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61回国会衆議院1969/06/12

商工委員会産業金融に関する小委員会 第1号

発言数
27
登壇者
7
会派数
2
開催日
1969/06/12

会議録

武藤山治日本社会党

○武藤小委員長 これより会議を開きます。  私、このたび産業金融に関する小委員長に選任をされました。各位の格別の御協力をお願い申し上げる次第でございます。  産業金融に関する件につきまして調査を進めます。  この際、産業金融に関する諸施策等について、政府の説明を求めます。大慈彌企業局長。

大慈彌嘉久通商産業省企業局長

○大慈彌政府委員 四十四年度の設備投資計画の問題が、先月決定を見たところでございます。こういうことで、四十四年度の設備投資計画について説明をさしていただきます  お手元に資料を四部差し上げてありますが、「昭和四十四年度設備投資計画について」、四月十八日付の資料であります。これは設備投資計画を調査いたしましたなまの数字でありまして、会社側の報告をまとめてポイントをつけたものでございます。  それから「昭和四十四年度設備投資修正計画について」というのがございますが、この修正計画のほうが、ただいま申し上げました会社の報告に基づきまして、それに修正を加えたという資料でございます。その結果出てまいりましたのが十六日付の答申であります。それと別に集計の結果表ということで、数字だけ横に長い紙で、集計したものがございます。その四部の資料のうち、「昭和四十四年度設備投資修正計画について」というほうの資料に基づきまして、要点だけを説明をさせていただきます。  その目次にございますように、第一に「調査結果の概要」ということで、会社の報告を集計をしたものがございます。その次が「修正計画の概要」ということで、それに対する修正を加えたものであります。それから第三が「修正計画に対する評価」ということで、修正を加えたあと、これをどういうふうに考えたらよろしいかという評価が入っております。  第一から順を追って要点だけ申し上げますと、一ページに「第一 調査結果の概要」というのがございますが、調査時点は四十四年二月二十日現在であります。調査対象企業は資本金五千万円以上の企業、ただし機械工業については従業員三百人以上の企業を対象にしております。回答企業数は千二百二十六社、兼業部門をそれぞれ一企業として計算すれば千七百六十七社、こういうことに相なります。  それを集計しました投資規模でございますが、四十二年、三年、二カ年さかのぼって一緒に調査をしております。また工事ベースと支払いベースとに分けて調査をしております。従来は支払いベースだけでございましたが、現在は工事ベースも調査をすることにいたしております。  四十三年度の設備投資の実績見込みでございますが、工事ベースで三兆八百億ということで、四十二年度の実績に対しまして三〇・一%の増加であります。それが四十三年度の大体の輪郭でございます。  次の二ページにまいりまして、四十四年度はどうなっているかということでありますが、上から二行目にございますように、四十四年度の設備投資計画は総額三兆七千三百六十五億円で、これは四十三年度の実績見込みに対して二一・三%増となっております。四十三年度の対前年度の伸び率が三〇・一%でございましたので、それに対して二一・三%の増ということで増勢は鈍化をしているわけでございます。これを上期と下期に分けますと、上期のほうは前期比の伸び率が二二・四%、下期のほうは逆に下五%減、こういうことになっておりまして、四十四年度では下期のほうが絶対額として前期の水準を下回る計画となっております。この辺から見ましても非常に高い水準ではきておりますが、増勢は相当鈍化をしているということが言えるわけであります。  それから、次の(3)は支払いベースでございますが、支払いベースは四十二年度実績で二兆一千三百八十億円、四十三年度の実績見込みが二兆八千八百三十八億円、四十四年度が三兆六千百三十三億円、こういうことでございまして、対前年度の伸び率で言いますと、四十三年度が三四・九%、四十四年度が二五・三%、こういうことで、支払いベースで見ましても鈍化をしております。それから、二ページの終わりから二行目にございますが、投資の絶対額を比較いたしますと、工事ベースのほうが支払いベースを常に上回るわけでありますが、ところがその差がだんだん縮小しているということが三ページの上のほうに書いてございます。そういうことが全体の輪郭でございます。  業種別にはどういうことになっているかということを次に簡単に申し上げます。三ページにございます「業種別の概要」でありますが、今回の調査から主要業種にアルミニウム製錬と圧延業を加えましたので、十六の業種を主要業種として業種別に調査をしております。それ以外はその他業種ということで一括をしております。次の四ページにまいりますが、その一番上の行にございますように、この主要十六業種で全体の約八割をカバーしております。主要業種をその他業種というのに比べますと、主要業種のほうが伸び率が高くて、その他業種のほうが伸び率鈍化が著しいというのがその次の段落でございます。  次の(2)にまいりまして、主要十六業種につきまして四十四年度の設備投資計画の伸び率を見ますと、全体の平均が先ほど申し上げましたように二  一・三%ということでありますが、それより高い業種というのを順番に並べますと、石油化学工業の四九%というのを筆頭にいたしまして、アルミ製錬、電線、紙パルプ、電気機械、硫安、電子工業、電力業、鉄鋼業、この九つの業種が平均より以上であるということであります。それから全体の伸び率を下回るものとしましてセメント、自動車タイヤ、石油精製、合成繊維、非鉄金属、それからほとんど伸びてないというのが自動車工業、それから減になっておりますのが石炭鉱業ということでございまして、自動車工業の伸び率が〇・五%でほとんど前年並みというのは特徴であろうと思います。以下、業種について伸び率の変化等を詳細に書いてございますが、ここは飛ばしていただいて七ページをごらんいただきたいと思います。  七ページに、以上の四十四年度の設備投資計画の内容について特徴と思われる点ということであげてありますが、第一に投資と需給の関係について見ますと、ここ数年における投資の高まりというのがやはり需要増に対応した供給の確保である。それ以外に省力投資であるとか合理化投資と一か、もちろん大きなウエートを占めておりますが、四十四年度につきましても以上のような需要増に対応した投資の実行という基本的な性格は変わっていないというのが(1)であります。  それから(2)は、新規工事と継続工事に分けますと、継続工事のウエートがだんだんふえまして、新規工事のウエートが減っているということであります。そこに数字を掲げてございますが新規工事のほうで申し上げますと、四十二年度が三四・四%、四十三年度が二六・六%、四十四年度が二五・五%、こういうことで新規工事のシェアが減ってきております。これは申すまでもなく工事がプロジェクトベースといいますか、一つの長期の計画に基づいて行なわれ、工事の規模が大きくなった、こういうことをあらわしております。  それから八ページにまいりまして、第三の特徴でございますが、いま申し上げました第二のうらはらといいますか、工事期間及び工事の進捗度から見まして、二年以上にわたる工事の投資額が四四・六%ということで、工事期間の長期化というのが見られる。それから一単位十億円以上の工事のうち、全体の八割以上があらかじめ設定された長期計画に基づく予定どおりの進捗を見せていることが一つの特徴である。八割以上は、あらかじめきめた計画どおりに順調に進んでいるという申告がなされております。  それから八ページの(4)でございますが、資金調達面から見るとどうかということであります。四十四年度の調達額で見ましても、自己資金の比率が下がってきたということが特徴でございます。一番下の行にございますように、構成費四九・三%という自己資金はその程度のシェアでございまして、九ページの上から二行目にございます四十三年度の自己資金比率五三・八%というのに比べて下がっている、こういう状況でございます。  以上が、調査をいたしました全体の姿と業種別の姿と、それからそれの特徴ということでございますが、これを受けましてどのような修正を加えたかというのが一五ページにございます。一五ページに修正計画の概要というのが第二にございますが、調整の基本的態度、四十四年度の設備投資計画は、今後わが国経済が順調な拡大を続ける限り需給動向、投資規模、国際収支面、資金調達面等国民経済全体との関係において、全体としてほぼ妥当な計画であると認められるということで、今回は特別大幅な手を入れるほどの必要はないのではないかということであります。  それを若干コメントいたしますと、(イ)にございますように、需要の伸び、それから資本の自由化、労働力不足対策、そういうことを考えて、これは必要な投資である。それから(ロ)にございますが、投資規模の面から見ても、前年度比二一・三%増となお高い水準を維持しているものの、伸び率は鈍化をして、投資の先行きは落ちつきが見られるというのが(ロ)であります。それから一六ページにまいりまして、(ハ)にございますように、国際収支の状況から見ましても、特に投資の制約要素はないと考えられる。(ニ)にございますように、資金調達面についても現段階でその実現可能性を定量的に予測することは困難であるが、ということで、まだはっきり見当をつけるのは若干困難ではあるが、関係者が所要の資金確保につとめるならば実現不可能な額ではない、こういう判断をしたわけでございます。  一七ページにまいりまして、修正計画策定の経緯及びその概要ということで、御案内のように産業構造審議会の産業資金部会で四月の十八日から五月の十六日までかけまして、各業種別に需給状況、投資の規模というのを検討いたしまして、それでこの結果というのが(2)にございますが、会社計画の三兆七千三百六十五億円に対しまして、七百六十二億円、二・〇%下回る三兆六千六百三億円の修正計画を得たということで、七百六十二億円減でございます。七百六十二億円カットをいたしまして、三兆六千六百三億円、こういうことに修正をした。それで、修正をいたしました業種の十六業種の中で鉄鋼、石油化学、電力及び紙パルプの四業種について五百六十二億円、残りの二百億円はその他の業種について、おそらく実行は二百億円程度下回るであろうということで調整を加えた、こういうことになっております。  それで、二一ページに業種別に調整を加えました内容がございますが、1の電力業では、電力の四十四年度の設備投資計画は、需要増に対応しまして、かつサービス水準の向上のため必要なものであるということで、会社計画では二三・三%アップであります。でございますが、「しかし」というところにございますように、工事の進捗を見込み得ないもの、資金調達面に若干問題がある、こういうことで二一ページの最後の行にございますように、合計百億円の調整を電力について行なっております。その結果、電力の伸び率は、二二ページの電力の行の終わりにございますように、二三・三%から二一・四%へ伸び率は低下をしております。  それから次が鉄鋼業でございますが、鉄鋼業の四十四年度の設備投資計画は、四十三年度に比べ工事ベースで二一・九%増、こういうことになっておりますが、その大半は過年度に着工した継続工事にかかる投資であります。それに工事額はわずかではありますが、新規着工の計画が頭を出しております。それは二二ページの一番下にございます。普通鋼部門の新規着工設備、それから二三ページに、それに特殊鋼部門が加わるということになっておりますが、これは鉄鋼部会でなお調整を行なうということになっておりますので、その結論を待ってからこちらのほうの投資計画を確定するということで、それにかかわる部分の二百十八億だけを一応留保、たな上げということにしてございます。  それから石油化学工業でございますが、石油化学工業の四十四年度の設備投資計画は、エチレン三十万トン設備工事の本格化というのが中心でございますが、四十三年度実績見込みに対して四九・〇%ということで大幅な増加の見込みになっております。根本的には需要の増大、それから国際競争力の強化という点から必要だと思われますが、二四ページにございますように、一部に需給のアンバランスがある。それから過大な借り入れ期待に基づくもの等で若干の調整が必要であろうということでございます。それで二五ページの五行目にございますが、百八十四億円の調整を行なっております。その結果、対前年度の比率は四九・〇%から四〇・二%へ低下をした、こういうことであります。  それから紙パルプ工業でございますが、紙パルプは四十四年度対前年度比三七・一%の大幅な増加を示しております。国際競争力強化のための臨海大型工場建設工事、それから洋紙、板紙部門における一部品種の需要増加に見合うもの、こういうことでございますが、二六ページにございますように、一部の投資計画については見直しを行なうことが必要ではないかということで、新規工事のうち内容的にチェックをしましたり、継続工事についても、工事の進捗度を見ましたり、資金の調達面、そういうことも考えまして、二七ページの四行目にございますように、合計六十億円の調整を行なっております。その結果、対前年度の伸び率は三七・一%から二九・九%へ低下をしております。  以上が、調整を行ないました四業種でございますが、残りの十二業種については、以下に述べる理由により調整を行なわないことにしたということで、自動車工業は先ほど申し上げましたように〇・五%の微増でございまして、継続工事が主体であるし、設備資金の調達の可能性についてもおおむね問題はない、したがってけっこうだ、こういうことであります。  それから二九ページの石油精製業でございますが、工事ベースで一三・二%アップ、三行目から四行目にございます。それから支払いベースで三八・七%のアップということで、支払いベースが大幅に上回りまして、前年度の支払いが繰り越してきているというのが石油精製業の特徴でありますが、所要資金の確保を大いにはかる必要があるのではないかということが最後の行に書いてあります。調整は加えておりません。  それから次の電子工業でございますが、電子工業は伸び率は、三〇ページの一番上の行にございますように二五・五%アップであります。ところがイからホにございますように、それぞれ必要な投資と思われる。三一ページの上にございますように需給バランス上も問題がない。ほとんど自己資金によるという態度をとられているということで調整の必要なし、こういうことであります。  それから電気機械工業でありますが、これも三四・八%増ということになっておりますが、必要な設備投資でございますし、自己資金率も高いということで問題がない。  それから三二ページのアルミニウム製錬と圧延業でありますが、四七・〇%、最高の伸び率を示しております。しかし供給力不足の状況でございますし、圧延部門においてもサッシ用を中心とする形材需要の急増等があるということで、これまたけっこうだということであります。  六のセメント工業も同様でありまして、セメント工業では焼成関係が減少しておりまして、原石山の開発であるとか流通の合理化としてのサービスステーションの拡充、そういうところにウエートがかかっているのが今回の特徴であります。  それから七の合成繊維工業でありますが、これも四十四年度は堅調な需要に支えられた能力増でございまして、化学繊維工業協調懇談会において了承された点であります。  次が非鉄金属鉱業でありますが、鉱山部門では減少しておりまして、製錬部門で増加をするという姿を出しております。これは、ここ数年来活発でございました秋田県の北鹿の黒鉱をはじめ、開発投資が一段落したという状況を受けております。製錬部門のほうは、大型臨海製錬所の実現のための投資が主体となっておりまして、問題はないという状況でございます。  次が硫安工業でございますが、硫安も御存じのとおり、日産千トン水準の大型プラントの建設工事の本格化、こういう状況であります。  それから三八ページの電線工業でありますが、四六・九%アップということで、大きな増加率を示してございますが、中身を見ると、いずれも必要であろうということであります。  それから十一が自動車タイヤ工業でございまして、量産体制の確立を目的にしております。  四〇ページが石炭鉱業でございまして、石炭鉱業は大体前年度比五・三%減、こういうことになっております。しかし、投資の内容を見ますと、ビルド鉱といいますか優良炭鉱に集中的に投資をするという配慮が加えられております。  先を急いで恐縮でございますが、四二ページに、以上のような修正を行なった結果どういう姿になったかということで、政府経済見通しとの関連、それから資金供給面との関連、両方をコメントしてございますが、先ほど申し上げましたように、七百六十二億円の調整を行ないました結果、当初二一・三%アップと見込んでおりましたのが、その三行目にございますように一八・八%増、こういう修正計画になったわけでございます。  ところが、政府の経済見通しとの関連でありますが、政府の経済見通しによりますと、四十四年度の民間設備投資額は十兆七千億円、前年度比一六・三%アップ、こういうことになっておりまして、一八・八と二八・三ということで、若干こちらのほうが高くなっておりますが、終わりから三行目にございますように、中小企業の設備投資動向というのは、大企業よりは一足先にピークにきまして、それからなだらかに落ちるのも、むしろ先に走っているというような状況がございます。  それから四三ページの三行目にございますように、大企業分野における木調査対象以外の業種というのがございます。私たちのこの調査は、大体全体の三分の一強をカバーをしている程度でございますが、残りの業種のほうが大体常に伸び率が低いというようなことで、一六・三%とのギャップはそう問題ない、大体一六・三に全体としては落ちつく程度の感じであろう、現在のところはそういう感じで、国民経済バランス面から見て特に問題はないというのが、四三ページの最後の結論でございます。  それから、資金供給面との関連でございますが、これを長々と書いてございますが、借り入れ金等の期待が非常に大きい。政府機関に対する借り入れ期待もたいへん大きく出ているということでございますが、例年実績をトレースをしますと、その辺は修正をされまして、適当なところに落ちつくという姿を出しておりますので、全体の投資規模から言いましても、特別な大きな問題はないのではないか、まあ努力の必要はあるであろうがということで、関係者の資金調達努力を前提にしまして、資金調達面から大きな制約になることは考えられないという分析を資金部会でされたわけであります。  以上が、四十四年度の設備投資計画とそれの修正の概要でございますが、それを踏まえまして、薄い紙の「設備投資計画についての答申」というのが出されております。以上申し上げましたようなことを簡単にした内容でございます。  取り急ぎ恐縮でございましたが、御説明申し上げました。

武藤山治日本社会党

○武藤小委員長 引き続いて、中小企業庁長官にお願いします。

乙竹虔三中小企業庁長官

○乙竹政府委員 「中小企業金融対策について」という資料をお手元にまとめておきました。ただ、問題は非常に広く、かつ深いものでございますので、表面を一応なでるということになる点は御了承いただきたいと思います。資料につきまして簡単に御説明をいたします。  この資料の内容でございますが、目次をつけておきました。一が「中小企業金融対策の必要性」それから「対策の概要」を二に、それから中心になっております国民金融公庫、中小企業金融公庫をはじめとする政府関係金融機関の御紹介、それから「信用補完制度の概要」というのを三、四に出しまして、五に「最近の中小企業金融情勢」これはあらためて御報告することもないかと思います。六に、四十四年度の近代化促進法の改正をはじめ、種々御配慮いただきました施策につきまして、いままでの成果をまとめてございます。なお、今後の問題点として、現在中小企業政策審議会篠原小委員会で検討しておる問題がございますが、一応ほんとの試案というかっこうで並べておきました。  中身に入らせていただきます。まず一ページでございますが、必要性。中小企業金融が量的に不足をする、大企業に比べまして資金調達が困難である、市中銀行から借りられないのみならず、社債、株式の発行ができない。それからまた、利益留保、減価償却等内部資金の量が不十分であるということで、量的に万年資金不足の状況である。のみならず、よそから調達できる金が質的に不利である。名目金利が高いのみならず、実質的に歩積み・両建て等でさらに実質金利が高くなり、あるいは償還期限が短いとか、取り立てがきびしいとかということで条件がきびしい、こういうふうに質的に不利であるのみならず、借りますのに非常に手間ひまがかかる、これは貸す金融機関のほうでも同じことになるわけでございますが、大企業との格差がこの辺から出ざるを得ない。企業間信用による場合も多いのでありますけれども、中小企業の振り出します手形は、割引料も高いというような面でコスト高の一原因になっております。もう一つ、中小企業金融問題として、不安定性の問題、すなわち景気がよく、金のゆるみぐあいのときには中小企業まで回ってくるのでありますけれども、金の締まった場合、経済情勢の悪い場合には、どうしても限界需要として切り捨てを従来は受けやすかったということが問題であろうかと思います。  こういうふうな事態を踏まえまして対策が必要であるわけでございますが、この必要性は、中小企業が持っております固有の性格、すなわち、その経済基盤が脆弱であるということと、もう一つ、小口貸し出しであるという面から一面はきていると思います。  それからなお、ここには書きませんでしたけれども、明治以来の日本の金融制度が大企業に有利と中しますか、大企業中心に市中金融制度がつくられているということはいなめない事実であるというふうに思います。したがいまして、一面、しかし国民経済の中におきます中小企業の重要性はますます重大になってきておりますので、この金融面の基本的な不利を補正してやることは、どうしても経済政策の基本として必要であるということをあとに書いておきましたが、ここに書き落としましたのでもう一つ重要な点は、中小企業政策、産業政策をやる場合の道具として、いろいろ金融政策が非常に有効であるということであります。すなわち、中小企業を組織化しましたり、設備の近代化をしましたり、構造改善をしたり、流通の近代化をしたり、こういうふうな中小企業に対します産業政策を推進いたします場合に、何をいっても相手は非常に数の多い四百万からの企業数でございますし、また一番万年資金不足に悩んでおるものでございますから、金融が道具として非常に有効である、いわゆる政策金融が産業政策の道具として有効であるということをつけ加えさしていただきたいと思います。  次に、金融対策の概要を申し上げます。  まず第一は、何を言いましても基本になりますのは、民間中小企業金融の態度、これが中小企業に対して円滑に金融をしてもらうことが大事でございますので、政府ではこの中小企業向けの専門の金融機関、相互、信金、信組、これを設けまして、制度的に中小企業金融が確保できる仕組みを整えております。  次に、年末の繁忙時におきます資金の確保を民間金融業界に要請をする、あるいは歩積み・両建てが過度にわたらないよう、歩積み・両建ては極力できるだけすみやかな期間になくなるような行政指導をやっております。  さらに、金融引き締め時におきましては、限界需要として中小企業は切られる危険性がございますので、これに対します貸し出し比率を維持することとか、あるいは過度のコールローンに金が流れることを自粛してもらうとかというふうな指導、これは主として大蔵省の銀行局が中心になってやっていただいている制度でございます。  次に参りまして、信用補完制度。中小企業の中の特に零細小規模層におきましては、担保力、普通の市中金融機関というか金融制度に乗るような担保力が落ちておりまするので、この担保力を信用保証制度で補完をいたしまして、民間の金が中小企業のほうに流れるような制度、これが信用保証制度であります。表面に立っておりますのは都道府県の信用保証協会でありまするが、そのバックに全額政府出資の信用保険公庫がおりまして、保証制度の円滑な運営をはかっております。問題点等につきましては後刻御説明申し上げます。  次に、財政資金による中小企業向け融資でございますが、中心になりますのは、国民金融公庫、中小企業金融公庫、商工中金の三機関でございまして、一般的に補完金融、量的な補完をいたしますとともに、さらに政策的な設備資金供給をはじめ、政策的な金融をいたしております。このほかに環境衛生金融公庫が環衛業種に対して特別の金融措置を行なっておりまするし、なお高度化資金、協業化資金等のために中小企業振興事業団が近時設けられまして、高度化のために融資をいたしております。あるいはまた広い意味での金融に入ると思うのでございまするが、府県庁を通じまして設備近代化資金制度、すなわち国が府県に補助金を出すことによりまして、同額の金を府県がこれに足しまして、無利子でもって中小、特に小規模層に対して融資をするという制度は、中小の零細層の近代化を大いに推進していると思います。  次に企業間信用条件の適正化ということで、中小企業と大企業と、特に親と子の関係の場合に隷属性が中小企業には強いわけでございますので、国が特にこの取引条件、信用条件に関与をしておりますのが下請代金支払遅延等防止法の制度でございます。  以上かけ足でまいりましたが、第一表、七ページでございますが、これを表にいたしますとこのようになるかと思います。なおこの表を見ながら、大きな問題をひとつ若干御披露を申し上げたいと思います。  まず第一の民間中小企業金融の円滑化ということで相互銀行、信用金庫、信用組合、この三専門民間金融機関があるわけでございまするが、その次の中小企業向け融資の確保ということで行政指導は強力に行なわれておりますものの、しかし一面金融に対しましては、この金融の効率化の要請がいま強く要請されておるわけでございまして、金融の効率化と、それから中小企業向け融資の確保と、この二つの大きな命題をどういうふうに調整していくか。中小企業庁のサイドから申しますと、中小企業向けの融資をどういうふうに効率化という要請のもとで確保していくかというのは今後非常に大きな問題であると存じます。  第二にこの信用補完制度でございますが、これは膨大な保険の赤字が現在生じておりまするのは、そもそもこの信用補完制度、信用という保証制度は広義の意味では金融の範囲に入ると思います。つまり金融のワクといいますかレールをはずしてはいけないという一面があり、すなわち保険料と保険金のバランスがとれていかなければいけないという要請が一面にある。反面、しかしまた民間の金融に乗らないような、つまり狭義の金融に乗らないような信用力のない人に信用補完をしてやる。このいわば非常に狭い片一方の民間の狭義の金融制度と、それから広義の金融ベースと、この間の非常に狭い橋渡しをしなければならないというのが保険保証制度の宿命でありまして、今後の問題は、現在非常に大きな赤字問題として露呈されておりますけれども、今後もこの運用はよほど知恵を出してまいらなければならないと考えます。制度的にもまた考える必要がある問題と存じます。  それから次の政府関係金融機関のほうで申し上げなければいけませんのは、三つの金融機関、さらに環境衛生金融公庫がございますが、この一本化問題がございますけれども、これにつきましては、後刻申し上げますようにおのおのの目的、機能が違っておりまするので、われわれは、これはおのおの別々にもち屋はもち屋として働かしたほうが中小企業行政の面では都合がいい必要であるというふうに思っておりますけれども、これに対しまする資金量、国の財政投融資の中でどの程度の資金量をこれにさくべきであるか、これは例年一般の財政投融資の伸びと一応スライドさせた面で、財政投融資の伸びよりも若干多い程度というのを一つのめどにしておりますけれども、この問題は大きな問題であるというふうに思います。  次に中小企業振興事業団、これは高度化資金、協業化、組織化を進めますための事業団でございまするが、これが団地つまり工業団地さらに商業団地に大いに活用されてきておりまして、団地の問題となりますと、地域振興なりあるいは国土計画なりの問題と密接に結んでまいるわけであります。したがいまして、狭い中小企業行政という範囲で発足しました事業団が、この地域振興なり国土計画なりの一翼をになっているわけでございまするが、この辺は今後どういうふうに考えていったらいいか、大きな問題であります。  次の投資育成会社の問題でございますが、これは従来の中小企業金融政策が金融であって、他人の資本を援助するという方式に対しまして、自己資本を援助するというかっこうで発足をしたわけでございまするけれども、まずこの育成会社でつないで、それから証券市場にブリッジする、橋渡しをするというねらいが、証券市場のほうは投資大衆の利益保護という見地、これは当然の見地でございまするので、この上場基準がだんだん引き上げられる、そうするとこの橋を延ばさなければならない。橋を延ばすと非常にばく大な資金量が育成会社に要るというふうなことで、これは実は昨年の国会から宿題をいただいておる問題で、鋭意勉強いたしておりますけれども、まだ的確なる解決の方途を見出しておらぬという問題がございます。  次の設備近代化資金、それから投資育成近代化資金の変形でございます中小企業設備貸与機関の問題について申し上げるべきは、先ほどもちょっと触れましたが、このやり方は零細の中小企業に対して、無利子の金を府県が貸す、その府県の貸す二分の一を国が府県に貸すということになっておりますので、府県別に、府県の資力と申しますか、によりまして、中小企業に貸し出される金に差ができやすいわけであります。つまり、府県の経済力格差が、府県内の中小企業が国の制度の恩恵を受けます場合に薄い厚いができる、この問題があるわけであります。中小企業政策は、この政策のみならず、大体全般的に府県とタイアップをいたしておるわけでございますが、府県財政に相当格差ができております場合に、これをどうするか、国の一本の政策と府県別の地方行政とどういうふうにかみ合わせていくか、この問題が大きな問題であるというふうに思います。  以上、大きなポイントを申し上げましたが、八ページ以下は現状の説明でございます。  委員長、簡単に申し上げましょうか。

武藤山治日本社会党

○武藤小委員長 時間がありますから、どうぞ。

乙竹虔三中小企業庁長官

○乙竹政府委員 まず政府関係金融機関でございますが、この中小公庫であります。中小公庫の資本金、これは二十八年に(イ)というところに書いてありますように設立されたものでありますが、当然全額政府出資でありまして、原資は財投によっておりますけれども、一部政府保証の公募債がございます。ねらいは、一般の金融機関が融通を困難にしている長期資金を供給することをねらいにしておりまして、したがいまして、設備資金の残高は、シェア四十四年三月末で八三%ということになっております。国金との境界線は、主として中小公庫のほうが中規模中小企業以上のものを相手にする。これは製造業の比重が高いというところが境界線になっております。条件は八・二%、特別政策金融については特別利率、限度は三千万円でございますが、特別なものについては五千万円、なお本件については、この三千万円を五千万円に引き上げるべく、いま大蔵と相談をいたしております。なお代理貸し付けの制度が広く行なわれ、最初は全部代理貸し付けでございましたが、次第に直貸しの面が多くなってきております。次に参りまして、一般的な金融補完のほかに、先ほども申し上げましたが、政策金融ということで、構造改善貸し付け制度、これは最近国会で法律改正をしていただいて、発足をしたわけでございますが、近代化促進貸し付け、流通近代化貸し付け等の各種の制度をやっております。  それから国民金融公庫でございますが、これは規模の小さな小規模零細者、貸し付け状況のところに書いておきましたが、従業員が百五十人以下、商業、サービス業は五十人、資本金は一千万円というのが限度でございまして、設備資金も供給しておりますけれども、運転資金の比重が比較的高くて、四十三年度六五%、また卸、小売り業の比重が高い、これが特色でございます。条件は八・二%、限度は三百万円、これは五百万円に引き上げるべくおおむお話がつきつつございます。なお、しかし一件当たりの平均貸し付け限度は、四十三年度で八十万円という限度でございます。  次の商工中金でございますが、これは半官半民の金融機関というところに特色がございまして、現在政府と民間の出資は、五九対四一。原資でございますが、これは資本金のほかは大半が商工債券に依存をいたしております。したがって商工中金の貸し付け規模と申すのは、商工債券が売れるか売れないかということで非常に大きく左右される。すなわち景気の悪いときには、金融の要望が多いのでありますけれども、そういう場合には債券の売れ行きが悪い、実はこういうふうな問題がございます。貸し付け状況でございますが、協同組合の構成員を中心にしておりまして、条件につきましては、ここに金利等でございますように、短期が八・四%、長期が八・六、中小公庫、国金の金利に比べまして金利が高いということが民間から常にこれは強く指摘をされるところでございますが、この金利を一般的に下げますことは、非常にばく大な政府投資をせざるを得ないということで、非常に困難な問題でございます。中金の自己努力で売り出したものを、重点的に金利引き下げに現在使っておるということでございます。  いま申しましたのを一表にいたしましたものが第二表でございます。  申しませんでした点は、貸し付け残高の点、それから四十四年度の事業量の点、この表の右の欄二つくらい、これをごらんいただければありがたいと思います。  それから二二ページが、この三機関に対します四十二年度、三年度、四年度の財政投融資でございまして、貸し付け規模におきまして、前年度対比、四十四年度当初計画という一番右の欄の下から二番目でございますが、貸し付け規模で八千九百二十三億、うち普通貸し付けが八千四百九十九億、前年度対比一一八%で、一八%伸びということでございます。四十二年度の当初計画、これは四十一年度に対しまして一八%、四十三年度、昨年は非常に金融が逼迫するということで、政府の金をこの方面に重点的に入れておく必要ありということで、一八・八%ということでございますが、毎年二〇%弱の伸びをこの数年続けてきております。この貸し付け規模を充たしますために、自己資金が四千九百五十三億、差額の三千九百七十億を財投で入れておる、こういう状況でございます。  次は、この三金融機関が中小企業金融に対してどの程度のウエートを持っておるのかという表でございまして、上の二つに大きく欄を区切ってございますが、上の欄が総貸し出し残高、貸し付け残高で見ますと、全国銀行、民間中小企業、これを合わせまして、三十九年三月が九二・一%、大体九一・四、それから四十一年三月が九一というふうにずっと右に追って見まして、四十四年三月に九〇・四%ということで、この差額が三機関で埋めておるわけであります。次第に比率は高くなっておりまして、三十九年三月の七・九から八・六、四十四年三月に一〇・一、こういうことになっております。一割ないし一割弱程度でございますが、これは設備資金の残額で見ますと、ずっと高率になりまして、この下の欄がそれを示しておりますが、三十九年三月が二一・七、毎年上がり下がりがございますが、四十四年三月が一九・八、約五分の一がこの政府金融機関から中小企業に対して設備資金が供給されておるということを示しております。  財投はこの中小企業関係機関に対するどの程度の重さを示しておるのかというのが一五ページの第二表でございまして、全財投に関します三機関のシェアは、三十九年が二一二、それからだんだん微増をいたしまして、四十四年は一二・九という数字になっております。  以上が政府金融機関の上つらの一応数字の御披露でございます。  次に、信用補完制度に入ります。  先生方すでに御高承のとおりでございますが、この一図に補完制度の仕組みを書いておきました。各県に保証協会がございます。中小業者が銀行から金を借りる場合に、担保力が不足であるという場合には、保証協会から保証の承諾を受けまして、銀行と保証協会の間に保証契約を結びます。それで、中小業者が支払いが困難、不能になった場合には、保証協会がかわって銀行に金を払う、こういうわけでありまして、この保証契約ができますと、保証協会はこの一部を保険公庫に保険契約でつなぎます。原則七割、特定の場合に八割をこの保険公庫に保険契約としてつなぐわけであります。もちろん保険料を払う。この保険公庫に対して政府は出資をする。なお、保証協会の基金は、地方公共団体及び民間の会社等から保証協会に基金が出されております。  このような仕組みでございますので、平時におきましては、保険公庫は保証協会から保険料を取る、保険料が積まれておりまして、保証協会に保険事故があれば保険金を支払うということでバランスがとれるわけでございますけれども、中小企業者が銀行に対して多額の債務不履行を起こしますと、多額の代位弁済を保証協会は銀行にせざるを得ない。そうすると保険料の総ワクをこえて保険公庫が保証協会に多額の金を払わざるを得ないということで、現在の保険公庫の大きな赤字というのは、いま申し上げました多額の保険金が保証協会に支払われざるを得ない、こういうことであります。  保険公庫はこの多額の保険金の支払いのために保険準備基金というものを積んであるわけでございますが、一八ページにこの保険準備基金の推移が書いてございます。設立時に出資が十六億五千万ということで、三十三年にさらに六十五億加えられて、八十一億で準備基金がスタートしたわけでございます。年間途中若干の出し入れはございましたけれども、大体八十一億の準備基金をもって平穏に推移したのでございますが、四十二年になりますと、決算修正四十三億六千万の支払いを行なわざるを得なく、残高が三十七億八千万、四十三年度は二十五億の出資をお願いをいたしました。これは法律改正があったわけでございますが、にもかかわらず、五十九億九千万の支払いがあって、残額二億九千万、四十四年度の見込みとして出資四十億をまたこれは予算でお願いをいたしておるわけでございますが、なお三十八億七千万の支払いが立つであろうということで、四十億の準備基金の追加をしたにもかかわらず、年度末におきましては四億程度の基金しか持ち得ないという状況でございます。  なおこの保険公庫には、資本金が二つに分かれておりまして、一七ページに戻っていただきますと、この保険準備基金というものがいま申し上げましたものでございますが、もう一つ融資基金というのがございまして、この融資基金は保険公庫から保証協会に貸し出され、保証協会はそれを中小企業金融公庫に預け入れまして、そして一面ではその金利の差額を保証協会、保険公庫の運営資金に充てますとともに、また預け入れることによりまして中小企業向け金融の円滑化をはかっておる制度でございます。この融資基金は、毎年政府から出資がありまして、五百億をこえているわけでありますけれども、この表は一八ページ、先ほどの表を恐縮でございますが、もう一ぺんお開きいただきたいのでありますが、設立当時三十億から発足いたしまして、四十一年七十五億、それから四十二年に九十五億、これは大体この程度毎年の融資基金が一般会計から繰り入れられたのでございますが、この四十三年、四十四年は、先ほど申し上げました準備基金のほうに積み増しをせざるを得なくなったという事情もこれあり、融資基金は四十三年度は七十億、四十四年度は六十五億しか積むことができなかった。この融資基金がいわば保険制度の潤滑剤、栄養剤になるわけでございまして、各府県の保証協会としては融資基金の増額を非常に強く希望をしておるわけでございますが、準備基金のほうが枯渇いたしますと、この保険制度が破産になるものでございますから、まず準備基金のほうを埋めざるを得ないのが現在の状況でございます。  一九ページに現行の保険条件について表をあげておきました。特にこの信用補完制度は零細中小業者のために非常に役に立つ制度でありますので、このてん補率を上げるとか、あるいは保険料率を下げるとか、あるいは特に付保限度を上げるとかというふうに行なうべきであるという御指示が国会からあるわけでございますが、現在のところ、特別小口につきましては五十万円、てん補率八割、保険料率一厘、これが最低でございまして、無担保三百万円、普通千五百万円が付保限度というふうになっております。  この信用補完制度がどの程度中小企業金融に大きな役割りをしておるかというのが第八表、二〇ページにございまして、保証承諾等の推移、これが四十三年度にはついに一兆に保証承諾の金額がのぼった、非常に順調にこの保証制度は伸長、拡大をしておるわけでございまして、中小企業金融、特に小規模事業者のために非常に役立っておる制度でございます。  ただ、先ほどくどくど申し上げましたような大きな問題がここに発生をしたという一わけでございます。  二一ページに保険財政の問題点を書いてございますが、これはいま御説明をした点でございます。そういうふうな保険制度は、ある意味ではピンチに差しかかっておるのでございますので、これをどういうふうに改善をするかというと、二二ページに書いてございますように、それほど保険事故が多いのだから保険条件を改定する、これは結局端的に申せば保険料、保証料を引き上げる、こういうふうな方向でいくのか、あるいは現行制度のままで自主的に改善をしていくのかという二つの方向しかないわけでありまして、われわれとしてはできるだけこの現行制度で自主的に改善をしていくという方向でいま努力をしておる、非常な努力、これは政府、それから府県、それから保険公庫、保証協会、それから地方銀行、みな一致していま努力をしておる、これがいわゆる自主的改善措置といわれているものでございます。私たちは何とかこの自主的改善措置で、現在の保険財政のピンチを切り抜けたい、中小企業庁長官の立場でいえば、あくまでも保険条件の改悪は避けたいというふうに覚悟をしておる次第でございます。  二三ページに、最近の中小企業金融の情勢がございますが、これは一言で申すと、おかげさまで非常に平穏に推移しておりまするが、何を言いましても、省力化、近代化のための設備投資、これは需要も非常に活発でございまするし、また現在の中小企業の置かれた立場からいっても当然であるというふうに考えます。  十二表には平均金利、コールレートをあげておきましたが、御承知のとおり。  それから第十三表で、大企業、中小企業別貸し出し残高前年度対比ということで、中小企業向けの総貸し出しにつきましてはほぼ大企業並みに、若干落ちておりますけれども、順調に推移して、一四、五%の伸びをしておりまするが、特に設備資金につきましては、対前年度比二割以上の伸びを、ここの二、三年ずっと続けております。  それから金融機関種別の中小企業向け貸し出し比率、これを第十四表につけておきました。都銀が四十四年三月で約四分の一、地銀が約五五%、それから長銀、信託が一五%、信託勘定が八%。設備資金になりますると、都銀が三五、市銀が六九、長銀、信託が一五、信託勘定が約六、こういう数字でございます。  それから十五表に、政府系三機関に対する申し込み状況、これは四十四年四月、先ほど申し上げましたように、設備に対する需要が非常に強いということで、対前年度比二七・六%、運転は大体横にはっております。  以上をもちまして、現況の概略の御報告でございまするが、六に、四十四年度の中小企業金融対策、国会にお願いをし、また財政当局等と話をつけましたものをまとめておきました。  まず第一は三機関の貸し出し規模の拡大、先刻申し上げましたように、対前年度比一八%。  それから二八ページで政策融資を拡充するということで、構造改善特別貸し付け、それから流通近代化促進特別貸し付けを拡充新設する、このいわゆる政策金融は二九ページに一表でまとめておきました。  それから次に三〇ページで、これは非常に業界から要望の強いことでございまするが、貸し出し限度、中公、国金の貸し出し限度の引き上げ、中公は三千万円を五千万円に、国金は三百万円を五百万円に、おおむねこの方向で財政当局、大蔵当局と話をいたしております。  それから三一ページ、先刻申しました中金の金利が高い、これを引き下げますためには非常にばく大な政府出資が要るわけでございますので、なかなか困難ということで、(イ)と(ロ)に書いてありますような措置で若干下げることができました。一つは登録免許税率が引き下がりまして、これは〇・一%、それから協業、共同事業資金の貸し出し金利を重点的に下げるということで年利〇・二下げるということで、短期の日歩で二銭二厘、年利八・〇三%、長期で年利八・二%という、この辺になりますと、中公並みという金利になったわけであります。  それから信用補完制度の充実、これは先ほどくどくど申し上げました。  それから三三ページに倒産指定基準の引き下げ、これは倒産企業の指定基準が一般負債十億円以上、それから地方経済に特に著しい影響がある場合は五億ということでございますが、これを五億、三億に緩和いたしました。  それから三四ページ、産炭地域の中小企業対策で、特別措置を法律改正をしていただきまして五年延長するということであります。  三五ページに激甚災害指定基準の緩和でありまして、百万円まで六・五%の特利措置が行なわれておりますが、局部的な激甚災害基準を新たに昨年十一月制定をいたしまして、市町村単位の激甚災害の救済がはかられることになりました。  その他といたしまして、まず第一は三六ページ、中小企業振興事業団でございますが、この事業規模を大幅、いわゆる団地を中心にする案件につきましては、前年度対比一・八倍にすることになりました。これが一つ。それから設備近代化資金の貸し付け制度、この限度でございますが、三百万を五百万に引き上げました。これは非常に強く中小業者特に小規模業者から要望があったのでございますが、設備資金に対して二分の一の融資でございまするので、従来六百万円までの機械しか買えなかったのが、今度一千万円まで買えると、こういうことになったわけでございます。  以上が最近の四十四年度、いままでの私たちの行ないました対策措置でございます。  三七ページ以下、篠原委員会におきましていま議論をしております点を試案として出しておきましたが、おおむねの点は先ほど問題として御説明いたしました中に出ておりますので、時間の関係上省略させていただきます。  以上、御説明を終わります。

武藤山治日本社会党

○武藤小委員長 引き続いて大蔵省から、田代審議官にお願いします。

田代一正大蔵大臣官房審議官

○田代説明員 御指名にあずかりました田代でございます。  お手元に「最近の金融関係諸指標」という五、六ページの薄い表がございます。その表を中心にいたしまして最近の金融状況というものを申し上げたいと思います。  まず第一ページをお開き願いますというと、日本銀行券の発行状況という欄がございます。特にごらんいただきたい点は年月がありまして、月中平残という欄が右側にございます。その欄の中のまた小さなカッコをいたしました対前年同月比伸び率という欄を御注視願いたいと思います。  申し上げるまでもございませんけれども、日本銀行券は現在現金通貨の大宗を占めておりまして、ほかに百円硬貨とか五十円硬貨とか十円硬貨とか補助貨がございますけれども、現金通貨の大体九五%が現在日本銀行券ということになっております。したがいまして、日本銀行券の足取りを見るということは即現金通貨の足取りを見るということにつながるかと思います。そこで、ちょっと四十三年の欄をごらんいただきますと、大体一七から一六台に下がってまいりまして、十月、十一月が一五%台まで下がってまいったわけでございますが、ことしに入りまして、特に二月に一七、三月に一七・五、四月はちょっと戻って一六四、ところが五月にまた一七・七と非常に高い銀行券の伸びを示したわけでございます。実は私どもも非常に心配いたしまして、五月の日本銀行券の発行の足取りにつきまして——いわゆる日足というのがございます。毎日々々の発行状況がございますので、それをよくしさいに検討いたしマみたわけでございますが、どうもその要因は、現在までのところでは、五月には連休が三日間重なったということです。これは非常にやはり銀行券を高く押し上げたわけです。それからもう一つは、春闘相場がことしは非常に高かったということで、やはりそれが銀行券の増発に相当の力を持ったということが指摘されるんじゃなかろうか、こういうぐあいに考えられるわけでございます。六月もボーナス期でございますので、はたしてどういうことになるか、目下注視中の段階でございます。これをもっていたしますならば、日本の経済というものは、現金通貨と申しますのは経済活動の一つの集約ではございますけれども、特に消費という面にスライドするという性向がございます。日本経済は現在なかなか消費性向が高いというようなことがうかがわれるんじゃなかろうかと思います。  次に二ページに入っていただきます。これは左の欄は現金需給表というものでございます。御案内のとおり、現金需給の調節の最終責任と申しますのは一国の中央銀行である日本銀行が行なっているわけでございます。その場合、どういうぐあいに考えるかと申しますと、この一番上の欄にございますように、まず銀行券がどういう動きを示すかという問題が一つございます。銀行券が増発になりますと、やはりその分だけ中央銀行なり何なりでもって信用を供与しなければならないという問題がございます。  それからその次の大きな要因としまして財政がございます。財政の中にも、ここにございますように一般、食管、外為、国債、こういう四分類で区切ってございます。つまり財政が揚げが非常に強い場合にはその分だけ市中の金融が窮迫いたしますので、その分だけまた日本銀行は信用を供与する、こういう形になります。逆の場合はまた逆のことをする、こういうことに相なるわけでございます。  そこで四月−五月の二カ月間の実績をごらんいただきますと、銀行券はさっき水準が高いと申しましたけれども、四月−五月はどちらかと申しますと還流期でございます。しかし昨年が千二百二十九億収縮したのに対しまして、ことしは千二百三億しか収縮しなかった、こういうことでございます。それから財政でございますが、これは昨年は千百五十億の散超ということになったわけでございますが、ことしは三千三十六億の散超ということになっております。内訳を見ましても、特に一般の関係がかなり高い。食管は昨年とあまり変わらない。外為は若干揚げがあったという感じでございます。そういうことで、さらに一番下の欄にその他という欄がございます。このその他という欄は、日本銀行と対市中との関係になるわけでございます。たとえて申しますと、日本銀行が収益がふえるという段階になりますとこの関係がプラスになり、また準備預金というものがふえる場合にはやはり揚げという要因になるわけであります。そこで差し引きいたしまして銀行券がことしは千二百三億の収縮になった、財政は三千三十六億の散超になった、その他の揚げが五百七十四億になったということで、差し引きいたしまして日本銀行としましては三千六百六十五億の信用を収縮したということになっているわけでございます。昨年の実績はこれが二千九十一億でございます。ことしは財政の散超幅が大きいということもありまして、信用の収縮の度合いも高かったということになるわけであります。  その日本銀行の信用調節のしかたといたしまして、貸し出し、それから一段飛びまして債券売買、短期証券、こういう三つの道具を現在使っているわけでございます。これも先生方御案内と思いますが、実はかつてオーバーローン論争というのがございました。日本銀行は貸し出しでもって信用を供与いたしますならば、なかなかオーバーローンという問題を回避できないという話がございました。昭和三十七年の十一月以降は、成長通貨につきましては特に債券の売買でいこうじゃないか、貸し出しは限界的な機能として使おうじゃないかという考え方が出されたわけでございます。その後、昭和四十一年の一月、二月に至りまして、さらにきめのこまかいやり方としまして、債券売買につきましても、それまでありました戻し条件つきの売買ではない、日本銀行が文字どおり時価で買ったり売ったりするという本格的な操作を考えると同時に、他面短期間の調節につきましては短期証券を短資業者に売ったり、また買い戻したりするという操作を考えてきているわけでございます。  そこで四月−五月を見ますと、三千六百六十五億の収縮でありますが、結果としまして貸し出しが百十九億減って、それで短期証券の売りが三千六百億になった、こういうことでございます。  そこで六月はどうなるかという見通しでありますが、銀行券が昨年より若干ふえるだろうという想定、それから財政の揚げがちょっときつくなるという感じであります。これは特に一般の欄をごらんいただきますと、昨年は散超が今度は揚げということになっております。これは特に三月決算の法人税の伸びが非常に高かったという問題、それからまた五月分の所得税の伸びも相当高いのじゃなかろうか、こういうこともありまして、一般会計が今度揚げに変わってきておるということであります。したがいまして財政としましては、昨年は二百二十億前後の揚げでありましたが、ことしはいまのところではどうも七百億くらいの揚げになるのじゃないかという想定がされておるわけでございます。その他の欄を調整いたしまして、差し引き日本銀行は六月には三千八百億の信用供与をするということをせざるを得ないという形に相なっております。  そのやり方といたしましても、ここにございますように四月−五月に一回売っておきました短期証券をこの期間に買い戻すという形を短期証券の揚倉にはとっております。それから貸し出しは、若干ここでふえるだろうという想定を立てておるわけでございます。  ここで御参考までにちょっと申し上げておきますと、日本銀行の貸し出しは、ことしの五月末におきまして一兆五千五百十八億でございます。その中で、日本銀行が本来考えなければならないといういわゆる一般貸し出し、これはそのうちわずかに五千七百五十五億でございます。全体の大体三分の一くらいのものになっております。それ以外の貸し出しはほとんど貿手、貿易関係の関連の貸し出しということになっておるわけでございます。これが現金需給であります。  それから次は右のほうにまいりまして、コールレートの推移でございます。現在、大体コールレートの中心として考えられておりますのは月越しものであります。ごらんいただきますと、四十三年六月一日、二十五日以降ということで二銭五厘まで上がりました。その後公定歩合の引き下げ等の現象もございましてだんだん下がってまいりまして、五月一日以降という欄をごらんいただきますと、現在二銭二厘になっているわけでございます。特に四月、五月と申しますのは、さっき申しましたように財政の散超ということもありまして、資金需給が緩和したということもあって、コールの中でも月越しものが一厘下がり、また無条件もの、翌日ものという非常に短いものにつきましてはさらに一厘下がっている状況でございます。  それから次に三ページにまいりまして、マクロで見ました「金融機関貸出増加額状況」、第四の表でお示ししてございます。これは全国銀行と相互銀行、信用金庫と三つをとってございます。この増加額でごらんいただきますと、四十三年の一—三、四—六、七—九と、これはいずれも当時日本銀行の窓口指導という時代でございましたので、伸び率は三角が立っているわけでございます。昨年の十月以降日本銀行は窓口指導を解除いたしまして、資金ポジション指導といういわゆるポジション指導ということに切りかえてきておりますが、十月以降は、ここにございますように、現在全国銀行は三〇・九%、四〇・五%という増勢が続いておるということでございます。  それから相互銀行は昨年の一—三、四—六とずっと伸び率が落ちてまいりまして、十—十二、特にことしの一−三は伸び率が非常に高くなっております。  信用金庫は都市銀行、地方銀行、相互銀行ほど窓口規制下の影響もなかったせいで減がそう目立っておりません。十月以降の伸び率もしたがってあまり大きく伸びてないという形になっているわけでございます。  そこで、少ししさいに比較的最近の状況をつかんでみるということで、5の表で四月、五月の都市銀行だけの預貸状況を見てみました。預金の欄を見ますと、四月は千百八十四億ふえております。昨年はこの期間に八百五十九億預金が減っているわけでございます。例年ですと、大体三月の戻りということで預金が減るのが通例でございますが、ことしは異常な事態で千百八十四億、したがって昨年と対比いたしますと大体二千億ばかりの違いが出てきているということかと思います。この状況をいろいろ考えてみて、また聞いてみたのでありますが、どうも個人預金が非常に堅調であるということが一つのようであります。それから法人預金につきましては、これは財政収支の関係もございまして、とまりがかなりあるというようなことがどうも影響しているようでございます。  五月の実績は、ここにございますように、昨年に比べまして好調であります。昨年が二千百四十七億、実績が二千九百五十二億ということで好調であります。それを反映いたしまして、貸し出しではどういうことになっているかと申しますと、下の欄にございますように、昨年は三角七百二十四億という戻りがあったわけでございます。ことしはその戻りが非常に小さくて九十二億の三角、五月では、昨年は千二百九十一億の増でありますが、預金の好調を反映いたしまして、実績は二千百二十二億の増ということになっております。  しかしながらいずれにいたしましても、この二カ月間をとる限りは預金環境が非常によくて、預貸率の面から申しますと若干好転したという感じではなかろうかと思います。  それから次のページ、「公定歩合引下げ後の貸出約定金利の動向」という表がありますが、昨年八月に日本銀行が公定歩合を一厘引き下げたわけでございます。その後都市銀行あるいは全国銀行の金利はどういうぐあいになったかという動向でございますが、ごらんいただきますと、全国銀行でとりますと八月、九月、十月は非常に下げがきつい状態でありまして、十二月、一月も若干あったわけですが、ことしの二月以降はほとんど下がってない。つまり下げどまりの状況に現在あるようであります。カッコ書きに累計が書いてございますが、全国銀行で四毛五糸、都市銀行で大毛三糸ということであります。大体従来の公定歩合の変動に関連いたしまして約定金利がどう変わるかということにつきましては、過去の経験に照らして申しますと、大体公定歩合が一厘下がりますと半年ぐらいたった時点におきまして都市銀行ではその五〇%ないし六〇%、地方銀行では大体二五%ないし三〇%ぐらい下がるという経験でございます。今回はこの下げの幅が従来よりもちょっと強い、それから下げるスピードも従来よりはかなり早かったということが言われるのではなかろうか、こういうぐあいに考えます。  以上が大体最近の金利状況であります。  昨日来、新聞でいろいろと出ておりますように、昨今ではユーロの短期の金利が一割二分にもなるとか、アメリカのプライムレートが八・五に上がるとかいう国際的なものすごい高金利の時代でございますが、わが国の金利の場合にはこういうことであるということを特に申し上げておきたいと思います。  それから最後の表は、これは企業庁の長官が申し上げたことと多分に重複いたしますので説明は省略いたしますが、「中小企業向貸出比率」を月を追って表に掲げただけでございます。  以上、非常に簡単でございますが、御説明といたします。

武藤山治日本社会党

○武藤小委員長 どうもありがとうございました。  委員の皆さんで何かこの資料についての御質疑ございますでしょうか。

武藤山治日本社会党

○武藤(山)小委員 ちょっと一時からお客を待たせることになっておりますので、先で恐縮ですが、一点だけ伺っておきたいのであります。  それは、信用補完制度の問題と当面する問題点というところで先ほど長官たいへん重大な発言をいたしておりますので、ちょっとお尋ねしておきたいと思うのでありますが、保険料の改定はしたくない、現行制度の運用の中で自主的に改善するのだということで、大蔵省関係から指導されて、何かたいへんきつい達しが各県の保証協会に出ているようでありますね。それの具体的な中身をひとつ長官からお聞かせ願いたい。その姿勢がやがて中小企業者に対する選別保証という形にいま移行しつつあるんではないか、こういう懸念があるわけでありますので、その自主的改善の中身、どういうことをいまやらんとしておるのかをひとつお聞かせ願いたいと思います。

乙竹虔三中小企業庁長官

○乙竹政府委員 もしお許しを得られますならば、金融課長から詳細報告をいたさせます。

井川博中小企業庁計画部金融課長

○井川説明員 御説明を申し上げます。  自主的改善措置の具体的なやり方といたしましては、中央の保険公庫と各地の保証協会とがそれぞれ相談をしながらやっていく、こういうやり方をとっております。  いま先生のおっしゃいました具体的なやり方でございますが、いろいろな面がございますけれども、つづめて申しますと二つの点がございます。  一つは保証協会が代位弁済をいたします。その代位弁済に対して中央が保険金を支払う。その保険金支払いが過度に多くなることによって保険財政赤字ということを招来しているわけですが、その代位弁済の出方についてみんなでいろいろと研究をしてみようではないか。その研究の中身といたしましては、従来に比べて、実は先ほどの資料にもちょっと載せておりましたけれども、期限到来前の代位弁済あたりが非常に多い。これは一たん代位弁済という名義を打たれますと、中小企業者側としても非常に今後の金融上いわばレッテルを張られたというかっこうになりまして不利になるわけでございますし、かつまた保証協会、ひいては保険公庫というような問題に広がってまいります。したがいまして、代位弁済をする場合には、金融機関と保証協会と十分その中身について話をする、その話をするやり方について保険公庫と保証協会でもいろいろな打ち合わせをしてやっていく、この点が第一点でございます。  それから第二点は、保険財政の一つの大きい柱といたしまして、保険公庫の収入のほうは、保険料と回収金、この二つが大きい収入の柱になるわけでございますが、回収が最近、比率として非常に低下をする傾向にございます。それで保証の問題といたしましては、代位弁済をしましたあと、中小企業者の立ち直りをはかりながら回収をしていくたてまえになるわけでございますけれども、しかしその回収努力を怠るということがあってはいけない。したがって、その点、従来の回収率が落ちるということは問題であろうから、可能な限りにおいてそこらを努力する。その点について保険公庫と保証協会と具体的に相談をしていくというやり方をやる。大きい方向からいきますと、二つの点で個々の保証協会と保険公庫のほうで相談をやっていっているというのが実情でございます。

武藤山治日本社会党

○武藤(山)小委員 そこで非常に問題になるのは、大体代位弁済をしなければならぬという企業はほんとうにつぶれちゃってどうにもならぬという企業ですね。特に昨年のように一万件以上が倒産をしているという状態では、これはなかなか回収をするといっても容易ならぬことなんですね、現場では。そうすると各協会とも弁護士を通じて内容証明をじゃんじゃんぶっつけ、出頭命令をじゃんじゃん出す。今度は差し押えでも何でもやります、こういう姿勢に急激に変わってきたのですよ。これは、特にこの表を見て、ほとんど基金が二億何千万というようなみじめな状態だというようなことから、やむにやまれずやるという気持ちはわかるのですよ。わかるのだけれども、今度はその代位弁済をしてもらった立場に立つと、これはかなり、七年とか十年とか十五年とか、そういう長い目で見てやらぬことには立ち直れない業者が大半なんです。それをあまりにも回収率を高めるというために性急にやりますと、その精神が、保証協会の存在理由が消えてしまうような結果になりはせぬか、こういう点、非常に心配するわけです。それを、何か仕返しするような姿勢があるのじゃないかということが私の言いたいことなんです。公庫のほうから各県の協会に対して、成績が悪ければ、回収率の低いところ、あるいは代位弁済の率の非常に多いところは、ようし今度はひとつ公庫のほうとしては仕返しにいろいろな手を打っていこうとする、それを心配しているわけなんです。たとえば具体的に申してみたいのでありますが、神奈川県で二億円融資額を返済したら、いままでは二億円返済すれば二億円を貸してくれる。ごろごろころがしていっているから支障を来たさない。ところが代位弁済をとにかく窮屈にきめていく、さらに回収率を高めるという、これがあるために、これが公庫で思うように進んでいない協会に対しては、二億円返済したのに二千万円しか融資しない、こういう事実が起こっておる。その協会は、それは困りますね。通常ならいままでどおり融資すると思ったのが、ばしっと切られている。そこで金融の効率化論が非常に金融機関で叫ばれ、大蔵省でも叫ばれているので、統一経理基準という金融機関に適用するような考え方を保証協会にも適用しよう、そういうものが何か、文書ではっきり統一経理基準とは言っていないが、ややそれに似た方針が政府のほうから協会に出ていると思うのですよ。出ていませんか。

井川博中小企業庁計画部金融課長

○井川説明員 最初のほうの仕返しの問題でございますけれども、保険公庫と保証協会はいわば車の両輪のような問題でございまして、お互いに相補う補完制度というものの前進をはかっていく性格のものでございます。したがいまして、私たちもそういうつもりではございませんし、保険公庫もそういう考え方でやっているとは思いません。先ほども長官から申し上げましたけれども、この資料の四二ページをちょっとお開きいただきたいと思うのでございますが、四二ページに信用補完制度の今後の問題というのを書いてございますが、終わりから三分の二程度、下から七、八行のところに「したがって」という書き方をしてございます。「したがって赤字問題を考えるにあたっては、単に収支面からのみの観点ではなく、中小企業金融の円滑化という制度本来の目的に立ちかえった長期的な視点から十分な配慮が必要である。」ということを書いてございます。先生のこうあるべしとおっしゃるのはまさにこのとおりかと思いますが、私たちとしてもそういうつもりでやっている所存でございます。  なお先生のおっしゃった仕返しという問題につきましては、実は先ほど長官から御説明申し上げました融資基金の配分基準というのがございまして、融資基金を配る場合に基準がございます。その基準につきましても、やはり新しい事態、その他を入れて多少改定というものをやって基準をつくるわけですが、その結果、先ほどの特定の県のような問題がたまたま起こったということを私も耳にいたしておりまして、今後そういうふうなドラスチックなことが起こることは好ましくないから、十分注意するように、保険公庫のほうもそういうふうな心づもりでおるはずでございます。そういうととでやっておりますので、御了承いただきたいと思います。

武藤山治日本社会党

○武藤(山)小委員 これはどっちかというと中小企業庁や公庫の問題ではないと思うのですね。中小企業庁や公庫のほうは、できるだけ業者の倒産対策という面からこれに力を入れていきたい、特に親切に特に長期的めんどうを見ようという姿勢はあると思うのですよ。問題は大蔵省だと思いますね。田代さん、大蔵省が予算の面から……。先ほどの保険準備基金の推移をずっと見ますと、最高のときは八十一億からあったものが、今日では四億二千万に残が減ってきた。この調子でいきますと、これはまた財源補てんがかなりの金額に達する。この辺でひとつ四億を何とかもとのベースの八十億ベースに戻させなければならぬ、八十億にならぬにしても、五、六十億にしなければならぬという、こういうような姿勢から、大蔵省がかなりぼくは財源の面から苦肉な策を強要しているのではなかろうか、こういう感じがするのですが、田代さん幾らかお耳にしておりますか。

田代一正大蔵大臣官房審議官

○田代説明員 私は現在銀行局でございます。主計局ではございませんので、さらさらそういう考え方はない。むしろ信用保険公庫は個人的に非常に愛着のある機関でございますので、何かすこやかな成長ということをいつも考えながらやっているという気持ちでございます。ただ、それにいたしましても、ここ一、二年来、ちょっと病気にかかっているというような感じがするのです。病気にかかったら、どういった処方せんを書いたらいいかということになると思うのですけれども、結局、非常にデリケートな制度でございまして、保証を受ける方、保証をする保証協会、それから現実に保証を利用する金融機関、それから保険公庫、こういう幾つかのグループが、それぞれお互いに善意に立っているという制度だと思います。どこか、そのうちのだれかが故意にそのルールを乱してしまうと、とかくうまくいかない制度だと思います。つらつら考えますと、一昨年来の問題も、どこかで少しルールを踏みはずしたところがあるんじゃなかろうかというのが、私の長い過去から見ての印象でございます。ルールを踏みはずしているところは、この際少し慎しんでください、こういった角度でいろいろな議論を申し上げているということを御了承願いたいと思います。

武藤山治日本社会党

○武藤(山)小委員 問題は、私は、やはり保証を受ける側にもあるが、保証を取ろうとする銀行の姿勢にも問題があると思うのです。最近は都市銀行も地方銀行も信用金庫も、全部とにかく保証をつけさせるのです。だから、二厘一毛の運営費、手数費、人件費を生み出すために、保証をつけなくとも絶対心配ない会社にまでみんな保証をつけさせる。手形の割引も、それではひとつ保証協会につないでやっていきましょう。保証なんか全く要らないのです。ちゃんと不動産担保を取っており、定期預金も取っている、そういう零細企業の手形割引にみんな保証をつける。この姿勢にも一つ問題がある。これはだれが悪いのかというと、銀行が悪い。銀行はちょっと何かあれば、代位弁済で保証協会からみんな取れるのだということですね。だから、この保証額が非常にふえた。一兆何千億も保証額がふえたなんということは自慢にならない。問題は中身なんです。ここらを、少し詰めて指導してもらわないと、大蔵省が銀行に少し言って聞かせぬといかぬと思うのです。そういう点を、ひとつ田代さんに、今後行政指導面で、保証の要らないものまで保証させるという姿勢については銀行も自粛せよ、こういうことを大蔵省として指導してもらいたいが、田代さんの御意見はいかがですか。

田代一正大蔵大臣官房審議官

○田代説明員 ただいまおっしゃったような形で、実は私、これは大蔵省として異例だと思うのですけれども、昨年の十一月に私の部屋に全国銀行協会連合会とか地方銀行協会連合会、それから相互銀行協会、信用金庫協会の代表者に集まっていただきまして、いまおっしゃったような趣旨で話をいたしました。その一部は、さっき井川金融課長が申し上げたようなことになるわけです。そういうことでやったわけでございますけれども、今後もやはり金融機関があまりこの制度を悪用しないというような角度でもってやってもらいたい、こう考えております。

武藤山治日本社会党

○武藤(山)小委員 私は常々感じているのでありますが、資本主義社会における最大のアキレス腱は何かというと、やはり倒産があるということです。中小企業、力の弱いものが倒れていくということです。しかも最近の倒れていく内容というものを調べてみると、本人の放漫経営でない倒れ方をしている率が非常にウエートが高くなってきているわけです。いわゆる連鎖倒産あるいは金融引き締めによる銀行からのシャットアウト、そういうもので倒れているのであって、これを完全に救い得ない資本主義というものは、やがては私は国民から滅ぼされていくと思うのです。しかし、これは皆さんに言ってもしようがない。これは大臣との論争になる問題だと思いますから……。そういう視点から見たら、この公庫は設立をしてまだ十年でしょう。十年ぐらいじゃ代位弁済をした金がぽつぽつ回収が始まるという短い年数ですよ。ほんとうに倒れたものが立ち上がるのには、返済を始められるのは最低五年くらいかかるのです。そしてそれから十年ぐらいかからぬことには、とても義務を果たせないのが実情なのです。だから、設立をされてわずか十年間でこの基金の額が、がたっと減ったからといって、統一経理基準みたいなものを協会に当てはめようなんというのは、全くけしからぬ姿勢だと思う。あとでひとつ課長から、どういう通達、指示を協会に出しているか、文書できちんと見せてもらってから本格論争をいたしますが、いずれにしても、コンクリートされないうちに、皆さんにぜひ柔軟な姿勢に転換をしてもらうように強く要望して、これら業者の切実な、今日悩んでいる協会の姿勢というものをもう少し考えてもらわぬといかぬという考え方で、ひとつ今後の検討を期待して質問を終わります。あとで資料をひとつ出してください。

武藤山治日本社会党

○武藤小委員長 堀君。

堀昌雄日本社会党

○堀小委員 企業局長にお願いをしたいのですけれども、資金部会での当初出てきた資金需要ですが、それがトレースをした結果ですと、いつも変わってくるわけですね。何に変ったのかは、実はわからないのです。そして銀行借り入れを希望しておった、しかしそれは借りられなかったが、銀行借り入れの総額は、予想よりは小さくはない、しかし資金需要全体としてはあるわけですから、それは社債に変わったのか、自己資金でまかなったのか、そういう動きですが、この動きが、このいただいている資料をちょっと見ているだけではよくわからないのです。要するに、その資金源というものは、彼らが当初考えておったものが、結果としてはどういう形になったのかということは、この全体だけではちょっとわかりにくいと思いますから、どこか一つの業種を抜き取ってもらってけっこうですから、それは一体どういう形にシフトしたのか、そのシフトした理由は、一体何があったのだろうかということを、資金需要面からわかるような資料をひとつ出していただきたいと思います。急にできるかどうかわかりませんが、過去の例でけっこうですから、資料が取れる範囲のものでけっこうですから、お願いしたいと思います。

大慈彌嘉久通商産業省企業局長

○大慈彌政府委員 マクロで出したほうがいいのかミクロがいいのかわかりませんが、これは作業させていただいた上で資料を差し上げます。

武藤山治日本社会党

○武藤小委員長 岡本君。

岡本富夫公明党

○岡本(富)小委員 中小企業がいま一番困っておりますのは、下請代金、いわゆる大企業からの金が入らぬということです。私は、かねがね当委員会で言っておりますが、この下請代金遅延防止については、いま遅延防止法に基づいていろいろなことをやっていると長官はいつもおっしゃっているのですが、それをどういうふうにやって、結果はこういうふうになった、下請代金が早く払えるようになったというその調査した分、効果、これをひとつ資料として出してもらいたいと思います。

乙竹虔三中小企業庁長官

○乙竹政府委員 承知いたしました。

武藤山治日本社会党

○武藤小委員長 本日の議事はこの程度にとどめます。  この委員会の運営につきまして、委員の方におはかりいたしますけれども、原則といたしまして、隔週の木曜日に開かせていただきたい。きょうは政府の説明を聴取いたしましたが、今後の行き方といたしましては、どちらかといえば産業界の側に立った金融政策、こういうものをどう措置していったらいいのか、特に中小企業中心となると思いますけれども、そういう方向で進めさせていただきたいと思いますが、そういうことでよろしゅうございますか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

武藤山治日本社会党

○武藤小委員長 それでは、そういうことにさせていただきます。  次回は公報をもってお知らせすることとし、本日はこれにて散会いたします。    午後零時三十九分散会

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