大蔵委員会 第28号
- 発言数
- 8 件
- 登壇者
- 4 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1969/05/13
会議録
○田中委員長 これより会議を開きます。 内閣提出の租税条約の実施に伴う所得税法、法人税法及び地方税法の特例等に関する法律案、昭和四十二年度及び昭和四十三年度における旧令による共済組合等からの年金受給者のための特別措置法等の規定による年金の額の改定に関する法律等の一部を改正する法律案、並びに、昭和四十二年度及び昭和四十三年度における公共企業体職員等共済組合法に規定する共済組合が支給する年金の額の改定に関する法律の一部を改正する法律案、広瀬秀吉君外十一名提出の国家公務員等退職手当法の一部を改正する法律案、国家公務員共済組合法等の一部を改正する法律案、及び、公共企業体職員等共済組合法の一部を改正する法律案の各案を議題といたします。
○田中委員長 順次提案理由の説明を聴取いたします。まず上村大蔵政務次官。
○上村政府委員 ただいま議題となりました租税条約の実施に伴う所得税法、法人税法及び地方税法の特例等に関する法律案につきまして、提案の理由及びその内容を御説明申し上げます。 租税条約を実施するにあたりましては、従来から各租税条約ごとに所得税法、法人税法及び地方税法の特例等に関する法律を制定してきており、その数はすでに十五に達しております。これらの特例法は、いずれも、配当、利子、使用料等の課税に関する条約上の規定の実施につき、国内法の規定との間に調整を要する事項を定めることを主たる内容とするものであります。 昭和三十八年にOECDにおいて模範とすべき租税条約の草案が採択されて以来、政府は、この草案の内容に沿って租税条約を締結することにつとめてきておりますが、これに伴い、租税条約及びこれを実施するための特例法の形式及び内容は、おおむね定型化されてきております。 このような状況にかんがみ、また、税制の簡素化に資するため、こうした租税条約の実施に関する特例法を統合するとともに、今後締結する租税条約の実施に備えて、所得税法、法人税法及び地方税法の特例等に関する所要の事項を一般的に定めることとし、ここにこの法律案を提出することとした次第であります。 以下、この法律案のおもな内容について御説明申し上げます。 まず、租税条約の相手国の居住者が取得する配当、利子及び使用料に対する所得税の源泉徴収税率に関する事項であります。 わが国が締結した租税条約においては、相手国の居住者が取得する配当、利子及び使用料に対する源泉徴収税率は、国内法による二〇%の一般税率によらず、たとえば、配当に対しては一五%、利子及び使用料に対しては一〇%を限度とすることとされております。このような場合、これらの収益に対する所得税の源泉徴収税率を確定する必要があるので、それぞれについて、その租税条約に定める限度税率、すなわち、一五%または一〇%等の税率により源泉徴収を行なう旨を定めることとしております。 次に、租税条約の相手国の居住者が申告納税を行なう場合の特例に関する事項であります。 国内法では、相手国の居住者のうちわが国に支店を有している者等については、国内源泉所得を総合して課税する方式をとっておりますが、これにより相手国の居住者が申告納税を行なうに際して、その所得のうちに租税条約に定める限度税率の適用を受ける配当等が含まれ、しかも、その実効税率が限度税率を越えることとなる場合があります。このような場合には、その申告納税額につき、租税条約の規定に適合するよう所要の軽減措置をとることとしております。なお、租税条約によっては、住民税及び事業税をもその対象とすることがありますので、このような場合には、申告納税にかかる軽減措置を講ずるにあたっては、法人税、住民税及び事業税を含めて限度税率を越えることのないよう所要の措置を講ずることとしております。 その他、租税条約を実施するにつきまして必要な事項につき、所要の規定を設けております。 以上、この法律案の提案の理由及びその内容を御説明いたしました。何とぞ御審議の上、すみやかに御賛同くださいまするようお願いいたします。 次に、昭和四十二年度及び昭和四十三年度における旧令による共済組合等からの年金受給者のための特別措置法等の規定による年金の額の改定に関する法律等の一部を改正する法律案につきまして、その提案の理由を御説明申し上げます。 この法律案は、旧令による共済組合等からの年金受給者のための特別措置法、昭和三十三年改正前の旧国家公務員共済組合法及び現行の国家公務員共済組合法の規定により現に支給されている退職年金等につきましても、このたび別途本国会に提案いたしております恩給法等の一部を改正する法律案による恩給の額の改定措置に準じて年金額を引き上げること等の所要の措置を講ずるとともに、国家公務員共済組合法に基づく掛け金及び給付の算定の基礎となっている俸給の最高限度額の引き上げを行なおうとするものであります。 次に、この法律案の概要について御説明申し上げます。 第一は、年金額の引き上げであります。 旧令による共済組合等からの年金受給者のための特別措置法、旧国家公務員共済組合法及び国家公務員共済組合法に基づく退職年金等につきましては、昭和四十三年度におきまして、年金額改定の基礎となる俸給の増額率を原則として二〇%に改めることにより、年金額を増額したところでありまするが、今回さらに恩給における措置にならい、この増額率を四四・八%に改め、昭和四十四年十月分以後、年金額を増額することといたしております。 第二は、長期勤続をした退職年金受給者等の最低保障額の引き上げについてであります。 共済年金の基礎となる実在職した組合員期間の年数が退職年金についての最短所要年数以上である退職年金受給者及び遺族年金受給者並びに廃疾年金受給者に対する最低保障額を、退職年金及び廃疾年金については六万円を九万六千円に、遺族年金については三万円を四万八千円に、それぞれ引き上げることといたしております。 第三は、国家公務員共済組合法に基づく掛け金及び給付の算定の基礎となる俸給の最高限度額の引き上げであります。 現在、掛け金及び給付の算定の基礎となる俸給の最高限度額は十一万円とされておりまするが、これは昭和三十四年十月以降約十年間にわたり据え置かれてきたものでありまして、その間における公務員給与の推移等諸般の事情を勘案し、これを十五万円に引き上げることといたしております。 このほか、増加恩給の額が引き上げられることなどに伴いまして、公務による廃疾年金及び公務にかかる遺族年金の最低保障額を引き上げることとするなど、恩給法の改正に伴う所要の措置を講ずることといたしております。 以上が、この法律案の提案の理由及び概要であります。 何とぞ、御審議の上、すみやかに御賛同くださいますようお願い申し上げます。
○田中委員長 村山運輸政務次官。
○村山(達)政府委員 ただいま議題となりました昭和四十二年度及び昭和四十三年度における公共企業体職員等共済組合法に規定する共済組合が支給する年金の額の改定に関する法律の一部を改正する法律案の提案理由につきまして御説明申し上げます。 この法律案は、公共企業体の共済組合が支給しております旧国家公務員共済組合法及び現行の公共企業体職員等共済組合法に基づく既裁定年金の額につきまして、このたび、別途今国会に提案されました恩給法等の一部を改正する法律案による恩給の額の改定措置に準じまして、所要の改正措置を行なおうとするものであります。 次に、この法律案の概要について御説明申し上げます。 まず、年金額の改定内容でありますが、公共企業体の共済組合が支給しております既裁定年金の額につきましては、昭和四十三年度におきまして年金額算定の基礎となる俸給を、昭和四十年度改定後の額に対し原則として二〇%増額することにより、その改定を行なったところでありますが、さらに今回、その増額率を四四・八%に改めることとし、昭和四十四年十月分以後、年金額を増額することといたしております。 次に、最低保障額の改正でありますが、旧法年金につきましては、退職年金及び廃疾年金の最低保障額六万円を九万六千円に、遺族年金の最低保障額三万円を四万八千円にそれぞれ引き上げることいたしております。 以上のほか、今回の恩給法等の改正案におきまして、傷病年金を併給されている普通恩給受給者の一部についての普通恩給額の是正、未帰還公務員の在職年の制限撤廃及び本土の公務員であった者などの琉球諸島民政府職員期間通算についての制限撤廃などの改正措置がとられることとなっておりますので、これに伴い既裁定年金額の増額等、所要の改正措置を講ずることといたしたものであります。 以上が、この法律案を提案する理由であります。 何とぞ、慎重御審議の上、すみやかに御賛成いただきますようお願い申し上げます。 —————————————
○田中委員長 次に、提出者広瀬秀吉君。
○広瀬(秀)議員 ただいま議題となりました国家公務員等退職手当法の一部を改正する法律案につきまして、提案理由並びにその概要について御説明申し上げます。 日本国有鉄道、日本専売公社、日本電信電話公社が、いわゆる三公社として発足いたしまして、その職員は、国家公務員法、一般職の公務員の給与に関する法律などの適用を離れ、賃金をはじめとする労働諸条件については労使の団体交渉により決定するという公共企業体等労働関係法の適用を受け、もって企業の民主的、自主的経営の実をあげ、公社の福祉に資することと相なりまして、すでに二十年に及んでいるところであります。 この間、恩給制度につきましてもそれぞれ公共企業体職員等共済組合法による年金制度に改められたことも御承知のとおりであります。しかしながら、その職員にとって重要な労働条件の一つとなっている退職手当につきましては、公労法により団体交渉事項とされながら、依然として国家公務員と同様、国家公務員等退職手当法の適用を受けてきていることは、昭和二十八年三月十日、公共企業体仲裁委員会は仲裁裁定第一〇号をもって、当然公労法上の団体交渉事項であることを明らかにしていることなどに見られるように、それ自体問題を残しているのであります。 他面、日本電信電話公社をはじめとしてこれら三公社事業のごとく、技術革新、拡充計画などの遂行が今日のごとくその職員に多種複雑な影響を及ぼす状況にありましては、退職手当につきましても多角的な実情に沿った労使の団体交渉による決定の必要性が痛感されているところであります。 これらの理由に基づく改正のおもな点は次のとおりであります。 第一に、日本国有鉄道、日本専売公社、日本電信電話公社のいわゆる三公社職員の退職手当については、公共企業体等労働関係法との関連において、現在の国家公務員等退職手当法の適用を取りやめ、労使の団体交渉できめることに改めようとするものであります。 第二に、この場合、公社職員と国家公務員相互間の在職期間の通算、及び公社の定める退職手当の基準など所要の措置を行なおうとするものであります。 なお、この法律は、公布の日から起算して三月をこえない範囲内において政令で定める日から施行することといたしたいと考えます。 以上がこの法律の提案理由並びにその概要であります。 何とぞ、慎重に御審議の上、すみやかに御賛同あらんことを切望する次第であります。 次に、ただいま議題となりました国家公務員共済組合法の一部な改正する法律案及び公共企業体職員等共済組合法の一部を改正する法律案につきまして、提出者を代表して、その提案の趣旨及び内容の概要を一括して御説明申し上げます。 最近の急速な経済成長の陰で、わが国の社会保障の水準は、西欧先進諸国に比べ、依然として低水準に置かれております。しかも最近における医療費の急激な増高は、各種共済組合の短期給付財政の収支を悪化させ、そのため組合員に過重な負担をしいる掛け金の引き上げを余儀なくいたしております。また一方、長期給付におきましても、ここ数年来の異常なまでの消費者物価の上昇のもとで、年金受給者の生活は、極度に逼迫しているのが実情であります。 このときにあたりまして、主として組合員の掛け金と、それに見合う使用主負担の財源で運営され、国庫負担が貧弱な共済組合におきましては、従来の保険主義の原則を廃し、大幅な国庫負担の導入により、その社会保障的性格を強める必要があります。かようにして短期給付、長期給付とも、組合員の負担がこれ以上過重にならないよう措置いたしますとともに、退職公務員の老後の生活を少しでも安んじさせるよう、前向きの措置を行なうことは、社会保障の観点からはもとより、共済組合の趣旨に照らしましても、当然、国の責任というべきものであります。 以上の立場から、共済組合の短期給付及び長期給付の充実改善をはかるため、両法律案を提出いたした次第であります。 次に、両法律案の内容につきまして、その概要を御説明申し上げます。 まず第一は、短期給付に要する費用につき、新たに国庫は二割相当分を負担することといたしたのであります。これにより国家公務員共済組合につきましては、国庫としての国二割、使用主としての国五割、組合員三割の負担、公共企業体職員等共済組合につきましては、同じく国二割、公共企業体五割、組合員三割の負担とすることにいたしております。 第二は、長期給付に要する費用の負担割合につき、国庫負担を一割五分から二割に引き上げることにいたしたのであります。これにより国家公務員共済組合につきましては、国庫としての国二割、使用主としての国四割二分五厘、組合員三割七分五厘の負担、公共企業体職員等共済組合につきましては国二割、公共企業体四割二分五厘、組合員三割七分五厘の負担とすることにいたしております。 第三は、年金給付の算定基礎についてであります。国家公務員共済組合の長期給付につきましては、従来その算定基礎は退職前三カ年間の俸給の平均額とされておりましたが、消費者物価の上昇の中で、年々ベースアップが行なわれている現状等を考慮し、公共企業体の職員等の共済組合と同様にこれを退職時の俸給といたしたのであります。 第四は、遺族一時金及び死亡一時金の支給範囲の拡大と年金者遺族一時金の創設についてであります。現行法では遺族の範囲が、主として死亡した組合員の収入により生計を維持していた範囲に限られており、たとえ配偶者や親がいても、組合員の収入によって生計を維持していなかった場合には、給付の対象とされておりません。この際、遺族一時金及び死亡一時金は、組合員の収入によって生計を維持していない遺族であっても、その支給を受けることができることといたしますとともに、遺族年金の支給の要件を満たしている場合において遺族年金を受けるべき遺族がないときは、組合員の収入によって生計を維持していなかった者に対して、遺族年金の額の十二カ年分に相当する金額を年金者遺族一時金として支給することにいたしたのであります。 第五は、退職一時金の引き上げについてであります。現在、国家公務員及び地方公務員の共済組合においては、退職一時金の支給額は、組合員期間によりそれぞれ二十日から五百十五日分となっているのに対し、公共企業体の職員等の共済組合では二十日から四百八十日分となっており、著しく不均衡であるばかりか、国家公務員及び地方公務員の共済組合の支給額でさえ低きに失しております。したがいまして、この不均衡を是正し、かつ、退職一時金の底上げを行なうため、国家公務員共済組合及び公共企業体の職員等の共済組合の退職一時金の支給額を三十日から六百十五日分といたしたのであります。 第六は、退職者についての短期給付の特例の新設についてであります。現行法では、退職の際に療養の給付等を受けている場合には療養の給付等の支給開始後五年間は継続して療養の給付等を受けることができることになっておりますが、退職後の新たな疾病や事故に対しましては、共済組合員の資格がないため、給付水準の低い国民健康保険によらざるを得ないのであります。しかしながら、永年勤続して退職した者は、退職後二、三年の間に発病する場合が多いという実情等を考慮いたしますと、退職後も一定期間は医療給付等が行なえるよう改善をはかることが必要であると考えられますので、組合員期間二十年以上の者が退職した場合には退職後五年間はなお短期給付を受けることができることといたしたのであります。 第七は、国家公務員共済組合審議会委員並びに国家公務員共済組合及び公共企業体の職員等の共済組合の運営審議会委員は共済組合員でなければならないものとされておりますが、共済組合運営の実態及びその特殊性から、現在は非組合員であっても、たとえば労働組合の役員として専従業務に携わっている者等、かつて組合員であったものについては、労働組合の推薦により、委員に任命できるようにいたしたのであります。 以上、この法律案の提案の理由及び内容の概略を申し述べました。 何とぞ、慎重に御審議の上、すみやかに御可決あらんことをお願いする次第であります。(拍手) —————————————
○田中委員長 これにて提案理由の説明は終わりました。 各案に対する質疑は後日に譲ります。 次回は、明十四日水曜日、午前十時理事会、十時三十分委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。 午後四時十七分散会 ————◇—————