大蔵委員会税制及び税の執行に関する小委員会 第2号
- 発言数
- 123 件
- 登壇者
- 8 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1969/11/13
会議録
○笹山小委員長 これより会議を開きます。 税制及び税の執行に関する件について調査を進めます。 本日は、参考人として税制調査会会長東畑精一君が御出席になっております。 質疑の通告がありますので、順次これを許します。只松祐治君。
○只松小委員 まだ与党の出席がないので本来は開会するわけにいかないんですけれども、東畑先生の御都合があるようでございますから、議事を進めていきたいと思います。 私から大体大綱的なことをお聞きしますので、ひとつできるだけ前向きな形でお答えをいただきたいと思います。 まず最初に、現在の税調の作業の進捗状況と申しますか、順次ほかの方にいろいろ聞いていきますが、その概況だけをひとつお教えをいただきたい。
○東畑参考人 税調の審議状況の大綱を申し上げますが、五月以来、税調に三つの部会を設けまして、第一部会は所得税、間接税、一般の税制ということになりましょうか、それを扱います。第二部会は企業税制、利子配当特別措置の問題等を取り扱います。第三部会は地方税、こういうことになっておりまして、毎週やっておりますが、現在までに第一部会は三回やりました。第二部会が八回、第三部会が二回開催いたしておりますが、特に第二部会におきましては、利子配当課税の特別措置の問題が来年の三月三十一日で期限になるということなんで、どうしてもこれを何とかきめなければならないということと同時に、長い間問題といたしておりました法人税制につきまして非常に関連多い問題でありますから、非常に慎重にこれをするというので、あれは公聴会といいますか、二日にわたりまして各方面の人に来ていただきまして意見を聞きました。それで八回になっております。 日程といたしましては、今月中にそれぞれの部会の審議を終えまして、月末には総会にこぎつけまして、総会であらためて皆さんの意見もさらに確かめ、起草委員会もつくりまして、本年の暮れまでには答申ができればいいが、こういうふうに努力しておる次第でございます。
○只松小委員 それでは、本年度のそういう作業の中から出てまいっております――国民としては一番減税を念願しているわけですが、しかし単に減税だけでなくて、利子配当のような、今度は別の角度から重要な問題もあります。個々にはまた多少聞いていきますから、その作業の内容の概要といいますか、どういうものを重点にお考えになり、あるいは作業を進めておられるか、特に減税についてウエートを置いたお答えをいただきたい。
○東畑参考人 まだどの部会も最終回に達しておりませんので、内容的な結論はちょっと申し上げにくいといいますか、申し上げることは不可能なわけなのでありますが、いま只松議員の御質問に応じて、いままでの審議の重点と申しますか、それを申し上げます。 第一部会は特に所得税減税という問題を取り上げまして、これは昨年の七月に長期税制の答申というものをいたしておりまして、その長期税制の案に沿いましての細目問題とでも申すようなことになると思いますが、所得税減税につきましてサラリーマンの減税、これが中心になっております。サラリーマン減税も、課税最低限の引き上げ問題と、それから累進税の税率の緩和、こういうことは長期税制でも申しておったのでありますが、その二点が特に重点となっておる次第であります。それから間接税の問題につきましては、まだ確定的なところまでいっておりませんが、これもだいぶ議しております。 それから第二部会は利子配当問題であります。これは特に利子配当分離課税のあの特別措置であります。これを中心として賛否両論、いまがっちり四つに組んだところでありまして、どちらへころぶかちょっとわからぬ状態であります。 それから第三部会は地方税でございます。これは特に重点はまだどこへしぼったということはありませんが、例の固定資産税の再評価の問題です。そこらを議しておるという次第であります。 大きな点を申しますとそういうことであります。
○只松小委員 新規税制等はまだ全然触れておられませんか。何かありますか。たとえば新しい自動車税とか、こういうものの創設、きょうの新聞で見ると自民党あたりで提起しておるようですが……。
○東畑参考人 新しい税として、自動車税につきましてはまだそこまで議論はほとんど触れてない次第であります。
○只松小委員 大体おおよそのお話があったわけですが、それでは今度少し突っ込んで具体的なお話をお聞きしたいと思います。 私たちが常々いろいろなことを言っておりますが、その中の一つに、直接税対間接税の比率が、おそらく本年度末には六五%対三五%近くになるだろう。明年度どういう税制を進められるかあれでありますが、まあ、いまのような大体お答えでまいりますと、直接税が六七、八%くらいになりはしないか。すると間接税が三二、三%。もう一、二年しますと直接税が七〇%に対して間接税が三〇%、この傾向は進みこそすれ、いまの状態ではとどまらないと思うのです。さらにこの中身を見ますと、直接税の中で五〇%が所得税、こういう形になっていきますし、おそらくことしは法人税が伸びますから、その程度にとどまるかもしらぬが、法人税が少しでも下がれば五五%、六〇%と、源泉所得税を中心とした所得税がウエートを占めてくる、こういう傾向が出てきておりますね。私、これは日本の税制に大きな問題を含んでいると思うのですが、そういう根本的なあり方なり、そういう直接税と間接税の御検討なり、あるいはそういう点に対して御議論があったか、あるいはそういう点に対してどういうふうにお考えになっておりますか。
○東畑参考人 いまの只松先生のお見通しといいますか、直接税、間接税の比率というのは、私もおっしゃったような傾向になってくるのじゃないかと思います。議論といたしましては、長期税制のときには非常に議論をいたしました。いわゆる直間の比率というものが昔と逆になっておるというか、直接税が非常にふえてきておりまして、間接税の割合が減ってきているということであります。どの率が一番正しいか、絶対的に言えるものとは思いませんけれども、あまりバランスをこわしていくということはこれは問題である、こういうふうに考えておりまして、そのためには、間接税が従量税的なものがわりあい多いのです。物価騰貴に伴って三年前に比べて非常に安い税になっておるというものもたくさんあります。これを従価税に多少改めていくというようなことはやらなければならぬかと思っております。たばこの場合なんかでも、消費税というものも多少そういう点が顧慮されているのじゃないかと思います。物品税その他たくさんございますので、一々検討するということになっておりませんが、重要なものはもちろん検討いたしております。私自身の個人的な見解は別といたしまして、一般の空気としては、間接税というものの割合があまり減らないように、こういう空気は十分あるかと思います。そういう意味から今度は逆に直接税を考えていく、こういう状況でないかと思っております。
○只松小委員 大蔵省に日常私たちがこの論議をいたしますと、税調で税調でと、もう逃げの一手を打たれるということで、まあ税調の答申が出るまで、こういう答えが非常に多いわけです。そういう答弁は別にしても、大体税調で長期なり当該年度の答申を出される、それが国会に出てくる案のほとんど素案になると言ってもいいと思うのです。したがって、日本の場合は大蔵省が政府よりもむしろ税調にウエートというものを非常に大きく置いているわけです。ほかにたくさんの審議会や委員会はありますが、それは有名無実でございますが、この税調の場合は非常にウエートを持っておるわけですね。したがって、私はこういう根本問題についていま一つの、直接税と間接税がどうあったらいいか、こういうことを言っているわけですけれども、こういうこともやはり税調で論議して、それならばまあとりあえずこの三五対六五というのを七〇対三〇にならないように、あるいは逆に六〇対四〇に戻していくということにするのか、また直接税が多いのがいいか間接税が多いのがいいのかということは、絶対論はなかなかできないのでありますけれども、それにしても日本のような所得水準の中でどの程度のものがいいかということはほぼ私は出てくると思う。そういうものをもう少し私は、税制の抜本的といいますか、そういうものも――長期税制答申を一ぺん出したからこれでいいというものじゃなくて、その中から出てくるこういういろいろな矛盾についてもぼくは御論議をいただきたいと思うし、それが必要じゃないか。だから本年でも、まあ当面の委員の方はお忙しい中で委嘱されて、また兼任ですからね、専属じゃないからたいへん忙しいと思いますが、そういう方向だけは、やはりそういうウエートを持った重要な委員会であればひとつ私は御論議をいただきたいし、答申をいただきたいと思うのです、単に当面の作業だけじゃなくて。本年度あたりもそういうものについてこのままにしておけば、来年はもう七〇%近くなりますよね。やはり来年の税制を出すためにもことしあたりそういう論議をして一つの方向づけをしておかないといかないわけですが、もうとっくに六〇%をこしたこういう段階で、そういう問題にも触れて間接税をどういうふうに扱っていくかということをやはり御論議いただきたいと思いますが、いかがですか。
○東畑参考人 昨年この長期税制というものをやっと一まとめしたわけでございまして、ことしまたやるというわけにはいきませんけれども、来年またやるわけですが、いまおっしゃったようなことは私も必要だと思います。のみならず、ことしやるにしましても、個々の税をきめるときにも背景となる直接税、間接税の比率のみならず、重要なそういう問題をいつも頭に意識しながら個々の税をきめていく、大きな線へ乗るという形の個々の税のきめ方ということは、これはみんなが私は心得ておられると思います。私自身もそういうことであります。
○只松小委員 ついでに、たとえば法人税の税率のあり方にしても、不景気だからということできめたままだから、二、三年前あたりから相当下がってきておる。ところが一方、政府は、神武以来だ、いざなぎ以来だ、今度はことばがないからアポロ以来だといわなければならないようになって、景気がいいからふえる。しかし、税制というのは依然として不景気のときのままだ。こういうことも国民一般があまり知りませんからね。そしてまた野党といえども、なかなか税金を上げろというわけにはいきませんから触れにくいわけですけれども、しかし税制の基本的なあり方としては、やはりこういう不況のときに下げた税率というのは元に戻す。法人税は低くなった、間接税はほとんど昔のままで上がらないから全体の割合が低くなって、逆に多くなっておるのはやはり源泉所得税なんですね。サラリーマンの税だけがどうしても、減税した減税したといわれながらやはり多くなっておる。絶対額も多くなってきておるし、税収の中に占める比率というものも多くなってきている。私たちがいつも言うように、インフレに伴う税の調整というのは若干行なわれているけれども、これは決して減税ではないのですね。新聞や何かは、政府が発表するからそのまま書かれて、減税減税といわれるので国民はごまかされているだけなんだけれども、一つも減税は行なわれていないわけですね。増税になるのが若干調整されているというにすぎない。だから私たちは、税金白書なりそういうものを出すべきだということを言っておるわけですが、もう少しそういう点も――物価が上がったか下がったかといえば、上がっているのは確実なんです。ただ、どの程度上がっておるかというのが問題で、税金も増税になっておるわけですね。増税の範囲を、旧法でやるならば本来これだけ上がるのが、あまり上がり過ぎるから少しばかり調整をするというのが政府が発表した減税ですから、これは減税でも何でもない。これが減税なら世の中に引き算というものはないと思うのです。みんな足し算だと思う。きょうは先生の御意見を聞く機会でございますから、そういう論議をしてもしようがないですが、そういう基本的な面もぜひひとつ御論議をいただきたいと御要望をいたしておきます。 一つだけ私は、相対的に一番重くなっている所得税減税についてどういう作業が進められておるか、またどういうお考えであるか、ひとつお聞きしたいと思います。
○東畑参考人 所得税につきましては、課税最低限をずっと連年ほぼ十万円ぐらいずつ引き上げてまいりました。昨年の長期税制のときに最低限を百二、三万円ですか、その辺まで上げたいということで、ことしの税制改革で、八十二、三万円であったのを百二、三万円との半分上げてもらいまして、九十二、三万円を――ちょっと数字は私わかりませんが、最低限としました。 もう一点は、先ほども申し上げましたように、中堅層の累進税率でありますが、これが昭和三十二年でありますか、そのときにきめられたままになっている。当時はたしか百万円以上の所得者というのはほとんど、一%ちょっとくらいじゃなかったかと思います。現在は二〇%――もっと多くなっておりますか、そうなっておりますので、この人たちの税率をもう少し緩和する、そして長期税制の場合は、たしか三百万円でありましたか、そこまでの税率が五分刻みになっているのを、二分、三分、四分刻みにしていくということで緩和したい、こういう案を出しておりましたのですが、税率緩和のほうはことし、四十四年度の税制改正ではほぼ三分の一程度はこちらの案が実現したわけであります。 私どもとしては、四十五年度の改正においてはできる限り最初の長期答申の税率緩和を採用していただきたい。それから残りの十万円ばかりの最低限の引き上げという、この二点をぜひお願いしたい。それから例のサラリーマン減税の問題で、給与所得控除、これも、ちょっと先ほど申し上げるのを忘れておりましたのですけれども、三百十万円まで、率を半分くらいのところまで実現しておりますが、これもやっていただきたい。こういう考え方であります。
○只松小委員 事務当局で補足があれば、言ってください。
○細見説明員 いまのところで別にございませんが、いわゆる控除といわれる系統は半分実現いたし、税率が三分の一程度実現しておるということでございます。
○只松小委員 それで税率は――一応おそくなったのですが、ぼくらの主張よりも二年ぐらいおくれたのですけれども、百万突破して百二、三万円ですか、そうすると、税率のほうも来年度で長期答申が完全にできるということですか。またことしと同じように二分の一ということですか。新聞に発表されますと、新聞というと、いやそれは私どものほうは発表しておりませんと言われますが、委員会の席ですから公式にお答えを願いたいと思います。
○東畑参考人 確定した所得税になっておりませんけれども、われわれとしては長期答申を二年間に実現してほしい、こういうことになっております。極力そこに持っていきたい、こういう感じでございます。
○只松小委員 主税局長どうですか。これで答申を完遂するのですか。
○細見説明員 いま会長からお話がありましたように、税制調査会からそういう強い御要望がございますから、われわれもそれが実現できるように努力しなければならないと考えております。
○只松小委員 ひとつぜひ来年度完遂をしていただきたい。 あとでけっこうですが、それから出てくる、減税でありませんけれども、税の調整額というのは幾らになりますか、ひとつお答えをいただきたいと思います。 それと同時に、独身者の課税最低限の引き上げも私たちは強く要望しておるわけですが、これは幾らぐらいの御予定になっておりますか。
○細見説明員 独身者ということになりますと、基礎控除と、それから給与所得控除と、それからその人の所得によりまして税が響いてくるわけでありますので、所得階層ごとに計算せざるを得ないので、必要があれば別表にして差し上げたいと思いますが、収入金額によって負担が違いますので、課税最低限だけでいえば、基礎控除なり給与所得控除によりまして、現在ですと三十二万五千円になっておりますのが、完全実現すれば三十四万一千円ぐらいになると思います。
○只松小委員 まあ三十四万といえば、十六カ月に換算すると幾らになりますかな。二万と千二、三百円か千五百円になりますな。もう少し独身者も引き上げて――大学出はもちろんですが、高校出でも三万近い給与をもらうようになっておるのですよ。そうすると、独身者は高校を出てもほとんど全部かかるというような形になりやしませんか、来年あたりは。新入社員としての給料が上がっておるということだけではなくて、全体のベースアップが行なわれておりますから、そうするとおそらく中学を出た者も一、二年するとかかってくるという現象になるでしょうね。未成年者であってもうんと株の配当や何かをもらっておる者も例外的にはありますが、通常働いておる未成年者はもっと税の対象から除外するなり、考慮すべきだと私たちは思う。これももう作業が終わってしまっておるのか。作業の途中じゃないかと思っておるわけですが、もう少し御考慮をいただきたいと思いますが、いかがですか。
○東畑参考人 未成年者の課税最低限となりますと、その問題はやはり基礎控除だとかあるいは給与所得控除、こういう点で攻めていく以外にないと思うのです。給与所得控除の問題につきましてはいま熱心に議論しております。 もう一つお考えいただきたい点がございますのは、これから嫁さんをもらおうという独身者と、没落しかけて妻子をなくした独身者と二つあるのですね。これも税法上は同一、独身者になっております。あとのほうの範疇の独身者のこともひとつ考えたらどうだ、こういうことを申しておるのであります。
○只松小委員 あとのほうはこれは例外的であって、生産に従事している新規学卒者、こういうことを私は言っているわけなんですけれども、ぜひひとつ、人情的な何かはあとの話もありますけれども、これはひとつ人口構造その他世界的問題として、未成年独身者のことをもう少し考えていただきたい。 あまり私だけ時間をとると何ですから、もう一、二点だけ聞いてほかの委員に移りたいと思いますが、逆に今度は、たとえば私たちが強く要望しておりました必要経費並びに教育費、家賃あるいは老人扶養経費とか、そういういろいろなものがほとんど削られたようでございます。取り上げられなかった、そういうことのおもな理由と、今後そういうものにも努力する余地がないのか。きまってしまった、こういうことなのかどうか。私たちとしては何としてもこういうことに多少先鞭をつけていただきたい。これも一挙にことしからできなくても、税率緩和を去年やりましたように、あるいは課税最低限をこうやって百万円まで引き上げてきましたように、国の税制、財政全部に関連する問題ですから、そうばっさばっさとやっていけませんけれども、方向だけは私は出したほうがいいと思います。こういう点についてお考えをお聞かせいただきたいと思います。
○東畑参考人 この個々の項目について控除をするかどうかという問題と、一括して概観というか、大観した控除ということと、問題があると思います。個人的な事情をいろいろと考慮するようになってくると、一つは技術的な意味で税制というものは非常に複雑になってしまうのでして、私はどうも概括控除といいますか、特にサラリーマンの生活というものが一種の標準化されている部分が非常に多いと思うので、概括控除のほうが税制としては非常に簡潔でいい。概括控除をふやしていくという形において、いま只松委員のおっしゃったようなことを踏んでいくほうが賢明ではないか、こういうふうに考えております。
○只松小委員 そうすると、あなたのお考え方を一応認めていくといたします場合でももう少し、私たちが言ったように、一般サラリーマンが言っているように、説明といいますか、そういうものをなさったらいいんじゃないですか。概括控除ということの中身、課税最低限とかいろいろありますけれども、なかなかこれは勤労者、サラリーマンにはわかりませんね。それよりも、必要経費だとか何だとかいうことのほうが直接に自分の生活に密着しているから、したがってその要求も、個々に見れば何かめんどうくさいような印象を受けますが、庶民側から見ればこれは自分たちの生活から出てきた要求という形でわかりやすい。皆さん方から見た概括控除ということは、これはなかなかサラリーマンにはわからないという面もある。したがって、もう少しそういう面の説明のしかたということが重要になってくると思います。実質上もこういう問題はもう少し、たとえば老人扶養というような問題一つ取り上げましても、いまの――実は私もけさ九十歳のおふくろを埼玉からここまで乗せてきたのですけれども、こういう年寄りやなんかの問題というものも、非常に一千万人からも六十歳以上がふえてきておりますから、具体的な問題なんですね。きょうは中身まで詳しく討議をする時間がありませんからしませんけれども、そういう必要に迫られて国民側の意見が出てきておるわけですから、ひとつぜひこれも、さっきからいいますように、一挙にできなくても、ことしからもう少し突っ込んだ意見をお出しいただきたいと思います。 それから、最後にお聞きしますが、二分二乗方式も一部にお考えが出たり何かしておるわけですが、ごとしあたり少し進んでいますか。それとも日本ではなかなかとり入れがたい、こういうことでございますか、どうですか。
○東畑参考人 最初の問題につきましては、特に御質問ということではなかったわけですけれども、私も給与所得控除という名前が必ずしも適切な名前だとは思いません。この内容を国民一般にもう少しPRするといいますか、必要は大いにあると思っております。 それから二分二乗は、結局奥さんですが、これもだいぶ議論をしておりまして、いま課税単位をどうするかという問題、たいへんな個人主義でいくか、奥さんが月給取りでいるときには一体どうなるのか、こういう問題がございまして、最終の結論というところまでいっておりません。しかし、税制調査会の中ではそういう主張者もなかなかございます。
○只松小委員 二分二乗方式もだいぶ論議をされてきているわけですが、サラリーマン減税のあり方としても、ひとつもう一歩進んでぜひお考えをいただきたい。 最後に、さっき言いましたが、事務当局からでいいですが、いまのような形からしますと税の調整額は幾らになりますか。あなた方減税と言うが、調整だ。
○細見説明員 いま来年の自然増収の計算もできておりません。むしろことしの自然増収すら正確に予測できない状態でございますので、正確な金額はわかりませんが、去年の金額から御推算願えば、やはり二千億を上回るようなことになるのではなかろうかと考えております。
○只松小委員 それでは一応終わります。
○笹山小委員長 それでは広沢賢一君。
○広沢(賢)小委員 福田大蔵大臣が、利子配当の分離課税については、財界の要望にこたえてこれは大体手を触れないんだというような発言をしておる新聞記事、東畑さんも御存じかと思いますが、そうしますと、税調はこれは内閣できちっと任命された機関ですから、こういうことを言わしておいて、それで税調の中でまだ結論が出ていないというのでは、税調の自主性を非常に侵しているものである、こういう議論は税調の中で出ませんか。
○東畑参考人 この新聞記事なんですが、これは新聞社がずいぶん観測記事を――鋭敏なる新聞記者ですからみな観測しておられると思うのです。また勉強もしておられると思うのですが、十月二十五日の日経によると、法人税率を引き上げるんだというのがどうも大蔵省の意向らしいということが新聞に出ている。ところが二、三日たちまして、今度は財界連中に話を聞いたら、まあ現状のままなんだという話だったということが伝わっておりまして、今度はこの前の記事と違うものであります。税調でもそれを問題にした。もしそういうことをきめているなら、何もわざわざわれわれ議論する必要はないんだという議論がありました。会長だから、おまえはどう思うということになったのですが、私がいま申しましたように、それぞれの観測記事ですし、これはどうもお月さまみたいなもので、悲しい心で見れば悲しく見える、うれしい心で見ればお月さまもうれしく見える。だから、大蔵大臣は何を言われたか知らぬけれども、常識ある人なんですから、そうはっきりしたことを言われるわけでもあるまい。ですから、無視する必要はないけれども、軽視したらどうだ、こういう新聞記事を。われわれはわれわれとしてやっていこうじゃないかということであります。また全体としてわれわれも一致して一定の答申が出れば、これはこれとして、先ほど只松議員の話もありましたが、政府も尊重するに違いない、こういう気持ちでおりますので、私自身としては、いまのような発言については税調としてはそれで片づいたと思っております。
○広沢(賢)小委員 利子配当の分離課税の問題、この問題についてはずっと長年議論してきたわけですが、ことしの春の国会で佐藤総理大臣がはっきりと、これは税の不公平であろうと思うということを言っているのですから、それからずっと国会でも相当議論されたわけです。来年三月期限切れですから、そうしますとこれは重大な問題なんですね。その重大な問題について、毎日毎日新聞を見ていると、どっちへいくのかわからないという。先へいったらどっちへころぶかわからないというわけですね。それでは税調としても権威が疑われると私は思うのです。国会で質問しますといつも、それは税調にまかせます、こう大蔵当局は説明するわけですね。今度は税調のほうでは、いざ最後のどたんばになるとそういう形になってしまう。最後のところは大蔵大臣の発言に対して軽視するというだけで、あとは抗議するとか、大蔵大臣に対してきちっとしたことを言わなければ、やはり税調は何のために設けられたのか、こういうことになって、りっぱな東畑さんもほんとうに困ってしまうと思うのですね。ですから、尊重するということですが、尊重というのはどの程度なのかということを大蔵省との間に煮詰めているかどうか。それから、大蔵省は、という新聞記事なんですね。非常にいいことを言っている一方で、大蔵大臣ということになると、とてもじゃないけれどもという形になりますから、国民は不安に思いますよ。その点でいまの税調と大蔵省の関係のあり方がいいかどうか、これをお聞きしたいと思います。
○東畑参考人 大蔵大臣その他政治家は税調にまかすというお話だと聞きましたが、われわれは大蔵省にまかしておる、決してそんな意味は一つもございません。独自の立場で着々やっていくことになっております。新聞の記事は先ほど申したようにいろいろな観測がありますので、私はそこから出てくるのだと思いまして、ここに新聞記者の人もおるかもしれませんが、私自身あまり新聞記事によって動かされない。われわれはわれわれとしてやっていくのだという心がまえでおります。それ以外にないと思うのです。全然違った記事はしょっちゅう出てくるのですから……。
○広沢(賢)小委員 私は新聞のことを言っているのじゃないですよ。いまの税制調査会と大蔵省執行部との関係についていいかどうかということです。御意見ありますか。
○東畑参考人 私は特に変なことを感じたことはないのですけれども、別に大蔵大臣が注文したこともございません。ただ、総理大臣が諮問をしておるというだけです。われわれやっておりまして、その間に大蔵省の有能なる役人はずいぶん助けてくれますよ。それは、われわれとしては単なる助言者、こういうつもりでやっておりまして、税調として制約するというものがあるとすれば、委員だけです。委員同士の話です。利子配当問題につきましても、先ほど申しましたようにこれはがっちり組んでいるのですから、どういうふうにこれを勝負をつけるかということは今後の問題になると思います。私自身も努力しなければならぬと思っておりますけれども、いまのところ実にみごとに組んでおる。と申しますのは、これは私個人的に申しましても、税調に関係して七、八年になると思っておりますが、つまり問題として七、八年間の議論になっております非常にやっかいな問題であることは確かであると思います。
○広沢(賢)小委員 いま東畑さんが努力したいと言いましたけれども、この努力したいというのは、利子配当分離課税がやはりよくないものだ、総理の言ったとおり税の不公平を促進するということなんでしょうね。
○東畑参考人 つまり問題は、おっしゃるとおり税の負担の公平、不公平という一つの大きな観点だと思っております。またその一般的な意味では効果が一体あるのかどうか、この問題もあります。それから公平ということを考えるときに、ことしについて公平を考えるのか、ことしと来年、再来年ということについて公平を考えるのか、こういういろいろなことがありまして、複雑な問題であり、ことに日本といいますか、資本主義の根幹に触れてくる問題であるものであります。なかなか簡単に――私はもんでもんでもみ抜いて、四つに組んで、それでこれをひとつ解決していきたい。少なくとも解決の糸口をつくっていきたい、こう思っております。
○広沢(賢)小委員 法人税を含めて、これは日本の資本主義の根幹に関するものだとおっしゃるのですが、何とかこれの突破口をつくる。深くこれに入る時間がないと思いますが、東畑さん個人のお考えで、日本の法人税が、先ほど只松委員が言ったとおりずっと引き下げられていって、そうしてイギリスと並んで世界で一番安いのです。それで経済はすごく高度成長を遂げている。設備拡張投資についても非常に過熱しないかどうかという議論もあるのですね。一方で人間回復のために、いろいろと公害問題、社会保障、ずいぶんあるわけですよ。そうすれば、この法人税を段階別に、いま二段階ですか、それをもっと累進的に考えて、はっきりした態度を出すのが税調として当然の義務だと思いますが、その点についてどうでしょう。
○東畑参考人 これは私だけの個人的な見解なんでありますが、現在の法人税の考え方は、二段階、三段階の問題はともかくといたしまして、法人というものを一本に考えておる。御承知のように、株を公開しておるとか、いわゆる大法人、これは数からいったらごくわずかなもので、あとの九割何分まではいわゆる小法人であります。個人経営と似たようなところがあります。それを一本の法人に考えていくというところに無理があるのじゃないか。ですから、早い話でいえば、新日本製鉄とその辺の町で八百屋さんがやっている法人というものを、同じ法人的な考え方では考えていかぬじゃないか。別個に考えるというのが根本ではないか。そういうのはことしどうのこうのという問題ではございません。そういう点から切りくずしていって、この法人税問題を解決するのも一つの突破口ではないか、こういうように考えております。 それから、只松さんのときにお答えをいたさなかったのでありますが、いまの税制が景気調整ということについてどれだけの役割りを占めることになっておりますか。なるほどいまの税率は、不景気のときには法人についても下げたということになっております。今日私は、おっしゃるとおり、景気ということを考えると、不景気のときの下げたものを維持するのも必ずしもいかがかしらん、こう思っておりますけれども、こういう全体の問題が全部ひっからみ合っている問題になっております。四つに組んだというのは、私は決して言いのがれしているわけじゃありません。全部が連立方程式みたいになっておりますし、実は非常に皆さん苦労していられると思いますが、私自身も非常に苦労しております。そういうお答えしかちょっとできないのです。
○広沢(賢)小委員 その連立方程式を今度解くわけですね。だから、年末の、暮れの答申には国民の前にはっきりと、あいまいなことじゃなくて、二つ意見があって、どっちがどっちというふうに一いつも出ますけれども、私は、さっき言った利子配当の分離課税は悪いものだ。それに対しての捕捉の方法はいろいろ出ています。ここにも、新聞記事ですが、これもあれだといえばあれですが、大蔵省で検討して、利子分離課税を手直しする。それから少額の貯蓄については別途考慮する。これはだれが考えても非常に当然だと思うんです。当然の結論が出ている。だけれども、なおかつ税調ではということになると、税調の権威が失われますから、やはり国民の要望に沿ったはっきりしたものを出していただいて、それで大蔵大臣がストップかけたら、これは黒白がはっきりするんです。そうすれば、私どもは大蔵大臣を責めればいいということになるのです。ですから、その点ははっきりと暮れの答申に出していただく。そうでないと税調の権威がますます疑われてしまいます。 それからもう一つ、先ほど只松委員が言ったことに関連してですが、独身者の控除の問題では三十四万円ですね。これをボーナスを含めて十六カ月で割ったらどうなるかというお話でしたが、月二万一千円ですね。そうすると、都心部に住んでいる人たちは木造のアパートで二万ですよ。台所もみんな入っているのだから、あのりっぱな2DKではないのです。それで二万円ですよ、二万円。そうすると、この控除の額だと、これから結婚しようとして二問をと思ったら、一ぺんに吹っ飛んじゃうんですよ。これではちょっと都心部の勤労者でもって、都心部で住まなきゃならぬという人たちは、とてもじゃないけれどもだれが見てもやっていけないんですな。これも当然の、あたりまえの話ですが、そうすると、やはりもっと独身者、若夫婦については特別の考慮をされなければいかぬ。これが一つ。 それからもう一つ、それだったら、住宅家賃控除をやったらどうかという意見が出ていますね。住宅家賃控除を広げるという意見です。こういう都心部のサラリーマン、これはもうたいへんですよ。月給五万円もらっている人はいないでしょう。そういう人たちはどうするかということについてお取り上げになりましたか。
○東畑参考人 控除という問題に関係ある大きな問題でありますので、もちろん取り上げて審議いたしております。
○広沢(賢)小委員 そうすると、住宅家賃控除についてはそれを取り上げて、さらにこれを広げるということについての具体的な検討に入っているんですね。
○東畑参考人 いや、先ほど申し上げましたように、個々の控除ということにしないで、一括、概括控除という方向に大体進んでおるのです。これは税制上も非常にむずかしい問題でありますし、つまり私のほうとしては、どういう標準生活であるかということをしょっちゅう検討していなきゃならぬのです。その中に住宅の問題ももちろん考慮されている、交通費の問題も考慮しなきゃならぬ、こう考えているのです。
○広沢(賢)小委員 そうしますと、個々の事情というけれども、概括控除と二つ分けておりますが、租税特別措置はこれはやはり個々の事情なんです。それでえらいずっと長い通達でもって適用されているわけでしょう。そうするとサラリーマンの場合も、個々といってもそういう特別措置で、ああした場合、こうした場合といったほうがずっと簡単なんです。家賃の領収証があればいいのですから。そうでしょう。それからたとえば先ほどのいろんな控除でも、老人控除でも何でもちゃんと一定の区切りがあります。これは概括控除でしょう。その点について……。
○細見説明員 これはかなり技術的なことですから、私からお答えしたほうがいいと思います。 特別措置とこの問題を取り上げて御議論になっているようでありますが、特別措置はいわゆる制度として認められている特別措置であって、したがって、それは全体として企業の会計なり、企業の会計組織あるいは経理組織に適応するような形で控除を、たとえば償却をふやすとかいうような形でできているわけですが、今度のおっしゃるようなものでありますと、それが適当な金額であるかどうかというようなことまで含めて審査しなければならないわけでありまして、実際上、その執行上の困難というのは全然異質に困難なことだと思います。
○広沢(賢)小委員 その答弁はうまくずっと、ぼやけちゃったですが、それじゃ簡単に聞きます。簡明直蔵に聞きますが、先ほど言った家賃が二万円で、それで月給が二万円まで税金がかからない。これは不合理でしょう。あと生活費がどこから出てくるか。これ簡単だと思います。それについてどうですか。
○細見説明員 それは、都心でそういう人を雇わなければならない必要のある企業は、おそらく二万円の給料でそういうことはできないわけでありまして、これは先生に申し上げるまでもなく、労賃の法則として、高い住居費のかかるところでの雇用はそれに見合った高い賃金を払わなければ雇用が確保できないということで解決できるのでありまして、税の上で考えられますことは、地域の差いかんにかかわらず、およそ標準的なものとしてこういうものはかかるであろうということで控除いたしませんと、たとえば都会地では家賃が高い、また生活費も高い、また一方災害多発地帯においては災害の問題がある、あるいは積雪寒冷地においては非常にそういう経費がかかるということになりまして、先ほど申し上げましたように、個々に税務当局が生活の当否を判断しなければならない。これはできないのでありまして、税は比較的単純な形で考えられる標準的なものを引いて、むしろ調整を願うのは給与の支給形態とかあるいは給与の額の大小という形で調整していただかないと、二千数百万に及びます労働者の個々の生活費の当否を判断するということは言うべくしてできないことだと思います。
○広沢(賢)小委員 時間がないから東畑さんにお聞きしますが、いま大蔵当局ではそういう御答弁です。ところが私の聞いていることには答えてないのですよ。というのは、国民の中で都心部でもって働いている勤労者、中小企業の勤労者の月給を、それじゃ都心部ではそれだけ上げるということは事実上できないのです。経済法則ではそうなると言うけれども、実態を調べたらそうなっていません。よそと比べてそれじゃ二万円多くしようということにはなっていない。公務員給与でも同じです。 それからもう一つは、租税特別措置と比較はできないといういまの御答弁がありましたが、税調は国民的立場に立つのです。そうすると、そういういろいろの技術的問題はあるけれども、たとえば私が国民諸君に、いろいろな人に、比較してこういう答弁をしているけれども、これはおかしいじゃないかと言ったら、だれもみんな軍配を上げるのは、それはもうおかしい、大資本の租税特別措置はこうなっているのにおかしい、こういうふうに思いますよ。税調というのは、国民にわかりやすい税金の制度をつくるのですから、やはりもっと――たとえばいろいろの意見が出ていますね。勤労学生控除とか、いろいろなものが出ています。これについては、いまの御答弁のようなことでなくして、もっと親切に答弁しないと、私はやはり租税特別措置はこれは不公平だからやめろという議論になると思うのです。そういう点を今度の税調の答申でほんとうに国民に納得させるのでしたら、そういう問題について一つ一つ丁寧に答えなければいかぬと思う。その点は約束していただきたいと思うのです。 それからもう一つは、やはりいまの月二万の家賃で、それで月給四、五万の人たちとか、そのくらいの人たちがどんどん税金がかかってくるということですね。これについて何か考えてやらなければならぬ。住宅家賃控除を広げるということで要請しているのですから、先ほどの御答弁じゃなくて、そういう問題について一つずつ税調で考えるということをお約束していただきたいと思います。
○東畑参考人 もちろんそういう項目につきましては慎重に考慮しているのであります。ところが結局、個人の生活というものがどの程度まで標準化されるかという、標準化して考えるよりしかたがない。家賃が非常に上がってくるから家賃控除をするということになると、自分の家を持っておる人の問題も出てきますから、その場合にはいかにしてその要素を家賃控除の中に入れていくか、こういう考え方がまず中心になってくる。これは技術上の問題が非常に多いと思うのですね。そういう考え方なんです。ちょうど学校の月謝と同じことでして、人によっては非常に生活状態も違うんだけれども、一定のスタンダードで月謝を取らざるを得ない、こういうことと多少似た問題がございましょうね。ですから、控除問題に翻訳し直してやっていくというのが私は一番賢明ではないか、こう思っております。そういう事情の変化というものはもちろん考慮しなければならない。
○広沢(賢)小委員 最後に……。その事情の変化をもちろん考慮しなければならぬというと、考慮するという具体的なやり方、ございますか。
○東畑参考人 だから、生活費調査というものを一方において盛んに取り上げてやっております。あるいは特別に調査したこともございます。そういう点ではたとえば、これは税調がやったというわけじゃありませんけれども、税調が頼んだことで、たばこの調査ですね、どういう連中がどういうたばこを吸っているとか、こういうことまで実はやっております。
○広沢(賢)小委員 調査した結果はどういうふうに……
○東畑参考人 だから、それは取り上げていこう……
○広沢(賢)小委員 取り上げていきますね、今後。
○東畑参考人 ええ、もちろんです。
○笹山小委員長 それでは次に、久保田鶴松君にお願いいたします。 参考人には、十一時五十分までという申し出がありますから、どうかできるだけそういうことでお願いします。
○久保田(鶴)小委員 簡単に、時間ございませんから一つだけお尋ねして、そうして今後税務行政、また税の関係等についてお考え願うということから……。 いま、東畑会長も御承知のとおり、資本主義機構の中において行なわれている税体系でありますからやむを得ぬとは思いますけれども、一般国民から税のことを考えました場合は、三井、三菱、住友、系列関係大会社等、そういったような関係の法人税と、それから所得税との差ですね、だれが考えてもその法人税のほうが大きい、こう思っているのですね。ところが、大蔵省から出されている資料によりますと、法人税が一兆八千八百五十億で、それから所得税が一兆九千六百億ですか、こういうような数字になっております関係とあわせて、特に今後お考え願いたいと思いますのは、最近人手がなくて非常に困っている。それは零細業者です。中小企業といいましても、二百九十九名までは中小企業の部類に入っちゃう。そうでなくして、ほんとうに家内工業、三人か五人か十人まででいろいろこまかい仕事をしている人たちが困っている。こういう人たちに対する五百の全国の税務署が、非常にまたこまい零細なものをいじめている。これはまた、国会で問題になっております秘密通達、マル秘通達――税法というものを考えなくて、税務署の五万数千の職員は国税庁のほうから出されるマル秘通達というものを非常に重要視する。そのマル秘通達に基づいて、申し上げますように零細な業者をほじくって調べている。それは調べやすいでしょう。ところが、この人たちが非常に困っております問題は、人手がないからというんで、ちょっと近所の人とかその他の人たちに頼んで来てもらったりいたしますと、その人たちはただで来てくれないのです。こんな経費は全部見ません。そういうことと、そのまた経費の落とし方というのですか、一応理論的に筋を通してものを言う場合には、これは事務当局のほうにそういう答弁をしてもらうとうまくごまかしの答弁をされます。これははっきりしているんです。だから、事務当局のほうに答弁してもらうにあらずして、これは今後の参考に、こうしたものをひとつしっかり考えてやってもらいたいということを東畑会長に私はお願いする。大蔵省のほうにこういう点を話してみてもうまいこと逃げて答弁します。だからその答弁は必要ありません。だから、いま申しましたことを東畑会長は考えてやってほしい。非常に重要な問題ですからお願いいたします。それだけです。たくさんありますけれども、時間がなさそうでございますから、よろしくお願いします。
○東畑参考人 税務行政の問題になると思いますので、ちょっと私にとってはお答えしにくいことなんですけれども、臨時雇いの費用というものはみな経費として落としている……
○久保田(鶴)小委員 臨時雇いに至るまで――臨時雇いということになりますとそうなんです。そうではなくして――ほんとうにそこらが、やはり東畑会長あたりは下の末端のこまかいことはおわかりにならぬ。ならぬから私はいま申し上げている。
○東畑参考人 いや、ひとつ公平に事情をしんしゃくして、愛情を持って税をやる、こういうことが大事なことはもちろんよくわかっております。
○只松小委員 ぼつぼつ時間でございますから、あまりきょうは突っ込んだ話はできなかったわけですけれども、もうちょっと時間があれですから一、二点聞いておきたいと思うのですが、一つは、個人事業関係で、いままで青申会なんか、事業税撤廃とかなんとかいう運動が各方面で進められておるわけですが、そういうことに関連していま、ずばっといえば事業主の給料を認めろ、事業主報酬を認めろという意見が強く出されておるわけです。これについて御議論になったり、あるいはどういうふうにしていこうかというお考えがございましたら……。
○東畑参考人 これは事業主の給料という問題ですか。
○只松小委員 はい。ずばりいえば事業主報酬を認めろ……。
○東畑参考人 この問題はずいぶん議論しております。この青色申告に関連いたしましてもですね。
○只松小委員 どういうふうな姿勢でおやりになっていますか。
○東畑参考人 まあ、これはしかし、どう言ったらいいか知りませんが、つまり、事業主というものの性質認定問題ですね。利潤を求めているという、経済上からいえばそういう考えになるし、その人が給料をとるという形になればサラリーマンになってしまう。事業の危険を負担しておるという意味になってくれば単なるサラリーマンではない、こういうことになりますね。
○只松小委員 これは議論する時間がありませんが、この税法の矛盾の一つが日本に百万も法人をつくらしておる原因ですね。今度青色申告の地方税も含めての完全給与制になりましたから、多少これが変わってくるだろうと私たちは思いますけれども、それでもなおかっこの問題が解決しなければ、同族会社でも何でも、法人成りになりさえすればこれは給料を認めるわけですね。しかし個人企業の場合はなかなかそれを認めない。安井さんのところあたりでいまやっている最中だと思いますけれども、主税局だけじゃなくて税調のほうでも、この問題は要するに日本の社会構成の中の零細企業といいますか、まだどんどん法人成りをしますね。ことしでも四万か五万ふえているんじゃないですか。だからこういうことについても単に税法だけじゃなくて、この前土地の問題について税法からタッチしたみたいに、こういう面からも攻めていかなければならぬだろう。大蔵省側あたりは単に徴税の面からだけ見ますけれども、税調というものは、多少は社会のあり方なりそういう問題についても、ひとつ大所高所からお考えをいただきたいと思うのです。そういうことも含んでひとつ前向きの姿勢で、簡単にいえば、同族会社でも何でも法人になりさえすればという、そこいらをひとつ……。
○東畑参考人 これは全く私見でございますけれども、いまの日本の税制ということから考えついたことなのでありますけれども、日本全体において、大企業、中企業、小企業あるいは個人企業がありますが、企業の調査というものは非常に貧弱なのです。これはひとつ国会あたりでも取り上げていただいて研究ができるような、また税に応用すればかなりりっぱな税制ができるというふうに――いささか企業の調査というものが少ないんじゃないか、私はかねがねその点を非常に希望いたしておるのであります。税調の問題を少し離れておりますけれども、そういったものが地盤にでき、材料として、初めて税制につきましてももっと事態の真相にも触れるという、かゆいところに手が届く、こういう税制ができるのではないかと思います。ちょっと当たってみますと、非常に企業の調査が少ない、こう存じております。そういうことのために法人税は一本立て、大も小も一本の考え方でいく、それがなるかならぬか、経済の実態に即した調査というものを国会あたりで大いにやかましく言っていただけば、政府もやるようになるんじゃないかというふうに思います。
○只松小委員 どうもお忙しいところをおいでいただきまして、私たちももう少し時間があればいろいろこまかく詰めた論議をしたいところなんです。この前からおいでをいただこうと思いましたけれども、なかなかおいでいただけないし、きょうは時間が少なくて中途はんぱになりましたが、日本のこういう高度経済成長の中における税制のあり方というものは、いままでのただ単に税率を下げるだけとか、部分的な問題でなくて、全体的に取り組まなければならない、こういう点がたくさんあるだろう、これは根本的に考えなければならない。そういう面からの一つの問題として租税特別措置というのを来年たくさんつくるわけです。きょうは広沢君が一部の租税特別措置についてだけ発言し、ちょっと論及したにすぎませんけれども、こういう問題につきましても本格的に――そう言っちゃなんですが、東畑さんも長く会長をおやりになるわけじゃないだろうと思いますし、たまたまこういう機会に会長をおやりになっておるので、勇気を持ってこういう問題に取り組んでいただきたい。 いま一つは、私たちの党でまだ討議しておりませんけれども、自動車の新税、こういう問題についても勇気を持ってやらなければ、サラリーマン減税なり勤労所得税の税金を大幅に思い切って引き下げる、ちょっと触れましたように、直接税、間接税あるいは所得税を大幅に、勤労者が希望しておるような形で引き下げていくということにはならないで、名目的な賃金がふえるとますますその比重が大きくなっていく、この傾向が強くなった。ぜひひとつ、ことしは長期答申の年ではありませんけれども、そういう心がまえで、だいぶん固まったようですが、もう少し固まらないうちに、皆さん方の税調の考え方が固まらないうちに委員会を開きたいと思いましたが、いろいろ手違いでおそくなったというわけです。多少固まったいまでも勇気を持っておやりいただきたいということを要望いたしまして……。
○笹山小委員長 これにて参考人に対する質疑は終了いたしました。 東畑参考人には御多用中のところ御出席をいただきましてまことにありがとうございました。小委員会を代表しまして厚く御礼申し上げます。 ―――――――――――――
○笹山小委員長 引き続き質疑を続行いたします。只松小委員。
○只松小委員 久しく税小をやっておりませんし、ほんとうは税の執行その他全般にわたってやりたいわけですが、御承知のように選挙気がまえの国会ではなかなか委員も出てきませんし、全般的なことまできょうはいきませんが、脱税その他の問題について二、三お伺いをして意見を述べたいと思います。 その一つは、いま自動車が日本の産業の大きなウエートを占めるに至っておりますが、これは電気で走っておるのでも空気で走っておるのでもなくて、ガソリンで走っておるわけです。これにはたくさんの税金が課せられております。このガソリンの脱税という問題が前々からいろいろうわさにのぼっておりましたが、国税庁でその一部を摘発いたしました。その摘発の内容について国税庁のほうから御説明をいただきたい。
○佐藤説明員 石油製品の販売業者、これに対する調査でありますが、前々からいろいろうわさもあったわけでありますが、その後いろいろ試行的な調査も事前に重ねまして、そういう準備的な調査に基づきまして、昨年の七月からことしの六月までの調査をいたしました概況を先般まとめたものでありますが、これは法人税関係でございますけれども、法人といたしましてこういう取り扱いをいたしておる業者というのは一万数百件ございます。その中で特に調査対象に選びましたものが二千五百四十八件でございました。その中で更正あるいは決定をいたしました件数は二千百九十一件、実調件数に対する比率といたしましては八六%になるわけでありますが、それによって出てまいりました増差所得というものは四十一億四千百万円、その中で、いろいろ誤謬等もありますので、そういうものでない、特に不正であるというふうに考えられるものが二十二億三千百万円、こういうふうな状態でございます。
○只松小委員 これは税法上から見た脱税といいますか、そういう面でございます。しかし、この内容というのは、単に脱税という面だけではなくて、その一部に、ガソリンにいろいろなものを混入して売っておる、そこに一つの脱税が生まれてくるわけです。この数字を見ても、二千五百四十八件の調査に二千百九十一件も更正したというのは、これは端的にいえばほとんど脱税なり何かしておるということを意味するわけです。これ自体も、これは他産業のものに比べれば非常に好況下にある石油関係の産業として、たいへん遺憾なことだと思います。これはクロヨン、トーゴーヨン以上に大きな脱税だと思うのです。このことが一つあります。 と同時に、こうやって自動車がたくさん走っておりまして、それに混合した場合にどういう事態を引き起こすのか、私たちはそこまで調査する時間がありませんでしたけれども、公害問題なりいろいろな派生的な問題も出てくるでしょう。とにかくこうやって、いまの日本の産業界の中枢を占めておる自動車産業関係において、インチキ製品が大幅に使用されておる、出回っておる、それが脱税に結びついておるということは、私は近代社会の忌まわしい現象の一つだと思います。そういう現象に対して、当該監督官庁である通産省はどういう対策をとられておるか、あるいは現状に対してどういう認識をお持ちになっておるか、お聞かせをいただきたい。
○栗原説明員 ただいま御指摘のように、ガソリンに灯油あるいは軽油その他のものを入れますと、具体的にはたとえばノッキングというような自動車走行上の弊害というものが起こってまいります。そういったような意味合いで、税の問題を別にいたしましても、消費者保護といった観点からこういった事態は非常に遺憾なことであると私ども考えております。そういった意味で通産省といたしましても、不良ガソリンを追放するという見地から、昭和四十年から始めておりますけれども、ガソリンの試買を行ないまして、その品質検査、それからその検査結果に基づきまして業界の指導を行なうということをやっております。たとえば昨年度におきましては千六百三十五件の検査をいたしておりまして、うち不良として摘発した件数は九十件でございます。このうち特に四十二、四十三両年度にわたりまして摘発の対象になりました悪質の業者につきましては公表に踏み切ることにいたしまして、本年この不良店を公表いたしております。そういった強い態度で臨んでおるわけでございまして、このほか中小企業団体法に基づきます調整規定によりまして、品質面でのいろいろな調整規定上の制約を加えるといったようなこと等の措置を従来からも実は行なっているわけでございます。ただいまのような調査結果等もございますので、私どもといたしましても、流通販売業界の第一線のそういったスタンド関係に対してはもちろんございますけれども、そのもとになります元売り業界も含めまして、今後不良ガソリンといったものを追放するために、自主的な検査体制を含めまして、効果的な対策というものをできるだけ早く立てるようにという指示を行なっております。
○只松小委員 いまの税制面から見れば八六%の不正行為がある、こういうことです。この中に不良ガソリンや何か、そういう面でどれだけあるか、あとでもお聞きしたいと思いますが、皆さんのほうでは千六百三十五件調査してわずか九十件、たいへんな開きだと思います。ここいらにもいろいろな問題があろうかと思いますが、それはあとで聞くといたしまして、なぜこういうふうに、一番近代的な設備を誇り、あるいは近代産業の中枢である石油業界に、こういう非近代的な忌まわしい事態が起こるのか、どういうことからでしょうか。
○栗原説明員 ガソリンの税の関係にもなりますけれども、実は元売りの段階で課税されておるわけでございまして、それ以降の、現実に問題が起きております販売段階、小売り段階の問題におきましては、これは先ほど国税庁のお話にもありましたように、一般の法人脱税の問題として出てくるわけでございまして、現実の精製あるいは元売り段階での問題ではなく、いわゆる中小企業一般に起き得る問題の一つであろうというふうに実は考えております。しかしながら、特にこのような問題というものが出てまいります原因といたしましては、やはり現実に灯軽油あるいは溶剤といったような、手近にそういう混入しやすいものがあるということが、事実上そういった事態を招いたということも考えております。
○只松小委員 それはたいへんな事実認識不足ですね。中小企業の一般的問題なんといって、それはあなたたちはそんなことを言っていると今後なくなりゃしませんよ。何で中小企業の一般的な問題か、言ってごらんなさい。どういうことか。
○栗原説明員 実は先ほどの国税庁の御指摘の件数におきまして……
○只松小委員 何でこういう事態ができるかというのだよ。忌まわしい、混入したり何かしたり、不正なことが……。その根本原因は何か。
○栗原説明員 最後に先ほど申し上げましたように、現実に課税されておるガソリンというもののほかに、課税されておらない灯軽油等、安いものがございます。そのございます安いものとの混入ということによりまして、販売業段階におきましてやはり有利な販売が行なえるという実態がそこにあるということが非常に大きな問題であろうというふうに私どもは承知しております。
○只松小委員 そういうのを本末転倒という。枝葉末節、本末転倒というのだよ。なぜ起きるか、ぼくが少しだけでも教えようか。いまたくさんのメーカーがありますね。そのメーカーが製品をつくる。つくっても、このガソリンというものは貯蔵タンクがないとだめだ。そのメーカーで貯蔵するタンクがないというときには他の会社へメーカー同士がいま売買もしている。そんなこと、知っていますか。メーカー同士も売買をすると同時に、あるいはタンクがないと第三者のブローカーに売るわけですよ。ブローカーのやつが横流れして卸から小売りへ流れていく。いいですか、そういう実態、知っていますか。知らないで、あなたが言うように、石油業界がきわめて近代的でスムーズで、たまたまそこにほかの混入物があるから混入されておるんだ、そういうことから起きるのですか。どうです。
○栗原説明員 ただいま御指摘になりましたのは、石油業界におきますジョイントの問題等だと思いますけれども、現実に元売りから売られます先の段階は、各特約店あるいはただいまおっしゃったようなブローカー等を通じてそれが売られるわけでございます。その売られる段階におきましていろいろな、先ほど申し上げたような灯軽油等との混入というものが出てまいる、かように私は承知しております。
○只松小委員 では国税庁にお尋ねしますが、この脱税の把握はどの段階でなさっていますか。先に国税庁に聞けばよかったのだけれども、単に小売りやあるいは卸売りがそこにあって混入したからということですか。それともいま私が言うように、メーカーの段階でブローカーやなんかの横流しがきたから、それでそこから出てきた安い石油を買ってきて混入しておる。メーカーから一貫で流れてきたものの中にもそういうものがあるのですか。どうです。
○佐藤説明員 このたびの取りまとめました調査の対象になっておりますのは、石油製品の販売業者だけでございます。卸、小売り、その中で私ども特に準備調査段階で選びました観点としましては、やはり販売業者の段階におきまして正規の揮発油とその他の溶剤等とを混入しておることが推定されるというようなものを選定して調査をいたしております。
○只松小委員 メーカーから一貫したものというふうに一あなたのほうは通産省みたいに指導するわけじゃありませんから、脱税の問題ですからそこまであるいは必要ないかと思いますが、推測でけっこうですが、推測されましたか。それとも私が言うように、大体ブローカーなりそういうところから回ってきたものだ、そういうことはわからない、こういうことですか。どうです。
○佐藤説明員 私どもの調査で、大体こうではないかと思われるのは、やはり販売業者の段階でまぜておるというふうに、現在のこの調査対象につきましてはそういうふうに思われるわけであります。
○只松小委員 まあ私も、メーカーが直接まぜてそこから売っているとは、そうは簡単に思わない。もしそういうことを十四社メーカーがしていれば、これはたいへんなことだと思う。しかし、直接メーカーが混入しなくても、いま言うようにメーカーの乱造の中から、それでほかの社に譲り渡したりこっちへ買ったり、そういうことをお互いにやり合ったり、あるいは過剰になるとバッタ売りをやったり――大体バッタ売り、そういう中から買った連中が石油やらシンナー等を混入していくという形のものがいま出てきている。国税庁の摘発した脱税という、これは一つの脱税上の問題と、もあなたたち通産省のそういう石油の基本的製造から始まる、それで販売に至るその指導問題がある。だから、一つはこの脱税問題がある。一つは、この近代産業の中にこういうたいへん汚らわしい問題が出、消費者を欺瞞しておる。それでほんとうは安いものを高く売って欺瞞する、一種の詐欺ですね。と同時に、今度は脱税をしておる。こういう二重の犯罪行為というものがここに出てきているわけですね。しかもあなたが言うように、末端だけの問題なら少し取り締まれば直りますよ。根本的にこのバッタ売りする石油業界の現状というものがあるし、続くわけですから、これはあなたたちが少々取り締まったって大体永久になくなるものではないです。よほど抜本的な対策を立てない限り、末端を少し取り締まる、あなたが言うように中小企業に大体往々にして起こり得る部分的な現象と認識してすれば、毎年なくなりませんよ。これは言っておきます。根本原因はそういう貯蔵設備の伴わない過剰生産にあるわけですからね。そう認識されないで、あなたが言ったとおりにたまたま小売りや何かに出てくる現象と見るか。それとも日本の石油業界について回る、将来もなかなか容易に消えない、そういう問題と思いますか、どうです。
○栗原説明員 ただいま御指摘のありましたように、石油産業は現状、市況も非常に悪うございます。また、競争が相当きびしいという状態であることは基本的に確かなことだと私も思います。したがいまして、そういった競争状態、不況の状態というものをもとに、販売競争というものがやはり非常にきびしい状況にあるというふうに私ども思います。その影響もあり得るというふうには存じておりますけれども、しかし生産面のそのこと以外に、やはり販売段階、流通段階におきまして、これは中小企業の問題としてでございますけれども、競争が激しい、そういう問題が非常に大きなこの間の要素を占めているという感じが実はいたします。そういった意味で先ほど申し上げたような説明を申し上げた次第であります。
○只松小委員 あくまで中小企業、中小企業と言って、あなたは末端だけへ責任を負わせるような答弁を繰り返すけれども、スタンドだけでそう簡単にシンナーやら石油をぶっ込んでできるわけないでしょう。もうタンクローリーで持ってくる段階ですでに混入されているわけでしょう。そこに持ってきてまぜる店なんて、そんなにたくさんありますか。すでにタンクローリーで持ってくる段階で混入されたものを持ってきてあれするのですよ。少し実態調査をいたしましたか、そういう面まで。
○栗原説明員 私ども具体的にすべてのケースを詰めたわけでございませんので、確かなことは申し上げられないわけでございますけれども、御指摘のように輸送段階、たとえばバージで運ぶ中間段階で混入する、あるいは途中のそういう貯蔵所段階で混入する、そういった形でまいりますれば、現実にスタンドにくる場合にすでに混入されたものが入ってくるというケースもございましょうし、それからスタンドにおいて、その段階で混入するという場合もあると思います。実はその辺、量的にどういう関係になりますか、私ども必ずしも詳細に把握しておらないのが現状でございます。
○只松小委員 とにかくあなたが認めたように、本質的にバッタ売りというのはなくならないし、ブローカーが介在して売るということが日本の石油業界には今後もなくなりません。そういうものがある以上はそういうものが暗躍する余地があるわけですから、したがって、これだけ走っておる自動車に正規のガソリンを販売する、これには、いま税金は二十八円ですか、たいへん高い税金がかかっておる。この税金を脱税したりあるいはごまかしたりなんとかする、こういう形の問題が起きてくるわけですね。これはビールや何かのように強い規制を受けておりません。あるいはたばこのように専売ではありませんけれども、これだけの重税が課せられておるということは相当の公共性を持つものなんです、別の問題ではね。したがって、これの取り扱いというものは、私は専売や酒のようなことまでしろとは申しませんけれども、これは税金を取る大蔵省側がするのか通産省がするかは別にして、こういうものはもう少し責任ある指導をすべきだと思いますね。そうでないと、私は一時的に国税庁や何かがこういうことを発表してもなかなかよくならない、こう思う。それだけに、皆さん方がわずか千何百か調査して二年連続の場合は公表した、こうおっしゃるけれども、そうではなくて、私は、調査というものはもっと大規模に行なうべきであるし、それから二年連続じゃなくて、これは公共性あるものと見るならば、公表だけではなくてもっと厳重な処罰等もやっぱり考えなければならない、こう思うのです。そういうことまで考えないと、二年か三年同じことをやっている人だけ公表して、まあいじめる程度のことをするんだ、こういうことですが、やはり事はなかなか重大で容易でない、もう少し抜本的なことを考えなければならない、こういうようにお考えですか、どうです。もう少し消費者保護の立場ということをお考えになって、ほかのメーカーのことだけ考えないでね。
○栗原説明員 私どもただいまのお話のように、件数その他につきましては本年は二千五百程度、昨年よりは二割以上ふやした件数を実は調査したいと思っております。明年度以降もさらにふやしたいという考え方をいたしております。 それから不良製品の取り締まりの関係でございますけれども、これは公正取引委員会とも十分いろいろ相談しておりますし、不当景表法の対象にもなり得るケースとも考えられますので、そういった法律の対象としての違反という問題、あるいは不正競争防止法といったものの虚偽表示の問題、そういった意味での法律の適用ということも、悪質なものについてはさらに考えていきたいというふうに考えております。
○只松小委員 大蔵省側も何か税額だけ発表したようなことで、その内容や取り扱い業者、そういうものはほとんど発表しませんね。通常ならば個々の会社、法人名をばっと発表するわけですが、何か遠慮したのですか。それとも思惑でもあるのですか。今後とも発表ということはしないわけですか、どうです。
○佐藤説明員 個々の業者名を発表するということにつきましては、やはり国家公務員法上からも一つの守秘義務というものがございますし、また所得税、法人税ということにつきましても、やはり私どもとしては職務上知り得た秘密を漏洩するというわけにはまいりませんので、そういうところから、特にこの税務関係といいますとやはり個人の非常にプライバシーのところまで入っていく面もございますし、このようなものを個々に発表するということは、私どもは差し控えるべきものであるというふうに思っております。
○只松小委員 だからどういう程度にどう発表していくか、それはいろいろ技術もあるし問題もあるけれども、これだけ大きな税金がかかっているのを脱税するのは悪質と見るわけでしょう。それを一般的な問題だけに解釈してそういうことを言うのは何か思惑があるからですよ。そうでなくて摘発したっていいじゃないですか、告発したっていいじゃないですか。これは相当悪質なものですよ。税額からいっても、それから内容からいっても、これだけ走っておる自動車の一般国民に及ぼす影響等からいっても、これは相当悪質なものですよ。いいですか。ぼくは言うんだが、酒屋ほどはいかぬけれども、そういうものに類似するくらいの悪質なものです。そういうものをただ単に脱税問題だけで片づけて、告発もしなければ何もしないでおるということは、国民はなかなか納得しませんよ。だからもう少しそういうものは、一般以上にもっと強い態度で私は望むべきだと思います。 きょうはほかの土地税制も聞きたいと思いますので、この問題だけ徹底的にやるわけにいきませんから、ひとつぜひ――いままでの話を聞くと、何か石油産業という大産業の関係であるために、通産省側も末端の小売りなんだとかいってお茶を濁しておるし、大蔵省側もそういう名前は発表しないなんとかいうことのようですけれども、きょうは私も番茶も出ばなじゃないけれども、ちょっと出しているだけで、いずれまたあらためて質問しますから、ひとつ私の言っていることをよく聞いて対策を考えておいていただきたい。この問題は一応これで終わります。 続いて、土地の関係の脱税問題についてひとつお尋ねをいたします。私は前々から、土地関係は近代社会の産業の非常に大きなウエートを占めておる。したがって、いままでのような、さっき東畑さんともいろいろ論議いたしましたけれども、税制のあり方等もいままでのようなものでなくて、たとえば土地関係の税金その他についてはそういう角度から臨むべきである、こういうことを言っている。 少し余談になりますが、たとえばこういうことをお考えください。二十二年前に坪一円で買った土地というのは幾らになったか。埼玉県周辺では最低安くて五万、たとえばこの土地は坪一円で買ったわけですが、これがいま十万円している、大宮のすぐ郊外で。世界でいろいろインフレーションが進みまして、価値が下落したり何かしましたが、これは十万倍になっておる。平均値ですよ。ちょっといいところは二十万しておりますから。これ一つ見ても、土地に対する私たちの考え方を変えなければならない。この当時の月給は大体千五百円前後となっております、公務員給与は。しかし土地はこうやって十万倍に騰貴をしておる。これはまた次の委員会等に土地の問題、インフレーションの問題を私はやろうかと思っておりますが、これは御参考までに。 これ一つとって見ても、土地に対する考え方、土地やこういうものに対する税制のあり方はそれ独自で考えなければならない。ところが皆さん方、旧態依然たる考え方しかお持ちになっておらない。そういうものの最も悪質なものの一つとして、土地の権利金の問題あるいは建て増ししたり何かしたりするときの判こ料の問題、こういう問題を私は指摘いたしました。初めのうちは、そんなものはありませんということでしたが、だんだん、あるようですからありますということになって、豊島税務署や中野税務署でモデル的なものをつくっておやりになりました。それが順次都内の二十三区にも及んできておる。その当時私は、東京都内に約一億坪から宅地面積があって、借地が三分の一、したがって四千万坪くらいとにかく宅地がある、そういうことをいろいろ計算いたしまして、とにかく五千億近い脱税というものがあるんじゃないか、こういうことを指摘してきております。それは過分に過ぎるという話でございます。しかし、これは過分に過ぎるという見方をすればそうですが、そうでないとすればそうでない、実際上もあるということです。 いろいろその後豊島税務署で脱税の摘発をされました。これを少しずつしても二億や三億のものはすぐ何件か出、また大きなものですから多少洗っても出てきておりますね。その後、豊島税務署でじゅうたん的な調査が行なわれた、あるいは中野の税務署でもいろいろ調査をされる。調査はしかし、主として中野税務署の場合は、こちらからお願いをして調査をする。立ち入った調査でなくて文書調査ということが大体中心になってきておる。しかしこれは私から言わせればきわめてあいまいなものであります。特に私がねらいとしております土地の権利金や何かに至っては、この調査から見てもおそらく十分の一以下、逆にここに出てきている十倍以上はなおかつ脱税がある、こういうふうに私は推定をいたします。しかし、ここでたとえば中野の税務署あたりで出てきておる数字を見ましても――ちょっと中野の税務署の推定はまたあとで論議いたしますが、東京都内のこの数字を見ましても、調査だけによって照会されたこれでも、地代が五十億、家賃が二百四十億、それから権利金の更新等、土地で三十億あるいは家屋で二十六億、計三百五十億近い額というものが発見されております。この中でほぼ脱税とみなされるものが家賃の二百四十億をはじめといたしまして二百七、八十億はここにはありますね。これは皆さん方がある程度調査されて電子計算機で推計をされた。向こうからの任意回答ですから、強制調査の対象になっておらないということだけでもこのくらい出てきておりますね。しかし私は不動産や何かの権利金はほとんど脱税だと思います。これは私の隣近所のことや私の実際のうちから考えてもそういうことが言えるわけであります。皆さん方でもこの立ち入り調査というのはまだあまりされておらないわけでございます。 そこで、この日本の社会構造、経済構造の変化の中から、土地や何かの税金問題というのは大きく浮かび上がってきておる。私はもっとこれに関心を示すべきだと思います。その中で、サラリーマンはもちろんでございますが、極端なことをいえば資本家がもうけておるにしたところで、これは何らかの努力をしておる。しかしこうやって全くの不労で、昔から持っておる土地で、たとえば私たちの周辺のうちでは、単に埼玉の百姓にしかすぎなかったそういう人が、近郊が都市化しますと地主さまにおなりあそばして、その地主さまは大金持ちになって、判こ料を持ってこなければ家一つ建て増しすることができない、こうやっておいばりあそばしておる、こういう現象が出てきておる。そういうおいばりあそばしておる人からは、おそろしいということではなくて、めんどうくさい、なかなか把握しにくいということで、皆さん方ほとんど税金を取らない。しかしこれも取り方によることであって、私は家庭内職のときも言ったのですが、これは簡単に取れる。ホステスは取りにくいが、取ろうと思えば取れる。現にある程度取れているわけですね。この土地の場合は取れるわけです。 ぜひひとつ皆さん方はそういう全般的な社会情勢のこと、それから取ろうと思えば技術的にも取れる。現に皆さん方だってある程度こうやって作業しておられるわけですから、ひとつ大いに努力していただきたいと思いますが、そういう方向に関していま努力されておる状況を、前語りがだいぶ長くなりましたが、お話をいただきたい。
○佐藤説明員 不動産所得の問題でございますが、これにつきましては昨年からいろいろ御指摘をいただいております。私どものほうとしても不動産調査カードのさらに精密な整備をいたします。従来からも固定資産税の課税台帳等をもとにいたしましたいろいろな調査をやり、また実地のいろいろな確認等もやっておったわけでありますが、それをさらに精密なものにし、さらに拡大をしていくということで、いろいろ努力いたしておるわけであります。 最近の状況等につきましては、先ほどお話のありましたような数額が出ておりますが、このうち家賃につきましては申告がされていないものというふうに大体推定できますけれども、土地等につきましては、これは借りたほうの調査でありますので、これをさらに貸し主のほうと突き合わせをしていくという調査をしなければならない。そういうことがございますので、さらにそれらの点につきましても実地調査を兼ねまして調査を進めてまいりたい、こういうふうに思っております。
○只松小委員 たいへん抽象的だが、それじゃ一番ずばりと具体的に、このごろ調査した中でおもな悪質な大きな額を示してください。一番新しい脱税額の大きいもの。
○佐藤説明員 最近調査しましたもので特に大きいものといいますと、賃貸料で約一千万程度落ちておったもの、あるいは権利金で五百万程度落ちていたもの、そういうものがございますが、更新料等につきましてもやはり六百万程度落ちておったというような事例もございます。
○只松小委員 そんなことはないでしょう。これはちょっと古くなるけれども、中野税務署あたりを見たって何千万というのが幾つもあるでしょう。池袋の税務署の場合は億からのものがあるでしょう。その立ち入り調査はやめたんですか。立ち入り調査をその後続行するということをいっておったのですがね。大口のものが一つもないという、そんなことはないですよ。立ち入り調査していないということですか。
○佐藤説明員 これは最近の調査事例の中から一部を抜いてまいったものでありますので、その中で目ぼしいものといいますとそんなようなところでございます。
○只松小委員 それはどこの税務署管内のどういうところか、説明してください。
○佐藤説明員 賃貸料で一千万程度というのは杉並の税務署であります。更新料で六百万程度というのが、これは荻窪であります。それから権利金で六百万というのが目黒でございます。
○只松小委員 いまの話では住んでおられるところがそういうところで、土地はあるいは京橋やら銀座やら新宿というようなところにあるのかもしれません。そういう住宅地の物件ではなくて、やっぱり新宿、池袋、こういうかいわいの土地の高額のところに一番そういうものが大きいわけです。初めやった豊島税務署は池袋かいわいだから大きなものが出た。まずモデル的に渋谷や池袋や新宿、ターミナル的なこういうかいわいのところをやりなさい。それをやれば順次出てきますよ。初め池袋をやって大塚のほうまでやろうかという話があった。その後、大塚のほうまでは手が伸びておらない。そうじゃなくて、東京の幾つかの地点をあなたたち調査しているのだって三分の一だ。確かに人が少ないこともわからぬことはない。少なければ、機動隊のあばれているようなやつを使って税務署員にしなさいというわけにはいかないけれども、皆さんは少ないからそこまでは言わないけれども、公務員は一ぱいおるんだから、税務署内である仕事を始めたときには多少は融通し合ってやらなければ、いまの話を聞くと、全体的な照会数字は出てきているけれども、具体的な摘発のあれはあまり進んでおらない、こういうことになるわけですよ。前の植松君が初めとっかかったときにはある程度やった、それが一つ。 それから、いま私が大体読み上げた数字のうちで、あなたもいまちょっと触れたように、この中の一番大きい――私も家賃にこんな不正申告があるとは思わなかったが、二百四十億というのは、申告してなかったからほば脱税に近い、こう見ていいんじゃないかと思います。あとは、これはこっちが照会したんだから脱税額は少ないと思いますね。むしろこの文書回答にあらわれてこないものが脱税額として存在するので、これにあらわれてくるのはそう大きな脱税ではないだろう。しかしこの二百四十億というのは、あなたたちの調査では申告してなかったものですから、ほぼ脱税ととって間違いありませんか。
○佐藤説明員 照会で回答を得ましたのが大体七割五分くらい、あとは実地でいろんな確認をしたということで、これのほうも現在進行中なわけです。それらの状況等は、現在停滞しておるわけではございませんで、進行の関係は非常に順調に進んでおるというふうに私どもは考えております。
○只松小委員 だから、抽象的なことばかりでなくて、この二百四十億はほぼ脱税額が多い、こう見ていいですか、そういうことを聞いているのが一つ。 ついでに聞きますと、三分の一を皆さんが照会して、三百四十七億の申告があった。あと三分の二残っておるわけです。そうすると一千億をこすという税額が調査の結果出てくる。そうしますと、そこの中で大体七、八百億くらいは脱税、あなたたちからいえば申告漏れですか、そういう税額が出てきやしないかと私は思うのですが、そういう数字はほぼ間違いありませんか。
○佐藤説明員 家賃の関係は、これは申告漏れということは、大体そういうふうに推定できます。ただ、大体としてこれは将来どういうふうな形になりますか、現在、重点地区から逐次調べておりますが、これは全体が終わってみませんと、どういうことになるかは推定することはちょっと困難でございます。
○只松小委員 この調査と電子計算機からはじき出した数字がいま三分の一でしょう。それを類推してあと券の二をプラスすれば――摘発するのはあとで聞きますよ。それは別にして、あなたたちの、いわゆる任意に基づく調査によれば、いま私が言ったこれの大体二倍になるわけですね。ほぼそういうふうに推定して、たとえばいま出ていましたのは三百四十七億九千万円ですから、したがって一千億ちょっとこしますね。こういう形のものと見て間違いないだろうか。そうすると、その中で家屋がほぼ脱漏と見なせば、それからほかのところにも多少このパーセンテージをはじいてみたが、七百億から八百億近い脱漏額がこの調査に基づいただけでも発見される、こういうふうに見ていいですか。
○佐藤説明員 この推計はなかなかむずかしいわけです。
○只松小委員 ここで出ているだろう。それじゃこの推計はでたらめですか。
○佐藤説明員 いや、それはこれから実調しなければならないわけであります。
○只松小委員 実調は別です。
○佐藤説明員 それによってどれだけの脱漏ということは、推計はちょっと困難でございます。
○只松小委員 いまから実調したら、私が言うように土地で三十億なんということはないですよ。それは中野税務署だけから見たって、東京全体で三十億なんということはないでしょう。これはやってごらんなさい。池袋だけのだってだいぶ出てきているはずですよ。だからそれを言っているのじゃなくて、あなたたちの調査結果によればこういうことで、これの三倍にして間違いないだろう、こういうことを言っているわけですよ。部長がわからなければほかのわかる人、担当課長でもいいです。
○佐藤説明員 お持ちの資料によりますと、地代のほうで五十億と、権利金、更新料等で約三十億というふうに出ておるわけです。合計いたしますと八十億何がしが出ておるわけです。しかし、これをさらに実地に当たりまして調べてみませんと、その中でどれだけのものが脱漏であるかということの推計は困難であります。
○只松小委員 あなたはいま、自分で申告してきたんだからこれの中には脱税額は少ないと言うておる。その脱税もいまからほんとうに調査しなければ出てこないと言っている。しかし家賃のほうはいままで申告してなかった、申告漏れだから大体脱税とみなしていいわけですね。脱税というか、不正申告というか、脱漏というか、ことばの違いはあるけれども、そういうことを言っているわけです。わかりますか。ぼくは担当課長から説明を聞いて推計しているんだから。きょうは担当課長が来ていないからあなたが来て答弁しているのでしょう。そのくらい覚えておきなさいよ。たとえば中野税務署に例をとっても、照会件数が一万八百三十一件、それで一件当たりの増差額が百七十五・五万円、こういうふうになっておる。これは四十二年度の分ですから、更改期が五年間くらい続くということで計算すると約七十六億円くらい出てきますよ。こういうことでいろいろ計算いたしますと、私の推計によれば中野税務署だけで、これは古い地代ですが、二百六十六億円くらい脱漏額が発見される。これでも私は少ないと思っている。東京都下に三十八署ありますが、三十八署一律にばっと同じじゃありませんけれども、そういうものを推計すれば大体一千百八億円、こういうことになるわけです。この、あなたたちがとった推計と私が中野の税務署から推計したものとはだいぶ基礎が違います。結果的にたまたま一千億少しこしたという形になっています。しかし、そう言っちゃなんですけれども、私は五千億からあると思うけれども、あなたたちが国民のうらみをあまり買わない範囲内においてやっていくとすればほぼこういうことじゃないか。だから、まことに内輪に見積もっても約一千億近い脱税額というものがあるということになると思う。 したがって、私が言うのは単に脱税者をいじめるというような――野党の私たちですから、別に皆さん方に、政府側にたくさん税金を納めろなんというやぼなことは言いませんから、そういうことを言っているのじゃないけれども、やはり私がこの論を出したのも、去年も砂糖やたばこの値上げをする必要はないじゃないか、こういうことでもう少し土地税制について考えを新たにすれば税金は取れるじゃないか、こういうことのために、私が調査したり皆さんに御進言を申し上げた。それが発端になって、ある程度こうやって調査が進んで出ておる。東京都でこのくらいですから、関西のほうはわりあい少ないそうですが、それでも全国的にこういう調査をしていけば相当の税額になると私は思う。では埼玉あたりではどうかといいますと、埼玉は進んでおるのかというと、近郊ではコンピューターにかける基礎的な台帳がないので一向に進んでおらないという。しかし、私がいまこうやって見せましたように、二十二年前のこの債券はまだ生きているわけです、昭和四十六年度まで支払われるわけですからね。この一連の土地が十万円に上がっておる。こういう埼玉なり神奈川、千葉の近郊土地は、えらい土地ブームといいますか、取っている。そういうところはほとんど調査も行なわれないし、調査にならない。ところが、サラリーマンは根っから取られるし、中小企業者もちょっとすると皆さん方一生懸命いじめて、帳面を引っくり返しておどし上げて取ってくる。それだけ額に汗したものに皆さん方が力を入れて取るならば、こういう不労所得を何でもう少しやらないか、あるいは脱税しているのを何で摘発しないかということを私は言っているわけです。私の単なる推計ではなくて、こうやって皆さん方がお調べになってもこういうふうに出てきておるではないか、こういうことを言っているわけです。そうでしょう。それを認めて一生懸命おやりになるかどうかということをきょうは聞いているわけです。どうです、もう少し本腰を入れてやりますか。
○佐藤説明員 これは昨年御指摘がありましてから、先ほども申し上げましたように、いろいろな調査面におきましても調査カードの整備をいたすとか、調査方法についてもいろいろなくふうを重ねて、現在その方向で特に力を入れてやっておるという状態でございます。
○只松小委員 いや、私はもう少し――たとえば東京は皆さん方から見れば多少力を入れているかもしれぬ。しかし、東京でも初め豊島税務署でやられたような意気込みというものはなくなっていると思うのですよ。自民党から圧力がかかったのか、どこから圧力がかかったのか、手間が足りないのか、原因は知らないけれども、とにかく初めの勢いで摘発していったら相当なものが出てきますよ。あそこの直税課長というのはわりあい勇気があった、しっかりした人だと聞いておるわけですが、ほかのところはそれほど進んでいないわけですね。それから埼玉や何か、私の地元だからあんまりつつくのもあれだけれども、神奈川や千葉や、こういうところの調査はゼロといっていいくらい進んでおらない。立ち入りでやってごらんなさい、教えてやるから。私のところに来たら、どこの地主が一番悪いということを教えてやるよ。とにかく家をちょっと建て増ししても坪五千円から一万円。下は家が建っていて、二階屋だけちょっと上げても坪五千円の判こ料というものを取るわけですから。こういうものはうどんやそうめんやあるいはそばなんかをなにするうどん屋と違って、郵便局や銀行からおろして払った金ですから、調査の方法がない。あるいはしゃべれば別だが、何が強いと言ったっていま日本で地主くらい、大蔵官僚や警察よりも地主が一番強いのだから、よほどの恨みつらみでもなければたな子はほんとうのことを言いません。池袋は恨みつらみから出てきてずっと広がっていったのですけれども。だから、関東近郊のそういう横暴な地主から税金ぐらい取りなさいよ。それだけ生業にいそしんでいる者から税金を取るならばそういう者から取りなさい。取れるんだということを言っているのです。わかりますか。 だから、一生懸命やっているということを言うだけではだめだ。東京はある程度やっております。しかし関東近県なんかやっていないじゃないか。だから、全部やらなくてもどこか幾つか、ちょうどアメリカの株の利益の申告みたいに幾つか顕著なものをやって、脱税をぱっぱっと摘発すればいいのですよ。そうすれば、ああやられたのではえらい取られるというので、これは薬になるのです。関東管区の各税務署で地主なら地主を二、三のところで摘発をやらしてごらんなさい。そうすると相当申告するようになる。そういう行政指導を――皆さん方は一ぱい通達を出しているでしょう。呉服屋、はきもの屋、何屋は幾らというのをずっと出しているでしょう。こういうように関東管区の税務署で五軒やる、三軒やるということをやってみてごらんなさい。幾らだって成果が出てきますよ。そういう悪いのを少しはやりなさい。きょうは悪いものの一つとして、近代産業の中のガソリンのインチキと、それからいま一番もうけている土地のやつを出したのだけれども、いま、皆さん方ももう少しそういう面をやりなさいということを言ったのですが、どうですか。
○佐藤説明員 ほば、そういう不動産所得の関係は、これは特に重点の地区を選定しましてやっておるわけでありまして、今後も重点地区に特に調査力を投入してやってまいりたい、こういうふうに思っております。
○只松小委員 どうも口数が少ないのか煮え切らないのかわかりませんが、一生懸命やっております、やるということだけであります。私はこれで二へん目に聞くわけですが、これでやめるわけではありませんで、また本委員会が始まれば、どうせ皆さん方サラリーマン税を簡単に減税しないでしょうから、そういうときは繰り返しこういう問題を聞いていきたいと思います、どの程度おやりになっておるか。きょうは皆さん方も御迷惑でしょうし、もう一時になるからやめますけれども、ひとつぜひ、これは一つのガソリンと、それから一つの不動産、こういう悪質な二つを私は例示したわけですが、税務行政のあり方も、サラリーマンからは一〇〇%取る、あるいは中小企業やなんかも一生懸命調査して取り上げる、こういう取りやすい面だけでなくて、むしろ、多少は手数がかかったり取りにくい面もあろうかと思いますが、しかしそういう台帳をおつくりになれば、私はむしろ商店のものよりも把握しやすいし、評価額等も年々変わって、一つの確実な税収にもなると思う。私は、口角あわを飛ばして言うのではなくて、皆さん方から感謝されていいと思うのです。そういう面について一生懸命やっていただきたいということを要望して、ほんとうはまだもう一つあるのだけれども、もう一時になったからやめておこう。法人の脱税問題をもう少し聞こうかと思ったのだが、これはきょうはやらないでまた別の機会にします。そういう点を要望いたしまして、きょうは私の質問を終わります。
○笹山小委員長 本日は、これにて散会いたします。 午後零時五十九分散会