石炭対策特別委員会 第5号
- 発言数
- 67 件
- 登壇者
- 12 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1969/03/19
会議録
○平岡委員長 これより会議を開きます。 産炭地域における中小企業者についての中小企業信用保険に関する特別措置等に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。 本日は、本案について参考人として御意見を述べていただくため、夕張市長橘内末吉君、いわき市長大和田弥一君、山田市長松岡十郎君及び佐賀県大町町長藤井万四郎君の御出席をいただいております。 参考人各位には、御多用中のところ遠路わざわざ御出席いただきまして、まことにありがとうございました。 この際、産炭地の実情等について、それぞれのお立場から忌憚のない御意見をお述べいただきたいと存じます。 参考人各位には、最初一人十分程度御意見をお述べいただき、そのあとで委員の質疑を行ないたいと存じます。 それでは、まず橘内参考人にお願いいたします。
○橘内参考人 私、北海道の炭鉱市町村を代表して、本日当委員会において私どもの願望を含めましていろいろ意見をお聞きいただく機会をお与えいただきましたことを心から感謝申し上げる次第であります。 私の申し上げたいと思いますことは、五点程度にわたっておりまするが、時間の制約がございますので、簡単に申し上げまして、後ほどまた補足させていただきたいと思います。 第一は、最近の北海道におきまする各炭鉱の終閉山の情勢が非常に緊迫を告げてまいってきております。新聞紙上等における報道によりましても、大手の明治鉱業の昭和、本岐の閉山、あるいは九州鉱山の太刀別鉱業所、あるいはまた新奈井江炭鉱あるいは北興芦別、泊、相次いで閉山が報道されてきておる実態でございます。こういう点から見まして、私どもは非常に異様に感じますることは、国会において最終的に政策が審議され、決定される以前において、すでに終閉山がどんどんと進んでおる。この動きをこのままで進めまするならば、北海道における中小炭鉱を中心としましてほとんどなだれ的に閉山が行なわれてくるのではないかということは、私ども自治体といたしまして、また住民の福祉を守る立場からいたしまして非常に心配にたえないものがあるわけでございます。そこで、この問題につきましては、前々から政府関係方面にも要望してまいったところでございまするけれども、何とかこの政府の強力な行政指導によりまして、そうしてほんとうに政府の方針であるようななだらかな閉山が行なわれるように、急激な集中的な閉山にならないような行政指導を強化してもらいたいものだ、かように考える次第であります。 それからもう一つは、こういうように終閉山が次々と出されてまいってくるという背景には、もちろん先生方も御承知のとおり、将来に対する石炭産業のビジョンがはっきりしておらないということがいえるのではないかと思うのであります。きのうの衆議院におきまする佐藤総理大臣の御意見等を報道で承りますると、今度の石炭対策は最終的なものではない、当面の緊急対策である、今後体制問題等については鉱区の調整、流通機構の一元化等を含めましてさらに検討を進めなければならない、こういうように仰せられておる報道を拝見いたしました。これらの点から考えましても、業界においても、またわれわれ市町村の立場からいたしましても、各界の意見を総合しますると、なるべく早い機会において、できますれば今度の国会中において、少なくとも将来の石炭体制のあり方はどうあるべきかというような点について明快な結論を出し、それがやがてはいろいろな機関を通じて具体的に論議されるものだと思いまするが、そういう方向について体制問題の方向をお出しいただくことがこの炭鉱の将来の方向を示すものとして、長期に安定させ、あるいはこの不安ムードを解消するために役立つものではないかというように考えますので、こういう点についても何とかこの方向を見出すための御努力をお願い申し上げたいものだというように考える次第でございます。 第二点目は、労働力の定着とその確保についてでございます。最近、北海道におきまする炭鉱の労働者が相次いで流出が非常に激しく、顕著になってまいってきております。これももちろん、石炭産業の将来の位置づけが明らかでない、そのビジョンがない、そこへ持ってきて保安問題等の災害が発生するということによって一そう拍車をかけてきているものだと思いますが、何せ、炭鉱の中核になっておるところの労働者が毎月のように流出が激しいのでございます。こういう点からいたしまして、今後増強していく炭鉱あるいはそのまま維持されていくという炭鉱でありましても、労働力が不足いたしましてやがては有力な炭鉱もあるいは縮小し、まかり間違えば閉山になっていくという心配が、新しい事態として発生しておるわけでございます。こういう点につきましては、何とかこの労働力を定着させるために、そして確保するために、思い切った政策をひとつ打ち立ててもらわなければならないと考えておるのでございます。 私は、こういう労働力の定着、確保をはかるという観点からいたしまして、第一に具体的にお願いを申し上げたいと思いますることは、やはり炭鉱労働者の生活環境をよくしてやるということが一つ必要であると思います。こういう点からいろいろ炭住の不良住宅改良の問題についてば、関係炭鉱自治体も炭鉱会社と相協力しましてこの改良に力を注いでおるところでございますが、これも建設省を中心といたしました不良住宅解消の予算ワクが本年は八千戸より確保されておらないのであります。しかもこの八千戸のうち、四十三年度に実施いたしました改良住宅の施越し分を約二千七百戸含んでおりまするから、これを差し引きまするとわずかに五千三、四百戸、去年の実績の五千五百戸程度より確保されないのが実態でございます。これらの面は石炭政策の中におきまして、通産省当局の御尽力によりまして無利子の住宅改良、修理に対する融資制度がとられております。これらとの関連を十分建設省ともはかられながら、何とかこのワクの拡大の方向に御努力を願いたいものだということが第一点でございます。 第三点は、最近炭鉱におけるところの中学校の卒業生あるいは高校卒業生の大半がみな炭鉱以外の地域、遠く東京方面にどんどんと流出してまいります。これは炭鉱地域内に職場がないからでございます。この金の卵といわれる中学卒業生、高校卒の女子、こういうものがどんどん流出してまいりますと、それが足がかりになって、炭鉱の大事な中核労働者が、にいさんたちがあるいは親が、この流れ出た中高家族子弟の職場の関連から流れていく、流出していくという様相が非常に顕著になってまいってきております。したがいまして、今日炭鉱の労働力の定着、確保をはかるという面から、どうしてもこの中高卒の家族の職場を造成してやらなければならない、そのことは単に中校卒、高校卒の職場を与えるだけではなく、それがひいては、原因となっておる炭鉱の中核労働者の流出を防ぐゆえんになるというように私どもは考えておりますので、こういう方面の対策を強力にお進め願わないと、一そう労働者の流出が激しくなってくるというぐあいに考えておる次第であります。 それからもう一つは、いろいろな事情によってある程度の閉山があらわれるものはやむを得ないと思いまするが、この閉山地区におきまする労働力というものが再び炭鉱には帰ってこないのが現況でございます。これを何とか国の政策によって再就職させる、閉山地区における炭鉱労働力をもっと維持、増強される炭鉱の方面にこれを転換していく、このためにあるいは移住資金なり炭鉱の再就職資金の供給とか、そういう思い切ったような政策をとってもらう必要があるのではなかろうかというぐあいに考えるのでございます。 次に三点目は、産炭地振興対策についてでございまするが、産炭地振興対策と申し上げますると、産炭地域の閉山、縮小された地域の経済を回復するために新しい工場を進出さしていくというのが方向でございまするが、この点については今日まで九州、常磐においていろいろと経験されてきておりまするし、北海道もその対策を受けておりまするが、何といっても積雪寒冷地であり、しかも立地条件のきわめて悪条件下にある北海道の工場進出ということはなかなか容易でございません。したがいまして、北海道対策というような事業団の融資の比率の引き上げであるとか、あるいはまた金利の引き下げであるとか、あるいは資金の返済期間の延長であるとか、こういうような方法をとってもらい、あわせて北海道の産炭地振興事業団の支所の機構を支社に昇格させまして、北海道に対する産炭地振興対策の積極的な推進をお願い申し上げたいと思うのであります。 次は新鉱開発の促進についてでございまするが、北海道の地区においては一、二新鉱開発が実施されております。一方においては終閉山におびえ、一方においては原料炭山として今後の需要にこたえ、国の政策にこたえていくための新鉱開発が行なわれておるのでございまするが、この点につきましては、やはり北海道の新鉱開発に重点を向けられまして、この新鉱開発資金の供給についてはできる限り大幅な政府の供給をお願いしなければならぬ。今日までは政府の無利子資金は約五〇%でございまするが、今度の新鉱開発は情勢も変わっておりますので、少なくとも八〇%くらいは無利子の資金を供給してもらわないと、新鉱の開発ということはなかなか容易でないというように考えられますので、この点についてもひとつ格別なる御審議をお願い申し上げたいと思う次第であります。 なお、当面、一番困っておりまするのは、一方においては終閉山が次々と伝えられ、一方においてはこの三月をもって炭鉱企業に対する民間の融資、こういうものがほとんどとまってくるような状況でございます。こういう面からいたしまして、当面、政策決定に至るまでの間、緊急な対策として、当面の緊急融資対策を、大手、中小にかかわらずお取り上げ願わなければならないというぐあいに考えておりますので、この点についても適切な施策の遂行を心からお願い申し上げる次第であります。 時間もだいぶ経過いたしましたので、一応この程度で私の意見の開陳を終わらしていただく次第であります。よろしくお願い申し上げます。
○平岡委員長 次に大和田参考人にお願いいたします。
○大和田参考人 いわき市長の大和田でございます。本日参考人として私の意見を述べさしていただく機会を得ましたことを御礼申し上げます。 ただいま夕張市長さんから、産炭地域の実態、処理すべき問題につきましてなお政府において特段の御配慮願いたいことを申し上げましたが、常磐地区におきましてもやはり同様な悩みを持っておるわけでございますので、どうかよろしくお願いしたいと思います。 そこで、私は、たいへん具体的になるわけでございますが、お手元に資料を差し上げておきましたので、大体三点にわたってひとつ簡潔に申し上げたいと思います。 第一点は、今回のこの委員会におきまして御審議願っておるこの産炭地信用保証協会に対する政府の保証限度とそれから期間の延長の問題、これに対してはぜひ特別の御配慮をいただきまして、助成措置を依然としてやっていただきたい、できればさらにこのワクをふやしていただきたいということでございます。この点につきましてはすでに国会において十分御論議と思いますが、私はその点だけを申し上げたいと思うのであります。その理由等につきましては十分お知りと思いますので、省略さしていただきます。 次に、これは私のところ特有の問題のように見えますが、実はそうでないところも国内にあるわけであります。というのは、御承知のように産炭地の振興臨時措置法の第十条による指定区域の問題でございます。これをひとつ再検討していただきたいということでございます。特に私のいわき市を例にとってみますと、いわき市は四十一年の十月に十四市町村を合併したのでございます。資料の四ページをごらん願いたいのでありますが、いわき市は平、旧磐城、常磐、内郷、勿来、産炭地を中心とした十四市町村を合併したのであります。ここの地域の中に、いわゆる六条指定の地域というのはこの斜線で書いてある地域でございまして、この地域はその恩典に浴しているわけであります。一例を申し上げますれば、企業立地にあたりましては、固定資産税等の減免措置を講じていただいておるのでありますが、それに境を接して、道路を隔ててそのそばにやはり企業立地をどんどんしているわけであります。ことに小名浜地区におきましては、港湾を周辺としたいわゆる工場が非常にたくさん立地されているのでありますが、その六条指定の恩典に浴していない。しかもこの常磐あるいは平、勿来とほとんど道路一つ隔てて一体をなした地域でございまして、産炭地域の就労者が、一時おった者がこういうところにすぐ就労しておるわけであります。ところが合併前にきめた地域でございますので、非常に不都合を生じているわけでございます。この指定された以外の旧磐城、四倉それから大久、久之浜等におきまして、たとえば久之浜、四倉等におきましては、この臨時措置法ができる前に実は石炭を掘っておったのでありますが、その一、二年前に閉山したので、その恩典に浴しないというような状況にあるわけであります。市の企業誘致あるいはその他の基盤整備のためには、一体となった産炭地域としての処理を講じなければならぬということで、目下この新市建設にあたっておるわけでございますが、この地域の指定されてないところと、してあるところとの間のアンバランスを解消していただくように、この六条指定の地域の再検討をひとつお願いしたい。いわき市におきましては、この市一円としての御指定をお願いしたい、こういうことでひとつぜひこれはお考え願いたい、こう思うのでございます。 それから第三点でございますが、これは御承知のように、いわき市を中心とした常磐産炭地域におきましても、振興事業団におきまして土地造成をお願いして、そうして土地造成されたものに相当数の企業が立地しようとしております。成績は非常によろしいのでございますが、なお市内に相当広い範囲におきましてボタ山あるいは廃山あと地が広がっております。こういう地帯を引き続きなお一そう、ひとつ事業団の原資をふやしていただきまして、この基盤整備をお願いしたいということで政府にかねてからお願いしてまいりました。着々やっていただいておりますが、なお一そう、ひとつ御配慮願いたい、こういうことでございます。 なお、その他申し上げたいこともございますが、あとでまた御質問等をいただきまして、お答え申し上げたいと思います。よろしくお願いいたします。
○平岡委員長 次に、松岡参考人にお願いいたします。
○松岡参考人 私は福岡県山田市長の松岡でございます。 筑豊炭田の奥まったところにございまして、石炭鉱業合理化の一番深刻な影響、打撃をこうむったところでございます。第一次石炭合理化以来そのこうむった影響を端的に申し上げますと、昭和三十四年ころの山田市の人口は四万でございましたが、現在は二万前後でございます。日本一小さい市でございます。炭鉱合理化によって人口流出による非常に大きな影響をこうむったのでございます。炭鉱は二十三ありましたが、現在は二つだけになっております。それも今次の第四次答申によってはどうなるか非常に危ぶまれているような状況でございます。 そのように、人口の激減あるいは炭鉱の閉山、したがっていろんな施設の撤去等によりまして、税収は非常に激減いたしまして、現在四十四年度の予算を編制しておりますが、一般会計におきましては税収が占める比率は九%でございます。一割に満たないような財政の状態でございます。またその反面、特別財政需要といたしましては、著しく目に立つのは生活保護世帯の激増でございます。全国平均が千分の二十程度に対しまして、私どもの市は千分の百八十七でございまして、非常に遺憾ながら、全国の悪い意味においては最高水準をいっておるのでございます。 そのように炭鉱閉山によりまして市政の上に非常に大きな変化を来たしておりまして、人口の激減、税収の減収、したがって特別財政需要の激増、これはいま言った生活保護世帯あるいは失業者あるいは教育問題、いろいろな面に悪循環的な現象が現在起こっておりますし、さらにまた悪化しようという傾向にある次第でございます。さらに第四次答申によりまして、筑豊地帯におきましては騒然たる一つの社会不安をかもしておりまして、新聞にも出ておりますように、ここにございますが、佐賀県の杵島鉱業の閉山、あるいは筑豊地帯におきましては明治鉱業の企業ぐるみ、あるいは麻生産業の企業ぐるみの閉山が新聞に麗々しく書き出されておりまして、地域社会並びにその住民に及ぼす心理的な影響あるいは直接的な経済的な影響は、まことにはかり知れざるような不安な状態下に現在置かれておるようなわけでございます。 個々のことは別といたしまして、そうした現況にかんがみまして、さきに政府が策定いたしました産炭地域振興事業の線に沿いまして、極力産炭地域に企業を誘致するための努力を積み重ねてまいりまして、私どもへも約十余りの企業が進出しておりますが、規模の大小は別といたしまして、政府が企図し、また産炭地域振興事業団が考えておるような方向ないしは内容においてはなかなか企業は来てくれないのでございます。数多くの団地の造成はなされておりますが、現在なおかつペンペン草が生えておるような状態で、将来に目を向けて考えれば、それも先行投資の性格で、ものになると思うのでございますが、現在の状態では関係者のやっきの努力にもかかわらず、非常にその歩みは遅々たる状態でございます。 そこで私は、昨日NHKのスタジオ102へ出まして、企業と地方自治、特に過疎地帯におけるところの状態を述べよということで、テレビを通じて訴えたのでございますが、特に先生方にお願いし、またお力添えを望みたいことは、個々の地方自治体が企業に対して、どうぞ産炭地域においでを願いたいと言って努力しても、なかなか実質的な効果は、いろんな条件に規制をされまして思うようにまいらないのでございます。私、市議会あるいは商工会議所関係の方面と力を合わせまして、阪神、名古屋、東京方面の関係企業にお百度を踏んでいろいろ要請をいたしましたが、あるいは向こうから非常にとてつもないような条件を提起され、いわゆるえさをこちらがそろえなければなかなか来てくれないという状態でございます。そのために、企業の誘致のための優遇条件を条例に掲げて、あるいは地方自治法に違反するようなことまでもしなければ企業の進出が考えられないというような、そうした過去の苦い経験にかんがみまして、現在の石炭鉱業によって特に筑豊地帯におけるところの過去の七十年、八十年という長い石炭採掘によって今日の繁栄をもたらしておるところの企業、具体的に三井でも三菱でもあるいは古河でも住友でも、そうした企業は今日の繁栄のもとの一因は確かにその石炭産業にあったと思うのでありますが、そうした企業は技葉のように大きな関連企業を持っておるのでございます。この関連企業の一端を、この閉山した炭鉱のあと地に、その企業自体の責任と技術あるいは能力等をそこに、炭鉱にかわるものとして植えつけてほしいということを私は切実にお願いしておるのでございます。炭鉱のあとには広大な土地があります。住宅もそのまま残っております。水もあります。発電等いろんな施設もあります。つまり企業を興こすについて必要な条件は大体炭鉱地のあとにそろっておるのでございます。ただ原材料であるとか資源は、これは他の地域から持ってくるにしましても、土地それから労働力あるいは水あるいは企業自体が持っておるところの資本、技術、そうしたものを持っておりますから、炭鉱の閉山したあとに、炭鉱にかわるものとして引き継ぎができやしないかというような気持ちをもって強く要請をいたしておるものでございます。その点、先生方の格別の御審議をいただきまして、何らか、法律とか制度でなくても、政府または国会の対処によってこれができればという強い気持ちを持っておるような次第でございます。 そこで、きょう私どもがお招きをいただきました本論の産炭地域における中小企業信用保険の法律の問題でございますが、具体的に簡略に申し上げまして、私どもの考え方並びに要望を申し述べたいと思っております。 この制度が昭和三十八年にできまして、私どもの地域では、三十八年、四十一年、四十二年の三回にわたって、地元中小企業者がこの売り掛け金の未回収にかかわる融資を受けておるのでございます。昭和四十三年七月末現在におきまして、筑豊地帯の商工業者――筑豊地帯と申し上げますと、中間市、直方市、飯塚市、田川市、山田市、遠賀郡、鞍手郡、嘉穂郡、田川郡、この五市四郡にまたがる地域をさすのでございますが、この業者の売り掛け金の総額は十二億三千四百万円でございます。これが焦げつきの状態にあって、中小企業者は非常に資金運営上困って、倒産の悲境に転落した者もございますし、この法律によって大きく救済を受けておるのでございますが、この法律が、時限法の関係で今年の三月末日をもって打ち切りになるということから、非常に大きな不安を持っておるものでございます。こいねがわくは、この時限法の法律の期限をもう五カ年間延長していただきたいと思うものでございます。そして引き続き産炭地における中小企業者の資金運営を助けていただきたいと思うのでございます。現在の利息は、百万円までが六分五厘、百万円をこすものについては八分四厘の利息でございますが、これを無利息にしていただきたいと思うのでございます。 それからいま一つは、政府は、これに対して百分の八十の保証をしていただいておるのでございますが、これを百分の百、全額政府保証で持っていただきたいと思うのでございます。と申し上げますのは、法律の「国及び地方公共団体は、産炭地域関係保証が円滑に行なわれるよう努めるものとする。」という第七条の条文によりまして、国が百分の八十、県、市町村がそれぞれ百分の十ずつの保証をやっておるのでございます。県、市は、これを福岡県の信用保証協会に再保証をしてもらっておりますが、やはり融資を受けた者のうちには、事志と違って、どうしても償還でき得ない者が出るのでございまして、結果的には、国はもちろんでございますが、県、市はそれぞれ百分の十ずつの損失補償をしなければならないということからして、今度それが結果的には、もし回収することになった場合に、県、市がこうむる負担は非常に大きいのでございます。従来まで山田市におきましては、六件、八百万九千円の回収不能があるのでございますが、これは保証契約に基づいて、当然市が負担しなければならないというきわめて苦しい財政状態の上に、さらにおっかぶせるようなことにもなるわけでございますし、地方自治体にこの負担をしわ寄せすることなく、国で全額保証していただきたいとお願い申し上げるものでございます。 いままで申し上げましたように、明治鉱業の平山炭鉱が近く閉山するやに聞いておりますが、直方市の飯野鉄工所のごときは五百数十万円の焦げつきがございまして、鉄工所自体の運営に困って倒産のうき目にあおうかというような悲運の向きもあるわけでございまして、この制度の運営についての格別の御審議をお願い申し上げたいと思うのでございます。 いま一つの要望は、この炭鉱限りにつきましては、石炭鉱業合理化事業団が交付する閉山交付金のうち、留保金として未払い賃金あるいは鉱害復旧引当金、こうしたものが充てられておりますが、もしできるならば、炭鉱売り掛け金も合理化事業団が留保するところの交付金の中に包合していただけたならば、中小企業者も大きく救われるだろうということが考えられますし、そういうようなことを制度的にお考えいただきたいと存じ上げるものでございます。 それから、現在炭鉱の閉山に伴いまして、地元の市中金融機関が非常に引き締めを強化しておるのでございまして、また融資をするにつきましても、担保であるとか、あるいは保証についてきわめてきびしい条件を示します。そういう点からお手あげになって、融資導入が困難になって、倒産あるいは閉店の悲運におちいる者もありますが、そうしたことから融資導入を容易にするために、中小企業金融公庫あるいは国民金融公庫の特別融資限度額を現行の百万円から三百万円に引き上げるような措置をおとりいただきたいというふうに考えておるものでございます。現在の状態のまま推移すれば、炭鉱だけではなしに、あるいは炭鉱の従業員だけでなく、炭鉱に大きく依存しておりました周辺の中小企業、特に購買力の減退によって商店経営に困難を来たしておるところの商売人は、炭鉱もろとも運命をともにいたしまして、転業あるいは他地域への転出も困難になるということから、そうした業者の生活保護への転落ということも予想されるわけでございます。 炭鉱の閉山がもたらす影響は、単に地方自治体あるいは炭鉱の従業員だけではなく、特にそれにいままで依存しきっておった周辺の中小企業者に及ぼす影響の大きいことをお考えいただきまして、それにつきまして、いま言った一連のことについて格別の御審議、御協賛を賜わりますようお願い申し上げます。 以上でございます。
○平岡委員長 次に藤井参考人にお願いいたします。
○藤井参考人 諸先生方には、石炭産業につきましてたいへん御心配をいただき、御配慮をいただきましたことを、この席をかりまして厚くお礼を申し上げます。 御承知のように、佐賀県の中核産業であります杵島炭鉱は、去る十四日に閉山の通告をしてまいったのでありますが、大町炭鉱の四四%を占めまする炭鉱関係者並びにこれの購買力に依存します商店街の人々はまことに驚き、将来の生活がどうなるかと不安におののいておるような状態でありまして、石炭特別委員会の諸先生にこうしたことを訴えなくちゃならない。今日の石炭産業のあり方について、先生方の御配慮を一そう深めていただきたい、かように申し上げたいのであります。いままで三人の参考人の方から、基本的に申し上げられましたから、私はきわめて具体的に諸先生方に訴えたいと存じます。 その第一は、炭鉱の閉山による民生の安定の対策が、きわめて大きいのではないか。ややもすれば、この閉山に伴って社会不安が起こり、その中から非常に大きな混乱が起こるのではないかという心配があるのであります。 第一に、この民生安定の問題から申し上げますならば、従業員の退職金を、今度の答申によって七五%政府が支払うということでありますが、きわめてこれは困難であり、しかも二回にわたって、四十四年度、四十五年度にわたってこれを支払う、そういうことでなくして、退職金はその山その山のきめておりまする労使間の協定に従って、一〇〇%を一時に支払うべきではないか、その資金を政府はしっかり持ってもらわないと、二回にわたって、あるいは共同で百万円なら百万円の金を集めて、何かしようと考えておる問題がありましてもこれができない、こういう問題が起こってまいりますので、その点ひとつ諸先生方の御協力をお願いしたいと存じます。 それと同時に、三十九年度以降組夫制度が認められておりますが、組夫には退職金がございません。そういうような面から、この組夫に対しましても、本来の従業員と同様に退職金を支払っていただくような措置ができないものかどうか、この点もあわせてお願いを申し上げたいと存じます。 次に閉山というものは、予告が長く前にあるものではなくして、杵島炭鉱の例をあげますならば、一月の末に社長から非公式であるが、三月末で閉山をしたいということで町長来てくれ、そういう告示がありましたが、それによって私どもは閉山した後、坑内水に依存する飲料水あるいは雑用水の問題がありますので、あわててボーリングを、いまやっておりますけれども、ボーリングをやるという期間も相当長いわけでございます。この点、県の知事はじめ、経済部長と会社の首脳と話をしておりますが、江北町と大町で揚げます電力料が五百万円にわたる。杵島炭鉱閉山後の五百万円というのは出せないということでありますので、この点につきましても、政府のほうで何とか諸先生方のお力添えを願って、閉山水道ができ上がるまでは、人道上の問題であり、社会問題でございますので、この点を何とかお願いしなくては、これまたさっき申し上げました社会不安をつのる一つの大きな要因になるのではないか、こういうように考えておる次第でございます。 それと、さっき山田市長からお話がありましたように、炭鉱の労働者を相手に商店を営んでおりまする人々が、購買力の減少によってその売り掛け金が非常に大きくなって、今日も大体、江北町と大町におきまして八億円の売り掛け金が残っております。 そういうような問題から本日お招きをいただきました中小企業信用保険の法律問題におきましても、きわめてこれは重要視しなければならない問題として、私ども委員長から御配慮願った四十九年三月三十一日までの期限延長はぜひやってもらいたいと同時に、売り掛け金の問題におきましても、段階的なものではなくて、個々の商工会なり、あるいはその他の個々の集団的な――若干の集団的なものであっても、この売り掛け金の融資ができるようにお願いできないものか、こういうふうに実は考えておるような次第でございます。 それと同時に炭鉱が閉山いたしまして、私どもは炭鉱にかわる企業の進出、中核企業としての進出をたいへん望んでおりますが、きわめて立地条件に乏しく非常に困難な面がありますが、そういうような面におきましても、進出する企業につきましては、そういう炭鉱閉山に伴う地域につきましては、産炭地事業団の融資も低利に長期に融資を願うことができないものかどうか。さらにそういうふうな措置を講じてもらって、金利的なもの、あるいは期間的なもの、こういうものが何とかならないものか。さらにこういうふうな企業を誘致します場合においては、一つの基盤整備が必要でございますので、道路あるいは水資源の開発をはからねばならないことは当然でございますが、こういうふうな問題につきまして、今度四十四年度の新しい試みとして産炭地開発就労事業ができましたことは、まことに私ども喜んでおる次第でございますが、この就労事業にいたしましても、三分の二の補助の補助裏の起債に伴う問題が、元利償還がはたしてできるかどうか。緊就事業であります中小企業と同じように取り扱いができるものかどうか。私どもはこいねがわくば、緊就事業と同じように、補助裏の三分の一につきましては、政府が起債を一応出しながら、年々にわたる元利償還をやってもらう、こういうようなことが望ましいのではないかと考えます。 その次に、御承知のように杵島炭鉱におきましても、炭鉱用地そのものが全部管理協会に担保に入っております。管理協会は御承知のように開発銀行なり事業団なりその他の銀行――七つの銀行にこれが担保に入っておるわけでございますが、担保に入っておるがために非常に土地価格は高いわけでございます。そういうように土地価格が高いために企業誘致のためにも非常に問題がございますので、これを事業団で一括してそういうようなものを買い上げ、低利にこれを企業誘致の団地として売り払うということはできないかどうか、こういうようなことを実はお訴えしたいのでございます。 その次に、御承知のように鉱害復旧が七十五億にものぼっておるような今日の状態の中で、これが遅々として進んでおらないという現況にかんがみ、政府はもっと認識を深め、早急にこの計画を進めて、その復旧促進を願わなくてはならない、こういうふうに考えておる次第でございます。 それと同時に、そういうふうな炭鉱の閉山に伴いますところの地方財政の苦しさはきわめて深刻であります。炭鉱に関係いたしまする町税におきましても二千四百二十九万四千円の減収が生まれてくるわけでございますので、こういうような財政欠陥の補てんとして四十年、四十一年に行ないました減税補てん債と同じように、そういうような減税を補てんする、あるいは地方交付税の普通交付税の中のプール計算の中で、財政力指数を収入額、需要額の中へこれを織り込んでもらうというようなことはできないものかどうか、こういうような配慮をひとつ臨時交付金という形の中でお願いしたいと考えます。そうして、特に地方交付税の配分なり起債の認可にあたりましては、そういうふうな閉山炭鉱をかかえ、苦しんでおる地方財政をよく勘案の上――過疎地帯の産炭地帯、こういうような地方におきましては、その町税収入が非常に苦しい。私のほうでは町税収入の減額は約四三%になります。そういう面について御配慮を願わなくてはならないのではないか、こういうふうに考えます。 もう一つ大きな問題は、四十三年度の町民税の徴収でありますが、今度の政府の退職金の支払いが、さっき申し上げましたように二年度にわたって退職金を払うわけでございますが、これは本人に払われる。そうしますと、四十三年度に徴税いたしまする町税が、本人から取れなくなるのではないかという心配がございますので、その点も何とかひとつ本人の承諾書を添えて事法団のほうで控除して、そういうものは閉山の市町村にこれを送ってもらう、こういうふうなことができないものかどうか、そういうふうに考えるわけでございます。 最後に、きわめて残念なことでありますが、閉山の起こりまする市町村における産業の問題がございますので、私はこういうことを申し上げたくないのでありますが、またこうして先生方の前に、杵島炭鉱がもし閉山したらこういう事態が起こるということを訴えなくてはならないことがまことに残念であります。政府におかれては、炭鉱の位置づけ、石炭産業の、エネルギー革命のための一つの位置づけをもっと深刻にお考えを願っておかないと、次々に起こるこういうような閉山から、産業の問題まで起こり、あるいは市町村の財政がきわめて困難になる、そのために政治の均衡というものが破れて不均衡になるおそれがあるのではないか、こういうふうに考えますので、まことに失礼なことを申し上げましたが、よろしくお願い申し上げます。
○平岡委員長 これにて参考人各位の御意見の陳述は終わりました。 ―――――――――――――
○平岡委員長 これより質疑に入ります。 質疑の通告がありますので、順次これを許します。岡田利春君。
○岡田(利)委員 一、二点御質問申し上げますが、初めに橘内参考人にお伺いします。 今度北海道では、明治二山が企業ぐるみ閉山ということで、いま閉山提案が行なわれておるわけです。また、いま述べられたように、本年明治を除いて中小十山、大体五十万トンの山が北海道では閉山になる。したがって、明治二山をプラスいたしますと、ほぼ百万トンの山が北海道では閉山になるということはもう大体明らかになっておるわけであります。ただ、明治の問題はしばしば新聞紙上うわさをされておりましたけれども、明治鉱業自身が労働者に対して、組合に対して閉山をする意思表示をいたしたわけですが、私の聞いておる範囲では、その明治鉱業は正式に、たとえば山にある関連企業、石炭の運搬の鉄道もあればいろいろあるわけですから、また運搬会社もあるわけですが、こういう関連企業あるいは地方自治体、あるいはまた、いままで山を経営する以上関係のあったところに、いわばこういう事情で企業ぐるみ閉山をするという意思表示というものが同時に行なわれていなかったと聞いておるわけです。もしそれが事実とすればまことに遺憾きわまる問題であると思うわけですが、この点についてはそういう事実があるのかないのか、協議会もありますからそういう報告もあったのではないかと思うのですが、この点をお聞きしたいと思います。 それから、杵島の問題で大町町長さんにお伺いしたいと思うのですが、いわゆる水道の問題ですね。坑内水の問題。これは月五百万円の電力費がかかるといわれているわけです。一つには、水道を他に確保する場合には、いま述べられたように時間を要するわけですが、閉山と同時に水道供給というものができないということが会社側から意思表示があったのか。こういう点については杵島炭鉱株式会社との間にどういう話になっているか。たとえば私の常識で言いますと、山をやめてからすぐ水を揚げないということになりますと水没してしまうわけです。しかし機材器具その他の撤収というものは当然行なわれるのではないか、そうすると一定量の揚水はある一定期間はしなければいかぬのではないか、こういう気がするわけです。いままでの閉山の場合にはそういうことがあるわけなのですが、そういう具体的な話が会社からあったのかないのか、そういう点ちょっとこの機会にお伺いをしておきたいと思います。
○平岡委員長 順次お答え願います。最初に橘内参考人。
○橘内参考人 ただいまお尋ねをいただいた、地方自治体に対して、企業体である炭鉱会社のほうから閉山についてのあらかじめの通告がなかったかどうかということでございまするが、私ども、産炭地域の住民のしあわせと、それから地方自治を守っていくという立場からいたしますると、これは通告のあるなしにかかわらず、あくまでも地方自治と住民の福祉を守るという立場に立って、むしろ炭鉱当該会社のほうに出向いて、住民とともに、あるいは議会とともどもに出向いてまいって、閉山をやめてもらいたい、こういう意思表示を行なっているのが実態でございます。残念ながら、いまの閉山をする場合において、法律上地方自治体に通告をしなければならぬというような規定にもなっておらぬ、このことは非常に重大だと思うのであります。 今日まで、その自治体の区域内に入って炭鉱事業をやり遂行してきておる企業体が、事業を行なう場合には、いや学校をどうしてもらわなければならぬ、水道をどうしてもらわなければならぬ、道路をどうしてもらわなければならぬ、いろいろな要請はなされます。しかし一たんやめるというときには全く一方的であります。こういう国の構成上、自治体を無視した、あるいは社会地域に与える影響を無視した一方的閉山ということは、今日の民主主義社会においては許されないことだ。こういう場合は少なくとも今後においては、法律上、地方自治体に通告してその意見を求めるとか、そういうような制度になっていくのがしかるべきではないか。残念ながら、先ほど申し上げましたように、もう閉山が労働組合に通告され、そのことがすぐ報道され、地方自治体の理事者も議会もこれを承知し、そこで初めて住民とともに炭鉱会社に出かけていって、住民の福祉なり地域の経済を守るために、地方自治を守るために閉山を思いとどまってもらいたい、あるいはその他のいろいろな対策をとってもらいたいということを要求してきておるのが現状でございます。いまの明治の沼田町における昭和炭鉱あるいは白糠の本岐の閉山についても同様ではないかと思っております。具体的には会社から正式の通告があったかどうかということははっきりは承知しておりませんけれども、いままでの私の承知している範囲ではそういう程度ではないか。今後は、こういうのは制度上やはり地方自治体を重視して、地域に与える影響の重大性から考えて、そういう制度をつくってもらうことも必要ではないか、かように考える次第であります。
○藤井参考人 ただいま岡田先生から御質問がありましたが、水道問題につきましては、いま北海道の市長のほうから炭鉱の通告の問題がありましたように、私どもはやはり会社も炭鉱をつぶなさいという方針で中央に対しましても諸先生方にいろいろとお願いをしておった関係上、これが予告されておりますとテストボーリングぐらいは前もって私どもが掘っておく必要があったのじゃないかと思いますけれども、そこまで打ち割った話がございませんでしたので、通告を受けましてすぐにテストボーリングを打っております。ところが、私も炭鉱の採炭夫として三十年間働きましたが、大体炭鉱の閉山というものは、閉山いたしましてから撤収するのに四カ月、五カ月はかかる、こういうように自分の経験だけで考えておりましたので、実はそのくらいかかるだろう、その間には何とかピッチを上げて徹夜作業でもすれば水が出るのじゃないかという考えを持っておりましたが、会社の社長の通告では、三月三十一日に閉山をして四月一ぱいで撤収作業を終わってしまう、五月から知りませんぞというふうなことでございましたので、私ども非常に憤慨いたしまして社長に食ってかかり、知事にもこの点をお願いをいたしまして、知事も非常に心配されまして、その負担のやり方については十分に検討しようじゃないか、国のほうにもお願いして、国のほうで何とかこの措置が願えれば、その措置に従って、県もこれを傍観することはできないので、何とかしたいとやうことでございますが、それじゃ町にその一部の負担をしろということは知事として非常に困難だ、炭鉱が閉山しておる町村がそれだけの財政力があるわけではなく、非常に困ったものであるというふうに言っておられますが、私どもはこの前、経済部長それから厚生部長等会社の首脳部と会いまして、その席上におきましても、あくまでもあなたの従業員である以上、町に移管するためにはその期間の坑内水を利用する飲料水については責任を持てと言っておりますけれども、なかなか会社は、三月三十一日でなくなるんだから会社そのものに言われてももうおしまいだ、こういうことを言っておりますので、きわめて困難なものに直面しておるというようなことでございますので、この点は政府のそれぞれの機関に対しましても、ひとつ何とかお願いしたいといういま陳情をいたしておるような状態でございます。
○平岡委員長 田畑金光君。
○田畑委員 参考人に一括してお尋ねをしたいと思いますが、最初に北海道の橘内市長さんにお尋ねいたします。 きょうの、この御意見を承りました直接の法律は、産炭地域における中小企業者についての中小企業信用保険に関する特別措置等に関する法律の運用状況についてでございますが、この点については、先ほどのお話の中で簡単に触れられた程度であったわけであります。資料によれば、この法律に基づく無担保保険であるとかあるいは法限度額の問題であるとか、普通保険の問題であるとか、実は北海道と常磐地域についてはこの法律の利用と申しますか、運用と申しましょうか、ほとんどなされていないように見受けるわけでありまするが、これはどういうようなことでこの法律の適用あるいは運用、利用というのがなされていないのか、この点を、これは橘内市長さんと大和田市長さん、ともに御答弁をいただきたいと思います。 それから、特に北海道の場合、産炭地域振興事業団の機能の強化の問題であるとか、あるいは今後の融資その他の特別の配慮の措置などについて強い要請がございましたが、この点について産炭地域振興事業団が、北海道地域においてはどういうような今日までの実績をあげてまいっておるのか、この点についてお尋ねいたします。 もう一つ、これは同様に北海道の場合と常磐の場合共通するわけでありますが、今度の国の予算措置の中で、特に労働省所管の離職者対策の中で、すでに御承知のように炭産地域開発就労事業費補助金として二十五億二千三百万の予算計上がされておるわけであります。すでに離職者臨時措置法に基づく緊急就労事業は関連各地域において実施されておるわけでありまするが、今度新しく設けられたこの二十五億余にのほる開発就労事業について、北海道並びに常磐の市長さん方としてはどのような考え方を持っておられるのであるか、この点について承ります。 次に私は、山田市長の松岡さんにお尋ねいたすわけでありますが、山田市は私も幾度かおたずねしまして、先ほどの深刻な実態ということをよく承知いたしております。また産炭地振興事業団による工業団地の造成、またこれに基づく新たな工業の進出等々についても、山田市は、私の見て回った限りにおいては、それ相応の実績をあげておられるやに受け取っておるわけでありますが、先ほどのお話によりますと、工業団地をせっかくつくったが、なお利用できない土地が相当に残っておる、こういうお話でございました。どれぐらいそういう土地があるのか。そしてまたせっかくつくった工業団地については、工場などの企業誘致は当然国の産炭地振興事業団も市当局も一体となって努力せられてこられたはずでございますが、どういうようなところにもっと努力が必要とされるのか、その辺の事情についていま少しく具体的にお聞かせいただければありがたいと考えております。要すれば立地条件がまずいのか、あるいは労働力が不足なのか、あるいは事業団の融資その他の面において欠ける点があるのかどうか、これらの点について、松岡市長からなおお答えいただければありがたいと思っております。 最後に杵島炭鉱閉山に伴う大町町長の藤井さんのなまなましい御発言、現状、現地の御報告については、われわれとしても胸の詰まる思いがいたしますし、またお話しのことについては、今後の石炭政策の推進の面において十分努力してまいりたいと考えておるわけでありまするが、いま水の問題について、杵島炭鉱としては三月末に会社はなくなるからそれでおしまいだ、まことに冷たい突っ放しのようであります。相当の従業員をかかえ、従業員と家族を入れると、資料によりますと六千数百といわれておりますが、炭鉱離職者臨時措置法によれば、離職する人方の就職の問題等についても、これは当然会社側、鉱業権者としてもできるだけ協力し、次の職場のことなども考えるべしというのがこの法律のたてまえになっておるわけであります。これは特例でございまするが、そういう点等について、いまなまなましい通告された直後でありますので、これ以上お聞きすることはどうかと思いまするが、会社側としてやるべき面が多々あると私は考えておりまするが、そういう問題等についてはどのように大町町長さんとしては見ておられるのか。また先ほどお話にありましたように、企業ぐるみ閉山については、今度の政策措置で七五%を国が退職手当としてめんどうを見るということになっております。二五%は企業みずからの努力によってまかなえ、これが今回の政策措置の実態であります。われわれといたしましては、閉山に追い込まれるような企業や会社が二五%をどうつくるかということが、これは言うべくして実際不可能なことじゃなかろうか、こういう感じも持つわけでありまするが、この二五%の、企業みずからの努力で退職手当の足らざるところを補うという、この問題等についてはどのようになっておるのか、この辺のこともお聞かせいただければたいへんありがたいと思います。
○橘内参考人 ただいま御丁重なお尋ねがございましたので、北海道の状況についてお答え申し上げます。 第一の、ただいま当委員会の主題になっておりまする信用保険制度の件でございまするが、これは九州方面と比較いたしますると、御説のように利用度合いが少ないようでありまするけれども、しかし現実にはこの表にございますように、三十八年から四十二年度までの実績を見ましても、あるいは移転の、転業する場合の資金の問題であるとか、あるいは売り掛け金の債権に対する回収の問題であるとか、合わせまして約三百件の利用をいたさしていただいております。それから売り掛け金のこれによる総額は三十八年から三十九年、四十年から四十一年さらに四十二年、こういうぐあいに合計いたしまして約四億三千万ぐらいの売り掛け金の回収、その他の認定をいただいておるわけでございます。九州方面と比べて利用度合いが若干少ないようでありまするが、この制度によって、北海道の閉山地区における中小企業商工業者の移住の資金であるとか売り掛け金の回収であるとか、そういう面につきましては相当利用さしていただいたと思っております。 私も、先ほど他の参考人が申し上げましたように、ぜひともこれは五カ年間さらに延長願い、それからてん補率の中におきましても、産炭地の場合は重く見ていただいて八〇%の保証を見ていただいておりますのが、相願わくは最近の情勢から見まして一〇〇%のてん補率にお願い申し上げたい、かように考えて、今後もこの点は中小企業商工業者にとりましては、ただ一つの国の政策でございますから、十分活用さしていただきたいと思っております。 それから二番目の産炭地振興のための工場誘致、あるいは産炭地振興事業団の活用というような問題についてでございますが、これも大体昭和三十五年以降――事業団ができたのは三十七年でありますが、それ以来北海道に進出を願った、新設あるいは増設を含めましてこの企業の進出は、石狩炭田、釧路炭田それから天北、留萌炭田を合計いたしまして二百十七件の数にまたがっております。設備の資金総額も百十一億三千万ぐらいになっております。事業団の融資が二十一億何千万、これは四十二年末の現況でございます。おそらく最近では二十六億ぐらいの事業団の資金がやはり北海道にも投入されて、相当な産炭地域の振興に効果をあげていただいている、かように思っております。先ほど来申し上げますように、北海道に対する今後の終閉山が集中的に行なわれるということが非常に心配されますし、現にその情勢になっておるのでございますから、今後やはり産炭地振興事業団の北海道の機構を支社格にして相当積極的な政策を遂行してもらう必要があるのではないかというぐあいに考えている次第でございます。 それから今度の石炭政策として決定いただきました開発の就労対策の問題につきましては、北海道は今日まで九州のように緊急就労対策あるいはそういうような特殊な労働対策はとってもらっておらないわけでございます。緊急就労対策などという事業はほとんどないのであります。一般の失業対策事業だけであります。今後この開発就労事業の具体的な内容を十分お聞きいたしまして、従来行なっておる失業対策事業との関連等もございますから、慎重にこれに対処して、でき得るならばやはり産炭地の開発の雇用の増大をはかる問題――やはり基盤整備の問題とも関連がございますから、そういう面も十分検討してその恩恵に浴させていただく方向を見出していきたい、かように考えております。
○大和田参考人 御指摘の二点についてお答えしたいと思います。 第一点の信用保険の問題につきまして北海道並びに常磐地区は利用度がきわめて少ない、何か事情がないかというおただしでございました。実はこの点につきまして、福島県におきましてはやはり業者、業界を認定した数は実は相当の数にのぼっているわけであります。ところが、それがこの保険制度を活用していないという結果になっております。これは一つは中小企業金融公庫あるいは国民金融公庫等によるものと、それから県の損失補償協会、これの活用によって現在大部分はやっておるわけですが、これは一つは県の信用保証協会の運営についてこの制度の活用に若干欠けているところがあるのではないかというふうに思っております。最近、県の信用保証協会とも協議しまして、こういう制度を活用することが保証協会、ほかの全体に非常にプラスになるということを認識しまして、この四十四年度当初からひとつ県の保証協会としてもぜひこれを十分に活用さしていただきたいということで、この新年度から相当数にのぼるであろう、こういう予定でいるわけであります。 それから第二点の問題でございますが、御承知のような事情で大体産炭地域の開発の緊急就労補助金として主として対象とするところを筑豊に重点を置いて予算措置をなされたやに聞き及んでおりますが、実はこういった処置につきましては常磐地区としても非常に渇望しているわけでございます。と申しますのは、実は常磐地区におきまして、ことにいわき市だけ申しますというと、失業者の就労者というのが県全体の半分以上も一つの市で持っておるというのが現状であります。いわんやそのほかにマル炭事業もやっております。ところが一昨年、御承知のように大日本炭鉱の突如の閉山、それからそれに次ぐ逐次の小山の閉山等もございました。われわれとしては、この対策に悩んでおるわけでありますが、一つはやはりそれと関連する、直接鉱山なりに従事していないもので、しかも閉山、廃山によって直接路頭に迷うというものも実は相当数に及んでいるわけであります。そういうための対策として、この筑豊を中核としての二十五億という予算措置を講ぜられたんだろうと思うのでありますが、いわき市におきましても、ぜひこの制度を活用させていただきたい。いろいろ予定もございまして、二十五億では足らぬということになろうかと思いますが、そうなれば、ぜひ予備費等の流用の増額によって今年度はひとつやらせるようにお願いしたい。四十五年度から本格的にこれを取り上げて、大幅に補助金の増額をお願いしたい、こう思う次第でございます。
○松岡参考人 多くの団地が造成されながら、企業の進出の遅々として進まないのは何か原因があるのかというお尋ねでございます。私、地元におりまして、その問題について非常に真剣にいろんな問題点を考えておるのですが、本質的に、一番大切な問題はやはり水の問題であろうと存じております。本来福岡県、特に筑豊地帯におきましては、そこを流れておりますところの遠賀川の水量が、流量が非常に減っておりまして、従来炭鉱の社用水、これは冷却用水がおもでございますが、そのほか住民の飲料水をまかなうのが精一ぱいでございまして、水を多量に要するところの企業が進出した場合に、いうところの工業用水については、それをまかなうに十分な水資源的な施設が十分でないということが非常に大きな要因であろうと考えております。 そこで、このことは従来からいろいろ留意された点でもありますが、産炭地域振興事業団、あるいは鞍手工業用水であるとか、あるいは国、県、水資源開発事業団によりまして、多角目的のダム、あるいはその他の水資源施設が現在着々と起こされつつありまして、その点につきましては水に対する、特に工業用水に対する不安は除去されると思うのでありますが、いまの時点において、さあ、工場は進出するから水をよこせといった場合に、工業用水の供給能力は非常に悲観的だというようなことが企業進出の大きな隘路ではあるまいかというふうに考えておるのでございます。 第二点は、やはり内陸地帯であるということからする条件的ないろんな不利な点、もちろん国道も通っておりますし、特に九州縦貫高速道路であるとか、あるいは横断高速道路ができればそれだけ助かっていきますけれども、いまの時点におきましては、やはり先進工業都市に比べた場合に、輸送面の条件が必ずしも十分でないというような筑豊地帯でありまして、北九州あるいは福岡に乗り入れる国道は通っておりますけれども、狭隘で、非常に交通量がふくそうしておりますから、そうした交通の、輸送の確保という点からする道路の整備、これも一つの問題点が殊っておると思うのでございます。 それから産炭地域振興事業団の融資条件に対する問題であります。政府資金としての融資はそうあまり大きくないのに、数においては融資申し込みは非常に多い。したがって一口当たりの金額というものは比較的に額は小さいということから、たとえば私聞いた範囲におきましては、ワクはすぐになくなってしまって、次のワクを申し込もうと思えば来年度回しになるということからする融資条件の問題、利息であるとか償還期間ということもありますけれども、これは政府資金でありますから非常に私は有利であると思いますが、ワクの問題、額の問題、そうした問題もいろいろ手間どらせておる一つの要因ではあるまいかと私は考えております。 それからいま言ったような、基盤的な問題は、いろいろ国あるいは県においても取り上げて十分に配慮していただいておりますし、特に私どもは希望をつないでおるのは、先ほど来話のありました産炭地域開発就労事業についての地域の開発に寄与するというような点から、特に産炭地域の伸展、開発に寄与する規模の大きい事業をそれぞれの市町村あるいは県が考えておりますから、そういう事業によって、私が先ほど申し述べましたような隘路はかなり打開されるだろうというふうに考えておるものでございます。 それから一つは、やはり誘致側の各企業進出者に対する啓蒙といいますか、PRも従来は足らなかったのじゃないかと私は思うのでございます。私の市は十年前から炭鉱の合理化にさらされて非常に苦難の道を歩いてきたのでありますが、名古屋あるいは阪神に行って、いろいろ地元の話をした場合に、炭鉱という地域は鉱害があって、気が荒くて、すぐに赤旗が立ってというようなイメージはやはりそのころまでは強かったものでございます。それで企業が筑豊地帯に進出するのに何かとまどい、ちゅうちょするというような気風は一時は確かにあったと思うのでございます。しかしその後の国あるいは産炭地域振興事業団、県、市町村の非常に熱心なこれについての運動あるいは訴えによって、そうした悪い方面にあったイメージは非常に好転いたしまして、次々と視察者も参りますし、現在はその空気はないのでございます。これは関係者の努力あるいは進出者側のほうの積極的な意欲によるものと考えております。 それから先ほど私申し上げたのでありますが、やはり進出企業のほうはどうしても企業採算の立場からこの問題を取り上げる、したがって進出する場合に少しでも有利な点を地元に求めてくるのでございます。たとえば福岡県で国道三号線沿いのものだけは、格別に市町村の条例によって優遇条例を設けなくても、向こうからお百度を踏んでくるけれども、内陸地帯の筑豊地帯においては市町村によって優遇条例を設けて、土地についての融資その他のものについて、据えぜんをうまく据えなければ、向こうははしをつけてくれないというようなことがあったのでございます。したがって受け入れ側のほうとしては、やはり他市町村との関連、あるいは議会あるいは市民とのいろんな感情の中において、そんなとてつもないようなことはというようなことで、つい敬遠するというようなことも事実問題として数次あったのでございます。また企業誘致にあせるのあまり、いうところの一旗組を受け入れたということで、天一坊みたいな手合いが進出して、非常に地元企業に対して大きな迷惑をかけた、あるいは土地の商人たちに対して非常な迷惑をかけたというようなことからする一つの不信感というものもあって、これが相互に関連し合って企業進出に一つの暗い影を生じたということも過去においてはあったのでございます。したがって、誘致するほうもあるいは進出するほうも、この企業誘致という問題については、やはりお互いに信用を持って、信頼感を持ってこの問題を取り扱う。その裏面的な裏づけとしましては、いろんな条件の整備、こうしたものがその裏づけとなって、誘致するほうと進出するほうとの気持ちのつながり、あるいは人格のつながり、それがいろんなことにつながってきますけれども、そうしたものが基本とならなければ、進出してもうまく業務の運営ができないこともあります。その間におけるところの配慮というものは、双方がよく話し合って、条件的なもの、融資、土地、水あるいは労働力、そうしたものについてもよほど確実なものとしての話し合いをやっておかなければ、双方ともにあとでほぞをかむというようなこともございますし、今後のこの問題の処理についても非常に重要な要件だと考えておるのでございます。 事業団は非常に土地が売れないといって心配されておりますけれども、最近は好転しつつあるようでございます。一時この事業団の土地が国の資金によるものであり、特に独立採算の立場から、ある程度の価格で売れないと、事業団の維持上支障を来たすというようなことから、価格の問題等についてもいろいろ問題点がありましたが、地元関係者の数次に及ぶ陳情等によって、この問題も好転しつつあるようでございますし、いろんな苦い経験を経て、将来に向かっては好転をするだろうというふうに考えておるものでございます。 以上でございます。
○藤井参考人 ただいまの三点の御質問についてお答えいたします。 第一点の水道の問題の件でございますが、これは、さっき申し上げましたように、きわめて社会的な大きな問題だと考えておりますが、会社側の言い分といたしましては、いままで毎月一千四百万の電力料金を支払っておりましたが、飲料水だけであり、雑用水を含めれば五百万円の電力料金で大体まかなえるんじゃないか。その他につきまして、私どもは、閉山水道が給水するまでの間、会社の責任においてこの給水費をいままでどおりに会社の福利厚生としてやってくれないかという申し出を知事も経済部長もいたしておりますが、それにつきましても、そうしますという返答がございません。さっき申し上げましたように、三月三十一日で閉山をし、四月一ぱいで撤収を行なってしまう、こういうふうなことでございます。と同時に、坑口閉鎖をしないと、閉山交付金の対象にならないというような点もございますので、その点は政治的に、私どもは会社と一緒になって、その点の解決には努力をいたしたい、こういうふうに考えております。県といたしましては、十分心配いたしまして、町村に負担をかけないように、会社と国と県が何とかしょうという知事の考えもございますし、特に福利厚生等につきましては、去る十七日の県会に、補正予算として三億円を上程、いま審議を願っておるというような状態でございます。その点につきましても、知事の考え方としては、市町村にこの負担を与えないで、そうして閉山水道が給水するまでは何とかしたいという努力はされておりますので、私どもお互いに協力、相提携しながらこの問題を措置していきたい、こういうふうに考えます。 第二点の離職者の問題でございますが、この問題につきましては、実は三十六年に大きな合理化が杵島炭鉱にございましたので、その経験を生かしまして、総務部長と話をいたしまして、スタッフ十名によりまする、炭鉱離職者に関係する福祉問題、教育問題、就職の問題、大町に支払う失業保険の支払い、こういうような問題で決定を見まして、場所をいま選定をいたしておるような次第でございます。特に教育問題にいたしましては、高校三年になる子弟が、親が全部向こうに走ってしまって、向こうの高校に入れないというような諸条件がございますので、大町に寮をつくりまして、その中に高校生を包含し、県が三分の二、町が三分の一の諸経費を持って、三年を卒業するまではやらせたいという計画を樹立しております。 それから、住宅団地、工業団地につきましては、大体お手元に差し上げておりますように実は企画をいたしまして、そういうような面で住宅を設定いたしますると同時に、全部炭鉱離職者の方がそこに集まっていただいて、その他のものは一時も早く工業団地として企業を誘致し、失業保険をとる前に工場が来て、そこに皆さんが就職し、大町町の人口が他に流出しないという対策をいま樹立をいたしております。 それから、退職手当の問題でございます。政府が退職者に対して七五%を小切手で送ることになりましたが、その二五%会社負担ということになりますが、これはいま、きのう上京いたしました百名の上京団と住友本社の団体交渉、地元におきまする杵島鉱業所の団体交渉が行なわれておりますが、その点に期待をいたしますと同時に、私どもも住友の本社なり杵島鉱業所の社長に向かって、やはり――これは非常に因縁が深いのでございますが、私が組合長時代にこの退職金をきめたという責任もございますので、二五%はぜひ会社が支払ってもらいたいということを町をあげてお願いをいたしておるような次第でございます。
○平岡委員長 大橋敏雄君。
○大橋(敏)委員 参考人の皆さまには、遠いところをほんとうにきょうは御苦労さまでございました。 産炭地域の実情をじゅんじゅんと訴えられるのを先ほどから聞いておりましたが、とにかくなま傷に触れるような思いで産炭地域の逆境といいますか苦境を感じました。これは政府の施策の云々という問題だけではなくて、このような現状におちいっている産炭地域、また石炭対策については、総力をあげて一日も早く解決しなければならぬかなと。しみじみとそう感ずる次第であります。 さて、参考人の皆さまに二、三お尋ねするわけでございますが、時間の関係もありますので、特に山田の市長さんと大町町長さんに限って答弁していただければけっこうでございます。 最初に、企業誘致の問題でありますが、先ほどの御説明の中に、最大の努力を払って乗り出している、しかしながら、えさを投げなければ企業がそれに乗ってこない、こういうお話もありました。また、そのほかに、土地や労働力や、水、技術、資本、これなどは炭鉱が閉山したあとでも再建の条件はまだまだ十分ある、これを何とか生かしてもらいたい、このようなお話もありましたが、説明の中に、えさの内容もうかがわれるわけでございますが、私が感ずるのは、企業誘致をしてもなかなか乗ってこないというのは鉱害による不安、たとえば自動車工場などは精密機械を据えつけなければならぬ。地盤の沈下やいろいろな悪条件から、そのような仕事ができなくなる。このような不安があって来ないんじゃないかという考えも持つわけでありますが、こういう点についてはどうであるかということですね。また、事業団による土地造成というものは、独立採算でやっておる関係から、単価が非常に高くついていて、企業のほうがそのような高い土地を云々ということで渋っているという話も聞いておりますが、こういう点を含めて、企業誘致のほんとうの問題点をいま一度お話し願いたいと思います。 それから、先ほど山田市の例をとられまして、二十三山あった山が現在はわずかに二山である。これも今度の新石炭政策の影響でどうなるやもわからない不安な状態にあるのだ、まことにお気の毒な姿でありまして、何とかこれを食いとめたいという気持ちでいっぱいでありますが、縮小も現実問題として踏まえておらねばならぬ問題だと思います。そこで、私がここでお尋ねしたいことは、確かに失業者、生活保護者が日本一といわれるほどいるわけです。私はこの生活保護者がもっと何かの姿で就業する機会を与えられればと思うのですが、たとえば、生活保護者の弱点につけ込んで、あるいは法の盲点をついたといいますか、悪徳金融業者がこれに巣くって、これを食いものにしているという事実があるわけですね。だから就職のチャンスがあっても、このような悪徳金融業者とのつながりのために仕事につけないという現状も私は見ております。したがいまして、産炭地域、特に筑豊方面の開発、あるいは発展、こういう条件として、生活保護者のこのような悪循環といいますか、何かこれを打ち切る対策が必要ではないか。つまり緊急的な低利融資、いわゆる肩がわりのそういう何かの措置をとるべきではないかという考えを持っておるのですが、地元の山田市長さんなどは切実に感じていらっしゃることと思いますので、これも含めてお答え願いたいと思います。 それから、産炭地域開発就労事業というものが今度九州には行なわれることになってきておりますが、これは、具体的に話は進められていると思いますけれども、どの程度までそれが具体化されているか、私がこれで心配することは、先ほど筑豊方面の産炭地域の労働事情というものが、企業の誘致に非常に悪影響を及ぼしていたという条件があったという話を聞いておりますけれども、確かにこうした弱い人の立場を利用した政治的な動きが見られます。開発事業におきまして、働かざる就労事業などといわれるようなことになってはまた問題だと思いますので、こういう点も踏まえた上で、どの程度作業が進んでいるのか、ちょっとこれをお尋ねしたいと思います。 それからもう一つですけれども、先ほど、今度の中小企業の信用保険特別措置法の五年間延長について、強い要望がありました。われわれもその方向で全力をあげたいと思いますが、融資問題につきまして、中小企業信用保険あるいは国民金融公庫の融資ワクを百万円から三百万円まで引き上げてもらいたい。これは多いほどいいにきまっておるわけでございますけれども、この三百万とおっしゃる根拠といいますか、裏づけといいますか、これをもう少し具体的に聞かしていただければ幸いだと思います。 以上でございます。
○松岡参考人 お尋ねになられました誘致推進についての隘路として、鉱害に対する不安感がありはしないか、そのとおりでございます。大橋先生は私どもの選挙区で、土地の事情はよく御承知のことでございますが、いろいろの公共事業を押し進めていく場合においてでも、やはり鉱害問題は常に一つの条件的な隘路になっておるのでございます。三カ年採掘をやめれば一応安定するというふうにはなっておりますけれども、事実はなかなかそうはいっておらないわけで、特に精密工業あるいは機械工業、それから化学工業等においては、やはりよほど基礎をしっかりつくっておっても何らかの鉱害の影響でありましょう、すぐひびが入る、あるいは機械操作に難渋を来たすというような事実が少し出たのでございます。そういうことから、企業の性格にもよるのでありますけれども、一つの不安が横たわって、積極的に進出の意欲を燃やし得ないということでございます。郡内の某町に、大阪からかなり大きな化学工場が進出してまいりましたが、やはり予測しない鉱害のために、現在操業休止中と聞いておりまして、従業員がいま遊んでおる状態です。一つの卑近な例としてそういうこともある。そういうことが伝わりますと、どうもあぶないという感じがさらに広がりまして、進出の大きな障害になっておるのじゃないかという気持ちもあるし、また、その実例もあるわけでございます。したがって、鉱害に対する確実な安定度というものは、誘致するほうも進出するほうも、前もってよほど確実にきめておく必要があろうと痛切に感ずるわけでございます。 それから、企業誘致の問題できめておく一番の問題は何かというお尋ねでございますが、先ほど田畑先生にお答えしたように、一つの条件ということではなしに、やはりいろいろな条件というものが横たわって、その条件が充足されなければ進出するほうはやらないということが、現在まで私たちがたどってきた経過からすると思えるのであります。一つの条件がかなえられてもその次の条件はどうか、四つ、五つの条件が並べられた場合に、その条件を全部充足するようなことでないと、なかなかむずかしいのではないかというふうに考えております。かりにその条件の全部が整えられてない場合においても、それについておまけがついてくるような気持ちもいたすのでございます。進出する側の企業者は非常にそろばん高い、これはまあ企業家の常ではありましょうけれども、特に地元の弱みにつけ込んだようなことも、しばしば経験として持っておるのでございます。特に地元の場合は、土地をただでよこせ、事業団の場合、市で援助せよ、あるいは利子の補給をせよというような問題がかなりついてくるのでございます。あるいは水の場合、水道を引け、取りつけ道路をつくれ、いろいろなレクリェーションの場については、市民の福祉のために市で設けろ、または援助しろというふうな、いろいろなものがついてくる。そうしたきわめて無理難題を押しつけられても、地元としては受け入れられない場合もありますし、そうした場合の条件の緩和、整備には相当苦労しておるわけでございまして、そういう点もやはり一つのネックじゃないかと考えております。幾つかの条件というものがそれをはばむものとして横たわっておると考えるのでございます。 それから筑豊地帯に非常に多い生活保護世帯の処理でございますが、全くおことばのとおりでございます。先生はこの間の事情はよく御承知のことだと思うのでございますが、弱い立場にある生活保護世帯というものが社会悪的な存在であることは決して否定いたしません。具体的なことを申し上げるのははばかりたいと思うのでございます。したがって、ある場合においては、生活保護世帯というものが一つのあるグループの温床になっておるということも言えるのでございます。力を尽くしてそうしたことの防止ないしは正常な運営に向かって私ども努力いたしておりますが、なかなか一たん根を植えつけられたものは強固なものがありまして、その解消ないしはその防止については、実をいうと頭を痛めておるのが実情でございます。したがって、生活保護世帯に対する福祉的な問題としましては、小口融資、市の資金によるところの小口貸し付け制度を考えております。これは民生委員による民生協議会でやるとか、社会福祉協議会というような一つの機関を通じて支給することは生活保護法からする認定の問題になってきますから支給はしないで、必要最小限度の生活の資金を、必要とする期間だけ無利子で貸そう、あるいは三千円貸そう、それを六カ月貸そう、それで生活保護費の支給日に、その貸したものは保護費から天引きするという制度をとっております。しかし、向こうさんのほうは、その制度にはあきたらないで、何とかしてもぎとっていこう、あるいは福祉銀行をつくれ、あるいは民生金庫をつくれというような強い要望があるのでございますが、極力これには抵抗して、そうした悪循環の方向に向かわないように私どもはやっておるのでございます。 それからお尋ねの開発就労事業でございますが、現在市町村の段階では、労働省に提出するところの具体的な事業個所をあげて、県を経由して労働省に提出中でございます。しかし、現在は県の段階でまだとどまって、県が総合的に各市町村から寄せられたそれぞれの要望個所についていま検討中でございます。これは県自体の事業もありますから、県自体の総合的な開発事業と、市町村の個々の開発事業とを、事業量とか事業効果というものを検討しながら、県の段階でいま操作中でございます。労働省にこれがあがっていくのは四月の半ばごろになるということでございます。最終的にチェックするのは労働省でございますが、私どもは事業個所を五カ所出しておりますが、どの事業について労働省から認可がおりるか、全くその点は不明でございます。したがって、事業がきまらなければ、事業規模、予算、したがってそれに吸収される炭鉱離職者の吸収人員ワク、これもきまらないということで、四十四年度の予算にもあげておりません。労働省のチェックのあり次第に予算とか事業計画を立てますから、四月ないし五月中に臨時議会を開いて、議会の承認を求めて事業に着工する。事業は六月一日からでございますから、時間的にはあと七十日程度でございまして、非常に私どもあせっておるという実情でございます。労働省につきましてもあるいは県につきましても、いろいろ具体的な運営あるいはその中身等を聞きただしますが、目下検討中であるということでございまして、明確なこれに対する運営要綱的なものはまだきまっておりません。その点はまことに私ども地元の者は歯がゆい思いでおるわけでございます。福岡県を例にとりますれば、福岡県はこのために準備本部を設けて、これに専念する事務局を設置しております。労働部あるいは土木部、建築部等々、いろいろ対策について検討しておりますが、まだ完全な運営の方向づけについてのきめ手、肉づけ的なものはきまっておらない状態でございます。非常にもどかしい思いでおりますので、ひとつ国会においてもしりをたたいていただきたいと考えております。 それからきょうの問題でありますこの法律の改正については、先ほど述べましたように、期間の延長とか、百分の八十を百分の百に、全額国の保険、それから無利息、これは地元の商工業者の話し合いの中から生まれた方向づけでございます。 先ほど申しました百万円から三百万円の引き上げにつきましては、中小企業金融公庫あるいは国民金融公庫について、経営困難な産炭地域商工業者の転業資金とか移転資金としての特別融資限度額が百万円であるのを三百万円にしていただきたいというのでございます。
○大橋(敏)委員 大町町長さんにお尋ねいたしますが、先ほど電力料金の特別の配慮の問題が出ましたけれども、これは上水道拡張工事完成までの間とありますが、いつごろまでの間なんでしょうか。
○藤井参考人 この閉山水道が完成いたすためには、御承知のようにテスト工事もいまやっておりますが、これは五月五日までに終わりたい、そして三カ月で上水道の水中ポンプを据えつけて、その間に配管施設を終わりたいということでございますので、八月の中ごろに給水をやりたい、その間の電力料金を会社に支払ってもらいたいということを実はお願いをいたしておりますが、前述しましたようなことで難航をいたしております。 それから山田市長にお尋ねになりましたように、産炭地開発就労事業は私どもがきわめて懇望いたしておりましたマル炭事業の拡大を実はお願いいたしておりましたが、これがマル炭対象の人員が減少しつつありますので、きわめて困難な要素になっておりますが、こういうふうな御配慮を願いまして全く感謝にたえないのでありまして、中高年齢者がこれに収容できることは、町の人口流出を防ぐためにも一大要素をなしておるのじゃないか、そのためには、さっき申し上げましたように、もう少しワクの拡大をしてほしい。大町では六億四千万いま五カ年計画として組んでおりますけれども、これではとうていそういうような皆さんの就労をこいねがうにはほど遠いものがございますので、もう少しワクの拡大をしてほしい、こういうように考えております。
○平岡委員長 この際、参考人各位に一言ごあいさつを申し上げます。 本日は、御多用中にもかかわらず、長時間にわたり貴重な御意見を述べていただきまして、ありがとうございました。厚くお礼申し上げます。 ――――◇―――――
○平岡委員長 多賀谷真稔君外十四名提出の石炭鉱業国有法案及び多賀谷真稔君外十四名提出の日本石炭公社法案の両案を議題といたします。 ――――――――――――― ―――――――――――――
○平岡委員長 両案について提出者より提案理由の説明を聴取いたします。岡田利春君。
○岡田(利)議員 私は、ただいま議題となりました石炭鉱業国有法案並びに日本石炭公社法案について、提出者を代表し、その提案の趣旨説明を申し上げます。 戦後日本経済再建のにない手となった石炭鉱業は、その後石油の進出により急速にその需要が減退し、千二百円炭価値下げとともにスクラップ・アンド・ビルド政策が強行され、その結果失業者のはんらん、関連中小企業の倒産を引き起こし、産炭地域は荒廃して大きな社会問題となり、労働者を中心として、中小企業者、住民、自治体、一体となって政府に石炭政策の転換を迫ったのであります。 昭和三十七年四月政府は石炭鉱業調査団を編成し、第一次、第二次、第三次の答申がなされたのであります。ことに第三次答申は、抜本策として千億円の債務の肩がわりという私企業への異例の措置であったのであります。 しかしながら、これらの諸政策もことごとく失敗に終わり、石炭鉱業の全面的崩壊は必至の情勢となってきたのであります。 かくして政府は石炭鉱業審議会に答申を求め、昨年十二月二十五日第四次答申がなされたのであります。この第四次答申の基調は再度千億に及ぶ債務の肩がわりを中心とする五年間四千億程度の財政支出を行ない、この間に出炭規模を三千五百万トン程度に縮小しようとするものであります。 この答申は私企業としての経済的基盤を完全に失っている個々の企業をそのままの形態にして再建交付金を交付するものであって、全く従来の政策を踏襲したのみであります。 これは金融機関の救済と個別企業対策であって、石炭の産業政策ではありません。再び過去の失敗を繰り返すことは火を見るよりも明らかであります。 私は今日までの政府の政策について、その欠陥を指摘しつつ政策の提言をいたしたいと思います。 第一に従来の政策の最大の欠陥は個別企業対策に終始したということであります。相次ぐ答申が挫折した原因にはもちろん予想以上の重油価格の低落、諸物価の高騰などがありますが、政策を策定するに際して提出された各社の計画が常に会社の利害の上に立ってつくられ、さらに答申に基づく再建計画の実施が無秩序に行われ計画がそごを来たしたという事実を見のがすことはできないのであります。第四次答申による石炭再建策もその轍を踏むことは確実であります。 第一次答申以来各社は競って、第二会社化、閉山、首切りをすすめ、五年間逐次実施する予定のスクラップ計画をわずか一年半で強行し、その後における合理化もベースアップの抑制、労働時間の延長、組夫の導入等全く非近代的方向で行なってきたのであります。この結果、大災害の頻発となり、労働者に炭鉱の将来に対する展望と希望を喪失させ、離山ムードをかり立て、ついに計画出炭体制を経営者みずから放棄するに至ったのであります。 第二には、かように企業内合理化は非合理化の段階まで落ち込んでいるのに企業間の合理化は全然放置されてきたということであります。 石炭鉱業の近代化を阻害しているものは、明治以来の先願主義による鉱区の大手炭鉱の独占と錯綜せる鉱区の分布によるものであります。鉱区の統合は石炭の生産構造整備の基本であります。地下の鉱物資源が土地所有権に属す法制になっていた英国においては群小の炭鉱が存在し、近代化が著しくおくれていたところから、早くより国有化が叫ばれていたのであります。イギリスの国営、フランスの公社営制度は大胆な鉱区の統合再編成でもあったのであります。したがって生産基盤の整備を行なわずして石炭鉱業近代化はあり得ないのであります。 次に石炭鉱業の近代化のおくれはその流通機構にも見ることができるのであります。わが国においては数百種に及ぶ銘柄があり、しかもこの輸送コストの高い石炭の交錯輸送が行なわれている現状であります。最近は石炭の供給構造が変化し、北海道に重点が移行し、さらに石炭各社の出炭と販売シェアが変わりつつある今日、流通機構の一元化が緊急な課題であります。石炭の需要は電力並びに鉄鋼が大宗を占め、いわばその大部分が政策需要であることからも販売における競争はもはや意義を失っているのであります。今日まで政府がこれらの根本的問題の解決に手をつけようとしなかったところに、わが国の石炭鉱業の悲劇があるといわざるを得ません。 第三には、今後の石炭政策において最も重要な問題はいかにして労働力を確保するかということであります。鉱山の命数は鉱量によってきまり、個々の炭鉱に就職することは若い者にとっては永遠の職場たり得ないのであります。高温多湿の地底に、しかも災害の多い職場で、低賃金で、退職金すら確保の保証のない状態において、労働力の吸収が困難であることは当然であります。それには災害を防止し労働条件を引き上げ、現在のような各炭鉱別雇用でなく石炭鉱業全体としての雇用形態に改め少なくとも現存する技術者並びに労働者を確保しながら若い労働力の養成をはかることが必要であります。 第四には膨大な債務と残存鉱害の処理の問題であります。欧州各国とも石炭政策については多くの予算を計上して保護助成政策をとっているのでありますが、わが国のごとく私企業たる個別会社に政府が債務の肩がわりをした例は皆無であるとともに企業間においてきわめて不公平な施策となっているのであります。しかも一千億の肩がわりでは立て直しが困難であることが判明した今日個別企業を再編成し公的機関に統合してこの債務の整理と鉱害の処理を行なう必要があります。 以上の観点よりこれらの問題を総合的に解決する方法は炭鉱を国有化して公社において経営する以外にないと思うのであります。 わが国におけるエネルギーの消費は年々経済の成長率とほぼ同一テンポで増加しているのであります。 これがために供給源の分散化、海外原油の開発、備蓄等の対策が進められ、増殖炉等発電用原子炉の開発が期待されていますが、国内資源である石炭鉱業の継続的安定こそ最も確実な安定供給であります。また鉄鋼生産の飛躍的な増大に対処し、その原料炭の確保は、最も肝要であり、国内炭のみではなく、海外開発もみずから行なう体制の確立が必要であります。国民総生産は世界第三位に達したわが国経済において、今日の出炭規模程度の維持はけだし当然といわなければなりません。 かかる見地に立って以下石炭国有法案の概要について申し上げます。 第一章は目的についての規定であります。石炭がわが国における重要なエネルギー資源であり、エネルギーの将来にわたる安定的供給を確保する上に重要な位置を占めていることにかんがみ、石炭の掘採、取得及び輸入の権能を国に専属し、計画的、合理的な生産及び供給を確保し、石炭鉱業の継続的安定をはかり国民経済の健全な発展に寄与することを目的とするものであります。 第二章は前述のごとき目的に基づき石炭鉱業に対する国の権能を規定しました。しかしてその権能の実施は日本石炭公社をして行わしめることにいたしたのであります。 第三章は石炭需給計画について規定しました。石炭審議会の意見を聞いて毎年通商産業大臣が当該年度以降五年間の需給計画を定めることにいたしたのであります。 第四章は石炭審議会の規定を設け、公社の労使、需要者、学識経験者からなる四者構成といたしました。 第五章は石炭鉱業等の買収について規定いたしました。買収の価格方式についてはわが国における従来の鉄道国有法、日本製鉄株式会社法、日本発送電株式会社法の場合、並びに欧州における国有法、公社法の場合の方式等を検討いたしましたが、わが国における石炭鉱業の企業経理の実態から一定期日前一定期間の平均株価を基準として評価することにいたしました。これらは政令によって定めるわけでありますが、わが党としては国有法案が国会に提出された二月十八日前一年間の株価平均といたしたいと存じます。 非上場の会社については評価審査会において上場会社の買収価格を考慮にいれながら資産を評価し、それから負債を控除した額を基準とすることにいたしました。兼業会社は政令による基準によって指定し、当該企業の石炭部門を買収することとし、この評価は非上場の場合と同じ方式をとることにいたしました。現在稼行していない鉱業権については消滅さすこととし、その際これによって生じた損失については補償することにいたしました。買収時において鉱業権者等が有する権利、義務は国が承継し、直ちに公社に引き継がれるものといたしました。これらの買収代金並びに補償金については、国債証券を交付し二十年以内に償還することといたしました。 なお本法律施行に伴う諸種の法律の整理については別に施行法を提出する所存であります。 次に、日本石炭公社法案について説明申し上げます。 第一章においては日本石炭公社は国有法に基づき、石炭の掘採、取得、輸入、販売、海外を含め未開発炭田の開発等の業務を行なうことを規定いたしました。輸入業務は委託を行なうことができるように規定し、また販売についても小口等は従来どおり商社を通じ販売するつもりであります。 資本金は二百億円と全額政府出資といたしました。 第二章に業務運営の重要事項を決定する機関とし経営委員会を設け学識経験者、労働者を代表する委員、公社を代表する特別委員で構成することにいたしました。 第三章は役員並びに職員について規定いたしましたが、職員の身分関係については公社と労働組合との協約並びに就業規則に譲ることといたしました。 なお、職員の労働諸権制につきましては、ILO結社の自由に関する実情調査調停委員会のドライヤー報告書のすべての公有企業が、関係法律上区別することなく、同一の基盤で取り扱われることは適当ではないと述べている勧告に基づき、本公社の職員は公労法の適用を受けず一般労組法、労調法の適用を受けることといたしました。 第四章は財務及び会計について規定いたしました。この点に関し、現行の三公社と異なる点は給与総額を設けず、かつ予算上不可能な資金の支出を内容とする協定を締結したときは、その協定締結後十日以内に必要な補正予算を国会に提出しなければならない旨の規定を設けました。 その他石炭債券発行等の規定を設けました。 以上が日本石炭公社法案の概要でありますが、すでにわが国と同じく石炭を私企業として会社別に経営をしてきました西ドイツにおいては、昨年石炭鉱業の適応化と産炭地域の健全化に関する法律が成立し、ルール石炭鉱業株式会社が発足し、ルールにおける二十九炭鉱会社中二十四炭鉱会社を吸収統合し、その下に七社を置き、石炭生産シエア約八十数%、従業員十九万人の一大体制整備を断行し、今後二十年間にわたる西ドイツ石炭鉱業の安定を目ざしているのであります。 また、わが国においても第四次答申に至る間において、石炭経営者側からは、全国一社化案、三社化案、販売機構の一元化案が提案され、またいわゆる植村構想が検討された経緯もあり、石炭の長期安定のためには、いまや抜本的な体制的解決が不可決の要件となっているのであります。今日までの石炭政策のきびしい反省と、石炭鉱業の実態を直視すれば、石炭鉱業の国有、公社化が最善の道であると確信するものであります。 わが党政権下であるならば、当然エネルギー全体を把握し管理する方式をとるべきでありますが、現在の政治的分野を配慮して、この崩壊しようとする石炭鉱業に限定し、その立て直しをはかり、国産エネルギー源を確保する見地から、石炭鉱業国有法並びに日本石炭公社法案を提案する次第であります。 何とぞ、本法案がすみやかに審議され、可決されんことをお願いいたしまして、提案の趣旨説明といたします。
○平岡委員長 これにて提案理由の説明は終わりました。 両案に対する質疑は後日に譲ることにいたします。 ――――◇―――――
○平岡委員長 内閣提出の石炭鉱業合理化臨時措置法の一部を改正する法律案、石炭鉱業再建整備臨時措置法の一部を収正する法律案及び石炭鉱業経理規制臨時措置法の一部を改正する法律案の各案を議題といたします。 ―――――――――――――
○平岡委員長 政府より各案の提案理由の説明を聴取いたします。大平通商産業大臣。
○大平国務大臣 ただいま議題となりました石炭鉱業合理化臨時措置法の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び概要を御説明申し上げます。 今日の石炭鉱業が深刻な苦境に立たされていることは、御承知のとおりであります。この事態に対処するため、政府といたしましては、昨年十二月の石炭鉱業審議会の答申の趣旨を尊重して、去る一月、今後の石炭対策について閣議決定を行なった次第であります。 この新石炭対策におきましては、わが国のエネルギーの安定的供給、雇用の安定、地域経済の発展など国民経済的観点から総合的施策を講ずることといたしております。閉山対策の面におきましては、石炭企業が閉山を行なう場合に、その従業員、鉱害被害者、周辺産炭地域の中小商工業者等に多大の影響があることは、いまさら申し上げるまでもありませんが、特にいわゆる企業ぐるみ閉山の場合には、多額の未払債務の弁済ができないため、産炭地域に対する影響はさらに著しいことが懸念されますので、社会的混乱の防止にも配意して、新たに石炭鉱山整理特別交付金制度を設けることとした次第であります。 また、石炭企業が、個別企業の利害を越えて全体の合理化をはかるため、いわゆる体制の整備を行なうべきことが重要であるので、鉱区の再編・調整及び流通の合理化等を重視し、地域の実情に応じて、共同行為、事業の共同化等の実施を推進することといたしております。 これらの措置を講ずることに伴い必要となります制度の追加及び改善を主たる内容といたしまして、今回、この法律案を提案いたした次第であります。 次に、この法律案の概要を御説明申し上げます。 今回の改正の第一点は、今後止むを得ず生ずる企業ぐるみ閉山による社会的混乱を防止いたしますため、石炭鉱業合理化事業団が石炭鉱山整理特別交付金を交付する制度を追加することであります。この交付金は、閉山を行なう石炭企業がその資力をもってしては支払うことができない従業員関係の債務、一般債務、鉱害債務及び金融債務のそれぞれについて一定の限度までは充足が可能なように所要の金額が交付されるものであり、その全額について石炭鉱業合理化事業団がその会社にかわって弁済をすることといたしております。 第二点は、石炭企業の経営の合理化を徹底せしめ、必要な場合には、採掘権者または租鉱権者が相互に協力して事業を行なうか、またはその事業を一体的に運営するための体制を整備するために必要な勧告制度を設け、また、石炭の流通の円滑化及び石炭の販売業者の相互協力をはかるための共同行為の指示制度を設けることといたしております。 このほか、石炭鉱業合理化基本計画の目標年度を昭和四十五年度から昭和四十八年度に改めること、採掘権者または租鉱権者が、石炭鉱業合理化事業団に納付する納付金の限度額を引き上げることなど所要の改正を行なうことといたしております。 以上が、この法律案の提案理由及びその概要であります。 次に、石炭鉱業再建整備臨時措置法の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び概要を御説明申し上げます。 今日の石炭鉱業が深刻な苦境に立たされておりますことは、御承知のとおりであります。この事態に対処するため、政府といたしましては、昨年十二月の石炭鉱業審議会の答申の趣旨を尊重して、去る一月、今後の石炭対策について閣議の決定を行なったことはいま申し上げたとおりであります。 この新石炭対策におきましては、わが国のエネルギーの安定的供給、雇用の安定、地域経済の発展など国民経済的観点から総合的施策を講ずることといたしております。現在の石炭鉱業の危機は、資金経理面の悪化に集約的にあらわれており、金融機関及びその従業員に対する債務の償還の過重な負担を取り除かない限り、石炭鉱業の経営基盤の回復、安定を期しがたい状況にあります。このような現状にかんがみ、今回の石炭対策におきましては、その重要な一環として、総額一千億円程度の再建交付金の交付の措置を講ずることといたしたい考えであり、これに伴い必要となります制度の追加及び改善を主たる内容として、今回、この法律案を提案いたした次第であります。 次に、この法律案の概要を御説明申し上げます。 今回の改正は、再建交付金の交付に関する規定を追加することであります。再建交付金は、再建整備計画について本法施行の後新たに通商産業大臣の認定を受けた石炭企業に対し、その負っている債務の償還とそれにかかわる利子の支払いに充てるため交付するものであります。 その際、再建交付金の交付の対象としましては、金融機関からの借り入れ金債務とともに、従業員に対して負っている賃金の支払いの債務などのいわゆる従業員関係債務をも含めることといたしております。なお、借り入れ金債務のうち、昨年十月から本年四月までの間の石炭鉱業の運営に特に必要であったものについては、所要の配慮をいたすこととしております。 このため、再建交付金を受けようとする会社についての再建整備計画の作成、再建交付金交付契約の締結等につきまして、新たに規定を設けることといたした次第であります。 このほか、再建交付金制度の一環として、いわゆる担保抜きを行なうことにより石炭企業の資金調達を容易にすることを目的として、特別の損失補償を行なうことができることといたしております。 以上が、この法律案の提案理由及びその概要であります。 最後に、石炭鉱業経理規制臨時措置法の一部を改正する法律案の提案理由及び概要を御説明申し上げます。 今日の石炭鉱業が深刻な苦境に立たされていることは御承知のところであります。この事態に対処するため、政府といたしましては、昨年十二月の石炭鉱業審議会の答申の趣旨を尊重して、去る一月今後の石炭対策につきまして閣議決定を行ないましたことは御承知のとおりであります。 この新石炭対策におきましては、今後の石炭鉱業の再建をはかるため諸般の対策を強力に推進することとしておりますが、なかんずく石炭鉱業安定補給金制度の拡充は、今回の対策の重要な一環となるものであります。 すなわち、石炭鉱業安定補給金につきましては、その交付先企業の範囲の拡大及び補給金の額の引き上げをはかろうとするものでありますが、その半面、石炭鉱業安定補給金の交付を受ける石炭企業におきましては、真にこれを石炭鉱業の再建目的に沿って使用することが要請されるところであります。このため、これら企業の経理の適正化について所要の法規制を行なう必要があると考え、この法律案を提案した次第であります。 次に、この法律案の概要を御説明申し上げます。 第一は石炭鉱業経理規制臨時措置法の適用を受ける会社として、石炭鉱業安定補給金の交付を受け、かつ、石炭の年間生産数量が一定規模以上である会社を新たに指定することにより、これらの会社が行なう利益金の処分等について所要の規制を行なおうとするものであります。 第二は、本法の有効期限を昭和四十五年度末から今回の石炭対策の目標年度である昭和四十八年度末まで延長することであります。 以上が、この法律案の提案理由及びその概要であります。 何とぞ以上三案について慎重御審議の上御賛同くださいますよう、お願い申し上げます。
○平岡委員長 これにて提案理由の説明は終わりました。 引き続き、各案について政府委員から補足説明を聴取いたします。中川鉱山石炭局長。
○中川(理)政府委員 ただいま大臣から御説明申し上げました石炭鉱業再建整備臨時措置法の一部を改正する法律案、石炭鉱業合理化臨時措置法の一部を改正する法律案及び石炭鉱業経理規制臨時措置法の一部を改正する法律案につきまして、補足して御説明申し上げます。 御承知のとおり、これら三法の改正は、現在の石炭鉱業が深刻な苦境の中に置かれており、現行の対策のもとにおいては、その存続自体が困難な状況に立ち至っておりますことに対処いたしますために、昨年十二月の石炭鉱業審議会の答申に基づき立案いたしました諸政策を実施いたします上に必要なものであります。これら三法の改正案の理由及び概要は、ただいま申し上げました大臣の御説明に尽きるものでありますが、これら三法の中には、技術的かつ複雑な規定が多々ありますので、法律の規定の運用の方針といたしておりますところを補足して御説明申し上げることといたします。なお、これら三法中政令及び通商産業省令に委任いたしておりますところが多いのでございますが、これらの立案は、目下検討を進めておりますところでございますので、そのおおよその輪郭につきましての御説明をいたしたいと思います。 まず、石炭鉱業再建整備臨時措置法の一部を改正する法律案について御説明いたします。 今回の改正は、ただいま大臣から御説明申し上げましたとおり、再建交付金の交付に関する規定を追加することであります。再建交付金は、その作成する再建整備計画について本法施行後新たに通商産業大臣の認定を受けた石炭会社に対し、交付するものでありまして、この再建整備計画について認定を受けることができます会社は、石炭鉱業を営む会社でその掘採可能鉱量が過去三年間の年間平均出炭量の十倍以上あることを要件といたすよう通商産業省令を規定いたす所存であります。これは、従来の元利補給金の交付対象会社が、この要件のほかに赤字の状況であることを要件といたしましたことと異なるものでありますが、この点は、今回の再建交付金制度が、石炭鉱業がこれまでに負担してきた累積赤字を解消するという消極的目的にとどまることなく、将来にわたる石炭鉱業の再建のための基盤づくりを積極的に行なおうとするものであるためでございます。 このような再建交付金の交付の対象といたします債務は、会社が金融機関から昨年九月以前に借り入れました借り入れ金すなわち一般金融債務、同じく金融機関から昨年十月以降今年四月以前に借り入れますいわゆる経過金融協力分の債務、それに賃金や退職金などの従業員関係債務この三つとなっておりますが、これらの債務につきましては、経過金融協力分と従業員関係債務を一般金融債務に優先して支払うことといたしております。このため、これら二種の債務の支払いが完了いたしますまでの間を、一般金融債務につきましての据え置き期間といたす所存であります。 また、再建交付金の各社別に配分すべき額は、法施行後申請を待って確定することとなりますが、その中から経過金融協力分をまず控除し、残額につきまして、各社の持っております金融債務残高と出炭実績の比率を勘案して配分することといたします。 次に損失の補償の規定であります。 今後の石炭企業における設備資金等に要する長期金融につきましては、石炭鉱業合理化事業団が行なう無利子貸し付けが中心となるのでありますが、同時に、市中の金融機関につきましても応分の寄与を期待いたしているところであります。しかしながら、現在の石炭鉱業には、市中金融機関からの融資に必要となります担保に供し得る財産が枯渇いたしておりますことにかんがみ、所要の担保を捻出するための方策を考える必要があります。この損失の補償の特例の措置は、以上の趣旨にかんがみ、創設するものでありまして、市中金融機関にすでに担保として差し入れてある財産を再活用してその金融機関が石炭鉱業の再建のための新たな貸し付けを行ないました後に、その会社が石炭の生産の事業を廃止してその貸し付けが貸し倒れになった場合に特別の手当てを施そうとするものであります。 次に石炭鉱業合理化臨時措置法の一部を改正する法律案について御説明申し上げます。 今回の法律の改正の第一点は、今後やむを得ず生ずる企業ぐるみ閉山による社会的混乱を防止するため、石炭鉱業合理化事業団が石炭鉱山整理特別交付金を交付する制度を創設することであります。この特別交付金の交付対象企業は、昭和四十四年四月一日から昭和四十六年三月三十一日までに会社を解散し、その保有する鉱業権をすべて放棄いたしました場合で、所定の要件に適合いたしている場合に交付いたします。 次に特別交付金の額の算定でありますが、この制度は、著しい超過債務の状態で石炭企業が企業単位で閉山いたしますと、従業員、関連中小商工業者、鉱害被害者などが耐えがたい打撃を受けますことを防止するために設けようといたしているものであります。したがいまして、従業員関係債務、一般債務、鉱害債務等につきまして、それぞれが適切な限度まで充足されますように特別交付金の額を算定いたすこととしております。すなわち、従業員関係債務につきましては、その七五%を、鉱害債務につきましては、原則として金銭打ち切り賠償の全額、鉱害復旧に関する鉱業権者の納付金の三年分等を、一般債務につきましては、原則としてその取り立て不能額の五〇%を、金融債務につきましては、原則としてその取り立て不能額の五〇%とすることといたす所存であります。なお、一般債務につきましては、法案に規定いたしております資材の購入のための買い掛け金債務のほかに、何を含めるかにつきましては、通商産業省令に委任されておりますが、産炭地域における中小商工業者が持っております債権が保全されますようにできるだけ配慮いたしたいと考えております。 改正の第二点は、石炭鉱業の体制の整備に資するため、石炭企業が相互に協力して事業を行ない、またはその事業を一体的に運営することが特に必要な場合には勧告を行なう制度を設け、また、石炭の流通の円滑化をはかるための共同行為の指示の制度を設けることにいたしております。 最後に、石炭鉱業経理規制臨時措置法の一部を改正する法律案について御説明申し上げます。 今回の法律改正は、ただいま大臣から御説明申し上げましたとおり、石炭鉱業安定補給金を政府から受けております石炭会社をこの法律の規制の対象に加えるものでありますが、これは、今回の石炭鉱業審議会の答申に基づき石炭鉱業安定補給金が大幅に増額されましたので、これに伴うものであります。安定補給金は、従来、再建会社と中小石炭企業を対象にトン当たりほぼ百五十円程度を交付いたしてきたものでありますが、わが国石炭鉱業の安定と再建のための重要な柱としてこの安定補給金制度の充実、活用をはかろうといたします観点から、この対象を中小炭鉱に限ることなく、全企業に拡大することといたしました。なお、予算規模は、昨年度の二十三億円から百二十億円へと約五倍の拡大をはかりました。 今回、法律を改正いたしまして経理の規制をいたしますのは、このような多額の国家資金が安定補給金として投入されますので、石炭会社の経理を明確化し、その経理処理を統一して実情に合うものにいたしますほか、安定補給金を受けている会社が利益金を不当に社外流出させてその結果、安定補給金を交付いたしました効果を減殺することにならないよう利益金の処分について認可制度を実施いたしたいと考えているからであります。 以上、石炭関係三法につきましてその提案理由及び概要につきまして補足して御説明いたしました。 何とぞ慎重御審議の上御賛同くださいますようお願いいたします。 〔「補足説明の資料がないぞ」と呼ぶ者あり〕
○平岡委員長 通産省に申し上げます。 委員からの要望である資料を直ちに提出するよう要請します。
○大平国務大臣 いま御要請の資料につきましては直ちに調製の上、お手元に差し上げるようにいたします。
○平岡委員長 これにて補足説明は終わりました。 各案に対する質疑は後日に譲ることといたします。 ――――◇―――――
○平岡委員長 石炭対策に関する件について調査を進めます。 質疑の通告がありますので、これを許します。岡田利春君。
○岡田(利)委員 これからの石炭政策に関する各法律案の審議を進めるにあたって明らかにしなければならぬ点がありますので、この際御質問申し上げます。 といいますのは、私が去る予算委員会において石炭問題で総理並びに通産大臣の見解を承ったわけですが、この場合、総理大臣は石炭政策については当面緊急の問題としてこの政策を実施するが、石炭政策はこれで終わりではない、いわゆる最終策ではなくて、今後さらにある時期においては当然石炭政策を考えていくという旨の答弁があった。その後参議院の石炭対策特別委員会で、大平通産大臣は大矢参議院議員の質問に答えて、この総理の発言というものをむしろ打ち消す、いわば今後の政策が石炭の最終抜本策だ、最終案なんだ、こういう見解を実は通産大臣は述べておられるわけです。また、きのうの本会議において総理の答弁が行なわれて、引き続き各般にわたって通産大臣の答弁があったわけですが、私どもは本会議で聞いておりまして明らかに総理大臣の答弁と各般にわたって述べられた大平通産大臣のものごとの考え方、思想といいますか、発想のしかたが完全に違う、こう私どもは受け取ったわけです。もしこれが通産大臣として総理大臣の述べられた答弁を否定するというのであれば、少なくとも内閣の責任者の総理と担当通産大臣の認識が不統一である、また政府自体としても意思統一が不統一であるといわざるを得ぬわけです。これがそうであるならば、とてもそのままにしてこれからの石炭政策を審議するわけにはまいらぬと思うわけです。この点について通産大臣はどう思われておるか、総理の答弁に対してどう思われておるのか、この際明確にしていただきたいと思うのです。
○大平国務大臣 私のたびたびの発言と総理の御発言との間で誤解を生むようなことに相なりましてたいへん恐縮に存じます。これは他意はないのでございまして、総理といたしましては、石炭企業が当面しておる危機は容易ならざることであるし、その体制の整備もこれまた容易ならざる大事業であって、はたしてこの第四次の石炭対策をもってして完結できるかと問われるならば、自信は完全には持ち得ないという憂慮を示されたものと思います。私は担当大臣といたしまして、そのような深謀遠慮の総理大臣のもとにおりましても、現実の担当者といたしましては、せっかく巨額の国費を投じてやります以上は、最善を尽くして政策効果があがるようにやってまいる責任があると存じておるわけでございまして、私は石炭政策の実施につきましての力点を、ベストを尽くすという点にアクセントを置いたお答えであるとお受取りをいただきたいと思います。
○岡田(利)委員 アクセントの違いであるならばまだそれでよろしいと思うのですけれども、私どもアクセントかニュアンスの違いだけではないと思うのです。基本的な石策政策に対する認識の相違ではないかと思う。といいますのは、きのうの本会議はまずまだまだとしても、参議院の石特における通産大臣の発言というのは、明らかに総理の発言を否定いたしておるわけです。いわばこれはもう最終案であってそういうことは考えられない、こういうことで否定いたしておるわけです。これはやはり私は明らかにもう認識の相違ではないか、非常に重大だと思うわけです。ましてこれだけの国費を投じ、第四次の答申をいま実施しようといたしておるわけですから、私はそういう意味で、総理が本会議並びに予算委員会で述べた石炭政策については、これは最後のものではなくして、さらに石炭政策はそれぞれのその時点でいわば考えて政策を進めなければならぬと思う。そういう見解がやはりすなおに通産大臣として認められないとするならば、総理にこの委員会に出席を願って、総理の見解をまたたださなければならない、こういうことに私はならざるを得ないと思うわけです。ですからもう一度ひとつ、総理の本会議並びに予算委員会における発言については、通産大臣としては全くその発言を認めるのか、同感なのか同感でないのか、端的に明確にしてもらいたいと思う。
○大平国務大臣 最高責任者の総理の御発言でございますから、そのとおりでございます。ただ私が申し上げましたのは、その実施にあたり、私といたしましては、ベストを尽くしていいかげんな答案を書かぬように努力してまいることが、私の責任であるというようにひとつ御了解をいただきたいと思います。
○岡田(利)委員 もう一つの通産大臣の認識についてお伺いしたいのですが、きのうの本会議の答弁では、いわばこの政策は昭和四十八年までの五カ年間を想定して進められてまいるわけです。その後、五年後については、いわば石炭企業は自立してやってもらわなければならない、こういう答弁をきのう本会議で述べられたのです。私はそういう気持ちでやりたいというのであれば、そう考えられることは理解できないものでもありませんけれども、今日の石炭産業を考える場合、五カ年間この政策を進めたあと自立できるなんということは考えようとしても考えられないわけです。実態を把握すればそれはもう明確であると思うのですね。たとえば西ドイツの場合でも体制的な整備を行なった。しかしながら従来の政策というものはそのまま続けていく。またいろいろの問題点があれば、その時点でこれに対処する。そういう前提があって西ドイツの石炭鉱業の再編成を行なったわけです。再編成を行なう場合でも大体五百億円程度の金は毎年長期的に必要なんだということはもうシラー経済大臣は言い切っているわけです。ましてわが国の場合には、石炭鉱業の現状を把握すれば、これは五年以降を考える場合に、これは政策をもちろん強行しなければならぬという、こういう認識でなければおかしいのではないかと思うわけです。あまりにもきのうの答弁が、通産大臣の考えられていることを推定すれば、ある意味ではこの政策を実施するにあたってそういう意気込みであってもらいたいという気持ちが答弁として出たのではないかと思いますけれども、そのままことばを受けとめれば、石炭鉱業に対する認識のしかた、実態把握、こういうものについてずいぶん甘いのではないか、認識そのものが何かずれているのではないか、こういうふうに私は本会議の答弁を聞いて感じたのです。この点はいかがです。
○大平国務大臣 私も石炭産業の現状並びに将来につきまして岡田委員と憂いをともにするわけでございまして、いろいろ自分なりに勉強を重ねているわけでございます。いまドイツの例のお話がございましたけれども、ヨーロッパ等の状況よりもっと深刻さがあると判断いたします。政府も数次の対策を講じてまいりましたが、事志と違いまして、政策が成功裏に結実しなかったことをたいへん残念に思うのでございます。しかし政策の究極の目標は、石炭産業が自立産業といたしましてりっぱに経済界におきまして堂々たる市民権を確保するというような状態が政策の道標であることは当然であろうと思うのでございます。それで私は、きのうの本会議における答弁におきまして、そういうことを期待するという表現でお答えいたしたと思っているのでございまして、そうできるというように事態を甘く見ていないのでございます。
○岡田(利)委員 明治鉱業が労働組合に対して四月一日付で閉山をしたいと、しかも具体的な内容を伴って実は提案をされているわけです。前に通産大臣は、明治鉱業の安川社長が通産大臣を訪問されて、いわば非公式というか、そういう御相談があったということを本委員会で答弁をされているわけですが、その後公式に明治鉱業は労働組合に対して通告をし、そのことが地域経済においていろいろ波紋を描いているわけです。したがって前に答弁された後、通産大臣に対して明治鉱業からそういう御相談があったかどうか、あるいはその後、十三日ですか、杵島炭鉱株式会社が同様閉山の正式通告を労働組合側に出しているわけですが、この杵島炭鉱株式会社は通産大臣のほうにその対策の相談があったかどうか、この点について明らかにしていただきたいと思います。
○大平国務大臣 たびたび本院でもお答えを申し上げておりますように、今度の石炭対策におきまして、政府のほうからこの山は終閉山する、この山は続ける、そういうことをきめる意図はない。今度の政策の根本は、政府が最大限に政策的な措置を講ずる、それを受けて各石炭企業におきまして紡げるべきか、しめるべきか、そういう自主的な御判断をちょうだいしたい、そういうたてまえにいたしておりますことは御案内のとおりでございます。それの是非は別といたしまして、そういう政策のたてまえをとっているわけでございます。 そこで私どもといたしましては、政府の政策に対応いたしまして、できるだけ多くの山が労使の御協力によりまして採炭を続けていただくことを希望いたしております。そういう前提に立ちましてのお答えでございますが、いま明治鉱業についての言及でございましたが、これは数山をかかえる大企業が特別閉山交付金を受けて企業ぐるみ閉山をするかしないか、そういうケースであろうと思います。そういうことになりますと、これはその従業員、周辺の地元経済に与える影響はたいへん甚大なものであろうと思いますので、私どもといたしましては、たいへん困難な状況でございましょうけれども、存続可能な部分がございますならば、企業ぐるみ閉山制度のたてまえをくずさない範囲内で、一部の炭鉱の分離を可能にする仕組みについても検討すべきじゃないか、そう考えておるのでございます。このような仕組みのもとで、具体的にどの山を残すか、どの山をしめるか、それは先ほど申しましたように当該企業自体の選択によらなければならぬ、そう考えております。
○岡田(利)委員 明治鉱業は労働組合とは協議を続けておるのですが、現実の問題としては、すでに山元においては、たとえば病院の医師が三名、炭鉱病院をもう四月一日以降かわってもらう、病院からやめてもらう、医者は四月一日以降他のほうに就職をする。入院患者は、もちろん公傷者も、けがで入院しておる者もおるわけですね。これはほかの病院に移ってもらうという形で、それぞれ山元では積極的にそういう指示がなされ進行いたしておるわけですね。一方、法律はまだ通っていないのに、企業ぐるみ閉山をする、こういうことを述べておる。また会社側は、九州三山は何らかの形で第二会社に分離をしたい、こういう提案が行なわれておる。これは通産省と無縁で提案ができる仕組みにはなっていないと思うのですね。九州三山についてはいわば分離をしてしまう。あとの二山を閉山して、企業ぐるみ閉山をするというのでありますから、そういうようなことが単に会社の意思、行為だけで提案ができるものではないと私は思うのです。まして法律が通っていないし、どういう処置になるかということはまだきまってないわけです。しかも山元ではそういうところまで末端まで具体的に進めている。これは非常に社会問題に発展するのではないか。あるいはまた水道はどうなるのか、電気はどうなるのか。電気については四月一日以降電力会社のほうに明治鉱業自身から採炭ができるような電気は送らないようにしてほしい、こういうことを逆に電力会社に明治鉱業が申し入れをしているわけです。これも明らかになっているわけです。しかもこれに関連する法律はきのう本会議で、きょう委員会に付託をされた。このまま放置していきますと、もう十日後には四月一日が来るわけです。その場合に一体どうなるのか。幾ら企業の意思とはいえ、これに対して石炭政策を進める上において、またなだらかな閉山、社会摩擦をできるだけ解消するというような答申に立てば、当然その事態に対しては重大な関心を払わなければならぬし、サゼスチョンをしなければならぬだろうし、また対処のしかたも通産省としては当然考えなければならない問題ではないか、こう思うわけです。この点は通産大臣から答弁いただくより事務当局でもけっこうですが、これらについてはどういう認識と、どう対処されようとしているのか。いたずらにこのまま時間を推移していこうとされておるのか、見解を承っておきたいと思います。
○大平国務大臣 杵島の問題、私のところへまだ直接来ておりませんので、あわせて事務当局から答弁させます。
○中川(理)政府委員 ただいま大臣からお答えがございましたように、当否、是否は別といたしまして、今回政府が考えております政策では、閉山、存続の決定ということは企業側がこれを決定いたすというたてまえを堅持いたしております。当然経営者側におきましても、その決断をいたします上でいろいろと迷いもあると思います。それからまた、ただいま御指摘のように法案審議中でありますから、これが所定どおり施行されるかどうかということの見きわめ、判断、予想というものもあるわけでございます。また先ほど私が補足説明申し上げましたように、政省令委任事項がかなりございますので、政省令が大まかにいってどういうまとまりをするのであろうかということについての相談は受けております。それからのことは事実問題として、ただいまお話のございました明治鉱業なり杵島炭鉱なりについては事前に相談のあったこともたしかでございます。これらいわば事務的な相談には応じておりますけれども、企業側の決断を左右するようなことについて、私どもは政策のたてまえ上、右であるとか左であるとかいうことを、そのほうがよろしいとか悪いとかいうことを申し上げたことはございません。あくまでも企業側の判断でございます。ただ、気持ちといたしましては、なるべく安全をとりたいという気持ちはございますから、たとえばどの時点まで継続可能かということについての質問は私どもとしてもいたしております。しかしながら、先ほどの補足説明で申し上げましたように、昨年九月から本年三月までの経過金融協力分というのは、これもまた当否は別でございますけれども、私どもの力の限りいたしました計画措置でございまして、残念ながら四月以降このような最終的には国の処理という形に戻るべき筋合いでの金融協力ということをなし得る状況にないことは、これは岡田委員も御承知だと思います。そのような事態で、会社側が四月一日でないとあらゆる金繰りその他の条件が充足できない。それをいたずらに引っぱれば終閉山についての混乱を巻き起こすだけである、こういう判断で経営者が判断しておるということについて、私どもはその当否を言う立場にはないと考えております。したがって、組合通告等に至りますまでの間は、くどいようでございますが、事務的な政省令その他の御相談はいたしておりますけれども、組合にいつ通告をなさるか、どういう立場で話をなさるか、これはあくまで企業側の判断でございますし、いままでの例から見まして、その通告をされる前日くらいに、あす組合に当社の方針を申し込むということについての連絡を受けたという状況に相なっております。これはいま話題にのぼりました二社についてのいままでの経緯でございます。
○岡田(利)委員 では、法律は通らない、しかも明治鉱はいわば解散をするというのは五月の株式総会であるということも天下に公表いたしておるわけです。したがって、五月の株主総会までは企業が残るわけです。そうして四月一日から山をやめる。どうも私はわからないわけです。そういたしますと、四月一日以降このままで推移しますと、どういうことが予想されますか、この点はいかがですか。
○中川(理)政府委員 このまま推移するとどうなるかというのは、ちょっと私ども御質問が理解しがたいのでございますが、もう少しおっしゃっていただきたいと思います。
○岡田(利)委員 会社は閉山提案を四月一日からした。組合は認めない、同意できないということになった場合には、会社はこれにどう対処するのか、まさか破産をするわけでもないでしょうし、株主総会は五月一日に開くといっているのですから、破産するまでのことはない。そうすると、結局は閉山をするといっても、それは実質上操業中止といいますか、それ以外に私は予想できないと思うのですね。これ以外に予想できることがあるでしょうか。
○中川(理)政府委員 どうも仮定の御質問でございますし、また会社側がどのように判断をしておるかということを逐一承知しておるわけではございませんので、的確なお答えはできないのでございますけれども、先生のおっしゃるように、稼行を停止するという状況で会社が残っておるか、あるいはその間――ただいまの御質問では法律も通っておらぬというような前提があるといたしますならば、あらゆる、私どもがいま考えておりますようなことがとり行なわれないわけでございますから、期限の来た手形が不渡りになるというようなことで、あるいは倒産をいたすということになるかもしれませんし、その辺は、五月くらいまでは、操業停止をして会社が継続できるという判断を持っておるのか、私がいま申しましたように、倒産になるかもしれないと考えておるのか、これは企業側でしかるべく判断をいたしておるものと思っておりまするが、いずれにいたしましても、そう平穏な状態という予想は成り立ちがたいのではないか、両者の状態で。そう考えております。
○岡田(利)委員 すでに閉山提案をしておるのですから、それに対応する対応策といいますか、どう対応するかということは通産当局としては無関心でおられないはずですよ。少なくとも、当然そういう点については十分把握をしておかなければならぬと思うわけです。また通産大臣も、相談があったわけですから、もし同意を得られない場合には中止をするのかしないのか、やはり地域経済の関係もあるわけですから、当然そういう点も明らかにしなければいかぬのじゃないでしょうか。たとえば鉄道だって、ぽっと石炭が運べなくなるという問題すらもあるわけですから、その点について私は、いまの局長答弁くらいですらっとしておられること自体がふかしぎでしょうがない。しかしいま答弁されたのですから、それ以上の答弁はきょうは出ないと思うので、あすも委員会ありますし、その点について十分実情を把握してもらいたい。そうして、私は質問しますから、それに対して答えていただきたい、こう思います。 そこで、労働省が来ておりますのでお聞きしますが、四月一日から、いま私が質問いたしておりますように、会社としては閉山を前提にして解雇をする、しかし組合が同意しないから、労使の間は事実上紛争関係に置かれるわけです。一時帰休の場合でも、制度としては直ちに失業保険を発給をするという方式もとられてまいったのですから、こういうケースの場合には、もし、私が申し上げましたように、解雇の意思をもって操業を中止する場合には、四月から直ちに失業保険の受給ができるかどうか、この点について伺っておきたいと思います。
○増田説明員 ただいまのようなケースでございますが、はっきりと解雇であるということになりませんと、原則といたしましては失業保険金は支給をされないわけでございます。それで、離職表というのがございますが、それにはちゃんと、労働者が同意をいたします判こをつくということになっております。したがいまして、そこら辺の雇用関係が労使の間の紛争によりまして、一方は解雇する、一方はこれを認めないということになりますと、失業保険法上非常に――これをへたに取り扱いますと労使の紛争に介入するようなことにもなりかねませんので、私どもといたしましては、できるだけ労使が自主的に解決するのを待ちましてから支給をするというふうに現在指導をしておるわけでございます。できるだけ紛争に介入しないというたてまえをとっておるわけでございます。ただ、私どもが現在取り扱っておりますのは、紛争がこじれまして労働委員会に提訴をする、あるいは裁判にかかる、そういうようなはっきりとしたことになっております場合には、条件つきで支給をするというようなことをやっております。つまり、条件つきと申しますのは、それによって解雇でない、復職するというようなことになればお返しいただく、こういうようなことをやっておりますが、それは万やむを得ない場合のことでございまして、できるだけ紛争に介入しない、労使で自主的に話し合いがついたあとで支給をする、こういうふうにいたしたいと思っております。
○岡田(利)委員 しかし会社側は政府に対してもやめるという意思表示をしているわけですね。そして解雇しますという意思表示をしている。組合にもしているわけですよ。しかしながら解雇についてはいろいろな条件その他で同意はできない。しかし操業は中止されている。ですからいまあなたが言われたように、この問題は普通の一般企業の場合と違うと私は思うのです。当然そういう場合については、――雇用か継続されればもちろんこれはお返しをしなければなりませんけれども、失業保険を受けることができるのではないか、あるいはまた一時そういう石炭政策が、そういう意思表示をして解雇をするということになり、しかも操業を中止するわけですから、そうした場合にはあるいは一時的に帰郷しているという実態とみなして、従来もとりましたように見ることができるのではないか。客観的には証明されるわけですからね。しかも意思は政府と無縁でやっているわけじゃないですから、当然その雇用が継続せられる場合には返還するという前提で失業保険は給付されるものと私は判断するわけです。こういうケースの場合いかがですか。これに限定していかがですか。
○増田説明員 ただいまも申し上げましたように、解雇という状態が客観的に成立するかどうかということを安定所の立場で判断をするということが非常に争いになっておりますので、非常にむずかしいわけでございます。したがいまして、ただいまも申し上げましたように、単に労使の中で、外からわからないという中で問題になっているという意味ではなくて、たとえば労働委員会に解雇の効力について提訴をされるというように、客観的にそういった事態が明らかになった場合に現在は条件つきでやっているわけでございます。
○岡田(利)委員 この点も事態の推移によって継続的に質問いたしたいと思いますし、関係法案もかかっておるわけですから、きょうはその問題はその程度にしておきます。 もう一つこの機会に伺っておきたいのは、結局明治の場合には、九州三山は分離をしてやりたいと会社は明らかに意思表示をしておるわけです。そのことは可能だからという裏づけがあってその提案を組合にしたわけでしょう。可能でなければするはずはないので、可能だからしたわけです。そういたしますと結局残るのは、山と人は北海道二山ですから、北海道それぞれひとつ閉山をしてもらいたい、むしろそういう意思表示があった場合には、こっちは残したいと言っているわけですから、本岐なら本岐はやめさしてほしい、その次には昭和なら昭和をやめさしてほしい、こう言われた場合にこれを阻止するものはないのじゃないでしょうか。認めざるを得ないのじゃないでしょうか。といいますのは、本岐だけやめたら大臣、これは労働者債務は一〇〇%ももらってまだ余裕があるんですよ。本岐をぽんとやめると本岐のすべての人は全部もらえるわけです。昭和でも、私の計算では大体九〇%くらいもらえるわけです。九州のほうは財産を分離してそうして残して、一緒になってやめさせれば、退職金、労働者債務は七五%しかもらえない。これでは労働者は反対だといって判を押さないでしょう、当然の話なんですよ。会社はなくなるのですからきわめて当然なんです。こういう問題が今度起きるわけです。明治の場合に起きているわけです。この矛盾は、こういう問題は、いまは法律案が出されておりますけれども、すでに会社はやめると言っているのでありますから、この問題はこの問題としてやはり何らか見解を示さなければならぬのではないか。いわば五山の山で会社は自分で財産を持ち出して、こっちは分離して残したい、そうしてこっち二つつぶして企業ぐるみでやりたい。かってのいい話です。つぶすなら本岐をつぶして昭和をつぶせば、少なくとも労働者は退職金、労働者債務は一〇〇%もらえるわけです、いまの法律では。こういうケースについて通産大臣としていかに思われますか。このままで政策が済むと思いますか。
○中川(理)政府委員 先ほど大臣からお答えいたしましたとおり、数山持っておる会社の一部分割というものを一定期間を限りまして考えるということにいたしておりますのは、本委員会でもいろいろ御意見のありましたような相当大きな会社が会社全体として一挙にやめるという事態を何とか緩和できないかという観点に立っての全くの特例措置をいま検討しておるということでございまして、原則論に立ち戻りますならば、法律の考え方は特別交付金と一般交付金の企業側による選択制ということに尽きるわけでございます。その意味で特別交付金制度が会社全体が閉山するという場合のためにとりました措置であることからいいますと、いまの特例措置は明らかなる例外と申しますか、特例でございまして、その意味でも時限的なものとして考えたい。いま私ども考えておりますのは、およそ出炭量の半分以下のものを残すということであれば、特別交付金の制度の適用を受けるということに、時限的にはいたしたい、こういうことでございます。いまおっしゃいました労働者側から見た場合の退職金をどのくらい回復できるかという問題は、もともと特別交付金制度と一般交付金制度との選択制の中にある問題でございます。労働者の側からいえば、場合によっては一般交付金制度によったほうがみずからの債権を確保するのに有利だという事態はあると思います。これは労働者側から見た立場でございます。ただし、国の側から見た立場といたしましては、労働者債権、中小企業者債権というもののバランスというものについて、会社全体がだめになるというときにには、このバランスをいかように考えるべきかということを考えたわけでございまして、それが先ほど申しましたように、およそ七五%と原則として五〇%という、労働債権優遇という立場での格差を設けたのでございます。したがって、いまお説のように、もし一般交付金制度で明治鉱業が各山を順番にやめていって、最終的にゼロになるというような事態になりますと、中小商工業者の取り分というものは非常に少なくなる。そして、おそらく特別交付金制度よりも労働者の回復するものはより多いであろうということはお説のとおりになると思いますが、そこは私どもは国として企業ぐるみの特別交付金制度を考えました場合に、労働者債権と他債権とはどのような関係になればよかろうか、これは審議会でも議論をしたところでございまして、七五、五〇というところに設定をいたしておるわけでございます。これの当否については御議論のあることはよく承知をいたしております。しかも、そういう状態で企業側に選択をさせるという制度がよかったのかどうなのかという問題も、もう一つ議論としてはあり得ると思います。私は、会社全体がやめるというときには、もともとの考え方が一斉に全山やめるということを想定をいたしておったわけでございますので、その際にはいまの七五%、五〇%という比率関係というのが、ほぼ国の側から見た当を得たバランスではなかろうか、こう考えておるわけであります。
○岡田(利)委員 時間がありませんから――局長そう答弁されますけれども、会社はやめておさらばさらば、こういう気持ちで提案しているのに、労働者がああそうですかと納得するはずないのであって、一つ一つ七五%ぐらいもらえるわけです。何も企業ぐるみ協力しなくても、山を一つつぶしてもらえば七五%はもらえる。むしろそれ以上もらえる。これは明らかに政策の立て方の間違いですよ、体制問題あまりいろいろあって、十分検討されなかったと私は思うのですね。ですから、こういう点を固執をされないで、もう少し検討されて、今後ひとつお互いに十分煮詰めて審議する気持ちで、むしろ私は検討してもらいたいということを希望いたします。そして、事態の推移を見守ってこれらの問題についてさらに具体的に各山の分析に立って私は質問いたしたいと思います。 そこで、これは簡単な問題ですから聞いておきますが、局長が言われておる問題で、いままで審議会にも全然出ていないのですが、公租公課ですね。たとえば地方自治体の町民税を従業員から取って払っていないとか、あるいは鉱産税とか固定資産税とかで未払いの分がありますね。これはどうなるのでしょう。何に入るのでしょうか。
○中川(理)政府委員 会社が解散いたします場合には当然に清算ということを前提にいたしまして、清算後の超過債務についてどう処理するか、こういうことで特別交付金制度を考えておるわけでございますので、いまおっしゃったような公租公課というものは清算段階で優先債権に相なりまして、資産があればその中から優先してとっていく、こういうことになりまして、交付金の対象ということにはならないと私は考えております。
○岡田(利)委員 時間がないからやめます。
○渡辺(惣)委員 関連して。昨日私、本会議で特に資料の公開要求をしておるわけです。それで大臣の答弁では、審議上必要な場合には説明する、こういうお話でありましたけれども、この資料というものは、明治とか杵島とかあるいは麻生とかいう関連会社全般を含めた資料ではないのであって、明らかに明治の一部分である昭和、本岐に関する資料としてつくられたものなんだから、これを公表しても他に影響するところはない、こう私は判断します。これから審議を続けていくのに、存続可能な山の問題の判断――存続可能な山があるにもかかわらず企業ぐるみ閉山のために企業である明治だけの意見、判断によってきめるんだといういまの問題の説明にはどうして本納得できない。存続可能であるかないかということを判断するのは、明治だけがきめるのではなくて、われわれもきめるのです。おかしい答弁だと思うのです。会社の御用的なようなことでは困る。われわれがこの法案の審議の過程でいろいろ論議するのであって、われわれに論議の資料を与えないでは国会の審議権を拒否することになると思う。われわれがその判断をするのであって、われわれがこの法律によって適用するかという問題を議論するのであって、われわれの審議に対する適切な資料があるのに出さぬという話では、私はこれからこの問題に関して、審議に入るわけにいかぬと思う。だから、私が昨日本会議で要求した資料を委員のわれわれに配付すべきである。できないなら審議できぬと思うのです。その点委員長は理事会にあらためてかけていただきまして、私が本会議で要求した資料を委員に配付すべきことを正式に通産省に向かって要求していただきたいと思います。
○平岡委員長 渡辺君に申し上げます。 いまあなたのお申し出は札幌通産局の磯部調査団の報告書だと存じますので、御要請のあったことを理事会にはかりまして、あなたの御要望になるべく沿うようにしたいと思います。 ――――◇―――――
○平岡委員長 この際、参考人出席要求に関する件についておはかりいたします。 産炭地域における中小企業者についての中小企業信用保険に関する特別措置等に関する法律の一部を改正する法律案について、明二十日、産炭地域振興事業団理事有馬駿二君に参考人として出席を求め、意見を聴取いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なしと」呼ぶ者あり〕
○平岡委員長 御異議なしと認めます。よってさよう決しました。 次回は、明二十日木曜日午前十時理事会、十時三十分委員会を開会いたすこととし、本日は、これにて散会いたします。 午後一時三十九分散会