商工委員会 第50号
- 発言数
- 133 件
- 登壇者
- 22 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1969/10/09
会議録
○宇野委員長代理 これより会議を開きます。 本日は、委員長所用のため、指名により私が委員長の職務を行ないます。 通商産業の基本施策に関する件及び経済総合計画に関する件について調査を進めます。 質疑の申し出がありますので、これを許します。塚本三郎君。
○塚本委員 私は、きょうはタクシー料金の問題につきまして御質問申し上げたいと思います。菅野長官がおいでにならないこと、はなはだ残念でございますが、時間的な理由だそうでございますので、局長にお尋ねをいたします。 特にタクシーの料金の問題は、国民生活の物価の問題とともに、それ以上に、タクシー業界、すなわち中小企業の業界としてどうするのかという問題に直面をしておることは、当局も御承知だと思います。特に最近の人件費の個上がりが著しいことも御承知だと思います。この際、タクシーの売り上げ収入に対する人件費が何%くらいになっておるか、当局はその数字を把握しておられたら、特に東京、大阪、名古屋の三大都会についてのパーセントを明示していただきたいと思います。
○八塚説明員 お答えを申し上げます。 いま御指摘になりましたように、タクシーの問題につきまして、今年初頭からいろいろ問題が提示をされておるわけでございます。すでにお触れになりましたように、こういういまや一般的な大衆の足になっておるタクシーの業界の構造の問題、あるいはサービスの問題、及びそれと関連をいたしまして、料金の問題ということが検討の中心になるわけでございます。私どものほうといたしましても、かねがね運輸省のほうからその点について御連絡、御協議がございまして、それなりに勉強をいたしておるわけでございます。 一般的な態度としていつもそういうふうに私どものほうは考えるわけでございますが、価格あるいは料金の問題は、それだけで切り離して議論をするということではなくて、それのもとにありますいわゆる構造改善、あるいは業界の合理化、あるいはサービスの向上というようなものとのからみで考えるべきであるということで、現在の段階では、私どもといたしましては、まずそういう前段の問題について詰めて、そうしてそれから料金のお話に入ろうということでございます。したがいまして、私どもといたしましては、いますぐ料金の問題として、コストの中で人件費がどうであるか、あるいは償却がどうであるかという具体的な数字については、まだ正式に検討に入っておりませんので、その限りでの数字であるというふうにお考えいただきたいのでありますが、大体おしなべて言いますと、原価の中で人件費は大体六割近いというふうに考えております。ただいま各地区ごとにということでございましたが、東京あるいは大阪、あるいは名古屋等々、多少の相違はございます。ございますけれども、まあ六割にやや低いというところで、六割前後というふうに考えています。
○塚本委員 まだ検討と言いまするけれども、すでに四十年以来業界から申請がなされてきておるわけです。それでまだ検討というようなことではたしていいのかどうか。確かに物価高を抑制するという大義名分がございます。しかし特に個々の中小企業者のいわゆるこの業界におけるところの苦しみはたいへんなものでございます。局長、六割とおっしゃったけれども、これはおそらく、いなかの交通のふくそうしていないところも入れた全国平均をとって言ったのだろうと思います。私の手元にあります名古屋市の人件費を見てみますると、四十二年度における人件費は収入に対して六三・一四%、それから四十三年度は六九・八五%、本年度、いわゆるベースアップが行なわれましてからの人件費は実に七一・七九%。よく覚えておいてください。七一・七九%です。一体油がただでもしれていると私は思うのですね。こういう状態で合理化せよという指示がありまするならば、私どもも合理化には大賛成でございまするから、業界に対して合理化の指示をしてみたいと思いますが、今日のいわゆる人手不足の大勢としては、まさか人件費を合理化するということはあり得ないことであります。どういうことで残る二〇何%を合理化させることができるか、これを明示していただきたいと思います。
○八塚説明員 私どもも決して、数字について全然情報なしで議論をしようということで運輸省に対しておるわけではございませんけれども、いま申し上げましたような考え方で、なるほど、料金と構造の改善とか、あるいは合理化とかサービスの向上というものは、関連はいたしますが、同時に現在のような状況で、必ずしも関連しない範囲でそれはそれでやっていく必要がある。そういう観点でやっております関係上、具体的にいわば運輸省と合意に達したとか、あるいは詰めた数字を現在まだ持っていないということを申し上げたわけでございます。 そういう意味でやっておりますが、先ほど申し上げましたように約六割――これは実はいま手元に名古屋の数字は持っておりませんが、大阪、東京が大体そういうふうになっております。全国的には、実は私いますぐここの手元で承知いたしておりませんけれども、現在のタクシー料金の問題は主として大都市であるということで、地方の比較的一般消費者物価に対して影響が少ないところについては、個別に処理をいたしておるわけでございますが、やはり六大都市等では非常に影響が多いということで、六大都市の問題をやっております関係上、数字は主として六大都市。特にいま手元に持っております数字は、東京、大阪の数字で申し上げた次第であります。
○塚本委員 名古屋だけ特別悪いことは、これはまた経企庁のほうでも承知してみえると思います。それは名古屋だけが、そういう意味では業界が特別譲歩して、サービス向上のために人件費を、労働組合の要求も大幅に認めておる。こういうことで、この三つの大都市の中で名古屋だけが特別にそういうサービスに対する苦情が全く少ないということも、そういうところにあろうかと思います。だからいま局長の言ったことは、確かに大阪、東京はそうであるかもしれませんが、現実に名古屋は人件費がすでに七〇%をこえておる。こういう状態であるとするならば、手始めこれからでもやってもらわないと、どういう結果が起こってくるのかということが私はたいへん心配でございます。 詳しいデータがございますからここでもう少し申し上げてみますると、名古屋市における収支状況は、すでに昭和四十二年にして経費に対する収入が九九・六一%で、四十二年にすでに平均いたしますると赤字になっておるわけです。そうして四十三年には九七・四一%。これは若干実車率がいわゆるよくなっておりまするから、人件費が上がりましても、そんなに赤字になっておりません。ところが、今年になりますると、急激にベースアップが――どうしても人件費の関係が、トラックにいわゆる運転手が引き抜かれて、そうして九三・三五%に実はなるわけです。そういたしますると、六・五%の赤字ということで三年続きの赤字になります。そうしてもしこれが自賠責のいわゆる保険料等が上がってまいりますると八七・四八%と、こういうふうにいわゆる経費に対する赤字が一〇何%になってくる。三年連続の赤字であることは、これはどう経営を合理化するのか。しかも七〇%以上が人件費でございますから、これは合理化といっても管理職を減らすということで、私どももずいぶん――上げるということをわれわれも慫慂したことになると、政治的にも影響力があるということで、とにかく合理化せよということをやらしたんです。そうすると、どうしても管理職を少なくする以外にない。ところが御承知のとおり、表現は悪いかもしれませんけれども、運転手というものは、そうすばらしい人格者が集まってきている集団だと言い切るわけにまいりませんから、管理職を少なくすると、どうしてもその運営についてかえっていわゆる合理化がはばまれてしまうような形になってくるというようなことで、二〇何%の中でしかこれをいわゆるなぶることができない、こういう状態でございます。だから、もはやいまのいわゆる中小企業の、百台くらい持っておりまする業界は投げやりでございます。どうしてやっているのかといえば、古い会社はいわゆるいままでの資産を食いつぶすということ、それから新しい会社は資本金を食いつぶすということ。もうその食いつぶし得られる、また融資の得られる限界というものがことし一ぱいだろうというふうにいわれてきておるわけでございます。だからもう経営者は投げやりなんです。私どもせめておかゆくらい食べさせてくれぬか、こういう要求をずばり労働組合と一致して出されてくるわけでございます。ここまできまするならば、やはり何とかそういうことに対して、もはや人件費とことしの越年資金をどうするのだということに各会社は悩んでおるという実情でございます。だから、それは人気のことも私は必要だと思います。それから他に影響するところが大きいと思いまするが、私は事この問題については、中小企業の問題だから検討なさっておられるということは、いつになったらほぼその結論が出るか、このことだけはっきりと知らしてもらいたいと思います。
○八塚説明員 タクシーの問題を考えます際に、やはり同じ六大都市といいましても、かなり立地条件あるいは経済情勢等が異なることは、私どももよく承知をいたしております。東京、大阪とあるいは神戸、京都、名古屋というようなところは、端的にいいますならば同じような走り方ができるかどうかというようなことは、かなり特色がそれぞれあるだろうということは考えなければならないことだろうというふうに考えておりますが、一面また、そういう特殊性と同時に共通の問題もかなりあるわけでございます。現在の段階では私どもは、そういう特殊性と共通の問題とをどういうふうにからみ合わせて考えるべきかという観点で検討を進めておりますが、同時にまたこれは公共料金でございますから、ただ押えるだけが能ではなくて、やはり都市交通の体系の中でどういう役割りを果たしてもらうか。それにふさわしい料金体系というものは、いわゆる交通機関の料金の間における相対関係というようなものもよく考えなければならないだろう。 さらに、ただいま合理化の話がございましたが、おっしゃるとおりタクシーは、これは一人の――乗ってしまえば一人でありますが、一人の運転手さんが一台の車を、とにかく市内を走らせて歩くわけでありますから、他の製造業のような規模のメリットというのは、比較的出にくい性質のものである。人の問題がきわめて大きいというふうにも、確かに考えておるわけであります。したがいまして、私ども、構造改善あるいは合理化というのは、単純に人件費が高過ぎるからどうということではなくて、そういう貴重な――現在では貴重になっておると思いますが、貴重な労働力をできるだけ有効に使うためには、あるいは駐車場であるとか、その他いろいろな観点で物的な面での合理化ということをやれば、おのずから労働力の合理化になるというふうにも考えておるわけであります。いずれにいたしましても、タクシー問題を考えます場合には、もちろん私どもの立場でございますから、いわゆる物価に対する影響ということは、これは前提にあるわけであります。その中でそういうことを考えてまいる。 一体いつめどがつくんだということでございますが、私どものほうでも、先ほど申し上げましたように、やはりまず構造改善なりサービス改善の具体策がどの程度緒につくかということについての検討が先であるという態度ではございますけれども、同時に、先ほど申し上げましたように、数字、コストの中身等については、これは非公式に勉強いたしておるわけであります。その点については現在検討中でございますので、その私どもの見ましたコストというものが、これは運輸省のほうで、やはりそういう企画庁の見方は少し誤っているとかいうような議論が今後当然かわされるわけでございまして、その推移によりまして私どもは料金の問題を解決したいというふうに考えておるのでございます。 〔宇野委員長代理退席、小宮山委員長代理着 席〕
○塚本委員 私は時期を聞いているのです。推移を見てということでは――四十年に申請されて、いままでほかっておかれて、そしていまごろ推移を見てというのだけれども、そうすると、もう四年ぐらいほかっておくということですか。あるいはもう二カ月あたりで見通しがつくというのですか。かいもくつかめぬから、一体いつごろつくかということ、そのことだけでもここではっきりしてもらいたいと思います。
○八塚説明員 役所といたしましては、申請があれば当然検討に入り、何がしかの回答をする必要があるわけでございまして、ただ引き延ばすということは、これは行政としては邪道であろうかと思います。そういう意味で、運輸省と現在申請をもとにして検討をいたしておるわけでございますが、現在の段階で議論をいたしますもとは、やはり四十三年あるいは四十四年、それから四十五年がどうなるであろうかというデータでやるということになろうかと存じます。いずれにいたしましても、何日以内あるいは何カ月以内ということについては、ただいまなかなかお答えしにくいわけでございますが、しかし私どものほうでは私どものほうなりにいろいろ検討を進めて、具体的に運輸省と御相談申し上げ、その合意と申しますか、相談の進捗状況というのは、実は具体的なデータをどう見るかということと関連をいたすわけでございますから、その点については、いまいつというのをはっきりここで申し上げるのは非常に困難であります。ただ私どものほうの、
○塚本委員 時間がありませんから、はっきり結論だけ言ってもらいたい。
○八塚説明員 私どものほうの大臣のお気持ちは、年度内はなかなか認めにくいし、上げなくてもいいだろうというふうにおっしゃっておるわけであります。しかし、いずれにしましても数字を基礎にしての議論ということになりますので、そういう数字の検討は逐次始めなければならないということでございます。
○塚本委員 数字は私どもははっきり明示しておるとおりで、これを信用なさらぬというなら別ですよ。だから私はあなたのほうの言った数字も承認して、確かに大阪、東京はそうであろう、しかし名古屋はこうであるということを申し上げておるのです。だからあなたの発言は、局長でありながら政治的発言ですよ。そういうような政治的発言を言われるなら、業界だって逆に政治的運動で、中小企業の業界が、もはや全車をストップしてでも自分たちの企業を守り抜かなければならぬというような意見まで出ているのですよ。だからあなたが、政治的問題だから大臣同士の政治的折衝だと言われるなら、もはやそれだけでたくさんだと思う。だけれども、その発言の中に、数字を、数字をというような事務的なことを言うでしょう。事務的なことならば、四十年度からすでにその申請がなされておって、しかもこの議論がなされ、運輸省からあなたのほうに相談にかけられてからでも、すでに半年たっておるはずでございますね。にもかかわらず、あなたたちはそんな数字がはじけぬような非能率な役人さんばかりだとは私は思っておりません。だから、あなたたちが政治的関係から、赤字であることは承知しておる、だけれどもどうしようもない、閣議できめられて選挙前は困るんだということをはっきり言ってもらえば、業界にも私はそのことを言って、政治的問題だから、自民党さんの人気を考えてやらなければならぬ、時の政府のそういうことだからしかたありませんよ、だからあなたたちは、中小企業として自衛のためにどうするということをはっきり言ってもらおうじゃないかというふうに、われわれは業界に言わざるを得ない。そう言っておりながらあなたたちは、数字をつかんでおらないというようなルーズな逃げ方をしておる。私は気の毒だと思うのですよ。くれぐれも申し上げておきます。 時間がないから、結論だけ申し上げておきまするけれども、合理化しよう――私たちも合理化には大賛成なんです。しかしながら人件費が全売り上げの七一%をこえておる。そうしてことしの年末のいわゆる越年のボーナスはどうするんだということの合理化の幅さえも、二十何%の経費の中にしか残されておらない。車だってただじゃない。燃料だってただじゃないことは御存じのとおりですね。すでに三年連続赤字を重ねておるというデータを示しておるのにかかわらず検討ということは、それが信用ならぬということと同じことなんです。だから、こんな状態で市民は逆に、もはやタクシーを拾いたくてもなかなか拾えないような状態です。銀座なんか行けば、運転手が一と言うから、私は一台でいいかと言っていると思って、会館まで乗って三百円払ったら、千円という約束でしたといって居すわられてしまった。こういうような状態を東京では夜になると現出をしておるのですね。しかし名古屋の場合は、比較的人件費をよけいに払っておりまするから、いまだそういうことは幸いにして耳にいたしておりません。こういう健全な業界をして、全車をストップさせるというような強硬な態度にまで追いやることは、監督官庁としてもそれは責任問題になるのじゃなかろうか。私はそういう意味で、事中小企業者の重大な問題になってきているから――幾ら上げよと申し上げるわけじゃないのです。四十年度からすでに三十何%の値上げを申請しておりながら、四年間握りつぶしておいて、そうしてこれから検討いたしますなんということを言われたのでは、それはあまりにもかわいそうじゃないかということを申し上げるのです。 もう一言だけ回答をいただいて、私の質問を終わりたいと思います。
○八塚説明員 私ども、業界のほうから出ておる数字については、当然運輸省もよく知っておると存じます。運輸省においてもそれをもとにして、いわゆる査定といいますか、そういうことをやって、いろいろ数字を詰めておる。したがいまして、私どもも私どもなりに、運輸省の数字についてよく伺った上で意見を言うというようなことでございまして、そういう意味における数字の詰めということを申し上げておるわけでございます。 いずれにいたしましても、私どもとしましても、決して業界のそういう段階についての認識がないわけではございません。ただ、態度として単純に――単純にといいますか、 〔小宮山委員長代理退席、宇野委員長代理着席〕 私どもの事務当局としては、これは当然物価問題もまさに経済問題であり行政の問題である。同時に料金の問題は、当然経済の問題であり行政の問題として処理をしてまいりたいということで考えておるわけであります。
○塚本委員 希望だけ申し上げまして終わりますが、いま局長が言われたように、まさにこれは経済問題として合理的にひとつ――あれら小さい業界が戦後二十年間積み上げてきた資産を全部食いつぶしてしまって、そしてあと、やけっぱちな形にいまなろうとしておる。この事実を経済問題としてともかく把握していただいて、そしてことしじゅうには必ず彼らの期待にこたえられるようにしていただきたい。そのことは市民だって、いわゆる値段が高くなるということより、大都会においては、いま拾おうとしたって拾えない、こういうような状態になって、かえってそのことのために不便を感じておるのだ、そのことをはっきりと自覚していただいて、このことだけは、合理化をさせるためにも、あるいはいわゆる安全運転をさせるためにも、これは運転手の、労働者の立場からの強い要望として、このことを申し上げておきます。 終わります。
○宇野委員長代理 堀昌雄君。
○堀委員 最初に、御承知のように、最近、情報化問題というのが日本の各界において重要な課題になってきたわけでありますけれども、現在国の関係でいえば、一番早くこの問題に手をつけているのは電電公社でございますし、電電公社は、すでに個別データ通信については、地方銀行協会あるいは群馬銀行等と実際の業務を開始をしておるという実情でもありますし、さらに来年度においては加入データ通信もスタートする、こういう段階にきておりますので、本日は、新しい分野の問題であるこのデータ通信の料金関係の問題について、少しお伺いをしておきたいと思うのであります。 そこで、このデータ通信の料金体系といいますか、これについて、現在すでに行なわれておるものについての状態を、簡単にひとつ公社のほうから御説明をいただきたいと思います。
○武田説明員 公社が現在実施しておりますデータ通信は、いま御指摘がございましたように、地方銀行協会並びに群馬銀行に対しまして為替通信用に提供しているものでございます七そこで、いまお話のございました料金体系でございますが、一応地方銀行協会の例にとって御説明いたしたいと思います。 公社がデータ通信をやります場合に、料金についての基本的な考え方でございますが、このデータ通信は、一般の大衆が使われます通信と違いまして、企業用の通信でございますので、このデータ通信の建設のため、あるいは経常経費のために、一般の加入者には迷惑はかけないということで、資金面におきましても、採算面におきましても、独立採算を貫いていくという考え方でまいっております。 具体的に申し上げますと、創設時の負担でございますが、端末設備につきましては、その設備に要します費用を債券の引き受けということで調達をいたしております。それから設置に要します費用は、設備費、設備料という形において回収をいたしております。なお、中央装置につきましては債券等の引き受けを要しないことにしておりますが、縁故債でまかなうというたてまえにいたしております。 それから月々の使用料でございますが、大きく分けまして、センターの使用料と、それから回線の使用料とデータ宅内設備の使用料、この三つに分かれるわけでございますが、まずセンターの使用料につきましては、資本報酬八%、それに耐用年数に見合います減価償却費、それから保守費を加えましたものを回収することにいたしておりまして、回収するしかたといたしましては、利用時間一時間当たりの基本料額と、それから利用件数一件当たりの度数料と申しますかを設定いたしております。それから回線部分につきましては、その規格によって異なりますが、その規格に相当いたします専用料相当額をいただいておる。それからなおデータ宅内設備につきましては、一般の構内交換設備や専用端末の料金をきめますのと同じような形においてきめておるというのが実情でございます。
○堀委員 そこで、いまのお話の中で、端末の問題は債券引き受け、要するに一般の電話にわれわれが債券を引き受けていると同じような公社債を引き受ける、こういうことになるわけですね。そうしますと、一般的に現在公社以外がそういう施設をするときには、これは端末を含めてレンタルの場合もあるし、あるいは端末は買い取りの場合もある、こういうことになると思うのですが、公社がオンラインをこういう形で公社のシステムでやった場合には、要するに端末の部分というのは、債券を買いさえすれば端末についての費用の支払いはない、こういうことになるわけですか。
○武田説明員 公社のデータ通信の場合の端末設備でございますが、これは公社の所有になるわけでございます。一般の方々が自分でレンタルあるいは買い取りで設置される場合には、買い取られた場合は設置者の所有になりますし、レンタルの場合は貸し主の所有になりますが、公社のデータ通信の場合には公社の所有になります。したがいまして、その費用は料金という形で回収されるわけでありますが、初度の建設費について御協力をいただくという意味で、加入電話について加入者債券を引き受けていただいていると同じような意味におきまして、端末設備に相当いたします額の債券を引き受けていただいておる。なおそのほかに端末設備を設置いたします工事費がかかります。工事費は設備料という形で現金でいただいておるということでございます。
○堀委員 そうすると、これは民間と公社との関係が今後非常に問題になってくるわけですけれども、公社がいま考えておる端末だけについての使用料金というものは、一体どの程度で償却がされるという原価計算に基づいておるのか、ちょっとそこをお伺いしたいのです。
○武田説明員 八年で償却されるという考え方に基づいて料金を設定いたしております。
○堀委員 今後私はデータ通信の問題については、ハードウェアの部分も相当に日進月歩、どんどん変わってくる、使う側においても相当にその需要というものが多様化をしてくる、こう考えるわけですけれども、いま御承知のように、JECCがやっておるレンタルというのは、IBMと同じように四十五カ月だと思うのですね。これがJECCやIBMが四十五カ月というレンタルをきめたのは、おおむねその辺で機械が更新される可能性があるということが一つの目安になってきているのじゃないのか。もちろん四十五カ月を過ぎればあとは純益になってくるわけでありますけれども、八年のような端末の償却を見越していて、もし新しいものが出てきたときに、途中でこれを取りかえるということになってきたときには、これは一体どういうことになるのか。もうあなたのほうは、一ぺんつけた機械は八年間、償却が済むまではそのまま据え置いて、要するに技術革新が起きても古いのをそのまま使ってもらうということなのか。周囲がどんどん技術革新で新しい端末が開発されておるときに、これからデータ通信、八年間同一の端末を使わなければならぬなんということになれば、私はもう電電公社と民間との競争は問題にならない、逆に電電公社が独占をすることによって国民は非常な被害を受けるということになりかねないのじゃないか、こういうふうに思いますけれども、一体この八年のような償却ということでいいのかどうか。もし新しい技術革新が出てきて、それを今度はたとえば四年目に取りかえたとしたら、半分しか償却できていませんね。いまの分は半分しか償却できていなくて、今度はまた四年目のときにまた債券をどかんと買わせて、そうして今度はまた何年の償却にするのか。またこれが八年となれば、非常に償却不足になって、独立採算というあなたのいまの説明は基本からくずれてしまうんじゃないか。私は、いまのデータ通信の問題というのは、電電公社がこれまでの電話のように完全独占でやれると思ったらこれは大間違いであって、民間とのきびしい競争の中で行なわれることでありますから、それらの点について独立採算ということを確立をするというのなら、それなりの対策が当初からとられておらなければ筋が通らないのではないか、こう思いますけれども、その点はどうでしょうか。
○武田説明員 おっしゃいますように、確かに電子計算機メーカーあるいはJECC等のレンタルの場合におきまして、四十五カ月あるいは八カ月を過ぎればきわめて安い料金になってくるということは事実でございます。ただこれは四年をもって耐用命数ときめたということにはならないかと思います。また現にいろいろの会社において設置いたしております場合におきましても、その耐用命数は区々でございます。確かにいま御指摘のように、このデータ通信の機械というものは日進月歩でございますし、容量につきましても、使用度数が多くなってくれば大容量のものに変えなければならぬということはあると思います。しかしながら、公社といたしましては、いろいろの設備、あるいはいろいろの容量のコンピューター、あるいは端末設備を持つわけでございます。したがいまして、公社といたしましては、そのユーザーの方が現在二百ボーの端末を使っておられる、しかし通信量がふえましたから千二百ボーの端末にかえなければならぬといったような場合には、債券の差額を引き受けていただいてかえるつもりでございますが、そのユーザーとしてはお要りにならなくなっても、公社としましてはそれをほかの方に回せる。あるいはコンピューターにつきましても他に転用できるというふうなことで、公社といたしましては、そういうふうに回転使用をすることによりまして、全体として八年の耐用命数の間は使える、こういうふうに考える次第でございます。
○堀委員 ちょっと具体的にいま地方銀行協会が設置しておるところの為替のデータ通信を例にとってみますと、為替のデータ通信の機械というものが、まあ為替業務というものはまだ単純でありましょうけれども、地方銀行協会としてはさらにこれをより有効なオンラインにしていきたいということが、私は早晩起きてくるのではないかと思うのですね。そういうふうになってきたときに、新しく端末をそのつどそのつど入れるということよりも、やはり総合的な端末にして多様化できるような機械が使えるということになれば、さらに効率もいいわけでしょうから、そういうようなことになったときには、いまの地方銀行協会の為替用のものをよそへ持っていくといったって、これはだめですね。これは為替用の端末になっているのですから。それがそのままほかのものの端末にすぐ切りかえられて、一般の汎用的なものに使えるというような端末機器になっているのでしょうか。私はセンターは非常に共通的なものだろうと思うのですが、端末機器というのは、そこの用途に応じて設計されたものをつくっていなければ、汎用機具だけで全部がまかなえるように思わないのですが、その点はどうなんですか。いまの為替業務用の端末機器というものは、何にでも使える端末機器なんでしょうか。そこをちょっと伺っておきたいのです。
○武田説明員 端末機器でございますが、端末機器は、出力と、それから出てきましたもののプリントアウトをすることが主たる役割りでございます。そこで端末機の一番おもな点は速度の問題でございます。速度は五十ボーとか二百ボーとか千二百ボーとかいうものがございますが、そういう速度の問題はございますけれども、ただ送って、そして出てきたものをプリントアウトするという形のものでございますので、端末機器はそういった性格のものでございますから、すべてのデータ通信に広く利用できる。ただ、個々のシステムにつきまして見れば、中央装置におきましてソフトウエアでいろいろの仕事をすることにしておりますけれども、端末設備は、いま申し上げましたような意味で広く一般に応用できる、こういうふうに考えておる次第でございます。
○堀委員 そうすると、そこでいま独立採算という問題が出ましたから、あわせてちょっとお伺いをしておきたいのですけれども、この独立採算を考える場合の原価計算の範囲というのは、一体どこまで入ってくるのか。たとえばこれからDIPSのようなものをどこに置くということになれば、これは新しい局舎――新しい局舎でなくても、局舎を増設するとか、そういう問題から始まり、あるいは専用線の問題でも、現在の専用線でいけるものもありましょうけれども、新たな専用線を必要とするようなものも出てくるだろう。こういうことになると、こういうような局舎とか線路とかいうものを含めてこのものは独立採算として原価計算が行なわれていく、こういうことでしょうか。
○武田説明員 そのようにお考えになっていただきたいと思います。ただ、現実に地銀協の料金をきめました場合には、センター設備につきましては、いまおっしゃいましたように、局舎それからコンピューター本体、周辺装置、予備機器、そういったもののこまかい原価計算ができますので、それに基づきまして料金をはじきまして、端末設備についても同様でございますが、ただ回線につきましては、先ほど申し上げましたように、現在たとえば二百ボーなら二百ボーとしての専用線に適用されております専用料金、これ相当額をとっておりますので、いま、中央装置、端末においてございましたような個別な厳格な意味における原価計算はいたしておりませんけれども、考え方としては御指摘のとおりでございます。
○堀委員 そうすると、いまの関係の中央機の、要するにコンピューターそのものの原価計算と、いまの一時間当たりの料金との関係ですね。地銀協の場合に使っているコンピューターというのは、それ専用のものを使っている、こういうことでしょうか。今後あなたのほうでは、たとえば昭和四十四年度には専用のデータ通信十システム、四十五年度には専用データ通信を十七システム開発する、こうなっておりますね。しかし、御承知のように電算機というものの機能は非常にいま高くなっていますから、一システムごとに一々コンピューターを一つセンターに置くという必要はだんだんなくなってくるのじゃないかと思いますが、その場合に、いまの地銀協の問題は、まだごく初期ですから、ほかに加入がないから、それだけ専用になっているかもしれませんけれども、いまの原価計算というものは、いまは地銀協一つでやっていますね。一体これからどれだけ利用するかわからないものの原価をいまはじき出しているわけですよ、言うなれば。ここら辺は一体どういうことになっているのか。地銀協の言うように、一時間当たりセンター設備を幾らか使うということに皆さんのほうは料金を出しているはずだから、その料金は一体どういう形で出てきたのか、ちょっとそこを伺っておきたいのですが。
○武田説明員 おっしゃいますように、コンピューターが発展し、またデータ通信が盛んになれば、一つの中央装置がいろいろの種類のデータ通信に共通使用できるということは事実でございますし、そうすることによって経費が安くなってくる、したがって料金も安くなってくるということもおっしゃるとおりでございます。そこで私ども地銀協の料金をきめます場合におきましては、何といいましても当初のものでございますし、さしあたって利用されるのは地銀協だけでございますので、地銀協の為替通信に使っておりますコンピューターの原価計算をいたしまして、いまお話しのように、平年度において回収すべき金額をきめ、それを時間当たりの料金、それから見込利用件数によります一件当たりの料金にいたしたわけでございます。したがいまして、将来もしデータ通信が大いに発達して一つのコンピューターが多くのものに使われるようになりますれば、俗に容量がふえれば経費はその自乗倍で安くなるということがいわれておりますので、幾らか料金も変わってくる、むしろ安くていいということになってくるかと思いますけれども、現時点におきましては、地銀協だけでございましたので、そういう計算をいたしたわけでございます。
○堀委員 そこで次に、今後の加入データ通信の料金の問題に触れておきたいと思うのです。実は地銀協のものは専用データ通信でありますから、加入データ通信というのはやや新しい次元の問題になると思うのですが、一体加入データ通信の料金を定める場合についてのものの考え方ですね。 私は、いま電電公社が扱っております通信の問題には二つあって、一つは電信で一つは電話だと思います。電信というのはごく初期的なデータ通信だ、こう私は思うのですが、電信というもののデータ通信としての発想は、料金は距離には関係ありませんね。字数だけが関係があって距離に関係がない、電話のほうは距離と時間とに関係がある、こういうことになっていますね。そこで、今後の加入データ通信の問題、まず東京で始める、こうなるのだろうと思うのですが、そうすると、いま皆さんのほうでは加入区域というのですか、ある一つの区域を設定してそれを中心にしてものを考えておる、こういうことですけれども、もし東京に置いた場合に、それの共通的な加入区域というのはどの範囲まで考えるのでしょうか。私の言いたいことは、要するに距離が全然度外視されるなら、電信のようなことになるなら問題ないと思っているのです。データ通信がたとえば茨城で使おうと神奈川で使おうと同じ料金ということならいいのです。ただ、あなた方の発想の中にはおそらく加入区域なんというような考え方があるから、そこの中は同一でいいけれどもその外へ出たら多少違うのだということになると、これはちょっと電信の考え方じゃなくて電話のほうへきてしまう。私は、考え方としては、電信というデータ通信の初期のものをそういう発想でやっている以上は、これが非常に複雑化してきても、発想そのものはやはり電信的でいいのではないかというのがいまの私の気持ちなんです。それが将来的にデータ通信を特に公社がその他と競争する場合には特に重要なんではないのか。ということは、民間がこういう問題を提起をしてくるときには公社の線を使う。公社の線を使うと専用料は距離比例になるわけですね。それは民間が資本主義的に、要するに利益をあげるという面からくればそうだ。しかし、国民的利益という面を公社が重視をしていくならば、距離の問題よりは量の問題、電信的な処置をすることが、公社がデータ通信をやるという一つの特殊性がそこに生まれてきて、そのことが国民から公社の加入データ通信のほうがいいということになり得る。こういう競争条件の問題もあるかと思うので、そこらを含めて来年度における加入データ通信の料金に対する発想のあり方をちょっと承っておきたいと思います。
○秋草説明員 お答え申し上げます。 ただいまの加入データ通信に対する料金の基本的な考え方という御質問でございますが、これはいま先生が問題点のようなものを御指摘なされましたように、非常にむずかしい問題があるわけでございます。個別データと申します企業データ通信、これはいろいろまだ多少不合理な点がございましても、個々の大企業の、大法人の特殊なデータ通信でございますので、それぞれ分析して料金をつくらなくちゃならぬ。加入データはどうしましても、言うならば公社の一品料理でございまして、ただいま在庫計算とか科学技術計算というものを一応売り出そうとして表明しております。こういうものはもちろん個々の家庭で御理用なさることはあまりございませんけれども、小企業、中小企業等にかなり広く普遍的に、大衆料理的に御利用なされる分野と存じます。したがいまして、この料金の立て方につきましては、やはりそうした考え方を踏まえて、公平にしかも簡単にわかりやすくしなければならぬ、こういう原則が一つあると思います。たいへん申しわけない話でございますが、これはただいま私ども非常に意欲的に検討を加えてございまして、少なくともこの数カ月の間にはこの問題も結論を出さなくちゃなりません。そういう前提をひとつ御了解願って――まだきまったものはないわけでございます。 そこで、これもまた、やはりコンピューターと端末機と回線と、この三つの要素でやることは間違いないわけでございまして、先ほど申しました端末機につきましては、それぞれのユーザーの度合いに応じまして品物も多少違ってまいりますので、個々の創設費にいたしましても、年経費にいたしましても計算していけばいい。あと回線とコンピューター、これが非常に普遍的に共用される。というのは、個別データとちょっと違って、共用されるという点が原価計算あるいは料金の単価計算の基礎になるわけであります。コンピューターは別といたしまして、確かに東京、大阪、名古屋程度の間にこの商品を売り出すことであって、ユーザーもまたその範囲に限られればそれほど大きな問題ではございませんが、ぽつんと一つある中都市で一つの工場でそういうものを申し込んできた場合一体どうするか。たとえば東京を離れて水戸で一つそういうユーザーが出てきた。これは断わるわけにまいりません。そうした場合は、そこに数件集まってまいりますれば、多少またそこに加入区域というか、サービスエリアのようなものを設定いたしまして、東京と同じような条件でお値段をきめるということもできますが、当分の間一件だけだといった場合、かなり高いものになる。その場合に、その加入回線の原価というものを一体考えないでいいかどうかという問題は、非常にむずかしい問題でございます。ただいま電信との関係を申されましたが、電信も確かに距離というものはございませんが、加入テレックスでございます加入電信というものが、現在約二万八、九千まで普及いたしております。この加入電信の性格に非常に近寄ってくるのではなかろうか。これもユーザーは全部企業でございまして、個人というか御家庭では使っておりません。こういうものも歴史的にはやはり東京、大阪、名古屋から発達しまして、三百数十の地域に加入電信エリアというものを設定いたしておりまして、その範囲から出たものにつきましては、やはり付加料金というものを線路の距離に応じてちょうだいするという考え方に立っております。これを加入電話と同じふうにするということは、やはりユーザーである相手がそういう企業でございますから、大きな公社の経営という点からすればまた一つの問題もございますので、やはりある程度の実費を加入者の負担において取っていくという考え方。結論的に申しますならば、長々申しましたけれども、個別データ通信との調和においては、どうしても加入データ通信のほうは、やや大衆的に、普遍的に簡単な料金にはしたいけれども、過渡的にはやはり原価実費的な御負担をお願いしなくちゃならぬだろう、こんなふうに考えているのであります。
○堀委員 まあ今後検討の段階でありますし、どこかで一件ぽつりというようなのは例外であって、公社がやはり今度は商売ですからね。これまで皆さんは、電話というのは競争相手がない。独占ですし、ほっておいたって積滞があるからつくと、こう思っておるだろうけれども、データ通信については、民間もやるしこちらもやるというので、まさに商売なんで、いまみたいな殿さま商売をやっていたんでは、ぽつりぽつりと一つずつできるのではないかと思うのです。やはりきちんとマーケットリサーチをやり、そうして需要開拓をして、これは公社といえども積極的にセールスをやらない限り、せっかくつくったコンピューターをごく少数の加入者で使わせておけば、相対的に高くつくわけですから、できるだけ加入データ通信といえども、たくさんの需要者を開拓することが、基本的にはその費用を安くすることになるわけでありますが、その点は、どうもいまの副総裁の話を聞いていると、殿さま商売の延長線にあるような感じがちょっとするのです。たとえば一件だけできたらなんということは、殿さま商売ならなろうけれども、要するにセールスをやっていけば、関東一円については少なくともこのくらいです、そういうことになれば、加入区域というのは関東一円に広がる。いきなり青森県や宮崎県だとか鹿児島県にぽつんと出るということは、これはいまの情勢からしてそうありませんでしょうが、まあやはり関東、首都圏といいますか、こういうようなところとか、近畿圏、中部経済圏といいますか、いまや経済は、そういう意味ではやや広範囲な状態になっていますから、そういう経済圏の中くらいが加入区域になるように考えて、それを前提として料金も考えていくということにしてもらわないと、いまの電話の発想でものを考えると、ちょっとこれは私は問題があろうと思いますから、ちょっとその点を申し上げておきたいと思います。 もう一つ。いま加入電信の問題にお触れになりましたので、今度電々公社ではたしか認可料金の問題について、郵政省に認可料金の値上げまたは値下げの問題を出されていたようですが、その中に、たしか加入電信の料金については五〇%引き上げたいということが郵政省に出されておったと思いますが、加入電信を五〇%引き上げたいという理由をちょっと明らかにしていただきたいと思います。
○武田説明員 加入電信の料金は、加入電信の機械の使用料に相当いたします基本料と、それから利用されたつどいただきます通信料に分かれております。通信料は、いま副総裁が申し上げましたように、市内、市外とも一分の料金体系をとっておりまして、距離に応じて違った、遠距離になるほど高い料金になっております。 そこで、加入電信の収支でございますが、通信料のほうは、いま申し上げましたようなことでできておりますので、電話との均衡をとってやっておる。したがいまして、通信料のほうにつきましては、それほど問題はないわけでございますが、ただ加入電信そのものにつきましての収支を見てまいります場合に、一加入者当たりの通信度数は上がっておるわけでございますけれども、収入が若干下がりぎみである。これは遠距離から近距離の通信がふえてきたということによるものでございますが、そういったこともありますのと、もう一つは基本料を、当初普及を促進するという意味もありまして、若干低く定めておったということもございますので、加入電信の収支が必ずしもよくない状態でございます。したがいまして、その収支を改善するために、通信料をいまいじるわけにいきませんから、基本料についてだけ五割程度値上げをいたしたいという希望を、公社といたしまして郵政省に表明いたしておったわけでございますが、まあ法定料金がああいう形でプラスマイナス・ゼロとなったこともございますので、この問題は、電報全般の問題もひっくるめて今後の問題として残されて、認可になりませんでしたけれども、公社が認可を申請いたしましたのはそのような事情でございます。
○堀委員 郵政省入っていますね。――私ども実はこの加入電信の問題は値上げをしていいのではないか。いま公社のお話のように、基本料についても、普及のために割安の価格が設定されておった。それを少しもとへ戻したいのだということであって、その限りにおいて、私はどうも一般的に――これはしばしは私は各種の委員会で電話料金関係の問題をやってきているわけですが、郵政省もどうもそんな感じがするのですが、個人用と、それから営業用の問題というのは、私は基本的に差がある。これは、まあ公社の読本にまでそば屋の電話のことが例に引いてあって、ちゃんと書いてあったのですが、これはそのとおりで、だれが見たってわかることで、個人用のは生活の便益のためにやるわけで、片方は利益をあげるための手段なのですから、これは経費として落ちるわけですから、そういうものは負担能力があるから上げるべきではないかというのがわれわれの基本的な考え方であったにもかかわらず、公社もそういうことで五〇%値上げしたいと言うのを、あなた方は認可料金ということで否認をしたということですが、なぜ否認をしたのか、そこをひとつ郵政省側の見解を聞いておきたい。
○柏木説明員 お答え申し上げます。 本年度は電電公社のほうから、電信のほうも含めました例の料金改定の問題が強く要請がありましたのですが、政府全体といたしまして、この際は物価抑制というような問題を含めまして、電信電話公社の収入がプラスマイナス・ゼロであるというような範囲のことで、消費者物価も考えながら見合わせるものは見合わせる、あるいは若干の調整をするというような考え方で対処したわけでございます。 この加入電信の問題につきましては、御承知のように、電報の赤字というものが公社の経営上相当負担になっているという問題もあるのでございますが、この電報の赤字の問題を考えてみますと、結局これは実際の利用面におきまして、加入電信のほうへ利用が非常に移行しておるという一つの結果が出ておるわけでございます。先ほど副総裁から最近三万の加入があるというお話でございますが、まだ積滞も相当ございますし、電報の利用の実態を見ておりますと、どんどん一般の企業用のものが抜けていきまして、慶弔電報というようなもののほうに比重が相当強く移っております。電報の赤字の問題につきましても、私どもといたしましては、加入電信を含めました考え方におきましての均衡をとっていくということを、電報の合理化と一緒に両面から考えていくべきではないかと検討しているわけでございます。したがいまして、加入電信につきましての料金の引き上げの問題につきましては、今後もそういう見地で検討していきたいと思っております。ただ、本年度につきましては、先ほど申し上げましたように、公社の収支均衡ゼロというたてまえで対処いたしましたもので、今回は見合わせたという次第でございます。
○堀委員 実は、この認可料金というものの性格を少し議論したいのですが、きょうはちょっともうお約束していて時間がありませんので、電電公社に関する部分は以上で終わりますけれども、データ通信の問題というのは、これからかなりきびしい競争の中で問題が発展をしていくことであります。ですから、そういう意味でのサービスの問題と、もう一つは、やはり独立採算という柱を立てた以上は独立採算でやってもらいたい。このかね合いは、私は実はなかなかむずかしい問題があると思います。あると思いますけれども、やはりこの二つの原則を調整しながら、それもいまの短期的に見れば非常に問題がまずいわけですから、ある程度の長さを限ってみて、その長さの中でどれだけ広げるか、延ばすかという問題は、やはり今後の公社の努力と相まつ問題ですから、ただすわっていて積滞があるものを片っ端からつけていくような状態では、私は、これは国民のために高いデータ通信料を負担していただくことになるんじゃないかと思いますが、その点だけはひとつ十分お考えをいただいて、適当な時期にまたこの料金問題はもう一回やりたいと思いますが、できるだけすみやかにひとつ体系の整備をしていただきたいということを要望いたしておきます。 公社はけっこうです。郵政省けっこうです。 万博担当大臣、お入りになりましたから、最初にちょっとお伺いをしておくのですが、万国博というのは一体どういう性格のものか。これは何かそこで特定の利益をあげたりすることが目的であるようなふうに感じられる部分もあるのですが、担当大臣のお考えを、万国博のあり方について基本的にどうあるべきか、ちょっと伺っておきたいのです。
○菅野国務大臣 万国博覧会は見本市とは違いまして、大体商取引の場ではありません。これは各国が、その最新の産業なり、あるいはその国の最高の文化、芸術を展示して、そしてお互いが展示し合うことによってその各国の産業、文化、芸術を高める、そうして人類の平和、世界の平和に貢献するし、またお互いが交流することによって世界の人の親睦を厚うするというような目的を持っておる次第でございます。
○堀委員 私も、いま大臣がおっしゃったように、見本市ではないと思うのです。ところが私どもの目には、だんだんとどうも見本市的な要素が目についてしかたがない。 時間がありませんから、まず端的に万博協会の方にお伺いをしたいのですが、エキスポクラブというものが万博のシンボルゾーンの中に設けられる、これはきわめて特定なものに対するサービスということに限られていて、言うならば万博入場者に対する治外法権的聖域としてこれが置かれるのではないかと朝日新聞は九月二十二日に報道しておるわけですね。これは私は、この新聞を見まして実は非常なショックを受けたわけです。一体、国がこれだけ巨額な費用を投じてやるものが、特定の者のために奉仕をする場所が万博会場内に設けられる、それに対する通行その他が特権的に扱われるなどということは、これはわれわれ国民を代表する者としては容認しがたい事実だ、こう思うのであります。これについて、ひとつ万博協会側からエキスポクラブについて、時間が十二分ぐらいしかありませんから簡単にお答えをいただきたい。
○鈴木参考人 いま御指摘のございましたエキスポクラブについて申し上げます。 エキスポクラブは、モントリオールの博覧会のときにも、国際貿易センターと申しますか、インターナショナル・トレードハウスというものがございまして、そこには、各外国の政府代表、あるいは経済関係の人、あるいは文化関係の人、それからまたカナダ側のほうの同様な人が集まりまして、やはりこれがある種のメンバーシップ制でございましたけれども、そういう形でここをいろいろ国際親善、国際交流の場に資したわけでございます。この私どものほうのEXPO70のクラブも、全く同じような考え方から出発したものでございまして、大体、外国の政府代表、あるいは通商関係、あるいはいろいろな文化関係、そういうような人たちが、ここを通じまして、いろいろ日本につきましての必要な資料、経済関係あるいは文化関係の資料等を閲覧をし、あるいは日本側の同様な人たちと会談をし、懇談をする、こういう趣旨でつくったものでございます。
○堀委員 カナダのインターナショナル・トレードハウスは、博覧会の会場外にあったのじゃないですか。
○鈴木参考人 これはやはり会場の中央にございまして、報道には外部にあるというような記事がございますけれども、これは正確には会場の中にあったのでございます。
○堀委員 そこに入るのはカナダではどうであったのですか。要するにトレードハウスに入る人というのは入場券は要らないんですね。博覧会の会場の中にあるものは、入場券を持たなければ入れないのがたてまえでしょう。何かいま博覧会の会場内に勤務する者以外の者が入場する場合には、入場券が要るということなんでしょう。要らない者があるんでしょうか。特例に、ちょっと特権的にあれば、それを最初に伺っておきたいのですが。
○鈴木参考人 博覧会の会場に入ります者につきまして、どういう者が特別な入場証によって入場できるか、これは規則がございまして、すべてきまっているわけでございます。業務上どうしても中に入らなければならない者には、業務入場証というものを出すようにしておるわけでございます。いまのエキスポクラブの場合には、通行証を出す予定にいたしておりますが、これはやはりエキスポクラブに入るための通行証でございまして、会場一般を見せるための通行証ではないわけでございます。そういう趣旨でこれは運営をしていきたいと考えております。
○堀委員 そうすると、いまのこの新聞の記事を見ると、カナダの場合には外にあったと書いてある。それは私も調べてなくて、新聞の記事によるわけですからいいんですが、要するに、ここの新聞の記事に書いてあるように、ともかくロータリークラブの会員は、ここへ何か四千万円ほど寄付をしたからバックペイのようなことで会場は自由に使用できる。どうも金を出した者とその会員とに直接こういう関係があるというのは、非常に私はさっきの発想からいっておかしいと思うのです。これは一般的に公共的な施設なんだろうと思うのですね。私的なものの形でエキスポクラブというものはできたんじゃなくて、これはやはり博覧会場の設備の一つなんでしょう。寄付を受けてあなたのほうが建てている建物じゃないですか。ロータリークラブが自前で建てておるクラブですか。日本貿易会が自前で建てているクラブじゃないでしょう。寄付を受けたから協会が建てている施設じゃないんですか。
○鈴木参考人 お話のとおりでございまして、エキスポクラブの建設費は一億一千万円でございますが、そのうち四千万円はいまロータリークラブの施設参加ということになっております。それから七千万円は日本貿易会の施設参加ということになっているわけでございます。ロータリークラブのほうは、施設のうちの一部を昼の一定の時間、日曜とか祭日以外の一定の時間貸してもらいたいという形で、それが施設参加の条件になっておりますものですから、私どもといたしましては、この条件をのむかのまないかいろいろ検討いたしたのでございますが、その他いろいろありました条件をすべて排除いたしまして、昼の十一時から午後二時までの間、ウイークデーだけ自分たちに優先的に使わしてもらいたい、こういうことでその部分だけを――もちろんほかにもいろいろ集会室その他あるんですが、特定の集会室だけをそういうような形で認めることにして、施設参加四千万円を受けることにいたしたわけでございます。
○堀委員 担当大臣、いまの話をお聞きになりまして、ただ四千万円の金について、ある特定のサークルが、自分たちの特定の利用のためにだけ使えるものをその中につくるということは、私は何百億という負担をしておる国民の側から見たら、全くこれは筋が通らないと思うのです。寄付は寄付、あとの使用の問題は画然とされないで、ひもつきの寄付をそういうかっこうで万博が受けるなんということが適切でしょうかね、国がこれだけあらゆる面において協力をしておる段階で。どうでしょう、大臣。
○菅野国務大臣 私はこの万国博覧会につきましては、一億の国民がみな参加してほしいということをかねがね申し上げておる。その意味は、知恵ある人はアイデアを出してもらうし、金のある人は金を出してもらうし、力のある人は労力を出してもらって、国民すべての博覧会という気持ちでやってもらいたいということをお願いしておるのでありまして、いまのお話も私はきょう初めて聞いたのでありますが、おそらくそういうような意味でやはり協会のほうでは考えられたのではないか、こら考えておる次第です。
○堀委員 あなたのおっしゃるように、金で協力されることは、寄付をしていただくことはけっこうなんですよ。これだけを使わせるなら金を出すなんという話が来たときに、金がほしいからその条件をのみましたということでいいのかどうかということを私は聞いているのですよ。そうすると、御承知のように、ロータリークラブの会員というのは全国にずいぶんいるわけなんです。この諸君は全部ここへ入場できるわけですね。入場できないのなら――要するに、入場券を持って入ったロータリークラブの会員が使うのか、そこのところをはっきりしておいてもらいたい。
○鈴木参考人 ロータリークラブの会員は、もちろん入場券を持って会場に入りました者が使うわけでございます。いまの通行証というのは、われわれ三百人だけを特定をいたしまして、それからはいまのエキスポクラブの運営費を出してもらう、こういう形で一口十万円、こういうことで募集をしておる段階でございます。
○堀委員 ロータリーのほうは入場料を払って入るというなら、それはまああれですが、私はどうも入場券なしにいまの通行証で入るのかと思ったので、その点はひとつきちんと入場券がある者ということではっきりしておいてもらいたいのですが、いまの一口十万円を払ったら、入場券ですか、通行証ですかを出すという問題は、これはしかしどうなんですか、企業が十万円出して、三百の企業に一枚だけ通行証を与えるわけですか。何枚通行証が出るのですか。何人がこれを使えるのですか。十万円当たりで使える通行証の許容人数ですね、一回当たり。出入りすれば何回も行けるのでしょうけれども、一回あたり一枚の通行証で何名までできるのか。一企業当たり十万円に対して何枚出すのか。
○鈴木参考人 もちろん一口一枚でございまして、それによってエキスポクラブへ入るために通行することを認めよう、こういうことでございます。
○堀委員 その一枚で一人ですか。何人ですか。
○鈴木参考人 もちろん一人でございます。
○堀委員 そうすると、商談その他に利用するというお話になっているようですが、それで商談その他に利用できるのでしょうか。そうすると、外国のお客さんたちは、入場者の側で入ってきた人、それからいまの企業側のほうは通行証で入ってきた者、こういう処理をすることなんですか。どうもちょっと私、この新聞記事等を見てもそうではないような感じがするのですが、その点はどうでしょう。
○鈴木参考人 三百人というのは口数でございますが、これはたとえばそこで集会をする集会室がございます。集会をするというようなことの準備のために、一般の入場を必要としないけれども、特にそこに入ってきて準備をしなければならぬというような人のために通行証として出すものでございまして、一般に、さっき申し上げましたような内外の人たちがいろいろな相談をするというのは、もちろんそれぞれ入場証を持って会場に入ってきた人たちがそれを利用する、こういうことになるわけでございます。その場合、もちろん一定の外国の政府代表ですとかその他の者は、これは当然に特別会員として利用できるわけでございます。日本側も、外国のこういう政府代表がこういうことについて日本側の意見を聞きたいからだれそれに来てもらいたいという場合は、その人はそこに行って当然相談に応ずるわけで、これは会員とは関係がないわけでございます。
○堀委員 わかりました。 それでは結局、要するに皆さんのほうでは、この建物を建てるについて四千万円と七千万円寄付を受けて建てた。その使用については、ロータリークラブにある一定の条件を与えておるけれども、それは要するに入場者であることがすべて前提であって、いまの三百枚という形で出る入場券というのは業務上必要な通行証の範囲であるということですが、その通行証をもってしては博覧会場には入れないということがどこかでチェックできますか。
○鈴木参考人 これは入場いたします場合、それから会場に行きます場合に、お話のように、入ります場合には、会場のほうへ参ります場合に、それをチェックする場所というのは特にないわけでございます。ですから、私どもといたしましては、この通行証はあくまでもこの施設に入るための通行証であるからこれを乱用してはいけない、こういう趣旨のことを通行証に明記したい、こういうふうに考えておるわけでございます。
○堀委員 明記をしても訓示だから、それを使っても行けるとなると――これは六カ月ですから百八十日間ですね。その入場証を上手に使えば、全体を見るわけにはいかぬでしょうが、一日に午前、午後使えば、百八十日の倍の三百六十回ぐらいは使える。そうすると、いまの十万円で三百六十回、四百回で割るとなると二百五十円ですね。だから可能性としては、入場料の三分の一ぐらいの費用でサービスができるということになりかねません。私は何も人を見たらどろぼうと思えとは言いませんけれども。だから、こういうことは何らかチェックできる方法がないと、どうも十万円で優待券を買ったような、特別割引入場券を買ったような印象を与えるおそれが十分にあると感じるのですが、ひとつその点は、大臣、どこかでそういうものはチェックをして、入場にはいいけれども、そこから会場の側に出るときには――おそらく中へ入った人は入場券の半ぴらかなんかを持っているのでしょうから、入場券があるかないかは――外からいまのエクスポクラブに入るのはいいですよ。入るのはどっちにしてもいいんだけれども、出ていくときだけはチェックをしなかったら、いまの問題は、毎日うまくやれば、三百人に二百五十円で見せますよということになりかねないのです。御承知のように、関西というところはたいへんがめついところですから、そんなに甘くないと私は思っているのです。そうすると、国民に公平な機会を与えるという面からはきちんとしてもらいたいと思うのですが、どうですか、大臣。
○菅野国務大臣 お趣旨の点はよくわかりました。協会のほうでそういう点についてどういうように善処するか、よく協会のほうと相談したいと思います。
○堀委員 実はもう三分しか時間がないのです。お約束の時間ですからやめたいのですが、一つだけこの万国博で気にかかることがあるのです。それは実は自動車の通行上の問題です。 菅野さんも大阪ですから御存じだと思うのですが、朝の大体八時から十時ごろまで、夕方の四時から六時ごろまでは空港線の阪神高速道路は完全渋滞しまして、そこらじゅうにラッシュですから、高速道路を使わないでくださいといって町へ一ぱい出ているわけです。というのは、あれへ上がってしまいますとランプが非常に少ないですから、にっちもさっちもいかない。まごまごしたら四十分も五十分もかかってしまう。いまは下を走ったほうがはるかに早い。そういうことがいますでに起きている。万博になると、なるほど新御堂筋線も通ったりなんかするから少しは違うかもしれませんけれども、空港線としてはあまり解決にならない点があると思うのです。せっかく大阪国際空港というのを延長して国際線が入って、万博のために利用されるということになっても、ちょうどいま東京の高速一号線と同じで、日本の国際空港というのは交通麻痺の中にあるということになってくる。いまおそらく皆さんそうだろうと思うのです。私どもでも、これまではここから自分の車で空港へ行くのには二十分あったら行けたのです。そしてあそこのモータープールにぽんとほうり込んで、急いで行けば十分で行けたから、ここを三十分前に出れば行けたのですが、今日確実に乗るためには一時間かかるのです。一時間見てなかったら確実に行けませんね。一時間でもあぶないときもある。こういうのがいまの高速一号線の問題ですが、大阪はもっとひどいですよ。 あなたも御経験があるだろうと思いますが、一体こういう交通対策をどうするのか。せっかく外国から来たお客さんが帰ろうと思ったら飛行機に乗りおくれたなんということでは、たいへん問題が起こるのではないかと思います。これは建設省その他も入っていらっしゃるが、時間もありませんから、大臣、これは本気でやらないと、いまから道路をつくるといってもいけませんが、自動車交通対策――事故が一つ起きてもたいへんなんです。事故が起きなくてもそうなんですから、ましてや事故が起きたらどうにもならない、こういうことになっておりますが、一言だけお答えをいただいて私の質問を終わりたいと思います。
○菅野国務大臣 お話の点は私も実は心配いたしております。最初は入場者が大体三千万ということであったのですが、いまの情勢では五千万以上になるのではないかということになってきますと、道路、鉄道、そういう交通関係が準備が不十分だったということはいわざるを得ない。いまさら道路をつくるといっても間に合いません。そこで、運営で何とかしなければならぬということ、できるだけ自動車に乗らずして地下鉄を利用してもらうということ、これをひとつ進めたいと思います。地下鉄であれば万博のまん中へおりられますから、地下鉄を利用してもらう。これはカナダもやはりそういう状況でありまして、自動車で行ったのではかえって不便だということで、みな鉄道、軌道を利用したのであります。日本でもやはり地下鉄を利用してもらうことを各方面に宣伝をして、車ではなるだけ行ってもらわないようにやってもらう。そういうような運営の方法をいま関係者が寄って非常に苦心いたしております。万全を期したい、こう考えておる次第であります。
○堀委員 ちょっと一言だけ。いまの地下鉄の利用はたいへんけっこうなんですが、いまのマイカー時代、ともかく自動車を買ったら乗らなくちゃたまらぬような人が一ぱいふえてきつつあるときに、自動車に乗らずに地下鉄で来いなんということを言っても無理ですね。そうすると、私どもがいま東京でやっていることなんですけれども、銀座に出ていくときに、車に自分で乗っていきましたら銀座ではたいへんなんです。公共駐車場に入れたら、べらぼうに高くてかなわない。そこで私は国会に車を置いておいて、地下鉄に乗って銀座に行きます。こういうことなら、いまの地下鉄のどこかのターミナルのところに、うんとでかい駐車場を一つつくって車で――市内の者はいいです。あの付近の者はいいが、周辺からずいぶん来られる。その人たちは直接あそこに乗り入れないで、このターミナルにお置きなさい、そしてここから地下鉄でいらっしゃったら非常に便利ですよというなら話がわかる。そういうふうに、地下鉄を使ってもらうなら、使いやすい対策もあわせて考えておいていただかないと、ただ地下鉄に乗れといっても、電車に乗って地下鉄に乗るよりも、家からすっと車で来るほうがいいにきまっている。いまマイカー時代ですから。その辺を至急に対策を考えていただくようにお願いしておきたいと思います。
○菅野国務大臣 その点も私のほうで心配いたしまして、問題はやはり土曜日、日曜日だと思いますが、土曜日、日曜日は幸い大阪市中は経済活動が休むときですから、大阪市内の駐車場があくわけです。したがいまして、市内の駐車場へ駐車してもらって、それから地下鉄に乗ってもらうというようなことで対策を講じたい、こう考えておる次第であります。
○宇野委員長代理 近江巳記夫君。
○近江委員 それでは、大臣がお見えになるまで、二、三基本的な輸入自由化等の問題についてお聞きしておきたいと思います。 まず、わが国の残存輸入制限の現状を簡単にひとつお聞きしたいと思います。
○楠岡説明員 現在わが国がガット上で残存輸入制限品目として目されておりますものは、ただいまの時点におきまして百十八品目でございます。品目の数え方は、ブラッセル関税品目分類という国際的な商品の分類方法がございまして、この分類に従いました品目数が百十八でございます。そのうち、通産省関係の鉱工業品は現在三十九、それから農林省の関係の物資が七十三、それからあと大蔵省関係、これは主として酒類でございますが四品目、それから厚生省関係二品目、こういうことになっております。
○近江委員 それから、この輸入自由化に対する基本方針、考え方をお聞きしたいと思います。
○楠岡説明員 輸入自由化につきましては、御承知のとおり、昨年十二月に閣議で、両三年中に相当の部分について自由化を進めるという方針をきめまして、それからさらにこの七月に、昭和四十六年末までに残存品目を六十以下にするということを関係閣僚協議会できめております。 申すまでもなく、日本は貿易によって立っておる国でございまして、世界の各国が貿易自由化に進むということによりまして最も利益を得ますのは日本でございます。貿易の自由化ということを進めることによりまして、結局日本の貿易が伸びていく一つの端緒をつくるのではないかという考えが一つございます。それからもう一つ、国内的に申しますと、やはり外国の安いものを入れることによりまして、一般物価あるいは消費者生活に利益を及ぼすということもございますし、さらに企業の競争をいい意味で刺激するということがございます。政府といたしましては、ただいま申し上げましたような線に沿いまして自由化を進めるよう努力しておる段階でございます。
○近江委員 それから、輸入自由化の具体的な検討状況、この辺のところをお聞きしたいと思います。
○楠岡説明員 ただいま四十六年末までに六十以上の品目を自由化すると申しましたが、現在までのところ、まだ正式に六十の品目をきめる段階には至っておりません。各省の作業の進行状況を見ますと、まだ六十には若干足りないという状況でございます。具体的な品目はどれかということを申し上げますことは、実はまだヨーロッパの緒国など日本に対しまして差別的な扱いをしておる国がございまして、今後の日本の輸入の自由化を進めますに際しましては、これらの国との交渉の結果と見合いながら自由化を進めていく必要がございます。そういうことで、いま具体的に作業の中間報告としまして、これこれの品目が考えられますと申し上げますことはお許しいただきたいと思いますが、この十月に自由化いたしました工業用ミシンとか全自動印刷機とかいうのが、実はこの中に入っておるわけでございます。
○近江委員 現在、日米間の残存輸入制限の協議が行なわれておりますが、きょうもあるそうですね。その折衝状況をあなた方がお聞きになっている範囲でできるだけひとつ詳しくここで表明していただきたいと思うのです。
○楠岡説明員 日米間の残存輸入制限撤廃に関します話し合いは、昨年の十二月東京で開かれたのを皮切りにいたしまして、それから外交折衝を続けておりましたが、去る七月の日米合同委員会の会議の際の合意に基づきまして、今回十月六日から開かれることになったわけでございます。現在、まだ会議が続行中でございまして、非常に微妙な段階にございますので、詳細をお話し申し上げることは御容赦いただきたいと存ずるわけでございますが、まずこれまでの経過といたしまして、米側は当初三十数品目の関心品目というのを出してまいりました。そして、日本側で検討いたしました結果、みがき板ガラスとかペットフードあるいはバーボンウイスキーなどの自由化をきめました。これはすでに実施したわけでございますが、引き続きまして、先ほど申しました工業用ミシンとか熱電子管、たとえば真空管のようなものでございますが、そういうようなものにつきましても、向こうの要求に応ずる品目でございます。 今回の交渉にあたりましては、米側は、むしろ日本の残存輸入制限品目、極端に申せば、全体につきまして早く相当部分、あるいは何と申しますか、ラジカルと言っているようですが、非常にラジカルな自由化をしてくれ、こういうことを申しておるようでございます。こういう要求に対しまして、わがほうはグレープフルーツとかレモンジュースの自由化をオファーいたしましたし、それからさらには、大豆の自由化も認めようという態度でございます。 なお、牛肉につきましては特別ワクをつくる、これはホテル用等につきまして特別ワクをつくるということ、それからその他の品目につきましてのワクの増大をすでに当方から提案しております。 なお、グレープフルーツにつきましては、無条件ではございませんで、日本の温州ミカンがアメリカにもっと輸出されるようになるということが一つと、それから輸入関税に関しまして、季節的に日本のミカンと競合する時期におきましては特に関税を高くするという、いわゆる季節関税を付するということを条件といたしております。 工業製品につきましては、いろいろこれまでの話以上の品目につきまして米側の関心品目を示してきておりますが、私どもといたしましては、これは今後の自由化を進めます際に、こういうものを念頭に置いていくということでいきたいと思います。 そういうことで、まだ実は話が完全に詰まっておりませんのでありますけれども、きょうの午後の会議で何とかめどをつけるということを期待しておる次第でございます。
○近江委員 それから、農林省の方もきょうは来ておられるわけでございますが、特にグレープフルーツ等のそうした農産物について、農林省も個個に折衝なさっておると聞いておりますし、その辺のところをお聞きしたいのですが、いかがでございますか。
○志村説明員 御説明いたします。 ただいま通産省のほうから御説明のありましたことで大体のところは尽きておると思いますが、これまでに自由化する提案を行なった品目で、私が本日先生に御説明するように指示を受けております品目は、一応グレープフルーツ、それからレモンジュースの二品目、これについての自由化の提案をしております。グレープフルーツについては、先ほど通産省側から説明がありましたように、日本の温州ミカンを現在アメリカに輸出しておりますが、アメリカ全体について輸出が認められているわけじゃなくて、アメリカの一部の州についてだけ輸出が認められております。これをさらに輸入を認められる州を実質的に拡大するという了解のもとに、日本はグレープフルーツを昭和四十六年末を目途に自由化する、その場合には季節関税を設けるつもりである、こういう超旨のことを申し入れております。レモンジュースについても、昭和四十五年末までに自由化する用意のあることを申し入れております。その他の品目については、現在いろいろと交渉しておりますので、ちょっとデリケートな段階でありますので、ごかんべん願いたいと思います。 以上でございます。
○近江委員 大臣がお入りになりましたですから、それでは、いまちょっと前提的に大臣がお見えになるまでお聞きしたわけでありますが、現在貿易の自由化が九三%に達しておる。この残存輸入制限を行なっているのは、大体農産物資が大部分を占めておる。先ほど御説明があったわけですが、工業製品については、一部非常に特殊な製品に限定されておる。このように残存輸入制限を行なっている物資は、関税及び貿易に関する一般協定、ガットですが、これは許容されたものと私たちは思うのですが、その点についてはどうでございますか。
○楠岡説明員 残存輸入制限と申しますのは、ガットの規定では輸入を制限することを認められないという意味でまだ残っているということでございます。御承知のように、ガットの規定では、国際収支が悪いときに輸入制限をできるという規定がございます。それからもう一つ、発展途上国におきましては、自分のところのいわば幼稚産業を育成する間輸入を制限することができるという規定がございます。それからもう一つ、ガットの二十条というのがございまして、それには、動物なり植物なりの伝染病を予防するためとか、あるいは公衆道徳に有害なものを禁ずるとか、そういう規定がございますが、そういうもの以外のものはガットでは一応輸入制限を認めないというたてまえでございます。それで、ガットの規定では、もちろん義務免除と申しますか、各国が、その国が輸入制限をしても差しつかえないということを認めれば、輸入制限はまたそれ以外のものについてもできるのでございますけれども、そういう手続をとらないでまだ輸入制限をしているものというのが、先ほど申しました百十八品目でございます。 なお、そのほかに国家貿易をしておる品目がございまして、たとえば農林省の所管で申しますと、米なり小麦なり大麦なりというものでございます。これは国家貿易品目ということで、ガットでも一応残存品目とは別の扱いをいたしております。 なお、補足いたしますが、航空機、武器とかいったような国防に関係するアイテムも、いわゆるガットの二十一条の品目に入るわけでございまして、先ほど申しました品目と同様輸入制限ができるというたてまえになっております。
○近江委員 この残存輸入制限を日本は行なっておるわけでありますが、昨日の質問を通じてもそうでありますけれども、あくまでガットの場を通じて交渉が行なわれるのが私は当然である、このように思うわけでありますが、このことについては、もうアメリカも当然知っておりますし、この辺の大臣のお考えというものをもう一度確めておきたいと思うのですが、どうでございますか。
○大平国務大臣 外国貿易をやってまいります場合の国際的なやり方として、ガットという仕組みが設けられたわけでございまして、アメリカも日本もその光栄あるメンバーでございまするから、外国貿易に関しましてトラブルが起きた場合には、近江委員の御指摘のとおり、ガットの精神はもとよりでございますが、そこに規定された手続を踏みまして、その権利の行使、義務の履行という姿において問題を処理するというのが当然の道行きであろうと私も感じております。
○近江委員 きょうも昼からずっと協議が行なわれるということをいま聞いております。アメリカと日本の間で緩和していく方向で交渉が始まっておるわけでありますが、そういう問題の解決方法について、この二国間交渉というものがガットの協定に違反しないかどうかということなんです。これはどうでございますか。
○大平国務大臣 私どもが輸入の自由化について努力をしておりますこと、スケジュールを立てましてそれを実行に逐次移しておりますゆえんのものは、世界に対してわが国のマーケットをそのラインに従って開放しようということでございまするし、それがガットの規定上許されていないものをまだ留保しておるということは、決して日本の名誉でもない、そういう意味でやっておるわけでございまして、日米交渉によってそれをどうこうするという性質のものでは御指摘のとおりないと思います。ただ、日米の間には、最大の貿易国といたしまして、日本側に関心の深いものもあれば、アメリカ側に特に関心の深いものもありまするから、アメリカ側が日本の輸入の自由化についていろいろな希望を日本側に伝えるということは、これは当然あり得ることでもあるし、あって悪いことではないと思うのでございます。われわれは友好国としてあらゆる問題について話し合いをせなければならぬ立場におるわけでございますから、そういう問題についてアメリカ側から日本側に要請があったといたしましても、それはガットの違反であるというような、しかつめらしい問題ではないと思うのでございます。ただ大事なことは、われわれはアメリカのために自由化をしておるわけじゃない。われわれは世界に向かって日本の市場をどの程度、どういう時期にどういう手順で開放してまいるかということを日本が自主的に処理しておるというその道程において、アメリカ側の希望がたまたま述べられたということと私は承知いたしております。
○近江委員 特にきのうも繊維製品の問題が非常に白熱化した論議があったわけでございますが、この自主規制の要請というものにつきましてですが、この協定というものが二国間協定であるかどうかですね。この二国間協定というものは、ガット上当然のことと思っていらっしゃるのか、あるいはガット違反と思っていらっしゃるのか。ガット違反とするならば、先ほど申し上げましたように、ガットの場に協議の場を移すべきである、私たちはこれを強く主張しておるわけでございますが、この辺のお考えをお聞きしたいと思います。
○大平国務大臣 アメリカ側の提案というようなものは、ガット上の手続を経て、そしてガットに規定された要件を整えて、それでそのラインに沿って二国間でやろうじゃないかという前提がどうも書いてないわけでございます。じゃ日本側でこういったことが考えられないかという、ごくフラットな御提案のようでございます。しかし、私が先ほども近江さんにお答え申し上げましたように、こういう問題が起こった場合は、われわれのよるべき共通の土俵はガットというものがあるじゃないか、だから、そこの場でそれを規律する精神、手続に従ってやっていただきたいというのが当然の私どもの気持ちでございます。したがって、そういう立場でアメリカ側の提案に対しましてはお答えをせなければならぬと考えております。
○近江委員 この高橋調査団の概要から見まして、実際にアメリカ側が主張するように、アメリカのそういう繊維工業あるいはまた市場というものを混乱させる可能性があるのかないのか。やはりこれで見てみますと、可能性はない、私たちとしてはこのように判断しておるわけですが、この辺大臣としてはどのように判断されておりましょうか。
○大平国務大臣 繊維品全体を取り上げてみた場合に、アメリカの繊維の輸入が、きのうも加藤さんから御指摘があったように、そんなに急激にふえておるというものでもないと思いまするし、また日本側のシェアも急激に増幅いたしておるというような形勢も見えないのであります。もっとも、非常に細目にわたっていろいろ検討いたしますと、個々の品目につきましては相当最近ふえてきておるものもないではございませんが、全体として見た場合に、どうも深刻な打撃を先方に与えておるという判断を私どもはまだ持つに至っていないと私は感じております。もっとも、この検討はなお続けておるわけでございまして、われわれが取りこぼしておる、見のがしておる事実があれば、十分究明せなければならぬことは当然でございますので、なおよく見ておりますけれども、いまの段階で私に感触を言えとおっしゃいますならば、どうもそういうようには受け取れないというように申し上げるよりほかないと考えております。
○近江委員 いま沖繩の返還交渉が非常に大詰めに来ておるわけでございますが、きのうも話が出たわけですが、あくまでこれは領土の問題でございます。ところが、そこにそういうような経済的な問題が非常にからみ合ってきておる。ですからその辺のところは、何か交換するような態度であっては絶対ならぬと私は思うのです。実際に日米間の状態を見ましても、そうした経済的な問題としては、こうした残存輸入制限問題、資本自由化、繊維の自主規制あるいはこうした沖繩返還交渉、安保、いろいろ解決しなければならぬ問題が山ほどあるわけでございますが、それに対して、そういう経済的な問題についてはあくまでガットを通じて行なっていく。こういう政治的な課題と混同してきますと、非常に混乱が起きてくると思うのです。その際、政府としてその交渉についてはこのようにやっていくという態度を明確にしなければならぬ、このように思うわけです。その点どういう態度で臨んでいらっしゃるのか、その辺明確にひとつお聞きしたいと思うのです。
○大平国務大臣 私どもはっきりさせておるつもりでございますが、この問題が起こりまして以来、国会におきましても、また各政党におかれましても、与党、野党を問わず意思の御表明がございましたし、業界のほうも一致した見解が固まっておる状況でございまして、政府としてこの問題を処理する場合に、かってに弾力的に処理するというような余裕はないことは近江さんもよく御承知のとおりでございます。私どもは、こういう問題につきましては、ちゃんとガットということで手がかりがあるわけでございますから、まず第一に、一体インジュリーがあるのかどうかというような点を勉強することが第一じゃないか。ガットの条章によって処理するにいたしましても、前提は、何といってもインジュリーがあるかないかということから始まらなきゃいかぬわけでございますから、いまのところ、そういうことを究明中である。ただいままでのところ、どうもそういうようには考えられないということでございます。しかし、このインジュリーの究明というのは、何十もの輸出国がアメリカに対してあるわけで、何も日本だけがインジュリーがあるとかないとかいうてからに、裁判官の立場になる筋合いのものではないと思いますから、どうしても問題が明快に解明されないというのであれば、国際的な話し合いがインジュリーの究明を目的として行なわれるというような場合には、われわれも参加していいんじゃないかと考えておりますのが、いまの段階の私どもの姿勢でございまして、それ以上私どもがおおそれたことを考えておるわけじゃ決してございません。
○近江委員 それで、これから輸入自由化というものが非常に活発になってくると思うのでありますが、特に農産物の輸入ということがこれから相当大幅に行なわれるのではないかと、このように先ほどの答弁からも考えられるわけでございます。先ほどからも特に農産物の輸入の最近のデータをいただいておるわけですが、非常に毎年激増してきておる。そこで、私は、いまここで非常に具体的なひとつ心配になる点を申し上げたいと思うのです。それは、この輸入の植物検疫に対して、そういう害虫などがおった場合には薫蒸するわけです。その場合に、この薫蒸剤としてメチルブロマイド、クロルピクリンというのが使用されておるわけでございますが、事故が続発しておるわけです。こちら側で十何名中毒、うち何名死亡とか、非常に続発している。きょうは関係各省の皆さんが来ているわけでありますが、この事故の発生状況というものを一回ここで関係各省から報告してもらいたいと思うのです。これは考えようによっては小さいと思う人があるかもしれませんが、非常に大きな問題なんです。ただ、そうした関係する労務者等の危険だけの問題ではなくて、薫蒸を行なっている付近の住民も非常な被害を受けている。この問題について、きょうは関係各省から来られておるわけでありますから、まず各省から事故発生の現状についてお聞きしたいと思うのです。
○遠藤説明員 私どものほうの植物防疫関係で、検疫に関係いたしまして承知いたしております事故発生数を申し上げますと、昭和三十九年が十件、四十年が二十二件、四十一年が十五件、四十二年が四件、四十三年が三件というようになっております。これは私どものほうで承知いたしておらない事故がほかにあるかもしれませんが、私どもが承知しております範囲だけを申し上げました。
○伊集院説明員 メチルブロマイドの使用についてはただいま農林省から御報告がございました。植物の薫蒸の場合にのみ使用されておりますが、その関係でのうち、私ども労働基準法の適用労働者に起こりました事故数でわれわれが把握いたしておるものを御報告申し上げたいと存じます。 四十年におきましては九名でございます。四十一年では十五名を数えております。四十二年では一名でございますが、ほかに、労働基準法の適用はございませんが、広島の港におきまして、母船薫蒸の際に船員関係の船員十六名の中毒、うち一名が死亡と伺っております。それから四十三年におきましては四名の中毒、うち二名が中毒死でございます。この二名の中毒死と申しましたのは、一名は、一人親方が船内に立ち入り禁止をおかして入ったことによる不幸でございまして、またもう一名は、倉庫内薫蒸に関連をいたしまして、文字の読めない労働者が、立ち入り禁止を字が読めないために入りまして起こったのでございますが、自来読みやすいかたかなに変えるというような方策をとっております。なお、四十四年に入りましてからは、私ども現在まで労働者の中毒事故については把握いたしておりません。 以上でございます。
○山高説明員 メチルブロマイドの事故につきまして御報告申し上げますと、ただいま農林省、労働省からの御報告のほかに、私どもの手元には昭和四十二年度に一件ございます。それ以外は実は報告を受けていないのでございますが、この問題につきましては、過去三年の事故の調査を現在実施中でございますので、念のため御報告申し上げたいと思います。
○高林説明員 お答え申し上げます。 メチルブロマイドの事故につきましては、四十二年に重大事故が発生いたしまして、一名の死亡、六名の療養という事故が発生しております。それから四十三年につきましては、死亡事故は発生しておりませんけれども、たしか二件あったように記憶しております。
○近江委員 いま各省から事故発生の状況というものを報告してもらったわけですが、この掌握の点においては全部ばらばらです。しかも、最近の事故についてはそんなに掌握しておられない。私は、先日もそうした直接従事している人にいろいろ聞いたわけでありますが、もう頭痛などはしょっちゅうだ。絶えずガスを吸っている。そういうのは一々報告されないのだ。どのくらいこの事故が発生しているかわからない。簡単に済ましている場合もたくさんあるわけです。それで簡単に済めばいいのですけれども、しかし、その量がふえれば、多くのこうした死者が発生しているわけです。そういう関係者は常に労務者が大半でありますが、非常に危険なそういう仕事に安心して働けない、何とかしてもらいたいというのがみなの意見であります。きょうは厚生省も来ておられるわけでありますが、御承知のように、毒性については、メチルブロマイドは、分子量九四・九五、ガスの比重が三・二七で空気よりも非常に重く、あるいはガスの拡散率が悪い。しかも吸着性があり、おまけに無臭であるから始末が悪い。吸入しても気がつかない。患者の多くは頭痛、目まい、足ががくがくする、視力障害、性欲減退、そういうようないろいろな障害が起きております。さらに肺臓、肝臓、神経系統をおかされる。しかも二〇PPM以上のガスを吸入すると、取り返しがつかない症状となり、やがて死に至る。しかもこのような状態におちいると、ほとんど完治は困難とされている。これは日大の医学部の博士が証言されておるわけでありますが、そういうような慢性化といいますか、そういう毒性というものは非常に強烈なものがあるわけです。ですから、こういうようなことをいつまでもほっておいていいのかという問題なんです。いままでもそうした陳情は何回もやってきたけれども、昭和二十五年に制定の植物防疫法以来、こういう猛毒のメチブロ等を使用している新製品等も開発をされておるけれども、いまだに研究中、調査中ということで、何ら具体的な措置というものがされておらない。したがって、現在輸入植物の消毒というものは、メチブロとクロルピクリンに限っている。他の製品については、国内ものについては一部許可しているようでありますが、輸入ものについては全然許可をしていない。そういう厳重な制限があって、禁止的な制度になっている。ここでこれだけの事故が続発しておるにかかわらずなぜこれを続行していくのか、その辺の真意というものをきょうはお聞きしたいと思うのです。どなたでもけっこうですから……。
○遠藤説明員 御説明申し上げます。 御指摘のように、人命に関することでございますので、一人でも事故が起こっておりますことは、まことに遺憾なことでございまして、私どもといたしましても、輸入農産物の薫蒸という問題に限りませず、すべての農薬問題につきまして、低毒性で有効な農薬というものの開発につとめてまいってきておるわけであります。 ただ、植物検疫の問題に関しますと、たとえば皆さま方よく御承知の問題でございますが、アメリカシロヒトリのようなものが入りまして、日本にないものがよそから入ってまいりました場合、処女地に広がります場合は、いまだに押えることのできない大害のもとをなしますので、植物検疫として防除をやります場合には、国内の経済的な問題を考慮しつつやります防除の場合と違いまして、一〇〇%虫を死なせるということを目標といたして措置をとらなければならないという面があるわけであります。したがいまして、われわれいろいろな新しい農薬の開発にもつとめておるのでございますが、世界各国ともまだ十分な農薬の開発ができませんで、どこの国でもまだクロルピクリンないしはメチルブロマイドを使っておるという状態でございます。私どもとしましては、その他国内におきます場合には、穀類の薫蒸につきましても、たとえばホストキシンというようなものでございますと、食糧庁の政府管理米に対しても使っておりますし、その他のものにいたしましても使っております例がございます。積極的にそういうものの開発、使用の範囲を逐次広げていくということに鋭意検討はいたしておりますが、おしかりをこうむったわけでございますが、まだ十分にいい農薬の開発ができませんというのはまことに申しわけないので、今後ともその点につきまして鋭意努力を重ねていきたいと思っている次第でございます。
○近江委員 労働省の方にお聞きしますが、こういう労務者は非常に危険を訴えておる。あなた方、実際にそれを監督している立場として、こういうような状態で、いつも調査しております、研究していきます、それだけで済まされていいのですか。これは人道上の問題ですよ。あなた方どういうふうにやっておりますか。
○伊集院説明員 お答え申し上げます。 ただいま御指摘のように、残念ながら、先ほど御報告申し上げましたように、労働者が過去五年間に相当数中毒を受けている実情にございます。実は三十年に、倉庫内薫蒸の際におきますメチブロ使用につきましての予防通達を立案いたして、地方の局を通じて指導をいたしておるわけでございまするが、さらに先ほど申し上げましたような経緯にかんがみまして、四十三年三月二十二日に、メチブロによります薫蒸につきまして、薫蒸の際にやむを得ずメチルブロマイドを使用いたしまする場合に限っての指導通達並びに監督通達を出した次第でございます。 そのごく概要を御報告申し上げますと、御指摘のように、メチルブロマイドは相当な毒性を持っておりまするので、作業者にこれの吸入の害を与えないようにしなければならないわけでございまするので、その作業の手はず、それから換気の方法、その濃度の測定、保護具の使用、さらに立ち入り禁止等の詳細な規定をつくりまして、先ほど運輸省からも御報告がございましたように、船内荷役とも関係がございまするので運輸省、またメチルブロマイドがやむを得ず使われまする経緯は、ただいま農林省から御報告がありましたような経緯でございまするので農林省、三省で打ち合わせをいたしまして、特に農林省には、私どもの策定をいたしました対策が植物検疫の場合に厳重に守られるように御協力をお願いをいたしておる次第でございます。 以上でございます。
○近江委員 もうあまり時間がありませんので、簡潔に答えてください。 通産省はあまり知らぬような顔をしておられますが、要するに、先ほどのお話でも、資源のないわが国としては、貿易国として立っていかなければならぬ、こういうところが大きなネックになっているわけですよ。これはあなた知っていますか。ちょっと次長さんにお聞きしますが、こういう問題知っていましたか。
○楠岡説明員 問題の全般を承知しておりますと申し上げますとうそになりますが、たとえばバナナ等におきまして、過去こういう例が起こったということは承知しております。
○近江委員 あとでまとめて聞きますが、要するに、先ほどの労働省のお話もありましたが、たとえば昭和三十年に、神戸港における港湾労働者のメチブロ中毒患者の続出した際、労働省労働基準局が各都道府県労働基準局あてに厳重な警告を発したにもかかわらず、その取り扱い規定がきびしく、関係業者がこれを厳守することが不可能に近く、再び昭和四十一年に同様の警告を発するのやむなきに至った。私もその警告書をここに持っておりますが、そういう実際上守れないような、それをやったらばく大な費用もかかる、少ないコストの中でやっていかなければならない、実際上できないことを押しつけて、できないものだから、どうしても通達どおりいかない、事故が起きる、おまえたちが悪いのだ、泣き寝入りになっている、こんな悪循環をいつまでもおいでおいでいいんですか。農林省にしたって何年になりますか。あなたは、害虫がたくさん入ってくると、完全に殺すためにはしかたがない。それはわかりますよ。当然、そういう変な害虫を持ち込んでもらっては困る。あなた方がおっしゃっている目的はよくわかります。だけれども、最近においても新しい外国からの害虫がどんどん出てきておるわけです。御承知かと思いますが、シガレットビートル、カプラビートル、グラナリヤコクゾウ、スジコナマダラノメイガ、アメリカシロシトリ、そういうような、これは専門用語でえらいなんですが、こういうようなものがどんどんふえてきておるわけです。それを昭和二十五年制定当時のそういうメチブロのそれだけで、しかもこれだけ人体に危険がある。これだけ世の中が発達してきているわけです。当然無害で、しかも強力な新製品の開発ということが行なわれてあたりまえじゃないですか。あなた方研究しておるというなら、どういう体制でいまやっておりますか、具体的に聞かせてください。
○遠藤説明員 おしかりをいただいたわけでございますけれども、植物防疫事業ができましてからかれこれ十数年を経ておるわけでございますけれども、たとえば先ほど先生がおあげになりましたグラナリヤコクゾウ虫のさなぎなどになりますと、いまのところまだ、先ほど申し上げましたメチルブロマイド等を使わないと死なないということがございまして、なかなか困難をきわめておるわけでございます。 研究体制につきまして何もしていないではないかということでございますが、ただ、問題がむずかしくて、なかなかはかどらないのは事実でございますが、いろいろな体制をとっているわけでございます。大体政府の関係におきまして、農薬問題の試験研究、新農薬の開発という点につきましては科学技術庁が所管をいたしまして、御承知かと思いますが、特殊法人の理化学研究所というのがございますが、そこに膨大な設備をつくりまして、政府、関係業界の依頼等によりまして新農薬の開発につとめておるわけでございます。それから使用面におきます問題につきまして、主として農林省が所管をいたしております。それから残留毒性等人体等に及ぼします影響につきましては、厚生省のほうで所管するという体制になっております。三省に分かれておりますけれども、常に連絡を十分とりまして開発につとめておりますが、何ぶんにも新農薬の開発に着手いたしましたのが、理化学研究所等で着手いたしましたのが昭和四十一年か二年ぐらいだったかと思いますが、その辺からの開発でございまして、まだ十分にいきません。いまにそういう目的を達する農薬の開発が必ずできるようになると私どもは思っております。またいたさなければなりませんので、今後ともそういう点の拡充強化をいたしてまいりたいと存じておるわけでございます。
○近江委員 先ほども私が申し上げたように、これから植物のそうした輸入等は激増してきますよ。ところが、完全な薫蒸所ができていない。あなたも御承知のように、はしけで薫蒸したり船内で薫蒸したり、要するに倉庫の中へ入れてから薫蒸できない。完全なことをするためには、完全に密閉したそういう倉庫の中で薫蒸しなければならぬわけです。それを簡単に、たとえば輸入木材などは、ぱっとビニールをかぶせて薫蒸しておる。死亡者も出ておるわけですよ。特に四十二年十二月九日、広島港に停泊中の船内薫蒸で死亡しておりますが、この人の奥さんがこの間の九月二十四日に農林省に損害賠償を訴えておる。あるいは松山では民家の非常に近くで薫蒸をどんどんやっておる。そして周囲の人たちに非常に中毒患者が出ておる。いろんなことがあるわけですよ。しかも、はしけ薫蒸なんかやれば、家族が一緒に住んでいるわけです。御承知のように、このガスは吸着性があるし、下へたまる。非常に重い。常にそういう生命の危険にさらされておる。泣き寝入りのままでほっておいていいかという問題なんです。やっておりますけれども、結果は出ない。これだけ科学技術が発達しておる時代に、ほんとうに真剣に取っ組んでいって、それだけの新製品が開発されないわけはないですよ。これではやっておりますというわけにはいかないわけです。早くやらなければいかぬ。ですから、その辺の研究開発の促進を――いままでのような状態では結果が出ておらない。だから、抜本的にメスを入れて、これではだめだとなれば、関係各省が話し合って、こうしなければならぬということが出るのがあたりまえじゃないですか。あなた方は昭和二十五年から十何年間同じことをやってきた。何も出てないじゃないですか。このまま同じ状態でまたいくのですか。輸入だってこれだけどんどんふえてきている。これは真剣に考えなければだめですよ。これから新薬開発についてどうするのですか。いままでと同じ体制をとるのですか。これからどういう決意と対策で進むのですか、その点をお聞きします。
○遠藤説明員 お答え申し上げます。 先生御指摘の点、重々私どもも痛感いたしておりますので、今後ともいろいろ各関係省とも検討いたしまして、研究開発の改善刷新につとめてまいりたいと思う次第でございます。
○近江委員 それでは最後に、特にその段階において、この作業の安全確保を徹底しなければまだまだ私は犠牲者が出てくると思う。しかも付近の住民にも犠牲者が出てくると思う。この点を非常に心配するわけです。ですから、この辺のところを関係各省が真剣に取っ組んでいただいて、再びそういう犠牲者の出ないように安全確保を厳重にやっていただきたい。時間がありませんから、これは要望だけにとどめます。 最後に通産大臣に、ずっといままでのことを聞いていただいたと思いますが、輸入政策上こういう危険なことが行なわれておるということは大問題だと思うのです。今後閣僚会議とかそういうようなところでもひとつ大きな問題として、政府としてこの問題については真剣に、また積極的にやっていかれるおつもりかどうか、その辺の大臣の決意なり、またそうしたお考えなりを最後にお聞きして、私の質問を終わりたいと思います。
○大平国務大臣 仰せ趣旨を十分体しまして、ベストを尽くしたいと思います。
○近江委員 では終わります。
○宇野委員長代理 石川次夫君。 〔宇野委員長代理退席、堀委員長代理着席〕
○石川委員 たいへん時間が制約されておりますので、本来なら一問一答の形で詳しく究明したいところがたくさんあるのでありますけれども、きょうはいわば自問自答の形で私のほうで申し上げて、その確認を求めるという形式にしないと、ちょっと時間内に質問が終わらないと思いますので、答弁のほうもしかるべく善処を願いたいと思うのです。 私の申し上げたいのは、国の公的機関であるところの金融機関、すなわち、商工中金あるいは住宅金融公庫、あるいは住宅公団は金融機関ではございませんけれども、そういった国民の税金あるいはまた財政投融資に多くを依存しておる金融機関というものは、民間の機関とはまたおのずから違った使命を持っておると思うのです。民間の金融機関であるならば、あるいは不良貸し付けがあって貸し倒れができたというような場合でも、これはまた社会的責任があるにいたしましても、何とかこの埋め合わせをつければ、営利機関である以上はある程度その危険負担はやむを得ないのだという考え方になろうかと思いますけれども、このような公的機関で国民の税金に多くを仰いでおるようなものについては、きわめて厳粛にこの貸し倒れあるいは不良貸し付けというものについては対処してもらわなければならぬ、こういう意味で、私がこれから申し上げるのは、新聞などで報道されておりますように、稲村代議士に関連するところの焦げつき融資でありますけれども、こういうような政治家、特に与党の政治家に対して非常に融資の態度がなまぬるいのではないか、甘過ぎるのではないか。こういう点で、代議士、国会議員の側としても厳粛にえりを正さなければならぬ問題であるけれども、同時に貸す側でも、そういう点で手抜き、甘さがあるというようなことでは、一般国民に対してたいへん申しわけないことではないだろうか、こういう点で例をあげて答弁を促したいと思うわけであります。 そのまず第一は、この前、参議院の決算委員会におきまして大森創造参議院議員からいろんな事こまかな質問があったわけです。この点については、私、繰り返し申し上げることは避けたいと思いますけれども、念のために、その後の経過、その後の対策、どうなっているという点を伺いたいと思いますことは、第一点として、この協同組合というものができて――東豊産業協同組合というのです。これに類する協同組合は、融資の機関として、一つの企業あるいはその下請というものをまとめてそういう協同組合をつくるということは、決して違法ではないと思います。違法ではないと思いますけれども、特定の人の便宜をはかるためにこれが存在する、あるいはただ単に特定の人に対するトンネル融資の機関としてこれが存在をするということになれば、これはきわめて問題であろうと思うのです。 そういう点で、この東豊産業というのは、最初の理事長という者から四十二年の三月に稲村氏がかわりまして、これは構成メンバーを見ますと、営業所のない人がいる。名前には載っているけれども全然そういうことには関知しないという人がいる。いわばこれはトンネル金融機関的な不良協同組合である、インチキ協同組合であるという断言をして差しつかえないような形態ではなかったのだろうか。これは結果論かもしれませんけれども、そう言わざるを得ない。こういうような協同組合ができることに対して、今後これを阻止する対策として何かの善処策をお考えになられたかどうか、簡単にひとつ御答弁を願いたい。
○阿部参考人 お答え申し上げます。 東豊産業協同組合につきましては、私ども、このような事態になりましたことにつきまして、まことに申しわけないことと存じておりますが、先般の大森先生のお話もありましたように、二度とこれに類似のものが起きないようにちゃんとやりなさいという御指示もあり、私どもといたしましても、また当然のことでございますので、主務省ともよく御相談いたしまして、全営業店には、この東豊産業協同組合の具体的な事例を通知するのとあわせまして、特にこういう点につきましてさらに各支店で注意をするようにという具体的の通牒を出しました。 〔堀委員長代理退席、宇野委員長代理着席〕ただ出しましただけでなしに、それに引き続きまして、各地区別のブロック会議等に臨みまして、よく営業店にも問題点を説明いたしております。 問題は、やはり組合の多数転貸の問題でありますが、やはり組合を信頼してやるのが組合の多数転貸、転貸の一番大事な点でありますので、いま先生のお話のように、組合の実態というものをさらに十分調査いたしまして、その上に立って組合融資を実行に移す、そこを基本にいたしまして、なおさらに組合が転貸いたします場合でも、転貸先から組合への申し込み書自身も必ず徴取したい。さらに、全体の転貸先を調査するのはなかなか困難でございますが、できるだけ個別の転貸先を調査することと、それからさらに、転貸いたしましたあとに、そのとおり転貸先に資金が流れているかどうか、転貸の確認につきましては、転貸先または転貸後できるだけ早くしっかりトレースを行なう等々、具体的な点を今後さらに気をつけまして、同じような事例が起きないように一そう注意してまいりたい、こう存じております。
○石川委員 まだまだそういう点で究明したいことがあるのですけれども、一つの例として申し上げますと、これは御承知のように、理事長に稲村氏がなっておる東豊産業協同組合から、稲村建設株式会社社長の同一人物である稲村氏に対して七千万円融資をし、それが金銭消費貸借契約金によるものとして仮登記の申請をして、この本社の社屋というものを差し押えてしまった。しかしながら、こんな大金は東豊産業から出るはずがない。したがって、これは金銭の授受なしに、ただ単なる貸借契約金だけの問題であって、それから同時に、これは定款二十九条では、一般組合は二百五十万円が限度だというのに、これははるかにオーバーしておる。まるでめちゃくちゃな、倒産をした稲村の本社の保全策のためにとられた詐欺的行為ではないか、こういう感じがしてならないわけであります。したがって、そういうことでその過程で幾つも手形が振り出されておるわけでありますけれども、どうも金銭の授受でない、商手でない、融手でしかないもので――融手なら当然手形としての割引ができないわけであります。決して商手でない、融手でしかないような――商手という認識はなかなかむずかしいかと思うのでありますけれども、どう考えてもこれは商手らしい感じをわれわれは受け取ることができない。したがって、融手を単に割引をしたという感じがしてならないわけであります。この点につきましてはいろいろ申し上げたいことがあるけれども、時間が非常に制約されておりますので、その次に移ります。 それで、この手形振り出しのものをいろいろ見てみますと、この前も話が出ましたように、これは単なるペンでもって書いてあって、にせの三文判を押してあるのが続々出てきております。私の手元にありますものだけでも六枚ほどありますけれども、これが四十三年七月に集中的に出ている。九月に倒産をするその前に、何とか経営に困ったから対策上やったということなのか。あるいはまた、倒産ということの前に何とか取り込みをしてしまおうという意図なのか。その点はいま司直の手に渡っていることでありますから、ここではあえて追及はいたしませんけれども、たとえばこの裏書きをした人、小野寺商店とか山岸さんとか近藤組とかは、全然本人が知らないわけですね。小野寺商店などは憤然として、私文書偽造で告訴をするという態度に出ている。ペン書きで、しかもインチキな三文判でこの裏書きがそのまま通るということは、普通の金融機関では考えられない。したがって、商工中金というものはそういうことに対して非常に寛大であり過ぎるのか、ケアレスなミスということになるのか、そういう点は今後相当厳重に対策を講じてもらわなければならぬと思うのでありますけれども、それは偽造であるというふうにわれわれは断定をするが、商工中金は、この事件が始まってから相当期間もたっておることであるので、これは偽造であるかどうかという確認。それからさらに、全部でもって三千六百五十六万円というようなものが焦げついていることになっていますけれども、この債権をどういうふうに確保するかということに対する対策、その見通し、これをなるべく簡潔に御答弁願いたいと思います。
○阿部参考人 手形の裏書きの事実関係でございますが、私どもといたしましても、調査に入りまして、裏書きの事実を認めたものもありますが、事実なしと言われる先もあります。また中には、倒産とかあるいは死亡されまして、全然はっきりしないというような状況もありまして、なかなか事実確認がむずかしい要素がございましたが、すでに当局のほうで調査に入られておりまして、私どもといたしましては、大森先生のお話のような点があるようにも思います。しかし、全貌につきましては当局の捜査も始まっておりますので、全体として真偽の究明につきましては、その調べで明らかになろう、こう存じております。 なお、先ほどのペン書き等のお話でございますが、私どものほうも、先ほど申し上げましたように、本件の具体的の事例を各支店に流します際に、手形の成因につきましてはさらに十分その確認の要があるのは当然でございますが、中間裏書きにつきましても、不自然なものがありましたら、いま御指摘のような、たとえば同一書体であるとか、あるいは同形の印章でありますとか、あるいはペン書き等がございましたら、十分注意して厳重にやるように、この点も今後さらに十分に気をつけてまいる考えでございます。 なお、債権の保全につきましては、四月、不動産を一部追徴いたしまして、この八月さらに不動産を追徴いたしまして、現在権威ある信用調査機関の調査の結果を待っておりますが、なおこれで不足いたしますような場合でも、さらに担保追徴につきまして、書面によりまして向こうともはっきりさしておりますので、先生のお話のように、私どものような性格の機関といたしましては特に保全の確保が大事でございますので、今後の措置につきましても全力を尽くしたい、こう存じております。
○石川委員 時間がないのは非常に残念でありますけれども、とにかく裏書きがインチキな印鑑で三文判で、しかもペン書きというようなものは、普通の金融機関であれば気がつくと思うのです。商工中金であるからこそ、あるいはまた勘ぐって言うような言い方になるかもしれませんけれども、相手が国会議員だというようなものの見方の甘さがあって、こういうようなものを見のがしてしまったということになっておるのではなかろうか。裏書きの所番地が全然違っておるようなものもあるようですね。半年前に移転しているのに、半年前におった住所が書いてある裏書きなんかもあるわけです。こういうようなものを重ねて、私の持っているだけでも六件ばかり、それも七月中にごっそり出ているというようなことになっておる。それを全部見のがしてしまった。たくさんありますから、一つ一つチェックすることはなかなか困難であろうということも想像はできますけれども、かくもまとめてそういうものを見のがしてしまったというのは、どう考えてもこれは怠慢ではなかろうか。したがって、善後策としてはたいへんお考えになっておるようでありますけれども、まだまだこの趣旨を徹底さしてもらいたいということをひとつ申し上げます。 それと相関連する問題でございませんが、同じような形態のものといたしまして、きょうは質問しないつもりであったのですが、ちょっと触れてみたい。 これは広島の宇田組に関する問題でありますけれども、これはやはりことしの三月十五日に負債四十億から五十億円を残して倒産をいたしております。宇田という方もこれまた前代議士でありまして、この宇田組の専務は子供さんで、やはり相当力のある、広島県の現県会議員であります。取締役には先ほどの稲村氏の息子さんも入っておる。こういうことは稲村さんが特に関係があるという意味で申し上げておるわけではございませんけれども、そういうことで、商工中金のほうにも二億円ほど融資残があると聞いておりますが、その点を簡単にお答え願いたいと思います。
○阿部参考人 宇田組につきましては、現在の残が一億二千五百万でございます。このうち八千万円につきましては広島相互銀行の保証つきになっておりまして、残の四千二百万につきましては商手担保でありまして、逐次これが落ち込みになって償還されつつあるわけでございますが、別途担保といたしまして、極度一億の根抵当を設定しております。われわれの評価では、土地、建物ほぼ七千万、こういう査定をしておりますが、そういう状況でございまして、債権保全につきましてはだいじょうぶでございます。 なお、本件につきましては、地元の広島相銀さん、広銀さんとわれわれのほうで協調融資の推移があったわけでございますが、この点につきましても、いま御指摘のように、われわれのほうの転貸でございます。転貸のやり方につきましては、同じような類似の点もありますので、今後さらに厳重に注意いたしてまいります。
○石川委員 その中で、工事未完成分の手形としての仮勘定手形による割引がかなりある、こういうことを伺っておるのです。こういう事実があるのか。もしそうだとすれば、これは不当な割引なのか、あるいは違法な割引なのか。私、専門家でありませんでわかりませんけれども、そういう事実があったかどうか、伺いたいと思います。
○阿部参考人 具体的内容は、ちょっと手元に準備がございませんが、いま先生のお話の事実関係につきましては、帰りまして後刻御報告さしていただきたい、こう存じます。
○石川委員 私、伺いたいのは、この仮勘定手形による割引というのは不当なものではないかと思うのだが、その点はどうお考えになりますか。
○阿部参考人 ただいま先生のお話は、前受け手形のようなケースでございましょうか。
○石川委員 工事未完成のものですね。
○阿部参考人 もちろん具体的ケースにつきましては、それぞれ検討の結果措置されるわけでございますが、一般的に申しますと、工事が全額できませなくても、途中での出来高の関係もありますので、完成しなくとも融資が行なわれるというケースはあると思います。ただ、具体的なケースにつきましては、それぞれケースにつきましての問題になろうかと存じます。
○石川委員 それで、いまの関係は、見返りの担保が一体どうなっておるかという点と、それから仮勘定手形の割引の実態が一体どうなっておるかという点、おたくのほうの手元にある手形割引のデータ、それがあったらひとつ御提出を願いたいと思います。 きょうはこの質問が主体ではありませんけれども、しかし何と申しましても、政治家が介在するこういうことに対して非常に寛大であるという印象を受けることは、われわれ同僚としても非常に残念でならないという点であえて申し上げたわけです。 それではその次、非常にはしょってしまってたいへん残念なんですけれども、住宅金融公庫の関係です。 私も、いろいろマンションというか、アパートの建設を頼まれて、住宅金融公庫のほうにお願いに参りますと、非常にむずかしい条件がついてなかなかできないということが多いので、先ほど申し上げたように、庶民金融機関といたしましては相当厳格にかまえておるという点で、むしろたいへん頼もしく思っておったわけです。ところが、これまた新たに出た事実といたしまして、稲村氏の関係の住宅金融公庫の貸し付けについては非常に寛大――寛大というよりはむしろずさんきわまるものであるという事実が判明をしたわけであります。詳しいことは申し上げません。結論だけ申し上げます。 これは初め山手不動産の山本という社長が連帯保証というかっこうでもって工事を始めたのでありますが、しかし山手不動産というのは実体がないのです。このマンションをつくるためにできた不動産会社なんです。そういうところに金を貸したという点にも一つの問題があろうと思うのですけれども、その中に、連帯保証人の中に賢物産というのがありますが、これは山手不動産と一緒にその金を借りたとたんにつぶれているのです。つぶれていながらそのまま連帯保証人にしておったという事実も判明をしておるわけでございます。そこで、途中で四十二年の十月ごろになりますと、工事代金が未払いだということを理由に、稲村建設が公庫あてに、債権債務の山手不動産からの肩がわりを申し出ておる。それで貸し付け残額が千三百六十万の交付を一時停止をして、債務者及び稲村建設と協議をして、四十三年の八月ごろ、稲村氏の個人保証と稲村建設の連帯保証を取りつけて、まもなく倒産をしたわけです。これは計画的な倒産だとわれわれは判断せざるを得ないわけでありますけれども、そこで問題になりますのは、四十二年の暮れごろこのマンションというものは完成をいたしましたけれども、四十三年の一月ごろ、稲村が公庫に無断で所有権の移転をはかっておるわけです。これはおそらく公庫に無断であろうと思うのです。そういう点が契約書並びに法律的に見て一体どういうふうに理解をされておるのか。住宅金融公庫の代表の方にひとつ伺いたいと思うのです。
○鮎川説明員 ただいまの点についてお答え申し上げます。 事実関係と申しますか、概略のことにつきましては、すでに先生がお話になった点でございますが、この貸し付けの概要を簡単に申しますが、この建設の主体、債務者になるわけでございますが、これは山手不動産会社でございます。山手不動産会社が昭和四十一年に借り入れの申し込みをいたしまして、それぞれ手続を終わりまして貸し付けの契約をいたし、着工いたしまして、仕事が進んでまいったわけでございます。そして四十二年の十月に工事の出来高によって金融公庫は八〇%程度の資金を融通いたしたわけでございます。ところが、その暮れに、この融資にかかる物件につきまして、先ほど先生がおっしゃいましたようなことが起こりましたので、その後残っております残額の貸し付けを停止いたしました。また、貸し付け金につきまして、さっそくこれについての一時償還の請求をいたしたわけでございますが、その後、この債権は手形貸し付け中の事故でございますので、公庫といたしましては、この債権の確保をはかりますために、債務者及び関係者といろいろ協議を重ねまして、債権の保全をはかり、現在最終的には債務弁済抵当権の設定契約を結んでおるわけでございますが、先ほどお話がございました、途中に融資にかかる物件が譲渡されたという点については、お話のとおりでございまして、これは、公庫の資金がほかの目的に使用されたり、あるいは公庫と契約した条項に違反した場合には、そういうことはやっていけないことになっているわけでございます。 この際の問題点を申し上げますと、稲村建設はこの債務者である山手不動産会社の請負人の立場に立つわけでございます。そこで、請負人の立場でございまして、これは請負契約に関する問題になってくるわけでございます。請負契約の型と申しますか、考え方にはいろいろの型があるかと思いますが、一般的には、工事を完成しまた一方金を払ってその所有権が移るということになるわけでございますが、もちろん代金が支払われず、その完成前でありますと、その所有権がどこにあるかということはいろいろむずかしい問題を含んでおるわけでございますが、この際は、請負人である稲村建設がいわゆる債務者である山手不動産会社から金を受け取ってない、こういうことで、自分のものとして――これはいろいろほかの事情も関係しておったようでございますが、その建物、これは七階建ての建物でございますが、六階以上の部分についてそれを他に譲渡した、こういうケースになるわけでございます。したがいまして、最初に申し上げましたような、公庫といたしましては自己の債権になったわけでございまして、その後これに対する債権確保の方法をいろいろ講じてまいったという状況でございます。
○石川委員 この四十三年の八月に、稲村氏は個人保証と稲村建設の連帯債務を取りつけたわけですね。四十三年の九月に倒産です。こういうふうなことは、これは明らかに作為的だというふうにわれわれは考える。そういうふうな事情はさっぱりわからなかったのかどうか。いずれにしても結果的には怠慢のそしりを免れない、こうわれわれは考える。 そこで、こまかい点でいろいろ伺いたいことがあるのですけれども、この契約書がありますね、中高層耐火建築物等建設資金貸付根抵当権設定契約託書というのがある。この契約書の六条、十条というものは御承知だろうと思うのですけれども、この第一順位の抵当権を設定することを確約するということがある。それから十条にも同じように、先取特権その他住宅金融公庫に損害を及ぼす権利があってはならないという、こういう契約条項がある。にもかかわらず、これは完成をして、二十六戸中の三戸というのは、先ほど申し上げた山手不動産の社長の山本氏が住んでおって、それと残りの二十三戸分については、分譲した金額というもの、八千万円というものが全部稲村建設のふところに入っておるわけです。これは常識的に考えて、しろうとでありますけれども、どうもよくわからないのでありますけれども、こういう分譲価格を設定することについては、二十四条、二十五条で、これは住宅金融公庫と交渉しなければならぬ、こういうことになっています。その交渉をやっておったのかどうか。やっておったとすれば、その金がすっかり稲村建設のほうのふところに入ってしまうというようなことは、あまりにもずさんであったのではなかろうか、こういう感じがしてならないわけなんです。この点簡単に御説明願います。
○鮎川説明員 まず最初の倒産の時期のことでございますが、結果的には倒産と前後した契約になっておりますけれども、実はこの事件が起きましたのは四十二年の十二月ころでございまして、それまでには、これは四十一年からの仕事でございますが、ずっと建設会社としてりっぱな工事をしてきておりますし、そういう気配は全くなかった時代でございます。その直後にいろいろな問題が――賢物産という保証人の倒産という問題がございましたが、その直後に交渉を始めて、契約の最終段階がちょうど倒産の時期になったということでございまして、そういう倒産との関係は、私どもそれを作為的ということは全然考えていない点でございます。 それから、抵当権、担保の件でございますが、原則として、先生御指摘のように、公庫の融資物件につきましてはすべて第一順位の抵当をつけることになっておるわけでございます。 本件の場合どうなっておるかということを簡単に申し上げますと、まず、これは公庫でいいますと、貸し付け種目では中高層耐火建築物でございまして、こういう耐火建築物の貸し付けをいたします場合には、まず最初に土地を担保にとる。これは根抵当として担保をとるわけでございますが、本件の場合も、その抵当権を初めから設定いたしておりまして、その信頼のもとにいろいろ貸し付けをまず行なっておるわけでございます。 それから、建物のほうがどうなっておるかという点でございますが、先ほども申し上げましたように、建設会社としては工事代金を受け取っていない。したがって、その時代にはまだ工事建設会社のものだというたてまえからこれを売却いたしたわけでございますが、この二十六戸のうちの下の一階部分は、これは債務者のほうの名義になっておるわけでございまして、これについては、まだその当時でははっきりした公庫としての担保に提供されていなかったわけでございますが、その後、先ほど申し上げました債権確保をする一環といたしまして、この三戸分につきましても抵当権を設定したという手続を済ませ、またそういう抵当権を合わせましても、貸し付け額の三千万以上になりますが、抵当保証が足りないわけでございますので、これに追加をしてもらうということで、最終的には追加担保を提供してもらっている、こういう状況でございます。
○石川委員 この契約書には十一条に一括取り立て権というものもあるわけなんで、こういうものも把握できなかったかどうかということもあるわけなんですけれども、とにもかくにも八千万円という分譲代金が全部稲村建設が持ってしまって、三千六百八十七万くらいになりますけれども、その分について全然返済をされないというようなことは、常識的に考えて非常に不誠意だと思うし、また公庫としても、この八千万円はそっくり、工事請負代金の見返りではありましょうけれども、稲村氏のふところに入ってしまって、三千六百八十七万については全然それに充てられなかったというようなことは、どう考えても私は公庫としてはずさんであったのではないかという気がしてならぬわけであります。いまのところは敷地の根抵当権はあるわけでありますけれども、しかし上に建物が乗っかっておるのでありますから、この土地は全然あってなきがごとき抵当権だと思うのです。建物が乗っかっている土地なんというものは売買も何もできやしません。それから個人保証の件も、これは担保提供がない限りは――追加提供があったという話でありますけれども、これは民事訴訟でなければどうにも事実上取り立ては困難だという、こういうところにまで追い詰められるような何か公庫のこの問題に対する対処のしかたというものは、非常に私はずさん過ぎるのではないかということと、それから宇田組のこともありますけれども、一般の民間の金融機関で一般の人の場合はこういうふうなやり方はないと思うのです。もっときびしくぼくはやってくると思うのです。しかしながら、税金をたくさん使っておる公的機関の住宅金融公庫が、このようなずさんなやり方をするということは、そのやり方自体にふだんからずさんさがあるのか。あるいはまた、相手が国会議員だからという手ぬるさがあったのか。そういう点でひとつ厳粛に反省をしてもらわなければならない、こう私は考えるわけです。 最後に、これは住宅公団の関係なんでありますけれども、四十五分という時間の制約でどうにもならないのでありますが、これは豊島区の、御承知だろうと思うのでありますけれども、市街地施設割賦金の回収状況で一億三千六百万ほどまだ回収が残っております。これも稲村氏の関係によるものであります。これの回収状況と担保の内容、今後の回収の見込み、これはどうなっておりますか。これは住宅公団の人が来てないらしいので、住宅局のほうの関係でひとつ御答弁願いたいと思うのです。
○丸山説明員 ただいま先生の御質問の件につきましては、申しわけございませんが、私の所管でございませんので……。きょう住宅公団のほうはお呼びでなかったということで、建設省のほうからもその担当が参っておりませんものですから、帰りましてから御報告したいと存じます。
○石川委員 あなた、答弁に来るのに、全然用件がわからぬで来るというのはずさんですね。ぼくは用件をちゃんと伝えてあるのですよ、この点については。
○丸山説明員 私のほうは公庫の担当でございまして、私の聞いた範囲では、公庫の件で先生の御質問があるから行くようにと言われまして参ったわけでございます。
○石川委員 住宅総務課長は来てないんですか。
○丸山説明員 総務課長はちょっと所要がございまして参っておりませんが、この件につきましては総務課長の所管でございませんで、公団監理官の所管でございますから、もし御必要があれば直ちに来てもらうようにしたいと存じますが……。
○石川委員 けしからぬですね。ぼくは、住宅公団の件もある、住宅公団はどうしても都合が悪いんなら呼ばなくても、そのかわりに住宅局長に来てもらいたい、こういうことを伝えてあるのです。これは全然答弁にならぬです。 一億三千六百万もあるのですけれども、この回収は私は非常に困難だろうと思っておるのです。したがって、最初に申し上げた住宅金融公庫の件もありますけれども、商工中金の関係もある。全部合わせて二億をこすのです。宇田組の件も一億五千万程度になる。これが全部、国会議員だという肩書きのために、非常な甘さで、非常にずさんな管理をしておったということについては、相当国会の場で究明されなければならない重大な問題だろうと思うのです。住宅公団の関係はわからないというのでは非常に残念なのでありますが、いずれ日をあらためて、この点については究明をしたいと思いますけれども、おそらくこういう多額な金は回収はつかないだろうというわれわれの見通しです。いままでは、住宅金融公踊り関係については何とかしますということであるし、商工中金は商工中金で何とかしますと言いますけれども、全部合わせると二億円です。私は、そう簡単に回収のつくものではなくして、同一人についてこれだけいろいろなことが重なるということについての――大蔵省の銀行局長が見えておられるのですか。
○宇野委員長代理 大蔵省は吉田審議官です。
○石川委員 これも銀行局長が来ることになっておったんですが、それも来てない。一般大衆のために政策的に設けられたこういう公的金融機関が、この三機関だけでも合計四億近いこういうふうな不良貸し付け、それで取り立てができるかどうかということに非常に不安が残るような貸し付け。しかも相手が、与党であろうが野党であろうが、国会議員である。こういうふうなずさんな貸し付け、あいまいな貸し付けをやって、それでわれわれの血税でまかなわれる金融というものが、民間の銀行であるならいざ知らず、こういうふうな形で焦げつきになる危険性が非常に大きいという状態に追い込んだ責任はきわめて重大だと思うのでありますけれども、大蔵省はこの点についてはどういうように指導されたか、どういうふうに責任を感じておられるのか、これをまずお伺いしたい。
○吉田説明員 この住宅金融公庫並びに商工中金の件につきましては、私どもも、この問題が起こりましてから、なぜこういうようなことになったかということについて検討してまいったわけでございます。商工中金につきましては、先ほど阿部理事からもお話がございましたが、基本的には、やはりまず組合の実情を十分つかんでいなかったのではないかということが第一点であります。第二点には、やはり転貸先の調査が不十分であったということ。第三には、商業手形と必ずしも思えないようなものについて、十分の注意が払われておったかどうかというような問題があったかと思っております。そういう仕事のしぶりにつきまして、私どもの監督の立場から申しますと、商工中金なり住宅金融公庫なり、それぞれの政策目的を持った仕事をしておるわけでございまして、それとのかね合いで考えていかなくてはいけない問題も多々あろうかと思います。具体的に申しますと、あまり窮屈にやり始めると、今度は本来の趣旨も通らないということもあり、その辺の調和を考えながらやっていくのにはどうしたらいいかということについて検討いたしました結果、商工中金につきましては、そういう三点ないし四点について十分、現実に業務に当たっておる方々の教育あるいは経験を豊富にしていくというような形で会議を開き、あるいは規定を改正するということで、できるだけの改善をはかっていくことが一番いいんではないかと考えておるわけでございます。 住宅金融公庫の問題につきましても、やはり当初の当該の借り入れ者あるいは連帯保証人、場合によりましては工事請負人というものに対する信用調査につきまして、先生先ほどおっしゃった、民間金融機関ならばはたしてどの程度やり得たであろうかというようなこととのかね合いでもあり、そういう点についてなお改善を要する問題もあろうかと思っております。また資金を交付していきます際に、やはり実情に応じた措置、たとえばその代金の支払いが事実行なわれておるかどうかというような点についてもなおくふうを要する点があるのじゃないか、こういうふうに考えております。特に住宅金融公庫につきましては、こういう中高層という仕事は今後もなお分野がかなり広がっていく余地もある仕事でございますだけに、この際十分その辺の仕事のしぶりを研究していただきたいというように考えております。これは単に一回の注意等で済む仕事ではないだけに、今後主務官庁といたしまして当事者と一緒になって研究をしていきたいと考えております。
○石川委員 時間がきましたから、残念でありますけれども、またの機会に譲りたいと思うんです。これはまだまだ究明しなければならぬ点がたくさんあるようであります。特に商工中金の関係では、商業手形ではない融通手形、融資に対して割引をやったというふうに結果的にはならざるを得ないし、また非常に偽造手形が多かったという点がうかつにも見のがされておったというような点が問題である。それから住宅金融公庫の関係は、少なくとも分譲した費用八千万円というものは、いままで稲村氏のふところに全部入ってしまっておりながら、三千六百万円というものは焦げついたままになっておるというようなことは、どう考えても合点がいかない。こういう点については、さらに私は究明をしたいと思っております。そういうことで、いやしくも民間の金融機関ではない、庶民のための公的な政策目的を持った金融機関というものが、こういうようなずさんな貸し付けのあり方でもって、結果的には国民に非常な迷惑をかけるということについては、今後相当厳重にどう対処するかという対策を考えてもらわなければならぬ。これは銀行局から一応の答弁があったわけでありますけれども、それだけではまだまだ不十分の点があると私は考えますけれども、残念ながら時間がございません。しかも相手が国会議員で、政治家が関与しているという点で、ますます国民の疑惑を深めるという点も注意してもらわなければならぬ重大な点ではないか。今後政治家の関係するものについては、特にそういう点でのきびしい規制というものを行なっていかないと、こういう例があとあともまた出てくるという可能性が容易に予想されるわけであります。そういう点でよほどきびしい規制をしていく。国会議員であるがゆえに何か手抜きをしたというようなことのないように、この四件――私はいま単に四件だけ例をあげましたが、これは全部国会議員が関係をしている、政治家が関係をしているという問題です。裏に何かあるんじゃないか。私はこまかに言えば、情を知りながらこれをやったのではないかと思われる点も多々あるわけです。そういうふうなことが誤解であればいいのですけれども、誤解とは思えないようなことにとれるような現在の融資態度というものについてはきびしく反省をしてもらわなければならぬ、こういうことを申し上げて、時間がありませんから、これは機会を改めてまた御質問をしたい、こう思っております。
○宇野委員長代理 本日はこれにて散会いたします。 午後一時五十四分散会