地方行政委員会地方公営企業に関する小委員会 第1号
- 発言数
- 11 件
- 登壇者
- 6 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1969/07/23
会議録
○細田小委員長 これより地方行政委員会地方公営企業に関する小委員会を開会いたします。 まず、小委員会の運営の方針でございますが、審議は懇談方式で進め、速記については必要に応じてこれをつけることといたしたいと存じます。 傍聴その他につきましては、小委員長におまかせを願いたいと存じます。 なお、小委員以外の委員が出席をして発言の申し出がございました場合には、そのつど小委員会におはかりをして、これを認めていきたいと存じます。 これより地方公営企業に関する件について調査を進めます。 資料の説明のため、佐々木自治省参事官より発言を求められておりますので、この際、これを許します。佐々木参事官。
○佐々木説明員 お手元にお配り申し上げました「地方公営企業の実態と問題点」という資料につきまして概略御説明申し上げます。 この資料は主として昭和四十二年度の決算をもとにいたしまして、その実態とそれに伴う問題点を一応私どもなりに書き出したものでございます。 まず1の地方公営企業の実態でございますが、昭和四十二年度末の事業数が六千百七十一事業でございまして、この事業数はなお増加する傾向にございます。このうち法定事業が千七百八十ございまして、その大きいものは上水道事業千四百七、交通事業の百八十九というものが大きいものでございます。それから、病院事業が七百九十四、その他の事業といたしましては三千五百九十七ございますが、その数の多いものは簡易水道千八百八十八、その他、と畜場、観光施設、宅地造成といったような事業が多いもので、最近特に宅地造成事業でありますとか、観光施設関係の事業の増加傾向が著しいようでございます。 これらの事業の損益収支の状況でございますが、この損益収支は依然として赤字が出ておりまして、特に大都市の交通事業の収支が非常に悪化しておるというのが特徴的でございます。昭和四十二年度の純損失額が三百七十一億円でございますが、そのうちの六割が交通事業ということになっておるのでございます。 その下の表にございますように、法適用事業の累年の決算状況を掲げてございますが、昭和四十二年度について見ます場合に、純利益を生じております事業が千二百二十で、その純利益額が二百五十二億円。それから、純損失を生じております事業が四百七十五で、その損失額が三百七十一億円ということになっておるわけでございます。 それから、欠損金でございますが、累積欠損金は年々増加をしておりまして、年間の営業収益の約三割に達しておる状況でございます。事業別に見ますと、交通事業が総額の六八%、また経営主体別に見ますと、七大都市が総額の七七%ということになっております。特に事業関係でいいますと交通事業、それから、経営別に見ますと、大都市に非常に問題があるということでございます。この累積欠損金の額は、その表にございますように、昭和四十二年度で千四百四十二億円、こういう状況でございます。 それから、次が資本収支の状況でございますが、建設改良費は引き続き増大をしておりまして、特に地下鉄事業、上水道事業、公共下水道事業等が非常に大きなものになっておるわけでございますが、その増加割合は、大体昭和四十二年度の場合、一割程度の増ということになっておるわけでございます。そして、この資金面におきましては、やはり依然として資金不足の状況が続いておるのでございまして、資本収支の昭和四十二年度の状況を見ますと、資本的支出五千九百二億円、これに対しまして、内部留保資金を入れまして資金が五千五百九十七億円ということになっております。資金不足額が三百五億円、こういう状況であります。 それから、こうした建設投資の財源が事業によって若干異なりますけれども、六〇%ないし九〇%が企業債でまかなわれているということのために、企業債の元利償還金が非常に増加をしております。特に建設費の高い地下鉄事業あるいは工業用水道事業等におきまして、料金収入に占めますところの元利償還金の割合が非常に高くなっておりまして、地下鉄の場合は九六・一%、工業用水道の場合が九七・四%というふうな非常に高い割合を示しているわけでございます。 それから、財政再建を行なっております企業が百五十五企業でございまして、これが昭和四十三年度末になりますと百二十五企業ということとなりますが、この財政再建の状況は、水道事業、ガス事業、病院事業、この三事業はおおむね順調に赤字解消が進んでいるわけでございますけれども、交通事業の場合には、特に大都市におきまして、現在の社会情勢、交通状況から見まして、料金収入が著しく減少を示しております。そのために不良債務の額はなお依然として増加の傾向にあるということで、この財政再建が非常に困難な状況になっているということでございます。 以上が公営企業の現状でございますが、これらを集約いたしまして、次に2としまして「地方公営企業の問題点」を掲げております。 まず(1)が「地方公営企業の赤字は、大都市の経営する公営企業において巨額にのぼり、その対策は、大都市対策の一環として解決する必要がある。」ということでございまして、先ほど申しましたように、累積欠損金は、昭和四十二年度末で千四百四十二億円でございますが、そのうち七大都市の分、東京都を含めまして七大都市の分が千百十二億円で、総額の七七%でございます。このうち交通事業の分が九百十四億で、これは交通事業の総額の九三%を占めております。また、水道事業が百十億円で、これは水道事業の赤字の総額の五六%ということになっているわけでございます。 それから、営業収益に対します赤字の比率でございますが、これはその下に掲げておりますように、たとえば水道事業におきましては、単年度赤字額の営業収益に対する比率が、七大都市の場合には八・一%、その他の都市で三・一%、また累積欠損金の比率を見ますと、七大都市で二〇・八%、その他の都市で九・三%というような状況でございます。交通事業は単年度赤字額で見まして、七大都市で二九・五%、その他の都市が四・八%、また累積欠損金で見ますと、七大都市で一四一・一%。したがって、単年度の営業収益をもってしては累積欠損金すら処理ができないというようなはなはだしい状態になっておるわけでございます。営業収益に対する赤字比率はそこに掲げてあるとおりでございます。 それから次に、地方公営企業の経営の悪化の最大の要因であります資本費負担の軽減と資金繰りの緩和をはかるためには、低利で償還年限の長い政府資金の比率を高めることはもちろんであるが、地方公営企業に安定した良質の資金を供給することを任務とする公営企業金融公庫の資金の貸し付け条件を改善する必要があるということで、この企業債の内訳を、昭和四十四年度の地方債計画に従いましてその比率をあげておりますが、政府資金は二千二百三十九億円、これが構成比率で四六・六%でございます。これが昭和三十五年度の比率を見ますと五六・五%ということになっております。前に比べますと、政府資金の比率が一〇%ほど下がっておるということでございます。それから、公庫資金が八百九十億円で一八・五%。これは三十五年度と比較しましてもそれほど変わっておりません。それから、市場公募資金が六百二十億円、一二・九%。三十五年度の場合が二一・一%でございますから、これは現在の資金の比率が、金融市場の関係からやや下がっておるわけでございます。それに比べますと、縁故資金が千五十七億円でございます。構成費が二二%というように、縁故資金の比率が非常に大きくなっておるという状況でございます。 それから、この企業債の借り入れ先と利率別の内訳を見てまいりますと、企業債の現在高が昭和四十二年度末で二兆一千百五十億円でございます。それで政府資金が九千七百四十三億円で四六・一%。やや半分に近いくらいでございます。そのほかに公庫の資金、市中銀行、市場公募というものが多いわけでございます。縁故資金はほとんどが市中銀行でございます。 それから、利率を見ますと、政府資金が六分五厘でございます。大体六分五厘の利率のものが一番多くて四八・二%。それから、公庫の資金、市中銀行の資金の大部分が七分三厘でございます。六分五厘の次は七分三厘の利率のものが多く、七千五百七十八億円、三五・八%、こういうことになっております。それから、そのほか小さい団体の場合におきましては、市中銀行からの借り入れ分もやや利率が高くなります。それからまた、公庫の資金では以前のものがまだ相当高い利率でございました関係で、七分三厘以上の利率のものも相当あるというような状況であります。 それから、次の問題が大都市における地下鉄の問題でございます。大都市におきましては、路面交通が行き詰まって地下鉄を整備する必要に迫られている。しかし、地下鉄建設にはキロ当たり四十億円ないし六十億円という巨費を要するとともに、地下鉄の建設によって道路の混乱は緩和される。この地下鉄建設費を現行の建設費一〇・五%の国庫補助のままでは、料金を大幅に引き上げなければならないので、公共負担制度を導入しなければならないと考える。これはこれからいろいろ御議論をお願いしなければならない問題でございますけれども、地下鉄は現在相当な赤字をかかえておりますけれども、まだ財政再建の対象にはいたしておらないわけでございます。この地下鉄の問題をどういうふうに考えるか、これは今後の特に大都市の交通事業の問題として非常に大きい問題になると考えております。 それから、そのほかの事業の問題でございますけれども、まず水道事業の場合には、特に都市部におきますところの人口の増加あるいは生活水準の向上に伴うところの水の使用量の増加等によりまして、施設の拡張が依然として要求をされる。このために資本費が増加いたしまして、給水原価が相当上がってきておる。それからまた、工業用水道の場合におきましては、先行投資という性格が非常に強く出ております関係で、料金収入が投資額に対しまして相当不足をするというような状況、あるいはまた、路面交通事業におきましては、道路関係が非常に混雑をしておる、そのために非常に車両の運行効率が低下をする、あるいは乗客数が減少するということがございまして、公営企業を取り巻くところの社会環境が非常に悪くなつておる。こうした面で、公営企業のための環境整備という点について考える必要があるのではないか、こういう感じがいたしておるわけであります。 それで、その次の表には(ア)として上水道の給水原価の上昇している状況、それから工業用水道の料金原価と料金単価の比較表があります。それから、バス事業の表定速度の状況を示しております。バス事業は年々スピードが低下をしておる、こういうふうなことで、この表を見ますと、昭和四十二年度の場合に、東京都区内で十三・六キロ、大阪市内で十一・八キロ、名古屋市内で十四・九キロ、このスピードのぐあいによりましてバス事業の黒字、赤字がはっきり出てきておるわけでありますけれども、大体十五キロ辺で損益がはっきり分かれるような感じがいたします。こういうことで、非常に企業環境も悪くなっております。こうした点での環境整備という問題があると思います。 以上、資料によりまして簡単に概況を御説明申し上げました。今後いろいろ御審議をいただきます場合の参考にしたいということでございます。
○細田小委員長 ちょっと速記をとめてください。 〔速記中止〕
○細田小委員長 それでは速記を始めて。
○塩川小委員 この資料によりますと、交通関係は比較的出ておるのですが、病院の関係ですね、これをひとつ出してほしいのです。特に病院で、七大都市及びその周辺都市の病院が最近非常に経営内容が悪化してきておる。そういう関係がありますので、病院の関係の資料をひとつできましたら出していただきたい。 それから、その病院の際に、甲表の病院と乙表の病院とあるのです。それがわかりましたら、甲表関係ではこうなっておる、乙表関係ではこうなっておるということがわかりましたら分類しておいてほしい、こういうように思います。 それからもう一つ、交通関係で、七大都市のでけつこうなんですが、バス事業、それから地下鉄事業あるいはその他、すなわちその他というのは市電、モノレール、それぞれの収支関係をひとつ出してほしいと思います。
○山口(鶴)小委員 政府のほうで、昭和四十四年度に例のギャンブルの一%、九十億円を引き揚げて、これを公営企業金融公庫に資金として繰り入れまして、七分三厘の公営企業債は六分八厘、それから七分の企業債につきましては六分五厘という利率の引き下げをはかって、そうして公営企業の改善をはかっていきたいというお考えだつたわけでありますが、現実にはこの法案は政府としては今年度はあきらめておる。したがってこれに関係して、当初として、これを実施した場合に公営企業の収支にこの程度の改善が見られるのではないかという一応の見通しもあったんじゃないかと思いますが、それがとりやめになったために、当初計画いたしました事柄とそごいたしました点でこういう点があるというお考え方があれば、ひとつまとめて資料としてお出しをいただきたいと思います。
○細谷小委員 資料でございますが、一つは四十四年度の予算編成の際に、大蔵大臣、運輸大臣、自治大臣の三者で、四十五年度以降の地下鉄等についてひとり歩きできるような財政措置を考える、こういうような覚書が手交されておるようでありますが、最近の新聞によりますと、運輸省は、話がきまったかどうか知りませんけれども、二一%ぐらいの補助率で大蔵に要求するというような記事が出ております。それとこれとがどういう関係にあるのかわかりませんけれども、きょう御説明いただけなければ、その間の経緯、それから自治省がその覚書に対してどういう態度で折衝なさるつもりなのか、計数的な裏づけ等も教えていただけたらと、こう思っております。これは御説明を若干いただければよろしいわけですが、資料も含めての話です。 それから第二点は、この資料によりますと「バス事業の表定速度」というのがあるわけでありますが、ひどいところになりますと一時間七キロくらいしか走れない。これでは立っていきようもないわけですから、市長に、たとえば運行についてある程度コントロールする権限を与えるかどうかというたいへんな問題があるわけですが、過密地帯においての問題点、過疎地帯における交通事業の問題点、この辺のことをひとつ判断の資料として出していただけたらと、こういうふうに思っております。 第三番目は水道の問題で、四十四年度の予算要求にあたって、自治省のほうから厚生省のほうに、水道広域化についての財政措置等について適正な措置をと、こういう要望をなさっておるようにちょっと新聞等に書いてあるわけでありますけれども、そういう広域的な水道というのは、厚生省が考え、いままでやってきたものと内容が違うのか、どういう具体的な考えに立つていらっしゃるのか、この辺も教えていただけたらと思っております。 病院等については、先ほど要求がありましたが、病院はたいへん忘れられがちでありまして、いま困っているのは確かに病院でありますから、その辺の資料を私からもお願いしたいと思っていたのです。
○細田小委員長 委員長から申し上げますが、先ほどの塩川君並びに山口君の資料要求に対するお答えもあわせてお願いいたします。
○砂田政府委員 いま御要求の資料、できるだけ取りそろえてお出しをいたします。 細谷先生のお話で、いま何か少し説明をしておくことがあればという地下鉄の問題でございますが、三大臣の覚書はこれも資料としてお出しいたします。ただ、先般運輸省で従来の運輸省方式の予算要求を数字をかさ上げして出すというようなことが新聞にちょっと出ておりましたけれども、私ども聞いておりますところでは、運輸省が検討をしている段階で、検討段階での話が新聞に出たようでございます。三大臣の覚書もあることでございますから、大蔵、自治、運輸三省で事務的にこれから相談をして詰めていかなければならないことでございます。めどは、すでに概算要求八月三十一日ということを大蔵当局もきめたようでございますが、それまでに間に合うように、三省の間でどういう形のものにしていくか、いずれにいたしましても四十五年度予算で地下鉄補助の改善をするという趣旨の、そういう文言を使っての三大臣覚書でございますから、三省の間で相談をいたしまして八月三十一日までに結論を出したい、かように考えます。運輸省はまだ運輸省としての決定をしたわけではないようでございます。 その他、先生御要求の資料につきましては提出をいたします。
○細田小委員長 ちょっと速記をとめて。 〔速記中止〕
○細田小委員長 速記を始めて。 次回は公報をもってお知らせすることとし、本日はこれにて散会いたします。 午後四時七分散会