地方行政委員会 第48号
- 発言数
- 163 件
- 登壇者
- 19 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1969/07/03
会議録
○鹿野委員長 これより会議を開きます。 小笠原諸島復興特別措置法案を議題といたします。 先般、本法案の審査のため、現地の実情を調査いたしたのでありますが、この際、派遣委員より報告を求めます。亀山孝一君。
○亀山委員 先般、現在当委員会で審査中の小笠原諸島復興特別措置法案の審査に資するため、東京都下小笠原村に委員派遣が行なわれましたので、便宜、私から御報告を申し上げます。 派遣委員は、鹿野彦吉委員長のほか細田吉藏、山口鶴男、山本弥之助、折小野良一の各理事及び大田一夫、野口忠夫、小濱新次、小川新一郎の各委員に私の十人でありますが、そのほか調査室から崎川謙三主任調査員及び島村幸雄、新川行雄の両調査員並びに委員部から菊池敬三、下尾晃正の両参事が同行いたしました。 委員派遣の期間は、六月二十日から同二十四日の五日間であります。あらためて申し上げるまでもなく、小笠原諸島は、東京の南々東およそ一千キロから一千二百キロの太平洋上に散在する約三十の小島からなっておりますが、このたびの委員派遣では、防衛庁の御配慮により、往復路とも新鋭の護衛艦を用いることができました。 私どもは、六月二十日午後六時横須賀を出港し、六月二十二日未明に小笠原諸島の母島沖に到着し、暁闇の中母島周辺を航行した後、午前七時父島二見港に入港し、八時父島に上陸いたしました。 まず、大神宮山山頂で、塩田小笠原総合事務所長から現地説明を聴取した後、ウエザー・ステイションのある三日月山に参り、次いで小笠原総合事務所・同支庁、海上自衛隊父島基地分遣隊、東京電力小笠原事務所、父島気象観測所、小笠原村営診療所、小笠原小・中学校、小笠原消費生活協同組合等のある大村地区を視察し、宮の浜、小港を経て、午後は、小曲の小笠原農業試験地、洲崎飛行場あと、奥村地区防備隊あとの小笠原漁業協同組合等を視察し、物揚場に到着いたしました。 次いで快速艇により、海上、父島を一周した後、小笠原支庁における現地の方々との懇談会に臨みました。 懇談会は、五人の小笠原村村政審議会委員、漁業協同組合理事、PTA代表、民生委員のほか、小笠原総合事務所長、小笠原支庁長、海上自衛隊父島基地分遣隊長、小笠原警察署長等小笠原村に在住するすべての官公庁、公共機関の方々の出席を得て行なわれたのでありますが、小笠原諸島の復興、開発をめぐり、さまざまの角度から熱心な意見の開陳が行なわれ、また自治体としての行政機構、教育などの最小限のものはでき上がっておりますけれども、交通、通信その他生活の万端にわたり不自由な小笠原でなければ聞くことのできない数多くの切実な要望等も述べられ、いかにして小笠原諸島を復興するかについて多くの示唆を与えられたのであります。 懇談会に引き続く、自衛隊食堂での現地の方々との懇親会では、お互いにさらに打ち解けて、父島での日常生活はもちろん、復興をめぐるさまざまの問題について隔意のない意見の交換が行なわれました。 午後六時、懇親会を終わり、同六時半私どもは護衛艦に乗船し、午後七時父島二見港を出港いたしまして、六月二十四日早朝、横須賀に帰港し、同日午前帰京した次第であります。 さて、今回の委員派遣は、さきにも述べましたとおり、母島周辺を航行したのち父島に上陸し、いわばかけ足で島内視察を行なったのでありますが、大村、清瀬、奥村の一部の地区を除きまして、旧集落、農耕地あとは、すべてギンネム、ガジュマル等のジャングルとなっており、母島も、今日ではかつての面影はなく、全島完全に原野に還元されており、硫黄島もまた飛行場、ロラン局の基地関係の施設周辺を除けば荒野と化し、旧集落等は確認できないといわれております。 このきびしい小笠原諸島の現状は、小笠原諸島の復興がいかに容易ならざるわざであるかを示しているともいえるのであります。 以下、私たち、派遣委員が、今回の現地視察により、小笠原諸島の復興・開発について痛感した諸点について申し上げたいと思います。 まず、小笠原諸島復興・開発の基本方向について申し上げます。 戦争末期の強制疎開、そして二十三年後の本土復帰という小笠原諸島の歴史の経過の中で、多数の旧島民の帰島希望者をかかえ、二十四年もの間、無人島として荒廃のまま残されていた小笠原諸島の開発をどのように方向づけるかは、今後の小笠原諸島のあり方を位置づけるものであり、それはまた、いかにして平和で、快適な環境の中で産業の振興をはかり、島民を定着させるかという復興・開発の最も重要な課題とも密接なつながりを持つものでありまして、この開発のマスタープランの策定こそまず何よりも急がれなければならない課題であると存ずるのであります。 小笠原諸島の復興・開発は、現島民及び旧島民の生活を中心とした総合的、計画的な村づくりであることは言うまでもありませんが、それはただ単に昔の姿に返せばそれでよいというものではなく、小笠原の自然と歴史と社会を生かし、国土開発の上からも新時代に即応した有効適切な資源の活用でなければならないであります。さらに、その歴史的経緯から申しまして、単に投資効果のみを考える復興・開発であってはならないと存ずるのであります。 次に交通の確保について申し上げます。 交通の確保は、小笠原諸島の復興・開発の基幹をなすものであり、島民の生活はもちろん、産業開発の面からも小笠原の将来を左右するきわめて重大な問題でありまして、何よりも最優先すべき問題であると考えられます。特に、小笠原の置かれたその自然的条件からいたしまして、航空路の開設は、小笠原諸島が将来どのような復興・開発を遂げるにせよ、その基幹をなすものとして絶対に必要であり、そしてその際、大型航空機の発着できる空港は小笠原諸島の復興・開発の中心となる父島に設置すべきものと考えるのであります。 しかし、申すまでもなく、空港建設には、数年の日時を要し、また、航空機の持つ輸送力にはおのずから限界がありますので、普遍的な輸送手段として定期航路の開設を考慮すべきであります。これがためには、港湾の整備はもちろん必要でありますが、現在の五百トン程度の船舶で五十時間も航海に要するということであっては、小笠原の早急な復興はとうてい望み得ません。したがって、安定度の高い大型高速船の就航が当面、早急に考えられなければならないと存ずるのであります。 以上述べましたような観点からいたしまして、航空路及び海路の交通の基本計画は、できるだけすみやかに樹立する必要があり、所要の予算については、直接の経済効果を度外視しても確保しなければならないと考えます。 次に土地利用計画について申し上げます。 小笠原諸島の島々は、父島をはじめ狭隘な上に、地形が複雑で平坦地が少なく、集落適地も限られており、したがって、産業開発の面からも集約的に村づくりを行ない、生活環境施設その他の公共施設も合理的に整備さるべきものと考えます。これがためにも、各般の土地利用の計画を調整し、すみやかに合理的な土地利用計画を策定して、美しい自然の保護と開発との調和をはかっていかなければならないと存じます。 なお、この際、海上自衛隊の基地用地として使用決定しております土地につきましては、土地利用計画の策定にあたり、十分に調整されるべきものであると考えます。 次に、土地の権利関係の調整について申し上げます。 小笠原諸島の復興・開発にあたりましては、まず土地の所有者の確認と土地の権利関係の調整が急務であります。これが遅れているために開発事業が進まずにいるのでありまして、土地利用計画の策定と相まって、たとえ権利の確定前でありましても、復興・開発が進められるよう、地方公共団体による土地造成等が考えられないが、十分に検討する必要があると思います。 なお、暫定措置法により設定されました法定賃借権につきましては、国有地、民有地を問わず、具体的な契約が終わっておらず、現島民が不安を訴えておりますので、すみやかに措置されるよう当局に要望いたしておきます。 次に農業について申し上げます。 小笠原の農業は、当面、その根絶にかなりの困難が伴うと思われる病害虫の防除、適作目の選定、農業用水の確保等、幾多の難問題をかかえておりますばかりでなく、平坦地の少ない、すでにギンネム、ガジュマルのジャングル化している農用地を開墾することはばく大な経費を要する大事業でありまして、生産をあげ、生活をささえるまでに至るには、かなりの年月と資金を要すると考えなければならないのであります。したがって、国は、農業の振興について積極的に援助措置を講ずべきものと考えます。いずれにいたしましても、小笠原農業の振興にあたりましては、慎重にその方向を見きわめる必要があるのではないかと思われるのであります。 なお、小笠原諸島におきましては、戦後のいわゆる農地改革が実施されておらず、小作関係が存続しているのでありまして、自作農による農業振興をはかっていく必要があると考えます。 次に漁業について申し上げます。 小笠原諸島は、その位置、自然的条件からいたしまして、漁業は農業とともに重要な産業となるものであります。しかしながら、その中心となる沿岸漁業におきましては、資源的にいっても、戦前の規模を大きく上回ることは望めないのではないかと思われます。したがって、漁業の振興にあたりましては、国による積極的な援助措置が必要であり、また、今後の小笠原漁業の方向づけにつきましては、農業と同様に、慎重に行なわなければならないと存じます。 なお、小笠原漁業協同組合の現状には問題があり、今後の漁業関係の復興事業に支障をきたすおそれもありますので、早急に経営の健全化をはかるよう指導、助成していく必要があると考えます。 次に、観光産業について申し上げます。 小笠原諸島は、四季を通じて温暖な気候、清澄な大気と海洋、特異な海蝕崖、海中景観等恵まれた自然環境を備えており、保養地、観光地としての将来性は大きく、観光産業は、農業、漁業とともに小笠原諸島の基幹産業となることが予想されております。また観光と結びついた農業、漁業、さらに観光と島内地場産業の振興の結びつきをも考えられ得るのであります。 しかしながら、小笠原諸島を観光地として開発するためには、その立地条件等からいたしまして、まず何よりも距離を克服する方途、たとえば、さきにも述べました航空路の開発ないし大型高速船の就航が必須の要件をなすものと思われます。したがいまして、現状におきましては、直ちに観光産業を生かしていくことはできませんが、その将来性はきわめて大きいので、小笠原諸島の復興・開発にあたりましては、総合的、長期的な見通しに立って、いまから島民のための観光開発を十分に考慮すべきであると考えるのであります。 さらに、観光開発による自然の破壊、無秩序な観光資本の進出に対する対策も同時にいまから講じていく必要があろうと思います。 次に、水、電力の確保について申し上げます。 小笠原諸島におきましては、父島の八瀬川以外に川らしい川はなく、地形、地質の関係から集水面積が狭い上に、保水力が弱く、伏流水の取水も困難であり、水の確保は、小笠原諸島の開発にとって当面の大きな問題であります。 父島では、現在すでに、飲料水にこと欠く状態でありますが、旧島民の帰島前、復興事業の着手前に、生活用水、さらには産業の開発に伴う各種の水の需要を満たすため、十分な調査を行ない、合理的な水の確保をはかり、水の安定的な供給ができるようにあらかじめ解決しておく必要があると思います。 電力の確保につきましても、事情はほぼ水と同様でありまして、現在の発電量では、生活用電力はまかない得ても、新たな需要を満たすことができず、産業用の電力が不足しているのがその現状であります。 電力の問題につきましては、今後需要の増大が予想されておりますばかりでなく、何よりもまず最初に解決しなければならない重大問題でありますので、すみやかに対策を講じておく必要があろうと存じます。 次に、医療の確保について申し上げます。 小笠原諸島は、その地理的条件からいたしまして医療の確保、特に救急輸送体制の確保が重大な問題となっております。この問題は、将来、定期航空路が開設されますとある程度解決する問題でありますが、小笠原諸島(父島)の地理的条件から、遠洋漁船員の利用があることも考慮し、村営診療所には、少なくとも内科、外科、歯科医の常駐をはかるとともに、診療所で扱いかねる病人が発生した場合の救急輸送体制等も早急に確立し、住民の抱いている不安を解消することが大切であると存ずるのであります。 次に、自然の保護について申し上げます。 小笠原諸島は、亜熱帯の特異な美しい景観と、島特有の貴重な動植物資源を数多く有しており、この貴重な資源は保護していかなければなりません。小笠原の美しい自然は、かつて無計画な開発によりずいぶん破壊されました。自然環境は一たび破壊されると、その回復はきわめて困難であり、島土の保全、自然の保護に重大な悪影響を及ぼします。したがって、島上の保全と自然の保護は、小笠原諸島の復興・開発にあたって最も留意されなければならない問題でありまして、開発と自然の保護との調和をいかにはかっていくかということが十分に考えられなければならないのであります。 なお、これに関連して、自然公園法の早期適用についても早急に検討する必要があろうと存じます。 次に、現地派遣者に対する配慮について申し上げます。 父島の現地に派遣されている職員は、官公庁、公共機関をはじめ、すべて単身赴任であり、潤いのない不自由な生活を現在、しいられております。したがいまして、住宅、水、電力、生活物資の供給等、その生活環境の整備を至急にはかり、小・中・高の学校を整備充実して、これらの人たちの子弟の教育の不安を除き、家族とともに、安定した生活環境の中で小笠原諸島の復興・開発に専念できるよう配慮すべきであると思うのであります。 なお、最後になりましたが、冒頭にもふれましたように、今回の委員派遣におきましては、現地の方々と、懇談する機会を持ちましたので、次にその際、述べられた主な要望事項を概括して申し上げますと、(一)土地利用関係の調整を早急に進められ、土地利用計画を策定されたい。(二)大村地区の緑地等を国で買い上げ、土地の造成、換地等により、土地利用を促進されたい。(三)国有地、民有地の法定賃借権契約を促進してほしい。(四)旧島民の帰島を促進されたい。(五)航空路の開設及び大型高速船の定期就航を確保されたい。(六)飲料水、電力の確保を急がれたい。(七)診療所には、少なくとも内科医、外科医を置くとともに、救急体制として硫黄島にヘリコプターを常駐させてほしい。(八)子供が米軍管理下の生活習慣になじんでいるため、同様の食生活を維持しようとすると生活費がかさむ。(九)教師は単身赴任であり、教育効果の上からも家族を引き取ることができるよう住宅を整備されたい。(十)帰島計画と別に島の開発に役立つ技能者、漁業労働者、特定のサービス業経営者の早期帰島を配慮してほしいなど、きわめて切実な声が聞かれたのであります。 なお、教材は豊富であり、よい教育が与えられていると、東京都に対し感謝のことばもございました。 終わりに、今回の委員派遣にあたりましては、防衛庁の格別の御配慮により、「やまぐも」「まきぐも」の二隻の護衛艦を用いることができたのでありますが、群司令、艦長以下乗組員の方々の昼夜を分かたぬ献身的な御協力をいただき、また現地におきましては、交通、通信その他生活の万端にわたり不自由な中を、小笠原総合事務所、小笠原支庁等の方々が実地視察はもとより貴重な資料の提供、各種の便宜供与に至るまで、格段の御配慮をしてくださいました。この機会に厚く御礼を申し上げておきたいと思います。 以上をもちまして、簡単ではございますが委員派遣の報告といたします。 —————————————
○鹿野委員長 質疑を行ないます。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。折小野良一君。
○折小野委員 一つだけ補足的に御質問申し上げたいと思いますが、法制局からお見えだと思います。 現在、小笠原復興法を審議いたしておるわけでございますが、小笠原諸島ということになりますと、現在は、復帰後東京都小笠原村ということになっておるわけでございます以上、小笠原復興法は当然一つの地方自治体である小笠原村だけに適用される特別法である、こういうことになるわけでございます。そうなりますと、憲法九十五条の規定との関連が出てまいるわけでございます。実質的な御意見は、先般自治省のほうからお聞きをいたしておりまして、私どもはその点は十分了解できるわけでございますが、法制上、その辺をどういうふうに処理されておるのか、法制上の御見解をお伺いをいたしたいと思います。
○荒井政府委員 小笠原諸島復興特別措置法案と憲法九十五条との関係はどうかというお尋ねでございますが、これについては次に述べますような二点から、憲法九十五条の規定の適用はないというふうに法制上理解をしているわけでございます。 その第一点といたしましては、小笠原村は昨年の復帰のときにはごく限られた数、つまり百数十名という住民しかおりませんで、その後におきましても、帰島民もまだ少なく、今後次第に帰島民を迎えて徐々に村としての実態を備えていくということでございまして、当分の間いわば過渡的な段階を経なければならず、憲法各章の規定が予定しているような完全な地方公共団体ではないと考えられるのであります。このことは、現に小笠原の地域について適用されておりますところの小笠原諸島の復帰に伴う法令の適用の暫定措置等に関する法律の第二十条及び第二十一条の規定によりまして、村長選挙の実施がまず延期されております。そうして「東京都知事が自治大臣の同意を得て任命した者をもって村長の職務を行なう者」としているわけでございます。すなわち、正規の地方公共団体の公選による長というものも置かれておりません。また、議会は現在ございませんで、単に執行機関の付属機関としての村政審議会が置かれているというのがこの暫定措置法の適用下の小笠原村の状況であるわけでございます。憲法の地方公共団体であるというならば、もちろん憲法九十二条の規定により議会が設置されていなければならないわけでございます。そして住民の公選による長がいなければならないというわけでございまして、そのような完全な地方公共団体について憲法九十五条が適用されるというふうに考えられるのであります。こういう点から見まして、この法律案につきまして憲法九十五条にいう住民投票の問題というのは起こり得ないのではないかというのが第一点でございます。 第二点といたしまして、憲法九十五条はその特別法というものについて、住民投票を要するということを書いておりますが、その特別法とはどういうものであるかという点を考えますと、それは特定の地方公共団体についてその組織、運営または権能に関し、一般の団体と異なる定めをする法律であるというふうに考えられますが、この小笠原諸島復興特別措置法案というものは、復興計画を立てまして、その実施について国が特別の助成をするということを中心とする法案でございます。それによって、その特定の地方公共団体の組織、運営あるいは権能というものを規制するというようなねらいはございません。そういうような国の財政上の特別の援助といったことだけを規定する法律というものは、その地方公共団体の組織、運営または権能に関するものではないということで、たとえば従来の例といたしましては、大阪港及び堺港並びにその臨港地域の整備のため発行される外貨地方債証券に関する特別措置法というようなものにつきまして、それは大阪府あるいは堺市というようなものが発行する外貨地方債について、国がその債務の保証をするということで、特別の助成をするということを中心とした法律でございますけれども、それは財政上特別の助成をするということだけが内容であって、特に大阪府であるとか堺市の組織を変更するというものでもない、その運営あるいは権能というものを規制するという意味でもないということで、先例といたしまして、こういうようなものにつきましては、憲法九十五条の規定による住民投票というようなものを対象にはしておりませんし、奄美群島振興特別措置法あるいはその前身である奄美群島復興特別措置法というようなものにつきましても、それは地域開発あるいは地域の振興をはかるということで、それは同様に復興計画であるとか振興計画というものをきめて、そうしてそれについて特別の助成をするということを内容としているわけで、この小笠原諸島復興特別措置法案というものも、これと同種のものであるというふうに考えられる。以上のような二点から申し上げて、そういうことになるというふうに存ずるわけでございます。
○折小野委員 実質的にはいまおっしゃるようなことは大体わかります。そしてまた、自治省も大体そういうようなお話でございました。確かに現在の小笠原村は完全な自治体ではございませんでしょう。しかし、それはいわゆる形式的に自治体である、いわゆる地方公共団体である、形式的な意味においてということは間違いないわけでございます。もしこれが完全でなければ適用にならないというのであれば、やはりそのような規制というものが必要じゃなかろうかと思います。そしてまた、この問題は、地方公共団体がどうこう、いわゆる地方公共団体の組織がどうこうということよりは、むしろ住民の権利に関係しておる問題じゃなかろうか。そうすると、あそこの住民が日本人としての権利が不完全であっていいのかという問題が出てまいるわけでございます。実は、先般の御答弁でも、欧米系の一部の住民がというお話がございました。欧米系であろうとなかろうと、日本人であることには変わりはありませんし、その地域の住民であることには変わりないというふうに考えます。したがって、もしそういうものが条件でありますならば、そういうものが条件であるようなはっきりした規定というものがやはりなされるべきじゃなかろうか。たとえば選挙権なんかにいたしましても、一定の期間その地域に住んでおると、こういうような一つの規制があるわけです。したがって、この憲法が適用されないということでございますならば、それに基づく一定の規制というものがはっきりとなされておってしかるべきじゃなかろうか、まあこういうふうに考えます。 それから、特別法ということに対するお考えでございますが、確かに財政的な援助を内容としたものでございますし、ほかにももちろんその例はあるわけでございます。しかし、これは一つの地方公共団体だけについて財政上の特別な措置をやるということは、やはり通常の意味における特別法と見ていいのじゃなかろうか。その地域だけに利害関係を有する問題でございます。そういう面からいきまして、この特別法が、ただ単に財政上の援助だけを内容としておるものであるから、憲法九十五条の適用排除をされるんだという確たる根拠にはどうも私どもならないような気がいたすわけでございます。したがって、この憲法九十五条の規定というものは、やはり基本的には、住民としての権利というものを掲げておるんじゃないか、まあこういうふうに考えるわけでございます。そういう面からいたしますならば、たとえ不完全であっても、あるいはその内容が財政的な問題だけであったにいたしましても、一応九十五条の配慮というものが何らかの形でなされなければならない、そういう考慮というものが、この法律をつくるにあたってなされなければならない、こういうふうに考えるのでございますが、さらに御意見をお聞かせいただきたいと思います。
○荒井政府委員 二点のお尋ねがあったわけでございますが、通常地方自治法上定めております地方公共団体の中には、たとえば財産区であるとか、あるいは地方開発事業団であるとかというようなものも地方自治法上の地方公共団体ではあるわけでございます。あるいは東京都の特別区というものも自治法上の地方公共団体ではあります。しかしながら、それが憲法九十三条を中心にした第八章の規定の適用を受ける憲法上の地方公共団体かということになりますと、財産区について、特にその九十三条が予定しておるような議会を設置するとか、長の公選であるとかいうようなことはございませんし、また特別区についても、現に、現在の制度としてはそうなっておるわけでございます。要するに、小笠原村というものも、広い意味の地方公共団体ではあるという点は間違いございませんけれども、憲法の第八章が想定しているところの地方公共団体かと申しますと、そういうことには当たらないのではないかというのが第一点でございます。 それから第二点として、特別法とはどういうものであるかという点でございますが、本質は、その特定の地方公共団体の組織あるいは運営あるいは権能というものについて特別の定めをするというものでございまして、その中の例示的なものとして、財政援助のみを内容とするというものがある。その究極の形におきましては、別に組織を変更するわけでもない、運営について特別の規制をするわけでもないというようなものは、憲法九十五条の特別法には当たらないという、その一つの典型的な例示として申しましたけれども、この小笠原諸島復興特別措置法案の中で盛られておる事項というものも、そういう助成を中心にしたもので、特に特定の地方公共団体の組織を云々するというものでもない、その運営について規制をするというものでもないということでございますけれども、これは住民に関連があるという点は、御指摘のとおりだと思いますが、現在の憲法のもとにおける制度といたしましては、それは国会が御判断をくださって立法化されるということで、憲法上の要請は満たしているのだというふうに考えられるわけでございます。
○折小野委員 どうもはっきりしないのですが、憲法は、この場合は九十五条の規定がある。そうしますと、それにはいろいろな解釈がもちろんあるわけなんですね。一定の解釈に基づいて、それに基づくいろいろな法律ができていく、こういうことになるわけでございますが、その解釈につきましては、やはりある程度恣意的な解釈ということでなしに、法律その他によってはっきりした解釈をきめていくということが、ある程度必要なんじゃないでしょうか。たとえば選挙権あたりにいたしましても、一般的に憲法の定めるところによって選挙権はあるわけですけれども、しかし、ある特定の地方自治体における選挙という場合におきましては、その地域に何年か住まなければならないというのは、特別にこれは憲法の趣旨に反しない。そういう規制というものが法律上行なわれておる。そういうような例から考えてみましても、この場合においても、このような場合においては行なわれなくていいのだ、あるいはこういう状態を待って行なわれるのだ、こういうようなものがあっていいのじゃないでしょうか。ただ単に解釈だけを基礎にしてやっていくということになりますと、小笠原の場合は別に問題はございませんですが、これを広く適用されていくような事例がもし出てくるということになりますと、それはやはり基本的には地方自治の本旨に反する、こういうようなことになってまいろうかと存じます。そういう面についてはどのようにお考えになっておられますか。
○荒井政府委員 まあその一つの法律が憲法九十五条にいう特別法であるかどうかということは、国会が御判断になる事項である。それは地方自治法の二百六十一条の規定によりまして、こういう憲法九十五条の意味における特別法が国会において議決されたときは、最後に議決した議院の議長は、当該法律を添えてその旨を内閣総理大臣に通知しなければならない、ということで、国会の判断に基づいて発動される。そして国会法の六十七条ですかの規定等につながっていくというようなことでございまして、いままでいろいろな先例が国会において確立されている。その国会によって確立されている先例なり御解釈というものを中心として考えますと、先ほど申し上げたようなことになるのではないのかということでございます。
○折小野委員 国会の判断によるということになりますならば、この法律につきまして、小笠原復興法について、これが議決されたあとで住民投票に付する、住民の投票で賛成があった場合に初めてこれが実効をあげる、こういうようなことになってよろしいのですね、国会がそう判断いたしましたならば。
○荒井政府委員 この小笠原諸島復興特別措置法案につきましては、まず第一点、最初に申し上げました点等からいいまして、この九十五条に当たることはまずまずない。それは従来の国会の御判断の基礎でもあるというふうに考えているわけでございまして、お尋ねのようなことには万々ならないんじゃないかというふうに考えております。
○折小野委員 どうもはっきりしないのですが、やはり憲法の解釈につきましては、いろいろな議論もございましょうし、学説もあるわけでありますが、やはり政府としての立場における一つの解釈、そして場合によってはそれに基づく法制度、こういうものがはっきりあっていいんじゃないでしょうか。小笠原の場合は今度なんですが、そしてまた、こういうような例がしょっちゅうあろうとも思いませんけれども、もし北方領土が復帰いたしましてあれが一つの村だということになりますと、やはりまた同じようなことになってまいりますし、あるいは干拓その他によって新しい村ができるというようなこともないじゃないわけなんです。そういうような面からいたしますと、やはりこういう面についてはっきりした公権的な定義と申しますか、そういうものを明らかにしておく、あるいは、むしろ憲法に基づいてそういうような法制度が一つあるということが正しい法制上のあり方じゃなかろうかと思うのですが、いかがでございますか。
○荒井政府委員 憲法九十五条は特別法ということを書いておるわけでございますから、その一般的な制度をきめたものであると考えられるものは九十五条に当たりようがない、この点は明らかでございます。例にあげられましたけれども、大規模な公有水面の埋立てに伴う村の設置に係る地方自治法等の特例に関する法律というものは、そういう一般制度として打ち立てられているということで九十五条の適用対象にはならない、あるいは地方自治法で定めております都制というものも、単に東京都だけについて適用するというんでなくて、そういうようなものはほかにも大阪なり何なり制度としては一般的なものとして設けられておるんだというようなものも、これも一般規定として特別法には当たりようがないというようなことも従来明らかであるというふうに学説等も理解をしているわけでございます。その特別法についてなぜ九十五条のようなことを考えなければならないかというのは、それはやはり特別の規制をするという点にその団体として重大な関心を持たざるを得ないというところが立法の趣旨であろうというふうに考えられるわけでございまして、その一般規定に当たるもの、あるいは国がその特定の地域について特別の行政を行なう。たとえば北海道開発法というように、それは国の行政として、その地域行政として一つの計画を立ててそれを促進していくというようなものは、地方公共団体のことを規定しておらないというようなことで、これも憲法九十五条の適用対象には当たらない。その他いろいろなケースに応じて具体的な判断を下さなければならないと思われますけれども、基本的な考え方としてはそういうことになろうかと思います。
○折小野委員 ちょっといまの御説明では私ども納得しかねる。それは、一般的に土地を干拓その他によって造成して、あちこちに新しい村ができるということもあり得ましょう。しかし、これは小笠原だけに特定したものであるかといいますと、さっきも申し上げたように、北方領土が返ってきて、あそこが村ということになればそういうことになってまいりましょう。あるいは、場合によって竹島問題が解決して、あそこが一つの村だということになればそういうようなことも出てまいりましょうし、あるいは、現在はどこかの領土であっても外交交渉とか、あるいは買収とか、いろいろなことで新しい土地が出てこないとも限りません。だからこれは小笠原だけにほんとうに特定しておるということはいえないのじゃございませんですか。そういう意味において九十五条の適用を排除しておるということはいえないのだと思うのです。
○荒井政府委員 まず憲法九十五条が適用されるためには、そこに憲法上の一つの地方公共団体があるということが前提でございます。ですから、たとえば北方地域などを考えました場合には、一つの地方公共団体が現にある、その現にある特定の地方公共団体のみについて適用するという特別法である場合には、憲法九十五条の規定の適用があるということになりますけれども、そこには地方公共団体がないというような場合に九十五条の適用のしようがないというのが法律的な解釈になろうかと思います。 それから、大規模干拓の場合はどうかということになりますが、それは必ずしも大潟村だけではございませんで、かりに有明海なら有明海についてそういうような大規模な干拓が行なわれるというような場合にも同じように規定の適用があり得るというふうに一般制度としては考えられるのだということでございます。 小笠原の場合には、一番最初に申し上げましたように、それらの憲法上の地方公共団体ではないと考えられるという点で、九十五条の最初の出発点のところから考えまして、その適用対象になることは考えられないということでございます。
○折小野委員 もちろん住民がいないところに村を設定するはずはないと思うのです。小笠原は幸い現地住民百何十名という人がおられる。だからこれは、小なりといえども地方自治体というものを当然つくっていかなければならぬということなんです。それは、北方領土が返ってきてそのときには住民はいないかもしれません。いない間はそこに地方自治体をつくるということはできませんでしょう。しかし、これも過渡的に考えていきますと、その後人が住んで当然そこに一つの村をつくらなければならないというようなことにならないとも限らない。そういう点からいきますと、現実にそこに人がおるおらないということは別に関係はないわけなんでして、現に小笠原が、昨年復帰と同時に、暫定措置法によりまして小笠原村を設置するということになったから一つの地方公共団体になったわけですし、したがって、九十五条との問題を私は言うわけなんです。ですから、現実の問題から見てまいりまして、確かに過渡的であるということはいえます。そしてまた、完全な自治体でないということ、これも明らかなんです。しかし、地方公共団体である、一つの自治体である、そしてそこに住んでおる人たちは、やはり地方住民としての権利義務を持っておるということは変わりないわけなんでして、そういう点からいきまして、いわゆる完全な自治体でなければ九十五条の適用が排除されるか、そこが私どもはっきりしてないわけです。むしろ地域住民の利害に関係する問題でございますから、そういう面から考えてまいりますと、現在おる、たとえ少数であっても、たとえ欧米系の住民であっても、地域住民の意見を聞くというのが、やはりその限りにおいて地方自治の本旨に即するやり方じゃなかろうか、こういうふうに考えるわけです。ですから、もっとこれを的確に何か示してもらいたいし、的確に何とか措置をしてもらいたいと思うのです。いかがでございますか。
○荒井政府委員 一番最初に申し上げた点に戻るわけでございますけれども、憲法第八章で書いております地方公共団体というものは、その条文によって変わるということはないはずだというふうに考えるわけでございます。ですから憲法九十二条でいう地方公共団体と憲法九十五条でいう地方公共団体を同一のものであると考えます限りにおきましては、憲法第八章にいう意味の地方公共団体にまで至っていないというふうに見ざるを得ないわけでございます。
○折小野委員 大体そういうことだと思うのですよ。ということは、結局憲法の解釈なんですね。憲法の各条において同じ地方公共団体という名前が使われておる。ところが、この場合においてはこういうふうに解釈する、この場合においてはこういうふうに解釈するということでは、場合によって憲法の本来期待いたしております住民の権利義務がそこなわれる、こういうようなこともあり得るのじゃないか。ですから、この場合にはこう解釈する、この場合にはこう解釈するというのであるならば、やはり公権的に、この場合の地方公共団体というのはこういうものなんだ、したがってこれに対してはこれだけの権利の制限があるのだ、こういうようなことがはっきりしていないといけないのじゃなかろうか、こういうふうに申し上げたいわけなんです。
○荒井政府委員 小笠原村につきましては、その暫定措置法の第二十条の規定で設置選挙の実施が延期されていることを申し上げましたけれども、この二十条の中で書かれておりますような延期の特例が排除されましていよいよ設置選挙が行なわれるということになりますと、議員もできますし、公選による長もできる、そういう段階になりました後におきまして、小笠原村のみを対象として、その組織運営あるいは権能というものについて特別の定めをするという法律を設けます場合には、おっしゃるように憲法九十五条の適用があるのだというふうに解さなければならないと思います。
○折小野委員 それはおっしゃるとおりだと思います。私もそれに何らの疑義を持っているわけじゃない。現在過渡的な状態が現にあるから、したがってそこに疑義があるわけですし、そしてまた、その疑義を明らかにするような何かが必要なんじゃないか、こういうことをお尋ねしておるわけです。確かにいまあそこには議会というものがございません。したがって地方公共団体の議会の議決に付するというような問題でございますならば、これはそこに議会がないのですから、それが事実上できない。それはそれで差しつかえないと思うのです。しかし、この憲法九十五条の問題は住民投票に付するということです。あそこの住民にそのような投票権はないのですか。そういう規定が明らかにしてありますか。それがないんでしたら、私どもはそれは了解いたします。
○荒井政府委員 憲法九十五条にいう地方公共団体と、それから憲法九十三条にいう地方公共団体とを同一に理解せざるを得ないという法律的な立場から一貫して申し上げておるわけでございまして、ほかの場合にも一般の住民の意向を聞くほうがより望ましいではないか、そういうためには、たとえば公聴会を開くとか、あるいは、今回地方行政委員会でなさいましたように、委員を現地に派遣されて住民の意向を十分くみ取られるとか、いろいろな手段方法はあります。憲法上の要請としてぜひともやらなければならないということにはならないというふうに、憲法第八章の規定を統一的に理解せざるを得ないということでございます。
○折小野委員 その点はよくわかるのです。また、現実には住民の意思を聞く機関として村政審議会もありますし、それは百七十何名の現地島民の人たちの意見を聞こうと思えばできる。しかし、私が言っておるのは、そういう実態ではなしに、法制上どうですかということをお尋ねしておるわけです。それが法制上はっきりしさえすれば、私の疑問は全部氷解いたすわけです。ですから、特に専門家であられる法制局の御意見をお聞きいたしておるわけであります。何らかの法制上の措置が必要なんじゃなかろうか、ただそういうふうに解釈をして、そういうふうに了解をしてやっていくことがいいことであるかどうか、その面だけをお尋ねしておるわけです。
○荒井政府委員 法制上のといいますのは、新しい何らかの立法措置を憲法のほかに講ずべきではないか、こういうお尋ねと理解してよろしいわけでございましょうか。
○折小野委員 私が私なりに考えたところでは、何らの措置をなされないということでありますならば、結局これは住民投票に付すべきではないか。この法律を議決しましても、いまの地方自治法の規定によりまして、今度は不完全であっても住民の投票に付する、それができないことはないわけですから、そして投票権がないということじゃないわけですから。そうなりますと、やはりそういう措置を講ずべきじゃないかというのが一つ。 それからまた、もしそれをやれない、そしてやらないということについて、いろいろな制度をきめるということでありますならば、こういうような不完全な地方公共団体については九十五条の住民投票に付することをやらない、こういうような規定を何か設けるかどうか、そして、そういうような規定なり法律なりが多く国会において認められるということになりますならば、そういう制度ができるようになりますならば、それもけっこうでしょう。そのいずれかだというふうに私は考えるわけです。
○荒井政府委員 第二の点からお答えを申し上げますと、この小笠原諸島復興特別措置法案につきまして憲法九十五条の規定の適用がないという点は、最初に申し上げました二つの理由からいって当然ないものであるというふうに考えますので、そういうものについて九十五条の規定の適用がないものとするという特別な立法をする必要性は毛頭ないものというふうに考えております。 それから、現実に住民投票を実施すればいいではないかということでございますけれども、政府の考え方といたしましては、これはこの法案を書き、整理された自治大臣のほうにおいても、これが憲法九十五条の適用対象となるものではないという理解のもとに提案をされておりますので、その見解で正しいというふうに考えているわけでございます。
○折小野委員 九十五条の適用がないということについて二つの理由をあげられました。完全な自治体でないということ、それから特別法であるということ。しかし、その二つの理由につきましては、私もさっき申し上げましたように、どうもはっきり納得ができないわけなんです。それがはっきり納得できる根拠がありますならば、それは私もわかりましたということで引き下がるわけなんです。ところが、それについて納得できる根拠というものが明らかでない。それは確かに一つのあなたの見解あるいは法制局の見解であるかもしれませんし、政府の見解であるかもしれません。しかし、それは一つの見解であって、私が申し上げるのが絶対に間違っておるというふうに私自身実は納得できないわけです。ですから申し上げておるわけなんです。明らかに見解が違うということでありますならば、これはもうこういう応答をいたしておってもいたし方ないわけでございまして、また別の何らかの方策というものが考えられなければならない。それ以外に方法はないわけです。結局そういうようなことでしょうか。私の見解が間違っておるならば、はっきり間違っておるというふうに納得させていただければ、それはもうそれでけっこうなんです。
○荒井政府委員 そういたしますと、昨年成立いたしました小笠原諸島の復帰に伴う法令の適用の暫定措置等に関する法律の二十条あるいは二十一条の規定をどのように理解されるかということになろうかと思いますけれども、それが憲法九十三条の要請に適応しているのかといいますと、これが憲法八章にいうような地方公共団体であるならば、最初申し上げたように、議会を設置していかなければなりませんし、公選の首長を持っていなければならないということになる、それで、その関連で申し上げますと、憲法八章にいう意味の地方公共団体では少なくとも現在のところその設置選挙が延期されている限りにおきましてはそうではないというふうに結論づけざるを得ないわけでございます。その点につきましては、御異論がないと思うのでございますけれども、その憲法九十三条の適用と九十五条の適用とを別段に解釈しなければならないということは、この第八章の規定の統一的理解という点からいたしますと、そういうことは法制的に考えられないとお答えせざるを得ないわけでございます。
○折小野委員 暫定法の規定によりまして、現在の小笠原村というのが、完全な地方公共団体でないということはわかっておるわけなんです。そういう根拠の上に立っておるわけです。ですから、不完全な地方公共団体であった場合に、九十五条の適用は全然排除されるのかということを、私は特にお聞きいたしておるわけなんです。それは不完全な地方公共団体ですから、いろいろな面で制約があることはわかっております。しかし、住民の投票権とかそういうものはなくなってはいないわけです。不完全であるからこれが適用にならないというならば、そこの根拠というものが明らかでなければならないと思います。不完全であれば、これの適用がないということがはっきりしておるならば、それは問題がないわけですが、不完全であるからこの適用がないということがはっきりしていない、そこで私は申し上げておるわけです。
○荒井政府委員 理由といたしましては、いま論じられております点と、もう一つ、その特別立法とは何かという点で、それは特定の地方公共団体について、その組織、運営あるいは権能について特別の定めをする法律であるというふうにこれは学説一般でいっているわけでございます。この復興特別措置法案におきまして、小笠原村の組織について別段の定めをした点があるかといいますと、そういう点はないわけでございます。それから、その運営または権能に関して特別の規制をしたという点も本質的にないというふうに理解をしておるわけでございまして、その一般の学説でいっておりますような特別法であるかどうかという、そちらの観点に重点を置いてお答え申し上げればよかったのかもしれませんけれども、そちらの観点から見ましても、九十五条にいう特別法に当たるものとして住民投票の対象になるという筋合いのものではないというふうに政府としては考えておるということでございます。
○折小野委員 その点につきましても、どうも納得できません。たとえば、ある都市が観光文化都市として指定をされるとか、あるいは——いろいろなそういう名前の都市がございますね。これを九十五条に基づいてやっておりますが、そういうような過去に出ております法律等におきましても、別にそれがその地方公共団体の組織とか権能とか、そういうものに特別な規制を与えるというふうなものじゃないはずなんです。そういうような面から見まして、いまおっしゃるような意味の特別法でなければ九十五条の対象にならないということにつきましては、断じて納得いたしかねます。しかし、これは基本的に見解の相違ということであろうと思いますので、委員長からのあれもありますので、この程度でやめたいと思います。ひとつ法制局としても、いろいろな面から、別に支障があるわけではございませんので、御検討をお願いいたして終わります。
○鹿野委員長 小川新一郎君。
○小川(新)委員 お時間をいただいて、この間、宮澤さんにお尋ねしておいた土地の問題について、お答えをきょういただくことになっておりますから、ちょっとお願いをいたしたいと思います。
○宮澤(弘)政府委員 過日、小川委員から、小笠原諸島におきましての地価公示の問題につきまして御質問がございました。主管庁が建設省でございますので、建設省当局にただして御報告を申し上げる、こういうことで答弁を保留してございますので、あらためて御答弁を申し上げたいと存じます。 地価公示法は、これは小川委員御存じだろうと思うのでございますが、地価を公示いたします区域につきましては、地価公示法の第二条で建設省令で定める市街化区域内の標準地について地価公示を行なう、こういう規定になっております。したがいまして、地価公示法の規定が適用されますのは、都市計画法にいっております市街化区域になるわけでございます。 そこで、一体いかなる区域が市街化区域になるかということが次の問題になるわけでございますが、これも都市計画法の附則で市街化区域の設定につきましては、当分の間、大都市とその周辺の都市区域、その他政令で定める都市計画区域以外の都市計画区域については、市街化区域に関する規定を適用しないということになっております。したがいまして、市街化区域が設定されますのは、当分の間、大都市周辺の区域その他政令で定める区域、こういうことになるわけでございます。政令の規定は、これも御案内のとおりだろうと思うのでございますが、人口十万以上の都市、こういうことになっているわけでございます。したがいまして、現在の地価公示法あるいは都市計画法、それに基づきます政令のもとにおきましては、過日御指摘になりましたような地価公示法に基づきます地価公示というものは、まだ小笠原諸島においては行なわれない、こういうことになるわけでございます。 法律、政令は、現在そうなっておりますが、それでは小笠原諸島の実態から言いまして、建設省当局として将来この地価公示の規定を小笠原諸島に適用する意図ありやいなやという点についてただしたわけでございますけれども、これにつきましても、現在のところは、ただいま申しましたような区域について地価公示の制度を施行することがせい一ぱいである、現在のところは、小笠原諸島についてその規定を適用するという見通しを持っていない、こういうことでございます。したがいまして、過日御質問の地価公示法に基づきます地価公示の制度というものは、主管当局の考え方によりましても、当分の間小笠原諸島には期待することができない、こういう実情でございます。 実情は以上のとおりでございますけれども、過日も御指摘になりましたように、小笠原諸島の島民の帰島の促進なり、あるいは復興をはかります際には、土地問題がこれは基本の問題でございます。その場合に、やはり地価の問題が一つの重点になるわけでございます。そういうことでございますので、やはり適正な地価が形成されるということは、復興計画を実施いたしますにあたっても一つの重要な問題でございますので、私どもといたしましては、今後都とも相談いたしますし、あるいは場合によりましては、審議会の委員の意見等も伺いまして、地価公示法の規定は適用になりませんけれども、小笠原諸島において適正な地価が形成されるにはどうしたらいいかということを積極的に検討してまいりたい、こういうふうに考えております。
○小川(新)委員 よくわかりましたが、地価公示というものは、いまの新都市計画法の規定に小笠原が入らないことは、私もよく了解しております。そうしますと、当然近傍類似の標準地というものを選んで特別にやらなければなりませんが、私が過日も宮澤さんにお尋ねしたことは、ここで公共資本というものが、三年間ないし五年間という期間を置いてどんどん投資されますと、当然その土地に価値を生じてまいります。現在のものよりも土地そのものに価値を生じてくる。そうなってまいりますと、当然近傍類地というと、それに匹敵するのは大島とか、八丈島、そういった島の一番開発の進んでいる、現在も休養地なり、観光地として価値を生じているような近傍類地の島、またはそういった島嶼の地価というものを標準にしてお考えになるということがわれわれ考えられますが、そうなってまいりますと、非常に土地の値段が上がって、たとえば買い上げするにしても何にしても、非常にお金が出ると思うのです。 そこで私は、一番聞きたいことは、その地価の標準をきめる場合に、現時点で定めてまいるのか、それとも三年とか五年とか、いろいろ開発が進んで、公共資本が投下されて、価値を生ぜしめた時点においてその土地というものを鑑定するのかどうか、この辺のところが非常にあいまいもことして疑問に思っておりますが、その点についていかがですか。
○宮澤(弘)政府委員 公示制度が適用になりませんことはいま御説明のとおりでございます。したがいまして、一体地価というものの標準がいつの時点できまるか、こういうことでございますけれども、現在のわが国の社会経済制度のもとにおきましては、御承知のように、地価は需要供給の関係でおのずからきまってくるわけでございますので、やはりこの土地を必要とする時点における地価、こういうことになろうと思います。 ただ、おっしゃいますように、現在はまだ地価が一体あるのかないのかも疑問でございます。かなり低いわけでございますが、将来公共投資が行なわれ、あるいは観光資本が入ってくるというときに、地価が非常に上がってくるのではないか、こういうことになるわけでございますので、それは私は地価の問題でありますと同時に、これも過日種々御議論がございましたけれども、どうやって土地をそういう観光資本なりなんなりに、そういうものを無秩序に使わせないようにするかということが一つのポイントだろうと思うのでございます。そういう意味合いで、これも過日来、島民で土地を売る人があれば、小笠原に帰島する人に売るような、何か協会の中で話し合いができないだろうかというような御質問もあったように聞いております。そういうこともございますし、私どもは東京都が土地についての基金を設定をいたしまして、これは御承知のように、自治省といたしまして、積極的に土地基金の制度をただいま勧奨いたしております。そういうことで、もし土地を売るような人がありますならば、なるべく公共の手に早く確保したいということを考えますことが、やはり将来の地価問題を間接的に解決をしていく一つの有力な方法ではないか、こういうふうに考えております。
○小川(新)委員 時間がありませんので、その点私議論いたしませんが、ひとつ早急に地価というものを定めませんと、これは非常な問題になると思いますので、この点ひとつ自治省のほうにも要求いたしておきます。 それでは私、最後に一点だけ、これは政務次官にお尋ねいたしますが、過日私は、小笠原諸島に対する国民の休養地ということで、非常に御賛同をいただいたわけでございます。自然公園法の中にありますが、「自然の風景地を保護するとともに、その利用の増進を図り、もって国民の保健、休養及び教化に資することを目的とする。」というふうに、自然公園法の第一条に載っております。 そこで私は、この小笠原諸島、たとえば父島、母島にしても、一体どういう公園のスタイルにしていくのか。国立公園、国定公園、または自然公園、これはいろいろと定義が分かれておりますが、国立、国定、自然、この三公園のいずれを選んで、これから開発を進めていかれるお考えなりや、まずお尋ねをして終わりにしたいと思います。
○砂田政府委員 私も小笠原を国立公園あるいは国定公園にできるだけ早い時期に指定をしていただきたい、または指定をするべきだと考えております。これは小川先生御心配の地価の問題にも影響することでございます。ただいま厚生省で調査中でございまして、そうもうあと時間をかけずに決定ができることと考えておりますが、国立公園にするべきか、国定公園にするべきか、それもただいま厚生省で検討中でございます。実態調査をいたしております。ただいま申し上げましたが、そう時間をかけずにこれは指定がなされるのではないかと思います。特にこの問題は、先生御心配の、私どもも心配をいたしております地価問題にも影響をしてくることでございます。できるだけ早い時期に、厚生省のほうで指定をしていただけるように、自治省としても働きかけを積極的にいたしてまいりたいと思います。
○小川(新)委員 これで終わりますが、国立公園、国定公園、ちょっと定義が違ってまいりますが、それはそれとして、一つのルール、自然公園のほうは都道府県、要するに東京都がやる。三つの種類の中で、国立公園、国定公園のほうにいま政務次官のお答えをいただいたのですが、東京都で、私のほうで自然公園としたいと言ってきた場合には、国立公園、国定公園に指定しておいて、なおかつ自然公園ということも指定できるのですか。
○宮澤(弘)政府委員 私も正確な知識を持っていないかもしれませんが、国立公園が一番規制がきびしゅうございます。それから国定公園、それからあと都道府県立の公園ということでございますので、やはり御趣旨から申しますならば、一番規制のきつい国立公園は指定してもらうということが御趣旨を全うされると思います。ダブって指定されることは、私の知識では、ないと思います。
○小川(新)委員 あくまでも地方自治体の意見を尊重して、小笠原の返還の問題については、国か、東京都かという議論が分かれておる。東京都ということになったのでございますが、こういった自然公園の場合には、非常に六甲とか鎌倉の問題とかいろいろありますので、早急に国立公園なり国定公園に指定していただきまして、小笠原諸島を国民の休養地として、ほんとうに表玄関にふさわしいりっぱな自然公園といたしたい、このように思っておりますので、この点十二分に御配慮いただき、なおかつ公明党としても、この点要求しておきますので、ひとつお願いいたしまして私の質問を終わります。
○鹿野委員長 林百郎君。
○林委員 この法案につきましては、各委員がそれぞれこまかい点まで質問しておりますので、私は問題を少ししぼって、四、五点にまとめてみたいと思うわけですけれども、最初に防衛庁関係に質問をします。 小笠原諸島が復帰するにあたりまして、復帰する当時、アメリカがそこに持っていた軍事施設、それがどういうもので、どういう機能を持っていたか。今度日本へ小笠原諸島が復帰するについて、それがどういう取りきめがしてあるか、その点をまず説明を聞きたいと思うのです。
○金井説明員 ただいまの御質問にお答えいたします。小笠原の島で、米軍がおりましたのは、父島と硫黄島でありまして、父島には米軍の海軍施設がございまして、これはグアム島にあります米海軍のマリアナ司令部の隷下に属しまして、米海軍の施設が父島にありまして、これが軍政の面その他の面を担当いたしておりました。それから硫黄島には米国空軍の分遣隊がおりまして、これは立川から派遣されていたのでございますが、これが向こうの飛行場を管理いたしておりまして、向こうの飛行場はどこまでも緊急陸着陸のためのものでございまして、そのために、ほとんど常駐機はなかったのでございますけれども、緊急のためにしょっちゅう滑走路を維持補修しておるというようなことで、空軍が滑走路を持っておりました。 それから、もう一つは、米国の運輸省に属しますところのコースト・ガード、沿岸警備隊と申しますか、それが通信施設を——硫黄島通信所とわれわれ称しておりますが、それを持っておりまして、一応これが復帰前の状況でございましたが、復帰とともに米軍は、父島から海軍は撤収いたしまして、そしてこちらの海上自衛隊が肩がわりに向こうに行きまして、それから硫黄島におきましては、米国の空軍は全く撤収いたしまして、御承知のとおり現在海上自衛隊が行っておりますが、ただ一つ、先ほど申し上げました硫黄島通信所、これだけは依然として向こうで通信関係の運営のために残っている、これが状況でございます。
○林委員 そうすると、米軍の軍事施設で依然として残っているのは硫黄島における通信施設、いわゆるロランCと認定できますが、そう認識してよろしいですか。
○金井説明員 さようでございます。そのとおりでございます。
○林委員 そうすると、硫黄島にあるロランCですけれども、これはなぜアメリカがこれだけはそこへ残し、そして、それはどういう機能を果たすためにそこに残しておるのですか。本来われわれから言えば、まあ安保条約に対する私たちの党の立場は、これは終了させるべきだという立場、それから硫黄島については——硫黄島、小笠原、沖繩もそうですけれども、アメリカの軍事基地は撤去させるべきだという、これはわれわれの立場です。その立場は立場として、なぜアメリカが硫黄島のロランC、通信施設は残しておく必要があるのか、それを日本の防衛庁としてはどう考えるか。
○金井説明員 私自身、このロラン——何だかこれ、響きがあれなんでございますが、ロング・レンジ・ナビゲーションエイズと申しまして、長距離の船舶の航海、あるいは飛行、こういうものを援助する装置でございますが、ごらんのとおり千三百五十フィートぐらいの非常に高いアンテナを建てている非常に大きな通信施設でございます。 なぜこれだけは、という御質問でございますが、私自身しろうとではございますけれども、いままで米軍との交渉の途次において、私なりに理解し得たことでございますけれども、このロランCというのは、非常に広範囲にわたり、しかも非常な精密度でもってそこから送ります電波によりまして、飛行機あるいは船舶が自分の位置をはっきり位置づけ得る、こういうような機能を果たすのだそうでございます。まあ日本におきましても、それより以下のロランが現在日本の海上保安庁あたりで運営されておりますけれども、そのロランC、非常にそれだけ性能の高いものでありますので、これはいま米国のほうでぜひやらなければならない。ただにこれは軍事用の軍艦あるいは航空機ばかりでなく、民間のものに対してもこれは非常なあれを持つ、こういうふうに聞かされておりますが、そういう意味において、日本としましても、これを向こうに存置するというふうに認めたものと考えております。
○林委員 ロランCの機能についてはいろいろな機能があると思いますが、こういう機能も持っておりますか。たとえばポラリス原子力潜水艦あるいは原子力潜水艦を電波で誘導する、そういう機能も一つの機能として持っている、こう考えていいですか。
○金井説明員 先ほども申し上げましたとおり、私自身こういうロランのことにつきましてはしろうとでございますが、現在まで米軍とこのことについて折衝してきました途次におきましては、私はそういうことはまだ聞いておりません。
○林委員 そうすると、潜水艦の誘導という機能は持っておらないのですか、そこをひとつ……。
○室城説明員 お答えいたします。 ただいまの御質問は、原子力潜水艦などを誘導する機能を持っておるのじゃないかというお尋ねでございますが、御承知のようにロランと申しますのは、こちらからロランが一定の電波を絶えず出しておりまして、あらゆる艦船、航空機等が自分の位置を確認しますためにその電波を利用する、いわば電波灯台というような役割りのものでございますので、特定の目的を持ってあるものを誘導するとかというような機能を果たすものではございません。自分の位置を確認するために、発しておる電波をキャッチして利用する、こういう性質のものと承知しております。
○林委員 要するにこれが硫黄島だという位置を潜水艦等に——私は潜水艦のことを聞いているのですから、漁船のことを聞いているわけじゃないのです。潜水艦にその位置を知らせる、そういう意味の誘導的な——ここがいま硫黄島です、硫黄島のロラン基地からいま電波を出している、そういうことを潜水艦に連絡する機能もある、それはわかり切っていることで、どうしてそんなことをこだわるのですか。そんなに簡単なものなら、何もアメリカが硫黄島にロラン基地だけ置いておくことないでしょう。そういう重要な役割りがあるからこそ、これだけは小笠原島の中で特に置いておくんじゃないですか。
○室城説明員 お答えいたします。 ロランにはAというタイプのものとCというタイプのものがあると承知しております。Aのほうは比較的廉価に受信機が手に入りますし、そういった意味で普及率が高いというふうに存じております。Cのほうは、Aとは違った波長で電波を出しておるわけでございますが、このCの電波を受け取りますためには、特有の、ややAに比べますとコストの高い器材と受信機を持たなければならないというふうなことで、Aに比べますとやや普及率が低いというふうに聞いております。ロランCは沖繩とかあるいは北海道の十勝太などにもございまして、航行いたします船や飛行機が自分のおります位置を確認しますために、ちょうど星を見て自分の位置を確認すると同じように、いろいろな方角からの電波を取ることによって自分の位置を確認する、こういう性質のものでございますので、何か誘導するというような、あるいは硫黄島であることを知らせるというふうなお尋ねでございましたが、もともとそういったことを目的にする器材ではないというふうに承知しております。
○林委員 あなたがそれほどのことを言うなら——これは国会の答弁では、日本の漁船や商船でロランCの受信施設を持っている漁船や商船はまだないという答弁をしているのですよ。あなたがそれほど言うなら、それではなぜアメリカは硫黄島にロランC局を置くのですか。どういう軍事的な目的で置くのかそれを言ってください。そんなあなたの言うようなタイプのもので置くなら撤去してもいいじゃないですか。なぜ置くのですか。
○室城説明員 硫黄島にはロランC局とA局も併設されておるというふうに承知いたしております。したがって、Cの電波で自分の位置を確認しますものが現に使われております以上、Cの電波が取れるような電波灯台が必要なわけでございまして、そのような意味で北海道の十勝太、それから硫黄島、沖繩というふうにC局が適宜の位置に配置されておるのではないかというふうに思います。
○林委員 あと山口さんが関連質問いたしますから……。 いまのお答え、小さい声でよくわからないのですが、そのロランCの目的やCの機能を聞いているのじゃなくて、アメリカが特に硫黄島にロランAとCの併設基地を置いておくのはどういう軍事的な目的があるから置いておくと考えるのか、軍事的な専門家から言って。それを聞いているのです。ということは、私は次の質問から、アメリカの基地がそこにあれば、日米安保条約あるいは地位協定によって日本が極東防衛の上で責任を負わなければならないのですよ。そうすると、広範な西太平洋地域の防衛の責任を日本がその基地のために負わなければならなくなる。日本が、安保条約があり地位協定がある限りは、広大な防衛責任を負わされるような基地を硫黄島にアメリカが置くその軍事的な目的は何ですかと聞いているんですよ。AとCの機能なんか専門的にあなたから聞かなくても、大体こっちはわかっていますよ。軍事的にどういう目的で置くと考えているのか。わからないならばわからないでいいんですよ。これはアメリカの戦略に関することですから、私はわからないでけっこうです。何もロランA、C基地の機能を特に引き下げるようなことをあなた一生懸命ここで弁解しなくてもいいでしょう。アメリカがここに置くという以上は、アメリカが置かなければならない理由があるわけでしょう。その置かなければならない理由は何ですか。その基地があるために、日本は日米安保条約によって広範な西太平洋地域の防衛責任を負わされるわけですから、どうしてそういうものがあるのですかと聞いているのです。
○室城説明員 AとCの機能を申し上げておるという意味ではございませんで、アメリカ側の軍事戦略というものにつきましては、詳細はもちろん承知いたしておりませんが、一応西太平洋の地域におきますロランCを利用して自分の位置を知るということをやります航空機、艦船の運用のために必要な施設として置かれておるというふうに承知しておるわけでございます。
○鹿野委員長 この際、関連して山口鶴男君の質疑を許します。
○山口(鶴)委員 いまいろいろとロランの基地をめぐって質疑がありましたが、このロランのA、Cですね、電波の波長が違うわけですな。特に水中に対して透過力の強いのはどちらですか。
○室城説明員 御質問にそのままお答えすることはちょっとできませんが、一応ロランAとロランCの周波数の差は、先生御指摘のようにございます。ロランCは通常九十キロサイクルから百十キロサイクルという周波数を使っておる。ロランAのほうは千七百五十キロサイクルから千九百五十キロサイクルの周波数を使っておるというふうに承知しております。
○山口(鶴)委員 電波の波長によって空中の透過能力あるいは水中の透過能力というのは違いますね。それがどう違うかと聞いているんですよ。
○室城説明員 ちょっと専門的なことになりますので私お答え申し上げかねますが、もし御必要とあらばさっそく調査いたしまして御報告いたします。
○山口(鶴)委員 それはあとで資料を出してください。 要は、そういった水中の透過能力の強い電波を出しているということは、林さんの懸念されるように、特に原子力潜水艦向けの、位置を確かめるということは、いわば誘導することとイコールなんでありますから、そういった懸念がわれわれ社会党としてもあるんだということをこの際申し上げておきたいと思います。 以上です。
○林委員 この問題については、いずれ資料を、委員長、私も山口さんもほしいので、正確な資料を防衛庁から出してもらいたいと思います。 そこで、このロランC基地が硫黄島にあるということで、これは日米安保条約あるいは地位協定等に基づいて、日本の自衛隊が当然共同防衛責任を負わざるを得なくなる。したがって、このロランC基地が硫黄島に残るために、日本の自衛隊のこれに対する共同防衛計画はどういうことになるのですか。何かその点知っている人があったら答えてください。
○室城説明員 私、実は所管が違いますので先生の御質問にお答えすることはできませんが、ただいま所管の関係者は決算委員会のほうに出ておりますので、御了承願いたいと思います。
○林委員 すると何も答えられないということですか。あなた方は防衛庁の幹部級ですから、小笠原が日本に復帰することによって日本の自衛隊の防衛責任がどのようになるのかということくらい——こまかい専門的なことはわからないとして、それじゃあなた方はどういうように認識しているのですか。
○室城説明員 日本の安全を守ります場合に、米軍と自衛隊が共同で防衛に任ずるというたてまえのもとに、本土におきましても、また同じように小笠原におきましても、それぞれ防衛上十分な連携をとって当たるということがたてまえであることは申し上げるまでもございませんが、詳細に、小笠原の施設を利用して自衛隊がどういうように米軍と共同して防衛するかというような点については、私もはっきりとお答え申し上げかねます。
○林委員 担当課長がいないので、ここで質問してもあれですけれども、これは国会で増田防衛庁長官が、小笠原の施政権返還後、小笠原に自衛隊を派遣して、同地域に駐留する米軍と共同防衛体制をとることになる、こう語っているわけなんです。そして、その具体的な対策としては、これは防衛庁の長官の談ではありませんが、もろもろの調査によりますと、まずP2V対潜水艦の哨戒機と駆潜艇の配備、ナイキハーキュリーズとホーク射撃場の建設、海上自衛隊の対潜水艦部隊と陸空のミサイル部隊を中心としている、こういう計画がこれは常識として公表されているわけですけれども、このことについては皆さん知りませんか。
○室城説明員 現在、小笠原の返還後、自衛隊といたしましては、父島に父島基地分遣隊、それから硫黄島に硫黄島航空基地分遣隊、南鳥島に南鳥島航空派遣隊というのをそれぞれ配置いたしておりますが、いまおっしゃいました装備等については、現在のところまだ配置になっておりません。現在では、返還されました施設の維持管理をいたしますために、ただいま申し上げたような部隊が配置されておるということでございます。
○林委員 これは沖繩の返還の際にも非常に重要な問題になるので、念のために聞きますが、小笠原諸島返還時において、その島にあった諸器材で防衛庁関係で金を出して購入されたものはどんなもので、そして幾らの金額になっているか、わかりますか。
○生田説明員 お答え申し上げます。 小笠原の返還に伴いまして、防衛庁が購入いたしましたいわゆる動産でございますが、二十二万九千ドルを購入したわけでございます。その内容を申し上げますと、車両、それから工具、部品、そういうものが約三万ドル、それから庁舎、宿舎用の備品が約一万六千ドル、それから予備の発電機が三万一千ドル、それから建築材料、塗料のたぐいが三千五百ドル、それから基地用の器材、これは事務用品とか映写機というようなものでございますが、約二万四千ドル、それから通信器材、これはケーブルでございますが、一万五千ドル、それから燃料、油脂が五万九千ドル、それから係留用のブイでございますが、ブイが四万九千ドル、以上合計いたしまして約二十二万九千ドルでございます。
○林委員 それはどういう折衝の結果そういう金額で買い取るようになったのですか。
○生田説明員 小笠原の返還に伴いまして、小笠原諸島にありました、ただいま申し上げましたような米軍の資材でございますが、それを検討いたしまして、自衛隊として使用する必要があるものにつきまして、日米双方で委員会を設置いたしまして委員会で折衝いたしました。それから、防衛庁からも専門家を派遣いたしまして、各資材別に実態の調査をいたしまして、価格の査定も厳正にいたしまして、その結果必要なものを一般輸入の手続によりまして購入したわけでございます。
○林委員 先ほどのあなたの答弁によると、まだ自衛隊は派遣しているだけで、どのような装備をするかわからないというんですね。また、私が具体的に提起をした、このような装備をするのではないかということに対して、まだそのような装備はされていない、このような答弁があるにもかかわらず、米軍からの資材についてはもう購入しているわけですよ。購入している限り、それは将来の自衛隊の防衛計画と一致したものを買い入れているわけなんで、防衛計画がないのに、その防衛計画の資材だけはアメリカから買うということは考えられないことですよ。だから、日本から派遣されている自衛隊が、硫黄島にあるアメリカのロランC基地を中心として小笠原に対してどのような防衛の施設を設けようとしているか、その具体的な計画があるはずでしょう。これなくして二十二万ドルも出して資材だけを買うということは考えられないことじゃないですか。これは国会の審議なんですからね。そういうことはあなた正確に言ってもらわなくちゃ困るんですよ。どうですか。
○室城説明員 先ほど私が申し上げましたのは、現状について私が承知していることを申し上げたのでございまして、いま先生のおっしゃいます内容につきましては、実は所管外でございまして、お答えいたしかねるわけでございます。
○林委員 あなたの所管外だからわからないということですね。そうすると、お聞きしますが、この硫黄島から「通信器械」として一万二千二百三十六ドルですか、これで「通信器械」を買っていますが、硫黄島で買った「通信器械」というのは何ですか。
○生田説明員 硫黄島から買いましたものは、電源と接続いたしますケーブルでございまして、通信機の本体ではございません。ケーブルでございます。
○林委員 だから、硫黄島でそのケーブルを買うのはどういう計画上必要だから買われたのですか。
○生田説明員 先ほど概略を御説明申し上げましたように、今回購入いたしましたものは、ただいまのケーブルでございますとか、あと事務用の器械でございますとか、あるいは冷蔵庫でございますとか、そういう非常にこまかい雑多なものの集積が二十二万ドルになったわけでございまして、先生の御指摘でございますけれども、防衛庁といたしましての主要な装備品を米軍から肩がわりしたということではございませんで、むしろ、何と申しますか、必要最小限度の基地の維持に必要な程度のいろいろな備品をそろえて買ったというように私ども了解しております。
○林委員 これはあなたのほうから出た資料ですよ。あなたのほうから出た資料に「基地用器械」とあるのですよ。ケーブルとは書いてないのですよ。防衛庁から出した資料に「基地用器械」とあれば、基地に何らかの関係のある器械と見るのはあたりまえでしょう。だからそれはどういう器械であって、硫黄島にある基地とどういう関連のある器械かと聞くのはあたりまえじゃないですか。これは「基地用器械」とあるけれども、これは単なるケーブルであると考えておいていいのですか。私はあなたのほうから出た資料で質問しているのですからね。
○生田説明員 ただいまの先生の御指摘でございますが、基地用の器材として掲げました二万三千八百八十ドルでございますが、これは基地用の器材と申しますと、非常に大きなもののようにごらんになったかと思いますが、その内容は基地に置かれております事務用品と、それから映写機等でございます。 それから、その下の通信器材として掲げました……(林委員「通信器械となっておる」と呼ぶ)通信器材でございます。通信器材として掲げましたのは、ただいま申し上げましたケーブルでございまして、その表題があるいはそういうようにお考えかと思いますけれども、内容はそういう非常に雑多なものでございます。
○林委員 それはそういうように聞いておきます。 そうすると、そういう器材を買われて、その器材が将来の防衛庁の防衛計画とどういうふうな関係があるかということはそこで説明できますか。どういうものだけを買われたのですか。
○生田説明員 先ほども申し上げましたように、必要最小限度の基地の維持に必要ないろいろな什器、備品あるいはそれに類したものを買ったわけでございまして、先生御指摘になりましたような、今後の防衛計画、それから主要な装備品あるいは兵器の配備と直接関係のあるものではございません。むしろ引き継ぎました基地を必要最小限度維持するために必要なものに限定して買ったということでございます。
○林委員 それでは必要最小限度の器材を買ったというのですから、器材を買った以上、それを利用するのは当然なんで、これは国庫の財政から支出されているわけですから、そうするとその器材を使って——いま派遣されている日本の自衛隊というのは、陸上自衛隊、海上自衛隊、航空自衛隊でどういう部隊がどのくらい、どこに派遣されているのですか。資材のほうだけは買ったけれども、何がどういっているか説明がないというのは片手落ちになるから、説明してください。
○室城説明員 私の承知しておりますのは、一応派遣されております部隊と、いま先生お尋ねの人員については承知いたしております。装備、器材等については実は承知いたしておりません。 人員について申しますと、父島基地分遣隊、これは隊長以下四十二名でございます。硫黄島航空基地分遣隊、これは司令以下五十一名でございます。南鳥島航空派遣隊、これは隊長以下七名でございます。以上はいずれも海上自衛隊の部隊でございまして、その要員も海上自衛隊員でございます。
○林委員 陸上自衛隊は。
○室城説明員 陸上自衛隊、航空自衛隊は現在のところ派遣されておりません。
○林委員 そうすると、陸上自衛隊、航空自衛隊については将来飛行場の設定、基地の設定、それから人員の派遣、そういう計画はそこで説明できますか。
○室城説明員 防衛に関する計画等につきましては、実は防衛課のほうが所管でございまして、私承知しておりませんので、御了解願いたいと思います。
○林委員 それでは、防衛関係については、担当の人もおりませんので、適切な答弁ができませんから、これでけっこうです。 それから次に、総理府関係できのうもお尋ねしたのですけれども、昭和三十五年にアメリカから六百万ドル、約二十二、三億円ですか、見舞い金と称するものが小笠原島民関係者に来ておるという話ですけれども、これは所管は総理府ですか。総理府いますか。これはどういう性格の金で、それでどういうように配分されたのか。いろいろまだ紛争が民事的にも刑事的にも残されておりますので、そしてまた、いろいろの報道もされておりますので、この際明らかにしておく必要があると思いますが、それを説明願いたいと思います。
○守谷説明員 六百万ドルについてお答え申し上げます。 六百万ドルは、小笠原の旧島民が小笠原に持っておりました有形無形の私有権及びそれから発生いたします利益、そういったものを享受できないということに対する見舞い金といたしまして、外交折衝によって米国政府から日本政府が受領したものでありまして、その際に、条件といたしまして、これは決して旧島民の財産権、私有権を米国政府に移転するものでもないし、かつまた、今後の小笠原の返還に何らマイナスになるものではないという了解において受領したものであります。この六百万ドルはそういった性格のものでありまして、国内の諸般の需要に支払うべき財源である、そういったものとは性格が違いますので、日本政府の保管金として保管したわけでございます。その保管金を当時小笠原旧島民で結成しておりました小笠原の三団体、俗に三団体と申します。詳しくは小笠原帰郷促進連盟、それから小笠原土地所有者委員会、もう一つが小笠原土地農業同志会、この三団体の要請に基づきまして、三団体の責任者を受任者にいたしまして市中銀行に預託させたものであります。その際に、講和発効前に見舞い金として千七百万、講和発効後約一億四千万の見舞い金が出ております。講和発効後の見舞い金につきましては、この旧島民の財産権の侵害といいますか、利益を享受できないというのが、アメリカが施政を行なっているというところから発生しているので、これは外交交渉でやるけれども、その間に一応生活が困窮していくので、日本政府が内金という、たてかえ払いという方法で払いますよということを島民とお互いに協定いたしまして、それで払ったものでございますので、これは六百万ドルを受領したときに、一億四千万円は島民代表、三団体代表から国庫へ一括納入させておるわけでございます。残りましたものにつきまして、政府は関係各省——関係各省と申し上げますと、内閣法制局であるとか、法務省民事局であるとか、建設省、通産省、農林省、厚生省、もちろん自治省も入っております。そういった関係担当局長で構成いたします連絡会議を開きまして、島民代表、つまり三団体の代表の意見もそこに反映させまして配分方法を決定したわけでございます。 その配分方法は、まず第一に土地関係、第二に漁業関係、第三が鉱業関係、これは一件でございますが、燐鉱石、硫黄などの鉱業権関係、それから所得関係、それから世帯人頭関係配分というふうにきめまして、そして各受給者から所定の様式に従いまして配分申請書を提出させたわけであります。この配分申請書に基づきまして配分を決定いたしまして、受給者に配分通知書を渡したわけでございます。その配分通知書に基づいて、その受給者は、前述の三団体の代表名義で市中銀行に預託してありますその金融機関へ行きまして、現金にかえて受領したというのが六百万ドル配分金の経過でございます。
○林委員 その民間三団体に金を渡して、民間三団体が銀行へ預金して、その三団体がどのように配分されたかという責任はどこが持ち、どこが監督するのですか。いま問題になっているのは、その三団体の役員あるいはその三団体の顧問がいろいろの問題をかもして、あなたも知っているようにいま民事、刑事事件を起こしているわけでしょう。どうして政府が直接そういう島民関係の人に渡さなくて、その三団体に銀行に預託させるのですか。
○守谷説明員 ただいま私が申し上げましたのは、日米交換公文の中に、この六百万ドルは、日本政府がとる配分方法によって関係日本国民に配分するということがございます。したがいまして、これは三団体の幹部が配分方法をきめて決定して配分したのではございません。日本政府が三団体の代表の意見も反映いたしまして、関係各省連絡会議で日本政府が配分方法をきめまして、配分通知書を各個人個人に出したわけでございます。ただ、その金の預託は一応日本政府の保管金として預託したものでございます。それを三団体の名義にして銀行に預託させたわけでございまして、これら三団体がかってに引き出せるものではなく、各個人個人が日本政府が決定いたします配分通知書によってその機関から現金にかえたというのが実情でございます。
○林委員 ではその三団体へ政府が分配を委託した金をここで言ってください。その三団体のどの団体に幾らずつか。
○守谷説明員 三団体には渡してございません。三団体の名前で市中銀行に預託したということでございます。
○林委員 そうすると、その三団体の名義で幾らを銀行に預託したのですか。
○守谷説明員 六百万ドル全部でございます。
○林委員 そうすると、その三団体名義の預金がどのように消費されたか、島民に渡ったか、それは全部資料はありますね。提出できますね。
○守谷説明員 現在手元に持っておりませんが、資料は保管してございますので、お見せすることができると思います。
○林委員 では委員長、その資料を出していただきたい。 それで、その三団体というのは民間でしょう。民間の三団体名義に預託するというのが私にはわからぬのですが、普通なら政府の総理府がちゃんと幾らの金を払うからどこどこに取りにこいということをやればいいのを、どうして民間三団体名義で預託したのか。そのことのためにいま紛争が起きているわけでしょう。しかも政治家の名前まで出ているじゃないですか。私、ここで言うことは違慮しますけれども、そこからいろいろな黒い霧のうわさが立っているでしょう。どうしてそんなことをやるのか。三団体といったっていろいろな団体があるでしょう。
○守谷説明員 当時は島民がつくっておりました団体は先ほど申し上げました三団体であります。 それからなお、先ほど御説明申し上げました六百万ドルの性格から考えまして、これは政府の歳入歳出に入れないで保管金とするということにいたしたわけでございます。したがいまして、その金は果実を全然生みません。そういった点もございまして、各島民からの要望もありまして、三団体の名義で市中銀行へ預託したということであります。金額そのものは何ら三団体へ直接渡しているものではございません。
○林委員 そんなアメリカが日本政府を対象として支払った金を、政府の管理の金にしなくて、民間三団体名義で銀行に預金する。もしその民間三団体が借金があって、銀行から差し押えられて、その支払いが凍結されたら、その責任はだれが負うのですか。現実にそういう問題があるのですよ。
○守谷説明員 現実にはそういう問題はございません。これは個人でございまして、団体としてはそういうことはございません。
○林委員 小笠原帰郷促進連盟も三団体の一つですね。この名義で預金されている金は銀行から凍結されて、それで支払いを受けるべき人が受けられなくて、相談を受けにきていますよ。具体的にはここでは申すつもりはありません。おかしいじゃないですか。アメリカ政府が日本政府へ渡した金を政府の管理にしないで、民間三団体名義で銀行に預金して、その三団体がどのように受領者のところに行ったか知らない、最終の責任は負えないという状態にしたのは、おかしいじゃないですか。総理府はどうしてそれだけ島民の実情を調べて、島民の生活の再建のために渡すという手続をとらないのですか。そんなことをいえば、これから外国から来た金が、これは直接の被害者はこれだから、その民間団体にやる、政府の手は通じないでおきましょうということになったら、これは財政上大きな混乱を来たすことになるのですよ。しかもやみの金になっちゃうじゃないですか。そう思いませんか。それじゃ、最高の金をもらった人の額と、最低の額をここで言ってください。最高の人は幾らもらっているのですか。
○守谷説明員 現在手元に資料がございませんので、はっきりした金額は申し上げられませんが、最高は一千数百万円、最低は、これは人頭の場合ですと、小さな赤ちゃんまで入りますので、非常に少額の金額になります。
○林委員 幾らですか。
○守谷説明員 最低は三万前後かと思います。
○林委員 最高が一千百万で、最低が三万。その基準はどのようにやられたか知りませんけれども、最高の一千百万というのは、個人ですか、企業ですか。どういうところにいったのですか。
○守谷説明員 いま申し上げましたのは、個人で土地を非常に多く持っていた方でありまして、名前はちょっと現在手元に資料がありませんので、調べなければわかりません。
○林委員 私がこういう質問をするのは、この法案の中でも、島民の帰復後の生活の保障について配慮するというような条文があるわけです。やはり離島した人たちの帰島後の生活をどのようにして保障してやるかということは、重要な問題でありまして、そのことがこの法案の一つの重点になっているわけです。そういう場合、過去に二十一億近くの金が来ているのに、それが千百万もらう人もあれば、三万しかもらわない人もある。しかもその配分は、民間三団体にまかされているというような、現実には民間三団体がやっているのです。あなたはそこで首をこんなふうにやっていますけれども、そんなら民間三団体の名義で預金された銀行預金が、どのように皆さんの考えている離島者のところに行っているかという資料を出してください。方々で問題が起きて、相談を受けているのです。そういう手ぬかりのことを皆さんがしておいて、国会に来て頭を下げたところで、われわれは納得できぬ。具体的に、最高の人は土地をたくさん持っていたと言いますが、何で土地を持っていたのですか。普通の人が三万なのに、一千百万ももらうような広大な土地をどういう事情で、どこが持っていたのですか。説明してください。
○守谷説明員 これは資料にしてお出しできると思いますが、いま申し上げました三万というのは、土地を持っていたという意味ではなくて、最低でもらったという人で、人頭関係の赤ちゃんなんかの場合はそのくらいになるのではないかというふうに申し上げたわけでございます。 なお、配分につきましては、これは政府で決定したわけでございます。ただ、これは八年前でございまして、私はその後うわさで聞いたわけであります。実際にタッチしていなかったわけでございますが、うわさで聞いたところによりますと、日本政府が見舞い金の内払いということで支出しました一億四千万円、これは六百万ドルが戻ってきましたときに、国庫へ内払いでございますので納付さしております。この一億四千万については、小笠原連盟が再配分を島民にやる、その再配分というのは、小笠原の旧島民で構成しておるいろいろの漁業会社であるとか、そういうところの株にするというようなことで、再配分はその後行なわれたということは聞いております。それがいろいろの紛争になっているのではないかと考えるわけであります。なお、現在六百万ドルのうち約七百万円ちょっと残金があります。これは現在訴訟を起こしておるものであります。これにつきましても順次解決しておりまして、現在残っておるものは二件でありますが、これは配分の決定について問題があったのではありません。両者の配分申請書に基づきまして、いろいろの協議書、確認書を当時提出さしております。その協議書を、簡単に申しますと、私有権と地上権の問願でございます。私有権、地上権の比率をいかにするかというのは、両者で協議して、協議書によって確認いたしております。そういった問題について係争が起こっておるということを聞いております。
○林委員 あとで資料を出していただくことにして、いまの資料はどこへいっているのですか。あなたの手元にあるのですか。
○守谷説明員 総理府の倉庫の中に入っておるはずです。
○林委員 それでは委員長、あとでそれを出していただくことにして、この問題の質問は終ります。 そこで、自治省にお尋ねしますが、いろいろのいきさつがあって、事情については、総理府ももうすでにこの法案の審議で十分おわかりになっておると思いますけれども、この法案は、率直にいって、結局東京都知事のやることを、どういうようにして自治大臣をはじめ政府が規制していくかということが、私としては非常に大きく印象づけられるわけですけれども、たとえば、第四条「東京都知事は、復興計画の案を作成し、自治大臣に提出するものとする。」提出だけするわけですね。決定は、自治大臣が「小笠原諸島復興審議会の審議を経て、復興計画を決定する。」もちろん小笠原諸島復興審議会の委員は自治大臣が任命する。それから具体的に毎年度の復興実施計画、これも東京都知事が作成して、自治大臣の認可を受けなければならない、変更する場合もこれと同じだ、こういうことになっておるわけですね。そうすると、知事には、ただ計画を出させるだけで、決定するのは自治大臣。それから自治大臣は、関係行政庁と相談をして決定するということになるわけですね。これは事実上は政府の思うとおりに——思うとおりということがもし皆さんにひっかかるなら、結局東京都知事の権限、東京都知事のプランを、政府がどのように規制していくかということのための法案になるのじゃないですか。東京都知事の意見を、あるいは当該自治団体の意見を十分しんしゃくしなければならないとかなんとかいうことは、一つもこの中に書かれていないんじゃないでしょうか。その点をどうお考えになりますか。
○砂田政府委員 いまの幾つかの点で御心配をおかけしておりますが、小笠原諸島の復興は、新しく返還されました日本の国土としての復興でございます。従前の小笠原についての経緯から考えまして、小笠原諸島の復興については国がその責任を負わなければならない。そういうことから立法を考えたわけでございますから小笠原諸島の復興について地方公共団体の意向を十分に参酌をする、そういう意味合いから、復興計画を東京都知事につくっていただく、こうきめたわけでございますので、つくっていただきましたものを自治大臣が決定をすることにいたしておるわけでございます。 実施計画の作成も同じ趣旨でございまして、計画作成の主体は東京都知事でございます。国は当該実施計画が復興計画との関係において適切なものであるかどうか、その観点から必要な範囲の中だけで関与する、そうしたわけでございます。 さらに、いま先生御議論の指揮監督の問題ですが、復興計画に基づきます事業について東京都知事等に対する指揮監督の問題につきましては、同諸島復興について国、東京都あるいは小笠原村あるいは公共的団体等、そういうそれぞれの団体が機能的に分担をしていくわけですが、それらの事業が円滑に実施されるためには、国としてやはり地方公共団体等の行なう事業について総合調整をやってまいる、そういう国としての責任があるわけでございます。その責任を果たすために必要な範囲の中だけでの指揮監督、さらに復興計画に基づきます個々の事業につきましては国の特別の助成がこの法案に書かれております。この点からも、国として当該事業の適正な実施について十分な関心を、当然われわれ国の側でも持つわけでございまして、こういう点を事情を総合的に勘案して指揮監督というものを残したわけです。 具体的に申しますと、先生おっしゃった都の考えること、都のやることを国が規制するばかりではないかという、そういう考えは毛頭ございません。むしろ国の責任を明らにして、国がどのように都あるいはその他の団体に協力をしていくか、援助をしていくか、ここに法案の主体的な、基本的な考え方があるわけであります。これはもう先生具体的に、昨日の参考人の東京都知事の御意見、復興計画をつくっていこうという基本的な都知事のお考えと、一昨日私が御答弁をいたしました国としての復興計画の内容についての基本的な構想と、何ら差異はございません。十分な連絡協議をいたしながら進めておりますので、その間の意見の食い違いはない、こういう環境を今後も法の運営につきましても取り続けてまいる、こういうことでございます。
○林委員 十八条の指揮監督の問題がありますけれども、それより、基本的な計画の決定権を自治大臣がすべて持っているという点ですね。そうすると、行政的な帰属は東京都に帰属しながら、その復興計画は、ただ計画を知事が出すだけで、決定権は自治大臣が持ち、実施計画は自治大臣の認可を受けなければならないということでは、これは自治体の本来持っている自治の権限を侵すことになるのじゃないか、こういうことを心配するわけです。 率直に申しますと、たとえば美濃部さんはきのうも東京都として独自の復興計画を、特別に大学の教授等も依頼して調査をしている。それから、基地の点についても、せっかく小笠原が復帰するなら、そういう将来戦争の禍恨の核になるような基地は取り払いたい、こういう希望も持っているわけですね。これはもう美濃部さんとしての都知事の性格からいって当然だと思う。ところが、政府のほうは、むしろ日米安保条約を自動延長して日米の共同防衛を一そう強化していこうという考えを持っている。そうすると、小笠原を将来どのような方向へ行政指導をしていくかということで、いわゆる都議会では、いま共産党、社会党が与党なんですから、そこの都知事と、国会では自民党が与党で政府である、この食い違いがある場合、東京都知事の計画よりは政府の計画を優先させなければならない、都知事にまかしておくと政府の政策と摩擦が起きる危険がある、だからいまこの法律をつくってそれを規制しておく必要があるのじゃないか、われわれはそういうことを、これは突っ込んだ懸念として申し上げるわけですけれども、そういう意図が考えられると思いますので、それについて次官はどうですか。
○砂田政府委員 先生の御疑念でございますが、いままで東京都と自治省は十分な連絡をとりながら、自治省といたしましても、東京都知事が決定をして出してこられます復興計画案の東京都での作成に御協力をいたしております。具体的にその段階で自治省の持っております構想というものと、東京都が進めておられます計画の煮詰め方と何ら差異はございません。昨日私も拝聴いたしましたが、東京都知事の小笠原島としての将来の終局的にあるべき姿、ビジョン、こういうことをおっしゃいました。いろいろな調査団等を派遣してただいま検討をされておりますので、東京都から出てまいります計画に、実は私どもも大きな期待を持ってお待ちをしているような段階でございます。先生のおっしゃるような御懸念は、小笠原についてはさらさらないんだ、御心配をおかけするようなことはまずない、かように考えておりますが、なお、さらにその上で、先生方皆さんで現地の御視察もなさいまして、小笠原に非常に大きな関心を持っていただいておりますので、当委員会の自治省に対する監視も、当然今後も続いてまいることであります。両々相まってまいりましたならば、林先生のような御心配は毛頭ないと私も信じておりますし、先生にもそういうふうに御理解をいただきたいと思います。
○林委員 共産党の心配を自民党が万々心配ないと言ったって、それはとても信用するわけにいかないのです。やはりわれわれは、共産党、社会党が与党である知事の、ことに基地関係についての考え方は、いろいろこの際規制しておかなければ、行政権を東京都にまかしても、政府としては思うようにいかないということでこの法案をつくったんじゃないかと思いますけれども、時間がございませんので、さらに突っ込んでいろいろ質問を繰り返すわけにはいきませんが、ことに、十七条の「土地の利用についての配慮」というこの条項があるわけですね。一たん復興計画が決定されて、たとえばきのうも話がありましたけれども、小笠原に国有地が約八〇%近くある、しかも都としては最適な住宅地と考えているのが自衛隊の基地として払い下げられたというようなことについて知事も触れておられたわけですけれども、そうすると基地を優先的に保障してやろうという政策が政府にあって、そして国有地がそれに優先的に払い下げられる。一方、平和な島民の生活から言えば、そういうところこそむしろ住宅に使いたいという場合に、やはり政府の決定した復興計画が優先して、地方公共団体は、その計画に適合するように利用しなければならない、十七条の一項の地方公共団体はさておいても、今度は民間人のほうが、第二項で、その「復興計画において定める土地の利用がそこなわれないように配慮しなければならない。」ということになると、これはそこのところに重大なそごが起きてくる可能性が考えられるんじゃないでしょうか。この十七条の「土地の利用についての配慮」というのはどういういきさつでこういう条項が出てきているのか。宮澤さんでもけっこうですし、長野さんでもけっこうですが、ちょっと説明していただきたいと思います。なぜ十七条が出てきたか。
○宮澤(弘)政府委員 御承知のように、復興計画の中では土地の利用に関する事項というものを計画の重要な中身の一つとして決定することになっております。これは先日来いろいろ御議論がございましたように、小笠原諸島の整然とした復興発展をはかりますためには、一番基本になるのは土地の問題ではないかということでございますので、そういう規定が設けられてるいわけでございます。ただ、ここに定めます土地の利用に関する事項は、たとえば現在都市計画法の用途地区のような法律に基づきました厳密な規制をなし得るものではございません。この法律自身で大体の土地利用の計画を含めまして、それに従って整然とした島の振興整備をはかっていこう、こういうことでございます。したがいまして、そういう基本的な方針に従いまして国、地方団体は当然その土地の利用を行なっていくことが必要でございます。しかし、国及び地方団体以外のものにつきましても、やはりそういう土地の利用の基本方向に沿った利用をやってもらう必要がございますので、したがいまして、十七条の二項にそういう規定を設けているわけでございます。
○林委員 私は、もし政府が基地を拡張する、あるいは基地を優先的な計画に据えるという場合には、そのために地方公共団体や民間人の土地の利用が、その計画のために非常に制限される、また制限することができるということが十七条の目的と私は考えて、将来のことについて非常に憂慮せざるを得ないわけですが、もう時間がありませんのでこの点もまた繰り返しておるわけにいきませんが、最後に二問ほどで私質問を打ち切りたいと思います。 結局私は、小笠原島民の要求というのは次の諸点にあると思うのです。一つは、アメリカの軍事占領によって荒廃された、この荒廃に対する正当な補償と小笠原諸島が平和的に復興すること。第二は、大きな漁業資本が魚を乱獲することを規制して小笠原漁民の漁場と安全操業の確保。漁具や港湾施設を完備すること。第三に、農民は旧耕作権の保障と民主的な土地改革をしてもらいたい。そのために国有旧軍用地等を無償配付してもらいたい。第四は、生活と経営のための資金、資材の援助、住宅、医療、教育などの公共施設の完備。これは現地を視察された委員の皆さん方の報告の中にもこの点が載せられておりましたけれども、これもまことにそのとおりだと思います。第五は、やはり安い運賃による定期航路の確保。第六は島民の手による観光事業。本土の大きな資本が行って小笠原島の観光事業を独占してしまって小笠原島民がそのためにかえって奴隷的な生活状態におとしいれられることのないように島民の手による観光事業、これが必要だと思います。さらに、現有資産の適正価格での買い上げ、こういうようなことが島民の要求だと思います。 そこで、農林省関係と水産庁関係の方にお聞きしますが、ああいう遠い離島でありますし、長い間アメリカの軍事占領によって非常に荒廃しておりますし、約二十四、五年間島民も本土へ離島しておりまして、帰島の機会も持てなかった、こういう島民ですけれども、やはり小笠原へ戻りたいという希望は非常に強いと思うのですね。小笠原へ戻って、小笠原を自分の墳墓の土地としてここで生業を営みたい、そういう場合に、あそこで農業が成り立つ、漁業が成り立つというためにはどういう施策を講じなければならないか。また農林省の小笠原島民に対する農業保護の具体的な考え方、また水産庁の漁業が成り立つような具体的な考え方をこの際聞いておきたいと思うのです。 たとえば、漁業一つ見ましても、大漁業資本の乱獲を規制してもらわなければ、あそこに大資本が来て魚族を乱獲されたのでは、とても島民の漁業は成り立たない。そして島民の安全操業のための漁具や港湾施設を完備してもらいたいという意見が強いし、農民の旧耕作権を保障して民主的に土地改良をして、帰島した島民があの小笠原で農業ができるような保障をしてもらいたいという希望が強いわけですけれども、農林省の農政局、農地局あるいは水産庁関係でこのことについてどう考えているか。本法案では非常に抽象的なことしか書いてなくて、そういう具体的な島民の利害関係、将来の生活の見通し等については、具体的なことは本法案にはないし、ただ計画の作成の方法が規定されただけの法案なので、将来帰島を望んでいる島民に対して、その点を政府の責任としてもこの際明らかにしておく必要があると思いますので、聞いておきたいと思います。
○安福説明員 水産関係について申し上げます。 現在、旧島民で小笠原に帰って漁業をいたしたいという希望者は百七十一名くらいあるように聞いております。この希望者の数というのは、戦前小笠原諸島を中心にいたしましてそういった漁業に従事しておりました者から考えますと、それより下回る数字でございます。そういうことを考えますと、その後の資源の状態、これは必ずしも十分把握はいたしておりませんけれども、戦前よりも減っているというように理解するのはむしろ間違いで、二十年間ばかりブランクがございますから資源的には十分である、このように考えております。しかし、帰りました漁業者が従事いたします漁業というのは大体沿岸漁業的な漁業だと思います。したがいまして、沿岸漁業全般の問題といたしまして、内地におきます沿岸漁民の生活レベルも相当上がっております。これはやはり漁業だけではなくて兼業の関係、そういったものもございます。したがいまして、そういうものを考慮いたしますと、戦前の漁業規模よりも少し大きな漁業規模というものを考えざるを得ないと思います。しかし、従事いたします従事者数が戦前よりあるいは下回るだろうと思います。また今後、逆に観光漁業とかいったものも出てくると思います。その面で漁業が果たす役割り等も出てくると思います。そういった問題をも十分考え合わせまして、帰ります漁民の方々が十分な生業を営める、生活も十分維持できる、こういう配慮を加えていきたい。そのために、第一番目には生産基盤の整備ということが必要になってまいります。したがいまして、まず第一に漁港整備が問題になってくるわけでございますけれども、水産庁といたしましては、そういった面について五年、あるいは一、二年延びるかもわかりませんけれども、そのくらいのめどで漁業の重点的な整備といったものを進めてまいりたい。それが基盤になると思います。さらに、そこに付帯施設である冷蔵なり冷凍なりといったものもその基地に設備する。こういうことと相まって、とりました水産物の価格の維持、そういった問題についても十分配慮してまいりたい。そういった総合的な見地から、帰ります漁民が生業として成り立つような措置を十分講じてまいりたい、このように考えております。
○福島説明員 農業関係につきましては、しばしば御議論いただいておるところでございますが、農林省といたしましては、あそこが二十年間放置されてきたということに基づく病害虫やその他不利な条件が一つございますが、片方あの地域の特殊な気象条件を生かした農作物ということが考えられますので、いかにしてその不利な条件を克服して助成していくかということを中心に考えておるわけでございます。作目等諸般のむずかしい問題がございますが、防除等を徹底してやっていくということと、そのほか、特に土地の権利関係の調整をはかりまして、集団的な農用地を造成し、そこに計画的に農業関係の帰島者に入っていただいて、りっぱな農業ができるようにということで考えておるわけでございますし、そういうことを進めていく過程には積極的な助成をやっていきたいというふうに思っておる次第でございます。
○林委員 自治大臣に一問だけ聞いて終わりたいと思います。 自治大臣、結局総括的に言ってこういうことになると思うのです。いま水産庁あるいは農林省の農政局から、まだまだ抽象的な、とてもとてもビジョンともプランともいえないような答弁があったのですけれども、しかし、一番の問題は、現住島民、これから帰島する島民が心配するのは、たとえば戦前に劣らないほどの魚族が確保されているとはいいますけれども、あそこに大きな漁業資本が行って乱獲を始めれば、非常に原始的な幼稚な漁民のあの状態では、ひとたまりもなくなると思うのです。農業関係についても、土地の権利関係を確定するというけれども、ここにもうたいへん大きな資本が乗り込んでいって土地の買いあさりをしている。観光ももうある観光資本があそこに入っていって、将来あそこを観光地として自分の手に握ろうというような動きもある。たとえば、浅草のてんぷら屋さんが、きのうの話ではないけれども、もうすでに広大な土地を買っているという話もあるわけですね。だから、ほんとうに小笠原を復興するためには、そういう零細な島民、そして長い間戦争で痛めつけられてきた島民、並びに帰島を望む人たちの生活を全くじゅうりんするような大資本に対して、何らかの規制の方法を具体的に講じていかなければ、島民など吹っ飛ばされてしまうと思うのです。たとえば漁業資本あるいは観光資本あるいは土地に対する企業資本、そういうものを、島民があそこに定着して将来の生活の安定を確保するためにどう規制していくか、その規制の方法を真剣に考えなければならないと思いますが、これについて自治大臣の答弁を求めて私の質問を終わりたいと思います。
○野田国務大臣 林さんの御意見、われわれは相当尊重すべき点があると思います。まずこれは小笠原に帰島される方々が中心の政策ですから、その方々の各方面における生活形態を助成するのが目的ですから、たとえば水産庁でお答えになっておりましたように、漁港でも五年くらいで仕上げる。沿岸漁業を大体そういう方向で——それがまた沿岸漁業でいけなければ兼業体制もつくらなければならぬ。農業方面でも、いまお答えがあったとおり、現在おられる方もそうですが、やはり期するところは旧島民が帰られて、どうして安定した生活ができるかということが目標でありまして、そこに集中して施策をもっていかなければならない。帰島された方々の安定ということが第一目標であるわけです。その方々だけでしからば小笠原の今後の繁栄ができるかということもやはり考慮しなければならぬし、また、その事業によって小笠原島民が享受する、つまりあすの生活のための資源となるいろいろな方策を今後考える。あそこは農業、漁業で立つ以外に——もう各方面から言っておるとおり、どうしても観光事業として大きな一つの計画が必要だ。そのためには港の問題と同時に空港問題をどうするか、非常に大きなプランが出てくるわけです。だから、それは総合的に考えていくべきで、要するに帰島した方々の生活の安定をまず第一に考えてやるということでございまして、それらについての施策を政府としても考えなければいかぬ、都としてももちろん考えられる、私はそういうことだと思います。
○林委員 終わります。
○鹿野委員長 山口鶴男君。
○山口(鶴)委員 だいぶ本会議の時間も迫ってまいりましたし、私のこの質問のあと、委員長が特に今回小笠原を地方行政委員会で調査をいたしました責任者として、最後に総括的な御質問をなされたいという御希望も聞いておりますので、私のほうもきわめて簡潔にお尋ねいたしますので、答弁のほうもひとつ簡潔にお願いをいたしたいと思います。 まず最初に、自治大臣がお見えでありますから大臣の決意を伺っておきたいと思うのですが、私どもと一緒に調査に参りました各新聞記者の諸君が、その後戻ってまいりまして、それぞれの新聞にそれぞれの立場から小笠原復興の困難性、小笠原の現状、いろいろ分析した文章を発表しておられます。その中の一つに、小笠原は二千人ぐらいの人たちが住んで、しかも東京都知事が言うような平和の島として復興するためには、およそ五年間に二百億円ぐらいの投資をしなければこれは不可能ではないか、飛行場一つつくるにいたしましても四十億から五十億という大金がかかる、こういうようなことを書いておられるわけでございます。私も同様の感を深くするわけでありますが、たまたま自治大臣は北海道開発庁長官も兼ねておられるわけであります。ただこの場合御注意をいただきたいことは、北海道という地方自治体の地方自治の本旨をそこなわぬように北海道開発庁長官としても開発に御努力をいただいておるわけでありますが、同じような意味で、東京都の地方自治体としての本旨をそこなうことのないよう、しかもまた小笠原開発庁長官というような意味で、この小笠原の復興に対してひとつ全力をあげるおつもりでなければ、小笠原の復興は絵にかいたもちに終わるのではないかと思います。自治大臣は復興計画の決定なり、また指揮監督権をこの法律でお持ちになるわけであります。そういう意味で、小笠原復興に対する自治大臣の御決意をまず承っておきたいと思う次第であります。
○野田国務大臣 いま山口さんから御指摘になりましたことは、私も全く同感でございます。小笠原をどうするかという問題は、いわゆる一般的な自治行政の上に立って普通の取り扱いをいたしておりましては、小笠原の復興というものはなかなかむずかしい。今度わざわざこの法律ができてまいりましたのも、そういうゆえんだと思っております。私はやはり、小笠原に対しての復興計画が、まあいろいろな案が出ておりますが、最終案がきまり、これをちょうどお話に出ました北海道のように——北海道も、第一次、第二次計画、さらに四十六年度から第三次計画というように、やはり計画的にやっております。非常に効果もあがっております。これは実情をそこなうようなやり方では、何のために皆さんに非常にいろいろ御配慮願ったかわかりませんし、私自身もそういうことは許せない。基本的にはそのとおりであります。 同時に、一番問題になるのは、いろいろな計画を遂行いたします財源問題です。これはいまお話しの、空港一つつくるにも四十億も五十億もかかるということは明らかでございます。こういうことを考えながら、私も小笠原復興に各方面の御協力を得て真剣に取り組んで、あらゆる問題につきまして、相当の決意を持って財政当局ともぶつかり、また東京都とも話し合って、この遂行に当たらなければならぬと思っております。
○山口(鶴)委員 地方自治の本旨を守りながら、ひとつ財政面その他全力をあげて取り組んでいただくことをお願いいたしたいと思います。 次は行政局長さん、お忙しいようでありますからお尋ねをいたしますが、昨日の参考人の御意見は、行政局長もお聞きになっておられたと思うのです。特に洛陽の紙価を高めたといわれます「逐条地方自治法 長野士郎著」この百四十八条並びに百五十条の解説を書いておられるわけでありますが、特に百四十八条、これに対する長野さんの解説を見ますと、「機関委任事務」については別であるが、「「団体事務」の管理執行については、かかる包括的な主務大臣の指揮監督をうけることはない。」まして小笠原の復興に関しましては、東京都の小笠原村でありますから、団体委任事務というよりは、むしろ固有事務に属する問題も非常に多いと思うのですね。そういったことに対しましては、自治法の自治大臣の指揮監督の規定を、あえてこういうふうに行政局が中心になっておつくりになりました法律案にうたっておることは、長野さんのせっかく洛陽の紙価を高めた「逐条地方自治法」のこれはいわば権威を失墜するものではないかと心配いたすのでありますが、この長野さんの百四十八条並びに百五十条の解説と、今回の自治大臣の指揮監督権とはいかなる意味でつながるのか、御説明をいただきたいと思います。
○長野政府委員 地方自治法の上におきますところの一般的な国、府県、市町村という関係におきましての指揮監督の問題は、地方自治法の中に規定しておりますように、法律に特別の定めがない場合以外は、一般的にはいわゆる国の機関委任事務についての指揮監督権がある、こういうことでございます。この指揮監督権は、当然には地方公共団体の事務には及ばない、こういうことだと思います。 ところで、小笠原の復興特別措置法は、全体の骨組み、構成におきまして、やはり小笠原の復興につきまして、国としてもたいへんな責任を負う。小笠原の今日ある現状というものは、戦争による結果でございますから、そういう意味で国としても当然責任を負わなければならぬ。そこで復興計画等につきましても、国の責任において、復興計画というものを東京都知事が原案を作成し、その責任においてつくる復興事業の実施というものは、復興計画に基づいて行なうわけであります。そういうことでございますから、復興事業についても、国としても助成をいたしまして復興事業の推進の円滑を期する、こういうことになっております。また同時に、復興事業そのものは、都が行ないますだけではなくて、村ももちろん行ないます。ほかの公共的な団体も行なってまいります。そしてまた、復興事業の実施に直接影響を及ぼしますような国の各機関の仕事もございます。復興事業そのものも出てくると思います。そういうことがございますので、それらの間の調整をはかっていくということはきわめて重大なことでございます。その円滑な実施について国の各省の関係及び都、村という関係、あるいはその他の機関の実施するものについての調整をはかっていくということは、やはり国に課せられました責任の重要な要素であろう。そういうことでございますが、これは特別措置法としての特別な措置でありまして、一般の国、府県、市町村という関係でこれを考えるわけにはいかない、そういうことに御了解を願いたいと思います。 また、同時に、この関係の一つの先例と申しますか、パターンは、奄美群島復興特別措置法も同じようなぐあいに規定をいたしております。その点におきまして、鹿児島県なり奄美の市町村というものと国との間では、そういうような調節をはかりながら復興事業をやっております。そのやり方につきましては、自治大臣でございますから、もちろんそういう意味で復興事業の円滑な実施ということのための必要からの指揮監督を行ないますけれども、地方自治の原則にもとらないような配慮をするということは当然のことだろうと思います。
○山口(鶴)委員 復興計画「ア」から「キ」までありますね。これらの各事業を見ますと、当然自治体としての固有事務がたくさんここに規定をされておるわけであります。こういった都の固有事務に属する仕事、もちろんこれに対して補助金等その他入るだろうと思いますけれども、自治大臣が総合調整をすれば足りるのじゃないですか。何も包括的な指揮監督権をうたうことは、せっかく長野さんの書いた名著にもたがうものであって、そういう意味では私どもとしては指揮監督権までは必要ないのではないか、むしろ総合調整を必要とするならそれにとどめるべきではないか、かように思うのですが、いかがですか。
○長野政府委員 その点におきましては、いま申し上げました一つの先例だけにとらわれるわけではございませんが、やはり法律の責任というものをはっきり法律に規定いたしますという考え方も入ってまいりますと、やはり指揮監督ということに考えていくことに相なると思うのであります。そういう意味ではこれは特別な措置の一つであります。全体の一環として、復興事業が復興計画に基づいて円滑に実施されるという必然性を含めて考えておるわけであります。同時にまた、この条文の中に書いておりますように、東京都知事にもそういう権限を与える。これも当然に地方自治法の上からも認められるものではございません。この法律によりまして、東京都知事にその必要があるということで指揮監督権を認めておる、こういうふうなことによりまして、両々相まって総合調整、復興計画に基づく実施というものについての円滑な作業を期しておる、こういうふうに御了解を願いたいと思います。
○山口(鶴)委員 私どもは何も、東京都が村の長に対して指揮監督権があることはけっこうで、自治大臣が都に対する指揮監督権があることはけっこうでないと言っておるのではないのですよ。むろんこれは自治大臣の機関委任に基づいて都道府県知事がその村の長を指揮監督する、こういうことであって、私どもは、総合調整をすれば足りる、こういうことを申しておるわけであります。 時間が長くなりますから、これ以上は申しませんが、せっかく長野さん、地方自治を尊重する精神で「逐条地方自治法」をお書きになった当時の自治省の姿勢はよかった。当時の長野さんも同じく地方自治尊重の精神に立っておられた。ところが最近の自治省の姿勢を見ておりますと、中央集権の傾向が非常に強まっておる。そういう中でせっかく洛陽の紙価を高めた「逐条地方自治法」の解説と、その後長野さんが中心になって自治省が国会に提案します法律とは、非常に見解が違うものが出ている。そこで私は、現在の自治省としては十分御反省をいただかなければならぬ点があるということをこの際申し上げておきたいのであります。 次は折小野先生が質問をされました憲法九十五条と今回の小笠原諸島復興特別措置法との関係の問題でありますが、(「法制局長官を呼べ」と呼ぶ者あり)うしろのほうで法制局長官を呼べという御発言もありますが、いろいろな御都合もありましょうから、その点はあえて要求はいたしません。ただ、先ほどの議論を、宮澤官房長さん、そばでお聞きになっておられたわけですね。少なくとも自治省としては、この法案を提案したからには、あの法制局第三部長のように、憲法九十五条にある住民の意思を聞くことは、地方行政委員会があの島に調査に行ったからそれでいいのじゃないかというような、そういうばかげた御議論はなさらぬだろうと私は思うのです。少なくともこの法案を提案いたしました自治省として、しかも九十五条は、特に自治権を尊重するというたてまえでできた憲法の条項だろうと思うのであります。したがって、自治省としては、この法案は憲法九十五条には当たらぬということを、短いことばでけっこうでありますから、明確に当委員会でしていただきたいと思うのです。憲法上の疑義があってわれわれはこの法案を上げるということはできません。特に自治省としての御見解を承りたいと思います。
○宮澤(弘)政府委員 政府としての法律的な見解は、先ほど法制局の当局から申し上げたとおりだと思いますが、自治省としての見解ということでございますので、簡潔に申し上げたいと思います。 自治省といたしましては、憲法九十五条のいわゆる特別法でございますが、これはやはり特定の地方公共団体の組織、運営について他と違った規定を設けるという場合に動くものというふうに考えております。したがいまして、今回御提案を申し上げました法律は憲法九十五条の適用になるものではない、こういうふうに考えております。
○山口(鶴)委員 どうもまだ不明確だと思うのです。小笠原村という一つの村を設定をした。私は昨日の参考人の方にも申し上げたのですが、少なくとも旧島民の皆さんが父島、母島——硫黄島は若干おくれるかもしれない、こう言っておりましたが、私どもとすれば、この三つの島をある程度並行して開発していくということが必要ではないのか。そういう意味では、小笠原村と無理に一つにくくったところに、先ほど折小野先生が指摘をされましたようないろいろな問題があるわけでありまして、むしろこれを父島村、母島村あるいは硫黄島村という形で複数の村を設置するということのほうが、旧島民の皆さんの御期待にも沿うし、また九十五条の憲法上の問題についても、そうなれば疑義は全くないわけでありますから、そういうことにもなる、こういった私どもの見解をこの際申し上げておきたいと思います。 次は、先ほど大臣からもお話がありました財政上の問題であります。補助率につきましては昨年の沖特で暫定措置法を決定いたしました際にも、最も高率な補助を適用すべきであるという趣旨の附帯決議がついております。私どもはこの附帯決議に沿って政府としても対処をいただくものと期待をいたします。ただ残念なことは、奄美の場合は法律で補助率をきめておりますが、今回は政令にゆだねております。この点はたいへん遺憾に存じます。しかし、内容的には昨年の附帯決議の趣旨を政府は尊重していただけるものと確信をするわけでありますが、その点ひとつ大臣の御答弁をいただきたいということが一つであります。 第二番目は、昨日の参考人の際にも申し上げたのでありますが、あの島で公共投資をいたします場合に、当然砂利に至るまで運搬しなければならぬ、こういうような懸念が表明をせられておりました。一切の資材をあそこまで運ぶということになれば、当然事業を実施する場合の坪当たり単価あるいはその他の単価、そういうものが著しく高くなることを懸念をいたすのであります。したがいまして、単に補助率だけかさ上げいたしましても、単価について実情に合うような算定を政府がいたさなければ、東京都としては著しい超過負担に悩まなければならぬ、こういうことにならざるを得ないと思います。したがいまして、この補助単価につきましては、昨日も十億五千万のところを六億五千万で、それ自体すでに超過負担があるというようなお話もあったわけでありますが、単価につきましては、あくまでも小笠原の実情を踏まえた単価というものを設定して、超過負担をなくするようにするということが必要だと思いますので、あわせてこれに対する御見解を承っておきたいと存じます。
○野田国務大臣 私は山口さんの御指摘のあったことはごもっともだと思います。いずれにいたしましても、奄美の法律にきまっておる補助率が高率でなければ、一般の補助率でやったって、とてもこんな法律をつくりましても——実際において帰島した島民の生活の安定ということが目標ですから、それにはどうしても財政的な特別な措置を講ずるのはこれは当然でございます。補助率は高率ということ。また単価の問題でありますが、このために都が超過負担で苦しむというようなことでは、こういう特別な立法をつくった趣旨とマッチしないと思います。これは十分私ども考慮すべきだと考えております。
○山口(鶴)委員 補助率のかさ上げ、補助単価の実情を踏まえた算定、超過負担解消のために御努力をいただくということでありますから、ひとつ今後の施策に御期待をいたしたいと思います。 それから、帰島される方々に対して、当然必要な事業資金に対する特別な融資というものも私は必要ではないかと思うのですが、この点はいかがでしょうか。法律に特にないですね。
○宮澤(弘)政府委員 ただいまのことはお示しのとおりでございます。法律の第十四条におきましても「国及び地方公共団体は、帰島した旧島民の生活の再建のため必要な事業等に要する資金について適切な配慮をする」こういう規定がございます。したがいまして、私どもといたしましては、今後住宅の問題でございますとかその他の事業資金につきましては、この法律の趣旨に従いまして関係方面と折衝をして努力をしていきたいと考えております。
○山口(鶴)委員 次は、現地へ行っていろいろ実情を拝見いたしました。特に土地の権利を明確化する問題、さらには現島民の皆さんが現在土地を借りているわけでありますが、これに対して土地の権利関係が複雑でありますために不安をお持ちになっているという声を聞きました。この際に私どもが感じましたのは、同じ国有地におきましても、林野関係の財産につきましては比較的契約が進んでおるそうでありますが、同じ国の財産でも、大蔵の普通財産につきましては全く契約が進んでおらない。同じ国の機関でありながら、たいへん奇異に感ずるという率直な御意見がございました。で、お尋ねいたしましたところが、小笠原総合事務所が委任されております権限、営林署あるいは郵便局、法務局、労働基準局、職安、出入国管理、検疫、植物の防疫、こういうものは総合事務所に権限が委任されているが、一般財産を管理している大蔵の財務局関係については権限が委任されていない。したがってそちらはおくれている、こういうお話でございました。小笠原総合事務所の権限強化について、昨年の暫定法との関係があると思うのでありますが、この点はもっと総合調整できるように、総合事務所の権限委任についてはもう少し拡大を考えるべきじゃないかと思いますが、いかがですか。
○宮澤(弘)政府委員 現在の総合事務所は、御承知のように現在本土におきまして国が各所に出先機関その他をつくっておりますが、そういうものをまとめまして一つの事務所の組織にいたしているわけでございます。大蔵省の関係は、御承知のように財務局の財務部でございまして、島にそういう機関が置かれるようなことは予定されておりません。したがいまして総合事務所の所掌事務の中には入っていないわけでございます。現行法のもとにおきましてはおそらく——なお研究はいたしたいと思いますが、総合事務所長にいまの国有財産の処置の権限を委任するということは、法律上はむずかしいと私は思うのでございますが、しかし、実際問題といたしましては、ああいう離れた島でございますので、何らか現地に即する措置ができますように、今後検討さしていただきたいと思います。
○山口(鶴)委員 事務所長のお話を聞きましたら、東京へ出て合い間合い間を見て、財務局財務部へ行って話をしておるが、さっぱり進まぬ、こういうことです。ですから、いまのお話でございますが、林野財産のほうはある程度契約も進むが、大蔵省の一般財産のほうは、権限委任もなくて全く話が進んでおらないという状況は、私はどう考えても不合理だと思うのです。したがって、この点は事務当局レベルで御努力いただくこともけっこうでありますが、同時に、大臣という広い視野で、この問題の解決については何らかのめどをつけるという御努力をいただきたいと思いますが、どうでしょうか。
○野田国務大臣 いまお聞きしておりますと、同じ国有財産でも、処理のしかたがなかなか一様じゃない、それで非常に困る。それはごもっともなことでございますから、十分事務と打ち合わせまして、私自身としても大蔵省に折衝するようにいたしたいと思います。
○山口(鶴)委員 国立公園の指定を急いで自然の景観を守るべきだという御意見がずいぶん出ております。ただ、自然公園法による普通の地域ではだめなんでありまして、私はやはり特別の制限のある特別地域にできる限りあの地域を指定するということが必要だと思うのですが、この点、自治省のお考えはいかがでしょうか。
○宮澤(弘)政府委員 先ほど政務次官も御答弁を申し上げたと思うのでございますが、私どもも、一番強い規制がございます特別保護地域、その地域を拡大して適用してもらいたいと思いまして、厚生省の当局のほうとは話し合いを進めております。
○山口(鶴)委員 これで終わりますが、最後に防衛庁にお尋ねしたいと思うのです。 昨日参考人に美濃部東京都知事をお呼びいたしまして、私お尋ねいたしたのでありますが、父島、南鳥島、硫黄島——父島の場合は四十七ヘクタール、南鳥島は四十八ヘクタール、硫黄島は五百七十八ヘクタールでありますから、まさに硫黄島全土の四分の一を昨年六月二十六日に防衛庁は指定をいたしておるわけであります。その根拠法規を拝見いたしましたら、昨年の暫定法の十二条「使用権の設定」、これで行なったようでありますが、特に防衛庁に申し上げたいのですが、この暫法定の第二条「国及び地方公共団体の責務」といたしまして、ここには国と都がいわば協力して小笠原の復興をはかっていこうということが規定してあるわけです。にもかかわらず、防衛庁が、確かにこの十二条にございます「使用権の設定」でおやりになったんだろうと思いますが、共同して小笠原の復興に当たるべき東京都に対して一言のあいさつもなしに設定をしたということは、どう考えても不合理だと思います。しかも都知事の御見解では、防衛庁が四十七ヘクタール設定いたしました地域は住宅地域として最適の地域だ、こう言っておられるわけであります。少なくとも国と都が共同してやるべき小笠原の復興に対して、防衛庁がどのような根拠があったのか知りませんけれども、東京都に一言の御相談もなさることなく、一方的に四十七ヘクタールの広大な地域を設定するということは、私は、この暫定法の第二条の趣旨からいっても、たいへん不合理なことではないかと思うのですが、なぜ御連絡もなしに一方的に設定をされたのか、この点をお伺いいたしたいと思います。
○大池説明員 ただいまの御質問でございますが、小笠原が復帰して自衛隊があの方面の防衛にも当たるということになりまして、防衛庁としてはいかなる部隊を配置するかということを検討したわけでございますが、部隊配置がきまりまして、それに必要な用地が当然必要でございます。これにつきましては、復帰以前におきましては、総理府に置かれました小笠原復帰対策特別準備室ですが、そこで、政府部内の各省のいろいろな要求があるわけですが、それとの関係を調整してきた。その際は、もちろん必要に応じまして東京都もこれに参加しております。 それから、今度の告示の問題でございますが、防衛庁といたしましては、東京都のほうも、防衛庁が使う予定地につきましては当然御存じだと思っておりますが、告示をする際には事務的に当然連絡しなければいけない、そういうことで、行政部に置かれました小笠原復帰対策特別準備室に事前に、こういう告示をいたしますということをお届けいたしまして御了解を得ておる、こういうふうに理解しております。 なお、いま防衛庁が使用している地域は住宅に最適な地域である、そういうことでございますが、防衛庁の指定した地域の中で、復帰後どうしても何か東京都の機関をつくらなければいけないから割愛してもらいたい、そういう要請がありました、これは約千八百平米ぐらいの土地でございますが、それについては防衛庁では、従来の計画を変更いたしまして、これを告示地域からはずして東京都にお譲りしております。 それから、いまの住宅地域につきましては、東京都にそういう計画があれば当然私のほうに御連絡があると思いますが、いまだにそういうことはございません。なお、東京都と私のほうとでは絶えず連絡しておりまして、非常に密接な連絡をとっていろいろな調整を行なっております。
○山口(鶴)委員 昨日都知事は、一緒に参りました佐藤参考人ですね、総務局行政部長さんと打ち合わせをいたしまして、その上で、一言の御相談もなかった、こういう御答弁をされておるのです。一体、いつ東京都のどこに連絡をされたのですか。
○大池説明員 告示をいたしましたのは六月二十四日手続をとっております。東京都のほうには六月二十二日、これは土曜日でございますが、向こうの担当の方が三時ごろでないといないということだったので、三時ごろお届けしまして、こういうので防衛庁としては告示をいたしますからよろしくお願いします、そういうことを連絡しております。
○山口(鶴)委員 いまのお話は、それは土曜日の日に通告したということじゃないですか。少なくとも御相談をされているかということに対して、相談を受けておりません、こういう御答弁だったわけです。ですから、それは法律的には、連絡をすれば足りるのかどうか知りませんよ。しかし、第二条の趣旨からいって、国と都が共同してこの小笠原の復興をやるというのが法律のたてまえになっておる。その際に、一方的な通告だけで告示をされるという態度は、これは御反省をいただきたいと思う。少なくとも、これでは国が一方的にやるから都はついてこい、こういうかっこうになるじゃありませんか。その点については強く反省を求めておきたいと思います。そして、今後住宅等で都の要請があるならば、大いに要請を受けていただきたいと思いますが、その点はだいじょうぶですな。最後に一点だけ。
○大池説明員 一方的な通告ということでございますが、その以前におきましても、東京都とは十分密接な連絡をとって協議しておりましたので、告示をいつごろしたい、その地域はこれくらいだ、こういうことは事前に話をしてあるつもりでございます。 なお、今後の復興計画との関連におきまして必要な場合、自衛隊として割愛できるものにつきましては御協力いたしたい、かように考えます。
○鹿野委員長 この際、私からも一言質疑を申し上げておきたいと思います。 小笠原の復興問題。小笠原は土地からいうと非常に狭い土地でございますけれども、しかし、日本が敗戦の結果もたらしたところの小笠原島民の生活という問題があるのです。日本に復帰をしてから後の復興のことは、今後の沖繩などにおいても非常に大きな影響をもたらすものであると思いますから、私はこのことを直接御担当してくださるところの担当の中心である自治大臣に特にお願いをいたしたいのは、小笠原の復興について、まず第一に従来の日本本土のいろいろな開発などと同じような考えを持たないでいただきたい。ということは、この小笠原に対して経済効果とかそのような小さな立場からこの問題をながめますときには、どうしても人間の住めるような復興計画は不可能になってくると思うのです。そうした小さな立場からでなく、大局的な立場に立って、小笠原に人間が喜んで住めるような基礎条件をいかにしてつくるかということを中心に考えていただかなければなりません。かつて小笠原の島民が二十数年前に生活をいたしておったときと、現在の日本民族全体の生活水準、所得水準というものは格段の相違を来たしておるのでございますから、昔の考え方でただ帰せばいいというような考え方に立つことは、これまた保護に次ぐ保護を継続していかなければならないような結果になるんじゃないかと思います。そのようなことにならないように、自立して十分生活ができるような立場をつくっていただきたいと思います。そうしてこれは東京都知事並びにきのうの参考人のだれでもが認めるように、農業、漁業、観光の三つの柱ということになりますが、農業については、これはいろいろな考え方が出てくると思います。自立できるような経営規模の農業というものは、数多くの人々をここに定着させることはなかなかむずかしい問題であると思います。これについては、私はやはりこの小笠原は漁業と観光というものが中心にならなくちゃならない。観光についても、飛行機の小さなものがここに発着するというようなことではだめなんであって、私はきょうは、大蔵省並びに関係各省の担当の人々を中心として、そうした立案をされるのは事務官僚の諸君でございますので、自治大臣は非常にものわかりのいい、大局的に判断される方でございますので、自治大臣をしてそのような方向に持っていっていただけるように基礎をつくっていただきたいと思うのです。 一つの具体案を出しますと、兄島と父島を結んでしまう。そうして兄島に飛行場をつくる。ならせば二百五十メートルくらいのところですから、百メートルくらい削れば何でもないことですから、これを削って父島と結んで、これを飛行場にする。兄島は全部国有地でございますから簡単でございます。そうすると、兄島と父島の間に水深五十メートルのりっぱな港が二つできます。この港を遠洋漁業の基地にするとか、あるいはまた、漁業の基地にするというようなことにすれば、これは経済的にも非常に大きく生きてくるのじゃないかと思います。旧来の大蔵省の主計官の方々は、まことに優秀だけれども、しかし目先のことにとらわれがちでございますから、私はこうした大局的な立場に立って、コンピューターでも使って計算をしていただければ、十分にこの点は出てくると思いますので、この点をぜひ配慮をしていただきたい。 ジェット機が着く飛行場ができますと、福岡に行く時間と北海道に行く時間と全く同じになりますから、この小笠原は観光地として外貨獲得のための優秀なる観光地になる。また、ハワイやその他に行って金を浪費することを防ぐ快適なるところの観光地にもなるのじゃないかというような気がいたします。この土地は気候的にまことに理想的な土地でございますから、こうしたことをぜひ考えていただいて、この飛行場ができれば、小笠原の復興というものはことごとく自然にでき上がっていく。その場合にここに、いろいろ皆さんが、野党の各位も心配しておられるような大企業独占とか、また、かつてこの島で生活なさった人々の不幸を来たすというようなことのないように、大局的にいろいろと考えていただきますならば、それによってこの小笠原の復興、小笠原のかつての住民も喜んで帰るというようなことになるのじゃないかという気がいたすのです。ですから私は、従来の考え方でなく、ほんとうにこうした大局的な立場に立ってやってほしい。そうでないと、継ぎ足し、継ぎ足しというようなことになっていくわけでございますし、この継ぎ足し、継ぎ足しは、また補助に次ぐ補助というようなことになっていくわけでございますので、日本国土全体に対するところの開発のしかたも、私はそのようなことであってほしいのですが、これはなかなかいきません。この小笠原という非常に小さい地域をこのような考え方でひとつ着手をしていただきたいと思います。 また、国立公園の問題について、きょう各委員から発言がありましたが、私はこのように思います。 国立公園は、ただ国立公園に指定すればということになります。ところが、指定すれば金もろくにこれに投資をしないで、ただ縛り上げることだけに終始するのが厚生省の国立公園担当の人々でございますから、そのような弊害が起こらないように、指定をしたら指定をしただけの金をここに投資をするように、そのようなことを勘案しながら、この小笠原に帰島する人々の生活を妨害しないという立場から、この国立公園の指定という問題を考えていただくことが必要じゃないかと思います。 なおまた、建設省の人々に考えていただきたいことは、道路の設計などにつきましても、これはやはり将来を考えながら、国際的な観光地たる資格をどうしてつくり上げるかというような立場に立ってひとつ考えていただけるならばと思います。 なおまた、防衛庁の問題については、防衛問題はこれは重大なことですから、この重大なことを中心として、やはりこれについては、ただいたずらに疑惑、反対というようなものを招くことのないように、事前に十分調整をしていくことが必要だと思いますので、自治大臣においてひとつ、防衛庁の考え方、あるいはこれを実施していく東京都の考え方などについても、これを調整していっていただくことが最も必要なことではあるまいかと思います。こうしたことを私は強く要望いたしまして、自治大臣のお考えをお聞きいたしたいと思うのです。
○野田国務大臣 小笠原復帰以来、各方面から小笠原の復興について非常に御関心をいただき、今回また、政府といたしましてもこの小笠原諸島復興特別措置法を提案いたしまして御審議を願って、さらに委員長はじめ委員の各位がわざわざ遠い小笠原までお出向きいただきまして御調査を願ったことは、まことに政府として感謝いたします。 いまいろいろと委員長からの御質問がございましたが、全く同感でございまして、今後小笠原復興をどうするかということの柱として大体定説になっておりますのは、農業問題、漁業問題、観光、こういうことになっております。特にいま委員長から漁業の問題、観光の問題を取り上げられました。各方面より従来の御審議の中にも十分これが出ております。ことにまた、観光につきましては、これに関連する空港の問題、兄島、父島を一環とする空港設定の御意見、また国立公園、これに関連する観光の関連道路、また防衛庁の考え方というか、いろいろ深い御注意をいただきまして、私どもも十分その点を体しまして、少なくとも、小笠原諸島復興特別措置法という法案を提案しました政府の考え方、これらに十分対処していくという決意のあらわれの法案でございまして、委員長の御質問に対しましては、十分尊重いたしまして善処したい、こう考えております。
○鹿野委員長 これにて本案に対する質疑は終了 いたしました。 —————————————
○鹿野委員長 これより討論を行なうのでありますが、別に討論の申し出もありませんので、直ちに採決いたします。 本案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○鹿野委員長 起立多数。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。 —————————————
○鹿野委員長 この際、大石八治君、山本弥之助君、折小野良一君、小濱新次君から四派共同をもって、ただいま議決いたしました法案に対しまして、附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。 この際、本動議を議題とし、その趣旨の説明を求めます。大石八治君。
○大石(八)委員 私は、小笠原諸島のすみやかな復興、開発をはかり、帰島する小笠原の人々の生活の安定、その幸福の実現のために、この際、自由民主党、日本社会党、民主社会党及び公明党の四党を代表し、小笠原諸島復興特別措置法案に対しまして、次の附帯決議を付したいと思います。 案文の朗読により、趣旨説明にかえさせていただきます。 小笠原諸島復興特別措置法案に対する附帯決議(案) 政府は、本法の施行にあたり、次の事項に留意し、小笠原諸島の復興、開発に遺憾なきを期すべきである。 一 復興計画の策定にあたつては、本法の目的にそい、国および東京都は、つねに緊密な連絡をとり、その基本構想に齟齬を来たすことのないよう十分に配慮すること。 二 土地利用計画の策定並びに土地の権利関係の確定を急速にはかること。 三 復興事業については、補助率のカサ上げ等十分な予算措置を講ずるとともに、補助単価等についても、資材、労務等そのほとんどを遠距離輸送に頼らざるをえない小笠原諸島の特殊事情を考慮した適正な単価とし、超過負担を生ずることがないよう配慮すること。 四 航空路の開設および大型高速船の就航等輸送機関の整備をはかること。 五 帰島する旧島民の生活の再建のため必要とする住宅資金、事業資金等について、長期低・利の特別の融資措置を講ずること。 六 自治大臣の指揮監督権の行使については、地方自治の本旨をそこなうことのないよう十分に配慮すること。 右決議する。 以上であります。何とぞ皆さまの御賛同をお願いいたします。
○鹿野委員長 本動議について採決いたします。 本動議に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○鹿野委員長 起立総員。よって、大石八治君外三名提出の動議のごとく附帯決議を付することに決しました。 自治大臣から発言を求められております。この際、これを許します。野田自治大臣。
○野田国務大臣 ただいまの御決議の趣旨を体しまして、小笠原諸島の復興につきまして努力いたす所存でございます。 —————————————
○鹿野委員長 おはかりいたします。 ただいま議決いたしました法案に対する委員会報告書の作成等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○鹿野委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 ————————————— 〔報告書は附録に掲載〕 —————————————
○鹿野委員長 この際、暫時休憩いたします。 午後一時五十六分休憩 ————◇————— 〔休憩後は会議を開くに至らなかった〕