逓信委員会 第19号
- 発言数
- 237 件
- 登壇者
- 11 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1969/05/08
会議録
○井原委員長 これより会議を開きます。 簡易生命保険法の一部を改正する法律案を議題といたします。 質疑の申し出がありましたので、順次これを許します。森本靖君。
○森本委員 簡易生命保険法の一部を改正する法律案でありますが、その前にちょっと緊急の質問をしたいと思いますが、まだ郵務局長が見えておらぬようでありますので、見えてから質問をすることにいたします。 それでは、この法律もだんだん大詰めになってまいりましたので、この簡易保険の問題についてまずお聞きしたいと思いますが、現在加入者協会といいますか、あるいは加入者サービス協会といいますか、そういうものが郵政省の中にあると思います。これは現在どうなっておりますか。
○竹下政府委員 簡易保険の加入者の方々が自主的に団体をつくりまして、したがいまして任意団体でございますが、加入者のいわば利益の擁護、さらに簡易保険、郵便年金について加入者としての立場からいろいろと要望あるいは希望、そういったものを経営者に向かって申し出る、そういった目的をもちまして任意団体をつくっておるわけでございます。その事務局は本省内にございます。
○森本委員 この加入者協会というのは、正式にどういう名前ですか。
○竹下政府委員 簡易保険加入者協会でございます。
○森本委員 これは任意団体ということでありますから、そうすると、大臣その他が許可をしておるという形ではないわけですね。
○竹下政府委員 そういうことでございます。
○森本委員 この加入者協会の加入人員はどの程度でございますか。
○竹下政府委員 年々少しずつふえておりますので正確な数字はわかりかねるわけでありますが、これは郵便局段階においてそれぞれ加入者の会をつくっておるわけでありますが、四十三年度末におきまして全国でおよそ千五百団体、その構成要員、つまり会員数はおおよそ二十万名、こういうふうに見ております。
○森本委員 この千五百団体というのは——この加入者協会というのは中央の郵政省の中にあるので、全部統一をしておるということではございません。
○竹下政府委員 御質問の趣旨、ちょっとわかりかねましたので、もう一回お願いいたします。
○森本委員 千五百団体というふうに言われたでしょう。だから、私が聞いておるのは、千五百団体ということよりも、中央に加入者協会があって、それの各支部という形でそれぞれにあるのじゃないか、こういうふうに言っておるわけです。
○竹下政府委員 そうでございませんで、先ほど申しましたのは、千五百の加入者の会というのがございまして、それを全国的にまとめまして、全国を一本にいたしました形で加入者協会というものができておるわけでございます。
○森本委員 そうなりますと、全国に千五百程度加入者の会というのがあって、それを全国的にまとめたのが加入者協会というので本省の中にある、こういうことですか。
○竹下政府委員 そういうことでございます。
○森本委員 この加入者協会の年間の予算はどの程度になっておりますか。
○竹下政府委員 手元に計数の持ち合わせがございませんので、後ほどお知らせいたします。
○森本委員 それでは、中央における主要な役員の名前をちょりとお知らせ願いたいと思います。
○竹下政府委員 理事長一名、理事四名でございます。
○森本委員 その理事長と理事はどなたがなっておられますか。
○竹下政府委員 理事長は白根玉喜という人でありまして、理事は荒井、秋山、加藤、神保でございます。
○森本委員 この中の白根、荒井というのは私は知っておりますが、この秋山、加藤、神保というのはどういった人物ですか。
○竹下政府委員 地方簡易保険局長をやっておりまして……。
○森本委員 三人とも。
○竹下政府委員 そうでございます。退官したものでございます。
○森本委員 予算の内容がわからぬということでありますのでこれはいまのところなんでありますが、一体その加入者協会の収入は何から得ておるのですか。
○竹下政府委員 加入者協会は、簡易保険加入者団体のいわば代表という形でいろいろと意見なり要望なりを経営側に申し出る、こういうことを日常やっておる、その取りまとめをやっておるということでございますが、もう一方の仕事といたしまして、この経営側が、つまり簡易保険局としていろいろなすべき仕事の中で、たとえば周知宣伝の仕事でありますとか、あるいはいろいろな訓練のための教材をつくるとか、そういった付随的な仕事というものがございますが、そういう出版物の仕事を経営側にかわってやる、それに対する収入という形で年間の収入を得ておる、これがおもなる収入でございます。
○森本委員 だから、その収入はどこから入ってくるわけですか。
○竹下政府委員 経営側、つまり簡易保険局から入っているのが一等多いと思います。
○森本委員 その簡易保険局からこの加入者協会に出しておる金は年間どの程度ですか。
○竹下政府委員 その数字もただいま持ち合わせがございませんので、後ほどお目にかけます。
○森本委員 それからこの加入者協会がやっておる仕事は、いま言ったようにいろいろの宣伝パンフレットというふうにやっておりますが、それ以外に生命保険みたいなものをやっておるわけじゃないですか。
○竹下政府委員 生命保険ではございませんが、加入者会員相互間の相互扶助の方法といたしまして、火災がありました場合の見舞い金、火災見舞い金制度というものをつくりまして、事故がありました場合に見舞い金を贈呈する、そのためには、一種の保険に類した仕事でございますので、会員から掛け金を徴収する、一種の火災保険に類した——火災保険というほどの大がかりなものではございませんけれども、それに類したことを見舞い制度としてやっております。
○森本委員 その火災見舞い金制度でありますが、これは年間どの程度入ってどの程度見舞い金として出しておりますか。
○竹下政府委員 その点につきましても正確な資料の持ち合わせがございませんが、昨今では大体三億円くらいの掛け金収入があったかと思いますが、これは正確かどうか……。
○森本委員 三億円で、出ておるのはどの程度ありますか。
○竹下政府委員 これも正確に答弁できませんが……。
○森本委員 大体でいいです。
○竹下政府委員 その中で八割くらいは支払いに充てられておるんじゃなかろうか——見当でございます。
○森本委員 大臣、いまお聞きのような内容でありまして、数字が明らかでないわけでありますが、私はこのいまやってることが悪いというのではございません。ただ、しかしこういう任意団体がこのくらいの膨大な金を取り扱うということがはたして妥当であるかどうか、もっと法的に、あるいは郵政大臣がいま少し監督ができるというふうな形にすべきじゃないか。これは私も簡易保険の加入者でありますが、実はこの制度は知らなかったわけであります。ところが、こういう火災見舞い制度がありますが入りませんかということで、私もたしか一つ入っております。確かにこれは、焼けたときにあなた、見舞い金を出しますからいいですよ、こういうことですから、これは当然すすめられたら入るわけでありますけれども、郵政省とは何ら関係がないわけであります。一体、これだけの膨大な資金をどういうふうに保管をして、どういうふうに運用しておるだろうということで、私は非常に疑問に思うわけであります。たまたまいまの簡易保険局長の答弁にありましたように、任意団体としてあり、郵政省には直接関係がないということでありますから大臣としての責任は直接にはないと思いますけれども、しかし、年間三億円の払い込み金額がある、それで二億四千万円の支払いがあるということになりますと、もはやこれはかなり膨大な資金を扱うことになるわけであります。しかも、この理事長がもとの簡易保険局長であります。さらに、いま答弁がありましたように、荒井君というのは、たしか松山の郵政局長をやっておった男だと思いますが、あとは簡易保険支局長ばかりであります。そういうことになりますと、加入者としては、当然郵政省がある程度タッチをしておるであろうということで、これはおそらく簡単に加入すると思います。ところが、実際に加入しても、法的な責任は全然郵政省にないわけであります。この辺、私は非常に疑問に思うわけでありますが、これは何らかの形において、たとえば加入者協会を郵政大臣の認可による法人なら法人として届け出をさして、そして名実ともに大臣が監督ができるという形をとるのが私は望ましいのではないか、いままで事故が起きなかったからいいようなものの、何か不測の事態あるいは事故がもしも起こった場合に、一体加入者に対する責任あるいはまた簡易保険としての信用ということについても私は非常に疑問に思うわけでありますが、この点、大臣どうですか。
○河本国務大臣 実は私も初めてそういうものがあるということをお聞きしたわけでございますが、役員が全部郵政省の出身者で、しかも幹部であるということ、それから加入者が簡保の加入者であるということ、そういうことから簡保と関係がある、こういうふうに一般に受け取られると思いますので、真相をよく調べまして、今後そういう団体に対してどうすればよいかということを検討してみたいと思います。
○森本委員 大臣は簡易保険は幾ら入っておられますか。
○河本国務大臣 私はこの間一口入ったばかりでございまして、百五十万であったと思います。
○森本委員 この間百五十万入ったばかりだから、おそらくこの加入者協会は大臣のところへ勧誘に行っていないと思いますけれども、実際は、新規加入で入ったところにはみんな、こういうのがありますが入りませんかということで行っておるわけです。 そこで、末端のほうでは、各郵便局においては、大体統轄局程度でありますが、簡易保険に長年貢献のあった外勤の人とかあるいは内勤の人が定年でやめてこれのお世話をしておる。私は、こういうやり方がまずい、こういうことをしてはいかぬということを言っておるのではなくて、やるならはやるで、やはり大臣の監督か——大臣といっても、大臣が一々見るわけじゃありませんから、実際は郵政省の監督がすみずみまで届いていく、それだけの責任を持つという形のものにしてもらいたい。できれば、これは正規のいわゆる大臣の認可による法人というふうな資格をとってもらいたい。白根氏といえば、私が当選してきたときの簡易保険局長でありますし、荒井君というのは松山の郵政局長で、人間的にはわれわれも信用できると思いますけれども、何さまこれは相当多くの金を扱いますし、それから下部末端でもこの集金をしなければならぬということがある。とにかく現金を取り扱う仕事でありますので、これは大臣、検討せられるのはけっこうでありますけれども、検討した上において、ぜひひとつ郵政省の指導監督というものが法的になされるような形で検討してもらいたい。内容は、いまわかったように、大体三億円程度の火災見舞いを扱っておるわけであります。しかもこれは掛け捨てになるわけであります。私の想像では、これはかなりもうかっておるのじゃないかという気がするわけであります。そういう点で簡易保険の加入者が喜んでこれに入るわけでありますから、それは悪いことじゃありませんから、ひとつ法的に責任がある体制になるように検討願いたい、こう思うわけでありますが、まず、大臣に聞く前に保険局長の見解を聞いておきたい。
○竹下政府委員 私、たいへん間違ったことを実は申し上げましておわび申しますが、加入者の会というのは任意団体でありまして、そのうらはらの関係にありますところの加入者協会と申しますのは、実は昭和三十五年の八月に郵政大臣の認可を得まして財団法人として設立を見ておりますから、これはいまお話がございましたように、郵政大臣が監督をしておるということでございます。まことに失礼をいたしました。
○森本委員 それなら、監督しておるわりにはさっぱりわからぬということになるわけでありますが、どうもこの監督が実際ほとんど行なわれていないのじゃないかという気がするわけであります。というのは、末端のほうについてはほとんど郵便局がタッチしておりません、この内容については。そうなりますと、中央の機構だけにタッチしておったのでは末端のほうがわかりません。もしいまのように大臣の認可による団体であるとするならば、いま少しこれについては詳しくタッチができるというふうにしてもらいたい。たとえば統轄局あたりではたった一人の人が集めてきて、それで金を中央へ送って、郵便局は一切ノータッチという形になっておるわけであって、もしこれをやろうとするならば、その末端においてもそれから上部においてもいま少し私は郵政省の指導監督が必要じゃないか。大体、指導監督をよくしておったら、局長のいまのような答弁でなしに、大体このくらいのことは保険局長としては頭の中に覚えておかなければいかぬ。だから、あまり監督指導をやっておらぬという証拠には、いま聞いたら、それは正確な数字は大体三億円というようなことで、私はもう少しこれについての指導監督を強めてもらいたいと考えるわけでありますが、この点、どうですか、大臣。
○河本国務大臣 実情をよく調べまして、指導監督を強化するようにいたします。
○森本委員 郵務局長と監察官が来られましたので、ちょっと緊急に聞いておきたいと思います。 これはきのうの夕刊に載っておったわけでありますが、大阪においてアルバイト学生がはがきを千通以上焼き捨てた、それから現金書留の抜き取りをやっておるということでございます。このはがき千通焼き捨てたということについては、これは非常に遺憾のきわみでございますけれども、この実情について簡単に説明を願いたいと思います。
○西原政府委員 ただいま森本委員からお話ございましたように、昨日、ある新聞の夕刊に大きく「ハガキ千通焼捨て、現金書留抜き取り」という記事が出ました。実は、これは半年も前の年末年始の話でございますので、非常にびっくりいたしまして、ゆうべさっそく大阪のほうへいろいろ調査をいたした次第でございます。 事実は、吹田局の集配課の学生アルバイト、これはどちらも未成年でございますので、かりにA、Bと申します二人の人間が、現金書留四通一万六千四百円窃取、及び普通通常、これは焼却が約六百通、これは主として年賀はがきでございます。それから普通通常郵便物の中に入っておりましたノートその他の在中品を六通窃取したという事件でございます。 実は、この事件につきましては、すでに私どものほうの大阪郵政監察局におきまして、一月二十五日にAの犯した現金書留窃取のうちの一件をすでに捜査いたしまして、Aを検挙しまして、一月二十七日事件を送致してございます。ところが、四月の初め、警察でこの近所の不良少年グループを捜査いたしました結果、たまたまこの二人の人間が検挙されまして、A少年のみならず、A、Bともさらに余罪があるということが発覚いたしまして、昨日の新聞に掲載されたということでございます。
○森本委員 このアルバイト学生を雇うときには、かなり身元調査その他についてもやるわけでありますけれども、こういう年賀はがきを焼き捨てたというようなことについて気がつかなかったということもどうかと思いますけれども、ただ、ここで私は一つだけ郵務局長に特に聞いておきたいと思いますことは、これはいつも私が委員会でよく言うことでありまして、本省側としても了承しておることでありますが、とにかく現金書留あるいは書留類についてはアルバイトには配達をさせない。年末年始についても、幾ら忙しいときであっても常勤のいわゆる局員において配達ができるという体制にありまするから、現実にこの現金書留とかあるいは書留とかいういわゆる赤行のう類についてはアルバイト学生には配達をさせないといういままでの原則を大体貫いてきておるわけであります。そういう点について、なぜここでこういうことが行なわれたか、その点をひとつ解明願いたいと思います。
○曾山政府委員 ただいま御指摘ございましたように、夏季及び年末の繁忙時等にどうしても常在員が不足いたしまして、アルバイトで郵便物を処置しなければならないという事態におきましても、ただいま森本委員御指摘のとおり、当省といたしましては、できるだけきわめて例外的な場合を除きまして、書留等の貴重かつ有価物をアルバイトをして配達させるということは慎んでおるつもりでございます。ただ、現実の実態といたしまして、年末等非常に繁忙な場合、特に二十四、五日以降に本務者が非常に忙しくなるというような場合におきまして、やむを得ず非常勤をして配達させるということもときどきございます。しかし、御指摘のとおり、私どもといたしましては、これは慎むべきことだと思いますので、さらに大阪郵政局に限らず、東京等、そういう危険の起きそうなところにつきましては十分徹底いたしまして、今後さようなことのないように努力いたしたいと思います。
○森本委員 どうもそういう答弁だけ聞いておると、あとあとまたこういう事故を起こしそうでありますので、このときの吹田郵便局の市内区、市外区のいわゆる区数と戸数、それから外勤の人数、それからそのときに雇っておったアルバイト、そういうものをすべて総合的な資料を出していただきたい。そうでなければ、私の考え方では、これはアルバイト学生にやらせなくても現実に常勤職員において配達できる体制にあると私は思います、吹田の郵便局あたりになりますと。それをあえてこのアルバイト学生に配達をさせて犯罪が起きたということについては、私は、当該郵便局長にも管理責任が多分にある、こういうように考えるわけでありますので、私は私なりに専門的にいまの服務線表について検討してみたいと思いますので、ひとつ総合的にすべての資料を御提出願いたい、こう思うわけでありますが、よろしゅうございますか。
○曾山政府委員 承知いたしました。
○森本委員 なお、郵務局長が言われましたように、この現金書留あるいは書留というようなもあについては、今後も非常勤職員には配達をさせないということの原則を守るように各郵政局にさらに通知を出していただきたい。こういう事件は非常に郵政省の信用にかかわる問題でありまして、特にこういうことが起きるということになりますと、もう郵便には信用が置けぬということになりますので、念のために、口頭でも文書でもけっこうでありますが、さらに各郵政局の郵務部長あたりに通達を願いたい、こう思うわけでありますが、どうですか。
○曾山政府委員 近々、郵務部長会議を開催することにいたしております。さような場合に十分注意いたしたいと思います。
○森本委員 こういうことをもしやったら、厳重に処分するぐらいのことを言わないと、単に労働組合だけに対していやがらせをやってみたり、あるいは第二組合をつくることにきゅうきゅうとするばかりが能じゃない、下の管理者は。やはり仕事の面についてはっきりやれば従業員もしっかり協力することになるわけであります。管理者がそんなことばかりやっているからこういう事故が起きてくるわけであって、私が知っておる郵便局なんかはこういう事故は一つも起きない。やはり労使双方がお互いに協力し合うという形がその職場の雰囲気でおのずから出てくるものであります。それを、まるきり敵対関係というような形において、頭からいがみ合っていくということでは公共事業としてのサービスが全然できません。だから、郵務局長はときどき労務関係にもタッチをするようでありますので、今後事業の運営がうまくいくようにひとつ業務上からもよくお考えを願いたい、こう思うわけであります。 そこで、もとの簡易生命保険に返ります。 きのう海外旅行というのがちょっと問題になっておったわけでありまして、田代君が中途はんぱな質問で終わったわけでありますが、この海外旅行保険に似たような名前でやっておるのがどの程度ありますか。
○竹下政府委員 お話しの海外保険と、もう一つはごく最近そういうものが出ておるのですが、役員保険というものがございます。そういうところじゃなかろうかと思います。
○森本委員 その役員保険というのは、どういうことですか。
○竹下政府委員 これは簡易保険のことですから、そう大きい企業、大きい会社向けのものではございませんが、中小企業あたりの経営主と話をいたしまして、役員の方に生命保険に入っていただく、そうしまして、そういう企業は役員はいずれ退職いたしますから、退職する際には退職金ということでございますが、その保険は、退職のときに退職金がわりというか、退職金の一部として保険をその役員につけて差し上げる、また、在職中にかりに事故がありました場合にはその生命保険契約から保険金が支払われますから、それを役員の当該の人に保険金として差し上げる、それだけ経営主としては、役員に対する退職金あるいは事故がありました場合の見舞い金というか慰労金といいますか、そういうものの支払いが保険を結びますことによって助かるわけでありますので、御理解を得て、そういう契約に最近かなり入っていただいておるということでございます。
○森本委員 そうすると、これは資本金が大体どの程度の会社の重役になりますか。 〔委員長退席、加藤(六)委員長代理着席〕
○竹下政府委員 そこまで実は調べていないのでございますが、中小企業がおもであるというふうに私思っております。
○森本委員 いろいろこれは考えるものだと思って私は感心しておるわけでありますが、大体、役員保険というのは会社側が払えと、こういう意味ですか。
○竹下政府委員 そういうことでございます。
○森本委員 この簡易生命保険がかなりいま募集がしにくいという段階にあることは事実でありまして、郵政省がいろいろ考えて、海外旅行保険あるいは役員保険というふうなことを考えて募集するということはわかりますけれども、ただ、ここで言っておきたいことは、この海外旅行保険とかいうものについては、これは大体貯蓄を目的にするものであって、これは大体簡易生命保険が養老保険というものを主体にして元来宣伝すべき問題じゃありません。これは簡易生命保険法の第一条に書いてありまするように「この法律は、国民に、簡易に利用できる生命保険を、確実な経営により、」これが趣旨でありまして、いわゆる簡易生命保険というものは、万が一この人が死亡した場合に云々というのが一番この大切な眼目であります。そのことを忘れて、十年したら十五年したらこれこれ返ってくるから海外旅行もできますからひとつ入ってくれというようなやり方は、これは一つの邪道なんだ。だから、こういうふうに、簡易生命保険というものは万が一という場合を考えてこれはこしらえてありますよ。しかし、十五年すればこれだけ返ってまいりますよ、本来の趣旨はこういうことでございますよということで納得をしてもらって、そうして入っていただくというのがこの簡易生命保険本来の趣旨であります。ところが、もうとにかく募集をやれやれと、上のほうからしりをたたかれ、下のほうは苦しいで、何でもかんでもかまわぬから簡易生命保険に加入をさせればよろしいという形でやるということは、私は一つの邪道ではないかと思う。だから、従業員がこの趣旨をよくわかってやるならば私はいいと思いますけれども、やはり簡易生命保険というものは簡易生命保険法という法律に基づいてやはり実施をしていくということが一番大切だ、こういうふうに考えるわけでありますが、大臣、その辺どうですか。
○河本国務大臣 なるほど簡易生命保険法の第一条には、法律の目的としてそういう仰せのようなことが書いてあります。しかし、いま民間の保険を見ておりますのに、非常に複雑多岐になりまして、新規のものをどんどん開拓しておる、機動的にいろいろ仕事をしておる、こういう保険界の実情をながめますと、簡保事業というものも、まあ違法をやってはいけませんが、ある程度法律を拡大解釈するといいますか、解釈の許される限りの仕事を機動的にやっていく、こういうことは私は必要ではないか、かように考えております。
○森本委員 大臣がおっしゃったように、確かに簡易保険というものがもう少し機動性のある方向に、民間保険にできるようなものは簡易生命保険でもやれるという体制にしろということについては、私もこれは賛成であります。そこで今度の郵政審議会の答申にも傷害保険、学資保険、疾病保険あるいはいろいろの新種保険というものをやったらどうかということで提案をいたしておるわけでありますけれども、今回は政府部内のいろいろの関係によって傷害保険だけになっておるわけであります。 そこで、その法律の範囲内において拡大解釈をしてやっていくということについては、これは私もあえて異論ははさみませんけれども、それも一つの限度がある。だから、海外旅行保険ということについてやるならば、これは新種保険として海外旅行保険なら海外旅行保険という形のものを本来ならやるべきなんです。だから、そういうふうにしてやればこれはすっきりするわけであります。しかし、現行のワク内において養老保険においてやろうとするならば、私は、やはり第一条の趣旨を徹底をさして、その上において、これは十五年すれば、満期になった場合にはこうなりますよ、行けますよという形の募集のしかたをしてもらいたい。それを、肝心のこの第一条の趣旨はあまり言わずに、十五年したら満期になった、十年したら満期になってハワイからサンフランシスコへ行けますよ——こればかりやっておったのでは、何のための簡易生命保険かということを言いたくなるわけです。やはり私は、そういう意味で、簡易生命保険というものはこの第一条の趣旨によって行なっておる、たまたまこういうふうに海外旅行もできるようになりますよと、正攻法の募集のしかたでやってもらいたい、それがためには加入者センターもあれば老人ホームもありますし、いろいろな問題もあるわけでありますから、そういういわゆるぺてんにかけたようなやり方をしてもらいたくないというのが私の趣旨であります。だから、募集するときにも、いまの簡易生命保険というものはこういうものである、しかしながら実際に海外旅行についてはこういうふうに、もしもあなたが健康でこうなれば、幸いこれが満期になって返ってくれば行けます、こういう形の宣伝のしかた、募集のしかたが正規なやり方であって、初めから何か海外旅行保険というようなものがあるような形において説明もし、それから募集もしてくるということは、いささかこれはこの法律から逸脱するもあであるというふうに私は考えるわけですが、大臣、いかがですか。
○河本国務大臣 もちろん、お話しのようにぺてんにかけたりするということはよくないことだと思います。しかし、ぺてんにかけたり違法なことをしない限度におきましては、拡大解釈をしていろいろなことをやっていって私は差しつかえない、かように考えます。
○森本委員 だから私は、拡大解釈というよりも、第一条の趣旨を忘れずに、募集をするときにまず第一条の趣旨を明確にしておいて、その上にこういうふうな海外保険なり役員保険というような形はこうなりますよという説明のしかたをしろ、こういうことを言っておるわけです。肝心の第一条をほっておいて拡大解釈をしてやったら、一体何のために国民のためになる保険であるか、本末転倒もはなはだしい、単なる国が金を集めてくることにきゅうきゅうとならなければならぬ、そうではなくて、簡易生命保険というものは、これは第一条にあるとおり、この法律は、国民に、簡易に利用できる簡易生命保険というものを確実な経営によってやるのだということが法律にうたわれておるのでありますから、だから私はこの法律に基づいてやりなさい、こういうことを言っておるわけであります。保険というものと貯金というものは、いまさら私が言うまでもなく、全くこれは性格が違います。だから、いまの法律を今回のように傷害保険というふうにはっきり出してくればこれは別であります。あるいは海外旅行保険というような形において出してくるとするなら別であります。そうでない過程において海外旅行というものがきわめて重点的に取り上げられて、第一条がおろそかになるということであるとするならば、本未転倒もはなはだしいと私は思う。そのことを大臣に言っておるわけであります。だから、もう少しこの簡易生命保険法という法律の基本精神を忘れずに、その上に立って、金も集めなければならぬ、あるいはまた国家事業として協力をしていかなければならぬということもありましょう。しかし、根本的な精神というものはあくまでも忘れてもらいたくない、こういうことであります。 だから、この点について大臣は、どうも商売人と言うたらなんでありますが、事業家的な見地ばかりを言われるというようなことでは私ははなはだ遺憾だと思う。やはり簡易生命保険というものは、私は何回も言いますように、この法律の趣旨に基づいてひとつ執行してもらいたい、こういうことを言いたいのであります。だから、その辺、大臣の意見とちょっと食い違いがあるわけであります。脱法行為でなければ、拡大解釈してどんどんやってよろしいということでありますけれども、どんどんやっても、やるときにその精神を忘れちゃ困る。富士山へ登るつもりが、一生懸命やっておったら別な山に登ってしまったということでは何にもならぬ、それならそれで、初めから別の山に登るというように法律を改正しておやりなさい、こういうことを私は言っておるわけであります。これは賢明なる大臣でありますから、私の言っていることは間違いだとは思わぬと思いますが、どうであります、大臣。
○河本国務大臣 お話しのとおりであります。常にその基本精神は忘れないで、しかも、できるだけ機動的に仕事をしていくと、こういう意味でございます。
○森本委員 それから、下部のいわゆる第一線の外勤あるいはその他の人々の意見もいろいろ聞いてみると、大臣がいまおっしゃったように、とにかく新種保険というものは次から次へ民間保険ではあらわれてくる、それに対応するところの簡易生命保険というものがなかなか機動性がつかない、だから、そういう点についてはひとつ十分に考えてもらいたいというのが、やはり第一線の諸君の要望であります。しかも、そのことによって、単なるもうけ主義でなしに、やはり入った人に現実に利益になるという形の新種保険というものをどんどんつくってもらいたい。だから、国家がやれば、そういうものについては税金その他の問題があります、あるいはまた、その運用という点における利点もあるわけであります、郵便局を使いまするから。だから、そういう点で民間の保険会社等については、簡易生命保険がその他の事業に入っていくということに反対をいたしておりますけれども、しかしながら現実的に国民の利益というものを考えた場合には、簡易生命保険というものがあらゆる保険の分野に入っていくということは、私はこれから先考えていっていいのではないか。そういう点からいくとするならば、この簡易生命保険法というものの第一条についても、もはや今後改正をしていくべき段階ではないかというふうに私は考えるわけであります。ここではもう単なる生命保険ということになっておるわけであります。しかし、これをあらゆる新種保険についてもやっていってよろしいという形にするならば、この簡易生命保険法の一条からしてやはり改正をしていかなければならぬ、もはやその段階に今日来ておるのではないかというふうな気が私はするわけでありますが、大臣、どうですか。
○河本国務大臣 御意見、全く賛成でございます。私もそのとおりに考えております。
○森本委員 賛成していただいたら、ひとつそういう方向で今後できるように御努力を願いたい、こう思うわけであります。 それからちょっと聞いておきたいと思います。これは保険局長でありますが、第六条の四項であります。これは各郵便局にどういうふうに備えつけておりますか。たとえば国会内郵便局だったらどこにありますか。
○竹下政府委員 窓口でお申し出があればお見せする、こういう形になっております。
○森本委員 窓口で申し出があったらこれは見せるということですが、大体、郵便局の窓口その他にこういうものをいつでも見れるというふうに置いておくのがこの条項の趣旨じゃないですか。
○竹下政府委員 そのとおりでございますが、約款そのものはかなり条文も多いししますので、実はそこまでいたしていないというわけでございます。 それから約款の中で、重要部分は保険証書に打ち込んでおくということをいたしております。
○森本委員 ひとつ、私がこれは提案しておきたいと思いますが、これは確かに保険契約の申し込みをする者の閲覧、こういうことであるわけでありますけれども、だれでもが簡単に簡易生命保険の内容について見れるように郵便局に一つ二つぶら下げておいてもかまわぬと私は思うのです、一つの冊子にして。あるいは、そういう冊子を全家庭に配って、余った分を各郵便局にずっと二つ三つ掲げておくということくらいは私はやってもいいのじゃないか、こういうふうに考えるのですが、その点はどうですか。
○竹下政府委員 御趣旨のとおりだと思うのですが、やはり読んでもらわなくちゃいけない、せっかく備えましても。そういうふうに考えるものですから、これを全文をそろえたものをいまおっしゃいましたような形で閲覧するか、あるいは、加入していただく人にわかってもらいたいところ、そういったところをピックアップしましてエキスをまとめまして、見やすいような形で閲覧する、いずれかの方法を講じてみたいと思います。
○森本委員 それでは、今回のこの傷害特約の問題でありますけれども、この特約といういわゆる法律の用語ですね。この意味はどういう意味ですか。
○竹下政府委員 なかなかむずかしいところでございますが、主契約あるいは基本になる契約というものがございまして、つまり生命保険契約でございますが、それにくっついたような形で、ぶら下がった形で結ばれる契約、それが特約というわけでございます。もう一つの言い方といたしましては、単独契約ということばがあろうかと思いますが、これはそれ自体で傷害保険契約になるわけでございますが、単独契約に対して、主契約と一心同体の形で結ばれる契約という意味におきまして特約ということばを使っております。
○森本委員 そうすると、これはいわゆる法律的な用語で言えば従の契約、こういうような意味ですか。
○竹下政府委員 私どももそういうふうに考えております。
○森本委員 そこで、今回の保険が独立できないという理由はどこにあるのですか。
○竹下政府委員 単独でやれない理由はどうかという御質問だと思うのですが、これはやってやれないことはないと思うのです。したがいまして、私どもは今度の傷害保険の実施につきましては、単独方式でいくか特約方式でいくかということにつきまして十分研究を重ねたわけでございます。昨日も御質問ございましたですが、いろいろと検討の結果、特約でいったほうが実は保険料が割り安になる、と申しますことは、主契約と一心同体に扱いますから事務費が節約できる、それが保険料にはね返ってきまして、安い保険料で契約を提供することができるというのが第一点でございます。 それと、単独方式でいきました場合には、保険需要といいますか、どれだけの契約が取れるかという見通しが実はつきかねる、たいへん不安定、不確定要素を含んでおるわけでございます。特約方式でいきました場合には、年間の主契約の獲得契約数というものは大体四百万件というふうなデータもございまして、予測がつく、それに対して特約はおそらく何割程度のものがつくであろうという需要予測ができるわけでございまして、この保険の扱いといたしまして特約のほうがまあ扱いやすい——何ぶんにも初めてやることでございますから、非常にむずかしい保険であると郵便局も処理が困難を伴うわけでございますので、郵便局の取り扱いも簡単、入っていただく人もわかりやすいという意味合いにおきまして特約方式をとるということにいたした次第でございます。
○森本委員 妙にわかったようでわからぬような答弁で、要約すると、いわゆる特約ということで従の方向にしたならば、これが募集あるいは事務的な能率その他において便利だからこういうことにした、こういうことですか。
○竹下政府委員 大体そういうことでございます。
○森本委員 答弁はそういうふうに要領よく簡単に願いたい、こう思うわけであります。 そこで、たとえば従でありますから、もとの生命保険がかりに百万円だったらそれ以上のものはできないという形になっていると思いますが、傷害の場合には、ある程度これがもとの生命保険よりも額が大きくてもかまわぬということにしてもいいのじゃないですか。
○竹下政府委員 実はその点を非常に検討いたした次第でございまして、百万円の主契約についてはやはり百万円の特約にしていただく、これを百五十万円なり二百万円なりにいたしますと、保険の世界ではよくあることでございますけれども、逆選択という現象が起こりまして支払いが非常にかさむというわけで、収支のバランスがくずれる、したがいまして、やはり主契約と保険金額を合わせていただくということにいたした次第でございます。
○森本委員 バランスがくずれるということを言いますけれども、それでは、この法律の施行は大体いつごろですか。
○竹下政府委員 九月一日を目途に準備を進めております。
○森本委員 そうすると、九月一日から来年の三月三十一日までの間においてこの傷害特約がどの程度できるという予測を立てておりますか。
○竹下政府委員 九月から年度末までに二百六十万件の主契約を取るであろう、それに対しまして七五%の特約がつくであろうと見まして、大体二百万件は特約つきが出るだろうというふうに予測しております。
○森本委員 それは新規契約であって、旧契約の場合に傷害特約を申し出る者はどの程度ですか。
○竹下政府委員 旧契約の方でお申し出になる方が相当あろうかと思いますが、大体二万件程度旧契約で特約つきの申し出の方があろうかと思います。これは意外に数が少ないのでありますけれども、旧契約は、御存じのように非常に小額のものがございまして、十万円以下の契約が相当あります。ところがこの傷害特約につきましては、条文にもございますように、十万円以上の契約につけていただくということになっておるものですから率は非常に下がるわけでございます。
○森本委員 いまの契約の中で五十万円以上の契約は幾らありますか。
○竹下政府委員 五十万円以上でございますか。——これもおおよその見当でございますが、二割弱だと思います。
○森本委員 二割弱というのは何件かね。
○竹下政府委員 つまり五十万円以下の契約が全体の契約の八割ということでございます。
○森本委員 だから、五十万円以上は何件あるか、こう聞いておるわけですよ、現在の既契約で。
○竹下政府委員 全体は四千二百万件でございますから、百万件程度でございますか……。
○森本委員 やはり大人物だから答え方も望洋とした答えをするわけで、これは百万件あるわけで、その中で大体二万件程度としか見てないのですか。
○竹下政府委員 ちょっと間違いました。既契約分は九月から三月までおよそ五十万件くらい希望者があるだろう、こういうふうに見ております。これが正しいです。
○森本委員 もう一ぺん言ってください。私が言っているのは、既契約の分が——九月の一日から施行するわけですから、その九月一日までの場合には——二百六十万と言われたのは新規契約でありますから、五十万円以上の既契約の分が結局九月一日現在で幾らぐらいありますか、こう聞いておるわけです。
○竹下政府委員 その数字はちょっと計算をさせていただきたいと思いますが、つけられる契約は十万円以上でございます。
○森本委員 それは、ぼくは初めからわかっている。十万円以上ということはわかっているけれども、私の想像では、大体二十万円や三十万円では傷害特約というものはあまりつけない、やはり少なくとも五十万円以上になるのではないか、そうでなければあまり意味がないわけですね、はっきり言って。だから、そういう点で私は聞いたわけでありますけれども、数字が明らかでないということになればこれはいたし方ございませんが、これは次長以下、ひとつそういうことについてはちゃんと資料をこしらえておいて、局長がさっさと答弁できるように保険局全体が協力しなければ、法律はそう簡単に通りませんよ。 それはひとつ大いに勉強してもらうことにいたしまして、そこで、このいわゆる傷害特約という問題については今回新しくやるわけでありますけれども、これは、今後この事務的な煩瑣というものについてはどのように考えておられますか。
○竹下政府委員 やはり新しい仕事を開始するわけでありますから事務量はふえる、ただ、先ほど申しましたように、単独方式でいきます場合よりもはるかに手間が省ける、と申しますことは、主契約を取って同時に特約をつけていただくということでありますから、おそらく外勤面の手間というものはそうふえないじゃないか、いまと同じぐらいじゃないかというふうに見ております。それから内務面につきましては、郵便局の内勤及び地方簡易保険局の内勤事務が若干増加するであろう、こういうふうに見ております。
○森本委員 私はこの募集のほうはそんなにかからぬと思いますけれども、実際に支払う段階において非常に手間がかかるというふうに考えます。これは、たとえば入院をしたとかあるいは身体障害があったとかいうことになれば、これはその確認をしなければならぬ。だからそういう点で、募集する場合にはあまり手間がかからないといたしましても、実際に支払う段階におきましてかなり手数を食うのではないかというふうに考えておるわけでありますが、その点、どんなふうにお考えですか。
○竹下政府委員 おっしゃるとおりでございまして、支払い関係において手間がかかる、これをいかにして手間を省くかということは一番の問題点でありますが、これは約款でうたいましたように、傷害の程度を五段階に分けまして、どの段階に入るかということは医者の診断書をたよりといたしまして、それで郵便局が処理をする、これを一つ一つ郵便局の職員がどの段階の程度の傷害であるかというようなことを認定する仕組みにいたしますと、これはたいへんなことでございます。医者の診断書というものをたよりにして、郵便局員はそれに基づいてやればよろしいというような簡易な仕組みにしたいと思っております。
○森本委員 その五段階をちょっと説明してください。
○竹下政府委員 第一級、これはもう死亡にひとしい重大なる傷害でありますが、これに対しましては保険金十割を払う、それから第二級は、その次に程度の重い傷害でありまして、これは保険金の七割を払う、第三級については五割を支払う、第四級については三割を支払う、第五級については一割を支払うということで、これはもう説明をすれば長くなりますので省略をいたしますが、かりに第一級のものの傷害はこれこれである、第二級はこういうものをいうというふうに具体的に列挙をして、わかりやすいように表をこしらえてございます。
○森本委員 本来いったならば、この問題はやはりほんとうはこの委員会においてかなり審議をするのが国民に対する義務になるわけでありますが、いま言ったように長くなるということでありますから、これはひとつ詳細な資料をあとで出していただきたい。それから、これに対する医者の認定というものをどういう形で行なうのか、これを文書で資料として全委員にお出しをいただきたい。これはやはり一番重要なところでございますのでお出しを願いたい、こう思うわけであります。
○竹下政府委員 承知いたしました。
○森本委員 そういたしますと、この入院の費用というものは一級、二級、三級、四級、五級によって分けるから、たとえば五日以上九十日以内とかいうふうに切っておるわけですが、これはどういう意味ですか。
○竹下政府委員 入院の場合の保険金は、実は傷害程度とは関係ございませんで、入院日数というものを基準にいたしております。五日間以上入院をいたしました場合には保険金の千分の一というものを初日から日額として払う、こういうことでありまして、先ほど申しました傷害の段階とは関係ございません。
○森本委員 そうすると、幾ら入院しても千分の一以上は払わぬわけですか。
○竹下政府委員 日額は千分の一でございます。それで、最高は一回の傷害につきまして百二十日を限度といたしております。
○森本委員 日額千分の一ということになりますと、一番高いので幾らになりますか。
○竹下政府委員 二百万円といたしまして二千円です。
○森本委員 これは日額二千円というものを保険金額をこえても払うわけですか。
○竹下政府委員 いかなる場合にもこの保険金額をオーバーすることはいたさないようにいたしております。
○森本委員 そうすると、どこまで払いますか。
○竹下政府委員 先ほど申しましたように、百二十日を限度として、最終は十万円までというわけであります。
○森本委員 そうすると、これは実費を支払うとかなんとかということでなしに、千分の一で、結局保険金額の範囲内において百二十日支払う、こういうことですか。
○竹下政府委員 そのとおりでございます。
○森本委員 この内容についてはどうもはっきりわからぬところがありますし、これ以上こまかいことを聞いておると局長が詰まっても失礼にあたりますので、実施細目について、資料としてひとつお出しを願いたいと思うわけであります。というのは、やはりここが一番大切なところでありますので、本来ならば、これにかなり時間をかけてやらなければなりませんが、時間もあまりありませんので、この実施段階における内容について、もう少し詳しい資料をお出し願いたい、こう思うわけであります。
○竹下政府委員 承知いたしました。 なお、これにつきましては、実は民間の損害保険あるいは生命保険がやっております傷害特約、そういった先例がございますので、こういったものを十分比較検討いたしまして誤りなきを期するようにいたした次第でございます。
○森本委員 それから、この傷害特約についての今後の経理でありますけれども、今回行政管理庁から会計の問題についても一つの勧告が出ておるわけでありますが、その問題を聞いておりますとまた時間が長くなりますのでこれは別の機会に譲りますが、ただ、現行の簡易生命保険特別会計からいきますと、われわれが国会に提出されるすべての決算を見ましても予算書を見ましても、この傷害特約がどうなるかということについては、あの項目ではわかりません。だから、この傷害特約が九月の一日から施行されるということになりますと、今後の新しい保険をやっていく上においては一つの大きな指標になると思います。そこで、そういう観点からいくとするならば、簡易生命保険特別会計の中におきましてもこれが別途にすぐわかる、一体収入が幾らあって支出が幾らあって、どのくらいの会計規模になっておるかということがわかるように今後の経理内容をしておいてもらいたい。ただ国会に提出になるところのあの会計の予算書の内容というものを変えるということでなしに、現実に郵政省の内部における予算執行の場合に、われわれが質問をした場合にすぐ答弁ができる、あるいは、聞けばすぐわかるという形の傷害特約の経理というものを明らかにしておいてもらいたい、こう思うわけでありますが、これは経理局長からちょっと聞いておきたい。
○上原政府委員 ただいまのお説は、わかるようにということでございまして、しかも、御指摘のように予算並びに決算書の様式を変えるということではないということでございますので、できると思いますので、簡易保険局と相談の上、明確にしていくようにしたいと存じます。
○森本委員 それから、この傷害特約の今後の募集のいわゆる雑費というものはどうなりますか。手当関係……。
○竹下政府委員 募集手当をやはり出すべきでありまして、これは協約事項でありますから、今後団体交渉を進めます。 それから、募集に伴ういろいろな周知宣伝、そういう経費はもとより必要でございますので、そのほうも十分考慮に入れて配算をしたいと思います。
○森本委員 それは労働組合との団体交渉が円満に妥結して、この保険がスムーズにいくことを私は特に要望しておきたい、こう思うわけでありますので、この点についてはひとつ十分にお願いしたい、こう思うわけであります。 それから、簡易生命保険の広告宣伝費は年間どの程度出ておりますか。
○竹下政府委員 周知宣伝費といたしまして、四十四年度の予算を見ますると七億程度になっております。大体その程度の額を毎年やっております。
○森本委員 そのおもなるものはどういう内容ですか。
○竹下政府委員 これはセールスマンが募集のときに携帯いたしますいろいろなパンフレット、リーフレット、それから郵便局舎等に掲出いたしますところのポスター、かけ看板、あるいは最近はテレビ、ラジオ等をも利用しております。テレビ、ラジオのほかに雑誌類あるいは新聞等、そういったもの一切を含めたものでございます。
○森本委員 テレビ、ラジオ、新聞等はどのくらい使っていますか。
○竹下政府委員 使用額につきましては正確な数字を持ち合わせておりませんが、国営のことでございまして、ほんのわずかなことしかできないのであります。金額につきましては、ちょっとお待ちをいただきたいと思います。
○森本委員 私は、どうも郵政省の簡易生命保険、郵便貯金にしてもそうでありますが、妙に宣伝のしかたがどろくさいと思うのです。もっとスマートに、景気よく宣伝ができないものか。七億円も金を使っておって非常にどろくさい宣伝のしかたばかり、たとえばテレビ、ラジオ、新聞もかなりいま使っておるわけであります。そういう面では、いま政府が、内閣広報室が巧妙に、ドラマでも実は政府がスポンサーになっておりながら民間会社がスポンサーになって、あたかも自然のドラマのような形においてきわめて功妙な宣伝をテレビを通じてやっておる。そういうことは簡易保険のほうはようやらぬ。もっとスマートな宣伝のしかたをこのマスコミの時代において考えるべきじゃないか、旧態依然たることをずっとやっておるんじゃないか。貯金局長もおりますが、貯金はきょうは関係ありませんが、郵便貯金にしても簡易生命保険にしても、もっとスマートな宣伝のしかたというものはないものだろうかということを、ひとつこれは十分今後考えてもらいたい。そうしないと、もうすべての重荷が第一線の従業員に全部かかっていくという形になるのであって、これは、たとえば簡易保険をテーマにして一つの魅力のあるドラマとか、そういうものをある程度つくれると私は思うのです。そういうことはひとつも念頭に置かない。ただ簡易保険はいいですなんと言って、そんな宣伝したって、いまどきそれは宣伝の中に入りませんよ。簡易保険局の中には人が相当おりますから、もう少しスマートな、もっと生きのいい、しかもぴんとくるというふうなことを考えてやってもらいたい、私はこう思うわけです。 それから、ちょっと聞いておきたいと思うのですが、本省の裏にある全特会館の屋上に貯金と保険のいわゆる宣伝塔があります。これは月当たり三十九万六千円の金を払っておるわけでありますが、これは電気代も含めてですか。
○竹下政府委員 含まっておると思います。とにかく、あの広告塔といたしまして、いまお話しのような料金を一切含めまして払っておるということであります。
○森本委員 料金は電気代を引いて何ぼになりますか、この三十九万六千円というのは。
○竹下政府委員 そこまでは調べておりません。
○森本委員 これはどうしてあそこの全特会館の上に置かなければならぬですか。これは年間四百七十五万円ですね。本省とあそこの全特会館と一体どのくらい距離かありますか、高さも。——何であれを本省の上に置かぬですか。
○竹下政府委員 本省、あるいは郵便局でもいいと思うのですが、そういうところに実は施設をやりたいという気持ちは持っておるわけでありますが、そうなりますと、これは建造物の一部である、その支弁の経費は建設勘定であるという制約がございまして、御承知のように、いまは建設勘定は、郵便局舎その他の建物の本体のほうの設備に、ごく必要経費でございまして、実は広告塔をつくるという方面に向け得る余裕がないわけでございます。ですから、いまお話しの全特会館のほうの広告はこれは損費でもって始末ができますのでこれと契約をしたというわけでございます。
○森本委員 そんな役人根性の考え方があきません。これは同じ国の会計においてそんなばかなことはないですよ。あの本省と全特会館と、ほんのわずかな間ですよ。それを本省の上に置けばこれだけ年間助かるじゃないですか、四百七十五万二千円というものが。これはやはり全部国民の金ですよ。建設勘定がどうだとかこうだとか説明するけれども、やろうと思ったらできぬことはない。やろうと思って検討しないのでしょうが。どうかね、これは経理局長、できませんか、あの全特会館というもの、あるいは民間の屋上でなければ。
○上原政府委員 ただいま簡易保険局長が申し上げたようなことがあろうかと思います。がしかし、絶対できないかという御質問になりますと、絶対できませんというほどの自信もございません。
○森本委員 年間四百七十五万円というものを出すのだったら、全特会館と本省はわずかな距離だ、高さも大体同じ高さだというのなら、本省の上に置いたほうがいいじゃないですか。全特会館がどうももうけにならぬから、それを助けてやるために年間四百七十五万円出しておるというふうに邪推されてもやむを得ぬじゃないですか。それはあそこに置くなら、本省の上に置いたら高速道路からもどこからも見えますよ。ましてそれは、これが郵政省でありますという宣伝にもなりますし、ずっといい宣伝になる。非常に不可解なやり方をやっておる。だから、そういうふうなところでむだづかいをする必要はないと思うのです。これは再検討願いたいと思うのですが、貯金局長、保険局長、もう一ぺん回答願いたいと思うのです。
○竹下政府委員 いまの全特会館の屋上の広告塔は非常にいい場所にありまして、宣伝効果としては非常に高いというふうに考えております。 それからなお本省へつくるということになりますと、やはり建設勘定を捻出しなければいけないという問題がありますが、その点につきましては、今後十分検討さしていただくというふうにいたしたいと思います。
○森本委員 これは常識で考えてわかると思うのです。あの本省と全特会館と距離が何ぼ離れておりますか、高さはどれだけ違いますか。それじゃ、全特会館と本省とで高さがどれだけ違いますか。これはあそこに本省がなければいいですよ。あんなすぐ二、三百メートルのところに本省があって、屋上はただで遊んでおる。その本省の上に置かずに何で全特会館に置かなければならぬか。(「高速道路からよく見える」と呼ぶ者あり)高速道路から見えるなんていったら、本省せも全特会館も同じことだ。私はしょっちゅう通っておるからよくわかる。あそこが一番広告にいいところだ。それは本省の上だって同じだ。(「親心だよ」と呼ぶ者あり)そんな親心を出す必要はない。もう一ぺんこれはひとつまじめに検討してもらいたい。これは邪推されてもやむを得ぬようなやり方です。保険局長、これは一ぺん検討するくらいの返答ができませんか。
○竹下政府委員 両方できるように十分検討いたします。
○森本委員 これはいろいろやじがあっておるけれども、まじめに質問をしておる。両方にどうしてつけなければならぬ。わずか二、三百メートルしか離れていないところに両方つける、それこそ金のむだづかいだ。しかも、一方はただですよ、本省の上だから。一方は、民間会社も同じことなんだから五万円も金がかかる。だから、それはもう一ぺんひとつ検討してみたらどうか。もしあなたがどうしてもあそこが本省よりもいいということになれば、あそこがいいというもっと的確な資料を出してもらいたい。本省と両方比べて、距離と高さと、みんなが見えるところから。非科学的なことを言っては困る。だから、私の言っておるのは、もう一ぺんひとつ検討してみよ、こう言っておるのだから、すなおに検討してみたらどうか。
○竹下政府委員 検討いたします。
○森本委員 それでは、委員長がやじったり、それから早くというようなことがありますので、非常に不満ではありますけれども、一応委員会の運営に協力をいたしまして結論を急いでいきたいと思いますが、最後に大臣に聞いておきたいと思います。 これは非常に重要なことであります。第十八条で保険料の算定がいままではすべて法定化されておったわけであります。今回この法定が全部除かれまして、官報で公示をするということになっておるわけでありますから、言いかえるならば、国会の権限をそれだけ剥奪をすることになるわけであります。 おそらく、今回これをのけたという理由は、傷害特約というものが、この傷害というものの見通しが非常に困難である、だから、この保険料率についてはそのつど臨機応変に変えていかなければならぬからこれをはずしたということになろうかと思いますけれども、もしそうであるとするならば、従来のいわゆる生命保険等についてはこの第十八条の保険料の法定をそのままにしておいて、傷害特約だけはいま言ったような特別な理由によってこれは郵政大臣が官報に公示をする、こういうことでもいいんじゃないか、こういう、なるべく国会の権限というものを剥奪するという形はとってもらいたくない、こういうように私は考えておるわけでありますが、これについての大臣の見解を聞いておきたい、こう思うわけであります。
○竹下政府委員 少し技術的で専門的なことでございますので、大臣に十分説明をしてございませんので私からお答えいたします。 いまおっしゃいましたようなやり方もあろうかと思うのですが、実は追っかけまして終身保険の保険料を値下げしたい、こういう意図も私どもとして持っておるわけでございますが、そうなりますと、十八条の改正ということになりますというようなわけで、この傷害特約は、申すまでもございませんが、普通の養老保険なり終身保険の保険料というものは、今後やはりホットの資料で算出するということが一番適切なるやり方であるというわけでございますので、そのときそのときの経済情勢、社会情勢に応じて一番新しい資料を参酌いたしまして、それを基礎として料金を算出するというたてまえをどうしてもとらしていただきたい。近々第十一回生命表が出るわけでございますが、これを採用したいと思っておりますけれども、すなわち法律改正でございます。五年後にはさらに十二回生命表が出る、すなわち法律改正になるということで、内容はきわめて技術的なことでありますので、ひとつそのところは御了解をいただきたいというふうに考えております。
○森本委員 もしそういうことであるとするならば、第十回生命表とか、昭和二十五年度の国勢調査というようなところを改正すればいい。ここだけを改正しておけばいいんだ。将来次の生命表になったとき、それから次の国勢調査になったときというふうに改正しておけばいい。郵政省にすれば、これは全部官報に告示するということにすれば、それはすべて便利ですよ。だけれども、せっかくここに、保険料の算定の場合にはこういう基礎によって計算するということを法定化したという理由は、やはり何としても政府が一方的にやるということについて防いであるわけです。それを今回全部法律からはずして、大臣が官報に告示すればよろしいということにするには、それ相当の理由がなければならぬわけです。 いま局長が答弁をしたような理由であるとするならば、この条項、「昭和三十五年に厚生省が発表した第十回生命表」というのを、これから先発表していかれるもの、というふうに変えていけばいい。「昭和二十五年国勢調査」云々についても、これから先、というふうに変えていけばいい。とにかくそれで法定化をそのまま残すということはできるはずです。だけれども、それは郵政省としては便利なことに間違いないですよ。しかし、なるべくならば、国会において、国民の代表において審議をしてきめてもらうというのが、やはり一番いまの民主的な国家からしていい方法だというふうに考えておるわけでありますので、私としては、この第十八条を全部削除するということについてはどうしてもふに落ちないところがあります。 だから、郵政省としては便利であるということについては間違いございません。それは間違いないけれども、せっかく法定化してあるものを、その国会の権限というものを、いわゆる国民の権利というものを郵政省に取り上げてしまうということはどうかなという気がするわけでありますが、大臣、どうですか。
○河本国務大臣 森本委員の御質問の御趣旨はよくわかりますが、先ほど局長が答弁をいたしましたように、世の中が刻々に移り変わっておる、しかも保険業界は非常にきびしい競争になっておる、そういうふうな刻々移り変わる情勢その他をよく見きわめまして、一番有利に処理したい、こういう趣旨だと思います。御了解をいただきたいと思います。
○森本委員 もしそういうことであるとするならばもうこれ以上あえて言いませんけれども、この第十八条の趣旨については、保険料率を定めるときにはこの趣旨というものを大いに尊重してやっていただくということになろうかと思いますが、これはどうですか、局長。
○竹下政府委員 これはもうまさしくそのとおりでございます。また、この事項は決して軽微な事項ではございませんので、今後の扱いといたしましては、官報に公示する前に郵政審議会にはかりまして、約款事項といたしまして今後処理してまいりたい、大事に扱いたい、こういうふうに考えております。
○森本委員 それでは、以上で私の質問を終わりますが、今回の傷害特約ということについては、簡易生命保険始まって以来の新しいやり方であります。今後簡易生命保険というものが伸びていくについては、今回のいわゆる新しいやり方いかんによって、将来の簡易生命保険の事業にも大きく影響すると考えましても決して言い過ぎではないと思います。そういう点からいいまして、この傷害特約については慎重な配慮を行なって、そして、今回の簡易生命保険法の改正の趣旨に従って国民の福祉が向上するように、ひとつ郵政省としては万全の手配と措置を願って、私の質問を終わります。
○加藤(六)委員長代理 小沢貞孝君。
○小沢(貞)委員 私は、簡易生命保険法の一部を改正する法律案に関連して、郵政特別会計、郵貯特別会計、それから簡保特別会計、そういう関連もあり、どうも最近のベースアップ等の趨勢から考えて、来年は郵便料金を値上げせざるを得ないような必然性を持っていそうに考えるわけです。しかし、そういうことになると非常に重要な問題になって、政府みずからが公共料金の値上げをするということになれば、ことしの物価の値上がりが五%あるいはそれ以上になる、こういうことになると、郵政省所管の貯金、保険、こういうものの基礎が根本的に瓦解するのではなかろうか、こういうことを非常に心配するので、最初にその問題から質問をいたしたいと思います。 事務当局でけっこうですが、まだ調停段階ですが、大体あれでおさまりそうだ、こういうように聞いておりますが、この間の調停案はどのくらいなベースアップになるか、率及びことし必要とする予算額、これをお尋ねしたいわけです。
○上原政府委員 まだ仲裁は出ておりませんが、調停委員長見解の金額によりますと、一人当たり基準内賃金の八%プラス千円ということで出ております。これは引き上げ率は基準内賃金四万五千四百八円に対しまして一〇・二%になります。それから昇給原資が千七百三円ございますから、実際に必要となる額は、賃金引き上げ額の四千六百三十三円に千七百三円をプラスした六千三百三十六円で、昇給原資を含めますと一三・九五%、約一四%ということになっております。所要額は約三百五億ということになっております。
○小沢(貞)委員 大臣、いまお聞きのとおり約一四%の引き上げになるわけです。これはたしか私、予算の分科会等で質問したと思いますが、郵便事業のほうの原価に占める人件費の割合、これは局長、幾らですか。
○上原政府委員 八〇%近くです。
○小沢(貞)委員 八〇%、こういうわけです。それがさらにことしまた一四%上がるということになれば、われわれがまわりから見ていただけでも来年は郵便料金を値上げせざるを得ないような情勢になりつつある、こういうように考えるわけです。 そこで、この郵便料金を値上げするということは、公共料金値上げ反対の国民の声のある中で、きわめてこれは重要な問題だ、こういうように考えます。 そこで、あとで大臣の御答弁をいただきたいわけですが、その前に、この三百五億の原資というものは郵政事業特別会計でどのくらい負担し、それから郵貯特別会計、保険、あるいは委託ですか、電電公社からどのくらい負担されるものか、その内訳をちょっとお尋ねをしたいわけです。
○上原政府委員 私どもの計算によりますと、郵政固有業務、郵便のほうでございますが、これが約百四十億、それから郵便貯金で六十三億、それから簡易保険で五十八億、電電から四十四億ということになります。
○小沢(貞)委員 そのパーセントは大体幾らですか。
○上原政府委員 郵政固有分は大ざっぱにいって約五〇%でございますが、郵便のほうで四五、六%になろうかと存じます。
○小沢(貞)委員 ことしの当初予算は、人件費は三千四百二十八億です。これは郵政、郵貯、保険その他にアロケート、分配するとどういうようになりますか。
○上原政府委員 これも正確な数字はございますけれども、ごく大ざっぱに申し上げまして、郵便が五と見た場合、貯金、保険が二、二、それから電電が一というふうにお考えくださればけっこうかと存じます。
○小沢(貞)委員 そうすると、ことしの当初予算に三千四百二十八億のうちの約半分、一千七百億前後が郵政特別会計、そこへまたことしのベースアップが三百五億の半分百四、五十億というものが加算される、こういうことになるわけですね。そういうことになると、ベースアップのほうの上がる率というものは年率一〇ないし、ことしの一四%、こういう傾向だと思います。ところが、その基本になる郵便業務収入等は、当初予算で見ると七%の伸び率だということになって、もうことしが計数的に見てぎりぎりの限界にきている、こういうように理解してよろしいですか、事務当局。
○上原政府委員 そのとおりでございます。
○小沢(貞)委員 そこで、来年は郵便料金を値上げしなければ郵政事業特別会計はパンクしてしまってどうにもならぬ、こういうようにわれわれには映るわけです。これは非常に重要な問題になろうかと私は思いますので、以下、質問することについて、ひとつ事務当局に私最初にお尋ねしますから、それをお聞きいただいて、大臣から大所高所からの政治的な判断を私はお願いしたい、こういうように考えるわけです。その方法として、私は、郵貯特別会計、あるいはこれは法律的に可能かどうかはわかりませんが、簡易特別会計より繰り入れる繰り入れ方というものを一考え考えてはどうか、これが要は私の結論であるわけです。 そこで、事務当局にお尋ねいたしますが、郵貯特別会計の剰余金の状況、これは剰余金が年々たいへんふえているようであるわけですが、その最近の傾向を局長からお答えをいただきたい、こう思うわけです。
○鶴岡政府委員 それでは簡単に申し上げます。 すでに御案内のように、三十五年までは五百億に近い赤字をかかえておったわけでございますが、その後、特別会計法を改正いたしまして、また同時に五厘の特別利子をつけるという措置をいたしました結果、一番決算がわかっております四十二年度の決算におきましては五百二十九億の郵貯剰余金を一応出しております。ただし、これは先般四十二年の行管の勧告の中にもございましたことでありますが、たとえば四十二年度の例で申しますと、私どもの場合、支出の大宗を占めますのは利子でございますが、この利子が、通常貯金の利子の一年分、その他定額積み立ての一カ月分、これが四十二年度の決算におきましては四十二年度分は入っていないわけでございます。したがいまして、それを控除いたしますと、四十二年度決算におきましては、表向き五百二十九億の剰余金が出ておりますが、実質的には十八億の剰余にとどまっておるというような状況であるわけでございます。
○小沢(貞)委員 利子は幾らですか。二千三百七十一億の支払い利子と、こうあるのだけれども、通常や積み立てや定額別に分けて、利子は幾らつけているわけですか。
○鶴岡政府委員 通常貯金の利子が四百七十五億三千百万円でございまして、積み立て貯金が九十八億七千九百万円、定額貯金が千七百九十七万六千円、そういうようなのが四十四年度の予定額でございます。
○小沢(貞)委員 利子は何%ですか。平均でいいです。
○鶴岡政府委員 平均で申し上げますと、通常貯金は三分六厘でございますが、積み立て貯金は四分八毛、定額貯金は四分二厘と四分七厘、五分、五分五厘と、これは半年ごとにふえるものでございますから、そういうことで計算した額でございます。
○小沢(貞)委員 最近の物価が五%も上がってくるという政府の公式声明の中で、政府で扱っている通常貯金の利子が三分六厘、積み立てが四・〇八、あるいは定額にしても四・二アップ。こういう程度だと、一生懸命貯金をしろと国民にすすめることは、金を損してしまえということをやっていることと全く変わりないと私は思うのです。 そこで、一つは、四十二年度の決算には四十一年度の支払い利子だから、こう言うのだが、毎年こういう形で決算をしていけば、一年繰り越すだけなんだから余剰は余剰だ、こういうように私は考えるわけです。その余剰金が最近ふえる一方なんです。予算で見ると、前年度予算で、ここに出ているだけですが、前年度剰余金の受け入れが約四百四十三億、それから四十四年度の予算額においては六百六十七億、こういう剰余金になっているようです。それから四十四年度の予算から見る限り、四十四年度の収入が四千二百億で支出が三千三百三十一億、こういう計算からいくと、四十四年末においては約八百六十七、八億、約九百億に近い余剰金が出るようにこの予算はできておるわけです。 〔加藤(六)委員長代理退席、委員長着席〕 こういうように、年々剰余金の増加の割合は五割以上、四十三年の四百四十三億が四十四年のときは六百六十七億ですから五割の剰余金の増です。それからまた、四十四年の末になると九百億というのですから、これも剰余金が五割増、年々五割のピッチでもって剰余金がふえていくわけです。 これは一国民の立場から見ると、どこかに欠陥があるのだ。一つは、あまりにも郵便貯金の利子が安過ぎるんだ、もっと利子をたくさん払ったらいいだろう、こういうようにも受け取れるわけです。だから、法律だか政令を改正して、もっと国民に利子をたくさん払ったらいいじゃないか、これだけ残さないでもいいじゃないか、こういう主張が預金者の立場からは言えると思います。 もう一つの立場からいえば、この運用部資金のほうへ、政府のほうへ貸している。これは地方債か何かに出しているわけですが、資金運用部資金、これは聞くところによると、かつて六%の利子であったものを、どういう政治的な話し合いになったか知らないが六・五%に上げてもらった。利子が〇・五%高くなったものだからこんなに剰余金がふえるんだ、こういうようにも理解できるから、全体の立場から見れば、政府で貸せる金をもとどおり六%のさやにおさめて、安い利子でもって国の国家的な事業がいろいろできるように、そういうように回すべきか、この二つの方法があるような気がするわけです。そうでなければ、郵貯にこれだけの剰余金を残しておく必要は国民の立場から見ればないんではないか、こういうように考えるわけです。 預金者の利子を上げてやる、あるいは政府が貸し付ける利子を下げてやる、このどっちもとらないとするならば、郵貯の剰余金の中から郵政特別会計のほうへ回してやる、独立採算制は明確にしておいて、政令ですか法律の改正か、とにかくわかりませんが、あるいは国と地方公共団体がやっているように、ある年度内貸し付ける、こういうような方法もまた考えられる。一定期間の間、郵便料金を値上げしないためには、年に二百億ずつ貸し付けましょうとか三百億ずつ貸し付けましょうとか、方法はいずれいろいろあると思いますけれども、郵政事業特別会計のほうへ何らかの方法で金を回す、これが私は第三の道だと考えるわけです。 こういうように剰余金があるんだから、そういう方法でも講じない限りは預金者が納得しない。政府の物価が五%上がる、貯金の利子は三・何%そういう立場もあります。あるいは大蔵省——私が大蔵大臣ならば、こんなに残っているんだから、もとのさやに戻して、政府のほうへ貸せる金というものを六%にしなさいという主張もある。もう一つは、国民一般は、貯金も保険も郵便物もみな郵政省でやっているんだ、片方にそんなに残っておるということがよくわからぬ。片方の郵便料金の値上げだけということがクローズアップされるならば、これも国民は郵政省は何をしておるか、こういうことになるんではなかろうか。こういうように考えるわけです。 そこで、さらに事務当局にお尋ねをいたしたいのだが、私は、郵貯特別会計の運用がもっと合理的に行なわれるならば、この剰余金というものはもっともっとふえるだろう、こういうように考えますので、ちょっとわき道ですが、先にその質問をしたいと思います。 新しい大臣になってからコンピューター化だとか事務の機械化だとか、働く人一人当たりの労働の装備率だとか、こういうものを上げて、もっともっと能率をあげるようにということを再三主張してまいりましたし、前大臣も今度の大臣も大いに賛成のようですが、私はいろいろ調べてみると簡保特別会計の中の機械化の進み方と、この郵貯のほうの機械化の進み方とは雲泥の差があるように考えるわけです。何万人かの人が、たしか二十八だと思いましたが、貯金局におって相変わらずの人員をかかえてやっておる。この機械化を進めなければならないことは、私は再三主張してきましたからきょうはそれは割愛をさせていただくが、それも大いに進めていただいて、機械化によってひとつ大いに能率をあげてコストを下げる、こういうことをすれば、さらに郵貯の剰余金はふえるのではないか、こういうように考えます。それが一点。第二点は、この法律を見ますと、十年間もほってあり、郵便貯金以外には整理ができないようになっておるけれども、もっともっと件数を整理する方法を考えないか、こういう問題であります。 そこで、具体的にお尋ねをしたいが、一体、いま眠ってしまっていてどうしようもないような口数、これは整理だけにひまがかかっておるのだが、実質的に国民のためにもだれのためにもなっていない。整理をしなければならぬ口座は、専門語でいうと休眠口座というんですか、そんなふうなのがたくさんあるようですが、その整理の状況というのは一体どうなっておりますか。 もう一つは、貯金の最低はたしか十円と聞いていたが、十円になっておるのか。いまどき十円なんか預けにいく人もなかろうと思いますが、それは改正する必要もないのか。もっともっと口数を合理的に整理して余剰金を捻出する方法がありそうだと思うので、事務的にそのことを先に御答弁いただきたいと思います。
○鶴岡政府委員 第一の御質問でございますが、機械化すれば余剰金がもっとふえるのではなかろうかという点でございます。確かにおことばのとおり、機械化によりまして剰余金ができまして、その分だけ経営もよくなることはそのとおりでございます。 第二の睡眠貯金の件でございますが、現在睡眠口座は大体三千万口座ばかりあるわけでございます。ただし、この場合に申します睡眠口座と申しますのは、いわゆる眠ってどうにもならないというのではございません。三月の年度末にいわゆる決算をいたしますが、その際からさかのぼりまして過去一年間、つまり当該年度に預入や払い出しがなかったものを睡眠貯金の範疇に入れまして事務上簡便な措置をとっているわけでございます。そういうのが三千万ございます。したがいまして、そのうちの相当部分は翌年度にまた目をさましてくるというようなことにも相なるかと思うのでございます。 これに対する措置といたしましては二つほどございますが、一つは、そういう状態で預入や払い戻しなしに三カ年を経過いたしますと、貯金担当の所管の地方貯金局のほうから預金者に、直接いわゆる元利金通知書——元通と称しておりますが、これを発送いたします。これは犯罪の予防のためにもなりますが、同時にまた、預金者に思い出していただくということにもなるわけでございます。こういうものによって思い出していただく措置をとっております。そういうことで、それでもまだ睡眠の状態であって十年を経過いたしますと、これはその際にまたあらためて今度は催告を発するわけでございます。これは十年間預払いがなかったが、このままで置くといわゆる権利を喪失されるが、何か申し出等の措置をしていただきたいという催告をいたしまして、その催告後二カ月間全然何も連絡をいただきません場合に、初めて没入の措置をとるわけでございます。没入は、年間大体八億円程度の金額にのぼっているわけでございます。大体そういう措置をとっているのが睡眠貯金に関するお答えでございます。 また、最後に預け入れの最低額でございますが、おことばのようにこれは十円でございます。これについて、十円じゃいまの物価等から考えて少し安過ぎはしないかという御質問と存じますが、実は私どものほうでは、いわゆる子供のうちから郵便貯金をすすめていくというようなこと、これが郵便貯金を非常にファミリアなものにするのに役立っておるわけでございます。そういう点からいたしますと、やはり十円という額はなかなかに捨てがたいものがある、そういう点もあるわけでございます。大体そういうようなことから、この十円も現在のところまだこういう額でよいのではなかろうか、私どもは、御案内のように国民の零細な貯金を預け受けるということを趣旨といたします関係上、そういうことに考えておるわけでございます。
○小沢(貞)委員 この十円というのはいつきまったのですか。大体いまごろ十円ばかり預ける人は——それではついでに、去年あたり十円預けた人はどのぐらいありますか。
○鶴岡政府委員 貯金法が発足いたしました昭和二十二年でございます。
○小沢(貞)委員 それから今日物価は幾ら上がっていますか、何倍に。
○鶴岡政府委員 物価のことは責任あるお答えはできませんが、指数等でいきますと相当大幅なアップであるように承知をしております。
○小沢(貞)委員 それから、たしか法律では、十年間たたなければ、催告等をして没入だとか没収だとかすることはできないようになっている。それをどういう措置か知りませんが、三年間休んでいたか何かしたものには、一応目をさまさせる措置を講じているわけでしょう。そのときに元利をおまえに返してしまうぞという中間段階のことをやれば、口座がもっと整理できないか、これが一点。いま一つは、十円というのはあまりに低過ぎるから五十円か百円にしないか、こういうようにして口数を減らすこともまた非常に大きな合理化の一つになるのではなかろうか。特に、これから機械化をやって磁気テープの中へ記憶させようということを貯金局でもおそまきながら始めようという段階ですから、まずそういう整理をしなければならないのじゃないか、こう思います。いずれもそれは法律改正に相当するとするならば簡単ですからそんなことは法律改正をして、三年間休んでいたからおまえの元利はこれだけあるがどうするか、そのときに必要あらばおまえに返してしまうぞ、こうやれば、本人にとっては非常に便利なんです。それが一つ。もう一つは、十円を五十円か百円に上げる、これはどうでしょう。これはそういう改正をして合理化をもっとはからなければいけない、こう思うのですが、どうでしょう。これは大臣のほうからひとつ。
○河本国務大臣 機械化をしたり合理化をするということは大賛成でございますが、十円という問題につきましては、先ほど局員が答えましたような事情もあろうかと思います。睡眠口座を整理するという方向はやってしかるべきものだと考えます。
○小沢(貞)委員 局長、大体大臣の考え方も、われわれ常識的に考えてもそうなんです。十年間もあれしなければ、この法律では催告して没入できない、こういうことでなくて、三年間も受け入れも払い出しもなかったら催促する、催促したときに、おまえは元利がこれだけになっているからお支払いするぞとやれば、もう非常に口座の整理になるのではないか。これは法律の改正か、実際にそういうことができるのか、それをひとつ研究してもらいたい。 もう一つは、十円を五十円か百円に上げなければならない情勢にあると思いますから、そういうことをした場合に、一体いま何億の口数があってどのぐらい節約できるのでしょう、大体のところ、口数は見当でけっこうです。
○鶴岡政府委員 三年間睡眠の際に元通を出しまして、その際に元利金を返してしまうから引き取ってくれというような考え方でございますが、これは私どもとしては、やはりそうでなしに、あくまでも、いつまでもここで目をさまして貯金を続けていただきたい、今後もまた百円でもいいから預けていただきたいというのが私ども郵便局の立場であるわけでございます。しかし、先生のお考えのように、これは元利金通知書が参りますと、そこでもう元金も利子もわかっておるわけでございますから、その通知書を持って郵便局にお客さまがおいでになりましたならば、そこですなわち元利金一切が支払われる、そこで預金者のほうから希望があれば一切解約をするということももちろんできるわけでございます。したがいまして、結果といたしましてはおっしゃるような措置ができるわけでございます。 それと、十円を百円にするという問題でございますが、これは私どものほうで、先ほどの子供郵便局の関係もございますので慎重に検討さしていただきたいと存じております。 なお、そういう措置をすることによってどのくらいの口数が減るかという問題でございますが、これは、実は私どもいま手元につかんでおる数字は一年間睡眠のときの数字しかございません。これはただいま申しましたように三千万口座でございます。したがいまして、三年間睡眠口座、これは別途、至急に調べてお答えをいたしたいと存じます。
○小沢(貞)委員 それでは、それはまた調べて資料を出していただきたい。きょうはこれは本筋ではございません。 いずれにしても、私は率直に局長に申し上げるけれども、簡保の運営の状況、郵貯の運営の状況、機械化の状況等を見て、あるいはこの法律を見て、郵貯が古色蒼然、いつまでたっても同じようなことをやっておる、口数ばかりふえていく、これまた磁気テープに入れるということになればたいへんな手間がかかる、こういうことだと思いますから、機械化の前に、いま少し経済情勢の変転に応ずるような、もっと実情に合うようなやり方で口座を減らす、睡眠だか休眠しているものは早く返すなら返すという措置を講ずるようなぐあいに、必要ならば法律改正等をやっていただいて……。これは要望だけ申し上げておきます。 そこで、私はさっきの本論に戻りますが、一体大臣、さっき、とるべき道は三つある、一つは、預金者にもっと利子を高くしてやったらどうだ——質問していると時間がかかりますが、〇・五%高くすることによって二百五十億くらいの金がかかるようです。いまの貯金高を考えて、通常が一兆三千六百一億あるとか、積み立てが二千三百九十億、定期が三兆三千九百九十四億、こういう数字だそうです。これに預金者の利子を〇・五%上げてやる、こういうことになれば二百五十億、一%上げてやれば五百億、こういうことになろうと思います。 最近の物価の趨勢からいえば、私は、国民に、そういうように利子を上げてやって奉仕するのが当然だと思います。これはひとつ大臣にお尋ねをしたいと思います。そうするか、大蔵省に預ける運用部資金だか預金部資金だかを昔に戻って六%にするか、もう一つは、私がきょう主張せんとするように、郵政事業特別会計のほうへ何らかの方法で余剰金を回してやって来年の郵便料金の値上げを防止するか、いずれか、この措置は剰余金の実態や合理化が進められる実態から私は不可能ではないと思う。その三つを私は考えるわけですが、大臣、どうでしょう。
○河本国務大臣 いまいろいろ御意見を承りましたが、局長もお答えしておりましたように、なるほど計算上は数百億円という剰余金がありまして、だんだんふえる傾向にございます。その理由につきましてはお述べになりましたとおりでございますが、しかし、実際は、これまた局長が答弁いたしましたように、相当額の実質上の未払い金等がありまして、ほんとうの意味での剰余金というものはそんなにたくさんはございません。しかも、この若干の剰余金は、将来の不測の事態に対処いたしまして準備金というふうな形で持っていく、こういうことで、ある程度は留保しておかなければならぬ、かように考えますので、これをいま直ちにお話しのように金利の引き上げに使うとか、あるいは特別利子五厘をお返しするとか、あるいはその他の会計に回すとか、直ちにこれをそういうふうなことに使うということにはにわかに賛成いたしかねる、かように考えます。
○小沢(貞)委員 そうすると大臣、お尋ねするが、来年の郵便料金の値上げは、もう数字的にいっても宿命を持っているわけです。それはやむを得ない、こういうように御答弁いただけますか。
○河本国務大臣 郵便会計が今回のベースアップによりまして相当苦境におちいることは事実でございます。ことしは何とか収支相償うような状態で終わろうかと思いますが、いまのままでいけば、来年は相当額の赤字が出るはずでございます。しかし、合理化を進め、増収をはかり、経費の軽減をはかっていきまして、何とか来年は値上げをしないでやっていく、こういう方向を中心にいたしましていま研究をさしておるところでございます。
○小沢(貞)委員 事務当局がそういうことで合理化をはかり増収をはかって、来年値上げをしないでいいということになれば、きょうの答弁はそれでけっこうだと思うのだが、われわれの見た限りでは郵便料金を値上げしなくてはやっていけない、数字的に私はそうなると思う。 事務当局、どうです。研究をした結果、大臣の言うとおり値上げをしないでよろしいことになりそうですか。
○河本国務大臣 事務当局がお答えいたします前に、私からもう一回重ねてふえんをして説明さしていただきますが、私も、いつまでも値上げをしないで済むとは思いません。何ぶんにも、合理化するといいましても人手の非常にたくさんかかる仕事でございますし、合理化にもおのずから限度がございます。いつまでも値上げをしないで済むとは思いません。しかし、少なくとも来年に関しては何とか値上げをしないで済む方法はないか、こういうことで研究をさしておるわけでございます。
○小沢(貞)委員 大臣、私はこれは大臣の判断だと思うのですが、政府公認の物価の値上がりが、たしか五%前後、こまかい数字は忘れました。それで、いま政府でやっておる貯金の利子は三%か四%か五%、それで貯金の増強をやれ、こういうことは許されないのじゃないか。これだけの剰余金があるならば、せめて〇・五%だとか一%上げて国民に奉仕するか、郵便料金を値上げしないというためにそっちから金を貸してやる、何か見てやるとか、法律改正しろとか、いろいろな方法がある。あるいは、事務的には計算方法の基礎というものもいろいろあると私は思うのです。どっちか大臣としては政策的に決断を迫られるようなことではないか、こう私は思うのです。政府が五%上がる、これは間違いない、郵便貯金の利子は三%か四%か五%、これで貯金をすすめろすすめろといっても、郵政省の人は一体どうやっていいか迷う。片方は、貯金のほうがそれだけの利子であるならば、郵便料金を値上げしないようにするか、貯金の利子を上げてやるか、どっちかすれば、郵政大臣としては、自分の所管のことについてはやはり政策的にはこれで合理的だ、こういうふうにみずから判断ができるのではないか、こう思うのです。どうでしょう。
○河本国務大臣 お話しのように、郵便貯金の金利の最高は五・五%でございます。したがいまして、物価が五%以上上がるということは、これは郵便貯金をしておる人たちに対して非常な御迷惑をかけることになりますし、勧誘をする場合にもお話しのようなことでございまして非常にやりにくい、こういうことでございますが、にわかに郵便貯金の金利だけを改める、あるいはまた上げるということになりますと他の金利水準とのバランスも考えなければなりません。しかも、先ほどお話しの剰余金というものは、実際はそんなにはたくさんないのです。正確な数字は局長がお答えしたとおりでございますが、実際はそんなに残っておらぬわけでございます。
○小沢(貞)委員 ひとつ、この問題については、また日を改めて徹底的に私も私なりの考え方を述べ、また大臣からも御答弁をいただくことにして、きょうは本筋ではありませんから先に進ませていただきますが、今度は簡保特別会計のほうの剰余金の状況、最近二、三年の趨勢、その剰余金の取り扱い、こういうものは法律的に一体どうなっているか、いまの数字はどうなっているか。
○竹下政府委員 最近の数字を申し上げますると、四十二年度で発生しました剰余金が二百七十六億円、四十三年度におきまして二百五十三億円、累計、これはそれ以前の年度の剰余金も含めまして六百六十五億円になります。また、四十四年度におきましては三百億円ばかりの剰余金を見込んでおりますので、八百億円ばかりの剰余金が出る見込みでございます。しかし、簡易保険の剰余金は、いわゆる企業の利益金と違いまして、法律の四十七条でも明記してございますように、発生した剰余金は加入者に分配した、こういうふうな規定がございます。また、保険の性格からいたしまして、発生しました収支の差額、剰余金というものは、これを保険料の値下げでありますとか、あるいは配当金の増額であるとかいう形で加入者に還元をすべきものとされております。したがいまして、昨年の四月にも総額二百十四億円の配当をやりましたし、この四月も百三十七億円をもって配当を追っかけてやった、こういう状況になっております。
○小沢(貞)委員 剰余金の配当すべきものは別途に積み立てているわけですね。それが一つと、そして、それは簡保のほうは満期になったときにそれを付加して払っておるわけですね。
○竹下政府委員 そのとおりでございます。満期になったとき、あるいは事故がありまして保険金を払うときに配当をつけてお払いする、それから原資は、おっしゃいますように支払い準備金といたしまして、剰余金から積み立て金のほうに移しかえまして、それで保管をしておる、こういうことでございます。
○小沢(貞)委員 予算書でいう分配準備金二千八百六十六億というのがいままでのトータルの分配金の積み立てたものですか。
○竹下政府委員 将来支払いますための準備金として積み立てたものでございます。おっしゃるとおりでございます。
○小沢(貞)委員 ことしの予算を見ると、福祉事業団に二十何億の出資と二十何億の補助金みたいなものを出して、約五十億くらいは出しているわけです。これは保険者に対する還元、こういうように見てもいいわけですね。それが一つと、それからこの二千八百六十六億というのは、私は配当のしかたに二つあると思う。民間のほうは、前の年の計算をして来年の掛け金を少なくするようなやり方がある、ところが郵政省のこれは、終わったときにそれにプラスしてやってやろう、こういうことで、いろいろ利害得失があろうと私は思うけれども、われわれがもう郵便貯金にしても保険にしても今日こりてしまっておることは、十年、十五年たって金の価値がなくなったときに返してよこす、これはもうわれわれとして頭にきていることなんです。ところが、いまも冒頭に大臣等に言っていることは、これだけ五%、六%物価が上がっていくときに、二千億、三千億ずっとためておいて、終わりになった時分に、もうその貨幣価値がなくなったような時分にようやく配当してやっている、こういうシステムであるわけです。それを、その単年度で勝負をつけて、ことしはこれだけの剰余金があったんだからこれだけの配当金を払いますということのほうが、私は契約者にとってははるかにいいような気がするわけです。その辺はどうでしょう。
○竹下政府委員 おっしゃる趣旨はよくわかるのでございますが、固有契約が何ぶんにも四千万件をこすという非常に膨大な契約をかかえておりまして、民間の会社ですと、一等大きい日生でも一千万件ないのでございます。それを、民間方式によりまして毎年配当金を保険料から差し引いていくということをやりますと、ものすごい手間がかかる、そのためのコストもかさばるというようなことがございましてちゅうちょいたしておる次第でございます。将来、コンピューターをフルに有効活用ができる時代が来れば御趣旨のようなことも可能になるかと思います。 それからもう一点、福祉施設に対する剰余金の投資でございますが、これはおっしゃいますように、加入者の方々に福祉施設を利用していただくわけでございますから、これは配当の一種と見ております。
○小沢(貞)委員 これも法律的にはたいへんむずかしいし、保険の加入者にとっては、これはいろいろな問題があろうかと思うのだけれども、これは郵貯特別会計と同じように、法律を改正するか何らかの方法で郵政事業特別会計のほうへ貸し付ける、または全然事務的な配分のしかたを変えて、これは面積でやるとか人員割りとかによって配分しているようなんだけれども、簡保特別会計から郵政事業特別会計へいま大体年間どのくらいあれしているかわからないけれども、それを増額することはできないか。いま郵便料金の値上げを防ぐためには、簡保特別会計も一はだ脱がぬか、こういうことなんです、貯金と同じように。そういうことは、一体事務当局として何をどうしたらできるか。
○竹下政府委員 簡保特別会計から郵政特別会計のほうへ繰り入れております額は、四十四年度において大体六百数十億だと思いますが、これは簡易保険事業を運営するに必要なる経費として繰り入れておるわけでございまして、それ以上のものを繰り入れるという法的根拠がございません。 それから、剰余金につきましては、先ほど申し上げましたように、法律にも明記してございますように、また保険の仕組みからいたしましても、これは相手方である加入者に剰余金は還元するんだというという、これは大きい心棒が一つ入っておりますので、おっしゃいます趣旨につきましてはわからぬではないのでございますけれども、そういう方向に持っていくということは、保険のたてまえ上、保険事業のたてまえといたしまして非常な無理がある、かように思います。
○小沢(貞)委員 それではその点は、郵貯も簡保も特別会計の問題は別途にまた研究して質問するとして、時間がありませんから本論を一つ、二つだけ質問しておきます。 民間における生保の災害保障つきということと今度やる傷害保険とは全く同じ性格を持っているわけですね。そこで、民間おいては、きのうもお聞きすると、大体百万円の掛け金が年間三千円、十万円について三百円、こういうように聞きました。ところが、今度やろうとする簡保は幾らでやらんとするか、もうこの委員会で質問があったと思いますが、二百四十円でやろうとするわけですね。それはいいですね。
○竹下政府委員 そのとおりでございます。
○小沢(貞)委員 そこで、民間は十万円につき三百円、簡保は二百四十円、これでやれるという数字的な根拠は何によって出されたか。私はどうしてそういう質問をするかというと、給付が、死亡のときは掛け金十万円がもらえることははっきりしているからよろしい。それから一等級から五等級まで先ほどの質問で言われているようにあって、一等級は十万円だというから、民間とも変わりがない。そこで民間のほうは大かた一等級から六等級まで分かれておって、給付は十割、七割、五割、三割、二割、一割、ところが郵政省のやらんとするところは十割、七割、五割、三割、一割ですか、そういうように五等級に分かれておるわけです。その分かれておる微細な区分によって給付が非常に大きく簡保のほうが不利にできておるのかどうか、こういう点を私は心配するので、その区分は先ほど森本委員から質問があったので、民間の六等級の区分——民間は大部分六等級、それから簡保の傷害は五等級の区分だが、どこがどういうように傷害の状況によって該当するか、それを一つ、先ほどの出さんとする資料に私が言わんとすることをつけ加えて、比較一覧表を出していただきたい。両腕、両足のない者は一等級なら、これは民間も一等級であります。ところが、民間は六級にできておるのを簡保の傷害は五級ということから、その間に大きな違いがあるのではなかろうかと思いますから、それは一覧表によって出していただきたい。先ほどの森本委員のほかに私の言ったのをくっつけて、民間のものと対比できるものをつけ加えて出していただきたい。 それからもう一つは、給付にもし変わりがないとすれば、民間は三百円でやるのを郵政省は二百四十円でやられる、その理由はどういうところにあるのでしょうか。
○竹下政府委員 民間は六段階に分かれておりまして、わがほうは五段階でございますが、これは大まかに申し上げまして、簡易保険の傷害特約の給付が民間よりも若干よくなっておるように私どもは考えてそのようにつくってございます。それと、もう一つは入院の保険金でございますが、日額千分の一ということを私どもは予定しておりますが、これは民間のほうは実は千分の一・五ということで、少し高くなっております。その差が一つあります。あとは郵便局組織を縦横に活用することによって、契約事務を極力合理的に運営してコストを下げる、つまり、企業努力をいたしまして料金を安く押えるということを考えておるわけでございます。
○小沢(貞)委員 民間は、たとえば十万円について三百円の掛け金の場合に、何というのですか、私、専門語はよくわからないのですが、その原価構成というのですか、付加保険料は、きのうお聞きすると四十円前後、保険料免除のために十円前後、入院給付部分が百五十円、死亡、身体傷害のために百円、こういう構成になっておるようです。そうすると、二百四十円の、いま簡保でやらんとする原価構成、こういうものは、これに相当するものはどういうような想定で二百四十円としましたか。
○竹下政府委員 純保険料部分といたしまして二百五円、付帯保険料部分、つまり事業費に充つべきものといたしまして三十五円、こういう組み合わせにしております。
○小沢(貞)委員 そうすると、私は安くなった理由というものが非常に克明にわかるわけです。民間では入院給付のために五〇%、三百円のうち百五十円をとってあるわけです。原価の半分は入院給付のためにとってあるわけです。しかるに簡保のほうは、その入院給付が千分の一・五と千分の一の大きな違いになっておるわけですから、いま見ると、給付のために二百五、付加保険料に三十五、こう言われておるから、付加保険料のほうは、民間が四十円、簡保のほうが三十五円、入院給付部分と死亡、身体障害の給付部分、いわゆる保険料部分が、民間のほうは二百五十円になっているのが二百五円になっているから、そこに入院給付が非常に違うところで安くできる理由がわかると思うわけです。そういうぐあいに最も大事な部分について安くして、そうして掛け金率が安いぞといっても、私は比較にならぬじゃないかと思うわけです。そこのところはどうでしょう。
○竹下政府委員 非常に重要な部分だと思いますが、先ほど申し上げましたように、日額を千分の一か千分の一・五にするかの違いでもってその差が出てきている、かように思います。これは極力傷害特約の保険料を切り詰めたいということをねらいましてそういう差を意識的につくったわけでございますが、これは実際運営をしてみまして、この問題をもう少し観察をしまして対処したいと思います。
○小沢(貞)委員 そこで資料は、民間の十万円について三百円の原価の構成、これは大蔵省なり何なりで大体わかっておると思います。それと、いま簡保の傷害をつけようとする場合の原価の構成ですね。付加保険料幾ら、何が幾ら、こういうことの内容、また、民間には免除等もありますから、そういうことを比較した一覧表も出していただきたいと思います。 そこで、私は最後に大臣に要望だけしておきます。 私たちのところへはこの前水野委員が質問されたと同じように、民間の生保、損保協会から陳情がきて、何も国営でこんなことまで押し押しやらなくもいいじゃないか、それは本来の使命と違いますぞ、こういうような陳情もありまして、われわれも、民間においてはパートタイマーか何かの遊休労働力を利用してやったり何かしているところを見ると、なるほどそういう点も考えられると思うし、また局長の説明等も聞けば、それなりの簡易生命保険の傷害年金をつける理由があると思うのです。われわれ国民の立場から、一体どういうことでそれじゃどっちに軍配を上げたらいいかということになると、いろいろ考えてみると、やはり労働力不足時代ではみんな能率をあげなければいけない、こういう時期なんだから、労働の生産性の高いものをひとつ採用していく、こういうことが国民的立場から一番正しいのではないか、こういうように私は考えます。そこで、いろいろ役所の保険の労働生産性や民間の労働生産性等、資料はなかなかいいものが見つからないわけです。しかし、これについては資料を的確につくっていただいて、一人当たりの契約金額とか一人当たり国民にどういうように奉仕しているとかいう、そういう労働生産性の比較になるような資料をつくって、今後の簡保の運営にあたってもそういうことをめどにして合理化なり生産性向上に取り組んでいただく、こういうことがなければ、これは一体民間にやらしたほうがいいか役所がやったほうがいいかということのわれわれの判断の材料はよくつかめないわけです。そういうぐあいに、これは役所のやるのも生産性が高くて能率があがった、そうして本来の使命を果たしているのだ、こういうように数字の上で出さないと民間からの反対陳情に対して正しい答弁にはなっていかないのじゃないか、こういうように考えますので、これについてはいろいろ困難がありましょうけれども、民間の保険と役所の保険とはどういうように労働の生産性が違うかという比較検討の資料というものをぜひ詳細に今後研究をしてつくっていただきたい、こういうことだけを要望して、私の質問は、時間が超過しましたので終わりたいと思います。
○井原委員長 中野明君。
○中野(明)委員 過日来この簡易保険法はいろいろ議論が進んでまいりました。時間があまりないようですので、要点だけお尋ねしたいと思いますから簡単にお答えを願いたいと思います。 最初に、これまた議論があったのですが、私も非常に期待をしておりましたので、このことだけはもう一度端的に御答弁を願いたいと思うのです。 昨年、学資保険を新設する、このようにおっしゃっておりましたが、これが今回の法律案では削除されております。その理由をいろいろあげておられましたが、いま一度、見通し、そうして、ほんとうに来年学資保険ができるのかどうか、このことについて伺いたい。
○竹下政府委員 当初、傷害特約及び学資保険をやる予定であったわけでございますが、諸般の事情がございまして、このたびは緊急性の強い傷害保険に着手いたしまして、学資保険のほうは来年度において実施する、こういうふうにいたしたわけでございます。
○中野(明)委員 その来年度実施は間違いございませんか。大臣のほうからも御一緒に。
○河本国務大臣 事情につきましてはいま局長が答弁したとおりでございますが、来年は必ず実施するようにしたいと思います。
○中野(明)委員 次は、最高制限額でございますが、これも当初私どもが説明を受けたときには、たしか三百万円だったと思うのです。それが二百万円になってきております。三百万円とされた根拠を説明してもらいたい。
○竹下政府委員 ただいまの経済情勢、社会情勢をながめますのと、一たん保険事故が起こりましたあとのいろいろな救済を考えますと、三百万円ぐらいはいまの通貨価値等からながめまして適当ではあるまいかという、これは非常に大ざっぱな見込みをつけたわけでございます。そうでなければならないという性格のものではございませんが、ただいまの百五十万円ではやや不足する、ついては三百万円程度がよかろうではなかろうかという程度の目途でございます。
○中野(明)委員 それが結果として二百万円になりましたが、この点、局長自身が現在御納得なさっているのかどうか。
○竹下政府委員 二百五十万か二百万だということに最終的になるのでございますが、民間保険の無診査の限度等をしさいにながめてみますと、二百万円でも、バランスからいいましてよろしいということで、その線に落ちついたわけでございます。
○中野(明)委員 当初の三百万を出されたときには、もうすでに改正案の要綱として保険局から出ているわけですから、私は民間のことその他も詳細に承知されて、そうして三百万という線が妥当だというふうに思われたのじゃないかと考えるわけですけれども、ところが最終的には二百万に落ちついてしまっている、そういうことで、この間の説明でも、いろいろ裏とか表とかあるというお話でしたけれども、私どもも非常に釈然といたしません。 いずれにしても、現在の貨幣価値その他から申しまして、当初考えられた三百万という線は妥当でもあり、早晩その必要があると私どもも考えます。それで、このままでいけば、今回は二百万で一応済んだとしても、早急に三百万にしなければならないのじゃないか、こう思うわけですけれども、この点、どうでしょう。
○河本国務大臣 御意見には全く賛成でございます。来年はぜひ三百万円になるようにしたいと考えております。
○中野(明)委員 大臣からそのようなはっきりした御答弁がありましたので、次に進みます。 先ほど森本委員からもお話がありましたが、簡易保険というのは非常に小額であります。そのために、傷害特約をつけましても、この十六条に出ておりますが、入院その他のときに受ける給付というのが非常に少ないと思います。ですから、現在、傷害による事故死亡率ですが、これは非常に増加しておりますので、一般の要望もこれは当然独立した傷害保険をということが強く出てくるのではないか。実際にまだ詳細に知らない人たちがたくさんおりますが、実際に傷害特約ができたといって喜んでみても、もとの保険の金額が低いとそれ以上かけられませんから、給付も非常に少ない、そうなると、傷害だけやってもらえないだろうかという声は当然出てくると思います。これまた、将来傷害保険を独立させるという強い考えをお持ちになっているのかどうか、この点………。
○竹下政府委員 傷害保険を開始するにあたりまして、まず手始めといたしましてとっつきやすい方式をとった、こういうわけでございまして、いまおっしゃいますようなことは、おそらく国民の皆さんのほうから要望が出てくるのじゃなかろうかと思いますので、しばらく時間をかしていただきまして、その方向で前向きで検討さしていただきたいと思います。
○中野(明)委員 次に、二点だけ具体的な問題について見解を承りたい、あるいは処置していただきたいと思うのですが、この簡易生命保険法の第四十五条の中に廃疾による保険金の支払い条項があります。 一例として、私ども事実これは非常に矛盾していると思って申し上げるわけですが、喉頭ガン——最近ガンというものが非常にふえてまいりましたが、喉頭ガンで喉頭を全部摘出手術をした、そのために言語機能というものは、これはとってしまったのですから永久にだめです。そういうことで苦しんでいる人が非常に多いわけです。私の聞きました範囲では、全国で一万数千人おる、こういう話であります。この人たちの中で簡易保険に入っている人がかなりあるようであります。ところが、この問題については民間保険は全額支給しております。ところが簡易保険は、この保険法第四十五条でこの規定がありませんので保険金の支払いが受けられません。同じ病院にあっても、同じ症状で、片方は保険金がもらえる、ところが簡易保険に入っている人はもらえない、こういうことで、非常にこれは私ども矛盾があると思います。特に簡易保険というのは、性質からいいましても信用の度合いからいっても、みなそれを期待しているわけです。参考までに朝日生命の保険約款を見てみますと、廃疾による支払いの第二項に、そしゃくまたは言語機能を永久かつ完全に失ったときは全額もらえる、ところが四十五条ではこの項がないわけです。そのためにもらえない。今回の傷害特約では、言語またはそしゃくの機能を全く廃した者は十割給付するというふうに一応案が出ております。ですから、ぜひこの制度を変えて支給するようにしてあげないとあまりにも不公平じゃないか、私、このように思うのです。この点局長のお考えはいかがですか。
○竹下政府委員 おっしゃいますように、従来喉頭ガンの全摘出につきましては傷害廃疾扱いをいたしておりませんでしたが、おっしゃいますようなこともありますし、民間の例もありますので、今後十分その点につきましては検討させていただきたいと思います。
○中野(明)委員 大臣もお聞きのとおりですが、この点、大臣のほうもよく検討していただいて、民間保険とあまりにも極端な差がある。いま申しましたように、特にガンの摘出をいたしますと本人は廃人であります。たまたま民間保険に入っていたために全額もらえる、簡易保険は一切だめなんだ——同じ病院で手術を受けたのに、ここに極端な差が出ているわけです。ここのところ、いま局長の答弁もありましたが、前向きでぜひ——一万数千人おると聞いております。その中でも、はたして簡易保険に入っている人が何人おるか、これは調べてみなければわかりませんが、そういう人たちこそ廃人同様で非常に希望の少ない人ですから考慮していただきたい、このように強い要望をしたいのですが、大臣のお考えを伺いたい。
○河本国務大臣 承知いたしました。前向きの形で検討いたします。
○中野(明)委員 最後にもう一点、これはしばしば新聞等でも問題になっておりますが、社会保障制度というのは、残念ながらわが国は少し先進諸国よりおくれているということはいまさら議論の余地はございませんが、特に、その社会保障の中でも老人に対する施策、ものの考え方というのがおくれているように私どもは思います。人口の構成率というのは、調査によりますと五十五歳以上の高齢者の比率が年々非常に多くなってきている、いまから十五年もたてば約三割以上の人たちが高齢者になるのではないか、そのように言われております。四千万人くらいが五十五歳以上になってくるだろう、このような見通しがありますが、この老人たちが死後のことをいろいろ考えまして終身保険というものに入っております。ところが、この終身保険の現在の制度からしまして、掛け金をいたします。そしてある一定の期限が来てなくなった、そのなくなった時点において、これも実例が出ておりますが、払い込んだ掛け金が死亡したときに全額もらえないというような矛盾が出てきているわけであります。すなわち、十八万円払い込んでおったけれども、保険金が十万円であった。そうすると、死亡したときには十万円しかもらえない、なくなった遺族の人たちが。年寄りが、あとの人たちのことを考えるか、お葬式のことを考えるか知りませんが、乏しい小づかいの中からぼつぼつ保険に入っておった。ところが死んで、実際に年寄りは十八万円も払い込んでおるのに、遺族は十万円しかもらえない。八万円は没収——ということばは私はどうかと思いますが、事実上、国のほうに没収という結果になっているのが事実であります。先ほど局長も、そういうことを含めて終身保険料率を値下げしたいというようなお考えであったかと私思いますが、こういうことは大きな社会問題とまで考えてもいいのではないかと騒いでいる人もおります。しかもこういう実情は、勧誘するときにそういう詳細なところまではなかなか本人に話は行き届かないように私思います。たとえていえば、長生きしたら、あたたは幾ら払い込んでおられてもこの金額しかもらえませんよ、残りは国のほうに全部没収のような形になりますよ、というところまでは話をして勧誘はしていない、このように思います。そうしますと、当人たちにとっては、そういうことを知らないから、何かしらだまされたのじゃないかというような感じを持って、簡易保険に対しての不信感とか、あるいは極端なことになれば憎悪感というようなものも増すようなことになってはいけない、私はこのように思いますので、終身保険の給付率を、いまのようなことを含めてと思いますが、どの程度引き上げて、こういう弊害をどういうふうにして防ごうとなさっているのか、ちょっと局長のほうから伺いたい。
○竹下政府委員 終身保険は比較的安い保険料で入れる保険でございまして、実は長い間親しまれてきた保険でありますけれども、御指摘のように高齢で入られて、かつ長生きをされた方につきましては、おっしゃるように保険金よりも払い込んだ保険料のほうが多くなるという事例が出ておるわけでございます。しかしながら、超過部分は国が没収するというわけではございませんで、これは保険の仕組みといたしまして、その分は、相互扶助の仕組みでございますから、比較的早くなくなった方々へ保険金として回されておるんだ、国が没収しておるというわけではございません。しかしながら、これは世間的にも非常に話題にもなっておりますし、最近は非常に寿命も延びてきておるということもございますので、できるだけ早い機会に保険料の値下げをしたい、と同時に、現在入っておる方については、保険料の値下げをするということは技術的にもできませんので、そのほうについては配当金を増額することによって、いま御指摘のような保険金よりも保険料のほうがオーバーをするという事例を解消したい。もう一つは加入年齢でございますが、現在六十五歳まで終身保険に加入ができることになっておりますけれども、これを少し引き上げまして、五十五歳で切る、五十五歳を過ぎた方は、終身払い込みでなくして十年払い込みのほうの終身保険に移っていただくということにすればおっしゃるようなそういうギャップが出ないということになりますので、そういう方向でこれはなるたけ早い機会に実施に移したい、こういうふうに考えております。
○中野(明)委員 では、以上で終わりたいと思います。
○井原委員長 これにて本案に対する質疑は終了いたしました。 —————————————
○井原委員長 これより討論に入るのでありますが、討論の申し出がありませんので、直ちに採決に入ります。 簡易生命保険法の一部を改正する法律案について採決いたします。 本案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○井原委員長 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決いたしました。 なお、ただいま議決いたしました本案に関する委員会報告書の作成等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○井原委員長 御異議なしと認めます。よって、さように決しました。 ————————————— 〔報告書は附録に掲載〕 —————————————
○井原委員長 次回は来たる十四日開会することとし、本日はこれにて散会いたします。 午後一時十三分散会