地方行政委員会 第55号
- 発言数
- 165 件
- 登壇者
- 20 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1969/07/31
会議録
○鹿野委員長 これより会議を開きます。 山中貞則君外十六名提出にかかる過疎地域対策特別措置法案及び内閣提出にかかる首都圏及び近畿圏の近郊整備地帯等の整備のための国の財政上の特別措置に関する法律の一部を改正する法律案の両案を議題といたします。 質疑の申し出がありますので、これを許します。古屋亨君。
○古屋委員 過疎地域対策特別法につきまして、提案者の山中議員にお伺いいたします。 まず第一に、この法律は過疎現象の性格をどのように把握し、それに対してどのような対策を講じようとしているか、まず総括的な問題として性格並びにこれに伴う対策、これについて御説明をお願いいたします。
○山中(貞)議員 お答えいたします。 過疎現象は、過疎ということばが、大体過密という議論がことばとして論ぜられ始めましたころにややおくれて、その裏のことばとして登場するようになったようであります。厳密にいって、過疎とは何かということについては正確な解釈はありませんが、疎なる状態が過度に及んだという状態が過疎でありましょうが、まあ過疎と通常呼ぶことで、これから世人には、人口に膾炙ずることになり得ることばだと思うのであります。 しかし、その現象は一体どういうことを意味するかといえば、日本における経済成長の過程において、農林漁業を底辺とする日本の産業構造が、近代工業国家としての変貌を急速に遂げていった。しかも、その現象が、日本の四つの島国の中で太平洋ベルトラインといわれる地方に、いわゆるメガロポリス的な現象を現出しながら、人口の増高を伴って、それが成長が遂げられていった。そのようなことに引きずられて、産業労働人口というものが中心になって、大都市あるいは太平洋ベルトラインの方向に流出をしていった。その現象を示すのだろうと思います。したがって、そのような人口が産業構造の変化に伴ってある地域から特定の地域に流出をしていく状況というものを、これを悪とするのかあるいはよしとするのか、あるいはそのままではいけないという考え方で取り組むかという問題が、この問題の出発点になろうかと思います。 私どもの国の経済成長はたいへんテンポが早うございましたし、いま日米間で経済委員会を持っておりますが、アメリカ側の言い分も、GNP世界第二位ということを日本に対する義務の前提条件として強く要請しておることでわかりまするように、国際的ないわゆる統計上の日本の経済飛躍は、敗戦国家としてはちょっと君えられない飛躍を遂げたように思うのであります。その飛躍の過程における現象として、かつて日本と一緒に敗戦国家の奇跡的な経済復興といわれた西ドイツの経済成長が、頭打ちの時期を迎えたことがあります。しさいなる分析をしておるわけではありませんが、これは東独の難民人口を主としてその供給源とした経済成長であった。したがって、その流出現象が自然的にもまた人為的にもストップされる時期が参りました結果、西独の経済成長は一時停滞、頭打ちの現象を示しました。その後EEC等によりまして、イタリアまでも含む労働人口が相互に非常な流動を開始して、再び躍動を開始したと受け取られるのでありますが、日本におきましては、そのような隣国というものが海洋国家のためにありませんから、この限られた四つの島の中でそのような現象が行なわれていき、しかもそれが比較的順調に行なわれて、日本経済というものは、やや足踏みをしたこともありますが、しかし停滞、頭打ちの現象を見せないで今日まで確かな足取りで進んできた。その中で、いわゆる労働人口の供給確保というものが、非常に順調に充足されていった。むしろ今日では若干労働力の不足が、企業の分野のいかんによってはいわれるところまで来たのではなかろうかと思うのでありますが、今日までの過程は非常に順調であった。それがなぜ行なわれたかというと、日本のこの狭い国土の三分の二は山岳地帯であって、残りの川の流域もしくは海岸線の平野部にたくさんの人間が非常な密度をもって生活をしておる。しかもその主たる基盤は農林漁業であった。長く日本の産業構造は、それらの地帯、今日でいうならば過疎現象になりつつある地帯における地域の所得の再配分というものは、人口に関する限りは過密状態であったということもいえると思います。したがって、このような現象が議論になる前に、農村においては季節的な失業者、潜在失業者というようなことばもちょいちょい私ども使ったものでありますが、そのような現象が確かにあった。そのようなことから、人口流出というものが、比較的日本の産業経済構造の上では順調に行なわれていったと見るべきであります。 しかしながら、その反面において、それぞれの農山漁村において、日本の経済構造がどのように産業立地の変化がありましょうとも、その地域に生まれ継ぎ死に継ぎしてまいりました人々の本来保持すべき地方行財政のレベル、あるいは集団生活を本能とする人間の最低の生活圏、集落、そのようなものの維持が困難になってきたというような現象は、これは政治としてほっておけないことである。ここ二、三年人口流出のはなはだしい市町村あるいは市町村をわりに多くかかえる都道府県より、国に対して、何らかの措置をすべきであるという要請がだいぶ高まってまいりました。これは各党、それぞれ内外における世論としてそれを受けとめられたことでわかっておることでありますが、そのようなことから、私どもはこれ以上の過度の人口流出というものが、市町村の行財政のレベルをいわゆる喫水線以下まで沈没させていくところまで押し下げないような、そのような手助けをしてあげるわれわれは当然の責務があるのではないか。また人間の集落社会の維持のための機能をこれ以上に低下させない、そして何らか手段を政治的に講ずることによって、それらの地域の残った人々のそれなりの生活というものがりっぱに維持でき、しかも未来へ自分たちの住んでおる地域の絶望的な状況でない将来が予想できるというところまで、政治の名において私どもは何かすべき義務がある、このようなことを考えました。したがって、後ほど質問が出ると思いますからそのことには触れませんが、議員立法ででも私どもはすみやかにこの要請を受けとめて、そうして、できれば四十五年度予算の編成においては、立法化された法律の要請による国の予算編成が行なわれるよう切に期待しておるのが、私どもの考え方でございます。
○古屋委員 その目的については了解できるのでありますが、この法案による対策で、過疎現象というものに対する応急措置でございますが、過疎現象をストップさせることができるか、あるいは別途、将来において抜本的な解決といいますか、そういう過疎対策の基本的な法案というようなものを考えておられるか、あるいはこの法案によりまして、とりあえずいまのお話にあります過疎現象をストップさす、ストップが完全にできると考えておられますか。その点について、御意見をお伺いしたいと思います。
○山中(貞)議員 過疎現象をストップさせるかどうかという表現になるとむずかしゅうございますが、過度の人口流出をできればストップしたい、そうして少なくとも鈍化させて正常な状態に戻したいというのが、願いであります。したがって、過疎をストップさせるということばは、ことばとしてちょっとおかしいのでありますけれども、過疎というのは、すでにそういうふうになってしまったところでありますから、それらの地域は何とか生活権が維持できるようなことを法律なんかでも考えておりますが、できれば、何もしていないといわれるような現状を、これだけのことをやってみますということで、私は過疎状態に対する政治の責任を果たしたい。しかしながら、別途に何か抜本的なものをもう一つ将来さらに考えておるのか、あるいはこれによって過疎の原因である人口流出をとめて、これ以上の過疎現象はストップできるのかということを言われますと、これを人為的にストップさせることはむずかしかろう。たとえば、同じ流出でも、今日のテレビの普及によりまして、やはり大都会の人たちもそんな都会に現実はないんだと思うようなことがテレビドラマなり何なりでたいへん毎日のようにパラダイスみたいなふうにとられがちな放送もされておりますから、そうすると、やはり農山漁村のいなかに住む人々は、そのラジオ、テレビを見終わってスイッチを切る。スイッチを切った瞬間に、周辺はただ虫の声のみである。そうして、あのテレビのせめていなか版でもと思うような恋のささやきをしようと思っても、対象の人が村じゅうさがしてもいやしないというような環境の中で、やはり自分はこういうところで農林漁業なんというものはいやだ、おやじは何といったって農業は一代限りという、中にはそんな若い人もいるかもしれません。したがって、安易な気持ちで都会へ出る人もおるかもしれませんが、これを全体主義的に、いま住んでおる土地から向こう十年間都会へ移動してはならぬということをやればできるかもしれませんけれども、そういうことをやらぬ限りは、ストップということは私は保証できないと思う。ただし、この法律は五十五年三月三十一日限りで効力を失うと附則に書いてございます。としては異例な表現でございます。私は、この過疎地域対策特別措置法を十年間実行して、さらに延長したりする必要はないと考えております。なぜならば、すでに昨年あたりから、主として大きな要素であった農業人口の流動が停滞を示しつつあります。したがって、この過度の人口流出がここ四、五年続くものとしても、やがては人口の流動が正常な流動にとどまって、異常な流出という状態はほぼ解消するものと思います。これはわからないことでありますが、しかしながら、将来は過疎地域といわれる地帯をどのように位置づけんとするのかということは、私は先ほど申しました、この狭い日本列島の中で、特定の地域にごちゃごちゃと人間が密集をする、産業は発展するといいましても、生活環境から始まる公害その他を含むいわゆる過密といわれておる、人間が住む環境としてはどうかと思われるようなこういう状態の中で今後生活が続けられていきますと、やはり人間は心のふるさとというものをどうしても持ちたいという気持ちがするようになると思います。かって池田さんは、民族の苗しろなどというような、うまいようなへたなような表現をしたことがありますが、われわれ日本民族の心は、やはりふるさとというものを持って、大都会その他に住む人も住んでおると思います。したがって、今後いよいよ過密が進んでいって、これに対してはまた過密に対する政治の要望もわれわれは果たす義務があるのでありますが、それをやったとしても、やはり空気のきれいな、山紫水明、そして古来の日本の美しい環境がそのまま残って、人情もこまやかであるというような地帯が、この日本列島の中に、近代工業国家に変貌し終わった後も、山村漁村にあるということは、われわれにとっては民族の救いであると思います。やがては、そこに、かっては流出した人あるいは蒸発といわれて行くえ不明になった人々も、五十の声を聞き、あるいは郷里の子供の音信をキャッチなどして、自分の郷里に帰ろうなどという気持ちもわくわけでありますが、そのときに、やはり自分の郷里は美しい、やはり老後を過ごすところにふさわしいところであるというような気持ちからの人口の還流現象も、私は期待できるし、またそれらの過疎地帯の反面の美しい景色なり環境というものを、すでに現実に町村長あたりで宅地造成などをやっておるところもあるようでありますが、別荘地としても住みたいというような人もおるし、別荘地を持った人もおる。あるいは、この法律の、過疎債の、政令で定める中に、観光施設という異例なものも入っておりますが、そういうふうな観光施設ができることによって、レジャー人口がそこに行ったり、あるいはシーズン的な商売、民宿やおみやげ販売というようなものがあって、やがては自分たちの村は再びいい村になったからといって帰る人も出るのではなかろうか。 そこで、この十年のうちには、四十五年、五十年の国勢調査で逐次適用町村を追加していって事業をやれば、私は、この十年間のうちに過疎地域というものが日本民族の再評価をされる価値を持つ地域であるということを確信を持っておりますので、そのような意味から、われわれの措置によってこれが実行に移されれば、十年間において住むべき環境としての適正な措置を行なったあと、それらの人々が決して置き去りにされた地帯として終わらないような、未来への展望と確信を持っておる次第であります。
○古屋委員 次に、過疎地域問題といたしまして、いわゆる、どういうところを過疎地域とするかということで、人口減少率と財政力指数をとられておりますが、この二つを理由としたのはどういうわけか。ほかにいろいろあると思いますが、なかなかその点この法案作成の過程でお考えになったと思いますが、この二つ以外の指数は考えられないのかどうか。 それから、人口減少率につきまして、〇・一以上をとった理由というのはどういう考えからであるか。これらの点について、きわめて重要な問題でありますので、お伺いをいたしたいと思います。
○山中(貞)議員 御指摘の問題は、まさに、この法律をつくるにあたって最も議論を重ね、時間をかけたところであります。それは当然だと思うのです。この法律では、何も内閣総理大臣がどこどこの何村の計画を承認してこれを指定するという措置をとっておりませんし、自治大臣の許認可権もありません。したがって、基準を示したら、同時に、県においても、町村においても、自分の県は適合する県である、町である、自分のところは残念ながら漏れたということは、はっきりわかるわけであって、大臣はそれを具体的な行為として公示をするというのにとどめてあります。恣意にわたってそれをやめたり変更したりすることは不可能な法律として組んでおるわけでありますから、まさにこの指定の基準が死命を制するのだということになりますから、この問題については、非常に慎重な議論を重ねてまいりました。ところで、先ほどの過疎現象の議論の中にさらに戻ってみますが、一体過疎といわれるまでに立ち至った人口流出、それは一体何%的なものを、年間なり国勢調査五カ年間においてはとらえることが正確なのであろうか。このことは、一方において、すでに国会に対して各党にそれぞれ要請をいたしました、過疎町村の多い都道府県の知事さん方が一緒につくられた案みたいなものがございます。陳情に基づいた案がございますが、それは三十五年から四十年に至る五年間の国勢調査において七・五%以上の流出のあったところを対象にしてほしいと言っておられるわけでありまして、これは流出率の市町村の単純平均をとればそうなるわけでありますが、ただしかし、七・五%といいますと、五年間の比率としては、年率一%台ということになるわけであります。ところで、いま自治省が、この二、三年急速に地方自治体の責任省として、何かしなければ困るじゃないかという強い要請、嘆き、訴えを受けております町村は、五カ年間で一五%以上減ったようなところがたいへん騒いでおるというのが、現実の状態であります。さらに、二%をこすようなところは、このままでは自分の村はどうなるんだろうかという、いま不安にとりつかれておる、こういうことだろうと思うわけでありますが、一方日本ばかりの現象でありませんから、どこの国でも、後進国家から先進国家へ、あるいは未開の国家から文明国へ、あるいは一次産業を主とした国家から工業国家へというような変貌を示す過程においては、それぞれの国において人口の移動というものがあります。大体正常な状態においても一%台の人口移動というものは、いわゆる過疎の前提としてとらえる過度の人口流出現象にまっすぐにつながらないのではなかろうか。しかし、それでは七・五とか、あるいは八とか九とかというところは、それぞれ黄色ランプであることは間違いない。正常ではない状態に近づきつつある。しかし、それをそっくりそのままとると、あるいはその町村は、昭和四十年−四十五年の国勢調査では、あれは一時的な現象であったのだということで、本来は二%、三%になっていかない町村であるかもしれない。そこで二%を最終的にとりまして一〇%をとりました場合、問題になるであろう七・五%という一つの数字が出ておりますから、九・九%の間の町村というものは、その五年間で約二%台の町村に乗っかってくる。すなわち過疎地帯につながる人口流出状態を内蔵しているのだ。それは四十年−四十五年の国勢調査をそのまま拾ってまいりますから、その結果が、この法律で、時期からいえば、再来年には出るように努力しなければならぬ、こう思っておりますが、一方そうでないところは、八%が今度は七%になっていくのかもしれません。そこで一%台をとることについては、やや国際常識的に申してむずかしいのじゃないかという感じがいたしまして、そこで二%台は明らかにこれは三%台に、年率としては近づいていくおそれがある町村であることが把握できますので、これらの町村をまず一〇%以上流出ということを前提に拾ってみるということにいたします。反面、この法律の内容は、国庫補助の引き上げその他、ごく部分的でありますが、全般的に財政措置を非常に大きく取り上げようといたしております。財源としては、一番大きなものは、今度過疎債と呼ばれる過疎地域対策のための地方債というものになると思うのでありますが、このような手厚い財政上の措置をいたしまするし、したがって、これらの町村は、そういう財政力は豊かであるということについては、少しどこかチェックする必要があろうということを考えました。そこで、財政力指数の四十一年から三カ年間の平均値をとりまして、それがたまたま〇・四でございます。したがって、その〇・四以下は、全国の市町村財政力指数の平均値以下である町村であって、一〇%以下の過疎につながる人口流出の現象を示しておる町村については、この際、その対象に取り入れてあげようという気持ちでおります。しかしながら、この問題は、当然税金がなければないにこしたことはない、あっても安ければ安いにこしたことはない議論と同じで、この法律は九・九%でも対象にならない町村が出てきますから、そうすれば、何とか避けられないかという議論は当然出る。したがって、そのボーダーラインで落ちたところについては、この法律は決して好感を持たれないであろう、あるいは反対運動が起こるであろうことは、初めから承知いたしておったわけであります。 なお、このことは、結果論でありますが、七・五%までこれを引き下げますと、非常に採用町村数がふえてまいりまして、四百余りの町村がさらに追加されてまいります。そのようなことも、多ければ多いにこしたことはないじゃないかということでありますが、このような手厚い過疎債も特別に起こすということでありますから、そうすると、やはりこれは便乗とかあるいは少し安易だという部門をなるべく排除していくということが、幾ら議員立法であるといっても、良心的なのではなかろうか。そのことがほんとうにこの法律の実効をあげることではなかろうかと考えまして、問題の議論が必ず残るであろうということを考えまして、ただいま申しましたような過疎地域の線で、一〇%以上あって、かつ〇・四の財政力指数以下の町村というものは、自動的にその権利を持つということにいたした次第でございます。
○古屋委員 それで、ただいまの基準によりますと、七百何カ町村が対象になるようでございますが、その内容を聞いてみますと、どうも西のほうが多い。結局西のほうが人口流出というものが非常に多くあらわれているのではないだろうか。これは私は、この間農林省のある人から、四十二年の農業所得の低いしりの県からいろいろ聞いてみたのです。というのは、上の県から聞いてみましたら、兼業所得の多いところがずっと高順位になっている。しりからいいますと、その話では鹿児島、長崎、宮崎、島根、熊本、それから香川県を除いた四国の県、それから岩手県、大分県というようなところである。南九州、四国がしりといっては悪いのですが、そういう農業所得が四十二年までは低い。結局兼業所得が少ないということになると思いますが、そういう点から考えますと、西のほうに多いということは、やはりいまの農業所得の点からも推定されますように、流出人口が多い。結果的には、偶然そうなった。そうすると、たとえば東北——岩手が一つ出てきましたが、こういうような出かせぎとか、そういうところの地域に対しては、別途何か特別な方策をお考えになるべきであろうと考えておられますか。その点について、提案者の御意見をお伺いいたしたい。
○山中(貞)議員 先ほどの話で少し触れ残したことがありますが、ほかのファクターが考えられなかったかという問題ですね。これはもう一つ過疎現象につながる指数がございます、計数としてとらえ得るものが……。それは人口密度だと思うのです。しかしながら、人口密度をとらえますと、これはもともとそこにあまり人が住んでいなかったところがまともにのってくるわけでありまして、網走番外地を最も優先するような法律に——これは冗談で申したのではありませんが、そういう現象になってもおかしいのではなかろうか。したがって、やはり一定の時点から人口が急速に、異常に流出したというところをつかまえる必要があろうということにしたわけであります。もっとも、これに対しましても全然無視したわけではありませんで、都道府県知事の行なう新しい過疎地域のみの、これは義務規定になりますが、医療対策、ことに無医地区に対して知事が診療所、医師の確保その他のことをやります。これについては、厚生省で現在省令で定めております無医地区の指定、これに人口密度がはっきりと採用されておりますから、これはこのまま厚生省の基準をお借りするつもりであります。したがって、指定基準の中には、これは漏らしました。これを取り上げることは、たいへんむずかしい問題を起こしますから落としましたが、しかし、医療問題のファクターとしては、それをお借りして使うことにしてございます。そういうことで触れ残した点を申し上げました。 それから特定の地域に片寄る問題、逆に片寄ることによって特定の地域が、また指定町村が少なくなる問題、これについては、結果論としてたいへん問題になったところでありまして、これを最初やりますときに、どちらの地方により多く適用しようと思って、という恣意的なことでやったものでないことは、これは各位にもおわかりいただいておると思いますが、全く二つの指数によって機械的にはじいた結果がそうなったのでありまして、私どもも大体の現象としてのおおむねの感覚は持っておりましたが、たとえば広島県が四十数町村もその対象に入ってこようなどとは、全然思っておりませんでした。やはり今回の過疎現象というものは、いままでの後進地域でもなく、あるいは未開発地域でもなかったところであるけれども、しかし、たまたま、その近くを人口移動の現象となったベルトラインが走っておる。そのようなことから、たとえば広島あたりは、中国山脈沿いの、比較的ほかの地域に比べればまだまだいいと思われる地帯であっても、目の前にたいへんいい収入の地帯が出現をすると、すぐそこからかけおりていってしまうという現象があるんだなということを——私はよく言うのですが、強力な真空掃除機が通ると、そこのそばのものは扱い寄せられてしまうという現象が、端的に出ておるのだなという気がいたしました。御指摘のような、比較的西日本に指定町村が多く東日本に少ないということは、結果として私も肯定をいたします。ただそこで、その理由が、人口流出率ではなるほどつかまらないだろうが、しかしながら、その地帯は、東北六県を中心に、少なくとも季節的な出かせぎ人口というものが多い地帯であることは否定できないであろう、まさにそのとおりである。それに対して過疎法で何かできないかということについては、これまた各党いろいろ御相談を申し上げたところでありまして、何とかその基準に乗る方法はないものかということも考えました。しかしながら、人口流出ということは、その村の在村人口でなくなったということを意味するわけであります。したがって、その村に対する公租公課の負担も、その人は当然しないでありましょうし、その村の恩典ももちろん受けないわけでありますけれども、何ら無意味の人となって出ていってしまう。ところが、出かせぎの方々は、その出かせぎしておられまする間は、兼業収入としての出かせぎ収入を得て、不心得でない限りは留守家族に送金をされるであろう。それが農業を専門にやっておられるシーズンの収入と比べてどのように低いのか、あるいは埋め合わせておるのかということについては、私もそこまで個々の調査をいたしておりませんけれども、収入のあることは事実である。したがって、年間を通じての出かせぎ収入、農業収入というものを通じて、その町村の公租公課というものに応じておられる人々である。しかも、その町村の在村人口として、架空の他の在籍人口でなくて、必要なシーズンには帰ってきて、その人手としての働きをされる。また、われわれの過疎現象では、老齢化するということも非常に心配しておりまして、これをそのままほうっておくと、死亡率が出生率を上回る。そのカーブがデッドクロスするおそれがあるということを心配しております。そういうことのないように努力しておりますが、それらの人々は、帰ったときにはやはり種族保存の本能は忠実に果たすわけでありますから、その老齢化の方向へのいわゆるメリットについては、各自それぞれ貢献をいたしておるわけである。そして帰りましたあとも、これは保険制度の問題でいろいろ議論がありますが、失業保険も、農業収入があるからといって打ち切られてはおりません。そのようなこともありますから、もし過疎現象に出かせぎは関係があるんだということでは、私は確かにある部門だけはあると思います。それはどういう点かと申しますと、やはり出かせぎは若い働き手が出ますから、そうすると、消防その他の地域活動というようなふだんの集落の共同作業なり、そういう助け合いというものにおいて、若干それらの地区は出かせぎの間は心細かったり、あるいはほんとうにふだんの基盤の維持というものが低下したりする現象はあり得ると思います。しかし、その一事だけでもって出かせぎ人口を直ちに流出にみなした何らかの措置がとれるかということは、たいへんむずかしい。たとえば漁村というもの、漁業者というものは、本来その職業が常時家におっては、沿岸漁民を除いては、これは漁業者になれないわけですから、三カ月か六カ月か遠洋に行って帰ってまいります。したがって、漁村の出生率は、大体八月の時期と年末の時期等において行なわれたであろう結果が、出生率に大体カーブを描くということはあるのでありますけれども、号てれらの人々は出かせぎじゃないじゃないかといったって、やはりいないということにおいては同じでありますから、しかもその間は留守家族への仕送りもありましょう。たとえば船主なり網元さんから、一定のきめられた固定給に匹敵する分についての留守家族の手当はありましょう。しかし、本来の働いた収入は、その上に立って港に入って魚の荷揚げをしたときに現物給与なり、追加のそれぞれの人たちの分け前というようなものが生活をささえておるというのが漁村であるということ、出かせぎの現象だけをとらえて、それを失業保険の台帳で調べるというようなことをやったんではどうだろうか。じゃあ漁業者というものは、昔からそういう生活をやっておる人々は出かせぎじゃないんだということで、そこで漁村はちょっと違った感触があるのではないかと考えました。そこまで救えばいいじゃないかといわれても、この法律の考え方では、そこまで実はまいりませんということを申し上げておきたいと思います。
○古屋委員 次に、特別措置法の財政負担で、国の負担、補助の特例関係についてお伺いいたしますが、国の負担あるいは補助の割合の特例につきまして、対象事業がしぼられておるようでございますが、このお考え方をまずお伺いしたいと思います。
○山中(貞)議員 確かに御議論のあるところであろうと思います。できれば知事さんたちのおつくりになった案のように、別表を書いて、土地基盤の整備からずっと水道に至るまで、三分の一の補助率は二分の一に、二分の一は三分の二にというふうに、全部補助率を一律に上げろという要求を一応陳情としてはされたのでありますが、それも一つの方法でしょう。しかしながら、他に別途地域立法がたくさんありますけれども、離島なり、僻地なり、産炭地なり、山村なり、それぞれ地域の立法というものがあって、そんなにのべつまくなしに、何でもかんでも補助率を上げてやればいいという考え方でずっと取り組むのは、間違いじゃなかろうか、実現性があるなしは別にして。そこで、できればこれは中心を過疎債に置いております。計画も日町村がローカルに、たっぷり盛り込んだ自主的な計画を持っておりますだけに、ほんとうの裏づけは、これは過疎債には考えておりますが、しかしながら、それらもやはり国の姿勢として、他に何か特別にめんどうを見てやる、しかもそれは地域だけとしては理論的におかしいじゃないかというものがあるならば、取り入れてあげたらどうだろうか、こう考えたわけです。そこで一昨年離島振興法の一部改正が行なわれたために、離島の町村だけが、ただいまそこに並べてありますように、学校の義務教育施設から始まって保育所に至るまで、そういう施設についてのみ、それぞれ二分の一を三分の二の補助率に引き上げる法改正がなされております。そこで、たとえば支部省でありますが、そのようなことはおかしい、法律でなされたんだからしかたがないとしても、文教行政あるいは公立学校の国の負担義務というものから考えた場合に、離島の町村だけが、不当に都道府県知事なり国の意思によって義務教育の施設の整備がおくらされておるというような現象があるのか、あるいは離島の町村は本土の僻地山村等よりも財政力指数が明らかに全部劣っておるのかという数字については、これは傍証を固めることが困難である。ですから、離島振興法という法律によってそれが改正されたことによって、文部省はその後二カ年続いて小中学校の校舎の建設その他の問題について、離島並みに本土もしてほしい。本土が三分の二でなくて二分の一である理由は発見できないという予算要求を出しておりますが、これは大蔵省において応ずるところとならず、いずれも一次査定でノックアウトということが繰り返されております。 そこで、私どもとしては、離島はそのような出っぱったところが一応できておる。それならば、その部分については、この際過疎債を中心とするけれども、国の補助率の特例を出っぱった離島並みには、当然この過疎地域の財政力の、しかも〇・四以下の町村でありますから、してあげるべきが至当であろうということで、出っぱったところを取り上げることにしました。しかも、それも平均を出しますと法律全体が弱められると私申しましたが、離島のほうは義務教育施設全部できますけれども、この法律においては、統合のための小中学校の校舎その他の関連についてのみ、一応取り上げております。それは過疎地域の町村は人口が減少していく。人口が減少していけば出生率が減る。児童数が減るわけでありますけれども、そうすると、児童数が減った学校は、適正な独立の学校としての形態を維持するのに困難となることは当然です。もう一つ、一カ月半前のことになりましょうか、東京の新聞に学校の写真が出ておりまして、先生一人と生徒三人の学校がある。そしてその生徒は、全員がその先生のお子さんたちである。一体これは学校なのか、家庭のカリキュラムなのかと書いてありました。これは極端な僻地分校の例でありましょう。しかし、それは一つの端的な現象でありまして、そのように児童数の減少というものが、どうしても過疎地域の特異な現象として提起されるであろう。それを受けるのが町村長である。義務教育というものは、いかなる地域に住んでも、どのような立場にあっても、ひとしくその教育を受ける権利を持ち、それの設置主体者である市町村長は、それに対して責任を負うわけでありますから。ところが、その町村は人口が減って、財政力がだんだん乏しくなっていくところである。そこで今回は、統合に伴う校舎あるいは寄宿舎、教員住宅等についてのみ採用をいたしました。その他のことは、やはり過疎地域であるから危険校舎の危険度が直ちに高くなるのだという理論が発見できませんから、それらのところは排除して、正しいと思われる点のみを取り上げてあるわけでございます。
○古屋委員 ただいまのお話の財政措置の中心であります過疎債の問題でございますが、過疎地域振興のための地方債の性格といいますか、現行の辺債との関係をどういうふうに考えておられますか、その点と、大体過疎債には相当大きな額が必要だろうと思いますが、提案者のほうでは大体どの程度の額が必要であると考えるか、そういう点について、ひとつ御意見をお伺いいたします。
○山中(貞)議員 大蔵省が腰を抜かさない程度にとどめて答弁をいたしたいと思いますが、まず、僻地債との関係でありますが、確かに僻地債と同じにしたらいいではないかという意見もわれわれは議論をいたしました。すでに制度があるのだからということでありますが、僻地債を起こしましたときの目的とそれの期待にこたえる措置の内容というものと、若干今回は違うのが事実だろう。たとえば過疎地域というものは市町村単位でありますから、非常に狭い単位になりますけれども、僻地債の適用を受ける地域は、さらに条件がいろいろと、その距離がどこから幾らあるとかいうようなことでありますから、もっと狭い分野に対して行なわれておる。たとえば逆に害うと、過疎地域の町村の広さを越えて辺地債の対象地域というものが大体存在しないということを考えまして、やはり過疎地域の実態というものは、その中にもっときびしい条件のところとして僻地が存在するのではなかろうか、常識的にそういうふうにとらえるのが正しかろうと考えました。それならば、僻地債があるから一緒にやっていこうという安易な気持ちは少し早計ではないかということで、やはり過疎債は過疎債らしいものを起こそうということを考えまして、これはまず町村としての政策が基礎であって、町村全体の計画でありますから、しかも財政力指数で切っておりますし、条件をゆるやかにしてあげよう、辺地債の二年据え置き、八年償還の十年ものの起債設定に対しまして、こちらのほうとしては、これを三年据え置きの九年償還として、十二年ものの、これは異例でありますけれども、ランクを一つ設定いたしました。しかしながら、これは据え置き期間と償還をそれぞれ一年延ばしたことによって、辺地債よりか逆に好条件を与えたことになりますが、一方各位が専門でありますから御承知のとおり、昨年まで辺地債は、元利償還に対する交付税充当率が五七%でございました。しかしながら、ことしの予算からこれが八〇%の充当率に引き上げられて、皆さんのお手元でつい先般通過いたしたとおりでありますから、そこでその八〇%は、辺地債が起こされて数年がかりでやっと獲得した交付税充当率であろう。それならば、去年まで僻地債が充当をされていた元利償還の交付税充当率五七%を、ある意味ではつつましやかに、この法案については取り入れていこう。そこにおいて交付税充当率は、やや昨年までの辺地債並みであって、八〇%には劣る。しかし、そのかわり据え置き期間と償還期限が延びておるので、町村長さんの財政責任者としての町村計画の立案の過程において、この過疎債は不当な、せっかくつくってもらったけれどもつまらないやというものでもないのであります。だから、いずれの条件のものが自分の市町村としては財政状況から見て適当であるか、あるいは事業対象はどれが町村全体の規模から見れば過疎債としていくべきものであるか、ほとんど全部市町村長の裁量にまかせるということで、あながち僻地債よりも不利であるとも言えませんし、有利であるとも言えないという範囲のものを設定したということであります。 予算の額につきましては、大蔵省と、四十五年度予算で幾らこれを組むかということは、補助率の引き上げ等の議論と違いまして、あるいは予算補助の結果幾らになるという議論と違いまして、これを確定するわけでありますから、これはきまりましたということは、こちらも向こうも言えない。また、国会でそういうことを速記録に載せることもできません。したがって、やはりこれは四十五年度予算編成の際において、この過疎債というものをなるべく期待に沿うようにしたい。せっかくいい条件をつくっておきながら何だというような、変なことはやらないつもりであります。まあおおよそのめどとしては三けたをこえるであろうということぐらいは明言をしておいてよろしいのではないか。三けたに乗せようということであります。その三けたのうちの何割かということは、これからの大蔵省との攻防戦にかかってくるのであります。
○古屋委員 次に、資金確保関係で、この法案の立案過程におきまして国庫補助事業等の採択基準の引き下げが論議されていたと聞いているのでありますが、その点の基本的なお考え方をお伺いしたいと思います。
○山中(貞)議員 ただいま各委員のお手元に資料をお配りいたしますが、そういう対象として詰めておかなければならないのは、農林省の問題が主であります。なお、一番大きな柱にいたしておりまする通信関係で郵政省がございます。それらの点について合意いたしました基準を、お手元に配付いたします。 まず、農林業関係の採択基準の緩和でありますが、土地改良事業につきましては、団体営かんがい排水、耕地整備の暗渠排水、客土、区画整理確定測量等々の事業につきまして、それぞれ採択基準を二十もしくは五十ヘクタール以上の条件でありまするものを、一律に過疎町村につきましては十ヘクタール以上であればよろしいということにいたしました。団体営の圃場整備、これも同じであります。一般農道、これにつきましても、受益面積を半分にいたしております。十ヘクタール以上でよろしい。延長は一千メートル以上の条件でありますものを、半分の五百メートル以上でもよろしい。農免農道につきましては——略称で申しますが、農免農道につきましては、車道幅員の四メートル以上の規格を、この過疎地域については三メートル以上でもよろしいということであります。 次に、小規模の草地改良事業等につきましては、現行の地区面積の十ヘクタール、団地面積の一ヘクタールをそれぞれ半分の五ヘクタール、〇・五ヘクタールといたしました。 さらに、林業基盤整備事業のほうに移りますが、林道開設事業で最低基準面積を五十ヘクタール以上といたしておりますものを、三十ヘクタール以上でよろしい、林業効果指数中の地域振興効果指数というものが〇・一ないし〇・二なければならぬとなっておりますが、これを〇・五以上であってもよろしいということにいたしております。農免林道のほうにつきましては、市場短絡するもので費用便益比率一・〇以上なければならないとしてあるものを〇・五以上でもよろしいといたしまして、山村連絡効果指数〇・五というものをそれに加算してあげるということで、これを一以上と読みかえることにいたしてあります。団地造林事業につきましては、一団地二十ヘクタール以上なければならないものを、十ヘクタール以上といたしております。 以上が、この関係の主体である農林省の農林業についての採択基準の引き下げでございます。 次に、郵政省関係で電電公社関係になりますが、農村公衆電話につきましては、現在の基準が小字ごとに部落で二十戸以上なければならないとなっておりますが、過疎地域の人口が減少傾向であって、なおかつ、いよいよそういう公衆電話等は過疎対策として必要であるという事業性にかんがみまして、採算を非常に問題にいたしておりまする電電公社としては、この1、2ともにたいへん渋ったところであります。渋ったところでありますが、しかしながら、これを十戸以上でも、過疎地域の場合は、法律の目的も理解をいたしますので努力いたしますということで、基準を引き下げました。 さらに、農村集団自動電話でありますが、これは現在、御承知のように半径五キロ以内の地域で二百戸以上の集団加入申し込みというのが前提でありますが、これは電電公社が最も強く反対と申しますか、かんべんしてくれという意見があります。ということは、この農村集団自動電話で設置される自動交換機、これが最低二百戸以上——二百戸がいわゆる有効稼働の最低線だそうであります。そこで、それを割り込みますと、五〇%操短、あるいは二百戸を百五十戸にいたしますと、四分の一操短というような、企業としては、これは採算を考えなければならない電電公社としては、非常に引っ込んだ基準になる。かといって、そこで百五十戸でも採算に乗るという基準の交換機の設置は考えていないということでありまして、たいへん頭をかかえておられましたけれども、今回の過疎対策は、まず道路と通信だ、まげてこの一番大きな問題を考えてもらわなければ困るということで、直接郵政省も、そして電電公社も連日協議してくれまして、五十戸を電電公社がリスクを負担いたしますということで、引き下げてもらいました。何でもないことのようでありますが、農山漁村等の方々の、この電話に対する要望、積滞の実情から見て、このような引き下げが行なわれたことは、今後大きな効果を、法律には出ておりませんが、もたらすものであると私は確信をいたしております。その他については、このような採択基準を何か特別にするようなものは、該当するものがありません。
○古屋委員 この点よくわかりました。 郵政省と農林省、おられるようでありますが、この点についてのお考え方を一応お承りしておきます。
○柏木政府委員 ただいま概略御説明ございましたのですが、過疎地域の生活環境、特に通信手段の中でも、電話の普及という面では、今後とも一そうの努力をしていきたいということで、電信電話公社のほうとも対策を進めているわけでございます。ただいま農村公衆電話につきましての基準の問題がございました。これは電信電話公社のほうでも、事業計画の中で自主的にある基準をきめているわけでございますが、ただいま御説明ございましたように、小字別の部落で二十戸以上ある場合に設置するということになっておりますが、これを過疎地域におきましては、十戸以上の場合にまで引き下げるということで普及をはかりたい。なお、現在、電信電話公社の第三次五カ年計画でございまするが、この中では農村公衆電話は五千ほどつけたいという計画をしているのでございますが、今後はこういう基準に合います需要があります限り、全部つけるようにいたしたいと、ただいま対策を立てているわけでございます。 なお、農村集団自動電話の設置基準でございますが、ただいま農村集団自動電話が農村方面で非常に重要が伸びておりまして、積滞もまだかなりあるのでございますが、特に過疎地域におきましての設置基準を、ただいま御説明がありましたように、半径五キロメートル、二百戸以上の集団申し込みというものをさらに引き下げるということで、百五十戸程度のものでも設置したいというわけでございます。なお、この基準の引き下げにつきましては、これ以上引き下げることを現在検討しておりまして、半径五キロメートルということにつきましても、さらにこれが短縮できる——公社の経済に大きな支障を来たさない程度におきまして、半径五キロというワクも縮めて、二百を百五十ということでの集団申し込み基準の問題につきましても、さらに引き下げることも検討しているわけでございます。
○中澤説明員 農林省関係の点につきまして、お答え申し上げます。 ただいま山中先生から御説明ございました設置基準の引き下げにつきましては、農林省といたしましては、最終的な態度はまだ決定いたしておりません……。
○山中(貞)議員 ちょっと……。彼はいきさつを知らないわけです。官房長を通じまして、そして事務次官のもとで関係局長の会合をやらせました。その省内の会合の結果を集約いたしまして、官房から、この書類をつくりまして、そして大蔵省に対して連絡をいたしております。大蔵省は、これを来年はよろしゅうございますということは、予算編成上の問題でありますから言ってきてはおりませんが、反対でありますいうことは言ってきておりませんということであります。たまたま彼は知らなかったのでありましょうから、私のほうから申し上げます。
○古屋委員 次に、昭和四十五年と五十年に国勢調査が行なわれました場合におきまして、過疎地域の追加と申しますか、この法案がどのように対処していくことになりますか。その点について、御意見をお承りしたいと思います。
○山中(貞)議員 これは流出の現象がとまったところは、たとえば四十五年、五十年の調査において、人口流出がかつて十何%であったけれども、これが八%になっているというところは、良心的に言うならば、洗いかえて対象からはずしていかなければならぬかと思うのです。しかしながら、これが振興山村のように、四年間で三千万というような、そういうようなことで逐次追加もしていこう。済んだところは、指定をはずしていないけれども、済んじゃったという事業と違いますので、ローカルに必要なものを十年の期間の中で五年ぐらいの期間をめどにしてひとつつくっていきなさい、国は全面的に協力しなさいということを法律でいっておりますから、五年といったって、結果は——五年でありますが、来年は結果を調査するわけでありますから、始めたらすぐ指定をはずされたというのでは、どうもせっかくやってあげたのにという気持ちが内心いたしまして、ここらの点は少し安易だと思いますが、まあ知能指数のおくれた教室を一つつくっておいて、そこでみんな先生たちがかわるがわる指導しているうちに、その教室の生徒の何人かが正常なる知能指教を回復したというようなことがあっても、おまえはこの教室から出ていけとは言わない、おりこうちゃんということで頭をなでて模範児童にしていけばいいのじゃないか。他の規範にしていけばいいじゃないか。つまらないたとえですけれども、そういうような気持ちで、洗いがえはしない。一ぺん与えた権利というものは、十年間において継続を認めましょう。ただし、四十五年、五十年の国勢調査で、しかもこれはいまのままほっておきますと、二年たたないと——政府の権威あるすべての資料をひっくるめてやりますから、二年後になっちゃう。これでは、実際人口流出の資料ははっきり出ておるはずなのに、権威のある政府の資料として発表するのが二年あとになるということではたいへん気の毒でありますから、それで委員の皆さんも一緒になって、ぜひ——今日のコンピューター時代では、すでに統計資料の面においても政府は予算でやっているのでありますから、各町村ごとの五カ年の正確なる最終集計の人口流出状況ぐらいは、政府が発表をしなくても、この法律の採択のための必要資料として、ぜひとも——私は、この法律が成立をいたしましたときのことでありますけれども、自治大臣のほうに通知してもらえば、予算措置としてできれば、一年おくれぐらいから追っかけていけるのであろうと考えております。したがいまして、四十五年、五十年の国勢調査の結果では、なるべくすみやかに人口流出指数のみをつかまえることでけっこうなんでありますから、この法律の適用町村の追加の対象にしていく努力を今後続けていかなければならぬと考えます。
○古屋委員 非常に過疎問題につきまして数々の御検討と御労苦のほどをお伺いいたしまして、ぜひ私も、いまのお話のように、統計の問題についても、できるだけ、機械化の時代でございますので、この追加等については、実態に応じまして早急に進めていただきたいと考えております。 提案者に対しましての質問は以上で終わらしていただきまして、大臣がおられますので、大臣に一、二お伺いしますが、過疎対策について自治大臣の意見はいろいろお伺いしておるのでありますが、この法案につきまして、政府提案とならなかったというような点につきましての大臣の御所見をお伺いしたいと思います。
○野田国務大臣 しばしば過疎対策については政府側の意見を申し述べておりますが、今日まで漸次その対策を強化いたしておることは、御存じのとおりでございます。過疎対策の独立の法律を政府がなぜ出さなかったかということでございますが、これは御承知のとおりに、今日地域社会において最も大きな問題は、過疎、過密という問題でございます。これらの問題を取り扱います場合に、政府といたしましては、やはり過疎に対して過密の問題も一つ特別な立法の必要はないかという考えを持っております。しかし、今回議員立法として過疎の特別の法案が出たということは、政府としても非常に歓迎し、また適宜の御処置だと思っておりますが、今日までなぜ出さなかったかということは、これも申しましたとおり、漸次強化いたしております過疎対策を基本的に解決するには、やはりどうしてもこれに対する特別の立法をする必要があるという考えは持っておりましたが、その時期等につきまして、先ほど申しました過密対策もございましたので、今日の段階までは提案を見ていなかったのであります。しかし、幸いにこういう議員立法として過疎対策の特別な立法ができるということでございますから、われわれは政府側が出そうが、議員側から出そうが、いい法律は非常に歓迎するところでございますから、その点は御理解願いたい、こう思っております。
○古屋委員 もう一点、自治大臣にお伺いいたしますが、この法案とそれから広域市町村圏の振興整備などの関係は十分御調整をいただくことに現実の問題でなってまいるかと思いますが、この前の委員会でお伺いいたしました広域市町村圏の設定についての資料をいただきましたが、これは第一次のものでありまして、近く実情に合うような第二次の指定というのをお考えになっておると思いますが、その点についてもう一ぺん確認をさせていただきます。
○野田国務大臣 広域市町村圏に対するこの間の指定をいたしましたのは、御承知のとおりでございます。広域市町村圏と今回のこの過疎対策の案というものは、もちろんこれは当然調整していく。目的が大体同一でございます。いかにして過疎地域並びにその傾向にある市町村の地域住民の、いわゆる行政水準を上げようかというのが目的でございます。当然これは相関連し、調整すべきものだと思っております。 また、お尋ねの、この間指定いたしました市町村圏、これは第一次でございます。近く第二次の指定をいたしたい、こう考えております。
○古屋委員 質問を終わります。
○鹿野委員長 関連して、大石八治君より発言を求められております。これを許します。大石君。
○大石(八)委員 一点だけ伺いたいと思うのですが、法律は成立した暁は自治省の所管になるわけですが、人口調査を国政調査でやるわけです。四十五年度の国調の問題が出て、そこで新しい問題が出てくるわけですが、予算編成と関連が実はあるというので、四十五年度の国調の町村人口の公表される時期というのは、あとの作業に非常に重要だと思うわけです。そこで、今度の国調をどういう様式その他でやるか。最近は電子計算機その他の発達もあるわけですが、その一番問題になる一番基礎のこの人口というのを、意識的に早く公表してもらう努力をしてもらいたいというふうに思うわけです。その点は自治省自体の任務ではないかと思うのですが、自治省、この法律を執行するに当たって、その点を特に注意して、関係の役所のほうと連絡をとってやってもらいたい。それがおくれれば、極端に言えば、一年おくれになるという危険もあると思うわけです。二年おくれになります。したがって、われわれは四十六年度予算に間に合うように考えたいというふうに思うわけです。したがって、その点どういう考え方でおられるか、その点の意思をひとつ自治大臣にお伺いいたしたいと思います。あと予算その他のことにつきましては、その時点でこの議員立法の趣旨を生かすことをわれわれとしても努力いたしたいと思っているわけですが、そこの点をひとつお伺いいたします。
○野田国務大臣 先ほど来の提案者に対する質疑応答でも、四十五年度国政調査は、法案に対して重要な関係にあることは、私もよくわかっております。したがって、いま大石委員の御要望、どうすればそれが実現するか、これは国としても、他の役所の関係がございますが、できるだけその御意思に沿うて、関係各省と打ち合わせまして努力してみたい、こう考えます。
○山中(貞)議員 いまの大石委員の質問でありますが、法律の作成者といたしまして、そこらのめどもなるべくというようなことではだめだろうと考えまして、全く内々の話でありますが、今日の備えられた器材を縦横に行使して、最大限どれくらいでいけるかということで内々相談いたしました結果は、市町村人口流出だけの指数を自治省に最終権威あるものとして通知するだけでいいなら、六カ月以内でできそうでありますということでありますから、私の予想していたよりも非常に早いことになろうと思っております。
○鹿野委員長 関連して細田吉藏君から発言を求められております。これを許します。細田君。
○細田委員 私も本法案の提案者の一人でございますので、政府当局に、本法案が可決、施行された際の問題につき、若干伺っておきたいと思います。時間の関係がありますから、一括申し上げます。 まず第一番に、本法所管省は一応自治省、自治大臣になっておるわけです。これは私は、かねがね持論として持っておりますものと合うわけでございまして、いろんな省に関係があるからといって、それがすぐ総理府にいったりいわゆる内閣総理大臣所管ということは、もういまの時代にはよくないと私は思っております。ことに内政関係につきまして、都道府県、市町村との関係が非常に多いようなものについては、自治省というものが所管省になるということのほうが今後いいんじゃないか。そういう見地から、いままでのいろんな政府関係の所掌事務についても再配分をしなければならぬのではなかろうかと実は思っておるわけですが、本法が施行された場合に、それでは具体的に一もちろんこれは各省、農林、建設、運輸、郵政その他ございます。そういう点について、自治省としてよほどうまくやっていただかないと、この法律は死んでしまう。そこでこういう点については、機構的にも何かお考えになっておるのかどうか。どういうふうにおやりになろうとしておるのか。これは大臣のお答えだけでもいいですが、あるいは官房長あたりの御意見も、もしあれば加えていただいてけっこうです。よほどこの運用をうまくやっていただかないと、各省との関係が、新しい例を開くようなかっこうになりますから、気をつけていただかなければならぬと思うので、そういう点を一点伺います。 それからもう一つ、過疎債は、この法案の中の非常に重大な要素でございます。そこでこれは、あした大蔵大臣に来ていただいて、大蔵大臣にお尋ねしなければいかぬのですが、過疎債、それからこの法案に直接ございませんが、辺地債ももちろんこれは過疎対策の花形でございます。過疎債以上に条件もよろしいわけでございますが、この過疎債、辺地債の金額を思い切ってふやしてもらわないと、この法律ができましていろいろ書いてございましても、実際役に立たない。そこで大体どの程度のことを自治省としてはお考えになっておるのか。大蔵大臣にはあした聞きます。そう何百何十というわけにはいかぬでしょうけれども、自治大臣の御決意のほどを伺っておきたいと思うのでございます。 それからこれは財政局長でけっこうですが、在来の過疎地域に対しまして、交付税の傾斜配分その他いろいろ財政上の処置をなさっております。この法案が通ったからというので、そっちのほうにいってしまって、在来のいろいろおやりになっておることがやめられてしまいますと、こっちのほうでよくなっても、そっちのほうでいままでのものが、もうこの法律ができていろいろあるからそっちのほうでしんぼうしてもらおうということになりますと、過疎地域としては非常に困るわけなんです。したがって、在来交付税の傾斜配分等やっておられる点については、法律の精神に基づいて強化こそすれ、弱くするというがごときことがあってはならないと私は思うのでございますが、これについての財政局長の考え方、これだけまとめて申し上げました。お答えいただきたいと思います。
○宮澤(弘)政府委員 最初に私から御答弁を申し上げますが、ただいま細田委員おっしゃいますように、一応この法律案の窓口は自治省ということになっておりますが、関係各省にすべてわたっております問題でございます。この法案を拝見をいたしましても、過疎地域の振興方針を県がきめるわけでございますが、その場合には自治大臣のほうに協議をし、その場合に自治大臣は関係行政機関の長と協議する、こういうことにもなっております。それから過疎地域の振興計画につきましても、同様に自治大臣に提出がございました場合には、関係行政機関の長に自治大臣は通知をする、こういうことになっておりまして、お示しのように、一応窓口は自治省でございますけれども、中身といたしましては関係各省すべてにわたる問題でございまして、連絡協調を遂げることは一番必要な問題でございます。したがいまして、この法律が成立をいたしました暁におきましては、その運用におきまして十分注意をいたしまして、必要に応じましてはあるいは関係各省との連絡協議会というようなものでもつくりまして、十分協調を遂げていきたいと思っております。
○細郷政府委員 辺地債並びに過疎債の額の問題につきましては、先ほど提案者の山中議員からお答えを申し上げたお気持ちを十分に体してやりたいと思っております。 それから交付税上の過疎対策との問題おっしゃるとおり、私どもは交付税上の過疎対策も引き続き進めて、そしてこの法律とあわせて過疎地域に対する財政措置が強化されるということを考えていくつもりであります。
○野田国務大臣 ただいま官房長や財政局長からお答えいたしました、大体趣旨は私も同様でございますが、さらに細田委員の御指摘になりましたことは、こういうのができても自治省ががんばらぬとなかなかむずかしいぞという、ことに確約書との関係があるだけに、ということだと思います。自治省として非常に御親切な御要望だと思う。こういう法律ができることは、これはいわゆる社会的また経済的な、ある意味においては政治的な自然のあらわれでございまして、いかに重要であるかということをお認めになりましたので、過疎対策として議員立法として御提出になったと思っております。したがって、この法律が成立しました場合、その趣旨に沿うてやる、いわゆる総合的な連絡調整をやる自治省でございますが、むしろ非常に一番大きな責任を持つことになると思っております。いま各省関係のことは官房長が申しましたとおり、あるいはその必要によってはもちろん各種の連絡協議会をやりますが、また自治省としましても、その運営に当たっていわゆる支障のないように特別なやはり機構を考える必要も出てくるかと思っておりまして、これは十分この法律の成立と同時にわれわれは遺憾ないようなひとつ対処をせねばならぬというので、機構の問題においても考えねばならぬ、こう考えております。 それからいまの財政上の問題、特に過疎債、辺地債の問題を御指摘になりましたが、いま財政局長がお答えしたとおりでございます。過疎債ができたから辺地債が云々というのは、今日の場合におきましても、辺地債というのはさらに需要が相当増加してきております。それから辺地債は、幸いに提案者が非常な御努力をいただきまして、先ほどお答えになったときに三けただということを聞いて、私も非常にほっとして、その三けたが非常に御努力のことで感謝しておりますが、どの程度の三けたかわかりません。ここにも大蔵省当局来ておりますが、その三けたをできるだけわれわれの希望に沿うような三けたにしたい、そういうような考えを持っておりまして、予算編成にあたりましては、その点もお願いする。また、交付税の今日までありました辺地その他に対する傾斜配分のことも、これができたから交付税のほうはいいかげんにできるだろうということは、毛頭考えておりません。さらにこれを強化していきたい。予算編成におきましては十分この点を考えまして、いわゆる対処したい、こう考えております。
○山中(貞)議員 私のほうから、いまの問題点についてさらに触れておきますが、本来自治省というものは行政機関の庁でありまして、正確にいままでの行政機構でいうならば、この種の事業主管省の事業の実体に関するものまで包含したような法律を作成し、主管する省であるかどうかについては、疑問があるわけでございます。しかしながら、この法律の主体が主として行財政というものを重点に置いておりますから、異例でありますが、私のほうで、所管は自治省でめんどう見てほしいということにしてあるわけでございます。そのために、たとえば建設省では地方生活圏構想というものを検討しておりまして、これは明らかに過疎地域の市町村の計画する道路、あるいは都道府県がその町村に協力して行ない、しかも県がこれを工事を肩がわりをいたしまして、後進地域の補助率かさ上げと俗にいわれる特例の適用を受ける工事の対象に入る道路というものは、まさに建設省の地方生活圏構想の中の国道から県道、市町村道に至るこういう緻密な計画の中にはっきりと入り込んでくるわけでありますから、これらの道路につきましては、法律の中でも、それぞれの省が自分たちの計画に沿っているかどうかについて、ちゃんと事前にその計画の策定に相談にあずかり、それに沿うような指導をするようにしてございます。農林省のほうにいたしましても、今国会で通りました農業振興地域の問題、あるいはまた今日まで農業全体の行政をいま再検討いたしてきておりますが、その中でやはり過疎地域農業という、名前はそうなるかどうか知りませんが、そのようなものも農林省自体でやはり何らかの考えを持つべきであろうというようなことも持っておるようでありますし、あるいは農免農道、あるいは農免林道、峰越し林道、あるいは漁港取りつけ道路等の道路につきましても、やはり農林省におきまして正常な状態の計画というものを持っておるわけでありますから、それらの計画と著しく背反しないような計画になるような事前の相談なり打ち合わせというものは十分できるということで、各省もそれぞれ責任者を呼びまして相談をいたしました結果、最終的には、きん然ととは申しかねますが、この法律に限ってならば、私どもの計画に支障がない、そごがないということで、御協力をするにやぶさかではありませんというところまでまいっておることを付言いたします。
○鹿野委員長 午後一時ちょうど再開することとし、この際暫時休憩いたします。 午後零時九分休憩 ————◇————— 午後一時八分開議
○鹿野委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 質疑を続行いたします。山本弥之助君。 〔委員長退席、細田委員長代理着席〕
○山本(弥)委員 経済企画庁に、全国総合開発計画につきまして二、三お聞きいたしたいと思います。 全般につきましてお聞きいたしますことは、時間の関係もあり、またあらためて適当な機会に御質問いたしたいと思いますが、ただいま問題になっております過疎問題につきまして、それに関連した事項についてのみ御質問申し上げたいと思います。 だいぶ全国総合開発計画も慎重に審議をされてまいられたわけでありますが、ことしの五月三十日に閣議決定に相なったわけでありますが、これの具体化につきまして、おそらくブロックの総合計画、あるいは都道府県の計画、さらには市町村の計画というふうに、計画の作成あるいは改定が行なわれると思います。これは一応府県以下の計画になりますと、多少具体的な作成をしなければならぬ、かように私考えるわけでありますが、いずれにいたしましてもそういった計画が逐次なされていくものと考えるわけであります。 しかし、これらの計画を地方公共団体におろし、また民間企業その他におきましても、この計画の線に沿うて行政各省がそれぞれ指導していくことに相なろうと思うのでありまして、すでに昭和三十七年に策定された総合計画の実績の上に立って、それらを十分検討せられて計画を策定せられこれを実行に移していかれると思うのであります。 一方、ただいま申し上げましたように、計画が下部の計画作成の段階に移りますと同時に、この計画の実効をあげていくということにつきましては、計画の内容につきましては私どもの考え方と異なる点もございますが、これを具体的に実施してまいるという場合に、従来の行政機構なりあるいはそれに伴う制度の法制化というような問題につきましても、過去の実績に立って具体的に検討を進められ、早急に総合的な実効のあがるような体制をとらなければならない、かように私考えるのでございますが、それらの点につきまして、経済企画庁におかれて今後の操作をまた作業をどういうふうにお進めになるおつもりでありますか、お聞かせ願いたい。
○宮崎(仁)政府委員 御指摘のとおり新しい全国総合開発計画が五月末に閣議決定になりまして、これを実施していく段階に入っておるわけでございますが、その場合に大きな問題として三つくらいの問題があろうと思っております。 一つは、ただいま御指摘の制度的な問題、特に地域開発制度、戦後いろいろの経過を経て非常にたくさんの法律ができて現在まで行なっておるわけでございますが、この計画第三部というものを特につくりまして、そしてこの計画を達成していくための手段として、制度的にどういう問題があるかということを掲げてございます。この中でも、いまの地域開発制度にかかわる問題につきましては、行政組織の問題とあわせて大きな問題として掲げておるわけでございます。地域開発制度につきましては、政府部内に地域開発制度調査会議というものがすでに一昨年つくってございますので、その計画作業と並行的にいろいろ勉強いたしておりますが、ひとつこのほうの活動をこれから開始してまいりまして、なるべく早くその制度の問題についての方向というものを政府としてきめてまいりたいということで、私どもいろいろいま勉強を進めておる段階でございます。 それから、行政制度の問題などにつきましては、これは地方制度調査会のほうですでに本年初めにおいて御検討を開始していただいておりますので、そういった形で方向が出てくるというふうに期待をいたしておりますが、その方向を見まして、それを実際にやっていく段階で、私どもは私どもの立場で自治省のほうにもいろいろ御要望をしてまいりたいと思っております。 それから、この計画の内容に書いてあります具体的なプロジェクト、それを実施していくことがまた重要でございますが、こういった面につきましては、関係各省のそれぞれの事業としてやっていただくわけでございまして、御承知のような長期の計画がございますので、そういう計画の改定の機会にこの全総計画の考え方を全面的に取り入れていただくようにしてまいりたい。すでに住宅その他そういった作業が進んでおるところもございますし、これからというところもございますが、そういうところでいろいろな場においてこの考え方をひとつ取り入れていただくようにやっていきたい、こう思っております。 また、政府全体の経済的な計画として、現在経済企画庁では経済社会発展計画の補正作業をやっておりますが、これは五カ年程度の中期の経済計画となるわけでございますが、この内容として、この新全総計画の考え方を全面的に取り入れていただき、特に社会資本の配分というような形で具体的なプロジェクトの問題も出てまいりますので、そういうところにひとつこれを生かしていくという形でやってまいりたいと思っております。大体そういうことでそれぞれの分野ごとに進めておるわけでございますが、問題がなかなか大きな問題でございますので、簡単に方向づけができないものも幾つか出てまいると思いますけれども、これから継続的にそういう努力をしていかなければならぬと思っております。 もともとこの計画は、御承知のように大規模プロジェクトの積み重ねによって計画の内容を達成していくというものでございまして、具体的にこの期間に行なうべき全部のプロジェクトは書いてないわけでございまして、これから毎年追加をしていこう、こういうたてまえでございますから、いまのような形で継続的に努力をしてまいりたい。そのために国土総合開発審議会の中に総合調整部会というものをつくっております。そういうところでいろいろ御指導をしていただきながら逐次これの実現のために進めてまいる、こういうやり方にしたいと思っております。
○山本(弥)委員 いままでの国土総合開発につきましては、現実的に、計画の樹立そのものよりも、各省のばらばらな行政、あるいは法令が次から次にばらばらに立法化せられまして、重複するところ、あるいは補助負担にいたしましてもこま切れのような行政措置になっております。むしろ今後計画を進める上におきましては、こういう新しい計画と並行的に、すでに検討を加えられ計画樹立と同時に各省の総合的な総合開発が実施せられるような体制の樹立、あるいは法令にいたしましても、それぞれの立法措置の検討を進められて、計画樹立と同時にそれが法制の裏づけあるいは財政の配分というような姿で同時に出発しなければならない、かように考えておるわけでございますが、これからいろいろそれぞれの、たとえば行政機構の問題あるいは地方行政の制度の問題あるいは法令の統廃合の問題等、それぞれの調査会に諮問をして、それの結果を待って実施に移すということになりますと、実施に非常に支障を来たすのではないか。依然として各地域の開発計画も、各省の予算要求、それに対して大蔵省の査定を受け、それを一応地域の開発計画として取りまとめるというにすぎない。多少経済企画庁の中には新しい事業のモデルケースみたいなものもありますけれども、また調整額というような予算措置によりまして、関連事業の調整をはかるというような措置も従来とってこられたわけであります。私は、むしろ、そういった計画の実施段階の再検討が計画と同時に進められないのでありますならば、計画それ自体がいつまでたっても作文に終わるという感じがいたすわけであります。ただいまの作業の順序からいきますと、それらがいつごろになったら軌道に乗るのでございましょうか。もう一度お聞かせ願いたいと思います。
○宮崎(仁)政府委員 確かに、こういった計画の持つ意味と申しますか、それを実際に実現していくための理想的な形とすれば、ただいま御指摘のような制度も予算的な裏づけも一緒にきめていくという形が理想だろうと私ども考えておりますけれども、これは国土総合開発法上の制約もございまするし、現在の行政上の問題もいろいろあるわけでございまして、私どもそういう現状ということを一応ベースにして今度の計画をつくっておるというふうに御理解願っておきたいと思います。 そこで、制度の問題にいたしましても、各省の五カ年計画に織り込む問題にいたしましても、それはいつまでにどうするかということでございますと、そう明確にいまお答えはできないわけでございますが、少なくとも地域開発関係の制度の問題につきましては、大体つくりましたときに、これは四十二年につくっておりますが、おおむね二年ということで考えておりますので、計画のほうが半年ほどずれましたから、少しずらさざるを得ないと思いますが、いずれにしても早急の間に方向、つけをさせなければいけないと思っております。五カ年計画とか、あるいは中期の経済計画等につきましては、たとえば経済社会発展計画の補正につきましては、大体年内を目途にするということで作業を進めておりますが、これも若干ずれるかもしれません。それから、それぞれの各省のおやりになる五カ年計画につきましては、ただいま申しましたように、事業によってまただいぶ事情が違っておりますが、いずれにしましても、この一両年のうちには大体改定の時期にくるものが大部分でございますので、そういった形で織り込んでいけると思っております。 なお、府県の計画のお話もございましたが、このほうは建設省等のお考えもございまして、四十五年秋ごろを目途にして各県とも計画をつくるということで、大部分の県が現在作業を進めております。そういう形でございますので、このほうも具体化してまいると考えております。
○山本(弥)委員 そういたしますと、この具体的な計画を進めてまいります各省といたしましては、従来どおり一応各省でこの計画の線に沿って計画を樹立し、各省で実施をしていく。その調整につきましては、いままでと多少変わる点があるわけでございますか。各省の計画なり、それを実施してまいる段階における経済企画庁としての調整権限といいますか、そういうものは従来とあまり変わらないわけでしょうか、あるいは相当それに対して企画庁としては調整の役割りを果たすことになるのでしょうか、その辺をお伺いいたしたいと思います。
○宮崎(仁)政府委員 その点につきまして、特にいま私どもが問題にしておりますのは、この計画の主たる内容となっております大規模の開発プロジェクトについての選定実施についての制度でございますが、これは現在の国土総合開発法の条文を使いましてもかなりのことができることになっておりますけれども、何ぶんにも相当大規模なものであり、関係する省庁も非常に多いというようなものでございますので、現在の国土総合開発法の改正をするなりなんなりして何らかの新しい方向を出すべきかどうかというような議論もございまして、これも地域開発制度の問題の一環としていま検討を進めておる最中でございます。現在のところ、まだこういうところまでというような具体的な結論は出ておりません。
○山本(弥)委員 この計画の目標として、あるいは自然の保存あるいは閥発可能性を全国土に拡大、均衡化する。あるいは都市、農村を通じて安全、快適で文化的な環境条件を整備するというふうな目標を掲げられておるようでありますが、私どもこの目標自体につきましては、いわば企業が大都市においていわゆる過密問題に当面いたしまして今日行き詰まりを見せておる。それの基盤の条件を整備してまいるということも一応考えられるわけであって、ただそれだけでは国土の開発可能性を拡大するということについてはいささか欠ける点があるのではないか。国土の利用を拡大するということであれば、あるいは山村地帯、農村地帯、それぞれの開発可能性をその地域住民の定着とともに拡大をするという配慮がなされなければならぬというふうに感じておるわけでありまして、いわば今日の計画にもうたっておりますように、過密過疎といいますか、過疎の定義につきましては、先ほど山中先生からもいろいろお話がありましたが、私どもは過密が大都市に起こっておると同時に、過疎が今日農村地帯に起こっておるということは概括的に言えるのではないか、そういう意味におきまして、それぞれの国土をその地域の特性に応じて開発を進めていく、いわば過密過疎の問題を解決をするということを大きなねらいにしておると思うのでありまして、その点は私ども同感であるわけでありますが、それならそれなりにこの過密過疎の解消について積極的に今後進めてまいらなければならぬ、かように考えておるわけであります。過密はしばらくおきまして、過疎について経済企画庁がこの総合開発計画に基づいてどういうふうな順序あるいは計画をもって推進していかれるのか、その点をお伺いいたしたいと思います。
○宮崎(仁)政府委員 この計画の開発方式にうたっておりますように、国土全体を有効に、特性を尊重しながら開発していくというために、私どもは三つの戦略手段をここに出してあるわけでございます。それは全国的な情報、交通のネットワークの建設、これによって時間、距離あるいは情報の伝達という面においていまの条件を飛躍的に変えていこうということが一点、またこのネットワークとの関連におきまして、産業関係の具体的なプロジェクトを配置していくということを第二にあげております。さらに地域における住民の生活というようなことに着目いたしまして、広域生活圏というものを考えていきたい。これはけさの御質問に出ておりました、自治省でお進めいただいておる広域市町村圏というものと考え方は全く同じでございますが、特にこういう広域生活圏という形で大都市の地域を除く全国の地域をできるだけおおっていく、そういうことによって過疎問題というようなことにも対処をすることにしたい、つまり、いま山村あるいは離島の地域等にもございますが、過疎問題としていわれております問題というのは非常に根が深く、広範にわたる問題であって、やはりこれを基本的に取り組んでいこうとすれば、この計画で掲げたような全国的な問題としてまず基礎は考えて、さらに地方的な問題としても広域生活圏というような若干広域の問題についてまず基礎単位として考えていく必要があるだろう、さらにその上におきまして、今般問題になっております過疎地域対策特別措置法あるいは山村振興、離島振興、それぞれの地域についての特別の措置が進められますが、こういったものは当然こういった形で強化していく、こういうやり方でこの問題に対処していくべきであろう、その具体的な方法等はこの計画の第一部の中に、環境保全のための計画というようなところに、たとえば農山漁村の場合あるいは離島等の場合につきましてそれぞれ書いてございますが、ただいま申しましたような考え方で進めていくべきであるというように書いてあるわけでございます。
○山本(弥)委員 ただいまのお話の過疎対策として、生活環境の整備、国民的水準といいますか、ナショナルミニマムを確保するための広域生活圏の設定ということを計画書にはうたってあるわけでありますが、私、この広域圏の設定について、ある中心地方都市を中心として、付近の周辺を含めて過疎問題を解決するということと、その一体としてのいわゆる水準を確保していくという考え方につきまして、今日町村における過疎現象というのは、第一次の、日常生活圏という考え方よりも、その地域の集落というか、町村単位の直接身近な生活圏、第一次生活圏といいますか、そういう問題について、いろいろ人口の流出等によって支障を来たしておる、こういう実態にあるわけでありますが、これらと広域生活圏の設定によっての中心都市を中心として、一体的な国民的水準を確保していくということとの関連は、今後どういうふうな措置でおやりになろうとしておられますか。
○宮崎(仁)政府委員 この問題がこれからの相当大きな課題ということになるわけでございますが、結局、この計画においてわれわれが出しました問題は、すでに山村振興とか離島振興という形でこういう過疎問題が議論になるような地域について、市町村単位で、あるいはもう少し狭い区域の単位での施策がいろいろ行なわれておる。それはそれなりに効果はもちろんありますけれども、これだけで基本的な計画はできない。結局こういう地域に住む方々の意識の問題というようなのが重要でございまして、特に全面的に都市化が進むこの状況、しかも情報化も進むというときにおいて、そういう地域におられる方々もかなりの面で情報なりあるいは知識なりあるいはそれ以外の都市的なサービスというものが手近に受けられなければならぬ、そういう形で考えた場合には、やはりそういう地域における中核都市というものを中心にしたある一定の圏域においてものを考えることがどうしても必要になってくるだろう、そういうことがいわば広域生活圏という形になってまいるわけでございまして、したがって、全国のこういう山村等の地域もできるだけ広域生活圏の中に全部取り入れて考えていくというのがたてまえでございます。 ただ、場合によっては、これはこれからの問題でございますけれども、非常に辺地の場合にそういう形に織り込み得ないというものも一部には出てくるかもしれない。そういう場合の措置がどうかということが一つの問題として残るわけでございますが、かりにそういうことで大体広域生活圏あるいは広域市町村圏というような形で取り込み得たといたしましても、そういう過疎が問題になるような地域の市町村の財政、特に人口が急減しておりますような市町村の財政については特別の措置が必要になってくる。これはいろいろ急速に財源を失い、あるいはいろいろのやるべき仕事が出てくるわけでございますので、財政面についてはやはり考えていく必要があるだろう。そういうことはこの計画第三部に特に掲げてあるわけでございますが、そういう趣旨でこの過疎地域振興の問題あるいは山村振興の問題というようなことも相当強化をしていく必要がある。その間の調整は、今度の法律におきましても、そういった広域的な計画との調整ということに配慮するような規定がございまするし、また実際の運用は、自治省が主管大臣としておやりを願うわけでございますので、広域市町村圏の問題等こういった問題については、十分配慮していただけるものと私ども期待いたしておりますし、経済企画庁のほうでも、及ばずながらそういう点についてはいろいろお願いもし、御意見も申し上げるようにしたいと考えております。
○山本(弥)委員 ただいまのお話で、広域生活圏の設定ということと関連して、個々の市町村における過疎対策としての立法措置が必要だというふうなお話がありましたが、そのとおりでございますか。
○宮崎(仁)政府委員 ただいま申しました点は、計画の第三部「計画達成のための手段」という中におきまして、特に「生活環境の整備」という特定題目の中にうたっておるのでございます。人口の急減しておるような地域については次のような施薬について特別の措置を検討する必要があるということで、学校、診療所等の生活環境施設の整備の問題あるいは集落を中心といたします交通施設の整備の問題、集落の移転統合の問題、こういったことについて特に例示してございますが、この趣旨は、結局財政的な面あるいは行政的な面での特別の措置が必要だということでございまして、いまの過疎地域振興法がこういった面における一つの有力な手段になる、こういうふうに私どもは考えておる次第でございます。
○山本(弥)委員 市町村単位の過疎地域の振興、ただいま例示になりましたような問題を織り込んでの財政的な特殊の裏づけをもっての振興をはかるということについての立法の必要があるということでありますならば、総合開発計画が相当熱意を持って作成せられ、それを実行していく手段についても相当の決意を持っておられると思います。また過疎問題というのは、今日の年間一〇%以上というような高度成長の結果出てまいったことでありまして、これに対する政府の責任も私は重大であろうと思うのであります。立法措置が必要であるとするならば、総済企画庁で立法すること自体については、私ども、どこでやろうと、最も妥当なところで立法すればいいと思うのでありますが、この計画を作成せられた経済企画庁としては、なぜ政府の責任において立法措置を考えてまいるという御配慮をなさらなかったのでしょうか。その点をお伺いしたいと思います。
○宮崎(仁)政府委員 私どもは、この計画に関連する法律の問題としては、ただいま申しましたように、政府部内の地域開発制度調査会議という組織を通じまして検討を進めているところでございます。ただ過疎地域の問題につきましては、そういった計画策定作業をやっておるわけにいかぬというような非常な切迫した御要請もございまして、自民党のほうで議員立法の形でお取り上げになるということになりまして、関係各省それぞれにつきまして十分に意見の調整をせられて、この法案にまとめられたということでございますので、私どもはそういう進め方は非常にけっこうであると考えておりまして、提案を政府がするか、あるいは議員立法の形でするかということは——こういったいろいろの省庁にわたるような法律につきまして、議員立法の形で、しかもこういうかなり内容豊富なものにおまとめになったことに対しましては、非常に高く評価をいたしております。
○山本(弥)委員 今日過密対策としては、地域立法としては首都圏があり、あるいは近畿圏があり、中部圏があり、しかもそれぞれ担当は国務大臣が責任を持ってこれに当たっておるという体制であるわけです。しかも、これの再開発あるいは都市改造の手法につきましては、都市計画法の改正あるいは都市再開発法の制定がある。あるいは今日過密の弊害としておりますあらゆる公害問題については、それぞれ特殊の立法で取り組んでおる。しかし、その反面、過密と一体をなすべき過疎については、主として、首都圏あるいは近畿圏、中部圏を除きましては、東北開発、四国開発あるいは九州開発、中国開発というふうな地域立法があるわけであります。これらは現実には各省の予算で確保した事業を一つにまとめておるというかっこうにすぎないわけなんですね。しかも、過疎対策としての立法が場当たり的に——私ともの議員立法でありますので、それは政府が怠慢であるということによって議員立法という措置もとられたかと思うのでありますが、そのときどきに応じて山村振興法、その他離島振興あるいは僻地の問題を処理する財政上の裏づけの問題、そういった問題がとられている。私は、いまの人口の集中しておる、あるいは企業の集中しておる首都圏だとか中部圏あるいは近畿圏を除いて残りの地域については、これは過密対策として政府が責任を持って大きく取り上げるべき問題ではないか。単に議員立法にまかしておくというような考え方では、政府はいたずらに責任を回避する。しかもいまの議員立法は、過疎地帯の対症療法といいますか、地方自治体の存立を大きくゆるがすような体制になりつつある市町村に対して一応の手を打つ、こういう立法のように私ども承知をいたしておるわけであります。しかし過密対策としてとられておる対策に比べて、過疎に対しては、国の政策として大きく取り上げている面がきわめて少ないような感じが私はするわけでありまして、この段階におきましては、今度の改定におきましても、過密過疎の問題は、今後の計画の遂行の段階においてもきわめて問題が困難であるというふうな認識と指摘の上に立って、積極的に過密過疎を解消するという意欲ある計画でありまするならば、その裏づけとしての立法措置により政府の責任において今日の過疎問題の解決に当たるということが必要ではないか。これはむしろ大臣にお聞きする問題かと思うのであります。そういう意欲があってしかるべきである。単に応急対症療法的な議員立法にまかせて、これはきわめてけっこうであるというふうな認識に立てば、過疎対策の立法措置あるいは今後の対策というものは十分期待できないんじゃないか。これは十年間の時限立法でありますから、十年の間政府はこの議員立法に一任して過疎対策の責任を回避する、あるいは積極的に過疎対策に取り組むという意欲はお持ちにならないのですか。私は、政府の責任において積極的にこの問題を解決づけるということこそ、この計画樹立直後においては必要な問題であろうかと思うのであります。そういうことがなし得ないということは、自治大臣おられますが、閣議に出ておられて、そういった立法措置がとられないような事情でもおありなのか、自治大臣からお聞かせ願いたいと思います。 〔細田委員長代理退席、委員長着席〕
○野田国務大臣 ただいま山本さんの御質問、つまり過疎対策の基本問題について、政府は責任を回避しているのではないかというような意味のお尋ねであったのですが、私は、いままで過疎対策に対して政府が責任を回避しているとは思っておりません。従来も特にこれを重要視いたしまして、もちろんいまお示しのありましたとおり、辺地の問題とか離島の問題とかいろいろありますが、特にいまここで問題になっている過疎の地域に対する対策としては、あらゆる面で年々強化いたしておるし、また将来も、政府全体といたしましても、これは一つの自治体の問題だけでなくて、大きな社会問題であり、また、ある意味からいえば大きな政治問題である。そこまで過疎問題というものは非常に重大になってまいっております。そこで、ただいま経済企画庁のつくられた新全総計画の中にも、特に過疎地域の問題を取り上げて今後処理する方針を述べられておりますが、政府全体としてこの問題にきわめて積極的に取り組むという姿勢を持っております。 そこで、これに対して今度議員立法ができたので、これに甘んじて政府は、いわゆる議員立法の成立に依存して、政府自体の態度というものがなまぬるいように感ずるというようなお話でございますが、私は先ほど申し上げましたとおり、このくらい今日問題になっている過疎対策につきまして、政府といたしましても、いま経済企画庁からも申しましたとおり、今日あらゆる問題を検討するというのは、御承知のとおりこれは各省に関連する問題でございます。そこでこの対策の立案の検討には多少の時間がかかる。新全総計画の中に過疎問題をつかまえて、これを具体化していくのには、各省間の調整あるいは各省間の連絡事項その他がありますから、時間は多少かかる。その上において基本的な立法の措置が必要であれば立法するというような考え方を持っておられるということ、われわれ政府全体といたしましても同様な考えを今日まで持っております。 そこで、この法案が成立しまして、これがどの方面からどういうことに手をつけるかということは、いままで過疎対策でいろいろ要望された事項がほとんどここに一応あらわれております。そこで、これをもって十分だと私は断定いたしません。特に、御承知のとおり、今日の社会、経済の推移というものは非常に流動的でございまして、また今日要望される過疎対策の事態等につきましても、あるいは年月の中には相当の変化も見るだろう。これは十カ年の時限立法になっておりますが、今日の十カ年は過去の五十年、百年に通ずるくらいの激動している時代でございますから、どうせ相当の変化を見る。そこで、この十年の時限立法があるから、これに乗っかって政府がやったらいいのだというようなそういう軽い気持ちでやってはいけない。山本さんの指摘されるとおり、その事態に応じては、立法に対して改正していくとか、修正していくとか、あるいは新たな立法をつくるとかいうような事態は起こらぬとも限らぬ。そういう意味において、私どもはやはり真剣に取り組んでいかなければならぬ。ことに自治省といたしましては、何といたしましても市町村に直接の関連を持っておる責任を持っておる役所でございますから、これらをただ一つの法律ができ上がったら、十年間はその法律にあぐらをかいていけばいいなんという軽い気持ちは持っておりません。しかし、先ほど申しましたとおり、少なくとも今日過疎地帯の要望する事項について相当御努力の結果、こういう案ができておりますから、私どもは非常に前進だ。いいことは——いま政府の責任を御追及でございますが、やはり議員立法としてあらわれてまいりましても、事柄が非常に適切であり合理的である。また、これが過疎対策の解決に非常に重大な、何といいますか、具体的な措置ができることにつきましては、私どもはやはり自治省の立場といたしましても歓迎する。しかし、いま重ねて申しますが、これができたから十年間これでけっこうだというような考えは毛頭持っておりません。事態によりましては、やはり新たな事態に適応する処置をしなくちゃならぬと考えております。
○山本(弥)委員 ただいまの自治大臣の御答弁、私は地方交付税法の改正のときにも自治大臣にこの過疎対策につきましてお伺いしたのですが、そのときの御答弁は、細郷さんからは、とりあえず本年度は広域市町村圏の調査費の予算をつけて調査を進めてまいる、そして逐次、その調査の結果、過疎対策を考えていくというふうな御答弁があった。なお、大臣からは、この問題は自治省だけの問題ではなくて、広く政府部内として相談をしながら対処しなければならぬという御答弁をいただいたと思います。ただいまも同じような答弁をいただいたのです。とりあえず大臣もごらんになったので御答弁だったと思いますが、自民党の応急対症療法的議員立法も、当面の問題に必要であるので、ないよりはましであるので自治省も了承しておる、しかし十年間というのは、情勢の変化もあり、きわめて流動的であるので、政府としても今後各省連絡の上、基本的な問題について立法化の措置を考えてまいる、こういうふうな答弁とお聞きしたのでありますが、そのとおりでございましょうか。
○野田国務大臣 私の申しましたのは、前段は山本さんの御理解どおりでありますが、その十年間という期間でございますから、その間に非常な流動的な、しかもどういう変化を見るかもわかりません。そういうことでございますから、その必要な場合——私は十年間に立法するというお答えをしたのではなくて、その必要によっては、どうしてもその対処策として新たな立法が必要という段階をわれわれが認識いたしました場合には、私はこれは善処しなければいかぬ、こう考えております。
○山本(弥)委員 そうしますと、自治大臣は、今日の過疎対策ということについて、重要な段階にあるという御認識を持っていないわけですか。
○野田国務大臣 重要であるから、漸次われわれは、政府一体となって過疎対策についての対処をいたしておりますし、あるいは経済企画庁も新全総計画の中にもそれを盛り込んでおります。また、自治省といたしましても、これは非常な責任を持っておりますから、漸次強化する、もちろん、来年度の予算においても相当な考慮を払う、そして、いわゆる、何といいますか、これが重要であるだけに、ひとつ特別留意をして対策を講ずる、こう思っております。 そこで、この立法問題でございますが、いまそこを御指摘だと思うのでございますが、これはいわゆる各省間のことで、ちょうど経済企画庁がお答えいたしましたとおり、また、先般私どももお答えしましたとおり、自治省だけではやれない、いろんな各省の関連がございますから、これを総合的に調整して、そして意見を取りまとめて一歩前進するという段階だということは、われわれも十分理解しております。たまたまこの立法が出てまいりましたので、やはりこれが応急措置にしましても、いずれにいたしましても、重要な過疎対策でございますから、これをわれわれは歓迎して、これが成立した場合には、趣旨に沿うて政府も力をいたし、さらに十年間という期限つきでございますから、ただこれができたから十年間のんきにしていいというのじゃないということを申し上げたのでありまして、必要によりましては、これは基本的な考えを新たにしてその対策を講じ対処せねばならぬ、こういう考え方を持っております。
○山本(弥)委員 過疎対策についてはあとでまたあらためてお聞きいたしたいと思いますけれども、大臣が、現在の段階において過疎対策はきわめて重要な段階である、しかし、この過疎対策は自治省だけでは決定しかねる重要な問題であるという認識に立って、各省との調整をはかりながら、財政の裏打ちあるいは行政の指導その他をやりながら——重要な段階であるという認識に立つならば、政府の責任において立法措置を講じてこれに対処するということに、話の筋からいけばそうならなければならぬと思うのでありますが、大臣みずからも、十年というのは、昔に比べていまは過去の何十年にも匹敵するような流動的な期間である。それであれば、臨時応急的な立法はいいとしても、早急に政府としてその腹を、ことに自治大臣は地方自治体を指導する立場にあるわけでありますから、全国の三千有余の市町村の中に、ある程度まで過疎ということにいろいろな意味で対処することに苦慮しておる今日、それを政府の責任において立法措置で処理するということは、私は急がなければならぬ。しかし、一、二年はどうも各省との間がまとまちぬので、この応急対策でもよろしい。しかし根本的な対策は必ずやらなければならぬのだという御決意をされるのが私は至当だと思うのでありますが、これで間に合うなら十年間はよかろう、その必要が生じたら何とかしょうということは、ちょっと理論が矛盾しているように考えられるのです。だから私は冒頭に、各省間でそういうことに取り組む意欲と話し合いがつかないということは、何らかの事情がおありなのか。どうしてそれを各省でそういうことを超越して話し合って取り組んでいく、そして恒久的な立法措置、応急的な立法措置というふうに政府の責任においてこの問題に取り組むという御決意をなされぬのか、それには何か事情がおありになるのかということをお聞きしたのです。それはお聞きしなくても、私はいままでの例からいいますと、各省のなわ張り争いということもありましょうけれども、今日そういうことではないと思うのです。大臣も十分この問題については認識しておる、しかし自治省だけではきまらぬのだ、立法措置にしても、自治省だけではきまらぬのだ。各省と相談をしてりっぱな対策を講じ得る、大蔵省も十分予算をつけてもらうような立法をしなければいかぬということでありまするならば、これは政府の責任において、大蔵大臣も政府の一員であるわけですから、思い切ってそれらの話し合いを進められて、ここ一両年のうちにはつくるのだというような御決意をお聞かせ願いたいと思うのですが、どうでございましょうか。
○野田国務大臣 山本さん、別に故意に私の答弁を曲げて御解釈になると思っておりませんし、また、私もすなおに申しておるので、山本さんのいまの最後の御意見も非常にすなおに拝聴いたしました。 かねて申しますとおり、この問題については、先ほど経済企画庁からもお答えいたしましたとおり、大体政府の姿勢というものは、この過疎対策に対しては一段の力を添えなければならぬ。一段の力を添えるということは、やはり立法その他の措置が要ると思います。そこで、先ほど経済企画庁から言われましたとおり、現在において新全総計画におきましても、特にこれを注視しまして特記しているわけですが、それだけ熱意を持っております。それで経済企画庁でも、いまお答えしたとおり、各省間の意見を自治省が総合的に取りまとめるかどうか、これは政府部内でございますから、どこが責任とかなんとかということは別といたしまして、いま山本さんの御指摘のありましたように、必要に応じましては一両年という——来年かことしかというようなお答えはできませんが、基本的な対策につきましては、この立法措置ができましても、やはり並行して当然これは政府としても基本対策については練っていかなければならぬ、こう考えております。この点はひとつ御了承を願いたい。別に一年か二年なんという、これはことばじりでしょうが、それはそういう抽象論を申しましても意味をなさぬと思います。同時に、成立いたしましても、同様に、政府といたしましては基本的な検討を重ねていく、これはあたりまえのことだと思います。
○山本(弥)委員 大臣のちょっと回りくどい御答弁でございましたけれども、真意はよくわかりましたので、大臣、在任中にそういった政府の責任において法制化をするという動きをさっそくに始めていただきたいということを要望として申し上げておきます。 経済企画庁にお聞きしたいと思うのですが、さっきから中途はんぱな、ちょっとお隣の人に気がねをしておるような答弁をしておられるようですが、あなたのほうの計画の最後に「地域開発関係法令の整備」という、これは第四で起こしておられますね。これは閣議においても十分この点を認識せられ、これを了承しておられると思うのでありますが、全体を読むのを避けますけれども、いろいろな事情があって、「このような事情のもとで、この計画を実現するためには、国土総合開発法の改正をはじめ各地方開発促進法その他特定の地域の開発に関する法令等の再検討等地域開発関係法令の体系的整備および総合的な開発行政組織の整備について検討する必要がある。」ということは、閣議で政府みずからも認めておられるわけですね。これはさっそくこの操作にかかられるのか。もし操作にかかられたときに、一応過疎対策と申し上げますが、過疎対策に関連する法令というようなものについて立案する心組みでおられるのか。「検討する」という具体的な内容は書いておられませんけれども、その法令の検討の際には十分それらの問題を、応急策、恒久策を含めての過疎対策としての立法措置というものをお考えになっておるのかどうか、あるいは事務的レベルですでに進められておるのかどうか、いかがでしょうか。
○宮崎(仁)政府委員 先ほども若干申し上げましたとおり、政府部内に地域開発制度調査会議という会議がすでにつくられておりまして、この問題と鋭意取り組むべくすでに一年有半の勉強を続けておるわけでございます。いろいろの専門の方の御意見を聞き、あるいは関係各省も含めまして関係の方々の御意見も聞きながら、だんだんに方向をまとめていこうということでやっておりまして、このほうの作業が、計画そのものがおくれた関係で若干おくれておりますけれども、できるだけ早くひとつ政府としてまとまるような方針にこれをつくり上げていかなければならぬ責任を私どもは負っておるわけであります。いま一生懸命勉強いたしておりますが、しかし何ぶんにも広範にわたる問題でございますから、どの程度まで明確にそれぞれ法律改正案まで波及させられますかどうですか、いまのところまだ確たる見通しを持っておるわけではございませんけれども、少なくとも問題点は相当はっきりしてきておると思っております。その場合において、過疎地域における法律といいましても、すでにあります離島振興法、山村振興法あるいは豪雪地帯対策特別措置法とか特殊土じょう地帯振興法とか、いろいろの法律がございますが、こういったものも、それぞれできた時代も違いますし、計画の立て方、その施策の内容等についてそれぞれかなりの違いがございます。今度、いま問題になっております過疎地域対策特別措置法というものも一緒に考えまして、どういうふうな体系に全体がなったらいいかというようなことについてやはり検討すべきものと思っております。問題が非常に広範でございますので、せいぜい努力はいたしておりますけれども、結論がすぐには出ないということで苦慮しておる最中でございます。できるだけ早くひとつ各省の御協力を得てまとめる方向に持っていきたいと思っております。
○山本(弥)委員 私どもは、国会は立法の府でありますので、議員立法に反対するものではないわけでありまして、政府の怠慢によって適切な措置が講ぜられないという場合には、当然議員立法によって政治の責任を果たすということについては、その内容によっては当然審議の過程におきましても反対するものではございません。しかし、政府が閣議において決定をしておる事項についてその責任を果たしていくということは、私は事が重大であるだけに当然急がなければならない。いまの地域開発制度調査会議の答申等があれば、積極的に経済企画庁を中心としてその立法措置、根本的な対策、議員立法は応急対症療法的な立法という考え方に立っておるわけであります。過疎対策の根本的な立法ということを政府の責任において努力していくということは、宮崎さんお約束できますか。
○宮崎(仁)政府委員 非常に大きな問題でございまして、総合開発局長の私がそのお約束をするというような性格のものではないと思います。私ども事務家としましては、ただいまのようなことで勉強を進めておりますので、ひとつ十分大臣にも申し上げますし、また関係各省にもお願いをして、そうしてその問題が基本的に進められるような方向に制度の点も改正していきたいと考えております。
○山本(弥)委員 この計画の中の「地方別総合開発の基本構想」という、ところにおきまして、人口の今後の趨勢ということについていろいろ書かれておるわけであります。その中で、三十年代の趨勢が今後も持続する場合というときの数字を拾ってみますと、首都圏、中部圏、近畿圏で約二千七百五十一万人増加する、それから北海道、東北、九州、中四国圏で約四百七十万人減少するという数字をあげておられる。この新開発方式のパターンで、もしこのいわゆる過密地帯に人口が集中することを抑制するという措置、いわば全国土の利用あるいは資源の活用あるいは人口の定着というような、この計画の大きな柱によって施策を進めてまいる場合にどうなるかという数字もあげておられるわけであります。それによりますと、首都圏、中部圏、近畿圏は二千二百万人、約五百五十万人ここに集中することが抑制できる。そして北海道は百十三万人ふえ、中四国圏では十五万人ふえる。依然として東北五十一万人、九州三十七万人減少する、こういうふうな数字をあげておられるわけであります。その数字から見まして、もう一ついわば都市化の問題が今後も継続してまいる。この計画によります過密地帯以外に北海道の札幌あるいは東北の仙台、九州の福岡というような地域に、それら都市を中心とする地方の都市化を進め、そのほかの都市において約三千万人の都市化を進めてまいるというような計画があり、さらに就業構造におきましても、今日一千万人の農林業、漁業の第一次産業に就業しておる人口が半分の五百万人に減少するというふうな見通しを立てておられること。また人口と年齢の構成におきましても、いわば老人層の増加というような傾向、またブロックの格づけといいますか、東北、九州、北海道を含めまして大体食糧供給基地的な性格を付与しておるというふうなこれらの要素を考えますと、私は東北と九州におきまして町村における人口の流動化が相当行なわれるということが推定されるわけであります。したがって、特に食糧供給圏としての位置づけをしておるブロックににおきましては、今度過疎対策という問題に取っ組む場合には、農業もきわめて流動的でありますし、いわゆる米作に依存しておった地帯が、今後の米価問題に関連し、あるいは米の需給に関連していろいろ転換を迫られるという体制、しかも山間地帯における畑作その他についても模索をしておる。牛乳にしてもあるいは果樹にしても模索時代にある。一応東北地方におきましては、大畜産地帯といういわゆる総合開発計画の大規模開発プロジェクトといいますか、そういう問題で将来の展望を書いておられるようであります。それらについての農業施策というものが並行しなければならないいわば食糧供給圏としての東北圏、九州圏は、今後の農業の振興といいますか、そこにある程度まで人口の定着するということを考えても、なお農村からの人口の流出、農業の規模の変革によります人口の流出ということが行なわれるわけでありますが、その生産基盤の上に立って、生活基盤の整備をはかりながら各市町村の自治体の体制を維持していくということになりますと、単に過疎地帯の人口流出が一〇%とか七・五%とかいうようなことよりも、むしろこういうふうな食糧基地的な性格を持って人口が大きくそのブロック内においても流動化が予想される地域におきましては、いわばそれらの地域に対する農林漁業の振興と生活基盤の整備ということを眼目とした、あるいは人口の流出については、今日経済企画庁でモデル的に三カ所要求せられたようでありますが、一カ所しか予算が通らなかったという集落の再編成についての十分なるいわば今後そういう体制に向かうような助成を当分続けていくべきだと思うのでありますが、それらの集落の再編成というような問題に関連して、私はそういった方向で対策を講ずべきである。確かに首都圏、中部圏、近畿圏にも過疎地帯はあると思うのです。しかし、全国画一的に一定の地域を指定することによって、将来またそれらの地帯は、同じ過疎地帯といっても行政指導その他で救われる地域であるわけでありますので、いわゆる過密地域の中の地域開発がどうあるべきかということと関連して考えられる地域であるので、いわば大きく人口が動き、将来の都市化をどうするか、あるいは農村地帯をどうするかというふうな大きな問題を内蔵しておる東北だとか九州というものに対して、いわばそれらの地域の振興方策としての立法措置を講じて、そしてこれが財政的な裏打ちをするということが必要であるような感じを、この総合開発計画の内容それ自体はともかくといたしまして、一応の見通しとしての人口の配分、あるいは昭和六十年にはこうあるべきだという経済企画庁の意図しておられるところから考えますと、そういう政策を私は立てるべきである、こういう考え方に立つわけでありまして、かりに応急措置をとるにいたしましても、あまりに人口の流出ということにこだわらずに、包含できる、対象にし得る町村は極力これを多くするということが、とりあえず応急対策の実際の効果を発揮するものであるというふうな認識に立っておりますが、一応恒久対策を立てる場合には、そういった配慮が必要ではないかというふうに考えます。いろいろ長年計画をしておられる宮崎局長さんの御意見を承りたいと思います。
○宮崎(仁)政府委員 ただいま御質問にもございましたように、昭和六十年度までの地域別あるいは都市と農山村との人口の配置というような点で見ますと、非常に大きな変化が出るということはそのとおりでございます。都市化の点で見ますると、昭和四十年度に四千八百万の市街地人口が、六十年には八千四百万、約三千数百万ふえる、農山村部では約五千万の者が三千六百万くらいになるという見方でございまして、その間にも相当大きな変化があることは当然でございます。また、農林漁業というような一次産業人口で、就業人口で見まして、先ほど御指摘のように、現在よりも半分以下になるというような動きが出るだろう、したがって、この地域の使い方につきましては、私どもは今度の計画で言いましたように、そういった地域全体を、特性を生かして活用していかなければならぬ、そのための新しい情報、交通のネットワークの整備であり、また産業開発のプロジェクトの配置である。特に工業等につきましては、すでに過密化しておる地域というのは限界に来ておりますので、今後はむしろ東北とか南九州とか北海道というところに大きく期待しなければならぬということが、この計画の中にも明確に書いてあるわけでございます。そういうことで、地域の姿は大きく変わってまいります。こういう大きな変化に対応します対策として、私どもはブロックの構想も考えていかなければならないし、またさらに生活面というようなことに特に重点を置いた場合には、この開発基礎単位としての広域生活圏というような形で、これは経済開発の問題もひっくるめまして問題の解決に当たっていく、こういうことがこの計画達成のための重大な実施手段になるわけでございます。 ただ、先ほども申しましたように、非常に人口の急減しておるような市町村、こういうところにつきましては、すでに問題が非常に深刻になっておるわけでございまして、これからもまたそういう事態がかなり進むであろうということから見ましても、特に財政、行政上の面では特別の措置が必要だ。これはただいま申しました全般的な動きに対しての基本的解決策ということにはもちろんならないと思います。しかし、そういう動きにおいて、非常に困難を生ずるであろうようなところに対して、むしろ地域を限ってきめこまかくいろいろの施策をやっていくということがやはり非常に重要なことである、こういうふうに考えておるわけでございまして、先ほども申しましたように、今度の法律がそういう面においては非常にいろいろの施策をお考えになったものである、こういうふうに私ども考えておる次第でございます。
○山本(弥)委員 そのあとの議員立法のことはお聞きしておらぬわけですから、あまりそう心配しないでください。それで宮崎さん、あなたのところで集落の再編成について、本年度三カ所の予算要求をされたが一カ所しか通らなかったということを聞いておるわけですが、この集落の再編成ということは、私は人口を減少し、あるいは快適な生活条件の整備をする上において当然起こってくる問題ではないか。それを中心に、必要のないところはそれでいいわけですが、必要のあるところは、それを中心にしていろいろな福祉施設あるいは生活条件の整備をはかっていくべきだというふうに、私どもの県におきましても非常に熱意を持って、年間二百回、あらゆる層、老人層あるいは若妻層、青年団、中堅農家というふうに各層と年間二百回にわたっての懇談をし、その地域住民の熱意でもって集落の再編成——これは今後の農業を機械化する上におきましても、積雪寒冷地帯の冬季間の村内の交通を確保するという意味におきましても、集落の再編成をすることによって、冬季間におきましても集落と集落を結ぶ道路を必ず確保するんだ、乏しい財政の中からそういう体制をとり、しかも健康を守ることについては国保で十分な努力をするという村があるわけですが、これは私は、当然理想的な村つくりということは、そういった必要に迫られた地域住民の盛り上がりのもとに集落の再編成をやるべきだ。これは全国に多く出てこないかと思いますけれども、しかし、急激な町村の今後の趨勢の変化によってはそうせざるを得ない実態に追い込まれる町村が出てくると思う。そうしますと、そういった問題について、本年度は一カ所ですが、将来何カ所かモデル的にこれを拡大していくというお考えはおありでしょうか。
○宮崎(仁)政府委員 今度の計画作業を通じまして、集落再編成の問題というのは非常に大きな問題になるだろうということでかなりの勉強をいたしております。私どものほうの検討の結果ですと、相当多数の集落においてそういう問題が起こってくるという考え方でございます。ただ、何ぶんにもこの問題は、いままで全然手がけたことのない仕事でございますので、国の事業あるいは地方公共団体の事業としてもしやるとしたならば、どういうような計画を立て、どういうような計画を立て、どういうような施策をしていくか、また、どういう問題があるのかということは、なかなかむずかしい問題がたくさんございます。経済企画庁はいわば手足もございませんし、私どものほうがむしろそういう意味での実験的な面で、特にプランナーは相当おるわけでございますから、そういう面で全国で何カ所かひとつモデルをやってみて、そうして、こういう形であるならば大体いけそうであるということがつかまえられましたならば、ひとつ自治省か農林省か、あるいはその他の省になるか、適当な省がございますと思いますが、そういう適当なところでお取り上げを願って広くやっていく、こういうことにしたいと思います。 実は話が少しそれますけれども、山村関係の事業としてやっておるわけでございますが、山村センターというようなものを三年ほど前からやりまして、わりあいにこういうものがいいかもしれぬということで、この事業なども私どものほうとしてはこの辺で手を引いて、そうしてどこか適当な省でやっていただくというようなことにしようかと思っておりますけれども、大体企画庁のやり方としてはそういうことで、モデル的な、パイロット的なところだけをひとつ手がけていきたい。具体的なものとしてはおそらく万を数える集落が問題になるだろうと思います。
○山本(弥)委員 建設省からお見えになっておりますので、だいぶ時間をとって申しわけありませんが、ちょっとお聞きしたいのです。 建設省におきましても地方生活圏ですか、ちょっと、名称は忘れましたが、そういう構想でいわゆる村づくりということで、ある程度まで村内の幹線道路あるいはこれに準ずる道路を整備し、あるいは他の町村との結びつきによって村内の施設の足らざるところを補うというような考え方で、道路の整備をモデル的に進められるというお考えと聞いており、しかもその幹線道路の整備によって、集落の編成といいますか、そういう問題もあわせて考えていくというふうな構想がおありで、本年度から調査を進めておられるということでありますが、その概況をちょっとお聞かせ願いたいと思います。
○今井説明員 それでは建設省のやっておりますことを御説明申し上げたいと思います。 本年は建設省予算としてとりましたものが五百六十七万一千円ということでありますが、これは八つの地建に一つずつ地方生活圏を選びまして詳細な計画をつくろうという予算でございます。それでは非常に不足いたしますので、ただいま経済企画庁に対しまして調整費の要求をいたしております。それがもしうまくまいりますと、全国各県に一つずつぐらい地方生活圏の調査ができるかと存じております。 そのいたします内容をかいつまんで申し上げますと、大きく分けまして三つほどございますが、まず一つは、その生活圏がどこであるか、まず圏域の設定をいたします。それから、それがきまりますと、その生活圏を幾つかの集落に分けまして、どこにどういう集落があるか、どの集落はどの中心と非常に密接な関係があるかというようなことを調べる。第三番目に、しからばそういった集落をどのように結べば地域住民の生活に対して非常に便利であるかというふうなことを研究いたすわけでございます。その三つを受けまして、さらに中心の都市につきましては地域住民のために必要な施設、たとえば病院であるとか学校であるとか云々の施設、どのような施設をやればよろしいかというようなことを調べてまいるわけでございます。
○山本(弥)委員 よくわかりました。 それで、その集落再編成に関連したようなところの資料も得られるわけですね。
○今井説明員 私どもの調べます生活圏につきましては、どの部落が集落再編成に該当するかというようなことがつかめようかと思います。
○山本(弥)委員 そうしますと、そのモデル的な調査に基づいてさらに全国的にそれらの問題の調査を進められる計画ですね。
○今井説明員 明年度以降の予算におきまして、今年度の調査のぐあいを見まして、もしこれがうまくいくようでございますならば全国的に広げていきたいと思います。
○山本(弥)委員 先ほどから宮崎局長が気にしておられる議員立法の中に、県が町村道についての代行をするということになっておるわけでありますが、大体市町村道というものは補助金というようなものはないわけなんですね。それで、これらについて県の事業として進められる際に、道路五カ年計画との予算の関連はどういうふうになるわけですか。
○多治見説明員 現在、道路は御承知のとおり道路整備五カ年計画で事業を実施しておる段階でございますが、その中で、市町村道につきましては、これは計画でございますので、詳細どこでどういうことをやるというところの事業までは具体的に書いてございません。したがいまして、その計画の中におきまして、そのときどきの重要と思われる路線につきまして事業を進めるという考え方で現在までやってきております。 それで、市町村道の実態を申し上げますと、大体特別な法律がありまして、緊急を要するというふうに立法的に措置をされております道路を優先的にやるということで、そういった関係の法律が十三ばかりございます。それに基づいて市町村道を実施しておるということでございまして、今回この法律ができました場合は、この法律に基づきまして指定されました重要な路線について五カ年計画の中で実施していこうということでございます。
○山本(弥)委員 府県道の整備につきまして、五カ年計画というものは、県としては、負担の関係もありますけれども、なかなか容易でない、市町村道まで手を伸ばすということについては。かりにそういった新しい立法ができたといたしますれば、町村におけるそういう指定地域の要望に基づいてある程度まで県が実施にかかってもらわなければならぬわけですね。そういう際に、やはり道路に対する県としての方針というものがあろうかと思うので、できれば別ワクにでもしていただかないことには、現実に県の予算に拘束を受けて十分実効があがらないという結果になりはしないかと思うのでありますが、その辺の配慮はどういうふうにしていかれるおつもりでしょうか。
○多治見説明員 全体的に申し上げますと、ただいまお話がございましたように、道路事業費は決してあり余っておるという状況ではございませんので、それぞれ限られた予算の範囲の中で事業を実行しておるわけであります。したがいまして、いまお話がございましたように、たっぷり予算をつけてやるというほどはいかないと存じますけれども、こういった特定の問題について立法措置が行なわれまして、これをやるのだということになりました場合は、計画の範囲内で相当な額をこれにさいてやるということも不可能ではないと存じます。
○山本(弥)委員 最後に大蔵省にお聞きいたしますが、自民党の議員立法については大蔵省もある程度の御了解があるというふうに聞いておるわけであります。先ほど新全国総合開発計画の考えておられる人口の流動化、特に東北あるいは九州、それに中国の裏日本、高知の南というふうに過疎状況が進行しておるわけであります。しかし問題は、私はいろいろな意味で県民の老齢化あるいは都市化、食糧供給県としての使命というような裏づけをもって農業問題にも取っ組んでいかなければならぬ。しかも農業人口が流動していくのだ、減少していくのだというふうないろいろな問題をかかえておる東北ブロックあるいは九州ブロック、これらは並行して同じ問題をかかえておるものが同じ問題をかかえておるブロックとして早急に手を打っていかなければならぬというふうに考えるわけでありまして、単にこの程度の予算ならばいいというような問題ではないと思うのです。一応了解があるにいたしましても、かりに——私は過疎地域を指定するということについても実は疑問を持っておるわけでありますが、そういう地域は過疎地域ではなくて、いわば農村計画に関連しての農村振興と地域住民の安定ということに重点を置いた施策を進めるべきである。今後はいたずらに人口がどの程度流出しておるから何とかしなければならぬという問題ではない。そういうふうに見ておるわけですけれども、しかし、かりに応急対策をするとするならば並行していかなければならない。しかし、結果においては、たまたまこの法律を適用いたすとするならば、東北の置かれた実態と九州の置かれた実態とは雲泥の相違なんです。東北の該当する町村は非常に少ない。このことは人口の流出というものがある程度までずれておるということも考えられるわけです。ずれておる原因は、東北の持つ寒冷地帯積雪地帯の一つのあきらめといいますか、あるいは景気のいいときには東京に出る、不景気のときには村に帰らなければいかぬ。東京では生活ができないというふうな生活を簡単に転換できないという過去の東北地方の置かれた気象あるいは地形あるいは県民性というものが、郷里を離れるということ、挙家離村ということができ得ないような体制になっておる。しかも、先ほど経済企画庁の開発局長が言われたように、今後開発の余地が残されておるとするならば、多少の流出はともかくとして、ある程度の人間は定着せしめなければならぬという実態に置かれておると思うのです。そうしますと、少なくとも政府が過疎対策について、あるいはこういったブロックに対する積極的な立法化による姿勢をとらないとするならば、最少限度議員立法で応急対策でも満足しなければならぬということも私は考え得ることだと思うのです。しかし、そういう特に同じ体制に置かれておる地域が、たまたま一定の線を引くことによってスタートから非常な狂いを生ずる。先ほど山中先生の答弁に出かせぎの問題を言われたのですが、挙家離村よりも出かせぎの問題が場合によっては深刻なんですね。出かせぎをすることによって残っておる家族の老人、婦人に対する労働の過重ということは、あるいは流産——先ほどのおもしろい話をお聞きしたのですけれども、せっかく一家の楽しみをたまに味わっても、そのものによって子孫の繁栄ができても、労働の過重からくる流産という悲惨な結果を招来する。あるいは子弟の教育といった問題も伴ってまいりますし、若年労働者が流動することによって村に明るさがなくなってくるという状態。それらを総合いたしますと、私は今日、不満足ながらも手を打つとするならば、救わるべき地帯は中国の島根、鳥取もありますし、あるいは四国の高知等もありますが、大きい地域、ブロック地域としての南九州あるいは東北一帯というものは、同時に応急対策が打たるべきである。予算に拘束されてやむを得ぬのだ、二、三年は待ったらよかろうというような問題ではない。ある程度まで、議員立法をすることによって大蔵省の了解があるにしても、私は金額は知れていると思うのですね。先ほど三ケタというお話も出ましたが、本年度は六百億という、府県と県庁所在地の都市、あるいは大都市周辺の地域について、人口の急増地域対策として都市政策の貧困からおそまきながら先行投資をするという交付税の配分をしたわけであります。かりに最小限度の百億が二百億になろうと、私はこれらの地帯の今後の展望に立っての対策を講ずるとするならば、そういう数字にこだわらずに、当然大蔵省としては予算的にも配慮すべきであるというふうに考えておりますが、秋吉さんの御見解を、事務的でけっこうですから承りたい。
○秋吉説明員 行政の最高判断というものは、私は国会だと思います。特に議員立法であれ、政府提案であれ、それはそれといたしまして、今回過疎の特別措置法案なるものが御提案をいただき、しかも、審議されておることは非常に喜ばしいことだと思っています。 ついては、御質問がございました二つの柱でございますが、よっていっている線はまずいじゃないか、もう少し、どちらかというと、農業とかそういったブロックとか、そういった角度からのとらえ方はないだろうか、こういう御指摘でございますが、それも一つの案かとは思います。しかしながら、従来からも、自治省スタイルと申しますか、一つの特別な財政援助措置を講ずる場合はどうしても一定の線を引かざるを得ないわけでございます。 そこで、過疎のとらえ方でございますけれども、この過疎のとらえ方を、農業振興という面からとらえるか、やはり人口が減少した結果、その地域社会の生活パターンが崩壊にきておるというような事態をもって過疎とするか。過密に対する過疎、こういったような観点からいたしますと、どうしてもやはり人口の減少率というものを一つの柱に考えるのがいまの段階では最も客観的な妥当な線ではないだろうかという考え方はあるわけでございます。 もう一つ、やはり財政力指数ということでございますが、これがやはり特別な財政援助措置を講ずるからには、従来からも御審議をいただきましたように、各種立法の財政支出について採用されており、現段階においては公正妥当な一つの柱である。その二つの柱を適用することによって過疎対策が非常に円滑な対策ができるのではないかと思います。問題の御指摘の全国総合開発計画のブロックとか、あるいは農業振興という問題については、これはまた別の問題といたしまして、政府部内においても関係各省において十分討議なされ、検討が行なわれるものと私は思っております。
○山本(弥)委員 そういたしますと、私が最後にお聞きしたいことは、そういう体制にあるところは同時に救うべきである。多少財政が変わっても、ことに東北地帯は人口密度の非常に低いところなわけですから、ある程度の減少によりましても地方自治体の運営には支障を来たすという体制のできるところであり、そういう意味において、大蔵省というのは、そういうのに議員立法であるならば、いわゆる過疎地域の指定についての——まあ理論がどこにあるか、理屈がどこにあるかはともかくといたしまして、ある程度で過疎対策を応急的にやるということであるならば、当然財政支出を平均をとれば、人口の減少、流出も平均をとっても理屈は通るじゃないか、それについて予算が増額することになりましょうから、その予算の増額は、先ほどから申し上げておるように、他に使っておる予算の使い方に比べると、五割増なり倍額になっても、私は大蔵省としては当然措置すべきではないだろうかということを御質問申し上げているわけです。
○秋吉説明員 議員立法の法律案の内容について、私どもがここで御答弁をするのはいかがかと思いますが、一〇%はどうかというような、財政力指数の平均をとったから、人口の減少率も平均をとればいいじゃないか、こういう御質問でございますが、やはり過疎の一番大きな原因というものは人口の減少ということが大きな柱だと思います。したがって、先ほど提案者でございます山中議員からるる御説明がございましたように、また学識経験者と申しますか、いろいろの書物を見ましても、やはり年率二%の減少ということはいろいろの本に書かれております。また、過去において幾たびも御審議を願っております地方交付税の人口数値急減補正でございますが、これも御案内のように、たしか一〇%というような数値をとっておるかのように私は記憶するわけでございます。
○鹿野委員長 関連して山口鶴男君より発言を求められておりますので、これを許します。山口鶴男君。
○山口(鶴)委員 いま秋吉さんは年率二%ということを言われましたね。年率二%で五年間減少したら人口は一体幾らになりますか。
○秋吉説明員 一〇%だと思います。
○山口(鶴)委員 ばかなことを言いなさい。一〇%ずつ人口が五年間減少したとしますね、そうしますと一体幾らになりますか。一〇%ですよ。〇・九掛ける〇・九掛ける〇・九掛ける〇・九掛ける〇・九——〇・九の五乗ですよね。一体幾らになりますか。
○秋吉説明員 私の説明が誤解を招いたかと思います。私は、五年間で一〇%ということを申し上げたかったわけでございます。
○山口(鶴)委員 違いますよ。あなたは年率二%減ということを、ちゃんと初めに言ったじゃないですか。議事録にちゃんと残っていますよ。年率二%減じたら一体人口は幾ら減るのか。これははっきりしなければだめじゃないですか。一〇%ずつ五年間減少した場合には〇・五じゃないですよ。〇・九の五乗ですよ。計算をしてみればわかりますが、人口は〇・五八四になるのですよ。そうでしょう。だから連続二%減だったら、これは〇・九八の五乗でなければならぬでしょう。幾らになりますか、一体。
○秋吉説明員 私の説明が、あるいは間違ったことを育ったかもしれませんが、私は、法案の、五年間で一〇%の減少ということを言うために申し上げたわけであります。
○山口(鶴)委員 年率二%減ということを言ったじゃないですか。議事録を見ればわかるんですよ。二%減——一年二%減じた、また二%減った、二%減が五年間続いたということでしょう。それが一〇%の減になるというふうに思っているところに間違いがあるんですよ。そうじゃありませんか。科学的じゃありませんですよ、そんなことは。
○秋吉説明員 私の申し上げましたのは、平均二%というふうに申し上げたつもりでありますが……。
○山口(鶴)委員 平均年率二%、五年間減ったら、〇・九八の五乗じゃないですか。〇・九八の万乗は幾らです、一体。秋吉さんが言ったから、私は聞いているんだ。
○秋吉説明員 私が申し上げたのは、あるいは誤解を招いたかもしれませんが、法律の趣旨の、五年間で一〇%の人口減少ということを申し上げて、比喩的に申し上げたわけでございます。
○山口(鶴)委員 それだったら五年間に一〇%減と言えばいいんですよ。年率二%減と言うから、これは〇・九八の五乗でなければならぬ。数学的にそうでしょう。違いますか。秋吉さんどうですか。
○秋吉説明員 私が申し上げたのは比喩的に申し上げたわけですから、あるいは誤解を招いたかとおわびいたします。
○山口(鶴)委員 そういうことは正確に言ってもらわなければならぬ。あとでまた聞きますから、関連ですからこれでやめておきましょう。
○山本(弥)委員 秋吉さんに私がお聞きしたのは、学問的にどれが過疎地帯といえるかどうかということじゃないのですね。過疎地帯、それは私どもは学閥的にはどうでもいいのです。同じような実態にあり、一つの線を引くのに、政治は実態に準づいて国の配慮がなさるべきであるということを言いたいわけなんです。だから、暖国と積雪寒冷地帯とは事情が違うし、あるいは過去の、その土地にすがりつく、あるいは日本の政治の好、不況によってみじめな状態に置かれた習慣というもので、郷里にかじりつくという体制ができておる、それが今後の体制としていいか悪いかは別といたしまして。そういたしますと、ある程度まで人口流出ということ自体よりも、その実態をつかまえた場合、農村地帯として将来食糧供給圏として健全な振興方策をとらなければいかぬという地帯については、今日現実に環境整備が十全を期しがたいという町村は、ある程度まで、財政力指数で平均をとれば、過疎地帯も平均をとるということによってそういう線を引くことによって、実態に即したような政治の手が及ぶじゃないか。そのことからいえば、一〇%減少にならなくても七・五の場合、財政の措置を、金額からいうと、先ほど申し上げたように、土地の先行投資なんかに比べるとおそらく少なくなるのじゃないか。そういった問題に対処するという議員立法であるならば、何も大蔵省としては——どういうふうな体制でやっても、それらのことを見て、負担にたえないというような実態になるわけではないと私は思うのです。そういうことについて大蔵省の見解、必要であるならばけっこうですということがなぜ言えないのか。学問を持ってこなければ、こういった政治の問題が解決がつかないという御答弁は不満なんで、大蔵省としては議員立法であればやむを得ませんというふうなことにならぬのか。そういう程度の多少の弾力性はないものかということをお聞きしているわけです。
○秋吉説明員 もちろん、議員立法でございますから、この問題について、政府はいまここで一〇%とか、あるいは弾力的な運用はどうかという御質問については、私が御答弁するなにはありません。いずれにいたしましても、議員立法の手続といたしましては、これは国会法五十七条に所定の手続がございます。それに従って政府といたしましては意見を述べる機会ということは別にあるわけでございます。その線もあろうかと思います。
○山本(弥)委員 どうも不満なんですけれども、大蔵省は一応かたいところであるしというところで、私どもで対処することにして打ち切ります。 なお、長いことお待たせしたわけですが、時間がなくなってまいりましたが、中澤参事官がおいでになっておりますので……。先ほどちょっと触れましたように、今後の農政につきまして、従来の施策というのは構造改善事業にいたしましても、一市町村一カ所、一カ所幾らというふうな金額の指定のもとに進めてまいっておるわけです。こういう格づけに対しまして、将来農政というものはどういうふうにお考えになるものか。やはり新しい計画を推進して、第二次農業構造改善事業も進められるようであります。やはり同じような一市町村一カ所とかいうような体制で進めるのは実態に合わぬのじゃないか。農業地帯は農業地帯のような施策を進めるべきではないか。ことに、過疎地帯に指定する指定しないによりまして、土地改良とかその他の農業施策が規格に合わないような規模が認められるわけなんですね。これは重大な問題だと思うのです。東北の秋田、山形の一部あるいは岩手の北上沿いというふうな水田単作地帯はともかくとして、山間の畑作にしても、あるいはその他にいたしましても、ある程度まで整備を進めようと思えば基準を下げなければならない。しかもこの地帯は、農業に重点を置かれるべき地域ということになりますれば、その実態に即したような農政が打ち出さるべきではないか、かように考えるわけですが、その点だけこの過疎に関連いたしましてお聞きしたいと思います。
○中澤説明員 先生の御質問は東北地帯を念頭に置かれての御質問かと存じますが、そういう場合に東北地帯の実態を頭に置いて農業施策を行なうべきではないかという御趣旨は、私はそのとおりだというふうに考えます。御趣旨のものにつきましてはそういうふうに考えます。 それから、第二次構造改善事業の実施の態様の問題でございますが、御承知のように第一次構造改善事業が終わりに近づいておりまして、第二次構造改善が考えられておるわけでございますが、第一次構造改善事業がまさに御指摘のようにいわば非常に点的な事業だというような御批判もあったし、実態も従来のような規模の構造改善事業ではかなり意味が小さくなってきておりますので、今回事業規模を相当大幅に広げたわけでございます。しかし、それとても、御質問は、やはり一市町村一カ所というような施策ではないか、まさにそのとおりでございますが、ただ地帯の実態に即するなり、あるいはまた農業の構造改善を行なっていくという場合におきましても、今後におきましては、特に構造改善事業一本がそういう趣旨の施策ではございませんので、特に先般両院の農林水産委員会で御審議いただきました農業振興地域の整備に関する法律というものの運用におきましては、まさにその地域に、農林省が持っておりますところの各種の施策を集中的に優先的に投入することによって御趣旨のような点を生かしていきたい、こういうふうに考えておるわけでございますので、やはり第二次構造改善事業の運営ということをお考えになる場合にも、それだけが一カ所だというふうにお考えいただかず、やはり広い意味での運用をはかっていきたいというように考えておりますので、御了承いただきたいと思います。
○鹿野委員長 細谷治嘉君。
○細谷委員 私は、政治の現在の恥部といわれております過疎問題、そういう問題について山中議員、仄聞いたしますと、三カ月くらいこれに頭を突っ込まれて過疎対策立法という労作をされて、政府の蒙を開いていただいたことについては敬意を表したいと思うのです。同時に、山中さんの立法は、後ほど御質問したいのでありますが、広域市町村圏構想なり、あるいは新全国総合開発計画等にあらわれておる中央集権的なやり方ではなしに、地方自治の本旨に沿うて立法された態度、こういうものについては、これまた心から敬意を表したいと思うのであります。ただ、いろいろ御苦労なさったのでありますけれども、残念ながら、新聞等に書かれてありますように対症療法の域を脱しないこともこれまた事実でありまして、どなたもこれではなお不十分だという感がぬぐえないと思いますので、もし万一国会の意向でこの原案等を相当程度修正したいということで意見がまとまるようなことがありましたら、提案者である山中さんも壁にならないように、一緒にその推進力になっていただくように、冒頭お願いをしておきたいと思うのです。 そこで、まず私は自治大臣に御質問したいのでありますけれども、地域開発立法と名のつくものはたくさんあるわけでありますけれども、今日地域開発立法で自治省の専管になっておるものはございますか、お伺いをいたします。
○宮澤(弘)政府委員 自治省の専管になっておりますのは幾つかございます。一つは辺地に係る公共的施設の総合整備のための財政上の特別措置等に関する法律、それからさらに奄美群島の振興のための法律、これもおっしゃる意味で自治省の専管であろうと思います。
○細谷委員 奄美群島とか小笠原というのは、これは例にあげないがよろしいと思うのですね。まあ新産なりあるいは中部圏、今度出ておりますいろいろなものについての財政援助についての自治省がお持ちの法律がありますが、いま辺地等に関する問題もあります。一つあげられたわけですけれども、大臣、先ほどおことばを聞きますと、各省にまたがっておるわけでありますが、大臣としてはたいへん評価していらっしゃるようでありますけれども、この種の法律を自治省が専管するのが妥当だとお思いなんですか、いかがですか。
○野田国務大臣 地域の開発振興策、これは細谷さん御承知のように各省にまたがるわけであります。自治省だけのいわゆる専管でやった場合にその効果がどこまであるか。目的はその振興政策、開発政策の効率をわれわれはできるだけあげたいということであります。その場合に、自治省の専管でやった場合がその目的を達成することが近いか、あるいは各省の協力を総合的に持っていってやったほうが効率があがるかというところでございますから、やはりその内容によって区分すべきものじゃないか、こう私は思っております。
○細谷委員 これは内容からいきますと私は疑問があると思うのです。これは理屈じゃなしに、先ほど提案者からも御説明がございましたけれども、この立法の柱というのは過疎債です。過疎債について交付税で見てやる、このいうことがしたがって柱になってまいりますから、そういうことで自治省が押しつけられたのじゃないのですか。そうじゃないですか。
○野田国務大臣 私は押しつけられたとは思っていない。つまり過疎債、それから交付税の傾斜配分といいますか、こういうことを含んでおりますから、実態的に所管省は自治省がやるべき性質のものじゃないかと思うし、また自治省がやるべきものではないか、こう考えておりますから、無理やりに自治省が押しつけられたということは感じておりません。
○細谷委員 無理やりにということは別として、言ってみますと、大黒柱のそのささえは交付税でしてやるというわけですから、無理やりじゃなくても、そういうことから自治省にこの法律が回ってきた、こういうふうに言ってよろしいのではないかと私は思うのです。これについてはもう答弁は要りません。 そこで、お尋ねしたいのでありますが、自治省はいま広域市町村圏構想というものを発表されまして、いま至るところでこれのPRに努力しておるわけでありますが、これは何をねらっていらっしゃるのですか。
○宮澤(弘)政府委員 関係局長がおりませんから、便宜私から答弁をさせていただきます。 先ほど経済企画庁の関係局長からも御答弁を申し上げましたとおりでございまして、現に日本全国にわたって社会経済情勢が非常に変わってきておりますけれども、特に大郷市圏を除きました各地域におきましては、一つの都市を中心にいたしまして、周辺農山漁村部を一体にいたしました一つの日常生活圏と申しますか、そういうものが形成されつつあるわけでございます。そういう事実を前提にいたしまして、一つの圏域に属します関係市町村が一体となって計画をつくり、事業を執行していくことが、結局関係住民の福祉を向上することにつながる、こういう考え方のもとにそういう政策を打ち立てているわけでございます。
○細谷委員 これは過疎対策ということは考えていらっしゃるのですか。
○宮澤(弘)政府委員 これは趣旨の中にもうたっているところでございますけれども、そういうような地方の広域的な生活閥を整備いたしますことが、一方においては過密対策にも資することになるし、過疎対策にも資することになるであろう、こういう考え方をいたしております。
○細谷委員 そうしますと、過密対策であり過疎対策でもあるということですね。端的に申し上げますと、過疎対策ということでしょう。過疎と過密というのは同居しておるというのだから、そういうことでしょう。
○宮澤(弘)政府委員 これが過疎対策なり過密対策のすべてであるとは思っていませんけれども、先ほども申しましたように、そういう地方の生活欄を整備いたしますことが結局過密対策にも資することになり、過疎対策にも資することになる、そういう意味で過密と過疎の両方に関連があるということでございます。
○細谷委員 それはことばのあやで、過疎対策をやれば過密対策にもなるだろうし、過密対策をやれば過疎対策になるというので、広域市町村圏構想というのはこれはやはり過疎対策の重要な柱としてお考えになっておるわけでしょう。そう理解してよろしいですね。
○宮澤(弘)政府委員 過疎対策の一つの柱だろうと思っております。
○細谷委員 大臣、せんだっての新聞で書いてあったことでありますが、ことしはすでに四十一について指定をした。あと残りの十一ですか、五十二を予定しておるわけですから、これを指定する。来年はこれを——この次の通常国会でありますが、立法措置を講じたいという談話を発表なさいましたね。そうではありませんか。
○野田国務大臣 立法措置を講ずるという断定的な談話は述べておりませんし、広域市町村圏の新しい構想とその経過を見ながら、立法措置まで踏み切るかどうかはまだわかりません。一応広域市町村圏の発想以来、今度四十幾つか指定したのですが、相半期待されておりますから、これが相当効果があるということになりました場合に、そこにまた経過上どうしても立法措置が必要だという場合は、これはまた考えなくちゃなりませんが、今日の場合直ちに立法措置を講ずるということは言っておりません。それは新聞にも、経過を見て検討しようと書いてあると思います。
○細谷委員 これは七月二十九日の新聞ですが、大臣おっしゃるように断定的ではありませんけれども、「「自治省としては、今年度の広域市町村圏計画の実施状況を見たうえ、次の地方制度調査会で法案を検討してもらう考えだ」と答えた」、こうなっておりますがね。
○宮澤(弘)政府委員 ただいま大臣から御答弁を申し上げましたが、細谷委員おっしゃいますように、現在地方制度調査会におきまして広域市町村圏の問題について御検討願っている段階でございます。したがいまして、地方制度調査会の答申いかんによりましては、将来立法措置を講ずるということもあり得るかと思っております。
○細谷委員 宮澤さん、ことしあなた方のほうは、最初立法措置を講ずるつもりであったのでしょう。いろいろな支障があって、ことしは八千万円の予算で五十二ばかり試験的にやるということになったのでしょう。そういうことでしょう。ですから、地方制度調査会なんていま言っておりますけれども、地方制度調査会なんて知っちゃおらぬでしょう。最初からもうやるつもりであったのでしょう。それをいろいろな事情でことしは延ばしたわけだ。八千万円で五十二カ所ばかり指定しようということになったわけですが、地方制度調査会で検討しておることも事実。まあ検討しているということになると、さっき過密、過疎の両面やっているんだということであります。いまの第十三地方制度調査会というのは、過疎、過密というような現在の社会経済の激変に伴って、この辺のものを検討してもらいたいが、まず過密問題から入ってくれというのが大臣の諮問だったんですよ。ところが、過密問題から入ると思ったら、一番に説明しようということで長々と自治省が地方制度調査会で説明したのがこの広域市町村圏構想ですね。ですから地方制度調査会の名前を出すことは、いま出しておりますけれども、これは少しおかしい。もっと自治省は独走したかったんでしょうけれども。 ところで大臣、地方制度調査会の答申がどうなるかわかりませんけれども、現に五十二カ所、すでに四十一カ所やりましたね。平均人口が十万程度ということのようでありますけれども、指定したところの四十一カ所を見ますと、最低五万から三十万くらいの範囲にずいぶん散らばっているようでありますが、しました。これはいずれ法律で法制化していくでしょう。これと一体今度の山中さんの過疎対策立法というのはどういう関係を持つのですか。
○野田国務大臣 広域市町村圏というのは先ほど官房長がお答えしたとおりで、過密、過疎の一つの柱として考えていく。今回議員立法で提案されております過疎対策の特別措置法でございますが、私はやはり、これは広域市町村圏内における過疎地帯というものに——この法律が成立しまして、さらにこれを強化するということは、やはりわれわれの目的の一つである過疎対策に非常な効果がある。決してこれは矛盾するものではない。特に過疎地域に対する特別措置というものがさらに強化されていくのですから、われわれの目的にはずれるものではない、こう考えております。
○宮澤(弘)政府委員 補足をしてちょっと申し上げたいと思いますが、いま御審議になっておられます法案を拝見をいたしますと、たとえば第四条の過疎地域の振興方針というところを拝見をいたしますと、「都道府県知事は、振興方針を作成するに当たっては、過疎地域を広域的な経済社会生活圏の整備の体系に組み入れるよう配慮しなければならない。」こういうような条文もあるわけでございます。過疎地域の問題を単に過疎地域の市町村だけ孤立的にとらえるのでなくして、やはりそういう広域的な社会生活圏の中に組み入れていく、こういうお考えがあるように拝見をいたしました。そういう点におきましてつながりを持っているというふうに私ども考えます。
○細谷委員 大臣、八月一日号のジュリストという雑誌を見ますと、あなたの部下の遠藤という人がここにいらっしゃるのです。その人が論文を書いておるのです。その末尾のほうに「広域市町村圏の振興整備については、国及び都道府県ができる限りの援助措置を講ずることとしたいと考えている。本年度は主として調査及び計画が中心となり本格的な、実施は昭和四五年度からとなることでもあり、」と書いて、「必要な一定の事業に要する経費についての地方交付税等における特別措置を講ずることとしているが、」云々と書いて、そうして新全総計画との関連で、「広域市町村圏計画を基本として国の各種施策が調整されることにより、国の統一ある地域政策を推進する体制を整備することは、この構想を結果させるための最大の課題であると考える。」なかなかうまいことを言っているのですね。そうして、過疎立法でもやりましょう、これも交付税で見てあげますよ、広域市町村圏も交付税でやりますよ、たくさんあるわけです。あとでお聞きしますけれども、企画庁のほうは、新全総計画で、いろいろなこの種の立法は統合すべきである、こう言っておるのですけれども、これも重要な柱だ、これも重要な柱だと……。ところが、論文のほうでは、統合すべきだ、交付税だけではいかぬのだ、もっと国の強力な施策が必要なんだ、こう言っているのですよ。ですから何を一体自治省は考えていらっしゃるのか私はわからないのですが、これはどうなんですか。
○宮澤(弘)政府委員 地域立法の整理と申しますか整備につきましては、先ほど経済企画庁のほうから御答弁があったとおりでございますけれども、私どもは地域立法を整備することが即国から金を出さないということではないと思うのであります。やはり、いまたくさんある立法、これは事実でございますが、これを各地域の特性に応ずるような体系に組み直していく、こういうことではなかろうかと思っております。広域市町村圏と過疎立法との関係につきましては、先ほど申し上げましたとおりでございまして、過疎地域というものを広域市町村圏の中に組み入れて考えていくということでございますので、私どもといたしましては、体系として別に矛盾をしているというふうには思っておりません。
○細谷委員 広域市町村圏というのは、一つの中心都市でその周辺に町村を含めておおむね十万くらいを一つの単位にして全国に全部かぶせるというわけでしょう。その数は四百とかあるいは五百といわれているわけでしょう、構想は。そこでやはり議会的なものを持つのですよ。そうして計画をつくるわけですよ。その計画の中には当然過疎対策も含まれた計画ができるでしょう。そうでしょう。今度の立法は現在の市町村単位でやっていくわけですよ。今度の立法は、私は冒頭山中議員に感謝申し上げたように、市町村というのがやはり華盤になってやっていくわけですよ。広域市町村圏というのは、何のことはないでしょう、国の全総計画、それに基づいて府県がつくっている計画、その計画のワク内において広域市町村圏計画というのができてくるでしょう。言ってみると中央集権的なものですね。中央がぴしゃっとかぎを握っているわけですね。そうして広域市町村圏、一つの対策か何か知りませんが、その周辺の市町村を含めた多数の自治体が寄り合ってできるわけですね。各自治体ではまた過疎対策は進められる、その方向が、片や中央集権、片や地方自治の本旨にのっとっていくものでありますから衝突が起こるのは必然ですよ。しかも大臣は、四十五年度から本格的にやる、今度の過疎立法も四十五年度の予算を目がけて立法をされようとしているわけですね。ですから、この間の説明をうまくしていただかぬと、出発点からわからない。どなたもわからないですよ。そうなってまいりますと、どうも困り抜いておる。過疎というのは、あめ玉くらいしゃぶらせてやろうか、こういうようなものになってしまいますよ。ですから、わかりやすく説明をしていただきたいと思うのですよ。いままでの答えではわからぬ。これも必要だ、これも必要だ、言ってみますと異質のものですよ。それが交付税で両方から金がいくでしょう。これは困ったことだと思うのですよ。 そこで、その問題は、まあ大臣お答えがないものですから、ひとつ次に、同じようなことが建設省でまたできてきているのですね。これをちょっとお聞きしたい。 ことしの六月六日に、建設省の事務次官名をもって「都道府県建設省所管施設整備基本計画における地方生活圏の設定について」こういう通達が出まして、追っかけて建設省計画局長名で六月十三日に、「地方生活圏の設定について」という通知が出されております。それを読んでみますとこう書いてあります。「このような都市化と広域化に対処しつつ過密過疎問題を解決し、国土の均衡ある発展を図り、住民があまねく高度の生活水準を享受するようにするためには、幹線交通網の整備等とあわせて地方住民の基礎的生活条件の確保を図ることが必要である。」こう書いてありまして、そして自治省の広域市町村圏と同じように基礎集落圏、一次生活圏、二次生活圏、そして地方生活圏というものがこういうふうにできるわけですね。そしてその人口というのは、おおむね十万から三十万ぐらいだ、全国百五十ぐらい設ける、こうおっしゃっているのですね。自治省が四、五百設けよう、建設省は百五十ぐらい設けよう、こう書いてあります。そして、すでに始めていらっしゃるようですね、先ほどのお話ですと。ここに書いてある構想、間違いないですか。
○今井説明員 ただいまお読みいただきました通達文は間違いありません。そのとおりでございます。
○細谷委員 大体において東京、名古屋、大阪等を除いて全国にあまねく網を張りめぐらす、大体その数が百五十ぐらいになるだろうといわれておりますが、それも間違いないですね。
○今井説明員 ただいま各県の作業中でございますので、しかと数はわかりかねますが、おおむね二百前後であろうかと思います。
○細谷委員 二百前後。自治省は四百か五百ぐらい。まあ建設省のやつは、「幹線交通網の整備等とあわせて」と書いてありますが、内容はあまり変わってないですね。これと広域市町村圏というのは、どうどこが違っているとお思いなのか。建設省はどう思っているのですか。
○今井説明員 目的は全く同一であろうかと思いますが、建設省がこの構想をいっております大きな主眼は、公共施設の計画的な整備というものに置いております。それに対しまして、広域市町村圏のほうは、先ほど山中先生の御説明にもありましたが、行財政の整備というふうなものに主眼を置いておられるように承っております。そこらあたりの主眼の置き方によりまして、生活圏の範囲の大きさが若干狂ってきておるのじゃないかと思いますが、このために両省で話し合いまして、地方公共団体がいろいろこれをいたします場合に、施策の重複あるいは作業の混乱が起こらないように、ただいま緊密な連絡をとりながら進めておる状況であります。
○細谷委員 これは両省で話し合いながらといったって、一つは百五十か二百くらい、一方は四百か五百くらい、こう言っていて、そしてその内容も、先ほど申し上げたように地方生活圏構想というので、一方の自治省のやつは基礎集落圏、一次生活圏、二次生活圏、三次生活圏、こういうように区別しているんですね。一向かまわぬですよ。 〔委員長退席、保岡委員長代理着席〕 道路あるいは住宅等を建設省がやるのはあたりまえのことですよ。私が申し上げるのは、自治省の広域市町村圏と建設省の地方生活圏構想というものと、内容は同じようなものでありますけれども、たいへん食い違っておるんじゃないか。どういうふうに一体調整していくのですか。重なり合わないのですよ。建設省の構想は、百五十か二百設けたものは、東京と名古屋と大阪のほうは別途また都市的な圏をつくると言っておるのです。ところが、自治省は全国に網を張りめぐらして四百か五百ばかりつくると言っておるわけです。人口十万ぐらいでありますけれども、どうも指定したものを見ると五万から三十万ぐらいに広がっておる。この辺の関係は一体どうなるのか。大臣どうお思いになりますか。自治体は困りますよ。自治省の生活圏に片足突っ込み、建設省のほうに片足突っ込んで、そして圏は違うということだって出てくるんです。これはどうなりますか。こういう問題もやりませんと、これは地方はまいっちゃうですよ。しかもこれは厳として中央集権ですから。どうお思いになるんですか。
○宮澤(弘)政府委員 自治省のほうの広域市町村圏も、大都市なら大都市の地域内というものは別の考え方でいくという点においては、建設省と同じであります。ただ、ただいま細谷先生おっしゃいましたように、自治省が現在考えております数は四百ぐらいになるかという見通しを持っております。建設省のほうは公共施設の整備、特に道路に重点を置かれると思うのでございますが、そういう点で数が少なくなっております。したがいまして、一つの市町村が全然別の圏域に属するということになりますと、おっしゃいますように地方としてはたいへん迷惑でございます。そこで、ただいまいろいろ事務当局の間で調整をいたしておりますが、建設省の地方生活圏と自治省の広域市町村圏がぴたりと合う場合もございます。それから地方生活圏の中に広域生活圏が二つ入るという場合もあり得ると思います。しかし、全然一つの市町村が別の圏域に属することになるようなことはないような調整はやっております。 それから、現実の問題といたしましては、地方の実態を一番よく知っております者は知事でございますので、知事の段階で両圏の調整というものをやってもらうようにやっているわけであります。
○細谷委員 知事が一番よく知っている——あとでまたその知事の権限というのがあやふやになってくるのですから、またその辺は質問しますけれども、まあ四百か五百という、四百五十ばかりの広域市町村圏と建設省の地方生活圏と合いっこない。この間私は「都道府県展望」という雑誌だったと思うんですけれども、建設省の担当の人たちと長野行政局長とが来ているんだ。そして、地方のほうはこれは早くまとめてもらわなければどうにもなりません。私は今度は自治省のきめた広域市町村圏のほうに入りますと言ったら、建設省で、おれのほうに入らぬからおまえの道路の予算を削るぞとやられる心配があるわけですから、これは何とかまとめてほしいと言っているわけです。しかし、四百五十と百五十か二百と、まとまりっこないですよ、これは。ですから、地方はたいへん混乱しておるのですよ。で、長野さんはどう言っているかというと、まあぶつかるところまでやっていけばいいではないかということだ。建設省と自治省の広域市町村圏がぶつかるところまでやっていけばいいという。四十四年はぶつかりませんよ。建設省が六カ所か八カ所か指定するわけですね。最近新聞にもいろいろその解説が出ております。茨城県にモデルをやっているというように出ております。自治省のほうは四十一、やがて五十二指定するのでしょう。それが四百五十になると、四十五年度から本格的に両方ともやるというのですから、ヨーイ、ドンでいくわけですね。一方は四百五十、一方は二百というのですから、まとまりませんよ、これは。ですから私は、四十五年、四十六年にはぶつかりますと言うのです。ぶつかったときに迷惑を受けるのは地方団体ですよ。こんなばかげたことはないと思うのです。 そこで、建設省のほうにお聞きしますけれども、この場合に、さっきもお答えがありましたけれども、県のために道路というのは別途指定するわけですね。あなたのほうの権限でないものをどうするのですか、これは。
○今井説明員 たいへん申しわけございませんが、県のために道路でございますか、ちょっといま先生の御質問の趣旨がよく聞き取れませんでしたが……。
○細谷委員 あなたのほうは指定なさるでしょう。それには国道もあるかもしらぬ、府県道もあるのかもしらぬ、市町村道が大部分あるでしょう。それと、第五次の道路計画、これも六兆一千億かでありますけれども、最近の新聞によりますと、道路の目標達成はできそうもない。これは秋吉さんが悪いのだけれどもね。それとは別に圏域内の市町村道の中から生活圏道路というものを別ワクに設けてそれを指定なさるわけでしょう。そして、解説によりますと、その指定された生活圏道路については市町村道向けの予算を重点的に配ってやるというわけですから、これはもうなわ張りを確保するにはたいへんなことですわ。さっきも不規則発言がありましたけれども、四十四年度に千六百八十億ばかり市町村道の予算がある。それを重点的に指定した地区に配ってやるというのですから、最初指定されたところはたいへんいいわけよ。ところが、そうでないところの市町村道は、同じワクですから予算はきまっちゃってるのですから、減ったものしかもらえないわけですね。それでもいいでしょう。総花的よりも重点的にやるのもいいでしょう。いいでしょうけれども、別ワクで設ける、こういうことなんでしょう。別ワクというのはどの程度設けるつもりですか。新聞等を読んでみますと、道路の五カ年計画からはずれている道路をいわゆる地方生活圏道路として大体五%から一〇%ぐらいは指定するようですね。そうですか。
○今井説明員 ただいまの記事でございますが、たぶんこれは、千六百何十億と申しますのは地方道全体の予算であろうと思います。したがいまして、本年度道路局で地方道に対していたしましたのは、過疎の非常に激しい県の地方道に対して重点的な予算の配分をしたということでございます。この地方生活圏というのはまだこれから調査するわけでございますので、それに対してすでに四十四年度から配分したということではないのではないかと思います。
○細谷委員 ことしからやっているんでしょう、試験的に。試験的にぶつかったのはどうも割りがいいかもしらぬけれども、全くモルモットですよ、市町村にとっては。自治省も五十何カ所試験的にやっている。こちらのほうも試験的にやっているというのですから、モルモットみたいなものですよ。たいへんなことです。 そこで、もう一つこれに関連して企画庁にお尋ねしますが、企画庁はまた広域生活圏というものを持っているのですね。自治省の広域市町村圏、建設省の地方生活圏、企画庁の広域生活圏、どこがどういうふうに属するかわからないのですけれども、まあとにかくこの新全総計画に書いてあるわけです。これは閣議決定されたものです。これは五月三十日に閣議決定されたわけですから、まだ具体的にはできておらぬでしょう。広域生活圏と書いてあるのですが、この広域生活圏というのは建設省のものと、それから自治省のものとどういう関係がございますか。
○宮崎(仁)政府委員 いまお聞きしておってよく承知したわけでございますが、私どもがこの全総計画の開発方式の一環として広域生活圏ということを出した趣旨は、いま自治省や建設省のほうで御説明になったのと全く同じといっていい考え方だと思います。そしてこの広域生活圏として提示しました計画の発想を現実に具体化するために、いま自治省、建設省それぞれ調査、計画の仕事をやっていただいておる。それぞれ行政の分野も若干違うわけでございますから、圏域のとり方等につきましてまだ意見の調整が十分でないという点は御指摘のとおりだと思います。また、こういう仕事でございますから、当然この圏域に入ってまいります関係の市町村、府県においてもいろいろこれについて御意見が出るだろう、こういうふうにも考えております。私どもは、そういった各省の今年度やりますところの調査の結果、それから各地方公共団体からも出るであろういろいろの御意見、そういったものをいろいろ御連絡を願いまして、最終的にはこれは全体の形として政府が一本で進めるように調整してまいりたいと考えております。 先ほど建設省のほうからもお話がございましたけれども、今年度の調査区域が自治省のほうと建設省のほうで数の点も合いませんので、少し建設省のほうが数が足りませんから、同じ区域をできるだけひとつ調査をしていただくということによって、ただいま御指摘のような問題点をはっきりと差異を出してもらう、そしてこれをどうまとめるかというようにやっていくことがいいのじゃないか。新しい仕事でもございますし、非常に広範囲な関係もございますから、最初から政府が、われわれの圏域はこれだということできめて押しつけていくというのは、かえってこういう問題に対してはいい方法ではない。むしろ今度の全総計画の考え方からも、地方の自主的な考え方というのを、開発構想においても積極的に出していただくという姿勢でございますので、今年度のところは、最初でございますから、しかも調査の段階でございますから、いろいろそういう問題点が出るだろうと思います。それはまた地方公共団体の側からいいまして若干御迷惑の点もあるかもしれませんけれども、私は、考え方の基本も一致しておりますし、施策の方向も一致しておるのですから、このようなことが政府として一本にまとまらないはずはない、こういうように考えております。
○細谷委員 あなたのことばだと、一本にまとまらないはずはない、建設省のやつを少しふやしてもらえばいい、二百を倍ぐらいにしてもらえばいい、こういう意味ですね。そうなってまいりますと、あなたのほうの全総計画にはこう書いてある。「この生活圏域を広域生活圏としてとらえ、圏域内に諸施設を適正に配置し、住民に一定水準の生活環境を保障する必要がある。」「この広域生活圏の組織については、そこで処理される事務の種類、圏域内の市町村の一体化の度合等に応じて選択が可能なように措置されるべきで、この場合、圏域が全体として、一体的な協力のもとに機能分担できるよう配慮すべきである。」というのですから、これは一つの自治体ですよ。それはちょうど広域市町村圏とあまり変わらぬものですね。ですから、言ってみると、あなたのほうの構想というのは、どうも四百か五百くらい考えている自治省の構想にお近いようですね。 そこで、先ほど、知事がおるから心配ない、建設省と違っても心配ないというおことばがあったんですが、あなたのほうの構想では、その次にこう書いてあるんですね。「主体性を持った広域行政体制の整備について検討する。」というんですから、これは道州制的な構想ですね。そうしますと、知事の権限というのは、自治省に近い考えを持っておる広域市町村圏の中では、だんだん及びませんよ。あなたのほうの考えは、国、そして主体性を持った広域行政体制を整備される。府県というのはだんだん先細りになる。そして、それが広域生活圏構想は自治省の広域市町村圏に近いものでありますから、四百か五百くらいの広域市町村圏、その上に主体性を持った広域行政体制というのができる。そして国がそれを支配するというかっこうになるんですから、知事の権限はあまりないですよ。その辺はどうなりますか。
○宮崎(仁)政府委員 ただいま第三部の該当のところをお読みになりましたが、この「広域開発行政の推進」のところは二つに分かれております。第一が広域生活圏についての問題、第二が府県の区域を越える開発行政の問題、こういうふうに分けて書いてございます。 そこで、この広域生活圏に関する問題としては、ただいまお読みをいただきましたような考え方でございますが、これが別に自治省のお考えと矛盾しているとは私、もちろん考えておりませんが、といって建設省のお考えがこれに矛盾しているとも考えておりません。大体ものの考え方は、両省のお考えは非常に近い。ただ、確かに圏域のとり方につきまして、交通体系を中心のような考え方で見た場合と、地方の行政財政というような面を中心に見た場合とで、ものの見方に若干違いがあるだろうというのは御指摘のとおりだと思いますが、またこういう圏域というものは、大体日常生活圏的なものでございますから、交通体系の整備が進むに従って圏域が広くなるというような変化もあるだろうと思います。 〔保岡委員長代理退席、委員長着席〕 しかし、いずれにしましても、こういう施策を国として取り上げていくという場合においては、まず第一に必要なものは、その地域の住民あるいは市町村、そういう方々の意向というものがやはり十分に反映されなければならぬ。したがって、圏域のとり方等につきましても、私の考えとしましては、国のほうが一方的にきめて押しつけていくというようなものではない。むしろこういう調査の段階を通じていろいろとそういう御意見を取り上げてまいりまして、それを制度にするなりあるいは事業にするなりする場合に、そういう考え方を基礎として圏域をきめていく、こういうことであるべきであろう、こういうふうに考えております。 いずれにしても本年度は調査の段階でございますから、そういう結果が出てまいるのはもう少し先になると思いますが、そういう段階で企画庁としても十分お打ち合わせをして、これが円滑にいくように努力してまいりたいと思います。 この広域生活圏における組織の問題等につきましては、画一的にどうすべきかというようなことまで私どもは詰めてはおりません。これはこれからのそういった調査の結果によって、どういうような形がいいのかということが出てまいると思いますが、その場合でも全国画一的にやるようなことになるのか、あるいは若干バラエティーを持つようになるのか、その辺はこれからの検討問題であろうと思っております。
○細谷委員 通産省いらっしゃいますか。あなたのところで最近「工業開発の構想(試案)」というのが出ている。それを読んでみると、工業開発の最後の結論めいたところにこう書いてあるんだな。「第一に、広域行政運営の問題である。」「今後の工業開発が大規模化することは必至であるが、これが円滑に進められるためには、市町村において、また、都道府県において必要に応じ広域的な行政運営が行なわれることが期待される。なお、ブロックを単位とした地方行政機構についても検討が進められることが期待される。」こう書いてあるんですよ。これはどういうことなんですか。これは新全総計画の構想を取り入れたということですか。
○黒田説明員 ここに書いておりますのは、たとえば水の問題などいろいろ関係する分野が多くなってまいりますので、そういうようなことを頭に描きながらこういうようなことを書いたわけでございます。 以上でございます。
○細谷委員 水の問題は、これは河川法です。河川法は、そういうこともあるもんですから大体国で管理するようになっているんでしょう。まあ水利権等の問題で知事の権限等もありますけれどもね。これを読みますと、「都道府県において必要に応じ広域的な行政運営が行なわれることが期待される。」水の問題等がありますから、都道府県よりももっと広域的な、ブロック的な行政が期待される。「なお、ブロックを単位とした地方行政機構についても検討が進められることが期待される。」というんですから、これはあるいは広域市町村圏構想あるいは地方生活圏構想というものに近いものを描いているかもしらぬ。明確じゃない。しかし、これは四十三年十二月二十三日でありますから、新全総計画の二次案か三次案段階くらいで、最終結論が出ないときでありますから、大体新全総計画の構想と符合するものだと考えなきゃならぬと私は思うのですね。そうでしょう。水の問題は建設省の所管ですが、工業開発の構想という形で、ブロック別にどういうふうになるだろうという適当な数字が並べられておるのですが、行政機構について県や市町村なんというのは、通産行政については権限持っていませんよ。それにこんなことを言う必要があるのですか。一言いっておかなければ、あとで足を突っ込めないからという意味ですか。これはどういうことですか。
○黒田説明員 一言いっておかないと、足を突っ込んでおかないといけない、そういうような気持をもって言ったのではございませんで、ブロックを単位とした地方行政機構の検討というものが全般的に必要とされるような、そういう情勢になったと判断しておりますので、このように書かしていただいた次第でございます。
○宮崎(仁)政府委員 御指名ございませんが、私からその経緯をちょっと申し上げておいたほうがいいかと思います。 ただいまお話しのように、通産省の工業開発構想は、私どもの新全総計画の作業の第三次案ぐらいのときに、いわば新全総計画における工業開発の立地的な配分をするにあたって、どういうふうな考え方でやるべきかということについての通産省としてのお考えを出した資料である、こういうふうに私ども連絡を受けまして、十分勉強もさせていただきました。 そこで、この中身になりますと、御承知のように新全総計画でも、特に遠隔地に大規模な工業基地をつくらなきゃならぬということは出してあるわけでございますが、具体的に大規模工業開発プロジェクトとして出した西瀬戸内というようなところを見ますと、関係県が四つぐらいになってまいります。あるいはもう少しふえるかもしれません。そういうふうなことになってまいりますと、いままでの新産業都市あるいは工業整備特別地域あたりでやっておったような工業立地政策の考え方ではなかなか進められない。工業基地そのもののつくり方において、いわば府県との関係などを見ましても、広域的な処理ということが必要になるだろうというような点が出ておるわけでございまして、新全総計画の中では、それを先ほど御指摘のようなことで全般として書いてございますが、工業の面でも同じような問題意識が出た、こういうふうに私どもは読んでおるわけでございます。
○細谷委員 農林省いらっしゃると思うのですが、広域農業圏構想というのはございますか。
○中澤説明員 現在のところ具体的にございません。
○細谷委員 農業開発構想というのはございますか。——私は、いま過疎問題をやっておるわけですけれども、過疎問題というのは何といったって農山漁村ですよ。農山漁村に農業開発構想というのが伴わないで工業開発構想がある。その親というのが新全総計画でしょう。農業開発構想なりあるいは広域農業圏構想とかいうものはないということでありますと、なわ張り争いも、つばつけたほうが勝ちだという形で、政府全体としては足並みがそろっておらぬ、そういうふうに申さなければならぬと思うのですね。 そこで、企画庁にお伺いしたいのでありますけれども、農林省はないというのですよ。いいですか。あなたのほうのこの新全総計画四八ページを見てごらんなさい。「農山漁村の環境保全のための主要計画課題」「(1)農林漁業地域における環境の整備」これについて「集落および集落施設その他環境条件の整備」、日常生活圏の広域化、集落地区の移動、集落の再編成、いろいろ書いてある。「人口激減山村における生活条件の保全」と書いておりまして、そして「このような人口が激減し、き薄化する山村地域については、地域住民の意向に応じ、より高い生活環境施設水準の享受を可能とする集落の移転統合、離村者のための職業訓練等の円滑な実施を図る。一方、極力生活の場としての条件を保全するため、道路の整備とあわせて通信施設、機動力を用いた巡回システム等を整備するとともに、地域の実情に即した社会保障施策の充実に期待する。」と書いてある。期待するだけですか。農林省は計画はないと言うのですよ。これには逓信のほうもある、運輸もあるのですよ。いろいろあるのですよ。期待するだけですか。そして「さらに、このような人口が激減し、き薄化する山村地域の生活の拠点とするため、域内住民の日常生活環境施設需要をほぼ充足する機能を備えた地域生活センターを設置、充実する。」、これは、まあときどきやっているようですがね。期待するだけですか。
○宮崎(仁)政府委員 ただいま御指摘の点、まさにわれわれが計画において環境保全という名前を使っておりますが、要するに、生活の面として非常に重視をした点でございまして、農山村地域においても——従来とかく農林漁業の生産対策と申しますか、そういう面が非常に重視されてやられておりますけれども、やはり農村を中心にした生活の面ということも含めて考えていってもらわなければならぬ、こういうことで課題が書いてあるわけでございまして、具体的には、これは当然、先ほどから御議論になっておる広域生活圏あるいは広域市町村圏という名前を使っておりますが、そういう問題として基本的に取り扱われていくと思いますし、また、特に農村地域については、今国会ですでにでき上がっております農業振興地域の整備というような法律、この中においても生活の問題を取り上げておりますし、そういう形でこれが逐次実施に移っていく、こういうふうに考えております。 この表現として「期待する」と書いておりますのは、社会保障の関係につきましては、実はこの国土総合開発計画として社会保障の問題まで書くことはどうだろうかということで、その辺のところは表現としては間接的に書くというふうにしたわけでございまして、施設の点についてはぜひこれでやっていこう、こういうわけであります。
○細谷委員 たいへんいい答弁を得まして、私もよく読んでみますとそうです。これは社会保障施設の充実には「期待する」のであって、その前のやつは「整備する」というのですからやるというのですね。やるというならあなた、どうしてこういうものについて立法しないのですか。これは最後のほうに統一すると言っているのですけれども、いまのところますますばらばらになろうとしているのですね。どうして統一しないのです。最後のほうに「地域開発関係法令の整備」と書いてあるでしょう。ばらばらになっておるでしょう、いまお聞きしたように。建設省は建設省、自治省は自治省、その間に一致点がない。あなたのほうはこれから調整すると言っているのですが、これじゃたまったものじゃないですよ。山中さんに御足労かけて——お聞きしますと相当の時間を一生懸命がんばっていただいた。政府が責任を持たぬからそうなっておるのですよ。こんな文章だけ書いて、整備しますと書いておきながら、何もやらぬわけですね、大臣。これはやはり、先ほど来質問がありましたように、政府の責任ですよ。対症療法も必要でありましょうけれども、基本的な問題の取り組み、どう土地の利用計画を立てて総合的に開発していくか、過密過疎をなくしていくか、これはたいへん重要な問題ですよ。なかなか文章は書いてありますけれども、まとまってない。まとまるどころか、四十五年からになると百家争鳴の時代になろうとしておるのですね。そうでしょう。どうお思いなんですか、これは大臣、政府の責任なんです。過密問題、過疎問題というのは政治の落とし子です。過疎地帯というのはメリットないのですよ。過密地帯の公害とかなんとかデメリットが出てきましたけれども、過疎地帯というのは何もメリットないのですよ。子供が生まれた、育てた、苦労した、これから楽になるというころになるとみんな出ていってしまうのですから、みんなデメリットばかりですよ。これこそ政治が救ってやらなければいかぬのでしょう。なるほどなかなかりっぱに書いてある。やらなければならないのじゃないかと思うのですよ。大臣、どうお思いなんですか。ですから、一生懸命検討したけれども、できなくて、山中さんに労をわずらわさなければならなくなった。なかなかこれもいい法律だ、こうおっしゃっておりますけれども、政府みずからが責任を持って新全総計画をつくられたら、これはやはり次の通常国会にはまとめて出すべきで、しかも四十五年から建設省はわが道を行く、自治省はオンリー・ワン・ウエー、これで行こうとしておるのでしょう。大臣の所信のほどをひとつ伺っておきたいと思う。
○野田国務大臣 御指摘のように、各省によって広域生活圏といいますか、名前はどの役所の名前か存じませんが、すべてが広域市町村圏の振興整備の対策と、農山漁村を通じましたこの地域を一体とした広域の日常社会生活圏と申しますか、こういうものを対象として開発をやりたい、そうして生活水準の向上をはかりたいというのが、各省の計画の中の目標でございます。 いま御指摘になりましたように、各省の中にいろいろ——目的は一致しておりますが、手段、方法において何といいますか、そご矛盾するということではなくて、手続上その他行政の運営上いろいろそこにまだ調整の余地が残っておるということは私も認めます。そこで、いま開発局長から御答弁がありましたように、これは政府全体といたしましても、大体目標がきまっておりますから、これに対してどう進むか、どの道を通っていったがいい、どの馬に乗ったが早いかというようなことでございますから、私は細谷さんの御指摘になりましたとおり、できるだけ総合的な、まとめてやったほうが、行政の運営も促進していくし、また、地域の住民の方々にも御迷惑をかけないで、しかもその生活水準をあげるという方向の、時間的にも早く——こういうことはもういまお聞きしておりまして、私もわかります。 そこで、その点につきましては、決して各役所はなわ張り争いでもってその問題が今日まで具現しなかったというのでなくて、各省は各省でもって自分の持ち分を生かして、そうしていまの過疎対策あるいはまた過密対策もございますが、特に広域市町村圏とか広域生活圏というものは、その中に先ほどお答えしましたとおり過疎問題があることは間違いございません。企画庁の開発局長からお答えしましたとおり、そういうものを勘案いたしますと、これはやはりできるだけ各省の調整と、それから相互の連絡を密にする、そのためには統合した立法が必要であるかどうか、ただ行政の運営面だけではむずかしい、こういう検討は従来からやっておりますが、まだ結論が出ておりません。決してなおざりにしておるのではございません。 経済企画庁は、この新全総計画の立案にあたりましても、これらのことについて十分配慮をしていく、その意味において、この新全総計画の中にもそういう意思を表明したものと私は推測いたしております。 そこで、いまの御指摘の点を、いやもうそれは必要ないというふうに私は言い切る勇気もなければ、また、現実においてそれはそういうふうに持っていって、各役所は考えなくちゃならぬじゃないか、こういうのは私も大体同感であります。そこで、しかしこの四十五年度でどうするかということでございますが、これは先ほど——決して私一人が逃げことばを言うのではございません。これはもう細谷さんは、私以上に——各役所のいわゆる所管事務に対してみんな熱意を持っております結論で、おのおのがたいへんがんばって、いいことをやろうというてがんばっているときでございます。したがって、すぐに簡単にこれが統合ということはできるものとは思いませんが、しかし、これはでかさなきやというのは同感でありますから、いつ、どういうふうに具現するかというのは、ここにちようど各役所の第一線で働いておる方々もおりますし、十分きようのあなたの御意見は示唆するところが多いと思います。やはり各役所もみずからそういうことを考えまして、これはいろんな各種の地域関係開発計画にはずいぶん各所に連絡会議というものがありますから、そういうものを基礎にして、漸次、なるべく早くそういう意味においての結論を出すように私は検討を続け、また自治省といたしましても、これは私は言い切りますが、そういう考え方に基づいて、急速に検討に入りたいということを、私ははっきりここでお答えしておきます。
○細谷委員 企画庁、あなたのほうの閣議決定されたのは五月三十日です。第五次案まで重ねて、五次案が閣議決定になったわけですね。相当の日子を費やしておるわけです。これは単なる作文じゃないはずですよ。総額五百兆円になんなんとする投資を行なおうとするわけですよ。この内容も、単なる文章でなくて、大体の骨組みというものを描かれてこの文章になっておると私は思うのです。そうしますと、私が先ほど指摘したように、四十五年から、建設省はわが道を行く、自治省はわが道を行く、そこに明らかに符合しない問題がある。地方団体はたいへんな迷惑、そして地方の行政制度そのものにも、根本に触れるような内容を含んでおる問題ですね。しかも、農林省にお聞きしますと、御存じなかった、こういう状態なんでありますから、お聞きしたいのは、こういうものについて、従来の地域開発立法というものを整理統合をする、こういうものに基づいての立法措置、そういうものをやる意思がありますかどうか、次の国会に提案する準備を進めていらっしゃるかどうか、これをお聞きします。
○宮崎(仁)政府委員 御指摘のとおり、非常に長い時間をかけて作業したものでございまして、その過程において関係各省とも十分議論をしてございますので、ここに書いてあるものは、昭和六十年というかなり長い先までの大きな問題ではございますが、いずれも政府としてこういう方針でやっていきたい、また、いく必要があるということで、私どもやっております。したがって、この制定の関係につきましても、先ほど申しましたように、政府部内にすでにそういった組織もできておるわけでございまして、いま検討を進めておりますから、これによりまして地域開発制度の新しい計画の方向に沿ったように体系化するということでひとつまとめてまいりたい。その作業もだんだんに進んでおりますので、できるだけ早くそういう方針をまとめたいと思っております。特にいま広域市町村圏あるいは広域生活圏において、現在の調査の段階において若干地域等についての考え方が違うという御指摘を受けましたが、これは当然そういった面もあろうかと思います。また、各地方公共団体のほうでもいろいろ御意見があるのではないか。それもまた全国画一的じゃないかもしれません。そういうところを、むしろこれから問題として出てくるわけでございますから、それをむしろはっきり問題を出して、そうして、先ほど大臣のお話しのように、ひとつ全体としておまとめを願うということが私はいい道だと思っております。何しろまだ調査をやってないわけですから、この段階からそう考え方が、初めから区域その他について一致しておるということのほうがむしろおかしいと私は考えております。これは、それぞれの分野の考え方というものを主張を強めてまいりますれば、やはり立場の違いが若干出てまいるわけでありまして、こういうところを十分ぶつけ合ってみていいものができるのではないかというふうに考えておるわけでございます。
○細谷委員 この新全総計画の第一次試案が発表されましてから、都道府県は、この線に乗って、いままでの中期計画と申しますか、四十五年かあるいは五十年ぐらいを目途にしておりましたそれぞれの都道府県の計画を全部やり変えている、たいへんな作業を始めているでしょう。現在、おそらく二十近いところはほぼこういう方向に基づいて計画をやり変えて、ほぼ完成しているでしょう。いまそれに取りかかっているところのほとんどの県がそれをやっているわけですね。そうなりますと、それは中央のほうで、自治省は自治省、建設省は建設省、通産省は通産省という形で、これにはまとまったようでありますけれども、これは単なる文章にすぎないということではいかぬのであって、各県がこれに基づいてやっているわけですから、そのうちになんということではなくて、少なくともぼくは、五月三十日には閣議決定なさったわけですから、既定方針に基づいて、従来の地域開発立法を整理統合していく、そして日本の国土を有効に、しかも格差を解消する方向で豊かな生活ができる、そういうことを書いてあるわけですから、そういうための立法をやはり提案する責任があると言っているのですから、そう私は思うのですが、ひとつあなたのものは、またやってみますと、二年か三年かするともう忘れてしまう。こういうことではいかぬわけです。これは責任があるでしょう、書いた文章は閣議決定ですから。しかもこれに基づいて都道府県はやっているのですから、たいへんなスタッフを動員してやっているのですから、それだけは言っておきます。 そこで、私が質問中に、ある人から、さっき宮澤さんが、過疎と過密両方の対策だ、過疎をやれば過密になり、過密をやれば過疎になるとお答えしておりますけれども、過密対策をやればやるほど過疎現象が起こるという注意が私にあったですよ。格差はますます拡大していく、それはもうこの中部ばかりじゃなくて、三十五年以来一連のあまたの地域立法が出たが、みんなそうなっちゃった。 そこで、「行政投資の実績」こういうものが自治省から発表されておりますね。四十二年度の実績は三兆五千二百六十八億、前年比一二・四%伸びたと発表しております。ところが、これを見てみますと、東京にもうほとんどいっている。ほとんどといっても一二・五%、五つの都府県に三七・四%、関東、東海、近畿ブロックといっても太平洋ベルト地帯、これに驚くなかれ六一%いっているのです。鳥取とか島根なんというのはコンマ以下です。書いてあるのですよ大臣、あなたのほうで発表したものに。そういうところはみんな過疎地帯です。山中さんに御足労いただいたのでありますが、鹿児島はコンマ以下ではなくて一・三です。大臣のお生まれの郷土は一・一ですよ、コンマ以下ではありませんけれども、この辺におる人はコンマ以下が多いのです。そして、ずっとこの行政投資の状況を見ますと、地域立法ができて格差解消だといっておりますけれども、残念ながら格差拡大ですよ。格差は拡大されていっておる。都市と農村との格差が拡大されているばかりでなくて、農業をやっている人自体にも格差ができてきている。周辺農業と鹿児島の農業ではたいへんな格差です。そういう内ゲバも起こりかねないようなたいへんな格差を呼んでおることが、この自治省の行政投資に出ているのですよ。でありますから、大臣、企画庁に新全総計画に基づいて責任を果たしなさいとおっしゃっておるけれども、基本的な姿勢が私は問題だと思うのです。企画庁というたいして——失礼しましたが、たいして金の面では力のないところですね。ですから文章にすぎない。こういうところが文章を書いてやったわけですが、実際はそれぞれの省がなわ張り争いといいますか、ゴーイング・マイ・ウェーでいっているものですから、いよいよ格差が拡大されていく、そしていつの間にか地方自治はなくなってしまう、こういうことが問題なんでありますから、地域開発立法というのは、山中さんの試案に示された基本的態度、地方自治の本旨というものを忘れないで計画はつくられなければならぬし、立法措置が講ぜられなければならぬと私は思うのです。ですから、言ってみますと、これは中央集権の方向でありますけれども、もっと山中さんのように地方自治を尊重したものにならぬと、過疎対策にならぬし、格差を縮小する方向にもなりませんし、国民が土地を有効に活用して、豊かな生活を公平に送るということもできなくなると私は思うのです。それはいままでの実績が示している。いままで三十五年以来十年間近く格差を縮小する、格差をなくすのだといってきていながら、格差は拡大してきている。行政投資自体が格差を生むようにやっているのですから、世話なし、これは改めていただかなければならぬと思うのでありますけれども、ひとつ大臣と企画庁の御答弁をいただきたい。
○宮崎(仁)政府委員 従来の開発施策というものが目標として掲げたところと実績との関係から見まして、確かに御指摘のような面があるということは、私ども十分反省しなければならぬと思っております。 格差の面で何をとるかが問題でございますけれども、前回の三十七年計画で考えたほどに格差の縮小がなかった、むしろ格差は大体現状維持的に動いたというような評価でございますけれども、今度の計画は、そういった点もいろいろ考えまして全体の構成がつくってありますけれども、特に各地域の計画等については、そのブロックごとの自主性と独自性を重んじてやりたい、これは内容に書いてございますが、作業といたしましても、今度のやり方は中央のわれわれが作業して、それをただきめたというやり方じゃございませんで、それぞれごとにわれわれのブロック、われわれの県についてどう考えるということを原案として出していただきまして、それをベースにつくっております。もっとも、このやり方に対しては、場合によって地方の陳情が入り過ぎたというような御批判もいただきましたけれども、私どもは、これから後のこういった地域開発政策の進め方においては、そういうような地方の独自性ということができるだけはっきり出てくるということがやはり必要であるし、望ましい、そういう姿勢でおりますし、また、この計画の作業も、そういうつもりでやったわけでございます。いま、いろいろ御指摘の点につきまして、私のほうとして申し上げられる点は、一応そのくらいでございます。
○野田国務大臣 大体開発局長がお答えいたしておりますのとたいして相違はございません。私は率直に言って、細谷さんの御指摘のように、地域開発のいろいろな計画や実施をやったが、必ずしもその目的に沿うてない。たとえば地域格差の点を御指摘になりましたが、私も、大体そういう傾向があるんじゃないか、まあ内容をかれこれ申しませんが、したがって、これはいろいろ日本の置かれている経済の力といいますか、国際的な関係その他もありましょうから、いままでの施策が誤っているとか、そういう考え方は持っておりませんが、御承知のとおり、たとえば首都圏整備というものができてずいぶん長くなる。あの中のねらいは、首都圏地域の全体の生活水準をひとしくレベルアップすることの基本として、やはり人口分散ということがはっきり含まっておったのも事実であります。ところが、人口が分散どころじゃなくて集中するという、これは自然現象もございましょうし、いろいろな点がありますけれども、そういう点もございます。また一面、地域の開発計画というものが非常に成功しているところもございます。私は、それが非常によかった、もう何も言うことはないというのじゃございません。いろいろそこに非常に目的に沿わないところもあったし、同時にまた、目的に沿うて非常に計画がりっぱにいったというところもあったと思っております。いずれにいたしましても、私は、細谷さんのいま御指摘の点を別に否定しようと思っておりません。 そこで、自治省といたしましては、広域行政というものを打ち出したのは、一にかかって地域の格差を是正したいというねらいでございます。その中にいろいろな何が含んでおりますが、しかし、いろいろ論議の中にありましたように、その行政の運営にあたって、いろいろなまた支障といいますか、運び方がなかなかむずかしい点も出てくる。そこで、結論は、先ほどから論じておりますとおり、開発局長からも申し上げておりますとおり、こういう現在の段階では、計画が進んでいるところもあるが、まだ計画を始めて調査の段階であることも事実でございます。これらを十分ひとつ考え合わせて、特にあなたの御意見のとおり、地域の開発というものは、地域の自主的な判断、要望というものを軸として考えなければならないという考え方は、私は全く同感で、われわれもそういう心がけでやりたいと思っております。したがって、運営にあたっていろいろな支障があったり、また、その目的の遂行に必ずしも沿わないというようなことが、だんだん検討していく段階で出てまいった場合は、いま開発局長も申しましたとおり、ひとつ総合的な対策を立てる、また、それに必要な立法措置が要れば、これは何も遠慮することはない、そういう場合はやはり立法措置も考えなければいけない。一にかかってこれは、各省のおのおの分担している分野がございまして、それからくる一つの材料、調査の段階、総合的に——これは経済企画庁が主としておやりになっておりますが、こういう点をひとつみんなが積極的に——日分の仕事ですから、協力ということよりも、自分たちがまじめにこれをぶつけていってこれを統合していく、その場合の必要な措置は当然講ずる、これはもう細谷さん御指摘のとおり、必要なものはやらなければならないことですから私は、勇敢にやるべきだと考えております。
○細谷委員 最後に、細郷さん、あなたのところで、ことしの三月ごろ過疎地帯の市町村財政というものを調査されたわけですね。その内容を拝見しますと、たいへん貧弱なんですね。言ってみますと、税収というのが、あなたのほうの調べでありますと、二〇%以上人口が減った七十二の町村を調べたところが、税収が一〇%以下のところが十五もあった、二〇%以下というのが三十七もあった、こういうふうになっておりますね。こういう状態でありますから、過疎地帯に対して、おまえのところは大蔵省タイプに——これはあとで秋吉さんに質問したい。大蔵省タイプに、財産が残るんだから地元が負担をするのはあたりまえだと、こういうことでは過疎対策は成り立たないと私は思うのですよ。こんな財政の貧弱な状態ではどうにもならぬわけですね。ですから私は、思い切って財政投資を重点的にやらなければならないと思うのです。私が過疎過密の問題をやるには、いささか何ですけれども、総花的じゃなくて、中央突破的な、重点的な予算編成をしなければこれは解決できない、これをとどめることはできない、こう思っております。 そこで、大臣と大蔵省にお尋ねしたいのでありますけれども、一〇%以上の人口減のところは、総人口にいたしますと大体九%ぐらいになりますけれども、貧乏人でありますから税金は少ないと思うのですね。かつてある大政党の政策の担当者が、おまえたちは税金を納めるのが少ないんだから、これこれの値段を上げなくてもいい、フェアリターンの原則が通用するんだからと、大蔵省タイプで言いましたね、米価の決定の際に。農民なんてのは百億円ぐらいしか納めていない、それでも何十億という金をやっておるんだからいいのだ、こういうようなことをおっしゃいましたね。これを私は大蔵タイプだと思うのです。この大蔵タイプでは過疎問題はだめですよ。これはせっかくの山中さんの労作でありますけれども、これは文字どおり対症療法であります。たいへん失礼でありますけれども、結核患者に仁丹を飲ましたようなものにすぎない。ますます格差は拡大するんじゃないか、人口の減少はエスカレートするんじゃないか、こう私は心配をしております。 そこで大臣、こんな貧弱な町村の財政、自治省の調べたところでありますから、しかも、交付税は、さっきも話があったように、土地開発基金というものも含めますと、過密地帯なり都市にはたいへんな一たいへんなと言ってもおかしいのですが、交付税がよけい行ったけれども、過疎地帯に対しては非常に少ない。それから、四十四年度あるいは四十三年度の山村振興法等を始めるいろいろな辺地の予算というものを見ても、これもまたたいへん少ない。そして十項目ぐらいに分かれておるわけですね。一番大きなのは、僻地の教育、児童生徒対策は二十億円、僻地医療、厚生、保育対策というのが二十四億円、農村電話等が二十四億円、市町村道整備二十四億円、こんなのが四十三年度の予算ですね。これじゃだめですよ。ですから、それは大蔵省タイプではいかぬじゃないかと私は思うのですが、この問題について、財政は非常に貧弱なんだ、その貧弱な中において、新聞に出ておるように、もはや今日、政府の施策を待っておったら飢え死にするだけだということで思い切ってやって成功した岩手県の例もあるし、大分県の例等も新聞に書かれております。そこでは人口がふえておるところもあるんですね。大学を出てもストレートに農業に従事するというところもあるわけですね。ですから、やはり政治のやり方、政策の推進のしかたであろうと思うのですよ。そういう点でひとつ大蔵省のお考えを、おまえのところは税金がこの程度だからこの程度があたりまえだ、こういう考えではできませんから、この点についてどうお考えになるか、大臣どうお考えなのか、この辺をひとつ承りたいと思うのです。
○秋吉説明員 具体的な事例をあげてつぶさな御指摘がございまして、十分拝聴させていただきました。 ただいま御審議願っております過疎対策特別措置法案なるものが成立いたしましたならば、関係各省において十分ひとつ御検討していただくことになり、また大蔵省といたしましても、先ほど大蔵省タイプの、税金が少ないからというようなお話のことではなしに、十分ひとつ予算編成等においても対処してまいりたい、かように思います。
○野田国務大臣 政府の、過疎地帯、ことに税金があまり上がらぬところに対する措置をどうだ、いま大蔵当局からも非常に明瞭な、しかも、特に提案されております過疎特別立法に対して、これが成立した場合には各省とも連絡して相当な腹がまえで財政当局も考えるという答弁を得て、私ども非常にけっこうだと思っております。 これはもう紺谷さんのおっしゃるとおり、自治省といたしましては、平素から、そういう税収のいかんということでなくて、むしろそういうところに手を尽くさなければいかぬという考え方を持っております。今後は、あなたの御指摘のようなことはもちろん当然でございまして、そういう財政的に窮乏したところに対しては、さらに積極的な施策を講じなければいかぬ、財政上の措置も当然積極的に考えなければいかぬ、こう考えております。
○細谷委員 最後に文部省に。私は、やはり過疎対策の非常に重要な一つの点というのは、僻地教育というものに重点を置かなければならぬじゃないか。地方行政委員会が、あるとき熊本県を調査に行ったんです。あそこの知事は、僻地の教育をになう人は、もう複式学級ばかりなんですから、そういうところについては思い切って——良質の先生の行き手がいないのですから、もうそこへ行くとたんに二号俸ばんと上げた、そしてそれが一生つきまとうわけですね。まあ大体三年ぐらい、二号俸ばんと上げるのですよ、それをやったところが、先生も非常に落ちついてやっていただく、そして期待される質のいい先生も行って、ようやく僻地対策というのに落ちついて取り組む体制ができました、こういう熊本県知事のことばが忘れられないのです。ですから、いまの僻地手当なんというのは一号からずつとつけておりますが、あんなものをやっても、一日生理休暇で帰ったら吹っ飛んでしまうのですよ。自分のうちに帰ろうとしますと大体二千円くらいかかる。タクシーが千円、その他で二千円くらいかかる。往復ですからたまらぬ。吹っ飛んでしまうというのですよ。そういうことでありますから、特殊な条件にありますから、それは手当も必要でありますけれども、やはり熊本県知事がやったように、本俸を二号俸ぱっと上げて——二号俸がいいかどうかは別ですよ、ところによりますと、けちくさい、おまえ行ったら三年したら三短やってやろうか、六短やってやろうか、そんな程度ではとても先生は行きません。ぽんと二号俸くらい上げてやることによって、ようやく落ちつきましたと寺本知事が言っておりましたが、そういうくらいの思い切ったことをしてやるべきではないかと私は思うのです。これは僻地の非常に重要な問題でありますから、文部省にひとつお考えを承り、文部省ができないなら、それこそ自治大臣、あなたが閣議でがんばってやらぬと、これはとても——子供の教育のためにお医者さんは奥さんと子供を都市に残して単身行っているのですから、なかなか条件がむずかしいですね。そんなことではだめです。子供の教育があるから、教育を整備するということが非常に重要です。一家あげてそこに三年なり五年なり落ちついて仕事をするということが必要でありますから、この辺について、ひとつ文部省の考えを率直に承っておきたい。それで私の質問を終わります。
○菅野説明員 いま御指摘のことにつきましては、はなはだごもっともなことだと思います。私自身も僻地出身でございますし、また文部省といたしましても、へき地教育振興法等を用意し、できるだけ僻地の関連の施設その他につきまして努力してまいっております。 ただいま具体的に御指摘の案件につきましては、給与の問題でございますので、財務課長に補足して説明させます。
○説田説明員 御指摘の僻地の教職員に対しまする特別昇給等の問題につきましては、他の場合と違いまして、特別の配慮をいたしております。たとえば全教職員につきまして三分の一程度は必ず昇給をさせるというような方策を講ずるとか、ただいま施設部長がお答えいたしましたように、へき地教育振興法に基づきますところの僻地手当の支給とか、多学年学級担当手当を支給するとか、その他教員の宿舎の建築費の補助の問題、寄宿舎の問題とか、そういう教育関係の改善の問題につきまして従来からも措置を講じてまいりましたが、今回また義務教育の改善、定数の改善等が成立いたしましたので、それに基づきまして、僻地関係につきましては最低保障の制度をとるなど、特別の措置を講じてまいりたいと考えております。
○鹿野委員長 関連して山口鶴男君の発言を許します。
○山口(鶴)委員 先ほど秋吉さんに宿題を出したようなことで、そのままでは恐縮だと思いますから、私のほうから回答をお教え申し上げておきます。 年率二%減、これは〇・九八の五乗、〇・九〇三九二〇七九。ですから、概数でいえば九〇・三九%になる。それから年率一・五%減の場合、〇・九八五の五乗でありますが、これは〇・九二七二一六四九でありまして、概数でいえば九二・七二%。さらに一・六%減の場合は九二・二五%になる。年率一・四%減の場合は九三二九%になるわけであります。ですから、算術計算でいけば年率二%減は五年間で一〇%、こういうわけでありますが、実際には五年間で九・六%の減になる。年率一・六%の減の場合は五年間で七・七%減になる。年率一・五%減の場合は五年間で七・三%の減になる。年率一・四%減の場合は五年間で六・八%の減になるわけであります。ですから、単純な算術計算よりは格差が詰まるわけであります。 そこで、非常に御努力をいただきました山中さんに申し上げておきたいと思いますが、こういう計算でいった場合は差というものが詰まる。ですから、単純計算の場合よりも、もう少し配慮あるやり方をお考えいただくことのほうが、数学的にいえば妥当ではないだろうかという結果が計算の上からは出るということを申し上げておきたいと思う次第でございます。ですから、二%減と一・五%減の場合は、単純な算術計算では差が二・五%と出ますが、こういう計算の結果では二・三%の差しか出てこないということになるわけでございまして、提案者あるいは大蔵省の側において、この間の数字を御検討いただきまして、十分御配慮をいただきたいということをこの際申し上げたいと思います。
○鹿野委員長 次回は明八月一日午前十時理事会、十時三十分から委員会を開会することとし、本日はこれにて散会いたします。 午後四時四十八分散会