商工委員会 第44号
- 発言数
- 160 件
- 登壇者
- 13 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1969/08/01
会議録
○大久保委員長 これより会議を開きます。 去る七月二十五日、予備審査のため付託されました塩出啓典君外一名提出、小規模企業助成法案を議題といたします。
○大久保委員長 まず、本案の提案理由の説明を求めます。塩出啓典君。
○塩出参議院議員 小規模企業助成法案につきまして、その提案理由及びその概要を御説明申し上げます。 わが国の小規模企業は、国民経済のあらゆる分野において、きわめて重要な地位を占めており、わが国経済の成長発展に大きく貢献してきたことは申すまでもないところであります。 しかしながら、小規模企業は、規模の零細なるがゆえに信用力や担保力不足などからして資金調達力弱く、常に経営の安定を欠き、最近では、資本の自由化、発展途上国の追い上げ、特恵関税の供与、労働力不足、需給構造の変化などによって、その存立の基礎にさえ大きな影響を受けると思われるのであります。 今日、このように、小規模企業をめぐる環境は一段ときびしくなることが予想されますので、小規模企業の体質強化をはかるため、この際小規模企業関係施策を一そう拡充強化することが必要とされるのであります。 かかる見地から、中小企業基本法に基づきまして、小規模企業の経営の改善発達に寄与するために、小規模企業者に対する資金の確保、適正な指導等の措置を講ずるため、この法案を提出することとした次第であります。 次に、この法案の内容につきまして、その概要を御説明申し上げます。 第一に、本法案の対象とする小規模企業者は、製造業等にあっては、おおむね、常時使用する従業員数二十人以下、商業、サービス業にあっては同じく五人以下と定めることにいたしております。 第二に、小規模企業者に対し、企業規模を適正化するために必要な設備を設費するのに要する資金、需給構造等の変化に即応して行なう事業転換に要する資金すなわち経営改善資金の貸し付けを行なうため、都道府県が特別会計を設けて、これに資金を繰り入れるとき、これと同額以内の補助金を交付し、両者を合わせて財源として小規模企業者に無利子で貸し付けを行なうことといたしております。 第三に、都道府県において事業協同組合、事業協同小組合、商工組合等が小規模企業者である組合員の事業に関する経営、技術の改善発達をはかるための教育または職業訓練に関する施設等の経費に対して補助をする場合には、国はその経費の一部を補助することができると規定いたしております。 第四に、現在商工会等が行なっております小規模企業者に対する経営改善普及事業に関して、中小企業振興事業団もこれに協力することといたしております。 すなわち、中小企業振興事業団は商工会、商工会議所等が行なっております経営改善普及事業の実施またはこの事業に関する指導について必要な協力を行なうこととし、さらに商工会等が指導事業を行なうために必要な施設または設備を設置する場合には、これらの設置に要する資金の貸し付けを行なうことといたしております。 第五に、小規模企業者に対する資金の融通に関して、商工組合中央金庫、中小企業金融公庫、環境衛生金融公庫及び中小企業信用保険公庫は特別の配慮をしなければならないこととし、さらに、国は、毎年度、これらの機関に対し、その業務が円滑に行なわれるために必要な出資を行なうものとすると規定いたしております。 第六に、国は、小規模企業の経営の改善発達をはかるため、租税負担の適正化等について必要な措置を講ずることといたしております。 その他、特別会計についての基礎的規定、経営改善資金の貸し付けの限度、条件、貸し付けに関する都道府県の事業計画についての規定等を設けております。 以上が、この法律案の提案理由及びその概要であります。 何とぞ慎重に御審議の上、御賛同くださいますようお願い申し上げます。
○大久保委員長 以上で提案理由の説明は終わりました。 質疑は後日に譲ります。 ————◇—————
○大久保委員長 海部俊樹君外八名提出、電気工事業の業務の適正化に関する法律案を議題といたします。 本案は、去る五月十四日に提案理由の説明を聴取いたしております。 これより質疑に入ります。質疑の申し出がありますので、順次これを許します。佐野進君。
○佐野(進)委員 議員提出の法案の審議ということでありますから、主として提案者に対して質問をしなければならないのがたてまえでしょうが、問題が問題ですから、私は公益事業局長に対して質問を集中して、提案者にはときどき聞きますので、聞き漏らしのないように、ひとつ御注意の上お願いしたいと思います。 本案が提案された経過等については、過去三回いろいろな名称を変えておりましても、提案され、そのつど審議が未了になっておる状況下において、今回の法律案につきましても、すでに会期あと残すところ数日という段階の中でいま審議が行なわれようとしておるわけであります。その理由についてはいろいろあろうと思うのでありますが、この法案は、その内容において、あるいはその目的等々においても、現在の電気工事の状況等に対して、いわゆる非常な速度というか重要性をもって普及が電気製品その他においても進められつつある段階の中で、何らかの措置が必要ではないかということは当然考えられておるわけであります。考えられておるにもかかわらず、議員提案という形で過去においてそのつど国会に上程され続けてきておりますが、政府がこの案について一度も政府提案という形で提出をしておらないということについては、非常に多くの疑問を感ぜざるを得ないわけであります。したがって、まず最初にこれは政府側に御答弁をお願いしたいと思うのでありますが、政府提案としないでということは、まだ機が熟さない、こういう法律においてそれぞれ適正化をはかるということについては必要でない、こういう判断なのか、あるいはまた、それぞれ政府部内における意見調整が行なわれないという形の中で今日の状況になってきているのか、その理由はいろいろあろうと思うのでございますが、まず最初に、政府提案としないで議員提案になったことについて、政府側の答弁をひとつお願いしたいと思うのであります。
○本田政府委員 お答えいたします。御指摘のように、電気工事業につきまして政府としてその法的な規制についての必要を感じておるかおらないかにつきましては、必要だと感じておったわけでございます。ただ、御承知のように、電気工事業は建設業の一部として建設業法の規正の対象の一部になっております。そういう観点から、通産省としての考え方と建設省としての考え方が必ずしも調整がつかないということのために、政府案として統一できなかったわけでございますが、その理由といたしますところは、われわれといたしましては、電気事業法、電気用品取締法あるいは電気工事士法と並びまして電気工事業者についての保安のための規制というものが必要である、それは一般用の電気工作物の保安の万全を期すという観点から必要だというふうに考えておるわけでございますが、建設省としては、電気工事業といえどもやはり建設業の一部であって、しかも建設業法の対象になっておるので、この建設業法によって規制をすれば十分であるということで調整がなかなかとれなかった、かような事情を背景といたしまして、御指摘のような一般用電気工作物の保安の確保のために、国会のほうでこれを法制化する必要があるということで議員提出を考えられたというふうに理解しておるわけであります。
○佐野(進)委員 政府側はいわゆる建設当局との意見調整が整わないというか、建設業法との関係の中で政府原案として提案することに至らなかった。必要であるというように考えておったことはいま明らかにされたわけですが、それでは提案者にこの際お伺いをしておきたいと思うのです。 過去三回にわたって同じ趣旨の法案が出されて審議未了になっており、しかも政府のほうでは政府提案にならない内部的な調整の問題があったということでありますが、提案者は、審議未了になったことについて、あるいは今回においても議員提出において会期末ぎりぎりの段階でいま審議に入ったということについて、その内容のどこに問題があったのか、これをひとつ簡単でいいからお示し願いたいと思います。
○海部議員 御指摘のように過去三回、法律の名前は電気工事業を営む者の営業所の登録等に関する法律案ということで提案したものが審議未了になっております。ねらいとするところは、国民の電気保安の確保ということには違いございませんが、過去三回の法案の内容は、後ほど詳しく申し上げてもよろしいが、二名以上の電気工事士がいなければならぬ、こういう規定かございまして、それがいろいろ論議を呼び、野党の皆さんとも意見の一致を見ることができませんでしたので成立しなかった。今回の法律は、二名以上という規定をとりまして、一名でできるということになっておりますので、根本的にそこに違いがあり、皆さま方の御了解も得られるのではなかろうか、こう期待して提出しております。
○佐野(進)委員 それでは政府側にお尋ねしたいと思うのですが、いまそれぞれ御答弁があったような形の中で、提案に至った経過並びに審議未了にならざるを得なかった理由、こういうことについては明らかにされたわけでありますが、私この法律案をずっと検討させていただいて感ずることは、いわゆる第一条の目的ですね。「この法律は、電気工事業を営む者の登録及びその業務の規制を行なうことにより、その業務の適正な実施を確保し、もって一般用電気工作物の保安の確保に資することを目的とする。」電気工事業を営む者の登録及びその業務の規制そして業務の適正な実施を確保し、もって電気工作物の保安の確保に資する、この四つの目的を達するためにこの法律が必要だ、こういうことになっているわけですが、この法律に関連する法案としては、現在すでに電気事業法、電気工事士法、電気用品取締法、この三つの法律がいま明らかにされたこの目的に合致するという目的をもって施行せられておるわけでありますが、この三つの法律に対してこの新しい法律をいかなる意味において必要とするか。現行法を完全に実施することによって第一条の目的は達せられるのではないか、こういうような気がするわけですが、政府側はこの三つの法律と新法律案との関係の中において重要なる差異、この法律がなければ目的は達成せられないというその差異について、この際明らかにしておいていただきたいと思うのであります。
○本田政府委員 お答えいたします。御指摘のように一般用電気工作物の保安の確保に関連いたしまして一電気事業法、電気工事士法、電気用品取締法の三つの法律がございます。この三つの法律のそれぞれのねらいは、電気事業法におきましては、電気事業者の一般用電気工作物の調査義務を課しておるということでございます。それから電気用品取締法は、粗悪な電気用品の製造、販売及び使用を規制するということでございます。それから電気工事士法におきましては、電気工事に従事する者の資格並びに義務を規制しておるということでございます。ところが、一般の電気工作物の設置者であるのは一般の市民でございまして、それの工事を担当する電気工事士をみずから監督指導してその安全性を確保するということは実情としてはできないということでございます。しかも電気工事士は、通常は電気工事業者の従業員としてその作業に従事するということのために、雇い主である電気工事業者に対しては現在の三つの法律では何らの規制がないというのが実情でございます。そこで、一般電気工作物による災害の発生を防止し、保安の万全を期するというねらいからいきますと、設置者から依頼を受けまして電気工事士を使って電気工事を行なうところの電気工事業者についても、その責務を明らかにしておくことが必要であると考えるわけであります。
○佐野(進)委員 いま言われたように、必要であると考えるということなんですが、これはまたあとで質問申し上げます。 そうしますると、いままでの三法、いわゆる電気事業法、電気工事士法、電気用品取締法だけでは本来の目的は達せられない、消費者の保護その他の法律の目的を達成することが完全にできないということでこの法律も必要であるという説明でありますが、私は、この三法の完全実施によってその目的が達成せられないということについては、若干釈然としないものがあるわけであります。ということは、この法律の全文を読む中で、この法律の持つ意味はいろいろなことがいわれておりますし、その目的についても、さらにその内容についても、現在の情勢においては必要であろうとすることについて、それを否定するものではないのでありますが、ともすると、この法律案のほんとうの意味が、過当競争を防止し、既存の工事店を保護するいわゆる営業制限法的な色彩が何としても払拭できないのでありますが、それらについて、この法律はそういうものであるということにお考えになるか。そうでないというぐあいに言われるとするならば、その理由をひとつこの際明らかにしていただきたいと思うのであります。
○海部議員 営業制限的なものの考え方は毛頭持っておりません。目的に書いてありますとおりに、電気工事業を営む者の業務の適正化を考えることによって保安の確保をしたいというのがただ一つの目的であります。かつて建設業法が制定せられましたときに、建設省と通産省とで覚え書きが交換されておりますが、電気工事士そのものの規制はしてあっても、電気工事を業として営む者の規制が全然野放しのような状態でありますので、将来通産省がこれらの法令制定をしたときに建設業法の適用からこの電気配線工事を専門に請負う者は除外するというようなことまで明記されておりますことは、昔からこれが問題点になっておったことは明らかであろうと思います。そういう目的をもってやっております。
○佐野(進)委員 いわゆる営業制限法的なものでなく、保安の確保をはかること、業務の適正な実施を確保することが目的だということでありますが、そうすると、いま御説明がありましたように、さらに先ほど局長のほうからお話がありましたように、いわゆる建設業法との関連がどうしても問題になるわけです。この法律によれば、電気工事業者は登録を受けなければならないということになっておるわけですが、建設業者、いわゆる建設業法においても登録を受ける義務の業者が法定されておるわけです。そうすると建設業法においても登録を受ける、電気工事業の業務の適正化に関する法律に基づくこの電気工事業者も登録を受ける、いわゆる二重登録という形がどうしても出てくるわけです。一つの業務について二重の登録を受けるというような形の中においてそれが規制というか処理されるというようなことについては、若干やはり問題があるのではないか。もちろん、この法文の中に建設業法についての関連の説明はございますけれども、一般的な考え方としては、いわゆる建設業法との関連をどうこの際明確にするかということは、非常に大きな課題になってくると思うのであります。これは政府側でけっこうですから、あとの実施の関係もありますので、ひとつ公益事業局長のほうからお伺いしておきたいと思います。
○本田政府委員 御指摘のように、建設業法の登録を受けた者は電気工事業ができるわけでございまして、その登録を受けた者が、今回の電気工事業法におきましては、本法案の登録要件を満足するものだということが考えられますので、二重規制を排除するために本法案の登録に関する規定は適用しないということになっておりますことは御指摘のとおりでございまして、その点二重登録を避けるという法的手続は踏んでおるというふうに考えるわけでございます。 ただ、御指摘のように、建設業法の登録業者と電気工事業法の登録を受ける業者というものを二重に置くことが必要かどうかという点が問題であろうと思います。その点につきまして申し上げますと、建設業におきましては十数種の建設工事の業種をその内容としておりまして、電気工事業はその一つでございます。したがいまして、他の種類の建設工事による登録業者でも電気工事ができるという事情が一つございます。また主として請負う建設工事が電気工事であっても、一件の請負い金額が五十万円以下の場合には登録を受けることを要しないという運用になっております。したがって、その場合には主任技術者を置く義務もない、こういう事情がございます。また、他の種類の建設工事による登録業者が置く場合の主任技術者というものが必ずしも電気工事士の資格を持っておるということを必要といたさないというようなことから申し上げますと、一般用電気工作物の保安の確保という点で必ずしも十分でないというふうに考えられるわけでございますので、電気工作物に伴う災害あるいは危険を避けるためにその保安の万全を期すという意味から申しますと、むしろ小規模事業の多い電気工事業につきましては、こういった電気工事業法のような制度によりまして小規模工事を行なう業者について登録を行ない、適正な工事を確保していくということが必要であるというふうに考えるわけでございます。そこで今後建設業の登録業者につきましては、この法律では、その実態を把握する必要上、その事業を開始しまたは廃止したときには遅滞なく通産大臣あるいは都道府県知事にその旨届ける義務を課しまして、実情を把握できるというふうな規定になっておるわけであります。
○佐野(進)委員 そうすると、先ほど提案者のほうからお話がございましたように、過去何回かこの法律案が審議未了になった、その経験に徴して調整した結果が今日のこの法案になったということでありますが、第三章「業務」、第十九条の二項における表現といいますか、これがその内容であろうと思うのでありますが、私は、第十九条二項のほうに関連して、次のことについて、この際明らかにしておかないと、非常に問題があとへ残るのではないかと思うことについて御質問してみたいと思うのです。 各営業所ごとに電気工事士を設置することに現在なっておるわけですが、主任電気工事士の職務等云々という形の中に二十条以下いろいろあるわけですが、この営業所というのは一体どういうことか。たとえば一都道府県に営業所を有するものについては都道府県知事、二都道府県にまたがるものについては通商産業大臣に登録しなければならないということになっておるわけですが、一都道府県といううちにおいても、何カ所か営業所あるいは出張所、さらには代理店、こういうものがあるわけでありますし、二都道府県以上にまたがっておる場合でも二カ所ないし三カ所というきわめて狭い範囲の、狭いというか小さなものしかない場合もあるわけであります。そういう意味において営業所ということ、そこに電気工事士を設置するということになるわけでありますから、そういたしますと、どんな小さいところの出張所でも代理店でもそれが必要だということになるのか、あるいは一営業所という範囲の中において、一都道府県なら一都道府県の範囲の中におけるところの一つの営業所というところにその主任技術者を、電気工事士を設けることだけで事足れりということになるのか、非常に問題が複雑というか解釈上の問題になってまいりますので、その点についてこの際明らかにしていただきたいと思います。
○海部議員 この問題はたいへん議論を呼びました問題で、営業所ごとに置くのか、あるいは営業所ごとには置かなくともいいのか、たいへん時間をかけて議論いたしました。その経過を思い出しながら簡単に申し上げますと、電気保安の確保をはかるのが目的である以上、やはり営業所ごとに置かなければならないという結論に達したわけであります。このことは建設業法のほうの規定が現場ごとに主任者を置かなければならない、こうきまっておりますのとやや符合させるような考え方で置きました。なお営業所というのは、代理店であるとか出張所であるとか、そういった名目上の看板にこだわりませんで、実際その場所で電気工事業者が材料の購入をしたり、電気工事士の雇用をしたり、いろいろ契約等をしたり、これを履行するための活動を常時行なっておる場所を営業所とわれわれ提出者のほうは考えております。ですから一都道府県内に数カ所あろうがあるいは一カ所あろうが、それがそういういま申し上げましたような実質活動を伴う常設機関であるならば、全部営業所とみなして、これには一人の電気工事士がおらなければならない、こういうふうにわれわれは考えております。
○佐野(進)委員 政府側のほうは、見解どうですか。
○本田政府委員 われわれといたしましても、いま御答弁がありましたように、電気工事業者が電気工事の依頼を受けて契約を締結する、それに伴いまして、これを履行するために材料購入を行なうとか等々の活動を常時行なう場所というふうに解釈すべきであろうというふうに考えております。
○佐野(進)委員 そういたしますと、これは、さっき提出者のほうからも、消費者の利益を守るという本来法律のあるべき姿に基づいてこの法律が提案されているのだ、こういうことのお話がありましたが、いまお話しのような営業所、出張所、代理店というものがいわゆる主任電気工事士を置かなければならないのだ、こういうような形になりますと、大都市はそう問題ございませんが、山間僻地といいますか、過疎地帯と申しましょうか、そういうような営業所、出張所、代理店というようなものに現実に行くものについても、何里、何キロという遠隔の地の中において、つい近所の電気工事の知識を有する人たちにその仕事をかわりにやってもらうとか、あるいは電気器具の取り扱い等については、きわめて簡便な措置に基づいてその用を足しておる、こういうような地域が現実の問題として存在しておると思うのですね。それがこの法律に基づいて、電気工事業を営もうとする者は電気工事士を置かなければならない、その電気工事士を置かなければならないというのは、もちろん一人親方というような形の中におけるそのものは認めるといたしましても、いわゆる出張所、代理店というような形の中においても主任技術者を置かなければならないということになると、山間僻地における電気工事ということについては、一体どういうことになるのか、きわめて消費者の利益に合致しない法律の規制、こういうような形になっているのではないかという心配、懸念が出てくるわけです。 そういう形から考えるならば、この法律に基づいて、いわゆる消費者はそのデメリットといいますか、大いなる不便というか、そういうものを感ずることにならざるを得ないと思うのでありますが、こういう特別の場合における措置というものをあらかじめ想定しないで法律ができて、運用の面において非常に大きな差しさわりが出るということは遺憾なことではないかと考えるわけですが、こういう特別の場合におけるところの措置をどのように考えておられるか、この際、ひとつ明らかにしておいていただきたいと思うわけです。
○海部議員 その問題も法律作成の段階でいろいろ検討したところでありますが、御承知のように、電気工事士法によって軽微な工事はだれがやってもいいことになっておりますから、電気知識のある方を頼んでおやりになるという前段の質問者の御趣旨は、軽微な工事ならばこれは行なってもけっこうであると思います。 山間僻地の場合に、連絡等に困るではないかとおっしゃいますが、大体私どもが全国調査をいたしました結果、山間僻地にそんな大きな電気工事店というものはないと思いましたので、むしろラジオ、テレビ屋さんにそれの代行できるような権能、そういったものを認めておけば十分カバーできるのではなかろうか、こう判断いたしました。そこで、ラジオ、テレビ、電気洗濯機その他、山間僻地で日常一般家庭が要求する電気器具を購入、設置した場合に、それが活動できるような配線工事、またはこの法律の適用外と申しますか、それらの工事は当然できるという考え方を残しておきましたし、さらに、何度も申し上げるようでありますが、一名でありますから、そこのラジオ、テレビ屋さんの御主人が電気工事士の資格さえ持っておいでになれば、堂々と本法の登録も受け得るわけでありまして、別に支障は起こらないであろうという想定、判断のもとに立っております。
○佐野(進)委員 政府側いいですか。
○本田政府委員 お答えいたします。われわれといたしましても、ただいま提案者から御説明がありましたが、ラジオ店その他家庭用電気機械器具の販売業者につきましては、販売に伴う軽易な配線工事等は、これを本法からはずしております。したがいまして、家庭電気器具の販売に伴う工事は必要がなかろうと思います。 それからさらに、電気工事としては、電気工事士としての資格を要しますので、それらの販売業者といえども電気工事業者の資格をお持ちになっておられ、しかも三年の条件につきましては、経過規定をもちまして、この三年間はその資格を持つ者とみなされることになっておりますから、問題がなかろうというふうに考える次第でございます。
○佐野(進)委員 問題がなかろうということですが、これは法律となったあとは、政府のほうの政省令等に基づいてその措置が決定されることになるわけでありますから、こういう点については政府側といえども十分な配慮をもって消費者の利益がそこなわれないよう措置してもらわねばならぬと思うわけであります。 そこで、そういうように現在までの電気工事士法によるものがこの業務の適正化に関する法律ということになると、三年以上の経験を有する電気工事士はいわゆる主任技術者となって、一人でもその業務を行なうことができる、消費者の利益をそこなわない形になるということがいわれておるわけであります。この主任電気工事士を置かなければ営業登録ができないといういろいろないままでの説明がありましたが、そのほんとうのねらいは一体どこにあるのか、この点次の質問の関連等もありますので、この際、明らかにしておいていただきたいと思います。
○海部議員 率直に申し上げて、電気工事業というものを行なう人がいま二十万人からおるわけでありますけれども、日本のいろいろな法規制の中のさむらい法と申しますか、何々士という名前のつく法律の中で、電気工事士くらいルーズというとことばが悪いですが、ゆるやかな条件で一人前の資格をおとりになるのは少なかろうという感じがほかとの比較論上出るわけであります。極端なことを言うと、中学を卒業されて一年間教習を受けた方が十六歳で電気工事士になっておられるという事実があるようであります。諸外国のいろいろな電気工事士の規制等を見てみますと、はなはだしいも一のは、たとえばアメリカのマサチューセッツの州法による電気工事士などは、同一市町村にまず五年以上住んでおることが第一条件で、電気工事に関する専門の技術を学校で三年以上勉強してから、さらに五年以上実務経験をしないと工事士の資格試験さえ受けられないというような、非常にきびしいものを持っております。 ひるがえって、わが国のいろいろな諸事業を見ておりますと、たとえば自動車運送業者の中においては、五台以上自動車がありますところは管理責任者が置かれなければならない。これも経験は三年以上でありますし、建設業法にいう現場の主任技術者というものは、電気工事士の資格を取って三年以上の経験を必要としております。理容師、美容師においてもやはり管理者は三年の経験を必要としております。そういったわが国の国内法のいろいろなものを参照いたしまして、やはり三年くらいの経験を持っていただいた人に管理者になってもらうことが保安を確保するという意味でいいのではなかろうか。むしろできれば私どもは、五年なり七年なり十分経験を積んでからおやりになったほうが、より国民のためにもなるという考えを持っておりますが、そこまで強めてまいりますことには、いろいろ他の法律との関連上疑義が出てまいりますので、三年ということにしたわけであります。
○佐野(進)委員 いま御説明がありましたような形でこの法律が実施されるという形になりますと、いろいろな理由はあろうとしても、現実にその業に携わりつつある電気工事士あるいは建設業法の登録業者であるといなとにかかわらず、その仕事をもって生活を成り立たしておる多くの人たちが、特に零細な業者の方々が、この法律の制定によりその職を失うのではないか、あるいは営業権を喪失するのではないか、こういうような心配、懸念というものが必然的に出てくるわけです。だからこの業に携わる多くの人たちの、この法律をつくってもらっては困るという素朴な見解に基づく反対運動というものも無視でき得ない現在の情勢ではないかと思うわけであります。提案者はもちろんでありますが、政府側は、この法律制定に基づいて失職ないしは営業権を喪失するのではないかと心配しておる多くの人たちに対して、この法律は、いままでの説明で、そういうことがないというニュアンスに基づく説明はありましたが、具体的にそういうことにはならないという、いわゆる保安の確保あるいはまたその他いろいろ消費者の利益を守るための措置が成果があがる反面、そういうような現に業に携わる人たちについてはそういう心配はないという具体的な説明がなされるならば、この際ひとつしておいていただきたい。私はそういうことについて若干心配があるのではないかと考えますので、その質問をいたすわけです。
○海部議員 私どもの入手しておる資料によりますと、電気工事業を営む店の数は約二万九千店全国にあると聞いております。そのうち電気工事士が一人のところ、いま佐野委員がたいへん御心配になっておる一人のところは、全日電工連加盟店の中で約四千という数字が出ております。しかしこれは、三年以上の実務経験を一人の方が持っていらっしゃればまず当然問題になりませんし、不幸にして三年以内に開店された方、すなわちきょう現在法律が通った場合に、三年の経験がないからおまえは営業の資格がないといって失業される方は、これはたいへんお気の毒でありますので、この法律の施行の際に経過措置といたしまして、経過措置の第二条の中で「この法律の施行の日から三年間は、この法律の施行の際現にその者が設けている営業所に置かれている電気工事士又は自らその業務を行なっている電気工事士であるその者であって電気工事士法による電気工事士免状の交付を受けた後電気工事に関し三年以上の実務の経験を有しないものは、その者が設けている営業所に置かれている間又はその者がその業務を行なっている間に限り、第十九条第一項又は第二項の実務の経験を有する電気工事士とみなす。」いわゆる「みなす」規定がございますので、きょう現在開店している方は、たとえきのうからで経験がたった一日の方でも失業はしないようになっております。
○本田政府委員 われわれとしては御答弁のとおりでございますが、そのほかに経済的な理由をお考えになろうかと思います。今回備えねばならない器具で絶縁抵抗計あるいは接地抵抗器、通電試験器というようなものを備える必要がございますが、これも二、三万円のもの、あるいは数千円の器具でございまして、特にこれによって経済的な条件が非常に圧迫されるということはなかろうというふうに考えております。
○佐野(進)委員 時間ですという催促が来たのですけれども、時間の約束はないはずですけれども、協力する意味でできるだけ結論を急ぎたいと思うのです。 私は、いま言われたような形で、いわゆる業に携わる人たちについては万全の対策を法律の条文上においてもその取り扱いにおいても講ずるのだということでありますから、それでいいと思うのでありますが、この法律が、その目的に掲げてあるように、法律の本来の目的である消費者の保護という形からもこれが必要だというぐあいに先ほどから強調されているわけですが、具体的にこの法律が通った場合、消費者の受けるメリットというものがどういうものなのか、この際提案者のほうは相当メリットがあるということで出しておると思うから、提案者のほうからひとつ御説明願いたいと思うのです。
○海部議員 昭和四十年でございましたか、電気事業法が改正になりまして、一般用電気工作物というのですか、とにかく家庭における電気配線工事に対していままで漏電その他の責任を電力会社が持っておりましたものが、保安協会に移ったかっこうになっております。そうしますと、われわれ俗にいうしろうとは、自分のうちの電気配線工事が完全に行なわれておるのかどうか、知識に乏しいからわからないわけであります。そこで、こういった業法の規定によってきびしい規制を受けてやっていってもらえば、それだけ安心ができるということはまず第一のメリットだと思いますし、やや次元の低い話で恐縮でありますが、もしかりに消費者の利益が工事の手落ちその他によって阻害された場合に、この法律の中で、消費者保護基本法の精神にのっとった苦情処理のあっせんということも一条設けまして、消費者の工事に関する苦情その他を通産大臣または都道府県知事があっせんしなければならぬということを法文に明記されておりますので、この点においても消費者の保護ははかられておる、このように考えております。
○佐野(進)委員 まだ一ぱい聞きたいと思ったのですが、協力する意味で最後にしますけれども、われわれも、この法律案がもう三回も審議未了になる経過の中で、長い間あらゆる角度から検討を続けてきました。したがって審議未了に至るその検討を続ける中で、この法律のていさいについても内容についても、当初案に比べると、きわめて進歩した内容を持ちつつあることは十分理解するに足るわけであります。しかしながらその反面、なおかっこの法律の実施に伴って多くの人たちが、はたしてその業に携わる者あるいは消費者の両方の立場からその目的どおりになるのかという多くの懸念があるわけであります。したがって私は、そういう懸念のある面は、この法律が通ることについては、この法律の持つ意味からしてたいへん心配だと思わざるを得ないわけでございます。そこで、最後に通産当局にお伺いをいたしたいと思うのですが、いままでいろいろ質疑応答の中で明らかにされておるように、電気工事というものの持つ社会的な意味は、何といっても国民の日常の生活に対して大きな役割りというか重要な内容を持っておるわけです。業者に対しての監督、あるいは消費者等一般の者を含めた形の中での指導さらに育成、こういうものは、当面する非常に重要な課題ではないかと思うわけでありますが、今後これら業者を含めた全体的な問題についての取り組みについて、どのような措置を講ずるお考えであるか、これは通産当局、公益事業局長にお伺いいたしたいと思うのであります。 そうしてまた、このような重要な意味を持つものであればあるほど、現在の通産省の公益事業局の中における陣容、陣容ということばは適切であるかどうかわかりませんが、これに対する課ないし機構、そういうものでその目的を達することができるかということには私はたいへん危惧せざるを得ないと思うわけでありますが、これについての政府当局の御見解をお伺いして、私の質問を終わりたいと思います。
○本田政府委員 お答えいたします。電気工事業者は、先ほどから御答弁の中にありますように、一般用電気工作物の保安確保の上できわめて重要な地位を占めておるわけでございます。 〔委員長退席、浦野委員長代理着席〕 したがいまして、本法案が成立いたしましたならば、従来以上に指導、監督を強化してまいり、電気工事業の健全な育成をはかってまいりたいというふうに考えるわけでございますが、御了承賜わっておりますとおり、本法案に伴う事務処理につきましては、その大部分は都道府県で処理されることに相なりますので、本法案が成立いたしましたときは、従来にも増しまして自治省とも連絡をとり、都道府県との間の処理体制の整備につきまして必要な連絡、指導を行なってまいりたいというふうに考えるわけでございます。 また御指摘のように、本法案に伴いまして都道府県との連絡、指導、あるいは電気工事業界に対する監督、指導等の面に関しまして、当省といたしましてもその体制の強化が必要でございますので、遺漏のないように強化をはかりたいと考えております。
○佐野(進)委員 終わりました。
○浦野委員長代理 石川次夫君。
○石川委員 私も審議に協力する意味でなるべく簡単に質問したいと思うのですが、答弁のほうも簡潔にひとつお願いしたいと思うのです。 最初に提案者にお伺いをしたいのでありますけれども、議員立法をこういうふうに取り上げて審議をするということは、本来のあるべき立法府の形であるということで、非常に私は賛成をするわけであります。ところが、われわれのほうの党としても、いわゆる中小企業者の事業分野の確保に関する法案、あるいはまた中小企業省というものを設置をしてもらいたい、こういう法案が出ているわけであります。ところが、それは全然審議の対象にならないで、この電気工事業法だけが特に取り上げられたというその理由は一体どこにあるのか。ということは、われわれのほうで出している法案とこの法案との比重を別に比べるつもりはありませんけれども、どう考えてもわれわれから出した法案のほうがきわめて重要性があると見ているのです。電気工事に携わる者については、もちろんきわめて重要なことでありましょうけれども、全体的に見れば、わが党提案のほうがはるかに比重が重い、こういう自信を持っておるのでありますけれども、それが全然審議の対象にならぬで、これだけが取り上げられる、それだけの重要な意味を持っているのかどうかという疑問を私は感ずるわけです。その点についての御説明を願いたいのです。
○浦野委員長代理 お答え申し上げます。 委員長がおらないので代理ですが、長い間の話し合いをいたしておりましたが、ようやく話もまとまりまして、これの審議に入ったわけでありますが、順次提出された法案は審議をする予定になっておると思います。
○石川委員 いまの委員長の答弁は答弁にならぬと思うのですよ。われわれのほうも事業分野の確保とか、中小企業省の設置に関しては、何回も毎回出しております。今度初めて出した法案じゃないのですよ。ところが、これは全然取り上げられない。立法府として、どうも日本の議会はおかしいじゃないかと思うのですけれども、こういう重要な法案は何としても一応、成立、不成立は別として、審議の対象にしなければ、立法府の完全な責任を果したということにはならないのではないか。政府提案のものだけが取り上げられるのですが、まあこれも議員立法でありますけれども、議員立法の中で考えた場合には、この法案がわれわれが出した法案より長くかかっておるというわけでもないし、われわれのほうもずいぶん古くから出しているわけです。このほうが比重が重いとはどうしても考えられないという意味で、なぜこれが出されるようになったかということについて、非常に私は疑問を持っておるわけです。その点をまず最初に申し上げておきます。 それでは、建設省のほうからお見えになっておるようでありますからひとつ伺いたいのでありますが、建設業法で最後に別表としてたくさん建設業の中身が出ております。たとえば第一番が大工工事、二番目が左官工事、きょう審議をされる対象のものは、六番目として電気配線工事、ずっと以下ありまして、ブロック工事が二十四番目ということで、大体二十四に分類をされておるわけです。建設業法の改正の問題は、きょうから建設委員会のほうで審議が始まっておるようでありますけれども、実はこの法案はどこで——商工委員会で扱うのがほんとうか、あるいは建設委員会で扱うのがほんとうかということで、いろいろな議論の末に商工委員会に付託になったわけでありますけれども、建設省としては、こういう業種が二十四もありますから、ばらばらあとからあとから各省でもって出てくるということになると収拾がつかないんじゃないか。こういうものを一元化して、やはり建設委員会の審議の対象にし、しかも建設省として統制のしやすいようなかっこうで進められなければならぬ性質のものじゃないだろうか、こういう気がしてならないわけなんです。どうもこの電気工事業法だけがぽつんと保安というふうな大義名分を掲げて出てきたわけでありますけれども、このほかの業種もそれぞれの分野で出てくるという可能性、道を開いたことになるのではないか。そうなると、建設省としては、建設業法として大ざっぱに元締めとして押えるわけでありますけれども、収拾がつかなくなるのではないか、そういう懸念があるわけですが、その点はどうお考えになっておりますか。 それとあと一つは、商工委員会がこういうものを扱うということについて、私は建設委員会で扱うほうがより適切ではないかという個人的な考え方を持っておるわけです。その点についての御見解も明らかにしてもらいたい。
○佐土説明員 お答えいたします。御承知のように、業法の中には、業種が現行法でいきますと二十六品目ございまして、いま先生がおっしゃったようなことでございますが、きょうから審議に入りました改正法案の中においても電気工事という種目が入っておるわけでございますが、御承知のように建設業というものは、そういった二十六品目ないし二十八品目の全体の請負契約、請負業についての規定をしている業法でございます。したがって、特に電気工事の保安確保という特定の目的、非常に大事な目的でございますが、その目的のために特に立法をされる点におきましてはけっこうだと思っております。したがって、現行法の建設業のほうで電気工事の登録を受けた方は、あるいは今後受けられる方は届け出だけでよろしいということでけっこうじゃないか。特に電気工事の保安確保の点におきましては、業法の中においてはそういう規定が不十分でございますので、特にそういう特定目的のために立法をされることについては別に異存はないというふうに考えております。
○石川委員 いろいろな業法を見ると、あとから出てきそうなものが、あまり数は多くないと思いますが、しかしばらばらに業法が出てくるということになると、たいへんに複雑で難解なものになってきて、建設省の目が届かないということになる可能性はあると思います。したがって、建設業の中で電気工事だけが特に保安という面をとらえて出てきたというのですけれども、私は保安対策にはならないのではないかという感じがしてならないのです。提案者のほうでどうしてもこれを通さなければならぬということは、業者のほうから相当強い要請があって、それに基づいてこれが提案されたというふうに聞き及んでおるし、われわれのほうにも相当いろいろな陳情があるわけです。その中身はどう考えても、これは五年というのを三年に直したわけでありますけれども、労務者をやはり三年間は何となく安定して、労務者不足に対応して縛りつけるのだといっては語弊があるかもしれませんけれども、安定的にこれを雇用するという可能性が、この法案によって開かれてくるという見通しが一つあろうと思うのです。それからあと一つは、過当競争を何とか排除したい。既設業者が既得権益を守るという立場でもって、過当競争は避けたい。それから、これによって登録がいままでよりは若干むずかしい条件がつくわけでありますから、五十万円未満の軽微な事業も既設業者が主としてこれに乗り出すことができる、こういう恩典も出てくるのではないか、こういう点で私は保安対策というよりは業界の既設業者に対する対策である、こういうふうにしかこの法案はどうしても受け取れないというのが率直な私の見解であります。しからばその保安対策ということになりますと、電気事業法の六十七条だったと思いますけれども、「調査の義務」というのがあります。これは電力会社が調査機関のほうに委託をして調査することができるということになっておるわけでございますけれども、この中で、こまかいことを聞いて恐縮でありますが、技術基準に適合しているかどうかという技術基準というものは確定しておりますか。
○本田政府委員 電気事業法に伴う省令におきまして詳しく確定しております。
○石川委員 あとでそれをひとつ拝見したいと私は思うのですが、これはあとでけっこうであります。 そこで、この技術基準に適合しておるかどうかというふうな基準がひとつきまっておって、それを調査する義務が与えられておるわけでありますけれども、これはいわゆる憲法との関係で、そこに居住しておる人が入ってもらっては困るということになれば、これは立ち入り調査はできないことになっておるわけですね。それはけっこうです。この点についてもこういう保安上の対策ということになるなら、こういう点までそういうことだけで律されていいかどうかという疑問は残りますけれども、この点について質問すると非常に難解なことになりますから、この点は避けておきます。 そこで六十七条の第二項で「技術基準に適合するようにするためとるべき措置及びその措置をとらなかった場合に生ずべき結果をその所有者又は占有者に通知しなければならない。」これは通知しつばなしで、あとは野となれ山となれというかっこうですね、この法案で見ると。通知するだけであって、あとからそれが直ったかどうかということを確認するというようなことは、この法案には出ておらないのじゃないですか。
○本田政府委員 お答えいたします。調査義務に伴いまして、調査の結果、省令で定める技術基準に適合しないことを発見した場合は、御指摘のとおり第二項で通知しなければならないことになっております。通知後につきましては省令で再調査をするという規定になっております。
○石川委員 再調査というのは法案でどこに出ておりますか。
○本田政府委員 お答えいたします。施行規則で規定をいたしておるわけでございます。
○石川委員 それではその施行規則というのをあとで見せてもらいたいのでありますけれども、そういうふうな調査義務はこの法案に関する限りは通知をするだけだというふうにしかとれないようなかっこうになって、あとでその施行令があるということをいま初めて伺ったわけでありますけれども、そういうふうな調査の義務というものは電力会社自体がほとんど委託機関に委託をしてしまうという状態で、中の居住者が拒否をすれば中に入れない、そのときには全然責任を免除されるというような現在の状態がそのままにされておって、それで今度この新しい法案が出たからといって、保安がさらにきびしくなるというふうにはストレートにはなかなか行かないのではないかというような疑問が残るわけなんです。不承諾の場合、どうしても立ち入りして調査をするということは不可能ですか。念のためにちょっと伺います。
○本田政府委員 お答えいたします。他の立法例にも、所有者の意思に反して立ち入り検査を行なうということは適当でないということで、立ち入りの調査につきましては所有者の承諾を要するという考え方で規定いたしております。それから先ほどの御指摘で調査については委託をしておるということでございますが、そのとおりでございますけれども、完成した際の調査は電力会社がみずからやっておりまして、その後隔年一回ずつ検査する自後の検査を委託をして調査をいたしておるわけでございます。
○石川委員 それからこまかいことで恐縮なんでありますけれども、今度の法案の二十四条で器具の用意が必要であるということになっております。「電気工事業者は、その営業所ごとに、絶縁抵抗計その他の通商産業省令で定める器具を備えなければならない。」絶縁抵抗計、これは当然最低限用意をしなければならぬと思うのでありますけれども、この通産省令で定める器具というのはどういうようなものをいまお考えになっておりますか。
○本田政府委員 お答えいたします。絶縁抵抗計のほか、接地抵抗器それから通電試験器等をいまのところ考えておる次第でございます。
○石川委員 それは、こまかい話で恐縮なんですが、値段はどのくらいになりますか。
○本田政府委員 お答えいたします。絶縁抵抗計が大体二万円程度、それから接地抵抗器が三万円程度、通電試験器は三千円程度でございます。
○石川委員 電気工事士法第八条で、いままでは電気工事士というのはその開始の日から十日以内に都道府県知事に届け出れば、それで大体電気工事士としての認可を得て登録になった。それが今度はこのような条件が新たに加えられたわけなんでありますけれども、この届け出がなければ四十二条でもって一万円の過料というものが今度強化をされたという形になっておるわけであります。そこで、この主任技術者というものがいなければならぬということで、経験が今度の十九条でもって三年ということになっておりますけれども、三年としたその根拠はどこにありますか、提案者にひとつ伺いたい。
○海部議員 先ほど佐野委員にお答え申し上げましたように、電気工事士法というものがいまの日本のほかのいろいろな士法の中できわめてゆるやかな条件でなれるようになっておるという点が一つと、それからわが国の他の規制が、たとえば自動車の運行管理者が三年の経験、最もこれに似たような建設業法における主任技術者というものが建設工事について資格を得てから経験三年、理容師、美容師における管理者も経験三年、こういうことになっておりますので、国内法のいろいろなものと平均をとりながら、できれば私どもは五年ないし七年の経験を持ってもらうほうがより国民の電気保安のためには安全だとは思ったのでありますが、ほかのものとの勘案上三年としたわけであります。
○石川委員 こまかい点を聞きますといろいろあるのでございますけれども、基本的には、先ほど私が申し上げましたように、三年ということを新たに義務づけるということを通じて、労務者不足のおりから労務者がどうしても三年間はどこかにいなければならぬということで労務者不足の対策になっておるという面はお考えになっておりませんか。
○海部議員 必ずしも同一店におらなければならぬという規定は経験三年の中にはないわけであります。また、逆の面から申しますと、私も労働省の政務次官をしておりましたときに、弱年労働者の定着率を高めなければならぬという大きな国策もあったことも事実でございますが、この法律の中においては定着性を高めるという目的はございませんし、経験は必ずしも同じところでやらなければならぬということにはなっておりませんので、定着性の向上とは直接の関係はない、このように判断しております。
○石川委員 それは一カ所にいなければならぬということはないのですが、三年間はどうしてもやらなければならぬのだということは、定着性との関係はどうしても出てくるという感じがするわけなんで、三年間はやらなければ資格はできないのだぞ、こういうことによって定着をさせるという道はぼくは開かれておると思うのです。それは一つ業者のほうからのそういう要望が相当出たことも事実ではないか。もちろん保安対策ということも反面あることは私はあえて否定はいたしませんけれども、そういう面があるのではないかということと、やはり過当競争というものを排除する。やたらにあっちこっちできてしまったのでは困る、何としても既設業者が自分の権益を守るというと言い過ぎになるかもしれませんけれども、過当競争を排除する、こういうねらいがどうしてもある。保安対策というよりは、業者からの要請が相当強いということは、何かそこにはあるだろう。保安を強くしてくれということを業者からあえてそういう強い要請として出してくる理由はないのであります。でありますから、これはやはり過当競争を排除するというようなねらいが多分にあるのではなかろうか。保安というのはむしろそれにつけた一つの美辞麗句といいますか粉飾といいますか、そういうふうなことになるのであって、やはりねらいとしては過当競争排除ということに重点が置かれておるのではないかという懸念は消えないのでありますけれども、その点はどうお考えになっておりますか。
○海部議員 いろいろ審議の最中で議論したのでありますが、私どもは必ずしも業界の過当競争を防止するためにこの法律を立案しているものではございませんし、むしろ、私どもの想像するところでは、こういった一つの業として認められることによって自分たちの自覚と責任を高めようという業界の要望があったと思いますし、もっと具体的なことを一つ二つ申し上げますと、たとえば電気の漏電による火災の件数がずいぶんあるわけでありますけれども、一つ一つ争った場合に、それがはたしてほんとうに電気の工事の不始末による漏電による火災であったかどうか、ときどき裁判所等を通じて議論になっていることは、新聞の社会面を読んで私どもも承知をしておったところであります。そういう意味で、工事記録とか、いろいろな器具を使うとか、間違いない部品でやったとかいうようなものを明確にしておくことによって、それらの立場も非常に有利になるのではなかろうかといういろいろな問題が確かに業界のほうに対するメリットとしてあろうかとは思いますけれども、過当競争防止という考え方は私どもは少なくとも持たないで、保安の確保という面に重点を置いて立案をしたつもりでございます。
○石川委員 これは意見の相違で、もちろん保安を強化するためにある程度の規制をするということはわからぬことはないわけなんです。しかしながら、業界が相当熱心に要請をしたというのは、私は保安ということだけでは考えられない。やはりこれは過当競争というものを排除して、労務者をある程度定着させるというねらいを持った法案であるということは否定できないのであります。保安だけでこれほどむきになるということは、どう考えても常識的に考えられないという感じがしてならないわけであります。 もう一つは、五十万以下の軽微な工事については、こういう登録とかなんとかから除外されておったわけでありますけれども、今度はこういうものについても登録がなければ仕事はできないということになるわけですね。念のために伺います。
○本田政府委員 御指摘のとおりでございます。
○石川委員 それで五十万円以下の仕事もいままでは保安上の問題は多少あると思いますけれども、そういう仕事もちゃんとした主任電気工事士というような資格がなければできぬということになって、いままで軽微な仕事を登録だけで済ましておった人が、それができなくなる。これは保安というものと裏表になる問題ですから、いろいろ見解の相違が出てくると思うのでありますけれども、やはり既得権益というものが侵害されておるという点は否定できない事実だろうと思うのです。そういう点で、ほんとうに純粋に保安ということだけで考えるということがあるとすれば、その点は、私は全面的に否定はいたしませんけれども、どうも既存業者が、いま私が申し上げましたように、労務者をこれでもってある程度定着をさせる方途が見出されるのではないかというねらいと、一匹オオカミのような業者がどんどん続生してくるということを防ぐ意味での過当競争というものを排除するねらいと、それから五十万以下の仕事も登録業者が規制がきびしくなるということを通じて、既設業者がどんどん出ていってその分野が広がっていくというようなことを含めてのこの法案のねらいではないかということを考えておるわけなんです。 こまかいことはいろいろありますけれども、審議に協力をするという意味で、一応見解を披瀝いたしまして、議員立法というものはこういうふうに審議をされるという前例をつくられたことに対して敬意を表しますついでに、わが党が出したきわめて重要であると思われる法案についても十分に審議をする機会を与えてもらいたい。これは委員長に強く要望しておきます。この点につきましてはこれで質問をやめますけれども、どう考えても釈然としないということだけははっきり申し上げておきます。保安対策だけというような大義名分は非常にりっぱなのでございますけれども、どう考えてもそれだけではない、これは業界対策であるというような感じがしてならないわけでございまして、その点の意見だけを申し上げて私の質問を終わります。(拍手)
○浦野委員長代理 後藤俊男君。
○後藤委員 先ほどからいろいろと御質問なり回答を聞いておったわけでございますが、いままで、この前でございますか、電気工事業を営む者の営業所の登録等に関する法律案というものが国会に提案されまして、廃案になったというようなことで、過去五カ年間くらい、この問題については審議が続いたようなかっこうになっておると思うわけなんです。 そこで、先ほどの通産省関係の皆さんの答弁なり、あるいは議員提案でございますから担当者の御答弁なんか聞いておりましても、保安が第一の目的であるということははっきり御回答なさっておるわけでございますが、それほど保安が大切だということなら、議員提案ではなしに政府提案にすべきではないか。しかも、過去五年間も論議されまして、相変わらず、先ほどどなたか私存じませんが、こういうような法律ができましてもけっこうでございますというような回答をされておったようでございますが、私がいま申し上げましたように、通産省として、ほんとうに電気工事問題で保安が大切だ、どうしてもこれをなぶる必要があるというなら、本質的に政府提案として十分なる論議を行なうのが筋ではないかと私は考えるわけでございますが、この点ひとつ通産省の責任者にお尋ねをいたしたいと思います。
○本田政府委員 お答えいたします。保安確保法として政府提案で提出すべきではないかという御質問でございますが、従来建設業法におきまして、この電気工事業はその建設業法の規制を受ける一つの工事の種類ということに相なっておりまして、建設業法の対象ということになっております。当省といたしましては、電気工事業につきまして、その保安確保という意味で保安の面からの監督をいたしてまいっておったわけでございますが、電気工事業につきまして、保安の必要上これを規制するための法律を考えるという点に相なりますと、建設業法の一環としてやるべきか、一般電気工作物の保安の確保法としてやるべきかということにつきまして従来は意見の一致を見るに至らなかったわけでございまして、政府として提案する意見の統一が見られなかったということのために出せなかったのが実情でございます。議員提案の形でいろいろ御審議をやっていただく過程におきまして、先ほどの御答弁をいただけるような状態に相なってはおりますが、従来の経緯はそういう経緯でございましたので、政府提案としてはお出しいたさなかったということでございます。
○後藤委員 そうしますと、いまお答えになりましたように、政府としては意見が一致しないので提案しなかった、いわば通産省関係、建設省関係が建設業法の中に含まれているというような関係で、現在においても政府の考え方は統一されておらない、こういうふうに考えていいわけですか。
○本田政府委員 お答えいたします。この法案に関しては、先ほど建設省からもお答えがありましたように、電気工事業法という形で電気工事を規制するということについては考え方が統一されておるわけであります。
○後藤委員 私は時間が十分ございませんが、今度のこの電気工事業法の案につきましては、先ほども説明がございましたように、建設業法の中には二十何種類の専門的な工事があるわけでありますが、この中でなぜ一体電気工事業だけを抽出したような形で特別に立法しなければいけないか、保安保安ということを考えるならば、この建設業法の中身の改正なり、あるいは電気工事士法の中身の改正によって十分やれるのではないかと思うわけです。たとえば登録の問題にいたしましても、これは建設業法の中にもあるわけなんです。さらに、この登録基準の問題等につきましても、これはやろうと思えば建設業法の中の一部改正なり、あるいは建設大臣の告示を直す、こういう方向でもっていけばやれるわけなんです。さらに営業所ごとの登録の問題につきましても意見のあるところでございますけれども、現在の建設業法と重複はしないようになっております。これも別に新しい法律をつくってとやかくいう筋合いのものでもないと私は思います。それから登録簿の謄本の問題なり標識の掲示の問題、これらの問題につきましても建設業法によって十分やろうと思えばやれるわけなんです。それから主任電気工事士の設置、これは第十九条でございますが、これらの問題につきましても、建設業法の第二十六条によって主任技術者を設置するというように義務づけてもおるわけでございますから、いわば建設業法を改正することによって、ある程度直すことによって、今度新しく制定されようとしておるものと同じようなかっこうにやろうと思えばできるわけなんです。それからさらには電気用品の問題です。これは先ほども提案者からいろいろ説明がございまして、悪い用品を使う云々という問題がございましたけれども、これらの問題につきましても、電気工事士法なりあるいは建設業法の第二十八条でございますか、誤った用品を使った場合には十分罰則ということもあるようでございます。 こうして一つ一つ考えていきますと、あえて新しくこういう法律をつくられる、しかも二十幾つある中でこれだけ取り出して、特に電気は保安が大事だから保安が大事だからということで新しく制定されようとされる気持ちが私にはわからぬのであります。ほんとうに保安を確保するという考え方に立つならば、建設業法の中で現在提案されておるのと同じようなかっこうで一部改正なり手直しをすれば、目的は達することができると私は考えるわけでございますけれども、それをあえてこういうふうに新しく電気工事業の業務の適正化に関する法律案というものを出さなければいけないという理由について御説明をお願いいたしたいと思います。
○海部議員 御指摘のように、建設業法の中の一部分として電気配線工事というものが規定されておることはそのとおりでありますけれども、建設業法は、土木建築等に関する各種の工事について、請負関係の適正化など、建設工事としての総合的な観点から工事業者を規制することによって健全な発達に資することを目的としておられるわけでありまして、その一分野として規制を受けますが、しかし半面、電気工事士というものの資格を置き、それから電力会社を監督しておる通産省の中において、業として営んでおる者が全然野放しになっておるというのでは片手落ちだという考え方を私どもは強く持ったわけでありますし、さらにいうならば、建設業法のほうは五十万円以上の工事に限定されておるわけでありますが、一般に町の電気工事屋さんが行ないますたとえば木造平屋建ての電気配線工事なんというものは、とても五十万円に及ばざることはなはだ遠いわけでございまして、五十万円以下の工事は完全に業として野放しになっておるということは保安の見地から見てたいへんなことではなかろうかという感じがいたしましたので、この建設業法の規制を受けておらない、むしろ一般の町の人々に関する法案を通産省のほうで責任を持つべきではなかろうか、こういう考え方がこれを提案した私どもの根本的な考えでございます。
○後藤委員 いま答弁されました五十万円以下について現在野放しになっておる、これは企業局長にお尋ねしますが、建設業法でそういうことになっておりますか。
○本田政府委員 お答えいたします。政令で一件の請負金額が五十万円以上のものについて登録の義務が課されております。
○後藤委員 五十万円以上のことを聞いておるわけじゃないのです。五十万円以下のことについて聞いておるのです。五十万円以下についても電気工事等を行なった場合にはどうこうということがあると思うのです。いま海部さんは、全然野放しになっておると言われましたが、そうじゃないと私は思うのですが、その点お尋ねしておるわけです。
○本田政府委員 一件五十万円以上のものが登録の条件になっておりますので、一件請負金額五十万円以下の電気工事については登録の制度にかからない、したがって主任技術者を設置する義務もないというふうになってまいるわけでございます。
○後藤委員 くどいようなことを言いますけれども、登録云々のことを聞いておるわけじゃないのです。五十万円以下につきましても、届け出をさせようと思えば、こういう工事をやったと届け出をさせることに現在でもなっておるのじゃないですか。その点をお尋ねしておるわけなんです。
○本田政府委員 お答えいたします。現行の政令の規定では、野放しといいますか、そういうものに対する規制はございません。
○後藤委員 第八条ですか、「電気工事士は、電気工事の業務を開始したときは、その開始の日から十日以内に、通商産業省令で定める事項を都道府県知事に届け出なければならない。届け出た事項に変更があったとき、又はその業務を廃止したときも、同様とする。」これは電気工事士法の中にあるわけなんです。そうすれば海部さんの言われるように、五十万円以下は野放しであって、全然何にもわからないということにならないと思うのです、改正法の中でこうなっておりますから。その点いかがですか。
○本田政府委員 お答えいたします。電気工事士法は電気工事の作業に従事する者の資格義務をきめておるわけでございまして、これを雇用して電気工事を業として営む者とは関係がないわけでございます。したがって作業者としての電気工事士は届け出を要して、業の廃止についても届け出を要するということで、電気工事業者としては別でございます。
○後藤委員 そうすると、いまあなたが言われましたように、業者としては届け出る必要がない、ただし施工者としての電気工事をやった人は五十万円以下の工事といえども県知事に届け出なければならない、こういうふうになっておるわけですね。そうなりますと、保安の確保という点から考えるなら、五十万円以下につきましても野放しではないわけなんです。直接工事をやった人がこういうふうな工事をやりましたと届け出ることになっているのでしょう。ただ私は、業者が届けるとか工事をした人が届けるとかいうことではなしに、あくまでも保安確保という点から考えた場合に、第八条によって届け出ることになっておるということは、五十万円以下が野放しになっておるということにはならないと思うわけなんです。そういうような点から考えてまいりますと、今回出された新しい法律案は、電気工事士法の内容なりあるいは建設業法の一部改正なりによって、しかも建築というのは総合産業でございまして、二十幾つの専門業者が寄って一つの建築を行なう、非常に関連性の深い問題なんですね。ただ、電気工事業だけを取り出して新しく法律を制定するというようなことになると、作業上考えましても円満にうまく行かないだろうというような、いろいろな支障を感ずる点が出てくるのではないかと考えるわけでございますが、なぜ一体そういうふうな方向で政府として考えなかったのか、この点を重ねてお尋ねいたしたいと思います。
○本田政府委員 お答えいたします。先ほど御指摘の電気工事士法の八条の届け出は、電気工事士として業務を開始した場合に届け出る。届け出の内容に変更があった場合あるいは廃止した場合も届け出なければならないということでございまして、請負い金額がどうこうということではなくて、その当事者が電気工事作業に従事する業務を始めたということで、だれそれが電気工事の作業に従事しておるということを届け出るわけでございます。 いま問題になっておりますのは、電気工事が、一般用の電気工作物につきましては、保安の責任は最終的にはその所有者の責任になっておりまして、一般需要家が保安の責任者ということになっております。工事を頼んだ際に、先ほども御答弁がありましたけれども、十分これを監督して安全な工事を実施することにつきまして監督する十分な知識を持っておりません。したがって、委託を受けた電気工事者が安全な工事を実施しなければならないという社会的な責務を負っておるわけでございます。この責務を達成するための一つの方法として、電気工事士法によりまして、電気工事士でなければ電気工事ができないということで作業従事者について制限いたしておりますから、これをさらに徹底するためには、電気工事業者自身につきましてもその責務を十分確保するような措置が必要だという意味で電気工事業法が必要であるというふうに考える次第でございます。
○後藤委員 提案者に重ねてお尋ねいたしますが、先ほど申し上げましたように、登録の問題から、適用除外の範囲の問題なり、登録の基準の問題なり、さらには登録のやり方の問題、あるいは登録簿の謄本の問題、あるいは標識の掲示の問題、あるいは主任電気工事士の職務の問題なり、さらには電気工事士以外の者の工事の禁止及び用品使用の制限、さらに帳簿の記載及び保存の義務、あるいは業務改善命令、登録の取り消し、大体これらのことが中心になっておると思うのです。これらのことは、ほとんど建設業法の中に入っておるわけなんです。そうだといたしますと、先ほどから論議がありましたように、二十幾つの業者の中で、これだけ取り出して新しく別の法律をつくるということよりかは、同じように保安の確保ができるというのならば、建設業法の中で一部改正をしていく、そのほうが、私は一番正しい筋の通ったやり方ではないかと思うわけなんです。どうしても新しい法律を制定せぬことには、この分が建設業法ではやれないんだというふうな点があったら、お答えいただきたいと思います。
○海部議員 簡単にお答えいたしますと、二十万人の電気工事士、約二万九千の電気工事店の中で建設業法の登録を現実に受けておる者は一割とわずかであると私は承っております。ですから、ほとんどの人が——私が、野放しだと言ったのは、建設業法の監督、規制の面から野放しになっておる、マジョリティーどころか、ほとんど大半であるというような考え方。それから五十万円以上の工事をやるような人はそれなりに自己防衛の方策等も考えておりますけれども、二万円、一万円という零細な配線工事をやる一般家庭は、とてもそこまで自己防衛の設備はございませんし、先ほど後藤委員御指摘のように、保安協会の調査官も立ち入り拒否にあえばそれまでであって、一般民法上の代執行といいますか、強制的な保安確保はできぬようになっておりますので、どうしても十分に保安の確保がはかられていないという考え方を持っております。 そこで、ここまで申し上げていいかどうかわかりませんが、ある時期私どものほうと建設省のほうといろいろお話しをいたしまして、それならばいっそ五十万円以上の工事というのを五千円までぐらいに下げられぬかどうか、それができるとするならばもう一回別の角度から考え直す必要があるんだという議論をしたことは確かにございました。しかし建設業法そのものの面から言いますと、工事金額をそんなに下に下げることはきわめて困難だという状況が、ずっとわれわれとの話し合いの中にあったことは事実でございまして、自民党の建設部会と商工部会の議論のときもその問題は相当議論されたわけでありますが、工事金額を下まで下げて、それぞれ全部の業に適正なる規制をはかることは不可能だというような結論に達しましたので、話し合いがついてこういうことになったのだ、私はこういうふうにお答え申し上げたいと思います。
○後藤委員 それでは提案者に重ねてお尋ねしますが、あくまでも保安確保ということが目的である。これは第一条に書いてあるわけでありますから、そこで考えられることは工事の施工者あるいは業者、これが中心に保安確保というような法案になっておると思うのです。たとえば電力の供給会社、電気事業法によるあれです、電気を売るほうなんです。たとえば一軒の家で配線が悪いあるいは漏電をしておる、そういう場合があったにしたところで、電力会社は今日何も知らず電気だけ送るわけなんです。そこに火災が起こるわけなんです。保安確保保安確保というのなら、電気事業法の中でもっと電力会社のほうへ責任を持たせる、以前はそういうふうになっておったと思いますけれども、その点をもっと考えるべきではないかと私は思うわけですが、この点いかがですか。
○本田政府委員 お答えいたします。新電気事業法の以前におきましては、御指摘のように電力会社がその保安の責任を負っておったわけでございます。しかしながら、その当時は屋内配線まで電力会社が所有しておったという事情を背景にして保安責任が定められておったわけでございますが、最近のように屋内配線は一般需要家の所有ということになりまして、結局所有権も立ち入りについてもいろいろ問題がございますが、こういう事情のもとで保安責任を課すのが適当かどうかという事情とからみまして、現在の電気事業法では省令で定める技術基準に適合しているかどうかについての調査義務を課しまして、そして調査の結果、技術基準に適合しないために災害のおそれがある場合には、その需要家に通知する、そうして通知に伴いまして所要の措置をとってもらいまして、そのあと再調査をしてその保安の安全を確認するという体制になっておるわけでございます。しかも検査につきましては、一般用の電気工作物が設置されたときに、あるいは変更の工事が完成したときに調査を行ないまして、その後は二年に一回、隔年に一回ずつ調査をして保安状況を確認していくということに相なっておる次第でございます。一応現在の電気工作物の所有関係その他からいって、こういう形で保安を確保するという形でいくのが適当であろうということで、先般の電気事業法の改正の際に規定をした次第でございます。
○後藤委員 いま御説明ありましたように、電力会社としては調査をする。その調査につきましても、利用者に拒否されたら調査できなくなるわけですね。そういうふうな不安な面もあると思いますけれども、ただ、私は、電気関係の工事業者の保安確保という目的で考えるという点も必要であろうと思いますけれども、供給するほうのいわゆる電力会社、これらに対しましても、保安に対する責任というのは当然考えてしかるべきだと私は思うわけなんです。現在の法律がどうなっておる、こうなっておるは別問題といたしまして、これは当然それだけの義務があると思うわけなんです。先ほども言いましたように、配線がどうであろうと、漏電しておろうとどうであろうと、電力会社のほうはどんどんと送電をしていく、そこに災害が起こる、こういうふうなことにもなろうと思いますから、ぜひひとつこの点は今後の問題として考えていく必要があろうと思います。 それからもう一つ、最後に海部さんにお尋ねしたいのですが、三年間の問題ですね。これは何べんも何べんも出るわけです。電気工事士というのは、いわば最終的には国家試験ですね。国家試験に受かって、しかも実務三年がないことには、もうあかね、やれない、開業できない。端的な言い方をしますと、保安確保を目標にした営業制限法である、ある一部の人はこういうことを言っておる人もあるわけなんです。ただ私、三年の実務がなければいかぬとかどうこうということを考えるならば、電気工事士法の電気工事士の試験ですね、この内容等を考えると、電気工事士に対しましては、いわゆる社会的にも経済的にも地位の向上をはかるような方向へ位置づける、そのことのほうが根本的問題の解決のためにもなるのではないかと考えるわけでございますので、先ほども石川委員のほうから、三年間の制限というのはいろいろと影響を及ぼす。先ほどのあなたの説明でございますと、二万九千人のうち四千人、四千人のうち現在やっておる人は経過措置でいいのだから、それより減るのだ、こういうような問題ですが、これからの問題としては、どれだけ出てくるかわからぬわけなんですね。これから百年、二百年を考えますと、現在はそうですけれども、何十万、何百万出てくると思うわけなんです。これがこのままでいったとすると、かなり大きな影響が私はあると思うわけですけれども、これが五年になり三年になった。五年になり、三年になったら、これはゼロにしたらどうだ、現状のままで一体いかぬのかどうか、現状のままでいかぬというのは、何か一体理由があるのか。過去そういうふうな問題があったのかどうかというような点があれば、ひとつ簡単でけっこうですからお答えいただきたいと思います。
○海部議員 これは議論のいろいろ分かれるところでございますが、私どもは、率直に申し上げて、家庭の電気配線工事を業として営む責任者の人が、中学を卒業された十六歳の方ですと、その人に対して侮辱して言うわけじゃありませんが、どうしても不安だという気持ちが国民の中にはあるのではないかという気がいたします。同時に、諸外国の立法例等を調べましても、先ほど詳しく申し上げましたように、非常にきびしく規制をしてやっております。ですから、保安確保のためには、私どもはできれば五年なり七年なりの経験がほしかったと思うのでありますけれども、ほかの法律とのバランスを考えて三年間ということにしたわけでありまして、これによって具体的にどうなるかということはわかりませんが、より安全が確保されていくことだけは間違いない、こう信じております。
○後藤委員 時間がまいりましたので、もう私は終わりますけれども、先ほどから繰り返しておりますように、この新しい法律をつくることにつきましては、私としてはこれは反対でございまして、先ほどからいろいろ言っておるように、今度の新しい立法の中の七つ八つの点を考えてみても、ほとんど建設業法の中でこなすことができる、一部改正によってその目的は達成することができるというふうに思うわけです。 それから、さらにいま言われました三年間の実績ですね。これは三年より五年がよかろう、五年より十年がよかろう、そういう理屈は理屈としては一応もっともなように聞こえるのですけれども、少なくとも国家試験で電気工事士の免許を取った、合格した、こういうふうになれば、それだけの資格があるわけです。資格のある者を三年間資格を与えないということと一緒だと思うのです、実際問題としてやれないのですから。だからこういうふうに制限することにつきましてもなお慎重に考える必要がありますし、私としてはこれは反対でございます。ここでとやかく言っておりましても、きょうは質問でございますから、大略自分の考え方だけを最後に簡単に申し上げまして、私の質問を終わります。
○中谷委員 ちょっと一点だけ関連して質問をいたします。 これは保安確保だということなんですが、一生懸命におつくりになった法案のようですが、この点は一体どうなりますか。二十七条の一号「電気工事業者が故意又は過失により電気工事を粗雑にしたために危険及び障害が発生したとき、又は発生するおそれが大であるとき。」「発生するおそれが大であるとき。」というのは、要するに明白かつ現存の危険がある、こういう場合でございますね。この点については「命ずることができる。」その命じたことについて聞かなかった場合には、二十八条による登録の取り消し等の処分がある。その登録の取り消しについては三十条に聴聞の規定がある。聴聞については三十一条に聴聞の処分に対する不服申し立ての規定がある。 そこで、たとえば砂利採取法などについては、明白かつ現存の危険がある場合については、命じて聞かなかった者には直ちに停止命令を出すことができますね。この二十七条の一号の規定によりますと、こうしなさいということを命ずることができるけれども、緊急停止の命令がなされない。そういたしますと、あとゆっくり聴聞で争うということになれば、結局失火その他の問題が出てくることについての差しとめができないことになっておるわけですね、この条文の規定では。ほかの、器具を用意しなかったということについては罰則等の規定がありまして、これは私法律家としてかなり重い罰則が規定されておると思うのです。アンバランスであると思うのです。しかし問題は、消費者の立場に立ちまして一点だけ関連でお尋ねいたしたいのは、差しとめ命令の規定がないが、これはどういう立法趣旨に基づくのか、この点をお答えいただきたい。
○海部議員 あまり専門家じゃありませんので、私の答弁で御満足いかなかったら政府委員にまたお聞き願いたいと思います。 〔浦野委員長代理退席、委員長着席〕 急迫しておる現存の危険があるときは、電力会社のほうは送電を停止できることになっておるそうでございます。これは一方的な措置であります。おっしゃるように、二十八条一項四号の事業の全部もしくは一部の停止を命ずるための聴聞という手続がややこしいのではなかろうか、これは二十七条違反は、二十八条によってその事業の全部もしくは一部の停止を命ずることができる、事業の停止命令まではこの法案で規定されております。急迫しておる緊急事態に対しては、送電を停止するということで危険の発生を現実的に防止するようになっておる、こういうことでございます。
○中谷委員 要するにこういうことですね。関連ですから簡単にお尋ねしておきますけれども、停止命令は命ずることができるけれども、この法構造によると、停止命令を聞かなかった者に対する、たとえば砂利採取法による緊急差しとめ命令などということはできない構造になっておる。だから結局その点については、片一方の二十七条の二号については、器具を備えなかったというようなものについて罰金をかましておる一かますということばは非常に俗ですけれども、そこまでともかく重い処罰をしておる。器具を用意しなかったということは、危険の発生を防止する一つの手段でございましょう。現にそのような状態が発生していることについては、差しとめ命令もできない。どうも私は、御苦心いただいておつくりになったけれども、若干体系的には粗雑という感じがいたしますね。しかしそういう法律になっているのだからやむを得ません。意見があれば答弁してください。
○本田政府委員 お答えいたします。保安上の観点から申しますと、電気事業法の調査義務に基づきまして、完成時には竣工試験をやるわけでございます。
○中谷委員 現に燃えかけているやつはどうにもならぬ。
○本田政府委員 いや、燃えかけているというのは、通電に伴ってそういう事故が起こるわけでございますから、通電前の調査によって保安を確保するということでございます。
○中谷委員 わかりました。 終わります。
○大久保委員長 塚本三郎君。
○塚本委員 この法律が上程されましたことについて、私はたいへん期待をかけております。ただ、過去の経緯等から考えてみまするとき、建設業者との関係においての調節が円満にできておるであろうかということを若干危惧をいたしております。これがただ単なるいわゆる建設業者と電気工事業者との事業分野の問題であるとするならば、私はこれが意見の対立をしておることもやむを得ないと思います。しかし保安の問題等において意見が対立しておるとするならば、事は重大だと思うわけでございます。その点話し合いの経過と提案者の見解を述べていただきたいと思います。
○海部議員 御指摘のようなことが確かに過去数年間、最初に提案しましてから何回もございました。政調会の内部で、建設業界の意見として建築部会の議員が私どもにいろいろな点を質疑してまいりました。私どももその建築部会の人々のいろいろな意見を勘案しながら、前回の営業所の登録の法律から今回の業務の適正化の法律に変わります中において、主として建設業法との二重登録の問題について話し合いをいたしまして、私どもの考えでは完全に合意をした、こう見ております。 それからもう一つは、一時複数説がございまして、電気工事士が二人以上おらなければならぬとか、ある時期には三人以上おらなければならぬとか、というような議論がありましたときに、これは零細切り捨てではないかというような意見も出てまいりましたけれども、これに対しても法案の内容を改正いたしまして合意に達した、このように理解をして、修正をした内容で今回は提案いたしております。
○塚本委員 先ほどの提案者の御説明の中で、前回までは二名の制限規定があったのを一名にした、このことによって賛成を得られるのではないかという判断のもとに提案したと言われた。実は二名を一名にしたことは、われわれの賛成を得るための次善の策であって、ほんとうに賛成を得られるということが前提となるならば一名よりも二名のほうがいいということが提案者の答弁の中に言外に述べられておるように受け取ったわけです。確かに一名であるべきだという意見が実は非公式なる各党間の折衝の中で私どもの耳に入ったことは事実でございます。しかし、そのことはすでに提案者が本委員会において冒頭に述べられておりますので、触れようといたしません。しかし、賛否を問わずに理想的な体制とするならば、提案者の立場からするならば、一名がよりベターなのか、二名がよりベターなのか、これは賛否の問題を論外として見解をお聞かせいただきたいと思います。
○海部議員 他のいろいろな条件を全部無視いたしまして、どちらがベターかといえば、私は二名がベターだと思うし、二名よりは三名がベターであると思うのです。ただし、これは非常に憲法上の問題等もございまして、どこまでも強引にこれを押し通すということは、ほかの条件といろいろぶつかるところがありまして、結局は一名にならざるを得なかった。そこで経験三年ということでよりよく国民の電気保安を確保しようということに落ちついた、このように私は思っております。
○塚本委員 そういたしますと、一名にした、しかしその歯どめとして経験三年ということをもってすりかえにしたというふうに受け取っていいのですか。
○海部議員 すりかえということばはあまり好きじゃありませんが、そのようなものだとお考えになってけっこうだと思います。
○塚本委員 そういたしますと、三名の問題が先ほどから議論になってきておりますが、もう一度、一名より二名、二名より三名のほうがよりベターだという理由はどこにあるのですか。
○海部議員 私は技術者でありませんから、政治的に判断をして、一人の人がやるよりも二人の人でやったほうが、お互いに人間でありますから、間違いや思い違いがあった場合にチェックができる、それならば三人のほうがいいのじゃなかろうかと私個人が直観的に思っているわけでありまして、同時に電気配線工事というのは、業界の方々に直接聞いてみましても、一人でできる工事というものは非常に限られたものである。しかも各電力会社が活線工事の請負い契約を結びますときは、当該工事店に二名もしくは三名以上ということもたしかあったと思いますが、複数の工事士がおらなければ契約当事者能力を認めないというのが現実になっておりますので、二人ないし三人でおやりになっておるというのが実情でもあるし、安全ではなかろうかという気がするのですが、それと憲法論とは別問題でありますので、一名ということでこちらは納得をしておるわけであります。
○塚本委員 一名より二名、二名より三名のほうがベターであるという提案者の見解がございましたけれども、当局のほうはどうでしょう。
○本田政府委員 お答えいたします。技術的に見て、電気工事の種類によりましては一人ではやりにくい工事もございますから、そういう工事も含めて全体の保安確保ということになりますと、保安の確保を十分行なうという意味で制限的な条件が出てくることもあり得ようと思います。ただ、この場合、制限登録にするというようなこととからんでまいりますと問題が生ずるというふうに考えるわけでございます。
○塚本委員 そういたしますと、この三年以上の経験ということ、いわばすりかえという表現を使いましたが、この規定が明記せられた以上は、電気工事士の免許を持っておったとしても、これは三年以下の経験でありますならば、実質的に一人では独立した工事が行ない得ないというふうに受け取っていいわけですか。
○海部議員 それは電気工事士の資格をとっていただけば、電気工事に従事していただくことはけっこうでありますから、一人で独立した工事に従事していただくことはけっこうでございます。ただ工事店のおやじになって工事の請負いをしたりいろいろしたりすることができなくなるということで、工事店の従業員として工事に参加することは一向にかまわぬわけであります。
○塚本委員 だから独立して行なうことはでき得ないというような意味ですね。
○海部議員 そういうふうに理解しております。
○塚本委員 これも先ほどの説明の中で、電気工事士として軽微な工事はできる、しかし業法によっていわゆる大きな工事等はやることができないということで、先ほどは軽微な工事、テレビなどのちょっとした修理等はできるというふうな説明があったように記憶をいたしております。しかし、そういう軽微な仕事であっても独立して行なうことはでき得ない、三年間まではどこかに雇われて、従業員としてしかやり得ないというふうに受け取るべきではないかと思いますが、どうでしょう。
○海部議員 完全に保安の確保をはかるために三年間の経験年数ということをきびしくいたしますと、先ほど御指摘のあったように、山間僻地のラジオ屋さん、テレビ屋さんという問題が出てまいりますので、軽微な工事というものは、やはり電気工事そのものが本来の目的ではなくて、電気器具物品販売に伴う事後措置といいますか、付随工事といいますか、そういったようなものには工事士の資格だけで十分でありましょう、これには三年の経験は必要ない、こういうふうにきめておるわけであります。これは保安の確保と山間僻地のほうの便宜とそこで妥協した結果である、こう思っていただいてけっこうだと思います。
○塚本委員 電気器具の問題を例に出したことはちょっと当を得なかったかと思いますが、軽微なる工事というものと、そうしていわゆる三年以上の経験を得なければならぬ、そういう保安確保に必要な工事とのその限界というものを、局長から具体的にどのところを限界としておるか、もう少し明示していただきたいと思います。
○本田政府委員 軽微な工事の内容として二つあると思います。 一つは、電気工事業法の中で、電気工事士の登録を受けずしてやれる軽微という意味では、先ほどお話がありました家庭電気器具を売った場合の配線工事のように、画一的で技術的にもきまっておるようなことで、保安上の問題がないというようなものについては、それを認めるということになっております。 それから、電気工事士法の中では、電気工事士でなければ電気工事ができない、ただし軽微なものについてはその限りではない、ただし、それは政令できめるということになっておりまして、政令できめております。電気工事士でなくともできる電気工事というものは、ソケットあるいはスイッチ等にコードを接続する工事、それから「電気機器の端子に電線をねじ止めする工事」、「積算、電流制限器又はヒューズを取り付け、又は取りはずす工事」、「電鈴」これはベルでございますが、電鈴等に使用する小型変圧器の二次側の配線工事、電線を支持する柱、腕木等の設置等の工事、地中電線用の暗渠の設置等の工事というものが、政令で、これは電気工事士でなくともできる軽微な工事ということになっております。
○塚本委員 提案の中で、第三の問題で、苦情処理の問題が提案されておるわけでありますが、通産大臣は苦情に当たってはあっせんしなければならないということが出ておりますが、これは具体的にたとえばどんなことを想定しておりますか。
○本田政府委員 お答えいたします。電気工事が行なわれまして、それが必ずしも需要者の満足を得ないために、手直ししてほしいというような要求をされて、手直しに応じないというようなことが考えられるわけでございますが、手直しの工事について、これを引き受けるようにすすめる、あるいはそれがまとまらなかったときには、他の電気工事業者をあっせんするというようなことを具体的に考えております。
○塚本委員 これは注文者との間のことですが、たとえば建築業者との問題のあっせんというようなことなんかはあり得ませんか。
○本田政府委員 いまここでお答えする段階では考えておりません。
○塚本委員 しかし、実はこの法律案の提案経過から言いますと、注文者の立場に立って保安の確保等を主体的に進めてみて、提案者の立場からするならば、私どもの受け取り方としては、より微妙な、いわゆる建設業者との問題が幾多出てくるのではなかろうか。通産大臣があっせんをしなければならぬとするならば、注文者に対する問題以上に建設業界との問題に対する通産省のあっせんが必要になるというような判断が下されるように思うのでございますけれども、いかがでございましょう。
○本田政府委員 建設業者が電気工事業者に下請契約に基づいて工事を依頼する、こういう場合の問題につきましては検討さしていただきたいと思います。
○塚本委員 もちろんそれは検討よりしかたがないかもわかりませんけれども、大きな事業量でありまするならば、発注者は独立をいたしまして発注することが普通だと思います。しかし簡単なことに対しては常に建設業者から回ってくるという受注のしかたが多いと思うのです。そうなりますと、どうしても同じ業者間における問題が多く紛争の種として出てくるのではないか。このときに一対一でいきますならば、当然いわゆる発注者であります建設業者が常に上に立つ。だからこそおそらくこのような立法化が必要になったと私は拝見いたしております。ならば、これは上と下の関係でいわゆる紛争の解決に当たらせるよりも、このときこそ通産大臣が建設業者との間においてあっせんに当たるということが主でなければならない。保安確保ということよりも、みずからいわゆる業界の立場に立ってこの法律がなされておるのだから、このこと自身は義務的に一カ条設けることにやぶさかじゃございませんけれども、本法律案の最も主たるものは、私はそういう意味で業界間の問題として上下の関係を並列的に見てもらいたいという業界の主張が、この立法化の経過の中にあると思うのです。だから通産大臣がこの問題をこそあっせんの問題としてとらえるべきだというふうに受け取っておるのですが、参考にと言ってあと回しのような発言を当局がなさったけれども、提案者はどうでしょうか。
○海部議員 正直に申し上げますと、私は消費者保護の立場からこの苦情処理の問題等は判断をしてまいりましたので、注文者の側が弱い立場でさ事業者と何らかの形でかけ合いが不調に終わった場合に、これは当然中に入って助けるべきであるという感覚でこれをまとめておりますし、建設業法のほうで苦情処理委員会というものがありまして、そちらで建設業者と電気工事業者との間の苦情は処理されるものであると私は判断いたしておりましたので、ここにはあえてそれが明文になっておりませんけれども、そのような方法でもし解決できないものであるとするならば、先ほど局長も御検討を約束しておりますが、私どももそういったことが建設業法の苦情処理委員会でやることがもし絶対に不可能であるということになれば、もう一回考えてみなければならぬ、こう思います。
○塚本委員 多くの委員が指摘されたので、私はもう終わりますが、要望として申し上げておきます。 私はこの問題の成立過程から言いますと、法律はあくまで消費者の問題であることは当然です。すべてがそこに意を用いられておりますけれども、しかしながら、にもかかわらずやはりこれが業法として立法化されます限り、業界間における問題が今日まで時日を遷延せしめた最も大きな要素ではなかろうか。そうであるとするならば、それに対するあっぜんの立場は、ひとり消費者保護の立場だけではなくして、業界安定こそがやはり消費者保護につながるのだという意味で、当局に対してやはり慎重な御検討をいただくことを希望意見として申し上げまして、私の質問を終わります。(拍手)
○大久保委員長 中村重光君。
○中村(重)委員 先ほど来質疑応答を伺っておりまして、疑問に感ずる点等多々ありますので、提案者並びに政府側に質問いたしたいと思います。 質疑応答を伺っておって、質問をいたしますメモをしておりましたので、系統的な形の質問にならないわけですが、非常に重要だと私が感じますのは、いま一人より二人、二人より三人というのがよりベターである。そこで一人以上というので登録することになったんだが、複数でない関係上三年でもって歯どめをした、そのようなお答えが提案者からあったわけです。私は、その点は提案者のせっかくのお答えですけれども、理解に苦しむのです。私が、いままで長い間この法律案を提案しようという動きに対して、でき得れば共同提案したい、消費者を守り、業者を保護し、そしてできるだけ電気工事に伴うところのいわゆる事故を防止していかなければならないという点から自民党のほうで提案をしようとして準備された中身を見る場合に、どうも適当ではないではないかということで、実は意見が一致しなかった。複数でもって任意登録をする。そうなってくると、登録を受けた業者の方たは看板をあげるんだが、登録を強制しないという任意登録であるから、登録をしない業者は看板をあげることができない。そうなってくると、業者の間に格差が生じてくる。勢い大きい業者は職員等も十分おられるので、帳簿等々の整備というものも十分できるんだけれども、一人でやるような業者というものはそういうことができなくなる。そのことは、登録を受けないで一人でやる業者が工事をします場合、その工事が疎漏であった、また監督も十分行なわれていなかったということで火災等が発生をいたしますと、消費者が非常な損害をこうむることになるではないか。消費者保護という観点からいくならば、一人で工事をやる業者であろうとも、二人でやる業者であろうとも、三人でやるような業者であろうとも、消費者保護いわゆる保安の確保という面からは当然これを区別すべきものではないのだ。そういう考え方から一人以上の強制登録というのが好ましいのではないかという考え方。同時に、三年以上の経験を有する者という点に対しましては、先ほど来提案者のお答えにもありましたように、ともかく非常に重要な大切な電気工事をするわけでございますから、やはり相当な経験を持つ技術者が必要ではなかろうか。そういうことから三年以上の経験という形で落ちついたんだろう、決して二人、三人という複数制を一人にしたから歯どめとして三年以上の経験ということにしたのではないと私は思うのです。提案者のお答えのようなことだとすると、それでは私が指摘いたしましたように、一人でやりますような工事によって、もしその工事がこの法の対象にならなかったということにおいて疎漏な工事が行なわれ、火災等が発生をした場合、消費者は泣き寝入りをしてよろしいのかということになっていくのではなかろうかと思います。その点提案者が質問に対して、その場限りの答弁と私は申し上げたいのです。質問者がこういう質問をしたから、答弁にはこう答弁をしていこうというような答弁であっては無責任だということになる。もっと責任あるひとつ答弁をしていただきたい。 もう一つは、この法律案を提案をするということは保安面からだけ考えたんだというお答えであります。私はそればかりではないと思う。やはり業者の方々に保安を十分守ってもらう。そのためには業者の経営が安定をしていくということも必要である。これは不可分の関係であると思うのであります。業者の保護をするということ、その点は確信をもってやってよろしいのではないかと思うのであります。正すだけであってはならない、守るところはやはり守っていくという態度であってしかるべきであると私は考えるのであります。そのためには、やはり保安確保という面から登録制ということを行なうことにおいて、また法案の条文にありますようないわゆる帳簿の整備であるとか、あるいは器具の備えつけであるとかいう義務を要求すると同時に、また一面金融の面あるいは税制の面、その他いろいろな面において業者の方方が十分保安を確保し得るような、責任をもってその業務を遂行し得るような措置を講じていくということが正しいのではないか。そのような信念をもって提案しておられないとするならば、私は問題であろうと思うのであります。だからして提案者は、質問に対しては確信をもって保安も守っていく、そして消費者の保護もはかってもらわなければならないし、同時に不可分の関係である業者の保護もやっていかなければならないのだという確信ある答弁がなされないのか。またそういう確信をもって御提案になったのではないのか。その点ひとつ率直にお答えが願いたいと思うのです。
○海部議員 先ほど塚本委員の御質問の中で、複数制を単数制にしたのは経験三年ですりかえたのじゃないか、こう言われまして、私はそういったことばは好きじゃないがそう御理解願ってもいたし方ないと答弁しましたのは、実は正直言うと、二名以上のほうがよりベターだと私はいまでも信じておりますし、それによってお話し合いができて共同提案できるならば、それが一番理想の姿だと思って、きょうまで努力をいたしてまいりました。いろいろな障害がございまして、それが不可能になったので、こういう段階になったわけでございますから、私といたしましては、これ以上のことはここでは申し上げるのは適当でない、こう思っております。 それから業者の保護の問題でございますが、私は何と言われても、あくまでこれは国民の保安の確保のために発案をし考えたものであります。最初にちょっと触れましたように、業界のほうも、いままで工事士の問題は規制はあるが業としては何ら認められておらなかったというこの状態から、初めて、規制は受ける、保安の確保の要請は強く受けるけれども、一応工事業として認められたということになりますと、それなりに自覚と責任もわいてくるでしょうし、組合活動その他にも熱がこもってくる。そういったことを通じて、中小企業の育成保護というようなものは、この法案以外の方法でまたこれは当然考えていかなければならぬ問題でございますし、中小企業の業種別振興というのはわが党の基本政策の一つでもございますので、その面をおろそかにしてよろしいという考えは毛頭持っておりません。ただ、この法案では保安の確保に限る、こう御理解をいただきたいと思います。
○中村(重)委員 一人よりも二人、あるいは二人よりも三人がよりベターであるとお答えになった。いまでもそのような信念が変わっておるものではない。ところが、前提としては、この法律案を提案をした目的というものはいわゆる国民の利益を守ることにあるのだと、こうおっしゃった。そのことが基本であるならば、一人よりも二人、二人よりも三人がベターだというようなことはどういうような形で結びつくのですか。私はおかしいと思う。一人の電気工事士が電気工事をやる、ところがそれは登録の対象にしてないということは、やはりこの法律案によるところの保安の規制というものが行なわれないということにつながっていくのです。いわゆる士法といわれるところの電気工事士法あるいはその他関連法によって規制をしていく以外にはないと思う。しかし、それでは不十分なんだから、電気工事——あえて私は業法と言いますが、これを提案したのだというならば、それは一人の電気工事士を対象とするところの、いま提案している法律案の態様というものこそ私はよりベターではないかと思う。だから、そうではない、やはり二人よりも三人がよりベターだということは、国民の利益を守っていくのだという基本方針には私は沿わないと思う。その点どうなんです。
○海部議員 私どもの考えておるよりベターというのと中村先生のお考えになっておるよりベターというのは、私は専門家でありませんでわかりませんが、いろいろな事故を防止したり、よりよい仕事をするためにはよりベターだと私個人が直観的に判断しておるのだということを最初に申し上げましたが、ただ、これがいろいろな面で業界の中に、零細切り捨てであるとか、あるいは先生おっしゃるように、一人の人が仕事が全くできなくなるというようなことは国民のためにはよりベターじゃないということになってきますと、そのとおりでありますから、憲法上の問題その他を勘案して一人にしたわけでありまして、私が二人、三人のほうがよりベターだといまでも思っておると申し上げましたのは、私個人の気持ちで一人でやるよりも二人、二人よりも三人でお互いにチェックしながら、協力しながらやったほうがよりよいのじゃなかろうか、私の気持ちを率直に申し上げたのでありますから、御理解いただきたいと思います。
○中村(重)委員 提案者ですから、あなたが自分のお気持ちを明らかにされることはけっこうですが、ただ、あなたの答弁の中から私がいささか不安を感じるのは、私はあくまで一人以上からの登録というものがベターであるという考え方の上に立っています。ところが、提案者がみずから一人以上の登録という形において提案をしておるのにもかかわらず、二人あるいは三人以上がよりベターであるという考え方は、あくまでその信念は変わっていないのだとおっしゃるならば、かりにこの法律案が通過をいたしまして、これが制定をされました場合、適当な機会において一あえて私は改悪と申し上げますが、これを二人あるいは三人以上の登録ということに改められるということが起こってくるのではないかという点、それからいま問題となっておる建設業法の改正に対して、登録制から許可制にしようという動きがある。そういう具体的な提案等もいまなされておるのであります。登録制から許可制という形に改めるというようなことが起こってくるのではないか。その点重要でございますから、この機会に明確にお答えを願っておきたいと思います。
○海部議員 その問題につきましては、わが党の商工部会の先輩の方々からも相当強い御希望等がございまして、私が申し上げたのはあくまで個人の気持ちでありまして、党の部会においても、これは一名の登録ということで貫くべきである、こういうお考えであります。世の中が激変でもしない限り、また与野党が完全に合意に達しない限り、先生がおっしゃるように、歯どめをなくしてどんどんふやしていこうというような考えは、いま毛頭持っておりません。はっきりお答えを申し上げさせていただきます。
○中村(重)委員 どうぞ御提案者からそういう確信のあるお答えをなさるように、いささかも疑念がないように、提案者としての責任を十分持っていただきたいと思います。 なお、先ほど来五十万円以下の電気工事は野放しだと提案者はお答えになった。ところが、わが党の後藤君からも指摘をしましたように、いわゆる電気工事士法の第八条に「届出」として、「電気工事士は、電気工事の業務を開始したときは、その開始の日から十日以内に、通商産業省令で定める事項を都道府県知事に届け出なければならない。届け出た事項に変更があったとき、又はその業務を廃止したときも、同様とする。」こういう形になっている。したがって、これは提案者がお答えになったような野放しではない。そこで、電気工事士法に基づいて、五十万円以下の工事に対しては、今日までどのような取り締まりをやってこられたのか。これは提案者からお答えを願うべきでしょうが、一応公益事業局長からお答えを願いましょう。同時に建設省からも、五十万円以上が対象になっておるわけですが、五十万円以下の工事に対しましては、この取り締まりあるいは指導、監督等は全くなさらなかったのか。その点もお答えを願ってみたいと思います。
○本田政府委員 お答えいたします。五十万円以下の工事につきましても、電気工事士法で規定がございますように、電気工事に従事する者は電気工事士の資格のある者でなければならないということで、電気工事につきましての一定の知識を持っておる者でなければ工事をしてはならない。しかも、その者は、電気用品取締法の規定に基づく合格証書を受けた電気用品を使わなければならない。さらに、これらの工事が完成した際には、先ほど御説明申し上げましたように、電気事業法に基づきまして、電気事業者が完成の際に検査を行ないまして、通電の安全性を確認した上で電気を通すというようなことで、電気工事については、その保安につきまして三つの法律でそれぞれ保安の確保をはかる方途を講じておるわけでございますが、ただ電気工事士も、通常は電気工事業者の事業主である場合もありますが、従業員として働く場合もあります。したがいまして、電気工事業者の指示に従って行動するということに伴いまして、電気工事士としての義務の履行について欠けることがあり得る可能性もありますので、電気工事業者についても規制が必要であるということによって保安を確保していこうということを考えるという次第でございます。
○佐土説明員 建設省でございますが、現行の建設業法では、先生も御承知のように、政令の金額できめるようになっておりまして、請負工事一件当たり五十万円未満のものは登録を受けなくてもやってよろしいとなっておるわけでございます。それで、現行法でいきますと、その無登録で仕事ができる場合でございますが、その場合の法律上の規定としては、たしか三十一条だと思いますが、帳簿の検査等若干の規定がございますけれども、実際上は取り締まりといいますか、関与するチャンスがなかったわけでございます。したがって、今度改正法案におきましては、そういう無許可業者につきましても、公衆に対し災害を発生したとか、発生するおそれがあるとか、あるいは具体的な契約によって不誠実な契約をしておるとかいうようなことがあった場合には、二十八条でございますけれども、監督処分に持っていきまして、指示をしたり、営業停止をしたりするというようなことを考えております。
○中村(重)委員 局長のお答えは必ずしも明確ではなかった。いわゆる電気工事士法というのは、電気工事を現に行なう者の取り締まりをする法律である、ところが、業者そのものは必ずしもその資格を持たなくてもやれる、やはり保安の確保という面からするならば、ただ仕事をする人、その工事士だけが取り締まられるのではなくて、業を行なう者がやはり業者としての責任を持つことが当然である、そういう面からこの法律案を制定し、そこで業者もこの法律において拘束し、いわゆる保安の確保をはかっていくのだ、そういうように好意的にいまの答弁は不明確でしたが、実は理解をするわけですが、そうなのかどうか。もしそうだとするならば、先ほど来同僚諸君から質問がございましたように、なぜ今日まで通産省はみずから進んで法律案を提案しようという努力をされなかったのか。しかも、四年、五年という間、こうした法律案の制定をめぐっていろいろと議論がなされてきたということは御承知のはずであります。あなたは五年前から公益事業局長をおやりになっているわけではないのですから、あなたに申し上げることはいかがなものであろうかとは思うけれども、少なくともその経過について十分あなたは検討してこられたと思うのですが、どうして法律案を提案するという積極的な努力をされなかったかという点に対しては、先ほど来の答弁では明確ではありません。したがって、その点明確にお答えが願いたいということと、それから提案者にお尋ねをいたしますが、この法律案を提案しなければならぬという積極的な理由は何なのか。現行法の電気工事士法であるとか、その他の関連法を強化することによっては不十分であるという説得力のある答弁がなされなければならぬと思うが、それらの点に対して提案者からも明確にひとつお答えを願いたい。
○本田政府委員 お答えいたします。電気工事士法と今回の電気工事業法との関係は、御指摘のとおりの考え方でございます。 それから、しからば電気工事業法の提案についてもっと積極的に努力すべきではなかったかという点でございますが、先ほども御説明申し上げましたが、電気工事業の法規制についての考え方といたしまして、われわれといたしましては、一般用電気工作物の保安確保という観点から電気工事業法の規定が必要であると考えるわけでございますが、建設省としては、建設業法の一環として電気配線工事を規制すべきであるという点で、幾らか話し合いをいたしましたが、一致を見るに至らない経緯を繰り返したものでございますから、努力はいたさなかったわけではなくて、話し合いはかなり繰り返しやったということだけを御理解いただきたいと存じます。
○海部議員 何度も申し上げまして恐縮でありますが、一般用電気工作物の責任をその占有者にまかせるということになりますと、しろうとの一般国民は、この電気配線工事その他が一体安全なのか、必要にして十分な最小限度のものになっておるのかどうか理解できないだろうということがいえると思うのです。そこで新電気事業法によって、たしか昭和四十年からだったと思いますが、その責任が設置者に移りましてから建設業法では五十万以下の工事は野放しだ、私はこう理解しております。それは登録を受けておりませんので、そう積極的な監督規制も受けておらない。ただ、電力会社のほうは保安協会をつくって調査はいたしておりますが、立ち入り権も何もない。同時に工事士の方は二十万からいらっしゃるが、どの工事をいつ、どこで、だれがということまで規制をしておく十分な裏づけがいまないのではないかという気持ちが私どもにはしておったのであります。そこで、この法律をつくりますことによって、電気工事を業として営んでおる者に責任を持ってもらって、新聞等にときどき出ますように、一体この火災は漏電事故なのか何なのかという論争のときにも、いずれにしろ直ちに責任の所在が明らかになるように、最後、詰まるところは、国民の電気保安の確保をはかるためには工事士法と建設業法だけでは不十分だという気持ちがいたしますので、この法律をつくって国民の電気保安の確保をよりはかっていきたい、こういう気持ちでございます。
○中村(重)委員 だから私がお尋ねをしたのは、いまの電気工事士法ほか電気用品取締法、電気事業法等々改正をして強化するという形で、新しい法律案を提案する必要はないということにならなかったのか、その点を十分検討されたのかということなのです。
○海部議員 申し落としましたので、一つ追加させていただきますが、確かに電気工事士法そのものにも私は検討すべき問題はあるのではないかと判断しております。特に法律的にも、未成年者の行為というものは、いろいろ制約を受けても、憲法違反にならないわけでございますけれども、諸外国の実情や、あるいは電気工事をより安全なものにし、先ほど御質問になりましたように、電気工事業界が経済的にも社会的にもより高い地位になっていくためには、工事士法そのもので工事士になってもらうときの出発点を再検討することも一つの問題点ではなかろうか、こう思ったのでありますが、これはたいへん根本的な問題に触れますし、既得権をこれこそほんとうに制限することになってまいりますので、慎重に考えなければいかぬという理由で今回は省いているわけでありますが、工事士法そのものも考えてみる必要がある。電気事業法、電気工事士法との関係は国民のためにもう一回考え直す必要がある、私はそういうふうに考えております。
○中村(重)委員 いまのあなたの電気工事士法そのものも考え画さなければならぬということは、これを強化しなくてはならぬのだということだろうと思う。ただ、私が指摘したいのは、法律をつくるということだけが急であってはならぬ。やはり現行の法律というものが不備であるならば、それを整備していくという努力がまず先に講じられなければならぬという点なのです。だからその点に対する努力が足りなかったという点は指摘したいと思うのです。私が聞きたいのは、こういう点を強化しなければならないのだけれども、強化してもなおかつこれでは不十分なんだから、いま提案しているような電気工事業の取り締まりに関する法律案を出さなければほんとうに保安の確保という点については不十分なんだという点が答弁として出てこなければ説得力がない、こう言っておるのです。そういう点が不十分だということをまず指摘したいと思うのです。 それから、先ほど公益事業局長のお答えで、一般電気工作物の保安の取り締まりということで意見が一致したということでございました。そこで五十万円以下の電気工事に対して、この法律案は働くのか、五十万円以上にはこの法律は全く働かないのか、五十万円以上の電気工事に対してはどうするのかという点をお答えを願いたい。一般電気工作物の保安取り締まりをいま提案されておるような新法でやることが適当であるというならば、現在の建設業法は不十分であるという答えにつながってくるのではないか。それならば、五十万円以下であろうと五十万円以上であろうと、ともかく幾つもの法律によって規制されるというのではなくて、やはりこの法律ならこの法律一本においていわゆる規制というものがなされてこなければ、建設業法は建設省、この法律案は通産省ですから、その間にちぐはぐが起こってくる、間隙が生ずる。保安を確保するという面について間隙を生ずるというのは問題点が出てくる憂いなしとしないのですが、それらの点に対してはどのようにお考えになっておるかお答えを願いたい。
○本田政府委員 お答えいたします。請負金額五十万円以上の工事につきましても、登録の制度についてだけは適用しないということでございまして、その他の業務に関しては適用がある。したがって、先生御指摘のとおり、一般用電気工作物の保安確保のためには電気工事業法が工事の規模の大小にかかわらず適用されるということでございます。
○佐土説明員 先ほども申し上げましたように、現行法の立場で申し上げますと、もし一件五十万円以上の請負工事を電気工事としておやりになる場合には、業法の登録を受けなければ建設業法の違反になるわけです。建設業法の規定によって登録を受けなければそういう営業をやることができないことになっておるわけです。したがって、一件あたり五十万円以上の電気工事をなさる場合には、建設業法の規定に基づいて登録をしていただく。登録をしていただけば、今度は議員立法の法案の登録を受ける必要はなくて、届け出をしてくださいという形になっておるわけです。建設業法でなぜそういう立場をとっておるかと申しますと、いろんな下請の規定とか請負契約の関係については建設業全般の問題でございますので、どうしても建設業法の分野でやりたい。しかし電気工事保安確保については、先ほど申し上げましたように特定の目的でございますので、そういう点につきましては新立法の議員立法のほうで規制を受ける、こういうふうになると思います。
○中村(重)委員 五十万円以上の工事、それから五十万円以下の工事ということでもっていわゆる規制の内容が変わってきているのです。これは工事士の点におきましても、建設業法では事業所ごとに資格者を置かなければならない。ところが、いま提案されている法律案によりますと、営業所ごとだということになっている。その他こっちのほうが非常にゆるやかになっておるというような点、これは金額の多寡によって法律が強かったり弱かったりするということは問題があると思うのです。それらの点に対しては若干問題を実は感じるわけですが、時間の関係もございますから、具体的な問題についてお尋ねをいたします。 第二十六条の帳簿の備えつけ、それによりますと、「業務に関し通商産業省令で定める事項」の記載をしなければならないということを規定しておりますが、いわゆる通商産業省令をこれからおつくりになるんだろうが、もう十分検討されておるんだろうと思う。その記載要領はどうなさるのですか。
○本田政府委員 お答えいたします。備えつける帳簿に関しましては、保存期間あるいは帳簿に記載する事項を定めることを考えておるわけでございますが、保存期間につきましては一応五年程度、それから記載すべき事項といたしましては、作業者、それから主任電気工事士、それから施工の月日、場所、工事内容、施工した場所の記録図、それから一応工事後の検査を行ないますが、検査結果の記録等を定めることを考えております。
○中村(重)委員 いまの記載も、記載をしておるのかしていないのかということも、私は立ち入り検査の対象になるんだろうと思う。だから、その記載の目的は何か。私から申し上げますが、いわゆる保安を確保するという点、これも一つあるんだろうと思う。いま一つは、こうした記載をさせるということが、保安の確保という面について国民の利益を守っていくという形に通じていくであろうと思う。同時に、先ほど石川委員からいろいろと質疑がございましたように、業者の方々の、この法律を制定してもらいたいという運動が盛んに行なわれてきている。やはりその点は業者の方方も過当競争を防止するという観点あるいはその他の点から、そうした運動を起こされるということは、これはもうその立場において肯定できるのでございます。私は、業者は業者としてみずからの業務を責任をもって遂行する、同時に、国に対してそれなりの、いわゆる保護措置についての要求をなさるということは、これはさしつかえはないと思うのであります。だがしかし、その点明確にお答えされないということに対して不満を、実は感じておるのであります。だから、いまの帳簿の整備等についても、これは業者に対してどういうメリットがあるのかという点がこの際明確にされなければなりません。同時に、非常にきびしい記載をさせるということはけっこうなんですが、一人で仕事をなさる業者の方が、朝暗いうちから夜暗くなるまで作業をしておられる。非常にきびしい帳簿の記載をするというような時間的な余裕もない。何というか相当な業務であるという形に実はなってくるということも考えなければならない。だからして、その点がおろそかになってはならないのでありますけれども、具体的にこの検査の対象としてそれをどうお考えになっておられるのかという点。 それから先ほども申し上げましたように、いわゆる業者の利益というような点は、これらのいわゆる帳簿の記載というようなことも相関連をして業者を保護するという形につながっていくのかどうか、その点についてもひとつ提案者からもお答えを願いたいと思います。
○海部議員 ただいま御質問の二十六条について私どもが政治的な立場で考えておりますことは、さっきの石川先生の御質問でございましたかお答えしたと思うのでありますが、最近新聞の社会面等に出る火災で、電気工事業者の責任でないにかかわらず電気工事業者のほうが非常に不利益な認定を受けて、最高裁まで争ったという事実もございます。私は専門家でございませんのでよくわかりませんが、一つの事件が発生して訴追を受けた場合に、全然何の証拠もございません、こちらからは反論する何ものもありませんという立場で当事者となるのが有利なのか、あるいはこの工事は確かに私がやりました、手続や配線系統図やあるいはいろいろな工事日記等を備えつけておきまして、こういう手続でこういうものを使って自分としては万遺漏なくやりました——専門語でいうと何というんですか、善良なる管理者の注意義務というのですか、そういうものをすべて果たしてやっておりますということになりますと、今度はそれを裁判官が心証を形成しますときに、そういったものがあるかないかによっても幾らか有利になってくるのではなかろうか。そういうことまで不必要にやられることはないのではないかと思いますが、もちろん私は法律専門家じゃございません。論争しようとは思いませんが、そういうような意味のメリットもあるのじゃないかという気持ちが私はするのです。あるいは一条前の第二十五条のほうも、登録を受けた者が標識を掲示しておくところは、ここに頼めば経験のある管理者がいるんだということになって、ほかの者との区別はやはりされる。これはしいて言えばメリットであろう、こう思うのですが、全体としては、やはりこの法律の中でやるのではなくて、ほかの中小企業対策全部の中でやらなければならぬのじゃないか、こういうふうに考えております。
○中村(重)委員 提案者はきわめて頭脳明晰、われわれ同僚議員としても将来を嘱目されておる提案者といたしましては、しかも四年、五年とこれを相当研究されて提案された法律案といたしましては、私は、どうも不十分な点も多々ある、またどうも不明確だという点に、案は不満を感じるわけであります。同時に政府としてきわめて無責任だということを指摘をしたいと思います。 なおこの法律案がかりに成立をいたしますと、いま電気工事士が、上部団体は全建総連といいますが、そうした労働組合に加入をしておる。そのために失業保険であるとかあるいは健康保険、実はそうした社会保険の対象になっておる。ところが、ここにこの法律案が制定をされるということになってまいりますと、いわゆる業者が業法の中において業者としてはっきり登録されることになってまいりますから、いまの既得権のある社会保険の対象からはずされることになるのではないか、この点もこの際ひとつ明確にしておいていただきたいと思います。
○海部議員 ただいまの社会保険を受けております諸制度からはずされて不利益をこうむるということは全くないと思います。現在、たとえば労災保険のごときも、これは一人親方といいますか、一人で事業をやっておる経営者も、ほんとうはこれは労働者かどうかという判定はいろいろあるのでありますが、労働省は年間平均収入を算定して、労災保険にも適用できるようにして、一部組合を皆さんがおつくりになって適用を受けておりますが、この法律で登録を受けたからといって不利益処分は断じていたしませんということは明確に申しておりますし、その他の保険制度についても不利益は行なわれないと私は思っております。
○中村(重)委員 この点は重要ですから、公益事業局長からも明確にお答え願います。
○本田政府委員 お答えいたします。現行の法運用で失業保険、健康保険が適用されておるという体制が、今回の登録業者になったということで変わるというふうには考えておりません。
○大久保委員長 岡本富夫君。
○岡本(富)委員 まず第一点といたしまして、現在までの電気工事におけるところの災害発生の状態はどういうような状態か、これについて提案者にお聞きしたいのです。
○海部議員 専門的なことでありますので、政府委員に答弁させます。
○本田政府委員 お答えいたします。一般電気工作物による感電事故につきましては、最近三年で年間八十人前後になっておりまして、そのうち死者が六十人前後ということになっております。原因別に見ますと、当人の過失、それから電気工作物の不良、あるいは自殺というような順になっております。 それから、第二の火災事故でございますが、これは最近の火災年報によりますと、年間で四千件程度起こっておりますが、そのうち火事の原因が電灯、電話等の配線に原因があるもの、あるいは配線器具に原因があるもの、漏電による発熱しやすい部分に原因があるものという三つが一応電気工事に関連があるものということで考えてみますと、大体八百件程度発生いたしております。
○岡本(富)委員 時間があれですから次に進みますけれども、そうした大事な法案についてなぜ政府提案にならなかったのか、なぜ議員立法になったのか、これについてひとつお聞きしたいのです。
○本田政府委員 お答えいたします。電気工事業というのは、電気配線工事ということで建設業法の規制を受ける業種の種類になっておりまして、法律的に建設業法の対象の分野になっております。一面、一般電気工作物につきましては、電気事業法あるいは電気用品取締法あるいは電気工事士法というもので保安の確保をはかっておるわけでございますが、一般電気工作物の保安の確保という点からまいりますと、これら三法では、電気工事業者自身に対する保安確保の責務を課するという体制になっておりませんで、この点、これを行なうことによって一般電気工作物の保安の確保をはかることが必要だというふうにわれわれは考えるわけでございますが、建設業法を所管される建設省とされましては、建設関係工事をすべて一本として建設業法として規制することが適切であるというふうにお考えになられますので、この間意見の調整がとれないために政府提案として提出するに至らなかったわけでございます。
○岡本(富)委員 そうした、いつまでも各省庁のなわ張り争い、こういうことは一日も早く解消しなければならぬ、こういうように私は思います。 次に、提案者に、営業所ごとに電気工事士、主任技師を置くわけですが、三年以上の実務を経過した人を理由としておりますけれども、これを裏返して言えば、営業の制限をはかろうとするのではないか、こういうふうにも考えられるわけですが、その点について提案者にお聞きいたします。
○海部議員 営業の制限をしようということは毛頭考えておりませんし、そのために営業所というのは、やはり工事の注文を受けたり資材の注文をしたり、常時そこに人がおって営業活動をしておる場所でありますので、そこにはやはり、頼まれたら直ちに出動して工事のできるような、あるいはさいはいの振れるような人が一人おらなければならぬということは、営業の制限という面からはちょっと問題が別になるのではなかろうか、私はこのように理解いたしております。 なお、くどいようでありますが、建設業法との二重規制でこれがよりきびしくなるのじゃないかということも一時議論が出たのでありますが、建設業法のほうは事業現場ごとに主任技術者が要るわけでありますので、別に二重規制でよりきびしくなったとも考えてはおらぬわけであります。
○岡本(富)委員 次に、先ほどもお話がありましたように、一人親方、小さな零細業者ですと、仕事を終わってから帳簿をつける——営業所ごとに帳簿を備えるということが二十六条に出ておりますけれども、これは非常に苦痛なことなのです。それで一人だれか帳簿を整理する者を置くとやはりコストに影響してくる、こういうことでありますので、これは非常に簡単にしてやらなければならぬと思うのですが、この点について提案者はいかがですか。
○本田政府委員 帳簿の備えつけにつきましては省令等でその内容をきめることになりますので、私のほうからお答えいたしますが、御指摘のように、できるだけ簡単で、しかし要点を得たものを記載することが必要だろうと思います。したがって、帳簿に関しましては、保存期間、あるいは記載事項といたしまして、作業者、主任電気工事士、施工の月日、それから施工場所、工事内容、それから配線図、最後に検査をいたしますので検査結果の記録というふうなものを記録すればいいというふうにいたしたいと考えております。
○岡本(富)委員 ここでは局長簡単にお答えになっていますけれども、これがいよいよ都道府県に参りますと、非常にきびしくなってくる。そうしてちょっと抜けているだけでも非常にきびしいことを言うのが大体役人の現在までの姿なのです。したがいまして、これは明確に簡単に、これとこれとこれとあったらいいんだというようにひとつ指示をしてもらいたいと思います。 最後に、今後、電気保安あるいはいろいろな面で規制を加えれば、今度は逆に育成措置をしてやらなければならないと思うのです。したがって電気工事業者の今後の育成についてどういう考えを持っておるか、これをひとつ、これは通産省にお聞きしたいと思います。
○本田政府委員 お答えいたします。今回電気工事業法をきめたいという考え方の中には、電気知識の乏しい一般電気需要家の電気工作物の保安の確保をはかろうということで、したがいまして、一般電気工作物の保安の確保をはかるための電気工事業者ということになりますと、国民経済的に考えましても非常に重要な役割りをになう業者ということに相なるわけでございまして、その健全な発展は保安確保の点から考えましてもきわめて重要だというふうに考えるわけでございます。さような意味で、今後登録を受けて一般電気工作物の保安の任に当たる電気工事業者につきましては、中小企業対策の面を最大限に活用いたしまして、健全な発展、育成をはかることにいたしたいというふうに考える次第でございます。
○岡本(富)委員 なぜかといいますと、いままでは必要でなかったたとえば絶縁抵抗計その他の通産省令で定める器具、こういうものを小さな零細企業では必要なときに借りてくる、こういうようなところが非常に多いわけでして、こういうものを備えつけなければならぬということになりますと、やはりある程度の金も要る。こういうことを考えますと、金融面においてもどういう処置をとるのか。これをひとつ明確にお答え願いたいと思います。
○本田政府委員 お答えいたします。営業所ごとに備える器具として絶縁抵抗計のほかに接地抵抗器、通電試験器等考えておるわけでございますが、この金額は絶縁抵抗計が二万円程度のものでございますし、接地抵抗器も三万円程度、通電試験器は三千円程度のものでございますので、それほど大きな金額のものではないということでございます。したがいまして、これらの必要な資金につきましては、国民金融公庫でも活用できる範囲のものでございますから、十分これらのものについては資金の調達ができるように考えたいというふうに考えております。
○岡本(富)委員 いまあなた簡単だ、こう答えておりますけれども、ほんとうに一人親方あるいは小さな零細企業ですと、こうした器具をちょっと買うにしましても、なかなか調達ができないものなんです。だからお互い貸し借りをして使っておる状態でもある。ですから、ひとつ今後もいろいろな面で助成をしてやるという面を特に強力に申し出ておきまして、私の質問を終わります。
○大久保委員長 これにて本案の質疑は終局いたしました。 この際、暫時休憩いたします。 午後二時二分休憩 ————◇————— 〔休憩後は会議を開くに至らなかった〕