大蔵委員会 第47号
- 発言数
- 99 件
- 登壇者
- 9 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1969/07/22
会議録
○田中委員長 これより会議を開きます。 内閣提出の昭和四十二年度及び昭和四十三年度における旧令による共済組合等からの年金受給者のための特別措置法等の規定による年金の額の改定に関する法律等の一部を改正する法律案、昭和四十二年度及び昭和四十三年度における公共企業体職員等共済組合法に規定する共済組合が支給する年金の額の改定に関する法律の一部を改正する法律案並びに広瀬秀吉外十一名提出の国家公務員等退職手当法の一部を改正する法律案、国家公務員共済組合法等の一部を改正する法律案及び公共企業体職員等共済組合法の一部を改正する法律案の各案を議題といたします。 質疑の通告がありますので、順次これを許します。村山喜一君。
○村山(喜)委員 大蔵大臣においでをいただいておりますから、初めに大まかな立場から、基本的な考え方をただしてまいりたいと思います。 年金制度の問題については、これはいままでも論議をされているわけですが、制度として非常に各種のものがございます。そしてばらばらである。その給付内容も非常に格差がある。こういうような中では、いわゆる社会保険というそういう立場から、年金保険という問題を考えてまいりましても、その目的を達成をする上において、非常に問題があり過ぎると思うのであります。そこで、公的年金の理念というものを考えてまいりますると、イギリス式のそういう最低生活保障という考え方、あるいは西ドイツやフランスの方式のように休業期間中の生活水準を保障するという考え方、この二つの考え方があるわけですが、日本の場合には、そのいずれとも異なるような年金制度というものになっております。 そこで、大蔵大臣は、今後この老人や障害者、遺族の所得保障という現在の年金保険の目的の上に照らし合わせて、今後長期的な展望として、年金制度というものはどういうような方式のものを日本の場合にはつくるべきだという基本的な理念をお持ちであるのか。この点については、財政制度審議会やあるいは社会保障制度審議会あたりから幾つかの提案がなされているわけでありますので、政府としての基本的な考え方について、この際、承っておきたいと思います。
○福田国務大臣 政府として基本的な考え方というほどまとまった考え方はまだ持っておらないのであります。御指摘のように、年金制度は非常に複雑多岐でありまして、その財源の拠出方法にいたしましても、また給付の内容にいたしましても、非常にアンバランスがある状態です。これはなるべく統一し、すっきりしたものにしていく必要があろうと思うのです。ことに、これからの問題としては老人対策問題ですね。人間の寿命が伸びる、それに伴いまして老人対策という問題が大きな社会的問題になるであろう、こういうふうに見ておるわけでありまして、この老人対策に対しましては、そういう事情の変化を背景といたしまして、これはよほど考えていかなければならぬ、かように考えておるわけであります。 だんだんと経済も発展する、それに伴いまして給付も厚くする必要があると思いますが、それにはやはり低拠出、高給付という考え方ではなかなかやっていけないのではないかと思います。やはり高拠出、高給付というふうな考え方を、急にどうのこうのというわけにはまいりませんけれども、逐次取り入れていかなければならぬのではあるまいかというのが私の考えであります。
○村山(喜)委員 では、重ねてお尋ねをいたしますが、年金部門の中で国がどこまで責任を持つべきもの、これ以上は個人が責任を持つべきものという、その区分けはされるおつもりはないのですか。といいまするのは、英国式の取り上げ方を調べてみますると、生活保護水準に見合った定額部分というものについては、これは社会保障という目的の上から照らして、国が負担をする制度がある。しかしながら、報酬比例部分については、これは付加給付的なものなんだという取り上げ方で、個人の責任でこれは積み立てるべきものなんだ、こういうような制度の仕組みになっているようであります。私は、やはりいま大臣が言われた高給付という問題を考えていくならば、そこにはやはり国が責任を持てるものはここまでは責任を持てる、これ以上はお互いの共済制度によって積み増しをする、それはそれだけの措置をするのだというようなとらえ方、やはりけじめをつける、すっきりしたものにするというのは、そういうふうなものでなければならないと思うのでありますが、大臣はその点についてはどこまで突っ込んだ考え方というものをお持ちの上でいまの発言をされたのか、ちょっとふえんしていただきたい。
○海堀政府委員 私から、ちょっと前に事実の御説明を申し上げたいと思いますが、現在の社会保険制度、大きく分けまして厚生年金制度、国民年金保険制度、それからいわゆる国家公務員あるいはその他の共済年金ということになっております。これにつきまして国庫の負担の考え方でございますが、国民年金というものにつきましては、要するにある程度三者負担という考え方に立っているわけでございますが、国民年金というものは要するに雇い主がいませんので、そういう意味におきましては国庫負担が厚くなっておるということはやむを得ないかと存じます。厚生年金あるいは共済年金等につきましてどういうふうに考えていくかということでございますが、これは給付の厚さとそれから全体としての国民負担のあり方というふうな、要するに給付が非常に厚くなってきた場合にはどういうふうに考えるか、あるいは国民の税負担がどの程度のところまでかかっておるかというふうな点等を相関的に考えていかなければいけませんので、どこまでを国が責任を持つかということは、そういった総合的な観点、要するに税負担がどの程度の点まで及んでいるのか、それから社会保険による給付がどの程度の生活水準を保障しているのかというふうな点と総合的に考えていかなければならないと思いますので、現在中心をなします厚生年金保険につきましては二〇%ということになっております。しかし、共済制度のほうは一五%でございますが、給付の厚さという点では共済制度のほうがずっと厚くなっておりますので、国庫の負担という意味におきましては、率では二十と十五の差がございますが、これを絶対額に直した場合には、共済組合のほうが厚くなるのであります。
○村山(喜)委員 それはそのとおりだと思うのですよ。そういうような計数的なものを聞いているわけではありません。日本の公的年金制度というものが、給付の水準なり拠出の方法あるいは国庫負担のあり方について体系的な問題のとらえ方をしていないということは、これはお認めになるでしょう。そういうような体系的なものの整備をしてすっきりしたものにしたいというのが大蔵大臣の発言なんですから、ではどういうような将来の展望というものをお持ちですかということを聞いているのです。大臣、答弁してください。
○福田国務大臣 村山委員のおっしゃること、まことにごもっともと思います。いまそれらの諸問題について政府部内に設けられております公的年金制度調整連絡会議において検討をいたしておる、こういう段階でございます。
○村山(喜)委員 公的年金制度調整連絡会議ですか、これは失礼ですが、事務レベルの間でつくられている任意の協議機関といいますか、そういうような性格のものでしょう。どうなんですか、その権能はどの程度あるのですか。これは担当の方から説明をいただきたい。
○海堀政府委員 事務次官会議の申し合わせに基づきまして、議長は内閣総理大臣官房の審議室長がこれに当たっております。構成員は大体関係各省の局長をもって構成されておるわけでございます。したがいまして、それ自体は事務レベルの検討の場であります。ただ、それの検討の結果をさらに政府の上層部に上げまして方針として決定していただくための事務的検討をしていると考えてよろしいかと存じます。
○村山(喜)委員 その公的年金制度の責任者の内閣審議室長見えておりますか。——まだ到着していないようでありますから、この問題はしばらく保留しておきます。 ただ、大臣、いろいろと税金との関係が出てくるわけなんで、日本の場合の所得税の限界税率というのが七五%、それから実効税率が地方税まで含めると八〇%ですね。それに比べてイギリスの場合には九六・二五%というところまで高率の課税が行なわれている。その中における国庫負担という問題、あるいはフランスの場合等については六五というものが所得税の限界税率であるようであります。地方税まで含めた場合等についてどれだけの、税金といういわゆる所得の再配分の原資になり得るものが幾らあるかということによってもまたかみ合わせが違ってくると思うので、この公的年金制度調整連絡会議という形の中での論議は、どうも力関係といいますか、局長ベースの、行政ベースの中でつじつまを合わせるような形でしか、論議の過程の発展性のないところを見ておると、それだけの力がないのじゃないか。だから、もう少しハイレベルのところで年金制度の問題について検討を加えて、もっとやはり日本の佐藤政府としては年金制度はこういうふうに考えるという一つのビジョンをお出しになる段階を迎えたのではないか。特に福田さんが大蔵大臣としておられる段階の中で、長期的な展望というものを示されることが、政治というものだと私は思うのであります。 そういうような機構上の問題もあわせ加えまして、もう基本的に体系的な明確な考え方ができ上がっているとは言いがたいということを各種の審議会で指摘をして、そしてこれをもっと抜本的にこの際考え直すべきだということを言っているのですから、そういうような事務レベルの低いところで実務的な話をさせるのはよろしいでしょうが、政策的な問題を取り上げるのはもっと高い次元のところで対処する必要があるのではないかと思いますが、大臣の御所見を伺いたい。
○福田国務大臣 この公的年金制度連絡協議会は、社会保障制度審議会から、各種公的年金の諸問題について調査案を検討すべきである、こういう意見が出されております。それに即応して何とか調整の努力をいたしたいというところからできておるわけでございますが、もとよりこれは事務的連絡機関であります。政府には給与関係閣僚会議というものもあるわけでありますが、とにかくこれはきわめて技術的な諸問題を含んでおりますので、まず事務レベルの検討をし、それをたたき台として、政府のもう少し高い立場の検討をいたす、こういうことを考えておるわけであります。まだその第一の段階が進行中である、そのように御理解願いたいのであります。お話しの点はまことにごもっともだと思います。
○村山(喜)委員 これらの問題については、やはり政府としてはここまでは責任を持ち得るが、これ以上についてはこの負担を増加をしてもらうなりあるいは税金の増額をするなりしなければわれわれとしては希望を達成できない、現在のところ政府はここまでは責任を持ち得るが、将来の展望はこうなんだということを明示する必要がある。そういうような意味においてごもっともだという大臣の発言だと考えてよろしゅうございますか。そして将来の展望を明らかにしていく。いずれにしてもそういう時期を迎えているんだ、こういうふうに確認してよろしいかどうか、念のため……。
○福田国務大臣 さように考えています。
○村山(喜)委員 では、この問題についてはおきまして、次のスライド制の問題に入りたいと思います。 これは主計局次長からお答えをいただいてけっこうですが、四十年の十月の仮定俸給水準というものが三十六年の十月の公務員の給与に対応して、そこで三十六年の十月を物価の基準年度として四十三年の三月までの物価の上昇を考慮した数値の四四・八%で改定率を定める、それを四十四年の十月以降増額をするんだ、こういうたてまえになっておりますね。そうするならば、四十三年度は物価上昇はなかったものとして処理をするんだということですか。
○海堀政府委員 この前の御質問のときに、恩給局のほうから御答弁があったかと存じますけれども、今回の改定が直ちが現在のベースまでなっていない、大体四十一年度のベースぐらいのところまでの改定であるということを御答弁申し上げたかと存じます。したがいまして、完全に現在のベースというものまでの改定にはなっていないということは先生の御指摘のとおりだと存じます。
○村山(喜)委員 私は今度そういう物価という側面に着目をして、少なくともこれは恩給審議会のほうでも答申を出しておられるわけですから、「国民の生活水準、国家公務員の給与、物価その他の諸事情に著しい変動が生じた場合には、変動後の諸事情を総合勘案して、すみやかに改定の措置を講ずるものとする。」という条項ですね。その恩給審議会の答申では、物価上昇というものは調整における不可決の要件である、五%以上上昇したときには制度化をするような、そういうようなものもやるべきだということで、特に物価上昇というものに重点を置いてやられたわけです。それに着目をして、そして四四・八%という、物価上昇率を改定率として取り入れたというやり方は、これはやはりすっきりしたというのですか、私は一つの考え方というものを示すものだというふうに受け取るのです。しかしながら、じゃその考え方に立ったときに、四十三年度という間のその物価上昇、これは五%程度ありますね、このものについては、これは予算がないから、財源がないから、今度はあきらめたんだ、こういうことですか。
○海堀政府委員 恩給の改定に準拠して今回の四四・八%という率の改定を行なったわけでございまして、恩給のほうが大体物価を基準にしまして四四・八という数字を出しておりますので、先生の御質問のように、一応恩給制度に準じて年金額の改定を行なっているということでございます。 ただ法律的には、先生もおっしゃっておりましたように、国家公務員共済組合法では、物価だけではなくて、「国民の生活水準、国家公務員の給与、物価その他の諸事情に著しい変動が生じた場合には、変動後の諸事情を総合勘案して、すみやかに改定の措置を講ずる」ということになっておりますので、変動後の諸事情を種々勘案して行なっている次第でございまして、その中にはもちろん財政事情というものも総合勘案の一つの要因として考えていることは当然のことと存じます。
○村山(喜)委員 じゃ、ちょっと別な角度から尋ねますが、農林漁業団体職員共済組合、これは、物価が百分の五以上上がった場合には改定するものだというふうに書いてありますね。そこで共済組合の場合には、その五%というものは制度化されてはいないけれども、大体そういうようなものと同じであろうと思うのです。そこで、この解釈のしようでは、国家公務員共済組合の場合には、国家公務員の給与、物価、その他の事情というものを総合勘案をしてやるのだということになれば、農林漁業団体の年金の場合よりも、もっと有利な解釈規定だというふうにもとられるわけですが、それを物価だけを取り上げて、そして法律の中身とは別個な形で出されたのですか。その物価の四四・八%という中に公務員の給与水準というようなものも入っているのだ、こういうような考え方なんですか。
○海堀政府委員 農林共済も、物価が五%以上変動した場合に必ず改定するのだというふうに書いてはございませんで、「この法律による年金たる給付の額は、国民の生活水準その他の諸事情に著しい変動が生じた場合には、変動後の諸事情に応ずるため、すみやかに改定の措置が講ぜられなければならない。」と書いてございまして、国家公務員共済組合法との規定の差は、「国家公務員の給与、」というのが抜けている点を除きましては、規定としてはほぼ同精神の規定となってございます。したがいまして、現在の取り扱いとしましては大体同じような率で改定を行なってきているというのが現状でございます。
○村山(喜)委員 農林漁業団体共済の第一条に、年金額の改定等については百分の五というのは入っているのじゃないですか、今度の改正案の中に。
○海堀政府委員 入ってございません。
○村山(喜)委員 では、五%というものを制度化しなさいという恩給審議会の答申は、これは尊重されるのですか。
○海堀政府委員 主務が恩給法の問題でございますので、恩給局のほうから御答弁いただくことになるのだと思いますが、私のほうとしましては現在の取り扱い方は一応恩給の改定に準拠して改定をいたしているというのが現状でございます。
○村山(喜)委員 だから、その考え方が私はわからないのです。恩給法を改正をしたら、自動的に共済のほうを変える、あるいは他の年金のものを変えるのだ、恩給がもとになって変えていくのだという思想ですね。それが正しいのですか。国家公務員共済組合は共済組合としての立場から、共済というその考え方と恩給とはまた違うのですから、だから共済の考え方というものが先行すべきものではないのか。恩給が先行するという従来までのしきたり、これはどこに原因があるのだ。その根本的な基本的な理念を、従来の慣習というものの理念をちょっと説明願いたい。
○海堀政府委員 御存じのように、国家公務員につきましては恩給制度がございまして、それが共済制度に移行いたしまして、それで恩給公務員期間の取り扱いについては恩給制度そのものをそのまま生かしまして、共済につないでまいっているわけでございます。したがって、現在の共済年金を現に受給いたしている人の具体的な給付の内容につきましては、恩給部門が相当大きな割合を占めており、また具体的に受給をしている人につきましても、恩給公務員の期間の長い人たちが多かろうかと存じます。 そういう意味で、現在のところ恩給制度との均衡というものを十分勘案して年金額の改定を行なっておるわけでございますが、いずれ共済制度移行後の制度に基づく受給者が多くなっていけば、その時点で先生の御意見のように十分検討していかなければならないのじゃなかろうかというふうに考えております。
○村山(喜)委員 大臣、もうこのスライド制の問題、これで終わりますが、基本的には、物価上昇を抑制をする政策というものが先行しなければならないのは、大臣がこの前言われたとおりであります。しかしながら、現実には物価が上昇をしている。その問題をとらえて、そして四十三年の三月までの物価上昇率の四四・八%分については今回改める。しかしながら、ちょうど一年ほどおくれた物価上昇をとらえてやったということに結果的にはなっておるわけです。そうすると、この一年間の間に、あるいは一年半の間に物価上昇は五%をはるかにこえている。そういうような問題については、恩給受給者なりあるいは共済年金の受給者はかすみを食って生きておれということを政府自身が認めているような結果になっていると私は思うのです。このスライド制の問題は、まあ既裁定の恩給なり年金を受給している諸君の基本額を改正するという問題も、国民所得の増大に伴って必要ではあると思いますが、それよりもまず年金の実質的な価値、恩給の実質的な価値が喪失をしているものを救済をしようというのですから、その立場から五%というようなものを——人事院勧告で物価の上昇が五%あるいは民間の給与の上昇が五%というような一つの数値をとらえて勧告の基礎にしているような問題のとらえ方をしているわけですが、やはり恩給なり年金というもののスライド制の問題は、それを制度化する方向で政府が努力をする責任があるのではないかと思うのですが、その点について大臣のお考えを聞きたいのです。
○福田国務大臣 先般も申し上げたのですが、スライド制というか、その考え方のねらいとするところは、給付の実質的価値を維持する、こういうところにあるわけです。それをいわゆるスライド制という直接的な方法がいいのか、その精神を具現化する方法論についてはいろいろデリケートな問題があると思うのです。問題の本質は、やはり物価問題を克服するというところにある。この克服すべき物価問題、これを意気阻喪させるような方法、これは好ましくない形である、こういうふうに考えておるわけでありますが、その実質的賃金を維持するという考え方は全面的に賛成であります。これはどうしても推進しなければならぬというふうに考えておるのでございます。それを物価問題とのつながりがどういうふうに有効に働くか、支障なく働くかという方法についてただいまいろいろ考えておる、これが現状でございます。
○村山(喜)委員 次の問題に入ります。 次の問題は、最低保障額の引き上げの問題です。今回、普通恩給が年間九万六千円、扶助料が四万八千円、これは最低保障額の制度が四十一年の七月に創定をされまして、六万円、三万円というものを引き上げたわけであります。これはいずれも旧令の共済年金なりあるいは旧法の各種の年金等とも符合するものでありますが、この際、新法による退職年金等の場合は十三万五千円というような形の中で、障害年金の受給と大体合うような数値になっているようであります。これを調べてまいりますると、一体これの倍率の根拠というものはどこに求めているのであるか、何を基礎として六万円を九万六千円に、三万円を四万八千円に引き上げ、あるいは退職年金の最低給付額を十三万五千六百円に引き上げたのは一体どこにその根拠があるのかということを私はお尋ねをしたいのであります。 といいまするのは、生活保護費を——これはこの前私が質問したのではなくて、広瀬君が質問をいたしましたときに、海堀主計局次長は、生活保護の単価の問題についてはまだ調べていないということでありました。私、その後東京都に問い合わせて、男女、老人の場合の最低生活保護費というものを調べてみたのですが、東京都内の場合、生活費が男女合わせて一万一千八百七十円、その他の経費として二人で四千八百二十五円、住宅扶助の最高が九千円ですから、これをとりました場合には二万五千六百九十五円という数字になります。郡部のいなかのほうの場合には、三級地の例を調べてみますると、これらを全部合計をいたしますと一万九千二百四十円ということになります。これは医療扶助は別であります。そうするならば、まあ今日いなかでも年寄りが夫婦そろって生活をしていくのには、最低まあ大まかに見て二万円というものが必要なのだ。これのいわゆる消費水準というものが、国民平均所得の半分にしか当たらないのが生活保護水準の今日の状態であります。そういう低悪な生活保護の基準に照らし合わせましても、どうも普通恩給なりあるいは退職年金の最低保障額というものは低過ぎるのではないか。一体どこまでを目標にしておいでになるのかわかりませんし、今度の倍率の積算の根拠も、これははっきりしておりません。これについて説明を願いたいと同時に、最低保障額だけは各種年金は少なくとも統一すべきだ、私はそういうふうに考えるのでありますが、そういうふうな考え方は正しいとお考えにならないかどうか。その点について二点ほど、最低保障額の引き上げの問題について質疑をいたしたいと思います。
○海堀政府委員 まずあとの点からお答えをしたいと思うのでございますが、最低保障の点につきましては、各種社会保険制度を通じてできるだけ均衡をとっていきたいという考え方は、先生の御意見のとおりでございます。したがいまして、いわゆる十三万五千円というものは厚年との均衡を考えておりますし、九万六千円というのは恩給の最低保障というものとの均衡を考慮した金額でございます。 これが非常に低いではないか、生活保護の基準にすら及ばないではないかということでございますが、この点につきましては、社会保険というものの持っている意味というものと、また、国民の生活の最低保障をいたします生活保護制度というものとは、おのずから制度として別のことになるのではなかろうか。要するに社会保険制度、現在のところはそれぞれの体系によりまして、厚年のグループ、あるいは国民年金のグループ、あるいは共済制度のグループというものが、ある程度の国家助成のもとに相互扶助といいますか、そういう形で社会保険制度が成り立っている。そういう制度が非常に給付水準が高くなることは望ましいと存じますが、それにはそのときにおけるそれらの人々の所得のあり方、あるいは国家財政の事情というふうなものに左右されてきて、現在の時点においてはこの程度の給付水準ということが決定されておると存じます。別途に・生活保護というのは、現時点におきまして妥当と考えられる国民の最低生活を保障するという観点からとられている制度でございまして、その間に、必ず社会保険制度の最低が生活保護を上回っていなければならない——上回っていることは望ましいと存じますが、必ず上回っていなければならないということも言えないのではなかろうかというふうに考えております。
○村山(喜)委員 まあそこら辺にあいまいな、体系的な理論構成がないということがいわゆる原因があると思うのです。やはりこの際、美濃部さんの発想といわれるシビルミニマムというのですか、ここまでは保障ができるという、その意味において各種年金制度というものが最低の保障額だけは統一をしていくという思想というものは持つべきではないかと思うのです。 この点はあなたではだめなんで、大蔵大臣から、思想性の問題ですから、最低保障額だけは各種年金を統一をしていく、こういうようなものの上に立ってやっていくんだという見解をお聞かせをいただきたいと思うんですが、いかがでしょう。
○福田国務大臣 それはなかなかむずかしい問題じゃないかと思うんです。つまり、年金といいますがいろいろの種類がありまして、共済年金、これはその文字が示すように共済なんです。やはり掛け金というものとの見合いにおいて検討さるべき問題である。また、国民年金のように掛け金というものが非常に軽微である、あるいはない、こういうようなことですね。この場合における最低の額はどう考えるか、こういう問題があると思うんです。もちろんその背景には、その制度の存在の意義というものもからまってくるわけでございますが、そういう各種の年金にそれぞれの存在理由、意義また仕組みというものの違いがありますので、これを統一するということはなかなかむずかしい問題じゃないかということでありますが、なお考えてみることにしたいと思います。
○村山(喜)委員 まあ、歴史的な過程がありますから、一挙にはそこにいかないことは私も考えます。しかしながら、大蔵大臣、これは政府・自民党は社会保険政策はあっても社会保障政策はないといわれることにならないかと私は思うんですよ。やはり最低保障額というものは、各種年金が統一をしていくような方向というものが私は望ましいと思うんです。そういうような方向に努力をしていくことが政策課題でなければならないと思うのですが、まあ非常にむずかしいような御答弁でございますから、これは今後の懸案事項として残しておきましょう。 その次に、いま運輸政務次官お見えになりましたからお尋ねをいたします。公共企業体の場合、最低保障額制度というものがない、その理由を承りたいと思います。それと同時に、公務傷病等の年金制度というんですか、障害年金制度というものがない。こういうような理由は、団体交渉事項だということもあるんでしょうが、一体最低保障額の制度がないというのはどこに原因があるか、この点とあわせてお答えをいただきたい。
○村山(達)政府委員 これはわれわれが承知している限り、沿革的な理由に基づくと思っておるのでありまして、御案内のように、最低保障制がないと同時に、最高額のほうもまたきまっていないわけでございます。 それから、公務上の障害年金制度がないというお話でございますけれども、その点おっしゃるとおりでございますが、この点は実際問題といたしまして、それは公社のほうが一方的に別途負担しておるということで事実上まかなわれておるわけでございます。
○村山(喜)委員 いや、そういうようなことになっているのはただ歴史的な過程だけですか。そして、あるべき姿はどうなければならないとあなたは考えているのでございますか。
○村山(達)政府委員 これは沿革的な理由ではないかと思います。各種の年金制度、私もにわか勉強でずっとやってみたわけでございますけれども、それぞれみんな違って——基本的なものは違っておりませんが、小さなところではそれぞれ違っているようでございまして、聞いてみますと、その辺のところは沿革的な理由によってきまってきておるということでございます。 あるべき根本制度はどうかということにつきましては、今後の懸案になっております。抜本的改正のときにあわせて慎重に検討すべきものである、かように考えておるのでございます。
○村山(喜)委員 そこで、年金というのが最低も最高もきまっていないわけですから、それは団体交渉の事項として今日まで行なわれてきた。その場合に、年金はそういうような事項として取り扱いをされ、退職一時金については、これは団体交渉の事項ではないといって処理をされておる。一時金にしても、年金にしても、給与の賦払い的な性格を持ち、将来のいわゆる生活保障をやるんだという上においては同じような性格のものである、そういうふうに考えておるのですが、その退職金については、国家公務員に準ずるという形で処理をするというのは、年金制度との関連性においておかしいんじゃないかと思うのですが、その点はいかがですか。
○村山(達)政府委員 退職金につきましては、退職一時金で法律できまっておるわけでございますものですから、従来ともそのような取り扱いになっておるということでございます。
○村山(喜)委員 だから、法律できまっておるからこそ、われわれは法律の改正案を今度の国会に提案をしておるわけです。それで、その理論的な根拠は、いま私が申し上げたとおりです。それに対して、法律できまっておるからと言って、通り一ぺんの返事をされて逃げられるというのはひきょうですよ。やはりその根拠を説明願いたい。
○村山(達)政府委員 これはひとつ国鉄部長から従来の経緯を説明させまして、いずれまた必要があれば私から答弁さしていただきます。
○山口政府委員 退職手当に関しましては、国家公務員等の退職手当と同様の制度で、公企体について若干の率が違いますが、法律できまっております。したがって、こういうふうに一般の給与につきまして、団体交渉事項といたしまして法律できまっておりませんのに、退職手当だけにつきまして法律できまるということにつきましては、いいかというような立法論としての問題があろうかと思います。将来、これにつきましては十分の検討を要するものではないか、こういうように考えております。
○村山(喜)委員 九七%方式というのがありますね。これは退職時点における俸給額を基礎にして、つり合いを国家公務員の場合等が三年間の平均給与額をとって年金を算出をするという関係におけるとらえ方だと思うのですが、そういうようなもののそれぞれの立場でやる方式のほうがいいのか、統一をしてやるのがいいのか。私は、いま国鉄部長のお話をお聞きしましても、どうもすっきりしない。年金の問題については、これは最低保障額も最高限度額もないから、従来の慣習によって団体交渉事項で労働協約事項ですか、一方、退職金のほうは法律事項だ。性格的に同じようなものであるにもかかわらず、それを違った次元でやるというのは、どうも政策的に一致しないいのじゃないかという考え方があるのですが、矛盾を感じませんかね。
○山口政府委員 団体交渉事項できめられておりますのは、政務次官から先ほど申し上げました業務災害によりますところの保障につきまして、これは公企体の共済組合法におきましては規定をいたしておりませんで、それは団体交渉事項といたしまして、労使双方の協定によりましてきめられまして、それによりまして公企体が全部支払う、こういうたてまえをとっております。 それから、最高、最低につきまして、最低保障額並びに最高限度額をきめておりませんのは、実は公企体共済組合法が昔の共済組合法並びに恩給法を統合いたしまして引き継ぎましたときに、当時からの沿革といたしまして、そういう制度をとっておらなかったために、それを引き継ぎまして現在のように保障額をきめておらないということでございます。 したがいまして、これにつきまして、その後法律施行後の時間の経過もございますし、そういう従来からの沿革に基づくところの一種の期待と申しますかそういったようなものも一方にございまするので、いまのところはそれは手をつけておらないわけでございます。なお、一方で最高額をきめていないというような見合いで、退職手当について若干の調整をしておる。これは、ある意味では先生のおっしゃるように、違う制度のもとで調整をとっておるという点におきまして、若干の問題があろうかとも思います。今後の検討問題として処理しなければならぬものと思います。
○村山(喜)委員 これはやはり金を出すのですよ。だれの責任になるのですか、統一的なそういうような調整をやっていくのは、現在のところ総理府の岸野参事官ですか。公共企業体の年金制度と国家公務員共済組合の年金制度あるいは退職金制度、こういうようなものについての統一的な処置をするのはどこが責任を持ってやるのですか。——これはやはり国務大臣ですから、大蔵大臣に答弁を願わなければならぬのじゃないかな。
○海堀政府委員 現在の社会保険を広くとった場合におきましては、先ほど御答弁申し上げましたように、国民年金制度、厚生年金制度、共済年金制度というふうに各般の制度がございまして、それぞれの主務官庁があるわけでございますが、これらの調整につきましては、社会保険制度審議会からの申し入れによりまして、現在内閣で、公的年金の調整連絡協議会におきまして検討しておるわけでございます。したがいまして、共済だけの相互の調整という点になりますと、一応大蔵省の主計局給与課がこれの調整に当たるということになるわけでございますが、広く社会保険全体としてとらえましての調整は内閣において行なっていただくということに相なろうかと存じます。
○村山(喜)委員 岸野参事官、あなたがいない間にいま質問をしたのだけれども、どの程度あなた方のほうでは調整をしているのですか。いまの問題はわかりませすね。
○岸野説明員 一昨年、社会保障制度審議会からの申し入れの御趣旨に沿いまして、政府部内で、次官会議の申し合わせによりまして、御承知のように連絡会議を設けたわけでございます。 それで、四十二年の六月の申し入れによりまして、七月以降協議会を持っておりまして、現在検討いたしておりますが、内容は、主としてスライド制度——各種法律にスライドの規定が入りました。その制度を具体的に運用するに際し、政府部内でなるべく統一的なものさしでもってこのスライドの規定を働かせたいということで、私ども関係省庁が集まっておりますけれども、御承知のように、それぞれ各種制度の沿革がございますし、それから従来の経緯等がございまして、なかなか結論がまとまりにくいというのが、率直なところ現在の状態でございます。しかしながら、可能な限りやはり同一のものさしでもってスライドを進めていきたい。スライドにあたっての同一のものさしを何とかさがし出したいということでさらに努力を重ねているというのが現状でございます。
○村山(喜)委員 大蔵大臣、お聞きのように、四十二年の七月から始めてもうことしは四十四年です。まる二年、いまの調子でいけばあと何年先になったら結論が得られるのかわかったものじゃないというようなかっこうです。これではやはり政治の責任、行政の責任というものが果たし得ない、私はそういうふうに受け取らざるを得ないと思うのです。この点については、先ほども論及いたしましたが、牛の歩みのごとく遅々として進みません。これでは期待にこたえ得る行政ではないと思いますので、この点については国務大臣としての立場から御善処方をお願いしたい。よろしゅうございますか。
○福田国務大臣 それだけむずかしい問題かと思いますが、鋭意努力することにいたしたいと思います。
○村山(喜)委員 もうだんだんに時間が迫ってまいりましたが、次は最高限度額の問題であります。 今回、その最高限度額を十一万円から十五万円に引き上げておるわけでありますが、これについては、従来われわれもそういうような実情に適応するような措置をとるべきであるという主張をいたしておりますから賛成であります。特に高級公務員といいますか、有能な人材が民間に職を求めて去るというようなことが、一つはこういうようなものも背景にあると思うのですが、この場合、一体十五万円という、最高限度額を引き上げることに伴うその納入との関係の問題です。十五万円というものが最高限度額なんだから、それを積算基礎として掛金率を定めて納入をするという方式をとっているわけです。これを所得の再配分という考え方からいうならば、総収入によって納入をさせていくという方式をやはり考えるべきではないか。これについてはどういうお考えでございますか。
○海堀政府委員 これは共済制度自体が、現在やはりいわゆる定額部門がなくて報酬比例的な制度をとり、給付もその報酬を——もちろん退職前三年の平均でございますが、その報酬を基礎にして給付をいたしておるという報酬比例的な思想に立っておりますので、掛け金もやはりその最高給付限度を基準にして長期の掛け金はとることに相なるかと存じます。これは考え方といたしまして、こういうやり方が社会保険制度としていいのかどうかという立法論になりますと、いろいろ御議論もあろうかと存じます。この点につきましては、この点だけではなくて、共済制度自体いろいろと問題がございますので、今後検討をいたしていきたいと存じている点の一つでございます。
○村山(喜)委員 まさに相互扶助という名前のもとに、こういうような納入と受給との関係をとるならば、高給な者ほど、収入がたくさん得られる者ほど、共済年金の受給段階においてはまた恩恵を大きく受ける、こういうたてまえになっているわけです。私は、それはいわゆる所得の再配分という立場から、社会保障的な観点から考えるならばまさに矛盾をしている点だ。そういうような保険であれば、掛け金額に見合う所得を将来に保障するのだったら、それは国がやる必要はない。民間にやらせればいいのだ。そういうような立場から考えたら、最高限度額も引き上げる、しかしながら、それを収入との見合いにおいては、総収入においてこの掛け金率を定めて納入をしてもらう、こういうようなのを考えなければ、私は政策的には意味がないと思う。その点については、これは今後の共済の中身、将来のあり方に関する問題ですから、いま海堀主計局次長は検討課題だと言われたのですが、大臣もそういうようにお考になっておりますか、どうですか。
○福田国務大臣 これもなかなかむずかしい問題でありますが、今後の検討課題といたします。
○村山(喜)委員 それは前向きの形で検討してもらわなければいけない。単に検討するだけではないと思いますが、そのように考えてよろしゅうございますか。
○福田国務大臣 私もあまりこの問題は現在知識を持っておりませんから、検討の過程においてこれはどうしてもそういうことは考えなければならぬという前向きの姿勢で具体化に取り組みます。
○村山(喜)委員 そこで、普通恩給は多額所得停止基準がございます。三十四年一月一日以降の国家公務員共済組合等の年金には所得制限額はない、こういうふうに承っております。これは税法上はどういうような取り扱いをされますか。
○海堀政府委員 一時金の場合には退職所得として課税され、年金の場合には普通の所得、いわゆる所得として課税されるわけでございます。
○村山(喜)委員 今度の恩給法の改正の中で多額所得停止基準の是正が行なわれております。これは恩給というものは国がその原資をすべて受け持ち、そして給付するものであるという立場からなされている行為だと思います。共済組合の年金制度等については、これは最高所得制限額というものはありませんね。ないというのは、共済制度で自分たちのかけたものの原資に基づいて受け取るのだという思想だろうと思うのですが、その場合に、税制の上においては総合課税方式でやられていると思うのですが、年金受給者の場合の取り扱い基準はどういう処置をされているのですか。
○海堀政府委員 普通の給与所得としまして一応——もちろん総合課税でございますからほかに所得があれば別ですが、この部分については普通の給与所得として把握をして課税の対象になっておるということでございます。
○村山(喜)委員 共済年金は多額所得停止基準というものを将来においては設定する考え方というのはおとりになられませんか。その点はいかがですか。
○海堀政府委員 共済制度が、先ほど申し上げましたように、長期の部分につきましては給与に比例しましてとりまして、また給与に比例しまして給付を行なっているという制度になっておりますので、所得制限を恩給のように入れるということは、現在の共済制度のあり方からは出てこないのではないかというふうに考えております。
○村山(喜)委員 源泉徴収の義務を課せられるものは一体どういうような形になるのか、そこら辺を聞きたかったのですが、担当者がおりませんので、これは抜きます。 そこで次の問題は、今度法改正をいたしますが、公共企業体の場合は制度改正に伴いましてそれぞれ負担が出てくる。いわゆる負担額の問題から、三公社の場合には相当な異論があるやに承るのでありますが、そういうような整理資源という問題を考えてまいりますと、制度改正に伴う分としてこれからもやらなければならない問題が出てくると思うのであります。これについて国鉄あたりはどういうような考え方を持っておるのか、この際、明らかにしておいてもらいたいと思うのであります。
○山口政府委員 今回、政府提案といたしまして、年金額の改定その他お願いをいたしておるわけでございますが、これによりまして相当の費用の増加というものがあるわけでございます。 先生御承知のとおり、年金財政は四十一年ごろに収支計画策定審議会を開きまして、それによりまして、各種のデータによりまして、たとえば死亡者脱な残存率だとかあるいは俸給指数だとか、あるいは年金者の死亡生残表だとか、あるいはいま問題になっております過去勤務債務等考慮してやったわけでございますが、その後にいま問題になっておりますような年金の改定あるいはベースアップ、それから組合員期間の範囲の拡大というような各般の問題が生じてまいりまして、その意味では組合財政というものもだんだん苦しくなってまいっておるわけでございます。その意味で、四十五年度、来年度におきまして収支策定審議会をもう一度開きまして、そしてそこで十分に審議一をしていただきまして、財源率あるいは長期債務、責任準備金等の問題を考えていかなければならぬ、追加費用等も考えていかなければならぬ、このように考えております。
○村山(喜)委員 この際第五十八国会で大蔵委員会で附帯決議をつけました事項はどのように実行されているのか。これは海堀主計局次長からお聞きしたいと思います。
○海堀政府委員 附帯決議事項が相当ございまして、まずスライド制の調整規定の運用については、公的年金制度調整連絡会議において検討して、具体的な対策を進めることということでございますが、これは先ほどもいろいろ申し上げましたように、現在鋭意検討中でございまして、まだはっきりした結論を得るには至っていないわけでございます。ただしかし、具体的にはこういうふうに今度の提案でもいたしておりますように、できるだけ年金の実質価値を維持するような改正法案をそのつど国会に御提案申し上げまして、実質価値の維持につとめているわけでございます。 それから次は、連合会の運営の問題でございますが、これはこの前非現業共済組合理事長の中尾氏が参考人として御説明申し上げたとおりでございます。 それから、費用負担の問題でございますが、要するに、この費用負担という意味は国庫負担の問題だろうと存ずるのでございます。しかも「他の社会保険制度との均衡を考慮して、」というのは主として厚生年金制度との均衡ということではなかろうかと存じますが、これは形式的には、厚年に対する国庫負担は二〇%であり、共済の場合には一五%となってございますが、これは給付の厚さ等給付の比較から見ますと、まだ共済制度のほうが国庫負担は大きくなっております。これは前に御説明申し上げたとおりでございます。 それから、最低保障額の引き上げにつきましては、ただいま先生の御意見では十分ではないという御意見ではございますが、そのつど改定いたしているところでございます。 それから……。
○村山(喜)委員 附帯決議をつけたもので前進をしたものだけ説明をいただくとするならば、聞いておりますと、最低保障額が上がったというのは具体的に数字には出ておりますね。あとは、あまり実効性ある効果的な措置はあなた方はしておられるとはどうも受け取れない。だから、この点についてはもう少し努力を願わなければならないと思うのです。いまあなたの説明を聞いておっても、そういうような印象を受けざるを得ない。この点は御注意申し上げておきます。 それから最後ですが、国家公務員共済組合の運営審議会の委員というのは共済組合員でなければできないというのが法律事項です。かって組合員であった者——これはILOとの関係がありますし、公務員制度審議会との関係もありますが、労働組合のほうから推薦された者については委員になれるように、そういう手はずは今後実施段階までの間にいろいろ検討していただきたいと思うのですが、四十六年の十二月十四日からこれらの問題についての見通しをこの際はっきりさせていただきたいと思うのですが、いかがですか。
○海堀政府委員 運営審議会の構成員でございますが、これは法律で共済組合員でなければならないということになってございますので、この点は要するに共済組合の運営でございますので、共済組合員に限るという法律の規定自身は尊重せざるを得ないのではなかろうか。ただ、その構成につきましては運営規則で、俗なことばでいえば官側と申しますか、だけではなくて、いわゆる労働組合を構成します人もこれに参加をして運営の適正を期しているのが現状でございます。
○村山(喜)委員 社会党の法律の改正案の中にはこの点が入れてあるわけです。運営の上においてそういうような実情を反映するような仕組みは当然やっていただかなければならないと思いますので、法律改正はさることながら、従来のいわゆる慣習というものが行なわれるように、これらについては今後——いままでも努力を願ったわけですが、あるところにおいてはやはりトラブルが発生しているようでありますから、そういうような問題がないように御努力を願いたい。よろしゅうございますね。
○海堀政府委員 その点は先ほども申し上げましたように、やはり共済組合の運営でございます限り、その運営審議会は法律の規定に基づきまして、共済組合員をもって構成するという法律の規定は尊重せざるを得ないと存じます。ただ、どういう人たちで構成するかという点につきましては、単にいわゆる組合員の俸給を取っている人たちだけではなくて、広く一般の組合員の参加を求めてその運営の適正を期していくというふうに考えております。
○村山(喜)委員 だから、法律があるからその中における運用を考えなさいというのは、代理出席等を認めて適宜組合員の総意というものが反映できるような措置をとったらいいじゃないですかと言っている。だから、今日までそういうようなことでトラブルも起こらないような形でやっているのですから、われわれ自体としては、抜本的に改正をするためには法律改正をしてもらいたい、すべきであるという要求を出しておりますので、そういう立場から執行者としても考えてもらいたいという点です。これは別に答弁は必要ありませんので、運営の中で十分な処理を要求して、私の質疑は終わります。(拍手)
○広瀬(秀)委員 関連して一つお伺いいたしますが、公企体共済関係になると思うのですが、過去勤務債務をいろいろ見てまいりますと、いわゆる軍人軍属の期間の通算であるとか、あるいは外国特殊法人、外国政府等に対する在勤期間の通算であるとか、そういうようなものなどが入っておるし、また恩給公務員期間というようなものもそのまま共済組合に引き継がれて債務を負担している。そういうものに対して、この前も問題にいたしました整理資源、こういうものを公務員関係については修正実額交付という形でそのつど計算の上で出している。こういうことになっているわけですけれども、公企体にはそれを出していないわけですね。この点お聞きいたします。
○山口政府委員 ただいま先生お話しの過去勤務債務でございますが、これは仰せのように、旧法の適用を受けた方が新法に移行になったときだとか、あるいは新法の施行のときに恩給公務員の新法施行前の期間にかかるものを取り入れたものだとか、それからいまお話がございました軍人期間を大幅に取り入れたものだとか、あるいは新法施行後の年金改定がございまして、そういったようなものに基づくもの、さらに現職職員のベースアップに基づくもの等、非常に多額の過去勤務債務があるわけでございまして、国鉄の場合には四十二年度末では約一兆円にのぼる過去勤務債務があるのでございます。 それで、これの処理でございますが、これは四十一年に収支策定審議会を開きまして、そしてそこで各般の事情を全部調べまして、たとえば脱退残存率だとか俸給指数だとか年金者死亡生残表だとか、それからただいま申し上げましたような過去勤務債務の額というようなものを検討いたしました上で、一応財源率、それから追加費用のやり方というものをきめまして、そうしてその場合のやり方といたしましては千分の五ずつ毎年追加費用分をふやしていくというやり方をきめまして、それによって長期の収支の安定というものが成り立つという形でやってまいったわけでございます。しかしながら、その後におきまする組合期間の通算の範囲が拡大をしていくという傾向がございます。また年金改定もございます。そういうことになりますと、どうしてもこれはもう一度収支計画策定審議会を開きまして、そして抜本的に改定をしなければならないというように考えるのでございまして、この点は先ほどからいろいろと御議論がございました国庫負担の問題等とも関連いたしまして、十分に検討しなければならぬ問題だと考えております。
○広瀬(秀)委員 いまお答えがあったわけですが、それらの問題について、これは当然公共企業体の負担というよりは恩給の関連あるいはまた終戦処理的な要素というものもかなり含まれている問題もあるということで、企業体の予算の中からのみ支出をさしていくということについてはやはり問題があるのではないか、そういう問題が非常に出てきておるわけでございまするので、これについてはやはり国の費用というものを、整理資源との関係もございますが、そういうものを国が将来負担を考えていくということに漸次これはしていかなければならない要素が非常にある、こういうように思うわけです。 そこで大蔵大臣、いまいろいろ山口部長からお答えがあったわけですが、そういうものについて国の負担として当然これは考えていくべき性格のものがどんどんつけ加わってきているという実情にかんがみて、そのことについてひとつ前向きに検討をされるように強い要求を申し上げたいわけでございます。ぜひその点の御見解をお示しいただきたいと思います。
○海堀政府委員 要するに、現行の社会保険制度におきます長期給付の費用は国、地方公共団体または公企体が公経済の主体として社会保険を推進する立場から一定の負担をしており、残りを使用者と被用者が切半して負担しているたてまえとなっているわけでございます。公企体はやはり国の公共的機能の一部を能率的に遂行するために特に設けられたものでございまして、広い意味では国の活動の一翼をになうものでございます。また沿革的に見ましても、特別会計から分かれていきまして、その全額はまあ政府出資という形になっておるわけでございます。したがいまして、公経済の主体としての立場から負担を行なってもこれは決してそれがいけないんだということでなくして、これは必ず国が一般会計でもって負担をしなければならないというふうにきめてかかるということもいかがかというふうに考えられるわけでございます。したがって、やはり現在のところ公経済の主体として社会保険を推進する立場から公企体にも負担をお願いすること、これは沿革的に見ましてもまた現実から見ても、やむを得ないのではなかろうかというふうに考えております。
○広瀬(秀)委員 そういうお義理一通りの答弁じゃなしに、この問題はかなり理事会等におきましてももう突っ込んだ討議もされておるわけでございます。そういう点でもう少し国の立場というものも、恩給公務員の部分というものも入っておるし、あるいは国の責任に帰すべき終戦処理的な要素というものも過去勤務債務の中に取り入れられている。そういうようなものは恩給上の取り扱いと公企体の共済組合法における取り扱いとまるきり分けて、公経済の主体である公企体が負担してもちっともおかしくないという、それだけでは、公共企業体といえども今日の独算制というような形の中でなかなか困難な財政をかかえておるというようなことになれば、やはり実体的にどういう内容のものが逐次過去勤務債務に入ってきているのかということも十分洗い直しながら、それに対して前向きの検討をするという程度のお答えは当然できるだろうと思うのです。まあ先ほど大臣は直接聞いておられなかったのであれなんですが、そういう方向で検討をされるという御答弁をぜひひとつお願いをいたしたいと思うのですが、いかがですか。
○福田国務大臣 もちろん委員の御意見でございまするから、これはもう検討いたします。しかし、これはなかなか、いま海堀次長からお答えを申し上げましたように、容易ならざる問題があるということもひとつ御承知おき願いたいと存じます。
○田中委員長 ただいま議題となっております各案中、昭和四十二年度及び昭和四十三年度における旧令による共済組合等からの年金受給者のための特別措置法等の規定による年金の額の改定に関する法律等の一部を改正する法律案並びに昭和四十二年度及び昭和四十二年度における公共企業体職員等共済組合法に規定する共済組合が支給する年金の額の改定に関する法律の一部を改正する法律案につきましては、これにて質疑は終了いたしました。 —————————————
○田中委員長 この際、両法律案に対しまして、自由民主党、日本社会党、民主社会党、公明党を代表し、倉成正君外九名より、それぞれ修正案が提出されておりますので、提出者の趣旨説明を求めます。村上信二郎君。
○村上(信)委員 ただいま議題となりました自由民主党、日本社会党、民主社会党、公明党の四党共同提案にかかる両修正案につきまして、提出者を代表して提案の趣旨及びその内容を御説明申し上げます。 両修正案の案文は、印刷してお手元に配付いたしてありますので、朗読は省略させていただきます。 両修正案は、その趣旨を同じくするものでありますので、一括して御説明申し上げます。 すなわち、両修正案は、増加恩給受給権を有する者及び外国政府または外国特殊法人の雇用人相当の者として勤務したことのある者について、共済制度における取り扱い上改善の措置を講じようとするものであります。 次に、両修正案の内容を簡単に御説明申し上げます。 第一は、増加恩給受給権を有する者の取り扱いであります。 現行共済制度では、増加恩給受給権は、原則として消滅させないことといたしております。この場合において、当該受給権を有する者の恩給公務員期間は、新法の組合員期間に算入されないこととなっておりますが、恩給制度における期待権を尊重して、増加恩給に併給される普通恩給を消滅させて、共済制度においては、新たに当該恩給公務員期間を組合員期間に通算して退職年金を支給し、恩給制度においては増加恩給を支給することに改めようとするものであります。 また、現行制度では、増加恩給受給権を有する者には選択により、これを放棄する道が開かれておりますが、この選択制度により、すでに当該受給権を放棄した者につきましては、現行の共済制度施行日以後増加恩給は支給されておりませんので、当該受給権を放棄しなかった者との均衡上、この際、当該増加恩給相当額を支給することといたしております。 第二は、外国政府または外国特殊法人に勤務したことのある者の取り扱いであります。 御承知のとおり、いわゆる満目の場合、恩給公務員相当の者として外国政府または外国特殊法人に勤務した期間につきましては、昨年の改正により、これは議員修正によるものではありましたが、恩給及び共済年金の在職年ないし組合員期間にすべて通算されることとなりました。その根本趣旨とするところは、旧満鉄等の性格が、その設立の経緯及び機能から見て、実質的には日本政府機関と同様であったことに基づき、いわゆる日満目、日満の者と満目の者との処遇上の不均衡を是正するとことにあったのであります。 しかしながら、外国政府または外国特殊法人の雇用人相当の者として勤務した期間は、現行共済制度においては、資格期間、すなわち、年金受給資格を発生させるための期間でありまして、年金額の計算の対象からは除外する期間として取り扱われているのであります。 同じ外国政府または外国特殊法人に勤務していた者でありながら、恩給公務員相当の者と雇用人相当の者との間に、このような取り扱い上の差別を設けるのは、均衡を欠くものと考えられますので、雇用人相当の者として勤務した期間のうち、現行共済制度の施行日まで引き続いている期間は、これを年金額の計算の基礎となる組合員期間として算入することとしようとするものであります。 なお、この期間の支給率につきましては、控除期間、すなわち、旧長期組合員期間で排け金を負担していなかった期間に対する支給率と同様に、一般の雇用人期間に対する支給率の五五%相当の支給率とすることといたすことにしております。 第三は、施行期日等でありますが、以上の措置は昭和四十五年四月一日から施行することとし、すでに退職した組合員またはその遺族についても、同月分から今回の改善措置を適用して年金額を改定することといたしております。 以上が、両修正案の概要であります。 何とぞ御審議の上、すみやかに御賛成くださいますようお願いいたします。(拍手)
○田中委員長 これにて両修正案の趣旨説明は終わりました。 この際、昭和四十二年度及び昭和四十三年度における旧令による共済組合等からの年金受給者のための特別措置法等の規定による年金の額の改定に関する法律等の一部を改正する法律案に対する修正案について、内閣において御意見があればお述べ願いたいと存じます。福田大蔵大臣。
○福田国務大臣 ただいまの修正案につきましては、まことにやむを得ないものと認めます。
○田中委員長 両修正案につきましては、質疑の申し出もありません。 —————————————
○田中委員長 これより討論に入るのでありますが、両法律案並びに両修正案につきましては討論の申し出がありませんので、順次採決いたします。 最初に、昭和四十二年度及び昭和四十三年度における旧令による共済組合等からの年金受給者のための特別措置法等の規定による年金の額の改定に関する法律等の一部を改正する法律案並びに同法律案に対する修正案について採決いたします。 まず、倉成正君外九名提出の修正案について採決いたします。 本修正案を可決するに賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○田中委員長 起立総員。よって、本修正案は可決いたしました。 次に、ただいま可決いたしました修正部分を除いて原案について採決いたします。 これを可決するに賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○田中委員長 起立総員。よって、修正部分を除く原案は可決し、本案は修正議決いたしました。 次に、昭和四十二年度及び昭和四十三年度における公共企業体職員等共済組合法に規定する共済組合が支給する年金の額の改定に関する法律の一部を改正する法律案並びに同法律案に対する修正案について採決いたします。 まず、倉成正君外九名提出の修正案について採決いたします。 本修正案を可決するに賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○田中委員長 起立総員。よって、本修正案は可決いたしました。 次に、ただいま可決いたしました修正部分を除いて原案について採決いたします。 これを可決するに賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○田中委員長 起立総員。よって、修正部分を除く原案は可決し、本案は修正議決いたしました。 おはかりいたします。 ただいま議決いたしました両修正案について字句の整理を必要とする場合は、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○田中委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 —————————————
○田中委員長 ただいま議決いたしました両法律案に対しまして、自由民主党、日本社会党、民主社会党、公明党を代表し、倉成正君外三名より、附帯決議を付すべしとの動機が提出されております。 この際、提出者より趣旨の説明を求めます。広瀬秀吉君。
○広瀬(秀)委員 ただいま議題となりました共済関係両法律案に対しまして、附帯決議を提出いたしたいと存じます。この附帯決議は、自由民主党、日本社会党、民主社会党、公明党を代表して、提案の説明をいたしたいと存じます。 附帯決議の案文は、お手元に配付をいたしておりまするので、朗読を省略をさしていただきまして、その骨子についてのみ若干の御説明を申し上げたいと存じます。 まず第一点は、公的年金のスライド制についての問題でございますが、すでに調整規定が入れられ、さらにその実現のために、公的年金制度調整連絡会議がこの作業を急いでおるわけでございまするが、公的年金受給者が、物価値上げの中で実質的に年金価値が下がるという問題で、今日苦しい生活をしておることにかんがみまして、早急にこれが実現を進めてもらいたいということであります。 第二の点は、公的年金の最低保障額が、今回の改正によりましてもなお著しく低いわけでありまして、今日の物価の状況、生活水準の状況に照らして、なおこの最低保障額がたいへん低きに失しておるというところで、引き続きこれが適正な引き上げをはかっていくべきであるということであります。 第三の点は、外国政府等の職員期間の通算が、本委員会において累次にわたってその措置がとられてまいったわけでありますが、これらはいずれも、いわゆる更新組合員であった者にだけその措置が適用されるということでございまして、長い間、終戦とともにその後の期間捕虜として抑留をされ、たいへん苦しい生活を送って、六年も七年もたった後に内地に帰還をする、いわゆる更新組合員としての資格がないということだけで、そういう人たちについて外国政府等の職員期間というものが通算をされてないということは、まことに片手落ちであって、この抑留期間というものについては、すでに恩給審議会においても、これは恩給公務員期間として当然追加されるべきだ、こういう審議会の答申も出ておることにかんがみまして、更新組合員という現行法の規定がこの通算の障害になっておりまするので、これは何らかの形で改正して、通算できるように措置をされたい、こういうことでございます。 第四の点は、制度改正等に伴う共済組合の給付に要する費用の負担の問題でございますが、国の適正な負担がなされるように、そういう立場においてこれを前向きに検討して、実現の方向に持っていっていただきたい、こういうことでございます。 第五の点は、組合員が退職後一定期間内に一この期間については、三年あるいは五年、その辺のところを目途にいたしまして、他の医療保険制度との関連もございまするけれども、長い間健康でほとんど共済組合機関には……。 〔私語する者あり〕
○田中委員長 静粛に願います。
○広瀬(秀)委員 医療の短期給付を受けることもなかった。しかし、無理がたたって、退職したら一ぺんにがたがきて発病するというような例が非常に多いわけでありますから、その点についての給付もなされないということでは、あまりにもこれは気の毒な状況でございまするので、こういうことについても何らかの形で医療給付が行なえるように制度の具体的な措置を講じてもらいたいのであります。 最後に、第六点でございますが、これは戦争時代の問題でございますが、広島県大久野島というところに陸軍の兵器工廠がございまして、ここに数多くの軍人、軍属が働いておりました。これは当時軍の要求に従って毒ガス生産をやっておったわけであります。この人たちが、いまになってこの毒ガスの被害というものが出て、健康を害され、非常に苦しい立場に置かれている。いま現地では、この人たちが国家に対して何らかの救済措置を要求して、組織もつくっておるわけでありまして、テレビ等でも全国に紹介をされている問題でございます。これについては、最近沖繩でも問題になりましたが、毒ガスという、そういう非人道的な兵器生産に、当時国家的要請によって当たっておったわけでありますが、その後被害を受けて、今日健康を害され、働くにも働けないというような気の毒な事態にある。こういう者についても、共済組合法、特に旧令共済組合法が改正になるわけでありますが、そういうものを通じて何らかの具体的な救済措置が講ぜられるように、こういうことで御提案いたしたわけであります。 以上の附帯決議に対しまして、これは各党一致でございますので、政府におきましても、どうかひとつこの附帯決議の趣旨に沿って、しかるべき時期において十分前向きの具体的措置がとられるように強く要請をいたしまして、附帯決議に対する提案説明を終わらせていただきます。(拍手) ————————————— 昭和四十二年度及び昭和四十三年における旧令による共済組合等からの年金受給者のための特別措置法等の規定による年金の額の改定に関する法律等の一部を改正する法律案及び昭和四十二年度及び昭和四十三年度における公共企業体職員等共済組合法に規定する共済組合が支給する年金の額の改定に関する法律の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案) 一、公的年金のスライド制についての調整規定の運用については、公的年金制度調整連絡会議の結論等を勘案し、すみやかに具体的対策を進めること。 一、公的年金の最低保障額については、今回の改正により引き上げられたところであるが、なおこれが適正な均衡と引上げについて検討すること。 一、外国政府等職員期間の通算が更新組合員に限られているが、終戦当時補虜として外地に抑留留用され、新法施行後に公務員、公企体職員に就職した者についても通算できるよう早急に調査のうえ善処すること。 一、制度改正等に伴う共済組合の給付に要する費用の負担については、その適正を期するよう検討すること。 一、組合員が退職一定期間内に発病した場合において、他の医療保険制度との関連を考慮しつつ、医療給付が行なえるよう具体的措置を講ずるよう努めること。 一、広島県大久野島毒ガス障害者の救済措置について万全を期すること。 —————————————
○田中委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。 おはかりいたします。 本動議のごとく附帯決議を付するに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○田中委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 本附帯決議に対し、政府より発言を求められておりますので、これを許します。福田大蔵大臣。
○福田国務大臣 ただいま御決議のありました事項につきましては、政府といたしましても、御趣旨に沿って十分検討いたしたいと存じます。
○田中委員長 村山運輸政務次官。
○村山(達)政府委員 ただいま御決議のありました事項につきましては、政府におきましても十分検討いたしたいと存じます。 —————————————
○田中委員長 ただいま議決いたしました両法律案に関する委員会報告書の作成等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○田中委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 ————————————— 〔報告書は附録に掲載〕 —————————————
○田中委員長 次回は、明二十三日水曜日、午前十時理事会、十時三十分委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。 午後零時二十八分散会