地方行政委員会 第40号
- 発言数
- 204 件
- 登壇者
- 14 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1969/06/17
会議録
○鹿野委員長 これより会議を開きます。新東京国際空港周辺整備のための国の財政上の特別措置に関する法律案を議題といたします。 この際、参考人出頭要求に関する件についておはかりいたします。 本案の審査に際し、必要が生じました場合には、随時新東京国際空港公団の関係者を参考人として招致することにし、人選及び手続などにつきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○鹿野委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 ―――――――――――――
○鹿野委員長 質疑を行ないます。質疑の申し出がありますので、順次これを許します。山村新治郎君。
○山村委員 このたび、特別立法をしてまで新東京国際空港をつくらなければならない、この新東京国際空港がどういう理由でそれほど必要なものであるか、その必要性について航空局長からお伺いしたいと思います。
○手塚政府委員 新東京国際空港建設の必要性でございますが、現在わが国に国際空港といたしまして一番大きなものは羽田空港であることは御承知のとおりでございます。この羽田空港におきましては、現状の施設を前提にいたしますと、航空輸送需要といいますか、飛行機の離発着の容量、キャパシティが現在おおむね年間十七万五千回と算定をしております。ところで、最近の輸送需要の伸びは非常にはなはだしいものがございまして、この現状からいたしますと、容量が限界に到達いたします時期はおおむね四十五年度一ばいくらいと想定をされます。したがいまして、この容量増を現状のままでは羽田ではいかんともできませんので、どうしても新しく空港を別につくるという必要性が出てきた、これが一つの必要性でございます。 さらにもう一つは、現在羽田の滑走路が三本ございます。A、B、Cランウェー、われわれはランウェーと呼んでおりますが、その各滑走路の長さの中でCランウェーが一番長い滑走路でございます。この長さが三千百五十メートルございます。 ところで、世界の航空機の今後の趨勢は大型高速化をしていくということでございます。具体的な機種で申し上げますと、大型化といたしましてはいわゆるジャンボジェットと通称いわれております、お客さんだけ乗せますと約四百人前後乗れるという飛行機でございます。これが来年の二月ぐらいにアメリカの航空会社によって日本の羽田に乗り入れされるというふうに考えられます。日本航空におきましても、来年三月、四月、五月と各一機ずつ三機入手して羽田を使うという状態になります。それから先には、今度は音速を突破いたしますいわゆる超音速機というようなものがさらに出てまいると考えております。この超音速機は現在二種類開発中でございまして、一つの種類は英国とフランスで共同開発中のコンコルドと呼ばれるものでございます。日本航空におきましてはこのコンコルドは三機発注をされておりまして、大体実用化が四十八年ごろであろうと想定をされております。それからさらに、アメリカで開発中の超音速機というのがございまして、これは音速の二・七倍ぐらいを目標に目下ボーイング社で開発設計中でございます。さらにもう一種類しいて申し上げれば、ソ連でTU144という、コンコルド、ときわめてよく類似いたしました超音速機が開発されております。 ところで、このアメリカの開発中のSSTにつきましては、音速の二・七倍でもございますので離陸滑走距離が非常に長い。現在発表されております性能によりますと、滑走路にして約四千メートル必要である、かようにいわれております。このアメリカの超音速機につきましても、日本航空においてはすでに五機発注をいたしておるわけであります。おおむね五十年ごろ入手されるであろうといまのところ想定をされております。 ところで、このアメリカのSST時代になりますと、現在の羽田の三千百五十メートルでは、ただいま申し上げましたようなことで間に合わない。しかも羽田の滑走路を延長することは、羽田におきます現在の立地条件からいたしまして不可能でございます。そこで、この理由によりまして、やはり別途なところに四千メートルの長さを持った滑走路のある空港を、こういう量的な面と質的な面との二つの理由によりまして必要とする、かように考える次第でございます。 なお、このほかに、こういった問題にもし立ちおくれたという場合に、わが国の国際航空場裏におきます地位が国際的に非常に低下をいたすということでございますし、また欧米諸国におきましても、こういった情勢に対処して新しい空港の建設を計画したり、あるいはその実施中であるという情勢でございます。かような世界的な趨勢、現実の三つの大きな理由、かようなことから新東京国際空港の設置を考えた次第でございます。
○山村委員 いま局長の説明で、新空港の必要性はよくわかりましたけれども、万一建設がおくれた場合、それに対する影響、また、日本の国の損失など、もう少し詳しく説明してもらいたいと思います。
○手塚政府委員 ただいま御説明申し上げましたこと等のさらにふえんになるかと思いますが、一番手っとり早くわかりますのは、いまの量的な処理の問題でございまして、現状の羽田におきます状態は、非常に混雑をいたしております。出発時におきましても、ランウェーの端で二、三機が待機をしておる。あるいは入ってくる場合にも、大島あるいは御宿の上空でホールディングをして待機をしておる。このような状態は、いま申し上げました十七万五千回に着々と近づいておる状態でございまして、それがいまのような一種の混乱状態を来たしておるというわけでございます。 したがいまして、これがもし四十五年以降だんだんおくれてまいりますと、こういった航空機の需要そのものから羽田は、極端に言いますと、麻痺状態に近い状態になるというふうに考えられるわけでございます。 それから第二点で、質的な航空機の発展の上から申し上げましたごとく、四千メートルの滑走路がございませんと、今後の航空界の第二期を画しますSST時代におきまして、わが国はその国際的な航空界における要衝の地位からはずれる、いわゆるローカル空港的な状態になるというふうに考えられるわけでございます。かような状態になりますことは、わが国の政治、経済、文化という大きな見地からも非常なマイナスではなかろうか、そういう状態を招来するのではないか、かように考える次第でございます。
○山村委員 さて、この空港問題、これが起こり始めたのはいつですか。一番初め話が出たのは……。
○手塚政府委員 ただいまのような情勢を前提にいたしまして、新しい空港を考えなければならないという話が出まして、正式に予算的に調査費というものを獲得することになりましたのは、昭和三十八年からだと記憶いたしております。
○山村委員 三十八年のときの運輸大臣はだれですか。
○手塚政府委員 ちょっとただいま年数、三十八年と申し上げましたが、正式に調査が始まりまして、調査自体を行ないましたのは、昭和三十八年でございますが、実際の予算が計上されましたのは、三十七年、もう一年前でございます。そのときの運輸大臣は綾部健太郎大臣であると思います。
○山村委員 そして、その当時の飛行場の規模と現在の飛行場とすっかり変わってきておりますけれども、その当時と比べて、その比較をちょっと説明してください。
○手塚政府委員 飛行場を計画いたしましたときの新空港の規模は、大きさにいたしまして約七百万坪でございました。今度の新空港の大きさは、その半分、約三百二十万坪、千六十ヘクタールの面積でございます。 中の施設といたしましては、当初の計画におきましては、四千メートルの平行滑走路が二本、二千五百メートルの平行滑走路二本、それに三千二百メートルの縦が一本、合計五本の滑走路を予定し、それに必要なターミナルビル、ほかの施設を考えておりました。今回の、現在建設中でございます新空港におきましては、四千メートルの滑走路は一本、三千五百メートルの滑走路が一本、それに横風用として三千二百メートルの滑走路が一本、合計三本でございます。それに必要な付帯施設、ターミナルビル、こういうものが計画になって、大体当初の計画の半分くらいのものである、かような次第でございます。
○山村委員 どういうわけで当初の計画と変わってこんなに半分の小さなものになってしまったのか、その経過を説明してください。 〔委員長退席、細田委員長代理着席〕
○手塚政府委員 当初考えましたのは、まず一つは、東京周辺において新空港を考えますのに、新空港の予定位置を考えます場合に、いろいろな角度から考えるわけでございますが、考えられる場所といたしましては非常に限定された場所しかない。そして、ただいま申し上げましたような、航空の、需要増、あるいは機種の大型化、高速化というような事態から、この限られた地域において、新しく建設するということについては、今回がむしろ最後に近い状態であるというふうに考えまして、できるだけ遠い先の長期的な視野に立った規模のものを考えたいというふうなことで、大きさも考えられる一番大きい、理想的なものを計画いたしたわけでございます。場所もできるだけ東京都心に近い、計画条件の一つといたしまして、東京から自動車の時間にいたしまして、一時間以内という範囲を条件に考えて調査をしたわけでございます。当時の場所富里でございますが、ここは四十数分という場所でございます。そういった状態で考えましたが、その後いろいろ地元情勢等によりまして、この場所は必ずしも適当ではない。特に土地入手の問題におきまして非常に困難性が伴う。地元の農民の皆さんにかける被害も大きい、かようなことから、これを別途に考え直すということになりまして、実は霞ケ浦の埋め立て、あるいはそのほか二、三の別途の候補地を検討いたしたわけでございます。しかしながら、最終的にただいまの場所にきめたわけでございますが、この場所をきめるにあたって、最大の利点と考えましたのは、ここに国有地であるところの三里塚の御料牧場がある、それから県有林があるということで、農民の皆さんから買い上げねばならない面積が少なくて済む。それから空港自体の規模にいたしましても、きわめて長期的な視野に立った、理想的なものも、こういった現実面の土地入手という観点からすれば、なお縮小して最小限のところで、しかも必要にして十分なものであるということで、一応いま申し上げたようなことになったわけであります。かようにいたしますと、買い上げ農地は千六十ヘクタールの大体六割前後ということになりまして、あとの四割は国有地あるいは県有地というところで手に入れる、こういう観点でただいまの場所が選定されたわけでございます。
○山村委員 いま局長の御説明の中で、一応富里、八街地区が候補地としてあがったということですが、ただ単に候補地としてあがったのではなくて、内定という一時期があったと思いますが、それはいつですか。
○手塚政府委員 時期は四十年の十一月でございます。
○山村委員 それでは運輸省として一応内定という線を出しておいて、そのあとで結局三里塚地区を決定、その間にあって富里地区とどのようないわゆる連携をもって、そして富里地区がだめだというようなことを考えたわけですか。
○手塚政府委員 地元に対しましては説明会を再三行ないまして、地元の御協力ということをお願いいたしましたが、ただいまでもさようでございますが、一番問題はやはり県御当局並びに関係市町村の皆さんの御協力がなければ、この空港建設は非常にむずかしい。私どもでは、新空港以外に、ほかの地域におきましても、拡張あるいは同様なローカル空港の新設等を行なっておりますが、そういった経験等から見ましても、ただいま申し上げた地元の御協力というのが絶対に必要であるというふうに感じております。当初の富里は、こういった観点からいたしまして、県御当局あるいは関係市町村というところにおかれまして、必ずしも適切であるということの御協力が得られる見通しが非常に少ない、少なかった、かような経緯もございまして、これを、急遽また別途なところを調査をし、決定するということになった次第であります。
○山村委員 私は、そこで大いに疑問を持つのですけれども、反対が強くてだめだったというようなことを言っていますけれども、しかし、これは富里ではなく八街町のほうですけれども、そこでは町をあげてのいわゆる空港に対する賛否の投票をしたわけです、一軒一票ということで。そのおりは、はっきりいって九対一くらいの比率で賛成者が多かったのです。それがどういうわけでそういうようなぐあいに反対者が多くなったかといいますと、これははっきりいって国のほうが悪いのです。価格は幾らで買うというのも出しはしないし、そして、そのほか地元にどうしてやるというようなことも全然出さない。そして四十年の七月に富里の内定ということで村をめちゃくちゃにしてしまった。そしてこれは、まわりから見れば反対派のほうが気勢がいいのはわかっております。また、マスコミ自体も、その当時におきましては、空港の賛成派は惰農である、反対派はほんとうに農業を愛していくものである、そういうようなとり方をしました。そして現在考えてみますと、そういうようなことは全くいえない。なぜそういうようなぐあいに反対派が多くなってきたか、すべてこれは国の責任だと思います。 私は航空局長にお伺いしたいが、その当時一体国としてどのくらいの宣伝費を使ったか、また富里村、八街町、また千葉県へ、何回くらい説明にいったか、これをお伺いしたいと思います。
○手塚政府委員 三十七年に、先ほど申し上げました一番最初の予算が計上され、三十八年、四十年、四十一年と続いていきましたが、これらの予算はすべて一千万円前後の予算でございました。これでやりました調査等が、机上の調査ではございますけれども、やはり相当予算を食っていったというような状態でございますので、これらの予算の現実から見まして、金を使っての宣伝というようなことは、ある意味で決して十分であったとは考えられません。私どもの説明会も県庁においてやるような程度でございました。現実に地元に乗り込んでやるというようなことなどは、当時の情勢でできもいたしませんでしたが、本来ならばそういうようなことをやるべきであるというふうにも思われましたが、そういった程度の宣伝といいますか、説明ということでございますので、そういう面においては必ずしも十分であったとは考えておりません。
○山村委員 一千万円予算があって、十分な宣伝また説明の費用をかけなかったといいますけれども、実際のこといって、これは一銭もかけていないでしょう、一銭もかけていません。そして、ただ単にこれは、政府を困らせるほうがいいという、反対のための反対という連中に完全にひっかき回されてしまった。これが実態です。私は何でこのようなことを言うかといいますと、いわゆる三里塚地区に空港が決定しました。そして決定したあとで、富里地区から、ちょうどこの前ありました生産者米価の値上げの要求に地元から来ました。ところが、その地元の連中というのが、空港は三里塚へ何できまってしまったのだ、そしてなぜ富里に返ってこないのだ、なぜかといいますと、その人は反対派の急先鋒でした。そして米なんかどうでもいい、空港を返してくれということをはっきり言いました。なぜかというと、その人の言い分では、砂川にしても新島にしても、あれだけ強行して政府は飛行場をつくったではないか、それに何がゆえに富里から三里塚へ逃げてしまったのだ、このほんとうの実態というものを調べてもらいたい。なぜかといいますと、この空港ができてからでも、すぐ次の空港建設にかからなければならないと思うのです。私は、この空港が一体いつまで使える空港か、これを局長にお伺いしたい。
○手塚政府委員 空港のキャパシティ自体は、羽田の十七万五千回に対しまして、二十六万三千回というふうに一応計算をしております。ただ、その時期に到達するのはいつであるかということにつきましては、これは一つの需要測定でございますが、現在の飛行機の大型、高速化というような状態から見まして、相当の期間これを利用できるというふうに私は考えております。大体の見通しといたしましては、供用開始後約十年ほどこの空港はりっぱに使用可能である、このように考えております。
○山村委員 十年可能であるということで考えまして、そしてこの開始はいつですか。
○手塚政府委員 四十六年の四月に供用開始ということを予定いたしております。
○山村委員 そうしますと、空港の問題が三十七年に起きまして、そして十年かかるわけです。そうすると、その空港が始まったと同時に、次の空港にかからなければならない。そこで、地元としていろいろ心配しているのは、この空港を拡張するのではないかというようなことで地元の市町村は心配しておるわけですが、そういうような予定はあるかないか、それをはっきりさせていただきたい。
○手塚政府委員 ここに場所をきめますについては、先生おっしゃるような状態で、非常にいろいろな観点からの調査、相談、討議が行なわれた結果でございまして、規模にいたしましても、できるだけ地元に御迷惑をかけないという観点で、最終の案としてただいま申し上げました千六十ヘクタールということできめられた空港でございます。したがいまして、そういったいきさつ等を考慮いたしまして、この空港については拡張しないということを当初から地元の皆さまにも申し上げておりますし、私どももさようにかたく考えております。滑走路の延長その他の問題は、現状の計画で、ただいま申し上げたような時期まで十分もてます。拡張ということは考えておりません。
○山村委員 それともう一つ、地元の心配しておりますのは、いわゆる中曽根運輸大臣のときには米軍用機の乗り入れば絶対に認めないというようなことであった。そして原田運輸大臣になってから認めざるを得ないというような答弁があったようですが、その点についてはっきりしてもらいたいと思います。
○手塚政府委員 米軍用機の空港への出入につきましては、中曽根大臣の発言並びに原田現大臣の答弁、いずれも中身は全く同じ、相違はない、かように考えております。ただ、表現のしかたあるいは順序等に若干ニュアンスの違いがあったかと思います。その受け取り方等で違っておるということは、一時他の委員会においてもお話が出たわけでございます。この出入につきましては、中曽根大臣の表現といたしましては、軍事基地として使用をしようとするときにはこれを拒絶をするという言い方をされております。原田大臣の際には、御質問の要旨が、出入ができるかというような御趣旨が主であったかと思いますが、そういう御趣旨に対応いたしましては、現在の地位協定第五条のたてまえにおきましてこれを拒むことはできない。しかしながら、やはり軍事基地というような継続的あるいは計画的に使用するような場合には、これは施設の提供ということになりますので、地位協定におきます合同委員会にかけざるを得ない、そして日米両国の合意を必要とする、こういうことに相なりますので、その際にはこれを拒絶をするということを、やはり原田大臣も申したわけでございます。したがいまして、いずれにいたしましても、軍事基地というたてまえにおいてはこれを拒絶するという意味で、両大臣の答弁は食い違っていないと思います。
○山村委員 そうすると局長、軍事基地としては絶対に認めない、そういう方針でまいるわけですね。
○手塚政府委員 軍事基地ということで継続的、計画的に使用されるというようなたてまえにおきましては絶対にわれわれは拒絶をする、そういう申し入れがありましたら拒絶をする、かように考えております。
○山村委員 よくわかりました。 続いて、新空港建設は、ただ単に本来の建設を進めるだけでなくて、関連する各種の事業を並行して実施する必要性があると思うのですが、この関連事業の大要、及びそれを推進するための体制などはどうなっているか、これを説明していただきたいと思うのです。
○手塚政府委員 新空港をつくりますにあたりましては、おっしゃいますように、関連事業というのはいろいろあるわけでございます。これを大別いたしますと、まあ二つに分かれるかと思いますが、一つは、たとえば空港への取りつけ道路、あるいは空港ができますために、現在ある道路が使えなくなって、そのかわりのつけかえ道路をつくる、あるいは空港の汚水を処理いたしますために下水道を設置しなければならない、かような工事等は、空港建設と直接関連をいたしておる関連事業でございます。これらの事業につきましては、その建設は飛行場の供用開始と時期を同じくして整備をする必要がある事業でございます。 もう一つの関連事業といたしましては、たとえば空港関係者が中心となります新都市を建設する、その新都市内に、街路、小中学校あるいは下水、し尿処理の整備、こういったような工事をやる、あるいは空港周辺の騒音地区の土地改良事業をやる、あるいは周辺の地域開発のための道路、こういうものを整備する、あるいは消防施設を整備する、こういった空港の設置に伴いまして生ずる周辺の地域環境の変化に対応して、なおあわせて空港周辺地域の地域対策、振興、こういった観点から必要と考えられる関連事業、こういうような事業をわれわれはここで空港関連事業と、かように考えて計画をし進めようといたしております。 これらを計画をし進めてまいりますについて、政府部内におきましての体制と申しますか、一斗といたしまして、いままでのところ臨時新東京国際空港閣僚協議会というものを四十一年の三月四日の閣議決定できめております。さらに、この協議会で基本的な問題の処理をいたし、方針をきめますと、これを実施、推進する機構といたしまして、新東京国際空港建設実施本部というものを設置をいたしまして、千葉県を含めまして関係の行政機関でもってこれを構成しておるわけでございます。 〔細田委員長代理退席、委員長着席〕 前段に申し上げましたいろいろな空港関連事業につきましては、こういった二つの機構を通じて、われわれで今日までのところの計画の慨要を決定をし、実施本部におきまして協議、決定を見ておるものでございます。この委員会で御審議を願います前提の計画は、そういったような経緯と内容を前提にいたしまして御審議を願っておるわけでございます。
○山村委員 自治省にお伺いしたいのですが、今回のこの特別立法、いわゆる財政援助法、これは首都圏計画のかさ上げといわれておるのがありますが、それと比べてどれくらい有利になるか、ひとつ説明していただきたいと思います。
○細郷政府委員 御承知のように、首都圏のかさ上げ法律がかかる地域であるわけでありますが、それでまいりますと、その年の事業量とその年の財政規模を比較して年々のかさ上げをきめる、こういういき方でございます。しかしながら、今回の空港建設に関連いたします事業については、事業の内容があらかじめはっきりしておる、そうして、それをあるタイムリミットをもって執行していく、そういうようなことからそれぞれの財政力との比較を避けて、事業自体の重要性にかんがみて財特法というものを今回制定しよう、こういう考え方でございます。これによりますと、お配りをした資料にもございますが、この関連の事業のうち空港関係で地元負担を要する事業費が六百五十一億ございますが、その中には上水道事業あるいは土地造成といったような将来の関係者の負担にまつものもございますので、それを除きますと四百三十三億の事業量になるわけでございます。その四百三十三億のうち、現行法でまいりますと百七十三億の地方の負担になるわけでございますが、今回の財特法を適用することによりまして、面接に二十八億の負担軽減が地元で行なわれる。その基本の考え方は先ほど申し上げたようなことにございますが、財政的にこれを見てまいりますと、首都圏かさ上げの法律と比べてこちらのほうが高くなるもの、それらについてはこの高いほうを適用していく、こういう考え方で各事業ごとに高率補助率をきめる、こういうことでございます。首都圏の場合よりはその事業に関しましては率が高率になっておるということでございます。
○山村委員 空港関連事業の内容は、言うまでもなくこれは新空港と面接間接的に関連を持つものであります。その事業の性格、実施の主体、これはいろいろあります。たとえば流域下水道のようにその事業の必要性が空港自体にもあるし、また地元にもある、こういうような事業、これに対する経費負担についての責任を一がいに論ずることはできないと思います。しかし、一部には、この空港に関連する事業は国または空港公団がすべて責任をもってこれを実施する、そういうような論もありますけれども、政府の考えはどういうような考えですか。
○砂田政府委員 山村先生の御質問、私どもは事業主体等やはり三つのタイプを考えております。事業の実施と経費の負担等について責任を一がいには論ぜられないので、三つのタイプに分けて実は考えております。 第一が、先ほど航空局長も御答弁をいたしましたような資材輸送のための道路のつけかえ工事のようなもの、このような空港建設と直接関連するものは、これはもうもっぱら原因者でありますところの空港公団が直接実施あるいは経費を全額負担してやらなければならない。当然なことであります。これが一つのタイプでございます。 それから第二に、先生お話しになりましたような空港の排水処理の問題、この下水道事業のようにその必要性が空港公団にもありますし、また地元にもございます。実はこの流域下水道の問題は、印幡沼の汚染がはなはだしくなってまいりまして、空港を計画される前から、それぞれ関係市町村の強い要望が千葉県にございまして、千葉県ですでに計画をしておられまして、そして空港の問題が新たに起こったものでございますから、空港が必要とする施設もこれにあわせて千葉県の計画の規模を拡大した、こういう性格のものでございますので、したがって、空港公団から直接原因または受益相当分を徴収して実施をする、そういうタイプのものが一つ。 三番目に、その他の道路、下水道、小中学校、土地改良事業等につきましては、それぞれの事業の性格なりあるいは空港との関連性、地方負担との現状、こういうものを勘案をいたしまして所要の措置を講じてまいる。この三つのタイプに分けて考えております。
○山村委員 この特別立法は、関連事業の実施を促進して新空港の建設に資するためのもの、こういうわけでございますが、この法案に含まれてない事業、たとえば資材輸送のための道路の改修とか鉄道の整備、またつけかえ道路等の事業、これはどういうことになっているか、これを説明していただきたいと思います。
○手塚政府委員 ただいま政務次官から御答弁ございましたように、つけかえ道路のごときは、言うなれば一つの補償工事でございます。かようなものは原因者であるところの公団の予算において実施をする、かようになるかと存じます。 それから、それ以外の問題といいますか、事業といたしまして、この法案の対象外で直接国がやるという内容のものがやはりあるわけでございます。たとえば鉄道の問題であるとか、あるいは道路にいたしましても、高速道路、東関東自動車道については国でやる。そういうような、別途直接国でやるというようなものがあるわけでございます。したがいまして、ここで御審議いただく事業以外のものがなお相当にあることと考えております。
○山村委員 この法案による事業の負担軽減額は約二十八億ということですけれども、成田市のように、いわゆる継ぎ足し単独事業を含めて多額の軽費負担を伴う新都市造成事業があります。この事業の執行について、政府は、成田市の財政能力から見て、これができると思っているのか、この周辺の町村を含めて、政府の見解をひとつ発表していただきたいと思います。
○細郷政府委員 この財特法の適用を受けます事業の負担の軽減額は二十八億でございますが、受けない事業につきましては、首都圏の財特法がかかるわけでございます。それらは今後の財政需要等にもよると思いますが、いま私ども荒っぽく見まして、そのための特別の資金手当て並びに利子補給、かさ上げ等を入れまして十二億ほどあると、こう考えております。したがいまして二十八億のこの特定事業のもののほかに十三億、合計いたしますと約四十二億ないし四十三億程度の手当てが資金的、財政的にできる、こういうふうに見ておるわけでございます。しかしながら、そのほかにいま御指摘のように付随したいろいろの単独事業がございます。そういうものにつきましては、私のほうでも、それぞれの市町村によって財政の状態も異なりますし、また事業を行ないます年度もいろいろずれてまいりますので、適時適確に資金上の措置をするなり、あるいは補助制度のあるものにつきましては補助を優先的にそこに持っていくように、各省と打ち合わせをしてやってまいりたい、かように考えております。
○山村委員 そうすると、この空港建設について行なわれるいわゆる周辺の土地改良地区、この範囲、農民の負担、これを説明していただきたいと思います。
○手塚政府委員 本日お配りいたしました資料に、土地改良事業ということでその範囲を図示いたしております。実はこれは農林省関係でございますので、私の説明が的確かどうかちょっとあれですが、知る限りにおいて申し上げますと、一つは、この新空港をつくりますについて、地元の騒音対策という観点から特別な畑地かんがいを考えておりまして、大体七十ホン以上のところの範囲を実施いたそうというふうに考えております。 それからもう一つは、空港から流れますところの排水の問題といたしまして、この水は、根本名川という空港の近くを通って利根川に入ります川がございますが、この根本名川を改修するということで、この根本名川の流域についての土地改良を行なう、かように考えておるわけです。この騒音地区におきますものと根本名川周辺地区におきますものとで、事業費といたしましては、前段が八十五億、後段が二十二億、こういうような事業費でございます。これは地元の負担は、現行のままでまいりますと、騒音地区については三十九億、根本名川周辺につきましては十一億というのが大体の地元負担額でございます。
○山村委員 ちょっとお伺いしたいのですが、すぐその脇に、いわゆる北総東部畑地かんがい事業というのがございます。そうすると、その境はどういうぐあいにしてきめるわけですか。
○手塚政府委員 非常に具体的なお話でございまして、実は私どものほうではお答えいたしかねるかと思いますので、農林省のほうにひとつお願いいたしたいと思います。
○山村委員 それで、この国あるいは関係地方団体を中心に実施されることになるいわゆる空港周辺地域整備計画、これは国において十分各年度において予算措置がなされ、計画どおり事業執行がなされるという保証があるのかどうか、政府の見解を承りたい。特に財政援助法は適用期限が昭和五十三年までとなっておりますけれども、期間内に事業が完了しない場合は一体どうなるのか、これをあわせてお伺いしたいと思います。
○砂田政府委員 空港周辺の地域整備計画、これは聖業の実施計画でございます。同時に、財政上の特別措置の前提ともなる計画でございます。したがって、地域計画としても単なる基本の計画とは性質が異なっていると思います。実施のための財政措置の裏づけも持つものでございますから、計画と実施の間に大きな差異が出てくるというふうなことはないもの、このように考えております。さらにこの計画の対象事業に予定しておりますものの大部分につきましては、地元の地方公共団体が要望なさったものを、関係各省庁が、千葉県をまじえまして相当きめのこまかいところまで詰めた結果決定いたしました事業でございます。そういう意味から申しましても、政府が地元に対しまして約束をいたしましたいろいろな事業を制度的にオーソライズしたもの、こう理解をしていただいてけっこうでございます。したがいまして、事業の所管官庁は、空港関連の事業につきましては当然のことでございますが、事業の選択、事業費の配分等の所要の措置を当然考える、かように私どもは考えております。自治省といたしましても、関係地域の整備計画の実施につきましては、主務大臣及び大蔵大臣と緊密な連絡をとりまして、支障のないよう十分配慮してまいります。 なお先生が御心配になりました関連事業の期限のことでございますが、地方公共団体の施設関連事業につきましては、おおむね昭和五十年で実施ができるもの、ただいまそういうふうに私どもは予測を立てております。
○山村委員 もしできなかった場合ということでお伺いしておるのですけれども、できなかった場合はどういうことになりますか。
○砂田政府委員 五十年に仕上げようということで私ども努力をする決意をいたしておりますので、どうかひとつ、いろいろ先生方の御協力もいただきながらではございますけれども、何としてでも五十年に仕上げるという決心で取り組んでおります。
○山村委員 了解しました。 次に、空港公団総裁にお伺いしたいのですけれども、現在の空港公団の空港建設の進行状況をひとつ説明していただきたいと思います。
○今井参考人 現在の進行状況でございますが、まず用地の問題でございます。 先ほど局長から御答弁がありましたように、全体で千六十五ヘクタールの中で、空港敷地内の民有地は六百七十ヘクタールでございまして、この六百七十ヘクタールにつきましては、本年の五月三十一日現在で、現在まだ進行いたしておるとは思いますけれども、約七一%に当たります四百七十七ヘクタールというものはすでに買収を完了いたしております。 それから、私どもが特に力を入れております第一期の工事区域でございますが、第一期工事区域は四千メートルの滑走路を中心といたしまして約五百ヘクタールございますが、その中で民有地は二百八十二ヘクタールでございます。その中ですでに二百四十ヘクタールというものの買収が終わっておるわけでございまして、第一期工事につきましては民有地の八五%を完了いたしておる、こういう状況でございます。この中に、第一期工事の区域には御料牧場の敷地内の大部分の地域、約二百四十ヘクタールが入りますので、第一期工事区域には三十ヘクタールないし四十ヘクタールの民有地の買収が残っておるにすぎないという状況でございます。したがいまして、用地の取得につきましては、現在大体において第一期工事区域については、私どもとしては工事を開始することが可能な段階に立ち至っておる、こういう状況でございます。 それから代替地でございますが、これは敷地の中の方々がお移りになるところでございますが、これにつきましては、県の協力を得まして五百ヘクタールの用地を確保いたしておるわけでございます。この中で百ヘクタールが国有団地、それから百ヘクタールが県有地、それから三百ヘクタールが富里その他の協力してくださる方々から買った代替地でございますが、この中で造成を必要とする区域については約二百六十ヘクタールでございます。これも御料牧場の現在宮内庁の御使用になっておる部分を除きましては、すでにほとんど全部造成を完了いたしまして、一部水道工事等残っておるところもございますけれども、すでに家屋の新築移転あるいは畑地への作付というふうなものが現在始められておるという状況でございます。 それからさらに、下総の御料牧場の代替地として新たに私どもが計画いたしております高根沢の御料牧場の建設状況でございますが、これもすでに用地は全部買収いたしました。これは二百五十二ヘクタールでございますが、これにつきましては、工事は全部発注を終わりまして、この八月下旬には牧場としての機能施設というものは、すべて工事を完了する予定でおります。したがいまして、下総の御料牧場も八月下旬には移転していただけるという状況でございます。 以上のように、土地代替地はそういうふうな状況で、おおむね順調に推移いたしておりますが、現在私どもは、資材の輸送並びに空港予定地における各施設の配置計画、あるいはまた各施設の基本設計と取り組んでおるというのが現状でございます。
○山村委員 この第一期工事は四十六年三月一ぱいに完了するという予定でやっておるようですが、現在のところではこれは心配ありませんか。それとも、これがおくれるようならば、いつごろになるか。そうしてその場合に、いわゆるジャンボ、それからSSTはあとになりますが、コンコルド等が着くころには間違いなくできるかどうか、それを説明していただきます。
○今井参考人 建設につきましては、私どもといたしましては、政府の指示によりまして、四十二、四十三の両年度において用地を取得し、四十四年度、四十五年度においてこれを建設するということになっておるわけでございますが、本年度に入りまして、先ほど申し上げましたように、資材の輸送並びに敷地内における空港の基幹施設につきましての造成を始めたい考えでおりますけれども、現在の状況では、鉄道輸送を要する砕石等の問題につきましては、すでに国鉄御当局との間で覚え書きに調印をいたしまして、現在国鉄において鋭意砕石その他の鉄道輸送の計画を実施すべく準備をしていただいておるということでございます。 それからまた、資材の輸送道路でございますが、先ほど先生の御質問にちょっとありましたけれども、資材の輸送の面につきましては、主として砕石等の骨材関係でございますけれども、現在県道並びに街路というふうなものを含めまして、公団の予算で約十二億三千万円でございますけれども、これによりまして、茨城県あるいはまた栃木県というふうなところからの砕石輸送を考えておるわけでございまして、茨城県につきましては国道百二十五号線その他の七路線、千葉県につきましては県道成田-江戸崎線その他六路線というふうなものにつきまして、すでに昨秋から工事を施行中でございまして、この九月には大体において県道の改良工事は完了する予定でおります。 さらに、私どもは、鉄道並びに道路による輸送と関連しまして、成田駅からの資材の輸送のための専用道路を現在計画いたしております。これは成田駅から約二・九キロの鉄道を、成田の国道五十一号線の北側にあります土屋地先に集めまして、土屋地先に約十万平米の資材集積所をつくりまして、そこから資材専用道路をつくって空港予定地内に持ってくる、こういうことで現在一部もうすでに施工に着手しておるという状況でございます。したがって、空港建設につきましては、本格的に資材の輸送並びに建設が始まるのはことしの下期になると思いますが、それから集中的な工事をやって、われわれとしては何としても昭和四十六年の四月には一番機を飛ばし得るところまで持っていきたい、かように考えております。
○山村委員 そうすると、資材運搬のための鉄道をつくるわけですけれども、これは工事が終わったらあとどういうぐあいにしますか。
○今井参考人 現在成田から資材輸送のために専用鉄道を敷く計画で国鉄にお願いいたしておるわけでございます。一部は現在の鉄道に沿う国鉄の用地でございまして、それ以外の土屋地先の鉄道用地並びに資材置き場につきましては、すでに大かたの地主さん方と話し合いがつきましたが、これは借地でまいっておるわけでございまして、私どもは輸送が完了いたしますれば完全にクリアーにして、御希望であればそのままでお返しする、こういうつもりでおります。
○山村委員 空港建設のために犠牲者が出るわけです。たとえば離職者、離農者、商工業者、また代替地の提供者、これらに対する処置はどういうぐあいにしますか。
○今井参考人 これはもう私ども一番関心を持っておる問題でございまして、敷地の中の方々はもちろんでございますが、空港周辺の騒音地区の方方、それから特に非常な犠牲を払って代替地を提供していただいた富里等の協力してくださる方々に対しましては、私どもは差別なしに空港に関連する事業を開放するという決意でおるわけでございます。現在でもすでに地元の方々で熱心な方々は、事業を開始されておられる方々もございますし、それからまた、空港の中における仕事の勉強に羽田へ現在人を派遣して、現実に勉強しておられるという方々もおるわけでございます。
○山村委員 特に私は、代替地の提供者に対しては、ほんとうに優遇してあげていただきたいと思うわけです。なぜかと申しますと、この代替地は七十万円で提供しておるわけです。七十万円で提供してもらったとき、空港公団側として土地買収費は一般の畑で幾ら出しましたか。
○今井参考人 代替地を買収いたしましたのは、先ほどの御説明で触れましたように、県に依頼してやったわけでありまして、県当局が買収の衝に当ったわけでございますが、当時空港の代替用地の値段は百万円というのが大体限度ではなかったかと思います。
○山村委員 その代替地を七十万円で売った人は、百万円でこの空港用地を買われるのだ、それなら七十万円でもしかたがないということで売ったわけですが、現在幾らですか。
○今井参考人 その後敷地内の条件派の方々と長期にわたって折衝いたしまして、昨年の四月に最終的に価格協定を締結いたしたわけでございますが、畑を基準にいたしまして百四十万円でございます。
○山村委員 私は、これは普通の人間だったらもう黙ってないと思うのです。百万円のときだから七十万円で売った。それが百四十万円になった。そうしたら七十万円に何かプラスしてやりましたか。
○今井参考人 これは私どものほうとしては、プラスするというふうなことは全然できませんし、また、いたしもしなかったわけでございます。私どもは、そのかわり、公団としてでき得る限りの御協力、たとえば空港内におけるいろいろな営業関係であるとか、空港に関連する仕事についてのいろいろな御計画というふうなものに対して全面的に協力をすることによって、少しでもカバーしていきたい、かように考えておるわけでございます。
○山村委員 私が特にここで言いましたのはなぜかと申しますと、この代替地の提供者は、いま総裁が言われたことを信頼いたしますので、実は都心から空港へ至るまでのいわゆる高速バスがもう大きな資本の会社に一応許可されておるのですが、そういうことが出ますと、地元の人間はまただまされた、ああいうぐあいに言ってくれているけれども、しかし最後には、おれたちには何ももらえないんじゃないだろうかという気持ちで一ぱいだろうと思うのです。特に代替地の提供者というのは富里、八街時代からの賛成者です。このごろ、それこそいわゆる村八分という話があります。村八分というのは、いわゆる葬式と火事だけは除いてそのほかのことはもう全部除外するということですけれども、この人たちは村九分にまでされたのです。この賛成者の有力な方がなくなりまして、そのおりはとうとうお葬式にだれも、それこそ近所からお手伝いに来ないどころか、お葬式を妨害したというまでの事態があったのです。そうして賛成して買ってもらった。その上今度は隣へ逃げられた。代替地として提供して、敷地は百四十万、代替地は七十万、そして税金は一般の売買と同じで全然公共的な優遇措置は何もないわけです。ひとつ私はここで総裁、またそれこそ自治省、運輸省にお願いしたいのですが、この空港建設によって泣く人のないようにお願いしたい。特に総裁が先ほど言われた、この代替地の提供者に対して最優先で優遇措置を与えるということを、ひとつ間違いなくしていただきたいということを念を押しまして、私の質問を終わります。
○鹿野委員長 次は山口鶴男君。
○山口(鶴)委員 今井総裁がお見えでありますからまずお尋ねしたいと思うのです。 空港敷地内の民有地の中に相当田畑があると思うのでありますが、空港敷地内の民有地のうちたんぼが一体どのくらいございますか。それからまた、代替地として買収をする予定の民有地の田が 一体どれくらいございますか。まずお尋ねをいたします。
○今井参考人 先ほど山村先生の御質問でお答え申し上げたのでございますが、敷地内の民有地は全体で六百七十ヘクタールでございまして、その中には畑と山林、原野あるいはたんぼがございますが、たんぼにつきましては全体で四十七ヘクタールということになっております。
○山口(鶴)委員 代替地内は幾らですか。
○今井参考人 代替地は御承知のように富里その他に非常に分かれておりまして、現在その中で田が何町歩あるかということは、実はこれは県のほうが買収いたしましたので、私いま手元に資料を持っておりませんが、すぐ調べてお答えはあとで申し上げたいと思います。
○山口(鶴)委員 そうしますと、敷地内の田が四十七ヘクタール、約十四万坪、代替地として買収いたしますのは県がやっているので現在はわからぬが、相当面積たんぼの買収の予定があるだろうと思います。 そこで、お尋ねをしたいと思うのですが、昭和四十四年度の米価につきましては、据え置きということに閣議決定をいたしておるわけでございます。これの見返りという形で稲作特別対策事業費というものを二百二十五億支出をするということになったようであります。そうなれば、当然この成田の人たちにもそれが適用になるだろうと思うのでありますが、それは別といたしまして、私、地方自治の観点からこの二百二十五億の問題についてお尋ねをいたしたいと思うのであります。 まず農政局長にお尋ねをいたしますが、この稲作特別対策事業費二百二十五億円は、本会議における福田大蔵大臣の答弁によりますと、市町村長に対してこの支出をする、そうして、市町村長は農薬、肥料、あるいは資材の助成として、過去三年間の米のいわば売り渡し数量によって助成を行なう、こういうことを答えておるわけでありますが、具体的にはこれは法律でやるのですか、政令でやるのですか、あるいは取り扱い要領というようなものでやるのですか。その扱いの形式並びに内容についてひとつお答えをいただきたいと思います。
○池田政府委員 これは現在政府部内で検討中でございまして、まだ確定した姿にはなっておらないわけでございますけれども、大体の考え方といたしましては、予算補助というかっこうで実施をしてはどうだろうか、こういうような考えで現在はいるわけでございます。 なお、内容といたしましては、これはいまお話しがありましたように、農薬、肥料等の米の生産資材を中心にいたしましてそういう金額の補助をする、こういうことに現在は考えておるわけでございます。
○山口(鶴)委員 自治大臣もお見えでありますので、自治省当局にお答えをいただきたいと思うのですが、予算補助という形でやりたいというお話ですが、少なくとも地方自治法の百四十八条によりますと、国が地方公共団体に対して、仕事をいわば押しつけると申しますか、委任をいたします場合は、機関委任事務でありますから、自治法百四十八条によれば、当然これは法律または政令の規則で定め、さらに機関委任事務として別表第四に、市町村長が扱う事務として明確に自治法改正をするのが私は地方自治の本旨を守る立場から当然の措置ではないかと思うのであります。そういたしますと、この二百二十五億円の扱いについても、自治法の百四十八条を自治省としても堅持なさるのが至当だと私は思うのですが、これに対する自治省のお考えはいかがでしょうか。二百二十五億といえば、国の補助金の総額が一兆七千億円、農業関係の補助金は私も数字で調べてありませんが、国が市町村に対して支出する補助とすれば非常に膨大な額ですよ。相当な割合を占める、こういうものの扱いが不明確なままに措置されるということは、私は重大問題だと思うのです。そういう意味で明確なお答えをいただきたいと思うのです。
○遠藤説明員 結局地方団体に対しますところのお金の支払いを市町村に行なわせるという場合に、いろいろございますけれども、お話しのありましたように、かりに地方に対しまして、機関委任事務というような形で法令上義務を課するというようなことでありますれば、はっきり法令上措置を要するということだと思いますけれども、そうじゃなくて、法令上義務を課するという形じゃなくて行なう場合、やり方はいろいろあるのですが、そういう形の場合には、必ずしもはっきり法令上の措置を要しないというやり方も実はあるわけでございます。現在、この補助金の交付のやり方の問題につきましては、農林省のほうでも検討中と聞いておりますので、今後の方法の内容との関連におきまして、法令上はっきり措置を要するものであるならばそうしなければいけませんし、そうでない場合には必要ないということもあります。内容との関連において検討いたしてまいりたい、かように考えます。
○山口(鶴)委員 内容との関連の問題だというお答えですが、それじゃお尋ねしますが、昭和四十一年に同じような形で五十億円を措置いたしたことがありますね。その際は一体どういう扱いをいたしましたか、これが第一。 第二は、河野農林大臣の際に、構造改善事業というものを農林省が実施することになり、これを全市町村にわたって年次的におやりになったわけでありますが、これに対しては具体的にいかなる措置をして扱ってまいったのか、過去の事例でありますから、ひとつ明確にしていただきたいと思います。
○遠藤説明員 四十一年度に交付いたしました稲作の改善特別事業関係につきましては、都道府県が市町村に補助する経費について、国が都道府県に対して補助する。市町村が、さらに、農業協同組合等が事業を行なう場合にはその事業体に補助するというような形で、結局都道府県または市町村が補助する経費について補助するという形のしかたでやっているというふうに承知しております。 農業構造改善事業につきましても、私は詳細な資料を手元に持っておりませんが、たしか地方団体に対して実際に補助する金を補助金として出しておるという形でもって、直接補助か間接補助か、はっきり記憶しておりませんが、そのような形の補助金という形でやっておるというように、はっきりした記憶ではございませんが、たしかそのように記憶しております。
○山口(鶴)委員 お答えのとおりでしょう。確かにそういった形の、きわめてあいまいな予算補助というようなかっこうで操作してきたのですね。これに対しては法律もない、政令もない、いわば農林省の実施要領というような形で措置をしてきたというふうに私は理解をいたしております。しかし自治省、こういうやり方がはたして地方自治法百四十八条の規定からいって妥当だとお考えになりますか。少なくともこの二百二十五億につきましては、三千幾つかの全国の市町村が当然対象になるでしょう。すべての市町村が対象になる、そして経費としても相当膨大である、そういうものが、単なる予算補助というような形で、かつて五十億やられたような形でやられるということは、私は非常に問題ではないかと思うのです。 農業構造改善事業につきましても、この「自治研究」という本を拝見しました。当時行政課長でありました岸さん、現在は沖繩のほうに行っておられる方でありますが、この方が農業構造改善事業に対して、農林省は自治省と事前に十分な打ち合わせをすることをせず、一片の通達によって実施したことはきわめて遺憾だということを書いておるのです。これは自治省の当然の姿勢ではないかと思うのです。とすれば、ここで大臣、私はお尋ねしたいのですが、少なくともこの二百二十五億につきましては、かつての五十億のように、あるいは農業構造改善事業が一片の通達によって――法律、法令に基づくところの政令がない、また機関委任事務として別表第四に何ら明確な規定がない、そういう中できわめてあいまいな形で措置をされたというようなことについては、私は、今度は自治省としては絶対にお許しにならぬだろうと思うのです。このことにつきましては、将来の地方自治を守るという立場から、私は基本的な姿勢に関する問題だと思うので、特に大臣としての御所見を承りたいと思います。
○野田国務大臣 ただいまの山口さんの、今回の稲作事業の補助の交付というか、配分の問題ですが、これは大蔵大臣の申しましたとおり市町村長に交付する。したがって国が明確に基準を定めまして、県、市町村が単に交付事務を行なう場合には、実質的にはいま御指摘のとおり、機関委任事務といいますか、やはりその場合は法律か政令が必要ということはそのとおりでございます。同時に、これを委託事務として処理する方法もある、この場合は特別な立法、政令を必要としないということでございますが、いま山口さんの御指摘で、私、自治省といたしましてはひとつこの際明確にしておきたい、こう思っております。 そこで、農林省がいま検討しておられるそうでございますから、この問題は、ただ、いま御指摘のとおりあいまいにしておくものではない、昭和四十一年の五十億の問題も、いまお答えしたとおりでございまして、ああいうやり方をいたしておりますが、できるだけ明瞭にしたい。そこで、やはり農林省の検討がまず第一に必要でございますから、農林省の考え方というもの、その処理方針をどうするかということをはっきりしませんと、自治省としてもこれにこたえて、いま自治省からこうだということを言えませんから、大体の農林省の配分方針、方法というものをひとつ具体的に聞きまして、その間の検討をしたい、こう考えております。
○山口(鶴)委員 農政局長にお尋ねしたいと思うのですが、昭和四十一年の五十億の措置のしかた、府県に対して予算補助で出し、それから府県が市町村に対して予算補助で出して、そして農協に対して市町村が助成をしたというやり方で、法令に基づかずに措置をされたということでありますが、会計検査院にきょう出席を求めたのですが、ちょうど会計検査院の担当の課長がいないというので、きょうは残念ながら来てもらうことができなかったのでありますが、会計検査院のお話を聞きますと、昭和四十一年の措置のやり方についてはいろいろ疑義があったということが指摘をされておるのであります。農政局長も、この点は所管でありますから事情を知っているだろうと思うのですが、どのような事態がありましたか、御存じあらばひとつ御説明いただきたいことと、そういうこともありますし、いま自治省の考え方は、大臣から御答弁があったとおりであります。本来ならば当然法令に基づいて、あるいは機関委任事務として明確な形で市町村長に権限を委任し、そういう中で公正明朗に措置するということが当然のはずです。それがこの指導要領その他によってあいまいに予算補助として措置されるということは、これは地方自治のたてまえからいっても許されぬ。農林省がかってに市町村長を道具として使うということは許せぬですよ。したがいまして、この点については、十分法令に明確な規定をいたしまして、責任ある形で措置をすることが至当だと思うのですが、この点に対する農林省としてのお考え方もあわせてひとつお聞かせいただきたいと思う次第であります。
○池田政府委員 五十億の実施に関連をいたしましていろいろ問題があったのではないか、こういうお尋ねでございますが、私どもが承知しております限りでは、この経費は主として農機具あるいは土壌改良のための資材の購入等に充てられた割合が非常に多いわけでございますが、この金が予算に組まれるに至りましたいろいろな経緯、米価との関係等からいいまして、これは何か一部では飲み食いに使われたのではないか、いろいろそういう見方があるわけでございます。ただ、私どもが承知しております限りでは、必ずしもそうではございませんで、本来の用途に従ってかなり有効に使われたというふうに私どもは実は考えておるわけでございます。もちろん、中には一、二、いろんな手続等が必ずしも適切でなかったというような若干の御指摘があるようでございますが、大筋としてはそうであったというふうに私どもは考えておるわけでございます。この点はなお会計検査院等からお聞きいただきたいと思います。 それから、今回の措置に対しますいろんな先ほど御指摘のような点でございますが、私どもはこれは現在検討中でございまして、当然そういうような御注意もございますので、十分そういう点も検討の内容に含めまして、適正な形で処理をいたしたいと考えておるわけでございます。
○山口(鶴)委員 大筋とか、かなりとか、そういう話では困ると思うのですよ。一部でありましても、飲み食いに使われたとか、この金が不明朗な形で使われたという事実が二、三であってもあれば、これは私はやはりきちっとしなければいかぬと思うのです。そういったきわめて安易な考え方で農林省が措置されるのでは、私は問題だと思いますよ。だからこそ私は、そういった予算補助というような不明確な形でなしに、やはり法令できちっと責任を明確にする形でこの問題は措置することが必要ではないか、また、そうでなければ、地方自治のたてまえからいってもおかしい。特に地方自治法の百四十八条の規定からいきましても筋が通らぬということを申し上げておるわけであります。 大臣もお忙しいようでありますから、先ほどの御答弁お聞きいたしましたので、ひとつ農林省との折衝の過程では、地方自治の本旨を守るという筋を通した折衝をいただくことを心から期待をいたしたいと思う次第であります。 それでは、新東京国際空港に関連して幾つかの問題をお尋ねいたしたいと思うのですが、実は私はこの三里塚というのには個人的にも非常に親しみを持っているわけであります。群馬県が生みました詩人に、萩原朔太郎と山村暮鳥という有名な詩人がおります。特に山村暮鳥という詩人は私の選挙区の生まれの方でありますが、この方は三里塚へ参りまして、「三里塚の春は大きいよ」という有名な詩を残されておるのであります。そういう意味で、この三里塚が今度状況を一変することにつきましては、私も何回かあそこにも参りましたが、個人的にもいろいろな感慨がございます。 そればそれといたしまして、お尋ねをいたしたいのは、先ほど山村さんのお尋ねをいたしました安保条約第六条、それから地位協定第五条との関連の問題であります。中曽根前運輸大臣、これも私と同じ選挙区の方でありますが、この方が昭和四十三年運輸大臣をいたしておりましたときには、この新東京国際空港につきましては、あくまでも軍事目的に従うところの使用は認めない、MACのチャーター機等の問題についてもいろいろ議論があったところでありますが、これについては拒否をいたしますという点につきまして、きわめて明確な御答弁をなされておるのであります。私も第五十八通常国会の議事録を持ってまいりましたが、「軍事基地を目的としたものでは絶対にありません。」ということを新信表明においても明確にいたしました。さらに小川三男委員が「新国際空港に、アメリカがいまのように発着することを要請した場合にどうしますか。」「いまのように」ということは、月に二百回も三百回も現実にMACのチャーター機が羽田に入っているわけでありますが、これに対しましても中曽根運輸大臣は、「新国際空港は軍事基地には絶対使わせません。」、重ねての小川三男委員の指摘についても、「われわれはこれは拒絶しようと思います。」という意味で、明確な御答弁をなされておるのであります。しかるに、先ほどの山村委員からのお尋ねにもありましたが、原田運輸大臣になりましてから、たいへん確固たる御答弁がくずれておる。この地位協定第五条に要求されたことは拒むことはできぬというような意味で、たいへんに後退をした御答弁をされておりますことは、たいへん遺憾に存じます。 ここでお尋ねをいたしたいと思うのですが、政務次官もおられるわけでありますが、この二年間に運輸大臣がお二人就任された。一年前の大臣と一年後の大臣とが、このような重要な問題についてきわめて違った御答弁をするということでは、これは国民としても非常に奇異に感ずるだろうと思いますし、また、特に現地の住民にしてみれば、一体政府は何しておるんだろう、政府の方針がぐらぐらしておることではしかたがないじゃないか、とにかく中曽根運輸大臣の言明を信用してわれわれは協力しようとしたのに、話が全く違うことでは協力できぬという考えを持つのは当然だろうと思うのですね。一体どちらの大臣の言明が正しいのですか。きわめておかしなお尋ねでありますが、まずそれをお尋ねをいたしまして、具体的に詰めてお聞きをいたしたいと思います。
○村山(達)政府委員 お答えいたします。 昨年中曽根前運輸大臣がお答えをいたしましたその要旨を申し上げますと、新国際空港ができた場合に、米軍から戦闘用の目的あるいは軍事基地的な使用について申し入れがあった場合には、日本政府としては拒絶いたします、ただし、現在MACチャーター機が使っておりますように、たとえば燃料補給のためにたまたま着陸するとか、あるいは天候不良のために使うというようなことでありますれば、地位協定第五条の関係もありますから、これはにわかには断わり得ない。しかし、新国際空港は、もとより民間空港として使うのが主たる目的でございますから、MACチャーター機が非常にひんぱんにやってまいりまして、それが民間の航空機の使用に支障を及ぼすようになりますと、現在東京国際空港についてやっておりますのと同じように、外交ルートを通じて制限を申し入れます、こういうふうに、二段に述べているのであります。また、現在の運輸大臣の原田大臣も、同じ趣旨を答えておるのでございますけれども、われわれ承知している限りにおきましては、前段と後段につきまして、中曽根大臣のほうは主として前段が引用され、それから原田大臣のほうは後段が引用されておる。そこに若干のニュアンスの違いがあったのではないかと思いますけれども、趣旨におきましては、全く同様であると思うのでございます。
○山口(鶴)委員 分けてお尋ねをしたいと思うのです。問題は二つあると思うのですね。一つは、安保条約第六条によるところの基地提供義務は、「日本国の安全に寄与し、並びに極東における国際の平和及び安全の維持に寄与するため、アメリカ合衆国は、その陸軍、空軍及び海軍が日本国において施設及び区域を使用することを許される。」、いわば安保条約第六条に基づくところの施設及び区域として使用する、これをこの新東京国際空港において認めるのか認めないのかという問題が一つ。 それから、地位協定の第五条、これはあらためて聞きたいと思いますが、こちらにおいていわばこの発着というものを認める場合があるのかどうか。まあ三つに分かれると思うのでありますが、まず安保条約第六条の「施設及び区域」として使用することは絶対にないということは明確に言えるわけですね。
○村山(達)政府委員 さようでございます。
○山口(鶴)委員 さようでございますと言われましたが、しかし安保条約第六条の規定からいきますと、まさにこれは日本全国土をおおったところの規定なんでありまして、いわば全国土基地方式と言っても差しつかえないような規定であります。このような安保条約第六条のように、合衆国軍隊は、先ほど言いましたように、「日本国において施設及び区域を使用することを許される。」こういう規定でありますから、まさに全国土基地方式でありますが、こういう規定は、他の軍事同盟――アメリカが他の国々と結んでおりますもろもろの軍事同盟、この規定にも類のない、きわめて異常な形の規定だというふうに私ども了解をしているわけであります。したがって、この六条の規定からいって、日本政府が絶対にこれは拒否できるんだ、第六条の「施設及び区域」として使うことは絶対にあり得ぬ、こういうことば、完全に貫き得るものですか。特にいま沖繩との関連におきまして、いわば当前協議をきわめて弾力的に運営するなどということを政府は言っておるわけでございまして、そういった状況において、この安保条約第六条の「施設及び区域」についても、これは絶対あり得ぬということはほんとうに言えますか、どうですか。この安保条約第六条からいってどうですか。
○村山(達)政府委員 御承知のように、安保条約第六条に基づきまして、それを受けました地位協定第二条で米軍に提供しておりますものは、御案内のように、横田とか立川とか厚木、岩国、雁ノ巣、板付、調布等に限定されておるわけでございます。今度の新国際空港ができますと、これは民間空港でございますから、そういうことを予定してやっておるわけではございませんので、中曽根前大臣も言っておりますように、また、原田大臣も言っておりますように、いろいろ政府としては、現時点においては、そういう申し入れがあればお断わりするということを申し上げておるわけでございます。
○山口(鶴)委員 次官も、いみじくも現時点と言われましたね。問題は安保条約の六条を読んでいただけばわかりますが、「日本国の安全に寄与し、並びに極東における国際の平和及び安全の維持に寄与するため、」というまくらことばがついているわけですね。したがいまして、きょうの新聞にも出ておりますが、愛知外務大臣が訪米をいたしました。国会に対してはあまり正直な御報告がされなかったようでありますが、気楽な会合では、いろいろ発言をなさっておるようですね。特に朝鮮半島、それから台湾海峡、この二つが問題なんで、ここでいわば緊張の状態が起きたという場合は、この沖繩あるいは日本の本土の場合においても、いわば核持ち込みないしは基地の自由使用という問題について、非常にデリケートな問題があるんだということをいみじくも発言しておられるのじゃないですか。現時点で第六条の適用がないというようなことでは、私は成田の皆さんは承知しないと思うのです。そういった愛知外務大臣がいみじくも心配だと言われたような事態が起きても、この六条にいうところの「施設及び区域」に新東京国際空港が使われることは絶対にないのか、あるのか。この点は明確にできますか。
○村山(達)政府委員 おっしゃる点はおそらくこういうことじゃないかと思うのでございますが、地位協定第二条に基づく限り、これは運輸省の問題でございますので、そういう施設を認めるつもりはござい産せんということを、所管大臣としての運輸省の立場で申し上げているわけでございます。一方、御承知のように、いわゆる事前の協議の問題というのがございますけれども、この問題につきましては、これはもう政府全体の問題でございまして、本会議におきましてしばしば政府が言っておりますように、これは適正の運用をはかっていくということでございまして、その内容につきましては、まあ、申しますれば、国、政府をあげてこれから検討する問題ではないかと思うのでございます。私たちが申し上げておりますのは、地位協定二条に関する運輸大臣所管に関する限り、私たちはするつもりはない、こういうことを明確に申し上げているわけでございます。
○山口(鶴)委員 これは運輸省限りではどうにもならぬ。この六条にいうところの「施設及び区域」の問題は、政府全体の問題であるということであれば、これは委員長、幾ら運輸大臣と運輸政務次官呼んでここで議論しても、これは議論にならぬわけでありますから、当然私どもが当委員会でこの法律案を審議する過程において、外務大臣あるいは佐藤総理大臣、責任者の御出席を求めて、この問題については議論をいたさなければなりませんので、この点については保留をいたしておきます。委員長において、この点は十分ひとつ配慮をいただきたいと思います。
○鹿野委員長 善処いたします。
○山口(鶴)委員 次は第五条の問題です。地位協定第五条によりますと、「合衆国及び合衆国以外の国の船舶及び航空機で、合衆国によって、合衆国のために又は合衆国の管理の下に公の目的で運航されるものは、入港料又は着陸料を課されないで日本国の港又は飛行場に出入することができる。」云々と書いてあるわけでありますが、この五条によって、「着陸料を課されないで」云々ということは別として、「合衆国及び合衆国以外の国の船舶及び航空機で、合衆国によって、合衆国のために又は合衆国の管理の下に公の目的で運航されるもの」については、いわば着陸ができる、こういうことですね。空港が利用できるということです。この場合、先ほどの政務次官の御答弁によれば、いわば継続的、計画的に、たとえばMACのチャーター機が絶えず成田なら成田を利用するということについては、地位協定の第二十五条にいう日米合同委員会の議題として、それに対しては拒否をする。ところが、いろんな事態で、たとえば緊急に着陸をしなければならぬとか燃料の補給とかいう場合に着陸することはあり得るのだ、こういうふうに理解できるような御答弁でありましたが、そうですか。
○村山(達)政府委員 いわゆるMACチャーター機の問題でございますが、おっしゃるように大体月に百回台から、多いときで二百回くらいいたしておるわけでございます。主たる目的は、主として、先ほど申しましたように、燃料補給であるとか、あるいは天候の関係でやっておるわけでございます。しかし、回数で申しますると、大体月に百回以上、あるいは二月、三月ごろになりますと二百回くらいに及ぶ、こういう状況でございます。
○山口(鶴)委員 状況はそうだが、だからそういうように、羽田に現在MACのチャーター機が離着陸をやってますね。それと同じような状態が成田においても行なわれるのかどうか、そういった継続的な使用については認めるのか、そういった継続的な使用は拒否するというのか、その点はどうかということを聞いているわけですよ。
○村山(達)政府委員 その継続的というところが非常にむずかしいのでございますが、先ほど申しましたように、燃料補給のためであるとか、あるいは天候のために着陸するということでありますれば、地位協定上も認められていることでございますから、現在の羽田空港の場合と同様に拒否するわけにはまいらぬだろう、こういうことを申し上げているわけでございます。
○山口(鶴)委員 いまの問題、現状の羽田が使われておると同じ程度のMACのチャーター機が成田においても使われるだろうということは、これはたいへん重大問題だと思うのです。そこで、それではひとつ議論はまたあとでやりますから、実情を聞きましょう。 航空局長さんにお聞きしたいと思うのですが、羽田で昭和四十二年、昭和四十三年――四十四年は現在継続中ですからわからぬだろうと思いますが、羽田全体の国際、国内の離着陸の回数は総計何回、これに対して国内線、国際線と分けて、一体何回になるのか。それから、そのうちMACのチャーター機がそれぞれの何回であるのか、また自衛隊の利用しております回数は一体何回になるのか、ひとつ数字でお知らせをいただきたいと思うのです。現状羽田において離着陸するくらいの回数が成田空港においても離着陸されることは問題ですから、数字をあげてひとつ説明してください。
○手塚政府委員 四十二年度から申し上げますと、四十二年度におきます羽田における離着陸の総回数は十一万一千四百五十四、約十一万一千回でございます。これを国際線と国内線に分けますと、国際線は三万三千五百十四回、国内線が残りでございまして、七万七千九百四十、約七万八千回ということになります。そのうち御質問のMACチャーター機は、国際線という中に分類的に入れておりますが、その回数は四千四百五十二回、約四千四百回、自衛隊は国内線の中に入れておりますが、三百九十四回でございます。
○村山(達)政府委員 ちょっとことばが足りないので補足さしていただきます。先ほど、認めております理由はと申し上げましたが、回数ではないと私は思うのでございまして、これは民間航空でございますから、民間航空のほうに支障がありますれば、その回数がたとえば羽田空港の回数まではいいじゃないかということになりませんので、民間航空に非常に支障がありますれば、これは民間航空として使うのでございますから、ぜひひとつその点はセーブしてくれということを申し入れるつもりでございます。問題は、回数というよりも、どういう理由で発着するのかという問題と、それが民間航空にどれだけ支障があるか、そこのかね合いの問題は、われわれは民間航空として使うつもりでございますから、その機能を十分発揮するという見地から、MACチャーター機につきましても、何と申しますか、民間航空機のやりくりのつく限度においてしか認めないということは当然のことでございます。ですから、いま千九百回だから、こっちも千九百回までいいだろうという機械的にはなかなかいかない問題だろうと思います。
○山口(鶴)委員 いま政務次官からちょっとお話がありましたが、ただいま数字でお答えをいただきましたが、全体で十一万一千四百五十四回昭和四十二年度においては離着陸の回数がある。そのうち国際線が三万三千五百十四回、そうしてMACのチャーター機が四千四百五十二回というのですから、どうもこれは内閣委員会でお答えになりました回数と少し違うようですね。手塚さんがお答えになっておりますが、全体の回数が十一万一千四百五十四回、これはいいですが、MACのチャーター機は四千五百十四回というふうに言っておりますね。これはちょっと数字が違いますので、どっちが正しいのか。四千五百十四回が正しいのか、四千四百五十二回が正しいのか、ひとつ明確にしてもらいたいと思いますが、とにかく一割以上でしょう。一割三分から一割四分ぐらい、国際線のうちでMACのチャーター機が離着陸している。今度成田の空港ができて、一割以上もMACのチャーター機が離着陸するということは、これはたいへん問題ではないかと思うのです。中曽根運輸大臣が断固拒否するというようなことを言った、そういったおことばとは全く相反する事柄だ、かようにいわざるを得ないと思うのです。まさにこれは継続的、計画的に離着陸しているといわざるを得ないじゃありませんか。どうなんですか。数字の点といまの点をひとつお答えいただきたいと思います。
○手塚政府委員 四十二年度のMACの離着陸の回数は四千四百五十二と申し上げた数字でございます。四千五百十四という数字を申し上げた場合は、これは米軍機がその中に含まれておりまして、MACチャーター以外に、向こうの在日の司令官などが羽田へ出迎え等でヘリコプター等で離着陸をする場合もあるわけです。そういう米軍機等を含めますとそういう数字が出るのでありまして、ただいまのMACチャーター機というものに限定をいたしますと、四千四百五十二回というのが昭和四十二年の羽田の離着陸の回数でございます。 なお、数字の補足でございますが、いま一割というお話が出ましたが、国際線だけをとりますとあるいはそういう数字かとも思いますが、離着陸の全体の数字、羽田といたしまして十一万一千回という数字に対応いたしまして、MACチャーター機が使用しましたパーセンテージは四%という数字になるわけであります。
○山口(鶴)委員 そうすると、昭和四十二年度には米軍機が羽田において六十二回発着をしたということになりますね。米軍機は昭和四十二年に六十二回離着陸したということでよろしいのですか。それから昭和四十三年、昭和四十四年の最近の傾向は一体どうでしょうか。
○手塚政府委員 米軍機自体は大体同じようでございまして、四十三年度には六十六回という数字でございます。そこで、このMACチャーター機自体では、四十三年では三千八百四十二回。それで三千八百四十二回という数字は、先ほどの全体の離着陸回数に対した四%というのに対応いたしまして数字を申し上げますと三・〇五%、こういう状態でございます。したがいまして四十二、四十三の両年をとります限りにおきましては、むしろふえるということではなかろうというふうに考えられます。
○山口(鶴)委員 手塚さんは、昭和四十二年は全体の離着陸の回数に対してチャーター機が四%だ、四十三年は三%だ、こう言っていますが、これは全体の中の割合が少ないというようなことを強調されたいおつもりでそう言われているのだろうと思いますが、そのお気持ちはわからぬでもありませんけれども、しかし、現実には国際線の離着陸の回数に対するチャーター機の回数がどうだという比率が正しい認識だと思いますから、これはひとつ申し上げておきたいと思いますが、問題は、こういった割合で新しい成田の国際空港ができました場合に一いまアメリカでは超音速ジェット機時代にふさわしい輸送機の開発をやっておりますね。たとえばアメリカのロッキード社が、ファンジェット輸送機のロッキードC5Aというような、兵員七百人、車両百台も空輸できるような巨大な輸送機等も開発をしているそうであります。当然四千メートルの滑走路がなければ使えぬような輸送機を開発している。そうなってくれば、成田において四千メートルの滑走路の空港ができたら、えたりかしこしというかっこうで、当然そういった輸送機が羽田と同じよ農状態で、いわば継続的、計画的とも思われるような状態で離着陸をするということが十分想像せられるじゃないですか。ですから次官、羽田と同じような状態が成田においても行なわれるでしょう。ということは、これは私はたいへんな問題だと思うのですよ。こういうように全体の比率からいっても四%なり三%、成田の場合は国際線だけなんでしょうから、当然これは国際線と比較しなければならぬと思いますが、その比率でいけば、一割三分ないし一割四分というものがこの成田においても離着陸するということになるのですが、そのようなことがはたして成田地域の住民として理解できるとお考えでありますか、お尋ねしたいと思います。
○村山(達)政府委員 MACチャーター機が国際線では一割、国際、国内線を合わせれば四%とか、四十三年は三%だというのでございますが、滑走路も同じところを使っておりますし、航空管制も共通にやっておるわけでありますから、混雑度としてはやはり国際、国内合計のほうのMACチャーター機の比率が正しいのじゃないか。ものを評価する場合に、そのほうがいいんじゃないかと私は個人的に考えておるわけでございます。 それから、成田空港につきまして、羽田と同じような回数を認めるのかということにつきましては、先ほど申し上げましたように、回数を認めるということではございません。これは民間航空が主でございますから、民間航空に支障のない範囲で認めるということを申し上げたわけでございまして、したがって、成田空港ができました場合に、先生からお話しがありましたように、SSTあるいはジャンボジェット機の就航状況で相当いまよりは空がふくそうすることが予想されるわけでございますから、おそらく認め得る余地というものは現況より少なくなると私たちは想定しているわけでございます。ただ、離着陸の理由が、先ほど申しましたように燃料補給であるとか、あるいは技術着陸と申しますか、天候不良で着陸するというような場合には、全部断わるというわけにもまいりますまい、こう申し上げているわけでございます。見通しとしては、今後ますます日本の空はふくそうすると思いますので、現在より少なくなるという予想でございます。
○山口(鶴)委員 米軍の離着陸は昭和四十二年六十二回、四十三年六十六回という回数だそうでありますが、そうなりますと、同じような技術的な着陸であるとかあるいは燃料補給という名前で来れば、しかもふくそうしていない、余裕があるということであれば、成田においても認めるということになるのですか。
○手塚政府委員 ただいま政務次官から再三御説明がございましたが、成田の空港の建設は、先ほど冒頭に御説明申し上げましたとおり、そもそもが国際民間航空界の現状、将来を見通しましてぜひ必要であるということからつくる空港でございます。つまり、純粋に民間の需要の立場に立ってつくろうという飛行場でございますので、これの地位協定における権限との関係におきましても、われわれはできるだけこれを制限的に扱いたい、かように考えるわけです。地位協定が存在いたします限りにおいては、先生のおっしゃるとおりでございまして、米軍の出入を認めるたてまえになっておりますが、実際問題といたしましては、私どもはこれをきわめて強く制限的に扱いたい、かように考えております。 実際問題といたしまして、羽田におきまして、先ほど御説明申し上げましたような実数があがっておりますが、これらに対しましても、われわれはある月――先ほどお話の出ました四十二年度でいきますと二月、三月、四月というような時期に一時込み合ったときがございますが、そういうような時期にはわれわれは必ず外交ルートを通じてその善処方を申し入れをいたしております。現に過去三回にわたりまして申し入れをいたして、四十二年、四十三年、ことしに入りましても二月にまた申し入れをいたしております。そうして、その月々の比較におきまして若干でもふえてくる傾向があればそれを抑制してもらいたい。どうしてもやむを得ない技術着陸というような場合についてでも、時間的に一般民航の離発着がふくそうしていない時間、こういうものについて特に留意をしてもらいたい、こういうことを申し入れをいたしまして、この申し入れに対しては適宜な善処が現実に実行されておるわけでございます。羽田の現状からいたしまして、新空港につきましてはこういう傾向なり方法をなお一そう強く実施をいたしたい、かように考える次第でございまして、羽田の状態がそのままということには相ならないようにしたい、かように思っております。 なお、先ほどちょっとお触れになりましたC5Aというような大型の輸送機、こういうものが滑走路の関係から新空港を使わざるを得なくなるのではないか、こういう御指摘がございました。私ども軍用機についてあまり詳しくございませんが、一応ただいままでの知識で申し上げますと、このC5Aに匹敵いたします民間の飛行機は、おおむねいまいわれておりますジャンボジェットB747というのにほぼ該当しておるというふうにいわれておるように思います。B747につきましては、先ほど申し上げましたように、来年の二月くらいにパンアメリカンのものがおそらく太平洋を越えて羽田に入ってくるのではないかと思いますし、日本航空も三月からこれを入手してきますので、これを使う。新空港はそれまでにはまだ供用開始になりません。 そこで、その間どうするのだということですが、この飛行機につきましては、現在の三千メーター級で離発着ができるという実績になっておりますので、この飛行機と大体同性能であると一応考えておりますC5A等でも羽田の長さ、ひいては横田が三千三百メーターございますので、この滑走路で間に合う。したがって物理的に新空港を使わなければならないということにはならないのではないか、かように考える次第でございます。
○山口(鶴)委員 いまいろいろお答えをいただいたわけでありますが、ただいまの政務次官、それから航空局長の御答弁を聞きますと、昨年中曽根運輸大臣が答弁をいたしておりますことと非常に異なってまいるのであります。本日ここにその当時議論をいたしました小川委員がお見えでありますから、もし不正確なところがあれば関連等で明確にしていただければいいと思うのですが、たとえば関連質問に立ちました野間委員が、羽田の空港は純民間だ。ところが現在、ベトナム戦争の激化によって完全武装した兵員を輸送している。しかも輸送先が直接ベトナムだ。事実そういう形でMACのチャーター機が羽田で離着陸しておる。そうして将来、先ほど私が指摘をしたようなロッキードC5Aという、七百人もの完全武装した兵隊を乗せ得るような大型の輸送機ができて、そういうものが新しい成田空港、新東京国際空港を使うということも考えられるではないかということに対して、中曽根運輸大臣は「さっき申し上げましたように、戦闘目的や軍事基地用として新東京国際空港を使うことは、私は拒絶いたします。それは、日本政府はそういう方針を堅持している」ということを言っておるのであります。ところが、ただいまの政務次官や航空局長の御答弁によれば、結局技術的着陸というような名目あるいは燃料の補給というような名目――こういう名目はつければ幾らだってつくのですよ。そういう名目であるならば、しかも民間航空機の離着陸に対してこれがふくそうしていなくて余裕があるという場合であるならば、こういったMACのチャーター機の離着陸を認めるということは、これはもう昨年の中曽根運輸大臣の御答弁とは明確に違うと思うのです。明らかに後退しているということになるじゃありませんか。こういうことでは地域住民の人たちは絶対安心できぬと私は思うのです。この点いかがでしょうか。
○村山(達)政府委員 繰り返しになってまことに恐縮でございますけれども、軍事基地的な目的あるいは戦闘用の目的でやるという場合には、運輸省は過去におきましても、現在におきましても、将来を通じましても、お断わりするという方針を貫いておるわけでございます。MACチャーター機についていま認めておりますのは、先ほど申しました主として二つの理由から着陸しておるわけでございます。そしてまた、私たちが聞いている範囲におきましても、その輸送する中身は郵便物あるいは家族の輸送が多いというふうに聞いておりますので、これは地位協定第五条で一般的に認められておるわけでございますから、特に民間航空に支障を来たす場合には、その抑制方を申し入れて実行に移してもらっているわけでございますけれども、そういう限度におきましてはにわかには拒否できないのではないか。しかし、あくまでも軍事基地に使うとか戦闘用に使うということでございますれば、われわれのほうではお断わりする、こういうことでございます。
○山口(鶴)委員 航空局長さんもおられるから正確に知っておると思うのですが、現に羽田でチャーター機が離着陸をした、その場合に完全武装の兵員を輸送してきたという例は現実にあるでしょう。ただ、その理由が、さっき次官も言われたように、これは燃料の補給である、技術的の着陸であるというようなことを言ってきたかどうかは知りませんけれども、そういう名目は使ったけれども、現実には完全武装の兵員を輸送してMACのチャーター機が羽田におりた、そしてまた羽田からベトナムに飛んでいったという例が現実にあるじゃありませんか。ですから問題は、離着陸の名目ではなくて、現実にそういう例が羽田でもあった、あるいは将来、私ども安全を願うわけでありますが、極東の緊張が激化をするという場合に、同じような名月は名目であるけれども、完全武装したような――現実には戦闘目的ですよ、そういうような離着陸が羽田においてあった、同様な種類のものを成田にも認めるということになれば、これは問題じゃないかと言っておるわけです。中曽根運輸大臣は、そういった事例に対する質問に対して、現実に戦闘目的に利用されるようなことは断固拒絶をするのだ、こう言っておるわけです。ですから、いまの御答弁では私ども不満です。そうではなくて、中曽根運輸大臣のように、そういういま私が指摘したような、名目は名目であるが、現実には兵員の輸送だ、戦闘目的というようなものは成田に限っては拒絶をするのだ、羽田とはこれは違いますということが明確に言えるか言えないかということなんですよ。中曽根さんの場合はこれを明確に言っておるわけです。今度の原田運輸大臣になってからは、どうも運輸省は大いに後退しておるという感じを深くせざるを得ないのですが、その点はどうなんですか。
○手塚政府委員 実際に離着陸をいたしますMACに対して、これは航空法の適用が一応大半適用除外になりますので、実は厳密なる立ち入り検査というような権限はございませんから、何を積んでどうしておるかというようなことは私どもにはわからない。しかし、どこから来てどこへ飛んでいくという、いわゆる普通の民間機でも行ないますフライトプランの提出ということは除外になっておりませんで、民間機と同じようなことをさせられるわけであります。そこでわれわれは、そういったフライトプランの提出の内容でいろいろなことを判断する以外にない。それと、本来羽田を使うのはやはり国際民間航空であるというたてまえであるにもかかわらず、天候不良あるいは燃料が不足であるというときに使うのだということで、これは明文化はされておらないにいたしましても、日米ともにそういう理解のもとに運用されておるというふうに考えておりますので、行く先がベトナムであるということのみをもって、私どもは直ちに戦闘目的とも考えません。そこで、この使い方巨体は、いまのような目的に限るというふうに私どもは運用していきたいし、これが、おっしゃるような本来の戦闘的な使い方で継続、計画的に使用されるというようなことであれば、当然私どもは合同委員会に提案をいたしまして、この使い方についての協議をし、本来的でない使い方に対しては、われわれとしては拒否をしていきたい、かように考えておる次第でございます。
○山口(鶴)委員 現在、立川に軍事輸送における日本の中心の拠点がありますね。アメリカ空軍輸送司令部、これをMACと言っておりますが、このチャーター機が羽田にもおりておるということであります。これはSACI戦略空軍、TAC――戦術空軍、それからMAC、いわば空輸空軍ですよ。だから戦略空軍、戦術空軍、空輸空軍の三つがアメリカの空軍の柱になっているわけです。その一つの柱であるMAC、米空軍輸送司令部が立川にあるのです。ところが、立川だけではベトナム戦争の激化によってとても足りない、したがって現実にいろいろな理由をつけて羽田を使っておる、こういうような現状ではありませんか。ですからベトナム戦争の場合は、立川と羽田と、それから沖繩の嘉手納、この三つがアメリカ空軍のいわば輸送の中心の基地として活用されているというのが現実ではありませんか。だからこそ私どもは、このMACのチャーター機のことを問題にいたしておるわけであります。 そこで、いろいろお答えがありましたけれども、いまのお答えからすれば、技術的な着陸であるとか燃料補給という名目さえつけてくるならば、完全武装したMACのチャーター機が羽田に現在離着陸している、それと同じことについては成田でも拒絶をすることができないということであれば、成田においても、すなわち新東京国際空港においても、名目さえつけば、完全武装の兵員を積んだ輸送機が離着陸することはあり得るのだ。それは中曽根運輸大臣のころの運輸省はいざ知らず、現在の原田運輸大臣のもとにおける運輸省としては認めるのだ、こういうことになりますね。その点だけはひとつ明確に確認をしておいてください。
○村山(達)政府委員 燃料補給とか、あるいは天候不良というような名目のもとに軍隊輸送をどんどんやっておる、われわれはその事実を知らぬのでございますけれども、もしそういうことであるということが確実でございますれば、これは民間航空機でございますから、その点は抑制をするように申し入れなければならぬと思いますし、そういう事実がわかれば申し入れたいと思っております。私たちは、先ほど航空局長からお話しがありましたように、現在地位協定に基づく航空法の特例法で検査権がないわけでございます。ですから、離発着の飛行プランが来るわけでございまして、あとわれわれが方々からニュースを集めますと、主として郵便物とか、あるいは軍人、軍属の家族を輸送しているというふうに聞いておりますし、しかも離着陸の目的がさっき言ったようなことでございますから、民間航空に支障のない限り――支障がありますれば抑制を申し入れるというのが現段階でございます。先生がおっしゃいましたようなことがはっきりいたしますれば、これはもとより申し入れるつもりでございます。
○山口(鶴)委員 先ほど局長からも御答弁がありましたが、フライトプランは出すことになっておる、ところが、立ち入り検査権がないから、これはどうしようもない、しかし現実には、おおむね郵便物とか、あるいは家族の輸送なんだ、こういうお話でございますが、しかし現実に羽田に完全武装の兵士が乗ってきた写真等が新聞に載ったことだってあるじゃありませんか。現実にそういうことが起きているのですよ。ですから、フライトプランだけは出させる、しかし立ち入り検査権がないからそういうことも起きる、現に羽田では起きた、そういう例は成田においてもやむを得ないのだ、こういうふうにとれる御答弁じゃありませんか。そういうことになれば、昨年の中曽根さんの御答弁とは違うということを言っているのですよ。これは幾らやっても繰り返しですから、愛知外務大臣あるいは総理大臣の御出席も要求しましたが、やはり運輸大臣に来ていただいて、中曽根さんの御答弁と原田さんの考え方の違いということなんですから、これはひとつ運輸大臣を呼んでいただく機会をつくっていただいて、そこでさらに議論をいたしたいと思います。そのあとで私は、今度の法律に出ております各種の事業並びにこれに対するところの補助率のかさ上げの問題についていろいろお尋ねをいたしたいと思います。財政局長もおりませんので、一応午前中はこのところで休憩していただいて、さらにあと論議をいたしたいと思います。 ――――◇―――――
○鹿野委員長 小委員会設置の件についておはかりいたします。 地方公営企業の制度全般について調査するため、小委員十一名からなる地方公営企業に関する小委員会を設置いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○鹿野委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 次に、小委員及び小委員長の選任の件についておはかりいたします。 小委員及び小委員長の選任につきましては、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○鹿野委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 それでは、委員長において追って小委員及び小委員長を指名し、公報をもって御通知いたします。 なお、小委員及び小委員長の委員異動に伴う、補欠選任並びに小委員及び小委員長の辞任の許可及び補欠選任につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○鹿野委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 本会議散会後に再開することとし、この際、暫時休憩いたします。 午後一時一分休憩 ――――◇――――― 午後三時六分開議
○鹿野委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 質疑を続行いたします。山口鶴男君。
○山口(鶴)委員 今井さんお見えですね。新東京国際空港公団では、新東京国際空港に関するパンフレットを地域住民の一つのPR用に作成をして発行いたしておりますか。
○今井参考人 いたしております。
○山口(鶴)委員 それを見ると、軍事基地、いわゆる提供施設あるいは区域というようなことでは絶対に使わない。それから地位協定第五条による出入についても、成田空港の性格上、あるいはその建設の経緯から見て、合同委員会を通じてそれを抑制する方針であるということをはっきりその。パンフレットの中に書いてあるそうでありますが、私もそのパンフレットを現実に見たわけではありませんが、四月二十五日の内閣委員会の議事録を見ますと、この空港は絶対軍用機には使わせません、こういうふうに書いてあるそうですね。その点はひとつどうなんですか、お聞かせいただきたいと思います。
○今井参考人 私自身も、私どもの出したパンフレットの内容につきましては、現在手元に資料がございませんので、どういうことばを使っておるかはっきりした記憶はございませんけれども、新空港は東京並びに広く言えば日本の表玄関として、国際空港として建設するものでございますので、私どもとしては、あくまでも純民間国際空港としての使用を考えておるわけでございます。したがって、軍事基地あるいは軍事目的あるいは戦闘目的というふうなものについては、これはもう絶対に使っていただきたくないというのが公団の信念でございます。
○山口(鶴)委員 信念はけっこうだと思うのですがね。議事録を見ますと、空港は絶対軍用機には使わせません、こういうふうに書いてあるということであります。ところが、午前中の論議は総裁もお聞きになっておると思うのですが、現実に新東京国際空港ができた場合を仮定いたしまするならば、MACのチャーター機が、理由はいろいろありましょうけれども、現実に入ってまいるということは、運輸省政務次官も航空局長もお認めになっているわけであります。また、軍用機につきましても、現在羽田で昭和四十二年、四十三年六十機程度の米軍機が離着陸をしている。そうして、そういうものも技術上の問題でありますとか、あるいは燃料の補給でありますとかいう場合には、当然これは離着陸する場合もあり得るということも認めておるわけですね。そういたしますと、絶対軍用機には使わせませんといったってそういうことにはならぬじゃないですか。ひとつどういう文句が書いてあるか私も知りたいと思いますから、パンフレットについては資料として出してください。
○今井参考人 先生の先ほど御指摘になりました、先般の内閣委員会における地位協定に関連する質疑の点でございますが、これは外務大臣が御出席になっておられまして、地位協定第五条による出入につきましても、成田空港の性格上あるいはその建設の経緯から見て、運輸省でお考えになっておられるようにこれを抑制するということであるならば、外務省としても当然合同委員会を通じてそういう線を強く打ち出していきたいというふうに、外務大臣が御答弁になった問題であろうと思いまして、私どももそういうふうな政府の姿勢というものを信頼申し上げて、現在空港の建設に努力いたしておる次第でございます。
○山口(鶴)委員 公団から理事の方が二人見えておりましたね。
○鹿野委員長 見えています。
○山口(鶴)委員 見えていますね。そのパンフレットにはどういうことが書いてあるか知らぬのですか。
○今井参考人 パンフレットはいまとりに行っておりますから、すぐお手元に参ると思います。
○山口(鶴)委員 その点はパンフレットが参りましてからひとつあらためて議論をしたいと思いますが、それでは財政局長はまだ見えておられませんね。
○鹿野委員長 参事官がおりますからひとつ……。
○山口(鶴)委員 それでは佐々木参事官がお見えでありますからお尋ねしたいと思いますが、今回の特別負担によりまして、従来の負担率でありまするならば県におきまして七十八億九百九十二万七千円、市町村におきまして五十六億八千二百八十六万四千円、「その他」というのがありますが、その他が三十八億一千三百二十万ちょうどですね。合計が百七十三億五百九十九万一千円の負担であるものが、今回の特別措置によりまして百四十五億三千十万三千円という負担になりまして二十七億七千五百八十八万八千円の負担の軽減になる、こういうことのようでありますが、この「その他」の三十八億一千三百二十万円というのは、これはどこがどういう負担をするのでありますか。
○佐々木説明員 「その他」は土地改良事業に伴う土地改良区の負担がおもなものでございます。
○山口(鶴)委員 そうしますと、この負担割合でありますが、この負担割合は午前中も質問にありましたが、離島振興法あるいは奄美の振興法、さらには首都圏整備に関する負担額の最高、こういうものと比べてすべて最高の負担割合をとっておるということでございますか。
○佐々木説明員 地域立法の中ではただ一点奄美群島の振興法の関係の道路の一部につきまして十分の九という負担率があるだけでありまして、その他は他の地域立法の中で最高の補助率を適用いたしております。
○山口(鶴)委員 奄美群島振興法の市町村の道路及び県の道路、これにつきまして確かに十分の九という負担割合がありますね、最高ですが。これを除けばあと首都圏の財政援助法ですか、離島振興法、それから基地周辺整備法、こういうものに比べていずれも最高の割合をとっている、こういうことですね。
○佐々木説明員 さようであります。
○山口(鶴)委員 そのような最高の負担割合をとった理由というのは一体どういうことなんですか。当該自治体の財政力が弱いからこれに対して特別の負担をせなければならぬという理由であるとするならば、むしろ私は、奄美群島なり離島振興法の対象になる地域の自治体のほうがより財政力は弱いのじゃないかと思いますね。奄美群島振興法で私どもいろいろ議論をいたしましたが、たしかあの奄美の財政力指数は非常に低かったように記憶をいたしております。そこよりも、資料としてはいただきましたが、成田周辺の市町村ですか、成田市それから富里町、大栄町、多古町、芝山町の財政力指数ですね、これで見ますと、財政力指数は成田市が昭和四十二年におきまして〇・五三、富里が〇・二六、大栄町が〇・二四、多古町が〇・三三、芝山町が〇・二六。これよりも奄美の財政力指数のほうが低かったように思うのです。ここに自民党の部会長さんで奄美出身の先生もおられますが、そういった財政力が弱いから高額の負担をしなければならぬという理屈では通らぬような気がするのですが、どうなんでしょうか。
○佐々木説明員 市町村につきまして相当高率の補助率をとりました理由は、一つはこの関連事業がいわば国家的施策でありますところの新空港の設置によってその必要を生じた事業であるという点。また、第二点といたしましては、空港の建設につきまして時間的な制約から、その空港の供用開始との関連において、事業をいわば地元の市町村が計画しておりましたものを繰り上げて施行しなければならぬというような、そうした緊急に実施を余儀なくされるというような事情がありました。あるいはまた、ほかにも地元負担というものが相当多額にのぼるといったような事情を勘案いたしまして、その事業の種類に応じまして高率の補助をとったような次第であります。
○山口(鶴)委員 そうすると、地域の財政力がどうかということよりは、新東京国際空港が国家的な事業であるという理由が一つ。それから、五年間なら五年間に仕事を繰り上げて緊急に措置しなければならぬ、そういった事情があるからだ、こうおっしゃったわけですが、私は、奄美の振興についても残念ながらことしは十五年経過いたしまして、今後五年といいますから十六年目から二十年に至る計画に本年から入ったわけです。奄美は何年かかってもいい、三十年、四十年かかってもいい、のんびりやれば――私は仕事の性質の問題ではないのじゃないかと思うのです。ここに保岡先生いらっしゃいますから、そんなことを言えば、自民党の地方行政部会長が大いにお怒りになるだろうと思うのです。ただ緊急性ということはあまり理由にならぬのじゃないですか。
○佐々木説明員 もちろん奄美群島の事業につきましても、できればできるだけ早くでき上がるということが望ましいわけでありますけれども、この地域におきます高率補助の対象にいたしました事業は、昭和四十六年の四月供用開始ということを目標にして緊急に施行しなければならないといったような、たとえば流域下水道なり道路整備といったような問題がありますわけで、そうした事業の性格をとらえまして高率補助の適用を考えたわけでございます。
○山口(鶴)委員 この辺は、成田が緊急か奄美が緊急かということは議論のあるところだろうと思います。決して成田が緊急であって奄美が緊急でないというような問題ではないと思います。 そこで、同じくこれに関係する当委員会で議論をいたしております小笠原復興法、これについては法律に何ら具体的な補助率というものは書いてありませんね。奄美については書いてあります。それから、この新東京国際空港についても法律で書いてあります。離島振興についても同様であります。首都圏財政の援助についても同じだと思うのですが、ちょっと議論は違いますが、関連ですから、ひとつ務次官にお尋ねしたいと思うのです。そうなると、小笠原はいかにも軽視されたような感を私どもは持たざるを得ないのですが、その点はいかがでしょうか。(「小笠原は東京都だから」と呼ぶ者あり)
○砂田政府委員 山口先生も御承知のように、小笠原につきましてはまだ事業計画が細部まで煮詰まっておりません。これからの問題でございます。したがいまして、事業計画を煮詰めてまいりましてから補助率をきめる順番になるものでございますから、今回御審議を願っております小笠原の法案につきましては、これを政令にゆだねたわけでございます。
○山口(鶴)委員 あとで空港の補助率についても申し上げますが、小笠原だけは政令にまかせると言われるのですが、そうしますと、考え方としましては、少なくとも離島振興よりは奄美のほうが高率補助をとっておりますから、少なくとも奄美群島の振興法に準ずる補助率による政令を考えなければおかしいと思うのですけれども、それはどうなんでしょうか。
○砂田政府委員 小笠原の復興問題、奄美の振興の問題、政府としてはいずれもその責任度に差異をつけておりません。いずれも重要な事業でございます。ただ、小笠原の場合、先ほど申しましたように、まだ計画そのものが煮詰まっていないものでございますから、計画が煮詰まるにつれまして補助率の問題も慎重に検討してみたい。気持ちといたしましては、別にその間に差異をつけておるわけでは毛頭ございません。
○山口(鶴)委員 不規則発言で、小笠原は東京都だから……財政力があるから何も奄美ほどの高率補助は要らぬじゃないか、こういうお話がありましたが、そういう議論をするとすれば、成田空港関係の整備に関して、奄美よりも財政力指数の高い地域に対して、奄美群島より高率の補助をするという理屈は成り立たぬと思うのです。ですから、これは財政力指数の問題ではなくて、ほかのいわば国家的見地ということだろうと思うのです。新東京国際空港が、先ほど来議論をいたしましたように、結局米軍機がいろいろな理由をつけて離着陸する、あるいはMACのチャーター機が離着陸する、そういう意味では純然たる民間空港というお話をされますが、そうでない、きわめて危険な事態が予想されるということを私どもは指摘をしてきたわけであります。この点はあらためてまた議論をするわけでありますが、そういった危険はなしに完全に民間のものであるということ、さらには富里あるいは成田、霞ケ浦というようなかっこうで、なぜこれらの地域が新しい空港の候補地になったかということについて、この点についても私どもは疑義を持っておるわけであります。御案内のように、立川あるいは横田、こういった米軍の基地が東京の西部にはあるわけです。したがいまして、この地域は、いわば米軍の基地のための通路として、特にレーダー網等の関係から、こちらの地域については民間航空の飛行場を設定することはよろしくない、こういったいわば米軍の都合と申しますか、そのために結局その地域を除いた、言いかえて入れば、東京から東の地域しか候補地としてあげることができなかった。適地であるとかないとかということでなしに、至上命令として、先ほど申し上げたような理屈から東京の東部でなければいかぬ、こういうことがあったのではないかと思うのです。そういった点についても私ども疑義を持っております。そうでなしに、米軍の関係というものは一切考慮なしに日本において適地をさがして、そうして新しい国際空港の地域を定める、こうした場合におきましては、当然国家的見地からこの離島振興よりはちょっぴりよろしいというけちなものではなくて、全額国の仕事として自治体の財政に一切迷惑をかけない、こういう形でやるべきものだとわれわれ思うのです。(「賛成だ」と呼ぶ者あり)ところが、賛成だという御意見もありましたが、問題は、私どもが申し上げました前提が大切なわけなのでありまして、いわば地位協定に基づくところの米軍の離着陸も許すとか、あるいはMACのチャーター機も許すとか、東京から西の地域においては、米軍の基地のためのレーダー網の関係からこれは例外なんだというような前提でつくるというところに、そもそも無理がある。しかし、さっき言いましたように、完全に私どもが納得するような条件のもとでつくるとするならば、特に国家的見地の問題であるとするならば、自治体に一切迷惑をかけぬ、こういうことが本来あるべき姿ではないかと思うのです。この点、次官、局長でもけっこうでありますが、お考えはどうでしょうか。
○村山(達)政府委員 成田新空港をつくるときに米軍のことも考えながらつくったのではないかというふうに受け取ったのでございます。もしそういう御質問でありますれば、今度の建設についてはそういうことは一切考慮されておりません。しばしば申し上げますように、やがて四十五、六年には羽田はピークになります。ジャンボジェット、SSTが就航いたすのでありますが、この東京近郊において最も適地を選んだということでございまして、米軍関係は一切ございません。
○砂田政府委員 空港建設の費用を全額国で負担してというお話がございましたが、けさほど山口先生にお答えをいたしましたけれども、いろいろな事業がありますことは、もう山口先生も御承知のとおりでございます。空港の関連事業、たとえば資材輸送でありますとか、道路をつけかえるとか、そういった事業については、これはもう公団が直接あるいは全額その費用を負担をしていたします。もう一つは、空港の排水処理を含めて予定をしております流域下水道の問題につきましては、けさほどもお答えをいたしましたように、千葉県自身で流域下水道の相当大規模な計画をしておられまして、その計画自体を千葉県が持たれたあとで空港問題が出てまいりました。それで、その千葉県の計画に上乗せしてと申しますか、規模を拡大してと申しますか、そういう意味合いから、今回の空港の排水処理も含めた千葉県の広域流域の下水の施設、こういうものにつきましては、空港自身が当然分担をしなければならない。空港が原因になっている部分については公団が負担をしてやる。その他の道路、下水道、小中学校あるいは消防施設等につきましては、これはただいま御審議をいただいておりますこの法案の中で、それぞれの負担区分を明確にして、しかも国家的事業であるという観点からの財政的な措置を講じたわけでございます。事業のそれぞれの性格によって大体三通りぐらいの財政措置をしたわけでございまして、ただいま申し上げました流域下水道の問題等につきましても、これは全額国庫負担というところまではやはりいかないのではないか。空港を考えない場合でも、千葉県がおやりになる施設でございますので、それぞれの分担をしてやってまいりたい、このように考えております。
○山口(鶴)委員 航空局長からお話しがありましたが、羽田から西側八キロについてはブルー14、そういった帯が設定をされているそうですね。結局これに引っかかるような地域だと新しい国際空港としてはだめなんだということが現実はあるのじゃありませんか。これは明らかに横田、立川という米軍の基地があるからそういった帯が設定をされている。したがって、この新国際空港の候補地としてあげられた浦安、木更津、霞ケ浦、富里、成田――ほかにございませんね。これらの地域は全部東京から東じゃありませんか。そうでしょう。この点はどうなんですか。
○手塚政府委員 ブルー14のお話がありましたが、これは西のほうにいま御指摘になりました四つの飛行場、立川、横田、入間川、厚木という飛行場が、おおむね一直線上に、しかも滑走路が南北にそれぞれ走っております。その西には丹沢の山系があるという地理的条件になっております。ブルー14は、言うならばこの四つの飛行場の出入りの航空路である、同時に、これはまた太平洋、日本海へ抜けるための航空路である、こういう目的を持っております。新空港用地をさがします際に、私どもは、やはり立地条件といたしましては、丹沢山系があるというような地理的条件のところは、それ自体としてあまり望ましくはないということを考えたわけでございまして、このブルー14が一つの境界のようなメルクマールになるわけでございますが、これはこの四飛行場が同時に廃止されない限りは廃止することは不可能なわけでございます。これを除きまして、やはり空の空域の管制上適切なところはどこであるかということを考えまして、その観点からいまのところが選ばれた。木更津という東京湾内は、羽田空港の空域になっております。それから北のほうにまいりますと、百里の飛行場のための空域になっております。そういった空域配分、それからいまの山等の立地条件、そういうものを参酌し、かつでき上がった飛行場が東京の都心から自動車で一時間以内、こういった条件下のものをさがしますときに、いまの千葉県の北総台地あるいは霞ケ浦の埋め立て、そういった地域以外には候補地がない、こういうようなことで現在の新空港用地が決定された次第であります。
○山口(鶴)委員 そうすると、先ほどの御答弁は訂正されたと同じですね。四つ飛行場が並んでいる。羽田を除いては米軍基地でしょう。ですから、結局横田、立川というような米軍の軍事基地、まさに施設区域として提供された軍事基地ですね。これがあるからこそ、結局東京の東、言いかえれば富里、霞ケ浦、木更津、浦安、成田ときて、結局いろいろな事情から成田になったということは明らかではありませんか。ですから、立川、横田というような米軍飛行場の存在を考慮して、結局この地域に設定せざるを得なかったということになるんじゃありませんか、現実に。
○手塚政府委員 考慮といえば、先ほど申し上げましたように、ATC、空の空域の管制上そういうものがあるという現実でございますので、その近辺に置くわけにはいかない。また、これを同時期に全部返還を求めるということも事実上困難である、こういうようなことで、やはりそれ以外のところをさがすということはやむを得ないことでございますし、またかりに、あれがありましても、それ自体として使うのには、機能的あるいは将来の規模等を考えますと、必ずしも適当でない。特に騒音問題等との関連におきましては、現在の場所でも、もちろん問題ではございますけれども、より一そう問題の場所ではないかというようなことにもなりますので、ああいった方面は、まず当初からあまり適当な地域というふうには考えられないのじゃないかというふうに考えます。
○山口(鶴)委員 要するにブルー14の存在があるからこそ、この東の地域に土地を求めて、そして成田に御料牧場があったというようなこともあったでしょうが、設定したということは明らかになりましたから、その点はこれでおきまして、そこで先ほどの問題に移りまして、この成田、富里、大栄、多古、芝山、この一市三町一村、これら市町村としましては、現行負担額ならば五十六億八千二百八十六万四千円の負担をしなければならない。それが今回は、特例によって各市町村が合計で二十七億七千五百八十八万八千円ですか、負担軽減になる。そうなりますと、五十六億八千二百余万円に見合いますところの負担が軽減された市町村の負担分は一体幾らということになりますか。
○細郷政府委員 この特例措置によります市町村分の負担軽減額は七億と見込んでおります。
○山口(鶴)委員 そうすると、負担額自体としては幾らになりますか。
○細郷政府委員 四十九億七千八百万円でございます。
○山口(鶴)委員 そうすると、千葉県の軽減額が多くて、市町村の軽減額は比較的少ないということになりますね。県は幾らですか。
○細郷政府委員 土地改良分を含めまして二十億でございます。
○山口(鶴)委員 そうすると土地改良を含めまして府県の軽減額が約二十億、市町村の軽減額が七億七千万程度だということになるわけですね、全体で二十七億七千五百万円ですから、そうでしょう。
○細郷政府委員 全体が二十七億七千五百万円でございますが、そのうち市町村分が七億、残りが県及び土地改良区分でございますが、それが二十億、こういうことでございます。
○山口(鶴)委員 そうすると、結局財政力の弱い市町村のほうがきわめて軽減額が少なくて、府県のほうが軽減額が非常に多い。ほんとうに自治体の財政のことを考えてやるということであるならば、もう少し考え方があってしかるべきじゃないか。純粋に自治体の財政ということのみに限定して議論をすればそういうことになると思うのですが……。
○細郷政府委員 今回の負担の特例は、地方団体が行ないます事業について定めておるわけでございます。したがいまして、事業の内容が県の主体となる事業が多いか、市町村の主体となる事業が多いかということもあわせ考える必要があるわけでございまして、そういう意味合いにおいて、いま申し上げました負担軽減額は、今回の特例措置をそのまま当てはめた場合の数字でございます。しかしながら、この中には県が施行いたします事業、たとえば流域下水道のようなものにつきましては、県と市町村の配分がまだあるわけでごいますが、その負担区分については、市町村に負担させる分を県においても考慮していただきたいという期待を私ども持って実はきめておるわけでございます。したがいまして、先ほど申し上げました中でも、たとえば流域下水道について県の負担軽減額になっております分の二億円というものは、県の配慮によって市町村の負担を減らすというふうになるものと、関係事業当局ともいろいろ打ち合わせをして、それを期待いたしておるわけでございます。したがいまして、いま申し上げた形式的な負担区分だけで御判断をいただくのもいかがかと思うのでございますが、市町村の行ないますその他の仕事につきまして、事業の分量が比較的大きいと思われます学校教育施設の建設事業、それからいま申し上げました流域下水道、それからごみ焼却場、そういったようなものにつきましては、それぞれのこの特例措置を定めておりますが、そのほかの施設につきましては、たとえば幼稚園でありますとかいうような施設のものもあると思いますが、こういうものにつきましては、別途首都圏のかさ上げ法律が適用になって、その当該市町村ごとに御承知のように補助率がかさ上げになる、こういうふうに見ております。したがいまして、私ども事業の分量が県施行事業に非常に多く片寄っておりますことが一つの原因であろうと思いますが、なお市町村につきましては、午前中にもお答え申し上げましたように、個々の市町村の財政の状況もよく見まして、随時補助の優先配分であるとか、あるいは資金の手当てでありますとかいったようなことを応援してまいりたい、かように考えております。
○山口(鶴)委員 ですから、仕事が多いといいますが、県とその他の合計が百十六億ぐらいになりますね。それに対して市町村の負担が約五十七億ですね。そうなりますと、結局県その他二に対して市町村一という割合なんですよね。ところが、負担軽減では二十億と七億ですから、二対一じゃなくて三対一になっているじゃありませんか。だから事業費では二対一であるのに、軽減の額自体は三対一だということでは、事業量が多い少ないということを除いても、市町村の負担軽減のほうが少ないということは、これは局長もお認めになるだろうと思うのです。 そこで、負担軽減をいたしましてもなおかつ四十九億数千万円の市町村の負担があるわけですね。これは起債で見るということになるだろうと思うのですが、五年間に市町村が、負担を軽減されたとはいうものの、相当膨大な起債をかかえ込まなければならぬ。そうしてこのかかえた起債、そのほかに関連して単独で仕事をしなければならぬものもあるでしょう。そういうことになりました場合に、一体どのくらい起債を成田、富里、大栄、多古、芝山という市町村が持つことになって、この償還のために当該の市町村の財政は将来どのような影響を受けることになるのか、こういった点は、即答できればけっこうでありますが、できなければ資料として、各市町村の予想せられる公共負担に対する起債、単独事業の起債は合計幾らであって、これらの償還のために当該の市町村の財政がどの程度の影響を受けるかということを、ひとつ文書で提示をしていただきたいと思うのです。
○佐々木説明員 ただいまの市町村分につきましての負担関係を、成田市が事業量から見ますと一番大きいわけでございますので、成田市を例にとって御説明申し上げますと、成田市の負担が約三十九億円でございます。これが現行に基づく負担が三十九億円、今回の特例措置でこの三十九億円が三十三億円ということになるわけでございます。この三十三億円に対しまして、現在の起債の措置といたしましては、通常のルールによりまして計算いたしますと約二十三億円が起債で措置をされるという形になるわけでございます。したがいまして、一般財源の所要額としましては約十億円というものが残るわけでございます。それでこの二十三億の起債に対しまして昭和五十一年までの元利償還金というものが約六億要る形になりますので、一般財源所要額が五十一年までの金額として十六億円という計算になるわけでございます。これを年平均にいたしますと約二億円、こういう形になってまいります。成田市の負担が一番大きいわけでございますが、現在成田市の一般会計の状況を見ますと、昭和四十二年度で決算額が八億程度でございます。大体現在二割以上の財政規模の伸びが見られておるわけでございますが、大体、このうちの予算規模の三〇%程度、三分の一程度のものが普通建設事業に回せるというような財政状況でございます。今後の伸び率等を考慮いたします場合には、成田市は決して楽だとは申しませんけれども、事業の消化は通常のルールで見ましても大体いけるのではないだろうか、こういう見通しを持っておるわけでございます。 〔委員長退席、細田委員長代理着席〕
○山口(鶴)委員 成田市のお話を聞きましたが、昭和四十二年度、成田市を見ますと、地方税が二億六千四百万円、交付税が一億七千六百万円、したがいまして一般財源の合計が四億四千万円ですね。これに対して五十一年まで十六億で、一年にいたしまして約二億ということでございますから、そうなれば、一般財源の約半額近くがこの起債の償還並びに五年間の事業の一般財源としてとられてしまうということになりますね。そうなりますと、成田市ですらそうだということになれば、富里、大栄、多古、芝山という町村の財政に与える影響というものは相当なものじゃないかと思うのです。ここでは時間もかかりますから、いま成田で例をあげましたが、負担内訳を他の市町村にも同様に調べたものを、文書でひとつ資料として出していただきたいと思います。その上でまたあらためて各委員の方のほうから地方財政の問題に触れて議論をいただいたらいいのじゃないかと思います。したがいまして、委員長おりませんが、私の質問はその資料の提供をお願いして、一応きょうはこれで終わりたいと思いますが、特に委員長に要望申し上げておきましたような、佐藤総理大臣並びに原田運輸大臣、それから愛知外務大臣の出席をいただきまして、安保条約第六条並びに地位協定の五条並びに二十五条の関係の問題は、あらためてまた議論いたしたいと思いますので、一応これで終わりにいたしておきます。
○佐々木説明員 ただいま仰せられました資料につきましては、早急に調製いたしまして提出いたします。
○細田委員長代理 太田一夫君。
○太田委員 それでは最初に今井総裁にお尋ねをいたします。 この芝山町の老人を中心とした決死隊というのが九十三人ぐらい結成されていて、その隊長は七十九歳の、かつて村会議員をおやりになった方がなさっているという話でありますが、その老人の思い詰めた反対というものはその後どうなっておりますか。
○今井参考人 そういう話は私もしばしば伺いましたし、それから現地で騒ぎがあるときは、そういうふうな方もお出になると聞いております。特に老人決死隊というだけではなしに、いろいろな意味で反対同盟の方々は、そういうふうな組織をつくっておられるわけでございますが、最近芝山町におきましては、事態は非常に流動的であるというふうに私どもは感触をいたしております。
○太田委員 もう少し言ってもらわぬと、さっぱりわからぬ。
○今井参考人 補足して御説明申し上げますが、実は最近におきまして芝山町におきましては、空港建設賛成並びに空港建設反対ということを旗じるしにいたしまして町長選挙が行なわれたことは先生も御存じかと思いますが、その結果は、賛成派の町長が当選をいたしたわけでございます。それからまた、従来反対をされておられた方々の中でも、芝山町政というものをこのままにしておいていいのかというふうな意味のいろいろなお考えが新しく浮かんできておるように私どもは把握いたしております。それから、私ども並びに県当局もそうでございますが、芝山町の将来の発展策というものにつきまして、相当具体的な案を提示して現在町当局といろいろ話し合いをしておる、こういう状況でございます。
○太田委員 それでは運輸省の村山政務次官、いまのお話で私どもが一番心にかかるのは、その老人たちの思い詰めた反対行動、まあ九十三人という人たちが――みんな六十代から七十代の方でございますね、そういう人がほんとうに決死隊のつもりで反対される、場合によっては宮内庁まで陳情に来てもよろしい、あるいは運輸省にすわり込みに来てもよろしいというくらいの思い詰めた気持ちを持っていらっしゃるということは、しばしば各種の報道がなされておるところでございますから、運輸省としても御承知でしょう。いま公団のお話を承りますと、反対運動が非常に鎮静化してまいりましておさまってきた、だからこのままでいくならば、芝山町の将来の発展策を提案して、それがのまれればその反対運動は何とか切り抜けられるだろうというお見通しのお話だったと思うのですが、運輸省としてどうお考えでございますか。
○村山(達)政府委員 この点につきましては、公団のほうからそのつど報告を受けておるわけでございますが、先ほど公団総裁から申しましたように、時の流れとともに情勢が漸次鎮静化しておるということでございますので、私たちもその点を空港公団におまかせいたしまして、いま事態を注視している、こういう段階でごいます。
○太田委員 では公団総裁に重ねてお尋ねしますが、約二百人ほどの青年によって結成されておりました青年同盟の動きはその後どうなりましたか。
○今井参考人 先ほど申し上げましたように、反対同盟の方々はいろいろな組織をつくっておられるわけでございまして、いま先生がおっしゃいました青年行動隊というふうなものも確かに存在いたしております。 それから、先ほど先生が私の答弁に対しておっしゃいました、公団は芝山町の発展策を打ち出せばそれで事が済むというふうに考えておるというような御認識のようでございますが、私どもはそう簡単にそういうふうな結論を現在持っておるわけではございません。われわれは、空港をつくるために、それによって犠牲をこうむる方がないようにということで、従来も芝山町に働きかけてきたわけでございますが、今後とも芝山町の方々に対しましては、その発展策とあわせて、空港がどうしても日本の将来にとって必要だというふうな点の御認識を得ること、あるいはまた、老人の方々に対しても、あるいは若い方々に対しても、極力説得をいたしまして、地元の芝山町の方々と一緒に説得をいたしまして、でき得る限り全力を傾けてその事態を好転させようという努力を継続していくという意味でお答えを申し上げたのでございます。
○太田委員 そうすると総裁、何でございますか、全力をあげて説得につとめるということは、現在相当根強い反対運動が現存をしておる、ゆえに公団としては、全力をあげてその反対運動をなだめるためにこれから努力するんだ、そのために一つの方法として、芝山町の将来の発展策というものも用意しているのだと、こういうことでございますね。
○今井参考人 これは、そういう反対運動に対して、いま先生がおっしゃいましたように、私どもは今後全力をあげて説得につとめる、あるいはまた芝山町の発展というふうなことも、今後県当局と力を合わしてわれわれとしては努力をしていくということはそのとおりでございます。私どもは、芝山町の発展策というものを、反対運動を静めるために使うというふうな意図は毛頭ございません。これは芝山に限らず大栄、多古あるいは成田自身にしても、あるいは富里もそうでございますけれども、空港周辺が空港を中心にして大きく変わってくる、それから近代化の波に大きくこれから乗って流れていくというふうな観点から、芝山町もやはり同じように空港を中心とする関連自治体として大いに発展していくために、私どもとしてはできるだけのことをしなければならないんじゃないかというふうに考えておるわけでございまして、方便というふうな意味でそういうことを考えておるわけではございません。
○太田委員 反対運動をやわらげることでなければ、反対運動というものは一向に弱くならない。じゃ、反対運動に対する手はないわけですね。
○今井参考人 反対運動に対する手といいますか、これは先ほど私申し上げましたように、地域開発ということを全力をあげてやっていって、それによって今後、現在反対しておられる方々のみならず、その子供さんあるいはお孫さん等の時代においても、やはり現在よりもよりよい生活ができるということが私どもとして一番望ましいことでございます。それから、極力空港の意義、それからまた、首都圏の新しい地域として発展していくというふうな面についての御理解を得るという努力を今後していくという意味でございます。
○太田委員 私の尋ねておるのは、あなたのおっしゃる、たとえば芝山を中心とする発展策の用意はあるとおっしゃったが、それは反対運動のために考えたことではない。したがって、現在ある九十三名の老人決死隊は一向に弱くならない。あなたのほうは、その中で何人かを説得して減らしましたとか、将来これはなくなりますとか、そういうことをおっしゃるならいいけれども、いまのところは、それは全然別のものである。これは反対運動をたな上げしておいて、その他芝山町とか成田市とか周辺各市町村のため、孫子の時代に芽をふくであろう発展策を考える。これはいわば徳川家康が大阪城の外堀を埋めたような、冬の陣であるかもしれませんが、いささか深慮遠謀に過ぎるような気がするし、それが効果があるかどうかも私は疑わしい。反対運動鎮圧のためじゃないですね。
○今井参考人 反対派の方々に対しても、私どもはあらゆる機会をとらえて現在接触して、いろいろ説得しておるということでありまして、芝山町の将来の発展という問題にしましても、それからまた、全体の北総の開発という問題にしましても、これはやはり一つの歴史の流れだろうと私は思うのでございます。したがって、現在反対しておる方々に対しても、私どもはこれを非常に重要視しております。したがって、あらゆる機会をとらえて接触して、わかっていただくように努力しておるというのが現状でございます。
○太田委員 反対運動を重視されるという、私はその気持ちというものは理解します。けっこうです。だが、先ほど私が申し上げました九十三人の老人決死隊に対しては、いままでの間に一人でも二人でもこれを説得して、条件つき賛成派かなんかになさったということなら、私はその非常に努力しておるということ、重視しておるということに対して、心から賛意を表するわけだが、口ではそうおっしゃるけれども、九十三人の老人決死隊はそのままである。いつまでも行動するということであるとするなら、あなたのほうは重視しておるとおっしゃるけれども、実はそれは困ったことだが無視していらっしゃる、その程度の認識であろうかと想像するのです。何か反対運動を静める妙手をお持ちでありますか、あるいは過去にその芽が出ておりますか、それをお尋ねいたしておるわけです。
○今井参考人 妙手というか、やはりこちらの誠意を披瀝しまして、しんぼう強く説得を続けるという以外にないのでございまして、その芽が出ておるかどうかという点については、私は、先ほど申し上げましたように、芝山の内部事情も流動的であるというふうに申し上げました。私どもとしては、年とった方々につきましても、いま言ったような意味で、やはりお考えを変えていただいておる方も若干あるやに伺っております。こういうところでこまかくいろいろお話はできませんけれども、私どもはそういうふうに把握して、今後もしんぼう強く誠意をもって話し合いをしていきたい、かように考えております。
○太田委員 総裁いかがですか。その九十三人の決死隊の老人各位は、反対運動としての一坪運動、そういう一坪の土地を持っている人じゃないでしょう。長くそこに生き、そこで働き、その飛行場敷地をふるさととし、一生の生活のかてをかせぐところの場所として生きてきた、六十年、七十年を。そういう人でございましょうね。
○今井参考人 御承知のように、空港敷地は、成田と、それからごくわずかでございますが大栄町、多古町にまたがっておるのでございまして、芝山町も空港予定地の南端にわずかかかっておるわけでございます。現存反対同盟は三里塚の反対同盟と芝山の反対同盟と三つに分かれているわけでございます。三里塚の反対同盟の方々は敷地内の居住者の方々がおられます。しかし、リーダーをやっておられる方々は、敷地内に土地を持っておられない方もかなりおるわけであります。芝山町の反対同盟の主力は、空港の南部、いわゆる騒音区域というものをかかえておるところの方々でございまして、直接空港の敷地に関係のない方々でございます。
○太田委員 そうするとあなたのほうは、その九十三人の老人の反対運動をされる心境というものは何だと理解されていらっしゃるか。騒音が困るから反対なのか。
○今井参考人 敷地内の方々の反対は、先生のおっしゃるように、土地に対する愛着というふうなものがそういった方々の反対されるお気持ちの中心であろうかと思いますが、芝山町の方々の主たる反対の理由は、航空機による騒音に対する一つのおそれと申しますか、そういうものが中心ではないかと考えております。
○太田委員 私は芝山町というのは空港敷地の中に入っておると思っていたのだが、ほんのわずかしか入っておらない。そのこまかい地図がないからわからなかったのですが、飛行機の進入路、非常に上空をしばしばそういう国際線の飛行機が飛ぶから、その騒音、並びに万が一何事かあったときに困るという、非常に恐怖感というものが手伝って反対運動をしておるのだ、こういうことでございましょうね。
○今井参考人 現在私どもの伺っておる範囲では、航空機の騒音に対する危惧というふうな念が中心ではないかと思います。
○太田委員 総裁、そうすると、騒音というものを取り除く方法はないわけですね。騒音を発しない飛行機なんというものがまだ発明されておらぬ限り、来年や再来年、この飛行場に四千メートルの滑走路ができて、そこに発着する飛行機が出てきましたときには、芝山町の人はまっ先に、いやでもおうでもその騒音に直面するわけだ。当分の間騒音のない飛行機というものは考えられない。その老人の恐怖感とか、あるいはその困るという気持ちを、それではなだめる方法というものはいまのところないわけですね。とすると総裁、あなたのお考え方は、公団当局としては、早くいうなら、順番に死んでいっていただくことを願うというふうな、そういうあれでありますか。
○今井参考人 とんでもないことでございまして、できるだけ長生きをしていただくということで私どもとしてはお願いをいたしたとい思います。 騒音について取り除く方法はないかというふうなお話しでございますけれども、軍用機と違いまして一般の民間機は、消音について、騒音の影響をできるだけ防止するために相当な経費をかけて消音装置その他の施設もやっておりますし、それからまた、航空当局あるいは私どもが、航空機の離発着の場合の進入経路というものを指定いたしまして、できるだけ民家の密集地帯等は飛ばないような経路を指定するというふうなことも可能でございますし、それからまた、私どもの実際いままで現地で感じておりますことは、航空機の騒音につきましての認識というものは必ずしも正しく徹底しておらない。むしろ極端にそういったものについての恐怖が教え込まれておるというふうな面も若干あるのではないかというふうに感ずるわけでございまして、これは現に私どもとしましても、相当騒音の激しいところにいま住んでおるわけでございますが、私は航空機の騒音というものは、必ずしも一般の、たとえば高速道路における騒音とかいうふうなものと比べて特別に非常に大きなものだというふうには考えておりません。そういうような騒音についての知識を、できるだけ正しく持っていただくように努力することによって御理解を深めていただくこともできるのじゃないかと思います。
○太田委員 超音速の飛行機SSTが入るということになれば、それはそう快い爆音が窓から忍び入ってきて眠りを誘いますなんという文章が出るはずがない。そうなれば、いまあなたがおっしゃるように、老人が恐怖感を持つということに対して、だれかに教え込まれたんだろう――そんなばかなことはあり得ない。あなたはその下で暮らせますか。音というものにあまりなれておらない、いままで静かなる農村地帯にいた方が、自分の頭の上を大きな超音速の旅客機がひんぱんに出入りするというときに、その音というものをおそろしいと感ずるものをけしからぬとはいえないと私は思うのだ。それをけしからぬというのは独裁者の心だ。その老人の人たちの気持ちになって、そうしてこの反対運動をおさめるという気持ちにならなければ私はいけないと思うのですが、どうなんですか。
○今井参考人 全く先生のおっしゃるとおりでございまして、私どももそういうふうな気持ちで現地の人に対していきたいと思います。騒音につきましては、政府におきましても、これはおそらく従来類例のない問題でございますし、世界各国にもあまり例を見ない騒音防止法というふうなものをつくりまして、飛行場の周辺につきましては、あるいは移転補償であるとか、あるいはまた学校その他病院等についての防音措置であるとかいうふうな、極力騒音による生活上の被害を少なくする措置を法律的にもとっているわけでございまして、私どももこれは県と相談いたしまして、成田については他の飛行場よりは手厚い範囲でこれをできるだけ救済するというふうな措置も考えているわけでございます。
○太田委員 この「新空港だより」の中は、「騒音対策に全力」そうして「影響のない成田市街地」というふうに、成田の市民各位には影響ない、こう書いてあるわけです。中には六十ホンないし七十ホンを示す程度と書いてあるが、六十ホン、七十ホンというのはそんな静かな音じゃないわけですから、やはり成田市街地もかなり騒音に悩まされるだろうと思うのです。 〔細田委員長代理退席、委員長着席〕 そこで、これは運輸省の村山次官にお尋ねしますが、現在伊丹空港、それから板付もあると思いますが、特に大都市として板付、伊丹、それから小牧という西のほうの三都市の飛行場の周辺において騒音問題がいろいろいわれておるという事実はあるでしょうか、ないでしょうか。
○村山(達)政府委員 いまおっしゃった全部の空港については詳細には存じませんが、少なくとも大阪空港につきましては、この問題はしばしば取り上げられておりまして、私も現地に行ったことがございますが、やはり一番大きな問題は騒音問題ではなかろうか、かように存じてその対策にせっかくいま努力をしておる、こういう段階でございます。
○太田委員 名古屋の小牧の基地は、自衛隊の飛行機が訓練をいたしております関係上、しばしばこれが落ちるのです。飛ぶものは落ちるというのはニュートン以来の原理でございまして、落ちないと思うほうがおかしいので、下におる人たちは常時びくびくしておるのですよ。飛行機の進入あるいは発進のコースに当たる付近の人がどれほど恐怖いたしておるかということは、はかり知るべからざるものがあるわけです。小牧の飛行場というものは国際空港じゃないですね。第二種空港ですね。いままでたまには外国の飛行機もきておりますが、ほとんど日本の国内線で、そう大きなものじゃないが、自衛隊のジェット機や国内線の飛行機の騒音だけでけっこう騒音公害というもののノイローゼにかかっておるわけです。しかも、いつ落ちるかわからないという恐怖感があって、どこかにかえてくれと言っている。小牧基地撤去運動というものは非常に盛んなんです。 そこで、ちょっとこの際運輸省にお尋ねしますが、九州の福岡の飛行場、あるいはまた大阪の伊丹の飛行場、それから名古屋の小牧の飛行場というものについては、これは当分このままでいくのか、それとも、もう一つどこか適地を求めてさらに別の国際空港なり国内空港をつくろうという考えでもあるかどうか、これをちょっとお尋ねしたい。
○手塚政府委員 板付の空港につきましては、これはただいま防衛施設庁所管の軍用の飛行場ということになっておりまして、私どもの運輸省所管の一般民間空港ということではございません。ただ、利用はほとんど民間空港として利用しておりますが、飛行場管理の形態といたしましては民間空港ではないわけでございます。ここの騒音対策は、したがいまして防衛施設庁が防衛施設庁の騒音の対策法によりまして措置をしておる。それから名古屋の空港につきましては、これは民間空港として運輸省所管の管理のもとにおける空港になっておりますが、先ほど来おっしゃっておられます防衛施設庁と共用をいたしておりまして、防衛施設庁の飛行機がときどき事故を起こすということで周辺に御迷惑をかけておる事実はおっしゃるとおりでございます。なお、ここも騒音の対策といたしましては、防衛施設庁が、その飛行機の離発着をしておる頻度の多いために、また従来からの経緯もありまして、施設庁がその対策を行なっておる、かような騒音対策の実情でございます。 おっしゃいます移転の問題でございますが、板付の問題につきましては、管理がただいま申し上げましたようなことで防衛施設庁でもございますので、先般来私ども巷間漏れ承っておりますところでは、こういった軍用の飛行場をどこかに移転したら、地元としても移転をしてもらいたいということで、そういう調査をなさっているやにわれわれは伺っております。それから名古屋につきましては、私どもの空港でございますので、地元からしばしば、特に事故の直後に私どものほうに移転のお話がございます。しかしながら、名古屋を中心とした地域には、現在の場所をおいて適地がないように思われます。したがいまして、いま直ちにこれをどこに移転しようというような調査なり検討はいたしておりません。ただ、国際空港という面におきましては、伊丹の現状におきまして、これはいろいろ将来の需要の状態、あるいはその周辺公害の問題等からも何らか新空港のお話が出ておりまして、この新空港がもし完成するようなことになれば、名古屋におきます国際線の機能というものはあるいはそちらに包含してもよろしいかというような構想がございますが、これはまだ今後慎重に検討いたしたいという段階でございます。
○太田委員 大阪空港の淡路島移転論というのは、相当具体的に議論されて、それは住民の反対にあってこれがなかなか進みかねておるというのが現状じゃありませんか。この点いかがですか、局長。
○手塚政府委員 大阪の関西の新空港自体につきましては、私どもは、端的に申し上げて、ただいま調査中という段階でございます。その意味は、大阪国際空港は現在なお万博に間に合わすべく三千メーター滑走跡の拡張整備工事中でございます。しかしながら、この国際空港ができ上がりましても、なお五十年代の初めごろには十七万五千回という能力の限界に達するものと想定をされておりますので、その意味から新関西国際空港の設置について検討を進めておるという実情でございます。これがどこになるかという具体的なことにつきましては、ただいま御説明申し上げるのは必ずしも適当ではないと思いますが、私どもは複数の候補地について地形、気象あるいは管制、そういった面からの内部的な検討を進めている、こういう実情でございます。したがいまして、先生の言われます具体的な場所を、淡路島なら淡路島にきめて、反対が多いからどうこうというような段階にはまだ至っておりません。
○太田委員 私は大阪の空港を淡路島に移転するという話を聞きましたときに、これはある程度条件がいいじゃないかという説をなす人があるので、いいだろうと思って、さて住民にはかってみたらば、これに対して非常に反対がありまして、ちょっとこれは無理押しをするということは得策ではないというので、その無理押しがとまっておるわけですね。このやり方は、私は将来長い間国際空港なら国際空港として世界的になる空港を、無理なことをやってあとあと問題を残すよりもりっぱなやり方だと思っているのです。ただ、先ほど成田空港公団の今井総裁がおっしゃったように、しんぼう強く、それから誠意をもって説得するとおっしゃったやり方、これもまた私はいいと思うが、どうせやるなら早くからやるほうがいいのであって、最初に計画をぱっと押しつけておいて、反対か、反対なんてけしからぬというようなことから反対運動をなだめるということは、どっちかというと順序が違っておるような気がするのです。 そこで、大阪の問題の場合は、かりに淡路島にいくといたしましても、反対運動をやっておる。そのうちに反対者の中からいろいろな意見を聞いてきて考え直す人が出てくる。それではここへやろうかというような話になればしごくスムーズにいくわけなんです。いまの成田空港の場合は、計画はもうほとんどできちゃって、四十六年度に供用開始だというのに、現在滑走路の工事に入っているわけではございません。ということは、その反対運動が意識の中にあるからなかなかやれないのでしょう。この前たしか、くいを三本打つのに三千人の機動隊を動員したじゃありませんか。工事をやろうとしたらどのくらいの機動隊を動員するのですか。片一方では六九年から七〇年にかけて若き彼氏諸君が東京都内並びに全国各地において不作法なことをする。片一方の成田空港においては、九十三人の老人決死隊を先頭にして猛烈な反対運動をやるから、くい一本打つのに千人の機動隊を動員しなければならぬということになれば、これはもうちょっとやそっとの警官隊の増強では間に合わないでしょう。だからそれをどうするのだ、そんなばかなことをしてやることじゃない。きょうは周辺整備のための財政上の特別措置の問題ですけれども、空港そのものはスムーズにできますかと私は聞きたいわけなんです。どうですか総裁、もう一回お尋ねしますが、あなたのほうの工事計画書で見ると、予定どおりやれるという確信はおありなんですか。
○今井参考人 私どもは四十六年度の初期において供用を開始するという目標のもとに現在全力をあげてやっておるわけでございます。午前中の御質問に対して私からお答え申し上げましたように、反対運動もございましたが、われわれとしては、もう用地については、第一期工事について御料牧場を合わせれば九〇%以上の用地を確保いたしておりますし、現在資材輸送につきましては、やはり午前中お答え申し上げましたように、鉄道並びに道路の輸送計画が進んでおるわけでございます。現在われわれが一番懸念いたしますのは、御承知のように北総台地は道路その他について従来十分完備いたしておりません。したがいまして、資材一つ運ぶにいたしましても、まず道路からつくっていかなければいかぬ。それからまた、資材を集積いたす場合におきましても、集積場からつくっていかなければいかぬというふうな技術的に非常にむずかしい問題を包蔵いたしておるわけでございまして、こういった面にこそ私どもは今後最大の努力を払わなければいけないのじゃないかというふうに考えておるわけでございます。私どもとしては、あくまでも昭和四十六年度の初期に供用を開始するという目標のもとに、公団職員は全力をあげて現在努力をいたしておる、かように申し上げておきます。
○太田委員 総裁の心意気はわかるのですが、一つの具体的な例で、土地改良の問題がやはり現地でひっかかっておるようですね。当時、非公式かもしれませんが、総理は、それは全額国庫負担でやるよというようなお話しになっていたのです。ところが、そうじゃないんだ、最後になってみれば。一番最初には甘いことばがある程度ささやかれていたけれども、現実の問題になってくるときびしい。そこに現地の反対機運をあおる何ものかがあるのじゃありませんか。だから当初の精神に戻って、いささか無理をするかもしれないが、各位ひとつ御協力いただきたい、土地改良なんか全額国庫負担でやったらよかろう、そういうような気持ちはどうですか、ないでしょうか。
○手塚政府委員 土地改良の補助の問題につきましては、地元に対する当初の発表と現状が違うではないかというお説と承りますが、いろいろ当初におきましては期待、希望というものが入り乱れた声が出たことは事実でございまして、土地の買収価格等につきましても、いろいろな価格が地元において言われたわけでございます。それらを実現していきますのに、いろいろ政府関係筋あるいは地元の公共団体等とも話し合いというようなことで事を具体化し、実現をして進めていっておるのが現状でございまして、そういう意味で土地改良等につきましては、地元の考え方との間にあるいは食い違いがあったかとも思いますけれども、現在におきましては、ここで御提示をいたし御審議を願っておりますような内容で進むということに意見が一致して、これで進めていきたい、かように考えております。
○太田委員 そうすると、いろいろと現地に伝わって、現地の人たちが受け取ったいろいろな印象というものが、その後具体的になるに従って形が変わってくるということがあって、実は当局者に対するところの不信感というのが出てきたと思うのです。 もう一つ、これも運輸省にお尋ねしますが、では、これができたときには、羽田と成田の発着の飛行機の種類の分担の割合、分担のしかたというか、真に国際空港として国際線の飛行機というのは全部成田から出るのか、羽田は使わないのか、真に国内線の専用になるのかどうか、そういう点はどういうことですか。
○手塚政府委員 羽田の離発着能力は、先ほどからも申し上げておりますとおりに十七万五千回というのが限度でございます。現在の離発着状態は、先ほどお話し申し上げましたように、四十三年度で約十二万六千回という状態でございますが、これが国際、国内の割合が、国内で七割、国際が三割、大まかに言いましてそういう状態でございます。現在それも伸び率がどんどん伸びておりまして、満ぱいの状態になりますのは四十五年ごろと、先ほど申し上げておりますごとくでございますが、この満ぱいになりますときに、やはり国際線をとにかく全部成田に移す、国内線はその移った分だけさらに余裕が出るわけですけれども、そういうことで羽田は国内線の専用空港、こういう考え方にしていきまして、国際線は成田にまず持っていく、こういうことで成田を国際線の空港にしていく考えです。
○太田委員 いろいろ聞きたいことがあるのです。ありますが、先ほど来お尋ねしております決死隊の老人に対する基本的な当局の考え方、これは運輸省を含めてです。運輸省、公団当局並びにこれは自治省も関係あるでしょうね。住民福祉という点から、政府としては一体どうなんだ。実際どうするつもりなんです。その見通しがあって工事を進めるのか。ないのかと言うと、いまのところ誠意と忍耐強くということになる。そして、それに人間尊重が加わるということであろうと思うのですが、それだけではどうも私も納得しようとしてもできない。もう一回あらためて、どういうふうな対策をとっていらっしゃるかというようなことや、土地改良に対しては全額国庫負担でやるから、農民諸君安心していたまえということを言った人は、中間なりトップなり、だれかほんとうにあったのかなかったのか、それは間違いであったのかという点についてもさらに私は聞きたいと思う。 きょうは、ちょっと資料並びに御出席いただく方も不足しておるようでございますから、一応質問を保留しておきます。
○鹿野委員長 次回は明後十九日木曜日午前十時から理事会、十時三十分から委員会を開会することとし、本日はこれにて散会いたします。 午後四時三十三分散会