地方行政委員会 第20号
- 発言数
- 39 件
- 登壇者
- 7 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1969/04/10
会議録
○鹿野委員長 これより会議を開きます。 地方交付税法の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行ないます。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。山本弥之助君。
○山本(弥)委員 今回の財政計画におきましては、地方公共団体、ことに市町村の、直接地域住民に密接しております団体の強い要望であります過密対策あるいは過疎対策等につきまして、前年度よりそれぞれ増額をいたしておるわけでありまして、いわば今日の流動的な公共団体の病源である過密過疎対策につきまして、ある程度まで財源的に考慮したということにつきまして、私どもその若心に対しまして敬意を表するわけでありますが、たしか昨年自治省におかれましては、人口の急増団体あるいは急減団体につきまして、その財政状況を調査なさったようでありますが、その概要につきましてお伺いいたしたいと思います。
○野田国務大臣 調査の内容でございますので、事務当局から申し上げますから、御了承願います。
○首藤説明員 ただいま御指摘がございましたように、昨年の秋におきまして人口急増市町村における財政状況及び過疎地域の市町村における財政状況を調査をいたしました。人口急増市町村におきます財政状況につきましては、昭和三十五年度の国勢調査で人口が一五%以上増加をしております団体、それを対象にして調査をいたしてみたわけでございます。 ごく概略の状況を申し上げますと、大体三十六年度から四十六年度までの期間におきます当該市町村の建設費及び経常費を全部入れました所要経費が約一兆円程度と見込まれたのでありまして、このうち四十三年度までに実施をしましたものが約半分、残りの五千億程度が今後の事業として残っておる、このような報告が徴されたわけでございます。 このような調査に基づきまして今後行ないます約五千億程度の事業をほぼ計画どおり四十六年度までにこなすといたしますと、このうち約二千億見当のものは公共事業で処理ができると思いますので、残りの三千億見当を三年間でこなす、このようなことを基礎にいたまして、今度の財政計画の建設費の所要事業費を積算いたしたわけであります。その結果、御案内のように、人口急増地域に対する単独事業分として、道路、それから清掃施設を含めますと、九百五十七億円、こういうものを措置したわけでございます。
○山本(弥)委員 急増地帯とあわせまして、過疎地帯の状況につきましても御説明願いたいと思います。
○横手説明員 人口急減団体の実態調査を行ないましたが、これは、昭和四十年の国調人口と昭和三十五年の国調人口とを比べまして二〇%以上減少しておる団体、その中から特に産炭地域の町村を除きまして七十二町村を対象として調査いたしております。 調査の結果の特徴的な点を申し上げますと、消防費関係におきまして、消防団員の確保対策に非常に苦労しておるという面が見られます。土木費関係におきましては、道路、橋梁の整備にかなり多額の経費を使っておるという点が見られます。なお、冬季間の除雪関係の経費、これがかなり多額に上っておるというような町村も見られます。 次に、教育費関係におきましては、学校統合による施設の整備、この関係でいわゆる通学対策費関係、こうしたものにかなりの経費を使用しておる町村が大多数に上っております。 次に、厚生労働費関係でございますが、ここでは医療機関の整備、特に医者の確保に困難を感じておる町村が軒並みというような状況でございます。また、簡易水道を設置しております町村で、採算が合わなくて一般会計からの持ち出しが多額に上っておる町村、こうしたものが多数見られた状況でございます。そのほか、厚生費関係におきましては、国民健康保険会計への一般会計からの繰り出し金、こうしたものがかなり多額に上っております。 次に、産業経済費関係でございますが、これは個々の町村がそれぞれかなりくふうをこらして独自の対策を行なっておりまして、共通的な特徴というのは、とらえ方としてはむずかしい面がございましたが、かなりの経費を投入いたしております。そのほか通信連絡施設の整備に努力をしておりましたり、テレビの共同受信施設の整備にかなり力を注いでおるというような町村も見られました。あるいは集落の再編成計画を立てまして具体的に取っ組んでおるような町村も二、三見られた次第でございます。 以上、大体調査の結果特徴的な面が見られたわけでございますが、財政状況を見ますと、やはりこうした団体は税収があまり伸びないといった面があります反面、公債費もかなりの重圧になっておるというような傾向が見られた次第でございます。 以上が過疎の町村の実態調査の結果でございます。
○山本(弥)委員 この急増地帯におきましては、ただいま御説明を承りますと、過去八年間におきまして国庫支出金や地方債その他の特定財源を控除した一般財源において、人口の増による税収その他の収入、それらを差し引きまして二千二百五十七億円の不足を来たしておる。これに対しまして、将来三カ年における財政需要というものは大体過去八年間とほぼ匹敵するだけの情勢にある。いわば急増に伴いまして、当然それらの公共団体におきまして最小限度整備しなければならない学校、あるいは道路の施設その他に相当の財源を必要とするということになっておるわけでありますが、先ほどのお話ですと、三カ年で五千億とおっしゃいましたが、その五千億の関連におきまして、今後財政計画においてそれらはある程度までバランスのとれる措置を講ずるというようなお話がございましたが、そういうふうに了解していいわけでございますか。
○首藤説明員 御指摘のとおりでございまして、三千億余りの単独事業を実施する必要があると考えております。それに対しまして本年度財政計画上九百五十七億円、この額を措置いたしたわけでございます。ほぼバランスのとれるかっこうで実施していけるのではないか、こう考えます。
○山本(弥)委員 いまの急増急減の問題ですね。急増地域におきましては、ただいまお話しいただきましたように、ある程度まで最小限度の行政需要というものを数学的にあらわすことができる。それに対して財政計画でどういうふうにこれに対処していくかという配慮がお話しのようになされておると思うのであります。今回の財政計画におきまして、いわゆる過密地帯、過密都市を中心としての地方公共団体に対しましてはその行政需要を数字的にあらわすことができる。そのために、財政計画におきまして、ただいまお話がございましたように的確に対処できる。それでもなおかつ地域の要望に対しましては、実態からいいますと財源的に非常に困窮しておる、そのために私どもは、地方税の改正の際におきましても、地方税の自主財源の充実をはかれということにつきまして要求をし、また党の独自の改正法案も提出いたしたわけであります。 いずれにいたしましても、当面の問題は、ある程度まで数字的にあらわされたものを解消するということは、直ちに財政計画の中で裏打ちされるということは、行政需要は比較的数字的にあらわすことが可能であるということによるものだと思うのであります。しかし、そのことは、同時に、過密地帯におきましてもこういう流動する公共団体に対応するあり方がなされるべきであるという感じが私はするのでございます。ことに私ども自治省からいただきました「全国市町村の人口減少状況」を見ますと、急減をいたしておりますところと、将来ある程度まで立ち直れるかどうかという地帯もあるわけでございます。いずれにいたしましても、減少する市町村は、三千三百の市町村のうち、市におきましては減少団体は二百三十七というように、約半数が減少、その他は急増ということになっておりますけれども、町村におきましては、二千八百幾らのうち二千三百三十八という団体、まあ八〇%をこえる団体が人口減少地帯。人口が減少するということ自体は、それぞれ地域の住民の所得の向上が行なわれ、また住民の自治体としての体制を維持できるだけの行政を行ない得る体制であるならば支障がないと思います。いわば減少が生産基盤におきましても生活基盤におきましても自治体としての体制に大きな支障を来たすということになりますと、自治体としては非常に重大な段階になるかと思うのでありますが、いまの段階におきましては、お調べになりました地帯というものは、今後最も対処しなければならぬ団体でありまして、今後の趨勢によりまして、これらの八〇%以上の町村が同じような傾向をたどるのか、あるいは今後の施策で食いとめ得るのかということ、このことを重視して対処しなければならぬ、かように考えております。 過般の本会議におきます質問に対しましても、佐藤総理の答弁によりますと、過疎過密の対策は、新産都市あるいは工業制限地域等を設けましてこれに対処しておる。しかし、所期の効果はいまだ十分あがっていないが、その方針を踏襲してまいるという御答弁がございました。ある程度まで第二次産業の地方分散ということで新産都市を例にあげられ、また大都市における工業の制限地域というふうな御発言もありましたので、今後の方針として、いわば工場の分散ということによりまして人口の適正配置を考え、将来これに対処していこうというふうなお考えのように承ったわけであります。現実問題といたしまして、私はこの工場の分散ということは、当時も申し上げたのでありますが、いまの経済政策を変更しない限りは、この問題の解決には役に立たないという意味の御質問も申し上げたのでありますが、経済政策をどう転換するかという確たる御回答もいただけないわけであります。いずれにいたしましても、町村における過疎現象、これが社会的減ばかりでなくて自然的な人口の減というような事態になりますと、地方自治体としては将来成り立たないような大きな不安を感ずるわけです。したがって、いただいております、またただいまいただきました御説明でも、過密地帯と過疎地帯に対する財政的裏づけは的確に出ていないような印象を受けるわけであります。 これは基本方針でございますので、大臣にお伺いしたいのでありますが、いまの過疎地帯に対する今後の動向をどういうふうにお考えになっておるか。さらには、その動向に対して、財政計画ばかりでこの問題を解決するというわけにはいかぬと思いますけれども、補助金あるいは起債あるいは大きな山村地帯における産業政策というふうに、政府全体の問題であろうかと思うのであります。政府全体の問題ではありますが、私は、いわゆる過疎地帯の産業政策というものは、今度の新全国総合開発計画におきましても希望の持てるような作業が進んでいないという印象を受けるわけであります。また、農政の面におきましても、総合農政はどういうふうに重点を置いておるかということがはっきりいたしておらぬわけであります。当面この過密地帯の問題は、本年は財政計画の上でいわゆる交付税の配分の上において、率におきましては相当の増額を見ておるわけであります。過疎地帯に対しては今後どういうふうにお考えになっておるか。過密地帯のように的確な御判断のもとにこの財政計画あるいは交付税の配分で措置されるおつもりなのか、その動向並びにこれの対策につきまして、大臣からお聞かせ願いたいと思います。
○野田国務大臣 いま御指摘になりました過疎過密地帯の対策でございます。これは私は御意見を拝聴いたしておりましたが、ただ交付税の関係とか、起債の問題でありますとか、これだけで解決するものではないと私は思っております。いまの御意見にもありましたとおり、産業政策をどうするか、そこで新産都市のお話も出ましたが、たとえばこれと前後して関東においては特に首都圏の問題とか、また中部圏、近畿圏とか、各地域の経済問題、産業問題というものがことさらに起こっておりますのは、基本的にはやはり全体的の日本の産業政策、経済政策というものが地域的に偏向しているというのが前提でございます。したがって、これらの計画というものは、もともと過疎過密を目標として産業政策、経済政策を立てようというのが大体政府の計画であったのであります。しかし、実際なかなか計画どおり遂行していないことも、先ほど総理からお答えがあったとのお話でございますが、そのとおりでございまして、私どもも痛感いたしております。今度の新全国総合開発計画というものも、これらのあらゆる計画をもう一ぺん洗い直して、そういう過密過疎の現象が漸次著しく進んでまいっておりまするから、したがってこれらについての新しい経済産業計画を立て直さなければいかぬというので、現に政府でそういう企画をいたしておるのでございます。 そこで、過密都市対策の財政上の措置ということは先ほど御説明申し上げておりますが、私どものやりますことは、その計画はけっこうでございますが、その計画が、たとえば十年、二十年という計画の総合性はわれわれ認めますが、今日いわゆる地域住民の現実の生活につながるものでございますから、この総合的な計画をもちろんわれわれの心がまえの中にも入れておりますが、現実あらわれた今日の現象的な事態というものを深く認識してこの対策をとる。それにはいまお答えいたしましたとおり、過密地帯に対する財政措置はこうだ、たとえばあと三カ年に五千億という金をどうするか。私どものほうでは三千億という計画をこれにマッチするようにやっていく。過疎地帯に対しましても、先ほどお答え申しましたとおり、その過疎現象に対応して、いろいろ生活圏の問題とか、道路の問題もあります、教育の問題もございますし、あるいはあらゆる社会環境の問題もございますので、いろいろとそれに対応してやるべきことをやっておりますが、これは率直に申し上げますと、この過疎過密の状態というものは、漸次内容が非常に複雑になってまいりまして、この対策もなかなか困難だと思います。しかし、一応の見通しをつけましてやりたいというので、いま調査をいたしました結果を御報告したのでございますが、現時点におきましては、この調査を基礎といたしまして、そうしてできるだけこれに対しての対処方法を講ずるということにいたしております。 将来においてどうするかということになりますと、やはりこれはひとり自治省だけの対策ではとうてい根本的な対策とならない。これは政府全体が考えませんといけない。そこでそういう総合計画が出てくるのでございますが、しかし、いずれにいたしましても、自治省といたしましては、この現状を現実的に対処して、その対処方策をやって地域住民の方の生活を守っていくということでございます。 そこで、この問題を掘り下げてまいりまして、日本の全体を見て、過密都市と過疎地帯の将来の推移と申しますか、そういうものを的確につかむことがききるかということもありますが、これは、いま申しましたように、政府全体の対策を立てなくてはならぬことでございますが、自治省といたしましては——一番実態を把握しているのはやはり自治省でございますから、そこで、これらについていま申しましたような財政計画を立てておるのでございまして、山本さんの御指摘のことに対して、私が、いやそれはだいじょうぶだ、心配要りませんというお答えができないのは非常に遺憾に思っております。しかし、できるだけの措置をしたい、そうして常に実態の調査をして、現状を把握してこれに対処していきたい、こういう心がまえを持っております。
○山本(弥)委員 どうも御期待申し上げたような御回答をいただけないのですけれども、過密地帯はただいま明確に、行政需要に対応して三カ年計画でこの状況を解消するということを地方財政計画で考えてまいる、本年度はその初年度である、措置をしたという御回答を事務当局からいただいたわけです。過疎地帯に対しましても、先ほどのお話を聞きましてもそういった財政計画の面からの的確な御回答をいただいていないわけなんです。現状のままにほっておけば、いわば八割の減少地帯の公共団体が、生活の向上もなくて、御調査をなさいました七十二町村と同じような運命をたどるのをどう配慮していくということが重要ではないか。そのためには、過密地帯の対策のような、そこまでいかないまでも、ある程度の、本年度を初年度とするような、過密地帯と同じような御配慮を今回の財政計画においてなさっておられるかということをお聞きいたしたいのです。
○細郷政府委員 過密並びに過疎地帯について調査をいたしまして、その結果を今度の財政計画に反映させたわけであります。もちろん、過密の問題にいたしましても、過疎の問題にいたしましても、社会経済全般の各般からの施策に取り組んでいかないと、なかなかむずかしい問題だろうと思います。私どもは、かねて申し上げておりますように、人口の集中を防止して、分散をしていきたい、そのために地方の都市、町村を圏域的に育てていきたい、こういう考え方で私どもの国土の将来の見通しというものを持とう、こういたしております。 この点につきましては、政府の中でもいろいろ調整を要する点が残っております。したがいまして、そういった各般の施策の見通しの上に立っての対策が必要であろうと思うのであります。しかし、現実には、御承知のように、あまりにも急激に進んでおります過疎地帯に対しまして、それの万全の対策を待っていたのでは、非常に時間がかかってしまうというところから、私ども調査をいたしました結果を参考にして、今年は、ある意味では非常に思い切った財源措置を実はいたしたつもりでございまして、数字その他はすでに申し上げたとおりでございます。 過疎地帯におきますわれわれの考えております措置は、その地帯の人口に、一人当たりにいたしてみますと実は七千円くらいの措置をいたしております。過密のほうは、いろいろと人口密度の問題もございますものですから、三千円足らずというようなことでございます。こういった面では、私どもとしては、もちろん全般的な施策を必要と思いまするけれども、本年度の措置においては、実態調査を反映させてやってまいっておるわけでございます。 もちろん、過疎と申しましても、いろいろな種類の過疎がございまして、一がいに人口が減るというだけでなくして、そこに経済その他の立地条件が整いそうなところもあれば、どうにも整わぬというところもございますものですから、そういう点については、私どももなおよく勉強をさしていただきまして、今後いろいろと手当てをしてまいりたい、かように考えております。
○山本(弥)委員 もう一点だけ大臣にお聞きしたいと思うのでありますが、産業政策の点はともかくといたしましても、具体的に、いまの経済成長によりましての若年労働者の集中ということが——今日の過疎現象にいろいろな要因があるにしても、そこが大きな要因をなしていると私は思うのであります。将来の国の方策として、経済成長をどの程度まで認めるかということによりまして、過疎地帯の生産基盤、あるいは生活基盤の整備がある程度までできる、こういうふうに考えるわけであります。農業人口がある程度まで減少するということは、これは当然私ども予想しておるわけであります。しかし、国の政策の経済成長率を幾らに見ていくか、これを推進するのか、それを自治体の側に立ってある程度まで——福田大蔵大臣は安定成長と言っておられますが、過般いろいろ論議になりましたように、一〇%の成長率を今後見るといえば相当の成長率である。労務者の確保に企業が狂奔することによって過疎地帯の荒廃というものが促進されるのではないか。いわば対策ができないうちに、財政的な、あるいは自治省としてお考えになっております全国の公共団体の格差があっても、ある程度まで生活基盤も整備されて、そこに自治体としても成り立つような体制をお考えになるとするならば、自治大臣は、国務大臣としての立場において、地方自治体のあり方というものに対して十分御努力を願わなければならぬ。それをいたしませんと、この見通しというものは狂ってくる。しかも、先ほど私が質問いたしましたとおり、過密地帯は、数字的に三カ年と打ち出せるわけですね。過疎地帯は、何らの目標なしに、いわば国としての方針もない。自治省の方針もなしに、細郷さんの言われたように、過密地帯は一人当たり三千円で、過疎地帯は七千円というように、相当めんどうを見ているということだけでは、これはものごとの解決にはならない。今日もうすでに、過密対策はどうあるべきか、過疎対策はどうあるべきかということを、財政的にも自治省は打ち出していなければならないというふうに私は考えるわけであります。これに対して自治大臣、どういうふうにお考えになっておりますか。
○野田国務大臣 過疎対策に対する財政措置は先ほどお答えしたとおりでございまして、もとよりこれは、単なる現在の情勢に応じた財政措置だけで将来の過疎地帯が解決するかというと、率直に言って、先ほど私が申しましたとおり、なかなか困難だと思っております。そこで、過疎地帯がこういうふうに人口の急減をする場合に、自治体そのものの行政の運営ができるかということも重大なことだと思っております。そこで、これは財政上だけではなくて、行政上から申しまして、広域行政その他のいろいろな対案も考えてまいらなければなりませんし、それから、産業政策としても、地域的な産業の推進と申しますか、開発もございましょうが、財政処置とこういうものとやはり一体となった過疎地帯の対策というものを考えなくてはならぬと私は思っております。 そこで、いまお話しのありましたとおり、ことに農業人口の問題、若年労働者の地域的な集中している現状。過疎地帯というものが漸次そういう環境に置かれているだけに、将来の過疎対策というものは、ひとり自治省だけの問題ではなくて、総合的な国家の一つの施策がなければならぬということは先ほども申し上げたのであります。しかし、地域住民の生活をどうして守っていくかということは、これは私どもとしての一番大事な責任でございますから、これらにつきましては、現在の財政措置が満足すべきものとは思っておりません。また、情勢によりましては、現在の財政計画というものが不動なものと考えるわけでもありませんので、これに対しては、事態によって適当な臨時の措置も講ずべし。また、その内容によりましては、これはひとり自治省だけではなくて、他の省とも連絡いたしましてその対策も考えたい。今後の過疎地帯対策というものは、これはいわゆる行政面ばかりではなくて、そういう地帯の生活圏、地域住民の生活圏という大好な課題が残されておりまして、私どもは、御指摘のとおり、よくお話しのことはよくわかります。 そこで、先ほど財政局長も申しましたとおり、今後勉強するということばを使いましたが、勉強するというのは、その時期に応じて実態の把握に非常な力を傾ける。過密地帯対策以上にこれはいま残された大きな問題だということをわれわれも痛感いたしておりますから、この過密過疎地帯対策はともに大きな問題でございますが、特に過疎地帯の問題というものは、今後のわれわれの任務といたしましてただ一片の財政計画をしたからそれでけっこうだ、成り行きを見ていこうという安易な気持ちでなくて、絶えずこれらにつきまして精密な調査、それから実態の把握、これに対応する対策というものを私どもとしては常に心がけてやりたいと思います。 しかし、私が最初申しましたとおり、いまのままでは過疎対策というものは、簡単に、だいじょうぶだ、私どもがだいじょうぶやりますということを言えないのは非常に遺憾に思っておりますが、それが現状でございます。しかし、それならそれなりに私どもが力を注いでいくのは当然でございますから、できるだけこれに対する努力を重ねる、こう考えております。
○山本(弥)委員 二〇%以上減少地帯七十二町村を御調査になったわけでありますが、ただいまの自治大臣のお話ですと、今後精密な調査を拡大していくというお話でございます。二千八百幾つの全体というわけにもいかぬでしょうけれども、逐次二〇%から減少率の少ない町村へ御調査を進めていかれるわけですね。
○野田国務大臣 そうです。
○山本(弥)委員 本年度はどのくらいの実態調査をなさいますか。
○細郷政府委員 昨年はいま申し上げたようなことで抽出的な調査をいたしました。抽出的な調査をいたしました結果、財政的な問題として先ほど申し上げたような結果が出てまいりましたので、それに対する手を打ってまいる、こういう行き方をとっております。 ただ、過疎地帯の問題につきましては、先ほどもちょっと申し上げましたように、財政だけの問題というよりは、それぞれの地域をどういうふうに育て上げたらいいのかという将来図というものが要るのだろうと思います。そのために、私どもとしては広域市町村圏といったような構想のもとに、実は本年度、四十四年度にその計画策定をするようにということを別途国の予算も得てやろうとしておるわけであります。したがいまして、そういった結果を見まして、私どもはどういう地帯にはどういう手を打ったらいいのかという結果に基づいた対策をとってまいりたい、かように考えております。
○山本(弥)委員 そういたしますと、すでに予算化されております市町村圏という構想のもとにとらえておる予算、これを本年度から実施していこうということでございますね。ただし、これは全国で五十数カ所でございましたか、いわゆる各県モデル的に一カ所くらいを選ぶということになるのではございませんか。
○細郷政府委員 今年は五十カ所くらいを選んでその計画をつくってもらおう、こういう考えでございます。ただ、各県といたしましても、県の中である地域一カ所だけを抜き出しての計画というのは実際問題としてなかなかむずかしいので、やはり将来の県内の姿を見ながら、そのうちの一つについての計画をつくっていく、こういう形になろうかと思います。したがいまして、そういう結果も十分参酌してまいりたい、こう思っております。
○太田委員 あす財政局長いらっしゃらないようであるし、あすの朝私が質問をする場合の前段の心がまえとしてあなたの見解を一つ二つ聞いておきたいことがあるので、関連でお許しをいただきたいと思います。 それで大臣、あなたから最初ちょっと感想を聞きますが、都道府県、市町村等が予算を編成します場合には、四月の前に編成しなければならぬと書いてあるでしょう。そうすると、そういう場合に地方公共団体の収入は、財政法によりますと、「適実且つ厳正に、これを確保しなければならない。」と第四条にあるわけです。したがって、いまわれわれが審議しております交付税、この中で六百九十億を控えてしまったのですが、こういうことは地方公共団体ではわからないわけですね。これでどうして予算編成が地方財政法ないしは地方自治法の精神どおりにやれますか。これはやれないことになるような気がするのですね。この特例法で六百九十億控えるということが成立しそうだということを、地方自治団体はどこか東京へ来て調査して、どうも六百九十億取られそうだとしたならば、取られそうだという予想のもとに、交付税は減るものなりという想定をして予算を組むということになるのですか。
○細郷政府委員 今年度六百九十億を当初予算から減額繰り延べをいたしました。しかし、いまここで御審議をいただいております法案によりまして、四十三年度からの繰り越しということも考えておるわけでございます。そういった点を基礎にいたしまして、地方団体が確実な収入見通しを得ようという場合に必要なことは、御承知のように自分の税収をしっかりつかむ、同時に、交付税収入もつかむということでございますが、その際、御承知のようにいわゆる交付税算定に使っております基準財政需要額というのをどういうふうに見込んでいくかということによって、財源の道をつかまえていくわけでございます。財政需要額がどの程度に明年なるであろうかということにつきましては、すでに資料でも御提出申し上げておりますように、府県について申しますれば一七%、市町村について申しますれば二二%程度の需要を見込んだもとで財源を見ていくように、こういうことを実は申しておりますものですから、そういったような点について、それぞれの地方団体で財源見通しを得るべく努力をしておる、かように考えております。
○太田委員 六百九十億を差っ引いてしまうのでしょう。あなたのおっしゃるように、地方公共団体が予算を編成する場合に、何か非公式な文書の何%というのを使って、補正をして、そしておよその大ざっぱな予算をつくっていくということは、議会に対してはなはだ無責任な話だと思うのですね。ですから、常に暫定予算を組むべきだという前提のもとにあなたのほうは地方自治団体を指導していらっしゃる。そういうものを昨年もやった。ことしも特例法で控えたわけですね。控える場合にはどうせ暫定予算を組まなければならぬ、だから暫定予算を組むという前提のもとに予算編成をしなさい、地方団体に対する指導の基本理念はこういうことでございますか。
○細郷政府委員 暫定予算を組めとか、予算の形式についての指導は一切いたしておりません。個個の団体におきまして、年度当初に年間の見通しを立てて年間の予算を組むところもございましょうし、あるいはそこの団体の財政運営の方針によって一部を組んで補正に回すということもあるわけでございます。こういうことは毎年のことでございますので、先生もすでに御承知のことかと思いますが、一般財源のほかに公共事業といったような財政上相当のウエートを占めている事業の個別の個所づけにつきましても、今後きまるものもございますから、そういったようなものをあわせて、財政運営をやっていく、こういうことだろうと思います。
○太田委員 私の言うのは、とにかく地方自治法の二百十一条には、「普通地方公共団体の長は、毎会計年度予算を調製し、年度開始前に、議会の議決を経なければならない。」とあるのですよ。そういうことでしょう。それから、二百十八条で、補正予算の場合には「既定の予算に追加その他の変更を加える必要が生じたときは、補正予算を調製し、これを議会に提出することができる。」、これはあくまでしなければならないのでなくて、できる。その二つの条文から見まして、あなたのほうは六百九十億を控えるということをそう簡単に言い出せるものじゃないでしょう。六百九十億を控えるということは、私の言うのは地方財政法に違反しているという気がするのです。交付税そのものはあとで恣意的に変更するなんということもおかしいと思いますけれども、地方自治法、地方財政法を厳正に執行しようとすると、六百九十億を控えるということは困ることが起こりませんか。各関係条文が骨抜きになりませんか。
○細郷政府委員 国の当初予算で六百九十億の減額繰り延べが行なわれております。しかし、逆に国の補正予算におきまして七百三十六億の交付税交付金の予算が成立をいたしました。それに基づきまして特別会計にその額がすでに繰り入れになっておるわけであります。その繰り入れになっております額のうち、ここで御提案申し上げております六百八十四億については繰り越しをすることによって新年度の交付金として交付ができるように、こういうことをお願いしておるわけです。
○太田委員 局長、地方財政法第四条でも、地方公共団体の収入は厳正に確保しなければならないとしてある。それを、いまこれは通るか通らないかわからないのですね、この地方交付税法も否決されるかもしれない。公務員法なんという変なものを持ち出してこれを否決しようという動きもあるくらいですから、否決されたらたいへんなことになる。厳正に確保しなければならないという第四条の規定から申しましても、特例措置というものはいささか問題じゃないか。やむを得ない便法であると考えていらっしゃるのか。これは堂々たる措置であると考えていらっしゃるのか。実際これは困ったことだけれどもやむを得ないのだ、やむを得ないから無理してこういう特例措置を講じようと考えている、こういうことでありますか。
○細郷政府委員 本年度の六百九十億減額につきましては、すでに先般の委員会でも御説明申し上げましたように、四十三年度におきます交付税の自然増収額を引き当てにして年度間調整をはかりながら四十四年度の地方財政運営に支障のないようにしよう、こういう考え方で行なっておるものでございます。その内容といたしますものがいま御審議をいただいておる法案であるわけでございます。十分御審議をいただかなければならないと思うのでございますが、私どもとしましては、やはり地方交付税収入の増減、特にその自然増収の大小ということにつきましては、実はここ数年いろいろな経験をしてきたわけでございまして、景気に左右されて自然増収がろくすっぽないという時期もございました。多少恵まれてきた時代もあるわけでございます。そういったような年度間の景気によります交付税の自然増収の大小というものと、地方財政におきます計画的な運営というものをどうマッチさせていくかというところが、実は私どもはこれからの課題ではなかろうかというふうに考えておるのでございまして、そういう意味合いにおきまして、この法案の御審議をお願い申し上げておるわけでございます。
○太田委員 私は、別に六百九十億というものが翌年度に繰り越された、いわば国に貸したから、本年度の交付税の総額において暫定予算の繰り入れがあったという想定のもとならば、総体的な金額において大きな変更がないということだけはわかりますよ。わかりますが、交付税法なり地方財政法なりで、あなたのほうは景気の好不況というのを基礎にして判断をして、将来の地方財政計画というものを策定することが必要である、そのために長期の展望に立って年度間調整をしなければならぬという規定、根拠がどこかにあるのですか。
○細郷政府委員 地方財政法におきましては、各地方団体において年度間の調整をするということについて特別に明示の規定があるわけでございます。全体についてどういうふうにやるかということについてはただいまはございません。しかし、先般も申し上げましたように、過去におきしてまも、配付税時代においても年度間の調整ということについては特に法律の規定を設けてそういう道を開いておったわけでございます。私ども、その後におきまして、年度間調整はもっぱら地方団体のそれぞれの手によってという考え方でいってまいったわけでございますが、先ほど申し上げましたように、ここ数年の実際のわれわれの経験からいたしまして、それを全部個々の団体にまかせるのがいいのか、あるいはある程度のことは全体としてやっていくのがいいのか、それらについては、私は十分研究に値する問題だろうと思っております、そういう意味合いにおきまして、今回年度間調整について今後なお検討していきたいという考え方を申し上げておるわけでございます。
○太田委員 そうすると、三千三百有余の団体から委任状でもとってあるのですか。委任状がとってあるという、こういう受け取り方でもよろしいですか。 〔「かってに大臣同士で覚書はできないよ」と呼ぶ者あり〕
○細郷政府委員 大臣同士の覚書は、これは政府の中におきます約束事といいますか、これだけですべての問題が片づくということではございません。したがいまして、今回六百九十億を減額し、四十三年度から六百八十四億を繰り越すについては、こうしてここに法律案として御審議をいただいておるわけでございます。
○太田委員 いささか違った意見になりましたが、これは局長にはっきりした御答弁をいただきたいことなんです。ですから、明日大臣御出席になる前に、きょうは時間もないし、皆さんも家路に急いでいらっしゃるようでありますから私はこれでやめておきますが、大臣としての正確なお答えを明日いただきたいと思います。よろしゅうございますね。——大臣、預けておきますが、よろしゅうございますね。
○山本(弥)委員 もう一つ確認しておきたいと思うのですが、過疎対策について本年度の財政計画に計上した数字というものはどの程度のねらいでこれを配慮してあるかということ。過密地帯のほうは三カ年計画で解消する、過疎地帯のほうは、配慮した金額はどの程度過疎地帯を考えていくかということの一つのねらいですね、その基礎的な考え方、それをひとつ簡単でけっこうですから……。内容は明日お伺いしたいと思いますので、これだけの金額を計上したねらい、これはどういうふうな今後の財政計画としての考え方に立っておるのか、それをお聞かせ願いたいと思います。
○細郷政府委員 過疎対策につきましては、先ほども申し上げましたように、一口に過疎といっても実はいろいろな形態の過疎状況があるわけでございます。過密の場合のごとく、投資的事業がおくれておるということがはっきりするものと多少そこにニュアンスが違うわけでございます。過疎対策については、その町をどういうふうに発展させていくかといった、将来への展望といったようなものがそれぞれの地域ごとにあってしかるべきである。そういう意味から、過疎対策としましては、財政面におきましても、先ほど申し上げたような広域市町村圏の計画といったようなものを見た上で具体的には立ててまいりたいと思うわけでございます。 そこで、本年度とっておりますのは、そういう意味合いから、過密の場合のごとくに、三年間で大体おくれを取り戻せるといったような目標は非常に立てにくいものでございますから、調査をいたしました際に、先ほども御報告申し上げておりますように、どういう事業で問題があるのか、たとえば学校について申しますれば、統合に伴う経費についてどうなっておるのか、あるいは農山村の振興事業についてどうなのか、あるいは道路についてどうなのかといったような調査をいたしました事項の中身を見まして、それに応じてそれぞれの措置を実はいたしたわけでございます。全体としてそういう考え方で、先ほど申し上げたような九百何億という数字を出したわけでございます。 なお、お尋ねのような、基本的に過疎地帯を将来どう振興させるかということになってまいりますれば、やはりそれぞれの広域市町村圏の計画等を基礎に考えていかなければならない、かように思っております。
○山本(弥)委員 そういたしますと、従来の市町村の実態調査の上に立って、とりあえず行政水準の低下を防止するという当面の措置をとった、将来の過疎対策というものは、今後の市町村圏を中心とする調査並びにそれぞれの地域の将来のビジョンというものを確定した暁に、将来の計画と見合う地方財政の裏打ちを進めていく、当面はとりあえず行政水準の低下を調査の結果に基づいて防止するという考え方に立って措置した、こういうふうに了承してよろしゅうございましょうか。
○細郷政府委員 人口急減によります低下部分の穴埋めについては、もちろんそれを考えております。それについては、しかしいままでも実は毎年順次やってまいったわけでございますが、今回さらにその分のほかに、進んで農業行政費の強化をするといったようなことも考えておりますし、道路の改修の強化をするといったような積極面も入れておるわけでございます。すべてが行き当たりばったりといったような考えではございませんで、着々進行させておるつもりでございます。
○山本(弥)委員 お約束の時間もまいりましたので、事務的な細部にわたる点は明日に譲りまして、これで打ち切ります。
○鹿野委員長 次回は明十一日午前十時から理事会、十時三十分から委員会を開会することとし、本日はこれにて散会いたします。 午後六時二十三分散会