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61回国会衆議院1969/05/14

大蔵委員会 第29号

発言数
169
登壇者
16
会派数
3
開催日
1969/05/14

会議録

田中正巳自由民主党

○田中委員長 これより会議を開きます。  国の会計、税制、金融及び専売事業に関する件について調査を進めます。  質疑の通告がありますので、順次これを許します。山田耻目。

山田耻目日本社会党

○山田(耻)委員 時間があまりないようでございますから、簡潔にお伺いいたしますので、ひとつ要領よくお答えをいただきたいと思います。  四十四年度の塩の収納価格がまだきまっていないようでありますが、これはどうした理由に基づくのか、御説明いただきたいと思います。

佐々木庸一日本専売公社副総裁

○佐々木説明員 四十四年度の塩の収納価格につきましては、御指摘のとおりまだきまっていないのでございますけれども、当初年度開始前にきめなければならないという考えに基づきまして、三月の二十八日に審議会を開催いたしまして、そこに諮問をいたしたわけでございます。諮問の原案は、現行価格を据え置くということであったわけでございますが、これに対しまして、生産者側の意見と消費者側の意見が非常に対立をいたしまして、コストがいろいろ上がってきて現行価格据え置きは無理だと主張せられる生産者側の御意見、イオン交換樹脂膜による新しい製塩方法がめどがついてきた現状において、価格はそのような状況を織り込んで下げるような方向で考えるべきではないかという消費者代表の意見がたいへんに対立をいたしまして、調整のめどがつきかねたわけでございますから、休会に入りました。自後審議会の会長から、各方面の意見を調整するように努力をして、再開のめどをつけられたいという御要望を受けて、いままでに至っております。調整がいまのところなおつきかねたままの状態になっております。五月でございますので、私ども精力的に詰めてまいらなければならぬと考えておる次第でございます。

山田耻目日本社会党

○山田(耻)委員 収納価格が、生産者、消費者の意見が合わずにいまだきまらない、こういうことですが、専売公社として原案をお出しになっておるわけでございますから、指導性というものは、十分その中で示されてきておると思いますけれども、大体価格がきまりますめどをいつごろに求めて作業を進めておられるのか、お伺いをしておきたいと思います。

佐々木庸一日本専売公社副総裁

○佐々木説明員 当初は五月の中旬ごろまでにつけたいと思っておったわけでございますけれども、現状の意見対立の状況から申し上げますと、いまここでいつごろつく見込みでございますということをちょっと申し上げかねる状況にありますので、しばらく時間をおかし願いたいと思う次第であります。

山田耻目日本社会党

○山田(耻)委員 たいへんだらしない話でございまして、予測が立たぬ。こういうことでは、塩専売を監理なさる専売公社としてもちょっとお困りだと思うのですが、問題は、いまのお話の中にありましたが、——私は消費者物価を引き上げるということには賛成するものではありません。ありませんけれども、物価の趨勢としては、御存じのように卸売り物価も大体年一・二、三%ずつ上がってきておるようですし、消費者物価もことしは五・四%程度の上昇を見るのではないかと思いますし、ここ年来ずっと上昇を続けてきております。そういうふうな中で塩だけの収納価格が押えられているということに関する生産者の反発というものも、私、わからないことはないと思うわけです。だから問題は、こういう諸経費上昇の中において物価を押える立場から塩価を引き上げないということになりますならば、そこに専売御当局として考えてあげなければならない私は一つのファクターがあるのじゃないか。  いま一つ、消費者のほうから問題が出ておりますイオン交換樹脂膜の製法が採用され、すでに多少採用なさっているのだと思いますけれども、こうしたものが試行期間を経て将来展望というものをどのようにお持ちになっておるかということも、私は、これからの日本の国内製塩という立場から一つの展望計画があろうと思うが、こういうものに消費者が目を向けて、いわゆる量産できる製法体制になっていくならば、価格は下げてもいいじゃないか。具体的にどこまでこのイオン交換方式が進んでおるのか、塩価を下げる条件が整っておるのか。  この前者と後者のからみ合わせが私は専売でおとりになる塩価の姿勢でなければならないと思いますが、それをどのようにお考えになって、いつごろをめどに向けて進まれるのか。今日の作業実態を少し知らしてもらいませんと、めどがつきませんということだけでは、私はちょっと公社当局として何か監理上の責任というものが抜けておるのではないかという気がしておりますけれども、いかがですか。

佐々木庸一日本専売公社副総裁

○佐々木説明員 御指摘の卸売り物価その他の原価要素に入ってまいります諸物価の上昇傾向につきましては、据え置きと算定いたしました諮問案におきましてもかなりの配慮をずいぶんしてあるつもりでございます。先生の御指摘のとおりのことをいたしましても、現実の塩価を算定します基礎になります製塩企業について見ますと、償却が進んでいきますと塩価の中に盛らるべき償却額が減ってまいるという事情もございます。それから債務の返済が進んでまいりますと金利が落ちていく、少なくなっていくというふうな問題もございます。さらに、能率の問題のあった企業が塩田製塩からイオン交換膜にかわりましたような事情がありますと、それらが塩田製塩の原価としては抜けてしまうというような事情がありまして、いろいろな指標のコストが上がるものがありましても、総体としての収納価格というものは上がらないという事情になってきておるわけでございます。  それから第二段のイオン交換膜に転換をするのに、いわゆるめどをつけておるかという問題でございますが、この問題は、先生御指摘のとおり、たいへんに塩業界にとりましても私どもにとりましても大問題でございますので、総裁の諮問機関であります塩業審議会におはかりをしておる次第であります。現在のところ、塩業審議会のうちでも少数の方をまた選びまして小委員会をつくっていただきまして、そこで審議をお願いしておる次第でございます。その過程で、今後の塩価の形成方針はどうするかという問題につきましては、現在相反する見解というものが非常に戦わされておるさなかでございまして、なお決着までには相当時間が要るかと思いますけれども、イオン交換樹脂膜を使う製法に転換する過程におきまして、在来の塩田製塩をやめた人々に補償すべきであるという、現在の生産者側からの強い要望などがございます。これらのめどをどうつけるかという問題ともからみ合ってくる問題だと思います。この問題自体は予算に関係する問題なものでございますから、予算編成期に決着をつけねばならぬ。私ども転換についての具体的ないろいろな措置等につきましては、四十五年度の開始までにはめどをつけたいと考えておる次第であります。

山田耻目日本社会党

○山田(耻)委員 買い上げ収納の価格を公正に適正にすみやかにおきめになるということは、きわめて大切なことですから、見通しが立たないというふうなことでなくて、それは公社当局の判断を十分整理をされて、やはり早急におきめいただくように御配慮いただきたいと思います。  問題は、公正な判断、適正な価格というものはきわめて抽象的なんですけれども、いわゆる生産者の生産意欲を減退させたり、それが賃金にはね返ったりする押え方は、公正でもなければ適正でもないと思うのです。その押え方をしいて強めていけば、価格差補給措置というものを、当然塩専売の立場からとらねばならないと思う。いずれかの立場というものが、専売当局の基本の姿勢の中に整理をされて収納価格というものを早急におきめにならないと、事態はやはり紛糾を続けると私は思いますから、その点十分御考慮いただいて、大体いつごろ収納価格決定がなされるか、およそのめどぐらいは申されないと、あなた方の仕事がお困りじゃないかと思うので、一応のめどをここで述べていただいて、そのめどに従って作業を続けていただく、こういうふうな立場をひとつ最後に漏らしていただきたいと思います。

佐々木庸一日本専売公社副総裁

○佐々木説明員 めどがつきませんと申しましたのは、そう非常に長くかかりますという意味ではないのでございますが、私どもはさらに一カ月以上かかるというふうな感じを持っておるわけではございませんですけれども、いろいろ折衝を要する事柄でございますので、確定的な日というようなものを申し上げかねる状況にありますということでございます。数カ月も先にならないときまらないという筋の問題ではないと考えておる次第でございます。

山田耻目日本社会党

○山田(耻)委員 何を答弁しておるか、さっぱりわからないのですが、結局、先にそう延ばすという気持ちじゃない、しかし何日にやるということでもない、数カ月ということでもないとおっしゃっているのですけれども、結局来月中ぐらいにはきまるということですか。

佐々木庸一日本専売公社副総裁

○佐々木説明員 まことに恐縮なんでございますが、きめられれば今月中にでもきめたいと思います。もちろん来月日にはきめなければいかぬ問題ではないかと思います。

山田耻目日本社会党

○山田(耻)委員 今月中にきめたい、おそくても来月中にはきめたいというふうにとってよろしゅうございますね。  いまお話のございましたイオン交換樹脂膜の製法について、これはたいへんな問題ですけれども、これを進めていくのに塩業審議会を持ってやっている。今日ではそれに小委員会を持ってかなり具体的に煮詰めておるということでございますが、問題は、このイオン方式をとることによって現在の製塩業者が量的にも企業別的にもどういう変革を示すか、それをひとつ述べていただきたいと思います。

佐々木庸一日本専売公社副総裁

○佐々木説明員 御指摘の問題は、確かにたいへん重要な問題でございますけれども、私ども、現在の製塩業に従事しておられる方々のその従事してこられたという事績を尊重すべきものだと考えておりますけれども、公社側が塩田からイオンに転換しなさいと強制的に要請申し上げるという立場は避くべきものだと考えておる次第でございます。現に塩田を使って製塩に従事しておられる方々等の自主的な判断というものを尊重いたしまして、転換をはかるべきものと実は考えておる次第でございます。ただ自主的と申しましても、どんな規模でもいい、どういう場所でもいいということでは必ずしもないと思う次第でございますが、自主性を重んじて考えていかなければならぬと思っております。ですから、どのような企業がどのような割合で現在の塩業者にかわられるかということにつきましては、確定的に申し上げるわけにはまいらぬと考えておる次第でございます。

山田耻目日本社会党

○山田(耻)委員 塩は専売ですから、いま日本に製塩業が二十七ですか、国内で製塩する一応の限界というものが指示されておるはずでございましょうけれども、これは四年間大体九十二万トン程度ですね。そうなりますと、イオン化方式を導入してまいりますと、二十七業者、九十二万トンに大きな変化が起こるでしょう。いわれておるところを聞きますと、大体二十七業者のうち七、八〇%は廃業、転業をしなければならない、こういうふうなことがいわれておるわけです。それほどイオン製法というものは量産であるし、生産コストも安くなるし、外国塩との競争もできる。日本の資本主義経済というものがその中で生き抜いていくためにはやはりその道を選ぶでしょうから、当然今日の枝条架方式というものがつぶれていってイオン方式に凱歌があがるでしょうね。この展望というものは間違いないでしょう。  そうなりますと、長い間塩は専売事業のもとで国で統括されて価格も生産量も規制をされてきた。そこで働いてきた、あるいは仕事をやってきた業者、こういう人たちに自主的に判断をしなさいということではちょっと冷酷無情といえるのじゃないですか。だから、こうした塩専売の方向については、新しいイオン化の方向に進んでいくのなら、当然そうしたものを総合的に判断をして方針を立て、施策を立てていくというのがあなた方の仕事じゃないんですか。いかがでございますか。

佐々木庸一日本専売公社副総裁

○佐々木説明員 イオン化されましたときに現在の塩業者がどれくらい残るだろうかということにつきましては、いろいろな見方がございます。三分の一くらいやめるだろうというふうなことを申される方もおりますし、いま先生のお話のとおり、三分の一しか残らないだろうという見方をする人もあるわけでございます。しかし、いずれにしましても、われわれのほうで、あなたはおやめなさいというふうに申し上げるわけにはなかなかいかないものではないかと思っておる次第でございます。  ただ、イオン化をいたします場合におきましては、現在の段階では、どういうふうなコスト計算になりますか、電気の使用なりたきますかん水の濃度なり、そういうものを合わせました効率なりがどういうふうになりますかというデータは、私ども公開をいたしまして御判断を願う場合の資料とされたいということを願っておるものでございます。さらに、イオン交換樹脂膜自体の性能の変化というものもございます。現在実際に企業として行なわれておりますもののほかに、規模が変わります場合においてどのような変化が起きるかというような事態につきましても、私どもの見方というものは業界にお話をしてあるわけでございます。つまり御判断願う資料というもの、それは必ずしもまだ十分ではないと思いますけれども、それは私どもとしても今後も努力をいたしまして十分に研究いたさなければならぬと思っておりますが、個々の企業につきまして、おたくはお残りなさい、おたくはおやめなさいというふうなぐあいにはまいらぬ性質のものではないかと考えておる次第でございます。

山田耻目日本社会党

○山田(耻)委員 問題の見方ですけれども、見方からいったらあなたのおっしゃることもある程度わかりますが、しかし、塩専売を監理してこられておる専売公社のことばとしては多少無責任ですよ。責任のがれに聞こえる。やめるかやめぬかはあなたのかってな判断にまかせます。しかし、イオン化方式を導入されましたら、基準のコストに合うか合わないかということは、一つは量産、その量が現在の塩田の広さ、現在の設備、それをイオン化に切りかえていくという過程の中で可能の問題、不可能の問題は明白ですよ。また一つは、基準のコストについても、あなた方の気持ちの中にはやはり外国塩と競争できる、太刀打ちできる価格というものを絶えず念頭に置かれるでしょう。そういうことを考えたら、三万トンや五万トン、十万トン以下の塩をつくっていたのではイオン製法は適用しにくいでしょう。当然巨大なものになっていくでしょう。そうなりますと、三分の一とか三分の二とかいろいろ言われておるけれども、現在の二十七業者のうちで少なくとも大半はつぶれていくのでしょう。そのつぶれていくのは、おれはやめる、おれはやめぬという主張の問題じゃないでしょう。客観的に備えておる条件がきめてくれるのでしょう。   〔委員長退席、山下(元)委員長代理着席〕  だから、塩専売の今日までのいきさつから考え、専売当局のものの判断としては、そうした中小の製塩業をどのように救済するのか、廃業するときにはどのような措置をしてあげるのか、そこに働く労働者にはどういうふうにしむけていくのか、こういうことを各般に網羅したイオン化への具体的な方針、方策というものが樹立をされていかなければ、イオン化への道というものはできないと私は思うのですよ。いま私が申し上げたようなことを十分念頭に置いて審議会なり小委員会が進められておるのかどうか、その点をひとつ端的にお話をしてください。

佐々木庸一日本専売公社副総裁

○佐々木説明員 初めにありましたかなり大規模な生産規模でなければならないのではないかという御指摘は、そのとおりでございます。私どもいま限度量を各企業に設けておりますけれども、それを持ち寄って合同することによって、ある程度の規模にまでなれるものであると考えておる次第でございます。しかし、御指摘のように、塩業労務者のうちには、諸種の事情によってやめなければならない方もあらわれることは十分考えておかなければならぬ事柄であります。その方々の、他の企業整理におきます前例にありますような退職金の支給などは、十分に考慮しなければならぬと考えておる次第でございます。それらを前向きに、いかなる規模でいかなる価格をもって将来を見るかという問題とともに、現在の製塩業者の方々の転換に際してわれわれのほうでとるべきいろいろな措置につきましては、塩業審議会の御審議にかげながら固めてまいりたいと考えておる次第でございます。御指摘の塩業労務者である方々に対する措置などは、私どもも当然考慮しなければならぬ問題ではないかと思っておる次第でございます。

山田耻目日本社会党

○山田(耻)委員 そういう措置を含めて審議会なり小委員会でよく検討していただく。御存じだと思いますけれども、いま石炭については、十分とは言えないでしょうけれども、やはり国会で対策を立てて措置していこうとしておるのです。こうした塩業関係につきましても、そこには多数の労働者が働いておるのですから、こういう人たちをしっかり念頭に置いて、新たなる変革への措置を具体的に行なっていただくように、特に要望を強めておきたいと思います。  時間がございませんでたいへん飛びますけれども、いま塩業労働者の賃金はどういうふうになっておりますか。特にいま、賃金はきめられておりますでしょうけれども、収納価格の中で占めておる労務費は何%になっておるか、これをひとつお伺いしたいと思います。

佐々木庸一日本専売公社副総裁

○佐々木説明員 資料がございませんものですから手元のものを使わしていただきますが、四十四年度諮問いたしましたわがほうの案に占めております労務費の構成比は、二九・一ということになっております。

山田耻目日本社会党

○山田(耻)委員 日本の全産業に占めておる労働分配率は大体最低で三八%ですね。そういたしますと、塩業労働者の労働分配率が二九・一%程度というのはたいへん安いわけですね。それは塩の収納価格がたいへん高いからその中に占める労務費の比率がきわめて低いというのならわかりますけれども、御存じのように、現在の収納価格はトン当たり大体一万二千五百円程度ですね。そういうふうに考えてまいりますと、塩の価格を非常に低く押えて、その中に占めている労務費が二九・一%であるということでいわれておりますように、塩業労働者の賃金が基本給で三万七千円から三万八千円程度——いま日本で基本給が三万七、八千円なんというところはないでしょう。労働省の全労働者の基準内賃金の全国平均を見ましても五万五、六千円になっているでしょう。なぜこれだけ低い賃金しか見込めなかったのでしょうか。一ぺんその点を説明してください。

佐々木庸一日本専売公社副総裁

○佐々木説明員 現在のところ、基本給としましては、御指摘のとおり三万八千円前後のものが入っておるはずだと思います。塩価の中で計算しました二九・一%というのは、六万円近い総体の手取りというものを算入してある次第でございます。塩業が昔と違いまして労働集約的な産業から漸次脱却してまいっておる過程で、労務費の比重が三〇%程度ということは、私ども収納価格が非常に押えつけられておるがゆえにそうであるというふうには考えられなくてもいいのではないかと思っておる次第でございます。かなりの設備を持ち、かなりの電力を使う企業でございますから、それらの経費が構成比上ウエートを相対的に多く持つということは、この企業につきまして避け得られないことではなかったかと思う次第でございます。流下式に転換いたしましたときに、たしかあれは労務者の塩業に従事しておる数などは急激に、二割程度減ったものと考えておる次第でございます。

山田耻目日本社会党

○山田(耻)委員 基準内は大体三万八千円程度だ、しかし何もかも全部入れると平均六万円ぐらいだ、とぼけちゃいかぬですよ。超過勤務手当もボーナスも全部合わせたら六万円ぐらいになるじゃないか、こういうものの言い方は、近代的な労務管理のできる人たちは言いませんよ。いま労働省が出しておりますいわゆる全産業の四十三年度平均五万五千五十三円というのは、基準内賃金ですよ。基本給に近い賃金なんです。この中にはボーナスも入っていなければ、労働基準法三十六条に基づいた超過労働の手当も入っておりませんよ。超過労働の手当というものは本来波動の業務でしょう。あるべき正常な姿じゃないですよ。何か突発的に仕事量がふえてきて、三十六条の協定を結んで超過労働をして、それには割り増しの賃金を支払うということになっている。そういうものを全部含めて一年間に六十数万円になっておる。これじゃ賃金の比較にはなりません。あなたも御存じのように、賃金というのはやはりその企業の生産性なり収益性を見て、片一方では社会的な動向を見てきめられていくのです。その賃金が三万八千円では比較にならないほど低いから、超過勤務手当まで含めて年間で割りますと月六万円になりますという言い方では、これは国会でやるにふさわしい議論ではありません。そんなものは小さな町工場でもいまそんな議論はしませんよ。超過労働というものは本来の賃金の対象じゃないのです。いかがでございます。少し考え方を改めて、基本給の引き上げということをもっと考えていただくという立場に立っていただくことにはなりませんか。

佐々木庸一日本専売公社副総裁

○佐々木説明員 私ども収納価格を算定いたします際の、その原価として置くべき労務費というものについてどれほど算入すべきものであるかということをやっておる次第でございますけれども、現実の塩業労務者に支払うべき賃金を私どもが決定をしておるつもりはないのでございます。その点をひとつ御了解を願いたいと思います。私どもの算定をいたしました基準といたしましての原価に織り込まれるべきものにつきましては、塩業が所在いたしております府県別の製造業の平均賃金から、年齢構成の差というものを調整したものをベースにしてやっておりまするので、非常に違ったものを入れておると考えてはいない次第でございます。

山田耻目日本社会党

○山田(耻)委員 それではお伺いしますけれども、いま大体塩業労務者の平均年齢は四十二歳強でしょう。家族構成が本人を含めて四・一ですよね。子供の数が二・一ですから、女房と本人を入れますと四・一くらいになるのじゃないですか。そういうふうに見てまいりましても、四十二歳で三万八千円というのはどんなに言ったって低いじゃないですか。だから、いま私が申し上げましたように、全産業平均が五万五千五十三円というのは基準内賃金ですから、せめて塩業労働者もこれに見合うべきものを——極端によけいやれというのじゃないのですから、見合うべきものを支給するということは、塩を専売にさしており、塩価をきめていく実権が専売公社にあるのですから、その塩価の中から支払われる労務費なんですから、こんなに一万円も二万円も違うようなケタはずれの低賃金に据え置いておるということは、やはりあなた方の責任ですよ。これをやはり解決してあげるというのもあなた方の責任ですよ。それは人の賃金だから笑いごとで言っているようだけれども、四十二歳で月に三万八千円ぐらいもらって、子供を二人養っていける賃金だと思いますか。私は、もっと賃金政策というものは真剣に考えてほしいと思うのです。特にこの三万八千円の根拠の中には、いまあなたが、やはり地場の賃金の動向を見たり全国の賃金の動向を見たとおっしゃいましたけれども、四十四年の賃金を見ていくのに何年の資料を参考になさいましたか、述べていただきたいと思います。

園部秀男日本専売公社塩業部長

○園部説明員 四十四年の塩価に占める労務費を算定するにあたりましては、先ほども説明がありましたように、四十二年における塩業所在八府県の製造業の賃金、これを年齢修正いたしますと、四十二年の四月におきましては、八府県の年齢修正をして三万二千八百円でございます。それをその後の賃金の趨勢で計算をいたしまして算定したものでございます。

山田耻目日本社会党

○山田(耻)委員 ことしの賃金算定をなさいますのに四十二年の資料をなぜお使いになったのですか。

園部秀男日本専売公社塩業部長

○園部説明員 労働省の統計といたしましては、四十二年度の実績のもの以降のものがございませんので、それを百年参酌しております。

山田耻目日本社会党

○山田(耻)委員 四十二年度の賃金、四十三年度の賃金、四十四年度の賃金——園部さん、一体あなたの賃金は何ぼ上がったと思いますか。人には三年前の賃金をくれてやって、あなたの賃金はことしの賃金をとるのですよ。そういうふうな賃金のきめ方を専売公社からお出しになるというのも問題ですよね。賃金はことしの賃金を要求しておるわけです。ことしの賃金を要求するのに、おととしの資料をもとにしてはいかぬですよ。あなた、でたらめをしてはいかぬですよ。   〔山下(元)委員長代理退席、委員長着席〕

佐々木庸一日本専売公社副総裁

○佐々木説明員 塩の収納価格の原価を算定いたします際に、決算的に使い得る資料というのが二年前の四十二年度の資料であるということをひとつ御了承願いたいと思います。おおむねのものにつきまして決算的にはっきりしていますものは、四十二年度までの資料が四十三年度末において利用可能な資料でございます。四十三年度は、決算に入っておりますけれども、四十三年度末におきましては的確なものは使いようのない状況にありますことをひとつ御了承願いたいと思います。  賃金につきましては、四十二年から四十三年の伸びを、全国の賃金統計によりましてその平均の伸び率というものを使いまして四十三年を想定しまして、それを伸ばしましてまた四十四年を想定するという推定をやっておりますので、四十二年そのものを入れておるということではございません。

山田耻目日本社会党

○山田(耻)委員 四十二年、四十三年、四十四年に至る基礎を四十二年に求めて推定をした、いまこういうおっしゃり方です。あなたの一番身近な専売公社を見ましても、ことしは幾ら上がりましたか、一四・一%、六千五百六十三円の上昇です。去年は幾らでしたか、去年は約五千百円から二百円の上昇です。去年とことしだけで約一万二千円上がっておるのですよ。これはおたくの公社の賃金ですよ。専売の直接監理をする塩業労働者に対して、四十二年のものを伸ばしていって推計して三万八千円、こういう賃金構成がどこにありますか。塩業労働者の人たちは、三食食べるところは二食にして、まさに自分たちのつくる塩をなめていくのなら別ですよ。人間としてふさわしい賃金ではないですよ。その算定の基礎もでたらめじゃないですか。  一体、大蔵省いかがですか。あなたのほうにも関係があるのですよ。人ごとみたいに考えておるようですが、こういう賃金を出しておって、その一つの前提となるものは、塩の収納価格を押え込んでおく、その中で支払うのだからこれくらいしか支払えぬ、こういうことを専売は言っておるわけです。次官、一体いかがでございますか。

上村千一郎自由民主党大蔵政務次官

○上村政府委員 先生も御案内のように、収納価格の問題は毎年非常に問題になる。それからまた、その他その収納価格の積算の基礎をどこに置くかということはことし始まったことではない、毎年非常に問題になって積み重ねてきておる。それで、先ほど副総裁も申し上げましたが、公社の諮問機関でありますところのこの塩収納価格審議会というものが、実は意見が対立してしまって出てこなかった。その内容も御存じだと思います。そして、要するにその審議会におきまして、いまのようないろいろな問題も毎年討議されてきておるわけだし、今度も討議されると思うのでございます。  それで、いま先生おっしゃったように、賃金の点についてどうだ、他の平均は大体占める割合は三八%くらいいっておるじゃないか、これは二九・一%で、その割合だけでも低いじゃないか。お聞きしておれば、それはちょっと考えなければならぬじゃないかという感じは起こします。が、何しろこういう諮問機関で慎重審議、そういう点も審議されまして、そうして適正な答申をされるということが望ましいであろう、こういうふうに思います。

山田耻目日本社会党

○山田(耻)委員 塩の収納価格は、それは消費者にとっては安いほうがいいでしょう。あらゆる物価がどんどん上がっていくとき、せめて塩くらいは物価を押えておくということも、大蔵大臣の言明にもございましたように、ある意味では明るい国の施策の一つとしていいでしょう。私はそういうものに反対するのじゃないのです。  ただ問題は、収納価格の中に占める労務費として賃金が支弁されるから、三万八千円程度の、全国かねをたたいて歩かなければなかなか見つけ出すことのできないような低賃金になってしまっている。だから、国の施策として塩専売をとり、塩専売をとる中で価格を低廉に押しつけておく、そのことと、そこで働く労務者の人たちの賃金の支弁とは立場を変えて考えていただかなければ困るというのです。それは価格差の補給措置でやるのか、人たるに値する賃金を支給してほしい、この点については次官も御賛成でございましょう。いかがですか。

上村千一郎自由民主党大蔵政務次官

○上村政府委員 要するに、先生も御案内のように、公務員関係その他いろいろな賃金のベースアップの問題、適正な価格という問題につきましては、いろいろと人事院その他におきましても答申もしておる。少なくとも製塩事業は政府に関連のある関係事業ですね。ですから、それに近づけていくというものの考え方、これは私はうなずけると思うのです。けれども、いまこれをどのくらいにするのかというような問題につきましては、いろいろな毎年毎年の積み上げの関係もあるだろうし、それから考え方はよくわかりますけれども、この収納価格審議会におきましてよく検討されて、そうして公社としてもこれに対して、その答申を踏んまえてやっていかれるのがいい、こういうふうに私は考えております。

山田耻目日本社会党

○山田(耻)委員 国で監理をする塩専売ですから、やはり国で使っておる人たちに賃金を近寄らせていく、この精神はあなたのおっしゃることを私も尊重いたします。そうあってほしい。ところがことしも、国までいかぬでも、塩専売をおやりになっておる専売御当局に所属される三公社五現業の賃金のアップ率は平均一二・八五%です。ところが、塩専売で考えておられるこの塩業労務者の賃金は一一・一%です。ここでもすでに二・七五%の開きが出ているのです。だんだん開きが出ちゃって今日一万円以上の格差になっちゃったんです。だから、これは次官のおっしゃるおことばとは逆行しておるのです。この点も念頭に置いていただいて、収納価格の中で措置されるのなら答えが出てくるでしょう、収納価格の中で措置しないというのなら、別途支弁措置を考慮しなくてはなりません。答えは二つなんです。二つを含めて次官、御検討いただける、専売に指示をいただけるということに了解してよろしゅうございますか。

上村千一郎自由民主党大蔵政務次官

○上村政府委員 これにはいろいろなずっと積み上げた形もございましょうから、私がお答えする前に、従来のいろいろな経過につきまして専売監理官に先にお答えさしていただきたいと思います。

平井廸郎大蔵大臣官房日本専売公社監理官

○平井政府委員 先生御指摘のベースアップの比率の問題でございますが、一三・八という三公社五現業のアップ率と比較いたしますと、適当かどうかわかりませんが、一応塩価の中で考えております労務費のアップ率としては一五・三%ということを考えているわけでございまして、その点はちょっと資料に、あるいは私のほうの資料といま先生のお手持ちの資料と若干の相違があるようでございますので、その点をお断わりいたしておきたいと思います。  そこで、こういったアップ率を比較するだけでなしに、ベースの問題をそろうべきかどうかという御議論でございますが、私どもといたしましては、従来の塩収納価格審議会におきまして各委員が大勢として御決定いただいております考え方は、先ほど副総裁から御説明がありましたように、一応実績として出ております前々年度のベースを基礎にいたしまして、その後における全国の賃金のアップ率、それを二年分推定して織り込むというやり方をいたすことが現在の段階においては妥当ではないかというふうに考えておるわけでございまして、その点を改める必要がありとすれば、それは収納価格審議会での御議論の中で御検討いただくべきではなかろうかと考えておるわけであります。  したがいまして、そういった前提で考えますと、私ども先生の第二段の御質問にございましたように、収納価格以外の場で賃金についての補給措置をとるという考え方は、政府としてはとるべきではなかろうと考えておる次第でございます。

山田耻目日本社会党

○山田(耻)委員 委員長どうしますか、時間が十一時半になりましたが。

田中正巳自由民主党

○田中委員長 では、休憩しましょう。  午後二時再開することとし、暫時休憩いたします。    午前十一時二十九分休憩      ————◇—————    午後二時十四分開議

田中正巳自由民主党

○田中委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  休憩前の質疑を続行いたします。山田耻目君。

山田耻目日本社会党

○山田(耻)委員 休憩に入りますときに監理官のほうから御答弁があったのですが、私が伺いました一一・一%ではなくて一五・三%のベースアップがある、こういうふうな話がございました。いま一つは、収納価格を引き上げてそうして低いベースをもっと上積みして上げるという方法が一つと、収納価格は上げないで他の方法をもって人並みの賃金を支給するという方法が考えられるがどうかと申しましたら、他の方法はとるべきでない、こういうお話がありました。  そこで、どういうふうに賃金の動態をお考えになっておるのか、少し監理官の気持ちを聞いておかなくてはいかぬと思うのですが、御存じのように、いまの日本でいわれておりますベースアップというのは、賃金引き上げというのは、大体基準内賃金が上がることを賃金の引き上げといっておるわけです。基準内賃金とは御存じのようにきまって入る金額でございまして、本俸、それに家族手当、地域給、こういうものが含まれておりまして、それがさっき申し上げましたように、昭和四十四年度の専売公社の場合は一四・一%、三公社五現業の平均で一三・八五%の引き上げになっておるわけです。私が申し上げました一一・一%というのはこれに比較すべきベースアップの率であります。塩業労働者の率であります。あなたがおっしゃっている一五・三%というのは収納価格の中に占める人件費総額であります。これは超過勤務手当まで入っているわけです。そういうものを賃金総額というのでありますけれども、それを賃金上昇の話の中に具体的に示されるということは、私は若干不見識だと思いますよ。一五・三%に比較すべきものは、たとえばあなたの一番身近な専売は二〇%をこえるのですよ。頭をかしげるでしょうが、それほどあなた方はよくわからないのですよ。一四・一%に対してはね返り給与が六割あるのですよ。この六〇%のはね返りの中に超過勤務手当なり期末手当なり通勤費なり入っておるわけです。たとえば国鉄あたりでは八〇%のはね返りがあると国鉄当局は言っているのです。しかし、この中には退職金、年金まで入っているのです。共済組合法のはね返りも、ベースが上がればかぶるわけです。そういうはね返り部分を専売公社の場合単純計算をしてみますと、六〇%で二二・五六%です。二二・五六に対する一五・三なんですよ。賃金比較というのをおやりになるなら、そういうふうにおやりにならなければいかぬのです。塩業労働者の人たちは、あなたの言う一五・三%と聞けば、専売の一四・一%と対比すれば高いというような錯覚におちいるかもしれませんよ。しかし、こういう国会の場で審議をするときには賃金比較は正確に出してもらわなければ困ります。あなたのおっしゃった一五・三%というのは、そういう意味合いのものだというふうにまず御理解を願わなければいけません。これに御異存があれば伺いたいと思います。

平井廸郎大蔵大臣官房日本専売公社監理官

○平井政府委員 私の説明が不十分で申しわけございませんでしたが、私どもが申し上げました趣旨は、直ちに一三・八%と比較すべきものではなくて、われわれは収納価格について算定される総原資として一五・三%を考えておるのだということでございまして、その点においては先生のおっしゃる点と趣旨として矛盾したことを申し上げたつもりはございません。

山田耻目日本社会党

○山田(耻)委員 そうなりますと、非常に低いことが目立ってくると思うのですね。御存じのように、四十四年度の春の賃上げのいろいろな動きもほぼ八割方峠を越してまいりました。皆さんたちのお考えに基づいて出された四十四年度の塩業労働者の賃金というのは、さっきからも論議をいたしましたように、四十二年度を基礎にして類推をし四十四年度の賃金を出した、こういうことでございますが、御存じのように、四十四年度で七千円以上の賃金引き上げ、これは基準内ですよ、この基準内の引き上げをしたものは少なくとも千二百七十七、八組合になっております。しかもことしの賃金の動向を見てみましたら、雇用対策として中小企業がこの七千円以上アップの中に非常に大きなウエートを占めております。それに大メーカーの企業です。そういたしますと、塩業労働者との格差はますます広がっていくことになりますね。この原因はどこからきたのかといえば、トン当たり一万二千五百円という塩の収納価格の中にかぎがあるわけですよ。塩価を安く据え置くためには労賃まで安く据え置かれておるこの状態というのは、私は正常な公正な状態ではないと言っているわけです。  この点について、これは佐々木副総裁のほうにお伺いいたしましょう。この状態を放置してはいけませんよ。皆さんの気持ちの中には、どうせイオン交換樹脂膜方式がとられて将来つぶれるだろう、それはこれから何年も先の話じゃない、だからほうっておけばどうせ片づいていくのだという気持ちがあったとしたら、それは大蔵省にしても、専売公社にしても、ゆゆしい人間軽視の問題ですからね。そういうことではないと私は思う。そうでないならば、こうした現状をこのまま放置なさるということは、何の理由に基づいて放置しておるのか。年間超過勤務手当まで全部含めて七十一万何がし、これで四十二、三歳のおとなが子供を二人も養っていって食える賃金と思われますか。この大蔵委員会でも先般審議してきめました標準世帯の課税最低限は九十三万五千円でしょう。それとの距離が二十数万円もある。こういう賃金を収納価格のワク内で押えつけるために決定しておるということになるとするならば、一体この責任はだれが負うのですか、どのようにしてこの現状を打開をしてあげるのか、これは当面の責任者は専売公社の総裁でありましょうから、佐々木副総裁のほうからひとつ御答弁いただきたいと思います。

佐々木庸一日本専売公社副総裁

○佐々木説明員 収納価格に算入いたします労務費の問題につきましては、従来からいろいろ検討されました結果、守ってまいりました方式というものがあったわけでございます。それに基づきまして計算を出していままでやってまいっておるわけでございます。私ども、先生御指摘のように、格差問題が起こり得ないとは申すわけではございませんけれども、現在塩業の立っております環境と申しますか、たいへんむずかしい環境、御指摘のように先にはイオン交換樹脂膜による製法にかわらなければならない、現在のところ消費者価格というものは押えなければならぬ状況のもとで、われわれ専売といたしましても塩の会計はまた赤字解消問題というものをかかえておるという中での現在の塩業をどうやっていくかという問題について、塩業に携わっている方々がたいへん心労しておられる立場というものを無視しているわけではないわけでございます。したがいまして、いままでの現実に算定してまいりました方式そのもの、それは時期が来れば再検討するという問題はありましょうけれども、私どもは非常に故意に押えつけるような方式をとってきたわけではございません。  午前中にも申し上げましたとおり、塩業があります地方の賃金をベースにいたしまして、それに全国の賃金の伸び率というものを計算いたしまして、従来の伸びから先の伸びというものを最小二乗法によって伸ばして見ていくということをやってまいりました結果が、四十四年度に使用いたしました塩価の一部に含まれておる労務費であるわけでございます。算定方式としていろいろやりましたが、現在使っておりますものを使用しました結果として出てきました数字を用いておりますので、特別な意図を加えているものでないことを御了解いただきたいと思う次第でございます。

山田耻目日本社会党

○山田(耻)委員 結局かぎは塩価の中にあるのですけれども、そういう大ワクの中で地場賃金を考慮して比較しながら、それから算出をしていった、こういう答弁ですね。私はあなたのおっしゃる地場賃金がわからないのですよ。あなたのお手元にある資料は、私はちょっとどうかなさっているのじゃないかと思うのですけどね。いま私の手元にある昭和四十三年の地場賃金を見ますと、全国平均はさっき私、申し上げましたように五万五千何がしですね。塩のございます兵庫が五万八千三百八十三円、岡山が五万九千五百十二円、広島が五万七千六百八十七円、山口が五万五千二十七円、以下ずっとございますけれども、みんな五万五千円以上なんですよね。しかもこれは労働省の、規模三十人以上の総平均です。現在の塩のそれぞれの事業所を見ましても、規模三十人以上にほとんどみな該当いたします。そのうち、これはボーナスとかそういうものはみな別なんですよね。こうなってまいりますと、やはりおとりになっておる資料も、塩価が押えられておるからできるだけ資料的なものでアリバイをつくりながら低目をにらんでおる、こうならざるを得ないと私は思うのです。私が経営者ならそうしたかもしれません。しかし、それでは私はいけないと思う。申し上げておりますように、賃金というのは企業の生産性と、もう一つ社会的な動向というものを対置をしてきめていくのが賃金ですから、そういう立場から考えていただくならば、一一・一%の今回の基準内賃金のアップ率というものはどう控え目に見たって低過ぎる。しかも四十二、三歳という労務者の平均年齢から見ても、家族構成から見ても、これでは食えない、こういうことは私は御理解いただけると思うのですよ。その立場に立ってひとつぜひとも検討をしていただきたいと思うわけであります。  ついでに、そのことと対置しながら、いま私の頭に浮かびますのは、塩会計でまかなっておる人員の数をひとつ言ってほしいと思います。

園部秀男日本専売公社塩業部長

○園部説明員 予算書にお示ししましたように、千七百六十七人でございます。

山田耻目日本社会党

○山田(耻)委員 この塩会計で見ております千七百六十七人の内訳、いわゆる製塩業に直接従事をしておる者、それから専売公社の中に塩会計で賃金支弁を受けている者、分けていただきたいと思います。

園部秀男日本専売公社塩業部長

○園部説明員 いまの数字は専売公社の職員であって、塩会計の中でまかなわれている専売公社の人員の数でございます。

山田耻目日本社会党

○山田(耻)委員 塩会計で賃金支弁を受けているこの千七百六十七人の給与体系はどうなっておりますか。

佐々木庸一日本専売公社副総裁

○佐々木説明員 ちょっと質問の御趣旨と違うかもしれませんが、専売公社自体が製塩をやっておりませんので、その意味におきましては製塩事業に直接従事しておる賃金支弁の者はいないわけでございます。ただ、試験場におります人間が若干おる程度でございます。

山田耻目日本社会党

○山田(耻)委員 私の聞いておりますのは——製塩業者から賃金支弁をするのは現業の人たちがおりますよ。それでなくて、同じ全体の塩会計の中から専売公社で支弁をしておる人が千七百六十七人いらっしゃるということを聞いたわけですよ。この人たちの給与体系というのはどんぶり勘定じゃないでしょう。この人たちは専売全職員の号俸表に基づいて支給されておるのでしょう。それを聞きたいわけです。同じ塩会計の中で支払われておる塩浜で働く労働者はどんぶり勘定で年間通して七十一万何がし。同じ塩会計の中で専売公社の職員になっておる人たちは、たばこをつくる人たちを含めての給与号俸表の中で賃金支弁がなされておるのでしょう。そうでしょう。そうなりますと、塩会計の中で千七百六十七人が占めている人件費は幾らになりますか。

佐々木庸一日本専売公社副総裁

○佐々木説明員 はなはだ恐縮でございますが、いま持ってまいりました資料では、塩会計に属する人だけのという数字にしてございませんものですから、管理費、販売費の中にたばこと一緒に入っておるというようなものも含まれておりますので、その数字につきましては後ほど調べましてお知らせいたします。

山田耻目日本社会党

○山田(耻)委員 たいへんむずかしいことを聞いたわけですが、御用意いただかなかったので無理からぬと思いますが、いまの千七百六十七人の中には、たばこ会計の仕事をしておる部分はたばこ会計で何%か見る、塩会計の仕事をしておる、両方で一つにして専売号俸表に基づいて支弁されておる人がいるとおっしゃる言い方なんでしょう。一人の人間の賃金支弁の原資は、たばこ専売関係の金も食うし、塩専売関係の金も食って、一つの給与をもらっている人もいるという言い方なんでしょう。そういうことでしょう。

佐々木庸一日本専売公社副総裁

○佐々木説明員 ちょっと込み入っておりますが、具体的な一人一人の人間につきまして、半分は塩会計で半分はたばこ支払いというのは現実にはございません。ただ、人件費というのを理論的に割り振るときに、たとえば私の給与のうちの何割が塩の部分かという計算は考えられますけれども、具体的には一人の人の給与はたばこ、塩いずれかから支弁しているわけでございます。

山田耻目日本社会党

○山田(耻)委員 わかりました。  そうなりますと、同じ塩会計の中でいわゆる監理をなさっておる人たちの賃金は、塩浜で働いておる人と比べましてかなり高額だということになりますね。今度の四十四年度のベースアップもそのまま適用されるということになりますと、塩会計は一体どうなりますか。——またあらためてお調べいただいて資料をいただきたいと思います。  要するに、同じ専売事業である塩、そしてそこに従事する人たち、それは現場であろうと監理をなさる仕事であろうと、これほどの賃金格差をつけてはいけないということを私は言いたいのです。ですから、今日のどんぶり勘定に基づいた一五・三%というのは、この人たちに対すると二二・五六%に比較されるべき格差があるのですよ。この場合、私は専売のはね返り給与を六〇%と見ておりますから、低目に見ているのです。低目に見て二二・五六%ですから、一五・三%に対してはこれけだの格差が出ているのです。私はこういう格差を正常な姿で認めるわけにはいかないのです。  皆さんたちのこういう実情に類似したものが同じ国でやっている仕事の中であるのです。それは林野庁なんです。林野庁には御存じのように全国に国有林があります。そこに働いておる植林の人たちあるいは木を切る木びきの人たち、こういう人たちは地場賃金で押えられてきたのです。それが過去数年間いろいろとやりとりをしておりますうちに、最近では林野庁の職員化がうんと進んでまいりました。そして最近では、いま調停に出ておりますけれども、こういう地方の人たちの地場賃金解消への速度が非常に進んできております。私は当然だと思うのです。林野庁長官がこれは何とかして解消したいということで御努力なさっていることも私は当然だと思う。なぜそれが専売でできないのですか。同じ塩会計の中でこれほどの格差ができることを承知していながら、なぜ放置しておるのですか。一五・三%は地場賃金と比較してみて、そして年齢を焼き直していったらちょうどよかった、こういうものの考え方が誤りを積み重ねてきておりますから、これは専売御当局にもっと御検討いただいて、収納価格をきめるときでなければこの賃金にさわることができないということになれば、塩のきめられていく値段によって賃金は押えられてくる。自明の理です。収納価格は物価政策上、塩に専売制度をとっているたてまえから、できるだけ低きに押えておる。しかし、そこに働く労働者に対しては、さっきも大蔵次官が述べられましたように、国で雇用する人たちに近い立場の仕事をなさっている人たちだから、できるだけ国の支給する賃金に近寄らせていってあげたいと答弁されているのです。それが常識だと思う。その立場に立って考えるならば、収納価格の中に押えつけるという道だけをとらずにもっとほかの方法があるのじゃないか。そのほかの方法がないとすれば、専売の塩会計で見られておる職員を専売一般会計の中に取り込んで、その部分を塩業労働者に回すとかなんとか、私は、やろうとすれば方法があるのじゃないだろうか。監理官の御答弁の中にちょっと私も首をかしげるところがありますので、その点についてもう一ぺん御答弁をいただきたいと思います。

平井廸郎大蔵大臣官房日本専売公社監理官

○平井政府委員 いろいろ御議論があることはよく伺いましたが、ただ塩会計にどのような人件費を所属させるかということは、やはりその人件費の発生原因によってきめていくべき問題でございまして、恣意的に塩会計の赤字を減らし、それにかえて塩業労務者の賃金アップをするために、塩会計に所属する人員を他の会計で負担するというような形は、原価計算を全体的にやっていく立場からは必ずしも適切ではないのじゃないかというふうに考えておるわけでございまして、そういう意味で、ただいまのお話はそのままお受けするわけにはいかないと思います。  ただ問題は、全体としてベースアップその他がいろいろございましたり、あるいはかりに塩の価格等が動きますれば、その結果として塩会計の赤字はふえるという形にはなろうかと思うわけでありますが、そのこと自体がいい悪いという問題は別問題であろうと思います。

山田耻目日本社会党

○山田(耻)委員 時間がございませんから終わりたいと思いますが、昭和四十四年度の塩会計の赤字を三十四、五億に見込んでおられるようですね。こういうものはいろいろな発生源があるのでしょうけれども、その中にできるだけ給与の均衡をとってあげるということのものがあってもふしぎじゃないのですよ。これは収納価格をどうしても現状どおりで押えていかれるというのなら、そこらあたりも一つの方法があるでしょう。あるいは収納価格を引き上げて、物価政策上もっと他との均衡をとるという考え方もあるでしょう。私は、この考え方について、この道をお選びくださいとは申しませんけれども、よく内容を御検討いただいて、製塩労働者というものが著しく見劣りしないように、人間として家庭生活を営んでいくのに保障がされていくような賃金支弁というものはどうしても実現してもらわなければいけないと思いますから、そういう立場でひとつ深く検討をいただきたいと思います。佐々木さんよろしゅうございますか。——たいへん御了解いただいてありがとうございました。  本日は、時間がございませんので簡単に申し上げてまいりましたが、イオン方式の導入が早晩されるであろうという問題に対する基本的な方針と具体策、これは審議会から小委員会へと進んでおるようであります。塩収納価格審議会もおそくとも六月には完結をしたいということの御答弁もいただきました。この両者かみ合わせの中で賃金が出てきたわけですけれども、賃金も十分ひとつ御検討いただいて、人並みの賃金が支給できるように重ねて要望いたしまして、私の質問を終わりたいと思います。ありがとうございました。

田中正巳自由民主党

○田中委員長 村山喜一君。

村山喜一日本社会党

○村山(喜)委員 大蔵大臣に当面いたします問題点を、公務員給与の問題、米価の問題それに国際通貨不安の問題に関連をいたしましてお尋ねをしていきたいのです。  そこでまず、春闘相場が四十二年が四千二百円、それから四十三年は五千二百円、ことしは日経連の発表によりますると、六千六百円をこえている。六千円台になることは間違いなかろう、そういうふうにわれわれも踏んでおります。それと同時に、公労協の仲裁裁定に移すことがきまったわけでありますが、中身は一四%アップの六千六百八円、こういうようなことで大体一千円台というアップ率というものが定着をしている、こういうふうな状態が生まれてまいったわけです。このような情勢の中で、過般総理大臣は、参議院の内閣委員会において山崎議員の質問に答えて、春闘相場が予想よりも高かった、したがって人事院勧告の完全実施というのは気がかりだ、こういうような意味の発言をされたということを新聞で承ったのです。  そこで、人事院総裁にもおいでをいただいておりますが、ことしは五%分の四百四十三億円は七月から実施する公務員の給与改定の財源分として予算上措置をされ、なお予備費九百億をもって、これは全部使うわけではないでしょうが、昨年の予備費一千二百億に対置してあると私たち心得るわけです。そうなってまいりますると、人事院がいま民間給与の実態調査を始めておられるだろうと思う。それならば事実問題として、この春闘相場というものがこの人事院勧告にはね返らないはずはないのであります。それから公労協関係の賃金引き上げの結果がやはり同じような影響をもってくる。そういうような情勢になった場合に、完全実施というものについて約束が、大蔵大臣としては財政当局の立場から、まあ人事院がどういうふうな勧告を出すかわかりませんが、それに対してどのような心組みで対処しようというお考えであるのか。われわれは公務員の給与というものが——公労協の皆さんは仲裁裁定でこれは拒否はしないということを、すでに総理大臣も国会において明らかにされた。とするならば、財源の既定予算の計上有無にかかわらず、これについては措置されるであろうということを期待をしている。とするならば、国家公務員等についても同じように差別をつけるべきではないという、基本的な労働者の権利として当然の要求が出てくるだろうということを考えますと、やはり完全実施するというそういう基本的な考え方というものはお持ちをいただいているものだと思うのですが、その点についてお尋ねします。

福田赳夫自由民主党大蔵大臣

○福田国務大臣 公務員給与に関する考え方は、すでにしばしば申し上げておるとおりであります。なるべくすみやかにこれを完全実施をいたしたい、こういうことでありまして、この考え方にはいまでも変わりはございませんです。

村山喜一日本社会党

○村山(喜)委員 そこで、人事院にお尋ねをいたしますが、現在作業中だ、こういうことで、予想の数字等についてはまだ明らかにできないかもしれませんが、公労協が一四%、正確にいうならば一三・八七%ですか、六千六百八円という数字が出た。また、春闘相場も六千七百円台という相場が出る。とするならば、やはり民間ベースというものを取り入れなければならない、そういう立場に人事院はありますから、人事院の立場からいうならば一〇%程度のものは、これは定昇を抜きにしての数字でありますが、当然勧告の数字として出てくるであろうとわれわれは予想いたします。  それに対して、人事院総裁の見通し等を御説明をいただくと同時に、勧告の時期、それから実施の時期というものについては、まあ四月調査の五月から実施をするという従来の慣習をやはり取り続けられる考え方であるのか、この問題については四月の時点において調査をするのですから、四月から会計年度と同じように人事院の勧告というものもすべきではないかという意見等もありますが、この点についてはどういう考えでありますか。

佐藤達夫人事院総裁

○佐藤(達)政府委員 勧告関係の準備は例年どおりのペースで大体進んでおります。つまり目下各民間事業所について実地調査のまっ最中ということでございまして、それが集まりましてそのデータに基づく勧告案を作成する。したがって、御勧告を申し上げます時期も、例年どおり八月半ば前後であろうというふうに見通しております。  そこで、どういうパーセンテージなり何なりどういう内容なものになるか、これは実はわれわれ当面の当局者として一番手に汗を握って注視すべき立場におるわけでございまして、申すまでもございません。私どもは完全に六千数百の民間事業所について足で調べたデータを踏まえて、その水準をとらえた上で作業を進めるわけでございますから、この数字がとう出るか。まあわれわれは冗談でありますけれども、選挙でいえば開票待ちということで、当落にわかにわからないという立場でずっときております。ことしもさようなことで開票待ちというところにおるわけであります。  まあいろいろお話しありましたように、公労委の調停あるいは仲裁も近いと思いますので、これが去年に比べて多少よいということは、これはもう事実でありますし、春闘も相当の実績をあげているらしいということもわかりますけれども、いま申しましたように、私どもは公労委の裁定でさえ実は正面のデータにはしておらないわけであります。したがいまして、それらの点を勘案して、いまどうということを申し上げるべき時期には全然ないということを御了承願いたいと思います。  それから四月実施、五月実施の問題は、これは近年になりましてにわかにいろいろな論議に出てまいります。私どもも非常に謙虚な立場で慎重に検討するということを申し上げてきているわけでありまして、まだその検討の段階でございまして、おそらくことしの場合も従来どおり大体五月実施ということになるのではないかというふうにみずから考えておる次第でございます。

村山喜一日本社会党

○村山(喜)委員 大蔵大臣、なるべくすみやかに完全実施——まあ、これは非常に文学的な表現ですが、一体ことしから完全に実施をするんだという基本方針はお持ちなんですか。その点は、いや、ことしは予算の上では七月から五%分は計上してある、だからこれについては七月からやるという方針なんですか。

福田赳夫自由民主党大蔵大臣

○福田国務大臣 それは、なるべくすみやかに実施したいというのが基本方針なのです。それはいかなる時期から実施するかという問題になりますと、佐藤総裁がいかなる意見を申し出るか、それにも関係もあるし、それから実施の時点における財政の状況、そういうものにも関係がある、かように考えております。

村山喜一日本社会党

○村山(喜)委員 そうすると、勧告の内容並びに財政の事情、その立場からなるべくすみやかにやる。とするならば、一応のめどというものを、あなた方は佐藤内閣としてお立てになっていらっしゃるのではないですか。昭和四十五年度は完全にやるんだ、しかし、四十四年度についてはそういうような考え方で財源等を見合わせながらその人事院勧告の線を尊重してやる、こういうような一つの段階をお考えになっているのですか。その点はいかがですか。

福田赳夫自由民主党大蔵大臣

○福田国務大臣 もうすでに五%は七月から組んであるのです。そのほかに予備費がありますからね。ですから、この勧告が非常に低率な勧告であるというようなことになりますと、ぐあいは悪くない状態になるのですが、勧告が高いというようなことになりますとなかなか問題が出てくる。かなり七月以前に繰り上げてやるということが苦しいような事情が出てくるのじゃあるまいかというような感じもしますが、まだ佐藤総裁の勧告幅というものが明らかでない。それからその時点における財政の状況、こういうものも明らかにされておりません。そういうようなことで、いまにわかにいつからだという見当は申し上げにくいのであります。

村山喜一日本社会党

○村山(喜)委員 低率であったらぐあいがよい。ぐあいがよいという意味は、低率の勧告であれば財源上またゆとりが当然出てくるはずだから、それによって人事院勧告のとおり実施ができる、こういうような意味だろうと思うのですが、いかがですか。

福田赳夫自由民主党大蔵大臣

○福田国務大臣 低率ならばそれだけ財源上の余裕が出てくるわけでありますから、この実施の期間につきましてゆとりが出てくる、こういうことであります。

村山喜一日本社会党

○村山(喜)委員 そこで、財政の事務当局にお尋ねしますが、この給与費として五%分を組んだのは四百四十三億、それから予備費九百億の中でその給与のほうに回し得る財源というものは、これは大体災害その他の問題等考えなければなりませんが、どのくらいの見込みで予備費としては考えられたかということですが、二、三百億の程度ですか。

海堀洋平大蔵省主計局次長

○海堀政府委員 今年度の予算は、四十三年度に引き続きまして総合予算主義ということで編成をいたしたわけでございます。したがいまして、給与費につきましても、四十三年度は全額予備費で対処するということにしたのに対しまして、給与を七月から五%改定する分を給与費に組み込んでおるわけでございます。しかし、人事院勧告が五%、七月からというふうに出るということは保証がございませんので、これはその時点におきまして予備費の範囲内で適切な措置をとっていくことになろうかと思います。  それ以外に予備費に対する需要——予備費は予見しがたい経費の不足なんでございますが、一番考えられますのは災害でございます。災害は幾らぐらいを予定しておるかということでございますが、これは各年度によりまして非常に大きなフレがございます。ただ最近はやはり相当治山治水等の事業も進捗しておりますので、傾向としては多少ずつは減っていく傾向にあろうかと思いますが、しかし、これも各年によって非常にフレがございますので、どの程度を災害に充てなければならぬかということをいまここで申し上げるのは非常にむずかしいことだろうと思います。それ以外は毎年度その場その場でそれぞれ違った需要になっておりまして、これも幾らくらい要るかということをここで申し述べるのは非常にむずかしいことでございます。要するに、九百億の予備費というものの一番主体は災害であり、その他もろもろの需要と公務員給与の不足分に対処するというふうに考えていただければいいのじゃなかろうかと存じます。

村山喜一日本社会党

○村山(喜)委員 大体一〇%程度の勧告があったということを想定をしてみると、七月から実施をする場合に約九百億要るのじゃなかろうか。六月になったらやはり三百億ないし四百億ぐらいの財源が不足をするのじゃないかということをわれわれは考えるわけです。そういうようなことから、予備費の中で給与費にさき得るものは一体どういうようなものがあるかということについては、事務当局はもうそれぞれ検討を始めていらっしゃると思うのですが、大体いまの段階ではまだこれからの問題だということで、この問題はきょうは時間がありませんからこれでやめますが、完全実施をやるのはこれは政府の義務ですから、その義務を履行してもらうように、大蔵大臣はひとつ積極的に取り組んでいただきたいと思います。  人事院はまた、財源の有無にかかわらずこれは当然おやりになる立場にあるのですから、そのことはお忘れのないように要請を申し上げておきます。人事院総裁、それはかまいませんね、だいじょうぶですね。

佐藤達夫人事院総裁

○佐藤(達)政府委員 実は、お金のことを気にしておりましたら、私ども正しい勧告はできません。したがいまして、御心配は要りません。

村山喜一日本社会党

○村山(喜)委員 人事院総裁はもうけっこうです、お忙しいようですから。  そこで、米価の問題ですが、新しい米価審議会の委員が任命されまして、二十五人の委員がきまったようであります。そこでこの米審はいつ開かれる予定でございますか。

桧垣徳太郎食糧庁長官

○桧垣政府委員 お話しのように、去る十日に米価審議会の委員の発令を終わったわけでございますが、これから政府部内で米審の開催時期について相談を始めるということになっておるわけでございます。最終的に決定いたしておりませんが、農林省、食糧庁といたしましては、今月末ないし来月の初旬にかけての期間中に米審を開くことにいたしたいというふうに考えております。

村山喜一日本社会党

○村山(喜)委員 六月二日には農協の米価の貫徹大会が一万数千名の農民を集めて開かれるというふうにわれわれ聞いております。ことし百五十キロ当たり二万四千百三十三円という要求ですね。それは要求幅からいいますならば昨年の要求より四・四%高い。しかしながら、現行金額に比べたら一六・七%という大幅な引き上げ要求を掲げて米価運動をやる。そういう米価のシーズンがまさに訪れようとしておる。そこで、基本的な考え方をこの際お尋ねしておきたいと思う。  きょうは時間がたくさんございませんから簡潔にお答えをいただきたいのですが、食糧庁長官、生産資材の値上がり分というものはやはり米価の算定の中に入れるべきものだ。なぜかなれば、それは農民の手取りにはならないわけですから、経費として当然のものなんだという考え方、これはだいじょうぶですね。いかがです。

桧垣徳太郎食糧庁長官

○桧垣政府委員 資材費、雇用労賃のアップ、そういうものを米の生産費の計算をするにあたりまして、織り込んで計算することは当然のことでございます。

村山喜一日本社会党

○村山(喜)委員 そこで、労働者の賃金上昇に見合う労賃の積算というものについては、去年は七月の統計数字でとらえて、四月までの賃金を織り込んだもので労賃の積算をいたしたわけです。ことしは、先ほどお話を聞いておると、五月の末から六月の初めには米審を開く、こういうことになりますと、かりに六月に開かれるというふうにした場合には、二月か三月の賃金の指数しかわからない。となれば、春闘の結果、六千円台にはね上がったその賃金というものは、これは織り込むことはできませんね。実績をもとにして計算をすることはできない。とするならば、それは見込みでやるのですか、それとも三月末の時点で押えた労賃換算をやるのですか。

桧垣徳太郎食糧庁長官

○桧垣政府委員 具体的に四十四年産米価の算定をどうするかということは、今後政府部内で十分な検討を経た上で決定をいたしたいという考えでございますので、確たる御返事をいたしかねるのでございますが、お話しのように、五月末ないし六月初旬に米審を開き諮問をするということに相なりますれば、昨年までやっておりましたような四月の毎勤の統計を使うことはできない、三月までということに相なろうかと思います。算定の連続性との関係でその間に何らかのくふうを要するのではないかというふうに私も考えておりますが、どういうふうにしてその点の連続性保持を実現するかということはまだ結論を得ていないのでございます。

村山喜一日本社会党

○村山(喜)委員 そこら辺に私は今後の問題点が一つあると思うのです。そこで、これはやはり資材費は織り込まないわけにいかぬ、労賃の値上がり分は織り込まないわけにいかぬとするならば、当然米価の算定の一つの要素になりますのは、いわゆる反収を幾らに見るのか、生産性の上昇分をどういうふうに見ていくのかという問題に私は問題が詰まってくると思う。というのは、前は限界生産農家というものは反収が三百八十八キロ、平均農家の反収は四百六十八キロ、そういう格差がありました。その格差が三千円だ、その三千円というものを縮めていくのだ。とするならば、それは平均反収方式というものを用いていくのだ、こういうふうに新聞等は伝えております。やはり政府の方針である両米価据え置き、これは間違いないと思うのですが、あとで大蔵大臣にもお尋ねいたしますが、とするならば、やはり平均反収引き上げというものによって生産の量について基準を変えていくという方向でなければ、こういうような据え置きの理論というものは構成ができないと思うのですが、その点いかがですか。

桧垣徳太郎食糧庁長官

○桧垣政府委員 算定方式そのものを、政府内部で見解の統一がまだはかられておらない段階でございますが、従来の算定方式でいえば、十アール当たりの評価がえ生産費というものを限界反収で除することによって、百五十キロ当たりのいわゆる生産費・所得補償方式に基づく米価算定の基礎数字を得てきたのでございます。  本年の場合、米の需給事情というものを反映させて米価の決定をするということになりますれば、いかなる反収を考えることが妥当であるかということがやはり焦点に相なろうかと思うのでございます。しかし、これも反収を恣意的にやれるというものではございませんで、分子であります評価がえ生産費は平均評価がえ生産費であるわけでございますから、したがって、反収も平均反収の限界をくずすことは、私も算定の方式としてはあり得ないというふうに思うのでございますが、需給事情を勘案した限界農家のとり方というのはあり得るのではないかというふうに思っております。

村山喜一日本社会党

○村山(喜)委員 そこで大蔵大臣、その両米価据え置きというこれは政府の方針、生産者米価は据え置く、消費者米価は現行を基準として定める。こういうような考え方もあるわけでありますが、両米価とも据え置きというのが政府の方針ですか、この点を確認をしておきたいと思います。

福田赳夫自由民主党大蔵大臣

○福田国務大臣 その問題につきましては、すでに総理大臣が施政方針演説でも申し上げておるわけですが、両米価とも据え置き、こういう方針でございます。

村山喜一日本社会党

○村山(喜)委員 そこで、これから政府の案を米価審議会にどうせ相談をされる手続、準備をされると思うのですが、現在の食管法の中で定めてある生産費・所得補償方式ですね、これは考えを変える考え方はないのでしょう。この点はいかがですか。

桧垣徳太郎食糧庁長官

○桧垣政府委員 食糧管理法が規定いたしておりますのは、私から申し上げるまでもなく、「生産費及物価其ノ他ノ経済事情ヲ参酌シ米穀ノ再生産ヲ確保スルコトヲ旨トシテ之ヲ定ム」ということでございますので、そのことが直ちに生産費・所得補償方式を法定しておるとは私どもは理解しておらないのでございますが、昭和三十五年以来生産費・所得補償方式ということを踏襲をしてまいっておりますので、農林大臣も他の委員会で言明をいたしておるところでございますが、四十四年産米についても生産費・所得補償方式ということを基本とするということについては、従来の考え方を続けるということでございます。

村山喜一日本社会党

○村山(喜)委員 そうするならば、やはり地代が値上がりになる、生産資材が値上がりになる、労賃にもはね返りがある、生産費・所得補償方式は貫いていくということになれば、需給を反映した価格ということになると、平均反収引き上げというもの、これを中心に置かざるを得ない、私はそういうふうに考えるわけです。そのときに一番問題になるのは、何といっても春闘相場というものがああいうような形で出てきた、六千円台。農民が、おれたちの米価だけは据え置きにするというのはおかしいじゃないかという感じ、感情というものが政府にぶっつけられたときに、政府はそれを説得し、政府の方針である両米価据え置きということで、その線で納得をさせることができるという自信をお持ちなんですか。

福田赳夫自由民主党大蔵大臣

○福田国務大臣 算定方式については、村山さんの御指摘のようなことがあるいは考えられるかもしらぬというふうに思いますが、さあそれでいて農民の希望とどういうふうにかみ合うか、こういう問題は、御指摘のような問題があると思います。しかし農民は、その価格の点もありますが、同時に、食管制度を維持したい、これは悲願ともいうべき強い要請を持っておるわけであります。これを維持しなければならぬ。維持するにはやはり米価というものに経済性を持たせなければならぬ。経済性というのは何だ、こういいますれば、今日は需給、これを考え合わせることである、こういうことにあろうかと思うのです。  そういうようなことを考え、まあいろいろ農村の立場にもなって考えるのでありますが、この際はまたやがては物価の値上がりとなって自分のところへはね返ってくるこの米価の問題、これはひとつ食管制度を堅持する、そして日本国の経済の安定に役立たせる、これを農民にもよく理解し納得してもらう、こういうことになろうかと思います。私は、農民は納得をしてくれる、今日の経済の諸般の情勢を考慮するときに、必ずや納得してくれるだろうということを確信をいたしております。

村山喜一日本社会党

○村山(喜)委員 だれよりも農民を愛すと言って名演説をされた福田大蔵大臣ですが、はたしてそれで農民が納得してくれるかどうか。物価の値上がりというものが農民だけにその原因のしわ寄せをされたのでは困るという感情が私は残ると思うのです。その問題については、佐藤内閣の腕前をひとつ見せてもらおうと思って、これからの問題として保留をしておきたいと思います。  そこで、これは生産者だけの問題ではありません。というのは、古米が消費者には配給として渡るわけです。そこで、大蔵省の古米処理対策というものについてはどういう方針をお立てになっておりますか、この点を……。

相沢英之大蔵省主計局次長

○相沢政府委員 古米、また二つゆを越しますと古々米が多量に発生するわけでございますが、これをどのように処理するかにつきましては、今後農林省における検討をまちまして、私どもとしても十分協議に応じてまいりたいというふうに考えております。  さしあたりのところでは、昭和四十二年産米につきまして、ことしの一月から歩どまりを一%下げるということで対処してまいったわけでございますが、今後この二つゆを越します昭和四十二年産米について、どういうような処置をとるか、これも今後の検討問題でございます。  古米処理の対策としまして、さきに韓国に、もちろんこれは新米も含めてございますが、三十三万三千トンの輸出をすることになって、相当量すでにこれは引き渡されております。沖繩に米を売る話等もございますが、なおこれは検討中でございます。

村山喜一日本社会党

○村山(喜)委員 古米と古々米の販売価格というのは、精白度を強めてこれは販売をするのだ、結局販売価格というものは据え置くのですか。古々米は値下げをするということに対しては、そのような措置はしない、こういうようなことですか。  それと、もう一つ、韓国のほうはそういうようなことでしょうが、沖繩とインドネシアに対する米の貸し付けはどういうふうになりますか。

福田赳夫自由民主党大蔵大臣

○福田国務大臣 インドネシアがいま落ちておりましたが、インドネシアにつきましては、そういう提案をしておりまして、目下インドネシア側において検討してもらっております。

桧垣徳太郎食糧庁長官

○桧垣政府委員 琉球政府から内地米の供与を受けて、その販売代金を産業開発の資金に充てていきたいということで、協力方の要請があったのでございますが、この問題は他の沖繩援助の問題ともにらみ合わせつつ、私どもとしても前向きに対処をいたしたいということで、総理府を中心にいたしまして、現在具体的な措置のための検討をいたしておる段階でございます。

村山喜一日本社会党

○村山(喜)委員 手だてがまだなかなかおくれていると思うのですが、そういうふうになってくると、政府保有の保管米というものは在庫量がどんどんふえてくるだろうと思うのです。ことしの十月の古米在庫というものは、初め五百万トンくらいあるいは五百五十万トンくらいというものが、新米との混入率との関係で、当初よりも二十万トンくらいふえた、こういうふうに考えるのですが、どういうふうになっていますか。それと、古米を一年間持ち越してまいりますると、当然保管料なりあるいは金利なり事務費というものが必要である。とすると、トン当たり幾ら保管経費というものがかかりますか。

桧垣徳太郎食糧庁長官

○桧垣政府委員 四十四米穀年度末、つまり本年の十月末の四十二年産米、四十三年産米を総体として見ました古米の在庫見込みは、当初五百七十万トン玄米で見込んでおったのでございますが、その後韓国への三十三万トンの輸出が在庫の減少要因として働いたわけでございます。ところが一方、当初見込みました売り渡し数量というものが見込みよりは現在までのところ若干下回っておりまして、それらの減少要因、増加要因を相殺いたしまして推算いたしますと、本年の十月末の古米の在庫量はおおむね五百五十万トン程度になるのではないかというふうに見込んでおります。なお、今後の売れ行きとも関連いたしますので、若干の変動があるかもしれません。  米の一年間の保管に要します金利、倉敷、事務費等は年間おおむねトン当たり一万一千円程度必要といたします。

村山喜一日本社会党

○村山(喜)委員 そういたしますと、これは大蔵省が財政制度審議会に出した資料だったと思いますが、いまのような状態でいくならば、四十五年の十月は古米の在庫が七百万トン、それから四十六年は九百万トン、そして昭和五十二年ですか千七百万トン、こういうような数字の発表が出されておったようでありますが、大蔵省はそういうように財政の立場から、それに基づいて見られたと思いますが、農林省はやはりそういうような状態で米が余るというふうに見ておりますか。  というのは、私がFAOの主要農作物の国際需給見通しの需給表を見てみると、そういうようなものの見方というものはしていないわけですね。なお、最近のようにどんどん農村人口が減る状態、後継者の若い人たちはいなくなる、そういうような状態の中で、将来そのような試算をすることがだいじょうぶだろうか、そういうようなことになりますからこの際こういうふうにやるのだということですか、その点については農林省としては責任をお持ちなんですか。その点を明らかにしていただきたい。

桧垣徳太郎食糧庁長官

○桧垣政府委員 大蔵省の積算した資料も同じ基礎に立っていると思うのでございますが、農林省が昨年の十一月に公表いたしました「農産物の需要と生産の長期見通し」におきまして、現在の米の作付面積、水稲の作付面積に変動なかりせば、昭和五十二年には需給の関係で約百八十万トン程度の供給過剰になるという見通しをいたしたのでございます。その後、四十一年度をスタートにしまして、直線的に需給関係を推測いたしますと、お話しのように最終の、かりに古米の特別な処理をしないものとしてやりますと、五十二年度の累積過剰在庫は千七百万トンになり、また四十五年度にはおおむね七百万トン程度の在庫になり、さらに四十六年には在庫がふえて九百万トン近い数字になるということは、これは一定の前提を置いて考えますとそういう数字になるということでございます。

村山喜一日本社会党

○村山(喜)委員 その前提を置いて見るのと、あなた方が長期見通しで見るのと非常に差が大き過ぎるわけですね。五十二年が百八十万トンの余りになる、こういう見方が正しいのですか、それとも大蔵省が出した見方のほうが正しいのでしょうか。

桧垣徳太郎食糧庁長官

○桧垣政府委員 私が、長期見通しに立って五十二年度における供給過剰百八十万トンと申し上げましたのは、単年度の供給過剰でありまして、大蔵省が言います千七百万トンというのは、十年間の累積過剰総量ということでございます。

村山喜一日本社会党

○村山(喜)委員 そこで、そういうような生産状態であるということを踏まえながら、金融面の措置がどういうふうに考えられているのかということについてお尋ねをします。  自主流通米の制度の発足をことしからやるのだ、このねらいは銘柄格差と等級格差というものを明らかにしていこうということで出発をされるものだと思っております。そういうふうになってまいりますと、これに対する金融措置の農林省のほうの要求あるいは農協の要求、それにまた大蔵省のそれに対する態度というものが、いろいろ非常に問題になっておったように聞いているのですが、運用部資金で割農を引き受けることによって、農中の資金不足のときに必要資金を出してやる、こういうようなことに対して大蔵省と農林省の間の詰めはどういうふうになっているか、この点は詰まったのですか。

青鹿明司大蔵省理財局次長

○青鹿説明員 所要資金につきまして、全部ではございませんが、その一部について運用部の資金でもって農中債を引き受けるということでもってただいま話がついておりますが、具体的な数量をいかにするか、運用をどうするかについては、七月ごろ確定されます自主流通計画に基づいてあらためて検討するということになっております。

村山喜一日本社会党

○村山(喜)委員 その千四百八十億を融通をしてもらいたいという要請があって、それを引き受けるということについてはきまったけれども、限度額はきまっていない、あるいは引き受けの期間はきまっていない、こういうふうに解釈していいのですか。

青鹿明司大蔵省理財局次長

○青鹿説明員 百七十万トン予定されているわけでございますが、これがそのとおり出回るとしまして、資金総量の約七割を運用部資金でもって引き受けて手当てをするというような考え方をしております。一応ただいまの試算では、ピーク時は十二月末でございますけれども、七百五十億程度になるのではないとか考えております。  それから平均残高は、大体三百四十億円と試算しておるわけでございますが、あらためてその数字につきましては、七月にもう一度検討し直すということになっているわけでございます。

村山喜一日本社会党

○村山(喜)委員 七百五十億円になるというそれらの数字については、コンクリートされたものですか。これは農林省の要求でありますか、それとも大蔵省のほうとしては、運用部余裕金の運用がそういうようなことをやっても硬直化しないのだ、こういうような見通しを立てて、それに対してオーケーを出された数字ですか。

青鹿明司大蔵省理財局次長

○青鹿説明員 資金運用部の余裕金といたしましては、かなりのものを短期保有いたしておりますので、資金的余裕はあろうと考えております。ただ、具体的に幾ら必要であるかということは、その出回りの状況によってきまることでございますので、もう少し近い時点でもって数量等を確定いたしたい。もう一つは、保管期間がどの程度になるかという問題があるわけでございまして、これらをあわせて、七月ごろに再検討するということでございまして、ただいまの時点では、いま申し上げましたように、資金運用部において大体七百五十億円、それから保管する期間を頭に入れて、農中債を資金運用部で引き受ける期間を大体三カ月というふうに考えております。

村山喜一日本社会党

○村山(喜)委員 それに関連をいたしまして、食糧証券がいま「古米をささえる 農村のインフレ助長の」なにになっている、長期にわたって食糧証券が滞留をしておる、こういうようなことで新聞記事にも出されておりますが、これについては、現在の状況はどういうふうになっておりますか。日銀の保有分が幾らで、それから市中分が幾らになっているのですか。

青鹿明司大蔵省理財局次長

○青鹿説明員 五月十日現在の数字でございますが、保有状況は、全体の発行高が食糧証券は一兆一千二十億円でございまして、特別会計、これは資金運用部も含めてでありますが、四千三百四億円、政府関係機関の持っておりますものが六百九億円、日銀の保有が五百六十六億円、市中の保有が五千百七十二億円、その他ございます。こういうことになっております。

村山喜一日本社会党

○村山(喜)委員 これのピークのときは十二月ですね。そうして九月の一番低いそのときに大体六千億ぐらいが滞留をする、こういうことになりますが、その点はいかがですか。

青鹿明司大蔵省理財局次長

○青鹿説明員 ピーク時は御指摘のとおり十二月の末で、総額一兆三千九百四十二億円でございます。それから、各年どの程度滞留いたしているかでありますが、これは糧券の平均残高でごらんいただいたらよろしいのではないかと思いますが、四十三年度は八千二十二億円ということの平残になっております。

村山喜一日本社会党

○村山(喜)委員 こういうような状態の中で農民に支払われておるわけですが、それだけ国の借金という形になっている。売りオペの対象として資金を活用するというメリットはあると思うのですが、毎年そういうようなふうにして、十二月をピークにして九月が一番下の線だとしても、年間六千億ぐらいの滞留がある。その間、日銀のほうもそれを保有せざるを得ない、あるいは資金の大部分は預金部運用資金だ、こういうような形の中で資金操作をやっていく場合に、これからそのような滞貨というのですか、古米の在庫量というものがふえていけばいくほど、当然証券の発行額というものは多くならざるを得ない、こんなふうに見なければならないと思いますが、その点はどうですか。

青鹿明司大蔵省理財局次長

○青鹿説明員 いわば在庫金融でございますので、在庫量の増に応じまして、糧券の発行残高もふえざるを得ないのではないかと考えます。

村山喜一日本社会党

○村山(喜)委員 そういうような滞貨金融がもたらす農村への景気刺激的な問題点というもの等については、いまのようなこういうやり方をずっとこれからも続けていかざるを得ない、こういうことになってきますと、財政金融上の操作の上からも相当問題が出てくるのではなかろうか。景気調整その他の上から見ましても、問題があるのではなかろうかと思うのですが、これはこのまま改善をしないで、そのままの経緯の中で推移していく、このことはやむを得ないことだというとらえ方をしておいでになりますかどうですか。

青鹿明司大蔵省理財局次長

○青鹿説明員 ただいま食管の在庫がふえる、糧券の発行高がふえる。ただ、その在庫調整のやり方を単独に切り離して処理できるかどうかと申しますと、やはり食管制度全体の問題として考えざるを得ないので、金融面としては、現在の取り扱いをやはり継続せざるを得ないのではないかというふうに考えております。

村山喜一日本社会党

○村山(喜)委員 この際、大蔵大臣にお尋ねいたしますが、これはやはり相当部分は日銀引き受けということにならざるを得ない。そのときに、金融調節上の手段としては使い得るといたしましても、一つのインフレマネーには間違いない。私はそういうふうに性格的には分析すべきだと思うのです。そうなった場合には、これからの在庫金融に対する滞貨金融は、このような形の中で出さざるを得ない。それが日本の景気の上にある程度の影響をもたらすことは事実ですから、これらをわれわれは、この大蔵委員会におきましても、都市銀行に対する日銀の貸し出しの問題とともにいままで論及をしてきたわけですが、これについて大臣は、何らかの改善措置を考えて研究させてみるという御意思はございませんか。

福田赳夫自由民主党大蔵大臣

○福田国務大臣 村山さんは、糧券の発行、それが日本銀行の持ち込みになり、これがインフレにつながるということについて、たいへん御心配のようですが、これは一時的なものであり、かつ糧券の発行と同時に、現金化された農村の所得は、これは貯蓄となってあらわれてくるわけです。これが県段階においてさらに農林中央金庫に集まってくる。そういうような状況でありまして、農林中央金庫と日銀との間に調整が行なわれる、また、それで調整がつきかねるという場合におきましては、農林金融以外の面に対しまして、日銀は通貨調節を行なうわけであります。通貨量全体としては、オペレーションを通じまして、大体なだらかな成長通貨供給方針によって動いていく。全体としてはそう変調を見るのではなく、これが直ちにインフレにつながるものである、そういうふうには考えておりません。  ただ、その問題とは別の問題でありますが、いま日本銀行が景気のかじとりをするその際に、日本銀行の景気調整能力、これは日本銀行が貸し出しを行なっている金融機関の分野に大体限られる、いわゆる三割統制だというようなことが言われますが、これはそれだけでは景気のかじとりにつきましては不十分である。これは日銀が関与するかあるいは政府が関与するかは別として、とにかく国の経済活動につきましては財政がかじをとる、しかし、民間の経済活動につきましては金融がかじをとる。その金融という中で日銀が三割ばかりのシェアであるというので、それでほうっておくということはよろしくない。こういうことを考えておりますので、農林金融を含めまして、何とかして幅の広い金融調整ができるような手段、これについては検討いたしておるところであります。

村山喜一日本社会党

○村山(喜)委員 二カ月ものでありますから、農民に支払われたものが系統金融機関に集まってきてそれが循環をしていくという形ですから。しかしながら、何といっても年がら年じゅうこういう形を繰り返しているわけですから、九月の末の一番少ないときでも六千億余りの金がそこに滞留していることは事実です。ですからこれは、全体的な日銀の影響力下にあるものがいまおっしゃったような状態だとするならば、当然農業系統の資金関係についても調整手段というものを新たに考えるという方向で、その中の一環として御検討願いたい。  最後に、もう時間がなくなりましたが、この前から問題になりました、マルクは切り上げないということを西ドイツの政府が決定をいたしました。そこで、新聞の伝えるところでは、短資が十日の日あたりは一日に十五億ドルも流入をする、流入をした資金量というものは約四十億ドルだろう、こういうことがいわれておる。一番安定した通貨というのはマルクであり円でありドルだと大蔵大臣は言われるわけですが、日本がこのドイツの状態を参考にしながらこれから、大蔵大臣の胸の中には、円というものを国際舞台に決済通貨として位置づけていくような方向というものをこの際日本も考えるべきだというような構想を持っておられるのじゃなかろうかと私は思いますが、そういうような考え方というものがおありかどうか。その場合にはあなたのお考えというものはどういうようなものを対応策として、マルクの今日の問題に学ぶべきものとして持っておるか、お考えのほどをお示しを願いたいと思います。

福田赳夫自由民主党大蔵大臣

○福田国務大臣 私は、円の地位をどうするかという、地位をどうするかというその結論からいくべきものではない。円の地位というものは、日本の経済体質の一番大事な体質は何であるかといえば国際収支でありますから、国際収支にあらわれるわけでありますが、その国際収支にあらわれる日本の経済体質というものがよくなれば自然に円というものもよくなる。また、それが非常によくなるというようなことになりますと、御指摘のように、円が逐次基軸通貨としての方向へ進んでいくというようなことになろうかと思いますが、まだそこまで日本の円は至っておりません。おりませんが、マルクの問題、ヨーロッパの通貨不安、これに関連して思いますることは、やはりフランやあるいはポンドの切り下げ、こういうことを、他の経済体質改善政策なしに単独で幾ら行なってもこれは際限のない問題である。かりに某国の通貨の切り下げが行なわれる、それに対して何らの他の体質改善措置がとられないというようなことになれば、切り下げによる効果というものは数カ月にして消滅をする。また第二次、第三次の切り下げを必要とする、こういうことになってくるだろうと思うのであります。  経済体質を強くしておくということ、これにわが国も専念しなければならない。いま相対的にはわが国の円というものは強い立場にありまするけれども、しかし、日本経済が内包している諸問題、ことに物価の問題というようなことを考えまするときに、非常に困難な問題に当面しておる、こういうふうに思うのでありまして、何とかして物価の安定という問題、これをひとつ克服しなければならぬ。こういうふうに考えるのでありまして、ヨーロッパの問題、これは対岸の火災視することなく研さんをいたしていきたい、かように考えております。

村山喜一日本社会党

○村山(喜)委員 物価の安定というのは国内政策の問題です。そこで、円の最近の実力というものが国際的に高く評価されている。そうすると当然、日本から見て貿易の出超の場合には円建ての決済ができて、入超の場合にはそういうことはできないわけですが、円借款の場合でもその円を使用することによって決済ができるというようなことになってきますと、やはり今日の日本の経済力というものから見て、当然、少なくともアジア地域におけるそういうようなものを考えるべきだという構想を福田さんはお持ちではなかろうか、私はそういうような気がしてならなかったものですからお尋ねをしたのです。これは結論から円の地位の問題を言うべきでないというてとはお話しのとおりだと思います。しかしながら、そういうような一つの目標というものをあなた自身はすでにお持ちになっていらっしゃるのじゃないかと思うのですが、その点はいかがなものですか。再度それらの最近の、どうせ日本も長期資本を延べ払いの形で出さなければならないような、そういうような操作の問題も出てくると思うのですが、それらの問題を含めていかがでございますか。

福田赳夫自由民主党大蔵大臣

○福田国務大臣 円が基軸通貨になるということは、これはたいへんな問題なのでありまして、非常にいいことではございますけれども、同時に責任を負うということになるわけです。たとえばドルがいま基軸通貨といわれる。そのドルは世界じゅうから信頼をされている通貨ではございますけれども、同時に、それに伴いましてたいへん世界各国に対して責任を負うという立場に置かれておるわけであります。そういう点を考えますと、いたずらに円の基軸通貨化を願うというのでなくて、私は、いかなる責任にも耐え得るという日本の経済の体質、これをつくり上げるということに専念をすべきである、こういうふうに考えます。したがって、その際に日本の円が各国からどういう処遇を受けるかということによって事を考えていくべきだ、こういうことを申し上げておるのであります。どうも、基軸通貨にしたいんだしたいんだという念願が先に立つという考え方は足を払われる危険性を持っておる、かように考えておるわけであります。

村山喜一日本社会党

○村山(喜)委員 マルクの場合でもこれはローカル通貨、基軸通貨ではない。しかしながら、為替管理の自由化の中で西ドイツの場合には七十八億ドルという外貨を保有している。日本の場合には厳格な為替管理の中で三十二億ドルという、そういうような外貨保有の状態です。しかしながら、いまの勢いでいくならば、ことしの六月ごろには三十五億ドル、あるいは年末には四十億ドルくらいのそういうような状態になるのではなかろうかという推定も出されているわけです。そうなってまいりますると、いまのところは長期資本はとんとんだ、しかし短資関係は黒字だ、貿易収支は黒字だ、こういうような環境の中で将来の日本の円の価値というものを保持していくための手段方法というものはどういうふうにお考えになっておりますか。延べ払いという形で長期資本を対外的に出していくというようなことも念頭に置いてお考えになっておりますか。それとも民間の為替銀行がポジションを改善をする、だいぶ改善をされてもう赤字関係分が五億ドルぐらいに減ってきておる、こういうようなことをよく聞くのですが、その次の段階は、どういう政策、手段を考えているか。これは事務当局のほうからでけっこうです。

村井七郎大蔵省国際金融局長

○村井政府委員 今後順調に国際収支が推移してまいりますときに、余剰と申しますか、黒字というものをどういうかっこうで日本の経済の中に織り込んでいくかという点につきましては、これはいろいろ私たちはそのときそのときの環境で、一がいになかなか一本調子の方針を言い得ないというふうに思っております。  ただ、私たちが、たとえば外貨準備にいたしましても、あるいは銀行のポジションにいたしましても、あるいはもっと長期の資産、負債関係にいたしましても、全体として非常に対外バランスというものがやはりまだ脆弱であるという点はいなめない事実ではないかというふうに思っております。それから、先ほど村山先生もお触れになりましたように、わが国には、それはやはりマルクと比肩して切り上げというようなことも一部にいわれておりますけれども、その前提となっております私たちの経済の姿勢といいますか、そういったものの中には、西欧諸国と違いまして、かなり為替管理の問題が考慮されなければなりませんし、あるいは物価その他、かなり経済の本質的な問題を考慮する必要があるかと思いますので、一面、そういう国際収支の黒字というものを対外バランスの強化に充てると同時に、やはり中から経済体質を強化していくということが必要ではないかというふうに思っておりますし、経済体質が強化されるに従いまして、やはり為替管理というものも、自然に日本経済に貢献する部分、そういう部分から漸次自由化していくということが自然の姿ではないか。  はなはだ抽象的な答弁になりましたけれども、さように私たちは考えておる次第でございます。

村山喜一日本社会党

○村山(喜)委員 これで終わりますが、そういたしますと、大蔵大臣、為替管理の自由化の方向の問題については、政府としては、この段階ではこうするのだという長期的な展望というものは、まだおつくりになっていない、これから検討をする、こういうことでございますね。その点だけ、はっきり確認をしておきたいと思います。

福田赳夫自由民主党大蔵大臣

○福田国務大臣 まあ国際金融情勢は、ここ当分かなりの波乱含みである、こういうふうに見ておるわけであります。わが国が為替に対する政策をいまゆるめるとか、転換するとか、そういうような時期ではないのじゃないか、そういうふうに考えております。

村山喜一日本社会党

○村山(喜)委員 外貨準備の関係がずいぶん改善をされて、これは政府、公的な部門だけではなくて、民間の部門についてもそういうような状態が出ているという状況であります。そうなってくると、将来考えなければならない問題がもう出てきていると思います。ですから、事務当局のほうでは、この問題については鋭意検討はされているだろうと思いますが、将来の展望というふうなものは、他日明らかにしていただきたいと思います。  以上で終わります。

田中正巳自由民主党

○田中委員長 田中昭二君。

田中昭二公明党

○田中(昭)委員 私は、きょうは税制問題で、報道されるところによりますと、四十五年度の税制改正についても、税制調査会も始まっておるようでございますが、今国会におきますいろんな税制に関する質問、答弁等を通しまして確認並びに大臣の決意のほどを伺いたいことがありますから、逐次お尋ねしていきたいと思います。  まず、所得税の減税でございますが、これは中間所得者のほうの税負担を軽減するという意味で、いわゆる控除額のアップとそれから税率の改正ですね、これについては、大臣として今度の四十五年度の税制改正にどのような御決意がありますか、お伺いをしたいと思います。

福田赳夫自由民主党大蔵大臣

○福田国務大臣 四十五年度の税制改正は、財政事情が一体その時点でどうなるか、秋ぐちにならぬと、おぼろげながらではあるがそういう見通しを持ち得ないのです。いま四十五年度の財政がどうなるかということは見当つきません。それとにらみ合わして、だんだんと具体的な考え方をきめていきたい、こういうふうに考えております。  まあ、そういう問題はそれといたしまして、私がいま頭にありますことは、かねて四十五年度までに免税点を百万円に引き上げる、こういうことなんであります。これは政府もかねがね言っておるわけであります。これにこたえなければならぬ、こういう問題に当面をいたしておるのであります。特別の事情がなければこれをしなければならぬ。  財政事情がどうなるかという問題と非常に関連を持ちますのは、税制調査会が答申をいたしておりまする税率の調整の問題なんです。これはもう四十四年度税制改正では三分の一程度のところまでいっておるわけなんでございまするが、まだ三分の二というものが長期答申の数字からいいますると実行されておらぬ。こういうのが現状でありまして、この問題も、最近のサラリーマンの課税の問題とかそういう問題、また中堅所得者の課税状況、負担感の問題というものとからめまして考慮しなければならぬ問題だ、こういうふうに考えております。これは繰り返すようでありますが、財政事情がどうなるかという点と大きくからまってくる問題である、さように考えておるのであります。

田中昭二公明党

○田中(昭)委員 財政事情が許しまするならば、いまの百万円の公約の実現、それから三分の二の税率の調整、これは行なう決意である、こういうことに理解してよろしゅうございますか。

福田赳夫自由民主党大蔵大臣

○福田国務大臣 まあ秋ぐちにならぬと財政事情というものがはっきりしないのです。ですから、税制調査会のほうにも、秋ぐちからそういう問題を御審議をお願いしましょうというふうに申しておる段階でございますが、私の気持ちといたしましては、百万円問題、これはまあ政府の公約というようなかっこうになっておりまするから、実現しなければならぬだろう。  それから同時に、税制調査会が長期答申をいたしておりますこの問題ですね、この問題も余力あれば何とかしたいものだ、このように考えております。

田中昭二公明党

○田中(昭)委員 所得税の中で問題になっておりますのは、いわゆる資産家優遇ともいわれております利子配当の優遇ですか、こういうものとサラリーマンの所得税、また事業所得者、商売人、農民等とのいろいろな不公平ですね、こういうこともいろいろからまってきておるわけですが、その利子配当所得に対する優遇は確かにこれはいろいろいままでも一番論議もされてきましたし、大蔵省としてもこれについては何とか考えなければならない、こういう報道もなされておるようでございます。これはわれわれとしてもぜひ、財政事情が許すということを前提にするならば、どういうお考えをお持ちになっておるか、お聞かせいただきたい。

福田赳夫自由民主党大蔵大臣

○福田国務大臣 これは財政事情というよりは、むしろ制度そのものとしての問題であります。ああいう特別措置がとられている。配当につきましても利子につきましてもそうですが、これをどうするか。これができましたときは、それなりの政策的意図と期待とをもってできたわけでございます。また、それが一体どういう効果を生んでおるかというような問題、またこれを改変いたしました場合において、それが与えるところの経済的影響、こういうような問題、いろんな角度から検討いたしまして、特別措置につきましてちょうど来年の三月一ぱいでその期限が到来するという時期でもありますので、再検討をしてみたい。これは慎重に考えてみます。しかし、いまこうするんだというような結論にまだ到達いたしておらないのであります。

田中昭二公明党

○田中(昭)委員 大蔵省としては主税局長は、いろんなことをこの問題についてはいままで論議もなされて考え方があるんじゃないかと思いますが、私がここでまたいろいろ言うまでもなく、大蔵省では、この措置は確かに貯蓄の奨励ということにもそうたいして影響もないとか、それから富の再配分の問題からいってもおかしいとか、可処分所得をふやすという問題もどうのこうの言っておりますが、そういうことから考えて、いままで税制調査会等でもいろいろ話もあると思いますが、そういう点、主税局の考えはどうですか。

吉國二郎大蔵省主税局長

○吉國(二)政府委員 御承知のとおり、税制調査会等ではこの問題が何回も議論されております。いろいろな資料等が提出されておりますが、先般も申し上げましたように貯蓄の増加、ことに特別措置の対象となっております貯蓄の増加というものが、実際は可処分所得の増加の趨勢と最も相関をしておるという数字が出ておるというようなことが調査会で強く言われております。これを逆にいえば、特例がなくても貯蓄は進むのであるということを意味するということを言っておりますが、これは先般申し上げましたが、わが国では分離課税というものが利子所得についてはずっと行なわれております。分離課税が完全に廃止されたのはシャウプ税制の二十五年の一年だけでございます。したがいまして、分離課税というものの中において税率がゼロになった場合あるいは一〇%になった場合の間にどれくらいの影響があったかということにつきましては、確かに税制調査会の言っている点もあると思います。しかし、分離課税というもの自体を前提としておる貯蓄の動き、その点もさらに深く検討してみる必要があるのではないかと思っております。  いずれにいたしましても、これは主税局がどう考えておるかということよりも、税制調査会にいろいろの資料を提出いたしまして、十分御検討をいただいた上でその御結論をひとつまとめてちょうだいをいたしたい、かように考えておるわけでございます。

田中昭二公明党

○田中(昭)委員 いまのこの税制の中では、所得税だけではないのでありますが、今国会に取り上げましたいろいろなそのほかの税金の問題、相続税もありますし、それから入場税等も、小さい問題ですけれども、ございましたのですが、そのそれぞれの税については大臣いかがお考えになっておりますか。

福田赳夫自由民主党大蔵大臣

○福田国務大臣 この委員会で問題になりました事項については、考えていろいろと検討してみます。特にその中で重いもの軽いものいろいろありますが、私が重いと考えておりますような種類のものにつきましては、とくと考えてみたい、かように考えております。

田中昭二公明党

○田中(昭)委員 その重いと考えておる税金と、ここで論議になったものが大体合致しておれば、大臣もそういう税金については考えるというようなことがわかるのでありますが、どうでしょうか。

福田赳夫自由民主党大蔵大臣

○福田国務大臣 いろいろのことが、これだけ委員会の皆さんがおられて、皆さんそれぞれ申されておりまするから、ここで並べ立てるわけにもまいりませんけれども、たとえば入場税をどうするのだというようなことについての御意見なんかもあった。こういう問題については、とくに検討してみたい、かように考えます。

田中昭二公明党

○田中(昭)委員 それじゃその入場税につきまして、少し大臣の決意のあるところを聞いておきたいと思うのですが、いままでのいろんな話の中で、入場税は全廃はしない、全廃したくない、こういうふうな大臣のお考えだったと思うのです。それから免税点については検討する。具体的には各委員からいろいろ言われた中で、三十円という免税点がいいかどうかという問題は、これも動かすことが大体むずかしい、こういうような答弁もありますが、その前に私がお聞きしましたときには、三十円というのはおかしい、低いんじゃないか。時代の感覚にも合わないし、入場税というものから考えた場合、三十円というのは、大臣は一番初めのお答えのときには、もう毎年免税点は変えておるからというようなお答えだったのですけれども、よく調べてみると、三十七年変えたきり全然動いていない。三十七年からといいますともう七年ですね。私はこれは全体的に、何もことばじりをとらえるわけではございませんけれども、大臣がおっしゃったことは、それをそのまま大体まじめにうそにならないような、うそではないのだと単純に考えるくらいな考えで私はいままできているわけです。その点一、二あとでまたお聞きしたいこともありますが、うそにならないようにするために、確認の意味で聞いておるわけですけれども、その点、入場税が三十円の免税点であるということは、これは常識的にも、大臣もそういう低い数字であるということは思ってもいなかったのではないか、こう思うのですね。全体的にはいま言うように間接税は残したいとか、入場税は全廃したくないとかこういう御意見のようですが、その辺だけでも、免税点ということにしぼって、ひとつ大臣のお考えをお聞きしたい。

福田赳夫自由民主党大蔵大臣

○福田国務大臣 入場税の問題で考えられるのは、免税点の問題だろうと思います。思いますが、これをどういうふうにするか。これも財政事情というものがあるわけです。そういうようなこともありますが、いまの三十円というのは、これは私は少し低いような感じを直感としては持っておるわけなんです。そういうことから検討をいたしてみたい、こういうふうに申し上げておるわけでありますが、私は必ず検討します。うそは申し上げません。

田中昭二公明党

○田中(昭)委員 そういう意味のうそということで申し上げたのではなかったのですけれども、できますれば、その検討したいのがどういう方向で検討していただくか。ちょっと初歩的なことでもいいのですが、お聞きしておかなければ、ここでまた再度聞くことの意味が薄れていくと思います。むずかしいことはわかりますけれども、しかし、いま大臣もおっしゃるように、先ほどから私が言いまするように、入場税の免税点が直感的におかしいというのは、これが一番正しいのじゃないかと思うのですよ、いままでの論議をずっと通してきましても。ですから、そういうのは決断力をもってこういうふうにしたいという方向だけでも示してもらわなければ、ただ検討します、検討しますでは、私、聞いておりましてちょっとさびしいのです。

福田赳夫自由民主党大蔵大臣

○福田国務大臣 これは私が申し上げているとおり、三十円というのはどうも低過ぎやしないかと考えれば、その免税点の引き上げ、こういう問題に限定をされるわけなんでしょう。しかし、そういう具体的な問題についての私どもの考え方をまとめる、これは来年の財政が一体どうなるんだ、こういう大体の見通しをつけませんと、これは予算の編成にも支障がある。何か一つの税を抜き出して、これだけはこうするんだというふうに申し上げられないのです。そういう意味において、田中さんから見てどうもあいまいだな、こういうような御印象かと思いまするが、これがまた税制調査会でも御論議いただき、ある程度の見当がつくという時期になればはっきり申し上げられると思うのですが、とにかく税制調査会の問題にいたしたい、こういうことを申し上げておきます。

田中昭二公明党

○田中(昭)委員 その程度で、具体的にできないと言われればそれまででございますが、とにかく引き上げの方向で行くということだけは何回もおっしゃっておるようでございますし、問題は、間接税についての大臣のいままでのいろいろな発言を聞いておりますと、かりにいまの入場税にしましても、税の負担感というものがそうたいしたことがなければ、そのまま全廃せずにいきたいという考え方ですね。それと、間接税といいますと全般的になりますが、間接税そのものを残していきたいという考え方は、それが区別があるものかどうか、どういうお考えでそういうことになっておりますか、お聞きしておきたい。

福田赳夫自由民主党大蔵大臣

○福田国務大臣 私は、税は第一が公平という原則ですね、第二が支払い能力、負担能力、それから第三が負担感という点から考えなければならぬ。こういうふうに考えますが、間接税は負担感という見地から見ると、これはわりあいに税として負担感の少ない部類に入ろうかというふうに思うのです。しかし、その負担能力という問題から見まする場合に、また間接税にはその種目によりましていろいろな感触が出てくるであろう、こういうふうに思いますが、そういう三つの立場から考えまして結論を得なければならない、こういうふうに考えております。  直接税がいまわが国の税収の中心になっておりますが、今後の経済の発展をながめてみまするときに、直接税がますますその比重を増すという傾向があるだろうと思う。そこで、これは国民に非常にきつい負担感を与える。それを緩和する方法はどういうのだというと、直接税の税制そのものの中にもあるかもしれませんけれども、しかし、間接税にこれが振りかわるということも一つの方法であろうというふうに考えておるのであります。しかし間接税は、ただいま申し上げますように、負担能力という面から見ていろいろ問題がありますので、その辺はとくと検討して、負担能力のあるものに間接税がなるべく適用されるようにということを考えていかなければならぬのじゃないか、こういう見解であります。

田中昭二公明党

○田中(昭)委員 簡単に入場税を全廃しないという考えは、そういういまのおことばの範囲でいいのでしょうか。

福田赳夫自由民主党大蔵大臣

○福田国務大臣 そう考えます。

田中昭二公明党

○田中(昭)委員 そうしますと、いまの大臣がおっしゃる公平、それから能力、負担感、これは税というものの——これは私が常日ころ思っておることでございますが、かりに不公平ということを取り上げてみましても、両方の意味があるのです。刀でいえば両刃の刀といいますか、公平というものは上と下の関係がありますし、ただ公平ということばはいいことばでございますけれども、それが公平なようであって公平ならざるものがあるわけですね。かりに間接税の物品税にしましても、大衆化された必需品に税金がかかっておるとすれば、税金を取るほうから見れば公平にということになるかもしれませんけれども、富の再配分というようなことから考えれば、また税金の応能負担の原則からいえば、公平ではないというような面も出てくる。それから能力にしても同じです。負担感にしてもそうです。ただ国民は間接税というものを詳しく知らない。物を買うときにそのものに課税されておるとか、入場料でもそうですが、入場料金の中に税金は含まれておるというようなことを考えると、いまおっしゃる公平とか能力とか負担感というものが、大臣がおっしゃるようなことの逆なようなことも考えつつ、そして税制というものは改正するなら改正していかなければならないのじゃないか、そういう感じがするわけです。間接税はそういう大衆課税になりやすい。かりにマッチの軸一本にしましても、大臣がお使いになる税負担も貧乏人が使う税負担も同じ、総理大臣がのむたばこも貧乏人がのむたばこも同じ税金の負担、そういうことになりますと、この間接税というのは、ただ、いま言ったようなことだけではいけないのじゃないか、私はこう思います。その一つの例としましていま入場税を取り上げたわけでございますが、その点いかがでしょう。

福田赳夫自由民主党大蔵大臣

○福田国務大臣 その三つのことを私、申し上げましたけれども、この三つの考え方、それを総合いたしまして、たとえばコカコーラに課税がある。そういう場合にそれが大衆課税じゃないかというような議論があるかもしれませんけれども、これは負担感というような見地から見ると、非常に度合い、標準の高いものである。その三つの考え方の相矛盾する面もあります。ありますが、総合いたしましてこれが取り上げらるべきかどうかという判断をしなければならぬ、そういうふうに考えておるのであります。

田中昭二公明党

○田中(昭)委員 どうも税金が大衆収奪に——いまの大臣の間接税を残していきたい、それから入場税でも撤廃しないというような考え方、そこから問題が発生しているのですから、それを頭に入れて御答弁いただきたいと思うのです。  総合的にとおっしゃいますけれども、総合的に考えてみても、税制の中でもかりにお酒の税金にしましても、私、この間一回大臣にお尋ねしました。お酒の中でビールは各国に比べてとほうもなく高い、わが国の税率は。あのときには、ビールはたいして高くないから考えておりませんというようなことでございましたけれども、かりにビールを取り上げてみましても、そういう問題を考えていくならば、わが国だけが高い税率の負担をさせていくという政府のそういう行き方は好ましくないんじゃないか、こう思いますが、いかがでしょうか。

福田赳夫自由民主党大蔵大臣

○福田国務大臣 かりに酒の税率を全廃するというと、たいへんな五千億くらいの減収になります。そのかわりをどこに求めるか、こういうことになりますね。そう考えれば、いまの税体系だと直接税だということになりますね。直接税を五千億円増税するということになったらどうであろうか。いま減税しなければならぬ、ならぬと言っているときに、そんな増税ができるものじゃありません。これは国民の負担感に非常に大きな影響がある、そういうことを申し上げているのです。  ですから、私が三つのことを申し上げました。間接税をときにやむを得ずというふうに考えるゆえんのものは、これは税制全体にとりまして間接税でいくほうが直接税でいくよりは負担感が軽いんだ、こういうメリット、これに着目しなければならないのじゃないかということを申し上げておるのです。しかし、それは何が何でもというわけじゃございません。その間におきましていろいろな配慮が必要でありますけれども、とにかくそういうことを考えましても、一がいにこれを負担感というだけでものを解決することもできませんし、負担能力というだけで解決することもできませんし、総合的に考えて、まあこれがよかろうという点が結論として取り入れられなければならないのではないか、こういうふうに考えております。

田中昭二公明党

○田中(昭)委員 酒税で五千億近い数字があがっておって財政に影響するということは私も大体知っております。問題は、たとえばいまビールを申し上げたわけですけれども、ビールの税率は外国に比べて高いじゃないですか。そういうものをそのままにしておこうという姿勢は考えてもらわなければ、大衆収奪につながるんじゃないか、大衆課税になるんじゃないか、こういうことを私は申したわけです。財政的とおっしゃるならば、私がずっと言っておりますマッチの税金でも、税収は何億ですか。それはそれなりの意味があると言われますけれども、それは一部の人の、主税局の都合のいいような説明だけがなされるのであって、国民の側に立った、税金を少なくしていくという、そういう意味からは全然答弁はないわけです。マッチからあがっている税金は幾らでございますか。二億くらいでしょう。そういうものまで課税していく、そういうものまで間接税として残していくという姿勢がどうでしょうかと聞いているわけです。ビールの税率は外国の一番高いところの倍近く高い。外国で安いところは一割とか一割五分とか三割。わが国は五割八分なんです。外国の高いところの倍近い。それは、私が申し上げなかったのは悪かったかもしれませんけれども、いかがでしょうか。

吉國二郎大蔵省主税局長

○吉國(二)政府委員 ビールの税率が高いということは、諸外国と比べますと事実でございます。ただ御承知のとおり、酒類というものは嗜好品でございますので、国それぞれによって酒の種類に対する税率というものはかなり差がございます。大体その国の普通に産出する在来の酒というものに対する負担はわりに軽い。しかし、外来の酒に対しては重いというのが従来からの傾向でございます。わが国におきましては、ビールは御承知のとおり舶来のものであるということで、明治以来伝統的に高い税率を課してきたわけでございます。同時に、間接税というのは相対的な価格というものに影響を受けることも事実でございます。  ビールは御承知のとおり非常に集中的な生産が行なわれております。ほかの酒に比べまして原価の上がり方というものが非常に低いわけであります。これも御承知のとおりだと思いますが、戦前に比べましてビールの原価というのは現在三百倍程度にしかなっておりません。そういう意味では価格としてはほかの酒に比べると著しく低いわけです。そういう面から負担能力を考える場合に、ビールについてわが国ではほかの国と違って相当重い負担を課しても他の種類との権衡を失しないということがございまして、ビールについては再三大衆課税じゃないかという声もございます。しかし、実際に消費の実態等を考えますと、ビールよりもたとえばしょうちゅうであるとか、二級酒のほうが日本においてはより大衆的であるというようなことがございまして、ビールの税率がほかの国に比べると、負担割合は高くなっておりますが、結果としてのビールの価格というものは御承知のとおり非常に安いといっては語弊がございますが、そう高くはないという結果になっているわけでございます。  やはり負担に応じた税率というものを調整する場合に、関連する種類間において最も適正な税率を見積もるということも、これは種類間の消費の移動等を生ずる問題でもございまして、従来から税率調整をいたします場合にもある種類の酒の税を急に変えるというようなことをいたしますと、酒の消費に非常に大きな影響を与える。そういう意味では間接税についてはある程度伝統的な税率の推移というものは残ってまいります。わが国においてはビールが最初から非常に高く課税されるという傾向が残ってまいりましたと同時に、それがビールの生産のあり方と結びついて、税負担として現在最終的な価格構成から見れば非常に高いものであるということは言えないという結果になっていると思うわけでございます。

田中昭二公明党

○田中(昭)委員 いまいろいろ主税局長から説明がありましたけれども、ほんとうに税金を取るほうからいえば、それはそういう理屈は成り立つのですよ。いまごろになって舶来品であるとか原価が安いからこれにうんと税金をかけて取れとか、極端にいえばそういうことになるのですよ。そういう理論を国民の皆さんに向かって説明した場合に、そういう説明じゃ通らないのです。ですから、それは主税局長の権限でありませんから、どうというわけでもございませんけれども、苦しい答弁をしなくても、そういう品物の性質からいいましても、ほんとうに原価が安くても下がらない、いわゆる世間では管理価格の問題もいろいろあります。ですから、物価の問題については一番重要視しなければならないいまの佐藤政権が、その一つの政策のあらわれとして、管理価格というものもありまして、下げるどころか上げていくというような姿勢、それはよくないじゃないか。それはビールの税率を下げたらうんと売れていまの税収は上がるかもしれませんよ。  その問題は、結論だけ大臣から伺って間接税の問題は終わりますから、お聞きしておきたいと思います。

福田赳夫自由民主党大蔵大臣

○福田国務大臣 間接税をやめてあるいは軽減して、さてそのかわりをどこに求めるか、こういうことになると非常にむずかしいです。やはり直接税ということになるであろうと思いますが、そうなるとこれがまた一つの問題なんです。百三十円前後でずっと安定してきておるビールでございまするから、それをことさらにここで手直しをするという考え方、これをとるよりは、むしろ先ほどから申し上げているとおり、所得税の百万円免税点、またできれば何とか税率調整だ、こういうような考え方のほうが筋が通っているのじゃあるまいか、私はそんな感じがいたします。はなはだ田中さんの御質問の意とするところに沿いませんけれども、はっきり申し上げておいたほうがいいと思います。いまビールの減税を行なうという考え方は持っておりません。

田中昭二公明党

○田中(昭)委員 それは百三十円なら百三十円でもいいですけれども、百二十七円なんですよ。そういう行き方ですね。しかしこれはこれでやめます、次もいろいろございますから。  いまの間接税で税収がかりに上がらぬとするならば、直接税に負担する以外にない、そういうような話がございますから、それと関連しましていわゆる租税特別措置ですね。これがいまたいへん問題になっておりますが、その中でも交際費の課税、それから代表的なものは先ほどの利子配当の優遇、その次にいま問題になっておりますのは社会保険診療報酬に対する優遇措置、この社会保険診療報酬に対する優遇措置に対しては、大臣、今後この問題に対してどのようなお考えを持っておられるか、お聞きしておきたいと思います。

福田赳夫自由民主党大蔵大臣

○福田国務大臣 社会保険診療報酬に対する特例はどこまでも特例であります。でありまするから、特例措置をどうするかという問題はいずれ問題になってくると思います。思いますが、あの特例措置ができたときのいきさつというものがあるわけなんです。あれは一点単価と非常に大きくからみ合っている問題なんです。それですから、特例措置だけでこれを解決するということがきわめて困難な問題なんであります。しかし、あくまでも特例措置でありまするから、それは単価の改正というような際の問題として検討する必要のある問題とは思います。思いますが簡単にいかぬ、こういうことだけはひとつお含みおき願いたい、かように思います。

田中昭二公明党

○田中(昭)委員 簡単にいかぬことは私も少しは知っておるわけですが、医者の所得に対してだけいろいろ法律で二八%という所得率をきめることはどうですか。これは考え方としてこういう制度を残していくんでしょうか。

福田赳夫自由民主党大蔵大臣

○福田国務大臣 あれはたしか昭和二十九年でありましたか、そのころ国会で議員提案としてきめられたわけなんです。きめられた背景には、ただいま申し上げましたように、一点単価のきめ方とからまったきわめてデリケートな問題があったわけなんです。そういう状態でこの特例法が制定されて今日に至っておるわけですが、特例は特例でありますから、いずれは何とかしなければならぬ問題ではありますが、これは解決の非常にむずかしい問題である、そういうことだけをひとつお含みおき願いたい、かように申し上げているわけでございます。

田中昭二公明党

○田中(昭)委員 それでは主税局長にひとつお尋ねします。  いま世間で九・六・四とかなんとかいう問題、いわゆる税の不公平という問題がありますが、こういうものといまの社会保険診療報酬に対する所得の見方、こういうものを一緒にして世間の批判があるわけです。主税局の立場としてはどういうふうなお考えを持っておられるか、お聞きしておきたい。

吉國二郎大蔵省主税局長

○吉國(二)政府委員 租税特別措置というのはできるだけ少ないほうがいいということは、税本来の立場から申せば明らかなことでございます。しかし同時に、経済というものの運営等が租税制度の利用によって全体として非常に大きく影響を受けるということもございますので、その必要性の大きさに応じて、したがってまた、それによって害される租税の公平というものとの比較考量において、特別措置が行なわれるということもまたこれは認めざるを得ない問題だというように思います。ただ、この特別措置があるということから、税の面だけから見ればそこに不公平があるということは明らかでございます。  九・六・四問題というのは、税制だけの問題ではなくして、課税の申告の内容とか、あるいは更正の結果とか、源泉徴収の結果が必ずしも均衡がとれておらないという問題をさして言っているのではないかと思いますけれども、租税制度の上から見れば、いまの制度が、いわゆる九・六・四というのは私は別に確立した問題でもないと思いますが、そういう問題の一つになり得る問題ではある、かように考えております。もちろん課税の公平ということは国税庁で努力して、また、国民の皆さまの申告意欲というものの向上によって解決されるべき問題だと思っておりますが、税制もそれに応じて適正化をはかっていく。これはもう当然のことだと思っております。

田中昭二公明党

○田中(昭)委員 そこで大臣、この問題は私が大体いままでで記憶している範囲で申し上げますと、医者の所得というのは、収入の原価というのは一割もかからない。極端なものは二、三%から五分、よくかかるもので一割、そうしていろいろな経費を引いて大体八割から六割ぐらいまでが所得だ。そういう考え方が一般に通用しているんです。国税庁はどうだこうだと言われますけれども、国税庁もそういうことをやっているんです。私も税務を担当しまして知っておりますが、ちゃんと国税庁は収支計算できない人に対しては標準的な所得率を出しまして、それによって申告を受け付けております。それがあたかも正当な所得として基礎になって税金が算出されて納入しておる。それと一緒に同座して、いまの二割八分という所得率を法律できめるということ、これはむずかしい問題でしょうけれども、いろいろな問題があるにせよ、こういうことをほっておくこと自体がいま言った税制の矛盾というものと大いに関係がある。  話がまた変わりますが、四十三年の政府の税収の予算を見ましても、取りやすいところからどんどん取り過ぎている。極端な言い方でいえば、まけてやるところにはどんどんまけていって、そしてどんどん手心を加えていくというような姿だといわざるを得ないような結果になっておる。四十三年も総合予算として始まって、そうしてああいう食管制度の問題がなければ、三千億円に近い税収のいわゆる取り過ぎ分なんかどうするのか。補正予算を組んだから一応つじつまが合うようになっておりますけれども、もう補正予算を組んだ翌々月にはある税目については取り過ぎのような、いわゆる国民からいえば納め過ぎ、政府から言わせればそれはそれだけ所得があったのでございますが、予算面からいけば当然取り過ぎ、はみ出た部分がある。  こういうことを考えていきますと、これについてはもう一回大臣から、これを解決するという積極的な御答弁を聞いてでないといけないんじゃないか、こう思うのですが、いかがでしょうか。

福田赳夫自由民主党大蔵大臣

○福田国務大臣 いま、医師から三%だとか一割だとかしか課税が行なわれていないんだというようなお話がありましたが、そういうことはありませんから。七二%の控除率、これはありますけれども、それを前提として適正な課税をいたしておるわけなんです。これは誤解のないようにとくとひとつ御了承を願いたいと思います。ただ、神ならぬ身の税務官庁でございまするから、間違いのあることはあります。ありまするけれども、さあ医者だから七二%の上にさらに適用を緩和するのだ、そういうような考え方は一切いたしておりませんから、これはひとつとくと御了承願います。  医師の課税の問題につきましては、七二%の問題に戻りますが、これにつきましては、先ほど申し上げましたように、いろいろとこれとからまりましたむずかしい問題がありますので、そう簡単にこれを処置するというわけにはまいらないのです。しかしながら、特例は特例でありまするから、特例は少ないほうがいいわけでありまするから、そういうことは十分心得ておるつもりであります。この問題に対してはひとつ慎重に対処していきたい、こうお答え申し上げます。

田中昭二公明党

○田中(昭)委員 もう時間があまりありませんから、委員長もだいぶ心配しておるようですが、しかし、私が言うてないことをあなたはおっしゃった。言うたことは速記録に残りますからね。三%とか一割がお医者の所得になるなんということは言っておりません。いま大臣はそうおっしゃった。そんなことは、私も全然頭にないのじゃないのですから、わからぬ男じゃないのですから、一割とか三%に医者の所得がなるなんということは一言も言うておりませんから、訂正しておきます。大臣が間違えて言われたのですから。私は、原価が三%とか一割しかお医者さんはかかりませんよと言うたのです。ということは、薬代です。原価のほうと所得と間違っては困ります。——大臣、おわかりになったようですから安心しました。  だから私は、安いなら安いにこしたことはないと思うのです。税法というものはこれ以上税金は取っていかぬというようなことをきめたのが租税法定主義だと、先輩の会議録を読みまして聞いております。そういう趣旨からいくならば、安い税金で、それで財政がまかなわれていくならば、医者だけでなしに、政治家でも、いろいろほかのサラリーマンでも、どんどん安いような——安いというと語弊がありますけれども、医者の所得に合わせて合理的な所得率が算定できるならば、そういうふうにやってもらえればなおいいことなんです。大多数のサラリーマンのほうは経費が低い。その低い経費をもう少し見てくれという段階がありまして、その翌年にまたそれを見てくれるというような、法律で医者以外のいわゆる所得率をきめてもらうのだったら、私は大いに賛成しておるわけです。そういう意味でお話ししておるわけです。何も私は、お医者さんから税金を取るぞ、取り過ぎておるのじゃない、そんな非常識なことは申し上げません。それでも、お医者でも特殊な営業として困っている方もいらっしゃるのですから、そういう特別なことを許すならば、そういう安いほうにされるようなものがあるならば、国民は特別の安いほうに賛成するのですから、そういうふうにしていくのが政治じゃないか、こう私は言いたいわけです。この問題については、きょうはもう時間がありません。私は一時間いただくというところできょう一般質問に出たわけです。しかし、まだ四十五分でございまして、まだ大事な問題が残っておりますから、簡単に一問だけ聞いておきたいと思います。  公明党が強く主張いたしております児童手当の問題でございますが、審議会ができまして、児童手当が実施できるということになった場合、また、そういうふうに実施していきたいという方向で進んでいく場合に、児童手当の収入は税法でいうところのいわゆる扶養控除なら扶養控除の収入に見るか見ないか、いわゆる児童手当の収入は扶養家族の限定の所得には入れないのか入れるのか。これは主税局長のほうからでけっこうですからひとつ……。

吉國二郎大蔵省主税局長

○吉國(二)政府委員 収入といたしましては、特別の立法をしない限りは、これは当然収入になると思います。その場合に、扶養控除をいかにするか、あるいはもし児童手当というものを非課税にすれば扶養控除というものをいかにするかというような問題が当然起こると思います。一般論といたしましては、収入になり、かつそれに応じた扶養控除というものをどの程度考えるかという問題として解決すべきものだと思います。

田中昭二公明党

○田中(昭)委員 ちっょと理解しにくいのですが、児童手当も収入に見るのですね。収入に見るとすれば、かりにでいいですから、かりにいま扶養控除が何万ならば何万として、だから児童手当を収入に見るとするならば、それを上げていくとか、そういう方向だということだけ言ってください。そういう方向にするか、あるいはしなければいけないと思うのかどうか。

吉國二郎大蔵省主税局長

○吉國(二)政府委員 原則といたしまして、児童手当自体は収入として課税をすべきものであります。児童手当をつくったということに対応した扶養控除の見直しということがまた必要になるかもしれないということであると思います。

田中昭二公明党

○田中(昭)委員 大臣、この児童手当などというものを収入に見ることがおかしいと私は思うのです。そういう福祉増進の手当というものを税法でわずかな控除に見るとか見ないとかいうようなことで、月に二千円から三千円の収入を課税対象に見ることは過酷ではないか。また、手当として支給する性質からいっても、当然収入に見ない、非課税にするというほうが正しいのではないかと私は思いますが、いかがでしょうか。

福田赳夫自由民主党大蔵大臣

○福田国務大臣 これは同様の趣旨の問題が他にもいろいろあると思うのです。そういう問題とのバランスの問題がある、こういうふうに思いますので、これもよく考えてみることにいたします。

田中昭二公明党

○田中(昭)委員 しかし、今度の厚生省の通達を見てみますと、政府は、生活保護の場合でも二千円までは収入に見ないというような通達を出しておる。違いますか。

吉國二郎大蔵省主税局長

○吉國(二)政府委員 いまの問題はちょっと問題が違うと思うのでございまして、二千円があるために他の社会保障の給付が減らされるということにはしないという趣旨のものでございます。

田中昭二公明党

○田中(昭)委員 そうなりますと、かりに二千円以下の収入があった場合にも、税法の場合には全部収入と見て、扶養家族の限度はそのまま維持していくということですね。

吉國二郎大蔵省主税局長

○吉國(二)政府委員 これは、児童手当というものがどうなるかまだはっきりわかりませんし、もしもかりに児童手当が一般的に出されるということになれば、これは相当な高額の所得者でも児童手当を得られるということになります。これを非課税手当にするかどうか、これはもちろん政策問題でございますが、税全体のたてまえからいうと、これを全く非課税にする措置がいいのか、あるいは一応所得に取り込んで、一般的な扶養控除というもので対処していくのがいいのか、これはやはり児童手当のあり方とも関連すると私は思います。  いま、どのような形で児童手当というものを提案されるかわからない段階でございます。私がさっき申し上げたのもきわめて一般論でございます。具体的な問題が出てから具体的に解決をはかるべきものだと思います。

田中正巳自由民主党

○田中委員長 次回は、来たる十六日金曜日、午前十時理事会、十時三十分委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。    午後四時五十分散会

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