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61回国会衆議院1969/09/09

商工委員会 第48号

発言数
185
登壇者
16
会派数
4
開催日
1969/09/09

会議録

大久保武雄自由民主党

○大久保委員長 これより会議を開きます。  通商産業の基本施策に関する件、経済総合計画に関する件並びに私的独占の禁止及び公正取引に関する件について調査を進めます。  質疑の申し出がありますので、これを許します。玉置一徳君

玉置一徳民主社会党

○玉置委員 私は、経済企画庁並びに企画庁長官に対しまして、自動車損害賠償責任保険の料率の引き上げ、この問題に関連いたしまして質問を申し上げたいと思います。御承知のとおり、この問題自体は運輸行政でございますし、あるいは大蔵省所管の問題でございますが、過日も新聞で大きく報道されましたとおり、経済企画庁ではこれを物価問題として取り上げまして、これに対する意見も大きく報道されておるのであります。こういう関連と、そのこと自体が自動車産業並びにそれに関連する諸般の一般大衆にまで影響いたしますので、経済企面庁の方向からとらえた問題につきまして質問申し上げたい、こう思っております。  そこで、まず、自動車の損害賠償責任保険が今年度約千三百七十億円、来年度にはそれが三千数百億円の赤字を招来するという推定のもとに、これが二倍ないし三倍の料率引き上げをすでに大蔵省は保険審議会にかけましたことは御存じのとおりであります。この問題には、大蔵省自体が説明いたしておりますように、その赤字の穴埋めをどうするかという問題と同時に、制度自体に相当大きな矛盾点があるとして、これが検討を要すべき幾多の諸点があげられておるのであります。そこで問題は、まずその発想方法がいいかどうかということに始まるわけでありますが、私は制度そのものの再検討すべき諸問題をまず取り上げまして、これが妥当なる解決を見た後、この問題の将来の保険設計を考えて、保険設計上の諸問題を検討すべきじゃないか、まず第一点、そう思うわけであります。  そこで、この制度そのものができましたのが七、八年前、自動車が二、三十万台のときであったわけでありますが、現在すでに千二、三百万台の自動車を擁しております。したがって、当時は被害者保護という立場からこれを取り上げたと思いますけれども、現在、加害者と申しますか、保険によって保護を受けておる人は五%、残り九五%の人々がこの五%の人々を相互援助し、保護しておるという制度になっておりますが、はたしてこれでいいのかどうか。一般の交通事故による被害者を救済する制度であるならば、これは社会保険制度として、国が責任をもってこの問題を取り上げていくべきじゃないだろうか。現在六割の再保険を国にいたしておりますけれども、あの問題とて再保険というだけでありまして、国が社会的な責任――交通事故というものは、いわゆる加害者の責任というか、注意だけじゃなくて、もう一点、道路その他社会投資の不足というようなものからも必然的に招来するものであるという観点から見れば、国もこれに関与して何らかの社会保障制度のようなものを打ち立てるべきじゃないかというような観点があるわけであります。  そこで、まず一点経済企画庁長官にお伺いいたしたいのですが、保険料率を政府がきめる以上、公共料金と同じような見方をして、ハイヤー、タクシー料金の値上げと同様に、料率引き上げは損保業界のきびしい体質改善そのものを見計らって、まずそれを前提としてこれを認めるべきかどうか、そういうお考えがあるかどうかを率直にお答えをいただきたいと思います。

菅野和太郎自由民主党経済企画庁長官

○菅野国務大臣 ただいま玉置委員のお尋ねの件でありますが、お話しのとおり、この保険料率の問題も公共料金でありますからして、したがいまして、公共料金の扱いと同じようにこの保険料率の問題をわれわれ考えております。したがいまして、この料率の引き上げによって物価に影響を及ぼすというようなことが考えられますと、それに対してわれわれのほうでは検討するということになっておりますので、いま検討いたしておりますが、事務当局で検討いたしておりますから、なお詳しいことは事務当局からお答えいたさせます。

玉置一徳民主社会党

○玉置委員 当局にお伺いしたいわけでありますが、先ほど申しましたように、この保険制度がはたして加害者を相互に救済する制度にとどまっていいのかどうか。かつて制度ができました二、三十万台の自動車の時期と違いまして、すでに千二、三百万台、やがて昭和六十年度においては三千万台をオーバーするだろうといわれております。交通事故の絶滅を期するためにはあらゆる施策を講じなければなりませんが、それを絶滅することはなかなかむずかしいと思いますので、そういうものは社会悪といいますか、社会公害の救済として国が制度的に被害者の保護に徹するようにしなければならない。こういう制度の問題が第一点と、医療費のチェックができないという問題、これによりましても、大蔵省提出資料にいう値上げの条件を必要としないことになります。それから少額保険というようなもの、医療費ですね。たとえば五万円を免責いたしましても、二十数%の大蔵省のいう寄与率はこれは消えるわけであります。あるいは休業保障に支払い限度を設けるべきじゃないか。あるいはまた、医療費の支払いにつきまして審査機関を設けることによりましてこれも推定で一三%消えます。自家保障制度を廃止するとか、あるいは、昨日の新聞に出ておったわけでありますが、警察庁では、いわゆる車自体にかけるのじゃなしに、免許証その人にかけなければならない、でないと、これはいつまでたっても自動車の事故絶滅の方向に向かっていくわけにはいかない、こういうことを今度の自賠法の改正について思い切って主張するように載っておりますが、そうしますと、たとえば千二、三百万台というのが一挙に登録者が二千三百万人になります。こういうことになりますと、大蔵省の現行制度そのままに据え置いて推定いたします赤字というものと根本的に変わってくるわけであります。したがって、三百万から五百万に死亡保険の限度を上げますそのことは二〇数%でいいわけでありますが、そういうもろもろの諸点につきまして、経済企画庁自体も、この問題のいわゆる損保業界の体質改善と同時に、損害賠償保険自体につきましても物価等の問題から御検討なすっておいでになるかどうか、事務当局からお答えをいただきたいと思います。

八塚陽介経済企画庁国民生活局長

○八塚説明員 自動車賠償責任の問題につきましては、物価の問題も当然ございますし、あるいは、もっと広く、国民の安全というような点におきまして国民生活全般の中から検討をしなければならないと思います。一方、こういう交通傷害あるいは交通事故の問題は、その解決あるいは対応策というのは、先ほど来お話しになりましたように、道路その他の改善等々、各方面からその対策を講じていく必要があるというふうに考えますので、それぞれの施策はおのずからそれぞれの受け持ちがあろうかと思います。そういう意味におきまして、たとえば、先ほど例を出されましたが、損害保険だけでいいのかというお話もございましたが、その他の安全のためのいろいろな公共投資というような中で、こちらのほうへいわゆる社会資本を持つことが効率的か、あるいは、同じ金があるならば、むしろ物的な面の改善をしたほうが効率的かというような問題等もございますが、私どもとしましては、いま申し上げましたように、これはこの分野の中で合理化をはかっていくということが必要であろうかと思います。  私ども、物価の問題に対応いたします場合にいつも基本的な姿勢として持っておりますのは、いわば価格、料金等で物事を解決するだけではなくて、むしろ全体の構造、現在のあり方というものを見直して、その中で判断すべきであるというふうな態度を持っておるわけであります。そういう意味におきまして、私どもは、冒頭申し上げましたように、物価、あるいはもう少し広く国民生活、あるいは社会資本をどういう方向へ持っていったほうが一番効率的かというような観点から、いま御指摘になりましたようなもろもろの点について検討を進めたいと思っております。  ただ、お断わりをしておきますが、過般、ある新聞に出ました自賠責に関連いたします経済企画庁の見解というものは、まだ実は必ずしも固まって、私どもが正式にということじゃなくて、私どもの事務担当で現在検討をしておるその過程の考え方であるわけでございます。現在のような状況でございますから、いずれもう少し詰めて、ただいま長官が御説明申し上げましたように、公共料金の一つとして運輸省なり大蔵省と今後折衝をしていきたいというふうに考えております。

玉置一徳民主社会党

○玉置委員 御存じのとおり、九月三日に大蔵省では審議会が開かれまして、参考意見を聞いた、その日のテレビの報道によりますと、大方の方々が値上げはやむを得ぬというように意見が固まって、九月中に急速に審議を進めたいというようなこと、これは少しニュアンスが実態とは違ったらしいのでありますが、報道されたわけであります。で、これを公共料金であると同様にチェックするということになれば、公共料金としてほぼ案が煮詰まったときに大蔵省から経済企画庁に内意を求めてくることになるわけでありますが、その辺の事務的な詰めはどうなりますか、事務当局からお答えいただきたい。

八塚陽介経済企画庁国民生活局長

○八塚説明員 相当早くから大蔵省あるいは運輸省の事務当局から私どものほうへ中間の段階でそれぞれ連絡があるわけでございます。一方、審議会の進捗の状況と見合いまして、私どものほうも、事務当局としても勉強の過程でいろいろな意見はそれぞれ中間としては申し上げております。いずれ本日も審議会があるようでありますので、それの進行と見合いまして、私どものほうへもそのつど連絡がございます。私どものほうも、ただいまの段階では、正直に申しまして、まだ長官の御判断を伺うという段階にはなっておりませんが、その状況によりまして私どものほうの長官の判断を伺って、また関係各省と折衝をするということになろうかと思います。

玉置一徳民主社会党

○玉置委員 バス、タクシー等の交通料金の値上げの規制は、中小企業が気の毒なほどまいりかけているところまできておりますけれども、今日の物価の値上がりということを考えて、経済企画庁はかたくななまでこれを気ばっておいでになります。片一方、損保の会社はかなりでかい会社でして、これだけでなしにその他のいろいろな事業を行なっておるわけであります。これを何らの内容の検討もなしに、安易に二・七二倍というような試案というのですか、計算の指針というものを出している大蔵省の態度というものは、私はどうかと思っておるのです。これにつきましても、その他の交通料金に示されているような、あるいはむしろよりきびしいやり方で対処せなければ経済企画庁のかなえの軽重が問われるんじゃないか、こう思います。三百万を五百万に限度引き上げは当然のことであります。これには二十数%で寄与率は済むわけであります。その上に警察庁も、各省庁ともいろいろな試案をお出しになっておいでになります。そういうものを含めて検討されて、一挙に二倍とか一・五倍以上のものを言うというようなことは、私は政府機関としてすべきことではない、こういうように考えますので、これに厳重に対処していただきたい。長官の最後の決意を聞いてこの問題を終わりたいと思います。

菅野和太郎自由民主党経済企画庁長官

○菅野国務大臣 ただいま局長からもお答えしましたとおり、事務当局で折衝中でありまして、まだ私のところへ一切何らの相談もありません。しかし、私といたしましては、先ほど申し上げましたとおり、これは公共料金でありますからして、公共料金に対する態度は、これはもう依然として同じ態度で臨みたい、こういう考えをいたしておりますから、さよう御了承願いたいと思います。

玉置一徳民主社会党

○玉置委員 大蔵省は各省庁に対してはきびしくいろいろなことを査定しながら――大蔵省自体にそういうことを言えるのは経済企画庁だけですから、しっかりやっていただきたいと思います。  これで経済企画庁の長官に対する質問を終わります。  通産大臣にお伺いしたいのですが、きのうも各委員から御質問がございまして、あるいは御意見がございました米国の繊維製品の輸入規制の問題につきまして、私も党の立場から若干の質問を試みたいと思います。  まず、スタンズ長官が欧州及び東南アジア諸国を歴訪して、繊維製品の対米輸入につきましていろいろ懇談したわけでありますが、各国とも当時消極的な態度を示しましたが、現在に至るまでその歩調は乱れていないかどうか、事務当局からお答えをいただきたいと思います。

高橋淑郎通商産業省繊維雑貨局長

○高橋説明員 各国とも協調、歩調、乱れておりません。

玉置一徳民主社会党

○玉置委員 それから次はガットのワク内における国際会議のような実現は、当時、見通しはほぼなかったのでありますが、現在もその見通しでいいかどうか。

高橋淑郎通商産業省繊維雑貨局長

○高橋説明員 私の承知しております限りでは、当時と情勢の変化はございません。

玉置一徳民主社会党

○玉置委員 第三点として、今後のアメリカの出方として考えられるものは何か、つまり繊維製品の規制に関する法案等が出ておるように考えますが、アメリカの法案は、日本の政府提出法案と違いまして、それぞれの議員が立案者として出すわけでありますから、にわかにそれが通るというようなものとはまた違うと思います。こういう問題の先行きの見通し。二番目に、本年九月に、また綿製品の輸入規制の長期取りきめの検討時期になりますが、こういうときに、あわせてまた毛、化繊等のものを交渉にのぼすというような見通しはどうですか。

高橋淑郎通商産業省繊維雑貨局長

○高橋説明員 第一点のアメリカの議会におきます規制法案の帰趨ということにつきましては、にわかに予断を許しませんが、アメリカも良識ある府でございますから、自由貿易の原則に反するこういう規制法案がそう簡単に通過するということはむずかしいのではないか、これは私の個人としての感じでございます。  第二点のLTAの延長問題に関するガットの綿製品委員会は、当初九月に予定されておりましたが、現在は十月の十日前後ではないかということで、確定はしておりません。筋道からいきまして、これはあくまでも綿製品委員会でございますから、綿に関する国際取りきめの運用状況、及び本年は来年九月三十日に失効を予定されておりますこの取りきめの取り扱いということが主たる議題になると思われます。

玉置一徳民主社会党

○玉置委員 ただいま局長が私見ということでお話しになりましたので、大臣からも、この規制法案の提出というようなものがアメリカでちらほらしますけれども、こういうものの見通しにつきまして大臣の感じ方、それから綿製品の長期取りきめの際にそういう問題が出ましても、日本政府としては一切断わるという態度を堅持されるかどうか、お答えいただきたいと思います。

大平正芳自由民主党通商産業大臣

○大平国務大臣 きのうもお答え申し上げましたように、アメリカの行政府としては、輸入制限的な保護貿易主義に傾くような立法について非常に警戒的であると思いまするし、現政権も変わりがないように私は観察をいたしております。いま局長もお答え申し上げましたように、そういうことはわれわれも希望いたしませんし、また、アメリカの自由貿易を唱道いたしておる旗頭としての名誉にかけても、アメリカのためにもとらないことであると思います。  それからLTAの会議でございますが、これは申すまでもなく、LTAの運営の状況、その存廃ということが議題になると承知いたしておるわけで、その他の問題がこの会議で討議されるというようなことについては、私は関知しておりません。

玉置一徳民主社会党

○玉置委員 大臣にお伺いいたしますが、先般の日米交渉におきまして、日本側は先方の申し入れに応じられないということをきっぱり御返答申し上げたという報告でありました。しかし、先方としては帰るに帰れぬから、今後これは何らかの意味で継続をして検討するのだということにしてもらいたいということで、今度アメリカに調査団に来てもらいたい、日本はそういう意味では行きません、しかし調査にだけは、見に行くだけは行きましょうというような御返答をほんとうにされたのか。ただどちらも出会いがしらの話のように、あなたのほうはあなたのほうで適当に国内向けに放送しておきなさい、私のほうは私のほうでこういうふうにきっぱり言うておきますぞというようにおっしゃったのか。国会運営によく見られるようなあれですが、その点はほんとうは大臣どうなんですか。

大平正芳自由民主党通商産業大臣

○大平国務大臣 前段あなたが申されましたように、日本政府ばかりでなく、国会をはじめとして、業界も含めてこの問題に対する方針がきまっておるわけでございまして、重ねて、繊維の自主規制というようなことについてわれわれが応じられない論拠は詳しく先方に伝えたわけでございまして、これは従来と何ら変化はなかったわけでございます。今度新たな問題として、先方が、早急に返事をもらおうと思わぬけれども、何か二国間で話し合いができないかというお話がございましたので、私は、外交というのは二国間でいろいろ生起する問題について話し合いをするということは当然の礼儀でもございますし、道行きでもあると思いまして、そういった問題はもう話をしないということにつきましては礼儀にそむくことでもございますから、二国間で問題の調査をするということはやぶさかでない、もしそれが二国間協定というようなものが提示されたことについての返答でございますれば、慎重を要したと思うのでございますけれども、こういう二国間での話し合いを継続するというようなことは当然のことであろうと存じました。ただ、先方はエキスパートをよこしていただきたいということでございます。これもその限りにおいては差しつかえないことでございますけれども、もしそれが先々私どもの行動の自由を縛るというようなことであると困りますので、先々の何らかのコミットメントを伴わないというものでございますれば、事実調査もやぶさかではないということを申し上げたのでございます。

玉置一徳民主社会党

○玉置委員 そこらがなかなかむずかしいところでして、二国間ともお互いに今後とも経済交流を深めて友好関係を深めていかなければならぬのだから、そういうことまでお断りするわけにはいかない、しかし態度はきまっていますよ、相互にお互いの実情をわかりやすくするためにそういう交流は断わるわけにはいかないということになりますが、それでは、今度お行きになりましたときに、たとえば協定に関係するようなことが議題にのぼってきた場合はどうされるのですか。それでどういうことは妥協していこうと思っているのか。お行きになる局長がうしろにおられますから、局長から伺ってもいいし、大臣からお伺いしてもけっこうだと思います。

大平正芳自由民主党通商産業大臣

○大平国務大臣 それはきのうお返事申し上げましたように、先方が今度の専門家会議におきましての議題としてそういうものを提示するというようなことは言うてきておりませんから、もしそういうものが出た場合にどうするかというようなことを前もって申し上げるというようなことは、私にはたいへん困るのでございますが、万一そういうことがありましたならば、聞いて帰ってくる、言いかえれば、そういうことについて高橋ミッションはネゴシエートするという立場にはないわけでございます。

玉置一徳民主社会党

○玉置委員 よくわかるのでありますが、通産省はそこまで腹をきめておるけれども外務省は弱いのじゃないかとか、あるいは沖繩問題とひっかけられるのじゃないか――こんなことはさらにないと私は思いますが、通産大臣の考え方、態度というものを外務省あたりに、いわゆる政府一般に、この問題に対しては、いまおっしゃったような態度でいくのだということがはっきり統一した見解ができておるという証拠は何かございますか。外務省にかってなことを横でさせぬようなくぎを打つというようなことを閣議できめたとか、総理のところで外務省と一緒にきめたとか、総理から何かの話が外務省にもあったとか、そういうことはございますか。

大平正芳自由民主党通商産業大臣

○大平国務大臣 私の承知している限りでは、外務省は私どもよりもっと立場が強いのじゃないかと思っております。この間の日米会議におきまして私が専門家を派遣するというようなことをいたしたこと、これは当時新聞でも報道されたように、外務省も予想しなかったことだ、私の譲歩であるというように伝えられたくらいに外務省のほうは強い立場をとっていただいておると思います。  それから、これはもう玉置先生も御心配されないようにと私はお願いしたいのでございますけれども、あなたも御専門の立場から心配しないようにと言うてもなかなか心配でならぬというお立場だろうと思うのでございますが、たびたびくどく申し上げますように、これは国会を含めまして日本側の態度がきまっておるわけでございますから、私も高橋局長もそれの土俵を割ることができないわけでござまいして、その点につきまして政府部内の意思統一というようなことにつきましては、不敏ながら私におまかせを願いたいと思います。

玉置一徳民主社会党

○玉置委員 なかなか外務大臣みたいな、やはり前も外務大臣ですから……。  大臣、もう一つ聞いておきたいのです。これは理屈として通っておることですからがんばっておるわけですが、もしもある意味で向こうの立場――将来がんばり通していって、行く先はどこへ行くのかといったら、沖繩とひっかかるわけでもなんでもありませんし、結局、通商の一番原則を主張しておるアメリカがその原則に反したことを言うてきておるわけですから、こちらも妥協歩調をとる方向というようなものを考えれば、一つあり得るのは、その他の禁輸製品の貿易の自由化を私のほうもその他の品目でできるだけ積みましょうというようなことしか方法があり得ないんじゃないだろうか、こう思いますが、大臣どう思われますか。そんな心配するな、心配するなだけでは、どこか心配なんですよ。外務省あたり大きな問題でやるときに、どんなときに君子豹変されるかもわかりませんし、だから、この問題の押し合いでどこへ出ていくかといえば、日本も貿易の自由化品目をなるべく努力をして多くしましょうというようなことしかあり得ないと思うのですが、どう思われますか。

大平正芳自由民主党通商産業大臣

○大平国務大臣 これは、この問題が起こりましてから終始私どものとっておる立場は、あなたが言われたように、自由貿易のより自由な貿易を推進して世界貿易の拡大をはかってまいるという基本の方向から申しまして、これは逆行することになるわけでございます。だけれども、ガット体制の中では輸入によってインジュリーを受けた場合の救済の規定があるわけでございますから、私どもは何でもかんでもだめだだめだと言っているわけではなくて、ちゃんとした国際的なルールがあるわけでございますから、それによって問題を提起をされておるアメリカ側が処置されることに異存ははさんでいないわけでございまして、その態度は今日までも堅持しておるわけでございます。そういったところをまたいでしまって自主規制論議が非常に強うございますけれども、根本は、やはり輸入によってインジュリーがはたして先方さんがおっしゃるようにあるのかないのかというような基本の事実認識がないと問題が迷路に入るのじゃないかと思うわけでございまして、遺憾ながら今日まで日米間にアメリカ繊維産業の診断において非常に違った診断が出ておるわけでございまして、今度高橋君を団長として、御苦労ですが行っていただく方々の任務は、そういったものを私どもはいろいろなデータを集めて私どもなりに吟味して一つの診断を持っておりますけれども、見落としたことがないとは言えぬから、もう少しその点は事態をプルーブしてみましょうというところでございまして、それで両国の間に問題がなければ問題は片づくわけでございますが、問題がもしあったとすれば、その次の段階は、やはり一つの国際的なルールに従って問題を取り上げていくという手はずになるのが順序でないかと思っておるのです。私どもの態度は終始そういう態度で臨んでおるわけでございまして、根本の事実認識において非常に格差があるという不幸な事態でございますので、それじゃそこをもう少し詰めてみるだけのお互いの誠意を持つべきじゃないかというのが私の心境でございます。

玉置一徳民主社会党

○玉置委員 大平通産大臣の態度と気持ちはよくわかりましたのですが、さきに鉄鋼製品あるいは綿製品の輸入規制等もございました。事情は若干違いますけれども、国際ルールだけではいかない実情があり得るときも例外として万々あり得ないこともないわけでございます。こういうことが一般に沖繩問題とからんだりしまして心配をしておるゆえんだと思います。  そういう意味で、蛇足ではありませんが、この機会に委員長にお尋ねするのですが、さきに委員会全会一致で、ことに衆議院の本会議におきまして委員長が説明をしていただきまして、院議をもちまして、この輸入規制の問題につきまして、政府は強い態度で当たるべきであるということを政府当局に要請したわけであります。蛇足ではございますけれども、一般に安心さす意味と、それから、何か沖繩問題との取引が行なわれるような感じを払拭したほうがいいと私は思いますので、前の商工委員会並びに衆議院の決議に基づきまして強い態度で今後ともやってもらいたいということを確認する意味で、委員諸君の御同意を得れば、委員長から重ねて申し入れをしていただくということはできないかどうか、おはかりをいただきたいと思います。

大久保武雄自由民主党

○大久保委員長 ただいま玉置一徳君から御発言がありました件につきましては、過般、本委員会におきましても与野党一致して決議をいたした次第でもございまするし、また、スタンズ長官の来日を前にいたしまして、衆議院の本会議におきましても、与野党一致いたしまして全会一致で決議案を決議いたしておる次第でもございますから、ただいまの御発言に対しましては、委員長から政府に対してしかるべく善処いたしたいと考えております。

大平正芳自由民主党通商産業大臣

○大平国務大臣 ちょっと先ほどの自由化の問題について答弁を忘れておりましたので、補足させていただきます。  こういう問題が起こっておるから、貿易ないしは資本の自由化というものを考えるということ以外に手がないじゃないかというような御趣旨の御質問だったと思いますけれども、問題は私は全然別な問題だと心得ております。自由化問題というのは、アメリカ側から要請があったからこうするというようなことは日本としてやるべきではないのでありまして、日本は本来日本の信用と名誉のために、また国益のためにやるべき自由化をやるのであるという基本の態度はあくまで堅持していかなければならぬと思います。ただ、そういう日本の市場の開放の度合いというようなものが繊維問題と取り組んでおるバックスクリーンになっておるということはわれわれは忘れてはならぬと思いますけれども、同じ平面でバーゲンするようなテーマではないと私は考えております。

玉置一徳民主社会党

○玉置委員 私もそういう意味で言ったんじゃなくて、沖繩問題なんかにはつながる問題ではございませんということで、貿易の自由化の原則をどこまでもこちらも主張すべきであって、したがって、もし万一考えられる可能な流れ行く影響の場面としてはそこらあたりにしかあり得ないんじゃないかという意味で申し上げたのであります。  日米規制の問題はこの程度にいたしまして、ほか二、三点簡単に御質問して終りたいと思います。  まず繊維新法の失効でございますが、来年六月失効いたします。この紡機の規制につきましては、前の国会でも質問して、それはそのとおりやらざるを得ないという御答弁だったわけです。それはよくわかるのですが、繊維新法の失効によりまして、中小紡を中心としまして、かなりの影響が考えられる。失効後の対策は、何かこれにつきまして別に対策を検討する用意があるかどうか、大臣からお答えいただきたいと思う。失効後の起こり得る諸問題を想定して、何か検討する用意があるかどうか、当局からでもけっこうですから……。

大平正芳自由民主党通商産業大臣

○大平国務大臣 一言にいうと用意があるわけでございますが、その詳細につきましては局長から答弁させます。

高橋淑郎通商産業省繊維雑貨局長

○高橋説明員 まず第一問の繊維新法の失効につきましては、法律の定めるところによりまして、四十五年六月末に効力を失うものと私は考えております。それに伴いまして、やはり自由化の時代を迎えるわけでございますから、影響がないとは申せません。なかんずく体力の十分でない中小紡にはやはり何がしかのショックがあると考えますので、いま御質問の、何か新しい施策を検討しておるかどうかということにつきましては、大臣の御答弁のように、検討をいたしております。  その中身といたしましては、現在もちろん関係省と折衝中でございますが、中小紡を含めまして紡績業全般としまして、設備の近代化を一そう推進するために、開発銀行融資の金利をさらに引き下げていただきたい、また、紡績設備の耐用年数が現在十四年でございますが、これを少なくとも十年程度に短縮していただきたい、それから税制上の問題で、来年三月末に期限の到来いたしますスクラップ税制を構造改善の期間中は少なくとも延長していただきたい、こういうことでございます。  それから、特に中小紡績対策としましては、現在グルーピングを促進するためいろいろ手だてを講じております。従来の考え方、つまり横の結合というような考え方のほかに、いわゆるプロダクションチーム型、あるいはコンバーター型と呼ばれるような縦の有機的な結合をはかるグルーピングをもあわせ考えるというようにして、グルーピングの態様について弾力的に対処してみたい。それから開銀の金利につきましては、中小紡のグルーピングにつきましては、やはり金利の引き下げについて一そう助成的に考えてほしい、こういうことでございます。また、どうしても転業せざるを得ないというような企業に対しましては、中小企業金融公庫にできれば特ワクを新設して、いわゆる前向きの転業をはかる者に対しては事業転換資金を貨し付けるということを考えていただきたい。また、現在雇用奨励金制度というものがありますが、十分に活用されておらない現状でございますので、PRにつとめ、またその運用の改善をはかるという意味合いで、労働省とも十分連絡協議を遂げていきたい、こう考えております。  しかし、要は、やがて自由化するのだということに業界の方々は覚悟して、それを前提として現在構造改善対策を種々進めておるわけでございますから、基本的なラインは現在の構造改善対策を拡充強化するということ、それからやはり各企業がそれぞれの判断に基づきまして、この自由化の時代をみずからの問題として受けとめて、そして各企業の自主的な努力でこの危機を乗り切っていくということがやはり基本ではないかと私は考えております。

玉置一徳民主社会党

○玉置委員 大平通産大臣にお答えをいただきたいのですが、中小紡の問題を含めましてでありますが、構造改善の計面を立てましたときに、大体賃上げは年率八%と予想をしておったのですが、実勢はそのくらいではとてもとどまりません。したがって、この面からもあるいは人手不足という面からも、大紡績のほうではものすごい空気精紡機導入合戦みたいな風潮が、非常にいいことですが高まってまいりました。あるいは省力設備その他に大きく踏み切ろうとしております。こういう時代ではなおさら中小紡績にはその影響が大きいと思うのです。その時期に繊維新法が失効するわけであります。この問題は大紡績ですら非常な切迫した気持ちで、省力化と近代化をいままでよりは一そうの努力を払いつつあります。それだけに、私は中小紡に何らかの手当てをしてあげるような方策を講じなければ問題が起こるのじゃないか、こういう感じがいたしますのと、含めまして、二次加工、三次加工等の織機あるいは縫製等の企業につきましても同じことが言い得ると思います。こういう意味で、企業の構造改善を一応見ながら、検討しながらそのスピードを上げていくような施策がおいおいと検討されなければならないのじゃないか、そうでなければ、やがては国際分業として後進国に道をおのずから譲っていくような産業部門が出てくるやもしれない、また出てくると思います。こういう意味で、これはあまり質問するなということでしたので答弁は要りませんけれども、ひとつ十分に企業の構造改善事業をそういう視野から見直して、これにさらに力を入れるべきものは十分入れるというような御検討を急速に始めていただくことを希望しておきます。それはもう答弁を求めません。  そこで、話を変えまして、化学繊維の官民協調懇談会ですが、これをやめてしまったらどうだ。世界の化繊業界の設備も非常に大きなスケールのものがどんどんできつつありまして、日本のいまのままではかえってそれが手かせ足かせになって、そういった企業の成長と申しますか、増強と申しますか、それができ得ないんだというような話も一時あったのでありますが、この官民協調懇の運営を今後どのようにされるおつもりがあるのか、この点につきまして大臣から御答弁をいただきたいと思います。

大平正芳自由民主党通商産業大臣

○大平国務大臣 仰せのような内外の情勢を踏まえた上で、化繊業界と政府の間で検討をいたしておるわけでございますが、いままで意見が一致したといえる点は、第一に、仰せのように、今後設備の新増設に関する事項ばかりでなくて、もっと多角的、総合的な問題、すなわち海外投資、輸出、関連加工業、流通、原料等の問題もあわせてこの懇談会で検討するのが適当であろう。第二は、御承知のように、合成繊維工業は数多くの関連部門と密接不可分の関係がございますが、需要の開拓、関連加工業の整備とあわせて段階的に、設備の新増設を行なう必要がありますが、この際、各企業は資金、技術、原料、加工及び流通、販売の各方面に意を用いながら、規模の利益を亭受し得るよう総合的な判断を行ないまして、各自の実力と体質に応じた規模とテンポで着実に施策を進める、あわせて、一そう激しくなる国際環境、欧米における最近の設備大増設等に対処いたしまして、国際競争力を格段に強化しなければなりませんので、一定期間内に設備能力の拡大限度を大きくしようという点。第三は、その他、新規に企業化する場合につきましても差別を設けませんで、既存企業と同様の取り扱いにしようじゃないかというような点が、いままで意見の一致を見ておるところでございます。御指摘の点もございますが、今後一そう検討の度合いを深めてまいりたいと考えております。

玉置一徳民主社会党

○玉置委員 化繊も紡績も同じですが、ある程度業界が余裕のあるときに思い切ったことをしておかなければ、それはだめだと思ったときには手おくれじゃないか、こう思いますので、ひとつよくリードしていただくようにお願いしたいと思います。  次に、先般の日韓閣僚会議でありますが、あれに関連いたしまして、付加価値関税制度の適用品目をひとつ広げてくれということが韓国の強い要請でございましたが、繊維製品についてはどういうような取り組みをされましたか、この際明らかにしてください。

大平正芳自由民主党通商産業大臣

○大平国務大臣 例年のならわしで、日韓閣僚会議でいま御指摘のような品目別のやりとりがあったのでございますけれども、私は、閣僚間の話というのは、もう少し大きな方向というような問題を論議すべきであって、個々の品目について切った張ったの議論をするのはあまりスマートでないということで、その議論は抜きにしていただいて、先方の事務当局から私どものほうの事務当局に若干の品目についての検討の依頼はあったように聞いておりますが、それは次の通常国会はいずれ関税定率法の改正で、他の省所管の問題もあって、関税定率法の改正問題が論議される段階で、私どもの所管物資、いま御指摘の繊維の問題につきましても、それまでに慎重に吟味して、可能なもの、できないもの、そういった点の区分けをしてみたいと考えておりまして、そういうことで韓国側もともかく御同意いただいたわけでございまして、特別の取りきめというようなものは、品目別のやりとりというようなものはございませんでした。

玉置一徳民主社会党

○玉置委員 最後に、繊維製品の流通部門の合理化につきまして御質問申し上げまして終わりたいと思います。  なかなか長い伝統と歴史があるものでありますから、この問題に手を染めるということは非常にむずかしい問題であり、混乱を巻き起こすおそれがあるのではないかと思いますけれども、一つは、このぐらいみんなで構造改善をやり、合理化、近代化に精励をいたしておりましても、肝心な流通部門が旧態依然たるかっこうでは、せっかく合理化につとめております製造工程にかかわらず、いまのままでほっておきますと、やはり製品ができましたやつを二倍もしくは二倍半のような価格で消費者が入手しておる。ある部門によりましては、よくいわれますのは、みんなはこのくらいの価格で買っておるけれども、ナショナルのテレビはアメリカへいくのはこうだぞとかあるいはどうだぞとかいわれますけれども、あれはみんな中間マージンのことを抜いていますから、アメリカの最終の需要先へいきますと値段がどうなっておるという比較をせずに普通いわれるわけです。アメリカへ出します一番大きな卸先の値段を比較していわれるわけですが、そういうようなこともございますので、この流通部門の合理化ということは、実際私もむずかしいと思います。あるいはスーパーとか大量購入先というようなものがだんだんできまして、それが合理化を必然的にしていくというような形になってあらわれてくるのか、そこのところがちょっとわかりにくいのですが、これにどういうように手を染めておいでになるのか、現在ではどのような検討をなされておるか、今後どうされようとしておるかをこの際明らかにしておいていただきたい。大臣並びに当局から御説明をいただきたいと思います。   〔委員長退席、宇野委員長代理着席〕

高橋淑郎通商産業省繊維雑貨局長

○高橋説明員 結論のほうを先に申し述べます。  いまおっしゃいましたように、この繊維の流通の問題は非常に複雑なものでございますので、従来からいろいろと調査研究をいたしておりますけれども、十分な分析ができておりません。それで、先般もお答え申し上げましたように、本年度の予算千五百万円を使いまして、国の内外の流通機構問題について調査をいたしまして、そしてその結果、あるべき姿、特に日本の風土に即したビジョンというものを打ち立てたいということで、現在すでにメンバーを確定しまして、十数回にわたって調査、検討をいたしております。そういう段階でございますので、一体どういう方向に持っていこうとおまえは考えておるかと言われましても、いま私具体的にこういう姿が一番望ましいのだというようにはっきりお答えするだけの素材をまだ持ち合わせておりませんので、しばらく時間をかしていただきたいと思います。

玉置一徳民主社会党

○玉置委員 大体いつごろにどういうことがわかるように調査の見通しをおつけになっておりますか。

高橋淑郎通商産業省繊維雑貨局長

○高橋説明員 いまの見通しでは、本年度一ぱい調査にかかると思いますし、それをさらに分析し、一応の方向を見出すというためにはやはり来年度になるのではないかと思います。

玉置一徳民主社会党

○玉置委員 大蔵省に予算要求をしなければいかぬ時期ですから、少しは色けのあるような答えをぼつぼつ出していかなければいかぬのじゃないか。だから、大づかみな方向としてはこの程度のことがわかったけれども、ここが非常に困難だからもう一年ここで思い切ってメスを入れるというような答弁がいただければ非常にしあわせだ、こう思うのです。

高橋淑郎通商産業省繊維雑貨局長

○高橋説明員 失念いたしておりまして……。昭和四十五年度の予算要求にも、流通調査につきまして、四十四年度とはまた違った角度から調査をしたいということで、目下予算要求中でございます。

玉置一徳民主社会党

○玉置委員 質問を終わります。

宇野宗佑自由民主党

○宇野委員長代理 関連質問を許します。加藤清二君。

加藤清二日本社会党

○加藤(清)委員 私は、ただいまの同僚議員の質問並びにきのう行ないました私の質問の結末をつけたいと思います。本日的結末です。したがって、本日は通産大臣、商工委員長両氏に御提案を申し上げます。  内容は、白米友好通商、特に繊維、自動車問題を円満に解決するために専門家の議員団を派遣されんことを要請いたします。時期は休会中、佐藤総理が訪米をなさる以前がよろしいかと存じますが、ないしは同時並行でもこれはかまわないと存じます。したがって、本件をぜひひとつ通産省におかれましても、当商工委員会におかれましても、とくと御検討を願って、でき得るならば早期実現方に御努力を願いたいと存じます。  理由を簡単に申し上げます。アメリカ国ではこの繊維に関しましては、もはや委員会の問題だけではなくて、大統領の選挙にかかわる問題になっております。ケネディさんのときも選挙公約でこれが行なわれました。またニクソンさんもしかりでございます。繊維業界のいずれに帰趨するかによって大統領の当落がきまるというほど重要な問題でございます。しかるがゆえに、アメリカ国においては政界、官界、業界、これが三位一体となって運動を継続しております。したがいまして、このことは今日終わるとかあす終わるという問題ではございません。将来もなお引き続いて行なわれるでございましょう。各議員が先頭に立って議員立法をいたしております。この間の日米経済会議以後におきましてもさようでございますが、アメリカの関係学者がアメリカの政府の代表となって日本へ参りまして、日本の関係者に対してアメリカの態度への理解を深めるためのそれぞれの行動、講演、会議等を行なっておられます。これはもはや経済問題ではございません。政治問題でございます。また、アメリカ側も本件のためにアメリカにミッションを日本が送ることを歓迎しております。議員さんもぜひどうぞと、こういう歓迎ぶりでございます。したがって、ぜひ私の提案を実現されるようお願いしたいと存じます。  わが方のこれに対する対応策をながめてみましてもさようでございますが、すでに関係財界の代表がミッションとして谷口さんを団長として送られて相当の効果をあげておられます。やがて数日後に高橋ミッションが送られます。ガバメントオフィスのエキスパートということでございます。二国間の日米経済会議が先般行なわれたことは御案内のとおりです。今度は政治家すなわち議員がかの地へ行く番だと思います。去年私はこれを予算委員会で提案いたしました。その結果、予算委員長はごもっともなことであるというので取り上げられまして、さしあたって、初め自民党のみでこれを構成してそれをテストケースとして実行に移しましょうということで、福田一さきの通産大臣が代表となってかの地に行かれたことは御案内のとおりでございます。これも相当の効果をあげて帰られました。今後商工委員会においては、十月半ばを目途として国内に国政調査のために委員派遣が行なわれると思います。おりまことにいいと思います。一歩足を伸ばしてアメリカまで行くということは、時間的にいったらそうたいして変わりはございません。したがってこの商工委員会でもよし、予算委員のメンバーでもよし、いずれでもけっこうでございますが、日米友好通商を一そう友好裏に拡大しようとするところの同志が相寄り相集まってかの地におもむけば、必ずフルブライト外交委員長をはじめ関係パストーレ委員等々も歓迎してくれることは過去の実績によって明らかでございます。したがってぜひこれを実現されますよう、通産省当局におかれましても、商工委員会におかれましても、早急に御検討いただきまして、それがやがて日米友好のきずなとなり、日米貿易拡大の基礎と相なりますならば、私どものもって瞑すべき幸いであると存じます。  以上でございます。大臣並びに委員長の答弁を求めます。

大平正芳自由民主党通商産業大臣

○大平国務大臣 わが国の通商政策の展開、さらにとりわけ日米通商拡大の問題につきまして、かねがね国会並びに当商工委員会におきましていろいろ御鞭撻をいただき、御指導をちょうだいしておりますことに対して深く感謝いたしております。  いま加藤委員から御提案の問題につきましては、これは制度の問題として国会の問題でございまして、その是非を政府側がとやかく申し上げる立場にないことは御案内のとおりでございます。しかし通商政策担当の立場で本問題を検討せよというおぼしめしでございますから、私どもといたしましても十分検討させていただきまして、国会のほうに私どもの見解を申し述べさせていただきたいと思います。

宇野宗佑自由民主党

○宇野委員長代理 まことにけっこうな御提案でございますので、当委員会といたしましても、十二分に検討をいたしたいと存じます。

加藤清二日本社会党

○加藤(清)委員 終わります。

宇野宗佑自由民主党

○宇野委員長代理 午後二時から再開することとし、この際休憩いたします。    午後零時四十分休憩      ――――◇―――――    午後二時五分開議

大久保武雄自由民主党

○大久保委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  質疑を続行いたします。堀昌雄君。

堀昌雄日本社会党

○堀委員 本日は宇佐美日銀総裁においでをいただきまして、最近の金融政策の転換を中心に今後の日本経済の問題について少し論議を進めたいと思います。  最初にお伺いいたしたいのは、実はこの九月一日に実施をされました公定歩合の引き上げに関しまして、政策転換をされた理由とその目的をお伺いをいたしたいと思います。

宇佐美洵日本銀行総裁

○宇佐美参考人 御承知のように、日本銀行は八月の末に公定歩合と準備率の引き上げを決定いたしまして、公定歩合は今月一日から、準備率は五日から実施いたした次第であります。  最近の日本経済を見ますと、国際収支は、これも将来の見通しをいたしますと問題がございますけれども、当面はなお黒字基調を続けてきておるのでございますが、国内経済のほうは速いテンポ、ことにこの二、三カ月はかなり速いテンポで拡大いたしております。たとえて言いますと鉱工業生産などは春以来増勢を強めてまいりましたし、また企業の設備投資もこのところ積極味をだんだん加えてまいっております。また比較的安定しておりました卸売り物価も、二月以来毎月継続的に上昇を続けておりますし、これは、海外の事情もございますけれども、やはり国内としての問題があろうかと思うのでございます。また金融面を見ますと、最近、企業の旺盛な資金需要を反映いたしまして、金融機関の貸し出しは著しい増加を示しております。また日本銀行券も、所得の上昇あるいは消費の堅調を背景といたしまして増勢を続けておることは御承知のとおりであります。  このように経済、金融の動きを見ますと、私どもとしては、いまのテンポでこのまま続けていいかどうか、非常に心配されてきたわけでございます。国際収支は当面いいにいたしましても、海外の最近の情勢を考えますと、やはりそこに、各国ともインフレ防止のための金融、財政政策をとっておりまして、なかなか安易に考えてはいけないと思うのであります。ことに国内の情勢がなかなか強いテンポで拡大をしておりますと、この辺で一ぺん考え直す必要があろうかと考えておりましたので、やはり金融面からこの際この増勢を抑圧いたしまして、これから万々一にも過熱に向かうというのを未然に防止するほうがよろしいのではないか。そうすることによって、長い安定した成長を続けるように運ばなければならぬと思って、今回の措置をとった次第でございます。いろいろこまかい点はございますが、一応これで概括的に御質問にお答えした次第であります。

堀昌雄日本社会党

○堀委員 いまお述べになりましたことは、確かに計数的に見ましてもだんだんと増加が著しい部分だと私も思います。ただ、実はこれまでの引き締めでございますと、いつも国際収支の状況が悪くなりましたので、その理由は国際収支を改善するということが目的といいますか、そういうことで、経済に対する政策の動かし方が、ある一つの指標といいますか、そういう目安が非常にはっきりしておりましたから、国際収支の状況がある程度改善される見通しが立てば、そういう政策転換はまたもとへ戻すことが比較的容易であった、こう考えておるわけでありますが、いまお示しになった鉱工業生産の増加、これも実は政府が最近出してまいりました見通しでございますけれども、昨年四十三年度は当初の見通しとして、鉱工業生産は四十二年度に対して九%の増加だ、こういう予定で出しておりましたのが、実績見込みでは一八%もふえておるわけでございます。ことしも当初見積もりで一五・五%鉱工業生産はふえる、こう見通しを出しておるわけでありますが、どうも今日までまいりました経緯で、これが一五・五%に落ちつく見通しはまずない、こう思います。これはふえるにきまっておることで、このことは今度が特別の事情になるとは考えられない。そういたしますと、次に民間設備投資でございますけれども、民間設備投資も実は四十三年度は九・七%の増加だという、たいへん内輪な見積もりをいたしていたわけでございますけれども、実績見通しでは二二・一%ふえてきておるということで、これらは実は私、これまでもずっと企画庁と論議をしてまいっておるわけでございますけれども、最近の趨勢というのは、政府の見通しはたいへん動くわけでして、高い状態が続いておるわけでありますから、今後鉱工業生産がどうなったらどうするというわけにどうもまいりにくい指標ではないか。それでは民間設備投資が急激に落ちついたら、次にどう考えるかというのもたいへんむずかしそうでございます。いまお話しのもう一つの卸売り物価の問題でありますけれども、これもどうもいま総裁お話しのように、かなりの部分に海外的要因もありますし、また一部には構造的な要因もございますから、これが単に金融の引き締めということで鎮静するかどうかについても非常に疑問がございます。一番端的に出ますのはおそらく貸し出し増のようなもの、これは一番ストレートにくるものでございますから、多少影響が出てまいると思います。日銀券のほうも多少は貸し出し増とともに出てくるかと思いますが、量的な規制がないとすると、はたして――今度準備率の引き上げをなさいましたから、確かに量的な規制はございますが、それは当初における量的な規制でございますし、現在もポジション指導はしていらっしゃるのだと思いますけれども、量的な規制がないままでは、これもどうもそんなに急激には影響があらわれないのではないか。いずれもいまお話しになった諸要因というものは、確かに過熱を予想させるファクターではございますけれども、それでは今度ここまで来たら引き締めを解除して――まあ今度お上げになった六・二五%というのを、たとえば五・七五に下げてよろしいということのための目安というのが、非常にむずかしい問題ではないだろうか、私はこんな感じがいたすわけであります。  そこで端的に伺うのでございますが、この引き締めをしばらくお続けになるとして、さらに引き締めなければならぬ条件というのは、まだわかりやすいと思うのですが、次に解除するときは一体どうなったら解除になるのか、ここが非常に今度はわかりにくい点でございますので、この点をちょっとお答えをいただきたい。

宇佐美洵日本銀行総裁

○宇佐美参考人 ただいまお話しのとおり、解除ということはいついつ、どういうふうになったらということは、いまここでなかなか申し上げにくいのでございます。と申しますのは、先ほどおっしゃいましたとおり、従来はおもに国際収支が悪くなってきたというところで金融政策の転換をいたしたわけでございますので、それがよくなった場合にはゆるめる。今度は、先ほどもちょっと申し上げましたとおり、これからこのままで経済が進みますと、過熱といいますか、そういうことで、いろいろな点でアンバランスが出てきはしないか、需要供給のアンバランスあるいは労働力のアンバランス、いろいろ数あるわけでございますが、そういう状態をしさいに見まして今度の処置をとりましたわけでございますので、したがっていろいろな指標を見まして、海外の情勢もだんだんわかってまいりましょうから、これくらいのテンポならばということで総合的に判断するということよりいたしかたがないと思うのであります。またはずし方も、単純に今回取り扱いました問題をそっくり同時にやれるのか、あるいはまた個々にはずしていくか、そのはずし方もいろいろそのときの情勢によって変わってくるのではないか、私はかように考えております。

堀昌雄日本社会党

○堀委員 おっしゃるとおりたいへんむずかしいことで、いまお答え願うことはやや無理な情勢がありますけれども、これに非常に関係がございますのは、こういう政策転換をして、その効果の測定といいますか、これをどういうふうに見ていくかということでございます。実は一般的にいわれておりますのは、あまり効果がないであろうということがいわれておるわけでございます。ちょうど四十二年九月の公定歩合の引き上げに際して、私は当時大蔵委員会で総裁にお越しをいただきまして、やはり論議をさせていただきました。しかし、あの四十二年のときはちょっといまの情勢と違いまして、国際収支に関係がございましたから、政府は財政面において財政の繰り延べ等を行ないましたし、また、たしか窓口規制をあわせておやりになることで、まだあの当時としてはかなり総合的なやり方をとっていらしたと思います。しかし私はあのときも、きかないんじゃないかということを申し上げました。大体私は一厘という公定歩合操作に疑問を持っているほうでございまして、今度ようやく山際総裁の当時から念願しておりました金利がパーセンテージ表示になりましたから、これからは〇・五パーセントとか、適切な処置がしやすくなってけっこうだと思っておるのでありますが、当時も、私は効果が出ないのではないかと思っておりましたら、やはり年内一ぱいはあまり政策転換の効果はあらわれていなかったように思いますし、ちょうどあの年も、御承知のように、米がたいへん豊作でございまして、財政の散布が非常に強く広範に出たことも、財政の繰り延べないし金融の引き締めを相殺した一つの要因になったかと思います。しかし、ことしも、米価こそ上がりませんけれども、どうもいまの調子では史上三番目の豊作だなどと言われております。これらの散超等も考えてみますと、政策転換をされた目的がはたして効果的に果たし得るのかどうかという点に今度は逆に一つの疑問も出てまいります。ですから、その点については一体どの程度の効果を期待をしておられるのか、そこをちょっとお伺いをしたいと思います。

宇佐美洵日本銀行総裁

○宇佐美参考人 四十二年の政策転換のときに、確かに、部屋は違いましたけれども、お話を承ったことがございます。そのときに効果はどうだという御質問も確かに伺ったのでございますが、あのときは私どもは効果がなかったとは決して思っておりません。と申しますのは、当時の政策転換のおもなる目的は国際収支の改善でございました。そうして、これはいろいろな理由がございまして、海外の情勢もよくなってきたということもございますが、いずれにしましても私どもがねらいましたおもなる効果、国際収支の改善は――確かに全部が政策とは申しません、海外の情勢にもよりますけれども、十分きいてきた。したがって国際収支の改善ができた以上、何も追い打ちをする、あるいはまたもっと激しい刺激を与えなくてもいいと判断いたしましたので、ごらんになりますと、効果はないようでございますけれども、効果がないよりも目的を達することが大事だ、私はこう考えて、目的は十分達した、その面からいいまして効果があった、かように考えております。

堀昌雄日本社会党

○堀委員 いまお話しのように、確かに目的はかなったと思います。しかし、少なくとも、実はいまここでお触れになりました鉱工業生産なり設備投資なり、いろいろ指標的にこれを見ますと、あまり政策転換の効果は計数的にはどうも認められなかった。ただ、海外の諸条件が非常に転換をしてまいりましたし、あるいはまた、ポンドの問題などが出てまいりまして、それが逆にわが国にかなり幸いしたということもあったかと思いますけれども、いま仰せのように目的は確かに果たせたと思います。今度はある意味では、いまお話しのようなそういう目的がないわけでございますね。非常にはっきりした政策目的というものはない。いまお話しになったように、ともかく過熱を予防したい、こうおっしゃるわけでありますから、そうすると過熱を予防するために、やはり指標的に一番重要なのはこの際は何でございましょうか。民間設備投資がある程度スローになるというようなことがやはり一番大きな問題になるわけでございましょうか。その点をちょっと承りたい。

宇佐美洵日本銀行総裁

○宇佐美参考人 先ほど幾つかの指標を申し上げましたが、これからの日本の経済は、むろん国際収支は大事な指標であることには相違ございませんけれども、一つはやはり物価だろうと思います。それからまた労働需給、これも非常に大事だと思います。また設備投資の動向も非常に大事だと思います。しかし、いずれにいたしましても、金融の面から見ますと非常に銀行貸し出しが過度になるということは危険なことではないか。またもう一つは日銀券でございますが、これもやはりいまの成長をやっております以上ふえるのは当然かと思いますけれども、これもいろいろな面で問題が起こってまいります。そのいろいろな面というのは、あるいは所得の問題もございましょうし、賃金の問題もございますが、さらに消費の問題もございます。そういうふうにいろいろな問題がからんでまいりますが、何が一番大事だという順番をつけることはむずかしいのでございますけれども、最近の世界の情勢を見ますと、やはりインフレ的傾向というものは最も警戒しなければいけないのではないか。と申しますのは、だんだんインフレ的傾向が定着してまいりますと、最近の先進国の状態を見ましても、なかなかこれを直すのは困難でございます。  ですからそういう傾向が出ないようにあらゆる点から注意してまいらなければならぬ、かように考えております。

堀昌雄日本社会党

○堀委員 私もその点は総裁の考えと全く同感でございます。ただ、いまのインフレ的傾向をただすのには金融だけでは今日の経済には非常に問題があるんではないか、やはり財政も一役買ってくれませんと問題があるんではないか、こう私は実は思っておるわけでございます。この間、物価懇談会で中山先生が、ここまで成長が来たら、まず成長よりも物価の安定のほうに比重をかけたほうがいいのではないかという御発言がございました。私もその点は、物価が安定することがモデレートな成長を長続きさせることでありますから、結局成長を急ぐあまりまたリセッションが来ることはミスが多くなるわけでありますから、やはり私はモデレートな成長を続けるためにも物価安定に重点を置けということが非常に重大だと思っておりますが、どうもいまの政府のお考えは、まあ五%程度の物価が上がるのはひとつ国民にしんぼうをしてもらって、成長優先だというふうに新聞は伝えておるわけでございます。佐藤さんはかつては池田内閣当時は安定論者で、どうも高度成長はよろしくない、こうおっしゃっていたのですが、どうやらいつの間にかすっかり入れかわって、最近は池田さん以上に高度成長論者の感じがしてならないのでありますが、そういう意味で総裁は、そうすると金融面ではおやりになりますが、これは金融の片肺のような感じがいたしますが、財政についてはそういう面について御希望はございませんでしょうか。

宇佐美洵日本銀行総裁

○宇佐美参考人 今度私どもがとりました政策は、むろん政策の内容も非常に大事でございますけれども、なぜこういう措置をとったかという、何といいますか政策のほんとうの精神といいますか、それをぜひわかっていただきたいと思うのです。この問題につきましては、政府側は私どもに、公定歩合をはじめ政策については全く一任されておりました。ただ経済の見通しといいますか現状認識、この二つについては、政府と実はいろいろ話し合いをしまして、そうして政府と私どもの認識が大体一致いたしました。そういう見地からいいまして、今度とりましたこの精神を政府もよく理解されておると思っております。あるいは楽観に過ぎるかもしれませんけれども、私どもがとりましたこの現状認識、将来に対する見通しについては、私どもと政府と大筋において全く変わっておりませんので、その線に沿って財政も運営される、かように確信いたしております。

堀昌雄日本社会党

○堀委員 そこで、これは政府のほうは、総裁がお帰りになったあとで企画庁長官と論議をいたすつもりでおりますけれども、総裁は、特に最近の中で非常に今度の要素の違いますのは、さっきから論議のございます卸売り物価の上昇でありますけれども、この卸売り物価のいまの上昇は、さっきもちょっとお話がありましたが、私もお話し申し上げましたように、海外要因、構造要因、いろいろなものがございますが、私はちょっとこの前の引き締めの経過の中を実は日銀の資料で拝見をしておりまして、中小企業の設備投資というのは、前回の引き締めがございましてから間もなくスローダウンしておるのでございますけれども、主要企業の設備投資は、引き締めに関係なく同じトレンドで実はずうっと伸びておるわけでございます。そうしますと、結果として、このときは、こういうことに関係なく、海外要因その他の条件で目的は達することができたわけでございますけれども、この引き締めによって同じようなパターンが起きるとするならば、主要企業はどんどん伸びていって中小企業の設備投資がダウンをしてくるとなると、これは構造的な部分の改善がおくれることになって、裏返せば、結果としては、卸売り物価が金融の引き締めによって持続的に下がりにくくなる要素も出てくるのではないだろうか。ここらが、今度の金融の引き締めをなさる際に、通産省も希望しておるようでありますけれども、どちらかというと主要企業の伸び率を少し下げて、中小企業は下がらないでいくということのほうが卸売り物価の面から見ると望ましいのじゃないだろうか、こう考えるわけでございますが、それについてのお考えと、そういうことが卸売り物価をだんだん安定させる方向になるかどうか、その方法についてお答えをいただきたいと思います。

宇佐美洵日本銀行総裁

○宇佐美参考人 卸売り物価あるいは消費者物価、まあ一口に物価と申しますが、最近の中小企業に対する金融機関の態度というものはよほど変わってきておると思うのであります。と申しますのは、一例を申し上げますと、これは中にはいろいろ問題がございますけれども、最近の金融機関の貸し出しの伸びは、むろん絶対額としては都市銀行あるいは地方銀行の大きな銀行が多いのでございますけれども、しかし増加のほうを見ますと、地方銀行、相互、信金などのほうが伸びがいいわけでございます。また、現在都市銀行におきましても、やはり大企業を十分今後も援助しなければならぬとは思っておりますけれども、同時に中小企業も日本に非常に大事な産業であることを前よりもだんだん認識をしてきておるように思うのであります。これの育成につきましては、かなり考えておるように私どもは見ておるのでございます。したがって、ただいまの御質問のようにわれわれも十分気をつけてまいるつもりでございますけれども、中小企業につきましては格別注意していかなければならぬ、私はいままで、日本銀行に参りまして金融政策を変える場合に、常に中小企業と輸出産業につきましては特別の考慮をしてまいったつもりでございます。中小企業に対する私の認識は、これはもうどうしても日本としては育成していかなければならぬ、それで今回も中小企業につきましては、それぞれ金融機関の会長を呼びまして特別の配慮を申しておきましたが、今後もこの点は十分気をつけまして――何といいましても多数の人々が従事している産業でございますので、気をつけてまいりたいと思っておるわけでございます。

堀昌雄日本社会党

○堀委員 お話しのお考えで私もけっこうだと思うのでありますが、一般的には、大企業の手元が窮屈になりますと、これが企業間信用になって、ふくらんでまいりまして、それが間接的に中小企業の資金需要を非常に妨げる、そのことがひいては設備投資をみずから調整しなければならぬということになる、その結果は構造的に物価高が引き起こされてくるということは、非常に本来の目的が他の方向にいくわけでございますので、その点ひとつ特に――今後予想されるのは、効果が出てくれば企業間信用がふくらむのじゃなかろうか、本来の一番の目的としたところになかなか効果が及ばなくて、そうでない方向に効果が波及をするおそれがあるのじゃないかという点が、ちょっと過去の資料を拝見をいたしておりまして気になっておりますので、ちょっと申し上げておきたいと思います。  そこで、ある効果をお考えになる場合にはどうしても、金利操作もさることながら、多少量的なもの、まあポジション指導はいまお続けになっていると思いますが、これは多少なければ、私は日本の問題だけでなく、アメリカその他を見ておりましても、金利が相当大幅に上がっても資金需要というものはなかなか鎮静をしておりませんから、最近の実情では、今度ぐらいの金利の上昇ではそういまの銀行貸し出しがスローになると考えられないような気がするのでありますが、この点はやはり多少は量的な配慮もなさるということでございましょうか。

宇佐美洵日本銀行総裁

○宇佐美参考人 私どもはいまいわゆるポジション指導というものをやっております。これはますます堅持してまいりたいと思っております。  それから全体の資金の調節につきましては、これからだんだん米の代金が出てくるときでございます。そうすると、どうしても資金量はふえてまいると思います。これにつきましては、今度の政策をとりました私の考えからいいましても、ポジション指導を強めるといいますか堅持するということのほかに、従来やっておりました市場資金は、なるべく短資業者に対する政府資金の吸い上げであるとか、あるいは私どもの貸し出しを引き締めて返済させる、さらに今度は準備率の引き上げをいたしましたのも、金融機関全体に対して、われわれはこういう方針で、まあ準備率自体の金額は全体から見ますとそれほど大きい金額ではございませんけれども、全金融機関に私どもの考えを訴えるという意味において準備率も引き上げた、こういうようないろいろの手を使って、市場に流れております、これから流れてまいります資金を、余剰資金はできるだけ吸い上げて、この政策が効果あるようにいたしたい、かように考えております。

堀昌雄日本社会党

○堀委員 そういたしますと、私、実は昨今都市銀行のポジションは非常に悪化をいたしておると思います。ある程度この悪化しておるポジションを正常化するとすれば、かなり資金は締まってくると思いますが、反面的には、そうなりますと、今度はまた都銀は債券を売りまして資金を調達をするという問題が当然出てまいるんじゃないだろうか。そうなりますと、ただでさえいま長期金利は既発債相場としては上がりぎみでございますけれども、当然これがまたもう少し上がってくるということになろうかと思います。  実はことしの予算委員会で総裁にお越しいただきまして、私は公社債金利の問題についてだいぶ議論をさしていただきましたが、そのあとで総裁が記者会見で社債金利の弾力化にお触れをいただいて、私もまさに時宜に適した御発言をいただいたと思っておりましたが、残念ながらこれは五十銭というまことに意外な結果におちいったわけでございますが、このいまの経過から見まして、私はやはりおそらく既発債の面における長期金利というものは、これはかなり上がってくるのが当然ではないか、こう考えるのでございますが、そういう段階でもう一ぺん長期金利の再検討ということが、全体の――私は、諸外国の情勢を見ても、日本の公社債市場の育成という立場から見ましても、既発債と新発債の格差があまりに広がることは、ますます流通市場を困難にすることでもありますので、ここらでもう一回この問題は再検討する必要があるところへ来るのではないか、こう考えるのでございますが、総裁いかがでございましょうか。

宇佐美洵日本銀行総裁

○宇佐美参考人 私どもも、やはり金融全体から見ますると、短期資金と長期資金というものがお互いに関連をしていることはよく存じております。ただ短期と違いまして、長期は、ことばのとおり、そう自由に動かすということもいかがと思うのであります。かえってこれが私どもが念願しております社債市場の育成にも反対の結果を及ぼしはしないか。したがいまして、今度私どもが政策を変更いたしましたが、この結果を見て、そうして慎重に考えなければいけない。長期資金というものはそうひんぴんと変えるべきものではない。ただ変える場合には総合的にやらなければいかぬ、かように考えております。したがって、いまおっしゃいましたような方向で考えていかざるを得ないと思いますが、慎重にやらなければいかぬ、かように考えております。

堀昌雄日本社会党

○堀委員 そこで、いま金利の問題にまいりましたので、政府でこの間お話が出ましたように、五%程度の物価上昇はまあ納得をしてもらわなければならぬということになりますと、物価上昇は大体五%がノーマルだということになりますなれば、いまの預金金利の体系というのははたしてこれでいいのかどうかということは、私は再検討がそろそろ必要な段階に来るのではないか、こういう感じがいたすわけでございます。標準金利が六・二五%、こうなりましたときに、〇・四%余り今度上がることになったんだと思いますけれども、そうしますと、私は、少なくとも預金金利も、一年ものの定期でいま五・五%でございますけれども、五・七五%くらいまでにしても、銀行としては別にほとんど出血になるわけでもないし、今度は準備率の操作で利子のつかない金を日銀に預けるということで、実質的には貸し出し金利の上昇分が多少そこで相殺されるという要素がないでもございませんけれども、この高い物価上昇の中で、五%がやや長期的に持続するだろうというようなことになった今日、私は、公定歩合の操作と常に一緒に動く必要はございませんけれども、諸外国の情勢なりその他を勘案して、預金金利を〇・二五%くらい引き上げてもいい時期が来ておるのではないか、こういう感じがいたしますけれども、総裁、この点はいかがでございましょうか。

宇佐美洵日本銀行総裁

○宇佐美参考人 預金金利につきましては、確かにいろいろ問題があろうかと思います。ただこれこそ、たとえば銀行の収益は別にいたしまして、やはりいままで預けた人がつまらぬときに預けたということになってもいけませんし、そうかといって全体のバランスをとるということは、これは経済だけではございませんで、金融としてもいろんなバランスをとっていかないといけないという意味におきまして、問題はございますけれども、これこそ慎重に考えていかなければならぬと考えております。

堀昌雄日本社会党

○堀委員 慎重にお考えいただくのはけっこうなんですが、かりにまだずっと当分五%ずつもの物価上昇が続くといたしますと、私は五・五%の一年の定期金利というものは物価上昇から見てはやや低きに過ぎるのではないか。いまお話しのように総合的な問題でございますから、それだけを取り出して言うわけにはまいりませんけれども、国民的感情といたしますと、やはり非常に貯蓄を阻害する要因として大きく働いていくのではないか。やはり国は――国といいますか経済全体としては、できるだけ資本の蓄積が望ましい。御承知のように、欧州の先進諸国、アメリカ等と比べてきわめてストックの少ない日本の状態でございますから、やはりそういう面でも、そういうストックをささえるもとになる資本については、それが適切に貯蓄をされることが望ましいというのが私は本来の方向ではないかと思います。ですから、方向としては検討の段階に入っておると、私はこう思うのです。それをいつやるかとか、どういうふうに幾らするかという問題は別でございますけれども、預金金利の再検討の段階に私はもう入っておる、こう思うのでありますが、この点、そういう方向としてはいかがでございましょうか。

宇佐美洵日本銀行総裁

○宇佐美参考人 その問題もむろんございますけれども、物価を下げるほうが目下の急務ではないか、私はさように考えております。物価が上がったから預金金利も上げるというのでは、あまりに物価という問題を軽く見過ぎておるのではないか。むしろいまの金利を維持するために、もしそういう国民的感情が――もしじゃなしに確かにございますから、これを押えるためにも、預金利息を上げるよりも物価を下げるほうに全力を尽くすということが、また日本経済全体のためにも必要ではないかと思うのでございます。

堀昌雄日本社会党

○堀委員 時間がございませんから、これはここまでにいたしまして、今度の政策転換によりまして一般的に予想されておりますのは、ドルの蓄積が少しふえてくるのではないか、いま円シフトあるいはその他のいろいろな操作によってドルがあまりふえないような状態にいきつつありますものが、諸外国の通貨状態との関連でこれからドルがどんどんふえてくることになりますと、これまたOECDその他で、すでに勧告でございますか、何かそういうものも出されておるようでございますが、国際的問題としてもちょっと問題も出てくるのではないかと思いますが、この点については総裁はどうお考えでございましょうか。

宇佐美洵日本銀行総裁

○宇佐美参考人 日本の国内の一部にそういう議論がございますが、そういう議論を非常にしますと、日本は外貨準備をふやすために今度の政策をとったんではないかという誤解を招きはしないか。私はこれはぜひやめていただきたいと思うのです。私どもは外貨準備はいま決して十分余るほどあるとは思っておりません。しかしながら、今度の政策は外貨準備をふやすのを目的にしたものではございません。その点はひとつ誤解のないようにぜひお願いしたいと思うのでございます。国会でそういう疑問を持たれると、日本人でも言っているじゃないかという非難が起こると私は非常に困るのでございます。しかし皆さんはそういうことを御存じで、ただ海外からの非難が起こりはしないかという御心配でおっしゃっていらっしゃるのだろうと私は考えるわけでございます。  今度の外貨準備がふえました理由は、むろん国内の努力が第一の原因だと思いますけれども、海外のインフレによって日本の物を大いに買ってくれた。しかし、各国はこれを何とかして押えようと思って必死でございます。いままでのように安易にふえるかどうか。ことにまた外貨準備がふえました理由の大きなものの一つとして、長期外資が非常にふえてきております。もう一々申し上げるまでもないと思いますが、そういう関係がこのごろだいぶ下火になってきております。外貨準備がこれからわれわれの努力によってふえるだろうと思いますけれども、いままでのような勢いで伸びるとは考えておりません。むしろ今度の政策としましては、そんなことよりも、これから先の、長い安定した経済を続けていこうというために予防的にやっておるにすぎないのでありますから、今後どういう事情が起こるかわかりませんけれども、そんなにふえるとは私は考えておりません。また、もしふえてさましたら、各国が要望しているようなことも十分考慮していく、あるいはいろんな政策的な問題もございましょうし、また海外援助もけっこうだろうと思います。

堀昌雄日本社会党

○堀委員 その中で、実は全国銀行大会で総裁もお触れになったようでありますが、海外の一部には、日本の円は実勢以上の力があるんではないかという論議があるようであります。私はあのあとで、円の切り上げなどとんでもない話だ、とてもそれだけの力はないということを新聞記者の方にお話をして、記事にもなったわけでありますけれども、ただ、私どもは今後ちょっと考えておかなければなりませんのは、私どもが感じる感じ方と、そうでない側の者の感じる感じ方とには相当差異が出てくるだろう。要するに、外貨がふえる側の者の感じ方と減る側の者の感じ方というものとは著しく対照的なものがあるのではないだろうか。ですから、私は、いま総裁のおっしゃったように、そういうことを目的としてこれがされたとも思っておりませんし、今度の日銀でおとりになった政策は適切であろうと考えております。ここらで一息入れさせる必要はあるだろう。ただ、効果があるかどうかについては前回と同じようにたいへん疑問に思っておりますので、今後のお手並みを拝見をしたい、こういうふうに思っております。しかし、結果として外貨がふえることはあり得ることでございますから、それについてはあとで私、企画庁、通産大臣から承りたいと思っておりますが、慎重な配慮をしませんと、またもや切り上げたらどうかというような話が出ないとも限らない、こう思うのでございます。きょうはひとつ総裁に、こういう公式の場所で円の切り上げについてのお考えをはっきり承っておきたいと思います。

宇佐美洵日本銀行総裁

○宇佐美参考人 国際通貨の問題は、私は国際的見地から考えなければならぬ、かように考えてはおります。しかし、一体だれが責任を負うのかということになりますと、やはり日本の場合は日本が責任を負わなければなりません。国際通貨の専門家たちはいろいろ論じております。論じておりますけれども、しかし、われわれも国際人としては、ことにいま日本はかなり力がついてきておりますので、十分国際的なことで考えなければなりませんけれども、しかし、常に忘れてならぬのは日本の通貨で、これを安全に守るのがやはりわれわれの責任であり、だれにも押しつけようのない責任でございます。そういう見地から、この両方をあわせて考えていかなければならぬと思います。いまさらドイツの例を申し上げるまでもないと思います。各国ともそれぞれたとえば今度の私どもの措置について批判がございます。しかし、批判の内容がそれぞれ国によって違います。その違いは自分の国の違いが出ておるということを見ましても、各国ともやはり自分の国を最後の決定のよりどころに考えておるわけでございます。私どもは、国民全体が切り上げをしたらいいというとき以外には、反対が強い場合にはこれは決して安易に考えてはならぬ、かように考えております。したがって、いまの状態では私は切り上げなどということは、もっとその前にすべきことがたくさんある、かように考えております。

堀昌雄日本社会党

○堀委員 最後に、確かに日本もいろいろな情勢からいいまして、まず先進国の仲間入りができるところにようやく差しかかった、こう思います。特に国民生活の中身の問題はいろいろまだ議論がございますが、しかしそれを除けば、経済的な面では確かに先進諸国に伍して十分だと思います。いまの切り上げの問題は私も反対でありますが、いまの通貨の単位の問題は、そろそろ検討する必要があるのではないだろうか。一ドル三百六十円というレートは先進国の中にはないレートでございますから、いまの切り上げのような問題は全然別個の問題として、やはり先進国に伍して常識的な通貨単位になることのほうが私は諸般の情勢から見て適当ではないか、こういうふうに考えます。いうならばデノミネーションは必要の段階に入ってきたのではないか、検討を必要とする段階に入ってきたのではないか、こう考えるわけでありますが、総裁はこのデノミネーショについてはどうお考えになりますか、お答えをいただきたいと思います。

宇佐美洵日本銀行総裁

○宇佐美参考人 おっしゃるとおり、ドルに対する数字といたしましては、先進国では日本とイタリアくらいになってまいりましたが、しかしこの問題は、やはり第一は国民的に理解が必要だと思うのであります。どうもデノミと平価切り下げをごっちゃにしたり、いろいろな議論がございますときには、かえって混乱が起こるわけでございます。そういう点においていろいろな問題がございますので、時期を選ぶという点では慎重にしなければならぬ、かように考えております。

堀昌雄日本社会党

○堀委員 おっしゃるように、時期を選ぶことはもう重要でございますが、もし適当な時期であればそろそろやることが、国民の通貨に対する感じからいたしましても必要なのではないか。どうも物価の問題という中に私はやはり数の単位の問題というものが無関係でないような感じが最近ちょっといたしておるわけでございます。予算でも、これまでは一兆円くらいまでのところは私そうでもないという感じもしましたが、だんだんと兆という漢字がしょっちゅう出てまいります経済的な用語というもの、国民総生産が百五十兆だとかいうのは、国民として非常に理解しにくい数値単位ではないかという感じがするわけでございます。もう少し国民の日常生活にマッチした数値単位が経済単位として通用することが物価問題上でも私は非常に重要ではないかという感じもいたしておりますので、そういう観点で、時期は、おっしゃるように、特にいまそういうデバリュエーションというものとまぎらわしい時期にすることは私も反対でございますけれども、しかしそういうことを検討しなければならぬところにきておるという気はいたすわけでございますが、その点だけを重ねて承って、私の質問を終わりたいと思います。

宇佐美洵日本銀行総裁

○宇佐美参考人 どうも検討と言いますとすぐやるというふうに誤解されるのが日本の習慣ではないかと思います。いまこういういろいろなむずかしい問題が山積しておりますときに、そんな問題の検討に入るということが誤解のもとではないかと思っております。私もおっしゃるとおり問題はあるかと思います。しかし、ただいま適当な時期とおっしゃいましたが、いまはまだ適当な時期ではない、かように私は考えております。

大久保武雄自由民主党

○大久保委員長 これについて日銀総裁に対する質疑は終了いたしました。  参考人には御多用中のところ長時間にわたり御出席いただき、まことにありがとうございました。  質疑を続けます。堀昌雄君。

堀昌雄日本社会党

○堀委員 通産大臣、企画庁長官にお伺いをいたしますが、いま私、日銀総裁と論議をさせていただきました経緯の中で、私も総裁がおっしゃっておりますように、物価の問題というものがきわめて重要な経済的な課題だというふうに考えております。しかし新聞で拝見をしておりますところでは、ちょっと私先ほど申し上げたように、ともかく物価が高い高いというのは、少し国民にPRが不足だからではないか。新聞によると何だか肉が高いというけれども、それは松阪の肉が高いだけで普通の肉はたいしたことはないのではないか。そこで新聞記者が保利官房長官に、あなた肉の値段を知っていますかと言うと、いや、おれは肉の値段は知らないと言う。肉の値段を知らない人が肉の値段の話をしたりする。この認識が閣議の中を通っておるということでは、国民はこれはたまらないという感じがいましているだろうと思うのであります。  そこで最初に企画庁長官にお伺いをいたしますけれども、いまことしの政府見通しは消費者物価はジャスト五%になっていますね。どうですか。これは五%以内には私は落ちつきそうにないと思いますけれども、いまの趨勢からして長官どうお考えですか。

菅野和太郎自由民主党経済企画庁長官

○菅野国務大臣 けさ物価対策閣僚協議会を開催いたしまして、お話しの五%の問題も出たのでありますが、その問題につきまして閣議で了解を得ましたことは、消費者物価の上昇を政府見通しの五%以内にとどめるよう、物価安定のため最善の努力を傾注するということでありまして、この点につきましてはいろいろ困難な問題がありますけれども、あらゆる点を考慮して、五%以内でひとつ消費者物価を押えたいということで最善の努力をするということを閣議で了解をいたした次第であります。

堀昌雄日本社会党

○堀委員 長官は御承知のように経済の学者ですからね。経済というものは、いまお話しのように何かのりとを唱えたらそれがすぐすっときくようなものじゃないのです。私がそんなことを申し上げるのも失礼なくらいおわかりだろうと思うのですが、具体的には今日まで上がっておる点で幾らになって、あと残りのアローアンスは五%のうち一体幾らあるのか、それを科学的に答えていただきたいのです。

菅野和太郎自由民主党経済企画庁長官

○菅野国務大臣 今度の物価上昇は季節的商品の値上がりが主として原因でありますから、したがいまして、これは昨年末からことしの例をとってもわかりますとおり、私たちはとても消費者物価は五%以内にならぬという見通しを持っておったのであります。ところが昨年の暖冬異変によりまして、ことしの一月は消費者物価は三%下がったのです。そういうように天候によって非常に支配されておりますから、したがいまして、私は天候に期待しておるわけじゃありませんけれども、とにかく今度消費者米価が十月に上がりませんからして、それによってまたいろいろ一般物価に対する影響というようなことも考えておりますので、この問題につきましては十月ごろまでの情勢を見たいということで考えておりますが、しかし困難であるということは重々承知いたしております。しかし、どうしても五%以内には押えなければ、御存じのとおり定期預金の関係その他もありますので、日本のいまの経済情勢からすれば、五%以上にすることは決して日本経済のためにはよくないということは重々承知いたしておりますから、あらゆる努力をしたい、こう考えておる次第であります。

堀昌雄日本社会党

○堀委員 局長、ちょっと計数的に答弁できますか。

八塚陽介経済企画庁国民生活局長

○八塚説明員 暦年で申しますと、御承知のように、ことしの一-三月は比較的低い数字であったわけでございますが、四月、五月、六月と若干それよりも高くなりまして、第一・四半期では、平均いたしますと五・一%という数字に相なりました。七月は、御承知のとおり、全国七・一%、八月はまだ全国はわかっておりませんが、東京都区部で申しますと、七・九ということでございます。もちろん平均をしてどうこうというわけにはまだまいりませんが、第一・四半期五二%に対しまして、第二・四半期はかなり高くなってくるということに相なるわけであります。ただ、その点でどういうことで七月、八月が高くなったかということにつきましては、これまた御承知のように生鮮食料品が著しく上がったということもございます。それにいたしましても、雑費等いわゆる季節性商品を除きましても、五・一、二%になっておりますから、そういう意味におきましても、いま長官が申し上げましたようにたいへん上昇の底がたい傾向になっております。  ただ、今後どういうことになるかということでございますが、非常に単純に七月を一応ベースにいたしまして、そうして年度内五%の見通しにおさめる――おさめると申しますか、おさまるといたしますと、これは大体〇・二%月率でいけばいい。そういうことになりますと、過去におきましてそういう年があったかということでございますが、正直に申し上げまして過去において月率〇・二%で後半が推移したというのはないわけであります。ただ、これは先ほど長官が申し上げましたように、今後下期の推移がどういうふうになるか、これはなかなか予測ができませんが、たとえば従来非常に大きな影響がございました米価等につきましては、これは十一月からかなりきいてくるのではないだろうか。それから昨年対比で五%でございますが、問題になりましたいわゆる野菜等につきましては、御承知のように昨年はそういうものの影響がありまして、九月が七・三でありましたかあるいは八でありましたか、かなり高い水準になっております。まだ結果が発表になっておりませんし今後の推移もございますが、九月、十月あるいは十一月以降は去年のような足取りを見せないとすれば、若干上期の高さをカバーするという可能性がまだあるんじゃないだろうか。ただ一月以降になりますと、冒頭申し上げましたように、昨年度がかなり低い水準でございましたから、これはあまり期待ができないかと思います。したがいまして、私どもの感じではやはり九月、十月、十一月あるいは十二月の勢い、水準でかなりな程度にいわゆるかせぐか、あるいはそこがなかなか思うようにいかないかということであろうというふうに存じております。私どもは完全にこの際もうだめだと言うには、まだここから先二、三カ月の状況を見たいというふうに考えております。

堀昌雄日本社会党

○堀委員 確かに生鮮食料品というものにウエートがかかってますからむずかしい点はありますけれども、さっきの長官のように物価は天気まかせということではちょっとこれは政策当局としては困るのです。これはやはり科学的な政策を立ててやっていただかなければならぬし、その場合生鮮食料品の問題でも、これは農林省の所管でございましょうけれども、やはりその作付なりいろいろな指導がうまくいかない、あるいは流通面におけるロスがかなりあるのではないか、そういうことがやはりかなり重要なんじゃないだろうかと思うのですね。その点が毎年毎年繰り返されているわけですから、これはやはり予算なり政府が関与できる範囲でかなり思い切った処置がとられるならば、もう少しこの変動幅を小さくすることができるのじゃないか。生鮮食料品ですから、変動幅があるのはこれはやむを得ません。やむを得ませんが、これほどフラクチュエーションが大きいというのは政策当局が少し怠慢じゃないか、私はこう思うのですが、企画庁長官どうですか。来年度の予算にあたって――これは毎年予算委員会でもわれわれのここでも論議をすることですけれども、もう少し物価に対する政策というものが効率ある行政というのですか、こたえがはね返ってこなければ、幾ら予算をつけたって意味がないと私は思うのですが、その点企画庁長官いかがですか、来年度予算を含めて……。

菅野和太郎自由民主党経済企画庁長官

○菅野国務大臣 お話しのとおり季節的商品によって消費者物価の上下が激しいということは決して好ましい現象ではありません。でありますから、もう少し季節的商品によってそれほどひどく左右されないような物価にしなければならぬことは、われわれがかねて主張しておるのでありまして、したがいまして、それをどうするかという問題につきましては、お話しのとおり流通過程の問題の改善、これはもちろんやらなければならぬ問題です。それからあるいは生鮮食料品を冷蔵するというような問題、そういうような問題もありますので、この問題につきましては農林省と具体的に相談するということにいたしておりますから、来年度予算にはその問題についてはひとつわれわれの期待するような結果を見たい、こう考えておる次第であります。

堀昌雄日本社会党

○堀委員 そこでちょっと消費者物価に関連をいたしまして、日銀の総裁がおいでになるときに議論しておけばよかったと思うのですが、私はどうも日本の物価統計、これをやはり少し再検討する必要があるんじゃないか。学者の中にもそういう意見がありますが、特に消費者物価の中で、アメリカでは一九五三年に土地または住宅購入費というのが消費者物価のファクターの中にすでに入っておる。最近御承知のように、民間住宅の建設及びその土地取得というものが現在の景気の上昇の一つのファクターになるほど実は相当大きな要素になってきておる段階で、私は当然日本の消費者物価指数の中に土地及び住宅購入資金というようなファクターが入ってこないと、これは消費者物価指数として少し問題があるんじゃないかという感じもするし、いろいろな面でこの際少し本格的な消費者物価指数、卸売り物価指数等が、要するに経済の最も中心的な指標になるように、われわれ医者で言えば体温計みたいなものですから、これをちょっときちっと一ぺん再検討して整備し直すことが重要じゃないか。これは卸売り物価についても非常に重要な問題を含んでおると思います。この点、企画庁長官どうでしょうかね。

菅野和太郎自由民主党経済企画庁長官

○菅野国務大臣 具体的なことは局長からお答えしますが、お話しのとおり毎年われわれの消費物資が変わっておりますし、ことに最近は多様化しておりますから、したがいまして、これがわれわれの生活にいろいろ影響を及ぼしておりますから、やはり消費者物価を定める場合にも、いままでの商品の価格ということでやっては、これはほんとうの消費者物価にならぬと思いますので、そういう点についてはわれわれもできるだけひとつ新しい角度で見ていきたい、こう考えておる次第であります。  なお、具体的なことは局長から……。

八塚陽介経済企画庁国民生活局長

○八塚説明員 御承知のように、卸売り物価指数は日銀、それから消費者物価指数は総理府の統計局でやっております。もちろん両方ともそれぞれくふうをこらして改善をされておると思います。たとえば日銀におきましても、一月以降工業製品指数というものを発表されたりいたしております。ただいま御指摘になりました問題等につきましては、私ども確かに地価というようなものあるいは住宅購入というようなことは、これは先生御承知でお話しになっておるわけですが、いわゆる貯蓄ということで消費者物価指数の品目にいたしていないわけですが、消費生活という点から言いますと、確かに重要なファクターであろうかと思います。ただその問題にしぼってということではございませんけれども、私どものほうとしましても、最も物価指数を使わせていただく立場において、統計局等に対してもそれぞれ注文をする必要があるのではないだろうか、のみならずわれわれの判断自体を狂わせてはいけないというようなことで、私どもの役所ということではございませんが、物価安定政策会議が発足いたしました機会に、特に専門の先生方に週に一度くらいお集まりいただいて、そういう点も含めましての研究会、調査委員会をやっております。その検討はいまのところいつというふうにすぐ申し上げられませんけれども、適切な問題の提起をしていただいて、そうしてそういう指数作成の官庁にしかるべくお願いをするというようなことをやらなければならないというふうに考えております。

堀昌雄日本社会党

○堀委員 いますでに手をつけていただいておるようでありますからけっこうですけれども、企画庁というのは経済全般の参謀本部みたいなところですからね。その参謀本部が、そのものさしが一体正しいものか違うものかわからないではかって言われたんでは、日本経済は困るんですね。だからやはりそのものさしがきちっとしているということは非常に大事なことで、内閣統計局にそういうふうにお願いしますなんということではなしに、企画庁で少しイニシアチブをとって、総理府もいらっしゃい、日銀もいらっしゃい――要するに、何も私は消費者物価だけのことを言っているわけではありません。消費者物価と卸売り物価の関連の問題ですね。そういう問題を含めて、やはりこれまでは長い歴史の上に日銀は卸売り物価を出してきた、内閣総理府統計局で消費者物価を出してきたという歴史的経緯がありますから、それはいいのですが、そういうものは国として総合的に集約をされるといいますか、有機性のある形で問題を把握していくことにする必要が、私は特に最近重要になっているという感じがしますので、そこらについては、さっきのそれこそ物価閣僚会議ですか、そういうあたりでもう少し取り上げて、ひとつ真剣にすみやかな対策を講じてもらいたいと思います。よろしゅうございますね、長官。

菅野和太郎自由民主党経済企画庁長官

○菅野国務大臣 先ほどお答えしましたとおり、われわれの生活が日々に変わっておりますからして、新しい観点から消費者物価あるいは卸売り物価を改めなければならぬという時勢にいまなっておりますから、そういう点についてはわれわれも非常な関心を持っておりますので、今後総理府なり日銀ともよく提携して、改めるべきものは改めていくというふうにやりたい、こう考えております。

堀昌雄日本社会党

○堀委員 通産大臣にお伺いをいたします。  実はこれはちょっと物価に関係がございますが、あとで少し論議が出ることに関係があるのでお伺いをしておきたいと思うが、通産省は今度の富士、八幡合併問題についてはたいへん積極的に協力をなすっておるというふうにわれわれは了解をしております。鉄鋼課長その他も参考人等に御出席になって、たいへんな活躍ぶりであります。私はそのことはまあいいのですが、通産省としてそれなりのことをやっていらっしゃると思うのですが、ちょっとここでお伺いしておかなければならないのは、日本の国内企業だけの問題は、こういうかっこうで通産省、たいへん大きいことはいいことだということらしいのですが、たとえば日本軽金属のような外資会社が同じ形で合併をする場合にも通産省は大いに奨励をなさるということになるでしょうか。その点をちょっと通産大臣に最初にお答えをいただきたいのです。

大平正芳自由民主党通商産業大臣

○大平国務大臣 国内の企業の合併問題につきましては、たびたび申し上げておりますように、いまの経済秩序を規律しておりまする独占禁止法のフレームの中で行なわれる限りにおきまして、体質の改善、研究開発能力の増強、いろんなアイドルコストを下げていくというような見地から私どもは合併促進的な気持ちでおりますことは御案内のとおりであります。  外資との問題につきましては、これは外資法という制約がございますことは御承知のとおりでございまして、これにはいろいろな規制を加えておるわけでございまして、その規制の範囲内において、ケース・バイ・ケースで処理してまいらなければならぬと思っておりますが、いま軽金属のことにつきましては、私はまだどういう事案が進んでおりますのかよく承知いたしておりません。

堀昌雄日本社会党

○堀委員 いや、いま私は日本軽金属がすぐ合併するという話をしているわけではないのです。要するに、日本軽金属のように、外資の入っている日本の会社ですね、外国の会社じゃないのです。日本の会社ですけれども、外資の入っておる日本の会社がそういう合併をするというような場合でも、要するにいまのような立場で推進をしたいということに通産省当局はなるのかどうか。特にいま外資法その他の関係をおっしゃいましたけれども、片や日米通商航海条約ではいろいろな問題について差別をしないという条約をわれわれは結んでおることも御承知のとおりであります。ですから論理的には、私は通産省のいまの態度というものは、そういうたとえば日本軽金属がその他の大きなアルミニウムの会社と合併するというような場合においても、それはさっきおっしゃったように、独禁法のワク内でなければならぬことは当然でありますけれども、そのワク内でということなら、いまの富士、八幡の合併を推進されるようにやはり推進をされますかということを聞いておるわけです。ものの考え方です。

大平正芳自由民主党通商産業大臣

○大平国務大臣 推進するとか推進しないとかいうのを私がかってに考えておるわけでは決してないのでありまして、この合併の問題につきましては、私もこの席で申し上げたと思いますけれども、健全な競争が進んでまいりますことを保障するというように御理解いただきたいのでございまして、合併はいいことだから合併は何としても推進するのだというふうにおとり願わぬで、合併の問題が出た場合に、そのときに問題になる問題は、競争促進的な産業行政の立場から、私どもが促進するに値するものでございますならばそれを促進していこうということでございまするから、堀さんの御質問はそういう意味にとらしていただきたいと思います。  それから、一般に合併はやみくもにいいというように私申し上げておるわけではないので、合併にはもとよりメリットもございますればデメリットもあるわけでございまして、そういうケース・バイ・ケースで慎重に検討していって、その中でメリットが大きいというものにつきましては、競争促進的な産業行政の立場に立ちまして援助すべきものは援助するということは当然のことと考えております。

堀昌雄日本社会党

○堀委員 そうすると、結論的には、国内の企業あるいは外資の入っておる企業ということは別に差別の対象には通産省は考えていない、こういうふうに――これは将来自動車にもこういう関係の問題が当然出てくるかと思いますし、これは重大な問題でございますので、ちょっとそこの基本的な考えを承っておきたいと思います。

大平正芳自由民主党通商産業大臣

○大平国務大臣 これはいま申しましたように、個々のケース、具体的な場合におきましてメリットとデメリットを比較しなければなりませんから、外貨をかかえておる企業合併の場合には、その入っておる外資の役割りというもの、それから入ってきた経緯、いろいろ調べるものは十分調べまして、具体的なケースとして、ケース・バイ・ケースで検討していかなければいかぬと思います。

堀昌雄日本社会党

○堀委員 そうすると、いまの答弁からすると、国内の合併は別だ、外資の入っておるものとは別だから、そこで富士と八幡は推進するけれども、外資の入っておるもののときには慎重にケース・バイ・ケースに扱う、こういうことになりますね。

大平正芳自由民主党通商産業大臣

○大平国務大臣 外資の支配力でございますとか、技術の状況等、これはやはりわれわれの立場でよく見ておかなければいかぬ、そういう問題が出てくるだろうと思います。

堀昌雄日本社会党

○堀委員 通産行政としては、私はやはり長期的には日米通商航海条約に拘束される部分も出てくるのではないか。ですから、あとで公取委員長入られましたら、そういう今後の独禁法運用上の問題をちょっと伺っておきたいと思いますけれども、私は、かなり一部ではいま通産省がまあ私どもは推進をしていると、こう感じているのですが、大臣はそうお感じになっていないかもしれない。私どもが外から見るとそう感じられる状態というものが、やがてもろ刃の剣のようになって、外資の入った産業が将来日本市場の中でそういう行動をとるときに、これが一つの前例になるおそれも十分あるのではないかという心配を実は私は持っているものですから、ちょっとこの点についていまお伺いをしておるわけなんです。ですから、そういう点については大平さんは今後外資の会社がそういうことをやる場合とこれとは別個だという形で将来とも処理できると考えていらっしゃるのかどうか。したいということではなくて、処理できるのかどうか。要するに日米通商航海条約なり、アメリカと日本の諸経済上の関係においてそういうことができると考えでいらっしゃるかどうか、ちょっと承りたいと思います。

大平正芳自由民主党通商産業大臣

○大平国務大臣 してまいらなければならぬと考えております。

堀昌雄日本社会党

○堀委員 公取委員長がお入りになりましたから……。  いま私、通産大臣との間に、これは合併の基本問題でございますけれども、日本の大きな企業の合併は通産省としては大いに推進をされておるように私は理解をしておるのですが、アメリカの、外資の入った会社がそういうことをする場合にも、私はやはり通産省として問題が出てきはしないかという不安をちょっといま大臣に申し上げておったわけなんです。その点で、これはおそらく委員長のほうでは、いまの独禁法のワク内なら公取としては、ほかの法律に制約があれば別でございますけれども、ほかの法律に制約がなければ、独禁法上の取り扱いとしては、そのワク内にあるものを国内、国外で――国外というと適当でありません、国内の会社でありますけれども、フィフティー・フィフティーで外資が入っているという外資系会社ということになりますか、国内の会社でありますから。それと、いまの国内同士のものの場合とを差別できるかどうかという点を最初にちょっとお答えいただきたいと思います。

山田精一公正取引委員会委員長

○山田説明員 ただいまのお尋ねでございますが、私どもといたしましては、どこまでも忠実に独占禁止法の規定に従いまして判断をいたしたいと存じます。ただし、外資系の企業でございます場合、これを内国企業と差別する考えはございませんけれども、その企業の支配力と申しますか、あるいは事業力、これを評価いたします場合に一つの要素となることはあろうかと存じます。

堀昌雄日本社会党

○堀委員 おっしゃるとおりだと私も思います。  その次にもう一点だけ伺って不況カルテルの問題に入りたいと思うのですが、実はこの前勧告が出されました中に、有効な牽制力のある競争者を見出し得ないということばがございました。これは実は競争者のほうにアクセントがあるのではなくて、有効な牽制力のあるというところにアクセントがあるように私はちょっと理解をしたのでございますが、その点はそういう理解が正しゅうございましょうか。

山田精一公正取引委員会委員長

○山田説明員 ただいまお尋ねの件でございますが、現在扱っております事件につきまして、その点が被審人側と審査官とで意見が対立しておる段階でございますので、私がただいま審判官の立場といたしまして所見を申し上げることはお許しをいただきたいと存じます。

堀昌雄日本社会党

○堀委員 実は、九月一日でございますか、酒類の不況カルテルが公正取引委員会で認可になったというふうに新聞で拝見をいたしております。確かに酒類、清酒でありますが、日本酒の問題は、これまで実は私大蔵委員会で長い間論議をしてまいっておりますけれども、いろいろ問題を含んでおるわけでございます。今度米の割り当てが自由になるということでおそらく業界が不況カルテルの申請をいたしたと思うのでございますけれども、この不況カルテルをお認めになった公正取引委員会側のお考えは大体どういうところが中心になっておるか、ちょっとお答えをいただきたいと思います。

山田精一公正取引委員会委員長

○山田説明員 酒のカルテルの問題でございますが、私どもといたしましては、すべてのカルテルにつきまして、きわめて慎重な判断をいたしておるわけでございます。今回国税庁のほうから御協議がございまして、私どもといたしましては各種の角度から、このような製造数量の制限ということによらないで、ほかの対策によって問題を解決する方法があるかどうかということを国税庁にもお打ち合わせをいたしたのでございますが、現在の段階におきましてこれはほかに方法がない、やむを得ないことである、こういう判断に立ちましてカルテルを認めました次第でございます。

堀昌雄日本社会党

○堀委員 そこで、一般的に不況カルテルの場合には、生産が過剰になって価格が非常に下がってくるために、その企業の存立が危うくなるといいますか、そういう情勢が見られたときに、その品種別にカルテルを申請してそれが認められるというのが私は一般的通例だろうと思うのでありますが、その場合の不況カルテル、一般的不況カルテルはおおむね価格がかなり中心の課題になる、こう考えますので、不況カルテルを申請したときの価格からある段階まで価格が上昇してまいりますれば、当然これは有効な需要ができてきた、需給のバランスがとれてきたということで不況カルテルは解除されるというふうに一般的にはなろうかと思います。この不況カルテルというものは、そういう一般的な例と比べますと、やや趣を異にしておるわけでございますが、私は、しかし不況カルテルという性格からするならば、価格の問題を離れて不況カルテルというものはあり得ない、こう考えるのでございますが、公取委員長いかがでございましょうか。

山田精一公正取引委員会委員長

○山田説明員 ただいまおっしゃいましたように、価格にきわめて密接な関係があることはそのとおりであると存じます。ただし、あらためて申し上げるまでもなく、カルテルというものは元来カルテルが目的であってはならないと存ずるのでございまして、基本的な対策を講じます間のストップ・ギャップと申しますか、暫定的な過渡的な措置、かように私ども考えております。  ただいまの酒の問題につきましては、価格の協定はむろん認めておらないわけでございまして、数量だけの協定、しかもそれは最近におきます需給の状況、また近い将来の需給の見通しに立脚いたしまして、価格には影響がないという判断のもとに認めたわけでございます。

堀昌雄日本社会党

○堀委員 国税庁入っておりますね。いま公正取引委員長が、ある対策が講じられて、その対策が講じられる間のギャップを埋めるために不況カルテルを認めた、こう言っておられるわけですが、一体その米が自由に入ってきても、五年間だったと思うのですが、そのカルテルの終わった時期までに、要するに国税庁としては、そういう生産の量的カルテルがはずされても、もうあとはだいじょうぶだという何かの目安を置いて指導をしていく自信があるのかどうか。そこらをちょっと具体的に、最初に答えてもらいたい。

中橋敬次郎国税庁間税部長

○中橋説明員 今回、公正取引委員会で同意を得ました生産カルテルは、一年間と申しますか、来年の六月までの期限でございます。もちろん業界といたしましては五年間、そういったカルテルを続けていただくことを目途に、初年度の生産規制の同意を得ましたし、そういうことを頭に置きながら、大蔵大臣も認可を与えたわけでございます。国税庁といたしましては、そういう生産規制を幸いにお認めいただきましたので、この五年間を目途に清酒製造業界におきまして、六年先に現出しますところの完全自由化の暁を目ざしまして、業界がいわゆる構造改善というものをきびしく考えまして、かなり積極的な姿勢でもってそういう事態に対処をすべく、業界も考えておりますし、国税庁もその方向で今後の行政を考えてまいりたいと思っております。

堀昌雄日本社会党

○堀委員 一言に抽象的に構造改善といっても、ちょっと私、よくわからないのですよ。だからもう少し具体的に、酒の生産が自由になるということの中で、現在は一体何が問題なのか、何が問題だからカルテルが要るのか。その問題はではどういう形で解消できるのか、そこをちょっと解明してもらわないと、単に構造改善が進んだら、なんということでは、ちょっと私よくわからないのですが、その点ひとつ説明してください。

中橋敬次郎国税庁間税部長

○中橋説明員 現在までの清酒製造業界を考えてみますと、かなり多年にわたりまして原料米の割り当て制度が残ってきたわけでございます。年々生産総量を予定いたしまして、米の割り当てを受けてやってきたわけでございますが、かなり乏しい時代を多く経過いたしております。そういう時代に非常になれておりました清酒業界でございますので、この際、原料米の手当てが完全自由化になるというときに、一番考えていかなければならないことは、現在までそういう原料米の割り当て制度におきまして、いろいろな業態が長い間にでき上がってきておると思うのです。たとえば非常に従来の銘柄の力が強い業界におきましては、生産制限のもとにおきましても、みずからもかなり積極的に生産を行ないますし、さらに不足する部分は多くのいわゆるおけ売り業者というところから買ってきたことは、よく御存じのとおりでございます。それからまた、かなり地場に力の強い銘柄を持っておったところもございます。これは、そう石数が多くなくても、従来からそういうところにじみちに販売努力を重ねてきたところもございます。それから一方、おけ売りを自分の業態の中心として考えておったところもかなりあったようでございますが、その中でも、従来国税庁がだんだん、年を追いまして、いわゆる銘柄の強いところの、おけ買いする業者と連携をとりまして、いわゆる系列化と申しますか、そういった認識のもとにおけ売りをやる業態と、それからもう一つは、そういうはっきりとした系列を持たないで、そのときそのときの生産総量なり、おけ売りの酒の価格によりまして、随時随所に売っておった、大別しますと、この四つくらいが考えられるわけでございます。  私どもとして、将来のこの五年の間に一番考えなければならない点は、やはりおけ売り業者が、銘柄格差の非常に強い業態が、自由に米を入手しました暁におきましては、一体どういうふうな事態になるかということでございます。これはまだ六年先のことでございますから、どのような資金手当てができて、どの程度銘柄の強い業者が設備をみずから持って、米を入手して、みずからがつくる酒をどの程度につくるかという予測は、なかなか困難でございますけれども、おそらくはかなりおけ売りの存在というものは続くのではないかというふうに予測をいたしております。  そういたしますと、従来から系列的にかなり技術指導も受けながら、おけ買い先とともにおけ売りの酒をつくってきた業態というのは、そういう連携のもとに十分存続する道ができるだろうと思います。一番心配なのは、私どもといたしましては、まず従来あまり系列化をいたしておりません、提携化もしておりません、おけ売りに依存しておった業態、こういうものが非常に問題だと思います。そういう業態につきまして、今後みずからが五年先、六年先を目途にみずからの銘柄を持ちまして、はたして近隣近傍に売っていく方向にいくのか、あるいはこの五年間に逐次体質を改善しながら技術も向上して、おけ買い先の業態と系列化を進めていくのかというところが一番問題だと思います。そういう点について、おそらく業界でも今後の方向というのは、まだなかなかいま直ちに決定しがたい事態でありますので、そういう点につきまして十分業界を指導しながら進めてまいりたいと思っております。

堀昌雄日本社会党

○堀委員 よくわかりました。そこで実は私もちょっとうっかりしておったのですが、不況カルテルは一年刻みだということを気がつかなくて、五年ということを頭に置いていたものですから、ことし一年はカルテルはどうなるか知りませんが、御存じのとおり最近、酒はしばしば値上げが行なわれているのですね。その値上げがどうして行なわれるかというと、米の原料が上がるからということで実は値上げが行なわれてきた。ところが、委員長がさっきおっしゃったように、価格というものは、不況カルテルでは、やはり消費者側にとっては重要な問題でございますから、そうなりますと、安易に不況カルテルをやっている最中に価格がどんどん上がってきたのでは、これは消費者側としては何とも納得いたしかねる問題になるのではなかろうか、こういうふうに考えるわけでございます。  そこで考え方としては、不況カルテルの際に、確かにやむを得ざる価格の上昇、たとえば原料米が上がったということは、これはやむを得ざるものでありますから、それは生産性で吸収しろと言いましても限界がありますから、こういうものはある程度私はやむを得ないと思いますが、それ以外の理由をもって不況カルテルが行なわれている間に値上げがされるというような場合には、この不況カルテルを再検討する必要が出てくるのではないかと思いますが、その点はいかがでございましょうか。   〔委員長退席、藤井委員長代理着席〕

山田精一公正取引委員会委員長

○山田説明員 ただいまのお尋ねの第一点といたしまして、私どもは五年間ということは考えておりません。一年ごとに慎重に再検討いたしてまいりたいと存じます。  第二点といたしまして、ただいまおっしゃいましたように、価格が原料価格と関係なく、言いかえますれば、競争制限によって上がるというようなことがございました場合には、直ちにこれを取り消したい、こういうふうに考えております。しかし、実際上は最近における酒の需給、また需要の伸び率等から勘案いたしまして、そういう懸念はないものという判断のもとに認可をいたしたわけでございまして、将来におきましても、これは国税庁におかれても十分に御指導をいただくものと確信をいたしておるわけでございます。

堀昌雄日本社会党

○堀委員 そこで問題になりますのは、米の価格の問題、これが上がりました場合は、私ちょっとやむを得ないかと考えますが、これについて食糧庁は今後の酒米の価格については、一体どういうふうに取り扱っていかれるつもりか、私はやはりカルテルがある以上は、生産者米価が上がらないということが一方のきめ手になりますけれども、生産者米価が上がっているのに、片一方のほうの米の自由な価格が上がらないというわけにはいかないでありましょうから、これは前提として生産者米価が上がらないという場合には、酒米だけが著しく上がるというようなことのないようにしなければ、これは非常に消費者にとって問題が生じるかと思いますので、その点についての食糧庁側の見解を承っておきたいと思います。

松元威雄食糧庁総務部長

○松元説明員 ただいまの御質問でございますが、御承知のとおり、従来は酒米は政府がいわば一手に売っていたわけでございます。その場合の価格のきめ方は、政府買い入れ価格、これを基本にいたしまして、それにいわば酒米についてのコストと申しますか、流通経費を加えまして価格をきめるということを基準としてまいったわけでございます。従来は主といたしまして生産者米価値上げはございましたし、それから多少中間経費等の増加もございまして、年々上がってまいったということはこれは事実でございます。それに対しまして、おそらく先生の御質問の焦点は、本年度から自主流通米制度が始まったわけでございます。そこで、これについてどのような価格が形成されるのであろうかということが一番問題の焦点であろうかと思うわけでございます。その場合に、自主流通をいたすにつきましては、これはもちろん自主流通でございますから、基本的には売り手いわば生産者側と、買い手いわば酒造業者側両者での話し合いということが基本であるわけでございますが、現在の米の需給事情からいたしまして、従来政府が売り渡し価格をきめる場合のいわばルールと申しますか、その基準というものがございますものですから、そういうことが一つの手がかりになるであろう、そう思いますから、自主流通米になったからといいまして、価格が自由に変動するという事態はまずないのではなかろうか。かたがた本年は生産者米価も据え置きという事態でございますから、自主流通になったことによりまして大きく価格が変わってまいるということはまずまずないというふうに考えておる次第でございます。

堀昌雄日本社会党

○堀委員 今後のことですからわかりませんが、いまないと考えておられるけれども、この前、私、大蔵委員会でちょっと大蔵大臣に質問したんですけれども、もし著しく上がってきた場合には、片方に政府はたくさんの政府管理米を持っているわけですから、直ちにひとつ政府管理米の放出をしてもらって、そういう著しく酒米の上昇することは直ちに消費者にはね返りますから、そういうことのないようにしてもらいたいということについては、大蔵大臣も了承されておるわけですが、これは食糧庁に非常に関係がありますから、食糧庁側としても、そういうような場合には政府管理米を放出をして、そういう価格が急に上がるようなことのないように対策は講じられるということになりましょうか。

松元威雄食糧庁総務部長

○松元説明員 自主流通米制度ができましたものですから、基本的にはいわば自主流通によって米の取引が行なわれるということを基本にいたすわけでございます。そうでございますが、何ぶん、特に本年度は初年度でございますものですから、いわば両者ともなれないといった点もあろうかと思われるわけでございます。その結果、いわば不測の事態と申しますか、あるいは取引の不円滑と申しますか、こういう事態が生じましては相ならぬわけですから、片や政府は、いま御指摘のとおり、大量の米を持っておるわけでございますから、操作いたしまして、政府が売ります場合の価格のきめ方のルールというものもあるわけでございますから、そういうことに基づきまして、いわゆる自主流通米の状況を見ながら、それがもし万一不円滑な事態が起こりましたら、そうならないようにこれを補完し得るように政府米の操作をしてまいりたいというふうに考えております。

堀昌雄日本社会党

○堀委員 国税庁にお伺いをいたしますが、さっき公正取引委員長のほうで、原料の問題ではなしに、要するに生産調整が行なわれておる結果、値上がりが起こるような場合になったならば、カルテルは一年ごとだしするから、途中でも取りやめたい、こういうお話があるわけですが、国税庁はその点については自信を持って指導ができますか。

中橋敬次郎国税庁間税部長

○中橋説明員 結論を申し上げますれば、先ほど公取委員長が仰せになりましたことを私どもも今後の指導の指針といたしたいと思っております。ただ、ただといいますか、ここで申し上げるまでもなく、酒類の価格につきましてはかなり昔と違った状態になっております。公定価格、基準価格と違った価格になっておるということが一つでございます。それからもう一つは、これからの動きでございますけれども、従来公定価格なり、基準価格が支配をしておったという関係から、一つの価格に酒の価格がかなり集中的に集まっておったという点がございます。これは今後だんだん生産が自由化されるにつれまして、おそらくはかなり幅広く出てまいると思います。そういう場合に、一体酒の値段というものをどういうふうに考えたらいいのかということが、私どもの今後の研究課題でございますけれども、おそらくそういう場合にも、先ほどおっしゃいましたように、コストが税金も含めましてこの価格の中心になると思いますので、そういうものを考えながら、今後の価格が一体どういうふうになっていくのかという点が、実はいままでと違った要素を持っておるということはございますけれども、生産規制をやっておるために、いわゆる酒の価格が上がっておるというような事態がありますれば、私どももこれは非常に重大な問題でございますので、十分その点はそういうことのないようにいたしたいと思っております。もっとも、今年度の生産規制の石数なり今後の運びから考えまして、従来と比べますと、需給の状態はいわばかなり軟調になると申しますか、そういうふうに私どもは予測をいたしております。

堀昌雄日本社会党

○堀委員 確かにいままで価格の問題は、これまで基準価格から自由価格になっていながら統制された価格にはなっていますから、ある幅の中に入っていますから、これが要するにそういうばらつきの幅が広がるということは、私はそれば生産調整によって起こる問題とは考えませんけれども、これまでの場合の値上がりというのは、何だかんだといいながら全体の水準を切り上げてきている。だからこれまでのような価格の上昇というものは、今後はあり得ないことだ。もし起こるとすれば、非常に銘柄格差の強いものが多少上がる。しかし低いものは前と同じ状態にあるということが必要なのであって、やはりそのある水準全体が、サークル全体が、全体として切り上がる、切り上がる幅は銘柄の強いものはたくさん上がるけれども、銘柄の低いものも少しずつ上がるというかっこうで全体が切り上がるということは、私はやはり生産調整による結果であると、こうみなさざるを得ないわけです。ですから、そこらの点については消費者の立場というものを十分考えてもらって、こういう過渡的な方向でありますから私もやむを得ないと思いますけれども、少なくとも不況カルテルをやった結果、酒類が上がるようなことのないようにだけは、これは公正取引委員会も、国税庁も、経済企画庁も、あげて十分監視をしていただいて、ただ、その中でよりよい酒が高くなるというのは、これは私当然だと思いますから、よりよいものは需要がたくさん出てくるでしょうから、需要供給のバランスで、その銘柄が高くても売れるから高くするというのは、資本主義のいまの段階ではやむを得ないことですが、悪い酒でも高くなるというようなことにならないように、ひとつ今回の酒類の不況カルテルに際して、関係各庁は十分気をつけて、消費者の保護に徹していただきたいということを望むと同時に、国税庁としても、そのおけ売りの系列化、その他いまあなたがお触れになった将来のあるべき姿に向かって十分ひとつ努力をしていただいて、その五年の暁には、それ以上はこういうカルテルの延長はしないということを最後に確認をしてもらいたいと思うのですが、国税庁当局どうでしょうか。

中橋敬次郎国税庁間税部長

○中橋説明員 今回お認め願いました清酒の生産規制は、五年間を目途といたしております。したがいまして、清酒製造業界も、私どもも、この五年間にできるだけの措置をとって、その暁には原料米の自由化とともに、生産も自由化するということを目ざして今後努力してまいりたいと思っております。

堀昌雄日本社会党

○堀委員 努力したいというのは努力目標ですから、私そんなことは聞いてないですよ。そうじゃなくて、五年たったらやめますと言わなければできないことなんですよ、また先に延びるならゆっくりいこうということになりますから。肝心なのはあなたの言っているような構造改善を進めるためにも五年たったらやめますと、ここではっきり言っておかなければ、それは実現しないと思うのですよ。ひとつ国税庁ここではっきり言ってください。五年たったら国税庁はやりませんと言ってください。

中橋敬次郎国税庁間税部長

○中橋説明員 五年間をめどにやりました規制でございまするから、五年たったらやめる覚悟でございます。

堀昌雄日本社会党

○堀委員 終わります。

藤井勝志自由民主党

○藤井委員長代理 中村重光君。

中村重光日本社会党

○中村(重)委員 堀委員の質問に関連をして質問いたします。  公取委員長にお尋ねしたいのは、八幡、富士の合併の問題についてきわめて重要な段階でございますから、簡潔に、しかも手控えて質問をいたすつもりでございます。  八幡、富士の合併がいよいよ大詰めにきたようでございます。日程としてはどのようにお考えになっていらっしゃいましょうか。

山田精一公正取引委員会委員長

○山田説明員 私どもといたしましては、できるだけすみやかに、一日も早く結末をつけたい、こういう態度で終始いたしておるのでございます。ただし、当事者側の証拠の提出もまだ終わりません段階でございますので、何日ごろというような見通しは、現在のところでは立てかねておる次第でございます。

中村重光日本社会党

○中村(重)委員 両社のほうから四品目について対応策がそれぞれ出ておるようでございますが、その中で有力な牽制力がある競争者があるのかということを言っておるようでございますが、その牽制力のある競争者という点でございますが、独禁法十五条の解釈の問題になりますが、競争者というのは、競争機能というものがなければ有力な競争者ということにはならないではないか、私はそのように思っていますが、委員長はその点どのようにお考えでございましょう。

山田精一公正取引委員会委員長

○山田説明員 ただいまのお尋ねでございますが、これは結局裏返しにいたしますならば、競争を実質的に制限することとならない、こういう状態をさし示すもの、かように考えておる次第でございます。ただいま当面の具体的の問題につきましては、まことに残念ながらただいま審判官の立場になっておりますので、具体的な問題についてはお答えを差し控えさせていただきたい、かように考えます。

中村重光日本社会党

○中村(重)委員 その点は了解をいたしております。ですから、具体的な八幡、富士の合併の場合、その対応策についてこういったものが出ておるではないか、それは新聞等において報道されておるところでございます。それをとらえて私は申し上げておるのではございません。一般論として独禁法十五条による競争制限ということになってまいりますと、いわゆるこの競争会社、同じ品目をつくる競争会社がある。その競争会社がはたして合併による競争制限というものを防止し得る競争力のある競争機能を持っておる会社であるかどうかということですね。そのことが私は独禁法上の解釈の問題として重要な点であろうと思うわけであります。同じ品目をつくる会社がある、そのことだけが有力な競争者ということにはならない。独禁法十五条の解釈というものは、やはりこの合併を認めても十分競争機能を持つ会社が存在しなければならないのだ、そういう意味だと理解をいたしておるわけですが、委員長としての理解を伺うわけであります。

山田精一公正取引委員会委員長

○山田説明員 どこまでも抽象論としてのお答えでございますが、ただ同業者が他にも存在するというだけではこれは競争制限にならないということにはなりかねる、こういうふうに考えます。やはり先ほど申し上げましたように、競争を実質的に制限することとならないような競争者が存在することが必要である、かように考えます。

中村重光日本社会党

○中村(重)委員 そうなってまいりますと、委員長がいままで蓋然性ということをずっとおっしゃってこられたわけです。その対応策が出てきたという場合、その対応策というものが確実に実施される、そうした確実性というものがなければならないのではないか、私はこう思うわけです。そういう意味においての委員長が言ってこられた蓋然性というものと、私がいま言っている対応策に対する真にそれが実行される確実性というものとは同じなのかどうか、その点いかがでしょう。

山田精一公正取引委員会委員長

○山田説明員 これはことばの使い方になるかもしれませんが、確実性と申しますと、これはもう絶対にそうならなければならないということであるかと存ずるのでございますが、私がかねがね申し上げております合理的蓋然性、これは従来の経験則に照らしまして合理的にそうなるであろう、この意味に私は解釈いたしております。

中村重光日本社会党

○中村(重)委員 その点私は議論のあるところだと思うのです。絶対の確実性、一応まあ対応策が出てきた、これはそのとおりに実行されるであろうということを予測して認めたとしましても、それが実行されなかった、その場合にこれは排除命令というのがありますと別ですけれども、排除命令がないというところに、私はこの独禁法の一つの欠陥というか弱点があるような感じがするわけですね。したがって、合併の際に確実にその対応策というものが実行されるのだ、こういうことにならなければ私はいけないのじゃないかという感じがするわけです。その点は単なる解釈ということではなくて、私がいま申し上げている点について委員長はどのようにお考えになりますか。

山田精一公正取引委員会委員長

○山田説明員 私がただいま申し上げましたように、従来の経験則に照らしまして合理的蓋然性があるかどうか、こういうことになると存ずるものでございます。これはどこまでも抽象論でございます。

中村重光日本社会党

○中村(重)委員 九月四日付の新聞に、対応策として譲渡が予定されておった東田六号高炉鋳物用銑の生産が中止されておるということが報じられたわけです。これは対応策として有力なものだとして両社のほうから提出されておりましただけに、これは大きな疑義が生じておると思うわけでございますが、その点委員長はどのようにお考えになっていらっしゃいましょうか。

山田精一公正取引委員会委員長

○山田説明員 ただいまお尋ねの点は、現在審査官側及び被審人側におきまして争点になっておるところでございますので、この点につきまして申し上げることはひとつお許しをいただきたいと存じます。

中村重光日本社会党

○中村(重)委員 その点了解いたしますが、東田六号高炉が神戸製鋼に譲渡されたといたします。その神戸製鋼が鋳物を生産しなかったという場合にどうなるのか。これは先ほども申し上げたいわゆる蓋然性というようなことですね。絶対確実という問題との関連が出てくるのだろうと思うのでございますが、ある程度というのではなくて、神戸製鋼にこれが譲渡された以上は、その鋳物というものが確実に生産されるということはここで保証されなければ私はいけないのだろうと思うのですね。ただ両社側から、こういたします、またそれを生産しようとする神戸製鋼の場合に、その意思があります、こういうことだけで、委員長が言っておられるいわゆる合理的な蓋然性ということにもならないのではないか、私はこう思うのですが、その点いかがお考えでございましょうか。

山田精一公正取引委員会委員長

○山田説明員 ただいま当該事件の審判は、事実を確認いたす、言いかえればファクトファインディングの段階でございまして、これをいかに法的に評価をいたすか、また法律の条項をいかに適用いたすかということは、証拠調べが全部済みました後に委員会において審議をいたす事項になっております。したがいまして、ただいまお尋ねの東田の云々という問題は、ファクトファインディングをやっておる段階でございまして、これが終わりません前にそれの事実の評価とか法律の適用とかにつきまして私の意見を申し上げることはぜひお許しをいただきたい、かように考えるわけでございます。

中村重光日本社会党

○中村(重)委員 鋼矢板の場合も同じような御答弁があるのではないかと思うのですが、鋼矢板の対応策として、ノーハウを公開する、こう言っております。そのノーハウというのは、御承知のとおり企業にとっては最大の秘密に属するものだということになるのですね。したがって、このノーハウを公開するといっても、全部を公開するのか、一部を公開するのかということはわからないわけですね。そうしたものがいわゆる対応策ということになるのかどうか、これは一般論としてお答え願ってけっこうなんですが、合理的な蓋然性というようなことにもその点ならないのではないかと思うのですね。いかがでございましょう。

山田精一公正取引委員会委員長

○山田説明員 ちょっと一般論として申し上げることは、事柄がノーハウに関することでございますから非常にむずかしいのではないかと私考えるのでございます。その辺がどういうふうに評価されるか、また事実をどういうふうに評価いたすか、法律を適用いたしましてどうなるかということは、これからいよいよ審議の段階になりますので、抽象論といたしまして申し上げるのも非常にむずかしいと存じます次第でございます。

中村重光日本社会党

○中村(重)委員 レールであるとか食かん用ブリキについてもお尋ねしたかったのですが、同じような答弁が投げ返されるだろうと思います。したがいまして、その点に対しましてはこっちが質問をすることを遠慮することにいたします。手控えて質問をするということを申し上げた以上は、やはりそのことは事実上手控えなければならぬと思いますから、触れません。  それから次にお尋ねいたしますが、この対応策というものが神戸製鋼であるとかその他日本鋼管等々から出ておるわけですね。神戸製鋼の場合、委託生産というようなものが出ているのですが、これは同じような業者、いわゆる同業他社の共同行為によって合併が支持されるという感じを私は持っているわけです。これは先般来、競争会社がこの八幡、富士の合併を支持するというのはおかしいではないか、これは価格のいわゆる高位安定を期待している以外の何ものでもないと、こういうことを言ってきたわけです。そのことは別といたしまして、私は、この対応策を日本鋼管の場合あるいは神戸製鋼の場合等々担保するという形に出てきている、そのことは、これは一種の共同行為であるから、一種のカルテルということに本質的になるのではないかという感じがいたします。この点はお答えができるのではないかと思いますが、いかがでございましょう。

山田精一公正取引委員会委員長

○山田説明員 独占禁止法上共同行為というものがすべていけないというわけではございませんで、どこまでも競争を制限するような共同行為がいけないということでございます。その辺の判断をいたす必要があるかと存じます。

中村重光日本社会党

○中村(重)委員 くどいようですけれども、委員長もふかしぎに思っていらっしゃるだろうと思うのですね。競争会社が大きく強くなる、そうすると同種の企業はこれに賛成しないということは当然なことだと私は思う。だから、先ほど申し上げましたように、いままでも私どもが主張してまいりましたように、これは単なる同業者のよしみではないというのです。価格の高位安定という形において、メリットがそこにあるからこれに賛成するという以外何ものでもないのだ。しかしそういったようなことではいわゆる合併に対する具体策というものが出てこない。だから、神戸製鋼にいたしましても、日本鋼管にいたしましても、その他の競争会社は一緒になって委託生産をやるとかなんとか、その姿は系列化の一種であると私は見ているのですが、そういうやり方というのは明らかにカルテル行為である、こう判断をすることが常識ではないかというように思うわけです。単に、これは反対ではない、支持するといってきた。しかしそれだけでは対応策という形にならなくて、合併が認められないおそれがあるから、今度は具体的な形においてこれに賛成をするというような形に出てきたのだ。ねらいはあくまで価格の高位安定ということを期待をしておる。したがって、これは競争制限に事実上なるということを認めながらも、みずからの利益をはかりたいという考え方からこれに賛成をする、いわゆる共同行為をやっているということになるのではないかと、こう思うわけです。きわめて重大な問題点であろうと思うのでございますが、いかがでございましょう。

山田精一公正取引委員会委員長

○山田説明員 その辺のところは、当事会社のみならず、そういうような譲渡を受けるとかいうような会社の責任者の意見も聞いておりまして、その辺を十分慎重に判断をいたす必要があろう、こういうふうに考えております。

中村重光日本社会党

○中村(重)委員 一般論としてこれもお聞きをいたしますが、審判の際にそれぞれ証言があるわけですね。ところがその場合に、これは後日明らかになることもありましょうし、あるいは審判中に明らかになってくることもあるだろうと思うのでありますが、偽証が行なわれておる。その場合、その偽証は罰則があるのかどうか、その点いかがでございますか。

山田精一公正取引委員会委員長

○山田説明員 参考人はいずれも宣誓をいたしました後に証言をいたしておるのでございまして、罰則がございます。

中村重光日本社会党

○中村(重)委員 結論として私が申し上げたいことは、八幡、富士の合併は認めるべきではないという考え方の上に私は実は立っております。ということは、いま出されておるところの対応策というものは、市場構造の変化が考えられないということであります。したがって、四つの品目に限ったということ自体にも、私は先般もお尋ねをいたしたわけでありますけれども、これは問題がある。ましてやこの四品目に対して出されておる対応策というものは、委員長がいつも繰り返してお答えになっていらっしゃる合理的蓋然性そのものにも該当しないのだという考え方を持つからであります。委員長といたしましてはきわめて真剣に、慎重に対処しておられることでありますから、いずれの審決をなさる場合といえども、国民が納得するだけの説明をされるであろうと私は確信をいたしておるわけでございますが、その点いかがでございましょうか。

山田精一公正取引委員会委員長

○山田説明員 いずれにいたせ、審決をいたします場合には、十分国民の皆さんに御納得いただける審決をいたしたいと、かような覚悟でおります。

中村重光日本社会党

○中村(重)委員 自民党のいろいろな機関で独禁法の改正の問題が検討されておるようであります。八月二十二日、独禁法改正論に対しまして山田委員長は反論をしていらっしゃるようでございます。先ほど通産大臣が経済秩序を維持するということばをお使いになったわけですが、私は、公取が経済秩序を維持するために具体的な形としてあらわれてくるものは、資本主義経済の正常な発展をはかるということにつながってくるのだろう、こう思うわけであります。したがって、この重大な段階において独禁法改正の問題を持ち出すということは明らかに八幡、富士の合併に対する公取に対する牽制球であるというように私は考えておるわけでございます。これはきわめて不穏当であるというような考え方の上に立つわけであります。委員長といたしましては、この独禁法の改正問題に対しましてどのようにお考えになっていらっしゃるのか。新聞を通じては一応考え方がわかるのでありますけれども、この際はっきりした考え方をお聞かせ願いたいと思います。

山田精一公正取引委員会委員長

○山田説明員 ただいま御指摘の各方面における独禁法の改正の御意見、これは広範にいろいろな問題を含んでおるように承知をいたしておりますので、私どもといたしましては十分謙虚な気持ちをもって検討させていただきたい、こういうふうに考えておるわけでございます。また同時に、私どもの独占禁止懇話会の会員の方々にもおはかりをいたしまして、去る七月からでございますか、当面の検討を要する問題につきましていろいろ御意見を拝聴しておる段階でございます。

中村重光日本社会党

○中村(重)委員 それから、委員長は、先般独禁法を広い意味の産業政策というようにお答えになったと私記憶いたしておるわけであります。独禁法というものは経済秩序を維持するという面からする一つの経済政策ではあっても、産業政策ではないという考え方を私は持っておるのでございますが、いかがでございますか。

山田精一公正取引委員会委員長

○山田説明員 これはことばの定義の問題が多分にあるかと存ずるのでございますが、産業政策という概念が一体どの範囲、どういうものでございますのか、これは定説はないのではないかと私は考えておるわけでございます。ただいま御指摘のように、独禁政策というものが経済政策の一環である、これはもうまぎれもない事実であると存じます。産業政策ということばはいろいろな場合に使われておりまして、産業に関するあらゆる政策ということでございますならば、これは独禁政策もその中に入るかもしれません。また、産業政策というものを、産業を育成するとか、あるいはそういう狭い意味に解するならば、これは外へ出ることになると存じます。その辺、産業政策という定義が確立しておらないように存じますので、私といたしましては経済政策の一環であるというふうにお答えをさせていただきたいと存じます。

中村重光日本社会党

○中村(重)委員 最後にお尋ねをいたしますが、いま報道されているほとんどと申し上げてよろしいと思うのですが、八幡、富士の合併は既定の事実だ、ただ時間の問題だというふうに受け取られるわけであります。そうした情報と申しますか、それは公取の中から流れておるのであろうか、私はそうではないというように思うわけであります。そうした報道が流れるように、合併というものはもう避けられないものだ、公取としてはこれを認めるというようなことが大勢であるのかどうか。もちろん大勢でありますなんというお答えを私は受けようとは思っておりませんが、ですけれども、もう何か世論操作が行なわれておるのではないかというようにすら考えられるほど、各紙一致して既定の事実というように伝えておることは御承知のとおりであります。いまそうした情勢なのかどうか、その点、ざっくばらんにお聞かせ願いたいと思うのです。

山田精一公正取引委員会委員長

○山田説明員 先ほども私申し上げましたごとく、ただいまにおきます段階というものは、どこまでもファクトファインディングでございまして、これをいかように評価をいたすか、また、これに法律を適用いたしましていかなる結果になるか、こういうようなことにつきましては委員会におきまして一度も話題にはのぼらないわけであります。ファクトファインディングを、いかにして実態を正確に把握するかということにただいま全力を傾注いたしておる段階でございます。  したがいまして、いろいろなことが伝えられておりますが、あれは観測記事でございまして、私どもの口から予断を持ったような、これは白であろうとか黒であろうとか、あるいはそういうことを念頭に置いてファクトファインディングに当たっておるというような事実は絶対にございませんので、その点は御信用をいただきたいと存じます。中村(重)委員 経済秩序を維持するために公取の果たしておる役割りは私は大きいと思う。国民の期待にこたえてせっかく検討されるように心から要望いたしまして、私の質問を終わります。

藤井勝志自由民主党

○藤井委員長代理 玉置一徳君。

玉置一徳民主社会党

○玉置委員 だんだん結論も近づいてまいりましたので、あまり具体的なことに触れて質問することは御迷惑だと思います。一般論としての抽象的な問題を主として、やはり熱いうちにお互いに質疑応答しておいたほうがいいと思いますので、許せる範囲内の御答弁をいただきたいと思います。  そこでまず、行政機関たる立場の公取委員会で調査を行なわれまして、勧告をなされたわけでありますが、いまその審判をしておいでになるわけです。それで行政機関としての公取委員と審判をする審判委員とが全く同一人であるというところに制度上の問題点があるような感じがいたしますが、前の自分たちがやりましたいろいろな調査の機会の先入観にとらわれやしないかどうか、それから審判官としては各級機関の経験者の意見等を十分取り入れなければいかぬのじゃないだろうかというようなことも考えられますが、先ほど申しましたように、同一人である場合の弊害というものはお感じにならないかどうか、あるいは今後若干これは検討を要すべき問題であるというようにお考えになっておるかどうか、お答えをいただきたいと思います。

山田精一公正取引委員会委員長

○山田説明員 私どもといたしましては、ただいまの審判というものは、いわゆる当事者主義の長所を生かしまして、こちらの角度から見ればこの問題はこういうふうな評価になる、こちらの角度から見ればこういう評価になるということを、双方を踏まえました上で十分に慎重に検討いたして結論を出すという意味合いにおきまして、きわめて意義のある制度である、こういうふうに考えております。私ども人間でございますから、神さまではございませんので、ただいま御指摘のような御懸念がおありかとも存じますけれども、私どもといたしましては、もう全精力を傾注いたしまして、初めの段階と、それから審判に入りました段階とにおいては、はっきりと使い分けをいたしておるつもりでございます。

玉置一徳民主社会党

○玉置委員 山田委員長以下、現在お当たりいただいております五人の方々は、まことに良識豊かな方々でありまして、私はこの方々の問題がどうかということを言っておるのじゃなしに、将来の検討すべき点として、そういうこともまず検討はすべきじゃないだろうかというふうな意味で申し上げておるわけであります。  それから、第三者の参考人の意見として富士、八幡側からお出しになりました方々の参考供述はございましたけれども、当然公取の審判の方々も何らかの形で各界の意見を十分おとりになっておると思いますが、そのことはどうでございましょうか。

山田精一公正取引委員会委員長

○山田説明員 ただいままでの段階におきまして、需要者でございますとか、関連の中小企業でございますとか、あるいはその商品を使いますところの官庁でございますとか、非常に広範な範囲にわたりまして御意見を聴取いたしております。それからまた一種のアンケート調査もやっておりますので、それらを十分取り入れて判断をいたしたい、かように考えております。

玉置一徳民主社会党

○玉置委員 こういう大きな問題になりますと、外国の例を見ましても、相当な時間がかかることも事実であります。いなめないことだと思いますけれども、、事経済問題に関することでありますので、一つのチャンスと申しますか、山と申しますか、時期もあるのじゃないか。そういう問題で、公取の行政機関としての調査をおやりなすっているようなときに、同時にそれが審判にかかった場合はすみやかに審判ができるような組織というものも考えていいのじゃないだろうかというように思われるのですが、その点、どういうようにお考えになりますか。

山田精一公正取引委員会委員長

○山田説明員 これはもう原則論といたしまして、できるだけすみやかに処理をいたしたい、こういう方針で一貫をいたしておるのでございます。ただ事件の難易によりまして、ある程度の期間がかかるということは、これはあるかと思う次第でございます。

玉置一徳民主社会党

○玉置委員 先ほど中村君の質問に対しまして、従来の経験則に従いまして合理的蓋然性でものを判断するのだ、私はこれしかないと思うのです。これ以上の判断のしようがない、将来にわたっての話でありますから。したがって憲法に保障されております営業の自由という範囲内で、あまりにも社会的な公害の及ぼす影響の多いものを取り締まるわけでありますから、これは競争制限を事実上ストップするというきめ手のものをつかまない限り、九割九分うまくいくのだろうけれども、あとはやってみぬとわからぬという場合もあるだろうと思うのです。   〔藤井委員長代理退席、宇野委員長代理着席〕 将来の改正すべき要点というようなものも、こういうところもひとつ考えなければいけませんが、現在の法令によりますと、ただいま申しましたように、将来にわたってそういうおそれがあるということを具体的に提示し得ない場合は、これは憲法の営業の自由のほうをやはり尊重しなければならないのだ、こういうことからいたしましても、まず将来にわたって、きょうまでの経験則から見まして合理的蓋然性があるという判断をなさる場合は、先ほどのお話のように、なるべくすみやかに判断を下したいというお話でございましたが、そういうおつもりでおやりいただいておるかどうかということをお伺いしたいと思います。

山田精一公正取引委員会委員長

○山田説明員 第一点のできるだけすみやかに判断を下したい、これはそのとおりに私ども考えて運用いたしておるわけでございます。  それから憲法との関係、御指摘がございましたが、これはむろん憲法のもとにおける法律でございますが、私どもといたしましては、独禁法の第十五条、これを忠実に運用いたしてまいりたいと存じます。機械的に運用いたすということでなく、これは実際に運用いたしますにあたりましては非常にむずかしい問題でございますが、そのためにこそ公正取引委員会というものは、普通の官庁ではなくて、行政委員会、五人の委員がそれぞれその経験を生かしまして合議をして判断をする、こういう制度をとっておる根本的な理由であろうと存じますので、全力を尽くして判断をいたしたい、こういうふうに考えております。

玉置一徳民主社会党

○玉置委員 非常に重要な問題、しかも日本の産業のこれから向かう道にある程度の大きな影響を及ぼすような問題をおとらえになりまして御苦労いただいておりますことに敬意を表しまして、質問を終わります。

宇野宗佑自由民主党

○宇野委員長代理 岡本富夫君。

岡本富夫公明党

○岡本(富)委員 先ほど御質問がございましたように、この八幡、富士の合併実現について決定的だと、こういうようなニュースが毎日の新聞に出ておりますけれども、これは公正取引委員会、あなたのほうから出たのか、あるいはまた、それでなければこんな具体的な記事が出ない、こういうように思うのですが、そうでないというような御答弁があるかわかりませんが、それならばこの春、「エコノミスト」に、やはりあなたのほうの某委員がしゃべった記事がある。これには非常に具体的なことが書かれておりますが、こういう疑惑を持つ、こういうことは非常に問題だと思うのですが、この点について委員長から……。

山田精一公正取引委員会委員長

○山田説明員 先ほども申し上げましたごとく、私どもの立場は、現在、審判官の立場にございます。したがって事実を、真実をいかに的確に把握をいたすかということに現在全力を傾注いたしておるわけでございまして、それをいかに評価し、またこれを法律に適用いたしました場合に、いかなる結論になるか、これは全く何らの予断を持たないで判断をいたすべきことと存じます。現在の段階では、その評価とかあるいは法律の適用とかということは一切審議に入っておらないわけでございまして、現在事実をいかに把握いたすかという段階でございますので、その将来の予測についてどうであろうとかこうであろうとかということを申すということが、常識的にも全く考えられないことだ、こういうふうに私は考えます。

岡本富夫公明党

○岡本(富)委員 こうした大企業の合併の問題は、これは結局は独禁法に大きく抵触する場合が非常に多いわけです。それで私どもは、何としてもやはり確実な法の裁きによって今後消費者の生活を守らなければならぬ、そういう意味からきょう質問しておるわけでありますが、審判で問題になっておるところの四品目について、問題点はほぼ解消したと、こういうように報ぜられておりますが、これは事実かどうか。この一点、あとでけっこうです。  いま合併しようとする企業が、競争制限にならないように、工場の設備の一部を切り離して、そういう措置をとるという契約をした、そういう段階で合併の届け出をしてきた。この契約を既成事実と認めて、これを合理的蓋然性とこういうように言っておるのか。もしそうであれば、合併後に契約を解除した場合、これに対して公取としてはもう手も足も出ない、こういうように思うわけであります。そこで会社を信頼する。契約書をつくった、そういうような契約書をつくっただけで、それで実行するかしないかわからない不確定な要素の多い段階で判断を下すということは妥当でないと、こういうように私ども考えるわけです。契約書だけで判断するということはないと、この場でひとつ約束してもらいたいと思うのですが、どうでしょう。

山田精一公正取引委員会委員長

○山田説明員 ただいまのお尋ねの第一点でございますか、四品目について問題点が解消したのかというお尋ねがございましたが、それは四品目について事実を確認をいたし、真実を把握いたすという段階でございまして、これが法律の違反を解消したのかしないのかという判断は、これからの作業でございます。  それから契約だけで判断をするかどうかというお尋ねでございましたが、むろん契約だけではございません。そのほかもろもろの証拠によりましてその評価をいたす、こういうことになるわけでございます。

岡本富夫公明党

○岡本(富)委員 この報ずるところによりますと、公取委員会は同業他社の発表した諸計画をもって有効な牽制力ができたと判断をしている、こういうようにも報ぜられておりますけれども、有効な牽制力というのはどういう尺度ではかるのか、これが一点。  それから次は、総合的な判断をするというような抽象的なことばでは、有効か有効でないかというような判定基準が国民には非常にわかりにくい。したがって、白か黒かとはっきりときめるために、法の権威を高めたはっきりとした答えを出していただきたい、こういうように思うのですが、これについていかがですか。

山田精一公正取引委員会委員長

○山田説明員 ただいまのお尋ねの点でございますが、先ほどもちょっと申し上げたのでございますが、有効な牽制力のある競争者であるかどうかという判断は、これを裏返しにしますというと、競争を実質的に制限することとならないということでございまして、それをめどといたしまして評価、判断を下してまいりたいと存じます。  それから抽象的なことで非常にわかりにくいというお話でございましたが、これを具体的に計数的にきちっとした基準をつくるということはきわめてむずかしいことでございまして、外国の例におきましても、さような具体的な基準というものが出ておる例を聞かないのでございます。それがまた、先ほども申し上げたのでございますが、普通の官庁と違いまして、行政委員会の制度をとりまして、各方面の経験を持った委員に判断をさせる、こういう趣旨であろうかと存じます。  最後のお尋ねの点は、先ほども申し上げたのでございますが、国民全般の御納得のいただけるような審決を出したい、かようなつもりでおります。

岡本富夫公明党

○岡本(富)委員 最後に、時間があまりありませんから……。八幡、富士の合併審議は、審議を開始してからまだ三、四カ月しかたっていない。この報ずるところを見ますと、大体この合併のスケジュールに合わせたような審議のしかたのように見受けられる。なぜかならば、国民生活に最も関係の深いカラーテレビのやみカルテル事件あるいはまたナショナルの再販事件、こういうものは一体どうなっているのか。弁護士があまり出てこないというような前のお答えだったようでありますけれども、同じ弁護士が八幡、富士の場合はせっせと出てきておる。これでは公取がばかにされているのではないか、こういう面がひとつ考えられるわけであります。  次に合併審議が三年越しになっているものがある。これは金沢市の中央卸売市場の卸売り会社の合併違反事件でありますが、国民の日常生活に一番関係の深いこういう案件をなぜ早く審議しないのか。また現在の八幡、富士に対しては全力投球をしているように見えますが、金沢事件に対してはこの関係会社も一日も早く結論を出してもらいたい、こういうように望んでおるが、こういう中小企業に対しては非常に冷い感じである、こういうようにいわざるを得ないのでありますが、それについて。  最後に、私、この春、四品目以外の五品目について質問をしたわけでありますけれども、そのときはノーコメントであった。審決のときに答える、こういうような話であったのでありますが、これについても納得のいくお答えを願いたい。  いずれにいたしましても、われわれ国民は物価上昇で困っておる。したがって一日も早く、こういう物価上昇を招くかわからないというようなことに対してははっきりした結論を出して、国民の疑惑を除いていただきたい。また、物価上昇を避ける、これが公取の一番の役目だと思いますので、これもまた要望して御答弁いただきたい。  以上です。

山田精一公正取引委員会委員長

○山田説明員 ただいまの第一点の、当事者の予定に合わせて審判をやっておるではないかというお尋ねがございましたが、これは私どもといたしましては、事情の許す限り当事者の希望いたすところは尊重をいたしてまいりたい、これが基本方針でございます。ただし、当事者の予定とか希望に拘束されるものでは絶対にございません。どこまでも尊重はするけれども、これに拘束されることはない、これが基本的な態度でございます。  それから松下及びカラーテレビについて何か弁護士が出てこないというようなお話がございましたが、そういうことではございませんで、あれは一応審判は終結をいたしておりまして、現在審決案の作成中のところでございます。  したがいまして、弁護士が出てくる必要もないわけでございまして、審決案の作成を待っておる段階でございます。  それから五品目云々というお話がございましたが、これは現在審判中でございますので、その細目につきましてここで申し上げることは、先ほど来も申し上げておりますが、お許しをいただきたい、かようなことでございます。  最後に御激励をいただきました点につきましては、十分そのつもりで全力を尽くしたい、かような覚悟でおります。

岡本富夫公明党

○岡本(富)委員 金沢の問題は……。

山田精一公正取引委員会委員長

○山田説明員 金沢、これはいろいろむずかしい問題がございまして、まだ審判を終結しておらないわけでございまして、大企業であるから小企業であるからと、そういうようなことでは全然ございません。

岡本富夫公明党

○岡本(富)委員 最後に、過去十年の合併問題の審判の資料を要求して終わりたいと思います。

山田精一公正取引委員会委員長

○山田説明員 合併の審判の資料でございますか。これは合併に関する案件で審判になりましたのは今回が初めてでございまして……。

岡本富夫公明党

○岡本(富)委員 過去十年間の合併問題でいろいろ審議をやっておるのがありますね。合併問題だけでないのですけれども、一つの例をとりますと、金沢の中央卸売市場の問題、あるいは先ほどのカラーテレビの問題、こういうものが含まったのが過去十年間の公取で審議した資料があるでしょう。

山田精一公正取引委員会委員長

○山田説明員 審判になりました案件ということでございますか。

岡本富夫公明党

○岡本(富)委員 そうです。

山田精一公正取引委員会委員長

○山田説明員 これは審決集がございますので、ごらんいただきたいと存じます。合併に関する案件とおっしゃいますと、一年に一千件余りもございますので、これはちょっとむずかしいかと思いますので、お含みおきいただきたいと思います。

宇野宗佑自由民主党

○宇野委員長代理 次回は、来たる十月八日、午前十時理事会、午前十時三十分委員会を開会することとし、本日はこれにて散会いたします。    午後四時四十九分散会

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