商工委員会 第40号
- 発言数
- 173 件
- 登壇者
- 16 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1969/07/08
会議録
○大久保委員長 これより会議を開きます。 通商産業の基本施策に関する件、経済総合計画に関する件、公益事業に関する件、私的独占の禁止及び公正取引に関する件について調査を進めます。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。武藤山治君。
○武藤(山)委員 まず企画庁長官にお尋ねいたしますが、現在の景気の情勢を何と判断されるか。いろいろ企画庁の判断、大蔵省、日銀の判断、通産省の判断みなニュアンスが違うようでありますが、企画庁としては景気の動向をどのように判断されているか、長官からひとつお聞かせ願いたいと思います。
○菅野国務大臣 景気の状況につきましては、きょう閣議で報告しました月例の経済報告の中に詳しく出ておりますから、詳しいことは月例報告でごらんを願いたいと思います。 この月例報告は経済企画庁で出しますけれども、通産省、外務省、大蔵省、各省ともよく打ち合わせて出しておるのであります。したがいまして、景気の状況についても通産省、大蔵省と私たちとは違うはずはないと思うのであります。 そこで、大体結論的に申しますと、景気はよい、好況を呈しておるという一語で尽きるかと思うのでありますが、詳しいことを申し上げれば、民間の設備投資なり個人消費支出の動向を見ても顕著な拡大を続けておるというように見られまするし、国際収支の点も大幅な黒字を続けておりますので、したがいまして、今日の日本経済の状況というものは順調に推移しておるというように申し上げてよいのではないかと思うのであります。ただし、最近における日銀の貸し出しが強い増勢を示しておりまするし、卸売り物価がこのところ強含みでありまするし、また欧州の経済、通貨の問題等が不安な状態でございますので、今後の経済の動きということについてはよく慎重にこれを観測しなければならぬ、こう考えておるのであります。したがいまして、いまの状況であれば大体好況を持続するものと考えておる次第であります。
○武藤(山)委員 長官、好況が持続するという明るい判断でありまするが、大蔵省などは非常に慎重に悲観的に、大蔵大臣はこの間、第四・四半期になると国際収支は赤字になるおそれがあるかもしらぬとたいへん先行きを心配されておりますね。通産省のほうは経済は成熟段階だ、こう言っているわけですね。成熟段階というのはピークに達したことを意味しているだろうと思うのです。とすると、その成熟段階がずっと横ばいに何カ月も続くなんということは考えられない。その成熟段階というのは一定の段階でそれはダウンの傾向に進むのが資本主義の循環経済の原則ですね。そこで、一体企画庁の考える成熟段階というのはいつごろまで続くという見通しに立たれているのか。それとももう成熟段階からやや着陸方向にだんだんおりつつあるという傾向なのか。その辺の判断はどう分析されておるのですか。
○菅野国務大臣 大蔵大臣が下半期においてダウンするということは、伸び率がダウンするということを言われたと思うのでありまして、決してマイナスになるという意味ではないと思うのであります。大蔵大臣はしばしば今後五カ年間一〇%ずつの成長率であるということを言っていることは、すなわち景気がやはり持続するという意見を持っておられるのでありまして、でありますから決してマイナスになるという意味ではないと思います。 そこで問題は、やはり下期になりまして国際通貨の問題、これがいろいろ問題が起こってくると思いますが、それによって国際貿易自体に影響を及ぼしはしないかという心配をわれわれはいたしております。 そうすれば貿易も鈍化するということが心配されるのであって、そういう意味で伸び率が鈍るという意味で大蔵大臣も言われたことと思うのであります。したがって大蔵大臣と私の意見とは決して違っておるわけではないと思っております。
○武藤(山)委員 新聞報道を読んでみると、明らかに大蔵省の見解と企画庁の見通しは違っている。大蔵大臣ははっきり第四・四半期には赤字に転ずるおそれあり、こう警告を発しておるわけです。したがって金融ポジションではかなり姿勢が変わりつつある。日銀の姿勢なども、五月、六月の貸し出し増というものが前年と比較して非常に多い。たとえばけさの読売新聞などで日銀の見解を述べておりますが、これによると、五月の貸し出しは前年比六四・一%増、六月は八四%増、前年の約倍ですね。これだけの貸し出し需要というものを日銀は非常に心配している。これは景気過熱の方向に行って、そのしわ寄せがどこかにぶつかってきますね。そういうような感じから、これはいままでのように景気がただ順調である、景気は、心配ないというような表現で済まされない事態が静かに進行していると私は思うのであります。こういう点を企画庁は成熟段階ということばで言っておりますが、あなたが当分続くと言う当分というのは、どのくらいこの成熟段階が横ばいでいくということですか。私はこれは異常な成熟状況だ、したがって少々政策的配慮をしなければならぬ、こういう事態にやや入ってきたというような気もするのですが、全くそういう政策的な配慮はまだ必要ないと考えているのか。日銀ではこの貸し出し窓口の資金ポジションをかなりきつくしていこう、こういう腹をきめてきたようですね。そうすると企画庁のほうは、成熟段階で、野放しでも経済は順調なんだからという形で、こういう投資の傾向や資金需要の傾向というものをほっておいていい段階と見ているのか、この辺はどうですか。
○菅野国務大臣 私は先ほどから野放しでほっておいていいということを決して申していない。貸し出しの急激な増加あるいは卸売り物価の値上がり、国際情勢等から見て、今後の動きについては慎重に見守っていかなければならぬ、その上で善処すべきであるということを申し上げておるのであって、このまま野放しで手をこまねいておったらよいという状態ではないと思います。だからして今後一、二カ月の情勢によっては、あるいは打つべき手を打たなければならぬこともあり得ると思うのですが、いまのところでは私はまだそこまで考える必要はない。日銀総裁も私と同じ意見だと思う。先日も話し合って、大体私と同じ意見でありまして、多少警戒すべき徴候は、貸し出しの増加というようなことを見れば見られないこともないけれども、いまどうしよう、こうしようという場合ではないという意見においては私と同じ意見であります。
○武藤(山)委員 一時間の割り当て時間ですから、長官とこまかい問題を論争する時間がありませんが、たとえば長期資金の興業銀行や長期信用銀行がもうすでに資金量が枯渇してコールを取り入れていますね。こういう状態はやはり異常なんですよ。そういう異常な状態で、やはり金融面からだんだん選別されていく傾向が強くなってきている。企画庁は非常に楽観的過ぎるのではないかという感じが私はするわけですね。 そこで、それでは六月の不渡り手形の発生件数を見ると、大企業の資金需要が非常に旺盛なために資金繰りが非常に苦しくなってきているのではないか。そういう徴候がちょっと見えるような気がするのですね。つい最近の「金融財政事情」を見ると、この不渡り手形届け出数は六月は全く異常ですね。六月二十四日から三十日までの不渡り手形の枚数が出ています。二十四日が四百四十九枚、二十五日が七百九十七枚、二十六日が、三百四十五枚、二十八日になりますと二千三百七十三枚、二十九日が六百枚、こういうように去年の異常な不渡り手形をしのぐような状況が六月の不渡り手形件数として出てきている。これはやはり私は資金が非常に窮屈になってきた、その連鎖反応が中小企業の不渡り手形発生に転嫁されてきている、そういう数字を意味するのではなかろうかと思うのであります。企画庁はこの不渡り手形の発生と景気の動向とどうからみ合わせて読み取ったらいいと考えておりますか。
○菅野国務大臣 いまお話しの六月の数字は私も初めて承ったのでありますが、五月につきましては、月例の経済報告の中では、不渡り手形が減ったという報告を聞いておるのであります。それはいまのお話のとおり資金需要が非常に増大しております。したがってコールの需要も増しております。これも事実であります。しかし、幸い国際収支が黒字であります。したがって、そういう点からいま資金が窮屈になっていないと思うのです。しかし私も日銀総裁も、資金指導はしなければならぬということで、ポジション指導は日銀もやっておるのでありまして、手放しで金融をそのままほっておいているというわけではないのであって、これはもうすでに昨年の八月に窓口規制をやっておったのをやめにしまして、それでポジション指導をやるという方針で日銀がやっておりますし、われわれも手放しで放漫な貸し出しをしてもらったら困るということは一昨年来申し上げておるのであります。したがいまして、放漫な貸し出しではないと思うのです。よほどその点について貸し出しも注意しておる、こういうように私たちは考えております。いま申し上げましたとおり、民間の設備投資、消費需要の増大あるいは外国貿易が増大したというようなことで資金の需要が増してきて、したがってお話しのとおり昨年に比べて八〇%も貸し出しが増加しておるということ自体については、これは決してノーマルとは私は考えておりません。だから慎重な調査あるいは観測をしなければならぬということを申し上げておる次第であります。
○武藤(山)委員 企画庁や通産省は六月の不渡り手形発生件数、こういうものが前月と比較して、あるいは前年同期と比較して、二十四、五日ごろ から急激にふえてきているというこの傾向をどう受けとめているか、それを私は尋ねているのです。まだわかりませんか。わからないなら、まだ調査が進んでおらぬとはっきり答えてください。ただし、すでにいま発行の「金融財政事情」では全国銀行調べの数字までちゃんと載せているわけですから、本職の企画庁がわからぬはずはないと思って質問しているわけです。答えられたらきちっと答えてください。
○赤澤政府委員 ただいま御指摘の不渡り手形の発生件数でありますが、実は私のほうではまだそこまでデータを入手しておりません。したがって、まことに恐縮でございますけれども、今日のところでは、それを分析しまして、それがどういう原因であるのか、ほかの経済事情とどういう関連があるのかということは調査をいたしましてから御報告したいと思います。
○武藤(山)委員 企画庁長官、いずれにしても、私の見るところでは、発生件数に六月の中旬以後異常な変化が見られるわけです。これは経済の中にどこかにノーマルでない形のものがかなり強力に忍び寄っているということを意味していると思うのであります。したがって二、三カ月先を見なければ成熟段階の経済がどういう方向に進んでいくかわからぬというようなのんきなことでは後手に回る。経済政策というものは常に先へ先へと手を打っていかないと、現実になってからあわてたのでは非常に犠牲が多いわけでありますから、そういう点を十分ひとつ配慮して、企画庁のかじ取りを誤らぬように強く希望を申し上げておきたいと思います。 次に、新聞を見てどうも奇々怪々に思いますのは、この間の生活白書の取り扱いの問題ですね。菅野企画庁長官が閣議で報告をしたら、何か大蔵大臣がそれに批判を加えて、もう一回作業をやり直せ。そうしたら、今度は各省の担当官が、中身の数字までいじる必要はない、タイトルだけ変えればいいじゃないか。こういうことで、白書の取り扱いについてたいへん国民に疑惑を持たせた。一体、いままでの統計数字というものを基礎にしていたものを一気に変えることができるのだろうかとか、あるいは中身を変えないでタイトルだけ変えたら一体どういう意味を持つのだろうかとか、素朴な国民はあの新聞記事を読んで今度の生活白書の取り扱いに非常な疑問を持っていると思うのであります。 ここで、企画庁長官、ひとつ閣議にはかったときの様子と、あなたはこれの取り扱いについて合理的である、福田君の言うのが正しいのだという考え方なのか、企画庁の現実分析が正し心のだと考えているのか、そこらをひとつはっきりお示し願いたいと思うのであります。
○菅野国務大臣 生活白書につきましては、いろいろ取りざたされましたので、いろいろ皆さん方に疑問を持たれることになったと思うのでありますが、白書の問題につきましては、白書自体についての批判はどの大臣からも出ていないのでございまして、ただ、表現について世間の誤解を招くおそれがあることについての注意があったわけであって、たとえば副題の「生活優先への展開」ということ、生活優先ということになると、マイホームということになりはしないか、それは国民全体の生活ということで副題をつけるべきじゃないかということでありまして、本文では「国民生活優先」ということを書いてあるのですが、しかし、副題ですからできるだけ簡略にしたほうがいいということで、「国民」ということばを二字だけ取ったのでありますが、その取ったことによって国民に誤解を生ずるのであれば、「国民生活優先」というような本来のことばに直したほうがいいということで、私もそれは直していいという考えをしたのであります。 それからほかの問題で、たとえば余暇という問題、この余暇というような問題については、これは元来外国のレジャーを翻訳しておるのであります。しかし、外国のレジャーと日本のわれわれの考えている余暇とは違います。したがいまして、これを余暇と翻訳したこと自体がいいか悪いかということが問題であります。しかし、日本人は余暇ということを考えることによって、どっちかというと消極的な意味に解釈しやすい。そこで、余暇の数字で外国と比較した場合に、あまりにも日本の余暇の数字が低過ぎはしないかという疑問が出たわけです。これはわれわれ日本人が今日レジャーと称して盛んに遊びに行ったりしておるいまの現状で見ると、あまりにも数字が低過ぎはしないかという疑問が出たわけであります。しかし、この数字はこういうようなことで出しておるという説明をしたのでありまして、たとえば図書館の蔵書数あるいは公園の面積というようなことで比較してみますると、アメリカが一〇〇であれば日本が七・七%と非常に少なく感じるので、この点についてもう少しほかに比較するものがないかというような質問が出たのであります。しかし、私たちは余暇というものは外国流のレジャーと同じように解釈したいのであって、余暇というものは、これを積極的に文化的に利用するというふうにむしろ考えるべきものであるというように思うのです。御承知のとおり、戦後日本の体育なり音楽というものが発達したのは余暇のおかげだと私は思うのでありまして、そういうように、この余暇を積極的に自動的に自主的に発展せしむべきであるという考えを持っておりますので、そこで、たとえば図書館の蔵書数とかあるいは公園の面積とかいうものを諸外国と比較する数字がちょうど出ておりましたから、それをとらえて出したのでありまして、そこで、その点において国民の誤解を生じゃしないかという御注意がありましたから、私もそれを取り入れまして、それではその点について考慮しましょうということで考慮いたしまして、けさの閣議で訂正して閣議の了解を得たのでありますが、二つありまして、第一が、副題については、「生活優先への展開」という表現を「国民生活優先への展開」ということに変えました。第二点は、「生活水準指標としての余暇」という表現については、その趣旨を明確にするために「自由時間の充実」ということばに改めまして、けさ閣議で報告して、閣議の了承を得たわけであります。
○武藤(山)委員 そうすると、「自由時間の充実」ということで、中身に書いてある世界との比較の数字は全然変更はないと理解してよろしいですか。
○菅野国務大臣 その「自由時間の充実」ということの内容は前と同じでありまして、図書館の蔵書数とか公園の面積の比較でありますから、したがって、数字については訂正する必要はないのであります。
○武藤(山)委員 福田さんのいう動物園であるとかあるいは博物館、そういうようなものを計算に入れてもっと日本のパーセンテージを上げようという配慮は、いままでの統計上そういうものを使っていなかったので、そういう配慮はできないという形で拒否をしたわけですか。
○八塚政府委員 生活水準指標のつくり方といたしまして、その中にいろいろな成分といいますか、アイテムの指標を私ども求めたわけでございます。ねらいはもともと国際比較をしたいということでございましたので、国際的に定義は一定の指標を求めたいということで、当初ただいまお話しになりました博物館であるとか、美術館であるとか、あるいは動物園とかも採用できないかということで検討をいたしたのであります。正直に申しますと、外国の定義があまりはっきりしないというので一たん捨てたのでございますが、その後お話しのような御議論がございましたので、もう一度検討をしてみようという過程はあったわけでございますが、ただいま大臣が申し上げましたように、数字はこの際いじらないということになりましたので、それ以上その指標の検討を進めることはやめて、もとに復したわけでございます。
○武藤(山)委員 今度の白書で、どうも国民一人当たりの生活水準が諸外国、特に先進国と比較して日本は二十位くらいで低過ぎる、これは経済が高度成長して大いに謳歌している雰囲気から見てマッチしないという福田大蔵大臣の感じから閣議で待ったが入ったのではなかろうかと思うのですが、今度の調査の結果では、一人当たりの生活水準は世界で何番目になりますか。
○菅野国務大臣 大蔵大臣は決してそういうことは言ってないのでありますから、その点はひとつ誤解のないようにお願いいたします。 いまの数字の点については局長からお答えいたさせます。
○八塚政府委員 日本国民の消費支出の水準であるとか、あるいは所得水準であるとかということで、国際的に総生産は二位であるにもかかわらず二十位云々という御議論があるわけでありますが、私どもの今回の問題意識は、そういういわばフローと申しますか、貨幣でつかまえるだけではどうも国際的な生活水準の比較では不完全であろうということで、非貨幣的と申しますか、あるいは社会資本のストックであるとか、そういうものを何とか国際的に比較できないだろうかということで種々くふうをしたわけでございますが、御承知のように、各国の国民の生活様式であるとか、あるいは自然的な条件の相違であるとか、あるいは体格、いろいろな点においてそういう比較をすることはなかなかむずかしい、たとえば先ほど問題にありました図書館におきましても、日本の学者とアメリカの学者では図書館の利用のしかた等がやはり非常に違うというようなことで、いろいろ制約があるわけでありますが、とにかくそういう問題を少し大胆に割り切ってやってみようということで今回の指標作成をいたしたわけでございます。したがいまして、それぞれの項目によりまして、これはこれぐらいになる、これはこれぐらいになる、たとえば教育あるいは健康等は比較的高い水準にあるというふうに、実は必ずしも今回の白書では、いわゆる国民所得を使ったような二位、二十位とかいう、そういう形でむしろ問題を解決しようということはもともとなかったものでありますから、おっしゃるように、そうすると何位になるかということは必ずしも一義的には今回出ておりません。 それからもう一つは、ただいま申し上げましたように、かなりたくさんの指標をとろうといたしましたが、その条件として、各国の指標、成分の定義がそろってないといけない、あるいはそれに対応した統計がなければいけないということで、結局選び出す対象の国は限られた先進国になったわけであります。そういう関係でございますので、必ずしも何位というふうには申し上げられませんが、今回比べましたいわゆる先進国の中では、総じてなお日本は一般的に及ばないという結果になっております。
○武藤(山)委員 長官、いままで日本の国民一人当たりの所得はまあ世界二十位だ。前は二十一位だ、ベネズエラと日本とどっこいどっこいだ。ところがことしからはその何位というのを消してしまった。国民はいままで大体何位ということをバロメーターにして、日本の個人所得をもっともっと平均してふえるようにするにはどうしたらいいかということに視点を当ててお互いに考えておりましたね。そういう比較を今度取っ払ってしまって、もう十九位だ十八位だということも言わないという、この白書は何か意図があるような気がするのです。従来そういうことを発表していたのなら、今回も国民一人当たりにしたら幾らだということを発表したらいいじゃないかと思うのですが、なぜそれをことしから削るのですか。
○菅野国務大臣 一人当たりの国民所得は二十位でありまして、生活白書にははっきりたびたび書いてあります。そこで、国民総生産は世界の第二位でありますが、一人当たりの所得は二十位で、そこの違いはどこから出てきているか、どういうところにあるかということもこの白書でいろいろ究明しているわけであります。
○武藤(山)委員 それはおそらく西ドイツにしても、フランスにしても、イギリスあるいはイタリアにしても、人口が少ない。日本は人口が多い。だから一人頭にすると鉱工業生産は絶対額では非常に多いが、頭数で割ったら少なくなるということで、人口が多いということが一人頭にすればやはり少なくなる原因だと私は思うのですけれども、それにしても一人頭についての順位というものは、やはり一つの比較にはなりますからね。バロメーターにはなりますから、そういう意味で二十位なら二十位ということをやはり前面に打ち出すことが、国民によしという励みを与える一つのバロメーターの数字になると思うのです。いまの国民生活局長の答弁では、何かそういう順位の問題は一切論議、文書の中から今度はずしたという意味の先ほどの答弁だがら、私はそれはどうも意図的だという印象を受けだのであります。それははっきり白書の中にも入れてあるわけで、二十位だということはただタイトルにしてない、こういうことですか。
○菅野国務大臣 これは生活白書ですからして、生活自体のことを書いておるわけでありますが、所得とかいうことになりますと、その所得についてどうというような白書がまた出るわけですが、そこで、一人当たりの国民所得が二十位だということは、これははっきり書いてあります。昨年は二十一位であったが、ことしは二十位になったということで、そこで国民総生産が二位で一人当たりが二十位であるということに国民が非常な疑問を持っておるし、理解してない、そういう点を今度究明して、こういう点においては劣っておる、こういう点においては劣っておるということを究明しておるわけであって、決して二十位ということを隠しておるわけではありません。はっきり、それはたびたび出しておるのであります。
○武藤(山)委員 次に企画庁長官、御承知のように、経済社会発展計画の計画と現状とは、たいへん乖離しているわけですね。乖離した最大の原因は、長官は何と何であると認識をされておりますか。
○菅野国務大臣 抽象的に申し上げると大体二つあると思うのです。 一つは経済社会発展計画を策定したときと今日とは、経済の発展が予想以上であったということが一つの原因。一つは、その基礎であるところの数字が昭和四十年の最も不景気なときの数字を基礎としておりますからして、したがって全般的にその数字が小さく出てきたということ。ところが実際は経済が非常に発展してきたので、その間に違いが起こってきたということが観念的に申し上げることができる、こう思っておる次第であります。
○武藤(山)委員 二つあるといううちの二つは何ですか。一つは、策定した時期より予想以上に経済が急テンポに発展をした、一つは四十年という不況のときの数字を基礎にしたということで見通しを誤った、この二つですか。それともいまのは一つですか。この二つのことを言っておるわけですか。——こういう全く数字が乖離してしまっている発展計画というのはもう全く意味をなさない。そこで、この発展計画をいつまでに改定作業を完成するわけですか。
○菅野国務大臣 私が長官を引き受けたときに、この経済社会発展計画というものは実勢と違っておるということを知りましたので、この計画を補正したいということを申し上げまして、幸い、この経済社会発展計画の委員長も、審議会の会長もこれを了承しまして、そこでいま補正の策定に入っておるわけであって、大体年末までにこの策定が終わるのじゃないかと考えておりますが、いま各方面の知識を集めて、委員会を開いていろいろ調査研究中であります。
○武藤(山)委員 そうすると、大体ことしの年末までにはしっかりした補正が完了する、その補正をする最大の部門は、どういう部門を特に多く手直しをしなければならぬと考えておるわけですか。
○菅野国務大臣 経済社会発展計画には三大目標がありまして、経済の効率化、物価の安定、社会開発ということ、この項目を私はやはり守っていこうという考えをしております。 そこで、今後の社会においてどう変わってくるかという問題ですが、これを五カ年計画でやるか六カ年計画でやるかということはまだはっきりいたしておりません。かりに五カ年計画といたしましても、五カ年間においてどう変わってくるかということについて考えられることは、これは科学技術の発展ということが非常にいろいろ問題が起こってくると思います。それから国際化の問題、これがまた、いままで以上に日本の国際化という問題を考えていかなければならぬということが考えられる。それから情報社会化という問題も今後起こってくる問題です。こういうような問題をとらえて、今後の経済がどういうように発展するかということを考えていかなければならないし、同時に科学技術発展ということも考えますが、それによって経済は発展しますが、同時に社会問題というものをあわせて考えなければならぬ。経済社会発展計画でありますが、いままでどっちかというと経済ということを重要視してきたと思うのでありますが、今後はやはり経済と社会と両観点から、今後の日本の産業の動きということを考えていかなければならぬということで、そういう点から、たとえば公害の問題などいままで以上に重要視して取り扱うということになるものと考えておる次第であります。
○武藤(山)委員 どうも長官の答弁はさっぱり要領を得ないですな。補正にあたって最も力を入れて補正すべき点は何か、こう聞いておるわけです。たとえば、国際収支の問題が最初の計画とは全然狂ってきたから、国際収支の見通しについて、今後はこういう基礎で、こういう海外情勢なり日本の経済動向を加味してここを直さなければならぬ、その場合の輸出の動向というのはどういう動向になるだろうかとか、やはりもっと具体的に——補正すべき内容を言っておるわけじゃないのですからね。補正すべき点の最大のものは何と何と何ぐらいだろうかということを聞いておるわけです。長官の認識のほどを私は伺っておるのですから、そこをもうちょっとはっきりひとつ具体的に話してください。経済の効率化と物価の問題と公害の問題に力を入れるんだだけでは答弁にならぬですね。
○菅野国務大臣 私は基本的な問題について申し上げたのであって、目標としては、先ほど申し上げた三大目標は私変えられないと思うのです。今後経済がどう動くかということについての基本的な考え方を申し上げたのであって、具体的に、それじゃ輸出はどうする、輸入はどうなるか、あるいは国際収支はどうなるかというようなことについては、これは目下委員会でそれぞれ研究しておるのでありますからして、いま具体的にこうなるああなるということは、私としてはまだお答えするところまでいかない。いま具体的にいろいろやっておる最中でありますからして、それはまた申し上げる機会があるか、こう考えておる次第であります。
○武藤(山)委員 しかし、計画があまりにも現実と乖離をし過ぎて、全く羅針盤にならない、全く指針にならぬわけですね。ですから、その計画を一応すみやかに補正をする場合に最大の補正すべき点は何かぐらいのことはいまわかるわけでしょう。長官として、審議会の意見を聞かなくたって、どういう点とどういう点がいま最大の補正すべき問題になっちゃったのですという現実の問題なんですから、乖離をうんとしておる部分を言えばいいのでしょう。それを聞いておるのにそれを答えないというのはおかしいじゃないですか。基本目標だけ言われたんじゃだめじゃないですか。
○小沼説明員 お答え申し上げます。現在の経済社会発展計画におきましては、一応四十年代を展望して、全面的な国際化の情勢なり労働力不足の本格化なり、あるいは都市化の一そうの進展という問題を展望いたしまして進めてまいったわけでございますが、その後におきましてかなりの情勢の変化があったわけでございます。その情勢の変化につきましては、たとえば国際問題では、やはり持続的な高成長の中で国際競争力を強化していくという問題と同時に、国際的な連携を緊密化していくという新しい問題が提起されておりますし、また労働力不足の本格化という面では、さらに予想以上に産業構造の変化が出てまいっておりますし、また社会的ないろいろの問題も拡大してまいっているという状況でございます。また、都市化の一そうの進展の問題につきましては、すでにかなりの高密度社会を形成しておりますが、今後の情報化社会への展望も含めまして、すでに新全国総合開発計画の策定がなされたわけでございますが、そういう条件の変化を入れまして四十年代の後半の展望をいたしたい。その展望の中では、やはり国際化の状況の中で、さらにこの世界経済の発展の中での日本の位置というものを明らかにして対応していくということが必要でございましょうし、また高密度社会への対応といたしましては、国土全体の利用体系の再編成なり外部経済の除去という問題が出てまいります。同時に、この変化する社会、労働の条件に対応してどういうふうに政策を展開していくか、計画を策定していくかという問題があるわけでございますが、これらを踏まえまして、現在各研究委員会、各分科会におきまして検討作業を続けている次第でございます。
○武藤(山)委員 この間、輸出最高会議で、輸出の見通しについていろいろ各業界の代表も交えて積み上げたようでありますが、この輸出の動向についてここできめたような目標というのは大体確実に達成できるという——百五十億三千万ドルですか、こういう数字は、いまのヨーロッパ経済の動向やアメリカの経済動向などを十分参酌しても、これだけの目標は確実に達成できるという確信のあるこれは数字でございますか。
○菅野国務大臣 この輸出会議は、みな各業界のそれぞれベテランの人に集まっていただいて、そしていろいろ輸出目標をつくっていただいておるのでありまして、したがいまして、この最高輸出会議において決定せられました四十四年度の目標額は大体達成されるものとわれわれは見ておる次第であります。
○武藤(山)委員 これは通産大臣いないとちょっとわからないかどうか、いまアメリカが繊維の輸入制限を非常に強力に推し進めようとしている。つい最近の新聞では、関税率を引き上げてひとつ繊維について輸入制限をしよう、こういう動きまで非常に具体化されてきた、こう新聞が報道しております。化繊協会では、対ソ貿易を積極的にやって、ひとつソ連に大いに合繊の輸出をはかろう、こういうことで業界が一致して何か意思統一をしたようでありますが、こういう業界の動きに対して、ソ連圏への貿易姿勢について政府はどういう態度をおとりになっているか、ひとつ政府の見解を明らかにしてください。
○藤尾政府委員 お答えを申し上げます。 繊維の問題につきましては、もう武藤先生十二分に御承知のとおり、現在アメリカとの間にいろいろの問題をかかえておるわけであります。しかしながら、こういった問題につきましては、いずれ、私どもの主張が間違っておるとは思いませんので、私どもの考えましたとおりの方式によりましてこれを解決をいたさなければなりませんし、また必ずさしていただけるものだ、かように私どもは確信をいたしております。しかしながら、これをもちましてすべて繊維の問題が解決をするというものではございませんので、業界がその業界の将来の発展ということをお考えになられまして、各方面に対しましてその御了解を願ってお買い上げを願うという通商努力をしてまいるということは、私はきわめて歓迎すべきことであろう、かように考えております。したがいまして、政府といたしましては、こういった動きに対しまして、きわめてけっこうなことである、こういう観点で、ただいまその成果を期待しておるという段階でございます。
○武藤(山)委員 繊維局長、対ソ貿易委員会を化繊協会がつくって、特にソ連向けの繊維品の輸出をやろうということで、三年間ぐらいの協定をソ連と結びたい、こういうことが新聞報道で六月十八日ですか、大きく出ておったんでございますが、政府は、こういう業界の動きについてどういう援助をしてやろう、またどういう手だてで協力をしてやろう、そういうようなことについて何か相談したことはありますか。
○高橋(淑)政府委員 確かにいまのお話は新聞報道で承知いたしておりますが、いままでのところ、まだ化繊協会のほうから何らかの形にせよ私たちの見解ないし考え方というものを求められていることはございません。ただし、お話があれば十分承りたいと思っております。
○武藤(山)委員 重工業局長、ソ連との貿易関係でソ連はたいへん日本の船舶を注文をしてきたようでありますが、実際には去年輸出をされた船舶の数が非常に少ない。それは何が原因なのか。日本の船の価格がヨーロッパの価格より非常に高過ぎるために売れないのか、それともヨーロッパ関係の船のほうがソ連に使いやすいという機能上の問題なのか。そこいらの、日本の船舶が思うように出ないという原因は何であるか。重工業局はどう考えておりますか。同時に、去年の一応ソ連がほしかった船舶の量と実際に輸出された量との食い違いはどのくらいになりますか。
○吉光政府委員 ただいま手元に数字を持ち合わせておりませんので、数字の問題につきましては、後ほど取りまとめて御報告申し上げたいと思います。 一般的に申し上げまして、日本の船舶がヨーロッパの船舶に対して価格が高いとかどうとかというふうな事情はないものと思っております。最近におきます船舶輸出の中心は、特にシベリア開発等に向かっておりますしゅんせつ船というふうなものが相当ウエートを増しておるという状況でございまして、したがいまして、ヨーロッパに比較して日本が高過ぎるからソ連に船舶が輸出できていないという事情ではないというふうに判断いたします。
○武藤(山)委員 最後が聞こえなかったのですが、特に日本のほうが高いのですか。高い原因はどういうところにあるわけですか。とてもヨーロッパとはもう競争にならぬという決定的な状況にまで至っているわけですか。
○吉光政府委員 特に高いという事情にはないというふうに判断いたしております。
○武藤(山)委員 そうすると、いまソ連と日本の貿易のしりは輸入超過だろうと思うのですが、それはどんなぐあいになっていますか。
○宮沢(鉄)政府委員 数字につきましては、ちょっと手持ちがございませんが、ソ連と日本との関係は、いま先生おっしゃいましたように、日本の人超になっております。
○武藤(山)委員 その入超を改善するために、ソ連側では船舶を日本からたくさん買いたいということで注文をしたのだが、どうも値段の点でうまく折り合わぬ、そこで商談が成立しないと聞いておるのですが、向こうがほしいと言ってきているのに出せないというネックは何かということを聞きたいわけなんですが、おわかりになりますか。
○吉光政府委員 考えられます原因といたしましては、おそらく日本の船舶事業のほうはおおむねコンスタントな稼働をいたしておりまして、納期の点でいささかヨーロッパの船舶事業に比べまして不利があるのではないか。と同時にまた、ヨーロッパ諸国が最近いろいろな意味での輸出ドライブをかけておるという点もあるいは原因してはいないかというふうに考えられます。
○武藤(山)委員 この辺の問題は、通産大臣、この間実はソ連の大使の話を聞いて私も認識を新たにしたのでありますが、向こうは買いたい買いたいと言っているのに買い付けができない、だから片貿易になっている、何とか日本が輸入超過になっている状況を解消しなければ、お互いの国の利益のためによくない点だろうと思う、こういう演説をソ連大使がやっておったわけであります。そういう点から、なぜこれだけの生産力を持ち技術水準を持った日本が、それにもかかわらず片貿易にならなければならぬのか、私にはなかなか理解できなかったものですから、きょうはその辺をひとつはっきりさせたい、こういう趣旨で実は質問をいたしているわけなんですが、通産省として、そういう片貿易の国との関係については、特段業界にいろいろ助言をし、指導をし、あるいは片貿易解消の方向にできるだけ指導すべきだと思うのでありますが、通産大臣、そういう点はどうお考えになりますか。
○大平国務大臣 仰せのとおりでございまして、貿易は単年度をとりますといろいろありますが、長きにわたって結局バランスするというのが自然の姿だと思うのであります。非常な片貿易になっておる国につきましては、片貿易の是正のためにいろいろな経済協力、技術協力その他をかましまして、先方の理解を得るようには努力いたしておりますが、何さま日本の貿易体制は御承知のように自由貿易体制でございまして、各貿易主体がコンペティティブなベースで商談をまとめておるわけでございまして、政府がその商談の中身に介入する道は武藤先生御承知のようにないわけでございます。ただ、指導とか助言とかいう範囲におきまして、極力不当な形の片貿易の是正には、貿易政策当局といたしまして、不断の注意と努力を怠らないでまいりたいものと思います。
○武藤(山)委員 ソ連貿易については、輸出入銀行の利用あるいは決済上の不都合が他の自由主義国との比較の場合あるのですか。それはいかがですか。
○宮沢(鉄)政府委員 特にございません。
○武藤(山)委員 そうなりますと、先ほど重工業局長のおっしゃった納期の点が一番ネックになっているような気がするのであります。業界は、値段がよくて、しかも納期がゆっくりで、しかもドル圏内、そういうところから注文がたくさん来ている限り、ソ連船舶製造になかなか時期的に手が回らぬということで、やむを得ない事態だと理解する以外にない問題なんでしょうか。そこらは重工業局長、どんなぐあいに理解したらよろしいですか。
○吉光政府委員 決済条件等につきましては、先ほどのお答えがございましたように、特別の区別はいたしておりません。結局、現在の日本の船舶業界は、二年ちょっと、もっと先ぐらいまでの船舶の受注をすでに持っておりまして、したがいまして、それで現在船台がノーマルな形と申しますか、理想的な形で稼働しているという状況から、新しく船舶受注をするという点につきまして熱意が欠けておるという点は御指摘のとおりではないであろうかと思うわけでございます。結局、現状の手持ちが相当あるということが一番大きなネックではないであろうかと考えます。
○武藤(山)委員 一時間の割り当てですから、もう間もなく時間になりますので、次へ進みますが、御承知のように、日本は平和憲法を定めて、ほんとうは軍事体制というものをしないという国是をつくったわけです。しかし安保体制、安保条約のもと、だんだん軍事力が強化されてきて、平和憲法は完全に空洞化されつつある。まことに残念なことでありますが、自民党政府はそういう方向に進めてきてしまっている。そういう中で、われわれがいま関心を持たざるを得ないのは、軍需生産企業の問題、これがやがて雪だるま式に大きくなっていくという、とどのつまりどうなるだろうかという心配、こういうような問題が一つあるわけであります。 そこで、私たちは平和憲法の精神から、軍需生産というものをすべきでないという考え方に立ってものを見てきたわけでありますが、最近の傾向は、アメリカからの調達よりも国内の企業からの調達のほうがはるかに額も多くなって、国内産業が軍需化の傾向に進みつつあるわけであります。これはお二方の大臣も否定するわけにいかぬと思うのであります。そこで、そういう軍需品をつくるメーカーがどんどん生産を拡張していくという際に、軍需品だから輸出を当て込んだ生産をすべきではない、こういう見解、これがかって政府の統一見解にあったようであります。 そこで企画庁長官、菅野さんにお尋ねいたしますが、あなたが通産大臣をやっておった四十二年ですか、七月八日に、関西で新聞記者会見を現職大臣のときにおやりになりました。その新聞記事を私、とっておいたのでありますが、それによると、あなたの発言は、輸出を前提にした武器でも生産を認めていいじゃないか、こういう発言を新聞報道ではしているのであります。現在の心境はいかがですか。輸出を前提にした軍需生産を認めてもいいではないか、こういうことを当時七月八日の記者会見でしゃべっていますが、それは経過がありまして、通産大臣が当時新聞記者会見でしゃべる前に、財界から防衛装備国産化懇談会の意見、そういうものが強力に政府に働きかけがあったり、あるいは日本兵器工業会、これが防衛装備国産化と防衛産業育成に関する意見書というのを政府に出しました。で、その意見書の中に、国外への輸出についてさらに積極的な指導方針を立て、国内需要とあわせて防衛産業の安定と発展をはかることに努力すべきである、こういうことを日本兵器工業会が意見書として政府に出した。その直後に、当時の通産大臣菅野さんが新聞記者会見のときにしゃべったのを、輸出でもいいじゃないかという発言をしていると報じたわけです。そういう覚えはない、その新聞は誤報だ、いまはそう考えていない——いまどういう御見解ですか。
○菅野国務大臣 その当時のことを私、覚えていますが、それは一部の新聞が間違えてそういうことを書いたのでありまして、ほかの新聞では私の言ったことを正当に伝えているのであります。それは、武器の輸出については三原則がありまして、三原則に抵触しない武器の輸出は、それは許してもいいということであって、その武器の輸出の三原則というのは御承知だと思いますが、共産圏諸国向けの場合、あるいは国連決議によって武器等の輸出が禁止されている国向けの場合、国際紛争の当事国またはそのおそれのある国向けの場合、この三原則に抵触する場合は輸出を認めない、抵触しない場合は輸出を認めるということを言ったのであります。でありますからして、やはり武器の輸出というものは無制限に認めるというものではありません。
○武藤(山)委員 無制限に認めるものではないが、いまの三つの、共産圏の国、それから国連が禁止している国、紛争の当事国、この三つ以外の国には輸出をしてもいい、こういう見解ですか。
○菅野国務大臣 もちろんそういうような武器にいたしましても、国内に余力のある場合には輸出してもいいということになっておるのでありまして、国内に余力のない場合には、もちろん輸出用の武器を専門で製造するということは認められないわけであります。
○武藤(山)委員 そうすると、通産省担当官でけっこうですが、共産圏の国はわかります。武器輸出を国連が禁止している国、これはどこの国とどこの国か、具体的に示してください。それから政府が、通産省が考えている紛争当事国と思われる国、武器を輸出してはいかぬというその範囲に入る国はどことどこですか、明らかにしてください。
○吉光政府委員 現在国連で決議をいたしております国でございますけれども、まず南アフリカ共和国、南ローデシア、ポルトガルでございます。
○武藤(山)委員 もう一つ、政府が、通産省が業界から相談を受けたときに、これは紛争当事国だと認定してある国があるわけでしょうね。そういう紛争当事国と一応認定している国はどことどことどこですか。
○吉光政府委員 最近の端的な例でございますと、ベトナム参戦国がそうでございまして、現在参戦国として南ベトナム以外に、アメリカ、韓国、フィリピン、オーストラリア、ニュージーランド、タイの国々でございます。なお、紛争当事国であるかどうかの認定につきましては、常に外務省と緊密な連絡を保ちながら当事国であるかないかの認定を行なっております。
○武藤(山)委員 この三原則はどういう文書できめてあるのですか。ただ単に通産省の内規できめてあるのですか、閣議で決定してあるのですか、省議で決定してあるのですか、それはどうなんですか。
○吉光政府委員 通産省内部におきます内規でございますが、同時にまた政府としてもこの統一見解で運用されております。
○武藤(山)委員 現職の通産大臣大平さん、余力があればいまの三原則以外の国々には武器を輸出してもいいという見解は、大平通産大臣もそれを継承し、同じ見解でございますか。
○大平国務大臣 日本の防衛産業は、御案内のように、自衛隊の装備のうち国産化し得るものを国産化するというところが一応の目安でございまして、それ以上に輸出向けに防衛産業を育成しようというような考えは毛頭ございません。そういう方針でやってまいりまして、万一余力があった場合は、いまの三原則を順守して、それに抵触しないものは輸出を認めておるものもあります。いままで認めておるものといたしましては、護身用の拳銃が主でございますが、若干の輸出があるようでございますけれども、本体は自衛隊の装備の充足というところに防衛産業の任務があると心得ております。
○武藤(山)委員 拳銃輸出があったと思うというのですが、事務当局、拳銃輸出はどのくらい、どこの国へ輸出があったのですか。
○吉光政府委員 これは護身用の拳銃でございまして、四十年から申し上げますと、四十年におきましては、アメリカ、カナダ、スイスに約六千丁出ております。それから四十一年、同じく護身用の拳銃でございますけれども、アメリカ、スイスに約七千丁でございます。四十二年、これはアメリカ、イギリスに約一万二千丁でございます。それから四十三年、アメリカ、イタリアに約八千四百丁でございます。
○武藤(山)委員 重工業局長、拳銃以外に、たとえば防空レーダー、対戦車ミサイルMAT、あるいはTIB練習機、MU2機、こういうようなものの注文、引き合いがほかの国からあった事実がありますか。たとえば、インド、ブラジル、チリ、こういうような国から……。
○吉光政府委員 TIBあるいは対戦車ミサイルにつきましては、引き合いはございません。それから小銃につきましては引き合いが出ております。それからヘリコプターにつきましては、輸出がされております。それからMU2につきましても、アメリカ中心に輸出が行なわれております。
○武藤(山)委員 たとえばMU2機をアメリカに輸出する、アメリカが今度はそれをどこの国に売ろうが持っていこうが、それはさっきの三原則に該当しないわけですか。
○吉光政府委員 MU2は普通の小型の飛行機でございまして、軍用に使われると申しますよりか、現在はすべて民需と申しますか、会社用その他に使われておるわけでございます。
○武藤(山)委員 しかし重工業局長、防衛年鑑を読むと、そうは番いてない。防衛年鑑というのはどのくらいの権威があるか知りませんが、とにかく防衛問題についての資料としてはわれわれは最も信頼すべき書物だと思っている。そういう中では、たとえばブラジルあるいはチリの空軍がその飛行機を日本の三菱重工に一応引き合いにきたということも報道されている。だからこれは空軍が利用することのできる飛行機じゃないのですか。それはもう完全な民間航空の旅客用あるいは民間だけの輸送機、そういうものに使うばかりではないんじゃないですか。空軍が使っている場合もあるんじゃないですか。
○吉光政府委員 本来純然たる民間用の航空機なのでございますけれども、軍がこれを使用するということも可能でございます。ただ、これを軍事目的に使用いたします場合には、それを原形のままで使用するのではなくして、それに適当な変更を加えて、その上で使用するというふうなことになろうかと思います。
○武藤(山)委員 時間がないから、その論争を続けるわけにはまいりませんので、次に資料だけきちっとしておきたいのでありますが、戦闘機F104、F86、これはいままでに日本の企業で防衛庁に台数としてどのくらい売りましたか。
○蒲谷政府委員 86Fは、三菱重工で国産しまして、三百機を納入しております。それから104につきましては、104Jというのがやはり三菱重工で二百十機、それからF104DJという練習機が二十機でございます。
○武藤(山)委員 航空機の契約は全部三菱重工一社ですか。
○蒲谷政府委員 現在六社ほどございまして、三菱重工、川崎重工、富士重工、日本飛行機、あるいは新明和、その他多少ございますが、そういう会社が納めております。
○武藤(山)委員 しかし、ほとんど契約は三菱重工がやって、あとはほとんど部品程度ですか。それとも機体まで、一切仕上がるまで新明和あるいは川崎重工が担当できるのですか。
○蒲谷政府委員 ただいま申し上げました86Fなり104は戦闘機でございまして、当時の最も進んだ第一線戦闘機で、その際には、当時技術等いろいろ勘案しまして、三菱重工が仕事をしておりますけれども、その他のものにつきましては、その他の会社がそれぞれ担当しているものがございます。
○武藤(山)委員 これから注文するF4Eファントム、これはいつごろ正式に落札するのですか。そして、一機どのくらいで、これは生産を国内でさせようとしているのですか。
○蒲谷政府委員 新しく装備しますF4EJの戦闘機につきましては、通産省のほうで法律を持っておりまして、その生産の指導をしておりますが、現在三菱重工と川崎重工がそれぞれ分担して仕事をしてもらうという前提でございます。四十四年度予算で初めて御承認いただきまして、これから契約いたします。大体百四機を四十六年から五十二年までに納入するという契約でございます。 現在われわれの予算の試算の段階でございますけれども、一応私たちの試算では、一機の予算単価は、裸と申しますか、予備部品を含めませんで十六億九千三百万程度を予定しております。現実は運用上、それに予備部品が入りますので、いまのところ、全体として約十九億台になるのではないかというふうに考えております。
○武藤(山)委員 いままでで、飛行機のことは大体わかりますが、戦車、この四十三年度予算が六百七十八億円、これは一体どことどこで生産をさせるのですか。
○蒲谷政府委員 現在戦車は三菱重工でつくっております。今後の新しい戦車をどうするかは別問題でありますけれども、いままで納めました六一型戦車は、三菱重工が分担しております。
○武藤(山)委員 それからくも型護衛鑑、これも一隻二十億九千九百万ですか、かなりの単価の船でありますが、これは主としてどこへ注文しているわけですか。
○蒲谷政府委員 いま御質問の四十年型の二千トンクラス、ちょっといま会社を調べておりますが、大体このクラスは現在六社ほどの会社が対象になっておりまして、それぞれの年度によって生産の契約対象が違っております。大体、三菱、石川島、それから三井、それに舞鶴、浦賀というようなところが対象の会社でございまして、一がいに一社とはきまっておりません。いま、わかりました。いま御質問の二千トンクラスの護衛艦でありますけれども、三井、浦賀、舞鶴という三社が納入しております。
○武藤(山)委員 時間がありませんから、通産大臣、飛行機にしても戦車にしても、あるいはその他の護衛艦にしてもヘリコプターにしても、何社にもだんだん広げて完全競争をさせるような体制に持っていくほうがいいものなのか、それとも武器だから、戦争の道具だから、政府がコントロールしやすいように数少ない業者に指名してやらせるほうが将来長いことを考えた際にいいと思うのか、大臣はそこらの見解はどうお持ちでございますか。
○大平国務大臣 これは調達いたします国の経済を考えなければならぬわけでございまして、生産を集中して大量生産化していくほうが経済であるというようなものについては集中生産を考えなければいけないでございましょうが、またあなたのいわれる競争を導入したほうがいいケースもあり得ると思うので、一がいにこういう方針だと言いがたいのでございますが、ケース・バイ・ケースで国の経済になるように考えていかなければいかぬと思います。
○武藤(山)委員 私が非常に心配するのは、軍需産業がお互い競争を始めて防衛庁に働きかけ、通産省に働きかけて非常な競争が行なわれるようになってくると、軍需生産というのが雪だるま式にだんだん拡大をされていって、とてもコントロールできない、政府の指導の範疇に入らぬようになってしまう。軍と産業界が一体となって大きな圧力を持つようになっていく。このことが日本の将来に非常な危険をはらんでいるような気が私はするのであります。この間の六月十九日の新聞によると、防衛庁は新兵器開発を競作させるのだ、競争でつくらせるのだ、これが防衛庁のこれからの方針だということが大きく出ておるわけですね。そういう競作の範囲というものはどういうことを防衛庁として一体考えているのですか。装備局長の範囲じゃないのですか、これはわかりませんか。
○蒲谷政府委員 防衛関係の装備につきましては特殊なものでございますので、相当な投資と相当な技術開発が要るわけでございますけれども、といって、その新聞の記事の真否は別としまして、われわれとしましては、特定の会社にそれが安定してまいりますと技術の進歩に問題があるんじゃないか、そこで、できるだけ競争原理は加えてまいりたいという意味でございます。いま申しましたような兵器という科学技術の進歩の激しい中での勢備品の生産につきましては、技術の開発という問題を重視しながら——それだけで安定しますとかえって開発がおくれるということがございますので、競争原理を加えてまいりたいという意味でございます。
○武藤(山)委員 ここらは政府としてこれからあらゆる角度から十分検討して、日本の平和憲法の立場から、軍需生産というものが野放しに拡大されていって、この競争が激しくなり、またここへいろいろな防衛庁の役人が天下りして——現在だけでも二百五十六、七人防衛庁の役人が軍需産業へ天下りして再就職しているわけであります。そういう軍産一体の関係というものが強化されていくと、全く日本の平和主義を国是とする憲法に反する方向へ経済関係からどんどん進んでいってしまう。これは私は将来の日本のためにたいへんな事態になるのではないかといまから危惧をしているのであります。その辺について通産大臣の賢明な指導方針というものを打ち出さないと、防衛庁は防衛庁だけでどんどん走っていく、そのような方向に軍需生産が進んでいく。こういう点は技術開発という立場だけで割り切れる問題じゃない、重大な問題だと思うわけであります。通産大臣に最後にひとつその見解をきちっと聞かしてもらって、持ち時間の約束がありますから、質問をやめます。
○大平国務大臣 仰せのような御心配は私はないと思います。政府のほうの大きな方針は、防衛庁の装備の国産化というところが一応の目安でございまして、調達いたしますのは防衛庁でございますし、またわれわれのほうでは、輸出貿易を管理する立場から輸出を規制いたしておるわけでございまするから、その範囲内における防衛産業の技術開発なり育成なり規模が想定されるわけでございまして、あなたが言われるように無際限に、経済界自体がイニシアチブをとって設備を膨大にして武器を生産していくという懸念は、私はないと思います。
○武藤(山)委員 それが通産大臣甘いんですよ。いまはないけれども、世界の歴史を見たって、軍産結合の体制がどういう力を持って国の将来を危うくするかということは、われわれはもういやというほど経験もし、アメリカあたりだってそういうことで政治家がコントロールできない状況に入ってきている。アイゼンハワー大統領が退官するときに、アメリカの運命を危うくするのはこの軍産体制、これが結局政治を動かしてアメリカを危険におとしいれるということを彼はいみじくも警告をいたしておるのであります。いまの段階ではまだその危険はないにしても、だんだん雪だるま式に大きくなってくる。その芽をいまつくることが将来の日本にとってたいへん危険だと思うのであります。きょうは時間がないから、個々の品目についての、どこの国から引き合いがあって、どういう断わり方をしたか、そういう質問ができなかったのでありますが、この次、また時間があるときにゆっくりいたします。大臣のいまの答弁にはまことに不満であります。 最後に、せっかく運輸省においでいただいておりますから、一言だけお尋ねします。 例の欠陥車の問題でありますが、十社にも及ぶ四輪車の欠陥が二百四十五万六千台あるということが発表されましたね。二百四十五万六千台の車に欠陥があるということは、千三百四十一万三千台がいま日本で乗っている四輪車だそうですから、五台に一台の割りで欠陥車だということになりますね。これは戦慄すべき数字ですよ。そしてその後欠陥車について全部手直しをしたその数字はどのくらいに達し、いつごろまでかかればこの欠陥車の回収が全部済むのか、そこらあたりをちょっと明らかにしてください。
○堀山説明員 先月の十六日に欠陥のあるものの報告を求めたわけでございますが、そのときに先生御指摘の数字がまいったわけでございます。そのときすでに百十五万七千七百四十五は回収済みでございました。その後各メーカー、各車種ごとに全部回収計画を求めまして、すべてのメーカーは八月中にこれを完了する、こういう報告をいたしております。具体的にどういう方法で回収するのか、販売会社あるいはユーザーにどのような通告をするのか、部品はどのように供給するのか、それらを私ども全部聴取いたしまして、これならできる可能性があるというふうに判断いたしております。なお、私ども今月の下旬及び八月の下旬に、それぞれ現地の機関を使いまして、それぞれの販売会社が具体的にどのように回収しておるかということを確認したいと思っております。
○武藤(山)委員 約束の時間ですからやめます。
○大久保委員長 武藤嘉文君。
○武藤(嘉)委員 最近一般質問の時間がなかったものでございますから、時期的には少しずれたかと思うのですけれども、しかしながらこの七月二十九日からは日米貿易経済合同委員会が開かれます。そういう意味におきまして、今後の経済だけでなく、わが国の将来の発展という面からいたしましても、日米の経済問題というものはたいへん重大なものである、こう考えております。 〔委員長退席、浦野委員長代理着席〕 これはもちろん安保、沖繩という問題も日米の問題においては重大でございますけれども、それに匹敵するだけの重要さを持つのではなかろうか。こういう意味から、特に自動車の自由化並びに繊維の輸入制限、この二つに重点をしぼって少し質問をしてみたいと思います。 まず最初に、外務省からお越しをいただいておりますので、経済局長にお話を承りたいと思うのでございますけれども、外務大臣がアメリカに行かれまして、沖繩返還問題をいろいろと御協議いただいたわけでございますけれども、その間において経済問題につきましてもいろいろお話が出たわけでございます。当時外電は、日米の経済問題は沖繩の問題とどうもからみ合っているのではなかろうか、アメリカの政府の首悩部は沖繩問題と経済問題とが全く別個のものであると言いながら、外電はこれがからみ合っておる、こう報道しておったわけでございますけれども、この辺について外務省の見解をまず承りたいと思います。
○鶴見政府委員 お答え申し上げます。ただいま先生御指摘のとおり、アメリカの政府当局首脳、ロジャース長官ほかニクソン大統領等、この沖繩問題と現在非常にむずかしい問題になっております日米両国間の経済問題というものは別個の問題だという扱い方をすべていたしておりますし、また御存じのとおり日本の政府当局も、すべてそれは別個の問題であるというようにはっきりした態度で臨んでおるわけでございまして、ただ何と申しますか下地といたしましては、沖繩問題の背景といたしまして日米の経済関係の問題が何らかの影響を及ぼす可能性というものは排除できないという感じもいたしておりますので、そういうことも十分注意しながら沖繩問題に対処していく、また日米の経済問題にも対処していくというのが現在の考え方でございます。 〔浦野委員長代理退席、委員長着席〕
○武藤(嘉)委員 もちろん、日本の政府としてはそういう考え方であり、アメリカの政府も別個であるという考え方である。しかしながら外電は、これをからみ合って伝えてきておるということは、私が想像いたしますのに、この間アメリカに愛知さんが行かれた場合にも、たとえば商務長官なり大統領がこの経済問題を取り上げておっしゃるのならばわかるのでございますが、それだけでなく、財務長官であろうが国務長官であろうが、すべての方がこの経済問題をやはり沖繩問題と同じように御発言になっておるということは、結果的に、向こうの政府首脳部は、別だと言いながら、常に沖繩の問題と同時にそういう問題を発言をしておるということは、結果においてこの問題をからめさせていったほうがアメリカにとっても有利である、こういう考え方が私はああいう外電の伝え方になってきておるのじゃないかと思うのでありますけれども、その辺の感触はどうでございましょうか。
○鶴見政府委員 ただいま先生御指摘のそういった考え方は、確かにちょいちょい出てまいります。日米の経済問題あるいは沖繩の問題ということにからみまして、アメリカの議会方面で与党議員あるいは野党議員等の発言の中にちょこちょことそういうものが出てきていることは事実でございます。私どもといたしましては、先ほど申し上げましたごとく、そういう風潮が強まってまいりまして、ほんとうはこれをからめさせるということは絶対避けるべきだと思いますし、それから当然そういった方向でロジャース国務長官なり、今後の沖繩問題に対処してまいるという姿勢でまいるわけでございますので、絶対それをからめさせるべきではないと存じますが、先ほどちょっと触れましたごとく、背景といたしましては沖繩問題も結局日米両国間の全体の関係の中で処理されるということになろうかと思いますので、経済問題に対しましても、そういうことも頭に置いて十分対処していかなければならないと考えておるわけでございます。
○武藤(嘉)委員 いまお話のございましたように、現在アメリカの上院の数というものは民主党が多いわけでございますし、そういう面からいっても、ニクソンといたしましても議会対策という面を十分考えていかなければいけない。その議会においてそういう経済問題をある程度からめさせようという動きがある、こういうことは事実だと思うのでございます。そういう点においていま十分認識をしてやっていこうというお話でございますから、きょうはほんとうは外務大臣もお願いしたがったのでございますけれども、外務委員会との関係でお越しをいただけなかったのでございますが、私は、外務省の態度といたしまして、あくまでその姿勢をひとつ貫き通していただきたい、こういうことをお願いいたしておきまして、次の問題に入ってまいりたいと思います。 いろいろと多くの経済問題がございますが、大きく分けまして、日本側で考えていかなければならないのが自動車を中心とした資本の自由化の問題、また残存輸入制限品目の半減あるいは撤廃、こういうような動き、と同時に、今度アメリカにおいて考えていただきたいのは、繊維の自主規制をやるという動き、この三つが重点だと思いますけれども、まず第一に、自動車の自由化の問題について通産省の御見解を承りたいと思うのです。 現在の開放経済体制という面からいけば、どうしても資本の自由化を進めていくこと、これが当然日本が今後やらなければならない問題であり、自動車の自由化についても当然だと思います。私は、クライスラーが三菱と提携をしたのは、全く思いがけないところで思いがけない問題が出たようで、通産省もたいへんだったと思うのですけれども、私は、ああいう問題が出る前に、通産省としても、自動車の自由化という問題についてはもっと真剣に取り組むべきではなかったか、そういう感じを持っておるわけでございます。そういう観点から御質問を申し上げるわけでございますけれども、自動車の自由化は、新聞には最初は四十七年の春というのが出ておりまして、途中一時四十六年の秋にさも繰り上がったような新聞報道がなされておりました。それから最近はまたもとに戻って、幾ら早くても四十六年の末だ、四十七年の三月が幾ら早くても限度だ、こういうようになってきておるわけでございますけれども、私はこの新聞報道がどういうところから出たのかわかりませんが、そういう新聞報道がなされるということは、自動車の自由化という問題に対しての姿勢というものがしっかりしていなかったのか、また現在は四十七年の三月ということでしっかりしてきたのか、この辺が私よくわからないのですけれども、とにかく過去のことは別といたしまして、現在においてはそういう姿勢がしっかり確立してきたのかどうか、この辺について承りたいと思います。
○大平国務大臣 通産省が自動車の自由化の問題を考えていなかったというのではないのでございます。いずれ早晩、自由化は世界の大勢でございまするし、いつまでも日本がわがままを言えた義理ではないことはよく承知いたしております。さればこそ、日本の自動車産業ができるだけ早く集約化の体制をとりまして、競争力を増して、そうして自由化に対応した姿勢がとれるように漸次準備を進めてきておったのでございます。その規模におきまして、その技術水準におきまして、その販売力におきましてアメリカとはたいへんな格差を持っておるだけに、非常に慎重に、しかも持続的に自由化体制の整備ということに努力をしておったわけでございます。したがって、メーカーとメーカー同士の提携ということはお話がありましても認めませんぞというくらいかたくなな態度をとりましたゆえんのものも、自由化に対応した措置をちゃんとつくりたいという念願があったからでございます。ところが、御指摘のように、一部の自動車産業で外資との提携を考えておるということがあらわになってまいりまして、われわれが想定いたしておりましたような手順でものごとを進めてまいる上においてそごを生じたことは、正直のところ事実でございます。 そこで、いま私どもとしては、なるべく早い時期に自由化時期を明示する必要を感じております。現在のところ、資本の自由化につきましては七二年以降に考える、それまでは部品等の自由化をやりまして、それからあと資本の自由化という手順でございましたけれども、そういうことでいいか悪いか、そういった面についていま検討を加えておりまして、この秋には少なくとも自由化時期を明示して、生産業界、販売業界、部品業界等に動揺がないようにしなければならぬという意図のもとに、いろいろの検討を加えておる段階でございまして、それはいつごろになるだろうかということを申し上げるのはまだ時期尚早でございます。申し上げられますことは、この秋には自由化時期を明示しなければならないと考えておる。いまその自由化時期をいつにするかについていろいろ検討を加えておる段階である。七二年より先になるとかあとになるとかいうようなことを申し上げる段階ではまだないと私は思います。
○武藤(嘉)委員 いまの点で二つちょっとお聞きしたいのでございますが、一つは、いま大臣のお話の中にございました、部品メーカーのほうを先に自由化をしておいてやろうかということも一つの考え方としてある、こういうお話がございました。私ども聞いておるのは、現在の段階では組み立ても部品も販売も同時に一括自由化したほうがいいじゃないかという考え方が強いということを聞いておるわけでございますが、現在の段階では大体どちらの方向で御検討いただいておるのかということと、もう一つは、いまお話ございましたように、七二年以降ということでございます。新聞では七二年の早くて三月、こういうことになっておるわけでございますが、その点。もちろんいま時期については明示するわけにいかないというお話わかりますけれども、そうすると、新聞報道というものは必ずしもまだはっきりつかんでいないものなのかどうなのか。その辺の時期についてちょっと承りたいと思います。
○大平国務大臣 先ほど私が御答弁申し上げたのは、物資の自由化を終えてそのあと資本の自由化にかかるという手順であったということで、部品そのもののことでございますから、その点ちょっと誤解があるのではないか。メーカーじゃない。資本の自由化となりますと、部品業界も販売業界も生産業界も一体でございますから……。 それから、私は新聞報道に責任を持てないのでございまして、新聞はいろいろお書きになるわけでございましょうけれども、私どもとしてはこの秋に自由化時期を明示するという以外に何も申し上げたことはないので、鋭意検討中であるということでございます。
○武藤(嘉)委員 私先ほど申し上げましたように、七月には日米貿易経済合同委員会もございますし、新聞はもちろん、いまのお話のように、いろいろのところから取材をしてお書きになりますから、確かに大臣としてそれに対して責任は持てないということはわかりますけれども、やはり新聞報道というものは外国にも伝わるわけでございますし、そういう意味において、こういう問題については相当慎重にお取り扱いをいただいたほうがいいのではなかろうか。特に自動車の自由化という問題は、いろいろの問題が日本とアメリカとの間においてからみ合ってくる問題でございますので、その辺、なるべく早いにこしたことはないということは、私、最初申し上げたように、そういう前提に立っておりますけれども、なるべくならばきちんときめるまではとにかく慎重にお取り扱いをいただいて、なるべく早くきめていただいて、秋ということでございますが、できる限り早い機会に明示をしていただくのがいいのではなかろうか、こう思っておりますので、これはよくお願いを申し上げておきます。 それから、いまお話がございまして、ぼくも誤解しておりましたが、部品そのものの入ってくる自由化だけであって、こちらの体制は、すべて自由化というものは同じような体制でいかなければいけない。このようなお話だと思いますので、けっこうでございますが、いま一つ、通産省で言っておられることに、自由化の時期を明示した以降においては、行政指導というか、とにかく役所は業界に介入をしない、こういうようなことをたしか私承ったと思うのでございますけれども、そういう御意向であるのかどうか、まずちょっとお聞きしたいと思います。
○大平国務大臣 自由化時期を明示しますと、まずそれを道標とされて業界ではいろいろ身がまえをされると思うのでございます。どういうようにせよ、ああいうようにせよということを一々介入するつもりはないわけでございます。ただ、まだ自由化時期を明示して自由化していないわけでございますから、自由化に踏み切る時期に至るまで、いろいろなことで御相談がございますれば、いまの体制でいくわけでございます。基本はそういうフレームの中で業者のマナーにかかるわけでございまして、その行儀作法を一々私のほうからああだこうだと御指示申し上げることは行き過ぎであろうと考えております。
○武藤(嘉)委員 私どうも大臣のいまのお答えよくわからないのでございますけれども、実は事務次官がどこかで御発言になっておりましたのに、とにかく秋までには自由化時期を明示するんだ、自由化時期を明示したらもう政府としては業界には干渉しない、こういうことを言われたと書いてあったわけでございます。そういうことからいって、いまお話のございましたような形と必ずしも——まだこれからのことでございますから、大臣としても明快におっしゃっていただけないと思うのでございますけれども、自由化をする時期というのはいまのお話で七二年以降でございますね。そうすると、たとえばことしの秋からそれまでの期間というものは、自由化に向かってとにかく業界は体制をつくっていかなければならないわけでございまして、そういうときこそ従来以上にもっと政府が積極的に——もちろん向こうの意向を無視してまでどうということじゃないのでございますけれども、一つのルールをつくっていく上において、ルールと申しますか軌道をつくっていく上においては、やはり政府がよく見ていかないと、こっちのメーカーはこういう方向へ行く、こっちのメーカーはこういう方向へ行くで、自由化という最終のゴールはきまっておりましても、そこへ至るまでにこっちへ行ったりあっちへ行ったりしたのでは、かえっていまの日本の自動車業界というのは、先ほど大臣もおっしゃいますように、アメリカあたりと比べましても非常に格差があるわけでございますので、そういう意味合いから、ゴールはここなんだ、それまではこういう姿で行ってもらいたいというものは、業界と十分お話し合いをしていただかなければなりませんけれども、お話をしていただきながらやはりそういう体制に向かってもっと積極的に政府が取り組んでいただくことが必要ではなかろうか、こう思っておるわけでございますけれども、どうなんでございましょう。
○大平国務大臣 熊谷君は行政官としてはベテランですから、ときには突っぱねてもみたり、あるいは御相談にも乗ってもみたり、いろいろやっておるんだろうと思います。終始ごめんどうを見ることが必ずしも親切でないわけでございます。ときには突っぱねる必要もありましょうし、ライオンが子供を育てるときに谷底に突き落とすそうでございますから、いろいろな愛情の手口もあるんだろう、行政というのはそういうものだろうと思うのです。そこで、武藤さんの言われる意味はよくわかるのです。つまり通産省は当然あらゆる場合、よき日も悪い日も、雨の日も風の日も、やはりよき友でありよき相談相手でなければならぬわけでございまして、われわれがつくった鋳型の中にみんなはめ込んでしまうというようなことだけが芸ではないのでありまして、業界が自主的にいろいろ御判断をされるよきアドバイザーであり、よき相談相手であれという御趣旨でございますならば、もうあなたの言われることは一〇〇%そのとおり私ども心得て善処したいと思います。
○武藤(嘉)委員 たとえば、ちょっと具体的に申し上げますと、通産省が自動車の資本自由化の方向に対処して国内体制を整備するという上において、いまから二年くらい前からでございましたか、大手のトヨタと日産とこういう二つがある、だからこれにすべてをグルーピングさせよう、こういう動きが一時あったと思います。それから最近になりますと、どうもその辺がまた少し変わってまいりまして、いわゆる民族系といいますか外資と提携しないものと、外資と提携するもの、こう分けて考えていこうというような動きもあるやに聞いておるわけでございます。それは時代が変わったのでそういう考え方も変わったのかもしれませんけれども、これは一つの例でございますけれども、自由化ということが四十何年、一九七二年以降にきまったならば、やはりそこまで行く一つの軌道というものは私はあると思うのです。その軌道というものをつくるにはやはり計画がありますので、そういうものには政府が積極的にタッチをしていただくべきだと思いますし、またそういう軌道を今度業界が歩んでいく場合に、その軌道を業界が踏みはずさないように、またその計画が順調に進むように、私はもっと政府がそういう点においては中に入っていただいていいのではなかろうか、こう思っておりますので、その辺は大臣から善処をするとおっしゃっていただきましたので、ぜひひとつお願いを申し上げたいと思うのでございます。特にお願いを申し上げたいのは、そういう大手のものもそうでございますけれども、最近部品メーカーは部品メーカーとして横の連絡を密にしながら、これはこれでどこの自動車メーカーの系列にも入らないで、部品メーカーは部品メーカーとしてのひとつ独立した姿でいこうということを私どもちょっと聞いておりますけれども、これなどもそれはいいのかもしれませんが、ひとつぜひ検討していただきたいのは、部品メーカーというのは非常に力が弱いので、かえってそれぞれどういう形かで、先ほど一つの例として日産、トヨタと申し上げましたが、あるいはその三つなり四つなり五つなりのグループができると思うのでございますけれども、そのグループの中にそれぞれ関係の部品メーカーが入ってしまったほうが、かえって部品メーカーの力を強めるのに役立つのではなかろうか、こういう考え方も考えられないことはない、私はこう思うのでございます。ですから、たとえば部品メーカーというものは横の連絡を密にしながら、それはそれぞれ独立していくんだということに少なくともきめてしまわれないで、この自由化の時期を明示される前までにはある程度そういうことも御研究になると思いますので、トヨタ、日産の姿が少し変わってきておるように、この自由化の時期を明示するまではやむを得ないと思いますので、それまではそういうことも含めて御討議をいただいて、ほんとうにこれがいい軌道であるというものを十分つくっていただきたい、これをお願いするわけでございますけれども、その辺どうでございましょう。 〔委員長退席、宇野委員長代理着席〕
○大平国務大臣 軌道というのは一つはあると思うのです。これは戦後一体日本で育ち得る産業かどうかが疑問にされた自動車産業なんです。それがいまこのように百二十万もの雇用人口を擁する基幹産業にまで成長したわけでございますから、何とか日本の自動車産業が国際化された経済の中で、りっぱにその名誉と生存権を主張できるような産業であってほしいと思うのでございます。従来それは少数の集約化——トヨタ、日産という固有名詞を申し上げた覚えはひとつもないわけでございますけれども、世間では二社に集約したいと通産省は思っておるんじゃないかというようなうわさがあったことはありますけれども、そんなことは公の役所として言うたためしはない。ただ、集約化して、体制を整備して、自由化体制をつくらなければいかぬのじゃないかという気持ちでおったわけでございますが、今度こういう事情になってまいりまして、その集約化もなかなかむずかしい。むずかしいけれども、せっかくここまで成長した産業の健全な育成というようなことは、私どもが日夜忘れてはならない一つの道標、軌道であると思うわけでございます。そういう趣旨から、メーカーばかりでなく、あなたの御指摘の部品業界も、そしてまた非常にめんどうな販売業界も含めまして、りっぱに戦い得る日本の産業として生々発展してもらいたい、そういう線に沿って自動車行政というのはやらなければならぬと私は考えております。それから、部品業者とアセンブリをやるメーカーとの結びつきでございますが、それは役所がこうせいああせいというのではなくて、それは両者の間の信頼関係がきめるわけでございますが、私どもの関心事は、日本の部品産業がもっと近代化されなければならぬのじゃないか。単品の生産でなくて、あるいは非常にユニット化しまして、もっと競争力をそれ自体持つような産業になるように、構造の改善を急がなければならぬ。それは私どもは、そういう政策はそれ自体進めておるわけでございまして、メーカーもしっかりし、部品業界もしっかりしてまいりまして、その間の結びつきは相互の信頼関係でおのずからそこにでき上がるのではないか。そこまで鋳型をきめて、おまえはここへ入れ、おまえはここだというようなところまでの指図は行き過ぎじゃないかと考えておるのでございます。現実の行政を一口に言うことはたいへんむずかしゅうございますけれども、大まかに申しますと、そういう呼吸で当たりたいと思っております。
○武藤(嘉)委員 いまおっしゃいますように、非常に部品メーカーは弱い。そうかといって、業界それぞれの事情もあろうと思いますし、なかなか役所からおまえはこのアセンブリをやっているメーカーの下へ行けとか、そういうようなことを言うことはできないと思います。ただ、私の申し上げたいのは、いわゆるアセンブリをやる大手の下へ、どこへ行くかはそれぞれの業界、自由だと思います、それぞれの業者が自由に行けばいいのでございますけれども、あくまで部品のメーカーは独立したものにしていくというよりは、私の申し上げたいのは、どこでもいいけれども、どこかの大手の関係筋、いまでも相当入っていると思いますけれども、しかし現実にまだ入っていない部品メーカーも相当あるわけでございまして、そういう意味からいくと、それはできるだけそれぞれのところへ入っていくような形——今後の中小企業のあり方として、いわゆる下請になるのか独立してやっていくのか、いろいろいわれておるわけでございますけれども、私はその中小企業の今後の体型のいろいろいわれておる型では、どのタイプに入るかといえば、自動車の部品メーカーの場合には、そういういわゆる下請的なタイプに入っていったほうが、私は自動車業界のためにも、またその部品業界のためにもいいんじゃないか、こう考えておるわけでございます。そういう点において、何か私どもが聞いておるのでは、少し通産省の考え方と違うやに聞いておりましたものですから、その辺ちょっと念を押して聞くわけでございますけれども……。
○大平国務大臣 あなたが言われたように、そういう定着性を持ってくるというような環境をどうつくるか、いろいろくふうしてまいりますと、でき上がった姿は、武藤さんの言われることとそう遠くない結果になるのではないか。そういうように、いろいろ環境をどうつくるかというところにわれわれの任務があるのじゃなかろうかと思います。
○武藤(嘉)委員 ぜひそういう方向でお願いを申し上げたいと思います。 それから同時に、現在でも自動車の下請メーカーあたりが、少し自動車の販売が落ちたりいたしますと、その支払いがおくれるというようなことをよく承るわけでございます。支払いがおくれることによって、たとえば現金が手形になったとか、あるいは手形の三十日が六十日になったとか、それは非常に部品メーカーの経営にとって脅威である、こういう点、私は先ほどの話で、大手の下になるべく入ったほうがいいとは思いますけれども、あまり大手の言うなりになっても、今度は部品メーカーが苦しさのあまりよい部品をつくってくれなければ、今日欠陥車の問題もいろいろ言われておりますけれども、これはたいへんなことでございますので、そういう意味において、体制としてはそういう体制がいいんじゃなかろうか。同時に、そういう中小企業である部品メーカーの体質というもの、これはぜひとも緊急に、それこそこの自由化になる前にりっぱな体質をつくり上げなければならぬ、これが自動車を自由化するにおいて必須の条件ではなかろうか、こう考えておるわけでございます。その意味において、こういう部品メーカーの体質改善のために、従来ともいろいろと中小企業の構造改善として行なわれておりますけれども、ちょうど繊維が体質改善を思い切ってやらなければいけないということで、繊維の法律をつくりまして、織布業を中心とし、あるいは今後撚糸やあるいはその他染色あたりも構造改善をやるわけでありますけれども、私は何か自動車のそういう下請といいますか、弱い部門の体質を改善するためには思い切ったそういう法律をつくってでも構造改善をやっていく、そうして金融面あるいは税制面において何かひとつ、しばらくの間めんどうを見てやる、こういう姿勢というものが必要かと思うのでございますけれども、その辺についての大臣の御決意をお聞かせいただきたいと思います。
○大平国務大臣 仰せのとおり、部品業界の体質改善は急務であると思います。そのためには、現行の機振法とかあるいは中小企業近代化促進法、法律的な用意はできておるわけでございまして、そのラインに沿っていまわれわれは鋭意やっておるわけでございます。 それから第二の問題として、あなたが言われるように不当な取引、力関係で圧迫されておるようなときに、強力な外資が入ってきて、ついそちらに魅力を感ずる場合もありましょうから、政府といたしましては、やはり販売業者も含めまして公正な取引を保障するだけの用意をしておかないと、なかなか自由化と申しましても混乱を招くばかりになりますから、個々の企業の体質改善とそういう取引環境の公正化といいますか、そういった用意を十分固めておいて、それを見ながら自由化に踏み切らなければならぬと考えております。
○武藤(嘉)委員 中小企業近代化促進法その他でいろいろ考えておるということでございますが、たとえばことしの法律で特定業種について三十億の資金ワクが認められましたけれども、あの資金ワクにいたしましても、正直言って非常に私どもの考え方よりは減ってきたわけであります。あるいはレートにいたしましても、六分五厘というものが結果的には七分になったというようなことで、私はそれでは不十分ではなかろうか。あるいは私が先ほどちょっと例を申し上げましたけれども、繊維の織布でございますと、これはレートが年二分六厘でございますね。そうすると全くそのレートが違うわけでございます。私が先ほど申し上げたのは二分六厘にしろとかいうことではございませんけれども、部品メーカーをいまおっしゃいますように、外資が入ってきてもあくまで日本の部品メーカーとして、日本のいわゆる民族系の自動車会社の下請としてりっぱにやっていけるだけの力をつけるためには、ちょうど織布の構造改善をやったくらいの、それこそ年二分六厘のような安い金利で構造改善をやれるようなものをひとつやっていただくくらいの御決意はないものかどうかということをちょっと承りたかったわけでございます。
○大平国務大臣 繊維のように後進国の追い上げが非常にきびしい環境に置かれておるものと自動車産業とを同じレベルで考えるべきかどうか、これはいろいろ問題があると思いますけれども、仰せのような方向に鋭意努力しなければならないと考えます。
○武藤(嘉)委員 私も、これは繊維とは環境も違いますので、同じということを何も申し上げるわけでなくして、気持ちとしてぜひそういうお気持ちで対処していただきたいということでございます。 次に、時間もございませんので、繊維の輸入制限の問題に入っていきたいと思うのでございますけれども、私はいま話してまいりましたように、わが国としても資本の自由化あるいはその他輸入制限品目の撤廃という問題については真剣に対処すべきだと思うのでございますが、アメリカに対して、今度は逆に繊維の輸入制限をしようというような動きに対しては絶対に応ずるべきではない。これはいまの世界の経済の動きと逆行するわけでございますから、しかもアメリカの現在の繊維の業界の状況というものは、あそこに加藤先住、専門家がいらしゃいますけれども、私どもほんとに聞いておりますと非常に好況だ、未曽有の景気だ、こういわれておるわけでございます。しかも日本なりその他から入っておる繊維のアメリカの消費市場に占めるシェアというものはほんとに小さいもの、一割にも満たない。こういうような状況のときになぜ繊維の輸入制限なんかをしなければならないのかという点、私どもほんとに義憤を感ずるのでございますけれども、もちろんいろいろ聞いておれば、そういう経済的な問題ではなくして、ちょうど前のLTAができましたとき、ケネディが大統領になったときと同じような状況で、ニクソンが今度大統領になるときには最後に南部の票が必要であった。だから南部のほうと繊維の輸入問題については約束せざるを得なかった。それがどうも原因であるやに聞いておるわけでございます。しかし、いかにそういう政治的な問題であろうとも、私は日本としては決してそれには応ずるべきではないと思うのでございますけれども、今度七月の二十九日からの合同委員会においても、新聞によりますと、一応議題として第二番目に書いてございましたが、日米間の貿易経済問題をやる、こういうふうに書いてあるわけでございます。そうなれば、当然この繊維の問題もここで提起をされると私ども想像するのでございますけれども、もし提起をされましても、ぜひとも従来どおりの方針をしっかり貫いていただきたいと思うのでございますが、その辺ひとつ大臣の御決意のほどを承っておきたいと思います。
○大平国務大臣 この問題につきましては、当委員会において御報告申し上げました政府の方針を変えておりませんし、今後も変えるつもりは毛頭ありません。
○武藤(嘉)委員 そういうことで絶対に今後も変えない方針だ、変えることはないということで私安心をすればいいのかもしれませんし、また業界もそういうことには心配しないで、今後ともお互いの体質を強めるために努力をすればいいのかもしれませんけれども、しかし、私ども聞いておりますと、アメリカの動きというのは非常に執拗なようでございまして、たとえば最近の動きといたしましては、どうも多国間協定はむずかしい、ガットによってジュネーブに集まって、繊維の輸出国、輸入国が集まって協定を結ぼうということはどうもむずかしいということで、最近は二国間協定を締結しようとか、あるいは品目を一部のものに限ってだけやろうじゃないかとか、こんなような動きが出て、こちらに妥協させようというような気持ちじゃないかと私は思うのですけれども、そういう点につきまして、これは大臣でも局長でもけっこうでございますが、あるいは外務省でもけっこうでございますけれども、最近の向こうからのいろいろの働きかけ、あるいはアメリカにおけるいろいろの動き、そういうものについて私どもの聞いておりますような動きがあるのかどうか、少し承らせていただきたいと思うのです。
○高橋(淑)政府委員 一言で申し上げますと、現在までのところ、いまおっしゃいましたような二国間の話し合い、あるいは品目別のアプローチというようないままでと違った新しい考え方、あるいはそれに基づいたわが国に対する働きかけというようなものは全然ございません。
○武藤(嘉)委員 それでは、もし今後働きかけが出てきたといたしましても、私はここで特にお願いを申し上げておきたいのは、LTAいわゆる綿製品の協定のときにおきましてもそうだったと思うのでございますけれども、あのときは一部のものがだんだん大きくなる、また期間も初めは短かかったのが結果的には今日まで続いてきてしまった、こういうことになっておるわけでございますので、そういう妥協的な条件が出てまいりましても、一切そういう制限を加える規制をさせようというような動きに対してはひとつ話し合いに応じていただかない、この点を念を押してお願いをしておきたいのですけれども、よろしゅうございますか。これは大臣からお願いします。
○大平国務大臣 そういう決意でおります。
○武藤(嘉)委員 それから私ども聞いておるもう一つの動きといたしましては、ガット二十八条によりますと、この十二月の終わりに一応現在の譲許関税が期限切れになると聞いておるわけでございますけれども、そこでアメリカの一つの動きといたしまして、これも新聞の報道でございますから私確認をいたしておるわけでございませんが、ホリングスという上院議員がニクソン大統領に書簡を送った中で、ガット二十八条に基づいて米国の繊維製品の関税がいま下がっておる分を今度撤回する、こういうことをひとつやってほしい、それをやれば結果的には関税が上がりますので輸入制限に役立つのではないか、こういうようなことを提案しておるということを聞いておるわけでございますけれども、こういう向こうの動きはお聞きになっておられますかどうか、ちょっと承りたいと思います。
○宮沢(鉄)政府委員 新聞報道等によりまして、そういうような動きがあるというふうには見ておりますけれども、政府間の話し合いとしてはそういう話は具体的にございません。
○武藤(嘉)委員 これは先の話でございますけれども、もしこういう動きが出てまいりましたときには、こちらとしても当然それに対する対抗措置を講ずべきだと思うのでございますけれども、こういう場合に、何かこれに対しての対抗措置というものは日本として考えられるのかどうか承りたいと思うのです。
○宮沢(鉄)政府委員 ただいま御指摘の、ガット二十八条に基づきまして、もしアメリカのほうから譲許の撤回というような話がまいりました際には、当然その代償をアメリカ側で払うか、あるいは日本側のほうでそれに見合う対抗措置を考えるとか、おそらくそういうようなことになるというふうに考えております。
○武藤(嘉)委員 次にもう一つ承りたいのでございますが、最近の新聞報道といいますか、向こうの雑誌に書いてあったという新聞報道でございますが、スタンズが、最初は六月の初めにニクソン大統領にこの繊維の輸入制限についての勧告寿を出すといわれておったが、なかなか出なかった。ところが、この近日中そういう勧告書が出されたと報道されておるわけでございますけれども、この点について御確認をなさっておられますかどうか、承りたいと思うのです。
○鶴見政府委員 ただいま先生御指摘の、スタンズ長官が大統領にこの問題についての勧告を出すということでございますが、最近のところ、たしか七月になりましてからくらいに出したというこたとがいわれております。私どものほうの調べでも、出したということは大体確認されておるようでございますが、問題は、どういう内容であるか、これはもちろん極秘中の極秘の模様でございまして、その内容については現在のところつまびらかではございません。
○武藤(嘉)委員 これは極秘中の極秘でございますので、たいへんむずかしいと思うのでございますけれども、やはりこちらがいろいろ対処していくには、相手の作戦を見て、手のうちがわかればわかるだけこちらの作戦はとりやすいわけでございますので、ひとつぜひともこの内容につきまして、できるだけ調査といいますか、いろいろの大使館その他を使っていただいて、もしわかれば、日本のためにもわかったほうがいいわけでございますから、お願いを申し上げておきます。 〔宇野委員長代理退席、委員長着席〕 それから、新聞報道でございますからどうもよくわからないのでございますけれども、スタンズ長官が個人として勧告書を出して、それと同時に、商務省として大統領に対して、こういう法律を適用すればこういうことができますとかいうような個条書きのものを同じころに出された、こういうことも新聞で報ぜられておったのでございますけれども、こういう点についてはいかがでございますか。
○鶴見政府委員 ただいま先生の御指摘になりましたようなことが、確かに新聞に出ていたと私も承知いたしております。今度スタンズ長官が大統領に出した勧告なるものが、アメリカの政府部内全体としてのものであるのか、それともスタンズ長官自身、あるいは個人と申すのもおかしいわけでありますが、商務長官としてのものであるか、そういうところは必ずしもつまびらかでないようでありまするが、どうも後者のようなことが伝えられてきておるわけでございます。
○武藤(嘉)委員 その中で、通商拡大法二百五十二条を適用したらどうだろうか、こういうような話、あるいはその他二百三十二条とか、あるいは関税法百三十何条とかいろいろ言われておりますが、私はこのそれぞれの法案について見てみますと、通商拡大法の二百五十二条については、へたをすれば、日本のように残存輸入制限品目の多い国においては、これを通用されるといいますか、こういうものをぜひ適用したい、こういう協議が持ち上がった場合に、たいへんむずかしいと申しますか、こちらとしてむ真剣にこれを考えなければならない立場に追い込まれる可能性があると私は思うのでございますけれども、その辺の見解はいかがでございましょうか。
○鶴見政府委員 ただいま先生御指摘になりましたごとく、通商拡大法二百五十二条には、米国の農産物に対して輸入制限を設定している外国または外国の機関の産品に対して、そういった制限を除去させるために関税またはその他の輸入制限を課することができるという趣旨のことがございますので、この点は非常に危険があろうかと思いますが、これまた、一応ガットの二十三条との関係もございましょうし、そういうような手続を踏まざるを得ないと思います。一方的にやる場合には、わが国といたしましては、当然それに対して対抗措置なり、あるいはこれに対して代償を求めるなり、そういうような方向でいかざるを得ないのではないかと考えております。
○武藤(嘉)委員 先ほど二十八条の場合にも申し上げましたけれども、こういう場合についても対抗措置をできるだけ考えておいていただきたいということをお願い申し上げまして、時間があまりないようでございますので、最後のほうに進ましていただきます。 最後に、ひとつ提案でございます。こういう問題は、先ほども申し上げましたように、非常に政治的な問題でございます。最近、自民党のほうで、沖繩問題について議員団を出そうとかいうような動きも、私聞いておるわけでございますけれども、ひとつ繊維の輸入制限、あるいはその他の経済問題を含めて、アメリカに対して、時期はいつということではございませんけれども一やはり向こう側のいろいろの動きを見ておりますと、議会の動きが非常に影響している。スタンズという人は別でございますが、そのほかの役所の人たちは、それほど強くないようでございますけれども、向こうからいろいろ伝わってくる情報では、議会人が相当動いておるように承っております。あるいはまたニクソンも、議会対策というものを相当真剣に考えなければならない大統領の立場であるわけでございます。そういう意味において、政治家は政治家同士で話し合ってみる。愛知さんもこの間スタンズ長官に会われたときに、政府間だけでなく、議会同士も、あるいは民間同士も、こういう問題については話し合うべきである、こういうようなことをおっしゃったと聞いておるわけでございますけれども、ひとつ、そういう議会人同士が意見を交換するというようなこと、いわゆる議員を派遣するというようなことは、ぜひ必要があると私は思っておるわけでございます。大臣として、私どもが政府間で十分やれるから、何もおまえたちは必要ないのだということなら、それでけっこうでございますけれども、ひとつ大臣のお考え方を承らしていただきたいのでございます。
○大平国務大臣 この問題ばかりでなく、日米間の経済問題につきましては、外務省を中核にした外交ルートとあわせて、民間ベースで各種の接触の機会が持たれておりまして、わが国の憂慮は十分先方に伝わっておると思います。また国会においての本委員会の決議、それから本会議の決議が先方にも伝わっておるわけでございます。こういうことで、日本側の意図は十分先方に伝わっておると思いますけれども、今後の成り行きによりまして議員団の派遣をお願いしたほうがいいのかどうか、これは今後の推移を見まして考えてみたいと思います。
○武藤(嘉)委員 最後に、ひとつぜひお願いを申し上げたいのは、先ほども決意は承っておりますので、くどいようでございますけれども、私は、いまの東南アジアの台湾にしても香港にしても、日本の現在の姿勢というものをたよりにしておると思います。どうか、正義は必ず勝つのだ、こういう決意でぜひこの問題に対処していただきたいことをお願いを申し上げまして、私の質問を終わります。
○大久保委員長 近江巳記夫君。
○近江委員 私は、きょうは欠陥車の問題、あと時間があれば二、三の問題についてお伺いしたいと思っております。 欠陥車の問題がこのように燃え広がったのは、外電が国内の新聞に取り上げられて、それから各社が一斉にキャンペーンを始めた、それで非常に火がついたと思うのでありますが、まず運輸省の方にお伺いいたしますが、運輸省の首脳部の方々は、この事件がこれほど広がるまで問題を知っておられなかったわけでありますか。まずその点をお聞きしたいと思います。
○堀山説明員 車の欠陥につきましては、従来私ども車両検査ということをしておりますが、その車両検査の際に発見する場合、それからもう一つは、車に事故が起こりまして、そのときに事故を解析して、これが車両欠陥に属するかどうかということを判定した場合、あるいはユーザー団体を指導しておりまして、特にバスにつきましては、ユーザーの面で車両の欠陥、整備上の欠陥あるいは設計上問題がある、こういう問題を自主的に検討しておりますが、そういったニュースソースの中で、私どもはある程度の知識は持っております。しかし、今度リコールされました種類の大部分については、残念ながら承知しておりませんでした。
○近江委員 しかし、陸運局あるいは陸運事務所ではこういうことを知っておった、このようにいわれておるわけでありますが、これは当然あなたのほうでもいろいろなお考えがあるでありましょうから、内部のことでありますから、その点についても一点お聞きしたいと思うのです。そのように末端機関といいますか、そこでも知っておったのに、知らなかったのか、こういう一点であります。もしも知っておったとしたならば、首脳部であるあなたたちがそういうことを掌握しておらなかったということは問題じゃないかと思うのです。その辺のところの実態はどうですか。
○堀山説明員 量産します車は型式指定規則というのがございます。それで、もしこの型式指定規則の中で、当初私どもが指定をいたしました内容と変わった場合、この場合には、変わった内容について運輸省に届け出るという制度になっております。その面につきましては、従来とも各メーカーは届け出ておるわけでございますが、その範囲に入らないものについては当然届け出の義務というのはございませんので、その面については私ども知らなかったということでございます。おそらく先生御指摘のものは、届け出を必要としない種類のものであったのではないかというふうに私どもは理解しております。
○近江委員 成規の届け出をしなければならないものについてはすぐ気がつくけれども、それ以外のものについては掌握が非常にむずかしかったという意味にとれるわけでありますが、これだけの大量の欠陥車を出して、そういうことを掌握しておらなかったということについて、運輸省としては、平然とした気持ちでおられるのか、それはしかたがないという気持ちでおられるのか。その辺の掌握ができなかった、通産省との連携も悪かった、業者とのそうした実態掌握という点も悪かった、この辺のところをどのようにお考えになっていらっしゃいますか。
○堀山説明員 先ほど申し上げましたように、規則の面で当然届けなければならないもの、それから届け出る必要がないもの、いろいろございますけれども、今度欠陥車として届け出られたものは、相当数が届け出を必要としなかった種類のものでございます。したがって、私どもは、こういった従来届け出を要しなかったけれども、事故あるいは事故につながるおそれがあるというものについては、今後届け出をするように、それからもう一つは、その面の対策を考えて、ユーザーにできるだけ確実に通知するようにということをきめて、今後その方向で進みたいと思っております。
○近江委員 今後の処置の方向というのは一応理解できるわけでありますが、これだけ世間で騒がれて初めて今後の方針を出したのですが、この方針、その行き方に対して、運輸省としてどのように反省されておりますか。ただ届け出てなかったからわからなかったというあいまいなことでいいのですか。大きく人命に関することですよ。その点はどうなんですか。
○堀山説明員 先ほど申し上げましたように、従来は、事故が起こって、その原因をはっきりして処置をしたというのが実態でございますけれども、しかし、事故が起こらなくても、起こる可能性のあるものについては、やはり従来の制度で、は十分ではないので、それに上積みしてさらに今後新しい方向で進みたい、かように考えたわけでございます。したがいまして、従来の方法では十分でなかったというふうに理解しております。
○近江委員 理解しているのはわかりますが、あまり反省が見られませんね。これはいままで国会でも何回も問題になったわけでありますが、政府として、運輸省として、いろいろな運輸省令を見ても、当然これは責任を持たなければならない範囲なんです。その辺をただ不備であったというだけでいいかどうかということです。ほんとうに謙虚な反省があるのですか。その点どうですか。
○堀山説明員 いろいろ報告を見まして、非常に多くの欠陥車が出たということについては、私どもは、従来の行政のあり方あるいは指導のしかたの面についてやはり反省すべき面があるということで、今後新しい方向に進みたいというふうに考えたわけでございます。
○近江委員 今度は通産省に伺いますが、この自動車産業の監督官庁である通産省は、こういう事実を知っておられたか。私がいまずっと運輸省にお聞きしたようなことです。
○吉光政府委員 私ども実はこういう事実があったことを知らなかったわけでございます。実はアメリカにおきましてそういう制度があるということは承知いたしておったわけでございますけれども、アメリカにおきます日本の輸出車の量がここ一、二年で急速に伸びたということ、そうしてまた、アメリカにおきましては、リコール制度がそれほど意外視されるという環境になかったというふうなことから、私どものほうの情報収集の体制が、そういう公表されました欠陥車について常時集めておくという体制になかったということ、これはきわめて遺憾なことでございまして、さっそくそういう情報収集体制につきまして海外との連絡を密にするようつとめてまいりたいと思っておるわけでございます。
○近江委員 通産省は自動車を戦略産業として今日まで非常に保護をして育ててきたわけであります。私が先ほどから運輸省のほうにお尋ねをしておりますが、そういうことを全然報告を受けておりませんでした。あなた方が監督指導しなければならない、これだけ大きな重要産業です。そういうことをいままで受けておらないということ自体は、一体どういう行政指導をし、どういう監督をしてきたのですか。この点は理解に苦しみますよ。少しその辺のところの事情を話してください。
○吉光政府委員 自動車に対します安全性の監督というのは、国内的には、すでに先生御承知のように、道路運送車両法によって具体的に取り締まりを行なっておるわけでございます。したがいまして、国内車につきましての法的規制は、先ほど運輸省の方からお答えございましたように、運輸省のほうで監督いたしておられるわけでございます。私どももやはり生産面を担当いたしております以上、そういう問題につきまして常時注意を払っていく責任はあろうかと思うわけでございますけれども、直接的なそういう意味でのタッチと申しますか、そういう面に接する機会が少ないわけでございます。 それから輸出車につきましては、先ほどお答え申し上げましたように、アメリカにおきますこういう制度のあることは承知いたしておりましたけれども、それがどういうふうに運用され、どういうふうに日本の車がその制度の上で措置をとっておるか、これは日本の車もやはりアメリカの安全基準法に基づきまして合法的な届け出をいたしておったわけでございますけれども、どういう届け出をしていなかったかというふうな点につきまして注意を向けることがなかったということ、これはきわめて遺憾でございまして、その点につきましてはおわび申し上げたいと思うわけでございますけれども、こういう制度につきまして、それぞれの国、たとえばヨーロッパにおきます制度でございますとか、アメリカにおきます制度でございますとか、それぞれの国でそれぞれ違った扱い方がなされておりまして、そういう点につきまして私どもの情報収集が足りなかったという点につきましては、これはおわび申し上げたいと思うわけでございまして、今後はそういう面につきましてさっそく手配をいたしておりますので、それぞれの国における状況もたちまちわかるというふうな体制をすでに整備いたしました。今後はこういうことは起こり得ないであろうというふうに考えております。
○近江委員 これは一年前、あるいはもう少し前と思いますが、この自動車の安全性という問題について本委員会で私はあらゆる面にわたってこれを指摘をしました。運輸省の部長もそのときに答弁に立たれたわけでありますが、当然私は、そのときに運輸省、通産省がよく話し合いもし、さらに研究機関等も整備をして、そういう安全性ということが企業性ということの犠牲にならないようにと、私は重ねてこの問題を話をしてきました。はからずも、今回このような大きな事件に発展したわけでありますが、これを見ても、アメリカのほうがいかに人命尊重という立場からその問題に取っ組んでおるか、結局、外国から指摘されなければそういうことはわからなかったということは、ただ売らんかな主義で、ほんとうに人命軽視という、これが非常に大きな風潮じゃないかと思うのです。根本的な人命尊重の精神があれば、そんなことは外国で題題にならなくたって、ちゃんと国会でもそのようにいろいろ聞いておるわけでありまして、その点は、要するに根本姿勢の問題ですよ。いつも申し上げておりますが、いま広く公害問題等も起きておりますが、すべて人命尊重という、そういう根本的な精神がない、そこに私はこういう問題が出てきたと思うのです。この辺のところをどのように今後の時点においてお考えになっておられるか。こういうように言われたからこういう制度でやりますと、しかし根本的なそこの人命尊重という精神がなくして、あとまた新たな問題が出たらこうやりますと、現時点の、ただもういうならば継ぎはぎだらけの船にさらに穴があいたらぽんぽんと打つだけの、それじゃだめです。その辺のところを運輸省と、そして通産大臣にお伺いしたいと思います。
○堀山説明員 今後の問題といたしまして、事故とか故障というものは未然に防止するということが一番大事なことであろうかと思います。したがいまして、運輸省といたしましては、私ども自体の検査のあり方、研究のしかた、あるいは情報の集め方、この点について検討を進めることにしております。同時に、車のメーカー、それから実際に車を売る販売会社、あるいは整備業者、それからもう一つは車のユーザー自体についてもその認識を持っていただく、すべての人に関心を持っていただく、こういう方向で進みたいと思います。いずれにいたしましても、事故あるいは故障というものは未然に防止する、どうしても起こる場合には、これについては早急な手配をするという、こういう考え方で進みたいと思っております。
○大平国務大臣 メーカーといたしましては、安全性を追求してそれに最善の措置を講じ、また故障車が出た場合に、いち早くそれに対するアフターケアに十分な手立てをやらないと、車は売れないわけでございますから、業者の事業の存立の上から申しましても、安全性の追求ということは第一義的な問題だと思います。しかしながら、業者は一面経済性を追求しておりまして、できるだけ安い車を売るという点にも関心があるわけでございます。したがって、これからの問題といたしましては、私どもが考えねばならぬことは、経済性の追求が安全性の追求を凌駕するというようなことのないように、品質の管理、材質の管理の徹底を期するようにメーカーに十分注意を喚起いたしますと同時に、アフターケアの問題につきましては、欠陥車が出た場合に、いち早くその型のユーザーにできるだけ短期間の間に通知をいたしまして、部品の取りかえその他の修理が徹底するように、迅速に仕事を運ぶように指導してまいらなければならぬと考えております。
○近江委員 人命尊重ということが第一義にあると言われましたが、どうかその立場に立ってこれからもすべての諸行政を進めていただきたい、このように思います。 それから、このような欠陥車が出たというのは、根本的には自動車産業の経営に構造的な欠陥があるのじゃないか、このように思うわけです。その辺についていろいろと通産省も反省をしておられるようでありますし、その辺のところを皆さんどういうふうに分析されておるか、お聞きしたいと思います。
○吉光政府委員 何ぶんにも、自動車産業は日本の経済の基幹産業たる地位にだんだんと躍進してまいっておりますが、同時にまた、一方におきまして輸出産業としての適格性が表示されつつあるわけでございます。近年急速にこういう飛躍的発展を遂げてまいりました過程におきまして、あるいはともすれば各社間におきます販売競争の熾烈化というふうな問題もございましたし、また国際競争にうちかつためにいろいろな面で合理化、近代化を迫られたというふうな面もあるわけでございます。そういうふうなことから、これらの安全性問題に対しまして、技術的な追求と経済的な追求というふうな面で、経済的追求がともすれば優先しがちであるというふうな傾向もあったであろうかと思うわけでございますけれども、問題は、そういうふうな過当なシェア争いと申しますか過度の競争と申しますか、そういう事態に対する認識というものが一応必要ではないであろうかと思うわけでございます。ただ、自動車産業が輸出産業として国際競争力を伸ばしますためには、やはりそこに経済合理性をとことんまで追求されなければならないという点を持っておるわけでございます。したがいまして、安全性で一番必要なのは、その製品を販売いたします前の耐久試験と申しますか、こういう点につきまして落ち度のないような体制を確立することがまず第一ではないかと思うわけでございます。そういう耐久試験を十二分にやるという体制が整備される、それが結局安全性に何らかの欠陥のある車を発売することを防止する唯一の道ではないかと思うわけでございます。と同時に、メーカー間におきますところの過大広告と申しますか、こういう点に対する自戒、そしてまたこれが生産工程に入ってまいりますと、品質管理あるいはまた検査設備、検査体制、そして同時にそれら部品企業との相互連関という幅広いものとして今回の安全性問題が反省されなければならないというふうに考えるわけでございます。また同時に、そういう基盤に立ちました上で現実に自動車メーカーを指導してまいっておるという状況でございます。
○近江委員 いま幅広い範囲の問題点をずっと触れられたわけでございますが、自動車というのは二万点以上の部品で成り立っておる、このように聞いております。そこで、大メーカーにしても、ほとんどそうした部品というものは外注に出している。製品というものは自分のところではほとんど組み立てるだけの、そういう工程をたどっている。そこで部品の問題が私は非常に大きな問題になると思う。ですから、先ほども国際競争力の強化ということを盛んにおっしゃっておりましたが、そういうところに名前をかりて自動車メーカーが部品メーカーに極端な値下げを強要してくるという背景があったのじゃないか。この辺のところはどういうようなとらえ方をされておるのですか。
○吉光政府委員 確かに御指摘のように、過去におきましてシャシーメーカーが部品業界に対して相当の合理化を要請いたしたということは事実であろうかと思うわけでございます。ただ、今回の欠陥車の事故原因を現在しさいに調査いたしておるわけでございますけれども、いずれかといいますと、メーカーの設計上のミスあるいはまた組み立て上のミスというものが大きな部分を占めているわけでございまして、部品の材質が劣っておるとかどうとかというふうな、今回摘発されました件数につきましては、部品関係の材質その他につきましての指摘件数はわりあいに少のうございます。ただしかし、そうは申しますものの、部品メーカー自身非常に数も膨大でございます。同時にメーカーも、部品工業を育成することなくしてシャシーメーカーの健全な発展もあり得ない、こういうことでございます。したがいまして自動車シャシーメーカー、そして部品工業界その他緊密一体となった安全性の問題に対する協議の場も必要になってまいるわけでございまして、現実に自動車工業会におきましては、その安全に対する協議会、すべての利害関係者の入りました協議会を設けまして、本問題に真剣に取り組んでまいりたいという態度をすでに示しておるわけでございまして、こういう場におきまして自由な論議が行なわれ、その場を通じて部品のさらに円滑な、そうして安全性の確保された製品の確保につとめてまいりたいというふうに考えております。
○近江委員 設計あるいは構造の欠陥によるところが多かったというお話ですが、それは全部であるとは言っておられませんが、しかし完成車の性能に非常にばらつきが多かったということは私も聞いておるわけです。たとえばエンジンのボーリングをする期間なども標準よりも極端に短い。そういうようないろんな部門でばらつきが出ておる。そうすれば部品の製造管理が非常にずさんじゃないかということが当然考えられるわけであります。材質の問題あるいはまた規格の問題等が出てくるわけです。さらに材質についての試験研究機関等はどうなっておるのか。いろいろな問題がそれから広がってくると思うのです。いま申し上げたそうした問題点。 それから自動車部品についてJISマークのついたもの、それと団体規格があるように聞いておりますが、この団体規格というものは法律的な根拠はあるのですか。いま数点申し上げた点について、通産省としてはどのように考えておりますか。
○吉光政府委員 現在自動車部品につきましてJISマークがきめられておりますものは直接の部品で約百でございます。それから自動車に関連する他部門、ガラスでございますとか鉄鋼でございますとかいうものを含めますと約二百件でございまして、いまお尋ねございました日本自動車規格、バス車体規格、トラック車体規格、これは民間の学術団体、ユーザー団体等が定めましたところの団体規格でございまして、これはいわゆるJISマークとは違った制度でございます。
○近江委員 JISマークと違った制度でありますが、これはそれだけの根拠のある制度ですか。法的にはどういう制度になるのですか。これはかってなものをただつくらしておるという感覚じゃないのですか。
○吉光政府委員 これはJISと違いまして法的根拠はございません。学術団体あるいはユーザー団体のきめた規格でございます。したがいまして現状におきましてはいずれかというときびしい基準の規格がきめられております。
○近江委員 その点今後のあり方として、こういう規格という問題について通産省としては今後どういう方向でいこうと考えておりますか。
○吉光政府委員 先ほどもお答え申し上げましたように、現在指摘されております欠陥の個所等につきまして、私どものほうとあるいは工業技術院の自動車安全公害研究センター及びJIS規格に関連いたしますので、標準部というようなところで原因の分析調査を行なっておるわけでございます。まだ最終的なまとめまでいっておらないのでございますけれども、現在までの一応の報告によりますれば、現実にJISに指定されておりますそういう製品について、そのものずばりが欠陥事項に該当しておるというふうなことにはなっておらないわけでございまして、先ほどお答え申し上げましたように、これは延べ件数でございますが、全体六十五件数のうち三十四件数が設計構造上の問題、それから四件数が設計材質上の問題、その他となっておりまして、相当多数のものが設計あるいは組み立て、そういう関係に欠陥があったというふうなことが指摘されておるわけでございます。もちろんこれはさらに分析を続けてまいりたいと思いますが、同時に、こういう問題につきましてはさらに検討を続けまして、要すればJIS規格品目につきまして追加を行なってまいりますとか、あるいは現在JIS規格に指定されておりますものにつきましても、内容をさらに追加してまいるというふうな方向で積極的に検討を続けてまいりたいと考えます。
○近江委員 自動車産業はいままで通産省が大いに力を入れてやってきたわけですが、必ずしも通産省の指導どおりやらないというところも出てきている。次官の発言等見ましても、この自由化の問題を控えて、まあどちらかといえば自動車産業もある程度もうかってにやりなさいというような、そういう姿勢が感じられるわけであります。一つの具体例で申し上げれば、子供も成長して手が負えなくなってしまった、ほとほと手をやいたというような感じをあの次官の発言でもわれわれとしては感じ取るわけですが、それでは今後自動車産業というものをどのように根本的に監督指導していくか、その辺のところが非常にもやがかかっておるように思うわけです。その辺の根本的なあり方について大臣にひとつお伺いしたいと思うのです。
○大平国務大臣 先ほども武藤委員の御質問にお答え申し上げましたように、自動車産業は百二十万人の雇用を擁する基幹産業として発展してまいったわけでございますから、国際化された経済の中におきましても、日本の自動車産業を、それ自体の存立を認められる、主張できるような体質を持ち、力を持ったものに育てあげなければならぬと思います。また、それはできると私は考えます。業界におきましてもせっかく努力をお願いせざるを得ませんけれども、行政当局といたしましても懸命な指導に誤りがないようにいたしてまいりたいと思います。
○近江委員 いまのは抽象的なお答えだったと思うのですが、ここで部品企業を自動車メーカーと対等の地位まで、そこまで持ってくれば、当然部品の品質も非常に向上する、こういうことはだれしも考えることでありますが、この両者のそうした取引関係の改善のあり方、さらに部品工業のそうした育成、金融あるいは技術指導、あるいは組織強化等について通産省としてはどのような具体的な対策というものを考えておられるか、この辺のところを局長にお伺いしたいと思います。
○吉光政府委員 先ほどお答え申し上げましたように、自動車工業の健全な発展というものはやはり部品工業と一体をなして考えられるべきものであるというふうな基本的観念に立っておるわけでございまして、したがいまして、部品工業につきましては、従来から機械工業振興臨時措置法の対象にいたしまして、当初の段階におきましては、それぞれの個別企業の近代化、合理化を通じ、専門店化してまいるというような方向で指導してまいったわけでございますけれども、昨年からさらにそれをユニット化いたしまして、機能的にユニット化してまいるというふうな方向で、いわゆる集約化を一つの指導理念といたしておるわけでございます。だんだんその実績があがってまいっておりまして、それぞれの部品工業、特に、現在一次下請と申しましょうか、独立部品メーカーと申しましょうか、そういうメーカー、約三百五十社あるわけでございますけれども、この売り上げ高、利益率等をとってみましても、シャシーメーカーとあまり変わらない、遜色のない、そういうところまで部品専門企業は成り立っておるわけでございます。問題は、さらにそれにつながっておりますところの一次下請、二次下請等の、いわゆる中小の下請に対しましては、いまの機械工業振興臨時措置法を通ずるグループ化の対象として育成されておりますもののほか、さらに御承知の中小企業近代化促進法の対象といたしまして、そちらのほうから中小関係金融機関からの融資をも仰いでおるという状況でございます。ともあれ、約八千に及ぶ部品企業でございます。したがいまして、部品企業の体制がどう整備されてまいるかというふうなことは、まさに自動車工業全体の命運を握るべき、そういう地位でございますので、その地位を十分に私どもも認識しながら、さらに部品工業育成のために努力してまいりたいと考えます。
○近江委員 あまり時間がないようですので、簡潔にお答え願いたいと思うのですが、現在、新車の車検はメーカーの負担になっておりますが、二年以降の車検について、メーカーにある程度負担させる、こういう制度を考えたらどうか、こういう意見が非常に強いわけでありますが、こういう意見についてはどのように考えますか、この点が一点。 それから、メーカーがこの欠陥を発見した際の報告義務、これに対する政府の公表義務について、制度的なものを考える必要はないか。まずこの二点についてお伺いしたいと思います。
○堀山説明員 車両検査につきましては、いわゆる定期検査という制度がありまして、それは乗用車の場合は二年おきにやっております。これにつきましては、現在私どもの出先であります陸運事務所で検査をやっておりますが、民間の指定工場を使ってやるという制度をいま開いております。今後この継続の定期検査につきましては、民間工場を利用しまして、できるだけ多くその線で検査が受けられるように、現在制度的にも拡大する方策をとっております。 それから欠陥車の公表の問題でございますけれども、とりあえず通達という形で処置をとったわけでございますが、自動車メーカーから届け出る内容を広げること、及び自動車の使用者に対して、もし欠陥があった場合にはできるだけ早く周知徹底させることにつきましては、現在あります自動車の型式指定規則、この中身を改正いたしまして、その中に組み入れるということを現在検討しております。
○近江委員 それから輸出車について、輸出承認をする立場の通産省として、単なる輸出奨励だけではなく、当然安全性についてチェックをしていく、これは私は大事じゃないかと思うのです。この点が第一点。 それから、先ほどJISマークの問題等もお聞きしたわけでありますが、このJISマークの整備、これはどのようにはかっていくか。それから部品規格の単純化をしていかなければ、これは品質の向上をはかることができない、このように思っておりますが、複雑多岐にわたっておるこうした団体規格、さらに社内規格等の整理統合を進めていく必要がある、このように思いますが、今後の方針はどのようにお考えになっていますか。
○吉光政府委員 まず第一の輸出車につきましての安全性のチェックでございます。これは輸出車につきまして、たとえばアメリカのように安全基準が日本の国内車と異なっております場合、これは仕向け国におきまして、その仕向け国の安全基準に該当しているかどうかのチェックが行なわれるわけでございます。それから東南アジア等の輸出国に対しましては、これは日本の国内で安全性がチェックされておりますれば、これがそのまま輸出されるわけでございまして、したがいまして、国内におきますところの生産体制におきまして安全性がチェックされれば、それがそのまま輸出車としての安全性につながるというふうに考えておるわけでございます。 それから第二のJISマークの整備の問題でございますけれども、先ほど一部お答え申し上げましたように、やはりJISマークとして指定するものにつきまして、指定要件を満たしておりますものにつきましては、積極的にこれを進めてまいりたい、こういう気持ちでおります。 それから第三の部品規格、社内規格その他についてでございますが、やはりできればJISマークで統一してまいるということが、一番ふさわしいかと思うわけでございますけれども、それが前提条件といたしまして部品規格がきまってまいるというふうなことも必要になってまいるわけでございまして、こういうような問題につきましては、ものによりましたならば部品規格をきめることの可能なものもございますし、またものによりますと、部品規格として画一化するというのにふさわしくないものもあろうかと思うわけでございまして、規格化できるものにつきましては積極的にこれを規格化してまいり、そしてまたJISを中心として標準化してまいるという方向でまいりたいと考えております。
○近江委員 きめられた時間も来ないうちに本会議の時間が来ましたので、保留しておきます。後ほどまた質問をいたします。
○大久保委員長 本会議散会後再開することとし、この際、休憩いたします。 午後二時三分休憩 ————◇————— 〔休憩後は会議を開くに至らなかった〕