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61回国会衆議院1969/03/06

地方行政委員会 第9号

発言数
106
登壇者
14
会派数
3
開催日
1969/03/06

会議録

鹿野彦吉自由民主党

○鹿野委員長 これより会議を開きます。  奄美群島振興特別措置法の一部を改正する法律案を議題といたします。  発言の申し出がありますので、この際これを許します。本江調査官。

本江滋二自治大臣官房調査官

○本江説明員 お手元に配付いたしております資料によりまして、簡単に御説明申し上げたいと思います。  第一ページは、先般御質問がございました生活保護の状況でございまして、三十八年から四十二年差での推移を書いております。四十二年をとってみますと、全国が千人について一五・二人に対しまして、鹿児島県が二九・三人、これに対しまして奄美は六五・四〇という数字でございます。参考のために、鹿児島県内の離島をとってみますと、大体離島は高いようでございまして、新島に至りましては四七六という数字に相なっております。  それから二番目の農業所得の状況でございますが、三十八年から四十一年までを鹿児島県と奄美群島と全国とをとっております。これは農家所得を農業戸数で割ったものでございまして、したがいまして農業所得以外の所得は入っておらぬわけでございます。これで見ますると、四十一年でこういう数字になっておるわけでございます。  次は、市町村税収入の状況でございまして、昭和四十二年度では歳入中の税収の割合が七・八%。市町村別は以下に書いてあるとおりでございます。  三ページでございますが、これは復興いたしました直後の昭和二十九年から三十三年までの復興前期五カ年計画の閣議決定。それからその中身が八ページ以下に書いてあるわけでございまして、一番左のA欄が復興計画、それからまん中が復興実績の実績でございまして、その一番右の欄が比較増減ということになっておりまして、一番最後、つまり九ページの合計を見ていただきますと、全体の実績と計画の差がここへ出てまいるような計数になっております。  それから十ページは、前期五カ年計画を十カ年に延長いたしましたときの昭和三十三年の決定の考え方を十ページ以下に書いております。そういたしまして、十五ページで事業別内訳を書いておるわけでございまして、これは先ほど申しました二十九年から三十三年差での前期五カ年を含んだ全体の十カ年の計画と実績とその対比という数字に相なっておるわけでございます。これが二十二ページまで続いておるわけでございます。  それから二十三ページへまいりますると、これは昭和三十三年から四十三年の復興時代に入るわけでありまして、今年度をもって終了いたしまする復興の五カ年計画でございます。考え方が二十三ページ以下に書いております。そういたしまして、その中身は二十七ページ以下に書いてあるわけでございまして、その総計の数字が二十八ページで、計画数字では事業費が百七十九億、それから実績見込みが百八十億ということに相なっております。事業別内訳が二十九ページ以下にその明細を書いてあるわけでございます。  それから三十五ページは、補助率の比較でございまして、現在の振興の前期五カ年におきまする補助率が、現行奄美振興というのはその補助率でございまして、「改訂計画」と申しまするのが、四十四年から考えております改定計画の補助率でございます。右と左と比較していただけばその相違がわかることに相なっております。  それから、四十ページ以下が昭和四十四年度から四十八年度分にかかる奄美振興の改定計画の中身でございます。これは事業費、国庫、それから構成比というふうに分けております。融資の関係の、起債とか融資とか自己財源というものを書いておりませんのは、まだ審議会の議を経ておりませんので、その関係がまだ必ずしも明白でございませんから、大蔵省との関係できまりました国庫と振興事業費における関係を書いておるわけでございます。  次のページでございますが、(2)、これは資料が大きかったものですから継ぎはぎしたものですからこういうことになっておりますが、(2)と書いてあるところでございます。これが四十四年から始まります五カ年のおもな事業の中身を書いておるわけでございます。これはごらんいただけばわかりまするように、産業の振興ということに重点を置いて事業を考えておるつもりでございます。それが一番最後まで続くわけでございまして、簡単でございますが、資料の要領と申しまするか、これで終わらしていただきます。

鹿野彦吉自由民主党

○鹿野委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。山本弥之助君。

山本弥之助日本社会党

○山本(弥)委員 奄美群島の振興特別措置法の存続期間を五カ年間延長して、振興十カ年計画といたしまして、後期の五カ年間で奄美群島の経済の自立的発展の基礎を確立し、群島民の福祉の向上を期するということがこの法案の内容であると思うのでありますが、前期の五カ年、いままでの振興五カ年計画の基本方針というものは後期におきましても変わらないわけですが、まずその点をお尋ねいたしたいと思います。

長野士郎自治省行政局長

○長野政府委員 後期の五カ年を延長いたします関係もございまして、後期の五カ年におきましては、前期の五カ年もそうでございますけれども、産業振興に特に重点を加えまして、産業基盤の整備、それから産業の合理化のための資金の融資の拡大、共同施設利用等の近代化の設備のための助成、こういうことを重点にいたしたいと考えております。

山本弥之助日本社会党

○山本(弥)委員 私は基本方針の問題をお聞きしたのでありますが、振興計画の樹立をせられましたときの基本方針として、主要産業の育成、振興を重点として群島の経済的自立を促進し、住民生活の安定及び福祉の向上をはかるため振興計画を策定し、これに基づく事業を実施してまいるということが第一点であります。その結果、住民の生活水準を鹿児島県の水準に近づけるということを目標にする、さらに群島経済の自力発展に必要な産業資金の円滑な融資をはかるというこの方針は変わっていないわけですね。

砂田重民自由民主党自治政務次官

○砂田政府委員 その基本的な方針には変更ございません。

山本弥之助日本社会党

○山本(弥)委員 二十九年から十年間の復興計画を立てられ、さらに戦前の水準まで引き上げるという復興の目的が達成されたということはまことに御同慶だと思っております。それから引き続きまして五年間の復興計画を樹立せられまして、いまの方針の、鹿児島県と同じような生活水準に近づけるということで努力をせられてまいったと思うのでありますが、さらにその方針を踏襲せられまして、後期の五年間で鹿児島県と同じ水準にする、そして奄美群島の経済が自立をするという努力をせられるものだと思うのであります。いわば十五年間高額な助成をし奄美群島の復興をはかってこられた、その実績もまた相当あがっておるということは、現地を見ておりませんけれども、手元にいただきました資料その他で十分了解ができるのでありますが、それにいたしましても、将来の五年間である程度まで所期の目的に到達させるということになりますと、わが国全体の経済も向上いたしておりますし、全国的に水準の低い鹿児島県の水準に近づけるということも、これまた重要な問題であろうと思います。鹿児島県自身もやはり全国経済と同じようにその水準は向上してまいるわけであります。先般の質問で山口委員からお話がございましたとおり、奄美群島の水準は、こういう過去十五年間の努力にもかかわらず、全国に比較いたしますと依然として五〇%以下という、いわば相対的比率はそのまま残しながらきておるわけでありまして、今後五年間で奄美群島を、全国水準が伸び、あるいは鹿児島県全体の水準が伸びる中で、これに近づけるということは、これは奄美群島にとりましては重要な問題であり、また将来、いわば後期五年間にぜひともこれは達成しなければならぬ重要な問題だ、かように考えております。  そこで、十五年間の努力の成果といいますか、その上に立って今後五年間にそういった問題を解決づけるということにつきましては、過去におやりになった各振興計画に基づき具体的に実施した事業の実績、あるいは経済効果の上に立って今後の五年間を、基本方針は変わらないまでも、事業の実施につきましてはやはり十分検討をし、その上に立って事業を進めていかなければならぬ、かように考えるわけでありますが、この具体的な事業の配分とか、新しく経済効果あるいは実績に基づく再検討の結果、手元にいただきました資料では大体三八%ぐらいの伸びで事業をおやりになることになっておりますが、その反省の結果といいますか、どういうふうに後期の振興計画を進めていったらいいかということにつきまして、お考えがございましたらお聞かせ願いたいと思います。

砂田重民自由民主党自治政務次官

○砂田政府委員 奄美が復帰いたしましてから十五年間復興事業、振興事業をやってまいったわけでございますが、全く蓄積がなかったといってもいい奄美の環境の中からスタートしたわけでございます。お手元の資料でもおわかりいただきますように、十五年間の復興計画、振興計画で産業振興そのものに直接的な仕事もしてまいりましたけれども、この十五年間は、どちらかといえば、重点を置いてまいりましたのが産業基盤の整備と申しますか、港湾なり、道路なり、あるいは空港なり、そういうものが全くなかった。内地からの船が直接接岸できるような岸壁一つなかったというところでございましたので、そういう産業基盤の整備につとめてまいり、お手元の資料でもおわかりのとおりに、こういった産業基盤の整備が相当程度進んでまいりましたので、これからの五年間というものは産業振興そのものに直接的な効果をもたらせる仕事のほうにより重点を置いてやってまいります。したがいまして、産業基盤の整備がある程度できた上に立ってのこれからの五年間でございますから、私どもが目標にしております奄美経済の自立、これは相当大きな効果がこの五年間では、産業自立という点からは、過去の十五年間のスピードではなくて、これからの五年間のスピードというものは相当なスピードでいけるもの、こういう確信を持っております。過去十五年間やってまいりましたので、奄美の島民の皆さんの経済自立意識というものもたいへん高まってまいってきております。両々相まってやってまいりましたならば、相当大きな効果をあげられる、かように考えております。  数字につきましてはまた事務当局から……。

山本弥之助日本社会党

○山本(弥)委員 ただいま政務次官がお話しになりましたとおり、基盤的な問題、たとえば漁港の整備あるいは空港、教育施設その他につきましては、確かに実績を見ましても相当進んでおるように思うのであります。問題は、最も重点を置いておる経済の自立ということから言いますと産業振興の問題だと思うのでありますが、この産業振興の問題につきまして大きな柱というのは、いわゆるサトウキビの栽培面積をふやしていく、それと大島つむぎの復興ということに重点が置かれておると思うのでありますが、いかがでありますか。

砂田重民自由民主党自治政務次官

○砂田政府委員 これまでも、いま先生御指摘のキビ、大島つむぎを重点でやってまいりました。これはこれからも欠かせない二つの産業であろうと思うのでありますが、気候的に向いているはずの畜産が、もっと伸びるはずだというふうに考えております。そういう新しい重点もこれからは加えていきたい、かように考えております。

山本弥之助日本社会党

○山本(弥)委員 耕地面積の大部分を占めておりますサトウキビの問題でありますが、今回の資料にも載っておると思いますけれども、この前いただきました資料で見ますと、確かに耕作面積は相当拡大になっておるように思うのであります。反当収入等につきましては、ほとんど横ばいというような状況であり、この点が、いままで畑地かんがいだとか、あるいは区画整理だとかその他について投じた効果というものが、収穫の面ではどうも十分あらわれていないという感じがいたすのでございますが、この点いかがでございましょうか。

長野士郎自治省行政局長

○長野政府委員 御指摘の点につきましては、キビの耕地面積はお話しのように非常にふえております。反当収量につきましても、私ども逐次上昇を見ておると考えておりますけれども、さらに、圃場の整備あるいはかんがい用水の施設の促進、またキビ苗の改良、共同耕作、あるいはまた、省力のための機械化装置などを取り入れることによりまして、さらに反当収量を上げますと同時に、耕作面積、作付面積をふやしまして、計画の目標といたしておりますところの、現在四十二年度では六十四万トンでございますけれども、これを百万トン程度に持っていきたい、こう考えております。

山本弥之助日本社会党

○山本(弥)委員 この面積の拡大ということは、可能なわけですか。

長野士郎自治省行政局長

○長野政府委員 新しい開畑等も行ないまして、現在、農家経営の平均で申しますと、大体六反歩ちょっとになっておりますが、これを最終年次には平均九反歩程度のところまで持っていきたいというふうに考えております。

山本弥之助日本社会党

○山本(弥)委員 この面積の拡大の開畑の問題ですが、開畑に対しましては、基盤整備の意味からいくと相当高度の助成をしなければならぬのじゃないか、こう私考えておりますが、いままで開畑についての助成をいたしておったわけでございますか。

長野士郎自治省行政局長

○長野政府委員 圃場整備につきましては千五十五ヘクタール、農地造成五百六十ヘクタール、かんがい用水千二百二十ヘクタール等の計画をいたしておりますけれども、これらの中には国庫補助がありますものと、それから自立経営の育成ということで、基金等の融資をもって充てるというものも含まれております。

山本弥之助日本社会党

○山本(弥)委員 私、ちょっと聞き漏らしましたが、その開畑につきましては、融資で助成をしていくということで、補助金等はないわけでございますか。

長野士郎自治省行政局長

○長野政府委員 開畑そのものは融資をもって行ないたいと考えております。

山本弥之助日本社会党

○山本(弥)委員 そういうふうに、サトウキビの栽培が奄美群島の農業の大宗を占め、それに対しまして農業所得の向上をはかるというたてまえをとり、それに対して、現在まだ畑地もあるようでありますが、開畑を進めていくというふうな場合には、そういった基盤整備こそ、相当思い切った高額助成によって、将来ある一定の時点になった場合に、融資の償還によりましてその経営が危ぶまれるということのない、安定した農家に向上していくような体制をとるべきではないか、かように考えるわけでありますが、この点お聞かせ願いたいと思います。  かつて、終戦後の米の不足の場合に、岩手県等に各県から相当の入植が行なわれたわけであります。現在、相当の離農者が出てまいり、二十年間の苦労が水泡に帰し、しかも借金によって、その返済も容易ではないというふうな事態が出ておるわけでありますが、奄美群島の農業の大宗として、いわば経済の自立ができるということにおいては、このサトウキビの畑作奨励といいますか、これについて努力しなければならぬというふうに考えられるわけでありますが、開畑等につきましても、やはり融資だけではなくて、相当の補助金の対象にして、これを重点的に取り上げるということが必要ではないか、かように考えるわけでありますが、融資だけでは、折小野先生もすでに触れられましたように、奄美群島の将来の労働需給等に関連いたしまして、ある程度まで人口が定着し、奄美の農民が安定するということをこの振興計画の一つの眼目にしておる以上は、将来負債で農民が困るということのない、いわば開畑等につきましても、そこに定着させる十分な補助金の措置がおそらく必要になってくる、かように考えるわけでありますが、後期五カ年計画におきましては、そういう体制をとるべきではないかと私は考えますが、いかがでありましょうか。

長野士郎自治省行政局長

○長野政府委員 御説のような御意見も、一般的には確かにそのとおりだと思います。奄美の場合におきましては、キビのための開畑は、従来からも、農道のところまでは補助をつけておりまして、開畑自身は融資によって行なうという方式がいわば定着をしておりました。そうして、そのあとでまた土地改良その他で圃場整備をいたしましてやっていくというようなことの結果、今日まで非常に作付面積を拡大することができております。今後の状況に応じて、適切な方法として、また御指摘のようなことも考えなければならないかという点もあろうかと思いますが、現在までのところは、一応そういう方式によるやり方で大体進み得るという見込みを持っております。

山本弥之助日本社会党

○山本(弥)委員 現地を見ておりませんし、従来の奄美の復興の実態も十分存じておりませんので、一応了承いたすわけでありますが、私、岩手のかつての入植の状況その他から考えまして、将来の起債の償還に開畑をした農民が生活の向上を期し得ないという状態に追い込まないように、後期の五年間というのは、おそらくこの大宗であるサトウキビを中心として奄美の農民を安定させるということでなければならないと考えておりますので、その点、審議会等におきましても、現地あるいは鹿児島県の農政とも関連すると思うのでありますが、十分御検討を願いたいと考えます。  次に、ただいま政務次官からお話がございました肉牛の奨励でございますが、この点も過去の実績を見ますと、いわゆる和牛を飼育いたしておりました農家の戸数も相当減っておるわけでありますし、また、一戸当たりの飼養頭数にいたしましても、戦前の昭和十七年の一万五千頭というのが四十二年でも一万五千頭でございますし、まあ戸数が減少しておりますので一戸当たりの飼養頭数はふえているわけでございましょうが、ほとんど横ばいになっているというふうな状況であるわけでありますが、政務次官のお話のサトウキビといわゆる肉牛、これは将来の食糧事情の変化に対応いたしまして有望だと私は思っておるわけでありますが、その割合には実績が上がっていないのですけれども、将来この問題にどういうように対処されるのか、お聞かせ願いたいと思います。

砂田重民自由民主党自治政務次官

○砂田政府委員 山本先生御指摘のように、奄美の畜産というのは非常に有望なものだと思うのです。実はお手元の資料でもおわかりのように、農業所得が非常ににぶいカーブを描いて上がってまいりました。昭和三十八年、三十九年ごろに鹿児島県の農家所得と比べてみても、ああいう数字であった時分に非常に伸びてきたにかかわらず、牛の値が非常によかったときに一挙にみな売ってしまった。そんなふうなこともございまして、今日の数字が、どうも私どもがことしまでの振興計画を立てましたときに、計画立てをいたしました数字とちょっと事志と違ってきております。しかし、売ってしまった農家がやはりあとでしまったという気持ちを持ってまいりまして、多頭飼育農家がやっとここ一、二年だいぶふえてきた状態であります。そういうふうに農民の方々の意識が非常に高まってまいっておりますので、これからの五年間、私どもが計画をしておりますような補助と指導をしてまいりましたならば、相当大きな期待を持っていい産業である、こういうふうに考えております。

山本弥之助日本社会党

○山本(弥)委員 将来の計画におきましてどういうふうな助成をお考えになっておりましょうか。

長野士郎自治省行政局長

○長野政府委員 畜産関係につきましては、家畜導入関係といたしまして肉用牛の導入につきまして助成と融資をいたしたい。肉用牛四千八十頭、これは案でございますけれども、四千八十頭ぐらいのものを導入いたしてまいりたい。それから堆肥舎約千棟をつくりたい。それから肉用牛の増殖施設を市町村に設けてまいりたい。それから家畜の診療施設を十カ所ばかり整備をいたしたい。それから畜舎等につきましての融資をいたしまして、畜舎について九百棟ばかりを増設いたしたい。こういうようなことを考えております。

山本弥之助日本社会党

○山本(弥)委員 こういう肉牛の奨励等につきましては、やはり農林省等の基本的な計画のもとに計画的に遂行するということになるわけでございますか。

長野士郎自治省行政局長

○長野政府委員 これらの計画は、農林省の専門的な意見を中心にいたしまして計画を立てておるわけでありまして、また鹿児島県と農林省との間でも、これらの計画をベースに乗せるための具体的な細目の打ち合わせもさせておるわけであります。また、肉用牛につきましては、最近そういう意味で畜舎の要求も非常に強うございまして、この目標も大体達成されるものというふうに考えております。

山本弥之助日本社会党

○山本(弥)委員 こまかくなりますけれども、鹿児島県における肉牛の奨励というようなことと関連いたしまして、奄美群島というのは肉牛の将来の主産地といいますか、そういうところからいくとどういう地位を占めるわけでありますか。

長野士郎自治省行政局長

○長野政府委員 まあ、全体としての面積も八分の一程度の面積でございますから、面積だけからいいましては、奄美群島が特別な地位を持つとはいえませんけれども、あの特殊な気候のよさと、それからもう一つは、キビの葉と申しますか、キビの上のほうの葉っぱ等が肉用牛のための飼料として最適な飼料だというふうに聞いておりますので、そういう意味で家畜の肥育管理が非常によろしきを得れば、相当な主産地としての地位を占めることができるのではないだろうかというふうに考えております。

山本弥之助日本社会党

○山本(弥)委員 私もあまり農業は詳しいほうではないわけでございますが、長野局長も、その点は、失礼ですけれども、同じような立場にあると思うのでありますが、最近の肉牛の需要というものは相当の需要になっておりまして、国としても肉牛奨励ということについては相当重点を置いていると思うのであります。私どもの郷里の岩手県等も、従来酪農地帯でありますが、酪農地帯の乳牛と同じように肉牛の奨励というものに将来重点を置いているわけであります。おそらく多頭飼育になり、牧野の開拓、あるいは県も公社を設立いたしまして、そして子牛の育成その他に相当の経費を注いで力点を置いているわけでありますが、鹿児島県として、主産地としてもろもろのいままでの畜産のモデル的なことだけで、はたして肉牛の生産地として奄美群島の経済を、農業の面でのサトウキビと一緒に向上させるということは、私は容易ならぬむずかしい問題だというふうにしろうとなりに考えておるわけであります。その点、鹿児島県の力の入れ方自体もありましょうけれども、自立経済の一つの柱になると思いますが、この点は、十分農家が——先ほどお話しがございましたとおり、値段の高いときにはこれを売って金にかえるというふうなことで、せっかく投資をして金をかけたけれども、また頭数が滅ってくる、また飼養農家戸数も減少するというような状態にならないように、これは十分気をつけておやりになるべきではないだろうか、かように考えております。  同じ例として先ほどおっしゃいました和牛と一緒に豚なども、これはやはり数字から見ますと、むしろ振興五カ年計画の期間で四十二年は最も頭数の減ったという実態になっておるわけでありますが、ある程度までの奄美群島における食糧の自給という体制からいって、その辺のにらみ合わせからいって、輸送しなければならぬという関係もありましょうから、こういう現象になっておると思うのでありますが、豚についてはどういうふうにお考えになっておりますか。

長野士郎自治省行政局長

○長野政府委員 豚につきましては、鹿児島県あるいは奄美群島地域、これは沖繩地方とも非常に深いつながりがございますが、従来から豚の飼育が非常に一般化しておると申しますか、非常に手なれたものになっておるわけであります。したがって、豚につきましては、どちらかといいますと、群島内の自家消費的な面がございまして、また、飼料等の関係もございまして、それから豚につきましては価格が非常に安定しないと申しますか、そういう問題もございまして、最近多少不人気になっておりますことは事実でございます。豚については、そういうことで自家消費的なものとしての地位でしかたがないのではないかというふうに考えておりますが、肉用牛につきましては、将来とも非常に需要が見込まれますので、これはそういうことで地理的に非常に遠距離のところでありましても、肉用牛につきましては非常に有望なものになる、そしてキビの葉がりっぱな飼料になるということも結びついております。そういうことでございますが、豚は逆にと申しますか、キビの葉っぱは食べてくれませんので、その辺の関係がそういう点では薄くなっていくということはある程度やむを得ないかと思います。

山本弥之助日本社会党

○山本(弥)委員 農業としてサトウキビと畜産、農家としては、総合的にこの二つのものを取り入れながら向上をはかっていこうということなんですね。  そこで、もう一つの大宗である大島つむぎの問題でありますが、これは将来どの程度まで伸び得るものでありますか。

長野士郎自治省行政局長

○長野政府委員 つむぎにつきましては、現在二十三万反の生産をいたしておりますが、これを三十万反程度に引き上げてまいりたいというふうに考えております。

山本弥之助日本社会党

○山本(弥)委員 大島つむぎにつきましては、確かに需要に即応いたしまして、奄美群島の工業の大宗として伸びておるようでありますが、今後、需要との関係で、どの程度までこういうものが伸び得るものか、私ども非常に心配をするわけであります。それに奄美の人口の年齢構成から見ましても、若い方が相当減っておるという事態においての大島つむぎの問題、これらも十分将来悔いのない体制をとらなければならぬというふうに考えられるわけであります。  そこで、これもいただいた資料でございますが、「産業別就業人口の推移」を見ますと、第一次産業の農業が非常に減少いたしまして、昭和三十年に比較いたしますと、昭和四十年は半数以下になっておるということであり、これに比較いたしまして、第二次産業の就業人口が著しく伸びているわけでありますが、この点は奄美群島といえども、今日の就業人口の推移と足並みをそろえているというふうに思うわけであります。  そこで製造業の四千百十五人が一万六千四百六十二人と非常にふえているわけでありますが、これは製糖工場あるいは大島つむぎの需要の伸びにつれて生産が伸びているということに関連いたしていると思うのでありますが、一万六千四百六十二人の内訳というのは、どういうふうになっておりましょうか。

長野士郎自治省行政局長

○長野政府委員 第一次産業は、これはやはり時代の趨勢でございまして、だんだん減ってまいっております。そういう意味で、奄美群島の総人口も、なおこれから減ってくることはやむを得ないというふうに考えております。第二次産業関係の製造業の伸びの主たるものは、つむぎと製糖工業でございます。

山本弥之助日本社会党

○山本(弥)委員 この大部分がそうでございましょうか。つむぎ工場にどのくらい就業しておるのでございますか。あるいは製糖工場、この二つの工場の就業人口をお聞かせ願いたいと思います。

長野士郎自治省行政局長

○長野政府委員 ちょっと正確な数字はわかりませんが、この中では、むしろつむぎの就業者のほうが非常にふえているということであります。

山本弥之助日本社会党

○山本(弥)委員 私の手元の資料からいいますと、これは正確かどうかわかりませんが、織り子の人口が一万三千五百人というような数字であります。そうしますと、大部分が織り子であり、その残りの大部分が十一の製糖工場に就業しているという感じがいたすわけでありますが、そのように了承していいわけでございましょうか。

長野士郎自治省行政局長

○長野政府委員 これは昭和四十年の国勢調査の資料でございますが、製造業に従事しております者の総数が一万六千四百六十二人となっておりまして、そのうち繊維工業に従事しております者が一万三千八百三十四人ということになっております。この繊維工業というのは、奄美におきましてはほとんどつむぎの製造業に従事している、こういうことでございますので、このふえております者は大半がつむぎに従事している、こういうふうにお考えいただけばと思います。

山本弥之助日本社会党

○山本(弥)委員 いわば第二次産業の奄美群島における就業人口の大部分が大島つむぎり織り子あるいは製糖工場の従業員ということであり、そのほかの建設業が約倍になっておりますが、これは過去十五年間の振興計画による各種の事業に伴って、建設業の従業員がふえておる、こういうことがいえるのではないかと私思うのであります。そういたしますと、奄美群島の将来は、やはり大島つむぎの需要を伸ばし、あるいはサトウキビの耕作面積を拡大し、その収量を上げていくということであって、復興できるか、経済が自立するかどうかということは、この二つにかかっておるというふうな感じを受けるわけでありますが、この二つは伸びていくでしょう。しかし、奄美群島をこれだけ助成をしてまいったわけでありますので、さらに安定した奄美群島の経済自立をはかるということから考えますと、さらにくふうをしなければならぬのじゃないかというふうな感じを受けておるわけでありますが、政務次官、さらにほかの産業その他について、どういうふうにいわば補完といいますか、この二つの大宗を守る以外に希望の持てる、いわゆる産業構造といいますか、それはどうしても後期五カ年間で考え、実施をしていかなければならぬと思いますが、お考えはありますでしょうか。

砂田重民自由民主党自治政務次官

○砂田政府委員 やはり産業の大宗はサトウキビ、大島つむぎ、畜産であろうと思いますが、これから私は非常に大きな期待を持っていいと思いますのは観光だと思うのです。まだこれは未開発でございます。たとえば永良部の鐘乳洞などというものは、秋芳にまさる東洋一の鐘乳洞、いま人間が通れるようなわずかな施設がしてあるところでございますが、そういった鐘乳洞がまだ百何カ所あるのではないか。これは全く未開発で、道路も満足についておりません。その鐘乳洞見物の内地のお客さんのための国民宿舎等もできております。なかなか部屋がとれないほど若い勤労者、学生なんかが見に行っているようでありますが、この永良部も空港はほとんど完成はいたしましたけれども、飛行機はまだ飛んでおりません。内地からの観光船と申しますか、三千トンの船も着岸できる港もまだ一つでございます。こういったこともこれからの五年間でだいぶ整備をされてまいりますので、やはり相当な観光資源をかかえておりますが、これの調査もまだ実施はそう満足にできておりません。こういう観光資源調査、観光資源開発、さらに空港の整備ができてまいりました場合、内地からも出ていくでありましょう。また地元資本も参加するでありましょう。こういう観光資本投下が行なわれてまいりますならば、これは異常な伸びを見てくるのではないか。私は先生のおっしゃった三つの大宗の産業のほかに、観光収入というものがうんとふえてくるのじゃないか、こういうふうに考えておりますし、また、そういった助成をしてまいりたい、こう考えております。

太田一夫日本社会党

○太田委員 関連。政務次官、ちょっといまのお話に関連してお尋ねしたいのですが、つむぎの話と観光の話とがすり変わって、質問をされたほうがつむぎの話をして、あなたは観光のほうをおっしゃるけれども、観光もさることながら、海底公園もあるでしょう。そういう観光施設の拡充もさることながら、本来の地場産業であるつむぎ工業というものを少し軽視をしておりはしませんかということを私、苦になってしようがない、先ほどからのお話を承っておりまして。最近六十二億に近い生産をあげておるといわれておるのですから、これに関係して八百何十軒という業者があるし、先ほどの話によると一万四千人近い、そういう労働者が働いておるわけですが、つむぎのことについて、この際ちょっとお尋ねしておきたい。  これは昭和四十四年二月初めの新聞に出ておったのでありますが、大阪の豊中市のKという産業会社がありまして、そのKという産業会社は十二人ぐらい使っておる会社ですから、決して有名な会社じゃないと思うのですが、名瀬の製造卸業者三十五軒、それから鹿児島市の業者十二軒、合わせて四十七軒を相手にしまして、昭和四十一年の十月以降本年の初頭に至る間に、大島つむぎの卸販売を始めまして、取引をいたしまして、それが原価を一三%くらい切った八七%という値段でダンピングをいたしました。そして手形で製造業者に払っておいたけれども、売ったほうからは現金を徴収して、そして製造業者に払った手形のほうは落とさない。それで最後になりまして四億一千万円に近い被害を四十七軒に与えた。こういう報道がありまして、そのときに鹿児島県が名瀬市に対して九千万円、鹿児島市に対して二千万円、それぞれ県が金融機関に預託をしながら信用保証をして融資をして、三十七業者に対して何とか倒産を防いだということが本年初頭にあった。これは自治省は御承知でしょうね。お調べになったことがあったら、その内容をもう少し承りたいと思うのです。

砂田重民自由民主党自治政務次官

○砂田政府委員 太田先生のおっしゃいました、つむぎをないがしろにしてはいけないというお話、当然でございます。ただいま山本先生からお話のありましたのは、サトウキビと畜産とつむぎ、この三つの奄美の大宗ともいうべき産業のほかに、何か考えることがあるかということでございましたので、この三つの大事な産業のほかに観光が考えられることでございますという御答弁をいたしました。つむぎをないがしろにしておるわけでは毛頭ございません。  ただいまお尋ねの件、私は新聞でこれを見ました。私が聞いておりますところでは、鹿児島銀行に県が預託をいたしまして、それを見合いに地元の企業に鹿児島銀行が融資をいたしまして、大阪にありました取り込み詐欺的な、いわば悪質と思われるような商事会社からの波及倒産を地元企業としては防ぐことができまして、伺っておりますところでは、大阪の商事会社というのは、やはり奄美出身の方だそうでございますが、島出身の人だからというので非常に信用をして、地元の企業は近畿地区の販売をまかしておられたようでございますが、ああいう事態になりました。幸い地元企業にあの大阪の商事会社の倒産は影響をしないで済ますことができたようでございます。

太田一夫日本社会党

○太田委員 自治省のほうはそれについて調べて、何か所感はありませんか。振興課のほうに……。

長野士郎自治省行政局長

○長野政府委員 つむぎの問題につきましては、つむぎの振興の問題といたしまして、振興事業でもいろいろと取り上げて、施設整備等につとめております。決してつむぎに熱意がないわけではございません。今度の五カ年計画におきましても、大島つむぎセンター、あるいはつむぎ工の養成所、あるいはつむぎの共同染めものとか、そういう工場の施設等を大いに整備をしようという計画にいたしておりますが、ただいまお話しのような流通機構の問題になりますと、これは確かに私どもも大島つむぎの流通体制というものが非常に近代化されていないという話はよく聞いておりますし、この改善は非常にむずかしい問題でございますが、やはり今後の課題であると考えております。そういうこともございまして、大島つむぎセンターとか、そういうことによりまして、信用のあるつむぎの販売、流通の機構を整備するために大いに力を加えることにいたしたいと考えておりますが、この流通機構の整備とかそういう問題になりますと、これは特産物の振興その他鹿児島県の行政の一つの大きな課題であろうと思いますので、私どもは振興計画の実施を通じまして県の行政指導の方向に協力をいたしたい、そしてその改善につとめたいと考えておるわけでございます。決してつむぎをないがしろにしておるとかなんとかいうわけではございません。

太田一夫日本社会党

○太田委員 行政局長、私の申し上げておるのは、四十七軒を相手にして四万五千二百二十反の取り込み詐欺を行なったその何とかいう会社の罪状を調べようとしておるわけではない。その被害は四億一千万円でありまして、これは、四億一千万円に対して一億一千万円預託、信用保証をしたところで、あとは自力でもって、あるいは他の金融機関から融資等を受けて急場をしのいだでしょうけれども、幾ら県の信用保証を受けた融資といえども、返さなくていいというわけではない。金利が安いわけではない。信用保証があればそれだけ金利が何厘とか上のせされるわけでしょう。決して安いわけじゃないでしょう。その金は返さなければならぬわけです。四億一千万円取られたら、それだけのものは完全な被害だ。非常に大きな金額に在るでしょう。先ほどあなたのほうでおっしゃったことからいいましても、約五十億ぐらいの生産高だとおっしゃいましたが、私のほうは六十何億もあると考えておりますけれども、かりに五十億としても四億一千万円、少なくとも一割に近い金額でありませんか。この被害を受けた製造業者、これはみなせいぜい十人前後の零細企業でしょう。つむぎは零細企業だというところに問題があるのであって、その零細企業に対してそういう大きな被害を与えてしまったということについては、今後大島つむぎの製造、販売あるいはその中間におる卸、これをどうするのだという流通機構に一ぺん手をつけなければいけない。しかも大島つむぎという名前は単に奄美大島にあるだけじゃないでしょう。本土においてもつくられておるでしょう。しかも、それはイミテーションであるかどうかということは別としまして、今度の復興計画というものに力を入れるということを書いてあるんだから——きょうの資料の中にも書いてあるわけでしょう。「速やかに群島経済の自立を可能ならしめ、立ち遅れた民度を引き上げるために必要な施設の整備と産業の振興を図る。」、大義名分があるんだから、こういうことの生産性をあげ、あわせてそこに従事するところの婦人労働者を中心とする職人さん、これは最低二万円くらい、多いところで四、五万円だというのですから安いのです。まさに国宝的な手を持つ人たちとしては安過ぎる。こういう人の所得を上げるということをしなければ郡民の所得というものは真の向上は期せられないと思う。私は、こういう事件があったんだから、生産量の一割というような取り込み詐欺があったことだから、流通機構にも目を向けて、それじゃ今度大島つむぎをどうして振興するかということがもうすでに頭の中に描かれておらなければならぬと思うのですよ。どうですか、今後奄美大島を中心とした大島つむぎじゃなくて、これを全国的なつむぎにでもするつもりか、どうなんですか、自治省の方針は。

長野士郎自治省行政局長

○長野政府委員 大島つむぎにつきましては、私どもも、東京の近郊にも何とか大島、あるいは鹿児島県の本土のほうでございますけれども、そういうところで何とか大島とかいうような、イミテーションか何かわかりませんが、いわゆるそういうものがあることを知っております。しかし、実際問題といたしましては、ほんとうの大島つむぎというものは、何と申しましても、大島で織りました伝統の深いつむぎでなければつむぎの名をなさないということも、これは見る人は見、知る人はみな知っておるという状況でございます。したがいまして、そういう意味のほんとうの本場大島というものをどれだけPRをいたしまして、その信用をどれだけ維持していくかということは、もう御指摘のとおりたいへん大切な問題だと思っております。  大島つむぎは普通につくりますようなことではなかなかできませんで、これはその工程も非常に複雑でございます。どろ染めとか、それから染める染料、ティーチギと申すようでございますが、その木の採取でありますとか、そういういろいろなものがございますし、また非常に染めの大切なものでございます。そこでそういうものの技術を維持保存いたしますためにも、振興計画といたしましては、いまの大島つむぎのセンターでございますとか、そういうもので大島つむぎを展示いたし、大島つむぎの流通なりPRに当たりたいと思います。また、つむぎの織工と申しますか、専門家、特に染めと織りとがたいへん大切でございますが、そういうものにつきましては養成所もつくります、染織の共同の作業場もつくって、近代化、合理化をはかりながら近代的なレールに乗せていきまして、大島つむぎの増反をはかって、大島の経済の大きな柱にいたしたい。私ども全く先生の御指摘の点は大いにこれからも改善をしなければいけませんけれども、同じ気持ちで、ひとつ大いに振興につとめたいと考えております。  ただ、最近の状況でございますと、非常に高級品ができてくるようなかっこうでございますが、その高級品につきましても、いろいろと染めにつきまして制限があったりいたしまして、なかなか同じものがたくさんつくれない、そこにまた大島つむぎの非常にコストが高くなるゆえんもあるようでございまして、近代化ということも、必ずしもすべて同時に行衣えるというわけではございません。そこで高級品と、それ以外の相当大量につくれるもの、こういうものも十分時代の嗜好に合わせながらつくっていくという研究もたいへん必要でございます。そういうことも中心にいたし、また流通機構につきましてもいろいろと整備をしていかなければならぬと思いますが、幸い先ほどの事件につきましても、いまのところは倒産を防げまして、これからてこ入れをしながら損害のすみやかな回復につとめるように、私どもできるだけ努力するように県と一緒に協力いたしたいと思っております。

太田一夫日本社会党

○太田委員 私は、つむぎに対してほんとうに親切心があったなら、その四億一千万円の被害に対しては、その何割かは天災的な被害を受けたと同じような天災融資法、これは農林省のほうですが、天災融資法と同じような処置をとって、そして負担を軽くするくらいの配慮があっていいじゃありませんか。普通銀行に貸しておくということだけでは何の意味もないですよ、せいぜい倒産防止をされただけで、あとは、借り手は火の車じゃありませんか。私は聞きます。この対策は何かといえば対策はないじゃありませんか。そういう対策も、再発を防止するということは、今後大島つむぎの生産によってかせがれたところのかせぎ高というものがその皆さんの所得になるようにすることが大事だ、そのためには、大阪とか東京に販売会社とか販売機構をつくることだ、そういうことでしょう。それをあなたのほうでおやりにならない限り、どこやらに吸い取られてしまって、零細な機織り業者というものは、単なる工賃かせぎに終わっておるじゃありませんか。私は、大阪、東京に販売会社ぐらいを設立するという対策ができて、絶対に大島つむぎそのものの利潤というものは郡民の所得にするんだということを保証するあなたの対策というものが聞けると思ったのですが、それは聞かれない。大島つむぎを大事にするんだと言っても、何を大事にするのですか。あなたの買った所有している大島つむぎを大事にするのではない。大島つむぎの産業というものを大事にする。そこに従事する労働者は賃機かせぎのようなぐあいで、零細企業である。郡民の生活水準の向上に役立てるということをあなたのほうは大事にしなければいかぬじゃないですか。東京、大阪に販売組織をつくるという対策はないのですか。

長野士郎自治省行政局長

○長野政府委員 倒産を防ぐということは、振興対策としてもたいへん大切な関係でございますから、私どもも振興事業を通じてできます限りのことは、助成融資あるいは近代化というようなことで、てこ入れをすることができることは、幾らでも適当な仕事についてはいたしたいと思います。ただ、個人の損害に直接どうとかということになりますと、またこれは行政の一つの限界というものもございましょうし、県としても融資ということで考えていくというのが一つの考え方だろうと思うのでございます。  東京、大阪等につきましては、県も物産あっせん所その他を持っておることでございますので、そういうところで大島つむぎの紹介あるいは問屋なり業者の調査その他を強化いたしまして、そういう不良業者と申しますか、そういうものにひっかからないように、これは今後とも業界を通じて、業界全体の問題として努力をいたしてもらうということになっておるわけでございます。

太田一夫日本社会党

○太田委員 それは私はいいと思うのですよ。指導するとか、展示場があるからそこの機関が何やらサービスするということがあることはマイナスとは思いませんけれども、大島つむぎそのものの生産から消費者に渡るまでの間の流通機構そのものを克明に点検をいたしまして、その中にロスがあったときには、それを是正しませんと、十万円をこえるような高いものでしょう。そう簡単には買えませんよ、月給よりも大島つむぎ一反のほうが高いのだから。安いのは一万円ちょっとでしょう。そういう高いものはなかなか買えない。しかも、いいものをいまでもほしがっているんだから、だんだんといいものをつくるようになってくる。そうしたら、一たび取り込み詐欺にあったら、それこそ被害がたいへんじゃありませんか。だから、東京、大阪等に、絶対倒れない、絶対そんな心配のない販売機構をつくる、そういうことに踏み切らなければ何べんでも同じことが起きますよ。そういうことでしょう。(「商工委員会でやったらいい」と呼ぶ者あり)いや、商工委員会じゃないでしょう。大島つむぎの振興計画をつくるとぎに、販売機構は関係ないですよ、そんなことが無責任に言えますか。学校を建てるだけなら済んじゃったでしょう。

砂田重民自由民主党自治政務次官

○砂田政府委員 太田先生おっしゃいますように、つむぎの問題は振興計画で生産面のことは相当力を入れることになっておりまして、やはり流通の問題、これを軽視するわけにはまいりません。この点はもう太田先生御指摘のとおりであろうと思います。  さらに、大島つむぎが内地でずいぶんたくさんできているというお話がございましたが、大島つむぎの生命というものはやはりどろ染めにあるだろうと思うのです。内地でできておりますのは、ほとんど化学染料でできているようでございます。大島つむぎらしいものでございまして、大島つむぎとはだいぶ風合いが違うもののように聞いております。ただ、大島でできます大島つむぎが内地の化学染料を使ったつむぎに少し押されている傾向もあるようでございまして、商品宣伝も大事なことであろうと思いますので、こういうことも含めまして、流通の問題を少し検討させていただきたい、真剣にひとつやってみたいと思います。大事な地場産業でございますから……。

太田一夫日本社会党

○太田委員 よくわかりました。そうおっしゃっていただくと、いささか安心します。  そこでもう一つ、今度は行政局長か振興課長に聞きますが、つむぎを織っておる零細企業の機織り者は、一日何時間労働で月収幾らに統計でなっておりますか。

長野士郎自治省行政局長

○長野政府委員 最近はもう少し上がっておるかと思いますが、私が三年前に大島本島の大和村というところへ参って織物工場を見ましたときには、中学を卒業いたしまして大体月に二万円くらい、最初にそのくらいになるから、中学卒業者の手取りとしては非常にいいんだということを聞いておりました。

太田一夫日本社会党

○太田委員 あなた、たいへんな話です、そんなことだったら。郡民の所得は本土よりいいということになるじゃありませんか。鹿児島県の二割引きという話だったでしょう。そんないいはずない。これはほんとうに機を織る人は中学卒業ということじゃないでしょう。みんなある程度腕がなければいいものを織れないでしょう。中学卒業者が二万円で本土よりいいなんという、そういううそっぱちなことを言ってもらっては困る。しかも二、三年前——ほんとうですか、ほんとうならいい。中学卒業者のつむぎの労働者に関しては本土よりも優秀な収入を得ている、こうおっしゃるなら、私は聞いておきましょう。一ぺん見てきますから。ほんとうですか、間違いないですか。

長野士郎自治省行政局長

○長野政府委員 本土より優秀かどうかということになりますと、その点は専門的なことになりますので私もよくわかりませんが、私が聞きましたときにはそういう話を聞いたと記憶いたしております。これはいろんな賃金形態があるようでございまして、いろんな歩合い的なやり方等もあるようでございます。そういうものでいろいろいわれておるようですけれども、概して申しますと、二万円から四万円くらいのところに在るというふうに聞いております。

太田一夫日本社会党

○太田委員 そういう職人の平均年齢は何歳ですか。

長野士郎自治省行政局長

○長野政府委員 どうも平均年齢まで私どもよくわかりません。ただ、私が織物工場に行ってみますと、非常に若い人から非常にお年寄りのおばあさんといわれるような方までおられまして、おばあさんのような方が非常な熟練工と申しますか、非常に高級なものを織っておられるというようなかっこうでございます。

太田一夫日本社会党

○太田委員 私は四十歳近いというふうに高年齢層に聞いておるのです。いまのお話のお年寄りの方、おばあさんがいらっしゃるからそうなるのかもしれませんけれども、概して高いはずですよ。ですから、そういうことも具体的な資料がなくて、さあ大島つむぎ振興計画とおっしゃる、流通機構の検討もない、それでいいんでしょうか。いまに音に名高き長野局長さんのごさいはいですから、まさかミスはありますまいけれども、そんなことでは心配ですよ。もう一回御答弁をお願いします。それで終わります。

長野士郎自治省行政局長

○長野政府委員 つむぎ一反の生産費の内訳というのは四十年度の資料にあるようでございますが、これを見ますと、一反が製造原価で二万円くらいでございまして、その中に入っておりますところの織賃が六、七千円ということになっておるようでございます。これは織るというのは、柄とかいろんなもので違うようでございますけれども、一匹ちょっと、一匹というのは二反でございますから、月に平均して三反程度のものを織っておるというように聞いております。

鹿野彦吉自由民主党

○鹿野委員長 山口鶴男君。

山口鶴男日本社会党

○山口(鶴)委員 大臣お見えでありますから、前回大臣に対して保留いたしました問題を数点、簡明にお尋ねをいたしますから、大臣のほうもひとつ簡潔にお答えをいただきたいと思います。  いままで大島つむぎをめぐりましていろいろ議論がございましたが、問題は、自治省はしばしは総合開発計画の推進等に対しまして、新産都市でもそうですし、低開発地域の問題もそうでありますが、結局通産でありますとか建設でありますとか農林でありますとか、そういった、いわば縦割り行政の弊というものが開発計画の推進を妨げている、こういうことを主張されるわけであります。そうして、やはり真の開発計画を進めるためには、都道府県なり市町村といういわば地方自治体、これは総合行政でありますから、そういった総合行政こそが真の開発を進め得るのだというのが自給省の主張だったと思うのです。今回の奄美の場合は、過去において約三百九十億円の事業を実施し、さらにこれから五カ年間に二百四十八億円にのぼる振興計画を実施されようとしている。しかも予算につきましては、本年度予算に約十八億円、一括して自治省の予算として計上されたわけですね。まさにこの奄美大島の復興計画、振興計画につきましては、自治省がみずからの手で総合行政として行なっておるというふうに私どもは理解をいたしておるわけであります。そうなりまするならば、従来の自治省の主張からいって、少なくとも自治省が一手に予算を計上して復興計画、振興計画を進めておるわけでありますから、私は、やはり相当な成果があがらなければならぬはずだ、かように思うのです。ところが、大島つむぎの問題にいたしましても、あるいは所得水準の問題にいたしましても、さらには当該自治体の税収の割合等を見ましても、内地の、いわば本土の歳入面に占める税の割合が過疎地域ですら二十数%という状態であるのに、この奄美の各市町村につきましては、わずか七%程度の税収しかない。所得水準も全国の四七%程度である。こういうことでは十分な成果があがっていないと思うのです。せっかく自治省が縦割り行政の弊を主張し、みずからの手で総合的に進め得るのにかかわらず、今日までこれだけの成果しかあがらなかったということは、私はきわめて遺憾に思います。大臣として、ただいま私が申し上げた点に対しますお考え方をまずお聞かせをいただきたいと思うのです。

野田武夫自由民主党自治大臣・北海道開発庁長官

○野田国務大臣 御指摘のとおり、率直に申しまして、奄美の復興計画というものは、いわゆる本土に比べ、また全体的な自治省の企図するようにうまくいっていないと申しますか、御意見のとおりであります。よくわかります。しかし、これは何といっても、これを総合的に計画いたしますには、いまお話しの縦割り行政ではどうしても一体的な計画というものはできない。私どもといたしましては、奄美の非常におくれていること、しかもさらに五カ年間復興計画を延長しますゆえんのものもそこにあるわけでございまして、やはりこれは総合的に一体的に持っていったほうが振興の実があがるのじゃないか。これは御指摘のとおり弁解の余地はございません。しかし、税収が少ないというのは、何といっても、これも御承知と思いますが、奄美全体の蓄積と申しますか、やはり収入が少ないし、こういう点にありますものでございますから、それだけにやはり国が手厚い施策をしなければ、復興というものが実らない、こういうことでございまして、あらゆる点においてまだまだとても手を尽くせぬ点が多いのでございますから、私どもは、やるならば総合的、一体的な行政をやったほうが効果的だ、こう考えております。

山口鶴男日本社会党

○山口(鶴)委員 そういうことで一体的な行政をやっておるわけですね。予算につきましても自治省に一括計上しているわけですからね。ですから、今日まで地域開発がうまくいかなかったということに対して、自治省は縦割り行政の弊だと言っておるわけです。ところが、この奄美に関する限りは、自治省が予算を一括計上して、いわば総合的にやっておるわけでありますから、私は言いのがれはできぬと思うのですよ。それでありながら、なおかっこのような不十分な成果しかあがらなかったことに対して、どのような反省を持っておるかということなんです。ほかの面でしたら、あるいは自治省のせいじゃない、縦割り行政の弊だ、こう言えますけれども、これに関する限りは、そういった言いのがれはできぬじゃないですか。にもかかわらず、開発の成果が十分あがっていない、これに対する反省はいかがかと言っておる。

長野士郎自治省行政局長

○長野政府委員 御指摘でございますけれども、私どもといたしましては、計画と実施というものはいろいろな意味で現実に調整をする必要はございますけれども、担当者といたしましては、大体できるだけの目標というものに近づいていったというふうに考えております。ただ、各省がやったらもっとうまくいくかといったら、もっと悪くなったろうと思います。したがいまして、その点に関しましては、やはり奄美大島の立地条件とかその他絶対的な条件が非常に影響しておりますことも確かでございます。また、私どものまだ至らぬところもあるだろうと思います。そういう意味で、今後も反省を加えてますますいいものにしていかなければならないと思いますけれども、いわゆる総合的に一括方式でやりますことは、やはり全体としての計画にすき間のないかっこうで関連性を持たせながらやっていくことができ、それから事態の急変に対処いたしまして彼此融通ができる、こういう点は私は非常な利点だと思っております。しかし、それにもかかわらず十分な成果がまだあがってないじゃないかという御指摘は、数字にあらわれましたところで御批判いただくことはもうそのとおりでございます。これからますますそういう意味での克服をしていかなければなりませんが、何せいままでは、先ほど政務次官も申し上げましたように、公共施設の整備ということが重点でございました。これからやっと——やっとと申しましてはあれでございますけれども、産業基盤の整備というほうに重点を持っていく。住民自体もそういうふうな努力をするという気運になってまいっておると思っております。

山口鶴男日本社会党

○山口(鶴)委員 問題は、自治省が縦割り行政の弊を主張してきた。自治省の責任で総合行政をやり得る立場にこの奄美の場合はある。しかるに十分な成果があがらぬということになれば、これはまさに自治省が今日までただ各省に向かって縦割り行政の弊を説いてきたことも、全くこれは主張が弱いものになるということを私はこの際御忠告を申し上げておきたいと思う。それだけにやはり自治省としては、この奄美については責任があると思うのですね。そういった御自覚でお進めいただくことを強く要請したいと思う。  さてそこで、私は、いま経済企画庁が進めております新全国総合開発計画、これを拝見いたしました。この日本の国土を今後二十年間にわたっていかに開発をしていくか、いろいろな青写真が描かれております。しかも、全国を七つのブロックに分けて、それぞれのブロックでいわば大開発をやっていこう、こういう構想のようでありますが、この九州ブロックの項を私は詳細に読ましていただきました。ここには島の名前はたった一つしか出ていない。種子島という名前が出ておる。これは宇宙開発基地というものに使うというので、種子島という名前が出ていますが、あと奄美のあの字もこの中に出ておらぬじゃないですか。全国総合開発を進めていくという場合、特に自治省が責任を持って、しかも開発が非常におくれているということがしばしば指摘されている。こういうものの中に奄美というのが全くないということは私はおかしいと思うのですよ。そういうようなことで自治省も相談にあずかっているんでしょうから、奄美に対しては自治省は全く熱意がないと言われてもしかたがないじゃないですか。経済企画庁、なぜこの奄美を全く無視したのですか。それからまた、自治省もせっかくこういう開発計画をつくる際に、自治省が責任を持っている奄美に対して何らこの計画に含まれていないというようなことを放置した責任は一体いかがか、私はこれをお尋ねをしたいと思うのですよ。

宮崎仁経済企画庁総合開発局長

○宮崎(仁)政府委員 御指摘の全国総合開発計画の作業は昨年四月ごろからやってまいりまして、まだ実は成案を得ない、試案の段階でございます。この計画作業におきまして、関係各省とは何べんかにわたって意見の交換をやりながらだんだんにまとめつつあるという状況でございます。御指摘の問題につきましては、私どもの計画の性格は、御承知のとおりいわば国土総合開発に関する基本的な青写真を書くというような計画でございまして、当然これに基づいて各ブロック別あるいは各都道府県の計画ができる、こういう体系になっておるわけでございます。したがいまして、全国計画の中に書く目のこまかさと申しますか、そういう点は相当荒くならざるを得ない。今回は、前回つくりました三十七年の計画のいろいろの点について反省をいたしましたが、ある程度地域的な開発の方向というものを示したほうがいいのではないか、そのほうがより具体的になるということで、第一部と申しておりますが、全国的な開発計画のほかに、第二部として全国をブロックに分けて開発構想を書いておるわけでございます。  ただいま御指摘の奄美大島の問題等につきましても、まず第一部のほうで離島の地域における開発の方向をどうするかということを計画課題の一つとして取り上げております。御承知のとおり、私どものほうで予算の計上等をやっております離島というものも非常に数が多うございますので、それぞれについてということは、この計画の性格ではそこまで突っ込めないということもございまして、離島全般について今後の方向をどうするか、交通通信の整備の問題、産業開発の問題、さらに生活基盤の整備の問題について書いてございます。  九州のほうの御指摘の点につきましても、特に九州は離島が多うございますから、開発の方向の中で、たとえば「なお、離島については、本土と離島および離島間の交通通信便益を確保し、」あわせて産業基盤の整備を積極的に進める、さらに生活基盤の整備等をやるということが書いてございますし、また開発事業計画の中にもそういうものが出ております。奄美という問題を特にこの中で私どもが主張を持って書くという必要があろうと思いますけれども、ただいま申しましたような計画の性格からいいまして、そういった問題はむしろ振興計画のほうでこういった全体の線に沿った具体的な計画を立てていただく、こういうたてまえでいいのではないかと思います。

山口鶴男日本社会党

○山口(鶴)委員 そんな言いわけを私は聞いているわけじゃないのです。離島という字がある。確かに九州には島がある。特に宇宙開発の関係で種子島という固有名詞だけは一つ島の中に出ていますが、あとの島は一切書いてないですね。奄美は今日までとにかく三百九十億円の事業を国が中心になってやってきたわけですね。今後も開発が非常におくれているということでさらに五カ年の振興計画に取り組んでいこう、二百四十八億円事業費を投じてやっていこうというわけですね。そういう中で、そういう事実を踏まえた場合に、奄美というものを九州ブロックという中で考える場合は、当然固有名詞をあげて奄美はどうする、こういうくらいの構想があってしかるべきじゃないかと思うのですよ。そういうのを落としている。  そこで、私は自治省に聞きたいのですが、いまのお話では、各省と連絡をとっているというのですけれども、自治省は責任があるじゃないですか。奄美というものがこの総合開発計画で全然ネグられておるのに、なぜ自治省は一言も要求をしなかったのですか。私はそういった態度が今日まで奄美がこれだけ開発がおくれ、そして郡民の人たちが苦しんでいる、自治省の熱意のなさというものがここにあらわれている、私はかように思わざるを得ないのですよ。いかがですか。   〔委員長退席、大石(八)委員長代理着席〕

長野士郎自治省行政局長

○長野政府委員 自治省が熱意がないとおっしゃいますことはどうもはなはだ困るわけでございますが、全国総合開発計画は、先ほどのお話にございましたように、一応の根幹的と申しますか、そういう一つのきめの大きさといいますか、サイズの問題があるわけでございます。私どもも特定の地域だけをこういうふうに取り上げることができる計画のような細密なものであるということになりますならば、ぜひとも奄美についての方向づけもしていただかなければならないものと考えます。しかしながら、奄美だけが取りはずされているということではなくて、全体の総合開発計画の立て方そのものの問題として、一つの整理の上で統一的に記述をされているということになりますと、奄美だけを特記していただくというようなことがはたしてできるのかどうか、そこは経済企画庁の企画担当の責任ある方々の御判断を仰ぐしかないだろうと思います。

山口鶴男日本社会党

○山口(鶴)委員 そういう言いわけは私はたいへん遺憾だと思うのですよ。種子島があるのですから、宇宙開発の基地としようとする種子島、それよりも奄美は重視していないということですよ。これを読む限りは。私は、ですからそういう役人の方の意見は聞きたくないのですが、大臣どうですか。少なくともこういったことに奄美が出ていないということはやはり遺憾だと思うのですよ。大臣としての御所見はどうですか。

野田武夫自由民主党自治大臣・北海道開発庁長官

○野田国務大臣 いま山口さんの御指摘になりました、現在経済企画庁がやっております新しい全国総合計画の中に、奄美のことを御指摘になりましたが、自治省といたしましては、その他の点に多く経済企画庁に要求すべきことがあります。したがって、いまのお話しのとおり、これはいま経済企画庁の局長からも言っておりましたが、いま大筋でやって九州ブロック、どこどこと七つのブロックにする、こういうことでございますから、おそらくまだそこまでの作業はいっていないかと思います。また、たとえば九州ブロックにいたしましても、鹿児島県をどうするか、こう出てくると思っております。したがって、いまのお話しのとおり、自治省がやっているとかだれがやっているというのではなくて、奄美の復興計画を五カ年も延長して国がやろうという熱意を持っているときでございますから、これが全国総合開発計画の中に入らぬというのはおかしいのです。現に拠点開発として特別に取り上げてやっておりますから、それだけ重視しているだけに、これが全国の総合開発計画の中に入らぬというのは、私は逆にいえばおかしいことだと思うのですから、これらにつきまして、私は自治省全体といたしまして、ほかにまだ、これは別に経済企画庁と意見が相違をしているという前提ではございませんが、まだいま作業中でございますから、いろいろ自治省として要求したいことが残っております。いまのお話は私はごもっともと思いますから、当然事務当局その他において折衝したい、こう思っております。

山口鶴男日本社会党

○山口(鶴)委員 この九州ブロックの中には、現に進めている奄美の拠点開発をさらに進めるというぐらいの文章は当然入るべきだし、また全国総合開発計画の青写真の中に具体的に奄美をどう位置づけるか、現に自治省が進めている、これから進めようとする振興計画を、その全体の計画の中にどう入れていくかということぐらいはきちっとやっていかなければならぬと思うのです。そうでなければ、奄美のこの法律案を私どもが幾ら審議しても、さっぱりどうにもならぬということに弄るのじゃないかと思うのであります。そういったことがやはり奄美の今日までの熱意の不足のあらわれではないかということを強く指摘をいたしたいと思います。  次に、お尋ねしたいのはガリオア、エロアの問題であります。これにつきましてはいろいろ経過がありまして、大臣も御承知だと思いますが、要は大蔵大臣と自治大臣とで協議をした上でこの減免ができるということになっているわけです。どのような範囲で減免するかということについては、いま事務局の間でお話があるようでありますが、私どもとすれば、この法律案審議の過程に、こういった方針で整理をするという明確なお答えをいただきたいと思うのです。大臣、この点はいかがでしょうか。

野田武夫自由民主党自治大臣・北海道開発庁長官

○野田国務大臣 私は、ガリオア物資のいわゆる償還計画といいますか、これがまことに、いまの事態から考えますと、別に不合理ということばは使いませんが、無理な点が多いという点を感じまして、これは与野党こぞってそういうお話が来ておりますので、そこで直ちに大蔵当局と折衝を開始いたしました。では、いま一応基本方針として持っておりますことをちょっとお答えいたしておきますが、復興金融基金貸し付け金につきましては、償還済みの債務者との間の公平は一応保たなければいかぬ。いままで払った者と払わぬ者とのことがございますから、どうでもいいといってはいけません。そこに原則的な公平というものは考えなければいけません。しかし、事実に即しなければいかぬことですから、そこで無資力またはこれに近い状態を継続しておって、かつ相当の期間を経過してもどうしてもいまの状態から抜け切れない、こういう状態にある者に対しましては、結局債務弁済の見込みがつかぬじゃないかという大体見通しがつきますれば、その債務者につきましては元本、利息及び延滞利子を免除しよう、まず第一にそういう基本的な考え方を持っております。  それから、その他の債務者につきましては、債務を弁済した場合には一応債務者の資力を勘案しまして、どのくらいの負担力があるか、そこでその負担力に応じて利子についてはこれを減免してもいいじゃないか、こういう考え方を持っております。  それから、復興金融基金貸し付け金につきましての具体的な処理をいつごろやるか、ただ基本方針だけきめても実行しなければだめですから、できるだけ三月中にこの結論を得たい、こういう気持ちでいま折衝いたしておる段階でございます。

山口鶴男日本社会党

○山口(鶴)委員 三月中にいまお述べになりましたような方針をもとにして明確にこの方針を決定する、こういうお答えのようであります。しかし私どもとすればできるだけ委員会審議の過程で明確にしていただきたいというお願いをいたしておるわけでありますが、この点はまた理事会等でも相談をすることでありますから、一応の方針を伺っただけで終わっておきたいと思います。  最後に一つ、電気の問題ですが、奄美の電気料金を調べましたら、通常一キロワットアワー当たりの電気料金が内地の場合平均して十二円、それに対しまして四つの町が経営しております電気事業につきましては、一キロワットアワー当たり二十五円から二十六円、それから大島電力という会社が経営しております電気料金につきましては二十四円、実に倍以上電力料金が高い。私、通産の考え方を聞きましたら、大和村は四十四年に大島電力に合併する。そして四十五年から四十七年の三年間に残った三つの町村の電気事業を大島電力に吸収する。そして四十七年以降できるだけ早い機会に九州電力に吸収したい。きわめてのんびりしたテンポの計画を通産としては考えておるようであります。私は、もう少しこれを早めて、早く内地並みの電力料金にするように通産としても努力をすべきだと思います。その考え方をお聞きしたいことと、それから通産のほうが非常に長くかからなければ解決がつかぬという場合は、自治省として、無電灯部落解消については、辺地債その他で考慮をしているようでありますが、公営企業に対しても、たとえば水道も原水が高いものに対しては補助を考えて料金を下げるということも現に自治省は公営企業で考えておるわけでありますから、同じような意味で、通産のそういうゆるいテンポをもう少し早める意味で、自治省としてこの高い電力料金に対して補助等を与える中で、これをすみやかに内地並みに持っていくという御決意があるかないか、この点をひとつ最後に承っておきたいと思います。

藤井孝通商産業省公益事業局技術長

○藤井説明員 ただいま先生がおっしゃいましたように、この四公営の電気は大島電力に比べても高うございます。たとえば電灯料金にいたしましてキロワットアワー大和村では二十九円三十七銭、それから与論町では三十五円十一銭、それに喜界町では二十六円八十九銭、瀬戸内町では三十六円九十二銭、これに対しまして大島電力は二十六円九十九銭でございます。

大石八治自由民主党

○大石(八)委員長代理 質問に答えてください。値段のことは一々聞いていないわけだから。

藤井孝通商産業省公益事業局技術長

○藤井説明員 このように非常に高い料金でいま経営をやっておるわけでございますので、これがまず大島電力に合併吸収されるということを考えましても、大島電力にかなり負担がかかるという問題等ございます。そういうことで四公営につきましてはいろいろ改修工事を進めていただいておるわけでございます。そうしてこれを大島電力が自治省のほうとお話し合いをいたしまして、四公営の設備が改善されてくる場合に、大体改善されたところで順次一年に一カ所ずつ統合していくということを大島電力が確約したということでございます。大島電力の経営の安定ということを考えますと、漸進的にやることが非常に好ましいということでございますけれども、改修工事もいま非常に進んでまいっておるおりからでございますので、さらに一だんと早く合併させるようにいろいろ検討したいというふうに考えておるわけでございます。  次に、大島電力がそのように吸収合併した暁には、今度は九州電力への合併問題というのが起こってまいりますが、御承知のとおり九州電力は全国でも一番電力料金の高いところで、そのようにいろいろ他と比べまして条件の悪い会社でもございます。料金を下げるということに対する消費者の期待も非常に多うございまして、電力会社はその改善に目下大いに努力しておるというところでございます。これに対して料金が倍である大島電力が合併されるということは、これはかなり大きな負担に在るわけでございますので、このタイミングにつきましては十分意を尽くしてやっていかなければならないというふうに感じております。   〔大石(八)委員長代理退席、委員長着席〕 なるべく早期に合併されることを考えながら……。

野田武夫自由民主党自治大臣・北海道開発庁長官

○野田国務大臣 委員長、ちょっと私が答えましょう。  いま政府委員が御説明いたしましたとおり、非常に高いものですから、ひとつ一生懸命通産省のほうでも考えていただいております。これは私どもよく存じております。しかし、これはいま御説明もありましたように、結局大島電力等を統合して九州電力と合併しますが、九州電力は、いまお話があったように、料金が全国で一番高いのです。しかし、それでもこれだけの差があるわけです。そこで、いま私どもの考えといたしましては、振興計画の中にひとつこの問題も入れて、そして早急に九州電力、それから福岡に通産局がありますから、それから大島電力といろいろと話し合いをすることが一つと、さらに、どうしてもこれはこのままほっておけませんから、私もわかります。こんな高い電力料金では気の毒ですから、できるだけひとつ財政上の措置もしたいと腹をきめておるのでありますが、返事その他によってどこまでいくかわかりませんが、しかしできるだけ均等して安くやりたい。私ども非常にこれは痛感しておりますから、さらにそういう計画を振興計画に入れたい、こう思っております。

山本弥之助日本社会党

○山本(弥)委員 大臣にお聞きいたしたいと思います。  過去十五年の復興計画、振興計画を通じて大島の復興をはかってまいったのでありますが、先ほどもお聞きいたしたのでありますが、大島の産業の振興は、農業におきましては、畜産を加味しながら、サトウキビを今後百万トンの生産に高めていく、これに関連して、奄美群島の工業は、大島つむぎと、それから製糖工場を通じて振興をはかるという方針のようでありますが、今後の五カ年間におきまして、従来の産業基盤あるいは社会基盤の整備に関連して、重点は大島の経済自立に置かなければならぬということになると思うのでありますが、現状は若年労働者が本土のほうに流出しておる。いわば労働集約的な大島つむぎの生産にしても、今後若い労働者をこれに吸収することも至難になるだろう。また、農業につきましても、急激に農家人口が減っておるというふうな現状において、この二つの柱のほかに、将来、産業の振興に重点を置き、今後の五カ年間に、先ほど政務次官から観光行政についてのお話を承っておりますが、観光行政も重要だと思います。沖繩の復帰に関連いたしまして、奄美群島の観光行政が重視せられると私は思っております。しかし、これ以外に、さらに産業の振興をはかるというからには、復興当時の基本方針である水産林業、そういった面にも力を入れていかなければならぬのじゃないか、かように考えますが、産業振興の今後の柱を、この二つ以外に大臣はどうお考えになっておるか、その点、一点でけっこうですが、お聞かせ願いたい。

野田武夫自由民主党自治大臣・北海道開発庁長官

○野田国務大臣 山本さんのお説のとおり、あそこの奄美の地理的な条件もございますし、それから亜熱帯としてのああいう地域でございますし、何でもかんでもあそこに仕事を始めようといっても、計画がありましてもなかなかうまくまいりません。そこで、基本的には、ここに示しておりますとおり、水産林業、これがやはり奄美の持っておる一番大きな使命だ。それから、政務次官からもお答えいたしたようでありますが、大島を中心とする観光というものは、相当盛んになりつつあります。同時に、工業では大島つむぎでございますが、たとえばあれだけの実績を持ち、歴史を持っておる大島つむぎでございますから、つむぎだけでなくて、これに関連するいろいろな殖産ができやしないか、こういうものが出てまいりますれば、これはすぐ取り上げてやりたい。ことに、いまお話しのとおり、若年労働者が本土に出ていく、流出すること、その他もありますが、何と申しましても、大きな企業は一ぺんに持っていけなくても、小さな企業でも、相当あそこに置きましてその振興計画をやりませんと、やはり若年労働者が流出するのを防げない。だから、そういう面で、いまのところ振興計画の主軸といたしましては、先ほど政務次官その他からもお答えしたとおりでありますが、それに関連して、たとえば林業にいたしましても、その他におきましても、やはり関連の産業が考えられるのじゃないか、こう考えております。これはこちらからかってなことをお願いするようでございまするが、お気づきの点がございましたらぜひ御指示願いたい。これはやはり一緒になって復興計画をやったほうがいい、こう存じております。

山本弥之助日本社会党

○山本(弥)委員 もう一点。従来も、名瀬市をはじめとして、貧弱な財政の中から、十五カ年間の事業遂行のために相当の地方債を起こしておると思うのでありますが、その地方債の残高も相当の額にのぼっておると思うのであります。今後の五カ年計画におきましても、やはり各市町村は相当の負担をしていかなければならぬ。それをやはり起債に依存せざるを得ないのじゃないか、かように私は考えますが、これらの財政的な配慮につきまして大臣のお考えをお聞きしたいのであります。

野田武夫自由民主党自治大臣・北海道開発庁長官

○野田国務大臣 これは、山本さんのお示しのとおり、今後はやはり起債あるいは交付税の両面から相当財政的な処置をしなければいかぬという腹はわれわれは固めております。

鹿野彦吉自由民主党

○鹿野委員長 関連質疑の申し出がありますので、これを許します。井岡大治君。

井岡大治日本社会党

○井岡委員 先に長野さんに聞きますが、この法律は、二十九年以来振興計画の内容は変わっておりませんか。二条の振興計画の内容ですね。

長野士郎自治省行政局長

○長野政府委員 復興事業のときから振興事業に変わりまして、復興特別措置法を振興特別措置法に変えました。そのときに考え方が多少変わっております。それ以後の振興特別措置法になりましてからの考え方は変わっておりません。

井岡大治日本社会党

○井岡委員 そういたしますと、二条と六条の関係でお尋ねします。  六条に、「奄美群島における産業振興のため必要な試験研究施設の整備事業」こう書いてあるが、何をおやりになったか。

長野士郎自治省行政局長

○長野政府委員 試験研究につきましては、大島名瀬に名瀬試験場、鹿児島県に農事試験場がございますが、それから徳之島に糖業試験場がございます。大島の農事試験場におきましては、あの地帯に特有のミカンコミバエでございますとか、いろいろな病害虫がおりますので、それの駆除その他のことを、あるいは土壌試験、土地改良等のことをやっております。  それから、徳之島の糖業試験場については、新しいキビ苗の優良品種の開発と申しますか、種苗の育成ということをやっております。  それから、水産試験場、繭検定所、林業試験場等におきまして、それぞれ奄美の林業の育成とか、あるいは水産の養殖その他のことをやっております。

鹿野彦吉自由民主党

○鹿野委員長 井岡君、ちょっと済みませんが、時間が何ですから……。

井岡大治日本社会党

○井岡委員 それじゃこの次にします。これは非常にたくさん聞くことがありますから。

鹿野彦吉自由民主党

○鹿野委員長 それじゃ、石田幸四郎君。

石田幸四郎公明党

○石田(幸)委員 それでは、時間がございませんので、率直に問題点をお伺いしてまいりたいと思います。  今度の奄美群島振興特別措置法の一部を改正する法律案について資料をちょうだいしたわけでありますが、特に農業振興について一つ伺いたいのでございますが、当初の三十二年度ないし三十三年慶におきまして、この計画の中には、奄美の「黒糖については、共同製糖施設の復旧整備により品質の向上と増産を図るとともに、価格安定のために必要な措置を考慮するものとする。」こういうふうにあるわけです。ところが、実際に現地を調べてみますと、やや大規模な製糖会社を誘致したために、徳之島あたりでは特にそうですけれども、小規模の製糖工場がことごとく壊滅をして、それがいま全部借金になって残っているわけです。そうしますと、この計画は地元住民の福祉向上のためにも完全に失敗だったのではないか、こう私たちは見ているわけです。この点についてどうお考えになるか。  さらにまた、今後のこういうような援助につきましてどういうふうに考えておられるのか、伺いたいと思います。

野田武夫自由民主党自治大臣・北海道開発庁長官

○野田国務大臣 具体的なことでございますから、政府委員からお答えいたします。

長野士郎自治省行政局長

○長野政府委員 黒糖の関係につきましては、これは奄美の特産物でございますので、これの生産につきましては、住民の自主的な選択にゆだねまして、そして特産物を維持したい、こう考えております。

石田幸四郎公明党

○石田(幸)委員 型どおりの答弁でありますが、私は特に要望しておきたいのは、こういうような援助計画にしましても、現実を見ますと、はなはだ血の通っておらない援助が行なわれておるというのが、地域住民を調査してみますとよくわかります。この点をひとつ留意して今後の援助計画の推進にあたってもらいたい、これだけ要望しておきます。  それから、これは大臣にお伺いしなければならぬ問題ですが、奄美におけるガリオア物資の問題についていろいろ私も現状を聞いてみました。特に奄美大島における農協の連合会でございますけれども、これは承継債権が四千三百五十五万円程度ございます。回収額がわずかに三十五万円、クレームの申告額が二千百十三万円になっておるわけです。それを差し引きましても実に二千二百万円という多額な債権がそのまま残っておるわけでありますけれども、こまかい問題は抜きにいたしまして、解散してしまった連合会から政府は一体どうやってこの返済を求める寿つもりなのか、この点について大臣の御見解を伺いたい。

野田武夫自由民主党自治大臣・北海道開発庁長官

○野田国務大臣 実は、石田さんその他から、非常に与野党こぞってこの問題について示唆があり、すぐ取り組みました。これはもう大事なことだと思いまして、実はすぐその日夕方から会議をやりまして、何としてもガリオアの問題はたいへんな問題だと私も痛感いたしまして、これは示唆を得て非常に感謝しております。  そこで、いまの農協の問題でありますが、これは解散しておりますし、そこでこれからどうして取りつけるかというのはなかなかむずかしい問題でありまして、これは事実問題でありますから、これも先ほど山本さんにお答えしましたように、方針の中に入れて、この農協問題をどう処理していくか。もう不可能な場合は、これを追及しているとほかの問題が解決しませんから、その実態を見まして、その実態に応じてひとつ処理しよう、こう考えております。

石田幸四郎公明党

○石田(幸)委員 話をもとに戻して恐縮でございますけれども、債権債務の確定については、たとえば大島漁連はもうあと十五万ぐらいしか債務は残っておらぬ。しかしながら、ここの会長さんですか理事長さんですかは、なくなられておられません。それで、その筆頭理事に私はお会いしましていろいろ話を聞きましたけれども、債権債務についてアメリカ軍と談合の上でそれを確認したというサインは一ぺんもしていない。なおまた、日本政府ともこの債権債務の確認はしておらないはずだ、もし何なら私も証人に立ちましょうということをおっしゃっておられましたけれども、債権債務の確定については、一体そのときにどうなすったのか、ほんとうに債権債務が正しいものであるかどうかというのは、私はこの問題を片づけるにあたって大きな問題だと思うのですが、いかがでございますか。

野田武夫自由民主党自治大臣・北海道開発庁長官

○野田国務大臣 あまり事務的過ぎますから、政府委員よりお答えいたさせます。

長野士郎自治省行政局長

○長野政府委員 ガリオア物資につきましては、お話しのように、いろいろなクレームが確認時についておりまして、そういう意味でその債権債務というものがはっきりした形をとっておるとは言いかねる点がございます。その点につきましては、さらに現状においてそれがどうやってもう一ぺん再確認ができるかということになりますとたいへん問題がございますが、まあ、その当時の状況その他をにらみまして、適切な形で整理をいたさなければならぬものと考えております。

石田幸四郎公明党

○石田(幸)委員 適当に整理をなさるということでございますけれども、私は特に申し上げておきたいのは、こういう問題を処理するにあたりまして、債権債務の確定すら明確な取りきめの中に行なわれたとは考えられない。しかし、その間において、債務を弁済するために、協同組合等におきましても、あるいは大島食糧等におきましても非常な経営上の苦労をしていらっしゃるわけですね。そういった面のいままでの苦労というものをしんしゃくしてあげるような、いわゆる愛情のこもった政治でなくちゃならぬと私は思うのですね。行政上におきましてもそういった点を十分配慮されるべきだと思うのですよ。この点は議論になって長くなりますのでやめておきますが、その点一言申し上げておきます。  さらに、この復金の問題についてお伺いしますが、この前私がお伺いしましたときは、いわゆる債務者が弁済をしたいと思っておっても、そこに弁済をすべき金融機関が一年八カ月にわたって存在しなかった、そのときの利息はどうなっているかというように聞いたときには、それは計算されていないはずだ、こういうふうに伺いましたけれども、私が手に入れた資料によりますと、こういうのは計算されておりますね。まことに不届きな扱い方じゃないかと思う。  さらに、これは大蔵省の方にお伺いしたいのでありますが、一例をあげますと、ある人が二十二万六千円借りておる、払い込み期日が二十九年八月になっている、実際に払い込みをしたのは三十四年五月二十八日というふうになっておるのでございますけれども、そのときに支払うべき利息についても延滞利息が加算されておるわけですよ。この元金に対する利息について延滞利息も取るということは、普通の金融業務のたてまえからいって認められておるのかどうか。

長岡実大蔵省銀行局中小金融課長

○長岡説明員 通常の金融取引の場合には、そのいろいろの条件は金融機関と契約者との間で約定書について取りきめを行なうわけでございます。全国銀行協会等の標準約定書にはその支払い方法等が書いてございますが、通常その場合には元金のみならず利息も契約の対象になっておりまして、延滞利子というのは、利子という名前はついておりますけれども、事実上は一種の延滞損害金的な性格を持つものでありまして、その場合には、元本及び利息の支払いを内容とする契約が守られなかったことに対する損害金でございますので、金利に延滞金がつくことも禁ぜられておらないというのが実情でございます。

石田幸四郎公明党

○石田(幸)委員 その場合の割賦返済の場合に、では一体いつから延滞利息というのはつくわけですか。

長岡実大蔵省銀行局中小金融課長

○長岡説明員 割賦返済につきましても、割賦返済方法が通常の場合は約定書の中にうたわれるわけでございまして、したがいまして、その約定書の中にきめられている割賦返済方法に違反した場合には、その時点において契約違反行為ができたということで、延滞損害金がつくことが考えられるわけでございます。

石田幸四郎公明党

○石田(幸)委員 なお、確認しておきますが、半年ほどの割賦返済、半年を経過すれば直ちに延滞利息は全部つくわけですか。

長岡実大蔵省銀行局中小金融課長

○長岡説明員 個々の約定書の取りきめ期間によるわけですけれども、全国銀行協会の標準の約定書によりますと、そういう場合でもつくことが考えられるのみならず、その時点で残りの債務の全額返済を金融機関が請求することもできるというふうに書いてございます。

石田幸四郎公明党

○石田(幸)委員 大臣に申し上げたいのでございますけれども、私、復金に行きまして、契約書はどうなっているのか見ました。その契約書はいわゆる元金と利息の定め、これは年五分、六分、七分になっております。これが延滞なされた場合には、その倍額、一割、一割二分、一割四分、こういう延滞の利息の取りきめは、特約事項の中にありました。しかし、その中には、いま申し上げました割賦返済に対する特約事項というのはないわけです。したがって、借りたほうは、まさかそういった割賦返済についての延滞利息がつくなんてことは毛頭思っておらぬわけですね。明らかにこれは貸し出しをしたときの銀行側の手落ちがあるわけです。説明がされておらぬのですから……。ですからそれは十五万借りれば延滞利息は、あと全部返済をしたときに延滞利息は十三万くる。何で私は延滞利息まで払わなければならぬのか、こういうような不満があるわけです。契約書を見ましたけれども、割賦返済について何もうたっておらぬわけです。こういう事情を十分この問題の処理にあたってお考えいただきたいと思います。それから、いろんなケースがありますけれども、たとえばある床屋さんが米軍から金を借りてお店をつくった。ところが、有名な名瀬の大火が二度ばかりございまして、そのときに焼けてしまったわけです。三十年の大火のときは、最初銀行と貸借関係を結んだときには、保険の取りきめがございました。保険がついておったわけです。ところが、日本政府に償還するにあたって、琉球銀行から手を離れておりますね。その間に火事にあっちゃったものですから、保険をつけられないわけです。保険をつけられないために、火事にあって、そのまま借金が現在その人の負担になっておる。こういうケースがあるわけですね。  それからまた同じようなケースで、なお今度保証人がその債務を引き受けなければならないということで——保証人になったそれが悪いといえばそうかもしれませんけれども、全然保険金をかけていなかった、家は焼けちゃって、その分について保証人が長い間かかって返しておる、こういうような実情もあります。確かに、当時借りた人たちの状況は、生活レベルもわりに高いような方のようでありました。しかし、元名瀬市の議長をやっていたような人も、いまでは老齢になって、奥さんは脊髄カリエス、自分は中気なんかで、一年中外に出られない、生活保護を受けておる。とてもとても払える状態ではないという状況がたくさんございました。私は、ここに読み上げれば、そういう問題が幾つも出てくるわけです。これはともかくとしまして、そういう事情について、私は地元の声を特に申し上げておきたかったわけです。特にこういう不満が出ています。日本に復帰したために私たちは要らざる借金を負ってしまった。米軍当時のときには順調に返しておったが、日本政府になったために五百数十日間も債務というものを放置されておって、返さなくてもいいと思っていたのが今回のこの事件によって返済しなければならぬ。われわれは損害をこうむっておる。損害をこうむっておるばかりでなく、あとの生活がたいへんだ、こういう感覚だということを申し上げておきたいと思うのです。  それから、ガリオア物資等の減免等については、昭和二十九年三月二十一日で、当時の琉球軍政府の傘下にあったときに、沖繩、宮古、それから八重山、この三つの島々に対する漁連に対しては、アメリカ軍はクレームの申請について認めたわけです。ところが、大島漁連については、日本に復帰することがきまっておるのだからといって、ここではそういった約定が行なわれなかった。その後の状況は、現地の琉球軍政府との手紙の交換の様子なんかをいろいろ拝見しますと、もし奄美群島が日本に復帰しなかったならば、琉球群島の政府の協同組合部は、調査報告によって、回収不能の勘定については減額しただろう、こういうような手紙も来ておるということです。そういうようなことから、奄美大島の方々は非常に不満を持っております。ただ、何といっても金を借りなければ商売もできない、そういうような人がほとんどでございまして、復金の意思といいますか、意向といいますか、そういうものを極度におそれてだれも言わなかりたのです。現に非常に乏しい生活費の中から弁済している人もいます。向こうの常務あたりは、きびしい取り立てをしていませんと言っておるが、かなりの人は、もしこれが払われなかったならば、おまえさんの家は差し押える、競売だと、来るたびにおどかしておる。そういうことから、だれも口を結んで窮状を訴える人がないわけです。そういうところに私は現在の信用基金というものが、業務のやり方、指導のしかたにおいて、非常に冷酷むざんに行なわれておるということを私は考慮していただきたい。この問題について今後十分指導をしていかなければ、かえって復興のために設けた基金が、住民感情を悪くし、住民の生活を圧迫する、そういうような結果になりかねないということについて、今後どう指導されていくのか、この点だけを伺っておきたい。

野田武夫自由民主党自治大臣・北海道開発庁長官

○野田国務大臣 ガリオアの内容、それから返済関係の実情というのを、与党、野党こぞって御心配になっておる。先般の分科会でも私、非常に感銘をいたしました。これはほっといてはいかぬというので、先ほど山本さんにお答えしたように、その日にすぐ取りかかりました。  そこで、原則は、すでに償還済みの債務者もおることでございますから、いわば償還済みの方との公平を期することは、これは原則論ですね。これはあたりまえのことですが、しかし、いま御指摘のいろいろな事情があると私は思います。これだけ皆さんが御心配になる。ことに実情を知っておられる方が訴えられたものですから、いまのお話は相当混雑といいますか、無理なこともある、それは認めます。そこで、先ほどもちょっと申し上げましたが、つまり基本的には、無資力またはこれに近い状態が継続しておって、その状態が相当期間経過しても同じ状態で、なかなかその方が能力が復活しない、こういう債務を負っている方につきましては、元本はもとより、利息及び延滞利子も、ひとつこの際免除するという一項の基本方針は設定しております。だから、かれこれのことを私ここで申し上げませんが、これで大蔵省といま折衝いたしております。  そこで、いまの御事情をよくお話し願いまして参考にいたしております。この基本原則に基づいてやることにしておりますから、いろいろなこともまだありましょうけれども、その点は熱意を持ってやりますから御了承を願いたい、こう思っております。(石田(幸)委員「いつごろまで」と呼ぶ)今月中に目鼻をつけたい、こう思っております。

鹿野彦吉自由民主党

○鹿野委員長 この際、暫時休憩いたします。    午後零時五十九分休憩      ————◇—————   〔休憩後は会議を開くに至らなかった〕

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