石炭対策特別委員会 第11号
- 発言数
- 167 件
- 登壇者
- 23 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1969/04/18
会議録
○平岡委員長 これより会議を開きます。 石炭鉱業合理化臨時措置法の一部を改正する法律案、石炭鉱業再建整備臨時措置法の一部を改正する法律案の両案を議題といたします。 質疑の通告がありますので、これを許します。田畑金光君。
○田畑委員 初めに合理化臨時措置法についてお尋ねいたしますが、この法律改正の一番大きな柱は、山ぐるみ閉山の場合に石炭鉱山整理特別交付金を交付するという点であります。で、最初にお尋ねしたいのは、この特別交付金を交付するについて、四十四年四月一日から四十六年三月三十一日の二年間に限ってということになっておりますが、二年を限ったということはどういうことなのか、まずその点を御説明願います。
○中川(理)政府委員 特別交付金の制度につきましては、政策といたしましては、従来の石炭対策から申しますと全く異例かつ破格な措置ということでございまして、できれば一般交付金の制度の一般的な改善によって処理をしたいという気持ちであったのでございますけれども、実態を見ますと、石炭鉱業審議会で調査をいたしました企業実態、その内容というものをつぶさに検討いたしますと、やはりこのような制度がこの際は要る、こういう感じでございます。非常に大きな財政負担を伴う破格の措置でございますので、一元的に考えたり――しかも実態面から申しまして、そのような制度を必要とする実態、内容によっておるものはごく限られておりますので、二年間の暫定期間を設ければ足りる、長くこの制度をしがなくても、この制度の適用を必要とする実態にある会社というものは、二年間内に措置を完了し得るということで、限定をいたした次第でございます。
○田畑委員 その点、政策当局者の意図というものはよくわかりますが、石炭対策特別会計法の一部改正法を見ますると、四十四年度、四十五年度に限り必要なときは予算で定める限度において借り入れ金をすることができる、こうなっておるわけであります。このことは、いまの合理化臨時措置法に基づく二年の時限で、山ぐるみ閉山等の異常な事態は解決できるんだという考え方と呼応しておる石炭対策特別会計法の改正であろうかと見ておるわけでありますが、そのように理解してよろしいかどうか。そうしますと、二年経過後には山ぐるみ閉山ということは起きないであろう、こういう想定でありますが、かりに起きたとしても二年経過後に起きるであろう、山ぐるみ閉山については特別措置の対象にならない、こういうことになるのか。もしそうだとすればその間に政策上の不均衡ということが出てくるわけでありますが、この点についてはどういう解明をなさるのか、明らかにしていただきたいと思います。
○中川(理)政府委員 対策を審議会が考えましたとき、これはいずれにいたしましてもある種の資料を用いまして予測の上でいろいろと考えておるわけでございます。したがいまして予測でございますから、田畑委員がおっしゃいますように予測と違う事態が絶対起こり得ないということは、審議会といえども私といえども言えないのではございますけれども、予測し得る限りにおきましては、先ほどお答えいたしましたように、特別閉山交付金制度を用意しなければならない実態にあると思われるものは、石炭全体の観点から申しますと、二年間くらいで処理を決定しなければならない事態に来るものと判断をいたしたわけでございまして、残りの企業に対しましては再建交付金制度の活用と、今回とりました安定補給金の改善並びに事業団の無利子融資制度という一連の施策の運用よろしきを得れば、そしてまた当該企業が力を出してくれるならば企業ぐるみ閉山というような事態にはならないものという予測を、いろいろな角度での収支予想、損益予想というものを加えて判断いたした次第でございます。なおかつ一般閉山交付金のほうの制度も改善いたしておりますので、それらの企業に対しては、起こり得るとしても、一般交付金による部分閉山というもので処理し得るのではなかろうか。したがって、二年後に実態の変化等がございました場合に、いまの安定補給金その他の諸施策についてあるいは改正をはからなければならない実態が部分的には出てくるかもしれませんけれども、特別交付金制度を二年に限定しておることを変えなければならない実態というものはいまのところ私どもとしては見当たらない、こう考えておる次第でございます。 なお、先ほどおっしゃいました特別会計の収入との関連でございますが、御承知のように特別会計収入は年率一割強の収入増加が出てまいります。それらの点を勘案いたしますと、五年間で四千億円ないし四千五百億円というものが考えられるわけでございますけれども、年度別の収入額から申しますと、そのような増加状況になっておりますので、後半に収入が多くて前半に少ないというような形に相なります。しかしながら、今回の新しい対策はやはり即刻実行に移すべきである。再建交付金等につきましても、十五年の年割り額は直ちに必要に相なりますし、安定補給金を初年度からやっていく、無利子融資も初年度からやっていくということを考えました上に、さらに御指摘の特別閉山交付金の財源というものも要ることになりますので、五年間大体平均化したものとして処置しないと対策を実施に移し得ない、こういう判断から、大体五年間の平均額を初年度から使っていくというつもりで借り入れ規定その他を用意いたした次第でございます。
○田畑委員 二年後にどういう事態が起きるかということは、今日想定しても、またその想定の上に立って論議をしても水かけ論になるわけですから、これ以上ただしませんが、ただ私は、特別交付金の支給を二年に限定したということについては、二年後山ぐるみ閉山というものは起き得ないであろう、こういう想定でありますが、しかしそのような状況を楽観的に予測することもいかがかと思うわけです。したがってこの点について、今後の事態の変化に応じて善処することを強く要望しておきたいと思います。 そこでお尋ねしたいことは、企業ぐるみ閉山によっていろいろな手厚い措置が行なわれるわけであります。一般の金融債務、特に労働債務あるいは一般債務等について、この企業ぐるみ閉山によって今回手厚い措置がなされますが、こればトン当たりどのくらいになるのか。一般の閉山交付金については、いま局長がお話しのように、トン当たり二千四百円から今度は三千三百円というふうになるわけでありますが、これからの二年間に限定して山ぐるみ閉山の場合の特別交付金はトン当たりどれくらいになるものか、これが第一点。 それから第二点としてお尋ねしておきたいことは、いま局長がお話しのように、本年度並びに来年度山ぐるみ閉山等が予想されるので、したがって関税定率法に基づく原重油関税の収入だけではまかない切れないから、ことしの予算措置でも八百八十四億の中で三十七億の一般会計からの借り入れをやっておるわけですね。来年も同じようなことになるであろう。しかし再来年以降はむしろ石炭特別予算というのは漸減する傾向になるのじゃないだろうか。と申しますことは、答申によれば、これから五年間おおよそ四千二百億を石炭の支出に回すということになっておりますが、しかし関税収入の伸び率というのは年を追うて、いまお話がありましたように毎年一割ずつふえていくわけです。四十四年度は関税収入が大体七百七十四億と想定しておるようでありますが、四十八年度になりますと千百四十一億、昭和四十四年度から昭和四十八年度までの間に四千七百億くらい財源が出るわけであります。その中で四千二百億、こういうようなことだとすれば、再来年以降の石炭予算というものは横ばいか漸減するということになるのじゃなかろうか、こういうように見るわけでありますが、大蔵省との折衝の過程でそのあたりはどのような想定のもとに本年度の予算がつくられたのか、このあたりをひとつ明らかにしていただきたいと思います。
○中川(理)政府委員 第一点でございますが、今回の特別閉山交付金制度での実際の支出が一般閉山交付金制度のような考え方でトン当たり額で表示し直してみるとどれくらいになるかという御指摘でございますが、ごく最近まで退職金の具体的内容等をいろいろときめかねておりましたし、最終的に決定いたしました数字で、さほど正確な計算はまだできておりませんけれども、昨日お答えいたしましたような内容で考えてみますと、おそらく約八千円くらいになっておるのではなかろうかと存じます。 それから第二点の特別会計の収入の見方でございますが、これは原重油の関税収入というものの見方にかかわることでございますし、それがまた経済成長率その他と関係のあることでございまして、なお的確には見きわめがつかないのでございますけれども、大蔵省のほうでも五カ年間で大体四千五百億くらいあるのではないか、石炭対策費としてはそのくらいのものは用意するつもりでおりますので、そのワク内においてある程度の部分的な政策の、予算制度の改善ということは、毎年の予算折衝あるいは予算御審議にあたって具体的にきまっていくことだと存じますが、基本的な考え方は審議会の答申もそうでございますし、毎年増加していく原重油関税を永遠に増加度合いのままに石炭の対策につぎ込むということには、国全体の財政収入の使い方としていろいろと議論があるわけでございます。通産省に例をとってみましても、本年度、四十四年度御審議をいただきました石炭特別会計の額というものは、他の通産省の予算から博覧会の費用を除いたものにほぼ匹敵をいたしておるということでございまして、政府全体、審議会の答申、この二つの考え方から、大ざっぱに申しますと、五カ年間の収入は使わせる、四十四年から向こう五カ年間の収入の中で石炭対策をやる、それ以降はその増加のいかんにかかわらず一定のところで横ばいにしてもらうという前提で対策を考えたいということが基本でございますので、さほどこまかい具体的な取りきめをいたしておるわけではございませんけれども、大づかみに申しますと、五カ年間は対策に振り向ける、六年目以降はおそらく五年間の平均額かあるいは五年目末の石特会計の規模というものの横ばいあるいはそれ以下のものとしてものを考えるということが考え方の大筋でございます。
○田畑委員 いまの点についてもう一度念を押したいのですが、お話しのように、この五年間の石炭会計の財源は、原重油関税の収入は四千六百億から四千七百億前後に想定されるわけでありますが、答申はおおよそ四千二百億を目途にしておるわけです。しかし今後のいろいろな石炭事情の変化によっては四千二百億をこす場合もあり得ると考えますが、その四千二百億という点については、弾力的に今後の石炭事情の推移に応じて予算処理ができるような大蔵省との話し合いに、了解になっておるのかどうか、この点が一つです。もう一度そこをあらためて御説明願いたいと思います。 それから三十五条の六の第二項によれば、従業員債務の中で貯蓄金債務については政令で定める利率で押えることになっておるわけでありますが、この政令で定める利率というのは幾らを予定しておるのか、何%予定しておるのか。また私は、今回の政策によって特に一般債務の点に顧慮されたということは前進した手当であると考えておりますが、この一般資材の「その購入に係る買掛金債務その他通産省令で定める債務」こうなっておりますが、「その他通商産業省令で定める債務」とは何なのか。私はここで具体的に、昨年来いろいろ陳情を受けておりまする、これは特に九州地区に多いといわれておりますが、電力用炭納入商社、こういう人方の持っておる債権、こういうものについてはいま申し上げました「通商産業省令で定める債務」の中で見るようになっておるのかどうか、この点。 さらにお尋ねしたいことは、二年がたちますると、結局閉山交付金は部分閉山という想定と局長はお答えになりましたが、トン当たり三千三百円で処理するということになるわけであります。トン当たり三千三百円で処理するということになってまいりますと、賃金債務あるいは金融債務、鉱害債務、一般債務等々についてはどの程度の保証というものがなされるのか、この三千三百円の場合は。この点について御説明願いたいと思います。
○藤尾政府委員 第一の問題だけ私が答えさせていただきますが、これは四千二百億円を弾力的に考えることができるかできないか、こういうお尋ねであったと思います。 私どもは審議会のはじき出しました四千二百億円ですべてが処理できるかどうか、これはやってみなければわかりませんから、これは弾力的に考えられるものということにいたしております。しかしながら、これは無限に弾力的であるかどうかということになりますとそうは言えませんので、やはり弾力性の限界というものもあるわけでございまして、大体四千五百億円をめどにいたしておる、かように御了解をいただきたいと思います。
○中川(理)政府委員 いままでの普通交付金でも同様の取り扱いをいたしておりますので、政令で定める割合は百分の五ということで考えております。 それからその点でお尋ねになりました買い掛け金その他というのはどういうものであるか。抽象的に申しますと、会社が受け取ったものあるいは役務、こういったものの対価ということに相なろうかと思いますが、たとえば請負会社に対する請負代金の未払いでございますとか、いまおっしゃいました販売店、販売業者に対する保証金といったものもこの中で、政令段階で明定いたしたいと考えております。 それから最後にお尋ねになりました三千三百円、平均額で申し上げておりますけれども、これのトン当たり交付金額の算定をどのように考えたか、賃金債務なり鉱害債務なり優先債務、一般債務というところにどれぐらい充当できるものとして考えたかというお話でございますが、九州、本土、北海道と今回は若干たがえて計算をいたしておるわけでございますが、本土の例をとって考えますと、大体賃金債務に対しまして二千四百七十円、鉱害債務に対しまして二百円、優先債務に対しまして三百七十円、一般債務に対して四百五十円、合計額で三千四百九十円。三千三百円と申しましたのは、地区別にそれぞれ計算をいたしたものの平均額を申し上げております。大体かような数字で算定をいたしておるのでございます。
○田畑委員 次にお尋ねしたいのは、七十八条に二項を加えたわけでありますが、これは読まなくても御存じのとおりでありますが、通産大臣が勧告することができる、こうなっておるわけです。そして、石炭鉱業審議会の意見を聞いて、こういうことではありますが、この点は具体的に申しますと、昨日岡田委員の質問に対してお答えになったその内容の中に、石炭鉱業審議会の中に新設する体制委員会に石炭鉱業再編成小委員会と鉱区調整等小委員会を設け、来年八月を目標に企業の統合、販売機構の合理化などの再編成を審議する――来年八月とお答えになったかどうか知りませんが、そういう答えがあったわけであります。今回は答申に基づいて体制部会を設け、さらにその中に小委員会を設けて体制問題あるいは鉱区の再編等について期限を切って企業の統合、販売機構の合理化などの再編成をやろう、こういう方針の説明がございましたが、この場合の企業の再編、統合というのは一体どういうことを考えておるのか、あるいはそれ自体今後考えてもらうのだ、これを審議会で検討してもらうのだということであるかもしれませんが。あるいはまた鉱区の再編、調整の問題等については、これはもうすでにその小委員会で論議をするほどでもなく、もう石炭局自体でいろいろあっせんなり調整なり努力なさっておる、こう思うのですが、こういう問題も来年八月まで待たなければできないのかどうか。新政策が発足した今日、そういう問題等についてはゆうちょうにかまえておる状況ではない、こう考えるのでございますが、この点についてはどういう方針なのか、さらにまた鉱区の調整等について、私がかねて主張しておりますように、やはり鉱区の売り買いということになれば金が必要になるわけでありまするが、こういう点については合理化事業団の無利子融資等の措置が講じられるようになるのかどうか、このあたりひとつ御説明いただきたいと思います。
○中川(理)政府委員 昨日岡田委員の御質問にお答えしましたように、石炭鉱業審議会の中に体制委員会を設けるという通産省の考え方の中には、来年の八月を目途にして石炭鉱業全体の体制面における基本的な構想というものをじっくりひとつ検討してもらうという、基本的な、そしてかつ息の長い問題検討という考え方が一つございます。 第二に、鉱区調整等小委員会ということで申し上げましたように、それまでの間に具体的に詰めるべき――前者に比較すればやや部分的といわざるを得ないかもしれませんけれども、時間的にはただいま御指摘がございましたように焦眉の急になっておるというものもございますので、そういうものを具体的案件に即して処理をいたす、検討していただくというものと、まあ二つのかまえを、二つの小委員会でやっていきたい、こういうことでございます。 前者につきましてはそういう意味合いにおきまして、法律の条文との関係で申し上げますならば、必要であれば通産大臣も勧告をいたすことはやぶさかではございませんし、これは積極的にやるつもりではございますけれども、事が基本的な構想にからむことでございますので、これは望ましいのは当事者がほんとうにその気になってもらうということでございまして、その審議を通じてそういう気持ちになってもらうことが必要であろうと思うわけでございます。そのため先日もお答えいたしましたように、学識経験者を主体とはいたしておりますけれども、労使の代表を参加させて――これにはいろいろと見解の相違があろうと思います。昨年の審議会の審議経過にかんがみましても、よほど距離のある議論が両極端にあるということでございますので、一年余をかけましてディスカッスの間にそれぞれの気合いが合って、自主的自発的に積極的にやろうということを期待したいのでございます。また基本的な体制変更ということになりますならば、審議会に言われて、あるいは通産大臣の勧告を受けて、いやいやながらやるというようなことでいい成果があがるとも私どもは考えないのでございまして、できるだけそういう形が望ましい。しかしながら、必要があれば必要な意見は大臣の勧告ということでびしっと言っていくことについて消極的であろうとは思っておらない、こう申し上げてよろしいのではないかと思います。大臣のお気持ち、政務次官各位のお気持ちを聞いてみましても、この際ひとつ積極的にやってみようではないかということで、以上のように申し上げたのでございます。 なお具体的案件につきましては、現行法でも相当のことができるようになっておりますし、事実部分的に過ぎるという御批判はあろうかもしれませんが、いままでも当面必要なものについては大体トラブルなく解決をしてきたつもりでおります。この際でございますので、もっと徹底してやるということについては業界自身もその気になっておりますし、労働組合のほうにもその機運はございますし、通産省も大いに積極的にやりたい。その際は岡田委員から御提案があったように、使ってない鉱区は供出義務を課してもいいではないかという御意見もあったくらいでございますので、そのことは答弁ではお断わり申しましたけれども、実態の問題としては、さほど大きな対価を提示しなければ鉱区を譲らないということにはいま必ずしもなっていないと思います。具体的案件を見ますと、われわれが考えている金額とあまりかけ離れたことを、鉱業権を手離すほうの当事者が考えていることは、間々ございますが、多い例ではない。しかも話が落着しますときには、相当相手側の譲り受けるほうの立場も考えまして、長期の年賦払いというようなことで、現実的には話し合いがついておる状況でございますので、融資の件も御意見として私どもは検討はいたしますけれども、役所が中に入って積極的な指導をいたしますならば、当面、鉱区調整の問題というものには、さほど大きな困難はないと考えておる次第でございます。
○田畑委員 いまの御答弁のとおり、ひとつ積極的な気がまえで鉱区の調整の問題、あるいはまた今後の企業の再編の問題等については関係者の意見も十分聞きながら、できるだけ合理的な方向を見出す努力を政府においては一そう進められるよう強く要望しておきたいと思います。 次に、私は石炭鉱業再建整備臨時措置法の一部改正法、これについてお尋ねをいたしますが、前回の一千億は肩がわりという名称でやったわけです。今度はこれが再建交付金という名前に変わったわけですが、名前の変わった積極的な理由は何であるか、この点と、それから前回の肩がわりの場合は十年以上の鉱量、さらにまた赤字だ、この二つが要件になっていたわけでありますのに、今回の場合は十年以上の鉱量、そうして希望する山はすべて対象にする、こういうことになったわけでありますが、このように条件を変更なされたということは、こうすることによって石炭産業の安定をはかれるという積極的なメリットを想定してのことだと思いますが、この点についての考え方を承りたい。 それからまた、再建交付金交付の条件の中で特に重要視されたのは、再建整備計画の中に保安計画を同時に提出すること、これが重要な要件になっておるわけであります。従来、生産の前提は保安だ、こういう考え方で政府としても施策を進めてまいったわけでありまするが、したがって、われわれは従前とも保安の問題は十分生産計画の中に取り入れて、再建整備計画を認める、認めないについても、保安と切り離しては考えられなかったことだ、こう見ていたわけでありますが、今回保安計画を再建整備計画の中に明確にうたわれたという積極的な事情は何なのか。特にこの再建整備計画の重要な要素になってきた今後の保安計画の中で、特に重要視される内容は、どういうことを考えておられるのか。あとの点は、ひとつ鉱山保安局長からお答えをいただきたいと思います。
○中川(理)政府委員 前回の一千億円、これを俗称いたしまして肩がわりと申しております。法律的には元利補給契約ということで、同じような名前を使っておるわけでございますが、今回再建交付金という名称を掲げておることには、単に名前の相違だけでなくて、考え方において相当異なるものもあるからそうしたのであろう、それはどういうことであろうかという御質問でございますが、振り返って考えてみますと、前回の一千億円の元利補給を考えましたときの答申の考え方というものは、過去の石炭産業のスクラップ・アンド・ビルド政策の中で、主として閉山処理ということに必要な借り入れ金というものが累積をいたしまして、期間的な損益とかかわりなく根っこにある赤字あるいは借り入れ金ということで、今後の石炭鉱業の再建の足を引っぱっておる。その額が精緻には言えませんけれども、おおよそ一千億ぐらいの元利補給によっていわゆる肩がわりをいたしますならば、石炭産業が将来に向かって生きていこう、努力をしていこうという気持ちになり、そのようにやってもらっておったときの桎梏になっておる重荷というものが断ち切れるであろう、こういうことで考えたわけでございます。したがって要件といたしましては、その肩がわりによってその会社が先行き再建できるということと同時に、そのような足を引っぱっておる重荷が、現実にその会社にあるのかどうかということが前提にあったわけでございますために、いわゆる赤字要件が加えられておった次第でございます。今回私どもが再建交付金制度ということで言っておりますのは、そのような過去の閉山処理に必要であった赤字の処理というものは、前回のいわゆる肩がわりによって解消をしておるわけでございますが、にもかかわらず、再建整備計画の実施が思うにまかせぬ、これは客観情勢の変化もございますけれども、思い切って石炭産業の再建というためには、かなりの犠牲を覚悟してももう一度考え直すべきではないかという御意見が、一昨年の暮れ以来当委員会等でたびたび議論にのぼってまいりまして、あれだけの措置をして、中一年おいてまた次の制度ということには、いろいろ問題が客観的にはあったわけでございますけれども、この際、ほんとうの意味における石炭鉱業の再建というためには、前回の一千億の肩がわりをもってしてもなお超過債務に苦しんで、存続できない会社というものが数社ある。これには特別閉山交付金制度というものでもって処理をしてしまおう、本人がその気になれば。残りの会社につきましては、過去の重荷をどうするということではなくて、前向きにこれからの石炭産業のにない手であるべき企業に対しまして何らかの助成をしたい。助成の方法、手段といたしまして、資金繰りに困っておるという実態と兼ね合わせまして、債務の処理、元利補給、同じような方法論をとりましたけれども、ねらいは、今後の石炭産業を託すべき企業に対して助成を加えてやりたい――助成の一方法論として債務処理という、前回と同じような処理にいたしたわけでございますけれども、ねらいそのものが違っておりますので、その意味におきまして先ほど御指摘のような赤字要件というものを取りはずしたわけでございます。これから石炭産業をになってもらおうという場合に、強い企業こそさらにその負託にこたえてもらうべきである。そうであれば、先行きの問題、いろいろなことを考えますと、これらにもかわってやろう、したがってまた、途中経過ではかりに一時的に黒字に転ずることがございましても、前回のような肩がわりの打ち切りというようなことはしないということで、あくまでも将来の再建を託して助成をするという考え方でものごとをきめてきた次第でございます。
○橋本政府委員 今回の再建整備計画の中に保安の長期計画というものを織り込みました意味でございますが、およそ企業の経営を長期に見ます場合に、これがほんとに再建し得るかどうかという場合は、幾つかの条件を完全に満足しないと、とうていその見込みが立たないわけでございます。しかも保安は御承知のように石炭再建の大前提というふうなことでございますので、保安上長期的な観点から見まして各種の要素が充足されなければならない、その要素がすべて充足されて、その上で、はたして経営自体がどういう姿になって再建し得るかというふうな観点から長期の保安計画というものをこの中にまず取り入れ、その十分な達成をはかった上で長期の経営計画というふうなものを見通していきたいという気持ちからでございます。 この中に織り込みます事項といたしましては、いずれにしましても長期の問題でございますので、細部の点につきましては毎年度の保安計画ということでやってまいりますが、端的にいえば、物的な面、人的な面、資金的な面というふうに分かれると思うのでございます。たとえていいますれば、物的な面といたしまして将来の採炭をやっていくのに余裕を持った掘進というふうなものを想定した場合に、どの程度の掘進のめどをつけることが適当であるかといったようなものを、この中に物的な面として入れてもらい、その他いろいろな保安機器の整備といったようなものも、操業に十分マッチしたような形においての保安機器の整備をはかる姿はどうであるかというふうなことを織り込んでいきたい。それからまた労務の面におをきましても、将来の採炭のためにどの程度の人的な異動が予想されるか。それに対して、たとえば保安のために必要な保安係員なり保安の技術者なりといったようなものはどういうような姿で確保する見通しであるかといったようなことを検討したいと思っております。したがいましてそういったものの集約になるかと思いますが、資金的な面といたしまして、全体を通じまして、全体のいわゆる操業資金の中で保安の関係の資金がどういう姿で推移するかといったようなことを織り込んでいきたい。こういった問題についての具体的な内容は、そういったものについて一つの大きな角度から長期的な見通しに立って、個々の問題については毎年度の計画でこれを実施し、十分検討していくというふうな方法をとっておる次第でございます。
○田畑委員 石炭局長にまずいまの御答弁に関連してお尋ねしますが、一千億の再建交付金を支給する今回の場合は、先ほど申し上げたように前回の一千億の肩がわりと条件が異なるわけで、また個別企業においてもこれを受けたい山ということになってまいりますと、再建交付金をもらったほうが得か、安定補給金をもらったほうが経営上プラスか、こういう判断で、したがって前回は一千億まるまる肩がわりに充当されたが、今回の一千億の予定額というものはおそらく下回るのじゃないか、こう判断するわけですが、再建交付金について一千億のワクの消化の見通し、これはどのように算定しておられるか、これが第一の質問。 第二の問題としてお尋ねしたいことは、再建交付金契約の内容は、第一は金融債務、第二は四十三年下期の経過金融債務、第四は従業員債務、こういうことになっておりますが、特に先般来の質疑応答によりますと、従業員債務、経過金融債務、これが済まなければ一般の金融債務の返済には入らない、こういうことでございます。そのような優先債務を順位を立てて処理されることは当然のことだ、こう考えますが、従業員債務ないし経過金融債務、こういうものが済むまではということになってまいりますと、今後予想される再建交付金の交付にあたって、一体一般金融債務に充当するのにはどれくらいいわゆる政府機関と申しますか、これが必要であるのか、この点をひとつお尋ねしておきたいと思うわけです。 それから鉱山保安局長から、今後の保安計画に取り入れる内容等についてはかくかくであるということをあげられましたが、保安の問題については十二分以上にひとつ今後とも人的、物的面において配慮されることを強く要望したいと思いますが、この間、ことしの四十四年度要求額の十六億七千万余の予算の中で、石炭鉱山保安確保費十四億二千六百四十二万、この中のいろいろな保安専用機器の整備拡充であるとかあるいはガス抜きの促進であるとか、密閉の促進であるとか、こういうことを取り上げられておりますが、あのとき特に私が質問して、今後の方針をお尋ねいたしました。いわゆる機械化による完全充てん払いのメリットについてどのように見ておられるのか。私の知る限りにおいては、切り羽の温度が著しく低下する、あるいは重圧とか自然発火、出水、ガス、地表沈下の防止等に非常な効果があり、保安の面からあるいは生産の面から鉱害の面から大きなメリットがあるということを承知いたしておりますが、こういう点等について、大きな意味における保安対策として今後取り上げる用意があるかどうか、いま一度お尋ねしておきたいと考えております。
○中川(理)政府委員 お答えいたします。再建交付金の予定といたしまして、一千億円を限度とするということしか法律にはうたっておりませんけれども、私どものほうでは前回の肩がわりを受けた会社というものを一応頭の中に置きまして、その中でかなり明瞭な意思として、先ほど御指摘のございましたように再建交付金の交付を受ける社とそうでない社とでは、安定補給金の額をたがえております。しかもそれを会社側の選択にゆだねておりますので、かなりはっきりしたものとしておそらく安定補給金のほうに回るだろうというものをはずしまして、残り、不確定な要素もございますけれども、再建交付金の交付を受ける可能性のあるものをリストアップいたしまして、それらに対しまして一千億円を出すという前提で計算をいたしたわけでございます。その中には今回会社解散を決意いたしまして、特別交付金の交付を受けて閉山しようという明治、杵島も入っておりますので、これらのものは一千億円の再建交付金の予定額の中から、その社が受けたであろうものを差っ引くことにいたしております。なお今後中小炭鉱等が再建交付金の交付を希望してくるかどうかというのは、いましばらく時間が要ると思いますけれども、おおよそのところ、いまの三社を引きまして八百五十億円くらいの額を配分することになろうかと考えております。その際金融債務は大づかみに申しまして六百六十四億程度と考えております。従業員債務等のものが百八十六億円程度のもの、こう考えております。先ほど御指摘の経過金融分はこの金融債務の六百六十四億の中に含めて考えるわけでございます。 そこで、法律で定めておりますように、経過金融分と従業員債務の分は優先償還という考えをとっておりますので、その分は一般の金融債務から申しますと、据え置き期間を設けて、これら優先債務の償還が終わったあとでそれの償還に入っていく、こういうことで考えておりますが、それがどれくらいの期間に相なるだろうかということは、この従業員債務あるいは経過金融の分を大きく持っておる会社とそうでない会社と、事を分けて考えなければならないわけでございます。したがって従業員債務に手当てをすべきものがない、経過金融も受けていないという会社にとりましては、配分された額の元利補給が初年度から始まっていく。そうでない会社は優先償還が終わってから。これにはこの額の多寡によりまして差等があると存じますけれども、長いもので優先償還期間が三年半くらいになるものがあるかもしれない。あるいは四年くらいのものも出てくるかもしれません。いま正確には、個別のことでございますのでまだ見きわめをつけておりませんけれども、大体その程度ではなかろうかと考えております。 なお、この再建交付金の交付を希望するためには、当該石炭企業が借り入れをしておる銀行との間で話をつけて、契約変更をして持ってこなければいかぬわけでございます。そこでいまの私どもの試算は、すべてこの話がついて希望してくるだろうという前提に立ってお答えを申し上げたわけでございますが、銀行協会とは私のほうでいま接触をいたしておりまして、ただいまのところ大ざっぱな感触を申し上げますならば、前回の肩がわりと異なりまして期間が十五年になった、金利は三%にカットしたというところから、金融機関としては非常にこの条件はきびしいという不満の意を表してはおりますけれども、石炭鉱業再建のために金融機関もひとつ犠牲を応分には負うということで、協力すべきだということで話をしておりますが、感じとしてはきびしいという受け取り方はいたしておりますけれども、結局は総体としてこの契約を更改をいたしまして参加するであろうという感触を最近にはつかんでおりますので、先ほどお答えした想定数字とあまり変わらないことにはなるだろうと思っておりますが、もし金融機関と話のつかない企業が出てまいりますと、その分を減額いたしまして、そのかわりより高い安定補給金をその企業に渡していくということになるはずでございますが、いまのところまずまず予想どおりに事は運ぶものという感じでおります。
○橋本政府委員 充てん払いの保安に占める役割りは先生のおっしゃいましたとおりに非常に大きな地位を占めております。自然発火、ガス爆発、坑内出水、坑内の温度が高くなったといった場合大災害につながる大きな原因を排除するためには、充てん払いというのはきわめて効果ある方法と考えております。そればかりでなく、昨年の五月に起きました美唄の山はねと同時に起きた自然発火、こういうようないわゆる山はねというような特殊な現象につきましても、現在の技術の段階としましては、こういう充てん方式というものをとることが必要ではないかといわれておるような大きな役割りを持っております。したがいまして、これにつきましては、われわれも何とか助成の道を考えたいというふうなことで検討をしてまいったのでございますが、残念ながら充てん量を明確に測定する方法がきわめてむずかしく、そのために本年度の予算といたしまして、その補助対象には出し得なかった点でございますが、少なくとも機械充てんならばほぼ正確にその量も把握できるであろうというところまで検討が進んでまいりましたので、明年度以降におきましては、十分この点は配慮して補助対象としたいという気持ちを持っておる次第でございます。
○田畑委員 私は政務次臣に、大臣にかわってという意味で特にお尋ねをし、決意のほどを明らかにしていただきたいと思いますが、いま局長からも御答弁がございましたように、今後この新政策がうまくいくかどうかということは、どうしても石炭金触が円滑にいくかどうかにかかっておるのじゃないか、こういう見方をとっております。先ほど石炭局長のに話がございましたように、前回の一千億の肩がわりの場合は、財政資金については十二年、金利は六分五厘、市中資金は十年、金利は五分ということで処理されたわけであります。ところが今回のそれは財政資金、市中資金ともに償還期間は十五年、延びているわけです。そして利率は年三分、これを半年賦の均等償還、こういうことになってくるわけでありますが、利率三分ということになれば、銀行の資金コストを割る利息になるわけでありまして、しかもこれが十五年、こういうことになるわけです。さらに先ほど前段で質問しましたように、今回の肩がわり措置にあたっては、従業員の債務それから経過金融債務、これを優先に支払っていくということになっていきますと、長いところでは三年ないし四年、従業員債務あるいは優先債務の支払いのために銀行は据え置き期間で返済を受けられない、こういうことになってくるわけであります。石炭局長の答弁によれば、幸い、銀行協会等においてはむずかしいが、何とか協力しよう、こういう気持ちに傾いてきたということで、その点は安心いたしまするが、しかし、銀行が肩がわりをするについては、個別の企業と契約をとらねばならぬ。その契約をとるについて、一体、個別企業が銀行に話して、銀行がこれに応じるかどうか。これは強制措置をとることもできることでもございませんので、そこに私は多分に疑念を持ち、不安を持つわけでありまするが、この点は、大臣、政務次官、大いにひとつ御努力願って、銀行協会の指導のもとに、個別の金融機関が協力を願わなければ、金融の面から、石炭の経営の立ち直りが、あるいは先行きが非常に不安であり、危険である、こういうことが予測されるわけで、この点について、この際大臣にかわって政務次官の見解をひとつ承っておきたいと思います。
○藤尾政府委員 ただいま局長から申し上げましたとおり、今回の再建計画といいまするものは、従来の肩がわりといわれる救済措置と異なりまして、性格が、将来の石炭産業といいまするものの価値の拡大のために支払われる性格のものでございます。したがいまして、石炭産業がこれから先、先行きに悪いという予測を持ってやるべきものでございませんので、先行きを明るくするためにやるものでございます。したがいまして、そういった措置をとられまして、先行きにはっきりした光明を見出すべき計画をお持ちになっておられまする産業に対しまして、銀行が前向きの形で協力をする。これは銀行にとりましても決して無理なことではない。多少はある期間御犠牲を払っていただかなければならない面があるわけでありますけれども、将来に対しましては、さらに発展をした形で債務の回収ができ得る素地が固められるわけでありまするから、銀行の側が大局的な判断に立って、しかも日本の産業全体に対しまする一つの使命感というものにもお考えを及ぼしていただけまするならば、この石炭界に対しまする金融に際しまして、運転資金の面で十二分な御協力をいただきたいとわれわれも思いまするし、また、そのようにしていただかなければ、せっかくとりました措置といいまするせのが、花が咲かない、実りを見ないというようなことになっては一大事でございます。したがいまして、私ども、通産省というような狭い考え方でなく、日本全体の産業に対しまする政府の使命といたしまして、私は、政府の機能をあげて、大蔵大臣はもちろん、通産大臣はもちろん、総理大臣はじめ政府一体になってこの金融界に御協力を願う、こういう姿勢をとるべきである、またそういうふうにとっていただきたい、とらせるというようなことであろうと思います。したがいまして、銀行協会側が政府の一つの考え方というものに御賛同願って、一つの方針を持って、積極的に前向きの形で御協力を申し上げたい、こういうように思っていただいておるということは、私どもといたしましてもきわめてありがたいことでございまするし、日本の産業界全体にとりましても、金融界が占める使命というものから考えましても、非常に賢明な、しかも責任ある措置である、かように私は考えます。したがいまして、私ども政府側だけでなく、積極的に金融界の御協力をちょうだいいたすべく緊密な連絡をさらに一段と高めてまいりたい、こういう所存でございます。
○田畑委員 政務次官は昨年の内閣改造で就任されて、まだ日はそう長くないのですが、石炭問題について非常に熱心に取り組んでおられることに敬意を表しますが、どうぞひとつそういう気持で大臣を補佐されて、いま申し上げた点については格別の御努力を願いたい、こう思っております。 それから、この再建整備法の改正の中で損失補償の特例というものが今回とられておるわけであります。要すれば、銀行から担保をはずしてもらって、さらにその担保を提供して運転資金の調達に充てさせる、これは非常に賢明なことだと思いますが、問題は、一体、銀行が有価証巻なりその他不動産なり、大事な担保物件をはずすのに協力してくれるかどうか、これが第一点。 それから、この特別措置は「昭和四十五年三月三十一日までに」と、こういう一年間の期間を限っておりますが、これはどういうことで一年の時限を限ったのか。さらに、こうして融資した金融については、昭和四十九年四月一日以降当該炭鉱が閉山する場合は特別に補償措置をはかることにしておる、こういうことになっておりますが、そこで、四十九年四月一日となりますると、五年後ということになるわけでありますね。だから、今回の再建計画というのは、十年の鉱量を少なくとも持たねばならぬ、こういう想定で立てられた計画が、いまのこの特別な措置を見れば五年というようなことになってくるわけで、その間の矛盾はどのように説明すべきであるのか。昭和四十九年四月一日以降もしその山が閉山した場合には、これについては特別措置を講ずるということは、一〇〇%この金融については保証するという意味であろうと考えますが、その点はそのように理解してよろしいか。ことに、この特別措置を実効あらしめるためには、先ほどの問題より以上にこれは問題点があるやに私は読むのでありますが、この点について、局長としては、この特別措置が有効適切に活用できるような道をどのようにして講じられようとするのか、このことを明らかにしていただきたいと思います。
○中川(理)政府委員 担保はずし金融の制度は、石炭企業がただいま資金融通を受ける上に非常な困難に逢着をしておるという実態から見まして、合理化事業団の無利子融資制度を中心にして今後の投資需要をまかなっていくという基本的な考え方を石炭鉱業審議会が決定いたしました際に、あわせて市中金融の円滑化をはかる方法といたしまして、相当長い時間をかけまして、議論に議論を重ねた結果、生み出してきた構想でございます。通産省もこの考え方に全面的に賛成をいたしまして、いろいろと詰めて、ただいまの法律案にまとめた次第でございます。 そこで長期の設備資金を合理化事業団が主体になってやっていくといたしましても、やはり企業としては、あらゆる資金需要を全部国の機関に依存するという姿勢はとってもらいたくない。可能な限りは努力をしてもらいたい。しかしながら金融機関に、かりにその石炭企業に対してめんどうを見ようという気持ちがありましても、なかなか踏み切りがたい事態というものがある。したがって、具体的には提供する担保物件が払底をしておるというところに障害があるということから、この制度が生まれてきたわけでございまして、再建交付金というものによって、元利補給をやっていきます限りにおきましては、当然に元本償還が進む度合いに従って、その借り入れ金の担保になっておるものが逐次はずされていってよろしいはずであるという理屈は、一般的にはいえるわけでございますけれども、担保というものは一般的にいいまして、企業全体に対する根抵当的な観念でとらえられていることが多いわけでございまして、全借り入れ金額が完済されないと、なかなか部分的なはずしというものが行なわれない。 もう一つの心配は、はずしてしまったあとで、当該会社が倒産するという事態になったときにどうなるかというのが、銀行側として担保はずしに踏み切りがたい最大のポイントである。御承知のように、前回の再建整備法の考え方では、会社が解散いたしましたときには元利補給契約によりまして、将来にわたる償還を約束したものにつきましても、その時点で抵当権を行使してもらった上で、なお回復できないものの二分の一を国が損失補償いたします。こういう制度になっておったわけでございますので、担保はずしを行ないますと、どういたしましても二分の一、国からもらう額というものとの見合いにおきまして、銀行側のかぶりが大きくなる、こういうことでございまして、この損失補償について特例を設けて担保抜きをやったものについて、その相当額を、二分の一原則に加えて補償してやるということにいたさないと、金融機関側から見て、担保はずしが不利になる、こういう実態がございますために、今回の制度を考えたわけでございます。しかしながら、この制度は、あくまでその企業が再建のために必要であるという金を調達する場合に、金融機関側の協力を求めて、そして万が一の解散時点における損失補償については、通常則よりも国の支出の多くなる形で、この損失補償の約束をするということでございますから石炭鉱業の再建のために必要な資金需要のために、国が場合によっては普通の状態よりも金を多く出さなければいかぬということを覚悟したわけでございますから、それ相応の制限はあってしかるべきであるということから、少なくも五年間は再建のためにということである限りにおいては、企業の存続が前提となるであろう。これをまた、ただいまの御指摘のように十年というようなことにいたしますと、ますますもって銀行側が不安に襲われる。この制度の円滑な実施が行なわれない、こういうことになります。そこで先日もお答えいたしましたように、鉱量要件としては十年ということは要求いたしておりますけれども、実際の再建整備計画そのものは五年間はがっちり見るということでございますので、政府が認めた五カ年間の計画というものを踏まえて金融機関が踏み切ってくれるということであれば、これが一つの理屈にはなるのではなかろうか、こう思うわけでございまして、政府がアプループした五年間の計画というものを信用して、銀行が協力してくれるということが可能であれば、少なくとも五年間の存続ということは、ミニマムの要件であろうということで五年以内に解散する事態には、この特別の損失補償は行なわない。通常則に戻るという定めにいたしたわけでございます。 それからまた担保はずしの制度というものは、なるべく早い時点で再建交付のための企業と金融機関の契約変更の際に、担保はずしについての見きわめをつけてもらうというのが望ましいのでありますが、ここで一年間猶予期間をつくりましたのは、さらばといって必要でもない金を、この元利補給契約をするときに、もう借りなさいということを言う必要もないわけでございますので、まあ一年間くらい置いておけば、その間に企業と金融機関の間で担保はずしについての基本的な話、さらに具体的な詰め、どの物件をどうするかということもできるであろう、この所要時間を念頭におきまして、できれば元利補給契約を結ぶときに、もう担保はずしの約束を取りつけたいところでございますが、あえて一年間の猶予期間を置いたわけでございます。 なお、法律的には、その借り入れ金の残高が、五年後の時点になければならないということにしておりまして、これで借り入れたものの等額がなければならないということを必ずしもいっておらないことと、ある期間についての借りかえも、前の借り入れ金と同じように考えるという条項も起こしておるわけでございます。 そこで、これらのことが円滑に行ない得るかどうか、どの程度適用できるかどうか、これに対して国がどのような指導を行なうのかということが田畑先生の御質問だと思いますが、これは金融機関と石炭会社との間の話し合いによるべき事柄でございまして、金融機関にその気がない、あるいは石炭会社の説明する将来の見通しについて金融機関が納得し得ないほどの不確かなものであれば、これは政府が幾ら口を聞いてもだめな話に相なりますが、要は企業側にそう長いことを申しておるわけではございませんので、五年間について十分な説明材料を持っておれば、これは円滑に進むのではなかろうか、その間、私どもが間に立って、計画を承認するというたてまえの上で、企業側を見た判断というものを銀行に説明してやることによって、これが円滑に進むということであれば、これは積極的にその道を講じてやりたいと考えておる次第であります。いかんせん、まだそこまで話がいっておりませんので、この制度によってどれくらいの市中金融が動くであろうかということは、現在時点では的確にはつかみ得ないと正直に申し上げるよりほかないのでございますが、ある程度のものは期待できると私どもは信じておる次第でございます。
○田畑委員 話はちょっと変わりますが、石炭局長に、この産炭振興の関係で、ひとつ十分配慮してもらいたいことは、産炭振興事業団で工業用地を造成する。まあ、工業用地を造成するにあたっては、場所の選定、いろいろありまするが、特に産炭地の地域を土地造成するにあたっては、これはまた、たとえばボタ山の処理などからいっても、将来の鉱害防止、危険防止のためにこれは必要なんですが、そういう場所というのは、工業財団で金融機関に担保として入っておる。また、今回の肩がわりあるいは再建交付金によって処理するといたしましても、十年ないし十五年は金融機関が担保物件として確保する。そういうことになってきますと、かりにある地域で炭鉱が閉山をした。そこに工業用地の適性地が、適性規模の用地があるといたしましても、なかなかどうも、金融機関との関係等があって団地の造成もできない。まあ、こういうところ等については、やはり実情に即するように行政措置がとられることが、私は、産炭地の振興から見ましても必要なことではなかろうか、こういうことを痛切に観察しておりまするが、こういう問題等について、今後は検討してもらいたいと思いますが、その用意があるかどうか、ひとつ御所見を承っておきたいと思います。
○中川(理)政府委員 閉山炭鉱のあと地を、産炭地域振興の意味における工業団地等の造成の場合に優先的に配慮すべきである、その際、金融機関の抵当権の関係その他がある場合も、政府は積極的にこれらを解決する努力をすべきであるという御趣旨であると思いますが、全く御意見のとおり、産炭地域振興事業団がその土地を取得するということでございますれば、公的機関として、金融機関とそれぞれの立場で十分話し合いができると思いますし、役所の関与し得る余地も、普通の市民が、一軒一軒の人が持っておる土地を入手するという場合と異なりまして、よほど話がしやすいはずでございますので、御指摘のとおり、御趣旨に沿った積極的な利用を考えたいと思います。
○田畑委員 もう一つ、今度は、話、角度が変わりますが、石炭局長であり鉱山局長である中川さんにひとつお尋ねをしたいのですが、実は三月十八日の衆議院の本会議で、私、政府に石炭政策の質問をいたしました。そのとき、福島県のいわき市で起きておる常磐炭鉱の鉱区問題と、もう一つは、県が計画しておる工業団地の造成、この問題についていろいろトラブルが起きていることはあの節指摘したとおりであります。 ところで、あの質問の中で、知事の鉱業法上の権限はどの程度あるのか、こういうことをただしたわけでありますが、大平通産大臣は明確に「お尋ねの知事の権限でございますが、鉱業の実施を制限する権限は、鉱業法上知事にはございません。」こうはっきり言い切っておられますので、これで鉱業法上の知事の権限の問題は明確化されたわけでありまするが、とにかく、その後も問題が尾を引いておるということ、ことに、常磐炭鉱としては、昭和二十八年に採掘権を取得して、昭和二十七年以来試錐をして、探炭ボーリングをやって、かれこれ三十本を打って、そうして今後の採掘区域として予定した地域が、たまたま県の工業団地造成の場所と競合してしまった。すでにこの地域については、施業案の認可も得ておる、こういうことであります。しかし、その地域はまだ山林原野であって、全然未開発の地域であるわけなんです。この地域のもし採掘が押えられるということになってきますと、常磐炭鉱は生命を絶たれてしまう、こういう重要な鉱区でございまするが、そこで、問題としては、今後、石油精製の特定設備を設ける、あるいはこれに関連して石油コンビナートを建設する。こういう地上の施設と地下採掘との調整をどうするか、こういう問題であるわけであります。工業用地の造成については、たまたま通産省の企業局の立地公害部でこれは所管しておられるようでありまするが、この地域ば、先ほど申し上げたように、新産都市であり、新産都市建設法に基づく指定地域になっておるわけでございます。したがって、この問題は、企業局と鉱山石炭局との話し合いということにもなるわけでありまするが、その後この問題がどのように進んできておるのか、この点が一つであります。 ことに、実は先般、知事が参られて、関係者に十分話し合いをなさったということを、その後の地元の新聞で私は拝見いたしましたが、知事の談話によれば、富士興産は年内に石油精製工場を福島で建設する見通しになった、こういうようなこと等も伝っておる。こういうものは新聞記者発表でなされておりまするし、また、企業局と石炭局との間で調整するということで早急に話がつくであろう、こういうようなこと等も談話で出ておりまするし、この問題については、結局、地上施設が優先する、こういうふうな形で処理されるであろうというような談話も出ておるわけでありまするが、ことに、真偽のほどは明らかでございませんが、この知事談話の中に、常磐炭鉱は、単にいま問題となっておる大劔工業団地の周辺だけでなく、既存の日本水素、呉羽化学、日本化成など大きな近代工場の下まで掘っていくんだという発表が出ておるんで、これは私は、石炭支局などへ行って調べてみたが、そんなことは全然ない、事実に反することで、これはたいへん不安を助長する発言だと私は見るわけでありますが、この問題については、通産省としても十分ひとつ実情に即して処理していただくことが大事だと思うのでありますが、企業局あるいは鉱山石炭局の間ではどういうような話し合いになっておるのか、あるいはこの新しい石油企業の誘致等についてどうなっておるのか。私は、もちろん石油精製工場が出てくることあるいはそれに伴って石油コンビナートができることについては大いに歓迎するものであります。ただし、やはり公の害、産業公害等が起きないような形の工業の誘致、発展を希望するわけでありまするが、この問題についてその後どのように進捗しておるのか、この際鉱山石炭局長からお聞きすると同時に、企業局長なり公害立地部長がおいでになっておるならば、そのあたりの事情もひとつお聞かせいただければ幸いだと思います。
○中川(理)政府委員 この問題は私も承知しておりまして、先般福島県知事が私に面会を求めていらっしゃいましたので、お会いして話をいたしておいたのでございますが、鉱業法上の問題点は、大臣がお答えになりましたように、都道府県知事が鉱業の実施を制限する権限はないわけでございまして、一般的に石炭の鉱区があるところに工場を設置する計画が出てきて、相互の権利関係が競合する場合の処理というものは、本来民事上の問題として当事者間の協議によって自主的に解決される、その際補償なくしてはおそらく地上側で話がつけ得るはずがないというのが原則でございますが、知事にお会いした感じでは、どうもこれら法律的問題について、県の事務当局が知事に的確な説明をしておらぬのではないかと思われる節がございまして、この辺のところはひとつよく御勉強くださいということを申し上げておきました。 なお、常磐炭鉱の計画その他について県側が聞かしてもらえないという御不満を漏らされておりましたけれども、これは何か実際上の問題として県側にも的確な判断ができるような材料というものを何らかの形でつくってあげたほうが、誤解が少なくて済むのじゃないかと思っております。 なお、石油精製工場につきましては、御承知のように石油業法によりまして特定設備の建設そのものが通産省の許可事項、認可事項に相なっておりまして、しかもそれは石油審議会の答申がなければできない事柄でございますので、いまの段階で見通しがあるとかないとかいう話は、私のほうとしてはきわめて迷惑な話でございまして、審議会でどういう結論が出るか、それらを待った上でなければ、見通しといえども言えないことだと私は考えております。 なお、先生もおっしゃいますように、全体の地域開発の意味合いで鉱業権との矛盾なく福島県の開発が進められるということは望ましいことでございます。鉱業実施上の実情とそれらの開発計画がそれぞればらばらに進むということになりますと、後日トラブルを起こすもとになりますので、私のほうも立地担当のほうとは十分連絡をとりまして、今後慎重に処理いたしたいと考えておる次第であります。
○工藤説明員 ただいま御指摘の点につきましては、私ども鉱山石炭局のほうと連絡をとりながら現在のところ県の部長と過去の経緯その他の事情を聴取するということにして、なおその間におきまして鉱山石炭局とも十分調整をはかってまいりたい、かように考えております。
○田畑委員 この問題については、ひとつ政務次官も私の質問あるいは局長の答弁をお聞きになってよく御理解願ったものと考えますが、十分実情に即して――また私が特に要望したいことは、御承知のように常磐共同火力というのも産炭地域対策としてでき上がっておるわけで、来年の秋に七号基が完成しますと投下資本三百五十億、そしてまたこの石炭の消費量は二百五十万トン、そのうち二百万トンは常磐炭鉱、こういうことで、したがって、常磐炭鉱の採掘の問題というのはいろいろな面に波及する重要な問題をかかえておりますので、そういう実情を踏まえながら、しかしまた同時に新産都市として新しく発展していかねばならぬ地域でありまするから、石油精製工場の設置の問題等については、いま局長答弁のとおり石油業法に基づく特定設備としての許可基準というものもありまするが、そういう条件等も十分勘案しながら両者が併存できる道を講ずるように大局に立って処理されることを私は切に希望しておきたいと思っております。もしこの点について政務次官から御所見を承れれば伺いたいと思います。
○藤尾政府委員 御指摘の点につきましては大臣をはじめといたしまして私どもも承知をいたしております。したがいまして、この点につきましては、先ほど中川局長から申し上げましたとおり十二分に調査をいたしまして、そうしてかつ県側にもいろいろ御言い分もございましょうから、その調整をはかりながら御満足のいく解決に持っていくために全力を尽くしてみたい、かように考えております。
○田畑委員 通産省に対する質問はこれで終わります。
○平岡委員長 午後零時五十分委員会を再開することとし、暫次休憩いたします。 午後零時十九分休憩 ――――◇――――― 午後一時一分開議
○平岡委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 石炭鉱業合理化臨時措置法の一部を改正する法律案、石炭鉱業再建整備臨時措置法の一部を改正する法律案の両案を議題といたします。 本日は両案審査のため、参考人として意見をお述べいただくため、日本石炭協会会長大槻文平君、日本石炭鉱業連合会顧問植田勲君、北海道石炭鉱業協会副会長町田叡光君、日本炭鉱労働組合中央執行委員長山本忠義君、全国石炭鉱業労働組合書記長早立栄司君及び全国炭鉱職員組合協議会議長佐藤栄一君が御出席になっております。 各参考人には御多用中のところ御出席をいただきましてまことにありがとうございました。参考人各位には両案につきましてそれぞれのお立場から忌憚のない御意見をお述べいただきたいと存じます。 それではまず大槻参考人にお願いいたします。
○大槻参考人 私は日本石炭協会の会長をいたしております大槻文平でございます。 石炭問題につきましては、かねてから本委員会の先生方に格別の御配慮をいただいておりますが、本日はまた新石炭対策について業界の所信を申し上げる機会をいただきまして心から感謝申し上げる次第でございます。 初めに私はこの席を借りまして、茂尻炭鉱の変災に関しましておわびと御礼を簡単に申し上げさせていただきます。 御承知のように、去る四月の二日に私ども全員炭鉱であります雄別炭鉱会社茂尻鉱におきまして不幸変災を引き起こしました。大ぜいのとうとい人命を損傷し、かつ多大の迷惑を社会各方面に及ぼしましたことにつきましては衷心からおわび申し上げる次第でございます。その節は本委員会におきましてはさっそく調査団を御派遣いただく等いろいろと御配慮いただきまして、まことにありがたく感謝申し上げる次第でございます。その後通産大臣からもきびしい御戒告をちょうだいいたしまして、私ども協会といたしましては評議員会を開きまして、今後災害の撲滅に全力を尽くすことを申し合わせいたした次第でございますので、御了解願いたいと存ずる次第でございます。 さて、石炭対策新政策に対する私どもの所信でございますが、昨日の朝私ども評議員会を開きまして、一致の意見としてただいまからその所信を申し述べたいと存じます。 新石炭政策につきましては、昨年末の石炭鉱業審議会の答申、本年初頭の閣議決定を経て、さきに四十四年度予算が成立し、いまや国会においてその実施を定める法律案が審議中でございます。 石炭業界といたしましては、今日に至るまでの政府、国会、石炭鉱業審議会、その他関係各方面の石炭産業再建に関する長期間にわたる一方ならぬ御努力と御支援に衷心感謝と敬意を表しておるものでございます。 現行の抜本対策実施後、日ならずして新対策をお願いせざるを得ないような事態に立ち至ったことにつきましては、客観情勢のいろいろの変化はあるにせよ、経営責任者として見通しの甘さ等至らぬこともございまして、その点深く責任を痛感いたしておるものでございます。 今回、政府、国会の御腐心によりまして多額の国費を投入して、破格の対策が確立されようとしておりますときにあたりまして、ここにわれわれの決意のほどを明らかにしたいと存じます。 新対策が実施に移されました暁には、われわれは企業が負うべき経営責任を十分に自覚しまして、石炭鉱業再建の前途に横たわる諸困難を渾身の努力を払って克服し、国の援助にこたえたいと存じます。 これがため各企業としては、労使関係の改善の上に立って労使一体となり、一そうの経営刷新につとめることはもちろん、業界全体として共同共助の体制のもとにできる限りの合理化メリットの追求につとめたいと存じております。 以上、国民の期待にこたえるべくわれわれの新たなる決意を表明した次第でございますが、今後とも一そうの御指導、御叱正を切にお願い申し上げる次第でございます。 以上でございます
○平岡委員長 次に、植田参考人。
○植田参考人 私は日本石炭鉱業連合会の顧問をしております植田勲でございます。 石炭鉱業の非常な困難な事態に対しまして、その再建安定対策につきまして、再三にわたり御高配を賜わり、深く感謝申し上げる次第でございます。 国会の諸先生方をはじめ関係各方面の御支援のもと、われわれが辛苦経営に当たったにもかかわらず、また新たなる政策を必要とする事態に立ち至りましたことは、経営者としてまことに申しわけなく思っておるものでございます。 昨年の十二月二十五日の石炭鉱業審議会の答申につきましては、われわれ中小炭鉱としましては多々不満の点もございましたが、諸先生方の格段の御尽力によりまして、安定補給金について特に中小炭鉱に配慮が加えられましたことにつきましては、心から御礼を申し上げる次第でございます。 新政策の実施にあたり業界といたしましては、石炭鉱業が多大なる国の助成を受ける立場にあることを深く認識し、自戒し、その経営姿勢をさらに厳正にし、再建安定の責任完遂に最大の努力を傾注する決意でございます。今後とも一そうの御支援をお願いする次第でございます。 現在、当委員会において御審議いただいております石炭鉱業合理化臨時措置法の一部改正法案、石炭鉱業再建整備臨時措置法の一部改正法案につきましては、これが今次新石炭政策の中核をなすものであり、さしあたり石炭鉱業の安定をはかるためにぜひ必要なものでありますので、何とぞ早急御審議の上、一日もすみやかにその成立実施により新石炭政策を軌道に乗せていただきたく、この機会にお願い申し上げるものでございます。 なお、政策実施にあたりましては、この上とも大手、中小の公平を期していただくとともに、資金対策、労務者確保、これに関連した閉山炭鉱の労務者に対する措置等にも万全を期し、労使一体となって石炭鉱業の再建安定に邁進できますよう、引き続き御高配、御支援を賜わりますよう重ねてお願い申し上げる次第であります。 簡単でありますが、以上で口述を終わります。
○平岡委員長 次に町田参考人。
○町田参考人 私は北海道石炭鉱業協会の町田であります。 本日は当委員会にお招きをいただきまして、意見を述べさせていただく機会を与えてくださいましたことを光栄に存じます。 委員の方々はじめ関係の皆さまには長い間にわたって石炭の現在並びに将来に対する政策を推し進めていただいておりますことを厚く御礼申し上げます。また先般は私ども中小炭鉱のために安定補給金の上積みをしていただきましたことをあわせて厚く厚くお礼申し上げます。 さて、新石炭政策につきまして今後五年間に四千二百億にも達する国費を石炭に投入してくださるという手厚い保護政策に対しまして、われわれといたしまして石炭鉱業に課せられている重大な使命を十分に自覚いたしまして、政策の効果を十分に発揮するようつとめねばならぬと決心しております。 すなわち、企業内にありましては労使相協力して生産と保安になお懸命の努力をし、安全で明るい職場をつくらねばならぬと思います。また企業相互間にありましては、石炭鉱業全体のことを考慮して、企業相互間の提携を一そう密にして、鉱区調整の問題、流通共同の問題、さらにまた進んで個別企業の利害を越えて企業統合の問題等も考究していかなければならないと思っています。これらの点につきまして、先生方にも今後なお一そうの御協力をお願い申し上げたいと存じます。 最後に、中小炭鉱として、何ぶん中小炭鉱は弱体でありますので、次の二つの点をこの機会にお願い申し上げたいと思います。 第一は、今後施行される新政策の効果をなるべく公平に受けられるようにしていただきたい点であります。これは前々からお願いしていることでありまして、政策の効果と申しますか、トン当たりの助成金が結果的に大手と中小と相当開きが出てくることと思います。これに対して先ほど申し上げましたように、安定補給金を上積みしていただいたことによりまして一部満たされましたが、なお相当開きが出るものと思いますので、本年度はむずかしいと思いますが、来年度以降なお御考慮いただきたいと思います。 第二番目に、電力用炭の大手、中小の値差解消の問題であります。これも前々からお願い申し上げておりますが、取引上、中小は弱いものですから、同一品位の石炭を大手に比し安く納めざるを得なくなっています。私たち自身も当然努力すべきことでございますが、なかなか解決しませんので、先生方の御助力もお願い申し上げる次第であります。 以上はなはだ簡単ですが、経営者としての決意を申し上げ、あわせてお願いを申し上げます。
○平岡委員長 次に山本参考人。
○山本参考人 炭労中央本部の山本でございます。 久しい間にわたって諸先生方をはじめ政府並びに関係諸機関の皆さん方にたいへんお世話になりましたことについて、心から感謝を申し上げている次第でございます。私どもこれからこの政策を踏まえてそれぞれの職場の中で十分に組合員とも話し合いをしながら、石炭産業を一番愛しておるのは私どもでもございますので、そういうことを身をもって立証いたしたい、かように考えておる次第でございますが、まだ過日茂尻で大災害がございまして、これに基づく炭鉱の労働者の気持ちの不安動揺というのは、必ずしもこの新政策が発足をしたことによって一切が払拭されるというような状態になっていないと思います。特にこの当該変災を起こしました茂尻炭鉱につきましても、たまたまこの変災を契機に閉山になるのではないだろうか、こういうような不安を自治体の人はもちろんのこと、職場の第一線で働いている者もずいぶん強く持っている次第でございますので、またこれらの動揺が同じ雄別企業でございます雄別炭鉱や尺別炭鉱の労働者の仲間にも、茂尻がおかしくなれば雄別全体がおかしくなりはせぬか、明治みたいにまたぶっつぶれやせぬか、こういうような気持ちなんかも非常にございまして、たまたま先生方の御好意によって政府の関係機関の皆さん方の御好意にも基づいて、いまいろいろこれらの諸問題について私ども現場で働いている者たちの考え方なり、こうしていただきたいという希望について鋭意陳情申し上げている次第でございますが、今後ともひとつ先生方をはじめ政府関係機関の皆さん方には特段の御努力をお願いをいたしまして、一日も早くこれら雄別炭鉱の労働者はもちろんのこと、全炭鉱の労働者がやっぱりああいうふうになったのかというようなことで、少しでも私どもの気持ちと現場で働いている者たちの気持ちが、この新政策の決定を機にしてほんとうの意味で石炭産業の再建に軌道に乗れるように、特段の御努力をお願いいたしたいと思います。 また毎回陳情申し上げておりますので、また、おまえこういうことを言うのかということでおしかりをいただくかもしれませんけれども、何といいましても今度の政策の中で、御好意によりましてやむを得ずして閉山をされました炭鉱の労働者が、ある程度の退職金その他について国の手厚い保障を受けて第二の人生に出発できる、こういうことについては心から感謝を申し上げておりますが、なお残っております炭鉱の労働者の賃金や労働条件については、まだまだ再三申し上げておりますように改善の余地が多々あろうと思います。特にいま賃金闘争のさ中でございまして、俗にいう春闘相場等から比べますと、重筋労働者としての炭鉱労働者の賃金は、その世間相場の半分ぐらいでございます。したがって、これらについてどうこたえられるのかということも、現場において命を的に働いております組合員のこれからの流出等を防いで、ほんとうの意味で切り羽のすみずみから石炭産業再建のための意欲を燃やしていく、こういうことにもなろうかと思いますので、もちろんこれは労使で協議をして決定することではございますが、皆さん方の御好意に甘えて、なお一そうの御指導なり御鞭撻なりをいただければほんとうの意味でしあわせだ、かように考えている次第でございます。 冒頭申し上げましたように、私ども体制委員会等もございますので、そういう中で将来にわたる石炭産業の再建のあり方というのはどういうことなのかというような場も与えていただきましたから、そういう中でより御意見等も申し上げて、よりまた御指導や御鞭撻をいただきながら、現場におる労働者とともに手を携えて御好意に報いる決意でおりますことを表明申し上げまして、長い間にわたっての先生方をはじめ関係当局各位の御好意について再度お礼を申し上げまして決意にかえる次第でございます。いろいろありがとうございました。
○平岡委員長 早立参考人。
○早立参考人 私、全国石炭鉱業労働組合の書記長をしておる早立でございます。 たいへんきびしい事態にある石炭産業の立て直しのために諸先生方には格段の努力を賜わりまして、また本日は、私どもに所信の一端を申し述べる機会を与えていただきましたことを厚く感謝申し上げます。 私は、ちょうど昨年のいまごろでしたか、同じこの石炭対策特別委員会に呼ばれまして、私ども全炭鉱として考えておる石炭産業再建構想について要点を申し上げたのでありますが、そういう考えのもとに、自来答申の作成段階あるいはその後の政府の政策決定段階にいろいろ各方面にお願いをしてまいりました。しかしながら今日、昨年末の答申とそれを受けて打ち出されました石炭新政策につきましては、私どもの訴えてまいりました考え方が必ずしも十分生かされておるとはいえないわけでありまして、そういう意味におきましてはなはだ残念に感じております。同時にまた、そういう意味を含めまして、今回の新政策を私どもとしては、いうところの最終対策、決定版というように見なすわけにはまいらないのであります。しかしながら、そうではありましても、破局的な状態にある今日の炭鉱の危機を打開をして、今後再建に取り組んでいくための大きなささえになるというようにこの意義を受けとめております。したがいまして、決定版でないから長期的には問題がある、だめだだめだというようなことではなくて、まずこの政策をてことして労使で真剣にひとつ再建に取り組んでいこう、そしてまた企業内において、あるいは石炭産業、企業のワクを越えた全体的な立場からのこの再建努力によって対策効果というものをより拡大していこう、同時にまた、そういう努力の実績の上に立って次の機会にまた政策のアフターケアなり、あるいは政策の前進というものをお願いしていこうではないか、こういう決意に立ちまして、現在関係支部組合それぞれこの決意と姿勢のもとに再建への取り組みにかかっておる状況でございます。したがいまして、今後ともいま申し上げたような決意のもとにわれわれ取り組んでまいる所存でございますが、同時にその上に立まして、そのような立場から、時間もございませんので一、二点だけ私どもが非常に痛切に感じておる点を要約してお願いを申し上げたいと存じます。 それは、一つは出炭規模等の問題になりますが、かつてわれわれは五千万トン体制を唱えてまいりました。しかし今日私どもの傘下においても、すでに中小炭鉱において六つほど閉山をいたしまして、昨日は御承知のごとく大手の一つである私ども関係の麻生産業において閉山が正式に出されました。いずれこれらの問題等の解決をいたしてまいりますが、こういう状況でありますから、いまさら五千万トン云々とは決して申し上げませんが、ただ続々と閉山することによって、他のせっかくやれる炭鉱の労働者の心理面にいろいろと不安、動揺を与えることになってまいりますので、そういう面の考慮に対するところの配慮をも含めまして、大体閉山はこの辺でとどまりで、これから先残れるところ、これから先、残っておる炭鉱については十分やっていけるというようなものが今後の対策面の姿勢として出てきてほしい、われわれみずからもそういうような立場でそれぞれの企業で取り組んでまいりますが、政策面の姿勢としてもそういうものが出てまいりますことを期待いたすわけであります。 同時に第二の問題としては、いかにわれわれが真剣に再建に取り組んでいこうと思いましても、また諸先生方の努力によってかなりの今回の対策が打ち出されましても、問題は炭鉱において再建をになっていくところの必要な労働力の確保と、同時にまた、その労働力がほんとうに再建への意欲をもって取り組んでいくという体制にならなければ再建はできないわけでありますから、そういう意味におきまして労働力確保、労働者の再建意欲を結集するという意味でのささえとしての対策をどうしても必要としてくるのであります。 先ほど山本参考人からも述べられたところでありますので、重複は避けたいと思いますが、特にそういう面から考えますと、炭鉱労働者の賃金の状況ということが問題になってまいります。日経連発表の数字をとらえてみましても、昭和三十五年から今日まで九年間に全産業平均で年率一一・一%賃金が上がっておりますが、それに対して炭鉱の場合には同じ九年度間の平均で六・六%約半分程度の賃上げ措置であったということになってくるわけでありまして、このままでいきますと、今後も他産業と炭鉱との賃金引き上げの措置というものがますます開いてくる、格差がついてくるという状況にあるわけであります。そういう状況では、いかにわれわれが再建に取り組もうとしても、必要な労働力を確保し、または労働者のほんとうの再建意欲をささえるということにはなってまいらないと思いますので、たまたまいま賃金につきましては交渉中でございますが、ひとつこういう面についてお考えを願いたいと思うのであります。 言うまでもなく、賃金は労使間で自主的に話し合ってきめるべきものであるといわれればそれまでのことでありますが、しかし実態的には、われわれは今日の炭鉱の賃金はやはり政策賃金という姿になっておると考えております。したがいまして、労使間において十分検討し、話し合いをし、適切な賃金措置を行なってまいりたいと思いますけれども、それを可能とするような政策のアフターケアを、この際諸先生方にそういう面についての格段の御努力のほどをお願い申し上げたいと存じます。 あとは、先ほど経営者代表三参考人から、それぞれ労使関係を改善し、保安の完ぺきを期してがんばってやっていくという強い決意が述べられましたので、この炭鉱経営者陣営の決意が文字どにりそのまま実践されますことを期待しまして、そういう期待の上に労使の関係といりものもより以上改善をし、ほんとうに労使一体となれるような体制をつくりつつ再建に努力してまいりたいと思っております。同時にまた、われわれのそういう努力の実績の上に立って、近き将来さらにまたこれに対するところの対策面について先生方にお願いを申し上げますので、よろしくお願いしたいと思います。 以上、きわめて簡単でございましたが、われわれの決意といいますか、所信の一端を申し述べさせていただきました。
○平岡委員長 次に佐藤参考人。
○佐藤参考人 全国炭鉱職員労働組合協議会の議長をやっております佐藤でございます。 危殆に瀕しております石炭鉱業の再建のために、諸先生方はじめ各関係官庁の皆さま方が非常に御努力を払って今日に至りましたことにつきまして、組合員を代表いたしまして心から御礼申し上げる次第でございます。 私たち、この新石炭政策を基盤といたしまして、経営者と協力をし、鉱員組合員と手を握って何とか苦しいこの事態を乗り切るように懸命の努力をいたしたいと思います。ただ、いままで各参考人も述べましたが、今後多くの問題が私たちの前途に横たわっておるのは事実でございます。そのうち特に石炭産業の再建のために絶対欠くべからざるものは、何といっても労働者の確保がはたしてできるだろうかどうかという問題であろうと思います。この点につきましては他産業に見られない手厚い保護を受けたとは申しましても、やはり賃金その他はついての比較から、あるいは労働力の確保が困難ではないかというのが現状であろうと存じます。また資金面につきましても、はたして間に合うかどうか、こういう心配もございます。過日の先生方の御努力によりまして、明治あるいは杵島の退職せざるを得ない人たちの退職金の確保ということについては非常に感謝申し上げておりますが、職員としての特質と申しますか、都市関係の職員に対する配慮、こういうことについても今後再度検討していただかなければならない問題もいろいろあろうかと思います。 私どもとしては、冒頭述べましたが、とにかくいろいろ問題はございますけれども、この政策を基盤として、大槻参考人も申し述べておりましたように、職員としての立場からできるだけ再建のためにメリットの追求を行なう。あるいはわが身に降りかかってくることであろうと思いますが、機構の簡素化、合理化、非生産部門の合理化の徹底をはかる、あるいは保安の確保については、技術職員自分自身の責任である、こういう自覚に立って災害のない安定職場の確立に懸命の努力を払っていきたいと思います。 先ほど申し述べましたように、いろいろ多くの問題が残されておりますので、今後とも諸先生の御指導、御鞭撻を心からお願い申し上げまして、簡単でございますが所信表明にかえさせていただきます。どうもありがとうございます。
○平岡委員長 これにて参考人の御意見の陳述は終わりました。
○平岡委員長 これより質疑に入ります。 質疑の通告がありますのでこれを許します。岡田利春君。
○岡田(利)委員 私は実は今回の政府の石炭新政策に反対の立場にあるものです。それはもちろん非常にきめこまやかな政策ではありますけれども、はたしてこれでわが国の石炭産業というものが、長期的な視点に立つ場合に産業として安定するかどうか、こういう点について数多くの疑問を持っておるわけです。しかしながら、今日の石炭の置かれておる実態を直視いたしますと、現実的に問題の処理をしなければならぬと考えざるを得ないわけです。私どもはそういう立場に立って過般来本委員会を通じて政府の所信をただしてまいりました。この中で明らかになってまいりましたので、一応政策については基本的には反対でありますけれども、この現実の中で政策はやはり運用されなければならないという認識に立っておるわけです。 そこでわが国の石炭の歴史的な任務を一体どう果たさせるのか、このことをめぐってやはりいろいろな角度から議論があるのだと思うわけです。私は、今日のエネルギーの構造的変化の中で石炭というものはある一定の期間どう歴史的な任務を果たすのか、そしてそれがまた国民経済にとってどのような角度から寄与するのか、こういう視点に立ってものごとを見詰めてまいらなければならぬと思うわけです。 そういう立場でそれぞれの参考人に一つずつ御質問申し上げますけれども、まず石炭協会長の大槻さんにお伺いします。 石炭協会としての決意がいま述べられたわけです。この新政策がすべり出した場合には、協会としてその決意のもとにこの新政策をどのように受けとめ、業界は業界として自主的な立場で一体どう対応していくのか。それは検討する期間も必要でしょうし、そしてその中で慎重に対応策を打ち出してまいらなけばならないと思うわけです。そういう点についてどのようなお考え方を持っておるのか。 さらにまた、将来の展望を見通してまいります場合に、企業の実態がそれぞれ違いますから、思わぬところで企業が閉山を余儀なくされ、その結果なだれ閉山という現象が起きかねない状況もあると思うわけです。ユーザーとの関係を考慮いたしますと、この面についてはやはり業界としてもお互いに協力し合いながらこれらの現象をできるだけ回避をする、こういう努力というものが必要ではないか。そういう点が考えられるわけです。 また消費者の動向から判断いたしますと、結局サルファの多い炭もあるし少ない炭もある。あるいはまた産炭構造が偏在をいたしておるわけですから、そういう意味では中小炭鉱の面も含めてこれらの需要にどう弾力的に対応していくか。こういう点がやはり検討されていかなければならない問題であろうかと思いますので、この点についてのお考え方を聞かしていただきたいと思います。 植田参考人と町田参考人に次にお伺いしますが、率直に述べられておりますように、今日中小炭鉱は炭価の大手との格差が存在をいたします。歴史的に安定供給のそういう流れの中で、この炭価というものが歴史的に生まれてきておることは御承知のとおりであります。 そこでこの炭価の是正という問題もわれわれもしばしば取り上げてまいりましたけれども、いますぐこれが政策指導で解決されるという状態にはないと思います。しかしこの炭価の是正に対しては、やはり炭鉱側としても十分この炭価の問題を解消していくだけの組織体制といいますか、共同的な受けとめ方といいますか、こういうものが積極的に必要ではないかと思うわけです。いわゆる個々の分散された炭鉱、町田さんのように百万トんも出す中小炭鉱があれば、あるいはまた年間一万トンくらいの小炭鉱もあるわけなんですから、非常に出炭規模から見ますと千差万別であります。しかし一定の線を引いてやはりそういう供給体制についてむしろ積極的にくふうする、こういう努力と相まってやはり炭価の問題も迫力を持って解消に向かっていけるのではないのか、こういう気がするわけです。こういう点について植田、町田参考人はどうお考えになっておるのか。それと同時に、第二点の問題は、中小炭鉱の場合でも大手系列と独自の資本による中小炭鉱が存在をしておるわけです。そういう関係で中小炭鉱の把握というものが組織的にいわば系列会社は協会の第二種会員になっておりますし、それ以外の中小炭鉱があなた方の組織の中に入っておると思うわけです。しかもやはり中小炭鉱の場合には個々に小さい問題でありますけれども、鉱区の調整等の問題もあるでしょうし、いろいろあろうかと思うわけです。そしてまた日本石炭鉱業連合会があり、北海道は北海道の石炭鉱業会がある。もはや政策下における中小炭鉱のいわば組織体制としてはこの点については発展的に団結をするといいますか、そういう点について力を合わせるという、こういう受けとめ方が必要ではないかと私は考えるわけです。この組織の二つに分かれておる歴史的な事情は私も承知をいたしておりますが、この機会にその点についてのお考え方を聞かしていただきたいと思います。 山本、早立参考人にお伺いしますけれども、私は今日のこの政策がすべり出せば、政策下における炭鉱の置かれておる状態から考えまして、いわば好むと好まざるとにかかわらず経営と労働が大きく離れて問題を解決することはもはや不可能であると思うわけです。そういたしますと労使の間でこの政策に基づいていわゆる新しい体制というものが必要であるし、組合側としても要求もあるのではなかろうかと私は思うわけです。いま御意見も述べられましたけれども、いわばそういう意味で保安の問題等も重大な問題になっておりますから、これは保安委員会をより民主的に効率的に活用するという方向で解決できますけれども、事経営に関してはむしろ労使の間で具体的な問題をすなおに取り上げてこれを労使で検討を加えていく、こういうような提案が積極的にあってよろしいのではなかろうか。もう一歩進めていえば、いわば政策下における石炭産業でありますから、これは労働者が相当経営のいろんな面に参画してけっこうな話ではないのか、こういうような点についてどういう御意見を持っておられるか、お聞きいたしておきたいと思います。 佐藤参考人には、いまも述べられておりますように、これが合理化メリットをどう出していくか、こうなってまいりますと、管理部門の大幅な縮小ということが当然あげられてまいるわけです。この場合に職員が一番その合理化の犠牲になってくることは、今日の炭鉱の組織形態、人員配置等を分析をすれば容易に理解できるわけです。しかしこれが急激に行なわれますと、いろいろ混乱を引き起こすわけでありまして、むしろそういう石炭企業のあり方、組織体制の整備ということが出てまいるわけですから、そういうものをむしろ積極的に受けとめて、どうしても管理部門の縮小に伴って企業を離れていく職員については職業のあっせんとか、あるいはまたいろんな方法でこれを前もって受けとめて進めていくということでなければ非常に大きな混乱が出てくるのではないか、こう思うわけです。そういう意味では一番これからの管理部門の縮小で大きな犠牲を要求されてまいるわけですから、むしろそういう点についてそういう話し合いをする。そういう中で問題点があればまた私どもにもお聞かせ願ってこれをなだらかに解決をしていく、こういう方向で進めていかなければならないのではないかというような気が私はするわけです。そういう点について具体的な考え方があればお聞かせ願いたいと思います。 それと同時に、これは答弁は必要はありませんけれども、保安の問題がしばしば当委員会でも問題になっております。私は保安の問題はやはり何といってもいまの保安法上の中では自主保安確立の体制というものについて労使ともにきびしく見詰めなければならぬと思います。そういう意味ではやはり何といってもこれは保安委員会というものを重視しなければなりませんし、保安監督官が現地に派遣されて調査が終わった場合にはいろいろ意見を述べるわけですから、少なくともこの場合には保安統括者、管理者あるいは労働組合の保安委員等が出て積極的にこの意見を交換する、こういう方向は一応政府の方向として出しておるのでありますから、そういいう方向でひとつこの保安委員会のより充実した、実情に即した建設的な運用をこの機会に労使の皆さんに御期待申し上げまして、それぞれの参考人に対する御質問といたしたいと思います。
○平岡委員長 ちょっと皆さんにお願いします。 先ほど申し上げましたけれども、二時から本会議がございます。なお質問者を一人残しておりますから、きわめて簡潔にお答えをいただきたいと思います。
○大槻参考人 新対策の実施にあたりまして一番大事なことは、やはり経営者の姿勢であろうかと思います。それにつきましては先ほども申し述べたのでございますが、現在までのこの石炭業界を見ますというと、いわゆる深刻な斜陽ムードということで、ややもすれば敗戦的な気分に流れがちでございますけれども、今日の新対策によりましてある程度足弱のものは整理をされるというようなことはやむを得ないことで、残りましたものはこの際一致協力して、大いに従業員の士気を鼓舞するような姿勢をとりながらやっていかなければならぬということが一番大事なことではないかというふうに私は考えております。また今後の審議会に設けられまする体制部会等に呼応いたしまして、協会の中に企画委員会というものを設けておりますので、これによりまして体制問題をはじめ流通機構の合理化の問題あるいは鉱区調整の問題等も真剣に推し進めていきたいものであるというふうに考えておる次第であります。
○町田参考人 時間の関係もありますので、植田さんと一緒の問題でございますので私からお答えいたします。 第一に炭価の格差の問題でございます。これは御承知のように電力用炭の格差でございますが、これにつきましては需要者である電力側に現在お願い申し上げておりますし、これはまた例の電力用炭販売会社法によって設立された電力用炭販売会社の関係もございますので、それをも踏まえまして流通の合理化の一環として大手さんにも相談して共同納入の方法をとっていきたい、こういうふうに考えております。 それから中小がいろいろ分かれておる、大手系列と準中小に分かれておる問題は、私たちといたしまして極力準中小のほうを勧誘するとともに、その親会社である大手さんのほうにも始終呼びかけて何とか一緒になるように努力しております。それからまた連合会と北海道協会の問題は、これも歴史的関係がありますが、いま統合の方向に検討しております。 以上でございます。
○山本参考人 私どものほうは、真の意味での石炭産業の再建というのは体制問題についてしっかりした構想を出さなければ国民の負託にこたえられぬのではないだろうか、こういうたてまえをとっておりますので、たまたま今度の政策の中で設けられました再編委員会でございますか、こういう中でそれぞれのあり方についてはもっと構想を煮詰め、十分に組合員の方とも話し合いをしながら意見を反映してまいりたい。望むらくはこの再編委員会の中で、やはり俗にいわれます植村構想あるいはまた国有化、公社、こういったような形を対峙をしながら将来の体制をきめていかなければ、ただ私企業に対する手厚い保護というだけではほんとうの意味の再編ができなかろう、こう思いますので、この根本を正した上で適用する、責任の持てる労働者自身の考え方を打ち出してまいりたい、かように思っております。
○早立参考人 これからの労使の体制については生先御指摘のとおり、きわめて大切な問題だと思います。具体的には私どもは前から提唱してまいってきておりますが、労使の相互信頼の上に立った共同決定体制を確立をし、実践をしていかなければならないと思います。そのための具体的な場として石炭産業会議または石炭産業一本とした全国労使協議会の設置が必要であるというように考えましていろいろ話を進めてまいりましたが、率直に申し上げまして経営者側のこの面に対する消極的な態度からいまだこれが実現する運びになっておりません。個々の企業の中では、部分的に見ればわれわれが考えるような労使の体制になっておるところもありますが、全産業的に見た場合にまだその域に達しておらない。これを何とか実現をし、そういう場を通じて、冒頭申し上げた相互信頼を基盤とした労使の共同決定体制を確立していかなければならない、こう考えております。
○佐藤参考人 前もって合理化で出てくる余剰人員に対する就職あっせんの対策が必要ではないかということ、御指摘のとおりでございます。私ども、今度の政策の中でいろいろ考えてみたわけでございますが、現在ある離職者対策ということでは、職員の問題については深く触れることができないというふうに考えまして、職員独自の離職者対策を行なう、仮称でございますが、人材センターの確立が必要である、こういう提案をしましたけれども、なかなか労働省関係で困難性があるという意見もございましたが、おそらく、企業として、今後余剰職員を再就職させるということは、従来はできましたが、今後は困難であるというふうに判断しますので、企業のワクを越えて石炭協会等においてそういうあっせんの仕事をするというようなことで、具体的に今後の合理化でどういう余剰人員が出てくるかということをチェックの上、人材銀行等も活用するということを含めて対処したいと思いますが、今後ともひとつ先生の御指導を心からお願いしたいと思います。
○岡田(利)委員 終わります。
○平岡委員長 田畑金光君。
○田畑委員 質問する予定でありましたが、もう本会議の時間もすぐですし、石炭法案が本会議に上程される時間でございますし、いまの質疑応答の中で私の質問したい点も含まれておりますので、やめることにいたします。
○平岡委員長 これにて参考人に対する質疑は終了いたしました。 この際、参考人各位に一言ごあいさつを申し上げます。 本日は、御多用中にもかかわらず、長時間にわたり貴重な御意見をお述べいただきまして、まことにありがとうございました。厚く御礼申し上げます。 本会議散会後直ちに委員会を再開することとし、暫時休憩いたします。 午後一時五十二分休憩 ――――◇――――― 午後二時十九分開議
○平岡委員長 休憩前に引き続き、会議を開きます。 石炭鉱業合理化臨時措置法の一部を改正する法律案及び石炭鉱業再建整備臨時措置法の一部を改正する法律案の両案を議題とし、質疑を続行いたします。渡辺惣蔵君。
○渡辺(惣)委員 両法案の審議にあたりまして、特に通産大臣にお尋ねをしたいのですが、通産大臣から今度の両法に対する総括的な一つの姿勢が表明されておるわけですが、特にただいま参考人等の発言の中にも強くあらわれておりますように、石炭産業の再建の方向の基本は体制整備にあるということは大臣が特に認めておられることだと信じます。しかし、大臣から表明されております体制問題に対する方策と申しますか、展望につきましては、従来大臣が主張しておられた石炭鉱業審議会の中に体制部会を設置するという方法手段を改めて体制委員会をつくる、その下に再編成小委員会と鉱区調整等の小委員会の二つを設置する、そしてこの体制委員会の下の所属の小委員会は、全面的な基本構想ができ上がるまでの間、鉱区の調整、施設の効果的な利用など、生産、流通面における部分的な具体策を検討させる、こういうことになっておるわけですね。そしてこの構想の取りまとまる時期が明年八月を目途とする、こういう方針をとられておるわけです。ところで問題は、来年八月ということになりますと相当長期であって、その前に次々と、体制上の問題にからまって閉山をせざるを得ない山がたくさん出てくると思うのです。これが直ちに解決されておれば救済され得る、経済炭量として前向きの姿勢でいける山も、この体制問題の立ちおくれと欠除のために、いやおうなしに崩壊に追い込まれていくという状況があるわけです。たとえば具体的にいいますと、今度の企業ぐるみの閉山ということで無理押しに閉山に追い込まれるような事態になっております明治の昭和炭鉱の場合にいたしましても、隣の太刀別炭鉱の鉱区を利用して、その外側には三井の膨大な鉱区が存在しておることは認めておるところです。先般の磯部北大教授の参考人としての意見でも、また札幌通産局から上がってきておる調査報告書によっても、具体的にこの鉱区を開発するならば、二百万トン以上の経済炭量がある。しかも三百七十名の人員で年間二万トン発掘しても向こう十年以上山を存続することができる、こういうことを調査報告書は調査の結果明らかにし、その事実関係も、石炭局の当局幹部の諸君も事実についてはその報告については認めておるところです。しかしこれは明治昭和の場合だけではないのです。本岐の場合においても、三菱との鉱区の調整が――今日までのうちに体制問題が進んでおったならば、閉山をせぬでも、三菱の鉱区とあれすることによって将来展望が十分あり得るということが判定されておるのに、その鉱区の調整がおくれておるために、むざんにも企業ぐるみの名においてこれがつぶされる。つぶれるのでなくて、つぶされていくわけです。貴重な資源がついに鉱区として廃鉱になるという事態が出てきておるわけです。同じようにこのことは、明治の問題をここで処理したとしても、いますでに起こっております雄別炭鉱の場合におきましても、これは同様のことが出てきておるわけです。来年の八月を待たずに、今月じゅうに起こってきておる問題です。企業ぐるみ閉山をこのいまの再建整備を承認したとたんに――明治でなくて、次は雄別です。現に雄別の場合でも茂尻炭鉱の場合は千五百人とにかく労働者が働いておる相当規模の山でありながら、北炭の赤間炭鉱との鉱区の調整ができないという事実、どれだけ通産当局は鉱区調整に努力したか、私は事実をこまかな点まで知りません。しかし、札幌通産局としてはかなり努力した形跡があるにもかかわらず、現実にこの鉱区の調整が行き悩んでおるところに今度の大災害が出てきて、二重の苦しみが起こってきておる。そして問題が、いま分離か閉山かという岐路に立たされておることは御存じのとおりです。同じことは、これは雄別の他の山におきましても、北陽区域の場合におきましても、住友の鉱区の譲渡の問題が出てまいりますし、どこでも、いま山が存在するかしないか、継続されるかどうかということの基本問題は、この鉱区調整のいかんにかかっておる。しかし私は、これはかんぐって、せっかく骨を折っておりますのに、意地悪ばあさんみたいなことを言うわけではないのですけれども、なるべく鉱区調整の時期を先に引き延ばすことによって、自然に崩壊が進んでいくことを期待し、待っておるのではないか、どうもそういうような崩壊の過程を促進することが、政府の手をわずらわさないで、そして鉱区をいやでもおうでも手詰まりのために自然崩壊をしていくのを待っておるのではないかという疑念を持ちたくなるわけです。問題は、一体来年の八月を目途にして、そして体制委員会を発足させてこの問題の検討をする、検討をするという時期につぶれてしまうという事態が出てくるのですが、明年八月を目途とする体制委員会の結論が、八月にはたして出るのかどうか、一体佐藤内閣は存在しておって、あなたが通産大臣としてここで約束されたことを実行されるかどうか、相なるべくは佐藤内閣はつぶれたほうがいいが、あなたは残ってくれたほうがこっちは都合がいいのですが、そういうわけにもいきかねる。一体だれがどういう責任を負ってくれるのだ。この時期にまだできない、去年の三月から十二月までかかって体制問題の論議、めちゃくちゃにあなたの部下の通産省の連中が突きこわしたりあるいは会社側がかってほうだいなことをいって突きこわしたり、双方でせっかくでき上がったものを突きこわした、われわれは苦い経験をこの一年間で体験しているのです。一体あなたが将来とも、明年の八月に対して間違いなく体制問題に対して解決つけるという自信があるのか、またあなたが言う体制問題の中身は何なのか、あなたがいま言う体制問題、体制委員会にかけるという問題を横つなぎに、いろいろな問題たくさんあるやつを、ただ素材として提供するのか、われわれ社会党の主張する国有化を体制問題として中心にするのか、あるいは全国一社にまとめようとするのか、あるいは全国三社にまとめようとするのか、あるいは地域別に地域統合をやらせようと考えているのか、いまわれわれが主張する体制問題というものと、通産大臣並びに通産当局の考えている体制問題というものは中身が一致しているのか、同床異夢なのか、希望だけつながせて、中身をすりかえるのか、この点を明らかにしてもらいたい。 もう一つは、来年の八月にかりにあなたが責任をもって、いま私が申し述べたような問題について一つの方向をつけるとして、その過程、来年の八月までの問いろいろ鉱区の調整やいろいろな統合や共同行為を積み上げていかなければいかぬのに、検討させるということで、一体その途中で起こる問題はどう責任をもって処置するのか、この点についてひとつ大臣の所信を明らかにしていただきたいと思います。
○大平国務大臣 石炭問題政策は、別な観点からいくと御指摘の体制問題であると思います。私どもが今度御提案申し上げましたのは、去年八カ月にわたりまして石炭鉱業審議会が御討議をされて、それで得た結論を尊重した案になっておるのでございまして、その考え方は、私企様体制を基本にするが、最大限政府が財政的な支援をしなければならない、その財政的な支援を提示して、労使双方が採炭を続けるべきかどうか真剣に検討された上で決断をするという仕組みに相なっておったのでございます。この法案、予算案が提案されまして以後、渡辺委員も御承知のように、本委員会並びに本会議の御質疑を通じまして、佐藤総理大臣は、体制問題というのはしかく簡単なものではない、この第四次の石炭政策をもって終止符を打つことができるかどうか、自分も疑問に思う、したがって体制問題についての検討についてより真剣に検討するようなお話が、私どもにもありました。また本委員会の御審議を通じまして、体制問題こそ石炭政策の今後の運営の基盤でなければならないわけでございますから、これについて確たる進んだ方針を示せという御要請がございまして、そこでいま御指摘の体制委員会というものを石炭鉱業審議会につくるということに踏み切ったわけでございます。これは来年の八月までに検討をわずらわそうということにいたしておるのでございますが、そのねらいとするところは、一つは、先般の委員会でも申し上げましたとおり、従来から論議の種になっておりまする石炭エネルギーというものをどのように位づけてまいるかということを、もっと長期のそしてもっと広い視野に立って検討をわずらわさなければいけないと思うのでございます。それから第二の点は、そういう位置づけを踏まえまして、石炭鉱業の長期にわたるあり方をどういう姿のものにするかという具体的な仕組みも御検討いただかなければならないと思うのでございまして、私どもが当初考えておりました感覚ではやや甘いのではないか、もう少し進んだ、腰を落ちつけた取り組み方を長い展望に立ちまして考えろという御趣旨でございますので、それにこたえた対応策でございます。それが現内閣でできるか、私の在任中にできるか、これは神ならぬ身のわかりません。しかしながら、どなたが政権をとりましょうと、どなたが通産大臣の職をけがそうと、この問題を素通りしてよけることは私はできないと思います。したがいまして、私どもは重要な産業政策上の課題でございまするから、在任中はもとより全力を尽くしてやりまするし、私どもが任務を終えたあとにおきましても引き続いてその意味の検討はお願いしなければならないし、またそれはできると確信をいたしております。 しかし、そのようにいたしましても渡辺委員が御指摘のように、現実に起こっておる閉山、貴重な資源を擁しながら採掘の運びに至らない、たくさんの離山を結果するようなことは見るに忍びないじゃないか、この今日的な課題をどうするんだという御質問でございます。これにつきましては、各党の皆さんにも申し上げてありますように、別に鉱区の調整の小委員会を発足をさせまして、それで応急の個別的な問題の検討は急いでいただかなければならぬと思いまするし、それに対しまして通産当局も親身になって相談に乗って、むなしくゆえなく閉山に至るとかいうことのないように最善を尽くさなければならぬと思うております。ただうらむらくは体制的なベースができておりません段階でございますので、労使双方の御協議によりまして最終の決断を願うたてまえになっておるわけでございます。いろいろな観点から山の診断をお願いをいたしまして、まずその人たちがどのような決断を下すかについては十分われわれも尊重しなければならぬと思うのでありますし、その決断に至る道程におきまして、通産当局は中央現地を問わず親切な相談相手になりまして、できるだけ混乱を回避するように配慮してまいらなければならぬと考えております。
○渡辺(惣)委員 お昼に参考人の供述があったわけですが、きょうここに出られた参考人の方々は、一昨日でしたか参議院の石持委員会へ列席をされて供述をされているわけですね。たまたま参議院の石持委員会で石炭協会長の発言が大問題になったということを実は新聞の報道で見ておるわけです。きょうここへ見えておりますけれども、私は大槻君とは長い友人でありますし、北海道時代からおつき合いしているので、実はきょうは武士の情けで彼に特別の質問をすることをかんべんしておいたのです、ほんとうのことを言いますと。一体大臣も、けさ新聞にそれぞれ報道されていますから十分御存じのことだと思うのですけれども、いままでの石炭政策の上においても、一般産業社会からは石炭の過保護政策だという非難も一部に出ながら、われわれは炭鉱の、石炭の持つ産業上の重要性と、しかもそれが急激な合理化政策によって起こるいろいろな内外の社会問題に対応するために、あらゆる努力を積み重ねてきたつもりであります。しかし、いままでの長い石炭政策の推進の段階で、いつも実はサボッてきたのが石炭資本だと私は思っているのです。大臣は石炭資本の姿勢をどう評価されておるか存じませんが、私は、少なくとも石炭資本のサボタージュによって今日のようなでたらめな経営の状態になってきたということは無視できない、そう考えるのです。もちろん政府のエネルギー政策によって加速度に合理化が促進されたという、一つの大きな芽であることは当然ですけれども、それに対する対応策を育成するという努力が足りなかったということは、今度の明治鉱業の閉山を見ても、いかにその経営者というものが無責任で、決意も勇気も努力もないかという姿をまざまざと見せつけられておるのです。しかしいまここであなたは、いわゆる体制委員会をつくって、来年八月を目途にして、いわゆる新たな体制を築くんだとおっしゃいますが、これは戦争中の、軍部を背景にしてやるファッショ政治じゃないのですからね。民主主義の世の中ですから。ことに私企業というものを過大に尊重される今日の政府の体質ですから、一体こういう無責任な、わがままな経営陣を相手にて所期の目的が一定期間のうちに達成されるということをお考えになっておるのかどうか。おとといはオオカミのようにほえ、きょうはネズミのような、こんなばかな、手のひらを返すような、おとといときょうは月とスッポンくらい違う発言のできるような人たちを相手にして、あなたは責任を負って、この体制問題の処理の解決が可能であると一体自信をお持ちなのかどうか。ひとつ大臣のほんとうの腹を――大臣もおとといは悔辱されておるわけですから。政府もいいかげんだ、国会もいいかげんだと言うのですから。いいかげんなことをやってこられたのかどうか、これからどうするのか、決意のほどを承っておきたいと思います。
○大平国務大臣 先ほど申し上げましたように、私どもの案は、石炭鉱業審議会の答申を尊重してでき上がったものでございますが、そのベースは私企業責任ということを基調にいたしてあるということは御指摘のとおりでございます。私企業責任を基調にしてある以上は、私企業についての最高かつ最終の経済的、社会的な責任をになわれておる経営首脳陣が、みずからの責任にきびしい認識を持つことが前提でございます。もしこれがないというんでございますならば、私企業ベースで石炭産業の再建をはかろうという政策は根底から考え直さなければいけない課題であろうと思うのでございます。したがって、この経営者たる者が今回の政策の性格にかんがみまして、最高かつ最終の責任者であるという認識を持って――その基礎の上にでき上がっておる政策でございますから、この政策に応じて、それに対応いたしました責任を果たすことができない、あるいは果たすことに非常に不適任であるというような事態が起こりますならば、仰せのように、この体制政策は考え直さなければいかぬと思うのでございます。したがって、体制委員会で、これから御審議の過程におきまして、私どもは国会人としてあるいは政府の職にある者として、あるいは石炭鉱業審議会それ自体も経営責任者の姿勢、意識というものに不断の関心を怠らずに――それが緊張した状態においてある間は、この体制のいき方でそれを確立していくことに協力を惜しまないものでございますけれども、そうでなければ考え直さなければならぬということを心しまして、これからの体制問題の検討、それからいま御審議をいただいております第四次の政策の運営に当たるつもりでございます。 さよう心得えておりますので、御了解を賜ればしあわせと思います。
○渡辺(惣)委員 引き続きまして、運輸省の人、見えていますか。 今度の企業ぐるみ閉山の中で、鉄道の問題もいろいろ起こっておりますが、私鉄の鉄道の問題というのは、これは九州のような交通の発達しているところでは本線と直結をしておりますから、条件が全然違うわけであります。北海道の炭鉱のような非常に広大な地域で山岳部の奥地に石炭が開発されておりますから、どうしても輸送手段としては鉄道というものが絶対の条件になってくるわけです。したがって炭鉱の経営の問題に関連して、私鉄というものが問題になるのは、これは北海道特有の問題であるということを認識してもらわなければならぬと思います。しかも北海道で現在九つの炭鉱関係の鉄道がありますけれども、八つまでは、簡単に申しますとそれぞれ親会社の炭鉱会社と鉄道会社が、資本の関係、人事の関係で交流し、傍系もしくは子会社になっておるか、でなければ直接炭鉱の鉄道部というような形で直営の状態になっておるという関係が八つまであるわけです。私がここで具体的な問題として指摘いたしたいのは、この九つのうち、留萠鉄道という会社だけは、今日的な意味において、いわゆる炭鉱会社の直営もしくは傍系あるいは資本、人事の交流というものがほとんど断絶の状態になっておる会社であって、したがってものの取り扱い方、判断のしかたでも、常にこの部分だけが無理に区分けをしようとし、あるいは孤立して問題の処置がされようとしてきておるわけです。しかしこれは運輸当局が百も承知のことだと思うのですが、もともと留萠鉄道といえども、石炭の鉱区が発見されて、国策でこれを支援するという時期になって、昭和四年に、当時の明治鉱業の社長であったり石炭会の会長をした松本健次郎さんが中心になって社長になって、そして三井とか三菱とかあるいは住友等の資金を導入して、その留萌鉄道という会社をつくらせて、そして昭和六年に石炭が出た以降は、これを留萌の港湾に荷役をするために、留萌の埠頭関係の仕事まで、時の政府が間へ入って分担させて、そして昭和十七年ですか、分離するまで、留萌の経営もやらせておった。スタートは、当時一種の国策会社として、石炭関係の会社としてスタートしたことは間違いもないわけです。これをひとつ頭に入れておいて、私は申し上げるわけですが、もう一つ問題は、この会社は沿線に恵比島、幌新、浅野、昭和とこう四つの駅が約二十キロの間にあるわけですが、いまでも道路の側面は七、八尺の雪がきわだって積もり、自動車が走ってもトラックが走っても車の屋根が全然見えないほどの豪雪地帯です。そしてここは石炭があるからこそ鉄道が敷かれてきたのであって、どん詰まりは昭和炭鉱で、先は道路も何もない陸の孤島です。そういう事態のところへ、鉄道が唯一の交通手段であって、しかもここの沿線には四千人以上の人が住んでいるわけです。だからこの鉄道で主としてきておるわけです。この鉄道は、昭和から町の役場へ行きますには四十キロ以上あるのです。同じ町ですけれども、役場の所在地まで行くのに四十キロ以上ある。国道線まで行きますには五十キロ以上ある。こういう意味においてはおそらく北海道のうちでも最大の僻地で、条件の悪いところであることは間違いない。それだけに鉄道への依存度が非常に強いわけです。ところでこの山が、御存じのように昨年の十一月に雨竜鉱山が閉山になって、この四月には全く同時に太刀別と昭和が閉山になる。ここの地帯には中級の小学校が二つと中学校が二つありますが、この学校も同時に閉校になると思います。おそらく一学期のうちに学校が全滅することは間違いがないと思う。 そこで運輸省民営鉄道部長に質問するのですが、おそらく昭和炭鉱は今月三十日までに完全に閉山体制に入ると思います。そうするとおそらくこれと前後して、後ではなくて前に鉄道は運休、停止をし、そして一切ストップしてしまうと思います。現にあなたは、われわれに会うときには適当なことを言って、あなたは労働組合が行けばあるいは会社の経営者が行けば、炭鉱なんかにつき合っていると退職手当も出せなくなるぞ、早くやめたほうがいいぞとさんざん言ってきたんだからね。およそ重大な国策のために問題になっている時期に、あなたは非常に無責任な官僚だとぼくは思う。相手によって適当なことを言って、陳情に行くと、労働組合や経営者に対しては、いまのうちなら君のところ退職手当が払えるだろう、金のあるうちにやめたほうがいい、早いところやめろ、こういうことをあなたはしばしば発言して、今度の石炭政策に対して、中央も現地もあなたの無責任な言辞で非常に混乱してきている。しかしここであなたは目的を達したと思うのだ。あなたは私鉄の所管だから私鉄だけかわいがればいいのかもしれない。しかし、いま石炭も鉄道も国の政策の背景で問題になっているのだから、役人なら役人らしくもう少しものの判断を総合的に判断してしかるべきだと思う。なるべく自分の仕事の責任を軽くするために、適当な無責任な放言をしてさんざん二カ月間あなたは混乱させた元凶ですよ。いよいよあなたの目的は達しただろう。しかし今月一ぱいで閉山をすると同時に、その前に鉄道はやめると思うが、運休、停止なり廃業する。しかし私鉄営業法によれば、それは当然あなたのところの監督下に置かれているわけです。そうすると一体私鉄が運休をする場合において、今度は石炭産業だから共同に責任を負えとかなんとか、いままでの話の前提を抜いて、そのものずばり運輸省の民営鉄道部長に質問するのですが、一体地方鉄道法によれば「運輸営業の休廃止及び会社の解散決議の効力の制限」という規定すなわち法第二十七条「地方鉄道業者ハ主務大臣ノ許可ヲ受クルニ非サレハ運輸営業ノ全部又ハ一部ヲ休止シ又ハ廃止スルコトヲ得ス」もしかりに許可を得ないで運休した場合はどうするのですか。どういう制裁規定があるのですか。どういう責任が負えるのですか。大臣の許可を得ないで鉄道を運休した場合は運輸省は一体どういう措置を講じようというのか、明らかにしてもらいたいと思います。
○佐原説明員 ただいま先生御指摘の、留萌鉄道の問題でございますが、私が、軽率な発言をしたということでおしかりを受けまして恐縮しておる次第でございます。私も決して本心でそういうふうに申し上げたつもりはございません。非公式な場で申し上げたつもりでございます。山が残ればそれが一番けっこうなことである、ただ不幸にして山のほうがいかんせん閉山という情勢が非常に気配濃厚となってまいりましたので、その場合には、先生も御存じのとおり、留萌鉄道の運賃収入の八割方が石炭を運んで成り立っておる鉄道でございます。残りの二割方が旅客運送をやっているという鉄道でございます。その大宗貨物である石炭が皆無になりますと、とても私企業としては成り立っていかない。これは先生も十分おわかりのことかと思いますが、その場合に、残る問題といたしましては、従業員の退職金問題そういった派生的な問題がいろいろ出てくるわけでございますので、それらの点もあわせまして、いろいろと個人的私見ということで話したことはございますけれども、決してそうなったほうがいいのだというつもりで申し上げたのではございませんので、ひとつ御了解願いたいと思います。 それからただいまの鉄道の手続でございますが、おっしゃるとおり廃止許可制をとっておりますので、大臣の許可がなければ廃止できない、こういうふうに考えております。したがいまして廃止なり休止をする場合は、留萌鉄道のほうから廃止許可申請あるいは休止許可申請が出てまいりまして、われわれのほうで審議した結果処分をする、こういうたてまえになっております。
○渡辺(惣)委員 一体廃止の申請がかりに出た場合は、いままでの行政的な経験で、廃止の許可をするという認定を下すまでに期間はどれくらいかかるのですか。それからそういう許可がおりない前に運休をし廃業した、実質上の廃業をした場合において、運輸省はどういう責任を負い、どういう指導を行ない、どういう処罰を行なう権限を持っておるのか、明らかにしていただきたいと思います。
○佐原説明員 地方鉄道法第三十九条の規定によりますと、許可のないままに廃止をした場合には千円以下の過料に処するということになっております。 それから過去における廃止許可手続の期間でございますが、これは非常にまちまちでございまして、非常に早く行なえる場合、それからかなりの期間を要する場合、いろいろございまして、一律には申し上げられません。
○渡辺(惣)委員 一体これは国の法律だというならけっこうですが、いまごろ千円の罰金で鉄道をとめたり運行したりする、そういう人がいま地球の上にいるのですか。罰金千円で鉄道がとまったり運行したりするような条件があるのかどうか。運輸省は少し頭が狂っていませんか。
○佐原説明員 地方鉄道法の規定をお話ししたのでございまして、実際問題といたしましては、われわれはあくまでも廃止の許可をとるように指導いたしますし、それから許可を与える場合には、後々の国民の足を確保すべく代替輸送機関を必ず走らせる、こういうことを条件といたしまして廃止の許可をいたしておるような次第でございます。
○渡辺(惣)委員 あなたは法の施行者でしょう。あなたは、法律を守らないから法律に基づいて監督をしたり行政指導しているのでしょう。千円で、その行政指導が可能だと思っているんですか。もし可能でないと思ったら、なぜいままでのうちに法律の改正をしなかったんです。なぜこういうでたらめな法律を――私鉄のかってな、でたらめな廃業や営業休止を規制する処罰の法がなければ拘束できないんなら、拘束できるような法律の改正をしなければいかぬでしょう。これは千円で鉄道をとめたり動かしたり、規制力があるんですか。そういうことがわからなかったんですか。あるいは適用したことがなかったんですか。それからこの矛盾を、きょうまで、私の指摘するまで、千円で車をとめたり動かしたりできると、そう思っておられたのですか。それはあなたのほうが行政のサボタージュなのか。この地方鉄道法の誤りでないのか。どこに一体、指導し監督する条件があるんです。これでストップできるんですか、千円の過料で、罰金で。
○佐原説明員 先生御指摘のように、千円の過料ということは非常に時代錯誤的な印象を私も受けますが、ただ実際問題といたしまして、いままでこの適用があった例はございません。いつも指導でもって廃止許可、運行を停止させるということが事実でございます。ただ、おっしゃる意味は私よくわかりますので、今後また検討さしていただきたいと思います。
○渡辺(惣)委員 私は罰金をよけい取れと言っているんじゃないのです。なるべく罰金なんて取らぬほうがいいのです。しかし、こんなナンセンスな、世の中に通用しないような罰金をきめておいて、それで私鉄の指導や監督をしようというさか立ちをした考え方を言っているんですよ。第一、これは、あなた、千円納めれば過料を終わるんだから、ストップしてもいいんでしょう。千円納めればそれで済むことでないですか、鉄道をやめても。そうすると、千円納めればいいんだから、きょうでもあしたでも鉄道をやめちゃいますよ。そこで、一体運輸省は私鉄の運休を、その仕事の公益性に基づいてこれをとめて、運行せしめるという能力と条件とを持っておるかどうか、ひとつ承りたい。
○佐原説明員 具体的に現地におきまして、先ほども申しましたように、大宗貨物が皆無となった場合に、鉄道業としてはもう経営できなくなるという感覚から、きびしい申請の動きが出ております。われわれもそれ以上、その運行の継続を行なわせることは実際問題としてもう無理であるというふうに考えております。問題は、後ほどお話が出るかと思いますけれども、残る代替輸送機関をいかにして確保するか、こういう面に今日いろいろ検討を行なっておる段階でございます。
○渡辺(惣)委員 これはおそらく北海道でも類例がないのですからね。全国でも私鉄の関係では類例のないケースだと思う。なぜならこの留萌鉄道は、過疎化が押し進んで、農村や奥地が住みにくくなって、そうしてぼつぼつ年次的に三分減ったり、五分減ったり一割減ったりして、自然減できている現象ではない。私鉄にそういう過疎地帯の現象は、全国に幾らでも出てきておると思う。しかし、この私鉄の場合は、全く政府の政策のための犠牲となってきた状況なのだから。そうすると運輸省は、この留萌鉄道に関しては、全国の私鉄の対策とは全然別個な、特殊なケースとして――また将来とも同じような状況があろうはずはないのですから、北海道の鉄道だけです、こういう条件は。そういう特定のケースとして出てきたものに対しては、特定なケースとして指導することが必要なのではないか。これを運輸省の私鉄の関係の一般的な条件の中で処理しようとするところに、問題の矛盾と無理があると思うのです。この点はどうなんですか。
○佐原説明員 先生御指摘のように、留萌鉄道の場合、非常に特殊なケースでございます。沿革その他から申しましても、非常に同情すべき点はあるのでございます。ただ運輸省といたしましては、地方の中小私鉄の中で、赤字経営であえいでおる私鉄が一般的にたくさんございますので、運輸省として何か政策をとる場合には、一般的なワクの中でこれをとらえてやりたい、このように考えまして、実は本件につきましては、通産省のほうの石炭対策でひとつ何とかしてもらいたいということで鋭意折衝してまいりましたけれども、通産省もいろいろ御尽力をいただきましたけれども、結論的にちょっと無理である、こういうことになりました。まことに遺憾でございますが、そのような実情でございます。
○渡辺(惣)委員 運輸省は、人のふんどしで相撲を取ろうと思ったってだめですよ。自分のところは自分のところであらゆる努力をして、そうしてできないところは各省話し合いを――通産省や労働省や運輸省が相談して、金が出せないというなら大蔵省に話をする以外にないでしょう。そういう努力をしたですか。あなたのところの法律で、地方鉄道軌道整備法という法律があるでしょう。この地方鉄道軌道整備法という法律の第二十四条に補償の条項がある。これは長いから省略しますが、国鉄が地方鉄道に接近したり、並行したりしておる場合に、営業採算がとれなくて廃止せざるを得ないときに――「当該地方鉄道業者が、日本国有鉄道又は日本鉄道建設公団の当該鉄道路線と接近しない、又は並行しない区間につき地方鉄道業を継続することができなくなってこれを廃止したときも、同様とする。」いいですか、地方鉄道業を継続することができなくなってこれを廃止したときも同様である。これは前の並行の規則とは違うのですよ。そうすると、いまの運輸省の関連の現行法律の中でも、地方鉄道が事実上できなくなって廃止するという場合は、何も人のふんどしで相撲を取らぬでも、自分のところの予算の中で、自分のところの法律で救済する法律があるでしょう。この法律もやはり一千円くらいの値段しかないのですか。
○佐原説明員 地方鉄道軌道整備法第二十四条の規定は、日本国有鉄道が敷設されたために地方鉄道の経営が成り立たなくなった場合、あるいは日本国有鉄道が既存の私鉄のすぐ隣接地域にできましたために経営が非常に困難になった場合、この場合の規定でございまして、今回のようなケースにはそのまま適用できない条文である、こう考えております。
○渡辺(惣)委員 あなたの解釈はかってですよ。それなら、なぜその以外に、あとのほうに「地方鉄道業を継続することができなくなってこれを廃止したときも、同様とする。」なぜ同様ということを使っているんです。同様ということは、他の部分と同様に扱うから同様という文字があるんでしょう。もし一本だったら、わざわざ法律で同様であるなんという――第一項に対して第二項があるから、第一項に準ずるから同様であるというんでしょう。違いますか。
○佐原説明員 この規定は、国有鉄道が敷かれて成り立たなくなった鉄道、その路線のほかに、国鉄以外の路線を持っておった場合、企業全体として成り立たなくなった場合に、他の路線も同様に扱う、こういう規定でございまして、あくまでも国有鉄道の敷設が前提条件になっておるわけでございます。
○渡辺(惣)委員 私はそういう解釈をしない。しかし、一歩譲ってそうだとしてもいいですよ。国鉄と私鉄との間で、自分の世帯の中で兄弟げんかをしたり、利益が競合したりした場合は救済の措置を講ずるが、石炭等の問題で犠牲になった場合にはできないという論拠はどこにあるのですか。廃止の運命にあるという状況は、結果は同じでしょう。なぜそこに政策手段が伸ばせないのですか。なぜ運輸省はそう冷たいのか、いくら国鉄一家でも、国鉄のこと以外は一切無視するのか。なぜ同じ手法が、補償の方法が石炭産業にあたって、あなたのところの法律のもとに保護され、規制され、指導されている私鉄について、しかも全国にたった一つのケースに、この補償適用の道がないのですか。またこういう救済のしかたで努力をしたということは、この問題が焦点になってからまる二カ月一ぺんも聞いたことがない。閉山をした場合、炭鉱労働者が残っておるのに、万が一この鉄道がなくなったらたいへんだ。あと二月でも三月でも炭鉱労働者がやめて他へ出ていくまで、そこに何千人という人が住んでいる間は鉄道を運行させ、運行期間中の補償をしなければいかぬでしょう。あなたの言っているとおり、八〇%まで石炭の貨物を運送していた。主たる収入はそこだ。しかし、石炭はなくなっても、人間はそのまま存在しているんです。そうすると、貨車は運行しなくても客車を運行させる。通学する者、職を求める労働者、そういう人たちのために運行させぬでもいいとおっしゃるのか。運行させるとしたら、その運行期間についてはこういう補償条件があるんだから、補償条件の拡大解釈をすればいいでしょう。通産省は拡大解釈の名人ですよ。できないという話がありますか、人のしあわせになるのに。通産省は山をつぶすために拡大解釈するんですが、あなたはしあわせのためになぜ一体法律の拡大解釈ができないのか。
○佐原説明員 運行を維持するために赤字が出た場合の欠損について補助の規定が地方鉄軌法にございますので、これは考慮の余地がございますけれども、先ほど先生御指摘になったように、沿線各駅に約四千人ばかり住んでおります。年間にいたしましてどのくらいになりますか。一日平均にいたしますと、これまでは約千二百人ばかりの旅客が乗っておったのでございますが、日を追うて減少してまいりまして、ごく最近では半分以下の五百五十人程度に減っております。これは鉄道としてはもはや成り立たない状況であるとわれわれは考えております。それから一般中小私鉄対策といたしましても、銃道の特性は大量輸送でございますので、この中で過疎化現象によりまして旅客が減ってきた鉄道につきまして、一定の限界以下の鉄道はバスに転換させるような政策を運輸省としてはとりつつございますので、留萌鉄道だけをそういうふうに扱うことは非常にむずかしかろうと思います。 ただ、その場合のあとの代替輸送手段、具体的に申し上げますと、バスでございますが、バスの確保につきましては、十分努力してやっていきたい、こういう考え方でございます。
○渡辺(惣)委員 そういう鉄道を継続して動かすという努力はしてなかったことは事実ですね。やめさせるほうが先だったですね。
○佐原説明員 一時運行を休止するというような動きが現地であったようでございますが、その場合には、一応業者を指導いたしまして運転を続けさしております。ただ、いよいよ山が閉山ということになりました場合でも続けろということは、ちょっと申しかねる、このように考えております。
○渡辺(惣)委員 それはあっちゃこっちゃですよ。鉄道をとめなかったのはこっちですよ。あなたがやめろと言うのをこっちがやめさせなかっただけですよ。それで、一体鉄道が二十日なら二十日運休したらどういうことをいたしますか。きょう業務部長においでを願っておるはずなんですが、見えていますか。先ほど申し上げたような道路交通事情に置かれている人々は約四千人いるという状況の中で、山がつぶれたとたんに運行を停止するということになると、文字どおり陸の孤島になってしまうわけです。そうすると、それをどこかの民間バスにおっつけようとするんだと思うのです。なるべく国鉄は責任を負いたくない。何しろ全国八十三の赤字路線を切ってしまおうという冷酷むざんな役所ですからね。だから、さっさと撤退してしまった場合、なるべく国鉄が責任を負わないで地方自治体の町営バスにやらせよう、あるいは中央バスにやらせよう、あるいは札幌から留萌を通っている沿岸バスがある、そういうものははるか五十キロも先を走っていますが、そのバスを乗り入れさせようと考えておるだろうと思いますが、そんな虫のいいことは許されない。私企業としては採算がとれないですよ。採算がとれないならば、役所の公益事業のほうは、とれようととれまいと国の経費でやっておるんだから、このストップした瞬間に国鉄バスを入れることが当然だと思うのです。国鉄バスを入れられないというなら、この鉄道を運転する間の損害を政府は補償して鉄道を運転する。政府の責任をもっていわゆる地方住民の生活と福祉を守り、そして鉄道の公益性、公共性というものをここで順守する、この道がなければならぬと思うのです。代替交通手段は、鉄道をとめましたならば、当然運輸省の機能によって民間におっつけたり、なおおっつけて赤字が出たら、それもつぶしてしまうというやり方をするなら、ちゃんと国鉄バスを運転して――しかもこれは長期にわたるものではない。せいぜい三月かそこらですよ。山をつぶしてしまったら人の住めるところじゃないです。そんな短期の将来性のないところ。そんなところへ私バスを入れておっつけようなんといっても、そんなことは受けませんよ。それは国鉄バスがあるんだから当然国鉄バスを運行して国の責任を果たすべきである。この点について明確にしていただきたいと思います。
○平岡委員長 関連質問を許します。岡田君。
○岡田(利)委員 運輸省としては、昭和炭鉱が閉山になり、また九州の鉱山が閉山になった場合の問題については、しばしば折衝いたしておりますから、実情を私は十分御承知ではないかと思うわけです。しかもこの山は大体今月一ぱいで完全な閉山をする、こういう状況にきていることは、私は運輸省としては十分知っておるのではないかと思うわけです。しかし生産はとまるけれども、四千名に及ぶ人々はその他に転出するまではあそこで生活をする必要があるわけです。これは炭鉱のみならず商店街もございますし、いろいろ問題もあるわけです。また高校生もおります。いまバスを運行するといっても、おそらくあなた方は現地に行かれたことがないと思うのですが、今日の状況はバスは山元まで行かない。道路がバスを運行できる状況ではないわけです。少なくとも五月に入ってこなければそれができない。またすぐ引っ越しをしようとしても、そういう状態でありますから、はたして荷物の運搬その他ができるかどうかについては非常に疑問があるわけです。したがって、そういう実情は現地の出先機関から連絡を受ければ、よく実態は把握ができると思うわけです。もちろん生産がとまり、石炭の輸送がなくなりますから採算には乗らない、こういう面は出てまいります。しかし人間が住んでおるわけですから、少なくともその間については、当然運輸省としても国としても何らかの措置をとるべきではないのか、こう私どもは判断せざるを得ないわけです。そいうい点について、具体的にその実態の把握というものは数度にわたる折衝をいたしておるわけですし、大臣も次官もすべて知っておるわけですし、大体山の展望が出てまいりましたから、この機会にその面の総括的、具体的な対策というものが示されなければならないだろう。そうでないとすれば一体いままで何をやっておったのか、こういうことに私はなるだろうと思うのです。 それと第二の問題は、留萌鉄道はそういう点で再三再四にわたりその実情について、経営実態についてもいろいろ問題を提起してまいったわけですから、いま生産がとまって運行停止をするとするならば、一体この鉄道はどうなるのか。営業をやめるという場合には、関連企業を含み、全体の経営関係の対象を含んで一体どうなるという見通しをあなた方は持っておるのか。その場合に、そこにおる労働者に対しては、退職金その他労働債務については一体どうなるのか。また、もちろん地域の問題でありますから、北海道庁ともあなた方は連絡をとって、その点についてはもうすでに対策が立てられていなければ、一体いままで何をやってきたのだということに私はなると思うのです。あるいはまた、一応鉄道はやめるけれども、この地域の輸送について、いわゆるバス転換とかいうものについてどこまで詰まった話をしておるのか、こういう一連の具体的な内容がこの際提示されないとするならば、私は怠慢といわざるを得ないと思うわけです。ですから、いままで議論がありましたように、退職金が払えるかどうかということについては多少問題もあるでしょうけれども、いま述べた総括的な問題について、すでに個別的に対策は完了していなければならない、明確にここで述べ得るだけのものがなければならないと思うわけです。そういう総括的な面についてあわせてひとつ御答弁願いたいと思うわけです。
○佐原説明員 留萌鉄道の首脳部との話し合いの結果、これは山のほうの状況で必ずしも確定的ではございませんが、山が閉山した場合にはとりあえず休止するということで、休止の申請を手続中でございます。その休止の時期でございますが、五月一日以後運輸省の許可があった翌日から運行を休止する、こういう態勢になっております。したがいまして、これからその手続きを進めるわけでございます。山のほうの動きに合わせて処理してまいりたい、こういうふうに考えております。 それで、鉄道が休止になった場合のあとの退職金の問題でございます。これは岡田先生十分御存じのように、いろいろございましたけれども、不本意な結末になってまことに申しわけないのでございますが、実は昨日から留萌鉄道の労使間で団体交渉が始められております。そうしますと、いろいろ具体的な計数的な問題があがってまいりますので、これに基づきましてまた通産省とも相談して、できるだけ従業員のためになるように努力をいたしたいと思っております。 それから退職金の金銭的な面でございますが、留萌鉄道は、一応四十二年度までは石炭がありました関係で税引き前で約千八百万円の黒を出しております。一年以上経過いたしまして経営も悪化いたしてまいりました。これは石炭並びに旅客が減ったのが原因でございますけれども、四十三年度の仮決算で最終的な数字でございませんが、逆に約四千万ばかりの赤字を計上するという情報が入っております。一応現在の試算で一体どうなるのかということでございますが、非常に鉄道固定資産を個々に低目低目に評価いたします。それから兼業でやっておる採石業も低目に評価いたしまして、金額的には退職金、これは資産の処分いかんによるものですからはっきりしたことは申せませんが、非常に固めに押えましてちょっと不足するかまあとんとんというような状況、ただこれはすぐ売れるというものでもございませんし、買い手の問題、その他時期を見て売るほうが高く売れるということもございますので、直ちにこれを換金するということは非常にむずかしい場合がございます。そうなりますと、清算価値としては一応資産的にございますけれども、金繰り面で非常に困難を来たすのじゃなかろうかというふうに思いますので、そういった場合にはその間のつなぎ融資が何とかできるように通産省とも相談しながら努力いたしたい、このように考えております。 それからあとのバスのことにつきましては、自動車局のほうで答えていただきます。
○渋谷説明員 留萠鉄道の廃止が許可になりました以後のバスの代行輸送については、当該路線の延長が大体三十キロ未満でございますので、三十キロ未満の免許につきましては地方の陸運局で、この場合は札幌陸運局長の権限になっております。札幌陸運局長からの連絡によりますと、大体許可になった後のバス運行についての準備が整った、それで当該留萌鉄道の廃止の許可に伴いまして地元の北海道中央バスが、免許といたしましては沼田町から昭和炭山まで、それからバスの実際の運行は函館本線の深川から炭山まで一日六回を運行したいという連絡がございまして、間もなく道路運送法に基づきますところの申請が出てまいりまして、札幌陸運局長の審査を経て免許になろうかと思います。
○岡田(利)委員 そういたしますと、四十二年度までの決算は黒字を続けてきた、こういう報告でございますから、当然退職積み立て金というものは積み立てられておると思うわけです。これが一体どうなっておるのか。いわば法定上積み立ても可能なわけです。大体内容を調べてまいりますと、当然法定上の積み立てが可能であるというように私ども見ておる。この点をどう考えられておるのかという点が第一点です。 それから第二の問題は、いわば採石事業というものが鉄道株式会社内において行なわれておるわけです。しかも一億六千万程度の膨大な投資計画をもって、すでに一億五千万程度の投資が行なわれておる。これは公益事業である鉄道の事業と、それから採石事業というものを考えてみますと、鉄道事業が直接採石事業に投資をするという点について問題がないのかどうか。たとえば採石事業にそれだけの投資をしてもしうまくいかなかったという場合には、公営事業であるところの鉄道事業に非常に重大な影響を及ぼすわけです。これが別途の会社であるならばそういうケースは当然今日の商法上行なわれるわけですけれども、そういう点については、特に最近のケースであるので私どもは理解に苦しんでいる面があるわけです。しかし、いずれにしてもこれらは運輸省としては決裁をしておるはずなんですね。それが一体どういう判断で行なわれておるのか、そういう点についても御答弁を願いたいと思うのです。
○佐原説明員 退職給与引き当て金の問題でございますが、四十二年度決算におきましては、税法限度一ぱいだと思いますけれども、約三千二百万ばかりの積み立てが行なわれ、引き当て金がとられております。これは先生御存じのように、現金でもって積んでおるわけではございません。何らかの形で資産に化体しておるということでございますので、その点ひとつ御了解願いたいと思います。 それから、兼業の問題でございますが、中小私鉄は赤字でいろいろ困っております。これは大手の場合も同じでございますけれども、兼業によって、何とか会社全体として経営を維持するという姿勢が随所に出ております。その兼業が、先生おっしゃるように、赤字で足を引っぱるような場合は非常に困るのですが、幾らかでも会社にとってプラスになる場合には、運輸省としてはこれを認めていこうという態度でおります。 採石業の見通しでございますけれども、運輸省の所管ではございませんので、判断できませんが、しかるべき金融機関が融資をしておるという点からも、足を引っぱるということはなかろう。その場合に、兼業いたしまして、幾らかでも従業員を兼業部門のほうへ吸収する、こういうような説明が会社側からもございましたので、その面も考慮いたしまして、これを認めた次第でございます。
○岡田(利)委員 そうすると、留萌鉄道の総負債と、兼業している採石事業の負債の関係はどうなっていますか。
○佐原説明員 四十二年度の決算で申しますと、このときはまだ採石業は始めておりません。流動負債を除きまして、固定負債関係では約二千七百万、これは鉄道プロパーに対する負債でございます。一年の間に採石業のほうへ投資をいたしました結果、現在、採石業の資産といたしまして約一億五千万ばかりになっておりますが、これに対しまして、負債のほうが一億五百万というふうに承っております。
○岡田(利)委員 そこで、この留萌鉄道の決算内容を分析いたしますと、いま述べられたように、鉄道自体としてはわずか三千万程度の負債であるとするならば、それだけの資産というものは、鉄道関係の処分をすればそれを上回をものが出てくるのではないかと私は思うのです。だれが考えても、常識的にそうだと思うわけです。そうすると、結局新規投資の負債が圧倒的に多いわけですね。一億三千万ちょっとの新規投資の負債。それは始めたばかりですから、土地もあれば、新しい工場施設もある。事務所もあるわけです。それで、これが昭和四十三年度から投資をして、四十四年度には一千万、四十五年度には一千万投資して大体完了するという形態になっておるわけです。したがって、新規投資をすることはそれだけ価値があるわけです。その事業全体を見れば、それ以上の価値があるんだと思うのです。こう思うのが当然であります。採石事業でありますから、当然通産省の認可事項でありますので、そういう点についても届け出が行なわれておるわけですから、こういう把握をすると、八千万程度の従業員に対する退職金が払えないということはないのではなかろうか。私はそういう分析をするわけです。 この対策は、もう一歩進めると、鉄道をやめると同時に企業はどういう形で転身をするのか、すべてやめてしまうのか、いずれかを選択しなければならないということになると私は思うのです。処分をするとするならば、いま言ったように圧倒的に新規事業に対する投資、しかも昨年行なわれたという投資でありますから、そういうものの中から退職金を払う方法というものは、それぞれの関係諸官庁の間の連絡を密にすれば可能であると判断するのは当然だと思うわけです。そういう点の確信については運輸省はいかがですか。
○佐原説明員 先生お説のとおりでございます。先ほども申し上げましたけれども、かりに清算するとすれば、その資産価値から見ますれば、退職金を払えるだけのものは出てくるような感じが金額的にはいたしますが、ただ、金繰り面で即座にということになると困難ではなかろうか、できればその間のつなぎ融資を何とかしてやりたいという気持ちでございまして、まだ会社の首脳部とその件について突っ込んで話はしてございませんけれども、今後労使の団体交渉の場を通じまして、具体的な問題としていろいろ上がってくるのではなかろうか、このように思いますので、それを承った上で、関係各省とも相談しながらやってまいりたい、このように考えております。
○岡田(利)委員 この際結論的に、いま運輸省からもそういう考え方が述べられたのですが、通産省としても、山が閉山するためにこの鉄道は営業をやめなければならない、こういう事態になってまいるわけですから、いまの運輸省の答弁から判断いたしますと、特に融資の問題あるいはまた、そういう一つの悩みの中で資産を処分をするという場合には、概して社会的な用語で言えば値段をたたかれるといいますか、こういう問題が当然あるわけでありまして、当然これは通産省としても重大な関心を持ち、この点については問題のないように対処をするという積極的な姿勢も大事だと思うのです。この点もあわせて答弁を願っておきたいと思います。
○藤尾政府委員 先ほど来渡辺先生あるいは岡田先生のいろいろな御所論を承っておりまして、私も国会議員といたしまして、私自体が選挙区に八十三路線の中の二つを持っておるわけであります。問題は根本的に違いますけれども、しかしながらこういった既設の、しかもいままで非常に大きな役割りを果たしてまいったものを、役に立たなくなったからといって、その日からおまえはもう用はないというような立場をとるということは、私は政府といたしましても考えなければならない問題である、かように考えます。しかしながら、いまの運輸省側のいろいろな答弁を承っておりますと、すでにいろいろの検討を行なっており、そして代替バスを導入をするという計画を立て、その路線を認可しておる、こういうことでございます。したがいまして、運輸省の問題にまで私どもが立ち入りまして、その問題についてああしろこうしろというわけにはまいりませんけれども、しかしながら私どもといたしましても閣議を持ち、あるいは私どもも政務次官会議を持っております。したがいまして、そういった場所を通じまして、私どもも渡辺委員あるいは岡田委員と意を同じくするわけでありますから、そういった趣旨を十二分に伝えまして、できるだけ誤りなきを期するように努力をいたしてみたいと思います。 なお、従業員各位に対しまする退職金問題については、路線の売却その他の問題で処置をいたしたい。ただしこれが急速にできるものではないから、そこにつなぎ資金の問題が出てまいる、そういった場合には関係各省との検討を要する、こういうのが運輸省のいまの考え方のようでございます。当然その際には私どもも大蔵省もまたその関係省といたしまして、相談にあずかることと思います。その際には私どもといたしましても誠意を持ちまして、十二分に御期待に沿いますように努力をいたしたい。善処をいたしますということをお約束申し上げたいと思います。
○渡辺(惣)委員 運輸省で中央バス代替の手続をしているというのですが、五月一日に閉鎖する、一方が廃止する手続が終わらないうちに片一方のバスを入れる手続をして、間髪を入れずにバスが運行されるような状態になっているのかどうか、その点について明らかにしていただきたいと思います。
○渋谷説明員 札幌陸運局長に連絡をとりまして、許可の見通しと歩調を合わせながら、鉄道の廃止の許可あり次第、このバスの運行が可能なように手続させたいと思います。
○渡辺(惣)委員 あり次第というのは、同時ということですか。
○渋谷説明員 同時と考えてけっこうです。
○渡辺(惣)委員 それではこれで時間がなくなりました。まだ質問を予定しておりましたが、これで終わりたいと思います。
○平岡委員長 大橋敏雄君。
○大橋(敏)委員 通産省の方々は連日の審議でお疲れであろうと思いますが、私で一応最後になりますので、がんばっていただきたいと思います。 先輩各位があらゆる方面から質疑しておりますので、極力重複を避けまして進みたいと思いますが、先ほども言いましたように、これで最後でございますので、答弁のほうは親切丁寧にひとつよろしくお願いいたします。 新石炭政策の内容を見ますと、一口に言いますれば、再建会社に対しまして、異常債務を財政で肩がわりをするとともに、安定補給金を増額して一定の生産を維持させること、これが基本であるかのように思われます。また一方生きる見込みがないそういう炭鉱には閉山交付金を増額して、いわゆるなだらかな撤退ができるよう措置が行なわれた、特に企業ぐるみ閉山に対しましては、閉山交付金を特別割り増しをするというのが大体大綱のように感じたわけであります。ところで、大手炭鉱十六社のうちに明治、杵島、麻生という三社が以前から通産省に対して閉山の申し入れをしておりまして、石炭産業界の大きな話題になっていたわけでございますが、話によりますと、通産省としましては、これらの閉山については、いわゆる予期されていた規定路線であった。つまりこれらが暗黙の前提となりまして、支出予想額が四十四年度の石炭関係予算案に組み込まれていたということであります。先日、私が石炭企業のなだれ現象の心配についていろいろと質問したわけでございますが、そのときに中川局長は次のような趣旨の答弁をなさいました。つまり、なだれ現象というもののとらえ方にまず問題がある、石炭産業の現状推移から見ると、確かに集中的な閉山は考えられているけれども、明治、杵島、麻生が閉山するということから特別に閉山が起こってくる。なだれ現象が起こるということの心配はないように思う、このような答弁であったかのように思います。しかし、私は石炭問題の神さまと仰がれている中川局長の答弁ですから、そのまま信用してみたいと思いますけれども、このように大手が二つも三つも次々と閉山に踏み切っていくという事実、これから金融機関やあるいは炭鉱労働者はあらためて石炭産業への不信感をいっそう深めているように思うのであります。したがいまして、予期した以上に閉山あるいは廃業がさらに進んでいくのではないかと私はひとしお懸念するわけであります。この予期以上の閉山の傾向があらわれた場合、通産省としては、どこにその歯どめを持っているのか、まずお尋ねしたいと思います。
○中川(理)政府委員 お答えいたします。 たいへん具体的な御質問でございますので、私も前回はいささか政府の職員としては言い過ぎになるかもしれませんが、率直にお答えをしたつもりでございまして、今回の石炭対策は助成策を検討するにあたりまして、総額の助成費の大きさというものが一定でございますので、なるべくは助成の効率が高くなるようにということでものを考えたのでございまして、その際に、通産省として把握いたしておりました各企業の経理内容というものの実態を見てまいりますと、ある限界がございまして、その限界を越える悪い企業までが今後の企業経営を継続させるようにということで計算をいたしますと、助成費の総ワクを大きくはみ出してしまうと同時に、そうでない比較的経営内容のよろしい会社に出す助成費もその分だけ薄められることに相なりまして、再建効果としても十分なものが出てこない、こういう観点からいたしまして、当委員会におきましても、審議会の審議の段階におきましては、かなり控え目に慎重に、その辺のところはあまり率直には申し上げなかったのでございますけれども、助成費の効率から申しますと、全体の足を引っぱるようなことになるものについては、涙をのんでやはり脱落を覚悟せざるを得ないのではないか。しかし、それが社会的な混乱その他を引き起こすという状況になりますと、円滑な処理ができませんので、閉山制度についての特別な制度を片方に用意する。そうして残りの企業に対しましては十分――少なくとも五カ年間の採算の見通しが立つような助成体系を考えようじゃないかというのが審議会の審議の内容であったわけでございます。その意味合いにおきまして、実は国会において具体的な名称、名前を申し上げることをはばかっておったのでございますけれども、まずさようなことに相なるんだろうと考えておりました。そうして、そのためにそういう具体的な企業のイメージがございますだけに、その企業の持っておる異常な超過債務というものを特別閉山交付金制度で処理をするという前提で、片方の制度を考えたわけでございますので、その意味合いにおきまして、いま大橋委員から話の出ました三社は実は想定に入っておったのでございます。そのほか中小炭鉱等につきましても、私どもはいまこの時点で申し上げるならば、閉山申請をいたしております中小企業のそれぞれにつきましては、いずれもそれらの私どもの予想の中に入っておったものでございます。予想外のものが出てきておるということはいまだございません。そういうことでございますので、計算上から申しますと、再建交付金の交付と安定補給金の増額、無利子融資の実施ということによりまして、収支面、損益面で他の予想に入ってない企業が成り立つという計算で組みました助成体系、これが的確に働くならば、残りのものはまたわれわれの予想どおりに十分にやっていけるのではないかと現在でも信じておる次第でございます。 ただ五年間という長い期間でございますし、石炭鉱業がしょっておりますいろいろな困離さというものは、事態の変化とともに予想を上回るものが出てくることもあり得ないとは言い切れませんが、現在の時点で考えます限り、大体想定どおりの状況でございますから、企業が、先ほどの参考人御決意にもございましたように、皆さんこの新しい対策を機にこん身の力を振りしぼってやっていただくということであれば、さほど大きな狂いなくやっていけるのではなかろうか。また計画期間における若干の状況変化に対しましては、毎年度予算をもって適当に是正改善をはかっていくことができるわけでございますので、その面から申しまして、ただいま予測し得る限りにおきましては、おおむね予想外な閉山が出てくるという事態は回避できるものと考えておるのでございます。
○大橋(敏)委員 それでは通産省としてどの程度の閉山を予期していらっしゃるのか。出炭規模から見た場合、どの程度見込んでいるのか、お尋ねします。
○中川(理)政府委員 あくまでも試算でございますけれども、助成体系を組み立てましたときの石炭鉱業審議会における前提として四十八年度時点で約三千五百トン、こう申しておりましたが、いろいろ精査を加えまして、現在つかんでおります数字では昭和四十四年度の出炭見通しが四千五百三十万トン程度、四十五年度が四千三百十万程度、四十六年度が四千百十二万程度、四十七年度が三千八百五十万程度、四十八年度で三千六百三十万程度、かように想定をいたしておる次第でございます。
○大橋(敏)委員 炭鉱労働者の確保の問題についてお尋ねいたしますが、先ほど参考人の中で組合の代表の方からもその状況が話されましたけれども、離山ムードというのが日増しに高まっている。新石炭政策もここまで固まったわけでありますが、さらに先日は中川局長のほうから政策の細目に至るまで公表されました。にもかかわらず、離山ムードというのは一向に衰えていない。むしろこの際というような雰囲気が強いというのですね。新石炭政策の恩恵を受けてやめていこうという逆な傾向になっているのではないか。特に若年労働者は長くない石炭産業の実態といいますか、そういう印象を深めて離山する者があとを断たないということでありますが、せっかく今回の新石炭政策で生きる山にてこ入れをするわけでございますけれども、肝心の労務者が間に合わないということで、労務倒産をするようなことになりますれば、ほんとうにナンセンスだと思います。労務者確保こそ今後の産炭地の重要課題であろうと考えますので、あらためて労働者確保についてお答え願いたいと思います。
○中川(理)政府委員 お説のとおり労働力の安定確保が今後の石炭鉱業再建のかぎでございまして、助成策その他をもちまして一通りの経理的な見通し、あるいは採炭上の技術的な見通しというものは持っておりますけれども、一番不確定なのが労働力確保の問題であることは御指摘のとおりでございます。今回の政策におきましても再建交付金の対象債務として金融債務だけではなくて、労働債務を入れたとか、あるいは労働環境の改善に資するために合理化事業団の無利子融資制度の中に炭住改善等の使途を掲げるとかいうようなことをいたしております。と同時に、万が一閉山になりましても今回の離職者対策にあらわれておりますように、交付金の改善、労働上の対策の改善ということに加えまして、万が一のことがあっても相当の条件で離職できるのだということが今後山で働いてくださる方々の万が一の場合の心頼みになるということをあわせて考えたわけでございますし、収支その他の面では従来の七%の人件費アップに対しまして、一〇%の想定で組んでおりますので、先ほど参考人からお話がございました一般的な賃金上昇率から見れば、なお労働者諸君には相当の不満が残っておることは事実でございますけれども、この困難な石炭経営の中でできるだけのものを見ておるのでございますから、参考人の意見にございましたように、労使双方あれだけの決意をもってやっていただくならばかなりのところまではいけるのではなかろうか。ただ労働者確保対策につきましては今回の対策で足りるということでなくて、法制や予算の面以外のものにも実際上の行政指導の上で私どもできるものがございましたら、今後とも全力を投じたいという意でございます。
○大橋(敏)委員 とにかく炭鉱の魅力はほとんどなくなった。したがいまして参考人も言っているように、せめて労働者の賃金、ここに強い魅力的な内容が示されない限り私はとても労働者は集まらないと率直に感ずるわけであります。大体石炭産業についてはばく大な国家資金を投入して産業救済というたてまえをとられているわけでありますので、そういう意味からも特段の配慮がなされるべきである。地上、屋外の労働者の立場から見ると、身の危険が非常にある産業でございます。だから賃金ぐらいそれ以上のものがなければだれが集まるであろうか、これが私の率直な気持ちであります。同時に、やはり保安第一といいますか、保安確保が確立されないと、この労働者はほんとうに心配されるとおりよそに散ってしまうのではないか。保安確保の立場から考え方をお尋ねいたしますが、いままでいろいろ災害が起こっておりますが、最近は人災的な災害といわれるような事故が起こっております。今後そうした人災的な災害は起こさないという確信はあるか、まず聞きたいわけですが、そういった点お答え願います。
○橋本政府委員 保安の確保につきましては、私たち全力をあげましてこの新政策等の中に保安を確保するためのあらゆる措置を講じて万全を尽くしたい。それによりましてもう人災的な災害は絶対起こさないという最大の努力をしたいと思っております。
○大橋(敏)委員 炭鉱を守るためには保安第一です。しっかりお願いします。 次に特別閉山交付金についてお尋ねいたしますが、四十四年四月一日から四十六年三月三十一日満二カ年間に企業ぐるみで廃業する会社に限られてこの特別閉山交付金が支給される。そのほかにも制度の乱用を防ぐためにいろいろな条件はついているように思いますが、私がここで感ずることは、中小炭鉱はあまりこの恩典に浴さないのではないか、中小炭鉱は累積赤字の額が少ないので、いわゆる一般閉山の交付金だけで閉山費用がまかなえるということからほとんどこういう対象にならない。したがいましてこの措置は実際的には大手会社の廃業の場合にだけ適用されるように感ずるわけです。そういうことはやはり不公平な感じを受けるのですが、そういう点はどうなのでしょうか。
○中川(理)政府委員 前々からお答えいたしておりますとおり、この閉山交付金の厚さと申しますものは、当該石炭会社に対して有利であるか、得であるかということではございませんで、当該炭鉱の閉山に伴って迷惑を受ける中小企業者、労働者その他の人にとってどうであるか、こういうことでございます。午前中お答えいたしましたように、一般閉山交付金の平均がトン当たり三千三百円、それから特別交付税の予想で言いますと八千円近くなるであろうということから見ますと、八千円のほうがきわめて大きい、こういう感じに相なるわけでございますけれども、これによって労働者が受け取る本来受け取るべき退職金への回収額あるいは中小企業者が受ける額というものを見ますと、退職金につきましては先日お答えしたようなことでございますけれども、中小商工業者の債権は五割を切ることになろうかと思います。それから見ますと、あまり借り入れのない中小炭鉱の債権者はこれより高い回復率で受け得るからこそ、企業側はこの特別交付金を申請してこない、こういうことだと存じますので、これはくれぐれも会社に対すると申しますよりも、そのことによって犠牲を負う人たちに対する制度であるということで御理解をいただきたいわけでございます。
○大橋(敏)委員 では、次に進みますが、新政策の重大な課題の一つといわれました石炭の位置づけ、いわゆる出炭規模はついに明示されませんでした。そのために、大口需要業界の電力、鉄綱など、これで石炭産業が再建できるのだろうかなと非常に疑問と不安を抱いているということであります。特に原料炭の最大の需要業界であります鉄鋼業界は、一つには国内原料炭価をどう設定するのか明示されていない、それから二つ目に、出炭規模の見通しにも手がかりがない、そういうことから、長期的な原料炭購入計画が立たないのだ、その点を指摘しているわけでございますが、こういう点についてお答え願いたいと思います。
○中川(理)政府委員 石炭鉱業審議会の中には需給部会という部会がございまして、これには主要な石炭の消費者代表が全部加わっておるわけでございます。そこで、先ほどお答えいたしました昭和四十八年度までの最終時点で三千六百三十二万トンと申し上げましたものの中には、そのうち原料炭が幾らであり、一般炭が幾らであるという内訳もあるわけでありますし、それぞれの内容を需給部会等にお示しすることによりまして、石炭の需要家のほうで長期的な見通しというものが十分持てるようにいたす所存でございます。 なお、価格の問題につきましては、答申段階におきましても、なおかつ現在時点で炭価の値上げということは言い得る状況でないということで、残念ながらこれを断念いたしたわけでございますが、これらの長期的な予想、それから海外炭の状況というものを考え合わせますと、今後の問題といたしまして、私ども具体的に改善の方向に客観的な情勢が許すならば努力をいたしたいつもりでございます。 先ほど中小の参考人のほうから中小値差の問題も出ておりますが、この問題も、いま私ども電気事業連合会と連絡をとりまして、幾らか好意的に考えようかという機運が出かかっておる状況でございますので、個別具体的な問題として今後行政上フォローしてまいりたいと思っております。
○大橋(敏)委員 重要な事柄ですので、真剣にその問題を進めてもらいたい。電力業界も四十三年度の一般炭引き取り予算量は二千百五十万トンだ、四十四年度は引き取り量は千九百五十万トンにするように希望していた、このように聞いているわけでございますが、実際問題として、予想以上の閉山が起こりますと、はたしてこれだけの確保ができるのだろうか、非常にこの点も心配されている点でございますので、あわせて答えていただきたいと思います。
○中川(理)政府委員 前年度の引き取りについての約束から実績は三十万トンこちらのほうで供給不足になりましてショートした実績を持っておりますので、ただいま私どもの調整課長のほうで、電気事業連合会と相談をいたしておりますが、およそ千八百八十万トンというかたいところで、かつ石炭側の希望する引き取りというものが大体まとまるのではないかということで、ただいまは至急に話を詰めるべく努力をいたしておる状況でございます。
○大橋(敏)委員 閉山が予想以上に起こった場合、その点はだいじょうぶですか。
○中川(理)政府委員 電力業界との関係におきましては、先ほど申し上げました需給部会を年四回必ずレビューするということで、そのつど修正をいたしておりますので、その意味で大事な客である電気事業者に迷惑をかけないように、事前に十分な連絡をとれる体制をいましいております。
○大橋(敏)委員 それでは次にいきますが、四十四年度から五カ年間約四千二百億円という国家資金が投入されるわけですが、今度の対策が最後の抜本策だ、こう考えられて新政策が組み込まれてきたわけであります。にもかかわらず、石炭産業そのものをどう持っていくか、こういうビジョンといいますか、将来の姿というものはきわめてあいまいである、あるいは具体的な運転資金対策も不十分である。そこで石炭企業のかかえている現在の赤字がはたして埋め切られるものであるか、とても埋められないのではないかと私は思うのであります。今回の再建交付金の交付ではたして再建の見通しが立つのか、また前回の元利補給金の肩がわり政策の失敗が繰り返されるのではないかとおそれているわけでございますが、この点について説明願いたいと思います。
○中川(理)政府委員 現在判断いたします限り、今回の助成政策で、先ほど申しましたように、限界をこえる企業の閉山を前提といたしまして、支障なくやり得るものと私どもは確信いたしておりますが、先ほど大臣からお答えがございましたように、もっと助成効率を高める上で、全体の石炭産業の体制のあり方というものについていい案が出てまいりますならば、そのほうのメリットは、いまこの体制変更なしに計算しても私どもはやれるのではないかと思っておるところでございますので、先生のおっしゃる御不安が私どももないとは申しませんけれども、それを消す要素として、ほかの意味での体制問題その他からの合理化メリットというものが出てくることが望ましいわけでございまして、その意味におきまして、至急積極的に全体の産業としての合理化メリットの追求ということに努力をいたすべく、審議会に諮問をいたす所存でございます。
○大橋(敏)委員 また新石炭政策の中で骨抜きだといわれている問題で、体制整備の事柄があるわけでございますが、先輩各委員も口をそろえてその問題については質問しておりました。私どもも経営形態が明確にならない限りほんとうの再建の道を歩き出したとはいえないと思うのであります。鉱区の調整あるいは販売合理化が急務である。つい先般三社統合論、いわゆる北海道、常磐、九州、この統合論などが話題になったこともあるわけでございますけれども、これらの体制整備について、利害関係等からでしょう、石炭業界はほとんど消極的であると聞いております。大手炭鉱が、先ほど言いますように、次々と閉山していく見通しに立った今日、強力な再編成の本格的な取り組み方といいますか、これに入るべきである、私はこう思うのであります。再編成については、先ほどからかなり説明があっておりますけれども、もう一度あらためてこの問題についてお答え願いたいと思います。
○中川(理)政府委員 大臣からお答えいたしましたように、大臣以下当初この問題につきましては、真剣にかつ積極的に取り組みたいという考えで、昨日来の御答弁を申し上げておるわけでございまして、けさも申し上げましたように、やはりいやがるものを強制するというような形ではなかなか所期の効果はあがらない、この審議期間の間にひとつ関係者が、経営者といわず労働者といわず、学識経験者の意見等をも参考に入れまして、腹を打ち割った望ましい姿というものを努力すべきではなかろうか。反面、たとえば流通の合理化のように、これが独禁法その他に触れる問題もございまして、役所サイドで解決してやらなければならない問題も出てまいることでございますので、私どものほうといたしましても、並行して行政的にやれる事柄につきましては、できるだけのことを勉強いたしたいと考えておる次第でございます。
○大橋(敏)委員 ほんとうの意味の石炭産業の再建はこの体制整備の充実以外にはなかろうかと思います。その点は十分踏まえて今後進めていただきたい。 それから筑豊の産炭地を歩いてみますと、とにかく鉱害の苦情を数々聞かされるわけであります。まさに鉱害の都ともいえるほど九州の筑豊関係はひどいのでありますが、新政策の実施、その方向からどうしても閉山傾向が強くなってきますし、この鉱害問題がさらに大きな問題として起こってくるのではないか、そういう点から非常に不安を感じておりますので、鉱害対策の点でお答え願いたいと思います。
○中川(理)政府委員 御承知のように、昭和四十四年度予算におきましては、四十三年度の復旧事業規模が九十五億円でございましたのに対しまして百十億円という復旧規模を考えておりまして、鉱害処理を促進いたしますと同時に、この処理の総合性、計画性というものを確保いたしますために、長期の復旧計画というものの作成を急ぐということで、現在努力いたしておる状況でございます。反面、鉱害認定制度の整備を行なうこと、鉱害賠償、鉱害防止のための資金の確保をはかること、終閉山時における鉱害債務の弁済の迅速化及び一そうの適正化ということをはかるつもりでございます。御承知のように、明治以来の鉱害が筑豊に集中的に集積しておるという状況でございますので、私どもの意欲にもかかわらず、実際問題として全体の鉱害量から申しますと、地元の方がまだまだ手ぬるいとお考えになる実態があることは、これは否定できないところでございますが、いま人員の許す限り、能力の許す限り、事業団の統合も行ないまして、できるだけ能率をあげようということで努力いたしておる次第でございますので、いましばらく推移を見ていただいて、なお不十分なところがございましたならば、御叱正を賜わりたいと存ずる次第でございます。
○大橋(敏)委員 これまでいろいろと先輩委員の質問を通し、またいまの私の質問等から考えましても、今度の政策の上にはまだかなりの問題点が残されているように考えます。しかし、過去三回の石炭対策を振り返りましても、その失敗の中心となったのは、政策のタイミングをはずした、ここに大きな原因があるかのように思われます。したがいまして、今度の石炭政策につきましては、現状の破局的な石炭産業の救済には、この新石炭政策を実施することが無言の救済だ、私はこのように考えまして、一日も早くこの新政策が実施されることを望むわけであります。したがいまして、政府はこれまでいろいろと指摘された数々の問題を十分理解なさいまして、その対策に全力をあげていただきたい。 最後に、政務次官の答弁を聞いて終わりたいと思います。
○藤尾政府委員 御趣旨のとおり、私どもあらん限りの力を尽くしまして、大方の御期待に必ず沿うということをお誓い申し上げます。
○大橋(敏)委員 それではこれで終わります。
○平岡委員長 岡田利春君。
○岡田(利)委員 時間があるようでないのでありますから、端的に質問しますので、端的にお答え願いたいと思います。 各省の関係一問ずつお伺いしたいと思うのですが、まず自治省に対してお伺いします。 今度の新石炭政策を進めるにあたって、すでに杵島炭鉱の閉山及び明治鉱業の閉山、また北海道でも中小炭鉱の閉山が出ておりますし、さらにそれぞれの地域で閉山が行なわれるわけです。従来産炭地域の閉山の実態は、それぞれ市町村で異なっておる面があると私は思うわけであります。たとえば、今度の昭和の例をとりますと、昭和炭鉱及び九州鉱山が閉山になりますと、この地域はもろともに実はスクラップ化されるわけです。したがって、そのために学校及び公共投資しておった施設は一切撤去しなければならない。このあとはいわゆる木でも植える以外に産炭地の振興策はない。こういう地帯でありますから、この場合、自治体は起債を立てて公共施設をつくっているので、これらの償還というものは非常に困難になってまいるわけです。こういう点について一体どういう対策をとるのか。並びに閉山に伴う産炭地域の疲弊に対処して、特別交付金等の処置についてはいままでもとっておりますけれども、そういう点については、この問題を含めてどう扱われるか。特に通産省が自治体に対して約十億の特別交付金制度を今年度予算化しておる現実にかんがみて、この面について十分誤りのない対策と処置をとるべきであると思うのでありますが、この点の見解を承っておきます。
○佐々木説明員 産炭地市町村におきまして、特に閉山に伴う財政事情の変動の問題に対処いたしまして、その財政措置にはいろいろな対策があるわけであります。通常この閉山に伴いまして、小中学校等が閉鎖になるというような事態になりましても、起債の償還等は直ちには財政上は大きい影響は与えませんで、普通交付税の計算におきましては、その学校施設につきましてそれぞれ所要の計算をやっておりますので、閉校いたしましても当初数年間は特に問題はないだろうと思います。ただそういうものの起債の償還というものがすぐには終えませんで相当期間かかるわけでございますので、その数年間たちますとどうしても、交付税計算上はいわば数値がその分だけ減ってくるわけでございますから、基準財政需要額の計算におきましては数値が減ってくる、こういうことになるわけであります。そういたしましたその段階におきましては、どうしても特別交付税等の措置でやらざるを得ない、こういうことになるわけでございまして、この産炭地域の対策につきましては、昭和四十三年度におきましても特別交付税につきまして、各種の施策面をとらえまして、県分として十三億、市町村分におきまして、二十六億、合計約三十九億の特別交付税の計上をいたしておるわけでありますが、特に国の国庫補助あるいは起債等でその財源措置がつきます分以外に、そうした特殊な事情を考えまして、通常の石炭対策といたしまして、この約三十九億のうち十三億近いものはそれぞれの市町村における特別の財政需要を勘案して配分をしておるというような状態でございます。そういう特殊事情に対処いたしましては、今後とも、閉山等急激な情勢の変化に対応いたしましては、この辺の経費につきまして十分私どもとしては見てまいりたい。また、そういう意味におきまして、昭和四十四年度以降におきましても特別交付税については、十分市町村の財政状況に応じ得るような体制をとってまいりたい、かような考え方でおるわけでございます。
○岡田(利)委員 特に地域的に見ますと、九州、北海道の関係では、北海道でこれからも閉山が行なわれれば、その地域がもろともにすべて消え去ってしまうという状態になるわけです。九州地区でありますと、概して、まだある程度住宅街に人が残って通勤をする、こういう面がございますけれども、北海道の場合にはそういう側面がありますので、特にそういう点について十分認識をひとついただいて対策を立ててほしい。時間がありませんので答弁は要りません。要請だけしておきたいと思います。 次に文部省関係でありますけれども、今年度すでに文教委員会において、教員の定数の問題あるいはまた事務職員の配置等については、ようやく一歩前進した形で今回法律が改正されておるわけです。しかしながら産炭地の現状を見ますと、特にこれは九州地区がひどいのでありますが、それだけでは解決できなくて、依然として県費負担で事務職員を配置する、カウンセラーを配置する、こういう点がまだ残っている、こういう現状を認識いたしているわけです。せっかく法律の改正が行なわれたわけでありますけれども、こういう点についてはさらに深化していく傾向が今度の石炭施策の方向でありますから、その点についての考え方と、さらにまた、私がいま申し上げましたそういう実情について、県費負担等の面については、私の認識は誤りかどうか、これに対する考え方を述べていただきたいと思います。
○岩田説明員 御説明申し上げます。 この産炭地県におけるところの児童生徒数の減少に伴うところの教職員定数の今後の推移のまず見込みはどうなのか、こういう問題でございまするが、児童生徒数の減少に伴いまして産炭地各県八県におきましては、今後教職員定数は現行法律のままでいきますと、相当数減少いたします。その状況を申し上げますと、産炭地八県におきまして四十三年度義務教育国庫負担の対象となる教員の数が十二万三千人でございますが、それが法律をもし改正せずに、このまま四十四年度に移行いたしたとするならば十一万九千になりまして、差し引きいたしまして約四千人の自然減が生ずるという見込みであります。なお、今後五カ年間を推計いたしてみますと、さらに生徒児童数の減少によりまして一万三千人の約教職員の自然減が生ずる。 そこでこれに対する対策でございまするけれども、教職員の定数につきましては、これは御案内のように、昭和三十九年度から第二次五カ年計画でもちまして四十三年度まで進行してまいりました。その中でこの産炭地各県につきましては、最低保障その他事務職員の配置等の増加によりまして、若干程度の措置をいたしてまいったわけでありまするが、四十四年度以降についてどうするかということにつきまして、さらに五カ年計画をいわば第三次と申しますか、立てまして、その関係の法案をただいま御質問にありましたように、目下国会に御提案し、御審議願っておるところでありますが、その内容におきましては、従来以上にもこの産炭地関係の措置を前進させまして、教員の配置並びに事務職員について一般地域よりも加算の措置を講ずる。 それからそのほかに、児童生徒数が減少し、教員数が減少するわけでございまするけれども、いかに児童生徒数が減少しようとも、最低前年度の九八・五%の定数は毎年保証していこう、こういう措置を講じているわけでございます。でございますから、この児童生徒数の減少に対する措置としてこの効果が非常に大きく響くと思うのでございます。たとえば明年度について具体的に申し上げますると、北海道を例にとりますと、現行法のままで推移いたしますれば、教員数は七百十名減少いたしまするが、それが二百二十四名の減にとどまる。つまり、学級数が減ればこれは当然、と申しますか自然的に教員の配置は少なくなる道理でございまするが、七百十名の減のところが二百二十四名にとどまるということでありますから、そこに四百九十名ばかりの人員は、学級数を基礎とする以外に余分の、余分と申し上げてはことばが悪うございますが、増加した配置になるわけでございまして、児童補導なり何なり、産炭地の特殊事情に応じたところの配置が可能になるというような実情になります。 こういうことを措置いたしまして、今後五カ年間その措置を継続をする、そういたしますが、このように全体的な計画で毎年度五分の一ずつの改善が総体的に行なわれてきます。学級編制、教員配置、終着の五年目におきましては十分現行法よりも減少を来たさないで措置ができる、そういうような計画になっておるわけでございます。 以上、御説明申し上げます。
○岡田(利)委員 ただいまも法律の内容について説明があったわけですが、大体は閉山したあとは、結局なかなか移動ができないところは出かせぎに行く。あるいはもちろん残った主婦の方々が働く。こういう面で子供は日中一人で放置をされる。日中のみならず相当おそい時間まで放置をされる。こういう傾向は一般的に見られるわけでありまして、特にそういう点で青少年の非行につながっていく。この補導という問題は、非常に重要な問題になっておるかけです。もちろん文部省が直接行なうわけでありませんけれども、かぎっ子対策として特別のいわば教室をつくるとか、個々それぞれの地域ではやっておるわけでありますが、そういうきめこまやかな指導をぜひ展開をしてもらいたい。またそういう点について、各県教育委員会等でも十分実情を聞いて、これに対してきめこまやかな対策をひとつ立ててほしいということを要望しておきたいと思うのです。時間がありませんのでけっこうです。 では、通産省関係の質問に移りたいと思います。 初めに私は、先般大臣から答弁ありました雄別炭鉱の再建問題について、若干私の見解をも含めてお聞きいたしたいと存じます。 私は、まず雄別炭鉱の再建というものは、その問題のスムーズな解決というものが最も望ましいと思うわけです。そしてまたそれが結果として、全体的に見てなだれ閉山の一翼をできるだけになわないような方向で再建をしなければならないのではないか、私はこの二つの課題が雄別再建の基本的な柱でなければならないのではないか、こう思うわけです。 以上のような考え方に立ってまいりますと、では雄別炭鉱所属の山の配置、実情はどうなっているかということを分析いたしますと、まず茂尻炭鉱は原料炭の山でありますし、特に茂尻炭鉱の現在の立地条件等を考えてまいりますと、何といっても北空知炭田の総合的な開発、この一翼をになっている、そういうところに位置をしておるということだけは明確に言えると思うわけです。いわば空知鉱、赤平鉱、赤間鉱、茂尻鉱、こういう総合開発の一翼に位置しているということは明確に言えると思うのです。 それから第二の問題は、そういう意味で現在の茂尻炭鉱が持っている立て抗というものは、この総合開発の展望に立てばこれは活用されなければならない立て抗である。二十数億投資をいたしているわけですから、あらためて立て坑を掘るとするならばたいへんな開発資金を要するわけです。そういう角度から見るならば、この立て坑というものは当然活用されなければならないという位置づけが私は容易に理解できるのではないかと思うわけです。 第三点は先ほど言いましたように、原料炭は今日でも不足ぎみであって、特に茂尻鉱の原料炭については、ユーザーのほうでは歓迎をする向きもあるという需要動向、こういうものが第三番目の問題として考えられなければならぬと思います。 第四番目の問題は、急傾斜でありますから、あの地域は相当露頭採掘が可能な地域である。もちろん露頭採炭については現在でもそれぞれの地点で許可をいたしているわけですが、露頭採炭の活用というものがある程度可能であるというのが第四番目だと思うわけです。 この四つの性格があるわけですから、この性格をいかにして生かすか、そしてまた雄別全体の再建の方向を生かしつつ見きわめていくか、こういう視点に立って茂尻の問題は考えなければならないのではなかろうかと私は思うわけです。いわば企業を越えて将来の展望と現実の問題をどううまく結びつけて問題の解決をはかるか、私はこういう考え方に立って急速に検討されなければならないと思うわけです。ただしかし、そのためには相当思い切ったことをしなければならないのではなかろうかと思いますから、もちろん人員その他の問題もございましょうし、労働態様等の問題もございましょうし、そういたしますと労働者は一体どう扱うか、こういう観点で検討を進めなければならない状態にあるのではなかろうかと私は分析をするわけです。 それから第二の問題は雄別炭鉱でありますが、これは阿寒町に位置をいたしまして、雄別炭鉱がやめるとすればこの町は半分以下になる。尺別炭鉱も場合も同様、この炭鉱がやめるということは音別町が四割に転落をする、こういう町の中に位置づけられておるわけです。その中でいわゆる雄別炭鉱は、今日の状況から見て新しい地域の開発展望を確立をしなければならない、こういう重大な一つの要件を持っておるわけです。これに一体どう対応するのか。こういう問題が深められて検討されなければならないし、その方向がなくして再建の方向というものを築くことはできないと私は思うわけです。 尺別炭鉱の場合は一応フィールドが広がっておりますから、埋蔵炭量は多うございますが、問題は自立的採算をどう一体とっていくのか、そのためには技術はどういう形で対応していくのか。こういう観点で尺別炭鉱の問題を掘り下げてみなければならない。こういう総括的な観点、これに一体どう対応するのか。そういう企画のもとにこれに対して一体どう対処していくのかという方向が特に雄別、尺別のような場合には考えられるのではないか。 そして雄別総体としてみれば、この際思い切った管理部門の合理化、縮小というものを断行して、そして再建の方向をみずから築き上げていくという決意というものが当然体制的に具体的に示されてなければならないだろう。そしてまたこの再建をするにない手は雄別の労使でありますから、雄別の労使はやはりこの現状を十分分析して、それに対応するとするならば、少なくとも二カ年程度は再建期間を設定して、労使が一致してこれに対処するという決意が述べられなければならないだろう。こういう方向で雄別炭鉱の再建という問題を進めなければならないのではなかろうか。 現実的にはいま災害があって、一応もとに復するという大臣答弁がありましたけれども、すでに長期再建計画を出し、新計画がすべり出そうとしている時期を考えれば、そうゆうちょうに半年も一年も待って再建をするという状態ではないと思うので、好むと好まざるとにかかわらず、この問題については、早急に問題解決に対処しなければならない実態にある、かように理解をいたすわけですが、この点についてひとつ見解を承りたいと思うわけです。
○中川(理)政府委員 たいへん有益なる御意見を賜わりまして、私どももたとえば茂尻鉱における立て坑の有効利用あるいは茂尻鉱の労働力の有効利用というようなことを、その他を含めまして、至急この問題に積極的に取り組みたいと考えております。私のほうの局の最大のベテランでございます計画課長を中心にいたしまして、いまの総合的な考え方というものを企画させますし、半面金融機関その他の動向がございますので、炭政課を中心にいたしました経理的な見方というものも協力をさせまして、もう数日を出ずして真剣にこの問題に取り組みたいと考えております。 現にいままでも、これはもう先生御承知のことでございましょうけれども、赤間鉱区内に国の鉱区調整のためのボーリングを三本実施しておりまして、北海道炭磯汽船株式会社等もある程度の話をいたしておりますし、雄別鉱につきましては北陽鉱区を雄別が開発することに住友側の了解も取りつけておるということでございますので、これらの事実の上に長期的な展望と、円滑に再建に乗れる実際的な判断というものを冷静に見きわめをつけまして、至急雄別の再建問題に私どもも積極的に取り組みたいと考えております。
○岡田(利)委員 私は特にこの問題は、一応法案はきょう上がって参議院に送られる予定になっておるわけですが、四月一ぱい、連休もございますけれども、基礎的な要因の分析といいますか、一応の問題の柱の立て方、骨格、この程度のことは今月中ぐらいにやるべきだ、こういう見解を私は持っておりますので、いずれまたこの面についても具体的な意見を述べる機会があると思いますが、特に大臣のせっかくの答弁がございますので、この面は特にそういう方向で検討していただきたい、かように存じますので、ひとつ政務次官の答弁をいただいておきたいと存じます。
○藤尾政府委員 この問題につきましては、私が大臣から命ぜられまして実地調査をいたしました責任者でもございます。大臣たびたびお答えを申し上げましたように、再建策がこれからすべり出そうというやさきにこういう問題が起こったわけでございますから、そういった災害をもって、できれば再建築の発端に立つかもしれない雄別炭鉱が閉山のやむなきに至るというようなことの事態のないように、十二分におまえは調査をしてこい、そういう話し合いをしてこい、こういう御命令であったわけでございます。したがいまして私どももさような大臣の御命令に従って、そういった見地からの検討を一応してまいっておるつもりでございます。しかしながら、何といいましても、これは雄別炭鉱株式会社御自体の再建計画といいまするものが、はっきりと具体的に裏打ちをもって示されませんことには、私どもといたしましてもこれに取り組みようがないわけでございまして、それが出次第、私どもといたしましては、緊急にまず第一着手といたしまして、この具体的な再建策を立てる、こういう方針をとっておりますので、必ず御趣旨に沿うようにできると、私はかように信じております。
○岡田(利)委員 石炭鉱業再建整備臨時措置法の改正の中で、きのう多賀谷委員の質問に対して不明確な点がありましたから、この機会に私からお尋ねいたしておきます。 それは社内預金の、いわば肩がわり優先支払いといいますか、端的に申し上げればそういうことになるわけですが、この内容についてきのう質問がありましたけれども、明確でなかったわけです。この点をひとつ明らかにしていただきたいと思います。
○北村説明員 昨日の再建交付金制度においては、従業員関係債務をどう見ておるか、それからまた特別閉山交付金制度はどう見ておるか、こういう御質問に対しまして、例示をもって御説明をいたします前に、両制度のごく基本的なわれわれの考え方につきまして先に御説明いたしたいと思います。 もともと、再建交付金制度は、相当長期間、少なくとも五年程度の計画期間は存続、再建可能な企業に向かって再建交付金を交付するものでございます。したがいまして、二年間の間開かれますところの特別交付金制度に、このような再建交付金を受けた企業が企業ぐるみ閉山の申請をいたしますことは、制度のたてまえからはおかしなことであるわけでございます。しかしながら、地下資源産業の特性といたしまして、不測の事態などのために、存続可能と思われた企業が、解散の、閉山の余儀なきに至ることもあり得るわけでございまして、このような企業に対しまして、一たび再建交付金制度を受けたからといって、企業ぐるみ閉山の制度の適用を拒否するということは、非常に酷に過ぎる、こういうふうにまた考える次第でございます。そのような場合には、再建交付金を一度受けましても、企業ぐるみ交付金の制度を、申請を認めてもいいじゃないか、そのかわりに、その場合には考え方としては、その企業は、その再建交付金を受けていた企業は、特別閉山交付金の適用を受ける企業に性格変わりをしたのだ、こういうふうに考えるわけでございまして、したがって、スタートの時点にさかのぼりまして、特別閉山交付金制度の適用を受けたならば、従業員関係債務に向かって交付されるであろう金額から再建交付金制度で交付を受け、あるいは損失補償を受けた金額を差っ引いた金額を企業ぐるみ制度でもって交付するのが公平である、こういうふうに考える次第でございます。 ただいまの説明を例をもって申し上げますと、ここに十万円の社内預金をしておる従業員債務につきまして、当初まずその企業が再建交付金を受ける。一年先に閉山のやむなきに至った。その一年間に再建交付金をもちまして、その従業員は、十万円の債権の中からまず三万円を返済してもらった。したがいまして、残る七万円を未回収のままの状態で損失補償の事態が起こるわけでございまして、残りの七万円の半額三万五千円の損失補償を受ける。そうしますると、その従業員は、再建交付金制度で六万五千円の国からの返済を受けるわけでございます。もし、先ほどの考え方に立ちまして、スタート時点においてその企業が特別閉山交付金制度の申請をしておったならば、その従業員は、七割五分でございますから、七万五千円の交付金を受けるわけでございますので、その差額一万円を、企業ぐるみの制度で、交付金として当該従業員にみる、こういう考え方で現在政令以下を検討しておる次第でございます。
○岡田(利)委員 内容はよくわかりました。聞いてもちょっとぴんときませんけれども、内容はわかっておりますから、議事録にとどめておくということで、次に進みたいと思います。 一千億の第二次肩がわり、こういう表現で、俗っぽいことばで言われているのであります。しかし、すでに企業ぐるみ閉山その他がありますから、いわゆる動態の企業は動いているわけですね。閉山しているところも出ておりますが、第二次肩がわりというものは、一千億という表現は、やはり動いているのだと思うわけであります。それと同時にこの内容でありますが、第一次肩がわりの場合には市中銀行が大体二三%、開銀及び政府金融関係が七七%程度。第二次肩がわりの場合にはどの程度の額になる見込みか。それと、そういう市中政府系金融機関の概算でけっこうですから、目安でけっこうですから、どういう割合になるのか。私の目途では、市中関係が大体八一、二%になるのではないか、こう見ているのですが、いかがですか。
○長橋政府委員 お答え申し上げます。 いわゆる一千億円ベースの肩がわりが実行されました場合に、金融債務と従業員債務その他の割り振りがどのような結果になるか、まだ予測のむずかしい問題でございますが、一応最低限金融債務としてはこの程度になるであろうということでお答え申し上げてみたいと思いますが、再建交付金対象といたしましては、大手十六社で一千億円ベースで考えました場合には、財政金融関係が約六百二十億円、市中金融関係が二百九十六億円でございまして、財政金融の割合が六七・七%程度になろうかと、かように見通しております。 従業員債務との関係で、最終的にもう少し金融債務のほうがふえるかどうか、そういった点はまた今後の問題でございます。
○岡田(利)委員 この法律にありますように、今度の場合、安定補給金を与える。第二次肩がわりが行なわれる。しかし、これはさらに予算がふえていく。予算はふえていくけれども、安定補給金が毎年毎年ふえるということは別に答申の中にもありませんし、話は聞いていないわけです。そういたしますと、この立て方を分析すると、昭和四十四年度と昭和四十五年度の二年間を比較しますと、もちろん賃金も上がっていくでしょうけれども、コストアップ要因もあるわけです。合理化あるいは機械化によって生産を上げてコストアップ要因を吸収する努力はあったとしても、来年よりはことしのほうが常識的に考えて経理内容がいいわけですね。いま肩がわりを受けるわけですね、それから安定補給金を受けるわけです。ことしは賃金が上がるでしょうけれども、また来年も賃金が上がるしコストアップ要因もあるわけです。ですから、それだけをとらまえてみると、来年よりはことしのほうが経理内容はいいことになるわけです。そうすると来年もやっていける、再来年もやっていけるということは、ことしが非常に楽だ、資金の運用上は別にして、経理決算上は楽だということになるわけです。そういたしますと、結局その場合、今年一年に限って利益が計上できる場合が考えられるわけですね。そういう点で厳格に見ますと、利益が計上できる面が出てくるとすれば、利益の計上は歓迎するものであるが、しかし政策上から見れば、それはむしろ来年に備えて非常にシビアーに炭鉱経営というものを考えなければならない、こういう問題があるわけです。こういう点についてはどういう指導をなさるおつもりですか。
○中川(理)政府委員 いまの御指摘は、概括的に申しますとそのとおりでございまして、五年間の収支損益を念頭に置いて考えておりますので、制度の仕組みからいたしますと、前半のほうの黒字を後半のほうの赤字で消すというのが大ざっぱな姿でございますが、ただ具体的に私どもが計算いたしましたときには、必ずしもそうはならない点が一つございますのは、今度の再建整備計画によりまして管理部門の合理化というのを初年度の計画の中からもう組んでもらう、こういうことに考えておりますので、そのほうの管理部門の、圧縮に伴う職員の退職金負担というようなものが前半に出てまいりまして、後半に経費面の負担でそのほうが軽くなってくるという状態がございますので、政策の立て方は岡田委員おっしゃるとおりの立て方になっておりますが、実際上の適用はいま申しましたような管理部門の節約ということで、職員の諸君にはちょっと悪いのですけれども、少し思い切った合理化をやってもらうということを前提にいたしておりますので、実体的な経理内容は必ずしもそういうことにならない、こういうことで御理解をいただきたいと思います。
○岡田(利)委員 時間がありませんからもう一問の質問でやめますけれども、法律が上がっても政令はまたできておりませんし、その後検討されるのだと思うのです。そういう度合いにおいて、また本委員会に御出席願って、誠意のある答弁なり説明をいただくということを前提にしまして、もう一つの質問でやめたいと思います。 それは体制問題の中において二つの委員会ができるわけですが、行政的に解決できるものもありますけれども、むしろ早急に特にこの鉱区調整部会というものが、答申の趣旨をも専重するとするならば、いろいろな個々のケースについて意見を聞くという必要性もあるのではないか、こういう気がするわけです。先ほど述べた雄別再建の問題等については、そういう場合もあり得るかもしらぬわけです。そういう意味でこの委員会の発足は早急にすべきだ、こう思うのですが、この委員会はいつ発足できるのか、この点について答えていただきたいと思うのです。
○中川(理)政府委員 残念ながら早急にと申し上げる以外、いま具体的なスケジュールをきめておりませんので、確定的な日時を申し上げることができないのでございますけれども、これはできるだけ急ぎます。それから、もしそれがまだ発足していない状態においていまのようなことを各種の第三者から聞く必要があるということであれば、現在の審議会の中にも鉱区調整の部会がございますので、この部会を当面使っていくということにいたしますが、できれば新しい委員会に早く切りかえたい、こういうことで考えております。
○岡田(利)委員 終わります。
○平岡委員長 これにて両案に対する質疑は終了いたしました。 ―――――――――――――
○平岡委員長 これより両案を一括して討論に入ります。討論の申し出がありますので、順次これを許します。岡田利春君。
○岡田(利)委員 私は、ただいま議題となっております両案に対して、社会党を代表して、反対の討論をいたしたいと存じます。 御承知のように、石炭政策は、先ほど通産大臣も述べておりますように、まさしく、わが国の石炭対策のみならず、国際的な石炭政策の方向を見ましても、体制的な解決が要望されておるわけです。自来十年に及ぶ石炭政策を進めてまいりましたけれども、この石炭政策は終始企業対策に終わってきた。第四次答申の試案についても述べておりますように、まさしくそのとおりだと思うわけです。いわば西ドイツの例を見ますと、西ドイツはわが国と同じような石炭政策を進めてまいっておりますが、まず販売関係を二社に統合する、そして今日は一社に統合した。また生産体制についても、今度は新しい体制に踏み切っていく。体制問題というのは入り方がいろいろありますけれども、わが国の場合にはその体制的解決をあらゆる面で見のがしてまいりましたから、いわば総括的な体制問題というのが今日の石炭対策の問題意識でなければならないと思うわけです。残念ながら、今日の委員会の討論等を通じて政府の見解がより一歩前向きの方向が出されてまいりましたけれども、しかしいずれにしても、そこまで到達する間において多くの石炭政策上のそごを来たすのではないか、こう考えざるを得ないわけです。また窓口閉山というものの当初の構想が、これは撤回をされましたけれども、しかし現実にはやはりなだれ閉山の現象というものは依然としてそういう側面を内蔵している、こう考えざるを得ないのであります。したがって、石炭の問題というのは、私は五つの命題を今後同時に解決しなければならないのだと思うのです。 第一点は、やはり企業を乗りこえたいわゆる抜本的な管理体制を確立するということであり、第二には流通関係の思い切った一元化をはかっていく、そのことによって今日の政策需要に大きくこたえ得るという体制の整備、いわゆる輸送の大型化の問題、あるいは需要者に適合し得る炭種の造成の問題、あるいはそれぞれの流通部門における荷役の共同化によるメリットを大きく生み出していくという問題、こういう各種の問題がやはり流通の合理化の中で第二の問題として解決されなければならないと思います。 第三の問題は、今日の炭鉱では労働力の確保の問題があります。もちろん災害によって労働者がさらに不安を感じ、炭鉱を離れていくという面もございますけれども、平均年齢四十二歳に及ぶ炭鉱労働者の今日の構成から考えれば、若手労働力を確保しないで、幾らビルドアップの山といえども、長期的安定生産、近代化の方向、新しい技術の導入等、質的な労働者の確保はできないわけであります。今日の企業形態の雇用であっては若い労働力が炭鉱に魅力を持って就職をするという期待は、おそらく何人といえども大きく出ないことは明らかだと思うのです。その山が閉山になればほうり出されるわけでありますから、少なくとも新しく炭鉱労働者として新しい技術に対応してそこに意欲を燃やして働こうとする者に対しては、終身の保障がなければならない。そのためには、やはり産業雇用的な体制を確立しないで、炭鉱労働力の安定的な確保あるいは今日の技術革新に対応する質のいい労働力の確保というものはできないということも明らかだと思うのです。 第四の課題は、これは保安確保の問題であります。しばしば議論されておりますけれども、結局今日の日本の炭鉱は三千五百万トンの方向を目ざしていく、あるいは従来の実績でも四千七百万トン程度でありますし、しかもわが国の炭層の条件というのは、諸外国と違って、造山作用によって炭化作用が進み、弱粘結の原料炭が賦存しておる。それだけに条件というものは個々によって異なるわけです。急傾斜のところ、急傾斜と緩傾斜が併存しておるところ、緩傾斜のみの炭鉱、こういうふうに、地質条件というものは実はずいぶん変化に富んでおるわけです。しかも、炭層の賦存している地質は新生代第三紀層の最も新しい炭層でありますから、概して上下盤とも脆弱であるという弱点がある。こういう面から考えてまいりますと、保安対策というものは、より一そう重点的に進めなければならないし、ある場合よっては、思い切ってその単位炭鉱を整備し、その間別な炭鉱で生産をカバーする、こういう関係が総体的に確立しなければ、思い切った保安確保の施策というものを実現することは困難なわけです。そのためには、個々の企業に分断された状態でこういう思い切った方法をとるということはおそらく不可能である。そういうためにも体制的な解決をしなければ、保安確保の基本になる問題の解決なんというものはできないと私は考えます。 第五の課題は、産炭地域経済の問題であります。いわゆる諸外国が炭鉱公社にする、あるいは国営化する、あるいは一社化していく、こういう一つの体制的な整備は、同時に石炭の歴史的な使命を終えつつある、終掘に近い炭鉱、あるいは極端に採算ベースに乗らない炭鉱の閉山を、社会的摩擦をできるだけ避けて、いかにそれに対応してこれを撤収していくか、いわば計画的な、秩序ある撤収であります。これは個々の企業に分断されておる今日の炭鉱ではできないわけです。これをほんとうに計画性と秩序ある方向へ持っていき、しかも産炭地域振興の産業再開発の面と一体どういうところに接点を求めるか、こういう立場に立って考えていく場合に、やはり今日の石炭企業の経営体制では非常にむずかしいということが、過去においても立証されておるわけです。加えて、わが国は鉄鋼の最大輸出国になってまいりました。しかも、強粘結炭は皆無といってよろしいのでありますから、外国原料炭を確保しなければなりません。今日の鉄鋼の伸びを推定いたしますと、原料炭の確保はそう容易なことではございません。そういう意味では、今日まで蓄積されてきたわが国の技術、先ほど申し上げました条件の中で開発してきた技術、蓄積した技術というものが、この原料炭の確保に向けられなければならないだろうという大きな期待もやはりあるわけです。これを進めていくためには、やはりそういう技術というものが一つに統一された会社によって受けとめられる、あるいはそういう組織によって受けとめられるという体制がなくして、今日のこの現状では、その方向に期待される役割りを果たすことはなかなか困難だろうと私は考えます。最近、技術の開発については、合理化事業団の機械貸与や技術の更改等がある程度行なわれておりますけれども、しかし、技術面を見ましても、鉄のカーテンから竹のカーテンのような状態というものはある程度見のがすことのできない現実であります。そういう新技術の開発や、機械の高率利用という、石炭産業が安定していくためにはどうしても解決しなければならぬ二つの観点に立っても、やはり体制的な面で受けとめるという必要性がある。 この五つの課題がありますし、加えて、私が述べておりますように、合理化事業団はすでにもう二百七十名程度の職員を擁し、おそらく今年度六百億の資金を動かす。五カ年間にわたって推計いたしますと、一千億をこえる金をこの合理化事業団が担当するということになるでしょう。あるいはまた電力の場合には、電力用炭販売株式会社が存在している、技術の面においては石炭技研がある、こういう点を考えますと、先ほど政府は管理部門の縮小、このことは思い切ってやると言うけれども、行政機関と石炭政策を進めていくこれらの事業団の関係と、石炭企業のそれぞれの管理部門、この統一的な把握と統一的な簡素化、合理化というものを断行しないで、はたして国民の疑問にこたえることができるだろうか、こう考えます場合に、まさしくわが国の石炭産業の問題解決は、これらの課題を勇敢に解決をして、その上に立って石炭産業の果たす歴史的な役割りを全うさせるというところに、今日の石炭政策の視点、政策の立て方、政策の具体的な展開がなければならぬと私は思うのであります。しかし今日、石炭企業の置かれている現状は、確かに崩壊一歩手前であります。そういう現状を踏んまえて私どもは慎重審議をし、この法律案が早く成立せざるを得ない条件の中で、非常に苦しい立場に立って、政府の提案を審議せざるを得なかったのでありますが、私は、やはりそういう展望をいたし、基本的な考え方に立つ場合に、この両案に対しては反対の態度を表明せざるを得ないわけです。私は、この機会を通じて、この私どもの反対の理由について、今後の石炭政策の上で十分検討されんことを強く要望いたしまして、反対討論を終わる次第です。(拍手)
○平岡委員長 田畑金光君。
○田畑委員 私は、民主社会党を代表して、ただいま議題となりました石炭鉱業合理化臨時措置法の一部を改正する法律案、石炭鉱業再建整備臨時措置法の一部を改正する法律案に対し、賛成の意を表します。 初めて、石炭鉱業合理化臨時措置法の改正内容は、第一には山ぐるみ閉山の場合、石炭鉱山整理特別交付金を交付することを内容とするものでありますが、大手炭鉱である明治鉱業、杵島炭鉱、麻生産業の閉山は、この新政策の具体化と同時に始まろうとしております。社会経済情勢の急激な発展、エネルギー事情の激しい変化のもとで、石炭産業が今日の危機に立たされておることは不幸な現実でありますが、これがため、国が相当額の財政資金を石炭産業に投じていることは、一産業に対する政策措置としては、これを正当に評価してしかるべきだと考えます。しかし、新政策が真に石炭企業産業の安定に寄与できるかどうかは、体制整備の問題、鉱区の再編、調整の問題、あるいは販売数量の調整等に関する通産大臣の勧告権の的確な発動等が、単にことばだけでなく、適時適切に実行されるかどうかにかかっておると思います。このことについて政府の勇気ある行動を切に希望するものであります。 次に、石炭鉱業再建整備臨時措置法の一部を改正する法律案は、実質的には前回の政策に引き続き、第二次肩がわりにより、炭鉱の再建をより円滑ならしめようとする政策目的に立つものと思量しますが、そういう意味で再建交付金を柱とするこの法律改正案は、石炭産業の今後にそれなりの寄与をなすものと見ております。ただし再建交付金を交付するについては、当該会社と金融機関との借り入れ契約の変更が必要でありますが、契約内容は前回のそれよりも後退しておるわけであります。すなわち政府金融、市中金融ともに償還期間十五年、金利三分、元利合計半年賦均等償還の方法で、はたして金融機関が協力するかどうか、また損失補償の特例措置により、担保抜き金融により運転資金確保を期待していますが、実効性はどうか、はなはだ疑わしいのであります。長期資金は合理化事業団、運転資金は市中銀行からというのが、新政策の金融措置の前提となっておりますが、私は今後の石炭経営の大きな阻害要因は、金融をどうするかの問題であると思います。この点特段の政府の助言、協力、指導を期待するものであります。 今後の石炭政策の基本的問題は、いまお話しがありましたように、何といっても体制の問題であると思います。すでに昨年第四次審議会にあたり、世間周知のように、いわゆる植村構想なるものが世の注目を集めたわけであります。私企業の原則に立つ西独は、本年一月以降ルール石炭鉱業株式会社を発足させ、十年来の石炭産業の混乱克服に乗り出しておるのであります。追い詰められたわが国の石炭産業も、真剣に体制問題はどうあるべきかを探求し、すみやかに結論を出すべきであると考えます。特に鉱区の再編、調整の問題は、体制部会の小委員会の審議にまつまでもなく、行政当局ですみやかに処理すべきであり、また処理できるものと考えます。それすらも断行できないようでは、新政策の名に値しないものと言えましょう。これまた政府の勇気ある措置を期待いたします。 なお、本日労使の代表に参考人として出席を願い、新政策に対するそれぞれの立場からする意見を求めましたところ、労使ともに今回の政策に賛意を表し、今後はよりよき労使関係を維持し、石炭産業安定に協力するとの強い決意表明がありました。労使が自主的にみずから責任と協力で石炭企業、産業の安定に取り組むことは当然のことと考えます。 西独における石炭鉄鋼共同決定法に基づく労働者の経営参加など、わが国においても大いに学ぶべきであると考えます。また今後の石炭産業の安定は労働力の確保いかんにかかっております。いま賃金ベースアップの労使交渉が持たれております。賃金は自主交渉にまつことはもちろんでありますが、しかし、実態は石炭政策、石炭予算に左右される実情であります。新政策が発足した第一歩において、労使が賃金交渉で無用なトラブルを起こし、つまづくことのないよう、また地下産業労働者には、それにふさわしい賃金ベースが確保できますように、行政当局の側面的協力と助言を強く期待いたすものであります。 当面の問題処理に対する私の希望を付しまして、両法案には賛成の意を表するものであります。(拍手)
○平岡委員長 大橋敏雄君。
○大橋(敏)委員 私は、公明党を代表して、石炭鉱業合理化臨時措置法の一部を改正する法律案並びに石炭鉱業再建整備臨時措置法の一部を改正する法律案について、賛成の討論を行なうものであります。 すでに質疑の過程において明らかにしましたように、今回の新石炭対策については、はたしてこれで石炭鉱業の再建が可能であるかどうか、はなはだ疑問が残るのであります。私どもは、今次石炭対策については、過去三回に及ぶ石炭対策の失敗にかんがみまして、真に石炭鉱業の再建がはかられるよう実質的な抜本的対策が確立されることを強く要望してきたのであります。しかるに、新石炭対策の内容は、従来の施策の延長ないしは手直し程度であるにもかかわらず、多額の国費を支出するものとなったのであります。このような多額の国費を支出する以上は、石炭鉱業の体制問題その他について徹底的な検討を行ない、産業としての石炭鉱業が再建されるものでなければ、国民の納得を得ることはできないと思うのであります。その意味におきましては、新石炭対策につきましては多くの不満を持つものでありますが、ひるがえって石炭鉱業をめぐる諸般の情勢を考えますと、再建交付金の交付、特別閉山交付金等を内容とする両案につきましては、なお諸種の問題はありますけれども、すみやかに両案を成立せしめることが必要であると考えるものであります。したがいまして、新石炭対策の今後につきましてはなお十分検討を加えることを強く要望いたしまして、両案に賛成の意を表するものであります。(拍手)
○平岡委員長 これにて両案に対する討論は終局いたしました。 これより順次採決いたします。 まず、石炭鉱業合理化臨時措置法の一部を改正する法律案について採決いたします。 本案を原案のとおり可決するに賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○平岡委員長 起立多数。よって、本案は原案のとおり可決いたしました。 ―――――――――――――
○平岡委員長 本案に対し自由民主党、日本社会党、民主社会党及び公明党の各派共同提案にかかる三原朝雄君外七名より附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。 まず、提出者の趣旨説明を求めます。三原朝雄君。
○三原委員 ただいま提案されました四党共同提案にかかる附帯決議案の趣旨を御説明申し上げます。 まず案文でありますが、お手元に配付いたしておりますので朗読を省略させていただきます。その趣旨は、お手元の案文により十分おわかりのことと存じますが、特に、産炭地域における中小商工業者が炭鉱閉山によりこうむる著しい影響にかんがみ、これら中小商工業者の救済については、今後一そうの配慮をされたいと存じます。 また、鉱害復旧事業の重要なことは申すまでもありません。今後激増する無資力鉱害等の復旧を含め、施策の拡充をはかり、さらに格段の努力を続けられたいと思います。 次に、産炭地域振興については、政府をはじめ関係各機関が緊密な連携のもとに計画的に振興対策を実施すべきであると存じます。 なお、産炭地域における離職者の滞留、要保護世帯の増加、非行青少年の発生等々の実情に対処し、地方財政対策、教員の適正配置等による青少年の非行化防止などにつき、実情に即した適切な措置を早急に講ずる必要を痛感する次第であります。 以上で趣旨の説明を終わります。 各位の御賛同をお願いいたします。 ――――――――――――― 石炭鉱業合理化臨時措置法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案) 政府は、本法施行にあたり、次の諸点について適切な措置を講ずべきである。 一 閉山企業に対する中小商工業者の売掛金債権等については、今回の措置によってもなお充足されない部分があることにかんがみ、これらの中小商工業者に対し、中小企業金融公庫等からの特別融資制度の強化など中小企業対策に万全を期すること。 二 新石炭対策の実施にともない、無資力鉱害の激増が予想されることにかんがみ、鉱害復旧事業量の大巾な増大、無資力調整交付金の拡充について十分配慮すること。 三 産炭地域振興対策については、今後の炭鉱閉山に対処し、一層産炭地域振興事業団の機能の拡充強化を図り、関係各省、政府関係機関、地方公共団体等の協力体制を強化するとともに、産炭地域における地方財政の援助、文教、住宅等の施策について特段の措置を講ずること。 ―――――――――――――
○平岡委員長 これにて提出者の趣旨説明は終わりました。 これより採決いたします。 本動議に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○平岡委員長 起立総員。よって、本動議のごとく附帯決議を付するに決しました。 ―――――――――――――
○平岡委員長 次に、石炭鉱業再建整備臨時措置法の一部を改正する法律案について採決いたします。 本案を原案のとおり可決するに賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○平岡委員 長起立多数。よって、本案は原案のとおり可決いたしました。 ―――――――――――――
○平岡委員長 本案に対し自由民主党、日本社会党、民主社会党及び公明党の各派共同提案にかかる田畑金光君外七名より附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。 まず提出者の趣旨説明を求めます。田畑金光君。
○田畑委員 ただいま提案されました四党共同提案にかかる附帯決議案について、その趣旨を御説明いたします。 まず、案文を朗読いたします。 石炭鉱業再建整備臨時措置法の一部を改 正する法律案に対する附帯決議(案) 政府は、新石炭対策の実施にあたり、将来の炭田開発の展望等を考慮し、企業の実態に即応 しつつ、弾力的にその運用を図るべきである。以上であります。 御承知のとおり、石炭鉱業に対しましては、第一次肩がわりに続き、第二次肩がわりである再建交付金が、今回交付されるわけでありますが、一方、合理化法の改正によりまして、企業ぐるみ閉山に対する特別閉山交付金が交付されること等に伴い、現在の石炭鉱業の状況からいたしまして、いわゆるなだれ閉山の事態も危惧されるのであります。したがいまして、今回の新石炭対策の実施にあたりましては、鉱区調整、炭鉱施設の有効利用など将来の炭田開発の展望等について十分考慮した上、なだれ閉山の事態が防止されるよう、石炭企業のそれぞれの実態に即応して、弾力的な施策の運用をはかることが必要であります。 以上が本附帯決議案の趣旨であります。よろしく御賛同をお願いいたします。
○平岡委員長 これにて提出者の趣旨説明は終わりました。 これより採決いたします。 本動議に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○平岡委員長 起立総員。よって本動議のごとく附帯決議を付することに決しました。
○平岡委員長 この際、ただいまの両案に対する附帯決議について、政府の所信を承ることにいたします。藤尾通商産業政務次官。
○藤尾政府委員 ただいま御決定をいただきました附帯決議につきましては、その御趣旨を尊重をいたしまして、必ず実行をするように努力をいたしたい、かように考えます。 ありがとうございました。 ―――――――――――――
○平岡委員長 ただいま議決いたしました両法律案に関する委員会報告書の作成等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○平岡委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 ――――――――――――― 〔報告書は附録に掲載〕 ―――――――――――――
○平岡委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。 午後五時二十二分散会