逓信委員会 第23号
- 発言数
- 14 件
- 登壇者
- 7 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1969/05/29
会議録
○井原委員長 これより会議を開きます。 昨二十八日、森本靖君外一名より成規の賛成を得て、私、委員長に対する不信任の動機が提出されております。 私の一身上のことでありますから、理事志賀健次郎君に本席を渡ることにいたします。 〔委員長退席、志賀委員長代理着席〕
○志賀委員長代理 委員長の指名によりまして、私が委員長不信任の動議について議事を進めます。 それでは、提出者の趣旨弁明を許します。森本靖君。
○森本委員 ただいま議題となりました逓信委員長井原岸高君の不信任動議に対する趣旨の説明を行ないます。 動議の内容は、 本委員会は委員長井原岸高君を信任せず。 この逓信委員会は、私もかなり長いことおりまするけれども、そもそも逓信行政というものは、郵政、電波、放送、さらに電気通信、こういうふうに国民大衆の皆さんにサービスを提供する機関でありまして、およそ与野党が対立をして、どうしても相争わなければならぬという問題は非常に少ない問題であります。 そこで、当委員会といたしましては今日まで強行採決なんということを行なったことはほとんどございません。これは伝統的な逓信委員会でありまして、しかしながら、いわゆるサービス行政機関につきましても、ときには野党、与党が対立をする場合もございます。ありましたけれども、今日まではこれが与党、野党の話し合いによりまして、お互いに譲るべきところは譲り、そうして譲り合って今日までこの逓信委員会が円満にまいったことは皆さんも御承知のとおりであります。今後もこういうふうな国民大衆に対するところのサービス機関というものについては、少なくともできる限り与党と野党が相提携をし、お互いに譲り合うところは譲り合って、そうして円満な運営をしていきたいという考え方については、私たちは従来とも変わりがないのであります。そういう点からこの委員会はいままで円満に来ておったということについては、ここにおられる自由民主党の委員の諸君もほとんど御承知のとおりだと思います。 ところが、このことが、何か野党の勢力が非常に強いから野党に全部押し切られておるというふうなことがうわさにのぼっておるようでありまするけれども、決してそういうことはございません。(「そんなことはだれも言っていない」と呼ぶ者あり)これはやじる必要はありません、私は堂々と説明しておるのでありますから。そういうことは絶対に当委員会にはない。それは、要するに野党の意見でも正しい意見は取り入れるし、あるいは、少々与党の意見が無理であると考えましても、ここは譲るべきところは譲るという考え方に基づいて私は国会のこの委員会の運営を行なってきたつもりであります。 元来、国会というところは肉体的な、暴力的な衝突によって行なうべきところではございません。しかも多数党は、いわゆる多数党の威力によってこれを押し切っていくということではございません。何としても多数党は少数党の意見を聞き、場合によっては、最終的には少数党は論議をし尽くせば、あるいは多数党の意見に服さなければならぬということになるかもわかりません。これがいわゆる国会運営というものに対するところの基本的な考え方であります。そういう考え方に基づいて今日まで当委員会の運営に私は理事として当たってまいったわけであります。 ところが、昨日強行採決をされましたところの例の沖繩の貯金に対する問題でありまするが、これについては、あと私とそれから中井徳次郎委員とさらに共産党の田代君、この三名の諸君の質問が残っておったわけであります。 しかも、この法案については、わが党は沖繩に対する住民の福祉の向上の問題でありまするから、基本的には賛成の法案であります。しかしながら、この中にはいろいろまだただすべき点がございます。たとえば、いわゆる郵便貯金の元利合計の払い渡しについては、なるほど一応筋が通るようなかっこうになりますけれども、見舞い金を沖繩に出すということについては、現行の郵便貯金法においてこれを行なうということについては法律上いろいろの疑義がございます。さらにもう一点、簡易生命保険についての払い渡しにつきましても、現行の簡易生命保険法においてこれを払い渡しをするということについては、これはやはり若干の疑義がございます。そういう点を私たちは最後にただして、そうして政府当局並びに政府委員の方からそれぞれ満足なる回答があればこの法案については賛成で上げたい、こういう考え方を持っておったわけであります。にもかかわりませず、昨日、どういう考え違いをしたか知りませんけれども、いままだこの三名が残っておるにもかかわりませず、しかも各党が賛成であるという法案について強行採決をするということについては、どうしても私は納得がいきません。 こういうふうな運営をするということについては、私が最初に申し上げましたように、いままでやってまいりました逓信常任委員会というものの伝統ある運営というものが私は非常にそこなわれる、非常に残念である。個人的には、私はやはり同じ四国の議員としてこの委員長井原岸高君に対しては尊敬をいたしております。しかし、昨日のようないわゆる委員会の運営を行なうということになるとするならば、これはもうわれわれといたしましては徹底的に対決するよりほかに方法がございません。 そういうふうな点から当委員会の委員長にはふさわしくない、そういう点で私はこの委員長の不信任動議を出したわけでありますけれども、これは委員長というよりも、自由民主党の諸君にもよくお聞きを願いたいと思いますことは、私がいま申し上げましたような運営をやってきた、また、それが自由民主党の理事諸君あるいは委員諸君も一緒になって今日までやってきたということについてはおわかりだろうと思うのであります。ここにおられる自由民主党の委員の中で郵政省の政務次官をやられた方は、亀岡君、上林山さん、それから田澤君、それから早稻田さん、こういう歴代の郵政政務次官がおられます。そこで私といろいろの質疑応答を行ないましたけれども、私はいままでかつて一度も乱闘するとか、あるいはこの委員会が紛糾するというふうな運営をしてきたことはございません。今回のこの沖繩の貯金の法案につきましても、慎重審議をしてやるならば、これはひとつわれわれは円満に採決をしよう、こういうことでやってきたわけであります。 そこで、きのうの段階になりまして、これは各党ともそれぞれの党の立場があるわけでありますから、わが党としてはどうしてもきのうの採決はいけない、さらに、まだ質問が残っておるからその質問をやりたい、しかしながら会期を大幅に七十二日間も延長する、ああいうふうな暴挙を本会議において行なわれたならば、わが野党としては審議しようにもしきれない。そういうところから、ひとつ自由民主党の方々も十分に今日までのこの委員会の経過を見て、そうして遠慮していただかなければいかぬ、こういうことになりましたけれども、いろいろ応援団その他がありましたかどうか知りませんけれどもああいうふうな強行採決という結果になったわけであります。非常に私は残念に思うわけであります。 どうかひとつ、この不信任動議に御賛成をいただきますと同時に、今後の逓信常任委員会の運営については、これは国民大衆に対するサービスの行政機関を指導し、あるいは立法するところの機関である、こういう考え方に基づいて、ひとつ自由民主党は譲るべきところは譲り、社会党も譲るべきところは譲る考え方を持っておるのでありますから、そういう点については政党政派を離れて十分に御反省を願いたい、こう思うわけであります。 以上で終わります。(拍手) —————————————
○志賀委員長代理 これより討論に入ります。 討論の通告がありますので、順次これを許します。中井徳次郎君。(「これは反対からやらないのか」と呼ぶ者あり) それでは、ただいまの指名を変更いたしまして、加藤六月君。
○加藤(六)委員 ただいま森本靖君より出ました井原岸高委員長の委員長としてのなにを信任せずという不信任決議案に対し、われわれはこれに対し絶対信任するものであるという立場を表明しておきたいと思います。 先ほど森本委員より、当委員会は逓信関係全般に対する国民に対するサービス、郵便貯金、電話あるいは放送、こういうもので、幅広い国民的なものである、当委員会においては強行採決ということはほとんど行なわない、こういうお話もございました。また、提案理由の説明の中に、お互いに譲り合ってきた、円満な運営をやってきた、こういう話もございました。このお互いに譲り合ってきた、あるいは円満な運営をやってきたというそのことばの裏にあるものが何であるかということをまず野党の皆さんは十分認識してもらいたいと思うわけであります。 お互いに譲り合ってきた、円満な運営をやってきたということは、ことごとく井原委員長が名委員長であり、国会の立場における委員会の運営、特に逓信業務全般に対する幅広い国民の期待というものに沿うべく非常に努力をされ、ある面ではわが自由民主党の立場というのを押え切って、社会党の皆さん、あるいは公明党、民社党、共産党の皆さんの立場を十分尊重し、その意見を十分取り入れて当委員会の運営をやってこられたということの証明になるわけでありまして、そういう立場から見ましても、井原委員長が当逓信委員会の運営にあたって名委員長であり、逓信行政全般に対し幅広い視野を持って運営してこられたという確たる証拠にもなるわけでございます。 ところが、昨日行なわれました沖繩における郵便貯金の奨励及び簡易生命保険思想の普及に必要な施設及び設備の設置及び無償貸付けに関する法律案に対し質疑の打ち切りを行なった、採決を行なった、これがけしからない、よってわれわれは不信任案を出すんだ、こういう内容でございました。 ところが、この法案に対しましては、すでにわが党代表といたしましては私が四十五分間やっております。社会党としましては、米田東吾君五十二分間、武部文君三十四分間、島本虎三君百五分間、なお民社党の小沢貞孝君三十一分間、公明党の中野明君五十分間質疑を行なわれております。そうして、沖繩の住民諸君は、この法案が一日も早く国会を通過して、二十数年間ペンディングになっておった保険や貯金並びに新しい施設としての会館、これを待ち望んでおる、こういう立場から見まして、しかも、先ほど森本委員からこの内容について御説明ありましたように、ほとんど各党が一致してこの法案を通してやろう、こういう気持ちになっておられる法案である、それを委員長が相はかられました。あと三名残っておられると言われました。特に森本委員あるいは中井委員または共産党の田代委員、この三名の質問が残っておったからこの質疑を打ち切ったことがけしからぬという内容でございますが、われわれの判断するところ、昨日は質疑を十分にやろうではないか、そして一日も早くこの法律案を通して、沖繩住民諸君に対しわが政府、わが国会のあたたかい沖繩住民諸君に対する気持ちを示そうではないかといって、昨日懇望これつとめたわけでありますが、十分なる誠意の披瀝なく、しかもそれは当委員会の問題でなくして、それぞれの本国というところの国会対策委員会の命令で開けないのだ、こういうような内容等も披瀝されたわけであります。先ほど申し上げましたような立場で、井原委員長が速記録その他を十分吟味せられましたところ、社会党の米田君、武部君、島本君等の質疑で十分質疑は尽くされておるのではないか、森本委員より若干残っておる点等がいま趣旨説明の中に示されましたけれども、それをあわせて質疑を行なって、きょうじゅうに採決してもらいたいという要望があったにもかかわらず、逓信委員会の野党諸君の意思に反して、本国である国会対策委員会の指示によってこれが開かれなかったということにおいてわれわれはやむを得ず行なったわけでございます。 井原委員長の逓信行政を愛し、さらに沖繩の住民諸君のことを切実に思う立場から見まして、私は、絶対に当委員会としては井原委員長を信任するということを申し上げまして、わが党の立場を表明させていただきます。(拍手)
○志賀委員長代理 中井徳次郎君。
○中井委員 私は、昨日本委員会に提出されました井原委員長不信任の動議に賛成の意見を申し上げるわけであります。 率直に申しまして、事実を基礎として私は申し上げたいと思うのでありますが、ただいま反対の加藤君から、逓信委員の意思に反して社会党の委員が本国の指令によってなんという話がありましたが、しかし、私どもも社会党の党員でございまするから、国対がきめましたことはこれは従わねばなりませんので、別に意思に反しておるわけでもそれはないのでありまするが、この辺のところは、ひとつ私どもの名誉のためにも御勘案を願いたいと思うのであります。それがまず第一点であります。 第二点は、先ほども私は理事会でも申し上げたのですが、今度の逓信委員会にかかっておりまする法律というものはそう多くはないのであります。いま残っておりますのは、NHKの決算の承認というのは三件ありますけれども、それは三年もほうっておげるような案件であったから三件たまっておるということでございまして、あとは簡易郵便局の関係の法案と有線放送の関係の法案、社会党が出しております局舎関係の法案、こういうことでございまして、残り七十二日でありますから、まあ二週間に一本通せば七月中ごろにはもう用事がないというふうな委員会なのでございます。そういう立場で、私どもは賛成のものはできるだけ協力をして順序よく上げてまいりました。私は森本委員のようにこの委員会に古くおったわけではありません。二年ばかりでございますが、たいへん合理的なものが通るいい委員会だというふうな印象を持っておったのであります。 そこで昨日であります。七十二日も自民党が延ばしておきながら、すぐに委員会を強行するなどということはもってのほかである。私も十数年国会議員をいたしておりまするけれども、七十二日も延ばせば、最初の十日や二十日はまあまあというのがこれまで二十年の慣習です。いい悪いじゃありません。私は事実を言っておるのであります。 そこで、きのうもそういう話をいろいろといたしましたところが、どうしても開会して質問したい。わが社会党としましては、きのうは質問なんということはみんなストップだ、こういうことでありますから、われわれも大いにその意見を言うたのですが、それでは自民党だけでも質問させい、こういうことであります。中井先生——ぼくですが、ぼくにはあしたにしてくれ、こういうことであります。私は党本部の出先として、あした質問するよということが言えるかどうか、これは考えてくだすったらわかるわけですが、あえて私は、それではあしたいたしましょう。——そこで、きょうは十分くらいでもって質疑を打ち切る、しかも加藤君が追加質問とかいうものでございましたので、そう長く続くものでもない。そうしましたところが上林山委員から関連質問があったわけでございまして、私どもそれはあまり聞いておりませんでしたが、大先輩の上林山委員でございまするから少し敬意を表して、特に上林山氏は鹿児島県でありますから、隣県の沖繩のことだというので一問ばかりの質問を私どもは拝聴いたしまして、いよいよこれで本日はこれまでというのだと思っておったら、突如として質疑打ち切りというのであります。これはやはりうそでしょう。これはやはりペテンでしょう。これがペテンでないというたら何がペテンだ、こういうことになるわけです。はっきり言いますと、やはり私が甘いからだまされたのかもしれません。しかし、それでは、非常に円満にいっておりましたこの国会の運営というものは、私はこれからあとは七十二日あろうが百日あろうが、うまくいくのかなということを非常に危惧いたします。そこで、あのとたんに大いに怒り心頭に発しまして私どもは不信任案を出した、こういうことであります。 国会の本質は、激烈な質疑があり討論がありましても、うそを言われたのでは元も子もない。そして私どもは今国会ではあまり暴力的な行為はいたしませんでした。きのうなどは実に静粛といっては失礼ですが、堂々といたしておったわけであります。それをかさにかかってやる。けさからもさらにまた委員会をやろうなどといっていろいろなことがございました。 そういうことを聞きますと——いまの委員長さんは自民党の委員長さんじゃありません。いざというときにはやはり国会の委員長、逓信委員会の委員長として、幾ら少数の者の意見といえどもこれは慎重に判断をなさるべきものであると思いますので、井原さんに個人的には何もありませんけれども、この運営だけは承知ならぬ、こういう意味で私はこの動議に対して全幅の賛意を表するものでございます(拍手)
○志賀委員長代理 中野明君。
○中野(明)委員 私もただいま提案されました逓信委員長の井原岸高さんに対する不信任案に賛成の意見を述べるものでございますが、こういう事態になったことを非常に悲しむ一人でございます。 逓信委員会に井原さんが委員長に来られまして、非常に温厚な人柄と運営のあり方について、私も日ごろから好意を持っておった一人でございます。そして、いままで非常に円満に委員会の運営がなされてまいりました。先ほどから法案の進行状態がおそいというようなお話も出ておりますが、今回の国会の他の委員会の進行状態と見比べてみまして、決して逓信委員会はよそよりもおくれておるとは私ども考えておりません。しかも、絶えず理事会で円満な話し合いを行ないまして、そのつど自民党の理事の皆さんも一々了承をなさいまして、そして今日にまで及んだわけであります。 昨日の状況はいま各委員からるる述べられましたとおりでありまして、いままで名委員長と、このようにお話が出ておりましたが、その人がなぜああいうことをなさったのか、私としましてもいまだに理解に苦しんでおります。 特にこの法案は、沖繩の百万に及ぶ人たちが非常に注目をしております。特に加入者の人たちは、先ほど加藤委員からも話がありましたとおり、一日も早くと待ち望んでおる法案であることは申すまでもございません。だからといって、このような混乱を引き起こして、はたして沖繩の人たちが喜ぶだろうかどうだろうか、こういうことを考えましたときに、なおさらいまさらのようにさびしく思うわけであります。これにつきましては、当委員会では共産党も含めて全党が満場一致できる、もう国会が正常になりさえしたらすぐにでも上げられる法案であります。ところが、会期の大幅延長で非常に混乱をしておる中で、私どももそれぞれの立場で逓信委員会としてはきのう初めて定例日を迎えたわけですので、いろいろと話をして、そしてまだ委員の質問も残っておりますので、その点についても、一応いま中井さんが言われたとおり事を運んできたわけですが、突如として強行採決をされまして、ほんとうに、かえって国会の混乱にまた拍車をかけるようなことを一番模範的だといわれておる逓信委員会で引き起こしてしまった。こういうことについて、委員長としてもおそらく、いまとなってみればと、いろいろ複雑な心境になっておられるんじゃないかと私も思いますけれども、個人的にほんとうにいい方でありますし、私も尊敬しております。その立場から、こういう事態になったことを心から残念に思いますが、国会がますますこのままでいけば混乱するというようなこと、また、今後の委員会の運営がやりにくくなったということについての責任は当然問われてしかるべきじゃないか、私はこのように思います。 そういう観点から、私もこの委員長不信任の動議について賛成の意を表するものであります。 以上、簡単でございますが、終わります。(拍手)
○志賀委員長代理 田代文久君。
○田代委員 私は、日本共産党を代表して、井原君の不信任案に対して賛成するものであります。 現在、自民党の議会における運営あるいは姿勢というものは、議会制民主主義の本質を十分理解しているかどうか。また井原君は、自民党にあらざれば人にあらずといわぬばかりのそういう運営、それをそのまま実際に本委員会に移されておるということは、これは私たちが信任することのできない基本的な第一点であります。これは自民党の国会ではなく、全国民の国会であることは明々白々であります。したがいまして、現在の自民党のやっている全体の、したがって昨日から本日にかけてのこの事態の発展というのは、単に本委員会だけの問題でなくて、今国会全体の、九十八日会期を延長するとか、あるいはまた七十二日間これを延ばすというような、だれが見ましても非常識きわまりないようなそういう運営なり発展の中で起こった事態であります。 私は自民党の議員諸君に申し上げたいのでありますけれども、おごる平氏は久しからずということがあります。自民党は、現在、率直に申し上げまして非常におごっておるようでありますけれども、久しからずということを肝に銘ずべきであります。 この議会制民主主義の本質というのは、多数党と少数党の関係をどう理解するかということにかかっております。ただ多数であるから何でもかんでも押しまくればいいのだということでなくて、少数の意見あるいは異なる意見を率直に謙虚に聞いて、その上に立って結論を下すというのが、これが国民全体が考えておる民主主義の本質であります。しかし、現在やられておる運営のしかたというのは、全くそのようにはなっておりません。したがいまして、きょうの理事会でも、不規則発言であったかもしれませんけれども発言がありましたけれども、自民党の出した法案というのは何でもかんでも通るのだというようなことにきめておる、この事態というのは許されません。自民党の出しておる法案であっても、国民全体から見るならば、通してはならない法案というのが必ずあるのであります。したがいまして、そういう場合に少数の意見を謙虚に聞き、その上で結論を下すというのでなければ、議会制民主主義の意味はこれは絶対にないのであります。そういう点を全然理解せずにやられておるというところにこの問題が起こった根本原因があるのであり、こういうことは断じて許されないのであります。 わが党の立場といたしましては、とにかく法案が出されたならば、審議を尽くして、そして法案の内容はどういうものであるか、国民は大体その法案に対してどのように理解し、どのように賛成しどのように反対するかということを尽くすのがわれわれ国会議員の義務であり、また責任であります。 したがいまして、私たちのその慎重に審議をして審議を尽くすという立場がおかされるということになれば、これは民主主義の破壊になることは当然であります。しかし、現実にやられておる自民党の運営のやり方というのは、まさにそのとおりである。特に最近の国会の運営のやり方というものは目に余るものがあるのであります。こういう事態が許されるかどうか。私は、そういう点を十分自民党としましては、また委員長としても考えていただきたい。 昨日の事態を申しますと、理事会におきましてまだ結論が十分出てない、しかしまとまりつつあるというような事態ですぐこれは委員会にかけられました。したがって私は、まだ不正常な状態で運営されるということは好ましくないから、また審議が尽くせないから、したがって正常な状態に理事会もあるいは委員会ものせてやるというのがわれわれの責任であるからという形で本委員会に臨んでおりました。ところが、委員長は突如として、そういう事態を無視して強行採決の方向へ出ようといたしました。私はそれを察知いたしましたから、したがって議事進行の発言をいたしました。実際に正常な状態のもとでとれをやるのかやらぬのかという議事進行の発言をいたしました。ところが委員長は全然これを無視して、そうして自民党の諸君に発言を許したのであります。そうして、そのときに何と言ったかといいますと、田代君の発言は耳に入らなかった。——私がこのように大きな声で発言しているのに対して、耳に入らなかったというようなことが許されますか。速記録にそういうことが書いてあると思いますけれども、国民の前にそういうことを言って通りますか。そういうことをかってにやって、しかも、先ほど来同僚委員が申しましたように、この法案に対しましては、私たちは基本的に賛成するという立場をとっております。しかし、まだいろいろ疑問の点がある、その点の審議を尽くす必要があるというので発言通告をし、事実、社会党二人共産党一人、三人の発言通告が残っておって、明確に共産党にも発言をさせるとなっておったのであります。これは当然のことであります。けれども、一切を無視してそういうことがやられた。こういうことが許されますか。また、これに対して委員長に抗議し、これは正しくないじゃないかということを申しました場合に、先ほど申しましたように、田代君の発言は耳に入らなかったとか、または田代君の発言と自民党の諸君の発言との間には数秒間の狂いがあった−私が一番先に立ったじゃないか。二人立っておる場合には、先に立ったほうが優先的に発言する権利がある。国会法にそうなっている。そういう一切を無視して、しかも、その過程においてついには強行採決するというようなことは、全くこれは議会制民主主義の本質を破壊するものである。 井原委員長個人に対して私はかれこれ申すのではありませんけれども、こういう運営をする委員長は、委員長としての資格はない、ふさわしくないという立場で、森本委員のこの不信任案に対して賛成するものであります。(拍手)
○志賀委員長代理 これにて討論は終局いたしました。 これより採決いたします。 本動議に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○志賀委員長代理 起立少数。よって、森本靖君外一名提出の委員長不信任の動議は否決されました。 委員長の復席を願います。(拍手) 〔志賀委員長代理退席、委員長着席〕
○井原委員長 この際、暫時休憩いたします。 午後一時三分休憩 ————————————— 〔休憩後は会議を開くに至らなかった〕