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61回国会衆議院1969/07/10

商工委員会鉱業政策に関する小委員会 第2号

発言数
51
登壇者
7
会派数
4
開催日
1969/07/10

会議録

藤井勝志自由民主党

○藤井小委員長 これより会議を開きます。  鉱業政策に関する件について調査を進めます。  前回の小委員会で御協議のとおり、私が、この小委員長としての試案をつくれということでお手元に配付いたしております「硫黄対策の確立に関する件」の試案を取りまとめておりますので、ごらんいただきたいと思います。  この際、政府に対して質問がございましたらお願いをいたします。岡田君。

岡田利春日本社会党

○岡田(利)小委員 私は、小委員長の出された試案について、この案文については賛成であります。ただ、この案文に賛成するにあたって、政府から明確な答弁を三、四点について明らかにしていただきたいと思いますので、そういう立場から御質問いたしたいと存じます。  第一の問題は、この案文にもありますように、いわば「硫黄鉱山の安定を図るため、回収硫黄を中心とした輸出を積極的に推進する」とあるわけです。しかし、今日国内硫黄の需要が大体三十一万トン前後、国内硫黄鉱山の産出量は二十五、六万トン前後、こういう趨勢にございますから、もちろん今後合理化努力がなされて増産されるなら別でありますけれども、一応二十五万トンと仮定いたしますと、この二〇%は五万トンに相当するわけです。したがって、回収硫黄を中心として輸出をするが、その二〇%は鉱山硫黄で持つという場合に、もし将来回収硫黄がどんどんふえてまいりますと、鉱山硫黄の大半というものは輸出をしなければならない、こういうことになると私は思います。たとえば、将来百万トンの回収硫黄を輸出する場合に、その二〇%は結局二十万トンになるわけでありますから、鉱山硫黄は二十万トン輸出をし、五万トンを国内消費に優先的に振り向ける、こういうことになりますと、鉱山硫黄は破滅いたすわけです。したがって私は、今日の回収硫黄の動向から判断し、鉱山硫黄の実情個々の分析に立って検討する場合に、その鉱山硫黄の輸出はやはりその限度は二〇%が限度であろう、こういう実は見解を持っておるわけですが、この点についての考え方を明確にしていただきたいと思います。

中川理一郎通商産業省鉱山石炭局長

○中川(理)政府委員 ただいま岡田委員の御指摘になりました問題点は、私どももそのとおり考えたいと思っております。  ただ、現状におきまして八割、二割というふうに定めましたのは、現在の回収硫黄の量、現在の山硫黄の生産高、これを前提にいたしました定めでございますので、その後の双方の状況変化によりましては、お説のように、もともとの趣旨が山硫黄の大部分を国内需要にミートさせ、回収硫黄の大部分をもって輸出に充てたいという気持ちには変わりはございませんので、そのような状況変化に対しましては、当然先生御指摘のような考え方で双方の業界をさらに指導してまいるつもりでございます。

岡田利春日本社会党

○岡田(利)小委員 第二点は、硫黄を輸出するために硫黄の輸出株式会社を設立するということになってくるわけですが、この硫黄輸出株式会社の構成は、聞くところによりますと、石油精製会社八社並びに鉱山硫黄会社二社と承っておるわけです。しかし、鉱山硫黄全体を問題にする場合には当然鉱山硫黄会社すべてが含まれなければならない。会社の設立には含まれていないけれども、しかし輸出をする義務は鉱山硫黄各社が負う、こういうことを意味するのかどうか、また、その後そういう点については会社の設立の方向について何らかの変化があるのかどうか、この点が第一点であります。  それから第二点の問題は、輸出株式会社ができても、当然輸出基地を建設しなければならないという問題が起きてくるわけですが、この輸出基地の建設の動向については一体どうなのか。聞くところによると、三菱商事が今日基地建設についてすでに現地に打診を進めて、大体今月中には結論が出る、こう承っておりますし、また三井物産が輸出基地をつくるべく努力をしておるということも承っておるわけですが、大体この輸出基地の場合には二地点ということが考えられておるのかどうか、さらにまた、輸出基地建設については、政府はこれに対してどういう態度を持っておるのかという点について明確に御説明願いたいと思うわけです。

中川理一郎通商産業省鉱山石炭局長

○中川(理)政府委員 硫黄の輸出会社につきましては、八月一日に輸出会社が発足という時間的な目標設定をいたしまして、ほぼその下準備をいま完了しておる状況でございます。資本金が二千万円ということで発足する構想でございます。二千万円の資本金に対しまして、ただいまの輸出比率を前提にいたしまして、石油精製会社八社からその八〇%相当分、鉱山硫黄のほうから三社二〇%分というふうに資本金の出資をいたすことを予定しておるわけでございます。この際、石油精製会社八社、鉱山硫黄会社二社と定めましたのは、この資本金比率にかんがみましてそれぞれ業界の代表という形で十社の方から出資をしてもらうというつもりでございます。  なお、輸出基地の進行状況につきましては、具体的な問題もございますので鉱業課長から説明をさせます。

加納寛治通商産業省鉱山石炭局鉱業課長

○加納説明員 基地をつくる問題につきましては、現在広島県下で基地をつくるべく検討を進めておりますけれども、何ぶんにも大量の硫黄を一カ所に集積いたしますし、また、特に回収硫黄を固型化する設備が必要でございますので、その意味で、その基地におきまして火災等の事故から再びまたそこからガスが出たりして公害が起こらないかどうかということで公害対策に万全を期さなければなりません。その意味で先般来公害対策の委員会を広島県が主宰いたしまして、目下検討中でございます。おそらく七月末にはその答申が県知事に対してなされるのではないかと思っておりますが、いままでの審議の経過では、何ぶんにも日本で初めての大量の基地でございますので、相当安全を期したほうがいいという意味で、いま考られる限りの安全装置、そういうものをつける、どういう設備をつくるかにつきましての可能性はおおむね見当がつきましたので、まず公害についても問題はないという結論が近く出されると思っております。

岡田利春日本社会党

○岡田(利)小委員 輸出をする場合に、当然輸出株式会社が輸出基地にその硫黄の管理をゆだね、輸出基地からそれぞれ市場に硫黄を輸出することになると思うわけです。したがって、輸出基地に対応する輸出を担当する商社との関係は一体どういう関係になるのか。たとえば、いま進められている輸出基地は三菱系の輸出基地である、しかし、輸出する、担当する商社は四社なら四社があるわけですから、その関係が、一体協調体制はどうなのかという問題、さらにまた輸出株式会社から商社に渡すのはいつの時点なのか、それは、基地に硫黄が行った場合にそれはもうすでに商社にそれぞれ渡したことになると仮定いたしますと、その間の決済条件はどうなるのか。さらにまた今日の輸出実績は一体どうなっておるのか。輸出先の価格、さらにまたわが国から輸出をする場合の価格、消費地の引き取り価格、こういう実績はどうなのか。これからの動向については一体どういう情勢にあるのか。あるいはまた商社が個々にそれぞれオープンで輸出をしていくのか、それとも商社自体も東南アジア、大洋州市場に対してある一定の協調性を保ちつつわが国の硫黄の輸出の振興をはかろうとするのか、これらの一連の関連についてお答えを願いたいと思います。

加納寛治通商産業省鉱山石炭局鉱業課長

○加納説明員 まず、輸出基地の所有者の問題でございますけれども、現在これは三菱商事が広島県下において建設をするという予定で進めております。したがって、当面は三菱商事の所有の基地ということになろうかと思いますけれども、先般、輸出会社ができました暁に各市場ごとにどういう商社に輸出をまかせるかという作業をいたしておりましたが、その結果、四つの商社が輸出を担当するということになりましたので、その意味におきましては、この三菱商事の基地を他の三社が共同利用するという可能性がただいまではあるのではなかろうかと思っております。その点につきまして、まだ正式な輸出会社の発足を見ておりませんので今後の話し合いになろうかと思いますけれども、当面は共同利用という線で話が進んでおるように聞いております。  それから、輸出すべき硫黄をどういう決済条件で輸出会社から商社に渡すかという点でございますけれども、輸出の玉が輸出会社に渡りましたら、それは現実の問題といたしましては輸出基地に運び込むということになりますので、生産者から輸出会社に対して出荷の通知があり、輸出基地にその玉が到着したという受け入れがなされました段階で、直ちに担当の各商社に対しまして受け入れの指示が輸出会社からなされるわけでございます。その玉の確認が終わりました段階で、各商社ごとに受け入れの数量に応じまして前払いの代金が輸出会社に支払われます。したがって、輸出会社は前払い代金を各商社から受けましたら、直ちにその生産者に対して概算払いをするという形になります。なお、その間の前渡金の金利あるいは玉の所有の責任等につきましては、いまのところ予定されております輸出会社の事務当局と参加いたしました商社四社と一応の話がついておりますので、正式の取りきめは輸出会社が発足したときにあらためて契約がなされると聞いております。  それから次に、四社の商社にしぼられたわけでございますけれども、これは先般来この委員会の御議論にもございましたように、輸出市場を有利に展開していくためには商社の過当競争を防ぐ必要がございます。その意味におきまして東南アジアの市場を一応七つに区分いたしまして、その市場ごとに一商社に独占的におまかせをする、その結果、商社の過当競争が防がれますとともに、相手国との折衝も非常に有利になりますので、その意味で商社の選定をいたしたわけでございます。たとえば、韓国につきましては三菱商事、タイにつきましては安宅産業というような割り振りをいたしておりまして、もっともこれはまだ輸出会社が正式に発足しておりませんのでいまのところ内定でございますけれども、発足の暁には、輸出会社とこういった商社とそれぞれ市場の独占的な契約がなされるように聞いております。その間、商社の協調につきましては、部分的にはやはり相手の消費者が多数である、あるいは政府機関であるというような向こうの受け入れ側の態様がいろいろ変わっておりますので、それに対処するためにそれぞれの商社が協調して情報を集めるということも必要でございますので、その点につきましても、四社間の協調はかなり有効に進むようにいま話し合いが進んでおるように聞いております。

岡田利春日本社会党

○岡田(利)小委員 輸出株式会社がまだ設立されていない段階でありますから明確な答弁はむずかしかろうかと思いますけれども、一応この構想といいますか、こういう場合に想定されることは、輸出株式会社から結局輸出基地に硫黄が集積されて、これが商社の手に渡る、その場合の所有権の移転の時期、これは基地に持っていったらすぐ商社に渡るとすれば、前渡金も何も関係ないわけですね。これはやはり一定期間見るとすれば、三カ月なら三カ月間はその硫黄は輸出株式会社の所有になるのかどうか、前渡金を渡すとすれば、所有移転までは、売買完了までは金利を支払わなければならない、こういう問題が出るわけですね。そうして一定期間過ぎた場合には商社の手に渡ってしまって商社の手持ちになるとすれば、これはそこから輸出に向けられていくということになるのではないかと思うわけです。硫黄というものは可燃性のものでありますから、これらの構想を具体化する場合には、特にその期間をぴしっとしないといろんな問題が起きる可能性があるのではないかと私は思うのですが、いままで政府としていろいろ調整的に進められてきた中ではそういう点についてはどういう構想で進められておるのか、この点承っておきたいと思います。

加納寛治通商産業省鉱山石炭局鉱業課長

○加納説明員 玉が輸出基地に運ばれまして、受け渡しが済みましたら、その玉の保管につきましては商社の責任であるというふうになるように聞いております。  また、代金は前渡金払いでございますけれども、一定期間は金利を生産者のほうが支払う、要するに、輸出されるまでに期間がございましたら、その一定期間につきましては金利を支払う、ただその金利につきましてはかなり低く押えるように聞いておりますので、あまり寝かしておきますと商社のほうも損だということから、商社といたしましてはできるだけ早く玉を輸出するような努力がなされる仕組みになっております。また、その一定期間が過ぎますと生産者のほうは金利を支払いませんので、ますます輸出ドライブがかかるということで、なるべく早く輸出基地にあるものは輸出をさせるという仕組みでいま輸出会社が考えておるように聞いております。  それからなお、先ほど御指摘ございました輸出の実績の問題でございますけれども、ことしになりましてからは、実は輸出実績がございません。昨年の暮れまで多少の輸出がございまして、四十三年度では約五万トン程度輸出されておると聞いております。その価格も昨年の初めと終わりではかなり変化がございまして、日本のFOB手取りで五十ドル前後と聞いております。

岡田利春日本社会党

○岡田(利)小委員 そういたしますと、前渡金を渡して輸出会社が逐次適正な金利を負担する、これが輸出されるまでと仮定しますと、一年間輸出できなければ一年じゅう利子を払っていなければならない。そうなると、結局建て値と金利との関係が問題になってくるわけですね。したがって一定期間というものはどうしても必要ではないか。この点がいまの答弁で明確でないわけです。これが第一点です。  それから第二点としては、東南アジア市場の動向からかんがみて、わが国の輸出価格は大体どの程度の輸出価格が相当と推定されるのか、この点が第二点の問題であります。  それから第三点の問題として、わが国としては長期的に硫黄の輸出が進められ、年々増加をしてまいるわけですから、輸出市場の調査、開拓、輸出促進という意味合いで政府は、すでに過剰硫黄の現象が出ておるわけですから、いままでも対策を立ててきたと思いますけれども、この点については具体的な対策をどう立てられておるのか。この三点についてお答え願います。

加納寛治通商産業省鉱山石炭局鉱業課長

○加納説明員 輸出が思うようにいきませんで輸出基地に玉がたまるという場合に、その金利の負担はどうなるかという御指摘と思いますが、これは原則的には、約三カ月程度までは生産者が金利を負担する、その期間が一定期間が過ぎましたあとは一切金利は負担をしない。したがって、これは商社の負担になりますので、その点で輸出ドライブがかかるというふうに考えております。  それから輸出価格をどういうふうに見るかという点でございますが、これは非常にむずかしい問題でございます。と申しますのは、昨年、四十三年度をピークといたしまして、実は世界の輸出価格が現在多少ゆるむ方向にございます。四十二年当時は世界的に硫黄が非常に足りない時代でございましたが、六八年に入りましてようやくピークに入り、現在は部分的に過剰というか、値がくずれている傾向がございます。したがいまして、この傾向がいつ立ち直るか——立ち直ると申しますのは、一般的には将来硫黄は足りなくなる物資であるといわれております。現在の動向は部分的な現象であるといわれますので、その意味で、本来の硫黄の安定した価格状態にいつ戻るかという点の想定がなされなければなりません。その想定をいろいろな方々でされておりますけれども、おそらく近い将来の価格としては、アメリカ、カナダの輸出価格はFOBで三十五ドル程度に落ちつくのではなかろうかといわれております。一昨年は部分的には六十ドルくらいまで上がっておりますので、これは異常でございますが、将来硫黄が足りなくなるという前提に立ちまして、なお安定した価格であるということを想定しますと、おそらく三十五ドル前後というFOB価格になるのではなかろうか、もしそれが正しいといたしますと、アメリカ、カナダの輸出価格は、日本の東南アジアに対する輸出価格に換算をいたしますと、それから数ドル高いところに落ちつくであろうというふうに見られます。  次に、市場開拓の努力をどういうふうにしているかという点でございますが、これは本年度の予算におきましてもすでに一千万程度の予算を計上いたしまして、東南アジア各国の市場ごとの消費市場の動向を調査いたしております。また、生産国の動向調査ということで、これまたジェトロに委託をいたしましていま調査を進めておる段階でございます。さらに豪州、ニュージーランドあるいはインドという国は政府機関が一手買い付けをいたしておりますので、そういう機関のあるところに対しましては、その代表者を招聘いたしまして、こちらの生産事情を十分認識をしていただき将来の輸出交渉の足がかりにしたいということで、その作業も現在進めております。東南アジアにつきましては、消費がなお今後伸びるというふうに予想をされますので、その意味におきましては、こういった市場調査は一回限りでなく毎年積み重ねの努力をしていきたいと思っております。

岡田利春日本社会党

○岡田(利)小委員 輸出会社が発足をいたしますと、いま私の質問に答えられている構想で進められてまいると思うわけです。そういたしますと、当面鉱山硫黄は、鉱山硫黄の販売先を持って生産された硫黄というものがそれぞれ販売をされていく、また回収硫黄につきましても、その硫黄の販売輸出関係がまだ不十分でありますから国内向けに相当出回っておるのではないか、こう思われるわけです。したがって、やはりこの間の調整の問題が当然起きてくるんだと思うわけです。  聞くところによりますと、回収硫黄は十万トン程度いま国内市場向けに出回る予定になっておる、こう承っておるわけですが、先ほど冒頭に述べられた二〇%程度鉱山硫黄が輸出を担当するということになりますと、その間の調整が当然必要ではないか、こう判断されるわけです。おそらく今年度の実績は三万ないし四万トン程度ではなかろうか、こう私は推定をいたしておるわけです。そうすれば、十万トン程度もし回収硫黄が出回っておるとすれば、今年の輸出実績の見通し等から考えて、五万トン程度は当然国内総体需要量から見て回収硫黄が余るということになるのではないか、こういう感じがするのでありますけれども、こういう点についてはどのような対処のしかたをその場合になさるおつもりか、承っておきたいと思います。

加納寛治通商産業省鉱山石炭局鉱業課長

○加納説明員 今年度の硫黄の需給状態につきましては、いま事務的に詰めておる段階でございます。近く鉱業審議会の場において正式な御検討を願おうと思っておりますけれども、きわめて概括的な状況でございますけれども、現段階での予想を申し上げますと、おそらく回収硫黄が今年生産されます量は二十万トン前後ではなかろうかと思います。なかなかはっきり数字がつかみにくい状態にございますので、個々の会社からのデータをとりますと二十四、五万トンという数字になりますし、また、実際の操業の状態をチェックいたしますと、それぞれ事故等もありまして、どうもそれほど出ないという見方もございます。その辺、二十万ないし二十二、三万トンという見方をするのかどうか、これは今後早急に詰めたいと思いますけれども、一応二十万トン程度のものが回収硫黄として生産されるというふうに考えますと、山の硫黄の生産はいまおおむね二十二、三万トンのペースにございますので、したがいまして、両方合わせますと四十二、三万ないし四十五、六万トンという数字になるのではないかと思います。それに対しまして消費が約三十万トンでございますので、十三万ないし十五万トンぐらい余ってくるという感じになります。一方、輸出基地との関係もございますので、ある程度のものは滞貨、いわゆるランニングストックとして積まなければいかぬということも予想されます。そういたしますと、今年の輸出すべき量というのは十万トン程度ではなかろうかと予想されます。  したがいまして、いま御指摘のように、すでに回収硫黄が国内に十万トン程度出回ってはおりますけれども、今年の実際の輸出見込み量というものを十万トンと押えますと、それはおおむね回収硫黄が増産される分に見合うという感じになります。したがいまして、現在すでに取引が行なわれております回収硫黄の国内取引あるいは鉱山硫黄の市場との調整、そういう問題につきましてはそう問題にならないのではなかろうかと思っております。

岡田利春日本社会党

○岡田(利)小委員 これらの考え方、構想というものを進めていく場合に、当然需給計画というものが明確に定められなければならぬわけです。また一方において、鉱山硫黄の体質を強化するという意味において合理化計画もまた進められていかなければならぬわけです。これらの需給計画、合理化計画を定めるのはどういうところで定めるのか。従来鉱業審議会がございまして、硫黄・硫化鉱分科会というものがあるわけですが、しかしこれからの硫黄の動向を判断し、硫化鉱は国内で消費がむしろ若干進みぎみであるという現状から考えますと、硫黄をやはり主体的に扱うこういう機関を設置する必要があるのではないか、その中で需給計画というものを定めていくということが大事ではないか、また鉱山の合理化計画をそういう中で定める必要があるのではないか、またそういう合理化計画をもここで定めるとするならば、労働者の代表も当然その機関に参画させるべきである、こういう意見を持っているわけですが、この点についての見解を承っておきたいと思います。

中川理一郎通商産業省鉱山石炭局長

○中川(理)政府委員 ただいま御指摘がございましたように、当委員会の御意見に即しまして私どもが硫黄の輸出体制を強化して、国内的にも整然とした業務運営をやっていくということを考えますと、御指摘のように、内需、輸出を込めました総合的な硫黄の需給計画というものは、従来にも増してより真剣に、かつ精緻に定める必要がございます。反面、この計画のもとになります山側の合理化計画その他につきましても十分な検討が必要になってまいりますので、結論として申し上げますならば、この問題をめぐる関係者の意見交換、それに第三者をも加えました十分な客観性のある審議というものがいままで以上に、質の変わったくらいに大切なものに相なりますので、私どもの感じといたしましては、現在の鉱業審議会鉱山部会の中にございます硫黄・硫化鉱分科会という組織の改正をはかりまして、ただいまのような重要な事項を審議させるために硫黄のみを審議する分科会を独立させまして、硫黄分科会ということでこの問題に取り組ませてまいりたい、そのためには、御指摘のように労働者の代表が参加することも当然のこととして予定をいたしたいと考えておる次第でございます。

岡田利春日本社会党

○岡田(利)小委員 鉱山硫黄関係で、何といっても生産体制を近代化していく、合理化努力をしていくということはもちろん必要でありますが、その場合に、大体これからの国内価格というものは国際的価格の動向等もにらみ合わせて一万八千円程度くらいで推移をするのではなかろうか、こう判断をいたしておるわけです。そういたしますと、結局生産コストというものは、一万八千円を前提にすれば一万六千円程度ということが当然いままでの実績から見て判断されるわけです。今日の硫黄の現状からいえばこれを実現をするためにはたいへんな努力をしなければなりませんし、いろんな問題点も私は出てまいると思うわけです。  そこで、一応こういう構想の中でせっかく硫黄鉱山というものを安定させよう、そして歴史的な任務というものを果たさせようと考えても、これが挫折をする傾向というものが非常に強いのじゃないかと思うわけです。まして最大の硫黄鉱山である松尾鉱業は会社更生法の適用を申請し、しかも再建計画をこれから出して裁判所の認定を受けるという状態にもございますし、そういう角度から考えまして、やはりある一定の硫黄鉱山に対する助成の強化というものは、合理化努力を進めることと相まって必要であるという判断を私は持っておるわけです。もちろん製錬技術その他の技術上の問題は、これはそれぞれ用意周到な研究、検討の結果、それに対する適切な補助を出していく、しかもそれは従来の流れもございますから、そういう上に立って進められていくわけですから、おのずからこれは限界があるわけです。問題はやはり生産体制の安定に対する補助という問題が問題になってきますが、従来の補助というのは新鉱床探査費に対する補助金という制度が実はあるわけです。しかし、硫黄は一般メタルの鉱床とは違いまして、いわば溶岩に硫黄が介在をしていわゆる母岩の形成になって、その中に硫黄単体、元素硫黄というものが亀裂の中に存在しているという状態でありますから、一般メタルとはまた違っておるわけです。したがって変化もございますし、そういう意味で、新鉱床探査については従来の考え方から一歩進めるべきではないか、そういう努力をしなければならぬのではないか、こういう見解を実は私は持っておるわけです。一般のメタルでいきますと、新しい鉱床に探査をしていくその坑道費に対して補助するということになるわけですが、硫黄鉱山の現状から見れば非常に変化もあるわけですし、そういう元素単体硫黄が母岩の中に入っておるわけですから、そういう意味では、ある一定の母岩を切る立て入れ的な水平坑道というものはいずれも新鉱床探査坑道である、こういう理解をして差しつかえないと実は私は考えておるわけです。そういう方向で新鉱床探査費補助金の制度というものを一歩前進をさせる、そういう意味がこれの拡充をするという意味であるというぐあいに理解をいたしておるわけですが、そういう点についての考え方について通産省鉱山局が検討されておれば承っておきたいと思うわけです。

加納寛治通商産業省鉱山石炭局鉱業課長

○加納説明員 硫黄鉱床のあり方につきましてはただいま御指摘のとおりでございますが、特に最近鉱山硫黄のコストを下げるという観点に立ってこの鉱床をながめてみますと、硫黄鉱石を製錬をした際に単体の硫黄がいかに収率よくとれるかというところに問題がございます。と申しますのは、御指摘のように岩石の中に硫黄分が定着しておる鉱床ではございますけれども、その場合に、単に硫黄、S分と申しましても、硫化鉄鉱の形で鉄とくっついているものもございますし、また単体の硫黄として存在するものもございます。これはその鉱床の利用価値によりまして両方のトータルのサルファとして判断をする場合もございますけれども、ただいま申し上げましたような硫黄のコストを下げるという観点に立ちますと、フリーサルファの多いものをいかに開発するかということが重点になります。その意味では、同じ鉱床と申しましても、その中でフリーサルファの多い部分はどの程度どこにあるかということを探るのが当面の経営の合理化のかなめでございます。その意味におきましては、御指摘のようにフリーサルファの多いところを探る、それを新鉱床探鉱であるというふうに考えられないこともございませんので、その辺につきましては研究をさせていただきたいと思っております。

中川理一郎通商産業省鉱山石炭局長

○中川(理)政府委員 新鉱床探査費補助金につきましての考え方、これからの努力、検討の方向というのは、ただいま鉱業課長がお答えしたようなことでせっかく努力をいたしてみたいと思っておりますが、硫黄鉱山の合理化ということに関しまして、一言私のほうからも先生方の御理解をいただきたいと思っております。  と申しますのは、この輸出体制の新しい発足ということを手がけて着々とこれを準備し、ある程度対外的にも発表いたしております。この段階で、やはり私のほうにも、需要者のサイドの意見といたしまして、この体制を進められると国内硫黄の価格を高いところにくぎづけをする方向に向かうのではなかろうか、極端な心配をする方からしますと、いまかなり市況がゆるんで下がっております硫黄価格というものもさらに高位に引き上げるほうに働くのではないかという意味合いにおいて、この輸出体制につきましてもいろんな不安、警戒に基づきますクレームが出てきておる状況でございます。そういうことを考えますと、山側の合理化というものにつきましては、岡田先生から御指摘がございましたようにいろんなむずかしい限界はございますけれども、需要者のほうにございます片方回収硫黄という安いものがあるにもかかわらず、それを使わせないで高い山硫黄を使わせる、その高さの水準というものをどのところまでやっていくつもりなのかという不安に対しましては、やはり私ども誠実に、かつまじめに消費者の利益ということも念頭に置きまして、限界はございますけれども、限界内における合理化の追求ということについてはよほど力を傾けませんと、山側の不況に対する理解は消費者も持っておるわけでございますけれども、これに対しての反発が起こりかねないという状況でございまして、いま省内的には、需要者を所管しておりますそれぞれの局に対しまして、私のほうも誠意をもって硫黄価格の安定ということに努力するつもりだから、せっかくのこの構想にひとつ協力をしてほしい、忍べるところは消費者も忍んでほしい、しかし、われわれも不当に山の擁護だけのために国際価格あるいは回収硫黄の価格というものとけたはずれにはずれた価格を押しつけようということでこの構想を進めているのではないということをいま説明をいたしまして、大方の了解を得ておる状況でございますので、この点につきましては、私ども無理をしいるつもりはございませんが、ひとつ、できるだけの合理化を進めたいと思いまして、その意味で必要な助成につきましても、相手があることでございますからお約束はいたしかねますけれども、できるだけの努力はいたしたいと考えております。

神田博自由民主党

○神田(博)小委員 関連して私一つお聞きしたいのですが、いまの質疑のやりとりで、そういうことであろうということを私想像しておったわけですが、最近私の耳に入ったのによりますと、その逆なことも入っている。言いかえると、石油精製の脱硫装置、また火力発電における脱硫装置がどうも思うとおりにいっていない。ずいぶん投資しているのだが所期の効果をあげていない、そこで硫黄の需給計画が狂うのじゃなかろうか、そういう観点からしても、いま岡田君も述べられたように、もっと積極的に山のほうに通産省が関心を持って計画を再検討してみたらどうだというような声を聞くのです。私のそういう聞いたことがそうじゃないのだということであれば、いまのお話で私も——私はそう想像しておったのでございますから疑心を持たないわけでございますが、最近いまお述べになったようなこと以外に、私がいま申し上げたようなことを耳にしたものですからたいへん、心配しておるわけです。私はいろいろ小委員長からもこれの扱い方についてのお話も承っておりますので、全く同感なんでございまして、岡田君の質問等についても非常にわが意を得た、こう思っておったのですが、ごく最近そういうようなことを耳にしたものですから……。なかなか新規な事業で、脱硫装置も金も非常にかかることでもあるし、それからまた日本で開発した技術でもない、いわばアメリカから持ってきた技術なんでございますからそういう心配をする人も世の中にはあるのじゃなかろうか、こう考えるのです。そういうのは杞憂だ、心配要らないのだ、やはり脱硫装置は計画どおりいっているのだ——予算の範囲内でやっているのか、多少超過しているのかどうかしらぬが、これがそうじゃない、やはり通産省のいまの計画がそのとおりいっているのだからそのようにしたい、こういうことであれば私の疑点が晴れるわけでありますが、その点、ひとつ長くことばは要りませんが、簡潔に御説明願いたいと思います。

中川理一郎通商産業省鉱山石炭局長

○中川(理)政府委員 神田先生のお話は、私どもの理解によればおおよそこういうことではなかろうかと思っておりますのは、脱硫によります回収硫黄の発生量というものを現時点で現在の状態での、たとえば四十四年度、四十五年度の見方というようなものについてはそう大きくは変わりはないと思いますけれども、その先の四十六年、四十七年、四十八年というような見方をしましたときにどれくらい発生するであろうかということを見ます場合に、非常に不安定な要素が一つございます。  それはいま御指摘のございましたことに関して申しますならば、脱硫装置の上での直接脱硫の技術というものは非常にまだ不安定な状況にございます。それから電力サイド等での排煙脱硫というものはいつごろから実用化されるのか、あるいはされないのか、これも技術的難点その他いろいろございますので、この見方によりましては、非常に大きく見る人と非常に小さく見る人とが出てまいります。現状、私どもはやはり中心として期近なところで需給計画を策定する場合の回収硫黄の発生の大宗は間接脱硫装置のものを念頭に置いておりますので、これについて申しますと、これは逆でございまして、ほとんどそう大きな見込み違いなしに発生しているのじゃなかろうか、その上積みになる直脱あるいは排煙脱硫による硫黄の生産については、見方によって大きく開いてくるということがございますので、私どもはその辺のところにつきましては多少の安全要素も見まして、国内需給に心配のないようなことは当然念頭に置いていかなければならないと考えております。しかし、間脱から出るものだけを考えましても、今回の硫黄の輸出対策というものにつきましては相当がっちりやっておかないと、この量は相当のものでございますので、この点から見て、いま委員会で御審議願っておるような方向に進むべきものと考えているような次第でございます。

岡田利春日本社会党

○岡田(利)小委員 いままで質問した中で、特に私はポイントとして二点あると思うわけです。  一つは、いま神田先生からもお話がありましたように、間接的脱硫法で回収をはかっておるわけですが、しかし、いまの場合はまだ当初計画よりはいろいろ故障もあったり、なかなか思うような生産にはなっていないということは明らかでありますけれども、やはりわが国の宿命としてはこれを駆使し、どうしても脱硫しなければならない。こういう原油供給の現状からいっても避けられない宿命であるわけですから、これをやはり克服し、急テンポに伸びていく、こう考えざるを得ないわけです。したがって、鉱山硫黄との関係では、鉱山硫黄の生産がまたどうなっていくかという問題もあるわけですが、先ほど質問した限界、この点をきちっとしないと混乱をする。せっかく方向づけをしたけれども、それはあるものは短い期間だけのものに終わってしまうという心配があるわけです。ここのポイントが一つと、第二は、やはり鉱山硫黄も合理化を進めてまいらなければなりませんから、これに対応して、合理化の基本になる生産の骨格になる坑道、いわばフリーサルファの多い鉱床を探査して掘る、それに対する補助率並びに補助金の拡大、対象ワクの拡大、こういう二つの面がこれからどうしてもポイントになってくると思いますので、この点を特にいままで質問した過程の中から集約的に意見として述べておきたいと思います。  そこで、これに付随して石油精製業界の関係で一、二点質問いたしますけれども、今日石油精製業界というのは成長産業の中で最も貧乏をかこっている、こういう産業が石油精製産業だと思うわけです。わが国の石油政策が一貫性を持っていないというところに深い欠陥が実は根ざしておるわけです。しかし、国際石油資本の動向から考えますと、これを一挙に解決することはとうていむずかしいということも私は理解できるわけですが、それはやはりわが国の石油政策の一貫性というものを今後強力に進めるという姿勢が大事ではなかろうか、こういう感じを私は非常に強くいたしておるわけです。しかし、当面硫黄に関連してみれば、間接脱硫法の実施に伴って硫黄分の多いアスファルトというものが生まれてくる、生産されてくる。これが一千万トン程度副生するといわれているわけでありますが、残念ながら現在需給が二百六十万トン程度であれば、したがって残余の七百五十万トンは再び戻さなければならない、それだけ原油に含まれるサルファが多くなる、こういう問題があるわけです。したがって、もしアスファルトがアスファルトとして消化できるということになりますと、これは高い脱硫装置をつくって、しかもまた最もサルファの多いものを戻して原油のサルファを上げる、こういう愚を解消できるわけですが、こういう意味で何らかこれに対する政策、対策というもの——私は、わが国の高サルファの原油供給というものが避けられないという立場から見れば、どうしてもこれを解決するために積極的な施策を展開しなければならぬのではなかろうか、こういう判断を実は持っておるわけです。そういう点については通産省はどう考えておられるか、伺っておきたいと思います。

中川理一郎通商産業省鉱山石炭局長

○中川(理)政府委員 ただいまの岡田委員のお話、これは小委員長も熱心なアスファルト問題の提唱者でいらっしゃいまして、私どもも大筋におきまして、以下に申しますような理由からアスファルト需要の開拓ということについては、この際相当思い切った知恵を先生方の御意見とお力添えとともにかりながらいかなければいかぬのではないかと思っております。  と申しますことは、ただいまの御指摘にありましたように、非常に大きな消費の増大によりまして、いままでのところは国民総生産の伸び率を上回る一九%くらいの伸びで推移しております。今後それは多少スローダウンいたしますけれども、それでも鉱工業生産、国民総生産の伸び率よりは高い伸び率、一二、三%ぐらいで石油の需要というのはふえていくのではないか、こう見られている状況でございます。そのときに、この需要増大に追いつくための精製設備の増設ということですらたいへんな資金を要する状況にございますのに、他方、公害対策上の要請からいたしまして、ほかに手がなければ脱硫装置をやっていく以外に手はないということで、脱硫設備に対する投資負担というものがいままで以上に増加してまいるというようなことからいたしまして、石油精製業は、ほかにも理由がございますけれども、この資本費増高の状況からいたしまして、たいへん収益率の低い産業として利益なき繁栄という形を続けておるわけでございます。  そこで、低硫黄原油への転換その他いろいろな手だては、私どもも尽くすべきものはすべて尽くすというように考えておりますけれども、相当程度のものは脱硫設備による脱硫された重油という形で公害対策にこたえていかなければならない。ところが、脱硫設備のうちで、比較の話ではございますけれども、技術的に一番安定しております間接脱硫の設備について申しますと、硫黄分をアスファルトに落としてしまうということが基本でございますけれども、ただいま御指摘のようにアスファルト需要がさほどないというところから、この需要量に押えられまして、アスファルトをさらにブレンドをいたしまして重油にしていく、こういう点から考えますと、一つには、重油のS分をなるべく落とすという公害対策上の要請と同じ程度にS分を落とすにしても、単位当たりの投下資本量というものを少なくするという意味合いにおきましては、もしアスファルトの需要につきまして新たなものが出てまいりまして、需要の限界に押えられてアスファルトの生産を一定のところにとめなければならぬ、ことばをかえますと、その分だけS分の高い重油をつくらなければならないという状況を回避することができますならば、公害対策の面から申しましても、石油業の負担を軽くするという意味合いからいたしましても、また非鉄金属鉱業にとっても、回収硫黄全体の量が少なくなるという意味合いで、ただいま御議論をしていただいております硫黄対策の面でも望ましいことでございます。かつ、さらにそのアスファルト需要というものが、総合的な施策の中でほかの目的にも十分役立つように使われるということでありますならば、私のいま数え立てた見地からいたしますと、少なくとも一つの手段によって四つの目的を達することができるということになるわけでございます。一石二鳥どころの話ではございませんので、この点につきましては、私どももできるだけ検討を続けてまいりたいと思っております。ただ、需要家のほうから申しますと、公害対策上の要請を別にいたしますならば、アスファルトが相当まざった形での現在の重油と、そうでない状況における重油というものにおけるカロリーの差等、また別の問題もございますし、どれだけの設備でどれだけのことができるかというような検討もこれからいたさなければならぬ状況でございます。また、アスファルトの需要をどれぐらいのものとして見込み得るかということも検討しなければならぬ、今後詰めなければならない問題がかなりございますけれども、御指摘のような見地、私どもも全く同感でございますので、これをひとつ精力的に検討を進めまして、何とか打開の道を開きたいと考えておる次第であります。

岡田利春日本社会党

○岡田(利)小委員 いまの中川局長の答弁、私も同感でございます。先ほど述べたように、わが国の原油ソースからいって、とにもかくにも低硫黄化をいろいろな面をとらえて進めなければならぬ、こういうことに集中化していかなければならないわけですし、しかもエネルギーの中枢が油によって占められ、昭和六十年には五億キロリットルに達するということになりますから、いまの三倍以上に実はなるわけであります。そういう面からいたしましても、公害対策上たいへんな問題になりますが、この問題は通産省だけで解決できるものではなくして、実は総合政策を必要とするわけです。そういう意味では、この硫黄問題に対していままでいろいろ話し合ってきた過程で考え方、方向をまとめてきたのですが、これらをまとめて最終的に決議するにあたって、いま述べましたアスファルトの問題にどう総合的な対策を立てるかという点については、やはりこの政策と関連がありますので、決議となりますか、あるいはまた、この決議に対する意見書になりますか、そういう形で委員長のほうで適切に措置されることをこの機会に希望いたしておきます。  なお、小委員会でこの試案をまとめ、商工委員会にこれを報告をして決議するわけですが、私は社会党として硫黄業安定法案をすでに委員会に提出をしている。民社党といたしましても硫黄株式会社法案を提出している。また、そういう動向の中で与党自由民主党としても、硫黄政策に対して前向きで積極的に取り組むということで小委員会でも議論されてまいった経過もございますから、商工委員会で決議を上げる前に、きょう私が質問しました主要な点については整理をして、あらためて商工委員会でその点を明らかにして、その上でひとつ硫黄対策に関する決議を商工委員会で上げる、こういう方向で委員長として処置されますことを希望いたしまして、質問を終わりたいと思います。

藤井勝志自由民主党

○藤井小委員長 了承いたしました。  玉置一徳君。

玉置一徳民主社会党

○玉置小委員 藤井試案を出していただきまして、おおむねけっこうだと思うのですが、岡田君から質問がありましたが、もう少し詰めておきたいと思います。  硫黄の輸出比率八対二とは別に書いてありませんけれども、現状におきましてそういう考えがございますが、今後脱硫回収硫黄の増加に伴ってそういう見合いをやっていく、こういうお話ですが、もうちょっと具体的にそれをおっしゃっていただきたい。どういうようになりますか。

中川理一郎通商産業省鉱山石炭局長

○中川(理)政府委員 先ほど来お話の出ておりました問題点といたしましては、回収硫黄の生産量、山硫黄の生産量、この生産量の変化にかかわりなしに八対二ということで輸出を固定するということにいたしますと、かりに山硫黄の生産量が非常に少なくなりました場合には、山側の内需に回す分よりもよほど大きいものを輸出に出さなければならぬということになりはしないかという問題でございまして、その点はまさにそのとおりでございますので、山側の生産量というものを念頭に置きますと、これらの状況変化に対しては、輸出総量の一定比率という考え方ではなくして、山の生産量の一定比率というふうに考えるのがむしろ筋ではないかという問題でございます。それは私もそのように考えております。ただ、そのような状況変化が起こるかどうかということは先のことでございますので、状況変化に即しまして、いまの八、二というものにつきましても見直し、話し合いのやり直しということをやる用意はございます。いまの八、二というのは現状の生産量を想定のもとにおいての一応の取りきめ、当事者間の話でございますので、そう先のことまで詰めない。それが詰まらないといまの体制が進められないということになっては困りますので、現状はそこのところでがまんをいたしておりますけれども、いま御指摘のような将来の動向、変化に即応しましては、変化に即応した十分な指導を加えまして、両者の話し合いが実態に合致するように持っていくつもりであるということでございます。

玉置一徳民主社会党

○玉置小委員 先ほど神田先生のお話もございましたけれども、そもそもこういうことをやらなければいかぬということは、山硫黄は現状が大体横ばい、回収硫黄がますます増加する。回収硫黄だけでも国内の需要を上回るようになる傾向もあるんだから、このことをひとつ協力してくれということで協力できたんだろうと思いますから、そういう意味では、山硫黄は現状におきましては大体二割くらいでありますから、当分の間そういうものを横ばいで輸出しておればいいんだ、いまの局長の考え方はそういうような解釈で考えておきたい、こう思うのです。回収硫黄が増加しましても全体の二割というんじゃなしに、山硫黄が現状におきまして約二割でありますので、これは当然その程度の協力はしなければいかぬわけですから、そういうようにひとつ考えておきたいと思います。  そこで、その次でありますが、現在の山の単価はどのくらいになっておりますか。どの程度からどの程度……。

中川理一郎通商産業省鉱山石炭局長

○中川(理)政府委員 先ほどの御質問に関しまして御確認をなさいました点は、大体そういう御理解で差しつかえないかと思います。  現状価格等につきましては、鉱業課長から説明させます。

加納寛治通商産業省鉱山石炭局鉱業課長

○加納説明員 山によりましてかなりの開きがございますので、幅を申し上げますと、おそらく一万八千円から二万円ぐらいの間についておるのではなかろうかと想像されます。

玉置一徳民主社会党

○玉置小委員 そうすると、輸出を締め、国内のカルテルを組むわけでありますので、その供給会社というものを一本にする。したがって、一万八千円なら一万八千円という、その供給会社、工業組合というのですか、それが買い取り価格を大体どういうようにしておきめになるか、具体的に……。

加納寛治通商産業省鉱山石炭局鉱業課長

○加納説明員 いま業界で工業組合をつくりまして不況カルテルを結びたいというふうに伺っておりますけれども、これは数少ない山ではございますけれども、それぞれ独立して販売をいたしておるためにやはり競争がございます。それが山の販売値段を引き下げておるということにもつながっておりますので、その意味で共同販売的な不況カルテルを結ぶ必要があろうかと思います。また、生産量の申し合わせ等もいたしませんと市場の混乱が起こりますので、そういう意味の不況カルテルと承知をいたしておりますから、したがって、価格はそこで何らかの取りきめのもとにおのおのの社が販売をするということになりますか、あるいは一手の販売会社というものをこしらえますか、それは今後の詰めであろうと思います。したがいまして、いま御指摘のような買い取り価格あるいは販売価格がどういうふうにきめられるかということは、むしろ今後の工業組合の運営のしかたいかんにかかっておるというふうに考えられます。

玉置一徳民主社会党

○玉置小委員 私この間の質問のとき局長の答えは、輸出の割合を考えた形で合理化目標の価格というものはこういうように落ちつくのではないか、したがって、これは販売価格ということを、あるいは各商社から一定の不況カルテルの工業組合に渡す価格とはいえないかもわからないけれども、合理化目標の価格をどのくらいなところに設定されるか、こういう言い方をしたほうがいいかと思いますが……。

加納寛治通商産業省鉱山石炭局鉱業課長

○加納説明員 合理化計画の見直しは現在事務的に進めております。近く鉱業審議会で御検討をお願いする予定にしております。従来、輸入採算にさや寄せするという合理化目標でこれまで合理化を進めてきておりました。これをさらに、輸出も可能な価格にまで引き下げるということが昨年の鉱業審議会できめられております。その具体策を今回詰めるということになっております。したがいまして、いままでやってまいりました輸入採算を目標にした価格よりは一段と引き下げたところにコストの目標がとられると承知いたしておりますけれども、それがどの辺に押えられるのかという点は、いま各山の実態も調査中でございますし、また、御指摘のように、輸出価格をどの程度に想定するか、また、国内価格をどの程度に維持されるという見通しがあるかというような点を勘案いたしまして、結局その販売価格を主たる参考目標にいたしながら、また現実の山のコストダウンの可能性を見ながら合理化目標をきめなければならない、その意味で、いまの段階ではどの辺になるかということをはっきりまだ詰めておりませんので申し上げかねますけれども、概念的には、従来の合理化目標よりは一段と低いものになるということだけははっきりしておると思います。

玉置一徳民主社会党

○玉置小委員 低いものというのは、価格が低いということですか。私はまた、いままでの輸出可能目標にしなければいかぬから、合理化目標の価格は低いけれども、今度はそうじゃなしに、不況カルテルをつくりまして当分の間安定さすから、その目標価格は暫定的に高くなるのではないか、しかし、それではいかぬから、第二段として、また長期展望に立っては輸出価格までおろさなければいけませんよというような二段になるのではないかと実は思うわけですが、そこはどうなんですか。

加納寛治通商産業省鉱山石炭局鉱業課長

○加納説明員 確かに御指摘のように、現在硫黄の値段がくずれておりますので、これを合理的なところに維持するというために不況カルテルを結ぶわけでございますから、販売価格におきましては現状横ばい、あるいは多少もとへ戻すようなところで安定させるという努力が工業組合の場においてなされると思います。その価格は、もちろん当面のコストダウンの目標の数字の一つにはなりますけれども、合理化計画はさらに先を見越した計画でございますから、その意味では、むしろ長期の輸出価格を目標にする、と同時に、これはただ販売価格だけを目標にして合理化をするというわけにはいきませんので、実際に山としてどこまで技術的に合理化し得るかという両方の検討の結果、落ちつくものであろうと思っております。

玉置一徳民主社会党

○玉置小委員 そこで、一応回収硫黄という当面の障害といいますか、壁というものをこういうぐあいで安定いたしますけれども、合理化というものは進めなければならぬわけでありますけれども、たとえば当面このままで安定いたしますとしても、普通の物資の相当高い値がりと、そのほかに一般労賃の一四、五%の上昇率というのがここ二、三年続いておりますが、これを吸収するだけでも思い切った合理化をやらなければ、ちょっと当面回収硫黄の問題だけは避け得たとしましても、異常な努力を続けてもらわないと存続し得ないのではないかということを非常に心配いたします。  そこで、それだけの合理化をやり得るような手がまだ十分残されておるかどうか、専門家の課長の考えを、こういう点とこういう点とがまだ相当あるんだということがございましたら、ひとつお伺いをいたしたいのです。

加納寛治通商産業省鉱山石炭局鉱業課長

○加納説明員 具体的に合理化の可能性を検討いたしますに、何といっても山のことでございますから、第一点は粗鉱品位を引き上げるということになろうと思います。その意味で、先ほど御指摘がございました新鉱床探査費補助金を使いまして、S分の高い新しい鉱帯を発見するということは当然の急務でございます。  それから次に、鉱石を処理いたしまして単体硫黄を製錬するわけでございますけれども、その製錬の段階におきまして、大部分の硫黄山では焼き取り法という方式が採用されております。これは最も原始的な方法であると同時に、長い伝統を持っておりますので相当捨てがたい妙味があるわけでございますけれども、もう一段製錬の合理化をはかるという意味におきましては、その焼き取り法自体の改良も必要でございますけれども、ほかの溶剤製錬などについても積極的な取り組みが必要かと思います。もちろんそういった製錬の合理化につきましては、過去数回国の補助金も出しておりますし、各企業でもそれぞれ実験をされておりますけれども、必ずしも好成績をおさめておりません。しかし、これは現在のように非常にきびしい環境の中に置かれておる場合の研究努力と、昔のように、将来に備えて研究をすればいいのだというその環境の違いと申しますか、そういいことを考えますと、いまやっておられます努力というのはかなり実を結ぶ確率が高いのではないかというふうに思われます。  そういう意味で、山元におきます各種の合理化、それは単に技術的な問題だけではございません。操業方法あるいは人材の配置方法、そういった問題も含めまして各種の合理化の努力を積み重ねてまいりますれば相当のコストダウンをはかり得る。先ほど現状のコストが一万八千円ないし二万円と申し上げましたけれども、これは私どもの実態調査の結果でございますので、データがかなり古いわけでございます。その意味では現時点のコストというのはもう少し下がっておるのではなかろうかと思いますが、今回検討の対象になります合理化目標というのはかなり低い数字になるのではなかろうかと思っております。

玉置一徳民主社会党

○玉置小委員 そうしますと、合理化審議会で新しく五カ年計画なり何カ年計画なりを近くおつくりになる、こういうことでありますが、先ほどのお話のように回収硫黄というのは目の前にきておるわけですが、これを当面糊塗いたしましても、やはり思い切った合理化を進めていかなければいかぬわけでありますので、従来の政府その他のやり方ではちょっと間に合わないのじゃないだろうかというようなことも考えられますので、これについての予算というものは相当大幅に盛っていただくような努力をしていただかなければならぬのじゃないか。そこで新鉱床の探査費の補助金でもこれはむずかしい問題があるだろうと思いますけれども、二分の一なら二分の一となっておりましても、間々実質はそれよりはるかに落ちるというようなこともございますので、今回はひとつそういうことも十分お考えをいただかなければならないんじゃないか、こういうように御注文を申し上げたいと思うのです。  それから地下資源全般の問題でございますが、鉱山労働者は、御存じのとおり工場のような合理化努力をすれば合理化のあれが徹底するというんじゃなくて、やはり付与された自然条件による場合が多うございますのでそうもいかぬ場合があり得るわけであります。そういうような意味で鉱山労働者が他に職を求めざるを得ないような場合におちいることも、自然条件によってはあり得るわけでありまして、私は一硫黄山だけの問題ではなくて、一石炭山だけの問題ではなしに全般に通ずるようなひとつ画期的なそういうものに対する手当て一だからこれは、他に職を求めるときの十分な就職のあっせん、訓練並びに移転、住宅、あるいは坑内、坑外の労働者によって違うのでしょうけれども、その他の産業よりも厚い年金等の施策が行なわれないと、今後ともこの労働者諸君の安定した就業とそれから新規の需要というものがますます窮屈になってくるのではないだろうか、これは御存じのとおりだと思うのです。こういう機会を一つの機会にされまして、将来この小委員会がそういうことに取り組めるような問題提起を今回しておきたい。この硫黄鉱山の労務者の安定につきましても、先ほど岡田君が質問になりましたように、鉱山の合理化につきましては労働者の代表を入れる等の御配慮があってしかるべきではないか。そういうようにして一つずつ積み重ねてやっていきたい、こう思いますので、この点をひとつぜひともよろしくお願いを申し上げておきたい、こう思います。  委員長、終わります。

藤井勝志自由民主党

○藤井小委員長 岡本富夫君。

岡本富夫公明党

○岡本(富)小委員 硫黄対策の確立に関する件で二、三お尋ねしておきたいと思います。  この輸出会社を設立するにつきまして、これは採掘された製練の硫黄、硫黄鉱山から出てくる硫黄と、それから回収硫黄ですか、これも含めて全部扱うところの会社であるのか、これをちょっとお聞きしたいのです。

中川理一郎通商産業省鉱山石炭局長

○中川(理)政府委員 そのとおりでございまして、これは現在の国内需要から見ました過剰硫黄というものを全体として輸出に振り向ける、そのことは、かりに硫黄鉱山がなくなったと仮定いたしましても、回収硫黄の今後の発生量というものを念頭に置きますと、日本の国内の硫黄需要をはるかに上回ることになりますので、長期的に考えましても、全体としてこれを輸出に指向させるということは、いまから手がけておかなければならないことでございますので、この理由が一つでございます。それからもう一つは、その中でも相なるべくは内需に対して山硫黄を主体として振り向け、輸出に対して主として回収硫黄が振り向けられるということになりますならば、いま窮状におちいっております硫黄鉱山の安定に資するという山側対策という意味が第二点でございます。その二つを兼ねたものといたしまして、日本国としての余る硫黄を一手に秩序のある形で輸出に振り向けるということを可能にするために考えておりますのが硫黄輸出会社でございます。

岡本富夫公明党

○岡本(富)小委員 山からとれる山硫黄というのですか、これはトン二万円余り、それから輸出のほうの金額は一万四、五千円、こういうふうに聞いておるのです。それでありますれば、鉱山の現在の姿を見ますと、そんなにたくさんの利益はあげてないですね。そうしますとコストダウン——合理化というのは徹底的合理化と書いてありますけれども、相当な助成が要るようになる。その辺のかね合いといいますか、合理化するまでやはりある程度安定した値段で山硫黄を買っていかなければならない。それから回収硫黄のほうは公害対策の副産物ですが、どのくらいの値段になるのか、この点お聞きしたいのです。

中川理一郎通商産業省鉱山石炭局長

○中川(理)政府委員 政策的に何らの措置を講じないで、経済のことであるからそれぞれの成り行きにまかせるという考え方をかりにとりました場合には、いま御指摘がございましたように、回収硫黄というものは、本来公害対策のために石油精製がやっておる事柄でございまして、硫黄をつくろうと思ってつくっているわけでもございませんから、コストのとりようによりましてはいかなる評価もできる、そこで、成り行きにまかせておきますと、石油精製業者としては国内で回収硫黄がさばかれればその値段は問わないという形になりかねない、こういう状況にございます。そこで、一定の交通整理ができるような仕組みをつくりまして、回収硫黄をできるだけ輸出に振り向けて、輸出で採算をとってもらいたい。山側のものも分に応じた輸出努力はしてもらわなければいけないけれども、主として国内の需要にこれを振り向けるということになりますならば、自然の成り行きにまかせておきました際に起こるであろう混乱、つまり国内市場がすべて回収硫黄に席巻されて、山硫黄は売ろうにも売り先がないという状態から閉山に追い込まれることを阻止しようというのが、当小委員会でのいろいろな御意見の結果、私どもがいま努力を続けている方向でございます。ただいま申しましたような冷厳な経済原則というようなことで考えますと、耐えられないような状況変化が起こってまいりますためにこういうことを考えておるのでございます。だからといって、鉱山硫黄会社のためにいかなる価格であっても山が生き残るように考えてやろうということではございませんで、これは回収硫黄のほうにも相当の犠牲、負担に耐えさせ、輸出商社にも相当の協力をさせるということで初めて成り立つ案でございます。反面また、硫黄を買う国内の需要家の立場もございまして、これも成り行きまかせならば、安い回収硫黄あるいは輸入硫黄が選択できるはずのものであるのにもかかわらず、鉱山対策ということもひとつ念頭に置いて、がまんできるところはがまんして協力をしてほしいということで初めて成り立つ政策でございます。その意味合いにおきまして、鉱山側にいたしましても、可能な合理化についてはその極限までひとつ努力してもらいたい。自分のすべき努力を最高限にしておれば、ほかの協力者に対しての協力も要請できるであろうし、他の関係者も心よく応援をしてくれるであろうということが前提でございます。  そういう意味で、合理化施策は、先ほど来の御質疑にありましたように、高品位の硫黄をつかむという努力、製錬について新たなる改善、くふうをこらすという努力の指向方法であるわけでございます。しかも、それぞれの努力に対しては、政府のほうにおきましても新鉱床探査補助金あるいは製錬の技術補助というような形で応分のものはいたしますけれども、何が何でもこの山を残さなければいかぬということで、採算のつじつまの合わぬところはすべて助成金に待つというわけにもいかぬことはいまお話ししたような状況でございます。山側の努力と国の応援と全体の関係者の協力という三つのものの結合によりまして硫黄鉱山の安定をはかりたいというのが趣旨でございます。

岡本富夫公明党

○岡本(富)小委員 山のほうもこのままいきますと自然消滅してしまう、といって、あなたのいまのお話では、あまりたくさんな補助もできない、こういうことになりますれば、痛しかゆしということで、鉱山事業というものは成り立たない。そうすると、そこにつとめている人たちも非常に不安な生活じゃないかと思うのです。そこで、これは通産行政として、もう少し大きな立場から、事業転換とかそういう指導、あるいはまた何らかの方法によって次の手を考えていかなければならない、こういうように思うのですが、それに対する具体策、もう一つは、いま新鉱床の探査費補助金あるいは技術改善費の補助金、こういう予算はどのくらいのものを考えておられるのか、これをひとつ伺いたい。

中川理一郎通商産業省鉱山石炭局長

○中川(理)政府委員 この案を考えましたゆえんのものは、硫黄鉱業の縮小、退却ということを避けたいということで考えたわけでございますので、鉱山側がそれぞれの努力をしてくれる、それから私どもも所要の応援をいたす、全体としての輸出体制はほぼ下準備ができまして、関係者の協力は求め得るということでございますので、努力によりましては、いま岡本先生が御心配になったようなことに至らないで済むというつもりでこの案を立てておるわけでございます。悲観的に、これがうまくいかないであろうという前提に立ってものを考えておるわけではございませんので、この点は少し山側にきびしいことを私、努力要請としては要請いたしますけれども、気持ちとしては残してやりたいということで考えております。まず私どものいままでの検討とこの制度の発足状況を見ますならば、当面、支障なく進み得るのではないかと考えておりますことを申し上げたいわけでございます。  なお、新鉱床——これはことばがあるいは十分ではないかもしれませんが、内容的に申しますならば、高品位新鉱床の探査費補助金というようなものでございます。これと製錬の補助費、双方合わせまして、おそらく千五百万円あるいは六百万円ぐらいなものを準備いたしたいというふうにいま考えておる次第でございます。

岡本富夫公明党

○岡本(富)小委員 少ないですね。これは予算のことですから次にも追加することもできるでしょうけれども、こういう経済状態になったといいましても、やっぱりそこへつとめている人たち、あるいはまたその付近のその産業によってその町が持っているというような見地から考えましたときに、相当補助をすると同時に、それを今度輸出会社のほうで何とか資金を出してくれるなりめんどうを見ていかなければならないと思います。  最後に、アスファルト需要の問題ですが、要するに、もう少しこれを使って、何かほかにいまの硫酸とか肥料ですか、そういうものしかありませんけれども、そうした技術革新といいますか、硫黄をもととして何かいろいろなものができてくる、そういう面の研究といいますか、あるいはまたそれをわれわれの生活に役立てていくような研究も必要ではないか、こういうふうに思うのですが、その点いかがでしょうか。

中川理一郎通商産業省鉱山石炭局長

○中川(理)政府委員 先ほどお答えしました助成金の額は四十四年度の額でございます。これにつきましては、多少拡大拡充強化ということで来年度に臨みたいとは思っております。  ただ、助成の仕組みにつきましては、いろいろと制度的な制約、限界もございますが、今回考えました輸出体制そのものの評価というものを考えますと、これは国の予算の額にかかわりのない、もし金額を計算すればたいへんな援助、応援をすることに相なるわけでありまして、それを、たとえば輸出商社からは前渡金を渡してもらう、アドバンスを打ってもらうというようなことでやりますと、金に換算すればたいへんなことでございます。回収硫黄を輸出に振り向けて、山硫黄を輸出価格よりはより高いであろうと想定される国内需要に合わせるというようなことを考えますと、この制度の全体の仕組みは、先生御懸念のありました政府の予算で応援する額では限界がございますので、予算にたよらないで、実質的に硫黄鉱山をどのように応援するかということでくふうしたわけでありますが、これをかりに金額換算いたしますれば、いまの助成額などとはけたはずれの大きな助成をいたすことになるのだということを御理解いただきたいわけでございます。  それから、続いて申されました需要開拓でございますが、硫黄そのものの需要開拓ということも私ども考えなければならないことであります。これは世界的にもサルファインスティチュートという機関がございまして、硫黄の消費開拓ということについて検討を進めております。日本もサルアァインスティチュートに参加をいたしております。しかし、これはおそらく息の長いこれからの問題であろうと思いますので、ただいま御議論の出ておりますのは、回収硫黄として硫黄が生産されないで、同じく脱硫を考えながら硫黄という形で山硫黄と競合する形のものをつくり出さないで、アスファルトという硫黄にない需要をあるものに振り向ける、アスファルト需要というものは、硫黄の消費開拓をはかるよりはより容易に需要開拓のできる商品でございますので、アスファルトの需要拡大によって硫黄問題に対する貢献をしたいというのがねらいでございます。

岡本富夫公明党

○岡本(富)小委員 終わります。      ————◇—————

藤井勝志自由民主党

○藤井小委員長 この際、おはかりいたします。  すなわち、硫黄対策の確立に関する件を本小委員会の成案として決定いたしたいと存じます。  案文を朗読いたします。     硫黄対策の確立に関する件(案)   わが国の硫黄需給は、公害対策に伴う重油脱硫の本格化による回収硫黄の増大により急速に過剰状態を呈しつつある。   このまま放置すれば硫黄鉱業の崩壊、地域社会の混乱を生ずることは必至である。   また、回収硫黄自体についても、数年のうちに国内需要を上回わる生産により、過剰硫黄の処理がきわめて重要な問題となり、さらに動向いかんによっては、硫化鉱、非鉄金属業界全体にも深刻な問題をひきおこすことが憂慮される。   他方、国際的には硫黄供給は不足の傾向にあり、東南アジア、大洋州等への輸出を期待することができる。   これらの認識に立ち、硫黄の国内需給の安定と過剰硫黄の輸出の促進を図り、あわせて鉱山労働者の職場の安定を確保するため、政府は次の諸点につき速やかに適切な措置を講ずべきである。      記  一、硫黄の国内需要に対して安定的な供給を確保し、過剰硫黄の円滑な輸出を推進するため、硫黄の総合的需給計画を策定すること。  二、硫黄鉱山の安定を図るため、回収硫黄を中心とした輸出を積極的に推進することとし、生産者の協調体制の確立、輸出会社の設立、市場別指定商社の活用、輸出基地の建設、輸出市場の開拓等、総合的、かつ、強力な輸出対策を速やかに講ずること。  三、硫黄鉱山における採掘ならびに製錬の合理化を急速に推進するため、新鉱床探査費補助金、技術改善費補助金等を拡充強化すること。  四、石油精製業界の硫黄対策への協力を促進するため、低硫黄化対策の積極的推進に必要な助成並びにアスファルト需要の拡大等総合的な措置を確立すること。    右決議する。 以上のとおりであります。  これを本委員会の成案となし、商工委員会に報告いたしたいと存じますが、これに御異議はありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

藤井勝志自由民主党

○藤井小委員長 御異議なしと認めます。よって、さように決定いたしました。本日はこれにて散会いたします。    午後零時二十九分散会

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