逓信委員会 第3号
- 発言数
- 346 件
- 登壇者
- 15 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1969/02/27
会議録
○井原委員長 これより会議を開きます。 この際、参考人出席要求の件についておはかりいたします。 放送法第三十七条第二項の規定に基づき承認を求めるの件について、本件の審査が終了するまで、随時、参考人として日本放送協会当局の出席を求めることとしたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○井原委員長 御異議なしと認めます。よって、さように決しました。 なお、参考人の人選、手続等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○井原委員長 御異議なしと認めます。よって、さように決しました。 ————◇—————
○井原委員長 公衆電気通信法の一部を改正する法律案及び簡易生命保険法の一部を改正する法律案の両案を議題とし、審査に入ります。 ————————————— —————————————
○井原委員長 まず、両案について、提案理由の説明を聴取いたします。河本郵政大臣。
○河本国務大臣 ただいま議題となりました公衆電気通信法の一部を改正する法律案について御説明申し上げます。 近年におけるわが国経済の成長発展と国民生活の向上に伴う電話の熾烈な需要に対応し、日本電信電話公社では鋭意設備の改善拡充につとめており、来年度は百九十万余の加入電話を増設することにいたしておりますが、このような電話の拡充のテンポから見て、現在の電話取り扱い局の級局区分は細分化し過ぎているきらいがあります。また、電話の自動化が進むにつれて、固定的費用、特に資本費用が増大してまいりましたが、電話の基本料の水準は、昭和二十八年以来据え置かれております。 これがため、電話取り扱い局の級局区分を統合簡素化し、基本料の水準を引き上げることが必要となりました。また、最近の社会生活圏の拡大に伴い、市内通話とその他の近距離通話との料金格差を縮小することが必要となりました。 このような事情から電話基本料及び近距離通話料を改定して利用者の料金負担を適正化するとともに、あわせて、現在日本電信電話公社が試行的に実施している農村集団自動電話及び集合自動電話を集団電話という形で加入電話の種類に加え、その提供条件を定める等の必要から今回この法律案を提出するものであります。 次に、この法律案のおもた内容について申し上げます。 改正の第一は、電話料金に関する事項であります。 基本料につきましては、現在電話取扱局の級局区分が十四段階になっておりますが、これを度数料金局につきましては五段階に統合簡素化し、大局小局間の料金格差を縮小することにいたしております。 準市内通話料につきましては、現在六十秒ごとに七円となっておりますが、これを八十秒ごとに七円とすることにいたしております。 また、隣接単位料金区域相互間の自動接続通話は、現在、距離に応じて五十秒ないし二十一秒ごとに七円となっておりますが、これを近郊通話という名称にして、距離にかかわらず六十秒ごとに七円とすることにいたしております。 手動接続市外通話につきましても、ただいま申し上げた自動接続通話に準じて料金を引き下げることにいたしております。 その他、いままで申し上げた通話に該当しない場合でも二十キロメートルまでのものは料金を引き下げることにいたしております。 改正の第二は、集団電話の新設であります。 集団電話は、農山漁村やビルディングなどにおける集団的な電話の需要に応じるため、交換設備を特設して架設する電話でありますから、一定範囲の地域内に設置するものであって、交換設備の新設を要する場合は一定数以上の申し込みがあることを架設の条件といたしております。 なお、集団電話の料金は、通話料を除き認可料金とし、また、電話の架設に際しての電信電話債券の払い込み額は、十五万円以内において日本電信電話公社が郵政大臣の認可を受けて定めることにいたしております。 以上が、電話料金の改定と集団電話に関する事項でありますが、その他の制度につきましても若干改正することにいたしております。 まず、普通加入区域外の加入者の負担の軽減をはかるため、特別加入区域内の線路の付加使用料は廃止することにいたしております。 また、普通加入区域外の線路設置費の負担を合理的することにいたしております。 また、他人の迷惑となる長話を防止するため、日本電信電話公社が指定する公衆電話につきましては市内電話を三分で打ち切ることにいたしております。 その他、行政事務の簡素化のため、電話交換取り扱い者の資格試験科目等は、郵政大臣の認可を受けないで定めることができることにいたしております。 以上がこの法律案のおもな内容でありますが、この改正に伴う経過措置といたしまして、改正前に加入者が負担した普通加入区域外の線路を利用して他の加入電話等を設置する場合は、従前の例によりその線路設置費の一部を前に負担した加入者に返還すること、加入申し込み等の際の電信電話債券の引き受けについては、従来どおりの級局区分に応じてその額を定めること等の規定を設けております。 なお、この改正法の施行期日は、料金改定に伴う課金装置の改造等の準備の都合もありますので、昭和四十四年十月一日といたしております。 何とぞ十分御審議くださいまして、すみやかに御可決下さいますようお願いをいたします。 次に、ただいま議題となりました簡易生命保険法の一部を改正する法律案について御説明申し上げます。 この法律案は、簡易生命保険に傷害特約の制度を創設するとともに、簡易生命保険の保険金の最高制限額を二百万円に引き上げるほか、保険料計算の基礎等に関する事項を郵政大臣が定めることにしようとするものであります。 まず、傷害特約の制度について申し上げます。 最近における交通事故などの増加に伴い、不慮の事故による傷害が国民の日常生活の上に大きな不安を与えております。このような事情を反映いたしまして、不慮の事故による傷害に対処するための保険に対する国民の要望はきわめて強いものがありますが、この種の保険の普及はいまだ十分でない状況にあります。このような状況を考えますと、簡易生命保険が国営事業としてその使命を果たしていくためには、単に従来の生死についての保障のみにとどまらず、身体の傷害についてまで保障範囲を拡大し、その普及をはかっていくことがぜひとも必要であります。そこで今回、簡易な手続と、できるだけ安い保険料で不慮の事故による傷害について保障する傷害特約の制度を創設しようとするものであります。 この傷害特約は、終身保険、養老保険などの従来の簡易生命保険契約に特約として付加するもので、加入者が不慮の事故により身体に傷害を受けて死亡したとき、一定の身体障害となったとき、またはその治療のために入院したときなどに保険金を支払うものであります。 次に、保険金の最高制限額の引き上げについて申し上げます。 現在、保険金の最高額は百五十万円に制限されておりますが、最近における社会経済事情の推移と保険需要の動向を考えますと、この金額では国民の経済生活の安定を確保する制度としての機能を十分に発揮することができませんので、この際、保険金の最高制限額を二百万円に引き上げようとするものであります。 最後に、簡易生命保険の保険料計算の基礎及び積み立て金計算の方法に関する事項について申し上げます。 従来、これらの事項は簡易生命保険法において定められておりますが、社会経済事情の推移に即応して、すみやかに保険料を改正する等の必要がありますので、今後は郵政大臣がこれらの事項を定めることとし、時宜に適した運用をはかろうとするものであります。 以上がこの法律案の提案の理由であります。 何とぞ十分御審議の上、すみやかに御可決くださいますようお願いをいたします。
○井原委員長 これにて提案理由の説明は終わりました。 両案に対する質疑は、後日に譲ることといたします。 ————◇—————
○井原委員長 引き続き、放送法第三十七条第二項の規定に基づき、承認を求めるの件を議題とし、審査に入ります。 —————————————
○井原委員長 まず、提案理由の説明を聴取いたします。河本郵政大臣。
○河本国務大臣 ただいま議題となりました日本放送協会の昭和四十四年度収支予算、事業計画及び資金計画の提案理由につきまして、御説明申し上げます。 この収支予算、事業計画及び資金計画は、放送法第三十七条第二項の規定によりまして、郵政大臣の意見を付して国会へ提出するものであります。 まず、収支予算について概略を申し上げますと、事業収支におきましては、収入、支出とも八百三十七億五千万円で、前年度に比し、それぞれ五十億四千万円の増加となっており、資本収支におきましては、収入、支出とも二百十五億円で、前年度に比し、それぞれ十三億円の減少となっております。 なお、事業支出のうち、九億五千万円を資本収支へ繰り入れることとなっております。 次に、事業計画につきましては、そのおもなものは、テレビジョン放送及びラジオ放送の全国普及をはかるため放送網の建設を行なうこと、番組一般について内容の充実刷新を行なうとともに、教育、教養番組の利用促進につとめること、積極的な営業活動を行ない、受信契約者の維持増加をはかること等となっております。 最後に、資金計画でございますが、これは収支予算及び事業計画に対応する年度中の資金の需要及び調達に関する計画を立てたものであります。 郵政大臣といたしましては、これら収支予算等について、慎重に検討いたしました結果、これをおおむね適当であると認め、お手元にお配りいたしましたとおりの意見を付した次第であります。 以上のとおりでございますが、何とぞ御審議の上、御承認のほど、よろしくお願いをいたします。
○井原委員長 次に、参考人日本放送協会会長前田義徳君から補足説明を聴取いたします。前田会長。
○前田参考人 ただいま議題となっております日本放送協会の昭和四十四年度収支予算、事業計画及び資金計画につきまして御説明申し上げる機会をお与えくださいましたことに対し、厚くお礼申し上げます。 協会の昭和四十四年度の事業の運営につきましては、事業経営の長期的構想のもとに、テレビジョン、ラジオ両放送の全国普及の早期達成につとめますとともに、すぐれた放送を実施して、国民の要望にこたえ、国民生活の充実向上に資するよう努力する所存でございます。 次に、そのおもな計画について御説明申し上げます。 まず、建設計画から申し上げますと、テレビジョンにつきましては、総合、教育とも全国放送網の早期完成をはかるため、総合、教育両テレビジョン局とも百八十局の建設を完成し、百四十局の建設に着手することといたしております。これらにより、四十四年度末におきましては、総合、教育両テレビジョン局とも九百八十一局となり、全国総世帯に対するカバレージは、両放送網とも九六・四%となる予定であります。 また、共同受信施設を設置するほか、東京、大阪UHFテレビジョン局の建設に着手することといたしております。 一方、ラジオにつきましては、放送の受信困難な地域の解消をはかるため、秋田第二放送大電力局の建設に着手することといたしております。 また、超短波放送におきまして、新たに県域放送を実施する基幹局を含め四十局の建設を完成し、五十局の建設に着手することといたしております。 これらによりまして、四十四年度末の全国総世帯に対するカバレージは、第一放送九九・七%、第二放送九八・六%、超短波放送八九%となる予定であります。 また、札幌放送会館の増築等、地方局演奏所の備整を行なうほか、カラー放送の拡充に対応する設備の整備、研究用施設、近代化のための機器の整備等を実施することといたしております。 次に、事業運営計画につきまして申し上げます。 まず、国内放送につきましては、テレビジョン、ラジオとも番組内容の向上刷新につとめることといたしておりますが、テレビジョンにおきましては、総合放送は、広く一般を対象として、番組の各分野にわたり調和のある編成を行なうこととし、教育放送は、学校放送、通信教育番組を中心に編成を行なうとともに、番組内容の充実につとめることといたしております。 また、カラーテレビジョン放送につきましては、カラー放送に適した番組を対象に順次拡充することとし、放送時間を一日平均十一時間三十分とすることといたしております。 ラジオにおきましては、第一放送及び第二放送の全般にわたり番組の刷新をはかり、受信者の聴取態様に適合した効果的な番組の編成を行なうとともに、超短波放送におきましては、本放送の実施に伴い、県域を基本とするローカル放送の拡充及びステレオ放送等、超短波放送の特性を生かした番組の充実をはかることといたしております。このほか、放送番組の利用促進等の諸計画を実施することといたしております。 また、国際放送につきましては、一日三十六時間三十分の規模により放送を実施することといたしておりますが、各地域の特殊性に即した番組を編成するとともに、国際放送の周知の強化等により放送効果の増大をはかることといたしております。 次に、営業関係につきましては、社会情勢の変化に即応した諸施策を積極的に推進することとし、受信者の理解と協力を得るよう協会事業の周知につとめるとともに、受信の改善を積極的に行なうことといたしております。特に、UHFテレビジョンの普及の促進、電波障害防止対策、テレビジョン共同受信施設に対する維持対策等により、極力受信契約者の維持開発につとめ、あわせて、受信料の収納につきましても一そう確実を期するよう努力することといたしております。 調査研究につきましては、国民世論調査、番組聴視状況調査並びに意向調査、放送衛星の開発に関する研究、カラーテレビジョンの改善研究等を積極的に実施することといたしております。 経営管理関係につきましては、事業規模の拡大に伴う業務の増大に対処いたしまして、業務全般にわたり効率化を積極的に推進し、経費の節減につとめますとともに、業務の機械化及び職員に対する教育訓練の実施等により企業能率の向上をはかることといたしております。 また、給与につきましては、社会水準に比し適正な水準を維持するよう改善をはかる所存であります。 最後に、これらの事業計画に対応する収支予算につきまして申し上げます。 事業収支につきましては、収入において八百三十七億五千万円を予定いたしておりますが、昭和四十四年度における受信契約者の増減につきましては、契約総数において、年度初頭二千百二万二千件に対し、八十六万件の増加をはかることとし、このうち、カラー契約においては、年度初頭百六十万件に対し、百十万件の増加を見込み、普通契約においては、年度初頭一千九百四十二万二千件に対し、カラー契約への変更等により二十四万件の減少となり、これによる受信料収入を八百二十五億一千九百万円と予定いたしております。 このほか、国際放送関係等の交付金収入一億四千六百万円、預金利息等の雑収八十億八千五百万円を予定いたしております。 これに対する支出といたしましては、総額八百三十七億五千万円で、国内放送費に二百四十九億四千二百万円、国際放送費に七億二千五百万円、事業費に六十八億四千九百万円、調査研究費に十五億七千六百万円、管理費に百億二千万円、給与に二百三十億三千四百万円、減価償却費に百二十七億六千万円、関連経費に二十四億九千万円、予備費に四億円を計上するほか、資本収支へ九億五千四百万円の繰り入れを予定いたしております。 次に、資本収支につきましては、収入において二百十五億円を予定いたしており、減価償却引当金、固定資産売却収入等を百七十二億九千万円と見込み、外部資金の借り入れにつきましては四十二億一千万円を予定いたしております。 これに対する支出といたしましては、総額二百十五億円で、建設計画の実施に百五十四億円、放送債券の償還に三十一億九千六百万円、長期借り入れ金の返還に十二億円、放送債券償還積立金の繰り入れに十七億四百万円を計上いたしております。 以上、昭和四十四年度日本放送協会の収支予算、事業計画等につきまして、そのあらましを申し述べさせていただきましたが、わが国経済文化の発展、国民生活の向上に放送の果たすべき使命がますます重要となっていることに思いをいたしまして、従業員一同総力をあげ、この責務遂行に努力する所存でありますので、委員各位の変わらざる御協力と御支援をお願いいたし、あわせて、何とぞすみやかに御審議御承認を賜わりますようお願い申し上げまして、私の説明を終わらせていただきます。
○井原委員長 これにて提案理由の説明は終わりました。 本件に対する質疑は、後日に譲ることといたします。 ————◇—————
○井原委員長 逓信行政に関する件について調査を行ないます。 質疑の申し出がありますので、これを許します。小渕恵三君。
○小渕委員 先般行なわれました郵政大臣の所管事項の説明に対しまして、若干の質疑をいたしたいと思います。 私は、最近大臣がいろいろな記者会見等でお話をされておられる記事その他拝見いたしておりますが、新しく大臣になられまして、当然前大臣から継承すべき幾つかの重大課題があろうかと思いますが、そういう問題の幾つかにつきましては非常に積極的な姿勢を示されておられる感じも受け取られますが、中には、幾らか消極的な感じもしないでもないものもあるような気がいたします。 そこで、前大臣以来引き継いでこられました問題の幾つかにつきまして、今後大臣とされてどういう取り組み方をいたしていかれるつもりであるか、お伺いをいたしたいと思います。なかんずく、消極的な感じを持たれておりまする幾つかの点につきましては、なぜそういうお気持ちになられたかにつきましてお伺いをいたしたいと思います。 最初に、前大臣が郵政公社化の問題を取り上げまして、この問題につきましては、すでに先年のうちに郵政審議会に諮問をいたしておられるわけでありますが、聞くところによりますれば、その諮問はことしの十月ごろその答申を受けられるようにも承っておりますが、新大臣といたしましては、この郵政公社化の問題をいかがお考えになるか、まず最初にお聞きいたしたいと思います。
○河本国務大臣 郵政公社化の問題に対しまして、決して私が消極的になっておるということではございません。ただ、現在諮問中でございまして、たぶんことしの中ごろ過ぎ、おそくとも七、八月ころには答申が出るのではないかと思いますが、その時点で、答申を待ちまして慎重に検討したい、かように考えております。
○小渕委員 この問題につきましては、決して消極的なお考えを持っておられるという感じを持っておるわけではありません。特に大臣は、その経歴から申しまして、一般事業の経営に対しましても非常な経営手腕を持って処してこられたと承っておりますので、郵政公社化の話の出てきたゆえんは、この公社化によって、現在のやや機能が低下しつつあるいろいろな問題を有機的に、合理的にしていこうという考え方でありますので、大いにこの点については期待をいたしているところであります。 次に、同じく前大臣が機構の改革の問題を提言しておるわけでありますが、その中で、昨年は行政機構の簡素化等のための総理府等の設置法一部改正、これは国会を通過したわけでありますが、同じように、前大臣が地方管理機構の改組の問題を取り上げておられるわけであります。これにつきまして、新大臣、いかがお考えでありましょうか。
○河本国務大臣 地方の管理機構をどうすれば最も能率的に、かつ効果的にできるかということにつきましては、多年の懸案でございましたので、私も熱心に検討しておるところでございますが、ただいまのところはまだ結論は出ておりません。
○小渕委員 そういたしますと、五十五国会におきまして郵政省設置法の一部を改正する法律案というのが廃案になったわけでありますが、同じような趣旨の法律につきましては、現在の時点ではそれをつくり上げる意思がない、こういうことでございましょうか。
○河本国務大臣 そのいきさつにつきましては若干承知しておりますが、今度の国会には提案をする予定はいたしておりません。
○小渕委員 次に、同じく前大臣以来の問題でありますが、放送法、電波法の改正の問題であります。これは前大臣が非常に強力にその成立、改正方を意図されておられたわけでありますし、昨年の十月ごろには、必ず今国会に改正案を提出する、こういうことを言っておられるわけであります。前大臣が放送法を改正いたしますると、世間では、UHFテレビとFM放送の新規免許の処置と並んで、もう三冠王にもなるような問題として特に取り組んでおったという評すらあるくらいでございます。しかしながら、最近の大臣の御発言を聞いておりますると、やや後退をいたしたような気がいたすのでありますが、お考えをお伺いいたしたいと思います。
○河本国務大臣 これも決して後退をしておるのではないのです。放送法の改正ということは、必要だと思います。特に前にできましてからずいぶん期間もたっておりますし、必要だと思いまして、いま引き続きましてずっと作業をやっておるところなんです。ただ、しかし、何ぶんにも非常に複雑多岐にわたっておる問題でございますので、今国会にこれが提案できるかどうかということについて、ただいまのところ結論を申し上げるのをちょっと差し控えたいと思います。
○小渕委員 いずれにいたしましても、新しい放送法をつくり上げなければならないという考え方につきましては、すでに国会におきましても与野党一致の考え方に基づいて法律も提案され、まあ、結果的にはこれが審議未了になりましたけれども、いずれの機会かに改正をしなければならないという考え方は、われわれ議員のほうの立場にも相当あるわけであります。したがいまして、これは政府の立場から検討されるということでありますれば、一日も早く成案をまとめられて提出されることが適切なことであろうというふうに考えます。しかし、大臣は、この問題につきましては白紙である、こういう言い方をされておられるわけでありまして、白紙ということは、先ほどの答弁にありましたように、個々のことについてはそのとおりであるけれども、提出することができるかどうかについてはいまだ結論を得ない、こういうことと解釈してよろしいのでございましょうか。
○河本国務大臣 昨年私が就任の直後に白紙ということばを使った事実はございますが、しかし、実はこれがやや誤り伝えられておったわけでございます。私がそのときに白紙と申し上げましたのは、放送法の改正は必要であるが、その内容等については、自分はまだ就任早々で全くわからない、したがって、内容についてはとやかくいわれてもお答えのしようがない、白紙の状態である、こういう意味のことを申し上げたのでございまして、放送法の改正が必要であるということとは無関係でございます。
○小渕委員 そういたしますと、大臣のお考えといたしましては、今国会におきましては提出することがきわめてむずかしい事態であるという御判断と解釈してよろしいのでございましょうか。
○河本国務大臣 いま急いで作業をやらしておりますが、あるいは、結果的にはそういうふうになるかもわかりません。
○小渕委員 一日も早く成案を得られるよう期待をいたします。 次に、音声放送の再編成の問題についてお伺いいたします。 FMにつきましては、NHKの問題は適切な処置がされておられると思いますが、その中の民放関係でございます。現在民放関係で中波のない県は、すでに大臣御承知のように、埼玉、千葉、群馬、三重、奈良等でございます。こうした県のFMの民放関係の免許についてどういうお考えを持っておられるか、お聞きしておきたいと思います。
○河本国務大臣 関東一円の各県に将来FMの放送をしたい、こういう希望者が出れば、その内容を見まして検討するととにいたしますが、大体基本的には関東各県に新しくFMを一つずつ許可していく、こういう考え方を持っております。
○小渕委員 たとえば、申請のあった場合には、それではいつごろをめどに免許を許していくお考えでしょうか。
○河本国務大臣 いつごろといいましても、まだどこからもやりたいという具体的な希望は、東京を除きまして出ておりませんので、その出た時点におきまして検討したいと思います。
○小渕委員 民放につきましては郵政省がその構想を発表いたしておりますが、それによりますと、中波放送は大電力局にするが、現在の中波放送局は県域放送を行なうFM放送に移行させる、こういうことです。そこで、その県を対象とするFMを認めるのは、中波からの移行の再免許が四十五年にある場合に、その時期に中波からの移行をさしていくんだ、こういうことをされておられるわけでありますが、ただいま申し上げましたように、中波のない県でFMを免許する場合にも大体同じような時点を考慮されておられるかという点はどうですか。
○河本国務大臣 その四十五年の再免許云々という時期と、新規にFMを希望者があれば免許するということは別問題でございます。
○小渕委員 FMの問題につきましてはその程度にいたしまして、次に、テレビのUHF帯移行の問題についてお伺いいたしたいと思います。 まず、この問題は前大臣から受け継がれたわけでありますが、現在の時点でどのように進捗をしておられますか、その状況についてお伺いいたしたいと思います。
○河本国務大臣 すでに一昨年と昨年に予備免許をいたしましたものの中には、一部営業を開始し、また近く開始しようとしておるものもございます。これは民放の状況でございますが、NHKにつきましては、先ほども前田会長から説明がありましたように、東京と大阪に四十四年度にUHFの放送局をつくりまして、四十五年度から放送を開始させる、こういう計画を織り込んでおりますが、そういうふうにNHK、民放とも相当作業が進んでおりまして、当初転換に十年というお話がございましたが、いろいろな観点から、これはできるだけ短縮していきたい、こういうふうに考えております。
○小渕委員 ある書きものによりますと、郵政省はすでに全Vの帯のテレビ局の実態調査も集計して、その償却推移も見きわめて実行計画の作成に取りかかり始めておるようだ、こう書いてありますが、実際その程度でございますか。
○河本国務大臣 償却と言われました意味がよくわからないのでございますが、恐縮でございますが、その償却というのは、どういう意味でございましょう。
○小渕委員 推測でありますが、NHKがやる場合に七、八百億かかるようなお話ですし、民放がそれぞれこれからVからUにかわっていく場合に、放送施設その他経費がかかる、その経費を考えた場合、経営のあり方からいってどの程度償却していければ成り立つのではないかというような計画があるだろうというふうに私も考えますが、御判断いただけますか。
○河本国務大臣 現在調べさせましたところ、NHKがVHFの送信施設をつくりました総原価、つまり取得価額は二百四十億円になっておるようであります。それから、民間放送全部入れまして、この総原価、取得価額は百五十億円になっておるようであります。両方で三百九十億円、四百億円弱でございます。 御承知のように、送信施設は数年の間にリプレースしなければなりませんので、実力のあるところはリプレースの時期をどんどん早めて取りかえると思いますが、いずれにいたしましても数年の間に機械を入れかえなければならぬ、その時点を見計らってUの送信施設を装置することにいたしますと、全部が全部新規にそれだけの資金の需要があるということではなくて、VHFの施設に必要な資金とUHFの施設に必要な資金との差額だけが新しい負担増として出てくるわけでございます。そういうこと等を勘案いたしますと、巷間いわれておるようなそれほど大きな金ではありませんし、それから、現在のNHKの経理内容、民間放送の経理内容、特に民間放送は償却なんかをせいぜい四、五年でやっておる、しかも四、五年で償却をやって相当な利益をあげておる、こういうふうな実情、そして営業収入なども、NHKが年間約一千億、民間放送も二千億、三千億以上の年間収入をあげておる、こういうふうな営業規模等からいいまして、先ほど申し上げた程度の設備をやっていくということはさして難事ではないと考えております。
○小渕委員 大臣のお考えはそのとおりだろうと思います。 そこで、実際問題として、そうした実態調査をすでに完成されておられるかどうかということをちょっとお伺いしておきたいと思います。
○石川(忠)政府委員 現在の放送局につきまして、送信施設その他の施設の取得価額その他につきまして全国的に調査をいたしました。今後は委員会を設けまして、NHK、民間放送関係者が寄りまして、どういうような計画でいくべきかという具体的な計画について協議をする、こういう段階になっております。
○小渕委員 そういたしますと、調査のほうは済んでおるから、これからいよいよ実行計画に移っていきたい、つきましては、運び方としてNHKあるいは民放、そういうところと連絡をいたしながら進めていく、こういうことでございますか。それは正規の機関でございますか、何か正規の機関を設置をされて、共同で計画を立てていくということでございますか。
○河本国務大臣 NHKとは技術的にいろいろ連絡をとりながらやっていこうということでこういう機関を設けることにいたしておりますが、民放にも、これに参加されたらいかがですかということでお誘いをしておるところでございます。
○小渕委員 その誘いを受けられておりますか。
○石川(忠)政府委員 第一回目、NHKと協議をいたしまして、民放もこの次からは参加していただけるだろうというふうに期待をいたしております。
○小渕委員 そこで、そういうふうに移行していく場合に、当局がとられるいまの協議会ですか連絡会を設けられてやっていかれることはたいへんけっこうなことだろうと思いますが、その場合に、私は送信のほうのことはいろいろな協議が成り立つだろうと思いますが、受信をされるほうの考え方、そういうものはどういう機会に取り上げていくかということなんです。おそらくこれはUにみんな変わったという段階におきましては、テレビの買いかえ等、これは受信者にとっても相当の負担があろうかと思うのです。そららの意見を全く聞かないで当局のほうのお考え方だけで進めていくということについては、それもけっこうですが、やや疑問を感じます。したがって、一般の視聴者の方々の立場をどういうふうな機会にすくい上げていくかということを、もしお考えでありましたらお聞かせ願いたいと思います。
○河本国務大臣 テレビの受像機は、御承知のようにすでに二千三百万台普及いたしておりますし、全国の各家庭九六%近くがテレビを持っておられるわけです。したがって、全国の受信者の方々の御協力なしにはこれはもうできないと思います。迷惑をかけることはいけませんので、それで、先ほど来申し上げておりますように、一気にやるということを避けまして、相当年月をかけてやろう、こういうふうな考え方でおるわけでございます。
○小渕委員 質問が逆戻りしますが、大臣としては、ほぼ何年程度で日本のすべてのテレビ帯がUHFの帯に変わっていくことが望ましいというお考えでしょうか。
○河本国務大臣 これは基本的には、当初申し上げましたように、ほぼ十年というふうに考えておりますが、しかし、できることならばこれを少し縮めようという考え方には変わりありません。しかし、あまり無理をやってもいけませんので、各方面の御了解を得ながらできるだけ縮めていきたい、こういうふうに考えております。
○小渕委員 大臣もすでに十分御研究をされて御存じのことだと思いますが、アメリカでこのUHFに変わっていったときに、アメリカでは一九五二年に始まったそうでありますが、実際にやってみますとなかなか普及をしませんで、六八年になりましてもやっとまだ百五十八局ということだそうでありまして、経営の面からも非常にむずかしいこともあろうかと思いますが、これはVとUとを一緒にやっているということでありますのでこういう結果が出るだろうというふうに考えます。そこで、日本の場合には、この間の推移のさせ方はどういうふうになっておりますか。
○河本国務大臣 アメリカの事情は若干承知しておりますが、幸い、日本はアメリカと違いまして比較的順調に進んでおると思うのです。たとえば、コンバーターの生産のごときも、昨年の四月には六万五千台でございましたが、十二月には四十一万台をこえ、数倍にふえているわけですね。しかも爆発的に毎月ふえているわけです。この分でいけば、たぶんことしあたりは年間に七、八百万あるいはそれ以上生産されるのではないか、こういうふうにひそかに期待しておるわけでございます。同時に、オールチャンネルの受像機のごときも昨年の十月には四万台でございましたが、十二月にはすでに十四万台というふうに、これまた四倍近くもふえました。これも毎月加速度的にふえる傾向にありますし、メーカーによりましては、このオールチャンネルの受像機だけをつくるのだということをいっているところもあります。したがって、この二つの動向を考えますと、受像機のほうの普及は非常にうまくいっていると思います。したがって、アメリカの事情とは相当違っていると思うのです。
○小渕委員 そういたしますと、日本の場合にはアメリカでUに転換を強制せしめたようなオールチャンネル法のようなことはもう考える必要はない、こういうことであろうかと思いますが、いかがでしょうか。
○河本国務大臣 たぶんそういうことは考える必要はないと思います。
○小渕委員 Uの問題につきましてはその程度にいたしまして、次に、公衆電気通信法の改正の問題につきまして、基本的なことだけ若干お伺いしておきたいと思います。 そこで、今度提案をされました料金体系の改定につきましては、さきの通常国会におきましては、この公衆法改正を審議する場合に、今度は電信電話料金全体の体系の合理化をはかる必要があるという論議がかなりなされておったわけであります。今回の改正案におきましては、拝見したところ、全体の合理化という問題につきましてはそこまでいっておらないような気がいたすのでありまして、今回の公衆法の改正は中途はんぱだという気がいたしますが、この点について伺いたいと思います。
○河本国務大臣 電電公社からは、独立採算制を堅持するためにぜひとも一二・五%の値上げをしたい、またそれが必要である、こういう強い要請がございました。私も、独立採算制を堅持するという点だけを考えましたならば当然それを認めるべきだと思います。しかし、物価の問題であるとかいろいろな問題がございますので、総合的に判断をいたしましてこの値上げはしないという結論を出したわけでございますが、何ぶんにも現在の料金体系は非常に古くて不合理な点が多い、ですから、値上げはしないが、不合理な点だけでもこの際是正しておこう、直しておこう、こういうことが今回の改正のねらいでございます。
○小渕委員 そうしますと、近い将来におきまして、抜本的な改正に対して、公社側の意向をくみ取りながらその意思がありというふうに判断してよろしゅうございましょうか。
○河本国務大臣 私は公社の独立採算制を堅持するということは、もう絶対に必要だと思います。それから同時に、現在公社の立てております第四次五カ年計画、この仕事を計画どおり実現させるということも、現在のわが国の情勢から考えまして、これまた絶対に必要である、こういうふうに実は考えます。しかし一面、消費者物価という問題は、これはもう最大の問題でありまして、消費者物価にできるだけ影響を及ぼさないような形で、先ほど申し上げました五カ年計画、それと独立採算制を堅持するということのためには一体どうすればよいかということをいま一生懸命に検討しておるところでございます。相矛盾する要素もございますが、何か解決の方法はないか、こういうことを検討しておるのが現在の段階でございます。
○小渕委員 そういたしますと、率直にお伺いいたしますれば、郵政大臣としては、今回の改正については、中途はんぱだという感じもするけれども、国務大臣としては諸般の情勢からこの程度、こういうふうに考えておると承ってよろしいでしょうか。
○河本国務大臣 一言で言えば、そういうことになります。
○小渕委員 次に、データ通信の問題についてお伺いいたしたいと思います。 この問題につきましては、まだ明確でないというよりも、これは将来の問題になる点が多分にありますので、なかなかむずかしい問題を含んでおるわけでありますが、わが党におきましても、先般、情報産業振興議員連盟を設立いたしまして、橋本登美三郎議員を会長にいたしまして、百五十名の参加をいただいて、党としても、この問題について積極的に取り組んでいこうという考え方をいたしておるわけであります。 そこで、このデータ通信の問題につきまして、郵政大臣は非常に積極的に対処しようという態度はありありと見えるわけでありますが、その中で幾つか御発言をされておられる点について明確でない点もありますので、その点からお伺いしてみたいと思います。 そこで、かねて先輩議員からも御質疑がありましたが、データ通信を民間に開放される、こういうことを郵政大臣が言われておる。それは公社の独占を許さない、こういうことであろうと思いますが、民間に開放するというその範囲が、これは大臣がおそらくそうお話しになったんではないだろうというふうに考えますけれども、パーセンテージまである雑誌の記事には載っておるわけであります。その通信回線等の保持の問題がありますので、実際問題としては、公社に八五ないし九〇%程度、残りの一〇ないし一五%を民間企業に開放する意思あり、どういうことを言われておるわけでありますが、こういうパーセンテージはともかくといたしまして、大臣が、公社だけに独占を許さずして民間にもそれを行なわしめることが、これからの日本の情報産業の伸展の上に非常に大切なことであるというお考えをなされた、その基本の考え方についてお伺いをいたしたいと思います。
○河本国務大臣 データ通信につきましては、最終的には、郵政省の考え方がある程度固まりましたならば、これを郵政審議会に諮問をいたしまして、その御意見を聞いた上で最終的に態度を決定する、こういう順序をとりたいと思いますし、当然とらなければならぬことでございます。 先般、若干の基本的な考え方について発表いたしましたが、その根底となりますものは、データ通信というものは、日本では、世界でもそうでありましょうが、ようやくスタートを切ったばかりで、将来どこまで発展するかわからないほど巨大な産業分野になるであろう、こういうふうにいわれておるわけであります。必要な人も、あるいはまた従事するであろうと思われる人も数十万、あるいはそれ以上になるかもわからない、それほど巨大な産業、関連するところの多い分野で、何もかも電電公社が全部自分でやるのだというふうなことは現実にできないであろう、また、そんなことをやろうとすれば、これはデータ通信、情報産業全体の発展の足を引っぱることになるであろう、ですから、やはりある程度は民間に開放しなければならぬ、そうして、できるだけ早く情報産業全体の発展をはかっていくほうが望ましい、こういう基本的な考え方に立って先般あのような意見を述べたわけでございます。
○小渕委員 公社の総裁、いかがお考えでありますか。
○米澤説明員 お答えいたします。 情報産業ということばは最近いろいろ出ておりますが、これは大きく分けますと、いわゆるコンピューターを使う情報処理をオフラインでやるものとそれからオンラインでやるもの、こういうふうに大きく分けられると思います。このオフラインにつきましては、これは電電公社に関係ないわけでございまして、電電公社といたしましては、いわゆる公衆線、線を使いましてオンラインでやる情報処理、こういう問題を対象にするわけであります。現在でも同一企業内のいわゆるデータ通信というものは、公社は線をお貸しいたしまして、現にこれは自営にやっていただく道があるわけでありまして、すでに銀行等によっては同一銀行内の情報処理というものが実際行なわれている、電電公社としては線をお貸ししている、こういうことであります。 公社といたしましていま考えておりますのは、これは日本の国の利益、その中には日本の技術の育成ということも当然入ってまいりますが、同時にまた、国民の要望にこたえまして積極的にこのデータ通信をやるということで進めてまいりまして、三年前に地方銀行協会がいわゆるネットワークとして通信回線を使って為替交換業務をやりたいということを言ってこれらまして、私も、当時郡郵政大臣に、ちょうど満三年前になりますがお会いいたしまして、公社としてこういう業務をやりたいということをお話しいたしましたところが、大臣もさっそく了解していただきまして、昨年の十月にこの公衆のネットワークに入れました地方銀行協会の為替交換業務をやるということにいたした次第であります。これが、私はいわゆる本格的なオンラインによる情報処理の第一の段階だと思っております。その後、国会でも予算を認めていただきまして、四十三年度予算で百億円、それから四十四年度では、いま国会に出ておりますのでは投資額が二百億円というようになっておりまして、その中で、いわゆる個別的なものといたしましては、地方銀行協会のほかに、なおそれが都市銀行等に広がっていくという問題、あるいは銀行の窓口業務をどうするか、あるいは自動車登録、これは運輸省からの依頼がありましていまいろいろやっております。それからまた万国博覧会のこともあります。それからまた一般の加入電話線から使いまして、東京、名古屋、大阪でいろいろな科学技術計算とか簡易計算あるいは在庫管理等を公社が提供するということでございます。 先ほど来御質問がありましたこの通信政策の問題は、公社としていろいろ意見を郵政大臣等に申し上げますけれども、政策自身はやはり国がおきめになるという原則でございます。大臣等の御意見は私十分伺っておりますし、また、私もいろいろ意見を大臣に申し上げておりまして、公社としては、実力を養うといいますか、実質的な中身をつくっていくということに最大の重点を置いております。そのためには、特に人の養成、いわゆるシステムエンジニアとかあるいはプログロマーみたいな、そういう実際にやる人を養成するというのが大事であると思います。
○小渕委員 国の政策にのっとって公社がその事業を行なうことは当然だろうと思います。いろいろ意見を大臣に対しても申されておられるそうでありますが、意見の一致を見ておられるわけですか。
○米澤説明員 意見は一致を見ております。
○小渕委員 そこで、データ通信といいますと、言いかえれば、これはオンラインのタイムシェアリングシステム、こういうことだと思います。 そこで、大臣のお考えで、何割かは一般に開放する、こういうことを言われておるのですが、何割かというのは、いま申し上げたオンラインから始まって全部の問題の何割か、こういうことなのか、それとも、オンラインは公社にまかせて、ハードウエアの問題その他について、あるいは情報の処理、蓄積、そういうものを民間にまかせよう、こういうお考えであるか、いずれでありましょうか。
○河本国務大臣 これは、先ほども申し上げましたように、実はまだ具体的にはそんなにきまっていないのです。基本的な考え方だけを先般申し上げたのでございまして、いまは郵政審議会で審議してもらうべく、いろいろその具体案を検討しておるところでございます。したがって、何割を、あるいはどの分野を、あるいはどれとどれを公社で、あるいはこれはもう民間だ、そういうことではございません。ただ、しかし、これからいろいろ意見は出てくるとは思いますけれども、やはりわが国では電電公社が先がけてこの分野に手をつけまして、そして、先ほども総裁からお話がございましたように、相当巨額の金を使っていろいろな設備を去年もことしもやっております。同時に研究開発も進めておるわけです。四十七年までの五カ年計画では、総額が二千億というふうな相当巨大な計画にもなっておりますし、技術者も一番たくさん持っておる。そういうことから考えますと、民間に開放するとはいいましても、やはりこのデータ通信における最大の役割りを果たすもの、主役はやはり電電公社にやってもらわなければならないのじゃないか、こういうふうに考えております。
○小渕委員 かたまっておらないことは承知しますが、一月二十六日の新聞を見ますと、相当かたまっておるがごとき大臣の発言もあるわけでありまして、このオンライン問題につきましても、相当数民間に譲り渡していくべきであるというようなお考えを提起されておられるようなんです。 そとで、現在の公衆電気通信法では、御承知のように、二人以上の者が公社の通信回線を使えるのは、共同で業務を行なう者同士が業務上緊密な関係を持つ場合に限られている上、他人の通信を商売とする通信回線使用は一切認めないということになっておるわけですが、そこで郵政省としては、その緊密な関係をゆるく解釈してやっていこうというようなことを言われておられるようなのが大臣の御発言だろうと思いますが、この点についてお伺いいたしたいと思います。
○河本国務大臣 一説には、ゆるく解釈してやっていけないことはないという意見も実は聞きました。しかし、最終的に一部開放するということになりますと、やはり法律改正ということが必要になってくるのではないか、こういうふうに考えます。
○小渕委員 そういたしますと、当然公衆電気通信法の改正を考えてこの問題に対処していく、こういうお考えだと承っておきたいと思います。 そこで、このデータ通信の問題は、冒頭、大臣から申されましたように、未来にかかわる問題が非常に多分にあるわけでありますし、それからこの問題を扱う場合には、ある意味では扱うものさし自体がまだない、したがって、ものさしをつくりつつその基準をはかっていくというようなことで、たいへんむずかしい点もあろうかと思うわけです。したがって、常に新しく進歩してくるその情報産業の内容について、適切な把握をいたしつつ対処されることを期待をいたしております。 そこで、ついででありますので、公社にデータ通信関係の将来の需要見込みあるいは充足計画、そういうものについて、ございましたら簡単に御説明いただきたいと思います。
○米澤説明員 データ通信は、いまいろいろ議論されておりますけれども、おそらく十年とか十五年先、非常に先の問題になってくるのではないかと思います。しかし、将来の見通しを立てまして、先ほど来の御意見もありましたが、日本の国の方向を誤らないようにする、これは非常に大事なんでありまして、やはりビジョンをつくっていくことが大事だと思います。 公社といたしましては、いわゆる第四次五カ年計画をいま進めておりますが、その中で、先ほどちょっと大臣が数字を言われましたが、正確に言いますと、約一千七百億円の建設投資をやることにしておりまして、四十三年度に百億円、四十四年度に二百億円、なお四十五年から四十七年に千四百億円という投資を予定いたしております。事柄といたしましては、先ほど、現在やっているのはいろいろ申し上げましたが、今後どういうものが出てくるかという見通しにつきましては、実は公社の中でもいろいろ研究しておりますし、また、私自身も個人的にいろいろ勉強しているというところであります。計算システムのほかに、在庫管理であるとか、さらにまた情報検索というようなものについてどうするかということも大きな問題だろうと思います。公社といたしましては、いわゆるデータバンクをやる意思はございません。これは、たとえば情報検索をやるにいたしましても、情報検索にはいろいろありまして、たとえば医療の問題であるとかあるいはライブラリー、図書関係でありますとか、あるいは特許であるとか、そういういろいろな種類があるわけであります。そういうデータバンク、あるいはそれに伴うソフトウエアまでやることは考えておりません。公社といたしましては、あくまでいわゆるオンラインの、先ほど言いました地方銀行協会あるいは個別データ通信あるいは加入データ通信、こういうものをやるというふうになっております。 将来のビジョンにつきましては、あんまりここではっきり申し上げましてもいかがかと思いますが、私は、公社の中では、その問題については独立採算でやりたい、こういう考えを持っております。たとえば電報のように、現在約五百億円の赤字でありますが、電話の収入をもってデータ通信の赤字を埋めていくとか、あるいはまた、データ通信の収入をもって電報の赤字を埋めていくというようなことは考えないで、これはやはり独立採算として経営していく必要があるのじゃないかというふうに思っております。 それからまた、技術につきましては、現在第二通信研究所というものをつくることにいたしておりまして、世界的な情報革新の時代に入りまして、現在の通信研究所を昭和五十年においては倍にするということで、現在、敷地を予算で認められて最近買収を済まして、建設にかかっておるわけであります。先ほど申し上げました日本の国の将来の利益あるいは日本の技術の育成、あるいはまた人を養成する、そういうようなことにつきまして積極的にやっていきたいというふうに考えております。
○小渕委員 時間があまりありませんのでこの程度にいたしますが、情報産業は未来の先取りだろう、こういうふうに考えます。そこで、公社としても、将来ある種の占有率を確保しなければならぬために積極的に参加もしなければならぬ、しかし、同時に、郵政当局の一つの方針の中にもその歩みを進めていかなければならないという、いわば戦国時代的様相も現在示しているような気もいたすわけであります。それだけに、ひとつ郵政当局にも御希望申し上げておきますが、いろいろ不確定要素が非常に多いこの問題でありますので、適切な処置をとりながら、との産業が将来においてもりっぱな繁栄を遂げられるように、特に日本にとっては、ソフトウエアの問題あるいはプログラムの問題、ハードウエアの問題、日本の産業で非常に将来性のある問題であろう、課題であろうというふうに考えておりますので、当局の適切な行政的なあり方を期待いたしておきたいと思います。 それで、最後にCATV、有線放送テレビの問題についてお伺いをいたしますが、この問題につきましては、NHKあるいは民放、こういうところからは当局に対しまして意見書がすでに提出せられておりますが、公社としては、この問題はどうお考えになっておられるかということについてお伺いをいたしておきたいと思います。
○米澤説明員 公社の中ではいろいろ意見を交換しておりますが、なお郵政省等の御意見も、これは政策としておきめになるわけであります。いまのところ、これは放送が大体主体になるものでありますが、しかし、たとえば公社で関係いたしますと、一番卑近なところでは、たとえば電柱に添架するというのがあります。あるいはまた、いろいろビルディングにダクトを入れてケーブルを引き込んでおります。そのダクトの一部にそれを引っぱり込む、そういうふうな問題がまず出ております。その次に、いわゆる画像通信みたいな問題をどうするかというようなこともあるわけでありますが、いまのところ、最初申し上げましたそういう二つの問題が当面しておりまして、公社としてこれらにつきましてはなお実際の要望を伺って処理していくというふうに、データ通信の問題よりは多少受け身に考えてきておるわけであります。
○小渕委員 公社としてなかなかこの問題に対してのいろいろな意見が述べ切れないという問題の一つとしては、この有線放送テレビが行なわれる場合には当然同軸ケーブルが使用されるのだろうと思いますが、そのケーブルを将来において活用して、公社が考えておるところのデータ通信の発展のためにも将来にかかわる問題があるのではないか。こういうことについての技術的な点もまだ明確にされておらないこともあろうかと思いますが、公社としてもまだはっきり結論が出ておらないというところがそうした言い方になってくるのではないかと思いますが、データ通信の問題とこの有線放送テレビの問題との間に関連性があると公社ではお考えになっておられますか。
○米澤説明員 非常に先の問題といたしましては関連性があると思います。しかし、当面はそこまでいくかどうか、たとえば、同軸ケーブルといいますけれども、従来の同軸ケーブルというのは、ちょっと専門的なことを申しまして、十二メガぐらいまで通ればいいのでありますが、今回このCATVに使うものは、いわゆるUHFそのもの、あるいはVHFそのものであって、たとえば三百メガサイクルかあるいは百五十メガサイクルといって、だいぶ周波数の高さが違っておる。したがって、もしこれを引っぱるとしますと、たとえばマンホールごとにアンプリファイアーを入れなければならぬとか、そのような問題も出てくるのでありまして、技術的にそういう点で、従来の同軸ケーブルの使っております十二メガ帯よりももう一つオーダーの高い周波数になるわけであります。そういう際の経済性とかいうようなことも十分考えて、いまいろいろ公社の中でもシステムエンジニアリングをやるように指示してございますので、そういう問題の検討が済まないと、どの程度にこれが将来のデータ通信と関連してくるか——関連あるかという御質問については、あると申し上げますが、具体的な経済性との関連はシステムエンジニアリングをやらなければならないというふうに考えております。
○小渕委員 そこで、郵政省としては、当面その有線テレビそのものがわが日本におきましては届け出が非常に多くされつつある現況にかんがみまして、一定のワク組みをこしらえていこうということで、法制化をされておられるようでありますが、現在の時点で、その法制化をされる段階において最も問題となっておる点について、大臣からお話を承りたいと思います。
○河本国務大臣 これは各方面の意見を聞きまして、いま最終の結論を急いでおるところでございます。しかし、何と申しましても、一番の問題点は、従前の届け出制であったものを許可制にするということを検討しておりますが、これが中心点でなかろうかと思います。
○小渕委員 これはちょっと勉強してみますと非常にむずかしい問題が多いような気がいたしております。自主番組をどう規制するのか、あるいは、その規制すること自体が言論の自由の問題に抵触しないか等々、非常に数多くの問題点があるように考えます。しかしながら、かといって、現在の届け出制のままでいいという気はいたしておりません。したがって、すでに法制化されつつある段階と承っておりますので、そういった問題点については、それを適切に処理することによって一日も早く今国会に提案をされて、国会の審議を仰ぐことがよろしいかと考えます。 時間が参りましたので、以上、予定された質問を終わりますが、私は、一般的に申し上げて、大臣の任期というものが非常に短いという気がしております。そこで、いままでの大臣諸先生におかれては、そのことを存知するあまりかもしれませんけれども、大臣に在任をされておられる間に相当いろいろな問題を国民に対して提示されるわけです。観測気球的なものもありますけれども、しかし、内容的にも当然早い時期に解決しなければならぬ問題も提示をされる、しかしながらその任期のために途中で終わってしまう、解決されないということを、私どもわずかな国会の経験から感ずるわけです。そこで、ある役所などでは、前大臣の発言されたことばを何々語録と称して、その役所の役人がまるで過去の歴史的な単なる発言としか考えないで、将来にわたってそれを継続的に扱っていくということに対していささか軽く扱っておる感もしないでもないわけであります。行政の最高責任者である大臣が一たび発言されたことは、必ずそれをなし遂げる、こういう姿勢がなければ、私は国民に対してその責任を全うし得ないと思いますと同時に、できることはできる、できないことはできない理由を明らかにして、できないんだ、こういうことを率直に表明されて批判を仰いでいく、こういう姿勢を、まことに僣越でありまするが、私は現在そういうように考えております。 そこで、新大臣におかれましては、新聞によれば、ほんとうに熟慮断行の人であり、清廉潔白な士であると評が出ておりました。願わくは、その期間の間、もろもろの問題について適切な行政のあり方の範をひとつ示されて、りっぱな仕事をしていただきたいと強く期待をいたして、質問を終わります。
○井原委員長 武部文君。
○武部委員 私は、電信電話料金も含めた電電公社関係については、公衆電気通信法の法律改正の際にすべてを譲りまして、きょうは、時間の関係もありますが、郵政事業について見解を承りたいと思います。 これから質問に入るわけですが、その前に、昨日、予算分科会で田邉委員の質問に答えて郵政大臣は、四十五年まで郵政事業は何とかもつが、四十六年度は重大な段階になるかもしれぬ——値上げの問題にも触れておられるようであります。値上げをするにしても、幅はできるだけ小さくしたい、こういうような答弁をされたように、けさ私は新聞を見て承知をいたしました。同時に、郵便事業の将来について十分考慮すべきだ、こういうことも触れておられるようであります。 そこで私がお伺いをいたしたいのは、先般、大臣は私どもに所管事項の説明をされました。その際には、この郵便事業の収支について金額的には触れておられるわけですが、郵便事業がいまのところ収支がどうだとか、あるいは将来がどうだとかいうことには全然触れておられない。一体、四十六年に郵便事業が重大な段階を迎えるということは、たとえば物の増加、高等信が減って、三種、四種、五種というものがどんどんふえていく、こういうことを念頭に置いてそういうことをおっしゃっておるのか、四十六年に重大な段階が来て、郵便料金の改定まで行なわなければならぬというその背景は一体何なのか、これをまず最初にお伺いしておきたい。
○河本国務大臣 基本的な問題を申し上げますと、収入の伸びはそれほど伸びていかない、しかし、経費のほうは、ベースアップその他で人件費が相当高騰する、同時に、そのほかの経費も非常にふえていく、そのふえ方は郵便料金の伸びよりもはるかに大きい、これが根本の理由だと思います。
○武部委員 次に、郵便事業の将来について十分考慮すべきだということは、どういうことでしょう。
○河本国務大臣 これは御承知のように、郵便事業というのは外で働く人が非常に多いわけですね。中で働く人は少ない。ですから、機械化あるいは合理化しようとする場合でも、おのずからここに大きな限界が出てくるわけです。そういうふうな郵便事業の特徴、特質ということを考慮しながら、現在の世界各国の郵便事業、あるいはまた世界各国の郵便事業家が将来をどういうふうに見通しておられるか、あるいはまた、そういうふうなことを参考にしながら、日本の将来は十年先、二十年先は一体どうなるであろうか、こういうことを見通しながら、あるいはまた、労働力の確保は一体できるかどうか、こういうふうないろいろなことを考えながら値上げの問題を検討するということは、これは非常に重大な問題ですから、値上げ問題だけを検討しないで、そういうふうな将来にわたった郵政事業全体のあり方というものを十分考慮しながら、これはもう国民の皆さん方の御了解のいただけるような方向で検討していかなければならぬ、こういう意味でございます。
○武部委員 そこで先ほど小渕君からも郵政の公社化の問題について大臣の見解を求めておられたわけでありますが、昨年十月、前大臣が審議会に諮問をされた公社化についての諮問の説明書を読んでみますと、非常に抽象的で、一体何を言わんとしておるのかということが、短い文章でありますからそういう点もあろうかと思いますが、ちょっと理解に苦しむような点があります。これをいろいろ推測をすれば、いままでの大臣の回答あるいは前大臣の回答等を見ると、公社化の是非について諮問をしておるように私どもは理解できるのであります。ただ、審議会に設けられた特別委員会の委員の中にも、この諮問のしかたがおかしいというようなことを漏らしておる委員もあるようであります。 最初に、事務当局にちょっとお伺いいたしますが、そういうことが原因かどうかわかりませんが、あまり出席率がよくない、どういうことも私ども聞くのでありますが、特別委員会が設置されてから今日までこの委員会は何回開かれ、一体出席率はいいのか悪いのか、この点を最初に事務当局から伺いたい。
○溝呂木政府委員 特別委員会が設けられましてから五回いままで開かれております。そして、出席率でございますが、平均にしますと約六五%、これは、御承知のようにたまたま十二月という皆さんにとって非常にお忙しい月が入りまして、そのときに五割を割ったということが大きな原因でして、おおむね七〇%以上を確保しております。
○武部委員 やはり私どもが聞いておるように出席率はあまりよくない、こういうことがいまの答弁でもわかります。 そこで、今度は具体的にお聞きいたしますが、この諮問の内容に書いてある文章から見ると、「国民の必要とする役務をあまねく公平に提供し、」、これは公益性をうたっておるものだと思うのです。同時に「経済的、能率的な運営を図る」、これは企業性を指摘しておるものと思うのです。これは相矛盾するものだと思うのですが、こういう点と独立採算制の面、それがこの文章の中にうたってあるわけです。一体、公社化になった場合、現在の国営事業とどう違うと大臣はお考えになるか、これをちょっとお聞きしたい。
○河本国務大臣 私は、先般審議会に出席をいたしましてこういうことを委員の皆さんにお願いしたのです。それは、諮問をいたしました趣旨というものは、郵政事業は国民のサービスのために存在をするということであるから、やはり当然、より正確に、より迅速に、しかも安いコストでもって運営されなければならぬ、その三つがこの基本の条件にあると思うのだが、それを実現するために一体どうしたらよいかということを中心にひとつ御検討いただきたい、こういうことをお願いしたわけです。そこで、公社でそれをやれば一番よろしいという結論が出れば、それはそれでもいいが、公社でなくても、いまの現状ではこういう点を改善したほうがむしろ公社にするよりもいい、そういうお考えならば、それもそのようにひとつ御答申になってけっこうだから、とにかく、目的は先ほど申し上げました三点にあるわけだから、そういう趣旨でひとつ答申をしていただきたい、こういうことをお願いいたしたわけでございます。
○武部委員 公社化について、もう二、三点、時間の関係がありますが伺いたい。この諮問の中に「現在の郵政事業の経営形態には、改善を必要とする点が多々ある」、これは大臣は引き継がれたわけですからそのとおりお考えになっておると思うのですが、「現在の郵政事業の形態には、改善を必要とする点が多々ある」——どういう点が改善を必要とするというようにお考えですか。
○溝呂木政府委員 御承知のように、いま郵政事業は、一般会計とか、あるいは公務員法関係については、給与特例法とか、そういった形でもって、一般の官庁とは別の能率的な制度が与えられております。しかし、やはり政府機関である以上、たとえば最高管理者である郵政大臣ですか、この任期がはっきりしてない。やはり事業を安定させるためには、最高経営者というものが当然安定してその職務に専念できる機関、こういったものがわれわれ望ましいんじゃないかと考えております。それとか、あるいは一つの事業を運営するには、当然その経済情勢に即応した組織ができることが望ましいわけでありますが、やはり一般官庁である以上、組織をつくるのにも法律によらなければならないとか、そういうふうに、弾力性に欠けた面が相当あるようにも考えられます。あるいは、財務会計制度につきましては、一応特別会計制度といったようなものでもって弾力性を与えられてはおりますが、やはりまだ一般の法律から相当の制約を受けている点があるんじゃないか、その他、われわれが知らない点で先生方に、民間の方々に議論していただくと、いろいろ問題が出るんじゃないか、こういうふうに考えておるわけでございます。
○武部委員 いろいろ聞いておりますと、いまお述べになったようなことが、公社化すれば直ちに改善されるというようにもお考えになっておるようですが、私は決してそうではないように思うのです。あとでイギリスなりアメリカ、あるいは西ドイツの例等についてお伺いをいたしますが、そういうふうに、簡単に公社化すればいまの郵政事業のいろんな矛盾した形態そのものが解決するんだ、だから公社化だというようにお考えになるのは少し早計じゃないかと思います。同時に、小林郵政大臣が公社化を諮問をされたその本質は私はここにあると思うのですが、「現在、英国、米国等においても、わが国におけるとほぼ同様の事由に基づき、郵政事業の公社化が検討されている。」、こういうことが末尾に載っておるのであります。 ところが、アメリカの郵政事業と日本の郵政事業と比べてみた場合に、私は内容的に相当大きな違いがあると思うのです。たとえば、アメリカでは六六年では九億ドルの赤字を出しておる、それが六七年には十一億四千七百万ドルの赤字になっておる、この金額はわが国の郵政特別会計の総額にも近い金額であります。こういう全くの赤字経営をアメリカの郵政事業はやっておる。さらに、西ドイツにおいては、郵便は赤だけれども、貯金なり電話というものが相当な黒字になっておる。イギリスにおいては、国営企業でほとんどわが国の公共企業体と同じような形態をとっておる。貯金は大蔵省の委託業務、特定局に至っては、これは全然形態が違っておる。直接局は千八百、これに対して純然たる雑貨屋と同居するような局が二万三千もある。こういうようなわが国の郵政事業とは本質的に異なった経営形態、さらには収支状況にある、この国が公社化を考えておるからといってすぐそれに飛びついて、公社化がいいか悪いかというような諮問をされることについては、私は少し早計じゃないかと思うのです。 そこでお伺いしたいのは、この諮問を出された背景は、この最後に書いてあるようなイギリスやアメリカ、そうしたものがやっている公社化の移行、これを参考にしてお出しになったものかどうか、これをひとつお伺いします。
○溝呂木政府委員 当時この諮問をいたしましたときの考え方は、先ほど大臣が御説明いたしましたとおりでありまして、やはり一つの事業を経営していく上において、本来郵政事業が持つべき使命、結局、その使命の中で公共性を確保しながらいかにその事業を能率的に運営していくか、そのためには、一体この辺でもって郵政事業の経営形態はどういう経営形態がいいのかということでございます。この最後にありますいま委員のおっしゃられました点は、たまたま同じような時期に諸外国においても同じような問題について議論をし、それがいろいろの形でもってあらわれているので、それらも参考にしたいということでございまして、それらを単に模倣するというような意味では毛頭ございません。
○武部委員 諸外国の公社化について移行の経過をいろいろ調べてみますと、言うまでもなく、この郵政事業が公社化された場合には、職員の身分その他に非常に大きな影響を与えることは当然であります。諸外国においては、この職員の問題について非常に気を配って、意見等を十分聞くような対策を立てておるようでありますが、大臣としては、そういう問題についてどうお考えでしょうか。もしかりに皆さんのほうで、公社化の答申が出て公社化をやる、こういうようなお考えになったときに、従業員が絶対反対というようなことになった場合にはどうお考えでしょうか。
○河本国務大臣 公社化の諮問に対する答申が出まして、その場合、そういう答申が出たら、郵政省はこれをすぐ公社化するということではございませんで、それを参考にいたしまして、さらに郵政省としての態度をどうするかということを検討する一つの参考資料にするわけでございます。もちろん、職員の身分、待遇については、万遺漏ないようにやっていきたいと思います。
○武部委員 それでは、この問題について最後ですが、いまの郵政事業は、郵便、貯金、保険委託業務、そういうもので成り立っているわけでありますが、三事業の分割ということは考えておりませんか。この公社問題とからんで、大臣はこの三事業の分割というようなことはあり得るとお考えでしょうか。
○河本国務大臣 分割は考えておりません。
○武部委員 そこで、九十年の郵便事業の歴史が、この公社化の諮問によっては、あるいは大転換をするという事態になるかもしれません。そういう機構上の問題、組織上の問題をことしの半ばに控えておる、こういういまの段階ではないかと思います。 〔委員長退席、亀岡委員長代理着席〕 先ほども小渕君からお話がございましたが、前大臣から私どもに対しては、郵政局あるいは監察局の統合、あるいは、現在も法律が出ておるようでございますが、簡易局の個人受託の問題、さらには貯金局の統合、こういう機構を改革していこうというような問題が目前に出ておるわけであります。先ほどから申し上げますように、郵政事業が根本的に経営形態その他が大変更されるということが目前に控えておるわけでありますが、この際、こうした機構をいじるというようなことはおやめになったほうがいいのではないか。それは諮問の時期が最近に期待されるわけでありますから、この際、そういう機構いじりの問題については、答申が出るまでおやめになったほうがいいのではないか、こう思いますが、どうでしょう。
○河本国務大臣 先ほども申し上げましたように、答申が出ましても、それをそのとおり実行するわけではございませんし、単なる参考にするわけでございます。したがいまして、これは郵政省をそのまま縛るわけのものではございませんので、当面する、しかも急いでやらなければならぬことは、別の問題として処理していきたいと思います。
○武部委員 この点は、私たちは大臣とは見解が違うわけであります。当面急いでやるとおっしゃっても、そのことは、郵政省の機構、組織に関係する問題であります。公社化で皆さんが諮問をされたことで当然予想されることは、機構問題の相当根本的な問題に触れるということは明らかであります。そういうことが目の前にあるのに、いまさしあたって、たとえば私は先ほどイギリスの例を申し上げましたが、イギリスではああいう形に現在なっておる、それで公社化の構想が持たれておる。わが国の特定局の事情とは全然違うのであります。そういう点で、たとえば簡易郵便局の個人受託の問題——二回も流れたものをいま早急に混乱の中にやろうということ、あるいは貯金局の統廃合についても、聞くところによると、これは地元からも相当いろんな意見が出ておる。あるいは、東京の郵政局の二分割にしても、出してみたり引っ込めてみたり、あるいは、十の郵政局を十八管理局にする問題についても、法案が出そうであってみたり、引っ込めてみたり——こういうような組織問題については、答申が出るまでごくわずかの期間のことですから、いま急いであなたのほうでおやりになる必要はないのじゃないか、こういうことを私は申し上げておるのであります。それが出て、その内容を見ながら検討を進めていくということがいま必要じゃないか、私はこう思うのですが、どうでしょう。
○河本国務大臣 これは先ほど来繰り返し申し上げたとおりでございまして、一方では基本的な問題を研究しておるわけなんです。国民に対するサービスをさらに向上するためには一体どうしたらいいかということを、基本的な問題として一方で研究しておるわけですね。しかし、一方におきましては、やはりやらなければならないいろんな問題が次から次へ起こってくるわけです。ですから、これはおのずから別個の問題として処理したいというのが、郵政省の考え方でございます。
○武部委員 それでは、見解が違うようでありますから先へ進みます。 保険局長おられますか。——保険事業について、第二次資本の自由化答申でこの保険業が第一類自由化業種に指定された、こういうことはも弔うすでに御承知のとおりでありますが、これによってわが国の民間保険業界は相当な打撃がくるだろうというので、いろいろ対処をしておるようであります。この自由化について、簡易保険事業はどんな影響を受けるとお考えでしょうか。
○竹下政府委員 資本の自由化でわが国の保険事業が外国の資本に対して門戸を開くわけですが、このことは、わが国の生命保険業界にとっては相当のショックであろうと思います。同時にそのことは、また簡易保険にとってもショックでございます。
○武部委員 ショックだというだけでは、これはショック死をしてしまう。それで、これから私が申し上げるのは、いまの保険事業というのは、歴年、実は民保あるいは農協共済、そうしたものに押されぎみなのであります。 そこで最初にお伺いをいたしたいのは、昨年三月二十六日に郵政審議会が答申をいたしました「特色ある簡易保険とするための方策に関する答申」こういうものが出ております。小林郵政大臣に答申をされました。これは言うまでもなく、いまの簡易保険事業について、いまの段階でこういう形態では将来があぶない、そこで、特色ある簡易保険とは一体どういうものかということで、非常に短い文章でありますが、出ております。簡易保険の特色といえば、小口であり、あるいは無審査の加入であり、同時に月掛け集金というこの三つの特色を持っておる。しかし、これだけではもう民間企業なり農協共済と太刀打ちできない、こういう点からこの答申を求められ、答申が出たと思うのです。この中に、新しい保険の種類として六つあります。去年の三月ですからちょうど一年前ですが、この新種保険について、郵政省としてはこれを今後どう生かそうとしておるのか、また、今日までどういう方法をとってきたのか、これをひとつお伺いしたい。
○竹下政府委員 昨年三月に出されました「特色ある簡易保険とするための方策に関する答申」でございますが、これに盛られております内容は、今後の簡易保険の行き方を非常に明快に指示をしてあるように私どもは受け取っております。特に、今後着手すべき保険の種類、六種類を具体的に明示されておるのですが、これにつきましては、私どもはできるだけ実行に移すように、これは一挙にできませんけれども、順序を追いまして、できるだけすみやかにこういう新種保険の実施ができるように努力をしたい、そういう方向でおります。
○武部委員 趣旨はわかりますが、きょう大臣から説明のありました簡易保険の法律改正の内容は、この中の傷害保険の問題でございますね。これ一つだけ法律改正が出てきた、あとの五つは全然顔も出していない。一体これは、この傷害保険を今回法律改正としてお出しになる、そのときに、残りの五つの問題についても法律を改正しようという意図があっておやりになったけれどもできなかったのか、頭から全然あきらめてしまってこれ一つをお出しになろうとしたのか、これはどうですか。
○竹下政府委員 ここに盛られております新種保険は、どれをとりましても実は大仕事になる保険でございまして、これを全部一挙にやるということはとうていできないわけでございます。そこで私どもは、その中で一番国民の皆さんが求めておる保険といたしまして傷害保険というものを取り上げまして、まずこれを実施に移そう、これが軌道に乗りまして、そのあとで次の手を打とう、こういうふうに考えておるわけでございます。
○武部委員 私どもが承知するところでは、学資保険の問題は国民の中に相当期待があったと思うのです。それが傷害だけになったという背景に若干の疑問を持つのです。圧力が加わって、郵政省がとうとう泣いてしまったということを私どもは承知するわけですが、学資保険についてはどうですか。
○竹下政府委員 四十四年度の予算案を概計要求として出します段階におきましては、傷害保険と学資保険の両方を立てまして要求したわけでございますが、その後いろいろ折衝をしていく段階におきまして、また、私どもといたしましても傷害保険の実施についていろいろと具体的に今後の取り運びであるとか準備等、どういうふうにしていったらいいかということをこまかく検討している段階におきまして、四十四年度はさしむき傷害保険だけでいいのではなかろうか、学資保険をやってもやれないことはないのでありますけれども、ちょっと無理がある、と申しますことは、傷害保険は、実は従来の保険とだいぶ様子が違うのでありまして、また内容も複雑であるということから、準備期間が要るわけであります。目下のところ、九月実施を予定しております。つまり、予算が通りましてから、あるいは法律ができましてから四カ月か五カ月の準備期間が要るというのは、これはいままでになかったことでありますが、傷害保険そのものを見ましても、実はたいへんむずかしい保険である、そういうことを考えまして、四十四年度はさしむき傷害保険を取り上げてみようということで、最終的にそういうことにいたした次第でございます。
○武部委員 大蔵省に気がねしたような答弁はおやりにならぬほうがいいと思うのです。私は、少なくとも答申を、これは簡単なものですからすぐ読めるのですが、これはどれ一つをとってみても、非常に国民には期待を持てる保険だと思うのです。先ほど言うように、保険事業というものは、これから申し上げますが、非常に下り坂なのです。ましてや、自由化されて、いまのような簡易保険では魅力がなくなってきている。そういうときにこういう新種保険をつくって、従業員が意欲を燃やして保険事業に従事するということでなければ、私は成績があがらぬと思うのです。そういうときに、六つの中のたった一つだけを取り上げておやりになった。そして、あとについては何かむずかしいとか、どうだこうだおっしゃるけれども、これは相当圧力がかかったということをだれも知っているのです。 郵政大臣、ことしは間に合わぬのだが、今後はこの答申を完全実施するように最大の努力をしていただけますか。
○河本国務大臣 学資保険の問題につきましては、当初予算要求をしたくらいですから、郵政省としてはやりたかったわけでございます。しかし、いろいろの関係がございまして、途中でやめになりました。来年度はぜひ実現をしたい、かように考えております。
○武部委員 いろいろな理由があったようですから、もうこれ以上聞きませんが、それではもう一つ大臣に聞きます。 去年も問題になったと思うのですが、定期貯金の窓口貸し出しですね。九〇%を融資して、一年で年利五分八厘、これが今度も出なかった。これは何か原因がありますか。
○鶴岡政府委員 お説のように数年来の懸案でございまして、ことしも予算要求はいたしました。しかし、たとえば資金の運用の一元化の問題その他の問題がございまして今回は見送っております。次の機会にまた強力に予算要求、そして法案の提出、そういうことを考えております。
○武部委員 結論から言うと、われわれは、これは見送ったのではなく見送らされたのでしょう、そうとるのです。 そこで、加入者へのサービス還元というのは、貯金会館を建てるだけが加入者へのサービス還元ではないのです。こういう点にもっともっと力を入れておやりになり、五兆円を突破したからといって、これで喜んでおるわけにいかぬのです。そういう点では、もう済んでしまったことはしようがないのですが、ぜひひとつ来年度は貯金の窓口貸し出しについて実現していただくように、特に要請をしておきたいと思います。 保険局長、この間新聞の投書にこういうのが出ておりました。「長生きすると損な簡易保険の支払法」——十八万円かけて十万円返してもらった、八万円は没収。これについて、保険局は相互扶助だからやむを得ない、こういうことは法律のたてまえ——そうでしょう。そうでしょうが、現実は十八万円かけて十万円しかもらえないということになると、受け取るほうは腹が立つでしょう。規約の改正をしてもらえぬものであろうかというふうに投書に書いておるのです。どうでしょうか。
○竹下政府委員 払い込み保険料が保険金を上回るという例でございますが、これは実は間々あるわけでございます。ただ、いまおっしゃいましたことは、私どももその案件をよく存じておりまして、回答ももちろん出したわけでございますが、事実関係でちょっと数字の間違いがございますようですから、これは投書者の勘違いだと思うのですけれども、私どものほうで調べましたところによりますと、保険料の払い込み総額は十六万五千円でございます。それから、保険金と、この死亡の場合配当金がございますので、それを入れますと、支払いました金額は十三万九千円ということで、つまり保険料の払い込みオーバーの額は二万六千円というのが事実でございます。そういうことにいたしましても、やはり保険料は保険金及び配当金の合計額を上回るではないかということになるのでございますが、これは終身保険の仕組みからいたしまして実は避けられない一つの事例でございます。終身保険は、御存じのように、簡易保険が五十二年来の創業以来やっておりました保険でございまして、民間ではやっておりません。これは非常に安い保険料で保険にはいれるという魅力がございまして、大方の国民の皆さんからは好かれてきておる、お役に立ってきておる保険でございますが、一部の方につきまして、つまり高齢でもって入られる場合、その高齢でもって入られた人は、長生きされた場合にこういう払い込みオーバーなんという事例が出るわけでございまして、これはただいまの保険の仕組みからいたしますと、まことにやむを得ないことでございます。ただ、これにつきましては、非常にそういうコンプレイントも多いことでございますので、ここ数年来のものでもございますので、終身保険の手直しをする。問題は、終身払い込み終身保険という種類の保険でございますが、近々そのものの手直しをやるべくいろいろ準備を進めておる段階でございます。 〔亀岡委員長代理退席、委員長着席〕
○武部委員 大体わかりましたが、そういう苦情があるのです。ただ、この人はあなたのおっしゃったのとちょっと考え違いをしておるようですけれども、六十四歳で入って、十年足らずで額面金額を払い終わって、そのあとは全部没収だ、こういうことになっているわけですね。いまの終身払い込み制度というのはそうなっているんだから、終身保険の制度そのものに問題があると思うのですよ。いまおっしゃった点についての配慮をぜひひとつ実現をしていただきたい、これをひとつ要求しておきます。 そこで、ちょっと触れておきましたが、簡易保険の下り坂、これを件数的と金額的に見ると、私の調査ですから間違っておれば説明していただけばいいと思いますが、昭和二十五年以降が下り坂になった。それで、金額において簡保が占めるシェアは、二十五年に四七%、それが四十二年には一二%に下がっておる、農協共済は七%に伸びている、民間の保険は八一%、こういうふうに四七が一二にまで下がってきておる、こういう傾向がありますが、大体事実ですか。
○竹下政府委員 その数字に非常に近い数字を私どもも持っておりますから、正しいと思います。
○武部委員 保険について最後に申し上げておきますが、保険の内容というものはだんだん変わってきつつあります。たとえば少額の掛け捨てで最高の保障というような、そういうキャッチフレーズの保険がだんだん出回ってきておる、こういうかっこうになると思います。ですから、貯蓄というような形態の保険というものは、やはりこれから先は考え直さなければならぬだろうというような考え方を私どもは持っておるわけです。しろうと目にもそう思います。そういう点から見ると、いまの簡易保険の内容から推測すると、民間の保険との間に非常に開きが出てくるじゃないか。そうして、先ほど申し上げたように、シェアも件数においてもだんだん下り坂、シェアについても金額についても下り坂、こういう傾向になってくる。そうすると、先ほど言うように、いまの段階としては、この精神に基づいた方向に簡易保険事業というものは方向転換しなければ、事業として壁にぶち当たるのじゃないかという気持ちを持つのであります。 郵政省として、今後の簡易保険事業について、私がいま申し上げたような点についてどうお考えですか。
○河本国務大臣 お話しのように、五割近くあったシェアのものが、しばらくの間に一割くらいまで下がってきたということは、これはもう当然反省しなければならぬと思います。そうして、先ほど御指摘があったようなケース、そういうケースは、直ちにそういうことが起こらぬように直さなければならぬと思いますし、それから保険業界の趨勢それから国民の要望、そういうような動きもすみやかにとらえまして、そうして保険事業というものをもっと積極的に立て直していかなければならぬ、こういうことを痛感いたしております。
○武部委員 それでは、次に、郵務局関係について質問をいたしますが、最初に、一時新聞をにぎわしました新幹線の飛脚、私設郵便屋、こういうものが新聞をにぎわしました。それについてあなたのほうは、これは監察からいうと、郵便法第五条違反ですからということで、いろいろ問題になって、特別速達制度というものをおやりになった。この特別速達制度というのはいまのところどうでしょう、効果があがっておるか、さらに、いまの新幹線の飛脚と称する私設郵便屋というものは全然なくなったか、この点、どうでしょう。
○曾山政府委員 ただいま御指摘ございました正式には速達郵便物の特別送達制度と呼んでおりますが、その実施をいたしましたのが昨年の十月十五日でございました。私ども当初、東京、大阪、名古屋に本支店を持っております会社がそれに二百社申し込むであろうというふうに予想いたしました。ところが、現時点におきましては九十社でございまして、まだ当分に満たない状況でございます。なお、現に使っておられる会社としましては、非常に効果があるものだということで、喜んでおられます。事実、私どもが所期いたしましたように、たとえば大阪の中央郵便局に持ってまいりました郵便物が、その日のうち、午後には東京に届く、あるいはまた、東京を午前十一時ごろまでに出しましたものは、その日の午後五時までに大阪の支店に届くというようなことで、新幹線を利用しますもの、及び航空路を利用しますもの、それぞれ運送形態は時々適切にいたしておりますが、非常に効果をあげております。
○武部委員 これは郵便法六条との関係はどうですか。
○曾山政府委員 六条では利用の公平ということをうたっておるのでありまして、「何人も、郵便の利用について差別されることがない。」とございますので、この点を御指摘であろうと思います。ただ、御案内のように、郵便法一条に郵便の大目的としまして「あまねく、公平に提供する」という条項もございます。私どもとしましては、先ほど来いろいろとお話がございますように、全体の通信の中で郵便の占めますシェアと申しますか、世人の考えますウエートに対する感覚が最近はかなり違ってきているように思います。 そこで、先ほど武部委員からも御指摘がございましたように、郵便法違反の形で、つまり五条違反の形で信書送達の独占をおかしておるもの、これを持ち運んでおる、あるいは航空運送事業者等、つまり他人の信書の送達を業としてはならぬものがなしておるのも、さような各市民の持っております通信に対する需要の傾向が違ってきておると思います。それに対応いたしまして私ども通信の供給をしていくべきだと思います。公平にサービスするということは、郵便の質及び量に対応しまして、そういう需要のあるところには適切な供給をしていくことが通信施策のあり方じゃないかというふうに、非常に口幅ったいことを申しますが、このように思います。したがって、利用の公平ということは、第一条で申すところの公平にサービスするということと必ずしも矛盾しないわけでございまして、しかも、制度としましては、窓口に持ってこられた郵便物を受けまして、それを当省で送達いたしまして、しかも秘書函でお渡しするということで、現在の郵便の諸制度を総合的に積み上げただけでありまして、特別な新しいサービスを、法定事項でありますような新しい事項をかってにつくって、しかもそれを特別の大口利用者に利用さすというものではございませんので、私どもとしましては六条違反でないと考えております。
○武部委員 これは新幹線の機関というのは、特別な法人に請け負わせるのですか。
○曾山政府委員 郵便物運送委託法によりまして運送を委託しております。いま御指摘になりました特別の法人に運送を委託しております。
○武部委員 そうしますと、この特別速達制度というのは、本来いうと、法六条に触れる懸念もないことはないが、法第一条の精神にのっとって違法ではないと判断しておる、このように解釈してよろしゅうございますか。
○曾山政府委員 私どもとしましては、六条にも、さらに一条にも触れないと思っておりますが、ただいまのように、常識的に見まして、特定の二百社という方を私どもは最初は予想いたしまして、それにふさわしい私書函しかつくらなかったという意味においては、もしその二百社をオーバーするような私書函の利用が出てきますと、さしむきそれにこたえられないという点からいいますと、あるいは武部委員御指摘になりましたような懸念が事実上ないではないかということもいえるかと思います。
○武部委員 郵便番号制度について、当委員会でもいろいろ質疑がかわされておるようでありますが、四十四年度の予算は十二台のようですね。こういう説明を受けましたが、そのほかに活字の読み取り機は何台ですか。
○曾山政府委員 業務勘定で二台成立しております。
○武部委員 そうすると、全部で十四台の機械が動くということになるわけですね。何かこの間、郵務局長ですか、郵政大臣は、別の方法で十一台確保して二十五台にしたいというようなことをおっしゃっておるようですが、何かレンタル方式とかどうとか、これはどういうことでしょう。
○曾山政府委員 先ほど来お話もございますが、国民の方々の御協力が非常に高いものでございますから、私どもとしましては、郵便番号制の効果は、単に機械区分だけじゃなくて手区分にもございますけれども、やはり機械区分をもって将来手区分に代替するという大方針もございまして、当然機械の充実をはかることが国民の方々の記載率の高い御協力にこたえるゆえんだと思っております。したがって、私ども当初予見しましたよりはるかに高い御協力にこたえる意味で、予算としては建設勘定で十二台、手書き読み取り機が業務勘定で二台、合わせて十四台でございますけれども、しかし、積極的に国民の御協力にこたえる意味で、レンタル方式その他いろいろな方法をもちまして十一台を、会社の生産能力の許す範囲がそれでありますが、プラスいたしまして、国民の御要望にこたえんとするものでございます。
○武部委員 そのレンタル方式十一台の予算経理はどうなるのか。
○曾山政府委員 これはいろいろなやり方がございます。私どもとしましては、業務勘定全体の中で借料の節約をはかってそれを支弁してまいる手もございますし、また、昨日も予算委員会で大蔵省のほうから答弁ございましたけれども、たとえば建設勘定の中でやりくるといったような手もあると思います。
○武部委員 私は予算経理のことを言ったわけですが、やはりちょっと疑問があるのです。 これから郵便番号制度に基づくいまの機械についてちょっとお伺いをしてみたいのです。現在の区分機は稼働率あるいは区分能力、こういう点はどうです。
○曾山政府委員 ただいま東京中央郵便局と大阪中央郵便局に入れてございますが、東京中央郵便局のものは最初に入れましたもので、コンピューターの記憶部分が、専門語でビットということばを使っておりますが、三十六ビットございます。これをさらに改善しまして、国民の方々がお出しになります郵便物の書体等をいろいろと試行的に実験的に読み取っていくという作業もいまいたしております関係上、いまのところ、一日に二万通から三万通の間かけておるという実態でございます。なお、大阪中央郵便局につきましてはほとんどフルにかけておりまして、したがって、一日に十万通の郵便をかけておるという実態でございます。稼働率はさようでございますが、なお、読み取っておる率につきましては、大体七割を読み取っておるというのが両方の実態でございます。なお、残りの三割はいかがかと申しますと、これは公衆の方々がお書きになっております数字が完全でございませんものですから、それが残り三割に相当する。もっとも、その中で若干まだ機械をいろいろと開発し完全にしていく部分が二、三%は残っております。その点につきまして目下会社を督励いたしまして、私どもいろいろな助言を与えまして、技術的な示唆を与えながら共同研究しているという状況でございます。
○武部委員 区分能力はいまのところ七〇%のようですが、これが大体どの程度までいくとお考えでしょうか。
○曾山政府委員 いま申し上げましたように、公衆の方々が完全な字体でお書きいただきますならば、機械といたしましては九九%までいかすことが目的と考えております。完全な模擬郵便物を使いますと、現時点におきまして九六ないし九七%までまいっております。したがって、なお二、三%を詰めることに全力をあげておる次第でございます。
○武部委員 それから今度は記入の要請ですが、皆さんのほうでは記入の要請をしておられるわけです。この記載率はどうです。
○曾山政府委員 記載率は、小口の切手を貼付いたしたものにつきましては最近の統計で七二%、大口の別納、後納等につきましては四二%、平均しまして六一%という状況でございます。ちなみに、年賀郵便につきましては八一%でございました。
○武部委員 年賀が八一%、大口は幾らですか。
○曾山政府委員 大口は四二%でございます。
○武部委員 この大口利用者は、金がかかるといって苦情を言っているのですね。これは御承知のとおりだと思うのです。問題は、大口の四二という数字だと思うのです。これについてどの程度のサービスを要請されますか。
○曾山政府委員 御指摘のとおりでございまして、私どももそのように考えます。したがって、大口の利用者のところに対しましては、積極的に郵便局の責任者等を派遣いたしまして、あるいは郵政局等でも打ち合わせ会等を再々開催いたしまして、目下慫慂いたしておるところでございます。ただ、これには当初からある程度小口のものよりも低いという見通しはございました。と申しますのは、大口の利用者たちは、いわゆる名あて印字機を使うのが大部分でございます。そうすると、印字機の印字板が、ある程度年限がたちませんと償却できませんので、その償却年限が一年ないし三年と申しておりますが、それが償却されたあと更改するときに、いま申しました郵便番号を打とうという気持ちになっております。それまでは私ども待てませんので、また、小口の郵便を出されます方との公平の問題もございますので、一刻も早く御協力いただくようにせっかく勧奨を続けておるところでございます。
○武部委員 現実に書かせるようにあなたのほうは要請をされるし、そういう要請にこたえて、小口では七二という数字が出たり、年賀郵便では八一という数字が出ておると思うのです。ところが、現実には、書かせるだけで、機械というものはまだ二つか三つしかないのですから、書かせるだけで、それが全然機械を通っていないのだということが国民の中にずっとわかってきたら、これはたいへんなことですよ。あなたのほうではとにかく書け書けと言う、一生懸命になって年賀郵便を——私は書きませんでしたが、それはできませんですわ。たいへんなことですよ。(「逓信委員がそれじゃだめだ」と呼ぶ者あり)書いたものが機械を通らぬことを知っておるから、——はっきり言えば通らぬのでしょう。現実にそうでしょう。通らぬものを書け書けと言って、このことがわかったときに……(発言する者あり)日本人の性質は、こちらの人じゃないが、熱しやすくさめやすいのですよ。そのときに、こういうことがもしわかったら、はっきり言って書きませんよ。せっかく書いたって、機械を通らぬことがわかってみなさい、書きませんわ。それでもなお皆さん方自信を持って要請されますか。
○曾山政府委員 御指摘がございましたように、私ども機械区分に非常に役に立つという宣伝を大々的にいたしましたので、その点、国民の方々から見まして、機械が行き渡らぬのになぜ書かすのかという御指摘はごもっともだと思います。さような点は反省をいたしております。ただ、機械区分に役に立つだけではなくて手区分にも非常に役に立っております。現に、この前の年賀郵便処理におきましても、この番号が八一%書かれておりましたためにどれだけ役に立ったかは想像以上のものがございまして、したがって、そういう点をさらに周知いたしますとともに、先ほど申し上げましたように、機械につきましてもできるだけ早く増備をいたしまして、かつ、技術的な改良を施していぎながらこれを配備していきたいというふうに考えておる次第でございます。
○武部委員 手区分のことをおっしゃるのですが、五けたの中でかかるのは三つでしたね。二つはかかりませんよ。手区分の場合も三つでしょう。三けたしかかからぬのではほとんど利用価値はないと思うが、どうですか。
○曾山政府委員 やや専門的になりますが、おっしゃいますように、第一次区分におきましては機械も手も三けたまで区分いたします。しかし、受け渡し局に参りまして、受け渡し局からそれにつながる線路につきましては、当然あとの二けたが字区分等に相当するものでございますので番号が役立つわけでございます。
○武部委員 下のほうは字区分では役に立たぬのですよ。書かぬのもおるのです。機械にかからぬということを知っているのですよ。新聞にもだんだん書いておるのですからね。五つ書いたって三つしかかからぬと、国民はちゃんと知っておる。だから三字でやめておけということになるのです。字区分の中に書いたって、それではこれが非常に利用されるかというと、地方の末端の区分局にいってみたら、そんなものじゃない。私はそう思うのです。 それはそれとして、先ほど年賀の記載率八一%だとおっしゃった。ところが、実際に機械にかかったのはこの年賀郵便物の百六十分の一だということを聞くのですが、どうですか。
○曾山政府委員 機械の設置してあります郵便局が東京中央郵便局と大阪中央郵便局でございますので、おっしゃいますように、十六億通の中では、東京中央郵便局で五百六十万、大阪中央郵便局におきましては三百四十万でございましたが、合計しまして九百万でございますので、十六億分の九百万ということになります。ただ、先ほど来申しておりますように、それぞれ非常に役に立っておりましたということだけは申し上げられます。
○武部委員 事実は事実ですからね。私は事実を申し上げたわけです。 そこで、最後になりますが、このことによって番号区分規程の全面改正をお考えになっておられると思う。どういう作業工程で、輸送工程はどうなるとお考えですか。
○曾山政府委員 御指摘になりましたように、区分規程の改正を当然やらなければならぬと思います。ただ、私どもとしましては、郵便局に番号の書いてあるのと書いてないのが混在しております状態では、全面的に番号区分を切りかえますと混乱いたします。そこで、九〇%まで書かれるようになりましたら全面改正しようと考えております。 その時期でございますが、いまの記載率の向上の時期とあわせて考えなければなりませんけれども、少なくともこの年度内に資料等を収集いたしまして、現に七月から九月にかけてさような検討を行なうような予算的な手はずを内部でも進めております。
○武部委員 本会議があるようですから、私は次回に譲ります。 終わります。
○井原委員長 本会議散会後再開することとし、この際休憩いたします。 午後零時四十八分休憩 ————◇————— 午後三時十一分開議
○井原委員長 これより再開いたします。 逓信行政に関する件について質疑を続行いたします。森本靖君。
○森本委員 それでは私のほうから、郵政それから電波放送、電通というふうに順番にいきたいと考えておりますが、まず最初に、この四十四年度の予算の問題でありますが、これはきのうも大臣が答弁をしておりますけれども、この中で問題になるのは郵便収人の伸びになるわけであります。 そこで、今年度の郵便増収について特に私がお聞きしたいのは、いわゆる記念切手、これはどの程度の見通しになっておるか、ひとつお聞きしたいと思います。
○上原政府委員 お答えいたします。 特殊切手としては、発行額九十億円、ストック四〇%とみなして、三十六億円を郵便収入に計上いたしております。
○森本委員 発行額を九十億円ということでありますが、昨年度は予算では幾らですか。
○上原政府委員 昨年度は四十五億円でございます。
○森本委員 四十五億円で、昨年度実際に発行せられたのは幾らですか。
○曾山政府委員 四十三年度は合計百二億円発行いたしました。万博の切手等もございますので、最終的には百二億円の予定でございます。
○森本委員 そういたしますと、今年度の実際に発行する額というのはどのくらいになりますか。
○曾山政府委員 現在のところ九十八億円発行する予定でございます。
○森本委員 そうすると昨年度、四十三年度における記念切手のいわゆる予算項目によるところの発行差額というものと、それから四十四年度の発行差額というものについてはかなりの差が出てきておるわけでありますが、これはどういうわけで急にこういうようにふえたわけですか。
○上原政府委員 御承知のとおり、郵便収入の伸びが思わしくございません。それで四十四年度予算に歳出に見合うべく、当然のことといたしまして財源を郵便収入に求めなければなりませんが、年賀はがき並びに特殊切手、記念切手でございますが、こういったものの財源を極力歳出の財源に充てるためにこの要素を見たということでございます。
○森本委員 そういたしますと、いままでは記念切手についてはサバを読んでおったので、実際には決算をやった場合にはかなりの増収になったけれども、四十四年度からは、もうまるきり他の郵便収入というものがふえる見込みが少なくなったので、筒一ぱいにこれを組んだ。現実には、四十四年度以降については従来のように記念切手の発行によるいわゆる増収額というものがあまり期待できない、こういうことになるわけですね。
○上原政府委員 そのとおりでございます。
○森本委員 それから、郵便の業務収入というものの中で、郵便業務収入というのが大体七・一%の伸びになったわけですね。そして、今年度の総予算を編成する場合に大体一四・何%という経済成長率を見ておるわけでありますが、そういう点から見ますと、これは郵便事業が一種の斜陽産業という形に今日なっておるというふうに考えざるを得ないと思うのですが、この点、大臣どうですか。
○河本国務大臣 郵便事業の収入の伸び率は非常に少のうございまして、先般来お答えいたしておりますように、せいぜい四、五%ということでございます。
○森本委員 そういたしますと、郵便収入の伸び率が一般の経済成長率の約半分ということになってくるわけでありますが、これがずっと続いていくということになりますと、先ほど来大臣も答弁せられておりますように、郵便事業としてはとうてい採算が成り立たなくなる。こういう点について機械化の問題その他のことをいろいろやっておりますけれども、最終的には、何といっても郵便事業は人間が行なうという面が非常に多いわけですね。だから、そういう点で、将来の公社化その他の問題が出てまいっておりますけれども、ここらあたりで郵便事業というものに対して根本的に検討して、見直す必要があるのではないか。そうしないと、これは大臣が田邊君の質問にも答えておりますように、四十六年度以降については、いまのままの形の予算の組み方でいくならば、郵便料金を値上げをしなければとうてい立っていかぬというのが、これは常識で考えられるわけですね。その場合に、たとえば保険会計、貯金会計の受け入れを多くしょうとか、あるいはまた、その他の問題についても考えていかなければ、郵政事業というものはとうてい立っていかない。大臣としては、将来について一体これをどういうふうにお考えですか。
○河本国務大臣 郵便の会計は、四十四年度は数字を出しておるとおりでございまして、四十五年度は相当な赤が出ると思います。しかし、これは何とかやりくりするといたしましても、四十六年度以降はその幅が相当大きくなると思うのです。そこで、やはり根本対策というものを立てなければならぬ、こういうふうに考えております。
○森本委員 そうなりますと、今年度の予算を見ても、郵便事業の増収というものの目標——弾力条項があまり期待できない。そこで、かりにこれがベースアップにでもなるとするならば、現実にここで使えるものは、特別会計にありますところの予備費の二十億円、それから貯金、保険の三十五億円と二十億円、これが大体使える金になりますので七十五億円、それに郵便の増収があとどのくらいあるかわかりませんが、十五億円ないし二十億円と見ても約百億円足らずという結果になろうと思う。郵政大臣が大蔵大臣と協議をして一応使えるという金がその程度であるとするならば、ベースアップが行なわれるということになると、それ以上はもうとても金の出どころがないということになると思いますが、そういう場合を想定して、どうお考えですか。
○河本国務大臣 ベースアップの分は含んでおりませんので、それが行なわれますと、予備費を流用したり、増収を徹底的にはかったり、あるいはまた経費の節約をはかったり、いろいろなことを考えなければならぬわけでありますが、大体四十四年度は何とか対策は立つものだ、かように考えております。
○森本委員 今年度の予算で一般会計におけるいわゆる人件費の上昇についても大体五%を見込んでおるということですね。そこで、こちらのほうでは、その分については定期昇給しか見ておらぬわけですから、それはないわけです。そうなりますと、事実問題としてここで使える金といえば、いま私が言った二十五億円と三十億円、二十億円の予備費、それから向こうは何ぼ増収をはかったところで、これ以上郵便の増収は望めないわけですね。だから、そういうふうな予算の編成において、かりに春闘においてベースアップがなされるということになると非常に窮屈になる、こういうことになるわけであります。 そこで、私がちょっと郵務局長にお聞きしたいのは、先ほど局長がちょっと言われておりましたが、今年度の機械化の問題については、この予算書を見てみますと、自動読み取り区分機が十二台、それから自動選別機が十台、こうなっておるわけでありますが、それでこれが今年度二十億七千百万円。これは自助取りそろえ押印機も一緒にしてそうなっておるわけでありますが、これ以外に十一台やるというようなことを言っておったのですが、そうなんですか。
○河本国務大臣 これはたびたび御質問がございましたように、できるだけたくさん大急ぎで整備したい、かように考えております。
○森本委員 十一台を多くとるということについては、その十一台分の予算はどの程度ですか。
○河本国務大臣 それはいろいろの考え方はあろうかと思いますが、主としてレンタル方式でやっていったらどうか、かように考えております。
○森本委員 そういたしますと、いわゆる余分に要るという分についてはどの程度ですか、総予算について。これは郵務局長でいいです。
○曾山政府委員 ただいま大臣が御答弁になりましたように、予算といたしましては、建設勘定及び損益勘定でそれぞれ十二台、二台整備しておるわけでございますが、なお、レンタルその他の方式によりまして増配備するものにつきましては、先ほども武部委員の御質問にお答えいたしましたように、全般的な損益勘定の中の節約等で借料を生み出すというふうに考えております。レンタルの借料が、たしか六億円何ぼというくらいに私承知しておりますので、そのワク内で操作できると思います。
○森本委員 その六億円というのは、どの中に入るわけですか、金が。
○曾山政府委員 六億円と申しましたのは、たとえば特定局の借料その他を含めますと、たしか二十七億円になろうと思いますので、そういうものを全部総合いたしました中で、できるだけ節約をいたしまして生み出していくという意味でございます。
○森本委員 それは建設勘定の中に含まれるわけですか。
○曾山政府委員 損益勘定でございます。
○森本委員 そうすると、損益勘定のどの項目になるわけですか。
○上原政府委員 お答え申し上げます。 損益勘定の需品費がございます。これは予算書の需品費の項目から支出してあります。
○森本委員 この窮屈な予算書の中でそういうふうなことが実際に実現できるということになると、先ほど言った予算の関係からいっても、やはりどこかに予算のからくりがあるというふうにしかとれぬですね。この予算の中にはこれが入ってない。ところが、これを実現する過程において三億の予算が簡単に出てくるということになれば、それは郵政事業特別会計全般が窮屈であるとは見えない。だから、私はそういうことをやるなと言っておるわけではない。やるのならやるで、初めからちゃんと予算項目に入れて、そしてやるべきである。それが需品勘定でやるということになりますと、それは借り上げ料になるわけですか。建設勘定ではないのですか。借り上げ料が三億ということになりますと、かなりの金額になるわけですよ。郵政省としては、現在借り上げておるというものは何がありますか、需品費で。
○上原政府委員 一番代表的なものが特定局の局舎借料でございますけれども、特定局を含みまして七十七億予定してございます。それから、ほかの貯金それから保険の機械化の経費でございますが、これはみんな損益勘定の借料ということで支出しております。
○森本委員 その中で、結局操作するということになっても、現実にふくらました形の予算を組んでおる限りは、特定局の局舎料については一応きまっておるわけですから、それに応じて毎年若干のものを上げていくというのが普通のならわしです。そうなってくると、この予算というものは、大きなものはどうもごまかしのととろがあるというようにとられがちになるのです。だから、そういうことをやるならやるで、初めからきちんと予算に組んだものをやってもらいたい。予算に組んで国会に上程しておいて、その中で適当に配分をしてやります、こうなってくると、大臣だってわかってないでしょう、一体どこの予算をどういうふうにとっていくかということが。大臣がわからないものを、ましてわれわれ議員はわからぬですよ。だから、そういうふうな予算の立て方、使い方というものはやってもらいたくない。だから、それが郵便の機械化、合理化に必要であるとするならば、最初からちゃんと予算を組んでやるべきである、私はこう思うのですが、大臣どうですか。
○河本国務大臣 これは予算折衝の過程におきまして、実は郵政省といたしましてはどうしても最小限三十五台はほしいと思って全力をあげて交渉したのでございますが、いろいろないきさつがございまして、先ほど申し上げましたような数字に落ちついたわけでございます。しかし、この番号制に対する国民の御協力は予定以上進んでおりますし、かりに予算では認められた数が少なくても、いろいろなことをくふういたしましてやりくりをいたしまして、そうしてなんとかできるだけたくさんの機械を、メーカーの生産能力の許す限度においてやっていこう、こういうことでいろいろくふうしたわけでございます。
○森本委員 だから、そのくふうをする努力を私は買っていないということは大臣、言っておらぬのですよ。だが、三億という金がすっとどこからでもでたらめに出てくるというような印象を与えるというやり方がまずいというわけですよ。まして、郵便の増収も伸びがない、予備費もこれだけだ、非常に窮屈だ、たとえばベース改定があっても非常にむずかしい、そういう口の下で、一方、どこからか必要なら三億円ひねり出してくる、こういう予算のやり方はない、そんなように私は思う。それよりも堂々と最初から予算に組んで、そして郵政事業特別会計の、いわゆる会計の苦しさというものを率直に訴えていくというやり方をやってもらいたい。組むものは組む、とるものはとる、こういうふうにはっきりしていってもらいたい。そうしないと、これはやはりはたから見てちょっとおかしく感じる、こういうことを私は大臣に言っておきたい、こう思うわけです。 それからこの郵便番号簿でありますが、今年度郵便番号簿で大体五億五千万円組んでおりますが、この五億五千万円というのはどういうふうに使うわけですか。事務当局に……。
○曾山政府委員 予算上は、そのうち四億四千万円を番号簿の調製に使う予定でおります。残りの一億一千万円を施策費に使う予定であります。
○森本委員 これには本年度の郵便番号簿は、去年の悪評にこりて、いわゆる全国の番号簿というものを全国各世帯全部に配る、こういう計画になっていると思いますが、そこで、特に私が要望しておきたいことは、昨年度の番号簿が非常に評判が悪かった。非常に見にくいという点、それからちゃちなという点で、今年度は初めからこれだけの予算を組んでやるわけでありますから、今年はそういうような評判の悪いことをひとつ取り返してもらいたい、りっぱな番号簿をつくって全国に配ってもらいたいということを、これは強く要請をしておきたい。いいかげんなやり方でやっておりますと、またこれが評判が悪いということになりますと、あなたのほうは八一%書いておるとか九〇%書いておるとか、こういって盛んに自慢しておりますけれども、これは大臣にもよく聞いておいてもらいたいと思いますが、あの年賀はがきが十六億枚出ておる、そのうち八十何%書いておると報告しておりましたけれども、現実にこれは数字を見てやられたわけじゃない。大体大ざっぱな数字を上のほうで報告して八十何%、こういうことになっておる。下の郵便局長に聞いてみると、そんなこと一々できるか、そんなことはできませんよ、先生、こう言っておる。だから、そういうことは、大臣よく眼光紙背に徹するということでやっていかれないと、官僚の言っているのばかり聞いていると、案外ごまかされる面が多いわけであります。だから、そのパーセンテージにしても、私は局を十ぐらい回ってみた。ところがたんねんにやっておるのは一日か二日です。一日か二日かをとって、それを平均に直して統計を出して、はい、八一%記載しております、こういう報告なんです。実際はどの程度書いているかわかりませんよ。それは余談になりますが、いずれにいたしましても、今年はひとつ郵便番号簿についてはりっぱなものをつくって、国民から不評のないようにぜひひとつお願いしておきたい。これは郵務局長から、はっきりした答弁を伺っておきたい、こう思うわけであります。
○曾山政府委員 過去におきまして発行いたしました番号簿につきましては、いろいろ御不便をかてけおる点、私どもも気がついております。したがって、かような点を私ども十分反省いたしまして、いろいろな方々の御意見もお聞きいたしまして、それによりまして、今度は批判にたえるようなりっぱな番号簿をつくるつもりで現在準備中でございます。
○森本委員 それから、これはわかりきった話ですけれども、一ぺん聞かぬといかぬわけですが、経理局長に聞いておきたいのです。 保険事業特別会計のいわゆる歳入と歳出の差額が出てくるわけですね。この差額は、今年度の予算で幾らですか。
○上原政府委員 歳入と歳出の差額は、二千七百十六億一千百万円でございます。
○森本委員 この差額はどこへ入るんですか。
○上原政府委員 御承知のとおり、簡易保険は、保険料を徴収して、いただきまして、そして保険に支払います。したがって、これが契約準備金に相なります。
○森本委員 契約準備金に入って、これはどこへ入んですか。
○上原政府委員 契約準備金に入りまして、そして運用部に預託してあります。
○森本委員 それで二千七百十六億という四十四年度の余裕金は、運用部に入りますか。
○上原政府委員 はい、入ります。
○森本委員 その場合に、これは金利がつきますか。
○上原政府委員 余裕金として金利はつきます。
○森本委員 幾らつきますか。
○上原政府委員 年数によりますが、平均六分五厘かと存じております。
○森本委員 それは間違いないかね。その年度の簡易保険の余裕金ですよ。その年度の簡易保険の余裕金が六分何厘つきますか。
○上原政府委員 一年ものになりますと、ただいま御指摘のとおりで、六分五厘は無理かと思います。ちょっと自信がございませんので、あとで調べて御報告申し上げます。
○竹下政府委員 一年置きますると、特利六分五厘つきますから、余裕金として運用部に送りましたものは、一年置いてそれから引き揚げるということにいたしておりますから、六分五厘でございます。
○森本委員 だから、その一年間、それまでの日々の余裕金というものはあるわけでしょう。日々の余裕金は一体どうなっておるか、こういうことを聞いておるわけですよ。
○上原政府委員 資金運用部資金法によりますと、三カ月未満のものはつきません。したがって、三カ月以上のもので資金運用部資金法の規定によりますと、「資金運用部預託金には、左の利率により利子を附する。」ということでございまして、第四条の第三号でございますが、「約定期間一月以上三月未満のもの 年二分」「約定期間三月以上一年未満のもの 年三分五厘」ということに相なっております。
○森本委員 だから、この余裕金の三カ月未満のものについては無利子になるのでしょう。
○上原政府委員 私、先ほど三カ月未満というふうに申し上げましたけれども、ただいま申し上げました第四条によりますと、「約定期間一月以上三月未満のもの」ということになっておりますので、三カ月未満はちょっと言い過ぎではなかったかと思っております。
○森本委員 じゃ、一体その日々の余裕金で無利子でいっておるものは、大体年間どのくらいありますか。
○上原政府委員 ただいまお答えできません。あとで報告いたします。
○森本委員 大臣、これは実は前から問題になっておる事項でして、やはり正式に金利をもらえば、これはかなりの金利が浮いてくるはずです。日々の余裕金でありまするから、実際はこれは郵政省が運用しても差しつかえないわけですから、次から次へ予算的にこう入ってきますから、それを要するに——これはたしか無利子で預託されておるということになっておるわけでありまして、との点は前から問題になっておる事項でありますが、ひとつ十分に深い研究をさしていただいて、ここで若干でも利益があがってくるとするならば、そのあがってくる方向においてやはり大蔵省と大いに折衝してもらいたい。これはいままででも大蔵省に言っておりますけれども、なかなかうんと言わない。結局、これはいつでも決算がされて、正式に一つの積み立て金というかっこうになる、こうなっておるわけであります。しかし、日々の余裕金というものも、全国合わせましたならばかなりの金額になるわけでありますから、その点、ひとつ大臣一ぺん検討してもらいたいと思うのですが、どうですか。
○河本国務大臣 さっそく関係者を呼びまして検討いたします。
○森本委員 それから、今年度に国際的な行事としてUPUの東京会議があるわけでありますが、これに対するところの予算的措置としてはどうなっておりますか。
○曾山政府委員 総額におきまして、四十四年度に成立しましたUPU会議予算は三億八百万円でございます。
○森本委員 それは郵政事業特別会計で組んでおるわけですか。
○曾山政府委員 そのとおりでございます。なお、一般会計の外務省負担分といたしまして三千八百万円が成立しております。
○森本委員 そういたしますと、これは郵政事業特別会計で三億一千五百九万円と、外務省で三千八百万円を組んでおる、こういうことでございますが、この会議は国際的な会議であって、日本として本非常に大事にしなければならぬ会議だと私は思っておるわけであります。ところが、この予算をこのように郵政事業特別会計におんぶするのは、私はどうかと思う。こういう会議こそ、一般会計から繰り入れるなり何なりしてやるのがほんとうではないか。確かにこれは郵便事業が一番の主体でありますけれども、しかし、これは日本国を代表しての一つの大きな国際的な会議であります。そうなりますと、いまのような窮屈な、いわゆる郵政事業特別会計から金を出すよりかは、一般会計から堂々と金を出してやるというのが、これがまず至当ではなかろうか、こう思うのでありますが、大臣、どうですか。
○河本国務大臣 そのいきさつにつきましては、政府委員から答弁させます。
○曾山政府委員 ごもっともな御意見だろうと思います。私どもといたしましても、当局予算折衝を始めます前に、外務省へただいま森本委員おっしゃいましたとおりのことをいろいろと主張いたしましたが、御案内のように約千人近く参加する会議であり、しかも、四十五日の長期にわたる、かつて日本でやったことのない大きな会議のようでございます。それで、もしこれを一般会計で負担する、こうなりますと、かつての外務省の歴史上でなかったような予算要求にもなるということになりまして、外務省のほうでできるだけたくさんの予算を組むので、特別会計のほうでも負担してくれ、しかも過去において——そういう例が最近におきまして二、三あるようでございます。そこで、私のほうで大宗を組みまして、なお外務省で筋の通るものにつきましては組ました次第でございます。
○森本委員 それは、それこそ御案内のとおり大蔵省と折衝して、ほんとう言うたら、これは郵政の乏しい郵政事業特別会計の中から金を出すよりかは、こういう国際的な会議こそ、私は政府が一般会計から出すべきであるというように考えるわけであります。これは、たしか四年に一回か何年に一回の、しかも日本に回ってくるというのは何年かに一回であるということで、これは大事な国際会議でありますので、そういう点は今後ひとつ十分に考えてもらいたい、こう思うわけであります。 そこで、このUPUの会議に、いわゆる中共とか北鮮というようなところは——これは加入していないわけですね。しかし、隣国としてオブザーバーとして招待をするとか招請をするとか、そういうようなことはとり得ませんか。
○曾山政府委員 この点につきましては、UPUのみならず、過去のいろいろな会議におきましてただいま御指摘になったような問題がありましたことは、御承知のとおりでございます。従来、いわゆる代表権問題といたしまして、会議の劈頭に必ずさような問題が提案されますが、いずれもそのまま議事録にとどめおく程度のことになっておりまして、いままで例はございません。 今回どうするかにつきましては、いろいろな外交政策等の問題もございますので、私どもとしては、まだこれをはっきりきめておるわけでございません。
○森本委員 これは非常にむずかしい問題だとは思いますけれども、郵便に国境なしというふうに昔からいわれておって、戦争当事国でさえ郵便が行くというのが、これは昔からのならわしであります。郵便事業というものは、それほど平和的に行なう、あるいはこれは、中国において日本が中国と戦争をしておったときでも相手の中国側と日本側との郵便が往復しておった、こういう歴史もあって、郵便事業というものは、そういう点では郵便に国境なしというふうにいわれておるわけであって、せっかくこういうような国際会議が東京において開かれるという場合に、そのいわゆる開催地に当たります日本国としては、できれば中共、北鮮等についてもオブザーバーとしてひとつ会議を見てくれというようなことぐらいは言ってもいいと私は考えるのです。しかし、それは政府部内におけるいろいろな思想の統一その他もあろうかと思いますが、郵政大臣としてその程度を言ってもいいと私は思いますが、その辺はどうですか。
○河本国務大臣 今度参加いたしますのはUPUに加盟しております国が約百三十、それは全部来ますし、そのほかの国もほとんど全部オブザーバーとしてやってまいります。ですから、世界じゅう漏れなく集まるといっても過言ではないと思うのでございますが、そういう状態でございますので、お話の中共と北鮮の問題につきましては、前向きの形で至急検討いたします。
○森本委員 ついでにこの際聞いておきたいと思いますが、中共との郵便協定については、その後の経過は、日本側が断わっておるのか中共側が断わっておるのか、どちらですか。
○曾山政府委員 これもすでに森本委員御案内でございますけれども、いままでの形におきましては、中共側のほうで断わったのが最後になっております。当省といたしましては、外務省とも十分相談いたしまして、向こうのほうでこれに応ずるという気持ちがあるならばいつでも応ずるという国会での総理の答弁もございますし、従来向こうのほうで断わったままになっておるというのが現状でございます。
○森本委員 そういたしますと、これは向こうが結ぶということになれば日本側はいつでも結ぶという考え方と解釈をしてよろしゅうございますか。
○河本国務大臣 これは話し合いの機運が出てまいりましたならば、こちらも受けまして、積極的に交渉に応ずる用意がございます。
○森本委員 これは一時交渉がかなり煮詰まってきておったわけで、ただ、開催地がどうのこうのということで、その後、中共の情勢が変わって現在に至っておるわけでありますが、隣国の中共と郵便協定すらできないということについては非常に残念に思っておるわけで、いま郵務局長が言ったように、日本側は一応応じると総理も答弁をしておられるのですね。だから、中共が一応この郵便協定については日本とやりたいということであるとするならば大臣としては応じる、こういうふうに解釈をしてよろしいかということです。
○河本国務大臣 そのとおりでございます。
○森本委員 それから次に、郵便年金の問題についてちょっと聞いておきたいと思いますが、これは、この前の小林郵政大臣のときに、実は四十三年度から郵便年金の募集についてはやめておるわけであります。四十四年度のこの予算を見ましても、郵便年金の募集についてはやめておるわけです。ところが、現実にこの郵便年金の法律についてはそのまま存置しておるわけであります。郵政省としては、余裕金がないから、これをこのまま二、三年置いておいて、ある程度の金利がついたらその金利を一緒にして加入者に戻そう、そのときに年金法その他については何とかこれをおしまいにしたい、こういう非常にずるい考え方になっておるわけであります。ところが、法律においては、いまでも郵便年金に入りたいというように言ってくるとするならば、それに応じなければならぬ義務が郵政省にはあるわけであります。法律で加入ができるということになっておりながら、実際に実行においてその年金の加入を受け付けないということについてはおかしいじゃないか。もし、そういうようにいまみたいにやるのなら、暫定措置法なら暫定措置法という形を立法的に考えてやるのがほんとうじゃないか、こういう質問をいたしましたら、小林前郵政大臣は、ごもっともでございます、その方向において検討いたしますというふうに答弁をいたしましたけれども、そのままどこかへ消えてしまって、その後話がさっぱりございません。その後、これは大臣としては小林前大臣からどういうふうに引き継ぎを受けて、どういうふうにこれを実行していこうとなさっておるのか、ひとつお聞きしておきたいと思います。
○河本国務大臣 その経過につきましては、政府委員のほうから答弁をさせます。
○竹下政府委員 ただいまお話によりますと、年金の契約の申し込みを受け付けてない、こういうようにお受け取りになっておるように伺いましたのですが、そうでございませんで、年金契約を結びたいという希望を持っておられる方がありました場合には、もちろんこれは受け付けるという体制をくずしておりません。 ただ、申し上げましたのは、郵便局のほうから出かけていきまして、いわゆる従来やっておりましたような積極募集はもういたさない、しかし、御希望があればもちろん受け付けるという体制で今日参っておる次第でございまして、四十四年度もこれで行くつもりでございます。
○森本委員 簡易保険局長ともあろう方がそういう答弁を正規の委員会でやっちゃいけませんよ。郵務局から各郵便局に通達が出ておりますよ。いわゆる郵便年金に入りたいという人が来ても、郵便年金はしかじかかくかくの状況でございますから、なるべくお入りにならぬほうがよろしゅうございます、こう言って、説得をしてお返しをしなさいという通達が出ておりますよ。
○竹下政府委員 私の申し上げたこと、ちょっと不十分でございましたのですが、ただいま御指摘がございましたように、事情を懇示しなさい、つまり、年金契約は早晩整理をさせていただきます、二、三年先にはもう整理をさせていただきますから、いま申し込みがございましても、実はもう間もなく整理に御協力を願わなければいけませんから、ついては、ひとついかがでございましょうか、というような説得といいますか、懇示といいますか、そういうことは一応試みてみなさい、しかし、どうしてもそれでもなお取り結びたいという方がおりました場合にはもちろん受け付ける、そういう指導をいたしておるわけでございます。
○森本委員 あとのほうの指導は、これはやってないですよ。そういうふうに懇切丁寧に言えばたいてい入りませんから、それでもどうしても入りたいという者については入れるようにしなさいということは、通達では言っておりません。だからお考えいただきたいのは、法律がせっかくあるものを、入らないように入らないようにということで郵政省がやるとするならば、やはりそういうふうに立法的に暫定的な措置をとってやるべきである。それを、何か法律を出したら委員会でいじめられる、めんどうくさい、また、がたがたになる、まあまあほおかむりしていって、二、三年で利子がついたら、それで返して終わりにする、次の局長がやってくれるだろう、おれのときにはならぬだろう、こういうことで、流れ作業みたいなことを郵政省はやっちゃいかぬ。やっぱり自分が郵政省をしょって立つくらいの気がまえで、そのときどきにこういう問題は一つ一つ解決をつけていく、こういう形でやっていかぬで、むずかしい問題は次へ次へ残していこうとする。これははっきり言うと、官僚の悪いくせです。 これは大臣、小林前郵政大臣がこれは十分検討いたしますと言っている。いまの質疑応答を聞いておっておわかりかと思います。だから、やはりこういう問題については正規に立法措置を講じてもらいたい、こういうことを私は言っておるわけであります。大臣も賢明な大臣でありますので、わりかた大臣は新任大臣としては業務に詳しいわけでありますが、ひとつ、こういう点はもう一ぺん再検討願いたいと思うのですが、大臣、どうですか。
○河本国務大臣 やめる方向でございますので、いまお話しのような点を至急検討いたします。
○森本委員 ほかに郵政事業関係でもたくさんありますけれども、これはまた法律が出てきたときにやることにいたしまして、あとに残しておきまして、次に、この間の予算委員会の一般質問でちょっと残しておったことを聞いておきたいと思います。 御承知のとおり、今度宇宙開発事業団ができるわけですね。この宇宙開発事業団ができた場合、郵政省からこの開発事業団に移行していく事業はどの程度ですか。
○溝呂木政府委員 今度の宇宙開発事業団ができることによって、電波研究所の仕事のうち、電離層観測衛星関係の仕事が事業団のほうに移る予定になっております。
○森本委員 そういう場合に、それは施設も人間も全部移っていく、こういうことですか。
○石川(忠)政府委員 原則として、施設並びにそれに従事する人間も移る、こういうことでございます。
○森本委員 そうすると、その人員ということについてはどの程度ですか。
○石川(忠)政府委員 研究職二十三名を予定いたしております。
○森本委員 そうすると、郵政省は、この事業団に対しては出資するという形になるわけですか。
○石川(忠)政府委員 科学技術庁から事業団に出資する、こういう形をとります。
○森本委員 そうすると、郵政省としては、これに出資するという形にはならぬわけですか。
○石川(忠)政府委員 そうはなりません。
○森本委員 それは現物出資にもならぬわけですか。
○石川(忠)政府委員 郵政省から科学技術庁に承継いたしまして、科学技術庁から出資する、こういうことになろうかと思います。
○森本委員 郵政省の分はわかりましたが、電電公社、NHK等についてはどうですか。
○溝呂木政府委員 現段階ではすぐに出資するものが見当たりませんので、一応この事業団法では、附則で将来出資ができる道を講じてあります。
○森本委員 だから、四十四年度において公社、NHKというものについては、その見通し、見込みというものはどういう状況ですか。
○溝呂木政府委員 四十四年度はすでに予算が提出されておりまして、電電公社関係につきましては事業団に出資するという予算が計上されておりませんので、一応四十四年度にはないものというふうに考えております。
○森本委員 そういたしますと、将来は、これは電電公社、NHK等についても出資するということになりますか。
○溝呂木政府委員 この事業団の設立されました趣旨は、やはり日本で行なう宇宙開発を総合的に、効率的に行なうという趣旨でございますので、当然宇宙開発に関して電電公社なりNHKなり、そういうものがいろいろ開発したいというときには、予算をもって、予算の定めるところによって事業団に出資し、そこで効率的な開発を行なう、こういうことになろうかと思います。
○森本委員 その中に国際電電も入るわけですか。
○溝呂木政府委員 現在のところ、国際電電が直接宇宙開発の研究をするということについてはよく聞いておりませんが、当然、国際電電においても宇宙開発をする場合にはそこに出資してもらうよう指導したいと考えております。
○森本委員 監理官、どうですか、国際電電は……。
○浦川政府委員 現在のところ、国際電電で衛星それ自体を開発するということはまだ聞いておりませんけれども、アメリカのコムサットのいろいろな研究には地上局の設備としてKDDCとして参加しておりますので、事業団のほうに、直接研究に参加するかどうか、いまのところ私どもまだ聞いておりません。
○森本委員 この問題は、後日この法案がいろいろ審議される際にまた質問を行ないたいと思いますが、今回のいま交渉されておりますところの日米宇宙開発協力の交渉ですね。これは大体いつごろ片がつきそうですか。
○河本国務大臣 二、三日前から始まっておりますが、約四週間の予定でございます。しかし、この四週間の間に全部解決するかどうかは若干の疑問があろうかと思います。
○森本委員 最終的に日本が静止衛星を打ち上げるというこのいまの計画が予定どおりいくという見通しですか。
○河本国務大臣 これは全力をあげましてぜひ予定どおりやっていきたいというのが、政府の一致した見解であります。
○森本委員 予定どおりが、再三予定どおりいかぬようでございますので、これは予定どおりいくように、ひとつ政府は十分に努力を願いたいと思いますが、いずれまたこれは日をあらためてもう一回質問をやり直します。 次に、テレビ関係について、電波放送の関係についてちょっと聞いておきたいと思います。 これもこの間の一般質問でやった残りでありますが、郵政省ではVHFテレビ放送のUに移行するところの実態調査というものをやる、こういうことを言っておるわけでありますが、その実態調査というのは、どのように行なわれて、いまどういうふうに調査されておるか、ひとつ御回答願いたい。これは事務当局でけっこうです。
○石川(忠)政府委員 現在まで調査いたしておりますのは、いままでのVHFの施設をUHFに切りかえるときにどういう状況になっているか現在のVHFの施設の状況を調査いたしたわけでございます。
○森本委員 そのVHFの状況を調査した調査資料というものは、もうでき上がっておりますか。
○石川(忠)政府委員 大かたまとまっております。
○森本委員 そうすると、VからUに移行するということについても、どういうふうになっていくということも一応調査しておるわけですか。
○石川(忠)政府委員 どういうふうな段階で移っていくかということにつきましては、NHK、民放の代表者等と十分協議する必要がございますし、それからまた、受信者側のオールチャンネルないしはコンバーターの普及状況等を勘案いたしまして、逐次具体化していかなければならないと存じますが、現在のところ、まずNHKにつきましてU、V両方、Vの波の出ている東京、大阪につきまして、Uの波を同時放送ないしは再放送の形で波を出しまして、そうして、それによりまして東京、大阪のコンバーターないしはオールチャンネル受像機の普及をはかるというようなことで、逐次そういった体制をつくっていきたい、こういうふうに考えておりますが、具体的にどういったスケジュールでやっていくかということにつきましては、詳細についてはまだきまっておりません。
○森本委員 そうすると、Vの実態調査というのは、どういう調査ですか。
○石川(忠)政府委員 現在のVHF帯の送信所の建物、送信機、そういったものについての価格だとか、いつ設置したとか、そういうことについての調査でございます。
○森本委員 そういたしますと、そういう調査をすれば、これが大体Uに移行するということについては、一応減価償却が済んで、一体何年ごろにこれをやればいい、そうすると何年ごろに全体的にどうなっていく、日本の放送局の現在のVがどういうかっこうでUに移行していくかという、一応のアウトラインというか、計画というものが出てこなければならぬわけですね、実態調査において。そういうものが出ておるかどうか。
○河本国務大臣 これは、力のあるところは減価償却が全部済まなくても新しい機械を買うことができると思うのです。力のないところは、これはまあ相当時間もかかると思います。償却が済まないとやれない、こういう点もあろうかと思いますが、大体のことを申し上げますと、NHKにつきましては、Vの総施設費がおよそ二百四十億、それから民間におきましては約百五十億、合わせまして四百億弱、こういうことでございまして、巷間言われるほどの大きな金額ではございませんし、これは金額的にはそう大きな難事ではない、かように考えます。そういうことなども含めまして、当初考えておりました十年という期間を、できることならばもう少し短縮していきたい、こういうことをいま検討しておるところでございます。
○森本委員 その二百五十億と百五十億というのは、現在のVの放送局のいわゆる費用であって、これをUに移行していくということについては相当——これ以上の金がかかるわけですね。だから、これは、いま大臣が言ったように、そう簡単にはいきませんよ。いまの数字というものは、大臣よく勉強はしておられるけれども、現在のVの金額である。将来これがUに移行していく場合には、サービスエリアの問題、電界強度の問題、それから電力の問題、こういうことを考えた場合には、いま言った四百数十億では済まない。だから、現行のVがそれであって、これをUに逐次移行していくとするならば、それに大体どの程度金がかかるか。大体十カ年計画なら十カ年計画のうちの初めの三年くらいにはどの程度、その次の三年にはどの程度、最終的な三年度にはどの程度移行していくか、こういう一つのVからUに変わっていくアウトラインが示されて、ここで初めて具体的な内容についての検討と、こういうことになるわけです。だから、そういうふうな具体的な一つの問題を検討せられておるのかどうか、こういうことを私は聞いておるわけです。
○河本国務大臣 詳しく申し上げなかったのが悪かったのでございますが、もちろんUの施設をVにかわってする場合には三百九十億でできないことは当然でございます。Vを設置した時点と現在の時点との物価の相違ということもありましょう。あるいはまた、一台ずつ生産する場合と大量生産するという場合における価格の相違、こういうこともあると思います。それからVとUの送信機の価格の相違、そういうことも当然考えなければならぬわけでございますが、しかし、巷間言われておるような数千億とか、そういうものではない、こういう意味を申し上げたのでございます。しかも、送信機は一定の年限をたちますとリプレースしなければならぬ、どういうことが起こるわけですね。だから、そういうことなども考えますと、新しくまるまるUにするために非常にたくさんの金がかかるというわけのものではない。リプレースというようなことを考慮いたしました場合にはそれほど大きな金ではない、巷間言われておるほどのものではない、こういうことを申し上げたわけでございます。 そとで、どういう順序でUに移行するかという問題でございますが、これは先ほど政府委員が答弁いたしましたように、コンバーターあるいはオールチャンネルの受像機の普及状態であるとか、まあ、とりあえずNHKに東京、大阪でやらしてみますが、そういうNHKの成績、いろいろなことを勘案をいたしまして——流動的な要素がたくさんあるものですから、具体的にことしはこうだ、来年はこうだ、こういうところまで最終のこまかい案はまだでき上がっておりませんが、先ほど来繰り返し申し上げますように、できることならば十年という期限をできるだけ短縮していきたい、これが基本的な考え方でございます。
○森本委員 これは大臣、大臣がいま言っているのと同じようなことを電波局長も記者会見で言っておるわけですね。だからもやもやしたものが残るのですよ。行政というのは大体こうでございますということではいかぬのですよ。はっきり科学的なデータを示して、初めて相手に対する説得力があるわけです。だから、確かに民放、NHKが言っておるように二千億なんというそんなものは要りません。それなら要らぬように、十年間に大体どの程度だ、こういうふうに具体的になっていくのだ——これは電波監理局の少数の人間でたいへん忙しいとは思いますけれども、これだけVからUに大転換という一つの政策の変更を行なおうとするならば、私が言うような科学的なデータというものをもって、そして相手を説得する力をもって発表すべきである。それを、大体の調子でと、こうやるものですからそこにいろいろ意見が出てくるわけです。 私が言いたいのは、そういうデータを科学的に調査したもの、もう大体これでやっていけるのだという一つの案というものをぴしゃっと発表するというくらいの意気込みでやってもらいたい。どうも電波監理局の情勢を見ておると、小林郵政大臣以来、免許をあまり急いだせいか、その方面で事務が多忙で、こういう基本的な調査というものがなかなか進んでおらぬ。だから、これは新しい大臣になられて、そういう点の基本的調査、科学的に、しかも権威ある調査というものを郵政省はつくってもらいたい。それがためには、NHKと協力することもけっこうでございましょうし、だからNHKとの間に移行に関する専門連絡会というものを持っておりますが、ひとつ、そういうところでも、もう少し科学的に価値ある一つのデータというものをつくっていただきたい。これはひとつぜひ大臣にお願いをしておきたい、こう思うわけですが、どうでありますか。
○河本国務大臣 全く御意見のとおりでございまして、具体的にもっと調べまして、そしてみなが納得できるような案を早急につくります。同時に、あわせまして、資金の面でもできるだけお手伝いができる、こういうことも考えてみたいと思います。
○森本委員 そういうふうにやってこそ、初めてこれは民放界、NHKも納得すると思いますので、ひとつ、そういう点の研究調査というものについてはなわ張り争いせずにやってもらいたい、こういうふうに思うわけです。 それから、これもこの前一般質問でやって、論争しただけでケリがついておりませんが、例の音声放送ですね。特に中波放送の問題について、今回のNHKの予算を見てみますると、第二放送の秋田が大電力になっておる。このNHKの中波放送の大電力というものについてはどういうふうに考えておられるのか、それをまずお聞きしたい。
○河本国務大臣 大体、NHKの第一放送については全国に約十カ所、百キロないし三百キロ程度の大電力局を置きたいと考えております。それから第二のほうにつきましては、およそ五カ所前後のところに三百キロないし五百キロ程度のものを置きたい、かように考えております。
○森本委員 そういたしますと、この五カ所というのは、秋田以外どこどこですか。電波局長でけっこうですが、答えてください。
○石川(忠)政府委員 東京、大阪、秋田、札幌、福岡、以上の五カ所でございます。
○森本委員 それは全部五百キロですね。
○石川(忠)政府委員 さようでございます。
○森本委員 そういたしますと、NHKは中波の第二放送はこれでもう終わり、こういうことになりますね。 そこで、NHKの中波の第一放送については全国的に十カ所、これが百キロないし三百キロ、この十カ所というのは、それが十一カ所になるか、それはわかりませんが、大体その程度であるということになると、この十カ所ないし十一、二カ所については、これと同じように民放も一局ずつ許可する、こういうことになりますか。
○石川(忠)政府委員 個所数は、百キロないし三百キロでやりますから大体同じ個所数になろうかと存じますが、そこに一波か二波かということにつきましては、まだはっきりきまっておりません。
○森本委員 そうすると、きまっていないということになると、民放は中波は全部なくなるのですか。そんなことはないだろう。民放にも中波をおろすということになれば、この十カ所ないし十二カ所のところに民放にも一局ずつ中波の単独を置く、こういうことになるのでしょう。出力も大体この百から三百に近いものになる。そうじゃないですか。
○石川(忠)政府委員 そのとおりでございますが、一局ずつというのは、一局とはきまっていない、こういうことでございます。一局になるか二局になるか、そこら辺がきまっていないということを申し上げたわけであります。
○森本委員 それが、同時に二カ所になるか一カ所になるかということでありますけれども、これは私の考えでは、電波を有効的に使おうとするならば、民放を二カ所以上にする必要はないと思うのです。電波局長が一番悩んでおるのは、とにかく東京、大阪のことを頭に置いて一つになるか二つになるかということを言っておると思いますけれども、しかし、こういう中波は広域圏の大電力放送であるという政策を示す以上は、そこにある程度の犠牲者も出てくると思います。だから、この問題は、そういう点で業界の再編成ということも考えられると思う。 だから、やはりNHKの第二が五局、第一が十ないし十一の中波、それに民放がその程度になるとするならば、大体それで中波についてはいいのじゃないか、こう考えるのですが、大臣、この点どうですか。
○河本国務大臣 大体そういうところだろうと思います。
○森本委員 そこで、一応ここで輪郭が明らかになったわけでありますが、大体十カ所ないし十一カ所、十二カ所ということになりますと、大体いまの、たとえば九州一円、四国一円、中国一円というふうな形になれば、大体十カ所ないし十一カ所、こういうことになるわけですね。大体そういう考え方ですか。
○石川(忠)政府委員 まだ十カ所前後でございまして、これをどういうふうに分けるかということにつきましてはきまっておりませんので、いまのところお答えしかねます。
○森本委員 そういたしますと、将来外国電波の変更によってある程度変わってきますけれども、現実にいまの中波放送において、外国の混信がなくて良質のチャンネルというものがどの程度とれますか。それによって大体数字が明らかになると思う。
○石川(忠)政府委員 これは、現在の出力でいいますと四十数波でございますけれども、これが大電力になった場合に、それよりも数は少なくなることははっきりいたしております。これはおそらく三十波か、あるいはもっと少なくなりますか、そこら辺だろうと思います。
○森本委員 専門家が君、三十波か、そんなことでどうするか。自信を持って、中波で混信のないものについては大体何波くらいとれますというくらいの答弁がはっきりできなければ、これは専門家じゃありませんよ。 そこで、いま言った五局と、それから十となると、大体これで民放が一局、NHKが一局で、はやすでに民放十二、NHK十二で二十四、大電力が五ですから二十九局、大体三十局ということになります。そうすると、五百キロあるいは三百キロということになりますと、これは夜間になりますと、ほとんど全国的に聞こえると思います。たとえば東京放送が夜間には高知でも十分聞こえるわけでありますから、そうなりますと、いま言った出力、それからいわゆる混信のないものであるということになりますと、大体いま言ったように、十一ないし十二については、NHKに一波、民放に一波という形にならざるを得ないのではないですか、現実に中波としては。
○石川(忠)政府委員 大体、数字的にいいますとそういうことになるかもしれませんが、よく検討いたします。
○森本委員 慎重なのもいいけれども、これは大体そういうことになると思います。 そこで大臣、あとはこの十二、三局ということについて、一体どの周波数を与えて、何キロの出力を与えて、どういうととろに置くということの構想も、これはひとつ早急に案をつくって発表すべきである。そうしないと、いつまでも音声放送というものは混乱をしてくる。その点、ひとつ大臣にしかと私は申しておきたいと思いますが、こういう点については、早急に発表されるという考え方がございますか。
○河本国務大臣 やはり全体の構想はできるだけ早く発表していくというのが筋道であろうと思います。
○森本委員 だが、全体の構想は、大臣、いま言ったとおり質疑応答で出ておるわけですね。だから問題は、その十一カ所ないし十二カ所というものをどこにするか、それは技術的に、どこに置いたらその範囲がどの程度いくか、夜間と昼間とどうなるか、そういうことを広範囲に見てやればいいのであって、これはたった一日だってできるのですよ、はっきり言って。電波監理局はむずかしいことを言って、みんな電気の技術はわからぬと思っておるが、そんなことは一日あったらできる、ところが、発表すると非常に反響が大きいから、発表をようしない、そうすると、また片一方では疑心暗鬼になる、こういうことになるわけであって、私は、との次東京、大阪、名古屋、福岡というところに民放のFMの放送局というものを免許するとするならば、中波の基本的な態度を明示しておいて、そうして東京、大阪、名古屋、福岡についてはおろすならおろす、これが筋だと思うのです。それを一方をそのままにしておいて、東京、大阪あるいは名古屋、福岡、一番いいところだけつまみ食いでおろすということは、いかにも電波行政が一貫しておらぬというふうにとられがちなんです、幾ら大臣がまじめに考えてやろうとしても。これは、意地の悪い見方をすれば、私がいま言ったような見方をせざるを得ない。だから、私が繰り返し言っておりますように、この東京、大阪、名古屋、福岡というところに民放のFMを許可するとすれば、全国の中波放送というものは将来どうなっていくか、との構想を明らかにしておいて、その上で逐次免許していく、これが一番いいと私は考えておるわけでありますが、その点についての大臣の見解を聞いておきたい、こう思うわけです。
○河本国務大臣 これは、あるいはそのとおりいかないかもわからない、多少相前後するかもわかりませんが、原則的には、できるだけそういうようにしたいと思います。いろいろ各地で事情は異なりますので、いまそれを調整しておるところでございます。
○森本委員 大臣はなかなか賢明な方でありますので、こういう点については、私の質問を聞いておっても十分わかると思いますので、ひとつ、部下を統率をして、電波行政に誤りのなきょう公正な行政をやっていってもらいたい、筋道を立てたやり方を私は特に望んでおきたい、こう思うわけであります。 一応、電波関係については、またNHKの予算がありますので、そのときに詳細に聞くことといたします。ただ、いま言いましたが、そうすると、東京、大阪、名古屋、福岡というところのFMの民放局については、これは一体中波の問題が明らかになってから免許するのか、あるいはまた、現実に免許をおろそうとしておるのか、この点について聞いておきたいと思います。
○河本国務大臣 先ほども申し上げましたように、中波の問題が全部片づいてから、こういう意味ではございません。多少相前後するかもわかりません。
○森本委員 多少相前後するというととは、これは大臣も心の中では、やっぱりどうもまずいなと考えておられると思う。私の言うたのは筋論なんです、はっきり言って。だから私は、やはり電波行政というものを筋を通したやり方をやってもらいたい。それがためには、中波はかくなる、FMはかくなるという形を明示して、そうして、いま言ったように、東京、大阪、名古屋、福岡にやるとするならば、これは私はいいと思います。そういう点については大臣、十分に考えた上でやっていただきたいということを重ねて私は言っておきたいと思いますが、相前後するということを聞いておりますと、どうもまだちょっと歯にひっかかったような感じがするわけでありますが、いずれにしても、これは深追いはいたしませんけれども、私の言わんとしておるところは、電波行政に一つの筋道を立ててやってもらいたい、こういうことでありますので、この意は大臣も十分にくんでやっていただきたい、こう思うわけであります。重ねて、これに対する大臣の見解を聞いておきたいと思います。
○河本国務大臣 中波の最終的な調整は、来年の秋免許の切りかえ等もございまして、そういう関連におきまして解決するということになりますと、若干時間がかかろうかと思うのです。しかし、一方、先ほどお話しの四地区につきましては、非常に強い要望がございますので、そこで、多少相前後するかもわからぬという意味を申し上げたのでありまして、絵にかいたようにまいらぬかとも思います。
○森本委員 これはしかし、大臣、よく考えなければならぬことは、この東京、大阪、名古屋、福岡における中波の放送は将来再編成しなければならぬと思うのですよ。そうすると、NHKのFM放送というものは現にすでにやっておるわけですから、その上に民放を許可するということであったならば、現実に、現在の中波の民放局をどうするという結論をつけなくしてこれをやったならば、さらにこれはよけいに混乱をしてくるということは明らかですよ、はっきり言って。しかも、なぜ免許を急がなければならぬかということになると、勘ぐらざるを得ない。FM放送の受信機その他の発達について、あなたの言われるように、NHKがやっておるからそれほど急ぐ必要はない。だから、これをほんとうにおやりになるならば、音声放送というものは、東京、大阪、名古屋、福岡というものはこうなりますよ、将来、FMがこうなって、中波がこうなりますということの上においてやらないと、非常に混乱をする。その点を私は政治的に十分に考えていただきたい。そうでなくして、東京、大阪、名古屋、福岡に早くおろさなければならぬ、おろさなければならぬということになりますと、何かその裏にあるのじゃないかということを勘ぐりたくなる。その辺、私は、電波行政というものは筋を通してやっていただきたい、こういうことを大臣に言っておるわけでありますから、非常に大事な点ですよ、大臣。
○河本国務大臣 大事な問題であることは、私もよく認識しております。ただ、お話しの四地区にはもう一波FMを用意しております。
○森本委員 いや、FMをもう一波用意しておっても、現実に現在ある中波の放送局が将来これが広域圏になるにいたしましても、その四つなら四つが、いまの計画では全部広域圏にならないわけですね。広域圏の大電力にはならぬわけですよ。全部やったのじゃいま言った計画は狂ってくるわけでありますから、そうすると、その中のいわゆる中波を現在やっておるものは、ある程度FMに切りかわっていくということになります。そうなった場合に、東京、大阪、名古屋、北九州というところも、いわゆる音声放送というものに関しては若干混乱がくると思うのです。それは、いまの中波放送をそのまま続けていって、その上に新しくFM放送が行なわれるということであるとするならば、あるいはそれはいいかもわかりません。しかし、現実にいまある中波放送については、これは再編成しなければなりません。そうすると、一体だれがこぼれてだれが残るかということにも問題が起きてくるわけであります。そういう問題があるから、私が言っておるのは、いまのFMをこの四つの地域におろすということについては時期が尚早でないか、いわゆる現在の中波放送というものも将来はこうなります、その方向に従って今回はこういうふうにFMをおろします、これが筋道じゃないか、こう思うのです。
○河本国務大臣 そこで、先ほど局長も申しましたように、民放の中波を大電力にする場合に、必ずしも一カ所一局であるということをきめておるわけではない、一カ所になるか二カ所になるか、そこらあたりのことも研究中である、こういうことも申し上げたわけでございまして、あとの処理につきましては、混乱の起こらぬように考えていきたいと思います。
○森本委員 混乱が起こらぬようにといっても、現に中波が四つなり五つあれば、それでは、一体おれのところはどうなるだろうということがさっぱりわからぬわけですよ。はずされやしないかということも出てくる。力の弱い者はひょっとしたらはずされるかもわからぬ、こういうことで非常に混乱が起きると私は思うのです。だから、いまの中波については、将来はこうなりますよ、その方向を明らかにしておいて、その上にFMならFMをおろしますよ。たとえば、今回FMを東京、大阪、福岡、名古屋におろすなら現在の中波放送をやっておる人におろして、そうして、この中波放送は将来取り上げますよということなら、まだ話はわかる。そうじゃないのだ。今度の場合、全然新しい新規免許としておろそうとしておるわけだ。そうすると、電波行政というものが混乱をしてくる。だから私が再々言っておるように、これはやはり明らかにしてからこの東京、大阪、名古屋、福岡についてはおろすべきである。そんなにあわててやらなければならぬ理由はどこにもない。全体的な音声放送というものの計画を明らかにしてやってもらいたい。これは、これ以上やりましてもなかなか論争になりますので、もう一度私の言ったことを、よく電波局長以下放送部長等を集めて検討してもらいたい。これは森本さんの言うのがほんとうでありますけれども、実はしかじかこういう事情でむずかしいかもわかりませんということになるかもしれません。正しいことだったら、正しい方向で私は進めていってもらいたい、こういうふうに考えておるわけでありますので、いずれにしても、もう少しこれは検討してもらいたい、こう思うわけですが、どうです。
○河本国務大臣 森本委員のお考えは、先般来予算委員会以降、何回かお聞きいたしておりますので、よくわかっております。しかし、御趣旨のような御心配の起こらぬようにいろいろ考えておるところでございます。
○森本委員 もうこれ以上やりませんけれども、大臣、あなたが御心配の起こらぬようにと言いましても、相手の、現在中波放送をやっている者は心配で夜も寝られませんよ。どちらへ行くかわからぬ。FMを許すのか、広域圏の大電力になるのか、あるいははずされるのか、はっきり言うとわからぬわけです。だから大臣、もう一ぺん私の言ったことをよくかみしめて、局長以下、部長を集めて検討願いたい、こういうことです。
○河本国務大臣 御趣旨はよくわかりましたので、各方面に支障の起きないようにいろいろ行政措置を考えていきたいと思います。
○森本委員 次に、電通関係でありますが、今回、三公社職員の市町村議員の兼職禁止法案をこの国会に出すというふうなことをいわれております。これは大臣、出すつもりですか。
○河本国務大臣 私は聞き及んでおりません。
○森本委員 それじゃ、これは新聞には盛んに出ておりますけれども、もし出ても、電電公社はやらぬ、こういうわけですね。
○河本国務大臣 御相談があれば、そのときに研究いたします。
○森本委員 御相談があって研究せられたら困るのであって、これは大臣、出してもらわぬほうがいいわけです。幸いにいまのところ出ない、こういうことでありますので、ひとつ、ないように積極的にやっていってもらいたい、こう思うわけであります。 そこで、電波局長にちょっと聞きたいと思います。 いま東京で電電公社が去年からベルボーイを始めておるわけでありますが、今後カーテレホンをやろうとするならば、波がどの程度要りますか。
○石川(忠)政府委員 これにつきましては、去年の試算でございまして正確なところははっきりしない点がございますが、大体一チャンネルに百台くらいぶら下げるということが可能でございまして、大体一万七千から一万ぐらいの需要に応ずるということで七十一チャンネル、周波数帯にいたしまして四メガ弱というものが必要のように計算されております。ただ、これが一チャンネルにどれだけ電話機をぶら下げるか、こういった電電公社のほうの計画も詳細には聞いておりませんので、それによってまた違ってくるかと思いますけれども、昨年試算されたところによりますとそういう計算になっております。
○森本委員 公社のほうでもカーテレホンを始めるとするならばどうなるか、この周波数関係について検討しておる内容をちょっと御説明願いたいと思います。
○石川(忠)政府委員 そういうことで、今後こういったカー電話を始めますと、これに対する需要は相当ふえるだろうということで、ただいま一万につきまして四メガ弱と申し上げたのですが、将来の需要増を考えますと、おそらく二十メガから、多く見積もりますと三十メガ近くの周波数帯が必要であろう、どういうふうに考えられるわけでございまして、そういった周波数は現在のところ捻出できない状態でございますので、今後テレビジョンがVHF帯からUHF帯に移る際にこの問題もあわせて検討してまいりたい、こういう考え方でございます。
○森本委員 大臣、いま電波局長が言ったように、VからUに移行する際にこれをひとつ考えたい、こういうことを言っておったのでは、十年ぐらい先になると思うのです。 そこで、これはいまの十二チャンネルを、一部とりあえずUに移行すれば波が出てくるわけですね。こういうことを言うと非常に語弊があるかもわかりませんけれども、たとえば一を三に繰り上げて、三を十二に繰り上げて、十二をUに切りかえる、これだけの大手術をやればここに波が出てくるわけですね。一応十二チャンネルが科学技術振興テレビだ、教育テレビだというておるにもかかわらず、女子プロレスをやったりして、非常に評判が悪い。この際、ここは科学技術振興テレビだなんていうたところで間に合わぬから総合テレビに直してやろう、そのかわり、君のところはUHFの開発をやったらどうかと言うことも、私は行政の一つの手段ではないかと思う。だから、これが全面的に移行するところを待っておったのでは、カーテレホンはいつになったらやられるかさっぱりわからぬ。そして、電波局長が言ったように、全然波はない。ところが、私がいま言ったようにやれば、一応波が出てきますね。この辺は大臣、ひとつ検討してみる必要がございませんか。
○河本国務大臣 技術的になかなかむずかしい問題を含んでおるようでございまして、私もまだ十分理解できませんので、至急に専門家と打ち合わせをして、検討いたします。
○森本委員 これは技術的にはそんなにむずかしいことじゃありません。ただ一を取り上げられるNHKがおこるかもわかりません。それから一を三に繰り上げて、三を十二に繰り上げるわけですから、十二がまた文句を言うかもわかりません。文句を言うなら、そんな科学技術教育テレビで女子プロレスばかりやっておったのでは話にならぬ。だから、君のところはUで、Uの開発をやれ、そのかわり科学技術振興というのは取っ払ってやる、総合テレビとしてやる。これは、はっきり言って筋が通っておるのですよ。そうするとカーテレホンの波が出てくる。いまのままでいきますと、電波局長の答弁のようなことをやっておりますと、カーテレホンは、とてもじゃないが、まだ四年や五年先でないと見込みがない。ほんとうにやろうとするならば、いま言ったような案もある、こういうことであります。大臣もせっかく検討せられる、こう言っておりますので、ひとつ、どういう技術的な面を十分に検討願いたい、こう思うわけであります。 そとで、現在のベルボーイでありますが、東京はいま何個加入をいたしておりますか。それで、申し込みがどの程度あって、積滞がどの程度ありますか。
○武田説明員 一月末現在におきまして加入数が約三千五百でございます。それから申し込み積滞数が六千五百というふうになっております。
○森本委員 電話は積滞が自慢でありますが、ベルボーイができた最初から六千何ぼも積滞などというのは、そんな積滞をこしらえるくらいだったら初めからやらないほうがいい。ちゃんと準備万端整えて、ある程度の申し込みについては全部できるという形にしないと非常におかしいと私は思う。しかも、やっておるのは会社でしょう。会社が、電電公社の割り当てがありませんから申し込みがきてもできません、こう言って断わるというやり方は、私は非常におかしいと思う。もともとベルボーイをやるときに、東京で大体どの程度の申し込みがある、それに対してはどの程度やれる、こういう見通しを持ってやるべきだ、私はこう思うのですが、総裁、どうですか。
○米澤説明員 お答えいたします。 このベルボーイにつきましては、需要見込みを考えまして、大体五年先には三万くらいになるんじゃないかということを考えておったわけであります。しかしながら、結局これは波の問題でありまして、国会でも予算を認めていただきまして基地局をつくったのでありますが、おそらくこれに四、五年かかったのじゃないかと思いますけれども、なかなか波がきまらない。最終的に波をいただきまして始めたわけであります。その際も四十三年度の販売につきまして、あまりたくさんをやりますと、途中でモデルチェンジといいますか、実際それを商用試験をいたしましたときに、その機器をまた変えるというような問題がありましたので、初め少ししぼってやったわけでありますけれども、それではいけないということで追加いたしまして、三千五百台、四十三年度中には四千をやりたいと考えております。四十四年度には五千やりたいと考えておりますが、問題は、波が結局どこまでいけるかということでありまして、波の問題自身が解決されればこの積滞問題は解決するというふうに考えております。
○森本委員 総裁も技術屋ですから、次の問題については初めからわかっていなければだめです。営業局長の武田君が波については初めからわからなかったといえば、まだ話はわかる。しかし、総裁は技術屋であって、初めからとの波をやるときに、どういうかっこうになって、どうなるというぐらいの見通しは持ってやるべきだ。最初から三千五百くらいで六千も積滞があるくらいなら、いま少し待っておってからやってもよかった。しかし、始めた以上は、電電公社としてはこの積滞を全部充足させてやるという義務があるのです。だから、いま言った総裁の答弁は言いわけにすぎぬ。初めから波の問題についてはわかっておるわけですから、どういうふうにやったらどうなっていくかということがわからぬようなら、電電公社の値打ちはないです。そういう点を詳細に初めから検討して、都民のこういう申し入れには十分に応じられるという体制があって初めてサービスを開始するのが正しいわけでございます。しかし、始めた以上は、何とかしてあとの充足率を上げていかなければならぬわけでありますが、総裁も日本では優秀なる技術屋でありますので、そういう答弁はしないようにお願いしたい、こう思うわけであります。 そこで、東京にはそういうことで始めましたが、大阪はいつごろから始まりますか。
○米澤説明員 今度の四十四年度の予算の中に大阪の基地局の予算が入っておりますので、予算が成立いたしましたならば、早急に工事にかかりまして、大体年内にはサービスを開始するようにいたしたいと思います。ただし、準備はいろいろいたしております。
○森本委員 年内は、年度内ですか、それとも暦年内ですか。
○北原説明員 年内といいますのは、十月から十二月ごろの間というふうにお考えいただたきいと思います。
○森本委員 五月から十二月でございますと、これは長い期間でございますが、いずれにしても、五月から十二月の間にやるということでございますね。 そうすると、やる形態は、いまの東京でやっておるような形態をそのまま大阪で行なっていく、こういうことですか。
○北原説明員 ただいま十月から十二月ごろとお答えしたつもりでありますから、その点御訂正願いたいと思います。 それから、やる方法は、大体東京と同じような設計内容でございます。
○森本委員 そうすると、これは受託会社も同一の会社がずっとやっていくわけですか。
○米澤説明員 従来の経緯もございますので、従来の方針どおりやりたいと考えております。ただ、波につきましては、郵政省から波を与えていただかなければならないわけでございまして、郵政省の御意見も十分伺いながら進めたいと思います。
○森本委員 郵政省の御意見はいまここで伺ったらわかるのですが、大阪の波もあるのでしょう。
○石川(忠)政府委員 東京の波と同じ波がございます。
○森本委員 いまやっておる日本通信サービス株式会社ですか、これがやはり大阪もやる、こういうことになりますか。
○武田説明員 そのように考えております。
○森本委員 大阪が終われば、その次は当然名古屋、北九州というかっこうになっていくかと思いますが、それはいつごろになってきますか。そして、最終的にどの程度までこれは考えておりますか。
○武田説明員 現時点で考えておりますのは、大阪に続きまして名古屋でございます。名古屋は四十五年になると思います。その以後につきましては、需要の出方その他を勘案してやりたいと思います。現在きめておりますのは名古屋まででございます。
○森本委員 いまの状況でいくとするならば、名古屋あるいは北九州、あるいは近畿においても大阪は大阪だけで、京都、神戸は入らぬわけでしょう。
○北原説明員 御指摘のとおり、大阪市内並びに万国博をやる山田地域ということでやっております。
○森本委員 そうなりますと、大阪をやってそれから云々というわけでありますけれども、神戸京都、名古屋あるいは北九州、それから東京の付近では横浜、川崎、こういうところはすぐやっていかないと、非常に私は不公平になると思います。そういう点についての具体的な長期の計画を立ててもらいたい。そして、最終的に県庁所在地あたりはいつごろになるかという一つの見通し、計画を立ててもらいたい。まあ今年やって、来年名古屋をやって、それから先、様子を見てというようなことは、これは一般の人がやることです。政治家がやるなら、ちゃんと長期の計画を立てて、見通しを持って国民の前に明らかにしてサービスをやっていくのが当然です。あなたのほうは電信電話五カ年計画、十カ年計画という長期の計画はやるのですから、こういう計画も具体的な計画を持ってやるべきであると考えておるのですが、どうですか。
○北原説明員 お答え申し上げます。 波の関係がございますので、郵政省の御指導をいただきながら御指摘の方向で努力していきたいと思います。
○森本委員 これは郵政省の御指導をいただきといっても、郵政省と電電公社がよく話し合いをして、そして何カ年計画でどういうようにやっていくということをひとつ進めていってもらいたい、こういうように思うわけであります。 そうして、このベルボーイとどうしても離れがたいのはやはりカーテレホンである。カーテレホンをやらないとこれは意味がない。だから、ベルボーイとカーテレホンというものをひとつ早急にやるというかっこうに考えていってもらいたい。しかし、カーテレホンについては、先ほど言ったように波の問題があるわけでございますので、それは大臣も検討せられる、こういうことを言っておりますので、ひとつ早急に検討してもらいたい。はっきり言うと、あなた方がやることは、事務的に実におそい。この間も一般質問で、とうとう大臣は、一緒に出したほうがよろしゅうございます、こう言ったけれども、あの公衆電気通信法だって一ぺんに出せるはずだ。どうもやり方がおそい。私が大臣だったら、たいがいおこりまくって、使いまくって次から次へやっていきますが、しかし、どうも歴代の大臣がおとなしいのかどうか知りませんけれども、とにかくもう少しスピードを持って政策の立案に当たってもらいたい。このことをひとつ特に要望しておきたいと思います。それで、いかぬことはいかぬ、いくことはいく、こういう計画だと、ぴしっぴしっと節度をもってやってもらいたい。この話を全局長は十分よく聞いておいてもらいたい、こう思うわけです。ひとつ、大臣もそういう方向で、今後、かわいがるときはかわいがってけっこうでありますけれども、指導し督励をするという場合には、ひとつ、ぴしっぴしっとやっていただきたいということを大臣に要望しておきたいと思いますが、これに対する見解を聞いておきたいと思います。
○河本国務大臣 全くそのとおりでございまして、そういう方向でやっていきたいと思います。
○森本委員 まだだいぶありますけれども、時間も来たようでありますので、次に譲りまして、本日の私の質問はこれで終わります。
○井原委員長 次回は公報をもってお知らせすることとし、本日はこれにて散会いたします。 午後四時四十二分散会