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61回国会衆議院1969/02/27

地方行政委員会 第6号

発言数
180
登壇者
10
会派数
4
開催日
1969/02/27

会議録

鹿野彦吉自由民主党

○鹿野委員長 これより会議を開きます。  地方自治、地方財政、警察及び消防に関する件について調査を進めます。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。小濱新次君。

小濱新次公明党

○小濱委員 本日は、国家公安委員長がわが委員会のために御出席をいただきまして、いろいろと御質問をしたいと思ったのですが、分科会と重なっておりますので、私の時間は少ししかありませんが、せっかくの大臣の御出席でございますので、私は大臣の率直な御意見を本日はお聞きしたいと思います。  まず最初に、よその新聞には出ていないようでありますが、けさの読売新聞でございます。一面のトップのところに出ておりますが、大臣の発言が大きな見出しになって出ておるわけでございます。この見出しについて大きな関心が寄せられておるわけでございますが、私は、はたして法を守る立場の、一番法に明るい大臣の発言としてはどうしても理解ができません。それで、これはきのうのことでありますから速記録を取り寄せてみなければその真偽のほどはわかりませんが、幸いきょうこの委員会において質問の時間を許されましたので、その真意のほどをお尋ねするわけでございますが、こういうふうに書いてございます。「九大法学部長は━━━━」という見出しで、「荒木公安委員長が問題発言」これは「二十六日の衆議院予算委員会第一分科会で最近の大学紛争について井上正治九大法学部長は━━━━である。このような者が、教育者として適任かどうか、教授会が決議して、これを排除すべきである」こう発言したと書いてあるわけでございます。この点についての大臣のお答えをいただきたいと思います。

荒木萬壽夫自由民主党国家公安委員会委員長・行政管理庁長官

○荒木国務大臣 大体そういうふうなことも申しました。

小濱新次公明党

○小濱委員 しからば公安委員長にもう一ぺんひとつ解釈をしていただきたいのであります。この━━━━という解釈、これはどういうふうに大臣は御理解をなさっておられるか、ひとつお教えをいただきたいと思います。

荒木萬壽夫自由民主党国家公安委員会委員長・行政管理庁長官

○荒木国務大臣 民社党の岡澤委員の御質問にお答えしたわけでございます。御質問の趣旨は、過ぐる日さるテレビ放送に井上法学部長が出席されまして発言をされた中に、警察は大学側から見て敵であるということを明言された。それについて法制局長官の発言を求められ、続いて私にも発言を求められましたので申し上げたわけであります。  あらためて申し上げるまでもなく、警察官は十六万数千人おりますが、そのすべての者はもちろんのこと、警察全体といたしましても、法に基づいて命ぜられました警察責任を忠実に法の範囲内において行使し続けてきておると信じております。しかるにもかかわらず、その警察を敵であるというふうなおっしゃり方はいかがであろう、まさにそれは警察の憲法ないしは法律によって存在し、行動しておりますことに対する包括的な侮べつを意味する発言だと私は理解をいたします。その意味において、いやしくも法学部の部長ともあろう方がそういうことを言われることそれ自体、万事憲法以下の民主制度は御承知の方があえてそんなことを言われることそれ自体、むしろふしぎ千万とも思い、まあはやわかりで申せば━━━━ではなかろうか、かように思いましたので、そう申しました。

小濱新次公明党

○小濱委員 ━━━という解釈はまだいただいておりませんが、いま大臣のお話しになったようなテレビに出ての発言の内容、いろいろと問題になる発言についての調査をなさった上での大臣の発言であったでありましょうか。

荒木萬壽夫自由民主党国家公安委員会委員長・行政管理庁長官

○荒木国務大臣 私は、国会議員の方の御質問でございますから、警察を敵であるという表現に対しまして、法制局長官の法律的な解釈から申しましても、それは明らかに法に対する冒涜である——ことばはちょっとはっきり記憶しませんが、そういう法律的な解釈でもあり、また国会議員の方が御質問なさるのは、御質問前にその根拠は十分に御調査の上での御質問と私は存じます。だから御質問の事柄が事実である限り、以上申し上げたような私の所見を申し上げることもやむを得ない、そういう意味でお答えを申し上げた次第であります。

小濱新次公明党

○小濱委員 「真意を誤解している」こういう見出しで、「井上正治九大法学部長の話「わたしは荒木国家公安委員長のいうような内容を話した覚えはない。事実を誤り聞いて評価を下しているようだ。」このようにおっしゃっております。この教授の言われることが事実であったならば、大臣はどのように釈明されますか。

荒木萬壽夫自由民主党国家公安委員会委員長・行政管理庁長官

○荒木国務大臣 前提がもし御質問の趣旨と違うとしますれば、それはそのときにあらためて考えさせていただきたいと思います。

小濱新次公明党

○小濱委員 私どもの下世話のことばにもばかということばはやはり慎まなければならない、このように私どもは教育を受けてまいりました。それにまた大がついているわけであります。これはやはり私はたいへん失礼ですが、末端ということばを使わしてもらいますが、そういう立場の方のばかとかばかやろうだとか大ばかだとかいうことばも、それはお茶を濁される場合もあると思いますけれども、国家公安委員長はもと文部大臣もなさいました。そういう立場の上から非常に尊敬と信頼の的になっておる方であります。そうした方が━━━━と言う。しかも公式の場所で、永久に残る議事録にあなたの発言が記載されているわけであります。私は、そういう点で、国会に参りまして日は浅いけれども、いろいろと罰則等も調べてみました。ここではきびしい内規といいますか、罰則があります。私はそういう教えを極力守って国会の運営に当たっていきたい、このようにも考えておるわけであります。その私どもの信頼を裏切られるような大臣の発言であるわけです。これについてはいろいろと理由があるようであります。また悪い意味合いはなかったとしても、ことばがことばだけに、やはり取り上げざるを得ない、このように私は思うわけであります。この問題について、大臣はほんとうにそういう非常に重要な要職につかれている立場から、私はその考えをもう一度お尋ねをしたい、このように思います。

荒木萬壽夫自由民主党国家公安委員会委員長・行政管理庁長官

○荒木国務大臣 用語の適否についての御批判はあり得ると存じます。そういう意味において、もっと違ったことばで私の気持ちを表現すべきであったろうというふうには思います。ただ私の申し上げましたのは、先刻申し上げた前提に立ちまして、もしそうである限りにおいては、本来ものの道理を十二分に、一〇〇%以上御理解あるべきはずの法学部長が、警察のあり方は万事御承知であろうにもかかわらず、それを敵だと言われること自体に、いささか警察そのものを侮蔑されたような気持ちを感じますので、ものの道理をわかっていながらわからないふりをされたかどうかは知らぬけれども、そういうことを申された限りにおいては、ものの道理のわからない方だなあ、そんなことをテレビを通じて全国民の前に言ってほしくない、警察そのものを誤解されることを遺憾に存じましたので、その気持ちから御指摘のようなことを申し上げました。用語の適否については御指摘の意味も十分わかります。今後に向かって注意したいとは存じますけれども、真意は以上のようなことでございます。

小濱新次公明党

○小濱委員 いまの大臣の御答弁を伺いまして、警察官が侮辱をされた、これは子を持つ親の心情で私にもわかります。だからといってこういう発言がはたして妥当であったかどうか、私どもは今日非常に話題を投げておりますので疑問を持つわけでございます。  また、一つ私どもは理解に苦しんでいる問題があるわけです。たとえば政治家と文官の立場、政治家に対して、かつて何年でしたか、吉田茂総理大臣のばかやろう解散、これはもう私どもの記憶に今日なお残っておりますが、こうした一言の発言によって国会が解散に持ち込まれている、こういう例があるわけであります。したがって、今回の場合は文官であるから許されるのだ、こういうふうになるのかどうか、この点の御解釈をもう一度お願いしたいと思います。

荒木萬壽夫自由民主党国家公安委員会委員長・行政管理庁長官

○荒木国務大臣 仰せのことは私も完全にはよく理解できませんけれども、繰り返し申し上げますと、大体俗にものの道理のわからない者をばか者だというばかなことを言うなということを言います。いわば俗語と申しますか、そういうことが国会でかってに放言されてよろしいとむろん思いません。御指摘を受けまして、用語の適切をやや欠いたかしらぬという意味においては、私自身も思い返しつつあるわけでありまして、先刻来お答え申し上げているような気持ちを率直に、素朴に申し上げたつもりでございます。

小濱新次公明党

○小濱委員 大臣にもう一ぺんひとつお答えいただきたいと思います。  その、ばかなことを言うな、これはわれわれもよく使います。おまえはばかだなあということも、その人を思って、その人に諌言する意味において言ってやることば、おまえはばかだなあといっても、私はこれは悪言にはならぬと思うのです。相手を思う心情があれば、これは善言になると思う。ところが、大臣のいままでの御答弁を伺っておりますと、やはりそれは、子を思う親の気持ちはよくわかりますけれども、多少感情的になって、━━━━とこう言っておられるように私には聞き取れるわけであります。大臣は、どういうお気持ちで━━━━ということばをお使いになられましたか。もう一度ひとつお願いしたいと思います。

荒木萬壽夫自由民主党国家公安委員会委員長・行政管理庁長官

○荒木国務大臣 先刻も申し上げましたとおり、大学の、ことに法学部長ともあろう人が、私なんかよりははるかに憲法なり法律なり警察法ないしは警職法等万事心得ておられるはずの方が、どうしてそんなことをいわねばならぬだろうかという意味において、ことさら警察そのものを━━アレルギー症ということをよく言いますけれども、アレルギー症も相当なんだなあと、テレビに出られてそういうことを、敵だなどと言われたとすれば、警察の立場からいっても困りもんだ。知らなければ別だが、万事知っている人が、あえてそう言われることは、もう少し慎んでいただけぬものか、瞬間的にはそういう気持ちが私の頭にはただよいました。そういう気持ちから、いわばアドバイスをする気持ちも含めて、不用意といえば不用意でございますが、さっき注釈を加えましたような気持ちの、ばかなことを言うな、おかしいじゃないかというふうなことを、御指摘のようなことばとしてお答えを申し上げた、こういう心境でございます。

小濱新次公明党

○小濱委員 その心境ということばは、一応自分の責任において反省をなすっておらる、このように理解してよろしいでしょうか。

荒木萬壽夫自由民主党国家公安委員会委員長・行政管理庁長官

○荒木国務大臣 先刻も申し上げました、用語としましては、通俗には理解してもらえるにしましても、いささか上品さを欠いたなあという気持ちがいたします。

小濱新次公明党

○小濱委員 この問題については、やはり国会でも何らかの対策がとられていくのではないか、このように感じます。  ここで私がお尋ねしたことは、大臣の御精神をお尋ねしたわけでございます。また、その真疑のほどをお伺いしたわけでございます。この問題については、大臣は率直にそのような内容を委員会で言いましたと、こう言われましたので間違いないと思いますが、なおこれは委員長にお願いしたいのですが、速記録をひとつあとで取っていただければ幸いだと思いますので、この点お願いしたいと思います。この問題については、また速記録をはっきりと見せていただいた上で大臣のいままでの御答弁、これとよく差し合わせてみて、私は理解をしていきたい、このように考えておりますので、この問題についての質問は終わります。  今度は、内容は違いますが、最近ギャンブル廃止論が世論を大いにわかしております。いよいよ都議会でも予算委員会が始まったようでございます。ここで取り上げられるであろうこの内容について国家公安委員長の立場での、一、二御質問をしたいと思います。  警察庁では今後、ギャンブル警備にかり出されるのはごめんだ、こういうことばの記事も載っておったわけであります。年間出動人員が十八万五千ですか、それに対してまた追加するものを入れると約二十万人と、こう書いてあります。その人たちがまっぴらである、というふうに載っておるわけであります。この点に対する御説明をお願いしたいと思います。

荒木萬壽夫自由民主党国家公安委員会委員長・行政管理庁長官

○荒木国務大臣 御指摘のようなこと自体を、新聞そのものを私つい見過ごしておりまして、言っておる真意その他正確に把握いたしておりませんので、政府委員からお答えさしていただきます。

海江田鶴造警察庁刑事局保安部長

○海江田説明員 私からお答えいたしますが、前に一部の新聞でギャンブルに対する警察の警備を今後はやらないというような報道が出ておったのは事実でございます。これは必ずしもわがほうの真意を伝えているとは申せないのでございまして、われわれのほうで考えておりますところは、相当な警察官を出しておるけれども、やはり警察の責務として多数の人間が集まる場合に、その生命、身体、財産を保護することは当然の任務でありますのでこれはやる。ただ、御承知のように、競馬にいたしましても、競輪にいたしましても、その他にしましても、法律で主催者側が場内の秩序維持、犯罪の防止、競走の不正の防止、その他の措置をとることになっております。義務づけられております。ところが、実情は必ずしもそれがそのように主催者側で万全に行なっていない。かなり不十分である。そうして、少し極端に言えば警察におぶさり過ぎておる。この実情に対して、昨年来、私どものほうでは関係警察署並びに関係団体に指尋を強めてきたわけでありますが、それを大いにやってください、いつまでも警察にばっかしおんぶしていないでやってください、しかし、私どもは警察の責任を果たします。こういっておるのでございまして、これが警察の真意でございます。

小濱新次公明党

○小濱委員 まあ、ああした新聞記事が出ますと、非常にまたギャンブルが社会問題を起こしているだけに、その競技場を持つ地元の住民の方々は非常に恐怖感を抱くわけでございます。それで、ああした記事の内容が大々的に一般紙に出ているわけでございますが、これはやはり出どころがはっきりしていなければならないと思います。まあ、火の煙のたとえになりますけれども、いま部長のお話ですと、必ずしも警察庁の真意を伝えていないとはっきりと言われましたけれども、そうであるならば、どうしてああいう記事が掲載されていったのであろうか。これはどこかにそういう内容のものを漏らした、伝えていった、そういう人がおるのではないか、こう思うわけですが、非常にこれも大きな問題にいま展開しておりますので、この点の明確な御答弁をお願いしたいと思います。

海江田鶴造警察庁刑事局保安部長

○海江田説明員 さっき申し上げましたように、警察がいままでかなりの勢力を注いでこういうものの警備に当たっておったことは事実でありますが、また、主催者側がかなりこれを怠っておる面が見受けられたので、警察としては、しっかりあなた方も自衛警備の体制をとってくださいよということで、その体制をふやすようにお願いしておるわけです。   〔委員長退席、細田委員長代理着席〕 それに伴って、警察力も、異常の場合は幾らでも出しますけれども、平常の出動人員についてはできるだけ減らすということを申し入れておるわけです。ですから、あの新聞の記事は、主催者側の自衛警備の努力というものについて、それは触れておりましたけれども、その点よりは、むしろ警察が漸次警察力を減らしていくということに重点を置いた記事ではないか、こういうふうに思いまして、私は、やや記事には誇張がある、焦点の当て方が警察力を減らす方向に書かれておる、こういうふうに考えております。

小濱新次公明党

○小濱委員 私が心配するのは、昨年度の競輪場での暴動事件の件数は三十八件でしょうか、その中で、群衆が千人、二千人と行動を起こして、そうしてもう、建物を破壊し、金を奪って逃走している。それが、浦和でも、川崎でも、桐生でも、大きいところをあげればそういうところになりますけれども、そういうところで非常に事件が多いのです。警察があれだけ警備につき、配置についていながら、ああした事件が起こっているわけです。やはり、その事件を起こすたび、見るたびに、住民は、これからの競輪や競馬、公営ギャンブルに対する考え方が、一日も早くこれは廃止をしてもらいたい、こういう気持ちが強くなっていくのではないかと思います。これはどう考えても健全娯楽ではないわけです。そういう立場で今度、いろいろとその真意を持っておられようでありますが、そうした立場でこの自主警備を強調されても、これが完全体制ができ上がるまでには、これはたいへんだと思うのです。いま廃止論が出ておるのに、今度は自主警備を強調して、その訓練をし、一人前の警備体制ができるようなところまでその技術を盛り上げていく、これは非常に長期間かかるであろう、そういう必要がはたしてあるであろうか、こういうふうに私どもは考えておるわけなんです。そういう住民の不安を一掃していく立場から、やはり今度のこの新聞に掲載された記事の内容は、非常に人心を不安に落とし込んでおるというふうに考えるわけです。そういう立場で警察が自主警備を強調して、はたして向こうができるのかどうか、あるいはまた、でき上がるのはいつごろになるのか、そういう内容も検討されて、そうしてできるという確信に立たれて、自主警備を強調されたのかどうか、もう一度お答えをいただきたいと思います。

海江田鶴造警察庁刑事局保安部長

○海江田説明員 ただいまのお話のとおり、私どものほうでは、すでに数年前から、関係省庁並びに主催団体に話をし指導をしておるところであります。特に、昨年来御承知のように、昨年からかなり事件がふえましたので、それに伴いまして、関係団体に対する指導をかなりきつくしておりまして、お話しのとおり、すぐにできるとは思いませんけれども、少なくとも早急に、できるだけ早く、自主警備に自衛体制を主催団体でできる範囲内でやってもらいたい。実は、まだ団体のほうでは、いまお話しのように、やめるかやめないかについての心配はあるようでありますけれども、収益は相当上がっておるわけでございますし、経費的には決して不可能ではございませんので、この点を指導を強めて、いまおっしゃられたような、付近の住民の心配を除くということのためにさらに協力してやっていきたい、かように考えております。特に、御承知かと思いますけれども、場外の馬券、車券の売り場につきましては、いろいろ付近の住民からも要望があるようでございまして、その点、私のほうでも、警察の立場から、関係団体には強く指導をいたしまして、早急な処置をとるように申し入れております。

小濱新次公明党

○小濱委員 川島警備局長いらっしゃいますか。すでに自主警備をどのくらいされているのか。あるいはまた、それによって警察官はどのくらい減っているのか。先ほど申し上げましたように、年間二十万人の動員数があったということですが、どういう警備体制になっているか、お答えいただきたいと思います。

海江田鶴造警察庁刑事局保安部長

○海江田説明員 自主警備につきましては、昨年来かなり改善が認められております。自衛警備員は、競輪、競馬、競艇、オートレースの四つにつきまして、昨年の調査とことしの調査で、約半年間に九百四十一名の自衛警備員がふえております。なお、自衛警備員のほかに、いわゆるガードマンも雇っておるわけでありますが、合計いたしまして九百四十一名ふえております。現在、常勤の警備員並びに非常勤の警備員、それからガードマン等、大体全国の競輪、競馬、オートレース等に約八千名ぐらいになっております。約九百四十一名の増加でございます。それから、警察の警備員の数でありますが、御承知のように、川崎とかあるいは浦和とかのように、事案が発生した場合には、場合によったら三百名、多いときには九百名の応援の警察官がかけつけるわけでありますけれども、いわゆる常時の警備配置は、約二千名の常時配置の警察官は減っております。   〔細田委員長代理退席、委員長着席〕  昨年は約十七万九千五百六十名の警察官を事前配置いたしたわけでございますが、ことしは十七万七千四百七十四名配置となっておりまして、二千名弱でございますが、これだけの警察官の配置を減らしておるということでございます。

小濱新次公明党

○小濱委員 そうしますと、四十四年度の予算で増員をされます。このような自主警備を強調していけば警察の動員が少なくなっていく、こういうことの見越しが明るいわけでありますか。来年度の五千名増員はこういう立場からも必要なんでしょう。これは大臣からお答えいただきたいと思います。

荒木萬壽夫自由民主党国家公安委員会委員長・行政管理庁長官

○荒木国務大臣 お話しのとおり、警察官そのものは、集団暴行事件をはじめとしまして、悪質な刑事事犯等あるいは交通問題につきましても昼夜兼行の努力をいたしておりまして、相当勤務過重の状態にあります。したがいまして、自主警備をギャンブル開催者のほうでやってくれますこと、そのことは、それが適法に行なわれる限り望ましいことでございまして、でき得べくんばそういう協力を得られるならば幸いじゃなかろうかと存じます。

小濱新次公明党

○小濱委員 聞くところによりますと、これは警備局長にお尋ねしますが、競輪が開催されているときその地域での事件は減っている。いわゆる警察官が出て行かなくちゃならないようないろいろな事件の件数が非常に減っている。この減っている理由は何かというと、やはり動員されているので手が回らない。こういうところに原因があるようだ。それから、その競技場の付近の住宅は、日中でもかぎをかけておる。なりふりの悪い人が、さいふを落としたんだ、あるいは、きれいにすってんてんにすられてしまったんだ、悪いけれども帰りの電車賃を貸してくれぬか、と言って来るという。これは鶴見でも川崎でもそうですけれども、平塚もそうです。そういうことからうちの中にじっとしている。もうやむを得ずにわずかの金を恵んであげるというと、その人は急いで帰って行く。どっちの方向に帰って行くかと思うと、またその競技場に入って行く。それから、犯罪も非常に多いようです。  そういう点で、その警備体制ですが、競技場の警備体制も必要ですけれども、その住宅街のそういう警備も必要になるのではないか。その他問題はたくさんございますけれども、そういう事例がありますので、警備局長としてはどういうふうにお考えになられますか。

川島広守警察庁警備局長

○川島(広)政府委員 実は、役所の組織の分課規程から申しますと、いま先生お尋ねのような雑踏警備、外勤その他のものにつきましては、保安部長が担当でございますが、せっかくでございますので申し上げさしていただきます。  いま先生おっしゃいましたように、確かに雑踏的な、たくさん群衆が集まりますような場合には、付近の駐在所なりあるいは派出所なりにつきまして、警察官が留守がちであるというようなことも間々あるわけであります。したがって、事件の申し出が少ないということで事件の数が少なくなるということは、あながちないとは申しません。現に過去の経験則から申しましてもそういうことがございます。  ただいま先生お尋ねのように、競輪場なりあるいはギャンブルの競技その他の周辺の住宅でございますが、お尋ねのようなことをわれわれも耳にしております。したがいまして、付近の住宅街等につきましては、そのつどパトロールの強化をはかるというようなことで、実は従来対処してまいっておるわけでございますけれども、ただいまのようなことにつきましては、一般の住民の方々からも御要望がありますので、今後十分お尋ねのような趣旨に沿って処してまいりたい、こういうふうに考えておる次第でございます。

小濱新次公明党

○小濱委員 それと同時に、もう一つお尋ねしたいのですが、競技場での事故の内容が非常に悪らつなんですね。人身事故、金品略奪、器物毀棄等の目に余るまうな、そういう惨状を呈しているわけです。昨年度は非常に多い。これは警備体制のいかんによっては防御できるのではないか。警備体制の配置といいますか、連絡ですか、そういうところの不備が、あのような大きな事件にしていったのではないか、こういうふうに危惧されるわけですが、これは局長でよろしいでしょうか。

海江田鶴造警察庁刑事局保安部長

○海江田説明員 御説の点は、私どもも反省いたしておりまして、検討をいたしておるわけでございますが、こういう事件、紛争が起こる原因というものを、われわれのほうではこまかく分析いたしております。それによりますと、やはりいま先生のおっしゃったような、ちょっとした芽のうちに警備体制をふやして押えればおさまるものもございますし、また、現に事前に押えた例もございます。ただ、中には主催者側の競技の不手ぎわあるいは広報の不徹底あるいは施設が悪いというようなことの原因であるものが相当ございます。こういうものを、主催者側と警察がよく話し合って協力して改善していけば、紛争をかなり減らすことができる。しかし、また一方、現在こういう競輪、競馬、競艇等には、一種のやじ馬的な、問題を起こすような連中がかなり行っておるわけでございます。これがやはり七回、八回となってきますと、何か口実をつけては問題を起こそうとする。そういう点もございますので、こういう点につきましては、われわれのほうでそういうメンバーをできるだけ把握をして、事前によく行動を見ておくというような措置をとるようにいま心がけておるところでございます。

川島広守警察庁警備局長

○川島(広)政府委員 ただいまの先生のお尋ねにちょっと関連がございますので、蛇足でございますがお答えさせていただきます。  先ほどもお話がございましたように、大きな雑踏警備等の場合には外勤警察官が招集されまして、これに当たることが多いわけでございますが、しかし現実問題といたしましては、外勤勤務活動をおろそかにするわけにまいりませんので、ほとんどの場合におきましては機動隊をこれに充てておるわけでございます。いろいろ問題がございますが、機動隊の実際の活動の内容でございますけれども、昨年等に照らしてみますと、機動隊が出動しました中で、この種の雑踏整理、雑踏警備を含めまして、いわゆる一般の市民警察活動として出ましたのが全体の出動時間の約六〇%に当たっておる。そういうわけでございますので、いま増員をお願いしております機動隊につきましても、この種の雑踏整理はもちろんのこと、交通の一斉取り締まりあるいは集団警ら、警乗といったような一般の市民警察の直接奉仕するような活動にも十分役立ってまいりたい、こういうふうに考えておりますので、御参考までにつけ足しておきます。

小濱新次公明党

○小濱委員 新聞に紛争出動お断わりと大きな見出しで書いてあるのですが、この紛争出動お断わりというのは、紛争事件が起きて、そこで出動していく、そこのこまかい指揮のとり方を話してください。わあっと騒いで、なだれを打って、そうして馬券売り場に飛び込んでくる。どこで警察官が出ていくのか。どうしても大きな事件になって、あとになって警察官が現地にはせ参じているという例が多いわけです。そこのところ、待機場所とかその出動命令はだれが出されるのか、どうやってバリケードを張ってそれを阻止されようとするのか、そこのところどういうふうになっているか。

海江田鶴造警察庁刑事局保安部長

○海江田説明員 ただいまの御質問、なかなかむずかしい問題でございまして、例を川崎にとって申し上げますと、川崎は普通の競輪でございますと約七十名から八十名の警察官が警備をしておるわけでございます。これは、さっき警備局長から話されましたように、機動隊を使っておるわけでございます。それで、もちろんそのほかに非常の場合に備えて、警察では若干の応援出動はできるように準備いたしております。現実に問題が起きます場合には、例を申し上げますと、七、八レース、魔の七、八レースと申しまして、大体七レース、八レースぐらいになりますと問題が起こってくるわけでございますが、やはり起こるにはそれ相当の理由が若干ございます。本命が落ちた、スタートが悪かった、いろいろ理屈がつけられるようなことはございます。ですから、まずこれを防止するためには、主催者がよくレース運び、特に六レース以降については、レース運びなり選手その他についてよく監督をやっておくということが一つ。  それから、問題を起こす場合には、最初二十名から五十名、せいぜい百名程度がぶつぶつ言い始めて抗議を起こすわけでございます。情勢によってその周辺におるやじ馬が同調して、大体二千名くらいにふくれ上がるのが常態でございます。そういうふうに、最初五十名なり百名が騒ぎ出した段階では、自衛警備員と現場にいる警察官が行って押えるという措置ができておればかなり押えられるのじゃないかということも従来の経験からわれわれ考えておるわけでございます。ただ、早急に広がっていって、千名、二千名になりかけましたならば、警察では現場の指揮官がおりますが、その現場の指揮官が判断をしまして、すぐ無線で本署に連絡をとるわけでございまして、応援出動を依頼するわけでございます。状況を話して、どれくらい応援を頼む、こう言うわけでございます。そこで所轄の警察署で、県本部と連絡をとりながら、出動中の警察官をできるだけ早く現場に送り込むわけでございます。ただ、おっしゃられるとおり、これは二千、三千となりますとなかなか鎮圧がむずかしい。とりあえずは施設の防護、それから関係者の生命の保護ということに重点を置いてやって、順次相手の勢力を場外に排除していく、こういう段取りになっているのが大体の実情でございます。

小濱新次公明党

○小濱委員 大臣にお尋ねしたいのです。  ギャンブルの事件のテレビとか新聞の報道は、大々的に悲惨な場所が写し出されて、そうしてのってくるわけです。国民のひんしゅくを買っていることは当然であります。この年間の入場者延べ数は約九千四百万人、日本の総人口にやや匹敵するような、こういう人たちが入場しておるということが出ておりました。それから、売り上げ金は年間一兆六百億円になる。しかもこの手数料といいますか、きざな言葉で言うとテラ銭、これは二割五分である。これは警察では非常に詳しいと思いますが、やくざのテラ銭は五分であると聞いておる。国でやる公営ギャンブルが二五%のテラ銭を取る。四回行なえば一回分全額没収してしまうことになる。こういう内容であります。これは御存じであろうと思いますが、こうしたことがデータの上ではっきりとしております。そうして、この目的が戦災復興という名目のために国ではこれを許可してきた。もう二十二年も経過している。したがって、非常に経済も成長いたしましたし、復興もいたしまして、その目的はもう十二分に達しられたのではないか。あとは国の力でやるべきではないか。社会悪を起こし、非常に国民のひんしゅくを買いながら、いま申し上げたような、こういう数字の内容が示されているこの公営ギャンブルについては、当然何らかの勇断をもって措置をしていかなくちゃならないであろう、こう思うわけでございます。これは国務大臣としてどのようなお考えをお持ちになっておられますか。ひとつそういう立場からお答えをいただきたい、こういうふうに思います。

荒木萬壽夫自由民主党国家公安委員会委員長・行政管理庁長官

○荒木国務大臣 競輪に関しましては、私も郷里の市長をいたしておりますときに、町の九割を焼かれまして、何とか立ち上がらなければならぬというときに、よその市で受け持って競輪をやっておりました中に、月何回かを主催さしてもらうということをやりまして、かなりそのおかげをこうむった記憶がございます。お説のとおり、あれはあくまでも終戦直後の混乱の中から立ち上がるための必要悪と申しますか、そういうことから考え出された課題かと存じますけれども、お話しのとおり、戦後二十余年も迎え、ああいうものができましてから二十年を越しておる。経済は世界も驚く発展をしたといわれる。国力はついてきた。したがって、少なくとも公営、国営ギャンブルというものは漸減してしかるべきじゃなかろうか。それにしましても、御指摘の一兆円をこえるという数字は、私もそれほどまでとは思っておりませんでしたが、それだけのものにかわるべき財源が、公営にいたしましても、国営にいたしましても、かわり財源がなければ一挙にこれは廃止できないという面もあろうかと思いますから、一挙にはできませんにいたしましても、徐々にお説のような方向にこれを整理していくべき課題じゃなかろうかというふうに、私一個としてはひそかに考えてはおります。

小濱新次公明党

○小濱委員 国家公安委員長も、かつて市長さん当時には目的のためにこれを賛成された。しかし、いまは非常に考え方も変わってきているようでございますけれども、やはり一億に近い人たちが入場券を買って、そして競技をやっておる。そこには家庭を破壊したり、職場を失ったり、あるいはまた事業を倒産さしたり、そういう内容が非常に多いわけなんです。それがためにまた酒を飲む。勝てば勝ったで飲むし、負ければ負けたで飲むし、それからまた、起訴されたような事件も非常に多く起こっております。私はその財源云々をする前に、こういう社会悪は一日も早く廃止しなければならない、そのように努力をしていきたい、こういうふうになっていかなければならないと思いますが、いま大臣の御答弁を伺いますと、やはり財源問題、あるいはまた、いろいろと今後努力をして何とかそういう方向に持っていきたいというような、まことに消極的なお考えのように聞けるわけです。私どもとしては一日も早く廃止すべきである、こう思うのですが、この財源も、先ほど申し上げましたのはあれは売り上げ高であります。財源は、その自治体に年間予算として配分されている金額は九百億弱であります。これは一兆二千億の自然増収の今度のこの予算の中から見ればできないわけはないと思います。やる気があるかないかの問題であろうと私は思わけであります。わずか一千億弱の金でこの社会悪を一掃することができる。世界のどこの国もやってない。日本のような形態の公営ギャンブルは全然やってない。日本だけがなぜ戦後二十四年もたっていながら、このように経済が高度成長している今日において、なおかつ何がゆえにこれをやらなければならないか、こういう疑問が起こってくるわけでございます。もう一度ひとつ大臣の御答弁をお願いしたいと思います。

荒木萬壽夫自由民主党国家公安委員会委員長・行政管理庁長官

○荒木国務大臣 財源そのものが一兆円などとつい誤解して申し上げましたが、財源的にはお説のとおり一千億円見当ということであればいささか実現にも困難性が、さっき申し上げたよりは少ないかとも思いますが、ただ、東京都でもって美濃部さんの言われたことが新聞に出ておりますが、三多摩方面では関係市町村ば絶対反対というふうな意向らしいということが、現実には末端の公営ギャンブルに依存しております——不交付団体は別としまして、財政必ずしも豊かならざるところでは、金額は少のうございましても、その財源の肩がわりを国費でやってくれるのか、あるいは住民税その他で補うかということは、小さいながらも重要な関心事たらざるを得ない。その現実問題がございますので、ばらりんと一挙にやるということは、事実問題として容易ではなかろう、こういうふうに想像して申し上げておりまして、お説のような財源を国で出すことは可能ではあろうと思いますけれども、実際上その困難性を解きほぐしながらやっていかざるを得ない課題じゃなかろうかと思います。そういう意味で、ある程度漸進的な考え方でないと実現は困難性を伴うであろう、こういうふうなことを想像しながら先刻お答え申し上げたわけであります。方向としましては、私も同感でございます。

小濱新次公明党

○小濱委員 最後にもう一言申し上げたいのですが、御存じのように、自治体ではやめたい、こう思っているということですが、ただし、このひものつかない財源に魅力を感じてどうしてもやめ切れない、これが実情のようでございます。私はゆうべ調べてみたのですが、ある都市では年間特別会計を入れまして百三億の予算がある。その百三億の四十三年度の予算の中で五十七億三千万円、これがギャンブルの収益になっている。半分以上。ですからこれはもうやめられません。しかも魅力がある、ひものつかない財源ということですから。したがって、土地は非常に発展しておりますけれども、そこには非常に悲惨な境遇に追い込まれている人、非常に犠牲をこうむっている家庭のあることを知らなければならないわけです。そういう立場からも一日も早く廃止に踏み切るべきである。そしてまた、できないわけはないわけである。この問題については、これからも当委員会でも質問が続けられていくと思いますけれども、どうかひとつ大臣も深い理解の上に立って、国民生活をあくまでも楽しくしていくために、国民に苦悩を与えてはなりません。その国民の苦悩を一掃していくためには、どうしてもこの問題の解決が必要でございまして、この問題に対する深い理解を持ち、これからの対策に協力していただきたいということを心から念願いたしまして私の質問を終わります。ありがとうございました。

鹿野彦吉自由民主党

○鹿野委員長 次に、山本弥之助君。

山本弥之助日本社会党

○山本(弥)委員 ただいま国家公安委員長さんと小濱委員との間で、国家公安委員長さんの発言に関連いたしましてのやりとりがございましたが、大臣は国家公安委員長という重責、あるいは国務大臣としてその発言はきわめて慎重でなければならぬと思いますが、先ほど答弁がございましたけれども、今後その職責にかんがみましてどういうふうなお考えを持っておられますか、重ねて私からもお聞きをいたしたいと思います。

荒木萬壽夫自由民主党国家公安委員会委員長・行政管理庁長官

○荒木国務大臣 あくまでも国民的立場に立って、国務大臣として、あるいはそれぞれの行政面を担当する者としまして、慎重に誠実に言動をしていかねばならない、かように存じております。

山本弥之助日本社会党

○山本(弥)委員 正確に聞いたわけではございませんが、過去におきまして新聞の記事にも出ておりましたが、大学紛争に関連いたしまして、東大の総長あるいは京都大学の総長等についての大臣の批判が新聞に出ておったと記憶いたしておるのでありますけれども、ちょうどその紛争の過程におきまして、各大学の総長はその収拾につきまし、ては、私は、外部の想像に絶する大学の管理の問題、あるいは学生に対する紛争処理の問題等に関連いたしまして非常な苦慮をいたしておるものと思います。たまたまこれを早期に警察力をもちまして排除するかどうかということにつきましても、それぞれの総長の立場というものはきわめて慎重でなければならぬと同時に、また、その判断も誤ってはならない。これに対しまして、普通の評論家的な感覚から批判をするということは、私はこれはやむを得ないと思います。  警察は、大臣も御承知のとおり、国家権力の最も強力な発現をするものでありまして、今日、終戦後の警察は、大臣もよく御承知だと思いますけれども、民主的な運営をするということがその基本精神にあるのじゃないかと思います。ことに都道府県警察といたしましては、国家公安委員会が設置されておりますし、また、治安の責任を持つところの国家公安委員等も設置されておるわけでございまして、いわば民主警察をいかに確立し、これを進展させるかということは、私は過去の警察等にかんがみましても、非常に苦心を必要とするのではないか。そういうことについて、私は、今日の大学紛争を中心とする事案につきましては、私どももとより苦慮しておる一人でございますけれども、、そういう最中に、国家公安委員長が軽々に批判をし、また普通の人でも発言をすることを許されないような発言をなさるということは、私は注意していただかなければならない。ことに、警察は一体となって行動するわけでありまして、個々の警察官に人格陶冶といいますか、権力の先端に立っておるわけでありますので、りっぱな警察官に教養をしていくということについては、十分腐心をしてまいらなければ、ややもすれば安易な権力行使になりがちであります。これは過去の警察がそうであったように、また今日、警察の民主的運営ということを幾ら強調しても強調し足りないというのが現状であろうと思います。したがって、人格の陶治、あるいはどういう警察官をつくり上げるかということは、私は警察行政にとりましては最も基本的なものだと考えております。そういう基本的な警察務の責任者である国家公安委員長が不謹慎な発言をされるということは、私、今後の警察運営上からも大いに支障を来たすのではないかと考えます。  私、個人的には、かつて大臣が文部大臣のときも、きわめて率直にものごとを判断し、率直に行動されるということにつきましては、政治家として非常に敬意を表しております。しかし、こういう紛争のさなかに、また警察官がいわゆる部隊行動をもって事案、事件に対処しなければならぬというときは、私、十分発言に注意していただかなければならぬと思います。個々の警察官が警察務を執行するにあたりまして、民主警察の確立のために行動するということは、これはある場合そのことは可能でありますが、部隊行動をとりますと、これはやはり警察官といえどもよほどの統率力と警察官個々の警察務執行についてりっぱな行動をとるという信念に基づかない限りは、過剰警備になりあるいは感情的になるということは、これは人間である以上いなめない、かように考えております。そういうふうに考えてまいりますと、そういう警察官の教養の面におきましても、今後重要な段階における警察務の執行につきましても、大臣が相次いで警察官を弁護なさることは——警察官の苦労、ことに第一線の警察官の苦労も私どもよく存じておるわけであります。しかし、それだからといって、弁護のあまり、その当の責任者が軽率な発言をなさるということは十分慎んでいただかなければならない、こういうことを痛感いたします。大臣の決意といいますか、反省といいますか、大げさになりますが、もう一度お気持ちをお聞かせ願います。

荒木萬壽夫自由民主党国家公安委員会委員長・行政管理庁長官

○荒木国務大臣 どうも本来不徳のゆえに言動ががさつであることをみずから悔やんでもおりますし、そのつど反省しておるつもりではございますが、十分でないからもっと慎重に言動を慎しめという御忠告はありがたくちょうだいをいたしまして、拳拳服膺したいと思います。  ただ私、いままで失言だなどと指摘される表現のまずさを痛感いたしますけれども、申しました事柄の内容は、たとえば大学紛争に関連しましても、どうも最高学府の管理責任者の立場の人々がまずもって——学生もでございますけれども、民主憲法のもとの御指摘の民主警察、そのことを理解してないか、もしくは誤解しておるということのために、大学紛争といえども、いわば必要以上にエスカレートしながら混乱を巻き起こしておる要因があると私は理解しておるわけでありまして、そういう立場から、いわばいささか公憤を覚えるような気持ちはございます。このことがはしなくも私の不徳の言動になってあらわれるかとみずからも反省はしておりますが、いまの警察官が、団体であれ個人であれ、御指摘のような民主警察、すなわち国民のためのものである、国民にサービスするものである、積極的に平地に波乱を起こすようなことなんかゆめゆめあるべからざるもの、そこに不法事案があるならば、時を移さずベストを尽くして国民の生活を守るという気持ちには一人一人が徹しておると私は思います。教養の点を十分考えろという御趣旨のお話もあったと思いますが、警察学校を通じまして、高校卒業生だと思いますが、修養いたしました一年かそこらの警察学校の薫陶は、むろん民主警察を中心に根本精神をたたき込むということから始まりまして、人間的な素養、人間形成の面に対しましても格別の配慮が行なわれておると、レクチャーを通じて承知いたしております。規律あるいは責任の果たし方につきましても、例外中の例外は少数ながらあるといたしましても、一般的には私は、公務員の中でもまれに見る統制のとれた、誠実に職責を果たしておる人々じゃなかろうかという信頼感を持っております。信頼感だけじゃむろんいけませんので、私の言動を通じて、信頼するに値する人々が、思い上がったりなんかしないように注意しろという趣旨も含めての御忠言かと拝察はしておりますが、そういうことも全部含めまして、今後に向かいましては慎重の上にも慎重に、しかしながら、無法を許すわけにはいかないから、そういう場合にはむろん職責を果たすべく勇敢でなければなるまいし、特に慎重であるべき場面につきましては、慎重さもむろん必要になってくるというふうな、国民のための警察を育成していく上に、微力ではございますが、警察庁の幹部諸公と相談しながら、足らないところばレクチャーを受けながら、誤りなきを期したいという心境でございます。

山本弥之助日本社会党

○山本(弥)委員 ほかの行政もそうでありますけれども、私、警察はやはり大衆の声を忌憚なく聞くべきだと思うのですが、その相手が学者で、非常識な発言だということで、そういう批判に対してすぐ弁駁をする、ことばが過ぎるということの一現象を私は言っておるのではなくて、大臣の気短であるとかなんとかいうことを抜きにしまして、今日民主警察を確立していく前提は、やはり国家公安委員等の制度もあるわけでありますから、忌憚なく警察が批判に耳を傾けるということが公正な警察務の執行である、そういうふうに私は考えておるわけであります。したがって、大臣の発言に対しまして、私、申し上げるのは、大臣がすぐそういうふうに発言をなさるということは、警察全体を通じまして、各方面の批判なりあるいは建設的な意見に虚心に耳を傾けるということが大きく後退するのではないかということを私は心配をしておるのでございます。したがいまして、大臣個人の発言というよりも、警察全体にやはりいろいろな批判があるわけであります。それは警察へのいわれなき批判もありましょうし、また、警察としては受け入れがたい批判もあろうかと私は思いますけれども、そういう非難に虚心に耳を傾けていくところにほんとうの警察ができあがるのではないか、かように考えますので、私、そういう意味におきましても、虚心に耳を傾ける態勢を警察でおつくりを願いたい、かように考えます。  それから、警察官に対する不信、これは大部分の警察官が真剣に努力をしておられる、警察務の執行に当たっておられるということは私ども認めます。ことに治安出動につきましては、昨年は多くの警察官が傷害を受けておられるという事態等につきましても、心からお気の毒だと思っております。しかし、あまり過信をなさいますと、これは若い方が多いわけですから、現に交通事故も相当起こしておるわけでありますし、酒を飲んでめいてい運転なんかしている事例が警察内部にはあるわけですね。また拳銃の暴発もあるのですね。そういう若い警察官がいるのだ。そういう警察内部の、警察官らしくない行動をとらせぬということについての努力もしなければならぬのでありまして、あまり過信して、それは例外的に少数だから、大部分が努力をしておるからいいということにはならないのです。そういう少数の事案から警察に対する不信感も醸成されるわけでありますから、十分その点についての配慮、努力もお願いしたいと存じております。

荒木萬壽夫自由民主党国家公安委員会委員長・行政管理庁長官

○荒木国務大臣 世間の批判、建設的な批判には耳を傾けて、改善すべきは直ちに改善するという考え方であるべきことは、御指摘のとおり私もそう思います。例外中の例外だといたしましても、警察官にあるまじき、職責を果たし得なかった、もしくは積極的に悪をなしたという者が万一ございますれば、これはもう厳重に処置をして国民の信頼にこたえる考えでなければなるまい、内部的にも峻厳な規律維持のための努力を払うべしというお説には、私もことごとく同感でございます。  ただ、先ほどのことを繰り返すようでおそれ入りますけれども、いわれなき警察に対する包括的な不信感をそそるような言動に対しましては、私は、担当者といたしましては、なるべくすみやかにそのしからざるゆえんを解きほぐすこともまた、建設的御意見を拝聴するのと同じように必要なことじゃなかろうか、かように思いながら自分としては行動しておるつもりでございます。個々の具体的な問題についていろいろな御批判も当然ございますので、そういうことにつきましても教えを請いながら改善してまいりたい。基本的な気持ちは、いま御指摘のとおりのお考えにことごとく同感でございます。

山本弥之助日本社会党

○山本(弥)委員 本年度の予算の説明をお聞きしたのでありますが、確かに治安警察重点に予算が編成されておりますことが明らかでございますが、警察官の増員にいたしましても、二千五百名が機動隊の増員でありますし、千名が公安関係の警察官の増員になっておるわけであります。それと外勤の千五百名を含めまして、まず各県に対する配置、千五百名の外勤については大体のところでけっこうでございますが、配置状況をお聞かせ願いたい。

浅沼清太郎警察庁長官官房長

○浅沼政府委員 お答えいたします。  ただいまお話しのように、四十四年度は警察官五千名の増員でございますが、うち機動隊二千五百名につきましては、警視庁に二千名、埼玉、千葉、神奈川に五百名でございます。それから公安関係の千名につきましては、警視庁、大阪その他公安事件の非常に多いところを重点に配分の計画を立てております。千五百名の外勤につきましては、若干の県には配分がない県もあると思いますが、大体首都圏及び近畿圏を中心に外勤増員の配分を計画いたしております。

山本弥之助日本社会党

○山本(弥)委員 装備につきましても相当の予算の増額を見ておるわけでありますが、装備の概況につきましては、この前私どもの依田委員からもお尋ねしたわけでありますので、十分了承しておるわけであります。その装備の各都道府県に対する配置関係はどういうふうになっておりますか。

浅沼清太郎警察庁長官官房長

○浅沼政府委員 装備のおもなものは、車両とそれからいわゆる個人装備その他の部隊装備でございますが、個人装備は、大体制服八万人が動員されましても、それが石が飛んでくるようなところに出ましても防護を固めることができる程度の防護具を整備いたしたいということで、これは大体全国的な配置に相なります。  それから、車両につきましては、輸送車等は、これは機動隊を中心とする部隊輸送に使いますので、全国的な配分になると思いますが、夜間の警備に使います投光車でありますとか、多重無線車でありますとか、そのような特殊な警備車がございますけれども、これらにつきましては非常に限られた数でございますので、やはり東京とか大阪とか神奈川とか福岡というような限られた府県に配置をいたしまして、必要に応じてほかの県にも応援をして使うという考えでございます。

山本弥之助日本社会党

○山本(弥)委員 重要な車両四百十七台という、警備用の車両についてのお話がこの前ございましたね。この四百十七台は東京、大阪その他二、三の重要な地点に配置をするということでありますね。  なおこの際、前に聞き漏らしたわけでありますが、こういう警備用の車両はどういうふうな予算上の経理になっておるのか。一括警察庁で購入して都道府県のほうに配置といいますか、保管転換をされるのか、その辺のこともあわせてお聞かせ願いたいと思います。

浅沼清太郎警察庁長官官房長

○浅沼政府委員 お答えいたします。  警備用車両の四百十七台、おもなものは、箱型輸送車が二百八台、ほろ型の輸送車が七十一台、現場の指揮官軍二十台、あと警備車が三十六台、その他多重無線車が二台でありますとか投光車が三台というような、その他各種の車が数台ずつございますが、先ほど申し上げましたように、輸送車は第一機動隊を中心とする部隊輸送に使いまするので、東京、大阪には相当、数は多く配置されますけれども、同時に、全国的に配置をされる車両でございます。ただ、先ほど申し上げましたように、警備車でありますとか採証車、多重無線車、投光車というようなものは東京を中心とする大府県に配置をされるものでございます。  それから、この購入でございますけれども、車両は警察庁におきまして全部一括購入をいたしまして、保管転換を各府県にいたしまして、それで各府県でこれを使用しております。個人装備もそうであります。

山本弥之助日本社会党

○山本(弥)委員 人員にいたしましても、あるいは警備資材、あるいは車両等、重点的に配置をなさるということでありますが、これは当然なことだと存じております。  昨年の治安警察の状況にかんがみまして、本年度の治安対策といいますか、国家公安委員会で見ておられる本年度の警備対策、こういった状況につきまして大臣からお聞かせ願いたいと思います。

荒木萬壽夫自由民主党国家公安委員会委員長・行政管理庁長官

○荒木国務大臣 具体的にわたってお答え申し上げる必要があるかと思いますから、要すれば政府委員のほうから補足してもらいたいと思います。  先般の東大紛争をめぐります安田講堂の占拠や神田地区での行動等に見られますように、過激な学生によって集団的な破壊行動が繰り返されておることは御承知のとおりでございますが、こういう過激な学生による集団暴力事案は、今後におきまして学園をとりでとして、学園紛争において、また街頭行動において、一そう激化するものと予想されるのでございます。また、基地反対闘争の激化も予想されるところでございますが、これらの事態に乗じてのアナーキストグループ等の破壊行動についても十分警戒しなければならないところであると存じております。他方、こういうもろもろの行動に強く反発する右翼の直接行動の危険性も十分予想されるところでございます。  ただ、これらのもろもろの行動が具体的にいかなる推移をたどってどのように展開するか、これはむろん的確に見通すことは困難でございますが、警察といたしましては、いかなる事態にも対処し得るように治安の維持に万全を期したい、こういうふうな考え方に立ちまして予算の御審議もお願いしておるような次第であります。  要しますれば政府委員から補足してもらいます。

川島広守警察庁警備局長

○川島(広)政府委員 ただいま大臣がお答え申し上げましたように、これから先行きの治安情勢を的確に、こうなるであろうというふうにはっきりした見通しはなかなか困難ではございますけれども、昨年一年の経過を振り返り、さらにまた、現在ございますところのもろもろの諸条件を勘案いたしまして、おおむね次のような展望を実は持っておるわけでございます。  簡単にかいつまんで申し上げたいと存じますが、まず最初に、いま大臣もお答えになられましたように、当面いたしておりますのは何と申しましても大学の紛争を中心に展開されております学生運動でございます。今日現在で全国に八百四十五の大学がございます中で、いわゆる代表交渉をしておりますこういうような最も程度の低い、これを紛争の中、紛議の中に数え上げますれば七十七大学現在ございます。その中で昨夜も行なわれたわけでございますが、施設の一部占拠でございますとか、あるいはまた、部分的なバリケードの封鎖でございますとか、こういうようなものは実は二十四校に及んでおる現状でございまして、これらの中には、かねて御案内のとおりに、学生側といたしましては、大学紛争そのものの解決に関心を持っておるのではございませんで、社会そのものに関心を持っている、そういうふうな種類のいわゆる過激派の学生が多うございますので、大学側が要求をのみましたところでもなかなか急速には終息していかないであろう、こういう見通しを持たなければならぬと思っております。さらに先般の一月十八、十九日の東大の紛争を契機にして起こりました駿河台と神田周辺のバリケード封鎖等にも見られますように、彼らより申しますれば、いわゆる街頭戦と申しましょうか、そういうような形で市街戦的な闘争の形態等も次第に一般化してきております。したがいまして、先行き、本年一年を通じまして、いま二、三月でございまするので学生側のほうは資金的にも底をついております、さらにまた、先般の東大で九百六十八名という大量の検挙をなされました。その中でも二〇%程度の幹部、いわゆる中央執行委員以上の者が入っておりますので、指導者が不在であるというふうな事情も加わりまして、二、三月のところは一とんざというかっこうになっておりますけれども、間もなく三月に入りますと国立大学の一期校の試験が始まります。さらに四月に入りますと御案内のとおりに新入生が入ってまいりますし、さらにまた、自治会の費用が入ってまいりますので、そういう意味で、例年でございますけれども、五月、六月というのは学生運動としてはかなり盛り上がっていく時期でございます。そのほか、いまこの種の闘争目標としては、五月に愛知外務大臣が訪米されるとか、あるいはまたASPACの会議がございますとか、いろいろメジロ押しに日程がございます。こういうようなすべての題材を使いまして闘争を激しく展開しよう。それに、先ほど大臣がお答えしましたように、アナーキストのグループが一月二日に皇居で発煙筒をたきました事件もございますけれども、こういうものは数こそそう多くはございませんけれども、過去の実績から申しましても、非常に過激な武器を使っての闘争でございますので、十分に監視してまいりたい。さらには、右翼の問題もございまして、警察側といたしましては、当面学生に大きく手をとられておるかっこうではございますけれども、今後長期的な課題の解決と相まちまして、いま申しましたような事案、全国的な基地問題等もございますので、十分に各県それぞれが予想されますような事態を想定いたしまして警察計画を具体的に策定をいたしまして、それにのっとって訓練を積み、十分に国民の不安のないように努力してまいりたい、こういう所存でございます。

鹿野彦吉自由民主党

○鹿野委員長 この際、井岡大治君より関連質問を申し出ております。これを許します。井岡君。

井岡大治日本社会党

○井岡委員 浅沼さん、先ほど機動隊が他府県に応援に出る場合がある、こう言っておいでになったですね。その場合に、その総指揮は応援を受けた県警本部長が当たる、こういうように理解してよろしゅうございますか。

浅沼清太郎警察庁長官官房長

○浅沼政府委員 おっしゃるとおりでございます。

井岡大治日本社会党

○井岡委員 その場合、私はどれがどうだということを知っておりますからそれを言おうとは思いませんが、十分統制をとらないと、他府県から応援に行かれた警察官の中に、やや無責任な行動があり得る。したがって、そこからかなり紛争が出てくる、こういう場合が間々あるわけです。ですからその点を十分注意をするようにしていただきたい。  もう一つ。警備をやっておるのは警察全体だと思うのです。これは私は一つの実例を言います。これは川島さんにも言っておいたことですが、佐世保で石を投げた。ところが、その石を集めている学生が——警官が十人、これは交通整理をやっておられた。一生懸命石を集めているのに、交通整理の警官は黙って見ておいでになる。これは私はいかないことだと思うのです。その石を持って必ず投げにいくのですから、やはり警官であるならば、自分は交通整理という職務であったとしても、そういうものをとめなければいかぬ。一生懸命私はとめて回らなければいかぬというようなかっこうになった。それで警官に、なぜあなた方もやらないのですか、こう言ったわけです。これは間々あります。ですからこういう点を十分注意をするように、これは大臣に特にお願いしておきます。

荒木萬壽夫自由民主党国家公安委員会委員長・行政管理庁長官

○荒木国務大臣 私もそれに似たようなことを見聞しまして、内部で愚問を発してみましたところ、むろん、たてまえからいえば、交通を担当しておる警察官といえども、交通以外の不法事案に対しましても協力すべきことはたてまえ上当然ではある。あるけれども、実際問題としては、それぞれ要務が別個に専門のものがあるものだから思うようにいかぬのだというふうに、雑談でしかございませんでしたけれども、そんなことをちょっと聞いたことがございます。御指摘のように、警察官はそれぞれの職務がありましょうとも、緊急の場合には、協力することによって警察責任が果たせる限りにおいては協力するというふうなことが定着することが望ましいと私も思います。

井岡大治日本社会党

○井岡委員 一人か二人の警官で交通の整理をおやりになっている、しかもそのために渋滞をする、こういう場合は私はやむを得ないと思うのですよ。二十人もそこにおられて、交通の整理をやっておいでになる方は五人なんですよ。そういう場合、そこでじっと見ている手はないと思うのです。ですからそういう点は、私は職務ということについてはわかるけれども、それが犯罪事案に移行するというのですか、予備行為になっているわけですから、やっぱりとめるということのほうが、交通を整理するよりはぼくは大事だろうと思います。そう思いませんか。

荒木萬壽夫自由民主党国家公安委員会委員長・行政管理庁長官

○荒木国務大臣 同感でございます。同感でございますが、現実にそれがおっしゃったように例外なく行動できるかどうかについての具体制につきましては、政府委員から申し上げさせていただきます。

川島広守警察庁警備局長

○川島(広)政府委員 井岡先生からさきにも同種のお話を承っておりますが、御承知のように、交通警察官の場合には、それぞれ交通専務者としての訓練を受けておりますものですから、いま申しましたような場合、佐世保の場合には特に兇器準備集合罪でなかなか検挙ができない。いろいろな問題がございまして、教養が十分に行き届いておらなかったわけでございます。将来におきましては御指摘のとおりに指導してまいりたいと思っております。

鹿野彦吉自由民主党

○鹿野委員長 本会議終了後再開することといたし、この際、暫時休憩いたします。    午後零時二十八分休憩      ————◇—————    午後三時十九分開議

鹿野彦吉自由民主党

○鹿野委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  質疑を続行いたします。山本弥之助君。

山本弥之助日本社会党

○山本(弥)委員 私は大臣に御答弁をいただかなくてもいいのでありますけれども、管区警察学校で教養をしておる管区ごとの収容人員といいますか、教養人員をお知らせ願いたいと思います。

荒木萬壽夫自由民主党国家公安委員会委員長・行政管理庁長官

○荒木国務大臣 政府委員からお答え申し上げます。

川島広守警察庁警備局長

○川島(広)政府委員 ちょっと官房長が参っておりませんが、年間大体二万四千人くらい全体であるんじゃないかと思いますが、間違っておったら訂正申し上げます。

浅沼清太郎警察庁長官官房長

○浅沼政府委員 管区警察学校の年間の教養総人員が一万六千人でございますが、その学校別はちょっと手元にございませんので、後ほど調べましてお答えいたします。

山本弥之助日本社会党

○山本(弥)委員 今回、管区におきまして治安警察の集団教養をするという、四千人ほどすることになっておるようでありますが、これは従来一万六千人を教養しておる中から四千人をそういうふうな教養に充当されるということでございますか。

浅沼清太郎警察庁長官官房長

○浅沼政府委員 お答えいたします。  管区警備部隊は合計四千二百人でございまして、三回に分けて教養をいたします。したがいまして、一回約千四百人ということでございますが、そのほかに、管区警察学校といいますのは、御承知のように警部補、巡査部長の昇任試験に合格いたしました者の教育訓練、それから初任教養が終わりまして一定期間過ぎた者の実務経験を経た者に対する再現任教養を実施いたしております。

山本弥之助日本社会党

○山本(弥)委員 管区警察学校で従来年間一万六千人の教養をしておる。それから警備隊でございますか、その警備隊の教養を四千二百人を三回に分けて教養をするということになりますと、一般の従来の教養に影響するところはどういう計算になりますか。

浅沼清太郎警察庁長官官房長

○浅沼政府委員 お答えいたします。  ただいま申し上げました現任教養、これが一回約二千四百人でございます。今回はこれを府県の警察学校において実施をする。教養の内容は、現在と全く同じということで、この現任補修教養を府県学校で実施をいたします。こういうことが変わってきております。

山本弥之助日本社会党

○山本(弥)委員 くどいようでございますが、従来管区学校で現任教養をいたしておりました二千四百名だけの影響だということになりますか。

浅沼清太郎警察庁長官官房長

○浅沼政府委員 数でいいますと二千四百の千四百でございますから、余裕があるというような形ですが、何といいますか間接でございますけれども、影響としましてはそれだけです。

山本弥之助日本社会党

○山本(弥)委員 都道府県の警察学校における教養には、従来と変わったような教養になりましょうか。あるいは治安警察等についての時間、あるいは訓練等を強化するということになりますか。従来と変わらない教養になりますか、その点をお伺いしたいと思います。

浅沼清太郎警察庁長官官房長

○浅沼政府委員 都道府県の学校における教養は、御承知のように、その本体は巡査になる者、いわゆる初任科生の教養が主体でございます。したがいまして、これにプラスして、ただいま申し上げた現任補習教養をやる。しいて申し上げれば、この初任科生と、それから一年たって出まして実務の経験を経てまた再教養する、この両方を府県の学校で一貫して行なうという体制にいたしますが、それ以外は変化はございません。

山本弥之助日本社会党

○山本(弥)委員 次に、予算につきまして少しお聞きいたしたいと思いますが、刑事警察に必要な経費、保安警察に必要な経費、交通警察に必要な経費、それから警備警察のうち警察活動に必要な経費、これらは都道府県に配分になる金額はこの予算額のうちどれくらいを占めておりましょうか。費目別にひとつお知らせを願いたい。

浅沼清太郎警察庁長官官房長

○浅沼政府委員 お答え申し上げます。  この予算書にございます刑事警察に必要な経費、保安警察に必要な経費、交通警察に必要な経費、警備警察に必要な経費は、それぞれ、先生も御承知のように、器材費とか消耗品費、謝金等の庁費関係というようなものがおもでございます。  ただいまお話のございましたように、警察活動に必要な経費、これがただいま一本になっておりますけれども、警備、刑事、保安、交通という関係に必要な活動旅費並びに捜査費、これが各府県に活動経費といたしまして配分をされる。  それから、前の、それぞれの庁費とか、あるいは、たとえば器材で整備をいたしまして配付するものもございますし、それから消耗品費とか謝金、たとえば会合謝金などはその金として配分する。また直接国費のものもございまするし、補助金で出すものもあるということでございますけれども、一般的に申し上げまして、主たる府県本部の警察活動に必要な直接国費といたしましては、警察活動に必要な経費、そのほかに最後のほうにありまする行政費の補助金七十五億、これが一般の犯罪捜査あるいは交通安全の施設とかその他それぞれの費目に応じまして各府県に配付されます。  こういう中身でございます。

山本弥之助日本社会党

○山本(弥)委員 そういたしますと、その警察活動に必要な経費というのは、大部分都道府県に配分される金になりましょうか。

浅沼清太郎警察庁長官官房長

○浅沼政府委員 大体九割は都道府県に配付される経費でございます。

山本弥之助日本社会党

○山本(弥)委員 私、今日の警察は都道府県警察といわれておるわけでありますが、治安警察に重点を置くということに関連いたしまして、警察が中央集権的な警察、いわば終戦以前の警察に返りつつあるような印象を受けるわけです。大臣も御承知のとおり、警視総監、本部長の任命権は、国家公安委員会にあるわけであります。また、その他の三百数十名の幹部警察官も、国家公務員として都道府県に勤務をいたしておるわけであります。また、これもすでに各委員会で御指摘になっておりますが、警察官の定員等も、今日都道府県の条例できめることに相なっておりますけれども、これについては、都道府県では自由裁量の余地がない。政令によりまして基準が定まりますと、そのとおり条例の改正をし、あるいは不交付団体は予算の措置をとらなければいかぬ。過般、東京都におきましては、これらの点をめぐりまして、いろいろ問題もあったようでございます。また、国庫の金というかっこうにおきまして、都道府県の予算を通っていない経費を各都道府県の警察は使用しているというふうな状況に相なっておるわけでありまして、都道府県の自治体警察として改正をされてまいりましたときの懸念が、治安警察の強化に伴ないまして、その色彩を濃厚にしてくるような印象を受けるわけであります。いわば自治体警察として、地域住民と密接な関係を持つ民主警察に育成をするということにつきまして、国家公安委員長さんはどういう考えを持っておられますか。その基本的なお考えをお聞かせ願いたいと思います。

荒木萬壽夫自由民主党国家公安委員会委員長・行政管理庁長官

○荒木国務大臣 お説のように私も思っておるわけでございます。警察事務の執行の主体であります都道府県警察は、都道府県の機関として設置されておることは御指摘のとおりでございます。そうして都道府県の処理します警察事務は、地方自治法第二条第二項に規定されておりますが、警察の管理運営は、広い地域にわたり統一的な処理を要するものとして、同条の第五項によりまして都道府県が行なうべきものと規定されております。しかしながら、都道府県の治安は、一都道府県内部の問題にとどまらず、国全体としての治安に影響するところがきわめて大きゅうございますので、その事務を処理するための組織、定員、人事、予算等、一定の範囲における警察庁の指揮、監督、権限等につきましては、御案内のとおり、地方自治法に対しましての特別法であります警察法におきまして、都道府県の他の機関とは異なる種々の特例が設けられているところでございます。警察の処理する事務、すなわち責務につきましても、警察法第二条でさらに具体的に規定されておりまして、この責務を果たすために、警察は常に社会情勢や治安情勢の変化に適切に対処して各般の警察活動を遂行して、治安の万全を期しておるところでございまして、警察は、地方自治法第二条の事務を処理していないとか、あるいは特に国家警察化しているという御指摘のような事柄が特別あるものとは存じておりません。

山本弥之助日本社会党

○山本(弥)委員 都道府県の警察を自治体警察として強化してまいるということにつきまして、私はいろいろ警察の運営の面でお考えになる点があるのではないかと思いますが、その点につきましての国家公安委員長の御所見を承りたいのであります。  現在警察が広域化している、あるいは捜査にいたしましても、交通にいたしましても、あるいは風俗にいたしましても、今日シンナー遊び等が東京で行なわれれば、直ちに私どもの郷里の岩手県あたりにもそういうのが及んでくるということで、この取り締まりその他について、あるいは指導についても、それぞれの都道府県の地域性ということではなく、統一的に警察の運用をしなければならぬということはよくわかるわけであります。しかし、警察行政を、地域の住民と密着して、民主警察の方向に推し進めていくということは、やはり警察の今後のあり方からいっても必要ではないか、かように私は考えるわけであります。  先ほど私が指摘いたしましたような点は、ややもすれば国家警察偏重あるいは中央集権的な警察への傾向に拍車をかけるような感じがいたすわけでありますが、これを、あくまで自治体警察のほうに振り向けて、民衆に融け込んだ警察の運営をし、また警察にしていくということにつきましての何か御所見がございましたら承りたい。

荒木萬壽夫自由民主党国家公安委員会委員長・行政管理庁長官

○荒木国務大臣 私は、警察行政の基本線が、御指摘のようにいわゆる自治体警察が基本であるということにはいささかの異存もございません。法の命ずるところは、当然御指摘のようなことになっていると理解しております。ただ、警察として国民に、もしくは住民に、その責任を果たしつつ、生活の保護をはじめとします責任を果たす意味におきましては、あくまでも警察が担任すべき不法行為を予防し、もしくは排除しつつ国民にサービスをする機能でございますので、対症療法と申しますか、そういう案件が広域にわたることがありますから、責任上広域的な調整等が必要になってくるということだけのことであって、地方自治体そのものを無視して、ただ国家的な立場からだけ——えてかってという表現はどうかと思いますけれども、国家警察とかつて言われたような考え方に立って支配を及ぼそうなどということは、やろうたってできない。あくまでもその実態に応じて臨機応変の処置を講ずることも法上認められ、責任を負わされているという関係にすぎないのであって、特別に自治体警察が適当でないから、中央集権的にやらねばならないなどということは考えもしませんしできもしない。法の範囲内以上に何ごともなすべきではないし、またなせない、かように理解しております。

山本弥之助日本社会党

○山本(弥)委員 私の申し上げていることが十分理解をいただいていないような感じがするわけでございますが、それでは少し具体的にお伺いいたしたいと思います。  今日、民主警察として都道府県に公安委員会があるわけでありますが、公安委員会は、現実にはあるいは交通違反の処罰あるいは風俗違反の処罰というようなことをやっているわけでありますが、もう少し公安委員会が県民との接触を持って体制をつくるべきではないか。いろいろ警察の情勢を話をし、あるいは民間の警察に対する要望を聞くというようなことで、接触の機会を深めていくということが都道府県の自治体警察としての体質になるのではないか、こういうふうな感じを持ちます。  もう一つは、県民の代表である県議会におきまして、警察があらゆる角度から——これは何も警察に対する反感とか、そういうものではなくて、真剣に警察を論議する場で、それを通じて警察の運営——これは不振の場合もありましょうし、行き過ぎの場合もありましょうが、そういうものを県民に知らしていくことが必要ではないか、そう考えますと、今日府県で支弁しておる経費、あるいは国庫補助金で半額、ことに機動隊の超過勤務手当は全額補助金というかっこうになっております。そういうのを支弁しておるわけでありますが、そのほかの国庫負担金というのは都道府県の予算を通っていないわけであります。極端な例では、各種警備資材等の台数も話しをしないということも聞いておるわけでありますが、そういうふうに実態その他が不満なままに、県議会においても十分論議をされない。ましてや一般県民には、警察の実態が一面しか知らされないということであってはならないと私は思うのであります。その意味におきましては、できるだけ警察の活動経費、いわゆる国庫支弁、全額支弁の経費等も都道府県の予算を通すべきではないか、そういうことによって、県会等におきましても議論の対象になり、そのことを通じて県民に警察を理解してもらう。そういう方法もあるのではないか、そういうふうに考えておりますが、いかがでございましょうか。

荒木萬壽夫自由民主党国家公安委員会委員長・行政管理庁長官

○荒木国務大臣 完全にどうも理解できないことを恥ずかしく思いますが、言われておる大綱につきましては、お説のとおりだろうと思います。立法論として、別の制度を現行法以外に考えるという課題にも関連したようなお説のようにも理解いたします。  それはそれとして別途のことにしまして、現行法制のままにおきましても極力地方の住民にもわかるような情報の提供というか、内容の説明というふうなことは、都道府県の本部長ないしは警視総監等が集まります機会に、あるいは地方の公安委員会等の中央に集まっての会議を通じ、もしくは、それぞれの全国の会議があるようにも聞いておりますが、そういうときに、極力相互理解を深めていくというやり方でお話しのようなことに対応できそうな気がいたしますが、一々の具体問題を完全に消化しきれないままに申し上げておるものですから、御質問にぴったりしておるかどうかをおそれますけれども、補足して政府委員からでもお答えさしていただきたいと思います。

浅沼清太郎警察庁長官官房長

○浅沼政府委員 お答え申し上げます。  いま大臣から申し上げましたように、都道府県の公安委員会はそれぞれ独立して都道府県警察を管理いたしておりますが、それぞれの県の発想によりまして、ただいま御指摘のような県民のあらゆる階層との接触、対話といいますか、そういうことを深めようとするような努力をされておる都道府県公安委員会もあるようでございます。また、申すまでもなく県議会におきましても、警察行政につきましてあらゆる角度から十分な論議がなされておると考えておりまするけれども、ただ、ただいま御指摘の都道府県の警察費のうち補助金でいく分、これはもちろん県の予算に入ります。これらを含めまして、たとえば昭和四十三年度の全国の警察費の総額は約二千八百億になんなんとしておりますが、そのうち直接国費につきましては、ただいまお話のございましたように、財政法のたてまえからいたしまして、国の会計事務として都道府県本部長が支出官として経理をいたしておりまする関係上、直接の都道府県の御審議というか議会の審議というものは経ておりません。これは警察法三十七条の費用負担の直接国費あるいは補助金あるいは純県費というような三つのたてまえ、それから、財政法のたてまえからいたしまして、現在のところこういう制度で私どもは進めてまいっている次第でございます。

山本弥之助日本社会党

○山本(弥)委員 都道府県の警察でありますので、国で全額負担する経費におきましても国庫負担金で府県費の中に組み入れているものもあるわけですね。ですから、同じ警察活動費で、一方は補助金であり、一方は負担金というふうな、これは負担金であっても府県の中に組み入れるということは可能ではないかと思うのですがね。そういうことによって警察費として支弁をしておる都道府県の全貌がある程度まで県民にも把握され、また、そのことが多いとか少ないとかいう審議の対象にもなるということで、一そう県民との親しみを増すということになるのではないか。これは国の負担金だからといって国で直接経理しなければならないということではなくて、県費に入れられるのではないかと思うのでありますが、その点いかがでございましょうか。

浅沼清太郎警察庁長官官房長

○浅沼政府委員 ただいまお話のございましたように、たとえば衆議院議員の選挙について、当該都道府県の職員が必要といたします経費、これなどは委託費として都道府県の経費に入れまして、そして経理をしておる。これは直接国費でありますが、委託費という形、それから、警察におきましては、先ほども申し上げましたように補助金ということで、それに似た制度もございます。ただ、申し上げるまでもありませんが、やはり警察の制度のたてまえからいたしまして、警察行政の特質上、国家的な要請がどうしても警察行政には入り込んでまいりますので、その見地から財政上の措置なり、先ほど御指摘のような任免権なり、あるいは一定の範囲内における指揮監督、統括というような問題が現行法制上きめられておるというふうに理解しておるわけでありまして、その意味におきまして、また現行の財政法、会計法規から考えまして、ただいまのところ直接国費につきましては国の支出官をもって経理をいたす、こういうたてまえをとっておる次第でございます。

山本弥之助日本社会党

○山本(弥)委員 それらの問題は、いずれまた十分論議を願うこともあろうと思うのでありますが、私の申し上げるのは、いわゆる本来の警察のたてまえがある段階——そう言えば治安か非常に悪くなったという段階を契機として、国家警察的色彩を濃厚にして、都道府県の警察、いわゆる自治体警察という線からできるだけ後退を防いで、自治体警察というたてまえを貫くという努力を警察としてはなさるべきではないか。そのことが本来の姿に返ることではないか。大臣の言われるように、決して法を逸脱せずに、当然国民の権利を守り、財産を守り、事案があった場合にはこれに対して措置をとらなければならぬということは、これは当然なことであります。しかし、現在の警察の発足から考えますと、ややもすれば警察が安易に国家的色彩を濃化していく、治安警察というのはそういうものなんです。国家のために権力が知らず知らずのうちに強化され乱用されるという、本来そういう性格を持っておりますので、それをできるだけ都道府県の自治体警察という色彩を保つ努力を一面しなければならぬ。私はそのことが国民のための警察という観念を国民に浸透させることになるというふうな考えを持ちますので、二、三の例をあげて申し上げたわけでありますが、これは十分御検討願いたいと思っております。  なお、この機会に、私最後に申し上げておきたいのは、先ほど警備局長からお話し願ったのでありますが、大学の紛争に関連いたしまして、確かに大学の処理に関連し、これに警察がどう対処するか、そして、それが今後の治安にどう響いてくるかということは、私は相当重要な問題だと思っております。これは警察としても苦心を払わなければならない問題であるということには十分理解を持っております。  ただ、このことが従来どのくらいあったかわかりませんけれども、今度も私服の公安警察官千名、それも大都市に配置するということでありますので、それらの点もおそらく万全の警備体制をとるということであれば、警備情報の収集、その他逮捕の際の状況保持ということについては、私は必要の定員かと思われますが、これらと関連いたしまして、いまは国鉄の合理化闘争等もございますし、また七〇年の安保に対する多くの勤労者の——これは警察の治安対象というよりも、あるいは国民的な一つの要望としての動き、運動、あるいは、場合によっては他の国家公務員なりあるいは官公労等のベースアップに関連するいわば当然の要求でありながら、形は法に違反しておるというふうな事例も出てまいると思います。そういうことは、いまの大学紛争と関連いたしまして、すべて治安の対象としてあらゆる機会に、私はいわゆる昔の特高警察的な情報の収集あるいはその他の事例となって人権を阻害するような事態になることを非常におそれておるわけであります。その辺の労働運動その他国民の市民運動等に対する関連は、本年度の国家公安委員会の警備対象からどういうふうにお考えになっていますか、そのことをお聞かせ願いたい。

川島広守警察庁警備局長

○川島(広)政府委員 ただいまお尋ねがございましたいわゆる労働運動でございますとか、あるいはまた市民運動、さまざまな形での大衆運動が現存するわけでございますけれども、このような大衆運動そのものにつきましては、在来もそうでございますように、いささかも警察といたしましては対象にいたしてはおりません。  ただ、問題は、御案内のとおりに、これらの大衆運動に随伴いたしまして不法事案が出てまいるわけでございます。そういうふうな場合の警察措置というものは、その大衆運動そのものの持っております性格なりあるいは規模、態様によりまして多種多様でございますけれども、こういうものにつきましても、われわれとしましてはふだんから申しておりますように、人権を尊重するという、人権との調和の中におきまして警察としてやるべき責務を果たすために、事前にいろいろのことについて承知をするということはやっておりますけれども、あくまでもこれは法の許す範囲内においてやっておるわけでございまして、現に過去に二、三のそういう逸脱の例が必ずしもないわけではございませんけれども、そのつどきびしく反省をし、指導教養につとめている次第でございますので、何とぞ御理解いただきたいと思います。

山本弥之助日本社会党

○山本(弥)委員 警備事案につきましては、おそらく地域的には重点的に対象にしておるということだと私も存じておりますが、先ほどお伺いいたしましたように、警備に関連しての訓練といいますか、部隊組織が管区の警察学校に及び、そのことは各都道府県の警察官が管区学校におきましての教養を受けるわけであります。これは大なり小なり本年度の警察の重点を志向するところとして、各県の本部長以下警察官の頭に相当浸透するのではないか、こういうふうに想像されます。その場合に、直接大学の紛争その他がなくても、これに関連いたしまして、警備局長は従来どおりいわゆる労働運動あるいは市民運動というものについては警察はこれに関与しない、ごく特殊な場合にこれに関与するというような御答弁がありましたので、私は今後いわゆる国の政治のあり方についての労働運動、市民運動というものは相当盛り上がるものだと思います。その盛り上がりは治安にも多少関連がありますけれども、大部分はそういったいわゆるいまの大学紛争と違った意味の、ほんとうの正常な市民運動なりあるいは労働運動として盛り上がるのではないか。その際に、先ほど申し上げましたように、基本的に警察官の頭に、その重点地区いかんにかかわらず、浸透しておるとするならば、おそらく警察官はそういう志向をするのではないか。たとえば選挙がある、あるいはその他の争議がある。それがある程度まで先鋭化しなくても、その組合幹部の動向を査察する、情報集めをやるという動きに、知らず知らずのうちにそういう傾向になっていくのではないか。このことを私は非常に心配をしておるわけでございます。またそういうことが、警察官としては一つの非常に努力をしたという結果のあらわれにもなるのですね。ですから、その点をくれぐれも——いずれまた時間がありましたらいろいろ委員会でその他御質問したいと思いますが、本年度の情勢はそういうふうに、警察としてもこういう事態にどう対処するか、重要な時期だ。いわば基本的人権を侵すような方向に知らず知らずのうちに入っていくか、基本的人権を守る線を堅持できるかどうかという点について、ことしから来年にかけて、私は警察のやり方は非常に重要な時期にあるという感じがいたしております。くれぐれも治安に重点を置くあまり、ほかのほうの警察に支障を来たすというふうなことも、これはあり得ることですけれども、私は警察全体としてその動きを十分、いい意味で見守っていかなければならぬという気持ちを持っておりますので、くれぐれも警備局長、心配のあまり警察のほんとうの正常な動きから離れないように、十分の配慮をすみずみの警察官にまで及ぼしていただきたいということを、これは大臣にも要望申し上げまして、一応私の質問を終わらせていただきます。

鹿野彦吉自由民主党

○鹿野委員長 次は、林百郎君。

林百郎日本共産党

○林委員 まず、荒木国家公安委員長にお尋ねいたします。  新聞の報道によりますと、自民党の中に新設された大学問題打合せ会というのがある。これが二月二十五日に初会合を開いている。そこで坂田文部大臣は東大紛争のその後の状況、見通しについて説明をしている。この会合は第二回目が二十七日に行なわれたわけですね。ここへは治安当局が出席しているということですが、どのような内容のことを述べているのか、ちょっと説明していただきたい。

荒木萬壽夫自由民主党国家公安委員会委員長・行政管理庁長官

○荒木国務大臣 本日二時からというので、私にも電話があった様子でございましたから行きました。行きましたが、本会議がありまして、当委員会にかけつける時間になってしまいましたから、一言も聞かない、一言もしゃべらないで引き揚げてまいりました。

林百郎日本共産党

○林委員 入試という問題は、いま父兄にとっても、入試を受けようとする受験者にとっても、社会的に重大な問題になっているわけですね。こういう重大な社会的な問題になっているときに、あなたも都合がつけばきょうそこへ行って、あなたの見解を述べるつもりだったと思うのですね。そこでひとつあなたの見解を当委員会で述べてみてくれませんか。

荒木萬壽夫自由民主党国家公安委員会委員長・行政管理庁長官

○荒木国務大臣 いま林さん指摘されましたあの会合がどんなものであるかは、事前に私は全然存じません。きょう会合があるから来てくれと言われた。秘書官から聞きまして行ったら、いま申し上げたとおりでございまして、発言するチャンスを与えられるのか、ただ聞きっぱなしで帰るか、それすらもわからないままで引き揚げてまいりました。

林百郎日本共産党

○林委員 文部当局が来ていたら文部当局に聞いて、そしてあなたに聞こうと思っていたのですが、あなたに先に聞いているので私の真意が把握できないかもしれませんが、何もきょうの自民党の会合にこだわる必要はないのです。国家公安委員長としての見解を当委員会で述べてもらいたい、私はそう考えているわけです。  御承知のとおり国立大学の一期校の入試が、東大を除いて二十八校、三月三日から始まろうとしているわけですね。ところが、トロツキストと称せられる暴力集団によって——入試を行なおうという大学関係の人々の希望があるにもかかわらず、入試粉砕と呼号しているトロツキストが学内でバリケード封鎖や占拠をしているというような事態が依然として続いている。こういう学校が京都大学、大阪大学、横浜国立大学等十余校あるわけですね。で、一般の大学関係の人々は、学生を含めて、何とか入試を無事にしたいという熱意に燃えてそれぞれ努力をしているわけですよ。しかし、このトロツキストと称せられる暴力集団が、入試紛砕ということで依然としてこういう暴力手段に訴えているわけです。これに対して国家公安委員長としての荒木国務大臣はどうお考えになりますか。きょうの会合にこだわらなくてけっこうです。

荒木萬壽夫自由民主党国家公安委員会委員長・行政管理庁長官

○荒木国務大臣 卒業したあとの者が進学、進級していって、そのあとに一年生が入ってくるということが入学試験と思いますが、その入学試験は平穏裏に当然行なわれるべきにもかかわらず、粉砕するの何のと言っているあの連中の気持ちがわかりません。驚き入ったことを言い、かつ行なうものだと思っております。

林百郎日本共産党

○林委員 驚き入ったことを言い、かつ行なうものだということだけでいいんですか。どういう措置をとろうとしているんですか。そういう者は現に入試粉砕といって、入試を妨害しているわけですよ。それに対して、治安当局の最高責任者である荒木国家公安委員長はどういうことをしようと考えているのか、こういうことを聞いているんです。あきれたものだといってあきれているだけですか。

荒木萬壽夫自由民主党国家公安委員会委員長・行政管理庁長官

○荒木国務大臣 国家公安委員長という立場でかれこれ申し上げる以前に、大学当局が一体何をしているだろうかという疑問を持っております。

林百郎日本共産党

○林委員 大学当局が何をしているかという疑問を持っているということはどういうことですか。大学当局は、あらゆる努力を自主的にやっているわけでしょう。それにもかかわらず、その大学へどんどんそういうトロツキストたちが入り込んでいくということを規制する責任をあなた方は持っているんじゃないでしょうか。たとえば京都大学の例を申しますと、三月三日に行なわれる入試粉砕を叫んで、京都大学のトロツキストたちは二十三日から二十四日の早朝にかけて、京都大学の時計台にいろいろの暴力的な策動を繰り返して、二十三日の午後二時には、同志社大学の学生会館で労農市民集会を開いて、京都大学、立命館大学、同志社大学などのトロツキストが、午後八時、京大の正面から時計台に乱入している。外から入っているわけですね。こういうことについてどのような規制措置をとられたのですか。

荒木萬壽夫自由民主党国家公安委員会委員長・行政管理庁長官

○荒木国務大臣 正確な詳しい情報は全部承知いたしておりませんが、林さん例示されました京都大学ですね、これにつきましては、お話しのようなこともあるようだから、あぶないから京都府の府警本部長は大学当局に対しまして、警察官を入れて負傷者等を出さないように警備に行こうかと連絡をしたところ、来てくれるなと言われて一回はそのまま引き下がらざるを得なかったということを承知いたしております。

林百郎日本共産党

○林委員 私は、大学の中で取り締まれという意一味ではなくて、大学の外でそういうことをかってにしておる連中を大学へ自由に入れさせている、そういうことに対する規制措置を何かおとりになったのですかと言っているのです。私は具体的に写真をお見せします。これは東京大学ですけれども、私は何も大学の中に入れというわけじゃない。大学に入る前に、こういうことをかってにしている、こういうことをかってにやらしていいのかどうか。この写真を大臣まあ落ちついて見てください。これはお茶の水のバリケードです。こういうことを外でやっている。これは赤門の外ですよ。こういうことをかってにやらしておいて何の取り締まりもしてないじゃないですか。

荒木萬壽夫自由民主党国家公安委員会委員長・行政管理庁長官

○荒木国務大臣 いや、したですよ。

林百郎日本共産党

○林委員 したならしたで——いまは京都大学の例を聞いている。大学の中に入れというんじゃなくて、大学に入る前に、こういう写真でごらんのようなことをやっているので、これを取り締まるのが当然じゃないかと言っているんですよ。

荒木萬壽夫自由民主党国家公安委員会委員長・行政管理庁長官

○荒木国務大臣 写真を拝見しましてひどいものだと思いますが、むろんこれが暴力行為を現に行なっておるとすれば、排除することはこれは当然のことだと思います。この連中が大学の中に自由に入っておるということは、大学の管理者の責任で、自分のところの学生であるかどうか、外人部隊であるかどうかということを選別しながら、入っていけない者が入っていきつつあるならば退去命令を出して、不退去罪というふうな事案でもって警察が出ていってこれを排除する。そんなふうな関係になろうかと思います。刑法その他に詳しくない私がかれこれ言うと少し脱線になりますから、あと政府委員から補足さしていただきます。

林百郎日本共産党

○林委員 いや、いいです。大きな方針だけ聞いているわけですから。大臣落ちついてひとつ答弁してください。  私の言うのは、大学の構内は管理権を持っている大学の関係ではありますけれども、これは大学の外なんですよ。検挙したにしても、こういう事態……。

荒木萬壽夫自由民主党国家公安委員会委員長・行政管理庁長官

○荒木国務大臣 一瞬です。

林百郎日本共産党

○林委員 一瞬でこんな自動車を倒したりできますか。いいですか。だから私は、大臣、そういうことを大学の外でかってにさせて、一瞬にして検挙したと言うけれども、自動車が何十台となくバリケードになっているじゃないですか。一瞬で検挙したものがこんなまねできますか。そういうことをかってにやらしているじゃないですか。だから私は、大学の外でそういうことをやらしている。大学に入る前になぜそういうことが規制できないのか、こういうことを聞いているのですよ。

川島広守警察庁警備局長

○川島(広)政府委員 ただいまお示しの写真でございますが、これは……。

林百郎日本共産党

○林委員 それは東京のです。

川島広守警察庁警備局長

○川島(広)政府委員 それはおそらく十八、十九日の東大事件に関連してのことだと存じます。これはお尋ねございましたように、数時間こういう状態が続きましてたいへん一般の住民の方々にも不安をお与えしたわけでございますが、御承知のとおりに東大に十八、十九日相当数の警察官が固定してございましたので、数時間はたちましたけれども、出まして、このバリケードを全部排除をし、全体で八十二名の学生を検挙をしているわけでございます。したがって、いまお尋ねのございましたように、これらのものをつくるまでなぜ放置しておくかというお尋ねでございますが、京大の場合もそうでございますが、事案によりましては多少の時間のズレもございますけれども、警察側としては学外から学内に持ち込まれる凶器類その他をただ座して見ておるというわけではございません。その点は十分に御理解いただきたいものと考えます。

林百郎日本共産党

○林委員 二十五日には京都府庁にこのトロツキストたちが入り込んでいるわけですけれども、ここでは府立医大の三階ホールで蜷川知事大学介入粉砕集会というものを公然と開いている。そこで府庁へ乱入をする方針をきめて、そして四時ごろ集会を終えて後、府庁にまでデモ——これはもちろん無届けのデモをやっているわけですけれども、解散地点まで一たん引き揚げながら、突如として府庁に入っているわけですね。このことは府立医大三階ホールではっきりやっているわけです、蜷川知事大学介入粉砕集会というものを。それから出ていって、解散地点まで行って、そこからまた引き返して府庁に押しかけていって押し込んでいる、こういう事態ですね。この間に警察はどのような規制をしたのですか、府庁に入る前に。

川島広守警察庁警備局長

○川島(広)政府委員 府庁に入りますまでは一応デモがございまして、これについては交通整理その他で規制をしておったわけでございますけれども、乱入という突発事が起こりましたので、急遽機動隊を手配をした、こういう経緯でございます。

林百郎日本共産党

○林委員 しかし、結局、府庁に乱入したのでしょう。そのことはお認めになるわけでしょう。乱入してからどうしたのですか。

川島広守警察庁警備局長

○川島(広)政府委員 中に入りまして、機動隊が出ましたらすぐに向こうは四散してしまいました。そういう経緯でございます。

林百郎日本共産党

○林委員 それでは文部省お見えになっていますから、これは文部当局としてお尋ねしますが、国立大学一期校の入試が三月三日から二十八校で始まるわけですね。二十八校で行なわれる。ところが、入試粉砕を唱えておるいわゆるトロツキストと称する暴力集団が、依然として占拠をしたり封鎖をしたり妨害したりする学校は、一期校のうち何校あるのですか。これはわかりますか。

説田三郎文部省大学学術局大学課長

○説田説明員 正確にどこの大学について阻止が行なわれるかというようなことについてはわかりませんが、いろいろ話を総合しておりますと、数校についてそのような動きがあるやに伺うわけでございます。

林百郎日本共産党

○林委員 そうすると、この第一期校の入試関係については、文部省自体としてはどのような配慮をしているのですか。

説田三郎文部省大学学術局大学課長

○説田説明員 文部省といたしましては、入試につきましては現在それぞれの大学におきましては完全に実施すべく十分配慮をいたしておりますので、いやしくも実施できないようなことにならないよう指導、助言をいたしておるわけでございます。

林百郎日本共産党

○林委員 そうすると、文部省としては、東大を除いての国立大学一期校の二十八校の入試は大体無事に行なえる、こういうように考えているわけですね。

説田三郎文部省大学学術局大学課長

○説田説明員 そのようになってもらわなければ困るというふうに思っているわけでございます。

林百郎日本共産党

○林委員 なってもらわなければ困るというよりも、文部省自体はどう考えているのですか。大体できるのですか、できないのですか。あるいは、万一の場合にはどうするかということの方策が立っているのですか、いないのですか。これはおそらく何十万という入学希望者、それからそれを取り巻く父兄、大学関係者、社会的に大きな関心を持っておるわけですね。だからこれは、大学自体も独自の考えを持っていなければならないわけでしょう。こういう入試粉砕というような暴力集団がいるわけですから、それに対しては文部省自体としてはどう考えているのですか。

説田三郎文部省大学学術局大学課長

○説田説明員 完全に実施できるものと思っております。

林百郎日本共産党

○林委員 文部省の課長さん、用事があったら大体いいですが、もしできたら、もうちょっといてください。  そこで、私は、また国家公安委員長にお尋ねしますが、こういうような第一期校が東大を除いて二十八校、それから依然としてトロツキストが入試を妨害しているのが十四校ということになりますと、これはどうしてもまず第一に大学関係者が——文部省もできるだけ無事に済むように願っていると言っているのだから、まず大学関係者が、入試を無事に行なえるように、そういう妨害を排除するような努力をまずみずからしていただくことが第一の条件じゃないでしょうか。そのことはあなたお認めになりますか。こんなことを全部機動隊を導入しておったって、全国二十八校、妨害をやっているのが十四校なんですからね。そんなところへ、あなたの言うように何でもかんでも機動隊をたよるといったって、事実上不可能なんで、まず第一に、あなたも言っているように、大学の人たちがどういうことを考えているかと、私はそのことを再々言っているのだが、大学の人たちがみずから入試を無事に行なえるような努力を、教授から職員から学生らが、まず第一次的な努力を、全力を尽くすということが必要じゃないですか。あなたどうお考えになりますか。

荒木萬壽夫自由民主党国家公安委員会委員長・行政管理庁長官

○荒木国務大臣 これはまあ林さん言われるとおりだと思います。トロツキストか何か知りませんが、ゲバ棒を持ち、ヘルメットをかぶり、例の服装をして暴力をふるうであろうに違いないとおぼしき者がそこら辺に二、三人でもうろうろしていたら、そのことをまず排除するということから始めまして、排除するにいたしましても、教職員だけでやれないものならば、それこそ一一〇番で警察の協力を得るという努力を大学みずからがやるべきだ、そういうことによって入学試験が必ずやっていける、そういうことだと私は思っております。

林百郎日本共産党

○林委員 ですから、そういうように、第一に大学自体がみずからの努力をする、そういう努力に対して、あなたがいろいろ非難がましいことを言っておるのじゃないですか。ということは、これは新聞に発表になっていますから、あなたの真意をお聞きしたいと思うのですけれども、十四日の記者会見で、これはあなたは方々で質問を受けていると思いますが少なくとも新聞の報道されるところによると、「大学の先生のなかには、警察アレルギーをひけらかせて、進歩人ぶりをしている人もあるが、それは不謹慎な、いわれなき非難だ。国立大学協会もおかしなことをいったら、(私)は機動隊員の怨を晴らすために、警官にかわって厳として文句をつけにいく。」第二に、おもな点だけ言うと「私は就任前から(大学紛争は)ハゲタカどものヘゲモニー争いであると思っていたが、反代々木系や代々木系の坊やどものシーソーゲームもいいかげんにしろといいたい。京大の奥田学長は正当防衛論者で、民青と同じだ。そういう点では、加藤東大学長代行のほうがましだ。」第三は、「京都府知事は機動隊動員についてアレルギーはなさそうだ。その点、美濃部よりもましだ。美濃部は五十点ぐらいだ。」こう新聞には書いてあります。これは、いま第一の前提としてあなたの言われた、大学関係者がみずからの努力でそういう違法な暴力を排除するために努力をするという、こういうまじめな努力をしている人たちに対するいわれなきあなたの攻撃ではないでしょうか。奥田は民青だとか、そういう自主的な努力をしている人たちを民青だとか、アカだとか、美濃部は五十点だとか、奥田に対しては怨を晴らすとか、あなたがこういうことを言われたとすれば、いまあなたがここで答弁された趣旨と全く反するのではないでしょうか。どうでしょうか。

荒木萬壽夫自由民主党国家公安委員会委員長・行政管理庁長官

○荒木国務大臣 先ほど来、林さんにお答えしていることと、根本趣旨は何ら変わりはありません。ほかの委員会で御質問に応じてお答えはしたのですけれども、お触れになりましたから、重複をいとわず言わしていただけば、まず、五十点問題は、これは別に他意があったわけではございません。機動隊二千三百五十名を増員していただきたいと美濃部さんには御連絡を申し上げました。実際措置していただきつつあるのは千百名ということであると承知しております。二千三百五十対千百を比率をとってみれば約五十点だ、正確に言えば四十八点何がしになりますけれども、そういうことを雑談の機会に申したことは事実であります。ほかに他意はございません。  さらに、国立大学協会が警察アレルギー思想の立場に立って、いわれなきことを、もし国立大学が全体の意思としてきめられるようなことでもあればどうするのだという御質疑もありましたから、そんな間違ったことをされるはずもないが、そういうことであるならば、私は冤罪を晴らしにいこうと思っていると、そのかなの「えん」に「うらみ」として「怨」という字を書いてあるのですけれども、いろいろ端摩憶測を生みましたけれども、ウかんむりに免れるという字の、無実の罪とでもいったような、いわば警察側から見ればいわれなき言いがかりをつけられるようなことをもしされるとすれば、警察官にかわってでもそのいわれなさを解明しに行かねばなるまいということにすぎません。京都大学の学長や東大の学長代行等を引き合いに出しまして申したことも事実でございます。しかし、それも、東大は、昨年来東大内部に違法行為が行なわれ始めてから、安田講堂が、コンクリートで階段が固められるような時期に至りまするまで、また、年を越して本年の一月十八日、十九日の御承知のような事態になりまするまで、公務員として当然責任を負わされておる職務に関して、不法行為があることを知ったならば告発しなければならないという、刑事訴訟法上の負わされた責任も果たさないままに推移しておる。しかし、年が明けまして、八千数百名の教職員はおりますけれども、トロツキストをはじめとするところの暴力集団にみずから対抗することは事実上不可能でもありますので、警察機動隊の出動を要請されましてこれを排除するということにたどりついたわけであります。京都大学ではそういうことがございませず、先刻もちょっと触れましたように、警察本部長が、ちょっとあぶない様子だから不法排除のために御協力しましょうかと申しましても、これを拒否されたというふうなことを承知いたしておりましたから、雑談の中に、かれこれ比較しておれば、むしろ加藤代行のほうが気がきいているじゃないかというふうな気持ちのことを話したことが、はしなくも新聞に出たというのがあの新聞記事のいきさつであるわけでございます。大学当局が例にあげられましたところの、京都大学で入学試験を無事にやりたいといって真剣に努力しておられるということ、主観的には私も、それをまじめにやっておられることを疑いませんけれども、残念ながら、林さんが最もきらわれるところのトロツキストをはじめとする暴力集団、それが現に暴力をふるっておるにもかかわらず、林さんの子分だと私は思っておりますが、民青の御連中と、奥田学長以下の教職員が一緒になってそのゲバ棒どもに立ち向かいながら、大まじめにその暴力を排除すべく努力していなさる風景は、新聞写真でも私は見ました。しかし、そのことは、正当防衛論で理由づけられようとしているようですけれども、正当防衛の概念には当たらない。暴力に対して法に基づいて実力を行使できる権限を与えられていない一般人が、暴力でこれに対抗することは正当防衛じゃない。そういうことは万々御承知の、法律に詳しい大学の先生たちがいながら、そういう人々に補佐されながら奥田学長が一緒になってやっておられることは、一見まじめに真剣にやっていなさるようではありますけれども、あまりにも非常識じゃなかろうか、そういうふうに私は考えます。

林百郎日本共産党

○林委員 いま、あなたのお話を聞きますと、あなたが国家公安委員長として警察行政に対して配慮をするということは、私も立場は違いますけれども、私はわかりますよ。しかし、そのことを判断するのに、警察という基準だけで、警察を好きかきらいか、何かあったときにすぐ警察の動員を求めないかで、その人の個人的な評価や、あるいはその人の責任ある、たとえば美濃部知事というような人たちの行政の評価をするということは、あなたのほうが全く偏狭で間違っているんじゃありませんか。いまの世の中は何も警察だけで成り立っているわけじゃない。警察というものは、万やむを得ないときにだけ備えているものであって、常識的には、市民の自主的な努力で社会的な秩序というものは果たさなければならないものなんですよ。しかも、警察法を見ますと、これ今度は私が万々承知の荒木国家公安委員長に申しますが、警察法の第二条には、警察は、「その責務の遂行に当っては、不偏不党且つ公平中正を旨とし、いやしくも日本国憲法の保障する個人の権利及び自由の干渉にわたる等その権限を濫用することがあってはならない。」という規定が書いてある。さらに三条には、「この法律により警察の職務を行うすべての職員は、日本国憲法及び法律を擁護し、不偏不党且つ公平中正にその職務を遂行する旨の服務の宣誓を行なうものとする。」こう書いてあるわけです。ところが、あなたのお話を聞きますと、自主的に大学の問題を解決しようとしている努力、この不偏不党であるべき警察を導入する前に、まず大学関係者が自身で努力をする、そういうことの評価が全然なされていないのみか、あなたの言う正当防衛論に入る前提として、大学の外でのそういう暴力、ここらこそむしろ不偏不党の警察官が規制しなければならない。その規制を怠って大学の中へ入れておいて、そして大学の関係者の人々の生命や財産、そして文化的な蓄積、そういうようなものを守ろうとする者をあなたが非難をするということは、みずからの職務を果たさないでおいて、大学へ入れる前の規制を——そこの写真でいまお見せしたように、そういうようにいまあなたは一一〇番へ電話をかければ二分で来ると言いながら、もう何時間もかかる。その間に、ゲバ棒やパイプを持って公然と大学の中に入ることを許されているトロツキストたちが暴力をふるっている。それに対して、素手でこっちは防御しなければならないという状態、それに対して、これはむしろ治安を維持するための努力を、そういう大学関係者の人たちが必死になってやっているのではないですか。本来そういう者を大学の中へ入れなければ、そういうことが起きなくていいんですよ。あなた方がそういう者を入れてしまうから、大学の関係者としては必死になって、みずからの力で大学を守らなければならない事態になっている。これを、加藤代行も、奥田さんも、それから九州大学のあなたが━━━━とかなんとか言った大学の責任者も、みんなそのことを考えているわけです。これは究極的には、常時機動隊を大学の中へ入れておくなんということはできないことなんですから、原則的には、大学の関係者みずからで大学の管理を守っていくということが基本なんですよ。それを、むしろあなたのほうが、その大学の管理権を侵害するようなことを許しておきながら、そして中へ入った暴力集団が暴力をふるうことに対して、大学関係者が必死になってそれに抵抗することを、正当防衛として許されないのだということをおっしゃることは、これはやはり公正であるべき国家公安委員長としての立場に立っておらないのではないでしょうか。  なお、念のために申しますけれども、あなたは子分、子分ということを言った。私は、こんなことを歯牙にもかけないつもりでおりましたけれども、少なくとも国家公安委員長は、国会では林さんの子分だとか岩間さんの子分だとか、そういうことばは慎しむべきじゃないでしょうか。子分なんというのは、やくざの連中が使うことばですよ。しかも東大では、九割の学生が確認書を批准しているのですよ。九割の大学生をみんな林さんの子分とあなたは言うのですか。あなたは頭に血が上っているように私はどうしても思うのです。もう少し冷静に考えられまして、この大学における関係者の自主的な努力、これをむしろ治安の最高の責任にある国家公安委員長としては評価してやるべきではないか。あなた自身も最初のころは、そういうことを言っているんですよ。私もあなたの言動を全部調べてみたのです。近ごろばかにあなたはエスカレートしてきておるが、選挙が近いから、あなたはこの問題を選挙の何か材料に使おうとしているのではないですか。あなたは昨年暮れの臨時国会で、こう言っているんですよ。学園の占拠について、その大学当局自体が、まず第一義的には、いかに阻止するか、いかに判断するかということが大学の自治の裏づけたる管理権、管理責任者の立場として当然配慮さるべきものと心得ておる、あなたはこう言っているのです。さらに「大学側の要求があろうとなかろうと、生命、身体の保護のために行動すべきことは当然の責務だと心得ております。ただし、これとても、大学の責任ある当局の判断というものも参考にすべきことは当然でありまして、そういうことのゆえに、従来大学とよく連絡をしながら、大学の要請あることを待って、原則として行動しておる、」昨年の十二月十四日のあなたの答弁ではこう言っている。だから、まず第一義的には、いかに阻止するか、いかに判断するかという大学当局の判断を尊重する、生命、身体の保護のために行動することがあっても、これとても大学当局の責任ある判断というものを参考にすることは当然で、そういうことのゆえに従来大学とよく連絡をしながら、大学の要請のあることを待ってやっている、だから、大学がまず自主的にどう判断するか、警察はその要請に基づくのだ、これが警察の本来の立場であるということをあなたは言っているのです。ところが最近は、もう何が何だかわからないような、非常に興奮したものの言い方をあなたはしている。美濃部は五十点だ、いや奥田は民青だ、いや九大法学部長は━━━━だ、そして自主的に努力している学生は林さんの子分だとか、こんな国家公安委員長はありませんよ。率直に言いますが、国会の答弁で、だれだれはだれの子分だとか大学の教授をさして━━━━だとかいうことを言う国家公安委員長がおりましたか。あなたは、もう少し冷静に考えるべきじゃないでしょうか。私は、あなたが国家公安委員長として警察行政に対して責任ある立場に立っているという面については、わからないことはない。しかし、いまはあなたは、もう全く逸脱してしまって、不偏不党であるべき警察というふうに書いてありますが、そういう警察の最高責任者としての立場を逸脱しているのではないか、こう私は思うのですけれども、あなたはどうお考えになりますか。きょうはひとつ冷静に見解をお互いに吐露しましょう。

荒木萬壽夫自由民主党国家公安委員会委員長・行政管理庁長官

○荒木国務大臣 私は冷静なつもりでおります。ただ、なるほど用語としてあまり上品でないという御指摘には私も反省いたしております。子分と言ったほうが早わかりだろうと思って、実は国民に早わかりしていただけるだろうと思ってそう申しておるのでありまして、共産党で指導をしながら動かしていらっしゃると私存じておりますところの民青、それを子分ということばで実は置きかえた、そのほうが簡単で早わかりだと思ったので言ったにすぎません。  そこで、臨時国会の当時の私の発言と年が明けました今日の発言とが幾分違うのではないかという御指摘かと思いますが、基本的な考え方については変化はございません。昨年の十一月、十二月にかけて、林さんも御承知のとおり、政府としても、文部当局としても、東大について申し上げれば、加藤代行のあの一生懸命の努力、それを見守ろうというような態度で年を越した次第であります。年を越しまして、政府として、文部省としての考え方は、入学試験はとてもじゃない、やれる要素はないということでもって、加藤代行の林さんの言ういわゆる真摯な努力そのものを静観するということが、それで一応その意味においては終わったと心得ます。そういうことで、幾らかのニュアンスの違いは認めますけれども、基本的な考え方については、いささかも変化はないと私は自分で思っておるのであります。  そこで、大学側の真剣な努力を見守ると一言ったじゃないか、だから、京都大学についてもそうやっているのだから、かれこれ言わないでいいじゃないか、あるいは大学の要請があったときに出ると言っているのだから——あるときは、現行犯が確認された場合には、大学の要請がなくても出かけるというふうなことを言ったことは私も意識いたしております。林さんにもお答えしたことがあると思います。原則論から申せば、東大等で言っておりますような令状を持って行ったときに、公務所の責任者ないしはその代理人が立ち会わねばならぬということを、協力しないということで東大では考えているやに見受けられるのでありますが、現行犯の場合は令状を必要としない、これは憲法にも間接に銘記されていることであり、刑事訴訟法の話を聞きましても、公務員が立ち会わねばならないしすることも当然のことと規定されておる。立ち会を拒否されたならば、それにかわるべき立ち会い人でもって令状を執行できるというのが通説であると承知しておる。そういうことであるにかかわらず、大学当局がそれに非協力であるということは私はいただけない。これはもう大臣就任以来そういうふうに思っております。  京都大学につきましては、さっきも申し上げたようなことを当該警察本部長が申し出ましても、まあ、いわば拒否されたということを私は残念に思っておるのであります。大学当局の努力は、むろん今日といえども期待せねばならぬことは当然のことと心得ますが、それも、おのずから努力にも限度がある。トロツキストをはじめとする暴力集団に対して、これを排除しようにも、まあ、いわば武器とでもいうべきものを持って暴力ざたで暴れ回る者を、奥田学長以下の教職員で、あるいは学生自体でもって排除するということは、実際上も、あるいは法律上も、いうところの正当防衛の理屈の裏づけをもってこれを排除することは法律上許されない。暴力に対して暴力を加えるならば、これはいつも申し上げるように、けんか状態である。けんか両成敗ということは法律上きわめて明瞭である。そういうことを大学当局が、自分のまじめな努力の範囲だと本気で思ってやっておられるとすれば、大学当局それ自体がおかしなことをなさるなとしかいえない。ですから、繰り返し申し上げますけれども、大学当局の学生と一緒になった暴力排除の努力というものは、実際上も、あるいは法律上、制度上もおのずから限界がある。その限界を越えなければ暴力が排除できないならば、そのためにこそ警察法以下の法律、制度を国は設けまして、不法排除のための協力をしなければならないと義務づけておる、それを御利用なすったらいかがでござろう。一一〇番というものもそのためにある。なるほど、パトカーは二分以内で到着いたしますが、何千名の部隊編成をして応援に行かなければならない場合は、林さんもちょいちょい指摘されますように、ある程度時間がかかったことはございます。しかし、警察の責任は、それこそ大まじめに、警察当局はそのつど努力をいたしつつあることを申し添えさせていただきます。

林百郎日本共産党

○林委員 あなたの正当防衛論を聞いていると、全くそれはしろうと意見で、けんかをしているという事態だけをとらえておる。あなたも御承知のとおり、トロツキストは、入試粉砕、大学粉砕、民青殺せ、こういうスローガンでやっているわけでしょう。そうして、一方では、入試を守ろうとし、大学の授業をやろうとし、そういうところへ、鉄のパイプや、あるいはとびぐちや、火炎びんを持って襲撃してくるときに、それを防ぐのがどうしていけないんですか。あなたも言うように、相当の部隊が来るまでは時間がかかる。時間がかかっても、あなたの論理で言えば、それじゃ火炎びんを投げられてやけどをし、とびぐちでたたかれ、鉄パイプでなぐられて半殺しになれということですか。要するに、力と力が衝突した場合に、どちらの力が正しい立場に立っている力か、どちらが不当であるかということが問題じゃないですか。あなたの論理は、全く力に対する評価が、あなたはさか立ちしていると思うんですよ。私は、これは佐藤総理にも言ったのですけれども、たとえばあなたの家に強盗が入ってくる。それで、あなたの家族に危害を加えるという場合に、警察を頼んでもなかなか来れないという場合には、まずあなたの家の方々自体が最善の努力をするんじゃないですか。その場合、殺人の暴力に対してけんかするのは、けんか両成敗だ、正当防衛がないんだ、そんなことをあなたは言うのですか。そんな国家公安委員長だったら、これはたいへんですよ。責任をとってもらわなければ困りますよ。自分の生命をまず自分が守るということは当然の権利じゃないですか。そうしてまた、警察法にも、そういう個人の与えられた権利はこれを尊重しなければならないと書いてあるんじゃないですか。そうあなたは思いませんか。

荒木萬壽夫自由民主党国家公安委員会委員長・行政管理庁長官

○荒木国務大臣 それは、私でも、林さんでも、いきなりハプニング的に武器を持って襲いかかった者があるならば、ほかに方法がない限り、しかも、緊急不正の侵害が行なわれている限り、自分みずから身につけておるもの、あるいは握りこぶしもしくはくつの先でけ飛ばすとか、あるいは、そこら辺にある目についたものを振りかざして防衛するということが、緊急不正の侵害に対する場面であり、ほかに方法がないときという刑法三十六条が重要な要件として規定しておることに合致する場合であって、林さんも言われましたように、トロツキストが、入学試験を粉砕だ何だかんだと言って予告しながら、集団をなして武器とおぼしきものを持って襲いかかってくる。それは予告したような状態で起こる。そういうことは、いままでのトロツキストをはじめとする暴力集団の手口から見て、大学当局も、学生、ノンポリ学生及び民青も含めて、そんなことは万々承知しておる。承知しておるから、大学の教職員と学生が一緒になって、その暴力集団に対処して、そうして排除し、撃退するんだという考えをあらかじめ持って、あるいは用意された、あるいは無手勝流のやり方で、いずれであるにいたしましても、正当防衛理論の裏づけがあるかのごとく装って、正当防衛の暴力ざた、けんかざたによることは、憲法の保護する範囲じゃない。正当防衛の概念に該当しないことを該当すると称して行なっておるにすぎない。すなわちけんか両成敗、暴力に対して暴力で立ち向かうということは、双方とも不法行為である。それが刑法の原則であると私は心得ておるわけでありますから申し上げておるのであります。

林百郎日本共産党

○林委員 だから、あなたは全く大学の自治権というものを無視しているわけですよ。しかも、あなたはかってそのことを言っているんですよね。臨時国会で、大学当局がいかに判断するかということが、大学の自治の裏づけたる管理権、管理責任者の立場として当然配慮さるべきものだ。みずからまず努力をするということが、あなたも、それはその判断を尊重すると言っているじゃないか。それが大学の自治の裏づけになるんだ。また、生命、身体の保護のために行動すべき場合があっても、ただしこれとても、大学の責任ある当局の判断というものを参考にすべきことは当然でありまして、そういう意味で、大学とも連絡をとる、こう言っているわけですよ。  それで、文部省の方に聞きますが、いまや、むしろ東大では、確認書が作成されて、学生の九割以上が、ストライキも解除して、封鎖も解いて、入試の実施の障害を基本的に取り除いているわけですね。むしろ最近では、よその京都大学とかそういうところのほうが、東大よりはもっと、そういう大学本来の姿からいえば、混乱されたような状態がトロツキストによって醸成されているわけですね。こういう状態になっても、文部当局としては、東大の入試については全然考えないのですか。むしろこういう状態なら、いま東大で入試をしたところが、よその大学と条件は変わらないじゃないですか。これはどう考えておりますか。これは少し高度の政治的な問題が加味されておりますので、課長のあなたに答弁を求めるのはあるいは無理かもしれませんけれども、東大の入試問題について文部当局としてはどう考えておるのか。いまや確認書を前提として九割以上の学生がストを解除し、封鎖も解除し、入試実施の基本的な条件を確立してきているわけですね。これについて文部当局はどうお考えになるのでしょう。あなた、無理なら無理でいいですよ。

説田三郎文部省大学学術局大学課長

○説田説明員 東大につきましては、いまお話がございましたけれども、実際には文学部あるいは医学部、それから教養学部の中の教養課程、これは全学部にまたがる前段階の教養課程というのがございますが、ここの部分につきましては、いまだに授業再開の状態に至っておらない。したがいまして、入学試験をやるということは、入ってから正常な教育ができるかどうかという問題が一番重要なことでございまして、現在の状況からいたしまして、とてもできるような状況ではないと思います。

林百郎日本共産党

○林委員 駒場の教養学部で大学の試験をやるわけなんで、ここは全大学の入試をやる条件については支障がない状態になっておるのじゃないですか。それで、いまや九割以上の学生がストライキを解除しているのですよ。むしろよその大学のほうがよりすさまじい状態じゃないですか。それはこれから一年先どういう状態になるかなんということは、こういう状態では保証できません、トロツキストがいるのだから。少なくとも、いま第一期の各大学の状態を比較してみると、むしろ東大のほうがより入試を行なっても良好な状態が生み出されてきているというようにお考えになりませんか。

説田三郎文部省大学学術局大学課長

○説田説明員 入学試験を実施いたしましても、入ってからいつ授業ができるかどうか、そういうことが問題になるわけでございまして、駒場の場合におきましては、教養課程につきまして授業の再開というのは行なわれていないわけなんです。そういうことで、現在の学生に対する授業の再開もできない状況で、新入生を迎え入れる状況にはないと考えるわけであります。

林百郎日本共産党

○林委員 そうすると、入学試験は行なえるけれども、入れた人たちの教育に保証がないから、だから入学試験はやらない、こういうように聞いておいていいのですか。

説田三郎文部省大学学術局大学課長

○説田説明員 物理的な意味で入学試験の会場としてそれを確保してやるかやらないかというようなことと、それから、入ってから教育ができるかどうかということとの問題になるわけでございまして、私の申し上げておりますのは、かりに試験を行なったとしても、その新入生に対する授業の再開がいつになるかもわからないような状況で入学試験は実施すべきでない、こういうふうに申し上げておるわけであります。

林百郎日本共産党

○林委員 あなたの言うようなことを言えば、ストライキを決定しているような大学はどこも入試ができないはずじゃないですか。ストライキを決定しておる大学でも入試をやっておる。中央大学なんかごらんなさい。あなた、詭弁じゃないですか。そうじゃなくて、むしろ確認書の方向で事態が推移していくことが好ましくない、そうじゃないですか。そうでなければあなた、ストライキを決定している大学の入試はみんなやめなければいけないことになるじゃないですか、あなたの口吻から言って。それはどうお考えになります。中央大学なんか、半年もストライキを決定して授業をやってませんよ。だけれども、入学試験をやっておりますよ。これはどうするのですか。東大だけどうしてやらないのか。

説田三郎文部省大学学術局大学課長

○説田説明員 要するに、入ってからの新入生の授業の再開といいますか、授業の実施が可能であるかどうかということを問題として申し上げておるわけでございます。

林百郎日本共産党

○林委員 それでは、もうけっこうです。  そこで、荒木さんにお尋ねしますが、あなたは、大学の教職員の諸君が公務員でありながら、そこで犯罪が現に行なわれているにもかかわらず、それを告発しないというようなことをおっしゃっているわけですね。しかし、大学には大学の自治権がある。それからまた、ポポロ事件のように、私服が大学の中に入り込んでスパイをして、そうして学問の自由を非常に侵害したというにがい経験を大学当局は持っておる。公務員は何も警察法だけを守っていいということではない。公務員ば教育基本法も守らなければならない。憲法の順守義務もある。教育基本、法を念のために申し上げますと、いいですか。教育基本法には、「教育は、不当な支配に服することなく、国民全体に対し直接に責任を負って行われるべきものである。」「教育行政は、この自覚のもとに、教育の目的を遂行するに必要な諸条件の整備確立を目標として行なわれなければならない。」要するに、教育は国民全体に対し直接責任を負っており、したがって大学の自治をどう守るか。大学の中に不当な、時の権力が導入され、スパイが行なわれるようなことがあって、そうして長期の学問の研究、学問の自由というものが侵されることのないようにすることが、これまた教育行政の重要な基本でもある。そういうことを考えれば、いま大学の中で形式的には犯罪的な行為があっても、それに機動隊を直ちに導入するかどうかということについては、大学独自の判断による。そうして教育基本法に示された精神をよく考え、従来大学が不当な警察のスパイや、いろいろと学問の自由が侵されたことに対して、大学の自治を守るというそういう立場に教職員の諸君が立つことが、何であなた、教職員諸君が公務員法に違反するということになるのですか。要するにあなたは、警察の言うとおりにならなければすべていけないということになるわけでしょう。それは大学の自治権というものがあって、大学の自治権の自主的な判断の裁量があるわけです。それをどうしてあなたは公務員法違反だとか、あるいはだから不当だとか、そういうことが単純にお思いになれるわけですか。  私は確認書の問題に時間がありませんので入りますが、あなたの言われる確認書にもこうあるのですよ。これは確認事項の第六項「捜査協力について」というところですけれども、「正規の令状に基づいて捜査を求めた場合でも、大学当局は自主的にその当否を判断し、その判断を尊重することを警察に求めるという慣行を堅持する。また警察力の学内出動の場合もこれに準ずる。」大学当局は自主的にその当否を判断し、その判断を尊重することを警察に求めるんだ、そういう従来の慣行を堅持するといっておるわけでしょう。慣行があるわけでしょう。その慣行を堅持することがどうして公務員法違反になるのですか。  それから「学内での学生の自治活動に関する警察の調査や捜査については、これに協力せず、警察の要請があった場合にも原則的にこれを拒否する。」要するに、学生の自治活動が行なわれておるときに、それを否定するようなことに対しては協力はできない。原則的にこれを拒否すると言っておるわけでしょう。それがどうして、この確認書の立場に教員諸君が立つことが公務員法違反になるのですか。

荒木萬壽夫自由民主党国家公安委員会委員長・行政管理庁長官

○荒木国務大臣 教育基本法を引用しての林さんのお話そのものには私格別異存がないのです。ですけれども、この不当な支配を及ぼしてはならないという趣旨は、むしろ現在のいわゆる大学紛争の中ではトロツキストをはじめとする暴力集団、しかも政治的意図を持って暴力を伴った行動をしておる。民青といえども、林さんのほうからの、支配に服しながら行動しておるというその暴力集団化した——民青はまだ暴力集団とはなっておりませんけれども、トロツキストをはじめとする暴力集団の不当な力の支配に屈服させられておるという意味において、教育基本法の十条かしらぬが、引用さるべき事態じゃなかろうか。さらに教育基本法第八条は学校で政治運動をしてはいかぬとある。政治目標を掲げ、政治の場でしか解決できないような、現行法律を無視したようなことを目標に掲げながら、しかも暴力をふるっておる集団行動というものは、それを黙視しておる大学当局も、消極的には教育基本法八条に反しておる態度であると私は思います。学生そのものが、集団がそうであると同時に、そうであるという角度かからこそ教育基本法は引用さるべきものではなかろうか、かように思います。  確認書のことにお触れになりましたが、これにつきましても、私は公安委員長を拝命しました後に私の私見は申し述べたことがあります。第一に、いまお話しのとおり、令状を持って捜査しに行くという場所は、大学であれどこであれ選ぶところではないというたてまえのものであると理解しております。その場合には公務所、すなわち国立大学という公務所の責任者または代理者は、その管理権、管理責任を果たす角度から、令状を執行しに行ったときには立ち会う職責がある。そのことを否定することが、大学の独自の立場によってこれを拒否するのだ、そうでない意味における拒否はできない。これは加藤代行といえども、注釈を加えられた機会には付言しておられたことは林さんも御承知のとおりで、私も承知しております。協力をしなければならない職責を持っていながら協力しないということは、まさに管理者として、公務員として職務違反のそしりは免れない態度を言明したことになりはせぬだろうかという意味合いでございます。  さらに、現行犯の場合は、令状を持たなくても、大学であれどこであれ、警察官は不法行為を排除するために、あるいは逮捕するために行動しなければならない職責を与えられておると私は理解いたしておるのでありまして、それに対して原則として拒否する、協力をしないというがごとき態度を、特に国立大学の当局者の口から言われるということに、私は法律無視の不当性を意識するのであります。もちろん学生自治会活動、それが適法に行なわれる限り、治安当局、警察権とは無縁のものと心得ます。ただ現実には学生自治会活動の名をかりて、トロツキスト派といえども、学生自治会活動と粉飾しながら行動しておる。そういう現実に即して考えます場合、そこに不法事案があるならば、現行犯があると確認されるならば、大学当局の要請なくても、令状なくても捜査し、あるいは場合によっては逮捕し、警察の職責を果たさなければ、警察が法律違反、怠慢のそしりを免れないという立場が、治安当局の立場だと存ずるのであります。そういうことを申し上げるのでありまして、そういう慣行があるということを林さんも言われますが、慣行はございません。原則論として原則までも否定するような慣行というものはございません。  ただ、実際問題といたしますと、これも万々御承知のように、国家公安委員長を拝命しました後も、しばらく大学当局の出方を待っていました、要請があるだろうと。公務員は、不法事案があるならば当然告発せねばならない責務を負わされていることは、林さんこそよく御承知でありますが、そのことも一切行なわないでおる。それも考え方によれば、告発すればトロツキスト派のお礼参りにあってひでい目にあいはせぬかという被害感が先に立っておるのではなかろうか。まともに言うならば、職務怠慢であることは明らかですけれども、そういう気持ちも想像されないじゃない。  さらに、いわんや、大学当局、民青を含めて一般ノンポリ学生という学生も、トロツキストをはじめとする暴力集団化した学生集団も、警察アレルギー症はきわめて重態であります。東大において特にそうだと思うのであります。民青の諸君といえども、暴力は許さぬということを言っておることに、私はその部分だけには敬意を表しています。ところが、同時に、警察機動隊導入絶対反対、シュプレヒコールのときも、常に合いことばのように、暴力反対、警察機動隊導入反対ということを言っておることも、林さんこそよく御承知であります。そういうふうに大学当局もアレルギー症にかかっておる。民青といえども暴力は否定しながら、警察は困る、一種のアレルギー症のあらわれだと私は思う。トロツキストどもはもちろんであります。その重症患者ともいうべきアレルギー症の東大に、もしそれ法律が命ずるからというだけの立場で、現実に大学の要請なしに、無関係に警察が入ったとしますれば、大学当局及び民青並びにトロツキスト派すべてを相手にして、アレルギー症のゆえに「機動隊帰れ」というシュプレヒコールに迎えられるであろう。そのことは、現実にもそういう例があったようでありますけれども、対症療法的に申せば、アレルギー症のひどいところでは、そんなばかな状態のもとに、法が命ずるというだけのことで、そのつど主義にむだんで入り込みますことは、場合によってはショック死というか、予想もしない騒ぎのアレルギーを引き起こすことにしかすぎないということもあり得る。それでは国民のために、あるいは大学全体のために、警察の責任を果たそうとする気持ちだけは通し得ましても、結果としてはかえって害があるということもあろうかというので、大学当局からの申し出を待つほうが賢明であろうということで、しばらく待機しておったことは事実であります。それは慣行ではなくして、大学みずからが本来の自治能力を回復することを待っておったにすぎない、そういうことでございまして、林さんのおっしゃるようなことではなかったことを申し上げさせていただきます。

林百郎日本共産党

○林委員 いろいろの問題がありますけれども、大学が大学の自治権を持っておって、時の権力に学問の自由が侵されないようにしようということは、これは教育基本法のたてまえなんですよ。大学がなぜそういう大学の自治権というものをかたく守るようになったかということは、長い間、時の国家権力に不当な支配をされた苦い経験を、日本の大学というものは歴史的に持っているわけです。その先兵となるのはいつも警察なんですよ。だから警察に対して、大学の自由、自治を守るために大学が非常に厳格な態度をとるのは、これは当然ですよ。現にあなた自身が、幾度か私が引用しますけれども、学園の占拠について、その大学当局自体がまず第一義的にはいかに阻止するか、いかに判断するかということが大学の自治の裏づけたる管理権、管理責任者の立場として当然配慮される。大学の自治ということをあなた自身も言っておるわけですよ。そうして、大学当局が第一義的にはどう考えるかということが基本だ。あなただってこう言っているのですよ。これはあなた、うそを言ったことになる。それから、これとても大学の責任ある当局の判断というものを参考にすべきことは当然であります。こう言っているのであります。  そこで、確認書を見ても、「大学当局は自主的にその当否を判断し、その判断を尊重することを警察に求めるという慣行を堅持する。」尊重してもらいたいということを言うのですよ。何でもかんでも拒否するとは言っていません。そしてまた、学内での学生の自治活動についても、警察の調査や捜査についてはこれに協力しない、学生の自治活動に関する警察のスパイについては。これも原則と書いてある。現に、これは警察当局にお聞きしたいのですが、一月十八日の午前七時四十分機動隊の一隊約二百人が教育学部の捜査に来た。これは十八日の機動隊導入の目的であった大学側の退去通告を拒否している占拠学生の排除、凶器の押収とは全く無関係な一月九日の——大学側は占拠している学生の排除を求めているのに、警察が言うには、一月九日の正当防衛を口実にしたものであった。しかもこれはトロツキスト暴力集団が教育学部、経済学部にいた民主的学生たちを一方的に襲ったもので、全く不当な捜査だった。これに対して大学側の評議員は、校舎内には学校側が認めた十人の学生以外はいない、このことを明らかにし、学内捜査を拒否した。警察がなお捜査協力を求めたので、それなら令状を見せてくれと言うと、警察は令状は持っていないというわけですね。令状を持っていなかったわけです。それで学内捜査ができず一たん引き揚げた。それで教育学部の大田学部長も、令状がなければ捜査に協力できないときっぱり断わった。要するに、令状を持たないで入っているわけです。それで一たん引き揚げている。それで今度令状を持ってきた。午前九時十七分です。令状にはどう書いてあるかというと、捜査の目的については、本件を捜査する。本件とは何をさすのか、一月九日のことである。これは口頭で言っている。本件に関する捜査なんて捜査令状どこにありますか。しかも最初は持ってこなかったのですよ。こんなことを警察が行なうからこそ、大学側では慎重な態度をとらざるを得ないじゃありませんか。これはどうですか。

川島広守警察庁警備局長

○川島(広)政府委員 ただいまのお尋ねの教育学部の件でございますが、令状が交付されておりましたことはきわめて明白でございまして、しかもこの十八日の押収執行につきましては、前日東大当局、加藤代行を含めまして、詳細に打ち合わせを遂げた上で行なったわけでございます。その際にも、教育学部を含めまして、押収捜索令状、許可状が発付されております。この令状の執行につきましては、それぞれの学部別に立会い人たる教授の選定まで実は打ち合わせを行なったわけでございます。それでございますから、いまのお話は令状が出されておりますことは明白でございまして、その旨を告げて執行できますことは、これは先生御専門でございますから御案内のとおりでございます。したがって、正式の令状はすでに発付されておった。しかし、現場に持ち合わせなかったということは、どういう事情であったかつまびらかにいたしませんけれども、いずれにいたしましても、令状が発付されている旨を告げて令状の執行に当たろうとしたわけでございますから、これは法律上許されておることは御案内のとおりでございます。

林百郎日本共産党

○林委員 令状が出ていたって、管理者にそれが示されなければ、管理者としてはしかたないじゃないですか。直接の教育学部の大田学部長が、令状を見せてくれ、いや、それは出ているからあなたに示す必要がないと言って捜査できるのですか。そんなばかなことはありっこないですよ。ちゃんとその管理者に令状を見せなければならない。ところが、帰って持ってきた令状は、また本件とあるだけです。そんな一般的な、抽象的な令状なんてありませんよ。何々の犯罪についてどれどれの行政処分をするというような令状でなければならない。これはあなた知っているわけでしょう。こんなばかげたことをやるから、大学側では警察権の行使について警戒するのはあたりまえじゃないですか。どういうかげんでそれを持って行かなかったかわからないとあなた自身も言っている。これは直接の管理者に令状を示さなくて、それは出ているからあなたに見せる必要はないということが言えますか。なぜ持って行かなかったのですか。

川島広守警察庁警備局長

○川島(広)政府委員 いまお尋ねがございましたように、一月十八日の押収捜索許可状につきましては、これは一月九日に御承知のとおりの代々木系と反代々木系との乱闘事案が起こりまして、これについて十分なる疎明のもとに令状の交付を受けておるわけでございます。したがって、本件と申しますのは、申すまでもなく一月九日の兇器準備集合罪、暴行罪その他に関する犯罪についての必要なる証拠収集のための押収捜索でございます。そういうわけでございます。

林百郎日本共産党

○林委員 それは口頭で言っているのですよ。ただ本件と令状に書いてあるだけなんです。口頭で聞いて一月九日と初めて言ったのです。そんなばく然とした令状で、しかも初めは持ってこなかった。そんなもので捜査はできませんよ。しかし、これは気をつけるというか、当然気をつけなければならぬことですし、そういうことがあるから、大学側は令状が来たといっても、何でも無条件にのむわけにはいかない。大学側の自主的な判断を尊重してもらうように警察側に言うのだ、こう言っているわけです。  そこで、荒木さんにお聞きしますが、結局、いま申します九割の学生が確認書を批准しているわけです、大学側も生徒側も。これを基礎にして、いまや東大は正常な形に着実に戻りつつあるわけです。あなた、この確認書についてどうお考えになり、どうするつもりですか。

荒木萬壽夫自由民主党国家公安委員会委員長・行政管理庁長官

○荒木国務大臣 お答え申し上げます。  ただ、お答え申し上げます前に、先刻林さんのお話の中に、警察が大学の自治を侵したということが戦前にあったというふうな御指摘ですが、それは私はよく知りませんが、あったといたしましても、新しい憲法のもとに、現在の警察法のもとに、刑事訴訟法のもとに、その法の定めるところに従い、範囲内において行動する以外の警察権の行使というものはあり得ない。したがいまして、警察が大学内に入ることがありましても、そのことが即大学自治の侵害だなどということは、憲法と法律が許さない。入りますときには、常に法に基づいて入らなければならぬから、犯罪を排除するために入っていくということでありまして、その点は、大学側のいわゆる警察アレルギー症、林さん御指摘の、戦前に何かあったことが今度も、戦後の新憲法のもとにも起こるかもしれないと主観的にそう思っているにすぎないことであって、それを法律的に弁護する価値は私はないと思います。アレルギー症、神経衰弱症みたいなものでしかない。こう断言してはばからない事柄ではなかろうか。  それから、確認書を批准したとおっゃしいますが、その批准したということが、条約じゃあるまいし、何のことか私には理解できない。いわんや確認書以前の、提案どおりにほとんど確認書ができ、いわゆる批准したということで十数項目が決着したと新聞の報道で承知しておりますけれども、そのことが一体、大学の管理運営にも関する事柄を含むようでありますが、何の効果があるだろう。およそ大学に対して国民一般が期待しておりますあるべき姿とはよほどかけ離れた、変な大学に堕落してしまうであろうことを私は懸念するのであります。本来教育プロパーの立場から指摘さるべき諸問題があると思いますが、それは私の守備範囲でありませんから申し上げません。ただ、懸念しますことは、少なくとも昨年正月以来の不法事案に関連する学生の行動について、学則に照らしての処分は一切しないということに定着したように思います。いわゆる批准されたように思います。そのことは、それ自体が学内の秩序を無視してもよいことにつながるし、ことに、いわんや刑法事犯をはじめとする犯罪行為につきまして、なおかつ教育的立場からの処分がなされないとするならば、そのことが、最高学府といわれる、その中でも一番のトップレベルと一般に認識されておる東大で、さようなことがまかり通るとしますれば、安易に他の大学に伝染することをおそれる。そのことは、一種の無法まかり通るムードをぶちまけて回るおそれがあると私は感ずるのでありまして、そういうことでは、治安当局から見ましても、いままでのような大学騒ぎが随所に起こってくるんじゃなかろうかと懸念する意味において、ああいう確認書というものは少なくとも妥当ではない、かように思います。  さらにまた、先刻から触れましたように、令状を持って捜査に行きましても、自主的判断でその当否をきめるということは一体何を意味するか。令状を持って捜査に出かけましたときには、大学といえどもこれを拒むことは許されない。これは法の命ずるところ当然のことであると思います。それを自主的判断で当否をきめる真意は、正確には法律的には理解できない面もありますけれども、そういう不正確であるならばあるで、さようなことがいかにも民主的にきまったように紛飾しながら世間に伝わることは、法治国日本においては容易ならざる心配事の一つだと私は思うのであります。しかも、いわんや、原則として協力しないという点は、先刻も触れましたから繰り返しませんけれども、さらに、自治会活動に関しての警察官の調査ないしは捜査は拒否する。これは正常な自治会活動と治安当局とは無縁であると申しましたが、そのとおりと私も思います。しかしながら、そういう自治会活動という美名に隠れて、と申しますか、ゲバ棒をふるうということが現実であり、現行犯が確認された場合、当然に警察の国民に対する責任課題として、その現行犯を捜査し、あるいは証拠を収集し、逮捕し、ということは、これは当然しごくのことであり、そういうやり方によって最高学府の中に犯罪なからしめる状態に協力することが、本来の意味における大学自治のあり方に警察の立場で御協力申し上げる事柄でしかない。それをアレルギー症のゆえに拒否する、協力しないなどということは、大学人の関係しました——学生だけなら、まだ無分別な者もおりますからやむを得ませんが、法学博士がたくさんおるのにかかわらず、大学当局も一緒になりながら、法治国においては想像もできないようなことが、そういう確認書の名において定着することば容易ならざることで、治安当局の立場に立って、国民に奉仕する立場に立ちまして考えました場合、懸念にたえない、かように思っております。

林百郎日本共産党

○林委員 警備局長ですか、ポポロ事件というのが東大にありましたね。それをちょっと概要をかいつまんで、ごく簡単に説明してください。

川島広守警察庁警備局長

○川島(広)政府委員 私は、年月日その他については詳細に記憶しておりませんけれども、東大構内の教室内における集会がございまして、この集会の中に私服の警察官が入っていて、この警察官が学生に取り囲まれまして暴行傷害を受けた、こういう事案でございます。これに関しましては、現在再上告中でございまして、最高裁判所で近く判決が出るだろうと思いますけれども、これは林委員御案内のとおりに、この最高裁の判決によりますと、この集会それ自体が、この集会につきましては、学問の自由なる研究、あるいはまたその結果の発表のためのものではない、そういうふうに判示しております。したがって、通常実社会における政治的、社会的な活動に相当するものである、こういう判示でございます。さらにまた、引き続きまして、したがって本会の集会において警察官が立ち入ったことは、これは大学の学問の自由と自治を侵すものではない、こういう判示が出ておりますことは御承知のとおりだと思います。

林百郎日本共産党

○林委員 そうすると、その警察官は、私服で何のために入っていったのですか。どういう必要があったのですか。

川島広守警察庁警備局長

○川島(広)政府委員 私も記憶をたどってお答えさしていただくことをお許し願いますならば、当時各地にいろいろな火炎びん闘争その他が頻発しておった時代でございます。したがって、各種の情報がございまして、いわゆる大学の、特に理化学系、理工学部系において、いろいろな火炎びんその他の製法なり、あるいはいろいろな雑誌もあるいはテキストも出ておった時代でありまして、そういうものが東大の中においてもつくられつつあるというような情報も実はあったわけでございます。したがって、そういうような点について必要な情報を知りたい、こういう意味で警察官が入っておった、こういうふうに私は記憶いたしておりますが、詳細もし間違っておりましたら次の機会に改めさしていただきますが、私の記憶ではそういうことでございます。

林百郎日本共産党

○林委員 ポポロ事件、そういうポポロというのはどういうところから出ているのですか。それは集会というより演劇でしょう。演劇をやっているところでしょう。それを私服の警察官が行って、いろいろの東大の模様を全部メモしておいて、そのメモ帳が私服の警察官から出てきたわけでしょう。そういうことを当時警察ではやっていたのですか。

川島広守警察庁警備局長

○川島(広)政府委員 御指摘のとおりに、この事案は、ポポロ劇団演劇の集会であったと私も記憶しております。しかし、いろいろ警察が情報を収集いたします場合には、いま私が申しましたような情報があったからといって、たとえば直接実験室の中に警察官が入ってくるなんということはなかなかできるものでもありません。現にまたそういうふうな直接的な手段をとっておりません。必要なら、それぞれ相手側の御協力を得て、御迷惑がかからないようなことを、人権無視にわたらないようなことを常に前提として活動しておりますから、このポポロ劇団が演劇を上演した場合におきましても、そういうふうな関係の配慮の上に入った、こういうように私は記憶をいたしておる次第であります。

林百郎日本共産党

○林委員 そこで、荒木国家公安委員長にお尋ねいたしますが、あなたは、警察は絶対不偏不党だと言っている。しかし、その警察の最高責任者であるあなたは、自民党の党員ですよ。しかもあなたは、かつて文部大臣のころ、少なくともわれわれ野党からは、実に反動的な文部大臣だということで糾弾されたのです。あなたが民主的に選ばれた国家公安委員長ならば話は別ですよ。あなたが佐藤総理大臣から任命され、かつて反動的な文部大臣としてのらく印をわれわれから見れば押されたあなたが警察の最高責任者だ。そうしてあなたは、奥田京大総長に対しては民青だと言い、美濃部さんは五十点だと言い、大学の部長は━━━━だと言う。そういうあなたが国家公安委員長のいすを占めているのに、警察は不偏不党で公正だなんてだれが考えられますか。考えろと言うほうが無理ですよ。だからこそ、佐藤内閣に対して政治的な批判を持ったり、再び軍国主義が復活しないようにということを祈念している人たちや、あるいは警察の国家権力の介入によって苦しみを受けてきた大学側が警戒心を持つのはあたりまえじゃありませんか。あなたは自民党の党員であり、佐藤総理から任命され、かつて文部大臣の経歴もあるといえば、あなたの立場が不偏不党だなんてだれが考えられますか。大学側が警戒するのはあたりまえでしょう。あなたは、まるで絶対な神さまみたいなことを言って、警察は絶対であって、これに刃向かうものは全部不当だ、アレルギーだ、警察に協力するかどうかで行政の点数をつける、そんな警察万能主義がどこにありますか。非常に危険な思想ですよ。そういうことがあって大学学徒出陣があり、滝川事件があり、美濃部さんの機関説があり、それらと同じ条件ですよ。戦前と戦後と区別がつかない、いまや同じ条件が漸次かもされてきているからこそ、再びああいう苦い経験は受けてはならないし、大学生は再び学徒出陣というようなことがあってはならない、こういう警戒心を持つのは当然じゃないでしょうか。だからこそ、従来の苦い歴史的な経験に基づいて、警察権の行使については、大学側は原則としてこういう態度をとる。あなた自身もまた、かつては大学への警察権の行使については、第一義的には大学の自治を考える。大学側の判断を尊重すると言っていたじゃないですか。いまやあなたは、全くその立場を放棄してしまって、そして警察万能で、かっての軍国主義が日本を支配していたころの警察権の行使とこれは変わらないような状態になっているのではないですか。あなたの立場を不偏不党と考えろなんて、言うほうが無理じゃないですか、そんなことは。あなたは、みんなが民主的に選んだ人じゃないのでしょう。佐藤さんが任命しただけではないですか。それが何で佐藤さんに任命されて、国家公安委員長になったら、非常な権威を持って、さらにまるでおれの言うことが絶対だ、おれに刃向かう者はみんなばかだ、やぼてんだ、民青だ、アカだ、そんなことを言う権限があなたどこにあるのですか。もう少し反省したらどうですか。自分の立場というものに対して、客観的にどう見られているかくらいのことは、あなた考えてみたらどうですか。そうしてものを言ったらどうですか。

荒木萬壽夫自由民主党国家公安委員会委員長・行政管理庁長官

○荒木国務大臣 先刻も申し上げましたが、用語につきましては御指摘のような気持ち、反省をいたしてはおります。何ぶんにも、私の頭の中にありますボキャブラリーの不足もありましょうし、もっと勉強しなければならぬ、反省しなければならぬと思っております。  ただ、林さんがいま非常に興奮しながら話をエスカレートしながら言われたことは、いただけませんと思って拝聴いたしました。警察は不偏不党でなければならぬ、法に基づき、法の範囲内において、厳正中正な立場に立って警察の責任を果たさなければならぬとは、法律が定めております。  私は、むろん自由民主党の代議士でございますが、民主的に選ばれて出てきました。また、公安委員長を命ぜられましたのは、佐藤総理からではございますけれども、佐藤総理も、これまた民主的に憲法の定めるところによって選ばれた総理大臣であります。さらにまた、不偏不党でなければならぬことは、法律の命ずるところでありまして、幸いにして私の属する自由民主党は、法治国日本においては、すべて法律に従い、ということを原則としておりますことを幸いといたしております。気持の上だけから申せば、これは離党してでも一向にかまわないというくらいの心がまえで臨まなければ、公安委員長はつとまらない、自分ではこう思っております、御批評は御自由であると存じますけれども、私の心がまえを、お答えかたがた申し上げさせていただけば以上のとおりでございます。

林百郎日本共産党

○林委員 あなたが自由民主党は絶対公正だ、総理大臣も公正に選ばれて、公安委員長もその総理大臣から任命されたと、あなたは言っていますが、より公正な方法としたら、公選にしたらいいではありませんか。そして日本の警察行政をだれにまかせるかということを、公選にして大衆の意思を問うなら話は別ですよ。あなたは別に、国家公安委員長になると言って選挙に出たわけではないでしよう。  こういうように、政治的な立場が違っているのです。共産党なり、社会党なり、あるいは公明党なり、民社党なりある。あなたは自民党だ。自民党の総理大臣から選ばれたあなたが、警察行政権を握っている。それを、あなたが不偏不党だと思えと、共産党や社会党やそのほかに言ったって、そんなことあなた、立場が根本的に違っているのに、考えようがないじゃないですか。しかも大学というものは、そういうものに対して中立を守るのだということが大学の自治でしょう。だから大学が、自民党の国務大臣である荒木国家公安委員長が、最高の地位にある警察権の行使に対して、時の権力に屈してはならないという教育基本法の立場から、警察権の行使について、大学側が自主的な立場に立って、それを尊重してもらいたいと言うのは当然じゃないですか。それが確認書にあるから確認書を非難するなんということは、あなたは口では法律を守ると言っても、民主主義的な立場を全く否定することになるのではないですか。  そこで、お尋ねしますが、来年度警察官を増員することになっている。何人増員して、その中で機動隊は幾らふやして、その機動隊はどこに駐とんするようになつでいますか。

荒木萬壽夫自由民主党国家公安委員会委員長・行政管理庁長官

○荒木国務大臣 先生の御意見なりお尋ねなりと拝聴しましたが、この公安委員長を公選にしたらどうだという立法論は、お説として伺わしていただきます。現行法に基づいて、先刻申し上げたような理解に立って私は行動しておるということを繰り返し申し上げさしていただくのであります。  機動隊の増員は、二千五百名を予定いたしております。具体的な振り分けにつきましては、政府委員からお答えさしていただきます。

浅沼清太郎警察庁長官官房長

○浅沼政府委員 二千五百名の機動隊は警視庁に二千名、神奈川、千葉、埼玉、三県に五百名、以上でございます。

林百郎日本共産党

○林委員 来年度予算の中に、先ほど山本さんも若干触れられましたけれども、警察活動に必要な経費五十六億ですね。この中で都道府県議会へかからないで、直接警察庁のほうから都道府県警察へ支給する金額はどのくらいですか。

浅沼清太郎警察庁長官官房長

○浅沼政府委員 約九割です。

林百郎日本共産党

○林委員 そうすると、そのうちの九割は都道府県議会の審議の対象にならないように警察庁が直接都道府県へ金を支給する、こういうことになるわけですか。

浅沼清太郎警察庁長官官房長

○浅沼政府委員 そのとおりでございます。

林百郎日本共産党

○林委員 それはどうしてそういうようになるのですか。それで何に使われるのですか。

浅沼清太郎警察庁長官官房長

○浅沼政府委員 地方の警察の費用は、これは御承知のとおりだと思いますけれども、警察法三十七条によりまして、全額国庫支弁のものと、それから全額都道府県の県費で負担すべきものと、さらに都道府県が負担すべき経費のうち、一部は国が補助する、こういう三本立てになっておりますが、そのうち都道府県が支弁すべき経費のうち、補助金を支出いたしますものは、これは都道府県の予算に入ります。国の直接国庫支弁のものは、財政法、会計法の法規に基づきまして、国の支出官である都道府県警察本部長が支出を担当する、そういう形で経理をされておる国の仕事でございます。

林百郎日本共産党

○林委員 そうすると、都道府県警察本部長が自分で支出することのできる、都道府県議会の審議の対象にならない、直接警察庁が出す金は何に使うのです。それはどこで審議されるのですか。都道府県警察本部長が何に使ったかということの審議は、どこでしたらいいのですか。

浅沼清太郎警察庁長官官房長

○浅沼政府委員 この使途は、警察のいろいろな活動、警備、刑事、犯罪捜査、それから防犯関係あるいは交通、こういうようなあらゆる警察の活動に必要な活動旅費と捜査費でございます。それから、これは当然国の会計でございますので、法令に基づいて会計検査院の検査を受けるということでございます。

林百郎日本共産党

○林委員 そうしますと、この活動旅費だけで三十二億。これは何ですか。しかもこれは直接都道府県警察本部長のところにいって、都道府県警察本部長が自分が支出官として出しているというんでしょう。こんなに旅費が三十二億も要るのですか。

浅沼清太郎警察庁長官官房長

○浅沼政府委員 たとえば、警衛、警護あるいは騒乱、大規模な災害、その他の場合の警備のための出動の旅費、あるいは警備訓練のための旅費、あるいは移動警察に必要な旅費、あるいは国会議員の選挙でありまするとかの取り締まりの経費、あるいは政令の二条の八号にいろいろ犯罪が書いてございますけれども、これらの、何と申しますか、国の利害にかかわる事件の捜査に要する旅費、捜査費、こういうものに使われる、こういうことがございます。

林百郎日本共産党

○林委員 それでは、三十二億の内訳を、いまあなたの言った項目で分けて、ちょっと説明してみてください。それと、捜査費の二十三億の内容は、何に幾らかという——いまあなたのあげた、警備費に幾ら、何に幾らということですよ。何の取り締まりをするかしらぬが、国会議員の選挙にまで金を出すんだから……。

浅沼清太郎警察庁長官官房長

○浅沼政府委員 この経費は、昭和四十二年度までは刑事、保安、交通、警備というふうに各事項ごとに計上いたしておりました。しかし、四十三年度以降は刑事、保安、交通、警備全部一括して計上いたしております。したがいまして、その事項別には区別をいたしておりません。

林百郎日本共産党

○林委員 捜査費もそうですが。

浅沼清太郎警察庁長官官房長

○浅沼政府委員 そうでございます。全部一本です。

林百郎日本共産党

○林委員 これは機密費じゃないですか。五十何億もの機密費を、国会で聞いても全然項目がわからないような使い方を、しかも警察本部長がやる。それでスパイをやったり、あるいは国会議員の選挙に何をやるかしらぬがやって、そういう費用に使われるんじゃないですか。少なくともわれわれ普通に考えて、旅費が三十二億なんて、しかもこれは補助でしょう。本来の、都道府県警察は独自の予算を持っているんですよ。そこへもっていって国のほうからまた旅費が三十二億もいくなんということは、これはごまかしですよ。捜査費の二十三億だって、結局われわれにはっきりすることのできない金じゃないですか。もっと精密に言ってください、五十六億の内容を。

浅沼清太郎警察庁長官官房長

○浅沼政府委員 先ほど申し上げましたように、四十二年度までは各事項別でございましたけれども、四十三年から一括いたしましたが、その実績によって大体使われるというふうに考えられまするので、その実績によってこの五十六億を振り分けてみますると、刑事警察約十二億円、保安警察が八億円、交通警察約五千万円、警備警察が三十六億円、このように考えております。

林百郎日本共産党

○林委員 それは昭和四十二年度の実績で割ったというだけで、実際は都道府県警察本部長が自分でかってにできるわけでしょう。だからこれは、委員長に要請しますが、これは国会でしか審議できないわけです。都道府県の県議会では全然できないわけです、直接国からいって、それで支出官が都道府県警察本部長ですから。これに対する資料をひとつ当委員会へ提出するようにはからっていただきたい。私は、先ほどの政府委員の答弁からいっても、三十二億が旅費に使われているなんていっても、旅費というのは、御承知のとおり、これは治安対策の費用として考えていいと思いますが、そういう機密費が五十何億も使途別に何ら区別されなくて、国から直接都道府県警察に回されているなんということは、さっきから荒木さんが警察は不偏不党だなんて幾ら言ったって、そんなことは信用できない。ですから、私はこれで質問を終わりますが、正確な資料を当委員会に出していただきたい。

鹿野彦吉自由民主党

○鹿野委員長 次回は明二十八日午前十時理事会、十時三十分から委員会を開会することとし、本日はこれにて散会いたします。   午後五時四十六分散会

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