商工委員会 第36号
- 発言数
- 60 件
- 登壇者
- 6 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1969/06/25
会議録
○大久保委員長 これより会議を開きます。 中村重光君外十一名提出、小規模企業振興法案を議題といたします。
○大久保委員長 まず、提出者から本案の提案理由の説明を求めます。中村重光君。
○中村(重)議員 私は、ただいま議題となりました小規模企業振興法案につきまして、提案者を代表し提案理由を御説明いたします。 今日、小企模企業は、その実態から見て施策において特段の配慮がなされなければならないことが明らかであるにもかかわらず、その施策は中小企業施策全体の中に包含されているため、小規模企業は施策の重点からはずされ、不安定な状態に置かれております。ことに、三十年以降の高度経済成長過程では、製造業においては大企業による系列化が進み、中小企業の再編成が進展したため、小規模企業は取り残されております。また、商業、サービス業におきましても、需要構造の変化と大衆宣伝を媒介にした販売合戦は、国民と接する小売商を系列化し、他方では、大資本による疑似百貨店、スーパーマーケットがあらわれ、小規模商業、サービス業の経営が不安定になっているのが今日の実情であります。 最近のわが国経済の国際化の進展の中で、中小企業をめぐる環境が大きく変化し、それに対応するため中小企業の体質改善が主張され、繊維工業に見られる構造改善事業や近代化促進事業が進められておりますが、小規模企業やアウトサイダーは放置されております。 わが党は、こうした事態にかんがみ小規模企業の振興をはかることを繰り返し強調し続けて参ったのであります。 この際、中小企業基本法の小規模企業規定の趣旨に即しまして、国が小規模企業に対して特に講ずべき施策を明らかにすることによって、小規模企業者に対する施策が円滑に実施されるようにするとともに、小規模企業の従事者が他の企業の従事者と均衡する生活を営むことができるように、小規模企業の振興をはかることが緊急に必要なことと存ずる次第であります。 これが本法律案を提案する理由であります。 次に、その内容の概要を申し上げます。 まず第一に、小規模企業者に対して特に講ずべき施策の企画・立案等に資するため、小規模企業の実態を明らかにする調査を行なうことを規定いたしました。 第二は、小規模企業の経営の改善及び従事者の福祉の向上について、指導及び相談に応ずるため、特に小規模企業のための指導施設、相談施設など必要な施設の整備につとめなければならないことを明らかにしたのであります。 第三に、小規模企業者に対する金融の円滑化を確保するため、金融機関の融資総額の一定割合以上が小規模企業者に対して貸し付けられるよう必要な施策を講ずること、また、信用補完制度においては、小規模企業者に対し、担保を提供しない場合の債務保証の限度額の引き上げ、債務保証の保柾料の引き下げなど必要な施策を講じなければならないことを規定いたしました。 第四に、小規模企業者の租税負担の適正化をはかるため、事業税の減額、家族労働者に支払う給与の全額控除など、合理的税制を確立するための必要な施策を講ずることを規定いたしました。 第五に、小規模企業の従事者の福祉向上のため、従事者のすべてを各種社会保険の強制適用を行なうとともに、社会保険における事業者負担を軽減するため必要な施策を講ずることを規定いたしました。 第六に、小規模企業者の利益の不当な侵害を防止し事業活動の機会の適正な確保をはかるため、協同組合などの事業との調整を行なうことを規定いたしました。 第七は、小規模企業振興審議会を設け、この法律の施行に関する事項の調査審議を行なうことにいたしたのであります。 以上が本法律案提出の理由並びにその内容の概要であります。 何とぞ、すみやかに審議され、御賛成あらんことをお願い申し上げて、提案の趣旨説明といたします。(拍手)
○大久保委員長 これにて提案理由の説明を終わりました。 本案の質疑は後日に譲ることといたします。 ————◇—————
○大久保委員長 内閣提出、参議院送付、軽機械の輸出の振興に関する法律を廃止する等の法律案を議題といたします。 質疑の申し出がありますので、これを許します。中村重光君。
○中村(重)委員 時間の関係もありますので、簡潔にお尋ねいたしますから、ひとつ御答弁も簡潔にお答えを願いたい。 この軽機械の輸出の振興に関する法律を廃止する等の法律案を御提案になっておられるわけでありますが、廃止する積極的な理由は何か。具体的に申し上げますと、三十九年に五カ年間の期間延長をいたしましたが、期間が満了することになりますから、したがってこれを廃止しようとすることが重点なのか、それではなくて、競争力が十分についたから、もう必要はないのだというお考え方に重点が置かれておるのか、その積極的な理由についてお答えを願いたいと思います。
○吉光政府委員 この法律が施行されましてから十年間に、業界内部におきますところの行き過ぎた競争という現象がだんだんと解消されまして、秩序ある輸出というふうなことが現実にできる体制ができたということが積極的にこれを廃止することに踏み切った理由でございます。と同時に、これはすでに先生御承知のとおり、登録制あるいはまた強制負担金の徴収というふうな、他に例を見ない特別の措置を家庭用ミシン業界及び双眼鏡業界に対して加えておるわけでございますので、こういうふうな特別措置はできるだけ早く廃止したほうがいいというこの前の附帯決議の線にも沿いまして、この機会に廃止する方針をきめたわけでございます。
○中村(重)委員 お答えのように附帯決議を実はつけたわけでありまして、期間中といえども目的を達成したと認めるならばこれを廃止するようにしてもらいたい、こういったような附帯決議であったのであります。ところが、三十九年の期間延長にあたりまして、中小企業者はまだ競争力がついてないからこの法律の目的がまだ達成されてない、したがって期間を延長してもらいたいという強い要望があったのであります。ところが一方大企業は、その必要はないじゃないかということで、むしろ期間延長に反対をしたという経過があるわけであります。 今回は一応足並みはそろったということになっておるようでありますけれども、中小企業者は期間延長というものを強く望んだのではないか。そうした中小企業の期間延長に対する声が大きな音となり得なかった、そういうことから一応足並みをそろえたという形でもって今度廃止することになったのではないかと思うのですが、その点どうなんですか。
○吉光政府委員 ミシンにつきましては十のグループ化が現にでき上がったわけでございます。と同時に、双眼鏡につきましては八つの協同組合ができまして、その協同組合の共同事業体制というものが完成いたしました。したがいまして、この法律の目的といたしておりましたそれぞれの業界の秩序づくりというものが現実に成果を得、特に中小企業、零細企業の圧倒的に比重の多い双眼鏡業界におきましても、八つの協同組合の組織づくりが完成し、同時にまたその内容につきましてさらにこれを充足していく機運もすでに出てまいっておるわけでございまして、今回のこの法案を提案いたしますに際しまして、特に中小企業のほうからこれを延長してもらいたいという意味での積極的な要請は私ども受けておらないわけでございます。すべての業界一致いたしまして秩序づくりに成功した、したがって、この法案につきましてはこの期限どおり廃止してもらってけっこうであるというふうな意味の意思表示を受け取っております。
○中村(重)委員 そうすると、資本別の生産及び輸出の実績はどういうことになっていますか。
○吉光政府委員 家庭用ミシンにつきましての中小企業の輸出比率でございますけれども、四十一年五三・四%、四十二年五一・五%と、大体半数のラインが中小企業関係の輸出比率でございます。それから双眼鏡でございますけれども、双眼鏡につきましては四十一年が九八・七%、四十二年九八・九%、四十三年同じく九八・九%と、大体九九%が中小企業関係の製品の輸出比率でございまして、これは全生産が実は圧倒的に中小企業の分野で生産されておるという事情を反映いたしておるものでございます。
○中村(重)委員 いまの輸出比率というのは、お答えのように双眼鏡の場合、大企業は七企業にすぎないですね。圧倒的に中小企業が多いから、したがって輸出比率はそれだけ高くなるというのは当然なんですが、私がお尋ねしたいのは、その七企業の輸出比率と、それから圧倒的に多い中小企業の輸出比率がどういう形で伸びてきているのか。ミシンの場合も同じなんですが、そういったことをお尋ねしたかったわけです。調査室のほうから出されております資料を見ますと、四十三年になりまして企業数が相当減っているわけですね。この法律を制定いたしましたときは企業整備が進められておりましたから、年々これが減ってくることは当然でありますけれども、四十三年になってから、これはあなたのほうでも資料はございましょうからおわかりでございましょうが、どうしてこんなに減ったのか。企業整備の進行ということではなかったのではないかと思うのですが、その点どうなんです。
○吉光政府委員 四十三年に急に減ったような数字になっておるわけでございますけれども、これは負担金その他の関係で現在強制徴収になっているわけでございますが、登録事業者につきまして現実に生産をしているかいなか、もう一回洗いかえたわけでございます。四十三年度におきまして、現実にその登録業者が生産に従事しておるかどうかということで洗いかえをやりましたところ、この洗いかえのときに現にその生産をやめておるというふうな事業体が発見されましたので、それに伴いまして登録の数が減ってまいったということでございまして、これは実はこの年に洗いかえをやりましたので、現実に毎年洗いかえをやっておれば、もう少し実態的数字が変わっておったのではないかと思うわけでありますけれども、急にこの年に落ちたというふうなわけではなかったわけでございます。
○中村(重)委員 こういった特別立法を制定いたしておるのに、洗いかえを年々やらなかったということは私はおかしいと思う。こういう特別立法というものは、これがどう推移しておるのかということを絶えず調査をしておくということでなければならないのじゃありませんか。附帯決議も、期間中であってもその目的を果たしたということが確認されるならばこれを廃止してもよろしい、廃止すべきであるというような積極的な国会としての意思がここで行なわれたのならば、あなたのほうもその意思を尊重する立場に立って、絶えずそういう推移を見守っていく、それでなければ附帯決議の趣旨というものは生かされないということになるんだと思う。今度国会でこの廃止法を出そうというときに、四十三年度に、いつおやりになったのか知らないけれども、洗いかえをやってみたところが、業者がこんなに減っておったのだ、そういうどろなわ的なことではだめだと思う。そういう点についてもう少し慎重を期してもらわなければならぬ。 同時に、いつも申し上げることですけれども、国会の委員会において附帯決議をつけたならば、その附帯決議を尊重するという立場から、もっと真剣に対処してもらわなければならぬと思う。この点は全般的に共通する問題でございますから、きびしく申し上げておきたいと思います。 なお、開発途上国、特に韓国でミシン、双眼鏡の生産が活発になりつつあるようであります。まず、そういった点から考えてみまして、近い将来相当な競争力を持ってくるのではないかと考えますが、その点はどのような見通しを立てておられますか。
○吉光政府委員 ミシンにつきましては、インド、台湾、韓国等で主として生産が行なわれておるわけでございまして、それぞれの国の工業化計画の中にやはりこれらの軽機械についての振興というふうなことが組み入れられておりまして、特に台湾の製品が輸出も本格化し始めております。 それから双眼鏡につきましては、香湾、マカオ、台湾、韓国において生産が行なわれております。これらの発展途上国の産品は、いずれかといいますと、まだ品質的に程度の低いものの生産に従事いたしておるわけでございまして、そういう意味では、日本で現在つくっております高級品の域に達するまでにはまだ相当の時間がかかるというふうに考えられるわけでございまして、むしろこの際積極的に品質の向上と同時にまた高級品の販売というふうなことに重点を注いでまいるというのが恒久的な対策であろうかと思うわけでございます。 と同時に、もう一方、例の特恵制度というものがありまして、これが現在検討を加えられておるわけでございますけれども、特に開発途上の国々が、そういう点で、これは相手国の市場の関税が何%かかっておるかによって違ってまいるわけでございますけれども、高関税が課せられている国につきましては、これら発展途上国の製品に競争上有利に働くという面があるわけでございます。そういう意味では、むしろこの特恵問題につきまして、やはり特にミシン、双眼鏡につきましては何らかの形で特恵除外にならないかどうかという点につきまして積極的に努力してまいりたいと思います。
○中村(重)委員 なるほど品質の点についてはまだ競争力は低いということは考えられる。ところが御承知のとおりに、双眼鏡というのは国内のウエートよりも輸出ウエートが非常に高いわけです。だから開発途上国の技術というものもさらにこれは高まってくるであろうということが考えられることが一点です。 もう一つは、日本の企業が資本進出をやる、そしてまた技術者も相当数進出をしていく。そこで低賃金の労働者を使っていくということになってまいりますと、国内におけるところの逆輸入というようなものもいろいろな形において行なわれるであろうと思いますし、またそれよりも、結局海外市場でわが国の製品との競争というのが相当激烈化してくるのではないか。そういう意味におきまして海外市場の競争というようなものは心配ないというふうにお考えになっておられるか、その点どうなんですか。
○吉光政府委員 海外市場におきます競争はますます熾烈になってまいるという前提で判断したほうがいいのではないかと思うわけでございます。 いま理由につきましては、御指摘の中にもございましたように、発展途上国からの追い上げというようなものもあるわけでございますけれども、同時にまた、こういう製品の性格から、需要が急激に伸びてまいるというふうなことは予想されないわけでございます。したがいまして、いまからの方策といたしましては、やはり高級品、そしてそれを輸出秩序に乗せて、秩序よく輸出してまいるというふうなかまえと同時に、いままで開拓しておりませんような市場がまだございます。そういう市場に対する販路開拓というふうなことも積極的に手を打ってまいらないと、いままでのような輸出の伸びというふうなものは期待できないのではないであろうか、むしろ施策の重点はそういう方向に置くべく努力すべきであるというように考えます。
○中村(重)委員 当然なことだと思うのですが、私が申し上げましたように、開発途上国の技術も非常に向上してくる。国内の企業が資本進出をしていくということになってまいりますと、同じようなことを開発途上国だってやるだろうと思うのですね。相当熾烈な競争が展開されるのではないか、そのようなことが予想されるときに、この法律案を廃止するという点に、やはり何か不安というようなものが私ども残るわけです。局長の答弁を伺っておりますと、従来の基盤というものを存続する、これを維持し、発展させていくのだ。双眼鏡においても、八事業協同組合に集約化されている、ミシンの場合も同じような傾向にあるのであるから、もう競争力の点について少しも心配ないのだと、むしろ楽観的なお答えをしておられるわけでございますけれども、私は必ずしもそうは思わないのですよ。輸出市場におきましては、いま申し上げましたようなことが予想されるし、いま一つは、このきびしい規制の法律が廃止されたということになってまいりますと、やはり大企業はそれなりに資本力にものをいわせたいろんな規模拡大というような方向に進むであろうということは考えられる。また新規参入というものが規制されないということになる。また八事業協同組合に集約化するといいながらも、アウトサイダーというものが出てこないという保証はない。ずっと従来の実績をお考えになってみると、私が申し上げていることは、いや、そういうことではないんだということは言えないのであります。その点が全く不安がないというようにお考えになっておられますか。確信を持って御答弁なさることはけっこうなんだけれども、その確信がゆるぎないものであるかどうか、私はその点が問題であると思うのです。その点はいかがなんですか。
○吉光政府委員 せっかく過去十年間の努力によりまして、ミシンにおきましては約十の集約化、グループ化が進行いたし、すでに固定化いたしております。それから双眼鏡につきましては、いま御指摘の中にございましたように、八つの事業協同組合がこれもまたすでに固定化いたしつつあります。現在はむしろ事業協同組合の内容を拡充してまいるという方向で、それぞれの組合員の意見が一致いたしておるわけでございます。したがいまして、現にあります事業者に対する秩序が非常に確固たるものになりつつあるわけでございまして、この体制はこの法律を廃止いたしましても簡単にくずれるものではないというふうな判断に立ったわけでございます。と同時に、輸出秩序のニューカマーの問題でございますけれども、状況いかんによればニューカマーが出てくる余地も全然ないとはいえないわけでございますけれども、現実に事業を営んでおられる人々の事業がこういう組織の中で強固な団結を持っておりますので、そう簡単にはニューカマーも出てこれないのではないであろうか。これをはばむ道はないわけでございます。はばむ道はございませんけれども、現在の既存の業界の秩序づけが相当定着いたしております。したがいまして、そういう点でいささかの不安も——と言いますといささかオーバーでございますけれども、現状において判断できる限りにおきましては、そう心配する必要はないのではないだろうか、こう判断いたしております。
○中村(重)委員 あなたのお答えを聞いておりますと、非常に確信を持っておられる反面、もし過当競争が起こってくる、輸出秩序が乱れるということになってくると、輸取法あるいは団体法においてこの法律を活用する、そこで輸出秩序を守っていきたいということをおっしゃっておられるのだけれども、この輸取法にいたしましても、あるいは団体法にいたしましても、なかなか有効に働かないのですね。そういう法律があったのだけれども、それで不十分なものだからこういう特別立法をおつくりになったわけだ。だから、輸取法であるとかあるいは団体法にあまり大きく期待をするということは問題がある。だから、こういったきびしい法律があるのにこれを廃止するという場合は、それに対応する措置というものがなければならぬと私は思う。業界に対して自助努力をお求めになることはけっこうだけれども、それと同時に、政府がこの法律を廃止される、そこでショックが起こらないように、やはり現在の基盤を、お答えのようにさらに存続し、維持し、これを発展させていくならば、それに相応するところの対策をお立てにならなければならないのじゃないか。具体的にはいろいろありましょうが、完全共同化の方向というものが当然推進されなければならない。そういったことについて前向きのお答えがなされていないわけですよ。ただ団体法であるとか、あるいは輸取法に期待をするのだということだけでは、私は不十分だと思う。だから、自助努力と同時に、やはり通産省としてこのような対応策を講じていきたい、そうした積極的な対策がなければならないのではないか。先ほど私がお尋ねをしてお答えがございましたように、四十三年度に急激に業者が減っていることは何なんだ。いま洗い直して初めてわかったのだ、そういう消極的なことでは、私はやはり不安があるわけです。その点、ひとつ通産大臣から、この際お考え方を明らかにしておいていただきたいと思います。
○大平国務大臣 いままでも御説明申し上げましたように、この措置は臨時的な特例法でございまして、過当競争状態を排除して輸出の振興に特別な措置を講じるというものでございまして、その限りにおきましては、業界の体制もようやく固まってまいりましたし、また輸出振興策として設立された団体の賦課金を強制徴収しなくても、もう業界の中でそれだけの調弁が自主的にできますし、そのセンターの運営についても自信が持てる段階になりましたので、特例法が志向いたしました目的は一応達したから、それだけをはずすわけでございまして、機振法的な振興対策でございますとか、御指摘の団体法あるいは輸出入取引法、そういった方面での規制は、一般の関連産業と同様に受けるわけでございます。つまり、そういう特例法でもって規制しなければならないという事態が解消されただけでありまして、中村委員が御指摘のように、この双眼鏡並びにミシン業界に対して政府が手をゆるめていいというようなことは決してないと思うのでございまして、業界の体制の整備、輸出秩序の維持、そういうことに対しましては、絶えざる関心を通産省としても持ち続けまして、遺憾のないようにしてまいらなければなりません。また御指摘のように発展途上国の追い上げがいよいよ急を告げておる今日でございますので、わが国の輸出産業を守る見地から申しましても、技術の開発にいたしましても、また設備の近代化、業界自体の共同化、そういった面につきましては不断の努力を傾注してまいりまして、仰せのようにいささかも業界指導の努力が弛緩することのないようにやってまいるつもりでございます。
○中村(重)委員 附帯決議もつけておったことでありますし、ただいまの大臣並びに局長の答弁を信頼をいたしまして、この廃止法案に賛成をすることにいたしたいと思います。 最後に、要望申し上げて質問を終わりたいと思いますが、シンガーミシンの場合におきましても、パインミシン会社といわゆる合弁会社ができて、シンガーミシンという名のもとに相当な販売をやっておる。また一方、資本自由化の問題にいたしましても、競争力が十分つき、いささかも不安がないという時点までこれを押えていきたいということでございますが、自由化要求の声は非常に高くなってくるであろうことも予想されるわけであります。また、特恵関税の問題においても私はしかりであると思うのであります。 いま一つ、御答弁を伺っておりまして不安に思いますことは、アメリカ市場におけるミシンの販売、アメリカ国内で生産をしておるミシンと比較をいたしまして価格が一割安いということがやはり気にかかるのであります。価格競争でもって輸出を伸ばしていくということは、低賃金労働力を利用するところの開発途上国の追い上げというものが強くなってまいりますと、その面で私はやはり競争に負けるという不安があります。だから価格競争ではなくて、品質を非常に高めていく。日本のミシンでなければ、日本の双眼鏡でなければだめなんだというような信頼を高めていく。価格は相当高くとも日本の製品に対して期待を持たせるというような努力というものが続けられてこなければならないと思います。その点に対して十分遺憾のない対策を講じられるように強く要望いたしまして、私の質問を終わりたいと思います。
○大久保委員長 玉置一徳君。
○玉置委員 この法案はたいして質問をするようなところもございませんけれども、一言二言疑義をただし、御要望申し上げたいと思います。 まず第一点は、先ほどお伺いしておりますと、事業協同組合もしくは輸出のための組合等の秩序が立ったと思われるからこれを廃止するというお話でありますが、これの輸出につきまして、いわゆる商社並びにこの組合自体が軽機械センター等を使いまして輸出をしている割合はどうなっておるのか。いわゆる三井、三菱、伊藤忠等の商社を通じて輸出しておる割合と事業協同組合自体もしくはそれの先兵である軽機械センターが直接輸出に関与しておる、この二つの割合がわかっておりましたら、ほぼでけっこうですから……。
○吉光政府委員 現実の輸出取引の秩序でございますけれども、総合商社にこういう品物を扱わせるというふうな形ではございませんで、むしろメーカーと輸出業者と相手のインポーターというふうなものがそれぞれある一つのルートに乗ると申しますか、そういう体制でいままで輸出秩序の確立をはかってまいったわけであります。要するに、一般の商品と違いまして、ともするとこの主力が全部輸出品でございますので、競争市場で乱売が行なわれるということが一番まずいわけでございます。したがいまして、そういうメーカーそしてこちらの輸出商社、これは主としてもうすでに固定されております代理店と申しますか、そういうふうな、だれにでも売るというふうなことではなくて、ある特定の指定商社と申しますかそこを通じまして、同時にまたインポーターも、どのインポーターにでも売るということではなくて、相手国の中で相当信用力のあるインポーターとそれぞれ結びつきを持っておりまして、そういう秩序で販売ルートを確立してまいるということがいままでの努力であったわけでございます。したがいまして、ほとんどすべての商品といっていいものがその取引秩序の中で輸出されておるというのが現状でございます。
○玉置委員 そうすれば、その中に占める軽機械センターの役割りというのは、どういう役割りをいままで果してまいりましたか。
○吉光政府委員 軽機械センターは現在外国に四カ所設置されておるわけでございますが、これはいずれかといいますとまず一般的な市場調査、その国における当該業界の動向、需要の動向、双眼鏡にいたしましてもミシンにいたしましても、いろいろの品質規格が、特に双眼鏡につきましては非常に多くの品質規格があるわけでございまして、どういう商品に嗜好が推移してまいっておるかというような意味の市場調査でございますとかあるいは積極的に引き合いのあっせんをやることもあるわけでございますけれども、そういうふうな一般的な啓蒙活動が中心でございます。と同時に、たとえば例のアメリカで起こりましたシンガー事件、あるいはまたヨーロッパで起こりましたEECの混合関税問題等につきまして、政府の経済外交とうらはらな形で、民間ベースでこの問題を打開していくというような意味での先方の事業者との間の交渉ごとというような、まわりを取り巻く環境の整備と申しますか、そういう点につきましてもセンターは活動いたしております。
○玉置委員 そうしますと、センターそのものは、取引面に入ることはあり得ても、それは主たる仕事ではなく、市場調査その他環境の整備、こういうことになると思いますが、ジェトロでこれを吸収しもしくはジェトロで代行するということはあり得ないのですか。
○吉光政府委員 現在の機構もジェトロの機構でございます。ただジェトロの一般業務と違いまして、ある特定の品物について具体的に市場調査あるいはまた交渉ごとをやるという点がジェトロの一般活動とは違った面があるわけでございます。
○玉置委員 そうしますと、この輸出振興の法律が廃止されますと、何か輸出振興はそれで終わったような感じもせぬわけでもございません。軽機械センターそのものの活動は今後もせっかくできた秩序の上に立ちまして一そうの努力をしていかなければならぬということになりますと、中小企業が主たる業界の中で、五〇%の国の補助でありますけれども、でき得ればこれは全額国庫補助というわけにはいかないか。せめてジェトロ並みの援助をするような方向に持っていく意図がありやなしやお答えをいただきたいと思います。
○吉光政府委員 機構的にはジェトロの中に入っておるわけでございますけれども、先ほどお答え申し上げましたように、ジェトロが一般的な経済動向、一般的な輸出振興活動をやっておりますのに対しまして、軽機械センターはいずれかといえば業界に近い線で、それぞれ具体的商品について宣伝活動あるいは調査あるいはアフターサービス等のあっせん等をやっておるわけでございます。したがいまして、これをジェトロ並みの補助率まで全部高めることは望ましいことではございますけれども、直接の便益が当該業界に直接はね返ってまいるというふうな性格の仕事をやっておるわけでございますので、やはり一部民間負担もやむを得ないのではないかと思うわけでございます。ただ、五〇%が妥当であるかどうか、そういう点につきましてはさらに積極的に検討させていただきたいと思います。
○玉置委員 先ほど中村委員からの質問にもありましたとおり、せっかくきょうまで体制整備も整いましたし、大きな成果もあがり、秩序づけができてきたということになりますが、未開発国の追い上げというものはやはりこれも相当に日とともに問題になってくると思います。したがって、きょうまでの近促法だけのこれの振興では——まずます技術の高度化というところへ持っていかなければいかぬと思いますが、業界ぐるみの振興法なり近促法と構造改善法のまん中くらいのものをいま中小企業庁でも考えておりますが、そういう振興策について具体的に何かお考えがあるかないか。 その次は、ことに中小企業のことでございますので、機械新技術の開発という問題に思い切った力を出さなければいけませんけれども、そうした資力が伴わないかもしれませんが、政府は、新技術の開発についてどういうような、プロジェクトを考えておいでになるか。業界の振興したがって輸出の振興のためにどういうようなお考えを持っておいでになるか、ひとつこの機会に具体的にお答えいただきたいと思います。
○吉光政府委員 ミシン及び双眼鏡の完成品あるいは部品等につきまして、過去におきましても中小企業近代化促進法の体系の中で基本計画、実施計画等を組みながら具体的にきめこまかい指導をしてまいったわけでございます。その結果、設備におきましては特別償却の恩典等によりまして相当新しい設備、革新的な設備が導入されたという実績を持っておるわけでございます。したがいまして、この線の仕事はさらに一そう進めてまいる必要があるというふうに考えております。 それから技術研究の問題でございますけれども、これは従来双眼鏡あるいはミシンともそれぞれ開放研究所を持っておったわけでございます。ミシンの場合におきましては今後機械検査協会の中で研究を続けてまいるというふうな体制がとられたわけでございますが、特に中小零細企業が圧倒的に多い双眼鏡の業界におきましては、従前の日本双眼鏡開放研究所というものが設置されておりますけれども、これを中心にいたしまして、新技術開発がさらに進めていくということになるわけでございます。従来この研究所に対しまして機械振興資金等を通じて助成をはかってまいっておるわけでございますけれども、やはり一本立ちになりましても必要な研究資金を状況に応じ機械振興資金等からさらに援助してまいるというふうな方途も研究いたしたいと思います。
○玉置委員 関連しまして大臣にお伺いしたいのですが、この問題とは直接関係ないように感じますけれども、輸出秩序の撹乱と申しますか混乱は、総合商社が非常に競争し通すというところに原因があるように思うのですが、幸い今回の場合にはあまり直接には関係ないようには思いますけれども、総合商社の輸出の過当競争と申しますか、こういうものの秩序づけということにつきまして何かのお考えがあるかどうか、この機会にお伺いをしておきたいと思います。
○大平国務大臣 総合商社という形態は日本にユニークなものでございまして、最近輸出ばかりでなく、デベロッパーとしても非常に多彩な活動をしておるもので、非常に多岐的な機能を発揮しておる特異なものでございまして、なぜこういうものが日本にできたのか、これは将来どういう発展の様相をたどるか、そのあたり全く逆賭できないのでございますが、私どもとしては、日本の持っておるエネルギー、信用、そういったものを具体化した力として総合商社の持っておる機能はそれなりに十分尊重してまいらなければならぬと思っております。ただ御案内のように、海外におきましてそれらがお互いにしのぎを削りまして、国益にマイナスになる面がないとは決していえないわけでございまして、それが非常に過度にわたり、自由な経済活動を保障してまいるのが基本でございますけれども、非常に秩序を乱すことで放置しておけないという場合には、現在のわれわれの体制では取引法の発動によりまして規制するより手はないのでございますが、できるだけ自由な活動を保障することに基本を置きまして、なるべく規制は御遠慮すべきじゃないかという考えでございますが、目に余るものがございますならば、十分考えていかなければならぬと思っております。
○玉置委員 いまのお話のとおり、総合商社の活動というのは日本独特のものであって、こういうものがアメリカにもありましたら、アメリカの輸出がすっかり変わっておるだろうといわれるほど、きょうまでの功績というものは非常に大きいものがあると思います。しかし、在外公館に参りまして一番皆さんが訴えるのは、大体ある一定の金額で総合商社一社ぐらいしか来るシェアがないのに、二社、三社がおいでになる。日本のある品物を一千万ドルで輸出をした。その数日後にうちだったら九百万ドルでそれを輸出しますよと言って競争をやってくるものだから、向こうの輸入業者が、日本の商品を扱うのはよほど考えなければ非常な損をする機会があり得るというようなことで、これは過当競争の非常なマイナス面だと思うのですが、法的にどうするということはできないと思います。いいところは大いに伸ばしていただいたらよろしいのでございますけれども、そういったモラルをどういうようにあの人たち自体に持たしていくかというようなことを、何かひとつ懇談会等をお催しになるとかいうようなことをして、徐々にその弊害をなくする方向に御指導いただきたい、こう思うのです。 そこでもう一つでありますけれども、輸出振興の法案の廃止でありまして、別にこれは一つの時期もまいりましたし、それから秩序づけもできましたものですから、決議案にも盛られておりましたような関係もございまして、廃止をされるわけでございますが、この間通産省の方針を、戦後のきょうまで増産並びに輸出振興に主力を置いてきたやり方を転換するんだというようなことが新聞に載っておりまして、もうすべて業界そのものが御自由になさいませ、ここまで力がついたらほうっておくぞというような感じもする。公害やその他に全力をあげるんだというような感じにとられるようなこともございましたし、そういう関連でこういうものが行なわれるんだという錯覚を起こされたらいけませんので、今後ほんとうにどういうようにお考になっていますか。まだコンクリートはできておりませんのでしょうけれども、この法案と関連しまして、この間から通産省の、軽気球が上っております方針の転換について、商工委員会の機会がございますものですから、大臣としてしゃべれるだけの御説明をいただきたいと思います。
○大平国務大臣 それより前に、総合商社の問題ですけれども、これは総合商社の社長会というのがございまして、ときおり私も出まして、大きな話し合いは業者間でやっておりまするし、最近の傾向といたしまして、玉置さん御指摘のような、ほんとうに歴然たるわが国の不利を招来するような取引について、事前にその商社間でのある種の暗黙の了解がございますならばたいへんにいいわけでございますが、そういった機運も徐々にできつつあるということを御報告しておきます。 それから、通産省の新政策でございますが、これは取り立てて言うまでもなく、いままでの本委員会での御論議を通じましても、各委員においても十分お考えを言っていただいていることと思いますけれども、いままでの通産行政というものは、いわば物資の生産、輸出及び流通というような物資本位といいますか、したがって、通産省の仕組みにいたしましても、重工業局とか化学工業局とか繊維雑貨局という、物本位になっておるわけでございます。ところが、いま非常に問題なのは、たとえば住宅というようなものをどうするかというような問題、非常に国民生活に近接した問題でございまするが、一体この住宅というものを考えてみた場合に、これは一つの総合産業でございまして、鉄とかアルミとか木材とかいう単品の集合体でございますけれども、特異な機能を持っておるわけでございますから、住宅産業というようなものを育成するという立場から、通産行政は単品行政から一歩前進しないといけなくなっておるんではなかろうか。したがって、ことしの予算で住宅の調査費をいただきまして、行く行くはこれをプレハブリケーションに持っていかなければならぬ。そして、いまの非常にプリミティブな形で大工、左官でやっておるような仕事、三兆もの投資が行なわれておるにもかかわらず、そういうような仕事があるということに着目しないのは、これは怠慢じゃないかということが言えるわけでございます。 それから、いま非常にやかましくなっておる公害問題、これももう一つの企業の要件というよりは、企業の存立の根本にさわってきておる問題でございまして、これもまた単品行政ではカバーし切れないような広範な問題になってきておりまするし、それからまた、われわれが言っております資源問題、鉄だ、石炭だ、ウランだとかいうような問題も、いままでばらばらに電力の問題とかガスの問題とかいうような二次的なエネルギーの問題として非常に論議したけれども、一番根本の足になっておる第一次のエネルギー、一体経済がこのように成長して、総合開発計画で昭和六十年にはこんな構想だ、百五十兆もの国民生産が可能だというようなときに、それに必要とされる資源というような問題を一体どうするかということが十分問われていないんじゃないかというような問題もございまするので、私どもとしては、その国民生活のはだにできるだけ近いところに行政の焦点を持っていかないと、申しわけないんじゃないかということで、いまぼつぼつ研究を始めまして、来年度の概算要求までには、まあ明年度実行すべきであり、できるものを見当をつけまして、出してみようかということで鋭意研究しておるわけでございますが、一部新聞でそういうふうな報道が行なわれておりますけれども、まあ当たらずどいえども遠からず、そういうような感じで進めておりますということを御報告申し上げておきます。
○玉置委員 質問じゃございませんが、最後に希望を申し上げて、質問を終わりたいと思いますが、いまのお話のように、住宅産業にしろいろいろな複合産業でございますが、ただ私は、このごろ八幡、富士の合併の問題よりは少しみんなで気をつけなければいかぬと思いますのは、新しい産業を組み立てますときに、財閥の三井なら三井、三菱なら、三菱、住友なら住友の総合戦力をもってやってこられまして、あるいはチェーンストアというようなところにでもいわゆる総合商社が全部そこへ乗っていく。そうしてせっかく一つの業界として伸びてきておるものを、伸びだしてくると、ほとんど全部総合商社なりあるいは財閥がこれを吸収し、つかんでしまうというところに、もっとわれわれは注目すべきじゃないかということを——このごろ八幡、富士の合併の問題のいろいろな論議に関連いたしまして、気をつけなければいかぬ違う大事な問題があるような感じがするのであります。 いま大臣から答弁がございましたから、関連して日ごろ考えておることをちょっとつけ加えたわけですが、以上をもちまして質問を終わります。
○大久保委員長 近江巳記夫君。
○近江委員 家庭用ミシンの登録事業者数、この推移を見ますと、法の制定当初の百二十一から六十まで減少しております。それから双眼鏡の登録事業者の数は、二百十五から百九十八と、まあわずかに減少したのにすぎないわけでありますが、このミシンの登録事業者のそういう減少、これはすなわち中小企業の減少を示しておる、このように思うわけでありますが、その理由ですね、大企業のそういう不当な圧迫があったのじゃありませんか。こういう心配が一点あるわけです。 それからまた本年の四月以降に、メーカー段階で数量規制を撤廃したというようなことでありますが、今後中小企業者が不当に圧迫されることがないかどうか。この点を簡潔にお答えを願いたいと思います。
○吉光政府委員 この法律が施行されました当初におきまして、企業者が激減いたしておるわけでございますけれども、この現象は、主として従来数量割り当て制のワクをたよりにして事業をいたしておった事業者、現実には幽霊事業者と申しますか、自分では生産活動に従事していなかった事業者が、登録制が実施されることによりましてみずから事業を廃止した、いわば不健全な事業者がそのまま姿を消したというのが法制定時における現象でございます。そうして、さらに三十八年に約二十八の企業が減少いたしておりますが、これは取引秩序あるいはグループ化等を進める過程におきまして、業界相互でそれぞれ転業資金を出し合いまして、その転業資金をもとにして転業者が出たのがその次の三十八年の二十八でございます。したがいまして、こういう事情を前提にいたしまして企業数が減っておるわけでございまして、決して大企業が中小企業を圧迫してこういう結果が出たということではないというふうに私どもは了解いたしております。 それから最後に、本年の四月からメーカー段階におきます数量規制を撤廃いたしたわけでございますが、ミシン業界はすでに御承知のように、現在相当の秩序づくりが行なわれておりまして、この数量規制を撤廃いたしましても、これによって起こる混乱というものはすぐには出てこないのではないであろうか。むしろいままでつくり上げました輸出取引の秩序をさらに輸出入取引法の規制のワク内におきまして、要するに輸出取引の規制の問題として処理してまいれば十分に対処できるのではないであろうか、このように考えております。したがいまして、四月に数量規制は撤廃いたしましたけれども、現実にこの撤廃によって混乱は起こっておらないというのが現状でございます。
○近江委員 それからこの軽機械の輸出の現状でありますが、十年前くらいから比べてどうかという問題です。この軽機械の輸出の伸びというのは全体の輸出に比べてかなり小さいように思いますが、その原因ですね。それから特にこの軽機械法の対象にしておるミシンあるいは双眼鏡、この伸びが非常に小さいように思うのです。この通商白書を見ますと、ミシンは年々若干はふえておりますが、一般機械がたとえば対前年比で一二五・八、ミシンが一一八・七あるいは精密機械全体で一二〇・六、双眼鏡が一一五・三、こういうように数値が出ておりますが、この軽機法は輸出の振興に効果というものがあったのかどうか、この辺のところをお聞きしたいと思うのです。
○吉光政府委員 御指摘のように、昭和三十四年法制定当時と現在までの日本の全体の輸出の伸び、その全体の輸出の伸びの中で特にこういう法律で保護されました家庭用ミシンなり双眼鏡の輸出の伸び、これが少し低いのではないか、こういう御指摘でございますが、この日本経済の中で日本全体の輸出の伸びをささえましたのは実は機械類であったわけでございまして、三十四年当時に比べまして、昨年度では約六倍の輸出量の伸びになったわけでございます。ところが他方この軽機械関係、特にミシンにつきましては約二倍、それから双眼鏡につきましては約一・七倍というふうに、伸び率が他の機械類に比べまして相当少ないわけでございますけれども、決してこれはこの法律による効果がなかったというよりか、むしろこの法律にささえられてここまで伸びてきたというふうに考えるのが妥当ではないかと思うわけでございます。と申しますのは、従来のミシンなりあるいは双眼鏡等の輸出関係の数字は、その年々によって非常に多く波があったわけでございます。結局これはめくら貿易、過当競争、輸出先での過当競争というふうなことから大きな波を持ったわけでございますけれども、この法施行後におきましては、そういう意味の波乱は大きなものはなくて、ある一時期だけございますけれども、全体を通じますと大きな波乱はなく、着実に輸出が伸びてまいっておるというふうなことは、やはりこの法をバックにいたしまして業界の秩序づくりが健全に進展してまいった結果ではないか、このように考えます。
○近江委員 それから、最近双眼鏡の輸出価格というものが非常に下がってきておる、そういう傾向にある、こういうように聞いておりますが、今後この過当競争の心配がないかどうか、こういう問題が一点です。 それから、先ほどからも話がいろいろ出ておりましたが、香港、台湾あるいは韓国、そうした発展途上国でもそういった軽機械を当面の輸出商品として非常に努力している。その現況、それから海外市場でのそういうふうな競合の状況、それについて簡潔にお聞きしたいと思う。
○吉光政府委員 最初に輸出価格でございますけれども、確かに御指摘のように、四十二年ごろまで一時輸出価格が低落いたしております。ところが、四十二年を底にいたしまして、まただんだんと持ち直しを始めておるわけでございまして、結局、特に双眼鏡の業界につきましては、過当競争的要因が中にあるという姿なのでございますけれども、これが持ち直しに転じましたのは、やはりそれぞれの事業者がそういう意味での自覚に徹しまして、八つの協同組合にグループ化がその後行なわれたわけでございます。この八つの事業協同組合にグループ化が行なわれたということが輸出価格の低落を防ぎまして、むしろいま徐々に輸出価格全体を引き上げておる非常に強い力になっておるものだというふうに考えます。したがいまして、この八つの協同組合を核として将来の双眼鏡業界における事業が行なわれる限りにおきましては、だんだんと安定化の方向に向かってまいるのではないかというふうに考えるわけでございます。 それから第二の、発展途上国における競合状況でございますが、先ほどもお答え申し上げましたように、ミシンにつきましてはインド、台湾、韓国等で生産が行なわれつつございますし、特に台湾製品は一部輸出向けに輸出され始めておるのが現状でございます。また双眼鏡につきましては香港、マカオ、台湾、韓国において生産が行なわれておりまして、この中で特に香港の双眼鏡が最も競争力を持っておるものだというふうに考えております。ただ、これらの発展途上国の製品は、どちらかといいますと、まだいわゆる低級品と申しますか、そういうふうな部類に属するものが多いわけでございまして、したがいまして、価格的にも安いし品質的にも程度が低いというふうなものに生産の中心が置かれております。日本品と品物で競合するということはまだまだ非常にむずかしい段階ではないかというふうに考えます。 各市場でのそれらの国の製品との競合状況でございますが、ミシンについてながめてみますと、これはアメリカが総輸入いたしましたものの中での割合でございますが、アメリカにおきましては、一九六八年、昨年でございますが、日本品が七五%、台湾品が三・四%、インド品が〇・二%、韓国品が〇・一%という比率でございます。 それから西独の市場でながめますと、日本品が四三・五%、台湾品が五・二%、インド品が〇・三%、韓国品が二・三%、こういう数字でございます。 それから双眼鏡について金額ベースでながめてみますと、アメリカにおきましては日本品が九三・二%、香港品が三%でございます。 それから西独におきましては日本品が八〇%、これは昨年の一月から九月までの集計でございます。日本品が八〇%、それに対しまして香港品が六・八%でございます。 ただイギリスにつきましては、日本品が五六・三%に対しまして香港品が二二・四%、これは英連邦内における取引でございますので、香港品がイギリスでは相当のシェアを占めておるというのが現状でございます。
○近江委員 それから軽機械全般でありますけれども、この海外市場でのシェアが、特にアメリカに比べますとヨーロッパは相当低いように聞いておるわけでありますが、その原因はどこにあるのですか。
○吉光政府委員 ミシン、双眼鏡によって少しずつ事情が違うかと思うわけでございますけれども、ミシンにつきましては、特にヨーロッパでは西独、イタリアあるいはその他の国々に、シンガーの子会社でございますとか、あるいはそれぞれの民族資本でできております製造業者でございますとか、相当の製造業者がヨーロッパの諸国にはございます。したがいまして、アメリカのようにシンガー一社で支配しておるような国と違いまして、メーカーの数がやはりヨーロッパ・サイドには多いということ、これがアメリカとヨーロッパに対する日本品の輸出のウエートが違っておる根本的な理由ではないかと思うわけでございます。 さらに、ヨーロッパにつきましては、従来ともすると輸入制限的な動きがあったわけでございます。最近だんだんとそういう意味の輸入制限が撤廃され、現在ではわずかの国だけが輸入制限をやっておるという状況でございますが、こういう事情に対処いたしまして、日本からヨーロッパへの進出のしかたといたしまして、製品輸出から、逆に現地で合弁企業を営んでそこで生産するというふうな方式をとっておる会社もございます。そこらがやはり、ヨーロッパ市場におきます日本品が直接輸出するシェアとして低くなっておる原因ではないかと考えます。 それから双眼鏡でございますけれども、これはイギリスにつきましては、先ほど申し上げましたように、同じ英連邦国であるという有利さをもちまして香港品のシェアが相当大きくなっておるわけでございます。その他の国につきまして、特にアメリカに比べて日本品のシェアが低いというふうな現象は、ミシンほどは顕著でないのではないかと思います。ただフランスだけは、これは完全に日本の双眼鏡につきまして輸入制限を現在実施いたしております。したがいまして、その影響も出ておると思うわけでございます。
○近江委員 それから輸出振興事業協会の残余財産、それから今後のあり方、職員の処遇をどうしていくか、以上三点について。
○吉光政府委員 輸出振興事業協会につきましては、本法が成立いたしますと解散手続に入るわけでございますけれども、その際、残余財産をはっきりと整理されてくることとなると思いますが、大体従来の予算規模が年間四千万見当、多い年で五千万程度というふうな事業活動を実施いたしておりました。したがいまして、この事業活動から判断いたしますと、大体年度の区切りが終わり、同時にまた新しくこの六月三十日までに廃止するものとするという現行法を前提にいたしまして本年度予算を組んでおりますので、いま想定される段階におきましては、そう多くの残余財産は持っていないのではないかというふうに考えるのでございますけれども、これは現実に清算手続に入りましてさらにはっきりした数字が出てまいると思います。あらかじめ本年度の振興事業協会の計画としては、そう大きな事業予算を持っていないのではないかというふうに考えております。 それから廃止後の今後の問題でございますけれども、このミシンと双眼鏡につきまして別々に、ミシンにつきましては日本家庭用ミシン工業会、これは社団法人でございますけれども、これが現在やっておりますミシン輸出振興事業協会の業務をそのまま承継してまいるということになっております。また双眼鏡につきましては、日本輸出双眼鏡協同組合連合会、これが現在振興事業協会でやっておりました事業を承継するということになっておるわけでございます。 それから最後に、職員の身の振り方の問題でございますけれども、いずれも円滑に現在進んでおるわけでございまして、実はこの振興協会が廃止された場合に備えまして、それぞれ現在いる職員の希望を聞く。それぞれの新しく仕事を承継するところの団体でそのまま仕事をやってもらうというのが原則でございますけれども、中には、この際にほかのほうの仕事にかわりたいというふうな希望を持っておられる方等もございますので、これは私どもあるいはいままでの関係団体の方等それぞれ御努力されまして、それぞれ希望どおりのところにみな身の振り方はきまっておるというふうに伺っております。
○近江委員 たとえば残余財産等の問題について、きわめて常識的な推測の答弁があったわけでありますが、この辺のところは少なくともやはりきちっとつかんでおるのが私は当然だと思う。 これはこれでいいのですが、それから過日、ミシンの部品不足に対して関西のミシンメーカーがインドから部品を輸入しておる、これを組み込んだミシンを輸出する、こういうようなことが伝えられておったわけであります。そうしますと、この軽機法によりますと、この種のミシンは一つは輸出ができるのであるかどうかということをお聞きしたい。 それからさらに、この部品の不足対策、これについて業界あるいはまた政府としてはいかに対処していくか。 以上の点について簡潔にお答え願いたいと思います。
○吉光政府委員 中がまにつきましては指定部品となっておりますので、現在法律におきましてはこういう登録製造事業者以外の者が製造しました、たとえばインドから輸入いたしましたような中がま等を使用して、そうしてそれでつくられました製品を輸出いたします場合には、これは通商産業大臣の認可が必要であるという制度になっておるわけでございます。したがいまして、現行法の段階におきましては、すぐに手続をしないままでこれを輸出するということは許されておらないわけでございます。ただ現実の問題としまして、インドの製品、中がまは非常に品質が粗悪でございます。したがいまして、現実の商談は進みましたけれども、輸入は進まないままで現在に至っております。と申しますのは、この品不足に対応いたしまして他の中がまメーカーが増産につとめまして、その増産された品物によって部品不足問題を解消したというのが現状でございます。 将来の一般的な部品不足問題についての対処のしかたでございますけれども、これもやはりこういう品物でございますので、国内供給によってまかなってまいるというのが基本的な原則でございますけれども、時と場合によりまして、あるいは不足を生ずるということも出てこないとも言い切れないわけでございます。そういう場合には、やはり輸入品でこれをカバーしてまいるということも必要だと思うわけでございますけれども、この輸入品でカバーいたします場合に、それを前提にいたしまして、輸出検査の手続につきまして基準の改正が必要になってくるのではないかと考えます。
○近江委員 それから、この法が廃止されたあとにおいてのカバーの問題でありますが、いろいろな法案があると思うのであります。この機械工業振興法が四十六年三月三十一日に失効の予定になっておりますが、その後の処置についてはお考えになっておりますか。
○吉光政府委員 機械工業振興臨時措置法につきましては、御指摘のとおり四十五年度末、したがいまして四十六年の三月末をもって失効することとなっておるわけでございます。これは、特に開放経済下におきます機械工業の競争力の強化というふうなことに着眼いたしまして立法されたわけでございます。したがいまして、現在、この振興法の体系で体質改善等どんどん進行いたしておるわけでございますけれども、その次のステップの段階におきまして、どういう形で機械工業の体質改善を取り上げたらいいのかという根本問題ともからみ合う問題でございますので、現在、研究小委員会を内部に持ちまして、その後のあり方の問題について、業種別に根本的な見直し作業を行なっている段階でございます。
○近江委員 最後に、大臣に。この法がいよいよ廃止されることになるわけでありますが、いろいろな問題点が浮き彫りにされてきたわけであります。実際上、この業界においては、その体質の点においてもまだまだ弱体な点がありますし、金融措置の問題とか、あるいはさらに今後の輸出の増進とか、あるいは人手の問題とか、さまざまな中小企業がはらむ問題を解決しなければならぬ、そういう問題をたくさん持っておると思うのです。今後、この法が廃止されるわけであります。大臣として、業界をいかに今後育てていくか、その辺のところの抱負をお聞きしまして終わりたいと思うわけであります。
○大平国務大臣 先ほど御答弁申し上げましたように、一つの特例法でございまして、特例法の目的は一応達したわけでございますが、この特例法の廃止によりまして、この二業態に対しまして政府は手を引くなんというものでは決してないのでございます。御指摘の機振法をはじめといたしまして、輸出入取引法その他関連法をベースにいたしまして、新しい内外の経済環境に適応いたしますために、私どもといたしましても、技術の開発、設備の更新、体制の整備、輸出力の強化、そういった点につきましては特段の配慮を怠らない決意でおりますので、御協力をお願いいたしたいと思います。
○大久保委員長 これにて質疑は終局いたしました。 —————————————
○大久保委員長 これより討論に入るのでありますが、討論の申し出がございませんので、直ちに採決に入ります。 軽機械の輸出の振興に関する法律を廃止する等の法律案について採決いたします。 本案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○大久保委員長 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決いたしました。 おはかりいたします。本案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○大久保委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 ————————————— 〔報告書は附録に掲載〕 —————————————
○大久保委員長 午後二時から再開することとし、この際休憩いたします。 午後零時二十四分休憩 〔休憩後は会議を開くに至らなかった〕