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61回国会衆議院1969/05/09

地方行政委員会 第30号

発言数
241
登壇者
13
会派数
2
開催日
1969/05/09

会議録

鹿野彦吉自由民主党

○鹿野委員長 これより会議を開きます。  地方公務員法の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行ないます。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。依田圭五君。

依田圭五日本社会党

○依田委員 私は、おもにこういうことについて実は大臣に直接いろいろ所信をお聞きしたいのです。というのは、公務員制度審議会という非常に政治的にレベルの高い委員会がある。これに対して労働関係の基本事項についてはこれを諮問すべしという総理府の設置法もある。その労働関係の基本とは一体何か、これに対して解釈が非常に混乱をいたしております。  それから、安井総理府総務長官が当時公制審においでになって一ぺん御提案になった。これはちょっと意見を聞くだけだという説明なんでありますが、公の立場の者が、諮問する権限のある者が、諮問を受ける公の機関で御発言になり、それが速記録に残っておる以上、当然公の発言であるものというふうに考えておるわけであります。それで意見を聞くということと諮問をする行為とが一体異質のものであるかどうかについて議論がありました。これは私もあとで触れようと思うのですが、全然ナンセンスな意見である、これは全く同じことである、それは宝樹委員が同じ公制審の中で論証しております。当時の床次長官がまた答弁いたしております。これらの手続上の問題をめぐって、またいま公制審が、第一回佐藤総理大臣の諮問に関連をしまして、それが現在生きておるのか、生きておるというならば、当然に公制審の諮問の結論を、あるいはその審議経過について、総理府総務長官から聞くべきである、こういう見解に立っております。かりに一歩譲りまして、生きておらないということになりましても、これは当然野田大臣の段階において、野田さんのお考えなり御判断なりによって、労働関係の基本にいわゆる定年制は入るんだという御解釈、これは本会議その他でもって総理が否定されたりいろいろしている経過はあります。ありますけれども、これは客観的にできておる総理府の設置法でありますから、当然法律は生きておるわけです。ひとり歩きするわけでありますから、この解釈をめぐって、これはILOの勧告もございますし、いろいろ触れたいと思います。  しかし、それは大出委員もすでにある程度言及されております。きょうは私は若干角度を変えまして、今回提案になっておる法律の内容が、一体公務員制度審議会にかけなくてよろしいのかどうか。かけないことによってどういう欠陥があるか、かけることによってはどういうメリットが想像されるか、この点につきまして、私はおもに御質問をいたしたいと思うわけであります。  ですから、あくまでもこの質問の内容は、公務員制度審議会にこの諮問をすべきであるという問題を中心に、それに関連する範囲内で法案の内容に触れてみたい。ですから私は、理事のほうから法案の内容についても若干準備をせいと言われておりますので、連休にかけまして、このふろしきいっぱい、実は数百点の質問を準備いたしております。しかし、きょうはそれは遠慮する。委員長が了解すれば、ひとつふろしきを預かっていただきたいと思います。この材料は、後日全部同僚委員なり、私の関連質問の時間があればやりたいと思っております。また、私の質問の内容が、公務員制度審議会にこの法案は当然諮問事項として起こすべきである、こういう観点からの質問内容に逸脱をして法案の内容に入るという点があったら、委員長、あなたの職権でこれをとめてもらいたい。私はそれに大いに協力をして、私自身の質問を整理もいたしますし、また、いろいろ順序の整理もいたしたいと思っております。  そういう角度から、私は約十点くらいは、私の立場から申し上げればあるのではないか。これは、きょうは野田さんによく御理解というか、お考えをいただいて——もちろんわれわれは法律の専門家ではありません。選挙をして出てまいりますもので、一般のごく平凡な納税者の一人でありますが、自治省でおそらくこれを十数年間専門にやって——これは提案してから十年以上たっております。ですから二、三の者がこれはよく知っております。その人と私は法律論議を戦わそうという気はないのです。ですから野田大臣に、直接あなたが選挙をなさってこられておるという立場で、私もまた陣がさではありますけれども、一年生のものとして、そういう立場で御質問をして、素朴な立場で、この法案が一体公務員制度審議会にかけなくてよろしいのか、かけるべきであるのか、この問題を中心に、ひとつここでやっていきたい、こう思っております。  そこでまず、どうしても、そういう意味において若干その法案の内容というよりも構造の輪郭に触れざるを得ないわけであります。全然なしでやるわけにいきませんから触れたいと思います。まず第一に安井さんの発言や何かいろいろありますが、あとで触れることにして、大体過去三回法案を提案をいたしてまいっております。昭和三十一年、四十一年、今回、これは昨年でありますから、四十三年、四十四年の法案でありますが、これは全部法案の内容が違っております。三十一年のときにも四十一年のときにも、これはいわゆる若年停止に関連をいたします一つの制限を付しております。三十一年には、単純に定年を行なうことを二十八条にうたっております。今回は離職という新しい概念を設定をして、そして一項目を起こしております。起こしておるのが独立項目ならいざ知らず、二十七条の二に起こしております。私の理解では二十七条の一項の基準と、二十七条の二の離職の概念とは全く異質のものである、特に定年制の問題は関係がない、こういうように考えております。その点についてなぜ三つの法律が変わり、かつ新しい立場で離職という概念を導入せざるを得なかったか、私は素朴に、昭和三十一年以降何回か出ておる法律というものは同じものである。定年制という限り、人間に関するもので、一定の年限で強制的に自然人の権利を剥奪するわけでありますから、本人の責任でなく、悪いことをしたのでも何でもない。当然同じものだと思っております。それがなぜ三本とも三様態、全く法条を変え、あるいは法文の内容を変えておるのか。これについて、まず一番簡単な質問でありますが、内容でなくて、法の構造についての立法論の問題についてお話を大臣から聞きたいと思います。

野田武夫自由民主党自治大臣・北海道開発庁長官

○野田国務大臣 ただいま三十一年と四十一年、今回の改正法案——今回の改正法案は私の責任において出したのであります。したがって、これはやはりどうしても法理論に基づいて論議をすべきものだと思っております。法律の改正でございますから、法律を根拠として解釈しなくてはならぬ。経過につきましては、これは従来事務的に政府委員がずっとやっておりますから、私が申し上げますよりも、もっと明確な御答弁ができると思いますから譲りますが、そういう意味において、現在の改正案を根拠として法律的な意義からしてお答えしたほうがいい、こう思っております。

依田圭五日本社会党

○依田委員 私、異議があります。私は最初に、なまいきに、前段のことばで、大臣からお願いしたいというのは理由があるからです。きのうまでの経過を見てもどうですか。この法律は、形式的にはあなたの責任であり、もっと形式的には内閣の閣議決定、総理大臣の責任であります。しかし実際は、二、三人の自治省のお役人さんによって考えられ、つくられて提案されておるわけなんです。いいですか、ここに問題点があるのです。これは条例に全部ゆだねようとしているわけですね。条例にゆだねるということは、私も地方議員をやりました経験がありますが、議員というものは全体の立場からものを考えるべきであって、職員の勤務条件、定年、給料だけに重点を置いて考えるところではないのです。マグナカルタ以来、議会制の歴史を見てもわかるように、議会の作用というものは、常に税金を減らす方向へ作用しておるわけであります。ですから、議員と称する者は、地方議会の議員というものは、たとえそれが都職労出身の議員でありましょうとも、バッジをつけた以上は、どうして一般納税者、有権者の税金を減らすべきであるか、そのためには職員を犠牲にしてもやむを得ない、こういう考え方に立って、これは極端なことを言いますけれども、二者択一になると、職員を犠牲にするか、納税者の減税を中心にするか、税の軽減の方向に作用することは、地方議員——私は都議会に十二年もおりましたから、よくわかりますが、野田さんも選挙をしているからよくわかるはずであります。自治労の県会議員、市町村会議員は何人おりますか。言うに足らない、百人か百五十人。全国の市町村会議員は十万人をこえます。〇・何々%なんですね。この一事をもってしても、議会でこれを改めるということは無理なんです。労働者、職員団体の意見というものは反映しないのです。  それからもう一つは、職員団体と相談をしたか、相談をしましたという答弁が大出さんに対してありました。私は聞いたのです。いや何もしていない。話はあった、しかし討議したり、お互いに譲り合ったり、内容を相談したり、いわゆる相談のことばに当たるような協議は何もない。うそだったら、すぐ廊下のどこかに都職労の幹部がいるからここで発言させてもいいと思います。関係団体にも意見が何もない。いいですか。そこにこの法案の無理な点があるのです。二、三人の官僚がやったのだということ。だから、私はその答弁を求めない、というより、求める立場にないということ。どうですか。何かいろいろ言っているじゃありませんか。担当者は課長や部長なんだ。「雇われマダム」だと言っておるのです、森さんが。いま行政課長か何か知りませんよ。十年前ですから、公務員課長は、これは責任者だ。知事が雇われマダムだという認識に立っておる人がどうして公正な法律がつくれますか。乱れた労働関係を前提としておる——これはきのう解決した問題ですから、私はあまり深く触れません。これだけで一日や二日かけて聞きたいと思う。有能な職員は勧奨に応ずるけれども、無能な職員は勧奨に応じないとか、たった一人でもそれに反して、あなたの見解と変わった者がおったら、どうしてあなたはこれに対して責任を負いますか。アメリカでは一人の女の子が井戸に落っこちたって、全米をあげて騒ぎますよ。デモクラシーとはそんなものですよ。日本だって同じなんですよ。一人のその職責にある公務員が——善良な地方公務員、全国で二百二十三万おるのですから、一人でもその一生の努力に対して評価を誤ったら、腹を切ったって追っつきませんよ。あるいは人事院を侮辱しているじゃありませんか、森さんがですな。「完全実施できないような勧告を出して政府や国会を困らせ、公務員の組合の不満を政府に向けさせ、勧告後は涼しい顔をしていられる人事院は、役者が一枚上」といえるであろう。どうですか。人事院の総裁がおこってほっぺたの一つもぶったたかなければならぬようになる。人事院だって、二〇一号の代償機関です。第三者機関です。すなわち、政府でもなければ労働者でもない、客観的にものを考える第三者機関ということで人事院が設置された。人事院にも何名もの人が働いています。官民格差の是正であるとか、あるいは勤労者指数、消費者指数、労働指数、景気変動、企画庁とも十分に相談をして、べテランのその道の専門家が意見を出して、客観的に出した数字なんです。それを自治省の四十前の一公務員がこういう侮辱をしているのですが、そんな者に私がここで答弁を求めることができますか。できませんよ。それはあなたから、法律の術語の一つや二つ使っているでしょう。われわれは選挙で来ているのです。専門家でもないけれども、素朴な納税者の気持ちはよくわかっている。その立場で私は野田さんと議論をしたい、御質問をいたしたい、大臣の御意見をお聞きいたしたい、こういう立場で聞いている。鎌田公務員部長は答弁する必要がないということで、全然答弁もしてないから。「休まず、遅れず、働かず」という鎌田さんの論文、これは公式論文です。これはきのうやりましたから言いません。しかし、あなたの考えられて出した定年法、これは課長と部長——課長補佐を私知りませんから、課長と部長です。私は、政務次官あるいは局長その他の方々に対して、これが答弁できるというなら——できないというのならともかく、できるというなら聞かなければならぬが、そんな人たちの答弁をここで私は必要としない。聞かないのです。それだったら、もう一ぺん、片づいたその「雇われマダム」、乱れた労働関係等、私の立場で私の質問を理事に了解をとってやらなければならぬです。

野田武夫自由民主党自治大臣・北海道開発庁長官

○野田国務大臣 ただいまいろいろのお尋ねとか御意見があったのですが、きのうも申し上げましたとおり、私の役所の課長その他においてのいろいろの文章における表現その他、私も不穏当と認めるということを申し上げております。そういう個所もございますし、また誤解をされている点もあると思っております。私はその点ははっきりしたいと思っておりますから、その点はすでに私の意思はお答えいたしておるのでございます。  そこで、組合の話を聞いたかどうかということでございますが、これはもう依田さんも御存じのとおり、三十一年、四十一年、長い間の問題でございますから、相当組合側との話の機会は多かった。これはまあ常識的に考えますし、組合もずいぶんいろいろな話を持ってこられたわけでございますし、役所の者もお話しした。そして最後に両方で理解し合ったか、これは私、そういうことはなかなかむずかしかったろうと思っておりますが、話はもう十年以上前の話でございまして、新たな問題でございませんから、そういう機会は相当あったと思っております。  そこで、地方議会の条例の問題でございますが、依田さんはもう御体験者でございますし、私どもも多少は存じておりますが、たとえばいろいろ組合の代表の方が出ておられるかどうか。これはもう三千幾つの地方の自治体でございますから、一々何人とか、どういう職場から出ておられるかということは、これは依田さんのおっしゃっておるように、非常に少ない点もあるかと思います。しかし、いやしくも私どもから考えて、やはり地方議会の議員の方々も、また、お互い依田さんもわれわれも、国会議員としての考え方は、国会議員はやはり国全体のこと、国民全体のことを第一番に考えてやるべきことではないか。地方議会の方々も、これは私はへ理屈を申し上げるのじゃありません。実際の使命といいますか、その方々の使命というものは、地域住民のしあわせ、これが私はやはり大事だと思っております。そういう意味で、依田さんなんか長い間信頼をされて、地方議会に御在籍だったと思っております。  そこで、たとえばいまの組合の問題でありますが、この定年制の問題にもちろん関係いたしますけれども、現在でも地方公務員の給与あるいは勤務条件というものはやはり議会で条例できめておるのでございます。私は、地方議会が条例で定年制についておきめになることは、これは何ら差しつかえないことじゃないか、こう考えております。

依田圭五日本社会党

○依田委員 大臣、あれですね、そこにことばのマジックがあるのですよ。地方議会の議員だから全体のあれである、こういうことを言っておるわけですね。だから公正な判断ができるのだ。それから自治法十四条で条例できめることになっておる。こういうことで条例制定権の中に包含させておる。この二つが根拠になっておるのです。それが定年制の問題についてなかなか当てはまらない。私は何とか当てはまるのじゃないかと思って、だいぶ考えたりいろいろな学説を読んでみました。というのは、今回出ておる離職という概念ですね。それから分限とは何であるか。それから特別権力関係とは一体何であるか。憲法の十四条あるいは二十七条、二十五条生存権、二十八条団結権、こういったものとの関連は一体どうあるのか。こういうような意味から私はいろいろ考えてもみましたが、あなたの御意見とは相当な隔たりがあるわけで、むしろ質的な隔たりがあるわけです。  それについて二、三聞いてみたいのですが、最初の問題に戻りまして、議員がきめるからそれは正しいのだという素朴な見解、これはごもっともであります、常識論としては。しかし、ILOがはっきり国際条約の勧告の中で言っておるように、公共団体には二つの面がある。一つは公共の福祉を担当する公共機関としての面と、一つは職員に対する使用者としての労使関係の面がある。地方議会の議員なるものは公共機関の代弁者であって、職員のその労使関係の当事者たり得ないのです。むしろ使用者側に立っておるのです。厳正が本来の機能なんです。これは議会制の成立から、さっき言いましたように、マグナカルタ発生以来の大原則なんです。二つの作用を一つの人格が行なう。二つの仕事を一人の検事と判事が一緒にやって、弁護士がいないような状態が出ておるのが、地方議会で条例をきめ、定年制をきめ、職員団体の権利を剥奪していくというか制限をしていくという作用になっておる。しかしそれは、議会だから全体の利益ではないか、憲法第十五条の全体の利益、社会の福祉に貢献をする、それは公務員の義務ではないかという言い方の中に問題が出てくるわけであります。  ですから、さらにことばを変えていきましょう。なぜ三つの法律はまるっきし内容を違えて御提案になったのですか。当然常識論としては一本の同じ内容が十何年も前から定年についてですからあるべきものと私は理解いたします。それについて御答弁願います。

野田武夫自由民主党自治大臣・北海道開発庁長官

○野田国務大臣 つまり、三本の法案を、新たに今度提案いたしました改正案をなぜつくっておるか、私はやはり根本的には最も妥当な、しかもこの改正案というものについて、憲法上も、またあらゆる自治法関係その他につきましても、一番正しい解釈ができる、なるべく疑問が残らないように、そうして皆さんに御審議を願う場合に御理解ができるような内容の案、こういうことでずっと検討を加えてきております。したがって、今度の改正案は、その意味におきまして、やはり前段の改正案よりも私は内容的にはどなたから見ても非常に御理解をいただけるというほうに近づいてきている。それは完全とかなんとかということは、これは人間のつくることでございますから、憲法論議、あらゆる論議におきましても、いろいろ法案については批判はございますが、やはり一歩一歩検討を重ねまして、今日の提案になったと思っております。  そこで、いまの離職の規定でございますが、職員の身分の基本に関する規定でありますので、分限及び懲戒の総則規定、つまりこういう総則規定にしたのでございます。これは従来の改正案に対して十分検討いたしました。そこで直接定年制を法律できめる、これは私ももちろんなかなか同意できないし、また事務当局も、これは直接定年制を画一的にきめるということは、いま依田さんの御意見でも触れましたし、いろいろの点において避けるべきである。そこで、今度条例でその道を開いて、離職の一態様として離職規定を整備する、こういうことでございます。  そこで、地方議会のお話がまた繰り返してございましたが、私どもは、国会も地方議会も、大体いわゆる民族のために、地域住民のために、まあいろいろな理屈はつくでありましょうが、これはやはり職能代表とかなんとかいうことと違いまして、公の選挙において選ばれる議会でございますから、一番大事なことは、国会は国全体、民族全体のことが第一であり、地方議会は、その地域住民のことが第一、いろいろこれに対して御議論があるかもしれませんが、私はそう信じております。  そこで、この条例の道を開くのでございますから、これは決して押しつけがましく、こうしなくちゃならぬという、そういう態度は自治省の今度の改正案でとるべきではない。だから、やはり地方団体おのおのの自由意思によっておきめ願えば、それが地域住民のためになるということを御認識になれば、その地方議会でその条例をおつくりになろうし、おつくりにならぬでもよろしゅうございます。ただ、その道を、条例を設けてこの問題を取り扱っていくという道を開いただけでございますから、私は、その意味におきまして依田さんの御意見も非常に傾聴すべき御意見もございますけれども、私どもの考え方はそう間違っていない、こう考えております。

依田圭五日本社会党

○依田委員 野田大臣。野田さん。言いやすいからつい野田さんと失礼します、現役大臣に失礼ですけれども。  私が聞いているのは、離職条項を起こしました。この前の法律案は離職という新しい概念を導入したわけです。その前の四十一年のときにはそれはなかった。ただ、若年停止を下回らないという一つの条件があった。その前の三十一年のときには何もなかった。単純に二十八条の中に入れておった。この法律の構造は、一つは二十七条に入れ、一つは二十八条に入れ、一つは新しい法概念を導入した。こういうように異質の法律になっておるという経過についてあなたはどうお考えになっておりますか。これを聞いておるわけです。そのことに全然触れないで、議会がどうのというなら議会に話を戻してもいいのですが、議会そのものは、私はあとでも触れますけれども決して職員について——職員のために考えるか、あるいは納税者の減税を考えるかというときには、それは職員を見殺しにしますよ。私も十何年もやってきて、理屈でなくそう思っております。また、それが議員の職責である。  ただ、困ることには、職員といえども二千四百カロリーを必要とする生体であり自然人でありますから、能率というものは一定の限度を——客観条件、食料なり給与なりいろいろな条件が悪くなってきますと能率が低下する。ひいては住民サービスがおろそかになるという点で悪循環を起こします。ですから、当然そこには接点があって、カーブがあって、一定の限界がある。われわれは、この定年制法案というものは、たとえば常識的に、まあ年とった者はやめさせられるのが当然ではないか、民間もそうではないか、年とった者がやめるのは当然ではないか。ですから、非常に素朴な国民感情としてはこれを了解しております。了解しようとしつつあると私は思います。しかし、そのことと、労働者としての基本権、憲法上の問題——これはあなたが言うように離職の一態様なんというものではないのです。定年という問題は、首がなくなるのですから、給料が少しぐらい上がるよりも首が続いたほうがいいわけです。それは選ぶのですから、法律の論議ではないのですよ。お互いに給料が少しぐらい上がるよりも、自分が五十五が六十まであるいは六十五まで働けるほうがいいのですから。再雇用の義務規定も何もない。単に再雇用制度というものは、これはチープレーバーでもって養う労働意欲をつくっていく方法ではありませんか。政府は閣議でもって中高年をどんどんやれということを出しておる。自治省はどんどん首切るほうをつくっていく。よその官庁は困って、これでやっていけなんということを——あとで証明しようと思いますが、国民生活審議会の答申はたくさんあります。これは、労働省も来ておりますのであとで言及したいと思いますが、素朴な感情としてはわからぬではないのです。しかし、そこに大きな陥穽がある。それは基本的な人権の問題であり、憲法に関する問題である。ですから二、三の官僚にまかせないで、学者を八人、労働代表を六人、資本代表を六人、この公の、全国の最高のブレーンを結集した公務員制度審議会にかけてはどうですかというのが、いま私の質問しておる角度なのです。その点について野田さんの御意見を聞かしていただければいいんです。さらに言いますが、離職制度をことしつくって、この前つくらなかった理由についてだけお聞きをいたします。

野田武夫自由民主党自治大臣・北海道開発庁長官

○野田国務大臣 私は前の一案、二案というものと、この変わってきた経過は詳しく存じません。これは、それを提案した事務当局で御説明する。私はこの法案が最も適切であるということを認めましたから、提案いたしまして御審議を願っておるのであります。その経過につきましては、やはり事務当局でずっと携わっております者が御説明できれば御説明申し上げる、こういうことでございます。

依田圭五日本社会党

○依田委員 どうも野田さんはお話がうまいからつい私はごまかされてしまう。この法律については責任があり、十分わかっておるから私は提案しました。前のことは私の担当ではないし、それは事務当局から説明させるなんということは話になりませんよ。ことしの法律というものは、この前の法律を受け、そのまた前の法律を受け——人間の命が急に変わったり、人間が死ななくなったり、いろいろの条件が、技術革新の時代だから、何が出てくるかわからぬからというのならともかく、内容は一カ条、簡単なんです。離職条項の中に第四号として定年制を設けるということだけなんです。ちっとも変わっておらない。ただ離職条項に入れるということ。この一カ条を入れるということが、なぜこの前は二十八条に入れ、今回は二十七条に入れ、しかもこの前とは違って新しく、三回目には離職という法の概念を導入し、新しい項目を起こさなければならなくったのか。相手であるところの人間のほうはちっとも変わってない。一万年前から五尺何寸、変わってない。三度のめしを食わなければ腹が減るのですから。まして十五年や二十年では変わらない。大臣、あなたがこの法律はだいじょうぶだと確信するに至りましたその前段との相違点について私は聞いておるのですよ。

野田武夫自由民主党自治大臣・北海道開発庁長官

○野田国務大臣 先ほど申しましたとおり、私は前段と今度変わったということは、これは法の検討にあたりましていろいろ研究した結果でございまして、私自身はやはりこの改正案が最も適当である、こう認めましたから御提案いたしたわけであります。だから、その点につきましては、私は当時直接関係いたしておりませんから、それの経過につきましては関係した政府委員がおりますから、政府委員はそういうために来ておりますから御説明いたします。また、足りないところはそれに補足いたします。

依田圭五日本社会党

○依田委員 野田さんは、今回の法案の提案者として全責任を持っておられるのです。それはわかります。われわれもまた、ぼくの選挙区の七十六万はもちろん、全国のこれに関係のあるものの立場でもって、理事に指揮されながらやっておるわけです。これは内容じゃないですよ。さっき言ったように、なぜ公制審にかけなければならないかというとば口もとば口、全然入り口。さっき言ったように、委員長にこの質問を全部預けるから持っていってくださいと言っているのです。内容なんか要らないのです。内容には触れていないのです。なぜ今回去年と違ったものを、テーマはこの前と同じなのに出されたか。これは大臣、あなた自身が変えたのでしょう。この前と同じように出しましょうかと言ったら、いや、この前と同じじゃまずい、おれの責任で、信ずるのだから出しなさい、離職条項を出して新しい定年制の法案をつくりたまえ、この前のでは了解しないということで変えて出されたんでしょう。私はそういうふうに理解しておりますよ。

野田武夫自由民主党自治大臣・北海道開発庁長官

○野田国務大臣 私は前のを見て今度こう直せと言ったのではない。私に対して事務当局の持ってまいりました案はこの案でございます。だから、したがってこの案ならよかろうということで、前との比較については一切私のところには来ておりません。

依田圭五日本社会党

○依田委員 そうすると、大臣は前の案は見てもいなければあなたの手元にも来ておらないというのですね。事務当局から出されたのはこの案であるということですね。ですから、提案について大きな判こをあなたが押したということですね。失礼ですけれども、あなたは前の案を読んだことがありますか。

野田武夫自由民主党自治大臣・北海道開発庁長官

○野田国務大臣 それは一応読みました。

依田圭五日本社会党

○依田委員 それじゃおかわりでしょう、どうしてこうなったか。

野田武夫自由民主党自治大臣・北海道開発庁長官

○野田国務大臣 前の案を検討して直せという指令を私が出したらばこれは別ですよ。しかし、この案を持ってまいりまして、こういう案で出したいというから、そうかといって内容を検討して出したのでございますから、私が前の案を手直ししたとかなんとかという経過はないから、そこで、それまでの経過は事務当局が当たっているから——依田さん、それは国会の委員会でもそのつど明快にすべきだから、これは係の者がどんどんお答えするのはあたりまえのことじゃないですか。そんな無理なことを言ってはだめですよ。

依田圭五日本社会党

○依田委員 野田さん、あなたは公制審の諮問はともかくとして、意見は聞いてもよろしいと二、三回御発言になっておる。それは触れません。それは理事のほうから触れてはならないと言われておりますから。しかし、法律の用語としては、意見を聞くのも諮問をするのも同じです。客観的な事項としては諮問になる。しかしお互いに、私はあなたに諮問しますとは言わないし、私はあなたの諮問を受けますとは言わない。意見を聞きます、はい私も意見をまとめて出します、ということなんです。これは理事から厳重に号令をかけられておりますから、これには触れません。野田さんの偉いところは、失礼ですがそこなんです。ですから私は、その次元であなたの御意見を聞きたいし、あなたの指導を受けたい、こう思っておるわけです。しかし、だんだん聞いていくと、とば口のこれがわからぬということじゃ——私も連休を十日以上返上して一生懸命こればかりに取り組んだわけですから、これは野田さんよりも私は若干知っています。夜は何時間も寝ないでやったのですから。頭は悪いしあれですけれども。しかし、法律とはその次元で相談すべきものだと私は思っておるのです。これも聞いていくととば口のとで、富士山でいえば吉田口の——まだ新宿の駅を離れたくらいのところで、見ていない。これから出ていったらそんな話はたくさん出てきますよ。出てくるからあなたはりっぱな大臣なんだ。しかし。形式論的には一つ一つ重大な問題を含んでくるのです。  そこで、結論に私言いたいのだが、結局事務当局のほうで御答弁にならなければならない、新宿を出たくらいの程度の話で、これを越えることがなかなか調子よくないというお話ですね。私はその事実からこういうことを言いたいのです。それについて御異議があれば聞きますが、それはいいでしょう。お互いに選挙しているのですからいいと思います。私、これだけやったから知っているので、ほかのことは知らないのです。これだけしか知らないのです。百二十本も法律が出ておりますが、これだけ知っているのです。あとの百十九本は知らないのです。それでいいと思うのです。議員なるものはそれでいいのです。ただこれは、結局、さっき言ったように、公務員部長、特に公務員課長、この人だけしかこの問題については知らないのです。このわずか一カ条でありますが、法律のていさいとしては一枚の法律でありますが、これが憲法にどんなぐあいに抵触し、憲法の基本的な人権にどう抵触し、二十七条の勤労の権利にどう抵触をし、そういう問題についてはほかの者は知らぬ。私も知らぬ。あなたも知らぬ。そうしてこれが提案されて、形は自治省が出し、省議で決定して、大臣の責任で閣議に報告されて、閣議決定して政府から国会に出されて、国会は議長が受理して委員会に付託しておるわけですよ。話はぎょうぎょうしいですよ。せんじ詰めていけば課長が一人でつくった。突っ込んでいけば局長だって答弁できませんよ。局長の守備範囲は広いですから、できませんよ。政務次官は選挙しておられるのですから——そんなものはお互いの立場ですよ。ですからこの法律の危険性というものは、一人の公務員課長なり一人の公務員部長が、一人といっては失礼だが、相談をして二、三人でつくった。その方たちは何の選挙をするのでもなければ、納税者に会うのでもない。私も大学を出ましてから二十年近くたちますが、よく官庁に行きます。大体私の同級生は、局長にはならぬけれども、課長じゃないです。大体部長くらいです。十時半に行って、いる人はあまりいないです。ぼくは陳情者を連れて役所に行くのです。通産省でも労働省でも。大体地元の陳情を受けて二つくらいこなしていくのです。そうしなければ選挙に落っこちてしまう。役人のほうは十時半に来れば精勤です。それは無理はないです。自分の鉛筆の動かし方一つで全国民の権利を剥奪したりすることができるような法律を起案する力がございますから。名前は公僕でございますが、公僕の僕はリーダーでありますから、これはあるわけです。ですから、結局私は、この問題は公制審のようなところにかけて、十分に衆知を結集して、時間をかけて、これは基本的な権限を奪うものであるから、これをやらせなければならないという角度からの質問をいま展開をしようとしておるわけです。やむを得なければしようがないです。これは事務当局でもいいですから答弁してください。これははっきりいって、野田さん、ほんとうにあなたは、言っては悪いけれども、ロボットなとと言っては悪いけれども——ことばは取り消しますが、ことばは悪いけれども、あなたはめくら判でやられた、この責任はあなた持ってください。全責任は佐藤総理が持っていますけれども、実質はそんなところにはないのだ。ILOに関しドライヤー勧告の中で、二カ条にわたって勧告しておるではありませんか。公務員制度審議会にかけなさいと言っておるではないか。なぜそれをやらないのだ。労働関係の基本にこれは総理府設置法できめられておるじゃないか。これは時の総理大臣の解釈権の中にないのです。法律は独立独歩の客観的なものでありますから、労働関係の基本であるならば、これは当然諮問しなければならない。私はそのために——農業基本法、林業基本法あるいは教育基本法、たくさんありますね。基本法だけで七本あります。中小企業基本法、原子力基本法、全部基本法でございます。その答申の委員会へどういう関連で提案をされてきたかということを二、三日かかって調べました。基本問題とは一体どういう概念であるか、法律辞典も見ました。あなたが言うように労働三権で——労働三権はこの法律では離職条項だ。離職条項で、一形態にすぎないからかける必要はないのだという理論はどこからも出てこない。それを裏のほうから証明しようと思っても、ちっともあなたは富士登山ができないじゃないか。できるならば答弁してください。できれば私は野田さんとこの問題を進めていきたい。ただし、長野さん、あなたはここでさっき、雇われマダム、それから何とかいったね、「休まず、遅れず、働かず」そういう考え方、人事院はナンセンスだという考え方、国会は怠慢であるという考え方があなたの部下にあるのです。そういうようなところで、実際はあなたと部長と課長で相談になってきめたのです。その作業を課長補佐なり二、三の人がやった。これが実態です。またそれでいいと思うのです。だからこそ公務員というものは非常に重要であるし、身分も保護されなければならぬし、定年なんという問題は慎重に考えなければならぬということを言っておる。野田さん、御答弁だめなんですね。できればあなたと私と常識の段階でひとつ判断しようと思っておるのですよ。二、三人の役人の判断なんかに、こんな重要な問題はまかせられないのです。二百二十三万人も関係あるのですからね。

野田武夫自由民主党自治大臣・北海道開発庁長官

○野田国務大臣 これは依田さん、常識もいいのですけれども、やはり起案したのを私が見たのでございますから、責任は私にあるが、その経過ということでございますが、これは全く経過は事務的に今日までやっておった当事者からお答えしなければならない。私は起案されたものを見て、そして省議にかけて正式にこれを提案することの運びにしたのですから、そういう常識論でなくて、これは現実論でございますから、それに対しては、やはり先ほど申しましたとおり、これに当たった者が申し上げるほうが、これはむしろ委員会として親切な態度ではないか。ただ、わからぬことはわかりませんよ。いいですと言っておっても、あなたのせっかくの御質問に対するはっきりしたお答えができませんから、それに携わって一番知っておる政府委員がおりますから、そちらからお答えいたします。

依田圭五日本社会党

○依田委員 野田さん、だめですよ。それは浪花節みたいな御意見でだめです。事は重大なんですから、一人一人の答弁や意見ではないのです。たくさんの人が……。(発言する者あり)やじが終わるまで待ちましょう。(発言する者あり)いいです。この問題はせっかく話があるが、やめましょう。それはわかるが、私もこんな質問をしようとは思わない。思わないけれども、何でもかんでも、これを無理やりに、内容の審議もろくすっぽしないで片づけようなんというような傾向があるから、どうしても形式論的な——あなたが答弁の全責任があるのでしょう。

野田武夫自由民主党自治大臣・北海道開発庁長官

○野田国務大臣 足らないところはちゃんと政府委員がおります。つまり、これが国会のなにですから、ちゃんとそのために政府委員がおります。それは国会の常識です。

依田圭五日本社会党

○依田委員 それでは審議に入りましょう。

長野士郎自治省行政局長

○長野政府委員 従来の規定は、お話がありましたように、第二十八条に規定をしておった改正案がございます。これはいろいろ検討いたしましたのでございますが、結局分限免職というものの考え方と、それから定年退職というものの考え方とは、定年退職自身から考えますと、いまの分限条項と申しますか、職員の身分に関する問題でございますから、分限条項の中に該当するということにはなります。なりますけれども、それは分限免職というような免職ではない。どちらかといえば、任期満了というようなものの形に近い。つまり、免職といいましても、アクションがなくて職を離れていく、こういう形があるわけでございます。  そこで、そういうような両方の概念が混淆することはやはりよくないので、むしろ分限免職と切り離した形で定年退職というものを整理していくことのほうが身分的にすっきりしてくるのではないかということを、種々検討の結果そういう結論を得たわけであります。しかしながら、先ほども申しますように、広い意味ではやはり分限の中身でございますから、そこで、分限の中身といたしましては、この公務員法の分限の関係の規定のところに整理をすることが一番いい。そういうことで考えてまいりますと、離職関係というものは、国家公務員法等の規定を参考にいたしましたが、やはり離職という関係規定というもので整理をして、その離職のいろいろな態様というものをそこに整理をしておく。分限という条項の中で整理をしておくのが一番いいのじゃないかというふうに、だんだん検討の結果結論が進んでまいったわけでございます。  そういうわけで、今回の改正案は、従来の改正案と違いまして、離職の一態様として考える。しかも、この改正案でごらんいただきますとわかりますように、分限免職とも違う。もちろん懲戒免職などとは違うわけでございますし、失職とも違う。任期満了とも違う。そういう意味で、定年退職という一つの離職の形態であるということを明らかにしながら、それによってまた同時に条例を設ければ定年退職の制度がつくり得るような道を開く、こういうことでございます。

依田圭五日本社会党

○依田委員 結局、分限とは何ぞやという問題に戻るわけですね。それから、離職とは何か。離職とは一体法律の要件なのか。効果なのか。分限とは一体どちらなのか。定年に達することは、法律要件なのか、それから効果も含めているのかどうか。そういった問題が重要になってくると思うのですが、まず第一に、分限の定義をひとつ長野さんからお聞きしたいと思います。

長野士郎自治省行政局長

○長野政府委員 分限ということばは昔から使われておりまして、これでなかなかむずかしい議論があるようでございますが、結局のところ、いろいろの議論を集約いたしますと、職員の身分に関する基本的な事柄にかかわる事項を分限——つまり、そういう分限自身から考えますと、したがいまして、この公務員法などというものは、全体が広い意味の分限というようなものに深くつながってくるし、それ自身だという議論もございます。しかし、ここにおける分限と申しますことは、その職員の身分の中で一定の条件にかかわりました場合には、離職する、退職する、失職する、免職するというような事柄を狭い分限として解しておる。したがって、その逆の意味では、分限というのは職員の身分に関することであって、職員の身分の保障に関することだ、こういうことは考えられると思います。分限処分というようなときに、その職員の身分の保障を、一定の条件に合えば職員でなくすることができるという条項として、公務員法の分限という規定は、分限という一番狭いところには入っておりますが、正確に言えばこれは分限処分というのだろうと思います。ただ、処分といえませんのは、法律上のいわゆる欠格条項と申しますか、犯罪を犯しましたとか、あるいは禁治産者の宣告を受けましたとかいうものは当然に失職するというのも分限の中に入っておりますから、そこはそういう条項を含めまして、狭義の分限ということばを使っておる、こういうことになっていると思います。したがいまして、ここの二十八条のような分限は、むしろ職員の身分保障という広い意味の、本来の分限の性質から、一定の事項に該当する場合は剥奪するということを意味します。こういうことになります。

依田圭五日本社会党

○依田委員 分限の定義は、あなたのおっしゃっているうちで、いろいろ全部分限に入る——そういうお話なら全部分限に入るのです。それでは一体そういうような包括的な話になると、勤務条件というものの定義は何ですか。民間における労働条件、それから役所における勤務条件、この定義は一体どういうことなんですか。それから離職についての定義をひとつ聞かしてもらいたいと思います。

長野士郎自治省行政局長

○長野政府委員 勤務条件と申しますのは、職員の場合にいっておることばであります。通常でいえば、労働条件というものと大体内容としては同じような考え方ではないかと思います。つまり、それは結局、職員が自分の労務といいますか、職務上の職責遂行ということに自分の労務を提供いたしまして、そしてまた、その提供いたすことに対する反対給付、そういうものがあるわけでございますが、そういうことを考える場合に、一般的に当然に考慮の対象となるべき利害関係事項をさすのだ、こういうことになっているわけでございます。もう一ぺん言い直しますと、自己の労働を提供し、もしくはその提供を受けるかいなかの決心をするにあたって、一般的に当然考慮の対象となるべき利害関係事項、えらい言い回しがむずかしくなっておりますが、自己の労働を提供し、あるいはその提供することを継続することにあたって、当然に一般的に考慮すべき利害関係事項が労働条件であるということがいわれておるようでございますが、勤務条件というのも大体同じような考え方だと思います。  それから離職についての問題でございますが、離職と申しますのは、いま効果というようなお話がございましたけれども、効果とかなんとかいうのじゃなくて、職員としての身分の継続が断たれる。職員でなくなる。なくなり方にいろいろな原因があるわけでございますから、その意味では、なくなるということは、原因に基づく効果ということもいえるかと思いますけれども、そういうなくなり方となくなることとの結びつきの態様を、この改正案としては離職というかっこうで整理をしております。それはいまの任期満了ということでなくなる。あるいは法律に基づく欠格条項によって当然に失職する。あるいは自己の一身上の都合で退職する。あるいは懲戒処分で退職になる。あるいは分限によって免職になる。こういう原因と離職するしかたというものをあわせまして離職という規定で整理をしているわけでございます。

依田圭五日本社会党

○依田委員 何もあなたがそう離職の定義を御苦心なさらぬでも、労働省来ておれば聞きたいのですが、時間もありませんから。離職については人事院規則に定義が出ているのです。それから勤務条件、そのとおりであります。雇用されるについて想定される、自分が判断をきめるについての必要な諸条件の全部をさす、そういう意味において労働条件というもの、勤務条件というものを考えますと、何もかもこれは入っちゃうのです。何もかも分限に入っちゃうのです。身分関係の変動でありますから、何もかも入っちゃう。しかし、分限と労働条件とは全く異質の概念です。同じだと思っておられれば答弁してください。私が言っておることに対して御異議があれば……。その辺からでなければこの問題は出てこない。

長野士郎自治省行政局長

○長野政府委員 私が最初に申し上げましたのは、そういう身分に関する問題だから、いろいろな説があるが、一番広い概念を主張される説から考えれば、公務員関係の諸制度というものは、みんな分限というものに入っちゃうという言い方がここでされておる。しかし、ここでいう分限はそうでなくて、職員の身分に関する基本的な事柄、そういうものに限定をして考えるのが通常の分限という考え方、こういうことを申し上げたのであります。

依田圭五日本社会党

○依田委員 分限というのは労働者の保護を前提として、そしてその身分関係の変動をいうわけです。あなたの場合には前提条件があるのです。労働者の保護を前提とするんだということ。それから、歴史的にこれは違うのです。分限というのは、これは一つの歴史的な過程があるわけです。これはあなたのほうの先輩が書かれたいろいろな本を読んでみると、やはり東大の先生だとか京大の先生、学者よりも、何といっても自治省出身のあなた方の先輩のお書きになった本が、自治省の見解に忠実であろう。また、ひいては通説であろうというわけで、二、三話がありますが、読みました。今枝さんの話ですが、「身分の保障および身分の保障を前提とする免職、降任、休職などの不利益な身分上の変動について」これを分限と規定いたします。また、分限の歴史的なものは、「古く律令時代に公田、私田、奴婢その他の財産を遺産として分配を受ける地位およびその限度を意味していた。」これは五、六冊の本がみな同じように書いてあります。大体こういう話です。「旧憲法における「臣民たる分限」(一九条)、改正前の民法における「子たる分限」(八二〇条−八七六条)、「文官分限令」などと用いられている場合の分限は、その人の資格に応じた公法上または私法上の地位ないしはその人の身分によって当然に享けられる法律上の利益の限度を意味していると考えられる。旧官吏制度における分限の制度は官吏分限令(明治三二勅令六二)の制定に始まるものである。当時、山県内閣が憲政党の支援により第十二帝国議会を切り抜けたことに対する報償として、憲政党から猟官の動きがあったことに対抗して、文官任用令の改正により自由任用の範囲を制限するとともに文官分限令および文官懲戒令を制定することにより、官僚の身分を保障し、その勢力の維持を図ったものであるといわれている。現行制度における分限の制度は、公務員の身分に関する基本的な規定を意味しており、その内容は身分の保障および身分の保障を前提とする免職、降任、休職などの不利益な身分上の変動について規定したものである。」こういっておる。これはこの法律のように、定年というものが、広い意味における分限の一つであるといたしましても、そういう意味なら全部勤務条件に入る。だけれども、勤務条件の反対は管理運営権なんです。いわゆる民間における経営権です。分限という考え方とはちぐはぐ、異質のものなんですね。歴史的にも異質のもの。しかもこれは勤労者のサイドから出てきたものである、こういうことです。しかも行政の一貫性を保障する必要から出たものである。ですから、悪いことをしてやめる懲戒処分、それから、悪いことはしないんだけれども、これは懲戒処分とは全然関係ありませんから、悪いことはしないんだけれども、健康が悪いとか、自分の不注意ですね、あるいは怠慢であるとか、そういうことによる身分の処分、身分の喪失であります。  もう一つは、役所の官制の変動あるいは予算の削減等によるところの分限処分、これは行政上の能率と行政の運営上の問題であります。これらには分限が入る。定年ということで、一人の生きておる人間を理由なくして一定の条件の充足、停止条件の充足を機会として首をちょん切る、いわゆる離職という法律効果を起こす。これは分限の中には入らない。広い意味の分限には入りますよ。だけれども、厳密な意味における分限ということでは、ほかのものとは異質のものである。それをなぜ二十七条の二に並べて、しかもこの離職という条項を起こされたのかという点をもう一ぺん御説明願いたいと思います。

長野士郎自治省行政局長

○長野政府委員 分限に関する場合は、私も先生と同じように考えております。先ほど申し上げましたように、身分保障の規定だということを申し上げたのもその意味でありますが、定年退職という問題は、従来の行政解釈としては、やはりその意に反して免職するといいますか、そういうかっこうの概念規定ということから、「法律で定める事由による場合でなければ、」できないというこの「分限及び懲戒の基準」という二十七条の規定がございますが、その二十七条の規定、特にその中の分限に関する規定との関係で抵触するしないという議論から、当然には条例で定年制は設けられない。設けておるとすれば、それは地方公務員のもとでは違法であるという解釈を下しておるのであります。そういう経過がございます。  そういう経過からいたしまして、分限条項の中でものを考えていくという考え方がずっとあったわけでございます。そういう意味でございますが、しかしながら、やはり分限免職というようなものと、先ほど申し上げました任期満了退職というようなものとのちょうど相半ばであるというようなところが実際上定年退職という感じがいたすものでございますから、そこで、そういう離職の一つの態様としたいということで考えたわけでございます。同時に、定年といいますものは、一定の年齢がきたら退職いたしますけれども、一定の年齢に達するまでは分限、懲戒処分に該当しない限りは身分が保障される。そういう意味ではやはり身分保障という大きな一面を前提としておるわけでございます。その結果、定年に達すれば退職するわけでございます。その意味では、分限退職といいますか、分限免職じゃございませんから、分限条項の中の離職ということではやはり少なくともはまっておるということでございます。そういう関係もございますので、従来の改正法として二十八条に加えるという考え方を出しておったのでございます。しかし、そういう意味では、この分限免職とかなんとかというものとかかわりあいがあるという感じが強くなり過ぎます。そこで、やはり分限の関係の規定であることは間違いない。定年というのは一つの身分保障でございますから、そういう意味で間違いないので、その点もはっきりさせたい。しかしながら、分限免職と一緒ではないということもはっきりさせておきたいということがございまして、分限の基本規定の中でこれを整理していくことが、やはり従来の経過にも合わせて一番妥当ではないかというふうに考えたわけでございます。定年退職というものの退職という部分だけを考えれば、分限と全く関係がないというような議論もできるかもしれませんが、私どもは、定年というものは一定の身分を、その期間において分限処分にも懲戒処分にも当たらない限りは保障されるという意味ではやはり身分保障である。そういう意味では、これは分限の大きな概念ではなくて、狭い分限概念の中でものは考えていかれるべきものではないか。ただ、分限免職と定年退職とはやはり違うということで、この改正法のような整理をいたしたわけでございます。

依田圭五日本社会党

○依田委員 分限免職ということとは違うというのはそのとおりであります。だから、この分限というのは、ほかの身分変動とはまた違うんだということをあなたが自分で御証明になっておるわけです。離職条項という新しい項を起こされた。これは法律の効果なんです。要件じゃないのですね。その中に「懲戒免職の処分」と、「法律の規定によりその職を失ったとき。」「定年に達したとき。」こういうようにある。五号、六号は辞職の申し出と任期満了——任期満了も問題かありますが、これはあとで触れることにいたしまして、これだけでも相当大きな問題だと私は思います。定年に達したるそのときに——いま問題になっておるのは、定年に達することによって、それまでの身分保障じゃないのですよ。そういう角度に力点を置かれたら困るのです。とにかく五十何歳かになったら身分が不当になくなるのです。首がとれるのです。馘首されるのですから身分を失うのです。身分を失う現象を離職条項、これは人事院規則ではっきり定義を下しております。その条項をどこへ持っていくかで困った。この前はなかった。新しいところへ入れようとして苦労した。二十七条の四号のところに入れるのはおかしいけれども、まあ、やや広い意味においては、やめるまでは関係がある身分保障なんだ。そのやめるまでは身分保障があるという解釈でもって、分限条項を離職条項に入れようではないか。われわれがここで定年制の問題で議論しているのは、やめるまでの問題ではないのです。分限とは悪いことをしてやめるのじゃないのです、悪いことをしたら懲戒処分になっしまいますから。もっと悪いことをしたら、これは刑事処分になる、刑法の処分を受けるのですから。懲戒処分は在職中だけの処分。刑法の処分は人間として生きる限り処分を受ける、刑法で罪が追及されるわけですからはっきりしておる。だからこの分限はどこへ入れるか。離職条項に入れる。やめるまでの保護規定でありまして、同じ土俵だからまとめようじゃないか、それで統一しようじゃないか。離職だ。大臣がきのうまで御答弁になっているのは、離職の一形態だから労働関係の基本ではないのだ。公制審にかける必要はないのだということなんです。労働関係の基本とは一体何ですか。総理府の設置法に「労働関係の基本」と出ている。労使関係の基本じゃないのですよ、労働関係一般の基本問題について。ですから農業基本法、教育基本法、中小企業基本法、林業基本法、原子力基本法、私は一応全部読んでみました。何が基本であるか、定義がどこにあるかということを聞きたい。もし基本ということばについての定義があったら、長野さん、ここで明らかにしてください。あなたがこの法律を立案なさって、基本だとお考えになったら——ドライヤー勧告は、ILOの件について、これを公制審に入れなさいということをはっきり勧告しておりますよ。条文を読みましょうか。どうぞその点についてやってください。大事なところです。その辺に今回の問題があるのです。二、三人のお役所仕事では納得できない。なぜ公制審の衆知を結集した討議にかけないのか。これが前に廃案になったときに、これは理事から新聞の切り抜きをもらいましたが、それは公制審にかけなければならぬ十分な理由があると考えられるから、今回はやめるということを閣議か何かできめているのじゃないですか。その点について、なぜ離職条項に入れてそしてやったか。私は一項目起こすべきものだと思います。もし法律にするならば、二十七条の三を起こして、とにかく二十七条でもない二十八条でもない一項目を起こして、定年制をうたうべきである。百歩譲っても、二十七条の三に入れるべきではないか。他のものと一緒に肩を並べてやるべきものではない。内容が違うのだ。個人が悪いことをした、それによって処分を受けるのではない。分限とは体制的なもの、団体的なもの、行政の一貫性の中で位置するもの、行政の能率向上をするもの、これは律令以来、分限というものは、分限令その他でもって、明治時代も昭和の初めも戦前も一貫されておるのです。そういう意味です。どうも二十七条の二に、肩を並べて四号にさりげなく入れたということについて、また、それを理由として離職の一形態だといって——給料を上げてもらうより、首切られないほうがいいですよ。給料は労働三権だから、労働関係の基本問題だから、これは公制審にかける。定年制で首を切られるということは、給与問題よりも軽い問題だから、これはかける必要がないという理論でしょう。野田さん、そんなことは役人の世界ではわかるかもしれぬが、私たち選挙で出てくる者にとってはわからぬですよ。うちの秘書に聞いたんだ。おまえら給料下げられるのと無理やり定年でやめさせられるのとどっちがいいかと言ったら、それは少しぐらい給料下がってもそっちのほうがずっといいですよと言った。これが素朴な国民の気持ちですよ。それを、離職の一形態だから重要問題ではないのだ。だから公制審にかけないという理論じゃないですか。そして二、三人できめたものを、責任は大臣が負っておる、これは私ははっきり何度も言いますよ。それについて説明ができないというなら話になりませんよ。個人ではありませんよ。

長野士郎自治省行政局長

○長野政府委員 なぜ分限の規定を入れたんだというようなお話しのようでもございますが、実は私も先ほど申し上げたつもりでございましたが、この改正案を整えますためには、地方公務員法だけで考えるわけにもまいりませんので、国家公務員法その他の体系も研究いたしまして、国家公務員法におきましても、国家公務員法第七十七条、「第六節 分限、懲戒及び保障」「第一款分限」その「分限」という法体系の中に第七十七条「離職」という規定がありまして、そして「職員の離職に関する規定は、この法律及び人事院規則でこれを定める。」というふうに分限の規定の中に離職規定というものが包括されております。私どもはそういうものを一つの参考にもいたしまして、また人事院その他の御意見も伺いまして、この規定の整備をはかったのでございます。また、同時に、離職規定というものを分限規定の中で整理をして差しつかえなかろうと私どもは考えます。法制局その他とも相談いたしましたがそれが一番正しい適当な方法ではないかということになったわけでございます。その点では私どもはいまの改正案が一番——そういう意味での離職関係というものでございますけれども、それはやはり分限の規定の中で位置を占めることでいいのだと思っております。

依田圭五日本社会党

○依田委員 国家公務員法の中に分限と離職がある、当然でありますよ。地公法の中には離職がないということで解釈が混乱しているので新設したのだ。では、国家公務員法の分限の中に定年という項がありますか。あったら言ってください。

長野士郎自治省行政局長

○長野政府委員 もちろん定年という項はございません。ございませんが定年制というものも離職の態様であることは間違いないと思います。したがいまして、法の体系として分限のところに離職の規定がある。その場合に、離職の態様の中に定年制を加えるということは、国家公務員法にはいま一般的に定年制を採用しておりませんからございませんけれども、法の体系として考える場合には、そういう離職規定の中にそれを入れ、分限項目の中に入れていく、これでよろしかろうかと思っております。

依田圭五日本社会党

○依田委員 あなたはよろしかろうと思っている。公制審に八人の学者が集まっています。その一人一人にあなた聞いたことありますか。あなた一人がよろしかろうと思って内閣の法制局に聞いたのでしょう。まあまあよかろう。衆議院の法制局、参議院の法制局に私は聞いたら、重大な疑問点があると言っていますよ。立法機関のほうには重大な疑問点がある。あなたは内閣法制局のほうにだけ聞いたのでしょう。国家公務員法は定年のことはないのです。あなたは一緒にしているからいけない。定年ということは、定年に達するという一つのアクションですよ。これは法律要件ではない、法律事件ですよ。離職するというのは一つの法律効果なんです。これははっきり人事院規則に出ておる。離職とは身分を失うこと——全部の条項は私読み切れませんが、人事院規則の一一ですかに出ておるのです。身分を失うこと。言いかえれば、あるいは法律用語を使わなければ、なだらかな、静態的な、穏やかな、動かない形の中における一つの自然的な物理現象、これが離職条項ですよ。それを起こさせる原因、作動、力ですよ。原因ですよ。これは一つの法律要件ですよ。法律要件には法律行為と法律事件がある。これは事件ですよ。六十歳になればいやでもおうでもやめるということ、何も本人が悪いことをしているのじゃない。しかもそれが個人に関係のない団体として政党内閣の上にできると、全部下がかわってしまう。警察署長までかわってしまう。民政党ができると、警察署長がかわっちゃう。政友会ができると村役場の幹部が全部かわっちゃう。それでは行政の一貫性ができないから。その立案であるところの特別公務員、特別職、これと一般公務員とに分けて、一般公務員はいわゆる専門職として、行政官としてその一貫性、政治形態、行政機構というものを維持させようとする趣旨に出、そういう歴史に出、しかも勤労者の保護条項として出ているのは、あなたたちの先輩の今枝さんであり、これに反論する学者があればあなたのほうで学説をあげてください。私も質問を、この点は留保して、その人に会って聞いてまた再質問しますから。私の知っている限りはないのだ。あなたが知っていれば言ってください。それは今枝君の意見は違うのだ、これはわれわれの先輩だけれども、違うのだ、おれは違う見解を持っておる、こういう学説を持っておる——あなたの書かれた「地方自治法」という本も、私ずいぶん読ませてもらいましたよ、何かあるのじゃないかと思って。地方自治法の本だけれども、どうしてもこの分限問題はなかなか出てこない。「公務員法」、今枝さんによらざるを得ない。自治省関係の本としては唯一の本です。そういうことを考えたときに、私はどうしても、この問題が二十七条の二に入るその土台は、やめるまでは身分保障なんだ。われわれが問題にしているのは、やめるということ。やめて身分を失う、やめてからのことを問題にしているのです。具体的に言うと、社会保障の関係とかそういうこともありますが、それはいいです。あとでまた内容に触れますから、私はいまやりません。中高年がどうとか、いろいろあるが、やりません。これはあとにしますが、やめてからのこと、やめて不当に権利が剥奪されることがどうだということ。  それから、あなたはさっき、公務員法にはないと言われた。これは憲法のいわゆる十四条、平等の大原則——公務員法にないものをなぜ地公法につくるか。これでさえももうたいへんな問題なのです。これはおそらく最大級の問題でありましょう。しかし、前のほうを片づけなければいけませんから前のほうを見てみますが、どうもその点について納得がいかないのです。もう少し説明してください。なぜ二十七条の二に異質のものを第四号として入れるか。さりげなく——というのは私の形容詞ですから撤回しますが、なぜ入れたか。あなた自身が、まあこれは分限に入るであろう、どこへ入れるといっても、なかなかわからないから、これは広い意味における分限だからこの項目に入れた。入れたところが離職である。離職はすなわち一形態である。公制審は労働基本法だ、基本問題だ。公制審にかける必要はない。野田さんなんかは、御自分で言いながらも自分でおかしいと思うから、個人としては聞くとかいろいろおっしゃっておられる。その辺を説明してください。

長野士郎自治省行政局長

○長野政府委員 私の説明が十分でなかったかもしれませんので補足いたしますが、私は先ほどから申し上げましたとおり、やはりこの離職関係は国家公務員法との関係の法的な構成から申しましても、また意味、内容から申しましても、分限という関係の中で規定をすることが正しいというふうに考えております。  それからまた、分限という免職というものと定年退職とはやはり違う。その意味では一番狭い意味の分限免職でももちろんないわけです。そうでありますけれども、やはり定年によって退職するということも、全体としては職員の身分に関する基本規定の中で、定年というものは、定年に達するまでは分限懲戒の処分に該当しない限りは、これは身分が保障されるわけです。そういう意味では定年制というものも分限規定ということでは当然考えられる。そして離職の関係につきましても、その関係規定というものはやはりここに加えることが正しいということでございますので、そういう改正案として提案をさせていただいておるわけであります。

依田圭五日本社会党

○依田委員 これは一番基本的な問題の一つでありますが、あなたはそれが正しいと思って提案をしたんだ、こうおっしゃっているのです。自治省の局長の権威をもってそう言っているわけです。私ももっともらしく聞こえます。しかし、とても了解できない。あなたは、先ほど御自分のことばで、広い意味の分限に入る、やめるまでは身分が保障されている保護規定である、その意味では分限に入ると言っておるのです。確かに、分限とは労働者あるいは勤労者の保障を前提として身分の変動をいうという定義になっております。だから、やめるまでは保障があるから分限規定の中に入るんだ、こう言うけれども、それは違うんだ。われわれが保障というのは、やめさせられない意味における自然の年齢がいわゆる停止条件にきたときに自然にやめる。不当なやめ方についてこれは困る問題だ。そうかといって、私は八十歳の老人が村役場でうろうろしていることがいいなんて思っていませんよ。こんなものは財政問題。むしろ全然定年制と関係ないもので分限で処理できる問題だ。これはあなた方の先輩の藤井さんがはっきり言っておるじゃないですか。人事院にいっておる人が言っているじゃないですか。もちろん、財政問題と、八十歳の人が村役場でうろうろしていることはいけない、そのとおりですよ。であるから、そのことはいまの法律で処理できるのですよ。いまの地公法で十分処理できるのです。分限問題としてそれは処理できる。分限には、なまけた者は処分せよと書いてある。からだが病気でなまける者は処分してよろしい。これは本人の責任ではありませんよ。だれも病気になりたくてなる者はいないのですから。ただ、そのことを含めてやめさせてよろしい、行政の能率の問題でありますから。そのほかには、まじめな者は保護しますということです。そのほかに理由があるのは、律令時代以来、奈良朝、飛鳥時代以来の分限令の問題からずっときて、旧民法の規定から始まって、すべて政党内閣の弊害からも救おうとして、行政官を専門職として保護しよう、団体としての要請に出て行政の一貫性を保護しようとする立場から出るのが分限という概念の歴史的な過程なんです。当然それを受けて、あなたがかってに異質のものをここでつくってよろしいということにはならぬのですよ。やめるまでは保護だから保護規定なんだ。やめてからはどうなるのですか。まじめに働いている者が——悪いことをしたら懲戒処分になるのです。第二十八条に書いてあるじゃないですか。やめるまでは保護されて当然ですよ。第一、そんないいことをやっている人にやめられたら役所が困るじゃないですか。ただ一定の年齢まできたらやめさせるということに憲法上の問題があり、基本的な人権とのかかわり合いが出、勤労権とのかかわり合いが出る、こういうことを言っておるのです。大臣が先ほど言っているように、労働三権というものの規定は二十八条の規定だ、その労働三権はどこから出るか。これは団結権もなく、実力行使もストライキもできない弱い労働者は、それだけの保護をしなければならない、二十八条で保護しなければならない。その前には勤労権、働かなければ食っていけないから、二十九条の財産権と関連させて、人間というものは財産と働いて食っていくしかない、二つに一つだ。だから二十七条で勤労権、これは労働三権よりもっと上位の権限を与え、その勤労権はどこに原因するかといったら、二十五条の生存権、人間は生存する権利がある、こういうことである。定年制というのは二十七条の勤労権あるいは二十五条の生存権にかかわり合いを持った問題なんです。それを二十八条の団体交渉権だけが労働問題の重要事項である。離職形態の一つだ。離職というのは、ただやめるという物理現象にすぎない。法律効果にすぎない。法律要件ではない。それをさりげなくそこにぶち込んで、そして法の離職条項の一貫性をつくったのだ。公制審にかける必要はない。なかなか苦心のあとについては非常に敬意を払いますけれども、それを局長は、私はそう信じて出しましたというようなことを言っておる。私は、局長が信じて出したからこれを審議しているのじゃないのですから、もう少し私らにわかりいいように話してください。そうしないと、次の質問に入れません。

長野士郎自治省行政局長

○長野政府委員 どうも繰り返すようで恐縮でございますが、私どもは離職に関する規定として考えます場合に、それは分限という規定の中に、従来からそういう離職に関する規定を統一的に規定しておくことのほうがよかったという問題もございますので、離職に関する規定の中で整備して、その規定場所を分限の条項の中に加える。これは国家公務員法なんかの例をも参照いたしまして、そうして関係機関との協議の結果、そういう結論に達してそういう規定をした、こういう次第であります。

依田圭五日本社会党

○依田委員 私が一生懸命言っておるのに、あなたがそんな軽く、答弁にならぬことでいなされておったのでは、これ以上努力する気にならぬわけです。  それではあなたは、分限というものを一項目起こしたらどうです。定年制というものを法律の、これは六十三条ですか、一番最後に起こす、そうでなければ、百歩譲りましても、二十七条の三に、他の離職条項とは別に法律要件として書かれたらどうです。そういう議論は、あなたのほうにたしかなかったとは言いませんよ、そんなにこの問題がうまく、二十七条の二の四号にこの前なかった離職条項を新しく起こして、この中にすぱっと入る、そんなものじゃない。国家公務員法には分限はありますけれども、定年というのはちっとも書いてない。それ自体がすでに十四条、平等の原則に重大な憲法違反の疑いがあるじゃありませんか。その質問に入ろうと思ったのだけれども、いまなかなかこれが終わらないから……。

長野士郎自治省行政局長

○長野政府委員 離職に関する規定は、私は分限の項に入れて整備してちっとも差しつかえないものだということは繰り返し申し上げておるとおりであります。それをお話しのところへ入れるとか入れぬとか、立法論として考えた場合には相当いろいろの意見があります。それは従来の改正案の経緯も、そういうことでいろいろ苦心して検討したことであることも私どもは承知いたしております。この離職の関係の規定に二十七条の二を入れまして、それから二十九条の二という別条文を起こしまして、離職の事由や手続や効果は、法律に定めがある場合は法律の定めの項によりますけれども、それ以外のものは条例で定めるのだということで、この二十七条の二と二十九条の二という両方の条文によりまして、離職の際の手続、効果、事由というようなものを、現行法の他の条文と合わせまして一貫して整備をした、こういうことで御了解願いたいと思うのであります。

依田圭五日本社会党

○依田委員 それが理解できないと言っているのです。あなたはいろいろ意見があったといま二、三回言われました。これは速記録に出ていると思います。事実どこに入れるべきかはいろいろの意見があった。そこが重要なんです。いろいろの意見があった。しかし、後段のあなたの説明でも、離職という条項が従来は国公にはあったけれども地公にはなかったから、この際法律の要件と効果を区別してそこへ入れた。従来自然退職とかいろいろ入れたついでに定年制というものも入れてはどうか。それは保護規定である。やめるまでは身分を失わない。それは悪いことはしないのですから失うわけがない。やめるまでは保護規定ではないか、こういう説明でしょう。そうして、それを受けて、大臣のお話では、離職の一形態だから公制審にはかける必要がない、これは労働関係の重要事項ではない、首切られることは重要事項ではない、もっと給料の上がることのほうが重要事項だ、憲法二十八条の労働三権のほうが重要事項、そのもとになっている勤労権の二十七条、そのもとにある二十五条の生存権、これに関係するほうは軽いのだというお考えが何としてもわれわれアマチュアにわからぬということなんです。わかっているのはあなただけだ。いろいろの意見があった、しかし行政局長として私はこういたしました、そこが納得がいかない。そのいろいろの意見を、どういうような経過をたどり、それを集約し、この法案にいたしたのですか。それが公制審のように衆知を結集した機関ならいざ知らず、あなた方二、三人といっては失礼でありますが、雇われマダムの先生とかなにかの方々が二、三人で——あなたがいろいろの意見があるのは事実だ、しかし私はそう裁断した、つくったプリントを野田さんに送った。野田さんはそれがいいと思って出した。こういうのが洗いざらいの意見でしょう。いろいろの意見があった、それがどうしてこういう形になったか、詳しく説明してください。できれば議事録なり何なりあったら立証してくださいよ。

長野士郎自治省行政局長

○長野政府委員 私がいろいろな意見とか考え方があるということを申し上げましたのは、従来の改正法——先ほども御指摘ございましたけれども、これは定年制を設ける設け方として、まさしく狭義の分限免職に非常に近い考え方で改正案をつくっておったのでございます。そういう考え方で考えておりましたのにつきまして、そういうことをもととした意見というものはあったわけでございます。それに対しまして私どもは、やはりこの分限という概念の中に当然入ることではあるけれども、やはりこの分限免職とか、そういうこととはどうしても違うということで考えていくことが妥当であるという結論に達しましたので、いまのような改正案として整備をして提案をした、こういうことでございます。

依田圭五日本社会党

○依田委員 妥当であるという結論を引き出せるプロセスについて私は信頼がおけない。現にあなた自身がお認めになっておるのですよ。いろいろの意見があった、しかし、離職ということがないから、ひっくるめて離職に入れた。まあ離職には、やめるまでは保護規定だから、それに関係がある。その意味では、分限の確かに勤労者の保護を前提とする定義には入ります。けれども、われわれのいう保護は違うのだということ、その点について私はくどいほどお聞きしておるのです。それが説明がつかない。便宜上入れた。裏話を言えば、入れるところがないから、さんざん相談して、困って、まあ離職に入れるべえ、離職というのは、どこに置くか。置くところがないから、二十七条に分限がある、それは一だ、二に離職を起こそうじゃないか。前は離職の要綱なんです。これはスタンダードを示している。二は関係ないです。二十七条の一というのは分限の要綱をいっているのです。その二は離職という法律効果だけをいっておるのですよ。自然状態をいっているのです。静態的なものをいっておる。一方ではアクションをいっておるのです。それを二つ並べて、無理じゃありませんか。それ自体でさえ、法の形式としておかしいじゃないですか。内閣の法制局をどのくらいくどいたか知りませんが、たいへんな努力だったと私は思います。衆議院の法制局でも、参議院の法制局でも、了解していませんよ。その辺をひとつもっと突っ込んでいただかなければ……。

鎌田要人自治省行政局公務員部長

○鎌田説明員 離職という……(依田委員「説明員なんか答弁することないよ、政府委員に聞いているんだから」と呼ぶ)離職という観念でございますが、離職は御案内のとおり、職員が身分を失うということでございます。で、離職の態様といたしまして、懲戒免職、分限免職、定年退職、当然これが含まれることは、これは明らかな事実でございます。

依田圭五日本社会党

○依田委員 部長の発言は求めぬ、政府委員ですよ。局長がなぜこの問題について答弁できないのです。政務次官や大臣が答弁できないのはわかる。局長がなぜできないのです。了解できないです。

鎌田要人自治省行政局公務員部長

○鎌田説明員 分限は職員の身分の基本的な事項でございますから、当然離職はこれに含まれる。したがって、分限の条項に離職の規定を置くことはちっとも差しつかえない。その離職の中に法制上考えられる離職の形態を列記してあるわけでありますから、そこに定年退職、分限免職、懲戒免職その他を並べて規定することは少しもおかしいことはない、これは明らかなところだと私ども考えておる次第でございます。

依田圭五日本社会党

○依田委員 じゃ、聞きましょう。さっき局長は、いろいろな意見があった。あなたは、ちっともおかしくない。あなたの言行録をちょっと読みましょうか、いろいろあるから。鎌田さん、何です一体「休まず、遅れず、働かず」あなたの認識はそうなんでしょう。「休まず、遅れず、働かず」これが地方公務員だ、あなたの部下の二百二十三万人がこうだというのでしょう。そのうちの一部かどうか知りませんよ。(発言する者あり)いや、ただ一人でもいいですよ。せめてあなたは公務員の公務員部長として、そういう者が一人でもあったら困るから、あったならば、そうじゃないんだ、それは誤解だと説明をして——あなたがやめている人ならいざ知らず、民間の人なら何を言ったっていい、あなたは日本じゅうでただ一人、最高の当事者でしょう。あなたこそ二百二十三万人の立場に立って、親心を出して、そういう人が一人でも二百二十三万人中にいたら、それはおれが説明するから、それはそうじゃないんだ、それは何かからだが悪いのであろう、こう言うのがあなたの立場でしょう。それを公務員月報に書いて——じゃ、いいです。私は、あなたがこう思いますと言ったって、局長がこう思いますというほうを信用するから、あなたはもういいです。あなたは、私はそう思う、おかしくないと思うとおっしゃいましたね。局長のほうは、いろいろの意見があった。一体いろいろの意見とは何です。それを聞きたいのです。あなたがおかしくないと思うなんということを聞いたってしようがない。いろいろな意見があったという、そのいろいろあるということを弁解してくださいよ。それをなぜとらざるを得なくなったか、それを答弁してください。

鎌田要人自治省行政局公務員部長

○鎌田説明員 お答えいたします。  いろいろな意見ということは、大臣の提案理由の中にも、現行地方公務員法のもとで定年制を条例で定められたらどうかということについては疑義があるということを申しておるところでございます。それはどういう疑義かということでございますけれども、一つは地方公務員法第二十七条二項に規定をいたしておりますところの法律上の事由によらなければ、その意に反して免職されない、そのいわゆる分限免職というものと定年退職というものは違うのじゃないか。たとえば国家公務員につきまして、現在検察庁法なりその他の法律で定年条項がございまして、御案内のとおり、分限の場合には免官ということばを使っております。それから定年退職の場合には退官ということばを使っております。そういうふうに免職という観念と定年に達したことによって自動的にやめていくという場合とは、明らかに実定法の上におきましても免官と退官、こういうふうに用語を使い分けをしておるわけであります。そういった意味合いにおきまして、第二十七条の二項の免職の中には定年退職は含まれないのではないか、これが実は私の書いた原稿に関連いたしまして紹介をいたしました反対意見なんであります。この意見というものも、私、きのう十分根拠があるということでおしかりをいただいたわけでございますが、そういう意見があることはある、それが疑義ありということになっておるわけであります。したがいまして、分限免職というものと定年退職というものとは別個の観念だということを、離職の規定を明らかにすることによりましてその条項の中で書き分けた、こういうことでございます。これが、私の申し上げた明らかなところということでございます。

依田圭五日本社会党

○依田委員 ともかく国家公務員の定年が……

鹿野彦吉自由民主党

○鹿野委員長 依田君、ちょっと……。

依田圭五日本社会党

○依田委員 じゃ、全部保留いたします。ぼくの質問に対する答弁も全部保留いたします。      ————◇—————

鹿野彦吉自由民主党

○鹿野委員長 警察に関する件について調査を進めます。  質疑の申し出がありますので、これを許します。安井吉典君。

安井吉典日本社会党

○安井委員 きょうは佐藤総裁の申し出で党首会談が行なわれ、午前中は社会党と、さらに民社党、続いて公明党と、党首会談という形で話し合いが行なわれる段階でありますから、きょうの審議はそうあまり無理をなさらずに、ひとつ話し合いでお進めを願いたいと思うわけでありますが、ただ、この間、この委員会で——右翼暴力団の、社会党の本部の前におけるたいへん遺憾な事件があったわけであります、この問題をこの委員会でも取り上げたわけでありますが、この間の荒木国家公安委員長の御答弁では、ふに落ちない点がずいぶんありますし、さらに新しい問題展開もあるように聞きますので、きょうは重ねてその点についてお尋ねをしていきたいと思います。昨日社会党本部の若い書記局の人が——この人は「社会新報」の編集局にいるカメラマンですが、麹町警察署に逮捕されたという事件が新しく発生をしておりますが、その内容につきまして警察側の情報、それをひとつ初めに伺っておきたいと思います。

川島広守警察庁警備局長

○川島(広)政府委員 ただいまお尋ねの、社会党の「社会新報」の記者という職務にある土屋信二十七歳を、傷害の容疑で逮捕したわけです。この事案の全貌につきましては、先般の当委員会において詳細御説明申し上げた次第でございますが、警察官が双方の中に割って入りまして、事態の拡大を防止したということについては、お答え申したとおりでございますが、そのときに、たまたまいま申しました土屋信なるものが、制止に当たりました古久保善一という巡査長の背後から右腕をねじ上げまして、その結果、右手の親指が脱臼いたしまして、全治七日間の傷害を受けたわけでございます。このことにつきましては、先般の事件以後鋭意捜査を続けてまいりました結果、確たる原因その他の疎明資料をいろいろ得ましたので、これに基づいて逮捕状の発行を受けて逮捕状を執行した、こういうふうな経緯でございます。

安井吉典日本社会党

○安井委員 この土屋君というのは、当日だいぶけがをしているわけですね。それは御存じですか。

川島広守警察庁警備局長

○川島(広)政府委員 そのことにつきましては、詳細どの程度のけがであるかについては、たびたび土屋君につきましても、前後六回にわたって呼び出しを求めておるわけでございます。電話による呼び出しが二回、呼び出し状によってお願いしたのが四回、計六回あったわけでございます。全然、全く社会党側からの調査の協力を得られませんので、傷害の実態がどの程度のものであるかについては詳細承知しておりません。

安井吉典日本社会党

○安井委員 診断書は病院を通して趨町署のほうにいっているんじゃないですか。

川島広守警察庁警備局長

○川島(広)政府委員 診断書はもらっておりません。

安井吉典日本社会党

○安井委員 顔と、それからくちびるですか、何かけがをしているのですね。その点、いまの御報告の中にありませんでしたので、つけ加えておきたいことと、それから本人は——私は直接会ったわけじゃありませんけれども、昨日も党本部で聞きますと、そういうふうな警察官に暴行をしたというような事実はないということをはっきり言っているようです。その点は調べてみなければわかりませんけれども、私どものほうの調べでは、そうなっていて、その点が大きく食い違っているということだけをひとつ申し上げておきたいわけであります。  この間この委員会で右翼暴力団に関する資料、全体のものと、特に青年思想研究会に関するものと二種類要求しておいたわけでありますが、まだ私のところに届いていないのです。どうなっていますか。

川島広守警察庁警備局長

○川島(広)政府委員 いまとりそろえておりますので、なるべく早い機会にお届けしたいと思います。

安井吉典日本社会党

○安井委員 それが私はほしいわけですよ。私どものこの問題のとらえ方は、最近の右翼の動向、それにひとつ問題があるのではないかということ。特に荒木さんは、けんか両成敗と言われた。そのけんか相手になった、いわゆる青年思想研究会なるものの性格を明らかにしておいてもらわぬと、またそのけんか両成敗という意味も明らかにしていただかぬと、その意味合いが変わってくるといいますか、明確にならぬのではないかと思います。そういうような意味合いもありますから、その資料を早急に出していただきたいと思うのですが、いつごろいただけますか。

川島広守警察庁警備局長

○川島(広)政府委員 できるだけ早くと考えておりますが、来週の前半にでもお届けをし、必要ならば御説明を申し上げたいと存じます。

安井吉典日本社会党

○安井委員 私は、その資料を早くいただきたいわけです。この前けんか両成敗という言われ方をしたその相手の団体が、どういう位置づけになるのかということを明確にしたいわけですよ。そうでありませんと、この問題にはなかなか決着がつけにくいと思う。来週の前半と言われたわけですね。来週の前半というと、水曜ごろですか。

川島広守警察庁警備局長

○川島(広)政府委員 おそくとも水曜日ごろまでにはお届けいたしたいと思います。

安井吉典日本社会党

○安井委員 それでは、それを拝見してさらにまた私どものほうで部会等で内容等も検討してまいりたいと思います。  そこで、荒木さんに伺いたいわけでありますが、この間けんか両成敗というおことばを使われて、私はぜひ取り消してもらいたい。私だけではなしに、同僚の委員はみんなそういうふうな発言をしたわけです。速記録もいただきまして、ざっと目を通しましたけれども、やはりその点は私は重大な問題ではないかと思います。その後の情勢の動きやその他の中から、私どもが要求をいたしましたように、お取り消しになるというお気持ちになられているのかいないのか、その点をひとつ伺います。

荒木萬壽夫自由民主党国家公安委員会委員長・行政管理庁長官

○荒木国務大臣 いま御指摘のように、前回当委員会に出席しましての御質問に対しまして、おっしゃるようなことを申し上げました。それは青思会でございますか、青思会なるものが抗議をしに行くということは、民社、公明、社会三党であったと思いますが、あらかじめわかっておりまして、それぞれの党にも予告をしながら抗議しに行ったと承知いたしております。民社、公明両党に先に行って、あとで社会党のほうに抗議に行った。そういうことでございまして、詳しい前後の事情は、要すれば政府委員から補足説明をいたしてもらいますが、当時そう申し上げました私の問題意識を率直に申し上げれば、そういうことであらかじめ抗議に行くことがわかっており、他の二党との関係においては何事もなく済んで、社会党に抗議に行った機会に事が起きた。それは双方に負傷者が出ておる。さらに二十名の警察官が、万一のことがあってはならぬということでございますが、出かけておりまして、なぐり合いみたいになったときに、それを制止すべく間に入って、口論が高じてけんか状態になったやつを制止する行動をいたしたはずでありますが、その状態を考えますれば、片一方になぐられたか何かでけがをした者が出て、他のほうにも同じようなことが出たということは事実でございまして、その現象面だけをとらえても、まさに俗にいうけんかだ、けんかざたの結果が負傷者が出た、こういうことであると認識いたしております。したがって、これまた昔からいっております、早わかりのことばで申し上げれば、事案はけんか両成敗の課題であろう、こう存じましたので、そういうことばを使ってお答えをいたしました。したがって、取り消ししたらどうだという御意向のようでありますが、取り消さねばならぬような課題とは私は心得ておりません。

安井吉典日本社会党

○安井委員 ここにずっとありますからこれを読んでみればわかるのですが、「傷害ざたが起きた、双方に被害者が出ておると承知いたしております前提に立って申せば、けんか両成敗といわざるを得ないのですけれども、そう言えたといたしましても、天下の公党の玄関先でそういうことが行なわれ、傷害ざたが現に起きたということを含めまして、まことに遺憾であると存じます。」何だか半分わかったようなわからないような御意思がここでも表明されています。このことばはずいぶん幾つもここでやりとりされておりますから、一つ一つは読みませんけれども、国家公安委員長は、右翼という個人と、それから社会党の書記局の個人と、個人と個人とがただぶつかり合ってけんかをしたんだ、そういうふうなとらえ方のようであります。しかし問題は、朝鮮における偵察機墜落問題に対する社会党の態度に不満な人たちが、抗議という形で来ている。つまり、はっきりと政治的な内容を持ったものであるわけです。しかもそれを訴えながら、宣伝カーを連ねて旗を立ててやってくる。その旗ざおは、直ちに凶器にも使えるようながんじょうなものでもあった。しかもヘルメットをかぶって制服を着ている。ヘルメットも脱がないでそのままの姿で政党の本部の中にずかずか入ってくる。そういうふうな形で問題が起きているわけです。だから私は、なるほど事象は個人対個人のぶつかり合いかもしれません。そういう次元だけでこの問題を取り上げると私は誤りであるというわけです。あくまでもそういう大きな政治的な背景を持った行動であったというその事実、この事実は荒木国務大臣であろうと認めざるを得ないと思うのですがどうでしょう。

荒木萬壽夫自由民主党国家公安委員会委員長・行政管理庁長官

○荒木国務大臣 ただいまおっしゃった点につきましては、この前もお答え申し上げた記憶がございますが、いやしくも天下の公党の玄関先でなぐり合いがあったということ事態が、遺憾千万なことであることには間違いありません。これは国会で同じようなことが起こったって遺憾千万であり、いわんや公党の玄関先で起こったということは、同様の意味において私は遺憾なことであると思います。それはそれで遺憾なことでありますと同時に、ヘルメットをかぶったりするかっこうそのものが、抗議といいましょうと、陳情といいましょうと、普通人間的なエチケットからいけば失礼な姿であるということも、私は批判されるべきことであると思います。しかし、それと、なぐり合いがあってけが人が出たという現象とは、問題は別個のものであって、エチケット違反であり、あるいは公党の玄関先を血で汚したことの遺憾千万なことであることも、それぞれ一つのことでありまして、いかなる理由がありましょうとも、けんかをしてはいかぬというのが法治国日本における、民主国日本における鉄則だと存ずるわけであります。そのこと自体は、私は刑法の常識からいっても、俗にいえば、両成敗の現象案件である、かように思ってお答えを申し上げた次第であります。右翼だから、あるいは左翼だからということで、なぐり合いそのものがジャスティファイされるものではない。なぐり合い、けんか、暴力ざたそのこと自体は、法に照らして厳粛にさばかるべき課題であるということは、けんか両成敗にまさに当たる現象である、かように思います。

安井吉典日本社会党

○安井委員 その政治的な背景、それについて大臣はどうお考えですか。

荒木萬壽夫自由民主党国家公安委員会委員長・行政管理庁長官

○荒木国務大臣 政治的な背景とおっしゃいます意味ではよく理解できませんけれども、何かの問題について、民社、公明、社会三党に対して抗議に行く。抗議に行くというのは、陳情とは違うというぐらいのことはわかりますけれども、そのこと自体、一種の表現の自由の一端かと思いますが、これは右翼であれ、左翼であれ、表現の自由は享受するものでございましょうけれども、そういう意味では陳情でなしに抗議であるというニァアンスの違いはわかります。わかりますけれども、いかなる政治的背景でどうだということは私はよくわかりません。

安井吉典日本社会党

○安井委員 その政治的な背景が、国家公安委員長としての処理する任務かどうかは、私もよくわかりませんけれども、私はそういうふうな背景があったという事実だけはお認め願わないと、問題の処理を間違ってしまうのではないか、こういうふうに申し上げておるわけであります。  最近右翼のいろいろな動きが出てきているということも聞くわけでありますが、これは警備局長でよろしいのですが、何か新しい事象はありますか。

川島広守警察庁警備局長

○川島(広)政府委員 最近特に目立ってと申しましょうか、問題として警察側としても十分に警戒をする措置をとっておりますのは、靖国神社法案の提案が新聞等で報道されておりますので、こういうふうな観点から、政党の方々に対して、電話によっていわゆるおどかしとか、そんな種類のものが起こっておることを承知しております。それぞれの先生方としましては、直接係官を差し向けまして、その内容等についても詳細お聞きをしております。さらにまた、そのような意味合いで、虞犯性のある団体につきまして、十分にこちらの側としても関心を持ってその動静を内偵をしておる、あるいは警戒をしておるという実情でございます。

安井吉典日本社会党

○安井委員 新聞によりますと、自民党の賀屋代議士が、同じく靖国神社法案に関連して、右翼から襲撃を受けたという報道がありました。それから、最近は大出代議士がテレビの出演で、靖国神社法案に対する批判をしたというのが直ちに脅迫状のような形ではね返ってきたという事象があったということを聞くわけでありますが、それは特定な団体ですか、それとも全体的な右翼の動きなんですか。

川島広守警察庁警備局長

○川島(広)政府委員 右翼全体として、今回のこの靖国神社法案につきましては、長い年月にわたりましての問題でもありますので、全体として非常な関心を持っておりますことは間違いございません。ただ、いまお話しがございました日本遺族会の会長をしておられる賀屋興宣先生に対する暴行事案が起こったわけでございますが、被疑者は大東塾に所属をしておる者でございます。

安井吉典日本社会党

○安井委員 大出代議士のほうはだれですか。

川島広守警察庁警備局長

○川島(広)政府委員 大出先生のところにけさおじゃまをして実はお話を聞きに参っておるわけでありますが、結果はまだ聞いておりません。またわかりましたらお答えいたしたいと思います。

安井吉典日本社会党

○安井委員 賀屋代議士に対するものはどういうふうに処理されたわけですか。

川島広守警察庁警備局長

○川島(広)政府委員 これは直ちに現行犯で逮捕いたしまして後、身柄を送検をし、懲役三カ月、執行猶予二年という判決が出ております。

安井吉典日本社会党

○安井委員 私が行政局長なら定年制法案はすぐ下げるのですがね。  そこで、いまの事件でありますが、その大東塾の事件においてはけんか両成敗というふうな仕組みにはならなかったわけですか。

川島広守警察庁警備局長

○川島(広)政府委員 全く事案の性質が違うわけでございまして、この事案は、日本遺族会の会長である賀屋先生及びその遺族会の役員の方々に対して面会を申し入れて、平穏にある会館でお会いになっておられたわけです。そこで両者の間においていろいろやりとりがあったわけでございますが、話が終わってまさに席を立とうとしたその瞬間に、いきなりこぶしをあげて賀屋さんをなぐりつけた。二回なぐって一回だけ当たったのですが、直ちに現場で取り押えたというこんな事案でございますので、全く事案の性質が違うと思います。

安井吉典日本社会党

○安井委員 大出君の問題も、それから、この前のときに河上代議士が靖国神社の問題でキリスト教の団体の中で聞いた話、こういうふうなことからいって、右翼団体の動きというものはそう軽視しておいてよいような筋のものではないと私は思います。  それが一つと、もう一つは、これも最近の新聞によりますと、右翼学生のいろいろな団体が新しく誕生をしつつあるという報道がございますけれども、これはどうなんですか。

川島広守警察庁警備局長

○川島(広)政府委員 第一のお尋ねでございますが、先ほどもお答え申ましたように、実は賀屋先生だけじゃございませんし、また大出先生だけでもございません。昨日も夜の十時ごろまで大出先生のお帰りを待っておったわけでございますが、とうとうお会いできませんで、きょう午前中おたずねをしておる経緯でございますし、それだけでなくて、申しましたようなことで、右翼全体の中で大きなある法案の行くえについて、ある種の危機感と申しますか、そういうものを強く持っておるようでございます。したがって、申しましたように、警察としましては虞犯的な団体を特にマークをいたしまして十分その動向を監視してまいりたい。  それから、第二の右翼学生の問題でございますが、これは先般新聞にも報ぜられましたように、五月三日、四日、それぞれ、全国学協と略しておりますが、全国の学生自治会の連絡協議会というものが全国九つのブロック別に昨年来結成し続けてきたわけでございます。これが今回大同団結いたしまして、全国学協というかっこうで出発したわけであります。大体参加大学数が二百五十くらい、人員が二千七百名程度であろうと思いますが、そういうようなことで誕生してきております。それから、かねて、昨年来でございますけれども、早稲田大学の国防研究会でございますとかいうようなものが中心になりまして、日本学生同盟、日学同と略称しておりますけれども、こういうものが発足をしておる。そのほかに学生の憲法会議というものも発足をしておる。最近特に七〇年というようなものがマスコミ等で宣伝をされておりますのと、それにまた最近の学生運動の過激化、こういうものに対して危機感を抱いておる学生のグループが、いま申しましたような団体をつくり、それぞれの学生自治会の主導権を握ろう、こういうふうな動きが次第に活発化してまいっておりますのが実情でございます。

安井吉典日本社会党

○安井委員 それがいわゆる右翼団体の前衛になるというようなおそれはありませんか。

川島広守警察庁警備局長

○川島(広)政府委員 いま申しました全国学協といいますものも、これが右翼という名で呼ぶのが適当であるかどうか、これは非常に問題がございます。端的に申しますと、この学協の中心母体になっておりますのは、勢力比で申しますと生長の家学生会全国総連合、それから統一協会の原理研究会の学生、こういうものが主体でございますので、これを右翼という名で呼ぶのが一体適当なのかどうか、実は私どもも疑問を持っておるわけであります。まあ大ざっぱに、民族派学生と彼らは言っておりますが、民族派学生というものを大ざっぱに右翼というふうに呼ばすことが許されるならばそういえると思うわけであります。

安井吉典日本社会党

○安井委員 私は青年思想研究会というのがよくわからないものですから、資料をまだいただかないのでよくわからないものですから、そういう学生運動なんかとの関連があるのかないのか、それを知りたかったわけです。  そういたしますと、いわゆる右翼の青年思想研究会というのは、そういうものとは全く関係のないいわゆる右翼なんですか。その点はどうなんです。

川島広守警察庁警備局長

○川島(広)政府委員 これはお尋ねのように全然関係ございません。青年思想研究会は、この前もお答えいたしたのでございますが、彼らの青年思想研究会というのは、三十八団体くらいで構成しておりまして、構成人員が三千、こういうように私のほうでは把握しております。実際、最大動員で日常街頭活動をやっておりますし、宣伝その他でこの規模は大体五百名程度、そうして、言っております綱領、規約等に見ますと、われわれは民族運動者としての理論と実践と申しますか、そういうものをその加盟団体間で交流をはかる、こういうことを綱領、規約にうたった団体でございまして、学生とのつながりは直接的には全くございません。したがってこれは別個のものでございます。

安井吉典日本社会党

○安井委員 いずれにいたしましても、その資料をもうちょっと早目に出していただかなければ、私はその資料をいただいてそれから質問をするということを考えていたわけですが、きょうやれということですぐにいたしましたけれども、その暴力団の新しい動きについて私はぜひ知りたいと思うのです。その一つのあらわれとして今度の社会党の前における問題が起きたわけでありますから、私はこれからどんどんそういうふうな事件が続発してくるのではないかということを心配するのですよ。そのための心配から質問をしているし、だから、そのためにもぜひこの資料をいただきたいわけであります。そのことをまた特につけ加えてお願いを申し上げておきたいわけであります。  それにいたしましても、私はこの間の事件が、右翼の青年団体ですか、そういうふうなものが主体になって問題が生じたのであるという事実だけはまぎれもない点であります。その右翼の団体がヘルメットをかぶってずかずか入ってこなければ、あの事件は起きなかったはずですよ。その点は明らかなんですよ。だから、そういう意味合いにおいて、問題の処理をけんか両成敗という形でされるということは、それは先ほど大した問題じゃないというふうに大臣は言われますけれども、私はどうしても納得できない。つまりけんか両成敗というのは、向こうが右翼の団体なら、社会党のほうもそれと同じようなレベルのものだ、向こうも暴力団で、こっちも暴力団、その暴力団同士がけんかしたのだから、けんか両成敗でいいじゃないか、そういう考え方にどうしてもいきがちだと私は思うのです。問題はそこなんですよ、私どもが気にするのは。そういうつもりで社会党も右翼も同列に扱うのだという考え方が国家公安委員会や警察庁の頭の中にある限り、私どもは絶対にこれは許せません。

荒木萬壽夫自由民主党国家公安委員会委員長・行政管理庁長官

○荒木国務大臣 いま御指摘になりますような意味で私は右翼を全然意識しておりません。たとえば国会議員が国会議員でない人と口論が高じてけんかして、なぐり合いになって双方けがしたときといえども、問題は刑法が許さないところの暴力行為にあるのでありまして、その行為だけをとらえてけんか両成敗という考え方で臨むことは当然のことと思います。ただ、裁判所でそれをどう情状酌量し、どうさばくかは別問題でございまして、なぐり合いは絶対許さぬという感覚でこそ警察の責任は私は果たせるものだと思います。それがだれであろうと、いかなる団体であろうと、暴力は許さないという意味においては同じように考える。これは何も団体を差別してどうだこうだということで暴力排除につとめなかったりすること自体が、警察としては責任を果たすゆえんでなかろう、そういう感覚から、それ自体をとって申し上げたことでありまして、何も右翼団体だから手心をするの、あるいは天下の公党の社会党の関係者が右翼団並みである、だから両成敗、そんな感覚は私は全然持ちません。暴力は許さぬ、ただそれだけのことであります。

安井吉典日本社会党

○安井委員 きょう私のほうはちょっと大事な代議士会をやっておりますものですから、少し質問をはしょっておきたいと思いますが、いまの大臣の答弁で幾らかはっきりしましたね。しかし、基本的な考え方としては、まだまだどうも右翼暴力団に対して非常に甘いのではないか、国家公安委員会なり警察が何か態度が甘いのではないか、そういう気持ちの中から不用意に出てきたことばがけんか両成敗、こういうことじゃないかと私は思うのですよ。私はどうしてもそう思いたい。だから、そういう意味でも、新しく資料を見せていただきまして、私どもはその右翼の実態やら、あるいは特に青思会とかいう団体の性格やら、そういうものを明確にする中でもう少しこの問題を煮詰めていかなければならぬと思います。けんか両成敗という問題はペンディングのままになっておるわけでありますけれども、私どもはいまの大臣の御答弁ではなお納得ができません。そのことをひとつはっきり申し上げておきたいわけであります。  きょうは一応これで終わります。

鹿野彦吉自由民主党

○鹿野委員長 関連して太田君から発言を求められております。これを許します。太田一夫君。

太田一夫日本社会党

○太田委員 公安委員長、妙なことをお尋ねするわけでありますが、この前も関連でちょっとお尋ねしたのですが、当時現場にいらっしゃった警察官の方が、社会党の若い者というと、いささか目のかたきにしたような言辞を弄された節があるやに伝えられているわけであります。それで、私は社会党であるから目のかたきにしてけんか両成敗と言ったわけでもなければ、そういう意思があったわけでもないといまおっしゃいましたし、いわばえこひいきした態度はとっておらない、こういうお話でありましたから、公安委員長のあなたの話をそのまま私は信じていきたいと思います。思いますけれども、どうも何か社会党の若い者というのはけしからぬというような気持ちがどこかに流れておるのじゃないか、これは絶対にありませんか。

荒木萬壽夫自由民主党国家公安委員会委員長・行政管理庁長官

○荒木国務大臣 お尋ねのようなことがあろうはずもないと思います。たくさんいる人の中に、主観的にどう思っておるかということまで保証人にはなり得ない意味もありますけれども、およそ警察の職責を果たすべき立場にある者が、ある団体、ある政党の関係者に、ことさら主観的な気持ちを持って対するということは許せないことだと思います。

太田一夫日本社会党

○太田委員 非常にはっきりしてけっこうです。  川島局長さん、あなたのほうで具体的ないろいろな報告を受けられる中にも、そういう偏見と言っちゃなんですが、自民党の諸君が社会党を目のかたきにするから、ついでにひとつ社会党をこの際一あわ吹かせてやろうというような気持ちは、そういうような現場の末端の警察官の一人一人の中に萌芽もありませんか。

川島広守警察庁警備局長

○川島(広)政府委員 さようなことがあっては困りますので、ふだんもそういう意味合いで指導をいたしておりまするし、ございません。

太田一夫日本社会党

○太田委員 安心をいたしましたし、それからこの間もやはりそのようなお話を荒木公安委員長もなさっておりますから、信じていきたいと思います。しかし、警察活動というのは、とにかく犯罪の起こらないように心がけるということがすべての基礎だと思うのです。それで、この場合は偶然両勢力がぶつかって、そこでもんちゃくが起きたのじゃなくして、その先頭に警察官が、指揮者と申しますか、警備していらっしゃったと申しますか、いらっしゃったわけでありますから、まことに残念な結果が出たと思うのです。  それで、ちょっとこの際、念のためにお伺いをいたしますが、警察法第三条に基づきますところの警察官の宣誓というのがいまでもなされておると思うのでありますが、宣誓文というのは内容はどんなふうになっておりますか、わかっていたら、警察法第三条に基づく警察官の宣誓はどういう内容で現在なされているか、統一したものがありましたらひとつお示しをいただきたい。

川島広守警察庁警備局長

○川島(広)政府委員 宣誓は、この三条の条文と全く同じような内容と記憶しております。

太田一夫日本社会党

○太田委員 かつて私はこういう宣誓文を読んでいるということを聞いた覚えがあるのですよ。私は、日本国憲法及び法律を忠実に擁護し、命令を順守し、警察職務に優先してその規則に従うべきことを要求する団体または組織に加入せず、何ものにもとらわれず、何ものをもおそれず、何ものをも憎まず、良心のみに従い、不偏不党かつ公平中正に警察職務の遂行に当たることをかたく誓います、こういうことであったと思うのです。この何ものをも憎まずというのがありまして、非常にいいことが書いてあるのですが、これが第三条と同じ宣誓となると、それが抜けちゃうわけですね、いかがですか。

川島広守警察庁警備局長

○川島(広)政府委員 どうも不勉強で申しわけございませんが、いま太田先生がお読み上げになったのが、現状確かにそのとおりだと思います。

太田一夫日本社会党

○太田委員 まあひとつそうあってほしいと思いますね。私は政党政治の危惧をいささか感じておりますので心配をするのです。いまの時代に、社会党の、人の下に人をつくらず、人の上に人をつくらずという思想はけしからぬというような思想があるとするならば、社会党の率直にいろいろな発言をするわれわれのごとき者には、やがて脅迫状が来る。いま大出俊さんに来ておるが、隣の河上民雄さんも、最近教育に関する発言、靖国神社法に対する発言をするものですから、はがきがじゃんじゃん来ておるのですね。こういうようにやがて脅迫状が来る、その次にはいささか痛い目にあわせようということになってきたときには私はたいへんだと思うのであります。ですから、特に末端の警察官は、若い者が血気にはやっていささか脱線した言辞を弄することがあると思うのです。荒木国家公安委員長でも用語の不適正な点があるから、二十年や三十年生きた者がそういう熟練したことばが使えるはずがない。日本語に誤りがある場合もありましょう。だから、そういう場合があっても、警察官というものは、そこでき然たる態度をもって職務を遂行する、職責に精励することが、警察官の警察官たるゆえんであり、国民の信頼をかちとる道であると思うのです。これはよろしゅうございすね。公安委員長、局長等のいまのお話を信じて、いま特定の政党が右翼の前に危機にさらされておる、その心配はないのだ、そこに所属する人たちもないのだ、こういうことに対しては信じてよろしゅうございますか。

荒木萬壽夫自由民主党国家公安委員会委員長・行政管理庁長官

○荒木国務大臣 御信頼いただきたいとお願い申し上げます。

太田一夫日本社会党

○太田委員 終わります。

山口鶴男日本社会党

○山口(鶴)委員 関連して。安井委員と大臣との間でいろいろやりとりがありましたが、わが党が確認しております土屋君の行動と警察のほうで把握しておられます状況につきましては、大きな食い違いがございます。したがいまして、この点を明らかにする必要が今後あろうかと思います。そういう意味におきまして、私たちは前々から秦警視総監並びに鈴木麹町署長の出席をお願いをいたしておるわけでありますが、今後この点につきましては国対のレベルで御検討いただいて、この事実が相違いたしております、認識が相違いたしております点につきましては、ぜひとも明確にいたしたい、かように考えておりますことを申し上げまして、委員長においても十分今後ともお取り計らいをいただくことをお願いをいたしたいと思います。  それから次に、荒木国家公安委員長の御答弁を聞いておったわけですが、少なくとも二十五日は、けんか両成敗ということばは俗なことばで、不適切である、そして、真意は相被疑者だという意味で申したのだということを言っておるわけであります。本日の御答弁を聞いておりますと、その俗なことばで恐縮であるという趣旨のけんか両成敗を何度もお使いになっておる、この点は委員長としてもことばが適切ではない、真意は相被疑者なんだということまで言っておられるわけでありますから、この点はひとつ国家公安委員長としても明確にしておいていただきたいと思うわけでございます。

荒木萬壽夫自由民主党国家公安委員会委員長・行政管理庁長官

○荒木国務大臣 これは昔からあります日本語を使ったつもりであります。刑法の暴行罪、けんかの場合の暴行罪、双方に被害者が出たという場合は、法律的な用語でいうならば相被疑事件とでもいうべきものと思います。それをわかりやすく正確に日本語で申し上げれば、俗なことばでございますけれども、けんかの状態だ、けんかというものは刑法の適用においても両成敗の考え方に立って定められておる、こういうふうに存じましたから申し上げたのでありまして、法律的用語であったか、通俗の用語であったかの違いがありましても、本質的には何らそごするところなしと思います。

山口鶴男日本社会党

○山口(鶴)委員 だから相被疑者ということばが適切であるということはお認めになるわけですね。

鹿野彦吉自由民主党

○鹿野委員長 本会議散会後再開することとし、この際、暫時休憩いたします。    午後一時四十四分休憩      ————◇—————    午後四時二分開議

鹿野彦吉自由民主党

○鹿野委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  地方公務員法の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を続行いたします。依田圭吾君。

依田圭五日本社会党

○依田委員 午前中に引き続いて質問をいたします。   〔委員長退席、細田委員長代理着席〕 正式の政府委員に質問をいたしたいと思いますから、御答弁を願いたいと思います。  午前中、私はどうしても今度の法律の中で、地方公務員法の一部改正案はわずか一カ条か二カ条の法律ではあるけれども、これに新しい「離職」という項目を起こして、この中でやることはおかしい。特別に一項目を起こして、別の扱いをすべきではないか。これを離職という概念の中に包含をして処理することは何としても納得できない。それについては、行政局長の御答弁では、幾多の意見がありました、しかし私の職権といいますか立場においてこれを決定をいたしましてこういうように「離職」という形にいたしました、もちろん分限というのは一つの保護規定である、それはその年まではやめさせられない、そういう意味において保護規定であって、これは分限の中に定年制を入れてもよろしい、しかしあなたもお認めになっておるように完全に入らない、だからどこへ入れるかを考えていろいろ意見があった、しかし分限の条項の中に入れるしかないから実は二十七条の二に入れました。それでは、三十一年当時の原案の中には離職という条項がなかったではないか、その離職の条項の中に入るということは、野田大臣が何回も言っておられますように、公制審に対する労働関係の重要問題だというカテゴリーの中にこのことばが入るので、離職の一環にすぎない、基本問題ではないのだという御理解に立って公制審にかける必要はない、こういうような御答弁であります。私のきょうの質問は一貫して、なぜこれを公制審にかけなければならぬかという問題について、これだけの法案でありますから中高年齢の問題、あるいは失業問題、人口の動きの問題、将来は一体どういうように日本の人口構成が変わっていくか、失業がふえていくか、景気がどうなっていくか、核家族がどうなっていくか、保険問題がどうなっていくか、定年をめぐる問題は無数にあると思います。それらをすべてうろ抜きまして、公務員制度審議会にかけなければ衆知を給集した結論が出ない、これを、機構的には完全なる形式的な形をとっておるけれども、実際は一、二の役人の方によって考えられてきて出されておるものである。だから非常な心配を持っております。この点から質問いたしております。これについて鎌田さんが何かお話があったようでありますが、お話、内容でもけっこうでありますから、行政局長の立場から御答弁をひとつ、もちろん大臣からお願いしたいのですが、これは午前中の経過もありますので、これは政府委員ということで理事のほうからも言われておりますので、それでけっこうであります。

長野士郎自治省行政局長

○長野政府委員 この関係につきましては午前中も委員会でお答えしたとおりでありまして、離職に関する規定を入れまして、お話しのとおり分限免職と定年退職ということとは違うカテゴリーだということば明らかでありますので、そういうものを整理いたしたわけでございます。そうしてそれにつきまして、法律で特別の定めがあるものを除くほかは、条例でこれを定めるものとするという規定をかまえまして、地方公共団体において定年制を実施することができることになっておるわけでございます。  いろいろ意見があったと申しましたのは、前の改正案については改正の個所が異なっている。そういう前の改正案というものの考え方と、今度の考え方とは形が多少違っております。そこでそういう意味の意見があったということは、前の案と今度の案が違うという意味で、前の案のような意見もあったということを申し上げたわけです。しかしながら考えてみまするに、離職の規定を整備して、そして整えていくということが、やはり一番——定年退職は分限免職とは違うカテゴリーでございますし、また同時に現在の地方公務員法では、離職に関する規定の統一的規定がございません。そこでそういうものをはっきり規定することがよろしいという結論に達しまして、こういう案を整えたわけでございます。

依田圭五日本社会党

○依田委員 前の規定ではまずいから改良したわけですね。今回、前の離職のない規定ではまずいから、今度は離職という新しい項目を入れてやりました、この原案と違う意見というのは、前の意見の離職のない、そういう立場からの意見でありました、こういうことですね。もう一度確認します。

長野士郎自治省行政局長

○長野政府委員 この前につくって提案をしておりましたものとは形が違いますから、そういう意味で、前の考え方とは多少改めておるということでございます。

依田圭五日本社会党

○依田委員 軽く、多少改めているとかなんとか、一言で片づけて局長言われますけれども、多少改めるというのは、多いほうですか、少ないほうですか。あなた多少改めるというけれども、離職条項という一つの項目を起こしたのですよ。前は二十八条にあったものが、今度は二十七条に入れたのですよ。しかも一項とは全然概念、内容を異にする離職条項というものを起こしたのですよ。多少なんという表現で片づけられるものですか。まずその認識、考え方がわからないのですよ。一体、多少とは多いのですか、少ないのですか。これは二百二十三万人の運命に関するのです。しっかりお答え願いたいと思います。

長野士郎自治省行政局長

○長野政府委員 法律の改正の形式が変わっておりますけれども、内容においていろいろ変わっておるとは私ども思っておりません。したがいまして、そういう意味で法律の改正のしかたとして、こういう変え方をいたしました。そして同時に、先ほど来申し上げているとおり、離職に関する統一的規定を置くことが、より適当であるということで考えたわけでございます。  繰り返し申し上げるようでございますが、私は、これ以上になりますと意見が異なるということになるかもしれませんが、そういう意味で考え方の基本が全く変わったというわけではございません。けれども改正の形式が異なっておるという意味で、違った見解に立っているという意味でございます。

依田圭五日本社会党

○依田委員 内容は同じだけれども違った見解に立ったとか、絶対に了解できないような、理解に苦しむような表現をしばしばあなたお使いになるのです。前には離職条項はなかった。離職は法律効果である。法律要件ではない。前回はただ一本、三十一年には定年をしくということだけ、四十一年には定年をしく、それに関連事項として若年停止に関する事項を入れております。関係の事項、内容は、法文は違います。私も法文は一々読み上げませんけれども。ですから三十一年と四十一年が違う。四十一年と今回のやつが、またがらりと違う。これは今度は全然条項が違って、前に入ってきた。法律上の効果面だけを取り上げて離職条項を起こしておる。国家公務員法ならば、これは人事院規則に明記されているところであります。これは地公法ですから、一本にしておろしてきたけれども、内容が異なる。内容はちっとも同じではありません。内容が同じであるならば、同じ形で出しなさいよ。なぜ三十一年のスタイルでは悪いのですか。それをお聞きします。

長野士郎自治省行政局長

○長野政府委員 繰り返し申し上げておりますとおり、離職に関する規定を整備することが、より適当であると考えておるからでございます。

依田圭五日本社会党

○依田委員 定年制は離職には入らないのです。離職というのは、これは広い意味がありますよ。分限もあります。それから勤務条件、労働条件もあります。広義に解釈すれば、すべて勤務条件に入り、分限に入り、離職にも入るわけであります。厳密に解釈すれば入らないのです。  じゃここでちょっと、軽い簡単な話ですが、ひとつわき道の話をやりましょう、同じ項目に関係があるから。あなた、三十一年には、これは若年停止の年限を越えてはならないという規定がございましたね。今回はこれをとりましたね。今回これをとったのはどういうわけですか。同じ二十七条と二十八条に関連して、わき道の軽い問題でありますが、内容によってはたいへんな問題でありますから、関係して聞きます。

長野士郎自治省行政局長

○長野政府委員 定年に関します制度の基本的な規定として、今回提案されておるのは、この改正の大きな内容の一部でございますが、この場合定年年齢を何歳にするのが適当であるかというような問題になりました場合には、地方団体におきまして事情がそれぞれ異なる。それから職種におきましても、またある場合には異なった取り扱いをすることのほうが合理的であって、事務能率の向上なり、組織の新陳代謝という上からも合理性があるという場合もあると思います。   〔細田委員長代理退席、委員長着席〕 そういうことでございますので、一律に年齢を何歳というようなことを考えることが必ずしも適当でないということが一つ。また同時に今回の改正では離職に関する規定を統一的に整備をいたしまして、あわせて定年制を条例をもって採用する道を開くという形をとったわけでございますから、そこで定年年齢の下限についての規定をするということも適当でないわけであります。本来の趣旨からいっても適当でないということで、そういう規定を加えることをいたさなかったのであります。

依田圭五日本社会党

○依田委員 それじゃ極端な場合を想定して聞きます。極端であるかどうかは、これはわからぬことですが、下限条項が今回はとられておる、前回はあったということになりますと、たとえば四十歳なり四十五歳の定年というものを、もし三千五百の市町村の中で条例できめたならば、そういう定年になるわけですか。法律上は有効な条例になり、拘束をするわけです。生きてくるわけです。そのとおりですか。

長野士郎自治省行政局長

○長野政府委員 定年のきめ方につきましては、地方団体がそれぞれの事情に応じまして自主的に決定するということを申し上げました。しかし地方団体が定年年齢をきめるにつきましても、すでに現在勧奨退職その他の措置を行なっておるわけでございます。したがいまして、そういうことが定年年齢の決定の上でも非常に大きな要素として考慮されるということが当然起こり得る事情であろうと私は思っております。そういうことでありますならば、いまお話しのような年齢できめるということは、およそ考えられないことだと私どもは考えております。それからこの前の案につきまして、一定の年齢の下限を設けた案に対しましては、むしろこれは下限を設けたことになるのでなくて、これが基準になってしまうのだというような反対意見もずいぶんあったわけでございます。そこで、ものは考えようでございまして、何もなければ幾らでも低いものができるじゃないかという御心配があります。また、ある年齢のものを考えるということになりますと、それにくぎづけされるという心配が出てくるという御意見、これはこの前の案についてそういう御批判がずいぶんございました。これはしかし、そういうこともございまして、かつまた地方団体が自主的にきめるということでございますけれども、現在、給与や勤務条件についても条例できめておるのが公務員の制度の体系でございますが、こういう状態におきまして、それでは地方団体の給与とか勤務条件について非常識なきめ方をいたしておるかといえば、そういうことはまず私どもあまり聞いたことはございません。同じような意味におきまして、やはり常識的な線というものはおのずから出てくるわけでございます。特にその場合に現在行なっております——全部の団体か行なっているわけではございませんけれども、勧奨退職等の年齢というものもこの定年年齢をきめます上の重要な要素になるだろうと思います。そうすると、いま御指摘のような年齢できめるということは、私どもはほとんど考えることはできないと思っております。

依田圭五日本社会党

○依田委員 長野の松本市長の北村さんでしたか、四十五歳説ということをはっきり言明されてセンセーションを起こしたこともあるのです。それはおそらくは考え方によっては、その御本人の考え方の方向としてはむしろ善意に解釈すべき立場からの、第一人生、第二人生の区切りの時期だというような意味合いがさぞかし込めてあったと私は思いますが、あらわれた形では四十五歳定年説か出てきたのです。現実に現役の市長で——いまは現役ではありませんが、現役の市長でそういうことを言って、これが前回の速記録を見ますと相当大きな問題になっておった、こういうことなんです。あなたは、まさかないと思いますが——先ほど極端な例を申し上げますがと、これはわき道にそれた問題でありますが、本来的な問題ではないが、たとえば前回あったものが今回取りはずしたということについては、そういう法律の不備——法律はきめられますと一人歩きしますから、あなたが幾ら立法の当時において担当者でありましても、あなたの考えていない方向へ法律は独自の動きをいたしますから、合理的であり解釈上疑義がなければそのとおり行ないます。三千数百の団体があることでありますから、その中には与野党の力関係あるいはいろいろの事情があるでありましょう。しかもこの審議には勤務員は一切関係ないのです。職員は一切関係ない、議会できめるわけでありますから。議会とは減税の方向へ、納税者の負担を軽減する方向へ動くのが本来的な使命でありますから、何ら、人事院の給与勧告のように第三者機関に相談をする余地は何にもないのです。しいていえば自治省の行政指導くらいのものです。四十五歳、それは困るよ、そんなこといったら交付税はもう渡さぬぞというくらいのことを——法律できめて渡すわけですからそうもいかぬでしょうが、その点を期待する以外われわれには歯どめがないのです。非常に極端な例を申し上げて恐縮でありますが、常識をちょっと越えておると私自身も感じておる。しかし現実に三千数百もあれば、一つや二つ例外がないとはいえない。重大な問題になってくるわけです。そうすると四十歳の定年、四十五歳の定年という事実が、有効にそこの職員に対して拘束を与えてくるということが、これは夢じゃない、実際にあるのです。あなたそれについてもう一ぺん御答弁をしてください。

長野士郎自治省行政局長

○長野政府委員 たしか四十五歳説というのは、私の記憶しておりますのでは、もとの新潟県知事をしておりました北村知事がそういうお話をしたということを私ども記憶しております。しかしその当時、お話がございましたようにセンセーションを起こしたと言われるとおりでございまして、およそそういうことは考えられない、これは独自なお考えだけにとどまっておると私は思っております。  そこで、現在、そういうことで現実に定年年齢を定めます場合には、もちろんいろいろな条件がございますけれども、先ほど来繰り返し申し上げますように、現在地方団体が勧奨退職等を行なっております例に徴しましても、私どもは四十五歳というようなところに定年年齢をしくということはとうてい考えられないというふうに考えておりますし、またそういうような事態というものは起こらないように、私どもも強い行政指導を行ないたいと思います。  それから議会がきめるからということでございますけれども、もちろんこれは勤務条件の一つでございますから、職員団体との間では交渉の持たれることでもございますし、おおむね首長、執行機関のほうが、提案者になるわけでございますから交渉が持たれるわけでございます。また企業関係の職員につきましては団体交渉、団体協約の対象事項でもございます。そういう意味では職員の意向というものも、この議会に条例案を提案いたします過程におきましては十分取り入れることもできますし、職員としてもそういう意向を十分反映させることもできるわけでございます。また先ほども申し上げましたように、給与その他の勤務条件は議会で条例できめるのが現在の公務員制度のたてまえでございます。そのきめました給与や勤務条件が非常に非常識なものがあるかといえば、まずおおむねそういうものは考えられない。私どもはやはり地方自治の原則に立ち返りましてものを考えていくということがあるべきだろうと思います。そういう意味での議会運営の良識というものは私どもは一応信じて差しつかえないものだというふうに考えております。

依田圭五日本社会党

○依田委員 職員団体の意見を聞くといったって、職員団体には与えていないでしょう。労働三権にしても与えていないでしょう。現にこれだけの二百数十万の職員を拘束するこの定年制についても、どれだけ職員団体と御相談になったのですか。これは太田さんの質問ではっきりしておるように、何もしてないじゃありませんか。しかも、先ほど私が自治省の行政指導でやるくらいがたよりだと言ったら、細田さんのほうから、内政干渉だ、こう言われました。それはそういうこともあるでしょう、自治法の本旨からいって。これは自治省といえども地方公共団体の自主決定に対してあれこれいうわけにはいかないという本来のたてまえをとれば、あなた自身に何らの影響力もないということになるわけであります。実際にはあり過ぎるくらいあることはよくわかっておりますが、形式的にはない。その中で、三千数百もあって、立法にはあなたがタッチしましたけれども、あなた全部これから永久に将来まで保証できますか。現に四十五歳——これは新潟県知事だそうでありますが、はっきり現役の知事が言っておるのですよ、四十五歳が適当だ。信念に訴えれば知事は提案するでありましょう。職員団体が交渉に行ったって、労働三権も何もないものを、何の関係がありますか。自治省の言うことだって聞きやしませんよ。また聞かしてはいかぬでしょう。自治法の本来のたてまえからいって、対象にはなるでしょうが。あなたは何年か先には退官なり退職なりなさるでありましょうけれども、一体どうして——これがただ一つのケースであろうとも、こういう状況が起こるかということについて全責任持てますか。

長野士郎自治省行政局長

○長野政府委員 地方自治体の議会の運営、当局者の考え方、これにはいろいろあると思いますけれども、しかしながら私どもは現在の運営の状況から見まして、地方団体の自主的な運営を信じてもよろしいのではないかというふうに考えております。お話しのような事態は起こらないものというふうに考えております。

依田圭五日本社会党

○依田委員 私は、公制審にかけて衆知を結集したならば、もう少し法案のつくり方が変わっておったのではないかと思う。あなたはあなたの責任でそういうように断言なさるけれども、しからば前回提案したのは何ですか。どういう立場でもって若年停止関係、給付開始をされるまではどうのこうのということを法文の中に盛って、今回は取っちゃったのですか。これは改善ですか、改悪ですか。私はこれは困ったものだと思っておる一人でありますが、あなたはこれをよくなったと信じておると言うのですが、同じ自治省から出る法案で同じテーマで、どうしてそういうように法文が違うのですか。

長野士郎自治省行政局長

○長野政府委員 五十五歳を下らないようにというような規定を置くという用意をいたしましたのは、四十一年のときの提案をいたしませんでした改正案だと記憶いたしますが、その場合には、その当時は五十五歳というのが大体一つのラインだというようなこともあったというふうに考えられますし、おおむねの民間企業等におきましても、ほとんどそういう五十五歳ということでやっておったわけでございます。しかしながら、その案の内容が発表されますと同時に、これは最下限を規定すると言いながらむしろこれが一つの基準になってしまうという意見も非常にあったわけでございます。現在では、たびたびお話が出ますように、やはり定年年齢というものにつきましては、いわゆる高年齢層とか若年労働力とか、人間の平均余命の延長の問題とか、労働需給関係とか、いろんな事情もございまして、定年五十五歳から毎年ある割合、少しずつではございますけれども、民間企業におきましても五十五歳ではなくて五十六歳、五十七歳というふうに定年を上げていこうという空気もあるわけでございます。そういう際にそういう規定を置くことは、またそれにくぎづけする状況になるというおそれもあるわけでございます。したがいまして、こういうものは社会のいろんな状況、定年年齢をきめますときのいろんな条件によってだんだんと変化をしていくということは当然に予想されるわけでございますから、あまりある基準を示すことで、それが下限を示すということではなくて、むしろそれに一ぺんくぎづけられるという批判が非常に強かった状況から考えますと、やはりそういう意味では、ここ二、三年来の風潮は定年年齢の延長という向方へあの当時より向かっております。そういう線にそろえていくためにも、また地方団体が自主的に定年年齢をきめていくということにしたほうがいいという観点からも、ああいう下限と申しますか、それが基準になると申しますか、そういういろいろの意見があったわけでございますけれども、そういう規定のないほうがよろしかろうというふうに考えておるわけでございます。私どもはそのゆえをもって非常識な、御指摘になりましたような年齢に引いてしまうというようなこと、あるいはそういうことができるようにしたいためにこういうことを考えたというわけでは毛頭ございません。むしろ時代の推移に応じて適切なところに定年年齢が動いていくということも当然考慮の中に入れるために、いまのような規定のほうが改良、前進であるというふうに考えておるわけでございます。

依田圭五日本社会党

○依田委員 年限がだんだんに上がっていくであろう、どんどん民間でも上がっていく方向にある、労働力はどんどん減っていく、それはわかります。そういうことも考えて今回は下限を取り払ったとおっしゃるのですね。そのことは言いかえれば、前回の提案のときには先ほど言ったように五十五歳を下回ってはならないという規定を入れたところが、五十五を若年停止の年限にするのではないかという批判がごうごうと出て、そしてこれはひどい目にあったというのじゃなくて、そこへ議論がいろいろ集中した。そうすると、あなたのいまのお話を聞いていると、昭和三十一年当時の自治省の提案は五十五歳に行政指導するつもりであった、こういう意味にしかとれないのですが、そうなんですか。それをまず聞きます。

長野士郎自治省行政局長

○長野政府委員 自治省としましてはもちろん下限の意味であの当時も規定をいたしたつもりでございますけれども、反対意見はそういうふうにおとりになりませんで、むしろそれにくぎづけになるのだという御意見として非常にそういうことがあった。私どもはそこにくぎづけにしようという意味ではなくて、法律をすなおに読んでいただけばわかるような形での、それより下がっちゃならないというふうな規定として考えておったのでございますけれども、どうも考えの違う御意見としてむしろそれがそこへくぎづけにする作用をするだろうという御心配が非常に強かったというのが実情であったと思います。私どもとしては決してそこにくぎづけにしようということを考えておったわけではございません。

依田圭五日本社会党

○依田委員 そうしますと、もっと法律の書き方が、下限も保障し、しかも将来定年年齢の引き上がることも含めて——たとえばカナダ、アイルランド、ノルウェーは七十歳です。アイスランド、スウェーデンが六十七歳、デンマークも六十七歳、アメリカが六十五歳、チリ、西ドイツ、ルクセンブルグ、メキシコ、オランダ、ニュージーランド、ポルトガル、スペイン、スイス、オーストラリア、オーストリア、ベルギー、ギリシャ、イスラエル、ポーランド、南ア連邦、東ドイツが六十五歳、六十歳はフランス、ペルー、フィリピン、アラブ連合、ハンガリー、イタリア、アルゼンチン、こういうところですね。自治省としては五十七、八歳をいま予定していらっしゃるのでしょう。それならば、下限を保障して、五十五歳ではないのだ、下限にこだわることはないのだと一項目入れたらどうですか。全部取り払っちゃった。だから、私の言うような極端なケースだってこれは起こり得ますよ、現に四十五歳で十分だという現役の県知事がおるわけですから。何かそこに、たとえば下限のほうへいくときには自治省の何かを受けるとか、あるいは第三者機関に相談するとか、何らかくふうはなかったのですか。法律ですから、完全にでき上がるとは私も思っておりません。しかし完全に取り払ったら、財政状態の——これは財政状態とどういう関係にあるのかあとで聞きたいと思うのですが、財政状態の困難な団体において、数の少ない団体で、あるいは議員が形の上では公選議員でありますが、直接職員団体とは関係がない、いわゆる勤務者不在のところでもって議決するわけでありますから、どういうようなことになるか、三千数百もあって、これは府県合併も出るし、いろいろ行政も変わってくるでありましょう。遠い将来、永久に法律は法律で生きるわけでありますから、すべてのケースにできるとは私どもはとうてい考えられない。何かそれについて、これは本来分限でもってやるなら、あなたの親心もそうでしょう、勤務者の保障の意味でもってつくっているわけでしょう。そういう意味で、そういう下限は保障しようというのでしょう。ですから、その意味でもって何かくふうがあってしかるべきものだと思う。私は公制審にかければ、衆知が集まっておるからもう少し何か書きようがあったのではないかということを言いたいのです。法律の条文で完全にあらゆるケースを包含し得るとは私も思っちゃおりません。ですから、最初から、わき道にそれるが、公制審にかけなさいよと言っておるわけです。それについてあなた、答えてください。

長野士郎自治省行政局長

○長野政府委員 今回の改正におきましては、先ほどお答え申し上げましたように、離職に関する法律的な規定として整備をいたしました関係もございますし、また地方団体の自主的な定年年齢を決定することが、それほど時代の方向にさからったような非常識な年齢決定というものが行なわれるはずがないというような考え方と、両方によりまして、年齢の関係の規定は取り払ったわけでございます。それは先ほど申し上げましたように、一つには、かえってそういう規定を入れることが下限を規定したといいながら張りつけになるというような御意見も当時非常にあったことも考え合わせまして、そういう規定のしかたをいたさなかったわけでございます。いまお話のありましたように、諸外国にもいろいろな定年年齢がございます。しかしこれは給与とか、労働需給の関係でありますとか、年齢構成でありますとか、職制でありますとか、いろいろなものが違っておりまして、わが国と同一に論ずることはなかなか困難かと思います。そこでそういうところにもいろんな規定のしかたがあると思いますが、私どもとしては、いま申し上げましたような形で規定を整備して提案をしておるということでございます。もちろんお話のようなお考えのしかたというものも全然ないというわけではございません。

依田圭五日本社会党

○依田委員 まあ私、それはいいですよ。それは見解の相違で、あなたはそれで永久にそういう心配はないのだと言われるのだから、他の委員にそれはまかせます。これ以上言ったって、あなたは絶対にそういうことばないのだと言われるのだから、私は常識で、数多い中にはとんでもないのが一つや二つ出るのじゃないか、しかし、それには抗弁の、救済の方法がないのだということを言っておるわけであります。法文の書き方にもう少しくふうがなかったものかということを言っておるだけですけれども、それは結論は出ませんが、一応中止しておきましょう。  問題は、離職条項を起こしたという点、これは四十五歳がどうのなんという問題とは違いまして、もっと本質的な問題でありますから、朝からの御答弁では了解ができないわけでありまして、なぜ離職条項を今回は入れて前回はやめたか。これは同じものであるとあなたはおっしゃるけれども、同じものではない。幾つかの意見があったが、自分はこの意見を今回はとった、前回は前文にあるような、前回提案のような内容の意見があった、これは私のほうはとらなかったのだ、こういう御意見ですね。四和三十一年にはきれいさっぱりだが一本定年制をしくという原案を出して、四十一年にはまた変わった原案を出して、四十三年は、また今度は新しい条文を書いて、新しい概念を導入している。これはもう一ぺん説明してください。わからない。

長野士郎自治省行政局長

○長野政府委員 繰り返して申しておりますが、地方公務員法の第五節に分限及び懲戒という規定がございます。その規定の第二十七条というのは分限及び懲戒の基準というものを書いておるわけで、これは原則を書いておるわけでございます。それから二十八条とか二十九条は、ある意味での離職の一つの態様をあらわしておるケースでございます。そこで、そういうような意味での離職の統一的な規定をその根本原則のすぐあとに入れまして、それからそれぞれの離職の具体的なケースという意味で二十八条、二十九条というものが出てくる。そしてそれらに規定しておりますものとそれ以外のものとあるわけでございますから、それを新しい改正法案では二十九条の二という規定で受けまして、そして離職の事由や手続効果について「法律に特別の定めがある場合を除くほか、条例で定める」という規定を置きまして、前後において統一をはかったという形をとったわけでございます。お話がございましたように、二十七条のどこかに入れてもいいじゃないか、これも一つの考え方ではあると思います。しかしながら、そういう統一的な整理をすることがより望ましいではないかということでございまして、内容が本質的に変わっているというわけではございません。

依田圭五日本社会党

○依田委員 局長、あなたの話は午前中と全く同じなんです。離職という法律効果をここに置いて、法律要件をはずして、新しい項目を置くのだから、二十七条の二でなしに、新しく三にするか——これは三でも大体二十七条の中に入りますから。できれば、理想をいえば新しい一項目、離職条項を定年制について起こしなさい、そうすればりっぱなものに——りっぱかどうか知りませんが、ともかくこれはなります。定年制とは、一定の自然年齢に達するまで法益がある、法の保護があることは当然なんで、悪いことをしたら懲戒処分になる。分限とは悪いことをしない場合をいうのです。分限の定義から始まって、午前中にさんざん言ったでしょう。一定の年齢までの保護を取り上げるのではないのです。一定の年齢に達したら無条件に首を切られる現象、いわゆる離職という法律効果について、それが憲法の二十七条、二十八条の勤労の権利や生存権や、あるいは団体交渉権等の問題に触れるから事が重大なのであります。国家公務員法にありますかといったら、ないのです。何で国公にないものを地公につくるかという全然別の議論がまたたくさんあるわけであります。むしろ鎌田さんが一言触れられたように、退官、退職の理論か何か、あんなものでも援用しなければ発展しませんよ。私のほうからサゼスチョンして申しわけないけれども、鎌田さんがさっき一言、国家公務員には退官制度があるということを言われたでしょう。あの制度を援用する以外にこの問題は発展がない。そんなものは午前中と同じですよ。

長野士郎自治省行政局長

○長野政府委員 私どもの考えはいままで申し上げたとおりでございます。離職に関する規定を整備いたしまして、そしてその際にあわせて定年退職に関する条例の制定が行ない得るような道を開いた、こういうことでございます。

依田圭五日本社会党

○依田委員 同じ答弁なんだよ。もうやめましょう。退官問題は特別公務員なんです。一般公務員じゃないのです。これは保護規定が、分限規定が適用できない者を特別職にしたのです。裁判官であるとか自衛隊の職員。ですから自衛官なんというのは十二年で恩給、年金がついてしまう。全然質を異にするということ。鎌田さんはさらりと出されまして、国公にも定年制ありという理論、これはなかなか、勘どころはわかります。わかりますが、全然それは違うのです。それが出てきたら、それでまた三十分くらいやりたいと思っておりましたが、出てきませんから、そいつは取りやめて問題を残しておきます。  あまりそういうようなかたい話ばかりしないで、次は国公との比較問題、憲法の二十七条に入りたいのですが、その前に、まずここにちょっとした資料がありますので、これについて聞きます。それは「地方公務員の定年制」「今国会は見送り」「異論多く制度審に任す」という見出しの昭和四十一年三月十一日の日本経済新聞の夕刊であります。これは短いですからちょっと読むと、「政府は十一日の閣議で、地方公務員の定年制度実施のための地方公務員法改正案について検討した。この結果、定年制実施は国家公務員も含めた」——新聞でありますからたよりにならぬわけであります。そんなことを言うと新聞記者におこられますが、もう少しこれを新聞の記事ということでなくやりたいという意味で取り上げておるのでありますが、「定年制実施は国家公務員も含めた公務員制度全般の問題であるという観点から、さらに公務員制度審議会(会長前田義徳氏)の審議をあおぐとの方針を決めた。十一日中に安井総務長官が前田会長に連絡をとり、労働基本権問題の一環として公務員の定年制問題を審議するよう要請することになっている。このため、さる九日の給与に関する五人委員会でいったん今国会に提出すると決めた地方公務員法改正案は、事実上今国会見送りに決まった。したがって地方公務員の定年制実施は大幅に遅れる見通しである。地方公務員の定年制問題が公務員制度審議会にゆだねられることになったのは、今回の地方公務員法改正案の内容に対し、自民党労働問題調査会をはじめ同党内から強い異論が出たためである。自民党の定年制慎重論は1定年は五十五歳以下に定めてはならないという同改正法案では、各地方自治体がいっせいに五十五歳定年制を決めて画一主義に陥るおそれがある。現在は平均寿命も伸びているし、各自治体がそれぞれもっと幅のある定年制をとることが望ましい2同案には定年以降の老後の保障が全くない——などがおもなものである。また社会党などの野党や、総評など組合側からは「公務員の定年制は、実施するとしても国と地方の公務員をあわせて実施しなければ不公平である」として、地方公務員にだけ定年制を実施することに強く反対していた。このように各方面から異論、反対が出たため、十一日の閣議前永山自治相、安井総務、橋本官房両長官の三者がこの問題の扱いを検討した。その結果、定年制問題は公務員制度の基本に関する問題であるとして、公務員制度審議会にはかることに意見が一致した。このあと永山自治相、安井長官から閣議の席上「地方公務員法改正案の今国会提出は困難になった」旨を述べ、閣議は、同法案の公務員制度審議会での検討を了承した。」こういうように実はなっておるのであります。私は一年生でありますから、あまり詳しいこういうような高度の政治的な場における問題はよう理解し切れないのですが、いずれ同僚議員から関連質問があるかもしれませんが、私の理解では、政府は、三月九日の給与関係閣僚会議では一応この問題について話が出た。そして国会に出すようにきめようという方向で話がきまった。しかし、二日おいた三月十一日の閣議でいろいろ問題が出て、これは公制審にはかることにしたという閣議決定をした。その決定を当時の官房長官の橋本登美三郎氏が——田中幹事長の裏話なんかもいろいろあるようでありますが、それは抜きまして、官房長官の橋本さんから柳田さん、社会党の国会対策委員長に正式に意見を求めてまいりまして、この閣議決定の内容を伝えた、こういう経過であります。また、これに関連をする柳田国対委員長もおいでになりますし、またその記録も代議士会等で報告になっておりますので、わが党としては、党内問題でありますが、残っておるわけであります。これらを背景にいたしまして、日経新聞の信憑性とわが党代議士会の記録、それから現においでになります橋本さんや柳田さんのことを含めて、これが全く事実無根であったとは私は考えられない。なぜ前回は、四十一年法案は閣議でもって公制審にかけることを決定をし、今回はかけないようにやるのか。今回は離職条項を起こしております。ところがあなたさっきおっしゃったように、これは離職の一態様であるから、基本的な問題ではない。ここに細田さんも、当時の大幹部もおられますから、よく事情を御存じであります、当時の総理府の副長官でありますから。この問題は私の次元を越える重要な問題でありますので、この問題で若干時間をいただきまして、この背景にある問題、あるいはなぜ公制審にかけることを決定しながら、離職条項という無理な概念を導入して、今回はその一態様であるという理由で公制審にかけないという形でこの委員会にこれを提案なさってきておるか。これは大事なことであるから、政治問題でありますから、大臣、あなたのほうがお得意というか、よく事情を知っておられるわけでありますから、ひとつ御答弁をいただきたいと思います。

野田武夫自由民主党自治大臣・北海道開発庁長官

○野田国務大臣 その当時の経過、私は詳しく知りませんが、安井総務長官から公制審に意見を聞くということをやったのは事実でございます。そこで公務員制度審議会では運営小委員会と申しますか、それに一応こういうことがきているということをおろした。その運営小委員会では何らの結論もなくて終わった。そうしてその後の公務員制度審議会というものは、審議会そのものが一応ピリオドを打っておしまいになった。そこでその間のことは、今日公務員制度審議会には引き継ぎ事項として残っていないようでございます。そこで先ほど私が申しましたとおり、また繰り返し局長も申しておりますとおり、今回の法案の基本は、つまり基本的なことでなくて離職の一態様として離職規定を統一的に整備するという考え方でございますから、したがってその意味におきまして、公制審に諮問する必要はない、こういう考えで公務員制度審議会には諮問しなかったということでございまして、それは繰り返し御返事いたしておるとおりでございます。

依田圭五日本社会党

○依田委員 野田さん、安井総理府長官が公制審に行かれまして御発言になった。ちょっと意見を聞きたいというような意味合いからの意見を言ったのだが、それが公式の席で、公式の速記録に残って、公式の立場で、正式の機関において御発言になったので、これは正式の諮問である。それから佐藤さんが行かれました最初の諮問の中に当然の理解としてこれは入っておる。それにはILOの勧告その他でもって立証することができるといういろいろの問題がありますが、これはあとへ譲りまして、私いま新聞記事に関連をする問題でお願いをしているので、安井さんの話では実はないのであります。安井さんの話ではないのです。閣議で四十一年には公制審に回すことを決定をした。前は決定をしたけれども、今度はなぜ公制審にやることをしないのか、前回はなぜ決定をしてやったか。その事実の存在についてわれわれのほうに関係の文書があるし、新聞記事も明確にここに出ておりますから、日経といえばともかく信頼に足る新聞であると私は思っております。ですから、その点をお聞きしたいのであります。

野田武夫自由民主党自治大臣・北海道開発庁長官

○野田国務大臣 今回提案いたしました改正法案は、つまり内容も前に提案しましたものとは相当違っておりまして、私の申し上げる見解のもとに閣議にこれを持ち出しましたところが、閣議においてはこのまま提案をすべきだという決定を得ましたから、私は提案いたしたのであります。

依田圭五日本社会党

○依田委員 よくわかりました。そうしますと、その大臣のお話の裏には、前回は公制審に送るべしという閣議決定があった事実はお認めになりますね。

野田武夫自由民主党自治大臣・北海道開発庁長官

○野田国務大臣 これは新しい改正案でございまして、前回とか今回という考え方は私持っておりません。この改正案に対する私は責任者でございますから、今回提案しました改正案を閣議に提出したのですから、前にこうあるとかこうないとかいうことは関係ございません。

依田圭五日本社会党

○依田委員 私の質問の中心はそちらのほうにあるのです。ですから、質問にお答えを願いたい。

野田武夫自由民主党自治大臣・北海道開発庁長官

○野田国務大臣 ですから、私は関係ありませんから……。

依田圭五日本社会党

○依田委員 ということは……。

野田武夫自由民主党自治大臣・北海道開発庁長官

○野田国務大臣 前に安井総務長官が意見を求めたということは私聞いておりますが、この改正案につきましては、私は責任者として公制審にかける必要はない、諮問する必要はないということを考えましたので、そのまま閣議に提案したのでございます。それで閣議もそれを了承して提案しましたから、別に前にどうこうとかいうことは私は何ら拘束を受けておりません。

依田圭五日本社会党

○依田委員 それは私の聞こうとしていることとは実は関係がないとは言いませんが、非常に薄いのです。私がお聞きしているのは、いいですか、実は貴重な長い時間、新聞をだらだらと私は読んでいったのですが、これは野田さん少し違うのですよ。

野田武夫自由民主党自治大臣・北海道開発庁長官

○野田国務大臣 前のこととの関連ですが、法案としては一回出しておりますから、お尋ねになることは私は一応わかります。  そこで、実は当時の話を聞きますと、これはまたひとつお調べ願うとわかりますが、三月十一日云々ということでございますが、当時閣議の席上におきまして公制審にかけるときめたのではない。したがって、この公制審に安井総務長官が意見を求めましたのは、閣議の決定ではないのです。というのは、公制審の本筋の審議にじゃまでなければちょっと意見を聞きたい、どうでしょうということを安井総務長官は聞いた、こう聞いております。したがって、いま依田さんのお話しの三月十一日の閣議の正式決定をもって正式に諮問したということでは、事実が少し違うようでございます。

依田圭五日本社会党

○依田委員 質問が全然違うのです。まあいいでしょう、私の質問は継続しますから。ところが、大臣の言われた問題も大きな問題になっております。閣議決定はない。ただ安井さんが総務長官の立場で、言いかえれば総理大臣の代理ですね。正式の諮問権のあるものとして公制審に来られて、ちょっと意見を聞くということになった。実はここに問題があるわけです。これはたいへんな問題なんです。これは前のほうの質問が終わりまして、それからそれに関連ですから入っていきますから、ちょっとお預けしておきます、混乱しますから。  それで、私が聞きたいのは、昭和四十一年の三月十一日に公制審にはかるべしという閣議決定をして、橋本官房長官が社会党の柳田国対委員長に正式に面会を求めて、柳田さんにはそれを話して、それが社会党の代議士会に入って、代議士会の記録に載っておる事実と、それから先ほど長々と私読み上げました日経の当時の詳細をきわめたこの新聞報道、これの事実についてあなたはこれを立案、立法するにあたり、当然重要な関連の問題でありますから、関係者を招致して十分にその辺はお聞き取りのはずである、こういうように前提をしまして私はお聞きをしておるわけであります。

野田武夫自由民主党自治大臣・北海道開発庁長官

○野田国務大臣 よくわかりました。  そこでいま申しますとおり、前回の経過を、私もこの法案は重要法案でございますから、一応聞きましたが、聞いた結果、こういういま私が申し上げような事実でございます。そこでさらに意見を聞いたけれども、運営小委員会にはその点が出ていったようだけれども、何らの結論も出ていない。(山口(鶴)委員「違うのです、それが」と呼ぶ)いや、それはお互いのどれが事実か、私の言うのが事実か、あなたの言うのが事実かわからないから、ただ新聞記事でもって閣議できめたというけれども、閣議ではきまっていない。それからその当時社会党から何か官房長官にこの問題について申し入れがあって——これは私知りません。橋本官房長官と柳田国会対策委員長ですかお会いになったこと、それは私はよく存じませんが、問題は閣議のことでございまして、閣議では正式決定はない。こういうことになっておりますから、これは調べたらすぐわかることであります。あなたの言うのは閣議で決定したという前提と、私は閣議で決定していないということでございますから、これはどうせ内容を調べればすぐわかりますから、あなたのほうがお調べになってもいいし、私のほうもさらに調べてもいいのですが、私はこれは調べた結果を申し上げるのです。

依田圭五日本社会党

○依田委員 野田さんのお話は前回は、閣議で一応きめて公制審にやることにして国会提案を見合わせた。今回は離職条項を起こしたから、あなたはこの原案をもって閣議にはかったところ、これは離職で前とは法案の内容が違うから、離職の一環であるから、一態様であるから、もう今回は公制審にかける必要はないのだ、こういう経過をたどったというのが、先ほどのあなたの答弁でありました。それは現役の大臣としての経過の答弁でありました。

野田武夫自由民主党自治大臣・北海道開発庁長官

○野田国務大臣 前には閣議にはかったということはありまして、閣議は決定しておりません。ただ、話が出たことは事実でございましょう。私は正式の閣議決定でこうこうしたということではないのです。つまり安井総務長官が一応意見を求めようということになったので、閣議決定いたしておりません。したがって私は、前にはこうだけれども今度はどうだということでなくて、今度の出しました案は、つまり先ほどしばしばお答えいたしておりますとおり、公制審の本筋の諮問事項に当たらないから、これは諮問せぬでもよかろうという判断をしまして、これを閣議に出しまして、これは正式に決定したのでございます。だから依田さんがただ新聞記事といままでの話を根拠にされてお話しになると、少し私の答弁とは食い違ってまいりますが、その点はおひとつお調べ願えばわかると思っております。

依田圭五日本社会党

○依田委員 そうすると、当時の書類は出してもらえますか。われわれのほうでは柳田さんの責任ある党の立場からの弁明があるわけですから、あれは橋本官房長官が当時おいでになって、わざわざ正式に会談を求められて閣議の経過を言われておって、これは日本経済新聞はいま申し上げましたように詳細な報道をいたしておるわけであります。それはあなたのほうはそんな事実はない、閣議決定の事実はない、こういう話をされたんでは、これは全く水かけ論になるわけでありまして、これはひとつ理事会のほうで何か知恵はないですか、重大な問題ですから。

野田武夫自由民主党自治大臣・北海道開発庁長官

○野田国務大臣 閣議で決定しておりますと閣議の書類に載っておりますが、閣議決定してないのは閣議の記録に載っていないわけでございますから、その点は御理解できると思っております。

山口鶴男日本社会党

○山口(鶴)委員 関連。先ほど自治大臣は、当時の書類を調べて記録を出しましょうとお答えになった。ですから内閣官房に行けば当然、当時の昭和四十一年三月十一日、この書類を見ていただけば、閣議決定であったのか——あるいは当時の政府としての見解、方針をきめたということは事実ですよ。だって、この点は議事録を見たってはっきりしているのですよ。安井長官が公務制度審議会に出て発言していますね。政府はこの定年法案の問題を扱うという意向がございましていろいろ検討した。ところが幸いといいますか、こういった種類の問題、いろいろ議論のある最中だし、公務員制度審議会の意見もこの際一ぺん聞くのがいいんじゃないかということになって、提案を見合わすことにして、一度この地方公務員の定年制に関する問題について審議会の意見を伺ってみてはどうか、こういうことになった、政府はこういうことになったといっているわけです。政府は地方公務員の定年制の提案を見合わせて、そして諮問か意見を聞くかではいろいろ議論がありますから、これはあとで議論になるから私は申し上げませんが、ともあれ地方公務員の定年制の問題について審議会の意見を聞いてみようということに政府としてはなったということを発言しておるではないですか。ですから、これはその当時の昭和四十一年の三月十一日の内閣官房の書類を見れば、閣議決定であったのか、あるいは政府としての当時の閣僚の統一見解として政府の方針としてきまってはかったのか、どっちかはっきりすると思うのですよ。当時の書類はひとつ出してください。

野田武夫自由民主党自治大臣・北海道開発庁長官

○野田国務大臣 私が申したのは、つまり閣議決定とおっしゃるから、それは閣議決定ならば資料がある。私は閣議決定でないと申しましたから、閣議の資料としてはないと思います。決定しておりませんから。  そこで、いまここに資料として四十一年の三月二十八日の公務員制度審議会第十回会議の議事録がございます。この中の安井総務長官の発言の一部をとりますと、「公務員制度審議会でこういった種類の問題そのものじゃございませんが、いろいろ御議論もある最中だし、公務員制度審議会の御意見も一ぺんこの際聞くのがいいんじゃなかろうかという意見が出まして、提案はしばらく見合わすことにして、一度この地方公務員の定年制に関する問題について審議会の御意見を伺ってみてはどうか」ということになりましたというので、これは意見でありまして、別に諮問するとかそういう種類のものでございませんと、前書きでこういう発言をしておる。これは書類がありますから、何もつくったものでありませんから、お読みになるとわかると思います。

山口鶴男日本社会党

○山口(鶴)委員 ですから閣議決定かあるいは閣議了解か、いろいろありましょう。しかし、その文章を見れば——その諮問か意見かということは、あとで議論になりますから私はおきますよ。それははずしての話ですが、政府としてとにかく意見を聞くという方針をきめた。だから安井長官は、政府の方針に従って公務員制度審議会へ出てそういう発言をした。政府は、ということを冒頭言っておるのですから、当然そういうことになりますね。そういうふうに了解してよろしいわけでしょう。政府としては少なくとも公務員制度審議会の意見を聞くという方針をきめ、その政府の方針にのっとって安井長官が発言しておる。これは議事録を見れば明らかでしょう。この点だけははっきり確認してください。

野田武夫自由民主党自治大臣・北海道開発庁長官

○野田国務大臣 これは記録でございますから、これは間違いないと思いますが、「地方公務員の定年制をつくり得る余地を認めた法律をひとつ出したいという考え方に立ちまして、そういう法案のいろいろ準備を自治省が」いたしておりますと、それで政府が正式にということばは一つもございません。ただ、そこで総務長官がこの種類の問題、これはおそらく意味は諮問する問題ではございませんが、そういうことは書いてありませんが、こう言っております。審議会でこういった種類の問題そのものではございませんが、いろいろ御議論もある最中でございますから、この公務員制度審議会の御意見を一ぺんこの際聞くのがいいんじゃないか、いろいろ意見が出まして、まだ云々というのがございまして——これは総務長官も政府の一員でございますから、それは別に閣議決定でもって言ったのじゃない。別に閣議決定したこともございませんから、ここにあらわれておりません。これをごらんになるとわかりますが、決して、いまのあなたの御質問をのがれて、そう言うことじゃございません。そのままでございます。ですから、政府といたしましてはということは入ってないが、やはり総務長官としての立場ということがございますから、閣議とはこれは関連なく発言しているのでございます。

山口鶴男日本社会党

○山口(鶴)委員 それは重要ですね。総務長官として意見を聞くなんていうことは一つも言っていませんよ。「政府では」これこれで定年法についてはこの提案を見合わして、そうして地方公務員の定年制に関する問題について審議会の意見を伺ってみてはどうかということになったのでありますということを言っておるわけでありまして、主語はその先に「政府も」というのがあるだけで、あと安井長官としてとか総務長官としてという主語はありません。「政府では」ということで主語は一貫しておるわけでありますから、だから、政府として意見を伺うことになった、政府の見解として伺っているというふうに読むのが、この文章、正しのじゃないですか。これは国語解釈からいったって当然ですよ。

野田武夫自由民主党自治大臣・北海道開発庁長官

○野田国務大臣 それは政府がいろいろ準備している——これは普通のことばでございますから、政府としてお聞きするということばはございません。政府が法案を出すのでありますから、議員立法もございますが、まあ政府案として出そうというのでございますから、政府が準備していますが、こういうことでございますから、政府全体できまったことで聞くことになりましたということではないと私は解釈いたします。

山口鶴男日本社会党

○山口(鶴)委員 私どももこの安井長官の発言に基づいて議論しておるし、また権威ある日経新聞の記事もあるし、それから代議士会の記録もあるわけです。当時の関係者も当委員会におられますね。永山当時の自治大臣もおられる。それから、自民党内には当時の官房長官でございました橋本登美三郎さんも御健在。それから安井当時の総務長官も参議院議員としておいでである。それから、当時の総理府副長官でございました細田さん並びに古屋さんもおられます。総務副長官がその当時どの程度この問題にタッチしたかということはいろいろ問題でありましょうが、ともあれ、先ほど申し上げました永山さんとか、安井さんとか、橋本さんとかいう関係者の方はおいでであり、それからわが党でもこの問題に関係いたしました柳田国対委員長はもちろんおいででございます。したがいまして、当然この関係者の御意見を聞けば明確になってまいるわけであります。したがって、少なくともこの昭和四十一年の三月十一日の、閣議決定じゃないから書類はないと言いますが、じゃ当時の閣議決定はどういうものを扱ったのかという一件書類を出していただく。内容までみんな見せろなんていうことは言ってない。どういう問題を扱ったかということは、これは記録として残っておるはずでありますから、ひとつ資料として出していただく、大臣の言明どおり出していただく。それから場合によりましたら、関係者の方多数おるわけでありますから、これは理事会でもって相談して、そうして関係者の方の御意見を当委員会においで願ってお伺いをするということは、当然やってしかるべきだと思うのです。少なくともこの問題は理事会でひとつはかっていただいて、関係者の御意見を明確にして当時の事態を明らかにすることが何よりも重要だと思いますので、この点はひとつ議事進行の問題として委員長にお願いを申し上げておきます。   〔「はっきりしているじゃないか」と呼ぶ者あり〕

鹿野彦吉自由民主党

○鹿野委員長 はっきりしておるようでございますから、依田君、質疑を続けてください。

山口鶴男日本社会党

○山口(鶴)委員 明確にする手段はあるわけですから、理事会でひとつ御相談いただきたい。いいですね。

鹿野彦吉自由民主党

○鹿野委員長 はい。

山口鶴男日本社会党

○山口(鶴)委員 それじゃ理事会ではかっていただくそうですから、——それは委員長、理事会ではかっていただけますね。ひとつ御答弁を……。

鹿野彦吉自由民主党

○鹿野委員長 はい。  質疑の継続をやってください。

山口鶴男日本社会党

○山口(鶴)委員 理事会ではかっていただくということでお願いしまして、委員長けっこうだと言われたわけですから、その点明確にしておいてください。

鹿野彦吉自由民主党

○鹿野委員長 ええ。理事会をあとで開きます。

依田圭五日本社会党

○依田委員 それじゃ私は、山口委員の関連もあって、また同じ問題は委員長が理事会で取り扱うということでありますから、その問題はそれで一応打ち切りまして保留にしておきまして、次の質問に入りたいと思います。  あとで実は出したいと思ったのですが、たまたまいま野田大臣のほうから安井総理府長官の発言の問題がありましたので、それに関連をする公制審のいわゆる安井総務長官の発言に若干触れていきたいと思います。  これは大臣のほうは、安井当時の長官がちょっと来られて、ちょっとお話が出たんだ、こういう御理解でございますが、それはとうてい納得がいかない。こういうように速記録に残っているのであります。四十一年の三月二十八日、第十回公務員制度審議会速記録「いろいろ御議論もある最中だし、公務員制度審議会の御意見も一ぺんこの際聞くのがいいんじゃなかろうかという意見が出まして、提案は」云々「一度この地方公務員の定年制に関する問題について審議会の御意見を伺ってみちゃどうか、」こういうわけでひとつちょんちょんといって、「よろしくおはかりいただければたいへんありがたいと思っている次第で、最近の状況の報告をかねてお願いをしに上った次第でございます。」それに対して前田会長が、「ただいま総務長官が御説明くださったこの問題について、この審議会が、期日、方法は別として、取り上げることに反対はございませんか。」と、こういうようにはかったわけでございます。そこで降旗委員が、「ちょっと申し上げます。」と言って意見を言っておるわけであります。ここで降旗さんが個人の意見を申し上げておるわけであります。それは意見でありますが、それで前田会長が「運営小委員会を開きたいと思うのですが、関連的にこの問題について意見を交換する時間があればそれに触れるとして、この問題について」「慎重に取り扱ってまいりたいと思います。」こういうことになっておるわけであります。それで前田会長はその次に、「なお、定年制の問題は、近い将来持たれる運営小委員会でその取り扱いを検討することになりました。」云々。これは公制審に対する諮問のあり方というものは一体どうあるべきか、これはまあ総理府設置法に基づいて、国会が議決をした法律に基づいて、諮問権ある総理大臣が諮問を第一回でなさった、その後、団体の人格は継続をして現在に至る、こういうわけで、われわれは当然にこの諮問は、第一回総理が諮問をなさった労働関係基本——労使問題基本ではありません、労働関係基本問題、これは法文に書いてある確定したことばであるわけですから、はっきり申し上げることができます。そういう形で出ておりますが、これが現在どういうように審議が続いておるか、経過についてこの委員会に御報告願いたいと思います。

長野士郎自治省行政局長

○長野政府委員 その点につきましては、昨年の四月二十五日の第五十八国会衆議院本会議におきまして、総理大臣が答弁をなすっております。「去る四十一年三月に社会党から、この地方公務員の定年制についての申し入れ、これは確かにございました。そのとおりの経過でございます。しかし、政府自身は、この定年制を考える場合に、いわゆる公務員制度審議会にかけなければならない事項、かようには考えておりません。このたび、政府の責任におきまして、この法案を提案いたしておりますから、どうか十分委員会等におきまして論議を尽くしていただきたい、かようにお願いをいたします。」これが前国会におきますところの総理大臣の答弁でございます。それと同時に、当時の赤澤自治大臣も繰り返し御答弁をいたしております。従来、それ以後政府の責任において提案しておる、こういう形、実情でございます。

依田圭五日本社会党

○依田委員 これは大臣にお聞きします。いまの局長のお話しになりましたのは、これは委員会が開かれていないときの内容であります。  そこで、私はこう思うのです。意見を聞く——その前に聞きたいのですが、この公制審に対する諮問事項の認定権はどこにあるのですか、これをまず大臣に聞きたいと思うのです。

野田武夫自由民主党自治大臣・北海道開発庁長官

○野田国務大臣 それは総理大臣の関係ですから……。

依田圭五日本社会党

○依田委員 では、総務長官に来ていただこう。  私は、内閣法に従って、当然閣議で内閣は共同で連帯責任をとるんで、一応所管は総理府長官あるいは自治省、大蔵省、分かれておりますが、当然に総理府長官のお立場で、同じ見解を内閣の一貫性の中でお述べになることはできるという立場なんですが、これは総務長官だということになれば、ちょっと呼んでください。

鹿野彦吉自由民主党

○鹿野委員長 関連で細谷委員の発言を許します。

細谷治嘉日本社会党

○細谷委員 それでは、非常に重要な点でありますから、三月九日前後の新聞記事を、先ほどは日経だけでありましたけれども、ここに私は二、三の新聞の記事のスクラップを持っておりますから、参考のために明らかにしたいと思います。  四十一年三月九日の朝日新聞でありますが、「地方公務員に定年制 閣僚五人委で決定 「五十五歳以上」を明記 地方公務員法今国会に改正案 政府は九日午前九時から院内で公務員給与に関する五人委員会(福田蔵相、小平労相、永山自治相、安井総理府総務長官、橋本官房長官)を開き、地方公務員に定年制を設ける問題について検討した結果、地方公務員に定年制を設けるため地方公務員法を改正することを最終的に決めた。十一日の閣議で地方公務員法改正案を決め、直ちに国会に提出する。」「国家公務員はなお検討」、改正案の要綱が出ております。  それから、同じ日の日本経済新聞でも、「地方公務員の定年制 十一日に閣議で決定 将来は国家公務員も 給与五人委で決める」こういうことで、詳しくこの内容が出ております。  それから、三月十日の朝日新聞に「政府、当面考えず 国会で論議か国家公務員の定年制」こういう見出しで出ております。そのうち、読んでみますと「国家公務員にない定年制を地方公務員にだけ設けることは、地方公務員は国家公務員に準ずるとの建前に反する」という点から、政府部内に意見がある。  「安井総理府総務長官は、九日の五人委員会で「いずれは国家公務員の定年制も考慮する」と発言しているが、当面、これを実施することは考えていないようである。」  こういうふうになりまして、同じ日の朝日新聞、これは夕刊と思いますが、「地方公務員の定年制問題 閣議決定遅れそう 五十五歳の線自民党内に異論」こう書いてある。読んでみます。「自民党は十日午前の政調審議会で地方公務員の定年制を実施するための地方公務員法改正案の取扱いについて協議した結果、なお問題があるとしてさらに検討することになった。このため政府が十一日に予定している同改正案の閣議決定は持越しとなる模様である。自民党が問題にしているのは同改正案の中に地方公務員の定年を最低限「五十五歳」とうたっている点である。主に政調労働、社会両部会を中心に異論がでており、両部会とも定年制に関する条例をつくることは認めるが、年齢制限はそれぞれ条例で各自治体が自主的に決めるべきで、一地方公務員法改正案におりこむことは問題だとしている。さらに田中幹事長らとしても同改正案については自治労を中心に労組側に強い反対の動きがあるので、こうした情勢も考慮して対処すべきだと慎重な態度をとっている。」この日に「社党、反対を申入れ」「社会党の成田書記長らは十日午前、院内で橋本官房長官と会い、地方公務員に定年制を設けることには、次の理由から絶対に反対であると申入れた。1公務員制度審議会に諮問していない 2地方公務員は国家公務員に準ずる建前であるにもかかわらず、地方公務員だけを対象としている 3実質的に退職条件の切下げである 4地方財政の悪化を一方的に職員給与に転嫁するものである 5労使間協議の慣行を無視し首切りを行おうとするものである。」こうなりまして、十一日であります。  「地方公務員の定年制、今国会提出ムリ、公務員制度審にはかる」これは読売新聞の四十一年三月十一日の夕刊であります。「政府は十一日の閣議で、地方公務員に定年制実施の道を開く地方公務員法改正案について「公務員制度審議会にはかったうえ、取り扱いをきめる」との方針を決定した。」十一日の閣議で方針を決定した。「政府はこれにより、同法案の今国会提出を断念した形である。地方公務員の定年制に関する地方公務員法改正案の骨子は」云々と書いて、「先に開かれた公務員給与に関する関係閣僚五人委員会でも一応今国会提出を了承、十一日の閣議で正式決定の運びだった。しかし、この間野党、労組が「事実上の首切り法案で“定年制実施への道を開く”とはいっても、全地方団体が軒並み五十五歳定年制をしくことは明らかだ」として強く反対、また自民党内にも「平均寿命がいちじるしく伸びている実情などから、五十五歳の線を織り込むことは好ましくないのではないか」などの反論があり、これらの調整が困難な実情となった。十一日の閣議では、安井総務長官が「定年制に関する問題は、公務員の基本権にふれる問題でもあるので、地方公務員法改正案についても、一応公務員制度審議会にはかることが妥当ではないか」と述べ、佐藤首相も支持した。これに対し永山自治相は「公務員制度審議会にはかれば、国家公務員の問題もからんで、かなり時間がかかると予想されるが、できるだけ今国会に提出の方向で各閣僚も協力願いたい」と発言、蔵相からもほぼ同趣旨の発言があった。政府はこの方針に従い、早急に公務員制度審議会に対し、地方公務員の定年制をめぐる地方公務員法改正について、国家公務員の定年制実施是非なども含めてはかる運びだが、同審議会はILO八十七号条約批准に伴う関係国内法のうちタナ上げとなっている部分の審議をかかえているだけに、定年制問題を議題としてとり上げるのはかなりおくれる情勢。」こう書いてあります。  それから毎日新聞の三月十二日の記事であります。「甘かった自治省の判断、地方公務員の定年制見送り、自民党内にも思わぬ異論」こういうことで、「自治省が意気込んでいた地方公務員の定年制実施問題は「公務員制度審議会の審議にゆだねる」ことになったため、同問題を定める地方公務員法の一部改正案の今国会提案は事実上見送りになった。九日の給与関係閣僚五人委員会の席上「十一日に閣議決定」の線を出したにもかかわらず、自民党内で社会、労働各部会が原案の五十五歳を下限とする定年制に対して民間でも五十五歳定年の引上げが実施されつつあるとき、五十五歳下限とすることは下限が標準化する恐れがあり、時代と逆行すると五十五歳条項を除くよう主張した。この段階では、まだ自治省は、党内調整すれば提案だけはできると踏んでいたが、社会党も十日」こう書いてあります。  こういうふうに、きわめて明確でございますね。新聞記事がうそということでない限り、これはきわめて正確です。これはあらゆる新聞の記事を私は参考までに読んだ。  そこで、いま委員長、先ほど依田委員の質問に関連して、山口理事からも質問があったわけです。この問題は、いま私が新聞を朗読しましたようにきわめて明瞭である。この問題について大臣が明確な答弁をしないわけですから、山口理事から、理事会で問題を明確にすべきである、こういうことであります。これはこの法案審議の大前提ともいうべきたいへん重要な点でありますから、やはり山口理事提案のように、理事会で御検討をいただかなければ先に進むことはできないものと私は思うのです。

鹿野彦吉自由民主党

○鹿野委員長 ちょっと速記をとめて。   〔速記中止〕

鹿野彦吉自由民主党

○鹿野委員長 それでは速記を始めてください。山口君。

山口鶴男日本社会党

○山口(鶴)委員 ただいま栗山総理府人事局長にお尋ねをいたしましたら、昭和四十一年三月十一日の閣議ではどういう案件を正式議題として扱い、どういう案件を御処理されたかという書類は官房総務課に残っておるそうでございます。したがいまして、その案件はどういうものであったかということは、このコピーをいたしまして資料として出していただける、こういうお話でございました。それでよろしゅうございますね。

栗山廉平総理府人事局長

○栗山政府委員 閣議の際には、あらかじめ閣議にかかる案件がきめられまして、それで正式の決定は全部書類でサインがあるわけでございます。閣議了解、これもサインがございます。こういうように案件がずっときまっておりまして、なお飛び入りがもしあれば、その案件があとから追加されるということで記録は残っておるわけでございます。ただ、その記録の中にあるかどうかということを確かめること、これはもう責任をもってできると思いますが、その資料をそのまま出せということは、これは私の権限ではございませんので、そこまでは受け合いかねますけれども、その閣議決定の、閣議了解でもけっこうでございますが、件名の中に確かにあったかどうかということを正確に責任をもってこれを総務課に聞いてお伝えすることは私はできると思います。

山口鶴男日本社会党

○山口(鶴)委員 けっこうです。正式議題にどれが載っておったとか、これは閣議決定にならなかったとか、あるいは飛び入りでこの案件が入ったとか、閣議了解はこうであったとかいう案件については正確にお知らせいただくということでございますから、したがいまして、私どもとしてはその資料をいただきました段階で理事会として十分検討いたしたい、かように考えます。そのようにお計らいをいただきたいと存じます。

栗山廉平総理府人事局長

○栗山政府委員 あるいは私のいま申し上げましたことが正確に御理解願えなかったかと存じますけれども、かかりました案件あるいは飛び入りになった案件、要するにその日閣議できまったことの案件そのものを全部出せということについては、ちょっと私責任を持ちかねますが、その案件の中にただいまの問題になっておりますことが入っておるかどうか、この点につきましてははっきり調べて御返答申し上げられると思います。

山口鶴男日本社会党

○山口(鶴)委員 したがって、十一日に定年法案の案件がかかる予定だったというわけですね。ですが、それがどういう形で御処理されたのかということを中心にして当時の記録を調べてお答えをいただきたい、こう思います。

栗山廉平総理府人事局長

○栗山政府委員 繰り返しますが、まず案件であったかどうかが一つだと思います。それから案件であったかどうか、もしなくても途中から案件に入ってきたかどうか、それが決定になったかどうかというような点につきまして調べまして……。

山口鶴男日本社会党

○山口(鶴)委員 その資料をいただけるそうでございますから、その上で理事会を開いて検討したい、このようにお計らいを願いたい。

鹿野彦吉自由民主党

○鹿野委員長 質疑を続行してください。依田圭吾君。

依田圭五日本社会党

○依田委員 その問題はそういうように山口理事のほうからきまりました。ですからそれが出て、理事会の処理もきまって、そして私のほうに報告が理事からあるでありましょうから、質問は留保しておきます。  次の問題ですが、宝樹委員からこういうことを聞いておるのです。これは前田会長、吾孫子委員、岩井委員、前田会長、宝樹委員、前田会長という形で質疑が続いてまいりまして、安井総理府長官の発言についての確認を求めておるわけです。宝樹委員は、「その前に総務長官が九時半になると席を立たれるということでございますから、時間がなくなるといけませんから」、関係ないところは急ぎますが、「私のほうからお聞きしておきますが、佐藤総理の諮問事項の中で「国家公務員、地方公務員及び公共企業体の職員の労働関係の基本に関する事項について貴会の意見を求める。」というふうになっておりますね。そうして後段のほうでは「ILO関係法律中国会修正により施行を延期された規定については、早急に貴会の答申を得たい」。——「答申を得たい」というのと「意見を求める」というのは一体どういうふうに違うのか。公務員制度審議会に出席してきたわれわれ労働側六人の委員にしてみれば、戦後二十年の経験の中でこれ以上労働者の権利を失うものはないのだ、最低のところにあるんだという解釈ですけれども、これから、労使の関係の中で労働の基本の関係、権利の問題について明確にしてもらいたいという立場で出席をしているわけですね。したがって、それについて前半のほうが「意見を求める」で、後段のほうはたな上げ部分についての「答申を得たい」、一体あとで出たものについて政府は尊重するのかしないのかというそういう課題について……結論をいいますと、「意見を求める」ということと「答申を得たい」ということとはどういうふうに区別されて言われているのですか。もう一つは、出された答申を一体どういうふうになさろうとするのか、はっきりと聞いておきたい。」安井総務長官が答えて、「お答えします。同じことなんです。「意見を求める」というのも「答申を得たい」というのも、これはどっちも答申を求める。」いいですか、ここが大事なんです。「同じことなんです。「意見を求める」というのも「答申を得たい」というのも、これはどっちも答申を求める。審議会等に求める場合に「意見を求める」という表現をする場合もあり、「答申を得たい」という表現にする場合もあるのですが、御説のように全体としての答申を求める。しかし、その中でタイムリミットのあるものがあるから」云々、これは関係ないから省きます。これが当時の総理府長官の公式の答弁であります。宝樹公制審委員の再確認の意味における発言に対して、そういう意味であります。  これについて私は一般の法令の用語を若干調査をいたしましたが、普通の場合、たとえば失業保険法——これは関係ありません。ただ六法の書き方というか六法の文章の扱いですが、「第六章諮問機関」と出ておるのです。これは失業保険法、たまたま私が開きました六法全書に書いてあるから、失業保険法「第六章 諮問機関」、第三十九条、本文でありますから条文で、「労働大臣は、失業保険事業の運営に関する重要事項については、あらかじめ、職業安定法第十二条に規定する中央職業安定審議会の意見を聞いて、これを決定しなければならない。」あとは略します。六法の法律の中に「諮問機関」とタイトルにもうたいまして、本文ですから、これは政府が提案して国会で議決しておるわけです。そうしてその諮問機関の本文の用語の使い方は、意見を聞いてということになっております。この二つばかりではないと思います。  この種のことをさがせば無数にあると思いますが、そういう意味で安井長官がちょっと意見を聞いて、ちょっと軽い意味なんだというようなことは、諮問権のあるものが諮問を受けるべき公式の機関、しかも法律によって設置法できめられておる公式の機関、しかも松岡三郎氏、明大教授の公制審の論文があります。これは法律時報の四十年の七月、四百三十一号でございまして、ここに「公務員制度審議会の評価と在り方」、松岡三郎明大教授の論文がございます。その中に、高度の政治委員会の面を持っておる、こういう評価をいたしております。その次に、「審議会の性格、構成、任務」、「それは、労働組合側の要請にこたえたものである。」ILO関係のこともありますので、「少なくとも、労働組合側と権力側との結合によって生まれたものである。それは、倉石修正案で頭をだし、太田総評議長が参加し、労働基本権の問題を提起した臨時行政調査会がプッシュしたものである。」云々と出ております。それで「さらに、この審議会は、法律上の厳格な用語ではないが、国会の下請機関の任務を帯びて登場したのである。したがって、労働基本権をも含めてそこで論議されることは、すべて国民の前に公開し、与論の批判を受くべきである。」これは松岡教授の意見でありますから、そういうように三者構成というので、ずっとここに長い論文があります。一々読むわけにいきません。これらのことを考えますときに、この問題が第一回からこの法人格、こういう形で会議の継続性は続いておるものと——去年一ぱい休みました、これは任命しなかったわけであります。それから二回目には提案をしておりません。しかし、これは私も調べたところ提案をしない。当然提案をしない、第一回に提案をすればそのまま継続になるから。この辺はだれも疑問をはさんでおらないから私は取り上げます。そういうわけで、私はむしろこの席で、私の意見としては公制審の答申を受けるべきである、答申の結論が出ておらないならば、その中間報告でもいいから、正式機関をここに招致するなりして受けるべきである、こういうようにも考えておるわけであります。しかも諮問をする立場にある安井さんが、はっきり意見を聞くと言っておるわけであります。安井さんはちょっと意見を聞くんだ、軽い意味で意見を聞くんだ、こういうことをおっしゃっておりますが、速記に載っておる以上そんな簡単な形にはいかない。しかもいま細田さんにお聞きしましても、当時の総理府の副長官に聞きましても、それぞれ裏に閣議にかけるとか決定するとか、これはあとで明らかになると思いますが、問題があるわけであります。というのは、私が午前から問題に出しておりますように、離職条項を起こした、これが憲法の二十五条の生存権やあるいは勤労権、こういうものに直接関係をする定年法という、悪いことをしないのに一定の年限を停止条件として首を切るんだ、これは分限事項ではないんだ、ほんとうの厳格な意味における分限事項ではないんだ、これはそういう意味をメリットシステムではないんだということを、これは猟官主義に対するいろいろの歴史、過程をたどって、律令時代から来る分限のカテゴリーの中に入らない。これをなぜ今回に限り、四十三年度の法案に限り、三回目の法案に限り前回と違って新しい概念を設定してやったのか、国家公務員法にもないのではないかということをるる私どもは聞いてまいったわけであります。それらの本質に関係する問題であります。ただ一つ、公制審にかけないということについては、この定年制は労働関係の——労使じゃありませんよ、労働関係の重要問題とは考えないからかけないのだという形式論理であります。とうていそんなことは納得するわけにはいかない。そういうわけで、私はあえてこの問題をいま取り上げます。大臣の詳細な説明をいただきたいと思います。

野田武夫自由民主党自治大臣・北海道開発庁長官

○野田国務大臣 もうしばしばお答えいたしております。安井総務長官の問題でございますが、これはそのとおりで、これはこの公務員制度審議会の参考資料に安井さんのことばで、ずいぶん遠慮して、これがこの審議会の現在の進行のおじゃまになっては申しわけない、それがおじゃまにならない程度にひとつちょっとおはかりしたい、しかしこれはこのことばがあるからどうこう言うわけではありませんが、先ほどしばしば申しましたとおり、われわれはこの法案に関する限りは公制審の御意見も、諮問もする必要はないという解釈をいたしております。これは四十三年の四月二十五日の衆議院本会議におきましても、総理大臣の答弁並びに自治大臣の答弁としても明らかにいたしておりますから、御了承願いたいと思います。

依田圭五日本社会党

○依田委員 有権解釈としては、野田さんの言われるように、そういうことがあるのですよ。しかし法律は国会で議決をして、これは総理府設置法としておるのです。その中にはちゃんと明記してあるわけです。「労働関係の基本」という問題は、これは有権解釈のみでは説明がつかない。当然有権解釈をする背景には、それを合理的に客観的に説明をしてもらうべき権利がある。そういうものをおろ抜いて自治大臣がいかに——あなたじゃありませんが、あなたの先輩の前の方のお話ですが、総理大臣の御答弁といえども、この法律にきめられたこの「労働関係の基本」という設置法の国会が議決をした問題を説明するのに、有権解釈という形でもって押し切ることはできないのですよ。これは客観的にできないのです。当然説明してもらわなければならぬと思います。

栗山廉平総理府人事局長

○栗山政府委員 私からちょっと総理府設置法の説明をさせていただきます。  先生よく御承知のように、公務員制度審議会につきましては、総理府設置法第十四条の三に規定があるわけでございます。それでその第二項に「審議会は、内閣総理大臣の諮問に応じて、国家公務員、地方公務員及び公共企業体の職員の労働関係の基本に関する事項」これを審議するというように規定してございます。ここにございます。いまの規定の内容としましては、審議会の、つまり審議の権限が書いてあるわけですが、こういう国家公務員、地方公務員及び公共企業体について、これらの職員の労働条件のきめ方についての根本的な仕組み、つまり言いかえますと、こういう公務員や公共企業体の職員の三権、つまり御承知のように団結権、団体交渉権、争議権といったようなもののあり方についての根本原則を審議するということになっておるわけでございまして、一つ一つの個々の労働条件については審議事項とされていないわけでございます。そういう団結権、団体交渉権、争議権といったような集団的な労使関係のあり方についての根本的の仕組み、こういうものについて審議をするということになっているわけでございまして、ただいま申し上げましたように、個々の一つ一つの労働条件についてこの審議会にかけるということには相なっておらないわけでございますから、御了承を願いたいと思います。

依田圭五日本社会党

○依田委員 それはいろいろあるのです。——ちょっと待ってください。あなた、突然横から飛び出されて、それは大臣に質問しておることに関連はあるけれども、私の質問はそんなものではないのです。この解釈をめぐって問題があるのです。あなたは午前中おいでにならなくて、途中から出られて、何かと思ったら、そんなことは私もよく読んでわかり切っていることなんです。それは常識です。  大臣、こういうことなんですよ。では混乱しますから、あなた、安井さんの発言問題だけに限って答弁をしてください。安井さんが公制審に対してやったそれを処理しましょう。そのあとでいまの人事局長のお話のほうに入ってまいります。

野田武夫自由民主党自治大臣・北海道開発庁長官

○野田国務大臣 安井総務長官のここに発言しましたのは、一応いろいろ出ておりますが、これは別といたしまして、その安井総務長官の意見聴取ということ、したがって直ちに今回の法案と関連して非常にいろいろと御意見がありますけれども、しばしば申しますとおり、その事実は、安井総務長官が意見をちょっと聞いたか深く聞いたかは別として、聞いたことは間違いない、これは認めております。しかし今回の改正案につきましては、私どもとしては意見を、また諮問もしないという態度に出ておりますから、過去におけるいろいろな事情はありましょうけれども、今度の改正案の内容につきましてのわれわれの態度というものは、はっきりお答えいたしておる次第でございます。

依田圭五日本社会党

○依田委員 この法案をおかけになるとかならぬとかいうことは、大臣のしばしばの御答弁で聞いております。いま私が聞いておるのは、質問いたしておりますのは、この法案を今回提案するについては、重大な関係のある三十一年当時のこれと法案が変わっておるわけでありますから、ですから第一回の公制審が現在まで生きて、いまもやっておるわけであります。いまも生きておるわけであります。ですから、その間に総務長官の安井さんが御提案になった中間報告をいま求めておるわけでありますから、これはいまの審議に直接関係があるわけです。それは安井さんは提案をしないのだという見解であるから、その点について御説明を願いたい。御説明願えばいいので、われわれは、提案をして生きておる、当然答申を求めるべき立場にあるということを言っておる。そのあとで野田さんの言うように、あなたの立場からこれをするかしないか、あなたがかってにおきめになればいいのですよ。

野田武夫自由民主党自治大臣・北海道開発庁長官

○野田国務大臣 いや、安井総務長官の意見を求めたことを今回問題としていろいろお話しでございますが、これは諮問事項ではございませんので、その当時何らの回答を得なかったので、その問題はいま、公制審との関係は断たれておる、こう解釈をしております。

依田圭五日本社会党

○依田委員 だから、それはあなたの御解釈であるということです。あなたの御解釈である。しかし、私たちは速記録を読んで、意見を聞くとはすなわち正式諮問を発することであるという見解に立っておるわけです。(「見解の相違だ」と呼ぶ者あり)見解ではない。だからそのことについて二、三宝樹委員の再確認の質疑も申し上げました。総務長官もはっきり答えております。いいですか。それから審議会、これはたまたまあった六法を開きましたら、失業保険法で、諮問機関、意見を聞くと明記してあるわけです。そういう用語を使っておるわけです。この客観性について野田大臣、意見があれば聞きたいと思いますよ。意見がありますか。

栗山廉平総理府人事局長

○栗山政府委員 先生先ほどおっしゃいましたように、総理府設置法よく御存じだと思いますが、十四条の三の二項、私が先ほど読み上げましたこの点でございますけれども、「審議会は、内閣総理大臣の諮問に応じて、」ということが最初にございます。内閣総理大臣が諮問いたしますときには、はっきり文書で日付まで入れましてちゃんといたすわけでございまして、先ほどからのお話をいろいろ私聞いておりますと、総理大臣の諮問ということにはそれはなっておらないわけでございまして、当時の安井総務長官が、おじゃまにならぬ程度でちょっと御意見をという程度でございまして、われわれ制度審議会の事務をいたしておるわけでございますが、総理大臣の諮問ということにはなっておらないわけでございます。

依田圭五日本社会党

○依田委員 どうも全く国家公務員との憲法上の相違点、平等の権利、これを否定されておる。憲法十四条、この辺についてずっと私は聞きたいのですよ。どうもいまみたいな話を聞いていると私も熱意を失うのですが、では局長聞きます。総理大臣の諮問ということになりますと、ぼくらの理解は、常識として総理大臣に直結する立場の総理府担当事項については総理府総務長官が当然閣僚の一人として代弁するものであります。また閣議は内閣法で内閣の合議によってきめられるのであって、閣議が唯一の決定機関でしょう。総理大臣はその代表にすぎない。そこで総理府の長官がそこでやれば、当然にそういうものである。また総理大臣が第一回でもって諮問をした、そのあとから総理府長官が見て補足するというか、また新たに提案をした、十分に有効であるという見解に立っております。文書がどうのこうのといって、文書が絶対に必要要件なんですか。どうなんですか。それもはっきりしてください。口頭だけではいけないのですか。

栗山廉平総理府人事局長

○栗山政府委員 やはり公務を扱う立場におきましては、公文書というものが一つの重大なる形式要件になっておるわけでございます。これは先生よく御承知のことだと思います。たとえば国会に法案を提出するにいたしましても、やはり総理大臣というはっきりした文書をもって差し上げるということになっておるわけでございます。

依田圭五日本社会党

○依田委員 それではあなた、そういうお話なんですが、文書がないものは一切正式の行為とは認めておりませんね。われわれは諮問とは、諮問をする立場にある者が諮問を受けるべき正式機関において意見を聞くという、慣用のことば、法律の用語を使って発言をして記録にとどめ、それを司会者である座長なり議長なりがとって、それをはかれば十分に議題として質疑、討論、採決——どういうことになりますか、その答申の義務を果たすべきもの、こういうふうに常識的に理解しておりますが、そうじゃないのですか。行政上のいろいろの慣例があると思いますけれども、あなたの答弁だと形式答弁だと思う。しからば聞くが、全政府関係の文書はくまなくそういう形で処理されておりますか。緊急のときもあるだろうし、いろいろ事情もあるだろうし、特殊条件もあるでありましょう。いつでも当然にそれだけの権利のあるものがそれだけの義務のある機関に、そういうことをやれば、これは有効だと私は思っておるのですが、どうなんですか。

栗山廉平総理府人事局長

○栗山政府委員 先生御質問のようなすべてのことについてとなりますと、私はちょっとそこまでよく存じませんのですが、少なくともいま問題になっておりまする公務員制度審議会における、あるいはほかの審議会でもけっこうでございますが、総理大臣の諮問という場合には、常にはっきりした文書をもって公文書を差し上げておるということははっきり申し上げます。

依田圭五日本社会党

○依田委員 いいですか、あなたは午前中もおいでになれば若干はあれでしょうけれども、途中からおいでになったので……。われわれの議論しておるのは、その文書が有効であるとか無効であるとか、そんなことを議論しているのじゃないのです。いいですか、定年制という制度をここで離職という形でもって法案の中に、三回提案して三回とも様式が違うというところに問題点があるので、これは違うんじゃないかというところから話を起こして、公制審にはかるべきではないかというところから、高度の政治問題として話をしておるわけですから、総理大臣の諮問が通例の場合文書をもって行なわれる、当然である。しかし忙しいときは総理が行って、事後処理の文書を発する場合もあるでありましょうし、いろいろ現実にあると思う。それでも総理が必ず文書を出さなければ有効ではないということになるかどうか。この点行政実例がたくさんあるでありましょうから、どういうことか。私どもは当然、総理が文書を持たないでも自分で行かれて言えばそれで十分に諮問は発効した、諮問を受ける権関は諮問として議題に供するのは当然と思っております。  もう一つは、あなたそこでがんばっておりますが、総理大臣は諮問をしておる。しておる諮問内容についての解釈は、労働三原則といいましょうか、憲法二十八条だけであるのか。そうではないのではないか。憲法二十八条の労働三権のよってもってくる憲法二十七条の勤労の権利、この基礎にある二十五条の生存の権利、そこから出てくる定年制の問題、それらを含めて労働関係基本の問題として提案をしておるのではないか。それを安井総理府長官が担当省庁の長官として出てきて、それをまたさらに、極端に言えば、一事不再議ではないが、同じことを二度やったということになるわけであります。念を入れて御提案になったという理解に立っておるわけであります。その辺のところを踏まえてあなた御答弁になっていただかないと、あなたの事務処理上で、文書がなければ責任が問われるから追求されるかもしれませんが、実際に百数十万も働いている公務員のあらゆる機関の運営が、あなたの言われるような運営でなければ有効じゃないのですか、どうなんですか。それならそれで、そんなメンタルな資料を集めざるを得ませんよ。

栗山廉平総理府人事局長

○栗山政府委員 少なくとも正式の諮問におきましては、公の意思をはっきり出すということで、文書によるということでございます。  それから労働関係の基本でございますが、これまた繰り返すようで恐縮でございますが、国家公務員、地方公務員、公共企業体におきまして、労働三権というもののあり方をどうするかということが十四条の三に書いてございます文言でありまして、個々の条件はこの審議会以外のところで別途にということになっておるわけでございます。

山口鶴男日本社会党

○山口(鶴)委員 いま栗山さん、いろいろ形式的なことを言っておりますが、それでは第一次公務員制度審議会、その後中断しまして現在第二次公務員制度審議会が開かれておりますね。その場合に、第一回の公務員制度審議会に文書の写しを出して、そして総理が読み上げたですね。第二次にそういう行為をやっておるのですか。

栗山廉平総理府人事局長

○栗山政府委員 それはやっておりません。

山口鶴男日本社会党

○山口(鶴)委員 ですから、公務員制度審議会には政府は一度諮問しただけなんですよ。そうですね。そうしてその過程で安井総理府長官が、四十一年の公務員法と現在の公務員法が違うから云々ということを理由にしておられますが、安井長官がはかったときは、公務員法改正について意見を聞きたいと言っておるのではないのです。地方公務員の定年制度について意見を聞きたいと言っておるのだから、だから四十一年法と四十三年法の違いはこの場合は問題にならない。いいですか、大臣。この点ははっきりしておきたいが、同時にその意見を伺ったところが、意見と諮問というのは同じですということを当時の安井長官は答えておる。そうしてその後第二次公務員制度審議会には政府は何ら具体的な諮問をやってない。いわば第一次の諮問が第二次までそのまま引き続いておる、こういう形になっておるのじゃないですか。そうでしょう、文書は出してないから。確認してくださいよ。

栗山廉平総理府人事局長

○栗山政府委員 第一次、第二次というのは便宜上の呼び名でありまして、最初の公文書による正式の総理大臣の諮問はそのまま続いておるわけでございます。ただし、先ほどから申し上げますように、安井さんのものは全然官印の押してある文書ではないということは事実でございます。

山口鶴男日本社会党

○山口(鶴)委員 ですから要するに公務員制度審議会——あなたは設置法を読み上げたが、要は国家公務員、地方公務員及び公共企業体職員の労働関係の基本に関する事項について貴会の意見を求める、こうなっているわけですね。その文書が一回出た。それがそのまま続いているわけです。その間に、安井総務長官が、地方公務員法の一部改正について意見を求めたのではなしに、地方公務員の定年制度について意見を求めた。そうして、意見を求めることと諮問ということは同じだということを安井長官がはっきり答えている。この事実を明確にしておきたいと思うのです。そうですね。

栗山廉平総理府人事局長

○栗山政府委員 先ほどから申し上げておりますことは、われわれは、諮問はやはり公文書をもってはっきり出ておるもの、しかも総理大臣からということで法律ははっきりございますから、総理大臣からの諮問というものが諮問であるというふうに考えておるわけでございます。それから、さらにそのときたしか安井総務長官は、この審議会でやっている種類の問題そのものではございませんが、おじゃまでない程度にというようなおことばをお使いになっているようでございます。

鹿野彦吉自由民主党

○鹿野委員長 七時に再開いたすこととして、暫時休憩いたします。    午後六時二十一分休憩      ————◇—————    午後七時四十四分開議

鹿野彦吉自由民主党

○鹿野委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  質疑を続行いたします。  総理府人事局長から発言を求められておりますので、この際これを許します。栗山人事局長。

栗山廉平総理府人事局長

○栗山政府委員 先ほどから問題とされております地方公務員の定年制云々の件が昭和四十一年三月十一日の閣議において、案件としていかなる関係であったかということについての調査の結果を御報告申し上げます。  閣議の担当部局にはっきり聞きましたところ、当日の閣議の案件の中には先ほど申し上げました件は入っておらない、こういう報告でございました。  御報告申し上げます。

山口鶴男日本社会党

○山口(鶴)委員 この点は、日経新聞あるいは毎日新聞、読売新聞、権威ある大新聞が筆をそろえてこの問題については同じ記述をいたしているわけであります。閣議決定あるいは閣議了解、取り扱いがいろいろあることは承知をいたしております。しかし少なくとも政府が政府の方針としてこの定年制問題で公制審の意見を聞くということをきめたことは、もう動かせない事実だと思うのです。したがいまして、私どもはそういった背景があったからこそ権威ある新聞がいずれも筆をそろえて同じ記述をしているということだったろうと思うのであります。したがいまして、この点は先ほど私発言いたしましたように、理事会等でもその間の背景がどうであったかということにつきましてはさらに掘り下げてみる必要があると思っておりますから、一応形式的な御答弁だけは承っておきますが、内容の問題につきましてはさらに掘り下げたいという気持ちを持っておりますので、その点はそういう考え方を申し上げておきたいと存じます。

鹿野彦吉自由民主党

○鹿野委員長 依田圭五君。

依田圭五日本社会党

○依田委員 いま山口理事の発言で、一応その問題は理事の発言どおりに私としては保留をしておきます。  次の質問に移ります。  今回出されました定年制法案、これは憲法十四条「すべて国民は、法の下に平等であって、人種、信條、性別、社會的身分又は門地により、政治的、経済的又は社會的関係において、差別されない。」大原則がうたってあります。国家公務員法に定年制が現在存在しておらない。にもかかわらず地方公務員法で定年制を地方公務員に起こす。これは憲法十四条の法の下に平等であるという大原則に照らしておかしいではないか、こういうことに疑問を持っておるわけであります。これについて御質問申し上げます。

長野士郎自治省行政局長

○長野政府委員 法の下の平等ということにつきましては人種、信条、性別、社会的身分もしくは門地によって差別されてはならないこととしておりますのはお示しのとおりでありますが、一定の年齢に達した者が退職するという法規の制定をそれは否定するものではないと思っております。国家公務員との関係につきましては、人事院のほうからさらに御説明があるかと思いますが、国家公務員の中でも、先日大臣がお答え申し上げましたが、検察官とか大学教授とかいうような職員につきましては、すでに国家公務員の中でも定年制を実施されておるということでございます。それもそういう法の下の平等ということに反するものではないということを示しておるものと私どもは考えております。

依田圭五日本社会党

○依田委員 これは法の下の平等というのは大原則であって、同じように国家公務員法の中にやはり平等取り扱いの原則というのが第二十七条にあるわけであります。通則の中で。すべて国民は、この法律の適用について、平等に取り扱われなければならない、人種、信条、性別、社会的な——いまあなたがおっしゃったこういうようになっておるわけであります。それから答申の中でも、御承知のように公務員制度調査会の答申でありますが、昭和三十年十一月十五日の答申の中で、国公に準じましてこれを改正することと明文をもって答申をいたしておるわけであります。およそ国家公務員と地方公務員との関係は従来国公に準ずるという大原則のもとに、その制度の基本からそういう理念がありまして、そういう運営をされ、財政、あらゆる制度、そういうように考えられてまいっているわけであります。それが公務員制度調査会の答申があって、定年制をするにしても地方公務員は国家公務員に準じてと、これは第一項「地方公務員制度は、国家公務員制度の改正に準じて、これを改正すること。」というふうに出ております。先ほどおっしゃいましたように、検察官、裁判官あるいは会計検査院の方々、自衛隊、若干あります。ありますが、これは一般職員に対して不適当な、特別な任務を持っている人に対して独立の単行法でもってきめておるわけであります。しかも一般公務員の分限の保障を受けるにふさわしくないそういう性格を持った職場において、特殊な目的を持って行なわれておるわけであります。単行法で行なわれておる。その他は全部一般公務員ということで、国家公務員法、地方公務員法の適用を受けておるわけであります、これは一般行政官として。その他は全部いわゆる特別公務員であります。それから自衛隊、これは定年があります。あるかわりに、年金は十二年でつくわけであります。ほかのものは全部二十年かかる。裁判官は七十歳定年であります。会計検査院は六十五歳が定年であります。これは独立法で、一般公務員に入らないカテゴリーに入っておるそういう特殊なものに単行法をつくって、仕事を中心に、それの勤務員、いわゆる職員のほうは従の関係で、理念を仕事の執行に置いてやっておるわけでありますから、その辺があなたのほうで、あなた御自身が理解しておるのとは、われわれの理解のしかたは少し違うと思うのですが、重ねて御答弁願います。

長野士郎自治省行政局長

○長野政府委員 国家公務員、地方公務員につきまして、同じような取り扱いをすべきものにつきましては同じようになるべく取り扱うという意味で、準ずるといいますか、そういう取り扱いをしている部面が非常に多いことは、お話しのとおりでありますが、しかし、現在でも異なった状況にありますために異なった取り扱いをしなければならないということが、現行法の制度の中でも幾つかの点において認められておるわけであります。たとえば労働基準法の適用の関係につきましては、地方公務員には適用がございますが、国家公務員には適用がない。あるいはまた政治的行為の制限につきましても、国家公務員と地方公務員とでは取り扱いが異なっておる。あるいは特別職の範囲につきましても、取り扱いが異なっておる。これはやはり国家公務員と地方公務員とは大体同じようなことでありますけれども、身分取り扱いにおいて、それぞれの特殊性を見てこれを考えておるものであるということがいえるわけであります。そういう必要性というものを考える考え方にはいろいろな基準があると思いますけれども、そこで、地方制度調査会とかそういう公営企業関係の制度調査会等におきましても、地方公務員について定年制を設けるべしという答申もあるわけであります。事情が一様でございません。また地方団体はそれぞれ条件が異なっておりまして、職員の年齢構成の状態におきましても、あるいはまた労働事情の関係等におきましても、あるいは組織の関係におきましても、それぞれ態様が異なっておるわけでございます。そういう意味で、また職種の中におきましても、そういう事情の必要なところと必要でないところがございます。先ほどおあげになりました国家公務員につきましても、お話しのように特殊な職種ではございましても、国家公務員である者につきまして、一部には定年制をしいているわけであります。そういうことでございますから、必要なところにおいて定年制をしく道をつくっていくということは、必要な場合にはそういう取り扱いをすることは差しつかえないものだと考えております。

依田圭五日本社会党

○依田委員 長野さん、あなたそうおっしゃるけれども、公務員制度審議会等で十分に学者とか関係者が長い時間かけて御議論になった結果でも何でもないいまの段階で、そんなことを言われて、あなたこれによって退職をさせられた者が違憲訴訟を裁判所に起こしたら、一体どうなりますか。行くえはわからないですよ。  それならば大臣にお聞きしますが、昭和三十年十一月十五日に公務員制度調査会が答申をいたしておりまして、さっき言っているように、「地方公務員制度は、国家公務員制度の改正に準じて、これを改正すること。」と、その前段に、待遇、労働関係の調整、人事行政機関の組織等に改善を要するものがあると認められるから、これを改善せよ、そのあとで国家公務員に定年制をしいて、改善された待遇を受けつつ安んじて公務につけるような体制をつくれ、それを受けて第一項で、先ほど言いましたように、地方公務員制度は国家公務員制度に準じてこの制度をとれ、こう言っているわけです。公務員制度調査会の何回の答申でありますか、これは三十年十一月十五日の公務員制度の改革に関する答申。今回提案のこの法律案は、これにまっこうから矛盾をいたしておりまするが、どういうように御説明いただけるのですか、大臣。

野田武夫自由民主党自治大臣・北海道開発庁長官

○野田国務大臣 私も、地方公務員はできるだけ国家公務員に準じてやるということのあったことを知っております。しかしただいま……(山口(鶴)委員「できる限りじゃありません」と呼ぶ)いや全部じゃありません。国家公務員の中でもいますでに単行法でやっておりますから、できるだけと言う以外にない。全部そのままということはない。そこでつまりいま局長がお答えいたしましたのと同様でございますが、また一方、地方制度調査会では定年制を設けたらいいということも言っておりますし、その間もいろいろの意見にわれわれは十分率直に耳を傾けて、その結論としてこの案をつくったのでございます。

依田圭五日本社会党

○依田委員 あなたは、国家公務員の中でも定年制のあるものがある、それは会計検査院であるとか裁判官であるというお話でございます。それはそのとおりであります。ただそれはさっき私が——くどくなるから簡単に申し上げますが、これは分限条項、要するに職員に対する保護条項ですね、これを適用するのにふさわしくない、そしてそういう性格を持った特定の職域といいますか、職務について、特別職というものをつくって、独立法をつくって、一般公務員からはずして、そこに定年の問題、——先ほど鎌田さんが言ったように、裁判官の退官制度、こういうものをつくられておるわけであります、そのかわり、これは七十歳まではやめないという規定であります、内容が。自衛官、これは若いときにやめるわけでありますから、そのかわりに年金は十二年をもってつきます、こういうことであります。それからどうしても一般分限のこの制度の保護を受けるにふさわしくない、適当でないような特殊な性格を持った特殊な職場に勤務する者、これは国家公務員であるか、あるいは地方公務員であるか、あるいは民間であるか、あるいは全く他の機関、公社、公団であるか、いろいろあると思います。あるいは人間のいないそういう機関があるかもしれません。技術革新の時代でありますから、ボタン一つで間に合うような、全く事務員のいないような時代が来るかもしれません。仕事を目的として独立法をつくったり、単行法をつくったり、それでたまたま身分が公務員である場合に、これは分限の保護規定を適用されない者は、一般公務員からはずして、その人々に対してこの定年という。しかし、それは全部完全保護しております、七十歳。これを援用いたしまして国家公務員にも定年制ありというようなことを言われたのでは、これをテーマにまたいろいろここで議論をしていかなければならぬということになるのですが、どうですか、それについて御答弁願います。

野田武夫自由民主党自治大臣・北海道開発庁長官

○野田国務大臣 先ほど依田さんのおっしゃった、憲法の、法のもとに平等だというおことばがありました。もちろんそのとおりでありますが、平等でありますが、やはりいまお話しのありましたとおり、特殊な条件とか、あるいは特殊な環境にあるものとか、いろいろ法のもとに平等でありますが、その職種により、またその現在の情勢によっては、やはりみんな一律、全部画一的に平等ということが行なわれていない。しかし、それは決して、あなたのおっしゃるとおり、特別な事由がありますから、これがすべて同じであるということじゃございませんが、先ほどあなたが特に憲法上の問題をお話しになりましたから、私はそういうことを申し上げたのです。  そこで、地方公務員と国家公務員の関係その他について、やはりいろんな調査会、審議会ではいろいろ意見がございます。また、やるべしという意見もございますから、それらについていろいろ検討いたしました結果、先ほど局長がお答えいたしましたような理由で、この改正案を提案したような次第でございます。

依田圭五日本社会党

○依田委員 これは野田大臣、あなたはそういう御答弁をしておられるわけですけれども、実は、今回の定年制問題をめぐる最大の、学者といいますか、言論界なり何なりから投げかけられておる疑問点は、実はこの点なんです。法のもとに平等という憲法第十四条の大原則に、国公と地公とが当然扱われるべきものが扱われてない。これは、先ほどから言っているように、離職という新しいこの概念を導入した結果、それと関連して公務員制度審議会にかけるとかかけぬとか、労働の基本問題に対して、これは労働三権のみなのかというようないろいろな問題点が山ほどありまするけれども、最大の問題点はこれなんです。この問題です。この問題について、あなたは、非常に簡単に、それはいろいろある、しかし、それはいいんだというような御説明では、とうてい納得できないんです。「すべて国民は、法の下に平等であって、人種、信条、性別、社会的身分又は門地により、政治的、経済的又は社会的関係において、差別されない。」この原則をうたっているわけですが、これがこの今回最大の問題であるという、これはもう評価されてあります定説というか、一つのもうこれはこれをめぐる一切の関係者の意見であります。私の個人的な意見じゃない。私がさがしてきた簡単な質問点じゃないんです。これはいずれたくさんの先輩にあとあとまたこの問題を詰めてもらうわけでありますが、とてもいまおっしゃるような意味における大臣の御答弁では、納得しかねます。重ねて御答弁を要求をいたします。

野田武夫自由民主党自治大臣・北海道開発庁長官

○野田国務大臣 私のお答えはすでにいたしておりますから、さらに局長から同じ御答弁かも存じませんが、一応またあらためて答弁させます。

長野士郎自治省行政局長

○長野政府委員 先ほど申し上げたとおりでございますが、憲法でいっておりますことは、法の適用にあたって、人種、信条、性別、社会的身分または門地によって差別されてはならないということを規定しておるのでございまして、一定の年齢に達した者が特定の組織におけるところの雇用関係が断たれるというような意味の定年制でございますが、そういう法規の制定を否定するものではない。特殊な職務であるかもしれませんけれども、現に、国家公務員の中におきましても、一部ではあるといたしましても、定年制というものは採用されておる。すなわち、これは国家公務員の中に、それではそうでないものもある、それは違った取り扱いになっているではないかという御議論になるわけでございますけれども、それはやはりそういう一定の年齢に達した者が退職するという法規の制定を否定しないということをあらわしておるものと、私ども思っております。それからまた民間におきましても定年制を実施しておる現状から見ましても、そのことは、憲法は何も公務員のことだけいっておるわけじゃございませんので、すべての国民について法のもとの平等ということをいっておるわけでございます。その民間の中でも定年制をしいておるところもあるし、しいていないところもございますが、その点に関しましては、それが憲法の法のもとの平等という扱いに反していないということで考えられておると存じておるのであります。

依田圭五日本社会党

○依田委員 民間は関係ないです。民間は完全な労働三権の中に、勤務条件でも団体協約でもってうたって、それできめておるわけであります。私が法のもとの平等、憲法第十四条に違反するのではないか、その疑いがあるということは、これはあらゆる学者やその他が、この定年制法案をめぐる議論の中で最大の問題点を投げかけている問題であるから、私個人の問題でないから、これを慎重にお願いをしておるわけであります。民間の問題は関係ないです。地方公務員と国公との扱いが不平等である、ここに最大の問題点があるということなんです。それに対してあなたが援用される理論は、先ほど言ったように、裁判官七十歳、自衛隊は十二年で恩給がつくというのは、先ほどから何度も同じことを言うのは、いま大臣が同じ答弁をなさるから、私も言うのはいやなんですが、同じことを言わざるを得ない。これは、分限条項を適用するにふさわしくない特殊な職務に勤務する特殊な方に、特別職をつくって、特殊な独立法をつくって、一般公務員からはずしておる。極端にいえば、人間が要らない職場だってあります。目的を中心に立法しますから、ですから、そういうことに対してはそれはある。しかし、これは一般行政職からはずしておる。これは国家公務員法の中に入っていない。たとえば自衛隊にいたしましても、これはホワイトカラーといいますか、シビリアンであります。これははっきり定年制がありません。ユニホームの制服の諸君、これはちゃんと保護されておる。そのかわりには年金は十二年でつく。これは、戦闘に従事すること、防衛の目的、ちゃんと目的が限定されている。広い社会ですから、必ずしも入らないものだって出てくるわけであります。ですから、そういうものに対して、こういう特別の立法措置をとって、これは一般公務員からはずしておる。分限条項を適用しないということなんです。同じような先ほどの御答弁では、何回も同じことを言われては、あと私は何分もないわけですから、まだ質問点がありますから、できるだけ簡単に、もっと別な角度の質問ができるように、質の違う答弁をいただかなければ困ります。

長野士郎自治省行政局長

○長野政府委員 自衛官のお話がありましたが、自衛官につきましても、分限条項の適用はあると私は存じております。人事院の方もおられますから、そちらからお答え願えれば幸いだと存じます。  それから、そういう意味で、自衛官が年金が短くつくということでございますが、その点では、警察官や衛視も同じように短くついております。だから、そういうことで取り扱いは、それぞれの職務の特性によって、もちろん国家公務員の場合は例外でございますから、御指摘のように、例外として一部の特別な職務に従事しておる職員に適用されておるわけでございますけれども、しかし、そのことは、やはり法のもとの平等という議論がもしそういうことを許さないということであれば、そういう特殊な職種につきましても、同じように定年制を置くことは許されない、こう考えるべきものであろうと思うのであります。これは現にそれは認められておるわけでありまして、地方公共団体におきましても、そういう意味で、全部の地方団体が画一的に条例を適用するということではなくて、その必要のあるところについて条例を実施するというか、条例で定年制の道を開くことができるということを考えようとしておるのが、今回の改正案であります。国家公務員と地方公共団体の職員とが、公務員制度について、先ほど申し上げましたが、同様の状況にあるものについては同様の制度をなるべくとるべきであろうと思います。そうしてまた、その運用についても、均衡を失しないように配慮を払うべきものであろうと思いますが、同じ状況でないものにつきましては、先ほども申し上げましたように、それに応じて異なった制度がとられて差しつかえないというふうに考えておるわけであります。  そういうことでございまして、法のもとの平等というものは、憲法に規定がございますけれども、この憲法の規定は、定年制の制度を制定するということを妨げるものではないと私どもは解釈をしております。

依田圭五日本社会党

○依田委員 あなたはまあそういうふうに解釈をしておる、けっこうであります。しばしば申し上げるように、それが公務員制度審議会、学者だけでも八人、おそらくは相当の立場の方でしょう。こういうようなところでいろいろ議論をされて、そうしてした結果であれば、われわれもそれを信頼したいと思うのですが、先ほどからしばしば言っているように、二、三の方が中心になって書類をつくられて大臣に渡された。大臣はそれを信じて閣議に出した、こういうような経過であります。ですから、とうてい長野見解というものには私は同調できない。将来、これによってたくさんの、十何万とかいう諸君から裁判が起こされて、その最高裁の判決は一体どうなっていくか、これは非常に問題があると思います。すでに都教組のあおり行為の問題におきましても、現に公務員の三権がとられております、制限的にとられているところもあります、いろいろあります、これによって、あおり行為をやったときに、これにごく最近の見解が出されておりまして、賛成する裁判官は七人、少数意見、留保二人、反対の裁判官五人、大法廷でさえも七対五という割合でこの問題が議論されておるわけであります。これは要するに特別権力関係下にある公務員のあおり行為そのものが一体どうなんだ、こういうことで、これは少数意見まで入れると四通りくらいの解釈が出ているわけであります。それを長野さんは、私はそう信ずるんだと、こう言って、部長さんなり課長さんなり、ほんの数人の方と相談をしてこれはきめられた。もしそうでないとするならば、どこで一体どういう手続でもってこれをみんなが知恵を集めてやったというプロセスがあるのですか。ないから、公務員制度審議会にかけてやるべき重大な問題である。これは十四条に対する違憲の疑いがある。これは重大な問題なんです。おそらく最高裁にこの問題が将来かけられましても、七対五とかなんとかいう形になってくるでありましょう。いまこれから質問を続けていけば、あなたのほうでおそらく必ず援用していくであろう秋北バス事件、これは自治省の見解が勝った事件であります。確かに多数決で勝っております。就業規則の中に要するに定年制を入れた。これは管理職で課長であります。しかし、これも少数意見が留保されている。重大な多数意見に対して少数意見が留保されているのであります。いまや最高裁の段階でさえ、この問題については議論がたくさんあって、ゆれているわけなんです。そういう段階の中で、この法案を度胸よくお出しになるということについて、私は何かたくさんの人が相談をしたプロセスがないか、それを出してもらいたい。それをあなたは自治省の権威でもって出すのだと、こう言っているわけですが、私の午前中からの質問で、いや大臣はこの前の法案さえごらんになったかどうか、それでやった、これは離職の一形態で、これをいいと私は理解して閣議にはかったら、これは公務員制度審議会にかける必要はなかろうということで提案したというのが、いきさつじゃありませんか。ほんの二、三の人によってこれが提案されておる。われわれには、資料だって私が質問する二、三日前にあなたは渡された。自治省の資料だって何とかいう長いやつは、質問の前の日なんですよ。皆さんがどのくらい時間をかけたか知らないが、それをわれわれに渡して、これでやれ、こういうようなことでは納得できないということを私は何度も申し上げなければならぬ。質問したいことはたくさんありますが、この問題だって決着をつけるわけにはいかない。  それから関連して聞きますが、さっきから私が聞こうとする問題は、三十年十一月十五日に公務員制度調査会が、地公の定年制というものは国公に準じてやれ、その前にやってはならないという正式答申をしておる。この答申はネグってよろしいのですか。こんな答申はなかりしものと考えてよろしいのですか。この答申は、ちゃんと法律に従って、設置法に従って答申をしたのです。あなた方はそれに対して履行しなければならぬ義務があるはずだ。頼みっぱなしで、何を答申してもそんなものはどうでもいい、机の片すみにほうり込んでおいていいという考えですか、この点御答弁願います。

長野士郎自治省行政局長

○長野政府委員 先ほども申し上げましたが、公務員制度調査会の答申もお話のとおりございますが、この答申の全般的な考え方として、地方公務員の制度については国家公務員の制度に準じて考えていくということが答申されておることは、そのとおりでございます。なおそのほかにも、地方制度調査会の答申あるいは公営企業制度調査会の答申、いろいろございまして、そしてこれらの答申の中には、定年制を設けることということがうたわれておるわけでございます。これらの調査会を構成されております方々は、いずれも学識経験のある方々でございまして、そして学者、法律関係にお詳しい方もずいぶん御参加願って、御答申をいただいておるわけでございます。したがいまして、この定年制の採用という問題につきましては、いろんな方面でそういう専門的な検討の結果が出ておるわけでございます。自治省として独自に案を整えて提出をしたというようなことではございません。

依田圭五日本社会党

○依田委員 それでは答弁にならないです。あなたがいま、どこの答申がある、どこの答申があるとおっしゃいました。臨調があるとか、あるいは地方制度調査会があるとか、公務員制度調査会があるとか、それは全部国家公務員に対する答申なんです。地方公務員に対する答申ではないのです。そして公務員制度調査会は、国公を受けて、それに準じてやるべしということを義務づけておるのですよ。それをなぜネグったかということを私は聞いているのです。

長野士郎自治省行政局長

○長野政府委員 地方制度調査会、公営企業制度調査会は、地方公務員の定年制についての答申をいたしておるのございます。そして公務員制度調査会は国家公務員を主体にして答申をいたしておりますから、地方公務員についてはそれになるべく準じて行なうようにということを書いてあるということだと私どもは了解をしております。

依田圭五日本社会党

○依田委員 そのとおりですよ。それだから質問が始まるんですよ。地方公務員に対する答申、それはそのとおりなんだ。ただ、答申の内容が、国公に対する義務づけを受け地公をやりなさいということを書いてある。あなた、読んでくださいよ、同じようなことをもう一ぺんやりますから。そういう御答弁では困るんですよ。地方公務員制度は、国家公務員制度の改正に準じてこれを考えろということを書いてあるのです。全く御自分の都合のいいように——聞いていると、地公に対する答申のようにもとれる。これは国公に対する答申なんですよ。そして義務づけておるのは、国公に対する答申なんですよ。どうして国家公務員に対するその答申を実行しないで、それ以前に地公に対する答申を先にやるのですか。このやり方は全然理解できない。三回目の、全く新しいニュアンスのあるやり方でございますがね。それについて質問しておるのです。大臣、これは大事な問題ですから……。

野田武夫自由民主党自治大臣・北海道開発庁長官

○野田国務大臣 いや、もう何度も意見は申し述べております。それで、お話のとおり、地方制度調査会は、地方公務員を中心としての答申をいたしております。あなたはそれを否定しない、これは事実ですから。それで地方制度調査会においての答申は地方公務員の問題である、こうなってまいりますから、ただ一つの調査会、二つの調査会というようなことにわれわれは決して理屈をつけるわけじゃありませんが、ただ一つの調査会の問題を、全部支配的な——もちろん参考とはするし、また尊重すべき点は尊重します。しかし、おのおの独自の調査会の答申というものは、また内容的に異なっておることもあります。

依田圭五日本社会党

○依田委員 いや、都合のいいほうをとるとかなんとかいうわけじゃないのですが、答申に国公を受けてやれと書いてあるのに、国公をつくらぬで地公をやるのはどういうわけですかということを聞いておる。

野田武夫自由民主党自治大臣・北海道開発庁長官

○野田国務大臣 だから、それは何べんも説明している。同じことです。

依田圭五日本社会党

○依田委員 いや、局長は説明してないですよ。そんなこと、何も触れてないですよ。

長野士郎自治省行政局長

○長野政府委員 公務員制度調査会は、お話のように国家公務員を中心にした制度の改革についての答申をなすっております。そうしてそれは国家公務員が中心でございますから、地方公務員についてもこれに準じてやれということをいっておる。したがいまして、その必要性の強いのが地方公務員であるということでございますので、公務員制度調査会の答申の中にありますところの、適切な定年制の採用を考慮しろということにも、私どもはその答申に沿っておるわけであります。地方制度調査会は、地方公務員だけについての定年制の採用をいっております。したがって、それは必要性の強いと考えられておりますところの地方公務員について、しかしすべての団体に必要性があると考えておるわけじゃございませんが、そういうところについて定年制を施行できる道を開くということで、こういう答申の趣旨を実現しよう、こういうことにすぎないと考えております。

依田圭五日本社会党

○依田委員 あなたは道を開くなんておっしゃいますけれども、定年制の根拠は法律によって与えるのでしょう。その要件、手続、効果を条例にまかすわけでしょう。法律によって定年制をつくっておるのですよ。根拠を与えておるのですよ。法律要件を与えておるのですよ。それに基づいて要件、効果、手続をきめる。それは条例にまかせましょう。単に窓を開くとか、道を開くとかいうことじゃないのです。今回のこの地公法の改正案というものは、定年制をつくることなんです。これは重大な問題なんです。そんなことを言ってはだめなんですよ。

長野士郎自治省行政局長

○長野政府委員 先日来御質疑がありましたように、現在の地方公務員法のもとでは条例で定年制を設けることができないというのが、多年の政府の持っておりますところの有権解釈でございます。したがいまして、そういうことでございますので、定年制の条例を地方公共団体ごとにその必要性に応じてつくり得るようにするという意味では、その根拠を与えるわけでございます。そうしなければ、地方団体の自主的に定年制をしこうと思ってもしけないというのが、現在までの解釈でございます。したがって、定年制をしき得るようにする、しきたいところは、その必要性のあるところはしき得るようにする、こういうことでございます。国の場合におきましては、おそらく法律をつくりますれば、定年制をしこうと思えばしけるだろうと思います。地方団体は、国との関係で考えますれば、給与、勤務条件その他すべて地方団体の条例で制定をするわけでございますから、この関係におきまして、条例をつくろうにもつくれないというのが現在のたてまえであるということでございますので、必要な場合には条例でつくり得るような道を開く。やはりこれは道を開くといってよかろうかと思うのでございます。そういう意味で、道を開き得るようにする根拠を与える。これはそのとおりでございます。

山口鶴男日本社会党

○山口(鶴)委員 先ほどの局長の答弁、遺憾の点があると思うのですよ。何か地方制度調査会の委員の方は学識経験豊かであって、そうして公務員制度調査会の委員の方々はあまり学識経験豊かでないようなニュアンスにとれる。そういった調査会によって差別を設けるようなニュアンスの御答弁をされるということは、政府がこの審議会なり調査会というものを設けて、学識経験豊かな方々をそれぞれお選びいただいているという経過から見て、穏当を欠くわけであります。そういうことは、今後ひとつ御注意をいただきたいと思うのです。  そこで、地方制度調査会は地方公務員であって、公務員制度調査会は国家公務員だというようなことを言っておられますが、公務員制度に対して、国が最も意気込みをもって、しかも権威あるものとしてつくられた委員会は何ですか。これはアメリカのフーバー委員会を模したいわゆる佐藤委員会、臨時行政調査会ではありませんか。この臨時行政調査会におきましては、国家公務員についても、地方公務員についても、あまねく公務員制度全般の問題について答申をいたしておりますね。そうしてこの臨時行政調査会の三十九年九月二十九日の答申によれば、国家公務員、地方公務員を問わず、定年制に対して答申をし、しかもそれは国家公務員も地方公務員も同一視して、そういう中で当面六十歳を基準にするということまでうたっておるではありませんか。私は、そういう意味からいけば、臨時行政調査会の答申を見れば、地方公務員のみ定年制を実施して、国家公務員はかまわぬのだ、こういった差別的な扱いというものは、憲法十四条の問題はもちろんでありますけれども、この臨調答申を見ても私は筋が通らないと思うのです。そういう意味では、政府が、歴代の自民党内閣が、中でも異常な熱意をもってお取り組みになったこの臨調答申というものを、公務員制度の改正にあたってなぜ無視せられるのか、この点については、大臣の政府としての御見解を承らなければならぬと私は思うのです。

野田武夫自由民主党自治大臣・北海道開発庁長官

○野田国務大臣 私は臨調の答申も読んでおります。お示しのとおりであります。これの趣旨は、私の解釈するところによると、定年制はいけないということでなくて、やればこうだ、こういうことだと思います。定年制を否定しているのではなくて、やれば、いまお示しのとおり、それから六十歳。そこで私は、臨調でも、先ほどの公務員制度調査会でも、あるいは地方制度調査会でも、おのおのりっぱな学者、いわゆる学識経験者がおられますので、どの調査会が権威があるとかないとかいう考えは持っておりません。そこで、いま申しますとおり、臨調の答申もよく知っておりますが、さらにその後の経緯で、どうも国家公務員につきましては、特別の職務と申しますか、これについての単行法によって定年制を設ける、その内容の条件は別といたしまして。国家公務員のほうでは、いま局長が申しましたとおり、法律をつくれば定年制をそのまま実行いたしますが、国家公務員はまだ全体的にやっておりません。一部はやっております。そこで地方制度調査会からまいりました、また公営企業調査会あたりで地方公務員を主体としての調査をやっていただいて、その結論が答申としてあらわれております。別に臨調を無視するとか、そういうことは全然考えておりませんが、地方公務員を中心として御審議を願いました地方制度調査会とか公営企業の調査会の答申を得ておりますので、これらを十分勘案いたしまして今回の案につくり上げた、こういうことでございます。

山口鶴男日本社会党

○山口(鶴)委員 臨時行政調査会答申「公務員に関する改革意見」という中で、一番として労使関係と労働基本権、労働基本権の問題について触れておられますね。これは内容についは申し上げません、大臣も御存じのとおりでしょうから。もっと公務員に労働基本権を認めろということを書いておるわけです。ですから、これは一として、自衛隊の職員でありますとかあるいは会計検査院の方でありますとか、そういう特殊な方ではなしに、いわば一般職の国家公務員、一般職の地方公務員、これらの方々に対して労働基本権を認めるべきだということです。二として、退職後の保障、定年制の実施と退職手当、退職年金の充実という意味で、一般職の国家公務員、一般職の地方公務員については同列に扱って、こういう扱いをしなさい、こう書いてあるじゃありませんか。ですから、そういうものを無視して、公務員制度調査会の答申も無視して、そして地方制度調査会の答申のみ都合のいいところだけつまみ食いするということでは、政府としては一貫性がないじゃないか、こういうことを私どもは尋ねておるわけです。これでは、かつて赤澤前自治大臣あるいは藤枝元自治大臣が、選挙制度審議会から答申があって、都合のいいところだけつまみ食いして、つまみ食い答申という意味でごうごうたる批判を国民から浴びたじゃありませんか。それと同じことになるじゃありませんか。都合のいいところだけつまみ食い、これでは選挙制度審議会に対する批判と同じ批判が国民からあるのは当然ではないか、こういうことを私は聞いておるわけであります。これに対する大臣としての所信をお聞かせいただきたいと思います。

野田武夫自由民主党自治大臣・北海道開発庁長官

○野田国務大臣 私いまお答えしたとおりでございまして、臨調の答申は、国家公務員も地方公務員も定年制を設けること、ただし老後の生活、よくわかっております。六十歳ということも出ておりまして、そこで、それは国家公務員と地方公務員はともにそういう考え方で、定年制を設くる場合にはかくかくかようの条件が必要だ、こういうことを指示いたしております。私どもといたしましては、今度の改正案で、御存じのとおり、いわゆる各地方団体が定年制を条例によって設けることができる。その際の年齢、そこが一番大きな問題でありまして、私はこの前の大出委員にもお答えいたしておきましたが、特殊な仕事に携わっている方、またその地方の特殊性によっては、何も五十代でやらなければならぬというようなことは、私自身は考えておりません。当然これはその客観的な情勢に即応したものをおのおの各自治体でもってお考えになっておやりになったほうがいい、こういう考え方を持っておりますから、何もいまの臨調の答申にそむいたやり方ではない。また、地方制度調査会だけだということでございますけれども、これはおのおのみんなりっぱな学識経験者のお方でありますから、どれがいい悪いではありませんが、いろいろな意見が出ますると、それをとって参考にして、やはり一つの考え方を私どもはきめていかなければならぬ、これが政府の態度で、答申がまちまちでございますと何にもできなくなりますから、それに基づいて、まあこれが一番自治省としては適当だと思う答申を尊重して、これに対する態度をきめる、こういうことを考えております。

塩川正十郎自由民主党

○塩川委員 委員長、本案に対する質疑は終了し……(発言する者多く、聴取不能)

鹿野彦吉自由民主党

○鹿野委員長 ……(聴取不能)賛成の諸君の起立を求めます。   〔議場騒然〕

鹿野彦吉自由民主党

○鹿野委員長 ……(聴取不能)よって、……  (聴取不能)可決いたしました。   〔議場騒然、聴取不能〕   〔委員長退場〕    午後八時三十五分      ————◇—————   〔報告書は附録に掲載〕

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