P政策ポータルPOLICY PORTALウォッチ
61回国会衆議院1969/06/05

地方行政委員会 第35号

発言数
177
登壇者
13
会派数
4
開催日
1969/06/05

会議録

鹿野彦吉自由民主党

○鹿野委員長 これより会議を開きます。  この際、理事の、補欠選任についておはかりいたします。  すなわち、委員の異動に伴い、理事が二名欠員になっておりますので、その補欠選任を行なうのでありますが、先例によりまして、委員長において指名するに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

鹿野彦吉自由民主党

○鹿野委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。  それでは、委員長は理事に       塩川正十郎君    保岡 武久君 を指名いたします。      ————◇—————

鹿野彦吉自由民主党

○鹿野委員長 地方公務員法の一部を改正する法律案に関し、発言を求められておりますので、順次これを許します。林百郎君。

林百郎日本共産党

○林委員 だいぶ中断しておりましたので、ここであらためて基本的な点を聞き直したいと思うわけです。  最初に大臣にお聞きしますが、このいわゆる定年制の法案ですね。これを自民党並びに政府が、このような熱意を持って、当委員会では、いわゆる強行採決まで行なわれた。そのようなことまでして、この法案を成立させようとしておる意図はどこにあるのですか。そうしなければ地方自治体の行政がどういうことになるというのでしょうか。まず大臣にそれを聞きたいのです。

野田武夫自由民主党自治大臣・北海道開発庁長官

○野田国務大臣 これは長い間の懸案であり、また、御承知のとおり、さきに提案された事態のその後の経過は、林さんよく御承知のとおりと思います。いわゆる人事の刷新と申しますか、なるべく人事をよどみなく、停滞しないようにして、そして地方行政の水準を高めていきたい、こういう意図でございます。したがって、いろいろの御意見があるのでございますが、ぜひこれは成立させたい、こういう考えでございます。

林百郎日本共産党

○林委員 定年制をしかなければ地方自治体で人事のよどみがあって、どういう支障が起きているというのですか。大臣は前からのいきさつがあると言うけれども、前からのいきさつがあって、しかもこれが幾度か提案を見合わせたり、あるいは国会で廃案になったりしたということは、それだけこの法案に対する存在理由が、憲法の諸条項に照らしてみたり、あるいは社会保障制度の諸制度に照らしてみたり、あるいは公務員制度の諸制度に照らしてみて不合理性があるということで延びてきたのであって、国会がこの審議をさぼっていたから延びたわけじゃないでしょう。それをいまこの国会で、強行採決までしなければ、もう地方自治体の人事がよどんでしまってどうにもならぬという理由があるなら、ここで明らかにしておいていただきたいと思うのです。  これは、問題は、十数万の地方自治体の労働者の生活にもかかわる問題でありますし、それから地方自治体の地域住民に奉仕するという本来の機能を、これによってそこなわれるという側面を私たちは感じておるわけなんです。そういうときに、どうしてそんなに……(「発言する者あり」)いや、それは自民党と政府は一体ですよ。それじゃ大臣は、一体強行採決をしないでいいんですか。余分なことをそこで言わぬでください。ゆっくり私はやりたいですよ。心ゆくまでやりたい。この国会は七十日もあるのですから、一カ月でもやりたいですよ。いいんですか大臣、それで。  いままでのいきさつがあったということは、いままでのいきさつの中で、やはりこの法案をしくことに不合理性があるので、各方面から抵抗があったからこそ、これは結局提案を見合わせたり、廃案になったりしたわけでしょう。それを今国会では、どうして政府の与党である自民党は、こんなに無理をしてまで通そうとなさっておるのか、大臣のお考えをお聞かせいただきたいし、また、無理をして通す必要がないというなら、ゆっくり民主的な国会の審議を保障するというなら、大臣言ってください。われわれはまだ十分審議をしたいと思うのですよ。

野田武夫自由民主党自治大臣・北海道開発庁長官

○野田国務大臣 委員会における審議の状況その他いろいろな事態のことにつきましては、これは政府は直接関係しません。それこそ委員長はじめ委員の方々は事情はよくおわかりだと思いますが、私は別に強行採決をしてもらいたいとか、一切言ったことはございません。

林百郎日本共産党

○林委員 そこは私の質問の重点じゃないのです。あなたの言う、これをしかなければ地方行政の人事が渋滞しているから、どうしても通したいというから、どういう渋滞の事態が起きて、どういう支障が起きているか具体的に説明していただきたい。大臣、あなたの言ったことですから、大臣から……。まあまあといったって、あなたがまあまあいいということはないでしょう。

野田武夫自由民主党自治大臣・北海道開発庁長官

○野田国務大臣 政府委員から答弁させます。

長野士郎自治省行政局長

○長野政府委員 地方団体の中には職員の年齢構成が非常に不正常な形になっておるところもかなりあるわけでございまして、そういうところにおきましては、新陳代謝の必要というものが非常に強く要望されておるわけであります。そういうことで、新陳代謝、士気の刷新、事務能率の向上というようなことにつきましては、これはぜひとも人事管理あるいは退職管理というものを非常に合理的な制度として執行いたしてまいる必要があるというところがあるわけであります。そういう点につきまして、まあ定年制を設け得る道を開くということは、私どもとしては、これは多年の懸案でもありますし、ぜひ必要だというふうに考えております。

林百郎日本共産党

○林委員 だから、新陳代謝を行なわなければいけないようなどういう事態が起きているか聞いているのですよ。そんな抽象的な、新陳代謝だとか、人事の交流だとか、あなた方そんなことを言いながら、都道府県へはどんどん課長級から上の差し向け人事をしているじゃないですか。そうして、かってに二、三年たてば本省へ戻ってくる。そうして、地方自治体に行っている間は、まるで特権階級みたいな顔をして、課長のくせに部長の言うことも聞かないような、そういう人事をしているじゃないですか。そういうことこそが人事の渋滞を来たすことじゃないですか。そういうことは平気で自治省がやっておいて、そうしてある一定の年齢以上の者がいるから、それを首を切らなければ人事の渋滞だということはどういうことですか。じゃ、今後あなた方は一切、中央からの差し向け人事というものはやりませんか。現場へいけばそれが非常な大きな人事の渋滞になっているのですよ。まあ、長野さんなんか地方へ出たかどうか知りませんけれども、いわゆるエリートコース、出世コースを歩んでいる者は、要するに、地方へ下がって、二、三年たつと戻ってくる。それで、何か言ったって、そんなことは自治省と相談しますと言って、課長のくせに部長の言うことを聞かないような問題が起きているわけです。そのことが、まじめに地方自治体で働いている公務員の諸君の士気を非常に阻喪しているのですよ。そういうことも含めて、具体的にどういう支障を来たしているのですか。たとえば、私のほうで数字をあげますと、これは幾度か引例されているのですけれども、五十六歳から五十九歳までの団体別の高齢者職員調査を見ますと、国家公務員のほうは四・二%あるのに、府県は二・八%、六大都市が二・四%、市が三・二%、町村が二・九%、それから六十歳以上は、国家公務員は三・一%を占めているのに、府県では〇・八%、六大都市が一・三%、市では一・七%、町村では二・三%という数字が出ているわけですね。だから、国家公務員に比べて地方自治体の職員が高齢層で上によどんでいるということは数字からは決して出てこないんですよ。それはどういうことなんです。いろいろな弁解も私は読んではいますよ。読んではいますけれども、不合理じゃないですか。むしろ、国家公務員よりは地方公務員のほうが高齢者のよどみは少ないはずですよ。どうでしょうか。どういう具体的な支障が起きていて、自治省としても、あるいは政府としても、これはこう解決するよりほか道がないという具体的な事例を説明していただきたいと思うのですよ。

長野士郎自治省行政局長

○長野政府委員 職員の年齢構成を考えるにあたりまして、全職員の平均という考え方も、これは一つ考え方があると思います。しかし、府県、市町村につきましては、それぞれの個々の団体が経営の主体であり、個々の団体がその自治の運営の責任主体であるわけでございますから、個々の団体との職員構成なり年齢構成ということが問題にされなければならぬわけであります。平均値からいきましたら、お話しのような点はあろうかと思いますけれども、個々の団体によりましては、非常に年齢構成の高いところがございます。また、現実問題といたしまして、そういう意味で、現にそういう新陳代謝をはかり、あるいは士気の刷新をはかりたいということで勧奨退職などを行なっておりますけれども、勧奨退職につきましても、まあ成功率と言っちゃ語弊がありますが、大体は五〇%、まあ六〇%程度になっているところもございますが、非常によくいっているところもありますけれども、これも、お話しのような平均値でいきますというと、六〇%程度しか実現を見ていない。そうすると四〇%くらいのものにつきましては、そういう意味の職員間の退職管理なり人事管理なんかにつきましても、不均衡な事態が起きているということは、これは容易に想像ができるところでございます。したがいまして、そういうようなところにおきますところの人事管理の公平さとか、あるいは職員間の不満というものも、すべての団体とは申しませんが、団体によってはかなりそういうようなことがありまして、士気の沈滞を来たしているところがあるわけでございます。中には、団体によりますというと、高齢者を何歳として組み立てるかという問題もありますが、一〇%以上もそういう高齢層で占められておるというところもあるようであります。したがいまして、今回の改正法は、これによりましてすべての団体が同時に定年制をしがなければならぬということを考えておるわけじゃございません。御承知のように、そういう特別な必要のあるところにつきましては、やはり制度的に合理的な退職管理が円滑に実現できるという方法の一つとして定年制というものを採用することもできる道を開こうということでございます。  個々の団体の、そういうところは特殊な場合が多いじゃないかということも、それはあるかもしれません。しかしながら、そういうところで必要な場合には、合理的な制度的な退職管理の道を開くために定年制というものがしき得るということを考えることは、今日、民間その他の状況からいいましても首肯し得ることではなかろうか、こう考えておるのであります。

林百郎日本共産党

○林委員 個々の例を言うことは私は正しくないと思うのですよ。国家公務員のほうの高齢者パーセントより地方公務員のほうが少ない。それじゃ地方公務員と国家公務員と本質的にどこが違うか。公務員であることは変わりはないし、一般行政職の仕事の内容からいってもそう変わりはないわけですよ。だから、三千幾つの市町村ですか、そういう中で、個々の異例があるからといって、地方公務員の生活権に重大な影響を及ぼすような法令をここでしくということは、私は定年制をしく理由にならぬと思うのです。  それじゃ、あなたの言うほんの個々の例、一〇%の例があると言うんなら、そこでどういう事態が起きて、そこの実態がどういう困難を来たして、地域住民からどういう声が起きているのですか、それを具体的に言ってみてください。しかも、一般的には、こういう労働条件あるいは労働基本権あるいは給与関係というのは、地方公務員というのは国家公務員に準ずるということが法制的にも規定されていることなんですからね。しかも、社会保障制度審議会のほうでは、これはわかりません、政府がこんなことを急いでやるということは。そうまで言われていることを、例外的な事例があるからここでどうしても突っぱって法制をつくらなければならないということは、理屈にならぬじゃないですか。私はそう思うのですよ。ですから、あなたがどうしても法制的に定年制の糸口をつけなければどうにもならないような事態がここに起きているんだと言うなら、それを説明してくださいよ。私は、そんなことはないと思うのですよ。末端の地方自治体へいけば、それぞれ事情があって、それを加味しながら、末端の地方自治体らしい解決をみんなしているわけですよ。そんな上のほうから一律に見て、ここにちょっと例外がある、このために一般的な定年制をしこうなんていうことは、それは自治省の一部の高級官僚がペーパープランで考えることであって、自治体としてはそれなりの解決をしているわけですよ。だから、あなたがどうしてもこんな無理までしてこの法律をつくらなければならないほどの異例な事態というものはどこに起きて、どういう障害が起きているかということの説明をしていただきたいと思うのです。

長野士郎自治省行政局長

○長野政府委員 全般の問題と個々の問題ということでございますが、私どもは、地方公共団体は、先ほどから申し上げておりますように、府県、市町村のそれぞれが一個の独立した経営主体として経営管理を行なっておるわけでございますから、そこではその団体ごとに状況が異なることもこれは当然のことであります。そこで、個々に地方団体においてそういう職員構成が非常に不正常な形になっておるとか、あるいは人事が停滞して士気が上がらないとかというような状況は、個々の団体の責任、人事管理上の問題でございます。そして、その人事管理の当否というものが地方公共団体ごとの行財政上の運営にも非常に大きな影響を与える、地方団体ごとの運営に至大な関係がある、こういうことでございますから、個々の団体の個々の状況というものを問題にするということが、私は考え方として筋であろうと思うのであります。そういう状況でございまして、そこで御指摘のように、それぞれの団体がそれぞれに解決しておるじゃないかというお話でございます。これは現在は定年制という制度がないわけでございますから、それにかわりますようなかっこうで退職管理なりそういう人事管理をいたしておることは、それはそのとおりでございます。  そこで、そういう一つとして勧奨退職の制度なりいろんな制度を考えまして、そうして人事管理の適正化をはかっておるというのが私は状況だと思います。しかしながら、それで困っておらぬじゃないかというお話でございますけれども、これは、先ほど大臣が申し上げましたように、つまり地方公務員法ができました以後、定年制を県、市町村において制度化することは、現在の地方公務員法のたてまえからいえば違法であるというような行政解釈ができました以後、多年にわたって県、市町村の間におきまして、定年制の道を開くということの法的な措置を非常に要望しておることも事実でございます。したがいまして、個々の団体の問題と全般共通の問題とはございますけれども、しかしながら、いま申し上げますように、全体としては地方公務員法の施行と同時にそういう変化が起きた。その変化に対して、多年にわたって人事管理の合理化のための定年制を採用し得る道を開いてほしいということは、これは数十回といいましょうか、相当程度にわたって要望もされ、そういう実態を訴えられ続けておる状況も一面あるわけでございます。私どもはそういう意味で、この法律によって一律一体、画一的な定年制をしこうというわけじゃございませんけれども、そういうしく必要のあるところについてしく道を開くということは、私は適当なことではないかというふうに考えておるわけであります。

林百郎日本共産党

○林委員 定年制に対する要望があったというけれども、かつて定年制があったものが一応廃止されて、そして、現在の地方公務員の法体系の中では定年制をしくことはできないということに変遷があったわけですね。かつて存在したものが、その存在をなくしたということは、なくしたなりの理由があるわけです。それで分限令で身分を措置するということになって、定年だからやめるということははずしたわけですよ。これはあなたも御承知のとおり。それをまた回復させなければならないということはどういうことなんだ。定年制というのは、いままでずっとなかったものを今度開こうというのではなくて、かつてあったけれども、あったときの経験からいって、これははずすべきだということではずしたものでしょう。それを、いまの段階でなぜこのように回復させなければならないのか、しかも、それは要望があるといったって、それは理事者側の要望です。理事者というのは、自治省が号令をかければ幾らでもそんなことは言います。しかし、自治体の少なくとも直接行政を担当しておる者は、二百何十万の職員がいるわけです。職員のほうから定年制をしいてくれという要望は一つだって自治省にいっているはずありませんよ。(「ある」と呼ぶ者あり)あるものですか。黙ってらっしゃい。それを理事者側の一方的な言い方だけで必要がある、どうしても法制化されなければならないという理由がどこにあるのですか。しかも問題は、一自治体の例外的な、一〇%の高年齢者がいるということだけで許される事態でないわけですよ。これは二百何十万の地方自治体の職員の生活権、労働基本権、そういうものにかかわる問題ですよ。しかも憲法に抵触するかしないかという重大な問題ですよ。それを、そういう自治体の一例外的な事態をもってこれを法制化するなんということは——何を笑っておるのですか。長野君、あなた不謹慎ですよ。あなた、自分はエリートコースを歩んでおるから、おれはやめたってどこにでもいけると思っておるかもしれないが、あなた、六十歳になって、年金もつかないでやめさせられたらどうなるかという身になってごらんなさい。笑えますか。あなた不謹慎ですよ。(「ああいう顔だ」と呼ぶ者あり)そういう顔の上になお笑うから、なおよろしくないのだ。あなた、もう少しこのことを考えてごらんなさい。そんな横を向いて笑うとはどういうことですか。新しくどうしてもここでこの法制をこのように強行しなければならないという合理的な理由は私は考えられない。  それでは一つ聞きますが、かりに五十五歳ということで地方公務員がやめなければならないとすれば、対象者の人員数はどのくらいあるのですか。

長野士郎自治省行政局長

○長野政府委員 四十二年の調査によりますと、五十五歳の場合では約十二万人ということになっております。

林百郎日本共産党

○林委員 それではその十二万人のうち年金のつく者は何人いるのですか。

鎌田要人自治省行政局公務員部長

○鎌田説明員 十二万人のうちで現在年金がついております者が何人いるかという資料はございません。

林百郎日本共産党

○林委員 わからない。

鎌田要人自治省行政局公務員部長

○鎌田説明員 はい。

林百郎日本共産党

○林委員 それでは退職金の平均はどのくらいになるのですか。退職金のつく者が幾らあって、それは平均どのくらいですか。

鎌田要人自治省行政局公務員部長

○鎌田説明員 地方公務員の退職金の平均でございますが、四十二年四月一日現在の給与実態調査の報告によりますと、一般職員、この中には企業単労職員が入っておりますが、いわゆる四条、五条対象者、勧奨退職の対象になる者でございますが、五十五歳のところで一人当たり平均退職金が三百三十四万九千円、五十六歳のところで二百八十六万九千円、それから五十七歳のところで三百四十七万八千円、これが実体値でございます。

林百郎日本共産党

○林委員 四十二年の調査で、それがいま言ったように五十五歳以上の者が十二万人で、その者がかりに退職するとして、退職金の平均がそんなになるのですか。

鎌田要人自治省行政局公務員部長

○鎌田説明員 五十五歳以上の者の十二万の実態は、これはちょっと調べるに由がないわけでございます。したがいまして、いまお答え申し上げましたのは、四十二年四月一日現在におきまして、四十一年四月一日から四十二年三月三十一日までの間に勧奨でやめていかれた人たちの平均値でございます。

林百郎日本共産党

○林委員 勧奨でやめた人でなくて、これがしかれてかりに五十五歳ということになれば、十二万人の人がやめなければならないことになるわけでしょう。その人の年金が幾らかも調査してない、退職金が幾らかも調査してないで、何でこんな法案をあなた方出すことができるのですか。それで再雇用、再雇用という、当てにもならないようなものをえさにして、そんなことで十二万人の人たちがかりに、かりにですよ、それはこれからの職員の皆さんの血の出るような戦いによってどうなるかわからないけれども、ここでかりに五十五歳ということで条例がしかれたら、やめなければならない人が十二万いる。その人たちは一体年金がついているかどうか、一体、その人たちがやめるとすれば退職金はどうなるんだろう……(発言する者あり)黙っていなさい。委員長、黙らしてください。さっきからブーブー何か言っていて……。

鹿野彦吉自由民主党

○鹿野委員長 静粛に願います。

林百郎日本共産党

○林委員 これは職員の生活にかかわる重大な問題ですよ。あなたたちは、早く通せばいいかもしらぬけれども、われわれはそういうわけにはいかないですよ。だから、そういう人たちが、もしこの法案によって条例がしかれてやめることになったら、老後の保障はどうなるのかといったことを国会で審議もしなくてこの法案を通すわけにいかぬですよ。だから、年金はどうなるのか、退職金はどうなるのかということを答弁してくださいよ。この答弁ができなければ、私は審議を進めませんよ。

鎌田要人自治省行政局公務員部長

○鎌田説明員 私の、先生の御発言に対する受け取り方が間違っているとすればお許しをいただきたいわけでありますが、この法律が通りますことによりまして、五十五歳以上十二万人の人が一律に定年で退職をする、こういうことにはまずならないわけでございます。先ほどから局長が答弁申し上げておりますように、それぞれの団体が定年制の必要を認めます場合に条例をもって定年制を実施する、こういう形のものでございますので、この五十五歳で一律に十二万人が定年で退職をする、その場合にこういうことになるという資料は、実は私ども用意しておらないわけでございます。

林百郎日本共産党

○林委員 ならないという保障がどこにあるのですか、あなた。なるという保障もなければ、ならないという保障もないでしょう。自治体が、もしそういうことになったらどうします、自治省がそういう行政指導をかりにしたとして。だから私は、かりにと言っているわけですよ。かりに、大事をとって、職員に対して最悪の事態が生じた場合には——五十五歳以上の者が、四十二年の調査によれば十二万人いる。最悪の場合に、もし条例によって、この人たちが退職を余儀なくされた場合には、一体何人の人に年金がついているだろうか、退職金は平均してどのくらいのものがついているのかということを聞くのは、国会議員としてあたりまえじゃないですか。法案を出している自治省が、そんな調査もしないで、あとは自治体まかせだ——そんな無責任なことがありますか。  それではお聞きしますが、その十二万人の家族構成はどうなんですか。家族構成と、その中で就学の子供を持っているかどうか、そういう調査はしていますか。

鎌田要人自治省行政局公務員部長

○鎌田説明員 そういう資料はございません。

林百郎日本共産党

○林委員 条例がしかれた場合に、退職の対象になる人たちの家族構成も調べてなければ、その家族の中に両親として責任を負わなければならない就学児童がいるかどうかも調べてなければ、年金がつくかどうかも調べてなければ、退職金がどうなるかも調べていなくて、この法案を通せなんて言うほうが無理じゃないでしょうか。大臣、そう思いませんか。あなたは七十幾つになるんでしょう。あなたは、自分がやめたいと思っていますか。自治体の職員はどうしてやめなければならないのか。大臣はどうしてその年で自信を持っておやりになっているんですか。(「選挙」と呼ぶ者あり)選挙たって、公務員二百何十万の人たちが老齢でいけないというなら、あなたは自分でやめるべきですよ。あなたは高齢だからと言うが、論理が合わないじゃないですか。  それじゃ聞きますよ。いまあなたはこの法案を出そうとしている。もし最悪の場合、職員として十二万人の人が対象にならないという制度的な保障はないのですから、われわれはやはり最悪の場合を考えて質問をしなければならない。その人たちの家族調査もなければ、年金の調査もなければ、退職金の調査もないということで、それじゃこの人たちの保障をどうするんですか、大臣にお聞きしたいのです。

野田武夫自由民主党自治大臣・北海道開発庁長官

○野田国務大臣 五十五歳ということを盛んに林さん言っておられますが、十二万人が五十五歳で退職という基本的な考え方がだいぶ違うものですから、私は、年齢は地方自治団体の現状に照らしておのおの違ってもけっこうです。まあ、しかし、いまの林さんの五十五歳では少し退職の年齢としては低過ぎる。いま少しやはり全体的に見て上げていかなくちゃいかぬ。また実際そうだと思うのです。私はしばしばお答えしておいたんですが、自治省がこの法律に従って何歳くらいということをいろいろ言っているようですが、これは必ずしも自治省がきめて指導すべきものじゃない。実態に応じてやるべきだ。それから特殊な仕事のごときは、相当高年齢でもやる道がある、またやるべきだと私は思いますから、これは三千幾つの自治団体ですから、やはりおのおのの実情に照らしてやる。必ずしも画一的に何歳でなければならぬというような指導は一切やるべきじゃない、こう考えております。

林百郎日本共産党

○林委員 では具体的に聞きます。これは公務員の生活権にかかわる重大な問題ですから、大臣に失礼に当たるかもしれませんが、われわれとしてもこれはいいかげんで通すわけにはいかないものですからお聞きしますが、あなたはお聞きしますと七十三歳、それで大臣として国家の最高の責任を負っていられるわけですね。それで国会で自信を持って答弁されていると思う。ところが二百何十万の公務員は、高齢者になって、そうして人事の渋滞が起きるからやめさせる道をここで開かなければならない、その七十三歳の自治大臣が熱意を持ってここで説明されておるということは、われわれにもわからぬですよ。どうして大臣ならよくて自治体の職員はいけないのか。だれだってやはり働きたい。そして、自分は働く能力のある間は仕事について一家の生計を立てたいというのは、人間の本性ですよ。だから、憲法でもその点が明記されておるわけですね。  そこで、あなたにお聞きしますが、それではあなたは、私は五十五は若過ぎると思うと言うけれども、七十三歳の自治大臣は、大体何歳くらいになったらやめるのが至当とお考えになっているのですか。具体的に聞かしてください。

野田武夫自由民主党自治大臣・北海道開発庁長官

○野田国務大臣 私は、幾つになっても、選挙をやって選挙民が選ぶのですから、それは自由ですから、そんなものと比較してこの問題を片づけようとは思っていない。それは、若くても年寄っても選挙民が選ぶことで、それを一緒にされる議論というものは私は成り立たないと思う。そういう議論をしておったら、すべての人事構成というものは、普通の役人なら、元気なら八十までやってもいい、九十までやってもいいということになってくる。そういう議論をされていては話にならない。これは選挙民が公正に選ぶのですから、若くても選ぶし、年がいっても選ぶ。何もこの問題とは直接関係はない。ただ年齢の問題について、私はしばしばお答えしていますが、いまの年齢構成と、それから自然現象ですが、だんだん寿命が延びていくし、いままでは五十歳から五十五歳と——それはなかなか簡単に年齢を何歳からという画一的なことはできないが、少なくともいまの私の考え方からすれば、この前も自治当局から五十七、八歳というふうにここで答弁したそうですが、それでも少し若過ぎる。それでもよろしいし、それの上でもよろしい。きわめて弾力的に考えたらいい、そう考えております。

林百郎日本共産党

○林委員 私は人間の本来の要望をあなたに言っているわけで、あなたももちろん、おれはこのからだでも選挙に出て堂々と当選しているのだ。七十三歳だって、おれはまだ人間としての活動力は十分あるのだと確信を持っている。しかし、ここでこの法案を通して条例をしいて画一的にやれば、地方公務員の中にだって、条例ではこうなっているけれども、おれはまだ働く意欲は十分ある、しかもまだ子どもは学校に行っている、そういう人があるのじゃないですか。それをどうして法律で画一的に条例をつくって、その自治体で一定の年齢になれば全部を退職させなければならないか。だから、大臣の言うことを尊重しても、この法案で画一的に何歳になったらば退職するんだということをつくること自体がおかしいのじゃないですか。それぞれの持ち味があり、それぞれの個性があり、それぞれの健康があり、それぞれの能力があるのです。だから、かつて定年制があったけれども、それはいまはやめております。分限の規定の中にはそれはないわけでしょう。あなた矛盾を感じないでしょうか。

野田武夫自由民主党自治大臣・北海道開発庁長官

○野田国務大臣 林さんも知っていられるとおり、いま地方自治団体は勧奨退職というのをやっております。これはスムーズにいっているところもあるし、いっていないところもあります。そこで、この法律というものは、御承知のとおり自治体でもって定年制の条例をしきたいところはしいてもいいという道を開くのであって、現在勧奨退職という形がやっている、そういうことで一切今日まで地方自治体の地方公務員は勧奨退職なんということじゃなくてもう野放図にしてあったかというと、全地方団体がそういう手をいま打っております。だから、この法律ができた場合には、地方団体は勧奨退職でいいところはそのままでしょう、いろいろ考えますから。これはその道を開くということであって、これをやったからすぐあしたから条例をつくれというのとは基本的に考えが違うのです。必要ならばそういう道を開いておくから条例をつくってもよろしい。いままでの勧奨退職のやり方を条例でやってもよろしいんだ、これはおのおの地方団体の実情に照らして、判断によって、そういうことを実施するかどうかは、これは自由でございますから、ことさらいままで何にもないのを、法律でもって全部画一的にやろうという考えとはわれわれは考えが違うのです。だから、お互い知っていることだからいいでしょう。

林百郎日本共産党

○林委員 そういうことはお互い前から知っているわけですからね。  もう一つ重要なことは、人事の渋滞とかなんとか言いますけれども、やめた人の生活の保障がどういうふうに確立されているかということなんですよ。これは再就職問題についてもあとでお聞きしますが、私のほうで大阪の衛星都市の職員の二千五百二十一名の人たちの給与を調べてみたわけです、参考までに。そうすると、二千五百二十一名のうちの約三〇・五%の五十歳以上の人が、年齢は五十歳以上でありながら給料は五万円以下、要するに七百七十名が五十歳になってもまだ給料が五万円以下という数字が出ているわけですね。その内訳を見ますと、四万円から四万九千円の人が三百十九名、三万円から三万九千円の人が三百九十八名、二万九千円以下の人が五十三名、こういうことになっているわけですよ。これでは三割以上の人が五十歳になってもまだ基本給が五万円以下だ。これではやめられないですよ。人事の渋滞とかなんとかということで片づく問題ではないんですね。もちろんわれわれは勧奨退職の比率も調べてみました。しかし勧奨退職でやめたくないという人たちは現業の人たちが多いですね。なぜ現業の人たちが多いか。問題はやはり給与体系が劣悪で、そして年をとってからそういう仕事についた人があるわけですね。制度自体が、戦後しかれた制度もあるわけですけれども、たとえば学校の給食事業は制度ができてから二十二年、学校の警備員制度が十八年、緑のおばさんですか、これは交通整理をする、これが十年です。だからこういう人たちはまだ年金もつかないし、給与も非常に低いわけですから、勧奨の年がきても、どうしても働きたいという希望があるわけですよね。そういう事情があって、生きる道が閉ざされるという切実な問題があって、勧奨があってもやめるわけにいかないし、ことに現業関係の人に多いわけですよね。こういう問題を基本的に解決しないで、ただ人事の渋滞、新陳代謝というようなことを言っても、職員の諸君は納得しないということですよ。そこをどういうようにお考えになりますか、大臣。

野田武夫自由民主党自治大臣・北海道開発庁長官

○野田国務大臣 私も林さんの言われること、ようわかるんで、これもしばしば答弁いたしております。あらためて申し上げるのでありますが、特別の仕事、いろんな事情、それから、いまの現業の方なんかはそれに適用すると思うのですけれども、そういう方を一律に五十幾つ、六十になったからというので退職という問題を考えなくても、私はそういう人はやはり弾力的に考える必要があるのじゃないか。これは私この前も答弁しました。  それから、年齢を林さん五十五歳と言われますが、これは地方自治体がどうするか自由です。そこで私は先ほども言うとおり、もう少し年齢的には弾力的に持っていく必要がある。ことに、いまごろいえば、やはり六十近くくらいまで働けるのですから、これは一般論ですけれども、一々をあげれば切りがない。やはり五十歳になっても働きのできない人もありましょうけれども、一般論の話をすれば、六十歳前後まで相当働ける、これはいまの常識なんです。それから特殊の人、いま現業の人が多いと思います、私の言う特殊というのは。こういう方は特殊に扱っていいじゃないか。これはこの前も答弁している。特殊な人は特殊に扱ってもいい。これはこの前もお答えしておいたのです。やるときには、人事ですから相当弾力を持って考えなければ、人事というものは実態ですから、五十歳でどうだということだけで私は割り切れない。それから、地方団体は三千幾つありますから、おのおのその実態が違ってくると思うのです。だから実態に応じて地方自治体は考慮すべきだ、こう考えております。

林百郎日本共産党

○林委員 大臣に誤解のないように申し上げておきますけれども、私ばかりに五十五歳としたとすればということを言っておるわけで、われわれはとてもそんなところで定年がしかれていいだなんて毛頭考えておりません。しかし、それじゃそこをそれ以上になるという制度的保障がないわけでしょう。ただ、大臣の答弁で、いま六十くらいまでは働ける能力が十分あるという答弁もあるし、また、特殊な事態に対しては特殊な弾力性を持っていいという答弁があるわけで、これは大臣の答弁だけで法の制度的な保障がないもんですから、私は最悪の事態をかりに設けてここで質問しているわけですから、そこは誤解のないようにしていただきたいと思います。  そこで、お尋ねしますが、それじゃ、条例はそういうふうに各自治体で特にこれは設けてもいいし設けなくてもいいわけですね。はっきり答弁してください。

野田武夫自由民主党自治大臣・北海道開発庁長官

○野田国務大臣 私はなぜ先ほど年齢のことを言うかといったら、私ども相当勧奨退職の年齢を聞いております。それはいま林さんが指摘せられるように五十歳とか——極端なのは五十歳。五十五歳はほとんどいまないのですね。やはり五十七、八歳とか、あるいは勧奨退職で六十歳のところもあります。そういうので、あなたの言われる最悪の場合、これは一般論としては決して間違ってないと思うけれども、実態はそうじゃないということをわれわれは把握しております。また、地方自治体と私どもが接した範囲内においては、そういう考え方を持っておるようです。  それから、道を開くことであって、もちろんこれは条例をつくらぬでもけっこうなんです。自治体の自由ですから、もう私どものほうは勧奨退職がうまくいっているからことさら条例の必要はありません、こういうところはどんどん出てくると思う。そういうところは何もこちらから指導してつくれなんてこれは要らぬおせっかいでして、そういうところは勧奨という道がある。私は、自治省として自治体に干渉すべきでない、自由にまかすべきある、こういう考えを持っております。

林百郎日本共産党

○林委員 もし大臣がそうおっしゃるなら、かつて私どものところの資料で四十一年に国会に提出を予想された法案の中では「定年制を定めることができる。」という文言があったと思いますけれども、これをどうしてそれじゃやろうと思えばできるという文言にしないのですか。

長野士郎自治省行政局長

○長野政府委員 四十一年の改正法におきましてはお話しのように「条例で職員の定年制を定めることができる。」というふうに書いております。そういう改正のしかたもございますが、今回の改正は、いろいろ検討いたしました場合に、職員の離職と申しますか、この前の改正ではどうも狭い意味の分限に一つの例外をつくるというような考え方が強く出ておるような感じがありますので、やはり定年退職というものは、広い意味の分限ではあっても、狭い意味の分限とは性質が違うという考え方もございますから、そこで結局この離職に関する規定を整備いたしまして、その離職に関する規定の中で、離職の事由とか効果とか手続は「法律に特別の定めがある場合を除くほか、条例で定めるものとする。」という規定を改正法案の二十九条の二として入れまして、離職の一つの態様といたしまして「定年に達したとき。」ということを離職の規定として加えました。つまり、そこにつきましては、事由なり手続や効果は、定める場合には条例で定めるのだということにいたしたわけでございます。  そこで、改正法の形から言いますと、御指摘のとおり、四十一年の案では「定年制を定めることができる。」とこう書いてありますが、今度の改正案では、結局その関係は「法律に特別の定めがある場合を除くほか、条例で定めるものとする。」こういう規定になっております。「条例で定めるものとする。」といいますのは、これは政府の法制局ともいろいろ打ち合わせをいたしましたが、これはそういうものを定める場合には条例で定めるのですよという意味を含めるという意味で、「条例で定めるものとする。」ということばをことばとして整理をして改正法案の中にきめていただいたわけでございます。こう書いたからといって、事柄の趣旨は従来の改正案と異なるというものとは私どもは考えておりません。同じように、定める必要がある場合に、定める法の形式は条例である、こういうことを規定いたしておるのでございます。定める必要のないと思うところではそういう条例を制定する必要はないと考えております。

林百郎日本共産党

○林委員 大臣にお聞きしますが、さっきあなたは、たとえば現業職というようなところには特殊な事情のあることも十分知っていると言いましたね。そうすると、条例を定める場合に、そういう現業職の部門についてはこういう年齢というような、そういうように条例の中にそれぞれの部門によって年齢差をつける、これは考えようによると一方にまた不利な面もあるわけです。だから、女子の場合には四十五歳だというようなことをきめられる危険がありますけれども、しかし、さっきのあなたの答弁では、そういう現業職には相当の高年齢層の人たちが働いている、そういう事情は私もよくわかっているので、そういう場合は、その実情に合うような高年齢層の人がそこで働いていることのできるような、そういう条例もつくることができるという答弁があったように私は聞いておるのですけれども、それはそのとおり聞いていいですか。

野田武夫自由民主党自治大臣・北海道開発庁長官

○野田国務大臣 私の意思もそのとおりです。

林百郎日本共産党

○林委員 それから、この定年制を持つか持たないかということで、自治省の行政指導あるいは交付税交付金だとかあるいはそのほかの場合に、何らかの差別をつける、要するに自治省のほうから強圧を加えて、なぜおまえのところはこの法律が通ったのに定年制をしかないのだというような、そういう圧力を加える危険性をわれわれは非常に感じておる。これは後にさらに具体的にお聞きしたいのですけれども、たとえば再雇用の場合の基準財政需要額をどう計算するか。おまえのところは少し好条件で再雇用しているではないか、こういう例もあるんだぞというようなことで、基準財政需要額の計算などをどうするかという問題、この再雇用者の問題については、あとでもう少し聞きたいと思いますが、そういうことでわれわれはこの法案をどうしても通したくない。しかし政府・与党の圧力で、最悪の場合これが通った場合のこともわれわれは念のために考えておかなければならぬ。そういう意味で聞いておりますが、これを持つか持たないかによってその自治体に対して差別的な扱いをしない、こういう保証ははっきりできますか。

野田武夫自由民主党自治大臣・北海道開発庁長官

○野田国務大臣 この条例をつくったとかつくらぬとかによって差別的な取り扱いということは一切すべきじゃないし、また方針としてもそのようなことはしないという方針であります。

林百郎日本共産党

○林委員 これは同僚委員も聞いておりますので、また法令上、制度上われわれも一応の理解を持っておるつもりですけれども、たとえば一つの問題は、議会との関係があるわけですね。理事者と職員の間に、それでは条例をひとつ持たないようにしよう、あるいはこういう多面的な秩序に沿った条例をつくろうといっても、議会との関係があるわけですね。それについては大臣どういうように考えておりますか。せっかくいま大臣が答弁されたような内容にして、あるいは条例を持たないということにしても、議会のほうがその理事者と職員との間の了解事項、確認事項に反するような条例を持とうとするような動きがあるというような場合については、大臣はどうお考えになりますか。そういうことは絶対ないとお考えになりますか。

野田武夫自由民主党自治大臣・北海道開発庁長官

○野田国務大臣 まあ、これは地方自治の実態がつかめなければわかりませんけれども、どうせ条例をつくられるときには、理事者のほうから提案をするでしょうから、その場合には当然理事者と組合の話はあるべきだ、また、あってほしいと思っております。したがって、それで議会を云々ということは、自治省は議会を指導する立場にはございませんからこれは困りますが、どうせ提案をされる場合は、理事者の提案として出てきた場合、これは組合と十分懇談をしていく、これは常識でありますし、またそのことをわれわれは非常に望んでおりますから、そういうことになると思っております。

林百郎日本共産党

○林委員 そうすると、職員と理事者の間で、たとえば条例を持たないというような確認があった場合には、理事者としてはそれに対して責任を持つという態度で議会に臨むことを期待する、こういうように聞いておいていいですね。  そこで、再雇用の身分関係についてお尋ねしたいのですけれども、再雇用というのはこれは給与関係についてはどうなるのですか、どうお考えになっておるのですか。

鎌田要人自治省行政局公務員部長

○鎌田説明員 再雇用職員につきましては、前々からお答え申し上げておりますように、再雇用に適する職種というものを私ども考えておるわけでございますが、そういう職種に雇用するという形になるものでございますから、いわゆる純粋に職務の質と量と申しますか、責任の度合い、こういうものによって給与をきめてまいる、いわゆる職務給を基本に置いて定めてまいる、こういうふうに考えておるわけでございます。

林百郎日本共産党

○林委員 たとえば、具体的にお聞きしましょう。やめるとき給与がかりに五万円だったとしますね。再雇用になった場合にはそれがどうなるのですか。五万円そのままもらっていていいのですか、あるいは下がるのですか。

鎌田要人自治省行政局公務員部長

○鎌田説明員 具体的な職種によって一律的には言いがたいと思いますけれども、現在の給与が御案内のとおりいわゆる年功序列的な要素を加味いたしておりまして、一年たつごとに一号上がる、こういう形をとっておりますから、それが職務給に変わるということになりますと、現在の給与、職務給プラス年功、こういう要素から年功的な面というものが落ちてまいる。したがいまして、全般的には退職時の給与から下がるということが一般的であろうと思います。

林百郎日本共産党

○林委員 そうすると、先ほど家族構成も聞いたのですけれども、かりに家族四人で学校に行っている子供をかかえて、いまや生涯の中で最も支出を必要とするというときに、定年制でやめさせられて再雇用したという場合には、給与は一般的には下がると見ていいんですね。そう見ていいんですか。

鎌田要人自治省行政局公務員部長

○鎌田説明員 一般的には下がると見ていいだろうと思います。

林百郎日本共産党

○林委員 その下がり方については、これは条例できめていいんですか。どうするかということです。

鎌田要人自治省行政局公務員部長

○鎌田説明員 附則で定めるということが一般的であろうと思います。

林百郎日本共産党

○林委員 ちょっとわからないのですが、条例の附則ですか。条例自体できめちゃいけないんですか。

鎌田要人自治省行政局公務員部長

○鎌田説明員 訂正をいたします。条例でございます。

林百郎日本共産党

○林委員 そうすると、条例のきめ方で、かりに、おれのところは依然として年功序列型をうちの実態としては堅持する、それでいままで円満にやってきたから、という自治体があったらどうします。

鎌田要人自治省行政局公務員部長

○鎌田説明員 条例で給与をおきめになられるわけでございますから、基本的には地方自治のたてまえを尊重するということに相なるわけでございます。ただ、この再雇用職員の制度といたしまして、ただいま申しました特定の職種というものを限定をいたしましてその職務に従事をする、こういう形でございますから、職務給の原則に徹せられることが望ましい、適当である、こういう意見は私ども持っておる次第でございます。

林百郎日本共産党

○林委員 自治省は、望ましいということで、原則的には自治体の条例にまかせると聞いておいていいですね。そのことが一つと、それから、それでは、もしあなたのいう年功序列型を職務給に切りかえてマイナスになった場合、あなた方の答弁では、それは年金で埋めるというような考え方もあるやに聞いておるわけです。また、そういう答弁もしているように、私読んでおるわけですけれども、そういう場合、もし年金がつかない人は、再雇用になった場合に、従前の給与がそれだけ切り下げられるとすれば、どういう生活の保障があるんですか。年金で埋まる人はいいですけれども……。

鎌田要人自治省行政局公務員部長

○鎌田説明員 これは率直に申しまして考え方の問題であろうと思うわけでございます。定年で退職をされる方はすべて再雇用になるわけではもちろんないわけでございまして、民間に再就職される方もあり、あるいは自家営業と申しますか、自営をされる方もあるわけであります。したがいまして、再雇用の場合に、定年退職前の給与と全く変わらない給与ということは、やはり定年制度というものと、それから再雇用職員制度、両方から見ていかがであろうかという感じを持つわけであります。  ただ、それから第二番目といたしまして、年金をもらいながらつとめられるということにいたしましたのは、これはいまの減収分を年金でぴったり埋める、こういうことではございませんで、やはり片方において、年金はもらいながらつとめられるという制度にいたしましたのは、再雇用後の給与というものが、定年退職時の給与よりも下がるということが一般的に考えられますので、現在の制度のままおいてまいりますというと、低い給与のところで年金が支給される、こういう不利益を受けることになりますので、そこの欠陥を是正しながら、あわせて年金をもらいながらつとめられる、こういうことにすることがよかろう、こういう判断であったわけでございます。  それから、年金のつかない人ということになりますと、これは、年金をもらいながらつとめるというその面のメリットはございません。結局、退職手当、それから再雇用期間の賃金ということに相なろうかと思います。なお、再雇用期間の定め方にもよりますけれども、この再雇用期間におきましては厚生年金の対象者になりますので、前後を通算いたしまして六十歳を越えて二十年に達しますと、通算老齢年金が厚生年金のほうから出る、こういうことは考えられます。

林百郎日本共産党

○林委員 そうすると、こういう条例はできますか。あと二年たてば年金がつく。そうすると、年金がつくまで二年定年を延期させることができる。たとえば何年以内、五年なら五年以内とか、三年なら三年以内、そうして年金をつけさせるようにする。そういう条例もつくろうと思えば理論的にはできるわけですね。つくっていかぬということはないでしょう。一定の期間を置いておいて、その期間内に年金がつくというならば、年金がつくまで、一定の期間内ならば定年退職を延ばしてやることができる、そういう条例はできますか。

鎌田要人自治省行政局公務員部長

○鎌田説明員 定年制というものに対する考え方ということに相なろうかと思うわけでございますが、結局、いま先生がおっしゃいますようなことになりました場合、何年のところで線を引けばそれは合理的か。ある意味においては無限に残る問題であろうと思うわけでございます。二年ということをいま例にお出しになられたわけでございますが、二年まではいいが三年まではいかぬのか、こういう問題がどうしてもついて回るものでございますから、ここはある意味におきましてやはりドライに割り切るということより方法はないのではないだろうか。定年制をしく以上は、そこでドライにある一線を画するよりほかに方法がないのではないだろうか、こういうふうに考えます。

林百郎日本共産党

○林委員 それはあなたの考えで、自治体が条例でそういうふうにしますといえば、やってはいかぬということはできないわけでしょう。それは自治省の考え方なんでしょう。

野田武夫自由民主党自治大臣・北海道開発庁長官

○野田国務大臣 私からお答えしておきます。  私がこの前もその点をお答えしたので、林さんにも御了解を求めたいと思います。私はできるだげ、たとえばいまお話しの二年、これも仮定ですけれども、その程度のことは私はむしろ望ましい。それは条例に入れてもらいたい。それが、私は、ただ、林さんその他の方の御質問は非常にわかります。また、われわれもむちゃくちゃに、定年制ができたからやめてしまえ、あとは野となれ山となれなんという、そういう愛情のない行政をやるべきじゃないと考えておる。しかし、これはいろいろないきさつもございますし、林さんもいろいろ御議論がありましたが、多年の経過といいますか——それをつくる以上は、できるだけ愛情を見せたつくり方を、法律で条例をつくる場合——だから私は先ほど非常に特殊なことということを言った。それから年齢も、私は相当実態に即して、何も五十五になったからどうだということを考えないし、いまの実態からすれば、相当高年の年齢層の方が働いておりますから、そういうのを見なくちゃいかぬ。いまの、あと二年すれば年金がつくのだ、そういうときは、特殊の考慮を払って条例に盛り込んでおくというのが望ましい、そのくらいの考えをしませんと、一律に、人がやめるのに何でもかんでも一律の、何といいますか、一ぺんに考えて、この年齢からはだめだというような考え方はすべきじゃない。私は、むしろ逆に、林さん、望ましいと思うのです、そのくらいのことの配慮があってもらいたい、こう考えております。

林百郎日本共産党

○林委員 大臣はそういう若干弾力性のある見解を述べているのだけれども、大臣より鎌田君のほうが任期が長いから非常に私は気になるわけなんで、鎌田さんはドライにやれと言うし、大臣はその辺のところはむしろウエットでいけ、弾力性を持て、こう言っているわけでしょう。大臣の考えとあなたの言うことと食い違っているようですけれども、大臣の言うことでいいでしょうね。

鎌田要人自治省行政局公務員部長

○鎌田説明員 大臣のお答え申し上げましたとおりでけっこうでございます。私の前言は撤回いたします。

林百郎日本共産党

○林委員 それから、再雇用者と労働基本権の問題ですけれども、これはまとめて聞きますが、再雇用者は一般職員組合に入れるのかどうか。入った場合どういうことになるのかということが一つ。第二には、再雇用者は団体交渉権、争議権があるのかどうか。第三は、再雇用者は行政不服審査法に基づく不服申し立てばできないというが、それでは不当な自分の解雇に対して訴訟上争う道はとられているのかどうか。これは憲法上との関係になりますが、その三つを、だれでもけっこうです。  それから、労働省の方が見えておりますから、労働省の見解も念のために聞いておきます。

長野士郎自治省行政局長

○長野政府委員 再雇用職員は特別職として規定しておりますので、一般職ではございません。したがいまして、いわゆる労働組合法、労働基準法、労働関係調整法等の労働法は全面的に適用に相なります。そういうことでございますので、再雇用職員につきましては、むしろ労働組合というかっこうのものが組織としては可能になるということであります。したがいまして、職員団体に加入するということも可能でありますけれども、職員団体に加入いたしますと、雇用の実態が少し異なるということに相なりますので、いわゆる登録職員団体との関係では、そういうものが入ることは、登録職員団体であり得ないといいますか、そういうかっこうになるというおそれがございます。  それから、特別職でございますが、身分その他につきましての措置は行政不服審査法なりいま御指摘のございました行政訴訟でございますか、そういうことは当然にできます。

林百郎日本共産党

○林委員 労働省の見解を……。

大坪健一郎労働省労政局労政課長

○大坪説明員 いまお話にございましたように、再雇用になりますと特別職の扱いになりますので、特別職の場合は労組法上の労働者ということになります。したがいまして、労働組合もつくれますし、当該労働組合が労働組合として機能することは当然でございますが、ただいま行政局長が申し述べましたように、職員組合に入る場合、職員が多数ならば、これは職員団体でございますけれども、登録上にはやはり問題がございまして、登録はできないということになろうかと思います。

林百郎日本共産党

○林委員 現実の問題としては一自治体に二人か三人ということになって、かりに理論的にはそうなっても、それが力になるとは考えられないし、また、考えようによっては、かえって一般職の職員組合の中にひびを入れるということもわれわれ考えられます。ただ、理論的に一応聞いてみたわけであります。  そこで、政治活動の問題についてはどうなるのですか。

長野士郎自治省行政局長

○長野政府委員 政治的行為の制限につきましては、地方公務員の一般職について規制をしておるわけでございまして、再雇用者は特別職でございますから、そういう制限はございません。

林百郎日本共産党

○林委員 われわれは、ほんの一部の人たちが団結をすることが、一般職の組合にプラスになるかマイナスになるかということについては、重大な問題をかかえていると思いますが、理論的に一応参考までに聞いておきます。  それから、先ほどの再雇用者についての老齢年金の問題があるわけですけれども、これは厚生省の説明員が見えていると思いますけれども、再雇用者と老齢年金との関係についてはどういうことになるわけですか。要するに、定年制でやめてまだ老齢年金の年限に達しておらない、あるいは職員組合のほうの職員としての年金もつかないというような場合に、掛け金を二十年納めて実際は月一万円前後ということになるのですけれども、これと、いまあなたがお聞きになっていたような地方公務員の定年退職者との関係についてはどういうようになるわけですか。  それが一つと、それからもう一つは、失業保険がつくんだ、こういう政府答弁をしておりますが、失業保険法と、いま言った地方公務員の定年退職者との関係はどうなるのか。この二点を厚生省に説明を求めたいと思います。

宮嶋剛厚生省社会局保護課長

○宮嶋説明員 私、厚生省から参りましたけれども、実は保護課長でございまして、生活保護関係での御質問かと思いましたが、年金の関係のほうは参っておりませんので、もしお許しがございましたら、いまの年金関係につきましては、後ほど先生のほうに担当のほうから御連絡させていただきたいと思います。

林百郎日本共産党

○林委員 文書で回答してください。

宮嶋剛厚生省社会局保護課長

○宮嶋説明員 はい。

林百郎日本共産党

○林委員 再雇用者のいわゆる就職と見られる部門ですけれども、これはどういう部門に再雇用者が適しておるというように自治省は考えておるのですか、念のために。

鎌田要人自治省行政局公務員部長

○鎌田説明員 再雇用に適します職種ということで私どもが考えておりますのは、比較的軽労働でありまして高齢者の就業にたえるもの、それから公務員として長年にわたって蓄積されておりますところの学識経験というものが活用できるような職種、こういうものを一つのメルクマールといたしまして考えてみておるわけであります。したがいまして、いわゆる単労的な職種と申しますか、料金徴収員でありますとか、あるいは用地取得の交渉に当たりますとか、あるいは登記事務の嘱託でございますとか、あるいは交通事故なりその他の相談員、守衛、小使、宿直員、庁舎等管理人あるいは清掃、雑役的な職種、それから研修所等の講師、それから浄書員、それから職員の人事面におきますカウンセラー、こういったようなものを考えておるわけであります。

林百郎日本共産党

○林委員 いま聞くところはほとんど現業部門ですけれども、現業部門に再雇用者を置く。しかも、いま自治省の方針としては、現業部門を民間の下請に漸次移行することを強力に指導している。そういう事態のもとに、いつ首を切られても行政不服申し立てもできないような身分上の非常に不安定な再雇用者をそこに向けていくということは、将来のそういう部門の下請化あるいは地方自治体からの切り捨て、民間委託というようなこと、あるいは自治体の本来の機能からそういうものをはずしていく。そういう部門へ再雇用者が就職させられていくということ、要するに、そういう部門をもし整理したい場合は簡単に整理ができて民間の下請へ移行できる、そういうことになりませんか。

鎌田要人自治省行政局公務員部長

○鎌田説明員 現業的なものと申しますのは、当該庁舎の保守、管理、こういったものに関連しまする現業的なものは、ただいま申し上げましたような再雇用職種の中に入っております。そのほかにも、事務の嘱託でございますとか、あるいは相談業務でございますとか、あるいは交渉業務、こういったものも入っておるわけでございまして、すべてそういう現業的なものであるというわけじゃございません。それから、たとえば先ほど例に申し上げましたような守衛とかあるいは小使さん、こういったようなものを何も民間委託をしろという指導をしておるわけではございませんで、私どものほうで指導いたしておりますのは、たとえばし尿とかじんかいの処理、こういったようなものをその自治体の必要に応じて民間委託の方法も考えられてよかろう、こういうことを言っておるわけでございまして、これと直接にそういう結びつきというものはないというふうに考えておる次第でございます。

林百郎日本共産党

○林委員 再雇用者の選択権が理事者側に握られる、そういう場合、再雇用するかしないかの基準はどこにあると考えておりますか。

長野士郎自治省行政局長

○長野政府委員 再雇用につきましてどういう人を再雇用するか、結局、問題は、再雇用職員は再雇用についての希望があり、そうして、同時に、その団体に再雇用職種、受け入れる職種がある場合には、私どもは希望者は原則として再雇用され得るという状態をつくりたいというふうに考えております。  ただ、再雇用の職種と職の数と、それから希望者の数というものが、希望者のほうが多いというような場合には、おのずから選考が必要になってくるということには当然なろうと思いますが、ただそれらにつきましては、その当該団体の定年退職者でございますから、多年その人の勤務なりそういうものを通じましての能力なり技量なりというものは、周囲のだれしもが十分わかっておるところでございますから、そういう職種に当てるにつきまして適当な人をそういう職種にはめていくということは、これは客観的な選考基準に基づいて行なわれるということに抽象的にはなるわけでございますけれども、具体的には、当然その人の業績なり能力なり評価なりというものができておるものでございますから、そういうことで選考をして適当な人から適当な職種にはめていく、こういうことが行なわれるというふうに思っております。

林百郎日本共産党

○林委員 もちろんわれわれは、再雇用とか定年制自体に反対しているわけですけれども、念のために質問しているわけですが、そういう再雇用の選別権を理事者が握っている。再雇用の希望者が多いという場合に、その選別権を理事者が握っておれば、理事者は恣意的に、たとえば労働組合運動の非常に活動家だった、あるいは進歩的な思想の持ち主だったというような者をはずす、そして結局職制に忠実であった者を再雇用する、そうならないという保障が制度的に何かあるのですか。そうなると、再雇用制を通じて勤務評定的な、あるいは給与からいっても職務給的なものになる。そうしてそのことが職員の労働組合運動に対する一つの重圧のてこになる、あるいは民主的ないろいろの活動の一つのてこになる危険が非常にわれわれは考えられるわけです。そういうことについてはどういう制度的な保障があるんですか。そうしないという何か保障があるんですか。

長野士郎自治省行政局長

○長野政府委員 再雇用職員を再雇用職員として任命をするということは、これは任命権者としての管理者が行なう、これは当然そうなるだろうと思います。そうして、その場合に、選考採用というか、そういうことが行なわれるということも私は当然だと思います。先ほどから申し上げておりますように、再雇用職員というのは、もう定年退職後の人でございますから、お示しのような御心配は全然ない——とは私は申しませんけれども、やはり客観的な評価というものがちゃんときまっておる。ある程度仕上げのできた人であります。それをどういう適種にはめていくか。特定の業務に採用するわけでございますので、そういう意味では特定の職種に適当な人からはめていくというようなことは、やはり任命権者としては当該団体に責任を持った採用をしていくということは、これは当然でございますので、そういう意味で選考任用というものの最も正しい運用がされなければならない。それは自治体でございますからいろいろな採用のしかたというものは起こり得るかもしれませんけれども、やはりその自治体において正しいと評価される採用基準によって採用されていく、これはもう当然のことだろうと思います。

林百郎日本共産党

○林委員 そのあなたの言う正しい基準というのは、どうやってそれが保障されるわけですか。要するに、職員組合と理事者の間に、給与関係あるいはものの考え方等に一定の差異がある。それは使う者と使われる者ですから、当然本質的にそういうものを持っていると思うのです。しかし、生活をしたいということは、どういう職員だって同じ熱意を持っているわけですから、できるだけ長く働いて生活の保障を得たい、そういう場合、従来の職員の組合活動あるいはその職員の思想状態等によって、これを再雇用からはずしていくということが考えられる。そうでない、正しい基準というものはどうやって設定されるのですか。

長野士郎自治省行政局長

○長野政府委員 これはやはり任命権者として当然に任命権の範囲内において選考するわけでございますが、ただ私が申し上げましたのは、そういう選考が全く恣意的に行なわれるというようなことではなくて、やはりそこは地方団体当局者、管理者としての良識というものが働いて、適当な人が適種、適職に再雇用者の適任者から採用されていくということに信頼を置くということで考えていいのじゃないかというふうに思っております。

林百郎日本共産党

○林委員 現実の事態は、明らかにこれがそういう労働組合運動に対する一つの勤務評定的なてこに使われる。使われないという保障は絶対にないと思います。  そこで、さらに問題を発展させまして、これはたとえば定数があるところへ、定数のところを再雇用者で埋めていって、そして定数を減らしていく、人員を合理化していく、そういうことをしないという保障がありますか。一定の定数があるところを再雇用者でそれを埋めていくという……。

長野士郎自治省行政局長

○長野政府委員 再雇用者は、いま申し上げますように再雇用者にふさわしい職種に一定の年限を定めて雇用するわけでございます。したがいまして、それは一般の職員の定数とは全く関係がございません。職員は定員という関係での管理が行なわれている面がございますが、再雇用者につきましては、その職種職種ということで考えておりますので、定員という考え方で考えてはいないわけでございます。一般職員の定員というものとは関係がないというふうに考えております。

林百郎日本共産党

○林委員 本来定数者によって埋めるべきところを再雇用者によって埋めて、実質的に定数の人員制限をしていく、こういうことに利用されないという保障がありますか。要するに、さっき言ったように、鎌田説明員も言っているように、これは理事者側の合理化の観点からいうと、従来の賃金よりも安い賃金で使うことができる。そして、本来なら定数人員で充てるべきものをこれで充てていって、そして合理化の一つの道具にこれを使っていく。そうしないという保障がありますか。要するに、本来職種といっても職種の中に定数がきまっているわけですから、そのきまっている定数を埋めなくて、それを欠いているところを今度は再雇用者でもって埋めていく。事実上定数を欠いた状態をずっと続けていって、そして定数を削減する足がかりをずっと固定的につくっていく、こういうことにならないという保障がありますか。

長野士郎自治省行政局長

○長野政府委員 問題は、この再雇用職員に適する職種というものと、それからそういう職であるものに一般の職員が従事しておったとかりに仮定いたしました場合に、それがどうなるかというような問題ではなかろうかと思います。結局のところは。元来いろいろな職種が、地方団体には団体によって異なりますがあるわけでございます。その中には、ものによりましては確かに、私どもも経験しましたところでも、もっと年功を経た経験者がやったほうがふさわしいというような職種もございます。そういう職種をそうでない人たちがやっておるような場合には、それの配置転換ということも起こり得るかもしれません。しかしながら、一般的に申し上げられますことは、再雇用職種というものは特定の職種でございまして、定員という、地方団体が行政を行ないますために常時雇用しておらなければならない一般の、たとえば行政職なら行政職の職員の定数というものに直接関係するわけではございません。ただ、両方が競合するという場合がないかというお尋ねであれば、そういう場合に、むしろある職種は高齢者によって占められたほうがよろしいという職を、若年者といいますか、そういう人が占めておるということがありました場合には、その人がその職を配置転換か何かであけていくということが全然起こらないとは私どもも申し上げかねます。そういうことも起こり得ると思います。

林百郎日本共産党

○林委員 あなたの言う職種と定員外の問題とは別なカテゴリーだと思うのですよ。私のいま質問しているのは、本来定員数の中に入れてその職種を埋められるべきところを、実際はその定員数がかりに欠けたとしてもそれを埋めなくて再雇用者で埋めていく。それが二年、三年たつ。しかもそれは普通の定員者よりは劣悪な賃金、労働条件——再雇用者ですから、そういうもので埋めていく。そして、自治体としてはそこで合理化を一方では進めていって、結局それが恒常化していくことによって定員を減らすことのできる条件をそこでつくっていく、再雇用者を恒常的に使うことによって。だから、再雇用者は再雇用者として、要するに再雇用者が定数であった場合があるわけですから、定数の中に入っていた者が定年になってやめて、本来そこを定数で埋めなければならないのを、また再雇用者で埋めていけば、本来定数がふやされなければならないところを再雇用者という非常に不安定な身分の者で埋めてしまっていく。そういうものが半ば恒常的になっていけば、実質的には定数がそこで減らされることになるわけでしょう。そういうことになりませんか。しかも、本来なら定数の安定した職員で埋めるべきものが、いつ首を切られるかわからない、賃金はずっとダウンされておるもので、実際定数で埋めなければならないところをそういうもので埋めていく。しかも、それが進んでいけば、定数を減らしていく基礎にもなりかねない。そういうことになりませんか。

長野士郎自治省行政局長

○長野政府委員 再雇用者は一般職員の定数の中の者として考えるわけではございません。これは特別職でございますから、そういう意味では全くの定数外でございます。したがいまして、一般職員の定員の管理ということと再雇用職員の定員の問題とは一応別個の問題でございます。ただ、先ほど申し上げましたように、職種によりましては、むしろ高齢者がここの職についたほうがなお能率もあがるし、そのほうがふさわしいという職種があった場合、それに一般の職員でその職を担当しておるものがあるといたしますと、その職員がその職から別の職に振り向けられるというようなことが全然ないとは申せないだろう。そして、それが再雇用職員の適職として用意されるということはあり得ると思います。しかし、それだからといって当然に定数の中に食い込むというものではございませんから、そこでそれが直ちに定数削減に作用するというふうには私どもは考えていないのでございます。

林百郎日本共産党

○林委員 たとえば料金の徴収員がいた、これは定年で退職させられるまでは定数であった。定数のワクの中に入っていた人だった。それが定年制でやめた。やめればそこは埋めなければならないけれども、しかし再雇用という制度があるから、定数で埋めなくて再雇用でそこを補っていくということになれば、実質的には定数を一人削減したことになって、そして削減したかわりそこには非常に身分の不安定な、いつ首切られても不服を申し立てもできない、賃金は非常にカットダウンされた者が入る、こういうことになるのじゃないですか。れうなりませんか。

長野士郎自治省行政局長

○長野政府委員 先ほど来申し上げておりますように、いまの御指摘の例のような場合に、もし高齢職員のほうがそこは適職だということであれば、その場合にはその職が高齢者の職になってしまうということで、再雇用者がそこの職を占めるということになれば、そこの定員としての一般の職員はその配置からはずされる、そういうことは起こります。したがってその結果として、定数を減少していいじゃないかという議論が出てくるとすれば、それは定数削減ということも、合理化という意味になるかもしれません。それは起こり得ると思います。

林百郎日本共産党

○林委員 だから、老齢者でも、その職に適したものがあって、定年でやめてもまたそこを埋めることができるというなら、定年制自体の存在が意味がないことになるのじゃないですか。もし本来定員であった者がやめたけれども、そこはその人のほうが、再雇用者として前の人をそのまま使ったほうがいいということで使うということになるならば、また定数を減らさないということになるならば、そういう人ばかりで全部埋めるということになれば、それではもう定年制自体が意味がないことになるのじゃないですか。また、そういう有用な人を再びそこで埋める、そのほうが定年をふやすよりはいいんだということになれば……(「全部がそうならない」と呼ぶ者あり)しかし全部がそう使われないという保障はないわけでしょう。だから、一つは、結局再雇用制度によって定員数を減らしていくことになる。もう一つは再雇用という制度によっていつそこを切り捨ててもいい。下請にする場合には、再雇用者で埋めておけばいつそこを切り捨てても文句は言えないという、要するに合理化を促進する制度としてこれが大きな役割りを果たす。そうなりませんか。そうでしょう。だって、定員数であった者がやめた、本来それは埋めなければならない、しかし再雇用者で優秀な人があるからそれで埋めていく。そして実質的には定数の人が一人減らされることになる。しかもそれがいつやめさせられるかわからない。そういう不安定な人でもって定数にかえているのですから、これは職員からいえば、非常に不安定な人たちで固定的な定数が一人その間減らされていることになるのじゃないですか。そうなりませんか。だから非常に合理化のてこになる。ことに再雇用者として適職だとあなた方があげたのは、だんだん自治省が行政的な指導で進めておる現業部門のところを非常にねらっている。これは自治省で発表した資料を見てもそう思いますね。だから、将来、一つは定数を減らすてこにする、一つは合理化を安直にやることのできる手段としてこれを使う、一つは勤務評定的な、再雇用になりたいならば言うことを聞いておけよ、老後でみじめな目にあわないつもりならいま言うことを聞いておいたほうがいいよ、再雇用という道もあるよ、こういうことに使われるのじゃないですか。そうでないという保障はないじゃないですか。

長野士郎自治省行政局長

○長野政府委員 職種によりましては、御指摘のような競合といいますか、そういうような場合が全然ないとは私も申し上げかねるわけでございます。だから、考え方によれば、そもそもそういう職については、いままでつけておった職員というものも、それはよくやったかもしれぬけれども、元来ならば、高年齢者のほうがより適職であったというような場合の職であれば、むしろ再雇用職員のほうがふさわしいということが起こり得る、そういう場合もなきにしもあらずということは、しばしば申し上げているとおりであります。そういう場合には、定数の関係においてある関連が生ずるということは御承知のとおりだと思います。しかしまた、地方団体といたしましては、必要な事業を行なっておるわけでございますから、どの部門におきましても、必要な行政であり、必要な事業であり、必要なサービスであるというものを行なっておるわけでございますから、その事業なりサービスがあります限り、そこに職員がおり、それがサービスを行ない、事業を実際に執行したり管理したりする、それは当然その必要があるわけであります。したがって、民間に切り捨てやすくなるというお話がありましたけれども、民間に委託するとかしないとかということは、これはまたそういういろいろな観点からの問題を考えて措置をするわけでございまして、その職員が期間を定めて特定の職種に雇用される雇用職員だから、やりやすい条件だからやるんだということには必ずしもならない。あくまで事業の性質なりサービスの性質なりによって、そういう委託なり直営なりという方式は考えていかれるべきものだろうと思うのでございます。  そういうことでございますから、そういう意味でこれを合理化に使う、合理化のために一石何鳥かに使ってしまうのだろうというようなお考え、これは私ども初めて伺うようなことでございますが、そうではございませんで、定年退職というものにつきましては、やはり職員の士気を高揚するといいますか、組織体としては常に新陳代謝があるテンポで行なわれていくことがどうしても必要であるというものを確保することによって事務能率の増進をはかっていく。これは定年制をしく必要があるところにおいてその道を開かせようという今回の趣旨でございますが、ただ、同時に、それだけではなくて、片一方で高年齢層の活用ということもこれからの雇用の問題全体から考えていくべきだという点もございますので、そういう高齢者に適当な職については、その職を新しく開拓しなければならぬ面もたくさんあると思いますけれども、そういうことで、高年齢者の活用をひとつ考えることによって、円滑なる人事管理または適正な能率維持、同時にまた、地方団体としてのよりよきサービスが行なえるようにしてまいりたい、こういうことにすぎませんので、そういうことを利用して平生の勤務評定をやって、こちらへ向けということをやるだろうということまで私どもは考えていないのでございます。

林百郎日本共産党

○林委員 長野局長も御承知のとおり、地方公務員法の二十二条の臨時雇用の条件があるわけですね。地方公務員法の二十二条。これは六カ月を越えてはならない。それから地方公務員法の三条の三項には、非常勤嘱託の要件もあるわけですね。だから、それぞれそういう地方公務員の職員としての身分のあいまいなものは存在しないような法令的な規定があるわけなんですよ。ところが、再雇用というような、いつ首になるかわからない、首になるかならぬかは理事者にまかされる、賃金もどうなるかそれもはっきりきまらない、こういうような第三のカテゴリーを地方公務員の職員の中へ設けるということは、これは地方公務員の体制自体をこわすことになるのじゃありませんか。そんなことまでして定年制を設けなければならないのか。これは、そういう身分についてはちゃんと法令で明確になっているのですからね。それが条例にまかされて、しかもそれが非常に不明瞭、あいまいな形で働いている。期間もあいまい、それから、もらう賃金もあいまいですね。それから、労働基本権も全くあいまい。そういう一つのカテゴリーを地方公務員制度の中へ持へ込んでくるということは、これは地方公務員制度自体をこわすことになりませんか。臨時雇用の条項を見ても、非常勤嘱託の要件を見ても、地方公務員の身分というものは地方公務員法できちっときまっておりますから、そんなあいまいな、理事者のかって次第で首を切ることもできる、理事者のかって次第で賃金をきめることもできる、首を切られても文句を言うこともできないような、非常に不安定な職種を地方公務員の中へ入れるということは、地方公務員の全体の賃金の問題、あるいは労働基本権の問題、あるいは身分の安定の問題を大きく破壊することになるのじゃありませんか。そうして、あなたは、それを合理化のてこにしないと言うけれども、これを再雇用としてねらっている職種を聞けば、みんないま現業部門で下請や民間に移す部門じゃありませんか。そういう部門で、たとえば北九州みたいな、職員組合の抵抗をなくしてやるためには再雇用者で埋めておけばいいのだ、いつでも理事者の思うように首を切ることができる、そういうことに明らかになるのじゃありませんか。

長野士郎自治省行政局長

○長野政府委員 再雇用職員につきましては、もうたびたび申し上げているとおりでございまして、これを使うことによって何かのてこにするというようなことを考えているというよりは、むしろ将来の趨勢からいいましても、高年齢層の活用ということが非常に必要だということに着目をいたしまして考えておるということでございます。  定年退職という制度は、現在の公務員のあり方からして、全部に画一的に必要だということではないかもしれませんけれども、地方団体によりましては、どうしてもそういう制度を施行して適用する必要があるというところもあるわけでございまして、そういう道を開きたい、こういうことで考えておるにすぎないのであります。  また、先ほどお話がございました臨時職員とか非常勤嘱託とかいうことがあるではないかということでございますが、非常勤嘱託とか、そういうものこそこの特別職の中である意味では一番わけのわからないものといえばわけのわからないものでありますが、そのほうがもっと身分的に安定もしていないものでございます。むしろ、再雇用職員につきましては、特定の職種に期間を定めて雇用するものでございますから、少なくともその定められた期間におきましては、ちゃんと身分も安定するわけであります。給与もはっきりしないじゃないかと言われますけれども、地方自治法におきまして、こういう職員の給与については条例でちゃんと定めるということになっておりますから、その職種に応じた条例をきめるということではっきりする、こういうことでございまして、その点は、私どもとしては、その制度を混乱させるという意味ではなくて、むしろ定年退職、再雇用者というようなものを制度化していくことが、全体の職員にとっても、また地方団体の運営にとっても、良好な影響をもたらすという意味での制度改正を行なうというふうに考えております。

林百郎日本共産党

○林委員 時間時間と言いますけれども、私は政府側の答弁に非常に不満でありますので、この問題についてはまた適当なときに質問させてもらうことを留保いたします。まだ一、二点ちょっと聞いておきたいのであります、再雇用問題について。  それじゃ、基準財政需要額を計算する場合に、再雇者の賃金の問題については、それぞれの自治体でアンバランスがあると思うのですけれども、このアンバランスは自治省としてはそれを尊重して基準財政需要額の計算をするか、あるいは一律にこういう基準で計算をするということになるのか、その点は大臣どうですか。基準財政需要額の計算の場合に、再雇用者についてはどういうような基準で計算なさるわけですか。一定の基準をきめて、これ以上は認めないということになれば、条例で弾力性を持つと言ったって、実際弾力性を持つことはできないじゃないですか。

長野士郎自治省行政局長

○長野政府委員 職員の給与の一つでございますから、そういう意味では、特別職につきましても、たとえば議会の議員についての報酬の標準額というようなことは、基準財政需要額の中で算定をしておるのと同じように、再雇用職員についても標準的な額というものを算定していくということに相なると思います。そうなったからといって、たとえば議員の報酬額が全国市町村で同じだということでは決してございませんので、それぞれの実態に応じて条例でつくっていく、それぞれの職種に応じてつくっていくということは、自治体の条例制定者としての、給与決定者としての議会が当然に定めていくということに相なるわけだと思います。

林百郎日本共産党

○林委員 それじゃ、あなたの言う再雇用者の基準財政需要額の一定の基準というものを説明してください。どう考えていますか。

長野士郎自治省行政局長

○長野政府委員 関係者の間でいま検討しておりますけれども、一定の基準で算定をしていくという一つのものを考えたいということでいま検討中でございます。

林百郎日本共産党

○林委員 だから、先ほど再雇用者については、老後の安定のために、賃金の問題についてもそれぞれの弾力性を持った条例によって各自治体の自主性にまかせると言うけれども、基準財政需要額の計算一つ見ても、再雇用者の計算の基準をきめる、そしてそれで一応の自治省の見解がなべて出されるということになれば、これはもう各自治体が弾力性のある、たとえばやめたときの賃金をそのまま保障するというところもある、あるいは七割というところもある、あるいは五割というところもある。しかし、ここで自治省が、そんな七割は多過ぎる、ましてや満額は多過ぎる、大体ここの基準は五割だというような基準をもしきめるとすればそれはぶちこわされるということになるじゃないですか。しかも、いままでの答弁、きょうは別として、いままでの答弁は、年金がつけば年金でいままでの賃金の不足分を埋めろ、さらには退職金がついたら退職金を割ってそれで不足分を埋めていく、理論的にはこうなる。退職金で埋めるということになる。本来、いままで働いたことに対する対価としての年金、働いた対価としての退職金を、これから働く労働力の正当な対価、本来払うべきものを不足さしておいて、そして働いたことに対する労働の対価をそれで埋めさせるなんて、これは本来の賃金体系からいったってそんなことは許されないことなんですよ。退職金だとか年金というようなのはいままで働いた労働に対する老後の保障ですよ。それをこれからもらう賃金が安いから、おまえはそれで埋めていけなんて、そんな過酷な労働条件はないと私は思うのです。その上いつやめるかわからない。(「そうじゃない」と呼ぶ者あり)そういうことになる。そういう答弁をしているのですよ。それで埋めるよりしようがない。そうでなければ、定年でやめたとき、それで前と同じ仕事を再雇用としてやらされる、家族構成も少しも変わっていない、職務給的に切り下げられる。しかし、生活の必要は、もうこれはあり余っているという公務員はいないのですよ。ことに現場の地方公務員の諸君は、そんな削られてもいい余裕のある人なんていないです。何かして埋めなければならないということになれば、退職金をなしくずしにくずしていくか、あるいは年金で埋めるしかしようがないでしょう。そういうことが賃金の体系からいって許されますか。過去の労働の対価としてもらったものを、過去の労働と同じ労働をしている者に対して、おまえは再雇用者だから賃金をカットするとか、足りなかったらいままでもらった退職金で埋めておけということは、これは賃金の体系からいったって許されないことじゃないでしょうか。大臣、どう思いますか。

長野士郎自治省行政局長

○長野政府委員 退職金あるいは年金が過去の労働の対価であるか報酬であるかというのは、いろいろ議論があると思いますが、それはともあれといたしまして、再雇用職員につきましては、自治体の職種に応じてつけるということが第一でございますから、その職種の職務と責任の度合いに応じた給料というものを考えていくということになるわけでありまして、それが結果において、本人の退職時の給料に達しない場合があることが多いのじゃないかというようなことになる場合に、その本人が生活する上で退職金を一部使うとか、年金を使うということがあるとかないとかいう議論、これは本人の自由でありますから、私どもがそれをどうこうと言うことはないと思います。そういうことでございまして、特にそれによって私どもが賃金の体系を乱すというようなことを考えておるわけではございません。  また、同時に再雇用職員の給与について、標準的なものを考えるとすれば、それで画一的に統制をするのじゃないかという御意見でございますが、現在の交付税制度におきましては、職員の給与、特別職、一般職含めまして、いろいろな給与というものの基準は定めておるわけでございます。一再雇用職員の給与だけには限らないのでございます。したがって、そのようなお話でございますと、現在の地方自治関係におきますところのものは、全部画一的であるという議論になるのじゃないかと思いますが、現実はそうじゃなく、それは一種の基準でございまして、地方団体がそれぞれの必要に応じて自主的に決定するということは何ら妨げられていない。同じような状況に再雇用の場合の給与なりなんなりというものもあるということにすぎない、私はこのように考えております。

林百郎日本共産党

○林委員 私は、一応この質問を——一応ですよ。私は非常に不満を持っておりますので、適当な機会になおこれを追及しなければならないと思います。  最後に大臣にお聞きしますが、勧奨によってやめさせられることに対して、やめるわけにいきませんという人たちは、一般職の中で四六%、現業職の中で六五%あるわけなんですよ。これは、皆さんは人事の新陳代謝をするとか、あるいは人事の若返りをはかるとかというような非常に抽象的なことで言っておりますけれども、なぜ現業職が六五・六%も勧奨でやめることができないかということですね。これは老後の保障がないからなんですよ。たとえば、一定の年齢でやめたときの、他の資本主義国の例と比べてみても、日本の老後の社会保障的なものというのは何分の一程度のものしかない。しかも外国の例を見れば、老後について働く意欲があって、働く能力のある者を法律でやめさせるなんという制度を持っているところはほとんどないわけですよ。これをいま皆さんは強行しようとしている。そして二百何十万の自治体で働いている、低賃金で営々として働いて、良心的な生涯をそこで尽くそうとしている人たち——国家公務員なとは晩年にいくほど上がってくる。ことに大学出はいろいろの意味でエリートコースを歩んでいる。かりにやめてもどこにでもまた再就職できる。しかし、地方公務員の皆さんはそういうわけにはいかぬのですよ。そして、ここで必死になって抵抗して、年をとっても、生活ができないから働かしてくれという人たちを、ここで強行的にやめさせる道を開こうとしている。これは憲法の条項からいっても憲法に違反していると思うのです。違憲であると思う。そしてこれは、幾度か問題になりましたけれども、公務員制度審議会の書き方も、これはどうですか、明らかに当時の安井長官が、意見を聞かしてもらいたい、一度この地方公務員の定年制に関する問題について審議会の御意見を伺ってみてはどうか、こういうことに相なったのであります。だから、審議会の御意見を伺うことになっているわけですよ。その回答も待たない。そして、いままた、かりに最悪の場合五十五歳——保障がないから、最悪の場合を設定して聞いてみましたけれども、この人たちがやめるときの家族構成も、あるいは平均退職金も、あるいは年齢該当者の数も何ら国会で答弁ができないという状態ですね。二百何十万の地方公務員に対して、こんな過酷な法律を、しかも強行採決までして国会を通過させようとしている。これでどうして二百何十万の地方公務員の職務の意欲を導き出すことができますか。私は、すみやかにこの法案を撤回して、そして低賃金で営々として良心的に働いている地方公務員の諸君の不安を、少なくともさらに一そう加えることはやめるべきだと思いますが、大臣、どうお考えになりますか。そして私は、一応——一応ですよ、この問題についての質問をきょうは終わります。最後に大臣の答弁をお聞きしたい。

野田武夫自由民主党自治大臣・北海道開発庁長官

○野田国務大臣 林さんの御質問の大意には、しばしばお答えいたしておりますので、大体御承知と思いますが、本法は憲法上違憲であるという解釈はいたしておりません。  それから、公務員制度審議会の意見は、さきに安井総務長官から意見を求めたそうでございますが、それに対して公務員制度審議会の何らの具体的な御返事はありません。それから、これを諮問すべきかどうかということにつきましては、さきに総理大臣からも、諮問をしない、その必要を認めないという答弁がありました。私も同じ考えでございます。  なお、先ほど来の林さんの御意見の中に再雇用の問題がございましたが、私どもが再雇用という制度を考えましたのは、勧奨退職によった場合と、今度の条例によった場合に特に再雇用の道を開くというのは、いまお話しのありました林さんとその点は私も同感でございますが、いわゆる退職後の方々の生活の不安、これは勧奨退職だとそのままでございますけれども、やはりできるだけ生活の不安を補いたい、こういう配慮をいたしまして、まず年金の額、つまり適用される方は年金を取りながら再雇用の道を開く。また、できるだけ就職のあっせんをする。自営をおやりになる方もございましょう。それらの点は、いま御意見がございましたが、勧奨退職とは違って、できるだけやはり退職後の生活というものを幾ぶんでも補うということが大事なことだというので再雇用という道を開いたのでございます。したがって、いまの御意見でございますが、御審議を願っておりますこの法案につきましては、いまのところこれを撤回する意思は持っておりません。

鹿野彦吉自由民主党

○鹿野委員長 河上民雄君。

河上民雄日本社会党

○河上委員 順次質問をいたしたいと思います。  いま審議いたしております法案につきましてはいろいろ経緯があったわけでありますけれども、先日当委員会におきまして、五月十九日月曜日でありますが、五人の方を参考人としてお呼びをいたしまして、この法案についていろいろ専門的な立場からの御意見を承ったわけであります。われわれこれを拝聴いたしまして非常に傾聴すべき見解であるというふうに承ったわけでありますが、同時に、この法案審議の上に実に多くの問題が未解決のまま残されている。また、新たな問題がここに指摘せられたということが判明いたしたのであります。したがって私は、まずこの問題についてお尋ねしたいと思うのであります。  いろいろ問題がございますけれども、中でもまず解決しておかなければならぬ緊急な問題が二つあると思うのです。  その一つは、参考人として意見を述べられました学習院大学法学部教授山内一夫さんが、地方公務員法の現行の運営と申しますか、この地方公務員法は憲法違反の疑いがある。今度の改正案はそうした違憲の状態を解消するものであるからその意味において賛成だというような意見を述べられておったのであります。長年施行してまいりました地方公務員法が違憲だということになりますると、これは非常に重大な問題でありまして、この問題についてそのままにしておいてこの審議を進めるわけにはいかないというように私は考えるのでございます。  もう一つは、この委員会におきまして政府側の答弁と過日の参考人の方々の御意見とが、例の公制審に対する諮問の問題につきまして著しく食い違っておったのであります。これまたきわめて重大な問題でありまして、この二つの問題をお尋ねし、事実を明らかにしてまいりたい、こういうように思います。  まず第一点でございますけれども、すなわち、山内教授の御見解についてでありますが、自治省といたしまして山内教授の見解についてどういうようにお考えになるか、まずお尋ねしたいと思います。

野田武夫自由民主党自治大臣・北海道開発庁長官

○野田国務大臣 地方自治法の違憲の問題というのは法律問題でございますから政府委員からお答えいたさせます。

長野士郎自治省行政局長

○長野政府委員 五月十九日の参考人の中の山内教授のお話の御趣旨は、定年制の採用ということは、それ自体、そういう地方公共団体が自主的に組織をし、自主的に人事管理をするという当然の権利を持っておるということから考えると、地方公共団体が自主的に考えていけることであって、もしそれを許さない、それを認めないというような法制があるとすれば、それは憲法違反の疑いがあるというような御発言の御趣旨だったろうと思います。こういう憲法解釈につきましては、自治省といたしましては、そういう解釈は実はとっていないのでございます。したがいまして、いまにわかに山内参考人の意見についていいとか悪いとかということは申し上げかねる次第でございます。  ただ、かねてから申し上げておりますとおり、現行の地方公務員法のもとでは、定年制を地方公共団体が自主的に実施し得るということは、法律の体系からいって認められないものだという解釈を昭和二十六年以来堅持をいたしまして、自治省といたしましては、現行の制度のもとにおいては、地方団体が自主的に定年制を実施するということはできないのだという考え方をとっておるつもりでございます。

河上民雄日本社会党

○河上委員 いま長野局長はそういう御見解でございますが、それは自治省の公式の見解だと思うわけですけれども、山内教授は、それが間違いである、初めは違憲の疑いというような表現でございましたけれども、最後には違憲の状態と、かなり断定的に言っておられるのでありますが、これは憲法に基づく法律の解釈の問題でありますから、どちらが間違っているというふうにはっきり言われなければ、あれもよし、これもよしでは困るのじゃないかと思うのです。もう一度御答弁願いたいと思います。

長野士郎自治省行政局長

○長野政府委員 憲法の解釈としては、私どもは、いまの法体系が違憲であるとは考えておりません。したがいまして、法学部の教授としての一つの学説といいますか、御見解を御発表になったものと思いまして、つつしんで拝聴いたしたわけであります。  それから、憲法解釈につきましては、政府部内におきましては、これは法制局が中心でございまして、私どもは法制局の憲法の解釈に従っておるということでございます。

河上民雄日本社会党

○河上委員 いま長野局長は、法制局の見解に従っているというようなお話でしたが、法制局の方来ておられますか。——法制局では山内教授のような見解についてどういうふうにとっておられるか、また法制局としては、この問題について公式見解はどのように考えておられるか、その点を明確にしていただきたいと思います。

荒井勇内閣法制局第三部長

○荒井政府委員 お答え申し上げます。  山内参考人が公述されたのは、現行の地方公務員法には、御指摘のように、定年制を規定してはいけないという規定がないわけでありますというようなことを言われておりまして、その地方公務員法の規定自体が憲法違反だという公述はなさってはおられないと思います。  それから、その運用なり解釈がこういうものであるとするならば違憲の疑いがあるという説を述べられておりますけれども、これはもちろん参考人としての山内教授個人の御見解だと承ったわけでございます。そういうような解釈を前提とした運用というものが支持できないのではないかというような点につきまして、現行の地方公務員法をどう考えるかということでございますが、現在の地方公務員法の規定は、職員の地位の保障というものを国の関心事として強く打ち出している、そのこと自体は立法政策としては理由のあることであって、そのこと自体が地方自治の本旨に反するというようなものとして直ちに憲法違反ということになるとは考えておらないわけでございます。地方自治の本旨というものもその合理的な理由があり、国がこれだけは最小限度必要なものとして法律をもって要請するということがあった場合に、もちろんそれとの調和をはかって解釈をされるべきものだというふうに考えるわけでございます。ただ、その立法政策のバランスが職員の身分保障というほうに傾き過ぎるような表現になっている、それは地方公務員法の二十七条の第二項の表現でございますけれども、表現がそのようになっておって、解釈上の疑問の余地を残している、その点について、今回これを立法的に明らかにしようというわけで、それは当局の立場からいいましても、疑問の余地を残さないように手当てをするほうがよりベターであるという意味で私どもも審査をし、国会に提案を申し上げたということでございます。

河上民雄日本社会党

○河上委員 いまのお話、初めのほうは職員の身分保障といいますか、労働者の権利というものに対して、国家は深甚な関心を持っておるのであって、その立場から法定することが直ちに地方自治の本旨に反するとは考えられないというような御趣旨でありましたが、まさにそのとおりだと思うのでありますけれども、終わりのほうで、本法に関してはそういう二つの要請についてどうやらというお話でございまして、その結論がきわめてあいまいでありますので、それはひとつ長官の御出席をいただいたところでもう一度法制局の公式の見解といいますか、この点について、法を守る、また国民の権利を守る立場に立っての御見解の開陳をいただきたいと思うのでございます。  それで、また長野局長にもう一度お尋ねいたしますけれども、局長の考えでは、この第二十七条の二項の解釈については、今回の法案を提出するにあたっても何ら変更するつもりはない、こういう意味の御発言と承ってよろしゅうございますね。

長野士郎自治省行政局長

○長野政府委員 地方公務員法と定年制の関係につきましては、自治省といたしましては、先ほど来と申しますか、この審議が始まりましてから繰り返し申し上げておりますように、定年制をしくということについては、これは広い意味で分限の規定にかかわる問題だ、したがって、この地方公務員法の現在の分限関係の条項から考えれば、当然現行法のままで定年制を地方団体が自主的にしくということはできないという考え方を自治省としてはとっております。ただ、一般的な議論としては、先ほどの山内教授の学説もございますように現行法のままでもしくことができるのだという学説の見解もございます。そういう意味で、法制局とされましては、法律的な疑義を明らかにするという点を特につけ加えになっておりますし、私どももそういうことがはっきりしてくるということが非常に大切でございますから、そういう意味で、法律上の疑義を残さないという気持ちを持っておりますが、考え方といたしましては、現行法のもとでは定年制を地方団体が自主的にしくことはできないという考え方をとっております。

鹿野彦吉自由民主党

○鹿野委員長 この際暫時休憩いたします。    午後一時一分休憩      ————◇—————    午後二時四十六分開議

鹿野彦吉自由民主党

○鹿野委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。小川新一郎君。

小川新一郎公明党

○小川(新)委員 私は、今回、地方定年制の問題につきまして、わが公明党の小濱議員がいろいろと質問いたしましたあとで、二、三私は私なりに大臣にお聞きしたい点がございますので、わがままなお願いを、各理事並びに各党の方々にお願いをして発言を許していただいたわけでございます。  第一番目に大臣にお尋ねしたいことは、建設の立場から私はお聞きしたいのでありますが、それは最近都市問題が非常に大きな問題になっております。この都市問題解決のために、建設省で今回都市計画法をこの六月十四日から施行するわけでございます。そしてその都市計画法にのっとって、市街地再開発法、または土地収用法、または今回建設省があらためて法改正を提案してきておりますところの建築基準法、こういった一連の法律というものが、非常に複雑な法律でございますが、これらがこの複雑怪奇な現在の行き詰まった都市問題解決のためにどうしても必要であるという建設省の考えの中から提案されてきたのでありますが、私は、この爆発寸前にあるところの首都圏を中心に置きまして、都市行政の中で、地方自治体がこの都市計画法を施行するにあたって、ほんとうに技術的またあらゆる地方住民のコンセンサスの問題を取り入れながら、はたして一体やっていけるかどうかという問題がいま非常に大きな問題になっております。そういう地方自治体に非常に大きな過重をかぶせる、こういった都市問題解決の法案が次から次へと出され、また改正されていくことにつきまして、ベテランである地方公務員が、定年制の問題にひっからめて定年の首切りになっていくような場合には、この都市問題の立場から見た上からいっても非常にマイナスではないか、こういうふうに考えるのであります。  そこで、この複雑な都市問題解決のためにも、貧困な地方自治体のスタッフ、これらの強化を逆にはかっていかなければならない。そういうときに、五十五歳とか五十七歳とか、その年齢というものはまだきまらないが、地方自治体の条例によって、議会が承認するならばその定年制というものは施行されなければならぬ。そうなったときに、非常に地方自治体のマイナスになるのではないか、私はこういうふうに考えるわけでございますので、こういった地方自治体の都市問題に対処するためにも、この定年制という問題をもう一ぺんクローズアップさせ、なおかつ考えていかなければならないという視点に立って、私は自治大臣の御見解をまずお承りしたい、このように思っております。

野田武夫自由民主党自治大臣・北海道開発庁長官

○野田国務大臣 いま、小川さんのお話にもありましたとおり、都市問題が一日一日複雑で困難になっておることは事実でございます。したがって、建設省の都市計画法、その他建設省とされましても、地域住民の福祉を目的としていろいろな新しい計画を立てております。これらの計画にいたしましても、やはり重大な関係があるのは自治省でございますから、もとより自治省の意向を尊重してやる、これはたてまえは間違いないのでございます。  そこで、いま特に御指摘のありましたそういう場合に、技術的な問題あるいは特殊の知能の問題とか、こういうものがさらに必要じゃないか、私も同感であります。  そこで、これも何べんかお答え申し上げましたのでございますが、やはり今度のこの法案は、これはもう小川さん百も御存じのとおり、地方自治体が定年制を設ける条例をつくってもよろしいということでございまして、その内容につきましては、私どもの気持ちを申し上げますと、特に必要な職種、いまいろいろな職種もございましょうし、その一つとしては特殊な技術とか知能とか、いろいろなものがあると思います。そういう分野における職員は、定年制を設けたからといって一律に何歳でやめなければならぬという必要はないと私は思っております。また、非常に必要な方は、五十何歳とか六十歳といってそこで一律に規制する必要はない。そこに地方公共団体の実情に照らして、非常に弾力的に勘案してあるのではないか、こういう気持ちでおります。そして、しかも、いま申しましたとおり、これは地方公共団体がみずからの判断によって条例をつくるのでございまして、つくらぬで済むところはつくらぬで済みましょうし、決して一律一体に規制するものではない、こういう考え方を持っております。

小川新一郎公明党

○小川(新)委員 その都市計画の問題でございますが、この都市計画法の問題も、建設省と自治省とがその施行の段階においていろいろと意見がある。たとえば道路一本つくるにしても、公益的な立場から、建設省は知事の力を相当重要視しておって、こういう道路を知事の意向でお考えなさい。ところが、自治省のお考えは、そうではないんだ、あくまでも地方公共団体、自治団体に主体性を持たせるのだ、そのためには市町村長が、または市町村が策定したところの都市計画というものをつくっていかなければならぬ。なぜこういう問題で建設省と自治省との間に見解の相違が出てくるかと申しますと、私は私なりに考えてみますと、これは、要するに地方自治体が、いま申しましたように、人員及びスタッフまたは経済力、そういう面が現在の都市計画法に策定された網にかぶさったゾーニングの点について、ほんとうに建設省や自治省が思っておるような理想図を描いたような国土総合開発計画の上から論じていくといったような都市計画というものはできないのじゃないか。ところが、自治省の、また市町村のほうから言わせれば、そういう机上のプランだけではだめなんだ、これはあくまでもわれわれ現場にいる者の考え方を取り入れなければならぬというようなことで意見が分かれておると思いますが、その根底にはいま申したような人員の問題が非常に大きな問題になってくる。  そこで、いま大臣のおことばですが、たとえ五十七歳なら五十七歳で定年制がきまっても、その仕事の分野においてどうしても必要な人物であるならば、何もそれはやめなくてもいいのじゃないか、こういう見解でございますが、そういうことは一応条例がきまった上において、片方の必要のないほうは五十七歳で首が切られる。こっちは必要があるから五十七歳でもいてもいい、こういうことで、公務員の公平な立場という点からいってもはなはだ不公平のように思う。ただし、大きな都市問題とか、そういった地方公共団体の住民のサービスという点から考えたときには、そういう人たちも置いておかなければならぬ、こういう理論にも発展してまいりますけれども、そういう点、私ははなはだ理解に苦しむのでございますが、いかがでございますか。

野田武夫自由民主党自治大臣・北海道開発庁長官

○野田国務大臣 私は、お話、よくわかりますが、私の申しましたのは、前から申しておりますが、職員の人事の構成ということは大事なことでございます。しかし、いま申しましたとおり、その地域住民のために、どうすれば人事管理上一番地域住民のためになるか、それから、一つの計画の遂行の上において、やはり特に必要な人物というのは、国でも地方でもどこでもあると思っております。そういう意味におきまして、私はもちろん人事の構成は人事管理上当然これを認めますけれども、たとえば、これは例でございますが、いろいろな地方団体の実情に照らして、どうしても人事構成上一応これは定年制を適用するという場合に、またいまの再雇用の方法もあります。いろいろな面においてそういう方は働いていただきたいという道はおのずから——いま仮定の議論をやっておりますから、実情に合うか合わないかわかりませんが、実情によって——三千幾つ地方団体がございますから、どの町はどうだ、その中には過密もあり過疎もあるという状態でございますから、一般論のほか申し上げられないのですが、必要によってそういう方を活用する方法は幾らもあるのではないか、私は非常に弾力的に考えておるわけですが、それが合わないということになれば、合う方法としては、その人が働ける方法というものは、それがよい悪いは別ですけれども、たとえば再雇用の方法でもってまたやっていただくとかなんとかの方法は、いわゆる職員の人事の構成から考えてのやり方はあるのではないか、こう考えております。

小川新一郎公明党

○小川(新)委員 私が言わんとすることは、結局現在の地方自治体というものは非常に多角的であり、なおかつ複雑であり、非常に高度になってきたということを言いたいのです。だから、いま言ったような一つの都市計画法というものをマスターし、完全に掌握し、それを自分のものとし、なおかつ地域住民の住民エリアの立場に立って、はたして完ぺきにできるような地方自治体というものは幾つあるか。そういう中において先輩——いろいろと訓練され、あらゆる角度から五十七、八歳というものは非常に働ける位置に立っておるのではないか。社会的にいっても、いままで議論し尽くされてきたように、まず寿命が延びてきた、社会的にそういった老人を大事にしていかなければならないムードを盛り上げなければならない一つの社会環境を打ち立てなければならぬという時代です。そういう中にあって、地方自治体がいま言うような、好むと好まざるとによらず、非常に高度な都市問題というものに処していかなければならない立場に立って、いまのような公務員定年制という問題は時代に合わない、まだ早いのではないか。将来どうなるかわかりませんが、その時点に立って、後輩の訓練が終わり、自分たちが堂々と出ていってももうだいじょうぶなんだ、ゆうゆうと自適できるというような社会環境も整い、なおかつ、そういった高度な行政もマスターできる後輩が育成された時点においてこういう問題を論じてくるならば、そこにおいては相当世論の反論も違うのではないか。私はいま違った角度からこれを見て大臣の御見解を聞いておるわけなんです。専門的な自治体のどうのこうのということは私はわかりませんが、われわれ建設の立場に立っておるものから見ますと非常に不安感があるわけです。若い人たちにこういった大事な都市問題はまかせられぬのだ。いま言ったように建設省と自治省のサイドで争っている。一つの道路をつくるにしても、市町村の立場から道路をつくりなさいという指導。建設省では、そうではないのだ、道路を一本つくるにしても、公益的な立場から論じなければならないのだ。こういうところになぜ建設省がくちばしを出してくるかというと、市町村の実力というものを非常に甘く見ておるというか、それほど高く買っていないわけです。なめられておるわけです。そこが自治大臣、あなた方のほうからいえば、建設省になぜいまの市町村がこのようになめられておるか、そんなに信頼が置けないのか、こういうことになるならば、いまのような人材、スタッフというものをもっともっと温存育成し、充実した厚みを持ったところの地方自治体の行政というものを確立していかなければならぬというのが私の考え方なんですが、その点もう一ぺんお尋ねいたします。

野田武夫自由民主党自治大臣・北海道開発庁長官

○野田国務大臣 いま御指摘になりました、たとえば都市計画法とかなんとか、これは小川さんも御存じのとおり、今度経済企画庁が出しました新しい全国総合開発計画、こういうものから勘案しますと、これはやはり地方自治体も、国の一つの施策と相まって総合的に国土開発全体の一環として考える必要がある場合がある。そこで、現時点においては、地方自治体からすれば、現在の目の前の問題はこうだという計画が一つある。しかし国家から考えれば、総合的に考える場合にはこうだといういろいろ意見が出てくると思います。これはもうその時により、場所によりますが、そういうものは、やはりいわゆる国の総合計画を全然離れて、地方だけの都市計画あるいは地方行政というものも——これは国ももちろん地方の実情を無視して総合計画をつくるのは間違っているし、また地方も、やはり国の総合的な計画、方針というものは相当体得して、将来の十カ年計画はどうなるか、二十カ年計画はどうなるかというところに展望を置いて、長期的な展望のもとに立って一つの計画を立てる。これは実をいうと非常にむずかしいと思うのです。しかし私どもは、やはり目の前のことをしますと、待て、いまこうやればこうなるのだということを主張します。これは将来こうするのだ、いま総合計画でいくとこうなるから将来はよくなる、ここに議論の分かれ目があるのであります。建設省が必ずしも自治体を無視して、かってなことは、これはわれわれ微力でございますが、自治省も許しておりません。いろいろな面において、われわれは総合計画において発言をいたし、修正をいたしております。  そこで、いまお話しの、人事の問題でございますが、先ほどもお答えいたしましたとおり、やはりそういう大きな一つの計画を持ち、また、そういう人事の構成がなければ推進しない、できない、こういうところには、私は自治体がみずから良心的にやるように自治省は考えるべきだと思います。ですから、そういう意味において、自治省がかってに、それは一般的だからだめだ、こういう指導はすべきではない。たとえば年齢においてもそうでございますが、職種においてもそうだと思います。だから、できるだけそういう方々を活用する方針に私どもも進んでひとつそういう姿勢をつくりたい。私が常に申し上げておるのは、非常に弾力的な考えを持っていかぬといけない、こういう考えを持っております。

小川新一郎公明党

○小川(新)委員 大臣、私はその都市計画は専門でよくわかるのです。こういうことなんですね。都市計画法の中で、要するに市町村に与えられた場というものは、広域二県、一県から他の一県または他の市町村にまたがった場合には、知事がこれをよく監督し、見るわけですよ。さらに、他の県と他の県にまたがった場合には国になるわけですよ。私はそこのところがこんがらがっては困ると思うのです。総合開発計画だからという意味ではないのです。都市計画法という網をかぶせた中における市町村の役割とというものは、自分の小さな地域の町とか村とかそこのことでいいのですから。その問題ですらも、いま言ったように建設省は侵犯してきているわけなんですね。小さな市町村の自分たちのサイドにおけるところの道路一本ですらも、要するに建設省側とすると、市町村には信頼を置いてない、そういうふうに私は理解しておる。だから、いま言ったように、人事の充実というものは、どこに建設省はそういうものを見ているかというと、まず機能の点、人員の点、それからお金の点ですね。こういう面が、非常に建設省が思っているように、信用が置けない、信頼されていない。そこで私は、その有能な五十七歳または五十五歳の方々を、たとえばいま大臣の言うように弾力的なことを議会が認めてくれればいいのです。そんなことが議会でわかればいいのですよ。市町村長が認めてくれればいいのですよ。大臣は非常に公正な立場に立たれて、こういう広域的な、大きな、いわゆる巨視的な立場に立たれておりますから、どこの市町村が弱いからあそこは無理だとかどうとかお考えになるけれども、そういう小さな子ガメの背中に子ガメが乗っかったような状態に置かれてはそれはわからない。私はそういう点を一律に公務員定年制の網をおっかぶせて、あとは市町村におまかせするのだというが、自治体におまかせするのは危険である、そういうことを言っておるわけです。どうですか。

野田武夫自由民主党自治大臣・北海道開発庁長官

○野田国務大臣 私はそういう小川さんの御指摘のようなこともあり得ると思いますが、しかし、同時に、やはり地方自治体は自治体の独自の見解と自主的な判断によって行政を行なう一つの立場を堅持しておりますから、その点につきましては、必ずしも人間がだめだとかどうであるというところに全部これをおっかぶせて、地方の行政をやっておられる方々を信用せぬというわけではない。私どもは地方自治体はみずからの判断で自主的に主張すべきは主張すべきだ。国に持ってきますれば、私どもがそれを代弁して国でもってこれを折衝するというので、必ずしもそういうことはありませんとは言い切れませんが、小川さんの御心配のように、何でもかんでも建設省がやる、あるいはどこがやるということに圧迫されて、そうして自治体本来の使命をそこなうようなことは、これはひいてはわれわれの責任にもなります。ひとり自治団体だけに責任を負わせるわけにはいきませんので、その点はわれわれもひとつお互いに自治団体と手を握って、やはり地方行政の水準を上げる、それから計画遂行については努力する、こういう努力はもとよりわれわれはすべきだと思います。

小川新一郎公明党

○小川(新)委員 その問題はそのぐらいにいたしまして、大臣もお忙しそうですから、最後に一点だけお伺いしたいことは、公務員の争議権、これを認めてあげるのが私は憲法の立場からいって労働者の基本的権利である、こう解釈しているのです。公務員は争議権とか団結権をそこなわれておりますが、これは将来、ILOの勧告もございますので、また公務員制度審議会等の煮詰まった話の中で当然これは復活させなければならぬというお話もあるやに聞いておりますが、この点についての御見解を大臣からお聞きしたいと思います。

野田武夫自由民主党自治大臣・北海道開発庁長官

○野田国務大臣 実は私のいまの立場からどうも——これは人事院あるいは労働省のほうの管轄であります。  それから、いま御指摘のとおり、公務員制度審議会でこの問題が、ことにILO八十七号の審議以来大きな問題になっております。私ども非常に関心を持っております。従来からこれに団結権があるのは当然じゃないかという意見も私は傾聴しております。傾聴しているということで私の答弁をひとつ終わらせていただきたいと思います。というのは、私がここのところで、私の立場で、こうあるべきだという結論を出すということは、これは少し私としても慎重に考えにゃならぬ。しかし、その御意見は非常に私は傾聴するということでとどめていただきたいと思います。

小川新一郎公明党

○小川(新)委員 それではあと大臣にかわって政務次官がおられるようでありますから、お尋ねいたします。  第一点は、自治体の定義について私にひとつ教えていただきたい。それは都道府県、市町村という行政区について、さらに特別区というのがございます。住民の権利とか義務の場としてこういうものが置かれておりますし、自治省の指導によって、さまざまな自治体があると思いますが、自治体もしくは自治体に準ずるもの、こういういろいろな定義がなされておりますが、この自治体の定義というものは私にはまだよくわからない。ひとつ教えていただきたいと思います。

長野士郎自治省行政局長

○長野政府委員 地方公共団体につきましては、現在地方自治法におきまして、お話がありましたように、普通地方公共団体というのと特別地方公共団体というのと二つの類型で地方公共団体というものを樹立しております。地方公共団体というのは何だということになりますと、一定の地域においてその地域住民が地方公共の福祉を実現するためにみずからの地域の経営を行なう、そのために自己の責任と負担においてそういう経営活動を行なう、こういう団体を国家が認めまして、そういうものに公の法人としての地位を与えておる。憲法では地方自治の本旨に即してそういう存在を認めるということをうたっておる、こういうかっこうだと思います。

小川新一郎公明党

○小川(新)委員 自治体に準ずるものとは何ですか。どういうものですか。

長野士郎自治省行政局長

○長野政府委員 自治体に準ずるものというお話は、ちょっとよくわからないのですが、私が理解いたしますところでは、たとえば普通地方公共団体がいわゆる典型的な地方公共団体でありまして、いわゆる特別地方公共団体というのは一種の立法政策上の地方公共団体という意味もございます。したがいまして、その意味では、お話がありました特別区等につきましては特別な地方公共団体という考え方になっておるわけであります。そのほかに、準ずるものといいますと、公共的な活動をしておりますもの、それは地方公共団体というその地域の全住民を構成員としておりませんで、特定の人間を構成員としておりますけれども、準ずるものという広い意味になりますと、たとえば公共的な団体ということになるかもしれませんが、土地改良等もある意味では地方公共団体に非常に近い性格を持っておる、こういうふうに一般にはいわれておるようであります。

小川新一郎公明党

○小川(新)委員 扱い上自治体に準ずるものの中で、私ちょっと調べたもので、市町村職員共済組合、または地方職員組合、都市共済組合、公立学校職員組合、恩給組合、市町村恩給組合、退職金組合、組合立の公立学校、組合立の屠殺場、組合立の焼却場、火葬場、し尿処理場、こういうものはそうすると準ずるものの中に入るのですか。

長野士郎自治省行政局長

○長野政府委員 いまお話しになりました中では、組合立とおっしゃいましたが、一部事務組合でありますけれども、そういう地方公共団体の組合、これは一種の地方公共団体が共同処理をいたしますためにつくっておる組織でございます。これは地方自治法上そういう組合が認められております。これは準ずるものというより、むしろ地方公共団体の種類だということに相なると思います。前のほうでおあげになりました職員の共済組合等は、地方公共団体に準ずるものでもないだろうと私は思います。それは、職員につきまして、特別な共済制度というもので職員の福祉を相互共済をいたしまして、そうして活動を行なっていく。現在これが長期給付とか短期給付とかということで行なわれておるわけでございますが、そういうものが公共の福祉にも、そういう職員の元気回復とかいろいろな保障をすることにも役に立つということから、公の地位を認めておる。そして、公的の負担をこれに伴って行なっておる、こういうことでございますけれども、その組合自体は地方公共団体に準ずるものとはちょっと違うんじゃなかろうかと思います。

小川新一郎公明党

○小川(新)委員 私がお聞きしたいのは、退職金組合というのは純然たる公共団体であるのか、または、私はいまあいまいもことした表現をしましたが、準ずるか、退職金組合というものの性格は一体どういうものなのでしょうか。

長野士郎自治省行政局長

○長野政府委員 いま申し上げましたように、多少形式論になりまして恐縮でございますけれども、一部事務組合というものは、地方自治法の上でも地方公共団体というカテゴリーで考えておりますが、一部事務組合という組織を利用いたしまして——利用と言ってはちょっと語弊がありますが、地方団体として職員に退職手当を支給する、そういうものを個々の団体でやるということでなくて、市町村が一部事務組合をつくりまして、そういう地方団体としての責任を共同処理的な方式で果たしていくというようなことをやっておるようなもの、お話があったのがそういうものだろうと思うのでございますが、そういう一部事務組合でやっておりますものは、分類から考えまして地方公共団体だということに相なります。したがって、これは作用からものを考えておるというより、むしろ地方公共団体という一つの組織が共同してつくっておるというところから地方公共団体だ。作用的には非常に似ているものになっておりますけれども、一つは地方公共団体という分類に入る、一つは法律が特別に認めた公の法人ということになる、こういうことになるのじゃないかと思います。

小川新一郎公明党

○小川(新)委員 ここで私が聞きたいことは、退職金組合がいま非常に問題が出てきているわけなんですね。これが自治体と同じ意味のような性格であるならば、これに対する指導とかまたは方針とか、この持っていき方とか経営の問題とか、これは地方自治体と同様、非常にきびしいものがなければならぬ。一体、自治省としては、退職金組合に対してはどういう指導または育成をし、赤字になったりいろいろな問題が起きた場合にはどういうふうになさるのか、これについてはどういうようなお考えなんですか。

長野士郎自治省行政局長

○長野政府委員 退職手当組合につきましては、いま御指摘がございました一部事務組合でございますし、地方団体としての責任を共同して処理しているわけでございますから、運営上非常に不適当なものがあるというようなことがあります場合には、私どもとしては十分そういうことのないようにつとめなければならないというふうに思います。一次的には市町村におけるそういう組合の指導は府県でやっておるわけでございますけれども、私どももそういうものの指導には地方団体と全く同様に、公正な、適切な運営管理が行なわれなければならない、これは御指摘のとおりであります。

小川新一郎公明党

○小川(新)委員 それは地方自治団体と同様の性格を持っているんだから、当然きびしい指導をしていかなければならぬし、またこれは、市町村連合してこういうものをつくったのであって、これは自治省がつくらせたんじゃないですか、これの性格上。

長野士郎自治省行政局長

○長野政府委員 現在そういう退職手当を支給するための組合は、府県単位以下でつくっておるわけでございまして、自治省が指導したと申しますより、むしろ町村の関係の団体、たとえば府県にも町村会というようなものがございますが、そういうところが中心になりまして一部事務組合を設立して、そして設立にあたりまして府県知事の認可を得て設立をしておる、こういうことになっておるように考えております。

小川新一郎公明党

○小川(新)委員 そうすると、たとえば退職金組合が赤字になったとか、いろいろなトラブルが起きたときは、一体責任はどこにあるのですか。

長野士郎自治省行政局長

○長野政府委員 責任は、まず第一にその組合に加入しております町村、もっともその前には、組合には管理者あるいは組合議会というものがございますが、組合の管理者、組合議会は、組合に加入しておりますところの市町村からそれぞれ代表を選んで出しておるわけです。したがいまして、その意味では組合に加入しております市町村が、第一次的に運営管理については責任を負わなければならないものだと思います。第二次的には、それを指導しておりますところの府県も、認可をしたりしておりますから、それについてかかわり合いがございます。そういう意味での指導の責任を持たなければならない。さらに言えば、それから上になりますと、自治省としても当然責任を負わなければならぬ、こういうことに相なると思います。

小川新一郎公明党

○小川(新)委員 確かに一部事務組合でございますので、その加盟している市町村が責任を負う。その上の県が負う。さらに言えば、一番の大もとである自治省が負わなければならぬということになってくるのでございます。それは、負い方にもよります。その定義にもよります。また規定にもよります。それは、確かに管理監督していく立場上の責任があると思いますが、一体大臣、退職金組合というものは、将来高賃金になっていくために、諸外国並みに退職金というものがもう要らなくなるんだ、こういう考えのもとに、こういう組合も将来自治体としては必要がないとお思いになった上で指導されておるのかどうか。また、そういう問題に対処して、現実にいろいろ起きている問題をどの程度キャッチなされているのか、その点どうですか。

鎌田要人自治省行政局公務員部長

○鎌田説明員 退職手当組合に関しまする全般的な当省の指導方針といたしましては、先ほど局長からお答え申し上げたとおりでございますが、町村団体でこういう退職手当組合をつくられるということは、その個々の町村の場合に、やはり一時に多額の財政負担を伴う、そういうことから組合形式による、こういういわば自然発生的と申しますか、やむを得ない事情から成立をしておるものだろうと思うわけであります。したがいまして、そういった形での退職手当組合というものにつきましては、その存立の必要を十分認めながら積極的に指導してまいるということで基本的には考えているところでございます。ただ私、実はただいまのポストに二年ほどついておるわけでございますけれども、寡聞にいたしまして、退職手当組合で私の手元まで問題として上がってまいっておるという事案は、今日までのところございません。しかし、今後そういった点で、先ほど申しましたように、自治省で積極的に設立を指導したという形でございませんだけに、ややその方面につきまして、具体的な資料がないという点、私もいまの御質問を伺っておりまして反省をいたしておりますので、なお厳格な指導をしてまいりたい、こういうふうに考えておるところでございます。

小川新一郎公明党

○小川(新)委員 退職金組合が赤字になっているところを私のほうでは幾つかつかんでおりますが、自治省としては、こういう赤字団体がどのくらいあるかつかんでおられますか。

鎌田要人自治省行政局公務員部長

○鎌田説明員 ちょっと資料を持ち合わせておりません。

小川新一郎公明党

○小川(新)委員 これは大事な問題だと思うのです。こういうふうに野放しにしておいたのじゃ、これはたいへんだと思うのです。一たん赤字になりまして、退職金がもらえなくなった、また、これに対して一部待ってくれという声もある、こういう弊害も出てきている。そういう点は、自治省としては何も聞いておられませんか。

鎌田要人自治省行政局公務員部長

○鎌田説明員 私の手元まで上がっておる案件はございません。

小川新一郎公明党

○小川(新)委員 私が調べたところでは、赤字団体としては秋田、栃木、神奈川、岐阜、愛知、島根、高知、これを赤字団体として私がつかんだのでございますが、何のためにこういうふうに赤字になるのかという点は御検討なさいましたでしょうか。

鎌田要人自治省行政局公務員部長

○鎌田説明員 ちょっと手元に資料を持ち合わせておりませんので、その点のお答えができないのはまことに遺憾でございますけれども、御指摘になりました県につきまして、早急に取り調べたいと思います。

小川新一郎公明党

○小川(新)委員 いま地方公務員定年制の問題にからんで、、首を切られていくということになって、自分たちが共済金のこういう組合に入って自己防衛をやっている。その退職金組合が赤字になっている。その原因をすぐ究明しなければならぬ。また、先ほどの局長さんのお話では、準ずる、私がその定義をいろいろ聞いたのはそういうところにあるのですが、相当きびしい指導、育成をしていくのだ、こういうお話があったのですが、これは掛け金が安いために赤字になるのか、それとも、退職金をもらう人が多いので、それが上回って赤字になっていくのか。一体その退職金組合の掛け金というものはどのくらいが適当なのか。一年平均どのくらいの退職者が出ると赤字になるのか。この点のところは御研究なさっておられるでしょうか。

長野士郎自治省行政局長

○長野政府委員 退職手当組合のお話は、一般的なお話といたしましては、加入しております町村が、どちらかといいますと、市町村の中でもどうも退職手当が非常にかかる、もちろんそのとおりだと思いますが、個々の市町村が’度に退職手当を払うことについては、財政負担が多くなるから、したがって多くの市町村が集まっておれば、少額ずつ出し合っても、必要なところには手当が払えるというようなことでございますから、手当を一度に出すことに財政負担の苦しい思いをするということを避けるためでございます。そうなりますと、勢いそこに集まります市町村は、やはりそういう退職手当をたくさん出さなければならない同士が集まる。つまり、いずれもたくさん払わなければならないところだけが集まるというところにひとつ問題があるように、一般論としては聞いております。  それと同時に、もう一つは、議員の関係のものもそういうところに含める含めないということで、そういうところでも困難な問題があるということも一般論としては聞いておりますが、具体的事例については、私どもまだ承知をしておりませんので、お話のございましたようなところにつきましては、さっそく調査をさせていただきたいと思います。それによりまして、これは先ほども申し上げましたように、一部加入組合でございますので、したがって加入しております市町村が、組合が払わぬからおれたちは知らないぞといって責任を免れるわけにはまいらないと思います。したがって、そういう意味で、組合だけではなくて、加入市町村にも責任がございます。それから、われわれとしても、その組合の設立の目的が十分達成せられるようにしていくための解決策というものも考えなければいけません。そういうことはこれからぜひつとめてまいりたいと思います。

小川新一郎公明党

○小川(新)委員 私は、定年制の問題に対してはしろうとでございますので、よくわかりませんけれども、こういう人の身分に関するような重大問題を法律に出してくる以上は、こういった関連している退職金の問題が、一部組合であろうとなかろうと、その市町村が関係してつくっておりますこういう組合立のものが赤字になっている。一体何のためにこういうような赤字になっているのか。また、それに加入している人たちが、なぜそういうふうに掛け金を納めているにもかかわらず、赤字になったためにもらえないのだろうか、こういう問題が、埼玉県なら埼玉県のみでなくて、六県も八県も九県にもわたるような問題が多発しているという点を自治省がキャッチなさっておらないということは、はなはだ公務員の皆さんに対して不親切である。こういう席でいきなり私が質問をしたので、まことにこれは失礼のきわみでございます。通告しておけばよろしかったのでございますが、お尋ねもございませんでしたので私もしなかったのでございますが、こういう点、まことに遺憾に思います。この点は早急に調べていただかなければなりませんが、埼玉県の大宮の例をあげて申しわけないのですが、私の住んでいるところですか、それを見ますと——まずその前に、私がいま言ったような遺憾の点については、早急に御調査して是正していただきたいと思いますが、どうでしょうか。これは政務次官から答えていただきたいと思います。

砂田重民自由民主党自治政務次官

○砂田政府委員 お答えいたします。  小川先生御指摘の問題は、自治省としてもさっそく調査をいたします。それで先生御心配のせっかく掛け金をかけたのに、赤字で退職金をもらえない、そういう退職金が支払われないというようなことだけは絶対にさせない、そういう措置は自治省といたしましては当然とります。

小川新一郎公明党

○小川(新)委員 そうすると、そのときに、その赤字団体への助成は、その関係している当該市町村が負うのか、県が負うのか、国で負うのか、どちらですか。

砂田重民自由民主党自治政務次官

○砂田政府委員 市町村が負うわけでございますが、一般論的にと長野局長がお答えいたしましたように、ある程度自治省で聞いておりますところでは、府県が貸し付け金をいたしまして支払ったような例もあるように聞いております。

小川新一郎公明党

○小川(新)委員 それは、自治省としては、あくまでも責任を持ってそう指導監督をなさってくださいますか。

砂田重民自由民主党自治政務次官

○砂田政府委員 小川先生御心配のような支払われないというような事態が起こらないように自治省として責任をもって措置をいたします。

小川新一郎公明党

○小川(新)委員 その払える払えないという点は、最後的な問題ですが、そうなっていく原因、その因果の理法からいけば、原因結果を明らかにしてもらわなければならぬ。その点もひとつあらためて御要望申し上げておきます。  第二点は、埼玉県市町村退職金組合の数字で見ますと、昭和三十八年から四十二年末までの推移を見ますと、普通退職が三千三百六十七人で全体の約八七%を占めておる。それから死亡が二百十四人で五%、勧奨が二百八人で五%、それから整理が七十一人で二%でございます。何も大騒ぎして定年制をしがなくても、普通退職が三千三百六十七人、実に八七%という大きな数字を占めているのです。一体、この八七%が普通退職していくという理由は何なんだろうか。どういう点でこういう数字があがってきておるのでしょうか。この実態についてひとつお聞きしたいと思います。

長野士郎自治省行政局長

○長野政府委員 いまの資料だけで伺って、私どもの推測が入りますからお許し願いたいのですが、勧奨退職で整理退職は七%ぐらいだというお話でございます。そこで、そういう意味では一定期間長期に在職しておるものと、短期在職と申しますか、逆にいえば長期から考えれば途中で退職しておると申しますか、そういうものとの関係というようなことも考えてみなければならないところでございますが、地方団体におきまして、四十一年ごろの資料によりますと、大体平均でございますが、三十歳代で退職をいたしますものが全職員の中で四〇%ぐらいございます。これは、女子職員については結婚という問題もございます。それから、最近では就職先を若いころによく変えるという事例もございます。それから、四十歳代になりますと、それまでの間に五〇%以上変わるという数字も出ておるのでございまして、そういうところから考えますというと、勧奨に至らない前に、普通退職といいますか、そういう形で退職をした人、こういうのが非常にある。あるいはまた、長期勤続者ではございますけれども、いわゆる勧奨退職ということによらないで退職した、これがいわゆる普通退職なのでございますが、こういうことで、いまのお話しの八七%は、私ども実はちょっと普通退職としては高いという気がいたします。いたしますが、これはもう少し調べてみないとわかりませんけれども、そういうことがいろいろからみ合いまして、そういう高い率が出ておるのではないだろうか。ことに埼玉県といいますと、非常に社会経済の状況の変化の著しいところでございまして、職員の勤務といいますか、職員についても非常に流動化の激しいところではないだろうか。そういうことも反映をして、通常の場合よりも高い普通退職の割合が出ておるのじゃなかろうかと思いますけれども、詳細はなお検討をさせていただきたいと思います。

小川新一郎公明党

○小川(新)委員 埼玉県の南河原村というところでは、高等学校卒業して十八歳の男の子が一万四千円前後、こういう安い給料のために、まず住民福祉の意欲がはたしてその公務員にわくかどうか。また、勧奨退職されなくても、自然淘汰されて、もっといい場面のほうへ移っていくのではないだろうか。こういったふうに、非常にその底辺には矛盾に満ち満ちた点がございます。そういう点がこの八七%という埼玉県の数字になってあらわれたんじゃないか。われわれは一部分を見てそう判断しているのでございますが、こういう安い給料の者がやめていくということがあるという点は、自治省としては何らかの指導の手は打てるんですか。それとも、何かこういうふうにならすことができるんでしょうか。そういう平均ベースよりも下回っておる安い給料のところがあるということ……。

長野士郎自治省行政局長

○長野政府委員 地方団体ごとにいろいろな状況がございますが、給与につきましては条例できめる。私どもの指導といたしましては、自治省といたしましては、国家公務員に準ずるということで、給与の水準なり格づけなりあるいは昇給なりというものについても、あるいはまた運営についても、そういうことで指導いたしておるわけでありますが、地方団体におきましては、それが必ずしも誠実にいっておりませんことは事実でございます。たとえば大都市におきましては、国家公務員よりも非常に高いということになっておりますし、地方の農村に入りますとそれより低い水準にある。これは率直にそういうことになっておりますが、それはやはりその地域におきますところの一般の民間給与とのある程度のバランスといいますか、そういうものも考慮しなければならないという点からそういう問題が出てきておると思います。埼玉県のようなことになりまして、最近のように都市化が非常に進行しておりまして、そうして新しい開発がどんどん行なわれておる。そうして新しいそういう意味の雇用先というものがいい条件で若い人を集めていくというようなことになってまいりますと、地域の給与の均衡というものも非常に変わってくるわけであります。それにもかかわらず、その町村だけが依然として低いと申しますか、それにけたのはずれて低いような給与水準を維持しておるというようなことになりますと、とても志願者がないというようなことにもなりましょうし、また、現在勤務しておる者も捨ててよそへ行く、捨てていくということにもなりましょう。そういうことで、やはり給与については公務員全体としての給与水準、それから、その地域によるところの民間企業等の事情を反映した給与水準、こういうもので随時調整をしていく必要があるだろうと私は思います。そういうことによって公務員にも優秀な職員が入ってくる。そうして公共の福祉という重要な仕事をしておるわけでございますから、常に優秀な職員を吸収できるというためには、給与というものは非常に大きな作用を持つものだと思いますが、そういうところも適正な給与というものを考えていかなければならない、こう思うわけでございます。自治省としましては、先ほど申し上げましたように、国家公務員に準ずるということで、そういう指導をいたしておるのが現状でございます。

小川新一郎公明党

○小川(新)委員 結局そういういろいろな矛盾点がありまして、昭和四十三年一月一日現在の退職金組合で調べた数字によりますと、経験年数がゼロ年で五十歳以上の新規採用者が実に八十四人、これに対して十八歳以上の者は百二十九人、十八歳が六に対して五十歳以上が四、こういう実態になってあらわれてきておる。そこで五十歳以上、ゼロ年で、これが五十七歳で定年というと七年しかないということですね。こういうように、埼玉県のような、激動地帯といま局長さんもおっしゃるが、十年たってあれももらえないわけです。そういう実態は一体何を物語っておると思いますか。政務次官、こういう実態が埼玉県である。実態は五十歳以上、経験年数ゼロ年の新規採用が八十四人もいる。それに対して十八歳というような若い人たちは百二十九人だ。その比率は十八歳が六に対して五十歳が四である。四対六であります。半々にはなりませんが、四対六です。こういう雇用状態に定年制がおっかぶさってくるということは、埼玉のような首都圏地帯というものは、特異状態とはいうものの、これはお考えをいただかなければならぬという一つの数字をいまあげて御質問申し上げているのですが、この実態はどうでございましょうか。

砂田重民自由民主党自治政務次官

○砂田政府委員 小川先生の御郷里の実態でございましょう。政務次官どう見るかとおっしゃいますが、これは推測をしなければならぬわけですけれども、私は全国至るところでそう数多く見受けられる事態ではないのではないだろうか。特殊の地帯のことじゃないかと思うのです。それで、やはり五十まで遊んでおられたわけはないので、やはり民間の企業におつとめになっておられて、民間の企業を退職でおやめになったか、あるいは何かの事情でおやめになったか、そういう方がそういうところに再就職をなさっておられるのじゃないだろうか、そういうふうに推測をいたします。

鹿野彦吉自由民主党

○鹿野委員長 関連質問を許します。小濱君。

小濱新次公明党

○小濱委員 関連してお伺いをいたしたいと思います。  政務次官にお尋ねしたいのですが、私どもの聞き及びまするところによりますと、いまのような状態の不幸な人たちが非常に多いわけです。そこでわれわれは、今度この法律がやむを得ず通ってしまったときのことを考えるわけですけれども、そういう立場から、やはり戦争犠牲者あるいはまた中年就職者、一時金をもらって退職をしていきますが、そういう人たちの老後の生活保障ということを、どうしてもあたたかい思いやりの上に立って政府で考えていただきたい、こう思って質問するわけなんです。  そこで、一つだけお伺いしたいのですが、この間私の質問のときに、鎌田公務員部長がちょっと触れたと思うのですが、退職年金支給期間の問題、二十年ということですけれども、考えなくてはならない段階にきているのではないか、こういうふうに記憶しているわけでございます。そこで、退隠料、この恩給組合条例によっていままでは十七年であったわけですね。それが地方公務員等共済組合法七十八条によって、三十七年十二月一日から退職年金は二十年以上、こうなった。この十七年が二十年になったそこのところのいきさつを、ひとつ御存じであったならばお聞かせいただきたいのですが、お答えしてもらえるでしょうか。

佐野政一自治省行政局公務員部福利課長

○佐野説明員 ただいまの御質問にお答えいたします。  これは地方公務員共済組合法が立案されましたときには、すでに国家公務員共済組合法、公企体職員の共済組合法、それから私学共済組合法、農林共済組合法ができておりまして、すべて二十年になっておりました。これは厚生年金が二十年でございましたからそれに合わせたものといわれておりますけれども、そうした点でこちらのほうも二十年にいたしております。

小濱新次公明党

○小濱委員 この十七年が二十年になったわけについてはいま伺ったわけですけれども、今度のこの定年制を施行するにあたって、いろいろと恩給のつかない人が多い立場から、十七年であったらなあという人もだいぶいるわけです。そういう点で二十年になったことを恨みに思っているわけです。そういうことから、これは政務次官にお尋ねしたいのですが、今度のこの法律を通せば、どうしても今度は退職年金支給年限、この年限の問題に相当該当する人があって恨みに思う人が出てくるわけだと思うのです。そういう点で、この二十年という問題を何か改正するようなお考え、あるいはまたそういう話が出ているかどうか、自治省のほうでお聞きになっておりましたならばお聞かせいただきたいと思います。

砂田重民自由民主党自治政務次官

○砂田政府委員 年金の問題でございますが、率直に申し上げますなら、できるだけ、きわめて近い将来問題として、厚生年金制度にありますいわゆる十五年年金制度を当然導入するべきものだと私どもは考えております。したがいまして、その検討をいたしております。  それを一点お答えをいたしておきますのと、先ほど小濱先生の御質問にございました戦争犠牲者でありますとか、その他採用時にいろいろ異なる条件を持っておられる特異の方々がおられますので、そういう方々につきましては、先ほど大臣が御答弁をいたしました、職種によっていわゆる定年年齢というものを変えていかなければならぬと考えております、こう大臣答えましたけれども、同じような考え方で、いま小濱先生のお話にございました特殊の方々に対しても、当然これは考慮をしていくべきものだ、そういうふうに私どもは考えております。

小川新一郎公明党

○小川(新)委員 それで私のほうは、局長さん、一万五千名の退職者に対しての比率をちょっと見ますと、四十歳以上で経験年数が二年未満の人が七百二十八名、この人たちは年金がつかない人が多いと思います。その次五十歳以上で十年未満が千二百四名、十一年以上二十年未満が一千四百名、二十年以上が三百四十名となっておりますが、このことは、雇用事情として地方公務員の共済支給などを考えてみますと、これは一般の首切りのように思います。このように数字のデータをこまかく見ていきますと、約一割弱が十年未満となって年金がつかない。こういう首都圏近郊は——埼玉県の例はかり申し上げてまことに申しわけない。埼玉県のことしかおまえ知らないのかと言われるかもしれないのですが、埼玉県の例を見てもこのとおりでございますので、首都圏の近郊の状況は大体これに似ておると思いますが、この点ではどうなっておりますか。

鎌田要人自治省行政局公務員部長

○鎌田説明員 一つの御参考といたしまして、昭和四十二年度中に退職した者につきましての年金の受給状況を調べてみたわけであります。地方公務員共済組合以下、御案内のとおり公立学校、警察、都職員、指定都市職員、市町村、都市職員、これだけの共済組合の単位があるわけでございますけれども、この中で、時間の制約がございまして、公立学校と警察はこちらの本部で裁定しておるものですから、全部全数調査ができました。それから都職員も、東京都だけでございますので全数調査ができたわけでございます。あとは六分の一ないし十分の一、こういった抽出調査になっておるということをお許しいただきたいわけでございます。  五十五歳以上の退職者につきまして年金の受給者の割合は、地方職員共済組合でございますと八八・七%、五十七歳以上になりますと八七・八%の者が退職年金がついておる。それから公立学校になりますと——あと五十五歳以上、五十七歳以上で順番に申し上げますが、公立学校でございますと九二・三%と九三%、警察職員の場合でございますと、九四・五%と九二・三%、都職員の場合で八七・一%と八七・二%、指定都市職員の場合で九二・一%と九一・九%、市町村職員の場合が、ただいま御指摘になりましたように、この率がやや落ちておりまして、五八・五%と五七・六%、それから都市職員の場合が八一・七%と八三・一%、こういう形でございます。

小川新一郎公明党

○小川(新)委員 いまよく聞きまして問題がわかりましたが、ひとつ、先ほどの退職金組合の実態とその全国的な資料をあとでできたらお願いしたいと思います。  それから、退職金組合がいま赤字になっている実態がよくおわかりになっておりませんでしたが、地方公務員の定年制を実施いたしますと、この退職金組合の赤字がさらにふえるように私は思うのですが、この点は政務次官としてはどうお考えでございましょう。

長野士郎自治省行政局長

○長野政府委員 退職金組合につきまして現在赤字だというお話でございますが、現在退職しておる状況というものと関連をいたすわけでございます。現在は定年制その他をしいておりませんが、いま先生の御指摘のように、非常に若い——若いと申しますか、普通退職者が非常に多いという、割合が八七%というように伺いましたが、そういうところでございますと、定年制をしくということによって赤字がふえるということには直ちにならぬのじゃないだろうか。それほど影響がない。むしろそういうふうに非常に勤務期間が短いところで、いわゆる途中退職という言い方はちょっと適切じゃございませんけれども、途中退職者が非常に多い現状であるという状況のところでございますように伺いますので、そういうところでは定年まで達しないでやめていく人が非常に多いわけでございますが、そういう点では赤字ということとの関係はそれほどないのじゃないだろうかというふうに思います。

小川新一郎公明党

○小川(新)委員 それは埼玉県も赤字に入っておりますので、いま局長がお話しになったような理論は当てはまらないと思うのです。確かに埼玉県や千葉県のように、首都圏内の人口移動の激しい、また産業経済の激動しているところにおいては、そういったいろいろな問題も多く加味されております。こういう点も非常に配慮されると同時に、過疎地帯、裏日本とか東北とか、または九州の果てとか、こういうところの地方公共団体とはおのずとまた性格が違う、そういう点もあわせまして私どもはこれから調べてまいりたい、こういうように思っております。  ちょうど時間が来たようでございますので、私の質問はまだございますが、これでとどめておきますので、どうかいま言ったような点を十分御留意くださいまして、何ぶんとも公明党の主張しております点を御勘案くださって善処していただきたいと思います。  以上で終わります。

鹿野彦吉自由民主党

○鹿野委員長 次回は明六日午前十時から委員会を開会することとし、本日はこれにて散会いたします。    午後三時五十三分散会

国会会議録検索システムで原文を見る ↗