大蔵委員会税制及び税の執行に関する小委員会 第1号
- 発言数
- 79 件
- 登壇者
- 8 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1969/08/01
会議録
○笹山小委員長 これより会議を開きます。 税制及び税の執行に関する件について調査を進めます。 質疑の通告がありますので、順次これを許します。村山小委員。
○村山(喜)小委員 一番初めに、国税庁長官にお尋ねをいたしますが、資料としていただいておるのですけれども、利子所得の課税状況を種別にとらえてはおいでになるようでありますけれども、いわゆる所得階層ごとにとらえて、その中で政策効果のメリットというものを検証するというようなことをおやりになったかどうか。その点について、私がなぜ質疑をするかというと、かりに利子所得の場合に、分離課税方式ですが、利子所得以外に所得のない場合には、いわゆる年末調整等において、総合課税の原則で課税をする場合には、所得が少額であった場合には分離課税で納めた税金についても当然還付する、こういうことになるわけです。いま租税特別措置法で百万円までは少額利子課税の課税保留が行なわれる。それ以上については一五%の税率で、そうして軽減税率を適用するという形になっておるわけです。それらの点から考えてまいりましたときに、ほんとうに少額貯蓄というものが大衆のものに役立っているであろうかどうだろうかということについて、いろいろ疑義が出されているわけです。 ですから、来年度の税制の方針というものをきめる場合に、これらの期限切れになるわけですから、そのときにそれだけの政策上のメリットというものがなければならない。廃止せずに継続をするとなったら、そういうようなものを考えなければならないわけですが、それを検証するというものが今日まで十分になされていないのじゃないか。国税庁はその権限に基づいて課税の実態面というものを把握しておられるはずでありますから、あなたのほうからその効果の判定に対する問題を検証するのにあたって、それだけの資料というものをお持ちなのかどうか、その点をまずお尋ねしたいと思います。
○亀徳政府委員 お答え申し上げます。 利子所得を、先生のおっしゃいますような観点から、できればいろいろ検討したいわけでございますが、現在利子所得につきまして調べておりますのは−先生おそらく私と同じ資料をお持ちかと思いますが、国税庁の統計年報書で私は九十三回、先生も九十三回でいらっしゃいますね。九十三回の国税庁統計年報書の八〇ページをおあけいただきますと、ここに利子所得の課税状況が出ておりまして、そこに支払い金額で課税分と源泉徴収不適用分と非課税分の数字が出ておるわけでございます。課税分が全体で一兆七百四十三億百三十六万二千円、それから源泉徴収不適用分と非課税分が七千三百二十三億一千八百六十七万二千円、外書きとして四千八百四十一億一千三百五十四万八千円という数字が出ておりますが、人員の欄が空欄になっております。 なお、数字を申しますと、七千三百二十三億のほうは、インターバンクのいろんな預金関係が非課税になっておる。それは源泉徴収もする必要がないという分、したがって数字は多いわけでございます。外書きの四千八百四十一億が例の少額非課税の数字でございます。実はこれは、ここの注に調査対象として書いてございますように、徴収高計算書によっているわけでございます。 御指摘のような点をやりますためには、徴収高計算書に人員の欄を埋めてくれということでございますが、これは預金の出し入れがある、いろいろございます。それからまた、名寄せといいましても、理論的には可能でございますが、多数の預金の種類もございますし、また、各人が普通預金もしている、当座も持っているというようなことで、それの整理は、実は銀行のほうからかんべんしてもらいたい、事実なかなかそれは困難だろうということで、現在徴収高計算書の中で氏名、金額というものは報告の対象といたしておりません。事実また、それを要求することは事務的に相当たいへんなことを要望することじゃなかろうかということで、結局いま言った支払い金額そのものを課税分とそれ以外とに分けるというものが現状においては精一ばいのことか、かように考えております。 なお、いまの先生の御質問の非課税貯蓄の実態がどうであるかということと関連いたしまして、現在私どもの手元に取っております非課税貯蓄の申告書等の提出状況というものを求めて調べておるのであります。これによりますと、現在非課税貯蓄申告書の一応出た数が、各金融機関ごとの区別がありますが、それを省略させていただきまして、合計で申し上げますと七千二百七十一万七千八百二十四件ということになっております。その他申告書といいまして、一ぺん非課税貯蓄を申告したけれども取り消しますという申告書も出てくるわけで、それが五百六十万四千九百七十二件ということになっておりまして、結局その中に出たり入ったりがございますので、これも正確ではございませんが、観念的には、一応先ほどの非課税貯蓄からその他の申告書を引いたものと考えてよろしゅうこざいましょうから一なお、期間は、この分は三十八年四月一日から四十四年三月三十一日現在までの話でございます。一応現状は六千七百万の人が非課税貯蓄の申告書を出している。それで大観して、やはり零細な預金をしておられる方はほぼこの制度を利用しておられるものと大体推定して間違いはないのではなかろうか。 確かに理論的には、先生がおっしゃいましたように、利子だけで生活しているというような場合、それがたとえば、非常に観念的な話でございますが、合計百万をこえるという場合には非課税貯蓄の申告ができないということになりました場合に、本来これが総合課税でございますれば、やはり一応源泉徴収いたしましても、申告書を出すことによって還付してもらえる。総合の対象に直ればそういうことが可能であるという問題は観念的に確かにあろうかと思いますが、一般的に申し上げますれば、郵便貯金は御存じのように課税ではございませんし、銀行等も、そう多額でない、百万に足りない程度の預金をしておられる方につきましては、大体この非課税貯蓄制度で非課税ということになっておりますので、大勢といたしましてはこれで零細な方が大半は救われておる、かように考えております。
○村山(喜)小委員 そういうような少額預金しか持たない人は、いわゆる総合課税の中でどれだけが課税対象になり、どれだけの人は総合課税の対象にもならない、そういうようないわゆる零細預金の利子所得というものは分離課税よりも総合課税のほうが有利だというとらえ方も一面においてはあると私は思うのですから、そういう点から見たときに、はたして少額預金者の保護なんだという名目が通り相場のように通るのであろうか、どうであろうか。私は政策効果という点から見たときに、そんな零細な預金しか持っていない人は、所得税等についても課税最低限度の所得しかない人のほうが多いのではないかという気がしてならないのですよ。いや、そうじゃないのだと立証ができますか。
○亀徳政府委員 先ほど申し上げましたように、もとの人数をとらえないと、証拠としてこういうふうに整っておるからどうだ、こういうふうにきっちりは率直に申し上げましてお答えできにくい話だと思います。ただおそらく課税最低限の人も相当おりましょうし、また課税になっておる方方もおられる。したがって、私の申し上げたい点は、百万よりももっとよけい預金できる力のある人は別として、まあ大半の方が百万未満だと一応考えられるわけです。といたしますと、大体その点は非課税貯蓄制度でかなり救われていると申しますか、問題は解決している一面があるのではないかと思います。 なお、この点主税局でも別途の何というか、われわれの課税資料ではないその他の点からいろいろ検討をしておられると思いますから、あるいは主税局長から補足して説明していただければしあわせかと思います。
○村山(喜)小委員 吉國主税局長にはあとでお伺いしますが、あなたのほうの課税状況の空欄になっておるところを埋めるという考え方はないのですか。
○亀徳政府委員 率直に申して、われわれもいろいろなことを金融機関に現にお願いしておるわけですが、そのためにあまりたいへんな手間がかかるというようなことになりますと、大勢として大体わかっているということならばどうであろうかということで、個々の人員をとても名寄せ——正確にいいますと全部名寄せしなければならぬ。それからまた、一人の人が、これはおそらく先生も御存じのように、定期を何口にも分け、あるいは普通預金もあり、当座預金もあり、また、かてて加えて匿名預金、架空名義の預金もいろいろあるという前提で、やはり相当労を尽くしても結局は実態がつかめない数字になるおそれもございますし、まあ理論的には可能でございますが、この辺はなかなか実行上むずかしい問題ではないか。したがって、やはりこの程度でごかんべんをお願いしないといけないだろう。しいてどうしてもということであれば、あるいはサンプル的な調査をやるか、しかし、それとても、一人の人が一つの銀行だけに預金しておるわけではございませんで、非常に数多くの銀行に預金している、あるいは同じ銀行でも幾つかの支店に預金しているということになりますと、やはり的確な数字ではないという、この点に非常にむずかしい問題をかかえておりますので、先生のお気持ちはよくわかりますし、われわれもそういう点を何とか究明したいと思いますが、なかなか困難かと思っております。
○村山(喜)小委員 この前税制の改正で、国債の場合等について少額利子所得の免除規定が創設をされた。それから名寄せの問題ですが、だんだんに貯蓄の形態が変わってくる、その中において少額利子所得の減免の問題については不当に、課税対象にならないために、あちらこちらに資産を分散をするという方式もとられていることもわれわれは聞いておりますし、課税のいわゆる正確さを期するという意味においては、いまの説明を聞いていると、名寄せはあまり的確に行なわれていないようにわれわれは見るのですよ。そういうようなのであれば、百万円までは課税対象にしないという政策効果というものも、きわめてばく然たる抽象的な効果しか期待できないのじゃないか。これは政策立案の問題になりますが、どうもいまの説明では名寄せも的確に行なわれていないやに受け取れるのですが、その名寄せの狂うはあなた方は的確にやっているんだということは言えないのですか。
○亀徳政府委員 私が申し上げましたのは、先生の御質問がまず利子所得の人数の把握、この利子所得の人数の把握になりますと、いま申し上げた点で名寄せを全体にやることが非常に困難だということを申し上げましたので、非課税貯蓄のものに限りましては、やはり非課税貯蓄申告書というものを提出していただかなければいけない。それがダブって申告しておればすぐチェックできるということで、非課税貯蓄組合の名寄せといいますか、ダブって申告がないかどうかということは、この制度のあれからしてもその名寄せといいますか、税務署に申告書が出てまいりますので、ダブって申告がないかどうかということは十分チェックするように努力いたしております。しかし、もちろんこれは神ならぬ身でございまして、いろいろそこに、また多種類、多店舗にまで広げてまいりましたものでありますから、完ぺきというわけにはなかなかまいりません。これもわれわればかりではございませんし、金融機関にもそういう点で内部監査というかっこうで努力してもらいたいというふうにいろいろお願いしておる次第でございます。
○村山(喜)小委員 いま話を聞いていると、非課税の分については名寄せが行なわれている、少額利子所得の分についてはこれはなかなか困難だ、だからここに出てくる課税状況も人員は把握できていないわけですね。それから見ると、私はどうもこの前法律を改正をして、数種にわたる預金の場合でも名寄せをすることによって百万円の限度内であれば対象になるんだというようなことで、一体そういうようなことが金融機関の協力を得てうまくいくんであろうかどうであろうかというのが委員会においても論議になったのですね。その点からいうと、徴税の実態の上から見てなかなか実効性を期するというのはむずかしい、そういうふうに受け取らざるを得ないと私は思うのですよ。あなた方のほうで対象人員が幾らかということも把握できない、金融機関にそれを要請しても金融機関はたいへん繁雑な事務になるんで、それはそうだということですが、最近電子計算機等の導入等によってオンライン業務等の展開がなされているように思うのですが、そういうような面において記憶カードで整理をしていく、データ通信も利用して整理をしていくならば、これは的確に架空名義でない限りは名寄せその他はできないことはないと思うのすがね。そういうような近代的な手法を駆使して、あなた方としてはやはり政策上のメリットがどのくらいあるのか、課税は公正に行なわれているかどうか、そういうような点から見て、人員等についても各金融機関あたりに要請をして的確に押える必要があるんじゃないかと私は思うのですが、それは政策の次元に関する問題ですから、あなたではなしに、これは主税局長ですか、そちらのほうでそういうような考え方はあるかどうかですね。 なお、銀行その他の監督ということになれば銀行局になるわけでしょうが、局長見えておりませんので、上村政務次官のほうでそういうような配慮というものが必要ではないかと私は思うのですが、その点について若干御説明を簡潔にお願いしたいと思います。
○吉國(二)政府委員 ただいま御論議に相なっておりました点、二つ問題があると思いますが、一つは少額貯蓄の非課税制度の対象人員の問題、もう一つはいわゆる分離課税による課税の人員の問題、二つだと思います。 ただいま国税庁長官が御説明申し上げましたように、少額貯蓄非課税につきましては、各店舗に少額貯蓄をいたします際に少額貯蓄申告書を提出することになっておりまして、多種類、多店舗でございましても、いずれもそこにおいて申告書が出るわけであります。これは納税者の所轄税務署に相互に移送いたしましてチェックをしております。そういう意味ではかなり重複があって摘発された例もございます。少額貯蓄非課税につきましては、実際上チェックは行なわれていると思います。 第二の分離課税につきましては、御承知のとおり、分離課税というものは一つには総合をいたしませんという点と、したがってまた支払い調書の提出を不要といたしております。その関係で、現在税務機構としては名寄せをすべくいたしましてもその資料がないという状況でございます。したがいまして、もし資料をとろうとすれば、銀行が進んで名寄せをするということになるわけでございましょうが、銀行も他行に貯蓄しておる場合はいかんとも名寄せのしようがないわけでございます。自分の支店にあるものでもなかなか名寄せはできないと思います。同一支店の中で名寄せをするということは、これは銀行が努力すればできることだと思います。そういう意味で、現在分離課税になっております部分の貯蓄についての名寄せということは、実際上税務機構でも金融機構でもできないでおるのが実情でございます。 この点につきましては、ただいま御指摘がございましたコンピューターの活用によってそれができないかという問題は、確かに一つの実例があるわけでございまして、御承知のアメリカにおきましては、従来利子配当について源泉徴収をいたしておりませんし、支払い調書も提出をしていないという状況でございましたけれども、四、五年前に、いわゆるケネディ減税の際に源泉徴収制度はとりませんでしたが、支払い調書の提出を定めたわけでございます。この場合に、それによって名寄せをするという手続というものがいろいろ検討されましたが、その結果としていわゆる納税者番号というものを設定いたしました。この納税者番号に基づいて支払い調書を提出させ、全国で二カ所でございますかのサービスセンターというところに送りまして、そこの電子計算機によって名寄せ集計を行なっておるのが実情でございます。 ただこの場合、アメリカでなぜ納税者番号が容易にできたかと申しますと、アメリカでは社会保障税というものがありまして、この社会保障税の納税者というものはほとんどすべての納税者をカバーいたしております。その社会保障税の納税者番号というものが十数年にわたって整備をされてきた歴史がございます。そういう関係から申しまして、コンピューターによる名寄せということの前提として納税者番号をきめるということになりますと、これは相当な準備が必要かと思います。私どもも、こういう制度は将来コンピューターの発達とともに考えていかなければならない問題であるとは思いますけれども、その前提として、わが国で直ちに納税者番号を設定できるかという点になりますと、相当な長期間の準備が必要ではないか。また、それに対する考え方というものを今後まとめていく必要はあると思いますけれども、現在の段階では、ちょっとこの納税者番号を直ちにつくり上げるのは国税庁としても容易ではないというのが実情ではないか、かように考えるわけでございます。
○上村政府委員 現在の社会の変化の激しいとき、その他いろいろと大蔵委員会でこの税の問題につきまして御討議、御質問もあったわけです。私は、この際税の問題について相当基本的に洗い直していく時期であろう、こう思うのであります。そういう意味からいたしまして、いまの名寄せの問題などにつきましては、国税庁長官あるいは主税局長からいろいろと実情なり現在のものの考え方をお答えいたしております。しかし、これだけコンピューターが発達してくる情勢にありますれば、私は前向きに、一つの銀行内部だけでなくて、他の銀行に及ぶ範囲におきましてもひとつ検討していく時期であろう、こういうふうに思っております。
○村山(喜)小委員 その点は今後さらに前向きの形で検討願いたいと思います。 そこで、景気調整機能から見た税の政策というもの、これは「財政金融政策の国民経済に及ぼす効果」というのを財政金融統計月報の二百九号で私拝見をしたわけですが、法人税率を一・五%、七百六十億程度引き上げて増税をした場合、名目成長率と実質成長率がいずれも〇・四下がる。経常収支の黒字幅は六千万ドル黒字になるというような数字が出されて、所得減税をした場合には、これは名目成長率で〇・六、それに実質が〇・五、こういうような数字が出されておるわけですが、その増減税というものが国民経済に及ぼす効果の測定が有効に作用するということは認められるから、今後は税制の方面から景気調整に資するよう考慮の必要がある、こういうようなものの考え方を主計局長が出しているわけですね。 これは単に税制だけの問題でとらえるのではなくて、財政支出の問題なりあるいは公定歩合の操作の問題なり、いろいろからみ合わせて政策効果というものを出さなければならないだろうとは思うのですが、税制の面における景気調整政策というものを来年度の政策の中に生かしていこうというふうに、どの程度この問題を取り上げていこうというふうに考えておられるのか、この点についてお尋ねしたいと思うのです。 と申し上げますのは、きのうも阿部君のほうが、中山伊知郎先生を参考人に来てもらって、物価の問題について触れられておりましたが、完全雇用化の中における従来の財政金融政策ではコストインフレに対してはほとんど無力化している。だから、成長政策の中で物価問題というものを解決する考え方に立って新しいアプローチを考えていく必要性が出てきたんじゃないか、こういうような問題についてお話がありました。そういうようなところから考えてまいりますと、今後の政策の方向というものの中における問題としてのとらえ方というものはきわめて重要な問題があると思うのです。きょうの新聞あたりにも出ておりましたが、物価の上昇は政府が当初予定しておりましたものよりもはるかに上昇をしている。六月は五・八%ですか、上昇をしておる。東京は七・八%も上昇をしておる。これは三年来の大幅上昇であって、その中身は食料品と雑費のウエートが一番高いわけですが、そういう中において物価が上昇をしていく。物価上昇率は五%にとどめるというのが政府の目標でありますから、その五%を上回った分については、当然これは国が賠償的な意味において減税をする必要があるということを中山先生は言われたわけですね。そういう物価に対するきびしさというものを持たなければ、それは今日の国民の希望にこたえることができないわけですから、そういうような面において税制というものの景気調整機能というものの中に果たす役割りをとらえていくという方向が私は正しいと思うのですよ。 そういうような意味において、来年度の予算の編成方針等はこれからつくられるわけですが、何かそういうような方向に向かっての政策というものを打ち出していくかまえでおありなのかどうか、この点ひとつお答えいただきたい。
○吉國(二)政府委員 来年度の税制改正という問題は、やはり来年度の景気調整、経済成長、財政規模というものと関連をいたしますので、来年度の具体的な問題として申し上げるよりも、景気調整機能が税制においてどの程度果たされるかという観点からお答え申し上げたほうがいいかと思います。 御承知のように、わが国の所得税、法人税の中にはいわゆるビルトイン・スタビライザーとしての調整機能を強く含んでおるように思われるわけでございます。所得税自身が弾性値が二・三というような数字を持っておりますし、法人税自身が比例税率であるにかかわらず相当大きな上下の弾力性を持っております。これは御承知のとおり、わが国におきましては付加価値と純利益の相関関係というのが非常に浮動をいたします。ことにわが国の場合は、いわゆる荒利益と申しますか、営業利益の中で金融損益の占める割合、つまり支払い金利の占める割合がかなり高いわけであります。そういたしますと、景気動向によっていわゆる営業利益が拡大をする、利益率が上がるという場合には、営業利益の増加以上に純利益が増加をするという現象を生むわけでございます。また逆に、景気が下降いたしまして、利益率が下がって営業利益そのものが減る場合には、利子の支払い額というものはかなり一定しておりますから、純利益は営業利益の減る以上の割合で減るという結果になります。法人税が営業利益というものではなくして、純利益を対象として課税されるということから、法人税そのものが比例税率であるにかかわらず、景気の動向によって大きな弾性値を持つという結果が見られるわけでございます。 そういう意味で私どもは、法人税、所得税の景気調整機能というものが相当大きいのではないかということを考えるわけでございますが、この機能がそのままもし持続されていくようであれば、既成の税制によっても景気調整は果たされるわけでございますけれども、これによってたとえば景気のいい場合に、増収があった場合に、それに対応して財政規模をふくらましてしまえば景気調整機能は相殺されてしまうわけであります。結局税制だけで景気調整をはかるということは実は無理な面があると思われますので、財政全般として歳出歳入を通じて景気調整をはかる必要があるのではないか。その場合の用具として法人税、所得税というものはかなり大きな用具として働くけれども、その効果を生かすような財政運営が行なわれないと、その結果は生きてこないということが言えるかと思います。そういう意味から申しますと、わが国のように毎年税制改正をいたしておりますところでは、ある程度の中期的な景気動向を考慮いたしまして、毎年の税制改正によって法人税率なりあるいは所得税改正というものを行なっていけば、十分景気調整機能を果たし得るものではないか。このような点から申しますと、毎年の税制改正においては常にやはり景気動向というものを考えた処置が必要であろうか、かように思います。 よくいわれておりますように、ドイツでは政令の作用によって税率を調整するというような制度をとろうとしているとか、あるいはイギリスにおいて間接税について上下一〇%の幅で勅令による税率の調整ができるとかいう制度があるようにいわれます。そういう制度を日本でも採用したらどうかという意見もございますけれども、いま申しましたように、法人税自身の景気による弾性値というものは非常に大きいわけでございます。はたしてそのような制度が必要かどうかは私どもは疑問に思っておりますし、また、短期的にそのような法人税率の上げ下げをやるということが、一年決算後に法人税が課せられるといういまの制度の上ではたして実行可能であるか。現在のような景気指標の見方、三カ月でまるっきり反対の結果が出てくるような景気予測の段階では、私どもは、その税率を変えることによって多額の税収を生むという結果を考えますと、まだそこまで踏み切る段階ではないのではないか、かように考えております。 なお、先ほど御指摘がございました財政金融統計月報の主計局長の論文でございますけれども、これは主計局長が財政の歳出面、歳入面両面において景気調整を今後考えていく必要があるのではないかということを述べておるのでございまして、抽象論としては私どもも同じ考え方でございますけれども、なお、そこに書いてございます法人税の一つのシュミレーションの結果が出ております。このモデルはいろいろの前提をとっておりまして、私どもはその前提自体かなり問題があると考えております。もちろん、こういう研究が必要なことは当然でございますし、主税局としてもいろいろ検討いたしておりますけれども、何ぶんにも法人税というのは非常にむずかしいこまかい規定がございまして、簡単にモデル化するのは非常にむずかしいものがございます。 たとえば、よくいわれておりますように、四十年代になって法人税が急激に減っておる、これが景気を刺激したのではないかということを内田論文などでいっておりますけれども、四十年代になって法人税が下がったという実証が、法人税収だけを見ておりますけれども、その間に四十年代には利子配当の源泉徴収税率が五%から一〇%、一〇%から一五%に上がっております。したがって、その分は法人税であるにかかわらず所得税で先に取られて、法人税課税の場合にはそれが控除されておりますから、法人税収が減ったということと、ほんとうの意味の法人所得に対する法人税が減ったということは全然別個のことなんでございますが、そういう点を見落とされているとかいろいろな問題もあるようでございます。しかし、こういう研究を今後やっていく必要があることは私どもも十分考えているところでございます。 なお、中山先生が言われました点は、これは政策論としては当然と申しますか、考え方としてあり得ると思いますが、私どもといたしましては、物価が上がった場合に国民が受ける影響というものは納税者も非課税者もいずれもひとしくこれを受けていると思いますので、物価騰貴分だけを減税で取り返すというようなことは、これは実は非課税者にとっては非常に不公平な結果になる。むしろ私どもが考えておりますのは、非課税者にはない特殊な重荷が納税者にかかるかどうかという点だと思います。つまり、物価騰貴がある分だけ税負担として重くなるかどうか、この点は、昭和三十八年の税制調査会で明らかにいたしましたように、累進課税をとっております所得税では、物価騰貴があれば同じ実質所得であっても実効税率が上がるという研究がございますが、これは少なくとも調整をしないと、納税者だけがこうむる特殊な被害という考え方があると思います。そういう意味である程度物価騰貴が続けば、たとい課税最低限が相当の高さに立っておっても、数年に一ぺんくらいはいわゆる調整減税というものをしないと、非課税者に比べて納税者は税があるというために物価騰貴の影響を二重に受けるという結果になるかと思います。税制の固有の問題として物価としてぶっつけてこれを考えてみました場合には、いま私が申し上げたような点が理論的には問題になり得るか、かように考えるわけであります。
○村山(喜)小委員 モデルのとり方にいろいろ問題があるとは思うのですが、いまの計量数学のそういうような手法を用いて新しい政策の動向を測定をして、その数値に基づいて政策の材料、判断の基礎にしていくという考え方ですね。それは理論的にはそうなんだけれども、まだ現実の段階では来年度の税制の中ではそれを取り上げようというようなことにはならない、こういうふうに確認してよろしいですか。
○吉國(二)政府委員 いま御指摘のように、こういう研究が将来進んでまいって、税制改正にも計量的なデータが使えるようになるということは、私どもも好ましいことだと考えております。こういう方向にいろいろな研究を進めていくということは非常にプラスだと思います。この結論が直ちに来年に使えるほど確定されたものではあり得ないという感じは、私どもも全く同感でございます。
○村山(喜)小委員 そういたしますと、四十四年度の経済白書の中で、「新しい経済政策の方向」というものが出されているのですが、その中では社会資本というものを充実をしていかなくちゃいかぬ。そのためには国民の税負担率というものは増していくであろう。その社会資本を充実していくという立場で、国民の税負担率を高めて、可処分所得というものをGNPの割合に占める比率を低下させるというような対策をやったら、民間設備投資はそのまま低下をしていく、GNPの成長率も下がるのだというような立場からの分析をしておるようですが、一体大蔵省のほうの考え方は、これは経済同友会あたりもそういうような考え方を持っているようにわれわれも察知するのですが、税負担率がことし一九・七ですね。国税、地方税を合わせて。これを来年度はふやしていくのだ。たといえばきょうの新聞に出ているように、道路に対する新しい五カ年計画ですか、これを十兆円にふやすのだ、こういうようなのが出ていますけれども、そうすると現在の目的税以外に、特定財源以外に一般財源の中からも繰り入れていかなくちゃならぬ。そうしなければその財源調達はできないわけですから、そうなれば当然祖税の負担率をふやしていくという形のものが出てくると思うのですが、そういうような税負担を来年度はどういうふうに持っていこうという一つの試みが大蔵省の主税当局のほうでは立案として考えられるかどうかですね。ちょっと経済白書の分析にしても、モデル分析の欠陥がやはりあるような気がするのですけれども、そういう立場から見て、あなた方来年度の税制方向というものをどういうふうにとらえており、その点については五月の九日ですね、税調の総会が開かれて、四十五年度の税制改正の審議が行なわれているようですが、そういうようなところに対して、そういうような国民の税負担率の問題を問題として審議を願うように提起をされているのかどうか、その点についてお答えをいただきたいと思います。それと同時に、税調のおもな課題というものは何と何であるかということもあわせて説明を願いたい。
○吉國(二)政府委員 税制調査会は御承知のとおり五月九日から総会を開き、その後第一部会、第二部会、第三部会いずれも開会をいたして審議を進めているわけでございます。 御承知のように、税制調査会に対しましては、委員が新しく任命されます際に、総理大臣から包括的な諮問をいたします。その諮問に基づきまして、税制調査会としては税制改正に必要な基本的事項を審議するというたてまえで進んでおりますので、今回、たとえば五月九日に政府側としてこういうことを調査してくれという個別の課題を示すということはやっておりませんけれども、ことしの税制改正の結果なり、それに対する国会の御批判なり、あるいはそれらを総合した考え方というようなものを、いわば参考として申し述べておりますし、また、それを裏づけるような資料を提出いたしておるわけでございまして、そういう意味では、その中から各部会が問題を取り上げて来年度の対策を最後に詰められるという結果になるようになっておるわけでございます。 したがいまして、負担率の問題等につきましては、長期の問題としてはすでに長期税制答申におきまして相当長期にわたってわが国の社会資本の充実とか、あるいは社会保障の拡大といったような面から若干税負担率が上がっていくということは、これは予想される。しかし、また同時に、その間わが国の一人当たり国民所得も相当上昇するので、その負担にたえるものであろう。ただ急速にその負担率を引き上げるというようなことは好ましくはないというようなことを言っておるわけでございます。単年度の税制改正の場合におきましては、個々の税制における問題点を考え、また、たとえば所得税については減税の必要性等をよく考えながら、それと、それらを通じての負担の動き、これと見合った財政需要というものをとらえて具体的に結論を出しているわけでございます。一応どの程度に総体としての負担をすべきかという前提から出発するというよりは、個々の税制改正の必要性を積み上げ、それと財政需要というものを突き合わせて結果として負担率が出てくるということがいまの姿であるかと思います。 ただ、現在の第一部会、第二部会、第三部会で扱っておりますと申しますか、いま資料その他で検討をいただいております点は、第一部会におきましては、直接税においては法人税以外の部門、それから間接税というものを対象にいたしております。第二部会は、主として企業課税、つまり法人税、地方税におきます事業税等を含めた企業課税というものを対象にいたしておりますが、便宜、今回は企業課税と関連して利子配当の所得税課税の問題が出てまいりますので、利子配当に関する特別措置の処置の問題につきましては第二部会が担当するという態度で進んでおるわけでございます。第三部会は地方税一般を対象にいたしております。 それで、第一部会におきまして現在検討を続けておられる点は、所得税減税というもの、長期税制の減税というものが一部実施されました後のいろいろの問題点というものをあわせて検討する必要があるのではないかということ、直接税のうちでは、相続税については今回もいろいろ問題になりました妻の地位の問題というものをどう考えるかという問題等が、現在までに審議の対象にのぼっておるわけでございます。 第二部会は、やはり法人税の基本的な課税体系の問題、それと利子配当の租税特別措置をいかに処置するかということを中心にして資料に基づく検討が開始された段階でございます。 第三部会の地方税制におきましては、長期税制で残されておりました諸問題、四十五年度の固定資産税の評価がえの問題とか、あるいは都市区域とその他の区域との収入力の調整の問題、こういったような問題が検討されているような状況でございます。
○村山(喜)小委員 大体おもな課題というのは、いまのものを整理してみると、サラリーマンの負担軽減に関連をする所得税、住民税の問題、それから来年の三月末で期限切れになる利子配当課税の特例措置、それにからむ企業課税の問題ですね。それから妻の贈与税ですか、相続税の問題、それからもう一つは、これは言われなかったのですが、医者の所得に対する課税の特例措置の税制の問題、大体焦点になるような問題はこういうような問題だというふうに把握していていいですか。
○吉國(二)政府委員 税調の審議でございますから、私どもがどうこう申し上げるのは適当でないかもしれませんが、おそらく御指摘の点がことしの税調の審議の重大課題になるということは間違いないと思います。
○村山(喜)小委員 その中で、税調自体に答申を求めてやるというやり方をとられているわけですが、政府が公約をした百万円減税、百万円までは課税最低限度として昭和四十五年度までに実施をする、これは大蔵大臣も言っておられるのですが、それは大体もう新聞等で、国会の審議を通じて来年度は百二万八千六百七十四円ですか、までは課税の対象にしないのだということを一つの期待感として国民は受け取っているわけですが、大体この点については間違いないというふうに、事務当局のほうでもそういう腹づもりでやっているのではないかと推定されるのですが、その点は確実でしょうね。
○吉國(二)政府委員 ただいま御指摘の点は、一つは、昭和四十四年度の税制改正の際に税制調査会が答申をいたしました中に、長期税制の答申は、財政事情の許す限り四十五年度までに全面的に実施をすることが望ましいということを述べているわけでございます。税制調査会自身としては、一つの期待をもって四十五年度には長期税制が全面的に実施になるようにということを言っているということが一つございます。それから、これは与党のお話を申し上げて恐縮でございますが、与党にも税制調査会という政策決定機関がございます。その与党の税制調査会では、ことしの所得税減税にあたって、四十五年度には税制調査会で検討いたしました長期税制の内容と同じものを掲げられまして、これを来年度実現することを目標に、本年度はこの程度の改正をするということを言っておられるわけであります。 そういう点で、政府の諮問機関である税制調査会、与党の政策機関である税制調査会が期せずしてその方向を示唆しておられますので、私どもは財政の許す限りこの方向を打ち出す準備を事務当局として整えていく必要はある、かように考えているわけでございます。
○村山(喜)小委員 問題は、ことしの税法の改正の中で、税調の長期答申の中から拾い出してみると、諸控除についてはこれはおおむね二分の一、それから税率においてはおおむね三分の一程度のものが実現をされたわけですね。とするならば、諸控除については、これは問題はなかろうかと思われるのですが、長期答申の中で示された二%、三%、四%、五%の税率の刻みですね。これは税率緩和という問題は、財源との関係が出てくるわけでしょうが、方向としては、残りの税率の三分の二を四十五年度の中で解決するのだという方向で取り組んでいこうと思っていらっしゃるのか、この点は上村政務次官のほうからお答えいただきたいのです。
○上村政府委員 いま先生からいろいろ御指摘がございましたが、前向きにそういうふうに取り組んでいこうという考え方であります。
○村山(喜)小委員 公約ですから、そして与党の税制調査会ですか財政部会あたりでも、そういうような方向を打ち出しておられるということをいま聞きますので、すでに国民は期待感を持っているわけですから、それがはずれないようにしてもらわないと、物価は上がる、物価調整減税程度にしか当たらないものにすぎないのですから、われわれはそんなちっぽけなものではだめだ、もっと課税最低限を引き上げろということを言っているわけですから、きょうは大臣は見えておりませんけれども、上村政務次官のほうで責任をもって大臣のほうには話をしておいていただきたいと思います。 そこで、時間の関係もありますので、もうできるだけ簡潔にいたしたいと思いますが、利子配当課税の特例措置の廃止の問題ですね。これはこれから慎重に検討されるわけでしょうが、国税関係の中で三千二百二十六億の租税特別措置の減免の中で、千八百二十億という一番大きなウエートを占めているわけですね、貯蓄の奨励ということで。それの実効性の問題について、私、先ほど一つの観点からお尋ねをしたのですが、それの政策効果の測定についての的確な反論の資料もなかったわけです。そういう問題をとらえていきますと、どういう角度で——税調は税調としての考え方があるでしょうが、主税局の考え方は、そういうような根本的に再検討をする段階に入っているということは、吉國さんが四月の十五日に自民党の財政部会の正副部会長会議の席で言われたのだということを何かの記事で見たことがありますが、これの再検討するにあたっての基準といいますか、基本的な考え方といいますか、それの条項に照らし合わせてパスしたものは認めるとかいうような一つの基準をあなた方もお持ちであろう。持たなければ、これは租税特別措置の存在に関する問題になってきますから、その基本的な観点といいますか、それの説明をいただきたい。
○吉國(二)政府委員 この問題は、御指摘がございましたように、これからまさに税制調査会に御検討いただく問題でございます。そういう意味では、事務当局が意見をどうこう申し上げるのは、はたして妥当かどうかはなはだ疑問のあるところでございますが、御指摘のように、この問題のポイントと申しますか、いままで検討されてまいりました経緯を申し上げますと、従来わが国では利子につきましては、かなり長い間分離あるいは源泉選択という制度が続いてまいっておりましたが、御承知のシャゥプ税制改正によって、昭和二十五年度に全部これを総合するという体制がとられたわけでございます。その後早々の間に分離課税が復活をいたしました。これが今日まで進んできているわけでございます。 税制調査会のこれに対する態度というものをずっとひるがえって見てまいりますと、これが特別措置でございますし、ことに分離課税という形であるために、所得税の累進課税構造というものに対して、非常な例外をなすという点は認められるけれども、わが国の経済回復という点から、資本蓄積がまず第一に必要性があると認められるという点から、しばらくこの措置はやむを得ないものと認めるという態度がかなり長く続いておりました。しかし、昭和三十九年の長期税制答申の中でこの問題が相当突っ込んで検討されました。その際に、貯蓄総体というものがふえたり減ったりする、あるいはふえ方が減ったりするということにつきましては、必ずしも税制が直接作用していないのじゃないか。つまり貯蓄の増加傾向というものは、可処分所得に最もよく連動しているようであるという判断を示しまして、したがって、政策目標としての貯蓄増強という点から見ると、この制度がはたして絶対必要かどうかは疑問がある。したがって、できる限り経過措置を講じつつ本来の総合課税の体制に移るべきであるということを、三十九年の答申でかなりはっきり述べているわけでございます。その後、御承知の期限が到来いたしました四十二年の税制改正の際の答申におきましても、将来漸次特別措置を解消する方向で経過的に税率を引き上げる、また、それと対応して源泉選択の制度を取り上げることも考えられるということを言っているわけでございます。 そういう意味で、税制調査会のとってまいりました角度は、貯蓄総体というものに対して、この分離課税というものが積極的な寄与をしている面が少ないのではないかという観点を取り上げております。ただ、それに対しまして、預貯金というものの形態による貯蓄というもの、これはやはり税制によってかなり影響を受けているであろうという見解はございます。金融機関の主張は、主として預金、貯金の形態による貯蓄の増加というものは、この制度によってむしろ保証されており、また、現在のわが国の資本形成の姿等から見れば、預貯金形態に零細な貯蓄が集約されて、集中的に資本形成が行なわれるということは依然として必要であるから、なおこの措置を存続すべきではないかという意見が対立しているわけでございます。 この問題の解決としては、一つは長らく続いた分離課税というものを廃止するということがどのような影響を与えるかということ、その結果として貯蓄形態の変化というものがはたして国民経済に積極的な効果を及ぼすかどうかということが一つのポイントではないか。結局、総体の貯蓄増強としては、確かに可処分所得というものがふえるということが一番大事な要素である。したがって問題は、国民経済上その貯蓄が有効に利用されるためにはどういう形が望ましいか、また、この特別措置の改廃というものがそれにどういう影響を与えるか、こういう観点からこれを措置していくことが必要である、かように考えているわけでございます。そういう点から税制調査会でいろいろ御検討が行なわれるものだと思います。 そういう意味で、七月三日、四日の両日にわたりまして、十二名の公述人の御参集をいただきまして、あらゆる立場からこの問題についての御意見を承ったわけであります。この内容は集約したものがございますけれども、これらが今後の税制調査会の審議の際に大きなポイントになってくるのではないか、かように考えます。
○村山(喜)小委員 公聴会における発言の大要を私も新聞等で見たのですが、税調の長期答申の中に示された方向ですね。法人利潤税の方向というものも示しておるし、利子の分離課税の廃止の方向も、大体特定の関係がある業界のほうはいずれにしても反対ですが、やはり税の公平という点から、あるいは政策目標の妥当性という点から見て、根本的に再検討して洗い直すべきだ、そうして法人擬制説という考え方はこれは実情に合わない、やはり実在説に基づいたものに転化していくべきだということがいわれているわけですね。だが、来年は総選挙を控えておる、そういうようなことで、外部の圧力要因というものも非常に強まってくる、必死の抵抗が行なわれるであろうということも予想しておかなければならぬ。その中で、税調はいままで、三十九年の答申の方向も出しているわけですから、筋を曲げることはないと思うのですが、大蔵省がそういうような一つの圧力に屈して、そうして筋を曲げるようなことになれば、これはたいへんな状態が出てくると私は思うのです。いま一番の国民の間に潜在的にひそんでいる問題は、課税の重課という問題よりも、不公平というものに対する国民の批判というものが非常に大きいということを行政当局のほうも十分に考えた上での政策の立案準備等を進めてもらわなければならないと思うのですが、そういう点は政務次官のほうから一応その決意のほどを承って、私の質問を終わりたいと思います。
○上村政府委員 私は、いま村山先生がおっしゃったことには同感なんです。そして、実際これを正しい方向で処理しなければ、いろいろと大きな社会問題になるであろう、そういう決意のもとに、国民の納得のいく線で筋を通していくという基本的な姿勢をとりたいと思うわけでございますが、先生も御案内のように、税制の問題につきましては、税制調査会もございますし、また私ども与党関係におきましても、この問題につきましての機関もございますので、いろいろと諸機関の御意見も聞きながら妥当な処置を講じていきたい、こういう姿勢でございます。
○村山(喜)小委員 この際一つだけ資料の要求をしておきたいと思います。 それは、いまキャピタルゲインについては課税されない、そのかわり身がわりに取引税がありますね。その取引税が、キャピタルゲインの課税想定額というのですか、これはなかなか実態を押えることはできませんが、それの分よりも上回っているんだというようなことを証券団体の協議会あたりが言っているのです。これに対する、大まかな試算しかできないだろうと思いますが、それのいわゆる相関関係を示すものを資料としてつくることができるならばお出しをいただきたい。
○吉國(二)政府委員 実は私ども、そういう資料をつくりたいと思って努力はしているのでございますけれども、なかなか有価証券の譲渡所得の実態が把握できませんので、非常に危険な資料になると思いますので、有価証券取引税の伸び方といったようなものを中心にいたしました資料を提出さしていただきたいと思いますが、それとキャピタルゲインをどうかみ合わせるかというのは、ある時期にはキャピタルロスばかり出ていた時期があるし、ちょっとかみ合わせ方がむずかしいと思いますので、有価証券取引税が意外に伸びておりますが、その状況を比較したものを提出さしていただきたいと思います。
○村山(喜)小委員 それだけじゃ意味ないのですね。できなければできないということできめつけますので、きめつけられないようにひとつ資料を集めて整備をしてもらいたいですね。取引税のほうが多いのだということを証券団体では言っているのだから、証券団体のほうの客観的な数字もひとつ示してもらいたいと思うし、また、あなた方のほうでその値上がり分についての課税を、キャピタルゲインについて課税の対象にしていないという、これは私は非常に問題があると思うのです。そういうような意味においても、やはり証券取引に関連をする問題については国民がひとしく注目をしている問題ですから、困難であっても、一応そういうような問題についてあなた方としても研究をされているはずなのだから、そういうようなものをできるだけ委員会のほうにお出しをいただきたい。要求をいたしておきます。 終わりです
○笹山小委員長 只松小委員。
○只松小委員 私、時間がありませんから、二、三要望だけしておきたいと思います。 まず一つは、村山君からもお話がありましたが、来年度はきわめて重要な租税特別措置関係をはじめとして、法律の改正時期が来ておりますね。したがって、税調と大蔵省とだけは接触があるわけですが、私たちが常に言っているように、大蔵委員会で論議したことをそのまま伝えてくれ、伝えております、こういう話ですけれども、正式の懇談会といってはなんでしょうが、何らかの形で——大蔵省だけは意思が通ずるのですが、大蔵委員会なりあるいは特にわれわれ野党側とこういう人と、非公式な話でも何でも意思が通ずるような会合が持てないものだろうか、こういうことを常々思うわけです。国会のあり方一つ、今度の終盤国会のあり方を見ても、あなたたちがこの法案を行政府から出してくる、それを受けて立って与党があって通そうとして、野党が抵抗するのですね。ほかの国家では主として議員立法のほうが多いわけですが、こういうところにも私は問題点というのがいまの国会にあると思うのです。ある意味では非常に大きな問題である。そういうことを考えながらも、特にこういう税金の問題や何か国民全般の問題については、委員会が始まって三月三十一日までに通してくれというようなことでしゃにむにしゃにむにやるというような形でなくて、もう少し何らかの機会にこれはそういう話し合いをする必要があるのじゃないかという気がするわけです。さもなければ、来年はいろいろな法案があるから、ひとつ終盤国会でなくて三月三十一日国会をはでにやろうかといううわさも社会党の中にあるわけですから、そういう点どういうふうにお考えになりますか。どうです、感触でもけっこうです。
○上村政府委員 これは私のほうからお答えしておいたほうがいいと思います。 只松先生から、これはごもっともなる御指摘だと私は思うのであります。私も、いろいろと大蔵委員会の審議を通じまして、非常に建設的な御意見が多い、なお国会全体の運営を見てもいろいろと考えさせられる点もあるという点を踏んまえますと、いま只松先生がおっしゃったことは適切なことだと思います。そういう点については前向きにいまの点を考えていきたい、こういうふうに思います。
○只松小委員 ひとつ正式な懇談会とか、かどばったそういうものでなくて、全体が会わなくてもいいし、何らかの機会にそういう意思疎通をするということが、私はいろんな意味から必要じゃないかと思う。それに関連して私たちが言っておる、もう少し一般的な——労働組合からも確かに三人出ておりますけれども、単に労働組合というだけじゃなくて、源泉所得税のウエートが大きいというような面から見れば、そういう関係の人をふやすとか、この前もサラリーマン・ユニオンだとか同盟だとか、いろいろ出てきましたが、その人たちの代表者が必ずしも適格だとは言わないけれども、そういう点ももう少し配慮して、ひとつ全般的な運営について御考慮をいただきたい、これが第一点。 そういうことと関連いたしまして、たとえばこういうふうに青色申告会からは青色申告会なりのいろいろな意見が出ておりますね。時間があれば、私も、この内容について多少ほんとうは私なりに説明をして御意見を伺いたいのですが、きょうは私の質問時間は短いわけですから、この内容はあれしませんけれども、たとえば完全給与制が実施されても三三%くらいしか実際上は利用できておらない、こういう問題があるし、そうすると事業主控除のほうをもう少し何とかそういう人たちには考うべきではないかというような、まあ青申なら青申としての問題がやっぱりあるわけですね。こういう青申の代表は出ておりますか。
○吉國(二)政府委員 青申の代表は出ております。
○只松小委員 出ていますね。そういうところでお述べになっておるかもしれませんけれども、やっぱりそういう問題や何かについても、きめのこまかいといってはなんだけれども、税金ですから、税制ですから、もう少しこういう問題を、表面立った税調という問題だけじゃなくて、どこかにやっぱり多少詰めるようなことを考えたらどうか。といって、いろんなところから圧力団体が来ていますね、こういう圧力団体の言うことをうのみにしろとか、あるいはそれを全部取り上げろとか、こういうことじゃないですよ。こういうことじゃないけれども、もう少し国民全般の声を聞いていくというような形のもの——圧力団体の強いところのことは聞かれておるのですが、そうじゃなくて、弱いところは全然聞かれていないから、そういうものが出てきたときに、やっぱりできるだけ落ちこぼれのないようにしていただきたい。私も五、六年大蔵委員会におって、予算委員会が終わって大蔵委員会が始まって、さあ三月三十一日までに上げてくれ、こう言われると、どうもそこいらにふに落ちないことが多いものですから、いまちょうど税調が始まっておりますから、そういう点もあわせて、ぜひひとつ注文をさせておいていただきたいと思う。 それから、国税庁長官にいまお渡ししましたが、これは前から言ってあるように、理事会で、ほんとうはきょうおいでいただきたいと言っておったのですが、連絡がとれなかったのかどうか、おいでいただかなかったので、小委員会での発言ということになるわけですが、労働組合のことですから、労働組合は憲法で保障されて自由に行動ができますから、労働組合の問題としては、どんなビラを出そうとこれはかってでございます。しかし、この内容を見ますと、たとえば、一部を読みますと、「国会審議は、制度上の欠陥や、運営のマズサにある当局の姿勢をたださないで、恰も、税務職員が恣意をもって調査・検査に当ったり、税の更正・決定を行なっているが如き印象を与える質問が多く」等々、あたかも大蔵委員会の審議そのものがきわめて不穏当であったり、でたらめである、こういうことが書かれておるのですね。 労働組合が——国鉄なら国鉄の労働組合が運賃値上げに対して反対をしたり、政策上のことを批判したりするのは、これは一向差しつかえないし、当然のことですね。しかし、委員会審議そのものをこういうふうに歪曲して、あとに私個人の名前も出ておりますが、私が論議した速記録をお読みいただけばわかるように、私は全体として、とにかく国税通則法の場合は、被害者になる国民の権利をどう救済していくか、加害者といってはなんですけれども、権力を持ってする国税庁当局というものの力をどうやってセーブしていかなければならないか、そういうことについて真摯に討論をしておるわけなんです。これは私も読み返しましたが、皆さん方も読み返していただけばわかりますが、あるいは日常ぼくは税務職員に対して、二百円かそこらの安い出張旅費、あるいは税務署へ行っても、ザービス業務でありながら、下にごみや何かがたまっておる。なぜたまっておるか。水掃除をやるだけ、油を引こうと思っても、油もなかなか行政費としてそういう掃除費がたくさんこない、したがって不本意ながら下もよごれております。こういうことや何かを聞いて、私たちもそういう面については、できるだけ助言をしたり、まああたたかいことばといってはなんですが、してきたはずです。たまたまそういう国民の権利救済をする場合に、国税庁当局に強いことばで臨むのは、野党議員ならずとも、これは国民の代表として、与党でも当然のことですね。そういうのをこういう形で書いて職員にばらまく。これはまことに不穏当なことですよ。 私は、特に私個人の名前が出ておったから、いままで黙っておったのです。今日に至るもそういうものに対する何らの反応がない。そういうことなら、私は、私なりにそういうことに対する闘争の方法も知っておるし、力も持っておるわけですから、私は、これは問題にいたしますよ、国税庁が何らそういう職員に対して処置をしないということならば。あとにも書いてあります。民社党を支持しようと、共産党を支持しようとかってです。しかし、「税務職員の立場にたって質問し政府側から、それなりの答弁をとりつけたのは、河村・春日・竹本の各委員(いずれも民社党)のみであり、その主張したところは」云々と。議事録を読んでごらんなさい。民社党の諸君がどれだけ質問したか、どういうことを言っておるか。こういうでたらめなことを国税庁職員が書いて、そういう者が徴税行政をやっておる。それだったら、私たちは覚悟がありますよ。そういう者に私たちは、ほんとうに公正な徴税行政をまかすわけにはいかない、こういうでたらめなことを発表したりする者に指導されておるような国税庁職員に。 どうですか、まず第一点、そのお考えを国税庁長官に聞いておきたい。
○亀徳政府委員 先生、六月二十八日の「国税労組」の記事をおっしゃっておると思います。労働組合が、こういう機関紙でいろいろなことを言っておりまして、もちろん適当を欠くようなこともいろいろあろうかと思います。特にこの記事を読みまして——私、あとで聞いたことですが、委員会の審議を組合員が傍聴していて、記事を書いたということを聞いております。まあ私自身は、終始大蔵委員会でこの審議に直接携わりまして、やはり全体の動きをよく承知しております。また、先生が国民の権利擁護の立場から、あらゆる角度から熱心に御質問になったことも、また御協力をいただきましたことも、十分承知しております。ただ一片のものでそういう国会の審議を書きますと、なかなか真実といいますか、やはり間違うという感じは率直にいって私も感じております。 ただ御案内のように、組合は、やはりわれわれと一応対等な立場でおります。また、組合がいろいろ独自の情報をキャッチして独自の判断でいろいろ書く。その書き方そのものを長官が一々、あそこはいかぬ、ここは悪いということはなかなか私の立場としても、やはりおのずから限界は他方ある。その点は御理解願いたいわけでございまして、組合関係はもちろんこればっかりじゃございません。全国税の機関紙その他で、たいへん穏当を欠く記事が日々もちろんいろいろあるわけでございまして、そういった情宣活動も適切に公正にされなければならないということは、基本的には私もそのように考えております。また、そのようなものであるべきだというふうに私も考えておりますが、ただ、組合の記事一つ一つにあそこを直せここを直せというのも、おのずから私としても限界がありますので、そういう事情も十分おくみ取りいただきたいと考えておる次第でございます。
○只松小委員 長官と組合はそういう関係ですよね。まあいわば敵対関係、労使ですからね。それから、組合は組合で憲法に保障された権利があるのですから、そういうことは私、百も承知しておるわけですよ。そういうことではなくて、国税庁職員、警察官とは違いますよね。警察官は、これは英国では職員組合がありますが、日本ではつくられておりません。しかし、国税庁職員というのは実務を執行する独特の立場にあるわけですよ。そういう人がこういう形のものをやっていく場合に、労働組合とは別個の形において問題を考えなければならない。これは私個人がきょう発言しているけれども、社会党の皆さんに対する文章もお読みいただいただろうと思いますが、党として問題にしている。あるいは委員会全体として委員会審議を——委員会審議を見てごらんなさいよ。かつてなく長期的にこの問題と真剣に取り組んでいますよ。それをあなたたちの職員が労働組合という立場で逃げるといってはなんだけれども、扱いはそういうことになると思う。国税庁の問題を審議しておるのに、国税庁の職員がこういうでたらめな記事の報道をする。労働組合だからそれは一指も触れられないんだというなら、私たちは私たちで触れる方法がありますよということなんですよ。いいですか、その場合は。 いまはきわめて金銭的な誘惑が多いですよ。充満していますよ。充満というか、まわりが全部金銭ですから。その中にあって二百円や三百円の日当をもらって行けば、それはおのずからコーヒー一ぱいに手が出るし、たばこに手が出るし、それが夕飯になるし一ぱいになるし、そのくらいのことはぼくは百も承知していますよ。どういう税務職員が、どういう生活をして、どういうことをやっているか。こういうことを知らぬ存ぜぬといっても、おのずからぼくらもそういう問題に発展せざるを得なくなりますよ。ぼくらは山ほど知っていますよ。ぼくらは税務職員の人もたくさんおるし、それから税理士の方々もおるし、この組合は第二組合だけれども、第二組合がどうできてきたんだといういきさつのときの役員をなされておった方も知っております。そういう問題について一方的にこうやっていかれるならば、われわれはやっぱり反論せざるを得なくなってきますよ。 ぼくらはそういうことではなくて、党として円満にといってはなんだけれども、やはり悪いところは悪かったといってこうやって反省をしていただければ、それで社会党としてはおさまるということで、こういう問題はわりあい簡単にして委員長に御一任をお願いして今日まできておった。しかし、今日に至っても何らそういうことがなくて、このままで一方をひっぱたきっぱなしというならば、ぶんなぐりっぱなしというならば、それ相応の措置をとりますよということなんです。それはそこに立つ長官としては——労働組合としてはあなたがおっしゃるとおりですよ。しかし、職員としてこういう人がおる以上は、あなたたちとしてはそれだけのことをやはり善処する必要があるでしょう。
○亀徳政府委員 私は、いま組合との関係を申し上げました。組合の機関紙についての取り上げ方について、そこを修正する、命令するということについては限界があるという点を申し上げました。私は国税庁長官としての立場としては、国税労組の記事を直せという形ではなしに、国会での正しい論議の姿というものを職員にやはり十分徹底させなければいけない、かように私は考えております。 その意味で、実は主税局長ともいろいろ話し合っておるわけでございますが、今回、実は残念ながらまだ参議院にひっかかっておりまして、あと数日でぜひこの法案が通過することを祈っておるような次第でございますが、この法案の実施につきましては、国会での今回のいままでになく非常に慎重に御審議いただきましたその中身が、今後の不服審判所の運営の基本的な問題点を提示しておるわけでございまして、今回の不服審判所、この通則法関係の速記録を別冊にいたしまして、わかりやすく整理いたしまして、各委員方の御発言またわれわれがそれに答弁という形でいろいろお約束申し上げた点もるる書かれておるわけでございます。国会の審議の全般をやはり公正に職員に見てもらい、また今後不服、審判所発足の上は、この国会審議を十分尊重して運営していくことが一番大切ではないか。 もちろん私、ここの記事の内容につきましては、私なりにここはどうかと思うという点も率直にございます。しかし私、長官といたしましては、やはりそこを直すということよりも、ほんとうの正しい国会の運営の姿を省略なしに職員全般に知ってもらう。特に今回の不服審判所の問題は、私、大蔵委員会の中で御説明申し上げましたように、単に不服審判所ができればいいという問題ではございませんで、納税者の権利救済というか、したがいまして税務署段階での異議申し立ての処理というものも、途中で申し上げましたように、今度は担当者を別に切りかえてみるとか、署の段階での異議申し立ての体制をやはりきっちりしていくということを含めて、今度の全般の問題に対処しなければいけない。たとえばまた異議の申し立ての中でも、管理者はその中身を見ながら税務の問題点を把握しなければいけないということなど、いろいろるる答弁いたしておりますが、その客観的な全貌を職員に理解してもらいたいということで、私は、今回の不服審判所関係の速記録は克明に別冊印刷いたしまして職員に配りまして、そこでのほんとうの審議の姿を理解してもらい、また、それに即して今後の不服審判所の運営並びに異議申し立ての処理というものを適正にやってもらいたいと思いまして、私といたしましては、この問題とは別個に、国税庁の責任なり立場におきまして、国会での御審議の過程を正しく職員全般にぜひ理解してもらうということに努力したい、かように考えております。
○只松小委員 ぼくは国税審判所の今度のことだけを言っておるのではないのです。たまたまここにあらわれたから問題にしていますが、ほかにもまだ問題がありますよ。もしそれを出せというなら出しますよ。いま時間がないからこの問題だけであれしておりますけれども、ほかの郵便局の配達する人とか電報の配達をするとか、それは国民の実質経済行為に実害があったり、そういう関係が少ないでしょう。国税庁の場合はそれがあるわけですよ。それだけに、あなたたちは第一組合に対していろいろな工作をやって第二組合をつくらせたり、あるいはいろいろなことがあったわけでしょう。それから政治的に動いてはならぬというのでできるだけ政治から切り離すとか、今日まで国税庁職員に工作をされたわけですよ。そういうことまで全部言えというなら私は言いますよ。いいですか。そういうことはおわかりだから言わぬでもいいでしょう。 そういう過程を通ってきているわけですから、できるだけこういう国民に利害関係を持つ職員は中正であるべきですよ。中正というよりは中立であることが望ましいと思うのですよ。そういう形の中での問題を私は言っているんで、たまたま国税通則法という問題が出ましたから私はそういう問題の提起のしかたをしておる。そのためにはいろいろ誘惑をされないように、できるだけ何とかほかのところよりも高く出したほうがいいんじゃないですかと言ったけれども、ほかの公務員とのつり合いでなかなか出せないとか、あるいはいろいろなことがあるけれども、何とかこういうめんどうを見る方法はないのか。あるいは異動にしたところで、学校は全部四月です。ところが、皆さん方は七月の異動である。女房、子供を置いて自分は転勤をしなければならない、こういうことの悩みを個人的に私たちに国税庁の職員の人は言っておいでになりますよ。しかし、やはり六月一ぱいにいろいろな整理がかかる、申告の整理がかかる。七月でなければしょうがない。こういういろいろな問題を踏まえながらも国税庁の職員の人が努力されていることは百もわかっていますよ。それはそれなりにぼくらは理解をし、そういうことは何とかならないかということでぼくらなりのサゼスチョンもしているわけです。そういうことは経済的に利害があるだけに、そこに自分の当該した法案に対して——安保問題がどうだとかこうだとかいうのならまた別ですよ。しかし、自分の当該した問題に対して、これはたまたま社会党がいま野党ですから、社会党はこういうことで権利救済の問題を強く取り上げる、あるいは自民党なら自民党、公明党なら公明党が野党になった場合にそれを強く取り上げるのは当然ですよ。そういうものを自分たち職員の身に引きかえた場合にはということで、こういう形でわあっということになったら、中正なり中立の立場というのはなくなってくるわけですよ。そういう大局的なというか、一般的なことを私は言っているんで、たまたまこれが出てきたからこれを言っておるんであって、ほかに例を引きなさいというなら引きますけれども、国税庁全体の職員としてそういうことをもう少し厳正にしてもらいたいというのが私たち社会党の言っておる立場なんです。これは一例をとらえておる。ほかに例をあげろといえばぼくはたくさんあげますよというのです。
○亀徳政府委員 私は若干記事に拘泥して申し上げ過ぎたかと思いますが、特に私、国税庁の五万の職員をあずかる長官といたしまして、やはり国税庁の職員はあくまでも厳正、公正に事柄を処理しなければいけない。いろいろ間違いをおかすこともありますが、今後とも国税庁の税務職員は税法に即して公正に処理していく。また同時に、なかなかむずかしい仕事をやっております職員の福利厚生、処遇の改善、そういった面で今後一そう努力を私たちとしても重ねてまいりたい、かように考えております。特に権力を持つ特殊な職場でございますから、一そう国税職員はその言動その他に十分注意しなければいけない、また今後そのように指導してまいりたい、かように考えております。
○笹山小委員長 次は田中小委員。
○田中(昭)小委員 私は、きょうは専売のたばこの小売り業者の問題についてお尋ねしておきたいと思います。 たばこは御存じのとおり、いわゆる小売り価格に対して一定の手数料というような形できまっておりますが、その手数料に対する税金の所得の算出のしかたに、少し国税庁としてあたたかい姿勢を欠いていないかという点を指摘するわけです。といいますのは、小売り業者に対してはいわゆる差益率に従って標準率というものも設けてあると思うのですが、こういうたばこ小売り業者に対して国税庁としてどういうふうな所得の計算をしておるか、またどういうふうな方法で課税をしておるかということからお聞きしたいと思います。
○亀徳政府委員 ちょっと技術的な点にわたりますので、直税部長から答弁いたさせます。
○川村説明員 田中委員御承知のように、たばこの販売店には販売高に応じて手数料が支給されております。販売高に応じて段階別に支給されております関係上、標準率をつくります場合にはその標準的なもの、現実には中段階の、年間売り上げ高百八十万円から六千万円までの収入金額を得ているものにつきましての差益率、それから所得率、これを計算しております。現実に差益率は全国一本でございます。したがいまして、差益率は全国変わりございませんが、所得標準率のほうは各国税局の調査に基づきましてやはりやや若干の違いがあるかと思います。それから百八十万以下のものにつきましては、手数料が割り増しになって支給されます関係上、その割り増しされる分につきましては、別途率を加算するというような非常に複雑な方法で所得を計算するというようなことになっております。 以上です。
○田中(昭)小委員 課税にあたっては、ただこの小売り業者に限らず、売り上げ収入から必要経費を引いて課税するというのが原則でなければならない、こう思うのです。業者に対する所得の算定を簡便化するために、所得標準率をもって課税しておるという説明がいま部長からあったようでございますけれども、それ以前に、所得の算出にあたって収入から必要な経費を引くということが税法にきめられておりますが、そのような計算をするのがほんとうではないか。しかし、実際問題として、いま言うたように、収支計算ではなくて、標準率によって課税するということもあると思います。 それでは、まず現実問題として、収支計算でなされておる申告と、それから標準率適用によってなされている小売業者の数というものはどのくらいございますか。
○川村説明員 いまの御質問にございましたように、たばこ販売業というのはかなり兼業がございます。したがいまして、ほかの業と合わせての問題でございますが、収支計算をしておるもの、あるいは青色申告をしておるもの、したがって、これは記帳等に基づいて収入及び必要経費を計算するわけでございますが、そういう状態もかなりございます。 御質問は、青色申告あるいは収支計算しておるものと、標準率を適用しておるものとの割合はどのぐらいかということでございますが、これは実は手元に資料がございません。それから先ほど申しましたように、兼業等がございますので、実態はなかなかつかみにくい。したがって、われわれとしては計数も持ち合わせてないというのが現実でございます。
○田中(昭)小委員 そうしますと、全部の小売り業者としてどのくらいございますか。
○川村説明員 四十三年九月末現在でございますが、十九万二千四百軒程度でございます。
○田中(昭)小委員 それは当然兼業の分も含まれておるわけですね。
○川村説明員 そうでございます。
○田中(昭)小委員 全国十九万の小売り業者の中で収支計算をやって申告したものがどれだけかということはわからないというわけですね。大体感じとしてもどのくらいかわかりませんか。
○川村説明員 営庶業の青色の普及割合が大体五割、それからたばこ小売りを行なっているもののうち法人がかなりございますので、収支計算によりまして課税しているものはおそらく五割をこえるのではないかという感じがいたします。 なお、百万以上の所得を持っている者は営業で八五%の普及率になっておりますので、かなりのものが収支計算で課税されておるということであります。
○田中(昭)小委員 そうしますと、小売り業者のうちほとんどが収支計算を行なってやっておるという見方が強いということになるわけですが、そういうものがそのたばこ手数料に対する大体正しい収支計算であるとするならば、それ以外のわずかな収支計算のできない部分に対して、その人たちに必要な標準率というものをつくる場合、そこに問題が出てきやしないか。というのは、正しい税法に基づいた収支計算をされた業者がおるならば、当然そういうものとそれから収支計算できないものという比較検討はしないのですか。
○川村説明員 現実に標準率をつくります場合には、記帳のある、言ってみれば青色申告者の事績、これをもとにいたしますので、いま田中委員がおっしゃいましたようなアンバランスは出てこないと私は思います。
○田中(昭)小委員 それじゃ全国の国税局で標準率をつくる一まあ標準率の問題に入ってきますが、つくるということで、差益率は大体全国同じだ、所得率は同じでないというふうないまの答弁だったと思いますが、間違いございませんね。
○川村説明員 はい。
○田中(昭)小委員 それじゃ、各国税局ごとの差益率は同じですからけっこうですが、経費率並びに所得率を発表していただきたい。
○川村説明員 これは田中委員御承知のように、所得率の内容につきましては一般に公表しないことになっております。したがいまして、この席上でのお答えは差し控えさしていただきたいと思います。
○田中(昭)小委員 公表はしなくても、その課税が妥当であるかどうかということについて検討しているんですから、何も全国の一般の人に向かっていま公表しなさいと言っているわけじゃないんですから、そういうことは当然もう少し——それはあなたが言わなくても私は全部調べておりますよ。そのために質問の事項まで、こちらからこういうことについて質問しますよ、こう言ってあるのですから、そういうふうに公表はしませんということは私は妥当じゃないと思うんですが、どうですか。
○川村説明員 委員会の席上での発言は、議事録を通じまして一般的に全国に流されるわけでございますので、ここでそれを発表いたしますと公表したと全く同じことになります。その辺は国会と政府とのお互いの持ちつ持たれつの関係というものもございますので、田中委員にその辺はひとつ御了承をぜひいただきたいと思うわけでございます。
○田中(昭)小委員 おかしいな。長官、それじゃどこかの国税局の分でけっこうですから——私は福岡ですから、福岡の国税局で使っておる所得率なり経費率も言えないですか。
○亀徳政府委員 申しわけございませんが、ただいま直税部長が申し上げたとおりでございます。大蔵委員会の通則法の審議の際に、標準率を提出できぬかというお話がございました際にも、私、国会の場で申し上げることは、——現に私たち大阪におきまして、標準率を職員の一部の者がまた特定な団体に手渡す現場を押えまして、それを現在告発して、一審では不幸敗訴になりましたが、控訴いたしておる段階でございます。標準率が公開できないということはそのときも申し上げましたので、よく御承知のとおりと思います。お許しを願いたいと思います。
○田中(昭)小委員 しかし、その標準率の全部をここで公開しなさいと言うのじゃなしに、たまたまたばこ小売り業者の課税についてどういうふうにしておるかということを問題にしておるわけですからね。そういうことをここで秘密にしなければならないとするならば、どういうことですか、それは。
○亀徳政府委員 幾ら幾らという数字は控えさせていただきます。どういう考え方でどういうふうなものを経費として落としているかという考え方は申し上げられますが、数字はお許し願いたいと思います。
○田中(昭)小委員 それは秘密、秘密と言いますけれども、あなたたちは委員会の中で、個人なり団体の所得については、これは当然秘密性を税法でも規定しておりながら、場合によってはそういうことも全部言っておるではありませんか。この標準率なんというのは税務署に行けば、所得の計算ができない人はみんな税務署から習って、そうしてやっておるわけですよ。そういうことも第一線に行っては教えておるものを、この委員会でどうして言えないんだ。この問題については私はまた別なときに論争いたします。 あなたのほうから言えなければこちらから申し上げて、その標準率の内容の検討問題を投げかけておきます。その標準率の内容があまりに権力にのっとった、取れるところからどれだけでも取れというような行き方になっておる。 申し上げますと、福岡の国税局でたばこ小売り業者に対する差益率は八%、三十七年から三十九年までは同じ標準率になっておりますが、経費率が一円七十八銭、所得率が六円二十二銭。この三十七年から三十九年までには、かりに手数料の歩合いは変わらなくても、経費とか所得というものには相当の変化がくるのがあたりまえじゃないか。物価上昇のおりですし、物価が上がっておればいろいろな経費もそれに応じて上がっていくというのが常識的な見方じゃないか、こう思うのです。ところが、三十七年から三十九年まで一つも変わらない。この点どうですか。毎年、三十七、三十八、三十九年の間、経費率が同じで所得率が同じであるという、そういう標準率をつくって、そうして国税庁、国税局の第一線は平然としておられますか。
○川村説明員 いまの御質問の中にありました三十七年から三十九年までの間には、おそらく手数料の引き上げもあったのではないかと思いますが、これは確かではございません。しかしながら、売り上げが当然伸びておるわけでございます。いまおっしゃいましたのは、差益率あるいは所得率の問題でございますから、この比率は売り上げに対する率だ。したがいまして、経済の発展で売り上げが伸びますれば、もちろん経費も伸びるだろうと思いますが、率としては変わらないということはあり得る……。
○田中(昭)小委員 そんなあなたおかしなことを言ったら、いま会議録に残っておりますから、あとで考えてくださいよ。毎年率が変わらないという問題について、国税庁の幹部の方がそういうことでは、私は、ほんとうに税務の第一線でどういうことが行なわれるかわりませんよ。
○川村説明員 田中委員のおっしゃる経費の増加でございますが、経費のうち、標準率に含まれているものと含まれていないものがあります。たとえば人件費それから大きな償却費等のごときは、これは標準外経費として標準率を適用したあとで個別に引く。一番大きい伸びは人件費であると思います。これが少なくとも標準率の適用後に標準外経費として引きますので、先ほど言いましたように、その他の経費では売り上げに比例して伸びる、そういうものが多いと思いますので、実態としては適当な形になっていると思います。
○田中(昭)小委員 三十七年から三十九年までいろんな諸物価も上がってきておるということは、これはもう当然なことだし、あなたたちが税収を見積もる場合でも、その物価上昇というものもちゃんと見込んで、そうして税収の増加というものも予算の上に計上しているんじゃないですか。 いまいろんな経費率の内容をあなたおっしゃったけれども、それじゃ要求しておきますよ。三十七年の標準率には、どういう経費率の内容であったか、それが三十八年はどうなったか。それが一つも変わらないと見るから同じに見たわけでしょう。経費の内容が一つも——毎年同じであるというようなことがどうして常識として考えられますか。
○川村説明員 先ほどから申し上げておりますように、標準率の内訳については私ども公開の席上では申し上げないことになっておるのでございます。いま、たまたま田中委員から具体的な例をお示しになりましたので、一般的な抽象的な形で私お答えをいたしたのでございますが、内訳論に入ってまいりますと、ここでまた先ほどの議論を繰り返さざるを得ない。国会のこういう席でいろいろ御質問にお答えする場合に、従来の経緯で幾つかルールがあったように私ども思います。この標準率とかあるいは個別的な課税の事案等につきましてはお答えをしないというルールで、また一般的にそれが認められてきたように思うわけです。 標準率の問題につきましては、前回から長官が何回も申し上げておりますように、行政上の一つのあり方としてこれは公開しないということでございますので、課税につきましては、ひとつ行政庁に御信頼をいただきたい、おまかせをいただきたいと思うわけでございます。もし標準率適用の結果が、個別的な所得の算定に著しい誤差があるというようなことがございますれば、これは個別的な所得算定の問題として取り上げていって、私どもも検討いたしたいと思うわけでございます。
○田中(昭)小委員 その所得算定の問題で、個々に問題があることは、また別の機会でいろいろ私もお話しもしておるわけです。いまは標準率の——三年間毎年物価が上がっておるのに、経費も同じだ、その内容はどうだこうだとあなたが説明するから、こちらが聞いたのじゃないですか。そんなでたらめなことが大体ありますか。それで内容を聞けば、秘密ですから言えません、公開できません。もう少し、秘密なことなら秘密なことで、その秘密にするということについてしっかり確信を持って答弁してくださいよ。その経費率の内容は、あなたが、いろいろな費用に見るのもある、見ないのもある、こういうふうにおっしゃったから、その内容について聞いたわけですよ。常識的に考えて、これだけの物価上昇があっているときに、三年間同じ経費率であるということはおかしいのじゃないですか。それはあなたも首をひねっておる。だれが聞いてもおかしいのです、そういうことは。その内容をと言えば、内容がなければならないのだけれども、それを発表できない、こういうふうに逃げる。そうでしょう。みんなが納得するようなものならいいですよ。
○川村説明員 田中委員の御質問にそのままずばりお答えするためには、その当時の標準率の作成経緯を全部さらけ出して御説明しないと御納得はいただけないと思います。そのこと自体が、私いま申し上げましたように、やらないことになっておりますので、それで御了承いただきたい。 それから……
○田中(昭)小委員 それではもう、ここでそう言っていてもだめですから、別のことに移ります。 三十七年から三十九年まではそういう同じ経費率であった。ところが、四十年から四十二年は、手数料の引き上げも何もない、同じくやはり差益率は八%、そして経費率は一円七十銭で、八銭かえって下がっているのです、四十年から四十二年は、この物価上昇のおりにもかかわらず。前の年、三十九年は、経費率が一円七十八銭であったものが、四十年からずっと三年間はまた一円七十銭に経費率が下がっている。その計算の内容は言えないとあなたがおっしゃるから私はいいけれども、そういう事柄に対するものの考え方、たまたま調べたところがそうだったといえばそれまでですけれども、そういう方向にあること自体がおかしいのじゃないですか。これはひとつ直税部長と長官のほうに……。長官、わかっていただけますか、そういう方向は。
○亀徳政府委員 これは全く抽象的な仮定の話でございますが、これで私は、先生のいまおっしゃった福岡の数字がいいとかそのとおりだとかいうことは決して一いろいろすぐことばじりをとられますので、用心して申し上げますと、いまの福岡の標準率を認めるわけではございませんから、一般的な話といたしましては、先生がいまおっしゃったように、ちょっと経費率が落ちれば、もうともかくおかしいということには相ならぬ。たとえばあんまり経費がかかって、だからいま直税部長が言ったように、人件費とか運賃というのは標準外経費で引くわけですから、そうすると、業態によってはいなからにして——と言うと努力されている方を無視しているようですが、わりと売り上げが伸びるとか、いままでどおり売っていても、去年たばこの値上げをしましたね、値上げをすることによってぽかんと収入がふえる。しかし、その販売努力といっても窓口ですわって売っておる。それに似たようなことで経費の伸びよりもやはり売り上げの伸び、あるいは差益の伸びというものが多い業種、業態というのはあり得るので、そういう場合には逆に、これは率でございますから、全体の額はふえるかもしらぬけれども、いわゆる率としては下がることは理屈の上ではあり得る。だから先生おっしゃるように、ともかく下がったから全然おかしいというのはちょっとおかしいのではなかろうか。もちろん上がるものもあれば下がるものもあるし、同じものもある。いろいろなことがあり得るので、一がいにこういうときに下が参からおかしいときめつけられるのは当たっていないのではないか。しかし、これは抽象的な——具体的な話じゃございませんから、観念的に考えればそういう場合があり得るということを申し上げたわけでございます。
○田中(昭)小委員 あなたがみずからにして実際の標準率をつくるとか、適用するとか、業者とか、そういう立場に立っての発言じゃないのですね。それは上がったり下がったりすると言っても、上がったり下がったりするものの平均をとって標準率がきまるのではないのですか。何回話しても同じなんですね。結局現場の小売り業者の身になって、大蔵省全体としてもたばこについては専売品で国の税収に相当のものをあげているのですから、私はこういう小売り業者に対しては常識的に考えて、だれが見てもなるほどそうだというような方法で課税をしていくのがあたりまえじゃないか、そういう考え方がこの問題の根本にあるわけですよ。それをここではいま長官がおっしゃったけれども、いまあなたがおっしゃったことをたばこの小売り業者に聞かしてみなさい。ほんとうに国税庁長官がそういういいかげんな、直税部長がそういういいかげんなことをおっしゃるならばということになりますよ、小売り業者としては当然わずかな手数料で国の収入をあげているのですから。物も上がっているし、経費も上がっていることだから——長官は、たばこは店にすわって売りさえすればいいのだ、そういう考え方ですが、店にすわっているのもたいへんなことですよ。だから、そういうことを考えてやっていかなければならない、こういうことを申し上げておきます。 その次に、四十三年は価格の改定もありましたが、この価格の改定についてもおかしいのですね。また経費率が下がっている。ですから、そういうことについてはもう少し何といいますか、零細な手数料で国の財政に寄与しているそういう業者に対して、あたたかい方向で課税をするということを要望してこの問題を終わっておきます。これだけで一時間も二時間もとっては困りますから。それだけ最後に長官から……。
○亀徳政府委員 私もそういう専売収入に側面から熱心に応援していただいている小売り業者の方の課税を、意地悪く冷たくあしらうつもりはさらさらございません。あたたかい気持ちで調査に当たり、今後もあたたかく対応していきたいと考えます。
○笹山小委員長 本日は、この程度にとどめ、これにて散会いたします。 午後一時二十四分散会