商工委員会 第20号
- 発言数
- 57 件
- 登壇者
- 8 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1969/04/22
会議録
○大久保委員長 これより会議を開きます。 この際、参考人出頭要求に関する件についておはかりいたします。 すなわち、中小企業近代化促進法の一部を改正する法律案について、明二十三日、全国銀行協会連合会会長横田郁君及び社団法人全国相互銀行協会副会長加藤広治君を参考人として出席を求め、その意見を聴取いたしたいと存じますが、これに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○大久保委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 ————◇—————
○大久保委員長 通商産業の基本施策に関する件経済総合計画に関する件並びに私的独占の禁止及び公正取引に関する件について調査を進めます。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。
○福田(一)委員 私は、きょうはエネルギー問題について、通産省の方針をいささか伺いたいと思っておるわけであります。というのは、弁明のようでありますけれども、実は私は議員になりまして直後に、エネルギー問題に関係を持つというか、努力をしたつもりでございました。その後もエネルギーの問題については常に関心を持って、いろいろ研究もしたり勉強もしたつもりでおるのでありますが、当今の事情を見ますと、いささか私としても疑問を持たないわけにいかぬような面もありますので、この機会に大臣の御意見を十分に承らしていただきたい、こういうことであります。 すでに御案内のように、エネルギーといえば、かつては水主火従ということもあったのでありますが、これがやがて火主水従になり、また原子力の問題が出てまいりまして、これは統計によりますと、水力は四十五年度を単位にとりますと、全エネルギーの八・三%、五十年になりますとこれが六・六になり、昭和六十年になりますとこれが四・四に下がってしまうという状況でございます。それから原子力を見ますと、四十五年度が〇・六の比率しかないものが五十年には二・四になる、それからまた、これが六十年には一〇%を占めることになる。かつてはエネルギーの最も重要な部門を占めておりました石炭が、四十五年が二三幾らでありますが、五十年になりますと、これが一六前後になる、そうして昭和六十年になると、これが九・五まで減ってしまう、こういうことになっております。ところが油は四十五年度で大体六七%くらい、それが五十年には七二・五くらい、しかも六十年には七四・五というわけで漸増いたしますが、しかしエネルギーの絶対量というものは非常なスピードでふえておる段階にありますので、こういうような水力、原子力、石炭、油というようなものが総合的にうまくコンバインされて、そうして日本にエネルギー源を供給するということでなければ、日本経済の運行というものはうまくいくはずがございません。そういう点から考えてみまして、問題点を一、二考えてみますと、今日、私は油の問題というのは非常に重要であり、今後もまたその重要性を増していくと思うのであります。新聞紙上等に散見をいたしておりますが、一体油というものを——国内産の石油というものは非常に少ないのでありますが、海外から油をいかにしてわれわれが得るか、あるいはまた最近は海洋資源の問題が出てまいりまして、御案内のように、日本近海においてもその油の試掘その他について出願が出ておる状況でありますが、これらについて通産省としてはどういう方面に、どういうようなやり方をしようと考えておいでになるか、まずもって伺いたいと思います。
○大平国務大臣 エネルギー資源の重要性、それは今後の展望に立ちますと、ゆゆしい大問題でありますことは御指摘のとおりでございまして、通商産業省といたしましての政策の基本の一つは、御指摘のエネルギーをどのようにして確保するかということにあると思います。 まず最初の御質問でございますが、海外油田の開発あるいは日本周辺の大陸だなの開発を現在どのように進めているかということについてお答えいたします。 海外の石油開発事業は、四十三年度末において十三の事業が実施されております。そのうち、生産段階にあるものは、アラビア石油のサウジアラビア、クウェート中立地帯沖合いと、それから北スマトラ石油開発のインドネシア北スマトラの陸上の二事業でございまして、両者合わせまして年間約手八百万キロリットルを生産しております。自余の個所はすべて探鉱段階でありまして、現在、探鉱の最終段階である試掘を行なっておりますものは、インドネシア石油資源開発株式会社のインドネシア北スマトラ沖合いと、九州石油開発のインドネシア南カリマンタン沖合いとアラスカ石油開発のアラスカの三事業でございまして、その他は四十四年度中に試掘に着手するものが大部分でございます。また、新たに石油精製会社、電力会社等によるカタール土侯国の沖合い並びに丸善石油によるアラスカの二事業がいま具体化しつつあるのでございます。 国内の大陸だなの開発でございますが、昭和三十一年度以来、秋田、山形、新潟沖合いの水深三十メートル以浅の海域を中心として探鉱開発が進められてきており、土崎沖の油田、頚城ガス田等において若干の生産が行なわれております。最近、技術の進歩に伴いまして、三十メートル以深の海域への進出が可能となり、現在水深二百メートルまでの日本周辺大陸だなに対しまして七企業によりまして鉱業権の出願がなされておる状況でございます。これらのうち、すでに物理探鉱が開始されておるものは、石油開発公団と出光興産の共同事業による秋田、山形、新潟県沖合いと、西日本石油開発による山陰沖合いの二事業でございまして、その他の海域に対しましても、各企業の探鉱計画がいま具体化されつつあるような状況でございます。
○福田(一)委員 お答えがございましたように、いろいろの方面で石油の資源の開発に努力をしておいでになるのでありますが、私は、いま日本の経済にとって非常に心配なことは、油がエネルギー源の七〇%前後を占めておる段階において、これが何かの事情でとだえる、たとえば、シンガポールを船が通れなくなったとか、あるいはその他の事情によって油を得ることができないということになったならば、日本の経済は直ちにこれでストップしてしまう。特に油はエネルギーだけではございません。石油化学の原料にもなっておる。その他原料としての油というものが非常に重要なウエートを占めておる今日において、この油をある程度備蓄するというか、これはもう非常に大きな問題ではないかと思うのでありまして、今日いま油は、現段階において国内に何日分くらい、あるいは何カ月分ぐらいの予備があるか、ひとつお答えを願いたいと思います。
○大平国務大臣 原油、精油合わせまして、おおむね四十五日分程度でございます。
○福田(一)委員 わずか四十五日分程度ということであっては、もうこれは非常に危険性がある。日本のように原料のないところで、原料を買ってきてそれに加工して物を売るといういわゆる異質構造の形においては、これはもうエネルギーが一たんとまったということになったら、一ぺんにわれわれは参ってしまうわけでありますから、これは原子力の開発ということも非常に大事でございます。しかしこれは将来の問題であり、また海外での開発を大いにやっておるのでありますが、私は、どういう形をとるかは別として、少なくとも半年くらいの油の備蓄を持っているということは、日本の経済の運行の一番大きな柱にならなければならないと思います。そういう意味で、通産省として今後何らかの指導をされる、あるいはまた方途を講ぜられる、これは税制面の問題もあるでしょう、あるいは資金面の問題もあるでしょう、金利の問題いろいろございましょうが、ひとつそういう意味でお考えを願ってはどうかと思うのでありますが、大臣のお考えはいかがですか。
○大平国務大臣 仰せのように、中東動乱なんかの際、備蓄の必要が特に痛感されたのでありまして、総合エネルギー調査会の答申でも、いま御指摘の点が強調されておるのであります。政府といたしましては、石油業界に対しまして貯油の増強を強く要請してきておりますが、石油業界におかれましてもその必要性を漸次認識して、既存の設備に関しまして、原油及び製品合わせまして、さしあたり六十日分の貯油を可能とする設備を昭和四十四年度末までに設置するという方針を決定して、その実施に移ることになっております。また、今後新たに石油業法によりまして許可を受ける設備につきましては、設備許可を通じまして備蓄の増強を義務づけることにいたしております。これには相当巨額の金が要るわけでございますが、備蓄設備増強に対して開銀融資、それから仰せの税制優遇措置等の助成措置を現に講じております。しかしながら、これはせい一ぱい六十日でございまして、仰せのように半年分の備蓄ということになると、これはたいへんなことでございまして、備蓄の増強をどういうような手順でやってまいるかということにつきましては、なお深刻に検討してまいらなければならぬと考えております。
○福田(一)委員 すでにその事情はおわかりを願っておると思うのでありますが、御案内のように、石油業界というのは非常な過当競争をやっておりまして、特にことしなど三月期の決算を聞いてみますと、石油会社のうちで普通の状態において配当ができるというのは、わずか二社くらいである。特に灯油が売れなかったというようなことから、非常に苦しい立場にある。そういう配当さえできないような会社が油を備蓄するなどというようなことは、私はこれは望んでもとうていでき得るものではないと思うのでありまして、この点について、実を言いますと、石油会社というのはシェアを得るために過当競争をいたしております。ずいぶん前からそういう傾向が強かったのであります。今日でも非常に過当競争をやっておりますが、その過当競争の結果であるからしかたがないと言ってしまえば、石油会社もどうにもならないということになるかもしれない。しかし、国の立場から考えてみますと、重要なエネルギー源であるところの石油について、石油会社が過当競争をしておるために会社の基礎さえ危うくする。ましていわんや民族資本というようなものが非常に困窮しておるこの段階において、私は、石油行政というものについて何かもう少し積極的な方途をお考えになっておられるのかどうか、ひとつ承りたいと思います。
○大平国務大臣 仰せのように、石油製品の市況は、過当競争を反映いたしまして、ここ数年軟調傾向をたどっておる、とりわけ四十三年度下半期以降は暖冬異変の影響がありまして、灯油を中心に大幅な値下がりを来たしておる状況でございます。これは当然のこととして石油産業の経理を悪化させて、石油製品の安定供給という見地からわれわれとしても重大な問題であると考えております。そこで、業界に対しまして鋭意過当競争の是正について自粛を求めますとともに、流通面の指導を強化することによって、市況の是正に努力したいと考えております。 なお、御指摘のように重油及びナフサの石油化学原料の関係がありますので、この部分につきましては、総合エネルギー調査会の石油部会の報告を受けまして、現在関係業界で検討させておるところでございまして、この検討の成果をいま期待しておるという状況でございます。
○福田(一)委員 そこで、それに関連してお伺いしたいのですが、アラビア石油の引き取り問題は業界において大きな問題となっておるわけでございます。引き取り量の問題、価格の問題、それから含んでおる硫黄分の問題、これらがいろいろの相関関係を持っておりまして、業界自体でまだ話がうまく煮詰まっていないように承っておりますが、その状況はいかがなっておりますか。
○中川(理)政府委員 アラビア石油のカフジ原油は硫黄分が二・八%ということで、きわめて高うございますので、最近の公害対策上の石油精製業界に加えられた要請というものからいたしますと、いろいろと引き取り問題に困難を来たしておる状況は御指摘のとおりであります。ただ、しかしながら、アラビア石油のカフジ原油と申しますものはわが国みずからの手で初めて開発された原油でございますし、かつ原油供給の安定性の確保という点から見ますと、非常に意味のある原油でございますので、開発以来、生産量のほぼ全量をわが国の精製各社が引き取ってきたという状況でございます。 ただいま申しましたような状況で、四十二年度の約千五百二十万キロリットル、四十三年度の約千七百万キロリットルの引き取りにつきましていろいろと問題が出てきておるわけでございます。また、カフジ原油の価格は、四十年度に従来のバーレル当たり一ドル二十九セントというものを一ドル二十八セントにいたして現在に至っておるわけでございますが、先ほど申しましたような状況で、引き取りの量並びに引き取り価格というものについて精製業界に難色がございまして、いまだ決定を見ていない状況でございますけれども、大ざっぱに申しまして、カフジ原油に加えましてアラビア石油が開発いたしましたフート原油というものが四十四年度からは入ることが可能でございます。これの硫黄分はカフジ原油の硫黄分の大体半分くらいという感じでございますので、これの量の薄めによりましてアラビア石油全体の原油の硫黄分をどの程度低下でき得るかというのは、カフジ原油の量とフート原油の供給量との見合いになってまいるわけでございます。 また、脱硫コストその他のことを勘案いたしますと、アラビア石油側におきましても、精製各社がのみやすいような価格、条件についての改定ということは考えていただかねばならぬ事項だと思っております。この問題につきましては、いまアラビア石油と石油連盟加盟各社との間におきまして早急な話し合いが進められておりまして、私の感じでは、近く妥結を見るに至るのではなかろうかと考えております。 ただ、この点にかんがみまして、今後の海外における開発問題というものにつきましては、先行きの引き取り問題を考慮に入れた開発方法を考えなければいかぬという非常に貴重な教訓だと考えて、今後の開発政策の上でこの点の問題意識を十分織り込んだものにいたしたいと考えております。
○福田(一)委員 公害問題が非常に出てまいりましたので、硫黄分をよけい含んだ原油を多く開発しても、これを石油精製のほうで引き取ることについてはなかなかがえんじないという事情も最近出てきております。これは非常に問題でありますが、かといって、硫黄分を多く含まない油がどれだけよけい日本に入れられるかということになると、現段階においてはかなりむずかしい面があるように見られる。将来もまたそれほど十分な低硫黄分の原油を輸入できるかどうか、あるいは確保できるかどうかということは問題があると思うのであります。そうなってみますと、しかし公害ということはわれわれはもう無視することはできませんから、公害を除去するためにどこかの部門で硫黄分を少なくする、あるいはまた硫黄分が公害として流布されないように措置をする必要があるということになるわけであります。そうなると、硫黄分の少ない原油を獲得することが第一。石油精製の段階において硫黄分を少なくするくふうをすることが第二。それから今度は重油を使う場合に、使ったところからできるだけ硫黄分が出ないようなくふうをする、たとえば煙突を高くするとかいろいろなことをやっておるようであります。脱硫装置というようなものを十分にしていくということが必要になると思うのでありますが、こういう面については石油精製と重油の三〇%を使う電力会社が相当私は協力をしてやらなければいけないと思っているわけです。これはもうすでに通産省でわかっていることでありますが、大体今日の電力料金は重油を一キロ当たり六千八百円という値で押えて形づくっておるのであります。ところが現実の市況はどうであるかというと、五千八、九百円、スポットものになると五千五百円くらいで買っておるという段階であります。こういうことになると、実は電力会社が非常にうまくやっておるという形になるのでありますが、何も高く買うのが能ではありません。電力会社が豊富、低廉な電力をわれわれに供給してくれることもありがたいことではあるけれども、かといって重要なエネルギー源である石油精製の会社が参ってしまうというようなことでは、これまた重大な問題が起きることは先ほど申し上げたとおりであります。ところが脱硫装置をやりますと、大体一%の硫黄分をなくすのにはかれこれ八百円から千円のコストがかかるということになっておる。そういたしますと、八百円のコストがかかる分を全部石油精製が持つということでは、私は非常にこれは残念しごくなことであると思うのでございまして、そうなりますと、石油会社が八百円なら八百円かけておるならば、電力会社のほうでも半分くらいは負担するというような姿になっていくくらいが好ましいことじゃないかと思う。何も電力会社の味方をするわけでもなければ油会社の味方をするわけでもありませんが、公害のために負担する分は両者で半々くらい負担していくのが正しいのじゃないか。ましていわんや、十年くらい大体重油は六千八百円くらいで買うんだと言っていたのを五千円台で買っておったという実績等から見て、この際は電力会社がある程度こういう面を是正していかれることが必要じゃないか。また通産省としてもそういう指導をされてはどうかと私は思うのであります。ということは、電力のほうは一定の地域を独占いたしております。ところが石油精製のほうはこれは独占企業ではございませんから、過当競争がある。過当競争をしておるのは業界が悪いのでありますから、それは業界が悪いと言ってしまえばそれまでのようではあるけれども、しかしこれはエネルギー源を獲得するという意味で、やはりわれわれとして両者の協調というか調和というか、そういう面を考えて行政をやっていくべきものではないか、こう思いますので、この点についての通産大臣のお考えを承りたい。
○大平国務大臣 御指摘のように、電力会社が購入いたしておる重油価格が、料金をきめた当時の織り込み価格に比べまして低くなっておるということは事実でございます。のみならず、電力会社としては、革新技術と申しますか大容量の火力発電機を備えて熱効率を高めていくということに努力をして、その面から電力の供給コストが下がってきておることは御承知のとおりでございます。ところが、福田さんが冒頭に指摘されましたように、火主水従になりまして水力のウエートが減ってきた。水力の供給コストは非常に低いものでございますが、その低いほうが減って火力のウエートが高まってまいりましたところへ加えて、売電コストなんか全部を総合して電力の供給コストを見てみますと、最近の送配電コストの増高等も伴いまして漸次上がっておるのでございます。したがいまして、いま言った重油価格の低下を吸収してしまってなおまたはみ出ておるというのが電力会社のいまの実態でございます。しかしながら公害基本法では、公害対策は第一次の責任を持つのは事業者であり、電力会社が公害防除の責任から免除されるということはないわけでございまして、まず電力会社が立ち向かわなければならない責任がございますから、したがって、各電力会社も公害対策には相当頭を痛めて、公害防止施設に膨大な投資を行なっております。いま現に全体の設備投資の六、七%は公害にさいておるように私どもも思うわけであります。したがって、それを促進強化する意味におきまして政府も開銀の特利融資を考えたり、あるいはこれに割り増し償却制度を援用したりいたしまして、公害対策を会社が第一次の責任者としてやる場合に援助をいたしておる状況でございます。それと同時に、公害防止を効率的にやってまいりますためには、どうしても公害防止技術の開発に力こぶを入れなければいけませんので、これを何としても政府が主導力になってやらなければなりません。現にわれわれといたしましては、工業技術院を中心にいたしまして、公害防止技術の開発という点に力こぶを入れておるわけで、その成果は電力会社その他に提供いたして、その負担を軽くし、その設備を強化するように役立たしめたいということでやっておるわけでございます。 したがって、いまのところ、あなたが言われる負担区分を石油、重油を供給する会社に幾ら、あるいは電力会社に幾らという区分を明確にきめるということまでにはまだ至っていないのでございますけれども、まだ技術の開発中でございますし、設備を増強中でございますし、また供給源も先ほど鉱山石炭局長から御説明がありましたように、いろいろなくふうをこれからこらさなければいかぬし、それからあなたが御指摘の、もとで脱硫するということも今後考えていかなければなりませんし、ちょうど公害対策が方々で同時にいろいろなことを手をつけなければいかぬ段階でございまして、負担区分を明確に線を引くという十分自信のあるデータをまだ持ち得ない段階でございますが、そういった状況が明らかになってまいりますならば、おのずからそこに負担のバランスというようなものも考えられてくると思うのでございますが、いまの段階ではまだそういう段階には至っていないというように考えております。
○福田(一)委員 私はお話は一応ごもっともに承るのでありますけれども、しかし電力会社はいま配当を一割もしております。一割以上はしてはいかぬ。資本金五千五百億円に対して五百五十億円の配当をしている。またそれに対して税制の面もありますから、かれこれ一千億円、五百五十億円ですから一千億円以上の利益金というものがなければ配当はできないわけですね。ところが油のほうは、もうそういうことはできなくて、いうなれば非常に困難で配当もできないような状態になっている。そして脱硫装置をやって一・八くらいの硫黄分の油を電力会社に供給しているということになれば、負担能力から言えば、私は何といっても電力会社のほうが負担能力があると思うので、公害を両者でもってカバーをしてもらおうということになれば、ある程度は——その区分を半分に見ろとか何割は見てあげなさいとか、またそういう比率を出せということは未来永劫にわたってできやしません、そんなむずかしいことはできないが、しかし、いままでの二・八の脱硫装置のものを五千円台で買っておったとして、今度は一・八の硫黄分の重油を買うというのならば、これはある程度めんどうを見るのが私は当然だと思う。片方では金がもうかっているし、片方は損しているということであれば、その点をひとつ考えてごらんにならぬと——火力のほうで大いに電力が骨を折っているとか、原子力をやるために骨を折っているとか、いろいろなことはあるでしょう。それは当然のことであります。いやしくもエネルギー源を獲得する重大な責任を持っている電力会社でございますから、これは当然なことであって、何もまたそれはけしからぬという意味で私は申し上げているのじゃございません、それは当然なことではありますけれども、しかし、エネルギーのバランスを考えると、電力が供給しておるのがいま水火力合わせましてもせいぜい二〇%になるかならないかで、片一方油のほうは七〇%前後のエネルギー源を供給しておるということになると、やはりある程度負担能力のあるものは負担を持つということを私は当然なことではないかと思うのであります。そういう意味で通産省から審議会がどうしたとかこうとかというお話もありますけれども、やはりこれはある程度電力業界に対しても、そういう意味を徹底させて、何も全部持てというわけでもなければ半分必ず持たなければいかぬというわけでもないけれども、片方が非常に困っておるというなら片方である程度カバーするような気持ちでこの問題の処置をする心がけがあってしかるべきだと思う。いやしくも公益事業に携わっておるものであれば、それだけの度量があってしかるべきであると思いますがゆえに、あえてこの問題を御質問を申し上げておる。通産省としても、先ほどのお話だと、電力会社もいろいろのことを骨折っているのだからそこまではできないような印象を私ちょっとあなたの御答弁から受けたような感じがするのですが、それでは私はちょっと満足ができないと思うのですが、もう一度お答えを願いたい。
○本田政府委員 先ほど大臣からお答えしましたように、最近の重油価格につきましては、重油部会の中間答申も出まして、業界で話し合いをすることになっておりまして、その成果を期待しておるわけでございますが、御指摘のように、電力業界はエネルギーの供給部門も担当してはおりますが、第一次エネルギーのきわめて大きな需要部門でもある、そういう意味で御指摘のように重油の安定供給を確保するという必要がある立場にもあるわけでございますから、経済性だけを貫いて判断するというわけには御指摘のようにまいらないと思います。現在すでに公害対策といたしまして大体原則的には、硫黄分が〇・一%少ないものにつきましては五十円高というふうな基準で価格を組んでおるわけでございますが、御指摘のように、これは低サルファの原油あるいは低サルファの重油の輸入に伴う割高制に対する配慮でございまして、今後御指摘のように重油脱硫を精製部門でやる場合のコスト高につきましては、これはあらためて業界で話し合う必要があろうかと思います。この点につきましては、エネルギーの大きな需要部門である電力として安定した供給を受け得る立場から、この話し合いについて十分考えながら話し合うように指導いたしておるわけであります。
○福田(一)委員 いまの局長のお話ですと、そういう点も考えて、ある程度指導するようなふうに承りますので、それ以上私は、比率をどうせいとかなんとか言うものではございません。しかし、いま申し上げたように、エネルギー供給者としてやはり両者が立ち行くような考え方も考慮に入れて処置をしていっていただきたいということを特に申し添えておきたいと思います。 次に、私は電力の問題について一、二御質問申し上げたいのでありますが、実を言うと、この原子力をやりますときには、石炭火力の場合あるいは重油火力の場合も同じでありますけれども、昼間非常に電力を必要とするときにはけっこうでありますが、夜間に電力が経常的に出るということになるとむだになりますので、どうしても揚水発電というものが必要になるわけであります。ところが、日本は幸いにして海岸線は非常に絶壁が多うございますから、揚水発電には非常にいい場所があるのですが、残念なことに、海水を使いますと機械が摩滅するということが多いので、現在の段階においては海水による揚水発電というものはまだ実行されておらない。この海水による揚水発電をどんどんやることでないともう揚水発電をする地点というものは限られておる。しかもどんどんエネルギーの必要性はふえてくるのでありますから、この開発が非常に大事ではないか、かように考えておるのですが、これについて通産省は何か措置をとっておいでになるか、お考えを承りたい。
○本田政府委員 御指摘のように、今後大規模な原子力発電をやる場合の夜間のロードを確保する意味でこれと組み合った大揚水発電所の必要性というものは審議会からも御指摘を受けておりまして、重要問題だと考えておる次第でございますが、御指摘のように、現在の具体的な計画は、淡水による揚水発電所の建設を現在進めておるわけでございますが、地点の関係その他の関係からいきますと、海水による揚水発電の必要性というものは御指摘のとおりでございまして、これにつきましては、御指摘のような地点的な難点もございますので、現在中部電力において海水による揚水発電についての技術の開発について研究を進めております。これが開発が成功すれば、海水によることによりまして揚水発電の地点は豊富になるということを期待しておるわけであります。
○福田(一)委員 実を言いますと、この原子力の問題もまだ多くの問題を含んでおりますが、まあ原子力発電をやっておりますについては、軽水炉については、いま電力会社がやるようになってきたということでございます。これに関連をして水力と原子力というものによる発電の問題になりますと、私はまたここに一つ大きな問題が投げかけられてきたというふうに考えております。それは、今度の予算によりますと、電源開発株式会社の株を約半分は九電力に肩がわりするということがきまっておりまして、そうしてこれを三年なり五年なりのうちに実現をするということであります。御案内のように、この電源開発株式会社を発足させるにあたりましては、ここにおいでになる神田先生あたりと御一緒に実は電源開発株式会社をつくるについていささか私はお骨折りをさせていただいたつもりでおりますが、この電開発株式会社と九電力の関係というものをどういうふうにお考えになって、そうして株の肩がわりを実行されることになったのか、その趣旨をこの際承らしていただきたいと思います。
○本田政府委員 先生みずから御立案され審議された電源開発会社でございますので、目的その他につきましては十分御存じのことと思いますが、御指摘のように立法当時におきましては、九電力会社の開発の能力というものが大規模水力開発に必ずしも十分な能力がないということと、電源開発が日本の経済の復興のために急務であったというような事情とからんで発足いたしました。その後現在まで十数年たったわけでございますが、水力開発地点の状況は、逐次当初の予定の開発地点は開発が完成してまいりまして、そういう意味から水力開発のウエートというものが小さくなっておりますし、九電力の水力開発との関係でも、当初のような電源開発が非常に大きなウエートを持ったという事態ではなくなってまいりました。しかしながら、そういう意味で当初の電源開発の設立された使命というものについては、かなり目的を達成しつつあるという段階であろうと思います。御指摘のように、最近の電力事情というものは、燃料事情の変化、地域開発その他からまいりますと、広域運営によりまして今後の電力事業の運営をやる必要がある、そういう意味でまいりますと、それぞれの地域を持っております九電力と、それから供給のついた地域を持たない、しかも国の政策の一翼をになえるという性格を持っておる電源開発会社とが一緒になって、十電力体制で今後の電力の供給を運営してまいるということが適切であろうというふうに考えるわけであります。そういう意味からまいりますと、今後は、従来のそれぞれ電源開発をしそれを相互に供給あるいはそれを受けて融通し合うという体制から、大規模な原子力発電、あるいはこれとの揚水発電の組み合わせ、あるいは全国を結ぶ電力の融通のための送電線の建設、あるいは御指摘のように現在は軽水炉に重点が置かれておりまして、原子力の開発では、今後も技術の点で問題があります技術開発的な性格を持った原子力開発を行なう必要があるというような点を考えますと、これらを含めて電源開発会社を活用してまいるという体制を十電力体制の中でやるという意味でいきますと、九電力との間で従来以上に協力体制を強固にいたしまして今後の電源開発を行なう必要がある、そういう事情に基づいて法律では半分以上を常に政府が持っておらねばならないという規定でございますが、ほとんど一部を除いて全額いま政府で持っておる株を一部九電力のほうに譲渡する、相互の協力体制の基盤を強化し、今後の電力開発の新しい広域的な運営に即した活動を行なわしめるために株式の譲渡が適切であろうというふうに考えておる次第でございます。
○福田(一)委員 私が電源開発促進法をつくりましたときの事情は、大規模な水力などはなかなか民間の会社ではできないから、そこで国の資金を投入して、そして電源の開発を進めることがエネルギー源を確保する道であるということで、実はあの電源開発促進法をやったわけですね。ところが、今日になりますと、水力の開発はほとんど済んでしまった。火力におきましては石炭政策に相当協力をいたしておりまして、また、その意味があったと思うのでありますが、今後、いまあなたのおっしゃることを聞いておると、電力会社九電力だけではなくて、これに電源開発を加えて協力体制をつくるには、むしろ株を電力会社に持たしておいたほうがいいのだ、こういう意味にとれるわけであります。ところが、これは私の誤解かもしれませんが、何か原子力発電をやる場合においては、電力会社は、軽水炉の発電は自分らでやるんだから、電源開発はあまりそういう問題に触れる必要がないんじゃないか、こういうような説もあるやに聞いておる。私は真偽のほどは知りません。しかし私は、それはちょっとおかしいと思うので、たとえば東京電力とか関西電力とかあるいは中国電力、中部電力ぐらいまでは原子力発電をやるだけの資金を持つでしょう。やはり経済能力を持っているといわなければなりません。ところが、北海道とか北陸とかあるいは東北とかいうようなところでは、これはいわゆる会社の力というものがそれほどございません。これからやるとすれば、原子力でも五十万キロぐらいのことになるでしょう。一千億前後の金が少なくともすぐ要るというような形になったときに、はたしてこういうところでそれだけの金が出せるかどうかということが私は問題だと思う。そういうときには、たとえ軽水炉の問題であるにもせよ何であるにもせよ、いまのところ、とにかくそういう資金量の面で必要がある場合は、場合によっては、国が電源開発を通じてある程度の金を出し、またその地域の電力会社が半分ぐらい負担して、そして電源開発をやっても少しも差しつかえないんじゃないか。いわゆるセクショナリズムになるようではほんとうの意味での協力体制はとれないと思う。一方、転換炉とか増殖炉というようなものは電源開発で開発してもいい、またそれに協力してもいいというような話もありますが、また、電源開発のほうで、そういう動力炉とか転換炉とか増殖炉のほうはおれの分野だから、これは電力会社は関係してはいけないんだというような考えをもし万一持ったとしたら、これもまた大きな誤りだと思うのであります。私は、そういうことに区分を設けることなく、ほんとうに電源開発をやり、電力会社が豊富、低廉な電力を供給するということであれば、何も電力会社は軽水炉だと言う必要もなければ、電源開発は増殖炉と転換炉をやるんだ、それ以外はやってはいけないんだというようなものの考え方になることは決して好ましい状態ではないと私は思います。これはどうしても両者ともほんとうに協力していただくことが必要だと思うのであります。ただし、こういうことは言えるわけです。いまの電源開発がはたして原子力問題についてどれだけの能力を持っておるか、人材をどれだけ用意しておるかということになると、必ずしも十分でないでしょう。だから、私は、今後そういう意味で協力体制をつくるのならば、電源開発が原子力開発についての技術を身につける人を大いに海外に出すとか、あるいはそういうような意味で勉強させるというようなことも必要だと思う。それは私はいいと思うのですけれども、しかし、いまないときに急におれのところにやらせろともし電発が言ったとしたら、これもずいぶん無謀な話であります。そんなできもしないことを、能力もないものがかってなことを言うということは、これはおかしな話で、私はこれは慎まねばならないと思いますけれども、しかし将来にわたってものごとを考えていった場合には、必要によっては電発が軽水炉の問題に介入して何が悪いか、また電力会社は転換炉、増殖炉をやるようになってどこが悪いか、こういわなければならないと私は思っておるわけなんですが、これについてひとつ大臣のお考えを承りたい。
○大平国務大臣 最初に、電発と九電力が協力体制をとることにつきましては、福田委員も賛意を表されたと思うのでございますし、同時に、そういうことを実現する一つの方法として、電発の株の一部を九電力に持たせるという措置を講じたことも御了解いただけると思うのでございますが、問題は、電発と九電力の業務分野、協力体制を具体的にどのようにやってまいるかということだと思うのでございます。 それで、なるほど、いま電発の技術力、資金力についての御指摘がございましたが、これから大規模の原子力発電をもくろむにつきましても膨大な資金力が要りますし、電力会社の市中における資金調達で間に合うような分量ではないと思いますし、どうしても国が財投を通じて大きく参加しなければいけないと思うのでございます。 それから技術力の点でございますが、これは電発のみならず、九電力自体におきましても、ますます技術要員の充足、養成、その資質の向上、そういった点はみんな全力をあげてもらわなければいかぬと思います。現に電発におきましては八十名程度原子力関係の技術要員を持っておりますが、いま御指摘のように、海外にも派遣いたしたり、原子力研究所に派遣いたしましたり、鋭意その養成につとめておるわけございます。したがいまして、それぞれ電発も九電力も政府のバックアップとあわせて十分の資金力、技術力を確保いたしまして、非常に増高してまいるエネルギー需要に対応してまいらなければならないと思うのでございます。その場合に、軽水炉は自分のほうでやるとかやらないとか、あるいは技術開発用だけに限るとかというような一応のきめ方は、少し量見が狭いじゃないかというような御指摘でございますが、要はこの十電力体制の協力によりまして、増高する電力の需要にタイミングよく対応してまいらなければならぬわけでございまして、それぞれの資金力も技術力もそのために効率よく動員していかねばいかぬという意味合いにおきまして、今後この協力体制を具体に即してどのように進めてまいるかということは、私どもの広域事業行政の任務であろうと思います。別にこうでなければならぬというようにかた苦しくは考えていないのでございますが、これから十分検討をしながら、そういう要請にこたえるような体制を十電力協力体制の中で編み出していくように努力しなければならぬと思います。
○福田(一)委員 私の申し上げておる意味は、要するに、今度の株を譲渡した場合において、株を受け取るほうの側では、今後の電発はこういうやり方でやりなさい、原子力発電についてはこうしなさいとかなんとかいうような条件がつくことは、私はあまりおもしろくないと思うのです。できもしないものをやろうというのも間違いだけれども、おまえは出てきちゃいけないぞというのも、はなはだわれわれとして納得できない。というのは、いまの資金の面を考えたときに、辺地の資金の問題、これは東京電力とか関電は力があるのだから幾らでもできますよ。北海道電力に原子力発電をすぐやれ、またそういう要請が出た場合に、これは大きな問題です。国がめんどうを見なければいかぬということです。そのときにはやはり両方で話しをすればやらしていいのであるから、そういうあまりに区分をはっきりして、それが条件になって株を持ってやろうなどというようなことになったのでは私は問題があると思うので、そこいらを十分ひとつ指導してもらいたいということを申し上げておる。もう一度お答えを願いたいと思います。
○本田政府委員 御指摘のように、資金の問題はともかくとしまして、地域別会社で大規模原子力発電をやる場合には、その容量の点でいろいろ問題も起こってまいります。そういう意味で、共同開発とかあるいは委託開発というような問題も出てまいると思います。したがって、先ほど申し上げました技術開発的な性格を有する原子力炉の開発を電発がやるのが適当であるというのが大きなラインの方向でございまして、具体的な問題のときに、御指摘のように電力会社との間で話し合いがつきまして、そして電発が共同であるいは委託を受けて軽水炉の開発をやるということは、これはそういうことでは認めないとかなんとかいうことには相なっておりません。むしろ具体的な問題に即して先ほど大臣がおっしゃるようにそれを進めていくということになろうというふうに考えておる次第でございます。
○福田(一)委員 もう時間も来ましたから、これで私質問を終わらしていただきますが、私がきょう申し上げたことは、エネルギーの問題では油の問題が非常に重要である。そこへまた原子力というものがここに出てくる。そしていまある九電力あるいは電発またあるいは原電あるいは動・燃事業団その他が、それぞれの分野において協力しながら、しかも相互がうまく立ち行くように考えながらエネルギー行政というものはやはり指向していってもらいたい。またそれについて審議会の意見等を参考にされることもけっこうでありますけれども、しかし私は、審議会の意見のみにたよるのではなくて、独自の通産大臣あるいは通産省としての一つの見識を持ってこういう問題を処理していっていただきたいという意味合いにおいて、二、三の問題をいま提起して御意見を伺ったわけでありますから、どうかひとつそういう意味合いにおいて、今後十分にエネルギー問題に頭を置いて通産行政を実行していただきたいということを要望いたしまして、私の質問を終わらしていただきたいと思います。どうもありがとうございました。
○大久保委員長 古川喜一君。
○古川(喜)委員 私は、給油所の経営の安定、安定供給と流通施策について、若干質問申し上げたいと思うわけであります。 近年、石油給油所すなわちガソリンスタンドがどんどん建設されてまいりまして、今日なおその傾向が続いておるのであります。したがって、一般市民の中から、ガソリンスタンドがあんなにたくさんできるが、もうかるんだろうかという羨望の声とも、またほんとうにもうかっているんだろうかという不安とも受け取れる声が聞かれるのであります。元来、石油販売業はいろいろの特殊性を持っており、しかもなおかつ産業経済発展に重要な役割りを果たしてきておる業種であります。エネルギーの低廉なる安定供給あるいは石油諸税の保全、あるいは消防上の設備の義務づけ、あるいは多額な設備資金などの特殊性に基づいて、わが国の経済の発展に大きく貢献をいたしてきておるわけでありますが、近年いろいろ問題が起きておるようでございます。 まず局長に伺いますが、全国のガソリンスタンド数というものは大体幾らぐらいになっているのでしょうか。
○中川(理)政府委員 四十三年度末で三万三千五百六十八という数に相なっております。
○古川(喜)委員 約三万三千ということでございますが、その数字を聞いただけでは、はたして多いのかどうか一般には理解できにくいと思いますが、私は富山ですが、富山県の例をとりますと、大体経済規模は国の百分の一というのが標準でございますが、それから見ますると、三万三千の百分の一といいますと三百三十くらいですね。御承知のように富山というと、三十万以下の都市と郡部、百万の人口で三百三十というと、やはり多いという印象を受けるわけでありますが、大臣、あなたはいまの日本におけるガソリンスタンドの数が多いと思われますか、どういうふうに考えておられますか伺いたいと思います。
○大平国務大臣 だんだんと石油に対する需要がふえてまいりまするし、自動車の台数も増加の傾向がございますから、将来の展望といたしまして現在の三万三千が多いかと問われますならば、私も必ずしも多いとは思いませんけれども、御指摘のように給油所の経営を取り巻く環境も、土地代とか人件費の高騰、経費の増高、それからいろいろなきびしい競争のもとでたいへん困難なきびしい状況になっておるということが考えられますので、適切な規制を加えていかないと、経営の安定、供給の安定をはかるというようなことは困難じゃないか、こう思います。
○古川(喜)委員 大臣はいま多いとは思いませんけれどもということでございましたが、業界の実態というものはそういうようななまやさしいものではないのでございます。大体、日本の貿易の自由化ということに伴いまして、いままで日本に既得権を有しておりました海外資本は、そのシェアを広めるためにどんどん販売所、いわゆるガソリンスタンドを建設してきたわけであります。またこれに対して、日本の民族資本も、対抗上、防衛上、増設に拍車をかけてきた。これが多いとは思いませんじゃなく、非常に乱売、過当競争を演じておるわけであります。現に昨年だけでも二十九単協で百二十二件倒産いたしておるのであります。さらにまた、売らんかなということで、元売りは、ガソリンスタンドを経営したいという者であれば、だれにでも資金を貸す。そしてそれを担保にとってやらせる。しかしながら過当競争であり、いま大臣がおっしゃいましたように諸経費の高騰、人件費などの値上がりによりましてお手上げになる。そうすると元売りは、担保にとっておったスタンドを取り上げ、直営でやる、もしくはまた売りに出しているというようなことで、倒産以外にでも倒産一歩手前というスタンドも相当多いのであります。これはまあ大臣はこまかい問題だと考えてあまり認識しておられないかもしれませんが、局長は今日のような状態をどのように考えておられるのか伺いたいと思います。
○中川(理)政府委員 古川委員のお尋ねは、実は非常に答えにくい、むずかしい問題をお尋ねになったわけでございますが、多いのか少ないのかという問題を、私、行政所管しております者の実感から申しますと、既存のスタンドの経営者、このほうからは、先生御指摘のように多過ぎるんだ、われわれの経営はもう成り立たぬ、これは圧倒的に強うございます。それから、にもかかわらず、いま行政指導でいろいろな指導上の規制を加えておるわけでございますけれども、もしこの規制をはずしたならばということを考えますと、これはまたスタンドをつくりたいという人が圧倒的に多く希望を持っていらっしゃる。こういう両面がございまして、どの観点に立ってその多寡を論じたらいいのか、なかなかむずかしいところでございますが、基本的には、いま御指摘ございました元売り業者のシェア意識による競争の熾烈化というものが、それぞれの製品につながっておりますスタンド業の過当競争というものを生んでおるんではなかろうかということに関しましては、私もそうだと思います。その意味では、ほっておくと過当競争になり、過多になりやすい業態であることは間違いございません。しかしながら、大臣お答えいただきましたように、年々ふえます自動車の数、これによって増加しますガソリンの需要量というものを考えますと、他方私どもは、供給サイドの責任を持っておるだけではなくて、やはり消費者に対する責任も負っておるわけでございますので、これが独禁法あるいは公取法から見て支障があるようなものをやるわけにはまいらない、消費者に対する責任も有しておる、こういうことでございますので、変遷はございますけれども、昭和四十年ごろから行政指導によりましていろいろなタイプの設備規制を指導上やってきたわけであります。当初、御承知のように数の規制をいたし、最近に至りましては、一定のルールに従いました距離基準による規制というものを行なっております。そこで毎年のスタンドの数を見てまいりますと、距離基準に移しました直後にかなり乱設が行なわれまして、このときは、これは結果論でございますけれども、明らかにつくり過ぎたという状況があったわけでございます。四十三年からことしの四十四年は、その辺の実態を踏まえましてしかるべき規制を行ないたい、かように考えておるわけでございます。 具体的に申し上げますと、基準距離ということで、地域を三つに分けまして、この三地域の区分によりまして一定の距離内に置くべき給油所の数というものを規制する。それからもう一つは、やはり三地域に分けまして、既存のスタンドとの至近距離をきめまして、この距離内に新設することは認めないというような規制を加えると同時に、元売り各社にも指導を加えまして、大まかな総体の数というものも見当がつくような形で行政指導を進めてまいりたいと考えておる次第でございます。
○古川(喜)委員 局長も現状ただいまの状態をさして非常に過当競争だというふうに理解をしておられないようであります。ほっておくとこれから過当競争が生まれるかもしれないという程度にしか理解をしておられないようでありますが、しかしながら、先ほども申し上げましたように、現実に倒産をしておる人たちが出ておる。あるいはせっかく無理をして資金をつぎ込んだが、元売りに全部取り上げられておるという業者もたくさんあるわけであります。また、四十年ごろから設備規制をしてきたという説明でございましたが、四十一年には千六百五十、四十二年にはそのいわゆる距離規制をやられたわけでありますが、四十二年に一挙に四千五百とふえたわけで、それをさして四十二年には乱設であったというようにおっしゃっておられると思うのです。それじゃ、四十二年度の距離規制によって、乱設であったというふうに受け取っておられるならば、四十三年からどういう規制をやったか。四十三年だってやはり二千七百九十という——一つの基準を設けてやっておられるわけでありますが、そのことでは四十二年度の乱設というものは解消していかないのじゃないだろうか、私はそのように思うわけであります。まあこれから自動車数もふえますし、需要者もふえていくから、適切な行政指導をやっていくならば、まだまだふえていかなければならないものだとは思うのです。しかしながら、現状ただいまどんどんつくっていく、あるいはどんどん希望者があるという状態であると、やはり既存の業者が非常に中小企業であって、一つの施設を建設するのに五千万から一億という、まあ小さい業者とするならば巨額な金を投資しておるわけですから、非常に問題があると思うのです。で、これからの指導をどのように考えておられるのか、四十四年度からの行政指導を承りたいと思います。
○中川(理)政府委員 ただいままでのところ、非常に判断しにくいスタンドの数についてお答えしておったわけでございますけれども、古川委員も御指摘のとおり、非常に明らかなことは、ガソリンスタンドの諸経営指標をとりますと、中小企業一般の販売業者の数字に比べまして、いずれの数値をとりましても、たとえば経営資本対営業利益率、経営資本の回転率、売り上げ高対営業利益率云々というものをどれをとりましても、中小販売業というものの経営指標よりきわめて劣悪な指標になっておるということは、これはもう客観的に明らかなところでございます。ということは、数にももちろん問題がございましょうし、経営態度そのものにも問題があろう。この経営態度と申しますことの中には、当該ガソリンスタンドの販売業者の経営態度と申しますものと、先ほどお答えいたしましたように元売りの態度というものの二つがからみあっておるということもまた否定し得ない事実であろうかと考えるわけでございます。そこで、私どもまず四十四年度といたしましては、ひとつこういった経営実態把握をいたしたいというふうに考えておりまして、四十四年度予算で、経営改善につきまして、もとになります給油所経営の実態調査を流通対策として行なうことにいたしております。また、給油所自体の経営改善のためには、講習会といったものを開催いたしまして、販売業者のための啓蒙、指導を行なうつもりでございます。業界全体といたしましては、中小企業団体法に基づく調整措置によりまして、不当な価格で売らないこと、あるいは品質を確保すること等々の自主的な規制を行なっていただくつもりにいたしておりますが、問題は、全体のスタンドの数の規制をどうするかという問題と、先ほどお答えいたしましたように、元売り各社にある過当競争要因というものが販売業者段階に波及することをどうするか、この二つでございます。前者の建設の規制につきましては、公取とも連絡相談の上、将来の実績をよく見守りまして、距離基準による規制を中心にしながら、反面元売り各社に姿勢を正していただくというほうの行政指導を加えることによりまして、給油所の経営というものが少なくも一般の中小企業の販売業者並みの経営状態になれるように、今後真剣に取り組みたいと思っておる次第でございます。
○古川(喜)委員 ガソリンスタンドの経営者の経営態度やいろいろなことに対しての実態調査をやるなりあるいは講習会を開くなりという行政指導は、私は大切ではあると思うのです。ただ、その元売りのほうの規制は強力にやっていただかないと、やはり売らんかなで、またスタンド希望者がたくさんおるというふうに局長がおっしゃっていますが、それと話し合いがつけば簡単にこれは建設をやらしてしまうということになるわけですから、私はどうもあまり詳しくはわかりませんが、あまりにも簡単にスタンド経営がやられるということに対して、あるいは許可制とか認可制にするとかいう必要がないのかどうか。税金を扱っているわけですからね。その税金はどうして取っているのかというと、元売りが小売りへおろすときに、すでに税金を含めた価格でおろしておるというんでしょう。そうすると、スタンドにすれば現金ばかりでありませんから、チケットで販売しているものもあれば、あるいはいなかに行けばツケでガソリンを入れている。そうしてそれが相手が倒れてしまったりして、資金回収不能になる。税金の分まで自分で負担しなくちゃならないということになるわけです。そういう点では公取の問題も云々されておりますが、いろいろ事業によっては規制されている面がたくさんあるわけですからね。たとえばハイヤー、トラック営業などでも、白ナンバーでトラック営業をやっておるということでいろいろ問題になっておりますけれども、厳重な許可制でやって簡単には営業することができないということなどからいうと、このほうはあまりにも簡単に営業が開始されていくような気がしてならないわけであります。 それから、何といたしましてもやはり数の制限が一番規制になるのではないかと思うのです。その数の規制を強力にやることが公取の問題云々として意見が出てきているのかと思いますけれども、これはやはり数で規制していくよりほかはない。いまおっしゃったように、ある程度経営状態が上向きになってくる、さらに自動車がふえ、需要がふえていけば、そのときの情勢に応じて徐々にゆるめていくということにして、とにかくいま営業をやっている人の職の安定というか、そのことはまた、そこに働いている従業員の生活の安定にも通ずる問題ですから、その点を強力にやっていただきたいと思うのです。 そこで、今年度の方針なりあるいは実施細則なりを見ますと、いわゆる距離基準というものは、六大都市及びこれに準ずる都市、人口四十万以上は基準を二百七十メートルと置いているわけで、それ以外の市制地区においては三百八十メートル、また市街地以外の一般の地区は六百五十メートルと置いているわけですが、この距離もまた問題だと思うのです。例にはなりませんが、富山県なんかでは公衆浴場を三百メートルという基準を置いているわけであります。浴場だから歩いていくんですよ。歩いていくふろでさえ三百メートルに基準を置いているのに、これはもう自動車で何秒間しかないわけなんですね。この距離基準自体あまりにも間隔が狭いのではなかろうかというように思うわけですが、これはもう少し距離を延ばすということはできないのかどうか、これを承りたいと思います。
○成田説明員 距離基準につきましては、四十二年度の過剰設置の傾向にかんがみまして、四十三年度から距離基準を強化して実施してまいったのであります。そうして四十三年度の実績を見ますと、許可といいますか、認めた規制のワクが二千九百でございましたが、二千九百のワクに対して四十三年度一月末——まだ三月末まではわかっておりませんが、千九百という状態でございます。したがって、三月まで経過してみないとはっきり言えないのでありますが、大体六百くらいはワクが余ったかっこうになっているのではないか。といいますと、これは最近は非常にスタンド経営も、土地代が高いとか人件費が高いとかで、手控える傾向も出てまいっているのではなかろうか。それからもう一つは、スタンドの規制が今後あまり強化されると、かけ込みということになって非常に急ぎますが、それほど強化にならないじゃないかという心理状態も働いているのじゃないかと思いますが、四十三年度一月末の経過を見ますと、二千九百のワクに対して千九百、おそらく年度を見ましても八百から六百くらいのワクの残りが出ているという状態でございまして、われわれもこれを判断しまして、四十四年度に関しては、距離基準は強化する必要はないではないか、むしろ四十三年度と同じ距離基準を踏襲していったほうがベターではないかというふうに判断しまして、四十四年度の規制としては、距離に関しては四十三年度を踏襲するという考えをとったわけでございます。ただ、先ほど先生御指摘のように、石油製品の市況が非常に悪いのでありまして、これは元売り段階のいろいろな指導強化等をやっておりますが、そういう状態から考えまして、市況対策という立場から、数の問題は、四十三年度二千九百というワクでございますが、もうちょっと少なくてもいいではないかというので、これも全石商、組合あるいは元売りと相談して、いま数の検討をすぐやってもいいんじゃないか、必要あるんじゃないかというので、検討しておる状態でありますが、距離に関しまして四十三年度の実績からみまして四十三年度踏襲という方針をとっております。
○古川(喜)委員 いま一度伺いますが、四十四年度は数として幾らに基準を置いておられるのですか。
○成田説明員 数に関しては正確にまだちょっとはっきりしないのでありますが、四十三年度の二千九百に対しまして若干下回るところできめたいというふうに考えております。ただ、需要のほうは相当、ガソリンで一三%以上伸びますので、四十三年度の数よりも若干下目につくりますと、一スタンド当たりの販売量が四十三年度においては月間で三十九キロリットルでございますが、四十四年度はそういう指導で四十一キロリットルくらい一スタンド当たりの処理量がふえる、それだけ値段の問題はありますが経営向上に役立つという見当で考えております。
○古川(喜)委員 四十三年度は、二千九百に対して、まだ三月末の統計ははっきり出ておらぬが、約千九百である。そうすると六百ほど少ない。一千九百というものに対して四十四年度若干下回るといっておられるのか、二千九百に対して若干下回るといっておられるのかということと、いま一つは、四十三年度分で二千九百といっておったのが下回っている。その分を繰り越してきて四十四年で持ってくるのか。その二つ。
○成田説明員 四十三年度より若干四十四年度は下回る数だと考えております。というのは、二千九百に対して若干下回るということでありまして、一月末の千九百に対してでなくて、四十三年度全体の二千九百に対してでございます。 それから四十三年度のワクが八百くらい繰り越しになるのでありますが、これを四十四年度のワクに入れるということになると、来年もまたそういうことになると、非常にかけ込みを多く助長するようなおそれがありますので、四十四年度からは繰り越しのワクは次のワクに入れない。むしろ既得権としてワクを認めて残しておくという方針をとっておりますので、繰り越しは、つくってないところもワクは四十四年度のワクと別個に四十三年度からの繰り越しとして使える、そういうことになっております。そのほうがかけ込み増設を助長しないという配慮からでございます。
○佐野(進)委員 関連して、大臣があと十五分しかないということなので、古川さんの質問途中ですが、委員長の許可を得て質問したいと思います。 私は、いまの質問から入って大臣の見解を聞いておきたいと思うのですが、いま古川さんのいろいろ質問された点について私も研究してみたのですが、この四十四年度の給油所建設についての方針というのが、さっきのお話のように昭和四十二からいわゆる距離制限になったということで、その距離制限にしたということでいまのような建設の数が説明に出ておるんですね。私もいろいろ研究してみたのですが法律的な根拠は一体どこにあるのか。いわゆる四十四年度の給油所建設の方針という鉱山石炭局のこの方針、それに基づく四十四年度の給油所建設についての実施細目、それが石油業法の第何条に該当するのか。たとえば石油業法における販売の事項についてはこの十三条に書いてあるし、施行規則にはこれまた十二条に書いてある。ところが施行規則ないし石油業法におけるこの十三条の関係と、この給油所建設についての方針という鉱山石炭局の方針というものは一体化していないわけですね。このことは行政上における指導、行政指導だというんですね。わが国における法律体系に優先した行政指導というものが通産省の鉱山石炭局において出せるのかどうかという問題になってきますが、私はあとの問題と関連がありますので、非常に疑問だと思いますので、その点を大臣、どういうことでこの方針が出ておるのかお聞かせを願いたいと思います。
○大平国務大臣 これは業界と納得づくでやっておりますので、法律は全然関係ございません。私どもとしては、法律で規制するとかいうようなことはよくよくのことでございまして、でき得るならば行政指導の段階におきまして円滑な仕事を進めていくほうがベターであると考えておるわけです。
○佐野(進)委員 大臣、おかしいんだよね。すべての法律がそうだけれども、国民の利益に合致するために、たとえばどんなに一つの業界のためにする法律であっても、それは国民という名のもとに、公共の福祉という名のもとにおそらく法律はつくられておる。したがってその公共の福祉に合致する形の中でいろいろな制約も出てくるであろうし、あるいはいろいろな発展するための援助ということも出てくると思う。ところが、いまのこの形は、古川さんが言われておるように、私は反対の趣旨で言っているんじゃないですよ、反対の趣旨じゃないけれども、全く国民不在の規則ということになるでしょう。いまのお話だと、業界と話し合いできめたんだ。業界と話し合いできめたということになると、業界はこれを了承したということになるんですか。たとえばいま古川さんがお話しになられたように、昭和四十四年度二千九百店ということは、その業界じゃ二千九百店はいい、こういうことで、鉱山石炭局のほうではその方針だということでおきめになったということですか。これは大臣に聞きたい。
○大平国務大臣 政府はそもそも公益を守る責任があるわけでありまして、あらゆる行政は国民のためにやらなければならぬ大前提に立っておるわけでございます。それで、それを法律というきびしい形でやるか、行政の領域でやってまいるか、それはわれわれの慎重な判断でやってよろしいのではないかと考えております。いま御指摘の問題につきましては、元売り各社に示し、また全石商でございますか、販売関係の組合のほうの納得も得て進めておるわけでございます。
○佐野(進)委員 もう納得を得ておると大臣が公の席上で証明されたので、納得を得てないと言ったって水かけ論ですから、あとで私もよく調べてみます。 これで終わりますが、ただ私はいまの問題に関連して申し上げたいのは、いわゆる石油販売業そのものの現在の実態はいわゆる過当競争の中にあえいでおるということでしょう。あえいでいるから何とかしてくれということでしょう。何とかしてくれという声が通産当局のほうへ反映して、いわゆる数量規制から距離規制に変化して、今日距離規制の段階の中で業界の声も生かしながら、いわゆる過当競争をどのようにして防ぎとめて業界の発展と国民の利益にマッチさせてやるかということで通産当局も努力しておるわけでしょう。そうなると、いま通産当局が全体的な中小企業の中で幾つかの業界に対して具体的な政策を立てて指導しておられるでしょう。たとえばこの前、繊維、メリヤスの業界に対してやりましたね。今度の近促法によりますと、業種を指定して、国際競争力の強化のために特定の業種を掲げて、それに対して云々ということになりますね。あるいは今度のガス事業法によれば、これは簡易ガスの対象については公益事業として一種の独占的な形態を、地域的な形の中においてはこれは完全な独占ではないけれども、認めるという形になるわけでしょう。そうしたら、この石油業界に対して、先ほど来エネルギー革命の状態の中において、福田先輩のお話をはじめとしていろいろお話がありましたね。そういう中において、いわゆる中小企業と目されるものは、大企業からの圧迫下にあって、元売りとの関係においても対立感があるわけでしょう。そういう形の中において企業の存続に対して非常な困難な状態になり、何とかこの過当競争を排除してもらえないかという熾烈な要求の出ている業界に対して、そういうような具体的な対策がどうして立てられないのですか。この距離制限といえども、私はいまのままではおかしいと思うのですね。行政上の指導をするといいながら、はたして行政上の指導を、通産省の鉱山保安局の達しだけでそういうようなことが行なわれるとしたならば、あらゆる業界に対しても相当影響が強いと思うのですけれども、当然法律でそれにふさわしいような措置をとってやるということのほうが正しいのじゃないか。今日の中小企業対策全体の面からするならば、いわゆる法律によって許認可という対策を立てることのほうがすっきりするんじゃないかと思うのですが、その点ひとつどうですか、御答弁願いたいと思います。
○大平国務大臣 いますっきりするかしないかという問題より前に、給油所を経営しておられる方々、その従業員の方々のことももちろん考えなければなりませんし、先ほど局長からも申し上げましたように、われわれとしては、適度な競争下において石油が廉価に供給されるような環境も確保しなければならぬわけでございまして、消費者の利益と給油所の経営者の利益と調和をはかる意味でそういう行政を行なっておるわけでございます。それは佐野さんがおっしゃるように、法律でやるということも一つの方法かとも思うのでございますが、法律によらなくても、現実にそれで実効をあげられるのでございますれば、行政でやるほうが私はよろしいのではないか、またそれで政府の当然の責任としてやるべきことではないかと思います。
○佐野(進)委員 業界の新聞を見せていただいたり、いろいろわれわれのところにも陳情も来ておりますが、そういうお話も聞けば聞くほど、いま大臣なり局長なりが御答弁なさっている実態とだいぶかけ離れておる、そういう点をわれわれは感ずるのです。いわゆる距離制限という形の中における対策は実効があがっていない。過当競争はますます激化する。さらにまた、元売りをはじめとする供給体制全体の問題との関連の中における小売り的なガソリンスタンドの置かれている立場というものは、時間がたてばたつほど深刻な様相を呈しつつある。こういう中において、国民の利益と中小企業者としての利益とを合致させながら、どういうふうな形の中においてそれらの人々のシェアを確保しながら前進させていくかということは、やはり当面する石油というエネルギー革命におけるところの一つの一番大きなウエートを占める段階のところにあるだけに、たいへん大切なことだと私は思うのですよ。いまの大臣のお話では、突然こうやって質問しているからこういうことになると思うけれども、いろいろな中小企業対策については、幾多の具体的な例をおとりになっておるのですね。たとえば環衛公庫をつくって、環衛関係の業者に対しては特別の金融上の対策をお立てになっておられる。あるいは今度の、さっき申し上げたメリヤスについても具体的に対策を立てるようになったわけです。だから、私は実は冒頭共石の話をしたいと思ったけれども、関連質問だからきょうはできませんでしたが、日本におけるいわゆる石油供給体制についても、根本的に検討しなければならぬときに立ち至っていると私は思うのです。そういう中において最もしわ寄せを受けるのが、ガソリンスタンドのような小——小とも言えない、中の小かな、そういう企業に携わる人たちが、過当競争の中でなかなか思うようにうまく仕事がいかないし、さっき古川さんがるる御説明になっているような点なんです。これは大臣、局長や審議官がお答えになっているようなことではなくて、こういう面について、政治的な立場からこれはゆるがせにでき得ない問題だとして、許認可の問題あるいは中小企業対策としての業種的な対策の問題、そういうものについていま少しくはっきりした決意、といっていいのか、これらの問題の取り組みについて前進をはかる御見解を明らかにしていただきたい。そうでないと、この規制の問題——大体、鉱山石炭局とガソリンスタンドの規制とどういう関係があるのか、名前を変えたほうがいいのではないかと思う。石油は鉱山じゃない。鉱山なのかね。昔は石炭かち石油をつくったという話があるけれども、いまはだいぶ話が違ってきているわけです。それがこういう重要な行政上における指導をしておるなんというのは、大体私はおかしいと思う。それだけすでに通産当局がこの部面に対する対策についておくれていると思う、組織上においても行政上においても。そういう面で、大臣、世の中は変わっているのですからね。
○大平国務大臣 御指摘のように、石油のエネルギー資源としての躍進と申しますか、これはますます大きくなってまいる。これの直接間接の影響はたいへん大きくなってまいります。と同時に、石油業界を指導しなければならぬ立場にある私どもといたしましても容易ならぬ課題をかかえていることは、私もよく承知いたしております。 そこで、その中でこの給油所問題について古川さんからも先ほどからいろいろ御指摘をちょうだいいたしておるわけでございますが、これを法律的にすっきりと筋道の通った規制を加えてまいるのがいいのか、現在私どもがやっておりますように、行政上の措置で実効をあげてまいるのがいいか、それは一つの政策論として、政策技術論として考えてみなければならぬ問題だと思います。そこで、このようやくやかましくなってまいりました給油所問題というものに対して、とりあえずの措置はいろいろやっておりますが、それでもなお問題が絶えないわけでございますので、先ほど局長からも御答弁申し上げましたように、四十四年度は一ぺん実態調査をすっきりやってみよう、そこで問題点をよく具体的に掌握した上で、現在行政指導をやっておりますが、それにくふうの余地がないものかどうか、そういった点をまず究明させていただきたいと思います。それでぎりぎりどうしても行政上の措置じゃいかぬじゃないかということになれば、これは当然法律的な措置を考えなければいかぬわけでございますけれども、まずいまの段階は、行政措置で実効があがるものでございますならば、私どもの手で問題を処理すべきじゃないかと考えておるわけです。
○佐野(進)委員 古川さんの関連で聞きましたが、古川さんの時間はまだあるのだから、大臣がいなくなるというのでちょっと御質問申し上げたわけです。 それで、大臣に最後にお願いだけ申し上げておきたいと思うのですが、石油業法全体の法律的な面で私もいろいろ勉強さしていただいて、実際上ないわけですね。したがって、その面について……(「関連質問が長過ぎるよ。関連質問というのはそんな長いものじゃない。古川君の時間がなくなってしまう」と呼ぶ者あり)関連質問が長いといったって、一時間の時間内でちゃんと委員長の許可を得てやっているんじゃないか。委員長、どっちをとられるのですか。
○大久保委員長 御発言を願います。佐野進君、簡単に願います。
○佐野(進)委員 ともかく委員長、そういう不愉快な、もうこれで終わろうと言って最後のあれだと言っているのにそういうことを言うのは、たいへん不愉快なんです。 そういう中で、大臣もひとつ積極的に取り組みをしてもらいたいということを申し上げて終わりたいと思います。
○古川(喜)委員 私も最後には法律論に触れる予定でありましたが、大体佐野さんのほうで触れておられますから、あと簡単に申し上げたいと思いますが、とにかく局長、幸いあなたは実態調査をやっておられるというからいいですが、どうも実態を把握していないという感じがするのです。あるいは実態を把握しておられるけれども、弱肉強食、どんどんスタンドがふえていっても、最後には強い者だけが残るのだから自然淘汰されるだろうと考えておられるのじゃないと思いますけれども、どうもその実態把握が少ないように思うのです。われわれの聞いておるところでは、スタンド経営はもう絶体絶命のピンチに立っているとさえいわれているのです。年々自動車がふえ需要者がふえているのですけれども、とにかく経営者も諸経費が上がる、人件費が上がるものだから、そのスタンドでどんどん需要がふえていくことによって経営の安定をはかろうとしておるのに、ふえてくるのだけれどもどんどんスタンドをふやしていったのじゃ、諸経費の上がった分だけ年々利益率が少なくなるということですから、それは何としてでもやはり——公取の問題もあるのかもしれませんけれども、強力な行政指導をやってもらわなければいけない。いま大臣は法律論に対して了解ずく、納得ずくというような表現をされたように承ったのですが、業界が納得するわけはないでしょう、これでもまだ不満だと言っておるのですから。その辺どうなんですか。
○中川(理)政府委員 結論から申しますと、全石商のほうとは話をいたしまして了解を得ております。過程にはいろいろ不満不平がございました。きわめてやっかいでございますのは、先ほど審議官からお答えしましたように、一店舗当たりの売り上げが平均四十キロリットル以下、こう言っておりますけれども、大は数百キロリットル売るものから、この平均値にとうてい及ばない小さいスタンドもあるわけであります。かつては移動式の、タンクを持たないものもあったようです。これらの実態でそれぞれまた利害が異なるわけでございますので、大臣もお答えいたしましたように、今年度ひとつよく実態を見きわめまして、やっていけないというほんとうの苦しさの声を出しておられるところが、かなり大きいところなのか小さいところなのかという実態も、もうひとつ私どもつまびらかにいたしておりません。せいぜい組合の幹部と話しておるという状況でございますから、もう少し実態調査を徹底して行ないまして、その上で不備不足がございましたならば、これは勇敢に積極的に改善をいたしたいと思います。
○古川(喜)委員 時間もありませんからこれで終わりたいと思いますが、とにかく局長の実態調査というものに対して私は大いに期待をかけておるわけでございます。現実にばく大な投資をして転機に立たされている業者とそこに働く従業員の立場を考えて、また需要者にいたしましても、自分の得意先のスタンドがつぶれてまた変わったというよりも、やはり安定して供給してもらうほうが便利なんですから、その点十分把握をしていただいて、行政指導だけでこの問題は解決しないとするならば、やはり先ほど佐野委員からも述べておりますように、各中小企業にそれぞれ法律の保護のもとに対策を講じている業種がたくさんあるわけですから、このスタンド業に対しても、行政指導でうまくいかない場合は、やはり法的な保護を加えるというくらいの気持ちを持ってひとつ臨んでいただきたい。このことを最後に希望申し上げまして、私の質問を終わりたいと思います。
○中川(理)政府委員 御意見はよく頭の中に入れておきます。
○大久保委員長 本会議散会後直ちに再開することとし、この際、休憩いたします。 午後零時三十六分休憩 ————◇————— 〔休憩後は会議を開くに至らなかった〕