商工委員会 第21号
- 発言数
- 62 件
- 登壇者
- 9 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1969/04/23
会議録
○大久保委員長 これより会議を開きます。 中小企業近代化促進法の一部を改正する法律案を議題といたします。 本日は、本案審査のため、参考人として全国銀行協会連合会会長横田郁君、社団法人全国相互銀行協会副会長加藤広治君、以上二名のお方に御出席を願っております。 質疑の申し出がありますので、これを許します。加藤清二君。
○加藤(清)委員 私は、委員長のお許しを得まして、ただいま議題に相なっております中小企業近代化促進法に関しまして二、三の質問を試みてみたいと思います。 実は、きょうは幸い参考人の全銀協の会長の横田さん、全相銀の会長の加藤さん、ともに新しく御就任になりまして、抱負、理想を抱いていらっしゃる最中だと思います。したがいまして、その抱負経綸を承ることによりまして、私ども立法府も日本の金融界に何らかの御援助ができたならばと、御両所の今年度の業績に対して期待を抱いておる次第でございます。 ところで、銀行の皆さん一番よく御案内だと思いまするが、中小企業という業態はどういうものでございましょうか。日本の生産が世界で二番目だという。それほど繁栄したという。大型景気であるという。株価は天井相場であるという。にもかかわりませず、山でカラスのカアと鳴かない日はあっても、町に中小企業の倒産と交通事故のない日はございません。いまこうやって私どもが審議している最中にも、中小企業は倒産しつつあるわけなんです。これはたいへんなことでございます。われわれ立法府としても放置することのできない問題でございます。 そこで最初に、皆さんに御参考までに金紡の倒産の状況をひとつ承っておきたいのですが、あの始末はどうなったでございましょうか。
○乙竹政府委員 金紡の倒産は、昨年の十二月十六日に金紡産業が二億一千万円の不渡りを出しまして、二十日に銀行取引の停止処分を受け、倒産をいたしました。この負債総額は五十七億七千万円にのぼっております。これは金紡産業の倒産のみならず、関連業者といたしまして金沢紡織、金沢練染、理織工業、それから金紡ニット、系列四社の倒産を引き起こしております。これの更生会社の決定の手続がいま進行中でございまするが、私たち中小企業庁といたしましては、金沢地区におきます非常に大きなグループでございますので、関連倒産を防ぐ必要があるということで、昨年の暮れに信用保険法上の特別扱いを決定いたしますとともに、石川県の信用保証協会に対しましては約二千万円の金を保険公庫から融資をいたしまして、協会はこれに対しまして一億四千万円の保証をいたしました。この措置によりまして関連倒産は防止できました。これが第一でございます。 それから第二に、このグループは二百六十の子会社、下請を持っておるわけでございますが、これの対策が必要でございまして、その後この子会社、下請の他の企業への配置転換と申しますか受注変更と申しますか、これのあっせんをいたしまして、ほとんどこれは円滑にあっせんが成功をいたしました。したがいまして、子会社の経営はおおむね継続しております。 なお、この金紡産業及びそのグループにつきましては、先刻申し上げましたように、更生会社の決定手続が現在行なわれて調査が進行中でございまするが、中小企業庁といたしましては、通産局を動員いたしまして、この決定について積極的に裁判所に協力いたしますとともに、更生計画が当然これから練られることでございまするが、それについては積極的に参加をしてまいりたいというふうに考えております。
○加藤(清)委員 この際、せっかく参考人も見えていることでございまするから、この案件はいずれ後ほど詳細にわたって討議をしたいと存じまするが、ともあれ本件はすでに裁判関係にもなっていることでございまするので、慎重にかつ適切な指導、助成の措置をすみやかに完成されまするよう要望しておきます。繊維雑貨局並びに中小企業庁並びに名古屋通産局の三者の協力よろしきを得まして、幸いいままでは類焼を避けることはできたようでございます。しかし本体を建て直すには相当な援助並びに指導が必要であると存じまするので、ひとつ一そうの中小企業庁長官の御努力を要請して次に進みます。 せっかく御両所はファイト満々のところでございまするので、ひとつ全国の銀行を率いて立つところの理想、抱負をまず最初に御両所から承りたいと存じます。
○横田参考人 ただいま加藤先生からお話がございましたのですが、全国銀行協会長に私就任いたしましたのは昨日の午後で、まだなりたてのほやほやでございます。したがいまして、十分の抱負経綸というようなことはございませんし、また全国銀行協会というものは、御承知のとおり普通銀行、都市銀行、地方銀行、それから長期信用銀行あるいは信託銀行、また為替専門銀行というものを傘下にかかえておりまして、いわば若干業種の異なった金融機関の連合体でございますので、私といたしましては、現在国際化時代ということをよくいわれておりますが、その国際化時代に対処しまして、経済の効率化、経済の効率を高めていく、そのささえとなる金融の効率化という面からこの問題をとらえまして、協調と適正競争の導入、効率的な競争の導入ということの調和を今後いかにはかっていくかということに重点を置いて、全銀協の会長を大過なくつとめたい、こういうふうに考えているわけでございます。 はなはだ抽象的で簡単でございますけれども、これから勉強をいたしまして、先生方のお教えも受けまして善処したいと思っております。どうかよろしくお願い申し上げます。
○加藤参考人 まず最初にお断わり申し上げなければならぬことがございますが、実は本委員会には会長であります森本が参るはずでございましたが、よんどころない所用のために、副会長であります私が本日代理で出席したものでございます。ただいま加藤先生から新しく会長になったのだというおことばがございましたが、実は内定でございまして、来たる五月の総会後おそらく会長ということになるであろうということでございます。したがいましてまだ私が会長でございませんので、抱負経綸というようなことを申し上げることはその立場でございませんので、御了承いただきたいと思います。
○加藤(清)委員 実は中小企業金融、ことにそれの正常化につきましては、国会で大蔵委員会、予算委員会、また本委員会等で、立法府におきましても長年にわたってたいへんな苦労をしてまいってきているわけでございます。特にわが党の堀君、武藤君、両委員はこの道のべテランでございますので、私が露払いの役をいま仰せつかっているわけですが、後ほど関連の質問もこれあるかと存じますけれども、私はこの際、それこそ長年の懸案でございました歩積み・両建て、いわゆる拘束性の預金がどのような状況になっているかという問題について、まず関係の大蔵省から簡潔に調査の御報告をお願いしたい。
○澄田政府委員 ただいま御指摘の歩積み・両建ての整理、規制の問題でございますが、これにつきましては、御承知のように第二ラウンドという規制措置で、これは四十一年十一月から入っておりますが、この骨子は、貸し出し額に対する拘束預金額の比率というものをさらに引き下げるということと、それから拘束預金の額に対応する部分の貸し出し、これにつきましてはその金利を引き下げる、こういう二点を中心とするものでありまして、そしてこれは先ほど申しましたように、四十一年十一月から実施に入っております。実施期間は、都銀、地銀等の普通銀行につきましては昨年の十一月までにこの措置を完了する、それから相互銀行については本年の十一月、信用金庫については四十五年の十一月というのが最終目標期限、こういうことになっております。 そこで、いまお尋ねの整理の状況でございますが、昨年の十一月、すなわち普通銀行につきましての整理の目標の時期でございますが、この時期におきます拘束性の預金の比率でございますが、都市銀行につきまして全体で見ますると、第二ラウンドに着手直前の四十一年五月、このときが拘束預金の比率が全体の貸し出しに対しまして八・六%でありましたのが、昨年十一月現在の調査では五・七%、これは全体でございますので、そのうち中小企業向けの金融というものだけをとって都市銀行の分について見ますると、四十一年五月に二二%でございましたものが、昨年の十一月に一四・七%ということに相なっております。同様地方銀行につきましてこの間の関係を見ますと、地方銀行は貸し出し全体につきまして四十一年五月に一四・七%でございましたものが、昨年の十一月におきましては八・六%ということになっております。さらにそのうちの中小企業向け金融だけについて見ますると、四十一年五月、二一・六%が、昨年の十一月末一三・三%ということに相なっております。それから、相互銀行につきましては、四十一年五月末二一・七%でございましたものが、昨年十一月末は一九・一%、それから信用金庫につきましては、三一・九%でございましたものが、昨年十一月末には二六・三%、かような次第に相なっております。それから拘束性預金に対応する貸し出し金につきまして、その金利を引き下げるということにつきましては、都市銀行、地方銀行につきましては昨年十一月末でこの措置を全部完了いたしました。引き下げたものが一〇〇%、こういうことになっておりますし、相互銀行につきましては、現在そういう金利引き下げ措置をとりましたものが全体の七五・九%、信用金庫につきましては、同じく十一月末で七八・三%、かように相なっております。
○加藤(清)委員 本件については、御案内のとおり、公取に非常に関係があるわけでございます。取引の優位性を利用しての間違った取引という疑いがあるわけでございまして、これについての公取の御調査の結果を承りたい。
○吉田説明員 お答え申し上げます。公正取引委員会といたしましても、昭和三十九年の三月以降、五月の終わりと、それから十一月の終わりに定期的に拘束預金の状況の調査をいたしております。その調査の相手方は、大蔵省と違いまして、実際にお金を借りている中小企業者でございます。その状況を申し上げますと、年々拘束預金の率は改良されてきておりますが、ただし、私どもで現在集計ができておりますのは、昨年の五月三十一日現在の分でございまして、昨年の十一月末の分はまだ集計ができ上がっておりませんので、昨年の五月三十一日調査の分で申し上げますと、狭義の拘束預金の率、狭義の拘束預金と申しますと、借り入れとかあるいは手形割り引きに関連いたしまして質権の設定あるいは預金証書の差し出し、念書、口約束等によって拘束されている預金のことでございますが、狭義の拘束預金の比率は九・六%、これは総借り入れ額に対する比率でございます。前回、前回と申しますのは四十二年十一月末でございますが、前回に比べて〇・五%増加しております。少し悪くなっております。それまでは年々低下していたわけでございますけれども、昨年の五月末現在の調査では、狭義の拘束預金の比率は〇・五%ほど前回に比べて増加しておる。しかし、広義、広い意味の拘束預金、その広義の拘束預金と申しますと、狭義の拘束預金に事実上引き出せない預金を含めたものでございますが、その広義の拘束預金の比率は前回の分より〇・六%低下いたしております。それから狭義も広義も両方とも拘束預金は年々少しずつではございますけれども低下をいたしておりますが、先ほど申し上げましたように、狭義のものは昨年の五月末の分では少しふえているということでございます。 それから、これと同時に行ないました拘束預金の改善の状況に関するアンケート調査によりますと、拘束預金の状況は以前より悪化したというものの数が多少増加しております。ですから昨年五月末の調査時点では、改善状況は少し停滞をしているというふうに調査の結果から見受けられるわけでございます。 それからなお、新しい傾向といたしまして、個々の取引に当たりましては、依然として改善がまだ十分でないということが見受けられる、さらに歩積み預金のかわりに、定期積み金あるいは積み立て定期預金をさせる事例がふえてきている、それから当座預金の残高をやかましく言うようになってきている、それから事実上引き出せない、暗黙的な拘束預金が増加してきているという事例が、そうたくさんではございませんけれども、見受けられるというので、やはりこの点問題があるのではないかと思います。新たに規制を検討しなければならぬのではないかというふうに考えております。
○加藤(清)委員 いみじくも結論におっしゃられました、新たにこれは検討を要する様相を呈してきている、私もそのように思うわけでございます。なぜかならば、せっかくの大蔵省の調査報告でございまするが、これも別にその信憑性がないとは申しません。しかし調査された場所が問題だと思います。要すれば、地位を利用しての優越した立場に立った側の報告を額面どおり受け取って、これをデータとしていらっしゃるようでございます。そうですね。――ところが、公取の側はアンケートを出しなさっている。アンケートを出しますると、拒否する向きがございます。また、かりにアンケートを提出しても、わが社の名前だけはかんべんしてもらいたい、こういう要望が必ずつきまとってくるわけでございます。私の名前は出さぬでおいてもらいたい、こういう切なる願いがついて回るのでございます。なぜかならば、それは真実を発表したことによって、江戸のかたきを長崎でとられるのおそれがあるからでございます。この一事をもってしても、取引上の優越した地位の乱用行為とは申しませんが、優越した地位の利用が依然として伝統的に行なわれている、こう見ざるを得ないのでございます。しかも、公取の場合は、アンケート並びに、いえば歩積み・両建てでは被害者の報告をまとめていらっしゃるわけです。私どもはアンケートじゃないのです。なまの、じかじかに、困っている、おかげで倒産してしまったという泣きの涙の実態報告を身にしみて受けているわけでございます。したがって、私は、公取のおっしゃった結論は正しい、しかも、これはいまだ完了したとか、もうこれで卒業したとかいう筋合いのものではないと思います。少数ではあるが歩積み・両建て、狭義の拘束預金はふえているとおっしゃる。いや、もぐっている、地下にもぐっているという声が多い。姿は消したけれども、実質は行なわれている。この点について、大蔵省は一体どうお考えですか。
○澄田政府委員 いまいろいろ御指摘がございました。私ども金融機関の報告をとるに際しまして、御指摘のようなことがないようにということも常々心がけておるわけでございますが、確かに金融機関の報告だけでこの問題を判断しては、御指摘のようなことのおそれがある、こういうことも事実でございます。つきましては、金融機関に対する検査を定例でいたしておりますが、検査のときに、歩積み・両建ての関係の検査ということに特にその検査の重点を向けまして、検査に参る店でそれぞれ検査をいたしております。そうして、その報告と食い違いのあるようなことがないかどうかということを特に念を入れて注意をして検査をする、こういうふうにいたしております。そうして、さらに歩積み・両建て整理の担当の役員というものを銀行にきめるようにさせまして、その責任において検査と、検査の結果、報告と食い違うというような場合には、これについて責任者に十分戒告し、責任を追及するというようなこともいたして、御指摘のようなことのないようにつとめておるつもりでございます。
○加藤(清)委員 ぜひこういうことをやってもらいたい。公取もまた立ち入って調査するの権限を持っております。大蔵省はもちろんその権限は昔からあるわけでございます。したがって、私は、この件について、苦情処理機関を発動させて、ここで住民の声を聞くようにということを提案し、これが実質に行なわれているわけでございまするが、実は、場所が悪い。財務局あたりへおおそれながらと訴えるほどの勇気のある人は一人もない。だから、場所が悪いんだから、この苦情処理機関を流動的に発動させて、それぞれの関係企業の抜き取り検査を今後ぜひ行なっていただきたい。それこそが正確なデータをとる唯一の方法であると思う。なぜかならば、裁判においても、一方的な意見でもってそれが正しいとするような大岡裁きはどこにもないからでございます。 さて、銀行側にお尋ねいたしまするが、別に、ただいま御出席の会長の銀行にそういうことがあるということを申し上げているわけではございません。全体の調査から見ますと、いまそれぞれ御報告のありましたような件がまだまだ各所に散在している。ついては、会長さんとしては、かかる案件についてどのような指導をなさろうとしていらっしゃるのか、実は、こういう問題について再三行なわれている会合におきましては、会長の皆さんはみなよく御存じなんです。ただ、残念なことに、親心子知らずと申しましょうか、支店長級になると、自分の成績をあげるためにあえて対象をいじめるという結果が行なわれる。支店の成績、支店長の抜てき、毀誉褒貶が、一銀行からあげる、一支店からあげる収入の多寡であり、シェアの拡大の領域であるとするならば、どんなに親心がそれはいけないというても、ちょうど巡査が犯罪をあげることによって身上がりしようと努力すると同じ結果になる。教員までがまいないを贈ってでも校長、教頭になりたいとすると同じ結果がここに生じているわけでございます。したがって、これは本山の皆さんの指導教育にまたなければならぬと存じまするが、御両所の御高説を承りたいと存じます。
○横田参考人 ただいま加藤先生からいろいろ御質問ございまして、歩積み・両建ての件につきましては、銀行局長さん、また公正取引委員会のほうからいろいろ御回答があったわけでございます。私どもは、大蔵省のこの統計というものは、各金融機関の全店の報告をまとめましたもので、これはまあ全店的な調査でございますので、わりあい正確なものではないかと思っております。 それから、先生からいろいろ疑問が提出されたわけでございますけれども、公取さんのほうの調査は、約二千件余りのサンプル調査でございますので、その辺にいろいろ食い違いが出たんではないかというふうに考えております。 そこで、私どもとしましては、現場全店からとりました報告に基づいて判断を下しておったわけでございますけれども、それによりますと、御承知のとおり、非常に歩積み・両建て預金の純化といいますか、そういうものは第一ラウンド、第二ラウンドを都市銀行の場合はすでに終了いたしまして、ある程度純化されてきておる。しかしながら、実際には先生のおっしゃるように、いろいろ先生のお手元にも御資料があると存じますが、そういうような行き過ぎが現場ではあるいは出ておるのかと思います。これはおっしゃるとおり、親の心子知らずと言っては支店長もかわいそうでございますけれども、いろいろな理由からそういう預金が支店に滞留する。たとえば、まあ何と申しますか、適正な恒常運転資金をなるたけ預金にとどめておく、これは恒常的な運転資金というものは企業運営に必要欠くべからざるものでございますから、ことに、中小企業につきましては、そういう指導を銀行が健全経営のためにするという場合もございますので、そういう誤解がとかく生じやすいということもあろうかと思うわけでございますけれども、そういう誤解を生じるということは、これは銀行側に責任があると私も思います。 それで、そういう誤解を生じないように、支店長によく教育をいたしておりますと同時に、これは私のほうの銀行の個別の問題でございますけれども、先ほど現場の教育の問題をおっしゃいましたんですが、それにつきましては、私のほうは、昨年の十月に機構を改革いたしまして、業務推進本部というものをつくりまして、大体支店の自主独立経営という体制を固め、そして本部はこれにあまり指図がましいことを言わない、しかし、きめのこまかい指導をする、そうして責任を持った経営体制を確立してほしいということでやっております。しかし、それは単に預金シェアの拡大、あるいは融資基盤の拡大、あるいは収益の向上ということだけを目途としたものではなくて、いかに愛される銀行になるか、中小企業あるいは大衆と密着した金融機関になるかというような経営方針については、本部でいろいろ考えまして、きめのこまかい指導をするというような方針をとっておるわけでございますけれども、さらに、そういう本部の監督の目とか、そういう網を漏れたような、先生のおっしゃるような実情がございまするとすれば、これはもう、私どもとしましても、一日も早く改善をいたしたい、そういう努力を続けてまいりたいと思っております。 それから、そのために、先ほどおっしゃいました苦情処理の問題でございますけれども、これは全銀協の内部に苦情処理機関、委員会というものがございまして、そこで苦情処理をすることになっておりますが、おっしゃるように、何と申しますか、銀行のほうへ苦情を直接持ってくるということは、お客さまとしては確かに心理的にはむずかしい問題だと思います。ただ、まあそのために、銀行ばかしではなく、商工会議所とかそういうようなところに地方財務局その他の方々においでいただきまして、それで苦情処理を受け付けするようになっております。これは財務局のほうへはなかなか直訴しにくいとおっしゃいましたけれども、財務局は銀行にとってはこわいおしゅうとさんでございまして、おしゅうとさんのところへかけ込まれるということは私ども非常にこわいわけなんでございます。それで、お客さまと申しますか債務者の方々も、財務局はあくまでも国の機関でございまして、これは公平厳正な裁判を下す機関でございますので、そういう問題がございましたらば、銀行自身の耳にはなかなか入りませんけれども、直接財務局なり何なりへ遠慮なく言っていただくということが一番望ましいのじゃないか。それと同時に、先ほど申し上げましたように、銀行の経営体制と申しますか、感覚、経営のモラル、そういうものの改善につきましては、始終会議を開いて周知徹底せしめると同時に、体制もそういうふうに確立しているわけでございます。しかし、なお足らざるところがございますれば、私どもとしましては、これを改めるのに決してやぶさかではないわけでございます。そういう点がございましたら、私どものほうに対しましても、個々に御遠慮なく、どうかひとつおりを見て御指摘、御指導をいただければ幸いだと思います。
○加藤(清)委員 まことに寛容な御態度で敬意を表するわけでございまするが、それではおことばに甘えまして、私がここでひとつ国民になりかわって苦情を申し上げてみたいと存じます。特に大蔵省さん、よく聞いておっていただきたい。こういう案件は特にあなたのところの指導、育成、監督の責任の問題にも相なるからでございます。 すでに公取から御発表になりましたように、質権の設定、預金証書の差し入れ、念書、口約束、特に近ごろは口約束がふえてまいりました。私どものところへこういう訴えが入っている。あなたたちが国会で歩積み・両建てのことを責めると、それは中小企業を守ってくれるかのごとき印象を受けるけれども、事実はそうじゃないです、その結果、わしら損しちまったです、こういう声なんです。何を損したのですかといったら、いままで定期で拘束されていた金を、じゃあ普通預金に切りかえてあげる、しかし、この普通預金は絶対引き出すこと相ならぬぞよ、はい、承知つかまつりましたという念書をとられる、その結果は、五分五厘の金利が二分二厘に減ってしまった、こんなばかな話ないじゃないですか、何のために議員さんは国会で声を大にしてやってくれますか、こういう話なんです。こういう声が一件ございます。公取ではすでに調査済み、経験済みの件だと存じます。 もう一点、特に問題になりまする点は、中小企業金融公庫の金が全事業の八%で、多いの少ないのという論議がこの前も本席で行なわれておりました。私はこれでは足りなさ過ぎると思います。日本銀行が大企業に融資する率から比べたならば、とんでもない格差でございます。まま子扱いでございます。しかし、その乏しい金を今度は歩積み・両建てに利用している機関があるということでございます。これはたいへん長期にして有利、金利も少ない。ついてはあなたたちも考えてくれ。何を考えるんですかといったら、一千万円一挙に要るわけじゃないんだから、それだけ来たけれども、まあ三割から三割五分ぐらいは積んでください。ついにもだしがたく積まざるを得ない。したがって、国家に払う金利は確かに安かったけれども、実質使える金は七割前後であったので、試算してみると、ほれまた金利が高うなってしまった、こういう結果でございます。これはまだまだいいほうでございます。ところが、せっかく許可がおりてきたにもかかわらず、このひもつき、期限つきの融資がどこでどう間違ったか、銀行の窓口で半年はおろか一年もストップしているという事件がございます。なぜそれを貸さないだろうかというたら、いや、まだ来ないから、まだ来ないからというて、じゃ、あなたのところは信用があるからうちの金を使いなさい、うちの金を貸してあげますというて、銀行の金を肩がわりして貸しておるという件でございます。 もっとそれ以上なのがございます。どんなことか。医療金融公庫、厚生年金、これらの金を会社が窓口銀行を通じて申請を出します。ところが、当然許可になってしかるべき案件であり、その資格を持っている人であるにもかかわらず、許可がおりない、だめだったというのです。しかし工事は始まった、金は払わなければならない、こういうわけです。弱った。その苦情が私どものところに集まってくるわけでございます。そこで公庫へ行き公団へ行って、なぜこれは落第しましたかと尋ねると、二つの形式がある。一つは、あるべきはずの担保がないと書いてある、これじゃ貸されるはずはない。一つは、期限があるにもかかわらず、期限切れに書類が窓口から公庫へ提出されている、期限切れじゃ落第するにきまっておる。こういう案件が随所に散見されるわけでございます。 なぜこんな状況に相なるであろうかと私どもはとつおいつ、借りたいという対象自体が信用力がないのではないか、どんなに信用補完してやってもなお足りないのではないかと調べてみると、あにはからんや逆なんです。十分に信用がある。力もある。借りる資格もある。そこで推定できることは、こんないいお客さんを国家にとられちまったら、自分のところの支店が損するではないか、こういういわゆるお家大事、自分の成績大事から発してくるわざではないかと思われる。これは全国に見られる例を最大公約数にした表現でございます。もし必要とあれば、私のところには固有名詞のついた書類のコピーがちゃんとございますので、いつでも大蔵省にはごらんをいただきます。 私はこういうことを提案して、だから支店長の首を切れとか、そういうことをやった銀行に営業停止を食らわせろと言うておるのではございません。なぜかならば、社会党は首切り反対だからでございます。しかし、このままこれを放置する場合は、先ほどの親心でなしに、国家の親心、本委員会の審議の親心、そうして大蔵省をたたいてでもひとつ何とか中小金融のワクをふやしてあげようというこの親心が、途中なかでどこやらへ吸い取られて、パイプから水が漏れたおかげで、潤う末端はたいへん恩恵が少なくなってしまう。しかし、途中なかの人はそれでけっこう楽しめて、シェアが拡大されて、それで支店長が栄転できたということになれば、これはけっこうな話かもしれません。しかし、ここの親心は、そんな個人の栄転のためにここで親心を発揮するわけじゃございませんので、ほんとうに末端の倒産して苦しんでいる、手術して貧血になって苦しんでいる人に直ちに輸血ができるようにしていただきたい。これについて大蔵省並びに銀行当局の御意見を承りたい。これはあくまで陳情ではなくて、苦情処理の実情があったら聞かしてもらいたいというおことばでしたから申し上げたわけでございます。
○澄田政府委員 いろいろ御指摘をいただきまして、いま御指摘の諸点、ことに中小企業金融公庫とかあるいは医療金融公庫等、政府金融機関の代理の金融機関として代理貸しをやる、それに際しまして、いま御指摘のような点があるということは、これははなはだ遺憾なことでございます。代理貸しとは、申すまでもなく、政府金融機関それぞれの目的にその資金を、十分広い窓口を使って金融を行なう、こういう目的のためにあるものでありますから、これはあくまでその目的どおり、厳正公平に行なわれなければならない性格のものでございます。代理店が代理業務を適正に行なっているかどうかということにつきましては、もちろんそれぞれの公庫等が代理店の監督ということで、その代理契約を結ぶに際していろいろ条件をつけ、代理貸しを行なうに際して、あるいは代理貸しの資金を供給する、そういう場合に、十分そういった点について適正に代理行為を行なうように指導をしております。現に努力もしているわけでございます。御指摘のような点について公庫等にも十分注意をいたしまして、代理貸しを適正に行なうように金融機関の指導監督をするということに一そう努力をさせますとともに、われわれのほうも、検査その他の機会を通じて、直接金融機関についてそういった点についても十分今後留意をしてまいりたい、かように考えます。
○加藤(清)委員 御両所の銀行にこの例があると言うておるのではございませんから、ひとつ間違いなく。しかし、日本のどこかの町、どこかの銀行でこういうことが行なわれておるということでございます。どこかではちょっと信憑性がないとおっしゃれば、具体的に名前をあげなければならないのですけれども、名前をあげたほうがかえって差しさわりが多いでしょうから、それは申しませんが、こういう件について、指導的な立場に立たれまする御両所の御見解を承りたい。
○横田参考人 ただいま御指摘のございましたような事実があるとすれば、まことに金融界としましては遺憾なことでございます。特に先ほどおっしゃいましたような、公庫の取引、公庫の代理貸しを断わって自行で貸し付ける、これは優良取引先であるから自分の銀行のシェアを拡大したいというようなことで支店長がやっているというようなお話がございましたのですが、その支店長さんのお考え方、私どもにはちょっと納得がいきませんので、代理貸しをあっせんすることによって銀行は相当事業者にメリットを与えているということが言えるわけでございまして、このタイトマネーのときにはできるだけ他種金融機関の資金を利用したいというのが銀行のほんとうの気持ちでございますので、ちょっとそういう実例は、私どもとしましては、そういうことを考える支店長さんの考え方はちょっとわかりません。そういう実例があるといたしますれば、われわれとしましても、よく会議を開いたり、先ほど局長もおっしゃいましたように、銀行内部の検査というものもやっておりますし、あるいはまた業務推進本部でいろいろきめのこまかい指導をやっておりますので、そういうことで周知徹底させて、今後の禍根を断ちたいというふうに考えております。 それから、期限切れの問題とか、あるいはまた担保があるのにないとかいうような、これはもう非常に悪質でございまして、そういうようなことはまず普通では考えられないこと、期限切れの問題は、ことによりますと手続上のいろいろな問題から、あるいは期限内に間に合わなかったか、悪意ではなかったかとも推察されますけれども、いずれにしましても、そういう誤解を生むようなことのないようにわれわれは終始努力を傾けていきたいと思っております。 歩積み・両建てにつきましては、私も五年前に大蔵委員会に出まして、いろいろお約束を申し上げた経緯もございます。すでに第一ラウンド、第二ラウンド済んでおります。これは先生方の十分御満足のいく結果にはなっていないかとは思いますけれども、銀行側から見ますと、先ほど銀行局長もおっしゃいましたように、まず十分な措置がとられている、少なくともあのときの事態よりも非常に改善されてきておるということが言えると思うのであります。 今後の問題につきましては、これは学校の成績で優をとって、今度は一番になってやろうというようなもので、非常にむずかしい問題なのでございますけれども、全銀協といたしましては、今後もこの自粛措置を傘下の金融機関を通じまして十分徹底させて、遺憾なきを期して、先生方の御期待に沿いたいと覚悟しているわけでございます。どうかよろしくお願いいたします。
○加藤参考人 御指摘の点につきまして申し上げたいと思いますが、銀行局長あるいは全銀協会長から申されましたので、これに尽きておると思うのでございます。もちろん公庫の代理貸しということになりますと、これは財政資金でございます。したがいまして、もちろん大蔵省の御指導もございますし、それぞれの公庫の検査もございます。内部検査もございます。かように十分な配慮をしておりますが、何かお手元にデータもあるようにおっしゃいますが、まことにあるとすれば非常に遺憾なことでございます。実は私どもの協会といたしましては、この代理貸しによって歩積み・両建てをとるというようなことは皆無であると確信をしておるのでございます。しかし、御指摘がございましたので、今後は一そう自粛自戒をいたしまして、先生方の御期待にこたえるようにいたしたいと存じております。 なお、定期預金の五分五厘が普通預金に変わっておる、損をしておるというようなお話もございましたが、私どものお客さまは非常に力の弱い中小企業者が対象でございますので、定期預金で拘束しておけば拘束力になりますが、普通預金に置けば、約束だけではどうしても縛っておけないというのが実情でございますので、この点もひとつお含みおきをいただきたいと思います。
○武藤(山)委員 関連。いま大蔵省の発表では、改善された面だけがざっと述べられたのですが、公取が去年の五月末現在で、前回と比較すると改善をされていない、かえって悪くなっているという答えが、率でいくと倍なんですよ、公取の調査は。だからこれはなかなか重大だという感じがするわけなんです。公取が中小企業から個々に回答を得て集計した数字は、悪くなったと感ずる業者が率にして前回よりも倍になったということは、一体全くそういう傾向がないと言い切れるかどうか。もし公取の回答の数字を事実と考えるならば、なぜそうなりつつあるのか、これは金融引き締めの関係なのか。去年の五月は、景気が悪いというので銀行が特に引き締め基調を強化したためなのか。公取の回答が、四十三年五月の調査で、改善されないと答えた人の数がふえてきている。それから悪くなっているという答えの率もふえている。公取のほうでふえていますね。そういう点を銀行局は一体どう認識されているのか。また全銀協の会長さん、相銀の会長さんも、そういう公取の調査については、何か調査自体に欠陥があるという考え方なのか。銀行局の調査のほうがより正確だと考えておるのか。そこら辺はどんな御感じでいらっしゃいますか、まず銀行局長から先に。
○澄田政府委員 どうも私のほうから申し上げまして私どものほうがいいというのは、はなはだ我田引水的なことになりますので、その点は御容赦を願ってお聞きいただきたいと思います。 私どものほうは全金融機関から調査をとっておりますので、調査の範囲が広いことだけは事実でございます。それに対しまして、公正取引委員会のほうは借り手を調査しておる。したがって借り手の実情はそちらのほうがよくわかるのではないか、先ほど加藤先生からの御指摘がありましたように、強い立場の貸し手側ではないのだから、それは実情がよくわかるのではないか、その点は確かにそうだと思いますが、ただ、公取の調査範囲というものは必ずしも広くないし、これはあるいは間違っているかもしれませんが私の伺いましたところでは、公取の調査は必ずしも前回と同じ借り手、同じ企業でない、調査対象がその回その回で違っているというようなこともございまして、そこで何といいますか、調査の連続性という意味において、対象が違いますとそこが違ってくる、こういう問題があろうかと思います。そういうような点を入れてみまして、まあ私どもの調査対象は金融機関の立場ですから、金融機関のほうは拘束していないというつもりであっても、借り手のほうは措りる弱味から拘束されていると思っている、正しいか正しくないかはともかく、そう思い込んでいる、こういうような食い違いというものも確かにあろうと思うわけで、いずれがいずれということはなかなか申し上げにくいのではないか。私どもも、調査するに際しては、十分、先ほども申し上げましたが、そういう半面があるということを注意して、調査の結果も全幅それをそのままだというのではなくて、そこはよく反省をしていかなければならない、かように考えております。 それから、前回は昨年五月でございます。これは御承知のとおり、金融引き締めの一番ピークになってきたころでございます。その後一応公定歩合が引き下げられたというようなことで環境も変わってきている。その前の一番つらい金融引き締めの時期である、こういうことがあったかと思います。むしろ悪くなったという回答が、全体の、これは率は少なくて一・二%でございますが、これが二・二%、少ないパーセントのところではあるが、倍近くになっている、これは御指摘のとおりでございます。その辺は、いまのような金融の環境がちょうど五月というのがそういう時期であったということも、あるいはあろうか、かように存じております。
○横田参考人 ただいまの銀行局長の御回答で大体尽きると私思うのでございますが、重複することになるのでございますけれども、公正取引委員会のほうで御発表になりましたのがことしの二月二十一日でございます。この数字は、四十三年の先ほど局長から申し上げましたように五月の調査なんです。それでもう一つ先ほど、同じことになりますけれども、サンプル調査回答数も大体二千弱ということでございます。大蔵当局のほうでお調べになりましたのは、これは全国的な範囲でお調べになった、こういうことで、その辺に数字の食い違いが若干出ているんじゃなかろうかと思うのでございます。ただ、この数字で見ましても、この食い違いは、公取さんの言われる狭義の拘束性預金比率は、むしろ大蔵省でお調べになったほうが高いわけでございます。そういう点から見ますと、必ずしも大蔵省がお集めになった統計数字というものは粉飾された数字では決してないんじゃないか、むしろ公取さんのお調べになった数字よりも狭義の拘束性預金比率は、大蔵省のほうが高いということになります。 公取さんで御調査になっております今度は広義の拘束性預金でございますけれども、これは先ほども局長からおっしゃいましたのですが、債務者のほうで事実上引き出せない――銀行は出してもいいと思っておりましても、いわゆる借り入れの立場からいきまして、心理的に引き出せないというふうに考えておられる預金が入っているんではないかと思うのでございます。これはむしろ債務者と金融機関との間の意思疎通が十分にいってないという点に食い違いの原因があろうかと思いますので、こういう点につきましては今後十分意思疎通をはかるように、要求払い預金についてはどんどん出していけるように努力したいというふうに私どもは考えているわけでございます。
○武藤(山)委員 公取も一言なかるべからずやと思うのでありますが、やはり二千五百の企業に一応調査書を送って、それに回答をもらったという最も事実に基づいた、最も現状を把握した数字がぼくは公取に出てくる数字だと思うんですよ。それは全国の四百三十万の中小企業から見ればほんの氷山の一角でしょう、二千五百というのは。しかし一つの傾向を、業者が何を感じ銀行に対してどういう態度であるかということを表現していると思うんですよ、公取の調査は。その調査が前回よりもきつくなった、前回よりも拘束性がうるさくなった、そういう回答がふえる傾向になったということは重大だと思うんです。これにはいろいろな原因があると思うんですけれども、いま銀行局長の言うように、金融引き締めのピークだったということもあるでしょう。あるいは開放経済体制だ、やれ金融機関の異種間の合併も認めるんだ、やれ貸し付け限度額もふえるんだ、いろいろな問題が金融再編成の問題とからんで、銀行家自身の姿勢の変化もあったと思いますよ、去年の五月は。そういう要素がいろいろ加わるとは思うけれども、公取の調査の結果というものを見ると、どうも銀行が少々拘束性預金解消にゆるふんになってきた、時勢から。というのは、何回も予算委員会や大蔵委員会で取り上げて、銀行協会の幹部も来て真剣に議論をした当時よりも、何か停滞をしてきているんではないか、姿勢自身が。そういうものがやはりああいうものにあらわれてきているんではなかろうかという感じがするわけです。 そこで、今度新しく就任された会長さんには、やはり既定方針というものは、中小企業のために今後も推進をしていかなければならぬことなので、逆戻りをしてはいかぬぞ、そういうしっかりした態度をわれわれは期待をしたいのであります。その点についてはいかがでございますか。全く銀行局長の答弁のごとく、よくなる一方にどんどん進んでいるんだという解釈に立って、もう野放しにしていてもいいんだというような考え方でいられますか。それとも、やはり中小企業金融という立場から拘束性預金はできるだけ少なければ少ないほどいいんだ、そういう姿勢に立って――それは全部なくすなんということはできませんよ。それは債権確保の立場上、あるいは金融のコストの面、いろいろそういう問題が営業ですからあることはわかります。しかし、大筋としてはそういう姿勢を協会の会長は持たなければいかぬと思うのであります。新会長のお二人の心境をお聞かせいただきたいと思います。
○横田参考人 先ほど申し上げましたように、銀行協会でもこの自粛の委員会がございまして、今後その趣旨をさらに十分徹底させてまいりたいと思っております。 それからもう一つは、私自身の考えでございますけれども、私はすでに先ほども申し上げましたように、五年前に武藤先生あたりからもだいぶおしかりを受けまして、以後この歩積み・両建て預金の純化、正常化といいますか、そういうことには努力を傾けてまいったつもりでございます。したがいまして、たびたび申し上げるようでございますけれども、当時よりも状態は非常に改善をされているということは、その公取さんの御調査はとにかくとして、確信をいたしておる次第でございますけれども、しかし、おっしゃるようにそういうようなことが万一ございますれば、これはまことに問題でございまして、私は常日ごろ支店長会議その他内部の会議でも申しておりますが、銀行の預金ソースというものは歩積み・両建て預金ではないのだ、したがって、われわれはむしろそういうものに目を向けないで、今後は一般預金と申しますか、個人の蓄積預金というものに焦点を合わせて預金の吸収ということに努力すべきである。ことに貸し出し関連預金、おっしゃるように営業性の預金というものは常に流動的な資金を企業が必要といたしますから、ある程度の歩どまりは当然あるわけでございます。蓄積預金というものはそういうものではないので、ほかの分野でこれを追求していく心がまえが銀行員としてはあくまでも必要であるということを終始会議の席上で申しておるわけでございます。これは十分下にまで周知徹底せしめるように今後していきたいと私は決心しておるわけでございます。できるだけ御期待に沿うように、ただ先ほど申し上げたように、当時ビリのほうの成績であったものが今回は十番以内にまで上がってきた、これを一番にするということはなかなか骨の折れることでございますけれども、そういう努力を今後もわれわれとしては傾けていく所存でございます。どうか今後ともよろしく御指導をお願い申し上げます。
○加藤参考人 ただいま武藤先生の御指摘のことでございますが、相互銀行は、先ほど銀行局長からの御説明にもございましたが、いわゆる第二ラウンドはことしの十一月で終わることになっております。しかし現時点を見ますと、予定よりずっと進んでおりまして、十一月には目標以上に整理ができることとなっております。しからば十一月以降はどうするかということでございますが、これはなお努力をいたしまして御期待に沿うように、協会はもちろん、私ども銀行も懸命に努力をいたす覚悟でございます。 なお、この問題につきまして一つ申し上げたいのでございますが、実は私のところがことしの二月から三月にかけまして銀行局の検査を受けたのでございます。まだ銀行局長にも申し上げておりませんが、銀行局の検査がいかにきびしいかという一例を御披露申し上げたいと思います。実はこういう例もあるのでございます。 歩積み・両建てについては非常にきびしく検査されました。ある企業が飲食店を経営しております。そこに若干の貸し出しがあるわけです。ところが同じ債務者がアパート経営をしておって、保証金が入ってきますから、これは定期預金としておかなければならぬということで定期預金をしてくれたのでありますが、それがたまたま飲食店のほうの貸し出しと同じ日付になったわけでございます。そうすると、それは即時両建てになるということでたいへんおしかりを受けたのでございますが、これは性質が違うんですから即時両建てではないという弁明をしたのですが、なかなか聞いていただけなかった。かように大蔵省の検査はきびしいものであるということをひとつ御披露申し上げておきます。
○武藤(山)委員 それからせっかく横田会長と加藤さんお見えでございますから、中小企業の今後の育成という問題に関連して、歩積み・両建てではないのでありますが、ちょっと見解を承りたいのです。 それは、この間も大平通産大臣とここで質疑応答をいたしたのでありますが、日本の中小企業というのはとにかく四百三十万軒もある。その中でいままでは生産第一主義で製造工場中心にいろいろな施策を講じてきた。ところが、これからいよいよ資本自由化あるいは流通コストの低下、そういった面から流通部門を一体どうするか、これも中小企業問題を考える場合に大問題ですね。その場合に大型化、スーパーマーケット、連鎖店、そういう形の大型のものがどんどんできてくる。今度西武で藤沢につくるのは投資額四十億円ですか、ものすごく大きいスーパーマーケットができるということが新聞に出ている。三多摩には高島屋、伊勢丹もやる。こういう形のスーパーがどんどん出てくる。そうすると、コストもかなり引き下げられ、経費というものは節約できる。しかも消費者には非常に便利に、いろいろな製品が一カ所で買える。しかもそこは交通路も非常に便利な場所に設定される。そういう傾向の大型化で日本の流通部門というものは今後ずっと突き進んでいくべきなのか。それはそれで一方どんどん進めていくが、片方零細流通部門をどうするのかという問題が一つある。そうすると、この町場の小さな商店、従業員十人以下の店舗、こういうようなものは一体今後どう指導していくのか、またそれのビジョンはどうしたらいいのかというのが、今日の中小企業対策の中で混迷にあると思うのですよ。それはなぜ混迷しているかというと、やはり金融機関の姿勢の問題が一つあると思うのです。たとえば十軒なら十軒、二十軒なら二十軒の零細商店がひとつ四、五億円のビルをつくって、それぞれの部屋を持って、一カ所で売店を経営しよう、そういうような流通部門の大型化をするためには零細業者には手が出ない、金融が全くつかない、こういう問題があると思うのであります。いま県を通じてやっている高度化資金などでは非常に少ない。年間の共同店舗なり高度化している数を見ましたら、これはもうまことに申しわけ程度の件数であります。だから、やはり普通銀行、普通金融機関がこの流通部門に対する金融の姿勢をどうするかということを検討してしかるべき段階ではないだろうか。これは製造工場と違って土地も持っていない、機械設備もない、つまり担保力が非常に弱い業種であります。だから金融サイドから見ると、これはもう非常な難渋をする問題なのであります。これを、これからの金融機関は流通部門に対してどういう金融をつけていこうとするか。消費者金融はいま非常に順調なすべり出しで、住宅ローンなんかもどんどんできて、家持ちが非常に容易にできるようになってきたが、この流通部門の改善ということについての金融のあるべき姿、これをひとつ全銀協会長にお聞かせ願って、日本の零細流通部門のビジョンというか、これは金融機関から真剣に取り組んでもらわぬことには、業者は悶々として打開策なし。通産省でめんどうを見ろといっても、あまりにも種々雑多、数が多くて手が出ない、こういう実情にあるわけなんですね。いっそのことこれはもうつぶれて、社会政策で、社会保障的な考え方で救済策を考える以外にないとふん切るべきなのか。そこらは、役所でないのですから、銀行の立場からひとつ聞かしてもらえたら非常にありがたいと思います。どうですか。
○横田参考人 この問題は非常にむずかしい問題でございますけれども、中小企業の、ことに流通部門という御前提でございますので、なおさら御答弁がむずかしくなるわけなのでございますが、この流通の近代化につきましては、製造部門とのアンバランスあるいは物価問題、都市の交通問題というような構造的な問題との関連、これが特に必要であろうかと思うわけでございまして、銀行としては、これに金融面から支援していきたい、こういうふうに考えておるのでございます。 御指摘のように、流通部門の大型化につきましては、消費者の利益を保護するというメリットもありますが、同時に、いまおっしゃった中小商業の圧迫にもなるということも考えられるわけでございます。それで、私どもとしては、政府のお考えもありまして、いわゆるボランタリーチェーンというような協業化方式と申しますか、そういったようなものにこういった中小の企業を編成していく、あるいはまた反対に、一部では専門店化によりまして、これを経営指導して、体質の強化をはかっていくというようなことを考えたらいいんじゃないかというふうに現在の段階では考えておるわけでございます。武藤先生に十分御満足のいける御回答ではないとは思いますけれども、いまのところそういうかっこうで、側面的な援助と、それからボランタリーチェーンのような協業化の方式と、もう一つは、専門店は専門店としての経営体質の改善というような三通りのやり方で普通銀行としては対処してまいればよろしいのではなかろうかというふうに考えております。
○武藤(山)委員 いまの問題は、都市銀行にはあまりかかわりがないにしても、地方銀行、相互銀行、こういうところの融資態度をこの辺で――流通部門について、どういうものならばこれを育成していこうか、またそういうものについては、どの程度の規模までを銀行でもひとつめんどうを見てやろうか、そういう流通部門についての金融体制を、これからの新しい役員が十分検討していただきたい、こういう注文をお二人にしておきたいと思うのであります。 それからもう一つ、これは個別問題になるけれども、銀行の名をあげるのは失礼でありますからあげませんが、銀行も通常こういう場合どういう処置をとるのかということを伺いたいのであります。 それは、ある支店長がいる、業者は、支店長といえば銀行を代表していると思っていますね、取引しているのですから。その支店長が、不良債権ができてしまって、一千三百万円ばかり焦げつきにしてしまった。ところが、本店には焦げついているということを最初報告しなかった。隠弊していたわけですね。そのために、その報告期になると、その一千三百万円は焦げついていないような報告をしてきたわけです。そのつど一時金をだれかに積ましたり何かして、金のつじつまを合わしてきた。ところが、とどのつまり、副支店長がそれを今度は本店に内報してばらしたわけです、その一千三百万円が取れないというふうに。その間にBという業者に、おれはいま困ってしまった、本店にうそを報告してきたので、これがばれたら首だ、何とかならぬか、おれを助けてくれないか、と支店長が業者に頼んで、小さな会社に一千三百万円融資したことにして、古い債権を穴埋めしたわけです。代位弁済にしたような形で全く関係のない会社に融資をして、それで穴埋めをさせ、本店に報告をした。その業者は、支店長を信頼して、穴埋めをすれば、その金をおまえの会社にどんどん融資をするからだいじょうぶだ、これは支店長の権限でやれることだから、それだけのことをしてあげるから、ひとつ助けてくれというので、支店長を助けた。ところが、そのあとで、そのことが本店に発覚をした。本店では支店長の首をぱっと切って解雇した。そのあとは業者には血も涙もない仕打ちでもって取引停止だ。こういう場合には、銀行としては責任がないのか。支店長に全部責任をかぶせて、おまえのやったことは間違いだ、悪い行為だからということで、第三者というものはそのまま全くの切り捨てごめんにあう、こういう銀行の姿勢というのが一体いいのだろうか。しかも、これは大きな銀行であります。こういう点は、頭取が来てあやまるべきだというのが業者の意見であります。一支店長を首にしただけで、あとは中小企業は倒産させられてひどい目にあう。どうしたらいいのだと言ったら、その本人は、その当時頭取が来て、申しわけなかった、わしのところの支店長がこうなんで何とも申しわけないということで頭取が一言頭を下げれば、おれの腹の虫はおさまった、ところが頭取は、知らぬ顔の半兵衛で全く責任をとらぬ、とんでもない、こういうことなんであります。これは銀行経営者一般論として、そういう場合には、支店長の首さえ切れば事足れりでいいでしょうか。これについて銀行の経営者の考えをお聞かせいただきたいのであります。一般論で恐縮でございますが……。
○横田参考人 ただいまの武藤先生からのお話、そういう事例があるということは非常に遺憾なことでございます。私どももあまり経験したことはないわけでございますけれども、たとえばいまおっしゃいましたように、焦げつきの債権千三百万円を他の業者にむりやりに貸して、これを肩がわりさせて、それで一方は糊塗してしまった、そして肩がわりをしてやったほうの業者は、結局千三百万円の他人の債権を背負い込んだ、こういう形になって、あとはめんどうを銀行が見てくれない、こういうお話がありましたが、そういうことは、あまりちょっと考えられないことなんでございますが、ケース・バイ・ケースでいろいろな判断が出てくるだろうと思いますが、一方の肩がわりをした方に千三百万円を押しつけたまま銀行が知らぬ顔の半兵衛をきめ込むということは、銀行としてはまことにけしからぬことでございます。銀行自体信用機関でございますので、それは天下に信をつなぐゆえんでは決してないわけでございます。そういう経営方針は私どもはとりたくない。とりたくないというよりも、とるべきではない。そして、また支店長を処分しただけで事が済む問題ではなかろうと私は存じます。私はそういう考え方でおりますので、もしそういうような事実がございましたら、またそのうちお教えを願いまして、ひとつそういう機会にまた注意をいたしたいと思います。
○武藤(山)委員 これで終わりますが、銀行局長、いまのは具体的な事実を私のところに上申書で送られてきたわけです。それが銀行局長名できたものですから、銀行課長に渡しておきましたから、その事実関係をずっとこまかく書いたものに銀行局長も十分目を通して、銀行の姿勢をこの際きちっと――しかも天下に名だたる大銀行です。まことにけしからぬと思うんですよ。私は、銀行の信用問題があるから、これを大蔵委員会で質問することを避けて、銀行局に検討させるべきだ、こう思って上申書をあなたのほうに渡しておきましたから、ひとつ十分検討してもらいたいと思います。わかっておりますね。――それでは、これで終わります。
○加藤(清)委員 首を長くして待っておりましたが、通産大臣いらっしゃいましたので、本件について結論的なことを提案いたします。 第一は、銀行局についてでございますが、苦情処理機関でございます。これは大蔵委員会、予算委員会、本委員会等々の話し合いによりましてできました。ところが、いまほとんど有効利用されていないですね。開店休業みたいなかっこうなのです。なぜかならば、第一番にそれは場所が悪い。財務局のブロックごとにあるという。最初これをつくるときに私は場所が悪いということを申し上げておいた。開店休業になるであろうということを申し上げておいた。案の定です。したがって、苦情処理機関を再検討して、ここが有効利用できるようにつくり直していただきたい。もし改組も何もできないというならば、手をあけて待っておらずに、ちょうど警察が回って歩くようにパトロールをしたらどうでしょう。現場のパトロール、銀行側のみならず、預金者の関係、銀行の取引先の関係、金を借りる側、これを抜き取り検査のパトロールをすべきである。それがあの苦情処理機関をつくった趣旨に合う行為である、かように存じます。 次に銀行側に提案を申し上げます。確かに御両所の御発表のとおり、本件が問題にされた当時から比べますると、努力のあとは見えて、改善の実績もあがっているようでございます。しかし、なお憂うべき現象もまた新たに発生しておるようでございます。したがって、その親さんたちはようわかってみえるのですから、支店長級、やがて幹部コースにいくクラス、すなわち支店で独立して決裁をするないしは本店で相談して決裁をする、そういう程度のところを指導する研修会でも指導機関でもいいですが、指導を厳重にするということは、三派全学連の指導と同様に必要だと思います。なぜかならば、先ほども申し上げましたように、山にカラスのカアと鳴かない日はあっても倒産のない日はない。その原因が主として金融にあるからでございます。御両所の御意見、本質的な意見を承りたい。まず銀行局長から。
○澄田政府委員 ただいま私どものほうに御提案になりました苦情処理機関の件でございますが、財務局、それから県単位でございますと財務部等にそれぞれ苦情処理機関を設ける、それだけでは確かに御指摘のありましたように財務局や財務部というところにはなんとなくそういった問題を持ち込みにくいというような感触もあろうかと思いますので、それぞれ商工会議所等にも出張してそういう苦情処理機関を開くというような形にはいたしておりますが、確かにいろいろ御指摘もございますように、利用をしやすく、これが十分活用されるように、そういった苦情処理機関の存在等を十分に周知せしめるとともに、これをどういうふうにしたら活用するようになるかというようなことについて十分検討をいたしたいと思います。設置の場所が適当でないという御指摘ございました。商工会議所ならその点はだいぶ違うのではないか、かようにも思いますが、なおその点は十分再検討をいたして、これが活用ということを徹底させるようにいたしたいと存じます。もしその改組がなかなかむずかしいという場合にといっておっしゃったパトロール、預金者側、借り手側に対する抜き取り検査的なお話が少しございましたが、これは私どもとしては金融機関の検査ということはできるわけでありますが、そういうような、権限をもって行なうというようなものはできないことになりますので、要はそういうような借り手、預金者が苦情を持ち込めるように、持ち込めてその場合に十分処理ができるように、こういうことが要点だろうと思いますので、その線に沿うようなくふうを十分いたしてみたい。またいろいろ教えていただいてそういう努力をいたしてまいりたい、かように存じます。
○横田参考人 先ほど来その問題につきましてはいろいろの個所でお答えを申し上げておるわけでございます。ただいまの銀行局長の御答弁、全く私も同感でございます。加藤先生のおっしゃるように、この苦情の申し出をできるだけしやすいようなかっこうに持っていく。それで、重複いたしますけれども、銀行協会内だけではなく、各地の商工会議所にもそういう相談所を置いておるわけでございますけれども、それでもなおかつその申し出がしにくいということになりますと、これはまた別の方向を考えていかなければならぬと思いますが、これは大蔵御当局とよく御相談をいたしまして、大蔵御当局の御指示によりまして、御期待に沿えるように何とかいたしたいというふうに考えております。
○加藤(清)委員 それでは通産大臣、私はゆうべのテレビで、今日の司法府が立法府の精神に反した裁判を行なっておると思われる節がある、だから対策を練って、自民党内に特別対策委員会を設けねばならぬとか、あるいは調査会を設けなければならないとか、こういうことで論議になったという報道を受けたわけでございます。 〔委員長退席、宇野委員長代理着席〕 そのことの可否を私はここであなたに尋ねようとは思いません。しかし、もし立法府が行なった立法の趣旨、精神に行政府が従っていない、あるいは実体の企業体がそれに沿っていない、ゆえにそれに対して特別対策委員会なり調査会なりを設けなければならないということに相なりますと、私は大蔵省傘下にも通産省傘下にも対策特別委員会を続々とつくってもらわなければならぬと思います。なぜかならば、たとえば下請代金支払遅延等防止法に関する限り、いま論議しておりました歩積み・両建ての問題、官公需の問題、次から次と出てくる。同時にまた、先般ここで私は外務省その他に来ていただいてお尋ねしたところの日米友好通商航海条約違反、またLTAのガット違反問題、これはきのうの朝日の論説にも書いておる。輸出会議はこれに対して厳重な態度で臨む決議までしておられる。これを他の繊維に及ぼすことはLTA第一条違反である。それをあえて相手方はやろうとしておると同時に、また欧州諸国はガット三十五条第二項の援用と称してこれまた国際法違反を犯しておる。かくのごとく立法府の精神と実体との合わざる問題は国際的にも山積していると同時に、国内的にもあまたあまたあるわけでございます。それについて一々特別委員会なり調査会なりを設けて、立法府がそれに干渉するということは、言うべくして行ないがたいことだと思う。なぜかならば、いまいうところのこの歩積み・両建て問題も、銀行局長御存じでしょう。過去何回注意を出したのですか。十三回になんなんとしておる。それでもなかなかできない。したがって、私は、あなたのほうの党に内政干渉はいたしません。絶対にいたしません。そのかわり、われわれは立法府の人間であるから、この哲理が正しいとするならば、これから質問する内容について、ぜひ全部調査会を設けて対策を練るように具体案を練っていただきたい。よろしゅうございますか。内容は逐次申し上げます。
○大平国務大臣 われわれ政治が取り扱わなければならぬ問題、実態が非常に複雑でございまして、立法府がある政策の道標を持ちましてある規制を法律の形で行なう。それが当初意図したとおり実行されるかされないかということになりますと、まず実態を究明いたしまして、はたしてそうなっておるかどうかということの究明が前提として要ると思うのでございます。しかし、われわれ自体がむずかしい実態を、法律という形で行政が規制していくわけでございますから、加藤先生おっしゃるように、隔靴掻痒の感をぬぐい得ないものが多々あると私も想像いたします。 しかしながら、いま問題になっております歩積み・両建ての問題にいたしましても、あるいは下請代金の遅延防止にいたしましても、立法府が声あげて久しゅうございまするし、たびたびの執拗な、と言っては失礼だが、非常に熱心な勧告をしていただいたために、拘束性預金もだんだん逓減する傾向にございまするし、下請契約も、内実はだんだん改善の方向に向かっておることは十分評価できると思うのでございます。それが当初意図した目的からいうと、なおずいぶん距離があるではないか、足らぬではないかという御指摘は、そのとおりだと思うのでございまして、これは、われわれ行政府におる者が、弛緩することのない努力をもちまして、不断に埋めていかなければならない課題であろうと思います。一々立法府の御心配をいただくようなことがあっては困ると思うのでございます。 そういう場合に、個々のケースにつきまして調査会を設けて云々という御提案でございますけれども、調査会をつくるまでもなく、行政府が日常の業務として当然の固有の責任としてやってまいらなければならぬ仕事であると思うのでございます。国会におかれましては、国政調査の権限をお持ちでございまするから、どういう姿においてそれを行使されるか、これは国会の課題でございますけれども、行政の府におる者といたしましては、特にそのためにかまえた姿勢をとるということではなくして、われわれの日常活動全体が、立法府の趣旨に可及的に沿うような努力がなければ、われわれの責任は果たせないのではないか、そう思います。
○加藤(清)委員 それではこの際、せっかく両参考人もいらっしゃいますのでお尋ねいたしますが、手形サイト、これはいまどのくらいが平均値でございましょうか。町では台風、お産、七夕、近ごろじゃ飛行機手形ということばが流行しておるようでございます。一体、サイトは現行どのくらいでしょうか。これは銀行なうば一番よくおわかりのはずです。割り引く場合に、ここで必ずチェックされるからでございます。どんなものでございましょう。
○横田参考人 いろいろな業種によって非常にまちまちでございますけれども、長いもので大体百七十日から百八十日、いわゆる六カ月程度というのが長いほうに入るかと思います。もっと長いのもあるかもしれませんが、そういうものがあまり銀行に持ち込まれておりませんので、ちょっとわからないわけでございますけれども、大体その辺が一番長いところじゃないかと存じます。
○加藤(清)委員 わかりました。そのとおりです。銀行へ持ち込まれたときは、受け取ってから相当の期間を手持ちしておったところから持ってくるのですから、あるいは中には受け取ってばっと持っていくという手もあるかもしれませんが、そういうのは間々です。したがってまず六カ月平均、まあいいところですね。常識でしょう。ただ中小零細金融になればなるほど、やや長いサイトのものが行なわれているようでございます。銀行局、簡単にお答え願いたい。それをお認めですか。認めるということは、認識しておるかということです。大臣の時間がないから、認めるか認めないか、それだけでいいのです。
○澄田政府委員 いま全銀協の会長から、長いものはというような、そういった点についてはいまのとおりだろうと思います。平均の期間といたしまして、統計上は百二十日というようなことになっております。
○加藤(清)委員 この際銀行に承ります。これを割り引きます場合に、割引料を割り引く側が支払わなければならぬわけですね。その場合、この割引料は割り引く側が全部支払っているのか、それとも、これを振り出し人が払っているのか、この点いかがです。私はだれが払っているかは知っております。
○横田参考人 いろいろな場合があろうかと存じます。必ずしもその割引依頼人の負担ということでない場合も業界においてはあろうかと思います。実際に振り出し人が負担をしている場合もあろうかというふうに考えております。個々にいろんな問題がございますので、そういうことで御容赦を願います。
○加藤(清)委員 もし親が払う場合には、振り出し人が払う場合には、振り出し人の口座からその割引料、金利負担分を引き出すとか、あるいは振り出し人から要求するとかいうことをせんければならぬと思いますが、それはおやりになったことはないでしょう。たいてい引くのは、私が手形を持ってあなたのところに行って、これを割ってくださいと言ったら、私のいただける金額から差っ引いていただくのでしょう。もしそうでないとおっしゃるなら、そういう銀行を教えていただきたい、私そこへ殺到させますから。どうです。
○横田参考人 銀行といたしましては当然割引依頼人から割引料をいただくことになっております。
○加藤(清)委員 大臣に承る。手形サイトは法律ではどうきまっておりますか。
○乙竹政府委員 手形サイトは特に法律できめたものはないと思います。ただ、下請代金支払遅延等防止法の規定によりますと、下請代金の支払い期日は物を納めた日から六十日以内に支払わなければならないということになっております。ただ、この六十日というのは手形の期間をきめたものではございませんので、六十日以内に手形が渡ればいいということであろうと思います。ただしその渡す手形は、同法の第四条の第二項によりまして、割引を受けることが困難であると認められる手形を交付してはならないということになっています。
○加藤(清)委員 それは、この法律をつくりますおりに、実は社会党からは下請代金支払促進法という原案を出したのです。三年討議されたのです。そして、団体交渉権やいまの六十日をいかにするかというところで論議になった結果、歩み寄りで、やや骨抜きの遅延防止法という法律になった。内田さんさっきまで見えたけれども、内田さんならよく御存じです。そういうことに相なったわけです。あくまで期限が六十日なんです。下請代金の支払いの期日が定められたものは第二条の二ですね。親が下請の給付を受領した日から起算して六十日の期限内において、かつ、できるだけ短い期間において定められなければならない、こうなっている。その第二項に、違反して期日を定められたものも――前のその六十日に違反してということなんです、違反して定められたものも六十日の前日に定められたものとみなす、こうなっている。だから全部六十日にせいということなんです。そこで次の四条の二を読んでみてください。そうしますと、ここが予算委員会だったらここで討論をやるところですが、参考人も見えますし、大臣も急いでみえるから、事を急ぐためにさっと走ります。四条の二に遅延の利息という項がございます。親が下請代金の支払い期日までに支払わなかった場合、給付を受けた日から起算して六十日を経過した日から支払いをするまでの期間について、次が問題だ、「その日数に応じ、当該未払金額に公正取引委員会規則で定める率を乗じて得た金額を遅延利息として支払わなければならない。」親が子にですよ。この法案に間違いがありますか。私のいま言うたことに間違いがありますか、公取さん。
○吉田説明員 間違いございません。
○加藤(清)委員 私は暗唱しているのです、これは三年間も論議をやったのですから。ところが具体的に行なわれておるのはどうなんです。実質は百七十日前後である。銀行局は少しに見積もって、あなたのところは成績のいいところだけをピックアップなさったのでしょう。それで百二十日ということなんです。法律は六十日なんです。六カ月じゃないのです。六十日ときめてあるのに実質は六カ月なんです。ひどいのは飛行機手形と申しまして、いつ落ちるやらわけがわからぬ、ほとんど落ちないほうが多い、こういうことなんです。銀行さんのほうは割ってくれないというのです。だから絶対落ちないというのです。もっともアメリカの運用機は落ちるかもしれませんが、飛行機手形。七夕なんというのは三百六十五日目に一回、こういうことなんです。その際に、ではかりに百六十日であったとしましょう。そうしたら六十日を差っ引いた百日分の金利はだれが持ちます。親が持たなければならぬでしょう。ところが持った親がありますか。あったら教えてもらいたい。公取さんでも銀行局でもだれでもいいから、あったら教えてもらいたい。そういうところに私は下請企業をお世話を申し上げますから。 〔宇野委員長代理退席、委員長着席〕 大臣、明らかに違反行為が行なわれていますね。私の郷里にはキャッシュ・オン・デリバリーの会社もあります。半金はキャッシュ、あとは六十日の手形という会社もあります。それはりょうりょうとして暁天の星のごとしだ。しかし実質はいまお認めのとおり。あなたの指導、監督、育成をしなければならない傘下に法律違反行為が公然と行なわれている。もっていかんとなされますか。
○乙竹政府委員 これは私も形式的な法律論であることを承知していま申し上げるのでございますけれども、この防止法のたてまえで申しますと、六十日以内に代金を支払わなければならないということになっておりまするが、その支払わるべき代金は手形であることを禁止はいたしておらないのでございまして、この点は第四条の二項ではっきり書いてありますけれども、ただしその手形が先生さっき御指摘のように、「割引を受けることが困難であると認められる手形」で支払ってはいけない、こうなっておるわけであります。
○加藤(清)委員 私はいま金利の割引料のことを言っているんですよ。
○乙竹政府委員 いま申しますけれども、したがいまして金利は一体親と子の場合どちらが支払うのかということで、もしその下請代金の中から当然金利を子が出さなければならないということになりますと、子は下請代金をディスカウント、それだけ割引させられることになるわけであります。ところが、この法律によりますると、遅延利息を親が当然払わなければいけないという規定が別にございまするが、これはほんとうの法律論であることをもう一ぺんここで申し上げるわけでありますけれども、親子の間の代金が手形で払われる場合とキャッシュで払われる場合と代金が違う、平等者間の取引であるならばそういうことになるはずでありまして、もし短い手形ならば代金が若干安い、長い手形ならば当然代金の中に利息分が加算された代金が手形の券面額になる、こういうのが法律論だと思うわけであります。ただし実質は、先生御指摘のように、親子の勢力バランスが非常にアンバランスでございますために、事実上長い手形をもらいました場合にその利息を子供が負担せざるを得ないということは承知いたしております。
○加藤(清)委員 手形も長いが中小企業庁の長官の答弁も長い。それはよう勉強してみえるからです。長くない。ただ惜しむらくは私がいただいた時間があまりにも短過ぎるということなんです。あと与えられた時間が短いのです。ほんとうは中小企業庁長官のうんちくのあるところをもっと傾聴したいのですけれども、急ぎますから……。公取さん、第七条には公取の本件に関する任務が規定されておりますね。勧告並びにこの勧告に従わない場合は公表、立ち入り検査等々をしてしかるべきでございますね。この際ここで公表してください。
○吉田説明員 公表と申しますと件数でございますか。
○加藤(清)委員 簡潔に説明しましょう。つまりいま私の申し上げましたように、六十日が法律できめられた期限である。それ以降の金利は振り出し人、親が支払うべきである。にもかかわらず実質は百六十日、お産、台風、七夕とこうくる。そこからサイトから六十日を差っ引いたあとの割引料は親が払うべきであるにもかかわらず、払っていない。これについてあなたは勧告、公表、立ち入り検査等々ができるはずである。したがって、私の言うておることがうそであるかないかあなたはよく御存じのはずである。だからこの際公表の権利をここで行使していただきたい、こういうことでございます。
○吉田説明員 先生おっしゃいましたとおり、これは当然立ち入り検査、勧告、公表ができると思います。ただ、いままでに公正取引委員会としてやった事例はございません。
○加藤(清)委員 法律違反行為が歴然と白昼堂々行なわれているにもかかわらず、なぜこれを調査いたしませんか。
○吉田説明員 調査はいたしまして、たとえば遅延利息につきましては、当然親事業者が払わなければいけないという事例はございますけれども……。
○加藤(清)委員 はい、わかりました。それでいいです、急ぐから。公取さんも近ごろは鉄で押しまくられておるから、こんなことはやっておれぬかもしれませんが、しかしどんなに鉄の親だけが国際競争力ができたとしても、オール生産の五〇%から六〇%以上は中小企業がこれを生産しておる。ここがりっぱにならなくて、ここの近代化が促進されなくて、親だけが大きくなったってどうしていけるでございましょうか。ここに私らが声を大にしてものを申さなければならぬ問題があるわけなんです。したがって、あなたは権限を持っていらっしゃるんだから、鉄がいまに押し切られるにきまっておるのですから、押し切られたら、そのあとこれの対策にまたねじはち巻きでございましょうけれども、鉄を押し切られ、次に紙を押し切られて、今度は中小企業に対するこれもようやらぬようだったら、公取の存在価値を問われることになりますよ。したがって、あなたとしては本件に関して以後どういう覚悟で臨まれますか。
○吉田説明員 いま先生から御指摘ありましたように、四条の二の遅延利息に明らかに違反するところがあれば、これからびしびしやっていきたいというふうに考えております。
○加藤(清)委員 与えられた時間が参りましたので結論にしたいと存じます。その結論として私は二つの提案をしておきます。お答えはあとでいただきたい。 第一、官公需、これも法律できめられて、通産大臣は各省の官公需を、中小企業にその分野を与えなければならぬことに相なっております。しかもその調査をまとめる時期がちょうどいま来ておるわけでございます。おやりになったら報告をする義務もあるはずでございまするから、本委員会にこれを提出していただきたい。趣旨は中小企業に官公需の販売シェアを確保して差し上げる、こういう意味でございます。 二番目、銀行側と質疑応答をしたかったのでございまするけれども、時間がございませんので、要望だけを申し上げておきます。 二つございますが、第一、労働組合の社内預金は、中小企業の倒産のたびに、利子のみならず元までがゼロになってしまいます。担保を銀行側は十分におとりあそばされるけれども、社内に預金をした労働者は、それを全部元まで取られても、倒産してしまってからは担保を要求することすらなかなかにできないというのが実態でございます。しかもそのオール金額は、労働省の発表だけでもって二兆円をこすわけであります。私どもの調査、抜き取り検査からの推論、学者グループ等々との協議、この結果によれば――私どもとは社会党政策審議会のことでございますが、優に三兆円をこすのでございまして、これは都市銀行の最高の銀行よりも量は大きいわけでございます。これを高金利で金利の統制時代に野放しにしておくということは、銀行局長いかが思われます。怠慢のそしりは免れません。これを正規のルートに乗せて、これが正常に利用されるようにすべきではないか。歩積み・両建てばかりやらずに、こういうところで浮いておる金でもって資金源をふやしていくという努力をなさってしかるべきであると思います。すでに本件に関しては全銀連の会長さん等々、特にまた関西系の銀行、金融関係でも寄るとさわると話題にしていることで、ぼちぼちものが煮えかかっておるようでございます。これは労働金庫をつくるにあたってたいへん御協力をいただきました勧業銀行の頭取さんがいらっしゃいまするから、前例にかんがみて、この三兆円になんなんとする大きな資金源を有効に、しかも国家に貢献すると同時に預金者の労働者の保護育成にも資するように留意をしていただきたい。 次に割賦販売。もちろんこれは法律がすでに定められておりまするが、アメリカの資本の敵前上陸と同時に、アメリカから日本よりもすぐれた割賦販売業、割賦銀行が上陸することは火を見るより明らかでございます。これに対して、それだけは制限しようとか、いや、それを制限するよりは、迎え撃つために国内の体制を整えて相呼応すべきである、いろいろ論がございまするが、銀行の合併論であるとかあるいは年利建ての問題であるとかも大切なことでございまするが、資本の自由化は避け得べからざる将来のビジョンでございます。したがって、これに対応するために割賦販売金融なるものを検討するちょうどよき潮どきであると存じます。特に両会長さんファイト満々、おなりになったばかりでございまして、国民の期待もまた大でございまするから、ここらあたりのことをひとつ完成して、歴史に残る両会長になっていただきまするよう。 通産大臣、これが私の結論でございます。理想もさることながら、現実の問題は法律違反が多くございます。もう一度お尋ねいたします。立法府の親心を行政府これ知らざる場合には特別調査委員会をつくるべきやいなや。つくったほうがよろしいというならば私直ちに提案いたします。いかがでございます。
○大平国務大臣 ただいまいろいろ建設的な御提案をいただきまして、私どもにたいへん裨益するところが多かったことを感謝いたします。いまの特別委員会の問題でございますけれども、行政府といたしましては、私どものほうにいたしましてもあるいはたとえば公取にいたしましても、与えられた要員、予算の中で仕事をやっておるわけでございますから、立法府からごらんになりまして十分手が届いていないという感じを持たれるところが多々あることと思います。したがいまして、問題は行政能力をどのように充実してまいるか、その効率をどうあげてまいるかということがまず第一になされるべきことでございまして、先ほども申し上げましたように、日常のわれわれの任務の遂行に十全を期してまいるという趣旨で努力を傾注すべきであると思うのでございます。特別委員会という特別の仕組みをこの際特につくらなければならぬという必要を特に私は痛感しません。むしろ当委員会をはじめといたしまして、国会でしょっちゅう御注意をちょうだいいたすことをもって、私どもの行政上の刺激に相なっておるわけでございますから、要は、日常の行政活動の充実をはかる、能力を強化してまいる、効率をあげてまいるということに全力をあげるというようにいたしたいと思います。
○大久保委員長 参考人には御多用の中を御出席いただき、たいへんありがとうございました。どうぞお引き取りください。 本会議散会後直ちに再開することとし、この際、休憩いたします。 午後零時四十三分休憩 ――――◇――――― 〔休憩後は会議を開くに至らなかった〕