商工委員会 第11号
- 発言数
- 125 件
- 登壇者
- 9 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1969/03/19
会議録
○大久保委員長 これより会議を開きます。 内閣提出、特定繊維工業構造改善臨時措置法の一部を改正する法律案を議題といたします。 この際、参考人出頭要求に関する件についておはかりをいたします。 すなわち、本案審査のため参考人から意見を求めることとし、参考人の人選、日時等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、これに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○大久保委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 —————————————
○大久保委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。佐野進君。
○佐野(進)委員 大臣がまだ来ておりませんから、大臣に聞く問題はあとにいたしまして、具体的な問題から質問をいたしたいと思います。 きのうも私と武藤さんから、それぞれ今度の特定繊維の構造改善の対策についていろいろ質問をしたわけですが、きょうはさらに深めた立場から質問をしてみたいと思うわけです。 まず第一に、繊維局長と中小企業庁長官に、前回臨時措置法が四十二年に法律として成立したとき、七点にわたる附帯決議が付せられてあるわけです。その附帯決議の問題がどのように実施されておるかということについて質問をしてみたいと思うわけです。これはまず第一点として、「紡績業並びに織布業の構造改善計画を総合的かつ有機的に実施」することになるわけですが、その「両部門を通じての総合性を確保する」という点についてどのような措置を講じておるか質問したいと思います。現在までの措置の内容です。これから質問点が多いですから、答弁はできるだけ簡単にやってください。
○高橋(淑)政府委員 紡績業並びに織布業の構造改善計画を実施いたしますためには、その基本になる需給計画を策定し、その際に糸別に十分に作業をいたしまして、そして紡績部門、織布部門の間の一貫性、関連性がとれるように配慮いたします。それからまた、織布業の構造改善をやります場合に、産地の事情をよく勘案し、かつ、綿・スフ、絹・人絹、両方の連合会が中心になりまして、産地間の連携調整ということについても配慮いたします。
○佐野(進)委員 なぜ私が質問するかと申しますと、紡績業並びに織布業と、今回のメリヤス並びに染色との関連は非常に密接でありますから、そういう意味において、ここに示されておる総合性を確保するという意味においての、今回のメリヤス並びに染色業との関連をどのように調整する措置をとっておられるのか、その点をひとつお聞きしたいのです。
○高橋(淑)政府委員 仰せのとおり、紡績業とメリヤス業あるいは織布業と染色業、この間には密接不可分な関係がございますので、すでに構革に着手した紡績織布業と有機的な密接な関連のある染色業並びにメリヤス業について、十分な需給想定上の関連も持たせて構造改善計画をこれから策定してまいりたい、このように考えておるわけであります。
○佐野(進)委員 あなたのほうでつくった資料によると、織布構造改善対策の進め方とメリヤス製造業構造改善事業対策の進め方との中に、実施以降二年近くたった織布業と今度のメリヤス業との比較の中で、いわゆる総合的対策を紡績業と進めるという以上に密接な関係を持つわけですね。このメリヤス業というものと織布業というものは、その関連の中で何が総合的な調整の対象になり、何が二年たった今日の中で前進の形をとるかということで私もいろいろ研究さしていただいたのですが、具体的な面として特にきわだった変化というものが見受けられない。もちろん織布業の現状とメリヤス業の現状と、置かれておる条件の差はありますけれども、しかし、零細業の構成のウェートが高いと思われるようなメリヤス業等に対する対策について、その前進した施策がこのように行なわれておるという、はっきりしたものがわからないわけなんですね。織布業の構造改善の対策の進め方に対して、このメリヤス業の対策の進め方というものに対する変化というものがわからないわけですが、どういう点が新らしい施策として、メリヤス業に対しては織布業よりも違ったという具体的な点についてお示しを願いたいと思うわけです。
○高橋(淑)政府委員 まず第一点は、メリヤス業の構造改善を実施するにあたりまして、設備の近代化を行なうことに際しまして、十分な計画をつくるために、織布とそれからメリヤスの編立機との生産量からは、需給見通しというものをよく立てまして、メリヤスの需給の伸びに応じたような計画を基本にする。また織布の場合も、技術の開発についていろいろと配慮いたしておりますけれども、メリヤスの場合は、より早期に共同研究体制を固めまして、技術開発に取り組みたい。それから取引面の協調体制について、織布の場合の経験を生かしまして、この協調体制を十分に考えて、これから指導してまいりたい、このように考えております。
○佐野(進)委員 そうすると、この織布構造改善対策の進め方の中で、いわゆる産地工業組合に対して、そのグルーピングを行なう、あるいはまた、その他の計画が国によって承認された場合、繊維工業構造改善事業協会を通じて、やはり産地工業組合にいろいろな施策が講ぜられる。同時に、この施策に応じた形の中で中小企業振興事業団のほうから融資が、設備ビルド融資をはじめ、その他いろいろな対応する融資があるわけですね。そうしたとき、この織布構造改善の対策の進め方の中においては、いわゆる融資として、事業団で六割、都道府県で一割、あと三割については自己融資、こういうような形の中での金融対策が行なわれているわけですね。メリヤス製造業構造改善対策の進め方の中におけるこういう金融対策については、どういう措置が行なわれるのか。いわゆる設備の近代化、グルーピング、あるいは合併その他いろいろな過剰設備の処理等々、いろいろありますね。あるけれども、そういう具体的な中小企業振興事業団等を中心にする融資の方法について、この織布業に対応するメリヤス業に対しては、どのような措置がとられようとしておるのかということが明確でないわけですね、具体的な面においては。したがって、そういう点については、総合性を堅持する上からも、あるいはそれを高めるという形の中においても、どのような措置をとられようとしておるのか、この点ひとつお聞きしてみたいと思います。
○高橋(淑)政府委員 メリヤス業に対しましては、織布の場合と同じように、グループを組みますものに対しまして、設備ビルドの融資を、中小企業振興事業団から総事業規模の六割、それから府県から一割、総計七割を融資いたします。それから金利も、織布の場合と同じように二分六厘でございます。ただメリヤスの場合は、先ほども申し上げましたように、繊維工業構造改善事業協会からする債務保証は、取引構造改善資金というものの保証に重点を置いてやりたい。この点が織布と違います。
○佐野(進)委員 そうすると、もう一回いまのところ、織布の場合は設備ビルドに対して融資をするということですか。メリヤスの場合には、それはそれとして認めるほかに、いわゆる流通面におけるところの改善の施策についても融資を行なう、こういうことですか。
○高橋(淑)政府委員 説明が不十分でございましたが、事業団から融資されるお金は設備ビルドに限ります。別途繊維工業構造改善事業協会が持っております信用基金が、グループを組みましたメリヤス製造業者に対しまして債務保証をするという道を開きます。その債務保証の対象となります大きなものの一つが取引構造改善に要する資金、こういうことでございます。
○佐野(進)委員 そうすると、取引改善に要する資金というものと、さらにこのビルドに対する融資の残り三割ありますね。これらについても保証をする、こういうことでございますか。
○高橋(淑)政府委員 メリヤスの場合は、保証ワクの関連もございまして、設備の自己調達分三割についての債務保証は現在のところ考えておりません。織布は考えております。また実施いたしております。
○佐野(進)委員 したがって、私のお聞きしたかったことはその点なんですが、織布が、設備ビルド融資という形の中で、三割については繊維工業構造改善事業協会を通じて債務保証をする、こいう形になっておるのにもかかわらず、取引改善に対する保証はするけれども、設備ビルドに対する保証はしないということは、全体的な繊維の構造の実態を見るとき、繊維というかメリヤスの製造業の構造の実態を見るとき、やはりきのうから私どもが質問しておりあなたも答えておるとおり、設備の近代化と申しましょうか、そういうことが一番大切なことだ、それが国際競争力を高めることになり、そのために資本の集中というか合理的な体系をつくるのだ、こういうことを説明される面からすると、若干この点にやはり何か金融面における、あるいは施策の中心面におけるところの不足があるのではないか、こう感ぜられるわけですが、そういう点についていま少しく答弁を願いたいと思います。
○高橋(淑)政府委員 メリヤスの場合においても、設備の資金の自己調達分について事業協会の信用基金を使うことが、債務保証の形で使うことができるのが一番望ましいわけでございますけれども、先ほど申し上げましたように、資金量の制約もございますし、それからメリヤスの場合非常に欠けておりますことは、取引面における地位の弱体ということがございますので、この点に重点を置いてまいりたいということでございますので、織布と同様三割分についての保証ができればなおさらいいわけでございますけれども、とりあえず初年度のことでもありますし、現段階においては織布の場合とその点が異なっております。
○佐野(進)委員 そう答弁があるのに、これがいかぬとかいいとか、またあとの問題になってくるわけですが、私としては、できる限りそういう面についてひとつ織布同様の措置がとられるよう強く要望しておきたいと思います。これは大臣にあとで総括的に御質問いたしますが、そのときお答え願いたいと思います。 それではその次に進みます。そうして一番問題になることは、きのうから質問申し上げておるように、この構造改善の対策を進める過程の中で、必然的に中小零細業者が——中小というよりもむしろ小零細業者が切り捨てになる、あるいは設備を更新したけれども、それが維持できなくなってしまう、こういうようないろいろな弊害が予想されるわけです。しかし、予想されるけれども、それはやらなければならぬ。予想されるけれどもやらなければならぬということになってくると、必然的に、問題は機械が廃棄された、廃棄された機械が適切な処置をもってそれがスクラップ化されていけばいいのですが、それがまたいわゆるより零細な家内工業的な形の中に引き取られて、そこでさらに生産が行なわれることになっていってしまうという形もあるわけです。こういうようなことをどうやって防いで、いわゆる零細がさらに零細化される形の中におけるところの過当競争というか、陰惨なる深夜早朝労働の中で老朽した機械をもって仕事をやる人をどうやってなくしていくかということが非常に重要な課題の一つになってくると思うのです。そういう面において、これらの工場をやめる、あるいは機械を廃棄する、あるいはその他いろいろな一大決断をもってこの構造改善対策に対応する人たちに対する措置というものについて、これは具体的に考えていかなければならぬ。たとえば、税金についてどういうような対策を講じているのか、あるいはそのやめていく中における立ち上がり資金、立ち直り資金というものに対してどういう対策を講じていくのかということは、非常に重要な問題になってくると思うのですが、これらについてひとつ御答弁願いたいと思うのです。
○高橋(淑)政府委員 織布に例をとりますと、織機の廃棄にあたりましては完全破砕ということを確認をするように厳重な通達を、たしか一昨年でございましたか、出しまして、破砕の場合に関係者が立ち会ってこれを厳重に確認をいたしております。それからスクラップに関する税制の適用も織布の場合行なわれております。 なお、昨日もお尋ねのありました、零細業者の方がいわゆる切り捨てになるのではないかということにつきましては、極力組合のインサイダーになるようにおすすめして、そうして構造改善事業に参加するように指導徹底をさらに続けてまいりたい。なお実例といたしまして、織布の場合について企業の集約化が四十二年度において相当数行なわれましたけれども、織機台数二十五台以下というような零細なものについても、綿・スフ、絹・人繊を通じて六十数%の企業がこれに参加しておるという事例もはっきりございますし、なおこれから発足いたしますメリヤス業の集約化にありましても、現在準備が進められておりますうち一、二計画を伺ってみますと、従業員が七、八名の零細企業がグルーピングに参加するというような例もございますので、こういうような雰囲気をさらに推し進めていきまして、零細企業の方々もぜひこの構造改善対策の中に乗っかっていただきたいということで指導を徹底いたしてまいりたい、このように考えております。
○佐野(進)委員 中小企業庁長官にここでちょっとお尋ねしたいのですが、いまのようなお話で、一般的にもそうですが、特に構造改善の対策の中にある業種について、これはもう必然的に、ある程度強制的にそこに入らなければ切り捨てられていくという形になるわけですから、入るように指導するということであっても、入らない業種もあるわけです。そうした場合に、いわゆる合併、解散、買収、そういうような対象の業種になった場合ですね、これに対する立ち直り資金というか、そういうような中小企業対策の面から見た対策ということが当然考えられていかなければならぬと思うのですが、それらについて、これとの関連の中で一般的ないわゆる企業の解散と違った、法律的な規制に基づく半ば強制されるような形の中における解散、買収、合併あるいはグルーピングというようなことに対する金融措置あるいは対策というものを当然考えてしかるべきではないか、中小企業対策の面から考えてしかるべきではないかと思うのですが、この点が一つ。 それから繊維局長には、そういう場合においていわゆる譲渡所得なり清算所得なり合併差益に対する非課税措置なりという具体的なあたたかい対策をやはり立てていかなければ、その人たちに現実の面から立ち直る機会を与えるということはなかなかできないのじゃないか、こう考えるわけですが、それらに対するお答えをひとつ願いたいと思うのです。
○乙竹政府委員 まず第一に、先生のいまの御指摘の業種は構造改善事業が必要な業種といっていいと思いますが、これにつきましては、零細層を切り捨てにならないように、取り残さないように、われわれとしては最大の関心を持っておるわけであります。したがいまして、繊維雑貨局をはじめ各局にお願いしておりますのは、ぐるみでもってひとつ零細業者を連れていってほしいということであります。行政指導も当然行なわれるわけでありますが、したがって、中小企業振興事業団が七割の金を貸すわけでありますけれども、七割の金のほかに三割は自己調達をしなければいけない。いまのメリヤスの場合もそういうことが出ているわけであります。その三割分につきましては、われわれは商工中金でもって極力御用立てをしようという準備をしております。 したがいまして、まず第一に、零細層がやはり構造改善の業種として競争力を持ち得るように仲間になって連れていくということに中小企業庁としては最大限の準備をしております。それからその金といたしましては例の中小企業金融公庫で来年度七%特利の構造改善資金ワクというのを設けるように財政投融資計画にはなっておりますけれども、この七%の資金ワクを大いに活用してまいるということが考えられると思います。 それから第二に、それでも自分は構造改善をしていくのはもういやだ、ほかの業種に転換したいということ、これは当然起こってくると思います。それは考えようによりましては、その業種で競争力をつけていくのがいいのか、あるいは思い切ってこの際他の業種に転換をするのがいいのか、これはそれこそ中小企業庁の判断どころであろうと思います。したがいまして、転換を容易にするということは、われわれとしてぜひ助成措置を講じなければいかぬ。先生御指摘のとおりでございますので、それに対しまして準備いたしました政策といたしましては、税制で構造改善準備金という税制が発足いたしておりますけれども、これは構造改善業種につきまして千分の十五を積んでよろしいという規定がございますけれども、これを二十五に引き上げるということで、この二十五の金は当然構造改善のためにも使いますけれども、転換のためにも使えるというふうに、実は税務当局と内々了解済みであります。 それから第二に、さっき申し上げました中小企業金融公庫に準備いたしました七分の金でございますけれども、これにつきましても、転換資金としてこれは活用ができるということに話がきまっております。その活用ができます。 それから第三に、当然のことでございますが、一般的な税制、金融措置でございます。中金でございますとか公庫の活用とか、さらに特に零細層で私必要と思いますのは、信用がないということでございますので、保証制度を活用していく、そして担保力がない人についても転換のための新しい資金の保証制度を活用することによって生み出せるように保証協会を活用していく、以上のようなことを一般施策として考えております。
○高橋(淑)政府委員 特定織布業につきましては、先ほど申し上げましたように、吸収合併の場合、あるいはいわゆる対等合併の場合、税制上合併税制の適用がございます。それからメリヤス、染色業につきましては、現在はございませんが、これは必要に応じて関係のところと御相談を申し上げていきたい、このように思います。 なお小規模事業者の方々に対する措置としましては、先生よく御存じの所得税関係においては、基礎控除あるいは配偶者控除その他の点で免税点が非常に高められておりますので、この点である程度の措置がなされておる、このように考えます。
○佐野(進)委員 私はあなたのほうで出した資料を読ましていただいて、今度のメリヤス業の企業規模、これが非業に零細規模の企業が多いということと、そこに働く人たちが多いということをいまさらのように感じたわけです。九人以下の構成員を持っている企業、これが四十二年度で九千二百九十七、六四・六%、四十一年度九千三百五十二、六五・五%という実績があるわけですね。さらに十人から二十九人、いわゆるわれわれが一般的に小規模と一口に言い得る対象業種の人たちが、四十二年度で三千九百四、二七・一%、これは四十一年度も同様で二七・一%ですが、この両方を合わせますと、メリヤス業全体の中で三十人以下の企業規模の工場が四十二年度で約八一%以上、八二%にも及ぶのですね。そうすると、実際上いわゆる規模の適正化をはかるというような形の中で対象にしてあなた方がこの構造改善対策を行なおうということになると、三十人から三百人以上と称する——三百人以上というものはきわめて少ないですね、三百人以上はそれぞれの年度において〇・二%程度ですね。だから三百人というのはまだ中小企業の段階ですね。三百人以上ということになると中小企業以上になりますが、しかしいずれにしても全部が中小企業といっても——〇・二%を除いてほとんどがそういうような形になるわけですね。きのう大臣が、武藤委員の質問に答えて、中堅企業をつくる、いわゆる中小企業というよりも中堅企業対策という形、そういうような企業規模に持っていきたい、日本の経済の将来の発展のためにそういう層があってもいいのではないか、こう言われておりますが、中堅企業という形に持っていく対象になるものが、全体的に見ても、いわゆる百名から二百九十九名の工場はわずか一・六%程度しかないわけですね。だから、これはそうしたいということで、こういうような構造改善事業に取り組むということはいいとしても、なかなか現実の問題としては、零細並びに小規模企業対策としてこれらの問題をどうするかということに現実の面では焦点を向けざるを得ないと思うのです。したがって非常にむずかしい点がたいへん多いと思うのですよ。だから、そういうことからいうならば、たとえば金融上の措置にしても、なかなか、新しい機械を一基購入するということだけでも、メリヤス製造機の金額にしても、染色においては特にそうですが、非常に高額な資金を必要とするわけですね。 〔委員長退席、浦野委員長代理着席〕 したがって、高額な資金を必要とするのに対してなかなかその融資の全体のワクが少ない、したがってその対象にしなければならぬ小規模のものではなかなか規模の適正化ははかれない、だから必然的に切り捨てごめんの政策にならざるを得ない、私どもは、こういうような循環がどうしてもこの対策を講ずる中で出てくるような気がしてしようがないわけです。だからそういうような面に対する対策、いわゆる歯どめ、解散だとかあるいはどうだとかいうことのないように、あるいは吸収、合併、それがほんとうにいま九人でも十人でも、その規模の小さい中において企業を経営している人たちの自主性をまず尊重しながらする協業化という形でなくして系列化、この構造改善対策が事実上大企業の利益につながるような対策におちいってしまうような指導は、ここではあってはならないと思うわけです。 そこで、その織布の関連の中で、そういうような点について、どの程度今日まで、いわゆる脱落というか、整理され——倒産以外にですよ、そういうような形の中で整理された企業があるのか、ではなくて、大部分がグルーピングされるような形の中で対策が進められているのか。わずか一年半かそこらの実績ですからどうとも言えないでしょうけれども、この際、参考のために聞いておきたいと思います。
○高橋(淑)政府委員 どの程度脱落者があったかという点は、ちょっといま明確にお答えできませんけれども、逆にどの程度まとまりがあったかという実績は四十二年度に出ておりますので、御参考になるかと思います。 これは、綿・スフの織布業につきまして、いまお話しのように、企業合同をやりましたり、協業組合をつくりましたり、協同組合をつくりましたり、あるいはその他のグループ化をはかった実績を見てまいりますと、綿・スフの場合に、グループ数は百六十三できました。その中に加盟しました企業は二千七十六企業、それから絹・人繊の場合、グループ数が四十九、加盟企業は五百三十五、しかもこの綿・スフの企業の規模を見てみますと、二十五台以下の企業の数が約千四百企業ございます。それから絹・人繊の場合は約三百六十ほどございまして、先ほど申しましたように六十数%の比率を占めておるということでございますので、小さくてもこれがお互いにまとまり合っていこうという動きは実例から認められることであろうと思います。こういう方向は今後ともぜひ推し進めていきたい、このように考えております。
○佐野(進)委員 この面については、先ほど来強調しているように、中小零細企業対策の面からいっても特に配慮して対策を進めてもらう必要があろう、こう思いますので、織布業の現状と相対しながら、メリヤス業のこの構造改善対策については十分真剣に取り組んでもらいたいと思うわけです。 それからもう一つ、きのうも私は質問いたしたのですが、きのうはさっと質問を一般的にいたしたために、深く質問に入ることができませんでしたので、きょうあらためて質問してみたいと思うのですが、いわゆる繊維の構造改善ということは、いまの日本のあらゆる産業構造の中で、石炭もそうですが、いろいろある中でも最も重要な部門に属する対策だと思うのです。したがって、通産当局も熱心にやっておられるし、われわれもこれに対しては積極的に取り組むということでやっておるわけですが、しかし今日の、きのうも大臣に質問し、あとでこれからまた質問したいと思うのですが、国内外の情勢を見たときに、なかなかこれをよくやりたいと思いながら実際上進行することがむずかしい諸条件も随所にあるわけです。特にこの前の附帯決議の中で、「対象業種については、繊維産業の実情を考慮し、その拡大に努めること。」こういうことで、その考慮した形が今回メリヤスと染色が対象業種になってきたと思うのです。きのうも質問したのですが、撚糸業、手捺染業あるいは縫製加工業、こういうものが対象業種としていまだ出てこないということは、逐次やっていくのだというきのうの答弁であったわけですが、原因がどこにあるのか。最大の問題としては、縫製加工業というようなものは、織布あるいはメリヤス、縫製加工、これは全く一体、一列に置いてもいいように思うわけです。特に縫製加工業の繊維業界に占めるシェアといいますか、そういうものは全体的な中で相当高いウエートを持っていると思うのですが、それが今回加えられ得なかったということは、縫製加工に従事する人たちは、縫製加工といえばたくさんの業種があろうと思うのですが、非常に大きな失望感を持っておるのではないか。持っておるだけでなく、事実上の問題としてこの人たちを対象業種に加えることのできない内面的な要因も多くあるのではないか、こういうようなことも感ずるわけですが、それらの点について公式な見解というか、繊維雑貨局のほうでこれらについてどうして対象業種に加えなかったのか、いま少しく詳細に説明をしてもらいたいと思います。
○高橋(淑)政府委員 昨日御説明が足りませんでしたけれども、縫製加工業のうち輸出向け縫製加工業につきまして、昭和四十三年度の予算で国の内外にわたりましていろいろな角度から調査をいたしまして、そしてその調査結果をいままとめておるという段階でございます。したがって、その結果どういう対策を必要とするか、またそれをどういう体系のもとで実施するかということについて、いま検討を始めておるという段階でございます。そして内地向け縫製加工業につきましては、実はこういうような実態調査をやる場合に、業界の意向を伺ってみたわけでございますが、その時点におきましては、業界としては特にその希望を持たないという意向の表明がございました。したがいまして、この内地向け縫製加工業につきましては、現行制度のもとでいろいろ諸対策を地道に当面進めていくという体制にございます。これが現状でございます。
○佐野(進)委員 業界のほうで、内容を聞いたら、構造改善事業の対象業種にならなくてもいい、こういうような意向だったと、こういうことですが、あなた方が繊維行政を行なうに際して、それでもいいと思いますか、どうですか。この際ひとつ伺っておきたいと思います。
○高橋(淑)政府委員 構造改善を実施する必要性は、輸出向けといえども内地向けといえども、同じく必要性があると考えております。ただ、構造改善の進め方に、いわゆる特別方式と一般方式というものがございまして、この特繊法体系による特別方式ということになりますと、助成も非常に厚いかわりに、またある意味において非常に義務を課せられるということで、やはり業界内部がそれだけの決意を持ち、またいろいろな準備を進め、計画を樹立し、それを実施していくということができる業界でなければ、またそれだけのまとまりがないと、なかなか特別方式には乗り得ない、こういうように考えますので、内地向けの縫製業界としては、とりあえずのところ、いわゆる主体的条件というものを考えますと、一般方式といいますか、あるいは現行の諸制度を活用して、いままでもある程度の成果をあげてきておりますので、いまの段階においてはこの方式で進めていくということが現実的ではなかろうか、このように考えます。
○佐野(進)委員 輸出向けと内地向けと二つあるわけですが、縫製加工業については、いわゆる内部的な、主体的な条件が整わない。けれども主体的な条件というものはいろいろあるわけですね。企業の内部の条件もあるし需要の面における条件もあるわけですけれども、その中におけるところの、一応企業の内部というか、お互いの業界内部における条件が整わないし、また整わないだけでなく、そのことを、縫製加工業に関しては、繊維の中におけるメリヤスや織布や、そういう業界と違ってまだ安定しておる、こういうぐあいに見ているのか、あるいは内部的な条件は整わないけれども手をつける、メリヤス業に対する商工組合連合会というような形のものをつくり得る条件にない、いわゆる産地組合の構成にまでまだ至らない、その前段階であるからどうにもしようがないのであって、しかしそれについてはやはり将来そういうような指導をしていく必要があるんだ、こういうようにお考えになっておるのか、あるいは業界の自主的な判断に基づく運営だけでいい、そういうぐあいにあなたのほうで考えておるのか、この点ひとつ聞いておきたいと思います。
○高橋(淑)政府委員 やはりまず内部的に十分業界としてまとまるということが大事だと思います。そういう方向でわれわれとしてできる限りのことは指導面で行ないたいと思いますけれども、やはり各段階があろうかと思いますので、いまの状態において一足飛びに特別方式による構造改善を進めるということは、まだ時期尚早であろう、このように考えます。ただ、構造改善の必要性については、われわれとして十分その必要性は感じておりますし、また業界のほうにもその点は呼びかけております。
○佐野(進)委員 大臣、あとまだあるのですけれども、質問をあまり一括してやるとあれですから、いままで質問申し上げた三つの点について大臣の見解を聞いて、次の質問に進みたいと思うわけです。 一つは、いわゆる構造改善事業としてすでに行なわれておる織布業との関連の中に、メリヤス業がどういう位置づけにあるかということを質問いたします。結論的に申し上げますと、メリヤス業は取引の改善のほうに対する繊維工業構造改善事業協会のほうから保証して三割の融資の道は開けるけれども、設備ビルドに対する融資三割についてはその方法がない。こういう点については中小企業庁長官が別のほうから配慮を考えておる、こういうことですが、私は、せっかく二年たった今日対象に入る業種だから、いいことだけれどもワクがないということでなく、ぜひひとつワクをつくってもらいたいということを繊維局長に要望したわけですが、これに対する大臣の考えを聞きたいことと、それから一割は都道府県がそれぞれの業界というかそのグループに対して無利子で融資することになるわけですね。都道府県に無利子で一割を出させて、政府は事業団を通じて、二分六厘という安い金利ですが、金利を取って融資をするという形ですね。この繊維の事業の場合は特定の地域に非常に片寄っておる部面が多いわけです。たとえば東京だとか、栃木だとかいうような、具体的に名をさすことによってそこに集中することのできるような業界だと思うのです。そうすると、そこの都道府県が財政的に負担することは、実際上の問題としてたいへんになってくると思うのです。一割の金を無利子で貸し与える、それが一つの条件になっていろいろ融資の道が開けてくるという、現行の融資制度からするとたいへんな問題じゃないかと思うわけです。この点については十分改善する必要があるのではないかということを申し上げておったわけですが、この点についてひとつ見解をお聞きしておきたいと思うわけです。 それから二つ目は、先ほど来申し上げているとおり、メリヤス業については十人以下の企業あるいは三十人以下の企業は八割二分、企業数においては大部分が対象、いわゆる小規模企業が非常に多いということなんですね。これはグループにする際、さっき局長は織布の場合は非常に順調に進んでおると言いますけれども、実際上の問題としては切り捨てられる、あるいは廃業する、あるいは極度に零細化した家内工業的な形になって、深夜、早朝を問わず、労働条件等に対する非常な悪弊害をもたらす可能性を持った企業規模のものが多いわけですね。これらに対して十分なるアフターケアというか、対象業種に指定したあとにおいてはもちろんですが、いまからそれらについて十分なる対策を考えていく必要があるんではないか。これは税制上においても金融上においてもそういう措置が必要ではないかということで私申し上げておるわけですが、これらについての大臣の見解をひとつお聞きしておきたいと思います。 それから、いま対象業種の拡大について質問をいたしておるわけです。その中で特に縫製加工業、これはあとからの質問にも関連するわけですが、メリヤス、織布というように零細な同じような条件にある業種が構造改善の対象業種になっておりながら、縫製加工業は対象になり得ない。なり得ないというのは内部的な条件でなり得ないといったようなことがいま局長から説明されたんですが、これはやはり一つの政治的な指導というか、行政上の指導というか、そういうものも必要ではないか、こう考えるわけです。これを放置しておいてメリヤスや織布業の構造改善が進んでも、いわゆる繊維政策としては繊維産業に対するあたたかい対策にはなり得ていかないのではないか、そういうような気がするということで質問を続けておるわけです。この三点について大臣の見解をこの際お聞きしておきたい。
○高橋(淑)政府委員 私の説明が少し足りませんでしたので、一点だけ補足させていただきます。 先ほど私、中小企業振興事業団から設備ビルドの金利が二分六厘と申し上げましたが、この中身は、国の一般会計から四〇%、それから財投から二〇%、計六〇%が資金として出まして、都道府県から一割の資金貸し付けが事業団に行なわれまして、それを全部プールいたしまして、その結果事業総規模の七割部分が貸し出される、その金利が二分六厘ということでございまして、私の説明がその点足りませんでしたので、先生の御質問の第二点と関連があると思いますが、補足さしていただきます。
○大平国務大臣 金融措置の問題でございますが、中小企業庁長官から申し上げましたように、中小企業金融公庫のほうに低利の特別ワクを設定して需要に応じようという姿勢をとったということでございまして、ことしこれで対応してやってみまして、実際上非常な制約が実施面においてあるということでございますならば、新たなくふうをしなければならぬと思います。 それから第二の、府県に無利子の供出をお願いしているわけでございますが、これはあなたがいま御指摘のように、非常に産地がかたまっておりますし、端的にそういう産地を持った府県の地域公共団体としての責任から申しましても、受益団体としての責任から申しましても、ある部分無利子で御供出をいただくことは決して無理じゃなかろう。で、国のほうの金の問題になりますと、全体としての資源配分から申しまして、全国的に限界効用をできるだけ均等にするようなぐあいに配分されなければなりませんので、あるいは局地的に申しますと隔靴掻痒の感があるだろうと思いますけれども、財政制度の問題としてはそういう措置をとらざるを得なかったのではないかと思いますが、いま高橋局長からも御説明申し上げましたように、国のほうは四割出しておるわけでございますから、その割合が必ずしも妥当を欠いておるというように私は考えません。 それから、御指摘になりました残余の業態、縫製業、それからあなたがお触れになりました撚糸製造業でありまするとか、あるいは第二次の衣服でありまするとか、あるいはきのうあなたが御指摘になりました流通部面とか、まだ残された部面がたくさんございます。これはいま局長からも話がありましたように、第一は主体的な内部の条件、つまり構造改善をやろうという決意が固まっているいないというような度合いが、まだ十分でないという主体的な条件もあることと思います。それから役所の都合から申しますと、いままでもそうでございましたけれども、大きな政策を実行する場合には、よく実態調査を先行してやらしていただきまして、その準備期間が一応要るわけでございまして、そういった準備が完了していないという事情もあるわけでございます。 それから、私も考えますのに、第三の問題といたしまして、流通関係などにつきましては特にそうでございますけれども、いまの構造改善政策の政策のフレームの中で一体解決できるのかどうか、全然また別なシステムを考えないといけないのじゃないか、そういう問題もございまするので、手順は踏んで十分の調査をして、主体的な条件も固まっていくことと相まちまして、逐次実行さしていただいたらどうかと思います。 それからその次の問題といたしましては、小さいのがたくさんあって、御指摘のように縫製、メリヤスでございますか、仰せのとおりだと思うのでございまして、メリヤスというのが繊維産業の中で非常にティピカルな性格を持ち零細性をもっておると思うのでございますけれども、これの構造改善というのは非常に難事中の難事だと思います。それをグループ化するとか——グループ化と申しましても、大きな規模のものに固めていくということもありましょうし、独立の企業体を維持しながらいろいろな共同行為、共同の倉庫を持たしたり、集中配送を計画いたしたり、あるいはいろいろ集団的な取引形態に持っていったり、いろいろなくふうをこらす意味の集団化もあるだろうと思いますけれども、これはそういうやっかいな業態であるだけに、先ほど申しましたそういう主体的な条件の成熟も待たななりませんが、同時に繊維の市況が非常によろしいと、ともすればのど元過ぐればのほうで、あまり改善マインドということになりませんし、ある種の危機感を持ってこないとなかなかうまくいかない事情もあるだろうと思います。たいへんやっかいな、御指摘のとおりの複雑な問題であろうと思いますけれども、しかし繊維工業の構造改善という、規模を適正化していこう、近代化していこう、そしてりっぱに戦える企業にせなければいかぬ、そして皆さんの福祉をこれを通じて向上してまいらなければならぬという基本の方針が動かしがたい以上は、何としてもやっかいではございますけれども手を染めていかなければいかぬ、順を踏んでやってまいらなければいかぬ。私どもは決して手をゆるめずに検討を進めて、用意ができたものから実行させていただきたい、そう考えております。
○佐野(進)委員 それでは時間もだいぶ経過いたしましたので、私はあと二点ばかり御質問をしてみたいと思います。 それは、いま大臣からもお答えがありましたけれども、いわゆる縫製加工業というか、このメリヤスもそうですが、あるいは織布もそうですが、今度構造改善の対象業種になるについては、いわゆる国際競争力にうちかつのだ、そのためにはいまのような小企業乱立の傾向をやめて、一定の業態をつくり出す、設備も新しくするんだということになっておるわけです。きのうもその点についてはだいぶ質問いたしたのですが、もっと突っ込んだ質問をきょうはしてみたいと思うわけです。 その一つは、この前の附帯決議の中にも出ておりまするが、「中小繊維業種に関係の深い逆委託加工貿易については、悪影響が生じないよう充分配慮すること。」という附帯決議がつけられてこの前法律が通っておるわけですけれども、その面から見るとき、今日の段階においても相変わらず逆委託加工貿易というものが行なわれておる、何ら改善のあとがないのじゃないか、こう言っても過言ではないような状態にあるわけですが、どのような措置をとってきたか。これはひとつ繊維局長に伺いたい。
○高橋(淑)政府委員 保税加工貿易あるいは委託加工貿易、これは一般的にはやはり貿易自由の原則に従いまして行なわれておるわけでございますが、もしいまのお尋ねの件が、関税の軽減を伴ういわゆる付加価値関税制度の点についての御指摘であるとしますならば、この点は繊維産業、特に中小繊維産業に与えます影響が非常に強くて、国内の多くの零細かついわゆる下請の形態をとっておる方々に対してたいへんな影響を与えますし、また産地の経済にも悪い影響を与えるおそれが多うございますから、現状におきましては、この制度を導入することは困難である、このように考えて対処いたしております。
○佐野(進)委員 いわゆる保税加工貿易というのは、日本の国内における加工賃金というものに対して、いわゆる労賃上昇に対応してコストが上昇する。したがって、そのコストを減額する意味において韓国なり台湾なり、特に韓国へ日本の生地を輸出し、韓国において加工したものをこちらに持ってくる。その中において、いわゆる税金上における、輸出税制における保護という形の中で、こちらの製品を売りさばく商社にとっては、日本における加工業者を犠牲にしてでも韓国の加工業者にこれを委託し製造せしめたほうがコストが安くなる、こういうような形の中における実際の取引が行なわれておるわけです。だからそういうことを、これではいけないではないか、悪影響が生じて困るのではないかということが、この前の附帯決議の趣旨だったと思うのです。そういうことについて、いまの局長の答弁では全然具体的な配慮が払われていない。やむを得ないというような形であるとするならば、メリヤス業の構造改善をするというような形の中で対内的な措置を講じてでも、現実には低開発国の追い上げというような形の中で今日国際競争力を強化する必要があるのだというようなことでこの事業が行なわれようとすることについて、たいへん矛盾しておるのじゃないか。これらに対する抜本的な対策を立てざる限り、この事業の成果もあがらないではないか、こういうぐあいに考えるわけですが、これはもし局長が答弁でき得ないという問題であるなら、大臣からひとつ御答弁をいただきたいと思います。
○大平国務大臣 一つには、わが国の中小企業の一つの発展の方向といたしまして、高度の加工、付加価値性の高いものにだんだん移行していく、そういう方向が考えられ、現にそういう方向をたどっておるわけでございます。経済全体が重化学工業化するという傾向も一面ありまして、したがって、日本の貿易構造もそれを反映いたしまして、構造的な変化を来たしておりますし、その傾向は決して不健全なものではないと思います。 そこで、そういうような方向をたどる場合に、非常に労働集約的なものをチープレーバー圏でやってまいるということも自然の趨勢として一応考えられることでございます。日本が完全にそのように高度化してしまえば問題はないのでございましょうけれども、問題は、いまちょうど過渡期にあるわけでございますから、佐野さんの御心配も、そういう過程において深刻な衝撃がわが国の零細企業に与えられては困るという御配慮だろうと思いますが、その御心配につきましては、憂いを私もともにするわけでございます。したがいまして、現実に起こっておる問題は、御案内のように、韓国関係で起こっておるわけでございますが、これはまた別な角度から、去年の夏の閣僚会議で韓国側のほうから強い要請がございまして、その後政府側でいろいろ協議を重ねまして、冒頭に申しましたような配慮のもとに、最小限度の品目を限定いたしまして、それでその要請に応じよう、こういうことにして、今国会で関税定率法の改正案という形で御審議を願っておるわけでございます。これはわが国の近隣諸国、隣組でございまして、両方ともいやだといって引っ越すわけにもいきませんし、長いつき合いをやっていかなければならぬわけでございますから、それで、いま言ったような配慮を加えながら、できるだけ支障のない範囲内におきまして隣組のおつき合いということを考えさせていただこう。(発言する者あり)しかし、考える場合も、国会の皆さんのお考えも私どもよくわかりますので、品目の法定をお願いしよう、普通ならば、あんなものは政令でお願いしまして、政府におまかせ願うのが常識なんでございますけれども、そういう方法をとらずに品目を法定して、国会の公明な論議においてスクリーンをかけてやろうというくらい大事をとったやり方をとっておりますゆえんのものも、先ほど申しましたような配慮からでございます。その点、非常に神経こまかく考えておるつもりでございますので、政府におまかせ願っても万々差しつかえない、間違いはないと思いますけれども、そういうような大事を踏んでおるくらいの気持ちでやっておるんだというくらいのことは、お声の大きい人も含めて御了承をいただきたいと思います。
○佐野(進)委員 先ほど来私が質問申し上げておるのは、対内的な問題については、十分、大臣、中小企業庁長官、繊維局長ともに、積極的な姿勢で取り組むということはいいことだと思うのですけれども、対外的な問題になると、確かに大臣がいま答弁しておるように、こちらだけの考え方ではいかないし、いわゆる国内の業者間においても、大企業がみずからの利益を守るために、小企業を犠牲にしてでもかまわない、これが自由なる競争という名のもとに、むしろ国内産業を犠牲にして外国産業の利益をはかる。しかも低開発国の追い上げという形の中で、国内産業が置かれておるきびしい条件を無視して、みずからの利益を守ろうということは、これは許し得ない行為ではないか。多少利益は少なくとも、やはりみずからの、国内の同業というか関連業の条件を考えてやることが必要ではないかと思うのです。これについては、時間もなくなりましたので、一段と大臣努力して、逆委託加工貿易——保税加工貿易ともいえますけれども、こういうものについては、積極的な取り組みをしてもらいたいと思うのです。 もう一点最後に聞いておかなければならないことがありますので、質問してみたいと思うわけです。これはきのういろいろ議論した問題なのですが、今度のメリヤス業、染色業ともにそうですが、やはり国際競争力を強化するという形の中でいろいろ対策を立てておるわけですが、対内的には、そういう形の中における対策を立てるということによって、結論的には、われわれ心配することは、片や大企業ができていく、どうしても大企業中心にした系列化によらざる限り、構造改善はしたけれども企業の存立は成り立たなくなる、片やそれからはみ出たものは、極度に零細化した家内工業的な形になってくるという極分化したというか、そういう形態にならざるを得ない現実に追い込まれた形になっていくと思うのです。そういうことをどうやって防ぐかということが、非常にこの問題の中における大きなポイントだと思うので、これについての大臣の御見解を聞きたいということと、それからもう一つは、それと同時に、今度は対外的な問題として、きのうも御質問申し上げたわけですが、アメリカの動きというものに日本の繊維産業がどうしても左右されなければならない、左右されざるを得ない。これは日本の繊維産業だけではなくて、日本の貿易全体がそうですが、これをどうやって脱却するか、どういう方途をこの繊維産業において見出すかということについて、この際やはりもう一度議論をしておいたほうがいいのではないかと私は思うのです。 時間がありませんから続けて御質問申し上げますが、通産省から出した資料の、輸出先の状況を見ましても、その他いろいろ資料を見ましても、今後、繊維事業が非常に不況におちいっていくのではない、将来の展望は明るいとしても、その明るい条件に影をさすものは、アメリカの繊維輸入制限問題が一番大きい影をさす条件に数えられざるを得ないと思うのです。そうしたとき、このアメリカがいまやろうとしておる対策としては、アメリカへともかく繊維品を入れては困るよという対策を立てるわけですね、日本に対して。それからもう一つは、逆な意味で日本の品物がアメリカへ行ってもらっちゃ困るよというだけなら、まだある程度納得がいくと思うのですが、もう一つはOECD、UNCTADを通じて、いわゆる低開発国に対する特恵関税を早く実施しろ、こういうことについてきびしい締めつけが行なわれているわけですね、日本に対して。これはアメリカではなくてOECDだといえばOECDですけれども、事実上の問題とすれば、OECDとはいいながら、アジアの地域においてはアメリカの影響力が一番大きいと思うのです、この低開発国と日本との関係の中においては。したがって、アジアの地域におけるところの、低開発国に対する特恵関税を供与するということになれば、必然的に日本がその対象になる、先進国というのは日本だけしかないのだから。したがって、アメリカはみずからの国にあっては繊維については輸入制限をするというけれども、韓国、台湾、香港に対しては、いままさに競合する形があるけれども、それほどきびしい条件は与えないで、むしろそういう国々が日本に対して特恵関税を供与させて窓口を広くするということになりますと、日本の品物は入れちゃいけませんよ、日本に対してはこれらの国々の品物をどんどん入れなさいよ、こういう形の中でみずからの利益だけを守り、そうしてそれらの低開発国のごきげんを取り結ぶ、こういう形になっているわけですね、現実の問題として。これがますますこれから一年、二年、三年とこの構造改善事業が進展するに従がって、そういう対策が露骨になってくるであろうということが予測される情勢だと思うのです。これに対してどうするかということ、この構造改善対策をやるとともに低開発国優先の対策と、先進国、特にアメリカに対する対策とが、非常に大きい問題になってこざるを得ないと思うのです。だから私はこれについて、きのう大臣とだいぶやり合ったのですが、もっと対象を広げる、いわゆる繊維の輸出先の対象を広げる努力を積極的に行なう必要があるのではないかと思うのですね。たとえば中国ですよ。われわれが中国というと、すぐ、何だ、アメリカに対する中国かと思われるかもしれないが、そうではなくて、私も戦後何回か中国へ行きましたけれども、中国における繊維産業は綿が中心であって、非常に繊維状態というものが悪いというのが私どもの得た点である。東南アジア地域でも同様に非常におくれておると思う。こういう立場に対してもっと取引も拡大する、もっと輸出販路を拡大するということに努力を当然払われていいのではないかと思います。 したがって、まず第一に大臣に聞きたいことは、アメリカのいわゆる輸入制限措置に対しては、きのうもお話がありましたが、積極的に取り組む。これに関連して、特恵関税を供与しなければならない低開発国に対して、アメリカのこれらに対する対策について、日本政府としてはどういう対策をとられるのかということが一つ。 それからもう一つは、東南アジア貿易については、この販路拡大について、いまだんだんと上がってきてはおりますけれども、中国は全然上がっていませんね。これらについてどう考えるか、やむを得ないと思いますか。この二点をお聞きしたい。
○大平国務大臣 アメリカというジャイアント、これはいろいろな意味で、安全保障の面からも、経済の面からも、非常に問題になる国なんですけれども、あれは一つの国旗のもとで史上空前の経済力が結集されておる一つの経済圏なんですね。あれは歴史がたまたま一つの国にしてしまったのですけれども、あれが本来四十にも五十にも分かれておったならば、手間がたいへんかかると思います。対外関係の折衝がむずかしゅうございますけれども、幸いにして一つにまとまってくれておりますから、相当骨が折れますけれども、ヨーロッパの二倍の経済力があそこにあるのに、一つを相手にして勝負ができます。一対一の交渉ではたいへん骨が折れますけれども、経済力との比例におきましては、比較的取り扱いやすいと思うのです。そういう意味で、もっと気長く日本人はしなければいかぬのではないか私も含めて、そういうように思っております。 それからアメリカの特恵の問題でございますが、これはきのう私もお答え申し上げましたように、まだアメリカはOECDにドラフトを出したと聞いていません。それからEECのほうはもう出たのだろうと思いますが、確認をいたしておりません。日本はこの間出しましたが、私もお断わり申し上げましたように、これは一つの交渉の踏み台でございまして、私どももこれからEECやアメリカといろいろやり合わねばいかぬのでございまして、出したり引っ込めたりしながらいろいろマヌーバーをやらねばいかぬわけでございます。しかし、きのう申し上げましたように、繊維につきましては、これは非常に、最大限度配慮してあるつもりでございますし、配慮していくつもりでございます。 それで、そんなにすなおに日本がOECDの空気、それからUNCTADの空気にもう無抵抗でやりはしないかという懸念がもしおありでしたら、そんなことないように、心配しないようにしていただきたいと思います。まあ、皆さんの声援を背景に大いにがんばってみたいと思いまして、佐野さんの御心配になるようなことのないようにひとつ、取りきめがもしできるとすれば、仕上げは十分注意したいと思いますけれども、この取りきめができるまでには、ずいぶんこれはすったもんだの過程があるだろう、容易ならぬ交渉だろうと思っておりますので、いま盛んに英気を養っておかなければいかぬ、こう思っておる次第でございます。 それからもう一つ、対中国との貿易は、覚書貿易と友好貿易とに分かれておりまして、非常に長期性を持った大量取引にかかるものが覚書貿易にかかっておるわけでございますが、これは、私どもとしては、覚書事務所がパイプになって民間の交渉をやられておるわけでございまして、輸出の拡大、輸入の拡大、つまり貿易の拡大ということを至上の目標としまして、すきあらば拡大しようという気持ちでやっておるわけでございます。ただ、貿易でございますから、まあ特定の年度をとってみると多少のアンバランスがあると思いますけれども、長くたってみると、やはりバランスすべきものでございまして、いまの中共にとりまして、一九五六年以来、日本が最大の貿易国に、ソ連にとってかわって、なっておりまして、まあ、六億ドル近く記録しておりまするし、去年の下半期からずいぶん伸びてきておるわけでございます。このことは、そんなに私はいままでの経過が貧しい経過であるとは思いません。思いませんけれども、しかし、いま申しましたように、貿易である以上、今度、中国の対日輸出力というものも結局一つの天井になるんじゃないかと思うのでございまして、そのあたりは、拡大されたバランスということを目ざしてやっていくことに少しも私はちゅうちょを感じないのでございます。なるほど、アメリカはあまり歓迎しないことなんですけれども、しかし、もうずっと、私が外務省におりました当時から、日本についてはもう何も言わなくなってきておるということは、日中貿易というのが非常に定着性を持ってきておると思うのでございまして、拡大の方向に繊維も含めましてやることに対しては、ちゅうちょしないでがんばってまいるつもりでございます。
○佐野(進)委員 では、時間がまいりましたから、質問を終わりたいと思いますが、私は、いままでずいぶん長い時間いろいろ質問いたしましたが、結論的には、構造改善を進めるということについて、この業種が指定されるということは、現在の情勢下においてはいいことだ、こういうことを前提にして質問をしました。したがって、こまかくなり過ぎた質問になったかわかりませんが、しかし、これはなおまだ質問の時間がございますので、私も研究しながら、この法案が審議が終わるまで努力をしてみたいと思うわけですが、いずれにいたしましても、対内的、対外的にきわめてきびしい条件下において、この構造改善を行なうわけですから、通産当局もひとつ十分いままで私が質問を申し上げたことを配慮して取り組んでもらいたいと思うのでございます。 そこで、最後に大臣、一言だけでけっこうですが、メリヤスをはじめいま構造改善業種に指定されておるそれらの業種については、特恵供与はしないということは確約できますか。いわゆる織布とかメリヤス、染色とかいうことについては特恵供与、この中に入っていないようですね。入っていないけれども、いわゆる例外品目の九十品目の中に入っているのかどうかわかりませんから、この際ちょっと聞いておきたいと思うのですが、メリヤス、織布等については例外品目としてあくまでもがんばる、こういうことにいまの答弁は受け取ってよろしいかどうか。
○大平国務大臣 品目につきましては、これはいろいろいまから、各国でやりとりをやらなければいかぬ関係で、発表しないことにかってながらさしていただいておりますが、私は、先ほど申し上げましたように、繊維につきましては最大限の配慮をいたしてあります、また今後もいたしますという表現から御理解をいただきたいと思います。 〔浦野委員長代理退席、武藤(嘉)委員長代理着席〕
○武藤(嘉)委員長代理 近江君。
○近江委員 今回のこの法案は、特にメリヤスと染色を対象にしたそういう構造改善の臨時措置法の一部を改正する法律案であります。私は、この法案のこまかい審議に入る前に、一体政府がいろいろ立てる対策、法案、これが実際どれだけの効果をあげておるか。私は、今回この法案を提出されまして、実際に施行されても、どれだけの効果があがるのか、非常に疑問を持っております。はたして中小業者をこれで救済できるか、また、これからの繊維あるいは染色を立て直すことができるか、非常に私は疑問を持っております。なぜ私がそのように疑問を持っておるかというと、私は、一つのケース、またいろいろな日本全国にまたがるそうした団地の実態を知るに及んで、国民の貴重な血税が中小企業対策費として使われている。しかし、それが私はむざんに砕かれておるという事実をあげたいと思う。その点をはっきりとして、皆さん方がそれに対してどのように反省もされ、またどのように考えていらっしゃるか、根本的なことを聞かしてもらわなければならぬ、この法案の審議に入る前から私自身そういう気持ちを持っておる。ですから、ひとつ誠意をもってこれからの問題については答えていただきたいと思うのです。 御承知のように、福井の染色団地です。昭和三十七年から計画をされまして、あなたのほうでも御承知かと思いますが、政府関係の資金、いろいろ内容はありますが、まず県を通じて貸し出した金が七億七千百六十六万四千円、商工中金が六億三千四百七十九万一千円、中小公庫が一億一千万、市中銀行が一億七千八百十万、年金福祉事業団が四千八百万、その他が六億二千六百六十八万五千円、合計約二十三億六千万円がこの団地においては投下されておる。しかも、当初計画においては実に三十六万八千六百一坪、こういう広大な団地計画であります。福井のこの土地は非常にいい米ができまして、いままで年間一万六千俵とれておった。こういう団地をつくるというので、政府がこのようにおっしゃるから、農家は泣きの涙でなつかしいふるさとを離れて散っていった。私は、そのときに買い上げた価格が安いか高いか言いません。しかしながら、普通一般のことであれば、どんどんと資本が投下され、土地が買収され出してくれば、地価が上がってくる。しかし政府の計画だからということで、三十六万坪にまたがる広大なところで農業に従事しておった人が土地を離れた。あなたのほうでは計画がずさんだからというので、第一段階として二十一万六千五百十坪という線にしぼったということを聞いております。数字は間違いがあれば言ってください。しかし、四十三年の八月二十日現在で、当初かかり出したときには三十六万八千六百一坪であったのが、現在対象面積は四万八千九百三十四坪ですよ。第一段階で計画がずさんであるということで変更した二十一万から考えても、十五万二千九十一坪というのはどこえ行ったかわからない。先ほどの政府資金にしても、一般市中銀行の一億七千八百十万、これを抜いたとしても、要するに政府関係だけで十五億六千四百四十五万五千円の金が出ている。市中銀行だって信用もないところに貸すわけがない。その辺の中小企業が行って市中銀行が金を貸しますか。十万円の金を借りるのにお百度を踏んで、泣いて、それでも金を借りられないというのが中小企業、零細企業の姿です。そういう市中銀行の額も入れると十七億四千二百五十五万五千円という金が出ている。この福井染色団地はいまどうなっているか御存じですか。私はこの間福井まで行って見てきた。写真も全部とってきた。大臣、一ぺんこれをごらんになってください。どこに工場が建っていますか。広大な水たまりのような草原ですよ。これが八年間ほったらかしだ。あらゆる角度から私は写真をとってきました。こんなずさんな団地計画がありますか。十七億、十五億の金が八年間中小企業、零細企業に回されたら、ほんとうにどれだけ倒産から救われるかわからない。皆さんも御承知のように、倒産は戦後記録を更新している。どういうわけでこういうような結果になってきたのか。まず初めにあなた方の話も一ぺん聞きましょう。
○乙竹政府委員 ただいま御指摘の問題につきまして、事実を御報告申し上げます。 数字等、先生御指摘のとおりでございます。これは福井県の鯖江市にあります染色工業団地でございますが、昭和三十六年福井県の染色工業協同組合傘下の組合員有志が相集まって団地計画をつくったものでございます。最初二十一企業、内訳は、染屋さんの協同組合のメンバーが十二、それから関連業者である梱包業者が四、それから製函、箱づくりの業者が四、その他一ということで、二十一の業者が鯖江市の工場誘致によりまして集団化計画を立案したわけでございます。このねらいは、当時合繊織物の成長が非常に期待をされまして、この地は主として合繊織物の染色加工をやっておるわけでありますが、この染色加工部門の規模を拡大する、したがいまして設備も高度化をしたい、それから現在の工場では狭隘でありまして、その余地がない、なおかつ染色は汚水が出てまいりますので、公害問題を解決しなければならない、まただんだん人が採れなくなったものでありますので、工員を確保するための共同施設もつくりたい、こういうことで始まったわけでございます。 当初、御指摘のように三十数万坪というふうな大きな計画が出てまいったのでございますが、三十七年の二月この団体は福井県に対しまして工場等集団計画の申請をいたしました。県から、これはさまっております高度化事業の組織によりまして、通産局にあがってまいり、通産局から本庁、中小企業庁にあがってまいり、三十七年の八月に国が助成団地の決定をしたわけであります。この当初の三十七万五千坪という計画はあまりにも過大でございますので、先生御指摘のように、二十一万六千五百十坪と修正をし、計画を認めました。その中で助成の対象土地といたしまして十六万三千二十坪を助成対象にきめたわけでございます。 こういう計画で発足をいたしましたところ、もちろんこの計画の当初におきましては診断、指導もいたしたのでございますけれども、その後経済情勢がうまくなく、この染色団地の事業は順調に進まず、また一面豪雪、長雨で工事が著しく遅延をいたし、時あたかも金融引き締めが重なるというふうなわけで、非常に大きな計画が持ち切れず、先生御指摘のように組合員がぼろぼろとかけるというふうなことで、数次にわたりまして計画を縮小いたしまして、現在のところ、四十二年度末に計画を最終的に変更いたしまして、この中間におきまして、政府の体制といたしましては中小企業振興事業団も発足をいたしたものでございますので、振興事業団においても現地の診断をいたしまして、二十一万六千五百十坪の計画を四万八千九百三十四坪に縮小、この中で助成地域といたしましては四万七千五百四十三坪、このように修正計画をし、現在再発足をしておるという状態でございます。この第三次の計画の認可をいたしましたのが本年の三月でございます。現在のところ、組合員は出入りがございますが、二十一社の組合員が現在十二社ということになっております。 以上、事実を御報告申し上げます。
○近江委員 いま申されたように、あなたも私のつかんだ範囲とぴったりの報告をされ、非常にまじめにおっしゃってもらったので、この点で私は次に進みますが、要するに、現在はわずか四万八千九百三十四坪になってしまった。実に政府の金をそれだけつぎ込んでおる。ここで、消えてしまったこの十五万二千九十一坪、これは一体どうなっておるか。これのこまかい内容を言ってもらいたい。
○乙竹政府委員 事実数字がだいぶこまかくございますので、担当課長をして説明いたさせます。
○矢野説明員 御説明を申し上げます。二十一万六千五百十坪が現在四万八十九百三十四坪に変わっておりまして、そのいわゆる十五万余坪の内容でございますが、四万八千につきましては、先ほど長官が御説明しました十二企業の用地でございます。その残った十五万余の坪数でございますが、その中で非常に大きい坪数を占めておりますのが伊藤忠商事所有の土地になっております。そのほかは下河端町に約一万坪、それから公園、こういったものに四千坪ばかり、それからまだ組合が抱えておりまして、いわゆる売却予定といいますか、予定して、はっきりきまっておりませんのが一万坪、道路とか水路といったものが四万五千坪ございます。それ以下は、大体この地区におきますいろいろな中小企業の方々の轟産業であるとかあるいは電気店であるとか、そういったもののいわゆる小規模事業者に千坪以下は売却されております。
○近江委員 最初のこの三十六万八千六百一坪が、あなた方も計画のずさんということを認めて、第一次段階として二十一万六千五百十坪というように変更になったわけでありますけれども、しかし、これを最初三十六万坪と話をきめたときにはもうすでに造成にかかっておった。だから農家は泣く泣く土地をみな手離した。そういう農家の補償からなにから考えれば、これはものすごく問題を包含しているわけです。この三十六万坪の土地は一体どこが造成したのですか。
○矢野説明員 造成は、先ほど申し上げました福井染色工業協同組合が造成に当たっております。
○近江委員 委員長、出席が悪ければ委員会を中止するという話がいま出ておりますが、委員の出席を委員長に要求します。
○武藤(嘉)委員長代理 善処いたします。
○近江委員 どこですか、もう一度答えてください。
○矢野説明員 福井染色工業協同組合が土地造成をいたしております。
○近江委員 それを請負ったのはどこですか。
○矢野説明員 たいへん私ども申しわけございませんが、請負ったいわゆる土地造成の事業者、これはまだ調査しておりませんので、いずれ調査の上で御報告申し上げたいと思います。
○近江委員 あなた、私はこの問題について前から言うておるのですよ。あなた、言えないような何かがあるのですか。守らなければならないようなことがあるのですか。なぜ言えないのですか。はっきりしなさい。
○乙竹政府委員 この問題につきましては、工業団地、商業団地、非常に多数、二百近くあるわけでございますが、大部分はうまくやっておりますものの、中に幾つか実はうまくいっていない例がございます。これは率直に申し上げまして、うまくいっていない例があります。その例は、調べてみますと、この工業団地、商業団地制度が発足当時、役所側もこの勉強が十分できていなかった、また業界側ないし県当局——県当局と申しますのは、これは第一次的には、先生御承知のとおり、県が責任者でございます。中小企業庁としては、県に対して金を融資いたしまして、県が業界に対して金を融資する、こういうことでございますので、県が責任者でございますけれども、県当局も、非常に有利な金が豊富に入るというようなこともあったのじゃないかと私は思うのでありますけれども、計画について、当初の団地の中において、ごく例外的に少数ではございますけれども、計画必ずしも十分詰まっていなかったものがあったのではないか、これはどうも率直に私は認めざるを得ないと思います。 それから第二には、その後襲いました経済不況、特に経済不況が繊維に強く当たっておりまして、金融引き締めも重なり、さらにまた繊維は非常に販路、製造方法等も浮動する商品でございまするので、この辺から結果的に見通しを誤った、こういう面がまた出てきておると思うのであります。そのようなことで、この鯖江の団地も非常に大きな三十数万坪という計画で発足をし、協同組合としては非常な希望に燃えて土地造成をし、発足をさせたのでございまするけれども、その後の経済の事情の変化、また見通しの甘さというものが露呈されまして、さっき御説明申し上げましたように、現在の段階においては四万余坪というものに縮小せざるを得なくなった。その中途におきましても、実は十万坪弱に一度計画を縮小したのでありまするけれども、その計画も維持することができなくて、四十年、四十一年、この二年は景気の直り、それから業界のまとまり、計画の練り直しということで団地の計画をストップせざるを得なくなった、私たち中小企業庁としてもこのストップを認めざるを得なくなった、こういう状況であったわけでございます。これがしかし、その後県当局の努力、また業界側の再発足の努力が実りまして、先ほど御報告申し上げましたように、本年三月、四万数千坪ということで決意を新たにして再発足をしておる、こういう状況でございます。
○近江委員 問題をずらさんと……。私はどこが造成したかと聞いておる。それはわからないですか。
○乙竹政府委員 それは現在私のほうで調べておりません。すぐつかみます。
○近江委員 あとでいろいろ私は申し上げたいと思いますが、ここでこの二十一万六千五百十坪のことをもう一度聞きたいのですけれども、私もいいかげんなことを言うておるのと違いますよ。私はここにちゃんと地図を持っておる。全部持っておる。こういうわけで、交換とかいろいろなことは別問題として、要するに第一段階であなた方、計画がずさんだと認めて二十一万坪にしぼった。その範囲内で、どこが一番土地をたくさん占めておるのですか。
○矢野説明員 いまの二十一万坪の中で一番多く占めておりますのが伊藤忠商事、六万四千九百六十八坪でございます。
○近江委員 その六万何坪とおっしゃいましたそれは、あなたのほうで全部つかんだ坪数ですか。その坪数間違いありませんか。
○矢野説明員 私どもの調査で、現在の用地所有者の実態を調べた結果でございます。
○近江委員 政府は少なくとも十五億以上の金を出しておる。この金は、あなた方内容を一番よく知っているはずだ。いろんな条件は刻々変わっておりますけれども、無利子の金がたくさんあるのですよ。これは中小企業に向かって出した金と違うのですか。何で大企業がそのようにたくさん土地を占めているのですか。どういうわけですか。おかしいじゃないですか。
○矢野説明員 これは経緯として御説明を申し上げます。 当初二十一万坪の決定をいたしました際に、助成対象となる二十一万余坪の範囲におきましては、実は伊藤忠商事の用地はなかったわけでございまして、造成地の北半分、非助成部分でございますが、非助成の分から伊藤忠に買却をし、伊藤忠が所有権を持ったという形になっております。その後いわゆる組合のいろいろな不安定な状況から再建というような結果になりまして、そのときに実は第二次の、先ほどの十三万坪に実は計画を一時変更いたしましたけれども、そのあとに、結局県がこの地区につきまして区画整備事業の対象とするという形になりました。そのときに、たまたま県の希望する用地が実は伊藤忠所有の対象外のほうに——いわゆる区画整理の対象になります場合ですが、そこに伊藤忠商事の土地があり、そこで実は計画の再建分も含めまして、第三次計画をいたします際に、それと伊藤忠商事が対象外に持っておりました部分、今回規模を縮小する——第三次に縮小をつい最近したわけでございますが、その際にいわば不要部分になるところを交換をいたしまして、要するに当初から見ますと二十一万坪という区画の中に伊藤忠商事の所有地というものが入ってきた。こういった結果に経緯としてはなっております。
○近江委員 その土地を交換したというけれども、その伊藤忠が持っておる土地は造成をやった三十六万八千五百坪の中に入っておるのでしょう。どうなんですか。
○矢野説明員 当初計画の三十六万余坪の中に入っておりました。
○近江委員 それじゃ交換だって交換じゃないじゃないですか。中小企業のためにそんなに金を出して、その時点で大企業にそんな土地をばっと売っていいのですか。その点はどうなんですか。どの法律に基づいてやったのですか。
○乙竹政府委員 計画課長が御説明申し上げましたように、この団地は当初は三十七万坪でありますが、この二つの部分からなっておりまして、助成部分が二十一万六千五百坪、それ以外の約十六万の部分は助成対象外、こういうことにいまなっておるわけでございます。それで、いまの助成部分の中には伊藤忠はもちろん入っておりませんし、伊藤忠は、これはもちろん助成対象にし得ないものであります。非助成部分の中に伊藤忠がこの六万余坪の土地を持っておった。なお、伊藤忠がなぜ一体こういう中小の染色業者とくっついて土地を持ったのかということでございまするけれども、われわれ今度知ったのでありますけれども、福井の染色業者は伊藤忠系の染色業者が相当多いということと、また伊藤忠商事としては、したがって、伊藤忠系の染色業者にしっかり競争力をつけさせるという意味で自分が突っかい棒する必要がある、こういう意味もございまして、当初の三十七万坪の中に六万余坪伊藤忠の土地が確保された。しかしそれは、繰り返して申し上げますが、もちろん助成外ということでございます。
○近江委員 助成外というけれども、あなた方の計画にずさんなものがあったことを認めたからそれでいいというようなものですけれども、最初三十六万八千六百一坪を対象として造成を全部やってしまった。それからあなた方は、造成できてから二十一万坪も背負っている。そうでしょう。農家は全部追われているのです、住んでいるところを。そういう点において、これは要するに三十六一万坪の造成をした。二十一万坪、悪く言えば国か、県がやるから大義名分を立てて一律の——土地には値段だって高低がみなあるわけです。いろいろな開発がされてくれば上がってくる。それを大義名分を立てて全部買ってしまって、助成はこれだけだ。そうするとぺてんと一緒じゃないですか。土地を追われた農家はどうなるのですか。それはどう感じていますか。
○乙竹政府委員 土地を提供した農家の方とすれば、当然そこにりっぱな工業団地ができ上がるということを期待されて、祖先伝来の土地を手放されたのだと思います。また土地を取得し、ないしはここに団地をつくることをあっせんをした鯖江の市当局から見ますれば、ここにりっぱな工業の中心地をつくりたいということで、当初計画をまじめにつくり、発足したのだと思います。しかし先刻申し上げましたように、私たちの指導の足らなかったところも重々認めるわけでありまするけれども、計画の甘さ、またその後の経済情勢の激変というふうなもので、農家が期待し、またこの関係者が期待したような団地にすらっと発展することができなかった、こういうことであったというふうに私は想像するわけであります。
○近江委員 事実それだけの当初計画が、四万八千九百三十四坪というような何分の一かに縮小されてきて、そのような最初の予定地のところへ大企業がどんどん入ってくる。これで中小企業の浮かぶ瀬がどこにあるのですか。このままほうっておくのですか。大企業がばんばん入ってきている現状、これをどうするのですか。
○乙竹政府委員 これは当初の計画もそうでありましたが、先ほども申しましたように、伊藤忠といたしましては、むしろ比較的小さな染色業者のグループにてこ入れということが、もちろんこれは伊藤忠商事のためでもございましょうけれども、しかしまたそれははね返りまして、染色業者が立っていくために、この団地が再発足をしていくために、私はこれは必要であるというふうに想像するわけであります。想像と申しますのは、私たち、直接監督関係になっておりますいわゆる最終規模の四万八千坪には伊藤忠は入っておらない。隣接地に伊藤忠が土地を占めているわけでございまするが、私たちといたしましては、伊藤忠商事も積極的に協力をしてもらいながら、この四万八千坪の中に入っております十二の染色業者が、本年計画いたしました再発足を計画し、われわれが認めました線で団地として確立されるということにわれわれも全力をあげますが、この中におります業者もひとつ全力をあげてほしいというふうに思っております。
○近江委員 これは悪く考えれば何か——私はこれがこうだと言っているのと違う。悪く考えれば、たとえば政府の十五億以上の金をほとんど無利子、何年据え置き、何年返還、ほんとにただみたいな金。要するに無利子がほとんどですよ。それだけ八年間も寝かしておけば、利子だけでもばく大なものですよ。そういう計画であるという名目のもとに、安い土地を全部押えてしまって、そうしていろんな個人個人で意見を言う人がある。だけれども、全体の計画のためだからということで黙らしてしまって、そうして実際にやるのは少ない。それじゃその金を利用して土地造成をやってもうけているものがだれかおるのと違うかというようなことも考えたくなるじゃないか。あなた方はただ計画がずさんだったからこうだ、そんなことでは済みませんよ、これは。これはあくまで仮定ですよ。何もこれだとは私は言ってない。そういうようなことが考えられるでしょう。よくこんないいかげんな、ずさんなことを認めて、それだけ金を出したものだと思いますね。 それで、これはわれわれの貴重な税金ですよ。この金は、いま返済はどうなっているのですか。
○乙竹政府委員 まず、正規の償還と、それから当初の計画を縮小しましたことによります繰り上げ償還と、この二つあるわけであります。 まず、あとから申し上げますと、先生御指摘のように、貴重な税金の集積でありますこの補助事業——広い意味で補助事業と言っていいと思いますが、この計画が、当初計画をそごして縮小せざるを得なくなった。当然その縮小分につきましては返還をさせねばいけないわけでございます。この返還は、まず土地が減りました分は六千八百七十五万六千円に当たるわけであります。これは当初、三十七年度一億七千六百五十五万円融資をしたわけでありますが、そのうちの六千八百七十五万六千円は、土地が縮小されまして計画変更に伴いまして返還をさせました。それからなお三十七年度が、償還期が参るわけであります。五カ年間でございますので、正規の償還期が参りますので、第一回の償還額として二千六百九十四万九千円償還しております。なお、第二回以後の償還額につきましては、先ほど御報告申し上げましたように、まだこの団地が動いておりませんので、しばらく償還の猶予をせざるを得ないという状況でございます。
○近江委員 無利子の金をまた何年か猶予をする。これは有効に回せばどれだけの人が救えるかわからないわけです。それでは、いま合計が何ぼ残っているのですか。私が申し上げたいろいろ内容があったでしょう。その項目別について何ぼ残っているか言ってください。
○乙竹政府委員 政府資金と申しますか高度化資金が投入されました金額は、先生先ほど御指摘になりました通りでありますが、まず投入額から申しますと、三十七年度一億七千六百五十五万円、三十八年度二億四千百十五万四千円、三十九年度二億六千八百八十七万五千円、それから再発足いたします今度四十二年度からが、四十二年度が二千四百三十七万五千円、四十二年度六千七十一万円、合わせまして七億七千百六十六万四千円が高度化資金として投入されたわけであります。 このうちから返還されましたものは、繰り上げ償還分、すなわち計画縮小に伴います繰り上げ償還分が六千八百七十五万六千円、それから三十七年度の融資分の第一回償還額が二千六百九十四万九千円、合わせて九千五百七十万五千円、したがいまして六億七千六百万円が、現在県の融資額として残っておるわけであります。 そのほかに、先生御指摘のように、商工中金、中小公庫から金が出ておるわけでありまして、数字は先生さっき御指摘のとおりでございますが、返済計画、返済額については現在わかっておりません。 〔武藤(嘉)委員長代理退席、宇野委員長代理着席〕
○近江委員 これは高度化資金が中心になって、そして政府と県でこんなに金を貸した。その信用があればこそ商工中金——商工中金だってわれわれの大事な金ですよ。十万円の金を借りるのにお百度を踏んでいる。商工中金から六億三千四百七十九万一千円借りておる。中小公庫も一億一千万円。社会福祉事業団ですよ。そんな金まで四千八百万円も投入している。その信用のおかげで市中銀行からも一億七千八百十万円借りておる。その他の金融機関からも六億二千六百六十八万五千円借りておる。商工中金だって中小公庫だって、全部これはわれわれの金ですよ。ましてや社会福祉事業団なんか、その内容は何に使うのか知りませんけれども、ほんとうにその日の食費だってかつかつで、自分の健康さえ維持するのが無理なくらいの食事に甘んじておる人、そういう人が入っておる施設へ回してあげたら、どれだけ喜ぶかわからない。そんな金をこんなずさんな計画のところに回しておる。こんなことを聞いたら、身体障害者等の福祉関係に携っておる人はみんな泣きますよ。しかも、その返済計画がどうなっているかわからない。政府が立てた計画じゃないですか。大事な政府三金融公庫の金じゃないですか。これがどうなっておるか調べるのがあたりまえじゃないですか。あなた方はそんな無責任なことをやっているから、計画ばかり立てておったって一つも内容が伴わない。政府が直接タッチした高度化資金だけつかんでおればいいのですか。三金融公庫だって中小企業庁の管轄じゃないですか。この金融機関は政府が監督しているのですよ。私は何も感情的に申し上げているのと違うのですよ。これは十五億六千四百四十五万五千円の政府の金が行っているのです。それの返済がどのようになっているかわからない、あとの計画もわからない。返した金はわずか一億足らずじゃないですか。この国民の貴重な金をどうするのですか。一体どうしてくれますか、これは。
○藤尾政府委員 まことに仰せごもっともでございまして、私ども主管官庁といたしまして監督が不行き届きであったことは、国民の皆さま方にまことに申しわけないと思います。しかしながら、その当初の意図といいますものは、この染色の団地におきまして、県の地域の発展と業界の構造改革ということのためにできるだけの措置をとってまいりたいということであり、また政府といたしましても、そういった集団化の措置といいますものが、将来業界にとって大切なものである、それを一歩踏み出すことが非常に必要なことであるということで取り組みました問題で、その過程におきましていろいろなそごが生じ、また、そのそごのためにいろいろな不行き届きの面が生じておる、特にただいま仰せられましたように、返済資金の計画すらつかんでいないというようなことでは、まことに監督官庁といたしまして申しわけないことでございますから、早急にこういった問題について適正なる措置がとれますよう政府として全力を尽くしたい、かように考えております。
○近江委員 次官の話はわかりましたが、これは一番最初何業者で申請したのですか。
○乙竹政府委員 最初御説明申しましたように、二十一業者でございます。これは染色のみならず、その関連業者を含めまして二十一業者でございます。
○近江委員 先ほど次官が、地域の発展あるいはそうした染色業界等の発展も考えて善意のもとにこれをやったのだ、なるほどあなたの答弁はお聞きすればそのとおりだと思うのです。しかし、申請があって、その途上で実際造成をやり出した、どんどんやってしまった。そのつどからどんどん業者は脱落していっているわけです。ですから、時期的にいえば、そういうような染色業界が不況であるとかなんとかいうことはわかっているわけですよ。これははたしてそれだけの業者が、自己資金にしたって負担にしたってたえられるものであるかどうか。三十何万坪にもなんなんとするそれだけ広大なところに集まってきてやれるだけの力があるかないか、そんなことは最初からわかるじゃないですか。それは十年や二十年もたって状況が変わるなら私も了承しましょう。この計画をやり出したすぐから業者も倒れておるし、そういうような金もない、そんな見通しすら立てられない政府、あなた方のずさんさ、そういうあなた方が立てたこの法案だって、心配するなといったってみんな心配しますよ。はたしてほんとうに現状を把握して適切な措置をしているかどうか、それは言えないじゃないですか。もっとほかに何か深い理由があるのですか。こういうものを認めてこういうものをさせたというのは、次官がおっしゃった、ただ善意の解釈という意味だけではなくして、ほかにもっと何かやったろかという、そういうようなものがあったんですか。もし何か聞いておられるようなことがあったら正直にここで言ってもらいたい。これでは納得ができない。
○乙竹政府委員 当初二十一企業で始めたわけでありますが、第一回、これは三十九年度、このときの経済不況で五企業脱落いたしまして、そして二企業追加し、それで十八企業になっております。当初の計画が三十七年でございますので、それから二年間はおそらくここでがんばったのだろうと思います。ところが五企業脱落せざるを得なくなった。しかし二企業は追加されたということで、三十九年度は十八企業になっております。ところが、この十八企業で計画を練り直してやったのでありますが、四十年度にさらに三企業脱落をいたしておりまして、十五企業になっております。先ほど申し上げましたように、三十九年、四十年にはこの団地計画はストップせざるを得ないという状況でございました。それで、中小企業庁及び通産局、県も——特に県は第一次の責任者であります。これも申し上げたのでありますけれども、県が融資をしておるわけでありまして、政府としては県に補助をしておるわけでありますから、責任は県に第一次的にはあるわけであります。県もこれは放置できないということで乗り出しまして、計画を全面的に練り直したということで、今回の承認した計画になったわけでございますけれども、最終的には、先ほど申し上げました四十年度の十五企業からさらに七企業減って八企業になったわけでありますが、四企業追加されましたので十二企業になった、こういうことで、現在十二企業は非常にかたく固まって、この団地をつくり上げようという努力をしているわけでありますが、何か変ではないかという先生のお話でございますけれども、私たちが調べましたところによりますと、そういうものは一切承知をいたしておりません。どうも当初の計画が、やはり非常に有利に土地が入るといいますか、まあ日ごろの中小業者の夢がそこでかなえられる、時あたかも合繊のブームがあった、こういうふうなことで急膨張した、それを監督官庁であるわれわれも十分監督できなかった、こういうことであったろうと思います。その後、私たちのほうといたしましても、いわゆる高度化資金特別会計というものだけではこういう団地を運用していくことが非常にむずかしいということで、中小企業振興事業団が発足をいたしまして、それ相応の必要なる人員も予算も確保いたしまして、この工業団地、商業団地等の大きな高度化計画が、この染色団地に見ますような計画が、当初必ずしも適切でないということが一つの原因として失敗するということのないように、事業団という相当りっぱな組織でこの高度化資金特別会計を運用するということに改善をしたということでありますので、今後はこういうふうなことにはいたさないように、監督官庁としても十分気をつけてやってまいりたいと思うわけであります。
○近江委員 私は一つ申し上げたいのは、この責任問題ですけれども、県が第一次的に責任があると、あなたは法的におっしゃっておるのかもしれぬが、何かあなた方は、この責任は県だ、政府としては金だけ貸していればいいのだ、そういうような感覚であなた方が行政をやっておったのでは、幾らでもこういう問題は発生しますよ。そういう無責任なことでは何ぼでも発生しますよ。さっきだって、政府三金融公庫から出した金をどんなところに貸したかわからない。少なくともあなた方監督官庁としていままで八年の間にこういうことをつかんできたはずだ。それでありながら、何ぼ金を貸しておるか、返しておるかわからない。またその土地がどこに売られたかわからない。そんな、すべてが政府の無責任なことからこういうものがみんな出てきているのですよ。そういうあなた方行政当局の怠慢がほかにもいろいろ一これは福井だけではないのです、私の知っている範囲でもだいぶありますよ。 一ぺんここで聞きますが、名古屋の建設機械工業団地はつぶれたけれども、これはどうなりましたか。
○乙竹政府委員 名古屋の建設団地は、昭和三十八年度に助成対象になりまして、三十九年の十月に完成をいたしました。組合員が二十名で始まったわけであります。これは操業には入ったのでありますけれども、これは主たる製品でございまする建設機械またその建設機械の下請をしている団地でございますけれども、オリンピックが終わりましたとか、新幹線の工事が終わったとか、また経済不況等でこの組合の親会社が倒産をするというふうなことで、この団地はうまくいきませんで、二十組合員の中の半分が四十年の六月までに倒産をし、内整理に入ったということで、団地の維持が困難になりました。そこで通産局は県と協力をいたしまして、この団地の再建に四十年から努力いたしたのでございますけれども、これは徒労に終わりました。四十三年の七月に至りまして債権者等とも了解をつけまして、この団地を他に転売をして、団地計画を放棄するのやむなきに至った、こういうことであります。
○近江委員 それはどこに転売したのですか。
○乙竹政府委員 これはトヨタ自動車の系列の自動車部品メーカーであります。
○近江委員 これだって結局大企業にいっているじゃないですか。 小倉の東谷鉄工団地、これはどうなっておりますか。
○乙竹政府委員 この団地は、三十七年度に助成対象になりまして、三十九年の九月に完成をしたものであります。ところが、この組合員の半数が組合外の企業の倒産の影響を受けまして、連鎖倒産をいたしました。その後通産局、県、商工中金が指導、協力をいたしまして、残存組合員の振興と、倒れた組合員用地に対します新しいメンバーの入れかえを積極的に支援をいたしました。で、現在のところは、この組合員はまた二十名になりまして、事業は順調に進んでおる、こういうことであります。
○近江委員 それから、この団地の完成だって非常に長期間かかっているところがたくさんありますよ。鞆鉄工団地協同組合連合会、これだって少なく見積もっても二年半完成がおくれている。間違っておれば幾らでも言い直してください。松江の鉄工センター、これだって少なくとも一年以上はおくれています。岡山県の木材団地協同組合、これも松江と同じケースです。大阪敷物団地協同組合、これはもう二年以上おくれている。大阪被服工業団地協同組合、これだって二年以上おくれている。間違っておれば言ってください。
○乙竹政府委員 いま御指摘の団地、いずれも御指摘のような期間おくれております。
○近江委員 これはなぜそういうような当初の計画からおくれたり、あるいはつぶれたり、あなた方としては原因をどこに把握しておりますか。それの原因はどこだと思いますか。
○乙竹政府委員 おのおの団地ごとに具体的な事情はいろいろあるようであります。あるいは具体的にその業界が特定の事情で不況におちいったとか、あるいは組合外の関係企業から連鎖的に波及して、内整理に入らざるを得なくなってきた、そういうふうな一般的な経済不況、当初組合発足当時に予想することができなかった経済不況、こういうものが一つだと思います。それからもう一つ、工事が順調に進捗しなかったという例が幾つか実はございます。福井の団地もその例でございますけれども、長雨、大雪等で、または大水で工事がうまくいかなかったというようなところもございますし、また台風でもってぐあいが悪くなったというふうなところもございます。いずれも団地発足当時は予測できなかったところではございますけれども、しかし、福井の例で申し上げましたように、極力われわれとしては監督官庁として一なお先生は先ほど、おまえたちは監督責任がないと言っているというふうにおっしゃいましたが、それは決してそうではないので、十二分に監督責任を痛感しておるわけでありまするが、監督官庁、及び特に今度は中小企業振興事業団もりっぱにできたわけでございますが、この団地を造成してまいりますためには、十二分の慎重な計画を業界でもつくる、またその計画に対してわれわれも十分なるアドバイスをし、また承認いたします場合には、よほど手がたく審査をいたしまして、承認をする、こういうことでなければいけないというふうに考えております。
○近江委員 私はいまいろいろな事例を出しましたけれども、結局、政府は中小企業対策として振興事業団というものを柱にして、ものすごい金を入れてきている。私もちなみにずっと調べておりますが、通産省所管中小企業対策費、これと、関係各省全部ひっくるめた中小企業対策費、二項目に分かれると思いますが、この中小企業対策費というのは、これが中小企業対策費かと思われるような金が入っておる。これは見解の相違というかもしれない。そういう金が入っておるわけです。それは一応認めましょう。認めたとしても、相当な大幅なワクになる。その大きな幅の中で、こういうような共同化、団地化を目的とした振興事業団、これが法律に基づいて開始されたのが、初めは高度化資金ですが、関係各省全部ひっくるめた中小企業対策費の中で、三十八年度は一九・四%、三十九年度は二六・五%、四十年度は三〇・七%、四十一年度は二七・二%、四十二年度は三二・八%、四十三年度は四一・三%、四十四年度は四七・九%、実に国のすべての施策の五割がこの共同化、団地化というところに金が投じられている。これが、こんなずさんな、何をやっているかわからぬようなこんなところに使われて、国民が承知しますかこれを。共同化、団地化ということについて、あなた方どう考えているのか、根本的に一ぺん聞かしてもらいたい。
○藤尾政府委員 お答えを申し上げます。これは近江先生から御指摘いただくまでもなく、御案内のとおりでございますが、中小企業といいまするものは千種万様でございます。しかも、それぞれの基盤といいまするものがきわめて弱い。そこで、弱いからこそ何とかその基盤を強くしてやらなければならないというわけでございまして、これについてのいろいろな措置を考えて考えて考え抜いたわけであります。特に、御案内のとおり、最近の重大な問題であります公害の問題というような問題を考えましたときに、それぞれの規模でいままでどおりやっておられまして、これにいろいろな援助を差し伸べましても、その規模がその地区において十分にとれないとか、あるいは新しい施設ができないとかということになってまいりますと、それを千差万別になっておりまする個々の企業に、一々分散をいたしまして配慮するというようなことになりますと、とうていこれは政策といたしまして一貫性ができるものではございません。そこで、できるだけ一つの地区に一つの共同の目標を持ちました中小企業にお集まりをいただいて、そうして共同的な一つの施設あるいは機構というようなものをつくりまして、そうして御便宜をとっていただくということが、そうでなければ非常にぐあいの悪い中小企業の方々の再建、立ち上がり、あるいは基礎の強化ということの一助にでもなれば非常に幸いだ、こういうことで集団化対策といいまするか、そういったものに対しまする助成措置というものが考えられたわけでございます。しかしながら、先生御指摘のように、当初からその計画の立て方あるいはこれに対しまする十二分の検討が、ほんとうにこまかなところまで目が届いておりません。そうしてその計画自体が所期の目的に反してまいった、また非常に基盤の弱いものはついていけなくて脱落をしていったというようなことが起こっております。そのこと自体が中小企業対策といいまするものの脆弱性、それに対しまする政策の立て方のむずかしさ、そういったものを私は立証しておるように思うのでございます。しかしながら、じんぜん何もしないで中小企業に対しましてこれが立っていく方策を立てられないというようなことであれば、日本の産業といいまするものの中枢を占めております中小企業をさらに飛躍させ、世界的な水準にまで持ち上げて、それをてこにして日本の産業といいまするものを世界的な競争の中に立っていけるようなところまで持ち上げていきたいという政府の悲願がそこで結実しないということになっては一大事でございます。そこで、そういった幾多の事例、経験を十二分に勘案をいたしまして、そのまずかった点、悪かった点あるいは足らなかった点、そういったところを補足し、反省をし、そうしてより周到な、より徹底した、より密度の濃い中小企業対策を立てていかなければならぬ。その大道といいますものは、依然として今日の段階では集団化であり、そうして共同化であるという大筋は、私は間違っていないのではないかというように考えるわけでございまして、今後とも先生御指摘のとおり、過去において幾多のあやまちがあったということは私どもも十二分に承知をし、反省をいたすところでございますので、これを他山の石といたしまして、再び同じ間違いを起こしませんように十二分の監督をいたしまして、所期の目的を達成できますように努力をいたしたい、かように考えるわけでございます。
○近江委員 次官に対してもう一度お聞きしたいことがありますが、それはちょっとあとにして、もとに戻りますが、先ほどの話は二十一万何千坪、最初の三十七万坪から第一段階減りましたね。いま伊藤忠の占めておる土地はわかりましたけれども、ほかに大企業が進出しておる名前と坪数を言ってください。
○乙竹政府委員 三社ばかり資本金におきまして中小企業でないのが入っておるようであります。全部の面積を合わせますと約四万六千坪ばかりの数字であります。鯖江繊維株式会社三万一千六百坪、日華化学一万三千坪、それから福茂機械が三千坪、これは資本金的には中小企業でない、こういうことであります。
○近江委員 伊藤忠をはじめそのような大企業に中小企業のその団地が事実上は占められてしまった、こういうような事実。今年度の予算を見ても、中小企業対策費は四百三十億八千四百万円、通産省所管の中小企業対策費は三百十一億四千二百万円、その中で結局この高度化資金、要するにそうした振興事業団に繰り入れられるわけでありますが、それが二百六億四千六百万円、先ほど申し上げた四七・九%、これだけの政府の重点施策をここで講じようとしておる。これがこんなむざんな姿になってしまった。これはほんとうに中小企業者がこういうことを聞けば泣きますよ。結局は大企業に取ってかわられてしまっておる。ここで結局、政府として責任をもってやってきたとおっしゃっておりますが、いま中間のそういうようなことを聞いてみれば、全然わからない、県に第一次責任があるという。いままでと同じようなこういうやり方をやっていけば、こういうような事故がこれから幾らでも発生しますよ。 それで私は、ここでまずお聞きしますが、いま団地あるいは商業団地いろいろありますが、政府が関与するのは現時点で幾つあるのですか。
○乙竹政府委員 工業団地が百十九、うち九十二が完成をしております。商業団地が四十三、うち十七が完成いたしております。
○近江委員 私はまだまだこういうのは全国的に——私があげたのはほんとの氷山の一角だと思う。そういうわけで団地の総点検をここですべきだ。そしてあらゆるそういうまずい点を、またそれはメリットもありますが、全部そこで一回掌握をして、政府として協業化、団地化を進めていく上においてこうなければならないという根本的なマスタープランを立てるべきだ。そうしないと、同じことばかり繰り返しをやって国民のそういう血税が失われていく。効果のあがらないことに使う金なんかよほど考えなければ死に金になってしまう。貴重な金を使う以上は効果があがるようにしてもらいたい。それによって中小企業者が潤うような、そういう施策をやってもらいたい。そういう点で団地の総点検をやって、現時点において重大な反省をし、チェックをして、さらにそれから生かしていく、このようにすべきだと思うのですが、どうですか。 〔宇野委員長代理退席、委員長着席〕
○藤尾政府委員 まことにおっしゃるとおりでございまして、この際御提唱のように総点検をいたさせます。
○近江委員 その総点検をやってもらって、この団地はこういうメリットとデメリットがある、その総点検の資料を全部提出してもらいたい。これについて御返答願いたいと思う。
○藤尾政府委員 総点検ということでございますが、御案内のとおり、そうなりますと私どもも徹底的な総点検をいたしますから、それに相当の時間が必要であるということはひとつお認めをいただきまして、その結果につきましては必ず当委員会に御報告を申し上げます。
○近江委員 それによっていろいろと踏んまえた上でこれからの計画というものが出ると思います。いまお聞きすることはいろんな点でそうすると部分的なことになってくる。たとえば県をどのように監督していくとか、いろんな問題ですね。ではそれはその時点まで私は待ちましょう。それで、いま次官がおっしゃったように相当な長期間かかることも私はわかります。しかし、期間だって、これは十年もあれば二十年も一月も一年もあるわけです。大体の目安はどのくらいで総点検は終わりますか。
○乙竹政府委員 二、三カ月のうちにいたします。と申しますのは、すでに先生御指摘のような趣旨で、事業団が発足いたしましてから、団地各地をずっと勉強をいまやっております。なお団地方式の運用についてもいろいろ勉強しなければいけませんので、中小企業政策審議会の企画小委員会でも実は勉強しておるわけでございます。先生に対します資料はおそくも二、三カ月以内に提出をさせていただきます。
○近江委員 それで基本的には了承いたしましたが、特にこの福井団地のことについては、結局、私がお聞きして不明な点がたくさんあるし、その辺のところの詳しい報告、さらに今後この団地についてどうやっていくか、基本方針、それも提出してもらいたいと思うのです。それからさらに、要するに、これからいろいろな計画が出るかもしれませんが、いまこの時点になって、特に福井団地については、あなた方としては今後どのように指導監督を考えておられるのか、福井にしぼって答えてもらいたいと思うのです。
○乙竹政府委員 承知いたしました。
○近江委員 だから、こまかいことはあとで出るかもしれないけれども、いまの要するにこういうようにやっていきたいというそれを聞かしてもらいたい。
○乙竹政府委員 福井団地につきましては、四十三年度に、先刻来数次にわたりまして御説明申し上げましたように、組合員の再編成を行ないまして、協同組合におきましても計画の練り直しを行ない、県及び通産局も入りまして、なお振興事業団も現地診断をいたしまして、そして計画の練り直しをしたわけであります。その計画が四十三年度末に出てまいりましたので、四十四年三月に現計画を承認をいたしまして、組合員十二企業、面積は四万余坪ということで染色団地を再発足させる、それでやっていけるということを認めたわけであります。その方針に従いまして指導し、監督を進めてまいりたいと思います。
○近江委員 それでは福井の件はあとで詳しく聞かしてもらって、それで納得できない点があれば、また本委員会で聞きたいと思います。 それから全体的なこととして、時間の許せる範囲でお聞きしたいと思いますが、この中小企業の近代化促進法による構造改善と繊維法による構造改善との関係、この辺のところを聞かしてもらいたいと思います。
○乙竹政府委員 結論を先に申し上げますと、近代化促進法が一般法、それか特繊法が特別法というかっこうに一部なっております。一部と申しますのは、特繊法は、中小企業者である繊維業者のみならず、繊維業界全部をカバーする法律でございまするので、その意味におきましては、近代化促進法の範囲を特繊法ははみ出しておるわけでございますけれども、中小企業者に限りましては近代化促進法が一般法で、特繊法が特別法、近代化促進法で一般計画ができておりまして、一般計画を受けましてそれを実施するというかっこうで特繊法におきます織布の構造改善計画はつくられる、こういうかっこうになっております。
○近江委員 このメリヤス製造業と染色業は、この近代化促進法の指定業種となっておりますが、この際、この特繊法改正をして、両業種を同法の対象業種とする必要性というのはどこにあるのですか。
○高橋(淑)政府委員 いま長官からちょっと触れられましたが、この特繊法はわが国の繊維品全体の国際競争力を強化するために、繊維工業の中の根幹となる各業種について、業種相互間の有機的な関連のもとに、取り急ぎ緊急に構造改善をはかることを目的として制定されたものであります。そういう趣旨から考えまして、メリヤス、染色の両業種についても、紡績、織布両業種との有機的な関連を保たせながら、総合的な構造改善をはかる必要がある。そのためには特繊法の体系で対策を実施するということが適当であろうと考えた次第であります。なお、この特繊法を制定されるにあたりまして、当委員会におかれまして附帯決議がなされましたが、その際の線にも沿うものでございます。 さらにもう一点申し上げれば、メリヤス、染色両業種につきましても、繊維工業構造改善事業協会の債務保証を受けまして、いろいろと資金の融資を受ける必要がありまして、そのためにも特繊法に構造改善業種として追加する必要があると考えております。
○近江委員 この改正の近促法による構造改善に対するそういう助成措置と特繊法による構造改善の助成措置の違いを明確にしてもらいたい。
○高橋(淑)政府委員 今回改正を考えております近促法によります構造改善に対します助成措置は、まず中小企業金融公庫による金利七%の特利特ワク融資と、税制面におきます優遇措置、いわゆる二分の一割り増し償却制度でありますが、これがおもなものであります。これと別に、特繊法によります構造改善に対するいわゆる特別の助成措置といたしましては、中小企業振興事業団から金利二・六%で融資比率は七〇%の融資、このいわゆる特ワク融資が一つと、それから繊維工業構造改善事業協会によります債務保証等を行なうこと、この点が差異でございます。
○近江委員 それからこのグルーピングに際して、産地における織布あるいはメリヤスあるいは染色加工と横の連携が非常に大事になってくると思うのですが、これについてどのようにお考えになっていますか。
○高橋(淑)政府委員 御指摘のとおりでございます。具体的に申しますと、織布の各産地におきまして産地ぐるみの協力体制をとる必要がありますので、産地構造改善指導援助委員会というものを設けて、種々計画の作成指導、実施についての協調支援というようなものを行なっておりますが、メリヤス及び特定染色業につきましても、それぞれの業態、また地域の事情に応じた方式によりまして関係者の緊密な連携体制をつくり上げるというように指導をしてまいりたい、このように考えております。
○近江委員 このメリヤスの製造業及びこの特定染色業の構造改善が実際に行なわれた後の姿は、あなた方として、確実に効果があがったとして、どういう姿を描いておられますか。
○高橋(淑)政府委員 この五年後の姿を描きまして、いろいろと学識経験のある方々が過去において詳細に検討されましたが、かいつまんでその五年後の姿を申し上げますと、メリヤス製造業の構造改善の柱というのは、まずグルーピングで、このグルーピングにつきましては、生産、販売面の協業化を行なう、それから専門生産体制の確立をはかるというような点をねらいといたしまして、この五年間におおむね八百程度のグループを結成いたしまして、こういうぐあいにしてできますグループの取引シェアは業界全体の過半の六十数%に達するものと考えております。もちろんこのほかにすでにグループができておりますから、そのグループはさらにいわゆる高度なものに発展していくということでございます。 それから設備の近代化につきましては、約七万六千台の新鋭編立機のビルドを行ないまして、その結果近代化された設備の比率は現在の約二倍程度になるであろう、それから付加価値生産性も同じく現在の二倍程度となるであろう、こういう姿を描いております。特定染色業につきましてはやはりグルーピングが主体でございますが、この際も新鋭の設備を導入する、総合的に技術開発につとめる、こういうような事業を主体とするグループが五十程度結成される見込みでありまして、その取引シェアは八〇%程度に達するものと予想をいたしております。設備の近代化につきましても、連続式のいろいろな機械を入れまして、いわゆる近代化設備の比率は現在の約二倍程度、付加価値生産性も約二倍程度ということになるであろう、大体このように想定をいたしております。
○近江委員 それから米国の繊維の輸入制限の現状をお聞きしたいと思います。
○高橋(淑)政府委員 現状は、アメリカ政府から日本政府に対して正式の申し出はまだございません。ただし、いろいろな動きがございます。 まず第一は、本年一月に開かれましたアメリカの議会に繊維品の輸入制限を求める法律案が約二十近く提出され、その後また数がふえまして、たしか三十三ぐらいにいまなっておるのではないかと思います。 それからニクソン大統領が、去る二月六日の記者会見におきまして、いわゆる繊維の輸出自主規制について関係主要国と協議をしたいという趣旨の発言を行なわれ、さらに最近、三月四日でございましたか、ヨーロッパを訪問して帰国したあと、記者会見で、各国の首脳と繊維の規制問題についても話し合ったということを明らかにしておりまして、アメリカの議会におけるクォータ法案の成立を阻止するというためには、やはり何らか関係諸国の輸出自主規制による協力が必要と考えられるという趣旨の発言をしております。その後スタンズという商務長官が、四月に繊維問題を含む通商諸問題について渡欧する予定があるとか、あるいはヨーロッパに対してだけでなく、日本を含むアジア諸国に対しても、何らかの話し合いを求める意向があるというような趣旨の記者会見の談話の報道を承知いたしております。いずれにしましても、右のような動きがありますが、現在までのところ公式の申し出はございません。
○近江委員 公式の申し入れはないといっても、向こうはこういった非常に根強い一連の動きをやっているわけですよ。ですから、ただ公式の申し入れがないからということで傍観しておっていいかということなんです。こういう向こうの一連の動きに対して、政府としていまどういう対策を考えておるのですか。
○藤尾政府委員 この問題につきましては、ただいま繊維局長から申し上げましたように、いろいろな動きがあることは十二分に知っておりますし、また現にこれに対しまして業界筋からいろいろなアメリカの内部におきます働きかけもやっております。また政府といたしましても、アメリカにございます在外公館を通じまして、いろいろな調査をいたしておりますし、また当方の意思その他につきましても、非公式に相手政府側に伝えておるわけであります。しかしながら、御案内のとおり、この問題だけが日米間の一つの経済、貿易問題といたしまして切り離されて出てきておるということであるのか、あるいは他のいろいろな自由化の諸問題といいますものと組み合わされておるのかというような問題の判断につきましては、なお十二分に精査をいたさなければなりませんいろいろな問題があるわけであります。したがいまして、こういった諸情勢をにらみ合わせまして、国益のために万遺憾なき措置を講じたい、こういうことで十二分の検討もし、またいろいろな対策も、その相手方のいろいろな出方に応じてとらねばならぬ、かように考えておる次第でございます。
○近江委員 もう時間がありませんから終わります。結局、確かにその相手方の出方いかんによってこちらの対策が変わるわけでありますが、あらゆる場面を想定して、要するにわが国の輸出がいろいろな点で規制されるということは、これは大問題だと思うのです。そういう点で万全のそういう対策をとっていただきたい、このことを強く要望いたしまして私の質問を終わりたいと思うのであります。
○大久保委員長 暫時休憩いたします。 午後一時四十七分休憩 ————◇————— 〔休憩後は会議を開くに至らなかった〕