商工委員会 第19号
- 発言数
- 129 件
- 登壇者
- 14 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1969/04/18
会議録
○大久保委員長 これより会議を開きます。 中小企業近代化促進法の一部を改正する法律案を議題といたします。 質疑の申し出がありますので、これを許します。千葉佳男君。
○千葉(佳)委員 私は、この中小企業近代化促進法を改正するにあたっての、業種、業態に即した構造改善というこの改正のねらいについて、それと地域的な関連性、地域性といいますか、そういうものと緊急性という、この二点についてお尋ねしたいと思うわけであります。 その前に、昨年の十二月、全国工業開発の構想という試案を通産省として発表されたようでありますが、この工業開発の中で、特に中小企業の近代化を促進しながら、どのようにして全国的な工業開発にこれを組み入れていくか、何といいますか、全国工業開発の全貌を明らかにする中で中小企業を組み込んでいく、その点をひとつお聞かせいただきたいと思うわけです。
○大慈彌政府委員 工業開発と中小企業の問題でございますが、ただいまお話がございましたように、工業開発の構想につきましては昨年の十二月に公表いたしております。これは一つの試案でございまして、現血各方面の意見を聞いておりまして、今年の夏ごろ確定案にしたいということで進めております。 この工業開発の構想をつくりました問題意識でありますが、御承知のとおり、現在、大都市圏に工業が集中をする、一方では過密等の現象がございまして、地方に逃げ出していくといいますか、転進をしていく、こういうこともございます。ところが、将来、工業の規模はどういう形になるか、どの程度の大きさまでいくか、それがどういう形で全国的にセットするのが最も好ましいか、こういう問題があるわけでございます。昭和六十年を目標にしておりますが、昭和六十年は昭和四十年に比較をいたしますと、工業の出荷額で五・四倍、こういう規模を一応想定をしております。五・四倍の出荷規模まで持っていくということはたいへんなことでございまして、土地の面積当たりの生産性は現在より高くなるということで、それを計算いたしましても、工場用地としては現在の三倍の大きさが必要になるわけでございます。そういう点から最も好ましい張りつけといいますか、それを全国的に行ないたいというのが、この工業開発の構想でございます。 その中で、ただいま御指摘いただきました中小企業をどういうふうに組み入れるかという問題でございますが、この計画自身は、大企業対中小企業という考え方を、そのまま直接的には取り入れませんで、資源型の産業であるとか臨海型の大企模工業であるとか、それから機械金属加工工業であるとか雑貨であるとか、そういうつかまえ方をしておりますが、いまの機械であるとか雑貨であるとか、それから繊維関係、食品関係、木材関係、そういうのはおのずから中小企業の比率が非常に高いわけでございます。そういうふうな業種をどこに持っていくのが一番好ましいかというような観点を入れまして、この構想はつくっております。 非常に大まかに申し上げますと、現在と比較をしますと、地方のほうに生産なり出荷のウエートをかけるといいますか、北海道、東北、九州等の工場が、絶対額においてふえるというだけではなくて、比率的にもウエートがだんだん高まる、こういう構想にしてございます。したがいまして、中小企業の問題を取りまとめて申し上げますと、大都市圏の中において中小企業に関係のある機械工業、繊維工業等でございますが、そういうものの再配置を考えるという構想が一つでございます。それから距離的に見ましても、今後道路網等の発達によりまして、時間としましては二分の一ないし三分の一くらい距離が近くなる、こういう構想をしてございますので、中小企業に関係のある業種が多い地方に進出をしていく可能性を大幅に見込むべきである。そういうことをいたしますと、従来からもともと地方にございます中小企業との調和をはかる、そのために既存の中小企業の近代化を積極的にはかる必要がある。さらに地方には伝統的な特産品工業がございますので、そういう企業の近代化、合理化というのを進めるべきであるというようなことから、多面的に工業開発の構想というものと組み合わせていくということを考慮してございます。 輪郭だけでございますが、一応……。
○千葉(佳)委員 この試案の近畿臨海の項を見ますと、いま局長が言われた大都市からの再配置という、そういう点がどのように見積もられておるか。特に今度の法改正の中で指定するといわれておるマッチですね、マッチは兵庫県が七割くらいの生産をするというふうに言われておりますが、これを見ますと、七三ページでは、過密地域、その周辺部では工業機能の移転、分散が行なわれるということで、局長が言われたとおりなんでありますけれども、今度は法改正をしてマッチを指定するということになりますと、それはどのようにとらえたらいいか、お聞かせいただきたいと思います。
○乙竹政府委員 マッチは、工業開発構想によりますと、いわゆる都市型産業だと思うわけでございます。相当多数労働力を要するわけでございますし、それからまた、生産形態としては相当分散をしておってもいけるというわけでありますけれども、需給の面でありますとか、販売の面でありますとか、こういう面におきましては密接に共同をしていかなければならないというのが、今度の近促法による特定の業種に指定された場合におきますマッチ産業の構造改善の重要な問題だろうと思います。そういうようにいたしますと、原料を購入しましたり、受注を共同にいたしましたり、あるいはマッチのデザインを考えましたり、あるいはまた販売を一緒に共同にやりましたりというような場合になりますと、これが都市から離れて遠くのほうで立地していくということは適当ではないと思います。またマッチそのものにつきましては、これは決して公害を多量に発生するというふうなものでもございませんので、都市型産業といたしまして、近畿臨海工業地帯というものは再開発されていくということをこの工業開発は考えておりますけれども、その中に都市型産業として位置をしていくというふうに考えていいというふうに思います。
○千葉(佳)委員 マッチは、次の緊急性ということについて触れますから、もう一ぺん地域性ということにかえって企業局長にお尋ねするわけですが、これで取り上げられておる過密過疎、工場分散、こういう点でもう少し、たとえば南東北と、いま言った近畿臨海、こういうところできわだった対照といいますか、それが中小企業という点ではどういうふうなのかという点を、もし施策上の対照があるならばお聞かせ願いたいと思います。
○大慈彌政府委員 御指摘いただきました南東北と近畿でございますが、昭和三十年と四十年と伸び率を比較いたしますと、全国の工業出荷額では四・四倍、こういう伸びをしておりますが、近畿のほうは、大体それに近い四二倍という程度の出荷の伸びになっております。それに対しまして、南東北は四・〇、これは北東北の三・二に比べますとまだ高いわけですが、それにしましても、全国平均まで南東北のほうは伸びてない、こういう状況だと思います。それはやはり都市への集中といいますか、いろいろ政治、行政、文化、信用関係とか情報関係、あるいは技術であるとか市場の機構とかいうものをひっくるめまして中枢管理機能、こういうことばを使っておりますが、そういうことに密接な工業の集積傾向が依然として続いていた、こういうことだと思います。ところが、最近の状況は、先生も御存じのところでございますが、時間距離が非常に短くなってきたというようなことから、関東の場合でも臨海より内陸のほうに移っていく、あるいは東北の南部といいますか南東北のほうに機械工業を中心にしまして中小企業関係が大幅に進出していく、こういう状況が進んでいると思います。そういうことで、この配置構想によりますと、昭和六十年を四十年と比較をいたしますと、全国平均は五・四倍という伸びでございますが、南東北は七・九倍ということで、非常に大幅な増加を見込んであるわけでございます。そういうことで、距離が短くなるというようなこと、それから過密の弊害から遠ざかるというようなことで、従来の伸び率の低いところが高い伸び率を示すということでバランスがとれる方向にいく、こういう傾向であろうかと思います。
○千葉(佳)委員 この五六ページの表の5を見ますと、いま言った南東北は工業出荷額において三・四から四・二、五・〇、このように全国平均の中で占める比重はだんだん高くなる、こういうふうに指摘しているわけですし、近畿臨海の場合は逆にそれが相対的な比重は下がるというふうな見通しを立てておられるようですが、それを個別的なもので見ますと、東北なんかの場合は、やはり南東北の場合は、非常に高い伸び率は化学、鉄鋼、こういうところが予想されながら、たとえば食料品製造業などというものは絶対的には伸びますが、相対的には伸び率は非常に低い、こういうふうになっているわけですね。そういう点、いま問題になっておる中小企業の近代化促進というのをどういうふうに組み入れていくかという点でまだ多少納得がいかないのですが、もう少し説明していただきたいと思うのです。
○大慈彌政府委員 南東北につきましてのただいま仰せの数字でございますが、グループ別といいますか、まとめた数字で申し上げますと、昭和四十年と六十年の比較をいたしますと、昭和四十年で一番大きな業種は食料品工業でございます。それからその次が機械金属製品工業、これが全体のシェアが一九%程度でございますか、それからただいまお話のございました化学石油工業が一四・九%、こういうことになっております。昭和六十年の数字をごらんいただきますと、機械金属製品工業が四二%ということで、従来の一九%から四二%へ飛躍的に伸びております。それで化学石油工業ですが、これは一四・九から一一・一ということで、シェアとしては減るという形になっております。それから食料品工業、木材系の工業、これはもう各地区を通じましてシェアが落ちる、こういう形でございます。したがいまして、業種別に見ました構成比の推移から見ますと、やはり機械金属製品工業というのが伸びる、その中でも各地区の中でも南東北はその伸び方が非常に激しい、こういうふうに考えたわけでございます。
○千葉(佳)委員 地域性ということについて最後の質問をしたいと思うのですが、これは中小企業庁長官にお尋ねしたいのですが、この業種業態に即した構造改善というふうに固執するといいますか、それをねらうがあまり、私が見ると、もう張りつかってある既存の地域の産地ぐるみの構造改善というところに集中しがちで、将来あるべきこういう工業開発という点から全国的な配置を考えた上でといいますか、将来の過密過疎なり工場分散ということを踏まえながらの構造改善じゃない。そういう点が少し欠けるのじゃないか。そういう点はいずれ全体的な新しい全国総合開発というのが出されるとは思うのですけれども、そういうことをにらみ合わせながら構造改善というものを推進すべきではないか。この業種業態に即したということが前面に出ておりますから、そういうふうな将来あるべき配置という点が欠けるうらみがあるということを私は思っているのですが、その点についてどのようにお考えになっておるか。
○乙竹政府委員 いま御指摘のございました点は、非常にごもっともと申しますか、われわれも実は痛感をしておる点でございます。業種業態に応じて構造改善をする近代化促進法につきましては、いま業種別に計画をつくるということに一応なっておるわけでありますけれども、この計画というのは業種別に基本計画をつくりまして、基本計画は相当長期の五年とか七年の基本計画をつくりまして、これにのっとって個々の企業がそこにどうはめ込まれていったらいいか、どこに近代化していったらいいかというふうに考えておるわけでありますけれども、この近促法の基本計画というのは、従来とかく日本の経済を一本で見まして、それぞれの需要と供給と申しますか国の内外の需要を頭に置き、それに対するその業種としての供給というものを全国一本で考えてきている、そういう点が強く出ている基本計画が多いわけであります。ところが、先生御指摘のように、それではほんとうはいけないというか非常に不十分なのでございまして、この狭い日本の国土の有効利用という意味、また国土内の各地方のバランスのとれた発展という点から考えまして、その発展をになうのは産業でございますし、特に地方開発において果たす中小企業の役割りは大きいわけでございますので、この基本計画を策定いたします場合に、国土的な見地と申しますか国土開発的な見地、それとの整合性を考えた計画というものを当然これは考えていく、その配慮をせねばならないという点、私ほんとうにそう思うわけでございます。今後そういう点の配慮を十分にしてまいりたいと思うわけでありますが、今回の近代化促進法の改正によりますこのいわゆる政令指定の特定業種につきましては、一応基本計画としては全国一本の、業種一本の基本計画をつくりまして、これは近代化促進法でできるわけでありますけれども、そのかさの下に入るわけでありますが、個々の構造改善計画は商工組合等が自主的につくる。この商工組合は大体府県単位でできておりますので、非常に地域性が濃く出てきた構造改善計画が商工組合等によってつくり上げられるということになってまいりますので、特に国土的な見地、地域間の有機的な関係、これを頭に置きますとともに、先生御指摘のように、単に既存の地域産業をそのまま張りつけたものとして育成をしていくということではなくして、あるべき日本国土の総合的な開発、それの手段としての地域産業という見地で構造改善計画をつくり上げる。つくり上げるのは業界でございますが、承認というかっこうで政府が参画するわけでございますので、そういう見地で参画をしてまいらなければならないというふうに考えます。
○千葉(佳)委員 それでは第二番目の緊急性ということについて、個別の品目を取り上げながら三つほどお尋ねしたいと思うのですが、今度新しく指定するのは四つというふうに聞いておりますが、そのうちのマッチの件、これは構造改善の緊急性ということでは、外資の自由化、特にスウェーデンからの輸入というものに対する大きな脅威というのをまず冒頭に掲げておるようですが、実際この改善計画の概要を調べてみますと、問題点の中に一、二、三、四項指摘されておりますが、外資進出、スウェーデン・マッチ・トラスト進出のおそれがある、おそれがあるというぐあいに、何というか、緊急性といったわりには比重というものが非常に少ない。むしろ一番目にあげている企業の零細性とか、三番目にあげている古い生産方式が多くて、こういう本来中小企業が持っておる欠陥を改善するというところに問題点の多くがあって、自由化による脅威という点については問題点としては比較的軽いんじゃないか、こういうふうな印象を受けるわけです。一般庶民の感覚としても、たとえば喫茶店だとかレストランあたりに入ってマッチを持ってこいというふうに言いますと、大体いまの常識ではマッチというのは一番安いものの代表というふうにもとれるわけです。それほど安いということは、逆にいえば国際競争にたえることでもないかと思うのですが、そういう点は、この緊急性の中に特に自由化というのをあげて、初年度に特定のこの業種を指定するという理由といいますか、そういった問題をお聞かせいただきたいと思います。
○乙竹政府委員 日本のマッチも戦前は生産量の約四割はスウェーデン系のマッチ会社で占められておったのでありますけれども、世界のマッチ市場と申しますか、各国の状況を見ますと、先生御承知のように、ほとんどが実はスウェーデン資本で占められております。スウェーデン資本で占められておりません国というのは、実は先進国においてはアメリカでございますとかフランスでございますとか数国しかございませんで、他はスウェーデン系で占められておる。スウェーデン系で占められておらない国も実は後進国などに相当あるのでございますけれども、これは見ますと国家専売になっておる。でございますから、大ざっぱに申しますと、大体スウェーデン系で占められておるか、国家専売になっておるか、例外的に日本及びごく少数の国が自由企業、こういうかっこうになっておるわけであります。スウェーデンの資本力と申しますかマッチの競争力は過去も非常に強かったし、現在でも強い、こういうふうにわれわれは判断をするわけでございます。したがいまして、資本が自由化された場合に、直ちにスウェーデン系が日本に上陸してくるかどうか、これは私たち予断はすぐにはできないのでございますけれども、相当脅威は強いと思います。それはそれでございますけれども、しかし一面また、先生御指摘のように、このスウェーデン系の進出に対して防衛いたすためにも必要なのでございますが、何をいいましてもマッチ企業は非常に零細層が多数占めておりまして、世の中の移り変わりのしわ寄せを非常に強く受けておる。人手が足らない、技術を至急改善せねばいかぬ、販売なり受注なりの企業力を強めなければならぬ、こういうふうな中小企業一般の持っております現在の問題点を特に強く持っている点はいなめない。こういう二つの理由が客観的にあるわけでございますが、さらにもう一つ、これは先生の直接の御質問にはなかったのでありますけれども、マッチの業界がまとまっておって、しかも構造改善計画として、私たち考えましても実行性のあるいい計画をつくろうとしておるようでございますので、そういう三つの理由から最初にマッチを指定し得るのではなかろうかというふうに考えたわけでございます。
○千葉(佳)委員 構造改善をすることは必要じゃないとかいう観点から私はとらえているわけじゃないのですよ。先ほども言いましたように、企業が零細であるとか古い生産方式だとか、こういうふうな中小企業一般が持っておる本来的な面からの構造改善がぜひ必要だというところに重点があるんじゃないか。しかもそれを受けて立つマッチ業界は非常に真剣だし、具体的実行性のある計画を出しておる、それもわかるのですが、本法の改正理由の大きな点は、「国際競争力を強化するために緊急に必要である」ということを断わっているわけですからね。そういう点から見ると、そういうふうな本来的なものを改善するという点も、そうであれば当然理由の中につけなければならぬ。国際競争力をつけるために緊急だということを断わっている点から考えれば、マッチの指定というのはそういう比重がどういうものか、こういうふうな私の疑問であります。
○乙竹政府委員 「国際競争力を強化するため」ということばが、その商品の海外におきます競争力とか、それから日本市場における防衛的な意味の競争力とか、こういうふうに狭義に使いますと、マッチについては潜在的に資本の脅威の問題があるかと思いますけれども、少し狭過ぎるというふうに考えます。われわれはこの「国際競争力を強化する」というのは、商品の競争力と申しますか、その商品を製造しております企業、業種の体質を強化する。その体質の強化が競争力強化というかっこうで結晶し、外にあらわれるわけでございますので、体質を強化するために必要だというくらいに非常に広くこの意味は解したわけでございます。したがいまして、海外市場、国内市場におきますその同一商品との競争力はもちろんでございますけれども、第二に代替品との競争力、たとえば清酒とウイスキーあるいは固形スープとみそ、しょうゆ、こういうふうなものも競争力に考えたいと思いますし、また資本力、販売力、技術力等総合的な企業力、これも国際競争力の中身である。さらにまた下請業種、機械の部品をつくっております下請業種、このようなものにつきましては、下請の商品そのものについては直接競争力は云々されませんけれども、組み込まれます機械完成品としての競争力、これを強化いたしますために、その下請部品の業界の競争力を強化する、これもこの中に入るというふうに広く解釈をいたしております。
○千葉(佳)委員 この体質改善一般といいますか、広く解釈しておるということは一見けっこうなように見えますが、従来の指定業種から特定業種に特に一段飛躍するのだ、そういうふうな改正のねらいがもしあるとするならば、これはやはり改正の提案理由の中にあるように、国際競争力に対応する緊急性があって初めてこの改正の主たる理由があるわけでありまして、一般の体質改善だけをやるだけでは、従来の指定のやり方を深めていけばいいということに逆になってくるのじゃないかと私は思うのですけれども、その点はいががですか。
○乙竹政府委員 ただいま国際競争力の中身について御答弁申し上げたのでございますが、先生御指摘のように、国際競争力を強化するためだけでは不十分でございまして、緊急性ということを非常に強く、これは法文にも「強化するため緊急に必要である」ということを明定しておるわけでございまして、時間的にも非常に切迫してほっておけないという点が特定業種に指定されるための重要な要件であるというふうに考えております。
○千葉(佳)委員 先ほど長官がちょっと触れられたたとえば清酒それから鋳物は来年度の特定の計画の中に入っておるように聞いておりますけれども、しからば、ことしは繊維を入れて四つを特定する、来年度の計画にこの清酒や鋳物がもし入っておるとするならば、この清酒、鋳物の業種を指定する根拠はどのように理解したらよろしいですか。
○乙竹政府委員 ことし三ないし四ということは現在予想されておりますけれども、しかし、もし業界の体制が整い、いい知恵を盛り込みました計画が出てくるならば、私たちとしてはもっと多数の業種を政令によって指定していきたいと思うわけでございますけれども、それはともかくといたしまして、清酒につきましては先ほど申し上げましたように、洋酒等と嗜好上完全に代替関係に立っているというふうに考えます。それから鋳物につきましては、これは機械の非常な重要部品、いわゆる機械鋳物であるわけでありまして、機械の国際競争力を強化いたしますために鋳物業の近代化は非常に緊急である。特に鋳物におきましては労働力問題、技術改善問題等焦眉の解決を要する問題があるというふうに聞いております。
○千葉(佳)委員 洋傘骨、みがき棒鋼などの主たるものは、発展途上国の追い上げというものが主たる指定の根拠といいますか、緊急性に数えられておりますけれども、繰り返してくどいようですが、清酒と洋酒との嗜好上の代替というその意味もわかるのですが、そういう点で特に清酒を推定するという場合、これは先ほどのマッチが兵庫県で七割を生産するというのと違って、今度は非常な全国的なものになってまいりますので、そういう点で理由はわかりましたけれども、それを実行に移す段になると、今度は全国的な規模でそれが行なわれ得るかどうかという点が問題になると思うのですが、その辺はどうですか。
○乙竹政府委員 個々の業種になりますと、私たち乏しい知識で十分にお答えできない、おのおの原局、責任省の方にお願いをしなければいけないのでありますけれども、そういう意味で非常に粗漏なるお答えになるかと思うのでございますけれども、地域的にまとまっておりますマッチあたり、これは地域産業として、かつて中小企業の構造改善の創始者といいますか、リーダーといいますか、いわゆる特繊法によります織布の地域的な構造改善、これのやり方が大いに参考になると思うわけでありますけれども、清酒等、全国的にばらまかれておるというものについて、確かに一面においては、やはり清酒においても地域的にまとまっておると思うので、地域的なまとまりというものを根に踏んまえて、いろいろ共同作業等による構造改善は、私は可能ではないであろうかと思うわけでございます。しかし、全国一本でやれば、構造改善は確かに地域的なものよりもまとまりはむずかしいとはいいましても、たとえば技術開発の問題であるとか、市場開発の問題であるとか、共同ブランド等による市場開発の問題であるとか、これは全国一本の商品におきましても、十分構造改善計画ということは可能ではないだろうかというふうに思っております。
○千葉(佳)委員 緊急性ということについて最後の質問になるかと思いますが、今度の発展途上国の追い上げ、それから外資自由化、こういうそれぞれ国際競争力を高めるという観点からだと思うのですが、そういうふうな理由をあげて緊急性に数えているわけですね。ところが、もし来年の三業種が終わって、明年度おそらく取り上げるんじゃないかと思われる、たとえばみそ、しょうゆだとか、いま言ったこの清酒とかいうふうになってきますと、今度はさっきの質問とも関連するのですが、一般的な体質改善というところに比重がだんだん強くなって、国際競争力からくる緊急性というのはだんだん薄まってくるんじゃないかというふうに思うわけなんです。ですから、この法改正で、国際競争力を強めるための緊急というところにあまりこだわり過ぎると、来年度以降の問題は、特定業種の種類がだんだん多くなるに従って、そういう緊急性とか国際競争力という理由が薄まってくるんじゃないか、こういうふうな疑問があるのですが、その辺はいかがでございますか。
○乙竹政府委員 国際競争力の内容、意味につきましては、先刻御説明申しましたように、非常にわれわれ広く考えるわけでございますが、さて次に、緊急に必要であるという緊急性の問題でございますが、構造改善をなぜしなければならないか、緊急であるかどうか、あたりまえのことでありますけれども、外国商品なり外国資本との競争関係において非常に緊急性があるということ、そういう場合ももちろん非常にございますが、それのみではなく、国内の労働事情からいって非常に緊急度がある。すなわち、おそらく現在のような生産方式をそのまま続けていくならば、機械鋳物については非常に大きな脅威にさらされるだろうと思います。また、技術水準の低さとか、数の過多性とかいうもので構造改善を緊急にやらなければならぬという必要性に迫られている業種も種々あるというように考えるのでありますので、繰り返しになりますが、海外商品、海外資本との直接的な競争力強化のための緊急性のほかに、構造的要因の緊急性というものにさらされている中小企業業種は相当広範に存在しているというふうに考えます。
○千葉(佳)委員 もう一ぺん繰り返してお尋ねしますが、いま構造的な要因による緊急性というふうに言われましたけれども、実はそれがむしろすなおな解釈といいますか、すなおな受け取り方ではないか。無理に国際競争力をつけるために緊急なという修飾をつけますと、いま言ったように、しからばみそやしょうゆや清酒というふうになった場合に、そういうふうな緊急性と国際競争力という観点から見る場合一体どうなるかということになるわけですから、むしろいま言われたような中小企業が持っている固有の体質改善の緊急性、そういうふうなところをむしろすなおに言ったほうが、この場合は、来年度は特定の業種が少ないから、当然発展途上国の追い上げだとか、それから外資の自由化だとか、そういうだけで説明はつくと思いますけれども、来年度以降の業種が多くなるにしたがって、そういう点がだんだん少なくなっていくという疑問があるわけで、その辺はあまり緊急性だとか国際競争力ということにこだわらないほうが私としてはいいのではないか、こういうふうに思いますが、その点もう一ぺんお聞かせ願いたい。
○乙竹政府委員 ただいま御審議賜わっております改正条文によりますと、指定業種のうち、その業種に属する中小企業の構造改善をはかることが国際競争力を強化するために緊急に必要である。それに修飾語として国際競争力を強化するという修飾語がついておるわけでございますけれども、ねらいは構造改善をはかるということにあるわけでありまして、目的はというと国際競争力で、その国際競争力というのは、先刻から御説明申し上げておりますように、非常に広い意味で国際競争力という意味に使っているというふうに御了承いただきたいと思います。
○千葉(佳)委員 最後ですが、これは長官なかなかうまいのですが、体質改善をはかって、結果として国際競争力を生むんだ、こういうぐあいに言われると全くそのとおりですけれども、指定するにあたっては、構造改革の緊急性ということで、発展途上国の追い上げや自由化ということを前面に出しているから、われわれの受け取り方としては、国際競争力を強めるために体質改善をするんだというふうに、一般にも、私もどうしてもそういうふうに受け取るわけです。ですから、長官はその辺はうまくすりかえて、どっちが主語でどっちが修飾語かというふうにうまく言われたわけですけれども、やはり現実にこういうように、発展途上国の追い上げや外資の自由化だというふうに緊急性の中に取り上げられているとすれば、やはり競争力をつけるために体質改善をするんだというふうに受け取るのが私は普通の常識的な解釈じゃないかと思うわけなんです。ですから、もしそうだとすると、来年度以降、特定品種がだんだん多くなるに従って、そういうふうな点が体質改善一般というところにいってしまうから、ことしは緊急性ということでは通るかも知らぬけれども、来年度以降はなかなかそういう点がむずかしくなるんじゃないかということを言っているわけなんです。
○乙竹政府委員 私たち、この国際競争力を強化するためということばは制限的狭義には解釈いたしませんので、これは広義に解釈をする。国民経済上重要な影響力のあるような中小企業業種につきましては構造改善を強化することが、結果として競争力強化になる。その競争力強化というのは、国内マーケットを通じてのみならず、国際マーケットを通じてだと思うのでありますけれども、これを強化するために必要な商品だというように思うのでありますが、そういうものにつきましては広く特定業種に、業界の体制さえ整い、かつまたいい構造改善計画が出てまいりました場合にはこの特定業種に指定するという方向で考えております。 さらに、これは政府としては、業界がいわゆる自助努力でもっていい計画をおつくりになる、その承認要請をしているということで単に受け身で待っておるだけではありませんで、いま中小企業全般の構造改善は非常に緊急の仕事でございますから、構造改善意欲が積極的に業界に起こり、かつまたいい知恵の入った構造改善計画ができますように、私たち——私たちという意味は、中小企業庁のみならず、おのおの業種所管の官庁が中小企業業界に対して積極的に支援する必要があり、そういうふうにいたしたいというふうに思います。
○千葉(佳)委員 時間ですから、これで終わります。
○大久保委員長 武藤山治君。
○武藤(山)委員 近代化促進法は中小企業全般の問題にも関係がありますので、きょうは冒頭に、中小企業に景気の変動がどういう影響を与えるのか、そういう点を中小企業は非常に心配をしておりますから、景気動向と中小企業について少しくお尋ねをしておきたいと思うのであります。 中小企業は大企業に先行して景気動向の局面を表現する傾向がある、そういわれております。そこで、日本の外貨準備が三十二億ドルとなって、かつて見られなかった外貨の積み増しができたわけでありますが、そういう中における経済のこれからの進み方というのは、従来経験しなかった政策が必要になってくる段階だと思うのであります。景気はとにかく四十三カ月間続いたというので、たいへん安心をしている向きもあるのでございますが、これからの景気動向がどうなるかという問題、それを中小企業の指数から見て、先行きは心配ないのか、また、現在の企業の動向から見て、いつごろの時点ではやや警戒ぎみな情勢になるというのか、ひとつ中小企業の立場から見た景気動向をお聞かせ願いたいと思います。
○赤澤政府委員 特に中小企業の面につきましては、あとから中小企業庁長官から御答弁があると思います。一般的に、現在のわが国経済の景気動向、これからの先行きということにつきまして、私から簡単に御説明を申し上げたいと思います。 ことしの一月以降、御承知のようにいわゆる景気のかげり論というものが出てまいっております。このかげり論という非常に微妙なことばでございますが、こういう議論が経済界に出てまいりましたのは、いろいろなファクターがあると思いますが、そのおもなものは、たとえば鉱工業生産の十二月の指数が対前月で一・五%下がった。それからもう一つは、在庫率指数におきまして、やはり十二月の在庫率指数が九五・九という非常に高い在庫率指数を示している。また、これから先の設備投資の動向を判断をいたしますいわゆる先行指標でございます機械の受注、特に海運を除く機械の受注が、十二月におきましてはマイナス九・八、いずれも下がっております。こういったことから、四十カ月になんなんとするこの景気の拡大局面というものに何らかのかげりができたのではないかというのがいわゆるかげり論の主たる論拠であるように勘案いたしております。ただ、私ども経済企画庁におきましては、各省の関係者ともいろいろ議論をいたしましたが、その後二月、三月——三月の指数はまだ判明いたしておりませんが、二月になってこの状態を見てまいりますと、御承知のように鉱工業生産は対前月で一・八というふうに上がってきておりまするし、また、機械の受注等におきましても、鈍化という形は見ておりますが、従来よりも鈍化はしておりますが、いわゆるかげりというような形ではない。また在庫率につきましても、特に昨年からことしにかけましてのいわゆる冷夏暖冬と申しますか、そういうような事情からする在庫品というものがふえておるのであって、一般的に在庫が非常にふえて在庫率が上がっているという状態ではない、こういうふうに判断をいたされますので、私どもとしては四十二カ月、この月で四十二カ月にもなりますが、前の岩戸景気と同じ四十二カ月目を迎えておる日本の経済の拡大局面において、こういったようなある程度の鈍化傾向というものが出てくることは、経済の運営上、ある意味で申しますと、やむを得ないと申しますか、そういったものが出てきてもいい時期になっておるというふうに思っております。ただ、こういったような先行き鈍化をする指標というものが今後全般の景気に波及をして、そうして景気を大きく鈍化する形になるのか、あるいは一時的ないわゆる景気のブレと申しますか、そういう形であって、景気は引き続き拡大基調にずっと一本調子に進んでいくのかということは、なお二、三カ月の情勢を見てみないと実は最終的な判断はできない、こういうふうに判断をいたしております。ただ、御承知かと思いますが、私どもは、四十三年度において、推定でございますけれども大体一二・六、ほぼ一三%前後という実質の成長率をもって伸びてきたと思われておりますこの経済の先行きの動きというものが、四十四年度におきましては一〇%前後、政府の経済見通しでは九・八というふうに考えておりますが、そういうふうに少し鈍化する形で伸びていくだろう、拡大基調といいますか基調的には変わりはない、こう考えておりますので、いってみれば、こういった一三%前後というような非常に力強い経済の伸び方が一〇%前後というふうにスピードを落とす、その過程における一つのさざ波と申しますか、そういう形のものではあるまいか、かように判断をいたしておる次第でございます。
○武藤(山)委員 今月の月例経済報告書を見ても、在庫率が十二月は九五・九%だった。二月を見るとやはり九七でございますね。鉱工業生産の前期増減率を見ても〇・七。コンマに乗らぬ。こういうような数字から見て、さらに具体的に月例報告の中で指摘しているのは、四月から九月のこれからの状況について企業経営者の見通し調査をやった。その中で、一億円以上の資本金の企業では、悪くなるという答えが二%、一億円以下一千万円以上の企業では一割に達している。したがって、資本金の非常に小さい段階にいくほどその景気見通しについて非常に深刻な見通しが立っているような気がするわけですね。そこで、月例報告は比較的大きい会社の統計調査、そういうようなものを中心に景気動向を把握しようとしている。そういう傾向があるわけですね。そこで、私はきょうは中小企業という立場から見た場合に、そう楽観的な見方だけが成り立つものだろうかという疑問を投げかけているわけであります。そういう点から一千万円以上一億までの企業の、景気は悪くなるという答えは一割ですね。これは大体どういう業種、たとえばどういう企業が悪くなるという感じを持たれているわけですか。
○赤澤政府委員 実は手元に、いま先生御指摘の企業経営者経済見通し調査を持ってきておりませんので、至急取り寄せまして、この中には企業区分があると思いますので、取り寄せましてから御報告申し上げます。
○武藤(山)委員 それから、中小企業金融公庫の総裁いらっしゃいますね。あなたのほうからお出しになっている月報によると、二七ページに「売上・受注が比較的良好なこともあって、概ね順調に推移しているものとみられるが、業量伸長に伴なう原材料仕入代金の増嵩・人件費の増大等のほか、近時機械・建設等の下請企業の一部に現金受取比率の低下・検収期間の長期化等回収条件の悪化している事例も散見されるとあって、次第に手許の繁忙化しつつある向きもみられる。」これはいまの質問とは直接の関連はありませんが、中小企業関係でこういう傾向があらわれてきているという。これは一体景気見通しについてどういうファクターになりますか。ここに書かれているような要素は、景気はよくなるという、あるいは今後も景気はこの状態をずっと持ち続けるというデータになりますか。いまの説明は大体どういうことを意味しますか。
○佐久説明員 大体全体から見ますと、やはり堅調を持続されるのではないかと思いますが、中には繊維とか木材工業、木工関係、食料品、そういう業種については先行きある程度の不安が考えられる、こういうふうに考えております。
○武藤(山)委員 もう一つの視点は、手形交換、整理倒産の資料を見ますと、不渡り手形の発生率が〇・七三。〇・七三という数字は去年の六月段階の倒産水準、もちろん手形取引額の絶対量の増減はありますけれども、手形の枚数は去年よりも減っているわけですからね、二月段階で。その率から行くと〇・七三ということは決して低くない、不渡り手形の発生率は。それから取引停止処分が件数にして六千七百九十四、これもかなりの水準ですね。かなりでないというならば、一体手形の取引停止処分というのはどのくらいの枚数がノーマルなのか。資本主義経済が続く限り不渡り手形というものは防げないんだとしたら、何枚ぐらいまでは日本のいまの経済機構からいってしかたがない現象と見ているのか。六千七百九十四枚というのは一体そういうノーマルな形なんだろうかどうだろうか。それから倒産件数も七百七十四件、去年の最高のときは一カ月千二百件あるいは千十五件というふうに千台を突破しておりますから、それから見れば少ないということもできるかもしれぬが、去年の九月段階の水準は七百七十八、ことし七百七十四ですから、かなりの倒産の水準にあるような気がするのですが、担当官庁ではこれをどのように見ていますか、こういう倒産の状況について。
○赤澤政府委員 整理倒産につきましては、東京商工興信所の資料その他一、二ございますので、いま武藤先生御指摘の数字と私が手元に持っております東京商工興信所の調べの整理倒産件数とは必ずしも——ちょっと数字が違っておるのであります。その点はあらかじめお断わりを申し上げておきます。 私ども昨年の一月からの動きをずっと見ておりますと、全体の整理倒産件数が三月から六月まで一千件を超えております。ただ、その後の動きは大体六、七百件から八百件どまりというような形でありまして、いわば横ばいと申しますか、特にふえたという形でもないし、また昨年の同じような期間をとってみましても、まずその前後の動きであります。したがって、ならして一年とかいう期間をとってみますと、特にこういった好景気の四十三年度におきまして倒産が特段にふえた、あるいは特段に減ったというような形はいまのところ見受けられておりません。こういったような、いわゆる整理倒産の原因がどこにあるか。これはもう大部分中小零細の企業であると私どもも思っておりますが、これにはいろいろな原因もあろうかと思います。いずれにいたしましても、全体の経済が好況下において、なおこれだけの月に七百件前後の倒産があるということにつきましては、やはり経済の急速な拡大の反面、合理化とか非常な競争の熾烈化というものに追いついてはいけない面があることは否定できないと思います。概括いたしますと、以上のような感じでこれを見ております。 〔委員長退席、浦野委員長代理着席〕
○武藤(山)委員 そこでいま私の言った数字と中小企業金融公庫の統計の数字、それからいまあなたがおっしゃった政府の月例報告の数字、そう大して違いありません、どちらで見ても。いずれにしても、去年は日本の経済始まって以来の最大の倒産件数ですね。一万七百七十六件というのは戦後未曽有の倒産件数。だから去年の水準と比較して七百七十四件というのはまあ多からず少からず。いまの調整局長の答えによると、横ばいだ、したがって減ったというかふえたというか、両方言えないという答えです。これは二、三年前の水準と比較したら、七百七十四件というのは、この程度はノーマルな、どう努力しても資本主義という経済体制である限り、自由競争を原則とする限りやむを得ない件数だという認識なのか、これをもっともっと減らして常時二百件くらいにまで落ち込むように指導するのが政府の任務なのか、そこいらをどう認識されているのか聞きたい。倒産件数はどの程度まではしようがないのか、そこいらはどう見ているのですか。発生したもので、わわれは結果を、数字を統計に載せるだけで、そこらはどうにもならないというのか、どうですか。
○乙竹政府委員 どうも非常にむずかしい御質問でございますが、こんなふうにも考えるのであります。確かに三月期はいいあんばいに——実は昨年の秋からずっと倒産件数が減ってまいりまして、十二月、一月とずっと落ちて六百件台になったと思うのでございますが、また二月ちょっとふえまして、三月は八百件弱になっております。この数字の短期的な意味で意味するところでございますが、三月というのは季節的に倒産の多い月であるようであります。昨年も一昨年も三月でぼこっとふえて、四月から落ちて、昨年は引き締めでございますので、五月からまたずっとふえた、こういうかっこうになっております。しかしそれはともかくといたしまして、先生のお尋ねの七、八百件という数字がやむを得ない数字なのかどうかという感じでございますけれども、私が日々仕事をしております上のからだで感ずるところでは、やむを得ないものではないという感じが私はするわけであります。と申しますのは、どうも確かに金融引き締めの影響が出ますと、ばばっと数字がふえてまいる、またそれを緩和すると数字が減ってくるということでございますけれども、数年前に比べますと、非常に高い数字でございますし、特に私たち思いますのは、個別の倒産の場合を調べてみますと、一応販売不振というふうなことも出ておりますけれども、販売不振の裏にはやはり世の中の大きな移りかわりについていけない、つまり消費のマーケット、需要マーケットが大きく変わっておる、生産技術が大きく変わっておる、設備も進歩しておる、特にそれで毎年一割以上の労務費の増大をしょっていかなければいけない、生産性の増大で吸収していかなければいけないというふうに、非常に大きく動いている。その時代に耐え切れない中小企業が相当多い。これが倒産をしていっている。したがって、世の中が大きく動いていって、これに適応し切れず倒産していっている件数が相当多いというふうに私は考えるわけでございます。 どうも必ずしもぴたりとしたお答えになっておりませんけれども、からだで行政をしておる者として、そういうふうに思います。
○武藤(山)委員 需要変動に耐えられない企業、そういうものが、適切な施策があるなら、その変動する需要に追いつくような転換もあるいは設備の更新も可能だと思うのです。ところが、そういう適切な施策が現在の政府の指導の中にはないのですよ、結果を追いかけているだけで。そこいらに私は問題があると思うのです。 もう一つ、三月になって八百件台に乗ってきたということは、これはやはり幾らか資金需要が旺盛になってきて、金融がちょっときつくなってきた、都市銀行の選別融資も幾らか強くなってきた、したがって中小企業への融資が非常にきつくなってきたというところに倒産がふえていく一つの原因もあると思うのです。そこで、中小企業金融公庫や国民金融公庫の最近の申し込みの動向ですね。市中銀行からの融資を政府三機関へ肩がわりしようという空気が幾らか濃くなってきたのではないか、こういう感じが私するのでありますが、最近の動向はいかがでございますか。両総裁からひとつ……。
○佐久説明員 私どもの融資態度としては、政府資金と民間の金融機関の資金との協調融資ということをたてまえにして、業者が融資を申し込みされたときには、取引銀行と相談をして——結局協調融資をやるということは企業家にも銀行にもプラスになると思います。そういう態度をとっておりますが、お説のように、ことしの二月ごろから中小企業者が取引銀行に相談に行って、その銀行から中小公庫のほうへひとつ金を貸してくれぬかということで、件数としては若干ふえております。
○吉田説明員 私どものほうでは、昨年の上半期が非常に需要が多かったという特殊な形を示したわけでございますが、公定歩合の引き下げ以来急に落ちついてまいりまして、昨年の暮れからことしの初めにかけては、せいぜい対前年比一〇%前後の増ぐらいの申し込みで、四月に入りましてからもいまのところは変化はございません。 それから一般金融機関との関係でございますが、二月ごろからぼつぼつ一般の金融機関からの御依頼というものも出始めてはおりますが、これは一部の都市銀行でございまして、まだ中小関係の信用金庫とか相互銀行とかいう程度のところはかなり積極的に貸しているように見受けられます。そういう意味では今後の動向を注視いたしております。
○武藤(山)委員 いま中小公庫の総裁から説明がありましたように、都市銀行と取引している中小企業が政府関係機関に肩がわりの空気が強くなるということは、いろいろ原因があると思うのです。一つは、資金需要が旺盛で、大企業への投資資金が非常に大きくなってきたために、資金が苦しくなってくる。そういうために中小企業のほうへ銀行は両建てを要求する。銀行の預金量をふやそうとして、都市銀行はまず両建てを非常に強く要求するような傾向が出てきていると思うのです。いまこういう引き締まり基調が続いてくると、この両建てが非常に旺盛になってくる。ところが、銀行局の監督はちょっとゆるふんで、公正取引委員会の調査といつもズレが出て、銀行に好意的な数字を出してきて、公取と一致しないのですよ。歩積み・両建て征伐が国会でも少し間を置いたものですから、少々銀行関係は考え方がゆるんできている。そこで銀行局としては、こういう引き締まり基調が始まってきたときには適切な指導を銀行にしなければいかぬと思うのでありますが、最近銀行局は何かそういう態度をおとりになりましたか、いかがですか。
○田代説明員 歩積み・両建ての問題につきましては、武藤委員また御同席の委員の方々皆さん御存じのように、三十九年以降第一ラウンドをやりまして、それが終わりまして四十一年秋からいわゆる第二ラウンドということで、昭和四十五年度まで続けるということになっているわけでございます。この件数その他につきましては、いろいろ発表いたしておりますが、私どもでキャッチしている金融機関からの報告等を中心にして考えますと、だんだんよくなってきているという傾向があります。ただいま御質問ございましたように、こういう金融情勢、経済情勢を背景にして、何かこと新しく銀行に対してものを申したかというお話かと思います。これは金融機関につきましては、皆さん方の御意向もかねて伺っておりますので、常々会うたびにこの問題について触れるということにいたしておるわけでございます。 それからなお、これを完全実行するためには、私どものほうといたしましては、武藤委員御存じのように、金融機関の検査という場合のポイントに、毎年重要項目にあげまして、一般の検査の際には、必ずその銀行の支店に参りまして、そこで幾つかの抜き検査をいたしまして、そこで歩積み・両建てというものがはびこらないようにという配慮をいたしております。現に昭和四十四年度、今年度の検査方針におきましてもそういう方向でもってやっていきたい、こういう気持ちでおるわけでございます。
○武藤(山)委員 あなたのほうは、うちのほうはこうやっております、ああやっていますという報告を銀行から出させて集計した資料ですからね。公取のほうは個々の業者から調査をとっているわけですから、どっちかといえば公取の数字のほうが信憑性があるような気がするのです。真実を表現していると思うのですよ。 その公取の報告によりますと、先年と去年の五月末現在の一年間の比較をしてみても両建てが多くなった。銀行の拘束依頼が非常にきびしくなった、そういう率が倍にふえておる。だから、絶対の数字は少なくなったにしても、一年間で率が倍になっているということは、銀行の姿勢いかがかと思うのですよ。そういう点で、きょうは時間が一時間半以内であれもこれも質問するので、歩積み・両建て専門にやれませんけれども、あとで公正取引委員会の数字と大蔵省の数字を突き合わせて、もう少し銀行の姿勢をきちっとさせる適切な指導が必要だということだけをきょうはひとつ訴えておきたいのです。貸し付け金に対する対応預金があった場合には金利を下げる、こういう指導方針を打ち出しているのに、預金部分に対応する貸し出し金にさっぱり金利を下げていない。実を出せといえば、何ぼでもいま事実を出せますよ、個別の銀行を。こういう点は、ぼくは大蔵省がもう三、四年やっているというので少しなれちゃって、銀行はさっぱり誠意を示しておらぬと思うのです。ひとつ厳重にもう一回銀行局は見直して、歩積み・両建て問題について中小企業の立場を理解してやってほしい、こういう強い姿勢を希望しておきます。 それから銀行局は忙しいでしょうから、細見さんと二人に先に質問しなければならぬということですから、税金問題と金融問題を先に、ちょっと順序がおかしくなって質問の体系がくずれるのでありますが、細見さんのために、先にひとつやりたいと思うのです。 中小企業の問題は、金利の問題と税金の問題と、あとは業者自身の指導の問題、この三つが大きな柱になって近代化が進むのであって、これはどれが一つ中途はんぱになってもだめなんですね。金利のほうはさんざん安くしてやったけれども、今度は税金のほうが重くて、もうかった分はそっちへ取られちゃうということになるんじゃ、これもだめなんです。私は、細見さんも御承知のように、大蔵委員会に八年間籍を置きまして、留保金課税の問題と、さらに役員賞与損金不算入の現在の法制度は、同族会社にマッチせぬ、こういうものはやはり大蔵省として再検討する必要がある、こういうことを再三主税局長にも要望してきたわけであります。過般も衆議院本会議においてその問題を強く指摘してきたのでありますが、これは細見さんが書いた原稿かだれが書いた原稿か知らぬが、福田大蔵大臣がたいへんぶっきらぼうな答弁をいたして、実は私腹を立てておるのでありますが、この間廊下で福田さんに行き会ったので、どうしてああいうぶっきらぼうな答弁をするのかと言ったら、いや、ああいうところではしようがないんだよ、検討はするよ、という私語でありましたので、きょうはひとつ主税局に、真剣に同族会社の税制について検討するという姿勢があるのかどうか、これをまず最初にちょっとお聞かせ願いたいのであります。
○細見政府委員 法人税制そのものにつきましてもいろいろな批判がございますし、またそのことからは、一方では大法人に関する税制がいまのままでいいかということ、中小法人あるいは同族会社に対するいまの税法がはたして実態に即したものであるか、両方いわば相反した方向から議論が出てまいっておりまして、私どもも非常に大きな問題といいますか、これから真剣に検討してまいらなければならない問題だと思っておりますが、何にいたしましても、非常に広範囲に影響する問題でございますので、ああいう本会議のようなところでは、大臣といえども、積極的な、こうする方向だというようなことがなかなか言えない段階でございまして、目下いかにすれば各方面の批判にこたえて皆さんに御満足のいける税法をつくれるかということを鋭意勉強はいたしております。
○武藤(山)委員 そうすると、各方面からいろいろ不満や要求や、現状に即しておらぬという非難があることは承知なすっておるわけですね。どう ですか。
○細見政府委員 何か大蔵委員会に参っているような気がいたすのでありますが、御承知のように、いまの税法は、株主と法人との間に税金を一度だけかける、いわば二重に課税しないというたてまえでできておるわけであります。一方、大法人につきまして、はたして株主が会社の経営者の一人というふうに、あるいは株主が会社を経営しておるというふうに観念できるかどうかという問題、それが一方では配当所得の非課税になる限度の問題というような形で取り上げられ、また経営者のほうにおきましては、そういうふうな形で株主と法人とは一体であるにもかかわりませず、配当をいかにも自分たちが企業の利潤の中から支払うべき特別な利子と同様な性質の金額であるようなことから、たとえば一割の配当というのが実は一割三分の配当であるにもかかわらず、払うほうも受け取るほうも一割三分とは観念できないという問題、また一方そういうことでいまの税法は配当されること、つまり法人の段階の課税というのは即株主の課税の前払いであるというようなことで、法人の利得というものは即配当されるものだということで観念いたしませんと、負担の不公平が生ずるということで、いま御指摘がありましたように、内部留保について、中小企業あるいは同族会社のように、必ずしも配当を必要としないような企業についてそのままにしておくと、やはり法人税として、あるいは個人、法人を通ずる税制として負担の不公平が生ずるというところから留保金課税をしておるわけでありますが、これにつきましていろいろ議論がございます。また一方、新しい税制の動きといたしまして、個人の青色申告につきましては、いわゆる完全給与制度というようなものも導入されてまいりまして、その間、個人と法人との間の税制の違いというようなものもかなり接近してくるというようなことで、事態はかなり流動的になっていることは事実でございますので、そういう現段階をとらまえて、はたして画一的な税制が一刀両断に立案できるかどうか、目下苦慮いたしておる次第であります。
○武藤(山)委員 目下苦慮しているんじゃ、細見さんが主税局長にでもならぬと、これはなかなか実現しそうにないですな。 いずれにしても、四月十一日の日本経済新聞の一面のトップに、大きく、「二本立て企業税制へ大蔵省方針 個人課税の選択制 同族的な中小法人に」という大きい見出しで出ましたね。この中身を読んでみると、私いままでずっと主張してきた立場から、これは大蔵省もたいへん前向きに検討するのかなという感じを実は持ったわけです。すでにアメリカなどでは同族法人にこういう制度を取り入れている。したがって、この新聞によると、主税局はアメリカへ係官を派遣したと書いてある。「調査結果は今月下旬から審議を再開する税制調査会に報告、企業税制の改革に反映させる考えである。」これの真偽のほどをひとつ……。
○細見政府委員 最近は大蔵省詰めの新聞記者などの諸兄が非常に勉強をされるようになりまして、大蔵省にごくささいな動きがありますと、それにございますように、一面のトップに出るような記事につくり上げられるので、私どもとしましても想像力には感心いたしておりますが、実際はそこまでまいっておらぬわけでございます。
○武藤(山)委員 実際はそこまでまいっておらぬが、係官を派遣したのはほんとうですか。
○細見政府委員 そのことで派遣したということではございませんが、アメリカの税制あるいはヨーロッパの税制などにつきまして、私どもとしましても絶えず新しい知識を海外に求めるということにはつとめなければならないという意味で、参っております。その場合、ただ私どもだけの関係じゃなくて、証券税制あるいはそのほかの税制も含めまして検討ということで、主税局だけで特別なそういう調査項目ということでなく、税制全般あるいはそれと資本市場等のあり方というようなこと全般を勉強にやらしたということでございます。
○武藤(山)委員 来年度税制改正に向けて同族法人についての何らかの検討をしよう、その中身はわかりませんよ、しかし同族会社については何らかの検討をしようではないかということぐらいは、部内ではそういう空気になっているのですか。それとも、同族法人についての検討はずっと将来の話だ、こういう状況ですか。
○細見政府委員 同族会社の課税の問題は、もうシャウプ税制以来古くて新しい問題でございますし、御承知のように所得税とのバランスというのが絶えず出てくる問題でございますので、今年あるいは明年にもかなり大幅な所得税減税が実現できるというようなことになりますれば、それとのバランスで、同族会社の留保金課税のあり方ということも当然検討してまいらなければならない問題である。そういう意味で、抜本的な改正ができるかどうかということにつきましては、先ほど来申し上げておりますように、非常にむずかしい問題をかかえておりますが、所得税との課税のバランスという問題は取り上げて検討しなければならない問題の一つであろうと考えております。
○武藤(山)委員 なかなか慎重な答弁で、所得税とのバランス、バランス、こう言っているわけですが、いま大蔵省は低金利の金も中小企業振興事業団から出して、国際競争に耐えられる中小企業に仕立てよう、高度な設備、装備をさせよう、そして日本の国民経済全体の立場から中小企業というものの位置づけをしっかりしていこう、こういう政策を国の政策として打ち出しているのですね。そういう大きな歴史の流れの中で中小企業なり同族法人というものの税制もやはり考えるべき段階が来たのだ。たとえば税制とは全く関係のないところでやるべき土地の問題なんかまで、ことしははっきり税制ですべり出してきて、国家目的をそういう形で税制でもいじろうとしているわけでしょう。したがって中小企業についても、そういう見地から税制というものをここでもう一回ある程度いろいろな視点から考え直すべきではないか。そして零細法人の内部留保なり資本装備なりを好ましい方向に進めるという体制を税金の面でも考えていただかぬと、片方で幾ら金融でめんどう見ようといっても、やっておる本人からしてみれば、何、一生懸命やっても税金でこんなぐあいにやられたんじゃという意識があったのでは、通産省の指導が適切に業者の中に浸透できないのですね。そういう点で両々相まって、いつやるということは約束できないでしょうけれども、あなたも近いうちには主税局長になるりっぱな人物ですから、ひとつそういうことを十分頭に置いて来年の税制改正に取り組んでいただきたいと思います。私のいまの注文についてあなたの姿勢だけ伺って、あなたへの質問を終わりたいと思います。
○細見政府委員 中小企業につきましては、すでにこの委員会でも御審議願っておると思いますが、たくさんの特別措置もとりまして、特に大企業等につきましては主として特別償却だけによっているわけでありますが、中小企業につきましては、さらにその前の段階で準備金を積むというようなことにつきましても、いろいろ特別な措置を考えておるわけであります。そういうわけで、私どもも中小企業の重要性につきましては十分配慮しながら検討をいたしてまいらなければならない、かように考えております。
○武藤(山)委員 細見さんの答弁に期待をしておきます。私の税金質問はこの程度にしますから、どうぞ退席してけっこうです。 今度はいよいよ近促法の本番の質問でありますが、現在、中小企業の業種は、説明によれば三百五業種ある。そのうちすでに指定したものが百六十九業種ある。これは百二十一をさらにこまかくやると百六十九業種になる。それに本年度追加するのが十業種、そうすると百七十九業種が近促法の指定を受けることになる。これで三百五業種のうちの六〇%近くの業種が近促法の適用を受けることになる。こんなにどんどん近促法の適用をすると、一体中小企業に対して特別な恩恵を与えて国の考える施策を進めるというねらいは実現するのだろうか。指定することはけっこうなことなんですよ、私は大賛成なんですが、もっとシビアな狭い範囲なら、恩恵をなるほどと感じて、国の指導方針にばっと沿って一生懸命やるでしょうけれども、こういうような形で百七十九業種がすでに指定をされるということで、一体国の意図する方向に企業が体質を変えていっているのだろうか。いままでの実績は一体どうなんだろうか。中小企業問題をやれやれというから、この程度しかやりようがないからしようがない、近促法をつくって八分二厘の金を七分七厘で貸してやれば、やらないよりはやったほうがいいというような感覚しか感じないのですね、この法律では。長官どう思いますか。
○乙竹政府委員 先生御指摘のように、非常に多数の業種が中小企業にあるわけでありまして、これに対しましてこの近代化促進法は、業種別に近代化をはかっていこうという最初の法律、三十八年の法律であったわけであります。これに対します政府の支援措置と申しますか助成措置は、これはもう御高承のとおりでございますけれども、一つは七分七厘の金融でありますし、一つは三分の一の割り増し償却制度、なお合併出資等の場合の減税制度、こういうふうな金融、税制の支援措置がとられておるわけでありますけれども、さらに、私たち、この近代化促進法で非常に重要視しておりますのは、この業種に指定されますと、まず調査を徹底的にやるということで、実は私たち、いままでもほんとうに正直申して自信がないのでございますけれども、中小企業の実態がなかなかつかまえられない、そういたしますと、きめこまかくとかあたたかくと申しましても、ほんとうにわれわれのやっていることが一体肯綮に当たっているのかどうかと、実は非常に疑問でございます。われわれも常に行政的にそういうおそれを持っているのでございます。 なぜそうかというと、実態がつかまえられていない。この法律のメリットは、まず第一に、指定されますと実態を調査するということにあるのではなかろうか。実態を調査いたしますと、それを機会に——非常に率直な言い方でございますけれども、中小企業業種はおのおの主務省、所管省があるわけでございまして、中小企業庁はいわば根本策、共通制度の管理人にしかすぎないわけでございますが、主務省が、この調査を機会に、その業種に対して非常に勉強しなければならないという点も非常に大きなメリットではなかったか、これが一つと思うのでございます。 それから第二に、政府側はそういう態度でございますし、それから業界側は当然それを受けて立って調査を実施しなければならぬということになると、当然その業種団体をしっかりせねばりっぱな調査はできないということで、団体の充実、組織化というものがこの法律によって相当進められたというふうに思うわけでございます。それとともに、これはどの程度肯綮に当たっているかどうか、実は率直に申して自信もないものも相当多いのでございますけれども、調査の結果、業種別にいわゆる近代化の目標というか合理化の目標というか、その目標をここでつくり上げる、これはいわば一方的に役所がつくり上げるわけでありますけれども、当然それには業界の参画があるわけでありますが、この計画によりまして、品質上の合理化の目標であるとか、生産上の目標であるとか、販路等の開拓方法であるとか、いわゆる近代化、合理化目標として業界に対する一つのガイドライン、ガイドポストを与えることができた、この辺は、私はこの近代化促進法の効果として相当買っていただいてもいいんじゃないだろうか。 なお、最初に申し上げました金融の面でございますけれども、この七分七厘の特利でありますけれども、それでもこの特利で現在まで件数で二千八百十六件、約三百九十四億、それから八分二厘でございますが、関連施設が千四百九十三件貸し出されておりまして二百十七億五千五百万、合わせまして六百十一億五千五百万の近代化融資が出されておりますし、また税法面におきましても、特別償却等の減税額は約百五十億という数字になっております。
○武藤(山)委員 特別償却の百五十億というのは税額でですか、それとも償却額ですか。
○乙竹政府委員 減税額でございます。
○武藤(山)委員 いま長官がおっしゃるように、総額で五年間で六百六十一億五千五百万円、これは多いですか少ないですか、まあまあほどよいところですか、どう考えますか。
○乙竹政府委員 業種の数は相当多いわけでございますので、決して十分な金とは思っておりませんけれども、まあ政府施策としてはある程度まとまった金が出たというふうに思っております。
○武藤(山)委員 事務局、四千三百九件を六百十一億五千五百万というと、一企業当たり平均幾らになるかな。私は、この数字は一年間で六百十一億なら、それはまあずいぶん近代化や合理化が進んでいるなという感じがしますよ。しかし五年間ですからね。五年間といったら、一年間に百億。八幡製鉄や東芝やナショナルが設備投資するのに、一企業でどのくらいしていると思うのですか。中堅企業の一つだって五百億くらいは一年で近代化をやっちゃうんでしょう。それを、四百三十万もある中小企業の中の、しかもこの近促法に指定されたのが五年間で六百十一億とは、実は私おそれ入っているんです。だからこの法律が名ばかりで、実際はそうたいした力になっていない、こういう考え方。一件当たりが一千五百万円、それで国際競争力をとにかく強化して、国際競争力にうちかつんだ、資本自由化に対処するんだ、これではあまりにもみみっちいのじゃないかという感じがするのです。やらないよりはやるほうがいい。だからやっていることに私は賛成ですよ。しかし、やらないよりはやるほうがいいという程度では中小企業対策としてちょっと情けないのじゃなかろうか、こういう感じがひとつ率直にいたすものですから、あなたにそれを披瀝しているわけなのであります。 そこで、一体金利が八分二厘のものを七分七厘にするということは、一年間安くなるのは〇・五ですね。通常なら中小企業金融公庫、国民金融公庫の八分二厘のものを七分七厘にするというのは、〇・五%の金利を年間安くするということはどの程度のメリットなのか、業者はどの程度の恩恵と感ずるのか。それだけ、〇・五%金利を安くしてもらったら近促法の指定を受けて大いに近代化しようという意欲を盛り立てるだけの効果のあるものだろうか、〇・五という差は。いま長官、コールレートをずっと見ても、ここのところしばらくコールレートは二銭二厘ですね。そうすると、七分七厘というと二銭一厘でしょう。七分七厘というのはコールレートと同じ値段ですよ。これは高いですね。大企業が借りているのは幾らかというと、一銭六厘で借りているという会社がたくさんあるようです。年利にすると五分八厘四毛ですよ。ところが、中小企業は恩恵を与えたといって七分七厘だから、恩恵の組に入らぬじゃないですか。どうですか、与党の皆さん。(発言する者あり)商社はみなそれをやっています。一銭六厘でみなやっていますよ。だから大企業と中小企業の金利の差一つ見ても、七分七厘というのはまだ高過ぎる。もちろんそれは預金金利やあるいは大蔵省預金部資金のコストがありますよ。そういう関係で、こういう問題は簡単に片づかぬということだと思うのです。 そこでひとつ銀行局に参考にお尋ねしますが、預金金利の種類がいまいろいろあると思います。あなたがいまそこの手元にあるこれよりか安くはどうしても政府三機関は貸さないだろうという資料の根拠をちょっと明らかにしてください。
○田代説明員 ただいま武藤委員からの御質問は、金利体系の問題かと思うのですけれども、ただいまおっしゃったことが私は問題だと思いますことは、金利といってもいろいろございまして、短期の金利と長期の金利体系があると思います。さっき商社とか大メーカーというところには非常に安い金利がかかっておるとおっしゃったことは、これは短期金利の問題だと思います。中小企業金融公庫の貸し出します金利というのは、どちらかというと長期の金利であります。長期の金利体系で申しますと、現在市中で一番安い金利と申しますのは、興長銀のプライムレートの八・二%でございます。これは、超一流の企業であっても、長期の場合は八・二%ということになります。したがいまして、それを基準にして考えますと、中小公庫の近促の場合の七分七厘は私は安い金利だということが言えるのじゃないかと思います。
○武藤(山)委員 そういう長期だけを考えたらそうでしょうね。それは不動産銀行や興銀、こういうところの長期資金で借りたらそうでしょうけれども、今度の近代化促進法というのは設備だけじゃないんですね。流通資金も貸すことになっているんですね。それで、こういうものは、特に中小企業には特に力を入れなければならない。大企業の場合は、自分のところで資金調達もできるし、担保力も旺盛だし、業績の見通しも明るいし、金融機関は何ぼでも貸してくれますよ。ところが、中小企業はそういう条件が特に悪いから、特によくしなければならぬ。特によくしなければならぬというのは、〇・五%の差では特利をしたなどということで大手を振っていばれない数字じゃないか。実際には日歩二銭一厘というと、いまの特利としての金利水準としてはかなり高過ぎる。もっと安くする方法はないかというのが、私が言いたいところなんです。そこで七分七厘を大蔵省預金部からあなたたちが借り受ける場合には、中小公庫の場合にはどのくらいで借りておるのですか。
○佐久説明員 六分五厘です。
○武藤(山)委員 そうすると、大蔵省預金部は、六分五厘以下で、もっと安く貸している機関はほかに何もないのですか。もっと安く貸している場合がありますか。
○田代説明員 国内の政府金融機関等々につきましては全然特例はないというぐあいに聞いております。
○武藤(山)委員 そうすると、大蔵省預金部は六・五%以下の融資は一切していない、貸し出しはしていないということですか。あなたは担当でないからよくわからないと思うのですけれども、わかっていたら答えてください。
○田代説明員 そういう事実はないというぐあいに聞いております。
○武藤(山)委員 六・五%で借りて運用する場合に、規模の利益によって資金量が多くなれば、中小公庫としては金利は下げられる可能性はあるのか。それとも、いまのような資金量では、これが大体限度なんだ、これではいまの人件費、いまの経営費一切含めるともう経営が保てぬ、そういう見解ですか。
○佐久説明員 それはいろいろ条件がありますから、試算のしかたによって変わりますが、かりに毎年、最近は四百億くらいの公庫債を出しております。それを将来もずっと続け、金利もいまの状況で行った場合に、昨年一つの試算をやりましたが、三、四年たつとその限界に来るのではないかという試算はしたことがございます。
○武藤(山)委員 そうすると、資金量をふやす以外に金利を低下させる方策はない。公庫自体だけで考えた場合に大蔵省預金部との関係で、向こうから借りるのが安くなったり、あるいは皆さんの金融債が全部大蔵省預金部で引き受けられるのか、いろいろなそういう条件を考えれば、別な方法もあるだろうけれども、公庫自身の自力で努力でやるという場合には、資金量がとにかくもっともっとふえないことには大体三、四年で接点になってしまう、こういうことですか。
○佐久説明員 結局、政府の出資金がふえるとか、あるいは貸した金の回収金がそのまま返済に回らないでさらに融資資金の支弁としてやるというような状態であれば、これは相当金利は下げられる思います。
○武藤(山)委員 次に、あと三十分しかありませんから急いでやりますが、今度新たに指定をする十業種は、大体国際競争力をつけるという意味で追加する産業ですか。
○乙竹政府委員 条文にございますように、構造改善をはかることが国際競争力をつけるため緊急に必要であるというふうに考える業種が政令指定の対象に、抽象的にはなるわけであります。
○武藤(山)委員 バナナの加工業というのが、そういう国際競争力との関係はどういう関連から認定されるわけですか。
○乙竹政府委員 私がどうもちょっと先生の御質問を誤解したようでありますが、指定業種といわゆる特定業種……。
○武藤(山)委員 特定じゃなくて、まだ特定まで入らぬのだ。いま指定業種のほうだ。
○乙竹政府委員 指定業種のほうは、高度化をはかりまた国際競争力をつけるということでございまして、その業種の体質改善をはかることが必要なものは指定の対象にする、こういうことでございます。
○武藤(山)委員 そうすると、この地質調査業などというのは、やはり何か相当設備を持つのですか。ヘリコプターなんかを購入する資金なんですか。事務局に答弁させてもいい。
○乙竹政府委員 担当課長に答弁させます。
○矢野説明員 地質調査業は、広いいわゆる表面調査ということではございませんで、それは産業分類上そういう表現でございますが、実際には、いわゆる地盤の試掘、試錐業ということでございます。したがって、そういう業種におきますいろいろな設備なりいろいろな高度化なり、あるいは国際競争力というような問題もからんでくると思います。
○武藤(山)委員 この指定業種に指定されると、何年聞こういう適用をずっと続けるんですか。それともこの法律がある限りずっと何年間でもこの適用というのははずさないのか。これはどういうことになっておりますか。
○乙竹政府委員 この業種指定になりますと、調査をいたしましてすみやかに近代化基本計画をつくりますので、基本計画達成のために必要な年限をきめるわけでございますが、通例五年をめどにしております。ほとんどの業種が大体五年一区切りで計画を達成する、したがいまして、五年たちますとそこで一応終わりというふうにいたしております。
○武藤(山)委員 そういたしますと、昭和三十八年度に指定をした二十三業種、清酒、びん詰め、普通合板、みがき棒鋼、ネジ、歯車、こういうものが二十三業種三十八年に適用になっておりますね。そうすると、これはことしは七年目ですね。この中で、もう五年経過して、大体計画が実現したから、本年度からは適用せぬという業種があるんですか、この三十八年度適用の中に。
○乙竹政府委員 原則は、一応経過期間を達成いたしますと、そこで業種から削除するということでございますが、いま先生御指摘の一応五年間を経過いたしました業種につきましては、まだどうしても近代化をせねばいけないということで延長をせねばいけない業種もあると思いますし、さらに広い意味でこの近促法の業種の中に入るわけでございますし、今度のいわゆる特定業種としてさらに計画を強化し、政府の支援措置を強化するというふうなところへ乗りかえていく業種もあると思います。
○武藤(山)委員 乗りかえていく業種のほうはわかるのです。本年から三業種特定業種にしようということはわかります。そうすると、五年というのはそれはほんのめどであって、もうすでに現実に六年適用になっておりますが一業種もはずさないわけですね。四十四年度においてもこの三十八年度適用の中からは一業種もはずれるのはない、こういうことでございますね。
○乙竹政府委員 本年がちょうどいわば洗いがえと申しますか切りかえ時期にきたわけでございます。したがいまして、先刻申しましたように、本年度おそらくある数の業種はここで指定からはずすということになるだろうと思います。
○武藤(山)委員 これはやはり五年も六年も前に指定したものはアフターケアをちゃんとやっているんですか。その結果、なるほどこれは当初計画を策定したように大体実現している、好ましい方向に改善できた、あるいはできていない、そういうようなものの検討というのは、どこでだれがやっているのですか。
○乙竹政府委員 この業種は、おのおの業種主管官庁と申しますか、所管大臣がおられるわけでございますので、第一次的にはこの業種所管大臣がこの計画達成の責任者であります。したがいまして、おのおの業種所管官庁がこの近代化促進のトレース、アフターケアをしておられるというわけでありますけれども、業種につきましておのおの基本計画は五年間、大体五年を区切りまして、最初に一本でつくりますけれども、実施計画は毎年つくるわけであります。で、実施計画をつくりますときには近代化審議会——基本計画もそうでございますけれども、実施計画も近代化審議会にかけるわけでございまして、その近代化審議会におきまして業種近代化状況についてアフターケア、トレースが行なわれている、こういうことになっております。
○武藤(山)委員 時間が迫っていますから先へ進みますが、今回、さらにいま法律改正で特定業種を指定する。特定業種の指定を受ければ、中小企業金融公庫から七%の金利の融資をする。さらに二分の一の割り増し償却を認める。さらに構造改善準備金の拡充を認める。もちろん合併の特例に関する租税特別措置が適用になる。まあこの四つの効果が企業に与えられるというわけでありますが、そのうちこの準備金積み立て制度、これは大体どういう考え方でどういう制度になるのか、この準備金積み立て制度の問題についてちょっとお答え願いたいと思います。
○乙竹政府委員 すでに租税特別措置法をもちまして、構造改善を必要とする中小企業につきましては、売り上げ高の千分の十五の構造改善準備金を組合に積むことができることになっておるわけであります。これは組合の共同事業として構造改善のために取りくずし得るようになっておるわけでありますけれども、この限度を千分の十五を千分の二十五に上げてもらうということで税務当局と話し合いがついておるわけでありますが、金額のかさ上げのほかに、使途といたしまして、この構造改善計画によって積まれました構造改善準備金につきましては、その準備金を積んだ個々の業者が取りくずしまして転換等の使途に使うことができる、こういうふうな新しい使い方をいたしたいと思います。
○武藤(山)委員 これは、売り上げ高の千分の二十五というとかなり大きい数字ですよね。それを個々の企業は協同組合なりあるいはその構造改善を推進する団体に年々千分の二十五を——もし長官わからぬときは事務局が答えていいですよ、時間がないから。売り上げ金の千分の二十五というとかなり大きいですよね。そうすると、その千分の二十五を年々何カ年間か積み立てを認めて、それで何カ年たったらそれを取りくずして近代化に使わなければいかぬとか、そういう何か制限というのはあるのですか。それともずっと積み増ししていって、十年なら十年積み増しして、大きな機械に入れかえるという、そういう年限は、かなり長期にこの準備金は積み立てを認めるのか、それはどうなんですか、その制限はないのですか。
○乙竹政府委員 毎年売り上げ高の千分の二十五でございまして、頭打ちの制限はございませんけれども、構造改善計画が、これはやはりおそらく五年程度ということになりますので、事実上積まれます金額はそこで頭打ちになる。また千分の二十五というのは、先生御指摘のように相当大きな金でございます。したがいまして、事実上そこまで積めるかどうかという問題もあるかと思います。
○武藤(山)委員 しかし、事実上積めるかどうかという問題があるとおっしゃいますが、これは税金がかからぬわけでしょう、その積み立て分については。そうすると、取りくずしたときに課税されるのですか。そうなるとあまり積み立てしませんよね。ずっとこれが積み立てていって最後まで課税対象にならないということになると、これはかなり中小企業の近代化に役に立ちますね。ここらはどうなんですか、税法上。
○乙竹政府委員 積みました準備金は、取りくずした場合に益金に一応算入になるわけでございますけれども、しかしその年におきまして先ほど申し上げましたように取りくずしますのは、構造改善のための近代化設備、まとまった設備に投資をするとか、あるいは転換のために取りくずすとかいうことでございますので、損金に落とし得る金が相当巨額にのぼっておるのだろうと思います。したがいまして、取りくずしましても、一応そこで税金で取られる、というと非常に荒っぽい言い方でございますけれども、これは少なくて済むのじゃないだろうかと思います。
○武藤(山)委員 最後ちょっとわからなかったのですが、取りくずしたときに課税が少なくなるというのは、何か特別な措置をしているわけですか。
○乙竹政府委員 取りくずした場合には益金に算入になるわけでございますけれども、バランスシート上その年には損金に算入し得る費目が非常に多くなるはずであります。特に共同施設などは三分の一はまた特別償却が可能でございます。転換の場合には非常に大きな金が要るということでございますので、したがってそこでバランスがとれるというふうに思います。
○武藤(山)委員 この準備金制度がうまく作用するかどうかというのは、問題は私は構造改善をやる場合の単位に問題が出てくると思うのです。単位があまり大きくて直接個々の企業にメリットがないとなれば、なかなかこれはやらぬ。しかし直接自分の企業に非常にメリットがストレートにあるとなれば、これはこの制度はいい制度として活用される、私はそう考える。そこで問題は、指定業種に指定される構造改善の範囲というか単位というか、そういうものは業種別にどうきめるかというところに非常な問題があると思うのです。あなたたちがいまやろうとしているのは、ことしからやるのはみがき棒鋼それから織物業——トリコットも織物業に入りますね。それに洋がさまたは洋がさ骨、マッチ、この四業種がそれぞれことしから特定業種になるだろうといわれている。そのなる場合にどういう組織をつくればなるかというと、商工組合及び商工組合連合会、それから酒造組合、酒造組合連合会あるいは中央会、それから三番目に環境衛生同業組合及び環境衛生同業組合連合会、事業協同組合及び協同組合連合会、それ以外に民法三十四条の規定により設立された社団法人であって、商工組合または商工組合連合会に準ずるもの——準ずるものとは何かというのはちょっと聞きたい点ですけれども、こういう組合を組織したものが構造改善事業を進め、さらに特定業種になるということなんですね。そういう理解でいいですか。
○乙竹政府委員 御答弁が逆からになりますけれども、いま先生御指摘の、この構造改善計画を策定し承認を受ける団体、いま先生御列記になりましたけれども、条文上は商工組合等というふうに実はなっておりまして、政令で指定するということになっておりますので、いま先生御指摘のような組合連合会はおそらく指定されると思いますけれども、まだ確定いたしておりません。 それはともかくといたしまして、問題は、御指摘のように、どの範囲の業者を対象として商品を指定するかというのが、生かすも殺すもポイントになると思うわけでございます。近代化促進法の現行法は、政府が一本で商品を指定いたしまして、そうして政府が計画をつくるということでございますから、全国一本でいいわけでございますけれども、今回は業者グループが自分で計画をつくって責任を持つということでございまするので、この範囲を小さくいたしましたほうが実効性があがる、共同の利害に結ばれたいい計画ができることの反面、小さくし過ぎますと業界のレベルアップ、体質改善ということから縁が遠くなる、このかね合いの問題だというふうに思います。したがいまして、私たちいま考えておりますのは、これは業種、商品によって非常に差があるとは思いますけれども、一応商工組合が原則的な計画策定の単位。と申しますのは、商工組合は大体県単位にできておりますので、一応地域をカバーする程度の同業者が集まるということは必要ではなかろうか。しかし、そのある共通の利害を持つ業者が集まります地域が、ときによっては県よりも広い場合も狭い場合もあると思います。そういう場合に、商工組合がない場合には商工組合に準ずる協同組合でもいいというふうなのが準ずるという意味でございますが、なお商工組合に法律的に非常に似ております先生御指摘の組合も政令の指定対象になし得る、こういうふうに考えます。
○武藤(山)委員 そうすると、県段階の商工会がある。その商工会がたとえば三つの市にまたがって同一の業種のものが散在をしている、それから地方自治団体が違う管轄に業者がある、それをグルーピングしようとか構造改善しようという場合に、自治体が同じ場合の業者は非常にまとまりやすいし改善しやすい。隣の市まで含む県段階ということになればなお大きくなるので、そうなるとなかなか実際に構造改善をやろうということは持ち上がらぬと思うのですよ。私が期待したいのはそういう市単位——町村ではちょっと小さいが、市という単位くらいの中における業者が構革をやろうという形で、同じ業種が二つできてはいかぬのか。構革はもう同じ業種だったらその町に一つ、そういうきつい基準でやるのか。相当な部分というのは一体どの程度の部分なのか。業種の中の相当な部分が構革をやろうという場合の、相当な部分というのは一体どの程度を基準にするのか、目安にするのか、その辺はどうなのですか。
○乙竹政府委員 相当な部分といいますのは、過半数以上というぐらいに考えております。 それから、同一地区に、同一商品に二つ以上の組合、すなわちそれは構造改善計画主体団体というか、これはできないのかというお話でございますけれども、構造改善でございますので、ある地区を通じまして一本であることが望ましいと私は思います。ただ、形式的な商品分類ごとに商工組合ができておりまして、商品の種類が実は利害を異にしておる、市場における商品としては別の商品である、それが一応商品分類上は同一商品として同一の商工組合の中に含まれている、こういう場合が考えられると思うのであります。そういう場合には、一応同一地区内の同一商品について複数の構造改善主体ができるということは考えられますが、それは経済的に別商品である場合に限りたいというふうに思います。
○武藤(山)委員 そのこまかい政令ができ、さらにその政令の実施案ができたら、商工委員の全員の皆さんにその政令案と政令実施要綱をぜひお配りいただきたいと思うのであります。それは、特定業種に指定されるということはたいへんなメリットがありますから、それぞれの指導というものを具体的にどうするかということは一番大きな問題であると思うのであります。それはよろしゅうございますね。 それから、一時までという約束でございますから、最後に、それぞれの構革をやろうという団体は資金調達計画を出さなければならぬということになっていますね。その資金調達というのは、たとえば中小企業振興事業団あるいは中小企業金融公庫、国民金融公庫、商工中金、そういう政府系の金融機関に全額をおんぶする計画でもいいのか。それとも政府関係機関は、一機関が貸した場合には三機関から調達するという計画は不適格だ、やはり市中銀行が第一の金融の道であって、政府関係機関というのは補完の金融機関だから、やはり半分ぐらいは市中銀行から借りてきなさい、あとの分を中小企業金融公庫なり国民金融公庫なり、そういう形で計画を立てなさい、こういう指導になるのですか。それとも全部政府三機関に依存をする資金調達計画でもよろしいのか、そこら辺はどうなんですか。
○乙竹政府委員 政府関係金融機関は補完機関だから、それと並んで主になる自己資金なり、民間の金融機関からの資金ルートがなければいけないというふうに画一的に考える必要は全然ないと私は思います。必要がある場合におきましては、政府系の資金がほとんど主を占めるということもあり得る。現に振興事業団の金をもとにいたしまして、これはしかし六五%でございますので、三五%分は、その相当部分をやはり政府系の金融機関で御用立てをするというふうな計画も、これはやむを得ない場合には必要かと思います。ただ、そうは思いますものの、今度の構造改善計画というのはやはり業界が御自分のこととして——御自分のことというのはあたりまえのことでございますけれども、御自分のこととして、自助努力に基づいて計画をお立てになるということになりますと、やはり相当程度の自己資金と申しますか、これはそれでないと、自己資金がありませんと、財政といいますか経理的にも必ずしも強くないということになると思いますし、自助努力を要請する上においても、やはり御自分の蓄積なり御自分の努力によって調達したものがある程度含まれるというか、もとになる、これは量的ではございません、考え方としてもとになるということは必要であろうと思います。
○武藤(山)委員 企業局長には工業開発構想の問題について、どうもあれは中小企業問題が見落とされている。それから大量生産、大量消費の時代が来た、その中で薄利多売の競争をする、そして物価問題にもそれが関連をしてくる。そういう流通部門の問題も工業開発だからおそらく全く落としたのかもしらぬけれども、これはやはりこれからの日本の人口増加、人口の配置、そういうような問題から考えて、どうもあれを読んでみると、何かあれは三十五年から四十年の数字をただ延ばしているだけで、二十年間に生産が五・五倍になるといってみたところで意味がない、価値がないのですね。あれはやはりもう一回——あれはまだ試案だというならば、やはり流通部門はどうなるのか。それがいなかの十万都市ぐらいの場合だったら、大きな百貨店なりあるいはマーケットができて、そこに零細企業がみな部屋を持って、二、三カ所でもって一切の買いものが済むような合理化が行なわれ、そうして交通がそれにうまくマッチするような日本の流通部門の形態ができるのだとか、やはり二十年後の先を見通す場合には、ちょっとあの構想というものはまだまだ検討し直さなければいかぬなという気がするわけです。それから中小企業の問題についても、何か道州制を考えたような、三つの県、四つの県を含めて、ここは繊維、雑貨だ、ここは工業だというように、現状の問題を基礎にして並べているだけであって、こういうものでは中小企業者が読んだって一体何をやればいいのだということは何も出てこない。やはりぼくは企業局が業者をリードし、ガイドポストなりラインを引こうという一つの目安にするようなものをつくっていかなければいけないのじゃないか。より具体的な企業のあるべき姿を描いていくという、そういう姿勢が望まれると思うのですが、これは局長いかがですか。
○大慈彌政府委員 工業開発の構想についての貴重な御意見を伺いましたが、何ぶんにも二十年後のことでございますので、具体的な点についてはおのずから限度があろうかと思います。生産額ないし出荷額は、ただいま御指摘いただきましたように五・四倍という規模で、工業立地としてはいまの三倍要るわけでございますから、これは水の問題にしましても、あるいは先行の土地の取得にしましても、たいへん大きな問題が残っていると思います。そういう意味で、この中にございます陸奥湾であるとか南の志布志湾まで大規模の開発地帯の候補をあげてございますが、そういう大まかなめどをつけるという意味でやはり必要ではないかと思います。 それから、先ほど中小企業の問題を御指示いただきましたが、確かにこれは大企業と中小企業の区分をしてつくっておりません。おりませんが、業種別にしますと二十くらいの業種に区分をいたしまして、地域別に張りつけを行なっております。この張りつけの度合いも、ただいま御指示いただきましたように、精細までにはとてもまだいっていません。その業種の中には、おのずから中小企業を主とする業種、食料品工業でありますとか、資材関係でありますとか、衣服の関係でありますとか、相当入っておりますので、中小企業につきましても大体の傾向というものはつかめるのではなかろうかというふうに考えております。 それから流通でございますが、これも御指摘いただきましたように、これは工業開発でございますので、若干弱いところがございますが、時間距離の短縮であるとか、それから物的な流通の点で港湾の関係であるとか、あるいは都市型に集中しておりましたものが相当離れてもいいということが入っております。御指示いただきましたように、これで相当役に立つかあるいは十分であるかというと、まだまだ勉強しなければならないところがたくさんある、そういう点はさらに検討させていただきます。
○武藤(山)委員 やはりそれは建設省なら道路の問題から——それは公害の問題はかなり書いていますけれども、ほかの章に書く、それについてはいまから用意しなきゃならぬぞというカルテを最後にみなつけていかぬことには意味がないと私は思うのです。これは私の私見でありますから、見解の相違になると思いますけれども、もしあれが試案であってこれから検討し直すという場合には、たとえばその土地の取得は国だとかあるいは建設省だとか日本住宅公団だとか、そういうものの奮起を促すようなものをそれぞれ入れないことには意味がない。 きょうは小規模企業と近代化促進法の関係、それから流通部門と国際競争力の問題、自由化対策の問題を通告しておいたのでありますが、約束の時間が参りましたので、保留をしておいて、あとで時間があるときにひとつお尋ねをしたいと思います。
○浦野委員長代理 中村重光君。
○中村(重)委員 長官にお尋ねしますけれども、国際競争力を強化するためと限定をしているようですが、具体的な考え方というものはどういうことになりますか。国際競争力を強化するというこになっていると、自由化がこれからどんどん進められていって、第三次、第四次と、目玉業種が今度は自由化の対象になると思うのですね。それから残存輸入制限の問題も、アメリカもなかなかやかましく言ってきて、これもほおかぶりでは過ごせないという形に追い込まれつつある。 〔浦野委員長代理退席、武藤(嘉)委員長代理着席〕 それから特恵関税も七〇年あるいは七一年から実施される。それから大企業の国際競争力を強化するその補完的な役割りに対して、そのための優等生教育というような形のものも現にこれは行なわれつつあるわけだから、そういったこといろいろあるだろうと思う、国際競争力を強化するためにということは。だからどこらあたりにそのことがあるのか。中小企業基本法というものの精神にのっとって、そうして中小企業の大企業との格差を是正をして中小企業を強めていかなければならない、そのためにはいままで進めてきているところの中小企業政策は弱いから、全般的に税制、金融あるいは技術その他あらゆる面について積極的な施策を講じなければならない、だけれども限られた予算の中において一挙にできないであろうから、だから段階的に進めていくというような考え方が一つの構造改善ということで進めていくということも一応考えられるのだけれども、今度はそうではなくて、国際競争力を強化するためにという目的を限定しているところに抵抗を感じるというのか、疑問を実は持っているわけであって、先ほど申し上げたような幾つかの問題点を私が申し上げたのですが、そこらについて具体的に考え方をひとつ聞かしていただきたいと思います。
○乙竹政府委員 国際競争力の強化とは、先刻も千葉委員にお答え申し上げましたのですが、狭い意味、すなわち同一商品との間の競争力の強化のみならず、代替品との競争力も含みます。それから中身といたしましては、単にコストを下げるというだけではなくして、企業全部の資本力、販売力、技術力を含めた総合的な企業力を高めるという中身を意味しておるつもりであります。またさらに、先生いま御指摘のように、当該業種の競争力のみならず、下請業種のように、その業種の国際競争力を強化することが関連業種の国際競争力を強化することに役立つというものも含むというふうに考えます。そういたしますと、これは非常に広い意味でございますので、先刻も申し上げましたが、体質改善ということとほとんど同義語になる。しかし体質改善であるとわかりにくいということで実は国際競争力という表現をとったわけでありますが、逆に、それほど広いことならば国際競争力という字は要らないのではないかということが疑問として出るわけでございます。この条文に書いてございますように、「中小企業の構造改善を図ることが国際競争力を強化するため緊急に必要であると認められるもの」こういう表現になっておりますけれども、この国際競争力強化という字をとりまして、「中小企業の構造改善を図ることが緊急に必要である」というふうにつなげますと、何のために構造改善をはかるのが必要であるかという目的が条文上出てまいらないものでございますので、「国際競争力を強化するため」という一語でもって代表させたわけでございます。
○中村(重)委員 私は昨日の委員会でも申し上げたように、中小企業の政策をこれから強力に進めていくために構造改善というものは大きな柱なんですよ。だから構造改善にウエートを置いていくのか、保護育成か。なおこれに対して通産大臣も二者択一ではないと言う。なるほど、私も二者択一ではない。しかも重点はやはり構造改善というものに置くであろうことは当然のことだと思う。それをことさらに構造改善を何のためにするかと長官言われるのはおかしいじゃないか。少なくとも中小企業庁長官から、これから先の中小企業政策は何だ、構造改善だ、これが柱なんだ、何のために中小企業の構造改善をやるのかわからぬなんということが、いやしくも長官の答弁として出てくるのですか。私は国際競争力を強化するための構造改善として限定すべきではない。なるほど国際競争力ということも書いてもいいです。だがしかし、中小企業のあるべき方向はこうなんだ、そのためにこうするのだ、そういかなければならない。これはおそらくあなたの構想じゃないと思う。おそらくあなたは私が申し上げたようなことだったんだろうと思うのだけれども、予算の関係その他で、いわゆる他動的な形でこういうことになったんだと思う。あなたはなかなか責任観念旺盛なんだから、そうでございますとは言わない、私はそう思っている。だがしかし、運用は、国際競争力を強化するためというような、そんな狭い意味でこれから先の構造改善政策を進めていくということは適当でないと思います。だからその点に対してだけのお答えは、ひとつ明確にしておいていただきたいと思います。
○乙竹政府委員 先生おっしゃるとおりでございまして、狭い意味の国際競争力を強化するためだけではないわけであります。
○中村(重)委員 そこで、先ほど武藤委員からの「商工組合その他の政令で定める法人」というのは、中小企業団体連合会その他がおそらくここでいう「政令で定める法人」になるであろうが、まだ確定はしていない、こうおっしゃったけれども、それは当然そうしなければならぬ。そうせぬと、いまお答えになった構造改善なるものが単に国際競争力の強化のためだけではない、広い意味であるということとつながってこないから、それだけはきちっとやってもらいたい。これは企業局長も、自由化等々の関連もあるのだから、この際あなたからもひとつお答えを伺っておきたい。
○乙竹政府委員 先ほど武藤委員から、政令案がきまれば当委員会に直ちに知らせるようにというお話でございましたが、直ちに御報告申し上げます。 武藤委員にお答えいたしましたとおり、この「商工組合等」というのは、もちろん商工組合だけではございませんので、商工組合連合会はもちろんでございますけれども、商工組合ないし商工組合連合会と法律的に同種の機能を果たしております環境衛生同業組合、また同連合会、それから酒造組合、同連合会、また中央会、これも入り得るものでございまするし、またさらに民法の公益法人もこれに入り得る、さらにまた必要がある場合には、機能的にこれに準じます協同組合を指定することも必要になるであろうと思います。
○中村(重)委員 今度は近促法の対象として十業種を指定し、特定業種として三業種を指定したんだけれども、三業種を指定しあるいは近促の場合に十業種を指定するについては、対象業種をどうするかということについて相当広範にわたって検討したんだろうと思う。その検討にのぼったような業種はどういう業種であるか。それから、第二次の指定予定というものはある程度頭に構想として持っておられるのではないかと思うのだけれども、それらの点に対してはどういうことなんですか。
○乙竹政府委員 構造改善の必要性に追い詰められておる業種は非常に多数あるわけでございますけれども、問題は、一つは業界の体制が整っていることと、それからもう一つ構造改善計画というものの知恵がどこまでいっているかということが大事であると思います。そういう意味におきまして検討いたしましたのは、まず繊維の織布の関係、メリヤス、染色、今度の特繊法の対象に一応なっておる業種が一つ、それからマッチ、洋がさの骨、みがき棒鋼、金属洋食器、歯車あるいはまたみそ、しょうゆ、清酒等、あるいはまた銑鉄、鋳物、さらに落としましたが、相当業界の体制が整っているのでありますが、作業工具、これあたりを検討と申しますか、業界側から希望もございますし、私たちも指定業種に成熟するようになってくれればいいというふうに考えております。その中で、まず初年度といたしまして、現在の段階で体制が一番整っていると考えておりますのが洋がさの骨、マッチ、みがき棒鋼、作業工具等でございます。
○中村(重)委員 先ほど武藤委員の質問に、あなたは、指定業種になるについて自己資金が必要だ、考え方としては、ということでお断わりになってお答えがあったけれども、これは当然なければいけない。でなければ、こうした構造改善のワクの中に組み込むということはむずかしいのではないか。そこで気になるのは小規模企業の構造改善です。小規模企業というのはなかなか自己資金を持っていない。資本構成が悪い。自己資金が前提になってくるということになると、小規模企業の構造改善というものは非常にむずかしいと思う。広い意味でというようなことであなたがはっきりお答えになったんだから、それとの関連も出てくるわけで、だから小規模企業というのはこれからどうしていくか。これは当然構造改善の中で合併、共同化というものは大きな柱になってくると思う。これから先、小規模企業を強めていく、そしてこの構造改善の対象としていく、そういうためにはどうするかという問題、これは非常に重要な問題じゃないかと思いますが、この点をお聞かせ願いたい。
○乙竹政府委員 構造改善方式と申しますか、熟さないことばでありますけれども、かりに構造改善方式ということばを使わせていただけば、この方式の特色は、いろいろあると思いますけれども、その一つはぐるみという考え方であると思います。すなわち、同一商品をつくっている地域の業種がぐるみということで、脱落者を出さないで、その地域ないしその業種の体質改善をしていくというところがぐるみということばであると思いますし、それが構造改善方式の重大な特徴であるというふうに思っております。したがいまして、そうなりますと、当然数におきましても、また単に数だけではなくて実際の製造のシェアと申しますか寄与度と申しますか、これにおきます零細企業の数ないし貢献度は多くの場合非常に高いのでありまして、これを除外ないしはよくいわれるようないわゆる落ちこぼれをしておったら、私は構造改善はできないと思うのでございます。したがいまして、このぐるみの構造改善計画の中には当然零細企業を救い上げて、それが落ちこぼれぬようにしていくという配慮が必要でございますが、そのためには、単なる気分だけの配慮ではいけませんので、当然これに対する指導なりないしは金融なり、あるいは広い意味の金融についての保証なり、こういういろいろの支援措置を駆使しまして零細企業の企業努力をかき立てて、それでぐるみの中に取り込んでいくということが一番大事なことだと思います。
○中村(重)委員 考え方はわかるのです。それを具体的にどうするかということが問題ですね。ぐるみというのは脱落者を出さないことだ、これはあなたの構想は間違っていない。しかし、ほんとうにそれが実行し得るかどうか。これは繊維の構造改善だってそうなんです。アウトサイダー、それから小規模はなかなか自己資金の三〇%を調達できないから落ちこぼれている。しかし落ちこぼれさせてはならぬと、あなたは繊維局長時代から考えているから、ましてや、いま中小企業庁長官になったんだから、その考え方は強くなってきておるはずだ。現実はそうなっていない。だから現実をどうするかということです。だから、それは具体的な問題としてもうあなたは考え方が固まっておらなければならぬと思う。そこをひとつ伺いたい。
○乙竹政府委員 こういうふうに思うのであります。このやり方だけでいけるとは思いませんけれども、多くの場合に零細業者、これは零細業者だけをつかまえますと非常に弱いのでありますけれども、しかしこの零細業者がいままでも競争力を持ってきたわけでありますが、今後この零細業者というものに着眼いたします場合には、その零細業者のバックには、必ず親業者なりそれから問屋なり、組織しておる人がある場合が多いと思うのであります。したがいまして、この親業者なり問屋なり製造問屋なり、これを計画の中に取り組んでいかないと、この零細業者というものはこぼす危険性がある、こう思います。これが一つであります、組織として。 それから第二に、零細業者は、普通の金融方式だけでは弱いわけでありますから、政府の持っておりますいろいろな方式、たとえば設備近代化資金を活用する。これは二分の一は無利子でございますので、これも可能でございましょうし、あるいは機械貸与制度も活用できましょうし、また共同工場制度というようなものも活用できるんじゃなかろうかというふうな、いろいろわれわれの持っております手を零細業者に対して特に重点的に使う。それとともに、最初申し上げましたように、零細業者だけを頭に入れるんじゃなくして、その経済活動の中に零細業者のバックにおります問屋なり親業者なりも一緒にひっくるんで計画を考えていくということが必要であろうと思います。
○中村(重)委員 それも一つの考え方としてわかります。その際、そうした場合によほど注意していただかないといかぬのは、問屋なり親業者、それを一体として組み込んでいかなければならない。ところが親業者なり問屋が、やはりそこで金融的な担保をしていく、貸し付けもするだろう、保証もしなければならぬ、そこで系列化というものを強めていく、それがグループ化を妨げていくということになる。そこをよほどお考えにならなければならぬ。だから、どうしてもそのためには共同化を強めなければならぬ。合併を促進していく、それから労務対策上の措置もしていく、それから政府金融機関の融資を手厚くしていく、金利を引き下げていく、保証料を引き下げる、そして保証をどんどんやっていく、いろいろなことをやらなければならぬ。できるだけいわゆるグループ化という目的に反しないように、それが促進されるように、それと逆な方向へ進まないように、そこのところをよほど注意をしていただきたい。それは異論はないでしょうから、お答えは要りません。 それから、さしあたり三十億とあるのですが、これはさしあたり三十億という意味は、四十四年度の予算はまず三十億でいきましょうということなのか、四十四年度中にも何らかの形でもってこれをふやしていく、増額をしようとお考えになっておられるのか、このさしあたり三十億という意味がわからないのです。
○乙竹政府委員 初年度でございますので、せいぜい努力いたしますけれども、業種指定の数もそう多くはないだろうと思いますので、さしあたり三十億あれば足りるのではないかというので、さしあたりと言っておるわけでありますけれども、しかし非常にうまくいきまして、三十億で足らないというくらいに業種の数がふえる、計画が充実されるということでございますならば、年度内にもこの三十億は追加するという覚悟でおります。
○中村(重)委員 企業局長、もしお忙しかったらあらためてお尋ねすることにしてけっこうですが、長くしないで終わりますから、おっていただければなおけっこうです。 それから、特定業種の「経営の規模又は方式の適正化」云々とあるのですが、「経営の規模又は方式の適正化、取引関係の改善」と書いているのは同じようなことなんです。適正規模とはどういうことを考えているのかという点が一点問題になる。よく規模の利益とかということがいわれるのですが、経営規模とまた経済規模というものがある。だから、ここでいう「生産又は経営の規模又は方式の適正化」という点について、どの程度を適正な規模とお考えになっておられるか。これは構造改善の実施計画等を立てていく上についても関連がございましょうから、明らかにしておいていただきたい。
○乙竹政府委員 構造改善計画は、単に生産のコストダウンだけではございませんので、業種によってこれは非常に千差万別であると思いますけれども、販売力の強化であるとか、あるいは技術開発であるとか、あるいはまた経営の科学的管理、いわゆるコンピューターを共同で入れるというふうなことであるとか、そういうふうなことが特に重点としてこのたびの構造改善計画の中に組み込まれることを当然期待しておるわけであります。そうなりますと、いわゆる販売力の強化、マーケッティングをするためには、これは商品によって非常に違いますけれども相当な資本が要るのでありましょうし、また技術開発をしようという場合にも相当な資本が要る。こういうものは、この規模というものは、コストダウンという見地だけから考えた生産設備の規模とはまた別の見地の規模ということであるだろうというふうに思います。
○中村(重)委員 この経営規模の問題、それから方式の適正化、これは非常に重要な問題点であると私は思うのです。あらためてこの点についてはまた御意見も伺いましょうし、私の考え方もひとつ申し上げたいと思います。 それから、金融措置の関係で資本構成というものを改善していかなければならぬということになってくるし、できるだけ低利の融資もしなければならぬ。それから借金よりもいわゆる株式の投資、そういうことも必要になってくると思うのですが、構造改善計画の指定業種によって、投資育成会社の株式引き受けということについて何か特別な配慮をお考えになっておられるか、これとは全く無関係である、こういうことなのか。
○乙竹政府委員 構造改善業種に対します政府の支援措置というのは、われわれの持っております政策手段を密度高く集約して行なう必要がある、また、そういたしたいと思っております。したがいまして、先生御指摘のような制度も、自己資本充実政策として重要な柱であるわけでございますので、必要な場合には当然この制度の活用もはかってまいりたいと思います。
○中村(重)委員 構造改善が設備中心になっているようなきらいがある。これでは仏つくって魂入れずという結果になる可能性なしとしません。よほど配慮をしていただきたい。 それから構造改善というものは、単に金融、財政だけで問題を解決し得るものではない。十分の効果を発揮し得るものではない。技術という面が非常に重要なウエートを占めてまいる。四十四年度の中小企業関係の予算の中で、技術開発に対しては非常に弱い。ですからこの点については、中小企業庁も特にひとつ重点を置いていただかなければならないであろうと思いますから、お考えおきを願っておきたい。特に長官は、技術開発についてひとつ強力に対処していただきたい。 それから労務対策、組織化を強力に進めていく。この企業の合併、合同、共同化、協業化の推進が遅々として進んでおりません。この点は非常に重要でありますから、遺憾なくひとつ対処していただきたい。それから大企業の系列化、これをひとつ排除して、専門化していくという方向というものが重要であろうと思うのです。これらの施策が総合的にきめこまかに進められていくのでなければ、せっかくの構造改善計画も実を結ばない、有効に働かないと私は思うのです。それらの点を強く要請いたしまして、きょうは開発途上国の追い上げにどう対処していくかということを問題としていろいろと御意見も伺いたいと思っておりましたが、本会議の時間等の関係もあるので、この程度にとどめまして、私の質問を終わります。
○武藤(嘉)委員長代理 本日の議事はこの程度にとどめます。 次回は公報をもってお知らせすることとしまして、本日はこれにて散会いたします。 午後一時三十一分散会