逓信委員会 第15号
- 発言数
- 136 件
- 登壇者
- 14 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1969/04/17
会議録
○井原委員長 これより会議を開きます。 簡易生命保険法の一部を改正する法律案を議題とし、質疑に入ります。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。水野清君。
○水野委員 最初に、私は、簡易保険の持っておりますわが国における経済的な社会的な立場あるいは使命というものについて、二つのサイドから郵政当局にお考えを聞きたいわけです。 その一つのサイドは、簡易保険が持っております簡易保険と民間保険というもののあり方といいますか、どういうふうに調和をとってやるかというようなことを一つ伺いたい。それからもう一つは、簡易保険というものが財政投融資の原資として相当大きなウェートを持っておるわけなんです。ところが、これは一つの国家的な使命に役立っておるわけでありますけれども、同時に、今度は保険の契約者に対するサービスといいますか、いろいろな面で一体十分にいっているかどうか。いわば極端に、最後の結論めいておりますけれども、簡易保険は財政投融資の原資の働きバチの役ばかりやっているのかどうかということを伺ってみたいと思います。 その第一の問題としまして、簡易保険の民間保険に対する立場というものをひとつ伺っておきたいと思います。 資本の自由化という問題を控えまして、わが国の保険業界も、簡易保険、民間保険を問わず一つの転機に差しかかっている、こういうふうにいわれております。この中で、去る昭和四十三年三月に郵政審議会が答申をした内容があるわけでありますけれども、この内容に、特に特色ある簡易保険とするための方策ということをいっておられます。内容はおわかりだと思いますが、私はこれを読んでみましたが、一言でいうと、簡易保険と民間保険の両方を大いにやれ、国民の需要はまだまだあるというような内容のように見受けられるわけであります。いわば、大いにハッパをかけているというような内容に見受けるわけです。そして、その保険の業種も、このたびの傷害契約条項というものの追加だけでなくて、むしろ傷害保険とか学資保険、疾病保険、団体定期保険、簡易災害保険などというものもこれから大いにやるべきだというふうな内容であるように私は読んだわけであります。当然、こういうふうな積極的な、勇ましい郵政審議会の答申の内容に対して、今度は民間保険の側から相当反対意見が出ております。もちろん、大臣も局長もこの内容は御存じだと思います。 そこで、私はこれから質問の本論に入るわけですが、国の簡易保険というものは、国の信用力をバックにして、全国網の目のごとく張りめぐらされている特定郵便局あるいは郵便局というものの組織を動員してこれから新しい保険制度に取り組もうというわけですけれども、この巨大な力に対して、民間の生命保険あるいは損害保険の業界はかなり脅威をもって見ているわけです。資本の自由化で外国のでかい保険会社が入ってくるかもしれない、国家資本といいますか、国家の行政機構を利用した簡易保険も新しい武器をつけ加える、そういう二つの力に対して、かなりいろいろなことで脅威を感じている。そこで、第一の問題は、特色のある簡易保険ということを郵政審議会でもいっておられまするし、郵政省の方針としてもそれを踏襲しておられるように私は見受けるのですが、特色のある簡易保険というものの内容について、ひとつ簡単に、わかりやすく御説明いただきたいと思います。
○竹下政府委員 簡易保険は、大正五年に創業いたしましてから、小口保険で月掛け集金をやり、無診査でやる、これがつまり簡易保険でございますが、これを国が独占するという形で戦前戦中、ざっと三十年ばかりやってきたわけでございまして、その間は独占でございますから、民間保険がやる分野と国の簡易保険がやる分野とははっきり分かれておりまして、小口、無診査の保険というものは国だけがやるということでございましたから、特色がはっきりしておったわけでございます。ところが、戦後、二十一年の秋になりましてこの国家独占の規定が廃止されましてから、民間保険も簡易保険を営業として開始をしてまいりまして、昨今では簡易保険というものが自分の会社の仕事の大半を占めているようになったということもございまして、国がやります保険と民間の保険とが競合するという面がかなり強く出てきたわけでございます。しかしながら、簡易保険は、やはりそういう事情のために特色が薄くなったということは言えるのでございますけれども、全然特色がなくなったかといえば、そうではありませんで、やはり民間保険の持っていないところの特色を若干は持っております。それを例として申し上げますると、簡易保険は年齢の制限が非常にゆるやかであるということが一点でありまして、民間保険ですと、六歳までは加入ができない、また、これは会社によって若干差がございますけれども、五十五歳以上になりますと加入ができない——これは無診査保険の場合でございますけれども、つまり六歳末満と五十五歳以上ははいれないわけでございますが、簡易保険の場合は零歳からはいれる、また六十五歳まではいれるという点で、年齢制限がきわめてゆるやかでございます。もう一点は、職業による加入の制限の問題がございますが、民間保険では危険な職業を幾つかあげまして、この者は保険にはいれない、あるいは、はいれましても相当制限をいたしておりまして、ある種類の保険にははいれるけれども、ある種類の保険にははいれないとか、保険金額で差をつけるとか、そういう幾つかの制限があるようでございますが、簡易保険におきましては、職業による差別というものを一切いたしていない、これは非常な大きい特色であろうかと思います。そのほか、不慮の事故によって死亡した場合には倍額補償という制度を簡易保険は設けております。それからもう一点は、民間ですと、経営の採算を考えますから、いなかの方面では、やはり採算上の問題がありまして手が届きかねておるという面もあろうかと思いますが、簡易保険は、郵便局組織をフルに活用いたしまして、山村僻地の国民の方々にも保険のサービスを提供するというわけでございまして、そういうところが簡易保険の特色としてあげられるのではなかろうか、かように考えます。
○水野委員 私、この質問の設定を申し上げますが、実は私は、民間保険の立場というものを一〇〇%支持して申し上げているのではない。ただ、いま申し上げたように新しい傷害特約というものが設けられる、さっき言ったように民業を圧迫する、こういう制度を国会で審議するにあたっては、その圧迫される立場からの意見というものを一ぺん洗ってみる必要があるのではないか。郵政当局としてもお洗いになっていろいろ検討されたことだと思いますが、私はもう一度洗えるだけ洗ってみて、それに対する御意見を伺ってみた上で方針を考える必要があるのではないかと思うわけであります。少し長くなりますが、ここに生命保険協会あるいは損害保険協会の反対意見というものがありますので、これに対して簡単にお考えを御説明いただきたいと思うのです。—— 生命保険協会の反対意見というのを私はコピーをとってきたのですが、簡単に申し上げますと、 郵政審議会の答申は、簡易保険の基本的なあり方に関して「中小所得者を対象とし、民保がその経営政策上、手の及び得ない小額保険を、国が低料金かつ簡易な手続きで提供する」という簡易保険創設の趣旨について、戦後独占が廃止され民間生保等と競合関係に立つようになったことと社会保障制度が拡充されてきたことにより創設当初の社会政策的な性格が薄れてきたと否定的な立場をとっており、更に進んでは、「簡易生命保険の枠にとらわれることなく」広い範囲にわたり生活保障のための保険を提供すべきであると判断している。それから第二には、 しかし、簡易保険創設当初の社会政策的使命の趣旨が今日なお変わりないことは去る四一年九月の行政管理庁の勧告においても明らかである。 仮に簡易保険が今後創設当時の社会的使命を失ない、民営企業と全く同一の立場に立つとするならば、大正五年以来五十年に亘って果されてきた簡易保険ほんらいの意義は失なわれるとともに、今回の審議会答申の中心眼目であるはずの「簡易保険の特色」とは一体何を指すのか疑問である。これは先ほど質問をしたとおりのことです。 もし、国の信用力、郵便局組織の利用、租税の免除、国の財政的保証等を指して特色というのであれば、それは創設当時のような社会的使命があってこそ付与されたので、その使命を喪失し民営企業と競合するのであれば、これらの特色も単に民業のもたない特権をもつだけが特色といわざるを得ない。簡易保険が民間事業と対等の基盤の上にたつのなら、まずこれらの特権をすて民営業者と競合すべきである。これはむしろ特権を捨てて、今度は民営企業と同じ土俵の上で競合すべきであるというようなことを言っております。 さらに、これは将来想像されることでありますが、大臣にもお答えいただきたいのですが、たとえば郵政公社の問題がある。郵政公社の内容というものは、郵政当局から明らかにされておりませんけれども、将来、郵政公社ができるとすれば、当然簡易保険もその業務の中に包括されるのではないかということが想像されるわけです。郵便事業だけでは成り立たない。そうすると、郵政公社ができて、傷害特約はもちろんのこと、これから新種保険が簡易保険のもとで行なわれれば、これは明らかに公社対民間の保険会社の対立になってまいります。先ほどの郵政審議会の答申の内容にあるように、社会政策的な意義というものはますます失われていくわけであります。その辺のことについて、大臣は、郵政公社化の内容については固まっていないというお話も聞いておりますけれども、将来の簡易保険の見通しというものを含めて、ちょっとこの生命保険協会の反対意見に対して御意見を承りたいと思います。
○河本国務大臣 郵政公社の問題は、御承知のように、昨年の秋、審議会のほうにお願いをしまして、いま研究をしていただいております。早ければ六月、おそくとも八月ころまでに答申をしていただけるのではないか、かように考えておりますが、前向きの形で検討しているわけでございます。もちろん、かりにこれがスタートするということになりますと、郵政三事業は当然包含されることになろうかと思います。 そこで、お尋ねの簡易保険事業の特色が失われつつあるのではないか、こういう生保側の反対意見でございますが、この点につきましては、先ほど局長がるる申し上げましたように、私は決して失われていないと思うのです。特に、年齢制限の問題、それから職業制限の問題、さらに一番肝心なのば、全国あまねくこの業務をすることができる、仕事をすることができる、この点は民間ではやれないと思うのです。山村僻地には行かない。しかし、わがほうでは、全国あまねく、どんなところでも三万の郵便局を活用いたしまして、全国民を対象として勧誘することができる、こういう点がやっぱり最大の特色として残っておると思います。 それからもう一つ、特にお考えいただきたいことは、先ほど局長が申しておりましたが、昭和二十一年までは独占でやっておりましたが、そのころまでは簡易生命保険の全保険に占めるシェアというものが五割をこえておったという時代もあったわけでございますが、いまでは、民間に開放されました結果、わずかにそのシェアが一割足らずということを考えますと、私は、民間生保の反対意見というものは当たらない、こういうことを痛感をいたしておるわけでございます。
○水野委員 これはお答えいただかなくてもけっこうですが、さっき申し上げましたように、郵政公社をつくるかつくらないか、これはえらい大問題であります。もしつくるという際にこの簡易保険をどう扱うかということは、今回の傷害特約の問題以上に重要な問題だと私は思います。その際には、ひとつこれは相当民間企業の意見というものを取り入れて慎重にやっていただきたい。今回の際はさほどの影響はないというふうにも聞いておりますれけども、公社ということになれば、これはやはり企業利益追求をやらなければいけないわけであります。利益追求をやる際には、それぞれいろいろな新しい手も考えなきゃいけない。いま大臣のおっしゃったように、全国あまねくある郵便局がやるのが、うらはらにいえば、また国家権力を背景にした保険業務というので脅威になるわけです。六歳以下でもはいれるということでいろいろな面もありますが、逆に言うと、それがまた一つの魅力であって、はいりやすいから脅威だということもいえるわけです。その辺はひとつ十分お考えいただきたいと思います。 もう一つ、今度は損害保険関係の損保協会の反対意見というものがありますので、これもひとつ一ぺん郵政当局にお答えをいただきたいと思います。簡単に読んでみますと、 損保協会は、まず、「簡易保険制度が郵政審議会の答申に基づき、傷害保険、災害保険等の実施を計画しているが、このような計画は、国営保険本来のあり方から明らかに逸脱するものであるとともに、民営損害保険事業を著しく圧迫するものとして、全面的反対。ということを書いて、次の理由を述べております。反対意見の第一は、 自由主義、資本主義体制を基本としているわが国においては、保険事業は民営を原則とすべきであり、国営保険は、社会政策ないし経済政策上その必要性が認められるにもかかわらず民営保険としては成立しがたい分野ないし民営保険のみでは引き受け困難な分野、すなわち民営保険の補完的範囲に限られるべきことは一般に認められている。 たとえば、大正五年に簡易保険が創設されたのも、「経営上民営保険の及ばないところを国で補う」という趣旨からであるが、この趣旨が今日も変わりないことは、去る四十一年九月の行政管理庁の勧告を見ても明らかである。そして国営保険はこのような分野を対象とするからこそ、財政面は国の責任でまかない、租税面でも全く非課税の取り扱いを受け、また簡易生命保険の募集にあたって全国の郵便局組織を利用する等、各種の面で国の特権を利用することが是認されている。 しかるに、郵政審議会の答申において、「わが国の保険の普及は、人的保険も物的保険もまだ十分といえない状態にある点にかんがみ、国営と民営とを問わず、任意保険は事業の特徴を生かし、それぞれの責任と創意により、相ともにその普及につとめるべきである」と述べ、さらに、「一そう新しい生命保険の開発につとめるとともに、さらに損害保険の分野にも進出することが望ましい」旨述べているが、これは明らかに国営事業が既存民営事業の分野に進出して競争をいどもうとするものであり、民営保険の補完的役割という国営保険本来の分野から全く逸脱したものといわざるを得ない。長くなりますので少しはしょりますと、 事業内容を拡大せんとするのは、国の力によって民営事業を圧迫し、これを沈滞衰微させることになるおそれがある。 財政硬直化の是正、財政負担軽減のため行政機構の簡素化が強く要求されているにかかわらず、国営保険が民営保険事業に進出し、行政機構の簡素化どころか膨張化に向かうことは、世論の要望に逆行する措置である。こういうことも言っておるわけです。こういう反対意見が非常に強いということを頭に入れて実施をしていただきたい。お答えはけっこうです。 そこで、次の質問に移りますが、率直にいって、今回の傷害特約制度を実施するのは、簡易保険の立場からいって、どういう理由からこれを実施しようと考えておられるのか。当然、現在行なわれている各種保険制度と組み合わせて今度は特約をやられたわけですが、単独で傷害保険というものを設定される場合も考えられたわけでありますが、この二つの面についてちょっとお答え願いたい。
○竹下政府委員 傷害保険を始めようという動機は、全く国民の側からのこの種の保険に対する要望が非常に強いということを私どもは感じ取ったからでございます。特に交通傷害は、最近の自動車の普及等のために、最近の統計によりますと三十九秒に一人の割合でけが人が出ており、三十九分に一人の割合で死亡者が出ている、こういうふうに交通傷害の事故は激増してきております。それに対しまして、補償する側の内容でございますけれども、これは民間の損害保険もしくは生命保険会社の傷害特約、こういったことでやってきておりますけれども、普及率はきわめて低位でありまして、一昨年私どもがマーケット調査をやりましたときにも普及率は二〇%そこそこであったという数字が出ております。最近は方々でこの種のことを始めましたので、交通傷害保険あるいは共済、こういったものの普及率は少し高まってきておると思うのですけれども、国民が要望しているのに対しまして、これを供給する側の内容がきわめて貧弱である、これはどうしても簡易保険が国民の皆さんの要望を受けてこのサービスを始めなければいけまいということで、この仕事に取りかかったわけでございます。 それから第二番目のお尋ねでございますが、この傷害保険を、私どもは特約方式ということで予定しておりますが、単独方式ということもあるのではなかろうか、その点はどうであるかというお尋ねでございますが、私どもは、特約方式及び単独方式、両方につきましてしさいに比較検討いたしました結果、特約方式のほうに踏み切ったわけでございます。 それはどういうわけかと申しますと、特約方式のほうが利用をされる国民の側からして便利である、これは基本になる生命保険と一緒くたに扱いますから、いろんな事務の簡素化ができるということで、保険に入る人たちは便利であるということが第一の理由で、そういう事務費の重複が避けられるとか手続が簡単になるとかといったようなこともございまして、特約方式でやったほうがコストの点で安上がりになる、つまり、保険料を安くすることができる、こういうことがございまして、このたびは単独方式でなくて特約方式のほうでスタートした、こういう事情でございます。
○水野委員 傷害特約の制度というものは、従来の簡易保険の制度に比べてだいぶ性格が違うわけでありますけれども、本制度の実施によって、今度簡保事業の推進に大体どんな効果を期待しておられるのか、そのことをちょっとお伺いいたします。
○竹下政府委員 先ほど申し上げましたように、傷害保険に対する国民の要望というものは非常に熾烈でございますので、この保険を販売いたしますると、相当加入者が出ると思います。傷害特約は売れると思います。と同時に、これは主たる生命保険と一心同体の形で扱いますから、その関係で、傷害特約も売れますと同時に、主たる生命保険契約のほうもまた伸びる、契約が増加するというふうに私どもは見ております。
○水野委員 局長はいま、国民の要望が非常に強いから、こういう新しい契約方式がつけ加われば非常に便利であると、要望を前置きに置いておっしゃっておられるけれども、これは実は、後ほど御質問申し上げますけれども、本来は、私はこうじゃないかと思うのです。簡易保険も、全国の郵便局の組織を利用して、割り当て制度で局員を使ってかなり努力をしてこられたけれども、だんだんと伸びが鈍化してきた。片っ方では農協の共済保険なんかもあらわれてきた。農協の共済保険では、当然傷害条項とか傷害保険というものを持っているわけであります。簡易保険だけはない。さっきは民保側の意見というものも出ておりましたけれども、民間保険も持っているわけであります。特色のあるということということをいろいろとおっしゃっておられるけれども、はっきり言うと、実は農協系統の共済保険と民間保険と簡易保険と、この三つが一種の競争の立場に立って仕事をしていて、なおかつ鈍化をしてきた、どうしてもここで新しい契約の際に有利な条件を獲得したい、こうしなければ、財政投融資の原資として金を集めてこいという国家的要請にとてもおこたえできないからこういうことをやってきたんだということがほんとうじゃないかというふうに私も考えるわけです。局長としては非常にきれいなお話を表からなすったわけだけれども、国民は喜ぶか喜ばないか、世論調査していないわけだし、かなりむずかしい問題だと思う。国民の契約者の立場からいえば、簡保でなければ——生命保険会社だってこのごろはかなりうるさいほど勧誘に来るわけです。また別に特色のある簡易保険とおっしゃっておられて、全国あまねく、農村のいかなるところにも行っておられるけれども、農村ほど保険会社の勧誘員の多いところはないわけです。そういう意味では、ややお話の内容がきれいごと過ぎるのじゃないかと思うのですが、ひとつ、その辺のほんとうの話を聞かしてもらいたい。
○竹下政府委員 私が申し上げたことも事実でございますけれども、御指摘のとおりに、表向きのことを申し上げたことになったかもしれませんので、ただいまの御説はその裏側のことで、これまたほんとうのことでございましょう。あえて否定しないわけでございます。 正直に申し上げまして、傷害特約を始めませんと、簡易保険というものの商品魅力といいますか、それがやはり少なくなってくる——なってきておるわけでございます。と申しますることは、民間の生命保険会社では、もうすでに四年あるいは五年前からこの傷害特約制度を開始しております。そういうこともございますし、お話しのように、農協等におきましても、生命共済の給付の一部としまして傷害の給付をもうすでに数年前からやっておるし、この四月からは傷害特約というものを単独の商品として、四月一日からもうすでに販売を始めておるという事情もございますし、また、地方の公共団体が、これは保険ではございませんけれども、共済方式で五十万円の傷害保険を、傷害共済ですけれども始めておりまして、その数は六百くらいにもなっておる、やってないのは郵便局の簡易保険だけであるというのが実情でございます。そういうことも勘案いたしまして、これをやらないということは、いわば周囲のものが、そういう種類のものが全部やっているのに郵便局だけやらないということは、郵便局の保険だけが時流に取り残されるということにもなりますので、これは当然やるべきではなかろうか、そういうことを考えたわけでございます。
○水野委員 今度の傷害特約の内容を少し見てみますと、保険料の計算基礎と積み立て金の計算方法を法律からはずしておるわけです。これはどういう理由か。その結果、保険料を郵政省がかってに引き上げたりして、加入者に将来不利益を与えるようなことがあるのじゃないか、そういうおそれがあるわけなんです。ひとつお答えいただきたい。
○竹下政府委員 保険料の計算の基礎は、従来簡易保険法十八条で事こまかに規定がございまして、実は技術的なことを非常にこまかにきめ過ぎておるのでございます。保険料ですから、死亡率ということは非常に大事な要素になってくるのですが、ただいまの法律によりますと、三十五年に厚生省が発表いたしました国勢調査の結果によるところの第十回生命表を採用する、それから同時に、昭和二十五年の国勢調査によって得られました各種の資料を利用いたしまして保険料を算出せよ、こういう規定になっておるわけでございます。今度傷害特約を初めますと、傷害保険料というものもまたつくらなくちゃいけないのでございますが、そのためには、従来のやり方に従いますと、やはり法律を立てなければいけないということになります。傷害につきましては、今度保険料計算に利用する資料というのは、死亡の場合よりも非常に広範な資料というものをさらに必要としてくるということもございまして、交通事故率、交通事故による傷害の発生率、あるいは病院に入院する率といったような各種のデータ、それもホットな、あたたかい資料を必要とするというわけでございまして、これを一つ一つ法律で規定するということは、たいへん技術的なことで煩瑣でございますのと、やはりそのときどきの経済情勢なり社会情勢に適応した資料を有効活用するという立場に立ちますと、どうしてもこれを法律で規定するということについてはいろいろな不都合な点が出てくるというので、これを法律からはずして、郵政大臣の決定事項にしていただきたいというわけでございます。 そのために、それでは、保険料は郵政省の恣意的な扱いになって、加入者に不利益を与えるんではなかろうかという点でございますけれども、そういうことはございませんようにやってまいりたいと思うのでございますが、その方法といたしましては、今度、この事項も決して軽微ではないということを考えまして、郵政審議会におはかりして約款事項として扱うという歯どめをいたしまして、御心配のようなことがございませんようにしてまいりたいというふうに考えております。
○水野委員 最初、この傷害特約の問題で昨年の暮れに予算編成のときに議論になった際は、学資保険の問題も出てきたわけでございます。学資保険を創設するという計画は、郵政事務当局としては進めておられるというふうに聞いてもおりますが、今度の改正からはずされたというのはどういうわけか。表側のお話もけっこうでございますが、ほんとうの話をしてもらえればまことに参考になると思うのでございますが……。
○竹下政府委員 この予算要求といたしましては、傷害保険と学資保険と二つを要求として出しましたことは事実でございますが、その後、いろいろ関係方面とも打ち合わせ、検討をいたしました結果、このたびは傷害保険だけにしよう、学資保険のほうは次年度以降において実施する——やらないというわけではございませんで、実施の時期をちょっとずらすということに落ちついたわけでございます。 私どもといたしましても、いろいろ検討いたしました結果、傷害特約の実施ということ、これは従来の保険と性格がかなり違ったものでございまして、保険の内容も複雑であるし、取り扱いもやはり複雑になるというようなことで、郵便局に相当勉強してもらわなくちゃいけない、そのために相当の準備期間、勉強の期間が要るというようなことも考えまして、実施を九月に延ばすというようなこともそういう方向で考えておるわけでございますが、傷害保険の一つの実施も相当むずかしい、至って大作業であるということも考えまして、このたびはこれ一本でいこう、学資保険は、やはり同時にやるということにつきましては無理がある、やってやれないことはないのでありますけれども、やはり無理があるからこれを次回に送ろう、そういうふうに最終的に決定をしたわけでございまして、これは表の話でございますが、裏の話は、実はそうないわけでございます。
○水野委員 最近における簡保資金の増加状況と融資の状況をちょっと御説明をいただきたい。
○竹下政府委員 この簡易保険の業績はおかげさまでたいへん順調に伸びておるという事情を反映いたしまして、資金の伸びもたいへん順調でございまして、四十四年度は三千二百億円というものを財政投融資の原資として拠出いたしたわけでございますが、これは前年度の二千六百六十億円に比べますと約五百億円ばかり伸びております。ここ四、五年のカーブを見ますと、毎年五百億円程度のものが新しく増加して財政投融資のほうへ振り向けられておるということでございまして、たいへん資金の伸びは順調でございます。 ただいまの資金総額は、ざっと見まして一兆八千億円に達しておりますが、それはどういう方向へ向かっておるかと申しますると、その中の大体四割に相当するものが、その額およそ六千三百億円でございますが、地方の公共団体へいっております。それから国鉄をはじめ各種の公庫、公団、つまり政府関係機関に対しまして五割五分、八千五百億円程度のものが振り向けられておりまして、大部分が財政投融資の原資といたしまして、公共のため、社会開発の方向へお役に立っておる、こういうわけでございます。
○水野委員 ところで、先ほど冒頭に申し上げましたように、この簡易保険の日本の経済、社会、要するにわが国の経済的な面と社会的な面と二つあるわけですが、先ほどからその一つのサイドとして民間保険の立場からいろいろな反論をお伺いしたのですが、今度はひとつ、簡易保険が財政投融資の原資として大きな財源になっておる、大体四十四年度も財投原資の見込みは三兆七百七十億円のうち三千二百億円の簡保資金が見込まれているわけですね。約一割強であります。これだけ大いに簡保関係の全国の郵便局員を動員して、相当無理な勧誘方法もしておられるように私は思います。私自身が相当無理な勧誘を受けますからね。働くだけ働け——働きバチの仕事は大いに郵政省はやっておられるわけなんですが、一方、契約者のサービス面のほうもひとつ考えてもらいたいということなんであります。 〔委員長退席、加藤(六)委員長代理着席〕 そういう立場から少し御質問したいわけですが、簡保資金が財政投融資の原資として大きな役割りを果たしているということは周知のとおりである。しかしながら、財政投融資の制約が非常に強いため、加入者の利益が阻害されているという矛盾が大いにある。年々簡保資金の増加が著しいという現状の中で、ある程度の資金は財政投融資のワク外運用を行ない、加入者利益の増進に充てるべきだと考えられているわけです。当然であります。 本来、簡保資金の運用は、有利性と公共性の両面に立って行なわれるべきものであるということが、かねがねいろいろなことでいわれているわけなんですが、このような問題を含んでいる運用制度の改善について、これは局長からお話をいただくと同時に、大臣から、ひとつ今後の郵政省における施政方針としてお考えを承りたいと思います。
○河本国務大臣 ただいま簡易保険の特色として、公共性があると同時に、条件も有利でなければならぬ、こういう強い御指摘がございましたが、私も全くそのとおりだと思います。保険料を安くして、同時に配当を多くする、当然やらなければならぬことでございますが、先ほど局長から申し上げましたように、その資金の全部が財投に回されておるわけでございます。したがって、これをいかに有利に回すかということが、契約条件をよくし得る力になるわけでございまして、ただいまは大体二兆円近いものを六分五厘くらいに回しておりますが、これを何とか七分くらいに回したい、こういうことで、いまいろいろと大蔵省と折衝しておるところでございます。
○水野委員 きょうは大蔵省は来ていないのですが、どうも大蔵省というところは、逆にいうと、郵政省は大蔵省に使われているだけじゃないかという観念は、私は郵政業務全部を見て非常にそう思うわけです。これは大臣、大いにハッスルをしていただいて、何も大蔵省の財投の原資を集めるための簡易保険じゃない、この点はひとつ新しい方針をお示しいただきたいと思うわけです。 私の質問は大体この辺でやめますが、簡易保険の持っております先ほどの民業圧迫という声もよく耳に入れていただいて、また同時に、運営にあたっては慎重を期していただきたい。また、働きバチだけじゃなくて、郵政省自身も、一生懸命働いて金を集めているのでありますから、片一方で大蔵省に言うべきことはもう少しおっしゃって、いろいろな契約者に対するサービスも十分考えていただきたい。ひとつ両面から、この簡易保険事業の運用の適正と同時に、本来の使命というものを考えていただいて、今後のこの改正にあたって省内の関係者の考え方を一新していただきたい。最後は私の要望でありますが、以上をもって質問を終わります。
○加藤(六)委員長代理 島本虎三君
○島本委員 上程されております簡易生命保険法の一部を改正する法律案につきまして、本来これに挺身すべき現場労働者に対する不当労働行為に対して、事業遂行上重大なる支障があることをおもんばかりまして、次に質問を展開せんとするものであります。 まず、大臣にお伺いしておきたいと思いますが、公式の場合に公式の発言を前大臣がした場合は、現大臣は当然責任を持つものでなければならない、こう思います。きわめて常識的なことですが、河本郵政大臣、こういうように私は信じておりますが、よろしゅうございますか。
○河本国務大臣 間違っていないことであれば、当然継承すべきものだと思います。
○島本委員 山本人事局長もおられますが、昭和四十一年五月二十四日付で郵人管九〇号が出されました。これは残念ながら札幌郵政局では、ある期間の間握りつぶされたという事態があった。そのことはまことに残念なんですけれども、局長、こういうようなことがありましたか。
○山本(博)政府委員 握りつぶしたという表現でございますが、文書の伝達という形では各地方の郵便局にはいたしておりませんでしたけれども、各会合あるいはいろいろな研究会、そういうものを通じて趣旨の徹底ははかっておるというふうに承知しております。
○島本委員 昭和四十一年五月二十四日に出されたものが、そういうような趣旨の徹底をはかったといいながら、昭和四十三年三月二十五日に再び人管第二七六二号ということで出して示達してあるわけです。完全にやっていたならば、再びこう出す必要はないのです。やっていないから出したのであります。そしてその際に、前大臣は、趣旨の徹底は大事である、各種の会合で徹底させます——昭和四十三年四月五日の衆議院の逓信委員会でそう言明されております。山本人事局長も、不当労働行為をしないよう毎回言っております、憲法に忠実であるべきだし、違反しているような事実はありません——昭和四十三年四月五日の衆議院の逓信委員会で、これもはっきり言っているわけであります。私はこの点をはっきり確認しておいて、指導方針として変更ないものである、こういうように思って次の質問に入りたいのですが、そうでございますね。
○山本(博)政府委員 おっしゃるとおり、間違いございません。
○島本委員 それで、大臣や人事局長の意思と地方の局長の意思とが違ったり、または逆なことをやられた場合、これは行政権を無視されたということになり、指示違反の事実がそこに生じたものである、これは重大であるけれども、こういうような場合は、一体、上司としてはいままではどういうふうにしておりましたか。これは山本局長にお伺いいたしたいと思います。
○山本(博)政府委員 通達の内容がたくさん種類がございますので、単に指導的な意味で出す通達、あるいは、その内容が法律、規則その他、厳密に守らなければ、国民にとっては非常に大きな業務上の迷惑をかける、こういうようなもの、いろいろ種類がございますので、一がいにどれとは申し上げられませんが、本省が通達を出したものは、地方が本来違反すべきはずはないと思います。万が一それに違反したという事実があれば、それは程度の内容によっていろいろな処置があると思います。
○島本委員 よくわかりました。 それで次の質問に移らしてもらいます。 岩手県の大船渡という郵便局がございまして、ここに不当労働行為に類する問題が惹起されました。当委員会においても相当この問題が論議されたことは御存じのとおりでございますけれども、当時の小林郵政大臣は、大臣の直接の使者を派遣して実態を調査させることにする、そして逓信委員会に報告する、このようなことを申されておったわけであります。その後、特使として小林孝繁という人が派遣された、こういうようなことを聞いておるわけであります。その調査の結果が、私は不詳にして知らないうちに長野の人事部長に栄転して現在はおらないということを聞いておるのですけれども、この調査の結果について報告がはっきりございましたでしょうか。
○山本(博)政府委員 ただいまお述べになりましたとおり、小林孝繁君が命を受けて大船渡に行って調査をいたしてまいりました。その調査の報告はございました。
○島本委員 そうすると、その結果の報告が委員会になされた、こういうようなことでございますか。
○山本(博)政府委員 私が国会の議事録をその当時よく調べておきましたが、委員会に報告するということにはなっておらなかったと思います。その結果に基づきまして、大臣の責任においていろいろ措置をなされるというふうに承っております。
○島本委員 その責任ある措置、それはどういうふうにおとりになりましたか。
○山本(博)政府委員 いま一つ一つ調査の報告内容、全部ここに資料を持ってきておりませんけれども、その当時、大船渡の郵便局において労使間にいろいろ紛争がございましたのは事実でございます。その紛争の内容につきまして小林君が調査をいたしました。調査をいたしました結果、個々のいろいろな問題について報告がございました。総合的に官のなすべきことでこれから措置しなければならないと思うことは、これは郵政局を通じましていろいろな措置を行なわせました。たとえば、郵便の配置がえその他の整備というようなことにつきましては、これは郵政局において措置をさせるようにしましたし、あるいは、根本的にいろいろな紛争の内容につきまして、労使間でもっとよく話し合わなければならないという問題もございました。そういう点においても郵政局によく意思疎通をはかるように措置をいたしました。総体的に見まして、個々の問題よりも、この郵便局全体の長い間の経緯が背景にございまして、なかなか労使間の不信というものが解きがたい、そういう全体の問題を少しずつでも手を打って改善していかなければならぬ、個々の問題もさることながら、その背景になっておる全体の問題をだんだんに改善していかなければならないという観点に立ちまして、郵政局にそういう努力をさせるようにさせたわけでございます。 現在におきましては、労使間においても、意思疎通が従来に比べまして比較的順調にいっております。局全体のあり方としましても、正常な状態になっておるというふうに聞いております。
○島本委員 正常化されておるものである。このようなことを聞いて、当時私も事情調査に行った一人として、いまの報告をそのまま受けて、まことに喜ばしいことだと私は思います。こういうふうなことを他の局に再び繰り返さしてはならない。労使間のあの不信行為、こういうようなものは並みたいていじゃなかった、あれでは円満な運行なんか期しても得られるものじゃございません。しかし、いま措置としてなかなかよくなっているということでございまするから、こういうようなことを他のほうに及ぼしてはならない、このことを強く要請しておきたい、こういうように思うわけです。 というのは、今度は札幌郵政局で局長の浅見喜作氏が昭和四十一年に着任して以来、全逓北海道なんかに、いまわれわれが心配したようなこういうような態度でいろいろ施策を進めている、このためには、全逓の労働者の基本的諸権利の著しい制限までも考えておられた、また、全逓の方針に反対する職員を良識者として絶賛しておった、そしてこれを育成するために職場で組織させ、かつ、その拡大をはかっておった、こういうようなことであると、当然組織介入であり、これは重大なことだ、こういうように思っているのですが、この点等についても、再びこういうようなことをしてはならない、先年ですけれども、私も注意しておきましたけれども、その後どういうようになっておりましょうか。
○山本(博)政府委員 北海道において労使間でいろいろ問題があることは承知いたしております。ただ、不当労働行為云々の問題でございますが、不当労働行為の問題が起こったときは、現在、私のほうと労働組合との間でそれをできるだけ自主的に解決するルールというものを二年くらい前からつくりまして、そういう問題があれば、まず本部と本省との間に具体的な事実を提起して、その問題の実態がどうであるかということを調査して、両方で改善すべきことがあれば両方で改善しよう、こういう申し合わせができております。現在のところ、北海道の具体的な事実については、労働組合側から私のほうに問題として提起がございません。
○島本委員 この問題について団体交渉を全然いたしておりませんか。
○山本(博)政府委員 この問題について団体交渉をいたしておりません。
○島本委員 不当労働行為に対するいろいろな解釈があるわけです。公正な団体交渉を阻害する行為、これがいわゆる不当労働行為である、こういうような解釈ももちろんあることは御存じのとおりです。公正な団体交渉を保障するのが団結権で、団結権は当然保障されなければならないはずなのに、この団結権を阻害する行為をやったとすると、当然不当労働行為といえる。この論説は末弘厳太郎博士の説であります。いまと同じようなことがやられているのです。そして、これをどうしても聞かなければ、本省がこういうようなことを見のがすのであれば、これは裁判までいかなければならないのじゃないか。公労委のほうにもうすでにこれが持ち出されているのじゃないか。これをあなたが知らないということになると、これは少し不勉強である。私はこれは残念なんです。しかし、こういうような点については、私のあとでやる田邊誠氏は斯界のオーソリティーですから、もっと徹底的にやってもらいたい、こういうように思います。いまの場合は、こういうような事態がある、しかしあなたが知らないといまおっしゃった。これはまことに重大だと私は思うのであります。そうなれば、私は次から次とこう言わざるを得ないわけでございます。この問題について、やはり全然お知りになりませんか。
○山本(博)政府委員 先ほど私が申し上げましたように、北海道において労使間で紛争があるということは存じております。しかし、その中身が、不当労働行為の問題として、労働組合と私のほうとでつくったルールの上に乗ってきておらないということを申し上げたわけでございます。そういう事実があることは存じております。
○島本委員 これが、いま団体交渉じゃなしに、公労委で事情聴取が行なわれておった、こういうようなことはもう現実の問題ですが、この点についてもまだお知りになりませんか。
○山本(博)政府委員 北海道の地方調停委員会に提訴されております。それにかかっているその内容は、具体的な人事を、発令になったものを撤回するようにということでかかっているということは承知いたしております。
○島本委員 そのことはお知りになっておられるようです。それであるならば、一つ一つその問題について、不当労働行為に類するものが一つ、それから強制配転、これはもう善良なる慣行を無視したものであると思われる点がまず一つ、この二つがもう現実の問題としてあるのです。望ましくないのです。だけれども、やっぱりやらざるを得ないことはまことに残念であります。 と申しますのは、ここで五十四歳になる人で中本幸治郎という事務官がございます。胆振の千歳の郵便局であって、羽田から飛行機で行って北海道へおりるあの局であって、新築されたばかりです。あの新築に対しては、われわれさえも一生懸命になってやった局ですよ。そういうような局に行っている局長が、一生懸命に成績をあげている五十四歳になるこの保険課の外務係の人を今度は郵便課の外務にそのまま移してしまった。そして、その人は十二指腸かいようで通院中の者である。医者から入院さえもすすめられている人である。それでも一生懸命になって保険のほうでは成績をあげておるので、まあ、そっちの方面で一生懸命従事したいという者、これが局長命令によって郵便課の外勤のほうに、これはもうすぐ移しかえられた。これはだれが見ても酷だ、こう言わざるを得ない。もう一人、上田豊治という人がございます。これは二十五歳になる事務官です。これはやはり千歳の局におる貯金課の内務の内勤の人でありますけれども、今度は郵便課のほうに移された。特に、これはほかに希望をする人があるのに、しゃにむにこの人を急遽指名した、こういうようなことのようであります。これではやはり本人は不服であり、また、その本人は何か悪いことをするような人かと思ったら、逆に表彰されておるような人であります。何のために、同意も得ないでこういうようなことを平気でやるようなことを認めておられるのか。それだけじゃございません。いままでの慣行としては、以前いい慣行と思っていた局なんです。ところが、いまの局長の前の局長になってから、昭和四十二年あたりからまことにここがおかしい局になって、こういうようなことが続発するようになってきている。私はこれは善良なる慣行を無視したやり方だと思う。これはもう成績にいい影響を与えるわけはありません。こういうようなことが行なわれておったということはもう御存じでしょうが、これだけじゃないのであります。 東室蘭の野崎鉄雄という四十四歳の事務官であります。この人が昭和四十四年四月一日に貯金課の外務から郵便課の外務に移された。しかし、この人もまた募集成績優秀者であって、四十三年度の実績は、定額で二千三百三十万円、積み立てで五千七百万円、こういうようにして十分に成績をあげ、協力している人なんです。それを何のために郵便の外務へ移さなければならないのか、進んで成績を下げなければならないのか。こういうようなやり方がおかしい。かてて加えて、心臓肥大とぜんそくの持病さえある人なんです。自己のペースでやるとこのようになかなか成績があがる人なんです。年齢的にも郵便の外務に耐えがたいと思われる人なんです。こういうようなことを、何の相談もなしに辞令一本やって、おまえそうしなさいと言うのです。これが善良な慣行でしょうか。同じく小松清という四十五歳になる人、これも同日付ですが、東室蘭局です。この人も保険の外務から郵便の外務に移されております。この人も成績優秀者で局長賞を受けておられる。 どうもそういうような点を見ますと、やっていることがわからぬのです。わかる人ならば話し合ってもわかるはずなんです。何のために局長の権威を誇示するようにして、辞令一本でおまえ行けというようなことをやらなければならないのですか。そういうような実態があったということをお知りにならぬのですか。そういうようなことは、ここだけではありません。まだまだあるんです。もっとひどい例もあるんです。東室蘭に四名あります。帯広に一名あります。紋別に七名あります。それから、再びやらないといった札幌中央郵便局にもまた一件出てきておるんです。 一体、こういうようなことはどう思いますか。私は残念なんです。前に言ったように、これはあなたのほうでは、そのためにはっきり言ってあるんです。この郵人管九〇号の趣旨の徹底は大事であり、各種の会合で徹底させます、こう言っておるんです。前大臣もあなたも、不当労働行為というようなことのないようにということを前から言っておる。これは不当労働行為ではない。しかしながら、この次にくるやつは不当労働行為類似の行為なんです。そういうふうにしてみますと、どうも私どもはわからぬのです。あなたは、そういうふうにしてやりなさい、従業員と話し合いの上でやることは拒否しなさいというふうに言ってあるんですか。どうも私はこういうようなことはわからぬからいま聞くのですが、どうなんですか。
○山本(博)政府委員 一人一人の従業員の個別の人事配転の中身をいろいろ申し上げますと、プライバシーに触れることもありますので、お答えは一般論として申し上げざるを得ないかと思いますが、今回北海道で行ないました人事異動というのは、いまおあげになりました局以外に非常にたくさんの局が定例的に行なった人事の中の一部でございます。 この人事は、その郵便局における過員と欠員の調整あるいは各課相互間の士気の高揚のために、古くなった十年あるいは十五年と同じ職務に従事している人を他の課の人と相互に入れかえる、あるいは、適性からいいまして、そういう方面に必ずしも向いていないと思われる人に新しい仕事をやって、その方面で仕事の勉強をしてもらうというように、いろいろなものさしといいますか、人事を行なうものさしを使って行なったことでありまして、必ずしも北海道だけにあった人事ではございません。全国的に大体そういう方針で行なわれており、また、いまおあげになりました保険、貯金から郵便の外務にかわるということも全国的に相当数行なわれておりますし、北海道におきましても、今回こういうのが異例として行なわれているのではなくて、過去何年間かを見ましても、貯金、保険の外務のほうから郵便のほうに移す、郵便の外務のほうから貯金、保険の外務に移す、あるいは共通部門から郵便部門に移し、あるいは郵便部門から共通部門に移すというように、いろいろなケースがございまして、今回特別にそういう人事をしたというものではございません。一般的な例に従って行なったというふうに理解をいたしております。
○島本委員 そこが問題なのであります。いいようなことばかりあげてよこしておるが、現実の面はまことに見にくい。しかし、文書であげてくるのしか見ないからいいところばかり見ている、これが郵政行政です。それをただ信じ込んでいる。こんなことでは、あなた、今後の郵政事業の運営を的確にすることはできませんよ。直接行って調べてきましたか。言っていることとやっていることの違い、自分の目で確かめましたか。郵政大臣でさえも、前小林郵政大臣が特使を派遣してやってきた。その仙台郵政局からくる、またいろいろ官を通じてくる文書さえも的確でなかった、そのために大臣が特使を派遣した、こういうようなことをやっているのに、同じようなことをやったら、あなた、同じその文書を見て的確に行なわれているものと信ずる、能吏というものはそういうものなんでしょうか。私はどうも残念であります。 従来のあり方は、決して無理な問題じゃありません。配置がえの際には、その行く先を明示して了解をとる、これがいままでの長い歴史的なしきたりなんです。しかも、合意の上で行なってきているわけであります。さらに、勤務希望調書、これも本人の希望も家庭事情も付して行なっておったのであります。郵政局は、人事部長段階でこの希望を把握して、希望を充足していく、こういうようなやり方をとっておったのです。ところが、この三月の二十四日を契機にして、当局のほうでは、ただどこどこへ行け、こういうようなことをやって、理由も明示しない。本人の収入、健康、生活環境、こういうようなものを考慮しないで、ただ実施を強行する。これは本人も組合も当惑するのはあたりまえじゃありませんか。その後、はなはだしいのに至っては、仕事をそのまますることができないように机を持ち去って、行かなければ処分をするぞ、こういうようなことを言っているんです。いままでの慣行でりっぱにやってきたのが、今度はもう辞令一枚で、ただどこどこへ行け、こういうようなことをやる、これでうまくいくというように考えられるのは、私ども残念でしょうがありません。その大部分が組合の役員であり、組合の活動家です。 こういうようにしてみますと、やはり不当労働行為のおそれがあるということを考えられませんか。この点いかがでしょう。
○山本(博)政府委員 率直に申し上げまして、人事というのは、非常にたくさんの人間を異動させるのが常でございます。特別の場合は別として、一般的には、こういう機会に行ないます人事というのは、非常にたくさんの人を相手にいたします。したがいまして、すべての人が必ず満足するかどうか、やはり人事というものは、満足する人もあれば、あるいは、多少みずから考えて不満であると思う方もあるだろうと思います。しかし、管理者がこういう人事を行なうときに、これは先ほど申し上げましたように、決して不当労働行為にわたるような配慮を持って人事を行なうということは、これはかねがね強く戒めているところでございまして、人事異動をする際の管理者も、おそらくそういうことには決してたがうようなことはいたしておらないと思いますので、それぞれの責任において、自分の許された権限で行なった人事だと思うのです。 ただ、ただいま御指摘になりましたように、組合の役員その他についての片寄りがあるのではないかというお話がございましたが、私のほうで調べましたのは、この数の中で組合の役員は九名ございます。九名の中で、官庁執務時間、官執勤務から交代制に移った者が五名おります。同時に、交代制勤務のほうから官執勤務に移った者が四名、したがいまして、必ずしも非常に片寄った内容の人事であるというようなことではなくて、それぞれ適当な年数がたった者を往来させているということではないかというふうに理解をいたしました。
○島本委員 じゃ、この問題も調べて知っておられると思いますが、いかがですか。この東室蘭の野崎鉄雄という四十四歳の方、小松清という四十五歳の方、この人も——保険、貯金にいわゆる第二組合ができておる、しかしながら実情は、成績その他、二人にとうてい及ばない。そうして、おまえ成績優秀だから第二組合に入れと再三にわたって勧誘を受けた。それをこの人は断わってきた。ところが配転だ。これは一体何ですか。成績優秀なんですよ。第二組合に入れというのを断わってこうなるんですよ。これは不当労働行為じゃないですか。こういうのは事実を知っていますか。
○山本(博)政府委員 ただいまお話がありました内容につきましては存じておりません。そういうことは、あるべきはずでもないと思いますし、私どものほうで調査いたしておりませんけれども、かねがねの指導からいいまして、そういうことを管理者がしたというふうには信じられないようなことでございます。
○島本委員 信じられないことがあったらどうなりますか。
○山本(博)政府委員 具体的に調べなければ何とも申し上げられませんが、現在においては、私はそういうことはあり得ないと思っております。
○島本委員 あり得ないということは、私はあり得ないほうが望ましいと思いながら、あったから質問しているのです。それだけじゃありません。片岡徳一という三十六歳の赤平局につとめておられる人ですが、この人も、今度は保険の外務から郵便の外務に移された。これも第二組合への勧誘を断わった。ところが、この人は班の会計または組長ということで、成績はぐっと上げている。上げているのだけれども、全逓の方針にまことに忠実な人である。こういうような人が郵便のほうにばんばん移されるのです。特に名前をあげましたから、よく調べてみてください。何のためにこういうようなことをして郵政の成績を下げなければならないのですか。これは優秀な人ですよ。その場所にいたら人の追従を許さないような成績をあげる人ですよ。まことに残念です。まだまだあります。 これはいままで私が言ったので、最近、三月二十四日を契機にして、一片の辞令によって上から申し渡しをする。その以前は、配置がえの際には、行く先を明示したりして了解をとって、そうして合意の上で行なってきておる。これはうまくいっておった、文句も出なかった。今度はそういうようなことを一切抜きにして、そうして、どこどこへ行け、こういうように理由も明示しない。そうして、収入や健康や生活環境、こういうものを一切考慮しない、そうしてそのまま実施させる。急にこれが変わったということがわからない。これは望ましいことでしょうか、望ましくないことでしょうか、いかがです。
○河本国務大臣 個々の問題はさておきまして、私は基本的にこういうふうに考えているのです。つまり、郵政事業に従事する者は三十万以上おる、毎年何回か大幅な人事異動をやるわけです。もちろん、その対象になる何万人かの人たち全部満足いくような配置転換ができればけっこうでございますが、しかし、中には過員、欠員を調整しなければならぬような場合もありましょうし、やはり相当数の方々が不満だ、行きたくない、こういうふうなお考えの方もあろうかと思うのです。しかし、それを全部考慮いたしまして、それじゃ何もやらないということになりますと、郵政事業は進みません。ですから、ある程度の不満な方がありましても、これは全体の仕事の推進のために納得をしていただくというふうにお願いをしなければならぬと思うのでございます。ただし、お話のように、その間、不当労働行為があるというふうなことは、厳に避けなければなりませんし、そういうことをしないようにということはたびたび本省のほうからも通達をいたしまして、徹底しておるはずでございます。
○島本委員 特に東室蘭、札幌中央郵便局、千歳、帯広、赤平、紋別、ここにはいまのような顕著な例があるわけです。札幌中央郵便局を除いて、いままでは全部話し合いによってうまく運営してきているところなんです。それを急に今度辞令一本でどこどこへ行け——いままでうまくやってきているところなのに、こういうふうにしてトラブルを生じさせるような方法に転換した、こういうのは私は望ましくないと思うのです。うまくいっていたならば、うまくいくようにして郵政事業に挺身するように鼓舞激励してやるのが一つのやり方じゃありませんか。こういうようなのに、断層をつくるように、また、官側といわれる人たちは妙に自分がどこかに高くとどまりたいように、また、もう少しやっていくと、第二組合というものがあって、はっきり意に沿うようなことを認めておられる。こういうふうなこと、私どもこう理解されるようなやり方では望ましくないのです。いまの浅見局長はもうすでに転勤が近い。道外異動を目前にしてこういうようなことが頻発してきた。これはやはりみんなに疑われます。去年われわれも調査に行きました。その後はっきり直りました。ところが、こういうふうになってまた出てきている。本省のほうでは、上がってきた文書だけ見ると、いいからこれは何も心配ない。しかし現実、下のほうに行ってみると、とんでもないことになっている。文書一本しか見ていないからこういうことになるのです。これが冷たい職場環境をつくり上げるのです。おそらくはもうこういうようなことはあまりありません。私は山本局長は優秀な人だと思っておるのですが、現場を知らないで、上がってくるものばかりを信ずる。今後このやり方をとるとするならば、これはあなたのために致命的な結果になる。これは労働行政の上から見ても望ましいことではないのです。そういうような点で、私はまことに残念であります。 こういうようなことに対して、私は、少なくとも話し合いに応じてやっていく、病気であったり、また、その場に置いたほうがいいと思われる人は進んで撤回してやったって郵政事業の品位が下がるようなことはないじゃないですか。なぜ円満な職場環境をつくることを逡巡なさるのですか。なぜ官側といわれる人はいばらなければならないのか。郵政というものはそういうことをしなければ今後やれないのですか。そこが残念なんです。山本局長。
○山本(博)政府委員 基本的には、郵政事業というものは、管理者も従業員も全部一体になって国民のために奉仕するというのは、これは当然のことでございまして、その中においていろいろなトラブルがあることは望ましくないことは当然でございます。 ただ、一言申し上げさしていただきたいのは、管理者は管理者なりの責任というものの分野、従業員は従業員として果たすべき分野というものが、やはりおのずからはっきりしておるべきだと思います。したがいまして、具体的な個別的な人事というものをきめるその責任というものは、やはり管理者が最終的に責任を負うべきだと思います。たとえば、いま例にあげられました東室蘭の局なんかにおきまして、過去におきまして、労働組合側の了解を得ないと人事の発令ができない、あるいは、そこの委員長の了解を全部とらなければ具体的な人事が組めない、こういう事例がかつてあった局であります。私は、やはりそういう点においては、それぞれの持つべき責任というものをはっきりした上で、両者が侵してはならない、あるいは、なしてはならない、またお互いが十分意思疎通をしなければならない、そういうルールはちゃんと守って、お互いの責任をそれぞれはっきりとさせてやっていくということが、基本的には一番大事なことじゃないか、そういう意味で、人事の管理につきましてはやはり管理者の責任、しかし、いまおっしゃった点で、抜き打ち的に何らのあいさつもなしということではなくて、やはり事前に十分内命をいたしまして、そのときに十分本人に納得させるという努力は管理者としてすべきだと思います。
○島本委員 そのとおりです。私がいまこれを読んでみますと、前のいい慣行でやっておった。この慣行をこうしていままでやっていたんです。というのは、岩間委員長です。この岩間委員長がこれでいって何もないのに、今度急に辞令一本でどこどこへ行けということになった。三月二十四日を契機にしてこれが強行されている。あなたはいま、全逓の北海道本部の執行委員長の岩間委員長がこういうようなことをするといいんだということに賛成されたのですよ。むちゃじゃないじゃありませんか。この配転の例がたくさんございますが、むしろ、これはもう一回郵政当局で調べて、そしてこれが妥当であるのかないのか、無理であるのかないのか、どうしたらいいのか、これはあなたの目で確かめて、そしてこれを善処するようにしたほうが私はいいと思うのです。あなた自身、これをおやりになる意思がありますか。
○山本(博)政府委員 ちょっと誤解がございましたようですから一言つけ加えさせていただきますが、いま私が申し上げました内容におきまして、個別具体的な人事におきましては、それぞれ本人に前の日なりに十分内示をして、本人を激励して従来の労をねぎらうなどということは管理者として当然すべきだということを申し上げたのでございます。 それから、いまおっしゃった内容につきましては、先ほど申し上げましたように、労働組合との間に不当労働行為問題についての解決のルールというものを設定してございますので、その中で労働組合とよく話をしていきたいと思います。
○島本委員 いいことはいいで、いいんです。労働組合の委員長もそういうことを考えているから、あなたと一致したからといって言い直さなくてもいいのです。いいことはいいのです。こういうようなことから冷酷な職場環境をつくってはならない、こういうふうに思います。現在それが出ているから、こういうようなことは二葉でこれをつめばよろしい。それで、かつては大船渡などに対してはそういうふうな例もある。しかしながらその後直ったということはまことにけっこうです。しかし大臣、まだこういうようなことがあるのですから。いま言った調書がここにあります。はたしてこの配転が私が言ったような状態で処理が行なわれたものかどうか、郵政当局が考えているように、これは妥当に行なわれたものであるかどうか、これはひとつお調べ願いたいと思います。これがもうまさに郵政事業の運営のための根幹をなすことですから、これは考えないといけないと思います。大臣、お調べ願いたいのです。御意思を承りたいと思います。
○河本国務大臣 先ほども申し上げましたように、毎年何万人かの人事異動があるわけでございまして、ほとんど全部の方々は新しい職場に熱情を持って赴任される、そういうふうになっておると思うのです。しかし、ごく一部の方は不満足な方もわずかながらあるのではないかと思います。これはやはりある程度のことはしんぼうしていただかなければならぬと思います。全部が全部喜ぶ、こういうことは、なかなか言い得べくしてできないことだと思うのです。 それから、先ほど局長から管理者としての責任ということを申し上げましたが、そういう点もひとつ御理解いただきたいと思います。ただし、かねがね不当労働行為があってはいけないということを念を押して通達しておりますので、御指摘のような事実があったかどうかということにつきましては、よく調べさせていただきます。
○島本委員 調べてもらいたいと思います。 それで、局長に一つだけ私は御忠告申し上げておきたい。 それは、いままでのように、私どもで調べたデータによりますと、必ず本人は不満である、満足しておらない。しかし、あなたのほうに来ている文書によりますと、これは問題はない、りっぱな人事である、こう思われているようです。そうすると、個々の事態とあなたのほうに上がってくる文書、こういうようなものはどうも違っているように思われる、今後そういうようなことがあっては困る、こういうふうに私は思うわけなんです。当然官側としては下部の幹部を信頼される。私は悪いとは言わない。そのとおりでいいのです。しかし、それがうそであるかどうかをはっきりさせた上で信頼してほしいのです。前の大船渡の例もあり、大臣の特使を派遣せざるを得ないような事態もあった。郵政局から来た文書はそうじゃなかったでしょう。そういうような例もあった。だから、部下を信頼するのはいい。しかしながら、信頼するのあまり、うそも含めて信頼するようなことであったならばこれはだめですぞと言っているのです。ですから、十分あなたの目で確かめて、そしてこれを善処しておいてもらいたい。これが今後のあなたのとるべき道の一つだと思うのですが、無理ですか。
○山本(博)政府委員 うその報告かどうか、それはたてまえといたしまして、先ほどお話がありましたように、私は下部の機関の管理者を信用するというのが、たてまえでございます。しかし、現実の問題として、個々の報告が上がってきましたときに、いろいろな欠点あるいは間違いがないとは、必ずしもはっきり言えませんと思いますので、そういう点については、十分注意していきたいと思います。
○森本委員 関連して。 いま、大臣も調査せられる、こういうふうに言われたわけでありますが、私は人事局長の山本君についても信頼はいたしておりますけれども、いまの答弁を聞いておると、少し理想主義者ではないかという点が言えると思います。確かに、答弁の内容そのものについては、私はちっとも悪い内容ではないと思う。しかし、先ほど来島本君も言っておられるように、その実態というものをよく知ってからものを言ってもらいたい。私もこの実態については知りません。前提がわからぬで聞いているわけですが、しかし、一つ二つ例をとってみると、たとえば保険なり貯金の外勤の優績者なり成績のいい者が郵便の外勤のほうに回るということは、その局内によほど特異な情勢がない限りにおいては、これはやらぬのが常識であります。貯金局長や保険局長、郵務局長に答弁をさせたら、おそらくそういう答弁をすると私は思う。だから、その一点だけを考えましても、組合側がおかしいということになれば、ある程度調べるというふうなことがあっていいと私は思うのです。それが著しく——そういうことはあってはなりませんけれども、これは保険のほうにおっても全然見込みがない、からだは非常にじょうぶである。それなら郵便のほうの外勤に回ってもらったほうがいいんじゃないかということも、場合によってはあり得ると思います。しかし、保険なり貯金のほうにおって成績が非常によろしい。その人は五十三にもなっておる、相当の年齢である、貯金、保険の募集ならばかなりできるけれども、郵便の外勤はなかなかむずかしいというような内容であった場合には、これはちょっとおかしいということで、やはり調べてみる必要があるんじゃないか。 だから、いまの人事局長が答弁をせられておる内容について、私はそれを全部否定しようとも考えておりませんが、しかし、島本君が質問をしておる内容が事実であったならば、これは管理者としては相当反省しなければならぬ。公正なるべき配置転換というものを、要するに組合運動の抑圧という形において使うということが事実であったとするならば、私はおかしいと思う。だから、そういう点について、事実かどうかということについては、いまいろいろ例をあげておるわけでありますから、大臣も言われましたように、こういう内容については、やはりいま少し詳細に調査をしてから確信のある答弁をしていただきたい。私がちょっと聞いておりましても、保険なり貯金の成績のいい者が郵便の外勤に回るということは、郵政事業に携わっておる者の常識からするならば、はっきりいって、おかしいと思うのですよ。その人が貯金なり保険なりにおっても、貯金なり保険というもののセールスはなかなかむずかしい、しかもこの人はまだ若い身空である、そういう場合には郵便の外勤に回ってもらったほうがよろしいというなら、ある程度の理屈は私はわかる。しかし、五十も過ぎておる、からだもあまりよくない、しかし、一方貯金なり保険の成績はよろしい、そういう者を好きこのんで郵便の外勤に回すということは、私は郵政事業の見地からいってもおかしいと思う。 そういう点で、いずれにいたしましても、理想に燃えるのはけっこうであるけれども、理想と現実とは違って、場合によっては現実というものは見抜けぬ場合もあり得るわけです。だから、そういう点について率直に調査をしてもらいたい。 〔加藤(六)委員長代理退席、小渕委員長代理着席〕 そして、この調査の結果、確信のある答弁でございましたならば、われわれもまたもう一ぺん調査をして質問をする、こういうことでありますので、せっかく大臣もそういうように言われておりますので、早急に私は御調査を願いたい、こう思うわけでありますが、人事局長の答弁を重ねて私は聞いておきたいと思う。
○山本(博)政府委員 ただいま御指摘になりました内容についても、私のほうなりに現在調査はいたしてございます。完全だとは言えないかもしれませんけれども、大体のところは調査してございまして、貯金なり保険の優績者あるいは貯金や保険に非常に成績のいい人というのは、実はここの中にございません。組合のほうでは成績のいい人というふうにあげておりますけれども、私のほうで調べましたのでは、成績が優秀だという人はおりません。 これはまた、それだけの要素ではなくて、郵便局の中では過欠の問題、あるいは長年同一勤務にある者、あるいは郵便課のほうにいて貯金、保険にさらに能力のありそうな者、いろいろな適性、そういうようなものを総合的に勘案して人事を行なったということで、個別の一部分だけ取り出しますと、必ずしも全部納得できるという分野でないものもあるかもしれませんが、総合的に見ると、そこの郵便局の管理者が私たちの全部網羅できない判断というものもしたのではないかと現在考えております。 しかし、先ほど大臣が申しましたように、個々の従業員にとってはいろいろ不満もあると思いますので、この点につきましては、管理者がその人たちの状況というものについてさらに一そう的確な事情を聞いたり、あるいはそういう事情を把握したりということについては、なお指導はしていきたいと思います。 なお、調査につきまして足りない部分もないとはいえませんので、さらに具体的に調査をすることにいたしたいと思います。
○島本委員 せっかく先輩の森本委員が締めくくり的にやってくれたから私は次に移りたいと思っていたのですが、いまあなたは少し不穏当なことを言いましたよ。必ずしもその人は優秀な人じゃないと言った。優績者であり、表彰を受けておる人が優秀な人じゃない——優秀な人じゃないなら、なぜ表彰するのですか。現に、野崎鉄雄さんという人、東室蘭の人、郵便課にかえられた人、この人の場合には、募集優績者として、四十三年度の実績、これさえもはっきりしているじゃありませんか。これが優秀でないのだ。じゃ、その理由を聞かしてください。これだけ私が言ったのはうそですか。四十三年度の実績、定額二千三百三十万円、積み立て五千七百万円、これは成績優秀な人である。そして表彰さえ受けておる——そのほかにいろいろと表彰されている人を私も言ってあるのですが、この人たちが優秀じゃないんだというならば、私はあなたにうそを言っていることになるのです。優秀じゃないですか。
○山本(博)政府委員 私は一人一人の人につきましては、本人のプライバシーにも関しますのであまりこまかいことを申し上げませんで、一般論として申し上げましたが、この人一人をとってみますと、四十二年、四十三年、いずれも局の中の成績は約半ばのところにおります。また、この成績だけでなくて、実は課内全体の協調の問題、あるいは周囲との折り合いの問題、その他いろいろな問題を判断して人事を行なったというふうに私どもには報告が参っております。
○島本委員 何も知らないと言いながら、全部知っているじゃありませんか。 じゃ、知らないと私に言ったのはうそですか。
○山本(博)政府委員 私が知らないと申し上げましたのは、不当労働行為だということで上がってきておるということについては、組合からのそういう問題の提起がございませんので、個別人事としてならば知っておりますが、不当労働行為としては存じませんということを申し上げたわけであります。
○森本委員 関連。 それならば貯金局長にお尋ねしますが、定額、積み立ての大体平均の募集要領というものは幾らになっておるのですか。いま島本君が具体的な数字を出しておるわけですから、それと比べたらすぐわかるのです。——貯金局長、来ておるだろう、言うてあったから。
○鶴岡政府委員 全国平均で、四十二年度におきまして定額は三千万円でございます。積み立てが九十万でございます。 〔「九十万——それじゃ五千七百万であれは相当優秀ではありませんか」「またあとで単位が一けた違いますなんて言うなよ」と呼ぶ者あり〕
○島本委員 この問題については、じゃあとでゆっくり調べて、私のほうも調べますから。そういうふうにして、森本靖さんに対しても、はっきり調べた上で答弁してもらいたいと思います。 ただ、不当労働行為に類することはないとあなたは言ったから、こうだと言った。じゃ私はここではっきり読み上げますから、これが間違いであるかどうであるか、十分調査してもらいたい。 栗山郵便局における庶務会計課長の不当労働行為 昭和四十四年一月十六日午後六時十五分ころ、栗山郵便局加藤留吉課長が、全逓の分会長である西村一男君を栗山町三区の幸寿司二階で話しをしたことです。 加藤課長西村君、君は勇気がないね。 西村 どうして、勇気とは何の意味です。 課長 西岡君は勇気をもって組合をおりたのに、勇気とは組合役員をすぐやめることです。いまの君は大事な年令にある。中川主任は口先だけだし、花田主任は一方的にものをきめ、統率力なし、木村主任は全然駄目、残るは君だ、但し、二月二十八日までに全逓をやめないと駄目だよ、二、三年後の主事の人事については、この二月末日で決るもので、現湯浅労担主事もその通り、友成は別格でいま郵政局のテスト・ケースで行動、その他は十分監視し、毎月郵政局へ報告している訳で、勇気をもって組合役員よりおりなきゃ主事にはなれません。 西村全国大会も行って来ており、書記長も不在だし、同志を裏切る訳にはゆかず、その内に考えますし、分会大会のいきさつから、引きおりはむつかしい。 課長 三月の春闘に入っておりても駄目です、今すぐ勇気をもちなさい。 西村 まあそのうちに考えます。こういうような会話がかわされておる。これは本人の言でありますから、これは間違いなし。これが不当労働行為類似じゃないということは、あなたは断言できますか。不当労働行為不当労働行為というからこれも言うんです。 まだあるのです。苫小牧郵便局の事件です。 苫小牧郵便局は、次長とか副課長の配置がないけれども、二月中旬から次長に人管課長補佐である石川を配置をした。さらに郵便課の副課長に郵政の吉川という係長と、かの島という二人の係長を配置をいたしました。この人達は兼務発令で、期間は当分の間ということです。そしてこの三人は監視労働をしている訳ですが、四月五日に、いわゆる同志会 これは第二組合に類する会合です。のうち七名を虎杖浜という所の温泉ホテルに連れていって(同行したのは苫小牧郵便局長、臨時に配置されている石川次長と、かの島という臨時の郵便副課長の三人であった)郵便業務の研究会というふうに言っているが、郵便課長が行っていないとかいうことで満足に研究会をやった形跡はありません。そこへ行って酒食を供応している訳です。このことの狙いは、この人達を中心にして、全逓脱退、二組づくりをやろうとした意図だと思われます。 こういう例が一つある。 第三番目に、函館東郵便局の法内超勤問題がある。これはひどいです。 二月十五日三六協定がなかった時に法内超勤を命令されました。それに対して、保険課外勤主事の林正治さん及び保険内勤主事の山本武雄さんの両名がこれを拒否したところ、その後、再三にわたって始末書の提出を求めてきました。二人は二月二十二日に始末書を出しましたところ四月二十六日にいたって、注意処分を発令した訳であります。三六協定のない時に法内超勤を命じ処分するというのはきわめて不当でありますが、こういうおどかしをやって、管理者というものは何でもできるのだということを徹底的に職場の中に吹きこもうとしている一例であります。 これも人の言ですよ。特に名前を言わないだけです。 次は、留萌郵便局の例です。 留萠郵便局で全逓脱退、郵労結成がありました。局長が全逓脱退の声明書の原稿を書き、庶務課の脱退するものに対して前もって掲示用に清書をさせた。 これは会合に出た人が聞いたとか、こういうことがあったんだとか、こういうような証言があったものでありません。 四月九日午後五時十五分頃、庶務会計課主任以上の会議が局長室で開かれた。内容は目標管逓信記念日行事についてだが、その後、局長から春闘情勢について話があり、全員がいる前で「おい、もっときちんとせよ、実証がない状態では主任としての資格がない、全員に十五日開催の職場大会には組合が何を言うのか聞き、反論せよ」と言った。 この後、庶務会計事務室にいた組合員を田口正司庶務主事が局長室に連れこみ、「君、態度で示してくれ」と次のようなやり取りをした。 ○○ 局長の言った実証とはどういう意味か。 田口 口先や態度でなく、証拠に残るものでなければ駄目だ、全逓脱退、全郵政加盟届けを書くべきだ。 ○○ 家に帰り考えてみたい。 田口 今すぐ書いてもらいたい ○○ みんな出しているのか 田口 みんな出している。もし出さなければ、主任を降格させて、他に配置がえになるだろうといわれ、全逓脱退、全郵政加盟届けの二枚を書いて渡した。 田口 誰れにも見せないで、自分で保管しておくといった。 おそらくこれが不当労働行為でなくて何ですか大臣、これもよく聞いておいてください。そして、そのほかに「釧路郵便局の次長の問題」もあります。特にこれは時間の関係で省略いたします。 こういうようなことが平気でやられて、この責任者である局長、あなたはこの不当労働行為類似のものがないとおっしゃっている。いま私のもとにはちゃんと本人からのものが来ている。これなんです。もう少し具体的に調べなさい。そして、来たならば、あなた、自分の目で、いかに部下がかわいくとも、それをまるのみ信ずるのではなくて、常識的に手を入れるものは入れ、調査するものはしてから信じたらどうですか。下部でこういうようなことがやられている。知らないのはあなただけじゃありませんか。そして堂々とこの場所で、議事録にも載っている。不当労働行為はないと言ったから、いま読んだ。大臣、聞いておいてください。こういうようなことで円満な郵政行政の遂行ができますか。まことに残念です。 これに対して十分調査し、後刻、返答をもらいたい。確約できますか。
○山本(博)政府委員 いまお読みになったこと全部について存じておりません。部分部分について知っている点もございますから、おっしゃるとおりですと言うのは、非常に間違いだと思います。したがいまして、現実どういう実態であるかということを、いまあげられました内容について調べてみたいと思います。 なお、先ほど繰り返し申し上げましたけれども、不当労働行為というものが現実に起こった場合は、組合のほうから私のほうへ話を提起しまして、それを両者で努力をして改善しようというルールがございますので、私のほうからも、いまおあげになりました内容について、組合のほうに素材として提供しまして、両者でしばらくの間は話し合いを進めていくというふうにさせていただきたいと思います。
○島本委員 簡易生命保険法の一部を改正する法律案について、特に下部ではこれに従事する人がこういう状態にあるということで、これはまことに重要な問題である、こういうようなことで注意を喚起いたしました。いかに法律をりっぱに通し、いかにりっぱな法律をつくっても、下部でこういうような実態がもし行なわれているというようなことになれば、円満な郵政事業の遂行には私は不安を感じます。こういうようなことがないように、今後も十分気をつけてこの行政の運営に当たってもらいたい、このことを特に大臣にお願いしておきたいと思いますが、大臣、聞く耳持ちませんか。
○河本国務大臣 不当労働行為があった場合には、先ほど局長が申し上げましたように、これまで処理のしかたに一定のルールがあるようです。ですから、省側と組合側とで一回よく話し合ってみたいと思います。
○島本委員 終わります。
○小渕委員長代理 田邊誠君。
○田邊委員 いま島本委員から、実際に仕事をする郵政省の職員の労働条件の問題、労使間の問題に対していろいろと質問がありましたが、私は簡潔に、それに引き続いた問題と、またそれ以外の東京をはじめとする過密都市の現在の業務の状態、これを通じまして、いま審議をいたしております簡易生命保険法の一部を改正する法律の中で新しく傷害特約や、あるいはまた最高限の引き上げや、そういった新しい業務、さらに業務量の増大を来たすそういう中で、はたして国民にサービスを与えるような円滑な業務の運営ができるかということに関連をして、ひとつ端的な質問をいたしたいと思うのであります。 まず、大臣にお伺いいたしたいのですが、いま申し上げたような私の観点から、何といっても、労使間が円滑になっていることが業務の遂行上非常に肝要なことは御案内のとおりであります。郵政省にあります最大の組合は全逓の組合でありますが、つい最近の郵政省と全逓との労使間というのは、いろいろな長い歴史がありますけれども、その歴史や慣行、あるいはまたいろいろな問題を通じて現在までなり来たっているわけですけれども、最近においては、この労使間は円滑にいっていると大臣はお考えでございますか。
○河本国務大臣 個々の問題は若干あろうかと思いますが、全体的に見た場合はうまくいっていると思います。
○田邊委員 それは、ただ単に本省と全逓本部という、いわばトップといいましょうか、そういうところだけでうまくいっているというのではなくて、これは何といっても数の多い郵政職員であり、一面、また労働組合員であるわけですけれども、下部といいましょうか、各現場を通ずる局所においても、個々の問題は別として、総体的に見た場合にはやはり円滑にいっておる、こういうふうな判断でございますか。
○河本国務大臣 地方の問題につきましては、先ほどの北海道などで若干部分的な問題があるようでございますが、しかし北海道とても、全般的に見た場合にはうまくいっておる、かように考えております。
○田邊委員 人事局長、いまいろいろ具体的な問題を通じてあなたの考え方を披瀝されたわけでありますけれども、何といっても、たいへんな職員をかかえている省でありますから、いま大臣のお答えを受けて、労使間の円滑な成り立ちというものが必要だということは言わずもがなであります。そういった観点で郵政省はそれぞれ指導され、方針を打ち立てられていると思うのでありますが、郵政省の労務対策、労務管理、この方針は従前と比べて変わりはない、こういうようにあなたはお考えでございますか。
○山本(博)政府委員 いまお話がありましたように、郵政省と全逓労組との間に長い経緯がございまして、率直に申し上げますと、力関係といいますか、そういうものがでこぼこが長い間あったことは御承知のとおりでございますが、現状におきましては、やはり逐年両者の間の関係というものは改善され、正常化されつつある、また、郵政省自身の方針というものも従来から変化がない、やはり一つの基本的な両者の間の関係というものを正常化して、それを軸にして業務運行をやっていこうという考えには変わりありません。
○田邊委員 そこで、先ほど島本委員が指摘いたしましたいわゆる不当労働行為に属すること、正常な労使間の運営というものを阻害するような事実が間々あったことは、私もしばしば当委員会やその他の委員会において指摘をいたしてきたのであります。最も顕著な例は、不当労働行為に関して郵政大臣が全逓の委員長に対して謝罪文を書くという具体的な事実があったのでありまして、全然なかったとは断じて言い切れないこういう過去の例があるわけであります。そういう紆余曲折がありまして、さらに、下部末端においてその種のものが起こってはならない、こういうことが強く指摘をされてきたことは御案内のとおりでありまして、先ほど指摘の郵人管九〇号もその一環として下部に通達をされたのであります。 ところが、この下部への徹底を非常に欠いております。ただ単に、文書を当時流した郵政局あるいは郵政監察局が三局であったということだけではなくて、下部に対する徹底を欠いておったことはもう疑いのない事実であります。そういう中で、北海道やその他における不当労働行為に類するような事案が起こりつつあることは御案内のとおりであります。これを受けて、国会の論議を通じ、あるいは労使間のいろいろな交渉等を通じて、郵政省は新しく昨年の四月二十二日に郵人管七五号を発しておるはずであります。これは九〇号をさらに確認するという意味も含めて労使間の正常な関係を確立する、不当労働行為はやらない、こういうことをかたく下部が守ってもらうという通達だろうと私は思うのでありますが、この郵人管七五号という再度出されたところの通達が下部末端にまで徹底をしているというように人事局長はお考えですか。
○山本(博)政府委員 これは公報に載せまして、どこの郵便局にもどこの管理者にも全部、あるいは一般の従業員の目にも触れるように措置をしたわけであります。また、その後いろいろな訓練あるいは会合というときにも、こういうことにつきましては周知徹底をはかっておるはずでございます。万が一にもという話でありましたら、そこまでは申し上げかねますが、私の考えとしては、徹底しておるというふうに考えております。
○田邊委員 あなたの認識が誤りでなければ私どもたいへん幸いだと思うのです。しかし、先ほど来の話にありましたとおり、非常にそれに類する疑わしい事案が起こりつつある。こういうことに対して私どもは非常に悲しく思うわけです。また、大臣も、業務の円滑な運行をはかるためにこの種のことが起こってはならないというお考えだろうと思うのです。 そこで、いま具体的に提起をされたのは札幌郵政局管内であります。札幌郵政局の問題は、実は昨年私どもがるるあなた方と討議をいたしたところであります。この札幌郵政局において再びこれに類するような事案が起こっておることは、私はこれはゆえなしとしないのであります。たとえその事実が私どもの言うこととあなたの答弁されることと幾らかの違いがあっても、私は、それに類するようなことがここに提起をされるということ自身、大きな問題があるんじゃないかと思うのです。しかも、その札幌郵政局におけるこれらの問題が起こってきておるというもとは根深いものなのです。そしてさらに、浅見という郵政局長が着任をされてから特にこのことが実は顕著になってきた、その顕著な例として惹起されておる、こういう事実も決して無視できないと思うのであります。 浅見局長については、ここでもってるるお話を申し上げる時間的余裕もございません。しかし、私は昨年来申し上げてまいりましたけれども、きわめて奇をてらったやり方をしておる局長であることは、これはもうおわかりのとおりであります。しかし、札幌郵政局の業務方針、いわゆる黄達、青達と称して、何か意識革命をやり、経営目標を立ててやるという行き方、自分は社長であり、そしてまた局長は支店長であり社員であるというような、あえて何かそういう奇をてらったようなやり方というものが、はたして何十年となく流れてきた逓信事業、郵政事業といったものの流れと、そしてまた、これから先のいろいろな事業を国民を相手にやろうとするそういう事業体から見て、私は決して好ましいことではないと思うのであります。そういう形でもって、この浅見局長の方針というものの中に非常に大きな危険なもの、非常に大きな落とし穴、そういうものがあるんじゃないかと私は実は考えておるわけでありますけれども、昨年の指摘後において、私はこの人の性格まで変えよとは言いませんけれども、そういった新しきものを何かねらったようなそういうものが平地に波乱を呼び、こういった問題を起こす要因ではないかと私は判断をいたすのですが、私の考え方が間違っておるでしょうか。 さらにまた、あなた方が国会の委員会におけるところのこの種の質問等を通じて、その後見ている札幌郵政局の業務方針、浅見局長の方針というものが完ぺきなものであり、あるいはまた、たいへん推賞すべきものである——曾山郵務局長がおいででありますが、当時の郵務局長は、この種のことはたいへんけっこうなことだと、郵政省も応援するような談話を発表しておるわけでありますけれども、そういった形をあなた方はその後認めて、これを推挽をし、推進をするような立場をとっておるのか、あるいはまた、その中におけるいろいろな面における危険な要素、いろいろな面におけるところのチェックしなければならないような要因がその中にある、こういうふうに認めて、これに対してあなた方は注目して幾らかの指導をやってきたのか、その辺に対してお答えをいただきたいと思います。郵務局長からもお答え願いたいと思います。
○溝呂木政府委員 ただいま御質問になりました黄達、青達の問題についてお答え申し上げます。 御承知のように、われわれ郵政省で行なっている事業については、とかく役人的な、親方日の丸的な仕事になりやすいものであります。こういうことに着目しまして、札幌の郵政局長がいわゆる親方日の丸的、役人的でない新しい事業管理というものを考えて、それを一つの例として、自分が支社長、郵便局長は支店長であるといった気持ちでもって事業を運営することが国民に対するサービスの向上につながるというふうに考えてあの通達を出したというふうに承っております。 それから、なおあそこで非常に問題になりましたのは、目標管理ということばを相当使っております。これも最近の経営的な面で、一般会社等でも目標管理ということが非常に重要視されて、それを浅見局長が郵政事業の中にも取り入れてみたいということでもって、そういう考え方のもとに目標管理というものを掲げたわけでございます。したがいまして、あの黄達、青達によっていままでやっている郵政省の事業に大きく変革を来たしたということではなく、一つの考え方、そういうものに新しいものを吹き込もうということでもって出したというふうに聞いておりますので、その出した形式ということについては、本省としては、あれでいいのではないかというふうに考えております。
○曾山政府委員 ただいま官房長からお答えしたとおりでありますので、つけ加えることもございませんが、私の名前の御指摘がございましたので発言させていただきます。 私は絶えず申しておることでございますが、やはり業務の遂行にとりましてきわめて大事なことは、人事管理と業務管理の二つが柱であるということを申しております。業務管理の面におきまして、いろいろ時世の移り変わりに従いまして、世間のいうところの経営管理の新しい手法、新しい意識等につきまして関心を持つということは当然でございます。そういった意味において、浅見局長がとっておりますところの手法並びに職員の意識の転換等につきましては、私自身は妥当なものと考えまして、本人の行き方につきましては賛成をしている次第でございます。
○河本国務大臣 私に対する直接のお尋ねではございませんが、役人の仕事のしかたについてのお話がございましたので、私の考え方を簡単に申し上げたいと思います。 私はずっと役人の仕事を見ておりまして、何もやらないタイプ——失敗をおそれるのあまり何もやらない、あるいはまた、自分の能力のほどを考えて何もやらないタイプと、多少失敗があっても、とにかく前進をはかっていこうという非常に積極的なタイプと、二つあると思うのですが、私は何もやらないということではよろしくないと思います。やはり多少の失敗が起ころうとも、そういうことをおそれないで積極的に前進をやっていくということでなければならぬと思います。 そういう原則論に立って考えました場合に、札幌の局でいろいろ新しい考え方に立って前向きで仕事をしていくということは、これはもうけっこうなことだと思います。
○田邊委員 大臣、あなたも少し勉強されてから私は答弁してもらいたいと思います。私どもは、郵政省の管理者なり職員が創造性を持っていけないなんということは言っておりません。独創性を発揮することについても私は賛成であります。そういった意味で、事業の伸展に寄与することについては、私どもはノーと言いません。しかし、それには当然付随するものがあるはずなんです。当然、職員がそれに対して一致協力をしてこれに当たるという、こういう体制がなければならぬと私は思うのですよ。それが大前提だろうと思うのです。さっきの大臣の御答弁の中でもそういうことがあったと思うのであります。ところが、一方において不当労働行為に類するものが続々として起こっておる、そういう事態の中で奇をてらったようなそういったことは、いま大臣の答弁されたような、いわゆる進歩性、創造性というものに実は私は必ずしも一致するものではないと思うのですよ。これは、浅見局長の業務方針というものがあなたのいまおっしゃったような形に即応したものであれば、私はここであえて取り上げやしない。しかし、一方において、これは業務管理よりも労務管理を優先するといったようなそういった方針であります。 現に、石狩深川という局において、業務研究会の中においてその課題として、業務管理よりも労務管理を優先する、こういう課題を掲げておる。さっき郵務局長の業務管理と労務管理が並行して行なわれなければならぬということは、そのとおりだろうと思うのです。ところがそうでない。すべて労務管理を第一に考える。いわゆる端的にいえば、労働組合に対する弾圧を考え、いわゆる分裂工作を考え、不当労働行為をあえてして、そういうように痛めつけておいて、事業のサービスの向上なんというものはあり得ない、私はこのように思うのですよ。あなたは一面だけそう見られて、何かそのような発想のしかたが適切なような錯覚をお持ちでありますけれども、もう一度勉強して出直してきてもらいたいと思うのです。 私はそのことに対してあえて論争をこれからいどもうと思いません。しかし、労務管理体制の点検という札幌郵政局が当時出したこれを見ても、管理者に対しても非常に締めつけを行なっている。 〔小渕委員長代理退席、委員長着席〕 いろいろな面において郵政局の意に沿わないようなことをやったときには、怠慢をした場合には、労使関係をいわば非常にゆるやかにしておったような場合は貴官の責任を問うとまで、実はあいくちを突きつけている。一方においてそういったおどかしをしたり、どうかつをしたり、そういう中でもっていわゆるサービス精神をうたっても、いま大臣の言われるような形にならない、私はこのように思うのですよ。ひとつこの点について、私はあらためてまた当委員会なり他の委員会においてあなたと論争いたそうと思いますから、きょうはそのことにあえて触れません。そういったことをよくお考えをいただいて今後に対処してもらいたいと思うわけであります。 さて、そこで人事局長、昨年来札幌郵政局に起こったいろいろな問題がありました。その中にはあなた方が調べて適当でないというものもあったはずであります。適当な言動でないと思われた管理者もあったはずであります。これに対して一体どう処置をされましたか。
○山本(博)政府委員 全部ここでお答えするほど記憶が正確でございませんので、内容等適当でないと思われるものは郵政局を通じまして注意をし、将来にわたっての指導をいたしております。
○田邊委員 何件くらいありましたか。
○山本(博)政府委員 いま件数もはっきり——後ほど調べてから御連絡いたしますが、いま記憶いたしますのは、さしむき私の覚えておりますのは深川局の件、一件でございます。
○田邊委員 大臣、そういう事実があったのでございますね。私も実は石狩深川の局へ行って、まことにけしからぬ管理者がいると実は思っておったのでありますが、いまも御報告があったとおりでございまして、そういった管理者、そういう事犯があったことは、これは疑いない事実なんであります。したがって、前車の轍を踏まずという気持ちで島本委員からの質問が本日あった。そういった状態の中で業務の正常な運行はできませんよ。 そこで私は、重複を避けますので、つい最近、北海道におけるいろいろな不当労働行為に類すること、あるいは強制配置転換に類すること、こういったことが続発をいたしておるわけでありますけれども、島本委員が指摘をされた具体的な事実を除きまして、紋別という局において強制配置転換が七人起こったといわれておるのであります。これは札幌調停委員会に対してあっせんの申請をいたしているのであります。この七人に対して、あなた方のほうでお調べになった限りにおいては、これはまことに妥当な配転だというようにあなたはお考えでありますか。
○山本(博)政府委員 これは管理者がそれぞれの責任において妥当と思って発令した人事でございますので、私のほうも妥当だと思います。
○田邊委員 この配置転換をやられる場合には、当然その当事者の本人に対して事前に通知をされ、そうして納得を得るということになるわけであります。これはさっきも島本委員の質問に対する大臣の答弁で明らかになったとおりでございまして、不満があっても納得してもらう、こういうように大臣はお答えになったはずでありますから、大臣のおことばを受けて私は質問をいたしたいのでありますが、当然事前に本人に連絡をして、本人が納得をした、こういう形でございますね。
○山本(博)政府委員 前日に本人に内命をしまして、あしたからこういう職務にかわるということについての通知はしております。
○田邊委員 そこで、当然配置転換する者に対しては、それぞれ正当なといいましょうか、相当の理由があるのは当然だろうと思う。しかし、また一面、本人にとっては全く意に反するような配置転換に対しては、私はこれを拒む権利もあるだろうと思うのです。正当な理由があればですよ。そういう方に対してはあなた方のほうはどうお考えでありますか。
○山本(博)政府委員 これはそれぞれ前日に本人に内命をしておりますけれども、本人が納得をしない、いやだと言いましても、これは先ほど申し上げましたように、人事というのは総合的に考えて判断をしたものでございまして、一人一人が拒否をするということになりますと、人事全体が行なわれないということになりますので、本人がもしどうしても辞令どおりの配置へ行きたくないという気持ちがありましたら、それは私のほうとしましては、発令どおり新しい仕事についてもらう、管理者に対しては、自分の将来の希望なりあるいは自分の現状のいろいろな事情というものを説明して、管理者との間に将来の人事管理上の参考としてもらう、それでも不満であれば、これはやはり不利益処分として人事院に問題をあげてもらうしかないのじゃないかと思います。
○田邊委員 そこで、配置転換をする要素は、もちろんいろいろと業務上の要素が主になることは当然でありますが、その個々人のいろいろな事情に対しても当然配慮をされるだろうと思うのであります。私のほうから言うのはいかがかと思うのですが、たとえば本人の生活の状態あるいは健康の状態、それから、さっき人事局長が答弁をされた中において、職場の状態、その協調性と言われましたけれども、それらを含めた職場の状態、こういったものがいろいろ要素としてあるのじゃないかと思うのですが、そういったことでございますか、それ以外にもまたいろいろございますか。
○山本(博)政府委員 管理者が判断をする材料というのは、それぞれの郵便局、それぞれの課、それぞれの職務の内容、それはいろいろございますので、一がいにすべて共通のものさしとしてはっきりあげるわけにいきませんけれども、それらを総合的に判断して管理者がきめておる、ただいまおっしゃったような内容につきましては、管理者は十分それを熟知した上で発令をしておるというふうに考えております。
○田邊委員 そこで、配置転換をやったけれども、熟知しているとあなたはおっしゃったが、人間のやることですから、これは完全ということはあり得ないのですね。中には、やはり相当無理な配置転換も出てくる場合もあると思うのです。何といっても、これは何十万というのですからね。 それで、これは無理だというふうにあなた方のほうで判断をされた場合には、いさぎよく撤回されますか。そのくらいの度量はもちろんおありでございますな。
○山本(博)政府委員 よく調べまして、はっきり客観的にそういう事実が判明いたしました場合には、過去におきましても、あらためて再配転したという事例はございます。
○田邊委員 そこで、紋別の例だけ島本委員が申し上げられなかったから私から申し上げたいのですが、七人の人たちが配置転換をされました。業務上のことについては先ほど言われたとおりでありまして、これは当然だろうと思うのです。業務上のいわゆる優績者なり、適正な業務の配置についておった人を配置転換させることは愚の骨頂であることは御案内のとおり、もう一つ、私が申し上げた個人の自由というものも、私はある程度——これはいつもそれが主であるというふうには言いませんよ。たとえば、一時間以内の局に配置転換をするという場合もあります。通勤可能なという範囲では、ありましょう。しかし、職務内容によっては、やはり耐えられないというような健康の状態、これは私はファクターとしてはかなりあると思うのであります。考えなければならぬことだと思います。そういうことに対して、この七人についてお考えでございましたでしょうか。
○山本(博)政府委員 一人一人について健康状態を全部調べたという資料が私どもございませんので、これは後ほどよく調べます。
○田邊委員 ところが、七人の発令をいたしましたところ、その後いろいろな、自分の意に反した配置転換というショックもございましたでしょう、あるいはまた、従前のようないろいろなからだの状態というものが、それがその後再発をしたということもございましょう。たとえばこの中で、三十歳であって貯金保険の外務から郵便外務に配置転換をしいられたという人は胃かいようで二カ月の入院をしなければならぬという事態に立ち至っておる、二十九歳の女性、郵便の内務から庶務会計課に移った人は、疲労とかぜをこじらせて一週間の病気休暇を申し出をいたした、それから三十歳の郵便の内務から貯金保険の内務に配置転換を発令された者は、痔ろうと急性胆のう炎で一週間の病気休暇を申し出をいたした、それから二十九歳で郵便の内務から庶務会計に発令をされた人は、十二指腸かいようでもって一カ月の入院の診断書を出して病気休暇の届け出をいたした、こういう事態があるのでありますが、こういった無理な配置転換がなされていいものだというふうに私は思わないのであります。そういった本人の健康状態まで押し切って配置転換をして、必ずしも業務の運行が円滑にいくとは私は思わないのであります。もちろん私は、この病気休暇なり入院をしなければならないという申請をいたしたことについていろいろな事情があることをあえて抜きにして考えようとは思いません。しかし、いずれにしても、医者の診断書をつけてそういった入院なり病気休暇の申し出をする限りは、その健康状態が非常に悪いということは動わせない事実だろうと思うのです。 そういったことを考えてまいりますと、今回の紋別におけるところの配置転換が、あなた方の考えるような状態の中で行なわれたというふうに判断することは非常に危険ではないか、私はこういうふうに考えておるわけでありまして、これらの事情に対して、もしおわかりでありますならば御報告をいただくと同時に、こういった要素が現実に起こっているという事態の中で、配置転換に対して再度お考えいただくことは決して必要のないことじゃないと思うのでありますが、この点に対してどうお考えですか。
○山本(博)政府委員 いまおあげになりました七人のうち、私のほうでわかっておりますものは、このうち二人は、健康状態を十分考慮して交代制勤務から官執へ移した、いまおあげになりました女子も交代制勤務から官執へ移しておる一人でありますし、それから、おあげになった一人も、からだが弱いということを管理者が十分しんしゃくいたしまして交代制勤務から官執へ移した、こういうことでありますので、管理者は十分健康状態その他についてはこれを資料として活用をして、熟知した上での発令ではなかったかと思うのであります。
○田邊委員 あなた、外面的にそういうふうにおっしゃるけれども、たとえば、その女子についても、従前しばしば、本人は行きたくないという特定局へおまえは移らないか、こういうことを言われておるのであります。したがって、今度庶務会計課に移るということはその前提だろうというふうに本人は考えておるわけですね。そういったいわば精神的なショックも加わったりしてさらに病弱な点が悪化をする、こういうことになるわけなんでありまして、これは、これらのことを十分考えなければ、外面的な判断だけで事を律することは私は許されないと思うのですよ。したがって、いま二名についてだけあなたおっしゃいましたけれども、ひとつ、その後の状態についてお調べをいただきたいのであります。これは、私どもも聞いておるだけですべてを判断しようとは思いませんけれども、あなたのほうでもお調べをいただきたいのです。その中でやはり無理な配置転換があり、その後の状態というものがさらに悪くなっている、こういうことが判明をいたしました場合には、これはいさぎよくこの問題に対してはさらに再検討される、こういうことが必要ではないかと思うのでありまして、そういう観点でひとつお答えをいただきたいのであります。
○山本(博)政府委員 私のほうも完全な調査というわけじゃございませんので、おそらく現場の管理者がこういう判断をするときには十分資料として活用したと思いますけれども、念のため、なお私のほうでもう一度調べてみたいと思います。 なお、調べまして、ほんとうにこういう客観的な病状というようなものがはっきりしましたときには、その際十分考えてみたいと思います。
○田邊委員 この種のことに対してあなたのほうは、組合と交渉なり話し合いというものはいたしておるわけですか。人事権を振り回して、これは人事のことだから一切交渉に応じないということでございますか。ひとつこの点に対してはいま一度お答えいただきたいと思うのです。
○山本(博)政府委員 これはたてまえといたしまして、個別の人事というものを団体交渉にするということはいたしておりませんし、これはどこでもいたしておりません。ただ、本省、本部間におきましては、必ずしも団体交渉ということではなくて、具体的な事例がありましたらどういう問題でも話し合いには応じております。
○田邊委員 その方式を下部でもやはり従前やってきたと思うのですね。いままでもやってきておる局があると思うのですよ。私は、個別的な問題まで全部団体交渉の話題にのせることに対しては、いますぐここで究明しようとは思いません。しかし、あなた方のほうで人事権を振り回しますけれども、裏を返して労働者側から見れば、これは著しい労働条件の変更であります。これは当然であります。降格やその他のいわゆる労働条件に関係することと決して質の違ったことじゃないというように私は思うのであります。転職等のことと類することだろうと思うのであります。したがって、この種のことに対して、厳格にその話し合いなり交渉の窓口を閉ざすことは、私は決して正しいことじゃない、こういうように判断をいたしておるのであります。 労働省はおいででありますか。——どうでしょう。公共企業体における労使関係の団体交渉なり団体協約の締結に関してのいろいろな法令があると思う。しかし、私は、いま言ったいわゆる降格なりあるいは転職なり、こういったものとこの転勤というものは、これは類するものでありますから、厳格にそこでもって一線を画すことは非常に問題だと思っているのでありまして、したがって私は、そのことを団体交渉なり話し合いの話題から封ずるということに対しては、近代的な労使関係の上からいって適切でない、こういうように思うのでありまして、あなたのほうでそういった面に対するところのいろいろな判例等がありましたらば、ひとつ端的に、簡単でけっこうでありますからお答えいただきたいと思います。
○大塚説明員 いま先生のおっしゃいましたような労働条件に関しまして、公共企業体等労働関係法の第八条が、その交渉事項の規定の中でまあ表現は法の条文のような言い方をしておりますが、要するに趣旨は、労働条件については労使が話し合うということを言っておる趣旨だと私は理解をしておるわけでございます。しかしながら一方、公共企業体というような特殊な国の規制を受ける、また予算その他によってがっちりと縛られておるというような公共企業体の運用という面からいたしまして、その責任を持つべき事項、責任をとらされておる事務当局の権限に属する事項も、一応国の面からいって、法律上、団交対象からはずすことによってそういう責任の所在を明らかにするという立場をとっておる、これは法のたてまえといたしましてはやはりそういう一つの行き方もあろうかと思います。いま先生のおっしゃいますように、そうは言いながらも、たとえば一定の管理運営に属するような事項でありましても、その結果が個々の労働者の労働条件に非常に関係を持つというような場合にはこれを労使間で話し合うということはやはり望ましいことでございまして、たとえば民間の判例におきましても、これは公共企業体の場合と違いまして、法律上、明文をもって団交事項が規制されておるわけではございませんが、民間の場合にも、使用者のいわゆる管理運営事項に属するような問題についても、特に労働者の労働条件に著しい関係を持つというものをそういう角度から取り上げるという限りにおいては、やはり団交の対象事項になるというような民間の判例はございます。ただ、公共企業体の場合は法律がございますので、その辺は多少問題がございます。しかし、いま郵政省の話では、やかましい話は、ともかくも話し合いはする——正式の団交対象事項とするかどうかは別として、ともかく話し合いはするというようなお話もございます。そういうふうな解決方法もあろうと思います。
○田邊委員 いま労働省の見解もありましたようなことで、郵政省と全逓本部の間でいずれにしてもいろいろな問題に対して話し合いをしているということは、私はよき慣行だろうと思うのです。したがって下部についても——この種のことになると、もう人事権だ、管理運営事項だ、一歩も譲らぬということでもって窓口をシャットアウトしている、こういうのが現在の状態であり、特に、札幌郵政局の場合にはこれが著しい、こういうふうに私は聞いておるのでございます。 どうでしょう、人事局長、私はあなた方のほうで限界はあると思いますよ。この配置転換やその他の問題に対しても、話し合いをする限界はあると思います。しかし、全くその話し合いの窓口まで全部閉ざすというようなことは、私は決してよき労使関係を確立することにならない、こういうふうに思うわけでありますから、この点に対して一斉にシャットアウトしている現在の状態を、もう雪も解けてきたのですから、雪解けの状態でひとつやってもらって、よき労使関係を確立するように下部に対する適切な指導をしてもらいたいと思うのですが、いかがですか。
○山本(博)政府委員 ただいま労働省からお話がございましたが、基本的にはそういう方向で処理をしたいと思います。 ただ、個別の人事にきまして、すべての局所においてすべての地方段階においてこれを話し合いの内容として取り上げるということをルール化することについては私ども考えておりませんし、かえって労使間の紛争を大きくする要因にもなるのじゃないか。私が先ほど申し上げました本省、本部間で話をいたしておりますというのも、個別の人事がいいか悪いかということではなくて、こういう労使間の紛争、トラブルがある事態をどう解決していったらいいかという観点で労使間で話をしておるということでございます。地方におきましても、労使間に紛争があってその紛争をどう解決するかという観点では話し合いしてもいいと思いますが、個別の人事が妥当かどうかという争いになりますと、話し合いの内容にはなじまない、むしろ、そういう妥当かどうかという争いになりましたならば、人事院の公平な審査を受ける以外にない、トラブルがある、それをどう解決するかということならば、本省、本部間でそういう問題として取り上げるのが妥当ではないかというぐあいに考えます。
○田邊委員 したがって私は、個々の問題にまで立ち至って交渉をやるべきだと言っているのではありません。個々の問題になったら、そこでもってあなた方は断わればいいのです。個々の問題であるかどうかということを前にして、窓口でもってその種のことに対しては一切受け付けない、こういう態度がいかぬと私は言っているのであります。あなた方のほうでもってまず話し合いをしてみて、個々の争いまで至ったら、それ以上はできませんと言えばいいのであります。そこまで私どもは考えてもらわなければならぬのじゃないかと言っておるのでありまして、いまの札幌の事態はそれ以前の問題である。さっき私が声を大にして大臣のことばを反駁したのは、まさに、局長の方針というものがそこに貫かれているのじゃないか、非常に危険である、心配だと私は思って実はいま取り上げておるわけであります。どうかそういった意味合いで、ぜひ十分考慮され、配慮された中で下部に対するところの指導をしてもらいたい、こういう私の質問であります。その点ではどうでありましょう。
○山本(博)政府委員 なお、よく実態を調べまして、適切に指導をいたしたいと思います。
○田邊委員 北海道の問題は、きょうのいろいろな質問を通じ、またいろいろと調査もしていただきまして、時間もございませんから、また機会をあらためてさらに質問をいたしたいと思うのです。 私、さっき一番最初に申し上げたように、法律改正をいたさんといたしておるのですが、今度の簡易生命保険法の改正によって新しい業務をやるわけであります。それからまた最高限も引き上げていくわけでございますが、これに対する要員は一体どういうふうにされようとしておりますか。
○竹下政府委員 この問題は、傷害保険をやるのですけれども、特約方式というやり方でやりますので——と申しますことは、主契約とあわせて傷害特約を募集していくというようなやり方を基本といたしておりますので、要員につきましては特別に増員措置をいたしておりません。労働力の若干の増加が必要でございますが、その分に対しましては超勤及び賃金でもって措置をいたしたい、かように考えております。
○田邊委員 いま郵務、貯金、保険、各事業担当の局長お見えだろうと思うのですが、いまの状態の中でも正常な業務の運行がはかられていないというのが全国随所にあるのです。特に、東京をはじめとするところの過密都市の中においては非常な業務の停滞を来たしておるという状態であります。 これは一括して人事局長にお答えいただくわけでしょうか、どちらでもけっこうでありますが、東京に限ってみても、業務の運行が非常に正常でない局がかなりある、その原因は要員不足である、こういう事態が現実にあると私どもは聞いておるのですけれども、一体どのくらいの局が正常な業務運行ができないという判断をあなた方はされておられまょしうか。
○曾山政府委員 郵便に例をとりまして申し上げたいと思います。 ただいま御指摘のありました過密都市の代表的な都市でございます東京都内におきましては、現在杉並郵便局、江戸川郵便局あるいは田無郵便局等が、代表的な業務運行困難局とみなされておるところでございます。それにつきまして御指摘のありましたような要員の問題が全然ないかと申しますと、周辺地区におきまして人家が急に膨張したようなところについていろいろ手当てをする必要のあるところもございますから、全然ないとは申し切れません。 ただ、私どもが主として考えておりますのは、要員不足の問題よりも、その局におきますところの特異な問題、中には労働問題もございますし、その他もろもろの特異な問題がございまして、業務の正常運行を欠いておる原因はさようなところにあるかと思っております。しかし、田無局を代表にいたします東京周辺地区につきましては、なお郵便物の増高につれまして要員を増加すべきところもあるように見受けられます。そういうところにつきましては逐次手を打つべきであると考えておりますし、現に手を打っております。
○田邊委員 そこで慢性的な遅配があったり、業務の停滞があって、実際には時間内でもってこれを処理できない、したがって、年末始やその他の繁忙期における時間外労働等は別にいたしまして、常時時間外労働をやらざる得ない、こういう状態があるやに聞いているのですが、それは事実でございますか。
○曾山政府委員 都内につきましては、私どもさようなことは、先ほど申しましたような理由でございますので、ないと思っております。ただ、都の近郊地区につきまして急激な膨張に追いついていけないという事情のあるところはございますので、さしむきそういうところにつきましては非常勤の、つまり臨時者の措置をいたしまして手当てをいたしておるという状況でございます。
○田邊委員 ひとつ、委員長にお願いをいたしたいのでありますが、そういう東京都内や、そのいわばドーナツ型の地域ですね、これに対する遅配の状態というものと、それからそれに要するところの賃金、いわゆる時間外労働をしいられているような状態、これをひとつ概括的に、これは今後の業務運営上、郵便ばかりに限りません。貯金、保険、特に保険の場合はいま法案を審議をいたしているわけでありますから、その暁には一体どうなるかということもわれわれは非常に不安であります。現状がそういうことであっては新しい事業を円滑にすることはできない、こういうように思いますので、お調べをいただいて御報告を願いたい、こういうふうに思うのですが、ひとつお願いいたします。
○曾山政府委員 承知いたしました。
○田邊委員 したがって、その種の問題はあらためてまた御質問をいたすことに予定をいたしたいと思うのであります。 そこで最近、時代の進展や社会構造の変化などによって業務が非常に複雑になってまいる、あるいは困難性が非常に増してまいりました。そこへ新しい事業がさらに加わる、こういう状態でございます。したがって私は現状をまず正しく正さなければ将来にわたるところの運行はできないだろう、こういうように思っておるわけでございます。便法的な方法はございます。時間外労働をやったり、あるいは非常勤を雇ったりしてやるというような便法的な状態はございますけれども、それだけじゃ済まぬと思うのですよ。極端な例を言いますると、東京中郵でもってきのうまで配達をやっておった青年が、そば屋の配達のほうが何か賃金がいいというのでそのほうへ移ってしまったという、こういう事実も聞いておるわけですね。こういう状態では、郵政事業のほんとうの意味における運営はできない。さっき与党の質問の中においても、国民に対するサービスをしなければならぬ、それに対して、大蔵省に対してもき然たる態度をすべきである、こういう話がありましたけれども、私は、もう一本の大きな柱はやはり要員の確保であろう、こういうふうに思っておるわけでございますが、こういった面を考えあわせて、現在の定員でもって事を処することは非常に困難だ、何としてもやはりもうちょっとこの種の隘路を打開するためには定員の増加が必要である、こういうことはみなもう必須の要件であろうと思うのですが、こういったことに対しては、一体どういうようなお考えでございますか。
○曾山政府委員 郵便について申し上げますと、幸い、郵便の面につきましては非常な各方面の認識を得まして、したがって、予算獲得の際にも、一般要員、つまり内勤、外勤の事務処理要員につきましては要求どおり予算が成立しているというような状況でございます。ただ、先ほど来申しておりますように、急激に膨張します周辺地区等におきましての手当てにつきましては、さらに今後も検討してまいりたいと思います。
○田邊委員 さっき御指摘のありました江戸川について見ても、昭和三十八年の配達指数を一〇〇といたしますならば、四十二年に一四四になっております。ところが、それに対して定員の場合においては、三十八年の一〇〇に対して一二四という状態であります。実は指数の比較において相当アンバランスが出ている。八王子においても、三十八年を一〇〇といたしますならば、郵便の配達指数は、四十二年が一六一に及んでおるにもかかわらず、要員の場合は一三九にとどまっている、こういう状態だということを私は聞いておるのであります。したがって、いまの状態を何とか打開するための将来に向けての方策が講じられなければたいへんなことになるだろう、私はこういうふうに思うのであります。したがって、そういったようなことをひとつ十分解決をしていただく計画と決意とがなければ、新しい事業を興してみても始まらぬ、こういうように思っておるわけでございますので、ひとつ、そういった調査を私はお聞きをいたしました上でもって、今後の要員の問題をさらに究明をしながらこの簡易生命保険法の改正等に対しても私どもは十分対処していきたいということを考えておるわけでございまして。以上。申し上げた中でもって、大臣、いろいろな面でお気づきの点があろうと思うのでありますが、特に要員の面について、あなたがやはり最大限の関心を払われ、努力をされる必要があるだろう、特に、過密都市の問題に対しては、いままでのようなイージーゴーイングなやり方では当然処理できない、こういう状態になっているんじゃないかと思うのでありますけれども、ひとつ大臣の御決意を承りまして、私の質問を終わりたいと思います。
○河本国務大臣 仕事のふえたところに対しては、当然人をふやさなければならないと思います。
○森本委員 関連。 先ほどの田邊君の質問で、札幌郵政局長の浅見君から黄達、青達ということで出ているということで、その内容については、郵務局長としては、けっこうですというふうなことを言われておりますし、また、大臣もその点についてはあまり詳しゅう知らぬだろうと思いますけれども、大体そういう経営方針ならよろしゅうございますという意味のことがあったと思います。 これは非常に重要なことでありますので、地方の一郵政局長が思い上がったやり方をかってにやられたんでは困りますので、参考までにひとつ郵務局長に聞いておきますが、郵便事業で一番大切なことは何と何ですか。
○曾山政府委員 私の個人の見解でございますけれども……(森本委員「法律上だ」と呼ぶ)法律上ですか。業務の正常な確保であります。
○森本委員 この通達を見てみますると、正確、迅速、確実、これをやらなければならぬということであります。これは確かにそのとおりであります。 これ以外に、もう一つ大事なことがあるんじゃないですか。郵便で肝心なものを忘れてはいやしませんか。
○曾山政府委員 おそらく、御趣旨としましては、働く職員をして勤労意欲を十分持って働いてもらうということかと思います。
○森本委員 違います。通信の秘密を確保するということが郵便法の大原則なんです。もうけ主義だけで郵政事業というものはやっておるわけではない。郵務局長からしてそういう認識だから郵便事業は間違っている。法律にちゃんとあるじゃないですか。昔、軍国主義のときに、郵便がかってに検閲された、そういう検閲を絶対にやってはならぬ、それから通信の秘密も絶対に確保しなければならぬ、それがためにこれは公共事業である、こういうことがあるんじゃないか。私は一々例をあげません。 それで、さらに貯金、保険に対するところの通達の内容、それから電信電話に対する通達の内容、これを見ましても、これは全く株式会社というふうにしか考えておらぬ。確かに、国民にサービスを提供するということは、これは大切でありますよ。同時に、われわれは公共事業としてこれをやっておるんだという一つの認識がなければならぬ。そういう点では、これは民間の株式会社とはだいぶ違う。そういう点においてこの考え方を見ると、とにかく、事業の目標を貫徹するということだけを念頭に置いている、そうではないはずです。貯金にしても保険にしても、目標を貫徹するということは大切であるけれども、同時に、国民の福祉の増進につとめるということがはっきり書いてある。そういうことを念頭に置かずして、ただ単にこれが目標完遂、それから、要するにどうしても独立採算でやらなければならぬ、だから一生懸命君たちは働け働け、こういう趣旨だけでは、私は郵政事業というものは公共事業であるという観点から違うと思う。たとえば、いまの通信の秘密をとってみても、あるいは貯金にしてもあるいは保険にしても、あそこの人は貯金が幾らあるとか、そういうことは絶対に言ってならないことなんです。一般の銀行でもそうでありますけれども、特に郵政省についてはそういう点はきついんです。それから、どこからどこへ手紙が行った、そういうことも絶対に言ってはならないと思います。そういうことが国民に対するサービスです。それから、郵便で一番の問題になっているのは、あて所配達で一番地違っておっても実際にはなかなか配達がされぬ、こういう現状です。そういう点についても国民の不満が非常に強い。 そういう点で、私は一ぺんこの通達については再検討願いたいと思う。まるきり一地方郵政局長が大臣になったようなつもりでえんえんと書いている。間違っているところがなければけっこうでありますけれども、ある程度はサービスの事業に徹しようということになりますから、そのことについては私は否定をしません。しかし、それと同時に、郵政事業は公共事業であるという大きな使命が法律上あるはずであります。貯金法につきましても、保険法につきましても、郵便法につきましても、必ず第一条と第二条にこれがあるわけです。そのことを一つも書いてない。ただ単なる独立採算独立採算ということを頭から従業員にしいようというような通達の内容になっておる。これでけっこうでございますというやり方は、私は郵政事業というもののあり方を曲げるものだと思う。これは労働組合がどうだとかこうだとかいう問題じゃありません。国会としてこういうようなやり方を——一地方郵政局長がまるで大臣になったつもりで長々とこういう文書を出して、それを本省の高官が、これはけっこうでございますと言うことは、私はまことにふに落ちぬ。これは大臣、どうですか。
○河本国務大臣 郵政事業が公共事業であるということ、そして国民に対するサービスをするということ、これはもう当然のことでございまして、その本旨を忘れるようなことはいけないと思います。
○森本委員 ひとつ、私がいま言ったような内容を含んで——これは私は全部が全部悪いとは言いませんよ。それは確かに親方日の丸でやってはならぬ、もう少しわれわれも考えていかなければならぬという点については同調できる点も相当ありますよ。しかし、大切な点を忘れておる点がある。だから、これは全部が全部よろしゅうございますというようなことは、私はちょっとふに落ちぬ。だから、この点についてはひとつ再検討をしてもらいたい。それから、このくらいのものを出す場合は、本省のある程度の許可でも得て流さないと、今後大きな間違いがあると思う。だから、そういう点で、十分にこれを一ぺん検討を願いたいと思いますが、大臣、どうです。
○河本国務大臣 検討することにはいたします。しかし、私は、たぶんその通達の本旨とするところは、郵政事業が公共事業であるということ、そのことはあまりにも当然過ぎることであるので特に強調しなかったのではないかと思いますが、御趣旨を体しまして、よく検討いたします。
○井原委員長 次回は来たる二十三日開会することとし、本日はこれにて散会いたします。 午後一時二十三分散会