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61回国会衆議院1969/02/20

地方行政委員会 第4号

発言数
122
登壇者
7
会派数
2
開催日
1969/02/20

会議録

鹿野彦吉自由民主党

○鹿野委員長 これより会議を開きます。  この際暫時休憩いたします。    午前十一時三十五分休憩      ————◇—————    午後一時三分開議

鹿野彦吉自由民主党

○鹿野委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  地方自治、地方財政、警察及び消防に関する件について調査を進めます。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。太田一夫君。

太田一夫日本社会党

○太田委員 自治大臣に対しまして、この間、所信の表明がございましたが、これにつきましてお尋ねをするという約束でございますから、その御所信に関しましてお尋ねをさせていただきます。  十三日にございました御所信の表明は、年末にあなたが大臣として御就任になりましたときの御所信とどこか違っているところがあったのでございましょうか。

野田武夫自由民主党自治大臣・北海道開発庁長官

○野田国務大臣 私の所信は変わっておりません。   〔委員長退席、細田委員長代理着席〕

太田一夫日本社会党

○太田委員 それでは、念のためにお尋ねをしますが、今度の御所信にはこういう長いことばが加わっておりますね。「地方自治行政は、戦後二十余年の間、着々とその歩を進め、地域住民の福祉の向上をはかりつつ、国勢の進展に大きく寄与してまいりました。しかしながら、現状は、地域住民の各種の要請にこたえられるだけの行政水準を確保するにはなお十分でなく、さらに近年においては、地域社会の変貌は著しく、新しい行政需要も数多く発生いたしているのであります。私は、このような地方自治行政の現状に対処し、社会経済的諸条件の変動に即応するため、すみやかに適切な方策を検討し、地方自治の進展と住民福祉の向上に万全を期してまいりたい所存であります。」この長いことばを、いわば総論としてお述べになっていらっしゃいますが、これは前のときにはありませんね。

野田武夫自由民主党自治大臣・北海道開発庁長官

○野田国務大臣 前の所信表明に、そのことをうたってなかったが、大体その所信表明の全体的な考え方は同じでございまして、特に今度は自分の考えを表にあらわしたほうがいいというので、そういう意味で表現したのでございます。

太田一夫日本社会党

○太田委員 「私の所懐の一端を申し述べ、」とおっしゃったわけですから、大臣としてお考えになっていることを、この前も今度もおっしゃったのでございましょう。そうすれば、前に大臣におなりになったときの感想、所懐の一端というのが非常に短かったというのは、考えることがまだなかったが、その後思想がそういうふうに変わってきたとおっしゃるのでございますか。

野田武夫自由民主党自治大臣・北海道開発庁長官

○野田国務大臣 思想が変わったのではございません。前回は、就任早々でございましたが、その後、いろいろな各般の地方行政に対する意見を聞いておりまして、大体私の感触は、そのとき私が得ました感触と変わっておりませんが、さらにその感を一そう深くいたしましたので、今度の所信表明において、そういうごあいさつを申し上げたのでございます。

太田一夫日本社会党

○太田委員 したがって、あなたの考え方は、その当時は浅かったが、いまは深くなった、その当時は薄かったが、いまは厚くなったとおっしゃるんでございますね。

野田武夫自由民主党自治大臣・北海道開発庁長官

○野田国務大臣 まあ、そういうふうに御解釈になってもけっこうです。

太田一夫日本社会党

○太田委員 それなら、その次の具体的な問題の地方財政のことについてお尋ねいたします。  あなたは、このたびのごあいさつでは、こうおっしゃっていますね。「最近における地方財政は、社会資本の整備のおくれを取り戻し、行政水準の向上をはかるとともに、いわゆる過密過疎等の現象に対処するための新しい諸施策に積極的に取り組んでまいらなければならない重要な時期に差しかかっております。この際、地方財政は、その健全化になお一そうの努力を払いつつ、これらの事業の計画的な実施をはかってまいらなければなりません。」こういうふうにおっしゃっておりますが、その前のあなたのその考え方の薄かった時代には、どういうふうにおっしゃったかというと、「最近の社会経済情勢の進展に伴い、地方団体の財政需要は、質量ともに大きく変動してまいっておりますが、地方行政水準は、まだきわめて低く、地方財政の体質もこれらの財政需要に対処するには、まだはなはだ脆弱であると考えられます。このため、当面の地方財政対策は、過密過疎対策に対処しつつ新しい町づくり、地域づくりの計画的な推進と地方公営企業の経営基盤の強化にその施策の重点を置く必要があると考えます。これらを実施するためには、きわめて多額の財源を必要としますので、地方財源の一そうの充実確保につとめてまいりたいと存じます。」こういうぐあいにおっしゃって、この前のときには、非常に長い具体的な本格的に取り組むような鋭い御洞察があったように思いますが、あとになって深くお考えになったらば、しごくさらっとしてしまったのはどういうわけでございますか。

野田武夫自由民主党自治大臣・北海道開発庁長官

○野田国務大臣 これは、地方財政の内容というものが、私が第一回、第二回と申し述べましたとおり、まだその充実強化をはかる必要があるという基本的な考え方は一貫いたしております。ただことばの使い方が違うかもしれませんが、私の考え方は第一回目も第二回目も変わっておりません。

太田一夫日本社会党

○太田委員 それでは、第一回も第二回も変わっておらないとおっしゃったが、先ほどあなた、最初のときといまでは変わってきた、認識が進歩した、前のことばと違うじゃありませんか。

野田武夫自由民主党自治大臣・北海道開発庁長官

○野田国務大臣 私、お答えしたのは、基本的な考え方は変わってない、こう申し上げたのであります。だんだん内容を検討いたしてまいりまして、第二回のつまり今回の所信表明というもの、しかし、根本的な私の地方財政に対する考え方は変わっておりません。

太田一夫日本社会党

○太田委員 そうすると、どちらをわれわれは——あなたの所信表明としては、根本は変わらない、具体的なものは変わってきたのでございますか。どう理解すればよろしいのです。根本は変わらないが、具体的な政策は変わってきた。力点の置き方、何か変わったんでしょうね。

野田武夫自由民主党自治大臣・北海道開発庁長官

○野田国務大臣 具体的の考え方も、ただことばの表現でお取り上げのようですが、具体的にも大体第一回も今回も私は変わっておりません。

太田一夫日本社会党

○太田委員 具体的に変わっておらぬとおっしゃっても、地方財政は脆弱だ、脆弱だ、財政需要は幾らもあるんだから、これから強化しなければならぬとおっしゃったのと、今度は過密過疎の現象に対処するために新しい施策を織り込んだということとその表現が違っておる。内容が一緒だとはいえないじゃありませんか。あなたが地方財政の脆弱性というものの認識が変化したとするならば、弁証法的な発展があったとするならば、そうすると脆弱性というのはどうなっちゃったんですか。

野田武夫自由民主党自治大臣・北海道開発庁長官

○野田国務大臣 これはことばの使い方でございまして、私はどんな心がまえでおるかということは、今後とも地方財政というものはまだまだ需要を満たすことのできない、内容についてはまだまだ弱さを持っている。そこで私の姿勢としては、今後ますます地方財政の確立に向かって進んでいかなければならぬ、こういう考え方はやはり第一回も今回も一貫いたしております。

太田一夫日本社会党

○太田委員 地方財政の確立のためにあなたが努力をしようとおっしゃる気持ちはわからないじゃない。あとのほうも、「地方財政はその健全化になお一そうの努力を払いつつ」こういうふうにおっしゃるのだから、健全化ということばの中にそれがあるとおっしゃればそれは認めましょう。けれども、地方財政が脆弱であった、地方財政の体質的な脆弱性というものを御指摘なさった就任当初のあなたの所懐というものを、私どもは高く評価しておったんです。ところが、それが六百九十億とられたとたんに、その脆弱性というものを抜いてしまったという点は、あなたも思想をどなたかに売ったんじゃないか、その脆弱性の認識というものをだれかに売ってしまったのじゃないかという気がしてしかたがない。どんなものですか。

野田武夫自由民主党自治大臣・北海道開発庁長官

○野田国務大臣 私は変わっておりません。

太田一夫日本社会党

○太田委員 しからば、なぜ抜いたんですか。

野田武夫自由民主党自治大臣・北海道開発庁長官

○野田国務大臣 抜いたというのは六百九十億円ですか、何ですか。

太田一夫日本社会党

○太田委員 脆弱性ということばを抜いてしまった。   〔細田委員長代理退席、委員長着席〕

野田武夫自由民主党自治大臣・北海道開発庁長官

○野田国務大臣 脆弱性ということばをどうして抜いたかということですが、やはり、今日の地方財政というものは強固であって、もうほとんど不安がないというようなことは決して考えられませんので、そのあらわし方におきましては、私はまだ内容については非常に弱いところがある、ますますこれを健全化していかなければならぬというたてまえは全然変わっておりません。このことばの使い方でいろいろ御疑問があるようですが、私の考え方の基本的なものは、先ほど申し上げましたとおり、一貫して変わっておりません。

太田一夫日本社会党

○太田委員 十二月の中ごろにおっしゃったんだから、五十五日や六十日たってそんなに大きく表現を変えてもらっちゃ困るんですよ。地方財政は、本質的に、体質的に脆弱性を持っているんだから、これを強化していかなければならぬとおっしゃったあなたの気持ちを、大臣就任当初のあなたの所懐の一端としてわれわれはつつしんで拝聴いたし、今度の野田大臣というのはさすがにしっかりしておるぞ、こういうわけで期待をいたしたのでありますが、その期待を裏切られるような、しごくすなおな健全化ということばによって代置されるということは、どうも私どもとしては不安を感じてしようがない。大蔵省に地方交付税を六百九十億取られたから、それであなた気が弱くなったんじゃありませんか。

野田武夫自由民主党自治大臣・北海道開発庁長官

○野田国務大臣 いや、繰り返して申しますとおり、私の考え方は一貫いたしております。

太田一夫日本社会党

○太田委員 私は、だれが書いたか知りませんけれども、とにかく大臣、これからあなたも、少なくとも向こう何年間、二年間なら二年間、自治大臣としてがんばらなければいかぬでしょう。これからのあなたの所信は、あのときはこうおっしゃったけれども、約束されたけれども、きょうはこういうことばになって変わったんだというようなことを繰り返したくないと思うわけです。だから、所信に対してお尋ねをしたいということはそういうことなんです。だれが書いたか知りませんが、少なくともあなただけで内緒で書いて、内緒に印刷されて、内緒でお読みになったもんじゃないでしょう。あなたを取り巻く連中というのは一体何を考えているのですか。そういうことに気がついて、大臣この表現はいいんですか、前とだいぶニュアンスが、感じが違っていやしませんか、これはどうですかと指摘したあなたのまわりの人はいますか。

野田武夫自由民主党自治大臣・北海道開発庁長官

○野田国務大臣 もちろん私の所信表明ですから、私が一応これを読みまして承知したのでございますから、もちろんいろいろの、つまり所信表明までにはいろいろ意見を聴取いたしております。最後に私がまとめたものでございますから、他にかれこれの、おるかおらぬかとかというようなことは、私の関する限りは、私がさようにこの所信を表明しようということで申し上げたわけであります。

太田一夫日本社会党

○太田委員 だれか知っている人があるでしょう。自治省の中において——地方財政の本質的な体質的な脆弱性があるからこれを強化しなければならぬとおっしゃった最後のことばを削るということに対して、それを健全化ということばに変えることが正しいな、なるほどこれは大臣の認識が深くなったんだ、前は間違えておったんだな、というふうにお感じになって、だれも文句を言わなかったのか、注意、指摘をしなかったのか、あるいはだれかがそれを指摘して、そうして、それで大臣この点はいいですかという御注意を申し上げた人があったのかなかったのか。官房長、あなた知っていたら一ぺん答えてください。あなたでいいです、念のために。

宮澤弘自治大臣官房長

○宮澤(弘)政府委員 所信表明は、先ほど大臣から御答弁を申し上げましたように、大臣が最終的に判断をしてきめたものでございますが、その間には事務的に各局から出ましたものを議論をいたしているわけでございます。先ほど太田委員もおっしゃいましたように、脆弱ということばはございませんけれども、なお一そう健全化に努力をするというようなことで、やはり地方財政自身の体質について、私どもとしてなお健全化に努力をしていかなければならない点が重々あるということは、議論の過程でもいたしたわけでございます。

太田一夫日本社会党

○太田委員 そうすると、十二月の十七日の日に、本委員会において大臣が御所信の御表明のありました「はなはだ脆弱であると考えられます。」ということは、これは「考えられます。」というはっきりした断定でマルが打ってあるわけです。そのマルの打ったことばというものの感じというものと、今回御表明相なりました「地方財政は、その健全化になお一そうの努力を払いつつ、」というような、中にすなおに書かれた文章と同じことになっているのだとあなたたちはお感じになったのですか。片方は断定されておる。片方は途中に入っておる。しかも健全化ということば、これは官房長答えてください。あなたたちは学者だから日本語をよく御存じでしょう。脆弱性と健全化ということとは違うと思うのですが、われわれはわからないのです。もうちょっと教えていただきたい。

宮澤弘自治大臣官房長

○宮澤(弘)政府委員 学術的な論文でもございませんものでございますから、字句の使い方について、そう一二〇%まで慎重に検討をしたというわけにはいきかねます問題でございますけれども、先ほども申し上げましたように、地方財政の基盤自身なお強固にしなければならない理由が重々あるという認識につきましては、従前とさして変わるところはないと思っております。

太田一夫日本社会党

○太田委員 あなたは、他の各局に公平に、なるべく罪のないように御表明になったと思うのですが、財政局長いらっしゃいますね。あなた、そのはなはだ脆弱であると断定された当初の十二月十七日の御表明をあなたがごらんになった場合に、これに対して何ら異議を差しはさまれなかったのでございますか。

細郷道一自治省財政局長

○細郷政府委員 別に、大臣がいまお答え申し上げましたように、基本の考え方は変わっておりません。ただ、大臣御就任当時、脆弱であるということが当時は非常に強くお感じになっておっただろうと思います。したがって、そういった表現が表面に出ているのだろうと思います。しかし、一面では、ただ脆弱だ脆弱だといっておっただけでは、全地方団体、三千五百の団体を指導する自治大臣の立場としていいかどうかといったような問題もございますので、いろいろと予算の編成等を通じて御研究、御検討になった結果、こういう表現になったものでございまして、それだからといって、こういう表現だからといって、脆弱であるという基本観念を別に捨てているわけではない、こういうふうに私は考えております。

太田一夫日本社会党

○太田委員 財政局長、しからば、地方行政水準は、まだきわめて低く、はなはだ地方財政は脆弱であると考えるとおっしゃった六十日前の話と、今日の行政水準の向上をはかるとともに、地方財政はその健全化をはかる、こういうことばとどういう——あなたそこに文句があったら、なぜ十二月のときに、最初お感じになった率直な第一印象を、こういうふうにわざと曲げるようにあなたたちが議論したとしか感じられない。大体おか目八目というけれども、専門家になるとわからないもので、はたの者のほうがよく知っている。国民のほうがよく知っておるわけだが、どうしてそんなことで——あなたたちが何か言ったのじゃないですか。悪知恵をつけたとしか思えないがどうです。

野田武夫自由民主党自治大臣・北海道開発庁長官

○野田国務大臣 いや、太田さんの御指摘の点は、つまり所信表明を聞いたおのおのの感触の一つでございまして、私は、先ほど申しましたとおり、一貫して地方財政は今後健全化を確立をしなければならぬという考え方は変わっておりません。その意味におきまして、非常に地方財政に対する大臣としての考え方が変わったのじゃないかということのおことばでございますが、これはくどいようでございますが、表現において違っておりますが、実態といいますか、基本的には一貫しておりまして、また各スタッフも、やはり同じ考え方で、今後とも一そう地方行政の水準を引き上げるためには地方財政を充実、これを確立しなければいかぬという考え方は、私ども役所全体が一致しております。

太田一夫日本社会党

○太田委員 それじゃ、もう一回具体的なことで聞きますが、地方財政を健全化するために六百九十億を減額して、ことしは国にお貸しすることになったのでありますか。

野田武夫自由民主党自治大臣・北海道開発庁長官

○野田国務大臣 この六百九十億を減額いたしましたにつきましては、この前も一応どなたかにお答えしたと思いますが、その内容といたしましては、四十三年の自然増収が大体その当時見込まれておりました。その自然増収の限度内でこれを減額する。しかも実は、もうすでにきょうも補正予算の審議が行なわれておりますが、当然会期中に補正予算があると見通しをつけまして、その自然増収が、もし補正がなければ、御承知のとおり四十五年以降においてこれが使われることになりますが、補正があれば四十四年度においてもこれが使える。したがって、四十四年度の地方財政の処理については実害がない、支障がないという前提においてこの措置をいたしたのでございます。

太田一夫日本社会党

○太田委員 じゃ脆弱性なんという認識はないじゃありませんか。脆弱性があり財政需要が多過ぎて金が足らなくて困っておるのだという認識は、十二月のときにおっしゃったことは、あれは単なるゼスチュアでございましたか。私はそれが疑われてくる。六百九十億円減らすことが、それが即地方財政の健全化だなんという、そういう論理へどうしてつながってくるか。さらには、あわせて自治省は土地開発基金を四月に発足させるという。そのためには四十四年度の地方交付税から六百億円を投入しようとし、一つの都道府県当たり四、五億円、市町村には三千万から二億円くらい配分して、各自治体に基金を設けさせるというようなことさえこれは通達をされておるように承りました。そういう地方交付税の恣意的な一方的な使い方というものも、いささか問題じゃありませんか、地方財政全体の脆弱性というものが前提としてあるならば。いわば金が余っておるからという前提にすべて立っておると私は思うのですが、その点大臣どうですか。

野田武夫自由民主党自治大臣・北海道開発庁長官

○野田国務大臣 六百九十億の問題でございまして、これは実は予算編成期の内容を御説明するとやや御理解を得るかと思っております。実は、当時御承知のとおり交付税の税率の引き下げというものがあったのでございます。これは必ずしも来年度の予算編成を目ざしたのじゃなくて、数年来続いております。私は自治大臣に就任いたしまして直ちに感じましたことは、この地方交付税というものは何としても地方財政の固有の財源である、一貫してこれを持ち続けなければ地方財政の確立はできないという考えを深くいたしました。財政当局とのいろいろな折衝はございましたが、この点は断じて私として譲れないということの基本的な考えを固めまして、そしてやはりこの問題は、財政当局と最後の折衝をいたしました結果、地方財政の今後の運営からして、地方交付税の税率については当分の間一切財政当局も触れないということの確約をいたした。さらに、財政の運営上、財政当局から四十二年度と同じように地方財政の中から相当な額を、つまり世間でいう貸してくれという話がございましたけれども、これも私は断わりました。四十二年度の貸し借りの内容を見ますと、一種の出世払いみたいになっておりまして、今日は三カ年間で償還することになっておりますが、また再び四十四年度でこういうことが行なわれるということは、いま申します地方財政の内容から見て断じて承認ができない。いろいろ折衝を重ねました結果、一応四十三年の自然増収が七百数十億あるという見込みが立ちましたので、したがってその限度内で、しかも財政当局が補正を組むという前提ならば、四十四年度の地方財政の運営に差しつかえない、それではひとつそのいわゆる減額をしてもよろしいというので、四十二年度と私のとりました四十三年度の減額の内容は異なっております。どうしてもやはり基本的に、申しましたとおり、地方財政はあくまでも確立しなくちゃならぬというたてまえから、そういう結果になったのでございます。

太田一夫日本社会党

○太田委員 大臣、国鉄の納付金も減らしましたね。男前を出して、よろしゅうございます、少し減らしましょうというようなことで、これはかっこうはいいけれども、地方財政が脆弱であるという前提に立つと、うちが火の車なのに国鉄のほうまで地方財政の負担によってやろうということはいかがなものですか。これは本質的に間違っていませんか。正しいのでしょうか。

野田武夫自由民主党自治大臣・北海道開発庁長官

○野田国務大臣 いや私も、国鉄納付金問題にはどういう姿勢をとったらいいか、どういう返事をしていいかということをずいぶん考えました。ただ、地方財政の内容は、いま申しましたとおり、さらに確立する必要がありますが、国政全体から考えまして、やはり国鉄の再建計画というものが出ております。そこで、これも太田さんもう百も御承知と思いますが、実は国鉄納付金の問題は、四十二年度、三年度続いて起こっておりまして、しかも全額の納付金を廃止というような非常な希望が出てきておったのであります。そこで私は、それはとても応じられない、全額に対しての希望があるならこれは最初から話にならない、しかし、国家財政全体から考え、また国鉄再建というものは、何といっても地方にも関係がある、地域住民のためにやはり国鉄というものは重要な生活の要因になっておりますから、これらを勘案いたしますと、最小限度国鉄納付金について考えてもいいのだろうということに結論を得まして、わずかの金でございますが、一応国鉄再建に寄与すると同時に、地域住民の方々が、交通関係で一番——今日ことに過疎地帯というものは非常に生活の中の大きなウエートを見出しております。そういうことで、わずかでございますが、これに寄与した、賛成したという経過でございます。

太田一夫日本社会党

○太田委員 そうしますと、あなたのその考え方で、一応国鉄納付金の減額に応じたのは、地方住民の交通需要にこたえるための、要望にこたえるための一つの配慮だというふうに受け取れるわけですが、しからば、あなたのお考えになったのは、単に国鉄の財政が赤字だから補てんをしようということでなくて、さらに一歩を進めて、地方交通の整備充実をはかるために、地方住民の期待にこたえてもらうために、なるべくローカル線だとか赤字線の廃止などと言わないで続けて運転をしてくれ、こういう意図でございますか。

野田武夫自由民主党自治大臣・北海道開発庁長官

○野田国務大臣 これはひとり過疎地帯の問題だけでありません。今日過密地帯の交通というものが、御存じのとおり全く行き詰まってきている。これらにつきましても、やはり国鉄というものは過密地帯の交通政策の重大な任務を負っておる。また一面、いまお示しのとおり過疎地帯における交通政策の一つの大きな任務を持っている。したがっていまローカル線、赤字線という問題がございましたが、私の立場からいたしますと、できるだけ赤字線やローカル線も何か国家の手当てをして、地域住民が困らないようにひとつやりたいという考え方をいま私持っております。

太田一夫日本社会党

○太田委員 非常に力強いお話で、安心することが一つ出てきました。もしあなたが八十三線二千六百キロの国鉄の廃止さえも絶対反対の立場をとって、地域住民の要望と過疎地帯振興、辺地の発展を期するために、われわれは国鉄納付金の若干の減額は了承したが、それを足がかりにして絶対にこれを実現してみせる、廃止はさせないという、そういう決意であなたがいまの財政計画をお認めになり、そうしてまた、あのような所信を御表明になったということならわれわれはわかるわけです。だから、八十三線二千六百キロを廃止することにはあなたは反対である、こういうふうに理解してよろしゅうございますか。

野田武夫自由民主党自治大臣・北海道開発庁長官

○野田国務大臣 全線を廃止するということに反対と言い切れませんのは、たとえばいま国鉄を廃止してバスにかえるとか、いろいろな交通の対策があると思っております。それから、国鉄でなくて、現にもうすでに私鉄の通っている場所とか、ローカル線で幾つかの例がありますから、全部国鉄の示した案に絶対反対ということは言い切れないし、また交通政策を合理的に運営してまいりますれば、廃止すべきところもあると思いますが、大きな意味において地域住民のどうしても必要な線については、私は廃止は賛成しがたいという考え方を持っております。

太田一夫日本社会党

○太田委員 どうしても廃止に賛成しがたい路線というのはどういうところですか。地域住民が反対だと言ったところでございますか。

野田武夫自由民主党自治大臣・北海道開発庁長官

○野田国務大臣 それは最近、ローカル線廃止、赤字線廃止は全国的に地域住民から声が出ておりますが、これは十分ひとつ検討いたしまして、たとえばいま申しましたとおり、国鉄が廃止された場合には、バスその他の、あるいは私鉄とか、これにかわって運営する面もございましょうし、またその他のいろいろな対策も出てくるかもしれませんから、これは十分検討しませんと、一つ一つの線をあげなければ、ただ総論的に全部赤字路線、ローカル線は廃止反対だと言い切れないと思っておりますから、一つ一つ今後検討していきたいと思っております。

太田一夫日本社会党

○太田委員 国鉄財政再建のための本年度の収支計算を概算数字としておまとめになった際においては、運賃値上げは九百十億なら九百十億というものがあり、利子補給なら利子補給を何ぼするかということは、国務大臣としてあなたもその決定に参加されておるわけです。したがって、いまのように、地域住民の足を守るために地域の交通機関というものをなくしちゃ困る、こういう前提に立っての話ならば、これはそう簡単に、あの国鉄の財政再建方針というものにあなたが賛成されるというふうには思われない。九百十億円運賃値上げしてもなお赤字ですよ。だとするならば、八十三線問題は——あなたが閣議に列する国務大臣として伺いますが、地域住民の足を守るために、地域住民の生活の基盤を培養し、その福祉生活を向上させるためには、自治大臣としてもあなたは全力をあげて、八十三線を撤去するとか、あるいは二千六百キロのレールをはずすとか、駅を廃止するなどということは、全力をあげて反対する、こういうおつもりだと理解してよろしいのでございますか。

野田武夫自由民主党自治大臣・北海道開発庁長官

○野田国務大臣 いま申しましたとおり、八十三線全部ということでなくて、検討して、その地域住民の生活の中に交通政策としてどうしても必要だと思う線につきましては反対したいと言っております。  また、もう一つ申し上げておきますが、国鉄の再建が今度の賃金値上げその他によってまだまだ将来不安だ、そういうお考えも、間違っておるかおらないかは将来にかかる。何といたしましても、これは主管大臣から、今度の処置で、ここ十年か十五年のうちに国鉄再建ができるという責任を持った言明がございましたから、私どもは閣議でもって賛成したのでございます。

太田一夫日本社会党

○太田委員 そうすると、あなたの御理解では、納付金の一部削減によって、地方自治体が国鉄財政に寄与することによって、国鉄は財政再建が可能になり、したがってローカル線の廃止問題は振り出しに戻った、こういうふうに理解してよろしゅうございますね。

野田武夫自由民主党自治大臣・北海道開発庁長官

○野田国務大臣 振り出しに戻ったか戻らぬか、主管大臣はなかなかそう言っておりません。しかし、これは主管大臣の考え方でございまして、私は自治大臣として、地域住民の生活を守るという立場から申しますと、これは地域住民にどうしても必要な交通だ、こう考えました場合には、私は、検討の上において、その線の廃止その他につきましては賛成しがたいという考え方を持っております。

太田一夫日本社会党

○太田委員 もしも八十三線の中で若干なり廃止路線の問題が日程化したときに、大臣は、絶対にそれは反対だ、地域住民の声を聞いて、反対ならば反対だと主張され、交通関係閣僚の中で意見が対立いたしましても、とことんまで反対すると、われわれはあなたを信じてよろしゅうございますか。

野田武夫自由民主党自治大臣・北海道開発庁長官

○野田国務大臣 いま申しましたように、一線一線検討しませんと、ただ概念的に廃止は全部反対だと、これは少し無責任な態度でございまして、必要な線はやはり確保しておくという考え方でもって、その際は私の主張を述べたい、こう思っております。

太田一夫日本社会党

○太田委員 それは、あなたは国鉄の納付金を減らすことによって国鉄の財政再建を可能ならしめるという意図があっておやりになったんだ。主管大臣はこれによって国鉄の財政は再建できるんだとおっしゃったから、あなたがそれをのみ込んだとおっしゃるならば、地方財政脆弱のおりから、背に腹はかえられないでしょう。足がなくなるということは、背に腹はかえられないから、この納付金の減額にほんとうは賛成できないけれども賛成したとおっしゃるならりっぱだ。しかし、八十三線、個別の計算をやってみたら、やっぱり国鉄総裁の言うとおりで、みんな廃止しなきゃいけないということになったら、これはまただめでしょう、それは死に金になるでしょう。どうです。

野田武夫自由民主党自治大臣・北海道開発庁長官

○野田国務大臣 いや、私繰り返して申しますとおり、太田さんは全線出た場合に反対しろとおっしゃるのですが、それはつまり私の言うのは、線によっては国鉄を廃止してもいい線があると思うのです。私は、この間あるところへ旅行したときに、私鉄が入ってきて国鉄は今度廃止しますという。これはたまのことですが、今度はバスにかえるとか、何かいろいろな対策が出てくる。また、ローカル線か赤字線かにつきましては、いま問題になっておりますのは、地域住民の生活を守るためには、その赤字路線にある程度の補助を与えてこれを運行したらどうだとか、いろんな案が出てきております。だから八十三線全体、ただ無検討に、何らのそれに対する調査もしないで、概念的に反対といいますが、私は必要な線につきましては当然存続すべきだと主張したい、こう思っております。

太田一夫日本社会党

○太田委員 きのうのテレビの一〇二でしたか、千葉県の木原線というのをやっておりましたが、ごらんになったかどうか知りませんが、ずいぶんと通勤者が乗ったりおりたりする。それが廃止路線になっているというので土地の人が反対しているのが放映されておりましたね。私は、あなたは古武士の面影があるから、そう簡単なことで二十五億円を捨てたり——これはずっと続くのでしょう。ことし一年限りではございませんでしょう。十年たてば二百五十億円ですよ。利子に利がつけば五百億かもしれませんね。そういう金を国鉄財政再建のために片はだを脱いで出すというならば、反対給付がなければ変じゃありませんか。それが、地域住民の足を守るということならば、ローカル線、赤字線の廃止なんということはほとんど九割九分まではあなた方に反対してもらわなければならない筋合いのものであろうと思う。その結果、二十五億円を出すということになったら、あなたはだれかのトリックにひっかかってごまかされたとしか思えない。計算してやってみたら、営業係数がどうだとか、一日の乗降が何人だとか、つまらぬ数字なんかにごまかされて、地域住民は一挙に転落すると思うのですよ。特に過疎地帯ないしは辺地等においてはそういう可能性が濃い。私はそれを心配する。二十五億円の国鉄納付金の減額は、あなたの認識から考えてみたならば、まさか死に金ではないでしょうなということを念を押しておるのです。

野田武夫自由民主党自治大臣・北海道開発庁長官

○野田国務大臣 これは太田さんに私はあまり型どおりの答弁をしたくないと思うから実情を申し上げているのであって、これは現在私鉄関係その他を勘案して二十五億円の基本数が出ておりますが、私自身は、いまお話しのとおり、今日過疎地帯の問題は大きな政治問題になっているし、また、私どもといたしましては、どうしてもこういう問題は、ただひとり交通問題だけではなくて、各般の施策を通じて過疎地帯の対策を練っていかなければならぬ。その際に、過疎地帯にあるいまお示しのローカル線とか赤字線というものを、ただ国鉄の財政再建のためにすべて犠牲にしてやるというようなことは、私はどうしても賛成しがたい。したがって、八十数線のうちのどの線はどうなるかということを、やはり厳密に国鉄の意向も聞くし、また同時に、私どもの考え方もあわせてひとつ検討する。そして、その点において、絶対これは存置しなければその地域住民の生活に大きな悪影響を及ぼすということになりました場合は、私はそれに対しては賛成することができない、こういう考え方を持っております。

太田一夫日本社会党

○太田委員 押し問答はこの辺でやめますけれども、私は、野田大臣、あなたはとにかく大臣として所信表明されたことにすなおさがあると理解をしたいと思うので、地方財政の脆弱性ということもあなたが第一印象として当委員会において御表明になった、このあなたのお気持ちをわれわれは尊重する、これは敬意を表すると同時に、財政強化のために、ただいま需要が多い、その現状にかんがみて最大の努力をしたいというあなたのお気持ちに対して、われわれは理解をする。そうしていきたいとするならば、その中で二十五億円納付金を減らしていくということは、将来にわたって国鉄財政に何百億か何千億という寄与をすることができる。でございますから、それが相当地方交通の、ローカル線の強化、復活に役立つことでなくてはならぬ。すぐにでも即効薬にならなきゃならぬですよ。二十五億円というものは、逆の利子にすれば三千億か四千億の金を貸したと一緒だ。それくらいの金があったら相当の線路数ができるでありましょう。三江北線、三江南線というような中国地方のローカル線でも、赤字路線として廃止するようなことをいわれておりますけれども、これとても早期に完成をさせて裏日本と表日本をつないで、そして山陽と山陰との一つの重要な連絡網にすることができたならば、あの地域の開発に資すること大きなものがある。地域住民は、そこで村がどんどん減っていくとか、嫁の来手がなくなるとか、若い働き手がなくなるというような悩みを解消することができると思うのです。だから、即座にこことここはもうやらないということを言ってもらいたい。地方自治体のめんどうを見る、指導する自治大臣としては、運輸大臣に、国鉄総裁に、何かあかしを立ててほしい、二十五億円出すなら。これはバランスシートは、出すほうはあっても入るほうがないじゃないですかね。だから、これは収支の部を明らかにしてもらう必要があると私は思う。ずいぶん安気しますよね。そんなことできないでしょうかね。

野田武夫自由民主党自治大臣・北海道開発庁長官

○野田国務大臣 私は、収支を明らかにしてどうこうということは、もちろんそれは数字的に、経理的に必要でございましょうが、政治的に見て、ただ国鉄が主張している赤字路線をローカル線だから廃止する、いわゆる財政上だけの考え方で、経営だけの考え方でこういうものを簡単に廃止するとか、また新線をやめるとかいうことは、私はどうしても理解できない。国鉄本来の使命というのは、何といったって国が鉄道を経営していることは、これはもう国民全体の利益のためにやっている。そういう観点からいたしました場合におきましても、ただ経営が詰まったんだ、金が足りないからかってにおれのほうはやるぞという姿勢というものは、私はどうしても理解できない。しかし、不要な、また、今後それを使っても、もう将来見通しとして必要がない、こういうものは整理する必要がある。これはひとり国鉄だけじゃなくて、あらゆる施設においてそうだと思っております。そういう観点から、私自身としては、私が理解し得る細密な検討をした上で、私の姿勢をとりたい、こういう考え方を持っております。

太田一夫日本社会党

○太田委員 あなたのおっしゃる御意見を私もすなおに聞いておきたいと思う。しかし、何も人のおらぬところに駅をつくれなんて言っておるわけじゃありませんから、その点について地方住民の足を守ってください。それはずっと見てみると、北海道から九州までそういうことで悩んでおる住民は多いんですよ。しかも、そこには超過課税というのがある。超過課税問題が山積しておる。ほとんど五割増しでしょう、住民税、固定資産税は。だから、私は二十五億円の国鉄納付金を将来にわたって減らすということなら、だったらこの借り方、貸し方を明らかにしてもらわなければならぬ。手形があるはずです、財政当局は。地方住民の福祉ということなら行政局長だな。長野行政局長の所見を承りたい。地方住民の福祉をはかるという立場に立つなら、どうだ、為替はないのか、手形は取っておらぬのか。

松島五郎自治省税務局長

○松島政府委員 二十五億に手形がついておるかというお話でございますけれども、二十五億に別段、先生のおっしゃる意味の手形というのは——そういうことは私ども必ずしも理解していないかもしれませんが、二十五億を減額するからどの線とどの線を廃止してはいかぬというような意味ならば、そういう手形はついておりません。  ただ、先ほどから何度も大臣が申し上げますように、国鉄の経営というものが苦しくなれば、結局は先生の御心配になるような問題も起きてくる。そこで、やはり国鉄の経営も成り立つようにしながら、かつは地方住民の足も確保していくという、両々相まって問題を考えていかなければならぬのではなかろうか、かような考え方を持っております。

太田一夫日本社会党

○太田委員 財政局長どうだ、出しっぱなしか。

細郷道一自治省財政局長

○細郷政府委員 住民の福祉を向上するということは、これはもう申し上げるまでもなく、地方自治体の大事な使命でございます。したがいまして、いろいろな面で住民の福祉向上をはかっていく。一本調子ではなかなかいかないと思うのでございます。一方で国鉄の財政問題、それにからんで国鉄の危機が唱えられておる際でもございますから、このままでまいりますれば、非常な赤字、赤字のあげくはやめるといったような問題も起こるわけでございますので、これもまた広い意味で住民の福祉にも関係がある、こういうことで、国鉄の再建に自治大臣としての協力をいたしたわけでございます。しかし、協力をするにいたしましても、やはり合理的な考え方に立ってしなければならないというようなことから、二十五億の軽減につきましては、従来私鉄等に対してやっておりました固定資産税の減免というようなことも頭に入れて、筋目を立てた協力をした、こういうことでございます。

太田一夫日本社会党

○太田委員 私は、元来国鉄納付金というのは、普通の固定資産税相当額の二分の一、さらにこれを二分の一にするとかどうとかこうとか、これはずいぶんとうまい理屈はつけておるのですけれども、もともとこれは国鉄財政の再建のためにあなたたちは何か寄与されたと思うのです。その寄与されたことは悪いとは言わないのです。だったら、なぜ為替を組まないか。貸借対照表などは、片方だけしか書いてないじゃないかと言っておる。だから、財政が十分あり余っておるから、恩恵としてそれだけのものをかっこよく渡したのなら、私は何も言いません。財政はもう十分なんだから、二十五億円は、いわゆるかっこよく国鉄のほうの顔を立てたのだから、ローカル線を廃止しようが何も知ったことじゃないということは、あなたの立場としては筋が通る。しかし、これは地域においては、超過課税に苦しみ、超過負担に苦しみ、あるいは財政需要そのものの増大に苦しんでおる地方自治体ないしは住民のことを考えてみたならば、少なくとも為替を組んでしかるべきでなかったか。何かがなければ二十五億は捨て金じゃありませんか。それだけの金があったら、超過負担の解消とか、超過課税の制限とかなんとか、善政のほうに直接お回しになったらいかがですか。超過課税の制限——特にこの間、何か住民税の超過課税はできるだけ減らすよう指導する方針を自治省はきめたとありますが、これはほんとうですか。

松島五郎自治省税務局長

○松島政府委員 超過課税の問題につきましては、この委員会でもしばしば御指摘をいただいておるところでございまして、私どもといたしましては、きのうきょうに始まった問題ではなく、従来から超過課税をできるだけ解消するように指導をいたしてまいっております。その結果、最近では——見方によっては非常におそいという見方もございますけれども、漸次超過課税団体が減少しておるという傾向にあることは申し上げられると思います。

太田一夫日本社会党

○太田委員 松島さん、自力で減少するんじゃないのだよ。あなたのほうは指導するのだ。指導しても何とも鼻血も出ぬところもあるのですよ、地方の町村では。そういう町とか村とかいうところに対して、特に過疎地帯なんかに対しては思いやりがあってしかるべきだ。だから、何か指導するというなら、どう指導するのですか。減らしなさいということばだけですか。

松島五郎自治省税務局長

○松島政府委員 これは財政問題一般とも関係いたしますが、地方団体、特に過疎地帯等のような後進地域の団体につきましては、交付税の配分等もできるだけ経過的にふやしていっておることは御承知のとおりであります。そういうことと相まちまして、私ども、税の面では超過課税を解消するように勧奨を行なっておるということでございます。

太田一夫日本社会党

○太田委員 超過課税を解消しておる、解消しておると言うが、千八十四市町村が超過課税をしておって何が解消したなんて言えますか。まことに申しわけないとあなたはそうおっしゃらなければならない。いまだにあちらの金をふやしちゃったから、こちらの収入を切ると遠慮をし、片方では、なお無理やり言われれば、ああそうですかといって、六百九十億も出しておる。しかもこのような千八十四という市町村が超過課税で苦しんでおるということは、まことに申しわけない、私は、税務局長の立場からはそう言うべきだと思うのです。財政当局が甘いから、なかなかわれわれはやりにくくてしようがないのだ、ほんとうのことをおっしゃい。どれくらいですか、超過課税は。

松島五郎自治省税務局長

○松島政府委員 超過課税団体は、住民税について申し上げますと、昭和四十一年度は千百五十八団体ございました。昭和四十二年度は、先生いま御指摘になりました千八十四団体、この間に約七十団体ほど減っております。さらに、昭和四十三年度では千十六、約七十団体やはり減ってきております。なお、標準税率の最高限でございますが、一・五倍までとっております町村を見ますと、昭和四十一年度は五百七十七でありましたが、昭和四十二年度は四百九十五、約八十ばかり減っております。それから昭和四十三年度は四百十六、同じく八十ばかり減ってきております。私どもは、先ほど申し上げましたとおり、できるだけ税率の高いところは低いほうへ持っていくように、また、現在超過課税の税率の比較的低いところはできるだけやめていくようにという指導をいたしておるわけでございますが、先ほども申し上げましたように、全部解消するということはなかなかむずかしい問題でございまして、現在まだ相当数残っておりますことにつきましては、今後ともその解消ないしは軽減に努力していきたいというふうに考えております。

太田一夫日本社会党

○太田委員 細郷財政局長、超過課税で取っております四十二年度千八十四市町村の超過課税総額は大体どれぐらいですか。

松島五郎自治省税務局長

○松島政府委員 ちょっといま資料を調べましてお答えをさせいただきます。

太田一夫日本社会党

○太田委員 大臣、そういうことはあなたが御就任なさいましたときに御理解でございましたか。

野田武夫自由民主党自治大臣・北海道開発庁長官

○野田国務大臣 聞いておりました。

太田一夫日本社会党

○太田委員 非常に大事なことなんです。指導するとおっしゃったが、かりに具体的に五割増しは困る、二割増しなら二割増しにとどめよう、そうすると三割相当分は何か特別交付税なら特別交付税でめんどう見るよというようなことが、財政局との間で十分連絡ができて、一つのめどができておるというならいいと思うのですけれども、何か超過課税をどこかに制限をする、五割増しを二割増しに押えるとかなんとかいうめどはできておるのですか。

松島五郎自治省税務局長

○松島政府委員 超過課税の制度は、それぞれの団体が自治団体として特別に財政需要があります場合には、弾力的に税制が運用できるように、こういう趣旨で設けられているものでございます。したがいまして、全部二割に押えるということであれば、最初から超過課税の税率を二割増しまでしか取れない、いわゆる制限税率をそこにきめるべき性質のものだと思いますが、いま申し上げましたような趣旨でございますれば、やはり弾力的な運用ということを前提にしていかなければならないというふうに考えます。  ただ、私どもが超過課税の解消について努力いたしておりますのは、そういう弾力的運用というよりは、一度超過課税をやると、それが慢性化し、固定化していくということ、これが問題であるということで、そういうことをできるだけ解消するようにという指導をいたしておるわけであります。したがいまして、超過課税を幾ら下げたら幾ら交付税を出すというような考え方は必ずしも持っておりません。それはむしろ一般の地方財政全体を通じまして、そういう団体に財源を充実させることによって問題を解決していくべきものではないかというふうに思います。  それからなお、先ほどお尋ねのございました超過課税団体の超過課税額でございますが、市町村民税の所得割が一番大きいわけでございますが、昭和四十三年度の見込み額では一応百三十二億と見込んでおります。

太田一夫日本社会党

○太田委員 市町村民税の所得割百三十二億、これはいまの話で六百億の普通交付税をもって土地開発基金をつくれなんというくらい気前よくやれるなら、すぐさま解消できるじゃありませんか。しかも、そういうのは大都会ではないんだから、気の毒なところに住んでいらっしゃる方がそういう課税をされるのでしょう。標準家庭、百万円でとにかく七千円も違うというのです。標準家庭、百万円の年収の方は、いわゆる辺地ないしは過疎地帯に住んでおれば住民税が七千円違う。気の毒じゃございませんか。あなたも、それは条例にまかしているんだし、条例では標準税率でいいんだから、何も別段そんなことを特別の指示はしなくてもいいぞとおっしゃるけれども、それは無責任な話になりはしませんか。もう少し親切におやりになるのが過疎対策であり、住民福祉の向上という政策ではありませんか。どうなんですか。百万円の世帯で七千円も住民税をよけいに納めなければならぬところをどれくらいの程度にするか、当初計画された腹づもりをお聞かせ願いたい。

松島五郎自治省税務局長

○松島政府委員 超過課税の問題は、いわゆる制限税率の範囲内においてどういうふうに税率をとるかによって、ある方は百万円で七千円ふえたり、あるいは五千円ふえたり、三千円ふえたりするわけでございまして、この制度の運用そのものの問題といたしまして、百万円の人を幾らにするのが適当だ、こういう指導というのは私どもはしておりません。

太田一夫日本社会党

○太田委員 松島さん、じゃあなたは、百万円で最高制限税率一ぱいにとったら、普通の標準税率の住民税よりも七千円よけいに払わなければならぬということは認めますか。

松島五郎自治省税務局長

○松島政府委員 そういう制度になっておりますから、そういう税率をとる限りは、七千円ふえることもあると思いますし、また、税率のきめ方によっては三千円ふえるということもあろうと思います。したがいまして、問題はそういう制度の運用をいかに適切にするかということでございまして、そういう制度をとってその人が七千円であるのがいけないのだということには必ずしもならないのじゃないか。むしろ全体の問題として、超過税率を固定化し慢性化していくようなことがないように、私どもは税の面を通じまして、また財政局としては、そういう団体に対する財源の充実を通じまして問題の解決をはかっていくべきだ、こういうふうに考えております。

太田一夫日本社会党

○太田委員 しからば何かそういう通達をお出しになりましたか。

松島五郎自治省税務局長

○松島政府委員 従来もやってきておりますし、今後もやりたいと思います。ただ、先生も御案内のとおり、これをやっております団体というのは、どちらかというと特別な県と申しますか、地方に片寄っておりますので、全般的な通達というものをもちろん考えていかなければなりませんが、むしろそういう県に個別的に指導をしていくほうが効果的ではないかというふうに最近考えております。

太田一夫日本社会党

○太田委員 個別的に指導なさいますね。考えておりますじゃなくて、これからしますね。

松島五郎自治省税務局長

○松島政府委員 そういうふうに考えております。

太田一夫日本社会党

○太田委員 財政局長の所見を伺いますが、じゃ、それに対して補てんすることは十分御用意がおありなんですね。

細郷道一自治省財政局長

○細郷政府委員 御承知のように、超過課税の運用は、先ほど税務局長がお答えをいたしましたとおり、ある仕事をするのに特別に住民に負担をしてもらおう、こう、いうのが本来のたてまえだろうと思っておりますが、現実には、必ずしもその本来のたてまえによらないで、いわば惰性的になっているものもあるのじゃなかろうか、こういうふうに考えております。私の財政問題といたしましては、地方財政の乏しい中にも多少の伸びが期待されることもございますから、そうした交付税も合わせた財源の伸びをそれぞれの団体がどういうふうに事業に配分をしていくか、あるいは住民の負担の軽減にそれを充てていくか、それは個々の団体のきめる問題だろうと思います。したがいまして、超過課税は何割にしなさいというような一律な指導はいたしておりませんけれども、現に私も承知をいたしておりますが、幾つかの県では、交付税も含めました一般財源が伸びている際には、多少なりともそういう方面に向けることによってやはり一つの住民福祉の向上をはかるということもいいのではないか、こういう慫慂、指導をしておるところを承知いたしております。したがいまして、私どものほうで一律的にどれだけしたらどれだけこれを補てんするというような行き方ではなく、むしろ個々の自治体の判断で、それだけの伸びたお金をどこに使うかというのを判断していただく、こういうことが必要であろうと思っております。

太田一夫日本社会党

○太田委員 東京や大阪や名古屋では、百万円で住民税一万四千円納めればいい。ところがそれが山陰方面、鳥取、島根にまいりますと、とたんに二万一千円払わなければならぬというところに、何もこんな不便なところに来て、全く行政上のサービスの足らぬところで住民税が高いのはかなわぬという声が充満しておるわけです。だから、松島さんという人は表情がないから困るけれども、あなたはにっこり笑って、おれはほんとうは引き受けたいのだ、この際にこそこういうことをやらなければいけないのだから、今度は必ず何%か下げさせるよ、そんな五割増しなんという最高限度を取っているよりはゼロにしてみせるという、あなたは事績を示す決意を眉宇にちらっと出してもらえるといいのだが、あなたは無表情でいかぬ。表情を出しなさい、言外の言を。だからそういう点で、あなたは過疎地帯、過密地帯とおっしゃったのですから、そういう見方なんですが、それはぼくは逆のことだと思う。六百億円を土地開発基金に出すなら、あなたそれを過密地帯に出すのでしょう。過密地帯が多いなら、その多い地帯にこそ超過課税を取ったらいかがですか。逆じゃありませんか。(細田委員「賛成だ」と呼ぶ。)細田さんは、自分の住居が過疎地帯だからああいうことを言っていらっしゃるけれども、わしらは過密地帯に住んでいるわけで、そこに行政需要が多いからある程度よけい取る、若干よけい取るといったときに、それが市議会において通れば、とやかく言うことはないでしょう。だから、そんな山間僻地において五割増し取っておるということは、どう考えても反人道的だ。その反人道的なものに対して怒りを感じていらっしゃるのが、野田という新しい自治大臣であると私は当初思っておった。昨年の暮れです。それがきょうの問答で裏切られないということは大体確認できた、安心はしますけれども、この超過課税なんというものはほんとうに大幅に制限してくださいよ。大幅に制限するように指導してください。いま松島さんは個々に指導するとおっしゃった。個々に指導するということは、いわゆるその具体的な条件等を勘案してケース・バイ・ケースでということばでしょうけれども、あまりそれをぬるくならないようにきびしく指導してください。これをこの際やってもらわなければ、土地開発基金に六百億投入なんていうことは、どう考えてもナンセンスだ、わからないよ。大臣の所信表明と理屈が合わない。しかも法律なしに出そうというのですから、どうも理解ができません。ぜひそういう点において、この反人道的な超過課税はなるべくこれを押える指導をする、税務局長がおっしゃったように、個々に指導するときは、なるべくたくさん住民税や固定資産税を取らないように指導するように……。大臣、もう一回あなた、大臣としておっしゃってください。

野田武夫自由民主党自治大臣・北海道開発庁長官

○野田国務大臣 いまの太田さんの御意見よく私理解いたします。これは確かに御指摘のとおりだと思います。一挙にはいきませんが、いま税務局長からも、今後の指導において十分心得てやると言っております。私も、そういう税務局長が答弁しましたことにつきまして、できるだけ指導いたします。

太田一夫日本社会党

○太田委員 野田大臣は、年輪があって、満ちておりますから、杉の木、ヒノキじゃありませんが、人間には年輪が大事なんです。そうでしょう。ウドの大木というのがありますけれども、木が大きいばかりが能じゃありません。年輪が重なってないわけです。その点あなたの年輪に敬意を表します。くれぐれも徹底的に指導してくださいよ。松島さんはいまにっこりと笑ったから、よくやっていただきますようにお願いします。  それから、時間があまりないようですが、もう一つお尋ねしたいことがあります。それは、今度の所信表明の中の公務員行政のところにございますね、「従来から近代的な人事管理の確立をはかるため、各般の努力を払ってまいったところでありますが、今後一そう公務員秩序の確立と正常な労使関係の樹立につとめるとともに、地方公共団体に定年制を採用し得る道を開き、あわせて適正な給与制度の確立及び運用、地方公務員の福祉の増進などを通じて、公務能率の向上をはかってまいりたいと考えております。」こういうことをおっしゃった。これは何回かおっしゃったことばの中にしばしば同じ文句がありますから、わからぬわけじゃございませんが、一体、定年制——ここは定年制のことを主としておっしゃっていると思うのですが、「適正な給与制度の確立」というようなことは、まず第一にどういうことでしょうね。何か腹案がおありなんですか。

野田武夫自由民主党自治大臣・北海道開発庁長官

○野田国務大臣 いま定年制に関連してのお話でございました。これはもうこの前もしばしば私はお答えしております。「適正な給与制度の確立」と申しますのは、地方公務員の給与制度で従来からとってまいりましたことは、やはり国家公務員に準じて大体制定をしてこれを運用する、そういう指導をいたしてきております。しかるに、地方公共団体によりましては、基本原則が必ずしもそのとおりまいっておらないのでございます。いわゆる公務員に準じない初任給の決定とか、あるいは標準等級以上の等級の格づけ等が行なわれておりまして、実際は、公共団体によりましては、国家公務員の給与水準に比較してかなり高い給与水準に達しているところが間々見受けられます。このような団体につきましては、その水準がどうしてそう高くなっていったかというようなことの原因をただしまして、その是正に当たりたい、そのように指導したいと思っております。これはなかなか一挙にできないかもわかりませんが、御承知のとおり地方公務員は国家公務員に準じていろいろな給与制度を考えておるものでございますから、大体そういうような指導でもっていきたい、こう考えております。

太田一夫日本社会党

○太田委員 そうすると、俗なことばで言いますと、高い給料を低くするということは「適正な給与制度の確立」ということでございますか。

野田武夫自由民主党自治大臣・北海道開発庁長官

○野田国務大臣 それは、ただ給与が高い安いばかりが適正な給与制度の考え方でございませんで、できるだけ地方公共団体に人材を入れたい、それから職員の勤労意欲の向上、公務能率の増進とか、公務員としてもちろん生活を保持するという基本的な立場はそのとおりでございます。こういうものを含めまして、地方公務員給与のあるべき姿にひとつ根本的な検討を加えていきたい、こう考えております。

太田一夫日本社会党

○太田委員 最初におっしゃったことは、何だか高い給料があるから目ざわりでしようがないから、地方公務員の高い給料は下げていこうというふうに感じられましたが、必ずしもそうではない。まあ人材を入れたいということや、あるいは勤労意欲を向上させるということは、高い給料でなければ高い能率もあがってこないということは、これはもうだれもわかっていることだ。あなたは労働大臣でなくても、自分のことだってそうでしょう。おれは長年生きてきたから、何十年とめしを食ってきたから、もうめしは要らないのだ、食費なしでよろしいから私の給料三割減らせなんて、そんなことおっしゃることはあるまい。高い賃金を払えばよい人が集まるわけです。この原則を無視して、いま高い給料、国家公務員よりも高い水準の初任給や号俸給があるということはけしからぬなんて言うことは、これはやっかみじゃありませんか。本筋を論ぜられないということはおかしいと思うのです。どうなんですか、高い給料、高い給料なんて妙なところに力点を置いておっしゃるとわれわれはちょっとひっかかるのですが、いかがですか。

野田武夫自由民主党自治大臣・北海道開発庁長官

○野田国務大臣 私の言ったのは、給与はなるべく高いほうがいいにきまっている。それは高い給料というのは、標準もありますが、一応の標準は国家公務員に準ずるということだから、それに、いま問題になっている給与の人事院勧告が国家公務員に出ますと、地方公務員もこれに準じてやる、これはやはり国家とか地方とか申しましても同じ公務員でございますから、なるべくバランスをとっていきたい、その水準はできるだけ上げていきたい、これは当然でございます。こういう点においてもひとつよく、できるだけバランスがとれていくようにしてもらいたい。同時に、いまお示しのとおり、やはりいい人がどんどん入っていき、そうして公務の能率をあげてもらいたい。基本的には公務員の生活の保持ということは、これはもう当然のことでございます。こういうものを全部勘案いたしまして、今後このもとにおいて指導していきたい、こう考えております。

太田一夫日本社会党

○太田委員 過疎地帯や地方の町とか村などにおいては、非常に安い名誉職的な賃金の人が多いのですが、あなたのお気持ちでみんな非常に安心したと思うんですね。国家公務員も、そういうところもどんどん引き上げて、ひとつ並みの給料を出してもらいたい。これは長野さん、賃金が高いとかなんとかかんとか文句を言わないように。大臣は低いところを引き上げるとおっしゃったから、地方の山村の役場の吏員は国家公務員並みになるようにお願いしますよ。  そこで、私は、もうちょっとバランスをとるという程度ならいいと思うのですが、何かことしの財政計画が出てこないから、私もいま議論をするのに困っておるのですが、大臣、どうなんですか。四十四年度の賃金は国家公務員に準ずるといっても、地方財政計画では何%何月から組んだのですか。

細郷道一自治省財政局長

○細郷政府委員 明年度の財政計画では、御承知のように、地方公務員の給与水準については国家公務員の給与水準並み。そうして、三%ないし二・九%の定期昇給を乗せまして、それに昨年度の給与改定の平年度を織り込む、こういう考え方でただいま作業いたしております。

太田一夫日本社会党

○太田委員 それだけではわからない。国家公務員は来年度五%計上しておるでしょう。

細郷道一自治省財政局長

○細郷政府委員 明年度四十四年度においてどういう給与改定になるか。これは御承知のように、人事院勧告が出てみなければわかりませんが、国家公務員について五%分を給与に織り込み、一応それに対する財源の確保をはかっておりますので、私どもも、財政計画におきましては、それと同様の措置をとりたい、こう思っております。

太田一夫日本社会党

○太田委員 いま作業をしていらっしゃるのは、それは何月からですか。人事院勧告完全実施ということは五月からですか、四月からですか。

細郷道一自治省財政局長

○細郷政府委員 これは昨年も同様でございましたが、昨年やりましたと同じように、かりに前年度の給与改定と同じ時期に同じような改定が行なわれるとした場合の額を一応算入をしておる、こういう考え方でございます。

太田一夫日本社会党

○太田委員 昨年度の前例を仮定してということになるなら、進歩もなければ改善もないわけだ。しばしば大臣がおっしゃった人事院勧告を尊重するという、その進歩は四十四年度はないという想定のもとに七月以降五%組み込んであるということですか。

細郷道一自治省財政局長

○細郷政府委員 別に進歩がないわけじゃなくて、進歩すべき姿勢を自治大臣も持っておられるようですが、いかんせん数字でございますから、どこかにめどを置いて積算をいたしませんと計算が出ません。そこで四十三年度において、四十二年度の給与改定所要額を一応計上したと同じように、明年度においても四十三年度における給与改定所要額を財源として押えておこう、こういう考え方でございます。

太田一夫日本社会党

○太田委員 昨年の暮れ、大臣、いわば国家公務員、地方公務員ともに同じことでありますが、人事院勧告をめぐってトラブルが起きて、そこで給与関係閣僚会議等のいろいろな話があって、最後は、本年度は七月、来年度は前進するということをお約束になったと私は覚えておるわけなんだが、どうなんですか。いまの財政計画の中では、七月、昨年と同じだけ組み込むとおっしゃるのですが、あなたたちの意図というのが、財政当局の計算するほうには伝わっておらないのですか。

野田武夫自由民主党自治大臣・北海道開発庁長官

○野田国務大臣 公務員の給与問題、これはもう太田さん御指摘どおり長い間の問題でございまして、私は自治大臣としてでなく、国務大臣といたしまして、多年私は一貫して、人事院の尊重ということは完全実施にあるんだという考え方を持っております。昨年暮れの給与関係の閣僚懇談会でも同様な意見を述べましたが、私の意見どおりまいりませんことを非常に遺憾に思っております。したがって、次の人事院勧告が出まして−内容がわかりませんから、人事院勧告をいま予想してやるわけにはまいりませんが、私は、あくまでも人事院勧告を尊重する姿勢を続けたい。そこで、その意向は、自治省の事務当局にも伝わっておりまして、人事院勧告が出て、国家公務員の給与がきまってまいりますれば、当然これに準ずる措置をするという用意を財務当局はいま持っておりますから、その点は、私も財務当局の姿勢に賛成しております。

太田一夫日本社会党

○太田委員 姿勢ということでなく、技術的にそうだとおっしゃるなら方便的に——財政計画を確定したものがないから、方便としてそういうことをやるとおっしゃるならわかるんだが、姿勢というと、何か昨年と同じように七月以降の実施というようにしたいというように推しはかられますが、いかがですか。

野田武夫自由民主党自治大臣・北海道開発庁長官

○野田国務大臣 そうおとりになったら、たいへん私のことばを誤解されたと思いますが、姿勢ということばが悪ければ、必ずそれに応じた措置をとるという考え方でおります。

太田一夫日本社会党

○太田委員 それじゃ、ぜひこれは、あなたがこの前関係閣議にそうおっしゃったこともありますから、人事院勧告完全実施という気組み、心がまえということは、あれは忘れちゃったよということでなしに、十分あなたの記憶力の強いところにしまい込んでおいていただきたい。  念のためにちょっとここで承りますが、公務員の関係は、定年ということに関連をしますが、平均余命、これは平均寿命と申しますか、平均寿命というのは明治以来どんなふうになっているのでしょう。何か、あなたは明治、大正、昭和の三代にわたってよく御体験していらっしゃいますから、お答えをいただきたい。

野田武夫自由民主党自治大臣・北海道開発庁長官

○野田国務大臣 だいぶ延びておるようですが、これはこういう公の席上で、ただ自分の感じを申してもいかぬと思いますから、やはり厚生省を呼んで的確な数字を出したほうがいいと思います。

太田一夫日本社会党

○太田委員 長野さん、あなたは今度の定年制のことを研究しておったのでしょう。あなたが一番の元凶でしょう。あなた、人間の寿命ということについて研究したことないですか。ツルは千年カメは万年というが、人間は明治からどうなったのですか。

長野士郎自治省行政局長

○長野政府委員 どうも明治から大正、今日まで、どういうふうに寿命が延びたかという的確なことを、いま資料を持ち合わせておりませんが、年々寿命が延びておるということは承知いたしております。

太田一夫日本社会党

○太田委員 私が聞いたところによると、明治二十年代のころは男四十二歳、女四十三歳。三十年代は男四十四歳、女四十五歳。大正の時代は男四十五歳、女四十六歳。それから昭和の十年ごろには男四十七歳、女五十歳。昭和二十年のころには男六十歳、女六十三歳。昭和三十年代は男六十七歳、女七十二歳と聞いております。こういうふうに寿命が延びておるわけでございますから、大臣は何か公務能率の向上のために云々とおっしゃったが、あなた、公務能率が落ちたと思いますか、あなたの年で。

野田武夫自由民主党自治大臣・北海道開発庁長官

○野田国務大臣 公務能率の増進も一つの事由でございますが、やはり新陳代謝ができればそうやって、そうして公務の能率を上げる。同時に、この定年法は、万御承知のとおり、再雇用を妨げない。したがって、もう一ぺん働くということになれば働いていただく。それから年金も取りながら働いてもよろしい、こういうことでございますから、ただ定年で退職された方にはもう次の仕事を全然何もやらせないんだということでございませんで、これは地方制度調査会とか公務員制度審議会あたりも、必要だという答申も出ておりますし、公共団体からも相当強い、そういう実際やっておる方々の御意向もあるようでございまして、また、そういうことを勘案してこの定年法を提出した、こういうことでございます。だから、必ずしも現状がだんだん公務能率が低下しているのだ、すべてそういうことだけではなくて、やはりいろんな諸般の要因も入れてこの定年法というものを提出した次第でございます。

太田一夫日本社会党

○太田委員 大臣、これを見ると、あなたのことばは、公務能率の向上をはかるということがねらいなんだから、文章が違っておったら訂正してください、所信の一端を申し上げるとおっしゃったことについては。公務能率が低下するということであるならば、あなたはそういうことをお感じになっていらっしゃいますかというのです。

野田武夫自由民主党自治大臣・北海道開発庁長官

○野田国務大臣 公務能率の低下というよりか、公務員の能率をあげるということでありまして、より以上ひとつベターにしようということでございます。やはり公務員の公務の能率をより以上あげたい、こういう考え方でございます。

太田一夫日本社会党

○太田委員 ここに書いてあるのは、公務能率というのは公務員の能率ということでございますか。間違いございませんか。

野田武夫自由民主党自治大臣・北海道開発庁長官

○野田国務大臣 公務員によっておる行政事務の能率をあげる、こういうことでございます。

太田一夫日本社会党

○太田委員 それは具体的にどういうことですか。公務員によっておる行政事務の能率をあげるということは、何か書くものを早く書くということか、住民の相談にうまくこたえるということか、何ですか。

野田武夫自由民主党自治大臣・北海道開発庁長官

○野田国務大臣 能率をあげるということは、やはり事務的なこともございましょうし、それから企画性のこともございましょうし、つまり総合的に行政の水準を上げていくということでございますから、やはり全体の行政に関連するものでございます。

太田一夫日本社会党

○太田委員 それは先ほど過疎過密論でやりましたけれども、過疎地帯で行政の能率があがらないということは金がないからで、人間の問題ではない。私は野田自治大臣に対して、あなたの年輪に敬意を表するというのは、年輪というのは人間にとって一番必要な条件だと思うのですよ。そうでしょう。だから若いといって赤ちゃんに仕事をやらせる、そんなわけにいかぬでしょう。地方において困っておるのは、財政が窮屈で行政能率が下がっておるのじゃありませんか。その財政の問題は別にしておいて、定年制、定年制と、何か昔定年制ということを言うたからここについでにお書きになったことで、あなたの表情から見ても、本気でないと思いますが、あんなものはちょっとつけ足したことなんだからたいしたことじゃないが、何か能率をあげることだろうと思ったというくらいのことでしょう。しかし、それはそうは言っても、あなたの所信の中に四行書いてあるのだから、四行か五行のウエートの御意見として私も理解しておりますから、そうたいして問題にしておりませんけれども、しかし、年輪というものを尊重しなかったら困るじゃありませんか。公務員というものは、いろいろなものごとを判断する場合に、たとえば先ほどの超過課税でも、超過課税というのは一ぱいに認めたほうがベターなのか、なるべくこれを制限したほうがベターなのかという判断は、これはやっぱり年輪の問題ですよ。同じことが、地方の住民に親身になっていろいろな相談にこたえてやろうとしたら、体験豊かにして、これはある程度別のことばで言えば、年齢の高い人のほうがいいのです。小学生や中学生だけを何か地方公務員として使うなんていう考え方はどうかしているし、一番また記憶のいいのは四歳でしょう。人間七十年の中で一番記憶力のいいというのは四歳だそうですね。記憶だけが中心なら、これは四歳の子供を使えばいいのです。そんなわけにいかぬでしょう。年輪を尊重するということは間違いですか。

野田武夫自由民主党自治大臣・北海道開発庁長官

○野田国務大臣 私もきょうは太田さんの御意見ほうとうにまじめに傾聴しております。  そこで申し上げますが、これは多年にわたって地方公共団体からも相当な要望がございますのは事実でございます。私も直接ずいぶん聞きました。いま申し上げましたいろいろな調査会でもこの答申が出ております。そこで、やはり自治省といたしましては、地方公共団体の要望というものは、これは尊重しなければならぬというたてまえをとっております。  それから第二に、定年法の問題、処理方法ですが、これも御存じのとおり、これを条例でやります場合にはやってもよろしい、やりたいところは公共団体でおやりになりますが、必ずしも画一的にやるべきだということじゃなくて、この定年法の内容は、その公共団体によって、お考えによってやれる道を開いた、こういうことでございますから、太田さんの御意見として、私はそれは間違っておるというものじゃございません。やはり公共団体の自主的な考えでおやりになるところはおやりになってよろしい、こういうことを考えてこの法案をつくっております。

太田一夫日本社会党

○太田委員 終わります。

鹿野彦吉自由民主党

○鹿野委員長 次回は明二十一日午前十時から理事会、十時三十分から委員会を開会することとし、本日はこれにて散会いたします。     午後二時三十六分散会

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