石炭対策特別委員会 第14号
- 発言数
- 66 件
- 登壇者
- 13 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1969/07/02
会議録
○平岡委員長 これより会議を開きます。 参考人出席要求に関する件についておはかりいたします。 石炭対策に関する件について、来たる九日水曜日、参考人として石炭鉱業合理化事業団、石炭鉱害事業団、石炭地域振興事業団、雇用促進事業団、電力用炭販売株式会社、石炭技術研究所及び電源開発株式会社の各代表者にそれぞれ出席を求め、意見を聴取いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○平岡委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 なお参考人の人選等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○平岡委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 ————◇—————
○平岡委員長 石炭対策に関する件について調査を進めます。 新石炭政策実施後の問題点等について政府より報告を聴取いたします。中川鉱山石炭局長。
○中川(理)政府委員 お手元に「新政策の実施状況」というタイプ印刷をお届けしてあるわけでありますが、これに基づきまして新しい石炭対策の実施状況の概況を御説明いたしたいと思います。 まず最初に終閉山対策でございますが、石炭鉱山整理特別交付金関係についてその状況を御説明申し上げます。 この整理特別交付金というのは、御承知のように会社単位で閉山をするといった場合の特別措置でございます。この交付金の交付事務の進捗状況でございますが、明治鉱業、杵島炭鉱及び麻生産業の三社から、石炭鉱業合理化事業団に対しまして申請が行なわれ、目下同事業団においてその交付事務を取り進めているところでございます。 特別交付金の交付にあたりましては、当該会社の解散、それから当該会社が保有するすべての鉱業権の消滅ということがこの交付金交付の要件でございますけれども、上記三社ともその要件を具備するに至りましたので、事業団は去る七月一日、三社に対しまして特別交付金を交付する旨の決定をいたしまして、法令の規定に基づき当該会社に対し債権を有しておる人から債権があるということの申し出の受理を開始いたしたわけでございます。これは七月一日付の官報と、日本経済新聞、北海道新聞、西日本新聞紙上に掲載をいたした次第でございます。債権申し出書の提出期限は、賃金債権につきましては七月二十二日、その他債権につきましては八月三十日ということにいたしております。 そこで、実際の特別交付金の交付は、賃金債権につきましては総額のおおむね二分の一を八月十五日を目途として交付する予定でございます。その他の債権につきましても可及的すみやかに交付するように取り計らうつもりでございます。賃金債権につきまして「おおむね二分の一」と申しておりますのは、四十万円以下という小額債権者に対しましては全額交付するということでやっておりますので、ここで「おおむね」ということばを使っておるわけでございます。 第二に、賃金債務の一部の先行融資という特別の措置をとっておりますので、この状況の御報告をいたしておく次第でございますが、特別交付金の交付は、先ほど申し上げましたように八月十五日が目途ということに相なります。解雇後の賃金債権者に実際に金が入るまでのつなぎをいたそうという考えからいたしまして、賃金債務の一部につきまして北海道、福岡県、佐賀県並びに関係金融機関の協力を得まして直接従業員に対する金融措置を講じた次第でございます。 この対象になりました人員は六千八百六十名、一人当たりの貸し付け限度額を四十万円といたしまして、融資額総額が二十二億三千四百万円ということに相なってこの実施はいたしたのでございます。 次に離職者の対策でございますが、三社とも解雇と同時におのおの山元に再就職のあっぜん委員会を設けまして離職者の再就職を進めているのでございますが、幸い当今の労働需給からいたしまして、他産業からの活発な労働需要、それから他の炭鉱からの労働需要というものにささえられまして逐次その実をあげてきておるのでございます。これはいままでの実績から見まして非常に早く進んでおるという感じでございまして、役所の公式資料ではございませんけれども、三社から聞いておるところでは、就職のあっせんを必要とする人たちのほぼ半分以上の者は現在時点でも就職の決定を見ておるというふうに聞いております。六月末日現在なお未就職という方は二千三百人程度と承知をいたしております。これらの中にはいろいろな求人希望に対しましてどれを選ぼうかということでまだ迷っていられる方々もございますので、この問題の解決は今後関係者の協力を得まして可及的すみやかに解決するよう一そう努力をするつもりではございますけれども、おおむね円滑に処理ができるのではないかという見通しを現時点で持っておるわけでございます。 それから閉山後の産炭地域振興対策についてでございますが、昨年十二月に出されました産炭地域振興審議会の建議の趣旨に沿いまして、産炭地域振興の見地から、各省庁及び地元をあげて応急の閉山対策とその後の産炭地域振興対策を考え、これを推進する体制を確立することといたしまして、このたび中央及び地方、当面は九州と北海道でございますが、これに産炭地域振興各省連絡会を設けました。特に企業ぐるみ閉山のございましたところにつきましては、本連絡会の中に小委員会的なものをつくりまして、目下地域ごとの特性に応じたきめのこまかな対策の検討を急いでおる次第でございます。 四十四年度の産炭地域振興対策費は、産炭地域振興臨時交付金の創設もございましたし、あるいは産炭地域振興事業団の事業の拡充などもございまして、前年度比ほぼ倍増という強化を見ておりまして、企業ぐるみの閉山がございました地域に対する振興対策につきましては、事業団機能を重点的に活用しまして、あわせて先ほど申しました連絡会の場を積極的に生かしつつ十全を期することといたしております。 なお、産炭地域振興臨時交付金につきましては、閉山に対処して緊急に地元市町村へ財政援助を行なうことといたしまして、七月末に第一回の交付を行なうことに予定をいたしております。 次に鉱害対策でございますが、企業ぐるみ閉山にかかわる鉱害被害はきわめて多額にのぼりまして、特別交付金の交付が終わりましたあとは無資力鉱害と相なることになります。したがいまして、国土の有効利用、保全及び民生安定という見地から一そう鉱害復旧を促進することといたさなければならないわけでございまして、そのようなつもりで鋭意準備をいたそう、積極的に鉱害復旧に取りかかりたいと考えておる次第であります。 以上は、特別交付金との関連におきまして企業ぐるみ閉山を行ないました閉山後の状況というものについて御説明をいたしたわけでございますが、新政策によりまして交付金の単価引き上げを行ないました一般交付金による閉山の状況につきまして、石炭鉱山整理促進交付金関係の事務の進みぐあいということで御報告をいたしたいわけでございます。 年度当初に石炭鉱業合理化実施計画を立てました際に、本年度の閉山規模、これは先ほどの特別交付金による企業ぐるみ閉山を除いた数字でございます。一般の閉山規模を二百七十万トン程度と想定したのでございますけれども、すでに六月末現在で三十一炭鉱、三百七万トンという数字に達しておりまして、さらに今後若干の増加が見込まれる情勢にございます。 そのうち六月末日までに、八炭鉱四十万トン分につきましては、交付決定を終えているところでございます。残りの炭鉱につきましても、可及的すみやかに一般交付金の交付を行ないまして、早期に閉山処理を進めるつもりであります。 次に、再建整備計画の進みぐあいについて御報告を申し上げます。 再建整備計画の認定、再建交付金の交付についてでございますが、石炭企業が再建交付金を受けるためには、再建整備計画の策定または変更につきまして−変更と申しますのは、前回の肩がわりを受けた企業にとってでございます。この双方につきまして、六月十五日までに通産大臣に計画書を提出して、その認定を受けることとされております。再建交付金を希望する会社は、この規定によりましてすでにその再建整備計画を当省に提出しております。事務的に第一回目の説明を受けておるところでございます。 今般、各社の計画は、石炭鉱業全体との関係からいたしまして修正を要するものがあると思います。それから労務、技術、借り入れ金等の諸前提等につきましても見直しを要するものがあろうかと思います。また、この再建交付金の交付にあたり、審議会におきましても、政府におきましても、一つの前提として考えております社内体制の合理化につきましても、会社側の案で適当であるかどうかということの検討など種々の点につきまして再検討、修正を要するものがあるはずでございます。各社の計画がいま第一回目の説明を受けておるところでございますけれども、こういった再検討、修正に相当の時間をかけまして、これが政策の趣旨に合致するものとして認められると私どもが一応判断いたしました状態におきまして、石炭鉱業審議会の経理審査会の意見を聞いた上で、それで認定をいたしたいと考えておりますが、いま申し上げましたようなことを、いろいろとこれからやらなければならないという状況でございますので、認定は九月の上旬ごろに相なろうかというつもりで、いま作業を進めておる状況でございます。 再建交付金は、さきに述べました再建整備計画の認定を受けました会社が、まず金融機関、従業員等と従来の約定を一定の条件を備えた約定に変更する変更契約を結びまして、その上で政府が当該企業と再建交付金の交付契約を結ぶこととなるわけでございますが、これは現在の予定では九月末ごろ行ないたい、こう考えておるわけでございます。この再建交付金の交付契約に基づきまして、実際に金が出るのは十月の末日という予定でございます。 そこで、いままでのところ再建交付金を希望いたしております会社でございますが、一番最後のページをごらんいただきますと、大手につきましては、三井、三菱、住友、北炭、常磐、雄別、白炭、貝島、松島、太平洋という十社でございます。今回の再建交付金につきましては、従前の元利補給契約と異なりまして、赤字要件を要件といたさないということにいたしましたので、松島、太平洋が新しく加わってきておる。前回の肩がわりと比べますと、この間に大日本炭鉱、先ほどの三社というものが減っておる、こういう形でございます。 それから中小炭鉱につきましては、現在希望が出てきておりますのは、羽幌、日曹、飯野、久恒、上田、次はミスプリントでございまして、第二豊州でございます。この六社でございます。この前の元利補給契約で肩がわりを受けました中小炭鉱というものと比較をいたしますと、たとえば九州鉱山、新北松、上尊等と、閉山をいたす会社もございますので、これは出てこないのが当然でございますけれども、中興鉱業、軍内等、安定補給金との選択制を今度採用しておりますので、再建交付金の交付を受けないで、安定補給金のほうでいきたいという希望をしている会社も四社程度あるようでございます。この希望に従いますと、再建交付金の総額は八百五十億円程度というふうにいま予想いたしております。 その他事項といたしまして、安定補給金につきましては、御案内のように今回大幅に増額いたしまして、かつ年に四回支給ということにいたしますが、お渡しする安定補給金が資金繰りに有利に作用するように四回支給ということにいたしましたので、第一回分につきましては、年度当初以来その審査を急ぎまして、先週の末に交付を完了いたしました。その際の安定補給金は、原料炭で約十一億円、その他用炭で約十八億円という数字に相なっております。 合理化事業団の無利子融資につきましては、業務方法書の改訂もほほ完了のめどをつけましたので、近く先行融資を実行するというつもりで鋭意作業を急がせておる状況でございます。 以上、簡単でございますが、新しい政策の実施状況について御報告いたした次第であります。
○平岡委員長 次に高木石炭課長。
○高木説明員 歌志内炭鉱の災害につきまして、その後の状況と、とりました措置について御説明いたします。 お手元に資料をお渡ししてございますけれども、取り明けの状況でございます。 まず取り明けでございますけれども、五月十六日災害発生後、直ちに突出炭の取り明け作業を開始いたしまして、引き立て面までの取り明けを六月二十日に完了いたしております。 そのときの状況でございますけれども、立て入れ坑道は突出炭が流出いたしておりましたのみで、倒ワクあるいは崩壊というものはほとんど認められていません。ただし、八番層の沿層坑道はほとんどのワクが倒れておりまして、天盤の崩落もはなはだしく、ひどいところでは二メートル以上の高落ち個所も随所に認められるような状態でございます。なお、払いの中は突出炭が押し上げられておりまして、ふけのほうが一部天盤の崩落が認められております。 三番目に、取り明けの最終のところにございます沿層坑道の引き立て面で見分できます状況を申し上げますと、六月二十一日の調査でございますけれども、ここの炭は炭たけが二・八メートルございます。その二・八メートルのうちの上炭側、上部のほうの約一メートルが突出したのではなかろうかというふうに見分できます。なお現在確認できます突出炭が出ましたあとの空洞の幅は、最大十メートル、奥行きは約二十五メートルを確認できております。その奥は天盤の崩落状態その他によりまして、はっきりした確認はできませんけれども、現在までの取り明けました突出炭の量より推定いたしまして、幅が約二十メートルということを推定いたしますと、奥行きは百メートルぐらいになっているんではなかろうかと想定されるわけでございます。以上、申し上げましたものにつきましては、一番最後に図面として記載してございます。 当局のとりました処置でございますけれども、操業再開を目途といたしました対策の樹立、検討のため、学識経験者を主体といたしましたガス突出対策委員会を設置いたしまして、これに歌志内炭鉱及び週辺の三井、三菱、北炭の、現在までガス突出の発生した山、あるいは可能性のある山の技術者に参加していただきまして、二回にわたりまして現場の調査、検討会を実施いたしております。それに基づきまして、学術的な検討を加えまして、操業再開のための樹立をはかったわけでございます。開催日といたしましては、第一回目を六月の八日、現場調査をいたしまして、九日、十日札幌で検討会を実施いたしております。第二回を六月二十一日現場調査をいたしまして、二十二日検討会をいたしております。検討事項でございますけれども、ここに書いてございますように、京大の平松先生、東大の鈴木先生、早大の房村先生、北大の磯部先生という四人の教授の方々が主体になっておられまして、京大の平松教授には、コンピューターによる突出ガス量及びガス圧の測定を実施してもらっております。東大の鈴木教授には、いわゆる流体力学、オイラー・ベルヌーイの方程式に基づきました風速及び突出ガス量の測定を実施してもらっております。早大の房村教授には黒岩方式、これは資源技術研究所の研究員の方でございますけれども、この方が昔試験管方式によりましてテストされた方式がございます。その方式によりまして、突出炭の長さ、それから突出炭の先端速度、それからダム圧の測定ということを実施していただいております。なお、北大の磯部教授には、現在まで歌志内で発生いたしましたガス突出の災害実例をもとにしまして、統計及び確率によるガス突出の予測というものを実施していただいております。 以上申し上げました四点の検討事項をもとにいたしまして、対策といたしましては次に書いてございますけれども、ガス抜きの強化及び退避方法の確立ということを対策として今回確立した次第でございます。いま申し上げました対策につきましては、別紙の一番最後の表でございますけれども、新対策と旧対策ということで対比して書いてございます。 まずガス抜きボーリング座からのボーリング孔の本数の規定ということを今度は実施いたしました。前の対策では本数の規定をしておりません。今回の対策といたしましては、有効ガス抜きの孔数を、掘進方向に向かいまして十二本以上掘るということを規定しております。 ボーリング穿孔の長さでございますけれども、いままでの旧対策ではできる範囲ということで、一応二十メートルというものを会社のほうではめどとしていたのでございますけれども、今回は一本を四十メートルというものの基準を規定したわけでございます。 なお、ガスの吸引量でございますけれども、いままではこれを規定しておりません。今回は平均一本当たり当初に比較いたしまして、二分の一まで下がるということと、一分間に四十リットルの自噴量ということで、今後各孔ごとの自噴量、自噴圧を測定することとするということで、右側のほうに、三井砂川の例としまして、各孔とも自噴量一分間に五十リットル、自噴圧三百ミリメートルということが規定されております例から見まして、今回の歌志内におきましては、ただいま申し上げましたように一分間に四十リットルということを規定したわけでございます。 四番目にカバーロックでございますけれども、現在までの対策といたしましては、ボーリングを何本掘りましても、最後の一本の孔の長さが五メーター以上残っておればいいという規定でございましたけれども、今回は各孔とも五メートル以上残すのだということを規定しております。 なお、次の弛めボーリングでございますけれども、現在まではそのつど禀議する。これは実施する係員が上級の保安管理者のほうに禀議するようになっておりました制度を、今回は孔径百ミリの場合は八本以上、百四十ミリの場合は五本以上、百七十ミリの場合は三本以上ということに規定しております。 なお、そのほか測定、記録というものを強化してもらいたいということでございます。 なお、次が退避関係になりますが、点火個所といたしましては、現在までは引き立て面から百メートル以上離れたところで点火するというのが規定になっておりましたものが、今回は二百メートル以上ということに規定しております。 なお、そこで作業する作業員に対しましては、現在までは管理者が判断いたしまして、警戒区域ということで事前に連絡する、あるいはその場所は退避する、あるいはここで作業している者は救急袋に入れということを指示していたわけでございますけれども、今回は風下の入排気分岐点までは必ず退避するのだ、風下の入排気分岐点までの方は必ず救急袋に入るのだ、鉄砲坑道は退避範囲に入るぞということを新たに強化策として確立したわけでございます。 それから逆流防止でございますけれども、現在までは対策としては全然立てていなかったものを、今回の突出の実例から見まして、突出ガスが人気側のほうに逆流していたという実例によりまして、突出ダムを新設するということを規定しております。これは鉄砲坑道外に突出ダムを設けるということで、水柱五十ミリに耐えるものを新たにつくるのだということを強化いたしております。 その他といたしまして、救急袋の設置基準、火源の発生となる作業禁止範囲の規定ということを強化いたしております。 次に、操業再開の経緯でございますけれども、災害発生と同時に全山操業の停止をかけております。災害を発生しました登川区域を除く二区域、いわゆる文珠区域と一斜坑区域につきましては五月二十四日、同じく二十七日鉱務監督官によります検査を実施いたしまして、ガス突出に対する当面の強化策、さっき申しました退避関係の強化策を策定の上、二十七日に操業再開の許可をいたしております。登川区域の八番層を除く六番層の採炭と骨格構造の展開のための岩石掘進につきましては、六月二日鉱務監督官による調査を実施いたしまして、六月三日作業の着手を許可いたしております。 最後に、今回の取り明けのところでございますけれども、取り明け先の空洞はほとんど粉砕されました突出炭に埋まっておりまして、加えて天盤が崩落いたしておりますので、これを除去することは、崩落の危険と粉炭中のガスの流出及び二次突出のおそれがございまして、またこのまま放置しますと、自然発火の発生する危険性もございますので、引き立て面より十五メートルの位置に防災密閉を行なわせまして、密閉周辺の岩粉ライニング等を行なった結果、現在自然発火のおそれも全然ございませんと判断いたしまして、六月二十八日午前十時に登川の八番層関係の操業を許可いたしました。同じ日の二番方から八番層の採炭に着手している次第でございます。
○平岡委員長 次に、労働省関企画課長。
○関説明員 労働省関係について御報告申し上げます。 まず、炭鉱離職者の再就職状況でございますが、お手元に「合理化炭鉱離職者再就職状況」という資料がお配りしてあるかと思います。その右側のほうに昭和四十四年度の計画と四月、五月の二カ月間の実績の数字が載っております。これにございますように、年度当初の合理化炭鉱離職者再就職計画におきましては、本年度の新規の炭鉱離職者の発生を一万一千三百人というふうに見込んでおりました。これに対しまして、本年度に入りましてからの大手企業の企業ぐるみ閉山等のこともございまして、四月、五月に公共職業安定所に求職申し込みをした炭鉱離職者は七千二百十人ということになっております。これを前年度からの繰り越しの求職者と合わせますと、一万一千四百二十人ということになりまして、五月末現在でこのうち二千九百人の者が再就職をいたしております。これらの離職者の中には、五月の閉山によって離職し、現在職業紹介中の者もかなり含まれておりますので、最近までの就職者を考慮に入れますと、相当数の者が再就職の決定を見ているのではないかと推定しているところでございます。 なお、六月中の閉山によりまして、さらにこの離職者数に約三千人の者が加わるというふうに見込んでおります。 次に、炭鉱離職者臨時措置法の一部改正の問題でございますが、本委員会で御審議をいただきました炭鉱離職者臨時措置法の一部改正法の公布施行によりまして、本年一月以降の離職者につきましては、新しい在職要件が適用されて、炭鉱離職者の求職手帳の発給が行なわれております。また四月一日以降の離職者で、手帳の有効期間が一年未満の者についてはその有効期限を一年に延長いたしております。 次に、企業ぐるみ閉山によって出てまいります本社、支社等の職員層からの離職者の問題でございますが、これらの方につきましては、人材銀行あるいは人材セミナー等の活用によって再就職のあっせんにつとめておりますが、特に長年山元で勤務して、最近会社の都合でやむなく本社または支社に転勤となったために、炭鉱労働者としての取り扱いが受けられなくなった職員が合理化離職した場合には、長年山元の職員と同様の作業環境あるいは生活環境に置かれていた、そういう特殊事情にかんがみまして、山元の職員と同様の再就職の促進措置を講じておるところでございます。 次に、産炭地域において石炭の輸送を主として行ないます地方鉄道の問題でございますが、その設立の経緯あるいは石炭輸送業務への依存度等から見まして、石炭鉱業と密接不可分の関係にあると見られるものに雇用される労働者のうち、鉱区または粗鉱区における石炭の輸送業務に従事する者につきましては、本委員会の附帯決議の趣旨に沿いまして炭鉱労働者と同様の事情にあるものとみなして、再就職の促進及びその援護措置に万全を期しているところでありまして、留萌鉄道の廃業についてこの取り扱いをいたしたところであります。 次に、雇用促進事業団の援護業務につきましては、業務方法書を本年度から改正いたしておりますが、その改正点は次の三点でございます。第一は、山から山への第二種移住資金を、山から他地域への第一種移住資金と同額に増額いたしました。第二点は、四十四年の三月三十一日以前に第二種移住資金の支給を受けた者が、今度の合理化により再離職を余儀なくされた場合に第二種移住資金調整額というものを支給して、今後第二種移住資金の支給を受ける者との均衡をはかることといたしました。第三点は、雇用奨励金及び職業訓練手当の額を増額いたしたことでございます。 次に、産炭地域開発就労事業のことでございますが、産炭地域のうち、失業者の滞留が著しく、かつ炭鉱の合理化に伴い今後多数の失業者の発生が見込まれ、地域振興が特に必要とされる地域におきまして、地域振興の進展により雇用需要が増大するまでの間、失業者に臨時的に就業の機会を与えることを目的として、産炭地域開発就労事業を実施することとなりましたが、六月から筑豊地域において道路整備事業等を始めており、今後逐次、拡大実施していくこととしております。 以上、労働省関係について概略申し上げましたが、特に明治鉱業、杵島炭鉱、麻生産業の大手三社の企業ぐるみ閉山により発生しました離職者の再就職状況についてつけ加えますと、この三社から公共職業安定所に求職申し込みをした離職者は六千六百七十七人となっております。このうち、関係機関等の密接な連係のもとに再就職の促進につとめ、就職決定を見ましたものは、企業別に見ますと、非常に就職率の高いところで約七〇%、低いところで二〇%、平均いたしまして約五〇%のものが再就職の決定を見ております。このうち、企業別に見まして就職率の低いところは、ごく最近時点に閉山になりました企業でございますので、今後残りの未就職者につきまして、関係機関とも協力いたしまして再就職の促進につとめ、早期に安定した職業に再就職ができますように努力してまいりたいと思っております。 以上でございます。
○平岡委員長 これにて政府の報告は終わりました。 —————————————
○平岡委員長 質疑の通告がありますので、これを許します。岡田利春君。
○岡田(利)委員 初めに、企業ぐるみ閉山企業の特別交付金交付のため、特に債権者の場合それぞれ申し出をするように措置されておるわけですが、この場合、当委員会で問題になりました公租公課については一般債務として取り扱っておるのかどうか。それとも一般債務に優先して別な方法でこの公租公課に対して補てんをしておられるのかどうか。この点がペンディングであったわけですが、この取り扱いについて御説明願いたいと思います。
○長橋政府委員 お答え申し上げます。公租公課につきましては、一般債務の一環といたしまして各公共団体の取り立て不能額の二分の一を交付金として交付する、かようにいたしております。
○岡田(利)委員 そういたしますと、二分の一交付という意味は、一般債務と同様の取り扱い、こういう理解でよろしいわけですか。
○長橋政府委員 さようでございます。
○岡田(利)委員 その場合、二分の一もしくは基準の定めるトン当たり幾らか、いずれか低いほうをとる、こういうことになっておりますから、いわば二分の一以下の場合も公租公課の場合にある、こういうことになるのではないかと思うのですが、この点はいかがですか。
○長橋政府委員 一般債務の一環として考えますので、実際の取り立て不能全体といたしまして、当該企業の一般債務の取り立て不能額またはトン当たり千円を閉山トン数に乗じましたいずれか低いほうという基準の適用下にあるわけでございますが、この特別閉山を申請いたしております三社につきましては、企業努力と相まちまして、二分の一を確保できるめどを現在の段階として立てている次第でございます。
○岡田(利)委員 今回新しく産炭地自治体に対する特別交付金の制度が設けられて、いわば基準を定めて、基準に従って交付されるわけですが、いまの問題と関連して、たとえば地方自治体が三千万公租公課が取り立て不能になる、あるいは一千万取り立て不能になる場合もあるでしょうし、ほとんどない場合も、いろいろケースは私は違うのではないかと思うのです。しかし、せっかく地方自治体に対する交付金制度を設けているわけですから、公租公課に限っては、この取り立て不能の場合は、自治体が権利を放棄すればそれは別ですけれども、そうでない場合については、そういう点についてある程度基準に含めるほうが、むしろ関連性からいって妥当ではなかろうか、こういう感じがするわけです。こういう点について見解を承っておきたいと思います。
○長橋政府委員 産炭地域振興臨時交付金制度につきましては、閉山トン数を一つの基準にいたしまして、できるだけ客観的な基準でこれを配分するという考え方に立っておりまして、ただいま御指摘の地方公共団体が、企業ぐるみ閉山によりまして非常に税の取り立ての面で大きな影響を受けるというふうな問題につきましては、自治省とも連絡をとりまして、たとえば地方交付税の特別交付金といったようなものの配分の面で配慮してもらうというふうな措置の実現について努力をいたしたい、かように考えている次第でございます。
○岡田(利)委員 地方交付税の場合は、一般的な基準がありますから、もちろん閉山になった場合、それぞれ交付金で見られますけれども、公租公課の回収不能については、これはおそらくその基準に入るべき性質のものではないと思うのです。したがって私は、新しい石炭政策を発足をさして、今年度の場合はこれからまた閉山も出るわけですから、それは別として、来年度の場合は、前年度のそういう面についてはある程度、やはり基準で、もちろんそれは二分の一のほかにどの程度見るかは別にして、ある程度やはり考慮する、こういう考え方が公租公課の今回の取り扱いから見れば妥当ではないか、そういう制度があるわけですから、そういう点検討すべきではないか、こう思うのです。今年度の場合はおそらく五年前にさかのぼることは無理でしょうから、新政策について今後の終閉山、特に企業ぐるみ閉山の問題が新たな制度に出ておるわけですから、そういう点ある程度配慮すべきではないかと思いますが、この点の見解を伺っておきたい。
○真野説明員 ただいまの岡田先生の特別産炭地域振興臨時交付金と市町村の公租公課の取り立て不能額の関係でございますが、実はこの新しい産炭地域振興臨時交付金の制度につきましては、制度発足当初から他の制度、たとえて申し上げますと各種の補助金制度あるいは自治省の所管しております特別交付税制度、こういうものとの重複を避けた形で新しい制度として付加された、こういう経緯がございますので、この各省関係の現在ある財政補てん制度あるいは補助制度について、それと重複して交付金の対象とするという考えはないわけでございます。 御指摘のいわゆる市町村の公租公課の取り立て不能額でございますが、この新しい交付金制度は、基本的には閉山によりまして将来の市町村の財政収入が減退するあるいは新しい財政需要がふえる、こういうものをカバーする趣旨でつくったものでございまして、したがって閉山後の事態、いわゆる税収の見込み不足、そういうものをカバーする趣旨でできております。その点につきましてなお過去のいわゆる公租公課の取り立て不能額につきましては、これは別途現在特別交付税の交付基準の中に、そういう債権と申しますか、市町村の税収の滞納額の多い場合には特別交付税でカバーするという一応の基準が定められております。その面でカバーすべきものと考えまして、一応対象からははずしております。
○岡田(利)委員 単に公租公課のみならず、たとえば厚生年金融資住宅も、一応当該自治体が窓口で借りておる、炭鉱会社が窓口の自治体に金を入れることによって返済をする、こういうシステムのところが炭鉱では非常に多いわけですね。住宅事情緩和のためにそういう制度をとっておる面が多いわけです。いざ閉山になりますと、これは自治体が返さなければならない。閉山して炭鉱はなくなってしまうわけですから、そうするとその住宅についてはもちろん担保に入っておりますけれども、あとの金は返さなければならない。こういう問題等も公租公課以外に出ておるわけです。したがって問題は、そういう面については一般債務とはいいますけれども、法律上一般債務に優先して支払うということになっているわけですね。公租公課及び賃金は最優先の債務として支払うことになっておるわけですから、労働賃金についてはいわば優遇措置をとっておるわけですから、少なくともこの企業ぐるみ閉山の場合には、公租公課の処置のしかたについては特に指導する必要があるのではないか、こういう考えを私は持つわけです。個々のケースでは当該企業と公共自治体との間で処理している面もありますけれども、これはいろいろ起伏ある問題点が将来出てくるのではないか、私はこう思いますので、この点については一般債務とはいいますけれども、特にそういう問題も内蔵しているわけですから、この処理のしかたは特段に通産省として当該企業に指導すべきではないかと思いますので、それはいかがですか。
○真野説明員 ただいま先生御指摘の終閉山に伴います市町村のいろいろな負担、単にただいまお話のありました税金の滞納とかそういう問題以外に、市町村がいわば炭鉱のかわりにいろいろ負担しております最初の償還の問題、その他非常に数多くの問題が現実に出ておることは、私どもも承知いたしております。この点につきまして、実は具体的には市町村の財政全体としての問題である、こういう趣旨から、ただいま新しく発足しました産炭地域振興臨時交付金制度の活用のみならず、自治省の交付税制度あるいは地方債の補てん措置、こういうものにつきまして、個別にいろいろ現地でも検討いたしておりますし、あるいは道府県を通じまして、自治省の本省にも説明いたしております。私どものほうも、いろいろ聞いております点については、個別にいろいろ自治省と交渉いたしております。そういう点において、全体としての、市町村ごとの地方財政の状況によりまして、地方債あるいは交付税の面でのカバーということも今後なお十分交渉してまいる予定でありますが、自治省のほうともよくその点連絡した上で措置をいたしたいと考えております。
○岡田(利)委員 第二点として、賃金債務について、一人当たり貸し付け限度額四十万円を融資をいたしておるわけですが、この融資の方法について、特にこれは三企業が該当しているわけですが、どういう方法でやられたか、お知らせ願いたい。
○北村説明員 われわれ通産省のほうから関係の都道府県及び関係の都道府県が選びましたところの金融機関、これとの間で協議をいたしまして、県によりましては、県資金を当該金融機関に所要の額だけ預託したところもございます。それから、それのできなかった県もございますが、結局その金融機関が所要額を八月十五日までの三カ月間日歩一銭四厘ということで貸し付けをすることにいたした次第でございます。なお、その場合に、それの裏づけといたしまして、八月十五日に合理化事業団からそれぞれ労務者に交付されます賃金見合いの交付金のうち、その融資額を融資を実行しました金融機関が本人にかわって代理受領をするということを裏づけといたしまして、金融機関はいま私の申し上げましたような条件で融資を実行した次第でございます。
○岡田(利)委員 北海道の場合はいかがですか。
○北村説明員 北海道の場合も同様でございまして、日歩一銭四厘をもちまして、同様条件で拓殖銀行から融資をいたしております。
○岡田(利)委員 私、なぜこれをお聞きしたかというと、ある県においては積極的に協力をする、しかも、財政力からいえばあまり力があると思われない県のほうが積極的に協力をして、最大の産炭地である北海道——福岡の場合は集中して閉山が起きているという面もございますけれども、北海道の場合には概して閉山が少ないわけです。そういうところは県が協力をしない、こういう傾向についていかがお考えですか。
○北村説明員 その点につきましては、われわれ通産省のほうから北海道庁、福岡県庁、佐賀県庁、それぞれにできる限りの要請をしたのでございますけれども、それぞれ県の資金事情がございまして、特に北海道庁、佐賀県庁の場合、年度当初に資金需要が発生し、かつ、まだ資金収入が起こっていないという状況にございまして、非常に金繰り、資金事情が悪い状態でございまして、残念ながら、われわれの要請にもかかわらず、われわれが期待しておったほどの道庁側の協力は得られなかったのは事実でございます。
○岡田(利)委員 今回の場合にはずいぶん長い間協議をされて、最終的に決定をし、閉山が確定をしたという経過がありますから、いつどうきまるのかという問題もあったでしょうけれども、一応新政策が制度としてきまったわけですから、今後もこういう閉山がある場合、当該産炭地都道府県というものはこれに協力をする、こういう点が積極的な姿勢として出されてこないと、すべて国のほうにまかせっきりで、地元都道府県は何ら協力をしない、言うなれば、むしろ制度は違いますけれども、それぞれの自治体もこれに対して協力をしていくということがなくしてこれからの石炭の政策がスムーズに進行するということは、私は考えられないと思うわけです。私は、その点について、特に当該産炭地の都道府県がこういう制度を順調に、しかもスムーズに進めていく、あるいは労働者をよりスムーズに職業転換をさせる、そのための不安を解消するという面では積極的な協力の姿勢というものが出されなければならない、こういう点を強く指摘をしておきたいと思います。そういう意味で、今後また起きる問題でございますから、その点についての注意を喚起をしてもらいたい、すべきである、私どもそう考えておりますので、この点特に指摘をして申し上げておきたいと思います。 それから第三点の問題ですが、資金対策の面が、いま新政策発足にあたり各企業とも問題であるわけです。特に災害発生しておる炭鉱、たとえば北炭、住友、雄別、こういう災害の発生しておる炭鉱の資金需要というものは、大手の場合でも非常に困難になっておるということはいなめない事実であろうと思います。まして中小炭鉱の場合には、それ以上に深刻な面があろうかと私は思います。したがって、一応安定補給金については第一四半期分がすでに交付されておるわけですが、近代化資金の面については、これから業務方法書を改訂をして進めていくという報告を受けたわけです。この点は、そういう面と相まって考慮すべきではないかと私は思う。あるいはまた、保安の資金につきましても、今回制度が変わっておるわけですから、この面についてはすでにそういう措置をとった面もある、こう伺っておりますけれども、そういう弾力的な運用が特に望ましいのではないか、こう私は考えるわけです。したがって、この点についてどうお考えになっておるか。さらにまた、今日の炭鉱の資金需要についてどういうふうに把握されておるか、この点見解を承っておきたいと思います。
○長橋政府委員 新政策の実施段階におきまして、炭鉱の資金繰りの円滑化をはかるために、通産省といたしましてもできる限りの配意を加えておるわけでございまして、安定補給金は第一回をすでに六月末交付いたしたわけでございます。近代化資金につきましても、御指摘のような、企業によって災害のための負担が非常に大きい差がございますが、一般的に資金繰りの円滑化を期する意味で、七月末くらいを目途にいたしまして、とりあえずの先行融資の方途を講ずることにいたしまして、目下事業団等と協議をいたしておるわけでございます。 それから、一般的に資金繰り確保のために、再建交付金の交付は、ことしも十月の末にならざるを得ないわけでございますが、いずれ再建交付金の交付が決定いたしました暁には、五月一日にさかのぼって発効いたしますので、その間、返済期間を事実上軽減させる必要があるわけでございまして、七月に関係金融機関と話し合いをいたし、その自主的な協力を得まして、五月以降は事実上金利負担のみの取り立てばするが、返済負担のほうは、再建交付金の決定までとりあえず金融機関としては取り立てを猶予するというふうな措置も考慮しております。 それから御指摘の補助金のほうにおきましては、坑道掘進補助金等々があるわけでございますが、昨年と同じような事情で八、九月ごろには坑道掘進補助金も第一回の支払いを行なうというふうなことで、諸般のでき得る限りの努力をいたしまして、新政策を資金面からも円滑に乗り移していくように配慮をいたしておる次第でございます。
○岡田(利)委員 新政策は、無利子融資が本年度百億、近代化資金の対象四十五億前後、こういう資金量になるわけですが、本来の政策の進め方としては、初年度二百億なり二百五十億の資金を合理化事業団にやって、これで運用をしていく、全然出炭量が減って、規模が小さくなっていくわけですが、ところが予算の関係上、百億ずつ毎年出して、五百億まで高める、本来の政策から考えれば逆だと思うのです。ある程度出しておいて、その後五十億ずつにするとか、逓減していくというほうがほんとうはより望ましいわけですね。しかし予算上、そういう措置がとれない面があるわけですから、特にその間、ことし、来年にかけては、昭和四十四年度、四十五年度にかけては、そういう点については相当弾力的に対応していく、こういう体制がどうしても私は必要だと思うわけです。そういう意味で、この点について、特にいま説明もありましたけれども、より今年から来年にかけては、そういう態度で臨むべきではないのか、こう思うのですが、いかがですか。
○長橋政府委員 御承知のように、今年度におきます無利子金融の合理化事業団に対します出資としましては、百三億円の予算が計上されているわけでございます。このワク内におきまして、企業自体の金融調達努力ということと相まちまして、金融の確保につとめてまいりたいと考えております。来年度以降につきましては、全体の財源その他の関係を考慮して、無利子金融の新規出資ワクを予算要求いたしたいと考えております。
○岡田(利)委員 たとえば近代化資金自体もわずかなものですね。機械を買う、一台の機械は、すでに稼働しており、実績があがっておるわけですが、しかし、こういう政策の中で、あと二台機械を実は買いたいのだ、それによって生産を上げて、体制をすみやかに整備をしたい、こういう要求というものが、それぞれの単位炭鉱にあるわけです。しかるに近代化資金のワクがあるものですから、二台といっても一台でがまんして、来年か再来年にあとの一台を入れる、こうせざるを得ない場合がずいぶん私は出てくるのだと思うわけです。しかし、その面については、もう少しくふうをしてはどうなのか。やはり五カ年計画という形で再建計画を認可するわけですから、五年なら五年という形で見る場合に、やはりこの際、二台の機械を入れたほうがいいという場合には、何らか合理化事業団でそういう計画に基づいて証明をすることによって金融をつける、あるいはメーカーとそういう契約を結ぶ、そういうような形の中で、機械が先に入ることによって生産体制というのがとれる、こういう面も私は当然あると思うのです。そういう点にも、もう少し創意くふうをこらして、予算では限られておるけれども、今年度、来年度は非常に大事な年でありますから、そのような弾力的な再建方向というものを積極的に打ち出していくべきではないか、こう思うのですが、いかがですか。
○中川(理)政府委員 先ほど御説明いたしましたように、再建整備計画の各企業の計画が出ているわけでございまして、これの説明をいま聴取しているところでございますが、その際つけ加えておきましたように、出炭計画そのものはもとよりのこと、この再建整備計画の中でも資金というものについては十分な検討を要するのでございます。御指摘のように、少なくとも再建整備会社につきましては、五年間の見通しの上に立って、おおよそのめどをつけて、有効適切な資金助成をやっていくということにつきましては、御趣旨に異存がございませんので、いまのところ、まだ出炭計画その他の聞き取りをやっているということで、資金計画まで入っておりませんが、その段階に入りました暁におきましては、御趣旨を生かした活用の方法をも別途考究しながら資金計画そのものを見てまいりたい、かように考えております。
○岡田(利)委員 特にこれから閉山になり、そのことによって機械が余ってくる。ところが、やはり各社をずっと調べてみますと、技術的な機械化の流れというものがいろいろあるわけですね。たとえば明治でロードヘッダーで掘っていたのが、今度は余った、それをこちらで使いなさいと言っても、いや、うちのほうは別の機械だというかっこうで、機械化の流れというものが、各社によってそれぞれ特異性があるのではないか。そういう点で機械の有効活用という面がなかなかできない場合も出てくるのではなかろうか、こういう感じがするわけです。そういう意味では、せっかく投資をした機械というものを有効に活用する、やはりそれを相当活用する方法について研究をすべきではないか。かつて私は、機械センター構想を出して、それが変形的な形で一応終わったわけですが、これから高度な機械化を進めていく場合に、各社のそういう勝手気ままな流れに拘泥することなく、総合的な立場に立って、機械を有効活用していくという面も、当然国費を投じているわけですから、考えるべきではないか、こういう考えも実は持っているわけでありまして、いずれ各事業団も呼んでおりますので、そのときにいろいろ意見も述べたいと思いますけれども、こういう点についても、十分検討していただくようにこの機会に要望いたしておきます。 次に、今年度閉山の予定の二百七十万トンが、現在すでに三十一炭鉱で三百七万トン、さらに今後若干ふえるということになってまいりますと、当初の今年度の出炭の見通しというものは、それだけ減少するということが容易に想定できるわけです。また、いろいろな面もございますから、さらにそれにプラスアルファの出炭減というものが残念ながら見込まれるのではないか、こう私は判断しているわけですが、大体今年も第一四半期を過ぎたわけですから、今年の出炭の見通しはどのように想定をされているか。したがって当初計画とどれくらいの落ち込みが考えられるのか。これに対応して需要については一応の計画を組んで、それぞれ電力あるいは鉄鋼、ガスその他供給計画というものが定められたようでありますけれども、落ち込めば、それだけ需要の面についても響いてくるわけですが、特に石炭不足ということが一般炭、原料炭のみならず、今日の時点では非常に深刻の度を加えつつある、こう私は情勢を把握しているわけですが、そういう点についての見通しをこの機会に承っておきます。
○中川(理)政府委員 具体的なお話でございますので、佐藤計画課長並びに織田調整課長から、数字に基づいた御説明をさせたいと思います。
○佐藤説明員 四十四年度の生産計画につきましては、本年度に入りまして四月二十五日の合理化と雇用の合同会議におきまして、四十四年度の実施計画という形でこれに定めて告示いたしております。本年度は昨年の実施計画四千七百万トンに対しまして閉山を織り込みまして、四千四百万トンという姿で決定いたしておりますが、冒頭の御説明にもございましたように、生産の実勢の見方につきましては、生き残る炭鉱の自然条件なりあるいは災害等によりまして変動する要因はございますけれども、何といいましても最近の生産の実績を左右いたします要因といたしましては、閉山の推移が一番の大きい影響をもたらす要因でございまして、その意味から先生もいま御指摘になりましたように、ことしの実施計画の中で織り込んでおります。全体といたしまして特別閉山も込めまして三百九十万トンという閉山に対しまして一般閉山そのものが大体特殊のワク自体を約三十万トン程度すでにオーバーしているということでございますので、その面からいきましても、単純にいえば三十万トン程度は少なくとも四千四百万トンのことしの春決定いたしました数字を割り込むことは事実でございます。ただ今後予想されますところの閉山の実勢をどう見ていくかということにつきましては、もう残っております炭鉱自体の数も少のうございますので、通産局の石炭部長なりあるいはまた支局長に常に業界側と接触を保たせまして、鉱業権者の意向を十分に把握しつつ閉山の実勢を見守っておるわけでございますけれども、やはり今後さらに四、五十万トンあるいは六、七十万トンこれに上のせになるということはやや確実じゃなかろうかという判断もございますので、そういたしますと現状の三十万トン程度実施計画を上回ったものにプラスいたしますと、少し多目に見ますとやはり百万トン程度の閉山からもたらしますところの生産減ということが落ちつきとして出てくるのじゃなかろうかというおそれを持っておる次第でございますが、その他残る炭鉱につきましての実勢は四月、五月、六月の月につきましては大体計画の線に沿っておりまして、特段の変化を認めません。したがって問題は——その要因といたしましては例年春闘でストがございましたけれども、ことしは幸いにして賃金ストがございませんでしたので、その意味からいいましても非常に順調なすべり出しを見せておる。生き残る炭鉱についてはそういう見方をいたしております。
○織田説明員 生産のほうにつきましては、ただいま計画課長が御説明申し上げましたとおりでございますが、需要面におきましては、電力のほうが御承知のように千八百八十万トンという数字をきめているわけでございますが、四月、五月から六月にかけまして定期修理をいたしますことなどありまして、需要のほうは年間の平均に比べて年度当初が比較的少ないというようなことがありまして、現在炭がなくて困るというような状態は全然ございません。 原料炭のほうにつきましては比較的順調に入っておりまして、これも全体的には足りない問題がありますが、計画を下回って問題が起きているというほどのことはいまのところはありません。 それからただいま計画課長が申し上げましたのは精炭ベースの話でございますが、電力に納める炭につきましては雑炭も供給源として考えておりまして、その雑炭が北海道などでは計画を上回って出炭されているような状況もございまして、供給には全然支障が生じていないような状況でございます。
○岡田(利)委員 いま調整課長から雑炭の問題が出たわけですが、今後雑炭というものは新しい政策のもとでは従来の雑炭という感覚で受けとめていくのか、いわゆる精炭として受けとめていくのか、非常に問題のあるところだと思うのです。いわば交付金を出す場合には精炭ベースで考える、需給ベースで考える場合には雑炭ベースで考える、こういう方向にあるわけですね。したがって新しい政策のもとでは精炭、雑炭の問題については従来の考え方は大きく質的に変わってきているのではないか。この扱い方については従来同様の方向で石炭局としては扱っていく方針ですか。
○佐藤説明員 従来雑炭と精炭の区別は、要するに企業側、炭鉱側が指定統計の面で区別しておった面をとらえまして精炭、雑炭という定義がなされておったわけでございます。しかし大筋から言いますと、定義づけといたしましては雑炭は大体において低品位炭の製品かあるいは非常に微粉の炭で、要するに炭価としての手取りが非常に低い炭をさして雑炭と定義づけておったのが大体の考え方でございます。従来さしてその意味におきましての問題はなかったわけでございますけれども、いま先生御指摘になりましたように、今年度から大手、中小ともに全炭鉱に安定補給金を出炭を基礎にいたしまして支給する仕組みになってまいりましてからこの問題が非常に問題になってきておりまして、われわれのほうといたしましてもこの措置につきましては予算の問題ともからみますし、また実際問題として統計上こういうようないわゆる申告漏れの形の把握のしかたそれ自体が問題でもございますので、できるだけ雑炭という形でなく、やはり出ておるものについては商品炭の形で把握すべきであろうということで、いま調査統計部とも各炭鉱の指導をどういうようにやっていくかということと、こういうような安定補給金の問題、これはひいては納付金の問題なり年金の問題なりいろいろなもらう形の面だけではなくて、実際に炭鉱がいろいろな形で支出していく面にも影響する非常に重要な問題でございますので、この辺の今後の指導をどういうようにやっていくかということをいま各方面と慎重に協議している段階でありまして、できるだけ早い機会に結論を出しまして各企業を指導してまいりたいと思っております。
○岡田(利)委員 やはりこれからの石炭政策を進める場合に出炭される石炭、あるいは回収される石炭の総炭量をできるだけ的確に把握するということが大事ではないかと思うわけです。したがって、たとえば従来の感覚でいえば精炭というのは第一種炭といいますか、それから今度新たに指定統計で示してきている従来の雑炭ベースの、しかも普通一般需給の面では需給計画にのっていくという面についてはこれは第二種炭といいますか、それからそれ以外にまた規格にはずれて炭鉱から出てくる石炭がある。これは雑炭というか、あるいはボタ山から出てくるのがまたあるのですが、これまた雑炭でも炭鉱から出る雑炭ではなくて、それ以外から出る雑炭であるから規格外炭といいますか、もう少し現状に合うような分類をしてやはり的確に把握をするということが、私はこれから石炭政策を進めていく場合に非常に大事な問題ではないか。せっかく検討中というお話でありますので、そういう点について的確にやはり全国の石炭が把握でき得る基準といいますか、整理といいますか、そういう点について特に十分検討されて、的確に把握できるように措置されるように、この機会に希望意見として述べておきます。 次は、雄別茂尻炭鉱の問題ですが、私も今日までの情勢把握では、残念ながら労働者が新しく新設し縮小される炭鉱に残って働くという希望がきわめて少ないというような状態では、他から労働者を集めてこの立樋の茂尻炭鉱を縮小された規模であるということはほとんど困難であろうかと見ているわけです。いわばこの結論も時間の問題で、いわゆる結論を出さなければならない情勢にあるという、こういう認識を実はいたしておるわけです。特に雄別問題は、今度の石炭政策の中でも特に今年度重点的な対策を立てる、こういう一応の姿勢で臨んでまいったことは事実でございますけれども、そういう意味で茂尻の問題がどう決着されるかということは今後残る道東三山の問題とも関連して非常に重大な問題ではないか、こう考えております。私は少なくとも今日の情勢から考えれば、今週中にはこの問題については結論を出すべきだ、出さなければならないまた情勢にある、こういう認識を実はいたしておるわけです。こういう問題と関連をして、この雄別問題というものについてまた従来の立場と別な感覚で受けとめなければならないのではなかろうか、こういう判断をいたしておるのでありますが、通産省の認識について伺っておきたいと思います。
○中川(理)政府委員 現状と見通しについておおよそのことをお答えいたしたいと思いますが、茂尻炭鉱は雄別炭鉱から独立いたしまして、第二会社として再建するという方針のもとに五月三十日付で一応全員解雇いたしまして、目下所要の人員の確保に努力をしておるところのようでございます。この計画は、きわめて採算性の低い鴨の沢、柏区域というものを放棄いたしまして、南部の一の沢区域及び露天掘りを操業の対象といたしまして、年産二十万トン程度で再建をはかろうとするものでありますけれども、この計画実現のために必要な人員は三百七十五名と見込まれておりますうち、生産の中心となる坑内員は二百八十名程度と予定されておったのでございますが、ただいまお話がございましたように、目下のところ、残留希望者というのが予想以上に少ない状態でございます。このままですぐに坑内の生産を再開できるかどうかということになりますと、きわめてむずかしい状況でございます。会社といたしましては、再開のために必要な人員を確保するために鋭意努力をしているようでございますけれども、何ぶんにも坑内採炭の成否は採炭員その他坑内直接員などの適格者が得られるかどうかということにかかっておりますので、当省としても目下事態の推移を注目しているところでございます。 なお、雄別炭鉱に属しております残っておる道東三山につきましては、四−六月の生産はほぼ計画どおりの実績という状況でございますので、茂尻の帰趨を考えた上で全体のことを考えてみたいと思っております。
○岡田(利)委員 今度新しい制度で無利子融資の中で炭鉱住宅に対するある一定の融資をする方針を新政策はとったわけです。そこで炭鉱住宅のあり方なんですが、やはり炭鉱の位置によっては、いろいろ市街地の炭鉱もございますし、非常に奥地の炭鉱もありますし、立地条件は千差万別なわけです。私は一つの提案があるのですが、いわばその状況によっては、どうせ無利子の金を貸し付けるわけですから、住宅を貸し付けるということも同一視して考えられる面があるのではないか。たとえば最近のプレハブの住宅を貸す。大量に生産できるわけですから、特別契約して貸すとか、そういうような面について、ある程度一歩進んで検討しなければならぬ面もあるのではなかろうか。都市炭鉱ですと、それはいろいろな形で活用されますし、たとえば改良住宅等の設置をしている赤平地区のような場合、炭鉱が閉山になってもそれが他に活用されるという面もありますけれども、山ぐるみ場合によってはなくなるという場合については、そういう面を考えなければいかぬのではなかろうか、特に中小炭鉱のような場合にも、そういう面が出てくるのではなかろうか、こういう気がするのでありますが、そういう点について、せっかくやる住宅政策を、もう少しそういう面の総合的な検討をされてはどうか、こういう意見があるのですが、こういう点については検討されたことがありますかどうか、お聞きいたしておきたいと思います。
○長橋政府委員 炭鉱住宅の関係につきましてはいろいろな側面があるわけでございます。まず第一に、閉山した炭鉱の旧炭住が非常に老朽化して、産炭地振興の面からいって非常に大きな阻害要因になっているというふうな問題が一つあるわけでございます。その点につきましてはかねがね建設省のほうとも緊密な連絡をとりながら、不良住宅改良事業の一環として住宅改良の進展をはかるべく努力をしてまいっておるわけでございますが、何ぶんにも全国のワクといたしまして、まだ非常に規模が小さいというふうな状況もございまして、目に見えて改良が進んでいくというふうな状況にないことは非常に残念でございますけれども、そういった面でさらに来年度におきましても積極的に事業を進め得るように、また地方公共団体あたりから出ておりますそういう制度に乗るとしても、非常に地元市町村の負担が大き過ぎる、補助率がまだ低いとかいろいろな御要望もありますし、そういった点もあわせまして検討しているところでございます。 それから、現に操業をしております、また今後も操業を続けていきます炭鉱の住宅につきましては、今回の無利子金融制度の一環として一定の部分をこれにさく方針を立てておりまして、その場合できるだけ資金を効率的に使っていくということで、福祉年金事業団、住宅金融公庫の産労住宅制度というふうなものと抱き合わせまして、できるだけ建設をする、石炭企業の金利負担を軽減し、また資金の確保に資するというふうな形で今年度より実施すべく、関係方面とも最終的な打ち合わせをやっておる段階でございます。 またあわせまして、現在外便所、外水道というふうな問題がかねがね指摘されておりますが、とりあえずの問題として、それを改良していく、現存炭住の改修、改良というふうな面につきましても、無利子金融のうち一定部分をさきまして、できるだけ効率的な炭住改善をはかってまいりたい、かように考えている次第でございます。
○藤尾政府委員 岡田先生の御趣旨、まことに私どもも考えさせられる面が十分にあるわけでございます。ただいま石炭部長から申し上げましたとおりでありますけれども、その中におきましても特段と効率的に資金を使っていくというような面から考えまして、御提案の趣旨を十二分に体してまいりたい、かように考えております。
○岡田(利)委員 石炭鉱業審議会の植村会長がすでに辞意を表明されておるわけです。これはまだ正式に辞意を受理されていないようでありますけれども、しかしながら、先般の当委員会の質疑でも明らかになりましたように、さらに体制委員会を設けてこれから石炭政策について検討しなければならぬという時期でありますので、辞意を受理しないというままで推移をされるのか、辞意を受理されるお考えなのか。受理されるとすれば新会長を大臣は委嘱しなければならぬことになるわけですが、この点についてはいかがですか。
○中川(理)政府委員 石炭鉱業審議会の会長を植村さんにお願いしておりましたのは、植村さんが経団連の副会長でいらっしゃったときからでございまして、経団連の会長におなりになりましたときに、まず、経済団体の会長であるということであるので、できれば個別業種の問題についての審議会の役員は原則的に辞退をいたしたい、産業全般にわたるものであればこれは別であるけれども、個別産業の審議会の会長は原則として辞任をしたいということをおっしゃっておられました。私、それはお立場上そうであろうというふうに理解をいたしました。ただ、ちょうど新しい政策を諮問し、答申作業に入っておった段階でございますので、新政策ができ上がりますまで、答申ができ上がりますまではとりあえず自分としても継続をしたいという趣旨でございましたので、審議会の答申が終わり、政府の施策が出そろって、その結果についてもおおよその見通しができ一区切りのついたところで辞任したいという口頭でのお申し出に対しましては、私は原則的に了承をした次第でございます。 しかも、このことにつきましては大臣、次官にも報告をいたしまして、長い間御苦労をかけたわけですけれども、この際、法律が施行され、ただいま御報告いたしましたように若干の事実もはっきりしてまいった状態でございますので、今度あらためて新しい会長の選任ということにつきまして、前任の植村会長の御意見、大臣の御意見等々、御相談の上近くきめたいと思っておりますが植村さんもいつまでにぜひやめなければならぬということはおっしゃっておりません。しかもまた後任会長についても、なかなかたいへんな仕事であるということから同情と理解を示しておられますので、適当な会長が見出されるまで、別にいつまででなければならぬということでもございませんので、とりあえずのところは継続していただいておりますが、なるべく早く御趣旨に沿って後任会長の人選を大臣の手元で進めてもらいたい。そのためのいろいろな案と申しますか、こういうことについても私どもなりに事務局案も考えておかなければならぬのではないか、こう思っておりますが、ただいまのところ具体的にどういう候補者を頭に描いておるという段階ではございません。
○岡田(利)委員 体制委員会がまだ設置をされていないわけですが、体制委員会はいつ設置をし、その構成はいつ行なうのか。並びにこの体制委員会に対する通産大臣の——もちろんこれは審議会に対する諮問になりますけれども、それを受ける体制委員会に対する諮問というものはいつやるのか。答申を受けるめどは来年の八月を目途にするということは再三言われておるのですが、さっぱりその後進まないわけです。この点についてのめどを明確にしていただきたい。
○中川(理)政府委員 先ほど新政策による実施状況を御報告いたしましたときに申し上げましたように、ただいま私どもの手元で片づけなければならない問題といたしまして再建整備計画、これはとにかく五カ年間のことにつきまして出炭並びに資金面等々について十分な吟味をいたさなければならないわけでございます。その観点の作業、これは審議会にかけることをも含めまして考えますと、相当に大切な事柄でございまして、このことを誤りますと、せっかくの新政策も所期の目標を達成し得ないということになりかねないわけでございますので、当面のところこの再建整備計画の作業に追われておる状況でございます。先ほどこれはわれわれの目標のように九月上旬くらいに認定を行ないたいということを申し上げたわけでございますが、この認定のところまで作業が進みますならば、引き続いてお約束の体制委員会というものにすぐかかれるようにいまから並行的に準備をいたそう、こういう感じでございます。したがいまして、九月上旬の再建整備計画の認定直後に体制委員会に入るというくらいの心組みでおります。少しおそ過ぎるじゃないかというおしかりもあろうかと思いますが、いま申しましたように石炭部全体で再建整備計画の仕事と取り組んでおりまして、いろいろな意味でおろそかにはできない仕事でございますので、一区切りつけた上で発足をさせたいと思っておる次第でございます。
○岡田(利)委員 本格的な作業はいま局長が言われたように九月から入るとしても、やはりけじめをつける意味からいっても今国会中には体制委員会を設置すべきじゃないか。その中に二つの小委員会がつくられるわけですが、一つの小委員会は動くわけですね。一つの小委員会は諮問後動くということになるのだと思うのです。したがって、やはり今国会中に設置をしてもらいたい、こういう希望があるのですが、いかがですか。
○中川(理)政府委員 国会にお約束をいたしておることでございますから、私どもも必ずこの委員会の発足を進めたいと思っておるわけでございますが、何せただいま申しましたような状況でございますので、人選その他で——人選をするということは御当人の了解を得るということでもございまして、国会開会中という御希望に沿えるかどうかというところは必ずしも自信がございませんが、御要望のことも念頭に置きまして鋭意努力を進めてまいりたいと思います。
○岡田(利)委員 この点は特に強く希望いたしておきます。 時間がありませんから、あと通産省と労働省に一問ずつお聞きいたします。 一つは、通産省で今年度すでに石炭技術研究所から予算の申請があって、予算を交付したと思うわけです。これはいわゆる一般炭の原料炭化砂乾留方式の試験ブラントをつくって研究をする、こうなっておるわけです。ただこれをめぐって、技術研究所からそういう申請があり、交付をするが、問題は、西ドイツの炭鉱会社との契約をめぐりいろいろ問題点が出てきておるわけです。というのは、三井鉱山は三井鉱山自体として技術契約をしたいという動きが単独で行なわれていますし、また石炭技研としては技研としての動きもあるようですし、その点についてせっかく本委員会でいろいろ議論をして今後の石炭政策というものを定めながら、この予算が計上されて、これからの一つの画期的な方向として予算づけが行なわれた趣旨から見て、どうも最近の現状について私は納得のできない面があるわけです。少なくとも石炭業者は全体が協力をしてこの技術を消化して、これが実施できるように進めていくという姿勢が大事ではないか。こういう点についてどうなのかというのが通産省に対する質問です。 それから第二点は、鉱山保安局に対してですが、この住友の歌志内炭鉱のいろいろな状況について、今後の対策についてもお聞きをいたしました。したがって、この体制で、これからの登川地区というものは大体やっていける、こう考えられておるのか、あくまでもこれは暫定的なものであって、中間的なものであって、根本的にはさらに検討しなければならぬと考えられておるのかどうか、場合によっては採掘不可能というようなことも、この事態に起きかねないという前提があるのかないのか、一応この措置で相当期間いけよう、こう踏まれておるのか、この点についてだけ承っておきます。 それから労働省の関係でありますけれども、先ほど二千九百名の再就職者の数字がございましたが、これは炭鉱から炭鉱へというのが含まれているのかどうか、炭鉱から炭鉱へ行っている実績は大体どの程度になっておるのか、その点が第一点と、特に九州、北海道に分けてみて、再就職の就職率というものが大きく違うのではないかと私は判断しておるのですが、その点についてひとつ御説明を願いたいと思います。
○橋本政府委員 第二点の歌志内の炭鉱につきましての措置、これは根本的なものであるか、一応のものであるか、今後採掘が不可能になる傾向もあるのではないかというふうな御質問についてお答えをしますが、現在の段階といたしましては、一応この対策でやっていけると思っております。しかし、これがある複雑な地形のもとで、最終的なものであるという断定はできておりません。したがいまして、一カ月ないし一カ月半程度採炭を続け、そして上部のほうから、さらに事故のあった場所につきましての調査を進める体制にまではこれで持っていけると思いますが、その段階においては、おそらく新しい対策が必要になってくるのではなかろうかという感じをしておりまして、カバーロック、大体五メートル程度のものを取りまして、その段階におきまして新たな対策が必要であろうという感じを持っております。
○長橋政府委員 御指摘のように、石炭技研におきまして、一般炭のコークス化利用という面についての研究を行なっているわけでございます。今年度は成型法について研究を進めるという予定でございまして、この面ではすでに予算を交付いたしておりまして、業界全体としてその成果を享受し得る体制を確立いたしまして、実施に入っておるわけでございますが、来年度、引き続きこのコークス化利用についての研究を進めるにあたって、砂乾留法の分野に足を突っ込むということを予定しておるわけでございますが、その段階で製造装置についての特許問題等に対処する必要があるわけでございます。これは自主開発によって解決する。あるいはまた、試験のスピードアップのために特許を導入するほうが望ましいかというふうな問題。それからまた、ある特定企業がこの特許について目をつけているというふうな動きもあるようでございます。そういった点、あわせまして試験研究も非常に重要なテーマと考えるわけでございます。来年度以降も、これが最も効率的に、またその成果を石炭業界全体として享受できるような形で実施できますように、慎重に、また周到に検討いたしたいと考えております。
○関説明員 第一点の、二千九百人の再就職の中に、炭鉱へ再び就職したものが含まれておるかどうかにつきましては、この中で約三割程度が山から山へ再就職している数字として入っている。 それから、北海道と九州とで再就職の状況に差があるのではないか、こういうことでございますが、北海道と九州ということで再就職率に差があるといいますよりは、閉山時点によりましてだいぶ差は出ておりますが、四月初めの閉山のものは六〇%からあるいは七〇%をこえる程度の再就職率になっておりますし、五月に入りましてからのものは非常に低い数字になっております。そういうことで、特に北海道、九州での差というものはあまり考えられないというふうに私ども見ております。
○岡田(利)委員 私の質問は終わりますけれども、いまのコークス化の問題ですけれども、やはり今日の情勢から判断をして、これは本格的に急速に進めていくという姿勢が大事だと私は思います。いわば石炭の活用はこれから命題をしぼるべきだと思います。それは二つあると思うのですね。一つは、一般炭のコークス化の方向、一つは石炭の活性炭の利用です。これはやはり大量利用という問題が、道が開かれてくるわけですから、いろいろなことをやっても、いろいろなところに分散して金を使ってもあまり効果がないと思うのです。私の判断によれば、むしろこの二つにしぼってかかるべきじゃないか。そのために、工業技術院も、あるいは北海道工業開発試験所も、あるいは石炭技研も−もちろん、石炭技研の場合は、機械化とかいろいろな問題があるでしょうが、とにかく、石炭利用の面では二つに重点的にしぼるべきじゃないのか。こういう転機にきているように私は判断するわけです。したがって、部長からも答弁されましたが、新聞紙上でも報道されているように、特に技術提携をめぐって、何か足並みがそろっていない。いわば新しい政策の中にきちっと位置づけられていないという点が将来の不信を買う原因になるのではないか、そう私は思うわけです。そういう意味で、私は大きな注意を喚起すると同時に、いわばここまできた石炭政策の面で、石炭利用という部門の技術開発を重点的にしぼっていく、こういう姿勢について、ひとつ通産省として特段の検討をしてもらいたい、そういうきちっとしたものをこの際立てるべきだ、こう思いますので、この点特に要望して終わりたいと思います。
○平岡委員長 田畑金光君。
○田畑委員 私、いろいろ質問したいと思っていましたが、一時から社会労働委員会の理事会の呼び出しを受けておりますので、それで、いままでの質問の中にもありました点にも関連いたしますが、まとめて、まず最初に局長、部長に二、三お尋ねしたいと思います。 先ほどの局長の説明の中にもありました再建整備計画の進捗状況によりますると、再建交付金を受ける手続は、六月十五日までに通産大臣に計画書を提出して認定を受けることになっておる。これについて、「各社の計画は、石炭鉱業全体との関係からの修正、労務、技術、借入金等の諸前提等の見直し、社内体制の合理化についての検討など種々の点につき再検討、修正を行ない、」云々と、こう出ておるわけです。先般これは新聞で見て、内容については私よく聞いておりませんが、三菱鉱業において石炭部門とその他の部門の分離をやる、こういう方針が出ていたわけでありまするが、企業みずからが自発的にいまのような経営体勢の刷新であるとか、石炭部門とその他の部門を分離するとか、こういう問題等について、今回の再建整備計画にあたっては、こういう点等についてもいろいろ指導、助言など、個別企業については必要であると見る場合になされておるのかどうか、この点第一点。またこれに三菱鉱業のような事例がその他にもあるのかないのか、この点についてお尋ねいたします。 第二点といたしましては、いま岡田委員の質問の中にもありましたけれども、石炭鉱業再編成の委員会の問題、体制部会の問題、この体制部会の中には、石炭鉱業の企業のあり方としての再編の委員会、もう一つは鉱区の調整の委員会、この二つを設けるということになっておるわけでありまするが、石炭鉱業全体のあり方を追及するいわゆる再編委員会においては、いま局長の御答弁のあったように、いろいろな事務処理を進めた後、すなわち九月以降について取りかかるということも、これは問題が問題だけにやむを得ざるものだと考えるわけでありまするが、鉱区の調整委員会等については、もうこれは長年の懸案でありまするから、九月を待たずして、もうすでに動き出しておると私は考えていたわけでありまするが、この点については、もし動き出していないとするならば、これは当然に動き出すことが、国会に対する約束から見ても当然であると思うが、この点はどうなっておるのか。これは第二の質問です。 第三の質問としてお尋ねしたいことは、先ほど計画課長からの説明もございましたが、四十四年度の出炭目標は、四千四百万トンというような説明でございました。四十三年度の出炭の実績を見ますならば、前年度に対して七十七万五千トンの減。したがって、四十三年度の生産は四千六百二十八万二千トン、こういうようになっておるわけであります。これに対して四十四年度は四千四百万トン、場合によってはこれすらも陥没するであろう、こういうような説明でございますが、そうしますと二百万トン以上も、四十四年度は出炭が減るということになるわけです。これはなるほどすでに大手の三山の閉山、あるいはその他の閉山が予想される、こういうようなこと等が手伝って、計画課長のような答弁になったと思うのでありますが、閉山による、それだけの理由で四千四百万トンすらも維持できないのかどうか、あるいはその他労働力の確保等々の面からの事情によって四千四百万トンを割るような見通しなのかどうか、昭和四十四年度の合理化実施計画によれば、閉山規模は三百九十万トンになっておるわけですね。これをさらに上回るという予想を立てられておるわけでありますが、それはどういう事情に基づいてそのような見通しを持つに至ったのか、四十四年度の石炭合理化実施計画を立てた、いわゆる鉱業審議会の関係部会の開かれたのは四月前後のことだと思うのでありますが、それからわずかの間にそのように事情が急変してきたというのは、一体どういう理由に基づくものであるか、この点ひとつお尋ねしておきたいと思うわけです。 それから資金源について石炭部長からいろいろ一安定補給金の問題であるとか、あるいは坑道の補助金であるとか、あるいはまた、合理化事業団との話し合いで先行融資の問題等について、いま進めておるということでございますが、現実の残存炭鉱企業は、特に夏場の季節を迎えて、融資の面で相当四苦八苦の状況にあると考えます。なるほど安定補給金を四期に分けて、もうすでに第一回分の支払いがなされた、こういうようなことでございますが、これはもっと具体的に処理する。そうして金融のあっせん措置を通産省としても講ずることがなされなければ、私は金融の面から見て、石炭の経営は非常な窮境を迎えると見るわけでありまするが、この点について格段の努力を期待すると同時に、もう一歩進んで具体的に何を考えて、何をいままでなさってこられたか、この点についてお尋ねをしたい。 最後に私は、石炭局長に本年度の炭鉱労働者の賃金のベースアップにあたりまして、最終的には局長が間に立たれて、基準賃金に対し、平均一方百六十四円ということになって、ストライキに至らずして円満に終わったということは、まことにけっこうなことであり、そのあっせんの労をとられた局長の努力に対して敬意を表するわけでありますが、新政策の発足にあたって、賃金ペースは一〇%アップ、こういう前提に立っておるわけですね。ところが百六十四円といたしますると、一二%に相当するわけで、したがってこの賃金のベースアップに対して、局長からもこの原資を生み出すについて、労使が生産性を上げるとか、あるいはその他の面で稼働率を上げるなど、これを吸収する措置を講ずるようにという前提で春闘の幕を閉じたわけでありますが、私は労働力の確保、あるいはことしの民間の春闘の平均ベースアップが一五・七%という現実を見たときに、炭鉱労働者が一二%前後を確保されたということは当然の措置であると思いますが、問題は年度当初からもうすでに計画を上回っておるということを考えたときに、今後こういう面について、やはり政策面からカバーするだけの措置が講じられなければ、石炭の今後の再建についてつまずきが出てくることを心配するわけで、この面について局長の指導なり今後に対する方針なりをひとつこの際承っておきたいと思います。 一括して幾つかの点を質問申し上げたが、局長はじめ関係者から御説明をいただきたいと思います。
○中川(理)政府委員 御質問の第一点の再建整備計画の認定にあたって、通産省は企業に対してどのような指導を加えるつもりなのか、あるいは加えておるのかという御質問だと思いますが、会社側から出てまいりました再建整備計画は、一言にして申しますと、私のほうとは事前の打ち合わせとかそういった指導を経ないで、全く自発的に出してもらったものでございます。したがいまして、たとえばお話の中にございました三菱鉱業のケースにつきましては、会社側が考えております石炭部門の分離を前提にした整備計画が出てきておるわけでございます。これも一例でございますけれども、労働力の確保状況についての見通しあるいは出炭能率等についての見通し、資金計画についての見通し、いま申しましたような会社の合理化策としてのいろいろな機構整備、この中には分離に至らなくてもあるいは管理費部門の節減といった意味での人員合理化計画等を、それぞれの意図でそれぞれの判断から計画が出てきておるわけでございます。私どもは私どもなりの判断もございますので、今後説明を聞きながら所要の意見も申し述べて、この間に石炭鉱業の再建のために最も望ましい計画というものに双方の了解でなるように指導は加えるつもりでございますけれども、何らかの事柄を画一的に強制するというような立場はとらないつもりでございます。分離につきましても、分離の効果あるいは分離のデメリットといったものを十分勘案いたしまして、同じ分離でございましてもどういう形がよろしいかというようなことについては、御相談という立場で意見交換をしながら所要の修正、チェックをしたいと思っている次第であります。 それから第二点の鉱区調整でございますが、実は体制委員会につきましては全く新しい角度での委員会を設けよう、その際に、全体の石炭鉱業の再編成的な議題と現実の鉱区調整問題と二つの部会と申しますか、小委員会に分けた設置をしたい、こういうふうに考えておるということを申しましたのは、全体の再編成問題を審議する委員会をつくるにあたりまして、いまの審議会の構成に若干の改正を加えたいということから、鉱区調整の小委員会はその中に含ましめるということを考えただけでございまして、鉱区調整そのものはいまの審議会の中に部会があるわけでございます。この部会は現存しておりますし、ワークいたしております。したがって現実問題としての鉱区調整問題は、この委員会を待たずして仕事ができるわけでございますので、体制小委員会を設けるにあたって、従来の鉱区調整部会をその際体制委員会の小委員会に切りかえたいというだけでございますので、実務上の支障はないはずでございます。現に具体的な鉱区調整問題はいまの部会で進めておるのでございます。 それから生産計画と資金問題につきましては、担当者から御答弁させますが、ことしの春闘問題での賃金の問題でございます。 御指摘のとおり私どもの予想を上回る一般の春闘相場が高いという状況がございまして、その高さの中で、石炭労働者の賃金というものを答申段階の作業にあたりまして想定をいたしました年率一〇%というもので固定をしましてこれを譲らないという態度で、はたして労働力確保が、将来への再建の熱意を労働者諸君に持ってもらえることになるかどうかということは非常に疑わしいという状況がございましたので、想定と異なりました一二の数字を私が間に立ちましてあっせんをいたしまして一日の間に妥結をしたわけでございます。この考え方は双方理解した上でございますので、経営者のほうも全体の相場を見た上で石炭労働者にも一二%ぐらいの賃上げは必要であるということを理解したのでございますし、また炭労、全炭ともに、計画面で一〇%の賃金アップで再建がようやく可能になるという計算になっておったという事実も承知の上で、その二%分を生産意欲を燃やす、労働意欲を向上させることによって吸収する努力はいたしますという了解のもとに両者の話がついたわけでございます。そこで途中段階といたしましては、この二%分をそういう意欲に反映させるものとして賃金体系の中で何らかの改定を行なっておくべきではないかということも議論いたしたわけでございますが、各社の給与体系が、協定がそれぞれ異なっておりますので、この二%分の吸収のためにどういうことをやるかという具体策は山へおろして個別の交渉にゆだねたい、それでよろしいということに組合側も経営者側も相なったわけでございますので、二%をどういう形で吸収していくかということにつきましては、それぞれの後の協議をいただいておるはずでございます。御案内のように一応五カ年間一〇%の年率アップということで考えましたけれども、本年度の状況を見ただけでも、情勢のいかんによっては必ずしもそうはいかないこともあり得る。しかし全体としての政府の施策はきまっておるわけでございますので、賃金の上がった分はいろいろな意味での合理化によってやはり吸収してもらわなければいけない。五カ年間の想定は賃金のみならず、ほかの要素につきましてもそれぞれやはり想定でございますので、毎年の賃金決定その他はそのつど実情に沿って決定していくよりほかはありませんし、これまた画一的な一〇%で規制するということは、私は長い意味で適当ではないと考えたのでございます。それだけにほかのものでの労使間の努力というものは今後あらためて必要となるわけでございます。それらに有益なものにつきましてはあらゆる知恵を傾けまして所定どおりの再建が可能になるように、役所のほうも考えますし、労使間でも考えてもらいたいという気持ちでございます。
○佐藤説明員 四十四年度の生産の見通しとそれに関連いたしますところの閉山の問題につきまして御答弁申し上げます。 四十三年度は実績といたしまして約四千六百二十万トンでございます。それに対しまして今年度の実施計画といたしまして四千四百万トンということで、二百万トン以上の減産を計画として策定いたしておりますが、その内容といたしましては、今年度の閉山計画を三百九十万トンということを前提といたしまして四千四百万トンということに相なったわけでございますが、その関係は、大体四千六百万トンの生産をやりました炭鉱の中から三百九十万トン閉山いたすわけでございますので、その閉山によります減少を二百九十万トンと見ております。それはなぜかと言いますと、必ずしも年度初めに一斉に閉山いたすわけでもございませんし、三百九十万トンの閉山というものはやや前半に片寄りますけれども平均的に見ますれば九月ころということであれば、大体半分の減産でいいわけでございますが、やや安全を見まして三百九十万トンの閉山によって二百九十万トン程度の減産に相なるだろうということで、まず四千六百二十万トンから二百九十万トン差し引きますと四千三百三十万トンになるわけでございます。そのほかさらにここに約百万トンの差がまだ残っているわけでございますが、これは四十三年度に発生いたしました平和鉱の平和夕張、美唄北星鉱の災害が大体平常のベースに戻ってきておりますので、それらの炭鉱の回復分が約七十万トンあります。そのほか南大夕張炭鉱というものが、三、四年新鉱造成やっておりまして、いよいよ四十四年から新規に出炭開始いたします。その分が約十万トン、そういうことでいま二つ合わせて八十万トン。それからその他生き残る炭鉱につきまして約二十万トン程度の増産が見込まれますので、合わせて百万トン。そういうことで四千四百万トンと策定いたしたわけでございます。 したがいまして、今後の閉山がわれわれの予定いたしました線三百九十万トンをこえて閉山が進むということになりますれば、先ほど申し上げましたように昨年度に対しますところの生産の減少として二百九十万トンに見ておったわけでございますが、この減少がさらに増加するという因果関係に相なるわけでございますが、けさの御説明で申し上げましたように、今年度の閉山規模三百九十万トンのうち特別閉山の三社はこれはまあ予定通りの時期に閉山したわけでございますけれども、その他一般閉山の炭鉱のいわゆる三百九十万トンの内数としての二百七十万トンが三百七万トンに大体計画を上回っておるということでございますが、したがいまして、四月の初めの現在時点におきましてすでに三百万トンに達しておるということでございますと、今後全然ないというわけには、いまのうちからいってそういう想定は無理でございますので、ある程度の閉山を年度末までに想定するのが常識的であろう。その辺どの程度の規模になるか。実は二、三の炭鉱につきましては、すでに私のところに御相談に見えている企業もございますけれども、そのほかにつきましてどの程度見込むかにつきましては、こういう実勢でもございますので、さらに通産局を通じましてもう一ぺん各企業の経営者に洗い直してもらうように通達をいたしておりますので、その結果を待ってみませんといまにわかに三百万トンにどの程度上のせになるか申し上げるわけにはまいりませんけれども、結局その分がふえればふえただけ減産要因として発生してくるということになろうかと思います。 それからなぜ上回ったようなことになったのかということでございますけれども、大体われわれが想定いたしました三百九十万トンの顔ぶれを決定いたしましたのは四月の二十五日でございます。それから今月現在までの閉山の実勢は、顔ぶれとしましては大部分はそのとおりの山が閉山いたしておりますが、一番大きい計画を上回った要因といたしましては、実は雄別の茂尻炭鉱をわれわれの閉山の三百九十万トンの中に織り込んでおらなかったわけでございます。これは四月の末現在すでにああいう災害を起こしたあとでございますので、どういうふうに再建させるかということ、十分われわれとしましてもその時点において頭にあったわけでございますけれども、まあ方針としましてはできるだけ前向きに考えていこうというのがわれわれの判断でございますので、あえてことしの実施計画の段階にははずしてございます。これが約五十万トンの規模でございますので、 これをはずし、 それからやはり九州のほうで再建会社、前回の肩がわり対象となっておりました新北松炭鉱、これがやはり三十万トン近くの山でございますけれども、この山が新区域移行後自然条件が非常に悪化したためにやむを得ずやめざるを得なくなったという等々の三、三の要因で七、八十万トンの規模になっておりますが、それが非常に実施計画を狂わしておるという最も大きな要因でございます。 それで生産の実勢といたしましては、そういうことですでに今年度の閉山の規模に大体達しておりますけれども、ほかの炭鉱の生産が等常でございますので、全体的の足並み、足どりといたしましては、ことしの四千四百万トンの生産ベースの線に全くのっておりまして、結局若干余った分もほかの炭鉱でカバーいたしまして、実勢としては計画どおりの出炭をいたしております。したがいまして、今後若干閉山が上回るにいたしましても、残った炭鉱の生産がわれわれとしましてはわりにかたく見ておりますので、本年度はそういう残った炭鉱でできるだけカバーしていただいて、若干閉山が上回ったといたしましても生産だけはできるだけ四千四百万トンの計画を達成させますように、いろいろ企業側にも要請していきたいとこう考えております。
○長橋政府委員 石炭鉱業に対する資金確保対策といたしまして、御指摘のように非常に資金的に苦しい状況にかんがみまして、先ほど特別会計予算運用面を通じましての諸般の努力につきましてお答え申し上げたわけでございますが、さらに具体的なあっせん措置として何をやったか、こういう御質問でございます。 かねがね中小炭鉱につきましては、業界としてなかなか市中金融機関の金融を受けにくい状況があるので、中小企業金融、公庫の融資ワクを拡大してほしい、こういうような要望があったわけでございます。この点につきましては、この七月一日から石炭鉱業に対する特例といたしまして、従来融資残高の限度五千万円ということにしていたわけでありますが、これを八千万円まで引き上げますと同時に、従来三千万円で残高を押えられておりました運転資金につきまして、四千万円まで引き上げるという措置がおかげでいよいよ実施の運びに至ったわけであります。さらに非常災害その他の特別な要因で例外的に資金繰りが苦しい、こういうようなケースにつきましては、合理化事業団の融資というようなものをてこにいたしながら市中金融機関の御協力をあっせんする、そういう例外的なケースにつきましては、いたしているわけでございます。 以上……。
○田畑委員 労働省にこれもまとめて、いろいろ聞きたいのが多いのですが、ひとつ時間の関係があるから二、三点だけ……。 ことしの五月二十日に労働事務次官の通達で、産炭地域開発事業の実施について、これを出しておいでですね。またあくる日の、ことしの五月二十一日に職業安定局長の通達で、昭和四十四年度の産炭地開発就労事業の実施について、を出しておいでですね。そこで、今回の産炭地域開発就労事業の実施は、産炭地域振興臨時措置法六条の指定地域に限られておる、こういうことになっておるわけでありますが、すでにこの法律とこの予算で具体的に仕事が実施されているところはあるのか、あるいは近く実施されるところがあるのか、この点。 それから、申すまでもなく炭鉱離職者について適用されている緊急就労対策事業については、炭鉱離職者が八五%という雇用の義務づけがなされておりますね。今回の場合は、炭鉱離職者だけでなく、炭鉱に関連する企業からの離職者を含めて七〇%の就労が義務づけられているわけでありますが、実際それだけの離職者があるのかないのか、この問題ですね。課長も御存じのとおり、常磐地域においては、緊就問題について就労ワクの問題で問題が起きたことも御承知のとおりですね。このことは何も常磐地域だけでなく、各産炭地域においても同様のことだと思うのですね。ことに先ほど石炭局の説明によれば、今回新政策発足後大手の三山が閉山をした、そうして直接の従業員六千八百六十名、この人方について見ると、六月末日現在、なお未就職者は二千三百名、こういうことですね。また労働省の説明によっても、早くやめた山ほど就職率はぐっとよくなってきておるわけですね。そういうことを考えてみますと、今度のこの開発就労事業予算というのは、特に炭鉱離職者が停滞、停留している地域と、今後閉山の予想される地域を重点に置いておるわけでありまするが、最近の労働力の流動化並びに人手不足による閉山などがあれば、求人が求職の数倍に該当するような状況を迎えて、はたして一体、人の確保ができるか、この問題ですね。私は、この点について現在どのような状況になっておるかということをひとつ御説明いただきたいと思うのです。 さらにまた、今回のこの産炭地域開発就労事業によって就労する人方については、もちろん失業保険とか日雇健康保険等は対象になる、こう思うのですが、緊就に働く者あるいは失対事業に働く者とこの開発就労事業に働く者との労働条件等についてはどういう差別があるのか。特に聞くところによれば、これはもちろん事業主体と施行主体は違うわけでありますが、施行主体は完全に請負事業でございますから、したがって、緊就や失対事業などの場合は期末手当というのはどうかと思いますが、夏、冬の特別の賃金などの支給措置もなされておるわけであります。こういう面において取り扱いが違うやに聞いておるわけでありまするが、その違いはどういう点にあるのか。さらに、これは労働省全体としての雇用政策として、緊就に働く者あるいは特別失対に働く者、一般失対に働く者を常用雇用に進めていくのが、ことを移していくのが当然の雇用政策のあり方であるわけですが、ここで働く人方についても同様なことだと思うのですが、この点はそのように理解してよろしいか。 結論的に言うと、私は二十五億二千万の予算措置はとられたけれども、これはおそらく実際七〇%という就労ワクを持っておるこの予算を一年間に消化することは無理じゃないかなと感じるのですが、良心的にひとつ関さん、あなたの見通しを答えてもらいたいと思うのです。
○関説明員 お答え申し上げます。 産炭地域開発就労事業の実施地域でございますが、すでに事業を始めましたところは、福岡県の筑豊地域で約四つくらいの事業を六月から始めております。なお今後の見込みでございますが、佐賀県のほうでこの事業を実施したいということで具体的に計画をいたしておりますし、長崎県でもそういう計画があるやに聞いておりますが、その他の地域につきましてまだ地元のほうからそれほど具体的な計画はあがってきておりません。なお私どもはどういう地域に実施するかということにつきましては別段これをどこの地域に限るということでなく、六条地域についてその条件が熟すれば、つまり対象者がおり有効な事業があれば十分考えていきたい、こういうふうに思っております。 それから次の対象者の問題でございますが、御質問にありましたとおり、石炭特会からの財源をもってする事業でございますので、まずは炭鉱離職者を対象とし、それから次に関連産業からの離職者を対象とするわけです。その中でもごく最近の今次の政策に基づく離職者がまず優先するようになるかと思いますが、炭鉱離職者につきましては御承知のとおり手帳制度がございますので、手帳を発給して常用雇用に就職を促進することがまず第一でございます。ただ手帳の発給対象にならない者も炭鉱離職者の中に、ごく少数ではございますが、そういう方もおりますし、またどうしても他地域に移転就職することが不可能だ、こういう者もおります。それから今次の合理化で発生したもののほか、たとえば筑豊地域などでは従来からの炭鉱離職者なり関連産業からの離職者の滞留者が非常に多数おります。そこでこの事業の今年度一ぱいの見通しということになりますと、私どもまだ、筑豊地域だけでなく他地域のことも考えなければいけませんので、現在時点で年度一ぱいの見通しをつけるということば非常に困難でございますけれども、先ほど申しましたような手帳をもらえない離職者なりあるいは関連産業の離職者、それから過去からの滞留しているそういった方々のことを考えますと、相当程度の対象者がおるんじゃないかというふうに思います。ただ現実に公共職業安定所に、この事業に就労したいといってきております者の中には、こういう対象外の人も相当数おるように聞いておりますので、現在安定所で求職申し込みを受け付けて、その人の経歴を調べて対象者たり得る人であるかどうかを調べている最中でございます。一部では非常な誤った考え方から、多数の対象外の人が集まっておるというような話も聞いておりますけれども、その点は安定所で十分調査いたしまして、石炭特会のこの事業にふさわしい人を対象者として選定するということにいまつとめておるところでございます。 それから労働条件のお話でございますが、御承知のように、一般失対につきましては、これは直接、失業者の生活安定といいますか、就労を目的とする事業でございますので、賃金は労働大臣がきめる、就労日数は月平均二十二日、そうして夏期、年末につきましては、国が臨時の賃金というものを出す、こういうことにきまっております。 緊急就労対策事業につきましては、これは請負施工ではございますが、当時のまだ手帳制度ができない前の炭鉱離職者対策といたしまして、二十三日の就労日数を確保しようということで、賃金のほうは、請負制度でございますので、請負業者との間できまりますけれども、就労日数を確保しようということで始まった事業でございます。 今度の開発就労事業につきましては、御論議もずいぶんございましたけれども、失業者に臨時的にこの事業に就労していただき、かつ開発効果をできるだけねらおう、こういうことでございますので、請負施工でいこう、こういうことになっておりますので、賃金につきまして特に政府がきめてということは考えておりません。その点は緊就事業あるいはまた公共事業と同じように請負業者と労働者の契約できまる、こういうことになっております。また失業者の吸収のみを目的とする事業ではございませんので、就労日数を月幾日、こういうふうにきめて実施するわけにまいりませんが、しかし、私ども職業安定機関といたしましては、この事業で就労日数がもし足らない場合には、保険の問題もございますけれども、まずは安定機関として、他の公共事業なりあるいは鉱害復旧事業なりそういったものにできるだけあっせんして、その人の就労の確保をはかりたいというふうに考えております。 なお、夏期、年末につきましては、こういった事業の性格からして、これを支給するということは考えておりません。 最後に、雇用政策として、常用雇用につとめるべきではないかという御意見でございますが、労働省といたしましてその点は当然のことでございまてし、私どもも特にその点は局長通達だったと思いますが、その中で、これに紹介したからといって安定機関の任務は終わったわけではないので、常用雇用につけるように、この事業に就労中であろうとその人に適した求人があった場合には、どんどん常用雇用へのあっせんを進めるように特に言及して、それにつとめておるところでございます。 社会保険につきましては、当然この事業に就労する者につきましては、その雇用形態によりまして、一般保険なりあるいは日雇い保険なりそういったものの対象になるわけでございます。
○田畑委員 終わります。
○平岡委員長 次回は来たる九日水曜日、午前十時委員会を開会することとし、本日はこれにて散会いたします。 午後一時二十四分散会