大蔵委員会 第34号
- 発言数
- 131 件
- 登壇者
- 6 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1969/06/06
会議録
○田中委員長 これより会議を開きます。 租税条約の実施に伴う所得税法、法人税法及び地方税法の特例等に関する法律案を議題といたします。 本案につきましては、すでに質疑は終了いたしております。 これより討論に入るのでありますが、本案につきましては、討論の申し出がありませんので、直ちに採決いたします。 本案を原案のとおり可決するに賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○田中委員長 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決いたしました。 ただいま議決いたしました法律案に関する委員会報告書の作成等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○田中委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 ————————————— 〔報告書は附録に掲載〕 ————◇—————
○田中委員長 次に、内閣提出の国税通則法の一部を改正する法律案及び広瀬秀吉君外十一名提出の国税審判法案の両案を議題といたします。 質疑の通告がありますので、順次これを許します。広沢賢一君。
○広沢(賢)委員 国税通則法の一部改正については、この前陣部助哉さんが質問しましたけれども、これはきわめて大事な法案ですから、彼も二時間半にわたって質問しました。私も二時間半以上、一ばい聞くべき点がありますから、その時間が足りないところはこの次の機会にさらに究明したいと思います。 第一番目に、国税不服審判所の問題ですが、これは現行の協議団の制度が不十分であるから、だから改めたということになっていますが、協議団制度の非常に悪いところ、行き届かないところ、それから協議団制度がどうしてこうなってしまったかということについての御説明を求めたいと思います。
○福田国務大臣 協議団の制度は、これは協議団そのものが税務の執行機関である国税局長の配下に属しておる、こういう点が指摘されるわけであります。その結果、国税庁長官が出すところの通達に国税局長が支配される、その国税局長がさらにまた協議団に対して影響力を及ぼす、こういうようなことで、協議団の救済手段としての使命に欠くるところがあるのではあるまいか、さような批判が従来ともあったわけであります。そういう批判にこたえる、こういう意味で今同不服審判所制度を設ける、こういうことにいたしたわけでございます。
○広沢(賢)委員 大蔵大臣の言われたとおりだと思いますが、それでは今度は直した点について、いま大蔵大臣が言われた心配、欠陥が今度の制度でもって是正されたと思われますか、主税局長。
○吉國(二)政府委員 ただいま大臣から御説明申し上げましたとおり、従来の協議団は実際に課税権を行使いたします税務署を監督し、またみずからも課税権を行使しております国税局長のもとに、その一種の諮問機関として設けられております。したがって、第一の点としては裁決権は国税局長にある。第二の点は、したがって協議団が裁決の前提となる協議をいたしましても、主管部、つまり課税権の行使を指導しております直税部、間税部等の意見も当然そこに加わってくるという問題があったわけでございます。しかも大臣が申し上げましたとおり、協議団が裁決をする場合にも既往の通達にどうしても縛られざるを得ない。 この点が、今回改正されました点で申し上げますと、国税不服審判所はまず直接の課税権を行使いたしません。国税庁長官のもとに、しかもその外局的な立場から、包括的な委任を受けて審査事務を執行する国税不服審判所というものを新しくつくっております。この国税不服審判所はみずから裁決権を持っておりますから、課税権を行使した国税局長等とは全く無関係に独自の立場で裁決が行なわれる。いわば国税庁長官の持っております事前の執行機能と事後の補正機能とを機関的に分離をいたしまして、補正機能については国税不服審判所がもっぱらこれに当たるという点から、いわゆる一つ穴のムジナという考え方はそこで切断されるであろうと思います。 さらに、不服審判所長は国税庁の付属機関でありますから、みずから裁決をいたします場合に、既往の通達等が実態に合わないあるいは個別の案件としてはその通達が適合しないという場合には、独自の判断で裁決を下すことができることにいたしております。ただそういたしますと、執行と補正とが違う原理で動くことになるおそれがありますので、その場合に限り国税庁長官に申し出をして、そこで、いわば執行と補正との意思統一をはかるわけでございます。しかも、その場合に国税庁長官が従来どおり主管部局でございます直税部なり間税部と協議してきめるということになると、通達の適正化ということに若干の疑問も残りますので、その際には学識経験者を中心とする国税審査会を特に設けまして、その審査会の意見を聞いて長官がこれに対する決定をなすという組織をとったわけでございます。この場合には、明らかに第三者である専門家と申しますか、学識経験者の意見を尊重をして、国税庁長官が通達の反省を行なうという形になるわけでございます。 従来の問題であった点は、すべて実体的には解決するものと信じております。
○広沢(賢)委員 たてまえはそうなっていると思うのです。ちゃんとした説明はそういうふうになっていると思うのですが、具体的な問題に今度は入ります。 まず第一番目に、先ほど説明があったとおりに、主管部が力が強くて押されがちだということは、これは前の国税庁長官の泉さんもちゃんと認めていますね。いろいろ協議団が議決したものを持っていっても、主管部の判こがなければこれは通らないというのだから、同じ穴のムジナだと言う。そうすると、具体的に聞きますが、今度のシステムというのは、主管部は全然切り離されるのですか。それについての保障は、この条文や政令の中でどこに書いてありますか。
○吉國(二)政府委員 国税不服審判所自体が国税庁の付属機関であるということと、それから審判所長みずからが裁決をするということ、その裁決にあたりましては、審判官の協議が行なわれるということ、この関係が保障をしておるわけでございまして、そこでは、国税局長並びにその麾下の主管部というものは関与する余地がないわけであります。
○広沢(賢)委員 それでは、不服審判所長を任命したり、それからその人事権を握っているのは国税庁長官ですね。いままでの協議団も任命は大体国税局長がやっている。で、国税庁長官が任命することも国税局長が国公法に基づいて委任されてやっているわけです。人事権を握っていて行政の権利救済、それから行政裁判をやるということ、全部握っているのだから、ムジナとタヌキが大ダヌキと変わっただけであるとみんなに言われていますが、そういう人覇権は国税庁長官が握っているのでしょう。その点についてはどうですか。
○亀徳政府委員 法律によりますと、大蔵大臣の承認を得て国税庁長官が任命するということになっております。これはもちろん基本的に、不服審判所そのものを一体司法裁判所的なものにするか、やはり一つの行政機関の系統の中の不服処理とするか、基本的な問題があろうかと思います。基本的にはこれを行政機関の中の不服処理機関とする。その範囲内において、極力いままでの主管部なり何なりの制約をはずれるようにするという観点から申しますれば、任命権の関係につきましては、やはり行政機関である以上やむを得ざる点でございまして、実際面におきましては、極力そういった先ほど先生の御指摘のような主管部からの制約というようなことから解放されるように法律上の組織はなっております。また、そう運用せざるを得ないというような体制になっておるということは申し上げておきます。
○広沢(賢)委員 それでは聞きますけれども、条文のどこにいままでの主管部からきっちり切り離して、何ら主管部や国税庁の介入の余地がない——執行部ですから、介入の余地がないという証明がどこにありますか。この間政令をもらいましたね。あの政令は、案外ひどい内容でして、何ら具体的な問題が入っていないですよ。表面的だけですが、あれを見ても、どこにあるか、ひとつ聞きたいと思います。
○吉國(二)政府委員 新法の第九十八条に「裁決」というのがありますが、「審査請求が理由がないときは、国税不服審判所長は、裁決で、当該審査請求を棄却する。」以下全部または一部の取り消し等が定められておりまして、第三項に「国税不服審判所長は、前二項の裁決をする場合には、担当審判官及び参加審判官の議決に基づいてこれをしなければならない。」ということをいっております。従来の規定は、御承知のとおり、審査請求に関しては、国税局長が協議団の議決に基づいて裁決するということになっておるわけでございます。決定をした税務署長及びその上にある国税局長みずから決定をいたした場合にも、その裁決は、やはり同一の国税局長がするということになっておりますから、職制上主管部が従来関与するのは当然であったわけでございます。今度は国税局長に裁決権がなくて、不巌審判所長に裁決権がございます。また、不服審判所は国税庁の付属機関で唯一のものでございまして、地方に派遣をされておる首席審判官等は、いずれも中央の国税不服審判所の審判官としての立場として常駐しておりますから、その裁決はすべて審判所長の名において行なわれるわけでございまして、したがいまして、国税局長はこれに全く関与するという余地がないわけでございます。したがいまして、主管部もこれには関与し得ないということになっております。
○広沢(賢)委員 そうすると、今後は厳格に任命がやられるということだろうと思いますが、それについてはもう少し、あとで具体的な問題を聞きます。 まず、大蔵大臣がおられますから、大きな問題でお聞きしますが、国税庁というところは、これは主たる仕事は何になるのですか。大蔵大臣じゃなくて、主税局長でもけっこうですが、これに書いてありますが、設置法二十八条に「国税庁は、内国税を賦課徴収することを主たる任務」としておるものであって、権利救済の機関じゃない。権利救済のことなんか何も含まれていない。この間阿部委員が質問したときに、そういうものも全部統括すると言っておりましたが、ここで見ると違うのですが、これについてはどうですか。
○亀徳政府委員 納税者の方々の不服が出ますのも、しょせんは、納税義務を最終的に御自身の主張を通して確定しようということでございます。最終的には、やはり納税義務の確定に関連することでございます。それで内国税の賦課徴収ということは、納税義務が確定いたしませんと徴収はできないわけでございまして、当然、われわれが納税者の方々の不服をお聞きをしてこれを処理するということは、内国税の賦課徴収の中に入っておると私は考えております。これも先ほど申し上げましたように、これを一体司法機関と考えるか、行政機関の一部と考えるかという問題とも関連することでございまして、あくまでも行政機関の一部としてこの不服問題を処理しようという結論を出しました以上、そういう体制になろうか、かように考える次第でございます。
○広沢(賢)委員 いいですか、結局国税庁というのは税を取り立てるところ、この税を取り立てるところが権利救済について——間違って取り立てたとか、いろいろなことがあると思うのですが、その最高責任は国税庁長官、その国税庁長官がやはり権利救済についていろいろ親切に取り計らうなんという器用なことはできない。これは協議団の制度で批判されたことを、ちょっと大型になって、繰り返すだけだというふうに思うのです。それで、たとえば公正取引委員会ですね、それから労働委員会、社会保険の審査制度、それから海難審判制度、それから特許庁の制度とか、外国の制度から見ても行政裁判ですね。行政裁判でいて、完全にやはり独立機能を持つということが保障されていると思うのですが、どうして税金のほうだけは国税庁長官のもとに置く、しかも運営は大蔵省令でいろいろきめる、という形でもって——はっきりとした独立した機能、身分の分離ですね、裁判官も身分はちゃんとした独立した権限を持っていますから、そういうような形にしないのか、これをお聞きしたいと思います。
○吉國(二)政府委員 御承知のとおり、行政行為というものは、行政行為そのもの、それからそれの補正というものを含むのは当然でございます。行政不服審査法におきましても、行政行為に対する不服審査というものは、まず当該行政庁が行なうということになっているわけでございまして、この行政行為に対する批判を加えるとすれば、それは準司法機関なり司法機関でなければならないというのがわが国の一般の原則だと思うのです。もちろん行政機関に対する権利救済としての形は、行政段階における権利救済と司法段階における権利救済があるのは当然でございまして、行政段階の権利救済においては、その行政行為を行なった者がその行政行為の補正行為と申しますか、それを正す、それを全部含めたものが行政行為であるわけでございますから、行政段階の不服審査というものは行政行為を行なう権限のある者が当然これを行使するというのがいまの制度のたてまえでございます。いまおあげになりました公正取引委員会その他は、いわゆる行政機関がやった行為に対する批判を行なうのではなくして、独占禁止法その他の違反行為に対する一般的な準司法機能を行使するものでございまして、したがいまして一種の準司法機関として、その上訴機関は控訴審になるということでございます。行政行為そのものの正否を批判するものは、これはわが国では行政裁判所が置けないという憲法のたてまえから申しまして、司法機能によるほかはないわけであります。したがいまして、行政行為そのものを行政段階で権利救済をするということは、正しい行政行為にそれを補正するということを意味するわけでございます。その意味では、行政段階の不服審査である限り、行政行為の権限を持つ者あるいはその上級機関がこれを裁決するというのがわが国の大原則でございまして、国税のみではなくて、むしろ例外は直接準司法的機能を行使する公正取引委員会などでございますが、これも他の行政機関の行なった行政行為が正しいかどうかを判定するものではなくして、独占禁止法に反するような事実なり、不当なる取引なりを批判するものであり、それはしたがって直接の司法機能と実質的には同一のものであると考えるわけでございます。 そういう意味では、今回の国税庁の中に置くという考え方は、あるいは御指摘のとおり、これを行政的な段階で処理する方針であるという点では従来と変わりないと思いますが、もしこれを国税庁から切り離すということになれば、課税行為というものを第三者として批判する機能でございますので、司法機能にならざるを得ない。その点から申しますと、三級審からなる司法裁判所がある以上、それにさらに準司法的機能なりあるいは新しい司法機能を加えるということは、現在のわが国の行政、司法組織から申しますと、ややと申しますか、非常に異例なものになるかと思います。
○広沢(賢)委員 この議論は、税制調査会でもって相当議論になっているわけですよね。泉さんも言っています。税制調査会の中で、国税庁の付属機関とするか大蔵大臣の直属機関とするかという点では、最後まで議論があったという。それで主税局長は、主として国税庁の付属機関とするという議論をいま代弁をしたにすぎないのですね。それから自民党でも、これは相当議論を尽くしたということを、渡辺さんが言っています。したがって、これは相当重大な問題であろうと思うのです。 大蔵大臣にお聞きしますけれども、公正取引委員会はちょっと性格は遠いかもしれませんが、労働保険審査制度その他の諸制度、こっちのほうでいえば厚生大臣の直属になっておりますね。なぜ税金についてそれができないのか、それについてお聞きしたいと思います。
○福田国務大臣 今回の改正というか新しい審判所の制度は、いまの協議団の制度がいわゆる同じ穴のムジナという色彩が濃厚であるという反省に立って、国税局、つまり執行機関からこれを切り離そうという趣旨なんです。さあ切り離した、その救済をどういう位置づけをするかということになりますと、いまこれを社会党の法案を見ますと、総理府に置くというようなお考えでございますが、あまりこれが実務と離れたところに置かれるというのも、非常に案件は数が多かろうので、そういう実際のさばきというような面から見て適当ではないのではないか、そういうふうに思われるわけであります。一番実務的な処理能力等を考えて、実際的に妥当と思われるのは処分官庁の、執行官庁の国税局長の上にある国税庁、これに帰属せしむるのが適当ではあるまいか、そう考えたわけであります。実務執行ということを頭に置きながら考えるときには、そういう結論になる、かように御了承を願いたいと思うのでございます。
○広沢(賢)委員 そこで、重要な問題なんですが、この制度は権利救済が主たるものであるか、それから実務が主たるものであるかということで、いままでの協議団がさんざんめちゃくちゃになってしまった例があるのです。高い識見の方々のいろいろな座談会なんかずいぶん出ておりますが、税金について非常に高い識見を持っておる渡辺委員がここにいますが、渡辺委員もやはり権利救済が主たるものであるということを言っています。これは確かに正当な議論です。権利救済が主たるものである、そのためにつくられたんですから。だから実務が主であるか権利救済が主であるか、この点についてどっちが主であるか。
○福田国務大臣 これは権利救済の機構でございますから、権利救済が主であります。しかし、権利救済といっても、ただいま裁判所で長いことかかるというようなことであっては、そのこと自体が救済になりません。やはりてきぱきと救済が行なわれるということではじめて救済の実をあげる、こういうふうに考えるわけでありますが、そういういろいろな実務上の点も考えるときに、国税庁長官に帰属せしむることが適当である、こういう結論になるわけであります。
○広沢(賢)委員 それはやはり大蔵大臣、とても重要なんです。つまり実務ということで、たとえば協議団の例を言いますと、早く事務を処理しろ処理しろということで、これはいままで大臣も御存じだと思いますが、シャウプ勧告が出て、それで民間から協議官を登用した、第一回目に一番初めだけ。あとは全部税務畑からどんどん入れるということですね。最近は、民間から登用した協議官や何かは、簡単にいうとうば捨て山というようなことを言っている。 実際の例を申し上げましょう。こういうことを言っているのですよ。大阪の国税局協議官は五十四歳以上はやめちまえという退職勧告をやっている。長年いる協議官は結局役に立たない、税務署の若い者を取り立てるほうがいいんだということを言っております。志場さんはなかなか良心的な方ですが、その志場さんが、協議官は足でかせぐ商売だ、郵便配達じゃあるまいし、ということを言われているのです。それから脇坂さんという人は、鳴かないウグイスはウグイスじゃない、だから早く事務を処理しろということでばんばん督促している。それから前の大島調査部長は、ネズミをとらないネコは税務官吏じゃないということで、第一線の若手をやるというので、税務大学校を卒業したばかりの人をどんどん入れて、それに事実調査をやらせる。そうすると、事実調査、認定をされる人たちにとっては、たとえば白の人は、どうしてこんなに非常に過酷な——過酷というか、去年から比べて多くなったんだろう。わからないんですよ。わからないで行ったところが、あとで言いますが、ずっと審査請求人の主張を明らかにしなければならぬというので、だっと並べて、さあどうだと言われる。おろおろしちゃう。そういう問題でもって事務を処理しろ、事務を処理しろといって、とっとこやるという形だから、結局協議団の権利救済は名の上ですね。なおしかも、あとで申しますが、協議官が前主管部の国税庁直属の総務部長や何かからすごい侮辱を受けたり何かしている、こういう状態がずいぶんあるのです。つまり、法律や政令が改正されなくても、だんだんこの協議官というものは有名無実になって、押し込められてしまう。パンフレットによると、協議官という人がいて、非常に公平にやって、その協議官は合議制でもってやって、十分権利救済をしなければならぬというのですけれども、それはうそのうそっぱちだ。そこで、私は協議官制度というものはどうなのかということをお聞きしたのです。 話をもとに戻しますと、つまり権利救済が主であるか、事務処理をてきぱきやるのが主であるかということは重大な分かれ目であろうと思うのです。事務処理といえば、たとえば同じ建物の中にいるか隣の建物にいて、ちゃんと連絡がとれるのですから、弁明書をよこしなさい、調書を取りなさいとか、いろいろなことを要求できるのですから、幾らでも実務処理はできるのです。ですから、一番重要なことは、権利救済であるということをお認めになるとすれば、この問題をずっとあといろいろ逐条審議をしていくときのたてまえとして、きわめてこれは重要なものになると思うのです。 権利救済であるということを大臣お認めになりました。で、権利救済が主であるとすれば、それを主として考える。それを主として考えた場合には、たとえば国税庁長官のもとに置くというのは、これは意味をなさない。なぜかといったら、それは事務処理が従で権利救済がおもだとすれば、そうすれば、自分がいろいろなことをやったことを自分で訂正するということは、まして税金という権威を持つところではできない。そうすると、これは大蔵大臣のもとに置く。つまり、どうしてそういうことをやかましく言うかというと、人事任命でもって運営が全然違うのですよ。それはそうです。自分の昇級昇格から何から握っている人に対して、これは間違いだとか、ああだこうだということは、システムとしてなかなか言えない。そこで、与党の委員の方も言っているとおり、せめてこれは大蔵大臣直属にすべきだ、こういう意見が出るのです。笑っているけれども、そのとおりです。正しい意見です。だけど社会党の案としては、どうしてそれでは総理府に置くかというと、総理府に置く制度があるじゃないか。税金というのは、ほかの労働保険審査制度や何かより、より重要ですから、したがって、総理府に置いて、人事任命は総理府が責任をもってやる、大蔵大臣と相談して責任をもってやるというくらいの行政救済、行政裁判の制度にするのがほんとうではないか、ほんとうはそうじゃないかというのですが、大蔵大臣どうですか。
○福田国務大臣 ただいま申し上げたようなわけで、これはねらうところは権利救済を適正にやっていこう、こういうことです。ただ、権利救済ということは、これがだらだらといつまでも慎重審査だと、こういうようなことではたして権利救済になるかというと、やっぱり権利は迅速に救済されなければならぬという一面を持つと思うのです。そういうような実際的運営の面を考えますときに、国税庁長官に付属させておくということが適正じゃないか。しかし、それでも、いま御指摘の人事面等において問題があるというようなことも考え、この審判所の人事につきましては、大蔵大臣の承認を要するというところまで気をつかっておるわけであります。ねらうところは、権利救済を適正、迅速にやる、こういう考えだというふうに御了承願います。
○広沢(賢)委員 そこまで大蔵大臣がおっしゃるなら、大蔵大臣の承認を要するというんだったら、大蔵大臣が任命するというように、ほかの制度ではみんなそうたっているのです。それから国会の承認事項になっている点もあるのです。たとえば労働保険審査官は労働大臣が任命する、それで労働保険審査会については、両議院の同意を得て内閣総理大臣が任命する、そこまで審査制度を昇格させているのです。身分保障は、その意に反して罷免されることがないということで、ちゃんと規定をしているのです。このくらいの規定が労働保険審査制度でできるならば、もっと大事な税金の問題ではそのくらいのことはきちっとやるべきじゃなかろうか。これは当然税調でも出た意見だと思うのですが、それについてどう思いますか。
○吉國(二)政府委員 この点は、御指摘のとおり、税制調査会でも非常に苦労した、また非常に議論のあったところでございます。ただいま御指摘がございましたが、厚生省の付属機関の社会保険審査会は厚生大臣のもとに置かれております。社会保険庁のやった処分に対する不服審査をその上級の厚生大臣の所管の審査会でやっておるという点は御指摘のとおりだと思いますけれども、これもまたよく御承知のとおり、社会保険庁はむしろ作業官庁的な意味がございます。政府管掌以外の社会保険に関する異議申し立てというものにつきましては、これは当然社会保険庁の権限にはございません。したがいまして、社会保険関係の全体の監督というものは厚生省の保険局が所管をしておるわけであります。したがいまして、異議申し立てというものも当然厚生大臣の所管として行なうべきものでございますから、厚生大臣のもとに保険審査会を置いたわけだと思うわけであります。 大蔵省におきましても、関税の不服につきましては関税不服審査会というものがございますが、この関税に関する事務は大蔵大臣の直属になっております。関税局は大蔵大臣の補佐機関にすぎませんので、関税局長のもとに審査会を置くわけにはまいりません。やはり大蔵大臣のもとに審査会を置いておりますが、これは大蔵大臣が行政行為の最終責任者であるためであるわけでございます。国税庁の場合は、各国の制度等にならいまして、大蔵大臣は賦課徴収の仕事をすべて国税庁長官に委任をしておられるわけであります。そういう意味では、国税庁長官が最終的に行政上の権利救済は取りしきらなければならない立場にあるわけでございますから、ちょうど関税について大蔵大臣が自己の権限を行使するために審査会を置いたのと同じような意味で、国税庁長官の付属機関として不服審判所を置いたという関係になるわけでございます。 権利救済——もちろん権利救済が主であります。権利救済と申しますのは、納税者は法律に基づいて租税を納める義務があると同時に、租税に基づいてしか税を徴収されない権利があるわけでございます。この権利救済は、まさにそれを救済するものでございます。それから同時に、それは行政行為としては不当なる課税をしてはならないという行政行為に対する補正でございます。その行政行為のいわば反省、それが権利救済と表裏をなすところに権利救済制度というか、あるいは不服審査制度というか、これは同一のものであることは御承知のとおりでございます。そういう意味では、行政行為を執行すべき権限のある者が最終的な責任を負うのは、行政段階としてはやむを得ないことだと思います。 その点がいろいろ議論になりまして、大蔵大臣のもとに置いてはどうか、あるいは総理府に置くのはどうかという議論も税制調査会で再三ございましたが、たとえば総理大臣のもとに置くということになりますと、総理大臣のもとに置かれた審査会と国税庁の意見が一致をしないということが出てまいりました場合、国税庁長官はみずからの権限を信ずる限りは、これに対してやはり不服申し立てをせざるを得ない。そういたしますと、大蔵大臣の所轄の部局が総理大臣の所轄の部局を相手どって訴訟を起こすという結果になるわけでございます。内閣がありながら、そこで行政に関する統一がはかられずに、行政機関同士で訴訟を起こすということは、どうもわが国の制度としてはなじまないのじゃないかということから、総理府の中に置くという考えもずいぶん有力に税制調査会の中で主張されましてたが、最終的にはこれはいまの段階ではちょっとわが国の制度としてまだ早いというか、熟していないということでやめになりました。 続いて、それじゃ大蔵大臣のもとに置いたらどうかという考え方も出たわけでございますが、いま申し上げましたように、ほかの審議会その他を比べてみますと、それぞれその行政行為の最高責任者のもとに審議会を置いているというのが日本の制度でございます。そういう意味では国税庁に賦課徴収の権限が委任されている現段階におきましては一国税庁に置かないと、どうも日本の制度としては一歩踏み出すことになるのではないか。大蔵大臣のもとに置きましても、これは結果においては、大蔵大臣としては所轄の国税庁長官ではございますが、国税庁長官に全面的に委任をした行政行為について、あらためて大蔵大臣が批判をする、その場合はあるいは主税局長が補佐するということになるのかもしれませんが、主税局長が言ったことに対して国税庁長官は不服であれば、これを裁決する第三者がまた要るということになる。行政段階でそれがないとすれば、国税庁長官はこの場合にはやはり承服できがたいということで、裁判所に文句を言うということになれば、やはり総理大臣のもとに置いた場合と変わらぬではないか。だんだん詰めてまいりますと、結局国税庁のもとに独立の機関として置くことがいまの日本の制度としては一番ふさわしいという結果になったわけでございます。
○広沢(賢)委員 そんなことはないですよ。生活保護の問題でもその他でも、行政不服審査法ですね、行政不服の問題でやったときに、裁判所でもっていろいろやるでしょう。総理大臣がやることでも全部訴訟を起こしますね。それで裁判所で争ってやるでしょう。憲法違反であるとかなんとかということは、それだけちゃんと認められているんじゃないですか。それから、その次にいろいろ事務処理で、税金というのは事実認定の問題が多いから、憲法解釈じゃないといったって、そうだったらたとえば審査会があるのですよ。通達については通達に違反したことに文句があったら審査会で取り扱うでしょう。だから、やはりそれは機構として幾らでもやり方がある。現にいつもやっているのです。税金の問題で憲法に違反するとかその他重大な問題だったら、これは最後に裁判所に行くんだ。最後に行かぜないなんということはないでしょう。最後に行くんだから、やはりそれは権利救済ということをするんだったら、いまおっしゃったことは一種の行政のほうの都合の問題で、制度論として、それから国民の権利救済としてはこれは当然、一番初め行政不服の問題から立て方が始まって以来、ちゃんと守るべきじゃないですか。行政裁判の独立性というものは守らなければいかぬと思うのです。
○吉國(二)政府委員 私の言ったことがちょっと不正確だったかもしれませんが、私が申し上げたのは、行政機関がやった行政行為に対して、他の行政機関が批判するという体制は日本にはないということを申し上げたわけでございます。ですから、行政行為に対して他の行政庁が批判をした場合に、批判をされた行政庁が相手方を相手どって訴訟を起こすというようなことは、日本の制度では考えられないということを申したわけでございます。もちろん租税についても、国税庁なりあるいは国税不服審判所の裁決に不服があれば訴訟にいくというのは、これは当然でございます。ほかの不服審査法でも異議申し立てなり審査請求をして、不服があれば、それに対してその不服のある行政機関でないものが行政訴訟を起こすというのは、これは当然でございます。ただ、私が申し上げたいのは、行政段階で、一つの行政庁がやったことを他の行政庁が批判をする、あるいはそれを否定する、その場合には、否定された行政庁が権利として当然権利の主張をしなければならない。それは行政庁の中では、本来なら内閣で処理さるべきものである。それが、行政機関同士が機関訴訟を起こすということは、いまの日本の制度ではあり得ないということを申し上げたわけでございます。ですから、納税者が行政機関に対して不服だから訴訟を起こすのは、これは当然の権利でございまして、これがなければたいへんなことになるわけでございます。そういうことを私が申し上げたわけではないのであります。 つまり、行政庁の行為、これを他の行政庁が批判をする、それに対して批判を受けた行政庁が裁判所に相手方行政庁を相手どって、今度は本来の納税者を別にして、行政庁同士が争いをするという訴訟は、日本のいまの行政制度、司法制度にはかつてなかったことであるということを申し上げたいわけでございます。
○広沢(賢)委員 それなら国税審査会を設けていろいろやるでしょう。調査するでしょう。ですから、そういう点のくふうは幾らだってできると思うのですよ。それで、それは一つの行政官庁がやったことについての不服だからということは、形式論理として、実際は税金を取り立てる国税庁長官のほうにえらい権限があるのですよ。だから、そのぐらいにしたってそれは権利救済として当然なんです。それでもやっとこやっとこだと思いますよ。だから、そういう一番場はずれの例外的な問題を持ち出して、それで議論をしてしまって、制度論で固定化したのでは、権利救済という機能はなさいと思うのです。したがって、問題は、独立した身分、それから人事任命、それをどうやって保障するかということがきわめて大事だと思います。これでは独立した人事任命権はない、こう見て差しつかえないですね。主税局長どうですか。
○吉國(二)政府委員 先ほど国税庁長官が申しましたとおり、国税審判所長の任命につきましては、国税庁長官は本来任命権者になっておりますが、大蔵大臣の承認を得て、客観的な立場で任命をするということで、これは相当大きな例外だと思います。ちょうど厚生省の審査会について、国会の人事の承認を得るような考え方で、大蔵大臣の承認を得て任命するということで人事権の独立と申しますが、保障を与えるようにいたしているわけでございます。
○広沢(賢)委員 それじゃお聞きしますが、税金、これは一番大事なことだと思うのですよ。税金の文句で国会が成立したのですから、フラウンス革命以来。これは一番問題だと思うのです。そうすると、労働保険審査制度と税金の不服審判所の制度とどっちが重要だと思いますか、主税局長。主税局長が答えられなかったら大蔵大臣にお聞きします。どっちが重要だと思いますか。
○吉國(二)政府委員 もちろんいずれも国と国民の間にある重要な法律関係でございます。どちらが大事と私が申し上げるのははなはだおこがましいわけでございますが、もちろん国民の財産権に関する限りは、税金のほうがはるかに大きいということは申し上げられると思います。
○広沢(賢)委員 それほど重要だと思うのです。大蔵大臣もそうお認めになると思うのです。その重要なほうが独立した身分、それから権限、そういうものについて軽くて、労働保険審査制度のほうが重いというのは、これは全然意味が通らないと思いますが、大蔵大臣いかがでしょう。
○福田国務大臣 問題は、不服審判所がいかに独立性が保たれるかという点にあると思うのです。広沢さんの御所見では、人事権の点だけを指摘されておるようです。しかし、人事権といえども、先ほど申し上げましたとおり、これは大蔵大臣の承認を得るという点で、国税庁長官に全面的に委任されておるというわけではないのであります。そういう点で人事の公正を期し得るというふうに考えておるのです。 私が先ほどから申し上げておりますように、国税庁にどうして置くかというと、この不服案件というのはかなり数が多かろう、一般の司法手続で何年もまた十何年もかかるというような状態に置くことは、これは救済そのものにならぬと思うのです。やはり迅速にして公正なる救済を必要とする、こういうふうに思うのです。そういうことを考えますときに、国税庁にこれを帰属せしめるということが実際的である、こういう見解からいま御提案をしておる、かように御了承願います。
○広沢(賢)委員 事務を迅速にやるということはわかりました。そのとおりなんですよ。 それで、今度は国税庁長官にお聞きしますが、この案件処理ですね。たとえばずっとこの間阿部委員が聞きましたけれども、異議申し立て審査請求の件数がだんだんふえておる。異議申し立てを認めたり何かするのは約半分ずつですね。そうなっているけれども、人員の増強、協議団の中の人員の増強はどのくらいかということについてちょっとお示し願いたいと思います。
○亀徳政府委員 現在の協議団の予算上の定員は四百四十九名でございますが、御案内のように、全体国税庁の仕事は、年々法人数がふえてきますし、最近納税者の数もふえる、また非常にむずかしい案件もふえるということで、率直に申して事務は毎年累増の一方でございますが、全体の定員は五万一千前後でございまして、なかなか全体の定員がふえない。これは御案内のように、定員をこれ以上ふやさないようにという全体の政府としての方針にもわれわれは当然従わなければなりません。その範囲内では、非常にわずかではございますが、あたたかい目で御処理願っておるわけです。何せ、たとえば本年度の予算等を見ましても、定員が四十六名ふえる程度でございまして、なかなか協議団の人員をふやすという段階にはまいっておりません。率直に申して人数を特にふやすという措置は講じ得ない状況になっております。 しかし、それならばじんぜんそのままにしておるのかということでございますが、これは今後不服審判所設立とも関連いたすわけでございますが、やはり税務署段階でのいわば異議申し立ての処理ということが、率直にいって、従来でございますと、いずれ三カ月期間が徒過いたしますと国税庁に移るということで、期間が徒過して移る分もございます。そういったことで件数がふえている点もございますので、やはり税務署段階での課税処分に対する納税者の方の不服がありましたときの見直しの体制、またそれを人をかえて見るとか、こういう点を相当しっかりやることによりまして、協議団もしくは今度新しくできます審判所に持っていく件数を極力少なくするということが可能ではないか、またそういう努力を片やしなければならない、かように考えております。
○広沢(賢)委員 見直し調査や何かあまり綿密にやらなくてもいいと思うのですよ。この法律改正を見ますと、見直し調査や何か争点主義じゃなくて、えらく範囲を広げているけれども、そんなことはしなくてもいいのです。文句を言ってきたことについて、これはこう、これはこうとてきぱき処理すればいいと思うのです。そんなことだろうと思うのですが、大体国税庁長官の言っているとおりだろうと思うのです。私の手元にある資料ではもっとひどい状況だと思います。これはこまかい問題ですからあとで、大蔵大臣がおられるときにはなんですから。 しかし、病人が相当ふえていますね。国税庁の中での健康管理では病人や何か相当ふえている。相当の過重な労働です。それで税務が非常に忙しいときにはほとんど団体交渉も拒否しているのです。だから、税務署の何というのですか労働関係とかその他、簡単にいうと非常に過酷です。これは御承知のとおり第一組合、第二組合あるといっても、全部ひっくるめていろいろ文句の材料がある。それは大きく見れば国税庁長官の責任でも、いろいろその下僚の方の責任でもないのです。ただし、へんてこな人はいますよ。国税庁長官知らないけれども、へんてこな人がいるのです。二、三人あとで例をあげますが。しかし、全体としてはこれはやはり人員不足なんですよ、非常に大きな、いろいろな件数がふえていることに対して。これを処理するのだったらば、やはりそういう処理のしかたがあると思うのです。 一番大事なのは、この事務処理の問題ではないと思うのです。独立した身分と独立した仕事ということですね。これは人事任免が、先ほどくどく言いましたけれども握られていて、たとえば協議団は国税庁長官が任命するのでしょう。ところが、実際は全部国税局長が判こを押した任命書でもって処理されている。そういう形でずっと来ちゃっている。そして人事任免や何かを全部握っていて、それで粗略に扱われていて、国税協議団が満足な合議制や何かできっこないのです。今度の場合も同じなんです。そうすれば私が言ったのは、もう一回申しますが、やはり労働保険審査会ですら認めているように、国会の承認事項とか、大蔵大臣が直接任命するとか、それの身分保障を与えるとかいう点がはっきり法律に出てないということは、これはもう致命的欠陥である、こういうふうに思いますが、政令か何かでもってそれは厳重に補強するのですかどうですか。じゃなかったら、これについてはやはり与党の委員、高名な非常に学識の深い与党の委員までが認めているような制度に、この際変えなければいかぬじゃないか。それが協議団制度を直した一番大きなあれだと思うのですが、その点については大蔵大臣どうでしょう。やはり事務処理じゃなくて独立した身分、独立した権限、それでいままでのような主管部が判こを押さなければ、要否の判こを押さなければどうにもならぬ。この間阿部委員が質問したのですが、キャッチボールということばがはやっている。きめたけれども主管部にお伺いを立てる、主管部からまた回ってくるということで、これこそ事務の繁雑なんですよ。キャッチボールをやっている。エスカレーターということばもありますがね。そういう状況なんです。 だから、かえって主管部が介入したり何かするから事務が繁雑になる。仕事はやはり税務畑の人が調査官で入ってきてもいいのです。ただし一つ問題があるのです。審判官はやはりこれはきちっと民間からも登用する。初めのシャウプの勧告のあの当時以来審判官は民間からも登用し、独立した身分、そういうものが保障されなければならぬ。それから給与もそういうふうにならなければならぬ。そこでまず機構の独立について最大限努力をしなければならぬということが一つと、それから常勤で特別職というのはほかの制度にずいぶんありますが、この点については主税局長にお聞きしたいと思います。
○吉國(二)政府委員 国税審判官について特別職にするかどうか、これも税制調査会の答申では、御承知のとおりできるだけ身分を独立さして、特別の俸給表を適用するようにすることが望ましいということをいっております。ただ、現在公正取引委員会の審判官、海難審判庁の審判官、特許審判官という、いわゆる行政審判制度の審判官も、いずれも一般公務員になっておるという点から、国税審判官を特別職的なものにすることは非常に困難でございます。一般の行政の原則から見て、一応一般の公務員と同じ身分保障ということに落ちついたわけでございますけれども、俸給等につきましては、一般公務員の中でもその仕事にふさわしい俸給を適用するように、その級別定数の配置その他はそれにふさわしいものをすべく、国税庁でも努力をいたしておるわけでございます。特別の身分にするというのには、行政段階の審判官としては、現在の制度ではいろいろ努力いたしましたがむずかしいという結論で、一般公務員に現在はしておるわけでございます。
○広沢(賢)委員 いまのお話だと、簡単に一言でいうと、それはもっともだし、そういう意見があったんだけれども、むずかしいということなんですよね。私が言っているのは、俸給を上げ下げする、これは重要です。民間人を登用するためには、それは必要だと思うんですが、そればかりでなくて、何でこの常勤の特別職ということを言うかというと、やはり身分保障——裁判官というのは、身分保障されないでは裁判できないんです。いろいろのことをやれないんです。 で、さっきのに返りますけれども、大蔵大臣にもう一回お聞きしますが、権利救済が主とした問題である、税金は国の大もとである。不服審査について判定したり何かすることは、これは独立した身分、独立した権限、それを持たなければならぬ。そうすれば各省で設置されている行政裁判のいろいろの例から見て、将来は、もしくは今度の国会でも、どうしてもやはりもっと上に高めなければいけない、こういう点については大蔵大臣いかがですか。
○福田国務大臣 その御意見につきましては、これはやってみまして、その運営を見た上、これでは不都合であるということでありますれば十分考えてみたい、かように考えます。
○広沢(賢)委員 あと、この問題はもっとほかの委員からも出ると思います。 私は先に行きまして、その次、国税不服審判所には審判官、副審判官、審査官、こういうものを設けていますが、いままでの協議団から審判官、副審判官とか、ずっと一ぱい分けちまって、いままでの協議官もそうするとこの分けた中でもって審判官に行く人もあり、それから副に行く人もあるしという形で仕分けしてしまっている。なぜ副を置くのか、つまり裁判官というのは合議制なんでしょう。いままで協議官は合議制をやってきたかどうか。それからもう一つは、こういうふうに仕分けした意味は何か、それをお聞きしたいと思います。
○吉國(二)政府委員 審判所の扱います事案につきましては、それは毎々申し上げておりますとおり、事実問題が九五%くらいを占めております。したがいまして、審判官だけで不十分なと申しますか、手が足りないという場合も、事実調査、審査というような問題になりますと、その審判官を補助する者が要るということは当然だと思います。そういう意味で審判官、副審判官というものを分けたわけでございますが、協議をする者はいわゆる担当審判官というものが協議をするわけであります。その補助をいたします。ただ副審判官の中にも、判事補が判事の仕事をできるような意味で、適当な能力を持った者につきましては、審判官の仕事ができるという構成をとっております。さらにもっと事務的なものを処理するためには、そういう権限を持たない審査官というものも必要でございますので、この三つの職階を分けて審判所の全体の事務処理をもっと迅速に能率的にやるように考えたわけでございます。この点は、先生のほうから御提出になっております法案でも、審判官、調査官及び事務官という三段階に分かれております。大体こういう考え方でお考えになっていると思います。
○広沢(賢)委員 それは違うのですよ。つまり審判官というのは事実認定が多い。大体九〇%が事実認定だがら、調査してきた調査官の意見に基づいて、そして合議制で最終の判断を下すのが審判官三名ですね。ところが、現在の協議官制度というのは、合議制では全然ないのですね。これは国税庁長官も御存じかどうか知りませんが、合議制はほとんど行なわれていない。協議官というのはだから表面上の合議になっている。その上、今度は輪をかけて審判官、副審判官、それからその他というふうに分けます。そうすると事実を調査して、そして合議制でやるという制度が非常に欠けてきて、審判官というのは天下国家はわかるかもしれないけれども、事情はあまり知らない。それから白色申告者、八百屋のおやじさんの考えなんかをあまり知らない人が、事案認定について、おおそうかそうかということで済んでおる。そういう形で事実認定をする人はする人でもって、早く調べてこい、早く調べてこいと追いまくられる形になるといけない。 だからここで重要なことは、いわゆる税務畑、税務署長さんやなんかの卒業した人たちが来て、その人たちが簡単にいうと腰かけ仕事だとか、いま協議団というとおば捨て山と言われている。そういうような形にならないで、厳然たる独立した機能を持つ、現在の協議官が尊重されるような、それがちゃんと移行するような形にならなければいかぬと思うのです。 それで一つは、いままでの協議官、たとえば大阪の場合のように年をとったら早くやめてしまえというようなことはするのかしないのか。しないと思いますがね、その約束をしていただきたい。 もう一つは、合議制の保障です。 それからもう一つは、ここにも数字があるのですが、間違えるといけないからあれですが、協議官制度が今度は審判官制度に移行して、それで人員はどういうふうになるかということです。たとえば協議官が分かれてしまったり、副はどういうことをするのかという具体的な説明をお聞きしたいと思います。
○亀徳政府委員 最初に先生、個別の、どういうところからお話を聞かれ幸したか、協議官は全部おば捨て山で、五十四になったらやめていっているというお話もちょっと極端なお話で、協議官の中にもいろいろな人がございますが、私たちが最近考えてまいりました点はむしろ逆でございまして、先ほど主管部その他が横から干渉し過ぎるのではないかということを極力排除するために、たとえばよほどの問題でない限りは協議団独自でやはり審査決定の原案をつくれるようにする。また、人事上もこれは具体的な個別な話でありますから、ここで一々具体的に申し上げるわけにはいきませんが、やはり昔、局の法人税課長をやった人とか、また直税部のはえ抜きのしっかりした者を逆に持っていくという人事上の配慮も実はいたしておるわけでございまして、現在ある協議団の改善も、片や決して手を抜いているわけではないことを申し上げたいと思います。 それから新しくできました場合のいりくり、もちろんやはり相当経験者がこちらに移る場合もあろうかと思いますが、これは新しい仕組みといたしまして、従来のように全く自由な人事上の交流ということは相当やはり制約せざるを得ないかと思います。特に審判官、首席審判官というようなところは、自由な交流ということは、制度のたてまえからしても、これはおかしいのではないか。たとえば適任者であれば、機械的に五十幾つになったらすぐやめいというわけにもなかなか相まいらぬのではなかろうか。 いずれにしましても、新しい制度でもございますし、先生もいろいろ御指摘になった点、今後またいろいろ御指摘いただく点、十分勘案しまして、この制度の本来の趣旨が生きますように、人事面、具体的な措置、あらゆる面を通じまして努力をいたしたい、かように考えておる次第でございます。
○広沢(賢)委員 一つ例を申し上げます。大蔵大臣がおられるところで実際の下情をひとつ聞いていただきたいんですが、たとえば、国税庁長官もよく知っておられる人のはずですが、なかなか温厚な協議官で、斎藤さんという人がいるんです。これは全国税の国税局支部の斎藤支部長です。それに対して国税局の総務課の労務担当の補佐の渡辺さんという方が、これは「おいちょっと待て」というところからずっと書いてあるのです。いろいろ私は調査しましたが、協議官というのは課長補佐よりかずっと重んじられなければならぬ。ましてや非常に温厚な、信望のある人ですね。納税者のこともよく考えている人、その人に対して、「ちょっと待て」と言ってから、「わかったのか」あと時間を短縮しますが、公務員のいろいろのビラを配っていたということについて、よその人が配っていたんですが、それについてのいろいろのやりとりです。「わかったのかわからぬのか」というところから、おまえは六法全書を知らねえんだろうということで、小六法を突きつけて、「読んでみろ」というようなことを軍隊的に言うんですね。それから電話を使おうとしたら、「おれの承諾なしに電話を使うな」という言い方をしている。この渡辺さんというのは、もっとほかにずいぶん一ぱい例があるんです、あとで申し上げますがね。組合の団交なんというものは全然拒否している、すごい人なんですね。どうもうなんですね。こういう人が協議団に対してこういう態度をとっていて、実際上協議団の独立した身分とか権限とか、そういうことができるはずないですよ。 そこで、やはり考えなければならぬのは、協議官から審判官に移ることについて、人数の点で確かめたいと思うのですが、大体これに間違いないですか。本部長十一名、副本部長三名、支部長が三十三名、主任協議官が二十九名、協議官が二百八十七名ですね。それから首席審判官が十一名で、次席審判官が三名、これは次長というわけですが、それから審判官が八十五名、それから副審判官が百二十七名、審査官が百二十九名という関係には間違いないですか、どうですか。
○亀徳政府委員 協議団から申しますと、先生と同じことを言うかと思いますが、私の正確な資料を申し上げますと、本部長が十二名、副本部長が三名、協議官、これはちょっとこまかく申しますと、税務職二等級の者が五十名、特三等級の者が九十七名、三等級が二百六名、四等級が六名。それから今度国税不服審判所につきましては、審判所長が一名、首席審判官が十一名、それから次席の審判官が中央に一名、地方に三名、審判官が、税務の一等級が十二名、二等級が六十九名、特三が九名、副審判官が税務の特三が四十四名、三等級が八十九名、審査官が税務職三等級が百十名、税務職四等級が二十八名、かように相なっております。
○広沢(賢)委員 そうすると数字がやはり違うんですけれども、これはきちっと資料を出していただきたいと思います。委員長、お願いします。
○田中委員長 はい。
○広沢(賢)委員 どうして私はこんなこまかいことを言うかというと、実際上、協議団制度から審判所制度に移っていくについては、七月人事でいろいろ予定をしておるこれを見ると、下情に通じなければいかぬけれども、実際どういう仕事、どういうような状況で仕事をしなければならぬかということがありありと出てくるのです。ここで身分の保障とか独立した権限とかへったくれもあるものかということが出てくるのですよ。そこで私はいろいろとお聞きしているわけです。 これは国税庁長官の責任じゃないと思いますが、実際上は機構そのものとしてこういう非常に過酷な状況になっちゃっているんです。どうしてかというと、事務を処理しなければならぬというのでどんどんやる。早くやった者が勝ちだということで押しつける。それは若い人のほうが足が達者ですから、庶民の中に入って、ぱっと聞いてぱっと帰ってくるのがいいということになれば、たとえばいま税務署ではやっているのは、税金を取り立てたら出世する、額に応じて、量に応じて出世するというので、何でもいいから取り立てるという気になっちゃう。ですから不服審査が多いのですよ。それでそういう気持ちでずっとみんなをやらしておいて、そして、若い者がいいんだ、言うことを聞く若い者がいいんだという。そうすると、ああ気の毒だな、事実認定をこうしなければならぬ、事実認定の多い仕事ですから、そういうことでもっていろいろ考えてやっている庶民の審判官というものが少なくなってきて、税務大学校を出て——税務大学校の話もあとで聞きますが、たったかたったかやるという形で、つまり昔の軍隊の少年兵とか下士官とかいう形でめちゃくちゃにやる。そういう人たちがふえて、そしていままでの良心的な協議団の人たちがさつき言ったようなことをどんどん言われて、志場さんですらそういうことを言われるのですから推して知るべし。そうすると、みんなそういうふうに言われて、ずっと大阪のように退職勧告をされて、人事が入れかわって、しかも首席審判官と副審判官に分かれて、協議官を分けちゃってどんどん能率よくやるということになると、権利救済のほうがおろそかになって、事務処理でもって、たとえば協議団は非常に公平に皆さんの税金についての文句を聞きますというような国税庁のパンフレットと全く相反した形の状況が実際上はずっと進んでいく。それに今度は入っていくんじゃないかということで私はお聞きしたのです。それですから、いまの協議団の機構がどういう新人事、機構になるか、人数、それを資料要求しておきます。 それから、この際一方的な配転とか退職勧告とか、取り立てるほうに便利なようにやるような形をしないこと、それから新しい機構でどういうふうにこれをやっていくのかという問題について、まず第一番目に重要なことは、一方的な配転や退職勧告、大阪でやっているようなことをしないでどういうふうにやっていったらいいかということについて、国税庁長官にお聞きしたいのです。
○亀徳政府委員 最初に、どうも先生、何か古いのを出して若いのを全部押し込んでぎゅうぎゅうやるような印象が非常に強いようなお話でございますが、全く逆でございまして、これは後刻差し上げます数字でごらんになればよくわかると思いますが、むしろ非常に等級別の高い格づけをいたしております。たとえていえば審判所長、それから首席審判官は指定職と申しまして、大蔵省でいえば次官、主計局長、まあ私、それぐらいしかもらっておらない職を与えるようにいたしておりますし、それから行政(一)の一等級が十一名ということは、首席審判官をいわば国税局長と同じ格づけをいたしておるわけでございます。さように、むしろ先生おっしゃった点とは実は逆であるということをまず申し上げます。 それから具体的な、いずれ部外から移っていただく方も当然あるかと思いますが、そのときにはもっぱらやはり適任者を選びます。 それから、常日ごろ私たちがやっておりますことは、これだけ多数の職員、そしてまた相当仕事の性質上どうしても異動、転勤を——一つのところに定着しますと、どうしても納税者の方々との特殊な関係が強く出過ぎますとやはり弊害があるのではないかということで、転勤をある程度やっていかなければいけないというようなわれわれの仕事の上からくる当然の制約がございます。同時にやはり職員の家庭の状況、そういった点を十分把握しなければいけないということで、常に身上申告書というものを事前によく聴取をいたしまして、家庭の状況、家庭に病人がいるか、子供の学校の進学状況はどうかというような点を十分把握しながら——これは一般的にいたしておりますが、特にこの国税不服審判所に関連いたしましては、そのほかに加えてやはり適任者をいかにして見出すかということが重要なポイントかと考えております。その点につきまして十分慎重に処理したいと思います。
○広沢(賢)委員 いまの国税庁長官の御答弁でも、税金を取り立てる国税庁の職員一般と協議官の問題とがごっちゃになっているのです。それはあげ足をとるわけじゃないですが、やっぱりごっちゃになっているということは、税金を取り立てるものとそれから人民の権利救済を主たるものというのが国税庁長官のもとに統轄されているからそういう答弁になるのですよ。やはりこれは独立した身分とそれから権限を持っているような形にしないと、亀徳さんほどの人材で評判がいいのだけれども、そうなってしまうと思うのです。だから、やっぱりこれは機構として分けなければいけない。いまおっしゃったのは、給料をどのぐらい号俸給によって払うかという問題で、私の言っているのは違うのです。それは人間は食うだけで生きるにあらずというやつでね。さっきの斎藤さん、協議団がやられているような侮辱、下士官が上級の軍医、将校をあしざまに言うようなことと同じですよ、どっちに権限があるのかという。そういう形になるような雰囲気、機構、システム、それが大事なんです。そういう問題を言わないで、ただ号俸給で優遇したということじゃないのです。あの人たちは号俸給で給料がいいから行くというわけじゃないのです。それはやはり国の仕事に生きがいを見出しているんです、権利救済。そういう点はやはり重要だと思うのです。だから、学校の先生とか裁判所のお役人とか裁判官というのは、俸給や何かでもって、副収入もなくてということがあっても生きがいを感じているのと同じです。したがって、やはりその問題ですね。だから、ただ税務職員一般という形で論じるというその考え方ですね、それについて反省していただかなければいかぬと思うのです。 それで、「国税審判官の資格を有する者は、次に掲げる者で」ということで政令事項で説明してきてますが、「弁護士、公認会計士又は税理士の経験を有する者」以下ずっと書いてありますが、これはほんとうに実現するのですか。こういう人たちをちゃんと入れるという保障はあるのですか、それをお聞きしたいと思います。
○亀徳政府委員 具体的な人選の問題になりますと今後の問題ではございますが、やはりそういった範囲の方々からも有能な人材を選びたいと考えております。ただこういった問題は、いま何名採るかというようなことはなかなか具体的なあれで、いまの段階で申し上げられることではございませんが、そういった方々の中からやはり適任の方を極力選考で選ぶということをやりたい、かように考えております。
○広沢(賢)委員 何人、どういうふうにしてやるのかですね。たとえばあなた御承知ないけれども、ここに組合とそれから東京国税局の総務課長さんのやりとりが載っているのですが、そこで答えたことについて国税庁長官、御承知ですか。
○亀徳政府委員 いま具体的に議論した点、こまかく承知いたしておりません。
○広沢(賢)委員 そうしますと、いまずっと長官が並べましたけれども、実際には国税局では「協議団と審判所の役付ポストの比較で増加分は民間かということも考えなくてよいと思う」一ぱい一ぱいだと言っているのですよ。結局税務署を卒業した人や税務署長がみんな来てしまうのですよ、実際は。だからこういうふうに答えるのですよ。そうすると、何にも保障はないのですよ、あなたのおっしゃることは。ずっと長いことしゃべりましたけれども、先ほどから私は聞いていると、全部たてまえはたてまえで出ているのです。ところが、実際上のこういう運営とかいろいろなものを見ますと、全然違うのです。だから、この問題についてどういう保障があるのか。ここにちゃんと政令では書いてある。ところが、それについての新しい予算措置が入っているとかその他については何ら書いてない。むしろ反対のことを言っているということになっちゃうのです。それについてどうですか。
○亀徳政府委員 私は、東京国税局の総務課長が何と言ったか知りませんが、いま全然民間から採らない、そういうことを、まだ法案が通っておらないわけでございますから、言う段階ではございませんし、また、これは先ほど申し上げましたように、何名採るのかということをここで言えるような性格ではないと思います。ただ問題は、やはり国税に知識のある方でございませんと、ただぽっと出てきて処理できるという性格のものではないことは、前回たしか広沢先生の御質問の中で私はお答え申し上げたと思うのでございますが、そういう前提はあるわけでございますけれども、その中で、政令でただいま指定された範囲の中から極力公正に審判官を採用していく努力をしていきたい、かように考えております。
○広沢(賢)委員 そうすると、もしこの法案が通れば、具体的に七月から発足するのでしょう、切りかえが。そうすると、具体的にどういうふうに考えるかですね。それから来年の予算はどうするかということについてはっきり言ってください。
○亀徳政府委員 法案は来年の一月一日から実施ということになっておりまして、三カ月分の予算が本年度の予算に計上されております。
○広沢(賢)委員 それは審判官の中の何名でどういうふうにやるのかということを聞いておるのです。
○亀徳政府委員 予算書の上では、先ほど申し上げましたように、審判所長、等級ごとに何名というふうに予算書に書いてございます。先ほど具体的な数字を申し上げましたように、審判所長 指定職一名、それから審判官で税務一等級は何名、二等級は何名というふうに予算書に書いております。
○広沢(賢)委員 私が聞いているのは、こういうふうに大学教授から全部書いてあるんですよ。「裁判官又は検察官の経験を有する者、公認会計士又は税理士の経験を有する者」だったら、そういう中からどのくらいの見積もりでどういうふうにやるかということを言っているんですよ。私聞いたら、たとえば税務署長さんからどういうふうに入れるかというような問題についても今後いろいろとやるんでしょう。ここに書いてあるのはちゃんと、入れる予定はない、満ぱいだと言っているんだから、そうすれば、どういうふうにして民間人を登用するのかということを考えて、大体の比率はどのくらいにするのだというようなことも答えられなければならぬでしょう。それを聞いているのです。
○亀徳政府委員 先ほど来申し上げますように、何名ということは予算書の上では当然出てこない話でございます。したがいまして、採用の方針といいますか、考え方はどうかということでございますが、やはり私たちの気持ちといたしましては、極力審判所長ないし首席審判官という方も、なかなか全部外部からというわけにもまいらぬかと思いますが、そういった少なくとも枢要なところには外部から有能な人を迎えたい、かように考えております。ただこれは専担でございますので、ほかの仕事をやりながら、たとえば税理士をやりながら審判官になるとかということは一切許される性格のものではございませんので、はたしてどれだけ外部から採り得るかということは、率直にいって半数——その数を相当外部に期待するということはやはり困難かと思います。その点は率直に申し上げたいと思います。したがって、やはり現在内部から相当経験者が国税審判所に移るということもあり得ようと考えております。 ただ今後の問題として、一ぺん移った——特に審判官以上のクラスについてはこれは別個の機関として移ったことでございますから、やはりあまり激しい人事交流ということではなしにそこに定着していただく、あわせてまたその余地を残しておきまして、外部の優秀な人も採るというくふうをこらさなければならない、かように考えておる次第でございます。
○広沢(賢)委員 そうすると、画期的な発足ではないわけですよ。いま言ったのは半分は無理だ、そう言ったですね。ちょっと言ったですね。実際上は、いろいろうわさされているところでは、国税庁が民間の人を登用するなんてそんなばかげたことをやるもんかというようなことを言っている人がいるんですよ。実際そうでしょう。そうすれば、これはとてもじゃないけれども、うそを言っているということになる。だから、この政令でこういうものを出すということはけしからぬじゃないかということになっちゃうのです。これはそうすると国会答弁用の政令のあれだということになるのです。そうすると、やっぱりもっときちっとこの不服審判所を権利救済、庶民のためにやるんだ、協議団はいままでの考えではいけないんだ、そういうことでやるんでしたら、一番目にいままでの協議官の国税庁に対する従属性、そういう形で人事でもおどかされる。それからその次にこういうシステムの移行の問題、これはやっぱりきちっと考えなければだめですよ。誠意あるあれをしなければ、ちゃんと画期的にいくというわけにいかぬと思うのです。いままでたとえば協議官が平等の原則に基づく合議制をとったことがありますか。これについて国税庁長官、主税局長でもいい、自信を持って言えますか。
○亀徳政府委員 軽微な事件のときには、おそらく書面の上で協議の形をとることがあるいはあろうかと思いますが、基本的には協議の体制でやっております。
○広沢(賢)委員 実際上は、主管部が用意をした長い書類があるのですが、不服審査からやってきた流れを詳しく言えば、あとで言いますが、全然なってないのです。非常に協議官が圧迫されておる。そして合議体の長である主任協議官、これは実際に浮き上がっている。実質的な合議に参加してない。これは御存じのとおりだと思うんですね。したがって、今度の改正案で合議制でしっかりとそういうものを保障するということについて、しっかりと法律でどこでどういうふうに保障するのか、お聞きしたいと思います。
○吉國(二)政府委員 先ほど申し上げましたように、第九十八条の三項には、「国税不服審判所長は、前二項の裁決をする場合には、担当審判官及び参加審判官の議決に基づいてこれをしなければならない」法律上の明文を置いたわけでございます。 なお、いま御指摘がございましたように、協議官が圧迫されておるというお話でございますが、もし圧迫されておるという事実を仰せられるならば、その原因である協議官が裁決権を持たないという点が改善されておることから申しますと、これは圧迫というものの一〇〇%がなくなったとお考え願えるわけでございまして、非常にそこは違うと思います。私はそういう意味で、今度の制度は税務当局としては相当思い切ったことをやったと信じております。なるほどいままで仰せのとおり、私が国税局長をやっておりますときには、協議官の議決はちゃんとございました。議決報告書というものがございますが、それにしかるべき意見がついております。これは事実であります。しかし、局長としてはこの議決をできるだけ尊重して決定をしてきたわけでございますけれども、今度は局長のところへ行かないわけであります。主管部も見る余地がない。審判官が思ったとおりの裁決をするわけでございますが、しかも御指摘になったような問題は全部解消すると私は思っておるのでございます。 人事の問題は、御指摘のように人事権というものは国税庁長官が任命権者であるという点から任命権は持っておりますけれども、先ほど来国税庁長官が申しておりますように、審判官になりますと——普通の税務署員は、たとえば一定期間たつとできるだけ転勤をさせるというような方針を従来からとっておりますけれども、審判官の場合は、きまった納税者と接触するわけではありません。不服のあった納税者が来るわけでございますから、常に違う納税者が来るというのが普通でございますから、配置転換その他についてもおのずからその考え方は違ってくると思います。これはやはり法律が施行されましたならば、御指摘のような点を十分考えながらいい方向に持っていくために国税庁としても努力してくれると思います。ほんとうに国民の権利を救済するということは全税務当局としても熱望し、また努力しておる問題でありますから、私はこの制度が決して曲がった方向に行くような運用をするとは考えておりません。
○広沢(賢)委員 休憩に入るそうですが、その前に一言、この問題は重要ですから。 主税局長の言っているところを見ると、ああそうかなあと言ってしまいそうですが、具体的な材料あるんですから、よく考えてみますとまゆつばで、待てよというのでなにするわけで、そうすると、やはりいま言った人事の問題、それから今度はその次に予算の問題にいろいろと具体的に詰めていくと、そうでもないじゃないかということになるんですね。 一番重要なことは、いまの話で大蔵大臣大体わかったと思いますが、つまり、国税庁長官のもとに置かれていたんでは、この機構のあるとおり、主として徴税に携わる国税庁長官のもとに置かれていたんでは、国税庁長官がいかに人材がりっぱであっても、機構としてこれはやはりだめなんですよ。権利救済にならない。事実そうなっているのです。これはだれの責任ということではなくて、機構としてそうなっちゃう。そういうところに官僚機構の重大な問題があると思うのです。したがって、やはりこの際権利救済を主としているんだったら、やはり独立した身分保障、独立した権限、各省並みの、各省に置かれている行政裁判と同等以上——これは税務署ですから、税金ですから、同等以上のことを、これについて努力しなければならぬと先ほど言われましたけれども、これからまたずっと詰めていきます。大蔵大臣としてはその基本方向を——主税局長の答弁では、いまは時期尚早であると言うのですね。いま急に変えることはできない。だけれども、税調でこういう意見があったのですから、近い将来の方向としては、そういうように諸外国にも例があるのだから、そういう方向に行くという問題についてもう一回御答弁を願っておきたいと思います。
○福田国務大臣 この制度はあくまでも権利救済ということが主眼です。しかし、権利救済ということの内容は何だというと、公正なる法の適用ということもありますが、同時に、これはだらだらと案件が引き延ばされるということであってはならないので、迅速ということもまた大事な問題であるというふうに権利の内容として考えられるわけなんで、そういうことを踏んまえて、実際的にこれが権利救済の働きをするように考えなければならぬ。そういうふうに考えまするから、まあとにかくそういうことからいうと、いま御提案申し上げておる案は最も現実的であり、また、妥当であるというふうに考えますが、やってみてこれでまた不都合だというような御批判がありますれば、これは当然考えなければならぬ、かように考えます。 ————◇—————
○田中委員長 この際、参考人出頭要求に関する件についておはかりいたします。 ただいま審査中の内閣提出の国税通則法の一部を改正する法律案及び広瀬秀吉君外十一名提出の国税審判法案について、参考人の出席を求め、意見を聴取することとし、その日時、人選、手続等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○田中委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 午後一時三十分再開することとし、暫時休憩いたします。 午後零時三十四分休憩 ————◇————— 午後二時十二分開議
○田中委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 国税通則法の一部を改正する法律案及び国税審判法案についての質疑を続行いたします。広沢賢一君。
○広沢(賢)委員 午前中のいろいろ聞いた範囲で、まだ納得しない点がずいぶんあります。しかし、それはまたあとでやることにしまして、条文を進めまして、その次はこの間阿部委員が質問した問題に入ります。 八十七条ですが、その八十七条の三項、これは必要ないんじゃないかという問題がありました。結局それは、「審査請求人の主張が明らかにされていなければならないものとする。」ということで却下されたら、これは権利救済どころか、救済措置の門を閉じられてしまうじゃないかということですね。そこで、「主張が明らかにされていなければならないものとする。」というのは、どういう字句であって、たとえば教訓的なものかどうか、ちょっとこの間議論になりましたが、どうしてもこれは入れなければいけないのですか。もう一度主税局長に聞きます。
○吉國(二)政府委員 従来この規定が入っていなかったのに入るのはどうだというお話だろうと思うのでありますが、今回の改正におきましては、できるだけ全体のシステムをはっきりさせたいとということがございます。今回の審査請求というものを、最も合理的に遂行するためのいろいろの施策をやっておりますが、その中で最も従来と違っております点は、従来は白色申告者が更正を受けました場合には、当然白色申告には理由が付してないわけです。したがって、白色申告者が異議申し立てをする、あるいは審査請求をする場合に、必ずしもその的確な理由が書けないという点もあったかと思いますが、今回は異議申し立てをした場合には、白色申告者に対して、その決定をする場合にはもちろんのこと、決定しない場合には、三カ月の時日を経過した後教示をいたします。それを審査請求として申し出ができる旨を教示いたしますが、その際には原処分の理由を明らかにすることにいたしております。したがいまして、審査請求の趣旨及び理由というものについても、それらの理由を十分書き得るものである。したがって、単に趣旨及び理由と書いて、中身は何にも書いていないというのでは困るのでありまして、そういう意味では、むしろそれでまた一々補正命令を出すというよりは、あらかじめこのシステムとしては、趣旨というものは「処分の取消し又は変更を求める範囲」、これはどこに不服があるか、幾らが不服なんだということを書くのは当然でございます。また理由についても、こちらが示した理由が不当であるということでなければ審査請求ということはあり得ないわけです。それまでは書くのが当然であるということを、いわば訓示的に規定をしたものでございます。 つまり、私どもは審査請求書の記載が不備であるから直ちに却下するなどということは全然考えておりません。もちろん、期限を徒過したということは別といたしまして、直ちに却下をするということにはしないで、補正を十分に利用していただいて、お互いの請求の趣旨を明らかにすることを前提としております。一々補正でそういうことを直していただく必要がないように、この三項の規定を書いたわけでございまして、どうしても要るかという御質問でございますが、要るかというよりも、これを書くほうがより法律のシステムとして親切であるという意味でこれを書いたわけでございます。そういうわけではこれを落とす理由はない、かように考えます。
○広沢(賢)委員 親切だと言うのですが、ところが、審査請求人にとって非常に不親切な感じがするのです。税調の答申のときには例の、計数的に明らかにしなければならないという条項がありましたね。資料を出さなければいかぬ、それがここで削られたという理由はどういう理由なんですか。
○吉國(二)政府委員 税制調査会で計数的に明らかにすることを要求すべきだといっておりましたのは、税制調査会としては、税務署側も決定に対しては理由を明らかにする、同時に、納税者側もそれに対して合理的な不服を申し立てるべきだ。これがいわば本質的には不服審査なり権利救済の本質である。権利の上に眠っているということでは困るのでありまして、権利を主張すべきものは明確に主張すべきであるということで、諸外国においても同じような規定を設けております。それがいいであろうということを明らかにしたわけでございますが、計数資料というものが必ずしも明らかにならない場合も、これはあり得ると思います。そういう意味では計数資料を必ず添付しなければ不適法であるというたてまえは、現在の納税の段階ではちょっときつ過ぎるという面もございますので、むしろ理由なり請求の趣旨なりを明確にするということにとどめるのが適当であう、かような判断をいたしたわけでございます。
○広沢(賢)委員 そのちょっときつ過ぎるという、それが重要だと思うのです。つまりこれは挙証責任の問題になりますけれども、それでみんな最後までこだわるわけですね。結局ここがおかしいと明確に指摘できなくても、どうもわからない、推計課税の根拠でここがわからないと思うといったときに、もちろん計数なんか示すことはできない。そういう人たちが来ることはあるのですね。そういう場合に、そんなことはないだろう、自分で全部立証しろというのはおかしいというわけですね。だから計数や何かも明らかにしないで、それは酷だといまおっしゃったのですから、そうすると、いままで阿部委員が言ったように、正当な理由ということでずっと二項で書くのだから、新しく三項なんかは入れなくていいのじゃないかという議論が成り立つのです。 計数的に明らかにすることは酷だと言うけれども、この大蔵省主税局で出した政令案の要点の中には「審査請求の趣旨及び理由を計数的に説明する資料等は、審査請求書に添付するように努めるものとする。」と書いてありますね。そうすると、やはり条文からは取ったけれども、しかし、実際はこういうものは政令でもって要求されているのだということになると思うのですが、どうですか。
○吉國(二)政府委員 まさに「努めるものとする。」と書いてございますように、法律上の要件にしてないわけです。しかし、正しい裁決を受けようとすれば自分の主張を明らかにすることがこれは当然のことであろうと思います。したがいまして、「努めるものとする。」ということで、そういう審査請求の本質は、やはり納税者、税務官庁あるいは審査官庁相互いに協力をして、正しい所得の発見につとめるというところにあるわけでございますから、そういう審査のあり方というものを前提とすれば、なるたけ計数的な資料をつけることが望ましい、これは当然のことではないかと思うわけでございます。
○広沢(賢)委員 そうするとまず第一番目に、私の主張は、これは削らなければいかぬ。削らなければいかぬ理由はどうしてもいまの御答弁や何かでもってそういうことは心配ないと言われていても、法律というものは生きていて、そのあとでうっかり解釈されて、それで却下の理由になったりその他のいろいろのことにたたったらば、きわめて不親切である。だから削ったほうがいいということですが、今度は百歩譲って、これは訓示規定であるという主税局長の答弁ならば、法律も政令も両方とも「ものとする」というのは訓示規定だということになれば、これを理由にして却下したりその他のことはしないというわけですね。これはもうはっきりしていただきたいと思います。
○吉國(二)政府委員 直ちに却下するという考えはございません。むしろ補正をするという補正命令を、あるいは補正していただくという前提にはなりますけれども、直ちに却下するという考え方はございませんし、現在も理由が十分に書いてないからといって却下するようなことは扱いとしてもやってはいないのでございまして、そういう意味でそういう御心配はないと私は思っております。
○広沢(賢)委員 それではこの政令案の要点のように、さらに今度は「ものとする。」というやつを、計数的に説明する資料も出せというように書いてつけ加えるというようなこの政令のあり方じゃなくて、これによって計数的に明らかにするものではないけれども、そういうものはどうしても必要要件ではない、だけれどもこういうことにしたほうが便利であるというような解説があってしかるべきだと思いますね。今後そういう解説を流したり周知徹底する気持ちはございますか。
○吉國(二)政府委員 本法律が成立いたしましたならば、十分に解説をいたすつもりでございます。この辺は一番大事なところでございますからその点は明らかにするつもりであります。
○広沢(賢)委員 その点しっかと約束したと思うのですが、社会党の立場からいえば、これはやはり念のため削っておかなければならない問題ではないかと思うのです。 次に、今度は答弁書の提出の問題ですが、いままで協議団にどういう答弁書を出したか、お聞きしたいと思うのです。協議団が言った場合に、国税局長や何かが答弁書を提出しましたね。その内容とか具体的なことを承りたいと思います。
○亀徳政府委員 現状は形式的に答弁書という形を必ずしもとっておらないようでございます。
○広沢(賢)委員 なぜとらないですか。つまり、間違ってやった。不当処分したとか不当な所得税をかけた。で、不服が出た。そうしたら、原処分庁に対して、おまえさん、どうしたんだという答弁書を求めないで、どうやって公平な判断できますか。
○亀徳政府委員 いわゆる形式的に様式を整えて答弁書というものを一々形式的にとってないという意味でございまして、納税者の主張と原処分庁の根拠が正しかったかどうかということは、当然の実態に即して調べなければいけないことでございまして、税務署の課税の根基いかんその他ということは十分調査いたしております。私は、ただ、いま答弁いたしましたのは、形式的な答弁書というようなかっこうでやっておらないというだけでございます。原処分庁の課税の根基いかんということは十分やはり、片や調査して、納税者の言い分が正しいかどうか、双方見比べて決定いたしておるような次第でございます。
○広沢(賢)委員 そうしますと、ここに「答弁書を提出させるものとする。」これも「ものとする。」というんですから、訓示規定ですね、さっきは「ものとする。」でもって訓示規定だと言うんだから、そうすると、ここでも「ものとする。」とあるのですよ。九十三条の終わりごろですね。そうすると、これは答弁書を提出しなくてもいいというように解釈されますか、どうなんですか。
○吉國(二)政府委員 国税不服審判所は、法律の定めるところに従ってそれを忠実に履行する義務を負っておりますから、「答弁書を提出させるものとする。」訓示であっても、それは当然守る義務があるわけであります。答弁書を提出させないということはないというふうにお考えをいただきたいと思います。
○広沢(賢)委員 そこがおかしいんですよ。その場合の権利救済機関なんですからね。だから、一方のほうにも訓示をしておいて、正確な資料や何かを出せ、ここがおかしいと思うと言ったら、いや、もっと正確な計数や何かの資料を出せと、こう言っておいて、そうして今度は、その当事者に対して、間違った処分をやったかもわからない原処分庁に対して、やはり訓示規定で答弁書を提出させるものとする。」というんじゃ、平等なように見えてきわめて不平等というか、一方的であると私は思います。 そこで、そのいままでの答弁書、これは行政不服審査法によって、国民はだれでも、いろいろ官庁が間違ったことをしたときに答弁書を求める権利があるのですね。お認めになると思います。それはあると思いますが、どうですか、主税局長。
○吉國(二)政府委員 行政不服審査法によりますと、「審査庁は、審査請求を受理したときは、審査請求書の副本又は審査請求録取書の写しを処分庁に送付し、相当の期間を定めて、弁明書の提出を求めることができる。」さらに三項には、「処分庁から弁明書の提出があったときは、審査庁は、その副本を審査請求人に送付しなければならない。ただし、審査請求の全部を容認すべきときは、この限りでない。」というふうになっておりまして、これは訓示にはなってなくて、「求めることができる。」ということになっておりますから、より弱いと思うのです。 先ほど申し上げましたように、今回のこの九十三条の規定は「答弁書を提出させるものとする。」という点では、先ほどの八十七条の三項と同じような表現になっておりますが、先ほども申し上げましたように、行政官庁としては法律を守る義務があるわけです。したがいまして、これは正確に提出をするということになるわけでございます。先ほど不平等と言われましたが、納税者のほうも訓示規定である。そういう意味では、納税者のほうはこれを守っていただくことが一番いいわけでございますが、拘束力はない。しかし、行政官庁としては、法律に対して拘束力を感じるということで、大きな差があると私は思っております。
○広沢(賢)委員 それをどうして不平等とかやかましく言うかというと、ここにひとつ資料があるのです。 志場さんの時代の東京国税局長から、土井さんという大田区中馬込に住んでいる人に対して「行政不服審査法に基づく書類等閲覧請求について」という回答があるのですね。その回答で「書類等閲覧請求については、次により承認します。」といって、これこれと書いてあって、日時、場所を指定しているのですが、その書類となったら「閲覧を承認する書類」「昭和四〇年分所得税確定申告書」それから「昭和四〇年分所得税更正決議書」。それで、これは前から本人は持っているのですね。理由を求めたい、不当なんだから、これこれということでもって書類の閲覧や何かを求めたところが、これしか見せてくれないというような例があるのですが、国税庁長官、こういうことで人民の権利の救済ができますか、お答えください。
○亀徳政府委員 あるいは私の答弁が的確でないかもしれませんが、現在、答弁書を取る仕組みになりますと、いまおっしゃる問題があろうかと思いますが、いわゆる答弁書を現状では、形式的に処分庁から提出を求めなければならないという仕組みになっておりませんし、おそらくはその立場で答弁書を求めておらないケースではないか。したがって、閲覧できる書面を、いま先生申し上げられた点だけだったのかと思いますが、なお、いきなりの御質問で、私も詳しい状況がわかりませんから、もう少し若干——私、答弁不十分じゃないかと思います。いずれ、その書類その他を十分検討さしていただきまして、お答えさしていただきたいと思います。
○広沢(賢)委員 その書類は、これは普通たいがいこれでもってやっているのだと思いますが、その中で一番重要な問題は「あなたが閲覧を求めておられる「原処分ならびに異議申立てに対する決定の基礎になる調査内容を記載した文書」」これを見たいのですよ。それは、税理士だって本人だってだれだってこれを見たいのですよ。これは「税務執行上の秘密にわたる事項の記載があり、これを開示することは、税務執行上支障を生じますので閲覧に供することはできません。」それで、あなたの持っている更生決定でもってこれは見せてやる。何たるこれは失礼きわまる、こんなばかげたものを実際出しているんですよ。 それで、もう一つ例があるのですが、これは八王子で、税務署長や何かに対していろいろ交渉したときに、反面調査の問題があるんですがね。「第三者にも質問検査権は発生する。納税者以外の財産も無断で調べてもよい。」これはあとで問題になります。「反面調査も無断でできる。その結果、商売に影響を与えてもそれは関係ない。」それで「更正に対する根拠はなにか。」という問いに対して「みなさんの一番知りたいところだろうが、手の内は教へられない。」なんて言っているんですよ。こういうことを言っているんですよ。つまり、推計課税をして、それでいろいろやってみて、みんな文句を言って、不安を感じる。そうしたら、その根拠は何だと聞いたら、皆さんの一番知りたいところだろうと思うけれども、そいつは教えられないんだという、こういう態度で一番初めから始まっているんですよ。それで、結局、最後に、調査したり何かすることは税務執行上の秘密にわたる事項だから答えられない、出せませんということで、年がら年じゅうずっと拒否されているのですよ。それで、異議申し立てをしたり審査請求をしたりして、どうやって権利救済されますか。自分の主張ができますか。つまり、民事訴訟だって何だって手続はみんな同じですが、フェアプレーの原則でいかなければいけないでしょう。まず主張を出し、それから相手の反論があって、相手がなぐったんだから相手をなぐった。反論はこっちのほうにあるのですよ。挙証責任の根拠も示さないで、それでこういう形でやっていたんじゃどうにもならなぬでしょう。どう思いますか。 〔委員長退席、山下(元)委員長代理着席〕
○亀徳政府委員 何しろ、先生は具体的な事案で御質問になっておられますが、私はいきなりの話で、その点が十分キャッチしておりませんので、一般的にある程度お答えいたします。 やはり率直に申して、納税者の方もちゃんと帳簿をつけていただいて、そして申告していただければ、どだいそういう問題が起こらないということが第一点あろうかと思います。やはり帳簿をつけておられないという場合には、どうしてもやむを得ず推計課税をせざるを得ないという問題もあろうかと思います。しかし、いずれにしましても、今後のやり方といたしましては、再々主税局長が申しておりますように、今後更正いたしますときに、やはり根拠を示して更正するというふうに改正されております。非常に改善の方向で進んでおりますが、同時に私、こういう際に申し上げたいことは、納税の義務というか、やはり帳簿をつけて、所得はこうだということで自主的に申告していただく。そのためにはちゃんと帳簿をつけていただくということがたいへん必要なことではないか。ですから私の気持ちは、そういった個別の問題のその一つ前に、簡易な帳簿でもけっこうだと思うのですが、基本はどうだ、経費はどうだという大まかなことは記帳していただく。またそうしなければ、申告納税制度といいますか、みずから所得を申告して納税するということができないわけでございますから。また、そういう帳簿をつけていただきますならば、こういうお互いの混乱というものもなくて済むのではないか、かように考える次第でございます。
○広沢(賢)委員 それは大体そういう御答弁になると思うのです。ところが白と青とが、青がいい、青がいいと言ったって、まだ青色申告にならないで白になっている。御存じでしょう、庶民の生活でなかなかそこまでいかない人がいるんですよ。だから、そういうことを言ったって、こういう形で推計課税の根拠を一切示さないということの論拠にならないのです。帳簿をつけてないから推計課税したんだ、しかしその根拠はこれこれです、その根拠がわからなければ私は納得しないのですよ。そういうことを続けていて、しかもここで今度は答弁書の問題が出てくるから、私はやかましく言うのですよ。推計課税の根拠を示せないということについて、一般論でいいですよ。いま言った税務署長さん、名前は言わないですが、こういう返事をしたら行き過ぎだと思いませんか。どうでしょう。
○亀徳政府委員 確かにおっしゃるような点がございますから、今度の改正で、やはり白色といえども更正に対しまして処分の異議申請がありましたらば、なぜ更正したかという理由を出すということに改めているわけでございます。ということは、現在われわれのほうからいえば、帳簿をつけていただきたいという気持ちが当然強いわけでございますが、さりとてこちらも推計課税でやるというならば、推計課税でやりますということを言わなければなるまいということで、今回の改正に主税局で踏み切っていただいたような次第でございます。
○広沢(賢)委員 わからないのですがね。それじゃどういう改善があったか。それじゃ推計課税についての根拠を全部示すのだ、こっちは示すのだ、公平に調べてもらうのだということについてのいままでのようなこういうひどい答弁書の出しっぱなしとか、こういうことはないのだという保障はどこの条文で、それから政令事項ではどうなっているのか、もう一回お示し願いたいと思います。
○吉國(二)政府委員 八十四条をごらんいただきますと、第五項に「異議申立てについての決定で当該異議申立てに係る処分の全部又は一部を維持する場合における前項に規定する理由においては、その維持される処分を正当とする理由が明らかにされていなければならない。」ということがまずきめてございます。それから百十一条でございますが、「教示」の規定がございます。この中に「異議審理庁は、異議申立てがされた日の翌日から起算して三月を経過しても当該異議申立てが係属しているときは、当該異議申立てに係る処分が審査請求をすることができないものである場合を除き、遅滞なく、当該処分について直ちに審査請求をすることができる旨を書面でその異議申立人に教示しなければならない。」「第八十九条第二項(処分の理由の附記)の規定は、前項の教示に係る書面について準用する。」ということになっておりまして、このときに理由を示す。さらにシステムといたしましては、先ほど申しました八十七条の第三項で、その理由に基づいて、対応して、その趣旨及び理由を明らかにすべきであるということをいっているわけでございますね。さらにそれを受けて、答弁書の提出の第九十三条の二項には、「答弁書には、審査請求の趣旨及び理由に対応して、原処分庁の主張を記載しなければならない。」ということになっておるわけでございまして、それぞれお互いに脈絡をつけて、お互いの主張を交互に明らかにしていくということによって、審査請求をできるだけ合理的な解決策に乗せていくという考え方をとっているわけでございます。
○広沢(賢)委員 そうすると、問題点がしぼられてくれば、この八十七条三項はますます必要ないということになるわけですね。なるのですよ。 それでもう一つ国税庁長官にお聞きしますが、帳簿をつけていない人の場合非常に気の毒な例があるのですがね。こういう場合にそれじゃどういうふうになるかを具体的に探っていきます。 これは長男が身体障害者で、七十九歳の人です。ある宗教団体に無償で自分の土地、建物を提供した。その宗教法人が解散して土地、建物が返された。そしたら世田谷税務署はこれを一時所得として課税した。不動産所得が二十一万七千二百八十六円、一時所得が六百一万七千八百三十二円、合計所得金額が——この金額はちょっとあれにしますけれども、事実は事実なんですがね。それで合算課税がかかってきたわけですね。同人は、法人解散と同時にいろいろと仮登記して、むずかしい話はずっとあれにして、とにかく毎月、月収二万円の中でもって二千円の分納をしろと言われてきたのですね。したがってこの人は、この国税に相当して特別区民税が二十六万円かかってきて、健康保険料もこれにさらに加算されて五百円から一気に四千百六十円に上がった。それで床についている身体障害者、七十九歳の病人ですから、それで世田谷税務署にあてて嘆願書を出して、どうしてもこれは払えないということをやったら、それが却下されていて、公売予告通知書が来ているという例があるのです。こういう場合、却下されて、どうしたらいいだろうということになるわけでしょう。そういう場合に、税務署でもってどうにもならぬという段階ですね。 こういう人たちは一ぱいいると思うのですよ。こういうときには、簡単にいうと、帳簿の問題とかなんとかいうことじゃないのですよ。そういう場合に、たとえばその人がいろいろの要求を持ってくる。そうすると、これはやはり事実認定だと思うのです。こういう場合に法規のしゃくし定木でぱりぱりとやれますか。 〔山下(元)委員長代理退席、委員長着席〕
○亀徳政府委員 ちょっと事実関係がはっきりしないのと、それから私、先ほど帳簿をつけていただきたいと申したのは、いまおっしゃったようなケースではございませんで、やはり営業を続けておられる方々について、主として日々の売り上げは幾らかということくらいはっけていただきたいという趣旨で申し上げたので、いま先生おっしゃいましたのは、一回限りあった行為に関連して、たとえばちょっと宗教団体に貸した土地がまた返って、相当複雑なケースのようでございますが、そういったようなのは一々の、私が先ほど申した記録とかいうことでなくして、お寺に貸してまた戻ったということは、やはりお寺のほうに聞けば実は事情はかくかくだというお話も伺えますでしょうし、そういうことを聞いて、これは帳簿の問題というよりも、そういう事実関係を明らかにしてどうするかという問題かと思いますし、またそういった問題のときに、特に納税者の方がそういう事情であればやはり親切にいろいろな状況をキャッチして処理しなければならないかと思います。ただその具体的な事実がよくわからないものですから、むしろ相当個別のケースのようでございますから、私また先生からいただいて、どういうことになっておるか、調査してもよろしいかとも思います。ここで答弁するにはよく状況がわかりませんので、この程度にさせていただきます。
○広沢(賢)委員 そうすると、これは当然やはり法律のしゃくし定木やなんかでいかないケースがここに一つあると思うのです。 もう一つのケースは、この間話しました営業補償ですね。たとえばこれは大阪の例ですが、都心部で、道路拡張工事のために仮営業所に移る。そうすると、その新しいビルに移転するに備える気でもって仮営業所をやっておる間は、営業できないから相当損失になりますね。それについては営業補償が出る。これは税金がかからぬというとで、結局狭いところでやっているところは、都心部でたとえば営業補償が対価補償の数倍という形になる。その場合にばりばり税金がかかってくる。税務署においては赤字を一切認めず、決算指導と称して決算の下書きを帳簿と関係なくかってに黒字に書きかえて、それに営業補償を上積みして提出するよう強要するなんというのが一つここにあるのです。 あとで二つお見せしますが、そういうような場合があるとすると、こういう場合、わりあいに税務署は法規でいきますから過酷だと思うのですね。こういう場合にたとえば国税庁長官としてはどういうふうに取り扱いますか。
○亀徳政府委員 営業補償の場合には、ほんとうに幾ら営業補償があったかという客観的な事実をつかまなければいけませんし、営業補償の課税をどうするかということは、あるいは法人の場合には、個人と違って土地収用のときと同じようになかなかうまく処理できない問題もあろうかと思います。したがって、そういう点になりますと、実は隣の吉國主税局長の立法の問題にお願いしなければならぬ問題も出てこようかと思いますが、そういった個別に営業補償があった、ないとかいう場合は、いきなりあったはずだとかいうことで決してやってはいけませんので、やはり確かに営業補償があったかどうか、そして額はどうかということを、これは帳簿に載っていようと、逆に帳簿が低く載っておることもございますし、やはり的確な事実に基づいて課税する。特にそういった個別の特殊なケースはばっと大きくかかるような場合でございますから、簡単な推計とかいう問題になじまない種類の問題で、やはりそういった事実がほんとうにあったかどうかということを、今度は補償した人にもまた会ってみなければいかぬ。それを一種の反面調査といいますが、営業補償した人の帳簿の上でもほんとうにそうしておるかという反面調査もしなければいけませんでしょうし、いま先生おっしゃったようなケースは簡単な推計転税とかいう問題ではございませんで、やはり真実を正しくつかむ努力をして処理しなければならない。それからまた、私たちのほうで誤りがあれば当然直さなければいけない、こういう性格のものであろうかと思います。
○広沢(賢)委員 そうしますと、たとえば税金の問題は法律だけではだめなんですね。いろいろ法規上はこう書いてあるけれども、営業補償は所得にみなすとか税金はかけるのだ、そう言ってもいろいろのケースがあると思うのです。土地を一時所得した人でも、身体障害者の子供がいて自分は動けない、こういう場合もあるでしょう。そうすると、それを事実認定をする人がやはり非常に重要な役目を持つんですね。そして協議団でもってやるわけでしょう。そうすると、これはただ単なる法規でもっていろいろやるということではなくて、裁量というか、これはこういうふうにしなければならぬじゃないかというようないろいろな問題が出てきます。ところが、税務署長さんというのは、この例でもわかるように、ぼんぼん突き放して、そして差し押えのあれを持ってきてしまうという形になるのですよ。 これを今度は不服審査の問題に直しますと、そうするとやはり協議団、今度審判官ですが、審判官はやはりそういう点について相当事実認定をしたり、世の中のことをよく知ったり、そういうことであたたかい気持ちとかその他をしなければなかなかつとまらぬということになると思いますが、その点、長官どうですか。
○亀徳政府委員 不服審判所の審判官の方は、やはりいま先生おっしゃったような基本的な心がまえでなければいけませんし、私は率直に申しまして、いつも言っておることでございますが、不服審判官ばかりじゃございません、やはり税務署の職員の人たちにも常々言っておりますことは、いろいろ法律できまり通達できまっておりましても、やはり個々の実態に当たりますとなかなかそこで律しされない問題がいろいろある。やはりそれはある意味で、ちょうど裁判官がいろいろな事実で法律の判断をするような重要な仕事をお互いに与えられておるのだから、やはり納税者の人たちの立場その他を十分考えながら、しゃくし定木でやってはいけないということはかねがね私の言っておるところでございます。ただ、法律でどうにもならない限界というものが率直にいってございます。また、その点ではやはり法律改正をいろいろお願いしなければならないという問題が出てこようかと思いますが、やはり個々の社会現象は千変万化でございまして、そこの事実を的確にとらえるということは、やはりあたたかい気持ちで法律を運用することがどうしても必要だ、特に不服審判官の立場というものは一そうそういう立場で処理しなければならない、かように考えております。
○広沢(賢)委員 それややはり一種の訓示規定ですね。そうすると、その訓示規定を保障する制度がなければならない。その場合はさっき私が言った問題に返るのですが、やはり国税不服審判所というのはそれだけの権限を持ち、税務署長が言ったことに対してぴしっとした態度を示すとかいうことをしなければ権利救済にならぬと思うのです。だから、先ほど言った独立した権限というものがどうしても必要になる。幾ら考えてもそうなってくるのですよ。個々の例を見てもそうなってくるのです。 今度は推計課税の問題に戻しますと、そういう形でもって推計課税のいろいろな根拠や何かは税務署はなかなか出したがらないけれども、いろいろ問題が出たときには、先ほど主税局長の答弁にあったとおり、出させる、出すということですね。出した上で両方見比べて、それでその副本は訴えた人にもちゃんと渡す。私がさっき言ったような、こういう冷たい人をばかにしたような答弁、閲覧許可なんというのじゃないシステムにしなければならぬと思うのですが、そういう点について、この案では先ほど言ったとおりのものをきちっとやりますか。 もう一つは調書ですね。裁判所は調書をずっとつくりますね。それと同じように調書をずっとつくって、両方の申し立てに従ってこういうふうにするという点をはっきりさせることができるのかどうか。たとえばさっき主税局長が言ったのですが、「異議決定書には、決定の理由を附記し。」というのですが、その理由が一、二行で、これこれ法第何条によってこうするなんというのじゃこれはどうにもしようがないのです。決定理由書にならない。だから決定理由書としてはどのくらいの範囲でどういうふうにやるのかという点について答えていただきたいと思います。
○亀徳政府委員 そのこまかい様式その他やり方は、いずれ不服審判所ができますれば、むしろそこはまた審判所長の判断というものも尊重してきまってくると思いますが、少なくとも先ほど主税局長が答弁いたしましたように、異議の申し立てがあり、その決定をするにつきましては、はやりなぜそう決定したかという理由を付すということが、先ほどのあとの、今度は審査請求人の主張もいろいろ明らかにしてもらわなければならぬということと相対応するわけでございまして、率直に申して木で鼻をくくったようなことは決していたさない、またそういうことであってはならないと私自身は考えております。
○広沢(賢)委員 そうしますと、次に今度は質問検査権の問題ですが、この質問検査権の中にある「関係人その他の参考人」、この参考人は、阿部さんも聞いたのですが、非常に重要なんで、罰則をやられるかもわかりませんね。その関係人、参考人の範囲はどこまでなのか、具体的にお聞きしたいと思います。九十七条ですね。
○吉國(二)政府委員 これは一般の所得税その他で質問検査権を明らかにいたしておりますが、その当該納税者の審査請求人の取引先等でございまして、その審査請求についての審理を遂行して、その審査請求の目的を明らかにするに必要なもの、その範囲は、審査請求の申し立てによって当然違ってくると思いますけれども、審査請求者の主張する内容を明らかにするような取引の相手方等をさしているわけでございます。
○広沢(賢)委員 そうしますとずいぶん広い範囲で、ここがおかしいと思って言ってきたならば、それじゃ調べましょうということで、たとえば八百屋さんの親類から何から、みんな質問して回るということなんですね、税務署がやっているような。そういう質問のしかたをもう一回ぐるっと繰り返すというようなことをやられるおそれはないかという問題が庶民にはあるのです。だから社会党の案では、御承知のとおり、訴え出た者についてはそのまま差別待遇をしてはならないということを特に入れなければならぬということで、これは渡辺さんも賛成すると思うのですが、そういうことまで入れないと、たいへん納税者というのは大ダヌキにしっぺ返しされるのじゃないか、税務署がこわいという気持ちがあるんですよ。したがって私は、その関係人、参考人ということについてはどのくらいの範囲なのか、銀行まで調べるのか、どうするのかということがやはり心配になるからお聞きするのですが、もう少し具体的に……。
○吉國(二)政府委員 所得というものが成立をいたしますためには、当然経済的な取引があるわけでございます。その取引が問題になっている場合には、取引の相手方に対して調査をするということが基本的に事実をはっきりするためには必要であるということから、一般の所得税法その他においても、納税者と取引のある者については質問、検査に答える義務を課しているわけでございます。そういう意味では、その範囲と、ここにいう関係人の範囲は、審査請求の対象となるものに限る限りでは制限されておりますが、同じであると思います。 なお、国税審判法案においても、「事件関係人又は参考人の出頭を求めて審問し、又はこれらの者から意見若しくは報告を徴すること。」という同じ規定が入っておりますので、たぶん範囲は同じであろうと思います。
○広沢(賢)委員 そうしますと、前の規定にあるからといって安心できないので、罰則というのが新しくつけ加わったのです。それがあるから種々考えるのですがね。この罰則は、この間阿部委員が質問して非常に重大な問題になったと思うのですが、一番重要なことは、これは八百屋さんの取引先その他にもどんどん入って、黙秘ができないということになる。これは悪質な大口脱税の場合を想定しての、たとえば国税犯則取締法や何かはやったんだろうと思うのです。ところが、これは私はおかしい、こんなに税金をかけられているとか、営業補償が経費だと思ったのにかけられておかしいと思うと言ったら、それをどんどん調べられて、黙秘もできないんですね。親類のおばさんのたんす預金まで調べられるなんということになると、これは権利救済どころか、逆に調べられちゃう。そういうこわい気持ちが一緒になってしまって、だれも権利救済機関と思わなくなってしまうと思うのですが、その点については、何かちゃんと安心するようなことはないのですか。やっぱり罰則はやらなければいけないのですか。
○吉國(二)政府委員 先般も申し上げましたが、行政不服審査法におきましても、質問、検査を行なう場合には、当該異議審査庁の権限による質問、検査をあわせて行なうことができるということになっておりまして、それぞれの行政官庁に対しまして、質問検査権を規定した事項はたくさんございます。それらがいずれも罰則がついておるということも御承知だと思います。つまり、行政の遂行のために国民に対して協力義務を課している場合に、その協力義務に対応した措置をとらないときに罰則を科するということは、いわゆる黙秘権に対する違反であるということはいえないはずでございまして、黙秘権というのは糾問手続に対する保障としての刑事手続における黙秘権をいうわけでございます。行政上の、あるいは公共の福祉のための受忍義務というものに違反した場合に罰則を科せられるということは、これは当然ではないかと思います。 この質問検査権というものを、従来の協議団の制度でございますと、協議団は当然税務職員でございますので、各税法の質問検査権を行使することができるわけでございます。その場合には罰則も全部ついているわけでございますが、国税不服審判所をつくりました場合に、従来どおりにしておきますと、審査請求をした本人まで、調査を拒否した場合には罰則がかかってしまうという結果になるわけでございます。これでは、おっしゃるように、審査請求しただけ損だということになるかもしれませんので、審査請求人及びその関係者につきましては、調査の拒否をいたしましても罰則は適用しない。ただ、あなたがおっしゃることが事実ならば見せていただきたいというのに見せなければ、その事実はなかったものとみなされて判断を進めていくということにとどめれば十分ではないかということになると思います。ですから、今度国税不服審判所法で罰則を設けたというのは、むしろ従来の各税法の罰則を排除をいたしまして、各税法よりもゆるい、つまり本人と関係者につきましては罰則を適用しない形の質問検査権を設けるために必要であったわけでございます。これをもし設けないとすれば、従来どおり本人に対しても罰則の適用のある質問検査権が残るという結果になると思います。
○広沢(賢)委員 本人が罰せられるんじゃ、これはたいへんな問題です。私はおかしいと思う、これは不当な課税だと思うと言ったら罰則適用をされたんじゃ、目も当てられないんで、これはだれもこんなものは信用しやしない。私が聞いているのは、たとえば本人の家族とか親戚とかよく調べるのです。税務署について有名な小説家や何かが書いたら、その親戚が相当税務署からいじめられたというような話がありますけれども、そうすると、この「審査請求人等は、この限りでない。」という「等」には何と何が入るのか、それをお知らせください。
○吉國(二)政府委員 「審査請求人等」と申しますのは、審査請求人の配偶者、その他審査請求人と生計を一にする親族、いわば審査請求人と一体をなしておる家族という感じでございます。それから審査請求人の使用人、それから法人であれば法人の代表者、それから審査請求人の代理人及び納税管理人、こういった審査請求人と同じ立場に立っている者をさす予定でござます。
○広沢(賢)委員 そこで、今度は黙秘の問題に入るのですが、この間渡辺さんも質問しましたけれども、結局国税犯則取締法というのは犯罪だから黙秘権があるのですね。国税通則法というのは、これは行政調査だから黙秘権がないわけです。そうすると、こういうことになりますよ。通則法でもって黙秘権がないんだからということで、調べたあげく何かあった場合に、国税犯則取締法適用ということになってしまったら、そこで基本的人権が侵されるということになりますが、そういう場合どうなりますか。
○大島説明員 お尋ねの点は、新しい審判所法がない現在におきましても、一般の税法で罰則の裏づけのある質問、検査をいたしまして、それと罰則の規定のない国犯法との適用関係がどうなるかという同様の問題が現在あるわけでございます。審判所法によって新たに提起された問題ではないわけでございますが、現在におきましても、一般の調査で、つまり罰則の裏づけのある調査で何らかの脱税の事実をつかみました場合に、これをそのまま告発の材料にするというようなことはいたしておりません。あらためて査察官が初めから調査をやり直しまして、証拠を集め、罰則の規定の適用のない質問権によりまして質問を取り直すという手続を経まして、それで心証を得れば告発というところまで持っていくわけでございます。もし新しい審判所法におきましても同様のケースがかりに起こってまいりますと、同様の取り扱いになろうかと考えております。
○広沢(賢)委員 一般の大口脱税者に対してはそうでしょうね。ところが、問題は、行政不服審査法やその他でもあると言いますが、たとえば労働基準法違反だとかその他の問題のときは、これはやはり調査して、答えなければけしからぬということになるけれども、これは全然性質が違うのです。結局、大口脱税や悪質脱税に適用されるような罰則その他の規定を権利救済の国税通則法の一部改正案に押し込むから、いろいろそういう疑問が出るのだと思うのです。それについてはどうですか、主税局長。
○吉國(二)政府委員 先ほども申し上げましたように、行政の段階で事実を明らかにするために関係者等に質問に対して答弁する義務を課し、あるいは物件の検査の義務を課している場合に、それを拒否するということ自体が義務違反でございます。義務違反に対して罰則のないということはあり得ないわけでございます。強制のない法律というものは考えられないわけでございます。この審査請求人とはかかわりない他人でございますから、これには受忍義務に対する罰則を設けざるを得ないということになると思います。その点は程度の差は違いますけれども、同じことが先生御提出の法案にもあるわけでございます。これは罰則でも過料ではございますけれども、そういう意味では受忍義務違反に対しては一般的にそういう制裁があるということは、法律の姿として当然だと思います。
○広沢(賢)委員 私さっき言い違えまして、行政不服審査法には罰則はないんですね。国税関係やなんか、いろんなことに伴って出てくる。そうすると権利救済というからには、行政不服審査法にはないんだから、権利救済という趣旨だったらこれも同じなんだから、わざわざこれを入れないでそのほかの法律の適用でやったら、仕分けて、権利救済と大口脱税を仕分けするのがほんとうじゃなかろうかと私は思いますが、どうですか。
○吉國(二)政府委員 それも先ほど申し上げましたが、行政不服審査法は一般法でございます。したがって、一般法であるだけに当該質問、検査に対応する罰則が各法律によって必ずしも一律でございません。それに一般的な罰則を加えるということは適当ではないので、行政不服審査法といたしましては、行政不服審査法の質問、検査とともに、実体法に基づく質問、検査を妨げないという規定をわざわざ置いているわけでございます。つまり行政不服審査法では、異議審査庁というのは当該官庁ないしはその上級官庁でございますから、当然、実体法による質問検査権があるわけでございます。そのおのおのの質問検査権を行使して、それに違反した場合にはおのおのの法律の罰則を適用するのが妥当であろう。たとえばある法律で過料を規定している場合に、不服審査法が一般的に懲役とか罰金をやった場合には、むしろ不服審査をしたために重い罰則がその件については適用になると思います。そういう意味で不服審査法は一般法として固有の罰則は定めませんでしたが、その対象の案件についてはそれぞれその基礎になる実体法の罰則が適用になるような配慮がしてあるわけでございます。そういう意味では、国税通則法で今回の不服審判所について一般の税法の罰則を適用することも可能であったわけでございますけれども、その場合には先ほど申し上げましたように、いまの一般の税法では納税者本人及び取引の相手方、いずれも質問、検査の受忍義務違反に対して罰則が科されております。しかるに本人が不服を申し立ててきて、いまの課税決定よりも少なくしてほしいという要求をしている者に対して、その人が必要な事実を開示しないということによって罰則を科することは本来矛盾しておりますから、その場合にはその主張の事実を認めないで判断を進めれば十分であるということで、各税法の罰則のある質問検査権は適用せずに、本人に対しては罰則の適用がない、取引の関係人についてだけは一般の税法と同じ罰則のある質問検査権を創設したわけでございます。この国税通則法は税法ではなるほど一般法ではございますけれども、行政不服審査法に対しましては一種の特別法でございます。そういう意味では別の扱いが必要であったんだ、かように考えておるわけでございます。
○広沢(賢)委員 そういう積極面を取り上げていますけれども、実際はそうじゃないんでしょう。ざっくばらんにいえば、いろいろと検査を拒み、妨げ、忌避し、もしくは偽りの記載をした帳簿を出した者には三万円以下の罰金に処するということで、簡単にいうとおどしあげるというわけですね。たとえば前国税庁長官の泉さんにまことに失礼なのですが、この前私きつく言ったのです。同和信用組合なんか警察官を入れてだっとやるという場合に、いろいろともんちゃくが起こる、そうしたときにこれがあるぞというわけでやられるというのがここに入っておるのではないかと思うのです。そうでなければ、どうして入れたか私はわけがわからぬ。全体として見て、そういう点でどうも納税者を何か脱税するもの、悪人であると見て、納税者不信の原則が働いておるわけですね。そうしてこういうふうになっておるのじゃないか、私はそういうふうに思わざるを得ない。 そこで、もう一つお聞きしますが、前に立ち入り検査のことばがありましたが、この場合には九十七条ですね、「その他の物件を検査する」ということになっておって、立ち入りが入っておりませんが、立ち入り検査はしないのですか、立ち入りはしないということですね。
○吉國(二)政府委員 検査をするということができれば、その前提として立ち入りはできるという前提でございます。
○広沢(賢)委員 そうすると、これは立ち入りは取ったけれども、立ち入り検査をするということだと、簡単にいいますと強制査察をするということになりますね。どうですか。
○吉國(二)政府委員 これは検査にいたしましても立ち入りにいたしましても、本人が拒否すれば強制はできないことは当然でございます。裁判所の令状を持っておる国税犯則取締法による立ち入り検査でなければ、本人が拒否すれば任意調査でございますから、これは入るわけにはまいりません。したがって、そういう場合にその義務違反に対しては罰則を科する、かようなことになっておるわけでございます。
○広沢(賢)委員 そうするとますます権利救済ではなくて罰則適用とかその他立ち入り検査のほうが非常にきつい感じがしてしようがない。質問をまとめろという御注意なんですが、まとめるということにならないんですね、まだ一ぱい聞きたいことがある。 そこで、こういうようになったということは、一番初め私は、これこれ的確には示せないが、どうもわからないからこの点についてどうなんだというように税務署に聞いてくれ、つまり争点主義です。渡辺さんがおるから非常にあれですが、ここで与党の方でもこう言っているんですよ。「争点主義についてですが、これは不利益処分をしないことを法の明文をもって規定すべきであると思う。」ということは、結局いろいろさっき言ったように、調査する、罰則を加える その他だっとくる、こういう形で訴えたがために不利益処分になるようなことがあってはならない。これはあたりまえですね。さっき罰則は本人に適用しないということはそれだと思う。だから不利益処分については絶対しないのだという約束だけではだめで、法の明文をしなければならぬというように渡辺さんは言っている。これはあとでまた渡辺さんが質問するときにどんどんもっときつく出すと思います。それから「審判所の審査は本来、権利侵害を受けたりとする納税者の権利救済が主目的であって争点主義によるべきことは当然の理であります。総額主義で別の処分決定を行なうということは、いたずらに事務の複雑」さっき大蔵大臣が言った事務の繁雑です。「と審査の遅延を招来しそれだけ納税者を苦しめることになる。」だから大蔵大臣が言ったのはまさにこの点です。総額主義ではこれは困る。この前私が質問したとおりに、大きな会社はこれは争点主義なんです。総額主義は大きな会社でやるということはないのだから、八百屋さんや魚屋さんがみんないじめられるということになる。だから原処分が見過ごしたとあれば、審査差し戻し請求をすべきであって、総額主義をとるべきじゃない。これについて主税局長はどう思いますか。
○吉國(二)政府委員 まず不利益処分につきましては、これは明文で規定をいたしております。第九十八条二項「審査請求が理由があるときは、国税不服審判所長は、裁決で、当該審査請求に係る処分の全部若しくは一部を取り消し、又はこれを変更する。ただし、審査請求人の不利益に当該処分を変更することはできない。」ということで、これは法律で明文で定められております。御承知のとおり、各国の例を見ましても、行政段階の審査あるいは不服申し立てというものは、いわゆる行政の見直し処分ということを前提に考えておるわけであります。したがいまして、普通はこういう不利益処分の規定はないのでありますが、従来わが国では不利益に変更することはやらないという慣習があります。慣習ではなるほど不十分であろうというので、今度は明文にいたしたわけであります。 なお、先ほどからいろいろ質問検査権の話が出ておりますが、これはもう先生も当然御承知だと思うのですけれども、審査請求に対して審査をしておる、その場合に、従来更正決定をした額以上にまたふやそうというような意図で質問や検査をするわけではないんで、不利益の変更をしない前挺でございますから、質問、検査で何かを調べてやろうというのが目的ではないんで、審査請求人の申し立てをできるだけ真実に把握する、その裏づけをするための検査であります。本来ならば、それが真実ならばだれも黙視するわけがないいわれのものであります。したがいまして、質問、検査の罰則を適用するようなケースはまず起こらない。また、この罰則が適用になった例もほとんどないわけであります。ことに審査請求の場合に、これを黙視するということになると、審査請求自体が、一体何をしておるのかわからぬというような結果にもなるかと思うのでありまして、そういう意味では、この質問検査権というものは、全くいわば法律の義務というものを明確にするためのものである、かようにお考えを願っていいと思います。それは同じことが国税審判所法にもあるわけでありまして、これは国税審判所法がやはり法律としてのていさいをなすためには、やはり罰則をつけて、質問検査権を置く必要があったということと同じだと思います。
○広沢(賢)委員 繰り返してもしようがありませんが、大体うまい答弁なんですが、そのうまい答弁そっくりずっとひっくり返しますね。あとでこれは逐条的に速記録でひっくり返してみますが、ひっくり返すと、やはり争点主義で親切に納税者の不服を聞く。罰則はあまり書かないで、争点主義なんだから、そんなに書く必要はない。そんなに調べるということじゃないから、あっちからこっちからずっと調べてつてを回ってやるというような反面調査というか、立り入り検査や大口脱税を調べるような規定は必要ないのです。主税局長言ったことを裏返しにすると、大体これじゃあんまり人を疑って、納税者を疑って、それから不服申し立てをした人を疑って、調べることばかりに力点が置かれておるような感じがするのです。しかも原処分庁の答弁雷には、これはさっき私が実例で示しましたとおり、きわめてもう木で鼻をくくったような答弁書で、答弁書にならない。閲覧の許可条項というものがあって、それについて、ここではたとえば前と同じような文句で、させるものとするとか、もしくは正当な理由があった場合にだけ閲覧を許可しないとかいう形で、ずっと範囲を縮めておる。したがってこれから見ると、どうも私はフェアプレーでない、不服申したてをした審査請求人と、それから代理人と、それから原処分庁とちゃんと見比べてやるという点については、非常に手落ちのあるような——これはいままでの実績がそうだからですよ。どうしてもそんな感じのする条文がずっとあるのです。 そこで、あと今度審査会その他の大事な問題に入りたいのですが、これは時間の節約で、あとの委員の方に譲りまして、そのかわり、先ほどやった解決しない問題点について、若干御質問します。 それはどういうことかというと、幾ら力説しても私たちがどうもこれはおかしい、あぶないということで一般にずっとみんなに言われておる理由は何かというと、いままでの税務署のやり方その他が、相当きついと思うのです。きついやり方の中でいろいろ例があるのですが、二、三お聞きします。結局そういう形に持ってこさせる。税務大校を卒業した人を、どんどん協議団の中に入れますね。最近入れますが、その税務大学の教育のしかたなんですが、二、三私の聞いたところでは、税務大学に生徒の各寮がありますね。その寮の中のとびらが、全部窓口を切ってのぞき込むようになっておる。つまり監獄ですね。ああいうような部屋がずらっと並んでおるというのですが、国税庁長官、知っていますか。
○亀徳政府委員 監獄にしておるという、先ほど来非常に極端な表現でおっしゃって、はなはだ私もそういう意味ではちょっと誤解を皆さん生じやすくて困ると思うのですが、決してそういうことではございませんで、一年間これは職場教育でございますから、税務大学校を卒業いたしますと、直ちに税務の調査といいますか、納税者の方の権利義務に関連するいろいろな調査をしなければいけない。これらの職員の教育に関しましては、質的教育、いろいろな面でやはり第一線の職員として恥ずかしからぬ人を養成しなければならないということで、非常に苦労をしておるわけでございまして、ただ一つ規律を正す意味で、全員全寮制度はとっております。しかし、そのことが直ちに監獄生活だとおっしゃるのは、ちょっといかがかと思います。そういうことはない、そういう監獄生活などをやっておらないということを申し上げます。
○広沢(賢)委員 この問題、この次に回せと言っておりますけれども、つまり私が聞いておるのは、監獄生活であるということを言っておるのではない。そうおこらなくてもいい、とびらに一つずつのぞき窓があいておるかどうか聞いておるのです。それを国税庁長官、御存じですか。
○亀徳政府委員 のぞき窓かどうか知りませんが、全員が出て、もしも留守で、中にどろぼうが入っておったときに外からわからぬという場合に、わかりやすくするようなことを考えておるかもしれませんし、何かあったら全部監獄で、のぞき窓だ、こうきめつけられる考え方が、私は率直に申して、広沢先生からそういうおことばを賜わるのは非常に残念なものですから、決してそういうことは……。
○広沢(賢)委員 じゃ、それは税務大学に一度視察に行って、どういうあれであるか十分見てみたいと思うのです。 それから、反省室というものが別にあるのですね。悪いことをしたらそれに入れられちゃうという部屋もある。そのほか一ぱい例があるのです。それからどんな忙しい税務署の中でも、みんなを集めて教養講座と称してやっておる。そのときの構座の内容が、社会党の中立論なんか、あれはまる裸で危険だとか、社会主義社会になったら税務署の役人はみんな取っつかまって何とかされちゃうとか、こういう講義をしておる人がいるのです。そういう先生に講義さしておる。そういう事案とか一ぱいあるのです。ここににこんなにあるのです。これはきょうやるともうあれだからというのですが、これはやはりやらないと、どんなに税務署が……(「一般質問」と呼ぶ者あり)一般質問のときにやりましょう。別にやりましょう。 あと私は、残っている問題としましては、協議団から移るでしょう、この新しい制度に。その移ったときの機構とか何かさっき資料要求で請求しましたが、それの今度は、予算どのくらいふえるのか。大蔵大臣も、これはどうしても事務を迅速にやって、親切にやらなければいかぬ。だからそういう予算、そういう問題について資料を出していただいて、その上でもうちょっと詰めたいと思うのです。 きょうは大体これだけですが、きょうお話ししたことで、ずいぶん確認をとっていない問題がありますから、主税局長はいい答弁をしたし、大蔵大臣は権利救済が一番中心だと言っておられるのですから、きょう御答弁いただいた中を全部整理しまして、それで今度は、これを今後確実に実行するのかどうかということについてまた御質問したいと思いますから、大蔵委員長いいですね。名委員長いいですね、もう一回機会をいただきたいと思います
○田中委員長 広沢君の申し出につきましては、後刻理事会にはかってお答え申し上げます。 次回は、来たる十日火曜日、午前十時理事会、十時三十分委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。 午後三時四十一分散会