逓信委員会 第18号
- 発言数
- 109 件
- 登壇者
- 9 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1969/05/07
会議録
○井原委員長 これより会議を開きます。 簡易生命保険法の一部を改正する法律案を議題といたします。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。金丸徳重君。
○金丸(徳)委員 今回の改正案は、簡保事業の五十年余りの歴史の中でおよそ画期的なものと思われるのであります。申し上げるまでもありませんが、五十余年間、生命保険一筋に終始して、その間いろいろ社会情勢の変革に伴っての苦難はありましても、わが国生命保険事業界の先駆的役割りを果たしながら、また、現在におきましては補完的使命を果たしつつあったのであります。それが、あらためて生命保険以外の傷害保険、身体を対象とする保険事業に手を出すことになった。事業の範囲を拡張したとでも申しましょうか、そういうことに相なるのが今回の改正案だと思うのであります。 そこで私は、簡易生命保険事業がこうした新しい路線を切り開いていかなければならなかった事情、あるいは、いくほうがいいと決意された事情というものを今後において十分残しておく必要があるのではないか、こう思います。法案の提案の理由を読んでみますと、社会経済事情の推移及び保険需要の動向にかんがみ、こうあるのであります。これはことばを詰めていえばこういうことにもなるのでありましょうが、この画期的事業に取りかかるについては、もう少しかみ砕いて後世に残しておく必要があろうじゃないかと思うのであります。といいますのは、これを機会にして簡保事業はさらにその活動分野を多方面に、あるいは多角的に広げていくべき機会にもなろうかと思われますし、現に、世間にはそうした期待を持っておる者もあるものですから、そういう意味におきまして、もう少しこの提案理由の説明というものを砕いて具体的にお示しを願っておく必要があろうじゃないかと思いますのでお願いをいたします。
○竹下政府委員 お答え申し上げます。 このたびの傷害保険の開始につきましては、ただいま御指摘がございましたように、まさしく簡易保険五十年の歴史の方向をだいぶ変えることになろうかと思います。したがいまして、私どもといたしましては、この仕事の運営につきましては従来ふなれでありました。ふなれと申しますよりも、むしろやっていなかった新しい分野に手がけるわけでございますから、十分慎重を期しまして運営に誤りがないように気をつけてまいりたいと思います。 提案理由につきましては、非常に簡単に書いてございますけれども、言わんとするところは、簡易保険は、御承知のように国営保険でございまして、国営であり、かつ、利益を目的としない大衆のための社会福祉的な色彩の非常に強い国営事業でございます。したがいまして、簡易保険の立場といたしましては、国民大衆の福祉、利益ということを絶えず念頭に置いてやってまいらなければならないと思いまするし、御承知のように、最近の保険につきましては、これを取り巻きますところのいろいろな経済事情、社会事情等は非常に変わってきておりまして、新しい保険事業というものが出ておりますし、また、従来の保険事業に対してさらに高度の保険を求めるという、そういうニードが質的にも量的にも伸びてきておるという実態を直接に私どもは把握いたしまして、国民のニードにこたえていかなくちゃならないということを平素から感じておる次第でございます。 したがいまして、このたびは傷害保険というものに着手をいたしましたけれども、これに類するものはほかにもあろうかと思いますので、生命保険のワクから出ることになるかと思いますけれども、そういう場合には、国民のニードというものが簡易保険が出ることを求めてくる場合には、これを受けて立っていくという心づもりでいるわけでございます。
○金丸(徳)委員 私は、この新しい仕事に着手する理由というものは、保険需要の動向にかんがみるという七、八字の中に含蓄深く含まれておるのでありますが、保険需要の動向は、簡易保険に向かって、世間は、この簡易保険従事者のきわめて長い間の苦難の中からの経験なり体験なり伝統なりを生かして、生命保険以外の保険をも経営してもらって国民一般の要求にこたえてもらいたいということが強くあったのではないかと思います。 第一の理由は、この国民的願望にこたえるということであったろうと思います。もう一つの理由というものは、簡保の仕事が民保あるいはその他の団体保険などの侵食といいますか、圧力といいますか、そういう方面からの非常な手の伸びによってだんだん分野が狭められてきた、したがって、保険の外野人というものが、勧奨の場合におきましても維持継続のための勧誘などにおきましても非常に苦労を重ねておる、そこで、その苦労を軽減する意味におきましても、先ほど申しました社会の需要にこたえるとともに、その苦労を軽減するという従業員の内輪からの要望もあると見るのであります。これがここに掲げたところの保険需要の動向がそうさせておるのだと、こう理解いたしまして、それならばこそ私は、この点を強く理由としてうたっておいてもらわないと世間の期待にこたえるわけにはまいらぬことになろう、こう思っているからであります。世間は、簡易保険事業に対して、なるほど傷害保険をも早くやってくれという要求もいたしております。しかし、私どもの耳に入るのは、傷害保険ばかりではなくて、子供たちを持っている者たちは、学資保険を郵便局でやってくれたならばさぞかし簡易であり、効果的であろうなどとも言っております。また、ある人たちは、もう手軽に、低額でいいから火災の場合のごく手軽な保険というものを郵便局でやってくれたならばどんなに便利であろうかなどとも要求しております。そういうような要求をされるだけの実力を備えてきたと私は見るのでありますが、そういうお考えはなかったのでありますか。
○竹下政府委員 簡易保険を日常発売しております外野の職員の側から見まして、五十年来の簡易生命保険のみを売るということについて、昨今いろいろと問題が出てきておるのではなかろうかというようなお話でございましたが、そのとおりでございます。 実は、簡易保険の商品魅力というものが、ほかの民間保険の保険種類であるとか、あるいは、いなかのほうでありまするが、農協が販売しておりまする生命共済等に比べますると、確かに商品の中身が若干魅力を失いつつあったということは事実でございまして、私どもが今度開始しようとしておりまする傷害特約は、すでに民間保険のほうは、会社によって違いますけれども、四年ないし五年前から開始しておった、簡易保険は実はバスに乗りおくれておったということが事実でございまして、そういう面から申しまして、日常の募集の面で外野マンがそのことは体験としてよくわかりますし、そういう面からの要望も出てきたということは事実でございます。 また、こういう新種保険をやる実力があるかどうかということでございますが、一挙に一度にやれとおっしゃいますとこれはできないのでございますけれども、順を追いまして一つずつやっていくという方式をとりますならば十分やっていくだけの自信と覚悟を持っております。
○金丸(徳)委員 他の同様な生命保険に比較して簡保がこのままでは魅力を欠いてくる、そこで、ほかの民保もしくは農協保険がやってきたところの、そうしてその成績をあげつつあるところの傷害保険をも加えて魅力を持たせてやるということが当面の手段だということのように受け取れるのであります。私は、それは現段階ではそうであるかもしれないけれども、もし簡保にして理想をここで掲げるとするならば、簡保は五十年の歴史の中で新しい分野を切り開くときが来たのだ、そうして、その第一階梯として傷害保険に手をつけたのだ、やがて学資保険なり火災保険なり損害保険なり、その他病災保険とでもいいましょうか、そういうものが今後できるのかどうかは別といたしまして、だんだん科学が進歩し、その他の条件が整ってくれば、そういう面へも手をつけてもよろしい時代が来るであろう、そういう場合には、もちろん簡保は五十年の歴史を生かして、ほかの事業に先立ってそういう仕事も経営し、国民の要望にこたえるであろう、そういうことでなければ、この場合残念に思うものですから、あえて念を押してお尋ねをいたしたのであります。お答えの中にはそのように受け取れるものがありますから、一応そういう方向でぼくは進むべきであるという要請をいたすにとどめて、次の質問に移らせていただきます。 そこで、そういうふうな実力をも備え実体をも備えてきたと簡保はいわれるのであります。私もそう見たいし、またそうであろうと思いますが、ただ一つ心配なのは、お配りいただいたところの参考資料の第一表を見てみますと、人口千人当たりの普及率というものは最近むしろ低下しておるのですね。なるほど保険金額は累加いたしております。保険料額ものぼっておるでありましょうし、したがって、あと出てくるところの資金も積み立て金もどんどんのぼっておるのでありますが、残念ながら国民の人口当たりの普及率というものはここ五、六年間低下の傾向が強く見えるのであります。こういうことについては、当局はどのようにお考えになっておりますか。
○竹下政府委員 御指摘がございましたように、人口に対する普及率というものは実は横ばいでございます。一方、保険金もしくは保険料のほうは確実に伸びておりまして、毎年二十数%伸びておるのでございますが、件数のほうが昨今、年間大体三百六十万件を前後しておる、ことしあたりは、前年に対してわずかに三%、うまくいけば五%ぐらい伸びるかと思いますけれども、件数の伸びというものは思わしくないということでございまして、この点は簡易保険のいわば今日的な課題でございます。国営保険としてあるためにはもっとこの普及率というものをいまより高めなくてはいけないという点を痛感しておりまして、その方向で日常郵政局に対しましても現業局に対しましてもそのことをよく言っており、その方向で指導いたしておるわけでございます。
○金丸(徳)委員 そういう指導にもかかわらず、なかなか理想の域には達しない。私ども、はたから見ておりましてもどうも心配にたえないのでありますが、そういう管理当局がいろいろと苦心経営されておるのにもかかわらず、現場第一線のほうにおいて思うような成績があらわれてこないのには、何か基本的な理由があるのではないかと心配しなければならないのであります。たとえば、民間保険に比べて保険料が高いとか、あるいはその他の福祉制度において落ちるところがあるとか、あるいはそういう実体的な欠陥は何らないけれども、宣伝力が足りないとか宣伝費が不足しておるとか、何かそういうようなことがあるのではないかと心配されるのであります。この点はいかがでありますか。
○竹下政府委員 この件数の伸びがないということの理由でございますが、簡易保険は、もう歴史も古いし、国というものを背後に持っておりますから信用は絶大でございます。それでもっておるという面も確かにございます。それからまた、民間保険で受け付けない年齢層、と申しますると、ゼロ歳から六歳まで、それから五十五歳より上の年齢層——会社によりましては五十歳で無審査を受け付けないところがございますが、そういう年齢層は簡易保険の場合には六十五歳まで受け付けるということでございますから、そういう非常な低年齢あるいは高年齢の方々を簡易保険は受け付けるという面で非常な特色がございます。そういう面で契約は取れるという面が確かにあるのでございますが、それにいたしましても若干件数が伸びないということは一体どういうところに原因があるかということはなかなかむずかしいのでございます。最近では国民の方々が保険についてもなかなか事情が明るくなってこられたという面もありまして、保険料の比較をされる、それからまた配当金の比較をされる、そういういわば勘定高くなった面もございまして、その面の比較を厳密になされますると、若干簡保に分が悪い面がございます。もっとも、民間にない特色は、さっき申しました年齢制限のことでありますとか、職業制限をしないとか、あるいはまた災害、事故でもって死亡しました場合には倍額保障をするとか、福祉施設をかなり豊富に持っておりまして、そのほうの利用ができるとか、契約者貸し付けが有利であるとか、いろいろございまして、プラスの面マイナスの面、いろいろございますけれども、もし契約が伸びない理由の一つは何か、こうずばり申し上げますると、いま申し上げましたような保険料あるいは配当、こういうお金の比較をされました場合に若干分が悪い面が出てくるかと思います。
○金丸(徳)委員 低年者も加入勧誘ができる、高年齢層にも及ぼし得るというような好条件を持っておるわけですから、通常の場合であれば、民間保険よりも農協保険よりも伸びていかなければならないのにかかわらず、これらに比較してあまり伸びないのじゃないか、こういう心配をいたしたのです。そのとおりだというお答えであります。ただ一つ、やっぱり料金について心配の点がある、こういうことであります。 そこで、民間保険よりも料金的にいって条件が悪い原因を私はやはり掘り下げてみなければいけないと思います。 一体、簡保の事業費はどれぐらいになっておりますか、民保の事業費と比較してどういうことになっておりますか、それからお示しを願いたい。
○竹下政府委員 簡易保険の事業費は、比率は大体二〇%弱ということになっております。片一方、付加率も大体その程度でございまするから、付加保険料のワク内において事業費をまかなっておる、これは、以前はものすごく事業費率が高かったこともあるのでございますけれども、最近では付加率の中で、つまり付加損を来たさないで経営できるような状態になっておるわけでございます。片一方、民間保険でございますが、これは有審査をやっておりまするし、また、民間保険の場合は非常に長期な保険を取るということに重点を置いております関係で付加率は大体三〇%、つまり全保険料収入の三〇%というものが平均付加率になっております。そのワク内でやるものですから事業費率も三〇%くらいになっております。ですから、この二つを比較しました場合、簡易保険のほうは非常に事業費を切り詰めて効率的な経営をやっておるというふうに数字的には見えますけれども、先ほど申しましたように、簡易保険と民間保険との仕事の中身といいますか、取っております契約の性質の違いということからいきまして、付加率そのものが違っておるということからいたしまして、厳密な事業費率の比較ということはちょっとできかねるわけでございます。私どもは、事業費率を、いまや、非常なむだづかいといいますか、経営費というもののむだはない、非常に合理的な使い方をいたしておるということについては十分自信がございます。
○金丸(徳)委員 私は時間を節約する意味におきましてなるべく端的にお伺いしますから、お答えのほうも端的にお答えを願えればけっこうです。 いまのお答えによりまして、簡保は二〇%、民保は大体において三〇%、したがって民保のほうが、それだけを素朴に比較いたしますると、よけいな金を使っているということであり、それだけを見てみますると、料金は簡保のほうが安くてもいいことになると思うのであります。それはいろいろと事情、条件が入ってきますからそう簡単にも言えませんが、ざっといくと、簡保は何も料金を高くしなくたってよかりそうだという簡単な結論が出てきそうであります。 そこでもう一つ、簡保と民保との失効解約の比率はどういうことになっておりますか。せっかく保険を取ってもどんどん消えてなくなるということであると、いかにむだづかいをしなくともそこのほうからむだが出てくると思うのでありますが、その点はどういうふうな率になっておりますか。
○竹下政府委員 失効解約の率は簡易保険が非常に少ないのでございまして、四十二年度の実績を見ましても、簡易保険の場合の失効解約率二・六一%に対しまして、民間保険のほうはざっと一四%でございますから、六倍ぐらい高い率になっております。
○金丸(徳)委員 そのような失効解約の高い率にもかかわらず、なお民間保険のほうが料金が安くなっておる。そこで、簡保に魅力を欠く原因があるということはどこから出てくることになりましょうか。これはひとつ解明しておいていただきたい。
○竹下政府委員 簡易保険、民間保険、ともに大体似たような種類の保険を発売しておりますが、発売価格、つまり表定保険料は大体同じでございます。ところが、この配当という段階で違いが出てまいるわけでありまして、民間のほうは御承知のように毎年配当をする、簡易保険は最終配当であるという違いがございますのと、やはり積み立て金の運用という面で、私どもは一生懸命に効率的な運用に努力しておるのでございますけれども、何ぶんにも国家資金というワクでもって低利、そのかわり公共的な面へ振り向けられるということで運用利回りが低い、民間に比較いたしましてかなり低い、その差が配当金の差となってあらわれ、それがひいては正味保険料の差となってくるものと思われます。
○金丸(徳)委員 積み立て金運用利率の差が相当響くというお話なんですが、どの程度か、具体的に数字をあげてお示しを願いたい。
○竹下政府委員 申し上げます。 簡易保険は四十二年度の運用利回り実績六分五厘八毛でございます。それに対して民間保険のほうは七分五厘六毛と、ここ二年ばかりたいへん低いわけでございます。これは、何か証券界の事情が反映しましてちょっと落ち込んでおりますが、これは復元するという見通しが非常に強いのでございまして、そうなりますと八分から九分にいく、これがもう常態と見てよろしいと思います。簡易保険は、先ほど申しましたように六分五厘八毛ですが、これは実は簡易保険が始まりまして五十年のうちの最高の利回りであります。一生懸命に努力をしたというところは出ておるわけでございますが、それでも六分五厘八毛というところでございます。
○金丸(徳)委員 民間がうまくいけば八分以上にも回るというのに対して、簡保はなぜ六分五厘程度でがまんしなければならないのか、その点、これは契約者団体に対するたいへんな不信行為になりやしないか。といいますのは、申すまでもないのですが、郵政大臣は契約者の利益をはかるために最善の努力をしなければならない、予定利率以上の利回りを取って、そうしてこれを還元するのが郵政大臣の責任だと思う。これはもう法律上きめられておることです。にもかかわらず、民間が八分以上にも回るというのに対して六分五厘でがまんしておるというのはどこにその原因があるのか、また、これからそれをどう直していこうとなさるのか、それから承りたい。
○竹下政府委員 簡保の運用利回りが低いということは、先ほどちょっと触れたとおりでございますが、積み立て金がごく一部の金額、と申しますことは、契約者に対する貸し付け金額でございますが、それを除きました残余のものはほとんどが財政投融資のほうへ回されまして公共のために融資されておるわけでございます。このほうは国家資金の活用でございますから長期かつ低利というわけでございまして、利回りを高くするということは望むべくもないわけでございます。しかし、このことは簡易保険にとりましてはきのうきょうの問題ではございませんで、事業が始まりまして以来ずっとこの公共のために融資する、あるいは地方公共団体に還元をするということは、簡易保険のいわば創業の精神という形でずっときておるわけでございますので、そういう面は、むしろ簡保の特色でございますからやるべきであろうと思うわけでございますが、ただ、その分野が全体の資金の中であまりにも多くそのほうへ回されるものですから利回りがそれだけ上がらないという結果になっておると思います。したがいまして、私どもはそういう面の財投に対する協力は十分にやりますけれども、一部の資金をもってもう少し有利なる方面へ融資ができるように運用法の改正をはかるとか短期資金の活用をはかるとか、あるいは、この資金運用部の預託という制度がございますが、その制度をやめて積み立て金といたしまして直接の運用をはかるとか、そういった面につきまして改善を要する面がございますので、そのほうの努力を続けてまいりたいと思います。
○金丸(徳)委員 保険の積み立て金のことにつきましては、もっと時間がありますればさらに掘り下げて具体的にその方策の御検討を願わなければならない気持ちに打たれるのでありますが、私は与えられた時間がありませんので、それはきょうは省略いたしておきます。 ただ、一兆七千億をもこえようとするような膨大な資金でありますから、かりに一分の利差におきましても百七十億くらいになるのじゃないかと思われる六分五厘の運用利回りが、もし七分五厘なり、まあ民保ほどにはいかなくともだんだん近づいていくならば、いま外野の人たちが非常に苦労をしておるところの、民間保険と比較して還付金なり割り戻しなりというものが少ないじゃないかなどと言われて非常に勧誘に苦労する、勧奨に時間がかかるというようなことも減ってくるのではないか、こう思われるものですから、私はあえてこの点を強く要望だけいたしておいて、今後における郵政大臣の御努力をお願いするにとどめておきます。 きょうは、実は私はそのことを問題にするのじゃありませんで、新しい時代を迎えた簡保につきまして、これを利して——今日まで現場の人たちが苦労に苦労を重ねてもなかなか思うように新しい分野へ進出できない、依然として普及率は低下、というと、それは横ばいだという訂正がありましたが、横ばいでもいい、伸びるべき条件を備えておりながら伸び得ない、一方、わが国における生命保険事業というものは、高度成長の影響下において民間保険もその他の団体保険も非常に伸びております。私は、この数字をここでお示しの上でさらに掘り下げたいのでありますが、これは時間を節約する意味におきまして省略いたします。 いろいろな表で見ましても、簡保が横ばいなのに対して民保その他の団体保険は年々ものすごく伸びておる、こういう状況下にあるのであります。私は、第一線で働く人びとにとっては何とも言えぬはがゆさといいますか、自分たちの苦労の報いられるところの少ないことを嘆いておると思います。そういう意味において、今回この新しい分野に一歩を乗り出し、魅力なき簡保に若干でも魅力を加えたという今回の措置に対して賛意を表したい。むしろおそきに失したことを思わざるを得ないのでありますが、同時に、その与えるべき魅力はこれだけではないのではないか。逆に言うならば、世間が簡保事業に対して、郵政大臣に対して期待するものは、これもその一部ではあるけれども、さらに大きなものを期待しておる、そして、簡保はさらに世間にこたえるべき実力を十分に備えておるということを言いたかったのであります。 最初に申し上げましたように、五十年の歴史の中で、簡保は郵便窓口という全国に普及する一つの機構、それから、さらにそれにも増して同じところに長く、三十年も四十年もつとめながら社会大衆と日にち毎日顔なじみになっておる。先ほど国営保険としての信用があるからと言われました。それもあるかもしれません。しかし、それと同時に、いなそれ以上に、毎日変わることなくたずねていく、あるいは集金に、あるいは保険の勧誘に、貯金の勧誘にということで庶民大衆に毎日とけ込んでおるところの従業員があればこそだと思います。そして、いま日本におけるいろんな事業界において、これくらい安定した従業員を持ち、これくらいなれた従業員を持った仕事というものはほかにないのじゃないだろうかとさえ私は思うのであります。郵便事業、郵政事業というものはそういうふうに育てられてきた。そういう中において簡保は知らず知らずの間に社会的信用を身につけておるのです。ですから、ほかの仕事が、ほかの事業が、民保が、あるいはその他の団体保険がある時期において信用を失墜するような条件があったといたしましても、簡保に関する限り長い間積み重ねてきた人的信用というのが裏づけとなって、あらゆる仕事の面において非常な便益をなしておると私は思います。そしてその信用を、そうした条件をつかまえて世間は、簡保事業よ、傷害保険もやってくれぬか、こういう要求となってここ数年来あらわれてきておる、強く要求されてきておることと思います。そのことは傷害保険ばかりじゃないと私は思う。あるいは学資保険というような面におきましても、さらに火災保険なんかにつきましても私どもはたびたびその要求を受けております。言うところの高額の火災保険ということを要求いたしておるわけじゃありません。最も簡易にして低額でよろしい。そのかわりに、事故が起きたらば即日持っていって、十万なり二十万なり、三十万でも五十万でも——あまり高くなると事故を起こすでありましょうが、そうしたことによって即時間に合うような火災保険——保険的見舞い金でもよろしいと思うのですけれども、そういうものを簡保によってやってもらいたいのです、簡保事業以外にはちょっとあり得ないのですから。毎日顔なじみの中においてこそそれができる。長い間無審査で比較的事故が少なくてやってきたというこの伝統、この経験、この信用、これが私は、火災保険の場合におきましても、その他の保険の場合においても十分利用されるものと思います。また、していかなければならないと思う。そういう新しい分野に進むべき時代をいま迎えた。私は画期的時期だ、画期的仕事だ、新しい分野だ、こう先ほど申したのでありますが、そういうときを迎えた。だから、これを機会にすぐに次の手を打つような勇敢なる態度を持ってもらいたい。そうしなければ、ほんとうの世間の簡保事業に対する期待に沿うゆえんではないと思うのであります。この点、いかがでありましょうか。 私は、大臣の今日までのとうとい御経験の中から御所信を承ることができればありがたいのであります。
○河本国務大臣 建設的な御意見を拝聴いたしまして、感激をいたしております。 この簡保事業が国営保険で社会保障的な性格を持っておる、しかも現在の純資産は二兆円になんなんといたしまして、さらにその上、毎年三千数百億という純資産の増加を見まして、これが全部あげて財政投融資、社会資本の開発に投入せられておる、非常に重大な意義を持ち、また仕事の内容であるにかかわらず、必ずしも現在は満足すべき状態ではない、もっとしっかりしろ、こういう御意見であったと思うのでございます。 つきましては、今回の改正を機会に、将来はさらに仕事の範囲も広げまして、またチャンスを見まして付保金額なども引き上げたい、同時に、あわせて私は一番申し上げたいことは、単に郵政省だけではなしに、政府全体、特に大蔵省も含めまして、政府全体がこの簡保事業というものの重大性をもっと認識して、他の民営保険と競争できるような条件をつくり出すこと、これは何よりも先決条件ではなかろうか、かように考えておる次第でございます。したがって、競争できるような加入条件をつくり上げるように今後一そう努力をしてまいりたい、かように存じております。
○金丸(徳)委員 私は時間も参っておるようでありますからこれで終わりますけれども、簡易保険は、創始当時におきましてはまだわが国の生命保険事業の揺籃時代でありましただけに、むしろ先駆的使命、役割りを果たしつつ保険思想の普及に大いに役立った、そして戦後のあのインフレ時代におきましては、民間保険がほとんど没落寸前の状況にあった中におきましていち早く再建を遂げた。これは私は、当時八千万、九千万といわれるくらいの大きな加入者を持っておった、そのたくさんの力によってまず再建の実をあげてきた、保険事業の再建的使命を果たしたと思います。 〔委員長退席、亀岡委員長代理着席〕その後、高度成長時代を迎えまして民間保険はぐんぐんと成績をあげてまいった、団体保険も創始されました。そういう時代におきましては、補完的役割りといいますか、穴埋めをしながら保険事業の全体としてかゆいところへ手の届くような立場においてその役割りを果たしつつ今日に及んできたのであります。しかしながら、そうした先駆的使命におきましても、あるいは再建的役割りにいたしましても、いわんや現段階における補完的役割りを果たすにつきましても、現場第一線の苦労というものは、そのときそのときにおいてほかの仕事には見えないほどの苦労があったことを忘れてはならないと思います。そうして、それなればこそ、今度のこの新しい路線に対して現場はもう鶴首しているといえます。一日千秋の思いでこの魅力ある保険に対して新しい力をふり注ごうと思って待っておるような状況であります。したがって私は、これにつきましては、保険当局は相当の覚悟と用意を持ってやりませんと、現場の期待をまた水に流してしまうような、がっかりさせるようなことにならないとも限りません。新しい仕事については新しい予算的用意、人的準備をしておく必要があろうじゃないかと思います。私はこれにつきましてあえて数字をお伺いしようとは思いません。それだけの覚悟を持ちながら次年度に対する用意をいまの間に十分整えておかれることを要望いたしますとともに、私は、今後における簡保の仕事を新しい分野へどんどんと伸ばすべく、五十年の非常にとうとい伝統と実績を生かすように十全の努力を払ってもらいたい、こうお願いいたしまして私の質問を終わります。
○亀岡委員長代理 武部文君。
○武部委員 いま金丸委員からいろいろ簡保の歴史について、さらには将来のあり方についてお話がございました。 前回私は、大臣なりあるいは局長に対して、現在の簡易保険事業の実態から、いま簡易保険事業が非常に危険な壁にぶち当たっておるのではないか、こういうことを申し上げたのでありますが、特に、四十二年末の生命保険の保有契約高が米国に次いで第二位になっておる、普及度については四十二年末イギリスと肩を並べるまで日本は成長しておる、こういうような、保険が一流国になった、そういう判断から保険審議会の特別委員会が自由化業種に踏み切った、このことについて簡保は一体これをどういうふうに見るのか、こういう質問に対して局長が、自由化は簡保にとってもショックだというようなことをおっしゃったわけでありますが、私はそれだけでは問題は解決しない、このように思うのであります。特に外国の保険会社がこれからいろいろな形でわが国に進出してくることが予想されるのであります。そういう立場から、特に民間の保険会社はいろいろな新しい保険を次から次へと考え出して、この外国の保険進出にすでに備えておる、このように私は理解ができると思います。現実に、郵政省からいただきました資料なり私自身で調査をいたしました簡易保険の持つ占有率を見ますと、戦前の占有率は件数で約七〇%、これが現在は件数で三三%になっておる、ぐんぐん下がっておるのであります。また、金額にしても、戦前は二〇%をちょっとこえておる、こういうものが現実には一二ないし一三%に下がっておる、この事実はこれは否定のできない現実だと思うのであります。こういうときに民間保険会社は、先ほど申し上げるように、きょう私は資料をいただいたのでありますが、たとえば長寿保険であるとか繁栄の保険、終身ゴールド保険、万全の保険、保障増額保険、倍額年金保険、こういうものが次から次へと実は昨年末から誕生しておるのであります。ところが、今度郵政省が出されました新しい保険は障害保険一件だ。前回申し上げましたように、答申の中には非常にたくさんの新しいものを提案いたしておるのであります。こういうことでは、先ほどもお話がございましたが、はたしてこれから先外国の保険に対抗し、さらには、これと対抗するために民間の保険が次から次と新しい方法をとっていく、そのあとからあとからくっついていくというような簡易保険のやり方ではもう先が見えてしまうじゃないだろうか、こういう気持ちを第一線の諸君は常に口にいたしておるのであります。 こういう点でまず第一に私がお伺いいたしたいのは、この審議会の答申の文章の中にこういう文字がございます。「簡易保険においても同様であるが、最近の保険の需要動向が貯蓄を重視した保険から、死亡保障を重視した保険に移行していることをも考え、」こういう字句があります。私は、むしろ簡易保険はこの反対の現象ではないか、いまの郵政省の経営方針の中では料、額とも高いものを取れ、あるいはまた、目標達成以外にはその方針はないというような、いまの現状から見ると、現在の簡保は本来の生命保険ではなくして、短期の貯蓄の目標になっておるような現状ではないだろうか、私がこの指摘をしておることと簡保自身がむしろ逆じゃないだろうかというような気持ちを持つのですが、郵政省は一体私のいまの考え方をどうお考えでございましょうか。
○竹下政府委員 お答え申し上げます。 従来の簡易保険は、まさしくただいま御指摘がございましたように非常に貯蓄性というものに重点を置いた保険でございました。保険の一面を持ち、かつ裏のほうは貯蓄である、こういう考え方できたわけでございます。これは同時に加入者の国民の側にもそういう気持ちが非常に強かったと思います。ところが、最近の社会情勢、経済情勢の変化によりまして、保険というものは貯蓄ではない、万一の保険事故に対する保障である、その保障を厚くすべきであるという考え方が非常に強くなってまいりました。全部それになったというわけではございませんで、やはり国民の一部には、保険は保障であると同時に、なお貯蓄という面も必要なんだ、それからインフレに対する保障というものも必要なんだという貯蓄性を重く見る向きもございますけれども、保障を求める声が非常に強くなったということは事実でございまして、そういう傾向も勘案いたしまして、数年前に特別養老という保険を創設いたしまして発売したのは、そういう事情をくみ取ったからでございます。しかし、なおそれでは不十分でございますので、ただいま御指摘の方向で、貯蓄よりも、むしろ万一の場合の保障に重点を置いた保険、これは定期保険——期間は短く、また保険料を安くするためには掛け捨ての保険になろうかと思いますが、そういう定期保険というものを開発して国民に提供していく必要を感じておる次第でございます。
○武部委員 先ほども話がありましたが、契約件数の伸びが非常に悪い、こういう指摘がございました。その原因をいまお述べになりましたが、契約件数の伸びが、たとえば昭和四十二年の新契約は対前年比六%ふえておる、にもかかわらず件数はわずかに一%だ、こういう事実を私は承知いたしております。四十二年度の新契約は対前年度比六%増加しておる、しかし件数はわずか一%の増加だ、こういう事実があります。ひるがえって民間の個人保険はどうかといえば、その新契約は二六%で、保有契約は二四・五%という数字が出ておるのであります。 それならば、なぜ契約件数がこうして伸びが悪いか、こういう点で先ほどの質問にお答えになったのを聞いておりますと、料金問題もあるだろうし、あるいは配当などの問題もある、こういうお答えがございました。私は、件数の伸びが著しく悪いということの原因はもう一つあるんじゃないか、それはいまの郵政省の奨励の方針を現場で見ておると、料額の高いものを取れ、こういう非常に強い要請があるようです。ですからどうしても料額の高いものを取るという傾向になっておる。それから各郵政局ごとの競争が非常に強い。いわゆる煙突式にグラフでいくわけですが、郵政局ごとの競争で一位だ、二位だといっていつもやっておる。そのことで、管内の普通局ごととか特定局ごととか、ブロック別というような競争意欲に非常にかられて、とにかく料額の高いものを取って目標さえ達成すればいいんだというような、そういう点が件数の伸びが悪い原因の大きな要素を占めておるのじゃないか、私は現場を回ってみてそのように感じました。こういう点は、特に郵政省としてこれから先の奨励方針の中である程度考えていただかないと、そのことによって不良な募集をしてみたり、インチキなことを言って、とにかく成績さえあげればいいんだというようなこと、そのことが失効解約につながったり、簡易保険の信用を失墜したり、そういうことにつながるのではないだろうかというようなことを考えております。 それから、今回の提案の中で百五十万円が二百万円になったわけでありますけれども、民間との対抗上、こういうことではとても及びもつかない、少なくとも最高限額というものは五百万円ぐらいまで持っていかなければとても民間とは太刀打ちができないじゃないかというような気持ちを持っておるのでありますが、今回二百万円にされたその根拠といいますか、いろいろ抵抗があることはよく承知いたしますが、少なくとも五百万円ぐらいのところまで持っていく、そういう決意が郵政省にあるのか、これをひとつお伺いしたい。
○竹下政府委員 まず限度額の問題についてお答え申し上げますが、私どもといたしましては、できたらば二百五十万程度にしたかったという気持ちはございます。しかし、しさいに民間の限度額等の中身を見てみますると、民間は二百五十万から二百万の間にさまざまでございます。かつ、加入者のすべてについて二百五十万の契約を取り結んでおるかといいますと、そうではございませんで、年齢差によって非常な制限をしておる、そういう実態でございます。そういう事情も私ども考えましたし、また無審査保険でございますから、ただいまの経済情勢、社会情勢のもとにおいては二百万というのはいいところではなかろうか、五百万というと、無審査保険ですからちょっと経営上問題も出てまいろうかと思います。そういうふうに考えております。 それから、件数の増をもっとはかるべきではないか、ただいまの募集の重点は高額契約ということに置かれておるようだが、これは件数をふやすという方向に募集の重点を置くべきではなかろうかという御指摘に対しましては、そのとおりでございまして、その方向でいろいろ苦慮しておるのでございますけれども、非常に奨励上むずかしい面がございまして、長期にして高額の契約を取るということは、先ほど来問題になっておりますように、付加率を高める、経営内容をよくするという意味におきましてたいへんけっこうなことであります。片一方、件数のほうに重点を置きますと、どうしても高額ということを捨てなければならないという点がございます。それともう一つは、件数をあまり申しますと、一本で取れるものを二本なり三本なりに分けるということがありますし、過去においてもそういう苦い経験をしたこともございますので、あれこれ考えまして、非常に募集上苦慮をいたしておるところでございますが、何とかいい考えを出しまして、件数増、つまり未開拓分野の開拓ということにもう少し力こぶを入れてまいらなければならない、かように考えております。
○武部委員 なお、この機会に私は奨励方針について一つ二つ指摘をしておきたいと思いますが、現場の諸君にいろいろ聞いてみると、役員保険、PTA保険、海外保険、いろいろな形のものがやられておる。なぜそういうものが飛んで出てくるかと思っていろいろ調べてみると、これは私の家庭で起きたことを一つ御紹介申し上げますが、この間くにへ帰ってみましたら、しょうゆびんが一本しょうゆ会社から配達をされておりました。これは何だろうと思って聞いてみましたら、これは保険と関係があるのだ。どうして保険の集金としょうゆびんと関係があるのだろうかと思っていろいろ聞いてみますと、集金といいますか、そのしょうゆ会社と特殊な契約を結んで、そうして保険を取ってもらった、そのためにしょうゆびんを一升ずつ——どういう関係でしょうかね、おまけについてくるんですよ。それで、これはまたおもしろいことを始めたなと思って見たわけですが、何のことか、短時間の間でしたからわからないままで帰ったのですが、たとえば、しょうゆびんと保険の加入とどういう関係があるのだろうかということを非常にふしぎに思って外務員の諸君に聞いてみると、とにかくいろいろな形で成績をあげなければならぬ、あの手この手を考えなければならぬというので、これも一つの新しいアイデアである、こういうふうなことを言っておりました。そういうふうに次から次といろいろなことを考えて募集をやっておるんですね。それだけいろいろ苦労がある。それはやはり目標があるからにはそれを達成しなければならぬ、私はこの気持ちもよくわかります。 ただ、私がここで指摘したいことは、その追加目標があるということについてなのであります。たとえば、一〇〇%達成しますと、すぐ一二〇というのが出てくるのです。これはやはりおかしいと思う。年度初頭に一〇〇%の目標額を与えたならば、それが達成されれば、そのあと、もうそれが達成できたから一二〇だ、またそれができたらもう一〇%いけというような、そういうことで、ある管内では一五〇%までいった、うちもひとつがんばって一二〇までいこうじゃないかというような、そういう対抗意欲が非常に強い。そのことが第一線の諸君には非常に重労働になっておる、こういう現実があるのです。これは本省の指示かどうかわかりませんが、現実の姿ですから、ひとつよく御調査なさって、そういうような一たん目標が達成されたならば、次年度についてそれを実績としてまた新しい目標は増加されるわけですから、現場の諸君がそういう過重な苦労をすることのないような配慮をぜひしていただきたい。これをつけ加えておきたいと思います。 そこで、これも先ほどの質問とも関係いたしますが、簡保と民保との正味の保険料について、先ほど局長の答弁を聞いておりますと、配当金について差がある、こういうことをおっしゃったわけですね。この配当金については、大体どのくらいの差があるとお考えになっておるか、これをちょっとお聞かせ願いたい。
○竹下政府委員 民間につきましては、配当は決算で出ましたところの剰余金を毎年配当する、それは保険料から差し引くという形において配当しております。簡易保険は、御承知のように最終配当、確定配当でございまして、配当のやり方が違いますので正確にこれを比べるということは無理がございますが、おおよその見当として見ますると、簡易保険の配当は、民間に比べまして、これは保険の種類、保険期間等によって千差万別でありますけれども、非常に大まかに申しまして一割か二割方は分が悪いのではなかろうかという見当をつけております。
○武部委員 この問題は、これから申し上げることに関係がございますので、これで少し時間をとりたいと思いますが、死差益あるいは費差益については民間とほとんど大差がない、このように理解できると思いますが、これはそのとおり理解してよろしゅうございますか。
○竹下政府委員 はい。
○武部委員 死差益、費差費は民間と大差がないということになると、そこで正味保険料については配当金だ、こういうことになる。この中で私は最も注目すべきことは、この予定利率、これは現行四%ですね。この予定利率と実際上の運用利回りの差、いわゆる利差益が非常に問題だと思うのです。 そこで、利差益の源泉であるところの運用資産の利回り、この問題についてちょっと先ほども触れておられたようでありますけれども、従来から見ると、確かに、少しずつではありますがこの数字は伸びておる、このことは理解ができます。先ほどのお答えによりますと、六分五厘八毛で、これは民間が七分五厘六毛という答弁がございました。しかし、民間の七分五厘六毛という数字はいま非常に落ちた数字だということです。将来、この民間の七分五厘六毛という数字はなお高くなっていくのではないだろうかということが予想されます。これはおそらく郵政省もそう見ておるだろう。ここのところ一、二年どんどん下がっておりますが、これは上がってくることはほぼ確実だろう、こういうふうに見られるのであります。 そこで問題になるのは、運用資産の運用範囲の問題にあろうかと思います。先ほど郵政省の答弁によりますと、財投で長期低利、これが創業の精神からいって簡保の特色だということをおっしゃって、今後もこの線でやりたい。——しかし、このままの形でいくならば、やっぱり相当な利差益の差が配当金の大きな金額になってあらわれ、そのことによって民間の保険と簡易保険との将来の伸びに非常に大きな影響を与えるのではないか、このことを実は憂えるのであります。運用範囲の問題ですが、三十六年ですか、電力債を除くと、運用の点については大体運用部資金と同一に認められたわけですね。そこで問題になりますのは、財政投融資計画に基づく運用しか行なえないとする現行制度そのものでは、融資利率は年大体平均六・五%、六分五厘にとどまらざるを得ないわけですね。そういたしますと、これは不動産や株式、社債、そういうものを対象とする有利運用に大きな制約がある、こういうことになります。さらに、余裕金については、運用部資金法によって資金運用部へ預託が義務づけられておるわけです。これは年額大体二千億くらいになっておるだろうと思います。預託金の年平均利回り率は約五%程度ですね。しかも余裕金は毎年増加の一途をたどっておる。こういうようなやり方で手かせ足かせの低い状態に押えられておる。これは運用範囲が非常に大きな問題だと思うのです。本来、生命保険資産の運用は、安全と確実性を原則にして、そのほか多様性のある預金利あるいは公共性が要請されるものであるということについては、その原則さえ守られれば、特に簡易保険だからといって民保以上に資産運用をことさらきびしく要求される筋合いはないと思うのです。このことが非常に問題だと思うのです。先ほども同僚議員のほうからお話があったのは、運用部資金のことについておそらくいろんなことをおっしゃりたかったろうと思うのです。われわれが指摘したいのは、この営々として募集をし、集めてきたその金が、ただ単に財政投融資ということによって非常に低い金利で他に回されておる。余裕金についてはこのとおり、こういうことであっては、このことによって将来の簡易保険事業というものに非常に大きな影響があるのじゃないか、これを抜本的に何かの方法で改正しない限り、民保と簡保との開きといいますか差といいましょうか、そうしたものを解決することはできぬのではないだろうか。簡保の運用部資金が返ってくるまでの間には非常に長い苦しいあれがあったことは私も承知しております。これが郵政省に返ってくる過程もよく承知しております。簡単に返ったものではない、また、返ってくることについては大きな制約もつけられました。それもよく承知しております。しかし、簡保は国営であって、いま非常に民間とも競合し、さらには外国の保険ともこれから太刀打ちしていかなければならぬ、こういうときには、たとえ時間がかかってもこの問題を解決する以外に方法がないのではないだろうか、こういうふうに私は考えるのであります。 そこで、これは大臣にお伺いをし、大臣の見解をひとつ承りたいのでありますが、金丸委員も指摘をしたように、本来、簡保の資金というものは任意の加入者の保険料を積み立てたものであるから、当然それ自体の目的のために使わなければならぬ、その資金を任意の加入者のために使わなければならぬ、こういう原則を立てなければならぬと私は思うのです。また、当然加入者が直接的に利益を受けるような方面に使ってもらわなければならぬ、このように思うのです。現実は財政投融資活動の重要性で、そちらのほうに回されておる、そうして加入者の直接的な利益とは切り離されておって、きびしい制限をつけられておる、こういうことになるのです。 そこで、以上の点から私はこの問題について三つ、次のような見解を持っておるのでありますが、これについて、ひとつ大臣の見解をお伺いしたいのであります。 その一つは、まず余裕金を積み立て金同様に直接運用ができるようにすべきではないだろうか、これが第一です。第二は、運用範囲の拡大の問題であります。たとえば重要産業で発行される高利回りの社債、そういうものなどの保有率を高めるようにしたらどうだろうか、これが第二であります。第三は、運用計画については財投計画より切り離して完全自主運用ができるようにする。この三つは、少なくとも原則として、将来郵政省としてこのような展望を持って、非常に困難であろうけれども、この運用資金の運用について、この三つの点について郵政省は努力をすべきではないか。特に、大臣はそういう面で大蔵省との折衝もいろいろあろうと思いますが、この三つの点について、もし一つでも解決することができて一歩でも前進するということになるならば、私は将来の簡保の発展のために非常に大きな役割りを果たすのではないだろうか、このように思いますが、ひとつ大臣の見解を承りたいと思います。
○河本国務大臣 三点につきまして完全に実現するということは、簡保が国営であるということ、それから過去の歴史、それから現状の運用状況、こういうような点から、あるいはなかなかむずかしいかもわかりません。しかし、何ぶんにも民間の運用が約八%に回っており、簡保が、先ほどお話しのように、よほどうまくいって、六・五八%である、こういうふうな差があり、しかも、保険の種類が非常に少なくて、金額も額が低く押えられておる、こういうことでは、第一線の諸君に、もっとやれ、こう言ってもなかなか無理でございましょう。そういう点を全部合わせて順次改善していかなければならぬことは当然でございますが、とりあえずお話しのような運用利回りをもっと向上させるということにつきましては私も賛成でございますので、今後関係方面と折衝いたしまして、少しでもうまくいきますようにやってみたい、かように考えます。
○武部委員 それからもう一点だけ、これは局長にお伺いいたしますが、新種保険が一つしか出なかった。これから先の生命保険は死亡保障の強いものになるだろうということはほぼ想像できるのであります。それは掛け捨て保険というようなものが出てくる。そこで、養老保険ですが、私の聞くところでは、アメリカとかカナダとか、そういうところは養老保険というものがほとんど販売ができなくなった、そして料率表から姿を消していきつつある、さらに、こうしたアメリカとかカナダとかいう国では、団体保険とか短期の定期保険というものへの移行が非常に著しい、こういうことを聞くのでありますが、将来の日本の生命保険はこういうようなかっこうに移行するものだろうかどうか、アメリカとかカナダでそういうような具体的な現象が起きておる、こういうことを聞くわけですが、わが国の保険も養老保険から順次こういう形のものに移行していくのだろうか、私はしろうとですから、これはどんなものだろうかということをひとつお伺いしてみたいと思います。
○竹下政府委員 アメリカやカナダにおきましてはお説のとおりでありまして、養老保険は売れませんで、もっぱら終身保険を販売しております。終身保険、つまり貯蓄でございませんで、万一の場合の保障を求める保険でございます。日本でもだんだん万一の場合の保障に重点を置いた保険が発売されてくると思うのですけれども、また、最近新種保険ブームでございまして、出ております新種保険を見ますと、そういう面を非常に強くうたっておるのでございますが、わが国の場合は、完全にそれだけでいく、つまり保障だけでいくことにつきましては、まだそこまでいっていないように思います。国民の側のニードを見ますと、やはり保障も大事だが貯金もほしいのだという気持ちが相当濃厚に残っておりますから、両方のことを考えながら商品をつくっていくということが必要ではなかろうかと思います。
○武部委員 この郵政審議会の答申の九ページでありますが、「特に、都市における生活の利便を図るため、都市センター、医療センター、幼稚園、保育所など加入者の新しい要望を積極的に取り入れ、その実現を図ることが望ましい。」こういう答申があります。私はこれは第一線の諸君から聞いたのですが、民間の保険会社は、会社に融資をする、その見返りとしてそこの会社の従業員を保険に入れる、こういうことをやってどんどん成績をあげておる、ところがわがほうは、たまたま運用資金の貸し付けがあっても、やれ下水道だ、学校だ、こういうところには確かにあるが、たまたま一本の立て札が立って、これは簡易保険の運用資金で建てた学校でありますとか、あるいは下水道でありますとか、上水道でありますというような札が立っておる、ところが、現実にそのものが直接にその会社なり個人なりというものに影響しない、こういうところから募集が非常にむずかしいのだ、もっと広い意味で貸し出しができぬものだろうかというようなことを常に口にしておるのであります。しかし、それはなかなか困難で、むずかしいことでありますから一がいにできぬにしても、いま私が申し上げたような加入者サービスというような点について、保険というものが身近なところに、保育所にもあるいは幼稚園にもというような形のものに次から次と発展をしていくことが、現場の第一線に働く者にとっては非常にやりやすいのだということを言っておりますが、こういうものについての検討は今後おやりになるかどうか。さらに、その次に「住宅資金貸付など、加入者融資制度の創設についても考究する必要があろう。」こういうことがこの答申の中に盛られております。特に住宅問題は、私が申し上げるまでもなく非常に重要な問題であります。この二つについて非常に強い要望が加入者の中にあるわけですが、郵政省としてどうお考えであるか、お伺いしたい。
○竹下政府委員 加入者に対するサービスですが、先ほど来申し上げましたように、配当について若干歩が悪うございますので、それにかわるべきものといたしまして、簡易保険加入者のためのセンター、ホーム、診療所、最近では青少年向けのスポーツセンターを現在つくっておりますけれども、そういった面の加入者のための保養施設というものを今後とも拡充してまいりたい、その方向に変わりございません。 それともう一つは、加入者に対してお金を貸すことができないかというお話がございましたが、加入者に対する貸し付け制度というのを簡易保険は古くからやっておりまして、還付金の範囲内で個人に対してお金を融資するということをやっておりまして、これはもう相当広範囲の人がこの制度を活用しております。 それからもう一つ、これは民間保険にないことでございますが、団体貸し付けという制度を開いておりまして、団体に対して、これは還付金を少し上回りました金額、かなり高額な金額になるのですが、それを貸し付けるといったこと、これは民間保険が実はやろうと思ってもできないことでございまして、そういう面について私どもは力を注いできておる次第でございます。 それから、お話がございました住宅建設資金を貸し付けたらどうかということでございますが、これにつきましてはいろいろと検討をしておるのでございますけれども、やりたいところでございますが、実際これを実行するということになりまするといろいろむずかしい問題がございます。一種の金貸し業でございますから、建設資金を貸した以上は、この債権を保全するために抵当権を設定しなければいけないということ、それから確実に償還をしなければいけないということ、また、貸し付け事務にいたしましても非常にむずかしい仕事でありまして、郵便局でもってそういうことをやることはなかなかむずかしい面もございますしいたしますので、趣旨は非常によろしく、やりたいところでございますけれども、そういった実行面においていろいろと困難な問題にぶつかっておりまして、それ以上進捗していないところでございますが、なおこの問題につきましては、今後とも十分検討してまいりたいと思います。
○武部委員 それでは、新しい保険の問題ですが、今回一つだけはお出しになったわけです。私が前回申し上げたように、一つになった理由についてはいろいろお述べになりましたけれども、あの際のあの答弁では納得できぬわけでありますが、それはそれとして、九月からですからもう新しい保険はできっこないわけですが、問題は来年度です。出されました六つの中で今回一つおやりになったわけですが、来年度学資保険その他についてこれを検討をし、新しい保険として出す用意があるか、お出しになる決意があるか。学資保険その他について私の承知するところでは、学資保険ですか、もう一つ考えておられたようですね。それも準備ができるとかできぬとかでおやめになった。来年は一体どういうお考えを持っておられるのか、それをちょっとお伺いしたい。
○竹下政府委員 学資保険につきましては、諸般の事情で本年度の実施を見送りましたが、これは来年度において実施する、こういう含みでおります。それから、傷害保険と非常に性質が似ておりますものに疾病保険というのがございますが、これはけがをするか病気をするかという違いだけでありまして、医者の治療を受けたり入院したりするということは非常に似ておる保険でございますから、傷害保険を実施に移して、これが軌道に乗ってうまくこの仕事ができるという自信を得ました上は疾病保険のほうに移るべきではないか、かように考えております。
○武部委員 それでは、最後に傷害特約について一、二点伺いますが、この傷害特約は、言うまでもなくかけ捨てですから、普通の保険と違って貯蓄性がないということになりますね。その場合には資金的にはどうなるんですか。
○竹下政府委員 御指摘のように、貯蓄性を考えておりませんから、入りました保険料でもってその年の支払いに充てる、大体収入収支がひとしくなるようにいろいろな統計から保険料を算出しております。ですから、次年度以降に残る資金というものを考えておりません。
○武部委員 そうすると、大体収支とんとんでこれはいく、ですから、初年度は大体貯蓄性はいま言ったようにないわけですね。とんとんでいくというふうにお考えですか。
○竹下政府委員 そのとおりでございます。
○武部委員 非常に傷害率は不安定だと思うのです。交通事故はどんどんふえて、去年よりも二十日も早く、何ですか、きのう死者が五千人にもなったということですから、そういうこともあって、不安定な中にどんどん増加しつつある、こういう状況ですから、資金的には非常に問題があると私は思うのです。しかし、いまから予想はできないわけですから、結果を見て考えなければならぬ、こう思うわけですからこれ以上申し上げません。 そこで、傷害特約ということになっているわけですが、特約というものについてはずっと続けるつもりですか。
○竹下政府委員 この傷害保険につきましては、特約方式でいくかあるいは単独方式でいくか、二つの方法があると思います。私ども、両者につきまして十分検討いたしました結果、特約方式のほうが郵便局の仕事としてやりやすいということと、保険料が安くつくというような点を考えまして特約方式に踏み切ったわけでございますが、単独方式というものが絶対だめだというわけではございませんで、将来この傷害保険に対する需要が非常に伸びるとか、そういう事情があり、また、仕事をやる側におきましてコンピューターをうまく使ってやれば事務費が安上がりになるとかいったような条件ができますならば、将来は単独ということも考えていいのではなかろうかと思いますが、手初めといたしましては、特約のほうが取っつきやすいというところから特約方式にしたわけでございます。
○武部委員 それでは、この傷害特約の掛け金は大体どのくらいを考えておるか、これをひとつお聞きしたい。
○竹下政府委員 最終的に決定したわけではございませんが、目下のところ、十万円の保険金に対して月額二十円ぐらいではどうであろうかというところで検討を進めております。
○武部委員 民間では大体どういうことでしょう。
○竹下政府委員 十万円に対して三十円程度ではなかろうかと思います。
○武部委員 終わります。
○亀岡委員長代理 中井徳次郎君。
○中井委員 簡易生命保険関係の法案でございますが、一言だけ私はお尋ねをいたしたい。 どういう関係でありまするか、いろいろな政府の都合であるかもしれませんが、傷害保険の金額は、一般の簡易保険の契約をしておりまする人の金額の総計を上回ってはいけない。たとえば二十万円の生命保険に入っていますと傷害保険の額は二十万円以下である、これがどうも私にはよくわからない。はっきり言いますと、あまり非現実的でないか。今日、自動車事故などございまして、それの保険ということになりますると、たいてい二百万円とか百万円とかいうことであります。掛け金も、傷害保険でありまするから、もとより傷害がなければ返すというふうなものじゃなくて掛け捨てでございましょうから、したがって金額も非常に小さいわけです。百円とか二百円とか、そういうことでございまするので、それがたとえ二十万円の保険を掛けている人が百万円申し込んでも二百万円申し込んでも、それは認めるべきではないかというふうに私は考えるわけです。それが、本保険といいまするか、そういうものとの関連にあまりこだわり過ぎて、非常にけっこうなお考えであったが、国民の側から見れば何かだまされたような感じがする。皆さんが計画なさるときに、その辺のところをおそらくいろいろ議論をなすったと思うのですが、どういうことでそんなことになったのであるか、私、率直に政府の見解を伺っておきたいと思うわけです。
○竹下政府委員 ただいま御指摘の点につきましては、私ども十分検討いたしたのでございまして、その結果、やはり特約方式ということにいたしたわけでございますが、それはどういうことかと申しますと、特約方式は、もう御存じのように、百万円の生命保険に入った人について百万円の傷害特約をつけるというわけでございます。したがいまして、二百万円の傷害保険がほしい人は、二百万円の生命保険にまず入っていただかなくてはいけない、これが特約制度の特色といいますか妙味といいますか、そういうものでございますけれども、反面、御指摘がございましたように、二百万円の傷害保険に入るためにその前に二百万円の生命保険に入らなくてはいけない、つまり、保険を抱き合わせで買わなくてはいけないという点は、確かにちょっとぎくしゃくするところはあろうかと思います。しかし、かりに傷害保険に対するニードだけを私どもが取り入れましてそういう方向で動くといたしますると、これは早い話が、十万円の生命保険に入りまして二百万円の傷害特約をつけてもいいじゃないかということになると思います。あるいは、さらに話が少し飛躍をいたしまして、特約制度でなくして、むしろもう単独にしまして、生命保険と縁を切りまして、傷害保険だけを単独に発売したらいいじゃないか、こういうことに話が発展してくるだろうと思うのです。かりにそうなりました場合、十万円の生命保険で二百万円の傷害特約、あるいは百五十万の傷害特約という制度の道を開きますると、これは大ぜいの人が十万円の生命保険で二百万円あるいは五十万円の傷害特約というその契約に殺到してくると思いますし、それも、先ほど申しましたように、十万円について二十円という低廉な保険料でやっておりますると、年齢的に見まして、あるいは職業という点から見まして、非常に傷害の発生の可能性の強い年齢層の人あるいは職業の人が殺到してくるということになると思います。そういうことは、私どもが特約方式で考えておりまする予定の線をうんとはずれるわけでございまして、かりにそういう方式をとりますると、これは保険の上におきまする逆選択という現象が起きてくるわけでございまして、保険経営の上で行き詰まりがくる、収入に対しまして支払いがうんとかさみまして収支のバランスがくずれる、こういうことになりまして、特約方式をくずさなければいけない、そうなりました場合には、むしろいっそのこと単独方式にやるべきではなかろうかという結論になりますので、この際は、単独方式でやる方法ももちろんございますけれども、初めて手がけるやっかいな保険でありますので、当分特約方式という、郵便局として取り組みやすい、また加入者の方々も理解がつきやすい——と申しますことは、生命保険と一心同体に扱いますから御理解がいきやすいと思うのですが、まず手始めとしてやりやすい保険をやったらどうか、こういう趣旨で特約方式を採用しよう、こういうことにしたわけでございます。
○中井委員 いまのお話を伺いますと、そうしますと、将来は特約をはずして単独でやるというお気持ちはおありですか。それがおありなら、いつごろからそれを始められるか、ちょっとその点、伺っておきたい。
○竹下政府委員 これは、まず特約方式のものを始めまして、軌道に乗せまして、その上で利用者の方々の保険に対する需要動向等をもう少し当たりまして、そしてきめたい、そのためには二、三年くらいこの特約方式の成り行きを見る必要があるのではないか、かように考えています。
○中井委員 特約方式を二、三年続けるとしましても、その途中において、簡易生命保険は五十万円、傷害保険は百万円、二百万円、ちっともかまわぬと私は思うのです。それからあとは、まあ保険が十万円で月に二十円ですか、一年二百四十円、百万円ならば二千四百円、二百万円なら四千八百円、こういうことでありまして、それは万一赤字になったときには、額としてはふえるかもしれぬけれども、危険の率というものは同じです。それから、今度の改正案によれば、十八条か何かで、そういう保険料率を改めるときには今度は政令でやるのでしょう。それは途中で政令を改めたらいいわけであって、そういう問題についてあなた方が石橋をたたくのはいいけれども、たたいて少ししか歩かぬというようなことでは——私はあなた方の思いつきは非常にけっこうだと思うのですよ。とにかく傷害保険に入り込むというのは非常にすばらしいことであるから、私は国会議員の一人として応援をしたい。その場合に、そういうけちなことではいけない。なぜもっと、倍までいいとか二百万円までいいとかいう形のものをつくらないのか。今日、傷害が起こったときにそんなわずかな金は役に立ちませんからね。このごろ裁判ざたや何かになっております自動車事故や何かでは千万円をこえるよう損害賠償判決なども続々出ておる今日でありますし、それからまた、二十円などということになりますと、百万円で二百円ですから、そのくらいの負担力は家庭の主婦でも何でも持っておると私は思いまするので、その点は思い切ってそのワクをはずしたらどうだというふうに考えるわけです。 これについて、私は、民間の保険会社あたりから、そういうものは非常に困る、民営圧迫であるというふうな声が出たので、あなた方のほうで、それなら少し遠慮をしておこうか、少し実績を見てからやろうかというふうになったのではないかと勘ぐっておったわけですが、その辺の動きはどうでございますか。大蔵省との関係はどうでございましょうか、伺っておきます。
○竹下政府委員 傷害保険を単独方式でやるといたしますと、これは完全に損害保険でございまして、かりに簡易保険のほうでそういう方向に動くといたしますると、相当抵抗の強いものが出てくるということは予想されます。しかし、私どもはそういうことを全然考えないわけではないのでございますが、先ほど申し上げましたように、どちらがやりやすいかということ、それからまた、単独方式でいきますると需要の動向の把握が非常にむずかしい、どれだけ売れるものか、非常に膨大なる需要が出るのか、案に相違してさほどでもないのか、そのほうの見きわめがたいへんむずかしいわけです。特約方式でいきますと、その点、毎年販売しております簡易生命保険の発売状況というものはよくわかっておりますし、そのうちの何割程度のものは傷害特約がつくだろうという需要の予測がつく、それに対してあの手この手の準備が進められるわけでございまして、そういうこともからみまして保険料も安上がりにできる、こういう両者の経済的な比較、そういったものも十分突き詰めまして特約方式に踏み切った次第でございます。
○中井委員 私は、いまあなたが答弁なさっておることを、それがよくないなんて言っているのじゃないので、さらに前進をする案を立てたのか立てなかったのか、そうして、どうしていまのようなことになったのか、それから、さらにまた特約制度にしましても、生命保険の契約金額以上に加入者に向かっては傷害保険をかけることができるようになぜしなかったのか、その辺のところ、それからさらに、一年やってみて成績がよければこれをうんと拡大する考えはあるのか。私は、十万円で月二十円というなら、これは宣伝次第でほとんどの加入者は入るのじゃないかというふうな考え方を非常に積極的に持っておるわけです。そういう面から見て、あなた二、三年と言われたが、もっと積極的に、一年やってみて、いいならやる。それからもう一つ、いまあなたの先ほどからの説明の中に、事業の内容によりまして、たとえば自動車の運転手さんとか、いろいろな内容によりまして非常に食われる心配があるというふうなことがございましたが、そういう加入者の業種といいますか、働いておる内容によりましてその金額を変えるような意思は将来あるのかないのか。これは火災保険なんか全部そういうものはありまするから、つけて当然だと思うのですが、いまのように、特殊で十万円とか二十万円とかいっておるから一律というのでしょうけれども、そんなものは非常に煩瑣のように思うけれども決して煩瑣ではない。そんなものは業種の一覧表があって、それによって二十円のものを三十円、四十円と一回取ったら毎月取りに行くのですから非常に簡単で、むずかしいことでも何でもないと思うのです。そういうことでありまするから、どうですか、積極的にぜひこれをやってもらいたいと私は思うので、あなた方の見込みというか、腹組みを聞いておきたいと思うのです。
○竹下政府委員 かりに単独方式あるいはそれに近い方式でやるといいます場合には、いま御指摘がありましたように、十万円について二十円の均一料金ということにはとうていまいりません。これはおっしゃいますように、職業によりまして保険料を三種類ないし五種類くらいに分けて保険料に格差をつけるという、そういう方式が必要になろうかと思います。 参考に民間の単独方式の傷害保険をながめてみますと、職業によって保険料を五段階に分けまして、一般の人たちの保険料に対して、危険な職業に従事する人の最高のものは四倍くらいの高い保険料になっておる、職業の危険の度合いに応じて保険料に格差をつけておる、こういう方式は、必ずそういう方式を採用しなければ保険として成り立っていかないと思いますので、近い将来において単独方式をやります場合には、これは当然そういう方法でいくべきだと考えますし、そのほうの研究も進めてまいりたいと思います。
○中井委員 民間業者からのこの問題に対する意見なり何なり何かあったのでございましょうか、さっき尋ねましたが。
○竹下政府委員 昨年の秋ごろ、これは私どもとしまして傷害保険を実施するための予算要求をする時期でありますが、予算要求をしました時期に相前後しまして、生命保険及び損害保険の協会の代表の方が省に見えられまして、簡易保険が傷害保険の分野に出るということは民業の圧迫につながる、やめてほしいという反対の意見を申してこられたことがございます。
○中井委員 この特殊保険といいますのは、一般の生命保険と勘定は全然別でございましょう。たとえば、赤字になったら一般の生命保険から穴埋めするというようなことはないのでしょう。その辺……。
○竹下政府委員 そのとおりでございます。
○中井委員 それならば、一、二年たって皆さんがおなれになれば、自信がおつきになれば、別に特殊保険にしても独立してもいいわけですね。それから、いまあなたから説明のあったように、五種類ですか、さらにそれは地域の制約もあると思うのですが、保険料金なんかもたくさんの種類をつくりましても、それは初めの決定のときの審査の過程において問題になるだけであって、一たび決定されればそれでずっといくわけですから、郵便局の集金人その他にはちっとも関係ありませんから、これは強く要望しておきます。今日、郵政局ほど手足が十分にあるものはないわけですし、これは大衆のためにも、今日、自動車の災害がことしの一月からこれまでに五千人を突破したというようなたいへんな時期に、私はもっともっと積極的におやりになるように強く要望しておきます。 私の質問はこれで終わります。
○亀岡委員長代理 田代文久君。
○田代委員 いま郵政省が保険の実績をあげるという意図のもとに非常に督励をされておるようなことが方々で起きて、そのために弊害が出ていることを私も知っております。 一例を申しますと、名古屋の郵政局で保険金目当ての殺人未遂事件が起こっておりますね。この事件を郵政省は知っておられるかどうか、そういう報告を受けておられるかどうか、そしてまた、それに対してどういう措置をとっておられるかという点をまずお伺いいたします。
○竹下政府委員 名古屋におきまして保険金詐取を目当てといたしました殺人未遂事件が起きたのであります。これは当初民間保険の保険金であろう、こういうことで当局が調べておりましたところが、その中にやはり簡易保険も入っておった、それもかなり高額の簡易保険が入っておったという報告がございましたので、私どもは名古屋にいろいろと連絡をいたしまして、この契約はどうも感心しない、社会性に反する点が相当大きいということもございますので、契約者のほうへ郵便局の代表者を出向かせまして、この契約はひとつ消滅をするように、そういう方向で処理をいたさせております。 〔亀岡委員長代理退席、委員長着席〕
○田代委員 その原因、こういう事件が起こった原因はどこにあるというふうに政府は分析されておりますか。
○竹下政府委員 私のほうの監察局で十分調査をいたしましたところ、この簡易保険の契約につきましては、この殺人事件には全然関係がない、郵便局の主事がこの契約の担当になっておるのですが、犯罪とは全然関係がない、ただ、私のほうで問題にしておりますることは、社会性が強いということと、この法律できまっております百五十万円という限度額を相当超過しておるものですから、先ほど申しましたように、この契約はこれ以上継続しないようにいたしましょうという一種の示談をいたしまして、それで処理をいたしております。
○田代委員 この殺人事件に直接関係ないというのはわかり切っていることなんです。つまり、そういう超過契約がこのように異常にまで、何千万円に達するまでの超過契約が起こされて、それがこういう事態になった原因はどこにあるかということなんですよ。私たちとしましては、これは明らかに不当に、とにかく政府は実績をあげるために督励をやっているんじゃないかということが聞きたいわけなんです。どうですか、その点は。
○竹下政府委員 超過契約は事業の運営上決して好ましいことではございませんので、平素からそういうことのないように指導いたしております。 また、目標がきついからではないかというお話でございますが、年間目標ですから、やはりその目標をこなすにつきましては現場において相当苦労があることは事実でございますが、そういう超過契約を取ってまで、そういうことまでしなければ目標が達成できないかといいますと、これは全国の実情をながめてみましても決してそういうことはございません。正常なる募集活動を続けることによって十分目標の達成ができるわけでございまして、超過契約を取ったのは、目標を達成するために、追い込まれて現場でやむを得ずやったんではないかということは万々ない、かように考えております。
○田代委員 そうしますと、これは名古屋で起きているわけですが、この超過契約を奨励したという事実は全然ありませんか。
○竹下政府委員 全然ございません。
○田代委員 ございませんとおっしゃいますけれども、実際この事件が起こったときに名古屋の郵政局長と組合とでやった中で、これは事実実績をあげるためにという、そういうことを局長は認めておるのですよ。そうして、今後こういうことが発生しないようにしなければならない、これは当然のことなんですね。それに対して、これは私も実は事件が重大なので調査に行きました。そしたら、こういう事件に対して、今後超過契約はしないようにするのは当然のことであり、それから、現実に起こったことについてはやはりそういう指導がなされているのではないかということについては、とにかく実績をあげて、いまおっしゃった目標達成のための督励が行なわれていることは事実なんですね。ですから、そういうことが現実に客観的に起こる、これを実際に押える方法、チェックする方法がなければならない。ですから私は、名古屋のこの郵便局の関係した局長に、そういうことをなぜチェックできないのかと言ったら、なかなかできませんと言うのです。事実、これはできませんか。超過契約をしてはならぬということになっている。それをする、それをチェックできない。それはできませんか、できますか。
○竹下政府委員 チェックする方法ですが、申し込み書が来ますから、それを見まして、局で保管してあります従来その人が加入しております契約の記号番号を洗いまして、いわゆる名寄せをいたしまして、これが超過契約になるかならないかを一々調べればチェックする方法があるわけでございますが、何ぶんにも日常の受付件数が多いのと、自局で保管しておりまする参考書類が相当分厚いものでございますので、全部の契約について一つ一つこれを対照することは、時間的にもロードの上からいきましてもたいへんむずかしいというのが実情でございます。 それから、先ほどの超過契約のことですが、超過契約をむしろすすめておるというおことばですが、そういうことは全然ございません。かりにときたま起こりますることは、御承知かと思いまするが、簡易保険は一人で幾契約にも入る、つまり追加の形で入る場合が相当あるわけでありまして、新しくまた一本入るというようなことはざらにあるわけでありまして、これを名寄せをしてみますると、うっかりして、やれ十万円、あるいは場合によりましてはやれ五十万円限度額をこしておったということは間々あることでございます。感心したことではございませんが、ときたま出ることがございますが、名古屋のような非常な高額の超過契約ということになりますると、これはレアケースでございます。
○田代委員 そうしますと、名古屋における異常な、何千万円に達するような超過契約が現実においては起きているということですね。あなたのいまの説明によりますと、これは完全にチェックはできない、それかといって野放しというわけでもないということなんですね。これは実際においてはチェックできなければ、百五十万円なら百五十万円の限度をきめておることも意味がなくなるでしょう。事実、そういうことからこういうことになっておるわけですね。しかも、名古屋の場合においては何千万円というような異常なあれが起きている。そうすると、これは結局、私は郵政局の指導なり責任なりを明らかにしなければならないと思うのです。これに対して、本省としては名古屋の当局に対してどのように処置をされたのか。私が現地の名古屋に行きましたところが、むしろ反対に労働者が責められておるのですね。事実です。一方においては、もう少しともかく、年目標を達成しろ、なぜやらないかということをあふりながら、事件が起こったら、君たちはこういうことをするのはけしからぬではないかというような、そういうべらぼうなことをやっている、ここに私は問題があると思うのです。しかも、こういう異常なことが起きているということに対しては、結局、私は政府なり当局が責任をとらなければならないと思うのです。じゃ、とにかくどういう責任をとり、また、その後において名古屋に対してどういう指導をされましたか。
○竹下政府委員 何千万円というお話でしたが、そうでございませんで、五口でもって七百五十万円の契約になっております。 あとの処置につきましては、先ほど来申し上げておりますように、もちろんこれはチェックをするたてまえですから、チェックをしなさい、全部についてできなければ、抽出でもいいからチェックをしなさい、それから、そういうチェックも大事ですが、当務者が、セールスマンが契約を取る、あるいは、それを受けて内務の処理をする内勤の人たちがその超過契約のことについて十分認識を持つことが大事でございまして、その面について一段と今後気をつけるように警告を発したわけでございます。 それから、契約そのものにつきましては、先ほど来申し上げたとおりの方向で処置を進めております。
○田代委員 そうしますと、実際の当局、郵政局長なり保険部長なり、そういう責任者に対しては、まあ、とにかく今後こういうことのないように以後注意しなさいよということを言われたということでおさまっておるわけですね。
○竹下政府委員 地方の郵政局の保険部長を集めまして、たまたまこの事件も出たものですから、超過契約問題については厳重に警告をいたしました。以前、簡易保険の限度額が非常に低いころ、民間保険の限度額に比べましてものすごく低位に押えられておりましたころ、これは終戦直後でございますが、超過契約という事例はかなり多かったわけでございます。しかし、今日百五十万円であり、近い将来においてすぐにも二百万円になろうとしておる今日、限度額というものはもう十分でございまして、これを破るということは、逆に経営をあぶなくする、経営上危険であるというふうにも考えますので、超過契約問題については、今後十分警鐘を打ちますし、そういう方向で指導してまいりたいと思います。
○田代委員 警鐘が鳴るそうですが、しかし、警鐘を鳴らすだけではこれは実際において困ると思うのですよ。もう少しはっきりさしてもらいたいと思うのです。 これとは違いますけれども、実際において、そういう不当な募集なり実績をあげるということは他の面にもあらわれているので質問いたしますが、保険募集の手段として海外旅行会を組織しておるという問題があります。ここにリーフレットがあるのですが、簡易保険海外旅行会というやつを出しておるのです。これは御存じだと思うのですがね。これによりますと、簡易保険海外旅行会がその事務局を郵政局の保険課の中に置いておるということなんですね。そうすると、この組織は任意につくられたものと考えるのですが、これはどういうことなんですか。
○竹下政府委員 最近、海外旅行をやりたいという同好の士が集まりまして、地元の郵便局とよりより話をいたしまして養老保険に入る、しかも団体で入るというやり方が流行しております。それに対して、趣旨もたいへんけっこうなことでございますので、地元の郵政局、郵便局ではできるだけの事務的な御援助をして差し上げておるというのが実情でございまして、そういう意味で、事務局という大げさなものではなかろうと思いますが、世話役はいるんじゃなかろうか、しかし、実際の海外旅行団体の運営は、団体御自身がいろいろな会則であるとか規約みたいなものをつくりまして、保険料を徴収するとかいったようなことを自律的におやりになっておるというのが実態でございます。
○田代委員 事務局の中に局というものがあるかないか、それらしいようなものがあるかもしれないというようなぼやっとしたようなことを言っておられますが、事実これは局にあるんですよ。一人おっても十人おっても、明確にとにかく政府の機関の中に、郵政局の中にそういうものがあるということは現実でしょう。ぼやっとしておるとかなんとかというんじゃないんですよ。それはどうなんです。しかも、これに対して募集に当たっているのは一体だれです。こういうことは大体許されますか。
○竹下政府委員 事務局というほどの大げさなものではございませんで、職員の一人もしくは数人の場合があるかと思いますが、世話役の形でいるわけでございまして、趣旨はたいへんけっこうであるし、業績の伸びにもこれは役に立つということでございますから、できたらばそういう団体が今後ますます盛んになってくるということは望ましいことでありますので、できるだけのことをして差し上げているということだと思います。(「賛成」と呼ぶ者あり)
○田代委員 これは自民党の諸君は賛成されるかもしれませんけれども、おかしいですよ。これは大体この約款の五十三条の団体取り扱いについての脱法行為じゃないですか。とにかく任意にできたこれに対して、実際の郵政省の職員が参加して募集をいろいろやるわけでしょう。これは違法じゃないですか。郵政省自体がみずからこれは非常に好ましいことであるから趣旨に賛成してやっておりますとかいうんだけれども、実際においては、実績をあげるためにこれは指導的にやられておるんでしょう、あなたたちのほうからどんどんこれをやってふやせということで。
○竹下政府委員 たまたま海外旅行団体のことが例にあげられましたが、実は、加入者で払い込み団体を組成してやっておる例は、これはもう数え切れないくらい多いのであります。広島郵政局に私はおったことがございますが、加入総数の約半数強は団体を組成しておるのです。これはもう決して珍しいことでなくして、非常にありふれたことであるし、郵便局の手間も省けるという利点もございまして、私のほうでは、簡易保険としてはそのことをむしろ奨励しておるということであります。海外旅行団体の扱いはそれとは全然別のことをやっているわけでございませんで、それと同じようなことをそれに準じてやっておる、そうして集金であるとか実際の会の活動は、先ほども申し上げましたように、あくまでもその団体を組成しておられる方々が代表者をつくるとか集金人を選んでその人に依頼をするとか、自律的にきちんとけじめをつけてやっておられる、それに対して郵便局側でできるだけのことをお世話申し上げるということでございまして、別に海外旅行団体特有のことでないわけでございます。
○田代委員 そうすると、いわゆる事務局でないとかおっしゃっていましたけれども、そういうのは一体だれが受け持っていますか。
○竹下政府委員 郵便局の保険課の課員だろうと思います。
○田代委員 郵便局の保険課の課員ならば、結局、これは郵便局の局員でしょう。そういうことでしょう。そうすると、大体この会員の中には、規約で会長あるいは幹事を選んだりあるいは懇談会を開くようになっておるのですけれども、これに参加している人が、会長を選んだとか、その名前も知らなければ、規則にある幹事や懇談会など開かれたということも全然知らないというような有名無実な形でどんどん運んでいるということなんですね。これは全くおかしいですよ、こういうことを局自身がやるというようなことは。そしてまた、そういう形で集めてきた金を——これはとにかく一日で全部集まるわけじゃないと思うのですが、この金は大体だれが保管しておるのですか。
○竹下政府委員 ただいまのお話ですと、加入者の人がこの海外旅行団体について承知しておられないというようなお話でございましたけれども、そういうことは全然考えられないわけでありまして、これは郵便局が保険の契約の募集をいたしますときにそこにございますようなリーフレットを見せて、海外旅行の趣旨、そのための方便として簡易保険に入るという趣旨をよく説明いたしまして、納得づくでお入りいただいておる、こういうわけでございます。
○田代委員 金はだれが保管しておるのですか。
○竹下政府委員 それはもちろん加入者の会員の人が払うわけですが、その集金のやり方は、先ほど申しましたように団体組成ができておるわけですから、団体の代表者が一括してこれを集金をいたしまして、それを郵便局側に御持参をいただいて、それを保険料として郵便局側に収納をする、こういう方式になっております。
○田代委員 集金した金が全部集まるまで保険課長もしくは代理が保管しておるということを聞いているのですが、その点はどうですか。そうして、その保険金があるために、流用とか不正とかというようなことが実際起こっておると聞いておるのですが、ほんとうに保険課で保管しておるのかおらないのか、その点をひとつはっきりしてください。これは保険課長なりあるいは代理人がこれを保管しておるということなんですが、その点を御答弁願います。
○竹下政府委員 郵便局のただいまのような実際の取り扱いの詳細につきましては私は存じませんが、団体組成をしておりますので、団体の全員の保険料が集まるまで、ごく短時間保管をするということは考えられます。もちろん保険課長あるいは主事といった責任のある者がごく短時間——一時、収納の手続をしないでごく短時間預かるということは、これは予想はつくわけでございます。
○田代委員 短時間短時間とおっしゃいますけれども、大体これはおかしいじゃないですか。二日であろうと三日であろうと十日であろうと、保険課長なり代理がこういう金を保管するということが大体許されますか。こういうところにいろいろの不正が起こるのではないですか。それをどう考えられますか。
○竹下政府委員 ごく短時間であっても保管するということは望ましいことではありませんから、極力成規の納入の手続をとるべきでございますが、ただ、先ほど申しましたように、ごく短時間、責任のある者が、しかも保管する場所は局内の金庫というしっかりしたものに責任を持って預かるということは、日常の仕事の中にはあるいはあることだと思います。
○田代委員 短時間とかなんとかおっしゃるけれども、これはそういう時間の問題じゃないですよ。あなたがそういうように答弁が非常にもたもたしておかしいのは、本質的に矛盾があるからですよ。長時間であろうと短時間であろうと、とにかく一秒であったらいいとか三秒であったらいいとか、そんなばかげたことはあり得ない。本質的にどういう性質の金——大体そういう性質の金をだれが保管すべきか、郵政当局が保管すべき金かどうか、そういう責任を持たねばならぬのかどうか、そういう性格を持っている金だから聞いているのです。それでは答弁にならぬですよ。 時間がないから次に移りますが、三月二十四日に郵政省から全逓労働組合に提出された長期合理化計画というのがあります。これによりますと、第一に長期合理化計画は昭和四十八年末までとなっておるようですが、郵便の自動化による機械の配分、窓口の自動化など、大体四十八年末に一応計画されておるようでありますが、この合理化計画は実際の期間をいつまでと計画しておられるか、その期間をお聞かせ願いたいと思います。
○竹下政府委員 お尋ねの郵便とか貯金の機械化について、機械化が終了する時期はいつかといったようなお尋ねのようでございますが、本日、郵務局長、貯金局長は参っておりませんので答弁はできかねます。 保険につきましては長期合理化計画を進めておるのですが、大体五十年ごろの目標でございますが、全国の地方保険局の契約事務の機械化の完了は目下のところ五十年、これを予定いたしております。
○田代委員 そうすると、この計画によりますと、大体一万四千九百三十人の人員削減が計画されておりますが、これは自然退職とかあるいは勧奨退職、そういう形で行なわれるわけですか。
○溝呂木政府委員 ただいまの御質問によりますと、郵便、貯金、保険、郵政事業全体にわたっての御質問のようでございますが、ただいまそれぞれ所管の局長がおりませんので、その答弁は保留させていただきたいと思います。
○田代委員 これは郵便事業、それから貯金、保険全部ですよ。ですから、かりに保険なら保険だけを見ますと、これはどういう形で処理されますか。
○溝呂木政府委員 実はその問題は、たぶん前に全逓本部との間においていろいろ問題がございまして、郵政省の案として全逓本部のほうにお示しして、いまお互いに検討中の問題でございます。たまたまいま一万何ぼという数字があらわれましたけれども、これもまた今後いろいろ機械化を行なっていく過程において、こういう条件のもとにこういうことをすればこのような減員があるとか、そういった問題を今後お互いに議論していくためのほんとうの素案でございまして、省として確定したものではございませんので本席において確答申し上げることができないわけでございまして、その点御了承願いたいと思います。
○田代委員 とにかく、郵政省自身がみずから出した案じゃありませんか。それが労働組合なんかとの折衝の中において変更されることはありますよ。しかし、省としては、政府としてはこういう理由によってこうなんだからこうなっておる、そのことから一万数千人、こうなるわけですよ。ですから、その結論がどうとかこうとかということでなくて、こういうことを出している根拠は何なのか、また、それをどういう形でやるのか、こういうことを聞いておるわけです。結論についてわれわれがかれこれ言っているわけじゃないのです。なお、これだけでなくて、自動化による電通の事業の合理化、これで約二万九千人、それから日曜配達の廃止というようなことで約五千人、これらを合わせますと大体五万人くらいの人員がとにかく余るという政府の計算になるのですが、大体五万人の合理化が将来行なわれる、そういうつもりでおられるかどうか、これをひとつ御答弁願いたい。
○溝呂木政府委員 先ほど申し上げましたように、ただいま全逓本部との間でいろいろ事業の合理化を進めていく問題について話し合っている最中でございます。その考え方の一つの案として事務当局でいろいろの面から計算を一応してみた数字だと思います。したがいまして、今後いろいろそれを検討した上で、正式には郵政省の案というものはまだその先になってから確定されるものと思います。したがいまして、一応それぞれの事務当局におきましていろいろ計算をしてみました一つの仮定の数字というふうにお含み願いたいと思うわけでございます。
○田代委員 時間をせき立てられますからやめますが、保険局にEDPSを導入してメイン・サブ・システムを採用し、現在ある七つの保険局を二つのメイン局と五つのサブ局に分けるという基本方針が昨年の二月、保険局の局会議で決定されておる。これは「展望」にちゃんと書いてありますね。また、全国二十八の貯金局を同様に四つか五つに統廃合する、このことは当該地方自治体が反対決議を行なっておることから見ても明らかなんですが、この統廃合される保険局、貯金局というのはどことどこを考えておられるか、また、この統合によって労働者の配置転換はされるのかどうか、そういう点をひとつお聞きしたいと思います。
○溝呂木政府委員 ただいまの御質問も、先ほど私が御説明いたしましたように、現在全逓本部との間でいろいろ議論をしている過程でございます。しかも、その中には地方貯金局を幾つ統合するとか、そういうものは出ていないはずでございます。また、省としても現在二十八ある地方貯金局を幾つに統合するかということはきめておりません。これはいろいろ機械化をしていくその過程においてどのように統合したらいいかということを検討することになっておりまして、具体的な計画をまだ省として正式にはきめてございません。
○田代委員 具体的にはきめていないというお話ですけれども、少なくともこういう計画を出すことについては、およそこれくらいの局は統廃合するんだ、幾つにするんだ、こういう腹案なるものはありはしませんか。全然ないのですか。
○溝呂木政府委員 もちろん、機械化を考えていく上においては、どの程度の機構が一番合理的であるかということはいろいろ検討しております。したがって、いろいろの検討の案が事務的に出たことは事実でございますが、いま省としてこうだと申し上げるほどの段階に至っていない、こういうことでございます。したがいまして、いろいろ討議している過程においては、いろいろの数字が出たことは事実でございます。しかし、ただいま申し上げましたように、省としてどのようにといった具体的な計画はいま持ち合わせておらないのが実情であります。
○田代委員 終わります。
○井原委員長 次回は明八日開会することとし、本日はこれにて散会いたします。 午後四時四十六分散会