地方行政委員会 第28号
- 発言数
- 157 件
- 登壇者
- 10 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1969/05/06
会議録
○鹿野委員長 これより会議を開きます。 地方公務員法の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行ないます。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。塩川正十郎君。
○塩川委員 過般、民間企業における定年制の状況についてお聞きしたのですが、その民間企業並びに公務員の定年制、あわせまして定年制そのものについてひとつ基本的な問題としてお伺いしたいと思うのです。 ということは、勤労の能力と意思を十分に持っておる者が、これが一定の年齢に達したからといって定年を強制するということ、そういう考え方については、これはおそらく憲法二十七条にいいますところの勤労の権利、これをある程度制限するのではないか、このような感じがしないでもない。そこで、おそらくそういう憲法違反の問題ではないということをおっしゃられるだろうと思うのですけれども、そうであるとするならば、その二十七条に関して、定年制との関連をどのように考えておられるかということをひとつお聞きいたしたい。 それから、さらには、定年制の道を開くということでございますが、そういう現在の社会的な情勢から見ますと、平均年齢が非常に延びておる。そういう状況にあるのに定年制を設けようということ、これが一つ。 それからもう一つは、政策面から見まして、現在中高年齢層というものを雇用をしなければならぬということ、これを促進しております。それからまた、若年労働者というものが不足しておる。これをカバーする意味においても、中高年齢層というものを雇用しなければならぬといっておるのに、あえて定年制を設けて、定年を制度化しようということに踏み切った理由、この二つについてお尋ねいたしたいと思います。
○砂田政府委員 憲法二十七条との関係のお尋ねでございますが、憲法におきます勤労の権利は、各種の勤労獲得の機会を具体的にすべての国民に保障するという意味ではございませんで、勤労に関する国民の基本的人権、これが侵されないという意味を持つものでございます。定年制は、一つの組織におきまして、一定の年齢に達した場合には、その組織での雇用関係を断つことを定めるにとどまるものであります。決して他の労働の機会を否定するものではありません。憲法第二十七条にそういう意味合いから触れるものとは考えておりません。民間におきます多くの企業において、すでに定年制が設けられておりますが、公務員についても、検察庁法、教育公務員特例法、自衛隊法、会計検査院法等におきましても、現に憲法に何らの規定がないにもかかわりませず、法律のみに基づきまして定年が定められているのでございます。このような観点からも、今回地方公務員につきまして定年制を設け得る道を開くことは、決して憲法二十七条に触れるとは私どもは考えておりません。
○塩川委員 それでは、機会均等を保障するということでございますが、それならば、引き続き就職を希望したいという者、そういう意思を表明する者、この者に対する機会の均等というものをどうして与えるかということ、これをお尋ねしたいのです。 それと、先ほど私ちょっと質問の中で言っておりました現在の社会的趨勢といいますか、いわゆる平均寿命が延びておる。この現在の社会的趨勢に逆行するのではないかということと。それから、中高年齢層雇用促進というこういう政策的な面からいうて、逆行するのではないか、これをあわせてお答え願いたい。
○鎌田説明員 先ほど政務次官からお答え申し上げました例の労働の努力と意思を十分に持っておる者に対して、一定の年齢に達したことによって職場を去らせるということは、憲法違反ではないかということにつきましては、先ほど政務次官からお答え申し上げたとおりでございます。労働権という思想につきましては、これはいわゆる完全なる労働権の概念、それから限定的な意味における労働権の概念、こういうふうに憲法並びに労働法学上あるわけでございますけれども、現在の日本国憲法が第二十七条において申しておりますところの労働権という考え方は、憲法制定当時の政府の説明にもございますように、国民が勤労に関する基本的人権というものを侵されないという意味での規定であり、政府は、将来政策並びに機構の面における指針として尊重されるべきものである、こういうふうに理解をいたしておるわけでございます。 当該職場におきまして定年退職された者に対しまして、他の民間企業なりあるいは自家営業なり、そういう形で再就職される方もありますし、また今度の地方公務員法の改正におきまして御審議をお願いいたしておりますところの、当該職場におきまして特定の業務につきまして再雇用の制度を設けよう、こういうことがこの次に申し上げておりますところの、中高年齢層の雇用促進ということともまた照応するわけでございます。 次に、国民の平均年齢が延びておるではないか、そういうもとにおいて定年制の道を開くということは、政策的に見てどうであろうか、こういうお尋ねがございました。国民の平均寿命は昭和十年に比較いたしまして、大体二十年程度延びておることは事実でございます。これは、御案内のとおり、もつぱら乳幼児の死亡率が減ってまいっておるということに伴うものでございまして、たとえば年齢五十五歳なら五十五歳の者があと何年生きられるか、いわゆる平均余命というものをとっていいますと、五十五歳の者につきまして比較をいたしますと、昭和十年に比較いたしまして四歳程度の延びになっておるわけでございます。全体的な傾向といたしまして、社会福祉と申しますか、社会保障と申しますか、そういった面あるいは衛生関係の施策の向上に伴いまして、国民の寿命が延びておることは、ただいま平均余命四年と申しましたけれども事実でございます。そういったもとにおきまして、民間企業におきましても、定年制を採用いたしておりますところの企業におきまして、定年年齢の延長という趨勢もあるわけでございます。そういうことも織り込みながら、今度の地方公務員の定年制の実施の道を開くわけでございますが、地方団体が定年制を実施してまいります場合には、当該地域社会におきまする民間雇用の趨勢なり、あるいは当該地方団体におきまする年齢構成なり、こういったものを総合勘案しながら、公務能率の遂行ということを基本の目標といたしまして新陳代謝を進めてまいる。その場合に、ただいまの全般的な平均余命の延びの状況というものが当然一つの参考に資せられるべきものであるというふうに考えるわけでございます。 なお、中高年齢層の雇促用進ということにつきましては、若年労働力というものが将来目に見えて減ってまいるということもございまして、中高年齢層の雇用促進ということにつきましては、政府あるいは地方自治体におきましても当然努力をいたしておるわけでございます。この場合におきまする、たとえば労働省が通達で示しておりますところの中高年齢層の雇用促進と申しますのは、いわゆる三十五歳以上の者につきまして、特に技能労務職的なものにつきましての雇用の達成率といったものを示しながらやっておるわけでございます。地方団体も当然これに協力をいたしておるわけでございます。 ただ地方公務員におきまする定年制の問題は、前回も大臣あるいは政務次官、局長それぞれ答弁申し上げましたように、あくまでも当該地方団体の実情に即しまして、当該地方団体におきまする職員の構成割合というものが高い。老齢化が進んでおる、そういうところにおきまして、公務能率を推進するという基本目標に立ちまして当該行政管理の立場から定年制を実施するということでございまして、中高年齢層の雇用促進という面につきましては、先ほども申し上げました再雇用の道を開くといったようなこともあわせて万全の措置を講じておるところでございます。
○塩川委員 非常に丁寧な説明をしてもらいましたが、しかし、そういう趣旨であるとするならば、現在行なわれておるところの勧奨退職制度というもののいわゆる整備をはかるということで目的が達せられるんじゃないか。現在、勧奨退職制度そのものに何か不都合な事態があって、これでは十分行なわれないというような事態があるのかどうか、これを現状とあわせて一度説明していただきたいと思うのです。 そこで、もう一つ、その勧奨退職をさらに定年制の道を開くということに切りかえるといたしますならば、むしろ定年というものは、いわゆる身分保障的なものも持っておる。だから、逆に言いましたら、定年まで身分を保障するということも含まれておるわけでございまして、そうするならば、ここにいわゆる若朽者——何といいますか、若くして朽ちていくというわけじゃございませんが、若くして定年まで保障されておるんだからというような気分を起こすようなことなきにしもあらずと思う。そういう功罪を考えますと、勧奨退職制度のほうを整備していくほうが実情に合うような感じがするんですが、それをあえて定年制の道を開いたということに踏み切ったその理由をひとつお聞かせいただきたい。
○鎌田説明員 現在、地方団体におきまして定年制の道がないものでございますから、やむを得ず勧奨退職を行なっておるわけでございます。 この実施状況をまず簡単に御説明申し上げますと、一般行政職員に例をとりますと、都道府県の場合でございますと、昭和四十年度、四十一年度、四十二年度、この過去三年間におきまして、ほとんどの都道府県が実施いたしております。昭和四十、四十一年度は四十五県、四十二年度は四十六県でございます。それから、市の場合でございますが、市の場合におきましては、四十二年度におきましては四百五十市、当時の市五百八十五市のうち七六・七%、約八割方に当たりますところの四百五十市が実施をいたしております。また、町村におきましては、同じく一般職員について、昭和四十二年度でございますけれども、二千七百六十五の町村のうち約三三・四%に当たりますところの九百十三町村におきまして勧奨退職を実施いたしておるわけでございます。 この勧奨退職によりまして職員がやめてまいりまする率でございますが、この率が、実は年々低下をいたしてまいっておるわけでございまして、都道府県の場合、一般職員でございますけれども、昭和四十年度におきまして五九・五%の退職率でございましたのが、四十二年度におきましては五三・七%に下がってまいっております。あるいは、市の場合でございますというと、同じく五九・五%でございましたものが、五六・五%、やはり三%程度下がってまいっております。町村の場合でございますというとやや退職率が高うございますが、八三・八%が八二・六%というふうに下がっまいっておるわけでございます。 したがいまして、この勧奨退職、うまくいっておるところがあるではないかというお尋ねがあったわけでございますが、全体的な姿として見ますと、十人勧奨して五人あるいは六人程度の者がやめていく。あとの人たちはやめていかない。いわゆる肩たたきを行ないまして、やめていく人とやめていかない人とが出る、こういうことになりまして、いわゆる職員の士気と申しますか、モラルといいますか、その職場内におきまする士気にも好ましくない影響がございます。あるいはまた、計画的な人事という面からとってまいりますと、何人やめるから何人新しい職員を入れてまいる、こういう計画的な人事というものがなかなか行なわれがたいわけでございます。そういった面におきまして、勧奨による退職というものには、やはり実質的に見まして一定の限度がある、こういうことが感ぜられるわけでございます。勧奨退職というものには、そういった意味で、退職率というものが年々下がってきておる、あるいは計画的な人事配置、採用計画というものが立たない、こういった面におきまして限度があるというふうに考えられるわけでございます。 次に、この定年制というものは、これはただいまお述べになられましたように、一定の年齢までは、いはゆる懲戒、分限事由というものに該当しない限りは、安定してその職に従事できる、こういった意味におきまして、明らかに身分保障的な機能がございます。それだけに、いま若朽者というおことばをお使いになられたわけでございますけれども、職員が勤務能率というものをフルに発揮しないままにその職にとどまっておるという懸念もあるわけでございます。その点につきましては、やはり公務員法本来の規定でございますところのいわゆるメリットシステム、職員の能力を十全に発揮する、地域住民の期待にこたえまして職員の公務能率の増進をはかってまいるという意味におきまして、一そうその面におきまする人事管理あるいは行政管理ということにつきまして、これまで以上の配慮を加えてまいる必要があるというふうに考える次第でございます。
○塩川委員 勧奨退職の場合は、まだ若干職員の意向というものが理事者の中に的確に反映されると思うのです。一例を言いますと、この程度の退職金の割り増しをしなければあえてやめないのではないかとかというふうな一つの職員の意向というものが、勧奨退職の場合は反映されるような気がいたしますし、また現にそういう意向が反映しておる。ところが、これは条例で定めてしまうとなりますと、その職員の意向というものが反映されない。特に、こういう労働の基本権に関する問題である交渉条件、いわゆる条件を交渉してきめるというんじゃなくして、一方的に議会と理事者の間できめられてしまう、こういうことに対しまして、職員は非常な不安を持つと同時に、また不満も持っておると思うのです。 そこで、こういう理事者が提案して議会できめるという、条例事項として定年制を扱うということに、それをカバーする意味において、これを交渉条件としての一つの場を持たすというようなことが考えられないだろうかどうか、そういうことを私たちは希望するわけでございますが、この職員の不満に対しまして、指導される自治省としてはどのようにこれを考えておられるのか、ひとつ御意向を承っておきたい。
○砂田政府委員 現行の地方公務員制度におきましては、職員の給与、勤務条件は条例で定めることになっております。これは雇用の権限と責任が住民全体に起源いたします公務員の特殊性にかんがみまして、労働条件を住民の意思の具現機関でありますところの議会の制定する条例にゆだねたものでございます。このような制度のもとにおきましては、定年制の制定をやはり条例にゆだねることが均衡を得たものである、こういうふうに考えているわけでございます。 なお、定年制に関します条例は、その性質上から地方公共団体の長が議会に提案をすることが常例であるとも考えます。長が定年制に関します条例案を作成するにあたりましては、当然職員の意向を聞くことでもありますし、職員団体との交渉の対象になるもの、このように私どもは考えております。したがって、その際に職員の希望は十分に反映をされるもの、そういうふうに私どもは考えております。
○塩川委員 要するに、次官のおっしゃるのは、理事者が提案する前に職員との間である程度基本的な話し合いを煮詰めていく、それを条例案として提出するから、そこにいわゆる交渉し得る場がある、こういう御意向ですね。ぜひともそういうぐあいになければならぬ、またこれは、議会の問題というよりも、理事者と職員との間の問題に重点がしぼられてくる問題でありますから、われわれはその点を大いに期待するものであります。しかしながら、これは現在早期に——たとえば地方公務員がいろんな労働基本権について制限を受けております。たとえば争議権を停止されておる。そういうふうな一定の制限を受けておる公務員が、一方的に定年制というようなことでそういう基本権を侵されるということになりますと、これは、われわれは、いわゆる民間企業におけるように完全なる労働基本権を行使しているのじゃないのだ、一部は制限されておるのだ、そうであるのに、これが議会と理事者の間によってきめられる、こういう形態において行なわれるというところに問題があるのではないかと思うのです。 そこで、こういう問題については、すべて公務員制度審議会にはかるということに一応意見が出ておる。特に職員側からは、こういう問題はぜひとも公務員制度審議会にはかってもらわなければならぬ。われわれはいわゆる労働基本権の一部を制限されておるのだから、それをカバーする意味において、公務員制度審議会にはかってもらわなければならぬ、こういうふうな布望が非常に強いのでございますが、これに対して公務員制度審議会にこれをはかったことがあるのかどうか。あるいはまた、これははかる必要があるのか、あるいはないのか、こういう点についてひとつ明確にお答えいただきたいと思います。
○砂田政府委員 ただいまの塩川先生のお話で、定年制を私どもは労働基本権の問題と考えておりません。定年制は離職の一態様という考え方でございます。したがいまして、公務員制度審議会に関連しての御質問でございましたが、総理府設置法の規定するところを見ましても、公務員制度審議会の審議事項というものは公務員等の労働関係の基本に関する事項と相なっております。労働関係の基本とは、労働関係のあり方、仕組み、すなわち労働基本権関係をさすものでございまして、離職の一態様でありますところの定年制、これは公務員制度審議会の審議事項ではないと私どもは考えております。 いままでの経過のことをお尋ねでございましたが、昭和四十一年三月の公務員制度審議会、この十回会議におきまして当時の総務長官から定年制についての発言がございました。これは本来の諮問事項として諮問をしたものではございません。たまたま公務員制度審議会がちょうど開かれておりましたので、一応御意見を伺った、こういうことでございます。その際に、審議会のほうでもその取り扱いを運営小委員会の検討にゆだねるということをなさったのでございますが、その後は小委員会も開催されず、その取り扱いについて結論が出ないまま終わっております。 このような次第でございますので、今回公務員制度審議会の議を経ることなく定年制法案を提出いたしましたことは、何ら従来の経緯に背反するものではない、このように考えております。 さらに、重ねていま一度申しますが、ただいま御答弁いたしましたような考え方でございますので、定年制という離職の一態様の問題で労働基本権の問題ではない、こういう考えから公務員制度審議会におはかりするようには予定をいたしておりません。
○塩川委員 局長にお聞きしたいと思うのですが、これはやはり労働基本権ではない、こういう政務次官の答弁ですが、労働基本権ではないという一つの理由をもう少し明確に説明していただけぬかと思うのですが……。
○長野政府委員 定年制の問題につきましては、ただいま政務次官が御説明申し上げたとおりに離職の一態様でございます。すなわち、これは先ほどもお話がございました一つのいわゆる勤務条件と申しますか、勤務条件の一種だというふうに考えているわけであります。この労働基本権、労働関係の基本という場合には、そういう労働条件をきめるきめ方、あるいはそういうきめ方とどういうふうに取り組んでいくかという仕組みを考えていくことが、基本権つまりそれは争議権でございますとか、交渉の当事者等を含めたところの団体交渉権でありますとか、団結権でありますとかいう問題になるものが労働関係の基本に関する事項というふうに考えているわけでございます。したがいまして、定年制は一定の期限といいますか、一定の年齢に達した場合には雇用関係を断つという意味では労働条件の一つの態様をあらわしているものでございます。したがいまして、その点におきましては、この基本関係ということには相ならないということに私どもは考えております。
○塩川委員 局長、もう少しお聞きしたいのですが、実は地方公務員法の改正されましたのは二十五年だったかと思いますが、それ以前は定年制についてどうなっておりましたか。それと現在の地方公務員法との関連ですが、どうして現在の地方公務員法に定年制という制度を設けておらなかったのかというこの関連をひとつ説明してくれませんか。
○長野政府委員 地方公務員法が昭和二十五年に施行になりまして、その以前におきましては、地方公務員の中には府県市町村それぞれあるわけでございますが、府県のほうは官吏あるいは待遇官吏というようなかっこうで職員の身分関係が規律されておりましたものが大部分でございました。こういう場合には国家公務員といいますか、そういう一つの慣習なり例規というもので実質上の定年というものが行なわれておりました。市町村になりましては、特に市におきましては、公務員法の施行前には約九百ばかりの団体が条例によって定年制を設けておったのでございます。地方公務員法が施行になりまして、公務員法にはいわゆる分限の関係の規定がございます。分限条項というものの中には一応の解釈といたしまして、職員が、その意に反して、退職あるいは免職になるというような場合は、法律に定める事由に該当する場合だけであるということがきめられましたことからいたしまして、立法者の意図といたしましては、これで定年制が自由に規律できなくなるというふうには考えていなかった、こう思うのでございますけれども、やはり定年制は広い意味で分限免職というものの一つになるのではないだろうかというような行政解釈が行なわれまして、地方公務員法の施行と同時に、市町村でそれまで相当多くのところで設けておりました条例は、地方公務員法制定施行後はこれは設けることができないのだというような行政解釈が三回にわたって出されまして、定年制条例というものを廃棄せざるを得ないということで廃棄して今日に至っておるというかっこうでございます。 この問題は、もちろん法律論といたしましては、定年制というのは分限免職ではないのじゃないか、やはり一定の任期満了による退職というようなのと大体同じでありまして、一定の年齢によるところの雇用のしかたにすぎないのじゃないかというような考え方もあるわけでございますが、そういう考え方に立ちますと、法律を改正しないでも当然に定年制は勤務条件の一種といたしまして条例をつくることができるということになるわけでございますけれども、何ぶんにも従来の考え方、行政解釈というものがひとつ確立をしているというかっこうでございますので、やはり今回の改正案のように離職の一態様であるというかっこうで整理をいたしまして、そして定年制を採用することができる場合というものを明確にするということがどうしても必要であるというふうになっておるわけでございます。
○塩川委員 さらに自治省のほうでは、定年制は決して強制しないのだ、地方公共団体の自主的な判断にまかすのだ、こういうぐあいにしばしばおっしゃっておる。だから、ただその道を開くだけなんだということをおっしゃっておるけれども、二十九条の二でございますか、そこに、「(離職に関する条例の制定)」「職員の離職の事由、手続及び効果については、法律に特別の定めがある場合を除くほか、条例で定めるものとする。」こういうことになっておる。すなわち、離職に関する条例というものは、包括的に制定しなければならぬのか、あるいは個々に——個々というのはその理由ごとに条例を制定するのか、この点に関する自治省の見解なりあるいは指導というものを、ひとつどういう方針でいかれるのか。これによって定年制の強制力というもうが相当違ってくると私は思うのです。包括的にしなければならぬのだということになってきますと、これはやはりこの際に定年制を入れておくと半ば強制的になってくるのではないかと思ったりもするのですが、ついては、これはどのような形態で条例を制定するということなのか、これをひとつ御説明いただきたい。
○砂田政府委員 法律案の第二十九条の二におきまして離職の事由、手続及び効果については、条例で定めるものとする、こうありますのは、必要がある場合には条例をもって定めることを規定しているにとどまっておりまして、定年制を必要としない地方公共団体は定年制に関する条例を設ける必要がないということを明確にしておきたいと思います。 このような離職に関します条例は、すべての離職について包括的に一つの条例を制定することも可能でございます。また、それぞれの離職につきまして別個の条例を制定することも可能でございます。法律的にはそのどちらの方策をとられることもできるわけでございます。いずれにいたしましても、他の離職の態様との関連で定年退職に関する条例の制定が強制されるということは考えられない、こういうふうに考えております。
○塩川委員 さらに、包括的にやるか、あるいは個々にやるかということについては、自治省、これは行政指導されませんか。どうでしょう。
○長野政府委員 画一的な行政指導をするつもりはございません。いま政務次官がお答え申したとおりでございます。
○塩川委員 これはあくまでも自治体の自主性にまかしていただきたいと思います。 次に、私は、いろいろな経過措置とか、あるいは特例というものを考えなければならないのではないかと思うのです。それについて二つの面からお聞きいたしたいのですが、この法案が通りまして、それからそれぞれ地方公共団体で条例が制定されます。そういたしますと、その条例が制定されたときに、たとえば何歳にするかは、それはそれぞれの市あるいは県の事情によってあるでしょうが、そのときその年に該当しておる職員は一体どうなんですか、その場で定年がぱちっといかれてしまうのかどうか。これはある一定の経過措置とういものが取り入れられるかどうか、考えられるかどうか、これが一つと、それからもう一つ、年金受給権の発生してない人、特に引き揚げ者であるとかあるいは復員者などによりまして、そういうやむを得ざる事情によって年金受給資格がおくれておる、こういう方に対しては何か特例的な措置を講ずることができるのかどうか。また、こういうことについての自治省としての指導はされるかどうか、これをひとつお聞きいたしたいと思います。
○鎌田説明員 事務的なことでございますので、便宜御答弁さしていただきたいと思います。 まず、第一の、定年制条例ができたら、そのとたんにぱちんといくのかということでございますが、その点につきましては、やはりこの定年制条例の、何と申しますか、一般に対しまする浸透、PRと申しますか、そういったことも必要でございましょうし、施行と同時に、何歳なら何歳に達している者は全部、こういうことはやはり適当でなかろうと思うわけでございます。その年齢につきましては、実情に即しまして無理のいかない指導を私どもはいたしたいと思っておる次第でございます。 それから第二の、年金受給権の発生しない者について何らか措置がとられるかということにつきましては、これは率直に申しまして慎重に配慮すべき問題であろうと思うわけでございます。まあ御案内のところだと思うわけでございますけれども、海外からの引き揚げあるいは復員、こういった者は大体九割以上昭和二十五年には完了いたしておるわけでございます。したがいまして、その復員と同時に、あるいは引き揚げられて役所に入られたという方でありますと、ほぼ年金受給年限に達するわけでございます。あと一年というところで年金受給年限に達しない、こういったような気の毒な事情のある者につきましては、この経過規定をもちまして、便宜的にと申しますか適宜、定年年齢の延長をする、こういったことは制度上当然取り得る措置であり、また考えられるべきところではなかろうかというふうに考えるところでございます。
○塩川委員 そういうことはやはり条例の中で自治体がかってにきめたらいいと、こういう考えですか。それとも、一応こういう配慮をもって臨むべきであるということを自治省としての考え方で出されるのかどうか、これをひとつお聞きいたしたいと思います。 それが一つとして、もう一つ定年年齢の下限といいますか、大体何歳くらいが適当であるというようなこと、これを指導されるかどうか。もし指導されないとするならば、たとえばこんな問題が起こってきはせぬだろうかと思うのです。極端な例でございますからそんなことはあり得ないと思いますけれども、非常に極端な例を申しますと、条例で定年は五十歳なら五十歳と定めろ、ただし任免権者が必要であると認める場合にはこれを五十七歳あるいは五十八歳まで認めることができるというような、そういう条例がもしつくられるとするならば、これは相当定年制のこの問題について混乱が起こるのではないか、特に任免権者の恣意的な人事というものが行なわれるのではないかというような懸念がいたします。ついては、そういう年齢の下限についてこれはどのように考えておられるか。これも全く自治体まかせであるとおっしゃるのか、こういう点ですね。あわせて二つお答えいただきたい。
○砂田政府委員 最初のお尋ねでございます年金受給権がまだ確立をしていない、引き揚げの方でありますとか、そういう雇用いたしますときの特別の事由のある方につきましては、ただいま公務員部長がお答えしましたようなことを各地方公共団体まかせではなくて、当然そういうあたたかい配慮をするべきであるという指導を自治省がやることにいたしております。 それから、ただいまの年齢のことでございますが、以前にもお答えを政府側からもいたしたかと思いますが、ただいまの民間企業におきます非常に数多くのあります五十五歳、これは私どもは低きに失するという感じを実は持っておりまして、率直に申しあげますとそれよりも幾ぶん高いところで自治省としてはやはり一応の一般論的な指導をいたさなければならない、こういうふうに考えております。率直に申しあげますと五十七、八歳というところで、地方公共団体に一切まかせるということではなくて、自治省といたしましてもそういう指導はいたしていかなければならない。そうでなければ、ただいま塩川先生おっしゃったように、混乱と申しますか、そういう事態が起こりかねないところでございます。私どもといたしましてはそういう指導をしてまいる、こういう決意をいたしております。
○塩川委員 そうすると、先ほどから何べんもおっしゃるように、いわゆるきめのこまかい、混乱の起こらないように、情のある指導をしていきたいとおっしゃる。そういたしますと、年齢の下限、こういうことについても、いわゆる民間企業よりは上回ったところで大体位置づけていくというような指導、こういうようなこともあわせてやっていかれる、こういうことでございますね。 それじゃ次に移りたいのですが、この定年制の問題が国会の論議になりましてから、自治体職員の中に非常な不安が起こっておる。不安感がある。それはどういうことにあるかといいますと、結局退職後の保障がはっきりしておらないということなんです。これは新聞等も相当論説的にこれを取り上げて申しております。そこで非常に矛盾を感じますことは、再雇用の道を開くんだとおっしゃるが、再雇用の道を開くというのだったら、わざわざ退職せしめなくてもいいんではないかというような感じがいたします。すなわち、定年制をしくというその理由の中に、一つは新陳代謝を活発に行ないたいんだということと、人事を計画的に執行していきたいんだ、こういうことが大きい趣旨であった。その第一の新陳代謝をはかるという趣旨から申しましても、再雇用の道を開いておくということ、これはどうも矛盾しておるように思う。したがって、この再雇用の道を開くという理由、これはどういうところにあるのか、これをひとつお聞きいたしたい。再雇用の道を開くんだったら思い切って定年制の年限を上げたほうがいいのではないか、このような感じもいたしますので、再雇用の道を開いたという理由を聞かしていただきたいと思うのです。 それから次に、その再雇用の職員を特別職にしておりますね。特別職にしておるということ、これもなぜ特別職とするのか、ひとつ理由をはっきりさしてほしい。 それから三番目に、再雇用職員に関する制度といいますか、この人事管理上の制度、こういうものをやはり制定するのかどうか、この内容はどういうぐあいにされるのか、この三つあわせてお聞きいたしたいと思うのです。 その三つにあわせて、再雇用職員の給与、この基準はどこにとられるのか、どういう基準をもって再雇用の職員の給与とするのか、これもあわせてお聞きいたしたいと思うのです。
○鎌田説明員 再雇用の道を開いた理由でございますが、これは定年制を実施するということになりました場合、その職員の主観的な事情におきまして、先ほども話がございましたように、たとえば復員なりあるいは引き揚げ後役所へ入った、こういったような方がございまして、定年に達しましてもまだ子女の教育に金がかかる、こういったような事情の方があるわけであります。かたがた、これも先ほどから話が出ておりますように、高年齢層の雇用の促進という面もございます。そういう両方の面を考えまして再雇用の道を開くということにしたわけでございます。 再雇用の道を開くのであれば定年年齢をむしろ高いところにきめたほうがいいのではないか。これはおっしゃるとおりの面があろうかと思います。ただ、私どもが再雇用の制度として考えておりますのは、現在のいわゆる行政事務と申しますかというものに携わっておられる方が、そのままそのポストで再雇用されるということではございませんで、地方公共団体の事務の中で特定の業務というものを限定いたしたい。この業務の内容といたしましては、一つは比較的軽労働でございまして、老齢者の勤務にもたえられるようなもの、あるいは長年の間その職場におきます学識経験というものが活用できるような業務、こういったようなものを考えておるわけでございます。具体的に申しますと、いわゆる単労的な職種のほかに、たとえば用地の買収でございますとか、あるいは登記登録の事務でございますとか、あるいは各種の資料の編さんでございますとか、あるいは新しい人事管理の分野として出てまいっておりますところの職員のコンサルタント、こういった業務でございますとか、その中のいわゆる相談的な業務、こういったようなものを予定をいたしておるわけでございますが、そういった業務につきまして再雇用をしてまいったらどうであろうかというふうに考えておるわけでございます。 この再雇用職員につきましてこれを特別職にいたしました理由といたしましては、一つは、たとえば任用上の問題がございます。公務員法上一般職につきましては試験任用あるいは選考任用、こういういわゆる能力の実証に伴う任用ということが必要でございます。あるいはまた、勤務時間におきましても、正規の勤務時間というものによって服務するということになっておるわけでございますが、再雇用職員として私どもが予定をいたしております業務の中におきましては、その人の過去の閲歴というものから見まして、選考任用に当然たえ得る人もあるでありましょうし、あるいはまた、勤務の態様におきまして、必ずしも正規の勤務時間というものによらないで勤務をしていただくということのほうが、その業務の遂行の面から見て都合のいい場合、一例といたしましては用地の買収業務でありますけれども、そういったものが考えられる。そういった面からいたしまして、あるいはまた、給与につきましても、特定の業務に雇用するわけでございますので、いわゆる純粋に職務給的なものになってまいる、こういった面で、現在の一般職につきまして規律をいたしておりますところの諸制度というものに必ずしも親しまない。そういう制度に親しむことによってかえって業績をあげることに適切でないと認められるものもございますので、これを特別職にいたしまして、その任用なりあるいは勤務時間等のことにつきましてある程度弾力的な運用ができるようにいたしてまいりたい、これが特別職にいたしました理由でございます。当然、定数におきましてもいわゆる定数条例のワク外ということに相なるわけでございます。そういった人事管理の面における考え方から特別職にしたところでございます。 なお、この再雇用職員の給与に関する基準ということにつきましては、その再雇用職員の従事いたしますところの業務というものとのからみ合いにおきまして、純粋に職務給に徹するということで指導いたしてまいりたいと思うわけでございます。なお、再雇用職員につきましては、共済年金をもらいながらつとめられる、こういう配慮も加えておるところでございます。
○塩川委員 先ほどいろいろ聞きますと、二つ問題があったと思うのです。その一つは、できるだけ再雇用して、そういう学識経験あるいは軽労務に従事して生活の保障をしていきたい、こういう意味が一つと、それからもう一つ大事なことは、職務給として給与を支給する、この二つであったと思います。 そこで私は、さらに一つお聞きいたしたいのですが、まず第一に懸念されることは、再雇用制度を設けましたならば、定年退職する人はほとんどが再雇用をされるのではないか。もちろん、これまたけっこうなことではございますが、もしそうなったら、実際に定年をしいたということは実質的に意味がなくなってくる。ただ意味があるとするならば、職員の給与をいわゆる職務給に切りかえることができたということになってくる。しかもその職務給たるや、おそらく、私たちの懸念いたしますのは、年金が支給されるのでございますから、その退職時の給与にある程度年金が加算されて給与というものが決定される。それが退職時の給料相当額にほぼ匹敵するような計算がおそらくとられるのではないか、このように思う。そうすると、再雇用職員というものは、実質的に自治体からの給与は低下するということになるわけでございます。 そこで、これは一つ大きい問題を含んでくると思いますことは、そういう再雇用職員がどんどんふえてまいりましたならば、一つは、一般職員が執行しておりますところの一般事務職、こういうところまでいわゆる再雇用職員がどんどんと入ってくるのではないか、こういうふうに思われる。これが非常に懸念されるということが一つ。そういたしますと、勤務の態様等が違うのですから、一般職員とそれから再雇用職員との能率というものがぴったりと合わないのではないか。逆に言いまして、一般職員が非常に勤務がしにくくなるのではないか、こういう懸念があるわけでございます。 それともう一つは、再雇用職員は、先ほど言いました年金を加味した給与というものが決定されるとするならば、実質的に低下するのであるから、これがひいては一般職員全般の給与の引き上げに足を引っぱるというようなことにもなりはせぬだろうか。この二つの問題が懸念される。すなわち、これをもっとはっきり申しますと、一般職員がだんだんと職務が追放されて、再雇用職員の比重がだんだんと増してきはしないか、これが一つ。それから一般職員の給与に関して足引っぱりとなりはせぬだろうか、この二の問題でございますが、こういうことに対する自治省の考え方あるいは感触をひとつお聞かせ願いたい。
○長野政府委員 再雇用の道を開きましたことにつきましては、先ほど御説明申し上げたとおりでございますが、従来から公務員が退職をいたしました場合に、その後においてなお働きたいという人につきましては、自分で営業いたしますとか、あるいはまた他の民間の企業等に就職をいたしますとか、あるいはまた非常勤の嘱託、顧問というような形で地方団体に採用されますとか、そういう形態をたどっておるわけでございます。そういう状況の中で、どちらかといいますと、他の民間企業に就職する者が非常に多い割合を占めておるわけでございます。 そこで、そういうことについて、やはりまた地方団体のほうでも、再雇用という道を開いていくということが、高年齢層の活用等についてもいいことではないかということでございます。したがいまして、そういう意味で再雇用職員が全部の職種にわたるというわけではございません。やはり高年齢者でありましても、それぞれに向くようなものを考える、つまり一般行政職としての、例をとりますと一般の公務員とはおのずから違った職務というものについて、このほうがふさわしいという職務についてそういうものを考えていくということで考えるわけでございますが、お話しのとおり、それが全部再雇用になるなんということができるといたしますと、それは人事管理あるいは退職管理等において根本的に検討しなければならぬ問題がむしろあるのではないか。もしそうでありますならば、先ほどお話のありました定年年齢のきめ方の問題でありますとか、あるいは能力開発の問題でありますとか、あるいは定員配置とか、そういうものを根本的に考えなければならないということになるだろうと思いますが、再雇用職員につきましては、そういう意味でごく一部でございます。年々の職種から退職する者はごく一部でございまして、一定の期限だけに限って再雇用されるわけでございますから、全部にこれが占めるということは考えられないところでございます。 それから、再雇用職員につきましては、特定の職務でございますので、その職務と責任に応ずるところの給与というものを考えていくという意味で職務給という考え方であります。いままでの給与とは全く違うかっこうでの給与を考えていくということになると思います。しかし、お話しのように、その内容といたしましては、少なくとも年金をもらっております者が大部分でございますから、年金との関係も考慮には入るだろうと思います。しかしながら、それはそれなりに職務給としての給与を考えていくということでございます。これと一般の職員におきますとこころの給料表とは何ら関係がないということで御了解いただきたいと思うわけでございます。
○塩川委員 最後のほうのいわゆる職務給の点につきましては、私の心配しておる問題に対してどうも明確に答えておらない。そういう懸念があるのですが、こういう懸念がないように願いたい。何も高い安いということを別にいたしましても、職務給としての正確な評価をぜひすべきであると私たちは思う。 そこで、先ほど再雇用の際に、その定年者すべてが再雇用されないということをおっしゃったのですが、これは部長あるいは課長でもけっこうですが、何か例がありましたら、たとえば勧奨退職によってやめた職員がどのような再雇用、あるいは再就職といいますか、そういうような道を歩んでおるか、そういうような何か例がありましたらちょっと言ってくれませんか。
○鎌田説明員 これは昭和四十年の状況につきまして、私ども全地方団体に勧奨退職者の再就職の状況というものを悉皆調査をいたしました。かなり時間がかかるものでありますから、この四十年の時点のものしか手元にないわけでございますが、この数字によって申し上げますと、都道府県、市町村別に申しまして、都道府県の場合でございますと、これは一般職員、技能職員、企業職員、消防、警察、教育、全体を通じてでございますけれども、一万二千七百六十二人勧奨によって退職をいたしました。そのうち六千三百九十八人の方が再就職の希望をされたわけであります。その六千三百九十八人の再就職の希望をされた中で、再就職をされた者は四千八百四十八人、七五・八%であります。市の場合でございますと、五千百七十六人の勧奨退職者のうちで、二千五十人が再就職を希望されたわけでございまして、そのうちの千七百五十二人、八五・四%の者が再就職をしております。それから、町村の場合でございますと、千八百六十四人退職者がございまして、その中の八百四十四人の方が再就職を希望されまして、そのうちの六百二十四人、七四%の方が再就職された、こういう結果になっております。
○塩川委員 その例がありましたら参考にひとり……。 それで、大臣も来られましたので、もうあと二間あるのですが、最後の一問だけ大臣にひとつぜひ聞きたいと思う。 これからお尋ねいたしますのは共済に関する問題でございます。これは部長さんでもけっこうでございますが、簡単にひとつお答え願いたい。 問題は、再雇用職員は共済年金を受給しつつ公務員として勤務する、こういう形態は不公正じゃないかということがいわれておりますし、また、公務員として勤務するのに年金を受給しているのはどうもおかしいと思う。こういう点につきまして社会保障制度審議会等でも不満を言っておることは明確なとおりでございます。これはどうも矛盾しているように思うのですが、あなた方のほうはどういうことでしょうか。これが一点お聞きしたい点です。 それから、再雇用された職員が今度は逆に共済組合から適用除外されておる。これもおかしい。この共済と定年という二つの関連がどうもぴったりいっておらないような感じがするわけです。共済との関係を明確にひとつ説明してほしいと思うのです。
○長野政府委員 再雇用職員につきまして共済組合の組合員でないものとみなしまして、年金の支給を受けながら再雇用をし得るという道を開いたわけでございます。これは、先ほども申し上げましたように、従来退職いたしました職員が自家営業いたしますとか、あるいは民間企業に就職いたしますとか、いろいろいたしました場合にも、常に年金をもらいながら就職をいたしておるわけでございます。したがいまして、地方団体のほうへ再就職する場合にも、同じような形で年金をもらいながら就職するという道を開いていくことが、高年齢層の活用等におきましても、あるいはまた、地方団体での多年の行政経験、知識というものを生かします場合にも有効ではないかというようなことから、年金をもらいながら再就職できる道を、地方団体に再雇用という形ででも認めていこうということを考えたほうがいいのじゃないかというのが、今度の案の骨子でございます。 社会保障制度審議会におきましていろいろ御議論がございました。それはどういうのかといいますと、再雇用職員が共済組合の組合員でないということになりますと、その場合の再雇用職員については厚生年金の関係の適用が始まる、あるいはまた、短期給付につきましては健康保険の適用が始まるというようなことになって、公務員でありながらそういうふうな一般の社会保障制度の関係に入ってくるようなかっこうになるではないか。したがってそれは共済の世界の中で片づけるべきものではないかという、いわばなわ張りがはみ出すはみ出さないという議論に近い、非常に専門的な御意見が一つは基礎になっているように思います。したがいまして、私どもから考えまして、社会保障制度審議会の御答申は、いろいろ御意見はありますけれども、再雇用制度そのものをいかぬというふうな御意見ではないと私どもは思っております。 それからまた、そういうことがありますので、私どもも社会保障制度審議会の御意見は御意見としていろいろと今後も検討してみたいと思いますけれども、そういうことをいたしますためにも多少の時間をいただきまして、他の共済制度その他との関連も考えていかなければならないということもございますので、今回の案では、とりあえずこの法律を施行いたしましたときに在職しております職員が、定年制の適用を受ける場合に限って限定的に年金を受けながら再雇用できるという道を開きたいという暫定措置を考えておるのでございまして、その後の成案を得まして、社会保障制度審議会の御意見も御意見でございますから、それに沿うような検討も引き続きいたしてまいりたい、こう考えております。
○塩川委員 ぜひ引き続き検討してほしい、このように希望を申し上げておきます。 時間もございませんので、最後にひとつ大臣にお聞きしたいと思うのです。 地方公務員に定年制の道を開くということは、何といいますか、今国会においては公務員制度に関する法律が非常に多い。総定員法であるとか、あるいはまた失業保険法、こういうものを見ましても、いわゆる労働問題に関する法案がたくさん出ております。その中で総定員法とこの地方公務員の定年制の問題、これに対しましては非常に議論が集中しております。 どういうことが議論になっておるかといいますと、国家公務員、地方公務員を通じまして、これは一つの人減らし政策であるという認識が相当とられておる。私たちは決してそうではないと思うておりますけれども、要するに人減らし政策と低賃金政策、この二つを強行しようというように認識されておる意見がある。現に、最近自治労等におきましては、この法案が通ったら十二万人が首切りになるのだということを言っておりますが、こういうことでは私たちはいけない。そういうことにはならないと思いますが、これの運用等について、ひとつ大臣にしっかりとこういうことのないようにしてもらわなければいかぬ。ついてはこの地方公務員の定年に関しまして、大臣としてこの法案に対する対策と申しますか心がまえ、これを最後に承っておきたいと思います。
○野田国務大臣 お答えいたします。 今回の改正法案は、地方公共団体に定年の制度を設けることができる、条例をつくってその道を開くことができるということが第一でございます。 そこで、その理由といたしましては、地方公共団体における職員の年齢構成を常に正常な形に保って、そうして人事の刷新と行政能率の向上をはかりたい。特に年齢層の構成によりまして士気の高揚にも相当影響がございますので、これらを勘案してこの道を開くということにいたしておるのでございまして、いまお尋ねの、人を減らすためにやる、こういうことは全然考えておりません。その意味におきましては再雇用の道を開いていることもその一つでございます。 さらに、給与の問題でございますが、これも長期的な観点からいたしまして、給与費の適正化、これはどうしても地方団体としても希望するところでございますから、いわゆる給与費の適正化ということが目的でございまして、決して定年制自体は低賃金政策というものを目標としての考え方ではございません。 重ねて申し上げますが、従来も勧奨退職その他幾多の方法ができておりましたが、やはり各地方団体におきましては、非常にこの必要を痛感して希望いたしております。そこで、ただこれを強圧的に法律をもって何歳からは退職というようなことでなくて、一応各地方団体の意思に従って条例を定めてその道を開くということでございますから、今日の場合非常に適当な、適正な改正案ではないか、こう考えております。
○塩川委員 質問を終わります。
○鹿野委員長 次は大出俊君。 〔「昼飯だ」「人権問題だ」と呼ぶ者あり〕
○大出委員 どうも、人権問題が出ていますが、私の質問もそこにいくかもしれませんから、ひとつそのときに大臣にお考えいただきます。 ところで、定年制の問題の一番基本になる問題といたしまして、とかく労使関係の、特に公務員における労使関係の相互不信という形が至るところに見られるわけでありまして、いまも質問されておる方のことばの端に、総定員法、こう言うと、これは首を切られるのじゃないかという意見が集中をする、こういうお話がいまありました。幾ら政府が、これは首切りをしないんだ、こう説明をしても、また私は、総理に再三質問をいたしまして、総理も、首は切りません、こう言っても、なおかつ職場の公務員の諸君は、首になるのじゃないか、こう思う。 この間二日の日に公労協の徹夜交渉がありまして、この中でも、第二次回答をめぐって組合の側に政府に対する非常な不信感がある。どうせ出せるものなら、どうしてああいう持って回った出し方をするんだろうかという不信感がある。こういう不信感が累積をしておりますから、定年制とこう言って、それをどうするこうすると答弁されても、たとえばいま大臣が、法律できちっと何歳ときめないんだということをおっしゃっても、そうはいかないのです。おたくのほうでいろいろ書いている人、出している文書、そういう中に五十七歳とこう書いてある。そうなると、口の先ではいろいろなことを言うけれども、信用ならぬということにすぐなる。 ところで、一番の基本になる労使関係の不信感、これについてILOから実情調査調停委員会がドライヤー氏を長にして参りまして、政府に勧告をしておりました。また提案もしておりましたが、大臣は当時総務長官その他もやっておられましたからよく御存じだと思いますけれども、そこらのところを今日的事情、定期会談から始まりましたいきさつ、現状から見てこの辺を大臣はどのようにおとらえになっておりますか。
○野田国務大臣 いま大出さんのおっしゃる労使間の相互不信の問題、私も同様に感じております。率直に申しまして、労使ともに相互に話し合うということの前に、一応何か先鋭的な考え方でぶつかる、これは私も非常に遺憾に思っております。したがって、定員法の問題のときの大出さんの御質問も承っております。今回、ただいまの質問に中にも、定年制を設けるのは首切りではないか、私も一応今度の定年制の内容を見まして、これは先ほど申しましたとおり、法律でもって何歳以上はいけないとかいうようなことは、いまお話しになりました首切りを目標としておるのではないかという御質問があり得ると思いますが、今回の措置は、いまのILOの問題は別といたしまして、定年制の問題を静かに考えてみますと、従来大出さんも御承知のとおり、勧奨退職というのを事実各地でやっております。それから、これに対して一応の年齢の基準も、これは相互的な話し合いできめておりまして、これらはわりあいにうまくいっておるところが多いようであります。私も各地方相当な地方を聞いておりますが、ただ勧奨してもなかなか応じないという方も出ておる。これは人情またそうでしょう。勧奨ですから応じなくてもいいわけです。 そこで、今度の定年制で特別こういうものを配慮いたしまして、再雇用を認めよう、しかもやめた方の生活を考える場合においては、共済年金も取りながら仕事に当たられていいのではないか、これについていろいろ疑義があるようでありますが、これは暫定的で、やはりどっちかといえば、やめられる方に対する思いやりということのほうが先に出ておるのではないかと思っております。 そこで、またもう一つは、すでにもう自治省のほうでは五十七歳とか八歳とかいっておるのではないか、新聞で私もちらちら見ておりますが、いま地方自治体を私多少調べてみましたが、五十何歳、あるいは六十歳に近いというふうないろいろまちまちな点が相当あるようでありますから、私自身としては、この定年制の目標は、先ほどもお答えしておきましたが、現実において地方自治体の人事構成というものが沈滞している。ここに何か新陳代謝の必要があるのではないか。それから、自治労の方でもいろいろなお考えがあると思いますが、一がいに高齢者の首切りということで反対しておられるようでございますが、やはり現実の人事構成の内容からして、若い方に将来に対する希望も持ってもらいたい、そこに士気の高揚ということが始まるわけですが、同時にまた、高齢者もおのずから次の道を開くという考え方も——これは人間的なお話です。いまちょうど相互不信の話が出ましたから、人間的な話をします。そういうお考えがあってもいいじゃないか。しかし、高齢者の方の将来の生活ということからして、繰り返してくどいようですが、再雇用とか年金というものを考えてあげる。こういうことでございますから、一がいにこれは首切りだというお話は、理屈のつけ方でございますから、そうつけていって、それでそうだということをきめてかかられればそれはなんですが、私はこの道を一応開いておくことは時宜に適しているんじゃないか。そして、これに対してはできるだけの配慮を加えておる法案じゃないか、私自身はこう感じております。これはいろいろ御批判があると思いますから、これに対しての御意見を拝聴したいと思っております。
○大出委員 大臣、どうもいまの御答弁はちょっと横道のようですけれども、高齢者は後輩に道を譲るべきだ、こういうお話があったけれども、大臣は川崎が選挙区でありましたし、私は横浜におりますから、ずいぶん昔から存じあげておりますが、大臣も七十をおこえになったんじゃないかと思いますけれども、なかなか後輩に道をお譲りにならぬようでございます。欧州ですと、定年制が七十歳なんというところもありますからいいわけですけれども、なかなか事情があって、七十をこえてなおかつ働かざるを得ぬというような人は、本人は進んでやっているわけじゃなくても、それなりに事情があるわけですね。大臣、そう一がいにはものごとの判断はできないわけですよ。 大臣はものをはっきりおっしゃらぬので、私のほうから提起をいたしますが、ドライヤーなる実情調査調停委員会が日本に参りまして、具体的に文書を書いて政府に提起をいたしておりますね。これは御存じだと思いますが、ちょっと読み上げます。「しかし、批准だけでは相互の信頼を生み出さないであろうが、」つまりILO条約の批准をさしておるわけです。「この相互の信頼がなければ、公の機関、公共企業体等とそれらの職員との間に満足な労使関係を生みだすことはできない。委員会は、現に存在している相互信頼の欠如に対する諸当事者の責任の度合について、この段階では、いかなる見解も表明しない。」それはさておくというわけですね。「委員会の当面の関心は、将来のためこのような信頼を作り出すについていかなる措置が執られるべきかにある。」どうやれば信頼が回復できるかにある。そこで、「この成果を達成するためには、双方の態度の重要な変更が必要であろうが、」政府も態度を変更しなさい。組合のほうも考えなさいということです。「そのイニシアティブは、当然最高レベルの政府当局が執らなければならない。」こう言っているわけですね。この場合、ドライヤー・レポート等によりますと、政府としての政府と、使用者としての政府の二つに分けて考えておりますが、ここまで明確に、イニシアチブを政府がとれ、こう言い切っているわけけですね。この点については、よく御存じのはずであります。 そこで、いま申し上げておる相互信頼の回復、これが、定年制法案を審議するにしろ、総定員法を出してくるにしろ、あるいは昨年のように、一省一局削減をお出しになるにしろ、基礎になりませんと、これは不信に不信を累積するということになってしまう。この点は肝に銘じておいていただかなければならぬ、特に管理者という立場にある方々は。この点は、政府が、池田さんもそうでございますが、佐藤総理がお認めになったのだから。お受けになったわけですから。だから、当時池田総理の手によって定期会談が始められたわけですね。かつまた、公務員制度審議会というものも、その前から私どもの間で相談が行なわれておりまして、表に顔を出したということになるわけです。だからこの点は、大臣以下の特に管理者たる衝にある方々は、肝に銘じて、労働組合に対しても、あるいは一般に対しても、お考え置きをいただかなければ困る問題だと私は思いますが、大臣の御見解を承っておきたいと思うのであります。
○野田国務大臣 ただいまのドライヤーの勧告の内容は私も承知しております。それから、最後の責任と申しますか、これらに対する態度の指導と申しますか、これはやはり政府が負うべきだ、よくわかります。そこで、労使間の不信というのは、ドライヤーの勧告にもありますとおり、これは世界じゅうどこでもあることでございまして、なかなか解けがたいことで、日本でもまことに遺憾千万ながらそういう点が顕著に見えるのでございます。 そこで、私は、いま大出さんの御指摘のありましたように、やはり政府が進んでこれらの不信の解消——解消までいかぬでも、緩和といいますか、調整と申しますか、これはすべきだと思っております。そこで、そういう立場に立ちまして、管理者が常にこれらのいろいろな労使の関係に対する態度を、こういう姿勢で臨むべきだということは、私同感でございます。
○大出委員 大臣お認めになっておられるようですから、そこで承りたいのですが、どうもことさら相互不信を累積をする、こんな書き方をせぬでもいいのに、あるいは、こういう間違ったことを書かれては、あるいは、とんでもないことを書いている、自分の立場も顧みず、こういうとんでもないことを何で書くのだろうか、腹の中がわからぬということが官僚の皆さんの中にちょいちょいある。 そこで、私はひとつ承っておきたいのですが、地方公務員月報というのがありますね。一月号でございますが、これは後のほうに判こを押す欄までつくってありまして、皆さんで回覧して読めって書いてある。この地方公務員月報が課長さんのところにあれば、課長補佐から主任までみな回ってきて、判こをべたべた押さなければ有能な管理者でなくなっちゃうから、みな読んで判こを押す。読めと書いてある。そうでしょう。おまけに、てっぺんのほうでは、大臣がたいへんにこやかにごあいさつ——「新春のあいさつ」ですが、野田武夫自治大臣ということでやっている。大臣さまから始まりまして、これはすべて自治省のえらい方で、野田和彦、自治省公務員第一課というところから始まりまして、たしか局長クラスの方も一ぱい書いておりましたね。書いているのはみな自治省の方です。課長補佐の方が一人書いておりましたね、「人事管理のポイント」、たくさんあるのです。これは全部自治省の方が書いておられますね。新井亜起男さん、自治省給与課。たくさんありますが、さてこの地方公務員月報というのは、金は一体どこから出て、どういう仕組みで、どういうおぜん立てでつくられて配付されるようになっているのですか。そこのところを聞きたいのです。
○鎌田説明員 これは公務員第一課におきまして予算をもらいまして、正確な部数はちょっと手元に持ち合わせございませんが、七千部余りのものを配付をいたしておるわけでございます。
○大出委員 そうすると、予算といいますとこれは国の予算だということになりますので、どこかそこらの出版会社がえらい方々にポケットマネーをいただきながら出しましたとかいうものじゃないですな。公のつまり公報だというふうに考えていいことになります。そうですね。——そうしますと、これは行政局長さんお読みになっておりますか、いかがでしょうか。
○長野政府委員 読んでおります。
○大出委員 もちろん鎌田さんお読みになっておるでしょうな。
○鎌田説明員 私は責任を持って目を通しています。
○大出委員 どうも、責任を持って目を通す方々がたくさんおいでになるとなりますと、つまりここでお書きになった方々の文章というのは、いずれも皆さん方が責任を持っておられるということになる。大臣も責任を負いますか。
○野田国務大臣 それは、各局長、課長の肩書きをつけている以上は、役所の責任者でありますから、おのおのが責任を持って書いていると思います。
○大出委員 この公務員月報はあまりにたくさん問題があるので、どこから手をつけていいかわからぬぐらい問題があるのです。 ぼつぼつものを申し上げますが、まず一つは、この中に「地方公務員の定年制」というのを書いておられるのがある。これはどれも問題点がたくさんありますが、やっていると一日かかってしまうぐらいあるのですが、この終わりのほうに、どうも何とも了解に苦しむ点があるわけであります。年をとったからといって仕事をしないわけではない。大臣も私よりもはるかに先輩でございますが、たいへんな重職におつきになってばりばりおこなしになっておられるわけです。だから、年が多いからこれはくだらない官僚ということにはならぬわけであります。ここに書いてありますのは、「勧奨退職が百パーセント守られない場合の弊害は、単に量的に老令職員が多くなるというのみではなく、質的に大変な問題を惹起しているのである。比較的公務員としての心得があり、しかも有能な職員は勧奨に応ずる」こういうのですね。「有能な職員は勧奨に応ずるが、そうでない者が勧奨に応じないで残る」こう書かれると、これは公報ですから、世の中の地方公務員の諸君は、いま残っている、定年退職だという法案にひっかかりそうな五十五、六歳の方がこれを読んだらどういう感じがしますか、大臣。おれたちはみんなろくでなしで残っているのだ、ばかかチョンだ、有能なやつはみんな先にやめてしまったということになる。そうでしょう、大臣。これが随筆ならいいですよ。しかし、公に出している皆さんの指導書ですよ。その中に、不用意なのか頭がおかしいのかどうなのか知りませんが、こういうものの書き方で書かれては、地方公務員の諸君はおこりますよ。私のところに、この連休中の三日の夜おそくたずねてこられた横浜市の清掃局につとめている方です。途中採用で途中に入っている。もうあと二年たたなければ年金がつかない。ところがこの人は、私もよく知っていますが、ほんとうに一生懸命に働いてきている。ところが、ちょうど五十七歳ですから、この法律が通ってしまったということになって条例ができるということになると、例の四十一年のときの法律とは法律の中身を変えていますから、今度の法律は、さっき質問がありましたが、皆さんのほうの指導いかんでは一地方自治体は条例をつくらざるを得なくなる。四十一年の法律の書き方ならばその必要はない。そうなると、本人にすれば、もうあとわずかのところで首になるというので、いまもうすでに職さがしをやっておる。職さがしをやったら、いま七万ぐらいもらっているのがどうしても三万ぐらいしかくれるところがないというのです。いまやっている仕事は清掃の現場ですからね。それで子供さんがまだ学校に行っている。家族で相談をされて私のところにあらわれた。何とか二、三年先に延びないものでしょうかという話を、あまりりっぱな字じゃないのですけれども、紙に書かれて、私がおらぬものですから女房に渡して帰られましたが、そこの組合の委員長に聞いてみましたら、まじめな一生懸命やっている方です。こういう方が現に現場にはたくさんいる。これを書いた方は、現場に行って、高齢者の方が何をやっているか、一ぺんでも見たことがあるか。公務員でいまの高齢退職にひっかかりそうな人は、ここでいうように——ここには「質的に」と書いてありますよ。「比較的公務員としての心得があり、しかも有能な」というのです。これは「応ずるが、そうでない者が勧奨に応じないで残る」のだ、こういうふうに書かれては、あなた、みずからの公務員を侮辱して、こういうことは自分にふりかかるのですよ。こういう書き方は私は義憤を感じるのです。こんなものを出されて、ぼくら審議できますか。これを通してごらんなさい。世の中じゅうの公務員で高齢者の諸君は全部ばかかチョンだということを認めたことになる。おたくの公務員課長が書いている。自治省公務員第一課長森清と署名入りで書いてある。こういうことを、あなたは目を通しておられて認めたのですか。こんなふざけた話はないですよ。大臣、お答えください。
○野田国務大臣 いま署名入りで書いてあるということですが……。
○大出委員 うそを言っているのではないんだ。ちゃんと読んでいるんだ。ここに書いてある。こういうことはいけませんよ。「質的に問題を惹起しているのである。」「心得があり、しかも有能な職員は勧奨に応ずるが、そうでない者が勧奨に応じないで残る」これは大臣、こういうことをぬけぬけと担当の課長が書くなんというばかなことがありますか。こんなのは首にしてください。
○野田国務大臣 それは大出さんのおっしゃるように不穏当です。私もいま拝見して、実はまことに非常識な不穏当なことだと思っております。
○大出委員 しかも、私はさっき口にしましたが、一番最後に何と書いてあるかというと、「世間一般には、五十五才の定年制があり」それは私も知っていますよ。千人以上の製造業の九九%は五十五歳定年制を持っております。ただ、これが毎年春闘なら春闘の形で一年延ばし二年延ばしでいま大体五十八歳近い。実情も知らないで、世の中はみんな五十五歳だ、これが世間一般の常識だと書いてある。だからこの法律は「定年を一年か二年延長することであり、定年延長するとしてもその内容は、五十五才で一応区切りをつけ、」と書いてある。あなたの答弁と全然合わぬじゃないですか。これもあなた読んでくださいよ。こういう非常識なことを書いては困るじゃないですか。いいですか。「五十五才の定年を一年か二年延長することであり、定年延長するとしてもその内容は、五十五才で一応区切りをつけ、ちょうど今回の法案が考えているような再雇用を行なうということである。」五十五歳で区切りをつけて再雇用を行なうのがこの法案だと書いてある。こういう書き方、一年か二年延長するという、ちょうど自治省がものを言っておるのは五十七歳だ、こう言っておる。そうすると、こういうものを前にして、こんな無能だとかばかだとか書いておいて、どういうふうに責任をとっていただけますか。審議できませんよ、こんなことをやられたら。これは指導書ですからね。
○野田国務大臣 ことばとしては非常に不穏当と思います。課長としては、自分の考えをありのまま述べたと思いますけれども、しかし表現としては私はきわめて不穏当だと思います。
○大出委員 ありのまま述べたのだとすればなお悪い。心にもないことを言ったのだというのであればまだわかるけれども、ありのまま述べたのなら絶対に認めない。どう責任を負いますか。
○野田国務大臣 それは本人にただしてみなければわかりませんが、私は、自分の書いたものとか言ったことは自分が責任を負わなければいかぬと思います。そういう意味です。だから、別に心にもないことを書いたのでしょうということは私は言いません。そういうことで、私は答弁をその場限りでいいということはいやなんだ。そこで、やはり本人にただしてみて、私自身は、そういう場合はやはり自分の良心に照らして信ずることを書くというのが私どもの今日までのやり方でございますから、一応本人の気持ちを聞いてみなければいけません。私はそういうことが常識だと思うから率直に申し上げる。
○大出委員 それでは私はもう少しまとめて聞きます。大臣に明確にしていただきたいのですが、この人の書いているものの中に、あなたはいま相互信頼の回復について政府がイニシアチブをとる——これは政府がお受けになったわけです、ドライヤー提案は。そこで管理者の皆さんにそういう気持ちでいてもらわなければ困ると申し上げたら、そのとおりだとおっしゃる。この中で、うそを書いてはいけない。さっき私が申し上げた地方公務員月報一月号、ここに「憲法、地方公務員法を読む」——私も長い官吏生活をやってきているのです。私も郵政省の専門学校の出身ですから、職人稼業ですよ、ほんとうを言えば。実際には、大学を出た方が上のほうにおりますけれども、仕事はみんなわれわれがやっているのです。電電公社だってそうです。ここで書いておることを見ると、地方にいろいろ指導に行く、そうすると、乱れた公務員秩序が何年間もまかり通っているということで、いろいろな質問を受ける。それは一体どうしてなんだろうかというふうに森さんが自分なりに考えてみた。そこで原因をあげている。「戦前の権威はすべて破壊され、戦後の歯の浮くような「民主的」ということが最大のよりどころであり、真の意味の民主主義も自由主義もわからぬまま、勝手気まま、秩序無視の安易さに流れ個人の利益を追求するためには他のことは一切犠牲にしてもよいというような考えが一般化し、このような考えに公務員も支配され、民主主義の理念とこれに淵源する公務員のあり方について確固たる基礎が碓立されていないところに問題があるのである。」ここで言っていることの中に、公務員が、戦前の権威はすべて破壊されて、戦後の歯の浮くような民主主義、これに影響されて公務員の理念というもの、あり方というものの基礎はどこかへ行ってない、ここまで言い切ってしまうと、では世の中のこれだけたくさんある公務員というのは、こういう書き方をすると、歯の浮くような民主主義に迎合して適当にやっているのかということになるんですよ。しかも、この森さんという方は、ILO問題なんかでもいろいろなことをよくベラベラしゃべるんだけれども、ドライヤー報告にしても読んじゃいない。私は前に昨年でしたか、一昨年でしたか、事こまかに質問をしたところが、片っ端からわからぬ、違いましたといってあやまれましたよ。そういういいかげんなことは困る。この人はこの際ついでだから申し上げておきますけれども、今日労使関係の特に公務員における労使関係のいろいろなもめごと、何で起こったかということを実情調査調停委員会が出てきて、しかも六月に法務省の刑事局長以下みんなを呼んで、みんなから聞いて、文書も出させて、まとめてここに出している。これは皆さんも傾聴に値するということで、皆さんこれを尊重しておられるんですよ、ドライヤーレポートというのは。この中に明確に指摘しているように、公務員部門の労使関係の基本問題ということで明確にドライヤー氏が書いている。ここにどう書いているかと、突き詰めていえば、スト権の剥奪が問題の根源だと書いてある。組合も悪いけれども、スト権剥奪が根本的な問題だと書いてある。これはドライヤー報告の第六部「公共部門における労働関係の主要な問題」二一一八号から二一三一号までずっと並んでいます。この中に言っていることは、ドライヤー委員会の見方はこうなっている。昭和二十三年に政令二百一号が出た。これは私の官公労事務局長時代ですから、浅井さんが人事院の総裁の時代です。政令二百一号が出て、「その結果、一九四八年、当局は一時的制約に止まらず、すべての官公庁、および公共企業体等ならびに地方公営企業におけるスト権を全面的に禁止することが必要だと考えた。」これは二一二〇。ここでその次の項で、「全面的なストの禁止が、それ以後の労働関係の雰囲気に影響を与えたものと確信する。」十三節、二一二一。こういうふうになっているんですね。これは、組合がその後法律万能という皆さんの出方に閉口して、政治的な戦いをやったということもここに書いております。 そのほうをついでに申し上げておきますと、法律万能主義、「本委員会は、」ドライヤー委員会です。「過度の法律は、相互信頼という新たな基礎の上、日本の労働関係を確立することを挫折させがちな主たる障害と考える。本委員会が受けた一般的印象では、団結権、労働組合の内部運営、および団体交渉または交渉を含む組合活動の遂行に対しきびしく、かつオーバーに規制されている。」ドライヤー報告の二一六〇、三十一節です。法律万能で、下をチンドン屋が通っても、その席から公務員が窓のところに立って行けば処分されるのですよ、いまの法律規則というものから言えば。そういう状態になっていたんじゃ、とてもじゃないが紛争は解決しない。相互理解は達せられない、ここを指摘しているわけです。だから、公務員制度というものを根本的に再検討しろと言っている。 一番最後には、高度に工業化された民主国家においては、労働関係の法的規制は不可欠な最小限度にとどめられている。それはそうですよ。不可欠な最小限度にとどめるべきですよ。近代国家においては、自主的に締結された協約に基づいて労使関係が運営されている。二十六一。これに比べると、日本の場合、法的規制の複雑さは、先進工業国の要請に適合するものではない。二十六四。したがって、現行法のすべての決定のつくり出している現在のジャングルを——ジャングルですよ、これは。ジャングルを一そう簡素化された労働法典によって置きかえることがきわめて望ましい。政府は他に先立ってこの問題を検討すべきである。二一六六。三十一節。こうなっている。そうすると、正しくものを言うならば、ILOを中心にしていろいろやりとりをして、レポートも出ていて、特に公務員制度審議会をつくってやっている今日でしょう。だとすると、当然ここに何が根本原因かというところにこれが入ってこなけれなばらぬ。そんなことはどっかへ吹っ飛んじゃって、戦前の権威はすべて破壊された、戦後の歯の浮くような民主主義、これに公務員が影響されてこうなっている、そういうものの書き方というのは、それが随筆ならいい。いいけれども、これは不見識きわまる。ここらのところを大臣はどうお思いになりますか。
○野田国務大臣 まあ課長の一つの文章の内容ですが、前半の問題は、勧奨退職云々ということは、私は不穏当だということははっきり言っております。 それから、いまの問題をおあげになりましたが、これこそ本人がそういう認識を持っているかどうか、これは公務員自体に対する課長の一つの認識と判断だと思います。これは、私がかれこれ一々文章を取り上げて批判するということは、ちょっと私としても少し度が過ぎるのではないか、こう思っております。
○大出委員 それでは次にいきましょう。「公務員制度審議会の再開」についてという、やはり森清という人が書いているものの中身に、これは前にどこかで問題に出たようでありますけれども、これまた方々に問題がある。この中で「雇われマダム的」ということばが使われている。これは問題になったんですからお読みになったでしょう。ここで公務員、つまり国家公務員の管理者の皆さんも、地方団体の理事者の諸君も、「雇われマダム的」と書かれたんじゃ、幾ら何でも——じゃ横浜の飛鳥田市長さんは雇われマダムですかね。二回目の選挙でおたくのほうの代表選手と一騎打ちをやって勝っても、まだ雇われマダムですかね。そういうわけにいかぬでしょう。こういう公務員制度審議会のことなんか知っちゃいない。この森君は幾つになるか知らぬけれども、私よりおそらく若いでしょう。戦前の権威がすべて破壊されたなんて言うが、戦前の教育を受けたことはないのじゃないですか。さっき二十六年の話が出たけれども、二十六年の時代というのは、地方公務員法が翌年効力を発しましたが、あのときは長野さんはまだ自治庁の行政課長だった。長官が岡野清豪さんで、副長官が鈴木俊一さんだった。私が官公労の事務局長だったから、さんざんやりとりをして、法律違反じゃないか、定年制というのは取りくずすべきであるということを何べんも言った。そのころ長野さんは、いまは確かに行政局長さんだけれども、当時行政課長さんだった。その時代に森さんは何をやっておったか。全然どこにいたかもわからない。大きなことを言いなさんなと言いたい。公務員制度審議会というのは、ぼくらが倉石さんと話をして——昭和三十二年に田中角栄さんが郵政大臣で私の首を切ったんだ。それで私のほうから提訴したのだから、私が原告であなた方は被告なんだ。そうでしょう。その百七十九号事件が起こるということで、そのときに、三十二年に労働問題懇談会というのが開かれていた。私は当時官公労事務局長で、いろいろお話を聞いて同意をしてやったんで、そのとき前田多門さんが会長で、その中にILO条約小委員会というのをつくりまして、その小委員長がいまの会長の石井照久さんですよ。三十五年にあったこれに類するものを、公務員制度審議会という形——名称はともかくとして、ILO条約を単に批准しただけでは片がつかぬだろう。もろもろの制度がまだおくれているのだから、まだ広がり過ぎてもいるし、ジャングルでもあるのだから、いろいろな問題を整理しなければいかぬだろう。だから労働問題の基本という書き方というものは、あの中には関係と書いてある。基本労使関係じゃないのですよ。関係の基本というとらえ方をしたのは、いろいろなものがあるから、なるべく幅広く——ILO条約はいろいろもめる、批准してもたくさん片がつかない問題が残る。だからその相互不信になりそうなものはできるだけ公務員制度審議会に入れよう。そして、できるだけその中に労使、公益三者を入れれば、そこから出てくるものは三者の結論ということになるのだから、そこでこなしていこうじゃないかということで、倉石さんと相談をして、私は当時便せんに私の考え方を書いて差し上げたりもしました。そして両方とも了解をして別かれて、こちら側は六月に発表する、倉石さんは九月に発表という形で倉石修正案が出てきた。この中に公務員制度審議会が取り上げられておる経過が一々ある。そのようにさんざん苦労してやった人間が世の中にいっぱいいるのに、おたくのほうもILO代表世話人というものがあって、世話人代表者が倉石さん、齋藤邦吉さんなんかおられた。そうでしょう。おのおの苦労し合って、ここまで持ってきた。公務員制度審議会というものが開かれるというのに、中身を何とも——一々申し上げてもしようがないくらいだが、がまんがならぬことが書いてある。この中に雇われマダム、官僚だとか、地方自治体の理事者というものは雇われマダム……。あなた方は定年制条例をつくらせるつもりですか。とんでもないですよ。そういうことで、ひやかし半分にそういう言い方をして、公務員制度審議会のメンバーを見ると、当代一流の偉い人だから、すぱっとそのことをうまく回答を出してもらいたいと書いてある。冗談じゃないですよ、若僧が。大臣、これをどうしてくれますか。こんなことまで言われて、おまけに、前に出ただろうけれども、これは私は人院事総裁に言っておきたいのですが、総裁が三十年当時の公務員制度調査会から答申も出ておる。あの中には国家公務員が対象になっておる。地方公務員はこれに準ずる。または例の臨時行政調査会からも答申が出ておる。これも国家公務員についてものを言っておる。ところが、国家公務員のほうをやらないならやらない。前の国会でやらないとあなたはお答えになっておりますが、政府の意思を統一してやらない。これに準ずるとなっておるほうの地方公務員の定年制も、基本のほうはやらないでおいて、準ずるほうで騒いでおる。ああいうものはやらないということになればこんな騒ぎは初めから起こらない。にもかかわらず、こういうことをばかばか書く。しかも総裁に対してこの森さんが言っておる中に、何ですか、これはどこかで出たらしいけれども、「人事院勧告のあり方」、これもしかし人をばかにしておる。人事院はもってのほかだ。こてん。はんだ。総裁はなっておらぬ、人事院の総裁なんというものは、完全実施できるような時期に勧告すればいいものを、さっぱりしやがらぬ。うっかり完全実施できるようなことをすれば、今度は中身について食いつかれちゃうから、わざわざ隠れみのに国会を使って、防波堤にして、国会の陰にあなたは逃げ込んでおる。人事院総裁はこれをお読みになりましたか。
○佐藤(達)政府委員 地方公務員月報はあまりなじみがありませんけれども、去年その文書が出たということで、うちの若い連中がだいぶおこりまして、読め読めといって読まされました。
○大出委員 若い連中がおこったけれども、年寄りのほうはおこらなかったのですか。
○佐藤(達)政府委員 それは若い人が書いたものであったと私思います。大臣がお書きになったのならば別でごいますけれども、若い人が書いたものを若い連中がおこれば、そうだと思います。
○大出委員 しかし、これは幾ら年が若くても、六級職で出てきた人は若いんだから、公務員試験の五号をおとにりなった人はみんな若いんだからそうなっておるでしょう。おたくのほうの制度からいけば、しかも責任ある立場におるのですよ。これは公職ですよ。自治省の公務員第一課長でしょう。本省の課長ですよ。しかも、これは予算をとって、責任をもってあなた方お出しになっておる。これは鎌田公務員部長みずから責任をもって出しておる。責任をもって出したものが、次々にこれじゃ困るじゃないですか。 一番先に戻りますが、何ですか大臣、この言い方は……。ばかかちょんは残っておるけれども、有能なのはみんなやめておる。だから、つくりますから御審議願いますと言われて、まともに審議して通してごらんなさいよ。ばかかちょんが残っておるから、やめさせる法律をつくったんだということになっちゃう。そうはいきませんよ、これは制度ですから。これに大臣、どういうふうにあなたは責任をとっていただけますか。
○野田国務大臣 私はそのことばは不穏当と思っていますが、一応本人にただして、答えによって私の考えをきめたい。いまここでもって私がどうするということはお答えできません。
○大出委員 私は、定年制の質問をと言われてみても、どうもこんなばかばかしいことを書かれて、大臣、自治省がこういうつもりでああいう法律を出したことになっておる。これを見れば、いま来ておる法律は基本の問題ですよ、考え方の。幾ら大臣が信用してくれと言ったって、担当の課長がそう言っておるものを信用しようがないじゃないですか。これはやはりちゃんと理事会なら理事会を開いて、自治省のほうで、どういうふうにお考えになるかをまとめていただいて処理してください。そうでないと、私資料を一ぱい持ってきておりますが、質問のしようがないじゃないですか。そこらはいかがですか。
○野田国務大臣 少なくともこの改正法案を出しましたのは、私の責任においてでございます。一課長の言動にいろいろ不穏当がありといたしましても、基本的な方針は私が責任を持っておりますから、別にそれをもって自治省全体の考え方に何らの影響はありません。
○大出委員 影響はありませんと言ったってあなた、七千部も出して地方までみんないっておるのですよ。しかも、うしろのほうに、地方の管理者はみんな判こをつかしておるのですよ。そうなっておるものを、みんな読んでそう思っておるものを、基本方針は私が責任負いますと言ったって手おくれだ。世の中じゅうそうなっておるのに、みんなこれを読んで黙っちゃいませんよ。みんな私のところに言ってくる。そういう不見識なことはありません。私は公務員制度審議会の成立の趣旨を申し上げて、だからこそ安井前総務長官は考え方を聞いたのですから、この問題は私は当然聞くべきだと思っておる。おまけにおたくのほうは、新聞を見ると、八日か九日に強行採決をこの問題でするという。私は防衛担当として内閣委員会におるのですけれども、こっちでばかばかそんなことをやられると審議はできやしませんよ。あなたのほうは七月の十日くらいまで、四十六日ばかり会期延長でもするなら別だ。(発言する者あり)そうならあわてないというやじに応酬したくはないが、そういうふうになるかもしれぬけれども、とにかく当面の措置をしてくださいよ。いまの問題不愉快千万。入れない。やってください。委員長、お取り計らいを願います。
○鹿野委員長 二時に再開することとし、この際、暫時休憩いたします。 午後零時五十九分休憩 ————◇————— 午後三時十一分開議
○鹿野委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 質疑を続行いたします。 この際、自治大臣から発言を求められておりますので、これを許します。野田自治大臣。
○野田国務大臣 先ほど大出委員から御指摘のありました地方公務員月報所載の森課長の記事という穏当を欠いた点がありましたので、本人に厳重に注意を加えるとともに、自後も再びかかることがないよう十二分に戒心するよう訓戒をいたしましたので、御了承をいただきたいと存じます。 なお、本法案の提案趣旨につきましては、本委員会におきまして私から説明申し上げたとおりでありますので、あわせて御了承いただきたいと存じます。
○鹿野委員長 大出君。
○大出委員 いまのお話の厳重訓戒というのはどういうことですか。
○野田国務大臣 私は先ほど明瞭にお答えいたしましたとおり、不穏当だというように私自身が認識いたしております。これに基づきまして本人に十二分戒心するように訓戒をいたしました。これに基づいて、本人も反省いたしまして、今後このようなことのないようにいたす、こういうことでございます。
○大出委員 重ねて訓戒といまお話しになるのですが、文字どおりいえば訓というのはさとすわけでしょうな。戒は戒めるだから、さとし戒めたというわけですな。戒めて、どうされるのですか、それから先は。
○野田国務大臣 したがって、本人はこの点につきましてみずから私の警告といいますか訓戒に対し、十分わかりました、今後このようなことのないように十分心得ましてそう実行いたします、こういう返事でございます。
○大出委員 これは大臣、森さん自身を私がとやかく言っているのじゃない。やはり公務員課長という職責にある人、そういう意味で捨てがたい問題、放任できない問題、こういうふうに私は考えて、午前中あそこまでものを言ったわけでありまして、やめさせてくれと私は言ったのです。これは前に人事院総裁も、御年配の総裁ですから、まあ若い人が言ったことだからというので黙っておくことにしようという意味のことを言っているのだけれども、前にこの問題がやはり委員会で問題になって、大臣が、当時赤澤さんだったと思いますけれども、善処をする、こう言ったようであります。これは一般的にいって、人事院総裁も、若い者が非常におこったと言っておるとおり問題がある中身でございますから、そうするとこの善処という受け取り方は、訓戒といまおっしゃいましたが、その訓戒を形の上にあらわすという意味の善処だろうと受け取っていたわけですよ。ところが読んで字のとおり、善というのはよくするというわけですから、公務員課長から行政課長に持っていったということが善処だということになるとすると、何かああいうものを書いたとたんにいいところに行ってしまうなんというようなことを容認はできないです。これは何と言われても。しかもこの定年制法案の審議をこれから始めようというのに、この定年制の以前の形である退職勧奨ということの中で、能力のある管理の心得がある人は勧奨に応じていくのだけれども、そうでないどうも能力のない妙なのが残っておるのだというような言い方になっておるわけですから、そうなるとこれは形にあらわしていただかぬと、そこから先審議せいといったってどだい私は無理だと思っておるのです。だからただ単に訓戒をいたしますということだけでは、これは前例があるのですから、いま初めてじゃない、前にも善処するという前大臣の話があった。そういういいかげんなことじゃこれだけの法律の論議に入れぬですよ。大臣もう少しはっきりものごとはけじめをつけてください。
○野田国務大臣 十分訓戒を加えまして、本人もその意を体しまして、今後再びこういうことを繰り返さない。 そこでいま大出委員からいろいろの御注文といいますか御注意があり、御希望があったのでございます。私としても、当初不穏当だということばを使っておりますので、これを具体的にどうするかということでしょうが、一つのあらわれとして、前に書いたものを見たりして、これを訂正をさせて、本人のいろいろとことばの何といいますか、表現に対する誤解といいますか、または、いろいろのおしかりを受けたのでありますから、これに対して、従来のことばを訂正して、あらためて本人の真意を伝える方法をとる等、いろいろなことは一つの考え方と思っています。私としても何かそういう方法でもとらなければならぬ、こう考えております。
○大出委員 私も実は普通ならばこういうことで性格上あまり長い時間をとりたくない。しかしこれはどうも定年制のこの法案をめぐるいろいろな今日までの経過の中で、こういうことを責任ある課長が言っておるということになると、書いておるということになると、これはちょっと簡単に見過ごせない。しかも七千部も、これは広報ですよ。公に金を、予算をもらって流しておるということですからね。予算は一体幾らですか。
○鎌田説明員 四十四年度の予算額が三百九十二万円でございます。
○大出委員 これは原稿はどういうふうに書くようにしておるのですか。
○鎌田説明員 大体の構成といたしましては、いわゆる巻頭論文的なものを、これは部外のいわゆる人事管理、こういったものにつきましての権威と目される方々、それから部内におきましては局長、部長、こういったクラスでございます。それからあと解説、講座、質疑、こういうものがございます。これはそれぞれその事項に従いまして、公務員部、四課ございますが、それぞれの課長、課長補佐、あるいは係長、職員、こういうものが分担をして執筆をする。こういうことにいたしております。
○大出委員 そうすると、その予算は印刷費ですか。それともそれだけではなくて、原稿料みたいなものも含まれておるわけですか。
○鎌田説明員 印刷費が大部分でございまして、原稿料は部外の寄稿者に対して支払っておる、こういうことになっております。
○大出委員 末端の職場の諸君からすれば、自治省本省の公務員課長さんということになりますと、これはそう簡単なことではないのですね。皆さんは、局長、部長さんはここにお出かけになっておりますから、あなた方のところの課長さんだ、こういうわけですけれども、自治省のいまの状態というのは、各自治体の部長クラス、局長クラスにすれば、年じゅうおたくの課長さんにおこられたりどなられたりしているのですからね。あなた方がやっているんじゃないのだ。これはたいへんな権威があるのですよ。こういう方がああいうものを七千部も流して、まうということは、これは職場で大きな反響を呼ぶのはあたりまえのことですよ。至るところでこの問題が起こっている、とんでもないことだといって。これをこのままにしておくということは許されぬことだと思うのです。 しかし、ほかにも問題がないわけじゃないから、もう少し聞きたいのですけれども、鎌田さん、あなた四月三日の自治労の皆さんとの話し合いの中で、これも公の席上ですよ、要求を出して回答をとっているのですからね。そこで定年制の問題について、この前の国会でこれが成立をしなかったことについてのあなたの発言がここにありますけれども、廃案になったのは国会の怠慢によって廃案になったのだとあなたは答えている。記録があります。あなたは先ほど、内容については全部責任を持っているとおっしゃった。だから、あの公務員課長さんがお書きになった中身をあなたも同感だということでお認めになったのだと思う。だからあなたは国会の怠慢によって廃案になったのだということばが出てくる。私は、国会運営については、政党政治なんですから、あなた方に怠慢だちょうちんだと言われる義理はない。しかも公の席上で、最も慎重でなければならぬ法案を通そうという立場なんですから、組合に対しては説得をしなければならぬ立場なんですから、それをぬけぬけと国会の怠慢によって廃案になったなんということを、要求に対してやりとりをして回答するなんという席上でそういう発言をあなたするようじゃ、これは組合の中がおさまらなくなるのはあたりまえじゃないですか。課長も課長だが、部長も部長だ。どうお考えですか、あなた。
○鎌田説明員 日にちは正確に覚えておりませんが、自治労の方々が事務次官のところに見えましたときに私申したのは事実でございます。表現においてきわめて穏当を欠いた点がありましたことにつきましては、心からおわびを申し上げます。
○大出委員 これは与党の皆さんの中にも、定年制なんという問題で強行すべきじゃないという意見を持っている人が実際にはたくさんいる。昨年の通常国会というのはあれだけたくさんいろいろな法案があって、総理が提唱された一省一局削減が通ったのは最終日なんですから、国会運営全体の中で通らなかったということについて——あなたが公務員部長の立場になければいいですよ。世間一般の方々がいろいろ言うことはかまわない。それは聞くべきものは聞かなければなりませんが、あなたが国会に来て答弁をする立場にあって、しかも担当の責任者が国会の怠慢によって廃案になったなんということは、これは間違っても口にすべき筋合いのものではないと私は思うのですが、大臣いかがですか。これどう思いますか。
○野田国務大臣 いま本人がおわびして、申しわけなかったと言っておりますから、私も本人のことばどおり考えます。
○大出委員 これはたまたま私は先ほどうしろで聞いておったので、行政局長さん、あなたに聞いておきたいのですが、これはあとで速記を訳してもらおうと思っておりますけれども、さっきあなたは、定年制ができ上がって条例ができ、やめて再雇用されるということになった場合の共済と厚生年金の問題に触れて御答弁されておりましたが、あなたは厚生年金や共済年金にお詳しいのですかな。あなたは優遇措置のようなことをぬけぬけとおっしゃる。そんなことを知っている人が聞いたら腹を立てますよ、ほんとうに。 あなたに質問しますがね。共済のほうの最高限度額というのは一体幾らになって、どこから始って、年刻み幾らになって、幾らまでの権利があるのですか。
○長野政府委員 私は決して厚生年金や共済に詳しいわけじゃございません。ただ、再雇用の場合に共済組合法の適用をはずした……(大出委員「まだ通っちゃいないじゃないか」と呼ぶ)はずすというのがいまの提案の内容でございますが、そうなりました場合に、いわゆる厚生年金の関係とか健康保険の関係の適用が出てくるということが、社会保障制度審議会でも御議論いただいた中で非常に問題になったわけでございます。そのことに触れたわけでございまして、それだから優遇とかどうとかいうようなことを申し上げるつもりは実はないのであります。再雇用の職員は共済法の適用がないようにするということにも、考えようによってはいろいろ問題が起こると思います。それは確かに問題があるわけでございますが、ただ私どもは年金をもらいながら働くというかっこうが——現在退職しました公務員がたとえば他の民間企業に従事いたしますとかあるいは自家営業いたしますとかいう場合には、やはり年金をもらいながら働いておるという状態があるわけでございます。そこで再雇用の道を開きます場合には、やはりそれと同じようなかっこうで考えていくという道をつくること、高年齢者のいままでの長い間の知識や経験を直接役立てるような場所で大いに能力が発揮できるようにすることもいいのじゃないかということで、そういう年金を受けながら働けるという道を地方団体自体も考えていくようにすることが適当ではないかという意味で御提案をいたしておるわけでございます。その点社会保障制度審議会では、身分は公務員じゃないか、幾ら非常勤にしようとかなんとかいっても公務員じゃないか、公務員であるものは共済の中で片をつけるべきであって、いたずらに厚年なり健康保険に飛び出してくるのはおかしいぞよというような御意向を含めての御議論があったということを私は申し上げたのでございます。ただ、それでありますけれども、社会保障制度審議会の御答申の中にいろいろな御意見がそのようにございましたが、再雇用そのものがいかぬというふうな御趣旨ではなかったように理解しておるということを申し上げたのでございます。
○大出委員 行政局長、いいかげんなことを言われちゃ困る。これはあなたも責任をもってものを言ってくれなければ困る。いまあなたが発言をされている中で、一体どこまで社会保障制度審議会の中身をあなたは検討されてお答えになっているのかわからぬけれども、前の議事録を見ますと、社会保障制度審議会は定年制を認めているのだとか——今度の発言の中では再雇用がいかぬとか言ってない。再雇用がいかぬとか定年制がどうだとかいうのは社会保障制度審議会の責任でもなければ、またその権限もない。そんなことが言えるはずがない。あなたのほうがおやりになる再雇用というものについての年金の払い方の問題についてものを言っている。そんなことはあたりまえのことです。そうでしょう、当然なことです。そこで言っているのは、再雇用に伴う減収補てんは地方団体で負担すべきで、本法のような措置は在職老齢年金制度上から短見であり、筋を誤るものである。中身というのはこういう意味の言い方でしょう。 そこで行政局長、そこを質問したいのじゃない。いまあなたの話の中から出てきた、つまり身分が公務員なんだから、したがって共済のほうで処置すべきであって、厚年や何かのほうに飛び出してくるようなことはいかがなものであるかというような意味のことだと言うのだが、そうではない。一番根本にある思想が一つある。いま公的年金というふうなものはどうなっているかというと、分断思想というものはいけないという解釈なんです。こっちの年金とこっちの年金というものをつなげなければいけないという思想が根本にある。オール年金思想です。すべての年金というものはつながっていくんだという思想です。それは正しいのです、理論的に。厚生年金のほうは、途中でやめた人はどんどん打ち切られてどうにもならなくなってきている。それはっとめている人個人にすれば、たいへんな損失をこうむっている人がたくさんあるのです。例をあげれば、駐留軍労務者なんかそうですよ。かつて二十六万もおった。二十六万が現在五万足らずでしょう。そのほとんどが厚生年金です。ただ二十年だということから、途中でやめた人はそれきりになっちゃっている。みんなそこに気がついて、途中から多少の手直しを始めたわけだけれども、それじゃいけない。だから、そういうものは全部横につなげて、オール年金思想につなげていかなければいかぬというのが、基本にある。ところが皆さんが今度出してきている思想というものは何かというと、共済年金の法適用というものは打ち切るのですよ。ここで打ち切るのですよ。再雇用の段階では打ち切って、新たに厚生年金に入るのですよ。しかも、いま七万なら七万もらっている人が、三万なら三万という給料で今度は厚生年金に入るのですよ。そうなると、これは年金をもらいようがない、少なくとも五十七歳でやめるのだから。森課長の言っている二年というのをとっても五十七歳なんだから。一年ないし二年の二年をとっても、そうでしょう。五十七から二十年つとめたら七十七になってしまいます。厚生年金にのったって、厚生年金で年金をもらえる可能性、見通しは全くないじゃないですか。一時金ですよ、それは。横向かなくたっていいんだ、わかっている。そこまであなたは国会で答えるなら言うべきですよ。あたりまえじゃないですか、そんなことは。だから、五十七でやめて、定年退職して再雇用された人はどうなるかというと、二十年つとめられやしない。七十七歳です。そうでしょう。そうなれば新たに厚生年金をもらえるなんということは夢です。一時金ということです。なぜかというと、厚生年金は強制適用だからですよ。入らざるを得ないのでしょう、やめれば、切りかえれば。そうでしょう。そこで、行政局長は、あなたはやっぱりものを言わなければ、聞いているほうにすれば知らぬ人が聞いていれば、何かうまいことをしているんだというふうに聞こえる。だから私、速記録を取って見るけどとさっき言っているので、そういういいかげんなことを言っちゃいけませんよ。その思想は年金分断思想です。だから、基本的には、オール年金というものの思想からすればそぐわないものだ。だから短見だというのですよ。目先のことを考えた便法をお考えになる筋合いのものじゃないと言っているわけです。そういう趣旨なんです。ちゃんと審議会で審議した人に私は聞いてみた。そういうことを、あなた簡単にああいうふうな言い方で、いいかげんな答弁をしちゃいけませんよ、これだけの問題を。どうですか、お考えをもう一ぺん聞きましょう。
○長野政府委員 私、先ほどから申し上げますとおり、共済とか年金については、まことに苦手なほうでございまして、正確なことがお伝えできないと思います。 ただ、先ほど来申し上げましたように、公務員が一定のところで退職をいたします。その場合に、民間の事業場などに入りました場合には、やはり年金をもらいながら就職するという形がとられておるわけでございます。 〔委員長退席、大石(八)委員長代理着席〕 したがって、定年になりまして再雇用ということではございますが、その場合にも年金をもらいながら再就職する、つまり民間企業に再就職といいますか就職をしたのと同じ状態が、その再雇用の場合に出てくるということは、ある程度やむを得ないのじゃないだろうか、ただもうこれだけの簡単な考え方でございます。その考え方がいろんな意味で、厚生年金法でありますとか健康保険法でありますとかというところに出てくるわけでございますが、それは差しつかえのない限りは御迷感をよそさまにかけてはいけないという気もいたしますけれども、民間事業に従事したのと同じような状態が起こるということは、ひとつがまんしていただけぬものだろうかというふうなものの考え方で出発をしている、それだけのことでございます。
○大出委員 局長の言わんとするところは、それなりにわかりますから、その点は私のほうから言いません。言いませんが、間違いだということだけは明確にしておきたいと思う。 社会保障制度審議会が専門家を集めてやっているのですからね、こちらのほうは。いま長いこの日本の、社会保障までいっていませんけれども、年金思想というものをまとめ上げなければいかぬという段階なんですよ。片や恩給審議会、これは一昨年答申が出ている。こちらのほうからの問題も一つある。公的年金というものの性格上の問題がある。そこらのところも踏まえて制度審議会は論議しているのです。だから、そこから出てくる一つの筋がもうちゃんときまって、それにのせていこうとしているわけです。恩給審議会だってそうです。まだ、これは制度化してないのですから。そういうやさきに、政府がおやりになる措置として——公務員であることに違いない。再雇用は臨時的措置であろうと何であろうと、公務員であることには間違いない。にもかかわらず、ここで切ってしまって厚生年金に持っていく。持っていかざるを得ないのですよ。共済組合の組合員でなくしようというのですから、おたくのほうは。そういうことになるとすれば、厚生年金は強制適用ですから入らざるを得ないのでしょう。そうでしょう。ここにいま出ている本法のような措置は、在職老齢年金制度上から見て短見である、筋を誤るという意味のことが書いてある。政府がお出しになるのに、そういう筋の誤ったものを——制度審議会には政府がいろいろなものをかけているでしょう。年金審議会にもかけているでしょう。恩給審議会にも政府が諮問しているのですよ。そっちで言っていることと全然逆なことをあなたのほうがおやりになるということはすべきじゃない、この際。たいへんなことです。だから、老齢年金制度上から短見だ、目先の便法だというのです。いまあなたがおっしゃったのは便法なんです。民間へ行くのと同じようにしてもらいたいというのは、方法がないからやむを得ぬという方向で直そうというのです、共済組合法で。それは短見で、制度上の筋が誤られる、それはそうなります。 そこで、念のために申し上げておきますが、いまこの国会で、共済年金のほうは十一万から十五万に上げようという改正が出ているわけです。御存じでしょう。こちらのほうは二十年つとめれば百分の四十です。そうして、年に百分の一・五ずつふえていりて、最高限度は百分の七十です。だから、十一万から十五万に上がった場合に、たとえば十万なら十万の俸給の人は七万まではもらえるような仕組みなんです。ところが、厚生年金のほうはどうなっているかといえば、この国会で手直しをするというのが六万からやっと十万にしかならない。厚生年金は六万を十万にしようというのでしょう、この国会で。しかも、その計算方式が全く違うでしょう。これは幾ら御存じないといったって、官吏に長くおいでになるのだから知らぬことはないでしょう、アウトラインくらいのことは。 これはちょっと申し上げますが、局長、聞いていてくださいよ。二百五十円かける被保険者の月数、プラス平均標準報酬月額かける千分の十、かける被保険者の月数、これが大ガッコに入ってプラス加給額、こういう計算方式をとるわけですよ。平均標準報酬月額というものは二十年間の全期間の平均です。それから被保険者の月数プラス加給額のほうは、これは妻が一万二千円、第一子が七千二百円、あと四千八百円、こういう計算です。そうなりますと、いまたとえば五万なら五万の給料の人の例をとりますと、厚生年金でいきますと年額十八万円です。ところが共済年金でいきますと、同じ五万円で年額二十四万円、六万円違うのです。そこへ持ってきて、厚生年金は、さっき申し上げたように平均標準報酬月額ですから、二十年間の平均なんです。ところが、共済年金のほうは過去三カ年間の平均です。給料が高くなって、やめる年齢になった前の三カ年間の平均ですよ。厚生年金のほうは、つとめたとき、最初の安月給のときからの二十年間の平均なんですよ。したがって、支給水準からいきますと二分の一以下なんです、厚生年金のほうは。だから、一年間でもよけい官庁につとめていて、共済組合の組合員であれば百分の一・五ずつふえていくのですから、これは一生もらうのですから、そのことを——大臣よく聞いていてください。無能な官僚だとか、官僚らしくない云々、そういう問題じゃないのです。一年をつとめれば、いま私が申し上げたように大きく違うのですよ、将来の保障が。そうでしょう。そういう基本的な問題があるからこそ公的年金というものは通算でいこう。しかも局長、これは厚生年金のほうから共済年金のほうに乗りかえる場合と、逆に共済組合から厚生年金に出てくる場合とでは条件が違う。共済組合から厚生年金に出てくる場合は、そんなに金は要らないというので一時金で返る。厚生年金から共済組合には乗りかえられない。乗りかえられても厚生年金の額でいく。せっかく長年つとめて共済できたものを、この段階で厚生年金に持っていこうというのですから。そうでしょう。それは御本人にとってごらんなさい。あなた方の場合はてっぺんにおいでになるからそんな苦労することはないと思うけれども、しかも現場の労働者というのは、現場の職員というのは途中採用が五人に一人はいるのです。やっとこさっとこ五十七、八、あるいは六十というところで年金がつくかどうかというところへみんなきている。自治省の調査だって五人に一人は途中採用がいるはずですよ。現場の職員のそういう方々にとってみれば死活の問題なんです。能力がどうのこうのという問題じゃないです。あと二年つとめればこうなるということになれば、その人は一生懸命働く。大臣、この理屈をおわかりになりますか。それをさっきのような形で簡単にものを考えられたんじゃ一体この適用を受ける公務員自身はどうするんだ。大臣、そんないいかげんな考え方はだめですよ。どうお考えですか聞きたい。無責任きわまる。大臣答えてください。
○長野政府委員 大臣お答えになります前に、私からちょっと、よくおわかりの上でのお尋ねでございますから申し上げるのもどうかと思いますが、定年制をしくということから考えますと、一定の年齢に達すれば、そこで雇用関係が断たれるわけですから、そこでもう公務員でなくなるということを前提にしておるわけでございます。したがいまして、定年を一年延ばし、二年延ばせばそれだけ年金の率はふえていくということはございますけれども、それはどこかで切るわけでございますから、そこで、普通の共済などの受ける関係の方向というものもそこでとまってしまう。これはやむを得ない。それのあとに年金をもらいながら再雇用させるという方式を考えたのがいいのか悪いのか、こういう議論、二つあると思うわけでございます。それにつきましては、先ほど来申し上げましたとおり、民間に再就職するのと同じ条件というものをつくることが、やはり高年齢者の活用ということではむしろ望ましいのではないかということで考えておるのでございまして、個々の点に確かに社会保障制度審議会の御議論もあるわけでございますけれども、そこでいろいろ問題を検討しまして、在職老齢年金の制度、私的有期年金とか、いろんな制度の御示唆もありましたので、検討いたしましたが、他の共済制度との関連もございまして、社会保障制度審議会のおっしゃいますようなところの制度を取り入れるということがなかなか困難でございます。そこで一応この法律におきましては、この法律施行の際に現に在職しておる者に定年制が適用される場合に限って、暫定的にこういう措置でひとつ進めさしてもらおう、こういうことで御提案をしておるというわけでございます。ですから、共済期間を延ばせば延ばすほど共済におけるところの年金の割合が多くなるということはそのとおりでございますけれども、定年制をしく以上はどこかで切るわけでございます。切ったあとは、その人が民間に入ればやはり同じ状態、公務員に再就職した場合でも同じ条件で考えていく。そのことがいけないという御議論は、確かに社会保障制度審議会でもそうでございますけれども、いまのところこれ以上の知恵はまだ私はできませんでしたので、暫定措置としてやらせていただきたいということであります。
○大出委員 つまり定年制法案というものをほんとうにつくる時期にきてない。大臣に伺いたいのですが、臨時行政調査会の答申というものがちょいちょい方々で口にされる。 〔大石(八)委員長代理退席、委員長着席〕公務員制度審議会になぜかけないかと言ったら、公務員制度調査会とか臨時行政調査会とか地方制度調査会とかいうところからいろいろ答申が出ておるからだ、こう逃げておる。一番新しいのは三十八年か三十九年ですから、明確にこれは臨調の答申です。大臣、臨調の答申というのは政府はどう扱っておるのですか、答えてください。
○野田国務大臣 それはいま非常に大きな問題になっております。臨調の答申は三カ年計画の行政改革という点から、これはいま検討しております。政府がどういう案をつくるか、一応その線に沿うていま検討しておるところであります。
○大出委員 大臣、きわめて非常識千万じゃないですか。何ということを答えるんですか。いまここで論議しておるのは定年制の論議です。三カ年間の行政改革なんて関係があるんですか。そうじゃない。臨調答申の中に定年制についてちゃんとものを言っておるでしょう。それをあなたはどう考えるか聞いておる。冗談じゃない、おとといのほうを向いてものを言っては困る。
○野田国務大臣 これは臨調の大綱としては行政改革等を主としてやっておる、定年制もそうですが……。定年制は先ほども大出さんが、これはやると言っておるじゃないかと言っておるから、私は質問されるのでわかっている。実施すべきである、定年制を実施すべきだ。 それから年齢の問題に触れてという、前提がそういう御質問でしたから、ほかに何かあるかと言われれば、行政改革の問題をお答えした。
○大出委員 大臣は臨調答申をお読みになったことがありますか、定年制について。定年制を審議するんだから読んでおいてください。
○野田国務大臣 読んでおります。
○大出委員 どういうふうに読んだんですか。大臣、あなたに質問している。いいですか、一番最後にちゃんと「退職手当、退職年金制度を整備、充実すべきである。」というふうについておるでしょう。いまあなた、定年制にからんで退職年金制度の話をしているのじゃないですか。それをあなたは目を通しておられたら、このくらい出てこないはずはないでしょう。そんな無責任な話がありますか。定年制、退職年金、これはからんでおるのはあたりまえじゃないですか。だからあわせてこれが出ておるのでしょう、打ち切って厚年に乗りかえる法律が。それを臨調答申というものは、この基本についてはあなた方は尊重されて、これで実施しよう。私は内閣委員会ですから臨調答申のほうの所管です。総理以下が、せっかく組合関係からも太田さんにお出かけをいただいたとか、たくさんのそうそうたる方が集まってやったんだ、臨調答申しかない、だからこれを即時やっていただきたい、こういうふうに総理は答えた。そうでしょう。そうすると、あなたはこの臨調答申のとおりにやっておりますか、そんなことをいえば。あなたは読んだとおっしゃるが、論議をしておるポイントを読んでないのだから。「定年制は、公務員の地位の安定、定員、昇進等の計画的運用、公務員の中立性の確保等を目的として実施すべきである。しかしながら、」以下がたいへんです。「現在のような退職年金、退職手当等の支給状況においては、老後の生活安定は期しえない」——あなたは打ち切るのだからしかたがないというが、老後の生活の安定は期し得ない。いまのような年金制度では期し得ないから、自分の生活が安定しないから、一年、二年が問題になる。あたりまえでしょう。臨調は整備しろといっている。「これら制度の抜本的な整備、充実をはかりつつ、当面六十才を基準として定年制を実施すべきである。特別な職種についての特則の設定ないし余人の代替困難な専門職については、実質的な定年延長措置等をあわせ設定する必要がある。」定年延長しろといっている。「また急激な影響をさけるため、適切な経過措置を講ずべきである。なお、将来の姿としては、諸外国の例にみられるような相当高い年令の定年制を指向すべきである。」六十歳から当面始めて、先のほうは上げろといっている。そうでしょう。「また定年制の実施とともに勧奨退職の制度は廃止すべきであり、経過期間においてもその運営は最少限度にとどめられなければならない。」こういうふうにちゃんと退職手当、退職年金制度を整備しろ、充実をしろ、そしてわざわざこの定年制の答申のすぐ次に、「次に、退職手当、退職年金制度を整備、充実すべきである。」ということで、そのほうも答申をしている。こうなっている。そうすると、あなたのほうは打ち切るという前提でものを言うけれども、臨調答申を総理が言うように尊重して出したものである限りは、当然この整備、充実が含まれて出てこなければならぬ。あたりまえの話です。いま社会保障制度審議会でも整備、充実の努力をしている。しているから、公的年金思想全体の、年金思想というものをオール通算方式から考えれば、自治省で出しているのは目先のことにとらわれた短見だ、老齢年金制度上誤っているのだということをいっている。あたりまえですよ。それは社会保障制度審議会も一生懸命やっているのですからね。しかも恩給制度審議会のほうだって同じです。いまの論点の厚生年金とそれから共済年金とのこんなに大きな違い。ここで打ち切ってこっちに持っていくという、これは根本的に社会保障の中心になっている。老齢年金制度というものが進んでいる思想とは逆の方向に向いている。しかも再雇用といったって公務に携わるのは間違いない。これは民間とは違いますよ、公務に携わるのだから。民間に行くのじゃない。だからそのことも社会保障制度審議会はいっている。公務員であるから、臨時の形になろうと再雇用の形になろうと何であろうと、それを厚年のほうに引っぱり出してきて考える云々ということでやっているのではないかということをいっている。だから実際に措置をしろといっている。明確に間違いですよ。大臣、これはいかがですか。
○野田国務大臣 臨調の答申には私も目を通しておりますから知っております。これはお話しのとおりです。そこで問題は老齢年金の問題、いわゆるお示しの厚生年金、共済年金の問題、これは、いま大体自治省で考えておりますことは、社会保障制度審議会の答申がこれは当然出てくると思います。思いますが、現実においてこの臨調でもいっておりますとおり、まず年齢は六十歳ということが書いてありますが、要するに勧奨退職をやめて定年制を設けたらいい。基本的なことを示しておられる。問題は、いま大出委員と局長との質疑応答に見ますとおり、基本的に年金の問題は非常に複雑で、私はよく大出委員の言うことはわかりますが、この際定年制を採用してこの法案を出しました時点におきましては、この老齢年金問題というのがまだ結論が出ないし、またこれがなかなか実態において困難だ。そこで大局から見て、要するに定年制をやる場合は、私は臨調の方針というものは間違ってないと思いますが、局長が申しますとおり、いわゆる暫定的の適用やむを得ないというのは、やめられた方に何とか老後の生活ということを考える場合は、いま大出さんがおっしゃるとおり、公務員のままであれば年金が加増されてくるし、また共済年金もだんだん加算されてくることもよくわかりますが、一応そこでやめてもらう。やめるということになれば共済年金とは縁が切れるのだから、一応そこでもって共済年金制度を断ち切って、そこでもって、つまり年金をもらいながらつとめたほうが老後の生活のために非常な安定——安定ということばが使えるかどうか知りませんが、相当生活に資するということでございまして、基本的な問題になりますと、私は、いま大出さんのお話を承っておりまして、これは非常に大きな問題だと思っております。しかし、局長が申しますとおり、これはほんの暫定的である。そうして結論が出た場合にまたこれに対する最も正しい年金制度を考える、こういう意味において、とりあえず暫定処置の案といたした、こういうことでございます。
○大出委員 大臣、この前の答弁と、前の議事録を私は読んでおりますけれども、変わってまいりまして、ほんとうの暫定的だと今度は言い始めた。前のはただ単に暫定的なんだ、あなたの御答弁は。本会議その他でも質問が出ておりますけれども。いまの答弁はほんとうの暫定的だ。これはさすがに自治大臣、総務長官をおやりの時代に私もずいぶん大臣のところへお伺いしまして、何としても、生活保護を受けている年金受給者もいるのだから、それも当時八千人もいた。恩給受給者で生活保護を受けている人が八千人もおったのでは問題があるという、これは当時の永山忠則さんの持論です。ですから、私は当時ずいぶんあなたのところにお話し申し上げて、そうしてやっとこさっとこ二万円ベースのところを基準にして恩給改定に手をつけた。たいへんな御努力をいただいた。だから、大臣が恩給問題を知らないはずはない。それは百も承知。承知の大臣だからああいうふうにお答えになるのだと思うけれども、非常にむずかしい問題で、いまここで定年制を考えた、その場合に、共済から抜けると強制適用だから厚年にいかざるを得ない。もう一つあるのですよ。社会保障制度審議会は、公務員なんだからそっちで処理しろと言っておる。だけれども処理できない。なぜできないかといえば、あなた方は給与を下げようという考えだからです。そうでしょう。七万円なら七万円で雇っている人を三万円で雇おうというのだから。共済組合員で身分を継続させてしまえば、最終三カ年間の平均給与でもらうのだから、最終三カ年間は三万円になってしまう。そうでしょう。だから、共済組合法上は継続ができるのだけれども、三万円になってしまうから、三万円が基準でその七割とか六割とかをもらうことになるのだから、継続をしようにも、法律上できるのだけれども、本人に実害が及んでできないということになる。だから、そこで身分を切ってしまう。切ってしまうから強制適用で厚年にいってしまって、身分としては組合員でなくなってしまう。そして三万に落とす。その残った金は共済組合から出させようというのだから。だからこそ、社会保障制度審議会は、本筋ではない、老齢年金制度上の短見であって誤りなんだといっておる。あたりまえですよ。それは私だって長年年金問題と取り組んできておるのですから、毎回私は申し上げておるのです。こういう問題は知り過ぎておる。私どもがながめてみたって、こういうことを自治省ともあろうものがなぜやるか。しかも大臣を野田さんがやっておられて、あれだけ年金で苦労されたのにと、こういう気がする。だから、これはやはり社会保障制度審議会の意見をもう一ぺん聞くなら聞くでここへ参考人で来ていただいていいのだから、何か一番いい方法はないかということを聞いてみる必要がある。これは理事会で相談していただきたいのです。これはあたりまえですよ。こういうところで結論が——公的年金全体の、老齢年金制度全体の、オール年金の、だれも損をしない通算方式を考えていま一生懸命やっているのに、政府みずからがそれと逆の方向のことを、方法がないからということで——ないからということは便法ということです。だからほんの暫定的とおっしゃる。あなたはやむを得ずそう答弁されておるのだ、出してしまったから。しかし法案は通っていないのだ。中身の問題でなく、メンツの問題という気がしてしようがない。いままで勧奨退職でやってきたものを一年や二年あせることはないでしょう。いいものをつくってあげなければ、長年つとめた諸君に気の毒なんだから。そうでしょう。 そこで念のために私はもう一つ聞いておきたいのですが、恩給審議会の答申はお読みになっておりますか。
○野田国務大臣 一応目を通しておりますが、その当時と違ってだいぶ時間が過ぎておりますから、記憶がございません。
○大出委員 じゃあ行政局長さん、恩給審議会の答申というものは、いま一体どうして処置されておりますか。
○鎌田説明員 恩給審議会から答申がございまして、例の恩給のスライド制について、初めてわが国の公的年金につきましてのスライド制という考え方が公にされたわけであります。その基本的な考え方は、御案内のとおり、消費者物価指数、いわゆる物価スライドという考え方を基本に置きながら、片方におきまして、公務員給与の上昇ぐあいというものもあわせて参考にしようという考え方になっておるわけでございます。かたがた共済年金あるいは災害補償年金、こういったものも含めまして、厚生年金全部ひっくるめまして、いわゆる公的年金におきますスライド制というものをいかにして具体的な実施の段階に持っていくかということにつきまして、ここ二年来公的年金制度連絡調整会議というところで検討をいたしておるわけでございます。 結論的に申しまして、いまだに結論を得ておらないということでございますが、その経過におきまして、やはり基本になりましたものは、年金スライドを行なうということにいたしました場合に、いわゆるものさし、スライディング・スケールを物価に求めるか、あるいは給与に求めるかという、ものさしのとり方、それからたとえば厚生年金でございますというと、いわゆる定額部分というものがいわば社会保障的なものではないか、それを根っ子に置いてスライドをすべきだ、こういう意見がございます。ところが公務員の共済年金でございますというと、そういう定額部分と比例報酬部分という構成をとっておらないものですから、この公務員の共済年金というものについては、その考え方というものを明確にとりがたい、こういったこともございます。 また、かりにそういうスライディング・スケールというものがきまったという場合におきまして、その場合にかなりの財政負担というものが見込まれるわけでございますけれども、その財政負担というものをオール公費でみるか、あるいは後世代の共済組合員が負担をする、こういう形にするのか、そこの財源負担の問題、追加費用の財源負担の問題、こういった点につきまして、まだ最終的な煮詰まりというものが見られておらない、こういう状況でございます。
○大出委員 さすがに鎌田さんですから、おおむね知っておられるわけですけれども、ポイントが抜けているでしょう。ポイントというのは、制度化すべきであるという、これで実は私は恩給審議会の会長さんにこの席にお出かけいただいて、何が根っ子だ、何がポイントですかと質問して、それに対して、政府がこれを制度化すべきである、これがポイントですと言い切っておられる。議事録にちゃんと載っております。ところが制度化もしていない。しかし、しようとしています。私ども内閣委員会でずいぶん苦労して、与党の皆さんに御協力いただいて、これからやめていく公務員の皆さん、老齢者でじきになくなるかもしれぬ人もおる。こういう状態の中で、物価の上昇に非常に不安を感じている方々はたくさんいる。だから何としてもこれは制度化しなければならぬというので、努力をしておる。努力中ですよ。おまけにもう一つの柱は何かというと、さっき私が言ったオール年金通算思想です。この恩給審議会の中でも明確になっている。各種公的年金のバランスをとれといっておる。念のために私これを読んでおきますが、五%ということを中心にしての消費者物価スライドなんです、この考え方というものは。この場合その運用については、五%以上消費者物価が上昇した場合は、それに応じて恩給年額を改定すべきものとし、将来におけるその実効性を確保する観点から、これを制度化するなど、所要の措置を講ずることが適当である。これは制度化すべきであると解釈していいかどうかと私が質問したら、会長さんここへ出てきていわく、政府がわれわれに答申を求めたんじゃないですか。私どもはそれによって答申を出したのじゃないですか。制度化する、それが適当だと申し上げておるのだから、制度化しないなどということはよもやないと思っております。政府がどうしましょうかということで、これは調整規定について聞いておるのですから、恩給法の二条の。ところで、制度化のためには段階があるのですよ。鎌田さん一番お詳しいようだから申し上げるのだが、段階がある。どういうふうに段階があるかというと、三年前の野田総務長官のときに、年齢別三本立て仮定俸給表にしたのです、恩給というものは。私はその当時、年齢というものは所得じゃないんだということを強調した。ところが恩給審議会は、年齢は所得ではない、私の言った思想と同じことを言っておる。三本立て年齢別仮定俸給表というものは間違いだ。だから一本にしなさい、一本にして制度化しなさいとなっておる。そこでことしも改定案が出ております。私ここに持ってきておりますが、去年も改定したのだ。ことしの改定でようやく三本立て年齢仮定俸給表というものが一本になろうとしておる。これはなったあとで、さて制度化しようということなんです。するかしないかわかりませんよ。わかりませんが、そう進んでおるのに、大臣、いみじくも臨調答申が整備充実をしろといっておるでしょう、年金制度というものを。しかも社会保障制度というものはオール年金システムでものをいっておるのです。恩給審議会のほうは、年齢別仮定俸給表が間違いだから、何べんも私はかつて指摘した、それを一本にしなさいということでやってきた。そして制度化しようということでやろうとしておる、これから先に向かって。そうだとすれば、それらの準備が全部できて、公的年金とのバランスを欠いてもいいから——私がさっき申し上げた十一万の基礎額を十五万に上げたのと、六万の基礎額を十万円に上げたのはどこが違うかというと、厚生年金のほうをできるだけ近づけようという努力なんです。なかなか十万円給料をもらう人はない。それを上のほうの十一万を十五万にしたって四万でしょう。片方六万円という基礎額を十万円に上げて四万、だからこちらのほうを近づけようという努力です。バランスをとろう、バランスがもっととれて通則法的なものでつなぐというならこれはわかる。そうだとすると、これは制度的に整備のできていない、充足もしていない、その段階でなぜ一体こういう法案をお出しになるかということです。政府が諮問して、恩給審議会は答申までちゃんと出しておるのに、しかも臨時行政調査会がちゃんと答申を出して整備しろ、急激な変化はいけないといっておる。そうでしょう。そういう点を大臣、これはお考えになって中身を云々だとかいうことよりも、行きがかり上メンツがどうだとか、市長会との関係がどうだとかいうことで問題を論議するのは間違いです。したがって、こういうところの関係の方々を呼んで聞くなり、やはり慎重な態度をおとりになって、整備、充実をはかって、いまの短見といわれる老齢年金制度は誤りだということを国の責任においてやるべきじゃないか。そこら全部納得のいくように整備ができて、全体が向いておる方向に乗せて、その上でおやりになるのが筋です。間違いですか、いまの私が申し上げておる恩給審議会から出てきておる問題点は。御理解はいただいておると思うのですが、もう一ぺんこの点を答えてください。
○野田国務大臣 私は、ことに大出さんの言われた恩給問題のスライド制、これは私も非常に力を入れたわけです。最初からそうしなければならぬ。その経過は多少知っておりますが、この制度化というのは非常に遅々として進まない。もうこれは総合的な年金制度を検討した場合は、これは私の管轄じゃないのですが、かばうわけじゃないのですが、なかなかむずかしいとは思います。したがっていま大出さんの御指摘になったように、臨調にも、総合的な検討と結論を得てからということばがあります。それから、理論としてもそれは非常に首肯すべき考え方だと私は思います。ただその制度化というのは、これは大出さんは特にずっと御関係ありますから、複雑なことも御存じでありましょうし、私も一ぺん恩給問題を取り扱って、今日一応われわれの希望どおりスライド制というだけの基本だけはつくったつもりですが、その後なかなか進まないものだから、私自身も、実は今日離れまして、どうしていつまでもそれができ上がらないかと思って、自分自身では多少心配しているのです。そこで、これは申し上げるとおり、それを待ってやる、これが私は一番正しい筋だと思うのです。しかしこの制度化が一年や二年とか三年、実は私は非常に疑問を持っているのです。これは私自身の判断ですが……。伝え聞いても、もうスライド制が、たいへんな時間をかけてやっと目鼻ができそうになってきておりますが、これは大出さんなどのお力でだいぶ終点に近くなったようです。 そこで、私が重ねて申しますとおり、やはりこの際、勧奨退職でなくて定年制を設けた場合おやめになった方に、やはり生活というものを考えなくちゃならぬから、その際は共済年金をとってそうして再雇用の道を開く、これが筋か、しからば年金制度そのものの筋が立つかというと——私は大出さんの御意見、非常に傾聴しております。したがって、これは全く暫定的の処置でありまして、結論が出て正しい制度がきまってまいりますれば、何もこれに対してこだわることもないし、その際は当然訂正しなければならぬ、こう考えております。
○大出委員 その際の改正では、実際にすぐ身分が切れてしまうのですよ。みんな共済年金からはみ出してしまって、社会保障制度審議会で言っているように、厚年の分野、健康保険の分野にみんな入ってきてしまうのです。それをつなごうと思ってもつなぐ手はないのです、法律的に。ですから私は一年か二年は早過ぎると申し上げているのです。私はことしの案を持っておりますが、ことしは六十五歳未満は二〇・七%昨年対比の増、六十五歳以上七十歳未満は一二・七%昨年対比の増、七十歳以上は七・三%の昨年対比の増で、これをやりますと年齢別三本立て仮定俸給表というのはなくなって一本になるのです、答申のとおりに。それを三年おいてやってきたのです、恩給局は、同じく総理府は。そうして一本になったら制度化する、このことを答えてここまできている。たまたま矢倉恩給局長は入院していますけれども、——きょう声をかけたところが入院している。これは総理府の栗山人事局長が来ればわかる。ぼくはずっと詰めてきているのです。したがってことしこの恩給表を通したら、これは右へならえで、共済組合法も全部一緒になるのですから、年齢別三本立て仮定俸給表が、三本立てがなくなって全部一本になるのですから。これは鎌田さんが全部知っているはずです。それで来年制度化に乗せようということでいま進んでいるのですよ。そこまでいって、つけるべきけじめは全部つけて、そうしてやってもひとつもおそくない、いままでこんなに長い間かかっているのだから。臨調の答申だってそう言っているのです。それをなぜいま皆さんがそんなに無理押しをしなければならぬのかという問題。個々のやめる人の身になってごらんなさい。ですから私は先ほど来いまのような言い方をしているのですよ。しかもアメリカの場合とフランスの場合と二通りありましてね、これは参考までに申し上げておきますけれども、アメリカは早くから、日本流に訳して公務員の退職年金法という法律がございます。これは物価が上がったら指数をかけるのです、仮定俸給表に。そうするとスライドしていく。しかもその指数の資料は、たとえて言えば総理府統計局というようなところの資料を指定している。それに基づいて、物価が上がった場合には指数をかける。三%が限度です。フランスの場合はそうじゃない。四六年ごろの文武官の恩給の改革に関する法律というのがある。こちらのほうは現職公務員の給与が基準なのです。これに仮定俸給表をかける。いずれもスライドをする。どっちをとるかというと、この答申のほうは、日本の場合物価ばかり上がっているからそっちに引かれたのだと思いますけれども、物価五%がポイントになっている。そこでアメリカ方式あるいはフランス方式があるが、アメリカ方式に近い形で制度化という段階に来ている。それはそれ、ちゃんとやる、長い間の懸案なんですから。これは当時総務長官であった野田さんと私はいささかアベック的な筆法を弄して進めてまいりました。あれが口あけだから、たいへんな御努力をいただいたことを私は重々心得ていますよ。それだけに、やはりここまで来たらそうあせらずに、そういう点まで十二分に検討をして——さっき塩川さんの質問が出たときだって、行政局長はああいう親切な答弁のしかたをしない。つい私はそれに対して声が出た、知っているだけに。それじゃいかぬというんだ。公務員諸君が納得しないですよ。そうでしょう。大臣、これはなぜそんなに無理をしなければいかぬのですか。新聞がやれ強行採決だとか、やれ何だとかいって……。
○野田国務大臣 それはどういう意味で新聞は書いてあるか知りませんけれども、私どもはやはりこういう重大な法案ですから非常に慎重審議をしなければいかぬ、こういう考えを持っております。
○大出委員 国会運営は確かに与野党でやりますよ。私もいつかたいへん御無礼して飛んできましたが、私どもの委員会とも関連があるから来たんですが、やはりこういう問題は政党間の国会運営だ、こういう意見がよくあるのだけれども、事実は政府部内の閣僚諸君の中に偉い人はいるんだから、たとえば保利茂さんみたいな方はおるんだから、やはり党からちゃんと相談をしてものは進んでいるのだから、そんなにむちゃやるなということを言われたり、やってくれと言われたり、会期延長だって、四十何日延ばしたって十日延ばしたって一緒だ、与党のおまえたちがやる気になれば通るんだ、やる気にならなければ四十日延ばしたって一緒だというようなことが陰のほうでいろいろ話が出てくるのですから。そうでしょう。いいですか、参議院のほうで総定員法をきょう一日やっていますね。国鉄運賃法の強行だ、総定員法の強行だといって、こっちのほうは何かといったら、この間委員長一生懸命お進めになっておって、あわや強行だ。この後防衛二法の提案理由の説明の強行だ。有田さんふんづけられちゃうですよ、そんなことをするなら。その後強行採決だ。その後にまた会期延長強行だ。それだけで六つでしょう、強行が。幾ら少数野党だって、片っ端からふんづけて強行でやられたのでは腹も立ちます。そうでしょう。いまたまたま大臣が、こういう重要な法案だから慎重審議をしてもらいたいと思っているとおっしゃっているから、それはやはり与党の皆さんにも言って、慎重審議をするんだ、そうしてもらわぬと困るんだということで進めていただかぬといけませんよ。これだけの問題ですから、もう一ぺん聞きたいです。ここのところいかがですか、感触のほどを。
○野田国務大臣 当然こういう重要な法案は慎重審議すべきですが、また同時に、私はわりに古いのですが、与党の態度をお締めになると同時に、やはり野党も慎重審議に御協力を願う態度はお願いしたいし、そこは民主主義でお互いが話し合っていっていただきたい、私はほんとうにそう思います。何も強行採決が手柄じゃないことだし、強行採決なんて避けるべきことですから。まあ強行採決に至る経過において、ただ強行採決だというほうだけを、——これまた注意しなければいかぬが、また野党のほうもいろいろ御事情もあるだろうけれども、いろいろ御協力願えれば非常にしあわせだ、こう思っております。
○大出委員 幾らお互いに事情があるとしても、やはり与党・政府の関係者のほうがイニシアチブをおとりになるのが、多数で責任を持って行政をお進めになっているのですからあたりまえですよ。ですから先ほどあなたのおっしゃるように、確かに慎重審議すべき性格のものなんだから、これはしていただかなければいかぬと思います。 そこで、なぜ一体公務員制度審議会におかけになろうとしないのですか、あるいは意見を聞こうとしないのですか、あるいは報告をしようとしないのですか。
○野田国務大臣 私の知る限りにおいては、四十一年か二年に一度意見を聞く手続をやったことがあるのですが、そのとき公務員制度審議会の運営小委員会ですか、ここで何かおはかりになったけれども、一向に結論もないし——必要ないと認めたのか知りません、つまり一向に結論も出ないで、ほったらかされているうちに、もちろん公務員制度審議会は国家公務員を主としたものですから、そういう羽目になった、こう思っておりますが、そういうことが何か四十一年か二年にあったということを聞いております。
○大出委員 いま妙なことをおっしゃるのですが、公務員制度審議会は国家公務員が主である、こう言うのですけれども、そんなことはありませんよ。地方公務員の労働基本権だって審議にもなっているのです。ILO一七九号事件というのが包括的にありまして、自治団体関係のやつは一ぱいあるでしょう。それはそうじゃありませんよ。これは話し合って私はつくった一人なんだから。 そこで、それはそれとして、これは公務員制度調査会答申なんというのがあって、そういうものも出ておるからとか、臨調答申もあるからとか、あなた方はお答えになっておりますよ、総理も、あなたも。ところが、公務員制度の確かに調査をやった、審議をしたことがあります。ありますけれども、地方公務員については、これは公務員制度だから公務員が中心で、公務員制度を中心にして審議をして、定年制を設けるべきである、きわめて簡単な文章です。地方公務員のほうは、地方公務員の定年制は国家公務員に準ずべきであると、これしか書いていない。準ずべきだと書いてあるのに、準ずる本元の国家公務員のほうは何にもやらないままになっておって、準ずべきであるというほうでこんな騒ぎを起こして、本家本元は一体どうなっちゃったのだ、そうなると。そうでしょう。そこでいまあなたから御答弁をいただきましたが、公務員制度審議会はそんな取り扱いをしていない。あの中で降旗さんが意見を述べておられる。そこで言っておられるのは、公務員制度調査会だとか、地方制度調査会だとか臨調答申だとかいうことで、この三つで定年制というものは取り上げてもう出ている。だからこの公務員制度審議会で審議すべきものかどうかということは、その三つ出ていることを踏まえた上で考えろという意見を吐いている。そこで意見が二、三出まして、運営小委員会でいま重大な問題を審議しているから、それとのからみ合いを考えて、時間的なことも考えて、運営小委員会で取り扱いをおはかりをいただいたのだから、取り扱いを後刻きめましょうということで、その後どういう圧力がどうあったか、それは知りませんが、空中分解をした。だから取り扱いがきまらないままで延びたわけですよ。その間私は総務長官に——安井さんが総務長官で、そのあと何代も総務長官はおかわりになりましたが、人事局ができて、増子君が人事局長だったけれども、なんで開かないのだといったら、私の引き出しに前田会長の辞表を入れて、九カ月もそのまま入っていますと、そういう答弁で、開けなかったのですから、政治的に。今日は開かれたのですから。きょうも公務員制度審議会をやっている。私が栗山人事局長にお出かけをいただきたいと言ったら、公務員制度審議会に出席しております。こういうことです。だとすると、これは当然公務員制度審議会にかけるべきものなんですよ。いかがですか、大臣。
○長野政府委員 公務員制度審議会につきましては、もう先生よく御存じでございますが、労働関係の基本に関する項について調査審議するということが総理府設置法できめられているところであります。この労働関係の基本という問題につきましては、いろんな言われ方があるようでございますけれども、結局労働条件のきめ方についての基本的なあり方というように考えられておるというふうに私どもは聞いております。したがいまして、より具体的に言いますと、公務員等の団結権とか、当事者能力の問題を含めました団体交渉権でありますとか、争議権等のあり方についての問題を調査審議するということであります。個々の具体的な労働条件の内容について審議会が直接の審議事項としておるものではないというふうに考えております。そういう意味で、この定年制につきましては労働条件の一つでございますから、本来の調査審議事項ではないというふうに考えておるのでございます。四十一年でございましたか、先ほどのお話がありました場合にはそういう事実が確かにございます。これは提案を見合わした上で、公務員制度審議会が開かれておることではあるしということであったようでございます。今回は、この前の国会におきましても、昨年の四月の衆議院の本会議でそういう御質疑がございました。政府の責任において法案を提案いたしておりますから、どうぞ国会で十分審議をしてくださるようにということを総理大臣も申しております。前自治大臣もそういうことをお答え申し上げております。政府の考え方というものは明確にされておると思っておるのでございます。前は、提案を見合わせた上での問題、政府の諮問機関に、直接の諮問事項ではないにいたしましても、御意見を拝聴するというので、そういうことをやったように聞いておりますが、今回は政府の責任におきまして、すでに成案を得まして国会に提案をいたしておるわけでございます。かたがた、そういう意味で直接の諮問事項ではないということで考えておりますので、先生の御指摘のような関係において公務員制度審議会がなお引き続いて審議をされるということに直接これが該当するというふうには私どもは考えていないのでございます。
○大出委員 総理なりあるいは自治大臣なりが答えている趣旨をいま行政局長お答えになったのですから、その限りわからぬわけではない。ないのですが、これは念のために申し上げておきますと、例の安井謙さんが総務長官の時代にこれはおかけになって、はかられた。これは昭和四十一年の三月二十八日の公務員制度審議会なんです。降旗さんの意見があります。ここに全部一括ございますが、そこで前田会長が最後に全部結着をつけておられる。議事録によりますと、「なお、定年制の問題は、近い将来持たれる運営小委員会でその取り扱いを検討することになりました。」当時運営小委員会には、中立側からは例の今井一男さんが出ておった。彼は会長代理ですからね。そうして労働者側宝樹とか、使用者側だれだれと出て、そこで相談をして、いま大きな問題をかかえているから、したがって後ほどこれは取り扱いをきめましょうということになって、前田会長にそう提案をしているから、前田会長が「なお、定年制の問題は、近い将来持たれる運営小委員会でその取り扱いを検討することになりました。」きまったのです。「なりました。」こうなっている。そこでその後、これは六月の段階で飛んでしまったわけですよ。これはILOの条約批准に伴う国内法の改正という問題を中心にして、飛んだわけです。そこで、四十三年十月二十五日に再開公務員制度審議会——これは最初の公務員制度審議会に佐藤総理大臣が出て諮問事項を説明し、お願いをした、そのまま今日までつながってきているわけですから、再開をしましたが、佐藤総理はあらためて言ったわけじゃない。今日まで前田さんがずっとおやりになってきている、こういうわけだ。この中で質問が出ている。この質問に答えて、総務長官は、意図的にかけないわけじゃない、いろいろある、だから、こちらのほうからものを言わなかった場合でも、気がついたら報告をせえ、かけろと言うてくださいということを言っている。何もあなた方のほうは絶対かけないといって鉄のように突っぱっていたわけじゃない。ただ、あなた方は提案したという。これもいつもあなた方メンツにこだわるのだけれども、昨年公務員制度審議会が中断しているときにあなた方は国会にお出しになった。それをまたことしはぽいと早くお出しになった。そういうかっこうだからということで、安井さんがものを言ったときと違った形なのです、いまお答えになったのは。また当時安井さんとのいきさつは、安井総務長官と私はいろいろ話し合った、個人的にも前からのおつき合いもありますからね。ところが、ここに細田さんおいでになりますけれども、次長の細田さんは、そんなものは公務員制度審議会にかけないほうがいいとか、いろいろ御意見があった。けれども、できたいきさつも公務員制度審議会のほうは御存じですよ。そういうことをかけざるを得ぬ、そのほうが穏当だということで、反対意見があったけれども筋が通らぬということでおかけになった、そういういきさつがある。御存じですか行政局長、そこらのいきさつは。一ぺん承ってからものを言いましょう。
○長野政府委員 公務員制度審議会ができましたいきさつ等は私はよく存じません。ただ四十一年に公務員制度審議会に当時の安井総務長官が、地方公務員法の一部改正について審議会の審議のおじゃまにならぬ程度でちょっと御意見を拝聴したということのいきさつについては、当時の関係の方々に当時のいきさつというものは一応伺っておるつもりでございます。その内容はここで一々申し上げるわけにはまいりませんけれども、それからあれいたしてみますと、やはり本来公務員制度審議会の審議事項ではない。ただあの当時の状況において提案を見合わして、かけるということでやったことは確かであるということでございまして、であるから今度公務員法の改正を行ないます場合に、必ずその問題について審議会に意見を聞くというようなことをする必要があるかないかということも確かめてみたわけでございますれども、関係の方々ひとしく、そういう必要はない、あの問題はあのときのことで終わったのだという御意見でありましたので、私どもはそれにしたがって取り扱いを進めさしていただいておるという状況でございます。
○大出委員 この当時のいきさつが、ここに相当詳細なものが実はあるのです。この事の起こりは午前中に私が少し申し上げましたが、何とか日本の公務員制度を守るILOの一七九号事件、これとの関連におけるドライヤーの調査委員会の来日、これを政府がお認めになった。冒頭に申し上げました提案等を、これについても善意でお受け取りになった。こういう中で与党の皆さんの中にILOに関する世話人会にいうのができたわけでございまして、世話人会の代表を倉石忠雄さんがおやりになった。私どものほうにはILO条約批准対策特別委員会というものができまして、この責任者に河野密さんがおなりになった。そして倉石さんと河野さんとの間で数度にわたる話し合いを行なってきました。私どもも別に、いま衆議院の社会党におります山田耻目さん、私、これらが中心になりまして倉石さんとこまかい打ち合わせをずっと続けてきた。そこで三十二年に、労働問題懇談会というものがございまして、前田多門さんがおやりになっていたわけですが、この中の条約小委員会の小委員長を石井照久さんがおやりになっていて、石井報告が出ているわけであります。この例にならって、労働問題懇談会に類するものをこの際つくろうじゃないか、そうしないとILO条約は批准しなければならない段階にきておる。国内法を変えなければならない政府の意思がある。あるいは与党の意思がある。それをめぐっていろいろと問題が出てきて、そうするとこれは信頼の回復どころではなく、ますますえらいことになってしまったのでは困るということで、労使間で相当もめるものを、公務員制度審議会のような、あるいは労働問題懇談会のようなものも入れて労使、公益三者が集まった形で、いままで公務員制度調査会その他がありましたが三者ではない。したがって三者が入った形で、その中で論議をして一つの結論を出してくるほうが公務員制度というものを抜本的に考える上でいいのではないかということで、そこで労使関係に関する問題とかいうことでなしに労働関係、関係ということばを使っての基本に関する問題ということにしてとらえれば、中心に労働三権等がありますが、包括的に全体が入る、こういうことでものごとを円満に進めていこうということで考えたことですよ。労働省も大賛成で、当時考えておった。倉石さんは労働大臣を何回もおやりになったのですが、倉石さんのほうからの提案の一つ大きな問題があって——きょう実は倉石さんに廊下で会いましたが、そういうふうにまとめるけれども、人事局というものをつくらしてくれぬかというのが倉石さんの英国流の考え方です。私は英国へたまたま倉石さんがおいでになったすぐあとに行ったのですけれども、調べてこられて、総理府に人事局をつくりたいという倉石構想が当時あった。これは斎藤さんがよく知っております。そこで倉石さんからそのときに人事局を何とかしてくれというお話があり、一方公務員制度が発足する。だから人事局というものをつくることはつくって、走らせることはわがほうは待つから、何とか人事局をつくらせてくれ、総合的な人事行政を総理府がやる。そして国家公務員について人事院との権限はどうなるかという相談までして、そこで両方まとめようということになって、てっぺんのほうで倉石さんと河野さんでまとめた。そして中身のこまかい打ち合わせをしてまとめた案を発表したわけですよ。これは労働省が五月十五日から相談を始めて、六月十二日の自社両党の折衝をもって実質的な窓口折衝が終了し、翌十三日に両党の幹事長、書記長会談が行なわれることになった。そして大体まとまった案を九月十二日に公にしたわけです。この案の中に人事院の権限と人事局の権限とからんでいるのです。退職制度、退職金、こういうものを取り上げて、ここにございます「国際労働条約第八十七号批准史、労働省編」という労働省がこしらえたこの労働省の資料の中に、いま私の申し上げた当時まとめた案が出ております。「交渉による改正点の要綱」ということで、この改正点の要綱の中は三段に分かれております。一つは政府原案、交渉を通じての改正要綱、備考というふうに分けて、一番上の第十二、「人事院の縮小及び人事局の設置」というところに人事院、人事局の所管事項を分けて、そして了解事項を自社両党、総評、政府がこういうように話し合いをして人事局設置、公務員制度審議会の設置、あわせて書いてある。この中で公務員の退職制度——午前中にあなたのほうがお答えになった中身からすると離職の一形態だとおっしゃっている。退職の一形態だということですね。そうでしょう。そうなると、その問題は簡単にかけなくていいのだという筋合いのものではない。あなたのほうは人がいろいろおかわりになる。あのときは佐久間さんがおやりになったでしょう。私も実際にいろいろやりとりをしている。そのことを安井謙さんは御存じだから、こんなになっているところではあるけれども一応ものを言っておく必要があるということでおかけになった。最初反対があったけれども、その趣旨をやっぱりすなおに生かしていただかなければならぬ筋合いだと思う。 特にもう一点つけ加えておきますが、ドライヤーの報告の中に、レポートは倉石案が出てからあとにできたのですから、このあとのほうからいきますと、何もあなたがさっきおっしゃったように労働三権だ何だというものではない。まずこの中に管理職の範囲について、これも公務員制度審議会で検討しなさいといっている。管理職の範囲についてドライヤー氏は「公務員制度審議会によって検討されるべきことを勧告する。」と述べておる。二二〇二です。これはお読みになればわかります。こういうものも審議会で審議しろといっておる。そうかと思いますと、まだあるのです。在籍専従、こういうようなものについてもやはり公務員制度審議会で検討しなさいというふうにいっておる。ドライヤー・レポートの中に幾つかあります。ですから、必ずしもあなたが先ほどおっしゃったような解釈は、公務員制度審議会が何をやるかということについて規定はされていないわけです。できたいきさつは、いま私が申し上げたように、できるだけ労使のトラブルを避けていきたい。そしてドライヤーの報告がいっているように、どうも近代工業国家にふさわしくない、法律のジャングルだというわけです。それが労使混乱の一つの原因である、だから公務員法体系というものを全体的に再検討する必要がある、簡素化する必要もあるといっておる。それらのものを公務員制度審議会が受けていくということになる、こういう筋書きです。なるべくそうしていく、そのほうが信頼の回復、イニシアチブを政府がとってということになっておるわけですから、その筋に乗せていくことになる、こういう理解です。したがって、大臣このあたりで、先ほど来どうも鎌田さんの発言を取り上げたり、森さんの発言を取り上げたり、行政局長と、先ほどうしろで聞いておった切りかえのところの話をしたり、いろいろやってきましたが、いずれもまだ詰まっていない。詰まっていないままであなた方は出そうとされる。いませっかく公務員制度審議会をやっているのだから、ここへ制度審議会の委員に出てきてもらって意見を聞いても一つも悪くない。前田会長は、後刻の小委員会で検討することになりましたと議事録に載っておる。したがって、私はやはりおかしなことにしないように、そこらのところをどう扱うかを、私は内閣委員会におりまして、横から入ってきましたからあれですけれども、理事会で慎重に御検討いただいて、踏んづけて通るような式でこれから幾つも続くようなことに私はしたくないという気持ちがありますので、これはやはり何とか御相談をいただけないか。そうでなければ一々開き直って、議事をとめてなんということにしなければならなくなります。さっき一ぺんそういうことをやりましたから、何回もやりたくないので、そこらのところを大臣、御相談いただきたいのですが……。
○野田国務大臣 大出さんの御注意、よく理解できますが、いま公務員制度審議会にかけるかけぬの問題は、先ほども局長がお答えいたしておりますとおり、当時前田会長が運営小委員会にかけるということを約束して、私は内容を事務的によく知りませんが、かけたんだと思いますが、その際の運営小委員会の態度というか、結論が出ていなかったということ、それから局長が申しましたとおり、基本的にはいま大出さんの御指摘のとおり、ドライヤーの勧告によって公務員制度審議会の審議事項はたくさんある、これはお示しのとおりだと思います。しかし、ことさらに定年制についていますぐにこれを取り上げてやる意思もないようだし、また必要もないということが関係者の多くの人たちから言われたというふうにいま御答弁いたしております。そういうことが関連しまして、この法案を公務員制度審議会にあらためてかけるということは私としては避けたいと思っております。しかし、意見は聞きたいと思っております。いろいろな機会に意見を聞くのはやぶさかでございませんから、十分意見を聞くことはちっとも私は避けるものではございません。また、いろいろな御注意につきましても十分理解いたしまして、できるだけ慎重な審議を必要といたしますから、十分考えてみたいと思っております。
○大出委員 私、実は皆さんに十二時までやるのですかと聞いたら、いや十二時まではどうもということで、やはりいままでのこの地方行政委員会の慣行等も一応ございますそうで、大体五時ごろまでというのが筋じゃないかというお話だったので、私ずっと質問してまいりましたが、五時まであと十五分しかありません。したがって、そういう意味ではできるだけまとめてものを申し上げたほうがいいという気持ちで、多少まとめぐあいににいま進めておるわけですが、いま大臣がおっしゃるように、安井さんがおかけになったのは、御意見を伺いたいというかけ方をしたのですね。そのときに片一方審議をとめた、国会にかけなかった。それを待って意見を聞こうとした。ここが違うわけですね、進んでおりますから。そうでしょう。ですから、いま大臣がおっしゃっておるのは、出している、あるいは進んでいるいないにかかわらず、慎重にひとつ意見を聞こうとおっしゃるのですから、それはわかります。それはぜひお進めいただきたいと思うわけです。というのは、最近公務員制度審議会の中でいろいろ委員の方々からこの定年制に関する意見が事実出ておる。問題は、さっき私が幾つも例をあげましたように、臨調も答申をしておる。公務員制度調査会も答申をしておる。地方制度調査会もちょっとものを言っておる。しかし三十年、三十一年でございますから、年次が古いのです。臨調答申はたしか三十八年か九年かに出ておるわけですから。その問題と、もう一つ恩給制度審議会からも公的年金とのバランスの問題を含めて問題が提起されておる。社会保障制度審議会からも出てきておる。そういうわけですから、そういうふうなものをひとつ総合していただいてできるだけ——行政局長、いろいろ打ち合わせがあるのでしょうけれども、各方面が苦労しているのとあまり逆の方向に行かれても困るから、そこらのところをどう踏まえてやっていくかということをやはり一ぺん御相談をいただきたい、こう思うのです。 そこで、五時ということになりますとまだ少し時間がありますから、もう一つ承っておきたいのですが、かつて、これも先ほど何か行政局長がお答えになっていたような気もするのですが、昭和二十六年三月、この時点で自治体からのいろいろな質問に答えた形で通達、回答等を——当時は自治省ではない自治庁です。自治庁が流しておるわけです。これをさっきの地方公務員月報というふうなものの中身からいたしますと、当時定年制についての配慮を全く行なわないままに地方公務員法がつくられたということはまことに遺憾なことであって、したがって今日こういう法律を出してははっきりしなければならぬのだ、こういうふうにいっておられる。長野さん、あなたは当時行政課長です。このときには岡野清豪さんが自治庁の長官。次長がいま万国博に行っておる鈴木俊一さん。鈴木さんはわかった方ですから、私は何べんもお話をした。私は当時官公労の事務局長ですから、自治労の占部さんたちおられるところで。そしてこのときの公務員課長は藤井貞夫さん、行政課長がおたくです。したがって、これは御存じないはずはない。この論争が起こったときに、一体なぜ地方公務員法は公務員が離職、退職をするという場合に法律によらなければならぬというふうに書いたかという点、当時のいきさつを御存じですか。
○長野政府委員 当時のいきさつということになりますと、どうもはっきりいたさない面があるのでございますけれども、確かに地方公務員法を制定されました当時は、定年制という問題は頭の中になかったというのが私は正直なところではなかろうかと思います。したがいまして、この定年制についての考え方というものがある意味では理解不足、それからある意味では、形式的には公務員の地位についての利益保護といいますか、そういう公務員法制定当時の一つの考え方との間にいろいろ定年制の理解不足が、やはりその意に反して免職といいますか退職させるんだというとらまえ方だけで問題が考えられ過ぎたというきらいがあるように思います。したがいまして、その意に反して退職させるということであれば、法律に該当する場合でなければできないのだという、形式的なと申しては語弊があるかもしれませんが、ややそれに近いような考え方にすっと入っていった。したがって、定年制は地方団体が自由に条例で制定するというようなことは、地方公務員法施行と同時にはかられるべきだという考え方になっていったと思います。 これは一面そういう意味で、定年制についての考え方に両論あり得ると私は思います。それは確かに、一定年齢に達しました場合には、なお在職を続けたいと思っても在職は続けられない、ある意味では任期のようなものでございまして、任期が来ればもっとおりたいと思ってもおれないというようなものの考え方が実はあるわけでございますから、その意味では、その意に反して退職させるという場合に該当するじゃないかという議論はあったと思います。これは一面さっき申し上げました任期満了の場合の退職と同じような性質を持っているわけでございます。ある一つの労働条件といいますか雇用条件、雇用の形態として考える定年制というのは離職の一つの態様だと言いましたけれども、それは一定の年限が来たときやめるということが離職です。その間ずっと在職しているという意味では、むしろ在職の一つの形態だともいえますから、雇用の一つの形態であるということもできるわけであります。 そういう両面あるわけでございますから、その意味では、私は行政解釈としてあの当時ああいう通達が出た、何回もそれは繰り返して確認されておりますから、これは一応動かないと考えざるを得ないと思います。したがって、その当時の解釈を現在見ますと、やはり広い意味の分限免職に該当するんだという考え方であったと思います。しかしそれは一面いま申し上げましたように、一定の長い期間でございますが、一定の年限雇用するという一つの約束もあるわけでございます。その期間が過ぎてやめていくということも当然出てくるわけでございますから、その意味でいいますと、必ずしも分限免職という考え方だけで考える必要はないということもあり得るわけであります。 しかし、もういまそういう解釈ができておりますから、これを変えるということはなかなかできません。したがいまして、いわゆる一つの離職の態様の中に分限免職のカテゴリー以外に定年退職というものがあるということを言うことでそのことをはっきりさせることのほうが筋ではなかろうか、こういうことでございまして、当時のいきさつはわかりませんが、当時のいきさつの中では、定年制というような問題がほとんど意識されていないままに公務員法というものが制定された、こういうことが実情であろうと思います。
○大出委員 これは行政局長がいまの段階で、定年制を出すにあたって当時のいきさつをいろいろお調べになったのだと思うのだけれども、実は当時国会審議の場面でもあまりそれは触れてものを言っていない。なぜ言っていないかというと、私は当時官公労事務局長で、岡野清豪さんのところへ出かけていっていろいろやりとりをした。総司令部のある時代ですよ。これは総司令部にかけ込んでいろいろ話をしたこともある。ところで、アメリカ側の考え方というのは、どだい公務員法に大きな影響を持っていた。これは私はあの当時のいきさつ全部を知っているのですけれども、ブレーン・フーバー公務員制度課長のあとエーミスさんが公務員制度課長になって、ソルターという技術屋、その方面に詳しい法律家がついておっていろいろやったのです。これはやめた人事院の総裁の浅井さんが一番よく知っておられる。まず人事院の制度をつくる、公務員の制度をつくる、公務員法をつくるという場合に、行政調査部ができた。宮澤俊義さんが中心だった。そのときの公務員制度課長さんが浅井清さんです。それで当時星島二郎さんの御子息さんの先生をやっておったのですから、浅井さんは当時の与党の顧問ですよ。あのころは貴族院ですが、推薦ですから、参議院のほうに席があった。この浅井さんが公務員制度課長で宮澤さんたちと一緒に進めた中では、アメリカの公務員制度というものをずっと検討している。これは浅井さんはこんな大きな本を書いておられますよ。このアメリカの公務員制度を持ってきた。だから人事院総裁は浅井清とするという原案があった。行政調査会で出てきた原案というのは、総司令部がそう言ったのだが、日本の法律にはこんなものはないんだというので、それではまるっきりお仕着せになってしまうからというので、浅井さんみずからそれを頼んで、自分が総裁になることになっていたんですが、それをわざわざ削った。そこまでこの公務員法というものはアメリカシステムです。これはこんな厚いものをお読みになるのはたいへんだから、あしたでも浅井さんに聞いてみればよくわかる。 ところが、当時のアメリカの社会保障院というのは、ワンゲル博士というのがおって、マイヤースが出てきて、日本の恩給制度の勧告をしていった。こういう時代です。局長、これはアメリカの年金制度、定年退職制度というものの中に、強制退職というものはきわめてわずかしかないのです。欧州でもそうです。現在、ここにも書いてあります「定年制と賃金制度」という、これは富安長輝さんがお書きになっておる相当詳細なものがあります。これは比較的新しい。これをお書きになったのは四十一年だと思います。私は当時、東大総長をおやめになった大河内さんと一緒に二カ月アメリカを歩きまして、彼が団長で私が副団長でしたが、全部調べた。アメリカの国鉄に行ってみれば、みんなここに山形の年功云々というのが山ほどくっついておる。聞いた直接の方が七十二歳だ。七十歳が定年制だけれども、これは確かに乗っておるのです。デトロイトから汽車に乗って、われわれ調査団しか乗っていないのです。一時間半ぐらいおくれてくる汽車がざらなんだ。これは日本流に言えば国鉄だ。ところがこの方は七十二だ。あなたのほうは七十が定年だと言うけれども、やめるのですかと言ったらやめていったら、若い人は入ってこないし、まだぴんしゃんしているんだから、働けるから働かしてもらっておる。やかましく言わない。制度的に強制という形のものが全体的に見て非常に少ない。だから公務員法をつくるときにそういう観念が初めから——ここに強制退職化率が出ておりますが、わが国の定年制というものとはかなり違って強制的定年制退職はきわめて少ない。たとえばアメリカで鉄道労働者と——ちゃんと鉄道と書いてある。日本流に訳すと鉄道労働者と企業の約半数の労働者を合わせて全労働者の一二%、イギリスでも職員の一七%、労働者の一〇%、これしかない。それもきわめてラフな運用をしている。なぜならば年齢構成の問題があるのです。一つは高年齢層の活用ということを考えなければ、売り手市場、買い手市場の関係で、人手不足でやっていけないということです。老齢稼働人口が非常に多いという現実もある。したがって公務員法をつくるときに、やかましく定年制の議論が向こうから出てこないという形で公務員法ができた。だから公務員法というものをシンボルにして地方公務員法というものを考えたのですから、出てこないのはあたりまえです。これは当時私はソルター氏に何べんも質問して聞いておる。 そこで国家公務員の皆さんの定年制というものは何に基づくのですか、あわせて承っておきたい。
○長野政府委員 国家公務員につきましては、私は直接担当しておりませんのでよくわかりませんけれども、自衛隊法でございますとか、検察庁法でございますとか、一部の職員には定年制がございます。その定年制はそれぞれの法律に基づいておるというように記憶しております。
○大出委員 なぜ所管でない行政局長に承ったかといいますと、この公務員制度調査会の答申からいきますと、国家公務員に定年制をつくれと書いてあって地方公務員のほうには国家公務員に準ずるということしか書いてない。御存じでしょう。そうするとあなたは、この降旗さんが公務員制度審議会で述べておられる理論からすれば、これは準ずるという一項しかないのですから、準ずるもとのほうがなければ準じようがないんだ。準ずるもとがないのに、準じようがないでしょう。それから臨時行政調査会の答申だって、答申がありますけれども、これは国家公務員についていっているのです。そうすると、いまは全然準ずるもとはないんだ。だから、あなた方が公制審にかけない理由としてかくかくしかじかの答申が出ておりますとしきりに言うけれども、答申の中には準ずるとしか書いてないんですよ、地方公務員制度については。そうなれば何に準ずる。だから、あなた方はひとつも答申に従って出してないということになる。地方制度調査会、それも三つおあげになっているから、そうでしょう。そこで問題は、国家公務員法は百八条があるだけですよ。しかし、それじゃやれない。だから、人事院総裁は、規則制定権で人事院規則でやれるかという点、議論のあるところです。私は、前に総裁に質問してある。おいでになれば、もう一ぺんここで同じことをお答えになるはずです。規則でやれるかという議論がある。けれども、実は大きな問題であって、規則ではちょっとやれないと思う。だから、国家公務員に定年制をというならば、法律でやってもらう以外にはないと思っている。ただしかし、いまそれは考えていない、こう言うのです。こういうことなんですよ。そうすると、国家公務員、基準になるべきものが何にもきめてないという段階で、準ずるほうの地方公務員のほうが、給与だって準じているんですから、準ずるほうの地方公務員のほうだけ出してくるということ自体に——政府というのは、一体どこからどこまで政府なんだという問題が出てくる。自治省は政府じゃないのかということになる。これはならざるを得ぬのです。それは年齢からいったって、平均年齢は国家公務員のほうが高いです。これはもう御存じのとおりです。定年制を準備された当時、四十一年、すでに国家公務員のほうが一歳と何カ月高かった。ですから、そういう点からいきますと、私は、この点では矛盾だらけだというふうに思うのです。したがって、ここらのところをあなた方のほうは一体どう判断をされたかという点です。二十六年当時のいきさつというのは、私が当時いろいろ方々飛んで歩いて、自治省に出かけて、岡野清豪さん、鈴木俊一さん相手にいろいろとやりとりした当時のいきさつからすれば、そういうことなんです。だから、それをいま理由をつけて皆さん方のほうで提案をしているということだけで、私はそれはいささか筋が通らぬと思うのですがね、いかがですか。
○長野政府委員 一般的に同じような制度をとっております場合には、まあ準ずるといいますか、似たようなかっこうであることが——似たような制度について似たような制度がとられる、実態がそうであればそれはそのほうがいいから、出たものにいろいろな方式があることはかえって迷惑であるということが、ここに出てくると思います。地方公務員につきましては、公務員制度調査会あるいは地方制度調査会、いろいろな調査会等で定年制についての答申がございます。地方制度調査会や、公営企業の関係の調査会におきましては、地方公務員だけについての定年制の採用を答申しております。したがって、答申があるからないからという議論ではないと思いますけれども、地方公務員について定年制の採用ということを進めておることは、いろいろな調査会のところで散見をしておるわけであります。 そこで、国家公務員と地方公務員の関係において、似た制度については準ずるということになっておりますが、現在でも多くは準じておりますけれども、準じてない面もございます。これは公務員制度の特殊なあり方に基づいて、そういうことが出てきておるということでございます。また定年制の問題に関連しまして、いわゆる高年齢層の職員の占める割合は、国家公務員のほうがむしろ高いではないか、統計資料等によりますと、御指摘のとおりでございます。しかし、この場合考えなければなりませんことは、三千余りの地方団体がそれぞれ人事管理の責任主体でございまして、個々の地方団体に入ってまいりますと、職員構成、年齢構成、いろいろな差がございまして、中には年齢構成のきわめて高いところもございます。そうしてそういう意味での人事の停滞、士気の沈滞、公務能率の低下というようなところもございます。これは事実でございます。そういうようなところを全体ひっくるめて考えますと、あるパーセンテージになる。しかしながら、そういうところの相当多いことも指摘ができるわけでありまして、個々の地方団体の職員構成なり人事管理のあり方というものとの関係を、私どもは考えなければならないというふうに思うのでございます。したがいまして、今回の改正では、まあ国の場合と考えまして、地方団体の場合にそういう意味の必要性が強いという認識に立ちまして、そうしてそういう必要なところには定年制を採用できるところの道を開くということでございます。この改正法によりまして、全部の地方団体に同時に実施するというようなことではございません。必要のないところは設ける必要はさらさらない。あるいは一つの団体の中におきましても、職種その他によりまして年齢構成も違いがございます。そういうことで、普通の団体でも合理的な運用ということの根拠がはっきりいたします場合には、ある特定の職種には定年制をしく必要もないということも起こり得ると思います。そういうことでございますので、必要なところにおいて使う全体の平均数値が、国家公務員と比べてどうだということだけを論議の対象にするわけにもまいらないと思うのであります。現に、地方公務員法と国家公務員法との間には法律上、制度上の適用関係はおおむね準じておりますけれども——これは私が申し上げるより大出先生のほうがよく御承知でしょうが、適用関係でずいぶん違っておるものもございます。この場合、定年制については、それぞれの団体において必要なところが施行できる道を開いておくということであります。その根拠は法律によって道を開かなければ——従来の解釈で一応確定をしております。従来の解釈では、このままでは定年制を採用しようにも採用できないという解釈でございますので、この点で適用の関係の規定の整備をするということにあわせて、必要な場合には条例で定年制が採用できるという道を開いた、こういうことに尽きるわけでございます。
○大出委員 これはたいへんおとなしい御答弁ですから四の五の申しませんが、いま一つの問題は、大部分は国家公務員制度に準じているんですよ。一部、たとえば公営企業だとかなんとかということになると変わってまいりましたが、あれも法改正をしたんです。企業法でしょう。そこで、私はいまあなたのほうで言っておられる全体的な状況はどうなっているかというのを全部資料を持っておりますから、わからぬところはない。局長、おたくのほうが四十三年の二月におつくりになった資料がここにある。この当時、平均国家公務員が三十八・一歳、地方公務員が三十七歳、五十六歳以上ということになりますと、地方公務員が三・五%、国家公務員が四・八%で、五十六歳以上も国家公務員のほうが多い、こうなっておる。そこで、五百ばかりの都市の中で自治省が言うところの七%以上くらいいるというようなところは、約一割ですよ、五十ぐらい、当時の資料でいきますと。これはもうおあけにならぬでもわかっております。ここに持っておる。だから、私も事情がわからぬで申し上げているんじゃない。ただ、そういう違いを言い出せば、山形県の酒田市みたいに、五十七歳でやめる人二人で、二人がやめたいと言ったら、市長さんと助役さんがあわてて、待ってくれ、二人分払う退職金がない、あなたは申しわけないけれども、もう一年おつとめ願いますというんで、一年つとめた。これは話が逆です。そうでしょう。こまかく申し上げれば、そういうところもある。それも調べております。だが、この際やはり一番問題になったのは、各自治体ごとに相当お互いが努力をし合うということになれば——実際にはそれなりの処理はしてきていますね。やれないところがあるということで、あなたのほうでこれをやろうとされたということですが、しかし問題は、さっき幾つか臨調答申その他をあげましたが、全体的に整備充実しなければならぬのが一ぱいある。ある中で、国家公務員もできてない。国家公務員についてなぜつくらないのかという質問を安井総務長官に私はした。安井さんの答弁はこういうことだ。肩をたたいて退職勧奨をやっても、どうも勧奨退職年齢が各省まちまちでみんな違う。県知事さんが何で動かぬかといったら、県知事さんは、女性の先生などはおおむね五十歳くらいでおやめになる慣行がある。そういう県がたくさんある。ところが、こういう定年制をへたにつくったら、まだ先があるじゃないかということで動かぬというような話になった。いろいろ事情はございます。複雑な事情がたくさんあります。したがって、この問題はそうあせるべきものではない。だから、やはり先ほど長官のお話がございましたように——五時過ぎましたから結論めいて申し上げますけれども、公制審にはかるかいなかという点です。これはさっき意見を聞くというふうにおっしゃいましたから、その点と、それから先ほどの森課長さんの言、どうも訓戒と簡単に言われても、前のいきさつもございまして、そう簡単に納得するわけにいかない。そこらのところについてこれはやはり御相談をいただかぬと、公制審にはかる、意見を聞くというようなことについて、これは御検討いただきたい、いかがですか。
○野田国務大臣 さっき私は公制審にかけることはいたしませんと申し上げたのです。意見はいろいろあります。そういういろいろないわゆる学識経験者がおられますし、意見を聞くことは、いろいろな場合にあり得ると思うのです。それで、いまかけることはいたしません、こう申しました。それは意見を聞くことも委員長のほうで御相談になることと思いますけれども、私どもは局長なんかいままでずいぶん意見を聞いております。しかし、これは特別なお話でしたから、そういうことは別にいたしまして、私どもはいろいろな人の意見を聞くことを避けようと思っておりませんが、正式にかけることはいたしません。これは御返事申し上げたとおりであります。 それからもう一つは、先ほどの課長の月報の問題ですが、先ほど申しましたとおり、本人に強く訓戒をいたしておりまして、それでもし私どもとしてまた御理解を得る上において必要であれば、いままでの文書に対する訂正その他も考えて、本人の良心的な判断にまちたい、こう考えております。
○大出委員 委員長に申し上げておきたいのですけれども、先ほど理事会の取り扱いを私のほうの党の理事さんから承りましたが、課長さんの件は、とにかく大臣が何か休憩中にお考えになって答弁をするという話だから、聞いてみたらどうかという話になったということすでから、それで実は私大臣のお考えを承ったわけでありまして、それに至る過程の理事会等の論議も承りましたので、そうなりますと、私がどうこうということよりは、扱いがそうなっておるわけでありますから、大臣のお話を一ぺん聞いてみる、こうなっておるわけでありますから、納得しがたい、こういう結果でございますので、これは理事会で、やはり先ほどの経過もあるようですから、御相談をいただきたいと思います。 それから公制審問題は、意見をお聞きになるところまでは御答弁をいただきましたからそれでいいのですけれども、どういうふうに意見を聞くかというふうなこともこれまたありましょうから、そこらのところはひとつ理事会等で御相談いただきたい、こう思います。
○野田国務大臣 もう一つ。先ほど正式に……(大出委員「もういい」と呼ぶ)ですからはっきりしておかぬと、また私あとでうそをつくのはいやだからはっきりしておきますが、つまり私としては、先ほど御指摘になりましたように、公務員制度審議会に正式にかけることは避けます。いたしません。いろいろな人の御意見を聞くことは、決してそれはやぶさかではない。それはまたもちろん委員長の御裁量もありましょうから、われわれはいままで聞いておりますけれども、さらに必要なものにだれにも聞けということでありますれば、委員会の理事会等でおきめになるでありましょうから、私ども避けることはない、こういうことでございます。
○大出委員 大臣のいまの答弁は、さっきの答弁と違う。その点は速記録を調べてからにしてください。あなた、そういういいかげんなことを言ってはいけません。さっきあなたは公務員制度審議会の意見を聞くとおっしゃった。聞き方についてはとやかく文句をつけない。あなたはそうお答えになっている。
○野田国務大臣 ちょっと待ってください。だから私は、あなたがもう一度公務員制度審議会に意見を聞いてはどうか。意見を聞くその言い方が、もう一ぺん正式に向こうに申し出て、あなたはそういう御理解で、そういう意味でお聞きになったろうと思ったから、正式に聞く意思は持ちませんが、しかし、いろいろな関連の意見を聞くことはやぶさかでない、こういう意味で申し上げたつもりです。ですから、そこを明確にしませんと、一貫しておきませんと、ことばであとでごたごたされると困りますから……。
○大出委員 はっきりしましょう。速記録を反訳していただきましょう。それではっきりする。あなたはさっきお答えになった。だから、私は再度質問に立って、長官が意見を聞く、かけることはしません、はっきりおっしゃいました。認めます。かけることはしません、しかし意見を聞きます、これはあなたはっきり言われた。安井長官も意見を聞いているのです。意見を聞かしてもらいたいと提案をされているのです、公務員制度審議会に。だから、意見を聞くとおっしゃる意味は、安井さんもそういうふうに言って取り扱いをあとにまかしてあるのですから、意見を聞くでけっこうです。何も審議をしてくれと私は言っていないということを、ちゃんと言っている。あとで速記録を見れば、そんなことはすぐわかります。あなたはそうお答えになった。かけることはしませんが意見は聞きますということをおっしゃったから、安井長官も別にかけているわけじゃない、意見を出してくれ、意見を言ってくれということを安井長官も言っているから、それでけっこうだ、私はそういうふうに認めたわけです。
○野田国務大臣 いや、そこのところは間違ってはいかぬから、私はあとで言うてはいかぬと思って——私は別にだれにも示唆を受けないでお答えしているのですが、意見を聞くというのは、いろいろな人の意見——たとえば大出さん、あなたが公務員制度審議会にいろいろ年金関係がある、そういう意見もひとつどうだとおっしゃったから、いろいろ人の御意見を聞くのは、私はちっともやぶさかでない。正式にこの審議会へ持っていって意見を求める、これは正式ですから、正式は避けます、こういう意味のことを最初から申したつもりでございますから、それはひとつ御理解願いたいと思います。
○大出委員 ここでどうも子供の押し問答みたいなことを、この期に及んであなたとやり合ったってしようがない。局長さんがさっき一生懸命大臣にお話しになっておることも、私は耳に入っていたのです。 そこで、いずれにしてもさっき幾つも例をあげた中には、ごもっともだとお答えになっておるのが幾つもある。だから、そこらのところはどういう、ふうにするかということは、理事会があるわけですから、私はきょうぽっと地方行政委員会に出てまいりまして、地方行政委員会のしきたり、運営ということがあるはずでございますから、それにさからってとやかく申すつもりはない。ただ、先に大臣がお答えになったのは、議事録を見ればそれはそれでいいので、そこらに基づいて理事会で処置いただければよろしいというふうに私は思います。
○野田国務大臣 くどいようですが、責任者ですから申し上げますが、つまりもしそういうことでありましたら、私の最初の発言は誤解でございまして、先ほどしばしば申し上げたとおりのことであります。これは御理解願いたい。
○大出委員 そこに誤解がございましたら、この速記録のほうをあとで私も見せていただきまして、あらためて、いろいろニュアンスの違いがあるとすれば、委員長、そこのところを保留させていただいて確かめますから……。
○鹿野委員長 太田一夫君から関連質問の申し出があります。これを許します。太田一夫君。
○太田委員 長いお尋ねはいたしません。一、二点だけお尋ねをいたしますので、簡明にお答えをいただきたい。 それは先ほどから大出委員と大臣その他政府委員との間の質疑応答を伺っておりますと、どうもこのたびの提案のしかたには、いわば有無を言わさぬという雰囲気が感じられてしようがない。どうも有無を言わずさずこれを出し、有無を言わさずこれを審議させ、有無を言わさずこれを通すのだ。たとえば昨年の三月、昨年度お出しになりました場合には、一応職員団体の意見もお聞きになったとわれわれは聞いております。今度は全然そういうことはない。そういう点につきましても、大出委員が最初申した労使間の信用、信頼なくして将来のいわば合理的な行政の運営はあり得ないというこの原則というものは、われわれはもう一回思い出さなければならない。昨年はかけた。職員団体に一応意見を求められた。連絡がありました。ことしはないんです。これは私は非常にあなたのほうは問答無用というような雰囲気を感じてしようがないけれども、それはないのですか、あるのですか。どういう気持ちなんですか。そのお気持ちをこの際伺っておきたいのです。
○鎌田説明員 法案作成の直接の担当者といたしまして、お答えをいたします。 この地方公務員法の改正案につきましては、私どもはできるだけ広く意見を伺って提案をする、こういうことで進んでまいっておるわけであります。昨年、前通常国会に提案をいたしますその段階までは、私どもの法案の作成段階におきまして随時自治労のほうに連絡をいたしまして、法案を渡し、あるいはまた、たとえば再雇用職種としてどういうものが適当であるかということを地方団体から私ども調査をとりまして、その調査でこういうものが出てきているよということについても、連絡をいたしました。そういったすべての積み重ねを重ねまして法案を出したわけでございます。その法案につきましては、前国会に提案をいたしました。今国会におきましても、前国会に提案をいたしましたものと全く同一内容でございますので、この点につきましては重ねて連絡をいたすということはいたしておりません。
○太田委員 そのことは鎌田部長おっしゃると、私は先ほどあなたがお取り消しになったことばをもう一回思い出させられるわけですね。あなたはその際において、なぜ今度こういうものが無断で連絡もなしに、廃案となったものをまたあらためて出されたのかという質問に対しては、あれは国会の怠慢であったということをあなたは言うて、それで連絡をしなかったことを割り切ったはずなんです。ところが、その怠慢論というのをあなたが取り消せば、連絡をしなかったということはミステークになるわけです。私はそういう労使間といってはなんですが、職員団体と当局者側というのは、もうちょっと連絡を密と申しますか、信頼関係の基礎の上に立たなければだめだと思うのですね。その点はいかがなんですか。
○鎌田説明員 法案の内容の作成過程につきましては、そういうことで私どもも随時作業のたびに連絡をしておる、こういうことで法案の内容を確定して国会へ出したわけであります。したがいまして、この点につきましては、私ども自治労その他の地方公務員関係の職員団体の方々には、十分内容はわかってもらっておる、こういうふうに考える次第でございます。
○太田委員 だから、あなたのほうは一方的にそう信じ込むといえば、私はあなたのほうに敬意を表したことになろうと思いますが、そう考える。向こうはわかっているだろう、だから言わなくてもいいだろう。これはパントマイムで法案を出すということは、どう考えても現在の労使関係というものをさらによくしょうという方向ではなくして、何かその間にとげを生み出そうとする方向であると思うのです。 では、この際ちょっと長野局長にお尋ねしますが、あなたは労働関係の基本問題というものを、これは公制審にかけるんだから、定年退職の条項は単なる分限の一つの中に入る一項目にすぎないのであって、いわば離職の一形態だ、だからそれは労働関係の基本でないとおっしゃったのですが、では労働関係の基本というのは、あなたは先ほど労働者の団結権、団体行動権、それから団体交渉権の三つをおっしゃったが、この三つは憲法ではどういうふうに表現されていますか。
○長野政府委員 公務員制度審議会につきましては、総理府設置法に規定しておりますように、国家公務員や地方公務員、公共企業体の職員の労働関係の基本に関する事項について調査、審議をするということになっておるわけでございます。その労働関係の基本というのは、いろいろな議論もあろうかと思いますけれども、結局それは労働条件等のきめ方についての基本的なあり方、こういうものをいうものだというふうに、関係各省等の御意見も、私どもも同意したわけですけれども、そういうふうな御解釈でございます。そういうことでありまして、労働条件などどういうふうにきめていくかというきめ方の仕組みということが基本だということでございますから、そういう意味でいえば、もっと具体的にことばをかえて申しますと、公務員等の団結権とかあるいは団体交渉権とか争議権等のあり方ということになる、こういうことでございまして、定年制というような個々の具体的な労働条件の内容について、調査、審議の直接の対象になるというふうには考えていないのでございます。そういうことを先ほど申し上げたわけでございます。したがいまして、このことにつきまして、公務員につきましては、争議権等につきまして禁止をされておるわけでございます。団体交渉権につきましても、団結権につきましても、通常の労働者に労働三法が適用されているようなぐあいにはなっていないという特例があるわけでございます。そのような問題が公務員制度審議会の審議事項の中心をなすものと、私どもは考えておるのであります。
○太田委員 三権というのは一口に労働基本権といっておりまして、これとあなたのおっしゃる労働条件の基本というものとは違う。三権の労働基本権の表現を、憲法では団結権と表現しておる。団結権の発露が団体交渉権であり。団体行動権である。これが三つそろわなければ、完全じゃないわけなんです。それで団体交渉権の目標は何かといえば、労働協約締結権だ。労働協約締結権の中心は何かといえば、身分の問題です。懲戒とかあるいは馘首、いわば定年制を含めるそういう問題が、それが労働協約の中心をなすものです。だから、非常にウエートが重い問題だ。定年制というものをあなたはまさに鵝毛の軽きに似たような、そういう認識の上に立っていらっしゃる。これは私は、近代労働関係というものをあなたが十分理解されているかどうか疑わしく思える。地方公務員法によれば、団結権は保障される。教育公務員の特例法によって、教職員に対して団結権があります。しかし、これらに対して、そのほかの二つの権利はありません。地方公営企業の場合は、労働関係法によりまして団結権と団体交渉権があります。こういうふうにそれはありますけれども、団体交渉権の対象に、その定年制等を含める身分関係というものが明らかにされないから、確立されないから、しかたがないから、その空白を埋めるために、地方公務員法には分限懲戒の基準というのが定められておるのでしょう。だから、あなたのほうがきょういろいろおっしゃったことを聞いておりますと、当局者と職員団体との関係をどう将来とらえていくかという点について、非常に大きな誤りをおかしていらっしゃるような気がする。もちろんあなたのほうは労働省じゃございませんから、労働組合法とかなんとか労働関係のいろいろな法律上の問題をお尋ねしても、これは十分な御回答はできないだろうと思いますけれども、少なくとも団結権のみが保障されておるという、この不十分な労働者の権利に対して、何が保障する、何が裏づけするかということになれば、それは現在地方公務員法だ。これは少なくとも首切りのごとき重大問題をいと簡単に、公務員制度審議会の審議も得ることなく、答申も得られることなく出そうということは、私はいささかこの問題を軽く見ていらっしゃるという気がしてしようがない。そうでなければ、あなたのほうの大きな陰謀です。これは一体どうなんですか。定年制というものに対して、あなたは重大な問題と考えていらっしゃるか。それともこれは日常茶飯事の問題と考えていらっしゃるのか。これは実は非常に重大な問題でしょう。これは大臣いかがですか。あなたの当局側と労働組合いわゆる職員団体との間のいろいろな意思疎通ということは、定年制をもって一挙にいままでの秩序をあらためてしまいたい、ひっくり返してしまいたいというようなことでありました場合においては、その関係は乱れるじゃありませんか。よくなると御判断でございますか。これはどうなんですか。
○野田国務大臣 それは太田さんの仰せのように、労使間の信頼をどうして高めていくかということは、当然労使ともに考えなくちゃならない。しだがって、この定年制を提案いたします経過におきましては、先ほど政府委員からお答えいたしましたとおり、組合に対してもこれを示して説明をいたし、また関係方面にも十分意を尽くして説明をしたという経過は、事実でございます。したがって、この定年制が簡単なものだというふうには私は考えておりませんし、たとえば提案理由説明で申しましたとおり、従来各団体の中では勧奨退職をやっておりますが、一応定年制を設けるための道を開く条例をつくっていいということでございまして、これを一ぺんに何歳からはもう全部どうだというようないまのお話の非常に大なたをふるって首切るんだという考え方とは、全然異なっております。したがって、定年制の条例ができて、これに該当する方は、やはり再雇用とかその他の方法を講じなくちゃいかぬという考えでございますから、いまの太田さんの言われるように、決して労使間でもって激突して何かいさかいを起こすということは、自治省としてはみじんも考えておりません。
○太田委員 関連ですから長くやりたくはありませんけれども、大臣、今度の場合、たとえば懲戒免職というような場合と定年退職を並べて考えるわけにはいかないです。それからもう一つは、勧奨退職と定年退職とを並べて同じだとはいえない。勧奨退職の場合は、少なくとも本人の同意というものがある。定年退職は有無を言わさないでしょう。自動首切りでしょう。オートマチックでしょう。私どもは、定年退職と懲戒免職と同列に置くというあなたのほうの考え方にも、いささか労働関係に対する理解の不十分さを感じますよ。もう少し労働関係というものに対して理解をしていただかないと、この問題は私はすなおに聞けないという気がしてしようがない。大臣どうですか。公制審にひどくこだわっていらっしゃいましたけれども、それはだれかにそういうふうに言えといわれておるのですか。そんなことを言うとおかしいですけれども、あなたの本心ですか。
○野田国務大臣 私の責任でこの改正案を出したのでございますから、いまさら正式に他の審議会その他に出して審議を求めるという考え方は、持っておりません。私の責任でこれを果たしたいと思っております。
○太田委員 そうすると、先ほど私がお尋ねしたときに、定年退職の問題はそう軽く見てはいけないとおっしゃった。重く見ていらっしゃるならば、当然労働関係の基本的な問題として公制審におはかりになるということになるじゃありませんか。それを、公制審には労働関係の基本的な問題、いわば重大なものをはかるのだといいながら、この定年退職の問題だけははからないとおっしゃるから、はからない、はからないと断定的におっしゃるから、私は、あまりにもあなたがこだわっていらっしゃるのをふしぎに思う。何か底意があるのではなかろうか。かつて野田というお方のいろいろな評判を承りましたときに、あなたはそういうかけ引きなどにあまり長じていらっしゃるように聞かなかったのですけれども、きょうはすごくかけ引きに長じていらっしゃる。あしたになったらお答えが違うかしりませんが、少なくともこの問題にこんなにこだわられる理由がわからない。重大な問題だったら、おはかりになるべきじゃありませんか。それこそが、職員団体と当局者との間の長年の信頼関係を築くものじゃありませんか。所見をもう一度だけお伺いしておきます。
○野田国務大臣 先ほど大出さんまた太田さんにも行政局長がその点でお答えしておりますが、これはいろいろ議論もありましょうが、自治省といたしましてはこの定年制の問題は公務員制度審議会にかけなくてもよい、また公務員制度審議会というものは労働基本権の問題を中心として審議する機関である、この際定年制を公務員制度審議会にかける心要はその内容その他においてない、こういう答弁を先ほどいたしております。私も同様でございます。
○太田委員 どうも歯切れが悪いというのですか、こちらの耳には耳の入り口であなたのことばがさか立ちしたり、くるくる回ったりして、すなおに入らないのです。あなた自身の心に乱れがある、すきがたくさんある、そうだと思うのですが、それはいいです。いいですが、じゃ長野局長、ちょっと伺っておきます。いま社会では、労働委員会等を中心として、最も多い問題で、不当労働行為というものがいわれています。不当労働行為の中には、首切りというのは入っていますか。
○長野政府委員 入ると思います。
○太田委員 入るでしょう。入っていますね。だから、不当な首切りというのがあるのです。その不当な首切りというのが、最近いろいろな形を装いまして非常に多く出てまいりましたために、不当労働行為の提訴というのは非常に多いわけなんです。ですから、首切りということは、少なくともこれは官であれ、民であれ、どの場であれ、重大な死活の問題です。それに対して、いまの野田大臣の話じゃありませんが、かける心要がないと私は思ったとか、きまったとかいうような御説明では、これは一般の人に説明しても、国民にわからぬと思うのです。なぜかける必要はないか。大事な労働関係の基本問題、重要問題であるなら、かけざるを得ない問題であろう。それなのにかけない。かける必要はないと思いましたというのは、あまりにもそれは強情な話でございます。この問題の決着は、あとでまた大出さんの質問によりまして理事会で御相談をいただくことになりましたから、これ以上お尋ねをいたしませんが、その点について大臣ももう一度労使の関係、当局者と職員団体との関係というのは、新しい時代に即応してお考え直しをいただきたい、こう思います。 終わります。
○鹿野委員長 関連質問で細谷治嘉君の発言を許します。
○細谷委員 先ほど大出委員が二つの問題について大臣に再考をいただきたい、さらに理事会等で検討もいただきたいということで、第一点につきましては太田委員のほうからいま関連質問がありましたが、私は第二点について、理事会で検討をなさるでありましょうけれども、その前に大臣の姿勢に問題があると思いますので、申し上げておきたいと思う。 先ほど来、大出委員の質問の中に出ました人事院勧告をめぐって公務員第一課長がある雑誌に書かれた、人事院がけしからぬとか、国会がサボったとか、こういう文章が問題になりまして、私は当時の理事の一員でありましたので、理事会で検討をいたしまして、その確認された文章を大臣が正式の委員会の席上でお読みをいただいて、そして大臣の見解がどういうふうに行なわれるかというのを、今日までずっと見守られてきた現状であります。ところが、いまのあなたが大臣のときでなくて、前任者のときでありまして、善処をいたします、こういうことは、これはやはりその公務員第一課長としては不適格である、こういうような考えの上に立って善処いたします、こういうことであったわけです。ところが、先ほどの大臣の答弁によりますと、これは大臣を信用して理事会で詰めたわけでございませんで、大臣がどういことを言うのかひとつすなおに聞こうではないか、こういうことで質問者の大出委員も聞いたし、私どももお聞きしたわけです。ところが、いや厳重に訓戒をいたします、こういうことでありました。このことは、大出委員が指摘したのは、前に問題になった内容のほかに、一月の「地方公務員月報」等から二つの文章を例としてあげて、問題にいたしたわけですね。したがって、いってみますと、当時の理事会なり大臣がここで答弁したことばよりもさらにエスカレートしているのに、大臣の答弁はどうかといいますと、厳重な訓戒をいたします、これだけで、処置はたいへん後退をいたしておるわけです。昨年文部省の一課長がやはり「教育委員会月報」というものに論文を書かれたわけです。その論文というのは、教育公務員特例法について書かれたわけです。私も正確には記憶しておりませんけれども、その内容というのは、教育公務員特例法というものをわからないやつがあったら、おれのところに来い、説明してやる。それでわからなければばかかでくの坊だ、こういうふうに書いてあったのが問題になりまして、これも七千部か八千部、いやもっと多かったかもしれませんが、問題になった結果、一つはそれを全部回収したわけです。第二番目は、そういうことで地方を混乱させたということで、陳謝をしたわけです。第三番目は、その課長に、昇任ではないのですよ、降職が行なわれたわけです。そういう事態からいきましても、私は先ほどの大臣の答弁には問題がある。大出委員との質疑のやりとりの中で、大臣のことばの中に、確認はされておりませんけれども、地方に対しては正しい通達を流すようにする、こういうようなことばもあったようでありますから、おそらく七千部ばかりのやつを回収する、こういうことも含まれておると思うのでありますけれども、その他のことについては、昨年の文部省がとった措置、あるいはこの問題についてのこの委員会の前の理事会、あるいは委員会が扱ったよりも、きわめて後退した問題であると私は思うのであります。したがって、やはり大臣に再考を願わなければならぬ、従来の経過からいって。それでなければ、理事会に持っていっても問題があるのではないか、こういうことであります。ひとつ大臣で十分検討して一あれでは、大出委員ならずとも納得できない内容であろうと思う。検討していただいて、その結果を理事会なり委員会等でひとつ決着をつける、こういうことにしていただかなければならぬのではないかと私は考えております。この点を特に大臣に要望いたします。答弁したければお伺いいたしますが、別に答弁は要りません。
○大出委員 いまの関連のやりとりの中で、念のために行政局長にちょっと申し上げておきたいことがあるのです。これはほかのいろいろな関連がありまして、あいまいでは困る。と申しますのは、憲法と労働三権の関係なんですが、ストライキ権は禁止されておる、こう簡単にあなたはおっしゃっておりますが、旧来の経過というのは、法務省が解釈をいたしておりまして、憲法十五条と二十八条、これを対置して、考えまして日本の労働者の中に、あるいは勤労者の中に、憲法十五条に関するグループと憲法二十八条に関するグループがある、こういう解釈をとっておった。これは公判維持の場合に、この量刑低きに失し、不当であるというようなことを書いて論告するなんという場合、常に出てくる論法ですね。これがずっと続いていた。なぜかというと、憲法十五条の全体の奉仕者というほうから出てくると、本来団体行動権というものはない、ストライキ権というものはないのだという解釈をとってきたということなんです。二十八条に属するほうの勤労者というのは、ストライキ権が本来あるのだという解釈ですね。それが私鉄のような、公共事業のような場合に、ある意味の制限があるなどということが、労調法とも関係がありますから、こういう理解をとってきた。ところが百七十九号事件が起こってドライヤーが調査に来たあと、事情聴取をジュネーブでされた。ここから変わってきている、法務省の考え方が。だから、そこのところをはっきり踏まえておいていただきませんと、いろいろな問題が起こります。念のために申し上げておきますが、これは法務省刑事局参事官として、これはジュネーブのILO実情調査調停委員会の諮問に応じて証人でおいでになったわけです。この川井英良さん、いまの刑事局長です、彼が文書にして見解をお出しになった。この中で「憲法二十八条にいう勤労者」に公務員が含まれることは、わが憲法の解釈上の通説というべく、したがって公務員も建前としては労働三権の保障を享有するものといわなければならない。」こういうふうに明確にされている。文書で出しております。「しかし、他面、わが憲法はこれも世界に類を見ないといわれる十五条二項の規定を有し、およそ公務員は「国民全体の奉仕者」であって一部の奉仕者ではないと宣言され、このことから公務員は労働三権につき特別の取り扱いを受けるものと理解されている。」こう書いておられる。これがいま最高裁の大法廷の判決等にも、ちょいちょい出てくるわけです。四月二日の都教組事件の判決、あの中にもこの趣旨が入ってきているわけですね。つまり本来労働三権はある。これは否定できない、公務員も憲法二十八条による勤労者なんだから。本来的にある。あるのだが、しかし、十五条というのがあるから、特別な取り扱いを受けておる、こういう理解ですね。だから、都教組判決をめぐっての中心点は、あの中身をよく読んでみましたが、あおりそそのかすということが禁止されておるのだけれども、それに該当するのかどうかという点ですね。そこでこのあおりそそのかすということ、これが違法だということになるのは、憲法二十八条に抵触する疑いがある、判決理由にそこまでいっておる。疑いがある。ただし、運用の方法、つまり政府が運用するその運用の方法が、二十八条の趣旨に従って運用されるということであれば取り上げる筋合いのものではなかろうというふうに締めくくっておるんですね。だから、基本的に労働三権というものは、勤労者というものの中に公務員が含まれる限り、公務員にある。あるけれども、特別な取り扱いを受ける。したがって、あおりそそのかす云々という禁止条項が憲法違反の疑いがある。あるが、しかし、運用が二十八条との関係で誤られなければ——刑事罰その他をさしておりますが、誤られなければ取り上げる筋合いのものではないという締めくくりになっておるということです。これが、倉石さんがおたくのほうの総務会ですか、で取り上げた一つの問題点ですね。それは、なぜああいう判決が最近出るようになっておるかというと、これがあるからです。ですから、先ほど行政局長簡単にそのことを言いましたが、そこのところはそういうふうに発展をしてきている。これは政府の代表で証人で行っておられる。そして文章にして出しておられるそのままです。ですから、そこらのところはやはりはっきりしておいていただかぬと困るという点が一つ。 それからもう一つは、一般の民間の労働組合の場合に、定年という問題については団体交渉をやっておるのです。ストライキをぶって団体交渉をやって、五十五歳という、さっき私が申し上げました千人以上の製造業の中には定年というものは九九%ございます。しかもさっき私が読み上げました著書の中にも、その問題実はいろいろ書いてあります。労働組合対使用者の間の団体交渉の対象事項としてずっと取り上げられてきているという現実は、首になるということは、定年になるということは、明らかに労働条件だからです。労働法の適用を受けている一般の労働組合が、定年問題を団交事項としてやっておるという現実、これは学者の見解、いろいろ古いのから新しいのまでありますよ。ありますが、明確に労働問題に関係をする問題に間違いない。だから、これはそういうとらえ方を基本的にはしなければならない。公務員制度審議会にかけるかけないというのは、政府意思が働いているからなんであって、その点は明確にしておいていただかなければ困る、先々のことですから。 関連して出ましたが、私の質問の継続中でございましたので、いま二点だけ御見解を承りたい。
○長野政府委員 先ほどお答え申し上げましたのは、非常に簡単に申し上げましたから、よくことばが足りませんですが、要するに労働三権に対して特別な取り扱いをしておりますということを申し上げたにとどまるわけでございます。他意はございません。 それからもう一つの、団体交渉事項がある。通常の場合は、おっしゃるとおりに私どもも考えております。したがいまして、定年制につきましては、やはり地方公務員法上も当局との交渉事項になるし、公営企業関係におきましては、団体協約という問題の内容となる。これはもう当然のことだと思っております。 ただ、申し上げましたのは、公務員制度審議会の調査審議事項に直接入るのか入らぬのかという意味では、これは労働関係の基本に関する事項という中には入らないというのが、関係各省との打ち合わせの結果のわれわれの解釈でございますので、そういうことを申し上げたのでございます。
○大出委員 したがって、それは政府の意思が働いていると私は申し上げましたが、見解がいろいろあるわけです。現に上がっている安井さんの場合もあるわけです。だから、それは見解の分かれるところでありますから、その点だけは明確にしおいていただきたいと思います。あとは先ほどお二人のほうからも発言がありましたし、理事会でやりましょうというお話ですから、先ほどの二点を含めまして、理事会でひとつ御検討いただきたいと思います。
○鹿野委員長 次回は、明後八日木曜日午前十時から理事会、十時三十分から委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。 午後五時五十三分散会