地方行政委員会 第8号
- 発言数
- 177 件
- 登壇者
- 14 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1969/03/04
会議録
○鹿野委員長 これより会議を開きます。 午後零時十分再開することとし、この際、暫時休憩いたします。 午前十時四十三分休憩 ————◇————— 午後零時四十二分開議
○鹿野委員 長休憩前に引き続き会議を開きます。 内閣提出にかかる奄美群島振興特別措置法の一部を改正する法律案を議題といたし、提案理由の説明を聴取いたします。野田自治大臣。 ————————————— —————————————
○野田国務大臣 ただいま議題となりました奄美群島振興特別措置法の一部を改正する法律案につきまして、提案の理由及びその内容の概要を御説明申し上げます。 奄美群島につきましては、昭和二十八年の本土復帰に伴い実施いたしました復興計画に引き続き、奄美群島振興特別措置法に基づいて振興計画を策定し、各般の事業を実施してまいったことは御承知のとおりであります。 振興事業の実施により群島産業の基盤も逐次整備され、主要産業の振興もようやく緒につきつつあるところであります。 しかしながら、奄美群島をめぐる諸条件は依然としてきびしく、住民の生活水準はなお本土との間に相当の格差があるのみならず、この間におけるわが国経済の発展は著しいものがあるのであります。これらの諸般の事情にかんがみ、群島経済の自立的発展の基礎を確立し群島民の福祉の向上を期するためには、さらに振興計画を延長して引き続き群島について特別の措置を講ずる必要があると存ずるのであります。このことにつきましては、すでに一昨年奄美群島振興審議会から建議がなされているところであります。 政府といたしましては、このような観点から奄美群島振興特別措置法の存続期限を五カ年間延長し、引き続き主要産業の振興を中心とする事業の推進をはかるべきであると考え、ここに本法律案を提案いたした次第であります。 次にこの法律案の内容の概要について御説明申し上げます。 第一に、現行の振興計画は、昭和三十九年度から四十三年度までの五カ年間となっておりますが、これをさらに五カ年間延長し、十カ年計画とすることにいたしたのであります。 第二に、これまでの振興計画の実施の状況等にかんがみ、振興計画に基づく事業について国が負担または補助する場合の負担率及び補助率の一部を改めることにいたしました。 第三に、奄美群島における公立学校施設災害復旧事業について、国が負担する場合の負担率に特例を設けることにいたしたのであります。 以上、この法律案の提案理由及びその内容の概要について御説明いたしたのでありますが、何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御可決あらんことをお願い申し上げます。
○鹿野委員長 以上で提案理由の説明聴取は終わりました。 —————————————
○鹿野委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。保岡武久君。
○保岡委員 ただいま議題になっております奄美群島振興特別措置法案に関連いたしまして、若干の御質問を申し上げたいと存じます。 奄美群島につきましては、昭和二十八年十二月二十五日、本土に復帰いたしましてからこの方、復興、振興等のために国会並びに政府の手厚い御努力によりまして著しい改善が行なわれてまいりました。すなわち復興事業十年、振興事業五年を通じまして、その間に事業費として三百九十億、国費二百億を投じてこの十五年の間に奄美群島の行政水準、産業の振興はめざましいものがあり、十五年前を知る者にとりましては、全く隔世の感があります。この間、政府の施策につきましては地元民も深く感謝しておるところでありまして、奄美群島選出の私といたしましては群島民を代表して衷心から謝意を表したいと存じます。 この振興、復興の両事業のおかげで、復帰直後は鹿児島県平均所得の六三%、一人当たり二万七千円余にすぎませんでしたところの奄美群島の所得も、昭和四十一年には約八二%、一人当たり十四万円にまで向上いたしてまいりました。しかしながら国の経済の高度成長の状況からいたしまして、いましばらく国の特別な保護措置を続けていただかなければ、本土との格差が逆に増大するおそれがありますので、振興計画の延長措置はかねて群島民の強く要請、要望してきたところでございます。振興事業の計画をなお五年延長せんとする今回の措置は、群島民といたしましては熱望おくあたわざるところであります。何とぞ政府原案どおり法案並びに予算案を成立さしていただいて、奄美の振興を促進していただきたいと強く要望いたす次第でございます。 そこで、この振興事業の内容について少しくお尋ねいたしておきたいと存じます。 まず第一に、振興事業計画の基本的目標をどこに置いて策定せられますか、また予算等の内容について承りたいと存じます。
○砂田政府委員 お答え申し上げます。 奄美の現状につきましては、ただいま保岡議員がお述べになりましたところまで、昭和二十九年から三十九年の間の復興計画、三十九年から本年までの振興計画を通じまして、群民経済と申しますか群島民の生活環境もやっとここまでこぎつけてまいることができました。しかしただいま保岡委員がおっしゃいますとおりに、いまだ現状は対鹿児島県平均所得の大体八二・一%程度が現状でございます。もう一息と考えますので、今回法案の改正をお願いしておりますのは、群島経済の自主体制をほんとうに確立をして、それによって群島民の生活環境を高めていく。大体目標といたしましては、これからの五カ年の計画の終了いたします四十八年度におきまして、対県比九四%をこす程度のところまでは何とかして努力をして持ってまいりたい、こういう目標を置きまして、計画改定の具体的な内容につきましては、これから奄美群島振興審議会の御答申をいただきまして決定をしていくわけでございますが、その間、これからの五カ年間の総事業費を二百四十八億程度、その中で国費を百三億、こういう予定をいたしておるのでございます。内容の具体的な産業振興、産業基盤振興等につきましては担当局長からお答えをいたさせます。
○長野政府委員 今回の計画改定にあたりましては先ほど政務次官が申し上げたとおりでございます。産業基盤、生活基盤整備等につきまして、総合的には鹿児島県本土なり他の類似の離島の状況等を勘案いたしまして目標を一応設定をしておるわけでございます。その目標を達成するために、個々の事業につきまして一応の積算をいたしておるのでございますが、これは、いま政務次官も申し上げましたとおり、具体的な計画は奄美群島振興審議会の議を経まして確定をいたすわけでございますけれども、改定計画の内容につきまして概略申し上げますと、たとえば産業基盤の整備につきましては土地改良事業、土地改良事業の中にはかんがい排水事業、農道、それから圃場整備、そういうものを中心にして行なってまいりたい、そのほか、そういうことによりまして、サトウキビ——農業につきましてはキビが中心でございますので、サトウキビの増産というものが産業振興の一つの大きな柱になるということでございます。それからそれに関連をいたしまして畜産振興等をはかっていくということになります。それともう一つは、奄美大島の大きな産業の一つでございますところの、特産物でございますが、大島つむぎの増産をはかる、そういうことを、この三本の柱を中心にいたしておるわけでございます。キビにつきましては、四十三年度の見込みが六十四万トンでありますが、これを計画終了時には百万トンに持っていきたい。それから畜産につきましては肉用牛でございまして、四十三年度は一万五千頭でございますが、これを倍増いたしたい。それから大島つむぎの生産は、現在約二十三万反でございますが、これを三十万反程度に持っていきたい、こういうことで、それに関連いたしますところの土地改良事業なり企業の共同化なり、あるいは道路改良、道路舗装、港湾、空港の整備、そういうものにつきまして事業を進めてまいりたいと思います。なおそのほか、生活環境整備と申しますか、国民宿舎等のそういうような面の整備も加えてまいりたい。同時に奄美群島の蔬菜生産等もなお進める必要がございますので、こういうものも考えていく、なおまた給水率の普及度を高めていくようなことも考えなければならないというふうに、全体総合的にそういう事業を考えております。
○保岡委員 このたびの改定計画、法律の改正につきまして、従来よりも補助率が若干ダウンされているように見受けます。補助率を下げても、なお奄美群島の負担率あるいは負担能力がこれにたえるものであるというお考えでしょうか。それともまた鹿児島県なりにある程度の負担の肩がわりをさせるというようなことを考えておられるのか、その点を承っておきたいと思います。
○長野政府委員 補助率の問題につきましては、計画改定に際しまして補助率の改定をいたしておるわけでございますが、これは従来の復興事業、振興事業の施行に伴いまして相当の整備が行なわれております。そういう現状にかんがみまして、特に他の地域の補助率との差等の関係につきまして、その必要の有無その他を検討いたした結果、補助率の調整を行なっておるのでございます。そういうことでございまして、そのために今後の五カ年間の計画につきましては、先ほど申し上げました総事業費にいたしまして二百四十八億円、国費ベースで百三億円ということになっておりますが、その関係につきまして、補助率の調整をいたしました関係から、県におきまして、いわゆる補助率引き下げということに伴いますところの負担分と市町村の負担分と合わせますと約九億円、全体として従来より負担が増すということになります。県については約六割増になります。市町村については二割増にとどまるということでございまして、この程度のことでありますと、それは大体支障なく事業の遂行ができるであろうというふうに考えております。また私どもといたしましては、鹿児島県もこれ以外に単独事業として振興事業で十分でないところの事業につきましての補完的な役割りをさらに期待したいというような考え方でおります。
○保岡委員 奄美にもやはり過疎現象あるいは過密現象というのが併存しておるような実情でございますが、過疎現象による人口の流出と労働力の減退というものが、この計画を十分に達成し得るかどうかということについて若干危ぶまれる点がありますが、特にサトウキビの増産が六十数万トンから百万トンとなると、相当な高い目標だろうと思うのです。これについては自治省としてもよほどの御努力をされて指導していただかなければ達成ができないかと思いますが、その点ひとつ十分に鹿児島県なりあるいは現地の機関を督励していただくようにお願いしたいと思います。 なお、奄美群島における過密状態が出ているところが名瀬市であります。名瀬市の人口だけはどんどんふえている。非常に狭いところに人口がふえてまいりますので、名瀬市では宅地等の不足のためにいま非常に悩んでいるところでございます。そのために宅地造成と申しますか区画整理事業をやっておりますけれども、街路事業について、現地ではトンネルをどうしても通したいということを盛んに主張していたのでございますが、今度の振興計画の中でトンネルの問題が取り上げられていないように聞いておりますが、自治省としては将来どういうふうに指導していかれる考え方であるか、承りたい。
○長野政府委員 お尋ねのお話は朝仁地区と申しますか、朝仁地区に名瀬市が宅地造成事業をしておりまして、それと名瀬の現在の中心市街地とを結びますための道路の整備改良の問題だろうと思うのですが、これにつきまして名瀬市のほうからは、トンネルによってその交通を便利にしたいという御意見や御希望があることは私どもも伺っております。これにつきましてはなおいろいろな面から投資効果その他も検討する必要があるのではないか、それと同時に、トンネルだけでなくてほかにいろいろ方法も考えられるのではないかというような意見もございまして、現在計画の積算にははっきりとあらわれておりませんけれども、朝仁地区との交通の関係のための街路事業につきましては、計画の期間の間においてその目的が達成されるようなかっこうでの事業が盛り込まれるような努力を私どももいたしたいと思っております。
○保岡委員 大体振興事業につきましては以上で終わりたいと思いますが、次に、奄美群島でいま振興事業の延長という問題と並んで非常に大きな問題になっておりますのが、電力の問題でございます。電力料金が、平均して九州本土の大体二倍くらいの電力料金を負担している。最近、特に昭和三十八年の六月にテレビが開設されることになりましてから、またその間に郡民の生活もある程度向上してまいっておりますので、電気用品を相当に使うようになってまいりました。そうなりますと、なるほどこの電力料金というのが家庭の負担あるいは事業の負担になっている、そのために非常に苦しい目にあっているという実情でございます。もともと奄美群島は九州電力の供給区域にあるわけでございますけれども、祖国から離れていた関係もありまして、現地にあります小さい電力会社が九州電力のてこ入れのもとにだんだん起債等をやってまいりまして、現在ではおそらく十二、三億の金を使って現在のような電力までに復興してきたということが言えるのでございますが、それだけに料金が非常に高い。これはどうしてもやはり九州電力と統合することによって島民の負担を軽減していくということをやらざるを得ないわけでございまして、数年前からこの問題を中央に対しても相当強く要請をしてまいっておるのでございますが、これにつきまして自治省なりあるいは通産省なり、どういう方法でこの問題に対処していかれるか、承っておきたいと思います。
○砂田政府委員 大島の電力の問題は、発電量でございますとか点灯率ということは非常に改善されてまいりましたけれども、料金につきましては御指摘のとおりでございまして、九州電力との間に相当な格差がございます。これが郡民の民生安定の上からも、また産業の自主体制の確立のためにも非常に大きな障害になっておるところでございます。一方、九州電力自体が九電力の中でも一番料金の高い電力会社、まだまだ合理化をやってまいらなければならない電力会社でございまして、これが一つの大きな障害になっておりますので、鹿児島県の御当局でも一応の計画を立てておられまして、御承知のとおりに大島の電力は大島電力と四つの公営企業電力がございます。この四つの公営電力をまず大島電力に合併させて、合併し終わった大島電力を九州電力に合併させる、こういう段階的な措置が実は計画されております。大略申し上げますと、四十四年度で大和村の公営電力を大島電力に合併させ、その次に四十五年を目途に残りの三つの公営電力を大島電力に合併させる。それから四十六年を目標に公営電力との合併を終わりました大島電力を九州電力に合併させる、こういう段階的な計画をもちまして鋭意関係方面ともただいま折衝しておるところでございます。現在、この合併の最終の目的にしております九州電力自身がそういう状態でございますので、四つの公営電力というものの施設整備のための補助金、起債あるいは大島電力に対します開発銀行の融資のワクの組み込み、こういったことにつきまして、こういう措置を講じながら所期の目的を鹿児島県で達成できるように自治省といたしましても鋭意努力をしてまいることにいたしております。
○藤井説明員 いまお話しがございましたのですが、若干私どものほうから申し上げたいと思います。 奄美大島につきましては、九島電力が主体で、あと四つの公営がございますが、先ほどお話しございましたように、公営企業につきましてはなお相当設備の不備もございますので、国及び県の助成を得ながらこれらの設備の改修をやっておりまして、この改修が終わりましたら、そのあと大島電力に吸収するという予定となっております。大島電力も非常に高い電気料金のところでもございますし、一挙に吸収していくということもたいへんであるということで、逐年やっていこうというような考えで、従来から自治省に対しましてはそういう考えを確約してきたところでございます。いまのお話で、さらに効力するようにということも出ておるようでございます。十分検討させていただきたいと思います。またそのあとで、つまり大島電力会社が四公営を吸収しました暁におきましては、できるだけ早期に大島電力を九州電力に吸収するように、その時期につきましてよく検討することといたしたいと考えております。
○保岡委員 大体政府のお考えはわかったような気がするのでございますが、奄美ではこの問題が、先ほど申しましたようにいまほんとうに大きな問題になっておりまして、この前は島民五万の全世帯の人たちが署名をして、これは署名簿を通産省に持ち込んでおるような始末なんです。またこの前、つい最近でございますが、総理府から出ました家計調査の問題で、名瀬市が日本一に物価が高いということが発表になっております。これはやはり電力料金あたりがそのもとになっているのじゃないかというような気がするような次第でございますが、ひとつぜひともこの問題については真剣に政府も取り組んでいただきたい。なおこの問題は、ただ口で言うとやさしいように思うのでございますが、たとえば公営企業を大島電力に持ち込むにしても、その資産をどうする、あるいはまた公営電気がいままで整備するに要した借金を一体どうするというような具体的な問題になりますと、なかなかむずかしい問題があるように思うのです。これらについては県なり現地だけの問題ではどうにもならないので、政府自体が十分にひとつ奄美の実情を御勘案の上で、手をとって指導していただくということが必要じゃないか、かように思っております。もういまごろになれば大体のスケジュールがわかったような気がするのでございますが、はっきりしたスケジュールを組んで御指導願いたいということもあわせてお願いいたしておきます。 電力問題は以上にいたしまして、その次にガリオア、復金問題がございますので、これをお尋ねいたしておきたいと思うのでございます。奄美大島が米軍の占領下にありました際に、米軍がガリオア資金を原資といたしまして、奄美群島の住民に対し、その救済と復興のために貸し付けをいたした債権があります。復帰と同時に、奄美群島振興信用基金というのがございますが、その信用保証の原資として、政府は基金にこの取り立てを移譲したということでございます。それが今日まですでに十五、六年の月日を経過いたしておりますが、大体復金につきましては、七七%くらいの回収はあったようでございます。残ったものはもうほとんど不良債権のみだ。しかもこれが相当に高い延滞利子がついて、もう雪だるま式に非常に大きくなっている。そのために名目債権だけで相当な圧迫を受けているという模様でありますから、これらについてはすでにとれるものはある程度とれたのじゃないか。残ったものをいつまでも残しておくのではなしに、この際何とかひとつ処理をしていただけないものかという声が島内に相当あるわけでございます。幸い奄美群島振興特別措置法の第十条の三の九項に「基金は、第一項に規定する国から承継した債権に係る債務者の債務の履行が著しく困難となった場合において、当該債権の貸付条件の変更若しくは延滞元利金の支払方法の変更をしようとするとき、又は当該債権に係る債務者がその債務の全部若しくは一部を履行することができなくなった場合において、当該債務の全部若しくは一部を免除しようとするときは、自治大台及び大蔵大臣の認可を受けなければならない。」という規定がございますので、この規定を運用していただいて、ぜひともひとつこれをある程度整理していただくようにお願いしたいということを要望いたしておきたいと思います。これについての自治省のお考えを承りたいと思います。
○砂田政府委員 この問題は、ただいまの基金が承継をいたしました債権としては、ガリオア物資の代金、これを承継しております。これが一つでございます。それから協同組合中央金庫貸し付け金、復興金融基金の貸し付け金、復興金融基金仮払い金、この三つを承継をいたしておりますものがもう一つございます。 ガリオア物資のほうにつきましては、クレームの問題が残っております。それから片一方の復興金融基金の貸し付け金の債権を承継をいたしましたものにつきましては、ただいまお話しの延滞利息の問題が残っております。ガリオアのほうでは、延滞利息のことは別にございません。クレームの問題、私は私の感触でお答えさせていただきたいと思うのでございますが、御承知のようにこの基金の再権の問題は自治省と財政当局との共管になっております。ただいま保岡議員お述べになりましたクレームの解決の問題、延滞利息をどうするのかという問題につきましては、自治省といたしましては財政当局とただいま折衝をしておる段階でございます。ただこれは私の受ける感じでございますが、一体いまついているクレームの内容がどういうことになっていたのかということをさかのぼって綿密に調べる手だては、私はもうないと思います。受け取った量自体が不確かなものすらございます。私といたしましては、これは大臣も実は同じ見解を持っているのでございますが、どういう時期にどういう方法でこのクレームを切ってしまうか、その方法と時期を財政当局とただいま折衝をしている段階でございます。 それから、クレーム分を除きました基金の債権、団体の側から申しまして債務につきましては、各団体ともが返済の計画を基金のほうへもう出してくださっておりまして、ある程度年月はかかりますけれども、すでに借りた側からの返済計画が出ておりますので、その計画に従って返済をしていっていただけるもの、かように確信をいたしております。 それから延滞利子の問題でございますが、これはやはりこういう政府機関の一つの債権でございますから、いろいろな角度から事は考えてまいらなければならないと思います。個々の御事情を調べてみますと、ほんとうにお気の毒な事情がございます。また一面におきましては、けっこう返済能力がおありなんじゃないかと思われる方でも元金、利息、延滞利息とも御返済になっておられない方もまたございます。 大体の内容を申し上げますと、この債権を承継をいたしました当初、大体二千人の方にそういう債権がございました。そのうちの約半分の千名の方は元金、利息とも返済を終わっておられます。千名ただいま残っておりまして、その千名の方のうちで大体半分の五百名の方が元金、利息、延滞利息ともが残っております。残りました五百名の方が元金をもう支払い済みでございまして、延滞利息だけが残っている、そういう状態でございます。千名ばかりの方でございますので、相当年月を要しましたけれども、基金のほうで個々のケースごとの実情の調査が大体終わりまして、こういう言い方がお許しいただけますならば、非常に気の毒な方がおありになる、また一方におきましては、当然返済能力をお持ちであるはずなのに返済をなさらない方もまたあるわけでございます。先ほど申し上げた千名の方が全部完済をしておられますので、これの延滞利息の解沢方法は、へたなことをいたしますと正直者がばかを見たというふうなことにもなりかねない問題も一またございます。そういう角度からも考えてみなければならないところでございますが、ただいま申し上げたようなお気の毒な方が多数おありのことでございますから、こういった延滞利息を免除すると申しますか、もう切り捨ててしまうと申しますか、その方法につきまして、これはまだ決定をしておることではございませんが、たとえて申し上げますならば、正直者がばかをみるというふうな感じを持たれない方法の一つといたしましては、生活保護基準の何倍かの方々に対しては全部切ってしまう、そういうことも一つの方法であろうかと思いますので、そういった免除をいたしますための限度、ただいま保岡先生お述べになりました第十条の三の九項に書かれておりますとおり、大蔵、自治両大臣の許可の問題でございますので、財政当局のほうへただいま自治省といたしましては相談を持ちかけまして、いま検討をしております。できるだけ早い時期に群島民の皆さん方がお感じになっておられますような島民の感情の方向で解決点を見出したい、かように考えております。
○保岡委員 質問を終わります。
○鹿野委員 次は山口鶴男君。
○山口(鶴)委員 お尋ねいたしたいことはたくさんあるわけでありますが、ただいま保岡さんからお尋ねのございました点からひとつお尋ねをいたしましょう。 このガリオア、エロアの資金が問題になっておるようでありますが、この約五億一千六百万円程度にのぼりますガリオア、エロアの資金がこの奄美群島振興信用基金に繰り入れられました経過は一体どういうことでありますか、まずお尋ねをいたしたいと思います。
○長野政府委員 奄美群島に関する日本国と米国との間の協定に基づきまして、手続的には両国政府間で確認された上で、いまお話しの米国側の債権を日本政府が引き継いだというかっこうになっております。その理由はどういうことかということになりますと、いろいろ理由があると思いますけれども、結局奄美の責任を日本が引き受けるという場合に、そういういろんな債権債務の整理の便宜という問題もあったと思いますが、そういうことでその資金の回収、またその資金の今後の運用というものを日本国政府が米国から引き継いだというふうに思っております。
○山口(鶴)委員 結局ガリオアの物資を売り払いまして、食糧品等が多かったと思うのでありますが、その物資を、米軍が当時大島食糧株式会社、あるいは大島農業協同組合連合会、大島漁業協同組合連合会、大島紬組合、大島工業協会、大島貿易組合等に貸し付けておられた。また二千数百人にのぼります個人の方々に貸し付けておられる。それからガリオアのほかに、エロアに対してやはり資金を貸し付けておったのがあったと承知しておるのですが、エロアは一体どういう団体を対象にして貸し出しをしておられましたか。その点もひとつ御説明いただきたいと思います。
○長野政府委員 琉球政府と申しますか、アメリカの軍政下におりました時代に、アメリカ軍として琉球との間でいろんな援助物資等の供与がありまして、それの代金回収の資金をいろんな形で運転をしたと申しますか、そういう形があったようでございます。私どもが奄美について知っておりますのは、ガリオアにつきましてはガリオア物資代ということで占領中に米国政府の出資金で購入をいたしました。そうして琉球地域つまりその場合には奄美の地域もありますが、そういうものに供給した生活必需物資の代金でございます。これは先ほど御指摘がございましたように、大島食糧株式会社でありますとか農業協同組合連合会でございますとか、漁協とか大島紬あるいは工業協会、貿易組合というふうな団体を債務者としてそういう契約をしておるというかっこうでございます。 それから御指摘のエロアということでございますが、これも琉球地域におきましてはそういう資金、たしかそういうものに該当するのだと私も思いますが、琉球全体として琉球政府が設立いたしました中央金庫がございます。そういうものに資金を導入をいたしまして、それの中から奄美群島地域の協同組合等に貸し付けるというようなことをいたしましたもの、それから民生安定のために琉球民政府が、復興金融金庫でありますか、そういうものを設立をいたしましてそれに資金を入れましたものを、その復興金融金庫を通じて、琉球のそういう金庫を通じまして奄美の住民に対して貸し付けが行なわれた。この部分がいわゆる復金の貸し付け金といわれるものでございまして、住宅建築資金が大半でありますが、そのほかにあるいは家畜の購入資金とか、開田、開墾資金等がございますが、そういうことでございまして、ガリオア物資代のほかは協同組合の中央金庫からの貸し付け金とか復興金融基金からの貸し付け金ということになって、そういう債権債務という形で受け継がれております。
○山口(鶴)委員 そうしますと、大島食糧株式会社等を通じてガリオア物資を住民に売ったわけですね。その資金の回収がなされていなかったわけでしょうから、ガリオア物資代として一億八千六百万円程度、それからエロアの資金だと思いますが、大体協同組合中央金庫を通じて団体等に貸し付けた金が千四百万円、それからガリオアの物資を売りましたあとのお金を復興金融基金というような形で、いわゆる見返り資金だろうと思うのでありますが、その資金を通じて個人の住宅あるいは家畜等の購入に貸し付けたというのが三億一千五百万、そういうものが日本復帰に伴って、その債権としてアメリカから日本が引き継いだ、こういうふうに理解してよろしいわけですか。
○長野政府委員 そのとおりだと思います。
○山口(鶴)委員 ところが昭和四十三年九月末現在の状況を拝見いたしますと、ガリオア物資代一億八千六百万円のうち回収をいたしましたのが四千万円、あとが残高で、特に回収不能見込み額が一億一千万円にのぼっておる。エロアの貸し付け金につきましては千四百万円のうち回収が、これはまあ率がいいわけでありますが、千二百三十万円程度で、残高が百七十万円、回収不能が若干ある。それから個人の分につきまして三億一千五百万円、回収が二億四千四百万、残高が七千万円であって、回収不能が九百万円、こういうような状況だというわけです。私は、このように回収不能見込み額でありますとか、残高が多数残っておるということは、この債権自体にやはり相当無理があったのではないだろうかという感じを持たざるを得ないわけであります。 当時、私どもが戦争直後のことを考えましても、確かにガリオア、エロアの物資を私ども配給されて食べた記憶がございます。しかし率直に言いまして、家家畜のえさのようなものもあったことも事実でありますし、品質等が相当いたんでおるものがあったと思います。経過をお聞きいたしますと、米軍が占領しております、沖繩からこの奄美のほうにこれらの物資が送られて、こういう形の物資がいわば奄美に来て、そうしてこれだけが各団体を通じて売り払われたことになっている。こういうことだろうと思うのでありますが、しかし当時の状況等を私ども内地におりまして見ましても、相当品質等についても問題があったのではないかと思いますし、それからまた沖繩から奄美に参ります際の輸送の過程において、それでは完全にその物資が到着をしておったかということについてもいろいろ疑念があるわけであります。問題はこの五億一千六百万、いわば債権として継承いたしましたものは、日本政府がどういう形で、どのような伝票と突き合わせて明確に確認をしたのですか。その点日本政府としても五億一千万もの債権を、アメリカからいわば譲渡されたということでありますが、その際のいわば債権の内訳等についてはどのような手続で御確認になりましたのか。その点をひとつ明確にお知らせをいただきたいと存じます。
○長野政府委員 この債権の確認は、米国政府から日本政府に承継をいたしました際に確認をしたということになっておりまして、その確認の時期は三十年の五月二十五日ということになっております。当時は政府間の話でございまして、財務当局が引き継ぎを受け確認をして引き受けたということでございます。大蔵省がその所管をしておったのでございますが、私どもとしてはそれ以上の詳しいことは知っておりません。
○山口(鶴)委員 そうすると、米軍からの引き継ぎ書類で確認をした、こういうことになるわけですね。結局ここにありますような大島食糧株式会社その他の団体に対して、具体的な品目はどうで、数量はどうで、それでどうだという確認をしたのではないということですな。
○長野政府委員 条約の上におきましては、「両国政府は、これらの勘定の残高並びに債権者及び債務者をできる限りすみやかに確認しなければならない。」ということになっておりまして、それは先ほど申し上げましたように三十年の五月二十五日で引き継ぎが完了したということになっておりますから、当時の状況は詳しくわかりませんけれども、そういう条約に即して債権者、債務者の確認という点までのことに触れて、確認の上で引き継いだものと思います。と申しますのは、ちょうどそのころに、承継債権のうちのガリオア物資代にかかる債権につきましては、債権確認時にクレームが申し立てられております。そういうことで、その内容としましては、先ほどお話がございましたように、物資の輸送でありますとか保管時とかあるいはその内容とかにおきまして非常に適当でないものがあったというようなこと、あるいは非常に目減りがしたというようなことで、そううものまで含めて債務の確認をされる、あるいは債権があるといわれるのは困るということであると思いますが、そういうことで承継時にガリオア物資代についてはクレームがついておるというような実情がございます。
○山口(鶴)委員 そのクレームは認めたわけなんですか、クレームの申し立てについては。
○長野政府委員 クレームについては、それをそのとおりというので確認をしておるわけではございません。ただ現在までのところ、先ほど政務次官が御説明申し上げましたように、それらのガリオア物資代につきましてはクレーム分を除きまして返済計画を立てるというようなかっこうで計画ができておるような事情もございまして、クレームにつきましては当時もなかなか確認できなかったような事情にあったというふうに私ども聞いております。したがいましてその後において事実確認ということは、まあ来ました物資がそのまま不良品として残っておるわけでもございませんし、全く確認が困難ということになっておりますが、先ほど政務次官が申し上げましたように、そのクレーム分をいつどう処理をしていくかという問題としてはまだ残っております。
○山口(鶴)委員 そういうことで、クレームが出るという事情は当然あったということは、いま行政局長もある程度実情を認めておるわけですな。そういうことならば、はっきり法律にも規定があるわけでありますが、奄美群島振興特別措置法の第十条の三の九項ですか、「基金は、第一項に規定する国から承継した債権に係る債務者の債務の履行が著しく困難となった場合において、当該債権の貸付条件の変更若しくは延滞元利金の支払方法の変更をしようとするとき、又は当該債権に係る債務者がその債務の全部若しくは一部を履行することができなくなった場合において、当該債務の全部若しくは一部を免除しようとするときは、自治大臣及び大蔵大臣の認可を受けなければならない。」いわば許可があれば免除することができるわけでしょう。とにかくこの法律、もとの復興法を審議された門司委員からも、返さぬでもいいことになっているじゃないか、こういう御発言もあったのですね。そういうのはきちっと法律的にも整理できるのですから、整理をするということが必要なんじゃないですか。政務次官いかがですか。
○砂田政府委員 おっしゃるとおり整理をするべき筋合いのものだと思います。私ども考えますのに、こんなものがいまごろまで残っているのがおかしい、そういう感じもいたします。われわれの常識からすれば、当然こんなものはいままで整理が済んでなければいかぬものだと思うのです。ただどうも事務当局の話を聞きますと、国あるいは国に関連のある金融機関の債権を消すときには、財政当局は慣例的にと申しますか、時効等の時期を待って処置をしていたようでございます。ただおっしゃるように、この法律の十条の三の九項にこういうことも書いてございますので、片をつけようということで、私ども自治省としては、財政当局とその方法、時期についてただいま積極的に折衝をしておるところでございますから、そう長くお待ちをいただかないで何かの解決点が見出せるもの、かように考えて、また一段の努力をしてまいることにいたしたいと思います。
○山口(鶴)委員 いま一つの問題は、当時これらの地域は占領下にありまして、アメリカの軍票を使っておられたわけですね。したがいまして日本に債権を引き継ぎますときには日本円に切りかえたと思うのですが、当時の換算のレートはどういう形になっておったのですか。
○砂田政府委員 その当時の為替レートが一ドルについて三B円、また一ドルが三百六十円、こういう為替レートがきまっておりましたので、一対三の交換レートを適用したわけでございます。
○山口(鶴)委員 当時の実勢レートはどのくらいだったんですか。
○長野政府委員 これは同じことを繰り返すようで恐縮でございますが、奄美群島が復帰いたしますときに、奄美群島に関する日本国とアメリカ合衆国との間の協定というのがございまして、その第三条におきまして、「日本国政府は、千九百五十三年十二月二十五日に、奄美群島における流通からすべての「B」号円を回収し、且つ、一「B」号円につき一百本円の割合で「B」号円と引き替えに日本円を交付することを開始しなければならない。」こういうような協定がございます。この協定に基づきまして、一B円に対しまして三円の割合でB号円を回収した、こういうことになっております。
○山口(鶴)委員 結局奄美の復興計画、振興計画というものは、私は沖繩に非常に関連があると思うのですね。かつて自治省の事務次官をされた小林与三次さんが沖繩の復興計画をどうするかという案を立案されました際には、この奄美群島の復興計画を基準にいたしまして、人口等あるいは為替価値の変動等で計算をいたしまして、おおむねこういう方式でいかがかというようなことを言っておられる。また沖繩の方も、いま私が申し上げたような状況もありますから、奄美群島の復興計画、振興計画の推移がどうなっているかということに非常に着目をされて、沖繩から奄美群島に対してしばしば調査団をお出しになって調査をしておられることを聞いておるわけであります。沖繩の人にしてみれば当然だろうと思うわけですね。そういった報告書を拝見をいたしますと、当時の実勢レートは一対一・八ぐらいだったというのですよ。それをいまお話しありましたようなことで当時一対三に引き直した。したがいまして日本復帰になりまして、実勢がそうでありますから、日本からいわば安い品物がどんどん入ってくるという状況だったのでしょうね。ところが片やガリオア、エロアの物資というものを一対三で交換したわけでありますから、当然それだけの名目的な価格になる。ということになれば結局その物資が十分はけない。三百六十円で計算をした形で債権を取り立てるといっても、現実にはそういったことが非常に至難であるという事態もあったんじゃないですか。大蔵省の中小金融課長もお見えだそうでありますが、大蔵省が当時米軍から日本に債権を引き継ぎました際にはその確認をしたということでありますから、その点ひとつお尋ねしましょう。どうなんですか。当時の実勢レートの関係は一体どうだったか、それからまた当時の五億一千万円にのぼります債権は、個々の債務者に対して明確に確認をしたのですか、米軍だけのかってな資料でもって債権幾らというようなことで確認をしたのですか。その間の事情をひとつ御説明願いたいと思います。
○長岡説明員 奄美のB号円を日本円に切りかえた当時の事情を私詳しくは存じておりませんけれども、先ほど行政局長からもお話がございましたように、アメリカとの間の条約に基づきまして、一B号円につき三日本円という一対三の割合がきめられたわけでございます。それで当時の実勢レートがどの程度であったかということも、これはなかなか調査がしにくい問題でございますけれども、私どもといたしましては、この債権債務関係に限らず、奄美群島の本土復帰の際のあらゆる債権債務がこの一対三の交換比率によります為替レートによってきめられたわけでございますので、またその交換レートによってすでに債権債務の決済を済ませた方もたくさんおられるものでございますから、この点につきましては、私は一対三のままで現在債権が残っておることもやむを得ないのではないか。これは先生の直接の御質問に対するお答えにはならないかもしれませんけれども、そういうふうに考えております。 それから引き継ぎましたときの債権の確認でございますが、復金の貸し付け金等については確認をいたしておりますが、ガリオアにつきましてはクレーム等もあったわけでございまして、クレームのあるままで引き継いでおるというのが事実でございます。
○山口(鶴)委員 昭和三十年の五月二十五日ですか、引き継いだときにクレームがあった。現在昭和四十四年でありますから、十三、四年間も一クレームがついておったままできた。しかし、そういったものは法律によれば免除できるわけでしょう。そういった法律の規定があるにかかわらず今日まで延々と放置をしたという責任は一体どういうことなんですか。幾らお役所仕事というものの、幾ら何でもひど過ぎるという感じがいたすのでありますが、いかがですか。
○長岡説明員 実は私もいまのポストに参りましてから初めてこのお話を伺ったわけでありますけれども、従来、今回のようにこの債権の処理をどうするかという問題、いわば地元の公式な意見として自治省なり大蔵省なりに御要望があったというよりは、何かこういう問題があるという程度ではなかったかと私は伺っておるわけでございますけれども、いずれにいたしましても、今日までだいぶ日時がたっておりまして、いつまでも放置しておくわけにはまいらないことは事実でございます。ただ、そのガリオアのクレームにつきましては、当時も一応現地の調査を行なって事実の把握が若干困難な面があったということでございますので、現時点におきましてはなおさらそういう事実関係の把握は困難であろうと思います。困難だからといって放置はできないわけでございますので、現時点で私どものあとう限りの実態の把握につとめました上で、この債権の処理全体の問題の一環として自治省と大蔵省とが相談をいたしまして、誠意を持って処理に当たりたいと考えております。
○山口(鶴)委員 誠意を持ってと言いますが、十四年もたっていまさら誠意でもないと私は思うのです。まあその点はおきましょう。 個人の住宅や家畜の購入に貸しました貸し付け金があるわけですね。復興金融基金から貸し付けた、まあ個人が借りたお金です。これについてもやはり回収不能金が相当ございまして、これについても当然当時クレームがあったんじゃないかと思いますが、問題は、一対三でこの交換をしたというのですが、それでは当時奄美群島におられました、いわば俸給生活者の方々ですね、こういう方々は、すべて給料は一対三でみな切りかえたのですか。その点はいかがですか。
○長岡説明員 すべてが一対三で切りかえられたと承知いたしております。
○山口(鶴)委員 おかしいですね。先ほど申し上げた沖繩の調査団の方が当時の事情をいろいろ、先ほど申し上げたような経過も一ありますので、調査をされたのですね。ところが、その給料等は単純に三倍にされたというのではなくて、本人の資格であるとか経歴とかいろいろな基準に従って定めたので、必ずしも一対三の割合では当時給料は上がっていない、こういうことですよ。そういうことになれば、個人の貸し付け金を考えました場合に、給料が三倍上がっておればそれはいいかもしれませんけれども、住宅貸し付けを受けた、その債権、本人からいえば債務でしょう。債務のほうは、一対三で切りかえられた。ところが、御本人の収入のほうはかりに一対二とかいうことになったんでは、これは住宅等の貸し付けを受けました方が非常な困難な状態になるのはあたりまえじゃないですか。それは全部一対三じゃないですよ。
○長野政府委員 奄美群島が復帰いたしました際の暫定措置に関する政令というのがございます。その中で、たとえば、従前の琉球政府あるいは米国琉球民政府の職員が引き継がれました場合の暫定措置がきめられておりますが、それによりますと、国家公務員として引き続きなるものにつきましては、「国家公務員の給与に関する法令に基く給与が」正式に国家公務員としての格づけ等がきまりますまでの間という意味だと思いますが、「決定されるまでの間」は、「現に奄美群島に適用されている法令の規定によりその者が受けるべき俸給及び勤務地手当の合計額を本邦の通貨に換算した額以内の額を仮に支払うことができる。」こういうことが書いてありまして、そういう意味で、従来払われておった月給に対しまして、かりに、仮払いということになるかもしれませんけれども、一対三の割合で、その範囲内なら払ってよろしい。ただ、政府職員等におきましては、とにかく任用その他のいわゆる格づけというものが、琉球政府の場合と日本国政府の場合と必ずしも一緒ではございませんから、それによって正規に任用し直して、もう一ぺん再計算するということ、これは起こり得たことだろうと思いますが、引き継ぎ措置自体からは一対三の割合を変えているようには思えないのでございます。
○山口(鶴)委員 だから、現実には一対三の割合よりも低い形でしか給与が切りかえられなかったという人もあるわけですな。いまのお話では、最高は一対三までというわけでしょう。それ以下の人も相当あったということでしょう。
○長野政府委員 これで見ますと、任用の基準とか資格基準というものが、琉球政府の場合とわが国の国家公務員の場合とでだいぶ違っておるものでありますから、これは仮払いとしてそうしろということでございまして、ですから、それ以下でなければならぬという意味で規定があったとは私は考えないのでございます。もちろん琉球の格づけなり任用なりのほうがある特定の人に対して特にきびしくて、わが国の格づけなり任用のほうがその上のほうに回ったということになれば、かりに払うものは従来もらった額以内で払っておりますけれども、あとでもう一ぺん追給なり補正なりはいたしただろうと思います。
○山口(鶴)委員 その場合、マイナスの補正というものが当然あった人が相当あり得るということですね。
○長野政府委員 格づけ任用で、ある意味で多少下がるというような人の場合には、そういうことがあったろうと思います。
○山口(鶴)委員 私いまいろいろ御指摘したのは、やはりこれだけの回収不能なり残高が残っておるということは、当時の、アメリカから日本が債権を引き継いだ際に、債務者がその間の状況を十分理解していなかったという経過があったんじゃないかと思うのですよ。そうでなければ、これほどの回収不能の見込み額なり、あるいは現実に返せぬということで残高が残っているということはあり得るはずはないと私は思うのですね。 そこで、お尋ねをするわけでありますが、債権が譲渡された場合には、私は個々の債務者の承諾というものが当然あってしかるべきではなかったかと思うのです。それに対してクレームがついた、ついたものを今日まで十四年間もほうってきた。個人についても同じだったろうと思うのですが、個人につきましても、そういったいろいろな意味でのクレームというものがついたのは一体どのくらいあったのか、この点をまた重ねてお尋ねをしたいと思います。
○長野政府委員 個人についてはクレーム等のことはなかったようでございまして、クレームの申し立てがありましたのはガリオア物資にかかわる債務についてだけというように聞いております。
○山口(鶴)委員 それでは個人の貸し付けは、自治省のほうとしては何が何でも取り立てる、こういう気持ちですか。
○長野政府委員 一番問題になりますのは、この個人の復興基金関係の問題では、特に履行期日がきました場合の延滞利息の問題などが一番の問願だろうと思います。これは約定によりまして、延滞利息は約定利息の二倍の利息を付するという、そういう規定になっておりまして、約定利息はものによって違うようでございますが、五分、六分、七分というようなことになっております。したがいまして、延滞利息は倍でございますから、一割、一割二分、一割四分というようなことになっておるのであります。それが、実際問題としては、非常に過酷なという感じを強く与えておるというふうに考えられるのでございます。債務そのものにつきましては、いま申し上げましたように、債務者につきましても一々確認できておるわけでございますから、そのこと自体は債務者としては承知されており、日本政府に引き継ぎ、また基金に譲渡されたという関係についても一応承知されておられたと思うのでありますが、延滞利息の点につきましてのPRと申しますか、そういうものが必ずしも十分でなかったというところが一つ、実際の運用上の問題としてわれわれも反省しなければならないものがあるというふうに考えられます。先ほど政務次官が申し上げましたように、あと残りの債務者約千人ばかりの方がおられて、その中で、元金、延滞利息ともに未払いの方が五百人ばかりおります。あとの五百人は延滞利息は払っていないというような方がおられるわけです。こういうものも最近ずっと基金において十分調査いたしておりまして、個々のケースにおける実態というものも明らかになってまいったようであります。したがいまして、こういうものの個々の債務についての整理というようなものも、実情に即するような形でぜひ実行をいたしたいと考えております。
○山口(鶴)委員 とにかく、延滞利息等に対するPRが不十分であったということは、自治省のほうもお認めになっておるということですね。そうしますと、延滞利子につきましては、ある程度自治省としても免除するつもりがある、こういうことですな。
○長野政府委員 延滞利息を中心にいたしまして、実態に即するような方向で解決をするということに努力をいたしたいと思います。そういう方向で財政当局とも目下内々に協議中でございます。
○山口(鶴)委員 そうしますと、実態調査をして、ある程度その人たちの生活の状況等も考慮をして、一定の所得水準以下の方については延滞利子は免除をする、また、元本並びに利子の延滞金のある方につきましても、同じようなことで、もつとシビアな条件になるかもしれないが、場合によっては免除をすることもある、こういうことなんですかな。
○長野政府委員 これは個々のケースでございますし、何さま島のことでございますから、大体私どもから考えますと、やや調査も相当手間どったような感じがいたしておりますけれども、それだけ実態とか、状況とか、個々の関係というものの比較とかというものが、島のことでございますから非常にむずかしいのだろうと思います。そこで、そういうことでの詳細な実態あるいは均衡その他の点を考慮したような大体の輪郭がいまつかめておるようでございますので、そういう実質にも即しながら、公平な形で、しかも実情に合った形で、いまおっしゃるように、延滞利息の問題、あるいは延滞利息と元本を加えた問題につきまして、どうしてもそういう整理をしていくことが必要だし、かつ適当だと思われる線を見出すべく、関係機関と協議をいたしております。
○山口(鶴)委員 これは、この法律の第十条の三の九項によりまして、自治大臣と大蔵大臣の認可を受けなければならぬのですね。大蔵省は一体どういうつもりなんですか。これについてはただいまのようなことでよろしいのですね。
○長岡説明員 行政局長のお答えのとおりでけっこうでございます。大蔵省といたしましても、自治省とよく相談をいたしてまいりたいと考えております。
○山口(鶴)委員 そうすると、延滞利息、あるいはその延滞利息と元本についてもどの法律にしたがって免除する、一部または全部を免除するということもるのだということでよろしいわけですな。
○長岡説明員 この法律の十条の三の第九項にございますような貸し付け条件を変更する場合には自治大臣と大蔵大臣の認可が必要である。この点について、私どもがこの規定を適用することについて検討いたすわけでございますから、その中には免除の問題も当然含まれておりますけれども、私どもといたしましては、先ほど行政局長もお話しになりましたように、相当完済をしている方もおられるわけでございますから、その辺で公平を失しないように、十分に実情を調査した上で態度をきめたい、かように考えております。
○山口(鶴)委員 どうもまだはっきりしないのですが、この法律案を審議している過程において、こういうものは免除する、こういうものはどうと、大蔵省と自治省の間ではっきり線を引くのじゃなくて、両省で協議をした一つの基準というものをひとつ示していただきたいと思うのですよ。それはできますか。政務次官、どうですか。
○砂田政府委員 非常にお気の毒な方、そういう極端な一例と申しますか、それから、返せる能力がおありのはずだのにお返しになっていないという方も一部おありだろうと思います。そういう左右両端と申しますか、そういう極端な実例で申しますならば、お出しできるのではないかと思いますが、これは山口先生、なかなか困難な問題でございまして、調査をしてからとおっしゃいますが、大体基金でも調査は終えたと思いますが、二年ぐらいかかったと思います。個々のケース、お一人お一人の調査は終えたと聞いております。実は、昨年十月私が奄美に参りましたときに、参りました先々で、だいぶ前に教員を退職されたような方で残っているような方、そういう方々にこのことの御意見を承りましたり、奄美群島のいろいろな町で伺ってみましても、議論がいろいろございます。たとえば、返せるはずの人が返していない。そういうものはやはり早く取ったほうがいいじゃないか、それがまた回り回って奄美の振興に役立つのだからとか、あるいは、ああいう気の毒な人に延滞利息を要求しているのは過酷じゃないかと、いろいろな議論がございました。大体いま申し上げましたような調査を終わりましたので、ケース・バイ・ケースで、島民感情の線に沿ったような解決策を出してまいりたい、かように考えております。
○山口(鶴)委員 当委員会でも、やはり、奄美群島振興法を審議いたします過程におきましては、現地調査もしたらいかがというお話も出ておりますが、ただいまの政務次官のようなお話でございますなら、私どもとして、この法律案を審議している過程において、現地の皆さんの声も十分承りまして、また、その間には、自治省、大蔵省当局の間におきましも一つの基準的な考え方も当然固まると思いますから、その上で私どもとしては最終的なこの法案に対する考え方をきめていきたい、かように考えておりますから、一応このことはおきましょう。そういうことで一応おきたいと思います。 次は、結局このような回収不能な資金を含めて、奄美群島振興信用基金というものができておるわけですね。この基金の内訳を拝見いたしましたら出資金の状況、四十三年度末区分といたしまして、保証業務全額が五億四千百二十七万一千円、それから融資業務といたしまして六億五千八百五十万ということになっておるようであります。合計が十一億九千九百七十七万一千円。しかし、このうち五億四千百二十万円は、ただいま議論いたしましたガリオア、エロアの、いわば債権が五億一千六百万円でありまして、そのほかに国が二千五百万円を出資しているわけですね。それから六億五千二百万円の融資業務に関する出資金につきましては、国と県とが九〇%、それから当該市町村が一〇%ということで運用しているというふうに聞くわけでありますが、それでよろしいのですか。
○長野政府委員 大体そのとおりでございまして、承継債権とそれから国からの出資金。承継債権は五億一千六百万円、国からの出資金が二千五百万円でございまして、それが大体保証業務でございます。 それから別に国からの出資金、現在までで五億九千万円、鹿児島県あるいは市町村からの出資金、五千五百万円、千三百万円で、合計いたしまして六億五千八百万円、これがいわゆる融資業務でございます。
○山口(鶴)委員 そのような資金で、この振興信用基金を運用していくというわけですね。ところがそのうち、債権を引き継ぎましたうちから、クレームがついたりいたしまして、とにかく回収不能のものの合計が一億二千万円にものぼっているわけですね。それからまた、回収不能とは見ていないが、まだ回収ができなくて残高として残っておりますのが二億一千八百万円も残っておる。そうすると現実に回収をいたしましたものは二億九千七百万円。そうすると、現実には十一億あまりの資金で信用基金を運用する、金融の円滑化をはかることを目的とするといっておるわけでありますが、現実に使えたお金はこれよりはずっと少ない。このうちから約三億数千万円を減じた額しか現実にはこの基金としては運用できなかった、こういうかっこうになるのじゃありませんか。
○長野政府委員 この保証業務の関係におきまして、お話しのとおり、承継債権がなお回収できないでおるものも、債権としては残っておるわけでございまして、ただ保証業務でございますから、現実に現金を必要とするという場合だけではございませんので、それだけ保証業務というものに影響が出てないとは言えませんけれども、それが直ちに大きく保証業務を実施をいたしますのに支障を来たしたという状況ではございません。
○山口(鶴)委員 しかし十一億九千万、約十二億の金、ここから三億ぐらい引いた現実の使える出資金としては、保証するにいたしましても、九億程度の額であったということになるわけですね。
○長野政府委員 そういう意味では、確かにお話しのとおり十一億九千万円そのままが資金として現実に利用できるということではございませんから、保証業務において多少の制約があったということはそのとおりだと思います。
○山口(鶴)委員 そういうことならば、やはりいま少し早くこの回収不能金等については整理をして、十一億なら十一億、あるいは十二億なら十二億、この基金が必要とするならば、やはりそれだけの資金手当をするということの運用が私は正しかったのではなかろうかと思います。一応この点は意見を申し上げておきます。 次にお尋ねをいたしたいのは、最近自治省が、過疎地帯は非常な財政難だという御調査を発表いたしました。これをとりまとめましたのは財政局でございますか。
○細郷政府委員 二、三日前の新聞に出ておりましたのは私のほうの局です。
○山口(鶴)委員 これを見ますと、過疎問題がきわめて深刻になっている、税収入は全国平均の半分しかないというようなことが出ております。対象としてお調べになりました一町村当たり平均歳入決算額は一億九千万円、うち税収は二七・二%しかない。しかもこのうち税収額が決算額に占める割合が二〇%以下のところが三十七町村、一〇%以下のところは十五町村、こういうようなことが出ております。過疎現象によりまして当該自治体の税収入が非常に少ない、全国の半分以下ということがあるわけですが、この奄美群島の中にございます市町村で、歳入の決算額のうちで占めますところの税収入というのはおよそ何%程度でありますか。幾つかの段階があると思いますから、お示しをいただきたいと思います。
○細郷政府委員 ちょっと私も手元に資料がございませんでしたので、借用で申しわけありませんが、財政力指数で申し上げますと、全体として〇・一五、一五%、こういうことでございまして、低いところは〇・〇八あるいは〇・〇六、高いところでも〇・二三、指数でございますが、そんなような状況でございます。
○山口(鶴)委員 そうすると、財政の中に占めるこの税収の割合という数字を使いますならば、これは何%ということになるのですか。
○細郷政府委員 ちょっと税収の調べを持っておりませんので、的確なお答えができないと思いますが、この程度の財政力指数でございますと、一般的には税収の歳入に占める割合は一割程度、多少上下はあると思います。
○山口(鶴)委員 沖繩の調査団の資料によりますと、昭和四十一年度の歳入項目の内容について見ると、歳入の中に占める市町村税の割合は七・二%程度だということが書かれていますね。そうしますと、自治省が過疎地域の市町村、これは昭和四十年の国勢調査が三十五年調査人口より二〇%減少している七十二町村を対象にして調べた財政の状況よりも、この奄美の税収の割合ははるかに低い。七十二市町村の平均が二七%しがなくて、全国平均の半分だということを強調しておるわけでございますが、しかもこの数字は奄美から見ればたいへんうらやましい数字だ。奄美はこれよりも二分の一どころか、三分の一ないしは四分の一程度の税収しかない、こういう状態だということになりますね。
○細郷政府委員 詳しい数字を検討しておりませんが、大体お話しのようなことになろうと思います。
○山口(鶴)委員 最近過疎対策の問題がやかましくいわれておるわけでありますが、私はこういった数字を見れば、まさに奄美群島は今日まで三次にわたる振興計画を立ててまいりましたけれども、年々三十億円程度の公共投資をやっておられるわけですね。それでなおかつ、いま申し上げたような全国の内地の過疎の町村よりも、はなはだしく財政力が落ちておるということだろうと思うのです。しかも人口を拝見いたしますと、日本に復帰当時が二十万、現在十八万程度に人口が落ちているわけであります。人口は一割程度減少しているということだろうと思いますが、私はこういう意味では奄美群島の今日までの復興計画、振興計画過疎対策という面からいっても、非常に欠けておった点があったのではないかというふうに思うのでありますが、この内地の、いわゆる人口が二〇%も減少している町村よりも、なおかつ税収が著しく低いという、そういう状況を見まして私は、これは根本的な復興計画、振興計画というものをはからなければならぬのではないかと思うのでありますけれども、この点は大臣にお尋ねしたいところでありますが、政務次官からお答えいただきましょう。
○砂田政府委員 私は必ずしも欠けていたとも実は思われないのであります。まだ足りないというふうに考えたほうが正しいのではないかという感じがいたしております。港湾道路等の産業基盤の整備、サトウキビ、つむぎの生産等の産業自体の振興のための施策、これが、十の目標の中の大体六割程度までしか、まだきていない、そういう感じがいたすのでございますが、ただこれからの五年間、いままであまり考えられなかったことに、やはり重点を置いていかなければならないことが幾つか出てまいっております。いままでの計画を実施をいたしてまいりましての反省と申しますか、たとえば奄美経済というものが本土との間の移出、移入を考えました場合でも、百億からの移入超過になっております。こういったことも、いま山口先生おっしゃったように、非常に税収が低いということに大きく影響してきているだろうと思うのです。たとえば大根一本にいたしましても、奄美の人が食べる魚にいたしましても、高い鹿児島の蔬菜、魚を移入してきている、こういったふうなことが、実は百億もの移入超過ということになってきておるだろうと思うのです。そういう意味合いから、砂糖その他の基礎的な産業の振興に力を尽くしますとともに、蔬菜等の自給度を高めるというような農業対策も、やはり新たな重点にしていかなければならないのではないか、こういうことを実は考えておる次第であります。
○太田委員 ちょっと関連でお尋ねします。 この提案説明を拝見しますと、五カ年間延長して、さらに復興を進めるんだというのですが、五カ年間で完成できるという見通しはあるのかということ。 それからもう一つお尋ねしたいことがあるのですが、いま非常に島民の生活の苦しいという点がありましたが、しからば生活保護世帯はどれくらい現在あるのが、それから農家所得は一戸平均幾らになっておるのか、いま農家は苦しいとおっしゃったが、幾らになっておるか資料がないのですね。 それからもう一つは、昭和二十九年の十月二十九日の閣議決定というのがあります。これは奄美群島復興事業の基本方針というのが二十九年十月二十九日に閣議決定されておるのであります。その際には、沖繩との関連をにらみながらやろうというブレーキとコントロールその中にあった。したがって、これが今日なお五カ年延長せざるを得ないというのは、沖繩の復興を押えつけておいたその代償として、奄美の復興もおくらせてきた。これが二十九年十月二十九日の閣議決定にあった。その閣議決定の基本方針というのを明示し、あわせて現在の島民の生活はどうなっているのか、たとえば具体的な一つの例とすれば、生活保護世帯はどれほどある、農家の収入はどれぐらい、これをお答えできましたら、お答えをひとつ出していただきたい。
○砂田政府委員 生活保護家庭の数字等は事務当局に御説明させますが、御承知のような復興計画、振興計画を続けてまいりまして、返還当時の対鹿児島県民との所得比較と申しますか、非常にひどい状態でありましたのが、どうやら八〇%をこすというまではやっとこぎつけてまいったわけでございます。あとの五年間で確信があるかという御質問でございましたが、四十八年度に、いま御審議をお願いいたしております法改正ができましたあとの五カ年計画を完遂いたしますときには、これを九〇%を上回るところまでは持っていきたい、こういう目標をきめまして、島民と自治省こん然一体となってこれの実現を期してまいる、実はこういう決意をいたしておるのでございます。数字は事務当局から御説明をいたします。 それからお尋ねの閣議決定の資料はいま手元に持っておりませんが、沖繩との関連において押えつけるというふうな考え方だけは毛頭なかった、かように私は考えております。
○太田委員 閣議決定というのは厳然たる事実だ、それを出せませんか。
○長野政府委員 現在閣議決定の資料を手元に持っておりませんので、後ほど取りそろえて提出させていただきます。
○太田委員 ほかの数字は手元にありますか。
○長野政府委員 生活保護世帯につきましては、千人に対しまして六十七人程度でございまして、全国平均よりはかなり高い状態というように聞いております。農家所得につきましては、昭和四十年度で若干古いのでございますが、農業従事者一人当たりにいたしまして十四万五千二百円、こういうことになっておりまして、本土の所得に対しまして八五・五%ということになっております。
○太田委員 それでは数字の話でもうのちょっとこまかくいきますが、一人当たりというのは、農業労働者一人当たりですか。それとも一農家平均構成人員をそれにかければ農家の一戸当たりの収入が出るのであるか。一戸当たりは幾らか。
○長野政府委員 先ほど申し上げましたのは、農業従事者の一人当たりでございまして、それが十四万五千円でございまして、一戸当たりにいたしますと十七万六千円ということに昭和四十年の資料ではなっております。
○太田委員 それは数字が違っていませんか。それはあまりにも低過ぎますね。もし、かりに十七万六千円が一戸当たり収入とするならば、あまりにも過疎地といいますか、辺阪の地におけるところの前近代的な農業としか私どもには見られません。 それではもうちょっとお尋ねします。サトウキビの資料はございますけれども、サトウキビそのものの買い入れ価格はどうなっておりますか。何か資料があるのですか。
○長野政府委員 サトウキビの生産者価格は、砂糖の価格安定等に関する法律によりまして定められるのでありますが、四十二年度におきましてのパリティ価格と申しますものは、キビにいたしましてトン当たり六千二百四十三円、こういうことになりまして、これに生産費とか国内産業合理化の何か目標価格というようなもので、そういうものを基準にいたしました見込み上昇率というようなものによりまして価格を考慮して、昭和四十二年度で六千百二十円ということになっております。昭和四十三年度では六千二百六十円、そういうことになっております。
○太田委員 それでは、もう一つ聞きますが、含みつ糖の生産量はどのくらいあるか、分みつ糖の生産はどのくらいあるか、それぞれの歩どまりはどのくらいあるか。手元に資料がございますか。
○長野政府委員 昭和四十二年度におきまして、奄美におきますところの甘蔗糖の生産は七万一千トンでございます。鹿児島県全体としては九万三千トンでございます。含みつ糖につきましては、奄美とその他の鹿児島という分類がはっきりいたしませんが、全体といたしまして、鹿児島県におきましては七千トンでございます。
○太田委員 歩どまりは……。
○長野政府委員 四十一年から四十二年期の糖種別の原料処理量と産糖実績という大島支庁が出しました資料によりますと、分みつ糖の歩どまりは一三・三七%ということになっております。含みつ糖につきましては、全体として一五・〇八ということでございます。
○太田委員 私どもが聞いた話ですが、これはもうちょっと分みつ糖の歩どまり率も低いし、含みつ糖のほうも低いわけです。これは新しい統計を聞いているのですが、あなたの手もとのものは手もとのものとしてけっこうですが、そういうものを私どもは資料としてちょうだいしたいと思うのです。きょう、この一部を改正する法律案の参考資料を拝見いたしましたが、これはあまりにも概計でございまして、よくわからない。奄美群島振興特別措置法というのは、振興計画というものを第二条で規定しているでしょう。一に糖業、林業、畜産、二に道路、港湾、三に防災及び国土保全施設、四に文教施設、五に保健衛生及び社会福祉施設、こういうことになっておりますし、さらに特別な助成を行なう場合に試験研究施設あるいは地方公共団体の船舶及び通信施設の整備、ハブ類及び病害虫の駆除、水産、亜熱帯性農林作物の生産及び養蚕の振興、それから資金の貸し付け等においては、電気事業、つむぎの生産事業、製糖事業水産業とありますが、そういう各産業別にどれほど計画が立てられ、どれほど完成したのであるか、はたして郡民の生活にそれがどのように寄与しているのかというようなことを明らかにされ、さらに五カ年間においてかくかくの次第によりましてかくいたしますという展望が明らかにされることが、私どもが本案を審議する場合に必要な資料であるので、そういうものを何かお出しいただく準備はあるでしょうか。
○長野政府委員 御要求がありますれば、できるだけ資料を取りそろえまして提出をいたします。
○太田委員 お願いいたします。終わります。
○山口(鶴)委員 私もそれと同じことをお尋ねしようと思ったのですが、結局当初二十九年から三十四年に至る五カ年計画というものを策定されたわけですね。それからその後二十九年から三十八年に至る改定十カ年計画というものをおつくりになったわけですね。それから三十九年から四十三年に至る五カ年間の復興事業計画というのをお立てになったわけですね。そういった計画につきましては、いただきましたこれだけの資料ではよくわからないのでありまして、この点はひとつ三回の計画をお立てになっておるようでありますから、それに従った計画を出していただきたいと思うのです。それから今後の復興計画につきましても、明確なひとつ青写真をいただきたいと思いますが、その点はいかがでしょうか。
○長野政府委員 これまでの復興計画、振興計画につきましての事業の概要は、資料を取りそろえまして提出をさしていただきますが、今後の計画につきましては、先ほど申し上げましたような大体の目標というものは考えておりますが、正確には奄美群島振興審議会の議を経ませんと、決定ができないわけでございます。したがいまして、概算的なものしかお目にかけることができないと思いますが、御了承を願いたいと思います。
○山口(鶴)委員 それではあとのほうはまた触れますから、最初の点でお尋ねしたいと思いますが、二十九年から三十四年に至る当初の五カ年計画、事業費が百五十三億、このうち国庫が支出するものにつきましては百十二億ということで御計画をお立てになったようでありますが、これが三十年、三十一年、三十三年、それぞれの年度における計画と実際に事業を行なった、いわば事業の進捗状況、この割合は一体どうだったのですか。
○長野政府委員 当初の復興事業につきましては、計画と実施の間に多少の食い違いができておったことは事実のようでございますが、その後計画と実施というものは、全体の各費目につきまして、大体達成をしておるように考えております。復興事業につきましては、先ほどここにあげますように、百二十一億一千八百万円の国庫支出金がついております。事業費にいたしまして二百十四億というのが全体計画でございます。これに対しまして、実績は二百九億九千九百万円ということでございまして、国庫は百二十一億一千七百万円ということでございまして、ほとんど一〇〇%に近い、平均いたしますと九八%の達成率ということになっておりますが、そういうことで復興事業も一応達成をしておると見てよかろうと思います。全体の計画でございますので、中には一〇〇%こえているものもございますし、それから中には途中で計画が変更になりまして、最初の計画に比して達成率の非常に低いものもございますが、全体としましては、いま申し上げましたように、計画二百十四億一千九百万円に対しまして、事業で二百九億、計画国庫支出金百二十一億円に対しまして、実績の国庫支出金百二十一億円でございます。大体九八%は達成をしておる、こういうことになっております。
○山口(鶴)委員 そうすると、手元にいただきました資料、これの五ページにございます六、復興事業の概要というのは、これは計画じゃなくて実績がこうだ、こういう意味ですか。それじゃないと数字が合わない。
○長野政府委員 そのとおりでございます。実績でございます。
○山口(鶴)委員 計画と実際の実行がどうであったかという資料をきちっといただきたいと思うのですね。と申しますのは、大体その計画と事業がほぼ一致をしたというようなお話であります。確かに改定十カ年計画ではそういうことがいえるかと思うのですが、当初の五カ年計画はそうじゃなかったでしょう。当初の復興五カ年計画はおおむね達成したなんていいましたが、全くそうじゃなかったのじゃないですか。
○長野政府委員 二十九年から三十八年度まで見渡せば、いま申し上げたとおりだと思います。当初は現地における事業の消化能力と申しますか、そういう受け入れ体制等の関係もございまして、進捗が非常におくれた。それからまた、計画いたしておりましたものが、結果が思わしくないというような、調査不足というようなこともありまして事業の実施がおくれた、こういう関係が確かにございます。
○山口(鶴)委員 ですから当初の計画は、二十九年から五カ年計画をつくっておやりいただいたようでありますが、計画の四年目に当たる昭和三十二年度までの進捗状況では、総事業費は三九・二%しか進捗していなかった、それからまた国費は三七・一%しか達成していなかった、こういう状況だったわけですね。当初はそういった計画を立てたにもかかわらず、非常に悪かったということはお認めになるわけですね。
○長野政府委員 当時の状況よくわかりませんが、いま聞きますと、当初の出発は確かにおくれたということを申しておりますから、そのような状況があったろうと思います。
○山口(鶴)委員 長野さん正直に言ってもらわなければ困る。先ほど聞きましたら、おおむね済んでいたというお答えをされたでしょう。詰めて聞いてみればそうではなかった。計画の三九%、四割くらいしか達成されていなかったということになれば、計画とおおむね一致してできたというようなことは軽卒にいうべきではなくて、正確にひとつお答えをいただかなければならぬと思うのです。先ほどのは取り消しておいてください。
○長野政府委員 先ほどの申しようが私として不十分でございましたら、それは取り消します。ただ私ども印象づけられておりますのは、奄美の復興事業、振興事業の特徴といたしまして、第一、国費ベースで事業費を大体長期にわたってきめることがございます。したがいまして、国費ベースで事業費をきめていくことができます結果といたしまして、この事業は非常に計画と実行というものが一致しておると申しますか、その点では結果においては、現在のところ食い違いが非常にないものというふうな一つの認識を持っておるものでございますから、復興事業においても、結果においてはそういうことに取り戻しをした。大体そういう結果で復興をされておるのでございまして、今後もそういうことでやりたいと考えております。
○山口(鶴)委員 ですからひとつ、当初の五カ年計画と、それから昭和四十三年度における、現実の進捗状況を表にして出してください。そしてあらためて昭和四十三年におきまして、二十九年から三十八年に至る改定十カ年計画をお出しになったわけですから、それをお出しいただいて、その実績だけはここにいただいておりますから、当初の計画をひとつお示しをいただきたいと思うのです。 それから細郷財政局長さんが御用があるようなお話でありますから、細郷さんにお尋ねしたいのですが、結局こういった事業が十分当初においては進行しなかったということ等によりまして、現在の奄美群島の皆さんの所得水準は依然として低い。全国でもおしまいから二番目の鹿児島の県民一人当りの水準から見ましても、残念ながら奄美群島の一人当り所得は昭和四十一年で八二%にしかなっていない。国民一人当たりの所得に比較いたしますならば四七・七%、二分の一以下だ、こういう状況だろうと思うのです。したがいまして、先ほど指摘をいたしましたように、税収入の割合も非常に低いということだと思います。内地の過疎地帯よりもはるかに財政力と状態が悪いということであります。今回の昭和四十四年度の地方財政計画で特に過疎対策につきましては力を入れたと自治省は言っておるわけでありますが、そういう意味で、この内地の過疎地域よりも財政力の著しく低いこの奄美群島の状況に対して、いかにして財政局長さんとすれば当該地域の財政力を強化し、復興事業を進め、そして島民の所得水準を高めようとしているのか、特に財政力をどのように強化するお考えがあるか、ひとつお尋ねをしたい。
○細郷政府委員 過疎地帯の調査をこの聞いたしまして、あの調査に漏れたところで、もっと過疎状況のひどいところも当然内地でもあろうかと思いますが、このいまお話の部分につきましても相当過疎状態はひどいわけでございます。 明年度過疎対策として私どもが考えておりますのは、一つは辺地債の問題でございます。辺地の地域を従来よりは拡大をしたい、そうして辺地債の元利償還費の算入率を従来五七%でございましたか、これを八割に引き上げたい、こういうことで、この部分は交付税法の単位費用の改定でいずれ御審議をいただくことになっております。 それから交付税におきましては、先般の調査の結果をもとにいたしまして、やはり教育費が非常に過疎地帯には重圧になっておるというようなことから、教育費の需要の増をいろいろな角度からはかってまいりたいと考えております。一例を申し上げますれば、昨年から御承知のように学校統合の場合の需要算定を改めて、学校が減っても一ぺんに減らないようにするというような措置を講じましたが、さらに進んで寄宿舎の維持管理費であるとか、あるいはスクールバスの経費であるとかいったようなものにつきましても需要の算定の基礎に入れたい、こういうふうに思っております。そのほか産業経済関係の経費で、農業あるいは林業あるいは水産業、そういったものにつきまして、それぞれ需要のかさ上げをいたす考えであります。 さらに過疎地帯の問題といたしましては、一般的ではございますが、市長村道の整備のための需要をかなり大幅に見込んでおります。これも種地の低いところにつきましては、従来のように種地の引き下げということでなくこれを扱うというようなことによって、きよう出ておりますところもみな種地の低いところでございますが、需要がふえていく、こういったようなことを交付税の措置として考えてまいりたい、かように思っております。
○山口(鶴)委員 そうして過疎対策にいろいろお取り組みになることは、また交付税の審議でいたしたいと思います。問題は、そのように内地の過疎地域に比べても財政力が著しく低い。その奄美群島の今回の復興、振興計画を行なうにあたって、なぜ従来までの国の補助率を今回は相当大幅に引き下げられましたのか。私は全く逆だと思うのですけれども、これはいかなる理由ですか。奄美群島の財政力が大いに高まりつつある。毎年毎年の島民一人当りの所得水準も国民一人当たりの所得水準に比べて著しく均衡がとれるような状態になってきたというようなことであるならば、私は理解もできるのでありますが、依然として所得水準は低い。したがって当該地域の財政力も非常に低い。こういうときに、今後振興事業をされるにあたって補助率を大幅に引き下げるということは、これは全く筋が通らぬと思うのです。保岡先生も大いにその点は強調されたかったのだと思いますが、遠慮しておられたようでありますから、かわってお尋ねしたいと思いますが、どうしてこう下げたのですか。
○長野政府委員 今回の改定計画に対しまして、結局従来の振興事業の実施状況でございますとか、鹿児島県あるいはその他群島の市町村の問題もございますし、それから他の離島関係のいろいろな補助制度の現状を勘案いたしまして、奄美群島自体といたしましてはなおなお群島経済の樹立復興というか振興というもの自体といたしましては十分だとは私どもも思いませんが、他の離島その他の関係におけるところのいろいろな制度と比較をいたしまして、奄美群島は相当いままで特別な制度のもとに事業が各種とり行なわれてきたわけであります。そういうことでございまして、そこでその辺との彼我の均衡と申しますか、そういうものの議論も、まだ一方では非常に強い議論がございます。私どもも、そういう一つの補助制度におけるところの特例というものをいつまでどの程度に続けていくべきか、これはまあいろいろな議論があると思いますけれども、そういう意味で、今回の改定計画に伴いまして、一つは、特別な補助制度のほかには、こういう島嶼につきましては離島関係の制度があるわけであります。それと離島の上におりますのが奄美の関係の制度であります。その点を離島並みに考えていい部分が相当あるではないかという議論、と申しますのは、奄美群島の振興事業の中で相当程度公共事業その他のものは施設整備も進捗いたしたものもございます。そういうものについては大体離島と均衡をとっていくのが当然じゃないかというような議論もありまして、その間の調整を考えたわけでございます。それから復興事業、振興事業を行ないました当時の鹿児島県の財政というものとの関係から考えますと、今日の状態ではたいへん事情も違っておるという問題もございます。その辺の関係も考慮いたしまして、補助率の調整をいたしたのでございます。
○山口(鶴)委員 先ほど太田委員が閣議決定の問題について触れられました。沖繩の早期返還は国民の願いである。当然沖繩は早期返還になると存じます。そうなりした場合に、沖繩の復興計画を一体どうするかということは、やはり国政の大きな問題だろうと思うのです。これに対して、各方面でいろいろ復興計画を立案しておられます。わが党も、社会党としての一応の復興計画の案というものを持っておりますが、その際、私ども考えますのは、先ほども言いましたが、自治省の、かつて事務次官でありました小林さんが出しました小林試案というものを拝見しますと、奄美の復興計画の実績をもとにいたしまして沖繩の復興計画というものを一応立案しておられるわけであります。先ほどお伺いいたしましたら、改定十カ年計画で国費が百二十一億、それから、その後の振興五カ年計画で国費が七十七億ですね。合計百九十八億ばかりを国費を投じておられる。小林さんの案は、そのような奄美大島に投じてまいりました国費を、沖繩の人口と奄美の人口との比率、物価の変動等によって引き直しまして、そうして沖繩の復興計画というものを考えておられる。そうした場合に、私どもが、この際奄美の補助率を下げる、または、いま行政局長が言われたような、たとえば離島振興法との関係が云々とか、まあいろんな理届は、それはつけらればつくと思いますが、この際まさに沖繩が返らんとしております今日、奄美のこの補助率を引き下げて国費の額を事業計画の割合から落としていくということは、私は、昭和四十四年度予算におきまして屋良主席が沖繩の関係経費についていろいろと要請をされましても、国がこれを大幅に削りましてこの額を切り落とすといったような思想と相通ずるものがあるということをたいへんに懸念をいすたわけであります。そういう意味で、先ほど太田委員も閣議決定との関連に触れてそういう点を指摘をされたんじゃないかと思いますが、今回の、自治省が法律案を提案をいたします提出のしかたが、深い政治的な意図があるとは言いませんでしたが、やや政治的な意図があったことを、まあ自治大臣もお認めになったわけでありますが、今回のこの補助金の削減も、私は、そういった深い政治的意図があったんではないかというふうに推察をせざるを得ないのでありますが、次官、御感想はいかがでしょうか。
○砂田政府委員 十五年復興計画、振興計画をやってまいりました奄美の今日の時点、そういう時点である程度の成果をあげてきたその基盤の上に立っての若干の補助率の手直しという問題、沖繩の復興計画が立てられます場合は、これはしかも出発点でございます。今回の補助率の若干の引き下げを、沖繩の新たに立ててまいります復興計画と直接結びつけての御心配は御無用かと思います。私どももそういうふうに考えております。
○山口(鶴)委員 まあ、この点は大臣が参りました際にまたあらためてひとつ議論をさせていただきたいと思います。一応問題点を指摘をいたしておきたいと思います。 それから、この法律で見ましたのでは、たとえば、この補助率をどう変えるかというのは、道路につきましては、従来十分の八から十分の九までとあったのが、十分の六・五から十分の九までというような形で、きわめて概略的にいただいておるだけであります。ところが、自治省からいただきましたこの昭和四十三年十二月の奄美群島振興事業関係法令資料、これを見ますと、この事業計画も、この振興五カ年計画、——いただきましたこの縦刷りの、こちらのほうにあります事業ですね。それから見ると、もっと詳細な区分けがしてありますですね。「主要産業の振興」として番号が一番から十二番まで、「産業基盤整備」として十三番から十五番まで、「防災及び国土保全」十六番から十九番まで、「文教施設整備」二十番から二十二番まで、「民生安定」二十三番から二十六番まで、「各種調査」二十七番というふうにいたしまして、事業費、それから国費、起債、融資、一般財源または自己資金という形で区分けしてございます。せっかくこういうものがありながら、当委員会のほうに出てくるのはきわめて簡単な計画しか出してこない。しかも、計画と実績というようなものを照らし合わさないものを出してくる。これでは私は非常に不親切だと思うのですね。ぜひとも先ほど要求いたしました当初の復興五カ年計画、改訂十カ年計画、これも、ここにあります程度の各項目に分けた計画並びに工事実績というものをひとつ出していただきたいと思うのです。 それから、財源の内訳も、これを見ますと、単に国庫と国庫以外の経費ということの内訳でありますが、そうではなしに、やはり起債、触資というものの内訳にいたしまして出していただきたい。これはお願いをいたしておきます。出していただけますね。
○長野政府委員 先ほども申し上げましたように、これからの五カ年延長いたしました十カ年計画は、なお具体的な計画としては最終的に固まりませんですけれども、この五カ年継ぎ足しの一つの腹案といいますか、そういうものとしての概算の内容は、できるだけ御趣旨に沿いまして、項目別に整理いたしましたものをお目にかけるようにいたしたいと思います。
○山口(鶴)委員 いままであるこういうやつを出してください、当初のやっと改訂と。それはいいですね。 それから、これを見ますと、冬事業にわたって補助率がずっと出ておるわけですな。たとえば土地改良につきましては、かんがい排水補助率が十分の七、農道につきましては十分の六、農地保全につきましては十分の六、干拓につきましては十分の七・五、区画整理につきましては十分の四・五、こう出ておるわけであります。今回補助率を改定しようとしておるわけでありますが、その場合にはこのような土地改良の各種事業費の補助率は一体具体的にどうなるのか。それから、先ほど太田委員から糖の問題につきましてお尋ねがありましたが、糖業振興につきましては、たとえば大型機械は現在の補助率は十分の六で、これが今後どうなるのか、そういった意味での具体的な補助率をお示しをいただきたいと思います。亜熱帯果樹等振興についても同様ですね。畜産振興についても同様、林業振興についても同じことが言える。水産業振興につきましても、漁船装備改善について補助率が十分の四、魚礁については十分の五と、こうありますが、これが変わるのか変わらぬのか。それから、漁港整備については補助率が十分の十、これを変えるのか変えぬのか。大島つむぎ振興については、つむぎ工養成所の補助率が十分の五、これが変わるのか変わらぬのか、そのほか当該の大島つむぎ振興の各種補助率はどうなのか。協同組合振興につきましてもどうか。船舶整備はどうか。それから、先ほど保岡委員の御質問にもありましたが、電気料金が非常に高い。電力整備につきましては、未点灯部落解消に十分の五の補助金を出しておられるようであります。国庫支出金もありますし、起債もありますが、問題の電源開発、料金が非常に高いといわれるこの電源開発については、これは補助もないわけでありまして、融資と自己資金だけで電力開発を進めておられるようでありますが、この点に対する考え方は一体どうなのかせっかく地元の保岡委員が、特にこの九州電力、全国の電力会社に比べても九州電力が一番高い、その高い中でも奄美群島はなお高い。こういう状態を切々として訴えられたわけです。こういった電源整備については努力をするというふうなお話をされたのでありますが、具体的に振興計画の中ではどういう資金手当てをされて、これを何カ年ぐらいで九州電力並みに下げようとするのか、あるいは九州電力との合併というものを進めて吸収しようとするのかということもひとつお示しをいただきたいと思います。試験研究の強化につきましては補助率が十分の七ですが、これが変わるか。変わらぬか。それから産業基盤整備、道路整備、道路新設は十分の九ですね、これが変わるのか変わらぬのか。以下、道路改良、道路特殊改良、橋梁、舗装、市町村道改良——市町村道改良は十分の八のようでありますが、今度変わるのか変わらぬのか。それから港湾整備、十分の十ですが、変わるか変わらぬか。土地区画整理三分の二、これが変わるか変わらぬか。それから河川整備、補助率十分の九、これが変わりますか変わりませんか。砂防につきましては十分の九、これが変わるか変わらないか、それからさらに海岸整備、補助率が十分の九、これが変わるか変わりせんか。それから治山では、防潮林、海岸砂地造林、防風林、それから水源林、すべて十分の六のようでありますが、これが変わりますか変わりませんか。治山施設は三分の二の補助率だそうでありますが、これが変わるか変わらないか。次は文教施設整備でありますが、小中学校整備、校舎の場合は補助率が十分の八、設備は十分の六、屋内運動場が十分の八、教員住宅が十分の六、これが変わりますか変わりませんか。高等学校整備は補助率が十分の六のようでありますが、これが変わりますか変わりませんか。社会教育振興、保健衛生施設整備、社会福祉施設整備、水道整備、住宅整備、各種調査と、こうあるわけですが、やはりこれが法律だけではちょっとわからぬわけですよ。具体的にどうなるかということを資料としてお示しになるのが私はやはり親切なやり方だと思うんですが、お答えできるものがあったらひとつお答えいただいて、これはひとつ全体の資料として整備されたものを出していただきたいと思うのですが、この点はどうでしょうか。
○長野政府委員 御要求でございますれば、補助率の対照表をつくりまして提出いたしたいと思います。
○山口(鶴)委員 やはりどうも自治省は従来から他の常任委員会に比べまして資料の出し方が非常に不備だということは、前々から当委員会で指摘をされたことじゃないですか。そういうことが当委員会の法律案審議の際に常に問題になりながら、こちらのほうが発言をしなければさっぱりその資料も出してこないということでは困ると思うんですね。次官どうでしょうか。やはり今後の委員会審議の問題でもありますので、お考え方をひとつお聞かせいただきたいと思うのです。
○砂田政府委員 御要求前に、御審議願うためのできるだけの資料を準備をするように努力をいたします。
○山口(鶴)委員 実は私はこのあと奄美群島の、先ほど次官もお触れになりましたが、奄美から内地のほうに、輸出ということばはいかぬと思いますが、出すものと、それからまた内地から奄美のほうに幾ら品物がいくかという収支のバランス等の問題についてもいろいろ議論をしたいと思っております。さらに先ほど提起いたしました過疎対策という観点からの問題でありますとか、それから具体的な補助率の問題でありますとか、さらに根本的には沖繩との関連におけるこの奄美の復興計画について私どもどうしてもやはり疑点があるわけでございまして、こういう点については議論をいたしたいと思うのですが、どうも資料がこれほど不備ではこれ以上審議するのもいかがかと思いますから、一応きょうは個々の資料が出るまで質問を保留しておきますけれども、とにかく次の機会までいま私が要求いたしました資料につきましてはお出しをいただいて、その上で質問いたしたいと思いますので、委員長よろしくひとつお願いいたします。
○鹿野委員長 では次に折小野良一君。
○折小野委員 奄美群島の振興特別措置法によりまして、いま奄美群島の復興から振興への計画がいろいろ進められておるわけなんでありますが、この計画のほんとうの目的ははたして何なのか、奄美地区を少なくとも本土並みに立ち上がらせるためのものなのか、あるいは奄美地区は自然的な条件その他非常に劣悪である、したがって、これは補助していかなければならない、援助しなければならない、そういう性質のものなのか。すなわち、ほんとうの意味の振興なのかあるいは援助なのか、どういうふうに自治省でお考えになっておるのか、まずお聞きしたいと思います。 〔委員長退席、大石(八)委員長代理着席〕
○砂田政府委員 基本的には当然奄美の自立経済を目的にいたします。いわばいまの折小野先生のおことばをかりて申しますならば、いつまでも援助を続けるということでなく、奄美に自立してもらいたい、そういう意味合いに考えております。
○折小野委員 私どももただいま政務次官のおっしゃったような意味の特別施策が現在行なわれておるのだというふうに考えております。しかし、その実情はすでに今日まで十五年、そしてまた新しくそれに五年を加えようとしておる、こういうことであります。しかも、その内容につきましては、必ずしも私どもが期待するような自立への効果、あるいはほんとうの振興の効果があがっておるのかどうか、こういう点に多分に疑問を感ぜざるを得ない、こういう面が多々あるわけでございます。したがって、この際これからの五カ年になりますけれども、何とかほんとうの振興の目的を達する、そういうような気持ちでやってまいりませんと、結局はずるずるにいってしまう、こういうことになるのではなかろうかというふうに考えるわけであります。これからの五カ年の計画につきましては、まだいろいろな段階があって決定していないということのようでございますが、お気持ちとしていかがでございますか、お伺いいたしたいと思います。
○砂田政府委員 折小野先生の御指摘のとおりでございまして、それだけにいままで十五年間やってまいりました復興計画、振興計画、それの継続だけでいいというものではないというふうに考えます。従来やってまいりましたそれぞれの計画を十分反省をいたしまして、五年先での自立という観点をもう一度考え直して、至らない点、足りなかった点については、新たに一つの重点項目として起こしていかなければならない、先ほどもちょっと申し上げました輸出、輸入ということばを使いますと、ちょっとおかしいかもしれませんが、そういった蔬菜、魚介類の自給自足のような体制あるいは観光資源調査というふうなことも、これまでの計画に足らなかった点ではないだろうか、そういうふうな点をこれからの五カ年で新たに起こしてやってまいりたい、このように考えております。
○折小野委員 今後五カ年後の自立を目ざして新しい計画を立てていこうということでありますが、その計画を立てていただくにあたりまして、一応この特別措置法はあと五年ということになるわけでございますが、その五年でこの特別措置法の任務は一応終わった、また必ず終わらせるんだ、そういうふうに了承しておいてよろしゅうございますか。
○砂田政府委員 冒頭申し上げましたように、これからの新しい五カ年計画を、対鹿児島県比九四%を越すところまで持っていきたい、この目標だけは五年間で達成できるものと確信すると同時に、努力をしてまいらなければなりません。ただ、五年先の日本経済全体の見通し、これはなかなか困難な問題がございます。さらに、先ほども御議論がありました、今日まで続いてありますような奄美の本土への人口流出と申しますか、少しカーブは鈍化してきているようでありますけれども、なお、いま本土への人口流出が若干続いております。こういったことのこれからの変化等もございますので、これからの五年でこれを打ち切るかということはちょっとただいま御確答申し上げかねるわけでございます。
○折小野委員 もちろん今後いろいろな情勢の変化というものも考えられるでございましょうし、その情勢の変化に対応していろいろ施策上の考慮なり検討なりもなされることは、これは当然なことだと思います。しかし、いま大体予定しておいでになる九四%ですか、対鹿児島県民所得九十何%、そういうところが達成できたということになれば、この五カ年でおやめになる、こういうようなおつもりですか。
○砂田政府委員 私はやはりこの目標が、先ほども申しましたように、奄美の自立経済を目途といたしておりますので、これからの五年間で私どもが考えております目標を達成いたしましたあと、残ってまいりますものは、いままでやってまいりました振興計画的なものではなくて、いまある基金をもう少し充実をさせた奄美経済に対する融資の制度というものを確立させていったものが、六年目からは残っていけば、ただいまねらいとしております九四%以上のものに、またもっと伸びていくんではないか、こういうふうな考え方をいたしております。
○折小野委員 まあいずれにいたしましても、今日まで十五年間、そしてこの計画はさらに二十年という長期にわたって続くわけでございます。そこで、本来この奄美地区の振興という目的が達成されないというようなことになってまいりますと、これは当然今後別の考え方で考えていかなければいけないんじゃないか。私は当初申し上げました結局援助という問題、したがって、二十年たったあとには、この振興特別措置法が援助特別措置法というようなことになるんではなかろうかというような懸念まで持たざるを得ないわけであります。しかし、諸般の情勢から考えまして、このような例外的な措置というのはいつまでもやっておくべきじゃないと思います。したがって、この五カ年間に最大の施策を講じ、最大の効果をあげることによって、ほんとうのその自立の目標を立てる。確実に立てる。しかも、これは五年後に九十何%ということではございますが、少なくとも格差をなくするというところに目標を置いて自立のめどを立てるということが、一番大切なことだというふうに考えるわけでございますが、そういう面についての御意向をお伺いしておきたいと思います。
○砂田政府委員 おっしゃるとおりでございます。そういう方向で努力をしてまいります。相当固い決意を持って努力をしてまいりたいと思います。
○折小野委員 国のほう、あるいは自治省のほうで、そのような決意をもってやっていただくことも必要だと思います。そしてまた同時に、その決意を地元の皆さん方が持っていただく、こういうことも特に必要なことじゃなかろうかと私どもは考えます。まあ振興という問題につきましては、これはただ単に援助するということだけが振興じゃないわけでして、今日まで十五年間続き、そしてまたここ二十年間続くということになってまいりますと、むしろ地元の方々の、地域の住民の振興意欲というものをかえって阻害する、こういうような結果になり、安易な気持ちを植えつけるというようなことになるのじゃなかろうか。もし、そういうようなことになってまいりますと、ほんとうの意味の振興あるいは自立という面につきまして、非常に大きな問題になってくるわけでございまして、そういうような点は、政府で御決意をいただくことと同時に、地元の皆さん方と十分検討をされて、そうして地元における振興意欲をこの際大いに振起していただく、こういうことが特に必要なことじゃなかろうかと思いますが、そういう面について何らか具体的な施策を講じられるおつもりがございますかどうかをお伺いしたいと思います。
○砂田政府委員 御承知のように、奄美群島の方々は、古くから旧琉球の支配下にあった時代、あるいは旧鹿児島藩の支配下にあった時代、ああいうきびしい地形的な中でそういった伝統を持ってきた方々でございます。奄美群島の方々の人心というものは、相当かたいものをお持ちであるというふうに確信をいたしますので、援助に甘えるというふうなお考えが非常に強くあるというふうには私ども理解はいたしておりません。ただ、なお一そうこういった計画が奄美の自立のためにということを目標にしてやってまいりますことを、市町村を通じましての青少年教育等、そういう場を通じてそういった認識をより一そう高めていただくように実行いたしてまいりたい、かように考えております。
○折小野委員 そこで今日までの事業の進捗状況あるいは計画の目標とそれの達成率、こういうような面につきましては、先ほどの御質問で、別に資料が出されるようでございますから、それによるといたしまして、今日まで十五年やってまいりまして、このような措置を講じてまいりました効果、どういうところにどの程度の効果が上がっておるか。数字的なものは一応別といたしまして、直接担当しておいでになりました自治省として、その面の反省なり検討なり、こういうものがありましたら、お聞かせをいただきたいと思います。
○長野政府委員 いろんな事業を復興計画、振興計画に基づいて行なってまいってきたのでございますが、復興計画の時代におきましては、基本的な施設が非常に欠乏をいたしておりまして、たとえば道路にいたしましても、港湾にいたしましても、あるいは小中学校の校舎等にいたしましても、たいへんに老朽化してと申しますか、ほとんど見る影もない小中学校の校舎のような状況でございました。したがいまして、そういう基本的なものに、復興計画時代には主として力を入れて講じてまいりました。それから、振興計画時代に入りまして、その間にも、特産物の奨励等はやってまいりましたが、主として振興事業としては、生産基盤の整備ということにだんだん方向を整えてまいったのでございます。まあそういうことが、どういうことであらわれてきたかということになりますと、これはなかなかむずかしゅうございますが、たとえばこれを一人当たりの県民所得に対比をいたしますと、昭和二十九年におきましては、奄美群島の一人当たりの所得と比べますと、県民所得に対比いたしまして六三・二%でございました。それが逐年上昇をいたしまして、昭和四十一年には八二二%というところまで、十三年の間に徐々にではありますが、県民所得との差を縮めてきたというようなことはいえると思うのでございます。他の離島、たとえば鹿児島県にも離島がたくさんございます。そういうものの中でこれを比較いたしましても、奄美群島は一番いいとは申し上げられませんけれども、まあ、鹿児島県は離島の多い県でございますが、その中では大体三番目ぐらいのところに位置をしております。そういうようなことで、一応そういう設備あるいは産業基盤の整備というものが整ってまいりました。そこで、今後引き続いてやります場合に、先ほど御指摘もございましたが、結局住民がほんとうにやっていくという意味の生産基盤の整備のみならず、産業の振興、合理化、そういうものにまた力を入れていくという形で、今度は群島の人たち、生産に従事をし、産業に従事をしておる人たち自身の力を大いにふるうようにしていただきたい。先ほど政務次官が申し上げましたが、現在そういう状態でありますけれども、奄美群島全体といたしましては大体百億くらい輸入超過になっておりますが、その中でたとえば、蔬菜でございますとか、鶏卵でありますとか、鶏でありますとかいうようなものにつきましても、相当多額のものを輸入しております。これなどは自給できないという状況ではございません。むしろ努力をすれば相当自給できるわけでございます。そういうものにつきましてもまだ努力が十分でない面もございますので、そういうことも含めましてもう少し振興の実をあげるようにいたしたいと思います。
○折小野委員 数学的にいろいろ出てまいりますので、その数字がいろいろな意味を持っておるであろうと思うのでございますが、しかし、ただいま局長のおっしゃったようないろいろな考え方でいろいろな施策が講ぜられてはきた。しかしながら、概括していえますことは、これだけの施策を講じてきておりながら、必ずしも所期の目的を達成していないのじゃなかろうか、こういうような気がしてならないのであります。いま局長の言われた数字的な資料で、対県民当たりの所得の比較からいたしますと、六三%が八二%に上がってきた。確かにこれは上がってきたように見えます。ところが、全国の国民所得一人当たりと対比してみますと、これはほとんど変わりないといっていいのじゃありませんか。波はありますけれども、三十六年でも四六、四十一年でも四七、ほとんどたいして変わりない。いわゆる格差というものが解消されていない。むしろ、鹿児島県自体が日本ではいわゆる過疎地域でございましょうし、また、もともと生産性の低いところであるということもあるわけなんでありますが、こういうような点から見ますと、はたして地元の、この奄美群島の振興のためにどのようなことをやらなければならないのかということにつきましては、もっともっと深く考える必要があるのじゃないか、そしてもっともっと重点的に仕事をやっていく必要があるのじゃなかろうか、こういうことを私ども感じさせられるわけでございます。今日までの反省の中でこれぞというもので何かお気づきの点がございましたらお教えを願いたいと思います。
○長野政府委員 絶対的な条件の悪さと申しますか、不利という意味では、非常に僻遠の地にあるということ、交通通信、輸送その他の不利はなかなか克服できないということは確かにあると思います。ただし奄美群島、まあ島によって多少状況は違いますけれども、奄美群島の所在しておりますところが亜熱帯地帯でございますから、亜熱帯地帯特有の条件を利用していく、こういうことになりますと、現在奄美の産業といたしましてはキビでございます。サトウキビは奄美にとって欠くことのできない産業でございます。サトウキビというものは地力の損耗する程度もたいへん激しいそうでございます。そういうこともございますので、サトウキビに関連いたしまして、肉用牛の飼育、ちょうどキビの葉っぱとかそういうものが飼料としては非常に適した飼料というふうに聞いておりますが、そういうものを循環させまして肉用牛の飼育をはかる、こういう両建てで農業の振興をはかる。そのために必要なかんがい用排水事業とか、圃場の整備、あるいは農道の整備、あるいは共同作業場とか、そういうものは十分に設備をしていかなければならない。それから同時に、もう一つの奄美群島の特産物でありますところの大島つむぎ、これは本島が中心でありますけれども、大島つむぎの生産というものを、流通機構その他にも不十分なところがございますが、近代化しまして、奄美の特産物としての伸張をはかっていく。こういうことが奄美の産業の一つの重点になると思います。それ以外には、たとえば沖永良部島におきますユリの特産でございますとか、方々にそれぞれの特産物もあるわけでございますが、そういうものと同時に、群島の人たちがそういうものの生産意欲に非常に徹していただきまして、そしてほんとうに自立していくという意味で、群島消費というものを、県本土から当然に輸入して消費をしていくということじゃなくて、みずからつくり出す力を持っておるものはつくり出していく、こういうことがたいへん必要であると思います。現在の状況でありますと、奄美群島は二百億の生産をいたしまして、おおむね三百億の消費をしておる。百億というものは結局いろいろな形でこちらから入れておる財貨によって償われる。ですからそういうことを続けていきますと奄美群島の蓄積がないということになってくるわけであります。さいぜんお話がございました税収が伸びないというのも実はそれかと思います。所得は伸びておりましてもまだ蓄積がないというところに、一つのたいへんな問題があるわけでございます。そういう意味で奄美群島の人たちが経済の自立ということに最近は非常に熱意があがってまいっておりますから、そういう一つの熱意の上に立ちまして、そういう基盤整備、振興対策が実を結んでまいりますならば、われわれが考えておりますような目標に到達することはできるのじゃないかというふうに考えております。
○折小野委員 今日までの仕事の評価のしかたとかいろいろあると思います。まあおっしゃることもわからないじゃございません。またしかし、一面いえますことは、多少なりと奄美の郡民所得が上がったというようなことは、施策の結果というよりは、最近多少人口が減ってきた。そのために相対的に上がったんじゃないか、こういうような考え方もできるんじゃなかろうかと思います。もちろんこの表によりますと、サトウキビとか大島つむぎ、こういうものが非常に伸びてまいっておりますが、これもおのずから限度があるわけでございます。今後、さらに一そうその伸びを期待するということはむずかしいんじゃないか、そういうふうにも考えます。したがって、これは必ずしも現地の方々の御意向にも沿わないかと思いますが、むしろ積極的に本土に進出をする、そういう考え方が一つあっていいんじゃなかろうかというふうに考えるのでございますが。いかがでございましょう。
○長野政府委員 だいぶむずかしい問題でございまして、農業等の規模その他から考えました場合に、場所によりましてはむしろまだまだ過密だ、適正規模に至るためにはもっともっと人口の他への就業なり流出が必要なんだという見方もございます。これは、しかし何も奄美群島だけに限った問題ではございません。日本の農山村地帯共通の問題だろうと思います。また同時に、その点におきましては、奄美が復帰いたしましてから今日まで、二十万が十八万になったということで約一割の減少でございますが、この点は、内地の過疎地域に比べますと、むしろ減少率におきましてはたいへん速度がにぶいと申しますか、むしろ過疎足りないという感じも一面できるくらいでございます。ですから、先ほどの先生お話しのように、人口が減ったから所得がふえたんじゃないかという御議論もございますが、むしろその意味では奄美群島のいまのいろんな事業なり生産活動なりというものが、人口の流出というものを、全国平均のうちから比べますとなお食いとめている。ある一面では食いとめている。ほかの過疎地域で十年間に一〇%ぐらいで済んでおるところはむしろまれでございますから、食いとめているとも言えるくらいでございます。私ども、やはり次の時代を背負う青少年も奄美で新しい産業の合理化なり、新しい肉用牛なり、キビの生産のために努力したいというような青年の集まりも最近たくさんあるように聞いております。したがいまして、そういう人たちによって次第次第に奄美の開発というものが進んでいくということも相当期待していいのではないかと思っておるわけであります。
○折小野委員 いずれにいたしましても、今後の見通しというものは非常に困難じゃないかと思うのであります。私どもは、あくまでもこの奄美群島が自立できるように早急にそういうような状態が現出するように、でかすように、こういうのがやはりこの特別措置法の精神であろうと思っております。しかし、それを実現するということにつきましては、先ほど来からの自治省の御決意もございますが、いろいろな情勢を見てまいりますと、これはなかなか容易なことではない、こういうふうに考えられるわけであります。したがって、今回新しく五カ年計画を策定される、あるいはいままでの五カ年と合わせて新しい十カ年計画に改定されるという時期でございますから、やはりよほど考えていただき、よほど検討をしていただき、また特に重点的な施策を講じていただきまして、この法のほんとうの精神が生かされるような計画と、そしてそれが実行されることを心から期待をしてまいりたいと思っております。 それから最後に一つお伺いをいたします。 戦時中に奄美群島から強制疎開をさせられて、この本土に来ている人たちがございます。私の郷里の宮崎にもありますが、これを大島部落と称しております。そこは奄美大島、沖繩、大島の人が多いわけですが、こういうような人たちが戦時中に強制的に疎開させられて今日まで生活をいたしておるわけであります。この部落におきまして、かつては、大島部落というのは密造酒部落、こういうふうにいわれた。といいますことは、とにかく非常に貧困で、したがって密造酒でもつくらなければ生活ができない、こういうような状態が長く続いてまいったわけであります。もちろん最近ではある程度落ちついておりますし、そしてまたその部落は大きな都市の中の一部でございますから、全体の町の中に隠されてしまっておるわけでございますが、やはりこういうところにいま疎開というような形で出てきた人たちは、奄美大島の現地に残っておる人たちと同様な苦しみを今日までなめておるわけでございます。奄美群島につきましては、いろいろな手厚い振興事業等が行なわれておりますが、これらの部落につきましては、地元の地方公共団体で多少の指導なり手配なりこういうものはあったにいたしましても、何ら具体的な政府の施策というものがなくて今日に至っておるわけであります。それがなくてやっていければけっこうなんでございますが、しかし今日もなお、そういう部落におきましてはいろいろな問題が残されておるわけでございます。こういうような部落につきましても、やはり奄美振興の精神からいって、多少なりとも行政的な施策なり援助の手が伸ばされてしかるべきじゃなかろうかというふうに考えるわけでございますが、こういう面について、過去におきまして何らか御配慮になりましたかあるいはまた今後どのようにお考えになりますか。お伺いしておきたいと思います。
○砂田政府委員 戦争中にそういう強制疎開のあったようなことを私は存じませんので、いま初めて伺ったのでございますが、宮崎県あるいは私のところの神戸市にも実に大ぜいの方がおられるわけでございます。ただ、この人たちにつきましては、やはり一般行政として考えていくよりいままでのところはいたし方ないということでまいっていると思いますが、なおひとつ検討さしていただきたいと思います。
○折小野委員 実情をいろいろ御検討いただきまして、何らかの方策を講ずる必要があるとお考えになりましたら御配慮を願うことが至当じゃなかろうかというふうに考えております。私が知っておりますのは一部でございまして、全部については存じておりません。いろいろな事情等もあろうと思っております。できましたら、こういう際にやはり一応の調査なり検討なりしていただくことが必要じゃなかろうかというふうに感じておるので、一言申し上げたわけでございます。 質問を終わります。
○大石(八)委員長代理 小濱新次君。 〔「定足数不足だ」と呼び、その他発言する者あり〕
○大石(八)委員長代理 小濱新次君、お願いします。——それでは、小濱さんお願いします。小濱新次君。
○小濱委員 私も提案された法案に対して御質問を申し上げますが、奄美群島が本土に復帰してやがて十五年になります。 〔大石(八)委員長代理退席、委員長着席〕 それでこの本土復帰前に島民たちがアメリカ側から借り、日本政府が引き継いだガリオア物資代や復興金融基金貸し付け金など、いわゆる承継債権がほとんど半分ほどしか返せず、その額は延滞利子も含めていまたいへんな数字になっております。この問題についてはいろいろと御質疑がございまして、はたして政府はあの奄美大島の生活の実態をよく御存じであるかどうか。住民はどのような生活をしておるか。この問題について一言にして言うならば、非常に日本でもまれな生活水準の低い島民生活である。しかも戦災を受けて、八年にわたる軍政がまたしかれてきた。これは私も行って驚いたのでありますが、各住まいのつくり方が非常にこうタッパの低い家ばかりでした。またわらぶき屋根の家もございました。こうした家づくりは、全部年に七回、八回と来る台風に備えての建築法である、このようにも聞いてまいりました。また本土から遠い関係もあって、非常に復興がおくれて、言うならば、盲点になっている、こういう勘の姿であります。したがって、そういう問題が島の発展をこばんできたわけでございます。ここにも保岡議員おられますが、保岡議員の心中はあの苦境を心から訴えたい、そういう気持ちで一ぱいであろうと思うのです。私も見てまいった関係上、どうしてもあの人たちの生活を何とか豊かにしてあげなくちゃならない、あるいはまた潤ったそういう生活が平等にできていかなければならない。あまりにも日本本土とかけ離れた生活をしておられます。それが全体であり、実態であります。そういうことからこのガリオア問題については、延滞利子を払い切れない、元金も払い切れない、そういう人たちが三千もおりましたけれども、いまはだいぶ減りました。減りましたけれども、返し切れないそういう人、そしてまたいろいろな問題を訴えている人、あるいは払い終わった人たちがこの成り行きを注目しております。したがって、この問題についてはやはり国の責任において解決が当然できるようにも書いてございます。したがって、奄美大島の実態をよく見てこられた遠藤行政局振興課長さんおられますか。——どうかひとつ私のいまの話を大いに補足をしていただきたい、こういうふうに思います。
○遠藤説明員 私ども振興課におりまして奄美群島振興関係事務に携わっております者は、おおむね現地の実情を見まして、その上に立ちましていろいろできるだけの、及ばずながら努力をしてまいったつもりでございますので、先生の御趣旨に沿いまして、大いにこの問題につきましても誠意をもって努力したい、かように考えます。
○小濱委員 あなたは遠藤さんですか。——遠藤さんは現地を視察されたわけですね。行っておりませんか。
○遠藤説明員 私は、昨年は参っておりませんが、一昨年には行っております。
○小濱委員 あなたのことばがこれに載っているわけです。向こうの実態をつかまれまして、そういう内容は知らなかった。住民からも別に苦情は聞いていなかった。「なぜ早く整理の手を打とうとしないのか。放っておけば、雪だるま式に延滞利子がふえるばかりだ。復興金融基金を借りた二千百九十八人のうち四八%が、まだ返済できないでいる。」遠藤さんは、「二年前に、整理せよと指導したが、そのままだった。基金側の回収方法にもルーズな点があった。とにかく、私どもの監督不行届きだ。」こういうふうにあなたは言っておられるわけですが、これは去年の夏ごろにあなたが言われたことばです。その後どういうふうにこの内容は変わってきたか、努力の結果をひとつ御説明いただきたいと思います。
○遠藤説明員 御指摘の新聞記事は、多分私のところに報道関係の方が見えられて質問があったときのことだと思います。ことばのニュアンスはそのままとは必ずしも——ニュアンスの差はあると思いますけれども、大体事実そのとおりでございまして、私としましては前にそのような事情を聞きまして、着任早々、法律にもありますように、この債権につきましての第一次の管理権はやはり法律上基金にあるわけでございます。基金のほうの計画を立てて、その計画に従って自治大臣と大蔵大臣が認可をして行なうという筋になるわけでございますから、基金のほうでそういうようなことの計画を早く立てろということを指導をしたことがございます。それが、現に納めておる方との関係その他で基金のほうでも具体的な計画が立てにくいという状況で今日に至ったというふうに承知をしておりますが、その点、私ども監督の責めにあるものとしましてその責任はあると思いますが、昨年以来基金のほうに指導をいたしまして、現実に債務の処理方法につきまして計画を立てさせ、それに基づきまして現在関係機関と、先ほども申しておりますように協議中の状況でございます。
○小濱委員 返済能力のある者、回収不能者、その中間のボーダーライン層もおる。あるいはまた延滞利子がかなりの負担になっているならばこれから検討もしたい。返済できない人には減免の処置も考えていきたい。非常に心強いことばがあなたから出ておる、こう出ておるわけです。ですから、昨年から今日までたっておりますので、これをもう現地の人は一るの望みにしておるわけです。この点についてはどのように結果があらわれてきたか、お答えいただきたいと思います。
○遠藤説明員 実は債務の状況ないし債権、金を借りられている方の状況につきましてもいろいろございますものですから、その点につきまして基金におきましても調査をしてもらっております。その状況に基づきまして、今後の処理方法について現在法律の規定の適用の問題も含めて関係機関と協議中でございますので、いましばらくお時間をいただきたい、かように存ずる次第であります。
○小濱委員 行政局長、あなたの命令で遠藤さんは現地に行かれて御報告があったと思います。いろいろと窮状の訴えがあったと思います。そして本年まで、今日まで昨年の状態でずっときたのかあるいはそこに変化があったのか、これからまた変化を——こういうふうに対策を行なっていこうとされるのか、お願いいたしたいと思います。
○長野政府委員 先ほど来お話がございましたように、この承継債権のあと始末と申しますか回収と、それからいわゆる回収に伴いますところの履行の難易の問題につきましては、従来からこの問題がございまして、基金としましては整理に心がけておったと思いますが、私どものほうに具体的な基金の考え方というものが到着しましたのがややおそうございまして、昨年の秋になりまして、基金は非常に手がたくいままで業務を行なってまいりました関係上、一つ一つの債権、つまり債務者の状態というものを全部洗い上げるためにたいへん時間をとっておったようでございまするが、そういうことの大体の全貌が、基金としての把握のしかたが一応明らかになってきたというようなことでありますから、そういうものについての対策というものについて大体の見通しがつけ得るような状態になってまいりました。したがいまして、振興課長が努力しました昨年の夏ごろから今日では状況がたいへん変わってまいっておると申してよかろうかと思います。現在は、私どものほうでは、この債権の中にいわゆるガリオア物資代とそれから復興金融基金の貸し付け金、性質はそれぞれ違っておりますが、ガリオア物資代につきましては、債権確認時にクレームが出ましたものを除きましては、債務者としての大島食糧ほかの団体におきましても、年次計画での減債計画を大体立てておるようでございます。それはそれとして固めてまいって、クレーム問題をどういうふうに解決するかということになると思います。それから復興金融基金を中心にしまして、住宅であるとか農業用の関係の資金に借り入れましたものにつきましては、お示しのとおり二千何百人の債務者がおったわけであります。大体現在までに千人は一応債務の履行を完了しておりまして、あとの千人が問題になっておるわけであります。特に問題の中心は延滞利息の関係を中心にして問題になっておるわけでありますが、これは他の履行いたしました人たちとの均衡なり公平というものも考えなければなりませんから、全部が全部どうするということに一がいにまいりません。ただ相当基金の調査も、島民の感情から見た場合の島民の見方からしても、均衡なりつり合いがとれるというような状態までの、大体の考え方がまとめられたようでございます。私どももそういうことを基礎にいたしまして、先ほど政務次官も申し上げましたように、現在関係機関との間で協議中でございます。いましばらく時間をかしていただきたいと思いますが、そういうことでこの承継債権の問題の合理的な解決を進めてまいりたいと思っております。
○小濱委員 先ほども申し上げましたように、道路行政にしても、非常に全体の行政がおくれておるわけです。いたいたしいくらいです。申しわけないけれども、不幸な島民だなという感じを私は持って帰ってきた。そういうことから、これはもう十五年になる。この十五年間の苦しみというものは、これはもう何にたとえようもないと思うのですね。これは一日も早く対策を講じてやらなければならない。その内容については、これはもう今度の分科会でもお二人の方からこの問題の質問がございました。ここでも出ました。これからも出ます。そういうことでこの問題は大きく取り上げて、できない措置ではない、やる気があればできる問題です。そこで、大蔵省でも調査に行った。自治省でも調査に行った。だけれども、住民に心あたたかいそういう結果の報告は何らもたらされていない。局長が、いま現地で話し合い中だということですが、いつになったならばほんとにこの住民が納得できるような回答があるのであるか。局長、ひとつ見通しについて、いい返事をしてもらいたい。
○砂田政府委員 局長にお尋ねで、こざいましたが、私からお答えいたします。 小濱先生、分科会でこの問題についての自治大臣としての意思の表明もお聞きをいただいたと思うのです。基本的に申しまして、政府の関係の金融機関の債権の確保については、これは監督指導は厳格であるべき筋合いのものであるということは御理解がいただけると思います。ただ、奄美の復興金融基金の問題につきましては、奄美の特殊な事情もございますし、奄美の島民の、いま小濱先生おっしゃったような実情もございます。そういう観点から、やはり債務を持っておられる方々の中でのお気の毒な方に対しての措置としてできるだけ早く解決線を出さなければならないことは、私どもの責務だと心得ております。ただ、これにたいへん時間がかかっておりますのは、やはりあと残りました千名ばかりの債務者の方の個々の実情を基金に調べてもらいました、これに若干年月を要したようでございますが、大体個々の実情がわかったようでございます。お気の毒な方のおありになること、実情を私どもは承知をいたしております。なお、片一方には、返済能力がおありであるにもかかわらずまだお返しになってない方もまたあるわけでございます。こういう取り扱いを間違いますと、もうすでに千名ばかりの返済を終わった方々に対しまして、正直者がばかを見たということにもなりまして、そういうような政治、行政またとるべきではございません。そういう意味合いから、ただいまその解決方法につきまして財政当局と折衝も始めておりまして、端的に申しますと、自治省といたしましてはでき得れば今月中にはもう答えを出したい、そういう心がまえで財政当局とただいま折衝中でございます。 そこで、お聞き及びかと思いますが、これはまだ財政当局と話がついたことではございませんから、明確にこうきめたということではありませんけれども、たとえばいま申し上げたような個々の実情に沿った解決策ということになってまいりますと、そこにやはり一つの線を引かなければならないかと思います。たとえば、生活保護基準の何倍までの方はもう消してしまう、それに該当なさらなくてもお気の毒な方もまたあるわけでございますから、そういう例外的な救済措置もまた考えなければならぬと思います。こういったことも、ただいま基金のほうで個々に調査を終わりました実情に基づきまして、財政当局と折衝中でございまして、先ほど申し上げましたとおり、できますならば今月中には答えを出したい。先ほど小濱先生、去年からどういう変化があったかというお尋ねでございましたが、先般の分科会での大臣の御答弁をお聞きいただきました。大臣、政務次官にこれを解決しようという積極的な意欲が出まして、事務当局にそういう指図をいたしましたことも大きな変化である、かようにひとつ御了解をいただきたいと思います。
○小濱委員 この間の分科会では大臣からその内容が示されなかった。非常に残念に思っております。いま政務次官からお伺いいたしまして、よく理解ができました。それで、今度の法案を見ましても、自治大臣の権限ですべてが解決できるように主務大臣と相談をして話し合ってということですけれども、自治省の問題だということで、これは積極的に取り組んでいただければ問題解決はできる、こういうふうに私どもも内容を調べて感じたわけです。ぜひひとつお願いしたいと思います。 それで一つの事例を申し上げたいのですが、まことに不届きな内容がございました。これは、佐野哲二さんという方が三十七年の三月三十日交通事故で死亡いたしました。大洋殖産製糖工場の車ではねられてなくなりました。この方に三十九年、二年間もかかって補償金が六十八万円おりました。六十八万円しかおりなかった。ところがこれを聞きつけた信用基金の係の方がこの支払いを奥さんに迫っていった。奥さんは主人のおかあさん、子供が六人という八人家族で、一家の柱を失ったこの方の唯一のたよりは六十八万円の金だったわけです。ところが六十万円持っていかれた。この佐野さんが借金をした理由でありますが、復帰以前に奄美群島政府のあっせんによって、いままでサトウキビの搾汁は牛によって取り行なっていた、したがってこれは機械化しなければならないということによって機械を購入をした借金である。しかし、復帰によって大型工場が誘致されたために、事業が困難になっていった。こういうことで借財がたまっていた。これも被害の一つであります。こういう痛々しい悲しい報告もきております。八人家族をかかえて六十八万円中八万円だけ残された。この六十万円に対しては何かお考えございませんでしょうか、政務次官。
○砂田政府委員 そういったお気の毒な事態がありましたことを私聞いておりません。実情調査をさせていただきたいと思います。
○小濱委員 きょうはこういう資料をたくさん持ってまいりました。 それからこの間委員長からもお話があったのですが、この法案審議に先立ってまず現地を視察をしなければならないという話も出た。ちょうど私は向こうへ行く同志がおりましたので、その人に現地の実情調査を依頼いたしました。それで一日二日のうちに帰ってくると思いますが、そういうことで内容を調べますと、この問題を通して非常に陰で泣いている人、苦しんでいる人が一ぱいいるわけです。ぜひひとつこういう問題も対策の上に乗せて、一日も早くこれが解決をお願いしたいと思います。 それで政務次官にお尋ねしたいのですが、奄美大島の開発が非常におくれた。これは明治、大正、昭和にかけて国の投資が非常に薄かったのではないか、こういうふうに考えられるわけです。このこととこれからの対策についてひとつお答えをいただきたいと思います。
○砂田政府委員 地理的条件と申しますか、そういうことから国並びに鹿児島県におきましても奄美に対しますいろいろな施策のおくれてまいっておりますことは御指摘のとおりでございます。日本に復帰をいたしましてちょうど十五年でございますが、その間復興計画、振興計画、十五年間やってまいりました。蓄積のほとんど皆無といってもいいような群島への復興計画、振興計画でございますので、まだ島民の所得にいたしましても対鹿児島県比、先ほどからお話しのあったような実情でございます。これではとても足りないということから、さらに法案の今回の御審議をお願いをいたしまして、新たな五カ年の振興計画をこれから立てていこうとしているところでございます。ただ言えますことは、奄美が返ってまいりましてから今日までの間、返ってまいりましたときとこの四十二年と比べました場合に、ここまでは何とかこぎつけてまいったということは言えるんではないかと思うのです。産業の振興そのものに大きな効果がまだ見えておりませんことは残念でございますが、それにいたしましてもサトウキビの生産量等もあれだけ伸びてまいっております。産業を振興するための産業の基盤の整備の港湾、空港等の整備も、ここまでやってまいることができました。そういった産業基盤整備のいままでやってまいりました仕事が、産業の発展そのものに影響してまいるのはこれからだろうと思います。こういうことも考慮に入れてのこれからの振興計画というものを、この法案の御審議をお願いしましたあと審議会にもおはかりをいたしまして、こういった観点での新しい五カ年の振興計画を立てていきたい、かように考えておる次第でございます。
○小濱委員 相当思い切った措置を願わないと、どのぐらい期間がかかるかわからない、こういう見通しになると私は思います。舗装の道路もない、歩道もない、ほとんどでこぼこ道を車が走っているわけです。飛行場も、飛行場から名瀬の町に行く道路にしても、あるいはまたサトウキビの畑あるいはバナナ畑あるいはパイナップルの畑等を見ても、その作業がほんとうに力が入っているようだという感じは見られませんでした。やせ細っておる。サトウキビにしてもバナナにしてもそうです。私もハワイでパイナップルの栽培を見てまいりましたけれども、その姿が全然違う。こういうことで相当思い切った対策を練ってあげないと、奄美の復興はないであろう。五年が十年になった、これはもう喜ばしいことですけれども、その期間内でどのぐらい自治省として力を注入することができるか、私はこれが問題だと思うのです。課長さんは行かれたようです。大蔵でも秋吉さんが行っているようですが、その程度なんですね。ぜひともこれはひとつ大ぜいの人に見ていただいて、これが対策を練っていっていただきたい、こういうふうに思います。 それから一つお尋ねしたいことは、奄美大島に国費支弁の職員が百六十七名いるということであります。これに対して大蔵省ではもう取りやめる、そういう説を述べていると聞いておりますが、お聞きでしょうか。
○長野政府委員 奄美群島の復帰に伴いまして、復帰の当時は国が復興事業に直接事業に直接責任を持つという関係もございまして、奄美支庁におりました職員を地方事務官という国家公務員として引き継ぎまして、そして復興事業を行なってきたのでございます。それから振興事業に入りますときにこれを鹿児島県の職員に切りかえました。そして国が負担をする職員ということにいたしたのでございます。自来五年たったわけでございますが、そこで今度の計画におきましては、そういう今後五カ年間の事業の実施ということで、当然その関係の職員は必要であるわけでございますけれども、一方で、すでに十五年間経たことでもありますし、国と地方との関係における補助金制度のあり方その他の問題ということも考えなきゃならないという議論が出てまいりまして、まあ考えてみますと、その当時の鹿児島県の財政状況から考えますといまや隔世の感もあるわけでございますので、結局種々話し合いの上で職員の設置の経費につきましては補助率を二分の一ということにいたしたのであります。したがいまして、全額国庫で負担するのを、今後五カ年間は二分の一の負担に切りかえたということになっております。
○小濱委員 いまのお説ですけれども、これから五カ年振興計画を実施しようとされるわけであります。これは期限を延ばしても、その人材がいなければ計画の効果はあがらないと思いますね。そこで、大蔵省のこうした、この取りやめるというような発言は非常に現地には大きく響いてくるわけです。そういうことであってはならないということで御質問したわけですが、その点については局長間違いございませんか。
○長野政府委員 予算折衝の過程で、まあいろいろ議論がありました一つの問題点であったわけでございます。したがいまして、この点につきましては、鹿児島県とも十分その過程において相談もいたしました。県当局も納得をいたしておりますが、同時に、こういうことにいたしましたからといいまして、現在担当しております職員を集めにくいとか、職員の組織を急激に変更しなきゃならないというわけではございません。むしろ振興事業自体の目的といたしましては、職員を充実いたしまして、そうして目的のために努力をするという姿勢はちっとも変わらない、あるいはむしろ前にも増して十分措置をするようにしたいと、こう考えております。
○小濱委員 あの島に持ち込まれるいろいろな物資は、大体人口十八万に対して——これは間違っておるかどうかわかりませんが、米で二十億、生糸で七億、衣料で七億、野菜で六億、卵で三億、肉で二億、魚で一・五億、くだもので一億、こういうふうになっているそうですが、この野菜、卵あるいは魚類、こういうものは自給自足をしたいと心から願っているわけです。行ってみてわかるのですが、非常に物価が高い。じゃ豊かな生活をしているかというと、各家庭で織物をやっている婦人がほとんどでしょう。そしてもう二万五千や三万ぐらいの給料の方々が中流のような形になっていますね。こういうことでぜひともこの現地の人たちが自給自足をしていきたいと、こう願っているわけでありますから、これに対して現地では技術指導を心から要望しているわけです。こういう問題については行政局長、どういうふうにお考えになっておられますか。
○長野政府委員 おっしゃるとおりでありまして、奄美群島におきましては生鮮食料品を中心にいたしまして、あまりにも本土から輸入するものに依存し過ぎております。その点で物価も非常に高うございます。御指摘のとおりなんでありまして、さらばといって、それが奄美群島でできないかといえば、努力すれは幾らでも——幾らでもと申しては語弊がありますが、できるようであります。この一、二年来、その点については奄美の有識者も非常に考え方を改めてもらっておりまして、最近ではくだもの、野菜等につきまして相当市場に出回るようになってまいりました。今後ともそういうことを積極的に自給体制という中で確立をしていくようにいたしますならば、奄美群島の島民の方々の蓄積というものは非常にできるだろうと考えております。今後の新規事業といいますか、振興事業の中におきましても、夏野菜の栽培の改善でございますとか、蔬菜の出荷対策でありますとか、あるいはまた食肉牛の関係の畜舎あるいは診療施設、そういうものの整備でありますとか、その他いろいろございますが、進めてまいろうということにいたしておりますのも、まさに御指摘のような問題——肉でありますとか牛乳でありますとか野菜、卵、あまりにも自分のところでやろうと思えばできますものまでも、本土からの輸入にたより過ぎまして、その結果奄美群島に蓄積が非常に少ないということになっておるので、いま是正をいたしたいと考えております。島民の方々も、最近次第にそういうことについての自覚ができてまいりました。そういう体制が次第に整っておるような状況でございますので、私どももそういう機運をさらに養いまして、そういう体制を伸ばしていきたい、こう考えております。
○小濱委員 島の生産高は幾らぐらいになっているか。あるいはまた逆に、島民がいろいろとものを買い入れます、そういうことで生活は幾らくらいになっているか、おわかりになりましょうか。
○長野政府委員 かなり計算がむずかしゅうございまして、なかなか単純にまいらないのでございますが、昭和四十年の大島郡民の総生産と総支出の循環表というものをつくってもらったものがございます。それによって見ますと、大島ではとにかく個人消費とかいろいろな支出に関係いたしますものが、昭和四十年の場合で三百二十七億、約三百億ございます。それから郡内の純生産と申しますか、第一次産業とか第二次産業とか第三次産業その他サービス業等におけるところの生産が大体二百十七億ばかりというふうに推計をその当時しておりました。したがいまして、この点で申しまして常にこの百億がマイナス勘定になっております。 他面、もう一つの方向で見ますと、移出と移入といいますか、奄美群島から出しますものと奄美群島に入れますものとを見ますと、やはり同じような勘定が出てくるわけでありまして、移出いたします総額が百十億というのがその当時の計算でございますが、その中で分みつ糖が六十三億、大きいので申しますと、大島つむぎが二十三億、黒糖が九億、その他肉牛とかその他のもので十四、五億ございまして、大体百十億程度移出しておる。それから移入がちょうど二百四億ばかりになります。やはり勘定として百億合わないわけであります。一番大きいので申しますと、米が二十億、それからびん詰め、かん詰とか食料品、電気製品、酒類、菓子、パン、そういう日常の生活消費物資で大体六十億、そのほかに建設用機材とか金属機械、それからいろいろな製品、原料の資材なども含めましたものがずっと並んでおりますが、そういうものが約四、五十億ございまして、大体移出、移入の関係で見ましても百億勘定が足りません。で、これを補てんをいたしておりますのがやはり郡外からの財政の移転と申しますか、そういうものの収支のように考えられます。つまり奄美群島の外から、国、県、市町村から財貨の移転をしておりますものが毎年百二十一億ばかりになっております。そしてただそのときにもまた郡外へ出ていくものもございます。たとえば国の関係で見ますと、国税が五億ほど出てまいります。あるいは県税が三億ほど出ていくとか、いろいろなものを含めますと十八億ばかりになります。しかし群島外から郡島のほうに参りますものが百二十一億ばかりございます。結局そういうことで、つまりそれをかれこれいたしますと、奄美群島では二百億生産をして三百億消費をしておる。つまり百億足りない。その百億を群島外からの財貨の移転によりましてカバーをしておる、こういうかっこうであります。 そこで、奄美が蓄積を増しますためには何としてもこの百億移出をして二百億移入しておる、この移入の部分を減らしますと、これが島民の蓄積になっていく、そこでその上にまだ百億来ますから、だんだんと蓄積が加わっていく、こういうことではなかろうかと思うのでございます。そういう意味で、先ほど御指摘になりました野菜にいたしましても、肉にいたしましても、卵にいたしましても、これは決してゆるがせにすることのできない問題でございまして、奄美群島が気象条件その他でとても生産できないというのならこれはいたし方ございませんが、奄美群島の気象から見まして十分に生産を上げ得るのでございますから、これはぜひやってもらいたいということで、最近はその意味で養鶏等も奄美の本土あるいは与論島その他でも相当大規模な養鶏業もだんだんと進んでいっておるようでございます。私どもはそういうことがどんどん進むことを非常に期待をいたしておるわけでございます。
○小濱委員 群島の平均所得が内地のデータから見ますというと約五五%くらい、そういう低い水準になっていくのですね。いまのような非常に振興のおくれた奄美大島の住民は過疎地帯、どんどん人口が減っていく、こういうことになっておりますし、いま局長さんもそういう話がございました。これはやはり大きく取り上げて対策を練ってやってやらなければならないと思います。平均所得はどのくらいまで局長上げてやろうという気持ちがありますか。
○長野政府委員 先ほど政務次官から御説明がございましたが、五カ年計画の最終時点では、これは目標としては本土並みの所得になるべく追いつくようにということでございますから、そういう意味で、現在は一人当たりの県民所得との対比におきましては、四十一年度で八二・一%でございますが、これを計画最終時の四十八年度におきましては九四・一%までぜひとも持っていきたいということで振興計画を策定をいたしたいと考えております。
○小濱委員 三百億の移入をしている、二百億の移出をしている。百億を群島内で何とか対策を練っているということですが、鹿児島県のほうの財政を見てもあまり豊かではないようです。そういうことで県もそのような実態なら、これはやはり自治省としてほんとうに内容をつかみ真剣にその問題と取り組んでこれが対策を練っていかなければならない。気候状況が非常に恵まれているのですね。行ってみて、もう異口同音にその辺にサトウキビを植えたらすばらしいのですよ、手さえ入れば、機械化されればこうやってパイナップルだ、バナナだ、こういう話をしておられます。残念なことにこのとおりですよと言って、ほこりにまみれたそういう果実を私も見てまいりました。これはどうですか、行政局長。本年度五カ年計画でどのくらいここに対して予算上計算されておりますか。
○長野政府委員 昭和四十四年度の奄美関係の予算でございますが、いま御審議願っておりますところの群島振興特別措置法の一部改正を前提といたしまして、振興事業の第六年次ということで、振興事業に要する経費国費ベースで十八億円を計上をいたしております。奄美群島振興信用基金に対します出資は二千万円、それから奄美群島振興事業の実施指導に要する経費といたしまして七千万円を計上いたしております。これを総事業費に直しますと、大体総額におきまして事業費総額は約三十億ということになります。
○小濱委員 事業内容も見せてもらいましたけれども、この約三十億の総予算でどこまで振興するであろうか、非常に私は疑問だと思います。そういう点で、これは政務次官にお尋ねしたいのですが、ろくな仕事はできないであろう、これを私は申し上げたいわけであります。この点について現地を知っていただきたいし、そしてまた、計画も新たに立てていただきたいし、そしてこの予算の変更もぜひともひとつ——また年々この問題を取り上げていくわけですが、努力をしてもらいたい、このようにお願いしたいのでありますが、いかがでありましょう。
○砂田政府委員 この法案の御審議をお願いいたしましたあと、審議会にもおはかりをいたしまして、五カ年の計画を立ててまいるわけでございますが、来年度の約三十億というものは、五カ年の国費ベースでの百三億の総ワクの中の一環でございます。私といたしましては、おことばを返すようで恐縮でございますが、ろくな仕事もできないとは考えておりません。五カ年の目標を一応定めまして、サトウキビも六十四万トン程度のただいまの生産量を五年先には百万トンまで持っていきたい、そのためのかんがい排水工事等につきましても、ただいまの改良率二一%を二八%までは持っていきたい、そういう五年先の目標を一応きめて取りかかっておりますので、相当な進展が見られるものだ、これは何といたしましても金だけでできることではございません。島民の皆さん方の御努力も当然待たなければなりませんし、また、自治省が県と相談をしながらも立てていきますいろいろな計画にも、相当きめのこまかい問題と取り組んでいかなければなりません。その努力も、私どもも当然いたさなければなりません。こういった群島の方々、また行政に携わります者が一緒に努力をしてまいりましたならば、五年先の最終の目標までは到達できるものと、こういう確信を持ちながら立てた計画でございます。いま小濱先生からしっかりやれというお話でございましたが、少なくともろくなこともできないというふうには考えておりません。相当なものをやり遂げていく決意をいたしておりますので、御了承をいただきたいと思うのです。 ただ、一つ申し上げておきたいと思いますことは、先ほどからお話に出ますバナナ等につきましては、私はこれまでやってまいりました仕事を反省してみますときに、あれだけの台風が数多く参りましたところへバナナをやれというよう指導は間違った指導ではなかっただろうか、もう少し観点を変えて、かつての十五年間にやってまいりました仕事の中で、足りない観光開発等の問題、そういうところへも一つの重点を新たに置いていかなければならないんじゃないか、こういうふうな考えも持っておるのでございます。
○小濱委員 名瀬の町に行きますと、どういう気流の関係かわかりませんが、ふしぎなことに十年来台風は参りません。そういう地域があるわけです。奄美群島の全体の面積の半分を領する大島です。ですから、そこで、いろいろと、その台風のことについても、振興計画が立って、そして栽培をどんどんやっていくようになれば、そういう地域が選定されていくだろう、こう思うわけです。 それから、私ははかっていませんが、飛行場から名瀬の町まで、非常にあぶなかしい、もう危険を感じながら走りました。どのくらいかかりましたか、四、五十分、一時間くらいかかったのではないでしょうか、うちは一軒もありません。もうほこりだらけの道路です。ですから、あそこを、道路を直すにしても、それはもうたいへんな経費がかかるであろう。 それから、名瀬の町に来ておった島の方に私聞いてみたのです。あなたはどこから来られましたか。そうしたら、バスを乗りかえ乗りかえて、ものすごい長時間をかけてようやく私は名瀬の町に参りました、これからまた国元へ帰るのですよと言っておりました。大島といっても非常に広いのですね。未開の地が多いのです。ですから、町の道路なんかも、住まいの庭か道路かわからないような姿のものがたくさんありました。そういうことからも、どうしても相当の予算を組み込んで、そして振興計画を立てていかなければできないであろう、こういうことで、三十億という金はたいへんな金です。しかし、あの島の実態を見たときに、たいした仕事はできないであろう、こう私は感じたわけです。 どうかひとつ、政務次官の言われる決意もよくわかりました。私どもは、あまりにも開きのある、そういう生活をしておられる大島の方々に対して、私も見てまいりましたので、聞いてまいりましたので、ぜひともこの島の振興計画だけは、この委員会が中心になって努力をしてあげて、そして国民生活の安寧をはかってあげたい、こういうふうに思って御質問をしているわけでございます。これは、この間、自治大臣も、私はあんまり知りませんでした、こういうお話でございましたが、もう大臣の隣の県でありますから、その点もぜひともひとつ御認識をしていただきたい。それからいままでのいろいろな質問を通してさらにひとつ御認識をしていただきたい。 なお、今後またこまかい具体的な例については、わが党の石田議員から質問が予定されております。で、これは委員長にお願いしたいのですが、私の質問はこれで終わりますが、石田議員が、またこの問題について、この間分科会の時間は少のうございましたので、最後の締めくくりをしていきたい、こういうふうに言っておりましたので、どうか私の時間は終わったのではなくして、これで一応中断させていただいて、あと順序を追って石田議員に発言の場を与えていただきたい。このことをお願いしておきたいと思います。よろしゅうございますか。——では、政務次官のいろいろな御説をいただきましたので、私どもは大いに期待を持っておりますし、これからも努力をしていきたいと考えておりますので、よろしくお願いいたしまして、私の質問を終わります。
○鹿野委員長 次回は明後六日木曜日、午前十時から理事会、十時三十分から委員会を開会することとし、本日はこれにて散会いたします。 午後四時五十九分散会