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61回国会衆議院1969/03/07

商工委員会 第7号

発言数
403
登壇者
25
会派数
4
開催日
1969/03/07

会議録

大久保武雄自由民主党

○大久保委員長 これより会議を開きます。  日本合成ゴム株式会社に関する臨時措置に関する法律を廃止する法律案を議題といたします。  本日は、本案審査のために、前回に引き続き参考人として日本合成ゴム株式会社副社長川崎京市君が出席されております。  藤尾通産政務次官から、発言を求められております。この際、これを許します。藤尾通産政務次官。

藤尾正行自由民主党通商産業政務次官

○藤尾政府委員 前回の御審議にあたりましては、加藤清二委員の国有財産の処分に関します答弁におきまして、政府側が非常に混乱をいたし、会議の進行に非常に大きな支障を来たしたこと、まことに申しわけがございません。心からおわびを申し上げます。  なお、この問題につきまして統一した見解をさきに文書でお示しを申したわけでございますけれども、冒頭、大蔵省からごく簡単に説明をいたさせます。

谷川寛三大蔵省理財局次長

○谷川説明員 理財局の国有行政担当の谷川でございます。  先般来問題になっておりました日本合成ゴム株式会社の株式の処分をめぐる問題につきまして、私のほからその後の処置につきまして概略御説明を申し上げたいと思います。  もう先般来の委員会で御案内のところでございますので、詳しくは申し上げませんが、ただいま大蔵本省、それから地方の各財務局ごとに、国有財産中央審議会、地方におきましては国有財産地方審議会が設けられておりまして、国有財産の処分につきましては、その重要度に応じまして、あるいは中央審議会、あるいは地方審議会に付議するたてまえになっております。ところが、国有財産の処分につきましてのたてまえが、普通財産は全部大蔵大臣が一括して行なうことになっておりまするけれども、特別会計所属の財産につきましては、土地建物につきましては御協議をいただくたてまえがございますけれども、その他のものにつきましては、全部特別会計所管の大臣のところで御処分をなさるたてまえになっております。同じ大蔵大臣でございますから、産投特別会計の所管大臣も――常識的には御理解がなかなかいただけぬ面がございますけれども、法律的には、産投特別会計所管の大蔵大臣と国有財産総括の大蔵大臣と性格が違っておりますので、いま申しました一般的なたてまえに従いまして、産投特別会計の株式を処分いたします場合には、その主管大臣限りで行なうことにしております。国有財産担当の大蔵大臣といたしましては、審議会にかける機会もないし、そういう制度にもなっていなかったわけでございます。しかし、いろいろ考えてみますと、土地建物につきましては、処分をいたします場合に審議会にかけることになっておりながら、もっと巨額な価値を持っております有価証券につきましては審議会にかけないということも、これはバランスの問題からもいろいろ問題があろう、それから、こういう大事な資産でございますから、慎重に第三者のお知恵もお借りいたしまして処分の方法なり価格をきめてまいるということがやはり適正ではなかろうかというふうに考えまして、法律上のたてまえはただいま私が申しましたようなことになっておりまするけれども、法制局とも相談をいたしまして、今後におきましては、たとえば資金運用部が運用の手段といたしまして持っておりまするような臨時的な有価証券は別でございまするけれども、土地建物と同じように審議会にかけるようにしてまいりたいというふうに考えておる次第でございます。  御了承いただきたいと思います。

大久保武雄自由民主党

○大久保委員長 質疑の申し出がありますので、これを許します。加藤清二君。

加藤清二日本社会党

○加藤(清)委員 委員長のせっかくの御指名でございますけれども、本件は理事会にお預けになったことなんです。私はその理事会の処置を聞かぬことには次に移るわけにはまいりません。いま大蔵省の説明を聞いただけです。それから政府当局の説明を聞いただけです。本件は理事会にお預けになった問題です。したがって、私の質問は中断したわけなんです。もはや私の関するところではなくて、理事会の責任においてこの始末をなさったはずでありますから、理事会の報告を承らぬことには次に進むわけにいかぬ。

中村重光日本社会党

○中村(重)委員 いま加藤委員からの発言はごもっともであると思います。この際、委員長から理事会の経過について報告願いたいと思います。  理事懇談会におきましては、大蔵省の説明を受けました。ところが、その説明が不十分であるということで、一応理事懇談会を打ち切るという形をとりましたが、あとで委員長からの再度の理事懇談会を開催するという連絡をいただきまして、私どもは再度の理事懇談会に臨んだ。その結果、大蔵省の再度の説明によって、解釈論としては一応法律上いわゆる国有財産の処分に対する違反ということにならないのではないか、このように説明があったわけです。したがいまして、委員長が委員会を開催してその中で再度大蔵省に説明をさせる、そこで加藤委員の質問を続けていただく、そういうことの計らいをしたいがという御要請がありましたから、私ども理事といたしましては、この委員長の取り扱いに対して了承をいたしました。そこで本日の委員会開催となったわけでありますから、そのことをひとつ委員長から御発言を願いまして、加藤委員の御了承をいただき質問を続けていただく、こういう取り扱いをしていただきたいと思います。

大久保武雄自由民主党

○大久保委員長 加藤君に申し上げます。  ただいま中村理事からも話がございましたように、先般、委員会を休憩いたしまして、理事懇談会を二回にわたりまして開きましたわけでございます。政府側からもいろいろ説明を聞きましたけれども、さらに詳細を尽くして政府側の見解の統一徹底を要請いたしておきました次第でございます。本日政府側におきましても見解を統一いたしまして発表いたしたいという要請がございましたので、本日の理事会におきましてもこれを了承いたしまして、ただいま通産政務次官並びに大蔵省から説明をいたさせましたような次第でございます。  右、加藤委員におかれましても御了知をいただきたいと任じます。

加藤清二日本社会党

○加藤(清)委員 わかりました。  私の質問から、理事諸公の皆さん並びに委員の大ぜいの皆さんに、委員会中断ということでたいへん御迷惑をかけましたことにつきまして、私も深く反省しているところでございます。しかし、ただいま承りますと、大蔵省のほうでは、国有財産の処置にあたっては、重要度に応じて審議会にかけるかけないが法律的にきめられている。ところで、土地建物は審議会にかけるけれども、証券の場合は審議会にかけないたてまえであるというお話でございます。しかし、この法律は、もしそのように解釈されるとなると、それじゃ証券は軽くて土地建物は大きいかということになりますが、土地建物といえども、金額にすれば一億円以下のものもある、一千万円以下のものもある。しかし、証券額面は五十円ないしは千円というけれども、本件は十億の余なんです。しかもそれを十年の余出資しておった問題なんです。重要でないと仰せられるならば、国民の血税十億はかってに処分されてもわしはかまわぬ、それが大蔵省の態度であるとするならば、もはや国民は難儀をして税金に応ずる勇気が喪失する。したがって、その銘柄いかんという問題よりは、金額の多寡、性質のいかんによって重要度をきめることのほうがなお正しいと思う。したがって、この問題は、幸い委員長はじめ理事の皆さんの御協力と、それから大蔵委員会の理事の皆さんとの相談、協議により、法律を修正するの動きがあるやに聞いておりますし、なおまた、いまの御答弁によりまして、証券も非常に重要である、したがって、今後その重要度に応じた対策を法的にも講じたいという旨の御答弁がありましたので、私はそれを了として次へ進みたいと存じます。

谷川寛三大蔵省理財局次長

○谷川説明員 私の申しましたことにつきまして加藤先生誤解がございますので、ちょっとその点を明らかにさせていただきたいと思います。  私が重要度に応じましてと申しましたのは、先ほど申しましたように、国有財産審議会には、本省に置きます中央審議会と、地方の財務局に置きます地方審議会とがございます。その中央にかけるか地方にかけるかは、事案の重要度においてあんばいされるということを申したわけでございまして、この有価証券を審議会にかけないというたてまえは、この前も理事会でお話があったかと思いますから私から申し上げませんが、別途の理由で法律上、制度上から落ちておった、重要でないから有価証券をかけなかったというのではないのでございますから、その点……。

加藤清二日本社会党

○加藤(清)委員 ここでその論をやりますと――あなたがやりたければやってもいいですよ。あなたのほうから希望だったら、幾らでも証券論をやりますよ。しかし、わがほうの理事も、この法律は早く上げましょう、特に政府のほうからの要請もあり、それにこたえてなるべく質問を短くして早く上げましょうという相談が成り立っておりまするゆえに、あなたとの論争は他日に譲ります。いつでも受けて立ちますから、どうぞ御安心なさってください。  次に承りたいことは、会計検査院御出席でございますか。-いまも話に出ました、ただいま本委員会に上程されておりまする日本合成ゴム法の改廃に伴う問題、その改廃に伴って証券額面十億という国有財産が処理されました。それは当委員会にはかけられずに処理されたのでございます。この点について会計検査院はこのことを知ってみえますか、みえませんか。まずそこから……。

斎藤実会計検査院事務総局第一局長

○斎藤会計検査院説明員 証券が処理されましたのは昨年のたしか六月であったかと思いますが、私のほうで実際について検査をいたしますのは、翌年検査をすることになっておりますので、事実問題についての検査はことし四月以降やることになっております。しかし、大蔵省から事務的には連絡を受けております。

加藤清二日本社会党

○加藤(清)委員 あなたのほうは具体的事実をよく把握して御答弁願いたい。いまもすでに委員のほうがよく知っておられます。委員のほうから声がありました。四十二年十一月に一部処理がされております。それは額面金額一億円でございます。それもまた、いま大蔵省のおっしゃるように、そんなささいなものは問題でないとおっしゃれば、これは別でございます。しかし、四十二年十一月に一億売られましたそれがあとの九億の評価基準になっていることは、これはもうだれしも知っていることでございます。テストケースでございます。それについてあなたは報告を受けてみえるかみえないかということをお聞きします。

斎藤実会計検査院事務総局第一局長

○斎藤会計検査院説明員 一億円についてはもちろん報告を受けております。

加藤清二日本社会党

○加藤(清)委員 次に、それじゃどういうように受けてみえるか、資料はどのようなものを持ってみえるか、それを承りたい。

斎藤実会計検査院事務総局第一局長

○斎藤会計検査院説明員 一億円については、入札にかげて、三菱化成が三千百六十円で落札をしたというような報告を受けております。

加藤清二日本社会党

○加藤(清)委員 この会社の株は配当が行なわれているはずでございます。その配当についてはどのように受け取ってみえますか。

斎藤実会計検査院事務総局第一局長

○斎藤会計検査院説明員 一割の配当となっております。

加藤清二日本社会党

○加藤(清)委員 その金はどこへどう入っております。

斎藤実会計検査院事務総局第一局長

○斎藤会計検査院説明員 それぞれの株式に従って配当されておるはずでございます。

加藤清二日本社会党

○加藤(清)委員 配当金はこれも国有財産になりますね。それはどうなっているかと聞いておる。

斎藤実会計検査院事務総局第一局長

○斎藤会計検査院説明員 歳入の雑収入として入っております。

加藤清二日本社会党

○加藤(清)委員 それはいつどこへ報告されましたか。

斎藤実会計検査院事務総局第一局長

○斎藤会計検査院説明員 私のほうでは、すべての決算につきまして証拠書類があがってまいりますので、それによって確認をしておるわけでございます。

加藤清二日本社会党

○加藤(清)委員 四十二年十一月の処分された金額はどこへどう入りました。

斎藤実会計検査院事務総局第一局長

○斎藤会計検査院説明員 国有財産の売却収入として入っておるはずでございます。

加藤清二日本社会党

○加藤(清)委員 まず第一点、それじゃ四十二年十一月の期において売られたその金が国家の財政収入になった、それの行くえと、いままでの配当金の集積が幾らになって、それがどこへどういっているか、はっきり説明願いたい。わからなければわからぬでいいですよ。私は会計検査院を追及しているのではないのです。事の次第を明らかにしておいて今度は会社側に質問するのですから、あなたをついているのではないのですから、誤解のないように。

斎藤実会計検査院事務総局第一局長

○斎藤会計検査院説明員 こまかい数字につきまして、また日時につきましては、ただいま資料を持ち合わせておりません。

加藤清二日本社会党

○加藤(清)委員 では、いつその資料を提出していただけますか。

斎藤実会計検査院事務総局第一局長

○斎藤会計検査院説明員 できるだけ早い機会に提出いたしたいと思います。

加藤清二日本社会党

○加藤(清)委員 なぜ私がこういうことを質問しなければならないか。それは、本件は、憲法、国有財産法、会計検査院法並びに日本合成ゴム法、それが忠実に履行されていない疑いがございます。私企業と同様に心得ていらっしゃるのではないかと思われる節が多々ございます。国の出資を、金融機関から融資を受けたと勘違いをしていらっしゃるのではないかと思われる節がございます。これは会計検査院の調査結果ではありませんよ。あなたのことを言っているのじゃない。私が調べてみるとそういう節があり、新聞雑誌、週刊誌等もそれに似たようなことを書いている。特に経済専門誌に至っては、疑いが濃厚であると書いている。したがって、私は、検査の当面の責任者である、当然法のもと調査のできる検査院の方がどのようにこれを把握してみえるかを承りたかっただけのことです。あなたのほうが、これで百点満点で何にも間違いがございませんとおっしゃるならば、順番にいまから一つ一つ事項をとらえて私はお尋ねしたいと存じます。  会計検査院のほうに特にお尋ねしたいのは、これは憲法の九十条から来ておる問題でございますね。それから、特に本件が検査院として調査をしなければならないという条章は、あなたは何条と何条だと思ってみえますか。

斎藤実会計検査院事務総局第一局長

○斎藤会計検査院説明員 これは証券が国有財産であるということについて第一局の所管に属するわけでございますが、出資法人といたしましては、会計検査院法二十三条によりまして、資本金の二分の一以下を出資しておる団体として必要と認めたときは検査をすることができるという団体に該当する団体でございます。したがいまして、出資団体としての日本合成ゴム会社に対しては、ただいままでのところ指定をしておらないように考えております。したがいまして、日本合成ゴム会社そのものについては検査をしておらないはずでございます。

加藤清二日本社会党

○加藤(清)委員 お説のとおり、二十三条「会計検査院は、必要と認めるとき又は内閣の請求があるときは、左に掲げる会計経理の検査をすることができる。」といって、一、二、三、四項目――同じものを持ってみえるはずです。その四項目、「国が資本金の一部を出資しているものの会計」こうなっていますね。二分の一以下とか二分の一以上とかは別の条章です。「国が資本の一部を出資しているものの会計」。日本合成ゴムは二十五億の授権資本、払い込み額も同様のようですが、これに対して国家が十億を出資しております。まさに四割でございます。民間で四割の資本を個人が持てば、明かに、普通からいけばその人が経常権を握るはずでございます。なぜかならば、他の六割は、群小にして非常に少ない持ち株の株主だからでございます。一番の、最高の株主でございます。四割を持てば当然経営権を握ることができることは、これは定石です。それなるがゆえに、いまアメリカから資本が敵前上陸をしてくる場合の会社構成、特に持ち株の問題があれこれと論議されていることは、あなたがよう御存じのとおり。つまり、国が四割も出資し、経営権を握っている。出資額だけではない。経営権という、無形の資本といいましょうか、財産といいましょうか、それがあるわけなんです。  同時にまた、あなたはおっしゃられませんでしたが、三十七条、これをどう解釈されますか。

斎藤実会計検査院事務総局第一局長

○斎藤会計検査院説明員 三十七条の何項に関することでございましょうか。

加藤清二日本社会党

○加藤(清)委員 じゃ、私が読み上げましょう。あなた、そこに持ってみえますね。見ておってください。  三十七条「会計検査院は、左の場合には予めその通知を受け、これに対し意見を表示することができる。」一つ、「国の会計経理に関する法令を制定し又は改廃するとき」、二つ目、「国の現金、物品及び」次が問題です。「有価証券の出納並びに簿記に関する規程を制定し又は改廃するとき」、規程の改廃ですらも、三十七条は、あらかじめその通知を受け、これに対して意見を示すことができるわけです。いわんや、株を売り払ってしまう、経営権を渡してしまう。株が喪失するわけなんだ、国家のほうからいけば。当然のことながら他にも条章をあげてもよろしいですが、ここで――時間をとろうとは思っておりませんので、次に進んでいきまするが、有価証券の出納――出納するだけ、出したり入れたりするだけです。これは出納を通り越えて全部吐き出してしまうのですから、当然あなたたちは当該の会社ないしは所轄官庁から通知を受け、これに対して意見を表示することができるわけでございます。それはおやりになる御予定でございますか、おやりになりませんか。将来のことでけっこうです。

斎藤実会計検査院事務総局第一局長

○斎藤会計検査院説明員 これは先ほども申し上げましたように、第一局としましては、産投特別会計から出資が十億円されておりますので、私が担当いたしておりますけれども、日本合成ゴム会社の、二十三条の、資本の一部を出資しておるものの検査につきましては、これは第五局の担当になりますので、私自身の単独の判断でどうするということをこの席で申し上げることはちょっといたしかねますので、御了承いただきたいと思います。

加藤清二日本社会党

○加藤(清)委員 私は第一局長を指名したのではございません。会計検査院として責任をもって答弁のできる人に御出席をお願いすると言った。そうしたらあなたが見えた。私は、当然責任をもって答弁ができるものと受け取っておる。それを、そうやって答弁を次へ次へと延ばしていかれますると、本法案を上げることも次へ次へと延ばさなければならぬ結果になる。(「それは困る」と呼ぶ者あり)困るという声があります。したがって、本法案が審議され、あなたの答弁が有効に審議に生かされる期間において御答弁願いたい。そうしないと、通ってしまってからでは問題にならない。特に本件はすでに売られてしまっているのです。この会社は本委員会が生んだのです。本委員会が十億の出資を与野党一致で認めたのです。ところが、その委員会には何ら相談なく、いつの間にやら売られてしまっておるのです。したがって、それが妥当であるかどうかは、どうしても調査しなければならぬ義務をわれわれは持っておるわけです。したがって、会計検査院はどうなさるか。もう一度延ばしてもいいのですよ。待ってましたということですよ。こっちのペースになるのですよ。いいですか、それで。

斎藤実会計検査院事務総局第一局長

○斎藤会計検査院説明員 私のほうは政府ではございませんので、延ばされるかどうかの判断については……。先ほども申し上げましたように、私の単独の考え方でもってどうこうということはできないと考えております。担当の局長を直ちに呼んでも……。

大久保武雄自由民主党

○大久保委員長 この際、政府にちょっと申し入れます。  先般来、政府委員から責任ある答弁がいたされない、委員会の運営上はなはだ困るのです。政府側におきましては十分注意して、答弁のできる人を出してもらいたい。注意しておきます。

斎藤実会計検査院事務総局第一局長

○斎藤会計検査院説明員 私は会計検査院でございまして、政府委員ではございませんが、先ほど申し上げますように、第一局長が出てこいというお話なので私が出てまいったわけでありますので、責任ある答弁ができなかったことはまことに遺憾であります。

加藤清二日本社会党

○加藤(清)委員 これは第一局長に責任があるわけではないので、それはあなたは自分のセクションしかものが言えないことは、私どもや委員長にもよくわかっておる。しかし、本件は審議を急いでいる。社会党も協力しておるのです。早く通してあげましょう。ところが、肝心のポイントのところにくると答弁が先へ先へと延びては、私らはめくら判を押したということになる。それはできないことです。なぜかならば、国有財産の処理にあたっては、あなたも御存じでしょうけれども、虎ノ門土地事件というものがきのうきょうの新聞に大きく出されているのです。那須野が原の土地事件もこれあり、八重洲口の地下街の事件もこれありだ。とかく、国有財産が処理されたときには、あとからあとからといろいろな問題が起きてきているのです。したがって、本委員会としましては、与野党が一致してそういうことの起きない前に、ころばぬ先につえをと思っておるのだが、しかし、いまでもすでにおそいのです。なぜおそいか。売られてしまっているのです。審議にかけずに売っ払っちゃったのですから。そうして、売っ払っちゃったからこれをのんでくれ、認めてくれ、こういう話なんです。だから、会計検査院さんどうですかと聞いておる。言いたくないのですけれども、よく考えてくださいよ。この間うちもここの委員会で妙なことを聞くのです。大型の会社が合併するということになると、事前に試験問題まで審査して、それはいけません、これはいいですと、試験の答案を教えるような、御丁寧な御親切なことをおやりになっておる。ところが、会社の――というよりは、政府の株が売り払われるときにはどうかというと、今度は事前審査も何にもやらぬ、会社のなすがままにしておいて、そしてあとでつべこべ言ったってこれはもう追っつかぬのです。どうもこれは国家国民の財産あるいは国家国民の利益を度外視して、会社中心に事が運ばれておるような気がしてならない。それは私一人じゃないのですよ。それは朝日も毎日も読売も中日さんも、あらゆる新聞がみなそう書いておるのです。そういうやさきにこういう問題がたまたま出てきているのですから、われわれとしては、会計検査院の責任ある処置と責任ある報告を聞く義務がある。あなたのほうは、調査の結果を国会に報告する義務を持っていらっしゃるのですよ。そうでしょう。  それでは、もう一つ引き続いて、あなたの答えられるところを聞きましょう。  四十三年七月、九億の株がすでに処理されてしまっております。この報告はいつ国会に御提示なさいますか。その前に、四十二年十一月、この報告はいつなされますか。

斎藤実会計検査院事務総局第一局長

○斎藤会計検査院説明員 国会への報告の形式としましては、検査報告書に重要であると認めた事項につきまして報告をいたしておりますが、四十二年度の分につきましては報告してございません。

加藤清二日本社会党

○加藤(清)委員 なぜか。

斎藤実会計検査院事務総局第一局長

○斎藤会計検査院説明員 違法または不当と認めた事項とか重要であると認めた事項についてだけ検査報告では報告をいたしておりますので、それに入っておらないからでございます。  それから九億円の分につきましては、四月以降、実施について検査をいたしませんと、価格その他につきまして売買の実例とかなんとかいろいろ言っておられまするけれども、事実そういうことがあったかどうかという事実の認定がちょっとできない状態でございますので、それを検査いたしまして、言うべきことがあれば当然検査報告に掲載提示したい、こういうふうに考えております。

加藤清二日本社会党

○加藤(清)委員 それはいつから仕事を開始されますか。

斎藤実会計検査院事務総局第一局長

○斎藤会計検査院説明員 四十三年度の経済行為でございますので、四月一日以降に検査をすることになります。

加藤清二日本社会党

○加藤(清)委員 その検査の結果はこの法案の通過までには間に合いませんですね。

斎藤実会計検査院事務総局第一局長

○斎藤会計検査院説明員 おそらく間に合わないと思います。

加藤清二日本社会党

○加藤(清)委員 大臣にお尋ねする。国の検査機関が検査完了できない前にこの法案を通すことの是非について、大臣としてはどのようにお考えでございますか。検査機構があって、その検査機構は当然国会に報告しなければならぬ義務を持っている。その報告もない先にこれをきめるということは、入学試験をやらぬ先に生徒を入れた連中と一緒なんです。これまた八幡、富士の合併の事前審査とともに、あとで新聞雑誌でたたかれなければならぬ材料になるではないか。なぜそんなに急いだのだろうか、こう言われなければならぬのですが、どうなさいますか。

藤尾正行自由民主党通商産業政務次官

○藤尾政府委員 お答えを申し上げます。  私どもといたしましては、日本合成ゴムの株式の処分という問題につきましては、所定の法律に基づきまして処理をいたしておるつもりでございます。したがいまして、この法案をぜひお認め願いたい、こういうお願いをいたしておるわけでありまするけれども、私どもといたしましては、この法律の運用にあたりまして間違いがないものという確信を持ちましてお願いをいたしておるわけでありまして、会計検査院がこの問題につきまして別個のお立場からこの処理につきまして自由に御検査をなさいますのは、別個の問題でございまして、もし御指摘を受けるような処分をいたしておるというようなことでございましたならば、私どもといたしましてこの神聖な委員会にこの法案をお認めいただきたいということをお願いいたすはずはない、かように信じております。

加藤清二日本社会党

○加藤(清)委員 違反があるかないかは、調べてみなければわからぬ。調べぬ先に全部まるのみにしてだいじょうぶだということは、だれしも言えない。過去にそういう例がたくさんあるのだから、なお念には念を入れるのが国民のためだと思う。なぜかならば、これは国民の財産だからだ。  そこで、では、通産省はこれを調査するにあたっていかなる書類を取り寄せられましたか。書類審査ですか、それとも現地審査ですか。

藤尾正行自由民主党通商産業政務次官

○藤尾政府委員 この問題につきましては、所管の局長からお答えをいたさせます。

後藤正記通商産業省化学工業局長

○後藤政府委員 お答えいたします。  日本合成ゴム会社に関する臨時措置法によりまして、この合成ゴム会社に対しましては政府の厳重なる監督が行なわれております。たとえば、その法律の第四条、第五条、第五条の二、第五条の三以下第七条、第八条、ずっと強い監督の規定があるわけでございますが、本件に関しましても、第七条によりまして「会社は、毎営業年度経過後三月以内に、その営業年度の財産目録、貸借対照表及び損益計算書並びに営業報告書を通商産業大臣に提出しなければならない。」、第八条によりましても、報告の徴取権及び検査の権限等はきまっております。この条項に基づきまして、本法案を提出するに際しまして私どもとしては十分なる審査をいたしたと考えております。

加藤清二日本社会党

○加藤(清)委員 ほんとうにそうですか。それならば、ここへ財産目録を提出してもらいたい。損益計算書を提示してもらいたい。財産目録、貸借対照表、損益計算書、私は何度も何度もお願いしていたのに、貸借対照表はございますけれども、その他ここに法に定められておるところの書類はない。だから、私はこれを審査するにあたって、最初は、きわめてずさんであると言うておいた。どんぶり勘定とは言わなかったけれども、複式簿記でなければならぬのに、それが常識なのに、単式で十ぱ一からげにして、冗談でないと言いたいところでありますが、ここを見ますると、有形固定資産表、それはちょっとございます。それから無形の資産表もちょっとございます。これを称して財産目録とおっしゃりたいのでございましょうが、普通常識からいったら、これはもう財産目録の範疇には入らない。――会社側、ちょっとよう聞いておいてください。あなたのほうの責任なんだ。特に損益計算書がここにないのです。そういう法に定められたところの書類、しかもそれは第七条に「会社は、毎営業年度経過後三月以内に、その営業年度の財産目録、貸借対照表及び損益計算書並びに営業報告書を通商産業大臣に提出しなければならない。」と義務づけられておる。したがって、これを審査する場合には、委員諸公にもこれが配られてしかるべきである。どなたかもらわれた人ありますか。会社はこれを提出したのですか。

後藤正記通商産業省化学工業局長

○後藤政府委員 お答えいたします。  ただいま加藤先生から御指摘の点でございまするが、各委員の先生にお配りしてありますのは、日本合成ゴム会社に関する資産の明細表一般について資料を提出せよ、こういう御要求でございましたので、それを提出してございますが、ただいま第七条にございまする細部の点とは食い違う点があると存じます。したがいまして、再度御要求がございますれば、提出することにいたします。

加藤清二日本社会党

○加藤(清)委員 私はこれは通産省を責めておるのじゃない。ことばがきつうなるから、責められておると思われると気の毒ですが、そうじゃない。  それでは第五条を聞いてみましょう。「毎営業年度の開始前に、その営業年度の事業計画及び資金計画を定め、通商産業大臣の認可を受けなければならない。」としてございます。営業年度の事業計画、資金計画、これは会社は四十四年度分は出されましたか。――会社に聞いておる。

川崎京市日本合成ゴム株式会社副社長

○川崎参考人 目下作成中で、まだ提出いたしてありません。

加藤清二日本社会党

○加藤(清)委員 大臣、よく聞いておいてください。われわれやっておると、あなたは全幅的な信頼をしておるとおっしゃるけれども、あにはからんや、法律を守っていないんだから。第五条に、営業年度の事業計画及び資金計画を毎営業年度の開始前に出さなければならぬと書いてある。しからば四十四年度分は当然出されておらなければならない。開始前、いま三月七日ですよ。目下作成中、そんなばかなことがありますか。

後藤正記通商産業省化学工業局長

○後藤政府委員 お答えいたします。  ただいま仰せのとおりであります。三月度中、つまり営業年度の開始の前までに会社から提出されることを期待いたしておりますし、また、提出させなければならぬと通産省としては考えております。

加藤清二日本社会党

○加藤(清)委員 会社は、法律に定められておるとおり毎営業年度の開始前に提出しなければならぬ、それを審議して、その許可がなければ営業に着手することができないはずなんです。きょうは三月七日です。そんなに押し詰めていって、通産省はこれを審議するひまがありますか。いつの期間に審議させようとするのですか。合併のほうの都合のいいことだけは事前審査をやるけれども、都合の悪いほうのことはぎりぎりのところまで追い込んで提出せずにおいて、うやむやでめくら判を押させようなんて、そんなばかな話がありますか。

後藤正記通商産業省化学工業局長

○後藤政府委員 詳細なる書類は、ただいま川崎参考人から申し上げましたように、現在作成中、提出の途次にあると考えますが、その概要につきましては、非公式な段階におきまして私どもの手元に到着いたしておりますので、もちろん四十四年度を含めまして、日本合成ゴム株式会社の今後の事業計画と資金計画について申し上げたいと思います。

加藤清二日本社会党

○加藤(清)委員 いや、質問に答えてください。とにかく、いまの書類は監督当局が十分に審議できるような時期に提出してもらわなければならぬ。だから私はさっき言ったのです。私企業と間違えてみえるんじゃないですか。少なくとも来年度の予算というものは、国会もそうです、寝ずにやっておる、一月末までには提出されるのがあたりまえなんです。予算も衆議院を通過してしまって向こうへいっている。これは予算に関係がある。決算に関係がある。それがどうして出てこない。怠慢という以外に手はないでしょう。だからさっきも言った。これは国策会社なんです。なぜ出さない。いまこうやって去年出しておるからと言ったって、それが通過してない。通過せぬ先から、通過したかっこうをみんな順番にとっておる。こういうものにまでとっておる。そこは突っ込まぬつもりだからもうやめますけれども、通過したという態度で臨んでおる。冗談じゃないです。国会軽視もはなはだしい。  第五条の二、「財産を譲渡し、担保に供し、又は有償で取得しようとするときは、通商産業大臣の認可を受けなければならない。」したがって、当然のこととして、第一回、第二回の国有財産の処理にあたっては通産大臣は厳重な調査をなさったと思います。そのときの模様を簡潔に。認可をしたかしないか、認可をしたならば、その理由は何か、これだけ。

藤尾正行自由民主党通商産業政務次官

○藤尾政府委員 当時の通産大臣は、法律の規定に基づきまして大蔵大臣と御相談をいたしまして、その処分が適当であるという確認の上にこの処理をいたしました。

加藤清二日本社会党

○加藤(清)委員 本委員会にかけられましたか。

後藤正記通商産業省化学工業局長

○後藤政府委員 かけてございません。

加藤清二日本社会党

○加藤(清)委員 すでに時効になったとお考えでございますか。なるほど、当時の大臣、当時の局長、当時の方々はいまここに一人も見えません。あなたたちは気の毒なんです。人のしりぬぐいをやっているのですからね。だから私は、あなたたちを責めようとは思っていないということを何度も申し上げておりますが、国有財産が十億も処理されるにあたって、生んだ当委員会に相談もかけずに行なうという手がございますか。いまの大臣はそれを妥当だと思っていられますか。

藤尾正行自由民主党通商産業政務次官

○藤尾政府委員 私ども通産省といたしましては、この合成ゴム株式会社の法律に基づきまして、この会社がりっぱに一本立ちができるという、その法律の所期の目的を果たしたという確認をいたしましたときには、この株式をそれぞれの手続によりまして処分をしてよろしいという条章がございます。その条章に応じて処理いたしておるわけでございますので、法的手続といたしまして私はそこに違法な部分はなかった、かように確信をいたしております。ただし、加藤委員の御指摘のように、この合成ゴム株式会社が生まれたという過去の経緯、これが当委員会におきます御承認を受けて成立をしてきておるという事実から考えまして、この委員会にその当時の模様について御報告を申し上げる、道義的な問題としてその責任を持たなければならぬということは、私は認めざるを得ないと思いますし、今日ただいま、事後ではございますけれども、廃止をめぐります法律案の御審議をいただくにあたりまして、この問題についての詳細を御報告申し上げてみたいということで、御報告申し上げておるわけでございます。

加藤清二日本社会党

○加藤(清)委員 会社側は、この十億を処理するにあたって、どことどこに相談をかけられましたか。

川崎京市日本合成ゴム株式会社副社長

○川崎参考人 この株式は国有でありますので、会社側としては特に何も手を下しておりませんが、こういう処分先については会社の安全度にも関係がありますので、希望は申し上げております。

加藤清二日本社会党

○加藤(清)委員 いいえ、私の聞いていることは、処分するにあたって、会社単独でおやりになったか、それともどこかと相談なさったか。

川崎京市日本合成ゴム株式会社副社長

○川崎参考人 株式の処分は国家でおやりになることで、会社ではありません。したがって、何も会社は相談をいたしません。

加藤清二日本社会党

○加藤(清)委員 それはあなたは筋論を言っていらっしゃる。それじゃ、あなたがうそだということをはがすために逆に聞きますよ。  通産省は立ち入り検査をなさいましたか。

後藤正記通商産業省化学工業局長

○後藤政府委員 特にいたしませんでした。

加藤清二日本社会党

○加藤(清)委員 立ち入り検査も何もない。そうすると、書類審査で国家は売却をきめた、こういうことになる。それはかっこうは国家の意思でやったに違いない。そうしなければあなたたちはうしろ手ものだ。だからそう答えるにきまっている。しかし、会社のほうから申請を出しているでしょう。タッチしませんのなんのって、そんなばかな言いようがどこにあります。今度の合併でもそうだ。そういう言いようをすれば、今度の二社合併でも、わしらは知らぬ、公取が許したんだ、こう言うている。意思表示は会社自体がやっておるんでしょう。すでにオリンピックのころにやられたんでしょう。意思表示の主体は会社にあるはずだ。そういう答弁をするから時間がかかるんだ。

川崎京市日本合成ゴム株式会社副社長

○川崎参考人 オリンピックの年かどうかは確かに覚えてはおりませんが、大体当社も国から非常な恩恵をこうむってそしてりっぱにここまでなったので、法律の中にこういう条項があるのを知っておりますから、それで、もし御処分する時期にこられたとお感じになれば、われわれは、会社の今後の発展、それから会社の今後の安定を考えますと、こういうふうなことを希望しておりますという申し出はいたしております。

加藤清二日本社会党

○加藤(清)委員 会社の申し出があればこそ通産省はこの挙に出てきた。通産省のほうはろくさま書類ももらっていない。――あなた首振るなら、早く財産目録から何から出しなさい。出していないでしょう。出さなかったら、あなた違反ですよ。これは三十万円の罰金ですよ。まともにやっておるというなら、早く出せばいいでしょう。全然出してないじゃないか。意思表示をしたに違いない。それでもって、タッチはしておりませんなんという答弁がどこにあります。そういうことをおっしゃるならば、どうしても私は聞かなければならぬ。株主総会の記録を提出願いたい、だんだんあなたの意思でやったということを掘り下げていきますから。

川崎京市日本合成ゴム株式会社副社長

○川崎参考人 毎決算期ごとに、各株主総会の記録も、それから営業報告書も有価証券報告書も提出しております。  それからタッチということばは、まことに粗雑なことばで申しわけありませんが、私自身は実際こういう場所に臨んだことも生まれて初めてですし、しかも根が野人なもので、ことばが非常に粗雑で、その点正確な表現はいたしかねますが、国からこの株式を売られることに私はタッチをしていないと申し上げたので、その前に、会社は、もし売られるとすれば、こういう先はぜひ考えてあげてほしい、そういう希望を申し上げたのでございます。

加藤清二日本社会党

○加藤(清)委員 原案はあなたのほうでみんなできておるのです。こんなことは委員諸公みんな知っておるのです。原案はみんなあなたのほうでできておる。価格から、払い下げする先から、みんなできておる。あなたのおっしゃるとおり、なるほど、それは確かにこういう席は初めてで、いろいろ思うことが表現しにくいでしょう。しかし、表現しにくいだけじゃいけないのです。法律で義務づけられておる提出書類だけは出してもらわなければいかぬ。そうしなければ、三十万の罰金です。かりにこの法律が通ったとしても、その義務だけは消滅はできませんよ。当然のことながら、罰則だけさかのぼって生きてきますよ。それで、もしそれができないということになれば、これはやむを得ず法案の実施日を延ばさなければならぬ。かりに法案が通過しても、施行日をずっと先に延ばさなければならぬことになりますよ。  次に会計検査院にお尋ねしますが、あなたのところも立ち入り検査はしていらっしゃらないですね。どうです。

斎藤実会計検査院事務総局第一局長

○斎藤会計検査院説明員 会計検査院は、会社はもちろんのこと、ほかの国の機関等につきましても、臨検検査の権限は法律上ございません。

加藤清二日本社会党

○加藤(清)委員 ところで、この会社は、貸借対照表だけございますので、私それで見ますると、これはもう皆さんのところに配られていると思いますが、三百五十億余の資産がございますね。こういう場合に、国策会社として出資をして、そして十年営々と働いた、その結果これだけ成績をあげてきた。だから、その点は、私はこの委員会の冒頭に、会社の御努力はまことにおめでとうございましたとほめておきました。しかし、いよいよ政府が四割の持ち株を売る、それは当然だ。政府が持っている株だから、政府が売るというにきまっておる。しかし、買われたのは、ほとんど会社の意思のとおりに買われているのです、払い下げした対象は。会社がタッチしないはずはない。それはまあいいとして、三百億の財産がある。特に国家の指導によって得たところの特許権、その他その他、特許権だけでも九つの余はある。こういうものを処理するにあたって、政府として、株だけを問題にして、証券だけの始末がつけばあとの問題は野放しで、これでよろしゅうございますか。これはいかがなものでございますか。

斎藤実会計検査院事務総局第一局長

○斎藤会計検査院説明員 この株式の譲渡につきまして、会計検査院として問題とすべき点は、私は二つあるんじゃないかと思っておるわけなんです。一つは、これを随契でお売りになったということと、一つは、価格が妥当であったかどうかということ、この二点が検査院としては考えるべき問題だと思っております。ところが、これを随契でお売りになったのは、法律上は、会計法の二十九条の三の規定によりまして、政令をもって定めた場合は随契で売ることができるということによって随契にされた。法律上は違法ではないということでございます。ただ、それを随契にすると政令を制定するということについての政治的な判断につきましては、これは産業政策上の問題で、会計検査院のタッチすべき問題でない、私はかように考えております。  それから価格の問題につきましては、三千百六十円の前の入札の価格は、ほかの二番札以下の札に比べまして非常に高価であったということで、それは会社の資産の清算価値なりあるいは収益率であるとか、あるいはその途中で売買されておる価格というようなものを総合勘案しておやりになったというようなことで、一応は妥当ではないかと考えておるわけなんですけれども、先ほども申し上げましたように、これは来年度に検査すべきものでございますから、事実その他につきましてはそういう措置をとるべきであろう、こういうぐあいにただいま考えております。

加藤清二日本社会党

○加藤(清)委員 そうすると、いまの株以外の会社が取得している財産についても、時期がきたならばある程度調査する、こういうふうに受け取ってよろしゅうございますか。

斎藤実会計検査院事務総局第一局長

○斎藤会計検査院説明員 それは先ほども申し上げましたように、私の権限外のことでございます。これは一応会計検査院法二十三条によって、必要と認めた場合には会社を検査をすることができるということでございまして、しなければならないということではございませんので、するべきかどうかについての判定を一局長だけですることはできないと考えております。

加藤清二日本社会党

○加藤(清)委員 それでは委員長に申し上げますが、いま答弁願いたいといったって、これはちょっと無理ですね。

大久保武雄自由民主党

○大久保委員長 加藤君に申し上げます。第五局長を呼んでおります。間もなく入ります。

加藤清二日本社会党

○加藤(清)委員 何でしたら、これは委員長の取り計らいのよろしきを得て、あとで御答弁願えれば、それでもけっこうです。進めることに協力をいたします。

大久保武雄自由民主党

○大久保委員長 加藤君に申し上げます。いま第五局長が入りました。

加藤清二日本社会党

○加藤(清)委員 それじゃ答えてください、答えられるなら。

小熊孝次会計検査院事務総局第五局長

○小熊会計検査院説明員 途中で参りましたものですから、先生の御質問を的確に把握していないかと思いますが……

加藤清二日本社会党

○加藤(清)委員 それではあなたはあとでいいです。重複すると時間が長くなりますから、皆さんに御迷惑ですから、早く進めますので、記録なり第一局長に聞いて、あとで答えてください。それでけっこうです。  いまの第一局長のお話でございますけれども、もちろん、国会の要請があった場合にはこの限りではないことは、御案内のとおりですね。政府の要請等々、条文に照らし合わせてみればよくわかる。その論争を私はやろうと思っていませんので、次に行きます。  この払い下げの方法でございますが、これは競争入札でなかったことは会計検査院も御案内のとおりですね。最初は競争入札であった。ところが、それは十分の一だけである。十分の九は随契であったとあなたはおっしゃいましたね。そこで問題なんですが、値段が競争入札のときは幾らで、随契のときは幾らになっておったか、御記憶でございますか。

斎藤実会計検査院事務総局第一局長

○斎藤会計検査院説明員 たしか競争入札のときは一株三千百六十円だったと思います。それから随契のときは二千八百円でございます。

加藤清二日本社会党

○加藤(清)委員 競争入札をすれば三千円を上回って売れた。随契のときはそれを下って売られている。こういう結果になればこそ、国民が疑い、追跡記事が書かれるということになる。たとえば、先年、本委員会――というよりは、国会で問題になりました九頭竜川事件もそうですね。これは入札のことでございまするけれども、競争入札が行なわれた。ほんとうは一番安値に落ちれば問題はなかったわけなんです。安値の人をオミットして、高値にさした人に事業をやらせた。そこで九頭竜川事件がついに田中事件に発展したわけなんです。しかも、安売りされたのが、株価がだんだん下がっていった時期ならばやむを得ないのです。ところが、逆に株価が上がっておるときなんです。上がっていったときになぜ下げて売らなければならないのか。ダウ平均を時間的につき合わせてごらんになるとよくおわかりでございます。いまや天井相場になっている。上向きのときです。会社としても、あるいは特に国家としては高く売りたいがゆえに、オリンピックのころにすでに配当が行なわれるようになって独立ができるにもかかわらず、あまり国家の株を安売りしては国民にすまないというので、延ばしてきたのです。この問題はどう理屈をつけて御説明なさっても、企業の人が自分の持ち株を四割も売るということになれば、理解に苦しむところなんです。高く売れるのになぜ安く売らなければならないのか。これが功労株であるとか増資のときならば、これはやむを得ません。増資の場合に、市場相場でなくて額面相場で旧株主に配当したというならば、わかるのです。そういう前例はありますからね。しかし、同時に持っておる株主同士が株の売買をやっているわけです。そういうときに相場より安くバイカイするというのは、よほどのことがなければあり得ない現象なんです。これについて、検査の立場にある会計検査院としては一体どのように思っておられますか。すでに新聞雑誌が書いておることでございます。意見が一致しておるのですよ。

斎藤実会計検査院事務総局第一局長

○斎藤会計検査院説明員 その点につきましては、先ほども申し上げましたように、あるいは入札にすれば三千百六十円で売れたかもしれませんけれども、また売れなくても、国としては、入札であるからしかたがないということでよろしかったかとも思います。しかしながら、国としましては、国の資産を高くさえ売ればいいということになるのか、産業政策上、随契である特定の人に売却するほうがいいかということになりますと、検査院としましては、もちろん、国の資産をできるだけ高く売るというのがよろしいという立場に立ちますけれども、また別途、商工行政上それよりも必要なことであるということで随契にされれば、それを安く売られてもいたしかたがないところで、検査院としてこれを指摘すべき問題ではない、権限外だと思います。

加藤清二日本社会党

○加藤(清)委員 権限外だとおっしゃる。そのとおりです。しかし、国民の意思というものは権限外で行なわれる、その国民の声を権限外だからというので押えるわけにはいかない、会計検査院はそれで済むでしょうけれども、われわれ国会の、最高の権威としてこれを審議する者は、これを無視することができないわけなんです。したがって、もう一歩論を進めていきますが、会社側としては、この株の払い下げですね、随契よりも、国家の財産ですから払い下げですが、この払い下げは妥当だとお考えになっておりますか。

川崎京市日本合成ゴム株式会社副社長

○川崎参考人 私どもは妥当だと思っております。

加藤清二日本社会党

○加藤(清)委員 これはそう答えなければならぬ。ところで、価格は、競争入札で一割は高く売れたけれども、九割は随契で安売りがされた。事実そうなんです。今度その九割を随契で払い下げを受けた内訳はどういうかっこうになっておりましたか。

川崎京市日本合成ゴム株式会社副社長

○川崎参考人 結果はどうなったかと申しますと、払い下げ処分が行なわれた後でございますが、ゴム工業会が百十七万二千二百四十株で、全体の四六・九%を占めます。それから原料供給者側が八十六万一千二百八十株で三四・五%、それから製品の取り扱い商社が八万四千五百六十株で三・四%、損害保険関係が八万五千九百九十株で三・四%、金融機関が十四万一千二百二十株で五・六%、役員、従業員が十一万六百十株で四・四%、その他四万四千百株で一・八%であります。したがいまして、合計二百五十万株のパーセントという割合になります。

加藤清二日本社会党

○加藤(清)委員 それを簡単に集約してみると、額面金額について最初の一億はのけて九億の始末、すなわち九十万株の始末は、大体旧株主が六〇%、従業員が一〇%、原料供給者が一〇%、金融関係が一〇%、これを試算してみますと大体こうなるのですね。それはお認めですか。

川崎京市日本合成ゴム株式会社副社長

○川崎参考人 そのとおりだと思います。

加藤清二日本社会党

○加藤(清)委員 これは政府のほうからこうせいと言われたのか、それとも、こうすることが会社の都合がいいからというので会社の側から原案が出たのか、どっちですか。

川崎京市日本合成ゴム株式会社副社長

○川崎参考人 これは政府のほうできめていただいたものであります。

加藤清二日本社会党

○加藤(清)委員 最終決定はそうです。そんなことは聞かなくてもわかっている。原案はどっちだったかと聞いている。政府の所有権ですから、最終決定は政府がするにきまっている。

川崎京市日本合成ゴム株式会社副社長

○川崎参考人 会社は単に意見とか希望は申し上げておりますけれども、決定はいたしません。

加藤清二日本社会党

○加藤(清)委員 会社の意見とこの決定とが一致しておりますか、それとも違っておりますか。

後藤正記通商産業省化学工業局長

○後藤政府委員 当時におきまして会社の意見をも徴したことは、私ども当時担当しておりませんでしたが、聞いております。しかし、細部にわたりましてはいかがかと思いますが、全般の形としては会社の希望もある程度この中に反映いたしまして国としての方針を決定いたしたことになっております。

加藤清二日本社会党

○加藤(清)委員 決定は国家がしたのですから、経過がどのようであろうとも、それは責任ある答弁をせなければならぬ。それはあなたたちのつらいところだ、自分のやったことじゃないのだから……。  それじゃお尋ねするが、原料供給者が九十万株の払い下げについては四割の余を占めておる。ところが、員数は八人である。従業員はその四分の一の一〇%である。しかるに希望者は従業員で千四百五人もあった。なぜ原料供給者人名に対してこんなにたくさんの株を配分なさったのか。これは株にすると四十万株も行っている。   〔委員長退席、小宮山委員長代理着席〕

藤尾正行自由民主党通商産業政務次官

○藤尾政府委員 御案内のとおり、私どものこの法律の目的といいまするものは、事業が安定をするということが第一の趣旨でございます。したがいまして、その原料供給者とユーザー、この二つが安定をしてくれるということが、この会社の安定を保障する一つの大きな要素である。また、従業員の各位がこの会社の発展ということに非常に努力をせられたという関係から、その従業員の方方にもその御希望に応じて適当なる配分をいたした、かように考えております。

加藤清二日本社会党

○加藤(清)委員 私は、従業員とは、役員、従業員を合わせてです。それで、役員や従業員の努力のゆえにりっぱな会社に育った、けっこうなことですと、冒頭に申し上げましたのですね。この従業員の方々にたくさんな株、希望する株が払い下げられているならば何をか言わんやです。功労株として当然のことなんです。しかも値段が時価相場より安くされても、言うなれば社内配給でございまするから、私は何をか言わんやだと思います。ところが、その役員、従業員は非常に少なくて、わずか八名の原料供給者には三十九万株、たいへんな倍率なんです。なぜこういうことが行なわれたであろうか、これは国民がひとしく疑問に思っているところなんです。専門雑誌にもそう書いている。なぜこうなっただろうか、いまの御答弁ではその国民の疑惑を払拭するには足りないと思います。

後藤正記通商産業省化学工業局長

○後藤政府委員 私からお答え申し上げます。  その前に、この株の随契による配分方式をとりました基本的な考え方についてでございまするが……。

加藤清二日本社会党

○加藤(清)委員 わかります。ちょっとあなたの発言をとめちゃ悪いけれども、時間が、一日かかっていいとおっしゃるなら、そういう質問以外のことをお答えいただいてけっこうでございます。委員長、一日じゅう時間をもらえますか。無制限にいただけるなら、質問以外のことを答えていただいてもけっこうです。しかし、時間制限がございますね。

小宮山重四郎自由民主党

○小宮山委員長代理 さようでございます。

加藤清二日本社会党

○加藤(清)委員 急げ、急げとおっしゃる。ごもっともです。皆さんも腹減らして待ってみえる。では、御答弁のほうも質問に合わせて……。あなたがよく勉強してみえて、たいへんな努力をしてみえることはよく知っておる。だから、エキスのところだけをさっさとお答え願いたい。

小宮山重四郎自由民主党

○小宮山委員長代理 政府委員に申し上げます。答弁は簡潔にお願いいたします。

後藤正記通商産業省化学工業局長

○後藤政府委員 まずこの九億円に当たる部分は、既存の株主につきまして、処分株式の六割、六十万株を従来の持ち株数に応じて割り当てました。それから役員、従業員につきましては、約十万株をその給与ベースに応じて割り当てました。新規に株主となる原料供給者及び銀行につきましては、さきの二つのやり方で割り当てた残りの株と、それから、割り当てたけれども、辞退をという意向表明のありました株、合計いたしまして二十七万七千株を配分いたしたわけでございます。特に原料供給者のほうが数が少なくなっておりますのは、石油化学の特性といたしまして、非常に最初の段階におきましては原料としてのオフ・ガス、次の段階におきましてはナフサからのBB溜分と申しまするものを供給いたします石油化学の会社というものの数が限られておったためであります。

加藤清二日本社会党

○加藤(清)委員 私の質問、私の疑問、それはまだ解けませんですね。上に厚く下に薄い、結果から言うと。どう理屈をつけてみても、これは厳然たる事実なんです。これはあとで批判が残ります。それについて当委員会においてどのように処理されるかは、またこれ理事会にかけてもらわなければならぬと思いまするが、とにかく、だれが何と言おうと、一部のいわゆる大きい企業の方にはたいへんな倍率で払い下げられる。功績のあった従業員には一人当たりわずか五十株なんです。ところが、原料供給者は八人で四十万株なんですよ。四十万を八で割ったら、五、八の四十で、五万株ずつだ。一人で五万株。ところが、従業員は五十株。これはどう考えたって、上に厚く下に薄いと言わざるを得ない。それは従業員は買う力がないと言われるかもしれません。しかし、先ほど安定株主論が出ましたけれども、事、安定株主という以上は、従業員に持たせて、それを上場された場合といえども、なお会社の組合や会社の株式課でこれを処理するということが安定株主の第一歩であることは、私よりも、企業をやってみえるあなたたちのほうがよう御存じなんだ。そういう会社がたくさんに成績をあげておること、また同断です。たとえばといって名前をあげるとたいへんですが、千四百円の余はね上がっておった、六百円になっておったりする株がございまするけれども、ほとんどそうです。いま言った安定株主の立場に立っておる。それは従業員にでき得る範囲内において一番多く持たしておるということなんです。それを市場に出しても、社内の移動は可能だから、外へは出さない。これがやがてアメリカの資本の敵前上陸に対する備え方というものです。なぜ原料供給者にのみ引き続いて――ゴム業者もございまするけれども、これは理解のできぬところでございます。  次に申し上げますが、いまの会社の重役さん、その出身の親会社、これの関係をながめてみますると、重役には通産省から出られた人と企業側から出られた人がございまするが、企業側から出られた会社は、例外なく十万株以上持っておる。うそだ、それは間違いだとおっしゃられるといかぬから、ひとつ、副社長さんの親会社は結果として何株持ってみえますか。

川崎京市日本合成ゴム株式会社副社長

○川崎参考人 私の出身の会社ははっきり覚えていないのですが――わかりました。合計で十七万五千二百八十株でございます。

加藤清二日本社会党

○加藤(清)委員 そうですね。十七万株以上でございますね、一社だけ。しかし、従業員とこの会社の重役とを全部合わせてもほんのわずかなんです。五十株、百株を総トータルとってみたって、その一社の約半分くらいにしかならない。これは平等でございましょうか。それとも、この会社は従業員に株を持つ能力がないとお認めでございましょうか。いかがでございましょう。

後藤正記通商産業省化学工業局長

○後藤政府委員 従業員につきましては、引き受け能力等も処分の際の対象のファクターに考えたという点は事実でございます。

加藤清二日本社会党

○加藤(清)委員 能力は幾らでもあるんです、発掘すれば。たとえばボーナスどき、たとえば給料どき。なぜそれが言い得るか。あなた、この会社の従業員の社内預金がどれだけあると思いますか。社内預金を言うてみてください。

川崎京市日本合成ゴム株式会社副社長

○川崎参考人 約三億かと思います。

加藤清二日本社会党

○加藤(清)委員 あなたが提出された書類によりますると、四億の余に相なっております。いずれがほんとうでございますか。

川崎京市日本合成ゴム株式会社副社長

○川崎参考人 いま書類を見ておりますが、私ははっきり数字は覚えておりませんが、三億をこしたことだけは記憶にありましたから、それを申し上げたのでございます。四億五千五百六十一万九千六百九十一円であります。

加藤清二日本社会党

○加藤(清)委員 さっきの三億が正しいのですか、四億五千万が正しいのですか。

川崎京市日本合成ゴム株式会社副社長

○川崎参考人 九月三十日現在では、あとの数字が正しゅうございます。

加藤清二日本社会党

○加藤(清)委員 わかりました。私もそのように記憶いたしております。  局長、能力はかくのごとくである。五億になんなんとする社内預金がある。社内預金は預金の一部である。銀行預金、郵便貯金、その他その他、従業員は、女房のへそくりまでを入れたら、これは相当なものです。これでも株を持つ能力がないというんでございましょうか。だれがそのように判定できるでございましょうか。自分の会社を愛しない従業員は一人もありません。自分の会社をよりよくし、それを安定するためには、従業員は、重役に限らず、労働者に限らず、みんな同じなんです。ただ重役だけが自分の古巣の力を知ってそこに買わせて、従業員だけは買う能力がないとお認めでございましょうか。

藤尾正行自由民主党通商産業政務次官

○藤尾政府委員 私は、社内預金の多寡だけがすべてその株式を持つ能力を判断する資料とは思いません。したがいまして、社内預金が四億あるということはまことにけっこうなことでございまして、会社がそれだけの十二分の給与を行ない、そうして従業員各位におかれましては、その給与の中においてそれだけのものを社内預金としてお積み立てになったということでございまして、その従業員の各位がその社内預金をもって株を買いたいといって申し出られましたときに初めて、その株を持つことが、ほかの株主に、私どもと比べてどうかという判断が出る基準である、私はかように考えます。

加藤清二日本社会党

○加藤(清)委員 基本論はあなたのおっしゃるとおりでございます。それを否定いたそうとは思いません。しかし、あなたのおっしゃるように、株を買う能力と意欲というものは、これはうらはらの問題ではなくして、一致した問題なんです。したがって、その能力を発掘することが、安定株主の養成、安定株主はやがて会社の安全に通ずるということを私は言いたいのでございます。  ところで、会社のほうが、どうも上に厚く下に薄過ぎるではないかという実例をもう一つだけ申し上げます。  副社長さん、あなたの会社の一人の人で社長を四つ、常務を四つ兼ねていらしゃる人があるのじゃございませんか。

川崎京市日本合成ゴム株式会社副社長

○川崎参考人 社長を四つ、常務を四つ兼ねているのは、ちょっと思い当たらないのですが……。

加藤清二日本社会党

○加藤(清)委員 わかりました。それでけっこうです。それでは読み上げてみます。名前はあえて差し控えます。その人は、ブリヂストンタイヤ大阪支店長でいらした。三十六年に日合商事の取締役をやられました。三十八年に日本ゴム加工の取締役でございます。三十八年日本ラテックス加工の取締役でいらっしゃいます。三十九年、日本ゴム加工の取締役社長、四十年日本ゴム加工の取締役社長、四十三年、日本カラーリング株式会社の取締役社長、四十三年、九州ゴム加工の取締役社長、四十三年、日本合成木材の取締役社長、これは間違いでございますか。   〔小宮山委員長代理退席、委員長着席〕

川崎京市日本合成ゴム株式会社副社長

○川崎参考人 そのとおりでございます。

加藤清二日本社会党

○加藤(清)委員 それでいいです。そうなりますと、社長四つ、常務四つ、なお古巣のブリヂストン、これにも関係これありということになりますると――しかもこれは日本合成ゴムの常務でもいらっしゃるわけです。この人は優に十になんなんとする重役、社長を兼ねていらっしゃる。したがって、一週間に一度も出席できない会社が出てくるはずなんです。それでも社長さん、それでも常務さん。日本合成ゴムという会社はそんなにのんびりした会社でございましょうか。

川崎京市日本合成ゴム株式会社副社長

○川崎参考人 いまの先生のおっしゃった各兼務している会社は販売部の別働機構でございまして、勝本常務が販売担当常務として全部をまとめておるわけでございます。

加藤清二日本社会党

○加藤(清)委員 兼ねていらっしゃることはお認めでございますね。

川崎京市日本合成ゴム株式会社副社長

○川崎参考人 はい、認めます。

加藤清二日本社会党

○加藤(清)委員 もとより、集中排除法は解けました。ですから、違法であるとは言っておりません。しかし、この人の能力――聞くところによれば、社長さんは過労のゆえに御入院中と聞いております。この社長さんはわずか三つぐらいしか兼ねていらっしゃらないはずでございます。それでも過労で御病気、入院。審議の最中といえども出席ができない。それほど日本合成ゴムというのは忙しい会社のはずなんです。私はそれを非難してやめさせようなどとは思っておりません。大臣、上に厚く下に薄いのじゃありませんかと言うておる。あえてこの人の給料や月給を云々しようとは思いません、調べてはありますけれども。これは過労になるのじゃございませんか、大臣。

藤尾正行自由民主党通商産業政務次官

○藤尾政府委員 まあ私も不勉強で、加藤先生のように、重役のお一人お一人がどこでどれだけの役員を兼ねられて、そうしてどれだけの給料をもらっておられるかということについてり勉強が不足でございますので、まことに申しわけないことでございますけれども、いまの加藤委員の御質問で、上に厚く下に薄いという御指摘ではございますが、はたしてそうであるかどうかということを、その一事をもって、私から、これは上に厚く下に薄いのであるということを申し上げるわけにもまいらぬわけであります。

加藤清二日本社会党

○加藤(清)委員 この株の払い下げ、割り当て等々、それから価格の問題については、おたくのほろで提出なさいました、東京大学名誉教授鈴木竹雄さん、この人の批判も読ませていただきました。時期と価格が妥当である旨が述べてございます。しかし、必要な法的手続については全然触れておられません。いわんや、国会にこれをはからずに、かってに処分してよろしいとは、どこにも書いてない。私は、当然これは国会にはかられてしかるべきである、そうして国民に公開するところの義務がある、かように存じます。  そこでお尋ねしますが、これはちょっとよそ道へ行きまするけれども、本年度予算を見ますると、電源開発の株の、政府持ち株が売られるということに相なっております。この場合、やはり国会にかけずに、予算だけ通しておいて、国会に審議してもらわずに処分なさる御予定でございますか。

藤尾正行自由民主党通商産業政務次官

○藤尾政府委員 この問題につきましては大蔵当局からお答えさせます。

青鹿明司大蔵省理財局次長

○青鹿説明員 予算には確かに電源開発株式会社の株式を処分することにいたしておりますが、ただいま、今後どうするか、先刻の御質問もございましたので、手続につきましては慎重に検討いたしたいと思います。

加藤清二日本社会党

○加藤(清)委員 ごもっともな御答弁でございます。これは慎重を要しないと、これといまのゴムとミックスされてすでに経済専門雑誌の批判の対象になっていることは、あなたたちもよく御案内のとおりでございます。国民の疑惑のままに国有財産が処理されるということは、決してよろしいことではないと思います。株の処理は、特に国有財産の処理は、国民の納得の上で、公平の原則の立場で処理されることを切に要望しておきます。いずれ決算委員会でこれはまた相まみえることになるだろうと思います。  さて最後に、もう許された時間があとほんの少々しかございませんので、将来計画について特にお尋ねをいたします。  日本合成ゴム法によれば、財産諸表から、貸借対照表は当然のことでございますけれども、事事計画の許可を得なければならぬことに相なっております。まだ法は生きております。したがって、その意味においてお尋ねいたします。もう一度念を押します。将来計画の書類はいつ提出されますか。

川崎京市日本合成ゴム株式会社副社長

○川崎参考人 目下作成中でございまして、でき上がり次第提出いたします。

加藤清二日本社会党

○加藤(清)委員 それはあなた、でき上がってあたためている人はない。その時間はいつかと聞いた。

川崎京市日本合成ゴム株式会社副社長

○川崎参考人 ここ一週間以内ぐらいにできると思います。

加藤清二日本社会党

○加藤(清)委員 その書類をぜひ本委員会へも御提出願いたい、大臣いかがです。

藤尾正行自由民主党通商産業政務次官

○藤尾政府委員 必ず提出をいたさせます。

加藤清二日本社会党

○加藤(清)委員 なぜかならば、漏れ承るところによりますと、直ちに増資が行なわれるという話なんです。それはさしあたって五億である。しかし、会社の内容を聞いた経済記者さんたちからまた漏れ承れば、ここ一年ないしは一年半程度のところで倍額増資が行なわれると聞く。現在二十五億、それに最も期近に五億の増資が行なわれると三十億、その三十億が倍額増資されますと六十億、飛躍的な伸び方でございます。したがって、そのような場合には、当然のことながら、私ども育てた者としては、その最も期近な行くえと事業計画だけは承っておかなければならぬ責任があるわけなんです。いま私が申し上げました事業計画――というより、資金計画でございましょう、それは間違いでございますか、それとも、そのような御予定が内定いたしておりますか。

川崎京市日本合成ゴム株式会社副社長

○川崎参考人 内定と申すよりは、われわれの希望としてそういうことを胸に抱いております。ただ、-内定というところまでまだ固まってはおりません。

加藤清二日本社会党

○加藤(清)委員 では、もう一週間以内に出るという計画書の中に、五億増資のことは入っておりますかおりませんか。

川崎京市日本合成ゴム株式会社副社長

○川崎参考人 入っております。

加藤清二日本社会党

○加藤(清)委員 わかりました。そうすると、この会社が独立した、政府の手から離れたとたんに増資が行なわれる、こういうことでございますね。  そこで問題になる点は、会社の成績は上昇の一途である、シェアは独占に近い、技術導入も旺盛である、特許権もあまた持っている、子会社は、いま某氏が社長、常務を兼ねているように、直系である、しかもそれは本社株もある程度持っている、生産の品物のうちに世界第二を数えるものがあるとなりますと、この五億の株を売り出されるときに、一体株価はどうなりますか。

広瀬駿二大蔵省証券局長

○広瀬政府委員 いま私のほうの政府委員室の者とちょっと話をしておりましたので、おそれ入りますが……。

加藤清二日本社会党

○加藤(清)委員 それではもう一度繰り返します。  いまこの会社は独立しますと、最も期近に五億の増資をする。二十五億が三十億になります。一年か一年半、もうすでに期日まで表明をしておる重役さんも見えますけれども、それは倍額増資をする、六十億になる。ついこの間十五億であった。政府が十億持っているのですから、民間が持っているのは実質十五億、それをまた民間が十億買って、いま二十五億、次にプラス五億、倍額で六十億、飛躍的な伸びですね。しかもなお、この株は第二銘柄に上場されると聞く。そのときの値段はどうなるでしょうかと聞いた。その内容はどうか。成績は上昇の一途である。製品の販売シェアはほとんど独占である。輸出もたいへん好調である。技術導入もよい。技術の輸出まで行なっている。子会社はというたら、本社重役が子会社の社長と常務を八つも兼ねている人がいる。ということは、子会社が全部直系であるということなんだ。ますますとりではかたいということですね。そのつくられる製品は数量だけでも世界第二である。いいファクターばかりそろっていますね。こんな条件のそろったというものは少ないです。これが第二銘柄に上場される。一体今日の株価と比較してどうなるだろうかということを聞いている。

広瀬駿二大蔵省証券局長

○広瀬政府委員 株価の形式というのは、非常に複雑な要素がからんでおるのでございまして、その会社の将来性、成長性だけでも必ずしもいかないし、需給関係、思惑等も作用しますので、どうなるかという的確なお答えはできかねます。

加藤清二日本社会党

○加藤(清)委員 では一つ一つ聞いてみましょうか、この問題を抜きにして。証券局だったらようわかるでしょう。  含み資産が多いということは、株価に悪影響があるか、よい影響があるか。基本論でいきましょう。

広瀬駿二大蔵省証券局長

○広瀬政府委員 いいだろうと思います。

加藤清二日本社会党

○加藤(清)委員 ごもっとも。  商品のシェアが独占的である、これは株価にいい影響か悪い影響か。

広瀬駿二大蔵省証券局長

○広瀬政府委員 独占的であるために非常に利益が大きいということでありますならば、そのとおりでございます。

加藤清二日本社会党

○加藤(清)委員 世界で斬新的な技術を九つも十も持っている、これは株価にどのような影響がありますか。

広瀬駿二大蔵省証券局長

○広瀬政府委員 それも企業の成長性に非常にプラスであるということでありますれば、おっしゃるとおりです。

加藤清二日本社会党

○加藤(清)委員 現在株を持っている人はほとんど安定というてよろしい、会社のほうもそう述べておる。安定株主の株は株価にどのような影響がありますか。

広瀬駿二大蔵省証券局長

○広瀬政府委員 安定株主の影響は、株価が安定するということであります。

加藤清二日本社会党

○加藤(清)委員 子会社が本社と直系である、株を子会社と親会社が持ち合っている、しかも重役陣も交流いたしておる、これは株価によい影響か悪い影響か。

広瀬駿二大蔵省証券局長

○広瀬政府委員 その辺もやはり安定的だということだと思います。

加藤清二日本社会党

○加藤(清)委員 以上を総合したならば――これは全部足し算だ、数学でいったら、代数式じゃない、四則の一年生の算術だ。マイナスの要素はないとすれば、足せばこれはプラスになりますね。あくまで基本論です。日本合成ゴムのことを言うておるのではありません。このものは、プラスだけではなくて乗数効果がある。株価に対しては相乗積的な効果をもたらすものである。これは私の理論ではない、すでに定説になっているところの株評価の理論的基礎である、これはいかがです。

広瀬駿二大蔵省証券局長

○広瀬政府委員 いまおっしゃった要素だけは、すべて足し合わせれば、おっしゃるとおりだと思います。

加藤清二日本社会党

○加藤(清)委員 そうなりますと、このこと、特にいま言った基礎は、日本合成ゴムにぴたりでございます。これが上場された場合はどうなる。株価は上がるであろうと、だれでも想定できる。これはしかし会社にとってはたいへんけっこうなこと、こんないいことはない。副社長さんとしてはどう思われますか。私はけっこうなことだと思う。

川崎京市日本合成ゴム株式会社副社長

○川崎参考人 それが分相応のものであれば非常にけっこうなことでございますが、過大に高いということは、また会社をやる者としてはちょっと困ることもあります。

加藤清二日本社会党

○加藤(清)委員 大きいほどいいということばがはやりでございますけれども、やはり株価もだれだって高いほどいいと思うのです。ただ、運営の問題については、それはあれこれうるさいことも出てくるでしょう。しかし、ほんとうに株を持っている重役だったら、ありがたいと思うのはあたりまえの話なんです。自分の財産がよくなって悪いと思う人は一人もないはずだ。ただ私がここで言いたいことは、しろうとでもあるまいに、そのようなことはすでに政府株を売るときに想定ができていたはずなんです。いま申し上げましたあまたあまたのファクターというものは、一夜にしてできた問題ではない。政府の持ち株を処理したときにすでに想定できた問題である。であるからこそ、三菱化成が相当な値をさしたということはむべなるかなであって、決して三菱化成のこの株を持とうとした人が不当に高値をさしたわけではない。わが党の政審で調査した結果によれば、三菱化成がさしたさし値よりは、上場したら必ず上にいくであろう、こういうことが想定できます。そのときになぜ政府株を政府は安くしかも随契で売らなければならなかったであろうかという疑いは、研究を進めれば進めるほど深まるだけであって、この国民の疑問、経済通、株通の疑問は解けないのでございます。私はこの疑問を解きたいために質問をしたわけなんです。ところが、これは解けない。いわんや、この会社は資産再評価はやっていらっしゃいますか。

川崎京市日本合成ゴム株式会社副社長

○川崎参考人 やっていません。

加藤清二日本社会党

○加藤(清)委員 資産再評価をやらないという場合に、株価は資産再評価をした前とあととでは値段がどう違いますか、証券局長。

広瀬駿二大蔵省証券局長

○広瀬政府委員 的確にお答えできません。

加藤清二日本社会党

○加藤(清)委員 そうお逃げになったほうが、あなたの立場を守るためにはけっこうかもしれません。しかし、これは証券界の入門以前の話なんです。権利落ち前と権利落ち後の株価の相違くらいは、こんなのはイロハのイの字なんだ。いわんや、資産再評価前と資産再評価あとでは、これは前のほうが値が高いにきまっておるじゃありませんか。まあいいです。それすらもここで正確に言えないほど疑惑に包まれておるという結論にしたら、どうなります。  そこで、大臣、結論です。特に委員長にもお願いがございます。  これは、どうも疑わしきは罰せずでございます。だから、罰してもらおうとは思っておりません。しかし、まだこの法案は通っていないのです。だれが何といったって、これはまだ通っていない。そのときに――委員長、よう聞いておってもらいたい。もうこれで結論ですから。監督のよろしきを得る必要があるとだれしも思う。それをやらなければ野放しである。何ぞ委員会がやられたではないかと言われる。したがって、後々において悔いを残さないためには、私は、監督、指導、助成等一そう強化する必要があると思います。この点、副社長は、法律が通れば一般並みでよろしいと、こうおっしゃった。もうそんなものは要りませんと、こうおっしゃった。さすれば、一般並みにしてみましょうか。税金はどうなっています。固定資産税はどうなっています。電気ガス税はどうなっています。工業用水はどうなっています。かりにあなたのところが独立したからといったって、企業が通産省の保護、育成下にあればこそ成り立っている。過去これだけ順調に伸びてきたというその裏には、政府の指導よろしきがあったからなんだ。しかも援助があったからなんだ。援助は要らぬ、中小零細企業と同じでよろしいとおっしゃれば、直ちに税金を納めてもらいたい。公租公課四億ほどあるはずですけれども、あなたのところの固定資産税をいつから納めました。電気ガス税について税金を払っておりますか。いま現在資産表を見れば、百億の余の融資がある。これは授権資本の四倍の余である。そんな金が、自分かってで、自分一人の会社でどうして借りられます。担保物件、何がありますか。担保物件なしでそんな金が開銀だの興銀だののベースで借りられるなんということは、これは国家の恩恵といわざるを得ないじゃないか。中小企業は、よだれの出るほど指をくわえて、貸してもらいたいと言うておるにもかかわらず、あなたのところはそうやって育ってきたんだ。だから幾何級数的に伸びた。伸びたことはけっこうだと言うている。それを今度は、独立したらもうできる、他社並みでけっこうですと、あなたはおっしゃった。やってみましょうか。どうします。

川崎京市日本合成ゴム株式会社副社長

○川崎参考人 全く先生のおっしゃるとおりでございます。いままで十分の手厚い保護を受けてそうしてここまで到達したものでございます。したがって、それがためには国にずいぶんうちの会社のために足手まといになったりあるいはごやっかいをかけた面がありますが、これを独立したからには、こちらはそういう保護、育成をしていただきたいのはやまやまでございますけれども、そこまでやっていただかなくて、われわれの力で何とか苦しくてもやっていきたいという覚悟を持って初めてその独立ということが言われるんじゃなかろうかと思って、その心がまえをお話し申し上げたわけでございます。

加藤清二日本社会党

○加藤(清)委員 心がまえは当然ですよ、一人旅を今度するのだから。独立するのですから、そんなことは当然なんです。しかし、私がなぜこういうことを言わなければならぬかというと、これを私的なものだと考えていらっしゃるところに間違いがあり、それを是正せぬ限りにおいては、今後国会においてはあなたの会社を援助することはできないですよ。援助を仰ぎたいという会社はもうわんさとある。しかもなお、倒産に瀕している中小零細企業は幾つもある。山にカラスのカアと鳴かない日はあっても、町に交通事故と中小企業の倒産のない日はないのです。これをしも救うことができないのです。予算がないから。これをしも税制的に保護してやる施策がなかなかできないのだ。そういうやさきに、あなたのところだけはぬくぬくと育った。それはなるほど会社の経営陣はりっぱであろう。しかし、この際に、政府の援助と法律的な保護がなくて育ったなんと思っておったら、とんでもない大間違いだ。  そこで委員長、私は、与党、野党の委員の某々氏たちとも話し合ったのです。如上の件を総合してみて、かりに独立したとしても、野放しにするということは、これは国民の立場からいってできないことだと思う。十億は返った。しかし、いままでの援助によって三百億になんなんとするところの経理が行なえるようになってきておる。その中には、国家が援助したあまたあまたの権利がある。これは会計検査院は調査をしないという。しなければ、よけいに立法府としても、行政府としても、別な立場から監督をすると同時に、援助、指導、育成をする必要があると私は思う。それについて、与党、野党の委員諸公も、それはそのとおりだと言うておられる。したがって、本法案が審議終結されるまでの間に、独立した場合の諸手当、諸対策を万遺憾なきように委員長の手元において御準備が願いたい、これを要望いたしますが、いかがでございます、委員長。

大久保武雄自由民主党

○大久保委員長 ただいま加藤さんの御発言につきましては、十分理事会において協議いたしたいと考えております。

加藤清二日本社会党

○加藤(清)委員 どうも……。  以上で終わります。

大久保武雄自由民主党

○大久保委員長 午後一時四十分から再開することとし、この際、休憩いたします。    午後零時五十分休憩      ――――◇―――――    午後二時三分開議

大久保武雄自由民主党

○大久保委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  内閣提出、日本合成ゴム株式会社に関する臨時措置に関する法律を廃止する法律案について質疑を続行いたします。石川次夫君。

古川喜一日本社会党

○古川委員 私は、商工委員にごく最近入ったばかりで、初めて日本合成ゴムの存在を知ったくらいの非常に乏しい知識でございますので、非常に単純素朴に、私の知りたいと思う点をまずお伺いをしたいと思います。  それは、日本合成ゴムが、天然ゴムの不足というようなこと、代替品として非常に優秀だということで、日本でも早急にこれを工業化しなければならぬ、実験する段階では一応成功しておるけれども、これが小規模のものであったのではなかなか採算がとれないということで、民間でいろいろこういう計画はあったのでありますけれども、一応政府でこれをまとめて、これはあまり大きな規模でやりますと採算はとれても生産能力が過剰になるというようなことで、そういう危険負担というものを民間でもって持つわけにはいかぬということで、国策会社として政府の出資あるいは開発銀行の融資でもって出発をしたという経過になっておると思うのでございますが、その点一応確認をいたしておきたいと思います。

後藤正記通商産業省化学工業局長

○後藤政府委員 お答えをいたします。ただいま先生のおっしゃいましたとおりでございます。

石川次夫日本社会党

○石川委員 それで、最近においては、昭和三十八年の下期のころから黒字が出て、一割の配当ができるようになったというところまで非常に上昇一途をたどってきたことについては、皆さん方の御苦労をたいへん多とするところであります。  これは加藤委員のほうからも一応の御説明を受けたわけでありますけれども、今日のような好成績になったということについての功労者といいますか、その原因といいますか、それはどこにあったかということをひとつ参考人の川崎さんのほうから伺いたいと思います。

川崎京市日本合成ゴム株式会社副社長

○川崎参考人 これは全く、国が資本を持っていただいてあらゆる保護をしていただいたということが一番大きな力でございます。それに加えるに、日本のゴム工業が非常に伸展したこと、この二つが相まって今日の当社の成績に到達できたものと考えております。

石川次夫日本社会党

○石川委員 いま御答弁のとおりだと思うのでございますけれども、これはやはりあなたのほうの関係の従業員その他の非常な御苦労ということもこれにつけ加えてもらわないと完全なものではないと思います。その間政府の施策として、重要物資免税の指定あるいは製造機械、触媒等の関税免除、こういうような優遇措置などもこれありというようなことも大きな原因だろうと思うのでございます。それで、これが今後民間にほんとうに払い下げになるというか、移譲されるということになりますと、これらの特例というものは一体どういうふうになりますか。

後藤正記通商産業省化学工業局長

○後藤政府委員 お答え申し上げます。御指摘のとおり、国の出資に加えまして、課税面におきましても、さらにまた資金の融通等につきましても、国としては種々の恩典と申しますか特別の助成策を本会社に対してとってきたわけでございますが、今般この法律が廃止をされる運びに相なったときには、これらの税制上の恩典と申しますか特別の措置は、一般の事業、企業と同じような状態になってくるかと思います。

石川次夫日本社会党

○石川委員 そういうふうな特別の措置がなくなった場合、いままでは相当優遇措置をとられておったのに比較して、完全に民間でもって出発をするということになった場合の採算上の影響といいますか、それはどの程度に考えておられるか、伺いたいと思います。

後藤正記通商産業省化学工業局長

○後藤政府委員 国の出資面、それから資金の今日に至りますまでの累計百億をこえております開銀融資、それ以外の税制上の恩典は、特に日本合成ゴム株式会社であるからということでなしに、他の一般の産業の助成策の一環として行なわれてまいったわけでございます。したがいまして、本法律が廃止されまして日本合成ゴム会社が一般の民間会社に移行したといたしました場合にも、これは産業政策上の一環として他の企業と同じように税制上の問題は取り扱われるかと存じます。

石川次夫日本社会党

○石川委員 なお、この日本合成ゴム株式会社の中身について、私がよくわからない点を若干まずお伺いをしたいと思います。  日本合成ゴムはSBRの関係で十八万トンということで、グッドイヤー、ファイアストーン、グッドリッチ、ポリマーカーブに次いで世界第五位ということになっておって、二位の日本ゼオンというものをはるかに引き離しておるというような現在の実態であるようであります。そして現在でも四日市で十九億円でもって増設をしている、四、五万トンというような増設がことしの四月あたりに完成予定だというふうに聞いておりますけれども、これの現在の進捗状況は一体どうなっておりますか。

川崎京市日本合成ゴム株式会社副社長

○川崎参考人 俗称Eラインとわれわれはいっておりますが、二万トンの増設はこの三月に終わりました。ただいま十七万六千トンでございます。そのほかに四万ないし五万の増設をいま計画して工事に着手しておりますが、これは本年九月末に完成する予定でございます。

石川次夫日本社会党

○石川委員 これは大体ことしの四月というふうに、だいぶ前の本にありましたが、若干工事がおくれているかもしれません。千葉工場のほうが四日市よりもさらに大きな計画をお持ちになっているようでありますが、これができますというと、おそらく世界第四位のポリマーカーブを抜くのではなかろうかという予想がされております。非常に上昇の過程にある前途有望な会社であるということだけは、こういう数字の面からも計画の面からもはっきり出てまいるといえると思います。そこであと一つABS、アクリロニトリル・ブダジエン・スチレンというのがあります。これは日本合成レジンということでやっておるのが全額日本合成ゴム出資の子会社でありますか。

川崎京市日本合成ゴム株式会社副社長

○川崎参考人 先生のおっしゃるとおりでございます。

石川次夫日本社会党

○石川委員 それからIIR、これはブチルゴムといいますか、EPDM、エチレン・プロピレン・ジエン類の三元重合ゴム、そういったものをそれぞれ共同出資というようなかっこうで計画を進めておるようでありますけれども、EPDM、IIRの計画はどうなっていますか。

川崎京市日本合成ゴム株式会社副社長

○川崎参考人 IIRにつきましては、三月三十一日に竣工式を行なうことになっております。エッソと合弁で日本ブチル株式会社というものをつくりまして、川崎に三万トンの工場をつくっております。  それからEPDMにつきましては、三菱油化と折半の会社をつくりまして、来年の後半に操業に入るように目下着々と計画を進めておるところでございます。

石川次夫日本社会党

○石川委員 それで、IIR、ブチルゴムというのがどうもエッソの独占のようなかっこうになっておるようでありますけれども、これはどうなんですか。この資本の関係はどういうふうな比率で始められておりますか。

川崎京市日本合成ゴム株式会社副社長

○川崎参考人 エッソ・ニュージャージーと称する大きな石油の会社がありますが、その子会社にエッソ・ケミカルという子会社がありまして、そのまた一子会社にエッソ・イースタン・ケミカルという会社がありますが、その会社が半分、日本合成ゴムが半分、五〇・五〇の出資の会社でございます。

石川次夫日本社会党

○石川委員 そこで、こういうふうな子会社というようなものが全額出資あるいは半額出資というふうな形で続々つくられておるわけでありますが、この計画はやはり営業年度開始前に、そのつど通産大臣のほうの許可を得て始めておられますか。

後藤正記通商産業省化学工業局長

○後藤政府委員 資金計画の一端として聴取いたして、そしてそのつど認可をいたしております。

石川次夫日本社会党

○石川委員 そうしますと、全額出資の場合には、日本合成レジンは完全に子会社でありますから、この間大蔵省で言いましたところの国有財産の普通財産ということになるだろうと思うのでありますが、半額出資の場合の取り扱いはどうなっていますか。大蔵省のほうに答弁をお願いしたいのでありますけれども、そういう場合には、国の出資しているものの会社がまたさらに半額出資でもって合弁会社をつくるという場合には普通財産として処理するのかどうか、この点を念のために伺いたいのです。

後藤正記通商産業省化学工業局長

○後藤政府委員 大蔵省の理財局から出席いたしておりませんので、私から知っていることを申し上げたいと思いますが、これは一〇〇彩全部子会社でございますれば、またさらに五〇%のものでございますれば、それはむしろそのプロパーの事業計画ということではなしに、提出すべき書類としては資金計画の一端として提出せしめて認可するという方式をとっているわけであります。

石川次夫日本社会党

○石川委員 私の聞いているのは、財産は国有財産としての普通財産になるのかどうかということなんです。

上国料巽大蔵省理財局国有財産第一課長

○上国料説明員 ただいま御指摘の問題でございますが、国有財産たる普通財産になりますのは、出資したことによりまして受けました株式が普通財産になるわけでございます。

石川次夫日本社会党

○石川委員 そうすると、全額出資をした日本合成レジンについては、企業としては日本合成ゴムそれ自体は普通財産の対象ということでこの間はっきり答弁を受けたわけでありますけれども、それが全額出資をしてつくった子会社は株式だけが普通財産ということになるわけですか。どうもその辺がはっきりしません。

後藤正記通商産業省化学工業局長

○後藤政府委員 私からお答えしてよろしゅうございますか。――国有財産となっておりますのは、国の出資によりまして国が取得いたしました株式だけが国有財産の中の普通財産ということになっております。したがいまして、日本合成ゴムがさらに出資をいたしまして、全額なりあるいは半額なりで合弁会社をつくりました場合には、そのつくりました会社は国有財産ではないと思います。

石川次夫日本社会党

○石川委員 どうもその辺がはっきりしないのですけれども、全額出資ですよ。日本合成ゴム会社それ自体は普通財産の対象になるわけです。それが出資をして子会社をつくったという場合には、全額出資ですから、半額出資でもある程度関連はありますけれども、これは関係ないと言い切ることはちょっとおかしいではないですか。

上国料巽大蔵省理財局国有財産第一課長

○上国料説明員 政府が日本合成ゴムに出資しまして、その結果取得しました株式は普通財産になるわけでございますが、その日本合成ゴム株式会社がさらに子会社をつくって取得した場合の株式というのは、国有財産には関係がないと考えております。

石川次夫日本社会党

○石川委員 そうなりますと、これから国の指導監督を受けたくないというような特殊な企業を興そうとする場合に、政府から出資した会社が全然別の会社を興してしまえば、政府の指導監督ならいいが干渉を受けないで済むのだということで、そういう方法をとる可能性が出てくるわけですね。その点はどうなんですか。

後藤正記通商産業省化学工業局長

○後藤政府委員 日本合成ゴム株式会社法の中にございます各条の監督規定に基づきまして、事業計画も、同じくその資金計画についても、そのつど報告を求め、これを通産大臣の認可にかからしめている。したがいまして、ただいま先生の御指摘になりましたような、そういうかっこうの一つのフィクションをつくって、国の監督規制からはずれようということが万一出てきました場合には、当然これはチェックする機会はあるわけでございます。

石川次夫日本社会党

○石川委員 それは大体わかります。わかりますけれども、子会社、半額出資の場合でも、あるいは全額出資の場合でも、それから関連のある企業については通産省に全部営業開始前にその出資した子会社ごとに認可を求めるというか、承認を求める、そういうようなことをやっておりますか。日本合成ゴムとしての営業計画、資金計画だけであって、そこから出資をしたその下のほうのいろいろな事業計画については通産省は関係がないのじゃないですか。

後藤正記通商産業省化学工業局長

○後藤政府委員 おっしゃるとおり、それは日本合成ゴム会社法に基づきましての営業報告書、事業報告書等々をとりまして、それを監督するということはいたしておりません。しかし当然先ほどから繰り返して申し上げておりますとおりに、合弁会社なり、全額出資であれ、それが五〇%出資であれ、日本合成ゴム株式会社の資金計画に反映してまいるわけでございます。その段階においてチェックをする、こういうことを申し上げたのでございます。

石川次夫日本社会党

○石川委員 基本的に、そういう子会社をつくり、あるいは子会社に対して出資をするという場合には、通産省、大蔵省あたりの認可を得るということはありますけれども、しかし具体的に直接この企業を監督をするということは不可能ですね。間接的に合成ゴムの資金計画あるいは営業計画というものを通じて初めてそれがわかるということだけだ。ことさらにそれに触れない計画をつくることは幾らでもできるでしょう。子会社の報告は簡単な報告だけでいいのです。その他の雑項目で報告を処理してしまうということであっても、これは直接の関係じゃないから監督はできぬということになる可能性がある。その場合通産省全体としては、あなたは、局長だけに私は申し上げるわけではないのでありますけれども、今後こうい、うケースがたくさん出てくると思うのです。その場合に一たん直接投資をした会社の報告だけでもって、その下のほうで全部監督はできない。しかしながら全部責任はあるわけですね。十分指導監督しなければならない責任はあるわけです。ところがそれについては迂遠な、回り道をした見方でなければ、よほど大きな事柄が出てこなければ指導監督ができないということにならざるを得ない。これはどうも私はどこかに抜け道があって、たくさんにそういう方法で逃げるという場合は私はあまりないと思いますけれども、もしそういう意図があれば、あまり直接介入をされたくないというので、投資をして別会社をつくらせるということになれば、政府の干渉なしに仕事はできるということになり得るわけです。この点はひとつ今後どうするかということを、これは通産省に考えてもらわなければならぬ。通産省の局長にこういうことを伺っても、これは化学工業だけの関係ですから、これはそう言ってもぼくは始まらぬと思うのですが、これは通産大臣にひとつ質問をしたいところなんですけれども、これだけでは十分国の監督責任が果たせるとは思わない。そういう点で、この点についてはあとでまた通産大臣から答弁を聞きたいと思うのです。  ではその次に回りたいのでありますが、こういうふうな国策会社、政府が出資をし、あるいは開発銀行あたりの融資をあっせんするという形で、民間では非常に危険性が多いということで、先ほど来説明がありましたように、国策会社として出発をして、損害が出れば国が補てんをし、十分一本立ちできるまでめんどうを見てやろう、でき上がったら民間に移しかえようというような企業、これはあなたに聞いてもちょっと困るのだけれども、これは通産大臣に聞きたいのですが、そういう企業はほかにありますか。ちょっと目ぼしいものだけでいいのですけれども、通産大臣でないとこれは答弁できないな。ちょっと化学工業局長にこれを質問するのは酷だと思うのだけれども、財政融資の中を見てみれば大体見当はつくと思うのだけれども、こういうふうに技術的に一本立ちができる工業化が無常に民間企業ではむずかしい、危険負担を国がしょってやろうということで、一本立ちできるまで国でめんどうを見てやろうという会社はあまりぼくは例がないのじゃないかと思うのでありますが、しかし今後こういうものがどんどん出てくるであろうし、また出てきたときには大いにそういう政策もとらなければならぬ場合があると思うのです。そういうふうな期待の持てるような企業がいま試験の段階、実験の段階で成功して工業化したいというような、これから先重化学工業関係だけでもけっこうでありますけれども、現時点で何かございますか。

後藤正記通商産業省化学工業局長

○後藤政府委員 的確にお答え申すことができませんが、いうなれば戦略産業と申しますか、今後の非常に新しい分野の産業、たとえば武器、宇宙開発でございますとか、それからエレクトロニクスでありますとか、そういう関係の分野には、現在民間の資本だけで全額を出資して、民間ベースで仕事をするだけでは非常にリスキーであるという場合があり得る、それを国家としても産業政策上の見地から助成して、そうしてある程度まで育てなければいかぬという事態は起こり得る、そういろ新しい分野であるかと考えます。

石川次夫日本社会党

○石川委員 ばくたる答弁で答弁にはなっておらぬわけですけれども、ちょっと重化学工業関係だけでこれを質問するのは酷かと思います。重工業局あたりに間きましても、いまのところは目ぼしいものがあまりないと思うのですね。私は非常に残念だと思っております。別に国策会社でやるということをいいというわけでもないのですけれども、何か目ぼしいものがあるかと思って当たってみたが、さっぱり見当たりません、試験期間の中の段階だけだということで。その点から日本の科学技術がおくれておるのじゃないかという感じを私はくみ取ったわけです。それはあと回しにいたしましょう。   〔会員長退席、宇野委員長代理着席〕  それで、どんどんこれが飛躍をしてまいりまして、大体二十五億という会社になり、最近五億の増資をするということになって、さて、これは十一条に基づいて処分をした。処分のしかたについてはたいへんいろいろな問題があったということは加藤委員のほうから先ほどいろいろ質問がありましたから、私はそれにあえて触れませんけれども、この十万株を放出したのは四十二年の十一月であります。それは大蔵省の評価は二千百五十円ということになっておりました。大蔵省の評価は、いろいろ算定の方法というものはあるわけなんですけれども、純資産評価価額による方法、配当還元の価格による方法、あるいは同種上場株式との比準価格というような、いろいろな株の算定のしかたがあるわけでありますけれども、二千百五十円というのは、おそらくこういうものを勘案しての出た数字であると一応判断をいたしますが、これは大蔵省証券局関係、理財局ですかな。

上国料巽大蔵省理財局国有財産第一課長

○上国料説明員 国有財産を総括する立場からの答弁になるのでございますが、ただいまの評価につきましては、いままでの法律のたてまえからしまして、国有財産を総括する立場の大蔵大臣に対して処分の協議というようなものはしなくてもいいたてまえになっております関係上、総括する立場の者としましては、その処分の内容については承知いたしていないわけでございます。

石川次夫日本社会党

○石川委員 この二千百五十円、これは大体大蔵省が評価をしたというのですから、おそらくいま私が申し上げたような基準に基づいて、それを三つ並べてみて、その中の平均値のようなかっこうで大体出したのだろうと思うのですが、これはこの間から問題になっております国有財産の処分の手続、これに基づいて一般競争入札ということになって出た値段が、三千百六十円という価格が出た、こういうことになっておるわけであります。これは一応一割だけ放出をしたわけでありますけれども、確かに競争入札という形でやったということは、これは法に照らして正しい方法であったと思う。ただ問題は、国会のほうや何かに全然はかっておらぬということについては問題がある。それは一応たな上げにします。たな上げにして、方法論としてはそれは正しい。したがって、方法論としては正しいから、正しい値段がそこに出てきたというふうにわれわれは理解をする。したがって、この二千百五十円というこの価額の見方は、これは静態の状態で、動態として把握をしていないのです。全体の資産の評価、あるいは配当金が幾ら、あるいはほかの上場株は幾らとか、こういう静態の状態で把握した評価のしかたであって、動態としてこれは評価していない。その後はどんどん上昇していくというような可能性、将来の有望な見込みというものは全然計算に入っておらぬということを考えてみると、先ほど申し上げたように、競争入札になれば正当な価額が出る。したがって、これは大蔵省、きょうは理財局関係出ておらぬのでたいへん残念なんでありますが、一般競争入札というのは正しい方法である、こういうふうに御認識になりますか。

後藤正記通商産業省化学工業局長

○後藤政府委員 先生御指摘のとおりに、確かに一割分に関しましては三千百六十円、公開入札によってそういう落札が行なわれたわけであります。しかし、当時の実情から申しまして、ただいま先生がおあげになりましたような、純資産評価価額とか、あるいは配当還元価額とか、あるいはまた同種上場株式との比準価額とか、その辺から出てまいります評価額は大体二千百円から二千三百円くらいの程度だという状態でございました。これにつきましては、通産省といたしましても、この株式の評価に際しまして民間の権威ある機関から報告を徴しまして、そうしてそれぞれの価額が、若干ずつ違っておりますが、大体二千二、三百円経度であったわけであります。ところで、その会計法上の原則に基づきます一割の競争入札ということによって、三千百六十円という最高価額で一割分が落札されたわけでございますが、片やこれは一割分だけ公開入札いたしましたものの、もしこの価額は最高のものをとる、つまり国庫にできる限り多くのものを収納するという立場のみを貫くならば、先生御指摘のとおりに、それは三千百六十円で残り九割も全部売り払って競争入札によって価額を定めたほうがあるいはよかったかとも考えられます。しかしこれは日本合成ゴム株式会社の株式の四〇%、四割を占める十億に当たる巨額の金であります。会社の株式のうち四〇彩をもしこの競争入札によりましてある特定の業者、ある特定の個人というものによってこれが買い占められるならば、これは経営権に及ぼす重大なる影響は申すまでもないことであります。したがいまして、国庫にできるだけ多額を収納するという一つの要請と同時に、今日まで国が日本合成ゴム会社というものに種々の出資金、税制上の恩典等々を与えまして、日本の合成ゴム業界の中核として育成してまいりました産業政策上の見地から申しますならば、必ずしも公開入札ということによって高価の分にその四〇%の株式を取得させるということは妥当ではなかったわけであります。したがいまして、いろいろの株式の評価価額、それから同町に一割分を落札いたしました三千百六十円等々を比較考量いたしまして、おおむね中間の二千七百円から二千八百円程度というのが随意契約による株式の評価として妥当ではないか、こういう意見を大蔵大臣から大蔵大臣に伝えまして、大蔵大臣はそれによって売り渡し価額二千八百円を御決定になった、こういう経緯に相なっております。

石川次夫日本社会党

○石川委員 三千百六十円というのは一般公開入札でもってきめられた、私は妥当な価額であるというふうに判断をするわけなんですけれども、三菱化成がしからはなぜ――あなた方はこれは不当に高いんだ、非常に高いんだという見方も何か先ほどの答弁ではあったようなんですが、しかしながら、そういう価額が一方にあって、しかも一方は、先ほど申し上げたような三つの方法でもって株式の評価をして、その中間な値段として二千八百円という値段が出てきた、こういうふうに理解をしておりますけれども、それは非常に高いんだというふうにきめられる根拠というのは一体何ですか、三菱化成がそういう価格でとったという根拠は。

後藤正記通商産業省化学工業局長

○後藤政府委員 大別してこれは、あるいはばく然としておるかもしれませんが、理由に二つあるかと存じます。  第一に、昭和三十年当時におきまして、日本において合成ゴム工業というのを伸展させるという機運がのぼってまいりましたときに、これに非常に熱意といいますか関心を示しました企業といたしまして、この三菱化成工業、協和醗酵、あるいは古河化学、約三つないし四つの、非常に強い意向を示した会社がございました。しかしながら、この企業をして別々にそういう仕事をやらせるならば、経済単位に達せず、また効率の悪いものができ上がるということで、政府は三十二年の六月に特に法律を制定いたしまして、合成ゴム工業というものを健全なる進歩をさせるために、その後の改正を経て今日の法律になってきているわけであります。  さらにもう一つ、三菱化成が当初からそういう意欲を持っておったということと、それから現在、石油化学――現在の合成ゴムの製作過程は、要するにナフサからそのうちのBB溜分というものをとりまして、それにスチレンを付加して汎用のスチレン・ブタジエン・ラバーというものをつくる。したがって、このBB溜分というものは、これは合成ゴムの材料として使うのは最もエフィシェンシーの高い使い方でありまして、もしそれ以外に使うならば、これは自家用の燃料というぐらいの経済的効果の薄い方法に使わざるを得ない。したがって、総合的な石油化学の会社といたしましては、でき得る限りこれを有効に利用したい、こういろ意図があるのはこれまた当然でございます。したがって、日本におきまして、その発足以来、国の庇護のもとに順調なる伸展を遂げてまいりました日本合成ゴム会社の株式の放出に際しまして、三菱化成工業が、経済的な評価価額に加え、みずからの経営と申しまするか、かねてからの意図並びに今後の見通し、会社経営上の、いうなれば政策的な見地から、この価額を三千百六十円というさし値をして落札をしたということは容易に考えられるところかと存じます。  なお、もう一つ、私二つと申し上げましたが、もう一つは、当時、一般公開入札におきまして応札いたしました株数は、放出株十万株に対しまして約六・五倍あったわけであります。三菱化成工業を除きまするその他の応札価額の平均は、大体二千二百円から二千三百円であったと聞いております。したがいまして、以上の点から、政府といたしましては、三千百六十円はそういう一つの別個の意図に基づいた落札価額である、したがって正当なる株式の評価価額よりは商い、こういう判断を下したものであると考えます。

石川次夫日本社会党

○石川委員 三菱化成としては、原料ガスの供給先としての販路をひとつ獲得したいという考え方もあったのだろうと思うのです。いまの御説明のことは私も十分承知をしておるのですけれども、しかしこの四十二年十一月という時点は、倍額増資というふうな話は出ておりましたか。

後藤正記通商産業省化学工業局長

○後藤政府委員 あるいは会社の経営陣におきましてある程度そういうような考え方はあったのではなかろうかと思われますが、まだそれが具体的に形をなすところまでは固まっていなかったのではないかと考えます。

石川次夫日本社会党

○石川委員 そこが問題なんだ。三菱化成は、そういうような特殊な事情があって、新しい供給先あるいはこの企業の将来性というものに着目した。そして、ある意図的なもので三千百六十円という価額でもって応札をした、入札をした、落札をした、ということになるわけであります。それはそのときはそういうふうな考え方かもしれませんが、いまは倍額増資のうわきが具体的にもう出ているわけですね。だれ一人関心を持っている人では知らぬ人はないわけです。知っているわけです。そうすると、その三千百六十円という値段が安いとはどうしても考えられない。私はいろいろな点から考えて、これは二千八百円という価額を出しましたけれども、倍額増資になれば、これを上場すれば一体どのくらいになるかという一つの見通しを私立ててみたいと思うのです。証券局長は経験上これはどういうふうに判断しますか。

広瀬駿二大蔵省証券局長

○広瀬政府委員 ただいまの日本合成ゴム株式会社の株式は御承知のとおり上場されてないわけでございます。したがって流通価格がないわけでございます。それが上場後どのくらいになるか、増資の声もあるから上がるのじゃないかといろお話かとも思いますけれども、この辺は先住のほうが御承知かと思いますが、ちょっと的確な数字的なお答えはできかねるのじゃないかと思います。

石川次夫日本社会党

○石川委員 ここで証券局長が大体五千円になるとか四千円になるということを言ったらたいへんなことになるから言えないだろうと思いますが、三千百六十円が高いということにはならない、これだけははっきりわかります。ということは、倍額増資という場合、既存の株主に全部割り当てをするわけでしょう。一般上場したからといって、全然公開でもって売り出すとは思えないのです。これは一応倍額増資というかっこうで既存の株主の人に大体割り当てるという方法をとっておりますね。これは仮定の問題ですが、倍額増資すると仮定して、これはどういうふろに割り当てるのでしょうか。

川崎京市日本合成ゴム株式会社副社長

○川崎参考人 普通の方式でございまして、やはり既往の株主に割り当てるのが第一かと思います。

石川次夫日本社会党

○石川委員 そうなればこの二千八百円という値段は問題ですね。たとえば千円の額面のときには千円で割り当てるわけでしょう。時価じゃないでしょう、千円でしょう。そうなれば二千八百円でいまの人に随意契約でもってやったということは相当あとで問題になってくるのじゃないか、こういう気持ちがしてしようがないのですが、その点はどう思いますか。

川崎京市日本合成ゴム株式会社副社長

○川崎参考人 これは的確なことは申し上げかねますけれども、私どもは社内の財産を一株当たり幾らという勘定からいたしますと、かりに倍額増資をいたすといたしまして、二千八百円に千円が加わりますから三千八百円。そういたしますと、持っている株の価格が千九百円という値段になります。それと現在価格の二千何百円が――先ほど来二千二百円とかなんとか計算されたものが、それが株数が倍になりますから千百円になりますね。そういうところから考えますと、あまりそう違わないと思うのでございますけれども、これは私個人の考え方でございますから何とも申し上げかねます。

石川次夫日本社会党

○石川委員 どうも経営者とは思えないようなお話がいまあったわけなんですが、単純に資産を株数でもって割って計算をするということでなくて、私は先ほど来申し上げているように――あなたの会社はたいへん将来性があるんだということをあなたはさっき言っておりながら、いまは単純な時価を分割したような計算のしかたをしております。将来性は相当あるわけですね。利益率も相当高い。一割の配当は今後倍額増資をしても計算上可能なんですよ。将来性がどんどんある、またさらに増資になるかもしらぬという見通しもこの産業については立てられます。そうなると、二千八百円に千円上乗せして、それを半分に割るわけですね。これは相当安い株になってくるのじゃないですか。ですから随意契約でやらなければ安定株主の操作ができないのだというふうなお考え方は、一応文字の上では成り立ちますけれども、それを一応是認した上に立っても、二千八百円という価格の設定のしかたは、倍額増資という声が出た時点においては相当考え直さなければいかぬ問題ではなかったか。三千百六十円の応札が出た時点ではあまり倍額増資という話は出ておりませんけれども、最近はもう倍額増資というのが市場のうわさとしてはっきり確定をしておるわけです。そうなれば、随意契約は妥当でやむを得ない方法だというふうに答弁はされておるけれども、二千八百円という価格自体に相当疑問があると思う。これは一回上場してみたらはっきりすると思うのです。そのことはまたあとで触れますけれども、そういうことで随意契約でもって残りの九十万株は放出をした。九十万株の内訳は、いままで持っていた人たちにそれぞれ割り当てをする、あるいは六割をそれに割り当てをする、四割は別個の形でもって、金融機関のほうに割り当てをするという形をとったわけであります。  そこで問題は、資本の自由化というようなことが最近非常に取りざたされるようになってから、日本では株主安定工作を相当やらなければならぬということになって、財界あるいは会社の経営者はみなそれをやっています。やっていますけれども、小さな会社は別として、大きな会社になりますと、これは大体金融機関のほうに依存をする。金融機関に買わせて株主の安定工作をするという方途をとっておるところが多いように私は見受けるのです。ところが、今度の場合の随意契約の割り当てのしかたというのは、原料供給業者とそれから加工業者のほうに割り当てる。その内訳を見ますと、私もちょっと驚いたのでありますけれども、ゴム工業者が大体四六・九%株を占めております。原料供給業者が三四・五%、こういうふうで、これはある意味で利害関係者が両方にあってお互いに牽制をする、そういうことによって中立的な立場がとれるのだという見方になるかもしれませんけれども、四六・九%のゴム工業者というのは利害が一致しておるわけです。共通しておるわけです。このほうは原料を安く提供してもらいたいという側であります。原料供給業者のほうは高く売りつけたいということに変わりはない。しかしそういう業者といえども合成ゴムの株を持っていればその利害にあまり反するようなことはやらぬだろうというような答弁は当然出てくると思うのであります。しかしながら私は、そうはならぬと思う。そこは持っている協和醗酵にしてもブリヂストンにしても、何といってももとの会社のほうが合成ゴム自体よりは大事ですよ。そういうことで四六・九%のゴム工業者あるいは原料供給業者三四・五%、これが結束をすれば、社長以下の首を飛ばすこともできるし、経営というものを乗っ取る力を持つということができるわけです。これが利害関係者が両方にあって、高く売りつけたいほうと安く買いたいほうとあるということでの中立安定性ということは、理論としては一応成り立ちますけれども、どこか片方が力を持って、その製品を安く売ってくれという――ゴム工業者のほうが株は多いわけでありますから、その意見が強くなりますと経営のほうに相当大きな影響を与えるのではなかろうかという意味では、こういう株主安定工作として既存のこういう関係業者にばかり随意契約で割り当てたということについては相当疑問がある、そう私は思っておりますが、この点はどうなんですか。

後藤正記通商産業省化学工業局長

○後藤政府委員 ゴム工業者と原料供給業者とが、それぞれ利害相反する立場からバランスのとれた牽制を行なって、会社の安定、今後の繁栄に過去十年にわたってやってきたと同じような方法をとってくることは、そういう方法をとってくるだろうと私は思います。ただゴム工業者のほうが先生御指摘のように四六・九%で、約一〇%くらい原料供給業者の三四・五%より多い、こういうことでございます。これはこの会社の製品は約三五%が中小のゴム工業者に分かれておりまして、この株主数も提出しました資料でごらんになっていただけますように、百四十八名の中小工業者から相なっております。したがいまして、その間のバランス等を考慮いたしまして、大体バランスはとれるところかと考えます。

石川次夫日本社会党

○石川委員 これで見ますとゴム工業者四六・九%、原料関係者三四・五%の十万株以上の株主を見ると、七社あって、原料供給業者が五社、それから加工業者が二社、こういうふうに全部利害関係者になっていますね。それから五万株以上十万株未満、これが五社あって、加工業者が三社、原料会社が一社、したがって五万株以上の株主十二社のうちで原料関係が六社、加工業者が五社、全部利害関係者です。これは完全な株主安定の上に立って、純粋な中立的な機関というものはなくて、その下にずっとおりてまいりますと、一万株から五万株の間で二十七社あって、その中で初めて金融機関が九社、商事会社が五社、こういうのが顔を出している。こういう株の随意契約といっても、世の中に常識的に判断をして、金融機関にばかり依存するということがいいか悪いか、これはまた別な意見が出てくるわけでありますけれども、これは少し普通の場合とは異常な株主安定、株式の配付のしかたではなかったろうか、こういう気持ちがしてしかたがないのですが、その点どうお考えになりますか。

後藤正記通商産業省化学工業局長

○後藤政府委員 この会社が最初六億二千五百万円の資本金で発足いたしましてから、二回の増資を行ないまして、二十五億円、この中に政府出資の分十億円というものが加わっておったのであります。政府出資以外の分につきましては、その当初、出発以来二十五億の現状に至ります間も、常にこの当社の事業に非常に密接に関連があり、関心を有し、徐々にこの会社の繁栄、隆盛を願う業者の間の協力、一致によって今日まで至ったものかと考えます。この状態は今後ともやはり続いていくものと私ども考えております。で、日本合成ゴム会社のシェアは現在約半分に近く、非常に強大なシェアを持っておりますが、合成ゴムの関係につきましては、現在国内にこの会社を合わせて十社ございます。第二位は日本ゼオン、シニア約一八%、そのほかにもたくさんあり、それからさらにこの分野に進出いたしたい意図を持っております会社がたくさんございます。ニューカマーの進出等もございまして、進出の意欲等が強くうかがわれます。したがいまして、経済の国際化に伴いまして競争はますます激甚をきわめてまいりますし、片や、すでにこの合成ゴムに関しましては、輸入の自由化が天然ゴムと同時にこれは行なわれてきておりますので、その意味におきましても、これは国際化の波に洗われておる。したがいまして、公正なる国内におきましての競争、それによる国際競争力の強化という点で、従来ともこの株主構成、並びに労使協調の線においてこの会社が進むべきであろう、かように考えておりまして、その一環として、現在の株主構成は私どもとしては妥当であると考えておるわけであります。  ただいま先生からも御発言ございましたように、安定株主工作という点で金融機関、あるいは証券業界等に株式の相当部分を持たせまして、そして安定株主工作をするという考え方もございますが、これはやはりそうでない面もございますので、私どもとしましては、この会社発展の経緯にかんがみ、従来のように、こういう利害関係を十分持って、会社の事業に関心と愛情を持って進んできた人たちの間でこの会社を今後とも盛り立てていくことが妥当ではないかと考えておるわけでございます。

石川次夫日本社会党

○石川委員 繰り返すようですけれども、随意契約にしたということ自体は会計法二十九条違反です、原則的にいえば。いろいろな事情があってこういう方法をとらざるを得なかったということは認めるにしても、随意契約というかっこうではなしに、やはり一般競争入札であるべきだという精神はひとつ生かさなければならなかったのではなかろうか。そういうことは同時に、私がいま申し上げているように、利害関係者だけが入ることによって、自分の本体の会社の利害関係のために、この会社の主体性を失っていくのではなかろうかという気がないとはいえないのです。そういう点ではやはり随意契約というかっこうじゃなくて、競争入札のような形をどうやって生かすかは別といたしまして、いろいろな弊害の面も私はわからぬでもありませんが、株式の分散ということをはかって、株主の安定工作と同時に、利害関係によってその経営の主体性を乱されないような形の株主の配置というものは必要ではなかったのだろうか、こういうふうに当然考えないわけにはいかないわけなんです。どうもこのやり方が非常に安直で、幸い片方は原料供給業者で、片方は製品を買うほうだから、両者の利害が相反するわけですね。片方は高く売りつけたい、片方は安く買いたい。そういうことで、これはたまたま両方のバランスの上に主体性をやっと保つという綱渡り的な形の株主の配置分布になっていると思うのです。現実論としては、利害関係者があまり入らないほうが主体性を確立できると思うのです。そういう点でこういうやり方は決して妥当とはいえない。そしてまた会計法の精神からいっても、こういう随意契約というものを安易に国会の了解も得ないでやったということには、たいへん問題が残るということだけ申し上げておきたいと思うのです。  それから、肝心なところは加藤委員のほうからいろいろ質問をされておりますので、あまり触れませんけれども、最後に、あと一回繰り返して申し上げますと、これは上場しますと倍額増資という声が聞えておりますから、二千八百円なんという値段じゃありませんよ。それからあと一つ、これは五十円株、普通の額面は五十円ですね。五十円に直すという話があるし、それから、五十円に直す場合に、額面変更のために合併をしなければならない、吸収会社というのを大体確保しておるというような市場のうわさがあるのですけれども、これはいかがですか。

後藤正記通商産業省化学工業局長

○後藤政府委員 御指摘のとおり、昭和二十五年以降商法の改正によりまして、額面五十円の会社が創立できない、したがって、証券市場の実態におきましては、やはり五十円額面の会社のほうが上場上何かと便利である、実態に即するというわけで、被吸収合併の形式をとって、二十五年以前にあった会社に吸収をされて、そうして額面を五十円に直すという事態があるようでございます。この会社が将来増資をいたしまして、そうしてさらに次の段階で、この上場、さらに増資をするというような段階を経ますときには、現実に即するためにそういうことも必要になってくるかと存じますが、まだ通産省といたしましては正式にその点は会社からの意向表明を受けておりません。

石川次夫日本社会党

○石川委員 それで、この株の随意契約の問題なんですけれども、この中で一般の社員、役員に分けたという点は、一応考え方としては非常にいいし、いままでの御苦労に報いる、これだけ功労をした者に報いるという意味では、あるいは安定株主工作としては非常にいい方法だというので、先ほどこれも加藤さんが質問されましたから私は触れませんけれども、中小企業の中で、自己資金が非常に少ない、借り入れ金ばかりで自己資金が非常に少ないという場合に、増資をする場合には、ぼくはいつの場合でも従業員に全部分けるということを私個人は主張しています。大きな会社では従業員が全部受け持つということは困難でありますけれども、株主の安定あるいは愛社精神を鼓吹するという面では、やはり極力従業員に分けてやるということが一番いい株主の安定方法だということは否定できないと思う。ところが今度の場合、ほんのちょっぴりしかやっていないのですね。従業員にはほんの一部、おこぼれとしてやっているだけで、能力からいったって十分やる能力はまだまだあると思うのです。やはり従業員が株を持てば、自分の会社に対する関心度というものはどうしても強くなるし、愛社精神というものも強くなることは否定できない。そういう点では、この株の分け方は随意契約それ自体にも問題があるし、また国の財産を処分する方法として、国会の了解を得ないでこういう方法をとったということは、この間から問題にしておるように大きな問題が残るわけでありますけれども、それを一応別にしておいても、安定方法として利害関係の会社にだけやったという点と、あるいは従業員に対してもっと多くの株を配分すべきではなかったかという点で非常に手落ちがあったのじゃないかと私は思っております。  そういう点で株主の構成を見ますと、国が四〇%持っていたものを放出をしたということになるわけでありますけれども、ブリヂストンタイヤが一社で一八・四、協和醗酵が一七%というふうに、だいぶ大株主が出てきた。こういう利害関係の会社が相当な発言権を持ち、見方によっては会社を左右する力を持つというかっこうになりましょう。その中で非常に特徴的なのは、先ほど第一回に応札をした三菱化成が急にのし上げて第五位、五・一%の株を持って、三菱油化が五・六%というふうに、株の配分のあり方もだいぶ変わってきておる。非常に大口の会社、資本力の強い会社がどんどんこれに新たに、新たにといいますか大株主として参加をして、利害関係はありますから、なかなか協力的な面もありましょうけれども、まかり間違うと振り回されるという危険性も持っているという内容がある、私はこの株主の配分状態から見てそう思わざるを得ない。そういう点で国策会社というものを処分するについては、合成ゴムというのは一つの非常に大きな経験として今後に生かしてもらわなければならぬ、こう思うわけでありますけれども、最後に申し上げておきたいのは、国有財産であるということをあくまでも考えて、それから国の非常な厚い保護のもとに、これだけ粒々辛苦伸びてきた会社であるだけに、今後ともその精神を十分に生かしてもらいたい。国としてもことまできたものを、もう民間に移譲したから突っ放すということでなくて、やはり保護育成していく責任がここに残されているのではないか、こういう気持ちがするわけです。日本合成ゴム会社が今後ともますます発展することを祈念するわけでありますけれども、その前提条件となるいろいろな基本の問題あるいは今後の運営方針について、まだまだ当委員会としては十分な関心を持っていかなければならぬという責任を持っておりますので、その点を十分お考えいただきたい、そう思うわけであります。  それから、やはり気がかりになるのは、上場されたときの株は二千八百円などではおさまらないであろうということを私ははっきりと予言をしておきます。そういう場合に、こういう価格が妥当であったかどうか。これは先ほど申し上げたように、静態的な会社の資産の状態だとか、あるいは利益がどうだということではなくて、今後の将来性、ずっといままでの上昇カーブというものの上に乗っかって、非常に海外的な競争が熾烈に行なわれる中ではありましょうけれども、そういう中での将来性を見ての、動態的な形における株の値段の把握のしかたというものは、ひとつなければいかぬと思うのです。これは非常に静態的な形における株価の算出のしかたであり、かつ加えて倍額増資ということになっているわけですから、これは上場したら株価は飛躍的にはね上がると思うのです。そういう点での株の評価のしかたというものには非常に疑問が多いということだけを申し上げて、私の質問を終わります。

宇野宗佑自由民主党

○宇野委員長代理 中村重光君。

中村重光日本社会党

○中村(重)委員 同僚各委員からいろいろ質問が行なわれたのですが、質疑を通じて私が率直に感ずることは、どうも科学的な合理性がない。国有財産の払い下げの問題については、これまたいろいろ問題点を感ずるのですが、将来の善処を期待をするということになってくるわけでございます。しかし、いまの加藤委員、石川委員から、随意契約でもって二千八百円で払い下げをやった、三菱化成に対する一般公開入札では三千百六十円だというのですね。随意契約でやった場合三千百六十円で払い下げをやったということであるなら、いろいろ批判も受けなかったのだろうが、随意契約で特にこれを落として払い下げをやったところに、実はいろいろ疑惑を持たれているわけです。そこに不明朗さというものを感じとられておる。私もそういった感じを持っておるわけです。そこで、二千八百円の積算の基礎がどうなっているかということが一応疑問点として出てくると思います。それから一般競争入札に付することを回避したということは、利害関係者に対して株が集中することをこれは回避しようとしたということで、私はそれなりの理解が実はできるわけです。しかし、だれからといって三千百六十円の三菱化成のいわゆる公開入札による価格、これを下回って随意契約でやっていいということにはならない。いま石川委員から強く指摘がございましたけれども、倍額増資ということはもう既定の事実である。その場合に現在の株式の所有者に対して株式を引き受けさせるということになってまいりましょう。そうすると額面千円ということになってまいると、これはぐっと上がってくるということになるわけです。どうもそこに意図的なものが感じとられるのです。もうはっきり日本合成ゴムというのは成長産業である、しかもシェアは五十数%という非常に有望な企業であって、さらに発展をしていく可能性がある、したがって倍額増資をしなければならないということになる。そういう際に、法十一条によったということになりますけれども、国の所有している全株を特に放出をした。しかも三千百六十円ではなくて、二千八百円にこれを下げて随意契約でやった。国会の審議が終わりまして、これが廃止という形になってまいりますと、直ちに手続が進められて、上場、倍額増資という形に実はなっていくわけですね。そこいらに各委員から指摘されている問題点というものがあると私は思う。だからその点はやはりはっきり解明されなければならぬと私は思うのです。  それから、一般公開入札のほかに何か方法がなかったのか、直ちに随意契約ということによらなければならなかったのかということです。一般の土木建築なんかのように指名競争入札ということが、この場合全く考えられなかったか。そういう方法が考えられるとするならば、利害関係者を避けて、随意契約をもってこの株式を引き受けてもらわなければならない者を指名をするというようなことも考えられるであろう。そのことは検討されなかったのかどうかですね。それらの点をひとつ答えていただきたいのです。

後藤正記通商産業省化学工業局長

○後藤政府委員 お答えいたします。先ほど石川先生の御質問のお答えの中にも若干触れたかと存じますが、その最初の一割の競争入札におきまする三菱化成の三千百六十円は、やはり当時の――現在でもそうでございましょうが、いわゆる世間並みの株の評価価格、その三つのやり方によるどの方式よりも、当時の事態として約千円高い、したがってここには当初日本合成ゴムの事業が興るときに示した三菱化成の意欲もあり、これは経済的な当然そこに落ちつくべき価格というものでなしに、三菱化成が将来このゴム合成に自分のところのBB溜分を供給する、さらに合成ゴム分野に准出するという経営的意図が経済的なファクターに加えて入った、いうなれば政策的な価格で三千百六十円というものが現出した、そういうぐあいに解釈は行なわれたと考えるのでございまして、先ほども申しましたように、株の三方式によるやり方によりますれば、日本合成ゴムの価格は大体二千二百円から三百円程度、それに約千円近く上回る価格というものが出たわけであります。しかし一方においてまた、従来この株の評価というものが全然未知数であったところに、公開入札によるところの三千百六十円という一つの価格があらわれたということもまた事実であります。その間に両者のおおむね中間をとり、同時にまた当時役員、従業員等への株の配分ということをも考えられましたので、引き受け能力等も考慮いたしまして、さらにまた中小ゴム工業者等の引き受け能力もあわせ考えまして、二千七、八百円のところということで落ちついたものであろうかと考えます。

中村重光日本社会党

○中村(重)委員 そういうことではお答えにならないと思うのですよ。いまの御答弁の中では、引き受け能力が相当のウエートを占めている。引き受け能力がなかったということにはならない。しいて言えば、会社の幹部の方々、それから従業員の方は引き受け能力というものに欠けたかもしれない。私はこれにも疑問が残るのです。各委員から、今日の日本合成ゴムを築いた会社の幹部の方あるいは従業員、こうした関係の人たちに対して株式を引き受けさせたということについては、たいへん御苦労だったということで功労に対しては当然である、これは私も同じ考え方を持っているのです。一致している。そこで、幹部や従業員に対して株式を引き受けさせたということはどういう意図であったか、このことを明らかにしていただきたい。

後藤正記通商産業省化学工業局長

○後藤政府委員 主として、会社の十年間にわたる発展に経営者としまた従業員として、この企業内部において努力を現実に自分たちでやってきたという人たちに対する功労的な性格であると考えます。

中村重光日本社会党

○中村(重)委員 それならば、いまあなたが引き受け能力ということをおっしゃった。ここにウエートがかかって、その他の利害関係者というものが入っているわけですね。それは、主として営利を目的としての利害関係というものだ。そういった人たちと経営者と従業員と同額で株式を引き受けさせたというところにやはり問題があると私は思う。功労というものを高く評価するならば、そうした会社の役員であるとか従業員に対しては額面引き受けというような形でよかったのではないか。そして、その他の引き受け者に対しては、これはいろいろと疑念が残らないように、三菱化成が三千百六十円でこれを公開入札で株式を所有することになった、その程度で差しつかえなかったんだと思う。だから、もう少しきちっと筋を通される必要があったのではないか。どうも不明確だ。

後藤正記通商産業省化学工業局長

○後藤政府委員 確かにそういう考え方も一つにはあったかと存じます。

中村重光日本社会党

○中村(重)委員 そういう考え方も一つにはあったと思う。ことばじりをとらえるわけではありません。確かにそうだといまあなたがお考えになるならば、これは、役人だから一ぺんやったことに対して非を感じても強がりを言わなければならぬというようなつまらない気持ちを働かさないで、やはり認むるところは率直に認むる、そういう態度が必要だと思う。しかし、それは、私は大蔵省と通産省をここに並べて通産省の肩を持つというようなことをやってはならぬかもしれない。これは通産省も大蔵省も同じだと思う。これはどちらかというと、株式の放出の問題に対しては、価格の問題では大蔵省が相当シビアーな態度をとっておったんだということを聞かされておりますが、大蔵省としてはどうだったのですか。いま私が申し上げたような二千八百円に随意契約でやった、それから会社の経営者、従業員は随意契約と同額ということでなくて、功労ということからこれを引き受けさせたということになるならば、他の関係者と同額であったということに問題があると私は思うのです。これはやはり特別な配慮というものがなさるべきである。それでないと筋が通らないような感じがする。同額では功労株的な性格を持つという形にはならないのではないか。どうですか。

青鹿明司大蔵省理財局次長

○青鹿説明員 大蔵省として、同時に一括処分いたしました株式でございますので、現実の取り扱いといたしましては別個の価格をつけるわけにはまいらなかったのではないかと思います。

中村重光日本社会党

○中村(重)委員 そうすると一括処分をした。別途のそれぞれの配分というのはどこでやったのですか。

青鹿明司大蔵省理財局次長

○青鹿説明員 処分先につきましては、通産省の御推薦によってきめたのでございます。

中村重光日本社会党

○中村(重)委員 それじゃやはり通産省だということになるわけだ。しかし、時間の関係もありますから、他の問題をお尋ねいたしますが、日本合成ゴムを国策会社として発足させたということについては、やはりそれなりの政策目標というものがあったわけです。だから株式を放出をしたということは、その政策目標というものが達成された、こういう認識の上に立って放出をすることになったのですか。

後藤正記通商産業省化学工業局長

○後藤政府委員 御承知のとおりこの法律の十一条に、会社の経理的基礎が確立したときは云々、なるべくすみやかにこの処分をする、こういうことも法文上ございますので、三十八年度下期以降会社は一割配当を続行いたして今日に至っております。経理的ないろいろな報告書その他による会社の実態認識につきましても、経理的な基礎は確立したと考えられますので、これに踏み切ったわけであります。それで政策目的ということでございますが、当初合成ゴム事業を日本で始めますにあたりましては、確かに将来の需要供給のアンバランスの問題、さらにまた、ある一定規模でこれを始めて、そのスケールメリットがなければ、効率のいい国際競争力ができる合成ゴム事業というのは興らないであろうという考え方から、特別法をつくって、この会社を国の全面的な支援によって盛り立ててきたわけでございます。会社は、現在におきまして十分なる経理的基礎と同時に、技術面におきましても、さらにまた将来性その他一般の見方からしましても、りっぱに一本立ちするようになってきた。しかし今後とも国の合成ゴムを育てる、この会社を離れまして全般的な合成ゴム事業というものを健全に発展させるという政策目標は、これによって中断と申しますか終止符を打ったということではないと存じます。天然ゴムの世界的な供給の停滞状況、それからさらにまたモータリゼーションと申しますか、自動車の分野を中心といたしますゴム需要の旺盛な先行きの問題等々、今後ともとの合成ゴムというのは全ゴムのうちで比率は世界的にも日本の国内的にもふえる一方であると存じます。したがいまして、この会社は一本立ちするまでに育ちましたが、今後とも全般の産業分野の中におきまして合成ゴム工業を石油化学工業中の重要なる一つの部門として育てていかなければならぬという政策には変わりはないかと存じます。

中村重光日本社会党

○中村(重)委員 お答えのようなことで、国策会社として日本合成ゴムの設立というものがなされた。それと同時に、まだまだ石油化学工業は資本にしても技術にしても外国に依存をしておる。したがって一般的な国策という観点から強力な推進をはかっていかなければならぬということはわかる。同時に、日本合成ゴム株式会社という国策会社の存在というものは、そうした一般的な政策目標を進めていく中において特に国の政策会社の存在というのはやはり大きな役割りを果たすであろうと私は思う。そういう意味から政策目標というものは十分達成されたということにはならぬのじゃないか。あなたはこの株式の放出というものを十一条に求められたんだが、おっしゃるとおり十一条は「経理的基礎が確立したと認めるときは、有価証券市場の状況を考慮し、なるべくすみやかに、その所有する会社の株式を処分する」こうある。ところが経理的基礎というものにのみあなたは相当力を入れられ――十一条はそういうことになっております。ならばお答えのように、三十八年の下期からですね、そこから一割配当ということになったのです。だから経理的基礎というものは三十八年下期、三十九年も確立しておったわけです。それを今日まで放出をしなかったということは、必ずしもこの第十一条に忠実であったということにはならぬと思う。だから、経理的基礎が確立をしたということでこの放出を十一条にあなたが積極的に求められるならば、またそうしなければならぬのだったら、もっと早く放出をすべきであったのではないか。この十一条に求めるのではなくて、むしろ政策目標という根本的な問題に視点を置いて、株式を放出すべきかすべきでないか、その時期をいつにするかということをおきめになるのが当然の態度でなければならないのではないかと私は思います。その点いかがですか。

後藤正記通商産業省化学工業局長

○後藤政府委員 先ほどのお答えに私のことばが少し足りなかった点もあるかと存じますが、十一条は経理的基礎の確立のみではございませんで、「と認めるときは、有価証券市場の状況を考慮し、」という文言がございます。したがいまして、三十八年度下期から一割配当をするに至りましたけれども、三十八年度下期、したがって決算期が三十九年三月でございます。三十九年から四十年に、さらに四十一年の初めにかけましてちょうど不況期にございまして、株価は低迷状況を続けました。したがいまして「有価証券市場の状況を考慮し、」という条文もございますとおり、景気が大体立ち直ってきたというのが種々の経済指標によって確認をされた段階において、なるべくすみやかにこれが処分を検討し、実行したわけでございます。

中村重光日本社会党

○中村(重)委員 有価証券市場の状況を考慮する、それもあるわけですね。しかし好不況ということによって産業政策上の重要目標というものをそれに追随をさせるということは、私は必ずしも当を得たものだとは思いません。より根本的な政策目標の上に立ってこの株式の放出ということをおきめにならなければならなかったのではないか。先ほど来、株式の放出に伴っての価格の問題等々、さらに倍額増資の問題等の関連か円いろいろと疑惑、疑念を持たれ、指摘をされたということも、私がいま申し上げておることと無関係ではありません。ともかく端的に私をして申し上げさしていただきますならば、きわめて無原則であるということです。この国策会社を設立したという根本理念の上に立って対処しておられたならば、やはり問題というものはいまのようないろいろな批判を受けるようにはならなかったのではないか、そういう感じがしてなりません。  さらにお尋ねを進めてまいりますが、先ほど国有財産の処分の問題に対しましては、これは将来に善処する――善処するということよりも、実は国有財産の関係法律案の通過にあたって大蔵委員会で附帯決議がつけられた。先ほどの当委員会においてのお答えもはっきりした御答弁がございました。だから方向ははっきりいたしておりますし、今回のような問題は起こってこないと思います。だがしかし、やはり私どもは商工委員会の立場に立って、この法律案を制定をいたしましたときの委員会の意思というものがどういうものであったか、どういうことを政府に求めたかということ、これは私自身がこれを無視するわけにはまいりません。この法律案の制定のときに附帯決議がつけられておるのでございますが、この附帯決議を御承知になっていらっしゃいますか。

後藤正記通商産業省化学工業局長

○後藤政府委員 承知いたしております。

中村重光日本社会党

○中村(重)委員 その二項に「本法による会社の設立並びに運営の経過については、適時国会に報告すること。」こうあります。これについての皆さんの理解を私から大蔵省、通産省にそれぞれ伺ってみたい。「会社の設立並びに運営の経過については、適時国会に報告すること。」とあります。報告なさいましたか。いかがです。

後藤正記通商産業省化学工業局長

○後藤政府委員 この日本合成ゴム株式会社の根拠法でございます合成ゴム製造事業特別措置法が三十三年に改正されまして……。

中村重光日本社会党

○中村(重)委員 いろいろなことをお読み上げになる必要はありません。私が読み上げました附帯決議の二項ですね、これをあなた方は、国会の意思を尊重するという立場から、国会軽視にならないように、この線に沿って報告すべきものを報告をするという扱いをなさったのか、こう尋ねておるのだから、やったならやった、やってないならやってないとお答えになればいい。

後藤正記通商産業省化学工業局長

○後藤政府委員 法改正の時点においてはいたしましたが、その後いたしておりません。まことに申しわけないと思っております。

中村重光日本社会党

○中村(重)委員 国有財産である株式の放出、これはこの附帯決議の二項にある「会社の設立並びに運営の経過については、適時国会に報告すること。」ということに私は当てはまると思うのでございますが、その点いかがでございますか。

後藤正記通商産業省化学工業局長

○後藤政府委員 まことにおっしゃるとおりだと思います。申しわけございません。

中村重光日本社会党

○中村(重)委員 大蔵省、いかがですか。

青鹿明司大蔵省理財局次長

○青鹿説明員 局長のおっしゃるとおりでございます。

中村重光日本社会党

○中村(重)委員 それならば、なぜにあなた方は、国会に報告することが明らかであるにもかかわらず、国有財産法のみにとらわれて、総括大臣である大蔵大臣、産投会計担当大臣である大蔵大臣、これとの関係については協議をする必要がなければあるいはまた引き継ぐ必要がない、法的には少しも違法性はないのだ、そういうことで終始しようとなさるのですか。政府が各委員会等で決議されるところの附帯決議なんということは、全然問題にしていない。大臣が、附帯決議の趣旨を尊重いたします、十分善処いたしますとか、あるいはその線に沿って推進をいたしますとか、いろいろなことを言っていらっしゃるが、そのときだけですよ。これは一種の行事みたいになっているのですね。少しもこれらの点について尊重していこうという態度をおとりにならない。政務次官、あなたは政治家だから、このことについてどのようにお考えになります。

植木光教自由民主党通商産業政務次官

○植木政府委員 お説のとおりでございまして、会社が設立せられました翌年の国会の法改正の際には、設立の経過を御報告をしたということでありますが、その後会社が順調であるというようなことで報告をいたします義務を怠っていたようでございまして、これはまことに遺憾だと存じます。今後十分注意をしてまいりたいと思います。

中村重光日本社会党

○中村(重)委員 いまあなたは、会社が、とおっしゃったのだけれども……。会社がそうした報告の義務を怠った、そうおっしゃいましたね。

植木光教自由民主党通商産業政務次官

○植木政府委員 いや、私が申し上げましたのは、会社が経営上順調に進んでまいりましたので、特に通産省としても御報告を申し上げなかったようでございます。これはまことに申しわけないと思っております。

中村重光日本社会党

○中村(重)委員 株式の放出について、いわゆる国有財産法に基づいて、盛んにこのことを強調された。しかし、先ほどの加藤委員の質問に対しましては、大蔵委員会におけるそうした附帯決議等も十分承知をしておられる、大蔵大臣も出席してはっきりお答えになっておるのだから。将来の方向がはっきりしてきたから、あのような御答弁をなさったのだと思う。しかし私は、少なくとも委員会における、こうした附帯決議がつけられておる以上は、この趣旨を尊重していかなければならぬという真剣な態度というものを持っておられない、このことを指摘しているわけです。  大蔵省にお尋ねをいたしますが、この株主権の行使という問題についても、それは通産省が監督上の責任がある。したがって通産省がこの法律に基づいて業務の監督をやっているわけだ。そこで土地、建物といったようなことではないのだから、株式だから実地監査というすべもない、また必要もない、また協議も受けていないのだから、そのことについては大蔵省としてはどうすることもできないのだという意味のお答えがなされたのだが、通産省のこの業務に対し、あるいは経理監査というのも、第五条から八条にかけてあるわけです。しかし、これは通産省の行政監督という線は、私は出ないと思う。しかも広い意味の特殊法人でございますから、これは純粋の特殊法人と違って、きわめて監督の点もきびしくやらなければならぬということにはなっていないようです。また立ち入り検査も一回もやったことはないとおっしゃるのだから、これは第五条ないし第七条あるいは第八条という関係の条文というものは、単に形式にすぎなかったということです。何にもやっていない。しかし少なくとも大蔵大臣は株主権の行使というものがなければならぬと思う。その立場から、株主総会等に行って発言をするということだけではなくて、もっと国民の財産であるから、やはり監査というものをやる責任というものがあったのではないか。加藤委員に対する先日の答弁のような、無責任なことでは、私は済まされないというふうに感じるのでございますが、この点はいかがでございましょう。

青鹿明司大蔵省理財局次長

○青鹿説明員 株主といたしまして、当然具体的には株主総会に出席いたしまして、議決に関係したということでございます。そこで具体的な監督の方法でございますが、この法律の第九条に、通産大臣が法律に基づきまして認可を行なう場合に、大蔵大臣と協議することになっておりますが、この協議を受けましたその段階でもって総合判断をいたすことになっております。

中村重光日本社会党

○中村(重)委員 私が申し上げているのは、当然特殊法人なんだから、通産省が業務の監査というものをやるということをおっしゃっておられたわけです。それはわかるのですよ。しかしあなたは、株式であるから実地監査というものはできないのだということを同時にお答えになった。しかし私は、これはいわゆる大株主なんだから、そういう意味で株主権の行使というものは当然おやりになる必要があるのではないか、できないのだというようなことであってはならぬ。ましてや通産省が行政上の監査をやるといっても、事実やっていないでしょう。先ほどあなたがお聞きになっていらっしゃるとおり、一回も立ち入り検査をやっていない。単に報告を受ける。それにだれが目を通しているかわからない。ほとんどが目を通していない。膨大な報告書かどうか知りませんけれども、それを取け受ったということだけで、いままでやっているのじゃないですか。しかし少なくとも大株主である大蔵大臣としては、それでは済まされないと思うのです。いろいろこれは大蔵省として条文というものの上に立って、それぞれの行為をとられるということはわかりますよ。しかし実地監査をやってはならぬということも書いてはないのですね。それから財産の処分の問題等にいたしましても、協議をする必要もないとか、引き継ぐ必要もないとか、そういうようなことは何にも書いてないのです。やはり国民の財産なんだ。十億円という、これは相当巨額な財産なんだから、進んで協議もしなければならないとか、あるいは株主権の行使ということで会社の経理の監査というようなこともやる、そういう努力をされることが当然ではないかというように私は感じるわけです。だからそのことをひとつお答えを願いたい、こう申し上げておるわけであります。

青鹿明司大蔵省理財局次長

○青鹿説明員 御忠告を受けたわけでございますが、この会社につきましては特別の法律がございますし、通産省の監督が十分行き届いていることが前提で実は私どもおったわけであります。

中村重光日本社会党

○中村(重)委員 私は、これで質問を終わりますが、この委員会等において附帯決議をつけたということについては、御承知のとおり大臣が尊重する、こういうことを表明しているわけですから、やはり事務当局とされましても、そのことを十分尊重して、そういう態度を今後とられることを強く望んでおきたいと思います。国有財産の問題等におきましても、それぞれこれから作業を進めて、特別会計の財産であろうとも、当然これは大蔵大臣と協議をするとか、あるいは総括大臣である大蔵大臣に引き継ぐべきものは引き継ぐということに、これからはされるのだろうと私は思うのですが、そういうことをすみやかにひとつやっていただくということを強く望んでおきたいと思います。  同時に、参考人に申し上げておきたいと思いますが、この従業員の賃金というのは、ここ一、二年大体世間並みになっているようでございますけれども、非常に低かった。従業員の――経営者も当然でございましょうが、今日までの努力というものは高く評価される。同時に、株式の引き受けの価格の問題等にいたしましても当を得ていないと私は考えます。この後、従業員に対しましては、十分優遇すべきところは優越する、そして、この国策会社であった日本合成ゴムが社会的にも貢献をしていく、そういう一つの態度をこの際経営者としては十分発揮をしていただきたい。そのことを強く要請をいたしますが、お答えを願いまして、私の質問を終わりたいと思います。

川崎京市日本合成ゴム株式会社副社長

○川崎参考人 私どもは、この会社の設立の趣旨というものは、この会社が民間企業であろうが何であろうが十分守り抜き、それを達成するために社長以下全員一丸となっていままでもやってきたつもりでありますし、今後もやっていくつもりであります。その点で先日来のいろいろ諸先住の御質問や、その中に、この会社のことをほんとうに自分たちが生んだんだという気持ちで強く意見をしていただいたし、それから、愛情も持って、あるところはよくめんどうを見たようにあたたかいことばをいただきまして、私は非常に感激しております。  そういうことのないように、実は昨年の七月株が放出ざれたとき、並びにことしの正月、社長は、全工場を回りまして、こういうことになりそうだけれども、いままでわれわれがやってきたこの会社の設立の趣旨を十分体して、それを全うするためになお一そう全員一致協力してやってくれと、親しく全従業員を集めて、各事業場を回って歩いたような次第でございまして、私もその旨を体して、当然社長と一緒に今後も経営していくつもりでございますから、どうぞよろしく御指導をお願いいたしたいと思います。

宇野宗佑自由民主党

○宇野委員長代理 塚木三郎君。

塚本三郎民主社会党

○塚本委員 最初通産省にお尋ねいたしますが、この株の処分につきまして、御承知だと思いますが、株界におきましてもこれはたいへんな人気の的になっておるようでございます。で、これはどうしてそうなったかということは、いろいろと原因があると存じますが、ただ、私どもの立場から申し上げてみますると、先に処分されて国会にこの法案がかけられたということに、まあ言ってみるならば――たてまえからいくならばこれでいいかもしれませんが、しかし、何かしらそれではふっ切れないような感じがいたすわけでございます。どうしてあわててこういうふうな処分に先に踏み切ったのか。いや、法律があるからあわててじゃないとおっしゃるかもしれませんけれども、しかし、それにもかかわらず、私どもの気持ちからいたしますると、そんなにあわてなくてもいいじゃないかという感じがいたすわけでございます。どうしてこれを先にやらなければならなかったか。もちろん株の処分と法案とは関係がないというふうな見方をされておるとは存じますけれども、それにもかかわらず、なぜわずか半年ばかり急がなければならなかったのか。おそらく、いままですべて国会のことに精通の局長は、そのことが問題になることくらいは御存じになっておったはずだと思うのでございます。その早くしたければならなかった理由をお聞かせいただきたいと思います。

後藤正記通商産業省化学工業局長

○後藤政府委員 お答え申し上げます。この法律の第十一条には「政府所有株式の処分」とございまして、「政府は、会社の経理的基礎が確立したと認めるときは、有価証券市場の状況を考慮し、なるべくすみやかに、その所有する会社の株式を処分するものとする。」とございます。したがいまして、会社設立の当初と申しますか、この法律ができ上がりまして、その後改正を経まして現行法になったわけでございますが、この株式の処分についてはすでに基本方針として定まっておったわけでございます。  そこで、二つの要件がございまして、経理的基礎の確立という要件でございますが、これは三十八年度下期、すなわち三十九年三月期の決算におきまして会社は黒字に転じまして、そうしてその後の経営見込みも十分に収支相償う、そういう状態と認めましたのが一つの要素でございます。それからさらに、この経理的基礎の確立に加えまして、「有価証券市場の状況を考慮し、」とございますが、「なるべくすみやかに、」とございますので、しからばすぐその場で三十九年三月、三十九年の前半あるいは後半にかけてこれを処分すべきであったかと考えますが、一方におきまして「有価証券市場の状況を考慮し、」とこういうファクターがございますので、時あたかもケネディショックとかあるいはまたオリンピックの過ぎたあととかいうので、非常に国内の景気は下降期にございました。で、株式市場も当然それにつれまして非常に低迷期、ダウ平均も下がっておったわけでございます。したがいまして、この株価が上向いて株式市場が安定をするという事態を待っておったわけであります。その景気の回復、株式市場の安定という状態は、四十一年の初めごろからそういう状態が出てまいりましたが、その間の景気動向の推移をながめまして、四十二年の十一月に至りまして、まず株価が幾らであるかという――未上場株式でございますので、その評価をまずきめるために、一部試験的と申しますか、先行いたしまして一割の競争入札を行ない、その結果が非常に高かったというわけで、その後随意契約の方法をとって四十三年七月に全量を処分いたした、かような経過でございます。

塚本三郎民主社会党

○塚本委員 大蔵省にお尋ねしますが、これが処分なされたときのダウ式平価株価は幾らでございますか。

青鹿明司大蔵省理財局次長

○青鹿説明員 ただいま手元にある資料では七月の平均しかわかっておりませんので、それを申し上げておきますが、千四百八十四円八十六銭でございます。

塚本三郎民主社会党

○塚本委員 現在は千七百六、七十円台になっておると記憶をいたしております。株価の状況によってということのいま局長の判断がありましたが、なぜ急がなければならなかったかという私の質問に対して、後藤局長からは、かつて株の状況が悪かったという話でございますが、しかし急いでやってみても、いまのダウ式平均株価からいいますと三百円ほど低いわけでございますね。もちろんそんなことが予測できるものじゃございませんから、私は安いときに売ったと文句を申し上げるわけではございませんが、しかしあなたの株のいわゆる売買に対する当時の市価という形から考えてみると、必ずしも急いで行なう必要はなかったのではないか。御承知のとおり、当時の日本の株価をいわゆる指標とする最も大きなものは、外貨の保有が一つのバロメーターになっていますね。いわゆる貿易収支の一つのバロメーターとなっております外貨保有がぐんぐんと伸びていきつつあるその過程であったと思うわけでございます。だからそれを、たとえばそういろ株価の安定した、高く売りつけられて政府にできるだけ利益をもたらそうという、そういう気持ちがあるとするならば、あえてそんなに急いで売る必要はなかった。もちろんそのことはこの合成ゴムの株とは関係がないかもしれません、ダウ式でございますから。しかし一般的な評価としてはそういうことが言われるのじゃなかろうか。私がお聞きしたがったのは、国会でこういうふうに議論になるということがおわかりの局長のお立場から考えて、なぜ急ぎ売りをなさったのかという私の質問でございますが、再度答えていただきたいと思います。

青鹿明司大蔵省理財局次長

○青鹿説明員 たいへん申しわけありません。数字を見間違えました。四十三年七月ダウ平均は千五百六十五円十五銭でございますので、訂正さしていただきます。

後藤正記通商産業省化学工業局長

○後藤政府委員 先ほどことばが足りなかったかと存じますが、特別に急いだわけではございません。特にこの法律十一条にございますように、二つの要件が備わったら「なるべくすみやかに、」こういうことになっておるわけでございます。したがいまして、この二つの要件、片一方の経理的基礎が確立した、そうしてダウ式の平均株価を見ましても、確かに落ち込んできておる状態とは見られない。したがって、それがせめてもとのところまで回復して、さらに先行きが相当安定してくるという事態において売り払ったと申しますか、譲渡したわけでありまして、特別に急いだわけではないわけであります。それからさらに、この法律を――先ほど御質問の中にあったかと存じますが、私お答えを申し上げませんでしたが、法律の廃止を先行させるわけにはまいらないわけでありまして、十一条というものがございます以上、この法律を廃止いたしますと、何によって、どういち根拠に基づいて政府所有の株式を処分するかという、法的根拠がなくなるわけでございますから、法律の生きておる間と申しますか、廃止される前に、これは時間的な経緯は当然そういう順序になっておると思います。

塚本三郎民主社会党

○塚本委員 それでは、法律の廃止とともに、もう少し、いましばらくこれを持続させる、こういうことは考えられなかったわけですか。株もそのまま保有し、そしてまた、なるべく早くといっても影響力が大きいと思いまするので、いましばらく政府がこれを持っておるというようなことはできなかったわけですか。

後藤正記通商産業省化学工業局長

○後藤政府委員 やはりこの法律のたてまえからいたしまして、法律の廃止と同時に、あるいはさらに、それは突き詰めますと判断の問題になってくるかと存じますけれども、「なるべくすみやかに、」という明文もございますので、この時期において処分するのが適当であったと考えます。

塚本三郎民主社会党

○塚本委員 会社側にお尋ねしますが、これは、最初の立法の所期の目的からいたしますると、今日の段階では、その目的は大体達せられたというふうに受け取っていいわけでしょうか。会社の運営からいたしますと、今日の段階では……。

川崎京市日本合成ゴム株式会社副社長

○川崎参考人 私どもの判断では一〇〇%以上というようなところまではいけませんけれども、大体独立しても、いままで非常にお世話になったそのお世話を、これから民間になりますれば全部自立してやらなければならぬのですが、非常にそれは苦しいでしょう、いままで特別の保護を受けたものがなくなるのですから。しかし、その苦しい中でも何とかしてやっていけることになったそのこと自体が、大体趣旨を達成したことじゃなかろうかと思います。それで先ほど申し上げましたように、われわれは国策会社の時代であろうと民間会社の時代であろうと、この設立の趣旨は終生といいますか、この会社ある限り貫くということは、社長はじめ従業員一同も覚悟しておりますので、十分やっていけるのじゃないか、かように考えております。

塚本三郎民主社会党

○塚本委員 その趣旨を貫くという、その根拠というものは何かあるのでございますか。これから株が譲渡され、この法律が廃止になってしまっても、国策会社としての精神的なもの以外に、具体的な何かそろいう突っかい棒のようなものがあるのですか。

川崎京市日本合成ゴム株式会社副社長

○川崎参考人 このときは私どもはこういうふうに了解しておるのであります。この会社の設立のときには、原料ゴムの国産化とか、それによっての外貨の節約とか、それからゴム価格の安定、安価な合成ゴムの国内需要に見合う供給、これを貫くことがこの設立の趣旨を貫くことだ、こう考えております。

塚本三郎民主社会党

○塚本委員 しかし、これは自立してやっていきますと、そういうような趣旨では、最初はもちろん国策のあれでしょうから、そういう趣旨ではございましょうけれども、独立してやっていく以上、何かこれに対する、そのものをチェックすべきものがおそらくなくなってくるのではないですか。会社はやはり会社として利潤追求のまっただ中に立たされるでございましょうから、そういうことでは、別にそういう趣旨だからというようなことで、何かこれをチェックすべきもの、これは通産省の立場からいって、法律もなくなってしまう、そうして株も全部渡してしまったということで、何かチェックするような方策というものは、公害問題とか、そういうことはまた別でございますけれども、そのほかで何かこれを趣旨に――いまからそんなことを申し上げることはたいへん御無礼な表現ですけれども、しかし、国民の側から言わせると、何かこれをチェックすべき根拠というものは法的にあるのですか、ちょっと局長、教えてもらいたい。

後藤正記通商産業省化学工業局長

○後藤政府委員 この法律を廃止いたしまして、完全な私企業ベースに日本合成ゴム株式会社が移行いたしました暁におきましては、法的な根拠に基づいてチェックするという法律的な根拠はないと存じます。ほかの一般の合成ゴム関係の企業と同じような意味の行政的な指導なり行政の対象とはなるかと存じますが、法的な根拠は当然なくなるものと考えます。

塚本三郎民主社会党

○塚本委員 逆に今度は、法律はそうなっておりますが、政府がこの株を所有しておって、そうしてこれがかえってよくないという、そういう悪い具体的な影響は何かございますか。

後藤正記通商産業省化学工業局長

○後藤政府委員 おそらく塚本先先の御質問は、株をかりに放出せずにずっとこのまま推移さして、そうしてあくまで国のそういう支援と、同時に監督とをあわせ併行して、将来ともこの現状を維持していったほうがよかったのではないかという御質問の趣旨かと了解いたします。その点でございますが、この合成ゴム会社法ができましたときに、ここに処分規定がございますし、当時の法案の審議の過税におきまして、政府側として、この株の所分が終了したときは、この法律ははずすというお答えをいたしておりますし、これは記録に残っております。したがいまして、一本立ちができるようになった、将来の心配がなくなってまいった場合には、一般の私企業と同じように頭を並べてこれを進ませるという前提のもとにこれはできあがっていると了解しておるわけであります。したがいまして、私は塚本先生御指摘のような考え方も一つの考え方であると存じます。国はあくまでもその株式の何%かを所有し、これに対する恩典を与えると同時に監督、規制は強化し、今後とも非常に将来性あり、重要な合成ゴムというものの産業の分野を国の産業政策の一つとして進めていく、こういう考え方も一つの考え方であると存じます。しかし、本件に関しましては、この法律の条文並びにこの法律審議の過程におきまして、これはある一定の時期へ来たらはずして一般私企業並みにするのだという前提でございますので、この案件につきましては、私はこうさるべきが妥当だったと考えます。

塚本三郎民主社会党

○塚本委員 でも、これが必要であるならば、逆にいうならば改正するような法案を出せばいいでしょう。だから逆に、これを持っておることによって政府が株式を所有し、政府の監督を今後も続けて、どうせ合成ゴムはこれからたいへんな問題になってくるのですから、ある程度基本材というものの市価の低位安定をさせるということ、このことはひとり鉄鋼だけの問題ではないと思うのです。だからそういろ意味から、重要産業の中の原料供給の最も大きな柱の一つだと思うのです。こういうものを市場に自由にまかせっぱなしにしておかずに、幸いに政府が握って指導してきたのですから、今後もある程度そういうふうにして、重要産業というものはそういう傾向にいくべきだという私たちの考え方からするならば、こういうことをして、ある程度私企業の利潤追求だけにまかせないという形を継続したほうがいいんじゃないかという感じを持っておるのです。もちろん政府のほうと基本的な考え方が違っておりますから、いまここで論争しようとは思いませんけれども、しかしそれにもかかわらず、持っておることに対するマイナス点というのはあったのでございますか。

後藤正記通商産業省化学工業局長

○後藤政府委員 これは、会社からまだ正式な事業計画書、資金計画書は四十四年度以降について出ておりませんので、非公式な私どもの了解のしかたでございますが、現在の四日市地区並びに千葉地区に加えまして、鹿島の工業地帯におきましての土地取得等を根幹といたしまして、今後さらに飛躍的に大きくしていきたい、こういう計画をこの会社は持っております。それから現在のこの会社の製品の価格その他の動きを見ましても、他の会社に比べまして、合成ゴム十社あるわけでございますが、さらに国際的な比較におきましても、決して遜色がないところまでいっております。そうなりますと、事業計画等を拡張いたしますために、資金等の急速なる充実と申しますか、充足をいたしますためには、国の場合でございますと常に予算措置等伴いまして、現在の四〇%のシェアを維持いたそうといたしますならば、倍額の六十億になりますと二十四億にならざるを得ない。さらに十四億を国から出資したり、そういうことになる。そういたしますと、国の財政規模の問題あるいは財政の指向する方向の問題ともからんでまいりまして、自由なる企業が十分に育って活躍するのに対してタイミングを逸したり、あるいは国の全般の大きな問題とのからみにおいてその計画自体がチェックされるというような事態も起こり得る可能性がございます。したがいまして、会社設立に際しましての、また本法制定に際しましての経緯等にかんがみまして、現在の体質で十分他の九会社と比較し、さらに価格の面で国際的な競争に耐え得るといういろいろな点を考え合わせまして、国の助成措置をはずすと同時に、監督規制もはずして自由なる企業活動にまかせるというのが適当であると本件については考えております。

塚本三郎民主社会党

○塚本委員 いま増資のお話が出ましたが、逆に監督規制をはずしてしまったら、増資をしてぽっぽっと大きくなってしまって、あとから公取のほうにお尋ねしようと思っておりますけれども、そんなことをすることによってかえって危険な状態になっていきはしませんか。その点々、私は別なところでお聞きしようと思いますが、たとえば日航製もわざわざ法案を出して、そうして増資をしておるということなどから考えてみて、これはうまくいけないやつだけは政府が金を出す、うまくいったときだけは民間に売り渡して、政府はまずいところだけを食べさせられておる、どうせ国民の税金だからなんと世間では言われて、あの合成ゴムの株をねらえ、だれかそれがうまく手に入らぬだろうかなんて株界でささやかれておるとことを私たちも耳にいたしますと、これは法律がいかがあろうとも、現状にはあまりにもそぐわぬものなんだというふうに、実は私は気持ちの上でそういうふうに思うのですよ。そうかといって、一つも増資に応じたようなことがないとか、あるいは法案を出して最初に会社をつくったときの趣旨に違えたことがないということならば、それはもうそうでしょうが、現に日航製のごときは、二年前にこの会場でもってわざわざ法案を出して十億の増資をさせたことは御承知のとおりですね。そういうことをしてみると、片一方、飛行機のほうはまだもうからないものだから国がやってやるのだ。そして片一方は、もうかってみんなが舌なめずりをして、株界で、第二部に上場すべき次の会社は何だろうか、その十傑の中の合成ゴムをねらえ、おまえさん、国会議員なら何かその株が手に入る方法がないものかなんてわれわれが言われてみると、全く気持ちの悪いものであります。これが市場でささやかれているということでございます。  ですから、私が申し上げたかったことは、あわててという表現はそれは皮肉に聞こえるかもしれませんが、そんなものがあったかいなという――私はまだ商工の一年生でございますから、当時法案のできたときは私は知りませんから、そんなものが政府の手であったかいな、私は正直なところがその程度の認識しかなかったのです。しかしよく振り返ってみると、一昨年ここで日航製の問題で、全く同じような形で増資をして、なお政府がてこ入れをしておる。これはYS11が相当うまくいっておるというととで、いいことだと思うのですね。そのときになおこの問題は政府がさらに出資をして、新しいあるいは大型な機種をと言っておるときに、合成ゴムだけが、株界でささやかれておるのでよけいあわてて始末をしてしまった、世間ではそういう声も耳に入ってくる。無責任な声ではあろうと思いますが、それだけによけいに、われわれは細大漏らさず皆さま方の立場というものをはっきりとしていただく必要があるということから、私は法案がきちっと見通しがつくまで株を持っておいでになるべきではなかったか。しかも、先ほど株式市場の話も出ましたけれども、訂正をなさっても、なおダウ式、平均株価からいくと二百円ほど安いとき、しかも日本の外貨保有高がウナギ登りにのぼりつつある時期であったと判断いたしまするとき、私は持っておって困るような何かがあるんじゃないか。法案がなくなる前に増資までなさらなかっただけは若干の良心が残っておるのだ、こういうふうな皮肉も言われるわけでございますけれども、しかしいずれにいたしましても、そういう意味で、いまから考えてみてこれはもう少し慎重でなければならなかったというふうには私は思うのですけれども、局長どうでしょうか。

後藤正記通商産業省化学工業局長

○後藤政府委員 種々の角度からの塚本先生の御意見でございますが、私どもといたしましては、慎重に熟慮の上この株式は処分されたと考えております。

塚本三郎民主社会党

○塚本委員 こういうふうな見方になるのですよ。民間企業育成のために政府がどかっと金を出しておいて、その会社が一応ひもつきでいわゆる国策会社になっておる。そして、結局うまくなったところでぽっと手を放してしまう、民間の税金で一会社だけうまく育ててやって、うまくなったからまた民間に戻してやるということは、いかにしても、国民の目から見たときに、これはきわめてまずい感じに受け取られるわけです。夜テレビをパチッとひねると、ダイキン工業と日本合成コム提供なんてテレビで毎晩毎晩――私どもやっとうちへ落ちついて、おふろから出てパチッと入れると、とにかく一番花形のクーラーのダイキンとあの合成ゴムが一緒になって出されておる。もう少し、この法案が決着がついてしまって、民間会社のそういう形にきちっとなってしまってからおやりになるという配慮ぐらいはなされていかなければいけなかったのじゃないか。そういうふうなことが平気で大胆になされるものだから、この会社はいい内容だぞと、株界においてこれが騒がれてくるというふうな形になってくるんですよ。どうでしょう。一般の民衆の気持ちからすると、いまごろ商工委員会でごたごた言っても手おくれさ、なんて株界の連中から言われると全く気持ちがよくないのです。われわれの立場からそう思うのですけれども、副社長さん、どうですか。

川崎京市日本合成ゴム株式会社副社長

○川崎参考人 あれはたまたま勧誘されまして、だんだんうちの製品が幅広くなりましたので、全体にもう少し会社というものを認めてもらって、製品の販路を広げようとして起としたことでございまして、別に他意があるわけではございませんし、こういうふうになったからこうしたんだ、こういう気持ちではございませんでした。ただ単なる宣伝の一環としてやったことでございます。

塚本三郎民主社会党

○塚本委員 化学工業局長、私どもそういうふうな感じで受け取って、特にこの法案が国会へ出されてから、私はよけいそういうことが目につきまして、せめてこんなもののPRくらいは差し控えておいてくれなきゃというふうに、私はそれを耳にすると思うのですけれども、あなた自身、そういろ監督する立場に立っておいでになって、やはり国民の目はきびしいんだということで、何かこれはまずいというようにお思いにならぬですか、現在法案がある前で宣伝がなされておるのを。

後藤正記通商産業省化学工業局長

○後藤政府委員 たまたま私テレビに気がつきませんで、いま御指摘を受けたのでありますが、株価のうわさの種になるということも含めまして、テレビ等に出して一般的に国民の感じとして疑惑を持たせるような、そういう疑いを持たせるような行動、言動、ビヘービアというものは、企業としてはとらせるべきでない。その点に関しまして、もしそういう感じが出てまいったとするならば、その点は十分注意してまいるべきであったし、今後まいるべきであると考えております。

塚本三郎民主社会党

○塚本委員 きょうは大臣もお見えにならぬから、お聞きしてもあれだと思いますけれども、いわゆる原料供給の企業というものは、そういう基本的なものは、社会主義政治体制の国でなくとも、イタリアにおいても、フランスにおいても、あるいはまたドイツにおきましても、ある程度は会社が株を保有し、そうして育成をしていきつつも、なおかつチェックをしていくというふうな行き方というものをやっている。決して社会主義国自身の経済政策独占の体制じゃないのですね。ドイツもフランスもイタリアも、みんなそういう歴史的な、いわゆる経緯のあるものについては、会社はある程度株を所有しておるのです。そして国内の産業の一翼としてこれを育成するかたわら、これをチェックしていくというやり方をみんなやっているのです。だから、これなんかは経済先進諸国のそういう例にならってみて、日本も将来そういうふうな形で――全部お役人の管理みたいな形はいけませんけれども、合成ゴムのような形で進んできたような、こういう形の中で、ひもつきでありながら、なおかついけないときは育成していくという形が私は理想的なスタイルではないかと思うのですよ。それがどうにもならないようなものだけかかえておって、よくなったものからすぱっすぱっと切っていくというような形になってくると、全く国というものはどういう姿であるべきなのかというような、経済の基本方針に触れて論じていかなければならぬことになってくるわけです。私は何も資本主義と社会主義の経済論争をしようとしておるつもりではございませんけれども、しかしそれにもかかわらず、この企業などはそういう意味では一番いいスタイルであるから、こういうものをこれから――日航製もそういう形に育てていき、なおほかの企業でも基本的なものは一つ一つそういう形にしていくべきじゃないかというふうに思うのですよ。それがこういうふうになると、われわれのそういう希望も断たれてしまうという形になってきて、そのことは国民感情からいたしましてもよろしくないというふうに考えるのです。これは局長にお聞きしておっても筋違いかと思いますけれども、しかしこれからもこういうことがあり得るかもしれないという立場で、そういう見解についてどう思われますか。

後藤正記通商産業省化学工業局長

○後藤政府委員 先生御指摘のとおりに、合成ゴムの企業界への国の関与のしかたにつきましていろいろなスタイルがあるようでございまして、たとえばアメリカにおきましては、国の直轄事業として運営されていた合成ゴム事業を、一九五五年に朝鮮動乱が終わって民間に払い下げた。それからカナダでは、現在国の一〇〇%出資の会社にこれをやらせておって、その一社だけが独占をしておる。それから西独では大体二つの会社がございまして、半分ぐらいずつのシェアで寡占状態になっておりますが、一つのケミッシェ・ヴェルケ・ヒュールズ社というのは、国の公社であります石炭公社がかなりの出資を行なっておりまして、したがって、ある程度の国の関与が資本的にも行なわれておる。イタリアは七〇彩でございますか八〇%でございますか、しっかりしませんが、大部分のシェアを持っておるアニックに、国策会社のENIが大部分の株式を所有しておる。フランスは全部純然たる民間企業であるというように、欧米諸国におきましてもそれぞれの国によりましていろいろ関与のしかた、コントロールのしかた、育成のしかたに差があるようでございます。したがいまして、たとえば日本の場合におきまして、日本合成ゴム株式会社というものをどういう方向に持っていくのがよかったかという点につきましては、いろいろな御議論があるのでございまして、塚本先生の御指摘のも一つの議論であると考えます。しかし最初のお答えで申し上げましたように、本件に関しましては、現在法律の明文に示されておるところに従って、これがちゃんとひとり立ちできるように経理的基礎が固まったときには民間企業に移行させるということを前提にいたしておりますので、それに基づいて政府としての措置をとったものであると考えます。考え方につきましては、私は、この種の重要産業であり、その企業のあり方としてはいろいろな考え方があり得ると存じます。

塚本三郎民主社会党

○塚本委員 公取の事務局長にお尋ねしますが、先日来鉄鋼の大型合併が数度にわたりましてこの委員会で論ぜられておることは御承知のとおりだと思います。このいわゆる株の譲渡というものは、もちろん合併とは性格を異にいたしております。しかし、しろうとの目から見ますと、日本国という会社と合成ゴムという会社と二つになっておったのが吸収合併をして一つの会社になったのだ、いわゆる株の所有から見ますとき、そういうふうな見方もできないことはないのじゃないか。法的にはいかがあろうとも、客観的に見るならばこういう形に落ちつかざるを得ないと思うのです。ということは、単なる株主というような政府の地位じゃなかったわけで、対等、いやそれ以上に発言権のある株主だと政府は思ってみえただろうと思うのです。それがゼロになるのでありますから、全くそういう意味では大きな合併だ、客観的にはそうなり得ると私は思うのでございます。そういたしますと、その生産高におけるいわゆる実力というものは六〇%だと報告されておるようでございます。まさに合併の規模が三〇%ラインというようなことも云々されております。そのことはいろいろと議論があったようでございまするが、しかしこの場合は六〇%、合併の条項には適応にはならぬでしょうけれども、まさに独占に値する道を進むのではないか、これからの問題ですからわかりませんけれども、そういう意味でこの問題に対して警戒をなさったことはないでしょうか。

柿沼幸一郎公正取引委員会事務局長

○柿沼政府委員 合成ゴムの業界におきまして、日本合成ゴムが非常に大きなシェアを占める企業であることは間違いございませんけれども、私どもいたしております集中度の調査によりますと、三十八年、三十九年、四十年、四十一年、日本合成ゴムの合成ゴム業界に占めるシェアは少しずつ低下いたしてまいっております。これは日本合成ゴムの特殊な事情に基づくものか、それとも一般に新しい産業におきまして、その産業が成長いたしております場合には、後発企業にそのシェアを食われて、上位の企業のシェアが低下するという傾向がございますので、そのいずれに該当するかは、私現在つまびらかにはいたしませんけれども、今後この三十八年以来の傾向が続くといたしますると、やはりこうした傾向をたどっていくんじゃないかというふうに見られるわけでございます。ただ、この辺は新しい事態を迎えるわけでございますので、十分これからの成り行きについては注視していきたいというふうに考えております。

塚本三郎民主社会党

○塚本委員 アメリカなどは、やはり日本と同じような歴史をたどっておるようでございますが、株を払い下げてから価格の変動はほとんど行なわれておりません。変動が行なわれることがいいことだとは私は思っておりませんが、しかし急速度に需要とともに生産の伸びておるところに対して、特に合成化学等の分野においては、ほとんどの製品の値がずっと下がってきておるわけです。にもかかわらず、アメリカが民間に払い下げてきましてから、価格は下がっておりません。こういうふうな形に日本の合成ゴムもなっていくのではないか。上げなければいいというものじゃなくて、当然無尽蔵に資源のある産業でございます。だからそういう中で、これから需要と供給がどんどんと伸びていくのにかかわらず、化繊のように価格がずっと下がっていってしかるべきだと思うのですが、アメリカはこの例にならってむしろ下がっておらないようですね。だから今度も、合成ゴムもその場合に、こんなことをして、全く六〇%の実力を握っていっておるという形になるならば、価格は安定して下げなくてもいいというのです。需要は伸びていくという形ならば、株界がこれをにぎわすことは当然の成り行きじゃないかと思うのです。私は何もいま局長にいやみを申し上げるのではなくて、やはり先見性の強い株界において、これが話題の種になることは、全くこれは当然の成り行きだと思うのでございます。だからそういう意味からいたしましても、これはもう公取委としては成り行きを見守りたいと申されるよりしかたがないと思うのです。そうだとするならば、何らかの形で民間会社一般の管理育成以外にありませんという局長のお話でいきますと、まさに第二のアメリカと同じような形をたどっていくのではないか、そういうような心配を持つわけでございます。そういうことでございませんか。

後藤正記通商産業省化学工業局長

○後藤政府委員 アメリカにおける合成ゴムの価格の推移を私不勉強で手元にいま持っておりませんが、塚本先生のおっしゃるとおりであろうと思います。日本の合成ゴムの場合でございますが、現在日本の合成ゴムの価格は、諸外国との国際比価におきまして、ドイツよりは若干高くて、アメリカはずっと安いという状態になっております。したがいまして、その意味で、国際競争力と申しますか、特に取り立てて現状において、日本の合成ゴムが高いということはいえない、かように考えます。  それから将来の問題でございますが、先ほど前の御質問に関連してお答えいたしましたように、この合成ゴムというものは、大体世界を通覧いたしますと、非常に寡占状態の多い産業でございます。極端なところは、カナダのように一国一社しかないというような状態、イギリスが二、三社ぐらいのところで寡占状態を形成しておるというのが普通でございますが、わが国におきましては、現在シェアは約半分前後を日本合成ゴムが持っておりますが、それ以外に日本ゼオン、これが大体二〇%弱と思います。日本ゼオンをはじめといたしまして約九社、合計十社が現在合成ゴムの分野で林立しております。その間、自由な競争が現在行なわれております。  さらにまた、合成ゴムにもいろいろ種類がございまして、日本合成ゴム会社の主力となっております製品は、いわゆるSBR、スチレン・ブタジエン・ラバーと申すものでございますが、そのほかにもイソプレン・ラバーとか、プロピレン・ラバーとかいろいろな種類の合成ゴムがございまして、新しいゴムの分野への他の企業の進出意欲が非常に強いわけでございます。   〔宇野委員長代理退席、浦野委員長代理着席〕 したがいまして、すでに日本では、十社が林立して、自由なる競争を営んでおるところに、ニューカマーの進出意欲が非常に強いということ、さらにまた現在天然ゴム、合成ゴム合わせまして、ゴムの関税はゼロでございます。輸入は自由化されております。したがいまして、もしかりに日本の合成ゴムの製造業界におきまして、寡占あるいは独占によりまして、独占価格あるいは管理価格等が現出いたした場合には、当然外から、国際競争下にある企業の製品が海を越えて入ってまいります。したがいまして、そういうことは、私どもはない、かように考えております。

塚本三郎民主社会党

○塚本委員 局長、それは公取が言われる説明でして、確かにそれは公取ならそういうことの見解よりしかたがないと私は思うのです。だからこの場合は、公取を責めるつもりはないのです。だけれども、いわゆるあなたの通産省の立場からいうと、そんなことじゃいけないと思うのです。現にあなたのほうから出された資料を見てみまするとき、アメリカだけが値段がぴしっと全然動かずにいるのです。各三品種とも最初から最後まで、アメリカだけは三品種の中で値段が全然動いていないのです。アメリカを除いた各社は、ずっとみんな下がってきておるわけです。だからこの傾向をたどって走ってもらいたいとわれわれは思うのです。これならば諸外国との競争の中においても、日本は勝ち得る道もあるし、自由競争が認められると思うのです。ところが言ってみるならば、アメリカが一社に独占的に渡してしまってから、もう価格形式の面で変動させない形になっておる。よその国はほとんどひもつきだから、援助もするかわりに口も入れるぞ、こういうような形で、いわゆる需要と生産に応じて値段を下げてきたという形からすると、いま日本の国はアメリカ型に変わろうとしておるということを私は心配をしてお聞きしておるのです。そういうことは国際的な形からいって、公取は、今日そういうシェアでもって独占禁止法にひっかかるかどうかという判断をなさること、これはいたしかたないと私は思っております。だけれどもせっかく政府が育ててきたものを一社独占に突っ走らせてしまうという形は許してはいけないと思うのです。ところがあなたのほうから出た資料によりますと、みごとに、昭和三十八年から四十三年まで、アメリカだけは各三品種ともに全然一円たりとも動いていないのです。こういう形を考えてみるときに、やはりそういう心配があるということを私は申し上げて、これから値段が下がっていくように、生産と需要に応じて下がっていくというような形――大体アメリカを除いては、日本及び世界の各国は各三品種ともに順次下がってきつつあるのです。この傾向をたどってくれれば、政府が今日まで肩入れをした価値があったと認めることができると私は思うのです。ところが、これから政府が手を離してしまったときに、こういう形でいき得るかどうかということに対して、あなた確信持てますか。

後藤正記通商産業省化学工業局長

○後藤政府委員 確信と申されますと非常に心配になってまいりますが……(「困るじゃないか、そんな心配になるようなことをやっておっては」と呼ぶ者あり)しかし、おそらく塚本先生のお示しになりましたのは、この差し上げました表であると思いますが、この表で見まするに、合成ゴム価格の推移は日本の形が一番いいかっこうになっておりまして、昭和三十八年から四十三年に至ります間、非常にいいカーブでずっと下がってきております。これは先生おっしゃいましたように、アメリカだけが特別に全然一円といえども下がらずという固定した価格になっておりますが、ほかの国の下がり方に比べましても、その下がるカーブというのは日本は一番いいかっこうになって下がってきておるというように、この表からは御認識いただげるものと存じます。将来ともこの状況は自由な競争を通じて持続されていくものと私は考えます。

塚本三郎民主社会党

○塚本委員 川崎さん、いま化学工業局長からそういう見通しについて説明がなされたわけですが、しかしこれでこの法律が通ってしまいますると、他人さま要らぬこと言ってくれるな、こういうことを言われても、後藤局長何ともならぬ状態にこれからはなる。人間的なそういう因果関係はあるといたしましても、法的には何らないということは、先ほど局長が答弁されたとおりでございますね。そうなりますとき、日本がアメリカのような形を推移としてたどるという心配はないかということをお聞きするわけですが、局長は心配だけれどもないという御答弁をなさったわけですが、これは副社長さんどうでしょう。

川崎京市日本合成ゴム株式会社副社長

○川崎参考人 私は絶対にないと思います。それはわれわれが商売をしている上において、よく各所で、随所でそのフェアの競争が行なわれております。現在でも将来もそれは行なわれると思います。特に先ほど来局長がおっしゃったように、ニューカマーもたくさんありますし、外国の業者もたくさんありますし、しょっちゅう競争は至るところで行なわれておるので、これを一社の力でもってどうこうするというような事態は全く起きないと思います。  それからアメリカはなかなか価格がわからないのです。それで建て値価格というのを発表しているだけで、アメリカにはいま合成ゴム業者が約十何社あるのですけれども、それがみんな建て値価格を発表しているだけで、実勢の価格をわれわれも十分つかんでないのですが、建て値はわれわれもつかんでおります。そういう面でアメリカの建て値価格が動かないことが表にされているのではないか。私その資料を存じ上げませんから何ですが、大体そういうふうに存じております。アメリカでもそういう自由な競争が行なわれております。

塚本三郎民主社会党

○塚本委員 現実に鉄鋼なんかはあんなに大きいけれども、住友ですか、それから川鉄あたりのあの乱売競争の実勢を知っておりますから、大きい小さいにかかわらず、そういう野武士のごとき競争相手があるから、まだ多少救われると私思っておるのですよ。ところが、正直申し上げて、あなたのところのものは競争相手にそういうのが全く見つからないのです。しかも、これは日本の企業なんかいろいろ調べてみまするとき、全く典型的な寡占業界になっていくのではないか。たとえば板ガラスなんかが最も――旭硝子が生産シェアの五〇%を握っておる。あと日本板硝子だとかセントラルというものが三五%、一五%というような形になって、全くこれは三社でほとんど動いておるというような状態、これが最も常にいわゆる寡占産業としてプライスリーダーの役を果たしておるといわれておるわけですね。しかしこれらと比べてみても――これでも五〇%なんですよ。今度あなたのところが六〇%になってしまうのですね。だからそういうことからしましても、私は全くそういうふうな心配があらわれてくるというふうに思って、こういうことを回りくどく申し上げるわけです。私たち見る限り、ないという保証が一つもないんですよ。野武士のごとく乱売してくるような、やせたりといえども天下の住友あるいはまた川鉄あるいは鋼管という、そういうような競争相手がゴムの場合ないことですね。そういう意味で、六〇%一社でがくんと押えてしまっておる、私は、こういうふうな姿を見るときに、何かそらおそろしい気がするのですけれども、そんなことございませんか。

後藤正記通商産業省化学工業局長

○後藤政府委員 塚本先生の御意見ではございますが、日本ゼオン以下と先ほど申し上げましたが、日本ゼオン、旭化成、電気化学、昭和ネオプレン、旭ダウ、住友ノーガタック、武田薬品、三井東圧化学、日本瓦斯化学と非常に有力な企業が現在すでに生産をいたしまして、この分野に、SBRのみならず他の分野においても進出をいたしております。  それからさらに、これはまた若干横へそれますけれども、日本の現在の石油化学並びにその誘導品分野におきましては、これはニューカマー、新しい企業のその分野への進出があまりにも多過ぎて、その間の調整が非常に――これが日本における化学製品の値下がりというものを他の諸外国に比べて非常に激化せしめておる要因であります。したがいまして、イギリス等のごとく、なかなか刺激をしても企業進出意欲がないというのとは全然逆でございまして、日本におきましては、むしろ過当競争、ニューカマーの進出というものが非常に強いわけです。  それから先ほどお答え申し上げましたとおり、これに関しましては、外からのそういう入ってくる可能性もございます。国内におきましても、すでに私ども耳にいたしております中で新しい進出企業がたくさんございます。したがいまして、日本合成ゴムのみが一つだけ独占的な非常に最強力な地位を保ち、あとのものは非常に弱小な形になって、そこに寡占なり寡占価格なりが生じ、ひいてはそれが製品の需要者、消費者のほうへ迷惑を及ぼすという事態は万々ないと私は考えております。

塚本三郎民主社会党

○塚本委員 もちろん化学関係は後藤さんの守備範囲でございますから、自信があって申されることでございましょう。しかし、イギリスの例を出されましたけれども、あなたのほうからいただいた資料を見ると、日本よりイギリスのほうが理想的な形になっておる。四十三年に日本が百五十五でイギリスが百三十七まで下がってきておる。それから次の油入りというほうも日本の百二十二に対してイギリスが百十三に下がってきておるのですね。最後のポリブタジエンについても、日本の百六十五に対してイギリスが百四十九まで実は下がってきておるのですよ。だからイギリスのほうがもっともっと理想的に値が下がって――下がることがすべて万歳というわけではないのですけれども、もっともっとこれは理想的に値が下がってきておるのですよ。そういう点から考えてみまするときに、日本の国というのは、競争相手があって苦しければどうしても資金が不足するから、設備産業である限りはどうしても借り入れ金等をやって、支配のためにもダンピングをせざるを得ないという形ですが、しかし強力な競争相手がない場合においては、商業道徳を無視してでも価格を確保するというやり方をしなければつり合いがとれないというふうな、日本経済の底の浅さというものを、私たちは何度も経験をしておるわけです。そういろ意味からしますと、苦しければ損得勘定を抜きにしてダンピングをする。しかし、独占的な価格になりますならば、もう全く予想も想像もつかないような利潤をあげて値を下げずにおるという形をとってくる。ここに日本経済の底の浅さというものがあるのだろうと思うのですよ。そういう点で万々ないといって――もちろんこれからのことですから。だけれども、少なくとも政府がこの際もう少し何らかチェックする方法があってしかるべきだということに私は未練を持つものだから、こんなことでも申し上げて先に対する注意を申し上げておるわけですが、だいじょうぶでしょうか。

後藤正記通商産業省化学工業局長

○後藤政府委員 差し上げました資料によりますれば、一応価格はイギリスとの比較において日本のほうがまだ若干高いという形になっておりますが、しかし全体の趨勢として、日本の下がり方が非常に健全な下がり方をしておる、私はこういうふうに考えるわけでありまして、一例をあげますならば、SBRが、油なしにおきましては、イギリスは四十二年の百五十九円から百三十七円、一挙に二十円下がっております。こういう場合に価格はなるべくフラクチュエートせずに、ダンピング等を考えずに、実力に応じた下がり方をして漸次低位に安定してくるのが望ましい形でありまして、私は、おことばではございますが、日本のほうがかっこうがいいと思うわけであります。

塚本三郎民主社会党

○塚本委員 公取の事務局長にお伺いしますが、これは政府からの株の譲渡だから、公取も独禁法にかける道がないとおそらくあきらめてみえるだろうと思うのですけれども、もしこれが日本国株式会社と合成ゴム株式会社のいわゆる合併であると仮定したならば、仮定の問題ですけれども、こういう形が実情であるとするならば、これは当然独禁法にかけられなければ、禁止さるべき実態だというふうに判断いたしますが、もちろんそんな仮定の問題でお調べになったことはないでしょうけれども、私は客観的に見るならば、そういう形になってくるのではなかろうかと思います。日本国株式会社といわゆる日本合成ゴム株式会社の合併だというふうに、万が一、仮定の問題ですが、見たならば、これは独禁法にひっかかると私は思いますが、どうでしょうか。

柿沼幸一郎公正取引委員会事務局長

○柿沼政府委員 ただいまの御質問の中にもおっしゃっておられますように、独禁法は私的独占禁止の法律でございますので、本件の対象にはならないと思いますが、もしこういうシェアの合併ができたらどうかという仮定の御質問にお答えいたしますと、その場合に競争制限になるかならないかという判断の問題かと思います。このシェアだけで直ちにどうという結論は出しにくい問題かと思うのでございますけれども、そのほかの競争者の実情なり何なりを検討して結論を出すべき問題かと思います。

塚本三郎民主社会党

○塚本委員 たとえばガスであるとかそれから電気事業であるとか、こういうものはほんとうは私は独禁法にかかると思うのですけれども、これはいってみるならば公的企業でありますから、別の規制があるから、これは独禁法にかけずにあると私は思うのですね。それは規制の道があるからなんだと思うのですよ。この合成ゴムも政府が出資をしておる。だから政府がこれを規制すべき実力を持っておる。だから問題にならないと私は思うのですよ。ところが、この際ぽっと手を放してしまって六〇%だということなら、全くこんな万々歳の企業は日本じゅうどこを探してもないのだと思うのですよ。その点は全く電気産業やガス事業と同じような――しかしこちらはみんな法的ないわゆる規制の道があるのですね。この場合、日本じゅうでともかく大きな企業からいいますると、先ほど申し上げた板硝子の五〇%がとにかく唯一の最高なものなんです。今度からこれは六〇%で一人立ちするんですよ。これが今日まで六〇%あるいはそれ以上のシェアを握っておったということは、政府出資によるところのこの法律があるから許されておっただけのことであって、合併だけの制限は十五条ですけれども、第一条におけるところのいわゆる私的独占という形に、私はこのままでもかけられるべきじゃないかという感じがするわけです。それを政府がこの法律によってチェックしておったからいいのですが、この法律をなくするのです。そうすると、合併の問題じゃなくて、第一条の私的独占の問題でこれはかかるようなことになりはしませんか。検討なさったことがありますか。

柿沼幸一郎公正取引委員会事務局長

○柿沼政府委員 独占禁止法は、わが国の法律のたてまえから申しますと、独占そのものを禁止する法律にはなっておらないわけでございます。私的独占の場合にも、私的独占に基づいてそれが支配的な行為あるいは他を排除する行為があったときに、それを私的独占として禁止しておる法律でございますので、まあこの場合はもちろん独占ではございませんけれども、そういうことで、たとえば新しい産業分野に非常にシェアの大きな企業ができましても、それだけでわが国の独禁法は禁止はいたしておらないわけでございます。  それから本件の場合にまた立ち戻りまして、若干産業構造を見てみますと、企業の数といたしましては昭和三十八年以来六社が七社になり、それから八社になり九社になり十社になるというふうに、新規参入が続いておるわけでございまして、先ほど通産省の局長が申しましたように、新規参入企業も企業規模といたしましては比較的有力な企業が多いのでございますけれども、合成ゴムだけの構造を見ますと、一位と二位の企業でもって非常に大きなシェアを占めるという意味におきましては、有力企業の数が多いというだけで予想されるよりも競争制限の起こる可能性が非常に大きな構造を持っておるように私ども感じております。独占禁止法の一条にも、非常に企業格差が大きくなる場合を問題にしておるような字句が入っておるわけでございますけれども、そういう意味におきましてやはりこの業界に有効な競争が育っていくという目で、私ども十分今後の情勢は監視していきたいというふうに考えております。

塚本三郎民主社会党

○塚本委員 まあひとつこれから先の見通しばかりで警戒ばかりしておっても、それは大きくこの会社が育っていけないと思いますから、私はこの問題はこれくらいにしておきたいと思います。  今度は価格の問題ですね。おそらくすでに先輩委員から論ぜられたのではないかと存じますが、いま一度私もお尋ねしてみたいと思っております。  最初に競争入札して、今度はいわゆる随意契約というような形になっておりますが、これはどうしてでしょうか。

後藤正記通商産業省化学工業局長

○後藤政府委員 最初に四十二年の十一月競争入札にいたしましたのは、当時これは株価は額面千円でございますが、実際の市場におきまする価格の認定ということができなかったわけであります。したがいまして、これは会計法の原則に基づきまして、一体幾らぐらいの値段がつけられるのかということで、一割をテストケースとしてこれは競争入札という手段をとったわけであります。その結果が、当時妥当と考えられておりまする株価の算定方式と比較いたしまして、さらにまた落札価格というものが、他の入札価格というものとあまりにもかけ違っておるということから、これはいわゆる純粋なる意味の価格形成方式による三千百六十円という価格とは食い違っておる。ならば、従来国が指導、行政上の種々の助成措置をとってきたという産業政策上の見地と、もし残りの九〇%、九十万株についてもこういった買い占めが行なわれるならば、それと背馳するということで、あとは所定の手続に従って随意契約という方法によって価格をきめて、そうして処分をしたという経緯に相なっております。

塚本三郎民主社会党

○塚本委員 大蔵省、四十二年の十一月にこの払い下げを、十万株のいわゆる第一次競争入札をしたときの記録はございますか。その当時のダウ式平均株価は……。

青鹿明司大蔵省理財局次長

○青鹿説明員 処分いたしました四十二年十一月のダウが千三百二十四円六十五銭でございます。

塚本三郎民主社会党

○塚本委員 そのときでさえもとにかくあれだけの大きな価格になっておったのですね。ところがそのあとの九十万株のときには、ダウ式平均株価は千五百六十五円という形になっておるようですね。ここですでに二百円以上もいわゆるダウ式平均株価が上がってきておるのですね。にもかかわらず、どうしてその当時よりも安くしたのかということは、――もちろんそれは三菱化成が独占的に買ったということもあるでしょう。しかしそんなことはしかたがないじゃございませんか。公開からいうならば、むしろその価格をつけたところの価格でもって割り振るとかいうことも一つの方法じゃございませんか、どうでしょう。それをいろいろとおたくならおたくなりの算定をなさったようですけれども、何か吹っ切れない気持ちにわれわれはなるのですけれども……。

後藤正記通商産業省化学工業局長

○後藤政府委員 塚本先生のお話は、あと九〇%もやはり公開競争入札によって処分すべきであったという御意見でございましょうか。それとも三千百六十円で随契によって処分すべきであったという御意見なのか、ちょっとその点を聞き落としましたので……。

塚本三郎民主社会党

○塚本委員 そうじゃなくして、あと九十万株ですか、あれに対してはいろいろなおたくのほうの処置もあるでしょうから、全部それをいわゆる競争入札すべきだと私は主張するつもりはございません。しかしそれにもかかわらず、その当時の価格で、それを基準にしていろいろと配慮することなく、現実に売り渡す時点における、たとえばそのときの十万株ですね、売ってみて値段を算定するなり、その当時の状況に応じた形で値段をきめて配分するという形がとられてしかるべきじゃなかったかと思うのです、どうでしょうか。

後藤正記通商産業省化学工業局長

○後藤政府委員 三千百六十円という価格で落札をされたものですから、これが当時の株価の――当時と申しますか、株価のいろいろな算定方式とあまりにもかけ違っておるということ、さらに、他の応札価格との格差があまりにも大きいということで、一般の平均の応札価格の二千百円から二千三百円くらいまでの間、あるいはまた株価の算定諸方式による算定のしかたによる二千二、三百円というものがその際算出されたわけでありますが、しからば妥当なる価格というものは一体どこにあるかという点は非常にむずかしい問題でございますが、いかにしても三千百六十円というものと食い違い過ぎるということで、大体その間の平均値をとって二千七百円から二千八百円くらいするというのが妥当であろうという点に決定をいたしたわけであります。

塚本三郎民主社会党

○塚本委員 株の常識からいいますと、それから高いところで分けるやつがおることはもうしかたがないから黙っておるが、しかしそれからダウ式平均株価が二百円以上上がっているにもかかわらず、それによりずっと安いところでもって関係者に割ってしまうということはいかにも――しかもそれは政府所有の株ではないか、だからそれより、いわゆる競争入札によって安くなるならそれはしかたがないと思うのです。そうじゃなくして、随意契約でもって安くしてしまうというところに一般人の理解しきれないものがある。しかも株価一般の全般がぐっと悪いときならともかくとして、お聞きしてみますと、ダウ式平均株価はそれから二百円以上も高くなってきているでしょう。そういうような状態のときに、とにかくそれよりあのときは高かったのだというようなことで、随意契約で安くするなんというようなことは、それが真実であったといたしましても、そのやり方についてはきわめて大きな疑義をはさむのは当然じゃございませんか。

後藤正記通商産業省化学工業局長

○後藤政府委員 一部にそういう疑義が生じたとの御意見でございますが、いうなればその公開入札を行なったときと、随意契約による処分を実施した時期との間のダウの差額というものをさらに飛び越えて、三千百六十円というものが飛び抜けた、いわゆる政策的な経営面からの配慮による価格であったというように判定をしたわけであります。

塚本三郎民主社会党

○塚本委員 それはおかしいですよ。そういうことが株には当然あり得ることなんでしょう。増資があるなんてさっきいみじくも言われたとおり、しかもシェアは六〇%、こういうふうな株でありますれば、三菱化成ならずとも、ほかの会社だって私は当然飛びつく可能性があると思うんですよ。だからこそいま激しい追い込みの競争があるという話がいわゆる公取のほうから言われている。それならばほかの会社だって、そういうふうな形で二社だって三社だって競争入札になったらそういうことがあり得るでしょう。それを封じて、ダウ式平均株価も当時よりももっと硬調な、二百円以上上がっておるときに、それを検討せずに飛び抜けた価格だという。もちろんそれはほかの株と比べてみるときには飛び抜けておると私も思います。しかしそれにもかかわらず、この会社自身の、この企業自身の将来性というものに対して大きな期待がかけられておる。それは通産省の功績でもあろうと思うのですね。いいことだと思うのです。しかしその処分のしかたがあまりにもそういう株界の常識を越えたところに、何らかの形で、合成ゴムの株は入らんかいななんて、冗談にでもわれわれのところに声をかけてくるなんという人まで出てくるということになるのでしょう。そういうふうな実情で、私は何か吹っ切れないということを最初に申し上げたわけなのです。だからそのときにもう一度十万株でもやってみて、そうして今度は違うんだとか、あるいはそれは三菱化成一社がそういうことを飛び抜けてやっただけでほかはないという、そういうことになるならば、私はこれはしかたがないと思うのですけれども、ダウ式平均株価がそれから二百円以上も上がっておるときに、三菱一社だけがこういう形なのだから、実情とは合わぬなんという形でおたくのほうがさいはいをふるわれるということは、暗い影とは申しませんけれども、いわゆるそれにありついたところの会社に対して羨望の的であったことは事実だと思うんですね。そういうやり方は、私は何かしら国家財政に損害を与えたというような気分にさえもなってくるのです。私はそういうやり方の点できわめて理解に苦しむと受け取るわけですが、どうでしょう。

後藤正記通商産業省化学工業局長

○後藤政府委員 三千百六十円という最高価格で三菱化成が落札をいたしましたが、それに追随する他の応札価格がたとえば百五十円下がった三千十円とか、それから二百円下がったと漸次段階的にそうなっておるのではございませんで、三菱化成だけが一つだけ飛び抜けて他の応札価格より約一千円高い三千百六十円という応札価格で取ったわけであります。これにつきましては、先般ほかの先生からの御質問に対してもお答えを申し上げたわけでありますが、三菱化成工業は、総合化学会社として自分のところでできる原料をここに供給をいたしたい、安定的な供給先を自分で求めたいという意欲、それからさらにまた、最初この合成ゴム事業というものを政府が育成しようといたしましたときにおきまして、まっ先に古河化学とか協和醗酵と並んで手をあげて合成ゴム製造分野への進出意欲を示した会社であります。したがいまして一般の株に対する評価というものと三菱化成工業が特に自分の会社の今後の経営なり何なりということを考えたいわば政策的な価格との間に乖離があるものと判断いたしたわけであります。もちろん先生がおっしゃいましたように、もう一度しばらくたった時点において、たとえば一〇%なら一〇%を入札するという方法はあるいはあったかもしれません。しかし、当時としてはそれをとらなかったのでありますが、現状におきまして、当時としては私はやり方は妥当であったと考えるわけであります。  それから、現在増資その他の含みにおいて、株界においていろいろなうわさが出ておるという御指摘でございます。しかし、当時まだ、払い下げの時期、それからざらにこの公開入札の時期におきましては、この点は若干時間的なずれがございまして、今度たとえば政府として合成ゴム会社に対する臨時措置法の廃止法案を国会に提出するという事態、それからさらにまたその後規制する法律がはずされたならば、あとざらに増資その他によって会社の飛躍的な拡張が行なわれる事態における株界の評価というものは、私はそれは差異があると考えるわけであります。

塚本三郎民主社会党

○塚本委員 どうしてもそういう合成化学の分野における企業内容になると、あなたはホームグラウンドだから、次から次へと系列の問題を出されると、私どもはしろうとですから、それはこれ以上つくことはできません。その点はもうおたくに私は一歩譲らなければならぬと思いますが、それにもかかわらず、株価というものはそういうものを飛び越えたいわゆるしろうとの予測というものだから、私はあなたたちが裏で暗いことをしておったとは毛頭思っておりません、しかし、もう少し慎重な配慮が――週刊誌にまで書き立てられておるのですよ、こういうことが。だから、そういうことを考えてみますと、やはりあの当時もう一ぺんいわゆる一割ぐらいの競争入札をしておけばよかったのだ、そんなことをいまになって私はぐちをこぼすわけじゃございませんが、将来理想的に値段がきちっと動いていって、いわゆる安定をたどってくれれば、私はそれでよかったと思うのです。それでもう何も申し上げることはないのですよ。しかし、こういう幾つかのセクションを乗り越えてきたにかかわらず、アメリカ型のような形になるといろことの心配をあらゆる分野から考えてみて持つ可能性がある。だから、あとから何らかこれを規制するようなあれがあればいいんですけれども、それが全然ないものだから、一つぐらい、これから十年ぐらいは、もし何らかのときには、ともかく政府がこら待てというふうなことができるような何か措置があるなら、私は相当周到な用意のもとになされたのであり、法律的には私どもは異存を申し上げる立場ではないと、こう思うのです。だから、背景からいくとそういうことなんだから、だいじょうぶだ、だいじょうぶだということばだけの保証しかいまのところないのですよ。そこに私は一番大きな心配を持つわけです。だから、むしろ十一条の個条を削除をするほうに提案してもらって、持続するという形であるべきなのに、法律に従ってこれを廃止するということはまことに忠実なんだけれども、私どもそういう点から考えてみて、ともかく何らか――もういまごろこんなことを申し上げてもなんですけれども、五年なり十年先の、もしそういうふうなときにはチェックすべき何かがあるかということを考えてみますると、いわゆる価格に対する私的独占の競争制限がこない限りは、もう何ともならないという形ではないかと思うのですよ。それでいまになって、あのときにもう少し何かしておけばよかったという形が出てくるということをくどく申し上げるわけです。おそらく五年か十年に一回ずつぐらいは、これはいかぬぞという、チェックするものがあればいいと思うのです。何もないのでしょう、どうでしょう。

後藤正記通商産業省化学工業局長

○後藤政府委員 この法律を廃止いたしました暁は、特に法律的根拠に基づいてチェックする根拠はございません。一般的な他の企業と並べまして、いわゆる行政指導によって見ていく以外に、特に法律的な根拠はないと思います。

塚本三郎民主社会党

○塚本委員 こういうやり方なんかがあったらよかったと私は思うのですが、今度の九十万株というのは、いままで持っているところにほとんど割りつけてしまったでしょう。これを何か、ある程度関係のないところに一度株を持たしてみるとか――なぜ現在持っておる人だけに全部割りつけてしまったのか。もちろんそれは随意契約になるならそれしかしかたがないというふうに思うのですけれども、一部だけでもそういうふうな形を公開にしておくならば、あるいは株のいわゆる売り渡しに対する世間の見方も公平な見方をしてくれたのではないかというふうな感じがするわけですけれども、既存の株主に配分するというやり方をとったということは、これはどういう意味があってなさったのでしょうか。

後藤正記通商産業省化学工業局長

○後藤政府委員 この九十万株を随契によって処分するに際しましては、基本的な考え方といたしまして、従来からの株の配分が、六〇%が一般の民間であり、四〇%が国の持ち分である、こういうたてまえでまいっております。その六〇%の民間というのは、つまり日本におきまする合成ゴム事業というものがまだ海のものとも山のものともわからぬ、非常に危険負担度が多いという時期において、あえてこの分野に入ろうとして、この会社を盛り育てていこうとした製品の需要者とそれから原料の供給者の株主であります。したがいまして、その率の割合、それからさらにここ十年間会社の株主として、もちろん国の手厚い保護もございますけれども、株主として密接なる関係においてこの会社を育てて今日の繁栄を築いてきたというところに、従来の株主の功績を認めて、今後ともそうした安定的な株主の関心を持っておる状態においてこの会社を育成せしめたほうがいいということで、この関連のところへ割り当てておる。それから特に新しい分野におきましては、先ほど来申し上げておりますように、会社の繁栄に寄与してまいりました役員、従業員、さらにまた、同じくこの商品の取り扱い商社、金融機関、損保関係の会社等々、会社の今日までの発展に力をいたしたところにこの株を割り当てたという状態でございます。

塚本三郎民主社会党

○塚本委員 もう時間ですから、私、切り上げたいと思いますが、とにかくこの会社は三十八年以来一割という配当を続けておりますし、そしてこういうふうな形で一応競争入札の価格より安く割り当てられた。こんなありがたい会社ならば、これからそういうふうにしてもらえるような会社はないだろうかというふうな気持ちが経済人はみんなするであろうと思うのです。だからといって、この会社だけもうかっても特別税率を高くするわけにはいかぬでしょうから、結局何かしらこの会社だけが――それはその人に人徳があったのだといえばそれまででしょうけれども、ほんとうにりっぱに育てておいて、そうして将来の見通しも、もうこれですぐ増資になってくるという形が出てきておるでしょう。そういう形からするならば、やはり株が普通売り渡される場合でも、楽に一割を長く続けてきて――資産の問題等私は論ずる時間がないからやめまするけれども、とにかくそういうふうな保護のもとに育ててきて、そうしてすぐに増資が期待されるという会社の株価は、どれを見ても額面の三倍や五倍にはみななっておるのですよ。ところが、それが特にここだけが高くつけたのだという判定のもとに、こういうものが安く売り渡されていくという形で、あとは政府が何も手を出すことができないということが、何かしら国民の税金でもってみんな会社に助成して、よくなったらさようならと持って逃げてしまうという気持ちが、どうしてもふっ切れないのです。それならば、せめて価格独占に対する何らかのひもだけでもつけていく道はないかと模索してみても、これもあり得ないということであって、ただ局長と副社長とが、自信があります、だいじょうぶです、ということでございますが、もしこれが三年なり五年なりたった後に、そうでないというようなことになったときに、参考人で社長さん来てくださいというわけにはおそらくいかぬだろうと思うのですね。そのときには当事者のあなたもまたこの地位にはおいでにならぬでしょうし、それだけにこれは慎重にやってもらいたいといろふうに思うわけでございます。双方の決意だけを伺って私の質問を終わりたいと思います。

後藤正記通商産業省化学工業局長

○後藤政府委員 今日までの経過、会社のたどってまいりました発展の方向、それからさらに将来の合成ゴム事業の趨勢等々から考えまして、この会社が、この法律が廃止されました場合、その暁において今後とも繁栄の道をたどろうということは、私が先ほど来申し上げておるところでありますが、今後とも日本におきまする石油化学工業の一環といたしまして、通産省として、産業政策を実施いたします際に、特に塚本先生御心配の点を十分に留意をいたしまして、今後の施策に努力してまいりたいと考えるわけであります。

川崎京市日本合成ゴム株式会社副社長

○川崎参考人 私どもは何としても、先ほど来いろいろ御審議願ったように、国が一定の方針をもってこの会社をおつくりくだすって、それを私どもがその衝に当たって今日までやってきたのです。その間ずいぶん通産省はじめ政府並びに国から多大なる恩恵と庇護を受けて、ようやく一人前の独立した民間会社としてやっていく自信を持てるところまでこれを到達させていただいたわけでございます。したがって、今後一民間会社としてやっていくにいたしましても、この会社の設立の趣旨並びにこれまでに受けた恩恵は社長はじめみんな肝に銘じておることでございますし、特に社長も、いま先生の御指摘になったようなところを心配されて、株が売り渡されたとき、それは昨年の七月ですね、それからことしの一月、昨年の臨時国会でこの法案が議会にかかったことを契機にして、全事業場を親しく自分が歩いて、全従業員を集めて、実はこういうことになって、われわれは経済の基礎を確立したと見られて独立したのだけれども、この会社の趣旨というものは設立のときと何も変わっちゃいないし、今後もこれをずっと続けていくのだから、君たち決意を新たにしてわしに協力してくれということを言ったわけでございます。私もその決意を受けて、社長と相ともども助けてやっていきますし、そのために、いま先生御指摘になったような非難を受けたり、そういう欠陥が出たりすることは、肝に銘じてそれはいたさない、起こさないように、業界とも協力し、なお通産省その他の御指導をいろいろ仰ぎ、また先生方の御指示、御指導を仰いで、今後やっていきたいつもりでございますから、その点よろしくお願い申し上げます。

浦野幸男自由民主党

○浦野委員長代理 岡本君。

岡本富夫公明党

○岡本(富)委員 いま論議されております法案につきまして、相当意見も出尽くしましたが、私は一歩前進して、こういった日本合成ゴムのような国策会社が今後民間に移行される場合、株券の売り払い、こういうようなときにはどういう注意が必要だ、あるいはどういうように今後やっていくのか、まずこれからひとつお聞きしたいと思うのですが、政務次官、先ほどからだいぶお聞きになったから、ひとつ……。

植木光教自由民主党通商産業政務次官

○植木政府委員 先ほど来合成ゴム株式会社の株の処分についていろいろ御意見が出ております。今後政府出資の会社の株をもし放出をいたします際には、公正な評価を行なう機関を使って、適正な評価を行なうことが妥当ではないか、そういうふうに考えております。

岡本富夫公明党

○岡本(富)委員 後藤局長から、抽象的でなくして、まず一点は国会の議決を得る、あるいはまた株価の決定にはこうする。こういうふうに項目に分けてきちっとひとつ……。

後藤正記通商産業省化学工業局長

○後藤政府委員 先ほど中村先生から御指摘ございましたように、衆議院の商工委員会の附帯決議等につきまして、行政庁といたしまして、取り運びに遺憾の点のあったことはおわび申し上げたところでありますが、今後そういうことのないように、私どもとして注意をいたしてまいりたいと存じます。  なお、株価の決定につきましても、諸先生方からこもごも御注意、御意見等ございましたが、今後十分にその点を注意いたしまして、妥当にしてみなの納得のいく価額でもってこれが処分されるような手続を、十分注意をしてやっていきたい、かように考えます。

岡本富夫公明党

○岡本(富)委員 そういう抽象的でなくして、一、国会の議決を得る。二、株価の決定にあたってはこうする、こうする。こういうふうにひとつはっきりやってもらいたい。それでなければ終わらない。

後藤正記通商産業省化学工業局長

○後藤政府委員 第一、国会の議決を得べき事項、それから御報告をすべき事項については、必ずこれを順守いたしたいと思います。第二に、株価の決定につきましては、疑惑を招かないよう、また御疑問が起こらないよう、十分に措置いたしたいと思います。

岡本富夫公明党

○岡本(富)委員 もう時間が非常におそいから、私、簡単に最後に、次にはどうするんだということをきちっと聞いて終わろうと思ったけれども、これではちょっと終われませんので初めからひとり……。  まず、先ほどからも少しは論議がありましたが、政府出資の十億円の株は、これは去年の七月にすでに処分をしてしまっておる。そのときに三菱化成が三千百六十円、こういうように競争の入札をした。それに対してあとの随意契約では二千八百円になった。こうなった算出の根拠、これをひとつお聞かせ願いたいと思うのですが、どうでしょうか。

後藤正記通商産業省化学工業局長

○後藤政府委員 株価算定の方式には通常三種ございまして、純資産評価価額、それから配当還元価額、それから同種上場株価との比準価額、大体通例この三つございます。そのそれぞれによりまして算定をいたし、なおかつ民間の権威のある機関の意見をも徴しましたところ、おおむね二千百円から二千二百円、二千三百円前後の価額が、ぴしっと全部同じではございませんが、出てまいったわけであります。これと最高落札価額の三千百六十円とのほぼ平均値をとりまして、おおむね妥当なる価額は二千七百円から二千八百円という結論を得まして、これを通産省といたしましては大蔵省に提示をいたし、大蔵大臣はこれに対しましてそれでいいということで決定をいたしたわけであります。

岡本富夫公明党

○岡本(富)委員 大蔵大臣は通産大臣から相談があった二千八百円、これは適切であるということをどうやってチェックしたのか、あるいはまたどこに基準を置いてチェックして許可をしたのか、これをひとつ大蔵省から御答弁願います。

青鹿明司大蔵省理財局次長

○青鹿説明員 財政当局でございますので、また公の手続によってきめられました三千百六十円を基礎にして考えたというのが、私どもの基本的な考え方であったのであります。ただその価額が、先刻来通産省からも御答弁申し上げましたとおり、一般の原則からかなりかけ離れて高い。また二番札以下の入札の状況でございますけれども、これもかなりかけ離れておりましたので、このままその価額を適用することは困難であろうと判断をいたしたわけであります。  しからばどの程度まで現実に可能であるかという点になるだろうと思いますけれども、   〔浦野委員長代理退席、宇野委員長代理着席〕 この点につきましては、商法の二百八十条の二によりまして、株主以外の者に額面以上の有利な価額でもって株式を発行する場合に、市場相場よりも約一割から一割五分程度のところであるとするならば、おおむね公正と考えられるというような法務省の意見がございまして、ちょうど二千八百円が約一割程度の低い価額でございますので、大蔵省といたしましては、現実的な処分価額として随契処分をいたしましても二千八百円が一応妥当な価額ではないか、かように判断いたしました。  なお処分にあたりましては、通産省からもお話しいたしましたが、その直前の時点でもって銀行や証券会社や学者等の意見を聞きまして、一応二千八百円で処分いたしましても不適正ではないという確信をもって決定したのでございます。

岡本富夫公明党

○岡本(富)委員 これは国民の財産であります。国有財産法十一条に「大蔵大臣は、各省各庁の長の所管に属する国有財産につき、その現況に関する記録を備え、常時その状況を明らかにして置かなければならない。」その当時、この状況を明らかにして、そしてこの受け払いに対してははっきりした根拠をもっておやりになったというようないまお話でありますが、先ほどの答弁とちょっと違うのですがね。先ほどの答弁では、通産省から連絡があった、それをそのまま許可しましたというような答弁があったように思うのですが、どうですか。

青鹿明司大蔵省理財局次長

○青鹿説明員 もちろん価額の決定にあたりましては、十分通産省と協議いたしまして最終的に決定いたしておりますが、二千八百円に決定いたしましたときの私どもの判断の一つとして、いま申しましたような事情があったことを説明いたしたのでございます。

岡本富夫公明党

○岡本(富)委員 そこでこの価額につきまして、三菱化成が競争入札で三千百六十円、これはもう非常に高い値段だ、こういうことをいっておりますけれども、大体これは千円株ですから三倍余りです。こういうものの製品の一般市場価格を見ますと、ブリヂストンの五十円が三百円、こういうような一般市場の値段が出ている。したがって三倍だから高い、こういうようなことは言えないと思うのです。それはそれとして、そのときのそういうような考えでおやりになったと思いますが、国民の財産を競争入札で三千百六十円、こうした価額が出ておる。そしてそのあと九〇%、少なくともそこまでの線に持っていって随意契約をする、あるいはまたそれに近い線を出していままでの株主に渡すというのなら、これは話がわかりますけれども、あまりにもかけ離れた随意契約をしたという陰には、どういう法的な根拠があるのか、これをひとつお聞きしたいのですが、どうですか。

後藤正記通商産業省化学工業局長

○後藤政府委員 特に法的な根拠があるわけではございませんが、先般来お答えをいたしておりましたとおり、当時の二番札以下の一般の平均した応札価額とはあまりにもかけ違っているいわば政策的価額で三菱化成が落としたということで、さらにまた株価の算定方式でも、大体一般の二番札以下の応札価額と同じくらいの二千百円から二千三百円くらいというところで、飛び離れて三菱化成のものが高かったわけでございます。したがいましてその間、株の譲り渡し先の引き受け能力等も若干考慮いたしまして、そして二千七百円から八百円くらいが大体妥当だということで二千八百円に決定いたしたわけであります。  それから先生、先ほどブリヂストンの株価等を御引例になりましたが、その合成ゴム会社の製品とブリヂストン等のものは、これは製品的に、合成ゴムをつくりますのは、あくまでそうしたブリヂストンとかそういった最終製品をつくるところへの原料供給者としての会社でございまして、若干その間に性格の差異があると存じます。同種の同じような中間材としての合成ゴムをつくる会社の価額は、先ほど申し上げましたように、同種の会社の上場株式との比準価額において計算をいたして、参考といたしたわけでございます。

岡本富夫公明党

○岡本(富)委員 そこで、会計検査院の事務総長見えていますね。  この会計検査院法の三十七条、ここに、「会計検査院は、左の場合には予めその通知を受け、これに対し意見を表示することができる。」その第二号のところに、「国の現金、物品及び有価証券の出納並びに」云々というようなあれがありますが、会計検査院は、この株の売り渡しに対してあらかじめ何か通知を受けましたか。あるいはそれに対して答えを出しましたか、どうですか。

宇ノ沢智雄会計検査院事務総長

○宇ノ沢会計検査院説明員 三十七条の第二号は、「国の現金、物品及び有価証券の出納並びに簿記に関する規程」ですね、相手方の各省庁等における「規程を制定し又は改廃するとき」。それについてあらかじめ通知をもらいまして、これに対して会計検査院として「意見を表示することができる。」ということでございます。  それからもう一つの点、ただいま問題になっておりまする日本合成ゴムの株の売り払いに対して、あらかじめ協議を受けたかどうかという点でございまするが、会計検査院の職務権限は、歳入歳出決算の確認でございますので、あらかじめ前もってそういう相談を受けましても、これについて意見を表示するたてまえにはなっておりません。したがって、事前に本件の株式について具体的な内容まで大蔵当局からお示しを願って、御相談を受けたということはございません。

岡本富夫公明党

○岡本(富)委員 そうしますと、この日本合成ゴムは国策会社ですが、これに対するところの会計検査の責務はないということですか、どうですか。

宇ノ沢智雄会計検査院事務総長

○宇ノ沢会計検査院説明員 日本合成ゴムは、政府が一部出資をしておる会社でございますので、本院としましては、会計検査院法によりまして、必要と認めて指定をすれば検査ができるということでございます。ただし、これは政府の出資会社でございますので、大蔵省に検査に参りました際に、産業投資特別会計の検査の一端としまして、その出資財産が適正に管理されているかどうかというふうなこと、それから、日本合成ゴムに対しましては、日本開発銀行が相当融資をいたしておりまして、したがいまして、日本開発銀行の検査の際に、融資を通じまして、相手方の経営内容とか、そういうものについては一応目を通しておりますが、日本合成ゴムの会社まで乗り込んでいっての検査は、現在の法規のたてまえでは、指定をしない限りはできないというふうに考えております。

岡本富夫公明党

○岡本(富)委員 ちょっとおかしいですね。国有財産法の趣旨によりますと、第二条の第六号に株券、それから社債券、こういうようなものはみんな国有財産である、すなわち日本合成ゴムに対して出資した十億円というのは、国有財産だ。この受け払いに対して全然チェックしないというのはちょっとおかしいじゃありませんか。どうですか。

宇ノ沢智雄会計検査院事務総長

○宇ノ沢会計検査院説明員 その点は、国有財産ですから、当然検査はしております。したがいまして、会社からの配当があれば、その配当金が適正に受け入れられておるかどうかというようなことについては、これはもう会計検査院本来の検査のたてまえ上、十分その点はチェックいたしております。

岡本富夫公明党

○岡本(富)委員 この十億円の国有財産がすでに売り払われたわけであります。そうしていま審議しておりますところの法律が通ったとする、そうしますと、会社は何の拘束力もなくなってくる。それから当時売り払われた、すなわち昨年の七月の状態が不当であった、こういうふうに言ったところで、これはおそいでしょう。どうですか。

宇ノ沢智雄会計検査院事務総長

○宇ノ沢会計検査院説明員 先ほどから申し上げておりますように、会計検査院の検査は、歳入歳出の決算の検査でございます。したがいまして、四十三年度、つまり四十三年の四月一日から四十四年の三月三十一日までに行なわれた国の会計行為につきましては、これから実は検査をいたすわけでございまして、現在のことは別としまして、かりに七月ごろに検査に行きまして、国の出資がなくなったといたしましても、国有財産の売り払いという見地から、これについては十分な資料を関係当局から出していただきまして、その売り払いの価額が適正であったかどうかということについては、十分検討する機会はあるわけでございます。

岡本富夫公明党

○岡本(富)委員 まだいまなされていないのでしょうか、どうでしょうか。この売り払った株券についての会計監査はできていないのですか、どうですか。

宇ノ沢智雄会計検査院事務総長

○宇ノ沢会計検査院説明員 詳しいことは、私存じませんが、目下いろいろな資料を収集しつつある段階で、これから検査をやりまして、四十四年度中には何らかの結論を出したい、かように考えております。

岡本富夫公明党

○岡本(富)委員 この株の売り払いについて先ほどもだれかちょっと話がありましたが、通産省が許可をしたということになっておりますけれども、この原案は、おそらく、先ほども聞いておると、会社から出てきた、それに対して検討して、通産省が許可をした、こういうふうになっておりますけれども、会社側から出したその原案と、それから通産省がチェックして許可したその許可とどういう相違があるのか、ひとつお答え願いたいのです。

後藤正記通商産業省化学工業局長

○後藤政府委員 お答えいたします。会社から資料を提出せしめて、それに対して通産省がチェックをしたというたてまえではございませんので、通産省としてこの株の譲り渡しに対する検討をいたし、そして資料をつくって、これを通産大臣から大蔵大臣に送付したという経緯になっております。

岡本富夫公明党

○岡本(富)委員 ちょっとおかしいですね。先ほど、原案は会社のほうから提出さして、そしてそのままうのみにしたのじゃない、検討はした、会社のほうから出した――おそらく会社のほうから株の売り払いについてこうしてもらいたいという要請といいますか、そういう原案はお出しになったのじゃないですか。参考人で来ていらっしゃる川崎さん。

川崎京市日本合成ゴム株式会社副社長

○川崎参考人 原則的にこういうところとこういうところということにこまかになにはいたしておりませんが、在来の株主を尊重していただきたいという、そういう抽象的なことは通産省へ申し上げてありますけれども、どこへどうして、だれをどうしてというようなことは会社のほうからは言っておりません。

岡本富夫公明党

○岡本(富)委員 その当時のそれは、ちょっと私も、言っておりませんと言われると、ありますと言うわけにもいきませんけれども、おそらく旧株主と申しますか、もとの六〇%を持っておるその株主を守るために、あとの四〇%の政府出資の株の配分については、あなたのところから強力な主張が出ていると思うのです。これは出ていなかったらおかしいですよ。だから三菱化成に競争入札さして、一割三菱化成がこうやったということに対して、あなたのほうから意見も出ないし、あるいはまたこれは通産省だけで考えてそれでばっとやった、こういうことでないと思う。おそらくあなたのほうから大体の概略といいますか、こういうふうにしていただきたいというような書類申請といいますか、ただ口約束だけじゃなくして、何か出ておると思うのですが、その点どうですか。

川崎京市日本合成ゴム株式会社副社長

○川崎参考人 それは原則的に、たとえば株主はずいぶん優遇して、株主に大部分のものを割り当てていただきたい、それをお願いします、それからあるいは残りはたとえば金融機関を主にしていただきたい、そういうことは申し上げてありますけれども、どこへ幾らどこへ幾らというようなことは申し上げてありません。

岡本富夫公明党

○岡本(富)委員 まあそれは一歩譲ったといたしましても、当時の株の配分につきまして調べますと、大きなあれを見ると、三菱化成が十万株、ブリヂストンが三十万株、大協石油十二万株、協和醗酵が十二万五千株。そうしますと、三菱化成に十万株、これは高く売れたのです。それだけ国民が得するわけです。ブリヂストンが三十三万株――国民の財産になるようにもっと三菱化成に配分しても決して差しつかえなかったのじゃないか、こういうような考えが起こってくるわけですが、これはどうですか。局長。

後藤正記通商産業省化学工業局長

○後藤政府委員 当時一割を競争入札にいたしましたところ、三千百六十円で三菱化成が全部落札をしたのは御説明をいたしておるとおりであります。その後の段階におきまして、株の処分価格等につきまして、東京大学の名誉教授の鈴木竹雄先生の御意見等も参考のために通産省としては伺ったわけでありますが、明らかにこの三千百六十円というのは、株価の算定方式にあたって非常に高きに過ぎる数字だ、いわば経営政策的な価格であるということを先生もおっしゃっておられました。その書類が残っております。そんなようなわけで、当時といたしましては、三菱化成工業がおそらく、一割でなしに、国の所有の株式持ち分四〇%にあたる十億円分を、一挙に公開入札に付したならば、全額あるいは取得したかもしれない、そういう状態でありますと、せっかく国が今日まで合成ゴム業界の育成のために、その業界の中核的立場を保持させるために育成してまいった日本合成ゴム株式会社の経営権は、一私企業によっ壟断をされる、こういう事態が起こりかねないということを心配したわけであります。したがって三菱化成工業に全部この政府所有の持ち株を取得せしめるということは、高値でありまして、国庫へ収納する分はそれだけ高くなるかもしれませんが、もう一つの要請の、産業政策的な見地から見たならば、これは決して好ましい状態ではなかった、かように考えるわけであります。

岡本富夫公明党

○岡本(富)委員 そうすると、ブリヂストンのこの三十三万株、こういうようにこの会社に株を持たせますと、これはこの会社の経営権を云々したり、あるいはまたいままで政府が育ててきたこの会社を乗っ取るという懸念はありますか、どうですか。

後藤正記通商産業省化学工業局長

○後藤政府委員 この会社の設立の当時におきまして、すでにこれは国家がこれだけ強力なる庇護とそれから助成策を講じてまいったというのは、昭和三十年からこの会社設立の三十二年十二月当時におきまして、合成ゴム工業の前途というものは予測を許さない状態にあったわけであります。その一番草創期におきまして、はなはだ危険なるリスクをおかして当時の政府所有分でない民間分の六割に当たる分は、ブリヂストンもその筆頭の一人でありますが、ゴム工業者あるいは原料供給者、これがあえて進んでそのリスクをおかしてこれに出てきたわけであります。したがいまして、十年間の経緯に基づきますと、この会社の隆盛を来たした大きなファクターとなっておりますので、そういう従来からの株主に配分する点におきましては、突如飛び出してきてその会社の相当部分を一挙に落札して、その経営権云々という会社とは性格が異なるかと存じます。

岡本富夫公明党

○岡本(富)委員 そうしますと、国民の財産を守るためには、三菱化成も三十三万株まで、高いのですから、それだけ高く売っていいんじゃないですか。どうですか。これはいまブリヂストンが三十三万株ですよ。そこまで三菱にも持たしたって、あなたの論法でいけば、これは何も変わりはない、私はこういうように思いますが、どうですか。

後藤正記通商産業省化学工業局長

○後藤政府委員 それは、私、いまお答えが若干ことば足らずだったかと存じますが、一方のブリヂストンは非常にリスキーな段階においてすでにこの企業経営に株主として参加をして、十年間の実績を持って、その会社の育成発展というものに寄与してきた会社であります。したがいまして、ブリヂストンがそれだけ持つということと、それから一般公開入札によって、たまたまそのときは三菱化成でございましたが、それ以外のところがそれを持つということとは、意味が異なるかと存じます。

岡本富夫公明党

○岡本(富)委員 それはちょっとおかしいですよ。ブリヂストンはいままでの株主だから三十三万株持ったって別に主導権は握らない、ただし、三菱はあとから来たから三十三万持つとあぶない、そんな論法はちょっとおかしいと思いますね。これは同じことだと思うのです。これは、いままで国民の税金あるいは貯金によって、財政投資によって育ってきた、そうしてここまで来たんですから、今度は国民に少しでも多く返そう、そうする立場が私は通産省の立場でなきゃならないと思う。それをまだそれ以上に、おまけにこんな安い価格で、いままでの会社を守っていこう、そこまでしなくたっていいんじゃないか。したがって、もう少し――もう少しというとおかしいけれども、もう三倍くらい三菱化成に買わしたって十分いける、こういうことの結果になっていると思うのですが、これはどうですか。

後藤正記通商産業省化学工業局長

○後藤政府委員 その点につきましては、先ほど塚本先生からの御指摘もございましたように、ざらにもう一度時間をおいて、一〇%なり一五先なりを公開入札にする過程を経たほうがよかったんではないか、こういう御指摘がございました。岡本先生の御意見も大体そういうお感じかと存じまするが、当時におきましてはそういう手続をとらなかったわけであります。

岡本富夫公明党

○岡本(富)委員 当時そういうことをとらなかったということは、国民の財産をほんとうに守ろう、少しでも国民のためにしようという考えがなかった、こう解してよろしいですか。

後藤正記通商産業省化学工業局長

○後藤政府委員 お答えいたします。なるべく高い値段で政府の持ち株を処分をいたしまして、そうしてその分を国庫に収納するということは、これは確かに国民の財産を守る一つの方策であると存じます。会計法が、原則といたしまして公開競争入札と定めおるのもその趣旨によるところかと存じます。しかしながら、一方におきまして、産業が健全な発展をいたしまして、その結果において国民の生活一般が潤うようになってくる、国民の生活が経済レベルの上昇によって潤うという点も、これまた大事な国民の利益を守る一助かと存じます。そういう意味から申しまして、日本合成ゴム株式会社というものの株券の処分、それからさらに産業政策的な要請、それは結局のところ国民生活の福祉向上というところにつながるところかと存じますが、両方の要請がございましたので、かような方策をとったのでございます。

岡本富夫公明党

○岡本(富)委員 こればかりやっていると時間がなくなりますから、次に進みます。  ちょっと会社にお聞きしたいのですが、今度増資計画をするために、政府からいま出されておる法律を早く消してくれ、こういうことで四月に増資するという予定であった、こういうふうに聞いておりますが、これはもう間に合わぬと思うのですが、これでも会社として資金繰りが悪くならずにいける見通しがあるのですか、どうですか。

川崎京市日本合成ゴム株式会社副社長

○川崎参考人 なかなか困難なところはありますが、何とかそれはしのいでいくようにこれから努力するわけでございまして、全然不可能とは言えません。望みはあります。

岡本富夫公明党

○岡本(富)委員 そこで、聞くところによると、増資をする機会に現在の額面千円の株を五十円にしようというような考えがあるんだ、こう聞いておりますけれども、どうですか。

川崎京市日本合成ゴム株式会社副社長

○川崎参考人 確かにそういう案も持っております。しかし、一番初め立てた案とはだいぶずれてきましたので、再検討が必要かと存じます。

岡本富夫公明党

○岡本(富)委員 商法の二百二条ですか、「額面株式の金額」この第二項には、昭和二十六年七月一日以降の設立の会社の発行株式の額面金額は五百円を下ってはいけない、こういうようにありますが、この会社は三十二年に設立した会社です。いま大体五十円にしようというような話がありましたが、これについて大蔵省の証券局長どうですか。

広瀬駿二大蔵省証券局長

○広瀬政府委員 額面五百円ということは、商法にそのとおりの規定があるのですけれども、現実の市場の状況では、なかなかこれになじみませんで、五十円額面のほうが圧倒的に多い、五百円はほとんど例外的であるという状況でございます。

岡本富夫公明党

○岡本(富)委員 よく読んでくださいよ。昭和二十六年七月一日以降の設立の会社の発行株式の額面金額は五百円を下ってはいけない、こうある。この会社は三十二年です。いま五十円の株式額面にしょう、こういう考えを持っているのですが、あなたこの点についてひとつ……。

広瀬駿二大蔵省証券局長

○広瀬政府委員 お答え申し上げます。この会社の額面は千円でございますから、この五百円を上回っているわけでございますけれども、それを五十円にすることはできるかということですが、これは五十円の会社と合併することによって可能だと思います。

岡本富夫公明党

○岡本(富)委員 二十六年以前に設立された会社と合併することを考えているということを聞いたのですが、その社名が全く同じである、しかも名前だけで実際には事業活動をしていない、そういう会社と合併をしよう、こういうようなことを考えておるということを聞きましたが、その根拠は、これはもうずっと以前から考えておったのか、あるいはまたどういうことによっていつごろからそういう考えを持ったのか、これをひとつお聞きしたい。

川崎京市日本合成ゴム株式会社副社長

○川崎参考人 これから上場して増資をしようということになりますと、われわれもずいぶん前から検討をいたさなければいけません。そのために、証券業界に明るい人たちの意見をいろいろ聞きながら、こういうことも考えたほうがいいんじゃないかといって、そういう準備を一応してはおります。しかしながら、先ほど申し上げましたように、今日の事態になると、そのことは再検討しなければいけない、こう考えております。

岡本富夫公明党

○岡本(富)委員 証券局長にもう一ぺんお聞きしますけれども、商法二百二条、この条文が規定された経緯というのですか理由、二十六年七月以降の会社には額面五百円を下ってはいけない、こういうような法律ができたのは、どういう理由でそういうふうになったのか、これをひとつ説明願いたい。

広瀬駿二大蔵省証券局長

○広瀬政府委員 戦後の貨幣価値の変動と申しますか、インフレーションによりと申しますか、五十円の額面ではいかにも少ないじゃないかというところが理由かと思います。

岡本富夫公明党

○岡本(富)委員 そうしますと、なるほど法律的には二十六年以前に設立された何もしていない会社と合併する、そうしたら株価は法律的には五十円にしていい。しかし、商法二百二条ですか、この法律ができたということは、物価の上昇あるいは貨幣価値の下落、こういうことによって五百円にしょう、五百円以下にはできない、こういうことになったんでしょう。それを少し後退するようなやり方になるんじゃないですか。どうですか、これは。

広瀬駿二大蔵省証券局長

○広瀬政府委員 おっしゃるとおりだと思います。

岡本富夫公明党

○岡本(富)委員 そうすると、法的には何とかなる、しかし、商法の二百二条から後退するようなこういうやり方を考えておる。証券局長もそのとおりであります、こういう話でありましたが、そこで、後藤化学局長にお伺いいたしますけれども、そんな危険なことを考えておる会社をそのまま野放しにできますか。どうですか、

後藤正記通商産業省化学工業局長

○後藤政府委員 額面が千円であるということと、それから二十六年の商法改正以前にできた会社であって、額面五十円であるということは、会社の実質的な実勢にはさほど影響のないことかと存じます。

岡本富夫公明党

○岡本(富)委員 会社には影響ないですよ。しかし、三十二年に設立されたそういう会社は額面五百円を下ってはならない。これは先ほど話がありましたように、株価、物価の上昇あるいは貨幣価値の下落によってこうなった。法をくぐって、そしてうまく二十六年以前の会社と合併して五十円にしょう、そして市場に出そう、こういうようなことを考えておるこの会社に対して、あなたのほうは何の取り締まりもしないわけですか、どうですか。

後藤正記通商産業省化学工業局長

○後藤政府委員 先ほど川崎参考人から申し述べられましたとおり、会社の段階におきましても、吸収合併して額面を五十円にするという考え方はまだ固まっていないようでございます。通産省といたしましても、会社から正式にこの話は聞いていない段階でございます。しかし、先ほどお答えいたしましたように、証券市場の実勢というものが、いろいろな理由によって、額面五百円以上の額面の株式では十分に機能をしないという実態であるならば、むしろそれは商法の規定が今日の状態、実勢というものよりは先行してきめられたという段階で、そこに実害がなければ、そういう実態に即したような、しかもそれでいて他に影響を及ぼさず無害であるという方法をとられることは、やむを得ないことではないかと私は考えます。

岡本富夫公明党

○岡本(富)委員 ちょっとそれは危険な考えですね。要するに、こうした物価の上昇あるいは貨幣価値の下落によって、そういう必要性があって国会できまった。あなたがきめたのと違う。国会できめた法律です。その精神に逆行するような基本的態度をとろうとしておる。それに対して、それはやむを得ない、こんなことでは――現在まだこの法律は生きている。そのときでさえあなたはやむを得ないなどといって会社の肩を持っている。ですから、もしもこれを私たちが審議して、じゃ通しますというて廃止したら、これは何をするかわからない。この点ひとつ明らかにしてもらいたいと思いますが、どうですか。

後藤正記通商産業省化学工業局長

○後藤政府委員 若干お答えが不適切と申しますか、ことばの表現が不十分、不適切であった点は反省いたしておりますが、一般論として私個人の考えを申し上げたのでありまして、日本合成ゴム株式会社に関しましては、先ほどもお答えいたしましたとおり、額面五十円の会社に商法の規定をもぐってそういうぐあいにするという意思表示は、私ども現在まだ聞いていないのであります。

岡本富夫公明党

○岡本(富)委員 いま会社の副社長さんから、そういう腹案を持っている、こういう話があった。あなたはいま全然聞いていないという話ですけれども、聞いていなければ、もっと今後の会社のあり方というものをよく聞いて、そして法律違反をしないか――国会というものは遊びとは違う。商法二百二条をつくったのでも、あなたがいま言ったように、これは先のことであって、現在には当てはまりません、こういうような言い方、これは国会を侮辱した話です。そういう頭でこの法律を廃止しよう、これは当たりませんね。したがってもう一ぺんこの点を、私、理事会にもはかりますけれども、どうですか。一ぺん理事会にはかってもっと慎重にこれから先のこともよく検討した上でないとぼくはできないと思いますが、委員長どうですか。

後藤正記通商産業省化学工業局長

○後藤政府委員 私の先ほどの岡本先生に対するお答えり中に、不適切な部分のありましたことをおわび申し上げます。

岡本富夫公明党

○岡本(富)委員 これはわびられたってどうしようもない。商法二百二条にちゃんと合うように指導するのか、それともしないのか、ひとつそれを聞かしてもらいたい。

後藤正記通商産業省化学工業局長

○後藤政府委員 法律の規定は順守するように指導をいたしたいと存じます。

岡本富夫公明党

○岡本(富)委員 もう時間がありませんから、次に、現在国策会社として財政投融資を相当開銀からやっております。この未償還分がまだ七十億ある、こういうふうに聞いておりますけれども、大蔵省、大体いつごろこれについて償還さしていくか。  次に、時間がありませんからもう一つ聞いておきますが、今後、純然たる民間会社になったときに、やはり同じように財政投融資をする考え方を持っておるのか、それをひとつお聞きしたいのですが、どうですか。

戸田嘉徳大蔵省銀行局特別金融課長

○戸田説明員 お答えいたします。ただいま四十四年二月末で、仰せのとおり七十一億四千五百万円の開銀の貸し付け分がございます。これにつきましては、いずれもそれぞれ償還期限というものが貸し付けのときにきまっているわけでございます。おおむね十年前後でございますが、それに従って償還さしていく、こういうことになっております。  参考までに申しますと、いままで延べで百十四億九千万円貸し付けておりますが、それはいずれも元利とも遅滞なく償還されておりまして、ただいま申し上げましたような残高になっておるわけでございます。これらはいずれもその貸し付けのときの条件に従いまして償還さしていく所存でございます。  それから、これからの貸し付けでございますけれども、これは御承知のように、法律ができましたときに、その資金の確保に政府としては十分配慮することというようなことになっておりまして、それを受けまして、開発銀行において特別にこの合成ゴムの製造事業を育成するといいますか、そういう見地の特別の融資をやってまいったわけでございます。しかしながら、これらの特別な取り扱いの融資というものは、もうすでに今日では政府の持ち分も処分され、かつ法律もこうして廃止されようとしているような、つまりもう一本立ちした、こういうふうに判断いたすわけでございまして、開発銀行としては、そういう意味の特別な合成ゴム育成のための貸し付けというものは今後はやらない方針でございます。ただし、開発銀行にはそれとまた違った政策的な貸し付けがございます。たとえば、国産新技術というようなものを奨励するといいますか、そういう非常に国際競争力から見て好ましいというようなものについて、一般的にそういうような特別の貸し付けがございます。そういうものに該当するようなものが今後出ましたならば、それはまたそういう貸し付けの行なわれる余地はある、こういうふうに考えております。

岡本富夫公明党

○岡本(富)委員 時間がないから、もうどっちでもいくような話をしましたけれども、それはそれとして、日本合成ゴムと同じように国策の会社があります。たとえば電源開発あるいは日本航空機製造、こういうような会社がありますが、それについて――公益事業局長来ていますね。もしも、電源開発がこういうように成長して、そして聞くところによると、何か九電力の会社に払い下げるというような話をちょっと聞いたのですが、この場合にも、今後、どういうように処置をしていくのか。どんな対応策でやっていくのか。これをちょっと腹案があったら聞かしていただきたいと思います。

本田早苗通商産業省公益事業局長

○本田政府委員 電源開発株式会社の株式につきましては、本年度で額面額で六十億円を処分するという計画になっております。この処分につきましては、未上場の株でもございますので、処分価格を適正にする必要があるわけでございまして、公正な評価をする機関を使いまして、適正な評価を行なうようにいたしたいと存じておりますが、現在のところ、予算案として御審議願っておる段階でございますから、その後において検討するということに相なっておるわけでございます。

岡本富夫公明党

○岡本(富)委員 次に、航空機製造、これはYS11が非常に成績が良好になってきた。これも将来民間に移すような考えがあるのか。これは重工業局長に伺いたい。

吉光久通商産業省重工業局長

○吉光政府委員 日本航空機製造株式会社の政府持ち株につきまして、これを民間に開放するという計画は現在全然ございません。ただ将来の問題といたしましては、その可能性がないわけではないわけでございますけれども、その際におきましては、まず放出するかどうかという点について、関係省庁間で密接に連絡をとりながら慎重に判断させていただきたいと思います。  なお株式の評価の問題等につきましては、先ほど来合成ゴムの株式評価につきましていろいろと御意見をいただいておるわけでございますが、私どもといたしましても、関係省庁その他と密接な連絡をとりながら、慎重に対処してまいりたい、こう考えます。

岡本富夫公明党

○岡本(富)委員 時間が参りましたから、この点はこのくらいにしまして、最後に政務次官に……。  先ほどからずっとこの審議をやっておりますけれども、現在のこの日本合成ゴムのようなずさんな、これだけ審議しなければ――いよいよわれわれが審議するときには、株も売り払ってしまって何もない。要するに国民の財産はもうなくなっている。ここにおいていま、架空ではありませんけれども議論しておる、こういうことでなくして、やはり国会の議決を経る、あるいは株価の決定については審議会をちゃんと通す、こういうようにきちっとして、国民に疑惑を持たせないように、そうした前向きの姿勢になってちゃんとやっていくかどうか、これをひとつはっきりと決意を表明してもらいたいと思いますが、どうですか。

植木光教自由民主党通商産業政務次官

○植木政府委員 先日来非常に貴重な御意見を伺っております。先ほど中村委員の、国会の附帯決議も尊重していないではないかというような御注意もいただきました。その際お答えいたしましたように、経営の経過について御報告をいたしましたり、あるいはまた今回のような株の放出にあたりましては十分関係機関またその他と連絡をとりまして、公正な運営をしていくべきであると思います。いろいろお聞きいたしております御意見は、十分今後の通産行政の中に生かしてまいる所存でございます。

岡本富夫公明党

○岡本(富)委員 最後に提案ですけれども、会計検査院のほうもいままでの経過をよく聞いていただいたと思いますので、すでに売り払ってしまって、あとになってどうしようもなくなってから検査してだめだぞというのではなくして、やはりこの意見もいれて、そして公正な、あとで問題のないような行政を今後やっていただきたい。今度の日本合成ゴムについては、私は委員の一人とし、また国民の一人として、まことに残念に思います。今後は、国民の財産を守る決意を固めて、さらにがんばってもらいたい。これを最後にお願いしまして終わります。

宇野宗佑自由民主党

○宇野委員長代理 本日の議事はこの程度にとどめます。  次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日はこれにて散会いたします。    午後六時十九分散会

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