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61回国会衆議院1969/06/12

地方行政委員会 第38号

発言数
69
登壇者
8
会派数
2
開催日
1969/06/12

会議録

鹿野彦吉自由民主党

○鹿野委員長 これより会議を開きます。  小笠原諸島復興特別措置法案を議題とし、質疑を行ないます。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。大石八治君。

大石八治自由民主党

○大石(八)委員 大臣にお伺いいたしたいと思いますが、小笠原が復帰をいたしまして、旧島民というのが帰島することを非常に熱望していることに対応して、今度の特別措置法が案として国会にかかっているわけでありますが、この法案を読みますと、復興計画案というのは東京都知事がつくるというふうになっておるわけであります。そのこと自体は決しておかしくない、小笠原が東京都に帰属するという意味で、東京都がこの復興計画案を立てる、そうしてその計画案は、自治省が審議会をつくってその審議会の承認を得て決定をするという形になっている。  そこで、私は実は去年小笠原へ行ったわけでありますけれども、小笠原へ行ってみて、私は非常にいろいろな印象を受けたわけであります。そこで現に小笠原に顕在している資源ないしは潜在している資源というものをかみ合わせて、小笠原に対してどういう復興計画を立てるかということは、実はかなり大きな問題であろう。どういう計画を立てるかということが小笠原の将来に決定的な影響を与える問題であろうと思うのです。  そこで、東京都が立てようとする構想と、自治省ないしは自治省に設置する審議会との構想において、大きな食い違いがあるということになれば非常に問題であろうと思うのです。この法律の中には、東京都が案を立てるときに自治省と協議するという文章もない。また、自治省が大綱を示して、復興計画をつくるようにというふうな大綱を示すこともこの法律案にはない。私は、そのないことについてとやかく言うつもりはありません。ただ、その場合に、その構想というものがどうして調和できるのだろうか、自治省があるいは審議会が持とうとする小笠原復興計画と、東京都がつくろうとする復興計画との大きな、思想上と言う必要はないと思いますが、構想自体に大きな変化と差異があるという問題があり得る場合は重大ではないだろうか、その点を一体実際問題としてどういうふうに善処しようとしているかという点について、一つの疑問がわいてくるわけであります。これは運用のことかも存じませんけれども、その構想自体についてはいまは問いませんが、そこをどういうふうに実際の調整ができるかどうかお伺いしたい。  これは、一つは奄美大島と違う、というのは戦争によってほとんどの島民が引き揚げさせられておりまして、そして現地にはいま、まあ二百人といいますか、軍属のような形で向こうのアメリカ人に使われた人たちがいる。ある程度漁民等が帰っておりますけれども、もとの姿は全くない。したがって、復興計画を立てるというのは全く新しい復興計画立てざるを得ないわけであります。まあ白紙委任ということは言い過ぎかもしれませんが、全く新たな観点に立ってやらざるを得ないので、その帰属をする東京都と国との間において、この復興計画をどうするのか、調和された思想、統一された計画というものができることが望ましいと思うのですけれども、それをどういうふうに運用の上でやろうとしているのか、その点、疑問なきを得ないのでお伺いいたしたいと思います。

野田武夫自由民主党自治大臣・北海道開発庁長官

○野田国務大臣 ただいまの大石委員の御質問でございますが、大石委員は現に小笠原においでになりまして、親しく御視察なさったあとでございますから、われわれは大石委員の実感のこもった実情に即した御意見、非常に傾聴いたします。ただいま御心配の点でございますが、もうこれは現地をごらんになりましてよくおわかりのとおり、戦後二十数年間ほとんど無人島といいますか、非常に荒廃している。これは、昨年復帰しましたあとで、ただ東京都の行政区画にあるというので東京都にまかして復興計画をやるというのでは、とうてい小笠原の復興というものは実ってこない。そこで、その復興に対しては、国があげてひとつ積極的な措置を講じなくちゃならぬ、こういうことで、今度小笠原諸島復興特別措置法案というものを提案いたしまして御審議を願っているのでございます。  そこで、いま御指摘のありました今回の復興案をつくる場合に際して、具体的には東京都の立案に基づいて、復興審議会にかけて、これを自治大臣が認めて、実施に当たるということになっておりますが、やはり現実に東京都の行政的な責任がございますし、また、一番身近でございますから、これらの小笠原諸島全体の地域の開発、また今後島民の方が早く島に帰ってもらう、その帰ってもらった島民の実際の生活、その他もっと身近にある東京都が実情に照らして案をつくる。これは私はやはり東京都の行政的な責任としてなすべきことだと思う。しかし、その東京都の立案と国の考える点に何かの食い違いでもあって、そこに復興案の作成、また実施段階において、何かそこに調和がとれないじゃないかというような御指摘だと思います。東京都が立案いたしますが、この法案に示してありますとおり、小笠原復興に関する審議会を設けますので、その審議会には東京都から都知事及び都会議長も入る。そうして審議をする。それに対しましては、いろいろ実際の審議においても、またその立案調査にあたりましても、東京都と各中央の官庁との事務的な連絡もとっておりますし、帰するところは、まず旧島民の復帰と、これを促進する。また小笠原諸島の適正な産業の振興、そうしてそれを基本とする新しい島づくりをやる、こういうことでございますから、御懸念の点は、そんなことは全然ありませんとは申し上げませんが、一応立案にあたりましても、やはり東京都は、東京都だけの力では復興はできないのですから、どうせ政府の力を借りなければ、東京都がいろいろ案をつくりましてもとてもこれは実施できない。そういたしますと、東京都もやはり政府と連絡をとりまして具体案の作成にかかる。さらに、いま申します審議会においてもみんなの、つまりそこの中には東京都も入りますし、また学識経験者その他も入ってまいりまして、そこで練る。その上でさらにその審議会の答申によって自治大臣がこれをいわゆる採択してやる。こういう経過をたどりますので、全然御心配の点はないとは言い切れませんが、一応その点は、目標は小笠原諸島の復興という大目的に向かってのすべての事務的あるいは政治的あるいは施策の実施、こういうものが総合的な力を持って当たるのでございますから、私ども政府としましては、十分それらについて御注意の点はわれわれも心得まして、そうしてそういうおそれのないように、いわゆる所期の目的である一日も早く小笠原諸島が新しい村づくり、島づくりができて、われわれのこの法案を提出いたしました目標の達成に努力したい、こう考えております。

大石八治自由民主党

○大石(八)委員 私は現地へ行って、いまは調査段階の程度の問題でありますが、いろいろ仕事をする上において実務上の問題があるのですけれども、いわゆる総合事務所と称する国の出先関係と、東京都の支庁という形で出ているあすこの村長といいますか、そういう間にも必ずしも意思の疎通が円滑に行なわれているとは言いがたいのであります。これは、行政庁が違うところではそういう問題があるということはままあることで、この場合だけがそうだとは言いません。特にそのことを取り上げて言うつもりはないのですけれども、非常に食い違う可能性の問題があると私は思うのです。たとえば、私は奄美大島なら出てこないけれども、小笠原なら出てくる可能性もあると思うのです。  そので、この法文を読みますと、東京都が計画を立てて、そして自治省に持ってくると、自治省がこれを審議会にかけて審議をしてこれを決定するといいますか、そういうやり方をするわけです。しかし、実際問題としては、東京都が計画を立てるというようなことは、作業としてもそんなに単純な作業ではない。いろいろの考えを寄せ集めて計画が立てられるものでありまして、それが審議会にきて、思想上というか、考え方の非常に違うというようなところで、それはだめだとかいうふうになることはたいへんな問題だと思うのです。  そこで、事の順序で言えば、先に計画案、それから審議会という順序でありますけれども、私はこれはどっちがどっちとも言い切れない。もちろん東京都だけの力でできるものでもないわけでありますが、しかし、そうかといって国だけというだけにもいかない。責任を持つのは東京都だろうと思う。そこで、法律が通った場合には、実は私はもう審議会を早くつくりなさいという感じを持ちます。まず審議会を早くつくりなさい。そして委員を任命していく。その中には東京都の知事なりあるいは議長も入ってくるわけだろうと思う。その他どういう人が入るかは別としまして、やはりその審議会の空気、考え方というものと、それを志向する東京都の間というものに、絶対の考えの流れというものが一つの方向の中でやっていかないと、非常に問題が起きるのではないだろうか。という意味で、もしこの法律のままにいくとすれば、私の感じとすれば、文章の順序で言えば、計画が先で審議会があとですけれども、出てきた答案を調べるというようなものではなしに、東京都が計画をするときに、この審議会が重要なことを審議するとなっておるのですから、審議会を早く発足させる、そしてその審議会の中のムードなり空気なりというものを十分察知してやっていく必要があるのではないかというふうに考えるわけですけれども、これらの問題は、まだ関連してありますが、そこらの点についてはどうお考えでございましょう。

野田武夫自由民主党自治大臣・北海道開発庁長官

○野田国務大臣 ごもっともな御意見だと思っております。東京都だけではやれる仕事ではないし、また、それを立案する場合、当然国の力を要する。この法案も、御承知のとおり国の力をできるだけその復興に寄与させたい、力をいたそうという法案でございます。その点からして東京都の立案を基礎として審議会にかける。その立案がこの審議会に提案する基礎になるということでございますから、その点で非常に御懸念のようでございますが、これは先ほどもお答えいたしましたとおり、当然東京都も自分の力だけではできないことを知っておりますし、また、いろいろ東京都からの陳情も従来受けておりますが、むしろこの際、五カ年の時限の立法をやっておりますが、この五カ年間のうちに一応の地ならしといいますか、大体の復興の基礎はつくりたいということから出ておりますから、当然東京都は、やはり国のほう、各関係官庁との連絡を緊密にして、また国のほうは東京都が絵図面をかいたから、何でもかんでも応援するというわけではございませんから、やはりこれは実施に移さなければいかぬ、具体化しなければいかぬということは当然なことでございますから、十分これは連絡をとってやるということは、当然な手続上の問題でございます。したがって、いま御指摘になりましたように、それを全部できるまで待ってやるかどうか、また、そのやり方は幾つもあると思います。産業の問題、文化の問題、教育の問題、あるいは道路とかその他のいろいろな問題も、これは総合的に開発計画をつくるべきでございますから、どうしても審議会というものは急速につくりませんと、この立法の趣旨からいたしましても、東京都がやっているからゆっくり待とうなんという考え方では、われわれの望む小笠原の復興は容易ではない。  そこでこの審議会も、いろいろのものができ上がって、その上で一ぺん形式的に開けばいいというような考え方ではなくて、やはり何回でも繰り返し、できるだけ具体的な答申を得ますように、しかも時間的に進めてまいりませんと——もっと具体的に申しますと、来年度の予算でどうするかという問題も出てまいりますから、ゆうちょうな普通の審議会にかけるような——それはどの審議会も大事でございますが、特にこれは相当緊急な措置を講ずる必要のある審議会でございますから、ちょうど大石委員のお話のように、その間非常に連携を密にして、しかもしばしば審議会を開いていただいて具体的な案の決定をしていただく、こういう考え方を持っておりますから、御注意の点は十分ひとつわれわれのほうも勘案いたしましてこれの運営に当たりたい、こう思っております。

大石八治自由民主党

○大石(八)委員 この法律の目的というところに、「帰島の促進」という問題と「小笠原諸島の急速な復興を図る」ということが書いてある。この「帰島の促進」という問題自体について、私はこのことばをどうこうは言いません。しかし、四分の一世紀というものが流れてしまっているわけであります。その前のところに戻るということは事実上不可能である、社会的な日本全体の変化もあるわけでありますから、その四分の一世紀のあとの時点の中で、一体小笠原というのは、日本の中で、あるいは東京都の中で、どういう位置づけをされれば小笠原の復興ができるのか、また、そこへ帰属した住民の生活が安定できるのかということを考えざるを得ないと思うのです。戦前は八千人の人がいた。それは農業が主体でありましょうけれども、八千人の人が戦前の形式で帰るということは、私の直観では、ほとんど無理であろうと思うのです。ですから、小笠原の復興計画というものを、そういう年数の経過の中でもう一回どう立てるかということはかなり問題であろう。本能的には、旧島氏は小笠原へ帰りたいという本能はある、しかし、帰島の人たちの意思の調査もあるようでありますが、非常に複雑な心理を持っておるように思います。必ずしも単純に、何が何でも帰ればいいのだというものではない。こっちへ来て二十数年の生活をしてみると、小笠原の昔の生活を思い出して、必ずしも向こうへただ帰りたいというだけでもない人もある。この二十五年間の経過の中で、小笠原の復興計画を立てるということは、この法律にいう「帰島の促進」ということはわかるけれども、直ちにそれは旧島民を全部帰すことではないと私には思われるのです。したがって、そういう旧島民の感情とすれば、だれも帰りたいという本能的な感情はあると思うのですけれども、そういう感じ方と、新しいこの時代における小笠原復興計画というものは、私は必ずしもぴたっとしないところがあり得ると思うのです。そういう点について、一体旧島民の認識なり理解というものをどういうふうに持っていってもらうかということはかなり重要なことであろうと思う。このこと自体は、自治省の管轄問題というよりは、東京都自体の問題だろうと思いますが、私はかなり微妙なところもあるというふうに思います。一体、小笠原をどういう位置づけをするか、よく観光というようなことばも使われているようでありますが、ほんとうに観光としてどの程度の人間をあそこへ引きつける力があるかどうかも専門家の知識に待たなければなりません。しかし、そういうものを含めて、おそらくまた戦前の小笠原の再現をはかることではないと思う。そうしますと、旧島民との関係が違ってくる。しかし、気持ちの上には帰島したいという感情も残っている。そこらの調整をはかることがかなり大事であろうと思うのです。  もう一つは、先ほど言った関係も多少残りますけれども、防衛庁の施設、あるいは海上保安庁の施設、気象台の施設というように、国全体の見地から展開しなければならない問題もある。あとで触れたいと思うのですが、それらは実はこの計画の中では土地利用に関する計画というのが死命を制するわけであります。そういうことと関連して、一体この計画をどう立てていくか、島民との問題の上でどういう調整をしていくかということが、私は奄美とはかなり違う問題だと思うのです。そこらについてお考えを伺いたいと思うのであります。

野田武夫自由民主党自治大臣・北海道開発庁長官

○野田国務大臣 大石委員が言われるとおり、二十数年経過した、しかも荒廃した、どっちかといえば新しい土地に青写真をつくってやるというような現実でございますから、昔のままに復帰する、いわゆる復旧と申しますか、そういう考え方では、せっかく前の島の人が帰られても意味は非常に少ない。新しい小笠原という一つのビジョンを持って立案すべきだと私は思います。もとより、従来から小笠原は農林水産というものが重要な産業と申しますか、仕事でございまして、やはりこれはこれとしてわれわれは当然これに対する施策を講ずること、また、いまお話しになりました今日の交通、情報関係において、観光というものもやはり小笠原としての一つの大きな目的になる。何といたしましても旧島民の方が帰りたいということを非常に熱望しておりますから、できるだけ帰っていただく。その帰りたいという熱望、これはわれわれもわかります。やはりこれにはこたえることをしなくちゃならない。帰ったらどうなるのか、これが帰られる方の一番の不安だと思うのです。そのために、今度こういう小笠原諸島復興特別措置法案というものを出しましたのは、ただ旧島民にお帰りください、それから考えましょうというのでは、これは二十数年の空白を経て、しかも戦争犠牲によって離島された方々でございますから、国としてもそのまま放置できないというようなことでこの法律を出した次第でございます。そこで、そういうのは総合的な計画が要りますので、したがって、先ほどのお話にありました東京都の立案と申しましても、東京都のいわゆる行政措置では、ただ島に旧島民が帰っただけで、そういうことでは、東京都だけの力ではとうてい満足どころでなくて、旧島民がお気の毒に二十数年離れておられて、帰ってからの生活が非常に困難だ。その意味において、東京都はもちろん行政的な責任を持たれると思いますが、今度は国全体としても、ひとつ力を合わせてこの小笠原の復興計画を立てよう、こういうことでございますから、いま大石委員の御指摘にありますとおり、その復興計画そのものは、二十数年前の小笠原でなくて、現時点における新しい小笠原をつくる。その意味における村づくりや島づくりであるというのでございますから、いろいろ施設におきましても、事業におきましても、あらゆる面から、すべて新しい構想に基づかなければならない、こう考えております。それだけにまた国も思い切った処置を講ずる必要がある。こういう観点からいたしまして、ただ東京都が復興計画の立案をして自治省がこれを認めてやるというようななまぬるいことではいけないから、そこで審議会をつくって、そうして各方面の学識経験者その他、またいろいろな知識を持っておる従来の関係の方もお集まり願って、そうして一つの具体案を作成し、これを実施に移すというのでございまして、もう御指摘どおりのことでございます。新たな構想で、しかも帰島された方、新たにまた入っていかれる方も私はあるかと思うのです。旧島民だけでなくて、やはり小笠原の今後の復興に対して相当協力していただく方もあるし、また、新たな観点からして小笠原に移られる方もございましょうし、そういう意味におきまして、総合的な立案をして実施に移すということでございますから、その御趣旨におきましては全く大石委員の御意見と同一でございます。政府といたしましてもそういう心がまえで今後の復興計画に臨みたいと思っております。

大石八治自由民主党

○大石(八)委員 どうも少し私の感じているところとかみ合わないところがありますけれども、東京都のつくる復興計画案というのは、もうかなり具体的なものでなければならないが、その具体的なものをつくる段階でかなりいろいろ問題を持っていると思うのです。そのことについて申し上げたわけですが、それは審議会のところで何となく調整されるようなことですが、私は審議会のところで調整されるというふうには思わない。計画を立てるとき自体に問題がすでに発生しているど思うのです。  もう一つは、それらに関連して、一部の問題でありますけれども、新しい土地の利用計画を立てる場合に、旧島民の土地に対する所有権の問題というのが非常に問題であろうと思うのです。従来農地のあったところに農地、従来うちがあったところにうちというふうなことはもうおそらくできないだろう。新しい土地利用計画を立てるわけでありますので、たまたま国有地が多いという点が小笠原では新しい開発計画をつくるのに有利な点でありますけれども、しかし、民有地のあったところは今後もかなり利用され得る場所である、それ以外に国有地の部分が利用されることになるだろうと思うのですが、その所有権の問題について、これからかなり具体的に東京都は苦しむだろうと私は思うのです。いまいろいろ調査の段階でありまして、話に聞けば、六〇%とか七〇%は調査が済んできたようであります。ただそれを現地に確認するということはかなりむずかしいけれども、おそらくその点はそんなに精密にやらなくとも、一つの既得権というものがはっきりわかっていけばそれなりに調査ができると思うのですけれども、その利用計画の中で、旧民有地の所有権の問題、たとえばこの人は帰らないというような場合に、旧島民とその所有権との関係を一体どういうふうに調整していくかというような法律上の問題もありましょうし、今度の復興計画の中でどう取り上げるかというような問題も実はあると思うのです。それらの点が、おそらく自治省内部でも、あるいは法務省との関連においても、話題になっている点ではないかと思うのですが、そこらの解決の方針というものを、もう少し専門的な立場で御検討している点があったら説明をお願いいたしたいと思います。

長野士郎自治省行政局長

○長野政府委員 現在民有地の関係におきまして農業用地につきましては、さらにいわゆる小作権といいますか、そういう特別な権利も暫定措置法におきましても一応認めておるようなかっこうでございます。したがいまして、そういう意味で、たとえば農地について考えましただけでも問題は簡単にはなかなか処理できない点がございます。同時に、かりに農業を考える場合にいたしましても、従来島に主要な部落がありましたが、それ以外にも散在して農業を営んでおったわけでございますけれども、そういうものが今度農業というかっこうでかりに帰農するにいたしましても、たとえば、それに伴う農道の問題でありますとか、かんがい用排水の施設でございますとか、圃場の整備ということになってまいりますと、とても散在的なばらばらの状態で帰農、定着ということは考えられないわけであります。  そういう意味で、今度の法案におきましても、最小限度ではございますが、土地改良なり農地の開発についての交換分合なりを一応規定をしております。そして、農地の関係につきましても、あるいはまた、市街地等の集落の編成につきましても、土地区画整理事業等を、通常の規模であればこういうところではなかなか行なえないわけでありますけれども、それを特別な事態ということで新しい集落の形成を考えるような場合にも、もっと合理的にやっていきたい、こういうことで考えております。しかし、同時にまた、帰らない人、ただ権利だけ持っておる人、こういうものが出てくるわけでございます。こういうものにつきまして、公共事業等のために国なり地方団体で先買いをしたらどうだというような意見もあるわけでございますけれども、これは今後の事業の具体化と同時に、また考えなければならない場合もあると思いますが、どうもいまのところ、帰らないから当然それを取り上げてしまうのだというところへ踏み込むというのもなかなかむずかしい問題もあるようでございます。  なお、それをさらにこの計画の具体的な項目として、目的達成のために必要な措置をなおつけ加える必要があるという場合には、逐次そういうものもしてまいりたいと思います。現在法務省等での土地の回復登記とかそういうものも、保存登記を含めまして大体そういう権利関係では八割ぐらい一応登記といいますか、確認といいますか、そういうものも行なわれておりますが、なお、その事業は今後とも実施を進めて完了してまいりたいと思います。しかし、御指摘がございましたように、確かに新しく土地利用計画を定めまして、そうしてそれに即した形で開発復興事業は当然行なわれなければなりませんが、国、地方団体以外のもの、つまり種々の事業を、法案ではなるべくそれに即して考えていくようにということまでは規定し得るわけでございますが、個人の権利なり個人の営業なりというものを全く規制するというわけにはなかなかまいらない。そういう意味で、土地区画整理でありますとか、農業関係であれば農地の交換分合という点は、ぜひとも合理的な一つの法律的な力もかりまして整備を進めてまいりたいと思いますが、確かに御指摘のような問題はございます。

大石八治自由民主党

○大石(八)委員 それらの問題というのは、全体の計画を立てている中で必ず出てくる問題だと私は思うのです。たとえば帰島しない人の権利の問題というのをどういうふうにするのかというようなことは、一体法律上の措置を待たないでできるものなのかどうなのか。そういう点はかなり事前にどう処理するのだという——いまは権利確認の段階を大いにやっているようですが、そういう問題の処理方針というのが早く立たないと、従来の島民というのは自分の決断をするのに非常に困ると思うのです。そういう点について、一体その作業をもっと早く進める考えはないかどうか、その点をお伺いしたいと思うのです。

長野士郎自治省行政局長

○長野政府委員 土地の確認につきましては、一筆ごとの確認は、今後、御指摘にもございますとおり、急速に進めてまいりたいと考えております。

大石八治自由民主党

○大石(八)委員 いまは法務省は確認の作業を煮詰めている。それで、想像してここらは利用計画が最初に手がつきそうだという部分については、私の聞いたところでは七〇%くらい進んでいるというのです。しかし、まだ全部ではない。とりあえず手がつきそうだというところについては、父島の場合は七〇%、母島はこのごろ入って調査を始めたというようなことでありますが、そのところで、私の質問は、確認をされたけれども自分は内地でいろいろ商売をやっておって、いまはすぐ帰るつもりはないというような人の土地が、今度の利用計画の中に入ったときに、そういうものの処分をどうするのだ。国はどういう方針でそれを展開するのかという態度がきまらないと、たとえばはっきり自分の腹をきめている人はいいですけれども、そういうことがはっきりきまらないというような人の場合は、その処理方針というものが明確になれば自分の結論も出し得ると思うのですが、そういう点について方針を早く進めていく必要があるのではないかという質問をしたわけです。

長野士郎自治省行政局長

○長野政府委員 すぐに帰島する意思がないかどうかという確認については、これからも旧島民についてさらに精密な調査を行なわなければならないと思います。たとえば、そういう人で農業用の土地、旧農業用地を持っておるという場合があるわけでございますが、そういうような場合に、これは土地の交換分合なり何なりの措置をいたします中で、自作農創設といいますか、そういうものとの関係におきまして、できるだけ合理的な農業を継続をしてやる人のための規模の拡大といいますか、適正化をするということは、ぜひとも強力に進めていかなければならないと思います。  それから、同時に、都市計画区域等の土地、いわゆるなかなか値段が高いような土地があると思いますが、そういう土地につきましても、都市計画法を向こうに適用するということについては、地方の関係ではいろいろあるようでございますけれども、関係各省との相談の上におきましては、ある程度の適用持例を考えていいというようなことになっておりますので、そういう意味での都市計画法の区域内にこれを入れることによりまして必要な最小限度の規制と申しますか、そういうものは行なってまいりたいと考えております。

大石八治自由民主党

○大石(八)委員 現地へ行って現地の人のことを聞いても、東京都の場合の人に聞くと、現地では何らの権限はないわけで、これはあの場合にないことも私は想像できますが、これは東京都のほうへ行ってみませんと、ここをどうしていいのか、こうしていいのかというようなことは、私どもの確言もあり得ない程度であります。毎日の作業といいますか、雑務を処理するだけに一ぱいだというふうなことで、現地から受けた実感というものは、私どもほんとうに遅々としているという感じでありますし、こういうことですから、ほんとうに調査というものが大事だということも非常にわかります。ああいうふうに荒廃した場合には、いわゆる調査があって初めて計画も立てられるということでありますから、もちろん調査自体が非常にたいへんだということも想像できますし、その基礎調査が誤っておれば、復興計画を立ててもこれは画餅に帰するということもわかりますので、調査がたいへんだということはわかりますが、四十四年から五カ年計画ということでありますが、何となくもたもたしているという感触はぬぐい切れないわけであります。私は、実は四十四年度予算の内容がどうなっておるかということは別としまして、いろいろ調査のことをされておると思うのですけれども、もう一つ、とにかく道路をつくったりするという問題は、もうすぐ始まる問題だろうと思うのです。どんなことをするつたって、道路の問題を解決しなければならない。ところが、そのことをするについて、おそらく機械的な作業をせざるを得ない。人間をたくさん連れていってやることはできない。まあ私が行ったところでも、ほんとうに人間がいるところに困っているので、漁民の場合なんかでも、女房は連れていきたいが、住宅がないので男だけにしてくれということですが、私どもが調査に行っても、実は公務員宿舎をちょっとあけてもらってその中に入るというようなことをせざるを得ないような状態であります。とにかく道路というものを早くつくらなければいけない。それは人間の労働力だけではもうとてもできるような問題ではない。その場合に、いろいろ建設資材あるいはブルドーザーでも何でもいいのですけれども、そういう巨大な資材を運ぶ場合も、一体あの港というのはそういう船が入るのかどうか。いまの港湾で、一切の建設作業をするのに国内から送るものの施設はあれでいいのかどうなのだろうかという疑問を私は持っております。第一に道路を始めたいとしても、そういうものをするための港湾施設をあのままでいいのかどうか、そこらの点について実は見解をお伺いしたいと思うのです。  四十四年度で——この法律が通らなければだめだということがありますが、計画自体以外に、計画をつくるための、あるいは調査以外にそこへ踏み込むための準備的な予算というものは一体何が計上されているのでしょう。

長野士郎自治省行政局長

○長野政府委員 港につきましては、父島の二見港というのが父島の一番代表的な港と申しますか、むしろ小笠原全体の一つの入り口になっておるわけで、父島の二見港は、現在のところは千トン程度の船の接岸が可能でございます。二十トンくらいのクレーンもありますが、施設はかなり破損をしております。したがいまして、これを早急に整備しその能力を拡大するということは、いずれにいたしましても取りかからなければならない問題でございます。それから、母島には沖港という港がございますけれども、母島は非常に岩礁等がありまして浅いので——これは応急的には四十三年度で多少の修理をいたしております。そうして、いまのところははしけでございますけれども、はしけの荷役が可能になっておるというようなかっこうでございます。四十四年度におきましては、御指摘ございましたように、具体的にはこの法案が成立をいたしましてそうして復興事業が軌道に乗るということが必要でございますが、いま申しました港湾の関係におきましては、一応の予算のめどといたしましては、総額におきまして一億三千五百万円で、父島の二見港の接岸施設の拡大整備をはかる、そういうことで、外郭施設でありますとか、係留施設でありますとか、そういうものの拡大、拡充整備と申しますか、そういうことをやっていくというかっこうにいたしております。

大石八治自由民主党

○大石(八)委員 時間がもうあれですから、私は、奄美が五カ年計画でスタートした。小笠原の現状を考えたときに、この計画では、五年以内にできるような計画をつくりなさいというふうに、たしかそういうことばが書いてあったと思う。これを考えると、五年以内においてあの荒廃した中で完了する計画というのは、何となく時間的に無理があるような感じがいたしております。この五年ということを設定した理由。これは別に五年というふうに——奄美の場合でも延びているわけであります。したがって、その五年というのはあまり気にしないでいい。こういうところであまりそういうことを聞いていいかどうかわかりませんが、二十五年間荒廃されたままにおいてあるとすると、いまは機械力が発達しているから何でもない、機械的にどしどしやる、しかも東京都という財政力の相当あるところだから、鹿児島県のような最下位の県とは違うからだいじょうぶということもあるのかもしれませんが、何となく、五年というのは短期間だなという感じがいたしますが、その点はどうですか。

野田武夫自由民主党自治大臣・北海道開発庁長官

○野田国務大臣 これはお話しのとおり一応五カ年計画でやっております。これを十年、二十年計画ということになればまたのんびりしまして、とてもそんなことをやっているときじゃない。五カ年計画に踏み切ったということは、私は大石さんに、よく踏み切ったなと——役所としてはすぐ十年計画をやるんですよ。これは奄美がそうでしょう。そういうことですから、私は、五カ年計画に踏み切った、がんばれと、むしろ激励を受けるかと思っておったのです。これは五カ年計画でできない場合もありますから、それはまた延長する。当然のことです。一応の腹組みで、ここでがんばるということで——いままでの計画はほとんど十年以上です。たとえば、各地を見ますと、一々あげませんけれども、今度はひとつ思い切って五カ年でやろうと、東京都も熱を示しておりますし、自治省もひとつやろう、それは長い間旧島民に迷惑をかけたからと、こういう熱意を持っておりますから、ぜひこれはやりたい。しかし、いけない場合はあります。これは決して万全を期せません。そのときはまた次に計画を立てる、こういう考えであります。

大石八治自由民主党

○大石(八)委員 逆に質問をいたしましたので、かえって当局のほうからそういう御返事をいただいて私はたいへんありがたいと思っております。十年がかりでやるようなことはやはりいけないわけであります。ですから、ほんとうに五カ年でやるという決意、そういう意図でやっているのだ、できなければまた十年にいたしますよという思想ではないのだということは、非常によろしいことだと思うのです。質問の結果、そういう御返事をいただけたのでたいへん実は満足でありまして、私は十年に延ばせというつもりは全くなかったわけであります。ですから、東京都という日本では最大の自治体でありましょうが、そういう力の関係もありましょうし、熱意もあることであります。したがって、ぜひ、いわゆる計画年次の中で結了するような熱意を実際問題の中で示していただきたいと思うのです。  そこで、お伺いいたしますが、第六条にはいわゆる補助問題があるわけであります。かさ上げ補助ということになるのだろうと思うのですが、ここに「当該経費に関する法令の規定にかかわらず、政令で定めるところにより、」と、こうなっているのですが、最近の法律の中には、法令の規定にかかわらず政令で定めるところによるというふうに政令でそれを規定する場合がままあるわけでありますが、この場合、政令で定めるというふうに特にいたした理由についてお伺いいたしたいと思います。

長野士郎自治省行政局長

○長野政府委員 小笠原につきましては、従来非常に人もおりませんし、荒廃にまかせておった土地でございまして、昨年以来各般の調査を各省の専門家によっていたしまして、いろいろなデータも出ておりますけれども、まだそういう意味でははっきりとどういうものを上げていくか、あるいはどういうものを復興事業として取り上げていくかというものを、予算的には一応の荒い概算はできておりますけれども、具体的な事業なり取り上げ方なりというものを確定をしておるという段階ではございません。そういうこともありまして、事業の種類とか事業費の総額とかいうものをいまこの段階で決定するとか、そういうことも困難であります。というようなこともあり、その関係の具体的な率等のものを政令にゆだねるということにいたしたわけでございます。その関係につきましては、補助率等を政令で定めている例も多々あるものでございますから、かれこれ勘案いたしまして、政令でそういう特例を定めることができるということにいたしたわけでございまして、他意はございません。

大石八治自由民主党

○大石(八)委員 それから、第十四条でありますが、「国及び地方公共団体は、帰島した旧島民の生活の再建のため必要な事業等に要する資金について適切な配慮をするものとする。」という文章があります。私はこれにつきまして、帰島しようとするということも含まれていると解釈していいのかどうか。帰島しようとする人は、いろいろ事業の準備資金が要ると思うのです。行くのには計画を持ったりいろいろのことをしていかなければならぬ。そういう点について、行こうとする人に対してもこのことが適用されると解釈していいのか。大体こういうふうに書くものなのかどうか。住宅なり事業資金のことになると思うのでありますが、そのことと、資金について適切な配慮をするという点は、前のところで答弁があったので、これらがもう少し具体的になったらもっとはっきりするのかもしれませんが、金融公庫なり、その他農林漁業金融公庫なり、そういうものから特別の融資をするというふうに将来なってくるものなのか。「適切な配慮をする」というのは、法律の中でいえば非常に何かあいまいなところがあるような感じがいたすわけです。これはもっと計画がはっきりしてきましたりいろいろしますとはっきり書くようになってくるものなのかどうか。  それから、帰島したということについて多少の疑問がありますが、その点をお伺いいたしたいと思います。

長野士郎自治省行政局長

○長野政府委員 御指摘のございますように、旧島民が帰島して生活再建をいたしますためには、住宅資金だとか事業の準備資金だとか、生活のためのつなぎ資金、いろいろな資金が必要なわけでございます。したがいまして、そういうものにつきましては、現在でも国なり都なりの関係金融機関の活用ということはできるだけ考えていかなければいけないということでございますが、御指摘のございましたように、現行制度でははまらない、うまく融通できないという場合も起こり得ることは予想されます。そういう場合には、そういう資金につきましては、将来特例措置を講ずるということもぜひ検討したい、こう考えております。  それから、ここに帰島と書きましたのは、帰島する、するといって結局しなかったのでは、融資条件にひっかかるようなところがあるわけでございます。もちろん、帰島したというのは結果においてちゃんとその帰島が実現するということが必要でございますが、その準備行為としては、資金の借り入れその他は帰島前に手続を進めなければ話になりませんから、そういう意味の準備行為は当然初めからできるわけであります。結果において、帰島するということは、特別な融資を与える限りにおいては必要でございますが、準備行為とか事前に借り入れるということは、帰島しようとする人には当然そういう融資が事前にはかられるということになると思います。

大石八治自由民主党

○大石(八)委員 最後に、これは質問といいますか、私の所懐をちょっと申し上げたいと思います。  それは美濃部知事の名前が出てきてたいへん恐縮ですけれども、この復興計画案を立てるのは美濃部知事である。美濃部知事が社会党であるかどうかということは別にして、私は美濃部知事という人から受ける印象というものは、非常に人間それ自体の問題がやはり中心になる性向があると思うのです。しかし、同時に、小笠原の開発というものを考えた場合に、ある一面には、小笠原の先ほど言った潜在的な資源を大きく開発するという産業的感覚で問題を考える部分もあると思うのです。ですから、一体どういうプランが最初に出てくるのかということは、私はかなり気を使われる部分だろうと思うのです。  この小笠原の持っている資源というものを産業的に開発する。それはある意味ではすぐ庶民にはつながらないかもしれぬ。しかし、そういう開発でその結果出てくる大衆というものがそこに住みつく問題もあり得る。しかし、とりあえずは旧島民のことが中心になるのかどうかという問題を私は考えますと、この小笠原復興計画というのは、非常にはでな言い方をすると、実業人的な性格、庶民的な性格、そういうことばで言うのではないのですけれども、そういう二面がこの中には出てくる問題だと私は思うのです。  それはいずれがいい、いずれが悪いということじゃないと思うのです。しかも、単に小笠原は東京都の小笠原であるだけではない。私は、それが実現できるかどうか、ほんとうに価値があるかどうか知りませんけれども、小笠原というのは、たとえば太平洋における漁業中継基地ということになれば、これは他府県の人が使う場所になるという一つの問題になるわけです。それは東京都でそういうふうに計画されるかもしれませんが、東京都固有の部分ではないという感じ方もあります。それは他府県の漁業者が利用する問題にもなるわけです。これは実業的という範疇からは違うと思います。もっと庶民的な問題だろうと思うのですが、いまのような零細漁業者という問題、内地まで帰ってくるということはたいへんだ、そこになまえさがあれば非常にやりよいとか、あるいは燃料の補給基地という問題も考えられるということにもなる。あるいは観光資源ということで非常に利用価値があるかもしれぬ。その観光利用という問題は、直ちに小笠原の観光利用というものをもしやる場合、全島、たとえば父島なり母島なりをそういうことにすれば、国内の小さいハワイというようなことで非常に宣伝をする。そういうことにいける土地になるかもしれない。しかし、それは東京都自体が自分で固有の仕事として開発計画に入れるかどうかはおそらく疑問だろうと私は思う。  しかし、専門家が見て、そういう条件もあるということになる場合には、これは国内の多くの人が利用する一つのレジャーセンターになる。そういうふうに東京都固有の旧島民の問題と小笠原というものを全体的に産業的に開発していく問題とあると思うのですよ。これらがプランニングのときと、それを審査する段階で、非常に変わってくるということは、私が一番最初申し上げたのは、そこらに問題があるのではないか。だからそこのところがいがみ合いがないようにしていかねばならぬということを、私は実はこの前行ったときから、これらの問題というのは、帰属するところは東京都なんだから、東京都の責任においてやることはいいというふうに思っておりますが、たまたま四分の一世紀離れたままで今日に至って、それを再開発するといいますか、という場合の問題というのは、旧島の原状に復元するのじゃないのですから、いろいろの問題があると思うのです。  そこで、国と東京都の間にそごを来たさないように、国土計画としても、先ほど私も言ったとおり、気象庁の関係とか海上保安庁の関係とか防衛関係もあると思います。そういうことを含めて、あるいは産業的な意味を含めて、両者のプランというものが、あるいは思想構想といってもいいと思うのですが、そういうものが最初から一つのレールというか、方向の中にあって出ていくような配慮をお願いすることが、この場合大事だろうということを痛切に私自身は感じております。そういう意味で大臣の所見を承って終わりにいたしたいと思います。

野田武夫自由民主党自治大臣・北海道開発庁長官

○野田国務大臣 ただいま大石委員の御指摘になりました開発計画の内容につきましては、私も大体同感でございます。まず考えることは、旧島民の方がなるべく早く帰れるようにしたい、これはもう優先的に考えておるところでございます。これは当然、長い間自分の住んでいるところから離れておられた方々がすみやかにお帰りになって、そこに住みついていただきたいというのは、これはもちろん大きな問題でありますが、同時に、この開発というものは、私も先ほど触れたのでございますが、また大石委員も指摘されましたとおり、ただ旧態に戻すということでなくて、新しい小笠原をつくることだ、それには復興計画という、ことばは復興計画になりますけれども、その復興というのが進んで開発計画というところに重点を置くのが、帰られた旧島民の経済的基礎になり繁栄につながる、こう私も考えます。  ただ、昔の小笠原、その中に小笠原の資源をどう開発していくかということになりますと、私もちょっと触れましたが、旧島民が復帰されると同時にほかの人方もだいぶ入っていくのではないか。むしろこれは歓迎すべきことでございまして、どんどん小笠原に有力な、資源開発に携わる人がお入りになるということは非常にいいことだと思います。また、それに対する、たとえばいまお話しのありました産業の開発に対するいろいろな施策があらわれてくる。また、観光関係においても、いろいろな計画の実施に当たる総合的な開発をする。これにはもう旧島民だけの力ではいけないし、さらに東京都だけの力でもいけない。また、政府だけの力で満足することなくして、あらゆる力を総合して、ここに小笠原のいわゆる復興と同時に開発計画に当たるというのは、私はもう当然そういうことになるべきだし、そこまでいきますと、われわれはこの小笠原が二十数年間の空白を取り戻して、さらに東京都の小笠原ということでなくして、日本の小笠原として発展の道ができるということが望ましいことだと思っております。したがって、いまの大石委員のお考えの基本的なものは、私どもはそういうふうな心がまえをいたしまして、積極的に開発に当たりたい、こう考えております。

鹿野彦吉自由民主党

○鹿野委員長 次は、依田圭五君。

依田圭五日本社会党

○依田委員 それでは質問を若干いたします。  この審議会は二十人でできるようになっているのですが、この二十人は大体どういう人を予定しておりますか。そこから質問したいと思います。

長野士郎自治省行政局長

○長野政府委員 審議会は学識経験者と関係地方団体、つまりこの場合は東京都知事、それから議会の議長、と申しますのは都議会の議長、こういう方が入られるということになっております。学識経験者と申しますのは、この小笠原島につきましてのいろいろな観点からの関係がございますので、農業、水産業、観光資源あるいは自然の保護あるいは海洋とか気象とかいろいろな専門家、それから自然公園、そういう関係の方々も加わっていただくような予定にいたしております。主として学者、大学の教授あるいはその道のいわゆる専門家でございます。なお、それだけでも足りないということも考えられますので、特別な事項につきましてはまた特別委員というものも任命できるようになっております。  なお、申し落としましたが、金融機関の関係の方々、それからいわゆる旧島民の関係者も加わっていただく予定に一応の腹案を持っております。

依田圭五日本社会党

○依田委員 そうすると、「関係地方公共団体の長及び議会の議長」と書いてあるのですが、「関係地方公共団体」の中には小笠原村も入ると思うのです。その場合に、小笠原村の村長と村議会議長ということになるわけなんですが、職務代表者ですから、その人が予定されるのか。それから村議会議長に当たる者がだれか考えられるのか、その点を御質問いたします。

長野士郎自治省行政局長

○長野政府委員 小笠原村につきましては、現在の状態でございますと、一応村ということにしておりますけれども、なお公選される首長とか議会というものはできておりません。したがいまして、現在村長の職務を代理しておりますのは都の支庁長でございます。それから村政審議会という特殊な制度をとっておりますが、現在のところそういうことでございますので、この関係者を審議会に加えるということは考えておりません。

依田圭五日本社会党

○依田委員 そうすると、これは大臣、いつごろ小笠原では選挙をされる御予定ですか。

野田武夫自由民主党自治大臣・北海道開発庁長官

○野田国務大臣 大体依田さんも御承知と思っておりますが、小笠原でいつ選挙をやるかということは、今度の五カ年計画で五年後にやるかというとそうではなくて、一応の選挙をやる実態というものを把握しなければならぬ。いまは欧米系その他入れて二百人ばかりの人がいるようですが、これで選挙せいといってもなかなかそうはいくまいと思うし、実態がそろうたらこれは村民の意向も体し——何も押えることはございませんから、常識的なことでいきます。どういう計画でどのくらいでいくかちょっとまだ見当がつきませんが、いつごろ選挙をやるかということは、これはやはり実態に即応してやりたいと思っております。別に何も押えるとか、そういうことはございません。

依田圭五日本社会党

○依田委員 これは大石さんの質問にも関連があるのですが、知事が提案をするのですね。それを審議会にかけて大臣が決定をする、こういう構造になっているわけですね。そこで知事の提案は、これは前の委員会のときにこの問題が非常にうるさく議論が出て、十分審議を受けてこういうような法案の内容になったと思いますから、こういう決定のいきさつについてはよくわかるわけです。ただ「関係地方公共団体の長及び議会の議長」という項目に全然住民の代表をいまのお話を聞きますと入れないというのが一点。  それから、職務代表者といっても、これは任命の職務代表者で、公選ではありませんから、その点の問題が一つあるのと、はたして小笠原村そのものの意見というものが——もちろん東京都を通してということにはなるのでありましょうけれども、ストレートに小笠原村住民の意思というものが、住民の民主的な意思の結集の手続を経て、選挙を経て村長なり村議会議長を通して反映してくるという機構ではない。その点が一点ですね。二十人も委員がおるわけでありますから、何らかその救済方法はないのか、その点、要請にもなるわけでありますが、局長の御答弁では、いまは一切考えない、入らないのだ、こういうお話でありますが、その点をもう一ぺん聞きたいと思います。

長野士郎自治省行政局長

○長野政府委員 現在現地に住まっておる人といいますのは、大臣が先ほど申し上げましたように、いわゆる旧島民の中の欧米系の人、それ以外は実は官公庁の職員ということでございまして、非常に特殊な形になっております。したがいまして、ほんとうに小笠原旧島民を含めた意味での小笠原の現地の考え方というものが反映されるとは必ずしも期待できない面があります。率直に申し上げましてそういう感じがするわけでございます。したがいまして、どちらかといいますと欧米系の人たち、現在おります人の意見をどうしても聞きたいというようなときがございましたら、これは必ず審議の中では出てくるかとも思いますけれども、そういう場合には適切な方法をとって意見を十分聞くようにはいたしたいと思いますが、この審議会の委員として加えるということは、いまの法律の関係地方公共団体の長あるいは議会の議長というかっこうからすれば、なおしばらく時間をかしていただきまして、大臣がお答えしましたように、旧島民が帰島した状態の中で、まあ一般的な地域社会と認められるような住民の構成になりましたところで公選を考える、また、そのときには審議会の委員にも加えていく、こういうことのほうがむしろ適切ではないかと考えております。

依田圭五日本社会党

○依田委員 大臣にお聞きしますが、奄美はかれこれ二十年、何回か改定をして二十年くらいの見通しでいま振興法をおつくりになっておりますね。小笠原も今回五年間だけまずとりあえずつくるわけです。しかし、五年だけでは、これは大石さんも触れておられたのじゃないかと思いますが、なかなか簡単にいかないのじゃないか。もちろん、規模といい居住人口といい、いろいろな点で立地条件が違うことはよくわかるのですが、いずれにしても、この情報革命の時代に、ジエツト機ならせいぜい一時間、プロペラ機なら四時間くらいで行っちゃうのですからね。戦前は二万人近くおったわけです。一万人といえば村にしても小さな村ではないわけです。もたもたすれば、三万都市の問題が出れば市にもなりかねないような力を持っておるわけですね。当然これは機構の問題で触れたいと思うのですが、小笠原の行政の問題で中央政府と東京都の出先機関との間の競合関係でいろいろ問題点があるわけですね。どちらかというと東京都の一部局にすぎない、一地方にすぎないその島に対して、国全体から、縦割り行政というか、ともかく運輸省は運輸省、防衛庁は防衛庁、いろいろな意味で強い行政権が発動されるような形になっておるわけですね。ですから地方自治の立場からいっても、一万人にもなるであろう、また二十年くらいは復興計画を続けるであろうという奄美に比例して、五カ年だけでは終わりそうもない、こういうようなことを考えると、審議会の委員の中に当然地元の代表を相当入れておかないと、地元のきめこまかな要求と中央からの要求とが明らかに矛盾しますよ。地元側の要求を代弁するものをふんだんに機構的に入れておかないと、ますます意思の疎通のない反民主主義的な方向への行政にならざるを得ないのではないか。いまおっしゃるところは、確かに百何十人か二百人か知りませんけれども、これは膨張していきます。現に周旋屋は東京都内でどんどん向こうの土地の看板を出しております。あとで触れたいと思うのですが、具体的に小笠原の土地は幾らだということで金額まで店頭に出しておるわけです。八丈島はもう途中の山の中腹から上は三国人に全部買い取られておるという実情もあるわけです。ジェット機で一時間というような実情からいって、ものすごいスピードで発展をするということになってまいりますと、やはり地元の下から盛り上がる意見を吸い上げるパイプ、これは村会議長か村長か、ともかくそういう形で二十人のうちせめて一割程度は入れておかないと、私は民主主義ということの看板にはならないじゃないかと思うのですが、私のそういった質問に対して大臣の包括的な御答弁をいただきたいと思います。

野田武夫自由民主党自治大臣・北海道開発庁長官

○野田国務大臣 ごもっともだと思います。この審議会は、いまお話しになった中央官庁が自治体を押えるとかいうような目的——いずれにしたって二十何年間孤島みたいになっていたのだから、それをできるだけ復興しよう。それにはちょうど東京都の行政区域であるから、東京都も非常に熱意を持っておられる。これは当然のことだが、しかし東京都だけの力ではいけないから、国が全体的、総合的な力を出して、一緒になって復興計画を実現したい。これは帰するところは、旧島民になるべく早く帰っていただけるような地域をつくり上げようということであります。さらに、いま依田さんのおっしゃるとおり、ジエツト機で一時間、昔の小笠原とは違って、今後の小笠原はお話しのとおりだと私も感じます。  そこで、審議会の内容ですが、今日この法案を出しておる時点におきましては、先ほどお答えいたしましたとおり、どうも現地の方を入れる目安がちょっとつかない。そこで、東京都の行政区域でございますから東京都の知事、またさらに、執行部だけではいけないから、やはり議会側として都議会の議長にも入ってもらって直結したい。この意思は依田さんのおっしゃるとおりで、別に地方自治団体の運営をかれこれということは同感でございます。小笠原で公職選挙ができるとかなんとかという客観的な情勢がうん醸された段階になりますれば、これはもう現地の意見を聞く。これは現地の復興でございますから私も同感でございます。私は、法律がわかりませんから、言い切っていいかわかりませんが、将来そういう方向に行くのは当然で、自治省としては好ましいことだと思っております。重ねて申しますが、この法案をいまどういじってどうなるか、技術的なことは私わかりませんが、つまり、いまの依田さんの御意見は同感であるということだけ申し上げておきます。

依田圭五日本社会党

○依田委員 局長にお聞きしますが、少し自治の制限が強過ぎるのじゃないかという見解を持っておるのです。立案は東京都がする。しかしそれを審議会にかけ、大臣の決定までの間にはもみくちゃになる。結局、でき上がったものは東京都の素案とは似ても似つかないものになりかねない、こういうように実は考えるのです。そこに一番重要な地元の一万人からの住民の意思を反映する手続が現在のところない。現在なければ将来もないであろう。そうなりますと、決定権は大臣に留保してあるわけでありますが、その前には小笠原に関係のない縦割りの学識経験者が全部おって、おそらく各省、学者なり何なりが担当することになるのじゃありませんか。そうすると、総合的な計画立案ということにはなるのですが、東京都にもそういう機構は経済局もあれば水産関係もある、あるいは調査機関もあれば都政審議会もあるわけですね。面積からいったって東京の一部にすぎないこの小笠原の問題、距離にしたって一時間程度で行けるこの土地に対して、何か中央官庁の関与が強過ぎるのじゃないか。美濃部さんは、平和の島にしようじゃないか、緑の島として温存しようじゃないか、本土は全部公害地帯になっておるし、せめて一時間ぐらいのところにひとつそういうところをつくっておこうじゃないか、こういうように考えておるわけですね。自治省の指導で企画調整局もできておるのだし、全部で二十一平方キロ前後の三つのまことに小さな島に対して、東京都の立案を尊重していただければ、十分に民主主義の手続でもって私はできると思うのですが、何でこういうようにがんじがらめに中央政府の監督権を強化しなければならぬのか。その立法の背後にある考え方、理念は一体何であるか、これをひとつ局長に御答弁をいただきたいのです。

長野士郎自治省行政局長

○長野政府委員 この法案の第一条にも書いておりますが、「小笠原諸島の特殊事情にかんがみ、」というようなこと、つまり小笠原は戦後行政権の分離にあいましたが、その前にも島民が強制送還されまして、その後荒廃のままにまかされておったというかっこうでございます。そういう意味の戦後処理というものが二十数年後に行なわれるような形でございます。その意味で、小笠原島の復興につきましては、国としても責任をもって考えていくべき問題であることは当然だと思うわけでございます。また、小笠原島の占める特殊な位置というものについてのいろいろな見方も出てくるわけでありましょうが、先ほど大石先生のお話にございましたように、漁業の中継基地でありますとか、将来のいろいろな位置なり資源の開発利用という問題も考えられるという点もあるかもしれませんが、いずれにいたしましても、国としても小笠原島の復興につきましては当然に責任をもって考えていく。その場合に、東京都の計画なり考え方というものと国の考え方というものを一致させるための一つの方式とお考えいただければいいのではないかと思うのであります。そういう意味で、東京都だけで問題を考えるという面も確かにございます。しかしながら、同時に、国としてもいままでの経緯にかんがみまして、そういう小笠原の特殊性にかんがみまして、総合的に復興計画に参画し、復興事業に協力するという体制をとることは、小笠原島のいままでのことからいえば一番適切な方法ではないか、こういうふうに考えられると思います。単に自治体の自主的な力を制約するというようなことで考えておるわけではない。この種の復興事業につきまして、特別措置を考える場合のこれは一つのやり方の問題にもなる面もございますが、いずれにしても、そういう国なり地元なりの協力体制を確保するための措置、こうお考えいただくべきことではなかろうかと思います。

依田圭五日本社会党

○依田委員 よくわからないのですが、同僚委員の質問もありますから、さらに続けたいと思います。  次の質問は、六条に財政援助の規定が書いてあるのですが、これは奄美の場合には法律で全部書いてあったのですね、事こまかく。それが小笠原の場合には、全部政令に委任しておるのですが、これは何か特別の理由があるのですか。

長野士郎自治省行政局長

○長野政府委員 先ほども申し上げましたが、復興計画に基づく事業につきましては、特別な助成を行なう必要があるという意味でこの規定が設けられておるわけでございますが、現在小笠原諸島の復興の基本的な方向その他は、この法案が成立をいたしまして、審議会その他にはかって、復興事業というものの基本が固まっていくというようなこともございますので、事業の種類なり規模なり総額なりというものもまだ明確になっておるわけではございません。そういう意味もございまして、個々の具体的な事業を法律上確定をして、その補助率を法律できめていくというようなかっこうでないほうがむしろ実態に合うのではないかということでございまして、こう書いたということに特にほかの意味があるわけではございません。

依田圭五日本社会党

○依田委員 これは昭和十九年三月三十一日ですか、あの基準日において小笠原島民が引き揚げた。これは当時の国の責任において、戦争という不可抗力の、島民にはどうにもならぬ原因で引き揚げておるのですから、この善後措置というものは全部法律で、国が全責任を持つべきだ、こう思うのですが、行政ベース全部まかせて、奄美のように丁寧な規定のしかたをしないということには、何か理由がなくちゃならぬと思うのですよ。それでまた、復興の実施計画の作成に大臣が関与するのですが、これでさえも予算編成のときに国費の場合には全部審議できるわけなんですね。何で無理に大臣が関与しなければならぬ必要性があるのか。補助事業は全部予算編成過程でもって当然に審議できるわけなんですね。私に言わせると、大事なところは手を抜いて、大事でないところはばかに丁寧に大臣の権限をきめこまかく書いて、小笠原というのを特別な地域にお考えになっているんじゃないか。行ってみればわかるように、島なんですね。それもいまの航空機の時代で、ほんとうに目と鼻の先にある。八丈島のちょっと先にある島にすぎない。それを東京都の自治権からはずして——全部はずしたわけではありませんよ。しかし相当に自治権を制限して、特にこれを大臣権限内に入れなければならぬという積極的理由が一体どういうような立場であるのですか。何かそうしないと自治省のほうでメンツでも立たないのか、どういうことなのか、それほど力み返る必要があるのか、その辺をひとつ砕いて御説明願いたいと思います。

長野士郎自治省行政局長

○長野政府委員 別に力み返っているわけではございませんで、こういう一つの復興事業を考えていくような場合に、国が責任の一部を負うというような場合の一つの法形式的なパターンも一応あるわけで、この関係につきましては、たとえば奄美の関係でも、こういう関係の規定があるわけでございます。予算編成につきましては、毎年度関係の地方団体の要望なり意見等も参酌いたしまして、あるいはまた、復興関係に基づく事業というようなものもいろいろしんしゃくいたしまして予算編成をするということでございますけれども、この段階で事業の内容とか事業の施行の手続などが具体的に明確になるわけではございません。したがいまして、そういう意味で事業計画というものが、復興計画に基づいて復興実施計画ということで具体化していくわけでございますから、そういう意味で復興実施計画というものが、復興計画全体の中で年々具体化し、実施されていくというステップを確認していくということの意味は、私はあると思っておるのでございます。別にこれでここだけをがんじがらめにするとかなんとかいうことではございません。

依田圭五日本社会党

○依田委員 それに関連して、六条の財政の援助の政令は、内容は言ってもらえますか、大体の予定は立っていられるのじゃないかと思う。

長野士郎自治省行政局長

○長野政府委員 政令の中身につきましては、なお具体的なことは申し上げる段階には至っていないようであります。と申しますのは、基本的な問題あるいは具体的な措置、いろいろ考えられるわけでございますが、大筋のところは、審議会におきますところの復興の基本の一つの大きな形というものが一応きめられますような段階で、具体化していくということにするのが適当ではないかということでございます。

依田圭五日本社会党

○依田委員 そうすると、いまは全然ないわけですな。まだ腹案もない、そういうことですね。要綱か何かないのですか。奄美の場合だってわかったでしょう。現地の資料は十分調査しているわけでしょう、日もたっているし。

長野士郎自治省行政局長

○長野政府委員 復興計画に基づきますところの具体的内容というものがはっきりしないということのみ申し上げるのもいかがと思いますが、実際問題として事業の選び方、あるいは事業の実施主体等のこと、あるいは実施主体の財政力その他の問題もございまして、そういう面での検討というものは、今後の審議会等のお考え等もしんしゃくいたしまして考えていかなければならないということでございます。概算的な予算的措置というものは、四十四年度の予算としてはもちろん一応内定をしておりますけれども、それが具体的な形になってまいりますためには、やはり先ほど申し上げましたように、復興計画の基本というものが定まりまして、重点をどこに志向するというようなことの取り上げられ方、実施主体との関係等が基本的に定められましたときに具体化していくということが、適当ではないかということでございます。

依田圭五日本社会党

○依田委員 防衛庁の人、来てますね。防衛施設庁も来ておりますか。——防衛庁の方に聞きますが、いま自衛隊はどのくらいの数行っておるのですか。

今泉正隆防衛庁防衛局防衛課長

○今泉説明員 現在小笠原に派遣しております自衛隊の部隊は、父島と硫黄島と南鳥島に、いずれも海上自衛隊の部隊を派遣しております。父島が約四十名、硫黄島が約五十名、南鳥島が約十名で、合計約百名でございます。父島は基地分遣隊、硫黄島は航空基地分遣隊、南鳥島は航空派遣隊という部隊でございます。

依田圭五日本社会党

○依田委員 硫黄島のロランはまだ米軍がやっておるわけですね。

今泉正隆防衛庁防衛局防衛課長

○今泉説明員 硫黄島と南鳥島にアメリカ合衆国の軍隊である沿岸警備隊がロランをやっております。

依田圭五日本社会党

○依田委員 どのくらいおるのですか。

今泉正隆防衛庁防衛局防衛課長

○今泉説明員 ときによって若干異動があるようでございますが、われわれが知っておりすところは、硫黄島が三十名ないし三十五名、南鳥島は二十名程度ではないかと思います。

依田圭五日本社会党

○依田委員 このロランについては、要するに安保の地位協定による米軍の正規の駐留になっておるわけですね。

鶴崎敏防衛施設庁施設部長

○鶴崎政府委員 ただいまお話の出ましたロランの施設は、米軍に条約によって正式に提供しておる施設でございます。

依田圭五日本社会党

○依田委員 ちょっと施設庁に聞きますが、施設庁のほうで昨年の六月二十六日告示を出しておりますね。この告示の内容と場所、私のほうでも知っておりますが、もう一ぺんここではっきり言ってください。

鶴崎敏防衛施設庁施設部長

○鶴崎政府委員 昨年の六月に告示しました内容は、まず自衛隊の関係としましては、小笠原村の硫黄島、これにつきまして自衛隊の使用する施設としまして、飛行場施設、燃料貯蔵施設、通信施設、揚陸場及び道路用、こういった目的のために島の一部を小笠原諸島の復帰に伴う法令の適用の暫定措置法に基づいて官報で告示いたしました。この使用期間は、飛行場施設につきましては昨年の六月から五カ年間、その他につきましては三年間ということになっておりまして、面積としましては、この硫黄島の自衛隊施設の全面積は五百七十八万一千五百平方メートルでございますが、そのうち告示をしましたのは、民公有地と一応認められるところにつきまして、所有者がわからないというようなことから官報告示をしまして、これは五百六十五万二千平方メートルが官報告示になっております。  それから、小笠原の父島の関係でございますが、これは自衛隊の使用目的としましては、隊舎、庁舎用地、水上飛行機の発着場、冷蔵倉庫の用地、燃料等の貯蔵施設の用地、こういった目的で、これも昨年の六月から三カ年の使用期間になっております。これは父島の基地分遣隊の施設でごごいまして、使用の全面積は四十九万平方メートルでございますが、このうち告示しましたのは十四万四千平方メートルになっております。ただし、このうち一部はことしの三月に告示を一部改正しまして、約一千九百平方メートルは東京都のほうで使うことになっております。  それから、小笠原村の南鳥島関係ですが、これの使用目的としましては、飛行場の施設、港湾施設、隊舎施設、こういった使用目的で、これも昨年の六月から三カ年ということになっております。施設としましては、南鳥島の航空派遣隊の施設でございまして、使用の全面積が四十八万平方メートル、それから、その他共同使用施設というのが二百十三平方メートルございます。これにつきましては、全島が国有財産と推定されておりますので、告示しておりません。  それから、次に駐留軍の関係でございますが、これは小笠原村の利用等につきましては、ロラン局の用地、それからその運用施設ということで、これは昨年の六月から五年間の使用期間になっております。これは硫黄島の通信所ということでございまして、面積が四百二十八万六千二百二十一平方メートルで、この全面積が告示になっております。  それから、南鳥島はロラン局の用地、やはり運用施設ということでございまして、これは面積が八十三万二千六百十八平方メートル、これは全島が国有地と推定されておりますので、告示をしておりません。  以上が告示の概要であります。

依田圭五日本社会党

○依田委員 これ暫定措置法の十二条か何かに根拠して告示を所有権不明の場合になさって、国有地の場合はやっておらない。  そこで、聞きたいのですが、要するに何百万平方米ですからね、四百万平米であるとかなんとか……。それは所有権が民有地と思われるところを告示しておるわけですね。たとえば父島の場合に三カ所告示しているわけでしょう。大村地区と、それから何というか飛行艇の上がっていくところですね。それから大神宮山という山の裏——百万坪くらい、私は推定であると思うのです。あなたがいま読み上げたところの坪数のどれに当たるかいま筆記できなかったのですが、ぼくらの調査では約百万坪ぐらいあるのじゃないか。これは何で父島の一等地ともいうべき——あれはとっつきの従来自衛隊がおったりアメリカが使っておったところ、いわゆる大村地区ですね。それから上がっていくところですね。(「行政局長行ったことがないんだろう」と呼ぶ者あり)行政局長は無理なんです。これは飛行機の上からトランシーバーで島民と話をしただけなんだから。しかし、防衛庁の施設課長は行ったことがあるのでしょう。あなたも現地を見たことがない。それじゃ大神宮山の裏というのは地図のどこか御存じですか。この大神宮山の裏の平たんなところ、これはぼくは行ってそこも歩いてきたのですが、そこが問題になっているのですよ。それをあなたのほうでごらんになったのでなければ、弱ったですな。

鹿野彦吉自由民主党

○鹿野委員長 ちょっと速記をとめて。   〔速記中止〕

鹿野彦吉自由民主党

○鹿野委員長 速記を始めて。

依田圭五日本社会党

○依田委員 私も質問時間がきめられておって、あと先輩がたくさんおいでになるので、しかたがないから、見ておらなくても質問を続けようと思ったのですが、それじゃこの問題はあと回しにしますが、私のほうで申し上げたいことは、防衛施設庁がいとも簡単に、硫黄島全島ですね、国有地以外の民有地だけでも五百数十万平米ですね。これは何で全島告示をする必要があるのですか。全部そういうように使うのですか。それが一点。大神宮山の裏なんかは何に使うのか。大村地区をそんなに全部指定したら、まるで島の銀座通りといいますか、平たんなところは全部それに含まれて、島の復興計画にも振興計画にも、平らなところは全部防衛庁施設に告示になっちゃっているということになるわけですから、東京都が何を計画しょうが、あるいは審議会がどのような復興計画を立てようが、将来何の方面か手をつけようと思う平らなところは、全部もうすでに使用決定済みであるというような現実になっておるわけですね。こういうようなことを昨年の六月二十六日から、島のいろいろな調査もようできない段階において、まあ手回しがいいといえばけっこうでありますが、これをいち早く告示をして全島ほとんど押える、要点は押えておく、こういうようなことを一体どのような権限に基づいて——法律上は防衛庁長官が告示できると書いてありますよ。暫定措置法十二条に従って権限の形式的発動ということになれば何をか言わんやということになりますが、しかもこの委員会でとりあえず五カ年間、将来十五年も二十年も——小笠原は二十年間もジャングルだったんだから、この機会にひとつやろうじゃないかということで、まあ大げさに言えば、朝野をあげて平和な島とかいろいろ構想を出しながら取り組んでおるわけですよ。そこへあなたのほうで、あなたが責任者だというんだね。現地も見ないのに、いとも簡単に、全部要点を、しかも相当な面積を押えてしまって、そんなばかなことがありますか。一体、東京都知事が将来これに対する立案をする。何を立案するのですか。山の上だけですか。これは運輸省に聞きたいのですが、飛行場はどこへつくるのですか。いまのところつくれませんよ。山の上にですか。ことしの予算はたった四百万くらいですよ。農業の関係だって数十億かかるのですよ。そういう実情の中で十二条の形式的な発動をして、あとは骨がらみたいなところをこの委員会にどうぞと言って法案を出してわれわれに審議をさせる。ナンセンスじゃありませんか。ましてあなたは現地を見ていないのに、答弁するなんて、一体何ですか。それに対するあなたの御意見を聞いて、これはいずれ専門家の私のほうの先輩に詰めてもらいますから。

鶴崎敏防衛施設庁施設部長

○鶴崎政府委員 ただいまの先生の御発言で非常に範囲が広過ぎるのではないか、こういうことでございますが、この問題につきましては、今後の小笠原の開発計画もいろいろ出てくると思います。その場合、当然それに伴う土地が必要になってくるということも予想されますので、私どもとしましては、こういう開発計画と調整をとりながらいきたい。したがって、私一存で具体的なことは申し上げかねるわけですが、地元からいろいろと要望等ございましたら、もちろんそういうものも考え合わせて、ともかく両方がうまく調和して成立するように調整をはかっていきたい、このように考えております。

依田圭五日本社会党

○依田委員 あなたの言うことは矛盾があるのですよ。調整をばかるためには、昨年の六月に手ぎわよく、ほとんど要点を、平らなところは全部防衛庁の告示でもって差し押えるようなことをしちやだめなんですよ。これは東京都の少なくとも二十万近い職員が働いて、全力をあげてこの立案に取り組むわけなんです。専門家がたくさんいる。また、大臣は大臣で二十人も委員をわずらわして、これからきめるのですよ。何カ年計画なんです。その段階の中において、防衛庁も参加して、二十人の審議会の委員の中に防衛庁関係だって入ると思うのです。そこで十分意見を出してやっていただければいいのです。大村地区だとか、大神宮山裏の広大な平たん地だとか、あるいは飛行艇の発着場の先にある平らな地域だとか、これは全部民家が建って、大事なところじゃありませんか。国有地は押える必要がないから民有地を片っ端から押えていく。はたして所有者の不明なところばかりかどうか。あなたほんとうの所有者は、十二条でもって合法的だなんて告示したって、だれも防衛庁の入り口へ行ってこんなものを見やしませんよ、自分の土地が押えられたかどうか。一片の形式行為ですよ。あなたのほうで告示したところは所有者だってわかっているはずだ。めんどうだから全部押さえちゃったのだ。国有地はどうにでもなるから、政府部内で押えることができるから、やらないだけだ。民有地は全部押えちゃった。そんな必要がどこにあるのですか。それで調和をはかる——調和じゃないじゃありませんか。復興計画なり審議会のほうへ、恩恵的に少しでも話に乗ってやろうという姿勢じゃありませんか。民主的に対等に相談をして、その計画立案の中に政府の一員として参加して、そして平和な日本をどうしてつくるかとか、あるいは日本の防衛力をどうするか、そういう討論、そういう手続じゃないじゃありませんか。去年の六月に都合のいいところだけ全部押えたというじゃありませんか。そんなことは納得できませんよ。私たちがこの法案を見ると、至るところ大臣の権限が強過ぎる。地方自治が無視されておる。一万人にも将来はなるであろう村の代表さえも、二十人もいる審議会の委員に入れない。そういう天井のところで、届かないところで、自分たちの一切がきめられていく。これは憲法九十二条の地方自治の本旨に照らしたってたいへんな違憲問題ではありませんか。そういう点について、われわれとしてはどうしても納得ができないという意味でもって——これは簡単に、二十三カ条で、審議会をつくり復興計画をつくる、これは単なるそういうだけの法律でありますけれども、内容に入っていけば、そういう考え方が背後にあるから、至るところで要点が骨抜きになっている。それを私たちは指摘しているわけですよ。あなたのいまの御答弁は矛盾ですよ。どうしてあなたその調整をしていくのですか。あなた方が押えておいてどうして調整していくのですか。

鶴崎敏防衛施設庁施設部長

○鶴崎政府委員 先ほども申し上げましたように、告示はすでに出ているわけでございますが、今後のいろいろな開発計画といったようなものとの関連におきましては、一たん告示したのだからこれをあくまでも守るという姿勢ではなくて、土地の問題につきましては十分相談をしながら調整をはかっていきたいという今後の姿勢のことをお話ししたわけであります。

依田圭五日本社会党

○依田委員 あなた部長さんだが、どうなんです。あなたは現地も見ないで、地図の上でもって、海抜幾らというところは大体鉛筆で書いたというようなことなんですか。そんなことではないかと思うのです。もっと突っ込んだ質問でもあなた答弁できますか。現在の小笠原に対してどれだけの防衛施設が要るか、補給施設が要るか、燃料倉庫が要るか、ほんとうに理詰めに、それだけの面積が要るのですか。何で五百万平米の膨大な土地が必要なんですか、説明してください。それだけあなたが答弁するなら……。

鶴崎敏防衛施設庁施設部長

○鶴崎政府委員 範囲の問題につきましては、今後十分検討する必要があろうかと思いますが、当時といたしましては、暫定的にああいう範囲をきめて、しかも一応三年ないし五年ということで告示をしたわけでございまして、今後十分範囲等については検討すべきものは検討してまいりたい、このように考えております。

依田圭五日本社会党

○依田委員 それは前の復帰に伴う暫定法で五年以内ということになっているのですね。あなたのほうは三年とか五年とか一応そういう期間をつけてやったのだが、三年たったら返すとか解除するということですか、そういう意味ですか。

鶴崎敏防衛施設庁施設部長

○鶴崎政府委員 法律的には、その期間を経過してしまえばこの効力はなくなるということでございます。

依田圭五日本社会党

○依田委員 何でそんなに重要なところを防衛庁独自でもってみんな差し押えちゃったのですか。告示しちゃったのですか。もう復興計画で相談しようと思っても、その土地は使いものにならぬじゃありませんか。優先権が防衛庁にあるわけだから、防衛庁の了解なくしてはできなくなるじゃありませんか。ほんとうにあなた方の計画でそれだけ必要なんですか。それとも目の子でもって最大限の要求にこたえられるように、要点だけは片づけておいたわけなんですか。——ちょっと資料を出してくださいよ。時間はけっこうですから、この次、すぐ質問しますから。

鹿野彦吉自由民主党

○鹿野委員長 関連して山口君の質疑を許します。

山口鶴男日本社会党

○山口(鶴)委員 関連して。暫定法の第十二条に基づく告示をおやりになったといいますが、それに対して防衛庁とすれば、具体的に必要な計画があってそういったものの告示をいたしたのだろうと思いますから、告示をいたしました地域を必要とする具体的な理由並びに地図の上で私どもが明確にわかりますように、小笠原の地図の中で、この地域が防衛庁が暫定法の十二条で告示した地域であるということを明確にいたしました資料、この二つを当委員会に提出いただくようにお願いをいたしておきます。

鹿野彦吉自由民主党

○鹿野委員長 けっこうです。  この際、暫時休憩いたします。    午後零時五十二分休憩      ————◇—————   〔休憩後は会議を開くに至らなかった〕

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