逓信委員会 第33号
- 発言数
- 335 件
- 登壇者
- 12 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1969/07/02
会議録
○井原委員長 これより会議を開きます。 簡易郵便局法の一部を改正する法律案議題といたします。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。島本虎三君。
○島本委員 簡場郵便局法の一部を改正する法律案について、いままで疑問としております各点についてただしてまいりたいと思います。やはり簡易郵便局法の一部を改正する法律案、この内容は十分きわめるつもりでおります。その前に、この連営はやはり労使の間で行なわれるのであります。したがいまして、この労使の関係がきちんとなっていないところの運営はいつも乱れがちであります。そういうような観点からして、前回の質問に引き続きまして、大臣に基本的な考え方等について一、二伺っておきたいと思います。現在いろいろ労働組合、すなわち全逓との間に機械の導入の問題々含めてトラブルがあるようありますが、紛争以後、大臣は全逓に会って話しておるのですか、おらないのですか。この問題はやはり大きい問題でありますので、この際、大臣の御所感を伺っておきたいと思うわけであります。いかがでございます。
○河本国務大臣 機械の導入問題についての労使間の話し合いは、ただいまの段階では、省側は主として人事局長が当たっておるわけでございます。
○島本委員 人事局長はあとでよろしゅうございます。 そうすると、紛争以後は大臣は直接会っておらない、人事局長がこれを行なっておられる。そうすると、大臣みずからは、この紛争の種をつくっておると思われる理事者の行動をそのままお認めになっているということになるわけであります。そうなりますと、これは紛争は解決に至るどころか、やはり長引いて、これがもう定着してしまう、こういうような点が感じられるのでありますけれども、大臣、その態度でよろしゅうございますか。私は不満であります。
○河本国務大臣 私は組合の首脳部とは会っておりませんが、人事局長を通じまして省側の立場は繰り返し十分に徹底しておると思います。すなわち、郵政事業を救う道は機械化をおいてない、この機械化は予定どおり進めていくけれども、労働条件の向上改善という問題については、これと並行して別途、誠心誠意話し合おうじゃないか、お互いに専門委員を出し合って具体的に問題を煮詰めていこうじゃないか、こういう提案をいたしておるわけでございます。
○島本委員 それはことばの上では大臣、そのとおりであります。そのとおり行なわれておる場合には、あえてここで質問する何ものもないわけであります。しかし、前回大臣、いろいろ二時間の差が事務当局の間であったようでございました。しかしながら、やはり時短その他の協議の進展がさっぱりはかどっておらない、そのうちに今度機械の導入をし始めておる。こういうような問題がそもそものトラブルの発端になっておるわけであります。はっきりこれをきめて、また認めさしてこれをやったらトラブルがないのに、それを事務当局のほうでは話し合いの中からそれをやる、こういってやっておっても、この話し合いはどういうような点にいっておるか。機械と関係のない非現業や特定局、こういうようなものを除いて、機械を入れたほうから順番にこれはやっていくのだ、こういうようなことでは残された人は心配ですから、それに対して危惧を持つのは大臣、当然じゃないかと思います。そういうような点で低迷したまま、一方は疑問を持ち、一方はそのまま固有の権利だとしてこれは進めておるわけです。トラブルが起きるのは当然じゃありませんか。 そうすると、大臣はこの理事者の一方的に言うことをそのままうのみにされるということは紛争の解決に何ら益するところがない、やはりこの点はもっと積極的に考えるべきじゃなかろうか、こういうふうに思うわけです。当然その機械化することは賛成、そうなりますと、余力はサービスの改善と職員の労働条件の向上のためにこれは当然考えられてしかるべきじゃございませんか。労働条件の向上のためにということであるならば、喜んでこれは相談に応ずるはずであります。こういうような観点からして、現在のところまだ話し合いがなぜにか煮詰まらない、またそのルールに乗せないうちに強行する、こういうようなところが紛争の種じゃないか、こういうふうに思うわけであります。私はこれはまことに遺憾なんでありますけれども、大臣はやはりいまの態度を固執し、それを正しいとして今後これを進められますか。
○河本国務大臣 機械化には膨大な資金が必要でございます。したがいまして、この機械化によって生ずるいろいろの合理化のメリットというものは、まず郵政事業コストの低減のために当然振り向けられなければならぬと思うのでございます。そうしなければ、投資をする、また機械化をする意味がないからでございます。さらにまた、サービスの充実あるいは改善、こういうようなことも当然はかられなければならぬと思うのです。あわせて労働条件の改善、時間の短縮、こういうことも当然考えなければならぬと思います。 ですから、機械化によりましては、いま以上申し上げました三つのことを実現していきたい、こういう考えでございます。しかも、機械化を全面的にやるのには若干の時間を必要とするわけです。ですから、全面的にやってみませんとどの程度その効果があがるかということははっきりしないわけなんです。ですから、機械化を始める前から週五日制にするとか、あるいは現在の四十四時間の労働時間を四十時間にするとか、そういうことをきめてから機械化にかかるということは不可能なんです。機械化をやる過程におきまして、どういうふうなメリットが出てくるかということを十分勘案しながら、労働条件を短縮できるか、こういうことについて話していきたいというのがわれわれの立場なんです。決して認めないということは言っていないのです。その点はひとつ御了解いただきたいと思います。
○島本委員 大臣のその態度は、私は認めないということではないのです。事務当局がいまそのとおりにやっておらないし、平行線になっている。そのギャップ、断層を解決しなければならないところに大臣の任務がある、これを言っておるわけです。ですから、ここで百の説教をぶつよりもいまのことをやればいいのです。大臣にこの点は強く訴えておきます。いままでの大臣の答弁だけではだめです。これは労働条件に関係しますから、社会労働委員会でこの問題は別途やることにさしてもらいます。森本理事のほうから、一つの問題で停滞して、一つのものを徹底的に突かないで議事進行をはかるようにというありがたい達しが来ました。それによってこの問題は社労のほうで徹底的にやることにさしていただいて次に進みます。 大臣がいま理事者の言うこと、事務当局の言うことをそのままに信じておられることはいろいろな関係でけっこうだと思います。しかしながら大臣、山本人事局長は私にうそをついているのであります。 山本局長、あなたは私にうそをついたことはございませんか。約束してまだ果たしていないことはございませんか。それが労働紛争の種になっていることはございませんか。
○山本(博)政府委員 うそをついたという心当たりはございません。
○島本委員 以前に北海道におきまして、札幌中央郵便局、帯広郵便局、東室蘭郵便局、千歳郵便局、赤平郵便局、これらのいろいろな一方的配転に対して本部、本省間で妥結されるようにいろいろはかってこられた、その件は了承しておるわけです。私はこうなる前に、いま千歳の郵便局で書記局の問題と配転の問題の二つでデッドロックにのし上げておるのだ、したがって言ってくることと実際にわれわれが見てくることとの間に相当のギャップがある。あなたは下から上がってくることをそのまま信用しているようだけれども、それは違うと言ったときに、あなたは、私が直接行って調べて参りますと言った。こう言ったのはいまから二カ月前じゃございませんか。その後行ってきましたかどうか。
○山本(博)政府委員 その当時、国会が現在のような延長をしない時期でございましたので、国会が終了することを前提にいたしまして、私が北海道へ参りましていろいろな事情を調べてまいるということを申し上げたのは事実でございますが、国会延長という事態もありまして行けなくなりましたので、私は行けなくなりましたということを秘書の方にお電話を申し上げてございます。
○島本委員 こういうようなことは、日曜日もあるし土曜日もあるし月曜日もあるわけであります。いかに逓信委員会が熱心に審議されても、土曜日と月曜、火曜日は審議がないのであります。その間は行ってきて何時間かかりますか。汽車で一時間でしょう。往復して二時間じゃありませんか。誠意があれば飛行機で行ってこれるわけですから十分やるべきじゃないか、私そう思うのです。国会開会中だから行けませんでした、これでは誠意が疑われる。これじゃいけない。 ことに一方的配転問題について、これは局長にお伺いいたしますが、その後本省並びに全逓の間でいろいろと打ち合わせが成立いたしました。これが現在うまく下部まで連行されておりますか。運営についてはきめられたとおりいっていますか。
○山本(博)政府委員 配転問題につきましては、本省、本部間で基本線をつくりまして、その基本線に従いまして北海道の郵政局と道本との間でまた話し合いをさせました。また、さらに個々の郵便局で起こりました問題については、個々の郵便局と局員との間で十分な意思疎通をして解決をする、私たちが本省、本部間できめました基本線に従って末端まで行なわれたというふうに考えております。ただ一、二、本部のほうから、こういう事例についてはどうか、もう少し調べてくれという事例がございますので、その点については現在調べております。
○島本委員 その調べ方があなた流に調べ、郵政省流に調べている。というのは、実態に即していないために管理昔の言うことをそのままうのみにされておる。これは相当違います。あのときに健康上の事情、たとえば病気で新しい職場が不適当であることが医師の診断書などで客観的に証明できた場合に、人道上の問題であるからできるだけすみやかに措置をさせる、これも一項あるじゃありませんか。千歳郵便局では、もう病気になって医師にかかっておっても、そんなことは私の権限だ、そんなものは全然上から伺っておらない、こういうようなことでやっておらないのですよ。だから行って調べてきなさいと言っているじゃありませんか。私は、そういうような官僚的態度に対してやはりこの際十分考えてもらわないと問題の解決にならないと思うのです。(「郵政局があるじゃないか」と呼ぶ者あり)
○島本委員 もう少し黙っていてください、いま本論に入りますから。(「早く本論に入れ」と呼ぶ者あり)
○島本委員 もう少し聞いたらためになりますよ。質問時間に入らないから幾らでもやじりなさい。 これは大臣にもう一回この問題で言っておきますが、対組合との間のいろいろな交渉、これは円満にいかなければならない、これは前提ですよ。一そしてそのために、私の知っておるところでは、中国の飾磨の局には全郵政の書記局があったのです。そして全逓の書記局がないのです。これはおかしいじゃありませんか、こう聞いたところが、赤穂の局に全逓の書記局をつくらしてあります、したがって全郵政のやつは飾磨にあるのです、この二つはちゃんとあるからいいじゃありませんか——なるほど二つあるのです。ところが、この千歳の局には改築前には書記局を認めておったのです。そして改築前にこれを認めておりながら……。(「そんなことは関係ない」と呼ぶ者あり)
○島本委員 何ですか。(「ぼくは委員長に言っている」と呼ぶ者あり)
○島本委員 少し雑音が入り過ぎますから質問のじゃまになります。(「いや、本論をやってもらいたいということを委員長に言っているのだ」と呼ぶ者あり)
○島本委員 本論に入る前に必要なことですよ。(「少し多過ぎるよ。ぼくらもやりたいことが多いのをがまんしているのだから。引き延ばし戦術ばかりじゃないか」と呼ぶ者あり)
○島本委員 引き延ばしじゃありませんよ。大事な問題だ。だから、ちゃんと簡易郵便局のほうはやりますよ。(「簡易郵便局法の問題をやるべきじゃないか。こんな問題ばかりやっちゃおかしいじゃないか」と呼ぶ者あり)
○島本委員 簡易郵便局法の質問もあるのです。その前に必要だからやっているのです。 委員長、こういうやじの前には質問できません。
○井原委員長 御静粛に願います。
○島本委員 それで大臣、千歳の郵便局には改築前にはあの狭隘なる局舎に書記局があったのです。われわれをはじめとして全逓の分会の役職員が、千歳は北海道の空の玄関である、したがってこういうようながらくた局舎ではうまくない、また年賀郵便を取り扱うには狭隘過ぎる、改築はまだ年次が来ないけれども政治的にこれはやってもらえぬだろうか、これが市会を通して、市長が先頭に立ってこれをやり、御承知のようにこれが実を結んだわけであります。そして市のほうの協力を得て、いま大きいのがりっぱにできたのです。できてそこに入ったとたんに、今度書記局を全然くれないで外へ追い出されたのです。そして書記局は借家を借りて外におる。いままではちゃんとそれを置いておきながら、今度はそれをやらないで追い出して、これで、はたして労使関係はこういうことにしておいていいのですか。これでいいというならば、大臣、今後もう少し具体的な問題で皆さんのほうと一緒に意見を戦わしてもいいのです。大臣、どうです。
○河本国務大臣 個々の郵便局の事情につきましては私は事情がわかりませんが、しかし原則論を申し上げますと、いずれにいたしましても、郵政事業というものは労使間がうまくいかないといけません。事の大小を問わず、どんな問題でも労使間の問題は誠心誠意話し合っていく用意はございます。
○山本(博)政府委員 ただいまの千歳の局の組合に対する書記局の事務室貸与の問題でございますけれども、これは私のほうで調べましたところ、北海直におきましては、支部段階以上につきましては事務室の貸与ということをいたしております。これは本州の場合でもそういう原則になっております。現在千歳の場合は分会でございますので、分会段階では本州の場合でもこれは貸与しない、支部以上ということになっております。しかし、事実上郵便局の事務室があいておりますときには、組合に自由に使ってもらっておるという事実上の運用がなされておるのが実態でございます。それから、明年になりますと、組合側の組織の改正によりましておそらく千歳の局は支部という組織になるという予想もございますので、その段階におきましては一般原則に従って処理をいたしたいというふうに考えております。
○島本委員 むしろこの場合に、もう少し具体的な問題としては、話し合いのうちに、交渉の中でそういうようなことがあっても、これは局長権限であるから局長は貸さないということを言っているのです。あなたたちの言うことと下のほうとは意思の疎通が全然なっておらぬじゃありませんか。こういうようなことがあっていいのですか。仕事の面でもこれがあらわれてくるのです。私はこういうようなことはもう許すわけにまいりません。ただしこれは、いままで不規則発言もありましたけれども一、労働基本権に関する問題ですから、大臣も人事局長もこの問題を含めてもう一回社労で徹底的にやらしてもらいます。いまの答弁を願います。
○山本(博)政府委員 私の申し上げましたことと、現場の局長の考えておること並びに組合に接触している態度というものとの間に食い違いはないと思っております。
○島本委員 食い違いがないということであるならば、次の点についても私のほうで伺っておきたいと思います。 これは最近北海道の札幌郵政局管内できわめて悪質な不当労働行為が公然と行なわれている二、三の例をあげて、これに対する大臣並びに事務当局の見解をはっきりさせてもらいたいと思います。 第一は、釧路の郵便局関係であります。 北海道の釧路郵便局の次長野切要という人が、昨年の十月の中旬ごろから十一月にかけて組合員一人一人を次長室に呼び込んで全逓批判を行ない、全逓批判グループである同志会への加入を具体的にすすめた。A君の場合は、次長室に呼ばれて野切次長から「君もそろそろ組合を抜け切れ、将来いろいろと損をすることになる。昇任、昇格の関係も組合に入っていたり、協力し過ぎると不利になるぞ。君はストに入るか入らないか、組合に協力するかしないか、どっちにするか、いま態度をきめて返事をしてもらいたい」こう言われているわけです。A君が返事をしなかったところ「よく考えてみたらどうか、もし考えがまとまったら返事をしてくれ」こう言われております。A君はその後次長のところに行っていないが、「次長の顔を見るとぞおっとします」このように言っているわけです。 その二は、東室蘭郵便局関係です。 東室蘭郵便局の高橋貯金課長は、昨年十月二十四日、部下の組合員を飲食店に誘い、酒を飲みながら「君が郵政局の希望している方向に努力するならば君の努力も報われる。君がいつまでもいまのままでいるような態度をとっているならば、主事代理から下げて主任へ、さらには事務員にまでおろされる可能性のあることも考えてみてほしい」こういうような趣旨のことを述べているわけであります。これらの事例は、当然公正なるべき人事を私物化して、これを武器にして全逓組合員を脅迫し、管理者の意思に従わせようとした悪質なやり方と思いませんか。第三番目に、室蘭郵便局関係です。 さらに、室蘭郵便局においては具体的に不当な人事が行なわれております。郵便課内勤主事の小野寺秀行、四十三歳、これは勤続年数二十八年、昭和四十二年八月勤務中に飲酒し、戒告処分を受けたにもかかわらず、その後一年を経過しないうちに「良識者」ということで課長代理に発令されております。一方、同局の保険課では、内勤主事の槌賀平次、この人は四十六歳、勤続年数三十年ですが、当局の「良識者」の誘いをけったために、勤続年数、能力、部下の信頼、成績からして小野寺の比でもないにもかかわらず、空席の保険課長代理に発令されずに、小野寺の後任として郵便課へ配転されているのであります。 第四、留萌郵便局関係です。 留萌郵便局では、竹部局長があらゆる機会に全逓脱退、全郵政加入を呼びかけ、本年四月十二日の全郵政結成大会における声明書の原文も局長みずから書いたという驚くべき事実も報告されているのであります。 以上申し上げたようなこういう悪らつな組織介入、不当な差別人事の事例はこのほかにもまだまだあるわけです。局長のほうにも同じようなものをやっておりますからおわかりのとおりです。当局はこういうような事実について知っておられますか。報告を受けておりますか。まず事務当局にお伺いいたします。
○山本(博)政府委員 ただいまおあげになりました事例は、五月の末に全逓本部から何か一冊のまとめにいたしまして——私はまだ全部読んでおりませんが、これの内容について調べてくれという申し出がございました。これは郵政省と全逓との間に、不当労働行為の問題については、第三者機関にかける以前に両方でできるだけ話し合いをして、できるだけそういうことの起こらないように努力をしようじゃないかというルールがございまして、これに基づいていま申し上げた全逓側から資料の提供があったわけでございます。それも五月の末でございましたし、その当時、北海道では先ほどお触れになりました配転問題ということもまだ残っておりまして、その後、労働組合との間の紛争というものも、春闘並びにそれ以降のいろいろな事態もまだ完全な解決をしておりませんでしたので、実は調査をしてくれという申し出に応じまして部分的に調査を始めておりますが、まだ全面的に調査が済むという段階になっておりませんので、調査が済み次第、全逓との間にそういう問題についての話し合いを進めていきたいというふうに考えております。
○島本委員 そういうように報告を受けておられるならば、その内容とこの事実をめぐる紛争について、今後全逓と協議して具体的に解決していきたい、こういうような意思ですか。私はそういうように聞きましたが、間違いありませんか。
○山本(博)政府委員 おっしゃったとおりの方法で解決をしていくというのが両者の話し合いでございますし、またそういうふうにしていきたいと思います。
○島本委員 この札幌郵政局管内の一連のこういうような事実、これはもう労働組合法の第七条で禁止している不当労働行為なんです。労働組合法七条第一号に「労働者が労働組合の組合員であること、労働組合に加入し、若しくはこれを結成しようとしたこと若しくは労働組合の正当な行為をしたことの故をもつて、その労働者を解雇し、その他これに対して不利益な取扱をすること」これを禁止しておるわけです。全逓の組合員であるために人事上不当な差別を行なったこの室蘭の郵便局の事例はちょうどこれにぴったり該当するわけです。また、同じ労働組合法第七条の第三号で、 「労働者が労働組合を結成し、若しくは運営することを支配し、若しくはこれに介入すること」これを禁止しているにもかかわらず、至るところで人事上の配慮を武器として全逓からの脱退を働きかけている。郵政当局は、これらの管理者の不当労働行為についてはやはり責任をはっきりとらなければならないと思うのです。これを認めておるのですか、おらないのですか。責任についてはどう考えますか。
○山本(博)政府委員 先ほど申し上げましたが、組合側で出しました資料を調べてみますと、必ずしもそうでない場合もいままでの事例でもございます。確かに管理者のほうがストが行なわれる以前にストをしないように一これは法律で禁止されております。不当労働行為も法律で禁止されておりますが、同時にストも法律で禁止されておりますので、違法なストには参加しないようにということの説得は、ストが設定されました時期から管理者が相当行なっておることは事実でございますし、私たちもそういう指導はいたしております。そういうことに関連しまして間々いろいろな多少のトラブルが起こってきておるのでございまして、ただいまお話しのような人事にからめまして人を引いたり、あるいはいざなったりということがございましたら、これは間違いだ、これはすべきことではない、人事というものは絶対に公正でなくてはならないというふうに考えております。 よくいろいろな資料を調べまして、そういう事実がありましたならば適正に措置をいたしたいと思います。
○島本委員 この人事上の配慮を武器として脱退を働きかけている、その事実があるならば、これは管理者の不当労働行為として、はっきり責任を持って処断する、こういうふうに理解してよろしゅうございますか。
○山本(博)政府委員 明らかにそういう事実がはっきりいたしましたらば、適正に措置をいたします。
○島本委員 国営事業であるこの郵政事業の管理者、これは民間に率先して法を守るべき立場にあることは私が言わぬでも御存じのとおりです。それにもかかわらず、全く順法の精神が欠けているのではないかと思われるようなことが随所に出てきている。私はこれはまことに遺憾だと思います。札幌管内において相次ぐ不当労働行為の発生、これはやっぱり偶然だとは思われません。これは郵政省の中に全逓敵視の考え方があって、そして札幌郵政局管内の管理者の動きはそのような郵政省の考え方を体して行なわれているものではないか、こういうふうに思われるわけですが、こういうような事実はございませんか。
○山本(博)政府委員 私たちは、組合に対してこれを敵と考えておることはございません。これは憲法で認められた正当な権利の行使でございます。同時に、組合のほうも私たちを敵視してもらうことは困る、やはり両者、できるだけ話し合いをして問題を解決していくという姿勢が望ましいと思います。私はそういう姿勢で問題を処理していきたいと思っております。
○島本委員 二度とこういうような不当労働行為のないように、これは管理者に対する指導を徹底させる必要があると思います。この点、大臣、よろしゅうございますか。
○河本国務大臣 ただいま局長が答弁したとおりでございます。
○島本委員 そうしたら、二度と不当労働行為のないよう管理者に対する指導を徹底する、こういうふうに理解してよろしゅうございますか。
○河本国務大臣 平素その点は十分徹底しておると思います。
○島本委員 平素徹底しておらないからこういうようなことが起きているわけですけれども、いままでのことは別にしても、今後二度と不当労働行為のないように管理者に対する指導を徹底せよというのです。これは当然じゃありませんか。これからも徹底させなさいというのです。こういうことなんです。大臣、これははっきりさせておいたほうが、法治国家として当然ですよ。
○河本国務大臣 組合のほうから、これは不当労働行為であるというお話がありましても、先ほど局長が答弁いたしましたように、調べてみるとそうでなかったという例も間々あるわけなんです。そこで、そういう問題が起こりましたときには、省側と組合側でよく話し合いをしよう、こういうルールになっておるわけです。
○島本委員 今後不当労働行為を行なった管理者に対してはきびしくその責任を追及して行政処分を行なうべきである、私は、こういうような態度ではっきり臨むのでなければ、これは永久になくならないと思うのです。調べるのはけっこうです。そういうのがわかった場合には、あくまでも行政処分をもってこれに臨むべきだ。この点は大臣、どうですか。
○河本国務大臣 法律に違反したような事例があれば、当然処分をいたします。
○島本委員 いろいろと答弁をいただきましたけれども、いま言ったことは、われわれが、また政府委員である山本人事局長もいままで何度か体験してきた問題です。あらためてきょうはこういうように摘出して一つ一つたたんでみたわけであります。 不当労働行為は、労使関係に非常な悪影響を及ぼすということはもうはっきりした事実です。これは否定できない事実です。この労使関係の改善の見地からしても、私は大臣のはっきりした決意を伺って次に移りたいと思うのですが、労使関係改善ということは、いまほんとうに重大なことじゃございませんか。この障害になっているのが、不当労働行為その他、いままで私がいろいろ申しましたように人事上の配慮というようなものを武器として全逓からの脱退を呼びかけている、こういうような行為であるわけです。これは十分考えなければならない、こういうように言わざるを得ません。労使関係改善の立場から、最後に郵政大臣の決意を伺っておきたいと思います。
○河本国務大臣 郵政事業というものは、申すまでもなく国民に対するサービス事業でございます。管理者もその点を徹底して考えなければなりませんし、また、組合側も当然徹底してこのことを考えてもらわなければならぬと思うのでございます。したがって、不当労働行為ということがあってもいけませんし、それからまた不当なストということがあってもいけないと思います。お互いによく話し合って、課せられた任務というものを協力して遂行していく、こういうふうに考えております。(拍手)
○島本委員 そこで拍手する場合じゃないのです。(「りっぱな答弁だよ」と呼ぶ者あり)どうもうるさいな。こんなところでできませんよ。まじめな質問ですよ。(「本論に入れよ」と呼ぶ者あり)本論は準備してあるけど、これをやらないと本論に入れないのだ。 委員長、十分注意してもらわないと、こういうような悪い雰囲気の中でりっぱな質問はできませんよ。委員長から注意をお願いします。
○井原委員長 御静粛に願います。
○島本委員 いま言ったようないろいろな状態があるわけでありますけれども、ではこの辺でひとつ本論のほうへ入ってみましょう。 簡易生命保険の特色である小口の生命保険、これも無審査加入であり、月掛け集金という制度である。民営保険にもこれが認められるようになってきておることは御承知のとおりでありますけれども、簡易保険は各種の社会保険や公的年金等の社会保障制度及び民間生命保険との関連においてどのような特色を持つべきものなりでありますか。これはいまではほとんど民間と同じような状態になってきている、ここでやはり考えなければならない段階にあるのじゃないかと思います。 この生命保険の実態では、大衆の保険事業の増大に伴いまして、都市における民間生命保険、農村における農協生命共済、このい、ずれもいわゆる簡易生命保険化の現象がはなはだしく、国営の簡易保険との間に競合関係が生じてきておるわけであります。それと同時に、他方、わが国の経済力の充実によって社会保障制度の整備拡充、これもおそまきながら着々と進行している状態であります。こういうような状態のもとで、簡易保険が時代の変遷に即応して今後とも国営の任意保険として国民生活と密着して発展していくためには、その特色をどこに求めているのか、この点に対してはっきりした御答弁を私は伺いたいと思うわけであります。
○竹下政府委員 お答えいたします。 簡易保険は任意保険でございまして、その点、厚生省がやっておりまする国民年金、厚生年金といった、いわば法律で強制的に運営をいたしておりまする公的年金あるいは公的な保険と性格を異にしている、かように存じます。いわば厚生省が主管いたしておりまする公的な保険、年金、こういったものに対しまして、私どもがやっております簡易保険は、いわば補完的な機能も持っておる、こういうように考えるわけでございます。 また、民間保険との競合の問題でございますが、先ほどお話ございましたように、わが国は経済の成長著しきものがございまして、それに伴って、国民の側からの保険需要は従来見なかったような旺盛な姿に相なっております。そういうことを考えますると、国営である簡易保険及び民営である生命保険業界相ともに、広い意味の競争原理の上に立ちまして運営をしてまいるということは、最終的には国民の利益に帰する、かように考える次第でございます。いわゆる競争の弊害が出ると困るわけでございますけれども、競争の弊害が出ない限りにおきましては、国営、民営相ともに大いに勉強し合いまして仕事を進めてまいるということはいい姿ではなかろうかと存じます。
○島本委員 民営でも同じようなものがある、簡易保険でもある、業態も方法もほぼ同じようになっておる。簡易生命保険のこれから進むべき特色はどこなんだということですが、答弁になっておらぬようですが、どう答えてくださったのですか。
○河本国務大臣 簡易保険事業の最大の特色といいますと、やはり国営保険である、この一語に尽きるのではないかと思います。国営保険でありますから年齢の制限もほとんどしておりません。生まれたときから簡易保険に入ることができる、さらにまた職業の制限もやっておりません。こういう点が、普通の民営保険と根本的に違っておる点だと思います。
○島本委員 この社会保障の補完的役割りをはっきり果たしておる、同時に、近年外国における社会保障制度の発達、普及とともに日本の社会保障制度もだんだん拡張されてきておるのです。厚生省と申しましたが、なるほどこれは拠出または無拠出、この両方の年金制度を含めてだんだん拡充されてきております。三十四年度からの国民年金制度が国民に社会保障の対象として広まってきておるわけでありまして、こういうふうな点を見ると、外国の社会保障制度の実情、これも、最も進歩しているといわれております英国でも最低生活の保障を目的として任意保険が社会保障の補充策として実施されている。またソ連でも、私はそういうようなことはないと思っておりましたが、社会保障を受けることを基本的人権として憲法上認めているにかかわらず国営の任意保険を経営し、その加入を認めておる、こういうようなことを聞くわけであります。 このような外国の実例から見ましても、社会保障制度が十分に普及しているところでも国民の最低の生活を保障する、このためにはやはり任意保険というものを併用しているようであります。この任意保険による個人的な努力、こういうようなものも相当尊敬されているような状態であります。したがって、国民年金制度の内容についてもその給付対象や給付条件について完全だとはまだいえません。その給付については、二十五年、六十五歳になって月五千円、ようやく改正法案ができて参議院に回りましたが、それで八千円でしょう。こういうような状態でありまして、国民の最低生活を保障するためにもこれは不十分であります。さらに高い水準の経済生活の安定を求めるためには任意保険にまつものがやはり多い。そうなりますと、これは簡易保険が任意保険として機能を十分発揮する必要性は今後高くなってまいる、こういうふうに考えざるを得ないわけであります。 こういうふうな点からして岸内閣のころに国民年金制が発足いたしました。しかしながら、組織と機能を当時十分持っていたのが郵政省であったわけです。この郵政省が、なぜこの社会保障の実態を握って拠出、任意両様の充実した体制で社会保障の推進に邁進しなかったのか。この問題は、いわゆる補完的なものであるとして民間と郵政省で受け持ち、拠出制のものは厚生省に行き、これが別々な組織として運営される。そして厚生省は全然ない組織をつくってまでこれを実施せざるを得なくなった。郵政省には当時からあった。こうなりますと、やはり事務的な配慮においても十分これは厚生省にかわって当時郵政省がなし得たことじゃありませんか。私はそれを考えると、社会保障全体として郵政省はもう一歩、任意と義務とにかかわらずこれは出すべきじゃなかったのか、こういうふうに思っておるわけです。 したがって、大臣は当時の大臣ではございませんからこれを幾ら言ってもだめですけれども、こういうような昭和三十四年のころに郵政省としては当然考えるべきであったことを、これはもう一歩先んじられたのではないか、私はそう思わざるを得ないわけですが、この点は大臣、間違いでしょうか。
○河本国務大臣 厚生省のやっております各種の社会保険と郵政省のやっております簡易保険事業は根本的に違うと思うのです。厚生省の社会保険事業は、御承知のように社会保障制度の一環としてやっておるわけでございますし、それから郵政省のやっております簡易保険事業というものは、創業の当初は社会保障的な意味も相当ございました、当時は社会保障制度というものがほとんどなかった時代でございますから。しかし、現在はやや事情を異にいたしまして、もちろん社会保障的な要素が全然ないとはいえないと思いますが、一種の経済行為であろう、同じ保険という字が入っておりましても根本的に違っておるのではないか。もちろんその中身につきましては、先ほど局長が言いましたように、強制であるとか任意であるとか、こういう違いはございますが、根本的な趣旨が違っておるのではないか、こういうふうに考えております。
○島本委員 そういうような考え方もあろうと思います。しかし、社会保障の中でもいま老齢福祉年金は簡易郵便局で扱う、こういうような法律案を出してきているのです。これも拠出制の年金がいま社会保障の主軸になっておるのです。老齢福祉年金、これはいま厚生省でやっておりますが、いわゆる補完的な役目を負わされているのです。本来逆でなければならないはずのものが、いま逆に老齢福祉年金、これが補完的な役目に回されているのです。それは厚生省にも補完的な社会保障の制度がある、郵政省にもある、民間にもある、こういうことになるわけです。まして、郵政省と厚生省はこれは政府機関じゃありませんか。こういうふうにしてみますと、やはりこういうふうなものに対して、私は当時——いまじゃありません、もっと考えてしかるべきじゃなかったか、こういうような意味を含めての質問なわけであります。 今度の場合には特に簡易郵便局法の一部を改正する法律案の中で老齢福祉年金を扱う、こういうふうに改正されるようであります。そうなった場合には障害福祉年金や母子福祉年金、こういうようなものをなぜ取り扱わないのか。この問題は当然疑問になってまいります。これに対してはどういう見解を持っておられますか。
○鶴岡政府委員 今度の法案におきましては老齢福祉年金並びに障害年金、母子年金、準母子年金まで取り扱う、つまり、いわゆる無拠出制の年金を取り扱いたいということで法案の御審議をお願いしておるわけでございます。
○島本委員 これは大臣、申しわけないが私の質問が間違いでありました。取り扱っているんです。これはなぜ老齢福祉年金、これだけいままでやらなかったのか、これをあわせて聞きたかったわけですけれども、全部取り扱うようにしてある。これでけっこうであります。私はこれは読み違えておりましたからこの際質問を訂正いたします。 次に、受託者に個人を加えた理由、法第三条でございますか、これはどういうところにあるわけでございますか。
○曾山政府委員 新しく法三条に個人を受託者に加えました理由は、御案内のように、現在全国に簡易郵便局の数が約三千ございますけれども、それをもってしても地方におきまして、特に僻陬の地におきまして通信窓口機関がほしいという要望が非常に高いわけでございます。しかし、そういう地域には受託団体の直接の施設、事務所、出張所というものがございません。どうしてもそういうところにおきまして窓口機関を増設する必要がございますので、そういう地方を中心といたしまして個人に受託者を拡張いたしますならば、当然そこにおいて郵便局が設置できる、国民の方々が通信窓口機関の便益を受けるということになりますので今回個人を提案した次第でございます。
○島本委員 「十分な社会的信用を有し、かつ、郵政窓口事務を適正に行なうために必要な能力を有する個人」というのは、これはどういう人を具体的に指しておりますか。
○曾山政府委員 社会的信用の面から申し上げますと、その地域社会におきまして地域住民の方たちの信望をにない得る人、職業で申し上げますと、たとえていいますれば保護司とか民生委員というような方が当たろうと思います。 さらに、郵政窓口事務を適正に行なうために必要な能力を有する個人、これは二通りありまして、いわゆる事務能力とそれから財産能力の面と二つあると思います。事務能力の面から申しますと、たとえば、かつて公務員をされましていま退職しておられる方、当然そういう方は資力的にも年金の受給を受けております。そういう面で両面からたとえて申し上げましたが、かつて公務員をされた方というような方が具体的な例になろうかと思います。
○島本委員 この「委託事務に従事するものは、法令により公務に従事する者とみなす。」こういうようなことになっておりますが、これは受託者が公務に従事するとみなされる場合どういうような法律的効果をおさめるものですか。刑法上、民法上、行政法上、それぞれについてひとつ説明をしていただきたいと思います。
○曾山政府委員 特にいわゆる法令公務員は、この仕事、つまり委託事務の高い公共性にかんがみまして法令により公務に従事するものとみなしまして、これを公務員としての取り扱いを受けることとするほうが適正でございます。したがって、特に刑法等の罰則の適用におきまして非常に効果があるわけでございまして、たとえて申し上げますと、委託事務の取り扱い中に他人がその職務を妨害したような場合を予想いたしますと、それに対しましては公務執行妨害罪が成立いたします。また、委託事務に従事いたします者が事務上の文書を偽造したような場合におきましては公文書偽造罪に問われるというようなことがございます。かような例は他の政府機関等においてもたくさんあるわけでございまして、事務の公共性にかんがみまして、個人に受託範囲を広げました場合の受託者につきましても法令公務員といたした次第でございます。
○島本委員 国家賠償法や国家公務員法や公職選挙法や、いろいろの法律があるでしょう。
○曾山政府委員 事務の公共性にかんがみましてさような措置をいたすわけでございますので、主としてその事務の執行を保護し、また、その個人をして公共の事務を執行させるに十分な保障をするという意味で法令公務員にいたしております。したがって、国家賠償法、あるいはただいまお示しになりました民法、行政法といった面におきましては、これは国家公務員でございませんものですから特別に保護は受けないということになっております。 たとえて申し上げますと、本人がある行為をいたしました場合に、他の個人に損害を及ぼした場合に、その損害を及ぼした個人に対しまして、いわゆる国家賠償法に基づくところの損害賠償をいたすかということになりますと、さようにはいたしません。ただ、特別法の関係で申しまして、郵便法その他貯金法あるいは年金法、保険法、いろいろございますが、それぞれの事業法規におきましては、この法律にもございますように、本人が執行しました事務というのは、法十条によりまして国の事務というふうにみなされますので、それぞれの事業法におきまして、損害賠償等の事態が起きました場合には、それぞれの利用関係者に対しましては事業法による損害賠償を行なうということになっております。 なお、それ以外につきましては特別な保護規定はございません。
○島本委員 この受託者は国家公務員法の適用はないけれども、公務中の負傷や死亡というようなものについて、公務員法の第九十三条の公務員傷に対する補償というものの適用がないということは、そうするとおかしいことになるじゃありませんか。
○曾山政府委員 お示しのような意見もあろうと思います。ただ、先ほど来申しておりますように一般国家公務員でございませんので、公務員としてのいろいろな保護規定の適用は受けないということになります。ただ、郵政に関係します一般の業務におきましても集配請負人とか電報配達人等の請負者があります。その請負者に対しまして、いまお示しになったように、賠償金ではございませんが、見舞い金という形をもちまして、事故が起きました場合にある程度の金を贈呈している事実はございます。その場合に、私ども両者比較いたしまして、外務の作業に従事いたします危険な作業をいたしますような、いま申し上げました電報配達あるいは郵便配達の請負人につきましてはその必要もあろうかと思いますが、内務作業を主にいたしまして、特にさような危険の少ない者につきましては、現時点におきましてさようなケースは予想されませんので、私どものほうとしては見舞い金を差し上げる必要はなかろうと考えております。ただ、将来においてそういうような事例が発生するという懸念が起きましたような場合にはその時点において検討していったらどうかというぐあいに考えております。
○島本委員 公務中の負傷、死亡、こういうようなものに対して単なる見舞い金では補償ということにはまいりません。身分は公務員ではないけれども、公務員とほとんど同じような仕事をする、こういうような状態でいろいろと他の法律の規定を受けることはいま答弁のとおり、しかし、身分がないために公務員傷に対する補償というものはほとんどないということになりますと、これは少し欠陥があるのではないか。この点に対しては見舞い金程度でよろしいという考えなんですかどうか。 大臣、これはひとつ十分考えておかないとだめだと思います。こういうようなことをしておいたならば、この辺から本法の一つの欠格条件と申しますか、だめな一つの条件を進める基礎になるのではないかと思いますが、この運営上これは大きい問題ですので、この問題は大臣にひとつ御答弁願いたいと思います。
○河本国務大臣 第十一条に関連していろいろの問題を提起されておるのかと思いますが、この問題につきましては、局長からもう一回詳しく答弁させます。
○曾山政府委員 先ほど申し上げました理由にさらに付加いたしまして、御案内のように、郵便集配請負人等につきましては、かつて行政整理のときに、言うならば定員でございました者が請負人に肩がわりしたという例もございます。当時からなお定員として身分を持っておった方が請負人に身分がかわった方も残っておられまして、さような方から見ますと、自分の友人であった一般公務員が公務災害補償の適用を受けるにもかかわらず、請負になったから、同じ仕事をしているのにそれだけの理由でもって公務災害の補償を受けないのはおかしいじゃないかというような陳情もございました。しかも、先ほど申しますように、外務作業という非常な危険にさらされる作業をいたしますので、私どもとしては、国家公務員の災害補償に準ずるような措置といたしまして見舞い金を贈呈している次第でございます。 なお、先ほどの考え方の繰り返しになりますが、内務作業として窓口で郵便事務あるいは貯金、保険の事務等を執行いたします場合に、このような公務災害の補償の適用を受けるようなケースというものはほとんど考えられないわけでございます。したがって私どもとしましては、公的にはそういう見舞い金を差し上げるというような制度をいまつくらなくてもいいというぐあいに申し上げた次第でございます。
○島本委員 大事です。見舞い金の額はどれほど予定しておりますか。
○曾山政府委員 ただいまのところは、先ほど申し上げたとおり見舞い金を贈呈するように考えておらねわけでございます。したがって、その額につきましてもいまのところ頭にございません。
○島本委員 そうすると、けがと弁当はおまえ持ちということで、一切それは関係しないということになってしまうわけですか。
○曾山政府委員 いまのおたとえの点から申しますと、さようになるわけでございます。
○島本委員 それは明治時代に逆戻りじゃありませんか。いまはもう健康保険制度があったり、いろいろ共済保険制度があったりして、けがの場合だけはやはり人命保全、社会保障の最たるものとして医療の関係はほとんど受けられる、こっちのほうはそれから全然見放されているというような制度じゃ、仏をつくって魂を入れない。そういうようなことならば、この法律をつくらないほうがいい、こういうことになってしまうじゃありませんか。この点は私は不満であります。あくまでもあなたはその意思で、もし通ったならば実行するつもりですか。
○曾山政府委員 お示しになりましたような場合、私どもといたしましては、一般の制度、つまり国民年金法あるいは国民健康保険法、さようなものを本人が保険料をかけまして、その保険制度の便益を受けるということにすればいいのではなかろうかというぐあいに考えております。
○島本委員 この簡易郵便局の受託者は、郵政省関係の厚生施設を利用できるのですかできないのですか、これはどうなっていますか。
○山本(博)政府委員 これはたてまえとして、できないことになっております。
○島本委員 病気になった場合の逓信病院、こういうようなものに対しては、外部の人というようなことでこれを扱うことになるわけですか。
○山本(博)政府委員 外部の人として扱うことになります。
○島本委員 そういうようになりましても、どうも簡易郵便局の「簡易」が一つついているだけで、これは肝心のそういうような点は全部民間並みである、何ら部内の特典がない、こういうようなことになりましては、私はもっともっと考えなければならないのではないかと思います。 これは簡易保険関係でもそうですけれども、この受託者の手数料収入で生活の安定を保障することができるわけですか。
○曾山政府委員 現在手数料は基本額と取り扱い手数料と加算額という三種類になっておりまして、基本額の保障を相当いたしております。したがって、御案内のように簡易郵便局の受託事務の量といいますものは、一般の特定局等に比べますとそう多くございませんし、請負でもございますので他の仕事と兼務できることになろうかと思います。これらを考えますときに、いま支給したいと思っております手数料から申しますと、私どもとしましては、十分事務量に見合った手数料じゃなかろうかと考えております。将来もし他の人件費等が増高いたし、また物件費等が上昇するというような傾向が見られます場合には、それに合わせましてこれの改正についてはやぶさかではございません。
○島本委員 大臣、これは初めから片手間郵便局なんですか。これは他の職業をはっきり持っていて、これだけに専念して行なうという意思ではなく片手間にこれをやれという国家の一つの代行機関なんですか。これは私はそういうふうに思っておらなかったのですけれども、この簡易郵便局というのは片手間郵便局ですか。
○河本国務大臣 片手間郵便局と言われますとちょっと語弊があると思うのでございまして、たてまえといたしましては、どうしても郵政事業のサービスをする場所を置きたい、しかし、その事務の取り扱い量は非常に少ない、少ないけれどもどうしてもそういう場所を設置しておきたい、こういうところに、先ほど来質疑応答がございましたように、社会的な信用のある人にその事務を委託してやってもらう、それが非常に経費も少なくて済むのだ、こういう趣旨でございます。 でございますから、その本来の趣旨さえ十分に生かされますならば、その人に対してそれ以上束縛しない、他の仕事をやっていただいてもけっこうである、こういうたてまえでございまして、それを片手間郵便局というふうにきめつけられるということは、いささかわれわれも不満でございます。
○島本委員 だってこれは片手間にやると言ったじゃありませんか。本来の仕事としてならこれは成り立たない。大体手数量の実収額はどれほどになりますか。
○曾山政府委員 最高の例で申し上げますと、大体月額九万九千円くらいになっております。なお、最低の例で申し上げましても一万五千円くらいになっております。片手間ということばは私は使わなかったので、私は兼務ということばを使いましたが、そういう意味におきまして、そういう微細な量の仕事をしております場合には他の仕事をも兼ねてできるという点から申し上げますと、そっちのほうからの収入もございまして、全体総合的に考えますと、これで十分——最低保障ということばがございましたけれども、そういった意味合いにおきまして、いわゆる引き合うところの仕事だろうというぐあいに考えております。
○島本委員 これは引き合いませんよ。兼務と片手間とどう違うのですか。これは同じですよ。平均すると二万三千九百八十一円じゃありませんか。最高九万円あるなんていうて、郵政省はすぐ特定局をつくるじゃありませんか。 そうすると、これはやはり初めから片手間を予想して、そして低いものでやらせる、こういうようなことになりますと、仕事の範囲、無集配特定局との関係、それから享便区域の重複、こういうような競合は初めから全然調整しないで野放しですか。
○曾山政府委員 いまのところ普通局、特定局、特定局の中でも無集配特定局というぐあいに、いわゆる設置基準というものをつくっております。簡易郵便局の場合は無集配特定局の設置基準よりもさらに一段とこれを低めておりまして、法第一条にもございますように、僻陬の地に置いていくということが目的でございます。したがって、その間におきましては当然バランスがとれておると考えておるわけでありまして、混淆があるというぐあいには考えません。
○島本委員 どうも私よくわからぬのですけれども、すると、これは特定郵便局で切手を売る、はがきを売る、それからいろいろきめられている保険でもやる、こういうような場合はどこでも特殊潜航艇のようにどこへでも行って集めてきたり、どこへでも行って売りつけてきて収益をあげてもよろしい、こういうようなことに相なるわけですか。たとえば、特定局ははっきりしておる、無集配局、集配局、そういうような場合は遠慮してもらって、これはへんぴなところであるからその辺だけで、低収入だけれどもがまんしなさいという意味でやるのですか。それとも、片手間であろうと兼務であろうと、やったらやはり生活がかかりますから、そうなりますと、これはどこへでも行って、もうけるために営業を実施するということになるじゃありませんか。この競合するかどうかという点は、その辺も聞いてみたのですけれども、これは特殊潜航艇みたいにどこへ行ってやってもよろしいのですか。
○曾山政府委員 形式的に申し上げますと、いま例に引かれました郵便切手類あるいは印紙の売りさばきにつきましては、法十四条をもちまして「郵便切手類売さばき所及び印紙売さばき所に関する法律」というぐあいに読みかえる、つまり十四条によりまして切手を売ることになっておるわけでございます。 さらに、いま申し上げましたその法律にかわりますときに、潜航艇ということばを使われましたが、やたらにあちこち飛び歩きまして、そして切手を売って歩くというような行為はこの売さばき所法の精神でございません。したがって、私どもは本来はそっちのほうからそういった仕事のしかたは規制すべきだと思います。ただ、先ほど申し上げましたように、一般業務の面におきまして特定局よりもある程度縮少された範囲の仕事をしておりますが、僻陬の地におきましてはほぼその事務をもって足りるのではないかと考えております。そういったことで、その地域等におきましてなさいました仕事に対する対価としましては、先ほど来申し上げております数字の収入でもって一応見合った十分な数字じゃなかろうかと考えております。
○島本委員 二万三千九百八十一円で十分な数字だとおっしゃるのですか。
○曾山政府委員 予算面におきましては、四十四年度予算におきまして約二万五千円になっておりますが、なおさらに切手売りさばきに対する手数料等がございますので、そういうものを足しますと平均額はさらに多くなります。私どもといたしましては、先ほど来申しておりますように、これは専業でほかの仕事をせずに、完全に窓口をあけておきましてそこにかかり切りにおるというようなことを期待しておるわけではございません。お客が来ればそこで仕事をしますが、お客がない場合は自分の仕事をしてもよろしいという意味におきまして、総合的にその方が生活を営まれていけばいいという形において手数料金額をも算出いたしております。平均して二万三千円とおっしゃいましたけれども、かりにその数字をとりましても、二万三千円だけの収入でやっておるわけではございませんから、総じて、いわゆる最低保障という点から申し上げますと十分生活するに足る収入というものをその方はあげておられるというぐあいに思います。
○島本委員 ちょっと待ってください。その生活するに十分足るということをそこであなたは断定するわけです。いまごろ二万三千円くらい、まあ二万五千円でもいいのですが、これで生活するに足るという断定をするような要素は一つもないわけです。 そうすると、片っ方の本業のほうの仕事、これは幾らくらいの仕事をしている人を今度選考するのですか。
○曾山政府委員 もしかりに、見方を変えまして一人でもって十分事務量がある、二人以上はないけれども一人の事務量は十分あるというような場合には二万三千円じゃないわけでございまして、おそらく五万円から六万円くらいの数字にはなるわけでございます。したがって、五万円ないし六万円という数字は十分生活を保障するに足る手数料だと思いますが、それ以下の手数料ということになってまいりますと、それに対応します事務量というものは、まるまる一人窓口で待っておるというようなそういう仕事じゃございませんので、十分ではなかろうかということを申し上げたわけでございます。 〔委員長退席、亀岡委員長代理着席〕
○島本委員 これは個人の負担で片手間ででもやりなさい、そしてほかでもうけながら、おそらく平均して二万三千円くらいしかやらないけれども、これで地域住民の利便のために郵政事業をかわってやってください。ちょうどこれは明治元年に逆戻りしたような制度じゃありませんか。やはりこれは現情勢には向かない。向くならば、もう少し十分責任をもってやれるだけの一つの反対給付がなければならない、その反対給付は片手間料である。けがをしたときにどうするか、けがと弁当は自分持ちである。そしてまたいろいろな施設も利用できるか、それはいまの郵政省関係の施設に対しては他人扱いである。死んだ場合にはどうなるか、これはお見舞い金を考慮したい。こういうやり方ではまさに奴隷と同じじゃありませんか。 私はやはりこういうあなたの考え方が根本的に悪いと思うのだ。やる以上、働かせる以上、反対給付だけはしっかりとやらぬといけないじゃありませんか。もしこれがいろいろな法律によって国家公務員並みに扱われる、にもかかわらず絡付は全部一般国民並みに何ら特典がない、恩典がない。まして、今度もし若干の犯罪に類することがあった場合には、これは容赦なくばしばしゃられてくる。これはあたりまえだといえばあたりまえですけれども、二万三千円の割合にあまりに過酷じゃございませんか。これはやはり給付の面から瓦解するおそれもある、私はそういうような点をおそれるわけです。制度そのものは、いかに明治百年だからといっても明治元年まで逆戻りする制度である、こういうようなことで私はこれはまことに残念なんです。 もう一つは、簡易郵便局の受託資格の中で「地方公共団体、農業協同組合、漁業協同組合、消費生活協同組合」と、こうあります。協同組合にずっと順位がついているというような理由は何かありますか。
○曾山政府委員 協同組合の中の順位というものはございません。地方公共団体と協同組合とが競合いたします場合には地方公共団体を優先させるということになっておりますが、協同組合自身、つまり農業協同組合、漁業協同組合、生活協同組合におきましては順位というものはございません。ただ、三者それぞれの組合が競合いたしまして、かつ、農業協同組合におきましては預金事務を扱いますので郵便貯金事務をできるだけ扱わせないようにいたしておりますが、さような場合に、国民の側から見てむしろ不便であるというような場合にどちらにしたほうがいいかというような場合には、むしろ漁業協同組合あるいは生活協同組合を先行させたほうがいいというぐあいには考えます。これは事実上の問題でございます。
○島本委員 この具体的な運営の面でも——現在郵政省がいろいろ考えてやっている任免や給与等の面を考えても、ましてこれは特定郵便局ではなく簡易郵便局である、こういうようなことで運営されるということになると、やはり運営の面からしても責任体制からしてもこれじゃだめだ、こういうような法案は撤回したほうがいい、こう私は言わざるを得ないわけです。 なぜそういうようなことを言うか。私はこれは言っておかなければなりません。いまの任用する場合には、いろいろ簡易郵便局の場合は基準があるようであります。いまの郵政省そのものにも、郵政省の現在の職員を任用する場合にいろいろ基準もあるわけでしょう。そうすると、簡易郵便局の職員を任用する場合、現在の郵政省につとめる人を任用する場合、この場合においてもおそらく相当の違いもあるのじゃないかと思うのです。念のために、いまの郵政省の普通の人を採用する場合の基準とこの簡易郵便局の職員を採用する場合の基準、これをもう一回明らかにしておいてもらいたいと思います。これは参考にお聞きいたします。
○曾山政府委員 まず、前者の郵政職員は、御承知のように国家公務員でございますので、国家公務員法、人事院規則、さらに内部の郵政省職員採用規程、こういった一連の法令あるいは規程の関係において主として試験任用、つまり試験をいたしまして採用するということが原則でございます。ただ、今回の個人に受託者を広げました場合のその個人の採用の方法につきましては、先ほど来御質問がございましたように、十分な社会的信用を有し、かつ、郵政窓口業務を適正に行ない得る資格を持った方ということになりますので、その内容を通達でもって十分ふえんいたしまして、たとえて申し上げますと、十分な学歴、さらには家族の状況というものも調査いたしますし、それから保証人等につきましても、これを連帯保証人を二人立てるというようなことにいたすなど、十分簡易郵便局の窓口業務を行ない得るに足るということをその通達で各項目別に調査いたしましてからきめるということにいたしたいと思います。
○島本委員 その郵政省の職員を採用する場合のいろいろな基準をもう一回ちょっとお知らせ願いたいと思います。
○曾山政府委員 郵政省職員採用規程というものがございまして、これは私の所管でなく、あるいは人事局長の所官かと思いますけれども、一応関係のあるために申し上げますと、採用資格さらに採用の方法等がこの規程で明定されておりまして、特に方法につきましては、「職員は、人事院が試験機関として行なう採用試験の結果に基づく採用候補者名簿に記載されている者から採用するほか、選考により採用する。」というぐあいに相なっておるわけでございます。選考の種類につきましては、職員の採用試験及び職員採用選考という形に相なっております。特に、選考任用というようなものに特定局長がその対象になることは御存じのとおりでございます。当然人事院規則等、あるいは大きくは国家公務員法等に欠格条項等がございますので、欠格条項に該当した者はもちろん採用になりません。 なお、先ほど申し忘れましたが、簡易郵便局におきましても欠格条項がございますので、それに触れる者は採用にならないということになります。
○島本委員 なぜ私が詳しくこの問題を聞くかというと、いまのような採用の資格、方法、こういうようなものがきびしくきめられている、これが郵政省の職員の採用のいわば基準でございます。おそらくこれでさえもあいまいにおかしくいまやられているのに、まして、いまことばではきれいに、個人に受託を広げた場合社会的な信用の云云、またはいままでの郵政事業の経験云々、こういうようなことを申されましたが、これが画餅に帰するような任用の方法がとられるおそれがある。これはないということを断言しておいてもらいたいのですけれども、いまのように郵政職員そのものもいまのような厳格な規定によってやられている、こういうようなのでも、私は残念ながらあなたがいまおっしゃったことでないような証拠を私はここに持っているわけであります。でたらめ採用です。郵政省でもこういうようなでたらめ採用をやるのに、簡易郵便局の場合だったらどういうようなことをやるかわからぬ、こういうようなことを私がおそれるからです。 というのは、現職警察官で、めいてい運転で人をはね飛ばして懲戒免になった人がおります。 〔亀岡委員長代理退席、加藤(常)委員長代理 着席〕 そしてさらに郵便局員三名に追突事故を起こしてけがをさせている。こういうようにして、即日異例の懲戒免になった警官がおるわけです。その人が郵政省の職員に採用されているのです。経歴を詐称して採用されているのです。それが可能だとすると、おそらくはもうこの簡易郵便局、こういうようなものに対してはどういうようなことをされるかわかったものじゃない、このことを心配するわけです。 あえて申しますと、「金沢中署の交通指導係山田勝彦巡査は四二年三月二四日午前一時十分頃酒を飲み、ホステスを同乗させ七尾方面え進行中、石川県津幡町河北中央病院前で津幡町第一撚糸工業KK加工課長篠塚外喜男さんをはね頭がい骨骨折の重傷をおわせた」、そして「県警は同日付で懲戒免職」をした。第三番目には、「山田勝彦は四二年四月一日トヨタパプリカに入社、四二年十一月七日金沢市鳴和町で全逓金沢地方支部組合員村松実君(中郵集配)運転のライトバンが停止信号で停車中に追突し、同乗の稲場満治、越村勇(中郵集配)の三名に入院四カ月の重傷をおわせた。補償は強制保険の五〇万円だけであり、三名は現在弁護士をたて補償請求中であるが未解決のまヽでいる」こういうような状態になっておる。その人を「四二年十二月全逓河北支部は、浅川分会の欠員を早急に補充するよう再三交渉で要求したところ、林局長は「郵政は管内の過員解消をするので新規採用はむずかしい」と言明していたにもかかわらず、十二月二八日突如として山田勝彦を臨時補充員として新採用した」こういうようなことがあるわけであります。そして「山田勝彦を浅川郵便局に就職斡旋した者は、倶利伽羅郵便局長」であり、いろいろうわさのある人である。それから山田勝彦は倶利伽羅郵便局員山田博彦の弟でもあるようでありまするけれども、これは履歴書中、昭和四十二年三月二十四日一身上の都合によって退職、こういうようなことになっている。これは即日異例の懲戒免になった。こういうような警察官をそのまま、経歴をこのように偽造したまま任用しておる、こういうような例が現在あるのです。 いま聞いてみますと、いろいろな任用試験でこれはむずかしい、それと同時に資格も欠格条件もはっきりしており、審議機関かなんかを通じてなかなか採用はむずかしい、こういうようにいわれておる。この職員の採用でもこういうようなことが平気で行なわれる。それならばなおさらのこと、簡易郵便局の場合は、いかに局長がそういうように言っても、これは事実どういうような人がなるかわかったものじゃない、こういうように思わざるを得ないじゃないか。厳正であって許されるべきでないこの郵政職員としての採用が、現職警官で、めいてい運転で人をはね飛ばして懲戒免になった人、郵政職員の三名まで追突事故を起こした人で、現在控訴中である、こういうようなのを局長の一存で雇えるのがいまの体制の現状じゃありませんか。もしそうだとするならば、これは簡易郵便局の任用はどうなんですか。何でもできるということになっちまう。私はこういうような点はまことに心配です。大臣、これに対してどう思いますか。
○河本国務大臣 現在御審議をしていただいております簡易郵便局法の改正案が通りましたならば、これから年次計画を立てまして、おおむね十カ年以内におよそ二千数百カ所の地点に簡易郵便局を設置していきたい、かように考えております。年間にいたしますと、数もそう多くはございません。したがいまして、法律にいろいろきめてあります採用条件等を十分勘案いたしまして、人選を誤らないようにしていきたいと思います。
○島本委員 人選を誤らないようにするという決意はわかりました。 いま私は具体的な事実をあげました。こういうような人が採用されているのであります。そうすると、今後の問題じゃない、現在の問題です。これが可能だということになります。私はいまの大臣の答弁だけじゃ、これはもうよろしゅうございますと引き下がるわけにまいらぬのですけれども、大臣、いまのような問題が可能なんですよ。不可能なのが可能なんですよ。私は不可能だと思っておった。それが可能な実態になってきておる。簡易郵便局は、いかに何を言うたって、だれでもどのようにでもできるということになっちまうじゃありませんか。いまのようなことは具体的事実です。これは郵政省の人事の方知っておりませんか。
○山本(博)政府委員 非常に申しわけございませんが、ただいま初めて伺いました。しかし臨補の場合、これは国家公務員でございますから、厳密に申し上げますと、先ほど郵務局長が申し上げました試験採用にするのがたてまえでございますが、臨補の場合には住々にして試験でなくて、臨時的に一時的な任用といいますか、採用というか、期間を限って採用する場合に臨補というのを用いることがございます。そういうときには厳密な試験採用でない場合もございます。経歴詐称というようなことでそういう事態があったとしますと、これはきわめて例外中の例外で、めったに起こることではないと思います。しかし、事実が発生いたしましたならば、すぐに調べましてとるべき措置をとりたいと思います。
○島本委員 とるべき措置は完全にとってもらわないと今後のためにもならないと思います。これはほんとうに大事な問題なんですが、委員長からやめろやめろと何回も来て私も恐縮なんですが、こういう大事な問題ですから、もう十分くらいやらしてもらっていいですか。
○加藤(常)委員長代理 なるべく早く……。
○島本委員 はい。 郵政省のほうへお伺いいたしますが、大臣、同じ国家公務員です。国家公務員の政治活動を一律に規制するこの国家公務員法、人事院規則、こういうようなものが違憲であるか合憲であるか、こういうふうなことが、いわば憲法論争となって、北海道の宗谷郡猿払村鬼志別郵便局の大沢克己君の猿払事件というのがございまして、控訴審の判決、これが六月二十四日午後一時から札幌高裁刑事部で聞かれて憲法違憲、無罪ということで、第一審判決を支持して検察側の控訴を棄却した、こういうような事件があったわけであります。これは当然公務員も勤労者であるし、権利の制限は公共の福祉を理由にできるけれども、基本的権利は最大限尊重すべきで、制限できる場合は合理的な理由、かつ最小必要限度にとどむべきである。そして今回の政治活動の制限は、あらゆる下級の公務員まで人事院規則で制限を加えることは、これは憲法二十一条、三十一条に違反する、こういうようなことからして猿払事件では、行政的裁量権のない下級職員に対しては、いわゆる仕事が機械的な労務であるということ、選挙活動は時間外であったということ、それから職務を利用したり国の施設を利用したりしなかったということ、労働組合活動の一端であるということ、こういうようなことからして、行政的裁量権のない下級職員であるということで、これは第一審どおり無罪という判決が去る二十四日午後一時に下されたわけであります。 私はこういうような点からしても、はっきり聞いておきたいと思いますのは、猿払事件というこの問題は、公務員法百二条、政治的行為に違反するということで、人事院規則十四−七、これを適用することにして大沢被告が罰金五千円の略式命令を受け、それを不服として正式裁判に訴えたという問題であります。これは時間外に職員がいわばポスターを張った、これを訴えられた、こういうようなことになったわけであります。しかしこれはあくまでも無罪、棄却、こういうようなことになったわけであります。大臣はこれに対してどういうふうにお考えでございましょうか、御所見を承っておきたいと思っていま聞いたわけであります。
○河本国務大臣 いまお話しの猿払事件の判決ということは、私も一承知をいたしております。 国家公務員法あるいは地方公務員法あるいはまた人事院規則で、公務員の選挙活動、政治活動を禁止しておることはただいまお話しのとおりでございます。ですから私は、この精神というものはあくまで生かされなければならぬ、こういうふうに考えます。したがいまして、法律に触れなかったからといって何をしてもいいかというと、私はそういうことにはならぬと思うのでございます。やはり法律の精神というものはよく考えて、そしてこれからやっていくべきである、こう思います。
○島本委員 法の精神を考えないでこれからやろう、こういうようなことを言う人や考える人はなかろうと思います。法治国家でありますから、あくまでもその中で行なわれるわけです。しかし、これが無罪になった、これは当然一つの大きい示唆です。そうなりますと、今後大臣としてもこういうようなものに対しては重大な関心を持たなければならない、こういうように思うわけなんです。これは無罪は無罪ですから、当然大臣としても、この程度は無罪であることはよく了解した、しかし、今後法を犯さないようにしてもらいたいということくらいは、私考えておったわけですけれども、その程度ですか。もう一回聞かしてください。
○河本国務大臣 これは第二審の判決でありまして、いずれは最高裁の最終的な法解釈があろうかと思います。そのときになってみませんと、私からとやかく申し上げることはいささか行き過ぎであろうと思いますので申し上げません。 ただ、御承知のように軽微な選挙違反事件につきましては、これまで郵政省も大目に見ておりまして行政罰を加えておる——重いものは別でごさいますが、軽微なものにつきましてはそういう措置をとってきたということは御承知のとおりでございます。
○島本委員 大臣がそういうようなものに対して、特に私見を加えない、この態度は私は理解いたします。しかし、昭和四十四年六月二十四日、北海道の浅見郵政局長が自分で談話を発表して、自分としては逆転裁判を期待した、そして最高裁にいけばひっくり返るだろう、こういうようなことを言ったというのです。こういうことは妥当ですか。いま大臣のように、大臣でさえもその程度にとどめておった。ところが、現地の局長が逆転判決を期待した。これはどういうことですか。ひっくり返ったら有罪ですよ。自分の部下が有罪ですよ。部下が罪人になることを喜ぶ局長がありますか。もってのほかじゃないですか。これが人間尊重、目標管理、こういうようなことを進める浅見局長の態度です。私は遺憾です。大臣、行き過ぎじゃありませんか。
○河本国務大臣 そのことは私は初めて承知するわけでございますが、人はそれぞれ意見があると思うのです。私は先ほど私なりに意見を申し上げましたが、局長は局長なりに意見を申し上げたと思うのでございます。私は別に差しつかえないと思います。
○島本委員 どうもいざとなった場合に少しおかしくなるのは郵政省の現在の一つの欠陥である。それは仕事が機械的な労務であるということ、選挙活動が時間外であるということ、職務を利用したり国の施設を利用しておらないということ、それから労働組合活動の一端であったということ、こういうようなことがあげられておるわけです。ところが大臣、同じようなことで、これはもう不当労働行為と思われることを平気で官側の機関がやっているとしたらどうなりますか。官側の機関がこれを国費でやっておるとしたらどうなりますか。当然これは憲法第十五条第二項に違反、それから国家公務員法八十二条第三号、第九十六条第一項違反、人事院規則一四−七に違反する行為です。 それは小石川特報、この中に局長名で幹部に対し——裁量権のない下部職員じゃないです。幹部に対して全逓を誹謗し社会党を誹謗しているのです。自民党の人は喜ぶかもしれない。しかしながら、こういうようなことが平気でやられていいものですか。これは個人の発行するものでない。国の費用でやっているのだ。そして行政的裁量権のない下級職員ではないのです。上級職員です。仕事も機械的な労務ではないです。管理的立場の指導的仕事です。そして時間内です。そして自分の職務を利用して、国の施設を利用して、国費を支出してやっている、こういうようなことです。これだったら、逆に猿払のほうはいまのようなことで無罪は当然、しかしながら同じようなことで小石川特報、こういうようなものを何ぼも出しておりますけれども、この中で「社会党本部に右翼が乱入したと新聞に報じられた。」「社会党からは警察に対して、暴力は困る、もっときつく取締れと抗議を申し込んだ事件があった。」、「自分がやられるのは困るが、自分がやるのは良い、では全く理屈にならない。」こんなことを言っている。社会党はいつこんなことを申しましたのですか。まことに不可解だ。(「実情を明らかにしろ」と呼ぶ者あり)これは実情を明らかにしなさい。これは明らかにしないといけません。こういうようなことを局長がちゃんと書いているのです。そして「こんどのストで、長崎の局で全逓の組合員が、管理者数名に暴力を振るった事件が起きたが、こんな指導を受けた結果ではないかと心配している。」——社会党か指導したと思われるようなことを書いている。「こんな指導」とは何ですか。こういうような曲がりに曲がり、うそに満ちたようなことが平気でこれは書かれておる。これは行政的裁量権のない下級職員でない上級職員であるという点、仕事も機械的労務ではなく管理的立場にある仕事であるという点、時間内であるという点、それから職務を利用し、国の施設を利用して国費でもってこれをやったという点、これは重大です。これはあくまでも調べておいて、これに対するはっきりした見解を私は問いたいと思います。こんなことは大臣、許されていいですか。
○河本国務大臣 一回実情をよく調べてみます。
○島本委員 こういうようなことは人事局長、あなた知りませんか。
○山本(博)政府委員 初耳でございます。法律に違反するかどうか、あるいは指導として適切な指導であったかどうか、よく調べましてから適切に処置をいたしたいと思います。
○加藤(常)委員長代理 ちょっと速記をとめて。 〔速記中止〕
○加藤(常)委員長代理 速記を始めてください。
○島本委員 まだ私は、郵便番号周知と貯金の奨励のためにということで資料がございますが、これも大臣とやって、いままでにないようなぶざまなことをここに発表しなければならないのですが、時間がないからやめろというからやめます。それと同時に、今度は目標管理、これについてのいろいろな件も資料をもって調べてあるのですが、これもやめざるを得ないのは私は残念なんです。 委員長、もう一つだけ何かやらしてくれますか。——じゃ残件についてはもう一回一般質問でこの理非を明らかにし、皆さんに猛省を促すということをお誓い申し上げまして、きょうはこれで私の質問は終わります。
○加藤(常)委員長代理 田代文久君。
○田代委員 まず、大臣にお聞きしたいのですが、昭和二十四年の第五国会でこの簡易郵便局法が成立する際に、当時の小沢逓信大臣が「特に個人を入れないのはなぜか」という質問に対して「いままで局長が国家の事務を扱っていたずらに利益をむさぼる弊害があった、いままでとかくの非難もあったので公共団体だけに制限した」こう言って、次に「個人には絶対に許しません」こういう明言をいたしておることは御承知のとおりであります。 〔加藤(常)委員長代理退席、小渕委員長代理 着席〕 ところが、今回個人の受託制を法定しようとしているわけでありますが、これは当時の事情と現在の事情がどのように変わって、また、絶対にこれは個人には許さないということを当時の逓信大臣が明言しておるにもかかわらず、今度これが変わってきておるというのはどういう理由によるものかということを、まず大臣の答弁をお願いしたいと思います。
○河本国務大臣 簡易郵便局が初めてスタートいたしましたのは昭和二十五年でございます。二十五年に四百八十局ばかりの局をつくりまして、現在は三千二百局をこえております。そして二十年間、この法律の趣旨に従いまして、地方自治体、市町村あるいはまた農協等の組合、ここに委託をするということで三千数百カ所の簡易郵便局をつくりまして、そして国民に郵政事業のサービスを行なってきたわけでございますが、しかし、もう地方の市町村あるいは組合等に委託して簡易郵便局をふやすのは限度一ぱいにきたように思うんですね。そこで、どうしてもこの際法律を改正していただきまして個人にも委託できる、こういうふうにしませんと、なお全国で二千数百カ所簡易郵便局を置かなければなりませんが、それが実現できない、こういう事態になりましたので、そこでいま法律の改正の御審議をお願いしておるわけでございます。
○田代委員 いまの大臣のお答えは答弁にはなってないのではないか。私の質問したことをそらした形で答弁なさっておる。 というのは、当時は個人を絶対に許さない。これはいままでとかくの非難もあったので、公共団体だけに制限したということなんですね。ですから、個人を絶対に許さないという制限づけというのは、いまあなたが答弁なさったこととは違うのです。いろいろの非難やそれから弊害があるということなんです。そうすると、当時と現在と比べて、そういう非難を受けるような弊害というような問題が実際になくなったのかどうか、また、この法案を提出してもなくなり得るという保障があるのかどうか、そういう点を明確にしていただきたいと思います。
○曾山政府委員 ただいま当時の国会の模様の御披露がございましたが、私ども、もちろんこの法案を提案するにあたりまして当時の模様を調べたわけでございます。私どもが承知しておるところにおきましては、当時の小沢逓信大臣はかように言っておられるように思います。「従来の特定局について、いろいろ非難もあったので、非難の論点にはできるだけ触れないで公共団体だけに制限する。個人にやらせてもいいという考えもあるが、とにかく非難の論点にはできるだけこの際触れないで、この際、公共団体と協同組合にする。」というふうに言っておられます。したがって、個人には絶対にしないということにつきましての御明言について私ども承知しておらぬのでありますが、かりに、その後の状況をよくごらんになってもおわかりになりますように、民主化の中で私どもかつてのように——かつての状態においても必ずしも私どもいろいろと組合のほうから言われますような状況が一般的であったかどうかにつきましても疑いを持つものでございますが、さようなことがかりにあったといたしましても、いうところの封建的搾取がかりにあったといたしましても、戦後二十数年たちました現在におきましては、御案内のようにさようなことはないわけでございます。いま私ども、やはり先ほど大臣がおっしゃいましたように、公共の福祉、つまり国民の通信需要にこたえることが一番大事なことである、したがって、通信の窓口機関がないところにサービスをできるだけ拡張していくという方針に沿って個人を提案した次第でございます。
○田代委員 国民の要望なりそういう需要というものは、たとえば山間僻地というようなところを考えますならば、当時にしろ現在にしろやはり同じだと思うのです、件数が多いか、幾らか違うかということは別にしまして。では、なぜ当時もはっきりそういう要望にこたえるような処置をとらないのかということなんです。現在、とにかくなぜそれをとるというふうに方針を変えたのかということなんです。
○曾山政府委員 当時といたしましては、いうところの未設置町村——現在におきましては全然簡易郵便局のない未設置町村というものは六カ村しかございません。当時は約千七百もあったという状況でございまして、そういう未設置町村に簡易郵便局をできるだけ早く置く方針といたしまして、通信窓口機関を置く方法といたしましては、公共団体、つまり市町村等に委託するということが手っとり早いというような意味もあったように承知しております。なおそれだけではあるいは不十分であるというところでは協同組合ということも足しまして、地方公共団体と協同組合をもってすればこういう未設置町村というものはなくなっていく、そこに重点があったようでございます。しかし、その後ずっと日月を経過いたしまして、御案内のように未設置町村というものは非常に少なくなってまいりました。それでも基準から見まして、国民の方々から見て非常に窓口サービスを期し得ないという地域が残るわけでありまして、そういうところにはどうしても個人でなければ手当てができないというところに私どもの悩みがございまして、また、その解決方法を個人に対する受託ということに求めた次第でございます。
○田代委員 先ほどのあなたの島本委員に対する御答弁の中で、つまり今度これをこんなに改正するというのは、非常に要望がふえたからということが根本理由になっておるのですね。非常に要望がふえておる、それは逆に必要があるんだということなんですか。先ほどから答弁を聞いておりますと、これは山間僻地を目標ということのように言っておると思いますが、これは僻地に限らず、たとえばいま東京都内だって非常に団地もふえまして、そしてその団地には実に何千戸もあるというような状態になっておるわけですが、これは僻地に、僻陬の地に限るということなんですか。それとも、その他、たとえば都内の要望にこたえるということになりますならば、いま新しくできた団地のそういう居住者にとりましては非常に郵便局が遠いというので不便をかこっている人も実にたくさんある。そういうことになりますと、これは都市であろうが僻陬の地であろうが、同様の取り扱いをしなければならないと思うのですが、その点どうです。
○曾山政府委員 その点につきまして、いわゆる都市の周辺地域において団地等ができまして急速に伸びて通信需要のあるところ、そういうところにいわゆる特定局の設置基準には満たない、しかし簡易郵便局の設置基準には満つるというような場合におきましては、そこに簡易郵便局を置くということも、私この法律に反しておるとは思いません。この法律の一条には「経済的に、郵政事業の役務を辺ぴな地方にまで広め」る、その辺ぴな地方に置くということを必ずしも限定しているわけではございません。非常に広義に解釈いたしますと、いまお示しのような特定局の設置基準には満たぬけれども簡易郵便局の設置基準に満つるというようなところにおきましてはこれを置いてもかまわぬと思います。しかし、そういうところは将来必ず通信需要がふくれまして特定局の設置基準に該当すると思います。そういう場合には特定局に切りかえまして、できるだけ特定局が望ましいと考えます。
○田代委員 そうしますと、将来とおっしゃいますけれども、将来というのは非常に抽象的で、現在団地におられるそういう居住者にとりまして、一刻も早いほうがようございますね。そうすると、将来そういう特定局なりができる間どういうふうに処置されるのか。つまり、いまおっしゃったように、単に僻陬の地だけに限らず、団地とかあるいは都市内であっても、そういう不便なところに対しては、要望のあり次第当局がそういう個人の受託とかあるいは簡易郵便局をつくるということをはっきり明言されますか。
○曾山政府委員 その点につきましてはなかなかむずかしい点でございますが、窓口機関として特定局の基準には該当しないけれども、わりと都市の近間なところであって簡易郵便局の設置基準には該当するという場合にはどうするか、私ども一といたしましては、そういうところは非常に急速に発展しまして、業務量がふくれまして定員等も序やす必要があると思いますし、作業の取り扱い人員も非常にふやす必要があると思いますので、そういうところは特定局としていくということで申し上げたいと思います。 簡易郵便局は、先ほど来申し上げておりますように業務量が少ない、一人で十分できるというところが本来の目的でございます。そういうところを主体にして置く、したがって、いまお示しの東京都内の二十二区内等におきまして特定局の設置の要望がなかなか満たされない、さしむき簡易郵便局を置いてくれということに対しましては、私どもはしばらく待っていただいて、そのかわりそういう特定局を置いていくということに現在もいたしておりますし、将来もその方針は守っていきたいと思います。
○田代委員 そうしますと、特定局がりっぱにでき上がるまではそういう団地等の中には簡易郵便局も置かない、したがって個人の受託ということもがまんしてもらう、こういう御意見ですか。
○曾山政府委員 現在予算上特定局のワクが相当数ございます。したがって、私どもはさようなところにはつとめて重点的に特定局を置いていきたいと思います。なお、特定局を置いたあと、つまり各郵政局におきましても特定局設置のための定数、定員等も保有しておらないというような場合におきまして、かりに特定局には該当しないが、設置基準から見まして簡易局に該当するというような程度の団地ができた、そこで通信需要があるという場合には、どうしてもお待ちいただけないという場合には簡易局で手当てしてもいいじゃないか、そのかわり、少なくとも翌年特定局のワクが取れますので、そのときに、もちろん特定局の設置基準に該当しておらぬといけませんけれども、該当してさえおれば特定局でもって手当てしていきたいというぐあいに考える次第でございます。
○田代委員 そうしますと、簡易郵便局もできないという状態があり得るんですね。そうすると、その場合に、今度の法律ができますと、とにかくその団地において個人が、かりに私なら私がそこの団地におって、これをとにかく受託させてくれぬかと言ったら、これは田代ならいろいろな条件から見てよかろうということになった場合に許可してもらえますか。それはどういうことになるのですか。
○曾山政府委員 ただいまのは例でございますので、御案内のように、簡易郵便局は設置基準といたしましては享便戸数が二百戸以上ということに相なっております。隣の局との距離が八百メートルということになっておることは御承知のとおりでございますが、さようなところに該当するというような場合に、かりのお尋ねでございますけれども、東京都の二十三区内というような場合には、方針としては簡易局は置きたくございません。しかし、たとえば三多摩の地方で、かりに秋津なら秋津のほうに急激に団地を置く必要があって、しかも置かれた、その場合に、特定局を置くという基準に該当しないが簡易局の基準に該当します場合にはそこに置いてもいいんじゃないかということでございます。
○田代委員 それから、この改正案では第一条の法律の目的で「この法律は、郵政大臣が郵便局の窓口で取り扱うべき事務を地方公共団体その他営利を目的としない団体であってこの法律で定めるものに委託して行わせる」というのがこの以前のあれですね。ところが今度は「地方公共団体その他この法律で定める者に委託して行わせる」として、「営利を目的としない団体」というところを削除しておるんですね。「営利を目的としない団体」という点が落ちておりますが、これは反対にとりますと、営利を目的としておる団体であってもいいんじゃないかということにも解釈されるわけですね。そうしますと、たとえば何か小商売をやっておるとか、あるいはマーケットならマーケットみたいなものでもやっておるというような人がおられてした場合でも、これはその人を受託者として指定されるということがあり得るわけですか。
○曾山政府委員 お示しのように、旧第一条におきます「営利を目的としない団体であってこの法律で定めるもの」というものをとりまして、「この法律で定める者」ということにいたしたわけでございますが、それを受けまして、第三条におきましては一、二、三、四と羅列してございますほかに今回五を加えまして「十分な社会的信用を有し、かつ、郵政窓口事務を適正に行なうために必要な能力を有する個人」——「個人」ということを明記したわけでございます。もしこれを、「有する者」というぐあいに書きますと、法律上、ただいま田代委員お示しのとおりなこともできるということになりますが、さようなことをさせないために「者」というのを落としまして「個人」ということにいたしたわけでございます。 したがって、商店あるいは会社、法人等につきましては、私どもとしましては認めることをいたしておりません。あくまでここに羅列しました五つの種類に限る、受託者は公共団体、協同組合、それから個人ということになるわけでございます。会社、法人は入りません。
○田代委員 そういう会社、法人というのは、そうでなくて個人名義で営業をやっているというのがありますね。そういうのはどうなりますか。
○曾山政府委員 あくまで個人でございますので、その場合には個人——私、曾山克巳と申しますが、曾山克巳という資格において受託者になるわけでございます。曾山商店ということではございません。曾山克巳という人間が受託者になるということでございます。
○田代委員 それはおかしいじゃないですか。つまり、個人であろうと何であろうと、いわゆる商店をやっている個人の名前で、あなたならあなたの名前、私なら私の名前で、そういう場合にははっきり事業そのものは営利ですよ。営利事業をやっておるのです。そうすると、その営利事業をやっておる人に対して許可するということになれば、それは非常に矛盾しておるし、そういうことは大体できないということになりはしませんか。その法的根拠はどこにありますか。
○曾山政府委員 法的根拠につきましてはあくまで、先ほど申しましたように一条を受けまして、この三条で一、二、三、四、五と羅列いたしました五の中に個人ということをうたっておるからでございます。これは法律的な根拠でございます。ただし、個人といいましても、いま私が例に引きました曾山克巳は、それじゃ曾山商店の商店主である曾山克巳と同じじゃないかという御意見かと思いますが、もしこれを「有する者」というように法律上書くといたしましたならば、あとにきますところのいろいろの条項も、当然欠格条項等についても変えなければいけませんでしょう。考え方としましては、私はそういう考え方も実はあろうと思います。よその国におきましてはさような考え方をとっているところもございます。しかし、今回「者」ということにいたしませんで「個人」というふうにいたしましたのは、先ほど来大臣もおっしゃいましたように、あくまでまだ通信窓口機関が普及していない地域に対してこれを及ぼしていく、そういうところは個人でないとできないだろう、こういうことからのこの立法の趣旨でございますので、さようなところには、会社とか法人というものの支店も出張所も一もちろんございますまいから、やはり「個人」ということだけ入れるということにしたわけでございます。あくまで法律上の根拠は、この一条を受けましての第三条の五というところで「個人」とありますので、曾山商店の商店主と曾山個人というものは違う、これは法律的に違うわけでございます。
○田代委員 これは非常におかしいと思うのですよ。とにかく僻陬の地なら僻陬の地で私なら私が私の名義で小商売をやっている、あるいは果樹園をやっている。そういう場合に、それ自体としては明らかに営利事業ですよ。営利のために商売をやる、営利のために果樹園を、あるいは農業をやるわけですから。そういう場合に、私がそういう小商売をやっておるとか、あるいは果樹園をやっているということによって私は資格者になるのかならぬのか。この法文からいえば、営利を目的とする団体ということで、いわゆる営利を目的ということをはっきりわざわざうたっておるわけですね。これと抵触しないかどうかという問題なんです。
○曾山政府委員 営利を目的としない団体をとりましたために、逆な解釈からいいますと、裏の解釈からいうと営利を目的とするものができるじゃないかというようなお考えかと思いますが、何回も申して恐縮でございますが、この三条の五で個人ということにいたしました以上はあくまで個人が主体になるわけでございまして、商店というような形での受託の問題は起きてこないわけでございます。おそらく、問題がさらに発展いたしまして、そういう場合に、もし個人商店主ということであるならば、その個人商店主が使用人もおることだし、その使用人をフルに使って、そこに、いうところのかつての、先ほど第一番の御質問にございましたように、いわば雇用関係に類似したような被搾取、搾取といったような関係が出くるんじゃないかという、非常におこがましい言い方でございますけれどもお尋ねじゃないかと思いますが、あくまで商店主である曾山に着目いたしまして、私個人が持っておる社会的信用、それから必要な能力というものを主にしてきめたいと思っおる次第でございます。(「それは三百代言だ」と呼ぶ者あり)
○田代委員 いま不規則発言がありましたように、これは全くもう典型的な三百代言ですよ。そういうことで法律が運用されるんなら、日本の国民は、こんな法律、何になるんだ、でたらめじゃないか。田代個人とか河本個人といって、これは空気みたいな存在じゃないですよ。これは田代という人間があって、私がたとえば商売をやっている、それが切り離せますか。これはもうそれ自体がインチキ性を持っておるし、そこにごまかしを持った法案であるということは非常にはっきりしているのです。 その次に、ますますこれははっきりするのですけれども、本法案の第十二条ですね。これに「受託者は、公共の利益のため、誠実に自ら委託事務を行なわなければならない。」と規定しておるわけですね。これは法律なんですからこの「自ら」ということは非常に厳密な意味を持っていると思うのですが、そうしますと、この受託を受けた個人は大体執務時間というようなものはどうなりますか。みずからここで事業をやり、いわゆる公的な仕事をするのですが、時間は大体どうなるのですか。
○曾山政府委員 執務時間につきましては、当該受託者と郵政大臣の代理人でございます郵政局長との間に契約を締結いたします。その契約書の中におきまして時間をきめますが、そのきめる時間数は、週三十時間を下らない範囲におきまして郵政局長がこれを定めることにしております。現在の実例を申し上げますと、通常最低で五時間、最高八時間というのが例でございます。
○田代委員 そうしますと、これはおかしいのですが、公務をとるのに、週三時間受託者みずから委託事務を行なうのですか。これで法律でいっている完全な意味のみずからこの委託事務を行なうのだという確信がありますか。また、事実そういう確信のもとにこういう法律をつくっておられるのかどうか、御答弁願いたいと思います。
○曾山政府委員 先ほど私単位を申し上げませんでたいへん失礼いたしました。五時間−八時間ということは、一日にということでございます。それから三十時間と申したのは週でございますが、日に直しますと大体一日に五時間ないし八時間やっているという実情を申し上げたわけでございます。御了承いただきたいと思います。 それからなお、ただいまこの十二条によりますと「誠実に自ら委託事務を行なわなければならない。」ということで、曾山克巳なら曾山克巳を受託者といたしますと、曾山克巳が「自ら」やるというのが確かにたてまえでございます。しかし、その「自ら」という意味でございますが、これは私個人にもいろいろ生理的な理由、あるいは何か物理的な理由をもってどうしても席を離れたり、あるいはどうしても休みをとらざるを得ないという場合がございますが、この「自ら」という趣旨でございますけれども、「自ら」の責任と計算におきまして事務を管理するということをもって通常「自ら」ということを申しておるようでございます。この点につきましては、先般の委員会におきましてもいろいろ御質問がございまして、これは法制局等とも十分打ち合わせましてさような解釈を得ております。
○田代委員 そうしますと、これは現実問題ですが、実際としてこれは「自ら」とおっしゃいますけれども、契約した「自ら」は大体この仕事はあまりやらない。田代なら田代が引き受けた場合、これは大体私がいろいろ外の仕事が忙しいとかなんとかいうことで出ますと、女房がやるかあるいは子供がやるか、やるといっても、場合によっては、どらむすこが帰ってきておった、そうしたら来たからひとつやってやったというような、そういう事態のほうがむしろこれは普通じゃないか。とにかく「自ら」がやって、これは単なる責任問題だけだということじゃないのですよ。そういう場合に、政府としては、そこから起こる犯罪とか、あるいはそのためにいろいろ渋滞が起きるというような問題、いろいろ不正な関係ができるというような点について、不安なり、これはどうも非常に困るというような点はないのですか。はっきり確信を持ってこれがやれるということが言えますか。
○曾山政府委員 お尋ねの点はごもっともな御質問だと思います。したがって私どもといたしまして、曾山個人に例を引きますと、あくまでみずからがやるのをたてまえといたしますが、いろいろ病気その他やむを得ない事情によりまして執務できない場合、さような場合には代務者を置かざるを得ないと思います。そういう代務者につきましても、できるだけ他人使用人でなくて、家族であることが望ましいと思います。同居の親族ということにいたしまして、たとえば、これは私ども通達でふえんしたいと思いますけれども、ある一定の時間以上にわたるものにつきましては郵政局長にこれを届けさせるということをもって、先ほどお示しのような事故、犯罪等の防止、あるいは執務上の事故等の起こらないように保障いたしたいと考えております。
○田代委員 そういうことは何ら保障にならないと思うのです。それはいま言ったように、親族の、主人の妻であるとか子供であるとかなんとかいいましても、現実に、場合によってはとにかくそこの奥さんもいないという場合にだれか人が来たら、あなたひとつやっておいてほしいんだというようなことで、近所隣の人に頼むというようなこともなきにしもあらずです。そういうことから起こるいろいろの問題点というものは予見が明確にできるでしょう。そういうことがあり得る、そういう可能性がある。ですから、そういう意味において、いわゆるこういう重要な、一人一人の国民の権利、あるいは秘密とか、いろいろそういうものに関する重大な憲法の基本に触れるような問題をこういう形で個人に受託させるということ自体が正しくない。なぜこれを国営そのものでやらないかということなんです。したがって、基本的な原則的な憲法それ自体に関するような立場からではなくて、とにかく単に便宜的にやればいいんだ、何か故障ができればその場で何とか解決がつく、こういうことじゃないですか。
○曾山政府委員 憲法との関係とおっしゃいましたが、おそらく「通信の秘密は、これを侵してはならない。」という憲法の条文等の問題からさような御意見が出ておると思います。しかし、先ほど来申しておりますように、法十一条をもって法令公務員という形での両方からの保障をしておるわけでございます。その仕事に対する保障並びに国に対する保障をいたしておるわけでございまして、さような心配は私ども法律的にはあり得ないと思います。 ただ、先ほど来申しておりますように、やたらに代理人を——かりに自分の家族でございましても、年端もいかぬ子供を使って事故を起こすというような可能性なんかのないよう、万一の事故の場合等に備えての欠務の補充者、つまり代務者ということで申し上げたと思いますが、それらにつきましてはあらかじめ届け出ておきまして、しかもそれが委託契約を締結しますときの一つの条件になる家族の状況等も十分調べるということはさような意味でございます。
○田代委員 私はそういうあれで危険をなくすることはできないと思うのです。それに対しては郵政省はどういうふうにしてはっきり監督されますか。ただとにかく届け出るときにこれこれで一札入れたというようなことだったら、それは現在問題にならないと思うのですよ。しかし、実際においてそういうことができるといたしました場合、明確な目の届いた監督がなければならぬと思うのですが、どういうような監督をなさるつもりですか。
○曾山政府委員 法十九条におきまして、一応ここにも書いてございますように、委託事務に関し受託者は郵政大臣の監督を受けます。その郵政大臣の権限の委譲を受けまして、第一次的には当該地域を管轄しております集配局長——普通、集配特定局長であると思いますが、集配局長並びにその地域を管轄しております監察官、この両者が監督を行なうことになっております。
○田代委員 それは私は監督できないと思うんですよ。私たちは山間僻陬の事情、これに類するようなことが行なわれているのを知っているのです。 次に、第十一条で、公務に従事するけれども公務員ではないという規定なんですね。そうすると、これは公務員でないということによって、こういう公務を実際においてはやっている個人が、選挙とかいう場合に全面的に公務員としての制約から解放されて十分政治活動ができるということになるように思うのですが、そういうふうにお考えになりますか。
○曾山政府委員 お示しのように、一般公務員でございません。つまり、国家公務員でございませんので、したがって公務員法の適用も受けませんし、あるいは人事院規則等も適用を受けない、選挙活動あるいは政治的活動等に対しましては規制を受けないわけでございます。
○田代委員 私は、現に政府、与党がこの法案が通ることを非常に急いでいるということの中には、これが選挙との関係があるのだという話を方方で聞くわけなんですよ。結局そういう個人に——いなかの大ボスではないでしょうけれども、これを受ける人は相当の顔役であることは間違いない——受託させるには、いろいろここに書いてありますけれども、財力がなければいかねとか、いわゆる保護司であるとか民生委員、それはその地域においては顔役なんですよ。その人の口ききによって大体部落ならそのとおり動く、現実の問題としてこういう人たちしかなれないのですね。その人がとにかく公務のあれを受け持っておって、絶えずそういう関係における切っても切れぬつながりを持つ、それは部落であればなおさら密接な関係ができる。お願いしますとか、あなたのためにしてやったのだとか、こういうことが必ずあるわけですね。そうすると、これは選挙の場合に自由にその点で活動できるということになれば、そこにはっきりしたひものついた地盤ができ上がることは私は間違いないと思うのです。そういう点をなぜ考慮しないのか。ですから、そういう公務の仕事をやりながら公務員でない、こういう矛盾をした姿をとること自体が正しくないし、はっきり公務員として、はっきり国営なら国営でやるという筋をなぜ通さないかということです。結局、そこに非常に大きな危険な問題があるし、そこに、自民党の諸君を前にしてなんですけれども、与党の大きなねらいがあるのではないか。現実問題としてそれがやっぱり作用してくるということなんですね。 それから、こういう中央から末端に至る郵政事業を最末端において個人にするということになりますと、これは全体として郵政関係の合理化、人員の整理というような点とは関係はないのですか。
○曾山政府委員 現在の法律によりますと、新しく受託者の範囲を個人に拡張しようということでございますから、個人に拡張されたからといって特に人員整理につながるというものではございません。 なお、ただいまいろいろお話がございましたが、外国に例を引きましても、どこの国におきましても、必ずしも自由主義国だけではありません、社会主義国においても、あるいは共産国においてもそういう例もございます。したがって私どもは、郵政業務の一部を、経済的であり、かつまた能率的と認める場合にこれを個人に委託させるということは、現にわが国にも例があるわけでございますし各国でも例があるわけでございまして、国民全体の方々のために郵政業務が公平にあまねく、かつまた、しかも安価に行なわれるということであれば、そのほうが国民全体の福祉に貢献するのではなかろうかと考えます。
○田代委員 外国とおっしゃったのですけれども、これは外国がやっているからというようなばかなことはないですよ、外国は悪いことをたくさんやっているのだから。隣の人がどろぼうをやったから私もやるのだという、そういう理論は成立しないですよ。日本は日本の憲法に基づく独自の全国民の利益に合致するということでいかなければこれは問題にならぬと思うのですが、そういうことは説明の理由になりません。事実、そういうことをやらなければ、そういう僻地にとにかく公務員がその郵政の事務を取り扱うということになって、これが今度は個人で請け負うとすれば、そこで働く郵政関係の労働者は、とにかくもう個人がやってそこには行かぬでいいようになるのですから、それだけ人員が制限されるということは明らかですね。そういう意味で、あなたたちは合理化を考えているだろうし、それからこういうことをやることによって給料を一万五千円とか平均二万五千円とか、とにかくこういうことによってその仕事をさせるということでこれは安上がりに持っていく、安上がりで安くなることはけっこうですけれども、そこからその安上がりそのものが安かろう悪かろうということが、これ自体に事実内包している。いままでのあなたの答弁によってもそうなっておるし、それから個人請負の方向へ持っていくというようなことはこれは非常に危険だと思うのですよ。 だから、そういう点でこの法案自体が非常に大きな欠陥を持っておるし、これは正しくないと基本的にも思うのですが、そういう点、どうですか。安かろう悪かろう、請負主義にどんどんいくというようなそういう内容を持っている。もしこれを法律で無制限にしようとしますと幾ら個人請負というやつが発展するかわからぬような可能性もあるわけです。その点どうですか。
○曾山政府委員 おことばではございますが、基本的には、私ども先ほど来申しております諸国の例を引いては、日本は独特の例があるとおっしゃるかもしれませんが、やはり世界大宗の郵政経営の方法というようなものがあるわけでございまして、なかんずくいわゆる独立採算、しかもその独立採算も収支相償うていの独立採算という形で経営しろという至上命令的な命題を持っております以上、能率的かつまた経済的に執行するのがたてまえだと思います。そういう中でどこに合理化の道を見つけていくか、これはおっしゃいますように、基本的には、私は必ずしもいまの特定局においてすら、非常に率直に申しますと、ぜいたくな制度であるというふうに思います。しかし、過去におきましていろいろの沿革がございまして、現在のところは特定局制度についてはそのまま特に触れないということになっておりますので、さらにそのらち外にございますところの簡易郵便局につきまして、簡易郵便局の受託者の範囲をできるだけ広げて、国民の皆さんの要望にも応じ、かつまた経済性を発揮していく、それがひいて国民の福祉にも役立つということでございましたならば、個人に受諾さしても何ら差しつかえないというように考えます。
○田代委員 いま安上がりの独立採算制ということをおっしゃいましたけれども、これは独立採算制という原則は、そういう正しい面もありますけれども、国営事業とか公営事業というものは、必ずしもいつも黒字にならなければならぬとか、独立採算でいかなければならぬということを適用することは正しくないのですよ。いわば、どのように通信なり郵政事業が完全に国民の全体の利益になるか。安くなったら、これは国民が利益になっておるということに事実ならぬですよ。それに伴って反対の部分がある。いまの説明の中でもずいぶんいろいろな問題があるわけです。そういう点がある場合に、ただ採算上独立採算だ、独立採算に合わぬから労働者も一どんどん首切ったらいいというようなばかげた理論が成立するなら国営事業そのものが意味がない。完全な営利事業になっちまうと思うのですよ。そういうことは考えるべきじゃないと思います。 いずれにしましても、なお聞きたいことはたくさんありますけれども、これで質問を終わります。
○小渕委員長代理 この際、一時間休憩いたします。 午後一時十五分休憩 ————◇————— 午後二時三十五分開議
○井原委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 簡易郵便局法の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を続行いたします。安宅常彦君。
○安宅委員 先ほど私ちょっと退席しておりましていなかったのですが、日本共産党の田代委員の質問に対して、現行法でも、簡易郵便局というのはいわゆるへんぴな土地ではない都市のどまん中でも委託業務をさせることができるという法解釈や答弁があったそうでありますが、そのことについてどういう根拠でおっしゃったのか、ちょっと聞いてみたいと思うのでございます。
○曾山政府委員 先ほどお答えいたしましたのは、別に都市のどまん中、つまり東京都内の都区内等におきまして簡易郵便局をつくるということを申し上げたつもりはございませんでした。ただ、都市の周辺地区において団地等ができまして、特定局には達しないけれども簡易郵便局の設置基準から見ると該当するというような場合に、これも当然物数取り扱い量がふえてまいりましょうから、そういうときに、特定局にすることを前提といたしまして簡易郵便局にするということを申し上げたわけでございます。
○安宅委員 これは第一条の解釈だと思うのですが、「この法律で定めるものに委託して行わせることにより、経済的に、郵政事業の役務を辺ぴな地方にまで広め、国民が簡便にこれを利用できるようにすることを目的とする。」つまりへんぴでないところもいいが、へんぴなところもやるのだという意味ではなくして、へんぴなところには郵便局がないから簡励郵便局をつくるのだというふうにこの法律は解釈するほうが正しいのじゃないですか。一体どうなんですか、これは。
○曾山政府委員 「辺ぴな地方にまで」の読み方でございますが、ただいまおっしゃいましたように、簡易郵便局法の趣旨は、すっきりと読みますとさようなぐあいに解釈なさってけっこうだと思います。
○安宅委員 それでは、あなたはすっきりと読まない答弁をさっきしたのじゃないですか。団地というのは都市のどまん中にもあるのですよ。いいですか。団地というのは奥多摩とか三多摩地方にあって、東京都のまん中には団地がないというような頭であなたいいかげんな答弁をすると変なぐあいになるのですよ。団地あたりでも享便戸数なり局間の距離がどうのこうのということに合っているならば、団地がある場所だったら、都市のどまん中でも、少しはずれたところでも、たくさんはずれたところでも簡易郵便局を設置させますという答弁になるのですよ。これはどうなんですか。
○曾山政府委員 私先ほど来由しておりますように、いわゆる東京都区内等にできました団地に簡易郵便局をつくるということは絶対やらしておりませんし、また、さようにすべきでないと思います。ただ、田代委員からの御質問の中では、特に私奥多摩地方の秋津等を例に引いて申し上げましたが、なるほど、たとえば鹿児島県のいなかを例にとりますと鹿児島のいなかのほうがへんぴでしょうけれども、享便人口がおりまして、また、あわせて郵便局を設置してほしいという希望がありますときに、秋津の奥あたりは一応へんぴと見ていいのではないか、そういうところも簡易郵便局を置きまして差しつかえないと思います。ただその場合でも、そういうところは物量の少ないところでございましょうから暫定的でございまして、あとは物量が多くなれば特定局で救っていったほうがいいということを申し上げたわけでございます。
○安宅委員 そうすると、へんぴな地域というのは、あなた方役人さんがかってにそれはどの範囲かということについては認定権がある、こういうことですか。
○曾山政府委員 一応簡易郵便局の設置基準は、すでに御承知のとおり局間距離が八百メートル、享便戸数が二百戸以上ということがきまっておりますけれども、そういう二百戸以上まとまってあるというところはたいてい地方でありますし、同時に、都市の周辺地におきましてもはるかにはずれた地方だろうということは言えると思います。
○安宅委員 これはおかしいのですよ。だからそういう場合には特定郵便局をつくるんだ、都会は。あるいは、そういうものに達しておっても特定郵便局を設置する基準になるかもしれませんね。だけれども、団地というのはいなかにもできるでしょう、それから都会にもできるでしょう。都会にはつくらない方針でありますし、つくるべきでないと思いますというのは、法律的な根拠によっているのではなくて、あなたの主観で言っている答弁なんですよ、私の受け取り方は。だから、規則なりそういうものできちっとしているのか、あるいはこの法律が昭和二十四年にできた。私、遺憾ながらそのとき衆議院議員でも何でもなかったのですが、そういうことについて確固たる——そういう地域というものについて法律以外に議事録に残ったりした経過があるのか。それがなければ、あなたが郵務局長だから、私は設置しませんし、設置すべきでないと思いますと言っても、だれかがなれば、それは設置すべきだという判定をやればやれるということに解釈できるのですかと聞いているのです。
○曾山政府委員 簡易郵便局法を制定いたしました当時は、先ほど申し上げましたけれども、未設置町村というものが非常に多うございました。未設置町村は必ずしも私、ほんとうに鹿児島県の山奥だけではなかったと思います。そういった場合に、都市の周辺地区等の町村等に賢くという場合にでも、やはり簡易郵便局という制度を利用いたしまして、できるだけ国民の方々の通信需要に応じるということがこの制定の趣旨だったろうと思います。しかし、大体におきましては、おっしゃいますように、都市及びその周辺地区等には特定郵便局という制度か一応行き渡っておる、当時もそうだったと思います。 そこで、この法律の一条の解釈でございますが、「経済的に、郵政事業の役務を辺ぴな地方にまで広め、」というのはいわゆるへんぴな地方だけに限定されるのかということになってまいりますと、必ずしもそういうふうに見る必要はないのではないだろうかという意味で、都市の周辺地区におきましても、当時もそう考えておりましたし、現在でもなおその考え方はとっても差しつかえなかろうと思うからでございます。
○安宅委員 それでは、特定郵便局をこれ以上設けたくない。新しい都市的な要素を持った団地やあるいは市街地ができた場合には、これは簡易郵便局のほうがいいという判断をあなた方がすれば、それで都市のまん中か端っこか、へんぴな地方かなどという認定はあなた方の掌中にあって、どこにも将来できる、裏を返せばそういうことを言っているという、そういう答弁になると思いますが、どうですか。
○曾山政府委員 特定郵便局につきましては、御案内のように市内地と市外地に分けまして、市内地の場合ですと局間距離が八百メートル、人口にいたしまして、優先基準で八千人ということにいたしております。それから市外地の場合は局間距離が二キロ、それに戸数にいたしまして享便戸数が六百戸ということにいたしておるわけでございます。最近は若干上げまして、優先戸数で八百戸というようにいたしておりますけれども、ともかくそういう基準がございます。 したがって、団地等で当然六百戸以上ございまして、しかも局間距離が二キロ以上ございます場合には、私ども何も簡易局を置くということは考えておりません。これはやはり特定局を置くべきだと考えております。しかし、特定局のワクも年間きまっておりますので、そういうところがたくさんあるからといって全部賢くわけにまいりませんから、さてどうするかというような場合には、これは私ども、一応一年待っていただくより方法がないと思います。特定局の基準に達しておって、そしてワクがないというような場合は一年待つよりしようがないので、そういうところまで簡易局を置くべきだとは思っておりません。
○安宅委員 たとえば電話をつけたい、なかなか普通の電話はつかない、三年待ってもつかない。ワクはどこできめるかといったら、いろいろなことを予算で制約されるでしょうね。それも要素として一つあります。だけれども、あなたのほうで郵政省の事業がなかなかうまくいかない、したがってそういう特定郵便局をつくりたいが、予算をこれ以上計上したって大蔵省には承認されないかもしれない、あるいは切られた。これはその段階では行政的な範囲ですね。国会は関与できませんね。そういうワクを小さくすれば、置こうと思っても何年たっても置けない。あるいはまた、そういうところから特定郵政局を開設したいという申請者がなかったからという理由で自分からワクを狭めていって、そしてああ、しようがないからということを表面上の理由にして、実は特定郵便局を置くよりもこっちのほうがいろいろな意味で——ある有力な人か、簡易郵便局のほうがもうかる、手数料を考えたら、一人でやらせれば十万円にもなるところもあるのだ。国家公務員になれば、あなたのほうはなかなかもってけちんぼうで二万円ぐらいしかくれない、このままでいけば、そっちのほうがいいからというので簡易郵便局を申請してきた場合には、これはしめた、そのほうがかえっていいのだという形になりかねない。基準というものがないですからね。基準があってもこれはワクが押えられて、そして簡易郵便局をつくったほうが有利だということで、あなた方はいろいろな意味で圧力をかけられたり、いまの答弁は、逆に言えばそういうときには特定郵便局を当然設置すべきところにも簡易郵便局を設置してもかまわないという理屈に通ずるのです。そういうことについて、あなたのほうで特定郵便局をこの辺は人口がふえたから置くべきだという計画があった、当然いまの特定郵便局の設置基準で特定郵便局を設置すべきだという考え方で郵政省が国民の利便を考えてやる、こういう場合と違って、できれば つくりたくない。だけれども、簡易郵便局だったら、よしやってやろうということになった場合には、特定郵便局にしたり簡易郵便局にしたりする裁量権はあなた方の掌中にあるのだというふうにしか理解できないのですが、そのとおりですかというのです。
○曾山政府委員 私どもの掌中というといささか表現がきつうございますけれども、御承知のように、一応郵政大臣がまかされております仕事でございますから、郵政大臣が国民の通信需要に応じましてどこどこに郵便局をどういう基準で置くということは、これはやはり行政上の問題だろうと思います。その場合でも、恣意的に、ただいまおっしゃいましたように、当然いまつくっております特定局の基準に合うのにかかわらず、諸般の理由ということをおっしゃったと思いますけれども、そういう理由でもってやたらに簡易郵便局をつくっていくことは望ましくないと思います。 と申しますのは、先ほど来申しておりますように、現行法の簡易郵便局というのは、やはり事務量からいいましてもそう多くない、少なくとも一人ぐらいでやれるというところを念頭に置いてつくっておると思いますので、特定局の基準に合うところは、やはり一人でやれぬようなところに特定郵便局を置いていきたいと私ども考えておりますから、決して事務量が非常に多かろうと思われるようなところについて簡易郵便局をどんどん増置いたしていくというようなことはすべきでないと思います。
○安宅委員 すべきでないということ、私はそう思っておりませんということは、言うなれば道徳的なそういう規制であって、大きな圧力があったり、あるいはそういうことをあなたが考えたり郵政省が考えたり、そういう状態になったときに歯どめをするものは何もないということですね。——それじゃこれだけは聞いておきましょう。何ら歯どめはないではありませんか。
○曾山政府委員 歯どめがないといえばまたそういう表現も使えるかもしれませんが、一応妥当な設置基準でもって特定郵便局と簡易郵便局の振り分けを十分いたしまして考えている以上、さような歯どめのない無制限な簡易郵便局の増置ということについては考えられないと思います。
○安宅委員 それは非常に重要なことなんですが、だけれども法律的には歯どめがありませんね。
○曾山政府委員 そういう歯どめをする条文があるかないかということを言われますと、その条文はないというふうに言わざるを得ません。
○安宅委員 それでこれは非常に重要なんです。電電公社は普通の電話はつけられない、だから、しかたがないから農村には農村集団電話というものをつけようと思った、これは一人前でない電話だ、そんなに需要がないと思ったら、たいへんあっていま電電公社は困っているですね。ところが、この簡易郵便局法を改正しよう——私らからいえばたいへんな改悪ですが、この改正しようとした意図は何かといいますと、ここに第三条に列記されてある地方公共団体、農業協同組合、協同組合、消費生活協同組合などに委託をするようになっておりますが、それではなかなかもって簡易郵便局をつけたいところ、だれかがつけたいところにっからないから、えい、しちめんどうくさい、これを抜いてしまえというのがつまりこの改正案なんですよ。つまり法律的に歯どめがない。歯どめがないんだから、ほんとうはやれるかもしれないけれどもそれはうしろ暗い。ですから、歯どめのないことは承知しているんだが、それよりもめんどうくさいから、道徳的なものをもはずしたオープンにしてやれるような簡易郵便局をたくさんつくりたいという要望が、この簡易郵便局法を改正する基本になっているのじゃないですか。どういう意味ですか。そうじゃないと言うのだったら、その理由をもう少し詳しく言ってください。
○曾山政府委員 先ほど来お答えいたしましたとおりでございますけれども、午前中にも大臣もおっしゃいましたように、なお現行基準によりまして簡易郵便局を設置したい、また同時に、国民の方々も要望している地域が全国で二千百くらいございます。そういったところにつけていく、そのためには個人でなければ、協同組合あるいは地方公共団体の直接の施設がございませんので国民の方々の通信需要に応じ切れない、そのためには個人ということに持っていこうというのが今回の提案の趣旨でございますので、いろいろ御議論なさいましたけれども、私ども、都会にまでどんどんこの簡易郵便局という形で進出をさしていって無制限に局をつくっていくという考えはないわけでございます。
○安宅委員 そうしますと、現行法律でこういう公共団体、営利を目的としない諸君からすでにたくさん要望がある、にもかかわらず個人にまで受託させなければならないという理由はどういうことでしょう。
○曾山政府委員 いま申し上げましたように、現行法によりますと、地方公共団体及び協同組合——三種類の協同組合でありますが、これが受託するというたてまえになっております。したがって、そういうそれぞれの直接の出張所とか事務所という施設がなければ、どこに請け負わすかということで、それが不可能になるわけでございます。その不可能な地域が実は二千百の中に、正確に申し上げますと約千七百ございまして、あとの四百くらいは市町村の事務所や協同組合の出張所があるにかかわらずまだそこで受託しておらない。これは当事者のほうで受託の希望がないわけでございますけれども、そういうところも、希望がなければこれはしかたがございません。そういう希望がないというのは、団体のほうで希望がないわけでございまして、国民の方々のほうからは希望があるわけでございます。そういうところも救ってやってしかるべきではなかろうか、それからその場合に、千七百の全然施設のないところにつきましては個人以外にやりようがございませんので、それで個人に広げるというのが、提案いたしておりますおもなる趣旨でございます。
○安宅委員 これは主客転倒しているじゃないでしょうか。郵政省が国民の利便のために郵便局を設置するのであって、希望がなければ設置しない、希望しているところだけ郵便局をつくるんだなどというのは、たいへん科学的でない設置のしかたじゃないでしょうか。それはどういうことですか。
○曾山政府委員 いま例にあげましたその二千百のうちで千七百が施設がないということでありますから、あと残りの四百のところが施設があるにかかわらう要望してない——いまのお話は、要望してないのはおかしいから国のほうでつけたらどうかということでございます。しかし私どもは、そういうところに郵便局を置く場合に、国が置く場合には受託者がございませんと国の面接の機関を置かざるを得ません。国の直接の機関と申しますと特定局でございます。特定局の最低の配置は局長一人と局員一人でございますので、そういう二人局を置くことは定員的に非常にむだでございますし、経費的にも、従来委員会でるる説明申し上げておりますとおり非常にむだでございます。不経済でございます。さような見地から、経済性を考え、同時に公共性を満たしていくという妥協案といたしまして個人に受託させることが一番経済的であり合理的ではなかろうかということを申し上げておるわけでございます。
○安宅委員 あなたのは聞いているとたいへんなことになるのですよ。郵政省は、この辺この辺に簡易郵便局を設置しないとあまねく公共の文化の恩恵に国民を浴させることができないというので、計画をして、そこに特定郵便局なりを置こうではないか、あるいはここにその基準に達しないから簡易郵便局を赴こうではないか、こういうように計画をするのがあなた方の任務なんですよ。八百屋がキャベツを並べておいて、さあ買いに来ないかな、買いに来ないところはしょうがないな、買いに来る団地の諸君にだけは一ぱい行き渡るけれども、買いに来ない貧乏人のところはそのまま、ぶん投げておくという理屈になるのですよ。いいですか。国の直接の機関を置かなければならない。置かなければならないのはあたりまえなんです。だから、置かなければならないのではとても困るからというのだったら、百歩譲って、その場合に受託できるような条件を営利を目的にしない諸君にやれるような仕組みにして、その人たちに受託させるというのだったら別ですよ、国がお願いをするということだったら。国がお願いする、こんなものはできません、そろばん合わないからと言われたならば、涙をのんでもほんとは特定郵便局を置かなければならないのですよ。それを赤字になるからということで置かないとするならば、少なくともそこまで達しない場合でも、私は百歩譲って言っているのですが、公共団体なり営利を目的としない法人、そういう人々に受託をさせるということは、通信の秘密が漏れたり、いろんな犯罪が起きたり、個人で人のラブレターを開いて見たり、何か変なことをされないように、一応公共団体とかそういうものに受託をさせるということになっているのですから、この個人まで及ぼすというのは、毒を食らわばさらまでという議論なんです。だから、条件をゆるめて、公共団体が受証できるような条件をつくって、公共団体にいままでどおり受託させるというのが本筋ではないのですか。それを、この人たちは引き受けてくれないから、安い手数料を出しておいて、ああそうか、それ、じゃ個人にやらせるわ、などという言い方は、少なくとも国の機関の方針としてはたいへん間違っている方針ではないでしょうか。どうですか。
○曾山政府委員 いろいろ御議論がございますけれども、御案内のように現行簡易局法は、申し込み受託という、つまり契約でもってこれを設置するというたてまえになっております。したがって、申し込みの契約かございませんときにどうするか、おっしゃるように国の通信機関というものをできるだけたくさん増置していく、国民の通信需要に応ずるということは郵政省の本来のつとめであると思います。その場合でも、申し込みのないものに対してまでこれを強制するというわけにはまいらぬと思います。私どもとしましては、過去におきましてもできるだけ積極的に勧奨してまいったことはございますが、強制することはできませんし、いわんや、先ほど来申しておりますように、経済性の見地からいたしまして、特定郵便局、つまり国の直轄機関を増置するということはどうしても定員的にも経質的にもむだだということになりますのでその方途はとらない、しからば、あとに残る道は何かと申しますと、これは個人以外にないということは、もう結論として当然だろうと私は思いますが、私の見解はさようでございます。
○安宅委員 こういうことなんです。先ほど言ったように、設置基準というものがあっても予算のワクがあってどうにもならぬ。ワクというものをみずから狭めておいて簡易郵便局をつくるという方向にみずから流れていく、あるいは自分の意思で流れていく、道徳的な基準しかそれは歯どめがない。と同じように、みずから手数料を吹くしておいて、だれも申し込んでこないから、じゃ個人にやろう、こういう理屈と同、じことになるのですと私は言うのです。そういうあなたの態度は間違いですと私は言っている。間違いではありませんとここでがんばって、あなたは今後もがんばるつもりですか、ちょっとお聞きしたい。
○曾山政府委員 問題は二つあると思います。 一つは、おっしゃいますようにどんどん置いてくれるような基準、条件とおっしゃいました。その条件の主たるものは手数料とおっしゃいました。したがって、手数料等につきましては、過去と違いまして、現在におきましては基本額という、いうならば最低額等も設定いたしました。それにプラスして取り扱い手数料あるいは加算額というような出し方をしておりまして、いまの手数料が特段低いものとは思っておりません。もちろんいろいろ条件の変化、つまり人件費の増高あるいは物件費の増大等につれましてこれを訂正、修正、していくにはやぶさかでございません。 なお、基本的にいろいろ御議論のございますどうしたら一番いいのかという点について明言しろということでございましたら、私はやはり諸国の例を引いてたいへん恐縮でございますけれども、世界的に見ましたときに、小規模の窓口機関というのは請負が本旨であって、その中に個人が出てきても差しつかえないというのがどこの国でも見られる傾向でありますれば、経済性と公共性との調和という点において私は当然の制度だろうと考えております。
○安宅委員 それは毒さら方式というんですよ。私は百歩譲って、ということを言っておるんですよ。ほんとうは赤字になろうが黒字になろうが、国は国民に平等な文化の恩恵を与えなければならないということになっておるんですよ、郵政事業というのは。あなたは赤字だから置かないというんでしょう。そこから間違っておるんですよ。赤字になるような局はやらない、そこからおかしいんですよ。私は百歩譲って、簡易郵便局をよけいつくってくれと言っているのじゃない。あなた方の理論は初めから間違いだと一言っておるんです。赤字になるのだったら何ぼ国民が要望しても特定郵便局はつくらない。そしてワクがある、予算があると、いろいろなことをごねておいてつくらない。そういう雰囲気をつくっておいて簡易郵便局というものをつくり始める。それでも足りないからというので、いつからお心変わりをなされたのか知りませんけれども、二十四年のときには小沢大臣が、絶対に個人に請け負わせることはいたしませんと言っております。これは国会の権威の問題もある。それをみずから提案してくるという、それを破って提案してくるという、これはたいへんなことだと思います。そういう時の流れに便乗して適当にやっていくなんという政治はそのまま許すことはできない、こういうことを言っておるんです。これはたいへんなことですよ。それはどうなんですか。
○曾山政府委員 おっしゃいますように、すべての施設、あるいはすべてのサービスを国が直接あるいは国家公務員の手によって執行するというほうがベターではないかという議論も確かにあろうかと思います。しかし、御案内のように、現在の郵政事業特別会計法におきましても、特別会計をもって企業的に経営するという明文がございますし、あわせてまた、その点におきましては過去いろいろ議論がございましたけれども、現在郵便物運送委託法、あるいは簡易郵便局法でも、過去の簡易郵便局法もそうでございますが、できるだけそういう企業的な立場とあわせて郵便機関というものを国民の方丈のためにできるだけ浸透して広くつくっていくという公共性の趣旨からいたしまして現在のような制度になっておることは御存じのとおりでございます。しかも、それが満たされないというところがあれば、その満たされない地域に対して需要に応じていくことも当然であろうと考えております。
○安宅委員 それでは聞きます。 特定郵便局でいま黒字になっておる郵便局は何ぼあって、赤字になっておる郵便局は何ぼあるか言ってください。
○曾山政府委員 全特定局のうち黒字局、つまり収支のうち収入のほうが支出よりも多いという局が約三割で、そうでない局、赤字のが六割ございます。
○安宅委員 そういう議論になりますと、特定郵便局は、郵便局長が絶対反対しても、もう六割はほんとうはそういうことが当然だというあなたの考え方ですからね。直ちに廃止しなきゃならない、そういう議論になりませんか。
○曾山政府委員 私はやはり必要な機関というものはどんどん増置していくべきであると思います。基準に照らしまして困っているものにつきましてはどんどん増置していくべきである、しかし、その場合におきましては、やはり経済的に合理的に行なっていくというのがいわゆる企業性の趣旨だろうと思っております。だから、廃止するなどということは考えておりません。
○安宅委員 法律的に独立採算制だとかなんとか、特別会計上そうなっておるなどということを言って特定郵便局については適用しないで、簡易郵便局だけはどうしてもそれを適用しなければならないという理由は何ですか。
○曾山政府委員 特定郵便局につきましては、設置基準上必要でございますので特定局は現在置いておるわけでございます。したがって、それが公共性の見地から見て必要でございますからあるわけでして、もし採算がとれないからといってそれをやめるということになってまいりますと国民の方々に非常に不便をかけるので、やはり公共性の見地から存置しておくべきだ、郵政全体として収支償っていくように努力すべきだと思います。
○安宅委員 それだったら、今度の簡易郵便局はろくに公共性もないから赤字になったらだめで、黒字になりそうなところだけあなた方の掌中の権限を発動して幾らでもつくろうということですかと私は言っておるんです。
○曾山政府委員 そうおっしゃいますが、特定局と簡易郵便局の両方を必要のあるところにどんどんつくっていくということになりますと、特定局だけではなくて、簡易郵便局も現在赤字が出ておるわけでございます。現在平均いたしまして簡易郵便局で一局年に七万円の赤字を出しております。簡易郵便局は大体において収支面から見ると黒字でありますけれども、やはり赤字のところもございまして、しかも赤字が相当大きいものがございますから、それを平均いたしますと、一局について平均年額七万円の赤字になっております。ところが、特定局で申し上げますと百二十五万円の赤字になっておるわけでございます。赤字率から申し上げますと十八倍でございますか、相当な赤字でありまして、むしろ特定局を増置するよりも簡易郵便局を増置いたしまして、同じ赤字でありましてもできるだけ赤字が少ないものにしていくということが、いうところの企業会計の性格ではなかろうかというように考える次第でございます。
○安宅委員 わかりました。たいへんおもしろい言い方だと思います。 そうしますと、いま郵政事業は赤字で困るから機械を導入しなければならない、なにしなければならないということで、労使間でたいへんな大騒ぎを演じてまであなた方は合理化、合理化、合理化ということを言っております。こんなに赤字がふえては、それは合理化じゃないんです。不合理化だよ。赤字の少ないほうを何とかしてふやすことが賢明だなんていう議論は出てこないはずです。郵政事業特別会計を黒字にするためには、何も赤字の出るのを予想したものを新しくつくるはずはないでしょう。なぜそんなことをおっしゃるんですか。それだったら、郵政事業は幾らやっても赤字が出るのでありますから、初めから特別会計というのはだめなんですよ。一般会計から相当の金を出してやらなければだめなんですよ。そういう議論に返っていくならいいんですよ。それを赤字が出るから、少しでも赤字の少ないものを、赤字が出るのがわかっておってもつくるんだということでは、特別会計は御承知のとおり独立採算制でございますから、などという答弁を私に対してする資格があなたにあるんですか。
○曾山政府委員 国民に対するサービス提供を制限してもいいということであれば、あるいはさようなお話も妥当すると思いますが、やはり国民の方々の御要望があり、現に私どもの設定しております基準から申しましてもつくらなければならぬところにはどうしてもそれを置かなければならぬと思います。サービスを提供しなければならぬと思うところには提供していく、提供していく場合には、できるだけ合理的に経済的に執行していきたい、郵便局の置局という見地から、その主たるものは何かと申しますと簡易郵便局ではなかろうかと思いますが、簡易郵便局も置けないというところがございますので、置けないところについては個人に委託させるということでございます。
○安宅委員 だから私は言っておるんですよ。こういうところはたいへん不便だから簡易郵便局を置きたいという計画を立てたが、赤字になる、基準に合わない。基準というのは、やはりあなた方の頭からいうならば、赤字を出さないための基準なんでしょう。特別会計なんですからね。遺憾ながら今日の法律では申し込み主義になっておりまして、たとえば、たいへん有力な人がおって、あるいは何とかして郵便局をつくろうという意欲のある人がおって、あるいはまた関心を持っている人がおって、その辺は不便だ不便だというので、大きな地図でかけば、この委員会の部屋なら委員会の部屋が一つの県だったら県といたしますと、この辺には全然なくて、あるいはその辺には全然なくて、そういう関心のある、申し込みのあるところだけは簡易郵便局をべろべろとべらぼうに建てて、あとは申し込まないから、不便であってもそのまま投げておくという結果に現実でもなっているし、今後もそういうことになるのではないですか。それはどうなんですか。
○曾山政府委員 いまおっしゃいましたような例があるということは、確かに施設の公平性と申しますか、さような点から見れば望ましくないと思います。したがって私どもは、本来施設があっても地域住民あるいは地方公共団体、協同組合等に関心がない場合に、そういうところにつきましてはできるだけ行政的な措置で勧奨していきたいと思っております。
○安宅委員 赤字になるかならないかなどというよりも、つまり国民の利便を考えれば、少々赤字になってもつけなければならないというんだったらつけなければならないという計画がなければならないのですよ。あなたはさっき申し込み制だからそれはできませんと言っているじゃないですか。そんな郵政省の行政のあり方がありますか。一番最初そこから私は議論を発展させていって——そのつどそのつどその質問に答弁すればいいと思ってひっかかってくるからそういうことになるのですよ。 では、この改正の中では、郵政省が計画を立てて、この辺だったら不便だろう、この辺は不便だから鉄道を敷こうなどというふうになって、つまり鉄道を敷いてくれといったところにはどんどんつけるがあとはかまわないでおく、こういうことになりかねませんな、この申し込み制度ということは。そういう無計画なことで、赤字になるものがわかっておっても、申し込みさえあればつけるということはおかしいではないかと私は聞いているのです。
○曾山政府委員 申し込みがあれば何でもつけるというものではございませんで、やはり設置基準があるということを先ほど来申しておるわけでございます。設置基準がありまして、その現行の設置基準に照らしまして、私のほうで地方郵政局を通じて通信需要等を案じまして調べた結果が、先ほど来言っておりますようになお二千百ほど簡易郵便局を置けるところがある、そのうちで希望してきてないところもございます。同時に、施設がないために、かりに希望しても置きようがないところもございます。したがって、後者につきましては個人以外に方法はございません。前者につきましては、なお市町村当局の施設があるわけでございますから、あるいは協同組合の施設がございますので私どもがさようなところに勧奨をしてまいりたいとは思っております。
○安宅委員 あなたは私の質問に答えてないのです。そういう意味で聞いているのじゃないのです。計画がなくて、申し込みさえあれば、設置基準に合えば許可するというんでしょう。受託させるというのでしょう、あなたのほうは。そういう制度は間違いでしょうと言っているんですよ。「あまねく」ということは、申し込みがあったところはあまねくになる。まあ「あまねく」の半分くらいになりそうだけれども、申し込みのないところはそのまま投げておくということは郵政省としては許されないでしょうと言っているんです。それはどうなんですかというんです。
○曾山政府委員 先ほど大臣がちょうど年次計画とおっしゃいましたが、そういう年次計画の思想も、たまたま安宅委員のおっしゅったとおりの思想、考え方を私はふえんしていると思います。それは年次計画を立てます場合にも、九州なら九州で鹿児島県に諸般の事情でたくさん置きたいということがあって申し込みが殺到いたしましても、さような場合には、私ども一応全国的に施設というものはできるだけ公平に普遍的に置かれてまいりましたほうが妥当でございますから、年次計画を立てまして、九州の場合の割り当ては幾らにする、鹿児島県の場合の割り当ては幾らにするということであらかじめ制限せざるを得ないと思います。なお置かなければならぬ二千百というものを年次計画を立てて、おっしゃるようにできるだけ公平にやっていきたい、それが私どもの方針でございます。
○安宅委員 それが私の方針と、あなた答弁されたけれども、何ですか、それが私の方針というのは。
○曾山政府委員 私どもと申したつもりでございます。つまり省の方針でございます。
○安宅委員 そういうことで議論をしておりますと、何か簡易郵便局を一ぱいつくれと私が言っているみたいになりますから……。ただ、やり方の問題としてこういう制度というのは間違いだろうと私は言っているんです、ほんとうは。要望がないところは投げておく、つまり道路をつくれつくれとうるさいところは道路をつくるが、善良な市民が黙っているところは国は全然相手にしてくれないという声がうんとあるでしょう。それと同じことを郵政省はしているのじゃありませんかと言っているんです。そういうことについてあなたが反省がなくして一生懸命抗弁これつとめているのは、郵務局長として私は失格だと思うのです。私の方針だなどと大きなことを言って、何が私の方針だ。少し考えてくださいよ。そうしておいて、何とか赤字を出さないために一そういうことには全然気を回さないで、とんでもないところで平清盛じゃないけれども、すが白みたいな見当狂いのことばかりあなた方は全逓とけんかしながらやっているじゃありませんかと言っているのですよ。赤字が出るのがわかっておったら、何ぼ国民が要望しても独立採算制ですから、赤字ですからだめですという議論になるのですよ、あなた方の答弁そのままいけば。それだったら一般会計からも補助をしてもらわなければとてもできませんというふうに持っていくのが正しいのじゃないか。そっちのほうに持っていかないで、何か別の方向に話を持ってくるのは間違いだということだけ言っておきましょう。ここで議論したってしようがないと思います。それはそれであとでいろいろ問題が出てくることですから。これは間違いですよ。 郵政大臣、私の言うことは間違っておるでしょうかね。どうでしょうか。
○河本国務大臣 いろいろ質疑応答を拝聴しておりましたが、郵政事業は、御承知のように国民に対するサービス事業でございます。したがいまして、ときには赤字覚悟でやらなければならぬこともあろうかと思います。しかし、一面企業です。国の企業でございます。できるだけ合理化していく、これもまた一つの使命であろうと思います。
○安宅委員 それでは私は申し上げますが、赤字がふえるのがわかっておって、法律まで出して個人にまで広げようなどというセンスは、いま郵政省の置かれている立場として身のほど知らずの背伸びした考え方ではないか。こういうことだけは私はどうしても納得できません。たとえば犯罪事故の発生率だってべらぼうに多いでしょう。事故の件数も多い。いろんなことをわかっておりながら今度は個人にまでやらせるというのは間違いだ。これだけは前提に置いて私は以後ずっと質問を続けていきたいと思います。それが一つ。 この間当委員会で郵務局長が盛んに、再委託というものについて、名をということで再委託ということばを使っておりますが、再委託というのはどういうことをいうのですか。
○曾山政府委員 本来から申しますと、再委託ということばはありようがないわけでございます。ただ私どもはいわゆる再委託ということを言ってまいりました。と申しますのは、これを詳しく申し上げますと、本来、市町村及び協同組合が受託者でございますので、協同組合及び受託者以外の第三者が簡易郵便局を受託できるということになっておりません。ところが、形式的にはこれは合法でございます。ということは、嘱託というものはそれぞれ市町村の職員でございます。あるいはまた協同組合の職員でございますので形式的には何ら違法でない、合法でございますけれども、事実上嘱託という名はもらっておりますけれども、自宅でもって、あるいは自宅を改造して簡易郵便局の窓口事務を行なっているところがあるわけでございます。さようなものをどう表現するかといえば、しいて事実上の個人といってもようございましょうし、あるいはいわゆる再委託といってもいいという意味で申し上げたわけでございまして、再委託の概念はさようなことでございます。
○安宅委員 そういうことは法律の第何条によって、あなたが発言することあるいはその実態を承認することを許されておりますか。
○曾山政府委員 法律には——先ほど来言っておりますように、これはあくまで事実上の問題として、いわゆるとか、いわゆる事実上の個人という名をつけておりますように、法律的にはございません。法律的には、嘱託というのもあくまで市町村及び協同組合の職員でございます。したがって法律的にはそれは合法であると認められておるということになるわけでございます。
○安宅委員 そうすると、法律的には、いわゆる再委託というのは合法だという考え方ですか。
○曾山政府委員 そのとおりでございます。
○安宅委員 それは法律の第何条に書いてありますか。
○曾山政府委員 法律の十二条でもって「誠実に自ら」と書いてあります。「自ら」ということばは、これは先ほど来申しておりますように、それぞれの受託者がみずからの責任と計算のもとにおいて経営するということでございまして、しかも、嘱託という辞令の発令を見ております以上、市町村及び協同組合の職員でございます。責任はあくまでそれぞれの受託者である市町村長あるいは協同組合長が負いますので、この条項にかなっておるという意味で形式的に合法だということを申し上げたわけでございます。
○安宅委員 いま、再委託というのは本来あり得ないのだとあなたは発言をしましたけれども、議事録に載っているはずですが、本来あり得ないのがなぜそういうことになったのですか。
○曾山政府委員 形式的には合法だということを申し上げたわけでございまして、たまたま協同組合の施設のないようなところにつきまして、個人が自宅を改造して行なうというようなことが現実にあるという、その現実を申し上げました。しかし、その現実はあくまで合法的であるということを申し上げたわけでございます。
○安宅委員 法律にないことがなぜ合法的なんですか。
○曾山政府委員 先ほど来、法律論法律論とっおしゃいますから、法律的にはいま申し上げましたようなことで、「自ら」という範囲は、みずからの責任と計算のもとにおいて執行するというようなことでございます。したがって、それぞれの嘱託というものも、あくまで各団体、つまり協同組合及び市町村の職員でございますから、責任を負う者は協同組合長あるいは市町村長という意味におきまして形式的には合法であるということを申したわけでございます。
○安宅委員 現実がそうなったというのでしょう。現実をつくったのはだれですか。それは協同組合長がつくったんですか、あなたがつくったんですか、どっちですか。
○曾山政府委員 だれがつくったかということを一がいに申し上げるのはいかがかと思いますけれども、やはりそれぞれの地域住民の方と申しますか、つまり国民の方々の置局の要望というような形において出ておりまして、郵便局がほしい、そこに対してそれぞれの必要性がございましたからいま申しましたようなことが現象として出ておるわけだと思います。
○安宅委員 そういうことが可能だ、合法だというのだったら、何もこの法律を改正する必要がないのじゃないですか。
○曾山政府委員 ただ、さような場合でも、先ほど来申しておりますように、なおそれでも二千百ぐらいの地域につきましては、希望がありながら置けないというところがあるわけでございます。それはやはりはっきりと個人に受託者の範囲を広げまして個人に受託さしていくということのほうが、国民の皆さんにとっても便利だろうということで法律の改正を提案しているわけでございます。
○安宅委員 あなたは人の質問にまっすぐ答えてくださいよ。 具体的に言えば、現実に地方公共団体が嘱託という発令さえすれば、ばかでもちょんでもできる。そうやれば実質上個人がやっても——現実の問題としてやっておるのです。それは合法的だと言うのですから——合法だと言わないで、合法的だと言う意味はどういう意味かあとで聞くつもりですけれども、いまのうちに考えておいてください。そういうことが可能ならば、何も個人に請け負わせるというように法律を改正する必要がないではないかと聞いているのです。
○曾山政府委員 いま形式と現実とおっしゃいましたが、現実をできるだけ合わしていってしかるべきだと思います。といいますのは、私ども形式的にはあくまで合法だということをさっきから申しておりますが、それがしからば違反とは申しません。それが形式的に合法だということはあくまで合法であります。ただ、どちらがいいか、ベターかということになってまいりますと、やはり個人自身が自分の経営する仕事の内容につきまして責任を負い、そして省と直接契約をいたしまして経営の責任を全うしていくということのほうが妥当だと考えます。
○安宅委員 今度はたいへん重要な発言をしています。 形式的に合法ならばあくまで合法である。さっきは合法的だ。——合法的と合法ととういうふうに違うんですか。
○曾山政府委員 特に差はございません。同じでございます。
○安宅委員 無礼な答弁をするな。何ですか、その態度は。形式的に合法ならばあくまで合法だとは、どういう意味ですか。実質も形式もそろえて初めて合法なんですよ。そう思いませんか。
○曾山政府委員 いろいろ御議論があろうかと思いますけれども、あくまでやはり法律の解釈といたしましては、いま私が申しておりますことで十分だろうと思います。
○安宅委員 だからぼくは言っておるのですが、それが合法的ではなくて、合法と同じだというのですから、合法ならば、それこそただ個人に受託させることよりも、地方公共団体やこの第三条に列挙されているそういうところに、嘱託なりそういう一つの形を与えて、そしてやったほうが間違いも少ないし、いろいろなことでやられるのではないか。こういうかっこうにはならないかと聞いておるのです。一千件や何かたまっておるとかたまってないという問題とは違うのです。そういうことを聞いておるのです。
○曾山政府委員 数のことを言われますとこまかくなりますけれども、先ほど申し上げましたように、やはり二千百もなお簡易郵便局を置きたいというところがありますときに、地方公共団体あるいは協同組合等で希望しないというようなところにつきましてはどうしても置いていかなければいかぬわけであります。その置き方を公共団体、協同組合に無理に圧迫を加えまして犠牲をとらすというようなことをやる必要はないと思います。やはり個人が希望しておれば、個人にやらすというたてまえのほうが妥当ではなかろうかと考えます。
○安宅委員 あなたはさっき、申し込みがなければ何もそこまでやる必要はないのだ、こういうふうに言いましたが、今度は申し込みが個人からもある、何ぼでもあるから赤字覚悟で広げていくという議論は間違いでありませんかと何回も言っておるのですが、それはどうなんですか。
○曾山政府委員 先ほど来、大臣も私も申しておりますように、やはり国民に対してサービスし、機関が必要であれば置いていくという必要性はお認めいただけると思います。それをいかにしてできるだけ少ない赤字で合理的、経済的にやっていくかというところに問題点があるわけでございまして、直轄機関である特定局を置いていくということは、どうしてもむだかと思います。
○安宅委員 おかしな議論ですね。特定局を置く、その設置基準というのはあなた方がきめる。それから今度は簡易郵便局、その設置基準というものはあなた方がきめているのですよ。それをある程度以下に引き下げようなどということを考えないで、希望があるならば、少しくらい赤字が出ても個人にでも請負わせても差しつかえないじゃないか、こういう議論は間違いでしょう。間違いじゃないかとさっきから言っておるのですがね。いろいろ議論があるところですが、あなたは盛んにそこのところは逃げて答弁しておるのです。それが間違いじゃないかと私は言っておるのですがね。議論があるというのは、どういう意味でおっしゃったのか私はわかりませんが、とにかくこういう場合には、たとえば地方公共団体が簡易郵便局をつくる、嘱託の発令さえすれば、おかあちゃんでも農家の人でもだれでもかまわない、それがいわゆる再委託だとあなたは言っているのですよ。自宅を改造してやっても、その公共団体に委託をさせて、その職員にしてそこでやらせても、いわゆる再委託というものが合法だというならば、そんなことは幾らでもできるではありませんか。どうなんですか。
○曾山政府委員 最初にお話しになりましたいろいろの議論のあるところであるが、と申し上げましたのは、それに対する反対意見もあるが、という意味でございます。 これは、しからば省の意見はどうかということを申し上げますと、先ほどたしか第五国会のときの話をされましたけれども、当時の所管大臣であられます小沢逓信大臣は、先ほども申しましたけれども、個人受託が悪いとは言っておらないのであります。一応いろいろ議論があった、だけれども、その議論というものをさておきまして、この段階におきまして地方公共団体、協同組合というものを受託者の対象にしようということを言っておられるわけでございます。私はその立場から申しまして、また基本的に個人がなぜ悪いかとむしろ私から申し上げたいわけでございまして、微細な小規模の窓口機関におきましては、諸外国の例を見ましても、これは一つの例外もなく個人請負でございます。これは本来の姿である、しかし、いま現に簡易郵便局法というのがありましてここまできておる時点におきまして、しかも私どもは、その実績をも尊重いたしましょう、そしてなお、公共団体及び協同組合で置けないところにつきましては何かの措置をしなければいかぬし、それは個人にまで拡張しましょうという、言うならば、非常にゆるいと申しますか、妥協できると申しますか、さような提案をしているわけでございまして、本質的にどうだとおっしゃれば、私は本質的には個人の請負は何らやましくない、当然だというように考えます。
○安宅委員 そうしますと、私が質問しておるのは、地方公共団体の嘱託ということに発令をしてもらって——こういうところは基準があるからね。あるいはいろいろな農業協同組合なり、支障も何もないところはできないという意味じゃないのですよ、いままでやっておるところはみなそうなんですから。いかゆる再委託が可能だとするならば、そういうふうにしてもらって個人請負というふうにしなければならない理由はないじゃありませんかと聞いておるのですが、それはどうですか。
○曾山政府委員 いまおっしゃったような場合でも、合法的あるいは合法、どちらのことばを使うにいたしましても法律にはたがっておらない、ただ、内容的に、いわゆる事実上の個人が嘱託という名前で自宅を改造してやっておるということがいかにもおかしく見えるということでございますれば、それにつきましては、私は、本来個人が直接契約をするというたてまえのほうが妥当だろうと思います。しかし、今回におきましては、先ほど来言ってまりますように、立法の趣旨は、そういう現在ございますところの形式上合法でございます、あるいは合法的でございます嘱託という形の団体の職員をさておきまして、なおそれ以外に、置いていない、置けない二千百の未設置個所に置いていこうというところにねらいがございますので、御了承願います。
○安宅委員 御了承願えませんな。私がどうしても納得いたしかねるのは、現実に法律に書いてないことが起きた。起きたのは、これはあなたのほうで起こしたのですよ、認可してしまったんだから。申し込みを受けて認可したほうが責任を負わなければならぬのが、現実に起きたということを国会において答弁するのはおかしいです。あなたが起こしたのです。そういう実績をつくっておいて、それを合法だと言って、そして今度、個人で何が悪いんだ、こういう開き直り方だ。こんなばかな話ないじゃありませんか。いわゆる再委託が合法だというならば、そのままやっていって、法律を改正しなくてもいいじゃありませんかと私は言っておるのです。それを今度すりかえて、個人でなぜ悪いのですかと、こういう答弁は答弁になっていないじゃありませんか。それができるかできないかの問題なんですよ。それでやれるじゃありませんかと言っておるのです。それを、個人で何が悪いのか、個人でやることがかえっていいんだなどという答弁にすりかえて私の質問に答えないというのは、あなたはこの前も別な御質問願いますなんと言っておったが、そういうことと同じ態度です。少し何かつけ上がっていませんかね、あなた。
○河本国務大臣 先ほど来法律解釈の問題が出ておりましたが、私は、国民のためになる、国民の利益になるということであるならば、法律はできるだけ広く解釈して差しつかえないのではないか、こういうふうに考えます。その意味におきまして先ほど来の郵務局長の答弁を御了承いただきたいと思います。 それから、それじゃその拡大解釈でこれからもやれるじゃないか、そのとおりやらぬか、こういう御議論だろうと思いますが、この拡大解釈も、現時点ではもう一ぱいにきてしまった、これからは拡大解釈しても実際はできない、どうしても一法律を改正をしていただかないとできない、いまこういう時点にきておるのだと思います。
○安宅委員 私は拡大解釈しろなんて一回だって言ってないよ。そういうことを合法だと突っぱねるが、法にかなっているというのを合法というのですよ。いままでどおりやってやれないことないでしょうとただ聞いているだけなんです。今度は大臣は拡大解釈してきたけれども、拡大解釈はこれ以上できません。拡大解釈することは、大臣、そういうことを言うなら正しいことですか。そんな郵政大臣として見識のない答弁しなさんな。
○河本国務大臣 実はけさほどもいろいろ議論が出ておりました。たとえば、公務員が政治活動をした場合にどうなるかという御議論が出ておりましたが、北海道の猿払事件では、結局軽微な活動は目をつぶろう、こういうことで無罪になった、そのことについてどう思うか、こういう御議論があったわけでございます。それとこれとは直接関係ございませんが、法律というものは、私はときにはその字句どおり解釈しないで、特に国民のためになるというふうな場合には、ある程度柔軟性を持って解釈していっていいのではないか、こういうようなことを申し上げたわけでございます。 しかし、簡易郵便局の問題につきましては、もう現時点では法律を改正していただかないことにはどうにもならぬ、あと二千百設置するためにはどうしても法律の改正が必要である、こういうことでいま御審議をお願いしておるわけでございます。
○安宅委員 これは大臣、二千百と関係ないんだって何回も言っているのですよ。郵務局長は合法だとがんばったが、痛いもんだから困って、それを応援に立った大臣が拡大解釈をしておりますと、みずから言ってしまったんですね。法律を行政官が拡大解釈をしたときほどおそろしいものはないのですよ。それをファッショというのです。そういう拡大解釈ができるということをあなた方平気でこういう国会で答弁すること自体、見識のない立場ではないでしょうかね。あなた自体が、拡大解釈をしておるのだということを言ってしまった。これは重大な発言ですよ。拡大解釈したら合法的だと言い、あるいは合法だと言う、そういうことは間違いではございませんか。大臣、どうですか。
○河本国務大臣 まあ、拡大解釈という意味があるいは適当でなかったかもわかりませんが、一応形式的には、法律上いろいろな条件が整っておる、こういう意味のことを申し上げたわけでございます。
○安宅委員 法律上の条件が具備しておれば何も拡大解釈ということばは出てこないのですよ、大臣。具備してないのを無理して解釈することを拡大解釈というのです。だから、私はもういいよ。あなた方がそういうことで何か一生懸命言いのがれようとしたって、これはこの法律がインチキだということは一ぺんでわかるのですから。 それならば聞きますが、いままでいわゆる再委託というものを、あなた方は嘱託という発令をしておるからかまわないんだと言っておりますが、これは山梨県の例ですけれども、私がこれはおかしいと思うのだけでたくさんありますね。農協のほうは案外いいですね。農協の職員なんかはまじめに出ていますよ。ところが何とか市というやつが一番いけない。たとえば、大月市の受託団体名義になっておる小沢という簡易郵便局では農業をやっておる杉本という人が実際に仕事をやっておる、自宅で事務取り扱いをやっておる、受託団体の持導監督がない、受託団体からの俸給、手当を支給されていない、取り扱い手数料の全額が受託団体と無関係である。こういうのは山ほどありますね。これはいわゆる再委託とあなた方が言っているものですよ。たとえば、これは山梨県の都留市の場合でも上野開平という人、この人の職業は商店です。商店なんというのは市と何も関係ないです。これは先ほど言ったものと全然同じ、自宅でやって、取り扱い手数料の全額が一たん市に返っていって、それからもらっているという形式上もやっておりません。同じ都留市では農業、都倉まさ江さんという人ですか、そういう人がやっておる。南部町というのですか、ここでは佐野昭子さんという人が、これも商店です。全然手数料の全額が受託団体とは無関係でこの人がやっておる。こういうものはたくさんございまして、もう実質上はこれは個人の請負です。しかも、全国的に調べてみますと、ある時期に郵政政務次官をしたとか、ある時期に郵政大臣をしたとか、ある時期に何とか委員長をしたなどという諸君の出身地におおむねかたまっているのです。簡易郵便局はかたまっている。あまねく公平ではないのです。それは申し込みがないからしかたがないという言い方といまの問題とからみ合わせれば、私は日本の政治、特に郵政事業というものについて寒心にたえない。こんなばかなことがあり得るか、義憤を覚えるのです。こういう資料は各県ごとにたくさんございますが、いろいろな差しさわりがありますから、個人の名前なんかが出てきた場合にはその名誉に関しますから私はこれ以上言いませんけれども、設置基準があれば申し込んだところはどんどん受け付けてやる、設置基準があっても申し込みがなければそのままにしておる、こういう制度に誤りがあるかないかという反省がないかと私が言ったら、あなたは全然ないとがんばった。その結果がこういう事態が起きているのですよ。この現実をあなたはいままで考えたことがありますか。そういう分布になっておるだろうと思いますか。そういう傾向があると思いますか。そういう傾向は全然ないと思いますとがんばりますか。どっちですか。
○曾山政府委員 各県別に設置状況を見ますと、確かにそれぞれ濃淡がございます。濃いところにいろいろおっしゃいましたような方のプレッシャーがあったのかどうかにつきましては、私どもは全然承知しておりません。
○安宅委員 あなたは盛んに逃げようといたしますが、原因がどうあろうと濃淡がある、それは認めますね、大臣。
○河本国務大臣 先ほど局長が申し上げたとおりでございます。
○安宅委員 そういうことをやっていることが間違いのもとになるのです。私は同じ選挙区で申しわけないのだけれども、具体的に名前を出しましょう。山形県村山市山ノ内一九一の二、山内簡易郵便局というのがあります。同じく村山市富並三八六五の二、森山簡易郵便局というのがあります。この二つの場合は、受託団体が村山消費生活協同組合ということになっております。 村山消費生活協同組合の実態というものをあなた方が調べたことがありますか。受託させるときに審査したことがありますか。
○曾山政府委員 受託手続は郵政局長に委任しておりますので、郵政局においては調べておると思いますが、本省ではただいま承知しておりません。
○安宅委員 そうすると、書面審査で郵政局長に一任しているということですね。受託させるのは郵政局長の権限だということですね。
○曾山政府委員 そのとおりでございます。
○安宅委員 それでは仙台郵政局に、もうそろそろ結論を急ぎますから、電話でもいいですから、それが実態のある消費生活協同組合であるかどうかを直ちに照会してもらえませんか。
○曾山政府委員 御趣旨は、消費生活協同組合が受託者になっておるかどうかということでございますか。
○安宅委員 そうじゃない。受託になっているということは、私はすでに知っているのです。この消費生活協同組合というのは、消費生活協同組合の活動をし、実際問題としてその実態があるものか、こういうことを調べたことがあるのか、こういうことです。
○曾山政府委員 さっそく郵政局長に照会はいたしますが、いますぐ返事が参りますかどうか、向こうが調べる必要がありますので、ちょっと時間をいただきたいと思います。
○安宅委員 その調査をしたことがあるかないか調べるだけだからいいでしょう。
○曾山政府委員 調査をしたことがあるかどうか、すぐ調べます。
○安宅委員 それじゃ私、率直に申し上げますと、これは実態のないものなんです。名前だけつくったものです。ある市の温泉にやはり簡易郵便局をつくってもらいたいという話が起きていることを知りました。その市長が私のところに来まして、どういうものだろうかと言うから、それでは市でやったらどうですかという話をした。私は全逓の出身ですからむろん反対だ、だけれども、市でおやりになったらどうですか、個人というものはどうもまずいものですよ、やれないことになっているのですから、と言った。消費生活協同組合というものの名前を使っている人が相当関係ありということを聞いておりましたから、これはあぶないですよ、個人の何かもうけ事業みたいですよ、実際それは村山消費生活協同組合となっていますが、今度は隣の東根市の温泉ですから特にまずいじゃありませんか、こういうことを言いました。市長、いろいろ考えておりましたが、その人に押されて、私は市でやろうと思ったけれども、その人におまかせすることになりましたという話がありました。ああ、それは自由です、私はこういうことには何も関係いたしませんと言った。ところが、郵政局を通じて本省の段階にそれが進達された形跡があるということを私は知りました。これはまずいではないかということを、あなたのところの相当の地位を占める人に申し入れいたしました。ところが、どういう理由か知りませんけれども、私のまずいと言ったことが認められたのか、あるいは安宅常彦という男が言ってきたからうるさいと考えたのか、それは知りませんよ。とにかく、何か取りやめになったやに聞いております。ですから、私はこの実態というのはあるのかないのかということを聞いているのです。つまり、こういうことがいまでも行なわれておる。 だから、森本委員が要求した資料によって犯罪の発生率あるいは為替貯金の事故の発生状況を見ますと、千分比の事故の割合は、普通局が〇・一七であり、特定局が一・六一であり、簡易局が五・一七である。事故の発生率は非常に大きいです。これは二十六年から三十三年まで、三十四年からの分も大体同じ傾向を示しておりますね。そうしますと、あなた方の監査なり監督なり、そういうものが相当権力が及んでいる分は事故率が少ないのですが、この傾向からいきますと、もしこの法律案であなた方が提案されるように個人に受託させた場合には、この事故発生率というものは何%ぐらいまで上がるだろうという計算をなされたですか。
○曾山政府委員 ただいまお示しのは貯金の事故率でございましたけれども、総じて郵便、貯金全事業をひっくるめまして代表して申し上げますと、私どもといたしましては、個人に受託者の範囲が広がりました場合には、社会的信用を有し、かつまた、事務的な能力も十分持つ者という人がたを選任いたしたいと思っておりますので、いまのところその事故率が上昇するということは考えておりません。
○安宅委員 それはあなた、詭弁というものですよ。当然これは傾向として、検討してみたら統計として出てくるのですからね。いままでのやり方でいってもこういうことになる。 それでは、いままでは個人的にも識見のある人には頼まなかったのですか。今度は郵政事業にもたいへん詳しく、識見のある、信用のある人に頼むんだそうですね。こんな事故率があるのは、いままでは頼まなかったのですか。
○曾山政府委員 いままでのいわゆる事務取扱主任は、市町村及び協同組合の吏員ないし職員でございます。当然、事務につきましても長じておると思いますが、なお、私ども今後個人を選びます場合には、先ほど申しておりますように、かつて公務員としてつかえた者、かりに郵政職員といたしますと、郵政職員のほうが、本来の仕事でありましたので、かえって本来の仕事でない協同組合あるいは市町村等の職員よりもむしろ能率があがるのではないか、しかし、その事故率がどうなるかにつきましては予測ができませんが、少なくとも従来以上に上がるというようなぐあいには考えておりません。
○安宅委員 そうすると、あなたの話では郵便局を首になった人を任命するみたいな話ですが、そうなんですか。
○曾山政府委員 一つの例として申し上げたのでございますが、私は、必ずしも郵便局員であった人だけとは限りませんので、選任の場合には必ず読み書きそろばん、そういったものも十分見まして、並びに法規等につきましても、これは先ほどいろいろな通達の内容を申し上げましたが、このような答弁を申し上げましたので繰り返すわけでございますけれども、十分資格のある者を選びたいと思っております。
○安宅委員 そうすると、いままではいわゆる再委託みたいなのは投げておいて、そうして能率のあがらない人でも何でも、やったらそのままかまわないで置いたという意味ですか、いまの答弁は。今度はそうではなくて、郵便局を首になったのは、能率があがらないからやめなさいといって首になった、それでいままでより能率があがるというようなそんなばかみたいな答弁するなよ。何というひどい答弁をするものですね。あなた、ここを公式の会議だと思っているのですか。何か、単なる話し合いなり、一ぱい飲んでやるみたいな会合だと思っているのですか。どっちなんですか。もう少しまじめな答弁をしてくださいよ。ほんとうに無礼な話だ。
○曾山政府委員 十分な事務能力があるという意味におきましては、いろいろな角度から審査をいたし、選任をいたしたいと思っております。
○安宅委員 人事局長おりますか。——何かあなたは出るそうですからこの問題については人事局は全然関係ないですか。
○山本(博)政府委員 簡易郵便局の制度万般につきましては郵務局が所管いたしておりまして、人事局は関係がございません。
○安宅委員 ただいまの答弁のとおりなんです。人事局が関係しない。郵便をどういうふうに扱うかという所管局がみんなやって、人事管理や、どういう人を採用するか、そういうものはほんとうは人事局がやることなんだ。それを人事関係を何にも知らない人が、読み書きそろばんができる人、ばかみたいな、明治時代みたいな答弁しなさるな。失敬な答弁じゃありませんか。だからいままで五・一七%などというふうに、これは普通局の何倍ですか、五十倍ですか。おれもどうも読み書きそろばんはよくできないほうだ。だからわからないけれども、いままで五十倍の事故率があったのです。 今度は大臣、聞いてください。いいですか。そういう状態、さらに個人に請け負いをさせたらその数というものは統計上もっとふえるはずだ、私はそういうことを言っているのです。私のほうが科学的です。あなたは読み書きそろばんのできる人を何とかしますから、郵便局を首になった人を何とかしますからいままでと違ってかえっていいのじゃないかと言うが、そうすると、いままでは悪いやつばかりそろっていたというのですか。そういう人事管理も何も確たる方針がないままこういう法律を出すのは間違いじゃないか。そういうことについて人事行政を——郵務局長が人事管理まで全部やるということを今後ともそのままなさるつもりですか。それと、いままではそういうことはかまわないで、能率があがらなくても、少しパアでも受託者が嘱託の発令をすればしかたがないという考え方できたのですか。そこのところと、もう一つは、科学的にいって、普通局よりも特定局、特定局よりも簡易郵便局、こういうふうに事故率がぐっと幾何級数的にふえているという現実は、個人になった場合にはもっとふえるであろうというのが、これはだれだって考えられることですが、そういう傾向は全然ないと大臣は考えられますか。この三つについて大臣の責任ある御答弁を願いたいと思います。
○河本国務大臣 この簡易局の任用方針につきましては第三条で詳しく列記してあります。それから欠格条件については第三条二項でこれも詳しく列記してあります。その精神を十分に尊重いたしまして任用するつもりでおります。 それからなお、簡易局の事故率の問題につきましては、先般来何回か議論になったところでございまして、必ずしも簡易局のほうが非常に多い、こういうことではないと思います。必要でしたら、詳細につきましては首席監察官から詳細に御報告させます。
○安宅委員 あなた方が出した資料に多いと書いてあるのですよ。昭和二十六年から三十三年までの為替貯金事故発生状況では、普通局は事故件数が四万四千符九十五、千分比で〇・一七、特定局は六十二万五千五十四、千分比で一・六一、簡易局は一万九千六百三、千分比で五・一七ですよ。〇・一七の五十倍ですよ。そんなことはない。首席監察官から報告させますとは何ですか。この資料はあなた方が出した資料じゃないか。そんなばかな答弁がありますか。私はでたらめを言っているのではないですよ。
○鶴岡政府委員 為替貯金関係の事故でございますので、私より答弁を申し上げます。
○安宅委員 ちょっと待ってください。あなたは簡易郵便局の運営その他について関係があるのですか。あなたの前に人事局長は、人事管理については関係がない、全部郵務局だと言ったのですが、貯金局なんか関係ないじゃないか。
○鶴岡政府委員 私ども事業局といたしまして、やはり簡易郵便局の運営、あるいはまた特に為替貯金事業の面でございましたら、為替貯金事業の指導監督等につきましては私どもが責任を持っておるわけでございます。そういう事情に相なっております。——ただいま御答弁を申し上げましたように、事業局長といたしまして、簡易郵便局の為替貯金の業務面の指導監督をいたしておるわけでございます。 ただいまのお手元の資料の件でございますが、おっしゃっておりますのは三十二年の事故率のことだと存じます。もう一枚の紙がございますが、これは三十二年の事故率でございますが三十四年から四十一年までの紙がもう一枚あるわけでございます。これをごらんいただきますと、三十四年度におきましては簡易局が五・八九でございまして、普通局が〇・九八、そのようになっておるわけでございますが、一番最近の数字でございます四十三年度をごらんいただきますと、簡易郵便局が三・三七でございます。そして……。
○安宅委員 そんな数字の年度ごとの差を言って何とかごまかそうと思っている。そういう答弁を聞こうと思って質問しているんじゃない。そういう事故率がはっきりしているんじゃないかということを一つの例として言っただけじゃありませんか。その事故率はそういう普通局と特定局と簡易郵便局とでずっと幾何級数的にふえているという傾向だけを言っているんです。そんな長たらしい答弁をするなよ。
○鶴岡政府委員 簡単に申し上げます。 普通局は〇・八〇でございまして、三十三年度あたりに比較いたしますと、簡易局の事故率が普通局に比べてきわめて多かったのが、四十三年には大体普通局の四倍までに事故率を縮小しておるわけでございます。したがいまして、この事故率は漸次三十四年以降減少を見ておりまして、現段階では普通局の四倍、もちろんもっと今後減少させていきたいわけでございます。 さらに、私どもただいまの御質疑の点について貯金事業の立場から申し上げますと、そのようにいたしまして、従来は人がよくかわりやすい傾向があったかもしれません、たとえば嘱託等の場合。しかし、これからは同一の人で、特に最初からなれた人にやっていただくという点も非常に有利ではなかろうかと存ずる次第でございます。 それともう一点は、もしこのような個人受託によりまして万が一にも事故率がふえるというようなことがありましたならば、そのようなことがないように、現在受け持ち集配局におきまして通信探問等のいわゆる書面調査を簡易局の貯金の預払いその他について行なっておりますが、そのような点を強化する等、いろいろと手段はあるわけでございます。 右の二点を申し上げておきたいと存じます。
○安宅委員 もうあなた方と議論するのはばかくさくてしょうがなくなったからやめますが、私が言っている一つは、再委託などというものが合法だといって法律を拡大解釈しておいて、今度は個人受託までやらせる、こういうような意図ははなはだ不明朗なものがある。いつから心変わりしたのか知らぬけれども、国会で何回も何回も廃案になりながらおくめんもなく出してきておる。二十四年のときにきちんと個人受託はさせませんと言ったことは、大臣がかわろうとだれがかわろうと同じだ、こういうのが正しい考え方だと私は思っておるが、そういうことからいっても、とてもこれは問題にならない法律だ。 事故の発生率からいっても、今度は読み書きそろばんができる人を何とかしますと、いままでは読み書きそろばんができない人がやっておったみたいなことを言って、いまの状況をことさらに悪く言って、今度はよくなるんだという幻想を与えて、そうして何とかしようなどという魂胆、これもいけないことです。あるいは、いまの貯金局長の答弁などというのは最もいけない答弁です。あまり長く同じ仕事をしていると、役人などというのは黒い霧ばかりやっているといわれて、あなたのほうでしょっちゅう転勤させているではありませんか。いま綱紀粛正などということで同じポストに長い間置かないという方針を政府がとっているときに、逆みたいな答弁をしてごまかそうったってだめです。これは非常にその場限りの答弁でのがれようとする言い方です。一番悪いやり方ですよ。 そして、現実にはもう委託さえすればそれでよろしい。濃淡があろうと政治的圧力があろうと——もっと具体的に言うならば、郵政省はほんとうはこういうものは赤字もふえるし、やりたくない、困ったものだと思っていたが、与党の諸君の圧力によって心ならずもやったんだといううわささえもあるではありませんか。そういうときにき然とした態度をあなた方はとらなければならない、こういうことも私はほんとうに強く考えているのです。 こういう意味で言うならば、こんな法律を——たとえば事故発生率さえも明らかに計算しておらないで、今後どうなるか先行きもはっきりしないで、また森本委員の資料提出要求だって、あなた方のほうでは全然資料さえもなかった、それをあわ食っていまからつくるなどという用意不十分な中でこういう法律を出してくるというのは不見識のそしりを免れないと私は思うのですよ。こんな法律は直ちに撤回すべきだ、こういうことを私ははっきり皆さんに申し上げて、私の質問を終わります。
○井原委員長 三木喜夫君。
○三木(喜)委員 皆さんたいへんに長いことしんぼうをしておられますし、だいぶ飽かれただろうと思います。そこで私は簡単に質問をしたいと思います。しかしながら、先輩連中は非常に郵政問題についてのベテランでありまして、私の質問するのは非常に次元が低いと思いますけれども、わからねやつにひとつ教えてやろうという気持ちで御答弁をいただきたいと思います。 私のお伺いしたいのは大体三つです。一つは、一番最初に自民党の小渕委員が質問なさっておりますが、小渕委員の御質問を私読んでみましてわからねところがあります。これをひとつ教えてもらいたいと思います。もう一つは、郵便局舎と簡易郵便局問題との関連を聞きたいと思います。もう一つは、いろいろ郵政関係の職員に対して教育訓練をなさっております。この訓練問題と簡易郵便局との関連、この三つを伺おうと思います。 そこで、最初にこれは郵政大臣に伺っておきたいと思います。あとは郵政大臣には聞きませんから専門家に答えていただきたいと思うのですが、それぞれ各委員からの質問を通して私考えてみましたときに、小渕さんが御質問なさったときに郵政大臣がもう少し明快に答えられておったら各委員から疑問点が出なかったのじゃないかと思うわけであります。 具体的にはどういうように答えておられるかといいますと、六月十八日の水曜日に小渕委員から「各論に入ります前に総括的に二、三の問題についてお尋ねいたしておきたいと存じますが、現行の簡易郵便局法が昭和二十四年の七月十五日に施行されて以来、すでに二十年間を経過しようといたしております。この間、簡易郵便局法は、その法律の精神に基づいて多くの効果を発揮してきたと存じておりまするが、その評価について、まず最初に大臣にお伺いをいたしておきたいと存じます。」こういう質問なんです。河本国務大臣は「ただいま御指摘のように昭和二十四年の七月にこの制度ができまして、当初は約五百局でスタートしたのでございますが、その後だんだんと整備されまして、昭和四十年ごろからはだいぶ整備のスピードが鈍りまして、ここ数年間は予定どおり進んでおりませんが、四十年ごろまでは大体順調に拡充してまいったつもりでおります。現在は約三千二百局ばかりになっております。」こういうように局がふえたということを一つの評価と考えておられるようであります。これも一つの評価の標準かもしれませんけれども、この簡易郵便局を置いてどういう利益があったかということを具体的に述べていただくのが私は至当ではないかと思うのであります。 そこで、大臣にこの点ひとつお伺いしておきたいと思います。いろいろ各委員から効果についてのお話もあり、また害悪についてもいろいろお話があったのですが、やっぱりいい面もあるのじゃないかと思うのです。あなた方はどういうようにいいんだというように評価されておるか、もう一ぺんお伺いしたいと思います。
○河本国務大臣 小渕委員の質問にも答えましたように、五百ばかりであったものが現在は三千二百になっております。そしてこの三千二百という簡易郵便局は、主として僻地におきまして郵政事業のサービスを国民にあまねく提供する、そういう意味で私は非常に大きな使命を果たしてまいったと思うのでございます。 そこで、昭和四十年ごろから簡易郵便局の設置のスピードが非常に落ちたのだ、困っておるということを申し上げましたのは、地方の公共団体や組合、こういうところの受託すべきところはほとんど受託し尽くしまして、現行法のもとでは設置が非常に進められることが少なくなった、ここ数年間そういう傾向が続いておるわけでございます。そこで、なおいろいろ現在の簡易郵便局設置基準に照らしまして全国を調べてみますと、二千百以上どうしても設置してやらなければならぬところがあるわけですが、現行法のもとにおきましてはこれが不可能でございます。先ほど来答弁がございましたように、千七百はどうしても個人にやらすということを表面から打ち出さないとできませんし、残り四百も、かりに市町村や組合に委託するという制度があるのじゃないかと言われましても、市町村や組合にそういう希望がないわけですから、そういうところはどうしても個人にやらさなければならない。結局、場合によれば、二千百全部を個人にやらさないことにはあまねく国民にサービスを提供するという簡易郵便局の使命は達成されない、こういう意味から、ぜひ法律を改正いたしまして、残り二千百の簡易郵便局が年次計画に基づきまして順調に設置できますようにお願いしておるわけでございます。
○三木(喜)委員 伺ってないところまで発展的にお答えがありましたが、簡易郵便局を設置して政府が考えておられるメリットは何か。いまお伺いしますと、国民にあまねく僻地においても郵政関係のサービスができる、こういうようにお答えになったと思うのですが、そのほかにございますか。これは政府委員のほうで答えていただいたらいいです。
○曾山政府委員 ただいま大臣がお答えいたしましたとおり、あまねく通信の役務を僻地をも通じまして国民の皆さん方の要望をされるところまで広げていったということが最大のメリットだろうと思います。それに尽きるのではないかと考えます。
○三木(喜)委員 通信だけですか。
○曾山政府委員 総じて通信ということを申し上げましたが、窓口取り扱い事務の範囲といたしまして、郵便関係、郵便為替関係あるいは貯金関係、郵便振替関係、年金恩給関係、さらには簡易保険関係、郵便年金関係があるわけでございます。したがって、郵政の役務ということでございまして、単に狭義の意味の郵便という通信だけではなくて、貯金関係あるいは保険の関係、広い意味での郵政窓口業務全部を提供したという意味では非常に国民の方々に益することが多かったと思います。
○三木(喜)委員 そこでひとつ伺いたいのですが、貯金もやはり大きな要素になっておるのではないですか。
○曾山政府委員 広い意味での郵政窓口業務の中に貯金も入りますので、当然、ただいまお示しのとおり貯金についても大きな効果があったと思います。
○三木(喜)委員 そこまでお伺いしておいて、きょうの読売新聞に書いてあることをきょう質問するつもりはなかったのですが、書いてあるのでたいへんだなということで質問するんですが、「預金集めに血眼“の銀行”にとって、競争相手の他行以上に手ごわい“外敵”がいる。店舗数にして、ざっと一万九千四百。相互銀行以上の全店舗数の約二倍、人の住むところなら、たとえ山の奥であろうと雑草のように根を張っている「郵便局」がそれだ。銀行が大衆預金に手を伸ばせば伸ばすほど郵便貯金は“目の上のこぶ”になってくる。」とあります。これは一つの情勢ですからこのとおり解釈したらいいでのすが、その次に、きょうおいでになっておるかどうかわかりませんが、郵政省の田所文雄貯金局次長は、先月十七日の大蔵委員会で立住生して、たいへん文句が出て頭を深々と下げたと書いてある。「以後、十分気をつけます」というシーンがあったわけなんですが、御存じですか。当事者はおられますか。
○鶴岡政府委員 大蔵委員会におきまして、郵便貯金の宣伝の行き過ぎというような点から質疑が出て、私どもの田所次長がそれに答弁をいたした、さように承知をいたしております。
○三木(喜)委員 なぜこんなに大蔵委員会で頭を下げたんですか。貯金をふやすならいいことをしておられたはずでしょう。宣伝の行き過ぎといっても、やはり宣伝しなければ貯金も集まらないでしょう。なぜ深々と頭を下げて「以後、十分気をつけます」というようなことを言わなければならないのですか。それには、この貯金の集め方、それからまた、簡易郵便局あたりもそういう一役を買っているんでしょうが、そこにエコノミックアニマルともいえないけれども、アニマル的な様相が出たのではありませんか。
○鶴岡政府委員 その場の情勢につきましては、当時私は逓信委員会のほうに出ておりましたのでよく承知しておりませんが、質疑自体はきわめて簡単な質疑でありましたように承知しております。そうしてその場合、郵貯の行き過ぎということばで私申し上げましたが、結局は郵便貯金は無税であるということをダイレクトメールで送った、その点について行き過ぎではないかという御質疑であったように承知をしております。したがいまして、私どもといたしましては、確かに郵便貯金は国営であるので品位を保たねばいけないという点については十分気をつけておりますし、今後もその点は十分に本省も地方も現場も気をつけていくことにしているというようなことを答弁したように私は承知をしております。
○三木(喜)委員 それで実態はわかりました。 そこで、品位を保つということと、簡易郵便局ないしは特定郵便局がそういう一つの使命をになっているということも今回の一つのねらいではないですか。郵政業務一般というようにいま言われましたが、その中に貯金の伸びということについてかなり考えられているということと、それからなお、あとのほうにも書いてあるんですが、貸し出し業務をやろう、一千円貯金をしておるならば九百円まで貸す、一万円貯金しておるならば九千円まで貸そう、こういうような動きまであって、これは金融関係の中にかなり衝撃を与えておる。こういうことを私なりに考えてみましたときに、今回のこの簡易郵便局法の改正、ないしは特定郵便局というものをなお温在しておいて、そして国の力で、国営でやるというような形をとらないという意味はこういうところに一つのねらいがあるのじゃないか、こういうような感じがするわけであります。その点、どうですか。
○鶴岡政府委員 私どもは、今回の法案の提案の趣旨は、先ほど来主管局長等が述べておりますように、あくまでもサービスの拡充にあると存じておるわけでございます。いわゆる郵便貯金の伸びを私どもがもくろんでおるということではない、と申しますのは、現在私どものほうでは、簡易郵便局の年間のいわば水揚げと申しますか、純増額は百億円にとどまっておるわけでございます。御案内のように郵貯全体では八千億、九千億といういわゆる水揚げ、純増に対しましてそのような伸びでございます。したがいまして、そういう面からも、私どもが貯金の伸びを直接の目的といたしましてそのようなことを考えておるわけではない、そのようなことが申せると思います。なおまた、簡易郵便局に対しましては、郵便貯金の奨励にいたしましても、目標を与えるにいたしましても、普通局におきましてはいわゆる目標額を割り当てておりますが、この場合には、いわゆる期待目標額というような形でしか与えてない、できたらこの程度の額を取ってくれというにとどまっておるわけでございます。さような次第でございます。
○三木(喜)委員 郵便貯金の口座がどれくらいあって、そして預金残高がいまどれだけあるかということを言ってください。
○鶴岡政府委員 郵便貯金全体の残高は五兆三千億ばかりでございます。そして口座数は、睡眠貯金その他一切を合わせまして一億六千万ばかりでございます。
○三木(喜)委員 そうしますと、ちょっと私が見たのとは違っておるように思います。口座数は三億、大体国民が一人三口持っておる。それから預金残高は、いま言われた五兆三千億、これはちょっと多いです。五兆一千億のように思うのです。大体一口が百万円までという郵便貯金のきまりがありますけれども、そういうことになりますと、国民一人が三口持っておるということは、単に宣伝文句が品がなかったという問題じゃないと私は思う。ここに資本主義の形態の中でなけなしの金を集めるところの一つの機構になっておる。一方では、先がた田代さんもおっしゃっておられたように、選挙の基盤だろうというような御意見もありました。私はその角度と、もう一つは、独占が国民のなけなしの金を使ってやる、おまえはわれわれの召使である、召使がためたお金をわれわれが使ってやる、大企業は長火ばちの前であぐらをかき、たばこを吸っておる、そしてお金はそういうぐあいにして集められる、その一つのシステムをいまつくったものである、だから力を入れておるのだ、私はそのように思わざるを得ないのです。あなたは一億口座と言いますけれども、隠蔽しておるのではないですか。三億じゃないですか。私、口座三億のように思いますよ。
○鶴岡政府委員 ただいま御質疑がありましたように、一部の新聞でときどき三億云々ということを書いたことがあったように記憶いたします。しかし、これはいわゆる口座数であるわけであります。したがいまして、たとえば一番わかりやすい例が定額郵便貯金でございますが、これは一人の人がお盆に入る、そしてまた暮れに入る、そしてまた不時の金が入って入れたということで、年に数回入れ、そして三年、四年とそういうことを続けますと、一人で十五口とか二十口とか、そういうことがあるわけでございます。そのようなことでそういったものの枚数等を入れて考えますと三億という数字になるわけでございます。しかし、いわゆる口座数は、私先ほど申しました一億六千万というのがいわゆる口座の数でございます。これには異同はございません。 もう一点の御質疑でございますが、これは申し上げるまでもないことと存じますが、このようにして集められた金は、御案内のようにすべて国家の財政投融資の財源といたしまして、市町村の道路とかあるいは学校とかあるいは授産所とか、そういうようないわゆる公共の投資に向けられるわけでございます。そのようなことを一言申し添えて御質問に答えたいと存じます。
○三木(喜)委員 そうです。そのとおり私たちも解釈しておるわけですが、この逓信関係におられる代歳出の諸君はそういうことはないでしょうけれども、よく、財投を幾らおれの力で取ってやった、そしてどういう投資をしてやる、公共投資はこういうことをしてやるのだということを新聞に書いたり通信に書いたりしてどんどんやっている。予算はこういうようにしておれが取ってやるのだというようなことを吹聴なさる。そういうような金集めをこうした人間的なつながりのある人をつくってそこにまた集めさす、そうしてそこに還元していく、そういうシステムの中に簡易郵便局というものがあるように思われる。あらに、人間的なつながりを深めていく中にこの簡易郵便局というものが位置づけられておるように思う。これは、各諸君からの御質問なり疑念なりを聞いておりましてそのように思わざるを得ないわけです。これはきょう「銀行」という読売新聞に書いてあるところを読みましてそういうようなことを感じたわけであります。 それから、これは郵政省にそういうことをお聞きするのはどうかと思いますが、この中にまた二つの注目すべきことが書いてあります。一つは、昨年の試案は参院選がからみ、郵政議員のハッスルで、あわや実現というところまでいったが、銀行協会が嘆願書作戦、裏では政界の大ものと有力銀行の頭取の秘密会談が開かれて、そして先がた言いましたように、定額貯金は六カ月以内に九割の限度内で貸し出すということが取りやめになったと内幕が書いてある。こういうような、参議院選がからみ郵政議員がハッスルしてこういうことをやっていくということであります。こういう問題が全く党利党略に使われておる、その先端に簡易郵便局なり特定郵便局があり、そしてその仕事をになわされておると思うわけであります。 それから、その次にこういうところがあるわけです。「数一年前までは、高額所得者は銀行、低所得者は郵便局へ、と“暗黙のナワ張り”があった。ところが、所得水準の向上や銀行の大衆化で、その境があいまいになってくる。共存できなくなれは、たちまち“かたき同士”——銀行対郵便局の対決は、バックの大蔵省、郵政省も巻き込み、ますますエスカレートしていくだろう。」ということが書いてある。 この貯金という存在をなにして、こういうからくりで両金融資本、金融支配によって日本の国を支配しようという考えの立場の者がこういうことをやって醜い争いをやっておる。もっと国策の上で先がた言われるように住民サービスというならば、こんなことばは出てこないはずだ。いま局長なり大臣はもっぱら僻地におけるところのサービスをいたしますというように低姿勢で言っておるものの、その背景にこういう醜いものがあるわけなんです。(「ないよ」と呼ぶ者あり)私はそういうように考えます。ないのは与党の議員の一、二の人だけです。そういうことで新聞に書いてあるんだから。読売新聞にそういうことが書いてある。 その次に、簡易郵便局の局舎は個人として提供されるから好都合という考えがあるように思えるのです。これは昭和三十三年一月十四日の答申の精神に逆行しておるんではないかと私は思う。そこで、まず局舎問題に入りたいと思いますが、最初にその点からお伺いいたします。
○曾山政府委員 簡易郵便局は、先ほど来申しておりますように、微量な仕事をできるだけ協同組合あるいは地方公共団体に請け負わしてやっておるものでございますから、それぞれの施設もりっぱな郵便局を特別につくるという必要はないわけでございます。現在ある協同組合あるいは地方公共団体がそれぞれ住民のサービスをいたしておりますところの事務の受付の窓口等を改善いたしまして、そのほか必要な金庫、備品類を備えつけまして、それでサービスをするというたてまえでございます。したがって完全な局舎は必要ないわけでございます。
○三木(喜)委員 たぶんそうだろうと思います。非常にイージーな考え方で、それなら局舎でなくて何ですか。納屋ですか。納屋を貸してくれるからちょうど都合がいい、そこにこういう赤い郵便のしるしをつけてやっておけば、そこへは金は集まる、選挙の基盤はできる、非常にぐあいがいい、こういう考え方で家賃も何も払わずにやるわけですか。その点どうですか。
○曾山政府委員 施設の面から申し上げましたが、家賃という形におきましては、取り扱い手数料の中に基本額と取り扱い手数料と加算額と、三つの要素がありますが、その基本額の中に物件費的なものと人件費的なものを見ております。その物件費的なものに局舎料を見ております。しかも、その算出の基礎には予算上約五坪のものを見ておる、そういうことになっております。
○三木(喜)委員 予算査定の中にそういう組み入れ方がしてあるようであります。しかし、その率なり額については後ほど伺いますが、ここにこういうことが書いてあるので、それとの関連においてひとつお伺いいたしたいと思います。 これは御存じのとおり三十三年一月十四日の特定郵便局制度調査会の特定郵便局制度に関する答申ですが、これには「現在においては特定局長に局舎の提供義務はないが、局長の任用に局舎の提供が事実上の要件とせられる例が多いことと局舎の所有にからみ局長の地位が事実上世襲となるということで局舎の私有が一部の批判の対象となっている。この問題は局舎の完全な国有化が実現すればおのずから解決することもちろんであるが、郵政事業の賜政はこれを許さない。そこで本調査会は、この問題の解決についての次善策として、次の如き提案をする。 まず原則としては国有局舎および借入局舎併用の方向をとるものとする。すなわち、事業財政上有利な場合、または借入が不可能もしくは借入を不適当とする場合は国有局舎によるべく、これと反対に適当な局舎が妥当かつ経済的な条件で利用できる場合には借入局舎によるべきである。借入局舎は、事実上当該局長を所有主とする場合が多いが、事業財政上有利な場合においては、地方公共団体その他の公共団体第三者たる私人(法人を含む。)から局舎を借入れることがむしろ奨励せられてよい。」こういうようなことが暫定的には書いてある。その前段といたしましては、局舎を借り入れるということによる弊害が述べてあるわけであります。そういう弊害を除去するという考え方がなければならね。 〔委員長退席、小渕委員長代理着席〕 あなたのおっしゃる算定をどの程度になさっておるのか、その算定の基準をひとつ承りたいと思います。どこかに資料に書いてあるようでありますが……。
○曾山政府委員 ただいまの御質問は特定局のことをいろいろおっしゃいましたが、簡易郵便局についての御質問だろうと思いますので、簡易郵便局のほうを申し上げたいと思います。 簡易郵便局は先ほど予算上一応五坪見てあるということを申し上げましたが、五坪を見ます場合の手数料の算定基礎といたしましては、新築工事費並びに地代、これを基礎にいたしまして家賃月額を算定いたします。その家賃月額の内訳には当然建物借料のほかに火災保険料等も入ります。それにつきまして若干の地域是正をいたしまして、その結果合計を出しまして、それによって借料算定額を出し、それを基本額の中に見るということをいたしております。
○三木(喜)委員 それは後ほど他の問題と比較してお伺いいたしますが、そこで、簡易郵便局の考え方は、この特定郵便局のところでわかりますように、答申の精神としておるものに私としては反していないかということを思うわけです。その点どうですか。
○曾山政府委員 特定局制度調査会において答申されましたこの答申書の内容には、特定局においてすら、郵便局舎は大きいものにつきましては国費でやっていくが、そうでない中規模、小規模のものにつきましては借り入れをもって原則とするということをいっておるくらいでありますから、私はそれよりもさらに規模の小さい簡易郵便局におきましては、これを国費でもって新築していくというようなことなどは当然考える必要はないのではないか、むしろ借り入れをさらに強めてまいりまして、それでいくほうがよりこの答申の趣旨に沿っておるのではないかと思います。
○三木(喜)委員 大事な問題で御答弁なさっておりますが、局舎を借り入れるということにおいては、あるいは世襲的な問題が出てまいったり、いろいろ弊害が出ておるわけですね。だから、それが特定であろうが簡易郵便局であろうが、そういう考え方にはやはり問題があるわけなんです。そういう点で私は逆行しておるのではないかと思います。 そういたしますと、やはり郵便局舎というものに対しての長期的な展望に立っての計画が必要だろうと私は思う。普通局と特定局別に、その点はここに計画表が出ておるようでありますが、ひとつ御説明願いたいと思うのです。それと申しますのは、新築後一、二年で増築をしたとか、新築後間もなく同一行政区域に新局増置の事例をしばしば聞いておるわけであります。そういう例もあるわけなんです。したがって、そういう計、画はどのような資料を根拠にして計画をされたのか、伺いたいのです。
○曾山政府委員 私どもは昭和三十六年に郵便局舎改善五カ年計画というものを設定いたしまして、四十一年にそれが済みましたので、さらに四十二年度以降第二次五カ年計画に入りまして、年次計画をもって進めております。当然、ただいまお示しになりましたように特に郵便物数等の多い、取り扱い事務量の多い都会等におきましては郵便局舎が早く狭隘になるという傾向がございますので、そういう新築の場合には、将来増と申しますか、将来の郵便物数あるいは事務量、扱いの増加を見越しまして、大体五〇%から大きいところは一〇〇%の将来増を見るというような形で処置してまいっております。それから特定局におきましても、いま申しましたその五カ年計画の線に沿いまして毎年国費によりますものを、集配特定局が主でございますが、約百二十局つくっております。今後さらに特定局で改善を要します局が約三千ぐらいございますので、その三千につきましては鋭意借り入れをも奨励し、そして国費によりましても先ほど申しましたような年次計画について実行しておるわけでございます。これを予算額について申し上げますと、大体郵便局舎だけで申しますと、普通局が約百三十五億、それから特定局が十五億というのが四十四年度予算の実績でございます。
○三木(喜)委員 次に、関連がありますから伺いたいのですが、特定郵便局の局長任用と局舎提供との関連について伺いたい。 特定郵便局の最近の局数、その場合の集配、無集配の局数、これは出ております。任用状況です。部内、部外、そして局舎の所有者の数を明らかにしてもらいたいわけです。これをひとつお伺いします。
○曾山政府委員 私の直接の所管ではございませんが、人事局長が退席しておりますのでかわって私から申し上げます。 特定郵便局長の任用状況でございますが、四十年、四十一年、四十二年の資料がございますので、最近の三年間に限って申し上げますと、四十年度が任用総数八百二十五人、そのうち部内職員から任用いたしました者が七百二十人、部外からの任用の者が百五人、四十一年度は任用総数九百四十四人に対しまして、部内者からの任用が八百七人、部外者からの任用が百三十七人、四十二年度は任用総数が八日六十六人で、部内職員からの任用が七百五十四人、部外者からの任用が百十二人と相なっております。 なお、局舎の国有及び借り入れ局舎の中で、特に借り入れ局舎の局長所有とそれから第三者所有というぐあいに分けてまいります。それで御説明申し上げますと、現在集配局が四千七百七十四局ございますが、その中で局長所有のものが二千三百四十一局、第三者所有のものが五百四十五局ございまして、郵政互助会というのがございますが、それを別掲いたしますと八百四十七局になっております。それから無集配局について申し上げますと、全部が一万八百八十三局でございまして、そのうち国有局舎百五十六を除きまして借り入れ局舎が一万七百二十七ございます。そのうち局長所有が八千四百七十三局、郵政互助会以外の第三者所有が千九百三十二局、郵政互助会所有が三百二十二局ございます。
○三木(喜)委員 そういう中で特定局長の任用と局舎の提供義務についての相関関係はございませんか。
○曾山政府委員 特定局長の任用にあたりましては、別に局舎の提供を義務づけておりません。ただ、現実に特定局長に任用されます者が、自分の局ということでなくても、自分がやはり第三者から先ほど申しましたような数字でございますが借り入れしてまいりまして、こういうところで特定局をやりたいということで特定局という局を開設するという事実はございます。しかし、これはあくまでも局舎が自己の所有権下にあることによって局長の地位が世襲になるということの前提ではございません。さようにすることが郵政経済全般から見まして経済的であり、合理的であるという見地からやっておる次第でございます。
○三木(喜)委員 世襲になるということを警戒されて、いま前もってお話がありました。しかしながら、局舎が局長のものであるということからくるところの弊害があろうと思います。どういう弊害がございますか。
○曾山政府委員 局舎が局長のものでございましても、これはあくまで国が、その局長は局舎所有者という形で局長から借りておるわけであります。第三者が提供します場合も、別に局長ということではなくて、第三者から借り入れる、あるいは局長を通じて転貸借の形で借り入れるということでございまして、あくまで借り主は局長ではございませんで国であるわけでございます。したがって私どもは、局長たる身分を持って、かりに局舎が局長の所有権下にあったとはいい条、あくまで国が借りておるわけでございますから、局長の私有なるがゆえをもって一々くちばしを入れさせるということは絶対させておりません。 なお、過去においてそういうことがあったじゃないかと言われる第二のお尋ねがあろうかと思いますけれども、現在におきましては完全にさような線は消えておりまして、いまのところ局長の私有なるがゆえをもって国の業務、つまり郵政業務を遂行するに阻害があるということはございません。むしろ非常に遠いところに郵政局舎を直接国が持っておることによりまして管理事務に、たとえば出張者がよけい要る、あるいはすぐその場で修繕ができないというようなことなんかを考えますときには借り入れ局舎でいくというほうの長所を認めておる次第でございます。
○三木(喜)委員 そうじゃないでしょう。こういう問題があるわけなんです。本年五月三日の栃木新聞、朝日新聞の栃木版、栃木読売に局舎についての汚職の例がある。局舎を提供しなければならぬ、提供した分については、なるほど国が費用弁償のかっこうをとる、それはわかりますけれども、栃木県の足利市内の局舎新築の資金の返済に困り、特定局長が定額貯金二百万円、それを減額報告して着服した、こういうことが載っておるわけです。こういう無理が重なっておりますし、これから後もいろいろな問題が特定郵便局の団体から、やはり現在そういう弱味がありますから、したがって国に対していろいろな要請が出ておるのじゃないかと思うのです。そういうことがきっちりと国の費用で建てていく場合にはそういうようなことも起こらないし、汚職だとか使い込みだとかいうことも起こらない。さらにまた、そういう圧力団体になるはずはないわけです。これをさらに引き延ばし、延長していきますと簡易郵便局になるような気がするわけであります。そういう例がたくさんあるわけなんです。したがって、局舎建築問題でこういう汚職的なことをやっておるのはほかにも京都その他にも同様な例がございます。したがって、局舎建築資金について郵政省としてはそういう問題はチェックしておりますか。
○曾山政府委員 局長の所有に属します局舎の改策あるいは新築等の場合におきまして、私ども国が直接その借り入れ資金をめんどう見ておるということはございません。局長の私的団体でございますところの局長会等がそれぞれ相助け合っておるという事実はございますけれども、別に国が直接借り入れ資金のめんどうを見ておるということはございません。先ほど申しておりますように、国としましては財投資金からの借り入れ等、相当額借りまして、むしろ国費のほうに投じているという形で、特定局舎の改善は国費の新営によります集配特定局約百二十局を年間主体としております。
○三木(喜)委員 こういう局舎の借り入れについて、われわれとしましては、土地代や建築費の高騰があるのにもかかわらず、やはり郵政省はこの借り上げと国費との二者併立をやっておるところに私は犯罪が起こっておると思う。そこで特定郵便局の局舎の借料について、地域によって私はかなり相違があると思います。地代、建物その他の別で三十三・三平メートル当たり借料は幾ら払っておるかということを先がた一般的に述べられました。しかし、一般賃貸料とこれを比較してみたときには、いまお示しになった数字は一体どういうことになるのですか。 それからもう一つお伺いしておきたいのは、特定郵便局の借料と簡易郵便局の基本手数料に見込んでおる局舎借用料との比較でどの程度の差があるか、それを知らしてもらいたいと思います。
○曾山政府委員 一般的に申し上げまして、特定局の借料の地域差の問題でございますが、これは大都会において辛く、それから地方において甘いと申しますか、さような声が特定局長会等から出ておることはございます。これは、申すまでもなく大都会におきましては土地、建築単価、そういうものも高いという事実からさような点はうなずけますが、従来この数年にわたりまして借料の是正をしてまいりまして、いまのところは局長会と申しますか、局長が所有しております局舎につきまして、局長当事者は必ずしも不満だという声は聞いておりません。 なお、第二の問題でございます簡易郵便局の基本額に見込んでおります——先ほど算出の数字を申し上げましたけれども、その考え方と、それから特定局の借料の考え方の場合にはほぼ同じでございます。したがって、特にその間において差があるということはございません。ただ坪数において差がございますので、簡易郵便局の場合は三十五坪でございますが、特定局の場合は通常最低十坪から二十五坪というふうに、無集配特定局の場合などはさようになっておりますので、総額においては差があるわけでございます。
○三木(喜)委員 そういう差があるようでありますね。 そこで、この簡易郵便局の手数料というものは一体何によって定めるのです。法律によって定めるのですか。
○曾山政府委員 定める法的根拠と申しますと、これは規則、つまり省令でございます。
○三木(喜)委員 そうすると、いま簡易郵便局というものは個人に委託しようというかまえがありますね。そうでしょう。そういうのが今度の法律案のねらいでしょう。そうしますと、郵便切手類の売りさばき手数料というのは何できめるのですか。
○曾山政府委員 お示しのとおり、この法案は個人の受託者の範囲を拡張しようという提案でございます。 なお、切手手数料につきましては、簡易郵便局法十四条をもちまして、郵便切手類及び印紙の売りさばき所法に載っております。したがってその法律でそれぞれ手数料の率がきまっております。
○三木(喜)委員 ここにまた私は一つの矛盾があると思うのですが、郵便切手類の売りさばき手数料というものは法律だ。これはなぜかといいますと、個人に渡すからだ、そこで法律をきめなければいかぬ。簡易郵便局の手数料というものも、これは個人受託になりますと省令ではできないはずです、同じ考えをもっていきますと。ここは省令でやっていい、ここは法律でなければならぬというこの差別は一体どこから出てくるのですか。いままではそういう法人だとか団体に貸しておったから省令でよかったのかもしれませんが、切手やそれからはがき、こういうもの類と何ら変わらないじゃないですか。その辺、ひとつはっきり説明してください。
○曾山政府委員 法十五条に取り扱い手数料の条項がございます。「郵政大臣は、委託事務の取扱につき、受託者に取扱手数料を支払う。」「前項の取扱手数料は、省令の定めるところにより、」云云とございまして、先ほど申しました省令の根拠がこの法律にあるわけでございます。ただし、十五条の第一項の委託事務の中に「郵便切手類及び印紙の売さばきの事務を除く。」とございますので、その除かれたものが法律になっておる、形式的にはさようなことでございます。 しかし、なぜそれでは一方は法律で一方は省令かということでございますが、印紙及び切手につきましては、立法論としましてはそれは省令に落としていいじゃないかという議論が確かにございます。ございますが、過去、取り扱い手数量をずっと数十年にわたってきめている、それで法律という形をとっております。むしろ伝統的なものだというぐあいにお考えいただきたいと思います。
○三木(喜)委員 そこに矛盾があるわけですね。今回、個人のかっこうで簡易郵便局を委託するということなら、切手類の売りさばき手数料が法律できめられているように法律にしなければならぬという論拠も成り立つわけです。そういう騒ぎが、考えとは別に、無制限とは言えませんけれども進められておるところに問題があるわけであります。いま全簡連が手数料の引き上げ要求をやっておりますね。こういうことは御存じなんですか。
○曾山政府委員 承知しております。
○三木(喜)委員 こういう安上がりをやりながら、組織ができてくると、ここに内部矛盾が醸成されてくるわけですが、これは一体またどういうことでしょう。全体的に、この島本君の話でありませんが、弁当とけがはこっち持ちというのと同じように、安かろう悪かろうというようなやり方でこの簡易郵便局というものをつくって、そして私の把握では二つの目的を持たしておる。金集め、票集め——こういう簡易郵便局をつくって、それが組織ができますと、今度は要求です。安かろう悪かろうからこういうことになってくるわけです。安上がりをねらうからこういうことになってくるわけです。国の仕事をやらすのならば、国が責任をもってやはり局舎を持ってやるべきだと思うのです。
○曾山政府委員 第一に手数料の面でございますけれども、確かに全国簡易郵便局連合会、通称全簡連からさような要求がございます。ただ、私どもといたしましては、現行の算出根拠でございます基本額と取り扱い手数料あるいは加算額をそれぞれ合理的に、現在の特に郵政公務員の人件費と相拮抗するもの、それから妥当な物件費というものを見まして定めておりますので、一応妥当な数字と考えております。将来人件費が上がり、また物件費がふえるというふうな場合におきましてこれを修正するにやぶさかでございません。ちなみに、昭和四十三年度に比べまして四十四年度の予算額は約一一・四%上がっておるということでございます。 それから第二の問題で、おことばでございますが、安かろう悪かろうということはないわけでございまして、これはあくまで私どもとしては郵便局の施設を通称——法律的にも簡易郵便局と呼んでいるわけでありまして、国の直接の機関ではございませんが、国民の方々から見れば郵便局でございます。その郵便局でしっかりした事務が執行できますように、すべての局舎料あるいは事務の遂行に必要な人件費等を見積もりまして額を差し上げておるわけでございますから、決して安かろうというサービスがそこに出てくるわけでもありませんし、また悪いというような形での施設が提供されるわけでもない、かように考えておるわけでございます。
○三木(喜)委員 最後に、あなた方からもらった率、先がた安宅君のほうからも話が出ておりましたが、昭和三十四年から四十三年までの為替貯金事故発生状況、この中で事故と書いてあるのですが、事故件数は普通局で十二万七千何がし、集配特定局で二十二万何がし、それから無集配では四十万何がし、それから簡易局では五万一千何がし、こういうことですが、これは先がたあなたの説明では、取り扱い件数との比較において見ましたときに、率をもって見ますと、普通郵便局のほうが四分の一事故が少ない。だから簡易局のほうは四倍も多い。これは何に欠陥があるのか。やっぱり安かろう悪かろうというようなこういう思想なり取り扱い方がこういうところになってくる。私はやはり普通郵便局のこの行き方のほうが、この一つの表を見ても大事なんでありまして、いまあなた方がとられようといておるのはだんだん下のほうに、事故の起こるほうへ起こるほうへ依存していく、こういう趨勢のように思えるのですが、将来はこれらを特定局並みにし、特定局というものを普通局並みにレベルアップする、こういう考え方はないんですか。だんだん下請化、こういうかっこうにいこうとするようなことが感じられてしかたがないのです。その考え方はどうですか。
○曾山政府委員 後のほうの御質問にお答えいたします。 私どもといたしましては、現在の特定局を普通局に昇格するというようなものにつきましては、やはり一応の基準を持っております。その基準に従って必要なものはどんどん昇格していく、それから特定局と簡易局におきましても、簡易局が大体一人当たり事務量以下ということになっておりますが、それがとうてい一人で処理し切れないような相当数量になったというような場合には、これは特定局の設置基準に該当いたします場合には当然特定局にいたしたいと考えております。したがって、むしろ逆に下のほうへどんどん下げるということなどは考えておらぬわけでございまして、いま申し上げました今回御提案しております簡易郵便局法改正の趣旨は、あくまで地域住民の方々から要望がございまして、国としても簡易郵便局なりの窓口機関を設置していかなければならない地域が残っておりますので、さような地域に対しましてこれを拡張してまいろうという思想でございますから、こういうことをしたからといって、別に特定局を簡易局にすぐ落とすというようなことは考えているわけじゃございません。
○三木(喜)委員 いや、落とすのじゃないのです。ものの考え方を言っているわけです。あなた方が基準を設けて、大体規定の郵便量を持った場合は昇格させるという基準はあなた方がつくっているわけです。そうでなくて、下請をさそうという考え方の中に簡易郵便局があるのだから、そういう考え方を今後国の責任においてやるという方向に持っていく、そういう考えはないかということなんです。 これは郵政大臣にお伺いしたらいいかもしれませんが、先がた言いましたような二つの目的をどうしても遂行するというなら、郵政大臣といえども答えができないわけであります。それは簡易郵便局はよろしいで、という以外にないわけなんです。それではいま言うこういう事故は減らないし、責任体制はないですし、犯罪は起こるし、公務員としての責任がないのですから、そういう無責任体制を強化していこう、こういう考え方にはわれわれは賛意を表しがたいわけなんです。そこでものの考え方を申し上げておるわけなんですが、それだけお伺いしておいて、私はこの法律案には根本的に誤謬があると思いますから反対せざるを得ません。
○曾山政府委員 現行簡易郵便局法におきましても、郵政窓口事務を委託する場合という第二条に書いてございますように「郵政事業の運営上支障がないと認めるときは、」云々、かつまた、委託することが経済的であるというようなワクがはまっております。同じく郵政業務の請負を個人にいたしております郵便物運送委託法におきましても、郵便物運送等、あるいは取り集め、配達等も入りますが、これを他に委託することが経済的であり、同時に支障がないと認めますときは請負してもいいということに相なっておるわけでございまして、思想といたしましては、委託は経済的であり、かつまた事業の運営上支障がないと認めるときは、ただいまお示しになりましたような方策をとっていくというぐあいに考えております。
○三木(喜)委員 大体お示しいただきました時間が来ましたので、簡易郵便局と教育訓練問題について聞きたかったわけですが、これを省略し、後日、機会がある場八口この質問はさせていただきたいと思います。 そういうことで、本日はこれで終わります。
○小渕委員長代理 次回は明三日開会することとし、本日はこれにて散会いたします。 午後五時七分散会