石炭対策特別委員会 第6号
- 発言数
- 79 件
- 登壇者
- 11 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1969/03/20
会議録
○平岡委員長 これより会議を開きます。 産炭地域における中小企業者についての中小企業信用保険に関する特別措置等に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。 本案について、本日参考人として直方市商工会議所専務理事藤田一夫君の出席を求め、意見を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○平岡委員長 御異議なしと認めます。よって、藤田一夫君を参考人とすることに決しました。 なお、本日は本案審査のため、参考人として産炭地振興事業団理事有馬駿二君が出席になっております。 両参考人には御多用中のところ、御出席をいただき、ありがとうございました。 まず、藤田参考人に本法の運用上の問題点等について十分程度御意見をお述べいただき、そのあと質疑に入ります。 それでは、藤田参考人にお願いいたします。
○藤田参考人 本席での議件審議に際しまして、ただいま御指名を受けた参考人でございます。 かつて、九州地内では、最盛期におきましては、六百有余の炭鉱を算しておったわけでございますが、御承知のとおり、燃料革命によりまして石炭鉱業の合理化臨時措置法が制定いたされまして、過ぐる昭和三十五年以来、第一次から第三次へと次々と終閉山認定炭鉱が相次いだわけでございます。特に石炭の最大基地といわれました福岡県の筑豊では、急激な傾斜下降をたどるうき目を見ておりまして、当時四百強を数えておった炭山は、御高承のように、今日では疲弊最もきびしい代表的な産炭地となっておるわけでございます。 認定の終閉山には国は手厚い保護策を尽くされてまいっおります反面、さて、これまでの間におきまして、炭鉱と一体となって盛衰をともにしてまいりました資材、生活必需物資、工事代金その他信用一本をもってする炭鉱関連商工業者の納品売り掛け代金は、かつて相次いだ終閉山炭鉱経営者から、結論的にはいままでのところでは、ない袖は振れぬ式でございまして、全く皆無に近い大量のこげつき未払いの仕打ちを大半こうむっているわけでございます。もっとも中には実に誠意ある措置をなされた炭鉱経営者の方もおられます。しかしながら、概して御想像にかたくない甚大な被害は申すまでもございません。したがいまして、このため仕入れ先からの支払い請求あるいは不渡り手形の買い戻し、加えて未収代金の帳簿累積など、操作運営に矢だま尽き折れまして、過去におきましては意思の弱い者、どうにも処置に窮した者等におきましては、首つり自殺をいたしますとか、あるいは逐電、転廃業などが当時相次いだわけでございます。したがいまして、末端の納品業者は連鎖的な波状悲劇を繰り返して今日に至っているわけでございまして、まことに悲惨な様相を呈しているような次第でございます。商工会議所並びに納品業界団体は、これらを何とか国なりすべての指導機関にお願い申し上げようといったことで、自来数次にわたってこの問題の解決に親しく陳情運動を続けたわけでございます。これは結局、中小零細企業者が炭鉱と一体となって石炭の推進、石炭の開発、こういったことに寄与したという、小さいながらもプライドはあるわけでございますけれども、帰するところ、債権の保全が目的でございます。これは切実な問題でございますので、そういう運動を、過去繰り返し陳情をやったわけでございます。切実な訴えをいたしたわけでございます。ところが、幸い、政府・国会におきましては、これら末端の声を取り上げていただきまして、過ぐる昭和三十八年の八月一日付でもって、法律第百六十六号、産炭地域における中小企業者についての中小企業信用保険に関する特別措置等に関する法律、こういう法律が公布いたされまして、地方公共団体、県の損失補償を前提といたしまして、信用保証協会の特別保証制度、この措置となって、政府系中小企業金融公庫からの融資無制限配慮をいただいた次第でございます。 このおかげをもちまして、確かに当時といたしましては、業界では大助かりでございました。そういう形になっておりますが、実際にこの法律には、貸し付けの期間が七年以内と規定がございますにかかわりませず、実際のところは、半年据え置きの二年半の償還、計三年の貸し付け期間でございます。貸し付け限度額は、当初七百万円までとありましたが、その後一千万円まで貸し付けするやに記憶いたしております。 諸先生方に特にお願い申し上げたいことは、第一に、昨年十月中旬に北海道から九州に至ります産炭地域内の各商工会議所会頭さん三十二名の連名と、日本商工会議所会頭名で陳情申し上げました、いわば、産炭地域における中小企業信用保険の特例法、これをさらに五年延長していただきたい、これが第一でございます。 第二番目は、産炭地域の中小商工業者で、炭鉱の終閉山の影響によりまして、御高承のとおり、転業または移転、これらを余儀なくせられました者、またその地にありまして、経営が著しく困難になった者に対しまして実施されておられまする、前述の中小公庫または国民金融公庫等からの特利の融資の限度額を現行百万円から三百万円に引き上げてほしい、これを第二番目に御要望申し上げたいわけでございます。 第三番目には、特に納品業者未収売り掛け債権保全のために、石炭鉱山整理促進交付金を大幅に増額して、これによる債務の弁済におきましては、これらの売り掛け金を労務賃金、鉱害補償金と同列に取り扱っていただきたい、これが第三でございます。 また、関連納品業界幹部会あるいは総会の名におきまして、団体といたしましてかねがねお願いの陳情の中におきましては、第一に、融資完全償還済みの事業所につきましては、二回の範囲で再融資回転の認定をいただいております。非常にうれしゅうございます。業界人は、当時涙を流して喜んだ実態がございますけれども、でき得ますならば、諸般の事情もございますし、この種の融資回転は三回までで打ち切るということでけっこうでございますので、さらに追加一回をお認めをいただきたい。これをぜひお願い申し上げたいということが第一でございます。 第二に、お貸し付けの期間でございますが、ぜひとも二年据え置きの五年償還としていただきとうございます。万やむを得ないような事情もございます場合には、二年据え置きの三年償還はまあやむを得ないと思っております。これらの声は、ほんとうに第一線の関係業界、つまり苦悩経営のうちに今日まで個々営々として自来建設に努力してまいっております商工業者、特に中小企業、零細が入っておりますが、今日ようやく曙光を見出さんとしておるわけでございます。これらの、県内約三百五十から四百近くの事業所でございますが、ほんとうに涙のにじむような叫び声を出しておるわけでございます。 近く石炭二法の成立間近だと推察いたされますし、省令や政令など新石炭政策といたしましての実施細目も取りきめられるでありましょうし、商法上、道義上いろいろな問題もあるかと存じますが、来たる昭和四十八年までを待たずに次々と、今日まで御高承のとおり、なだれ閉山が急速に起こっております。こういうときでもございますし、以上の諸点等を十分要約いたしまして陳情申し上げた次第でございます。どうか、こうした事情でございますので、とくに御賢察くださいまして、常に国が力説いたされますように、中小企業育成の一環といたしまして、ぜひとも効果がもたらされますよう、特に血の通った行政上の御指導実行のほどを切にお願い申し上げまして、私の参考人といたしましての陳情を終わらせていただきます。
○平岡委員長 これにて参考人の御意見の陳述は終わりました。 ―――――――――――――
○平岡委員長 質疑の通告がありますので、これを許します。大橋敏雄君。
○大橋(敏)委員 きょうはまことに御苦労さまでした。 実は、きのうも北海道、それから常磐、九州の各市長さんが、産炭地域の苦境を訴えて、いろいろと説明しておりました。われわれは、新石炭政策の今度の影響によって、いわゆるなだれ現象が起こるんじゃないかという非常な懸念のもとに、またいろいろと考えているわけでありますが、この産炭地域、特に中小企業者のいわゆる困り方というのは想像以上だと考えております。直方の方のようでありますけれども、私の住まっている中間のほうでも、大正鉱業の閉山に伴って、債権問題がいまだに尾を引きまして、トラブルが続いているわけでありますが、こういうことを見ましたとき、確かに信用保険の改善あるいはいまの要望等当然のことではありますが、炭鉱自身との中小業者の閉山における取りきめですね、そういう面も大いに力を入れられる必要があるんじゃないか。というのは、中間の中小業者は、その賃金の中から支払いを保証されていたわけでございますけれども、現実にはそれが支払われなかったということで、ものすごい負債をかぶったかっこうになっているわけですが、その問題で、いまの債権者協議会というのができておりますけれども、いまだに泣かされている立場であったわけですね。ですから、閉山になる前に炭鉱側とある意味で一つの条件をきめ、それを政府のほうに肩がわりといいますか、保証させるといいますか、そのような何か手を打たれたほうがいいんじゃないか、このような感じもするわけですが、そういう点はどうでしょうかね。どう思いますか。
○藤田参考人 私が承知の範囲はすでに諸先生御承知のとおりと思いますが、実際そういう実態でございます。ところが、実質にそれじゃ、こういう国のありがたい法律によりまして融資をしてもらうということになりますと、おおむね国は指導上、行政指導かと思いますが、特に無担保でもって特別配慮をしてやれという親心があったと思うのです。ところが、実際に県の損失補償によりまして、県の信用保証協会の特別保証、こうなるわけですが、銀行さんの窓口を通すわけでございます。そうした場合には、これら業界人、あるいは炭鉱の関係者全体でございましょうが、必ずやまた担保を求められる。いままでいろいろとそういったことで苦慮し、いろいろ担保は提供いたしておりますが、それに加えてそういったものを求められる。あるいは企業内容が少しまずいとか、またちょっと落ちるというようなことがありますと、保証協会からもまた要求される、こういったようなこともございます。したがいまして、実質百万まででございますけれども、保証協会の特別金利でございますとかあるいはその他いろいろな付帯するものを考えますと、ありがたく感謝をしながら貸してもらった金が意外にあまりうれしくないというような結果を生んできますことと、加えて一面では、物価がどんどんはね上がってきて、現地では炭鉱の第一線の皆さん方が少し困っておるということは、ただいま先生がおっしゃったとおり実際でございます。それでやはり何といたしましても、こういったものはスムーズに、あるいはあまり一般金融ベース並みに口やかましい取り扱いをいたされぬように、市町村長の証明もございますし、国の御指示によりましてなるべく平易に借りられるといったような方策をお願い申し上げたいと思うわけでございます。 先生、その程度でよろしゅうございましょうか。
○大橋(敏)委員 実はきのうの説明の中で、四十一年度から四十三年度四月末までで、筑豊地帯では十二億三千四百万円の融資を受けておる。その中で回収不能になっているのが六件で八百万九千円とか、こう聞いたのですが、それは信用保険の問題でありますけれども、いま私の言わんとしていることは、中小商工業者と炭鉱との約束ごとといいますか、閉山になる前に何かきちっとしたものを取りきめた上で、それを政府のほうで裏づけされるような何か手を打つべきではないか、これは中間の実例からこう申し上げておるわけで、その点どういうふうにお考えになっておるか聞いているわけです。
○藤田参考人 私が少し聞き間違いをいたしておったようでございます。 事実上そういった認定を受ける場合に、われわれはほんとうに会議所といたしましても、業界といたしましても、窮地に追い詰められたかっこうですから、すなおに帳簿そのものをさらけ出しまして市町村長の認定を受けて、手続を踏んでいるわけなんです。ところが、先ほどの説明のなれ合いということでございますね。これについてはおそらく皆無とは私は思いません。あるいはあるかもしれませんけれども、あの当時の事態におきましては、炭鉱さんと、おまえのところ五万円しかないが、これは五十万あることとしてやってくれぬか、そうすればおれのところは終閉山の認定を申請するのだ、そんなことがはたして事前に漏れるものだろうか。私ども商工会議所の立場からはどうだろうかと思っておるわけです。しかしながら、もしそのようなことがあるといたしましても、やはり私ども第一線では実際つかみがたいのです。それで御質問のようでございますが、そのことについてやはり行政指導ですね、通産局あるいは県、市町村あるいは商工会議所、それから関係団体、これらが一体になって、不正のないように、また炭鉱側のために無理な売り掛け金があるようなことをしたり、そういったことをしてはならぬと思っております。いままではあまりそういうことを聞いておりませんが、事実はあったかもしれません。私どもはばか正直といいますか、まじめにやってきたつもりではございます。 以上でよろしゅうございましょうか。
○大橋(敏)委員 いろいろときのうきょうにわたりまして皆さんの要望も十分承りましたので、今度は委員会の審議の席上で皆さんの要望を十分反映していくように努力してまいりたいと思います。
○平岡委員長 藤田参考人に対する質疑はこれにて終了いたしました。 藤田参考人には御多用中のところ御出席をいただき、貴重な御意見をお述べいただきまして、まことにありがとうございました。 ―――――――――――――
○平岡委員長 質疑を続行いたします。田畑金光君。
○田畑委員 いま審議しておる中小企業信用保険に関する特別措置法の一部改正法に関連してお尋ねをするわけでありますが、昨日来、またきょうの参考人のお話にもありましたように、石炭企業の倒産に関連して一般売り掛け債権をどう確保するか、この問題が地域の経済、産業にとって非常に大きな問題であることは、われわれもとくと承知しておるわけであります。そこで今度の新しい政策、措置によれば、賃金債務あるいは金融債務、さらに一般債務等については、いままでの政策に比べてそれなりに前進した手が打たれておるわけであります。いまお話しの中小企業等についても、一般債務の面で従来より以上に債権確保については、対策がとられておると考えておるわけであります。すなわち閉山交付金についても、従来のトン当たり平均二千四百円が今回は三千三百円に上がっておる、こういうことでありますので、それだけ中小企業者の債権確保等についてもある程度の前進というものがはかられておると考えておりますが、前回の対策と今回の対策とはこういう面でどういう相違があるのか、あるいは今回の新政策のもとでどの程度前進しておるのか、この点をまずお尋ねいたします。
○中川(理)政府委員 関連中小企業者あるいは従業員その他債権者に対する閉山による打撃緩和のための措置といたしまして、今回新たに御審議をお願いしてありますことは、二点ございます。 一つは、予算でお願いしております一般閉山交付金制度の改善でございます。これは田畑先生よく御承知のように、閉山が従業員をはじめとしまして産炭地域の中小商工業者や鉱害の被害者に対しまして、非常に大きな影響をもたらすものでございますので、この打撃あるいは影響の軽減をはかるために、四十四年度からは現行の閉山交付金トン当たり平均単価二千四百円というのを三千三百円程度に引き上げたい、かように考えております。これはあくまで平均額でございまして、閉山交付金の計算方法は、先生御承知だと思いますけれども、一つには鉱業権及び主要坑道の評価方式によって金額を算定しております。これは現行制度どおりに考えております。これに加えまして今度新しく考えておりますのは、この鉱業権及び主要坑道の評価方式のほかに、現在の制度でも特別加算額ということで、トン当たり四百円というものがございます。これを増額いたしますことを今度考えておるわけでございます。この場合に鉱害の債務というものが大きな要素を占めますので、鉱害賠償債務の多寡に着目いたしまして、地域ごとにこの鉱害量の大きさを勘案いたしまして格差を設けまして、従来のトン当たり四百円というものにつきまして、北海道で千七十円、本土で千二百二十円、九州で千七百二十円というものを、一定の推定によりまして計算をいたしまして、これを特別加算額の増額ということで措置をいたしたい、かように考えておるわけでございます。 なお、もう一つの新しい制度といたしましては、先ほど御指摘がございましたように、企業単位で閉山をいたします場合の特別交付金制度というものを設定いたしまして、これにつきましては清算を終わりましたあとでの未回復の債務につきまして、従業員債務については大体七五%、一般債務等につきましては五〇%程度のものをそれぞれに計算いたしまして、これの合計額を事業団から交付するということにいたしておるわけでございます。そこで、企業単位の閉山でございましても、一般閉山交付金制度による閉山交付金の交付を希望いたします場合には、これは一向差しっかえないという立場をとっておりまして、特別制度と一般制度とは、当該閉山炭鉱あるいは会社の希望によりまして、いずれかを選ばせるということにいたしております。債務状況の実際に着目いたしましておそらく会社側は判断する、こういうことになろうかと思います。以上のようなことをやりますと、田畑委員も前に御苦労なすったのでございますけれども、大日本炭鉱の際のように、中小商工業者の債権の回復額というものが実績としておそらく一割前後にしかならなかったという状況が、少なくとも五割近い程度までは回復するものと私どもは考えておるわけでございます。
○田畑委員 今回の政策によれば、いま局長がお話しになりましたように、一般閉山交付金でいくか、あるいは特別閉山交付金でいくか、それぞれの選択にまつということになるようでありますが、それはそれといたしまして、特に私お尋ねしたいのは、いま問題となっておる関連中小企業の債権の確保というものがどの程度より前進した形で保証されるか、この点にあるわけでありますが、お話を承りますと、いままでの閉山の事例によれば、またいままでの閉山交付金などによれば、一般債務、中小企業者等の債務については一〇%ないし一二、三%程度に現実は終わっておるわけであります。これが非常に深刻な問題を投げかけたわけでありますが、今回の措置によれば、これが五〇%は保証される、こういう見通しであるということでございます。これがその場合、さらにまた具体的に一体どの程度の売り掛け債権をこのワクの中に入れるのかどうか等々、技術的に困難な問題も出てきょうとは考えますが、今回の新政策によれば五〇%近くは保証される、このように見てよろしいわけですか。
○中川(理)政府委員 原則として申しますと、いま御指摘のとおり、大体五〇%程度のものを回復し得るということに相なるものと考えております。具体的には二つの原則を立てておりまして、これはいずれ政省令段階ではっきりすることになると思いますが、取り立て不能額の五〇%かあるいは当該炭鉱の出炭量のトン当たり千円といった一つの目安をつくりまして、そのいずれか低いほうで総額を押える、こういうことになるわけでございます。企業によりましては、いま中小企業者等に負っております一般債権が非常に多いものあるいは非常に少ないものがございますので、いまのトン当たりの単価を一つのものさしにいたしておりますので、若干のでこぼこは出てくるかと思います。したがって五〇%まるまるということにはならないケースも起こり得るかと思いますが、いまおおよそ私どもが推算しております想定される一般債権、こういうものの額を念頭に置きますと、ほぼ五〇%程度に近いものが実際問題として支払われることに相なるのではなかろうかと考えております。
○田畑委員 この法律による中小企業信用保険の、実際各府県単位の信用保証協会のこの信用保険公庫との再保険契約、こういう面についていままでの実績を見ますと、意外に成果があがっていない、こういう点が出ているわけであります。きのうきょうにかけて産炭地域における、特に中小企業あるいは小売り商その他地域の人方が深刻な打撃を受けておるということ、またこれらの人方が立ち上がるために、あるいは転業するために、事業を縮小するために、相当借り入れに依存せざるを得ぬ、こういうことが強調されてまいったわけでありますけれども、しかしいままでの実績を見ますと、再保険の業務の内容というものが意外に少ないということは一体どういうことなのか。たとえば私の手にある資料によれば、保険をつけた実績など見ますると、各炭田別に載っておりますが、北海道や福島なんという県は全然ない。最も大きな問題をかかえておる福岡県を見ましても、昭和四十二年度の実績をとってみても、一億二千七百七十万円にすぎない。また無担保保険あるいは普通保険の内容等を見ましても、この法律の期待した成果をあげていない。こういうようなことについていささか疑問を感ずるわけでありまするが、このようにせっかく産炭地中小企業のことをおもんぱかってつくったこの法律に基づく特別措置は、期待したほどの実績があがっていない。この点は原因が那辺にあるのか、まずその点を承りたいと思います。
○新田政府委員 産炭地の保険特例の実績は、昨年九月までの実績を申しますと、約五百件で八億円の金額になっております。これを経過的に見ますと、三十八年度、九年度と終閉山が非常に多い年は非常に金額が大きい。四十年、四十一年度あたりからだいぶ少なくなっているというふうな経過をたどっております。今後はこの金額は増加するんじゃないかというふうに私ども見ております。 先生いまお話しの問題でございますけれども、御指摘のように、この保険法は地方の府県の保証協会の保証を再保険するものという仕組みになっております。その県府の保証協会は県がやっております産炭地金融の制度金融でございまして、その制度金融が各地区の実情、それから保証協会、県の方針によっていろいろ内容が違っておるわけであります。この保証協会のやっております特別保証制度との関係から、たとえば佐賀とか茨城のように、この保険の特例制度と全く同じ条件で保証制度を設けておりますところは一〇〇%保険に付保されているわけでございます。またこの保険特例は終閉山と直接関係のある事由を保険事故の事由にしておりますけれども、産炭地の府県によりましては、この保険の条件をややゆるい保証条件で保証しているということで、たとえば福岡とか長崎とかは付保率が約五二、三%になっておりますが、そういった県あるいは特別な保証制度も、したがってこの保険特例の適用も全然やっておらない県としましては熊本と福島とあるわけでございます。もちろんこの保険特例の特別の保証制度がない場合でも一般の保険の適用は受けておるわけでございまして、この特例の保険をかけないというだけでございまして、普通の一般の保険にかけておるということに相なっておるわけでございます。そういった各地区によっていろいろ違いがございますので、それを平均しますと各保証協会がやっている保証よりは保険をかけている金額が非常に少ない。しかし府県の保証というものは相当な金額でやっておるというふうな実情でございます。
○田畑委員 いまあなたのお話しのように、なるほど三十九年については保険の実績も二億一千六百六十万、金額からいうと、比較的相当の金額にのぼっておるわけであります。しかし終閉山というのはこれ以降も相当量にのぼっておることは御承知のとおりであって、四十一年度の答申に基づき四十二年から新石策が出て、それ以降また相当閉山が多発していることも事実であるわけでありますが、四十年度、四十一年度、四十二年度などを見ましても、四十年度は三千六百九十万、四十一年度は一億一千三百九十五万、四十二年度は一億七千五百八十五万、これは意外にこの特別保険制度の利用というものが低いわけでございます。いまお話しのように、各県においてはそれぞれ県なり信用保証協会の制度金融等についてまちまちな違いがあることも事実でありましょうが、しかしせっかくこのような制度ができ、またこの制度が中小企業のためにある制度であるとするならば――中小企業庁等においても特に指摘された一、二の県については全然この制度がないわけであります、産炭地域において。こういうような点等について中小企業庁としてはどういう指導をなさってきておるのか。少しくいうならば、もっと中小企業庁はこういうような面について指導し、助言し、援助するぐらいの親切心があってよいと考えまするが、この点については今日までどのようにやってこられたのかお尋ねしたい。
○新田政府委員 確かに先生お話しになりましたように、終閉山とこの保険の金額との関係は、一つの長期的なカーブでは大体相応していますけれども、各年度別に見ますと多少ジグザグになるということは御指摘のとおりでございます。各保証協会の保険にかけます付保率というものは、協会としても非常にばらばらでございまして、それが特例を受けますときには事務的に、黙っておれば普通保険にかかってしまうので、これは特例ですよというようなピックアップをするわけでありますが、そういった事務的な面もかなりあると思います。これは協会別に保険を調査しておりますが、いずれにせよこの保証を伸ばして金融が円滑にいくようにするために、政府としましても融資基金を保険公庫に出資しまして各協会に融通しているわけでございます。これは信用の保証の拡大のほかに、こういった産炭地の保証のように特別の政策目的のための特別な融資制度、特別貸し付け制度もあるわけでございます。これにつきましても、従来もやっておりますが、今後とも各地方の実情に応じまして積極的にこの貸し付け制度の運用をやって、そして保証協会の業務をより強化しますとともに、その保証の円滑化に資したい、そういうように考えております。
○田畑委員 いま私があなたにお尋ねしたいことは、こうやりたいということでなくして、今日までこの制度運用について中小企業庁としては具体的にどのような指導措置を産炭地域の府県等についてとってこられたのか。今日まで具体的にとってきたことについてお尋ねをしているわけです。現にあなたの御答弁の中にありましたように、一、二の県については全然この制度の利用がなされていないところもあるでしょう。それで私も実際産炭地にいて、炭鉱の閉山に伴う中小企業の融資の問題等についていろいろ相談を受けていろいろ助言をし、また中小企業の再建のために個人的な立場でしばしば協力する機会に出っくわすのでありますが、県によっては、このような制度というものが全然何ら生きていない、利用されていないというところがあるわけです。こういう点について、中小企業庁として具体的に何をやってきたのか。また、これは単に中小企業庁だけの問題としてでなくして、これはやっぱり石炭に関連する問題でありますから、鉱山石炭局としても、この法律の運用による末端の実情がどうなっているか、このことは当然把握しておると考えるわけでありますが、これらの点についても、どういう指導なり助言なりをやってきたか、あわせてお尋ねしておきたいと思うわけです。
○新田政府委員 先ほど申し上げましたように、特別貸し付け制度を中心としまして、各保証協会の資金需要に応じまして、この貸し付けの条件というものは、こういった問題についてはできるだけ緩和しましていままでやっているわけでございます。現在までの実績は一億三千万ほどでございますが、ただ、全然特別の保証制度をやっておらない県につきましては、ほかの産炭地の県でやっておる実情その他をいろいろお話ししまして、そういった県でもそういうような制度をとっていただけるのじゃないかというようなことを話したことがございますけれども、今後ともそういうような指導を強化してまいりたいと思います。
○中川(理)政府委員 全般的な保証協会なり県に対しての中小企業金融の問題につきましては、中小企業庁が主務庁でございますので、ただいま新田次長からのお答えにございましたように、全面的な協力を私どももお願いしておるわけでございますが、お話しの制度につきましては、通産局長の認定に基づいて行なうことでございますので、石炭問題に関連する限り、私どもは地方通産局に督励いたしまして、制度の趣旨を生かせるように、全面的な努力をしてもらっておるつもりでございます。認定問題等をめぐって制度が円滑に動かないというようなことはないと存じておりますが、あと御指摘のように、それぞれの県の立場で、若干積極性その他について問題があるところがあるかもしれません。これは今後私ども直接なり、あるいは通産局長を通じてなり、中小企業庁のほうから、いろいろなことでひとつ認識を新たにしてもらって積極的な活用をお願いしたいと思っております。
○田畑委員 これは私は、中小企業庁と鉱山石炭局長に、特にこの制度の活用について、強く関係府県を指導し、せっかくできた制度なり法律なり国の援助措置というものが末端において何ら実効をあげていないということでは、これはあなた方の責任も十分果たしていないということにもなるわけですから、この点はとくとひとつ念頭に置いて善処を願いたいと考えておるわけであります。 このてん補率等については、一般とそれから災害、産炭地倒産防止とは、それぞれ当然別になっておるものだと考えていたわけでありますが、普通保険の場合だけが違っておるが、あとは特別の小口保険にしても、無担保保険にしても、いずれも八〇%だ、こういうことになっておりますね。この点について、実は昨日来関係市町村長の皆さん方の強い要望として、県によっては、国が八〇%見るならばあとの二〇%は県が見るとか、あるいは県と市が一〇%ずつ分け合って見るとかいうところもあるようでございます。また、県によっては全然やってないという、福島県のごときはまさにその典型ですので、この点については、てん補率を特に産炭地の深刻な状況ということにかんがみて一〇〇%に上げてもらいたいという強い要望があるのですが、これをやることによってどういう影響があるのか、この点ひとつ中小企業庁のほうから考え方を聞かしてもらいたい。できれば一〇〇%てん補率を確保してもらいたいというのが、私の言いたいことでありますが、その影響はどういうところに出てくるのか。
○新田政府委員 このてん補率の問題でございますが、先ほどお話しいたしましたように、この特例ができましたときは、てん補率八〇%というのは――この制度しかなかったわけでございますが、四十年に特別小口保険それから無担保保証保険というものができまして、これが八〇%、特に無担保、無保証というきわめて特殊な零細企業に対する保険でございますので、そういった制度をつくったわけでございます。したがいまして、現在七〇%のてん補率になっておりますのは、普通保険と近代化保険でございます。ただこの八〇%のラインでございますけれども、保証協会が一〇〇%の保証をする、それを国が再保険をするといったような場合のてん補率の限度はどこが一番妥当かということでございますけれども、やはり保証協会の保証事務を保証協会が自主性をもって、また責任ある適正な保証をするということを指導するためにも一〇〇%保証するというのは、やはり問題があるんではないか。そういったことで、たとえば農業の信用保険とか、あるいは中小漁業の融資保険といった再保険をやっている同じような制度がございますが、いずれも七〇%となっておるわけでございまして、八〇%というのは優遇のぎりぎりの線じゃないかというふうに、私どもも検討しましたけれども、そのような結論になっておるわけでございます。
○田畑委員 私は、いまの点についてはひとつさらにまた御検討を願うということで、希望として、中小企業庁としても頭に入れておいていただきたいと考えますが、次の問題に移りたいと思うのです。 大臣は何時ごろ見えますか。
○平岡委員長 十一時四十分の予定なんですが、参議院の予算のほうでまだおくれております。
○田畑委員 それでは、せっかく産炭地域振興事業団の筆頭理事がお見えになっておりますので、この産炭地域振興事業団のことについて、実情をまず承りたいと思うのです。 率直に申しまして、産炭地域振興事業団が、産炭地域において産業基盤の整備であるとか、あるいは地域振興の発展の上に果たしてきた、また果たしつつある役割りは相当高く評価してよろしい、こう考えておるわけであります。工業地の造成であるとか、あるいは工業用水を設けることであるとか、あるいは設備資金だの長期運転資金の融資であるとか、あるいは工作物を建設し貸与をするとか、いろいろな仕事が事業団の仕事としてあるわけでございますけれども、産炭地域振興事業団としては大いに仕事をやりたいのだが、金がない。端的に言うとそういうことじゃなかろうかと思うのですね。それで、現在事業団として、私が申し上げた事業団のやる仕事の内容について、どのような需要供給関係に、資金面から見たときなっておるのか、このあたりについて、一般論としてまず御説明いただければと思います。
○有馬参考人 産炭地域振興事業団の現状について、ごく簡単に御説明申し上げます。 事業団発足以来ただいままでに七年間になってまいりました。設立当初はいろいろ、土地をつくりましても売れない、あるいは進出企業もなかなか出てこないというような非常な悩みがあったわけでございますが、一昨年以来、企業進出が非常に目立ってまいりまして、今日では、ただいま田畑先生お話しのように、お金が足りないというような実情になってまいっております。具体的に申し上げますと、土地につきましては、現在までに完成いたしました土地が約七百二十万平米になっております。そのうち、契約済みで約四百万平米ほどのものがございますので、すでに五割以上のものが譲渡済みとなっております。資金の融資のほうは現在約六百ほどの企業に融資をいたしておりまして、特に昨年来融資の申し込みが非常に多くなっておりますために、昨年は、年度分のワクがすでに八月ごろになくなってしまいまして、ことしの一月にさらに約十六億ほどの追加が認められまして、これもただいま手続をいたしておりますが、十六億ほどのワクはすでにもう全部使い切っております。四十四年度につきましては、ワクといたしまして、資金が約七十二億ほど、そのほかに十億ほどの債務負担行為をいただいておりますので、八十億余りの資金になっておりますが、現在すでにこれに近いくらいの申し込みがあるという事情であります。もちろんこれがすべて適正な企業というわけにもまいりませんが、そういうような事情でもって、土地の売れ行きも、また企業の進出におきましても非常に活発でございます。そのために、四十三年度におきましては、融資比率をなるべく四割ないし五割ぐらいのところへもっていきたいと考えておりましたが、平均いたしますと、三割台くらいにしかいかないのではないかというふうに考えております。四十四年度につきましても、土地の造成の要請も各方面から非常に強うございます。一面各地の土地の値上がりなども実はかなり激しいというようなことから、土地の取得にもかなり苦労をいたしております。そういうことで、四十四年度になってまいりますと、今年度に比べまして、総予算におきましては七割ぐらいふえてはおるのでありますが、なおかつ融資につきましても、土地の造成につきましても、今後資金が不足してくるということが予想されておるような状態でございます。
○田畑委員 きのう筑豊の山田市の市長さんが、この委員会で発言をしておられましたが、その話によりますと、筑豊地区の場合、せっかく工業団地を造成しても、いろいろな立地条件であるとか、あるいは筑豊の内陸部等は輸送幹線道路の問題、水の問題あるいはいろいろ地域社会に対する理解が十分でないなどの理由で、企業の進出がおくれておる。ことばをかえて言うと、売れない土地が相当残っておる、こういうようなお話がございましたが、事業団が今日まで土地を造成された、たとえば筑豊なり九州のその他の地域なり、あるいは宇部なり常磐なり、あるいは北海道なり等々について、土地の造成、そしてこれがその後売れ行きなどの面でどうなっておるのか、地域ごとに御説明願いたいと思います。
○有馬参考人 地域別に概略の御説明を申し上げます。 九州について申し上げますと、最近の状態は、筑豊につきましては、いわゆる粕屋炭田地区と申しますか、福岡の周辺のところは、前々から工業立地が非常によろしいというようなことでもって、売れ行きが非常によろしかったわけでありますが、最近は北九州地区から南にまいりまして、直方周辺のところまでは非常に売れ行きがよくなっております。続きまして飯塚周辺にかなり企業の進出が最近は見られておるようでございます。一番奥地でございますところの、ただいまお話がございました山田あるいは田川というような地帯につきましては、全然出てないことはございませんが、やや進出がおそいというようなのが実情でございます。佐賀県につきましては、伊万里地区は非常に進出が活発でございますが、多久地区につきましてもかなり出ております。最近は大町、北方地区につきましてもかなりの引き合いがあるような状態であります。長崎県につきましては、佐世保の周辺は非常に活発でございますが、北松浦になりますと非常に立地が悪いということで、まだ進出が見られないような実情でございます。 それから宇部地区は、これは非常に活発な状態でございます。 常磐地区は、現在のところは土地をつくりますと、これが完成する前からもうその倍も申し込みがあるというようなところもございまして、常磐地区は非常に活発でございます。 北海道につきましては、これは何と申しましてもまだ島が離れておるというようなところもございまして、企業の進出があまり顕著ではございませんが、現在のところでは美唄を中心といたしました地区に、かなりの工場が進出しております。それから道東地区につきましても、若干の工場がやはり進出を見ておるような状態でございますが、ほかの地区に比べますとややおそいような状態でございます。 これらの全体を通じてみますと、ただいまお話がございましたように、水だとかあるいは道路というような関連公共施設が不十分な場合には、なかなか売りにくい、企業も進出しにくいというようなことがいわれるようでございまして、そういうりっぱな道路ができ、あるいは水ができますれば、立地条件が著しく上がってくるというようなことは、現実に見られておるようでございます。また、もう一方、ただいまお話のございました地域社会への理解と申しますか、産炭地域というものに対するところのイメージ、これが非常に今日まで暗いイメージを持たれておるということが問題でございまして、私どもは、産炭地域というのは決して暗いところではない、明るい緑の野原であるということをPRをいたしておりまして、極力イメージチェンジをはかっていく、また、北海道につきましては雪の問題をみな非常に心配いたしておりますので、私ども映画などもつくりまして、主要な道は北海道でも、冬のさなかでも自由に通れるんだということで、そういうPRをいたしまして、極力企業の誘致につとめておるわけでございます。
○田畑委員 有馬理事の御答弁で実情はよくわかりました。 そこで有馬さん、もう一つ念を押しておきたいのですが、ことしの産炭地振興事業団関係の予算は昨年に比べて七割ふえた。七割ふえたということは皆さんにとってもそれだけ仕事量がふえたということにもなりましょうが、しかしまた土地などを見ますと、土地の値上がりだのあるいは事業を遂行する上の物件資材費等の値上がりを考えますと、仕事の面で七割まるまるふえるわけでもなかろうと見ておるわけです。 昨年度、四十三年度の場合は融資の面を見ると、申し込みに対して三割しか融資ができなかった、こういうことですね。そこで、本年度、四十四年度については、これからでございますけれども、いまの見通しとして融資の面等については何割くらい今度の予算措置で需要をまかない切れるのか、あるいは土地造成等につきましてもどの程度需要に応じ得るか、この点をひとつ見通しでもけっこうでありまするが――といってもすでにあなたのほうには殺到しているということだから、見通しどころかもう確定したようなことになるかもしれませんが、そこら辺の事情をひとつお聞かせ願いたいと思います。
○有馬参考人 今年度の見通し、ただいま私ども作業をいたしておりまして、正確なところは、正直なところ土地の造成につきましては非常に努力いたしまして土地の買収に当たっておるわけでございますが、これがなかなか見通しどおりに買えないというのが実情でございます。したがいまして、正確にいま見通しを申し上げかねるのでございますが、少なくとも現在計画いたしておりますところの土地の買収が順調に進みまする限りは、本年度の資金というものがかなり苦しくなってくる見通しでございますし、今後終閉山などがございまして特別措置がとられなければならないというような場合がございますと、その地域に対する手当てもしなければなりませんので、資金的にもなお多ければ多いほうがありがたい、こういうふうに考えておるわけでございます。 融資のほうにつきましては、これは年間を通じて申請がございますために、ただいまの段階でもって申し上げることは非常に困難でございます。また一方いろいろ、できるだけよい企業を誘致してくる、優秀な企業を誘致いたしまして地域の振興をはかるというために、積極的にこちらから大いに働きかけてまいりたいというふうにも考えております。そういう面におきまして、ただいまの融資率三〇%というのは申し込み額の三〇%でございませんで、いわゆる所要資金の約三割を四十三年度は融資いたしたわけでございますが、四十四年度につきましてはこれがさらに上げられるように努力をいたしておりますが、目下のところまだはっきりとした見通しまでは立て切れません。できる限り四割以上のものにいたしていきたい、こういうふうに考えておるわけでございます。
○平岡委員長 この際、十二時三十分まで休憩いたします。 午後零時五分休憩 ――――◇――――― 午後零時四十三分開議
○平岡委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 質疑を続行いたします。大橋敏雄君。
○大橋(敏)委員 端的にお尋ねいたしますが、中小企業債権については閉山交付金による弁済率は従来約二〇%から三〇%だ、今回はそれはどの程度まで引き上げられるか。先ほど田畑委員への答えでは五〇%程度というようなお話を伺ったような気がするのですが、もう一度この点確認したいと思います。
○中川(理)政府委員 先ほどお答えいたしましたように、一般交付金の制度を選んでくる場合、これはどちらかといいますとあまり債務額が過重でない場合だろうと思いますので、その件を別といたしまして、特別交付金を申請してくる場合のことを考えますと、おおむね五〇%程度と申し上げたのでございますが、トン当たり一千円という片方の基準がございますので、債務額が非常に多い場合には五〇%を下回ることがあると思います。ここで諸先生方に五〇%程度と申し上げております以上は、私どもの気持ちとしてはできるだけ四〇%強五〇%までというところにとめたいという感じでおります。
○大橋(敏)委員 実は産炭地域の炭鉱と運命をともにしている商工業者であるわけですが、皆さんが強く感じていることは、金融債権の問題にしても、あるいは炭鉱従業員の未払い賃金あるいは退職金、これにはかなり手厚い保証がなされている。これに比べて商工業者、中小企業者は非常に差別を受けているような感じがするのです。これは退職金あるいはこうした賃金の保証と同等に引き上げてもらいたい、こういう強い要望があるわけです。いま四〇%程度ですか。
○中川(理)政府委員 昨日の委員会でもお答えいたしましたように、労働者債権と一般債権とに対して、国から交付いたします特別交付金の額をきめるにあたりまして、両債権のバランスをどんなふうにとったらよかろうかということは確かにいろんな議論のあるところであろうかと思うわけでございますが、私どもが労働者債権を大体七五%と考え、一般債権を五〇%と考えておりますゆえんのものは、一つには今後の石炭産業の再建という角度でものを考えました場合に、労働者の確保と申しますか、労働力の安定なくして石炭鉱業の再建ということは不可能でございますので、働く人たちにあまり迷惑をかけない、それからまた現在働いている人たちが現実に起こる終閉山を目の前に見まして、その際の離職条件があまりに悪いということから、将来の石炭鉱業への従事について悲観的な判断をすることがあってはいけないということが労働者債権に対しまして他の債権と格差を設けて優遇をいたそうと考えておるゆえんでございます。 それに比べますと、少し冷たい言い方かもしれませんが、その他債権というものは通常の経済活動、取引、これも一般論でございますから、そこと取引をしなければやっていけないというような状況にある人もいらっしゃることは重々承知しておりますけれども、本来あぶない会社とは取引をなさらぬというような選択の自由のある商工業者ということを考えますと、労働者との間には若干の格差があってもやむを得ないんではないか、こう考えたわけでございます。 なお金融債権につきましては、これは一般債権と同じく考えております。実質的な開きが出てきますのは、御指摘のとおり抵当権を持っているということが働いてくるわけでございます。今回の制度は清算をしたあとでの未回復の債権に対して見るということでございます。その前に抵当権が優先するのは一般法制でございますので、実質問題は別にいたしまして、労働者債権以外のものを五〇%と考えたということは、現行法制、現在の経済制度のもとにおいては当然のことではなかろうかと思っております。
○大橋(敏)委員 それでは大臣が見えましたので、田畑委員と交代して、あとでいまの続きを質問したいと思います。
○平岡委員長 田畑金光君。
○田畑委員 時間の関係もありますから、大臣、私の本格的な質問は今後の機会にまつことにしまして、きょうは産炭地域関係の中小企業債権についての法律をめぐる質疑でありますので、私、産炭地域の振興の問題について端的にひとつ御見解を承りたいと思うのです。 今度の答申を見ましても、産炭地域振興事業団の充実強化ということが強くうたわれております。先ほど同事業団の有馬理事の話によれば、昨年の事業団の融資は、需要に対して三割前後しか融資ができなかった、ことしはおそらく四割前後にはしたい、こういう答えです。事ほどさように産炭地域には、団地の造成、これに伴っての企業進出、同時に事業団に対する融資の申し込み等々がなされておるわけであります。 そこで私、本年度の石炭予算全般についての問題について触れたいと思いますけれども、これも時間の制約があるから後日に譲りますが、石炭の予算については、石炭対策特別会計法によれば、なるほど大蔵大臣、通産大臣、労働大臣が所管大臣ということになっておりますけれども、第二条の第二項を見ますと、この予算の管理全体については通産大臣が最高の責任者であるわけです。そういうことを考えてみたときに、私はこの予算の配分等についてもっと考慮すべき余地があるんじゃないか、こういう見解を強く持っているわけです。これは、来週に炭鉱離職者臨時措置法の一部改正法についての審議がなされますが、労働省関係の離職者予算はことしは二十五億四千六百万ふえて七十六億三千六百五十七万にのぼっておるわけです。この中で私特に指摘したいのは、元来労働省関係の予算は、一般の失業対策事業を見ても、失業対策事業に吸収する事業で毎年減らしてきておるわけです。同時にまた、緊急就労事業という炭鉱離職者オンリーのこの予算措置についても、緊急就労事業に吸収する炭鉱離職者は毎年減らしてきておるわけですね。ところが今度の予算においては、産炭地域開発就労事業費補助金という名前で二十五億二千三百万、吸収人員三千二百名、こういう予算が出ておるわけです。今後予測されるいろんな炭鉱の閉山を考えた場合に、炭鉱離職者を吸収するとすれば、緊急就労事業という予算項目ができて、そこへ吸収するというような仕組みになっておるわけです。したがって、私は、離職者予算をけちをつけるわけではございませんが、やろうとすれば、そういうような内容を強化してできるのではないか。新しく二十五億にのぼる予算が今度計上されておる。この予算の内容は、結局産炭地域振興に関連する仕事をやることだと私は思います。それは雇用対策の面もあるし公共事業の充実という面もありましょうが、私が申し上げたいことは、この予算全部無意味というわけではございませんが、こういう予算というものをもっと産炭地域振興全体の立場に立って考えていくならば、産炭地域振興事業団が土地の造成についてもあるいはそこに誘致される企業の融資の面についても一生懸命やっておるんだが、これは非常に予算の面で窮屈なんです。そうして、先ほど申し上げたような融資の需要に対しても、昨年は三割しか貨し出しができていない、こういう実情なんです。今回の審議会の答申を見ましても、そして昨年暮れの産炭地域振興審議会の部会の報告を見ても、事業団の充実強化ということをうたっておる。それを考えてみますならば、通産大臣が石炭関係予算の主管大臣という責任ある立場に立ってながめてみますならば、こういう予算のあり方や編成についてはもっと考えるべき余地があったんじゃないか、こう思うのですが、この点について大臣は十分配慮なされたのか、かれこれ均衡のとれた予算措置としてこの予算を出されたのかどうか、この点をまず第一点として承っておきます。
○大平国務大臣 産炭地域の振興問題でございますが、これはいままで、田畑委員も御承知のように、政府の地域振興が、あるいは特定工業地域整備計画でございますとか、あるいは新産業都市計画でございますとか、産炭地域振興計画でございますとか、そういう臨床的な計画に主力が置かれておったわけでございます。ところが、なかなか期待どおり実を結ばないという不満もあり、当初希望したとおりはなかなか政府の施策も行き届かないというようなことについて、いろいろ不満があったのでございますが、今度政府のほうでは、一番大きく考えまして、そういうようなやり方ではなくて、またそういうやり方に限界があるのでというので、総合開発計画を一ぺん練り直そうということで進めておりますことは御案内のとおりでございまして、私は今度の新総合開発計画というものが一番計画らしい計画になってきたのではないか、そういう基盤を踏まえた上で、いままでやってまいりました産炭地域振興計画等ももう一度見直して、足らないところを補っていかなければいかぬじゃないか、力点の置き場所を考えていかなければならぬのではないか、そうまず第一に考えます。 それから、第二点といたしまして、産炭地域の振興計画ばかりでなく、ほかの計画もそうでございますけれども、そこに企業を誘致をして、そして定着させて雇用の機会を増大してまいるためには、そこにふさわしい経済の客観条件ができ上がらなければなりませんので、道路、港湾、工業用水その他工業基盤の育成整備ということが先行せねばならぬことでございます。そういう方面は、乏しいながら政府もこれまでやってきたわけでございます。工業用水のほうは私どもの所管でございますので、鋭意予算的措置を講じてまいってきておることは御案内のとおりでございます。 それから、第三の問題として、しかしながら、非常に幸いにいたしまして――幸いか不幸かこれはわかりませんけれども、過密地域への過密化が非常に進みまして、どうしても東京、大阪中心で工場の立地を満たすというようなことは、労働力の面からも、地価の面からも、あるいは公害の面からも、望ましくないし、またそろばんには合わなくなってきたということで、御案内のように最近非常に工場の地方に対して分散の希望が出てきております。このことは、これからの産炭地域の振興計画を立てる場合において非常に有力な刺激になるのではないかと思うのでございます。それに対しましては、いま、事業団の融資規模あるいは政府の予算ということについての言及でございましたけれども、御案内のように開発銀行あるいは北東公庫、そういうものには地方資金のワクが増額されて用意されてありますことは御案内のとおりでございます。それから、従来の、普通の金融あるいは中小企業金融の現存の制度は、そのまま適用されるわけでございますが、それでは足らないというので、いろいろな特例措置が産炭地についてとられておりますことは御案内のとおりでございまして、そういったものを組み合わせてまいりますならば、当面の需要におっつかっつ追いついていけるのではないかということで予算を編成いたしたわけでございます。しかし、御指摘のように、希望に対して充足率が必ずしも高くないということはたいへん残念でございますが、この振興に応じまして、金融にいたしましても、弾力のあることでございますから、いろいろ不足を来たすとかいうような場面におきましては、主管大臣といたしまして、年度の途中でございましても、配慮してまいらなければならない責任があると思うのでありまして、十分の配慮を加えていきたいと思います。結論といたしまして、この予算並びに合理化事業団の融資力あるいは予算措置ばかりでなく、いろいろな方面の措置を、あなたのおっしゃったとおり懸命に組み合わせた上で振興に役立てるようにやっていきたい。それが足らない面につきましては、今後一そう配慮してまいるということでございます。
○田畑委員 大臣は答弁の中でいろいろ述べておられますが、私が端的に申し上げたいことは、なるほど総合開発計画としてもう一度全般的な立場から見直すということが必要であると思います。ただしかし、現実にここまで産炭地振興事業団が、御存じのような地域の発展のためにいろいろな仕事をやってきたわけでございまするが、今後その仕事をますます強化しなくてはならぬ、こう考えておるわけです。ところが、一方において予算の制約その他が非常にある。そしてまた、今回の八百八十五億の予算の中で、あまりそこにだけ向けたのでは、今度はまた前向きの予算の制約がある、こういうようなことを考えたときに、予算の適正配分ということは一番大事なことだと思うのです。そういうようなことから見たときに、労働省所管の、この新しく頭を出してきた産炭地域開発就労事業費二十五億数千万円という予算などについても、すでに緊急就労対策事業というものがあって、それはしかしだんだん減らしてきた。ところが途中でまたこういうものが出てきた。どういう仕事をやるかとかいうことをこれから深く追及はしますが、このような予算措置、このような予算があるならば、もっと産炭地域全体の立場に立って仕事をやり得る事業団をして強化したらどうなのか、こういうことを私は申し上げたいわけなんです。ましてや、聞くところによると、この労働省関係の出てきた予算というのは、筑豊だけを考えておるというような予算だというわけでありますが、私は筑豊でないから言うのじゃありませんよ。いやしくも一国の予算の運用というものが一地域のためにとか、そうような配慮でもって予算を組むということは、最も許せないことだと私は強調したいと思うのです。この点後日の機会に徹底的に私は追及したいと思いまするが、いやしくも産炭地のためにある予算が、一省や一県や一部局のためにというような予算の運用というものを、私は許すことができぬと申し上げているのです。こんな予算の運用については、主管大臣として大平通産大臣は、この辺の事情も万事御承知の上でこんな予算を組んだのかどうか。もしそのような予算の余裕があるならば、振興事業団、せっかくここまできている事業団をもっと強化したらどうか、こういったことが第一の点。 時間がありませんから、第二点として御質問いたしたいことは、この産炭地振興事業の窓口行政の一本化という問題ですね。これがいま御承知のごとく、いろいろな省にまたがってなかなかうまくいかぬ。そこで昨年の十二月二十五日の審議会を見ましても、あるいはまたこれは昨年の十二月十九日、産炭地域振興審議会総合部会報告の最後の附帯決議の中にこう書いてあります。「新石炭政策に即応して、今後の産炭地域振興対策は、これを抜本的に強化するとともに、早急に実施に移す必要があるが、実施主体が多数の省庁および政府関係機関あるいは地方公共団体等に分かれているため、対策の総合的、計画的かつ強力な推進が必ずしも十分に確保されないうらみがある。」この点を指摘しておるわけであります。現にまた私たちが昨年九州に参りましたときに、これは福岡県の市長連盟から強く、たとえば産炭地域振興庁というようなものを設けて、産炭地対策の一本化をはかってもらいたい。庁を設けるか設けないかは別といたしまして、窓口一本化はぜひ必要ではないか、この点については通産省としては、どのようにしようとしていかれるのか、この二点だけをきょうは承って、質問はまた後日に持ち越します。
○大平国務大臣 予算の、与えられた原資の配分のバランスの問題でございますが、申すまでもなく今度の石炭予算は、石炭産業の再建それから労働者対策、保安対策(そういったことが重点になりますことは、石炭対策としての性格上当然だと思うのでございます。したがって、その中で労務者対策といたしまして、労働省のほうでたいへん御熱心になっていただいておりますことは、私どもとして歓迎しておるわけでございます。ただ産炭地振興対策にいたしましても、それとのバランスを失しないように私どもも相当配慮いたしておるつもりでございまして、そのバランスが適正であるかどうか、御意見でございますけれども、そしていま御意見にも十分拝聴すべき点がございますけれども、私どもの気持ちといたしましては、石炭対策の性格といたしまして労働者対策、保安対策というものには特に力点を置かなければならなかったということ、それから労働者対策につきましては、もちろんモチはモチ屋でございますから、労働省に大いに熱心にやっていただくことは、私ども望ましいことでございますので、その点は御了承をいただきたいと思います。 それから第二点といたしまして、産炭地の行政の一元化の問題でございます。これは検討しろとおっしゃれば、私も検討するにやぶさかでないのでございますけれども、私の考え方は少し違うのでございまして、自治省、地方庁は、地方振興の立場から自分の問題として産炭地問題を取り上げていただかなければならぬと思います。労働省は労働省として、労働行政の労働者の福祉という立場から取り上げて、これも御自分の事業としてほんとうにお仕事としてお取り上げいただく。産業政策の立場から私どもはもちろん固有の責任があるわけでございまして、それぞれ自分の仕事としてやっていただく。多少田畑さんがおっしゃるように、連絡が不備でございましたり、そういう点がないとは申せませんけれども、一元化をいたしまして画一化するよりは、むしろそういったやり方のほうが私は実効があがるのではないかと考えますけれども、しかし、私もこの問題につきまして頭を突っ込んで日時が浅うございますから、もう少し実態を勉強させていただきまして、改善すべきものがございますれば、十分検討いたしたいと思います。
○田畑委員 質問はこれからたくさんありますので継続しなくてはなりませんが、きょうは時間の制約がありますので、納得したわけではございませんが、今後に質問を留保して、大臣に対する質問はきょうはこれで終わります。
○大橋(敏)委員 先ほどの続きになりますが、本日審議しております法律の提案理由の説明の中に、「産炭地域における中小企業者についての中小企業信用保険に関する特別措置等に関する法律は、石炭鉱山の休廃止により移転、転業し、あるいは経営不安定におちいった中小企業者に対して、その信用力を補完し、経営の安定や企業の再建に必要な資金を確保することを目的として、」制定された、こういうふうにあるわけでございますが、実は昨日の参考人のお話を承りますと、確かに中小企業商工業者が、閉山の後に立ち上がろうとするけれども資力がない。そこで地元の金融業者に資金の融通をお願いするわけですけれども、とにかく引き締めて金を出さないというわけですね。担保条件等も非常に厳格になって、事実はほとんど借り出すことはできない、融資を受けられないというのですね。したがいまして、昨日も、政府の関係機関から特別融資の拡充強化をはかってもらいたい、こういう強い要望があっておりました。中小企業金融公庫とかあるいは国民金融公庫、この融資ワクを百万円の現状から三百万円程度に引き上げてもらいたいという強い要望があっておりましたが、これに対してはどのようなお考えを持っていらっしゃるか、お伺いしたいと思います。
○中川(理)政府委員 従来からもただいまのような融資限度額の増額についての要請を切実な要望として受けております。これは私のほうだけできめられるということではございませんので、これらの要望を受けまして、中小企業庁とも相談しながら大蔵省といま鋭意折衝をいたしているところでございます。
○大橋(敏)委員 その要望に極力善処していく、是正していくという方向で進まれているのだと理解してよろしいのですね。 それでは次にまいりますが、これもきのうの要望の中ですけれども、五年延長は当然やってほしいということと、それから貸し付け利子、これを今度は無利子にしてもらって、しかも現在政府保証は百分の八十であるのを百分の百に是正してもらいたい、これも強い要望だったのですけれども、これについてはどのようなお考えでしょう。
○藤尾政府委員 お答え申し上げます。 これは信用保険でございますので、御趣旨のとおり一〇〇%まで補完をするということができればそれでよろしいのでございますが、他に全く例がございません。普通の場合には七〇%政府保証するということになっております。特例措置として非常の場合に、この産炭地域の場合でございますとか災害の場合でありますとかいうような場合に、これをあえて八〇%まで弁済に対するてん補をやる、こういうことになっております。したがいまして、これを一〇〇%までもしこの産炭地保険で引き上げるということにいたしましたならば、他の面においてもこれは引き上げなければならぬ。そういうことになりますと、この信用保険といいますもののてん補率は一斉に全部上がらなければいかぬ、そういうことになるわけで、保険自体といいますものの、あるいはこれをやっております信用保証協会といいますものの代位弁済義務、これが果たせないというようなところまでまいりましたのでは、この制度自体が崩壊に瀕するということにもなりかねないのでございます。そこで私どもも泣くに泣けないところでございますけれども、ともかくいまの八〇%といいますものを最大限度に御利用になっていただかなければならぬのではないか、こういうように考えておるところでございます。
○大橋(敏)委員 時間がございませんので、それでは産炭地域の中小商工業者がいかにみじめな立場に置かれているかという地元の実例を私一つお話しして理解を深めてもらって、そういうものを踏まえた上で今後の対策を強化してもらいたい。 これは福岡県の中間市に大正鉱業の閉山事務がいま進められているわけでありますが、関係者の疑惑といいますか、ふんまんが爆発するような立場まできております。これは不動産処理のいわゆる最終段階に入りまして、一千三百万円をめぐりまして、その商工業者とそれから市との間にトラブルが起こっているわけであります。それはこういうことなんです。大正鉱業再建運動というのが起こされておるのですね。それは市長が主導者だった。つぶしてなるものか、何とか興そうじゃないかということで商工業者にその協力方を求めたわけです。そこで債権の請求権の取り立てやあるいは保全措置をやめさせたり、一方では債権の半額切り捨てなどを強要して、そのうちには必ず現金取引ができるようになるからと喜ばせたわけですね、ところが喜ばせたのもつかの間、実際は倒産したわけです。そこで債権者協議会というものが開かれて、そこでみんなが協議しながら財産処分の段階に入ったら、一千三百万は中小業者に渡そうじゃないかという話になったらしいのですけれども、現実はもう中間市のほうがいやそっくり自分のほうがもらう権利があるのだということで、もう踏みつけられてしまったわけですね。こういう現実があるわけです。合理化事業団は自分のやるべきことはやってしまったし、もうそのあとは自分は関係ないという立場にあるわけですが、正直言いまして当時福岡通産局の商工部長がその問題にはさまっておりまして、非常に困った立場にいます。今度閉山問題が次々と起こってきますので、こういう実例をはっきりと掌握された上、何とか対策を立ててもらいたい。これは私の強い要望です。これについて政務次官の気持ちを聞きたいと思います。
○藤尾政府委員 確かに仰せのような事例がいままでひんぴんとして起こっておりました。地元の方々に非常に御迷惑をかけておった。たいへん申しわけのないことだと思います。しかしながら御案内のとおり、仰せのような場合はまだこの産炭地振興という問題についての法制が整備されていなかった。こういうことがございまするので、その法制が整備されなかったからそういう事態が起こっていいのかということはこれは申せませんけれども、法制がなくとも人間の心情といたしましてそういうことの起こらないように万全を期すべきではございまするが、残念ながら法制の措置が十二分に用意されておらなかったというようなこともこの問題をさらに悲惨にいたしました一つの要因であろうかと思います。こういったことはもうすでに起こったことでございますから、これに対して善後措置も十二分にとりまするけれども、今後はこういった前車のわだちと申しますか、こういったことを再び轍を踏まぬということにわれわれはその焦点を合わすべきでございまして、そういった意味合いにおきまして、今回の石炭対策の産炭地振興の施策の中には、少なくとも五〇%程度はどんな場合でも地域の中小商工業者の御損害といいまするものに、いわば国としてその責任を負っていこうじゃないか、こういうところまできめておるわけでございます。もちろんこれは先ほど局長から申し上げましたように、炭鉱に働いておられまする方と比べまして優先程度が違うということはございますけれども、これはまあ一つは、片一方の従業員の方々の場合には、これはいやでもおうでもその日まで仕事に縛りつけられておられるわけでございます。片一方の中小企業者の場合には、多少そこに選択の余地が残されておる。その違いを若干見さしていただいて五〇%ということで御容赦いた、だけないか、かように考えて、ただいまそれの措置を進めておるところでございますから、どうかその辺の事情をよく御了察をいただきたいと思います。
○大橋(敏)委員 それでは最後に、きょうの法律とは直接関係はしませんけれども、これは産炭地域の重大な問題だと思いますので、お尋ねしますが、もうすでに三月八日の新聞にも出ているのですけれども、「炭鉱の離婚ふえる」という見出しで、これは生活が苦しいので、生活保護を受けるというのと、母子年金受給資格を得るためのいわゆる見せかけ離婚だ、こういうことらしいのですが、筑豊一体はものすごい生活保護者がいるわけですが、不正など及びもつかないまじめな方々が非常に迷惑しておる。通産省として、すでに現地へ調査団を派遣した、かように報道されておりますが、これは事実ですか。
○藤尾政府委員 実はこの前の通産局長会議のときにその話を承りまして、私自身が行くつもりでございます。でございまするから、調査団といいまするものはまだ派遣はいたしておりませんが、これは私自身が参ります。と申しまするのは、御指摘のとおりでございまして、産炭地域の方々の閉山に伴いまして受けられまするいろいいな御損害、御影響といいまするものが、事金だけで済むということでございましたならば、それはそれなりに私どもの対処のしようもあるのでございますけれども、それが御指摘のような、一応協議の上で離婚の形をおとりになる。そうして片一方では母子福祉年金をおもらいになって、片一方では失業保険をおもらいなるというようなことが行なわれて、そういったおとなの行為といいまするものがだんだんと今度は炭鉱地域の青少年の間にまで入り込んでまいりまして、そうしてそこに私たちとしては非常に憂慮をいたさなければならぬような精神上のいろいろな欠陥が出てまいるということになりましては、これは国としての一大事でございます。事は金で片づかない。どんなに金をつぎ込んでも回復のできない心の問題でございますから、心の痛手をそこで終閉山によって起こさせる、そういったことがまた流行するというようなことでは、私どもその衝に当たる者といたしましても、この問題について、簡単に金で済ませるというようなことではない、かように考えますので、私自身が現地を訪れまして、十二分にその実情をはだで感じさせていただいて、どういった措置をとればその精神的な破壊が救われるのか、その地域全体の立ち上がりが助けられるのかという基本的な問題をひとつ追求してみたい、かように考えておるわけでございます。どうか、委員の皆さま方におかれましても、この問題につきましては、単にこういったいろいろな措置の中でおおい得ない大きな傷あとになるというようなこともお考え合わせいただきまして、国会全体としてこの問題とお取り組みいただいて、何らかの措置をおとりになっていただきたいことだ、かように念願いたす次第でございます。
○大橋(敏)委員 では最後に一言。この問題は通産省だけでなくて厚生省、労働省にも関係することでありますので、連携を密にとられて、ほんとうの意味の是正をお願いしたいと思います。 以上であります。
○平岡委員長 岡田君。
○岡田(利)委員 昭和四十四年度の予算の中にある十億円の産炭地地方自治体に対する交付金について、予算も四月二日には成立するわけですから、具体的な構想が当然固まっておるのではないか、こう思いますので、この際明確にしていただきたいと思います。
○中川(理)政府委員 御承知のように、石炭鉱業の合理化対策の進展とともに、石炭鉱業に強く依存しております産炭地域の地方公共団体の財政状態というものが、鉱産税を中心とする地方税収の減少と失業対策費でございますとか生活保護費とか、こういうものの特別な財政需要の増大によりまして、非常な窮乏化をいたしておるわけでございまして、行財政の運営がきわめて困難になっております。 そのような状況に対処しまして、産炭地域道県につきましての地方債の優遇措置、それから市町村につきましては特定公共事業についての補助率の引き上げということをいたしておりますが、しかし終閉山による疲弊の著しい六条市町村につきましては、財政力の不足から必要な事業の実施が思うにまかせず、現行の補助率引き上げ措置について、その十分な活用がはかれない状況にございますので、このような終閉山による影響を受ける六条市町村の財政そのものに対しまして所要の援助を行ない、必要な事業を実施し得るように措置するという必要がございまして、新たに産炭地域市町村に対する臨時的な交付金制度を設けることにいたしたわけでございます。 どのような基準でこれを考えているかという御質問でございますが、原則といたしまして、財政疲弊の根源でありますところの石炭鉱業の終閉山という事態に対処いたしまして、六条市町村に対しまして閉山量に応じて交付金を支給するというのが大原則に相なるわけでございます。その際、終閉山は単に今後生ずるもののみではなくて、過去五年間、昭和三十九年から四十三年までにおける終閉山による影響というものもある程度はこれを救済する必要があろうかと思います。なお交付期間等につきましては、終閉山後四年間といったような形で逓減方式を考えていったらどうであろうかというようなことがいま頭の中にあるわけでございます。トン当たり六十五円程度というような目安をもちまして、当該市町村の財政力指数等で調整をいたそう、かように考えておる次第であります。
○岡田(利)委員 今日産炭地振興事業団において産炭地域のために各種の企業に対する貸し付けが行なわれているわけですが、その中で北海道の産炭地私鉄に対する貸し付けも一部行なわれておるわけですが、この点については現在大体どういう実績になっておるか、概略でけっこうです。 それと同時に、産炭地鉄道は産炭地域にあるわけですから、炭鉱が終閉山になっていく、輸送量が減ってくると、炭鉱に依存しないで鉄道経営というものをある程度考えるという方向がこれから検討されてまいらなければならないと思うわけです。したがって産炭地鉄道に対しては、特にそういう特殊性にかんがみて、ある程度、積極的な支援をする、貸し付け対象として見詰めていく、こういう態度が大事ではないか、こう私は思うのですが、これらについて局並びに事業団のほうから御説明願いたい。
○中川(理)政府委員 具体的な御質問でございますので、産炭地域振興課長からお答えをさせます。
○真野説明員 それではただいまの岡田先生の御質問に対してお答えいたします。 産炭地関係の私鉄及びその関連企業に対する融資につきましては、従来も実績がございますが、ちょっと詳細手元にございませんので、もし御必要ならばまとめて後日提出いたしたいと思います。 それから、ただ基本的には、たしか雄別鉄道関係だったと思いますが、石炭関係私鉄の合理化のために、かつて融資した実績がございます。できるだけこういう産炭地に定着しておる企業に対する合理化あるいは規模の拡大融資については従来も配慮いたしてきたところでございます。今後もそういう具体的な実例に応じて考えてまいることは、いままでの方針と変わらないわけでございます。
○岡田(利)委員 本件はしばしば問題になっておる点でありまして、特に北海道の場合には国鉄が開設される前に炭鉱が開発をされた。したがって、専用鉄道を持たなければならぬ、こういう歴史的な経過があるわけですから、特に産炭地鉄道関係の面について特段の注意を払って、ひとつその対象として十分配慮されるように、この際期待をいたしておきたいと思います。 次に、いままでの産炭地振興対策の中では、いわば通産省の直接の予算として、活性炭の工場建設の問題あるいは無煙燃料工場建設の問題、また九州地区では軽量骨材等の問題があるわけですが、これはいわば政策上、産炭地振興策の中核的な企業であるわけですが、遺憾ながらいずれもまだ日の目を見ていないということ、せっかく予算をつけながら、実現を見ないということは、結局産炭地振興の中核企業というものは政府がやっても育たないのかという、こういうそしりというものは免れないのではなかろうか、こう思うわけです。この点についてはその後どのように検討されておるのか、また今後どういう展望があるのか、お答え願いたいと思います。
○中川(理)政府委員 お尋ねの件は、産炭地域振興事業団の出資事業についていままでの経過あるいは今後の展望、こういうことだと思います。 御承知のように、四十四年度の予算額では、四十三年度五千万円というものに対しまして、一億五千万円の予算をお願いしておるわけでございます。 地域の選定にあたりましては、今後の終閉山の進行度合い、長期的な地域振興の見地から見まして、企業導入の必要性あるいは適地適性企業の立地等の諸要件を勘案いたしまして、重点的にそしてまた機動的に実施したいと考えておりますが、当面いま問題になっておりますのは、北海道においてメリビアーゼというものの製造事業の企業化を検討いたしております。これはてん菜糖の製造過程において使用されるある種の酵素でございます。通産省の発酵研究所が開発しました画期的な技術をもとに行なおうとするものでございます。目下関係者とも十分連絡をとりつつ詳細な検討を進めておる段階でございます。 その他考えられますものといたしましては、北海道の農村地帯の未利用のわらを加工する建材の企業化、それから農業用機械の製造事業の企業化、こういったものについてもあわせて検討したいと考えております。 なお、御指摘のございました、いままで話題にのぼっておりました活性炭の製造事業でございます。これは率直に申しまして、若干難航いたしております。その点の経緯を簡単に御報告いたしたいと思います。 活性炭の製造事業及び無煙燃料の製造事業につきましては、石炭需要の開拓という見地のほかに、排煙脱硫、それから産業廃水の処理、大気汚染の防止といった産業公害の防止に役立つという見地から計画を進めてまいってきたものでございます。ところが技術的に新しい分野でございますために、試験段階は別といたしまして、企業化するということに相なりました状況におきまして、もうひとつ慎重な技術的な検討が必要であるというところに逢着をいたしておるわけでございます。また、原料の長期的確保の見地というものもございまして、新しい対策によります炭鉱会社の反応というものも十分見きわめる必要が新たに出てまいったということもございます。 それから、この活性炭並びに無煙燃料は、両方とも製品の長期かつ安定的な需要の見通しというものを得るために、正直に申しまして、なお若干の期間を必要とする、こういう感じでございます。 御案内のように、電気事業における排煙脱硫そのものも技術的な難点あるいは経済的な難点にぶつかっておりまして、これらの見きわめがないと、これに大幅な需要を期待しておるということでございますので、当該活性炭製造技術の上で、いま申しましたような問題点がありますほかに、これを使ってくれる側のほうにも若干問題がございますので、いま残念ながら足踏みをしておるという状況でございます。 以上の問題点につきましては、現在も慎重に検討をいたしておりまして、これらの問題点の解決をまって実施に移していきたいという気持ちでおるわけでございます。
○岡田(利)委員 これからの産炭地振興計画を見ますと、いわば大型プロジェクト化していくという展望がなされておるわけです。私はこの方向というものはやはりけっこうなことだと思うのですが、しかし、地域によっては大型団地を造成いたしましても、はたしてそれだけ企業が進出をするか。まず地域別に検討いたしてまいりますと、なかなかそうまいらぬ地点も多いわけです。たとえば、筑豊のようにまとまっておる地点ならば、大型化していくという方向がこれからとられてまいると思いますけれども、北海道のような場合は、炭鉱自体が沢地にある、こういう意味で、また北海道開発の展望から考えても、そう大型な団地をつくってもなかなか売り先のめどが立たない。したがって、やはり一方において大型化の方向を目ざすけれども、実情に沿ってむしろ中ないし小型の団地をつくり、配置をしていく、こういうきめこまかな方向というものがどうしてもとられなければならないのではないか。こういう点についてどういうお考えであるかという点が第一点です。 それから第二点は、産炭地振興の事業をずっと検討してまいりますと、立地条件のいいところはかつてあまり炭鉱がなかった。またそれにかわるべき産業というものがある。たとえば宇部地区のような場合が典型的な例であろうかと思うのです。ところが、そこの場合には進出企業があるからといって、そういう地点がどんどん開発されてまいりますと、ほかの地点に金が回らない。資金不足を来たすという矛盾があるわけです。事業として見れば非常にやりいいし、当然企業もくる、効果もあがるということになるのですが、この点は当然今日の資金量から考えても調整しなければならぬ段階にきておるのではないか、私はこう思うのですが、この二点についてお答え願いたいと思います。
○中川(理)政府委員 端的な結論として申し上げまして、御指摘の点には異論はございません。中核的な企業を誘致して、波及効果の大きい形での産炭地域の振興をはかるということでの大規模団地というものは、私どもの政策理念として一つ持っております。しかしながら地域の特性というようなものもありますので、一がいに大規模団地だけに走るということではなくして、それぞれの事情に合致しましたものも考えていくという先生の御趣旨には、私どもも全く同感でございます。 第二点の地域別の問題でございますが、おっしゃるように宇部、常磐といったところは非常に投資効果のいい形で事柄が進んでおります。それに反して、先ほど来有馬理事のほうから話もございましたが、北海道は思うにまかせぬというようなこともございますし、九州でも山田市のように少し入り込んだところはなかなか進まないという状況がございます。実は、資金量が限られておるという状況がございますので、この辺はバランスの問題でございまして、どこを重点としてということではなくして、双方それぞれ実情に応じた形で処理をしていきたい、こう考えておりますが、経年的に見ましても、やはり宇部あたりの量というものを若干減らすという努力は、結果としてとってきております。ただ事業団といたしましても、経営上の問題もございますので、あまり売れないところばかりをやっておるというわけにもいきませんので、これはやはりどのようなバランスがほどほどであるかということだと存じます。その辺は十分心得て、宇部、常磐にも適当なものを考え、北海道地区では奥地についても適当なものを考えるということで、バランスをとって処理をいたしたいと考えます。
○岡田(利)委員 かつて、炭鉱が閉山をされて、それにかわるものとして関連企業が配置をせられた。ところが企業ぐるみ閉山という問題が新しく提起をされてまいりますと、その企業は山ぐるみ閉山をするけれども、関連企業も崩壊してしまうということになるわけです。しかも、そういう実例がこれから出てまいると私は考えるのですが、親会社がなくなって関連企業、子会社は切り離す、ところが炭鉱の仕事がある程度ウエートを占めておったから、これを転換するには相当の時間と対策がなければ、せっかく前の炭鉱がつぶれて関連企業で産炭地振興対策をとったけれども、基盤が完全に失われてしまうということになってくるわけです。したがって私は、これらの関連企業に対しては、山と運命をともにして、どうしてもやっていけないものは別として、ある時間をかけ、努力すれば転換をできるという関連企業は、当然融資についてもあるいは設備等についても最優先的にこれは対象にならなければならないものではないか、こういう考えを持っておるのですが、この点についてはいかがですか。
○中川(理)政府委員 石炭会社の解散あるいは閉山というような問題と、その後に起こる産炭地域振興問題というものは密接に関連をいたしております。企業によりましてはすでに同一資本系統で別個の事業を経営しておるものもございますし、また炭鉱経営に関連した仕事を系列会社、あるいは系列がなくても、取引関係において存立をしておるというものがずいぶんあるわけであります。これらが十分成り立つように考えていかなければならないということは、産炭地域振興問題といたしましてはもとよりのことでございます。そこで閉山を円滑にするという事柄の中には、当然にいま申しましたような関連会社等が何とか成り立つように考えていくということは、産炭地域振興政策の要請として、私どもは忘れてはいかぬことだと思っております。ただ先ほど申しましたように、比較的つながりの薄い形で仕事がある程度軌道に乗っておるものと、炭鉱がなくなると直接的な影響を受けるものと両者あろうかと思いますので、全部が全部うまくいけるというふうには私も考えておりませんけれども、可能な限り、産炭地域振興という角度から、こういうものに対しても十分な配慮をしていきたいとは考えております。
○岡田(利)委員 産炭地域振興事業団は、産炭地域振興債券ですか、この規定が具体的に定められておるわけですが、この面の運用の実績は、過去どういうことになっておるかという点が第一点です。 第二点の問題として、先ほど参考人から述べられました融資の回転の問題ですね。従来二回までの回転が認められておった、しかし法の延長の時点で三回程度まで回転を認めてほしいという、そういう要望が先ほど行なわれたわけです。この点については、実際問題としてそういう取り扱いが可能かどうか。この二点についてひとつ御説明願いたいと思います。
○中川(理)政府委員 やや専門的なことでございますので、産炭地域振興課長から御説明いたします。
○真野説明員 ただいまの岡田先生の御質問でございますが、まず第一点の産炭地域振興事業団債、これが現在の法律の規定で発行できる形になっておりますが、これはいままで発行した実績はございません。御承知のように、私どもの事業団の場合は、低利融資及び土地の造成について、できるだけ有利な安い土地を造成するということが地域振興のために役立つ、こういう形でございます。現在までのところ、事業団債の発行の形をとりますと、金利あるいは資金コストの面でかなり割り高な資金になりますので、むしろ現在までのところは政府資金、財投及び特別会計の出資という形でずっと運用しております。発行はいまのところいたすなにはございません。 それから第二の点でございますが、これはちょっと御質問の点がわかりかねますけれども、たぶん中小企業金融公庫からの特別貸し付けの問題じゃないかと思いますので、中小企業庁から……。
○新田政府委員 先ほどの参考人のお話の二回転を三回転にあるいは七百万とかいう問題は、少し勘違いじゃないかと思いますが、福岡県における制度金融の御意見、これは政府としては、先ほど鉱山石炭局長が御答弁申し上げましたように、中小公庫及び国民公庫の特利限度を百万円から三百万円に引き上げるよう、現在大蔵省と折衝中であります。
○岡田(利)委員 時間がありませんので、最後に一問大臣にお伺いしておきますが、炭鉱が閉山になって、土地が炭鉱会社の所有になっておる地点があるわけです。筑豊にもございますし、これからもそういうところが出てまいるわけです。ところが炭鉱は閉山になっておるわけですから、この土地を利用して産炭地振興策を進めていく。したがって、そのためには優先的に旧炭鉱会社の所有の土地というものは産炭地域振興事業団もしくは公共団体に土地を提供する、もちろん適正価格で提供するわけですが、この点がやはり制度化されないと、これからの産炭地振興政策を進める場合、障害になるのではないか。しかも閉山になるときには恩典をこうむっておるわけですし、また親会社が残っておれば親会社も恩典を受けておるわけですから、この面についてはある程度義務的なものを明確にする必要があるのではないか、こう私は考えるわけです。いわば肩がわりなら肩がわりをする場合に、閉山になった、それに買い上げをした土地が残っておるわけですから、その土地については民間にばらばらに売るのではなくて、適正な価格で事業団もしくは公共団体に優先的にやる、そういう方向をやはりつけなければならないのではないか、こう思うのですが、この点についてひとつ見解を承っておきたい。
○大平国務大臣 産炭地振興対策といたしましては、いろいろな先行投資をいたしまして基盤を確立してまいらなければならぬわけでございます。いま言った土地問題、とりわけ閉山炭鉱が持っておりました土地の処理、しかもそれを振興事業に充当していく場合の制度的なメカニズムをどうするかという問題でございます。仰せのとおり確かに検討に値する問題だと思いますので、これは私ども真剣に検討させていただきます。
○平岡委員長 本案に対する質疑は、これにて終了いたしました。 ―――――――――――――
○平岡委員長 これより討論に入るのでありますが、別に討論の通告もありませんので、直ちに採決に入ります。 産炭地域における中小企業者についての中小企業信用保険に関する特別措置等に関する法律の一部を改正する法律案について採決いたします。 本案を原案のとおり可決するに賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○平岡委員長 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決いたしました。 ただいま議決いたしました法律案に関する委員会報告書の作成等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○平岡委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決定いたしました。 〔報告書は附録に掲載〕 ――――◇―――――
○平岡委員長 参考人出席要求に関する件についておはかりいたします。 石炭対策に関する件について、来たる二十六日、北海道大学教授磯部俊郎君を参考人として出席を求め、意見を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○平岡委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 次回は、来たる二十六日水曜日午前十時より委員会を開会することとし、本日は、これに散会いたします。 午後一時五十二分散会