大蔵委員会 第45号
- 発言数
- 137 件
- 登壇者
- 11 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1969/07/08
会議録
○田中委員長 これより会議を開きます。 内閣提出の昭和四十二年度及び昭和四十三年度における旧令による共済組合等からの年金受給者のための特別措置法等の規定による年金の額の改定に関する法律等の一部を改正する法律案、昭和四十二年度及び昭和四十三年度における公共企業体職員等共済組合法に規定する共済組合が支給する年金の額の改定に関する法律の一部を改正する法律案並びに広瀬秀吉君外十一名提出の国家公務員等退職手当法の一部を改正する法律案、国家公務員共済組合法等の一部を改正する法律案及び公共企業体職員等共済組合法の一部を改正する法律案の各案を議題といたします。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。河村勝君。
○河村委員 最初に、恩給年金制度のスライド制の問題についてお聞きをいたします。いままでの議論が大蔵大臣との間にかわされておったので、大蔵大臣がおられないでほんとうは都合が悪いのですが、やむを得ませんから政務次官に御質問いたします。 過去すでに何回かこの問題については議論がかわされ、また、そればかりでなく数年来の問題でありますが、この間からの大蔵大臣の御答弁を聞いておりまするというと、どうも納得のいかぬ点が多々ありますので、その点について質疑をいたします。 大蔵大臣は、もっぱら物価政策との関連で、物価に対するスライドということについて抽象的には賛成だけれども、実質的には消極的であるというような答弁をされておりますけれども、実際物価政策との関連というのは筋道が少しおかしいので、ほんとうのところは財政負担の問題ばかりお考えになっているんではないかと思われるが、その点をどうお考えですか。
○上村政府委員 先生も御案内のように、このスライド制の基本的な考え方というのが恩給法の中にもございますし、国家公務員共済組合法の中にもあるんですね。スライド制とはっきり書いてございませんが、たとえば国民生活の水準だとかあるいは国家公務員の給与であるとか、物価その他の事情に著しい変動が生じた場合には変動後の諸事情を総合勘案してすみやかに改定の措置を講ずるものとする、こういう規定が恩給法の中にもございますし、こちらにもあるのです。だから、先生のおっしゃるとおりだと思うのですよ。結局財政上の理由ということも相当大きな要点であることは間違いございませんが、基本的には先生おっしゃるような考え方が規定の中に入っております。 でございまするが、大蔵大臣は過般も再三この点についてお触れになっておりますが、大臣は慎重なかまえで、物価というものについては上がるということを前提とすることなくして極力押えていく、こういうようなところに力点を置かれたからああいう御答弁になったと思うのでございますけれども、私は、この問題につきましては、基本的には前向きに検討すべきものであろう。ただし、非常に大きく財政的にもその他各般に影響がございまするので、現在総理府の中に設置されておりまする公的年金制度調整連絡会議で検討いたしております。こういうことであります。
○河村委員 いまの答弁はたいへんおかしい。物価というものは上がるべきものじゃないという前提で考えればスライド制というのはつくるべきものじゃない、そういう意味ですか。
○上村政府委員 そういう意味にお受け取り賜わったならば、たいへん私のことば足らずでございますが、そうではなくて、物価が当然どんどん上がっていくということを放置するという考えでなくて、物価はできるだけ上がらぬような体制の配慮をしていきたい、こういうようなところに大蔵大臣も力点を置かれましたので、結局この前のような慎重な御答弁を申し上げたのではなかろうか、こういうふうに推察して申し上げておるわけでございます。
○河村委員 ヨーロッパ諸国では通貨価値の安定ということについては、わが国とは比較にならぬくらい非常に敏感ですね。そういう通貨価値の安定ということを一番大事にしている国が、この問題についても物価についての自動的なスライド制あるいは半自動的なスライド制をとっているということをあなたは御存じですか。
○上村政府委員 詳細なことはよく存じておりませんけれども、そういうふうなお話は聞いておるわけでございます。
○河村委員 でありますから、ほんとうに物価を押えるという気持ちがあるならば、スライド制をとったからといって決して財政負担に大きなはね返りが来るものじゃないわけですね。そうでしょう。だからこの間大蔵大臣が、スライド制をとることは何か物価政策を放棄するようなことにも相なるというような返事をしましたけれども、そういう財政負担だけを言うなら、これは一つの立場ですからね、これは別ですけれども、物価問題あるいは物価政策をとらえて、だから消極的だというのは理由がないとあなたは思いませんか。
○上村政府委員 私、この前大蔵大臣が他の先生方の、このスライド制に対する御質問に対して御答弁をしておりましたのをここで聞いておりましたわけですが、私、はっきり大蔵大臣にそのお考え方をお聞きしたわけではございませんが、私が隣で聞いておりまして、察するに、物価問題につきましては極力物価の上がらぬような措置を講じていきたいというお考え方はいつも申されておりますので、その点でああいう慎重な御発言をされただろうと思う、こういうことを申し上げたわけでございます。 ただ、いま申し上げるのは、先生がお考えになっておられるスライド制の問題につきましては、これはお考えもよくわかる。何とならば、恩給法の中にも、国家公務員の共済組合法の中にも、そういう基本的な思想のあらわれの規定があるのだから、その中には国民生活水準あるいは国家公務員給与とか物価も入っております。そういうような他の要因も入っておるわけでございます。物価だけというようなものの考え方には諸規定はなっておらぬのでございますので、先生のおっしゃるのはよくわかるわけでございますけれども、いろいろと金の問題に関連するわけでございます。それで現在総理府の中に公的年金制度調整連絡会議というものが設置されておりまして、ここで慎重に検討をいたしておる、こういうわけでございます。
○河村委員 法律や恩給審議会の答申に、そんなことはわかり切っていることで、その中には物価ばかりでなしに、国民の生活水準ということが書いてあるのも知っておりますけれども、スライド制というものを実施する際に、特に物価の問題だけをいま取り上げて質問しておるわけです。だから、そういう一般的な御答弁をされてもこれは意味がないのですけれども、ただ政府の考え方が、どう考えてもあまりつじつまが合いませんから、その点を私は特に聞いているわけなんです。だから、この間からも政府の答弁を聞いておりますと、結論はやはり、物価政策について自信がない、これからも上がるだろう、そうなれば財政負担がますますたいへんになる、だからスライド制はやりたくないんだ、正直にいえばそういうことなんでしょう。
○海堀政府委員 スライド制の場合には、国庫負担だけをいまおっしゃっておりますが、いわゆる国が全部持っておる部門についてはまさに財政負担だけの問題でございますが、使用者としての国並びに被用者としての公務員が負担している分野は、スライド制をとる場合の財源負担もやはり三者負担ということで考えることを原則といたしておりますので、単に財政負担だけではなくて、現在勤務いたしております組合員の負担ということも同時に考えなければならぬ点だろうと思うのでございます。 ただ、年金の実質価値というものを維持していかなければならないということは、先ほど政務次官からもお話がありましたように、精神としてはそのとおりだと思いますが、そのときどきの諸施策、財政事情等も考えなければいけませんし、そのときに勤務している職員の負担の問題も考えなければいけないというふうなことから、どういうふうにやっていくのが最もいいのかということについて現在検討しているわけでございまして、物価政策に自信がないからスライド制ができないということは、直接的にはつながらないという感じがいたします。 〔委員長退席、山下(元)委員長代理着席〕
○河村委員 あなたは問題を少しすりかえたから聞きますけれども、かりにスライド制をとる場合に、物価の上昇、これは共済組合なり何なりの責任じゃありませんね。ですから、そうなれば、かりに組合員あるいは事業主、そういうものをひっくるめて考えても、生活水準が上がっていくことは別でしょうけれども、それはそれぞれの組合員や事業主が負担すべきでしょうけれども、物価だけの問題を取り上げたら、全部国の負担でするのが本筋でしょう。いかがでしょうか。
○海堀政府委員 国の負担にするとおっしゃるわけですけれども、社会保険の負担をどこにとるか、結局物価に基因する場合におきましても、給付水準を上げる場合におきましても、どこに負担さすべきかということは、やはり給与の水準とか、そのときの税負担のあり方とかいうことから総合的に勘案しないと、国の負担と申しましても結局税負担の問題でございますので、たとえば所得税をどの程度まで取っていくかというふうな点も同時に勘案して妥当な負担を考えるということであって、国が必ず負担するんだということを前提として考えることは、社会保険の給付費の負担を考える場合の前提として妥当ではないんではないかと思います。
○河村委員 私が国庫負担のことを言ったら、あなたがわざわざ組合員の負担まで言うから、理屈を言えばそういうことになると言ったので、これはそのほかにいろいろな問題があるでしょう。 このことは別にしまして、毎年毎年恩給、年金関係のいろいろな団体が、いろいろな時間や金を使って一生懸命運動するわけです。ずいぶんむだなことですね。それで現実には物価も上がっていくから、最後は結局実質的にスライドみたいな形をとらざるを得なくなっているのが実態でしょう。そうなれば、結局上げなければならぬものなら上げて、そういうむだなことをさせないで、そして上げるような制度をつくったらどうか。現実に最近では平均の余命年数が延びまして、同時に核家族で、年とってもむすこ夫婦にめんどうを見てもらえないという家族がだんだんふえているわけですね。昔に比べますと、年とってもう年金だけに依存して暮らしているという層がだんだん多くなっております。これは非常に不安なんですね。物価はどんどん上がって年金の実質価値が下がっている、それにもかかわらず少なくとも制度的な保障はないんですね。それは法律の条文はあるけれども、御答弁を聞けば、実質的にはあまりスライドをやろうという気がないということでしょう。それじゃ年金制度の意味がないので、少なくとも生活水準が一般に上がっていく問題については、これは別途にそのときそのときに判断して考えてもよろしいかもしれないけれども、消費者物価の値上がりぐらいはとにかく原則的にスライドはさせるんだというルールだけは確立すべきものだと思いますが、その点どうお考えになりますか。
○海堀政府委員 年金の実質価値を維持していきたいということは、法律でもうたっているところでございますが、ただ現在の社会保険は、まあ国家公務員共済組合あるいは公企体共済組合の長期給付は、給付水準としては一番高いところにあるわけでございまして、それ以外に厚生年金制度、国民年金制度というそれよりも給付水準の低い社会保険も存在しているわけでございます。で、これらスライドの問題を考える場合には、年金生活者といった場合にも、それらをすべてひっくるめて考えていかなければいけない。しかもそれらについて全体の国庫負担というものも考えなければいけない。基本的には、先生のおっしゃることは、もちろんそのとおりだと存じますが、それを具体化する場合にはやはり相当現存している社会保険の給付水準それ自体に差がありまして、しかも相当大きな国庫の負担を伴っているという現実を踏まえまして、現在どういうふうにしていくべきかということを検討しているわけでございまして、精神といたしましてそういう方向を考えなければいけないということに異論があるわけではございません。
○河村委員 海堀さん、あなたは、先ほどもちょっと言いましたけれども、スライド制をとっている国はずいぶんありますね。大体どんな国があって、それらの国は通貨価値の維持についてどれほどの努力を払っているかということは御存じですか。
○海堀政府委員 完全に自動的もしくは半自動的なスライド制といいますか、そういうものをとっておりますのは、先進国としてはフランス、西ドイツ、ルクセンブルグ、オランダ等でございます。
○河村委員 そのほかにもあるはずですけれども、いずれも物価政策については非常に神経過敏なくらいやっている国ですね。ですから逆にいえば、そうした国は、そういう制度をつくることによって物価抑制の覚悟をきめるというのは少し言い過ぎかもしれませんけれども、そのくらい物価抑制ということについて非常な強い決意を政府自体が持っているわけですね。それでなければ、確かに財政負担というのはたいへんだと思うんですね。ですから、日本も今日、これまで物価問題というのが大問題になっている時期に、この辺でもってひとつ決意を固めて、スライド制をとっても財政負担はそう心配ないんだというくらいの目安をつけて、それで思い切ってやるべき時期に到達しているんだと思うんですが、その点どうお考えですか。
○海堀政府委員 これは先ほども申し上げましたように、社会保険制度全般の問題でございまして、全体としますと、はたして現在のように給付水準に相当な差があること自体についても相当批判もあり、改正すべきであるという議論もあり、その中でまたスライド制を採用すべきであるという御議論、これは方向としてはそのとおりだと思っています。それら全般を含めまして、もし国民年金なら国民年金について給付水準を上げるといたしますと、これはまた相当な財政負担を伴う問題でございますし、スライド制をとりますとしますと、これまた相当財政負担が大きくなってくるということでございますので、いまの財政事情から見まして、直ちに、たとえば物価なら物価に自動的にスライドするという方式がとり得るかどうかということは、国民の負担、政策、諸施策の均衡というようなこととも十分関連づけて考えていかなければならぬ点があるのじゃなかろうかと存じます。 現在、そういうことを含めまして、政府部内で鋭意検討いたしておる次第でございまして、私は、実はここで先生に社会保険全般について答弁する立場にないので、まことに申しわけございませんが、現在の社会保険の制度自体に相当給付の差があるということから、まだ、その差自体をどうするかということと、それからいわゆる年金の実質価値を維持するという点、二つの問題を現在の日本の社会保険の制度において同時に論議していかなければならないというところに、なかなかむずかしい点があるんじゃなかろうかというふうに考えております。
○河村委員 それは、給付水準の差の問題と実質価値を維持する問題はほんとうは別なんですよ。ですから、いまの答弁では、ほんとうは筋道は通らぬと私は思いますけれども、この問題は幾ら議論してもこれ以上進まないと思いますからやめます。ただ、やはり結局は、政府にほんとうに物価政策というものを大事にしてやる意思がないか、あるいはあっても自信がないか、おそらくは前者のほうでしょうけれども、そういうところに問題が帰着するわけです。そういう意味で、なおこの問題はこれから問題にしていきたいと思います。 次に、公共企業体共済組合の財政問題、これについてちょっと聞きたいと思います。 年々の年金改定あるいはベースアップその他いろいろな要因によって、公共企業体の年金財政というものがかなり悪化しているように思われます。そこで、公共企業体の現在の年金財政の状態、必要とする責任準備金、それからそれに見合うところの積み立て金、それに財源の不足、そういうものは一体どういう状態になっているか、それをまず最初に伺います。
○山口政府委員 公共企業体の財政状態につきましては、長期経理でございますが、昭和四十年に収支計画策定審議会を設けまして、その段階におきまして、長期五十年にわたりまする収支計画の試算をいたしておるわけでございますが、その収支計画の試算におきましては、脱退残存率あるいは俸給指数、それから年金者死亡生残率あるいは過去勤務債務等考慮いたしまして、そして財源率並びに追加費用というものを定めておるわけでございます。したがいまして、その考え方によりまして、非常に長期にわたる、五十年にわたる試算によりまして、一応長期経理の収支がやっていけるという姿を考えておるわけでございますが、その後の年金改定、それから組合期間の通算範囲の拡張、拡大というものがございまして、そのために年金財政というものが非常に悪化の傾向をたどりつつございます。したがいまして、実は、来年度四十五年度を目標といたしまして、それぞれ収支計画策定審議会に諮問いたしまして、その新しい収支計画というものを検討することにいたしております。 なお、ただいま御質問のございました一応の責任準備金でございますが……。
○河村委員 全部でなくていいです。国鉄だけ代表的に言っていただいてけっこうです。
○山口政府委員 それでは国鉄だけ申し上げますと、国鉄の場合、責任準備金としては一兆一千六百億、それから責任準備金引当金といたしまして一兆一百億円でございます。したがいまして、国鉄が現在の職員並びに組合員または年金の受給者に対して支払うべき金という意味での債務としての責任準備金が一兆一千六百億、それから国鉄に対する責任準備金の引当金、いわば不足責任準備金と申しますか、その分が一兆一百億ということになろうかと思います。
○河村委員 過去勤務債務というか、不足責任準備金が一兆をこえているわけですね。この補てんはどういう形でやっているのですか。
○山口政府委員 お答え申し上げます。 先ほど申し上げました収支計画策定審議会の答申によりまして、毎年千分の五ずつ増加をするという形で責任準備金の補てんをいたしておるわけでございますが、四十四年度におきましては、千分の七十六を追加費用として補てんする、こういうことになっております。
○河村委員 いわゆる過去勤務債務の中には、軍人期間の通算みたいな、純政策的なものも入っておりますね。そういうものは一体どのくらいの額になるのですか。それに見合う追加費用。
○山口政府委員 お答え申し上げます。 過去勤務債務の内容の中で軍人期間の通算によりますものは、昭和四十二年末で約百五十億でございます。
○河村委員 追加費用は全部国鉄が払っているのですか。
○山口政府委員 追加費用は、公企体としての国鉄のほうから支払っているということになっております。
○河村委員 主計局にお伺いしますけれども、幅広くとればいろいろありますけれども、たとえば軍人期間の通算のようなもの、こういうものを公経済を主体として考えているか、事業体を主体として考えているか知りませんけれども、こういうものまで公共企業体に支払わせるという理由は、どういう理由なんですか。
○海堀政府委員 現在、社会保険につきましては、国、地方公共団体、それから公企体が公経済の主体として社会保険を推進する立場から一定の割合を負担して、あとは使用者と被用者が折半して負担するというたてまえをとっているわけでございます。 現在、先生の御質問の点は、公企体をそうした社会保険を推進する立場の公経済の主体ということはどうかという点ではなかろうかと思います。
○河村委員 まだそこまで聞いていない。軍人期間のほうだけ聞いている。
○海堀政府委員 そういうものを含めまして、公企体自体を公経済の主体として一部の負担をしていただいている。これは公企体自身が、そもそも国の公的機能の一部を能率的に遂行するため特に設けられている機関であって、非常に広い意味の国の活動の一翼をになっているものだと考えられます。したがって、公経済の主体としての立場から負担を行なっていただいても、別に特に間違っているということではなくて、それも一つのあり方ではなかろうかというふうに考えております。
○河村委員 俸給総額の千分の五積み立てていくと、これでもって大体まかない切れる、今後とも年金財政としては維持し得る、そういう計算になっているわけですか。
○山口政府委員 先ほど申しましたように、昭和四十年に行ないました収支計画策定審議会におきまして、一応千分の五ずつ追加費用を追加していくということになりますれば、長期的に見れば、不足費用につきまして、これを滞りなく支払うことができるという計算になっております。 ただ、実は先ほど申しましたように、その後年金改定もございますし、ベースアップ等もございます。また、組合期間の通算の範囲というものが非常に拡張されてまいっておりますので、そういう意味で今後の収支状態につきましては、もう一度洗い直す必要があるわけでございまして、実は来年収支計画策定審議会におきまして、それを洗い直して改定をする必要があるのではないか、このように考えております。
○河村委員 千分の五ずつ積み増ししていけばそろばんが合うという計算は、この前に収支計画策定審議会で計算した時期以後に、年金改定その他の原因が発生しない場合を前提として考えたものですか。
○山口政府委員 そのとおりでございまして、四十年当時の時点におきます各種のデータというものを基礎にいたしまして、それに基づいた計画でございますから、その後におきます年金の改定並びに組合期間の通算等につきましては、これは含まれておりません。
○河村委員 そういうことになりますと、少なくとも俸給総額の千分の五ずつの積み増しではなく、今後このままのルールを保っていけば、国鉄財政としてそれ以上負担しなければならぬ、そういうことになるわけですね。そこで一体、国鉄としての負担力があると考えるかどうか、運輸省としてどう考えますか。
○山口政府委員 実は非常にむずかしい問題でございまして、今後の国鉄財政全般の中で人件費の問題ということにつながっていくのではないか、このように考えるところでございます。しかしながら、年金受給者の実質的な年金価値の維持というような点その他も考えあわせますと、これにつきましては十分配慮を行なうことが必要であろうかと思うのでございますが、根本的には将来の国鉄の財政の中で人件費をどのようにするかというところにつながってくる問題かと思います。
○河村委員 人件費云々を議論しなくても、少なくとも千分の五以上の積み増しが必要だという前提で考えれば、あと十年くらいすれば、かりに千分の六ずつ積み増しするとすれば、見当はつくわけですね。そのくらいの、十年か十五年くらいの周期を考えた場合には一体どうなるのですか。
○山口政府委員 四十年の収支計画策定審議会におきまして、千分の五の積み増しを、当分の間これをしていくという考え方で策定をいたしておりますが、今後のベースアップまたはこれに伴います年金改定その他の事情がございますので、今後の予想というものは、もう一度やりますところの収支計画策定審議会で検討するということよりしようがないのではないかと思っております。
○河村委員 じゃ、もっと単純に聞きますけれども、千分の五ずつ積み増していったら、十年で国鉄の財政負担は追加費用だけでどのくらいになりますか。
○山口政府委員 いろいろむずかしい仮定があるかと思いますが、かりに現在の俸給総額を取り出しまして計算をいたしますと、おおむね三百九十億程度の追加費用ということになろうかと思います。
○河村委員 その計算は少し単純過ぎるので、それは大体俸給総額の毎年のアップ率くらい計算に入れなければおかしいのですけれども、まあいいでしょう。 そこで、大蔵省に伺いますけれども、確かに共済組合法が新しくできた当時、いま公務員の共済組合においては、同じ国ではあるけれども、公経済の主体としての国の負担分というのが一五%ですね。その一五%分を国鉄その他の公共企業体に肩がわりさせるときまったいきさつは知っておりますけれども、しかし、その当時といまとでは、公共企業体といってもいろいろ財政事情が違いますから、もちろん一律には論じられませんけれども、国鉄の場合はことしの運賃改定問題、あるいは国鉄の再建問題で非常な大問題を惹起してきておるわけですね。そうしますと、公経済の主体としての肩がわりをさせるということが絶対いかぬともいえないという程度のことでしょう。そうなった場合は、この時期に来て考え方を変えるべきではないでしょうか。
○海堀政府委員 先生も御存じかと思いますが、まず公企体の長期給付というものは国家公務員の長期給付とは、年金額の計算の基礎となります俸給額が違っておりまして、ずっと手厚くなっておることは、もう御存じかと思います。それについて社会保険を推進する立場の国が一五%分は負担すべきでないかという考え方、これは考え方としてはあり得るところであり、公企体に公経済の主体としての一五%分を持たすということが唯一の方法であるというふうに申し上げることはできないかと存じます。ただ、現在までそういう形で推移してきているという過去の経緯を踏まえていかなければいけない。 〔山下(元)委員長代理退席、委員長着席〕 しかも公企体の共済制度は、三公社同じような制度になっておるということを踏まえて考えなければいけないと思います。したがって、そういった公経済の主体としての公企体に負担していただくということは、国鉄につきましては相当の負担であるという事実は、全体の経理状況として出てくる問題としてとらえたい。全体の経理上、国鉄の財政状況として出てくる問題をどういうふうにして処理していくかということは、これは政府としても国鉄当局と一緒になりまして、今後その財政の再建につきましては、各般の措置を考えていくべく財政再建措置法を制定した次第でございます。 したがって、共済制度といたしましてはやはり三公社統一した考え方で進めていきまして、その結果国鉄財政がどういうふうになるかという点は、全体としてその対策を考えてまいりたいというのが政府の考え方であります。
○河村委員 あなたは一言よけいなことを言う。一番最初に公務員の年金給付水準と公共企業体とは違うというお話があったけれども、それは一応退職金制度の調整によってカバーできているのだと私は思うけれども、かりにそうでないとしても、それは単に一五%を一四%にするか、一三%にするかという問題だけであって、本質的な問題じゃありませんね。だから、これはよけいなことを言うべきじゃないと私は思う。 いま、年金制度としては公経済負担を公共企業体に持たせることを続けておいて、国鉄の財政そのものは財政でもって別に考えるのだ、こういうお話であるけれども、しかし、いまいろいろ再建についての議論が出ている中でも、そういう国としての赤字補てんみたいな考え方はないわけですね。だから結局は運賃負担にはね返るわけでしょう。年金財政からくる赤字のしわ寄せを一般の利用者負担に持っていく、そういうことは一体正しいことだと思いますか。
○海堀政府委員 公企体の共済につきまして、公経済の主体としての負担を公企体に持たしていくという点につきましては、これは経緯もあることでございますし、また、それなりに公企体はそもそも特別会計なりから分岐していきまして、政府が全額出資をし、さらに国家の制度としても税法上、あるいはほかの公企体につきましてはある程度独占的な権限も与えるというふうなこともございまして、公企体共済組合について公企体に公経済としての負担をさせるということ自体は特に妥当性を欠くということではないのではなかろうかと存じます。ただ、その負担を電電公社はできるが国鉄は非常に財政上苦しいということは、その負担だけが原因ではないのであって、それは国鉄財政全般の問題としてとらえていくべき筋合いのものではなかろうか。それを料金で措置をとる、あるいは合理化で措置をとる、あるいは一般会計から適正なる助成を行なう、どういう方法によるかは今後国鉄の財政再建の方途として国鉄と一緒に考えていきたいという考え方でございます。
○河村委員 いま国として公共企業体に独占的な地位を与えているというお話がありましたね。専売なんか確かにそのとおりです。電電公社も完全独占でしょう。そうなりますと、だいぶ公共企業体側としても電電、専売と国鉄とは事情が違うのじゃないですか。そういう意味からとらえれば区別してもいい、逆にそういう結論になるのじゃないですか。
○海堀政府委員 要するに公企体の共済組合につきまして、公経済の主体としての負担を公企体当局にお願いするか、国がするかという問題と少し離れてくるのではなかろうか。要するに公社制度というものが、現在三公社統一をして、同一の会計制度あるいは労働関係法規の適用というようなことで統一して取り扱っていることにつきまして、はたして妥当性があるかという点まで議論が及ぶのではなかろうかと存じます。私も、先生のおっしゃいますように、現在完全な独占権を持っております電電公社、それから国の専売事業を代行しております専売公社と、国鉄が同じように法令上の公社として今後適切に運営していけるかどうかという点につきましては、十分検討してみなければならぬ点があろうかと存じます。しかし、独占性が現在ないから、したがった公経済の主体としての、社会保険に対する負担を国鉄のみには国、一般会計がなすべきであると、直ちに結論づけるのはいかがなものかと思います。
○河村委員 あなたが独占ということばを使ったからそういう議論をしたので、本来はやはり公務員の共済組合と公共企業体の共済組合とを区別するいわれはないということですね。そうでなければもう一ぺん制度を考え直さなければならぬ。しかし、まあいいでしょう。この問題はこれで一応打ち切ります。 次に、公共企業体に対して、年金に対する所得税の源泉徴収事務を扱わせていますね。それは一体なぜですか。
○細見政府委員 御承知のように、年金は給与とみなされる所得になっておりまして、十七万円をこえるものにつきましてはすべて源泉徴収をやる、これは御承知のように、受給者の段階でいずれ確定申告を願わなければならないわけでありますから、そういう意味で源泉徴収も有意義である、かように考えます。
○河村委員 源泉徴収の一般論はわかるのですけれども、一般的な俸給給与支給の際は源泉徴収事務もそれほどのことじゃありませんね。ただ、年金についてはまるきりそこに勤務してないばらばらの人間に対する年金ですね。ですから非常に繁雑である。もしやらせるならそれに対する応分の費用を払うべきであると思うが、一体何か払っておられますか。
○細見政府委員 源泉徴収がそこに雇用関係のある人に比べて若干手間がかかる、あるいはふだんの接触が少ないというような点を考慮いたしまして、先ほど申し上げましたように、従来は十六万円であったものを今回十七万円に引き上げておるわけでありますが、それ以下のものについては特に源泉徴収は要らないというやり方になっております。およそ源泉徴収につきましては、いかなるところに源泉徴収をお願いいたした場合にも、そのための費用というものは支払いをしておらないことは万々御承知のことだと存じます。
○河村委員 国鉄が来ておられるから国鉄にじかに伺いますが、一体源泉徴収事務にかかる人間の数、費用その他、一体どういう状況になっているか、ちょっと聞かせてください。
○小泉説明員 正確な数字を申し上げるほどの資料を持っておらないのですが、源泉徴収事務の業務量というものは、大体年金関係の全体の業務量の四分の一ぐらいに当たるわけであります。したがいまして、年金関係に大体現在百名ちょっと人間がかかっておりますので、それの四分の一と申しますと二十五人、かように存じております。
○河村委員 源泉徴収の実際の仕事のやり方はどういうふうにやっておるのですか。
○小泉説明員 現在年金関係の業務は電算化しておりますので、電算にいろいろなインプットをするわけでありますが、要するに、各所に離れております職員からいろいろその状況を聞きまして、どのくらいの扶養家族がおるとかなんとかいうことを全部調べ上げましてこれをインプットする、そうして控除の事務を行なう、このような事務を行なっております。
○河村委員 大蔵省、源泉徴収を一般にやらせておる場合には、そういったやっかいなコンディションにあるそういうものも想定してやらせることを考えていますか。
○細見政府委員 やっかいなことといえば、やっかいでないことではないと思いますが、やはり納税者のほうにおかれましても、一定の給与所得金額、一定の金額以上の所得がありますれば、それはそのつど申告していただくとか、いろいろなことがあるわけでありますから、たびたび最高裁の判決等にありますように、やはり源泉徴収制度というのは、納税者にとっても便益なことであり、若干の負担は支払い者のほうにかけるが、全体として公共の利益に合致しておるものだというようなことで私どもは考えております。ただ、そうは申しましても、いまおっしゃいましたように、あまり零細な金額まで源泉徴収いたしまして、結果は、大部分の方が失格になるような形でむだな徴収は避けなければなりませんので、この十七万円の金額が適当であるかどうかということについては、今後とも給与水準の上昇、あるいは年金水準の上昇というようなものも考え合わせながら、検討してまいらねばならない問題だ、かようには考えております。
○河村委員 十七万で線を引いて、現在源泉徴収事務の対象になる受給人員というのは、一体何人いるんですか、国鉄でいったら。
○小泉説明員 現在退職年金の受給者が十二万人、正確には十二万二千人ほどでございますが、その中で、十七万以上の金額を支給されるものが九万人ございます。したがって、源泉徴収の事務の対象になる者も九万人ということでございます。
○河村委員 主税局で、一体こんなばかばかしく手数のかかるものを、こういう種類の源泉徴収をやらせているのは、どのくらいあるんですか。私は、源泉徴収全体の問題を、いま憲法違反論を別にやっているわけじゃないんで、実態において、あんまりめんどうくさいことをやらせるのはおかしいんじゃないかという意味で言っているんで、一体ほかにそういうのがありますか。
○細見政府委員 いまの九万人というのが十七万円をこえますが、先ほどもお話がありましたように、扶養親族等、申告書を出していただけば、現実に課税になる方は四万人に減るわけでございまして、そういう意味で、特にこれが多いとか少ないとかいうことではないと思います。
○河村委員 四万人に減るというのは、繁雑な作業をやった後に確定することで、実際源泉徴収事務からやったら減ったことには一つもなりはしないでしょう。公務員共済組合でも同じことをやっているわけでありますが、この場合は、国が全部金を出しているから、これはカバーできるでしょうけれども、共済組合の四分の一の業務量を占めるようなものをやらせるというのはおかしいじゃないですか。
○細見政府委員 その点は繰り返しになりますが、先ほども申し上げましたように、やはり受給者のほうの便益ということもございまして、まとめてやっていただくということが、私どもはいいんじゃないか、かように考えております。
○河村委員 受給者の便益ということになりますと、それなら年金受給者が自分たちは確定申告をやってもよろしいという意見が多数であれば、確定申告に切りかえてもよろしい、そういうことになるわけですね。
○細見政府委員 私は、制度としてのことを申し上げておるわけで、制度としてやはり大多数のものについて源泉徴収制度をとっておるわけでありますから、たとえば原稿料とかそのほかのものについてもやっておるわけで、そういう意味で、本制度はやはり源泉徴収制度の広い意味の一環として、それなりの意味があるのじゃないか、かように考えております。
○河村委員 しかしあれでしょう。要するに、受給者側の便宜ということで議論するなら、それはただ一律に、一般論で全部源泉徴収のほうがよろしいのだときめつけることはないので、この種の非常に繁雑な手数があって、しかも年金の場合に、年金受給者のほうで確定申告をやっても一向差しつかえないという条件があるなら、これを源泉徴収から除外することは一向差しつかえないことでしょう。
○細見政府委員 その点につきましては、先ほども申しましたように、繁雑な手数をなるべく避けて、現実的に両方にとって好ましい状態というのが、たとえばいまの十七万円であますが、それを将来何万円ぐらいにすればいいのかということは、絶えず検討してまいらなければならないと思いますが、制度そのものは、先ほど申しましたように、全体としての日本の源泉徴収制度の一環としてそれなりに意義がある、かように考えております。
○河村委員 どうもあなたの言うことは理屈にならない。これは二つに一つでなければならないのですね。一般の源泉徴収事務に比較して非常に金がかかるということである場合には、その金を出してやるか、それでなければ確定申告は切りかえて源徴収事務をやめるか、一本にすべきであって、まあ制度がこれだから何でもやるのだというのは、国の態度としてははなはだ不親切じゃないですか。
○細見政府委員 現実の支給段階においていろいろ御苦労を願っておることは、われわれにもわかりますが、やはり全体として所得税制度というものが、源泉徴収制度の上に成り立っておるわけでありますから、そういう意味におきまして、その段階の経理状態の問題ということとは別個に、やはりこの源泉徴収制度が維持できる方向で——ただいたずらに手数をかけるというふうなことは、これは避けてまいらねばならぬと思いますが、維持できる方向で御検討を願いたい、かように考えております。
○河村委員 しかし、いまの実態からいえば、いたずらに手数がかかっておるわけでしょう。確定申告にそれを切りかえたからといって、別段徴税当局にしたってたいした問題にならないはずですね。だから、マイナスが多くてプラスが少ないというのがこの制度でしょう。それなら何も——どうも大蔵省は部門がいろいろ違って、それぞれかってな理屈を言うのでぐあいが悪いけれども、しかし、やはり国務審議官か国務局長か知らないけれども、そういう立場に立てば、こういうのは実質に合うように考えることは可能でしょうか。
○細見政府委員 先ほども申しておりますように、十七万円がいいかどうかというようなことについて、現実的に検討は今後もいたしてまいりたいと思っております。
○河村委員 まあもっぱら十七万円に固執しているようですけれども、しかしもうちょっと——制度一般論に固執しちゃって、実態にはなるべく目をふさいで、うっかりくずしたら源泉徴収制度全部がくずれちゃってたいへんだというようなことを心配して議論しておられるようです。そんなものでは私はないと思うのです。これはもっと実態をよく調べて、その上でもう一ぺん考えてください。 質問を終わります。
○田中委員長 広瀬秀吉君。
○広瀬(秀)委員 政務次官にお伺いをいたします。 この共済組合における年金制度というのは、社会保障の一環である、こういう御見解を持たれますか。
○上村政府委員 社会保障というものの概念につきましては、先生御案内のように、いろいろな概念の考え方——広く考える考え方、狭く考える考え方、いろいろございますことは、府政の社会保障制度審議会におきましても、いろいろ意見が出たところでございますが、広い意味におきましては、もちろん社会保障制度の一環だと思っております。
○広瀬(秀)委員 そこで、これは間違いなく私どもやはり社会保障制度の一環であるという見解を持つわけであります。そういった場合に、社会保障としての年金の性格があるということになれば、この前の質問でも取り上げましたように、これは税制上単なる所得——第一線を退いて年金で生活をするというような人と、一般の現に現役として賃金を稼得しているというような人と若干違う面があるのではないかという考えが出てきて当然いい問題だと思うのです。年金を国から支給をされてそれで生活をまかなっていくというような場合に、これをまたもう一ぺん税金を取るというやり方というのは、どうもしっくりこない面があるわけですね。そういう問題についてどう一体お考えになりますか。これはやはり一般の所得と、かせいで取る稼得する賃金なりあるいはその他の事業所得なりというようなものと別個の扱いに何らかの形ですべきではないか、そういうように私ども考えるのでありますが、これは主税当局と次官と両方から答えていただきたい。
○細見政府委員 給与所得と比べて、給与所得についてはいろいろ問題があるとかあるいは給与を得るためのいろいろなコストの問題とかいうようなものがございますが、御承知のように年金につきましても給与所得控除を設けております。そういう意味で、いわばうちにいながらにしてもらう金について給与所得控除が設けられておる。これはやはりそれなりの意味もあって、おっしゃるように老後にほかに生活の資もないというような担税力の弱さというようなものを見ての制度であろうと思います。 なお、御承知のように、この共済年金に積みます本人の掛け金は所得の計算上経費になっておるわけでありまして、その意味では税金は一回だけかけておる。かけるときにも、それを、共済組合のような場合でありますと、その年々積み上げられておる金について、ほかの年金でありますと御承知のように一%というようなものをかけておるものもございますが、いわゆる社会保険的なものにつきましてはそういう税もないということで、それなりの配慮はいたしておる、かように考えます。
○上村政府委員 私、広瀬先生がおっしゃったとおり、年金と普通の所得とは違うだろうと思います。考え方は先生のおっしゃるとおりだろうと思います。それで、どういうようなぐあいにここにその差を設けていくかということだと思います。現在の状態におきましては、細見審議官が申されましたとおりのところで一応差を設けて処置をしていく、こういう考え方でございます。社会情勢のいろいろな変化によりまして、私は、先生のおっしゃるとおり今後検討すべき課題であろう、こういうように思っております。
○広瀬(秀)委員 この問題は、いま政務次官は、賃金というようなものあるいは事業所得というようなものと年金というものの性格の異なることをはっきりお認めになりました。したがって、諸情勢の発展に応じて、その問題に対する課税のあり方、こういうような問題全般を含めて検討したい、こういうお気持ちを表明されましたので、私、これ以上ここでこの問題をやろうとは思いませんが、この点はひとつ真剣に、諸外国の例なども十分参照しながら、やはり何らかの税制上における前向きの、この問題に対する検討というものがあってしかるべきだ、こういうふうに思うので、その点強く要望をいたしまして、次の質問に移りたいと思います。 そこで、国家公務員の共済組合の場合、あるいはまた公企体の共済の場合、両方について、損益計算書なりあるいはバランスシートなり長期経理の資産構成割合などをいただいたわけですが、しかもことしは五年ごとに再計算をする財源率再計算の年にも当たっている、こういうようなことでございますから、この問題についてちょっとお伺いをいたしたいわけであります。公企体の関係で、損益計算書で利益として計上されている負担金、掛け金、利息、配当金その他、こういうことになっておるわけですが、現在損益計算というものが、ここに表はありますが、これは皆さんの専門家として感じたところ——いま年々掛け金の基礎になる俸給の引き上げなども、おそらく当初予定した前年の予算と決算との関係などを見てみますと、ほんとうにほとんど三%か四%ぐらいしか掛け金の収入も伸びないだろうというような予算が出ておる。しかし、現実には一〇%以上賃金が伸びるというようなことに応じて、掛け金の収入というようなものも予想以上に伸びているはずであります。そういうようなことなども踏まえて、一体損益計算というものが悪い方向にあるのか、あるいは健全な方向に推移しているのか、この辺の分析というものはどういうようになさっているわけですか。これは国家公務員及び公企体、両方から、皆さんの分析の結果、どういうような見方をしておられるか、この点を伺いたいわけであります。
○海堀政府委員 連合会の関係でございますが、これはことしの十月が再計算の時期でございまして、現在は推測の域を出ないわけでございますけれども、最近相当大幅のベースアップが続いておりますので、過去勤務債務につきましての積み立て不足というものがある程度予想されております。しかし現在以降、一応現在の給与を前提といたしました掛け金率で将来を見通すということでは、バランスは十分する予想でございますが、過去勤務債務につきまして、ある程度の積み立て金の不足が予想されるという状態でございます。それから、ほかの一般会計の関係では建設省、建設省の関係もやはり同様な事態で、多少の不足が予想されております。
○山口政府委員 公企体関係について申し上げますと、先ほども河村先生の御質疑に対してお答え申し上げましたが、昭和四十年度に収支計画策定審議会を開きまして、その収支策定審議会によりまして、脱退残存率、俸給指数、退職年金者死亡生残率、遺族年金者の生残率というような各般の比率に基づきまして計算をいたしまして、さらに過去勤務債務に対する額並びにその趨勢というものも検討いたしまして、収支の策定をいたしたわけでございます。 その後、ただいま先生からお話がございましたような、俸給率におきましても俸給指数におきましても、当時の考え方よりもはるかに大きなベースアップというようなものがございます。またこれに関連いたしまして年金の改定もございますし、それから先ほども河村先生にお答えいたしましたが、組合員期間の算入の範囲がふえてきておる部分もございます。そういったような点がございまして、今後の収支策定につきましては、当時の収支の策定よりもはるかに過去勤務債務等が大きくなることが予想されるわけでございます。現在の段階では、先生御存じのとおりまだ利益を生じておるわけでございますが、これが先へ参りまして相当大きなちょうちん型の人員構成というところが年金者に転化をしていくという事態になりまして、その収支状況が非常に大きく悪化が出てくるわけでございます。前回策定いたしましたものよりも財政は悪化するという予想でございますので、来年度を目標としてさらに収支策定をいたしまして、今後の追加費用の問題並びに財源率の問題等を検討しなければならないものと考えております。
○広瀬(秀)委員 過去勤務債務に対する積み立て不足があるということを海堀次長言われたわけですが、いまどのくらいその積み立て不足があるわけでありますか。これを数字で明らかにしていただきたい。
○海堀政府委員 これは現在推定値でございますが、連合会の関係につきましては、差し引き計算でございますが、現時点で推定いたしますと五百億余りの積み立て不足という形であろうと推定されます。
○広瀬(秀)委員 これは公務員だけのあれですね。
○海堀政府委員 連合会加入の組合全体でございます。
○広瀬(秀)委員 そこでこの内容を、過去勤務債務の関係で積み立て不足になった、この過去勤務債務の内訳はわかりませんか。どういうものについてどれだけの積み不足になっているということはわかりますか。
○海堀政府委員 おおむね給与改定に基づきます、要するに現在の給与を前提として考えますと、過去の分はその給与改定のないといいますか、古い給与で積んでおりますので、その関係での不足が約六百億程度でございます。これを利差益等で消しまして五百億余りというふうに推定されるわけでございます。
○広瀬(秀)委員 公企体のほうは過去勤務債務に対する積み立て不足というものはどのくらいにのぼりますか。
○山口政府委員 過去勤務債務の内容はいろいろあるわけでございますが、その積み立て不足という意味でございますが、結局責任準備金というものの考え方が、現在の職員が全部やめてしまった場合にどういうような負担を生じているかというような考え方に立った場合の責任準備金という考え方をとりますと、これは先ほども申し上げましたが、一兆一千六百億でございます。さらにそれに対しまして、過去勤務債務等といたしまして国鉄が負担すべきものというものが約一兆一百億でございます。したがいまして、その一兆一百億というものが過去勤務債務のいわば総額というわけであります。 なお、新法後の部分、いわば三者負担になっておりまする新法後の分に対しまする共済組合としての不足責任準備金につきましては、五百八十四億でございます。
○広瀬(秀)委員 そうしますと、この国家公務員の連合会加盟で見ると大体五百億くらいの積み立て不足がある。公企体でも五百八十四億くらいある、こういうお話でございます。これと追加費用で、いままで千分の五くらいずつ毎年追加費用として割り増しして積み立てていく、こういう方式をとってきたわけです。いろいろ考慮しなければならない数字は、先ほど鉄道部長が述べられましたけれども、それらを総合勘案してこの千分の五ないし千分の七くらいのところで考えるというようなことも言われておるわけですが、この積み増し分はふえる方向に、今度の財源率再計算では千分の六なり七なりというようなところまで持っていかなければならないような関係になるのか。この積み不足というものとの関係はどういうことになるのでありますか。
○山口政府委員 追加費用の負担すべき過去勤務債務でございますが、これは結局もとは、先ほど申しましたような一兆にのぼりまするところの過去勤務債務というものがございますために、これが将来の組合財政というものに響いてまいりますので、それを千分の五ずつふやした追加費用でまかなっていく、こういう考え方でございます。したがいまして、先ほど申しました五百八十億ばかりのものとの違いというものは、いわばいまの一兆のほうは、新法の施行前のたとえば過去勤務債務、それから新法が施行になりましたときに生じました増加額、それからその後のベースアップの増加額、それから数回ございました年金改定によりまするところの増加額、さらに軍人期間を算入しましたところの増加額、それから過去勤務債務に対する利息相当分、こういったものを全部ひっくるめましたものが一兆でございます。こういうものがございますために、今後の組合財政といたしましては、追加費用として千分の五ずつ毎年ふやしていくという形でなければ収支策定ができないということでございます。 先ほど申しましたように、当時策定いたしましたときよりも事情が若干違ってまいりまして、ベースアップも従来考えておりましたよりも大きかったし、年金改定も大きい。さらに組合期間が新たに通算されるというようなものもふえてきたというようなことでございまして、その点で千分の五というものではたしていいのかどうかということを、来年度を期してもう一ぺん洗い直すということが必要であろうかというふうに考えるわけでございます。
○広瀬(秀)委員 鉄道部長、あなたから出してもらった資料によりますと、責任準備金、これが昭和四十二年度決算で一兆一千六百七十四億何がし、四十三年度は一兆三千七百七十九億、四十四年度の予定では一兆五千億にのぼるという計算が出ておるわけですね。一兆一千六百億というのは四十二年でございますね。もう四十四年では一兆五千億、こういうことになっておるわけですね。この数字は大体そういうことですね。
○山口政府委員 大体そのとおりでございます。
○広瀬(秀)委員 それで、千分の五積み増しをする、追加費用を計上していくということでいままでやってこられた。これは公企体そのものが負担をするわけですか、その追加費用は。それとも、掛け金の中からもそっちへ回すという、そういう性格のものですか。どっちですか。
○山口政府委員 この点は公共企業体職員等共済組合法に規定してございまして、その追加費用につきましては公企体が負担をする、こういうことにいたしております。
○広瀬(秀)委員 そこで、この整理資源の問題をちょっとお伺いをいたしたいのですが、これは海堀次長ひとつ答えていただきたいのです。整理資源というのは現在どういうことになっておりますか。その性格と、現在整理資金が一体幾らあるのかということをまずお聞きいたしたい。
○海堀政府委員 共済制度ができました際に、いわゆる公務員につきましては、恩給制度でそれまでやっておりましたものを共済制度に切りかえたわけでございます。しかし、共済年金の給付におきましては、その恩給期間につきましても、計算の方法は多少の違いがありますが、年金算定の基礎に入れて年金を給付するということにいたしておるわけでございますが、その恩給公務員期間というものにつきましては、国もまたその公務員も何ら積み立てを行なっていなかったわけでございます。したがいまして、その人たちに給付するにつきましては、その恩給公務員期間についての積み立て金の不足額というものが共済制度発足の当初にあったわけでございます。これは幾らになるかということでございますが、もちろん概算的な計算はいたしたことはあるわけでございますが、現在はその元金の積み立て額を幾らという形ではなくて、現実に恩給公務員期間がある人たちがやめて、年金なりあるいは一時金なりを支給する場合におきますその恩給公務員期間の費用につきまして、毎年その実額を国庫で負担していくという方式をとっておるのでございます。したがいまして、その元の整理資金額は幾らかということを現在は把握はしておりませんで、現実に発生します追加費用というものを国庫で負担していっているという形をとっております。
○広瀬(秀)委員 どうもその辺のところがよくわからないのでありますが、大体三十四年度でこれは二千億といわれておったということなんですね。それで、私ども詳しいことをよくわからないですけれども、いま次長がおっしゃったように、恩給公務員期間に相当する額を翌年度の国の予算でそのつど措置するという、いわば修正実額方式というんだそうでありますが、そういう方式でやっておられる。元金は一体——その整理資源というものは現実にどこかが管理をして、そうして三十四年当時二千億といわれておったそれは一体どうなっちゃっておるのか。いま、どこがその資金を管理するのかというような、そういうものでは全くない、そのつど追加費用が出てくれば、それに対してそのときそのときに応じて出していくんだ。したがって、もう二千億というような概念というものはすでにないんだ、そういういわば資金というものはないのだ。ただし、それではとめどもなく、追加費用についてはそういうことで実額修正という形を通じて財源を追加していく。こういうことで、二千億を突破しようが、三千億を突破しようが、それはもうかまわないことなんだ、こういうことなんですか。
○海堀政府委員 少し解説的になると思いますが、共済制度発足のときに、恩給公務員期間につきまして、現在の共済制度と同じように、その時点まで、国、使用者、被用者が積み立ててきてあったといたしますと、その時点におきます積み立ての総額、運用益を含めましたものが、二千億と推定されたわけでございます。これが処理といたしましては、一挙に二千億を入れますと、これで一切解決するのが一つでございます。それからもう一つは、金が足りなくないのでございますから、二千億は一応国が借りたような形に考えまして、それの運用益、利子分だけを毎年入れていきましても、これはある程度積み立て方式をとっている限りにおきましては金がなくなることはございませんので、二千億というものを国が借りたような形で利子だけを負担していくということも一つの考え方だったわけでございます。しかし、現在とっております方式は、その二千億並びに将来の運用益が現実に支出しなければならなくなってきた時点、すなわち追加費用が現実に発生してきました時点におきまして、それを現実に支払っていっているということでございます。 したがいまして、これは将来、この恩給公務員期間のある人たちの分を全部こういう形で支払った場合におきましては、理論値と実際値が一致いたすと考えますと、二千億にその将来期間のすべての運用益というものが加わった額が実額負担方式で支出されていくことになろうかと存じます。
○広瀬(秀)委員 そこで、前には、この整理資源、まあ不足責任準備金として国が負担をすることになっているわけですが、連合会等でも、三十四年十月の現行法の施行当時に二千億ある、それの運用益も考えられるということになれば、かなりの額に今日のぼっていなければならないはずですね。そしてそれを、たとえば三十五年から四十二年度までに二百七十三億円を繰り入れをした、四十三年度でも百億二千五百万円計上されている、こういうことになってきている。そういうように、そのつど、追加費用があり請求があれば出していく。こういうことで、まめ修正実額負担方式だということにしているわけですけれども、その当時に、一体連合会所属のどこの共済に、何人の人がこの恩給公務員期間に相当する、そしてそういう形で整理資源を繰り入れていかなければならぬ人があるかわからぬのだというようなことで、これが完全に調査ができないから、一括繰り入れというような形のものはとれないのだ。こういうようなことを言っておられて、それがいつの間にか今度はなしくずし的なものになってきているというようなこと、どうもそこらのところが不明朗であり、何かわからない状況になっているということなんですが、調査がぴしゃっと完了して、大体九九%、一〇〇%近く調査を完了しているんだということになれば、一括繰り入れ方式をとってもちっとも差しつかえないのではないか。国が借りたような形というような何か妙な、私どもにはわからないことを言われても、ますますこの整理資源の行くえというものはわからなくなってしまう。これはそういう形ですかっと処理するということはできないものなんですか。
○海堀政府委員 現在の方式は、恩給公務員期間につきましての給付に要する費用はすべて国庫が負担しておりますので、恩給公務員期間についての共済の給付に要します費用を国が実際に負担する方式として一番正確であり、そしてまた財政負担のあり方からしましても、これは徐々にふえていくということからも現実的ではなかろうかと存じます。
○広瀬(秀)委員 いや、そういう考えもあるし、調査が完了して——いわば整理資源を性格的に考えてみれば、新法に切りかえる前は、恩給法と旧法共済が並立しておった。その中で恩給公務員であった者が掛け金もしておった。これはいわば賃金部分ですよ。恩給公務員の当時の賃金部分であった。そういうようなものが積もり積もってそういう額になっておるとするならば、それだけのものに対して、将来恩給債務というようなもので、いろいろな事情の変更等によって追加費用も出てくる。そういうものも計算できて、それでトータルで二千億くらいということになるのなら、そういうものの計算ができるのだから、事務をやっている単位共済に全部一括して繰り入れてしまったところで、それは二千億、いわば利子も運用益も最低でも五分五厘、あるいはそれ以上の運用益、現在一%以上も高い運用益もあるんですから、そういうことになれば、さらに現在の共済組合を育成する道にもつながるんじゃないか。かってにそれぞれやるというのでなくて、きちんと計算できる、実態調査も済んでいる段階では、そういう一括繰り入れをやって整理資源の問題を片づけて、あとは具体的な数字の根拠によってちゃんと分けたのだから、それから先のものはその運用にまかして、それで追加費用もまかなっていくということだって当然考えられていいことだと思うのです。そういう方向がどうしてもとれないという積極的な理由があるのですか。
○海堀政府委員 先生の御質問の趣旨とちょっと違うかと存じますが、政府は恩給制度で三十四年十月まで推移してきた。そこで、恩給制度のままであったらどうであったかといいますと、ある人がやめたときに恩給を支給していくのであって、その恩給を支給するための費用を特に別途に積み立てていたわけではございませんので、これはもう先生御存じのとおりと存じます。そこで、共済制度に切りかわりましたけれども、その恩給公務員期間を持っている人がそこで全部やめたわけではございません。その際に整理資源といいましたものは、恩給公務員期間につきまして、そこで観念的に、将来退職という事態が生じた場合に国が出さなければならない費用があるということでございまして、その額は直ちにそこで現実に共済組合に交付しなければならない性格のものかどうかという点については、考え方としまして、そういう方途をとることが絶対にいけないということではなかろうと存じますが、現在やっておりますように、現実に退職という事態が生じましたときに、その恩給公務員期間につきまして国が負担するものを現実的に負担していっているということが、制度の切りかえとしましては一番実際的であり、そうして財政負担という面から見ても適切な処理ではなかろうかというふうに考えております。
○広瀬(秀)委員 いままで恩給の適用を受けておった者が、三十四年段階で今度は共済組合になってきた。その前に恩給公務員の人たちは国庫納付金という形でやっておった。しかし、それが今度共済組合法に移り変わったわけですから、その恩給公務員として積み立てた期間というようなものについて、俗なことばで言うと、国がめんどうを見ていくというような形で、国がやはりあれを握っているということも一つの理屈ではあるかもしれない。そしてその部分についてはやはり国が見ざるを得ないんだ、その期間については見ざるを得ないんだというようなことが一人一人について調査をされ積算をされて、整理資源の概念が出てくるわけだけれども、しかし、現実にはもう共済組合しかないのですよ。だから、その分について、単位共済にそれをまかしてしまってもこれは同じことなんですよ。その共済組合も国に準じた形で一切の事務をやっているわけですから、したがって、その運用益なんかも、これは三十四年当時に二千億あったというのを、国が握って運用しているという場合にだって、最低に見たって百十億の運用益が出ているはずなんだ。そういうものもどんどん積み重なっているじゃないか、その額が一体どのくらいになっているんだ。ただ、必要に応じて出しますよ、これだけは国の負担分だ、各単位共済組合から要求があればそれに出していきます、連合会から要求があれば出していきますよ、こういうことではなしに、単位共済組合一本しかないんだから、そのものに、具体的に計算の基礎になる実態調査も済んでいるというんだから、済まないからやれないのですというようなことを当初は言っておって、今度は国がやはり握っておって、そうして必要に応じて出せばいいじゃないですかというのもどうも筋が通らぬような気がするのですね。 共済組合に、そのデータに応じてきちんと、正しい公平な配分というものはできる条件というものができている、そういう調査も済んでいるのだというならば、少なくともその運用益だけでもその単位共済にはプラスになっていくはずでしょう。そうすれば財源率の計算の問題やらあるいは過去勤務債務あるいは将来勤務債務、そういうものを含めて、非常に運用益というものもプラスになっていくわけだし、むしろそのほうが合理的だし、この処理としていい姿ではないのか、こういうことを申し上げたいわけなんです。どうしてもそれができないのだという特別な理由があるならば別だけれども、それがどうもいまの次長の御説明だけでは納得できるようなものではない、こういうように思うのです。いかがです。
○海堀政府委員 先ほどもお答え申し上げましたように、恩給公務員期間につきましては、その年金給付に要する費用はすべて国が負担しなければならないという原則に基づきまして処理をしているわけでございます。先生の申されましたように、そのときの給与におきまして整理資源というものの計算はできたと思います。しかし、それはそのときの給与でございまして、その恩給期間につきましては、現在先生御承知のように、最終報酬を基礎にして恩給部分は別に計算をして合算をいたすということになっておりますので、給与改定があれば当然また国の要するに恩給公務員に対する整理資源の額も変わってくるということで、常にそういうことを繰り返していくという形になると存じます、もし先生のおっしゃるような形をとりますと。現在はそういうことをやりませんで、現実に恩給公務員期間のある人に対する給付につきまして、恩給公務員期間にかかわる経費をすべて負担していっているということでございますので、先生のおっしゃいました整理資源、その運用益、それらをすべて現実に支出が必要となってきたときにその必要な額を支出していっているという形をとっておるわけでございまして、これが財政上の処理から見ましても、また給付が現実に出たときに恩給においては負担していたわけでございますので、それをその後も踏襲してきたということで、財政上の処理から見ましてもまた制度の切りかえの実際から見ましても、一番妥当なやり方ではないかというふうに考えている次第でございます。 先生のおっしゃいますように、一度整理資源を交付すればそれで済むかと申しますと、ベースアップがあるごとにそれは変わります。それから財政上から見ますと、二千億という金を一時に処理をするということは、その当時の財政事情から見て非常に困難であったということも考えて、現在のような処理をとった次第でございます。
○広瀬(秀)委員 私ども十分納得できる説明ではないわけですが、いわば国が恩給公務員部分については最終的に責任を負うのだというこの考え方は、それはそれでけっこうだと思うのです。しかし、現実には恩給制度あるいは旧令共済、旧法共済が一元化されても共済制度だけしかない現実になってきているのだ。この問題をとらえて、しかも国の責任というのはやはり公企体にしたって国家公務員の現実の各省ごとの共済にしたって、これは国そのものに変わりないと見てもいいわけですよ。そういう組織がただ一つ現存をしているということになれば、これは方法はいろいろ考えるにしてもやはり一括繰り入れにしていく、そうでなければこの整理資源二千億が、国で運用益というようなことも当然考えるのだと、先ほどもそういう話もございました。そうなれば、一体いまそれが幾らになっているのかということ、そしてそれをどういうようにして今日支出をしていっているのか、こういうようなことをやはりこの整理資源をめぐって一つの何か特別会計のようなかっこうを起こしてはっきりさせてもらわぬことには、どうも財政上の処置としても首尾一貫しないのじゃないでしょうか。二千億の金を各単位共済に分けてやるというのは、一年度限りにすればなかなかたいへんな措置かもしれないけれども、考え方としてはやっぱりそこらのところまで明らかにしてこういう状態になっているのだということがはっきりしないことには、何かどうも割り切れない感じをぬぐえないわけですがね。
○海堀政府委員 整理資源というものは、その当時そこまで恩給公務員として勤務をしていた人につきまして、共済制度に切りかわったその場合の、そのときの給与におきます積み立て金の不足額というふうに考えていただいていいのじゃなかろうかと思うのですが、それは恩給制度の場合にはなかったわけでございます。これは一方で一部納付金というものを取っておりましたが、これは一般の歳入に取りまして、別途恩給として支出していたわけでございます。今度共済制度に振り変ったときには、もし共済制度できているとした場合にはこの程度の積み立て金があったであろうという額は観念的には一応成り立ったわけでございますが、それも現実には、先ほど申し上げましたように、恩給期間につきましては最終報酬を基礎としますので、ベースアップがあるごとにそれは動くわけでございます。とともに、それが実際必要となってくるのは本人が退職という事実が発生して給付の必要が生じたときにその金が必要となってまいりますので、先生が申されています金、それにベースアップに応じてそれを修正した額は、恩給公務員期間のある方々が今後やめまして年金の給付を行ないます際にその実額を負担していくことによりまして、最後に恩給公務員期間のある方に対する年金給付が全くなくなったときまでのその実額負担分を足していただきますと、政府が負担しなければならなかったものを全部負担する形になりますので、これは恩給制度というものから共済制度に切りかえますにつきましての恩給公務員期間のある人々に対します政府の負担部分の処理のしかたといたしましては、一番現実的な方法であるというふうに私どもは考えて、こういう措置をとっておるわけでございます。
○広瀬(秀)委員 いまのお答えはお答えとしてよくわかります。しかし、いわばこれは長期にわたる国の債務とういようなとらえ方、理解のしかたもしていいと思うのですね。そういうことであるならば、これは計算上ちゃんと出るわけですから、何年にはどういう形で出てくるというものがわかるのですから、ある年限を切って、何年間にそういうようなものは全部もう共済組合に、一括繰り入れという表現は単年度でばっと一斉にやるということでなくてもけっこうですから、そういう計算のつく限りそれを単位共済に国からむしろ先払いをしてしまって、共済組合に力をつけてやっていくということで、国の責任をのがれるというか、肩がわりをそういう形できっちりやってもらう。そうすれば共済組合ではその分だけは運用益も生む問題であるし、経営にも非常にプラスになっていくというような処理をしたって、ちっともおかしくないと思うのです。むしろそのほうが現実の共済制度に一元化された今日においては、当然そういうことを考えていくべき段階に来ておるのではないか。そういう条件もそろってきておる、実態調査も済んでおるという段階では、そういう考えに変わるのも当然ではないか、こういうように考えるのです。 整理資源の扱いの問題については、政務次官、いま私が申し上げたような点をも十分考えて、国はいつまで持つのだから、国に責任のがれをするわけではないのだからということではなしに、一元化されたこの共済組合制度というものをもっと充実させ、そして国がいつまでもそういうものをそのつど払い出していくというような形から抜け出す、そういう方式に移ることは十分検討に値することだと思うのですね。だから、そういうことについてひとつ政治家としての次官のお考えをこの際聞きたいと思います。
○上村政府委員 いま広瀬先生からずっと詳細に御意見を交えながら御質問がございました。よく拝聴いたしております。なお、海堀次長からも現在の制度、これの考え方についてお答えを申し上げたわけでございますが、十分この点につきましては今後検討してまいりたいと思います。
○広瀬(秀)委員 質問を変えますが、恩給局も来ておりますので伺います。 この前も質問をいたしたわけですが、公的年金制度調整連絡会議、これは昨年の恩給審議会の答申を受けていわゆる調整規定、私どもはスライド制とこう呼んでおるわけですが、賃金水準あるいは生活水準、あるいは物価その他の事情を勘案して改定をはかっていくのだ、こういうことになっている問題を、この調整連絡会議を通じていろいろそういう趣旨を実現するための方策を検討し、実現に移していく、こういう立場で連絡会議が開かれていると思うのですが、現在までどういう作業をし、どういうめどを持ちながらこの問題に対処をしていかれているのか、この点を岸野参事官及び恩給局の大屋敷さん、両者にひとつ伺いたいと思います。
○岸野説明員 先生御指摘のように、一昨年の六月に制度審議会からの申し入れがありまして、総理府に連絡協議会を設けたものでございます。おおむね二年近くかかって、その間総会を五回、幹事会を九回、さらに現在とりまとめのための小委員会をすでに八回開いております。問題点は大体出尽くしておりまして、何ぶんにも恩給とそれから片方厚生年金あるいは国民年金、その中間に公務員年金、それぞれ大別しまして三つの型があるわけでございますが、それぞれの制度の成立の沿革、現在の運用の実態の相違等ございまして、たとえば改定の対象になるものをどこに重点を置くか、あるいは改定の対象にすべき共通の部分とは一体どういうものなのかというような具体的な検討につきまして、あとう限り総理府といたしまして意見の一致を見るようにいろいろ御審議をいただいておるわけでございます。必ずしもすべてにわたってなかなか意見の一致を見るという段階に至っておらないわけでございます。 結局最後に、いろいろな話が出ましたあと、各制度で沿革は違っておりますけれども、このスライドに対して財源負担を一体どういうぐあいにするかということが、それぞれ制度をお持ちになっております省庁の大きな関心事でございまして、財政負担の考え方のいかんによってはスライドに対する考え方もあるいは若干の幅があるような感じもするわけであります。それで、特に財政当局としての立場でもって大蔵省の方がこの協議会に入っておるわけではございませんで、これは各制度をお持ちになっていらっしゃる方がお集まりになっている会議でございますけれども、あとう限り財政当局の御意向も何らかの方法で御開陳いただきたいということで、現在その問題を少し詰めておる段階でございます。 制度審議会からの申し入れも一両年ということでございまして、おおむね二年にそろそろなろうとしておりますので、何らかの区切りをつけて、あとう限りいままでの審議の模様を一段落をつけて、まとめをしたいということで努力している次第でございます。ただ、それぞれその制度自身も審議会をお持ちでございまして、恩給は恩給審議会の答申もございますし、厚生年金、国民年金もこのスライドの問題につきましてはそれぞれ審議会としてのお考えを持っておられますので、それぞれの審議会をお持ちになっておられます各省庁の立場もございまして、あとう限りすみやかに結論を得たいと思って努力をいたしておりますけれども、いまさっと統一ある意見の一致を見たものが直ちにできるというようなことになかなかいかないので苦慮している段階でございます。
○大屋敷説明員 御承知のように、恩給制度は古い沿革がございまして、一般の公的年金制度、特に財源負担という点に非常な違いがあるわけでございます。私のほうも恩給審議会の答申をいただいておりますが、その答申の中におきましても、他の公的年金制度その他国の諸施策、こういうものを恩給、年金の調整については勘案しなければならぬ、こういうぐあいにいわれているわけでございます。たまたま審議会の答申が出たあとに、いま岸野参事官からお話がありましたように、社会保障制度審議会の申し入れに基づきまして年金調整連絡協議会ができているわけでございます。そのような点もございまして、私のほうもその調整連絡協議会のメンバーとして現在年金制度の調整に関する検討に参画さしていただいているわけでございます。その結論もあわせて、かつ審議会の答申、こういう点も考慮して将来の問題について検討いたしたい、かように考えているわけでございます。
○広瀬(秀)委員 岸野さんに伺いたいのですが、一体結論に達するには財源負担の問題もあり、かなりむずかしいようなことなのですが、この調整連絡協議会というのですか、会議か協議会かよくわからないのですけれども、そこでこの調整規定を設けた趣旨に従って、また恩給審議会等の答申を踏まえて、いろいろ物価、賃金水準、生活水準など総合勘案して年金会計に一つのスライドアップのルールをつくろうということを中心に討議をされているわけですが、いつごろその結論というのが出るのか、そのめどをどの辺に置いて作業を進めておるのか、このことをお聞きいたしたい。
○岸野説明員 私どもは、当初発足いたしましたときから制度審議会の申し入れがおそくともまず二年というお考えでございましたので、可能な限り二年を待たずして結論を出したい、たとえば四十四年度の予算要求の前にできれば出したいという努力もいたしましたが、この四十四年度の予算の際に必ずしも本格的なスライドを取り上げるというようなことが政府においてございませんでしたので、四十四年度は結論を得るに至りませんでした。四十五年度の予算編成の時期までにはなんとか結論を出せるものは出したいということで関係の省庁も一応のめど——それが幸いに片方では二年という時期と大体符合しておりますので、めどといたしましては、何らかの各制度がスライドをお取り上げになるならば、やはり共通のものは共通のものさしでもって取り上げたほうがよろしいであろうということで、まずここ二、三カ月の間に何らかの結論を出すように、私どもとしてはそういうめどでもって皆さんにおはかりしたい、こう思っております。
○広瀬(秀)委員 そういうことで、これは当委員会においても、あるいは参議院の関係委員会等においても、この問題をできる限り早く、しかも当委員会においてもこの年度を切って検討を急げというような附帯決議もしておる問題でもございますししますから、いまおっしゃったようなことで、またおくれたということのないように、結論に到達するようにお願いをしたいわけです。 大蔵省にお伺いしたいのは、そういう結論が出た場合に、これは当然大蔵省としても尊重をして、これを実施に移していくかまえというものは必要になろうと思うのですが、その点のお考えを次官からお答えいただきたいと思います。
○上村政府委員 先生おっしゃるとおり、その結果が出てまいりますれば、十分尊重いたしまして配慮していきたいと思います。
○広瀬(秀)委員 そこで、恩給問題審議室長にお伺いしたいのですが、昨年の恩給審議会の答申の中で、「外国政府職員等の抑留または留用された期間の通算に関する問題」ということで、これは「在職期間とみなし、これを公務員の在職年に通算することが適当である。」という条項がございます。この点については、まだ法案を出していないわけですね。この答申を受けて、これを実現させるという形での法案は出されていない。これについて一体どういうようにお考えになっておられますか。
○大屋敷説明員 外国政府の在職年と留用、それから抑留期間でございますが、これにつきましては、終戦後の特殊な事情によって恩給に在職年につきましては通算措置をやっております。そういう特殊な事情がございまして、いろいろ検討しておったわけでございますが、恩給審議会の答申におきましても、いわゆる在職年と同様にみなして、これを通算するのが適当である、そういう御意見をいただいておるわけでございます。私どものほうといたしましては、恩給審議会の答申を尊重するというたてまえから、現在検討しておるわけでございます。ただ、この問題につきましては、ほかの年金制度、特に共済、国の共済あるいは地方の共済、こういう点におきましてもかなりの影響があると考えておりますので、そういう点もあわせて検討いたしておる次第でございます。
○広瀬(秀)委員 これだけ明確な審議会の答申があることですから、これは必ず最近の機会にこういうものを通算をできる改正案を国会に提出されるように、これは強く要望をいたしておきたいと思います。 それから、この問題と関連をしまして、現在の公務員でも、公企体共済でもそうですが、いわゆる更新組合員にだけしか適用がないという問題が数多くあるわけであります。その中で外国政府などの方々、旧特殊法人といいますか、いままで慣例的に使われてきた用語でありますが、そういうところにおって終戦を迎え、長年留用をされたというような形で、新法が発足して、新法施行前からずっとその職員であって新法を迎えたというようないわゆる更新組合員と違う、すなわち、新法施行後にそれぞれ公務員になりあるいは公企体の職員になったというような人たちが現実にあるわけであります。この人たちは異境の地に敗戦のまま、しかも虜囚のはずかしめを受けながら、たいへんな苦労をしておる。そうしてようやく命からがら帰ってきて、新しい国鉄なりあるいは電々公社なりあるいは国家公務員として入られた、こういう人たちがあるわけです。これは非常に数は少ないわけです。しかしながら、更新組合員でないからというので、一切前歴の通算というようなものが考えられない、こういうことになっておるわけです。この問題は非常に数も少ないことだし、理論的に申しましても、これは当然満日ケースであろうと日満日ケースであろうと、更新組合員だから適用される、そうでないから適用されないということであってはならないという気がするわけでありまして、この問題について一体更新組合員でなくとも、すなわち、新法の施行後に現在の共済組合の組合員になった者であっても、そういう者について通算の適用というようなものができないかどうか、この点非常に問題である。しかも適用者は非常に少ないということもあわせて、これはやはりひとつ当然考えてもらわなければならない大きい問題点だと思うのですが、いかがでございますか。
○海堀政府委員 いわゆる外国政府等に勤務せられました方々のうちで、公務員の雇用人相当の方々の取り扱いについてのお話でないかと思いますが……。
○広瀬(秀)委員 必ずしも雇用人ということではない。全般的な一般論として、更新組合員の問題、更新組合員でないと通算されない……。
○海堀政府委員 私は質問の趣旨を取り違えておりまして、新法になる際にいなかった人々については、前の期間の通算がない、こういうことについての御質問でございますか。——私詳しいことはわかりませんので、まことに恐縮と存じますが、事務のほうから答えさせていただきたいと思います。
○相原説明員 御存じのように、新しい制度は三十四年十月からの発足でございます。やはり新しい制度としてそのときからスタートするということでございますから、一つにはその前の方には期待権がないということ、それから新制度発足であるという二つの理由から、そこに在籍していない方については見てないということでございます。
○広瀬(秀)委員 そういう木で鼻をくくったような御答弁は、いかにも気の毒で、新法以降外国政府なりあるいは旧特殊法人、そういうことで恩給、共済組合法上幾多の措置がとられてきた。しかし、更新組合員でない、新法施行のときにはまだ向こうに留用され、抑留されておった、そういう人たちが帰ってきて公務員になりあるいは公企体に入った。更新組合員の人たちにはいままでいろいろ通算の措置や何かがとられてきたけれども、更新組合員でないというだけで、いままでやってきた通算の措置が何も適用されない、これはいささか不公平ではないか。いま抑留期間というものは、恩給審議会においても、当然公務員在職期間とみなして通算すべきだという答申も出ているわけです。それとの関連において、更新組合員でないがゆえに、それだけで彼らは——たいへんな苦労をして、国の行為による戦争、敗戦という形の中で捕虜としての扱いを受けながら外地にとどめられておった。これはどこへ就職することもできないし、どうにもならないことだ。その人が帰ってきて公務員になった、あるいは公企体の職員になった。こういう者にも、少なくともいままで通算措置がとられておったような形で、更新組合員でないけれども、適用してやってはどうか。これは数もそう多いものではない。現在電電公社等にも五人くらいしかいないとか、あるいは国鉄あたりにも、その後に入ったという、いわゆる新法後に入ったという人は十指で数えるに足りない数しかいないということ。しかしながら事の本質としては、当然そういう人たちも、更新組合員という制限があるために通算できないのだったらその点を何らか修正して、いままでやった通算の措置というものが適用されるようにできないのか、こういうことなんです。全く考える余地がないのですか。非常に気の毒なケースです。しかもいままでやった通算の措置というようなものと全く本質は同じあるいはそれ以上にむしろ気の毒なその人たちを、当然見てやるべき理論的なまた現実的な根拠というものは、私は十分あるというように考えるのですが、いかがでございますか。
○相原説明員 重ねてお答えしますが、現在の共済の法律の大原則は、更新組合員に限りまして通算とかそういうものをやっておりますから、更新組合員でない限りは残念ながらそういう措置をとりかねると思います。
○広瀬(秀)委員 だから、そこにどれだけの根拠があるかというのです。これは期待権を先ほどちょっとおっしゃったわけだけれども、しかし、実態を考えてみれば——いままでやってきた措置以上のことをやれというのじゃないのですよ。いままでこの委員会等を通じて議員立法なりあるいは政府提案なりで通算の措置が講ぜられてきた。そういうものを、非更新組合員なるがゆえに拒否されるという、その理屈がわからぬわけですよ。更新組合員でなければなるほど期待権はないけれども、期待権がないというだけならば、いままでやってきた通算の措置だってくずれてしまうわけです。それにもかかわらずこういうことをやってきた。こういう人たちはしかも自分の意思でかってにおったわけじゃなしに、戦争が負けて外国に捕虜として留用され抑留されて、幾ら帰ろうと思っても帰ることができないし、もちろん公務員やその他に就職することもできない。そういう状況に置かれておったという実情を踏まえて、恩給審議会ではこういう答申を出された。 これを読んでみますと「外国政府職員等として在職した者が、終戦に伴いソ連、中共等に抑留または留用された場合には、それが本人の意思に基づかない強制的なものであった点を考慮し、その抑留または留用期間は、外国政府職員等としての在職期間とみなし、これを公務員の在職年に通算することが適当である。」こういうことで、これはこの部分ストレートにそのものではないのですけれども、恩給局もこれについては十分考えて、これを尊重して検討するということを言っておるわけであります。こういう事案に該当する者、たとえば満州電電におってこういう事態になった、そういうような人たちが電電公社に入ったというような者は、数は少ないけれども、しかし、この人たちにも向こうの期間、たとえばいままでの職員期間を通算しておる。こっちに来てまた任官をした、そういう人もおるわけです。その向こうにおった期間というものは全然見られない、これは非更新組合員であったということが一つの壁になっておるわけだけれども、その部分を改正してこういう場合にはということにすれば、これはできるわけである。改正ということが絶対にできないのだという、そういう厚い固い非情な壁なのか、改正すればこれはできるんだから、改正というものをこの実態論からして考えられないのかということを言っているわけでありまして、何か新しいものをつけ加えるということじゃなしに、現存のわれわれがこの委員会を通じて成立させてきたそういうものをこういう人たちにも——非更新組合員の壁だけが、実態が違うといえばそういうことなんです。そこのところを改正して、そういう人たちにも外国政府等に勤務した期間というものを通算する措置を考えられないのか、こういうわけなんです。おわかりいただけたと思うんですが、以前と同じ答弁では、そこまで言われればあり得ないと思うのですが、いかがでございますか。
○海堀政府委員 これは立法論としていかがかということでございますので、検討させていただきたいと思います。ただ、その人々が三十四年以降に帰られまして、そして現行の法律制度を御承知で一応就職をされて、いわゆる公務員になり公企体職員になられておるわけでございまして、その点は御本人はそういう法体系にあるということを認識されて就職されたんだと思います。しかし、立法論といたしましては、確かに御議論の点があろうかと思いますので、実態を調べるとともに、どういう取り扱いが妥当かということは、先生のお話でもございますので、十分検討させていただきたいと思います。
○広瀬(秀)委員 これはほんとうに真剣にひとつ考えてください。これは大量の人ではないから、そう心配することもないんですよ。そういう点も踏まえて実態をよく調査をされて、この改正を何らかの形でしていただくように検討を要望いたしておきたいと思います。 それから、また質問を変えますが、今度の改正を通じて最低年金額の問題が改正されるわけであります。六万円が九万六千円ですか、そういうことになるわけですが、この最低年金額の保障という問題について十分なのかどうか。今度改正されたけれども、いままで非常に低きに失しておったということが言えるだろうと思うんです、最低年金の額というものが。これについては前にも質問したことがあるのですけれども、 〔委員長退席、只松委員長代理着席〕 生活保護世帯というものが今日逐次改善をされてきておるわけです。この生活保護世帯というのは一体どういう世帯かといえば、これこそほんとうに最低生活を維持し得るいわゆる最低限度の金額だと思うんですね。その人たちが一体、これは級地がございまするけれども、たとえば東京都に例をとりますと幾らになっておりますか、老人夫婦という場合に。この点との比較をしていただいて考えるべきだと思うのですが、それとの見合い、しかも年金制度というのは、老後における老人夫婦が少なくともその当時における一人前のというか何というか、表現は適切でないかもしれませんが、その時代の生活水準に見合って老人としての安楽な生活ができる最低の保障というものがやはり年金制度の根本だと思うのですね。そういうようなことから考えれば、せめて生活保護世帯並みの生活水準というようなものを最低年金受給者にも保障するというような形が当然考えられるべきだろうと思うのです。 そういうことからいえば、現行六万円、これを九万六千円に上げたところで月に一万円にもならない、こういうことにもなるわけであります。これらについて一体どういうようにお考えになられますか。これをひとつ数字をあげて、比較をしながらお考えをお聞きいたしたいと思うのです。
○海堀政府委員 生活保護基準のお尋ねでございますが、生活保護についての資料を現在ちょっと手元に持ち合わせておりませんのでお答えしにくいわけでございます。最低保障の問題、これは社会保険制度である限りある程度の額であるべきだという御議論、まことにごもっともと存ずるわけでございますが、やはりそれは社会保険を通じまして考えていかなければならない点でございます。現在の共済制度における最低保障というものが厚生年金制度と統一をとっているということでございまして、これはできますればできるだけ最低保障を高くするということが望ましいわけでございますが、現時点におきます保険制度としましては、まことにここまでが現在なし得る措置だという点で御了解をいただきたいというふうに考える次第でございます。
○広瀬(秀)委員 政務次官どうですか。
○上村政府委員 実は社会保障的な意味を持っておるものだし、時勢の変化、情勢の変化、財政負担、財政のゆとり、いろいろなものを考えますれば、私は次第に上げていくことが望ましいというふうに思っておりますが、それをどの程度に見るかということにつきましては、これはいろいろ総合的に判断をしなければならない、こう思っております。 〔只松委員長代理退席、委員長着席〕
○広瀬(秀)委員 最低年金の月額というものを東京都の場合における生活保護世帯の夫婦二人の支給額と並べて考えますと、三分の一弱というぐらいになるのですよ。これはもう少し考えてもらわなければいけないのではないかという希望が、最低年金の保障しか受けられない人たちに非常に強いわけです。この点は十分ひとつ考えていただかないと私どもは困ると思うわけです。だから、この点だんだんに上げていくという政務次官の御答弁でございますが、それらとの比較というものも、これは理論的にいって単純にどうこうという筋合いのものではないかもしれないけれども、しかし、年金受給者というものが生活保護世帯にも及ばぬような、そういう生活しかできないという実情というものは、非常に片手落ちな、やはり厚生行政の面からいっても、また年金制度の趣旨からいっても、あまりにも時代離れした不合理があると思うわけです。その点ひとつ十分前向きに検討をしていただきたいと思うわけであります。 最後に質問をいたしますが、昨年外国政府職員等のいわゆる職員期間という、こちらでいえば任官者という、恩給公務員に匹敵する立場にあった人たちの期間通算を認めた。そういう措置をいたしたわけでありますが、実情を見ますと、これが立法者の意図以上にきびしい制限をしまして、たとえば向こうで準職員という立場の人もこれの適用を受けない、さらにこちらに帰ってきて任官をしていなければ通算をさせないというような、いろいろな制限などをそれぞれの組合でとったために、適用されるところが非常に少なかった。しかも外国政府の職員あるいは満鉄等の特殊法人、特に満鉄等の場合には、むしろ軍人、軍属以上に危険な戦争の中で生活をした、一片の命令で軍人以上に危険なところにも機関車を走らせなければならないというような、そういう勤務をやってきた。そういう人たちに対して報いるところがなければならぬということもあり、しかも満鉄等の実情が、職員になるまでは旧制中学を卒業しても十年以上かかる、十年から十五年ぐらいかからぬとなれないというような状況、しかも非常に重要な国家目的に奉仕する機関として入ってこられた、こういうようなことに着目して、さきの職員期間だけ通算ということになったわけですが、そういう状態でなかなか職員になれないでそのまま内地に終戦とともに帰ってきたという人たち、こういうような人たちが数多いわけであります。しかもその人たちは、向こうにおける鉄道経験ということで、もうその日からそれぞれの職場で一人前に通用するというようなことであったわけです。それらを見ますと、しかも朝鮮鉄道なりあるいは台湾鉄道、樺太鉄道などという国鉄並みに扱われたものは外地であってもみんな通算をされる、しかも満鉄のごときはその鮮鉄と大量の人事交流というようなこともやられておったというような状況などを踏まえれば、これは職員だから、あるいは雇用人だからどうだというようなことなしにやられてきた。こういうような実情もあって、これについてはやはり雇用人期間といえども、共済組合法の段階なんだから、これを通算すべきだという希望というものは非常に高まっている。 したがって、そういう立場から雇用人期間の通算というようなことについても、これは何とか考えるべきではないかという点を私ども強く考えるわけですが、これについてはどういうようにお考えになっておられるか。当然そういう方向で善処をされるという気持ちに大蔵省も傾いてきていることと私ども了解しているわけですし、政務次官からその点についてはきわめて前向きに考えておられるということも伺っているのですが、この際、そのことだけ御見解を聞かしていただいて、質問を終わりたいと思います。
○上村政府委員 実は先生も御案内のように、恩給関係でも年金でもそうでございますが、立法した当時以後におきまして、いろいろと社会上の変化もありますし、また財政上の伸びの問題もございましょうし、また気の毒な方々の実態の把握もできてまいっておるわけです。そうしますと、それに応じながらまた既存の体制等も考えながら漸次立法措置をしまして改正の手段を講じてまいりましたことは、先生御案内のとおりでございます。いまの点につきましても十分検討いたしてまいりたい、こう思っております。
○広瀬(秀)委員 これで終わります。
○田中委員長 本日は、この程度にとどめ、次回は、明九日水曜日、午前十時理事会、十時三十分委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。 午後一時二十一分散会