、現在は立ち入り禁止区域でないから、すぐそばに人が行けるのです。そうなると、本来立ち入ってはいけないところに人が通っている、現実にはそういうかっこうになる。そうなりますと、これは何かあったときに責任をどっちが負うのだということになりますよ。そうでしょう。たいへんな悪臭が年じゅう出ている。町を歩いてごらんなさい。どなたに聞いたって、あんなものはすぐどけられないのか、おれたちはどうしてくれるんだ、ぼくらには、あなた政治があるのかないのかということまで言うのです。それはそうですよ。だって歩けるところなんだから。道路のすぐはただし、やはりそういうところは一ぺん地下の調査とあわせて、あの周辺はたいへんなことになっておりますから行ってみていただいて、何とかこれはそういった不安を仲介という形で、調停も仲裁もできないというシステムなんですから、せめてそういうことをやっていただかぬと困ると思いますが、そこのところを基本だけ聞きたい。
○鶴崎政府委員 この問題につきましては、前々から地元とも折衝しておりますが、遺憾ながら、現時点まではまだ解決しておりません。しかしながら、いま先生からお話があったように、両方で現地でも調査するというようなことで、円満な解決の糸口ができれば幸いだと思います。
○大出委員 大体話が進んでいっているようですから、なるべく私のほうもはしょって質問を簡単にいたします。 そこで、この地元の皆さんの気持ちからすると、道路がないのです。海岸のところを通って昔は長浜に抜ける道路があって、畑のほうにも抜けるようになっておった。ところが、まん中にでんと基地がすわってしまいましたから、バスはそこまで行って折り返し。抜けようがないのです。そうでしょう。こんな不便な話はないのです。かつてそこに軍の建物があって、関係の郵政局の職員がたくさん入っておりましたから、その問題は私が解決をはかりましたが、その時代だってそこから先は行きようがない。ひどいものですよ。これは問題点だけあげます。 それから下水道なんかにいたしましても、基地のほうから町のほうに流れてきてしまう。基地だからどうにも手がつかない。町の人に聞いてみると、なんで一体それは向こう側に流れるようにならないのかと言うのです。あたりまえですよ、狭い町ですから。そうでしょう。あそこに基地があるために、町の中を歩く人の道路の整備ができない。どうにもならない。かつて、おたくの出先機関である横浜の施設局の久保さんのところにいろいろ陳情しているのだけれども、町の中のことは基地に関係ないのだから、おまえたちかってにやれという。基地があるから、通り抜けられないから、各所の道路が詰まってしまって直しようがない。市にものを言ったって直しようがない。 だとすると、四条でものをおやりになるとするならば、周辺整備法の四条というのは一部負担なんですよ。これは単なる一部負担では片づかぬものだらけなんです。あるいは、四条を厳密に解釈すれば、一部負担ですからできないのです。だから、やはり全額負担すべきものはしても、片をつけるものは片をつけなければなりませんよ。そうしますと、これはやはりいまの法律では不備があると思いますが、何しろ基地があること、管理、維持、そこから出てくる住民への被害というものは――この第四条というのは一部負担で補助をするということです。そうでしょう。だから、それだけをおっしゃったのでは、あなたのほうの回答文書に四条問題等に触れたノリ事故の問題なんかもありますけれども、四条ではまずい。だから、その点は、そこのところをもう一歩進んでお考えをいただかなければならぬということになる。 それからもう一つ、油送管が長く伸びておりますから、年じゅう油がどんどんどんどん流れて、どうもたいへんな被害をこうむっている、こういう実情にある。そうすると、やっぱり漁具をそこに持っている限りは、それにまつわるたくさんの問題が出てくる。これまたあたりまえです。かつて二回の事故に対してあなた方がやった見舞金なんというものは、地位協定でおやりになったのでしょう。御存じですか。前二回の事故について、油流出の事故について、こっちから海水を入れて、少なくなると油を上に上げておいて引っ張り出すわけですね。この問題について、あなたのほうは前に地位協定でおやりになったはずなんですね。そこらのところはあなたは御記憶ですか。
○鶴崎政府委員 小柴の水域で油が流れまして、ノリ資源等に被害を与えたという件につきましては、たしか地位協定の十八条の問題としまして米軍と交渉して解決をしたと思っております。
○大出委員 これは簡単に申し上げますけれども、支払い月日は三十七年四月二日なんですが、この事故の発生は三十四年なんですね。三十四年に起こった事故を三十七年になって片づけているのです。こんなに長くかかっちゃ困るのですよ。しかもやったのは事故見舞金、こういうことです。これは地位協定十八条に基づく管理の瑕疵という項に当たるのです。 それから次の事故、これは昭和三十八年十二月に起こった事故です。これは損害補償が行なわれてはおりますけれども、これは特損法に基づく損失補償だという記憶があるのですけれども、あとの事故のほうは何で補償しましたか。――いいです。時間がありませんからいいです。これは損失補償、特損法ならば適正阻害という条項でしょう。ずいぶんこれは手間がかかっている。だから、原因不明の火災だ、やれ何だと年じゅうあるわけですから、この辺は、私の言うことが、私の質問が紛争処理法にからんで飛び出さぬでもいいように、これは実例ですけれども、もう少しあなたのほうで御配慮してやっていただかないと困ると私は言っているのですよ。 それから、あと並びますから一括お答えいただければいいのですが、ここに持ち出すまでもありませんが、消火用の貯水タンクであるとか、消火施設というものは全くない。この町は施設整備ができないから、おかげさんで消防車も入れない。道が行き詰まりなんです。そうでしょう。そうすると、タンクの周辺、排気口の周辺で何か火災が起こったような場合、しかも一軒一軒の家々ではみなノリをやっているわけですから、乾燥用のオイルバーナーが全部入っている。そうでしょう。何か起こった場合に、消火の設備、装置というものは現状全くない。それは一体どうするのか。せめてそれくらいのものはつくって、消防小屋ぐらいこしらえて、あとでそれを集会所にしろということでやってくれても悪くないでしょう。そうでしょう。そういう問題。それからうしろの西武団地ができているわけでありますから、こっちのほうとの通路をこれまた考えて、何とかそちらのほうを一回りぐるり回らないで済むような形をおたくのほうで考えてくれなければ、これまた地域住民のたいへんな不便です。これは言えば切りがありませんが、等々の問題がたくさんあります。まだ七つ八つありますけれども、たくさんありますから、時間がありませんからこれだけにしておきますが、そこで地域の方々は二十何年いじめられてきているのだから接収解除をしてくれということで、切なる願いです。いまいきなりそうならないにしても、地下タンクがないところで、地下タンクの側に寄って長浜のほうから相当部分解除してもいい場所が現にある。これは共同調査してみればわかると思うのですが、あんなところまで接収しておかないでもいい。タンクのぎりぎりの近くまでやってもいい。畑をつくるならばかまわないじゃないか。おれの土地は返ってこないということで、そういうところを垣根の外からながめているわけですよ。そういうことをしておったのでは、場所が場所だけにやはり大きな問題が起こる。だから、まず接収解除という方法をとってもらいたいこと。そうしてその間、先ほどあげたことについての処理をどうさばいていただけるかということ。そうして最後に生活の問題なんですから、返せる土地は返すべきだということ。それまでの間、皆さんが将来にわたって――昨年十二月二十三日の合同委員会では、基地の五十カ所ばかりの解除をきめましたが、第二次ということも将来あり得る。だから、長浜のこの基地はあぶないからどけてもらいたい、あんなところに置いておいてもらいたくない、何かあった場合にこれは責任がとりょうがない、そう思います。それに、いろいろな手続もあり、時間もかかる。だから、その間、長年この基地のために苦労した住民の皆さんだから、たいへんな遠回りをいつもやって歩いているわけでありますから、せめていま私が申し上げたようなことはやっていただきたい。そこで、共同調査ということ、これをひとつ条件に地域の方とやっていただいて、問題の解決に当たっていただきたい。そうして、基地問題のこの種の紛争が、やれ苦情の処理をどうするかとかいうようなことまでいかないで片づいていくように、この問題は皆さんのほうで御配慮願いたい、こう考えるわけですが、その点いかがですか。
○鶴崎政府委員 全部返還してもらいたいという問題につきましては、先ほども申し上げましたように、米軍にとってこれは不可欠の施設であるということで、むずかしいと思います。しかしながら、それまでの間といいますか、地元から、道路、下水その他消防施設等についていろいろ御要望のあることは私どもも承知しております。そこで、こういった御要望について、先ほどから話に出ております周辺整備法によって前向きで検討するということについては私どもやぶさかではございません。ただ、御要望されたものがすべてこの法律によって処置できるかどうかということは、法律のたてまえもございますし、そこまでは申し上げかねますけれども、できるだけ地元の御要望には沿うように努力をしたい、こう思います。 それから一部返還の問題でございますが、ああいう施設で、何といってもきわめて危険なものを貯蔵しておる。そこである程度の保安用地といいますか、そういう施設は必要だと思います。お話しの場所も大体私見当がついておりますが、米側においてうんと言わなければできないことでございますので、まだ何ともはっきりと申し上げかねますが、これもできればひとつ米側の意向を打診しよう、こう思います。
○大出委員 ここは表地域水面にドイツマルク九十億マルクばかり借りて、横浜市が埋め立てをやろうという計画があるんですね。これは横浜市にとってみれば最後の埋め立てなんです。ですから、その埋め立てができることが、長年基地ばかりある横浜市の経済発展と相当結びつくというふうなことから考えられていることなんですが、それも皆さんのほうにいろいろ書類その他が出ております。外債を借りることについて大蔵省がお認めになったのです。これは何に使うんだ、埋め立てをやるんだからといってお認めをいただいたのです。ところが金のほうはお認めいただいたのですが、やりたい片一方の市のほうは、さっぱりそこのところは米軍との関係があって進まぬ。これまた困る。そこらのところは、一つの機関と機関との問題ですから、お進めいただかなければなりません。そういうことがあるということをひとつお含みいただきたいこと。そしていまお話しございましたように、ともかく実態調査をみんなでやってみるということ、これは私は一番必要だ。そして住民の意見をよく聞いてみるということ。その周辺の関連する方々の中で、何も直さぬほうがいい、道路も直さなければ下水も直さぬ、排気口も出っぱなし、何でもみんなおいておく、そうしたほうが住民の皆さんも、どうしてもどけてくれという気持ちになるだろうし、接収解除にはそれが必要なんだという主張もある。あるけれども、そんなことを言ったって、きょう、あしたのうちに事故が起こったらどこが責任を負うんだということになる。排気口があるんですから、異臭のガスが年じゅう出るんですから、ひとつ事故が起こって、一人でも二人でもの人にけがをさせた、死んだということになったときに、接収解除になるまで不満は累積して、ためておいたほうがいいのだということにはならない。だからそこらのことを私は言っておるわけですから、十分お含みいただきたい。このことを申し上げまして、防衛庁の紛争処理に関する問題は終わります。 あと三十分という連絡がいまありましたので、大体三十分でいいように話がおつきになったんだろうと思いますから、三十分だけ質問をして終わりたいと思いますけれども、防衛庁の皆さんたいへん御苦労さまでした。 あと通産省の公害関係の方に承りたいのですが、横浜、川崎に対する調査結果に基づく一つの行政指導の方向になるのですか、川崎、横浜地区産業公害総合調査に基づく改善指導について、四十四年二月十四日に通産省がお出しになっておりますね。この問題の意図は大ざっぱにいってどういうことですか。
○矢島政府委員 産業公害総合調査というのは、通産省としては非常に重点を置いている施策でございますが、公害というものは、公害が現実に発生してからこれをどうするというよりは、未然に防止する、あるいは現在相当公害があってもさらに悪化させない、改善の方向に向かっていくということを、三年先、五年先という長期的な見通しのもとにやっていこうという趣旨のことでございます。したがいまして、御指摘のものは、たとえば横浜、川崎につきまして三年先、五年先どういうふうに改善していくか、そういう指針としてやっているものでございます。ただ、これはまだ第一次的な暫定的なものでございまして、さらに第二次調査、第三次調査を重ねて、半年後くらいに最終的なものにまとめたい、かように考えております。
○大出委員 厚生省の方にお出かけいただきましたので、実はきょうは何時まででもやっていろということでしたからお出かけいただいたのですけれども、だいぶ時間が早くて済みそうでございますので、私のほうもたいへん助かるわけです。 そこでひとつ承りたいのは、公害基本法ができましたときにも私は坊厚生大臣に御質問したことがあるのですが、本来公害対策というのは予防なんですね。あっては困る。横浜、川崎地域でも、わけのわからぬ一部ぜんそく状況の方々がありますが、あっては困る。起こってしまってから騒いでも間に合わない。産業サイドにどうしても片寄りがちな通産省の立場がある。ところが医療救済というようことを含めた、つまり被害を受ける側に立とうとする厚生省の立場が旧来からある。これは排気ガスの問題をめぐって運輸省との関係で厚生省だいぶがんばっている。だいぶ悪口も運輸省に向かって厚生省はお言いになっている。それから基本法をつくるときにも、各種会議が詰まっていく場合、せっかくいい答申が出たというので厚生省は基本原案をつくって出した。ぶった切られる。産業サイドから意見と称する強硬な申し入れなどが出てくる。担当の方は、やっと帰ってきて自分のいすにどっかりとすわったとたん、せっかくここまで苦労したのにというのでため息が出る。新聞その他投書欄でやたらにたたかれる。非常に苦労されております。そこらの事情をずいぶんうがって私は質問したことがありますけれども、予防ということについて、いま御答弁の中で一番問題は予防だとおっしゃいましたが、将来展望を持つということになれば、まず予防から始めなければならぬわけですね。そこのところを基本法との関係でどういうふうにお考えでございますか。
○武藤(琦)政府委員 お尋ねして恐縮でございますけれども、予防と申しますのは、先生、川崎の問題でございましょうか、一般的な問題でございましょうか。
○大出委員 一般的……。
○武藤(琦)政府委員 先生おっしゃいましたように、予防の問題が一番大切でございます。したがいまして、公害対策基本法は抽象的な法律で役に立たぬのではないかというような悪口も言われましたけれども、この中で二つほど具体的な対策が講じてあるわけでございます。一つは環境基準という問題でございます。この環境基準をきめまして、この前亜硫酸ガスの環境基準もきまりましたけれども、毎年測定をしておりまして、これがこえるようなことがないように一つの基準をきめるという環境基準、これも一つの予防対策だと思います。それから第二は、公害防止計画というものは基本法でもきめられておりますが、これはやはり現在計画をしております地域はもちろん公害のひどい地域でございますので、むしろ事後対策になっておりますけれども、あるいはそれ以上公害をひどくしないということで公害防止計画もきめなければいけないと思っております。そのほか大気汚染防止法等では、大気汚染が将来起こるかもしれないという地域をあらかじめ指定いたしまして、その地域の規制を強化するという方策がとられております。
○大出委員 この横浜、川崎地域、横浜は根岸地区その他予防ということを含めてやっていける地域ですけれども、川崎の特に大師、鶴見の大黒町周辺は既設の地域でございますから、予防対策をとりたくても現にとりょうがない。だとすると、これはSO2の着地濃度あるいは重合着地濃度というものをどう薄めていくかということしかない。これはもちろん亜硫酸ガスについてのみものを言えばです。 そこでまず事務的にずっと聞いてまいりたいのは、一体皆さんがこの指導書をお書きになるにあたって、どのくらいの工場を調査されて、どのくらい厳密な資料と信ぜられるものをおとりになったかという点。
○矢島政府委員 このレポートに書いてございますように八十五工場でございます。この八十五工場というのは、業種別に言いますと、電気、ガス、鉄鋼及び関連産業、石油精製、石油化学、窯業、肥料その他ということでございまして、亜硫酸ガスを発生する主要な企業、主要な工場を全部網羅しまして、亜硫酸ガス発生量でいえば全体の九五%近くのものをカバーするわけでございます。 それから第二の御質問の、どの程度のデータかということでございますが、先ほど申し上げましたように、三年先、五年先の長期の工場の生産計画あるいは新増設がある場合には、新増設計画あるいはそれに伴う燃料計画もありますし、それから公害防止に関する施設の改善計画、たとえば高煙突あるいは集合煙突、そういう諸般の、およそ亜硫酸ガスの公害防止に必要な検討資料と思われるものを全部とってあります。
○大出委員 なぜ後段の点を聞いたかといいますと、あなた方のほうは資料をおとりになるにあたって、つまり神奈川県なり横浜市なりに協力をお求めになった。したがって、それ相当の協力は県にしても市にしても申し上げた。ところで、あなたのほうは調査された結果として一体どういうデータをお集めになったのか、コピーをいただきたいという横浜市等の申し出に対して、実は、それは差し上げられないというお話です。私どもながめてみていて、あの地域に、いまお口にされましたが、拡張計画があるとすると、またまた亜硫酸ガスその他が考えられる。拡張が行なわれるとするとこれ以上ということになる。そこらが非常に心配になる。 またもう一つ、端的に、時間がありませんから申し上げてしまいますけれども、将来に向かって三割規制をするとする。三割規制をするとした場合に、極端なことを言えば、いま皆さん方のほうに出す会社のデータが、先々の拡張計画その他を頭に入れて、三割切られても大体工場側としてはそう困らない程度のデータを出しておけば、あなた方はそのデーターに基づいて風洞実験その他を赤羽かどこかでおやりになるのでしょうけれども、おやりになって規制いたしましたと言ったんだけれども、実際にはデータが三割水増しされておったということになると、これは規制したことにはならぬ。さらに一歩突っ込んで言えば、この指導方針からいけば十年間でしょう。十年間かかったのじゃ、とてもじゃないが、たまったものじゃない。そうでしょう。そうだとすると、十年間、やっておりますというととを皆さん方は言い続けていたとする。しかし出ていったデータというものは水増しされておったということになると、十年の間気休めにそう言っておったというだけになって、着地濃度というものは減らないことになった。極端な言い方だけれども、コピーをお出しにならないのだから、そこまで心配せざるを得ないようなことになる。これは、大臣、どうしてもコピーは出せませんか。秘密にするならするでいいじゃないですか。
○矢島政府委員 ちょっと補足説明をさせていただきます。 ただいまいろいろ御指摘、御質問がありましたけれども、いまの話は、企業の出すのはなまのデータでありまして、もちろん新増設のようなものも含まれておりますから、それをもちろんうのみにするわけではないのです。厳重にチェックいたしまして、先ほど申し上げました電気、ガス、鉄鋼、石油精製、石油化学等につきましては、通産省では各種業法その他の要綱等によりまして十分将来計画というものをチェックしてございますから、そういうものは、かりに企業のほうで水増しいたしましても、これは全部チェックできます。そういう意味において、まず通産省のそういう各原局におきましていろいろやっている業法の運用その他の結果によりまして、それを極端にいえば査定し、切るということをやるわけでございます。そういうようなことでございますので、決してこのなまデータをうのみにするわけではない、そういうことがまず第一でございます。 そういう関係でございますから、この最初に出したなまのデータというものは、いわばあまり意味のないものでございまして、これは今後改善計画、あるいはアフターケアと申しますか、全く意味のないものでございまして、意味のあるのは、そういうなまのデータに対して今度は第一次の改善計画を指導していくわけですが、それだけではおそらく十分目的を達しないということで第二次、第三次というふうにいたすわけでございます。そうしていよいよ最終的に、半年くらいたちましたら最終的な計画ができるわけですから、その結果が一番大事でございます。これをこそ神奈川県にしましても横浜市にいたしましてもあるいは川崎市にいたしましても、十分見ていただきまして、これを地域の一番大事なものとしてアフターケアと申しますかチェックする、そういうことをやっていただきたいわけでございます。
○大出委員 そうすると、いま言われた一番大事なものというものは、いまからいつごろまでの間かかって、いつごろ出てくることになりますか。
○矢島政府委員 ただいまから六カ月後を予定しております。
○大出委員 そうすると、横浜市から実は私は資料をこんなに持っておるわけですよ。横浜市でいろいろ調べて、いまあなたのほうでお出しになっておる指導書に対比してみて一つ一つ確かめたいものが山のようにある。きのうも市の公害センターの所長がこっちに参りまして、議員会館の会議室で関係者皆さん集めて詳細に説明しておりますが、この資料だけでもたいへんなものがある。これを一つ一つ質問していけば事が済んでしまうのですが、あなたのお考えはわかりますけれども、私はもうそんな時間がありませんからものを簡単に言っておるのですけれども、そうするといまから半年なら半年、なまデータを集められて風洞実験をいろいろおやりになった。そこで一応とりあえずのあなた方がこれから先行政指導その他をやっていく基本がきまるというわけですか。そこのところ、何がどうきまるのですか。
○矢島政府委員 第一次の指導をやりまして、それでもって、会社がそれに従いましてこういうふうに直します、煙突はこういうふうにします、燃料はこうしますと出ると、それをまた風洞実験にかけるわけです。それがわれわれの期待するような満足すべき結果であればいいわけですが、われわれの従来の経験によりますれば、おそらくそれでもまだわれわれの目標とするところに足りない、さらに追っかけてここを直してくださいということで第二次になる、こういうふうな過程を経まして半年後に最終的なものが出る、こういうことになるわけでございます。
○大出委員 そうしますと、このなまデータというものをチェックするとあなたはおっしゃるが、どこでどうチェックしますか。
○矢島政府委員 先ほども申し上げましたように、こういう大部分の産業につきましては、通産省の各原局におきまして業法の運用あるいはその他の行政措置によりまして、数年後の将来計画というものは一応あるわけでございますが、そういうものにはまっておるかどうかという点がまず第一、そういうような生産計画的な観点からやります。 それから次に公害、大気汚染そのものの防止という措置から、会社の出しておる燃料計画ではたしていいかどうか、こういうのを主としてわれわれ公害の関係でやる、こういうようなことで、いわば通産省の各原局を含めて全体でやる、そういうことになるわけでございます。
○大出委員 大体時間がないようですから、また別な角度、別な機会にやりたいと思うのでありますけれども、最後に承っておきたいのは、この環境基準をおきめになった閣議決定がございますね。これが硫黄酸化物にかかわる環境基準の閣議決定というのと、皆さんのほうが発表した発表の時期の関係がちょっと引っかかる。環境基準を閣議でおきめになったのはいつで、皆さんの発表したこれが四十四年二月十四日でしょう。そうすると閣議決定のほうが二月の十二日ですか。
○矢島政府委員 そうです。
○大出委員 そうでしょう。どうもあまり手回しがよ過ぎるような感じがするのですね。環境基準についての閣議決定をやったのは二月十二日。ところが、そうしたら十四日に横浜、川崎地区についてのおたくのほうの「産業公害総合調査に基づく改善指導について」というのがぽんと出てくる。そこのところはどういう関係なのですか。
○矢島政府委員 二月十二日が閣議決定、二月十四日がこういうことで、非常に接近しておりますけれども、決して特別な関係はございません。こういう作業は相当長期間にわたっているわけでございまして、たまたまそのころにこの程度の第一次的なものがまとまった、こういうことでございます。ただ申し上げたいのは、環境基準の問題そのものは、相当長い間かけて審議してきたわけでございますから、その過程におきまして、閣議決定になるべき環境基準というものを一応これをつくる場合には頭に置いたわけでございますけれども、日にちが近いからといって、全然直接の関係はないわけでございます。
○大出委員 これでおしまいにいたしますが、横浜の場合は、昨年厚生大臣に私はこの席で質問したときもそうなのですが、たまたま電源開発の煙突の問題で、当時風船を上げたり、ずいぶんいろいろ実験をやっておったのですね。根岸の日石問題も、横浜市にすればずいぶんそのためにかってなことも言い、ずいぶん会社側に苦労してもらいまして、この問も成田委員長以下全部、私も参りましたが、根岸の日石も詳細に調査しました。脱硫装置なんかも、秒速三十メートルくらいでびゅうっと吹くぐらいに、冬の逆転層の相当低いときであっても突き抜けるようにできているわけですから、相当に金をかけている。右は道路で学校があるからということで、わざわざ緑地帯みたいなものをつくってくれたり、ずいぶんいろいろなことをしてくれた。だから数字を申し上げてもいいのですが、皆さん御存じだから申し上げませんけれども、横浜の場合は着地濃度というものはだんだん下げてきているわけですね、根岸地区を含めて。ところが、横浜の港北なんというのは川崎からどんどん流れてきている形になっているわけですね。だからそちらのほうがとにかく落ちてくれなければ、横浜で幾ら公害センターそのものに一億五、六千万円の金をかけて予定装置その他を全部やってみても意味をなさない。だからこれは非常に心配するわけです。しかもこれは御発表になるときに、最初は協力せいといって協力したはずです。しかし、聞いてみると、横浜市はこれがぽんと出てくるということを全く知らなかったというのです。それは皆さんが県を相手にされたということかもしれないが、知らないけれども一生懸命やっている。いままでは苦情は全部自治体に持ち込まれるわけですから、特に横浜の場合は特別市制ですから、引き受けるのはすべて横浜市が一手引き受けでしょう。さんざん苦労してやってきたところが、全く知らないうちにぽんとこれが出てくる。それでこの中身をながめて見ると、一番最後に表がついていますね。この間課長さんがお見えになって、この一番最後のページの表の第一図「改善目標濃度グループ」これは一体どう読むものですかと聞いてみたら、そうするとおたくのほうも目標を持っているわけですね。その説明はわからぬことはない。わからぬことはないが、 一番ポイントになるのは、なまデータなるものが全くつんぼさじきで、検討する機会が与えられないとなると、はたしてこのグループでいうところの、ここまでにしますよといっているところが、基礎になるデータは原局でチェックするとあなたはおっしゃるけれども、ここから先は私が皆さんに多少不信があって、どうも産業サイドの側に立たざるを得ぬというのが皆さんの立場になるという先入主があるかもしれぬけれども、どうも信用ならぬ、何となくそういう気がする。だとすると数字上はこうなるにしても、なまデータに狂いがあれば実際には現状の把握のしかたが違ってくる、そうでしょう。そうすると意味をなさぬことになるという心配まで実はするのです。 したがって、最後に一つ、これで終わりますけれども、半年先というのを一つの目安にしておっしゃっておりますけれども、この一番最後の表についていえば、閣議決定の基準があるが、おたくのほうは現状をどう把握して、どの辺までどうするということ、これを順序立てて言うと、まず半年先のやつが一つあって、なお三年先というのが一つありますね、それから十年先というのが一つありますが、この閣議決定の中身からすると、五年という中間のことも書いてありますね。そこらのところを含めて大体環境基準、これからいって現状、それからどのくらいに、そうして何年先にどうして何年先にどうするかというところ、そこのところを少しお話しいただきたい。それで終わります。
○矢島政府委員 先ほども申し上げましたように、この作業というのはだいぶ前からやっているわけでございます。具体的に申し上げますと、通産省の四十二年度における総合調査の一環としてやっているわけでございます。その際におきましては、閣議決定になりましたようなスケジュールというものは、すなわち中間年次は四十八年で、最終年次は五十三年というスケジュールは全然固まっていなかったものでございますから、一応四十七年という、閣議決定とはちょっと平仄の合わない形のものが出ているわけでございます。それでスタートしたものですから、ちょっといまから変えるわけにもまいらないということで、一応これは四十七年ということでやっております。そうして最終的な、半年後にできるというものも一応四十七年のものができるわけでございますが、しかし閣議決定が出ているということもありますものですから、さらに次の作業といたしまして、これは半年後のさらにあとのものとして、閣議決定ベースでさらに詰めてまいりたい、かように考えております。
○大出委員 せっかくここまでおやりになったことについて否定しているわけではない。皆さんも少しでも前に進めようというお気持ちがおありになる。またそうあってくれなければ困るわけですから、そのことを認めていないわけではない。ただ、横浜の場合にはずいぶん苦労して、もっと早く下げなければならぬというふうに思っておりますから、それをちょっとどうも横浜の基準よりもゆるやかなものを出されると、それじゃ市が何と言ったって、役所がきめたのだから、通産省がこう言っているのだからいいじゃないかということになると、せっかく横浜が苦労してやっていることが意味がなくなる。横浜で根岸の日石の問題なり電源開発問題なりありましたから、市民の皆さんも相当関心を高くしている。それで市も独自に予報を出すわけです。そうして、これは濃過ぎる、多過ぎるという場合には、どこでそういう記録が出たということを明らかにして連絡をする、そうするとその地域ですぐ落としてくれる、そういうところまでやっておりますから、だから相当程度が高い。それを国がこういう基準をおきめになったのでは、市のやっているのがどうも少し酷ではないのかという言い方にもなると、一生懸命たいへんな金を使って苦労をされた日石だって黙っていない、そういうことになる。日石という会社は大きいからあれだけのことができたのだと思いますけれども、もう御説明するまでもないほどに苦労して会社側ではやっておりますから、そこを心配したわけであります。どうかその辺の心配も十二分にお含みいただいて、なるべくひとつきびしく規制をしていただいて、これを一日も早く、川崎ぜんそくなどといわれるものにならぬように、現に川崎ぜんそくというものが流行でございますから、この御処置をいただきたい、こう思うわけであります。 終わります。
○藤田委員長 これにて大出俊君の質疑は終了いたしました。
○浜田委員 関連して。きわめて簡単にやりますから……。 大出委員の質問に関連しまして、この際でありますから大臣にお尋ねいたしますが、今回の設置法によって研修所をつくる、こうなっておる法案であります。しかし、その研修所で研修する場合、どういうところに主眼を置いて研修を行なっていくのか、そういう点について……。
○両角政府委員 今般の御審議をいただいております研修所におきましては、職員の研修につきまして管理者研修あるいは新採用者の研修等々、階層別に必要な研修を行ないたいということが目的でございますが、あわせまして語学研修とかあるいは実地研修とか、いろいろな総合研修をいたしたいと思います。しかしながら、これらの全研修を通じまして、基本的には、やはり公務員としての心がまえというものも十分考えました教科内容にいたしてまいりたいと考えております。
○浜田委員 設置法の内容を見ますと、最初御説明がなされましたように、語学とか技術の研修、それが主体となっているわけですね。まああとから公務員としての心がまえとかいろいろ御説明がされましたので私も若干疑義があるなと、こう感じておるわけですが、それに関連して、今日、公務員の汚職、ことに通産省の汚職、これが新聞等にもいろいろ報道されておりますが、どういうところに欠陥があってこういう汚職を起こしたのか、幾ら大臣が熱心に通産行政を行ない、その他の公務員の方たちが身を粉にして行政に取り組んでも、こういう不心得者が出ると、国民は行政に不信を抱き、政治に不信を抱くようになるのですよ。そういう点で、その後どういう掘り下げた探求をされて、原因をつかんでおられるのか。
○大平国務大臣 仰せのとおりでございまして、いまお調べをいただいております事件、究明してみますと、一つは当該公務員が一定の場所に不当に長く勤務しておったということ、それから第二点は、その特定の人にいわば権限が集中したということが考えられるわけでございます。仰せのように、役所全体の空気が非常に公明でなければならぬことは当然でございますけれども、あの事件だけをとってみますと、そういう点に欠陥があるという認識に立ちまして、人事の運用、それから問題の処理についての最終的な判断を固めてまいる手順につきまして改善を加えまして、再発を防がなければならないというようにいま相談をしておるところでございます。
○浜田委員 私は、ただいま申されたような原因もあると思うんだけれども、大臣は通産省に行かれてそう長い期間ではない。本来、根本的にはやはり個人のモラルの問題ですが、その役所を包んでおるムードといいますか、やはりそういうものから直していく。それを直すためには、そういうポストの人、あるいは最高スタッフの方たち、こういう人たちからまず姿勢を正さなければならぬ。むろんりっぱな方もたくさんおられると思うんだけれども、あやまちをおかさせないような、そういうムードをつくらなければならぬと思うのですが、そういう意味で、私はしばしば申し上げておるのです。特に今回の事件などは、現金をもらうのでなくして、料亭やバーに行って飲んで、そのツケを業者に払わしておるのですね。きわめて悪質ですよ。だからそういうことを、特に通産省は業者との接点が多いのですから、きちっと正さなくちゃいかぬと思うのです。また、この人だけでなくて、ほかの人も、悪意はなくても業者のほうから誘われていく人もある。こういう人はもう完全に自分のツケを回すのだから、ほんとうに悪いこときわまりないのですが、知らず知らずの間に一緒に飲みに行ったりして、それが慢性化して、あたりまえのようになる危険性があるのです。そういう点について、業者関係をどうするとかいうようなことは、具体的に職員あるいは局長から官房長から、どういうことでこういうことを再度起こしてはいかぬということをやってきているか、そういう点何か具体的にありますか。
○大平国務大臣 私が就任いたしましてまっ先にお願いいたしましたのはその点でございまして、役所全体が非常に明るく、万人が見て非常に公明であるというような雰囲気、こういう雰囲気の形成が一番大事だと思いまして、その点を特にお願いをしたわけでございます。 それから、仰せのように、私どもの役所は業者との接触ということが仕事なのでございます。業者との接触を忌避したのでは仕事になりません。しかし、節度をはずしますとえらいことになるわけでございます。その限界をどう見きわめるかということは、御指摘のように各公務員一人一人のモラルの問題でございます。その節度を具体的にどうするかということを私のところできめて、みんなに順守させるのが賢明なのか、そういうぎごちないことでなくて、おのずからにして品位と節度が守られる雰囲気をつくり上げ、相互にそういった限界を守っていくという、お互いの気持ちが具現するような状況をつくるということがいいのか、それは非常に問題だと思うのでございまして、私は、むしろこまかい規定を設けて、それの順守を求めるというような方法によるよりは、役所全体の雰囲気を非常に明るいものにして、相互がちゃんとした節度と品位を保持しようという、お互いの気持ちが以心伝心、お互いの間に、そして相手業者にも伝わるような雰囲気の形成を、幹部や管理者がよほど注意をしてもらって配慮いたしますことのほうが、実効があがるのではなかろうかと思います。それで、不幸な事件を起こしましてたいへん申しわけないのでございますけれども、私は、ただいまの通産省の各局をずっと見ておりまして、みなが与えられた処遇のもとで大いに一生懸命に仕事に従事しておりますことに対して、それなりに評価をし、感謝しておるのでございまして、あの事件が起きましたことは、各省員の一人一人に相当大きな衝撃として映っておると思うのでございます。ただ、人事の運用等につきましては、先ほど申し上げましたようなくふうが一つの慣行として大事じゃないか、そういう配慮は早急に中央地方を通じて考えなければならぬと考えております。
○浜田委員 るる述べられましたが、確かにそれはいま大臣が申されるように、明るい環境の中でおのおの一人一人が自覚してやっていけば、こういう事件は起きないわけですよ。しかしやはり起きておる。さらに厚生省にもたくさん起きておる。そうすると、幾らまじめな諸君がやってきておっても、国民の見る目というものは、これはたまらぬということになってくるんです。だから、非常に残念であり、そういう神様的な行き方はいいけれども、何かぴしっとしたものが必要になってくるわけです。われわれ政治家は、公の金でする宴会なんかやっては絶対にいかぬということで、私は地方議員から十何年間ずっと貫いてきておる。だから、大臣が招待しても私は行かぬ。ところが今度は役人のほうにも、そういう業者とは料亭やらキャバレーなどに絶対に行かせぬようにぴしっとしなければならぬ。それには上のほうから姿勢をたださなければいかぬ。そういうことをぴしっとやらぬと、綱紀粛正とここで言っておってもだめです。これは態度で示さなければならぬ。上が実行して示すのです。そういうことをぴしっと何かやられますか、やっておられますかということを聞いているのですよ。時間がありませんから、この点は強く要求して終わります。
○藤田委員長 鈴切康雄君。
○鈴切委員 二日の午後、北海道の赤平市茂尻の雄別炭鉱茂尻鉱でガス爆発がありました。大きな事故であると報道されております。犠牲者が出るたびに、炭鉱の爆発といえばまたかと、そのように痛ましい思いがするわけでありますが、またそういうことが二度とあってはならないという観点から御質問をいたします。 まず、その事故の概要についてお伺いいたします。 〔委員長退席、伊能委員長代理着席〕
○大平国務大臣 今朝、本委員会において御報告申し上げたのでございますが、四月二日の午後一時二十分、雄別炭鉱の茂尻鉱業所におきましてガス爆発災害が発生いたしまして、作業中の労働者四十四名が罹災いたしました。現地では、直ちに救護班を中心に救出作業に全力をあげましたが、罹災者中二十六名が救出されたのみで、残りの十八名全員が不幸にして死亡された。二日の午後九時十分までに遺体の救出を完了いたしたのでございます。なお、罹災された方のうちには、一酸化炭素による影響を身体に受けておられるおそれがありますので、一酸化炭素中毒の検診を実行いたしております。現地では、鉱山保安監督局長外十四名の監督官が急行いたしまして、原因の究明に当たっておりますが、きのうの夕刻、本省から鉱山保安局長を差し向け、さらに本日午前中に政務次官を派遣いたしました。明朝関係者を集めまして、災害対策連絡会議を開きまして、罹災者の救護、遺族に対する補償を中心として対策を練っていただくことにいたしております。もっともこの茂尻炭鉱は、ちょうど第四次の石炭政策の遂行にあたりまして、継続すべきか、閉山すべきかという問題がもともとあったわけでございますが、会社側ではこれを存続したいということを中心にいたしまして、労使の間に協議が進められておった矢先でございます。ちょうどそういう段階におきまして、こういう大災害が起きたわけでございますので、関係者はもとよりでございますが、周辺の市民の間におきましても、非常に一般的な不安が高まっておることと想像するのでございます。したがってわれわれの対策といたしましては、災害の救護、遺族に対する補償等の措置に周到でなければならぬことは、もとよりでございますけれども、原因の究明とあわせて、この炭鉱の再建につきまして、諸条件を十分吟味いたしまして、再建の条件整備につきまして相当突っ込んだ配慮をしないといけないと存じまして、今朝現地におもむきました藤尾政務次官には、そのような趣旨で御調査をお願いしておいたわけでございます。
○鈴切委員 炭鉱の中にはガスの事故を起こしやすい山があると通産省でも言っておったようでありますけれども、この茂尻鉱では昭和二十五年、二十六年に相次いでガス、炭じん爆発を起こしたのに引き続いて、三十年十一月一日には六十人が死亡する爆発事故を起こしているわけであります。しかしそれ以後大事故はなくて、最近開かれた通産省の鉱山保安監督局長会議でも、特別な問題点の指摘がなかったと言っておりますけれども、通産省の保安対策がはたして万全であったかどうか、その点についてお伺いします。
○高木説明員 ただいま先生から御指摘がございましたように、昭和三十年十一月に六十名の死亡者を出しているガス爆発がございます。しかしその後、本鉱におきましては、ガス爆発は全然起きておりませんで、三十九年から四十三年までは、年間二名ないし五名というような小人数の罹災者を出した程度でございまして、本年一月、二月におきましては、全然この山では災害が発生しておりません。当時、御指摘のように二十五年、二十六年、三十年という三回にわたりまして大きなガス爆発がございましたので、本鉱におきましては、ガスマスクの実施ということを中心に、そのほかガス爆発の防止対策及び粉じん爆発の防止対策としまして、散水設備あるいは岩粉設備というものを十分やってきたところでございます。しかし不幸にしまして、昨日御承知のような災害を起こしたという結果になっておるのでございますけれども、その間、保安監督局といたしましても、地方の監督局あるいは監督署を通じまして、大体一カ月に一回というような巡回検査というものも実施しております。それとあわせまして、山のほうも十分保安のほうに力を入れているものというふうに感じられているわけでございます。
○鈴切委員 今回の大事故の発生に伴いまして、公明党といたしましても、直ちに現地に調査団を派遣いたしまして、現在調査にあたっております。そこで赤平署、滝川鉱山保安監督署などで、この爆発原因を調べておられるようでありますけれども、発火原因としては、第一にダイナマイトあるいは電気系統のショートあるいは自然発火、タバコの火、大体この四点が考えられるわけでありますが、茂尻鉱の採炭現場は、急傾斜のためカッターなどの電動機を使わず、ダイナマイトによる採炭をされている。そうなると、ダイナマイト、ハッパによるところの爆発ではないか、かように思われます。その場合、空気中に五ないし一五%のメタンガスが含まれると爆発しやすい状態なので、同鉱業所では三十年十一月の事故以来、坑内のガスは一%以下に押えるよう指導し、ダイナマイトをしかける前には必ず坑内員が測定器でガスの量をはかるようになっているというが、その場合の責任は、はたして会社にあるのか、それとも政府の保安監督上の問題であるのか、その点についてお伺いします。
○高木説明員 最初の火源の問題でございますけれども、ガス爆発が起きましたのは事実でございます。これの火源といたしましては、考えられるのがいま先生の御指摘のように四点ございます。一つはハッパによる火源、あるいはもう一つは、ここに一・五ボルトの信号線が入っております。それが何かの調子によりまして断線をしたとかいうことでのスパークということも考えられます。もう一つは、先ほどお話がございました、たばこということも考えられるのでございますけれども、きょう昼に入りました現地からの報告では、現在まだ原因究明ははっきりとはできておりませんけれども、場所その他から想定いたしまして、ハッパによるものではなかろうかというような推定はできるという段階まできております。また、ハッパの前のガスの量に対する測定でございますけれども、これは石炭鉱山保安規則によりまして、ハッパ前に必ず測定しなくてはならぬという項目が出ております。これは坑内で従事しております坑内保安係員というものが教育を受けて、いわゆる国で資格をあてがっておる人間でございますけれども、ハッパの前に測定するという義務づけがあてがわれておりますので、たまたまここでは災害が発生いたしましたけれども、事前に測定はいたしていたものと鉱山保安局のほうでは考えております。まだ本人からの供述その他をとっておりませんのではっきりわかりませんけれども、一応測定はされたものというふうに考えております。
○鈴切委員 いま私が申し上げましたのは、その責任の所在はどちらにあるのか、会社にあるのか、それとも政府の保安監督上の問題なのかということです。この問題は、実はきょう北海道の調査団のほうから電話がありまして、炭鉱の一番底辺にある炭坑だ、しかも非常にガスの起こりやすいという状態の炭坑ではあるにしても、ガスというものは急激にどっと出るようなことはまず考えられない、そうすれば長い間かなりそのガスがたまった状態を測定をせずして仕事が行なわれたとか、そういうことが一つは大きな原因ではないかということも、実は私どものほうに通知がまいっております。そういう点を考えたときに、それは会社に責任があるのか、また政府の保安監督上の問題なのか、その点についてお伺いします。
○高木説明員 責任の問題でございますけれども、これは保安規則によりまして、明らかに鉱業権者のほうの義務ということで、鉱業権者のほうで係員の任命ということもやっておりますし、責任上どちらかということになりますと、会社側の責任ということになっていくのじゃなかろうかと思います。なお、保安法のたてまえが自主保安というたてまえをとっておりますので、その点からいきましても、あくまでも会社側の責任というふうに考えられるのじゃないかと思うのであります。
○鈴切委員 この炭坑は非常にガスが出るということについては、あなたのほうでもすでに要注意の場所であったわけであります。それがこういうようなことがさらに行なわれ、またそういう爆発があったということ自体は、考えてみますと、ただ単に会社だけにその責任を押しつけるというのではなくて、やはりその上級官庁におけるところの監督の不行き届きもあるのではないか、そういう点も含めてひとつ調査をやってもらいたい。 それからなお、犠牲者の家族に対して、会社側のほうの補償は当然のことでありますけれども、御存じのとおりこの会社は分離をしなければならないという非常に窮迫した会社であります。年間六十一万トンくらい出れば黒字になるわけですが、御存じのとおり五十万トン程度しか出ないという状態の会社であってみれば、十分な家族補償というものに対しては、やはり政府のほうとしてもある程度めんどうを見なければならぬのではないかと思いますが、その点について大臣はどういうふうにお考えになっていますか。
○大平国務大臣 当然法律上の責任として、とりあえず災害補償をしなければいかぬわけでございます。もともとこの山は、操業中金融機関からの金融を受けるにつきましても御相談に乗りましていろいろ配慮してきつつあったわけであります。その上に今度こういう災害を受けて不時の出費がかさむわけでございますから、これは仰せのように会社の経理上では十分な弾力があるわけではないと思います。したがって、私どものほうでどういったことがどの程度できるか、あるいは金融機関にどういう協力をどういう姿で求めなければならぬか、そういった点はいま鉱山石炭局に命じまして急いで検討させておるところでございますが、いずれにいたしましても、冒頭に申し上げましたように相当政府は心配しないといけないと思っております。
○鈴切委員 このような炭鉱の事故対策として、政府は今後抜本対策を立てる必要があるのではないかと思いますが、その抜本対策をどのようにお立てになるのか、また、石炭業界というものは御存じのとおり非常に斜陽産業という状態になっておるわけであります。そういう点について、非常に経営等も苦しい状態、さらに防災対策というものは非常に会社側も困窮状態の中においてたいへんではないかと思いますが、その点もあわせてひとつ大臣からお伺いをいたします。
○大平国務大臣 そういう点は仰せのとおりでございまして、かねて中央鉱山保安協議会というものに諮問をいたしまして、鉱山保安について専門家をわずらわして長きにわたって御審議をいただいておったのでございますが、旧臘末御答申をちょうだいいたしました。それで今度の石炭対策にはそれを尊重いたしまして、政策に具体化いたしたわけでございます。したがって、予算をごらんいただいてもおわかりになりますように、保安対策費はほとんど倍に近く増額いたしておるわけでございまして、私どもとしては、こういう政策の線に沿って忠実に実行してまいるようにいたしたいと思っております。
○鈴切委員 次に、大型合併についてはいろいろ論議がかもされておりますが、八幡、富士の合併問題について少々お伺いいたします。 まず第一に、鉄鋼製品の価格動向と生産集中度の問題でありますが、鉄鋼製品の実際販売価格の推移によりますと、昭和三十三年の下期から四十二年の下期までの約十年間において、ほとんど価格の固定しているものはレールと鋼矢板、それから一〇%程度低下をしているものは鋳物銑と普通線材、電気鋼板、ブリキ、一三%から一八%程度低下しておるのが、最高最低の幅の大きいものは、大型形鋼、造船用厚板、冷延薄板で、これらの製品の八幡、富士両社による生産シェアは、四十三年でレールは一〇〇%、重軌条が八五・八%、鋼矢板九八%、鋳物銑が五三・六%、普通線材が三九・四%、ブリキが五九・一%、大型形鋼が五七・六%、厚板が三三・四%、冷延薄板が四〇・二%、この事実を総合してみますと、生産集中度の高い製品ほど価格の下方硬直性が強い、こういう状態になっております。通産大臣はこの事実をどう認識されているかお伺いをいたします。
○大平国務大臣 いま申されたことはシェアの高いもの、寡占度の高いものが価格の下降傾向が弱い、そういう傾向が見られるじゃないかという御指摘でございます。それでわが国の産業全体でございますけれども、よその国に比べまして非常に競争が激しいと申しますか、競争力が旺盛であるというように見ておるわけでございまして、いま御指摘のように、過去ずっと基礎資材である鋼材類は低位に安定してきたのは、そういうわが国の鉄鋼業の供給構造にあったと思っておるわけでございます。 また第二の点といたしまして、寡占傾向、寡占化すれば管理価格的な傾向を生みやすいということは一般に言われておりますけれども、 〔伊能委員長代理退席、委員長着席〕 わが国の実際の場合におきましては、寡占化したものほど比較的に値段が上がらずに、競争の激しい分野でかえって価格が上がっておるというようなことがわれわれの調査で見られるわけでございまして、したがって、私はただ寡占理論、管理価格制度というようなものは経済学的に非常にゆるぎのない学説的な定説になっておるというようなことまで行っていないばかりか、わが国における経済の実際におきましては、必ずしもそのように働いていないというようなことも考えておるのでございます。ただ、しかし、いま具体的に鋼材の各品目につきまして非常に突っ込んだ御質疑がございまして、そういった点につきましては政府委員のほうから答えさせます。
○吉光政府委員 一般的に申しまして、まず鉄鋼業のトン当たりの価格でございますけれども、先ほど御指摘ございましたように、昭和三十五年度――これは全部ひっくるめてでございますが、昭和三十五年度の平均の販売価格は五万一千七百五十七円であったわけでございます。それが、昭和四十年度を申し上げますと、昭和四十年度で四万四千三百十一円、そして四十三年の、昨年の上期四万一千三百二十七円でございまして、/たがいまして、ちょうど三十五年度に比べまして四十三年の上期全体での平均は七九。八%、約二割全体としては低下をしておるわけでございます。ただ、いま御指摘ございましたレールにつきまして価格がわりあい硬直的である、これはまさに御指摘のとおりでございまして、この面につきましては、実はレール自身の需要の伸びというふうなものがそう大きくなかった、これは一〇〇%集中しておるから価格が下がらなかったのか、あるいはまた需要の伸びがあまり大きくなく、しかもまたその購買層が国鉄という非常に大きな購買層であるというふうな、そういう市場条件全体にもそこいらの価格が下がらなかった原因があるのではないかというふうにも考えられるわけでございまして、したがいまして、寡占度そのものだけから価格が硬直しておるというふうには必ずしも言い切れないものがあるのではないであろうか、このように考えるわけでございます。
○鈴切委員 本年の一月、公取から独禁法懇話会に出されました資料、生産集中と価格変動によりますと、三社累積集中度と価格変動頻度との関連では、三社すなわち富士、八幡、鋼管の累積集中度のきわめて高い業種については、変動頻度の低いものがきわめて多いという密接な関連が見られると言っておられます。重軌条、珪素鋼板は三社累積集中九〇%から九九%、変動頻度はゼロであります。ブリキは七九%から七〇%、これも変動頻度ゼロ、大型形鋼は六〇から六九%、これは変動は三〇から三九%であり、薄板は三社累積集中度が五〇から五九%であります。三社の累積集中度と価格変動幅との関連では相関性は全般的に明瞭さを欠くが、集中度の高い業種は比較的変動幅の少ないものが多いと言っております。重軌条、珪素鋼板は変動幅ゼロ、ブリキと同じくゼロ、厚板、薄板もわずかであります。高度寡占型、これには重軌条、珪素鋼板が入ります。なお、広幅帯鋼も入っております。これはほぼ一貫して下落傾向にあるが、ゆるやかで、景気変動に対しては硬直である。重軌条と珪素鋼板のほうが傾向が顕著である。資料によりますと、寡占型の――例のあなたの出された資料ですね。寡占型一には、これはブリキ、中型形鋼が入っております。寡占型の第二には、これは線材、大型形鋼が入っております。これらは高度寡占型に次いで硬直的である。その他動態類型に分類して価格との関連を出しております。これらの資料によりましても、生産集中度と価格の関連は明らかになっておるわけでありますが、八幡、富士の合併は、こうした傾向をさらに明確にする結果をもたらすものと考えられるけれども、その点について通産大臣と公取委員長の所見をお伺いいたします。
○吉光政府委員 大臣お答えになります前に、ちょっといまの資料の問題につきまして御説明さしていただきたいのでございます。実はその数字、私ども拝見いたしまして、公正取引委員会にお問い合わせいたしましたところ、実際の価格、いわゆる実際に取引されている価格の集計ではなくて、建て値というのがございまして、会社のほうでその値段の売り出し価格と申しますか、実際に実勢価格はそれより下がっておるものもだいぶあるわけでございます。建て値に非常に近いところで実際に取引されている商品と、それから実際の価格が実はそれよりだいぶ下がっておりますような商品もあるわけでございまして、たとえばブリキ等について申しましても、三十三年度の上期を一〇〇といたしますと、四十二年には八一・二、もちろんこの間に相当の上がり下がりがあるわけでございますが、そういうふうに実際価格、実際の販売価格での集計ではないということをお伺いいたしたわけでございます。したがいまして、私どもその数字のままですぐに寡占度との関係が判断できるというふうに実は考えていないわけでございます。
○鈴切委員 それでは公取委員のほうにお聞きいたしますが、いまそういうふうに通産省のほうから言われたわけですが、おたくのほうから出されている資料というのは、こういう資料です。その点についてあなたのほうでは、要するにその資料がいま言われたような状態で、数字が違っているかどうかについてお伺いいたします。
○柿沼政府委員 一般論として申しますと、その資料に出ておりますように、産業の構成が寡占化いたしますと価格の変動幅が小さくなる、それから変動頻度が少なくなるというような一つの傾向は、その資料から看取できるとおりであろうかと思われます。ただその程度は、ほかの要因と一緒になりましてどの程度にあらわれるものであるかということについては、それぞれ個々の場合を判断しなければなりませんし、それから精密にと申しますと、ただいま重工業局長から御指摘がございましたように、実際の建て値以外にいろいろな価格の要因を勘案する必要があろうかと思われます。 それから次に、八幡、富士の合併がただいま御指摘の資料にどれだけの変化を加えるかという御質問でございますけれども、これは一つの集中要因が加わるわけでございますけれども、そのことが具体的な価格なり価格変動頻度なりにどれだけ影響するかということは、いま直ちには申し上げにくいことではないかというふうに考えております。
○鈴切委員 八幡と富士の合併による新日本製鉄の総合的事業能力とプライスリーダー――かりに合併が承認されますと、新日本製鉄は業界第一位、二位の合併として、第二位以下の事業者に対し優越した総合的事業能力を有することになります。合併発表に対して同業他社が賛成の意を表している点、鉄鋼価格の安定が業界の最大の課題であること等を総合的に考えると、新日本製鉄をプライスリーダーとする暗黙の了解による価格の合意安定の状態になることはむしろ常識とされております。もちろんこれだけ世論の批判のある以上、合併によって直ちにそのような状態にはならないと思いますけれども、早晩競争制限の状態に立ち至ると考えることが経済的な常識であります。この点は近代経済学者グループの指摘するところでもありますが、通産大臣の見解はいかがでございますか。
○大平国務大臣 これは非常に具体的なケースでございまして、八幡、富士の合併問題というのは、もういまや正式な届け出が出まして、公取委員会のほうで審査が始まっておるわけでございまして、私どもはその公正な結論を待っているわけでございます。非常に具体的な御質問だけに、私がとやかく申し上げるのは御遠慮いたしたいと思います。
○鈴切委員 独禁法第十五条と事業能力の格差、すなわち昭和二十八年の独禁法改正前は、不当なる事業能力の格差が生ずることとなる場合は十五条に違反することとされたが、現行独禁法十五条の解釈においても、この点は十分なウエートを持つ判断の基準と考えるべきものではないかと思います。この場合、「不当な」というのは、第一条にいう事業能力の過度の集中と考えるべきであろうし、競争の実質的制限の解釈の中で十分考慮さるべきであろうと思います。管理価格、プライスリーダー、暗黙の了解等の諸点をあわせ考えると、正式審査の段階においては十五条の解釈、適用については十分この点を重視すべきではないかと思うが、公取の所見をお伺いいたします。
○柿沼政府委員 独禁法の第十五条は、一定の取引分野の競争を実質的に制限することとなるような合併についてこれを禁止しておる規定でございますけれども、何をもって競争の実質的制限となるかということにつきましては、各種の要件を勘案して判定しなければならない問題であろうかと思われます。その場合に、以前の法律におきましては企業間の格差という問題が一つの要件として掲げられておりました。私ども具体的に企業間の競争状態を判断する場合に、企業の間に格差があるということはやはり一つの要件として見るべき問題であろうというふうに考えておるわけでございます。本件の合併につきましても、十五条の適用につきまして慎重に委員会として検討いたしておるというのが現段階でございます。
○鈴切委員 三月十九日に八幡、富士両社は正式に届け出を提出しました。合併制限は原則として三十日、延長の場合は、会社の同意を要するが、それは何日とされるか。六月一日の両社の合併実現の意向を考慮しているのかどうか、その点についてお伺いします。
○柿沼政府委員 公正取引委員会といたしましては、先月の二十日に正式の届け出書を受理いたしたわけでございますけれども、その際、審査期間を会社側との話し合いによりまして五十一日間というふうに決定いたしました。本件合併の話が出ましたのは昨年の四月でございまして、その当時から一応六月一日を会社側が目標にしておることは私ども承知しております。ただ公正取引委員会として審査を進めます場合には一応そういうことを念頭には置きますけれども、公取の独自の立場において審査日程を定めまして、審査を進めておるということでございます。
○鈴切委員 公聴会については、これほどの大問題である以上は当然大々的に開かれる、そのように思うわけですけれども、どのような規模、そうしてまた構想を持っておられるか。出席の範囲をどのように考えられているか、それについてお伺いします。
○柿沼政府委員 公聴会は、今回の合併については開く方針を決定いたしまして、現在その準備を進めておるわけでございますけれども、現在までにはっきりいたしておりますことは、十日と十一日の二日間にわたって公聴会を開き、おおよその規模といたしましては三十数人程度の方から意見を聞くということで、現在希望者の申し出を受け付けているところでございます。
○鈴切委員 その出席の範囲について、たとえていうならば近代経済学者のグループ、マルクス経済学者のグループあるいは消費者、その中には需要業界、一般消費者、競争事業者の範囲が考えられるのでありますが、その点について、その規模はどのようにお考えになっておるか、具体的に。
○柿沼政府委員 希望者の申し出が一応出そろいましたところで、委員会でその大体のバランスを考えて決定いたすことになりますが、本日までの申し出の状況を見てみますと、ただいま御指摘のございました近代経済学者のグループ、それからマルクス経済学者のグループ、消費者団体等からの申し出等もございます。それからなお、今回の合併が広範な需要者を持った素材関係の会社でございますので、需要業界が非常に広範にわたっておりまして、そういった業界からの申し出もございます。
○鈴切委員 いままでは任意調査しかしておられないわけです。したがって事前調査の中で、要求した資料の中で拒否したものもあります。強制調査をやるつもりがあるかどうか、その点について伺いたい。
○柿沼政府委員 正式の届け出がございましたあと、委員会といたしましては正式審査の手続をとることを決定いたしまして、成規の手続による調査にただいま入っております。
○鈴切委員 事前審査の結果では、三品目については黒、一品目については灰色、その他の品目については届け出後十分審査するということであります。今後は、これは全品目について強制調査を行ない、審査に遺憾なきを期すべきであると思うが、その点について。
○柿沼政府委員 委員会といたしましては、両社の合併全般につきまして正式審査をいたすことにいたしております。
○鈴切委員 近代経済学者グループの措置要求に対して、具体的にどういう対策をお示しになるか、またマルクス経済学者の措置要求に対しては、具体的にどのような対策を講じていかれようとするのか、その点についてお伺いいたします。
○柿沼政府委員 ただいま御指摘の両者からの措置要求は、独占禁止法の四十五条の一項に基づきまして「何人も、この法律の規定に違反する事実があると思料するときは、公正取引委員会に対し、その事実を報告し、適当な措置をとるべきことを求めることができる。」ということになっておるわけでございます。こうした措置要求がございましたときには、同条の第二項によりまして「前項に規定する報告があったときは、公正取引委員会は、事件について必要な調査をしなければならない。」ということで、正式審査にあわせて、申し出があった事項の調査を現在いたしております。その結果につきましては、おそらく申し出のあった人に適当な回答をいたすことになるというふうに考えております。
○鈴切委員 合併届け出が十五条に違反する行為があると認める場合には「適当な措置をとるべきことを勧告することができる。」となっているけれども、この場合の適当な措置、勧告とはいかなる内容のものであるか。当然合併してはならない旨の勧告があるものと考えられるが、その点はどうか。もし対応策的な措置を勧告し得ると解するとするならば、公取の権限を越えたものといわざるを得ず、問題だと思うのですが、その点について。
○柿沼政府委員 勧告の内容についてでございますが、どういう形でできるかという内容につきましては、現在必ずしも解釈上一つの勧告でなければいけないというようなことにはなっておらないように存ずるわけでございます。具体的に申しますと、合併が独禁法に違反をいたします場合に、第十七条の二という規定がございまして、そこに「違反する行為を排除するために必要な措置を命ずることができる。」というような条項がございまして、具体的な特定措置を会社に命じ得るようなふうにもできておるわけでございます。あるいは包括的に考えますと、合併そのものをしてはならないというふうにもこの勧告はとれるわけでございますけれども、その辺は審査が進みまして、具体的にもしそういう事態になりました場合に、委員会としてその措置を選ぶことになるというふうに考えております。
○鈴切委員 では最後に。 いわゆる対応策は、一度公取から不十分といわれたものとほとんど大差のない内容と考えざるを得ないわけでありますけれども、したがって、当然違反の疑いのあるものであり、問題の重要性かつ国民経済に及ぼす影響の大きさからいって審判手続を開始すべきである、私はかように思うのです。この点について最後にお伺いし、さらにこの問題は重要な問題であるから慎重にやるべきだ、このように要望いたします。
○柿沼政府委員 対応策は、一度委員会として不十分だという回答を会社にいたしたわけでございますけれども、正式届け出と一緒に提出のございました対応策は・前回の対応策を相当手直しした対応策となっておるわけでございます。ただこれが十分か十分でないかということは、ただいま御質問のございましたように、十分慎重に検討すべき問題であるわけでございまして、正式審査の一環といたしまして、委員会として検討いたしておる次第でございます。
○鈴切委員 以上で終わります。
○藤田委員長 麻生良方君。
○麻生委員 本委員会の理事の受田さんが病欠しておりますので、かわりましてちょっと御質問いたします。 これは大臣、今度研修機関を設置されるわけですけれども、ここで何を教えるのですか。
○大平国務大臣 現に勤務しておる者の再教育、それから新規に採用する者の教育、さらには府県等で私どもに関係いたしておりますガス取締法その他関連した技術の教授等をやるわけでございますが、通産省関係の公務員といたしまして、その資質の向上をはかるために、各段階に応じましていろいろの科目を組み合わせまして成果をあげたいと思っております。
○麻生委員 今度こういう機関を特に設置されるということ、しかも予算を伴ってつくられるので、やはりいままでのあり方の中で欠陥がある、その欠陥をさらに補うためにこういう研修機関を打ち立てるということになるわけです。そうすると、いままでの状態の中ではどういうところに欠陥があったのですか、なお足らざるところがあったのですか。
○両角政府委員 ただいま大臣から申し上げましたように、従来とも当省におきましては、新入所者の研修でございますとか、あるいは語学研修でございますとか、いろいろ行なってまいりましたが、時代の要請にこたえまして、より幅広く、かつより深く研修を実施することが必要である、かような見地から新しい研修所を設置したい、こういう趣旨でございます。
○麻生委員 それは、より幅広く、より深くというのはわかりますが、これは建物を建てるのでしょう。いままで建物はなかったのでしょう。要するに建物を建てたいということですか。
○両角政府委員 施設につきましては、本年の三月にすでに完成をいたしておりまして、この研修所の設置をお願いいたしまして建てるわけではございません。
○麻生委員 それはそう言ったって、そのつもりで建てたのでしょう。そうすると、いままでやってきた研修の内容と、その建物を利用することによってやる研修の内容とは、具体的にどう違ってくるのですか。
○両角政府委員 一つの差異は、合宿制をとらせていただくということでございます。それによりまして研修時間の延長、研修人員の増強ということをはかってまいりたいと思います。
○麻生委員 それは合宿させるということはあれでしょうが、研修内容ですよ私の言うのは。
○両角政府委員 内容の点につきましては、従来の語学、あるいは技術研修等を、より時間をかけて行なうことが可能になりますけれども、新たに、いままでと異なりまして、都道府県の火薬類の取り締まり、あるいは高圧ガスの取り締まりということを、府県職員を対象といたしまして、必要な研修が行なわれるようになるという点でございます。
○麻生委員 一つはそういう技術的なものも含むのでしょうけれども、ここに「高度の識見を養うために」と書いてございます。「職員の能力再開発と資質の向上をはかり、」とあるけれども、いま、全般の役所で言えますけれども、特に通産省内部で最も資質が足りないと判断されるのは、大臣、どういうことですか。
○大平国務大臣 いまは私をはじめ全省、力の足りないことを憂えておるのです。というのは、産業界全体がいま空前の変革期にございます。国の内外が上を下への大きな変革期にありますことは御案内のとおりでありますし、革新技術が日を追って実地に移されておる段階でございまして、いままでの経験、いままでの手法でこなし得る行政ではとても時代に合わなくなっておると思うのでございまして、私どもといたしましては、新しい観点からカリキュラムを考えまして、時代に即応いたしました通産公務員としての資質を備えさせることが国民に対する責任であろう、こう考えます。
○麻生委員 答弁なかなかばく然としておるのですが、通産省の役人の方々はかなり新しい時代の産業の内部には通暁されておる、よく知っておられる。知り過ぎているからいろいろなことが起こります。知り過ぎているためにいろいろなことが起こるのですよ。あまり知り過ぎているのじゃないですか。今度通産省は、一つのポストには三年以上職員を置かないというようなことを考えておるようですが、やはり私は大臣に考えてもらいたいのは、研修をするという以上は、技術的研修もありますよ。だけど、いま国民の立場に立って一番多く、通産省のみならずお役所に望んでおることは、やはり汚職がひど過ぎるのですよ。目に余るのですね。大臣、先ほどちょっと浜田委員も関連で質問されておったようですけれども、堀田さんなんていうのがいて、十年もわからなかったというのはどういうことですか。普通の企業の中では、一企業の職員が十年間にわたって銀座でこんなはでなことをやっていたら、わからぬはずはないですよ、これは常識でいっても。それが十年間わからなかったということはどういうことですか。
○大平国務大臣 知り過ぎておるという御指摘でございますが、知るということはたいへんなことでございまして、私は、実際に各局にわたりまして、みんなが自分の管掌しておる仕事に自信をもって知っておるというふうには自信をもってなかなか言えないのではないか、十分研さんせなければならぬと考えておるのであります。 それから第二の点で、いま問題になっておる人物が長きにわたって同一ポストにおったということ、そしてそれが長きにわたってああいう不行跡を重ねたということを気がつかなかったというようなことは、万々申しわけないことと思っております。
○麻生委員 申しわけないということでは、なかなかやはり国民は納得しないのですね。これが一つだけたまたま起こったというなら、それは申しわけないで済むかもしれないけれども、この一年の間に通産省内部で起こった汚職事件、ちょっと官房長あげてくれませんか、全部。
○両角政府委員 四十三年におきましては、かかる遺憾なる事件が二件ございます。四十二年は一件でございます。
○麻生委員 それは氷山の一角ですな。国民の立場でこの堀田事件を見ますと、つまり十年間もこういうことをやっているのがわからなかったとすれば、ほじくればまだまだ幾らでもあるんじゃないかという疑惑を持つのですね、また持たざるを得ぬわけですよ、あるにしろ、ないにしろ。この汚職の問題は非常に遺憾だとおっしゃるけれども、大臣、きょうはざっくばらんに、あなた自身でお考えになって、この汚職を根絶することがもう十数年、二十年、三十年言われ続けてきたけれども、いまだにこういう事件がやはり起こるということは、大臣御自身、ひとつ、通産省の大臣という立場じゃなくて、一人の政治家という立場も踏まえてお考えになって、どこに欠陥があるのですか、これは。あなた自身のお考えをお聞きしたいのですが、どこかにやはり欠陥があるのでしょう。
○大平国務大臣 根本的には当該公務員のモラルの弛緩ということが要因であると思いますが、しかしながら、そういうことが可能になった客観的な雰囲気というものは無視できないと思うのであります。相互に牽制し合って、手続と域をちゃんと守っておるというような状況に置いてなかったということが大きな原因であろうと思うのでございます。 それから第三の例といたしましては、官が経済に対する介入を最小限度にとどめないといけないということを教えておると思うのでございまして、そこは政治の立場で考えますと、非常に賢明な配慮が要ると私は思います。
○麻生委員 いま大臣が言われたようないろいろな原因もあると思いますが、やはり一つは汚職は高級――ここに高級お役人ずっとお並びなんだが、比較的高級お役人には少ないのですね。そうじゃないお役人、しかも一般業者と直接結びついている者に一番多いのですね。しかもその上司の者がそのことを知らない。たとえばこの事件にあるように、十年間も知らないでいる。十年間にこの堀田さんの上司、これは何人かわっていますか。
○両角政府委員 少なくとも数名かわっておる一わけであります。
○麻生委員 大臣、そこに問題があるのですね。えらくなると、もう自分の所管の事務について責任を持たなくなってきている。これはたいへん申しわけないけれども、私のところに退任退官のごあいさつ、とても覚え切れないですな、ああこの間まで局長さんだったかと思う人が、もういつの間にかやめてしまってどこかにいってしまっている、転々としてかわりますね。だからおそらく局長さんは、じっくり安心して自分の職務についてほんとうに把握するところまでいかないのではないかと思うのです。いかないうちに、自分の首が今度とこへいくだろうかということのほうが先にくるのですね。だから下僚のやっていることを知らないですな。私がときどきいろいろなことで通産省――ばかりじゃないですが、お役所に聞いてみると、知らないのです。実際に下僚の官僚のやっていることを上の者が知らない。そして上の者が何やっているかといえば、役所に詰めて新聞読んでいるのですね。あとは大臣に呼ばれて何やら打ち合わせているが、実際に一番大事な行政についてあまり御存じない。そういう官僚機構そのものの一つのコースがあるわけですよ。皆さんのようにえらくなる人はコースがきまっているわけで、エリートコースだ。だからそのコースさえ歩んでおれば出世していけるが、そうでない人はそのコースがない。また皆さんのような高級官僚は退職金が相当入るから、率直なところ、だから汚職などで失脚する必要はないでしょう。しかし下級官僚はこうはいかない。一生いてもそこでうだつが上がらないといういまのあり方に問題が一つあるのですね、これは行政機構のあり方の問題として。だから極端にいえば、何も知らない局長と何もかも知り過ぎている下級官僚がある。だから何もかも知り過ぎているのではないか。「知りすぎたのね」という歌もありますけれども、あまり知り過ぎていて、それで知らな過ぎる上層部の官僚、そのギャップがある。この点どうですか、大臣。あなたいろいろのお役所の大臣をされたけれども、そういうことを感じたことございませんか。 またもう一つ、大臣そのものがそうですな。日本の大臣ほどかわり過ぎる大臣はない、そうでしょう。だから大臣を一年間おやりになって、大臣そのものが自分の省について責任を持ち得るところまであなた把握されますか。いままで大臣の経験おやりになって、どうでしょう。
○大平国務大臣 仰せのような仕組みの中に確かに問題があると思います。大臣と申しましても、まあ渡り鳥みたいなもので、正直に申して生涯の命題をかけておるわけではないのですから。でございますから、私といたしましてはせめて、私にすぐ仕えておるまず次官を掌握しなければいかぬと思います。それから官房長以下各局長の段階までは少なくとも私が責任を持たなければいかぬ。各局長は自分の掌握できる力量の限界でその次の課長、課長補佐クラスに対して責任を持ってもらわなければ困ると思うのです。そのように段階ごとに責任体制を確立していただかなければならぬと思います。こういうビューロークラシー、とりわけ会社、銀行でございますならばメリットがちゃんと損益計算書とか貸借対照表に出ていくわけでございますけれども、この役所の仕事というのは、成果をあげたとかあげないとかいうようなこと、ほんとうのメリットが出ないわけなのですね。公金を扱っておるのでございます。民間の場合は会計検査院なんてなくても厳正に経理されるわけでございますけれども、役所の場合はわざわざああいう憲法上の機関を設けて、いろんな安全保障を考えなければならぬというところに政府のビューロークラシーの持つ欠陥があると思うのでございます。したがいまして、結局自分の掌握できる範囲においては少なくともぎりぎり責任を持たなければならぬ。それだけの気概と勇気をもってやらなければならぬと思います。
○麻生委員 いますぐここで結論の出るようなことじゃないと思いますがね。私はやっぱり日本の政治のあり方にも一つの無責任体系があると思うのですよ。諸外国の例を引いてみても、たとえば大臣になれば四年なら四年責任を持ちますわね。ところが日本の大臣は責任を持たないで、いつ首を飛ばされるかわからぬ。大臣がいま言われたように渡り鳥。上がそのとおりですから、下が渡り鳥になるのはあたりまえです。そういうことになって、渡り鳥じゃないものは下級官僚だけだということになる。そこから上はみんな渡り鳥になってしまう、事実の問題として。そこにひとつ本質的に考えてみるべき行政体系のあり方と責任体制の問題があると思うのです。 それからもう一つ、先ほど大臣が言われましたお役所と民間との間の問題です。たとえば民間企業に対してあまりにも細部にわたる規制をし過ぎている面があるのではないか。はなはだ率直に申し上げますと、この種の事件が起こって一番泣きつらをかくのは業者なのです。なぜそういうことが起こるかというと、この種の問題が起こったときは、まずおしなべてどのお役所でもそうですが、官僚は一律に規定どおりになる。そうなると今度は一番いじめられるのは業者なのです。うちは汚職事件が出てたいへんだからいまは会えない、いまは話はできない。そうすると、もう規定だけのものを押しつけられてくる。いろいろな通産省が関係している諸団体やあるいはその他通産省が監督、督励している業者たちが、率直なところ意見をそのまま言うと、逆にいまの規定どおりのものをぴしっとやったら事業というものはできなくなってしまうという声のほうが現実問題として多いのです。そうするとここに一つの問題点が起こるのは、つまり規制をし過ぎている、だからその規制どおりにやったら、事業というのは動かない面がたくさんあるわけですよ。たとえば本年度はこういう計画でやっても、その計画どおりいかない。それが流動化している世界情勢なのです。だから必ずしも規制されたとおりに事業というものは運用できないところにまた事業の妙味もあるわけでしょう。ところが細部にわたって規制し過ぎているために、その規制どおりにやれば事業が動かない。だから事業家のほうは、何とかその規制に目をつぶってもらいたいと思うわけですよ。これは率直なところ目をつぶってもらわなければ事業が推進できない。その目をつぶってもらいたいというところに、ある意味からいうと汚職の発生源があるわけです。 これは通産行政だけではなく、日本の官僚行政全般について言えることだが、たとえばある程度その事業なら事業を支援する、育成するときめたら、そのあとのことはやはり事業家にまかせていくという体制を思い切ってとる必要があるのではないか。こういうことをしてはいけませんよ、ああいうことをしてはいけませんよ、こういうことに使ってはいけませんよということを規制すればするほど、事業家の目から見れば、規制をそのまま締めつけたら事業はお手上げだ、だからお目こぼしをということになる。そこに汚職が生まれるというような悪循環がある。これは大臣どう考えますか。
○大平国務大臣 非常に自由民主党的な発想で激励を賜わりましたが、私は麻生さんの言われたとおりの考え方であるべきだと思うのでございます。大体経済のことは、そこに命運をかけてやっております事業家の創意くふう、丹精を土台にしなければならぬことは当然だと思うのでございまして、できるだけ政府の介入は最小限度にとどめたい、そういう趣旨でやるべきだと思います。ただ、時代が進みまして社会政策的な、政府が干渉しなければいけない分野が広くなって、きょう御議論になりました公害の問題一つ取り上げてみましても、これはどうしても政府が介入せざるを得ないような新たな事態なのでございます。したがってすっきりやりたいわけでございますけれども、そこは最小限度にとめなければならぬという基本方針にのっとりながら、新しい問題を取り逃がすわけにまいりませんので、十分配慮しながら最小限度の介入にとどめるというような配慮を常に怠ってはならないと思うのでございます。私は基本の考え方として全く同感でございます。
○麻生委員 この汚職問題は、大臣ひとつ真剣に考えていただいて、特に業者と一番密接な関係にある通産省、ここが汚職の発生源になってくるということになりますと、外国の信用がまず落ちますよ。これから対米折衝で、繊維、自動車その他いろいろと関税問題についても難問が控えている最中に、問題の通産省でこういう汚職が出ると、対外的な信用はまずがた落ちになると覚悟しなければならぬ。国民の政治に対する信用も失墜してくることは当然です。ですからひとつ、いろいろな研修内容もあると思いますが、最後にこれだけの研修、特に高度の識見を持つ官僚を育成するということがある以上、技術面ばかりでなくて先ほど言われたモラル、たとえば今度の汚職事件で警視庁が捜査をしたら、通産省の中で職員が時間中にマージャンをしていたことが発覚しておりますね。マージャンをしているぐらいのことはわからないのですかね。こういうことではどうにもなりませんよ。だからこの研修所をおつくりになったときに、形ばかりの技術研修ではなくて、これはほんとうにあなたが初めに言われたモラル、これの徹底と同時に、ただ下級の官僚を道徳だけで押し込めるということではやはりどこかにうっぷんが出る。やはり彼らにも希望がある行政機構のあり方というものを再検討する必要がある。そういう点に特に留意をされてこの研修所の運営に当たっていただきたい。これを申し上げまして私の質問を終わります。
○藤田委員長 これにて質疑は終局いたしました。 ―――――――――――――
○藤田委員長 ただいま委員長の手元に、伊能繁次郎君外三名より本案に対する修正案が提出されております。
○藤田委員長 提出者より趣旨の説明を聴取いたします。伊能繁次郎君。
○伊能委員 ただいま議題となりました通商産業省設置法の一部を改正する法律案に対する自民、社会、民社、公明四党共同提案にかかる修正案につきまして、提案者を代表してその趣旨を御説明申し上げます。 案文はすでにお手元に配付してありますので、朗読は省略させていただき、その要旨を申し上げますと、本改正案は、昭和四十四年四月一日から施行することとしておりますが、すでにその日も経過しておりますので、これを公布の日に改めることにするものであります。よろしく御賛同くださるようお願い申し上げます。 ―――――――――――――
○藤田委員長 これより原案及び修正案を一括して討論に付するのでありますが、別に討論の通告もありませんので、直ちに採決に入ります。通商産業省設置法の一部を改正する法律案及びこれに対する修正案について採決いたします。まず、伊能繁次郎君外三名提出の修正案について採決いたします。本修正案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○藤田委員長 起立総員。よって、本修正案は可決いたしました。次に、ただいまの修正部分を除いて原案について採決いたします。 これに賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○藤田委員長 起立総員。よって、修正部分を除いては原案のとおり可決いたしました。 これにて、本案は修正議決すべきものと決しました。なお、ただいま議決いたしました法律案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○藤田委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 ――――――――――――― 〔報告書は附録に掲載〕 ―――――――――――――
○藤田委員長 次回は明四日午前十時理事会、午前十時十五分委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。午後六時五十三分散会