逓信委員会 第5号
- 発言数
- 155 件
- 登壇者
- 12 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1969/03/06
会議録
○井原委員長 これより会議を開きます。 放送法第三十七条第二項の規定に基づき、承認を求めるの件を議題とし、前回に引き続き質疑を続行いたします。武部文君。
○武部委員 四十四年度の予算の具体的な内容を質問いたします前に、会長に関係をいたしますので、一言御質問いたします。 実は、昨年カラーテレビの値上げ、白黒の値下げ、この問題が起きましたときに、私は物価対策特別委員会に所属をいたしておりまして、その席上で経済企画庁とNHKの受信料をめぐっていろいろやりとりをいたしたのであります。このことが新聞に若干報道されておりまして、前田会長の意見も私は逓信委員会でお聞きをいたしました。その当時の企画庁長官宮澤さんの御意見もいろいろ詳細にわたって聞いたのでありますが、お二人の間にたいへん御意見の相違がございました。できれば御一緒にひとつ御意見を聞きたいと思って御出席を求めたのでありますが、前田会長の御都合がつかず、企画庁長官の見解のみを承るという結果になったのであります。私、きょうは議事録を持ってまいりましたので、これをずっといろいろ見ますと、たいへん重要な内容でありまして、その内容が実は片道切符になっておる。これでは将来またどういう事態が起こるかもしれませんが、NHKの見解を承っておかないと都合が悪かろうと思いますので、あまり長い内容ではございませんから、経済企画庁長官がNHKの経理についてどういう見解を持っておるのか、こういう点、これは政府の見解でありますから、この点をひとつ申し上げますので、御見解を承りたいのです。この金額は四十一年の決算をもとにした金額でありますから、現状とはたいへん違いますが、それは御了解いただきます。 聴視料がすでに七百億をこえるということ で、国民にとりましては、ほとんどこれを払っておるわけでございますから、NHKの経理の内容をもう少し詳細に知る権利があると私は思います。また、私ども国民から政治を負託されておる者としては、やはり同様にその経理の内容を知る義務があるとも考えるわけでございます。しかし、現実には、NHKの経理関係の詳細な資料は監督官庁に知らされていないのみならず、国会に提出された資料もはなはだ簡単なものであります。したがって、経理の内容を現状では私ども知ることができないのであって、聴視料そのものが適正であるかどうかという判断もできないというのが現状でございますから、いわば国民にとって、税金ではございませんけれども、かなりそれに近い広範な数の国民が取られる聴視料でありますので、もう少し経理を国民が知れるような仕組み、あり方で、聴視料が適正であるかどうか判断できるような仕組みが必要ではないか、こう考えておるわけでございます。こういう答弁が最初にございました。 そこで、四十一年度、四十二年度の内容で、私、放送債券の問題なり積み立て金の問題なり、そうした点についていろいろ言いました。ところが、こういう答弁が出たわけであります。 四十一年度の決算で見ますと、放送債券の残高のほぼ三分の一が減債用放資として積み立てられておりますこれはそのような規則及び行政指導のもとに行なわれておるのでありますから、そのことに私は異議を申し立てておるのではございません。私の申したいことは、規則によろうと指導によろうと、とにかく長期債券の現在高の三分の一も積み立て得る会計というものは余裕のある会計である、これだけを申しておけば私は足りると思っておるわけであります。 それからなお、同じ年度の決算によりますと、当期資産充当金七十億余り、当期剰余金十七億、資産充当金というのは何のことかわかりませんが、とにかくこれだけの金が余ったということには違いありませんし、数年の間に増資を二百億ほどしたということも事実であります。でありますから、非常に余裕のある会計であるということは、おそらくNHKの会長も御異議がないのではなかろうか。それから、長期に残ります資産については、料金収入でやるのではなくて、一ぺん借り入れ金を起こしてやるというのが、これは公企業であろうと私企業であろうと、企業運営の原則であろうと思います。私企業でない、国民全体のものであるという主張であれば、国民全体のものであればその経理は国民に公開する義務がある、私はそう思います。こういう宮澤長官の答弁がありました。 そこでいろいろやりとりして、最後に、いろいろな議論は、おそらくはNHKの経理に関する資料がほとんど公開されていないということから起こっておると思います。競争関係にあり、かつ秘密を重んじる私企業でさえも、有価証券報告書では相当詳細なことを報告しなければならないのでありますから、何ゆえにNHKがその経理を公開することをはばかるのか、私にはその理由が全く納得がいかないわけであります。したがって、NHKはすべからく経理を公開して、それによってこのたびの料金値上げが必要なら必要であるという説明をすべきである。そのもとのことが欠けておるということについては、私ども、確かに何らかの処置をとる必要があるというふうに考えております。 こういう答弁があったのであります。また、NHK料金の決定について公聴会というようなものはほとんど開いておらない、公聴会を開く必要もあるのではないかという意味の答弁も宮澤長官から当時ございました。このことは、会長は、去年の三月十三日の逓信委員会で宮澤長官のこういうような意見について反論をしておられました。それも私承知をいたしておりました。 したがって、冒頭に申し上げましたように、きょうお聞きいたしたいことは、こういう当時の経済企画庁長官、これは政府の考え方ですが、これについて、会長としてはどういうお考えなのか、それをひとつお聞きしたい。
○前田参考人 率直に申し上げまして、当時の企画庁長官が、NHKの経理、決算、予算等について特別の知識をお持ちであったかどうかについては、私は非常に疑問に思っております。 まず、形式的に申し上げますと、NHKは特別法、放送法に基づく法人でありまして、したがって、私企業はすべて民法ないし商法の法規範の中で活動すべきものではないかと考えます。形式的にきわめて端的に結論を申し上げますと、したがって私企業は、商法の規定に基づきまして、社会的性格を明らかにするために、その部分に関する限り有価証券何々という形式でこれを公表すべきものであると規定されているのにすぎないのであります。私の考え方では、NHKは全くそれとは異なって、放送法及びその施行規則その他の関係においてNHKの経理は公表さるべきものであるというように考えております。 では、一体どういう形がとられるかと申しますと、私企業においては、国会においてその経理内容を議論する余地は全くございません。しかし、NHKの場合は、国民の代表である国会の各位の詳細な御検討をいただいているわけであります。この点がまず根本的に異なるところでありまして、したがって、一般私企業とNHKの問題を同じ立場でお考えになることに、私はかなりの疑問を持っております。これは形式上の私の見解でございます。 実際問題としては、私どもの企業は、私どもがかねがね申し上げ、また、皆さんも御関心を持っていただいておるように、これは一人の企業ではなく、国民のものであるというたてまえから申し上げるならば、私はすべてを公開すべきものであるという考え方に立っております。 それでは、公開の場はどこが中心になるかと申しますと、やはり私としては、国会の場が、特に専門委員会を設けられている場がその最大であり、また根本的であり、また同時に、最も重要なNHKの経理内容を明らかにする場であると私は考えております。ただし、私はこれだけでは十分ではないと考えております。同時に、法律上、放送法上は、NHKの経理はすべて会計検査院によって検査されることになっております。したがいまして、NHKの経理内容につきましては、一般私企業とは異なって、まことに厳格なる法体制のもとですべてを監視するという形になっているわけでございます。 ただ、一般聴視者との結びつきにおいては、それでは、ただいま申し上げた限界のほかにわれわれは何をなすべきかという問題がございます。これにつきましては、幾つかのことを私どもは実行しておりますが、たとえば、最近五カ年間に二千六百回をこす聴視者との懇談会、これを各地でやっております。一日一回以上、全国各地でNHKの首脳部と聴視者との懇談会を開き、その懇談会の席上、あらゆる資料を提示して御意見を承っている、これが第一のやり方でございます。 それから第二のやり方といたしましては、特に経営的見地から、特別の御経験と特別の知識を持っている方々との間に経営懇談会というものをつくっております。これも全国的にほぼ一カ月に一回開いて、すべての資料を差し上げて検討していただくことにいたしております。 さらにそのほか、印刷物におきましては、実に数多い、事業の内容はもとよりのこと、経理の一切の数字についても広く聴視者に知っていただくという意味での印刷物による接触をいたしております。ことに、事業の内容等については、たとえば技術研究所あるいは放送文化研究所を例にとりますと、毎月一回月報を出して、これを広く関心を持たれる方に頒布しているわけでございます。 そのほか、御承知のとおり昨年以来、いわゆる一種のブルーレポートを発行いたしまして、これは現在では増刷に次ぐ増刷という状況でございまして、一切の問題をすべてこの一冊にまとめて、全国各地の御希望の方に頒布するという形をとつているわけでございます。 したがいまして、結論的に申し上げて、当時の宮澤経済企画庁長官は、NHKと放送法との関係、あるいはNHKと会計検査院との関係、あるいはNHKと国会との関係、また、法体制においては、NHKは一般の商法との関係ではなく、放送法との関係であるという点で、いささか御理解が足りないのではないか、しかし、国民的感情からいって、私は、あらゆる機会にあらゆることを国民と直結してお知らせするということは当然の義務だと考えておりますが、宮澤長官の御発言に関する限りは、私としては、全く異なる立場をとらざるを得ないということになるわけでございます。
○武部委員 この問題については、別にここで議論をする必要はないと思います。片道切符ではぐあいが悪かったので、いろいろお聞きしたかったわけです。 ただ、その際に、宮澤長官は会計検査院の問題に触れたわけであります。会計検査院は、不正を摘発するということであって、運営の適切であるかどうかという経営の面まで口をはさむべきではない、こういうことも答弁の中にありました。 それからもう一点は、去年の一月十三日の閣議で、この料金が決定する前ですが、いまの決定のしかたはおかしい、そこで、放送法を改正をして認可料金にしたらどうだという意見が出て、閣議の中ではある程度の賛成が出たそうであります。こういうことも私ども承知をしておるのであります。一体、今後NHKの受信料というものがどういう形であるべきかということについては、いろいろ御意見があろうと思います。私どもも意見を持っておるわけであります。しかし、きょうはそういうことが本論ではございません。値上げ問題ではないわけでございますから、それはそれといたしまして、一応、カラーテレビの聴視料をめぐってこういうような論争があったという点だけはぜひひとつ申し上げて、会長の御意見を聞きたかった。その機会をちょうどきょう得ましたので冒頭にお尋ねをいたしたわけであります。 そこで、いただきました資料に基づいて質問をいたしたいと思いますが、「昭和四十四年度収支予算、事業計画の概要、」この中でカラー契約の今年度内の増加を百十万件と見ておるわけであります。若干カラーの伸びがとまっておるのではないか、そのように私どもは理解をするわけですが、百十万件年度内に増加をするという根拠はどこにございますか。
○佐野参考人 お答えいたします。 ただいまの御質問の前提になります四十三年度のカラー契約について触れてみたいと思いますが、御承知かと存じますが、四十三年度百四十万件という契約目標を立てましたのに対しまして、幸いにも各方面の成績が順調にまいりまして、大かた二十万件増、百六十万件でこの年度、四十三年三月三十一日が終了しようかと思います。したがって、来年度予算の四月一日の起点は、カラー契約百六十万件という数字でスタートできるかと存じております。 四十四年度におきましては、ただいま御指摘のように、百十万件の契約を設定いたしましたが、この前提といたしましては、大体この四月の時点で大かた三百万台余りの受信機の普及があると推定をされますし、これに対しまして、さらに四十四年度一年間で大かた二百五十万台普及するであろう、国内出荷するであろうというふうに存じております。そのように推定を立てております。したがって六百万台に近い出荷があるわけでございますが、これに対しまして、四十四年度末の時点でわれわれが契約を想定いたしますのに、まず、先ほどの六百万台に近い数字の中で流通在庫を大かた二・五カ月、六十万台と見るわけでございます。 もう一つ特徴がございますのは、最近におけるカラーセットの色彩度の安定によりまして、三十五、六年以降国内に出回り、四十一年くらいまでに出荷されたものは、今日の受信機の性能とはなはだしくそのクオリティー、品位を異にいたしますので、四十一年くらいまでに生産されたものは非常に陳腐化しておるということで、買いかえ、廃止というものが予想外に多い状況にありまして、これを大体六十万台というふうに見ております。さらに、多少こまかくなりますが、契約の対象外となります二台目以上は一契約でございますので、これらの二台目以上という形によりますものは大かた二十万台、それから受信契約の免除契約の対象となります学校とか公民館の設置台数を、四十四年度一ぱい二万台になるというふうに見ますれば、私どもは大体契約の対象数を四百三、四十万台というふうに見ております。これに対しまして六五%の加入数ということで、大かた二百八十万台の開発率になりまして、今年度の、四十三年度の百六十万件と来年度の百十万件と合わせて二百七十万件というものがただいまの国内の出荷、さらに、いろいろの控除をいたしました契約対象数に対して開発六五%と見て二百七十万台というふうに大かたの推定を立てております。それが四十三年度の百六十万件と四十四年度一ぱいの百十万件というふうな数字に分かれるわけでございます。
○武部委員 出荷の台数から推定をして、大体四十四年度中には百十万台の増加が見込まれる、こういうふうに理解できるわけですね、いろいろ言われましたけれども。 そこで、それでは白黒は新規増加を八十四万件と見ておるわけですね。カラー契約への変更による減百八万件、普通契約の新規増加八十四万件、年度内減少は、したがって二十四万件、白黒はこれですね。白黒の契約は年度中に八十四万件ふえると見ておるわけでしょう。
○佐野参考人 少し誤解があろうかと思いますが、白黒の契約が八十四万件でございません。すべてカラー契約、並びに普通契約、これは白黒でございますが、それらを含めまして、現在協会が受信者との間に契約をいたしております総数に対して、四十四年度八十六万件の増加を見たい、そのうち、カラーが先ほど触れましたように百六十万件、百十万件という形で、ほとんどが白黒のほうからカラーのほうに転換をいたします関係で、四十四年度では、全体を含めて八十六万件の増加であるにもかかわらず、白黒、つまり普通契約は、相殺して出入りがあって二十四万件の減という数字にとどまるであろう、こういうわけでございます。
○武部委員 「昭和四十四年度収支予算、事業計画の概要」というのを見ますと、普通契約においては、年度初頭千九百四十二万二千件、年度内の減少が二十四万件、カラー契約への変更による減が百八万件あるから、白黒は結局百八万件減るが、普通契約の新規増加は八十四万件と見ておるわけでしょう。結局、年度内に減るのは白黒で二十四万件というふうになるんじゃないですか。
○佐野参考人 もう一度説明を立て直していたしたいと思いますが、四十四年の年度初頭に二千百二万件という有料の契約総数の数字でございます。そして、この年間に、先ほど触れましたように八十六万件の契約の増加を達成するということで、来年の年度末、四十五年の三月末二千百八十八万件で終わるという、これが有料契約の総数でございます。 この内訳を申しますれば、先ほど申しましたように、カラーについて、年度初頭百六十万件が年間百十万件多くなりまして、来年三月末二百七十万件になる、普通契約、白黒の有料が、これと関連いたしまして、年度初頭千九百四十二万件という数字が千九百十八万件で終わりまして、この限りでは二十四万件の減になる、こういうことになるわけでございます。 先ほど触れましたように、カラー契約の百十万件の算出の根拠というものは大体御説明したとおりでございますが、ただいま問題になっております普通契約の二十四万件の減の算出はどういうことだということに焦点を合わせて御説明申し上げますれば、この限りでは、普通契約の加入数は、四十四年度の期間、保護世帯とか貧困な世帯等を免除いたしますのはもちろんでございますが、私どもは来年度契約対象世帯六百万と見ておりまして、このうちから二百二十三万の契約をいたし得ると見ておるわけです。六百万件の契約可能対象の世帯に対して、来年度中に二百二十三万件の加入を実現できる。ただ、これに対しまして、毎年のことでございますが、廃止率が非常に多うございます。廃止の数は、この間に白黒からカラーに契約変更をするものが百十二万件ある、その他、機器の故障とか転居先不明――私どもはこれを一般的に移動ないし、廃止といいますが、これが百三十五万件を見込みまして、合わせて二百四十七万件が廃止として来年想定される、したがいまして、二百四十七万件から、先ほどの来年度中に加入をみる二百二十三万件というものを差し引きまして、普通契約に関する限りは二十四万件の減になる、こういうことになるわけです。わかりませんでしょうか。
○武部委員 私の持っておるのではいまの説明でわからぬのです。わかりませんから、よく聞いて、それじゃまた……。
○佐野参考人 それでは資料として提出をいたします。
○武部委員 では、資料を出していただきましょう。 次に、これに沿って質問するので、ちょっとあなたのほうではぐあいが悪いかもしれませんが、電波公害ということがいわれて、何か神戸のほうで二千世帯が電波公害被害者協議会というものをつくって受信料を納めない、こういうことをきめて実行しておるというようなことが報道されておりますが、きのう山口君のほうから基地周辺の問題が出ておりましたので私はこれに触れませんが、電波公害被害者協議会というようなものが神戸だけで二千世帯もできて、これが料金を全然納めない、こういう事実がありますか。同時に、全国的にこれと同じようなケースがありましょうか。これをひとつお伺いしたいと思います。
○佐野参考人 私の承知をいたしておる限りでお答えをいたしますと、神戸市と建設省の出先機関の地方建設局等の都市計画の一環として、阪神電鉄を高架にするということに相なりまして、神戸市内の一隅、二・四キロでございましょうか、その両沿線の二、三十メートルにあります世帯千二百軒ほどが受信の障害を発生いたしておるということでございます。昨年の秋ごろNHKが、御依頼を受けましてこの辺一帯の受信障害の調査を完了いたしまして、それに基づきまして、神戸市並びに地方建設局、NHK、受信者代表の四者でこれを救済するための相談がことしに入りましてからも引き続き続行されまして、すでにこの経費の点につきましては、神戸市と地方建設局が全額負担をいたしましてこれを救済するということで、議がまとまったと報告を受けております。ただ、その後におきまして、月々電力料等の維持費が一部必要になりまして、私が報告を受けているところでは、月に百円というものをこの千二百軒ほどの受信者の側で負担をするということになりましたのに対して、何ぶん大ぜいの受信者でございますから、その中に異論を唱える方々も一部ありまして、その点で今日ひっかかっておる、ただし、それさえ解決をいたしますれば、いま三月に入りましたが、四月中にも工事は完了するという状態になっておるように承知をいたしております。
○武部委員 この神戸以外にこのようなケースがございますか。
○佐野参考人 いまの阪神電鉄に関します限りでは、大阪も同様の条件にございましたが、大阪はすでに決着をいたしております。その他はただいま別にございません。
○武部委員 次に、建設計画の中で、四十四年度中にテレビの総合、教育で百八十局を建設し、百四十局の建設に着手する、こういうことが載っております。同時に、共同受信施設の設置、このことがいわれておるわけでありますが、郵政大臣の意見書を見ますと、第二項の中に、今後テレビの放送については「経済的な簡易中継局方式の開発をさらに推進し、」と、こういう項目がございます。あとで関連をしてくるので質問をするわけですが、最初に、この簡易中継局方式というのは、一体どんなものか、簡単に説明願いたい。
○野村(達)参考人 お答え申し上げます。 最近になりましてテレビジョンの中継局の規模がだんだん小さく、電力も小さくなってまいりまして、従来やっておりましたものでございますと、建物を建て、あるいは比較的大きなアンテナを建てるというようなことをしまして中継局を設備しておりましたのですが、それを、かなり電力は小さくなりましたものですから、建物はほとんどなく、あるいはアンテナにしましても、比較的簡単なアンテナを使って設備をするものを簡易中継局方式と称しております。最近は新しいIC技術等も入れまして、きわめて小型になり、しかも、価格も比較的安くできるようなものを使い始めております。
○武部委員 そうすると、比較的小型のものをおつくりになっておるようですが、どの程度の範囲がそれによって視聴がよくなっていくのか、その範囲をひとつ……。
○野村(達)参考人 もちろん、送信場所を設置する高さによって異なりますけれども、普通は約三キロないし四キロ程度のところでございますと十分使えると考えております。
○武部委員 この大臣の意見書の内容は、視聴が困難である地区の解消についてこういう方法をとる、こういう意見書になっているわけですね。 それから、これはテレビ関係ですが、NHKの計画によれば、共同受信施設を設置する、こういうことになっているわけで、これはおそらく難視聴地区の解消のためにこういうことをおやりになると思うのです。そうすると、一体、NHKとしては、これからの難視聴地区の解消について、大臣が述べておるような簡易中継局方式をおとりになるのか、それとも共同受信施設のほうをおとりになるのか、どちらに重点を置いておやりになろうとするのか。共同受信施設の設置ということが載っているのですが、あの予算を見ますと、九億四百八十万円だか計上されておるようであります。これで一体どの程度の難視聴が解決するのか、また、この簡易中継局方式では百八十局ということをおっしゃっておるのですが、百八十局の内容は一体どういうものなのか、これをひとつ……。
○野村(達)参考人 いまの御質問の問題の中で、一つは共同受信と置局をどういうふうに使い分けるかという点があるかと思いますが、これにつきましては、共同受信が非常に便利に行なえる、経済的にやれるといいますところは、部落がかなりまとまってありますところはそういった方法でやるのが、比較的経済的に便利に行なえるわけでございます。ところが、実際上は、かなり谷間に長く分散して存在しますような、サービスされない地域につきましては、これは電波によります置局によるほうがはるかに経済的である、なお、有線によります共同受信は、やはり戸数にいたしますと二百戸以下というようなところが経済的でございまして、それ以上の集落に対しましては電波を使ったほうが有利である。そういう意味で、電波によりますものと置局によりますものを区別して使い分けていきたいと考えております。
○武部委員 そうすると、共同受信施設というのは、今回初めて予算に計上されたわけなんですか。
○野村(達)参考人 さようでございます。
○武部委員 そうしますと、NHKが費用を出して、たとえば山頂に共同アンテナを建てて、それをずっと下に引っぱっていく、そうなってくると、将来故障とかいろいろなことが起きてくると思うのです。そういう維持管理については全部NHKがもちろんおやりになるわけですね。
○佐野参考人 ただいままでのことについて、一部、私から多少の修正をいたしたいと思いますが、共同受信施設に対しましては、三十五年以降今日まで、その施設の三分の一、一世帯当たり大かた八千円ないし九千円という形でかねがね助成をいたしてまいっておりまして、協会が今日まで助成をいたしました総数は六千七百施設、四十億円という数字がございます。こういう方針をとってまいりましたのに対しまして、四十四年度以降は、ただいま御議論ございましたように、さらにこれを積極的に協会の全面的――全部でもございませんが、全面的に近い負担で建設に当たりたいというふうに、積極的な政策の展開を考えております。 どうしてかと申しますと、ただいま技師長の御返事がございましたのですが、従来、置局ということを全国カバレージの基本にいたしてまいっておりまして、その置局の完成を見るまで暫定的に共聴施設に依存するというような補完的な任務を持って今日まで運営されてまいりましたが、今日、中央におきましてVHFの波のかわりにすべてUHFを割り当てたいというふうに変更になってまいりますと、いままでV局で中継局を建ててカバーできるというようなところが、波の足の波長の違いからカバーし得ないというような地域も発生する、あるいはまた、波の多くを見たいということで、すでに、共聴によりますれば、東京周辺でいいますれば東京の各波、地方におきましても、商業放送等の波をアンテナで受けましていままで見ておりますが、もし商業放送が進出しないで、NHKだけの置局ということになりまして、U局ができましても、この共聴施設を必要としない、従来どおりの共聴施設をそのまま持っていたほうが他の波も見られるということで、必ずしもその施設が廃止されない、あるいは、予定どおりこちらが考えておりますようにコンバーターを買わないというようなことがかなりはっきりいたしてまいりまして、いよいよそれが山間僻地等の極小地域にそれが強まりますれば、やはり置局のかわり――代替といいますか、完全にかわりといっても差しつかえございますが、置局の代替性を持った補完性を強めていくということでこの共聴施設を協会が積極的に行なう、もっと端的に申しますれば、置局が行なわれると想定されている地域で、すでに七〇%くらいもう共聴に入ってしまっているというようなところでは、あらためて置局をいたすのは避けて、その三〇%の置局をよりいいものとして保持していく、あるいは、まだ共聴に加入していない方々のために、あらためてそこに小さな共聴施設をつくるという形にしていったほうが賢明ではないか、得策ではないかというふうな観点から、四十四年度以降、この共聴用の負担を協会が積極的にしていくということにいたしたわけであります。 ただ、そういたしますれば、旧来協会が助成をいたしてまいったものは三分の一にすぎませんので、やはりつくりましてからもう六年くらいたって、そうして老朽化して改修を必要とするというような向きには、これとの関連で、協会が旧来の再助成をしないというたてまえを一部修正しまして、再助成いたしていくということをあわせて考えてまいりたい、このように考えております。
○武部委員 そうしますと、これからの難視聴対策としては、NHKが全額金を出してそういう方法をおとりになる。そうすると、いままでのものは全部三分の一の補助だということになるわけですね そうすると、かりにいま民間の聴視者が自分たちで金を出してつくっておるそういうものが老朽化して、故障が起きたりして困るというような場合には、もう全部NHKがそれを肩がわりしておやりになる、こうなんですね。
○佐野参考人 全部というとあれでございますが、私どもが一応想定いたしておりますのは、先ほど述べました六千七百の既助成の施設がございますが、さしあたり、四十四年度で申しますれば、このうちの二百施設で最も老朽度の高いもの、あるいは、つくりましてから年数のたったというものに対しまして改修の手を施す、四十七年度までに大かた二千四、五百、四十七年度までに、これから四年間に対しまして――いや、ちょっと失礼しました。千三百でございます。千三百ほどの改修を行ない得る、こう思っております。
○武部委員 この共同受信施設というものの耐久年数は、一がいには言えませんでしょうけれども、大体どのくらいですか。
○佐野参考人 五年と承知をいたしております。
○武部委員 東京一円のテレビ受信障害――これは高層ビルとか、いろいろな点で新聞にも非常にたくさん出ておるようでありますが、この東京一円でテレビの受信障害の件数、これは大体どのくらいございましょうか。
○佐野参考人 たとえば、四十三年の数字はまとまっておりませんので四十二年でお許しを得たいと思いますが、四十二年で、普通の意味でのビル陰障害ということで協会自身が手がけましたものが一千件、並びに、この対象世帯数は一万軒という数字でございます。ただこれは、そのビルの建築主といいますか、原因がきわめてはっきりいたしておるいわゆるビル陰障害として手がけてきたものでございます。 いま御指摘の、新しい都市構造の変化の中でビルが林立をいたしまして、原因者がはっきりしないというものに対しまして、四十四年度以降、協会がこれを都市難視という形で積極的に救済に当たりたいという考えをもちまして、四十四年度のこの予算案の中では、東京、大阪、名古屋で大体四十施設というふうに想定をいたしております。一施設が大体二百五十世帯というふうに算定をいたしております。四十七年度までの一応私どもの内部的な想定によりますれば、二百八十世帯、大体これに関連する受信障害の世帯七万軒、ことしは先ほど出ました四十施設で一万軒というような数字を見込んでおります。
○武部委員 去年の十一月、小林前郵政大臣が、都市におけるテレビの難視聴の解決のために有線テレビ放送の法人をつくる、そうして、これは一都道府県単位に設けたいというようなことを言っておったわけであります。そうして、次の国会にこの法律を提出したいというようなことのようでしたが、一体、この内容はどんなもので、今度の国会に御提出になるのか、その法人は届け出制なのか許可制なのか、この点、ひとつお答え願いたい。
○木村(睦)政府委員 大都市内のビル陰障害によります難視難聴の問題につきまして、いま御指摘のように、有線その他の方法でその問題を解決しようといたしております。 小林前大臣が答弁を申し上げました当時の状況を申しますと、東京では新宿方面でそういう非常に難視難聴の地域がございます。そこで、NHK及び民放テレビ一緒になりまして協議体のようなものをつくって、これの有線化をやって現在運営しております。しかし、こういうような難視難聴の地域が大都市の方々に出てくるということも予測されますし、また、特に大都市ではNHKのみならず、民放もたくさんあるわけでございますから、こういう施設によってどのチャンネルも見ることができるというようにしていくことが、この放送の公共使命からも必要であろう、こういうことから考えまして、有線放送をやるという仕事はかなり公共性の高い仕事であるという見地から、こういった事業につきまして責任のある法人組織にするということは必要であろうかと思っております。 なお、公共性からかんがみまして、許可制も考えるべきではないかということで、そのための法律をこの国会に提出いたしたいと思いまして、実は目下、関係省、特に法制局等々と基本的な考え方について折衝いたしております。成案を得ましたならば提出をいたしたい、かように考えております。
○武部委員 内容は大体わかりました。 そこで、東京と大阪にUHFテレビ局の建設に着手するということになるわけですが、東京と大阪にUの波を許可したという、これはUの普及のためにこういうことをおやりになる、こういうふうに郵政省は申しておるわけでありますね。そうすると、一体、この番組はどういう番組を放送するのですか。
○石川(忠)政府委員 ただいま私どもが考えておりますことは、現在Vでやっている番組の同時放送ないしは再放送、それを考えておるわけでございます。その中からカラー番組を主として放送する、こういうことを考えております。
○武部委員 Uの普及のために認めるというならば、同時放送や再放送というようなことでは、これはもう私はあまり役に立たないと思うのですよ。異なった番組を放送してこそ初めてそれが普及するのであって、同じようなものをどのチャンネルでもやっていた、これは二、三日前に見たとか、そんなことじゃ普及にならないじゃないですか。
○石川(忠)政府委員 ただいま申し上げましたように、同じ番組でも、できるだけカラー番組を選ぶということ、それから一つは、これはどういう番組を選ぶかという問題にも関連するわけでありますけれども、実際にいろいろ再放送をVの波だけでもやっておりますし、こういう中から選択してやっていただけば、オールチャンネルの受像機の普及に相当役立つのじゃないかと私ども考えておる次第であります。
○武部委員 では、一つ聞きますが、異なった番組を放送するということがいけないという理由も聞かしてください。それだけでいいです。
○石川(忠)政府委員 これは原則的に、NHKは全国にあまねく一つの番組を流す、こういう原則になっております。ですから、東京、大阪で別の番組を流しますと、今度は関東地方と近畿地方だけはほかの県と違う全然別個の番組が流れる、こういうことになるわけでございまして、それは、NHKの使命からいたしますと、東京で見る番組も、あるいは鹿児島県で見る番組も、ローカルはそれは違いますけれども、その他の番組については全部同じであるというたてまえをとっておるわけでございます。こういったたてまえから、違った番組をやることは好ましくない、こういう考え方で、同時放送ないしは再放送に限定したい、こういう考え方であります。
○武部委員 私もこの問題についてはちょっと異論があるのです。Uを普及させるという趣旨からいって、再放送や同時放送では、これは何にも役に立たぬと思うのです。これに郵政省が固執するのは、いまあなたがおっしゃったのでは、ちょっと理解ができぬと思う。ですから、さっきも言うように、どのチャンネルをひねっても同じものが飛んで出ることでは、普及にも何にもならぬと思うのですよ。 そういう意味で、どうしても郵政省としては再放送なりあるいは同時放送ということに固執されますか。それ以外のものは許さない、こういうことですか。
○木村(睦)政府委員 ただいまの答弁を私、多少ふえんいたしますと、問題はVからUになぜかわらなければならないかということに原因があると思うのであります。 御承知のように、現在NHKは一と三の二つのチャンネルをもってテレビを放送しておるわけでございます。このVをUの波に移すということでございまして、チャンネルの数はそのためにふやさない、これは今後既存の民法のテレビがUにかわる場合でも同じでございます。これを一つの原則として今後考えておりますので、それで、NHKがVからUにかわりました場合に、受信者の立場も考えまして、VとUと同時にやるということは、過渡的にあるわけです。そのときに同じものをやるという考え方に立っておるわけであります。したがいまして、完全にU化してしまうある時期がきますとU独得の番組でやる、しかし、そのときにはVはなくなっておる、こういうふうな考え方、いま政府委員が説明いたしましたもとを申し上げますとそういうことでございます。
○武部委員 それなら、NHKはこれについてどういうお考えでしょうか。
○川上参考人 Uの普及を時間的にも地域的にも強力に促進するためには、いま先生がおっしゃったことも一つの方法でございます。ただ、現実的にその転換策をどの程度まで強調するかということは、NHKの経営全体、あるいは政府の政策もございましょう。そういう観点におきまして、いまNHKが考えておりますことは、先ほど電波監理局長からの答弁にもありましたが、時差放送するあるいは再放送するという形も検討いたしております。 それで、その場合におきまして、それでは、再放送するということは全然意味がないということはないのでございまして、ある程度はこれも有効の方法かと思います。たとえば、朝八時十五分に放送いたしております連続ドラマを、夜間にこのUの波で再放送するということは、新しい方にはやはり魅力があるという形もございます。
○森本委員 関連。 いまの問題ですが、これは郵政省がそういう意見で全部固執するというのはおかしいと思う。郵政省として大体そういう考え方になるということは、それは政務次官の考え方が、いわゆるVからUに転換をしていく、それで、Uになった場合には一つになるから、それのためにそういう考え方であるということは、それはよくわかります。わかりますけれども、膨大な金額を出して、そうしてUをやって、Uを普及させるという目的からいくとするならば、VとUと同じような波を出しておって、それが実際にUの普及になるかどうかということを考えた場合には、現実にそれはなりませんよ。だからそれは、全部が全部違った番組をやれとは言いませんけれども、少なくとも、一日のうちにある程度変わった番組が中に入っておってこそやはりUの受信機が普及せられる。だから、それはやり方はいろいろあろうと思う。たとえば、ずっと前にやった「花の生涯」をもう一ペん再放送するとか、そういうふうな考え方があると思う。それから、一日のうちに一つや二つはUでなければ見れぬ番組がある、こういう形でなければUの普及という方向にはならぬわけです。だから、UとVとの放送が全部一緒のものであるということになったならば、いわゆるUの普及ということからしても、これは全然ためにならぬ、こういうふうに思うわけです。その点は、郵政省はあまり固執しないように、そして、NHKとしても無理のないような形で一つの番組面を考えていくということを総合的に考えていかなければならぬと私は思う。これは非常に大事な問題ですから、特に関連をして言っておきたいと思います。再度、政務次官のお答えを聞いておきたいと思います。
○木村(睦)政府委員 この問題につきましては、先ほど私が申し上げましたのが郵政省の考え方でございます。先生の御意見も非常に参考になりますので、よく検討はいたしますが、現状においては、先ほど申しましたような考え方に立っております。
○武部委員 それでは、この問題はこれで終わります。 建設関係についてお聞きをしておきたいと思います。 きょうの新聞によりますと、きのう会長は記者会見で新しいタワーの構想をお述べになったようです。実はきょうそれをお聞きしたかったわけでありまして、今度建てようというタワーは一体どういう構想なのか。大体、きょうの新聞によりますと六百メートル級と書いてありますが、高さ、建設の規模、金額百五十億円というように載っておったようでありますが、一体新しいタワーを建てなければならないという必要性は何なのか、これをひとつ最初に伺いたい。
○前田参考人 まず、NHKの過去六年間推進してまいりました近代化そして合理化という点から考えまして、最終段階をその中に織り込んでいくという考え方が第一でございます。御承知のように、渋谷の現在放送センターと申しているところの敷地は二万五千坪でございます。私ども昭和三十八年にあの敷地を獲得しまして立てた構想は、実はその最終形態は、最近私どもが関係方面とお話し合いをした構想が最終形態であったわけです。しかし、一般的社会情勢あるいは経済情勢等の御意見もありまして、今日、NHKとしては、放送センターのほかに、内幸町の旧本館あるいは霞が関、あるいは赤坂には今回明年度予算の中で盛られているUHFの送信所の建設あるいはこの三月一日から本放送になりましたFM放送の鉄塔も実はあそこにすでにあるわけでございます。しかし、将来構想から考えますと、NHKの仕事が同じ都内で数個所に分散されているということは、経済的に見てもまことに不経済であるということは、私どもが数印来痛感している点でございます。それから、鉄塔につきましても紀尾井町に現存しているわけでありまして、FM放送はそこから送信しているというのが実情でございます。したがいまして、これを完全に集約しながらすべて放送センターに集中するという考え方があるわけで、それからまた、将来のV、U転換という点から考えますと、紀尾井町の使用し得る電力の最高限度は、UHF局といたしましても約十キロ内外というのが限度でございます。このようなものでは、国策の将来との関連で考えましても、全くむだになる、したがいまして、御審議いただいておる予算の中でも、大阪については特別の鉄塔を建てることにいたしております。したがって、大阪においては五十キロ内外の放送が可能になるわけでございます。これに反して東京は、現在の施設で行ないますと、十キロ程度がマキシマムということにもなるわけでございます。 そういった諸般のことを考えながら、最終的に合理化をはっきり進めていくというこの最終段階において、私どもといたしましては、放送センターにすべてを集中し、紀尾井町の鉄塔にかわって、将来二十年、三十年の先を考えた新しい形の鉄塔が必要である、その場合の鉄塔は、これは今後しさいに検討するわけでありますが、技術の実情から申しまして、それから波の変換あるいは高層都市の現出ということを考えますと、おおよそ六百メートル程度のものが必要であろう、こういう考え方に立つわけであります。 ただし、一つ申し上げたいことは、あの渋谷の放送センターの地帯は東京都内でもかなり高いところでございます。最高の高度を持った地帯でございます。内幸町の本館全部を移すにあたっては、昭和三十八年の構想でも、あすこに二十四階の、二十四層の事務センターを上げるという考え方でございます。この基礎工事はすでにでき上がっております。したがいまして、私どもとしては、現在八階でございますが、その八階の上にさらに二十四階を建てることによって、しかも、水平線上から申しますと、地帯はきわめて高い部分にあるこの建築からいいまして、水平線からの鉄塔の技術的要請は六百メートルであっても、鉄塔自体は必ずしも六百イートルということにはならないであろうということを考えているのでございます。
○武部委員 日本テレビは、新宿に正力タワー五百五十メートルを建てるとかいうようなことで、大々的に宣伝をされておるわけです。このNHKの新しい塔について、民放ではいろいろなことを言っておるようですね。これは新聞にも出たとおりですからお読みになったと思いますが、歓迎するところもあれば、そんなものを東京に何本も建てる必要はないというような意見を述べておる民放の代表者もおるようです。 もし建設した場合、民放にも利用させるわけですか。
○前田参考人 まず、ちょっとお断わり申し上げますが、新たに鉄塔が一つふえるというのではございません。現在すでにNHKの鉄塔は紀尾井町で使っておるわけでありまして、したがって、現在は東京タワーとNHKの紀尾井町の鉄塔と、それからNTVの鉄塔と、この三本がございます。ですから、NHKの立場から申しますと、紀尾井町を廃棄して、新たな要請にこたえる鉄塔を建てかえるという意味のものでございます。 それから御質問の第二の点につきましては、私といたしましては、民放さんの御要望があれば、すべてそのお求めに応じ得るものをつくりたいという考え方を持っております。現在東京タワーは、今後のFMあるいはUHFへの転換ということを考えるときには、もう限度に達しておりまして、新しい波をこれに乗せることは不可能でございます。正力さんの問題につきましては、技術的な御意見もまだ伺っておりませんし、私どもも新聞で承知した程度のものでありますが、正力さんの御構想と競争する意味でのものではない。したがいまして、正力さんとの関係においても、もしお互いに調整する部分が必要であれば、私としては当然話し合いをすべきであるという考え方を持っております。 繰り返して申し上げてはなはだ失礼でございますが、現在すでに三本鉄塔があるということは事実であります。ただ、NHKの鉄塔を紀尾井町から渋谷の放送センターに建てかえるという意味のものでございます。
○武部委員 郵政省にちょっとお伺いいたしますが、放送局の開設の根本的基準は、第七条第一項第二号に、放送局の送信空中線の設置場所は近接したものにすることが規定されていますね。この点について、二つの塔が――二つというと、また言われますが、建てられることについてどうお考えですか。
○石川(忠)政府委員 お話のとおりの根本基準にあるわけでございまして、これは、まず受信者の立場に立った場合に、電波があちらこちらから発射されるのでは、一々そのつどアンテナの向きを変えなければならぬということから出ている方針でございます。いずれにいたしましてもまだ具体化しておりませんけれども、このUの波が出る場合に、あちらから出る、こちらから出るというようなことのないように、また経済的にも、そういったことになりますと非常な大きなむだになりますので、そういったことのないように調整しなければならない、こういうふうに考えております。
○武部委員 郵政省としては、調整するというお考えですか。
○木村(睦)政府委員 ただいまNHKの会長がいろいろ申されました。これはNHKとしての一つのビジョンであり構想であろうかと思います。また、お話の中に出ましたような、正力先生が考えておられますのも同じような構想だろうと思いますが、実は、郵政省といたしましては、NHKにつきましても、いま御審議をいただいておる予算の中にもこのテレビ塔についての予算もまだ入っておりません。もう少し先の話になろうかと思います。 それから、正力先生のお話もビジョンの程度にしかわれわれ聞いておりませんので、これがいよいよ具体化しようという段階になりますときに至りますと、郵政省といたしましては、二重投資なり、あるいは不経済なことのないように、調整といいますか、十分関係者と話し合って二重投資にならないような方法を講じて、あっちにもこっちもテレビ塔の乱立競争というふうなことのないにように考えたい。こういうふうに考えております。
○武部委員 それでは、NHKにこの問題について最後にお聞きいたしますが、そうすると、いまの内幸町なりその他の分室なり、そういうものの売却等によって建設費はまかなえる、したがって、聴視料の値上げとか、そういうことには全然これは関係ないのだという、そういう御構想ですか。 それと、設計はすでにでき上がっておるものでしょうか。
○前田参考人 財政的な面では絶対に値上げの対象にはしない、また、しないでできると考えております。 それから、設計等につきましては、先ほど政務次官からもお話がありましたように、まだ具体的には全部いたしておりません。昭和四十四年度の予算の中では、したがってこれを処置しようとは考えておりません。ただ、先ほど申し上げましたように、昭和三十八年以来の構想でもございますので、一応の基礎設計というものはあるわけでございます。これと関連しまして、私といたしましては、局内に特別の委員会をつくって、そうして、その基礎的な構想をこれから決定してまいりたい、このように考えております。
○武部委員 それでは次に移りますが、郵政大臣の意見書の第三項に超短波放送の問題に触れられておりまして、「外国混信による中波放送難聴地域については、その解消にいっそう役立たすよう努めるべきである。」こういうことが出ておりますが、計画にある秋田の第二放送大電力局、この問題も出ておるわけでありまして、これはたしか一億円だったと思いますが、今後の大電力局の計画はどうなっておるか、これをお伺いいたしたい。
○石川(忠)政府委員 まず、FM放送につきましての外国混信対策でございますが、いま全国で二十八局ほどFMで中波放送と同じ番組を放送することによりまして、夜間の外国混信対策の放送をやっておるわけでございますが、これをさらに充実していただきたいというのが、この第三番目の、外国混信による中波放送難聴地域の解消に役立たせるようにつとめるべきであるという字句でいっておる内容でございます。 それから、第二放送の大電力化の問題でございますけれども、これは、現在東京、大阪はチャンネルプラン上は五百キロになっておりますが、三百キロになっておりますのをいずれ五百キロにするわけでございます。今回、来年度の計画で計上しておりますのは、秋田の第二放送局を五百キロにするということで一応計上してあるわけでございまして、このほかに札幌、福岡も今後建設する計画でございまして、以上五局によって第二放送は全国をカバーしよう、こういうことでございます。
○武部委員 札幌と福岡は何年度ですか。
○石川(忠)政府委員 いま何年度かということがはっきりいたしておりませんが、秋田に引き続いてやるようなことになろうかと存じます。
○武部委員 この点はわかりましたが、しろうとですから間違っておったら訂正していただいてけっこうですが、大電力局ができるということに仮定して、私は鳥取の米子ですが、米子に放送局があります。それが大電力局にかりになったとすると、隣の松江あるいは鳥取というようなところの放送局は要らなくなるというようようなことがしろうと考えで出てきますが、どんなものでしょうか。
○石川(忠)政府委員 原則といたしましては、各県にあります、大体県単位でやっている放送は、FM放送に切りかえるという方針でございます。
○武部委員 それでは、郵政省にもう一つお伺いしておきますががFM放送の開局申請が出ていると思うのですが、これは現在何社で、何局くらいありますか。
○石川(忠)政府委員 ちょっと資料を持ち合わせませんが、たしか、三百局くらいだったと思います。あとで正確な数字をお知らせします。
○武部委員 何社で何局くらいかということをあとで回答していただきたい。――わかりますか。
○石川(忠)政府委員 一月末で二百七十三社の五百四十五局でございます。 それから、先ほど申し上げたとに対して修正をいたしますが、各県域放送をFM放送に切りかえるというのは、民放についてのことを申し上げたのでございます。
○武部委員 私はNHKのことを言っているのですよ。かりにそういうふうに大電力局になった場合にすぐ近所にある放送局はどうなるのかということを言っているのです。
○石川(忠)政府委員 NHKにつきましては、第一放送と第二放送とFM放送と、三本立てでまいります。したがって、県単位の放送というものはFM放送でやる、こういう方針でございます。
○武部委員 先ほどのFMの申請二百七十三社、五百四十五局を各県別にひとつ資料としお出しをいただきたいのでありますが、委員長、お取りはからい願いたい。
○石川(忠)政府委員 お出しいたします。
○武部委員 次に、NHKの学校放送番組についてちょっとお伺いいたします。 学校放送番組は一週間どのくらい、高等通信教育の番組は一週間大体どのくらいやっていますか。
○川上参考人 NHKの学校教育番組は、幼稚園、保育所向け、小学校、中学校、高等学校向けをその対象といたしまして、ラジオでおよそ四時間、テレビで同じく四時間、それから通信高等学校向けの放送、それは夜間いたしておりますが、テレビでおよそ二時間半ほど、それからラジオで三時間、おおよその数字でございますが、この程度づございます。
○武部委員 郵政省にお伺いいたしますが、UHF、FMが拡大されるにあたって、文部省から郵政省に対して教育専門の放送の波を留保してほしい、こういう申し入れがあったということを聞いておりますが、事実ですか。同時に、郵政省はこれについてどういう見解を持っているか、伺いたい。
○石川(忠)政府委員 そういう申し入れがございました。それで、UHFにつきましては、この教育用の波その他の波用として若干が現在のところ留保されておるわけでございます。それからFM放送につきましては、現在の段階では非常に窮屈でございますので、現状においてはこれに充当する波はないわけでございますが、今後いろいろな波の検討を通じて、さらにこれに応ずるように努力したい、こういうふうに考ております。
○武部委員 最後になりますが、いままでのNHKの歴史をずっと見ますと、放送時間が非常に延長されてきております。また、受信者も非常に増大をしてきております。さらに、FM放送になる、あるいはローカル放送が強化をされる、この計画ではそういう点が載っておるわけであります。逐年そういう傾向が強まってきておりまして、これはNHKの業務というものが非常に拡大をされていくということであろうと思うのであります。これに見合って、一体NHKとしてはどういう方向でこの増大をする事務量なりに対抗しようとしておるのか、この点をひとつお伺いいたします。
○前田参考人 お説のとおりでございまして、私どもとしては、昭和三十三年以来、将来のNHKの動向を考えまして、数次にわたる長期計画というものを立てたわけであります。具体的には、戦後約七年をかけまして、そういう意味での経営の近代化を中心とする合理化に踏み切りまして、そのおおよその全国組織が実は去年の十一月に機械的には発足したわけであります。当初、七年前の計算では、もしこのような設備をしない場合、あるいは経営全体を合理化にしない場合に予想された職員の総数は、昨年の十一月現在で約一万九千という計算が出たわけであります。それが今年度予算におきましても、それからまた、御審議いただく明年度予算におきましても、おおよそ一万五千数百名でとどめられているのが実情でございます。 先ほどほかの御質問と関連して、この近代化の最終形態は、われわれとしては渋谷の放送センターに集中することでもあると申し上げたのも、そういう経過の中で、私どもとしてはでき得る限りの資料を検討して一応の構想を立てた最終段階に当たるということを申し上げたわけでありますが、そういう意味では、私どもとしては、今後の技術の開発による新しい波の使用もしくは番組の多様化、これに応じ得る基礎的体系はすでにでき上がっておるということが申し上げられると思います。ただし、今後の事業量に応じて過重な労働をしいないというたてまえ、それから、社会の発展に応じて一週間の労働時間数が減っていくというたてまえから、私どもとしては、ただいま実行中の第三回目の五カ年構想の中で新しい事業に対する必要な人員はやはりふやすべきであるという考えをとっておりますし、それから同時に、こういう合理化の成果は一万五千の職員協力に基づくものでありますし、それからまた、社会情勢、社会経済の実態も進展するわけでありますから、つとめてその待遇等においても私どもとしてはそのような方向でものを考えているということを申し上げたいと思います。
○武部委員 すべての増加について、いろいろNHKとしてはお考えになっておるようであります。コンピューターの導入等によって合理化をはかっておる。しかし、私どもの見るところでは、これは主として管理部門に限られておるようにいまのところは思うのです。このいただきました資料によりますと、五十人の増員をされて一万五千八百十人ですね。外務というのが千百五十人あります。私は地方ですから、集金の人がどのように苦労しておるかということを大体知っておるのです。また、郵政省の特定局で、放送局の委託集金人というものが何回も行ってようやく集金をしておるという事実もたくさん知っております。非常に苦労しておるのであります。確かに、御提出になった資料を見ましても、受信料の収納率というのは非常に高い。これは数字が示すとおりですが、その背後には第一線の諸君が非常に苦労しておるという事実があるわけです。この表を見ても、現場関係の職員というものは、皆さんがおやりになっておるコンピューターの導入その他の合理化には直接あまり影響がないように思うのです。したがって、この放送時間の延長であるとか、受信者の増大であるとか、FM放送、ローカル放送の強化とか、そういう面で第一線の職員が相当な労働強化になるのではないか、それを私どもは憂うるのであります。したがいまして、この点については、人間をふやすだけが能でないことはよくわかります。一万九千人というのが一万五千八百十人、けっこうなことです。しかしそのことがいま言うように現場の第一線の職員にしわ寄せをされるというようなことであっては私は困ると思うのです。そういう点はひとつ十分御考慮をいただかなければならぬ、こう思います。 同時に、いま待遇の面でいろいろ考慮をしておる。先般待遇問題でも妥結を見たようでありますが、民放との差あるいは報道関係、新聞関係、そうしたものとの給与の比較をしてみますと、NHKというものは、民放なりあるいは新聞その他の報道機関のベースと匹敵しておると必ずしも私は思わないのです。むしろ下だと思うのです。そういう意味で、いまおっしゃったような待遇の面、さらに人事面でこの第一線で働いておる人の難儀、こういう点についての配慮をぜひひとつお願いをしたいと思うのですが、いかがでしょう。
○前田参考人 私どもも実はその方向でここ数年間、事業の経営を行なっているわけであります。今回の待遇改善は、私としては、客観的には――世間さまではいろいろな立場からいろいろな見方があるかと思いますが、私は、七年前に組合の幹部と話し合いまして、この機械化を発足するにあたって、この成果が得られた場合には、私は経営者として、私のほらから可能な限りの待遇を改善するということを約束してあります。これは七年前のことであります。その成果が、先ほど申し上げましたように去年の十一月から一応稼働をした。この去年の十一月から稼働をしたのは、現場関係が中心でございます。管理関係で動き始めたのはもう足かけ四年前になりまして、したがって、その意味で全国の各分野にわたっての全国組織が完成したという意味でございます。今日、私つまびらかにしておりませんが、今回の待遇改善は、組合員いわゆる職員ベースで八・九%以内でございます。実質的な金で五千百十円になりますが、従来、職員も私どもの方針に協力してくれまして、ここ三年間のベースアップは大体五・七%内外でございました。そういう意味では、たとえば官公労等に比べましても、官公労は、大体ここ三年間七%を上回っております。官公労方式で計算いたしますと、実質賃金の増加は、官公労の場合は八尾になるわけであります。そういう意味でも、私はこのパーセンテージの水準は必ずしも高いとは思っておりません。ただ、今後の問題として私が職員一同に期待しているのは、労働の密度を高めることである、それによって賃金の考え方をさらに再検討し、同時に、一週間の労働時間をできるだけ短くしていくという方向に行きたいということを語り合っております。 新聞、民放との関係につきましては、長沢専務理事から答弁させたいと思います。
○長沢参考人 同種企業の新聞、民放と協会との比較の問題でございますが、民放、新聞の詳細な基準賃金等は十分把握はいたしておりませんけれども、四十二年、四十三年の時点におきまして、協会はベア率は五・七%、五・七%と二年続きまして、ことしは先ほど申し上げましたように八・九%、八%のベア率をあげたわけでございます。三年間を通算いたしますと、六・八%のベア率に相なるわけでございます。四十四年度は、私のところはベア交渉はいつもトップバッターに相なっておりますが、四十二年、四十三年の同種企業の代表的な四社と比べますと、そちらのほうは大体七・八%ないし九%くらいのベア率に相なっているかと、こんなふうに思うわけでございます。そういう意味合いから申しましても、ことし私どもは、先ほど会長が申し上げましたとおりで、八、九%、過去にないいきばったベア率を出したというふうな態度で、まことに適切なベースアップであるというふうに考えております。
○武部委員 これで終わりますが、物価の上昇から見ると、あなた、こんな金額でいばっておるようなことじゃだめなんです。それから、民放とか新聞関係の基準賃金をつまびらかにいたしておらぬ、こういうことじゃ困るのですよ。やはり民放なり新聞というものがどういう賃金形態にあるのか、そういう点も十分調べておらないで、それでもって、いや八・何%だからりっぱでございますとか言ったって、前の五・七%が低いのですから問題にならぬのですよ。ことしは済んだのですけれども、そういうような点については十分考慮していただかなければならぬ、こう思うのです。 私の質問はこれで終わります。
○井原委員長 小沢貞孝君。
○小沢(貞)委員 先ほどの質問の中で、前田会長から冒頭に御答弁のありました主として政府の発言、宮澤発言をめぐって、政府とNHKは意見が違う、こういうように御発言になりました。宮澤発言の内容は、先ほどの質問の中で出ておりましたが、あれは国会の中の答弁で、新聞記者団等に発表したのもここにありますが、要約すると、 NHKのカラーテレビ受信料値上げに、事実上反対する考えを示したものである。 一、NHKの業務報告書を見ると、放送債券の発行額に対して、その償還用の積立金が三分の一もあり、剰余金の中から百億円も資金積立てに回すなど、非常にゆとりがある。 一、このように楽な経営のなかで、将来の投資資金を、料金でまかなう必要はない。 一、今の放送法では、大会社が公表を義務づけられている有価証券報告書のようなものはNHKにはなく、経理内容の監査は、監事が口頭で経営委員会に報告する程度になっている。放送法を改正する場合は、放送債券の償還資金の積立て方もふくめて、この点を改めたい。 これはたぶん新聞に発表になったものだと思います。先ほどの答弁の中でも、大体これに似たようなことだったと思います。こういうことについて、先ほど政府の考え方とNHKの考え方は意見が違う。その理由は、NHKは放送法に基づきNHKと国会の関係、もう一つはNHKと政府の関係、そういうような関係に基づいて意見が違う、こういうように言われておりました。前田会長の意見も、ある部分においては私は正しいと思うし、宮澤長官の言っているこれは、国民の率直な声を代弁しているようにも考えます。 そこで、この意見の違うことについて政府はどう考えるか、こういうことを次官にお尋ねをしたいわけです。これは、あらかじめ通告をしておきませんし、政務次官が御答弁に困るようでしたら、この次の大臣の出席のときにお答えいただきたい、こういうように考えますので、政府の考え方をお尋ねをしたいわけです。
○木村(睦)政府委員 あるいは次回に大臣から詳細にお答えがあるかと思いますが、一応私なりの考えておりますことを、御答弁になるかなりませんか、お答えいたしたいと思います。 ただいまお話しになりましたような政府対NHKとの前回の料金引き上げについての意見の食い違いは、確かにあるわけでございます。郵政省といたしましても、この料金値上げにつきましては、将来さらに一そうカラーの普及が予想以上になったような場合には、料金の引き下げというふうなことも考慮すべきではないかということも考えております。なお、前年度の予算を御審議いただきましたときに、当然予算の中に料金の引き上げも含めての予算の御審議をいただいたようでございますので、国会におきましてもそういった御議論が出ておったことも十分承知しております。 そこで、先ほどNHKの会長から四十三年度の実績についていろいろお話がありました中に、テレビのカラーの普及が予想より相当上回っておるということでございます。確かにそうでございます。この分を増収として計算してみますと、大体四億弱、三億数千万円になるかと思っておりますが、その程度のが予想以上に入っておる。それだけのものは当初に予想しなかった収入でございますので、これは聴視者に還元すべきだということは、筋としては言えると思います。ただ、しかしそれを還元いたしますと、一世帯当たり、現在値上げによりましてカラーテレビが四百六十五円ですか、かかっておりますものに対して、たかだか一円五十銭くらいの引き下げということに相当するわけでございますので、むしろ零細な料金の引き下げ、また、四十四年度がどういうふうな結果になりますか、またそれによってふやすなり減すなり、こういうことを繰り返すよりも、この程度の零細な引き下げに相当する増収でありますならば、むしろこれを施設の整備であるとか、あるいは視聴者のためのテレビがよりよく見やすいいろいろな方向にNHKとして使うということが、今日の段階では利用者のためにいいのではないか、かように考えておるわけでございます。
○小沢(貞)委員 政府のこの発言は、全部に対してお答えいただいておらないようなので、私は、将来の投資資金を料金でまかなう必要はない、ここのところは政府の意見が正しいと思うのです。NHKの会長は、それは政府とは意見が違うと、こう言われて、これはNHKの態度だと思いますし、NHKとしてはなるべく健全なほうがいいと思いますから、そういう御発言だろうと思うのですが、将来の投資まで料金でまかなう必要がない、こういうように昨年政府は発言しているわけです。この辺をどう考えるかということで、去年、カラーが伸びて、四億ばかり増収になったからすぐ値下げしろと私は言っているわけじゃありませんが、ここが、私がこれから質問したい点でありますので、これをひとつ全体の質問を通じて、この次のときにでもけっこうですから、政府の意見をまとめて、大臣から御答弁いただいたほうが、あるいはいいかもしれません。 そこで、そういう観点に従って私は最初に質問をいたしますが、建設費がほとんど料金収入でまかなわれている、自己資金でまかなわれている。ここの辺が宮澤長官、政府のこだわっている点の一つだと思いますが、私は、昨年もこの問題について質疑をいたしたわけです。 そこで、時間がありませんから、私のほうでNHKからいただいた資料に基づいて申し上げますが、建設資金がどういう推移をたどってきているか、こういうことを申し上げたいと思います。 昭和三十九年は二百二十一億、四十年は百六十二億、その次、四十一年百七十三億、四十二年二百十六億、四十三年百五十八億、ことしの予算は百五十四億、こういう建設資金であります。ところが、それをまかなってきた外部資金の経緯は、三十九年が六十九億、四十年三十五億、四十一年三十九億、四十二年五十二億、四十三年三十一億、ことしは二十六億。自己資金の経緯は、三十九年が百五十二億、四十年百二十七億、四十一年百三十四億、四十二年百六十四億、四十三年百二十七億、ことしは百二十八億。そこで問題なのは、減価償却がたくさん行なわれてきております。その推移はこういうことです。三十九年は六十六億、四十年は八十四億、四十一年百二億、四十二年百六億、四十三年百十八億、ことしは百二十七億、こういうことです。したがって、これは投資に対する自己資金の割合というより、私はむしろ減価償却の割合で出してもらいましたけれども、昭和三十九年のときには建設資金の三〇%でした。それが次の年は五二%、四十一年が五九%、四十二年が四九%、四十三年が七四%、ことしは八二%、こういうことです。いよいよもって、全部が自己資金によってまかなわれる、こういう状態になってまいったわけです。 大体こういう傾向、これは会長さんでなくてもけっこうですが、この数字や傾向、これはどうでしょう。
○前田参考人 御指摘のとおりでありまして、数字の経過はそのとおりでございます。 それでは、一体なぜ聴視料から建設費に回すようになったかと申しますと、これは池田内閣時代、関係当局の御指導もあって、実はその方向に踏み切ったわけでございます。しかし、私どもとしては、できるだけその年度の聴視料から建設への投資は避けるべきである。それ以前は、すべて建設計画は外部資金と減価却費だけによったわけであります。したがいまして、これは社会経済あるいは国家財政との関係で、御意見を承りながら方向をきめてきた歴史の数字でございます。 それからまた、先ほど来、放送債券の問題と関連して債券の積み立て金が大きいと申しまして、私どももそのようにかねがね感じておりました。しかし、現行放送法においては、それがはっきり規定されておるわけでございます。ただ、その運営につきましては、前々回の国会以来、皆さんの御意見も承りながら一部取りくずしをして今日に至っておるわけでございます。したがいまして、私どもとしては、歴史的にはその数字そのままでございますが、数字の内容が含む社会的意義はかなり複雑な経過をたどっておるということを御理解いただきたいと思います。 それから、私どもの主たる任務は、放送法の野頭に明らかになっておるように、全国難視聴地域をなくせよ、全国普及ということが原則でございまして、この意味においては、建設は同時にNHKの当然やるべき重要部分になるわけでございます。 なぜこの減価償却費が大きくなったかという点につきましては、二つの歴史的過程をたどっております。 第一は、終戦以来、民放ができました当時を振り返ってみますと、NHKは戦争の破壊によって徹底的に機械設備を全国的にこわされております。しかし、民放は基礎的設備はすべて輸入によってまかなったわけであります。これに対して、NHKは原則的に技術の自己開発によって国産品を使うということが前提であります。したがいまして、破壊された設備の再建と、技術の発展状況に応じた適当な設備をするためには、全国組織としてのNHKとしては実に多額の金を必要としたわけであります。また同時に、施設は年々建設計画で御承知のごとく、放送法のNHKに課せられた第一義的責任を果たすために毎年かなり大きな局の建設を行なってきておるわけでありますから、これに応じて一定の減価償却費が多くなってくることは当然だと考えております。そういう意味でも減価償却費が多くなった。ただ、毎年建設費が下がっているではないかという問題については、二つの理由がございます。 その一つは、先ほど来申し上げた終戦直後以来の基本的建設は一応近代化されたということと、それから第二には、今年度以降、いわゆる聴視料金の体系が変わった。今日、明年度予算と今年度予算を比べますと、聴視料の収入額において五十二億の増収があるという印象を与えるわけでありますが、これは御審議をいただいた際の経緯を御記憶いただいているならば、この五十二億というのは、聴視料を改定する前のNHKの財政状態といかなる関係に立つかということをやはりお考えいただきたいと思います。この今回の改正は、ラジオ単設世帯をすべて無料にし、テレビを中心とする放送料金を一カ月十五円値下げする、その前提のもとに、今後どのくらいの世帯を把握できるかというおぼろげな予想のもとに、その値下げ分に対して、カラー使用者はまだ全国的にりょうりょうたるものであり、その意味においては支払い可能性を持っている世帯という判定のもとに百五十円を追加するという形でございます。したがいまして、明年度予算と関連して考えましても、これまでの料金体制と比べますと、実際的の収入は約三十数億の赤字であるというのが実情でございます。したがいまして、単に数字の経過をおたどりいただくばかりでなく、そのよってきたった原因や、それから社会的要請もしくは行政的指導、これとの関連において数字をお読み取りいただきたい。したがいまして、私どもの今年度を起点とする五カ年構想の中での建設計画は最小限度のものにしてあるわけで、したがって、その建設費が年年低下してくるということは当然予想しながら組み立てた一つの行き方であります。 ただ問題は、減価償却費の総額が年々大きくなってきているという事実と関連して、将来の建設計画をどうすべきかという問題は今後に残ると思います。減価償却費のきめ方の歴史においても、簡単に申しまして、昭和三十三年以来約十年間におおよそ三回の変更をいたしております。今日の減価償却費の算定は一般私企業とほぼ同じ形の金額でありまして、したがいまして、この点についても減価償却費の内容そのものは、必ずしも御指摘をいただくような面で特別の償却費を組んでいるということはございません。ただ、今後の問題として、VからUに転換する問題あるいはその他新しい波の出現、技術開発による新しい技術の採用等を考えるときに、減価償却をいたずらに心理的に削ることは、やはり国民のものであるNHKの経営基礎を危うくするわけでありまして、私としては、単なる印象的な気持ちでは経営の責任を果たし得ないという考え方を持っているわけでございます。 詳細の数字を中心とする問題については、担当専務から答弁させたいと思います。
○小沢(貞)委員 こまかい数字の前に、昔は国家財政との関係で池田内閣の意見は聞いた、今度は政府は、宮澤発言に代表される意見は意見を異にする、これはどういうことでしょうか。そこだけはちょっと私ひっかかるので会長から……。
○前田参考人 私どもの直接政府関係は郵政大臣でありまして、経済企画庁長官とは直接には私どもは関係はないわけです。 それから、私どもが基準とする法律は放送法でありまして、商法等とは関係のない特別法のもとでわれわれは経営すべき義務を与えられているという点でございます。したがいまして、御発言の政府という意味は、政府全体をさすのか、それとも、政府部内の意見の相違との関連でどのような範囲での政府という御発言であるか、私にはちょっと理解いたしかねると考えます。
○小沢(貞)委員 いま一つ、事務当局からお返事をいただく前に、私はいまずっと経過を調べてみて、前田会長は、内容が含む意味は複雑だ、こういうように抽象的に御答弁がありました。私は、数字に出ている限り、数字というものは意味をちゃんとあらわしているから、数字以外の意味はこの中には含まれているはずはないと思うのです。だから、その内容の含む意味は複雑だということも含めて、ひとつ事務当局から先ほどの経過を説明していただきたいと思います。
○志賀参考人 減価償却の投資額に占める比率につきましては、先ほど先生からお話がございましたとおりの数字でございます。 すなわち、昭和三十九年度を起点にした資料を御提出申し上げておりますが、三十九年には二百二十一億という非常に膨大な建設を行なっておりまして、そのときの減価償却費は、先ほど会長から答弁申し上げましたとおり、当時の基準に従いまして、この投資額に対しましては三〇%ということになっておるわけでございます。この二百二十一億ないしは百六十二億、百七十三億、また二百十六億というような形で建設が非常に膨大になっております。この数年間を推移いたしておりますが、これは当時も国会等からの御要望もありまして、まだ地方のテレビの見えない地帯に対しましての置局を中心にしましたもの、並びに当時はオリンピックがありまして、これに対するNHKの使命を果たすための投資、こういうものがこの期間の投資のおもなものなわけでございます。順次、この建設費はここ一両年は急激に減少さしておりまして、特に昨年からは受信料の関係の問題もございまして、地方の演奏所の建設も一通り終わりましたので、一応ここで打ちどめにいたしまして、難聴解消を中心にしました建設にまとめた形で、金額が非常に減少いたしてございます。 一方、減価償却費のほうは、過年度の投資額から、先ほど御説明いたしましたように、適正な法人税法に基づくこれとほとんど同じ方式をとっておりますので、定率法によりましてこういう減価償却費が算出されてまいって、本年度も百二十七億ということになっておりまして、これは過去の建設の投資の影響によるものでございます。御指摘の、この建設資金をまかなうのに減価償却費をまず中心にいたしまして私どもは考えております。やはり減価償却費という制度の精神からまいりまして、投資の設備の損粍というものを、まず当年度直接これによって埋めていくという考え方で、これを建設費の財源の主たるものにいたしております。その足りないところにつきましては、先生からもお話がございましたが、一部、外部からの借り入れを併用していくという方式をとっておりまして、やはりNHKのような公企業のような場合におきましては、この減価償却費というものを建設財源の中心にしていくということが非常に大切なものじゃないかというふうに私どもは考えておるわけでございます。したがいまして、四十四年度には百五十四億というふうに、重点的に建設費を相当しぼった形にいたしておりますので、これに対しましての比率は、御指摘のように非常に高い八二%を減価償却費を中心にいたしまして、なお若干の資産の売却等の収入もございますが、足りない二十五億についてはなお外部から借り入れる、借り入れにつきましても最小限度にしたいという考え方でございます。
○小沢(貞)委員 そういうことが悪いとか、誤っているとか、数字に間違いがあるとか、こういうことを私は言おうと思いません。先ほど会長も言われたように、会計検査院から検査を受けて一円の金も間違いは私はないと思うのです。ただ、私はもっと端的に結論から言えば、NHKそのものの中から、もっと料金を安くしなければいけないだろう、こういうような声というものは出てくる要素があるでしょうか、こういうことに私、疑問を持つわけです。こんなに財政がよくて、こんなに建設費も自分の金でまかなって、これほど健全な財政の中で、NHK自身の中から、いや、これは十分値下げできるから受信料を値下げしましょうという声が、NHKの内部の経営委員会でも何でも出てくるか、こういえば、私は出てくる可能性はないと思います。これはあとで数字をだんだん申し上げますが、ないと思います。したがって、経理の内容が明らかにされていないとか言っていますけれども、私は、だんだん質問すれば幾らでも明らかになってくると思いますからいいと思いますが、それを詳細に検討をしてみると、これは国民の立場から見れば、ことしの料金が適切であるかどうか、こういうことに私は疑問を持つわけです。 たとえば、ことしの資本収支は、減価償却費が百二十七億六千万、それからまた事業収入から約十億入れているわけです。しかも、前期の繰り越し金、これはもうこの事業収入のほうに入ってはいないからよくわかりませんが、三億になっています。これはあとで事務当局に聞きますが、この三億は倍くらいか三倍くらいになるんじゃなかろうかと思いますが、あとで数字を、これは質問の中で明らかにしたいと思います。それから固定資産の売却の収入、これは少ない。それから放送債券、長期借り入れ金、これは両方で確かに四十二億借り入れることになっておりますけれども、ことしは放送債券と長期借り入れの返済に四十三億充てていますから、これは差し引き一億よけい返済している、こういうことだと思うわけです。そういうように考えてみると、ほとんど全部のものは料金の中から、簡単に言えばまかなっているんだ、こういうことに私はなろうかと思います。こういうことまでして去年値上げした料金というものをことし続けていかなければいけないか、こういうことが私、疑問に思うわけです。まず私が冒頭に考える問題はそのことなんです。これは一般の私企業とは比較になりませんから、私企業と比較したってだめだと思いますが、ほかの国鉄であろうと電電であろうと、その他の関係の企業を見ても、これほど超々健全財政、これは私はないんじゃないかと思う。しかるに、NHKの中から、ことしはひとつ料金を下げてやろうという声というものは、経営委員会の中から出てくるか。政府とは意見を異にしますと言って突っぱねておって、一体どこから意見が出てくるか。私は基本にそういうことを考えるわけです。 私はまあ最後に申し上げますが、私の試算したところによれば、カラーテレビ四百六十五円を約五%下げて四百四十円にして、三百十五円の白黒を十五円下げて三百円にする。それはトータルにおいて四・五か五%の値下げになると思います。そのくらいに値下げをしてもまだ超健全財政、こういうことが続けていける、私はこう思います。 だから、そういう意見というものはNHKの中から、みずからの体質の中から出てくるでしょうか。だから、宮澤発言なり何なり、将来の投資というものは少し借り入れたっていいじゃないかという政府の声をどうして聞かないか、こういうことが、これは会長さんにお尋ねしたいわけです。
○前田参考人 まあ、超健全財政であるとおっしゃいますけれども、私どもの立場で申し上げますと、財政は常に健全でなければならぬという考え方を持っております。私どもの仕事は国民の仕事でありまして、その月の聴視料を五%下げることによって借金をふやすことがいいのかどうかということは、根本的な問題だと思います。毎回の予算決算の御審議を通じて附帯決議の一項は、必ず借金を減らせという項目がついておったように記憶いたします。私どもは、国会審議を通じて、附帯決議を尊重しながら今日まで経営を続けてきていると思います。 それからまた、カラーの付加料金について、一般的な呼び名で値上げであるということをおっしゃられることについても、私としてはきわめて不本意でございます。NHKの料金の歴史は、戦前戦後を通じて常に値下げの歴史であります。今回の料金も、先ほどから申し上げましたように、繰り返すようで、はなはだいかがかと考えますが、ラジオ単設料金を無料にし、芦、うして白黒料金を十五円下げ、ただし、カラーを持ち得る人のいわゆる公平負担の負担能力の原則に立って百五十円を御賛成いただいたわけであります。もちろん私は、将来にわたってNHKの財政が非常によくなってもこの金に固執するのではないということは、先ほど政務次官からもお話があり、前国会その他を通じて私どももその意向を申し述べております。しかし、現在において、御批判の気持ちは、私としては十分理解しているつもりでございますが、今日の段階で私としてはさらにこの料金を引き下げるべき時期であるかどうかという問題については、遺憾でございますけれども、私は見解を異にするものでございます。
○小沢(貞)委員 私はあげ足をとるようなことでたいへん恐縮ですが、たとえば、去年の附帯決議は、将来の受信料の減額についても検討すること、こういっている。去年は、前田会長の言うこととは逆に、料金を下げなさい、こう決議してあるのですよ。それはまあいい。 それから、私は何も借り入れでやって、それがいいということを言うわけじゃありません。たとえば三十九年から今年までの長期借り入れと放送債券の残高を見ると、昭和三十九年のときは三百二十四億、それがだんだん減ってきて、ことしは二百七十六億、こういうように放送債券や長期借り入れの残高が減ってきているわけです。その上、宮澤長官の言うように、減債基金といって、放送法できめられた積み立てがある、その積み立てが今日四十一億残っているわけです。したがって、長期借り入れの二百七十六億から四十一億を引くと、一千億の予算をこなすNHKの長期借り入れが差し引き二百三十五億しかない。こういうことは、ほとんど借金ゼロなんだ、こういうように見ても差しつかえないような、こういう傾向をたどっているわけです。そして、私はこれから四十三年度の決算の状況や推移をお尋ねいたしますけれども、そういうことをよくしさいに検討してみると、ことしは四百四十円の三百円で健全財政でまかなっていけるのだ、こういうように私は数字の上から言えるから、会長、あまりこだわるものだからその点を私は言うわけです。附帯決議は値下げをしなさいとしているのに、そうでないということを言ったり、そういうようにこだわるから、私はもっとすなおに数字を検討してみれば、ことしの料金は四百四十円の三百円でも十分まかなえる、しかも超健全財政でやっていける、こう思うわけです。
○前田参考人 昨年度の附帯決議は、料金改定と関連して、将来、可能であれば値下げの方向にいくべきだということは、私も十分考えており、その当時の私のお答えでもその方向をはっきりと認めておるわけであります。しかし、それ以前の附帯決議は、毎年、借金を減らせということになっておりまして、借金をふやせという附帯決議はかってございませんでした。しかし、それだからといって私はこだわるわけではございません。 しかし、この減債基金の問題は、御承知だと思いますが、放送法上は昨年度もおよそ八十億以上ございましたが、この運営について、郵政大臣の特別の御配慮により、大蔵省とも話し合って、一部取りくずしをお願いしてそのようになっているわけでありますが、しかし、減債基金そのものについては、やはりこれは存続しなければならないものでございます。 で、問題は要するに、この超健全という点から値下げを即時やるべきではないかという御意見についての問題かと考えますが、私といたしましては、たとえば明年度予算におきましても、八百三十億の収入のうちでおよそ二百七十数億に対して借金を持っているということは、御指摘のごとく、きわめて超々健全政策であるというようには考えません。これが私企業であれば、仕事の将来や社会消費の全体を見ながら、借金の度合いというものは、取締役会の責任において検討していけるものだと考えますけれども、私どもの企業は、簡単にいえば国民から委託されたものとして、借金といえども将来はやはり受信料の中から払わなければ払う基礎はないわけであります。したがいまして、私としては、今日の段階ではやはり聴視者の御理解を得て、昨年度も縮小予算をつくっているわけで、まあ、そう言いますとまた問題が起こるかもしれませんが、明年度も、先ほど申し上げましたように、膨大な建設費はできるだけ組まないようにするというたてまえで運営しているわけでありまして、その意味では聴視者も理解してくださっておる。私、先ほど来申し上げましたが、年間約四百回をこえる各地での聴視者懇談会でも私どもはその点をはっきり説明申し上げ、聴視者の方々の支持をいただいているわけでございます。ただ形式的に、ここを削ればこれだけ安くなるではないかという御議論も、もちろん私としては身にしみて傾聴申し上げているわけでありますけれども、少なくとも五カ年構想の第二年度において、しかも二千百万契約の中でおよそ二百七十万の契約しかないカラーの部分の部分的現象によって、私は直ちに値下げをすべき時期ではないということを考えているわけであります。もちろん私は、今年度の予算政策についてもお話し申し上げたように、将来可能性が出てくれば、私としては率先して値下げの案を出したいということを考えておりす。
○小沢(貞)委員 前田会長とわれわれの考え方が違う。ことし巨億かけて鉄塔をつくったとすれば、その鉄塔は五年、六年、十年先の聴視者が利益を得るわけです。われわれは、いまつくっている鉄塔の金を、何でいま見ているカラーテレビ、テレビ料金から出さなければいけないか。投資というものはそういうものなんですよ。そこが全然違う。投資というものは将来の人がその利益を受けるのですから、利益を受ける時期に利益を受ける人が払う、これはもう理論的にもそのとおりなのです。だから、ことし建設費百六十億というものをいまわれわれが何で料金から納めなければいけないか。これは根本問題なんですよ。会長はことしさえ収支が合って、ことしの減価償却でみんな投資さえしていればいいのだというお考えかもしれないが、そういうことは、もうものの見方が全然私はおかしいと思うのです。
○前田参考人 私は、その点について先ほど御説明申し上げたと考えておるのですが、昭和三十四年ごろまでは私どももその方針であり、国会の諸先生もその方針、それから関係政府当局もその御方針でありました。したがいましてその方向でまいったわけであります。先ほど私が数字の変遷と、そのいろいろな意味合いについてきわめて抽象的に申し上げましたのは、そういう経過を申し上げたつもりでおります。 私は、その原則は将来適当な時期にやはり踏み切るべきであるという考え方を持っており、したがいまして、その年度からの聴視料の中から建設費に回した歴史をお考えいただければ、明年度は最低の金額になります。一番多かったときは担当専務から御説明申し上げさせますが、かなり多額のものを投じたわけです。これを切っていくという方針で、明年度最終形態として十億円を計上してあるにすぎません。 それからまた、減価償却費の総額の問題については今後社会情勢あるいは経済情勢あるいは一般企業の減価償却の原則との関連においても、これは情勢が変われば当然考え得ることであるというふうに私も思っております。 そういう意味で、根本的には私は先生に反対しているわけではなく、ただ、よってきたった原因とNHKの現状からいってまだそこに踏み切り得ないということを申し上げたわけでございます。
○小沢(貞)委員 それでは、ちょっと減価償却費の百二十七億の内容をお尋ねしたいのですが、対象資産は幾らあるわけですか、償却をすべき対象資産は。
○志賀参考人 対象資産は一千九十億でございます。資産の総額でございます。
○小沢(貞)委員 いや、いや、償却をすべき対象資産ですよ。
○志賀参考人 償却をすべき資産の対象は八百十二億でございます。
○小沢(貞)委員 八百十二億から百二十七億、約百三十億、これは一六%前後に当たるわけですね。そのうち――もう時間がないから私のほうで言いますが、建物あるいは構築物、機械、これはそれぞれどういう償却率でやっていらっしゃるか。耐用年数でやっているかどうか私は知りませんが、たとえば機械は、おたくからいただいた資料によると、三百十六億この償却資産の対象があるわけですが、そのうち九十五億、約百億、つまり非常に大まかな数字でいうと、三百億の資産を百億償却している。その償却率は、法人税法のどいう規定に基づいてどうだということは私たちはよくわからないが、三百億の資産を百億償却するということは、うんとしろうとつぼく考えれば、三年に一ぺんずつ機械をつぶしては立て、つぶしては立て、こういうように数字的には見えるわけです。こんなにしなければいけんですかね。
○志賀参考人 先ほどちょっと御説明いたしましたが、法人税法で定められておる方式に従いまして、定率法でやっております。 それでただいま御指摘の機械類につきましては、NHK、電波業界全部そうでございますが、非常に精密な機械が多うございますので、法人税法の定めたワクに従って六年の年限でやっております。したがいまして六年で――定率法と申しますのは年間三〇%、これは御指摘がございましたように三〇・三二%というのが定率でございまして、これで毎年やっていくわけで、六年間でほぼ一割の残額になるという方式になっております。
○小沢(貞)委員 そういうことでやっていって、三百億のものをことし百億も償却することになるわけですか。
○志賀参考人 さようでございます。
○小沢(貞)委員 予算の総額で見ると、償却すべき対象の機械が三百十億ばかりある、そのうち百億償却している、つまり三〇%償却しているのですね。それでそうなるのですか。それを六年――私はおかしいと思うのですが、これはこまかいことですからいいと思います。 私はこの数字を見て、あまりにも償却が多過ぎるのじゃないか。つまり、全部の機械をつくって、でき上がって使い出したと思ったら、もうつぶしてこわしちゃって――いや、こわさないでもいいのですが、みんなその価値をなくしてしまうように見えるわけです。とにかく、私は税法上の償却について詳しくないから、ただ数字から言っているだけですから、これはひとつ、どの機械がどういうようになって、どう償却してということは資料を出していただきたいと思います。 時間もありませんので、それでは次に進みたいと思います。 さかのぼって恐縮ですが、昭和四十二年の決算で、予定よりも去年の予算四十三年に繰り越した額、これは決算上どうなりますか。
○志賀参考人 おそらく損益の剰余のことを御指摘になっておられるのだと思います。四十二年度末におきましては約九億ございました。それに対しまして、四十三年度、昨年御審議をいただきました予算にあらかじめ計上いたしたものが六億ございます。
○小沢(貞)委員 わかりました。 そうすると、四十三年度のことしの予算の中で、前期より繰り越し金受け入れ六億というのが九億になった、ここで三億浮きます。それから、ことしの料金の収入が、予定は七百七十三億であったが、先ほどの御答弁で四、五億増だ、こう聞きましたが、そういうことですね。
○志賀参考人 ことしの四十三年度の実行につきましては、先ほど来お話が出ておりますように、大体百四十万のカラーの見込みに対しまして、百六十万程度まではいけるだろうということで、実はこの三月の最終月に最後のノルマをかけてやってもらっておるわけでございます。これによりまして、年間の本年度の増収が、先ほど次官からも話がございましたおおよそ四億前後は出るだろうと期待をいたしておるわけであります。今度予算に計上いたしました三億、前年度からの繰り越し金と申しますのは、ただいま御説明したように、確実に繰り越せるものを押えなければなりませんので、これは四十二年度に四十三年度の予算を組みましたときに、いま御説明いたしましたように六億計上いたしましたが、その後、四十二年度の決算をいたしてみましたところが、いろいろな建設費の財源の残りその他がございまして、九億出てまいりました。この三億につきましては、現在保留いたしてございますので、これを四十四年度に持ち越しまして、予算に計上いたしましたものでございます。 ことしの見込みとして、これから三月末までに発生するだろうと期待をいたしております四億前後につきましては、総則に基づきまして、職員への企業努力のための特別の給与等に放出する関係もございますので、まだはっきり見込みが立ちません関係から、一番確実な四十二年度末の残高につきまして四十四年度の予算に繰り越し金として計上いたしましたものでございます。
○小沢(貞)委員 私の頭の中に、大ざっぱには四十三年度の予算を見せていただいたら、四十二年度からの繰り越しは六億の予定が九億何がし余分に入ってきた――これはどんぶり勘定みたいな話ですみません。だから、これはもうちょっと、三、四億多いんだ、昨年はカラー百四十万で百六十万入りました、増収が四、五億くらい入りました、こういうように私は頭に入って、都合これは十億ばかりふえました。 そこで、今度お尋ねしたいのは、去年、固定資産の売却九億の予定を立てて、固定資産売却一覧表等を見せていただいたのだけれども、去年こういう数字を出していただきました。四十三年三月十五日、小沢貞孝要求資料、こういうことで、売却対象資産がこれだけで九億でございます、こういうように出ておりました。この実績はどういうようになっておりますか。上から、姫路は百三十万円の簿価、これは幾らになりましたか。
○志賀参考人 姫路につきましては二千七百万で売却いたしました。
○小沢(貞)委員 簿価の約二十六倍。では旧山形放送局、これは去年簿価四千九百五十四万三千円と聞きました。これは幾らになりましたか。
○志賀参考人 これは千五百万で売却をいたしました。
○小沢(貞)委員 そうすると、山形放送の簿価が約五千万のところを千五百万ですか。
○志賀参考人 さようでございます。
○小沢(貞)委員 それは何か理由があるのですか、簿価の三分の一でなければ売れないという。
○志賀参考人 山形につきましては、多少理由がございます。これは、市からかねて土地の貸与を受けておりましたところの、三十年ばかり使用いたしました旧放送局を新しく移転をして、もとのところが要らなくなったというケースでございます。市との契約によりまして、そういう契約になっておりますので、土地は市へ返還をする必要が起きてまいりました。市へ返還をするに際しまして、市のほうから、公共施設に建物を使いたいという申し入れがございました。建物はNHKのものでございますが、公共施設に、という市からの御要望もありまして、その性格から、これにも御協力すべきだということで時価で売却をしたというような形になっております。評価等もいたしまして、売却いたしましたものでございます。簿価のほうが――途中で何度も増築をいたしておりますので、建物全体の資産価額にかかわらず、現在の固定資産会計から申しますと、あとの簿価の分がいわゆる減価償却に立ちおくれになりますので、いわゆる最終の簿価は非常に商うなりますが、評価は大体千三百万前後ということで、それに合わせまして千五百万で市と話し合いがつきまして売却をいたしました。
○小沢(貞)委員 私はその償却のことはよくわからぬが、あんなスピードであんなたくさん償却しているものよりまだ三分の一も――これは会長のよく言う国民の財産です。それを三分の一でやる理由というものを、私はいまの答弁だけではまだ理解できませんが、きょうは、またひとつ資料を出していただいて、これは事務的なことだから後ほどお尋ねをしたい。いずれにしても、これは簿価より三分の一だった。国民の財産を三分の二どうかされてしまった。私はそう思います。 それでは、その次の東京港南分館というのは、去年は四億八十六万八千円の簿価、これはどうなりました。
○志賀参考人 東京の港南分館でございますが、これは四億一千二百万の簿価でございましたが、五億二千万に売却が成功いたしてございます。
○小沢(貞)委員 四億の資産が五億にしか東京港のここではならないわけですか。あれだけの償却をしておって、四億の資産が――「東京港南分館土地および建物」とあるのですが、私たち、土地と建物、いつ建てた建物か知りませんが、一年か二年たてば最初の取得価額の何倍になるというのが常識なんだけれども、四億のものが五億にしかなりませんか。私はもっとなるだろうと思ったから去年のときに簿価を書いておいたのです。
○志賀参考人 土地につきましては相当の上昇がございますが、建物になりますと、その建物の形態等によって、あとでお買いになる方がいろいろ制約を受けますので、必ずしもこちらの期待どおりにまいりませんで、当時いろいろその評価をいたしました結果、この辺が適当であろうということで、できるだけ高くということで履行しました結果、こういう金額にまとまったものでございます。
○小沢(貞)委員 土地五千百六十一平米、こうあるのですよ。土地の簿価は、取得価額はいつ、幾らだったですか。いつ取得して、今度どこへ売ったのですか。
○志賀参考人 土地につきましては、三十六年に取得をいたしております。建物につきましては、三十七年に取得をいたしております。 土地は、当時二億五千二百万で取得をいたしております。建物は一億五千九百万で建設をいたしております。売却先はソニー株式会社でございます。
○小沢(貞)委員 土地は幾らになったですか。
○志賀参考人 土地は三億七千五百万でございます。建物は一億四千五百万でございます。合わせまして五億二千万で売却をいたしております。
○小沢(貞)委員 私はこんなことはあげ足を取るために尋ねているのではないのです。私は、去年の固定資産売却代金は、こうは予算に掲げただろうが、これはおそらく倍には売れるだろうと、こういうように思って、私は当時聞いてここに書いておいたわけです。昭和三十六年のときの土地二億五千万が、ソニーに売って三億七千万、これは私たちが常識で考えたって、こんな値上がりしかしていませんか。会長の言う国民の財産ですよ。十年近く前に二億五千万で買った土地が今日三億七千万にしか売れないなんというのは、もう十年たったら、いきなり五倍か六倍に土地が売れるだろう――不動産屋じゃないから、NHKにそこまでそんなことをやれとは言っていないけれども、これは国民の財産です。不当な処分じゃないですか。
○前田参考人 あの地帯は、御承知かと思いますが、埋め立て地帯の倉庫地帯でございまして、したがいまして、あそこにつくってある建物も、一部事務室がございますが、大体倉庫的構造でございます。そういう土地柄からいって、これは公に数カ所で評価していただいたわけですが、その評価価額よりはかなり上回った値段でございます。都内の一等地その他とは全く性格の異なる土地でございます。
○小沢(貞)委員 公に評価してもらったその資料をひとつ出していただきたい、ソニーだけしか希望がなかったか、ほかにあったか、そういうことも含めて。私はこういうことは、あげ足をとるためにきょうやっているわけではありませんよ。国民の財産です。国民の財産の九億計上したもの、私は当時、これだけの土地は十四億か十五億くらいには売れるだろうと思ってお尋ねして、ここに書いたわけです。 私の質問ぜんとするゆえんは、九億の財産はもっと高く売れている、十五億くらいに売れるだろう、そこで六億もうかる、カラーテレビの増加で五億、四十二年から三億余ってくると三億というように想定しておったのですが、トータルどのくらいになりそうですか。
○志賀参考人 昨年御説明があるいは足りなかったかもしれませんが、九億予算に計上いたしましたのは、九億に売却をしたい予定であるということを予算に組みましたものでありまして、当時九億であったものではございません。いま九億を努力目標にいたしてまいりましたが、幸いにして予定よりも上回った売れ方が可能になってまいりました。九億七千万程度の収入は出る予定でございます。
○小沢(貞)委員 当時の簿価のトータルを、時間がないから一々申し上げませんが、そのあとの「東京青山分館土地および建物」、これは一億二千四百万円という簿価です。そういうものをトータルして九億の予算を立ててあるのが六億の簿価だったわけです。こまかく言えば五億九千九百四十九万円という簿価です。だから私は、東京のこういういいところにあるし、次の青山もそうですが、おそらくNHKのこと、だから、かたい予算を組んで、これだけ一生懸命やって売れた報告として十五、六億くらいに売れているのじぁなかろうか、こういう予定で、きょうトータルを見たのです。まだ決算ではありませんからそれを追及しようとは思いませんが、東京の青山分館、土地二千二百二十四平米、建物が九百五十四平米、それが一億二千四百万、これはどうなったのですか。
○志賀参考人 これは二億七千五百万で売却をいたしております。
○小沢(貞)委員 どこですか。
○志賀参考人 第一生命住宅株式会社でございます。
○小沢(貞)委員 これも第三者が公平に評価をしてやられたと思いますから、第三者の公平に評価したもの、それから土地は、取得価額は幾らで、どういうように評価されて、希望者がどこにあって第一生命何とかというところに売ったか、これを資料としてひとつ出していただきたいと思います。私は、簿価が去年全部で六億のものを九億で売ろうという予算を計上してあったから、他のこの東京のどまん中のいいところで、土地を十年も前に取得してあったものはもっとすばらしい値段で売れるに違いない、くどいようですが、そういうつもりでおったところが、九億の予算では一億ばかりふえて十億しかなかったという見込みしかなさそうなので、こまかい点を知りたいわけです。ひとつ、資料を出していただきたいと思います。 要するに、要約すれば、九億の予算を計上して、この三月三十一日までに幾らになりますか。十億ですか、どのくらいになりますか。
○志賀参考人 いまの見込みでは、四十三年度の売却固定資産代金の収入は、九億七千万を見込んでおります。
○小沢(貞)委員 あまりそういうことにいつまでもこだわっていても時間がかかりますから、もう一回おさらいをしますと、料金の収入は四億だか五億ふえました、その前の四十二年からの繰り越しは三億以上が余分にありました、固定資産を売ったので一億余分にありました。そういうことで見ていくと、私は毎年決算のときにお尋ねして、たくさん残して節約してもらってけっこうだと思いますが、予備費もたいがいは二億から三億も残っておるわけです。あるいは関連経費の節約もあるわけです。そういうものを合計していくと、四十三年度のときに四十四年度への繰り越しはおそらく十何億になるに違いない、十五、六億になる、こういう見通しを立てるわけです。これは予算を組んだときには、去年の何月ごろか知りませんが、今日の時点でみると、十数億の剰余金が四十四年度に繰り越されているであろう、こういうように想定をしております。私の想定は間違っていますか、どうですか。
○志賀参考人 四十二年度末におきまして約九億の損益剰余金ができましたので、この中から四十三年度予算に六億計上をいたしまして、さらに四十四年度には三億予質に計上をしたというふうに実は申し上げました。この九億、四十二年度に出ましたものは、ただいまお話もございましたように、関連経費とか、あるいは、幸いにして予備費の使用が少なかったとかいう残額によるものでございます。
○小沢(貞)委員 それでは次に進みたいと思いますが、これは決算を見ないとわかりませんから後にまたいたしたいと思いますが、合理化努力をどういうように進めてきたかということで若干お尋ねをしたいと思います。 直接料金を徴収していくのが、NHKにおいて一は一番コストが高いわけです。これは昨年もそのことでさんざん質問をしたわけですが、一番高いのはNHKで直接集金をしているもので、一番安いのが口座振替です。それから一般に委託するもの、次が郵政省に委託するものです。NHKで直接集金をするのは約三倍も高い。だから、そういうものを節約していかなければいけないというふうに、去年ここで十分意見を申し上げておいたのですが、どういう傾向になっていますか。要するに、会長はここで、私は合理化努力をいたします、何をいたしますと、しょっちゅう言っているのだけれども、それが数字の上でどう出てきているかということをお尋ねしたいわけです。くどいようですが、口座振替でやるものが一番安くて、その次は一般に委託するもの、その次は郵政省へ委託して徴収するもの、その次は直接集金するもの、NHKで直接集金をするのが一番金がかかっているわけです。 だから、できたら――私は首を切れとは言わない。自然現象で減るものは、どんどんそういうものはやめていったらいい。一番能率の悪いのが直接NHKが集金をするやつです。こういうことを数字があらわしているわけです。
○志賀参考人 収納、集金に要する経費についてのお尋ねでございましたが、四十三年度には、人件費を含めまして約六十六億二千万円の経費をかけました。四十四年度において、いまお手元に提出申し上げております予算に予定をいたしましたものは、人件費を含めて七十二億二千万円でございます。いずれもこれは受信料収入に対しましては八%台に押えてございますので、収納全体の経費といたしましては決して高くはないと考えております。 いま、この中でどういうような形になっておるか、高い単価から安い単価へ回すような努力をしているのかという意味の御質問だと思いますが、御指摘のように、郵政事業等については相当単価が高うございます。これは非常に山間僻地を郵政省にお願いをしております関係から、また、地域を限定して、特定郵便局の管轄になっておりますところをお願いいたしております関係から、これにつきましては職員を充てる、あるいは一般委託に切りかえるということは、全般的にそう簡単にまいらないわけでございますが、直接集金と申しまして、職員の集金人を充てておりますものにつきましては、昨年度は二一%を占めておりましたが、新年度には一六%まで下げてございます。一方、比較的単価の安いと申しますか、一般の委託に対しましては、昨年五六%でございましたのが、五七%にしてございます。御指摘のように、口座振替は、新しい生活環境から発生してまいりました非常に有利な方法でもございますので、NHKといたしましては、全力をあげてこれの拡充に努力をいたしておるところでございますが、これにつきましては非常に効果があがってまいりまして、昨年度は全体の受信者の七%でございましたものが、新年度には一二%まで予定し得るというところまで努力をいたしておるところでございます。
○小沢(貞)委員 増員を五十名したというが、一番能率のあがらない、集金でいえば一番高くかかっているのが、NHKみずからが徴収しているものです。去年も数字で申し上げたから、くどいようですが、口座でやっているのが三十六、一般に委託するのが五十八、郵政省へ頼むのが七十五、直接集金しているのが八十八というように、もう二倍以上も高いのだから、こういうところへ人をわざわざふやして、相かわらず直接集金をやろうというお考えではないでしょうね。ことしの人員増というものは一体どういうことを考えているのか、そこを聞きたい。
○前田参考人 明年度予算で五十名の人員増は、主として新しく開局されるUHFの親局の高松及び佐賀等の所要人員でございまして、特にこの集金関係でふやすということはいたしておりません。
○佐野参考人 ただいまの御質問に若干の補足をいたしたいと思いますが、実態的には御指摘のような数字を見せております。ただ私どもが今日直面いたしておりますのは、都市圏における集金の困難性というようなものが増大をいたしておりまして、たとえば不在というような形、あるいは経済上の理由をもって、一応徴収をその際にできなくてあとにずれるというような頻度が非常に高まっておりますところが実は職員集金でございます。そういう意味で、職員の担当地域は効率が低い、そのために、また一カ月、二カ月の期間を待って集金をいたしておりますのがあとに回りまして、もう一度ロードをかけるというようなことが多いわけでございます。 ただ、御指摘のようなことも考えまして、収納の近代化ということを推し進めまして、この予算書の中にありますとおり、全納においては、本年じゅうに六百二十万に達したい、四十三年末では大体四百九十万という数字でございます。これは一般の金融機関あるいは農協等も含めまして、口座関係もただいま三月末をもちまして一言十万くらいかと思いますが、四十四年度じゅうに九十万を、ふやしまして、三百万台に達するというような計画を立てておりまして、収納の近代化をはかりながらいまの職員集金という地域を減少せしめて、ただいま御指摘のありました千百名台の外務職員を今後数年間に七百名台に減少せしめていく、しかも、なおかつ、いま私が申し上げたような大都市圏等における集金の困難性のところに、直接説得その他の新しい業務を付加いたしまして、全国的に未収の発生を未然に防ぎつつ、全国的な一つの受信料制度の安定化をはかるということをいませっかく考究いたしておるところでございます。
○小沢(貞)委員 去年出してくれた資料とことしの資料とでは、区分のしかたが違うものですからわからないんですよ。去年は直接集金が九百二十人、それから営業が千五百四十五人と書いてある。それが、ことしはこんがらかってわからないようになっていて、何とかは千四百十一人、何とかは千百五十人ということですが、直接集金人の九百二十人に対して、ことしは幾らなんですか。
○佐野参考人 その九百二十人ですが、これは直接の集金取り扱い者で、ことしも去年とほぼ同数でございますが、千百名台になっておりますのは、その直接の集金取り扱い者の上に位しております外務監査――直接は集金をいたしませんが、その集金地域の中において指導的な立場を持っておる者が二百名くらいおりまして、それを合算したものが千百名という形で提出されておるかと思います。
○小沢(貞)委員 九百二十人がことしは幾らになる、千百五十人がことしは幾らになるというように、同じようなあれでどうして出してくれないのか。それに、ことしはまた直接上のほうの人まで入れてくるからなおわからないんですよ。
○佐野参考人 ちょっとその辺は私、気がつきませんでしたが、今後資料の提出の中で十分整備をいたしたいと思いますが、ちなみに千四百名台の者は、営業の内勤関係者の増員でございます。
○小沢(貞)委員 こまかいことにこだわっておられませんが、NHKがことしの予算を編成する場合に一番重点を置いたのは、どういうことでしょうか。数字できちっと示すならば、この予算の中で何に重点を置いたか、こういうことです。
○志賀参考人 全体といたしましては、建設費の置局の関係、それから番組の制作費の関係並びに職員の給与、この三点が重点事項でございます。
○小沢(貞)委員 その伸び率は……。
○志賀参考人 建設費に関しましては先ほど御返答がございましたので、次の国内放送番組関係の費用についてでございますが、予算上の伸び率は三・四%でございますが、内容的には、昨年度ございましたオリンピック等の費用がことしは要らなくなっておりますので、実質的には一〇・二%の伸び率になっております。それから、給与につきましては、一二・四%の伸び率になっております。
○小沢(貞)委員 要するに、給料を上げることが最高の重点だというように数字は示しているわけです。番組とかなんとかいっているけれども、それには予算はろくについてないですよ。
○志賀参考人 給与の改善につきましても、重点事項の一つにいたしております。
○小沢(貞)委員 私は給料がたくさん上がっていくのはけっこうだと思います。待遇の改善にはうんと努力をしてやっていただく。ただ、これも長期的な立場から見ると、三十九年のときには給与は二〇%であったのが、ことしは二七%に上がってきた。そういうのと、福利施設や何かの伸び率もやはりそういうぐあいに非常に伸びている。これは、ここで一々分析するとたいへんだと思いますが、そういうものが、一般の企業や何かでは、労務費や何かの中にみな一緒に入れているのではないかと思いますが、そういうものを含めて三割五分か四割くらいにだんだんウェートが高くなってきました。 これは会長、これから大いに待遇を改善して能率をあげていく、こういう方向は、もう郵政省の予算や何かを見てもそういう傾向が顕著であり、そのために料金を上げざるを得ないような傾向になっていると思いますが、NHKの予算の傾向も、最初は二割以下の給与費が、これは厚生費や何かを入れておるのですが、いまや四割近いものにウェートがだんだん変わっていくわけです。そこで、そのことに対処しないと、また給料支払い団体にだんだんなっていくのではないか、こういうふうに考えるわけですが、その問題はどうするのですか。
○前田参考人 予算総額から申しますと二〇%台でありますが、事業運営費から申しますと、昭和三十三年度が約三一%前後と記憶しており、御審議いただく明年度予算の中では、人件費のパーセンテージは約三二%強という計算になっております。私どもといたしましては、この人件費と事業費の比率が今後聴視者に及ぼす影響も非常に大きいということを予測しながら、まだ完ぺきとは申せませんが、ある種の近代化を過去六年にわたってやってきたわけで、この近代化に要した費用は、第二次六カ年計画を御審議いただく際には約六十億と計算いたしましたが、これは四十億で済みました。人件費についても、その近代化をしなかった場合には年間およそ四十億の増しになるわけでございますが、先ほど来御質疑に答えましたように、かなりの待遇改善をいたしましたが、それでも明年度、人件費の増は金額にして二十三億余りでございます。
○小沢(貞)委員 私は非常に勘ぐって見ると、待遇改善のためにことしは最重点の一・四%、そういうようにやってきた、これはけっこうなことです。その理由として、去年、おととしがことしよりうんと低かった、こう言っているのですが、予算や決算の結果はそれとは違うのだけれども、これはどういうぐあいか、事務当局から説明してください。この長期の結果を見ると、三十九年から百三十五億、百五十三億、百六十八億、百八十五億、二百五億、ことしが二百三十億、こういう推移を見ると、一〇%以下の伸び率の年は一回もないのだけれども、これは何が原因でしょうか。
○前田参考人 それは人員増がございますから、たとえば、一番古い例で申しますと、昭和三十二年のNHKの職員の総数は七千名強でした。それがいま一万五千名をこえているわけですから、そういう意味で、ベースアップだけでなく、人員増に基づくものがかなり比重を占めているということになると思います。
○小沢(貞)委員 それではあと一つ、人員一人当たりの率を御提示いただいて私は結論を急ごうと思いますけれども、最初申し上げたように、私はことしの予算を詳細に見ると、カラーは四百四十円、白黒は三百円、これでまかなえるのではないか、こう思います。 そこで、これは郵政大臣にあとから御答弁いただけばいいと思いますが、もう一回しさいに点検してみて、そうならぬか。私が言うのは、減価償却費を約十億減らしてもよさそうだ、予備費その他関連経費の節約がことし十億ぐらいできるだろう、去年からの繰り越しが十億ぐらい余分にあるだろう、資本収支への繰り入れ九億五千万、これはやらないでよい、こういうようにすると、ことし四十億の節約ができる。四百四十円、三百円にすると、これは三十九億か四十億だと思います。で、ことしのテレビ料金を値下げすることができる、こう私は思います。これは、物価を何でも上げないようにしなければいけないということで政府はたいへんおしかりを受けているときなんだが、そういうように、具体的にこの予算の詳細を見れば、私は値下げすることができるというように確信するわけです。こまかい数字をひとつ郵政省として検討していただいて、これは次回のときにお答えをいただきたいと思います。特に、建設費等は現実の料金から全部まかなわないでもよかろうという宮澤前長官の発言、私は全くその部分に関しては同感で、借り入れ金を三十億や四十億ふやして建設資金に充てても少しも差しつかえない、こういうふうに思いますので、これはひとつ大臣が十分検討して御答弁をいただきたい。そういうことと、政府の意見とNHKの意見が違うというその大事なところは、将来の投資というものは借り入れ金でもいいじゃないか、こういうあたりは、私は政府の意見に賛成です。その他の発言については、私は必ずしも政府の発言にはくみしないけれども、そういう点は賛成です。そういうことになれば、これだけの経理の超健全財政の中においては、来年は三百円、四百四十円に値下げすることが数字の上からできると、私はこう思っていますので、これは次回に大臣が来たときに御答弁をいただいて、さらにその際に御質問をいたしたい、こういうように考えます。 終わります。
○井原委員長 次回は来たる十二日開会することとし、本日はこれにて散会いたします。 午後一時六分散会